【『恋せぬふたり』感想 第1話】寂しくない人生と我慢はそもそも天秤か・ネタバレあり
とりわけNHKは、これまで性的マイノリティを描いたドラマの秀作を送り出してきた。
テレビドラマ『弟の夫』『女子的生活』(2018年)、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(2020年)これらの一連の秀作の中に、おそらく今作『恋せぬふたり』(NHK月曜22時・主演岸井ゆきの/高橋一生W主演)も入ることになるのだと思う。
価値観を揺さぶる、ドラマ『恋せぬふたり』
今作が描く性的マイノリティは、『アロマンティック・アセクシャル』。
大まかに、乱暴に言ってしまえば、他人に恋をしない・他人に性的に惹かれないことが指向という人たちのことである。
最初に概要を見た時にまず思った。そういう、恋愛にあまり興味のなさそうな、世間でいうところの淡白な人は自分の知人にもちらほらいる。そういうのとは違うのか。
はたまた、最近巷に溢れている偽装結婚から何だかんだで恋愛になってしまうパターンのドラマ(それはそれで定番として楽しいが)なんじゃないのか。
※写真はイメージ
だが、実際に初回を見て、すぐにそういう定型を徹底的に、用心深く取り除いた作品だということがわかった。
主人公の一人、兒玉咲子(こだまさくこ岸井ゆきの)