【石子と羽男 第8話 感想】明かされた石子と綿郎の過去 なぜ敬語を使うのか…
その時、隠れ家を貫く思いの裏にある、母親の犠牲を訴える洋が父に意見するも反論され、口論になり、それから会っていないのだという。
なぜアドバイスに耳を傾けようとしないのかが気になる石子に、綿郎(さだまさし)は「お客さん第一にっていうのは、僕もよくわかる」と反応する。
それに対し、石子が続ける。ここから描かれるのが石子と綿郎、家族の過去だ。
「ずぶ濡れの人に傘を差し出すことで、他の誰かが濡れることになってもいいんですか?」
石子には、綿郎の言葉を聞き流すことができなかった。依頼者家族の関係と、通ずる部分があるのだ。
綿郎が採算度外視で依頼を引き受けてきても、母は何も言わず、事務員とダブルワークで働いたが、その生活も限界を迎え、離婚。
誰かを助けるために綿郎が傘を差し出した後ろで、一人ずぶ濡れになりながら、亡くなるまで石子を支えた。
だが石子も、法に携わる人間として、多くの人を助けてきた。
綿郎の背中を見て、依頼者のお手伝いができる弁護士になることを決めたのも事実である。
しかし苦しんだ母親のことを思うと、綿郎への尊敬の気持ちがすぐには戻ってこないのだ。ずっと敬語なのもそれが理由だった。