なぜ痴漢冤罪保険に加入? 北海道警察の不祥事テーマ問題作、映画プロデューサーの今だから言える話
撮影に入る前、北海道のロケハンではすすきのの方々のお話もうかがうことができました。映画宣伝の中でも「日本警察史上、最大の不祥事」と言っていますが、この作品にかかわるまではそこまで知らなかったというか。ただ、現地の人にとっての「稲葉事件」は今でも語り継がれるほど相当なインパクトだったようで。みなさんのお話をうかがって、「フィクションとして製作するとはいえ、北海道での全面ロケは困難を極める」と確信しました。
三重の撮影では当然、道路使用許可の申請手続きをするんですが、書類には「どういう映画なのか」を書かなければならない。そこで嘘をついてしまうと、虚偽の申請となってしまいます。正直に映画の内容を伝えたところ、三重県警の方々は半笑いでしたが、撮影にはしっかりご協力いただきました。三重県警は三重県警、北海道警は北海道警。
警察組織は「縦割り」なんだとあらためて感じた瞬間でした。
――劇中でもそんなシーンがありましたね。
ええ。野次馬が集まると、三重県警の方々がてきぱきとさばいてくださいました。「なにかあったら何時でも声をかけてください!」と非常に協力的で、本当にありがたかったです。
――わずか数日の北海道ロケというのは?
夏に数日、その後、冬場に夕張という設定で撮影しています。