【『オールドルーキー』第1話感想】37歳、人生の挫折と向き合う綾野剛 表情豊かな演技に視聴者も感情移入
そう主人公が身を呈して教えてくれたのだが、ドラマとはいえ、初回から目をそむけたくなるような残酷なスタートである。
これまでスポーツや仕事などで大きな挫折の経験がある人は共感できる部分が多かったのではないだろうか。
綾野剛の表情豊かな演技に視聴者も感情移入!
数々のドラマを視聴してきたが、ここまで陰と陽のキャラクターを上手く使いこなす俳優は他に出てこない。
最近だと『アバランチ』『MIU404』『恋はDeepに』『コウノドリ』など、どれも違った綾野剛を楽しむことができた。
声のトーンが高く、ヘラヘラとした様子で喋るのも綾野剛であり、ドスの効いた声に鋭い目つきで睨むのも、微笑みながら包み込むような優しさを見せる姿も綾野剛なのである。
ここまで対照的なキャラクターを演じ分けながら、どちらを見ても「綾野剛だ!」と認識させられることに感心する。
そして本作の綾野剛は陽の印象が強い。
いつもニコニコとしていて、よく喋り、周囲を明るくするタイプだ。
サッカー選手というみんなの憧れであるからこそ、キラキラとした弾ける笑顔が似合う。
初回では、そんなキャラクターが世間の厳しさを目の当たりにし、徐々にプライドがボロボロになっていく姿を綾野剛ならではのキャラクターで演じて魅せた。