2022年7月21日 19:18
【石子と羽男 第1話 感想】「おもしろい」だけでは終わらせなかった第1話・ネタバレあり
予想外。計画が崩れてしまった羽男はまたフリーズしてしまう。そしてバトンを貰って前へ出たのは石子だ。
「なぜ、声を上げないんですか?」
石子のこの言葉が重く響く。誰しも声を上げることが情けないと感じてしまう。
自分よりも大きな存在を動かすことなど、自分にはできないし、誰かに頼ったところで現状が変わるとは考えられないのだ。
弁護士に相談するのは最終手段でしかない。だが、石子はこう続け、私たちに大切な法律への向き合い方を教えてくれた。
「声を上げていただかなければ、お手伝いできません。ぜひ法律を上手に活用し、幸せに暮らしていただければと存じます」
まず声を上げなければ、自分の人生を守るために皆に平等にある法律が意味をなさない。
人間関係を円滑にするためのルールを活用することは、何も間違っていないのだ。
そして、沢村はその再生ボタンを押すのだ。いつも近くにある法律というセーフティーネット、そして近くにいる大切な仲間である大庭を信じて。
夕日の裏で二人を映すカットに言葉はなかった。声を上げる大事さを描いた後だからこそ、言葉は必要ない確かな友情が形として際立っていたように思う。