【インタビュー】有村架純 怒涛の20代前半を過ぎても、次々と訪れる“初体験”に胸躍る
“バランス”を重視「夢はあるけど、夢過ぎないように」
物語の大枠はファンタジーではあるが、その中で展開するのはあくまでも人間ドラマ。有村さんは原作と脚本を読んで「非現実的だけど夢のある物語。どこまでファンタジーなのか? 夢はあるけど、夢過ぎないようにできればと思いました」と現実とファンタジーのバランスを大事にしたと明かす。
有村さんが演じた数は、従兄で店主の流(深水元基)と共に店を切り盛りしており、彼女がコーヒーをいれることで、タイムスリップをさせることができるという、重要な役割を担っているが、彼女自身が抱えるある“過去”に関しても徐々に明かされていく。ここでも有村さんが重視したのは“バランス”。
「最初に言われたのは『数をミステリアスに見せたいから(コーヒーをいれたり、客とのやり取りを)淡々と義務的にやってほしい』ということ。でもやはり、どこかで数が持っている母性――常連客が『また来たい』と思える喫茶店であるということは、それなりの温かさ、優しく包み込んでくれる柔らかさがないといけないと思って、そのバランスをとるのが難しかったです」。
このバランスを重視する感覚は「慎重さ」と言い換えてもいいかもしれない。