【『初恋の悪魔』感想7話】ひとさじの想い出を抱いて・ネタバレあり
休職があけた変わり者の捜査一課の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、穏和だが自己主張できない警察署の総務担当・馬淵悠日(仲野太賀)、優しいが目ざとくてちょっと面倒くさい経理担当の小鳥琉夏(柄本佑)、そして二重人格で2つの生活を彷徨う生活安全課の刑事・摘木星砂。
組織からはみ出している4人は『自宅捜査会議』と称して、勝手に捜査一課の事件を推理するうちに、やがて5年前に起きた少年殺人事件にたどり着く。
更にその事件は、悠日の兄で刑事だった馬淵朝陽(毎熊克哉)の3年前の殉職事故に加え、もう1人の星砂の恩人・淡野リサ(満島ひかり)が犯人として逮捕された殺人事件と一本の線で繋がっていた。
そして今、更なる類似の殺人事件が発生し、過去と同様に不自然なほど証拠が揃いすぎている容疑者が浮かび上がる。
このドラマの中で、主要部署の捜査一課は、権力と治安であり、社会の多数派を現すものとして描かれる。彼らは少しでも早く順当な落とし所を見つけ、そこに向けて効率よく事件を解決しようとするため、時折こぼれ落ちている、自分たちの仮説に相反する真実の欠片は見てみないふりをする。
今回の殺人事件の容疑者は殺された青年の恋人だが、おそらく社会一般的に見てあざとすぎて無言のまま反感を買うタイプの女性である。