2021年9月10日 17:15
『銀河ヒッチハイク・ガイド』『ギャラクシー・クエスト』… 驚きが詰まった宝箱のようなSF映画
の英雄たちに、悪者エイリアンと戦うため力を貸して欲しいと訴えてきたのだ。
始めは、思い込みの激しい“ファン”に困惑気味の俳優たちも、やがて彼らの話を信じざるを得なくなり、戦闘に巻き込まれていく。本作の大きな魅力は、SF作品へのオマージュを込めた傑作パロディであること。そこにひねりが加わり、冒険と感動が見事に織り混ざっていること。そして、サーミアンたちからの純粋な信頼を受けて、自尊心を失っていた落ち目の俳優たちが、自尊心を再び取り戻していくという良質な人間ドラマでもあることだ。
ありえない設定の数々、とんでもない急展開の波に飲まれながら、「そんなバカな」と大笑いしているうちに出演者たちに感情移入し、涙まで流してしまう始末だ。見始めた時と、中盤、終盤での感情の振れ幅がとにかく大きく、終演後の満足感も極上だ。アラン・リックマンのありし日の勇姿が観られるのも魅力のひとつとなっている。
意外な名作という意味では、『アイアン・ジャイアント』も紹介しておきたい。手書きのタッチが可愛らしいアニメーション作品なので、子供向けと思いきや、大人が観れば物語の深さを味わうことが出来るだろう。舞台は1957年のアメリカ。