【インタビュー】有村架純 怒涛の20代前半を過ぎても、次々と訪れる“初体験”に胸躍る
でも、潜るくらいならいけるかと思って(泳げないことを)言わなかったんですけど、やっぱりビビっちゃって…。久しぶりに水に浸かるし、(飛び込む瞬間の)水泡も撮らないといけないので、飛び込まないといけないんですよ。怖くなって10分くらい入れなくて、さすがに周りがザワザワしはじめて…『これは早く入らなあかん!』と飛び込んで、無事に3カット撮りました(笑)」。
ちなみにこの水中シーンも含め、この幻想的ながらも人の心を打つ人間ドラマを演出しているのが塚原あゆ子監督。長編映画の監督を務めるのは本作が初めてだが、TVドラマの世界では「夜行観覧車」「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」「重版出来!」「アンナチュラル」など話題の作品で演出を務め、多くの俳優がいま、一緒に仕事をすることを熱望していると言われている。
「コーヒーを入れて過去に戻る瞬間は、台本だけではなかなか想像しにくいんですけど、塚原さんは『コーヒーをいれて、上がった湯気が水滴になって落ちて…』と説明してくださったり、物事のつなぎ目、人間の感情のつなぎ目をしっかりと演出してくださるので、現場で安心できました」。
もうひとつ、塚原作品の特徴であり、ほかの監督と大きく異なると言われているのが、俳優がセリフを同時に話してしまったり、エキストラの話し声や足音が被ってしまうなど、ほかの作品であればリテイクになるような現場での偶然の事象を、気にせずにOKテイクとして受け入れてしまう部分。