くらし情報『今、男に求められるのは"普通"にしがみつく手を放す勇気 - 『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』』

2015年8月6日 07:00

今、男に求められるのは"普通"にしがみつく手を放す勇気 - 『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』

と言いたくなることも多い。

しかし、男性の"思考停止する力"をなめてはいけない。著者は、都心部の満員電車の過密度が奴隷船並みであるにもかかわらず、アンケート調査で「通勤時間が苦痛だ」と答えた人が35%しかいなかったことを例に挙げ、どんなに理不尽なルールも、当たり前で仕方のないこととして受け入れなければ生きていけない、と思わされている男性の抑圧を指摘する。この社会は、男性の感情を鈍感にさせておかないと機能しないようにできているのだ。

○「男」ではない「自分」の感情に素直になろう

この原稿を書いている私自身も、「男らしくない」自分に引け目と負い目を感じながら、劣等感と焦燥感と孤立感の三角食べで卑屈さをこじらせ、ちんけなプライドを守る逃げ口上ばかり上手になって、ここまで生き延びてしまった自覚がある。

小さい頃からひとり遊びが好きでスポーツが苦手だったせいで、同年代のやんちゃな男子の輪に入って競い合ったり自己主張したりすることができない子どもだった。その代わり、先生に言われた通りにしていれば評価される「優等生」キャラになることで自尊心を守っていた。

思春期には、盛り上がるとすぐ脱いで裸を誇示するような、下品で粗野な体育会系のノリが心底嫌いだったが、その嫌悪感の正体が自分の貧相なエヴァンゲリオン体型へのコンプレックスと、たくましい男子が女子からモテていたというルサンチマンだったことは間違いない。

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