2012年8月5日 15:20
【エンタメCOBS】もっと効率的に勉強する! 予習の効用
また、テキストを目で追うだけでなく、手で書くとか口に出して読むのも有効です。脳のいろいろな部位を使うので、やはり記憶に定着しやすい。今は便利なものがいろいろありますが、アナログのほうが忘れにくいです」
――やっぱり、ある程度苦労しないとダメですね……。
「スピード勝負の調べ物などには便利なものをどんどん使うべきですが、記憶を定着させるには、苦労したほうがいいです。例えば、電子辞書より本の辞書のほうが手でめくった感覚が脳に伝わり、理解力や記憶力も増すでしょう。
あと、現代人は、深くものを考えるということが減っているように思います。あふれる情報を処理することに忙しくて、一つのテーマをとことん考え抜く機会が少ないと、脳が活性化することが減ってしまいます。
たまには哲学的な問いをとことん考えてみるとか、名著と呼ばれる古典を読んでみるとか、知らない人と会話するとか……。
パズルのように、知識はさほど必要としないけど頭を使う遊びもいいですね。上手に脳をリフレッシュしながら勉強すると、より効率的です」
――ありがとうございました!
(取材・文/島田彩子)
塩田久嗣(しおた・ひさし)
1962年生まれ、脳科学者。