■これまでのあらすじ36歳にして外資系企業に勤め年収一千万を稼ぐ夫のすぐるは、夢のマイホームで妻・娘ふたりと暮らしています。一見幸せに見える家族だが、夫は都合の悪いことが起きると自分の非は認めず被害妄想と極論で妻を黙らせそうとする面倒臭い男。さらに「家事育児は妻の仕事」と言う亭主関白ぶり。そんな面倒な夫の機嫌を損ねないよう妻は日々気を遣い、SNSに夫の愚痴を呟くことでストレスを発散していました。ある日すぐるが家族を遊園地に連れて行くとその日は休園日。確認を怠ったと妻に責任転嫁し、泣いて悲しむ娘を理不尽に怒鳴りつけたことで堪忍袋の緒が切れた妻は夫をひとりで帰宅させました。その後娘たちと共に実家へ。勝手に実家に帰った妻を電話で怒鳴りつけるすぐる。妻はその一部始終を両親に聞かせていました。自分に非はなく、妻と娘を何不自由なく生活させてあげていると思っているすぐるに、今まで自由なんてなかったと妻は反論。しかし、昔の女性たちは家事も育児も完璧にこなしていたのだから、ただの怠慢だとすぐるは言い出して…。 ■今と昔では子育てのかたちが違う■感謝の気持ちを毎日伝えてきたのに…昔と違って、ワンオペで家事育児をこなさなければならない母親たちが増えていることを理解していないすぐる。孤立無援で、励ましてくれる人もいなくて、かすみはどんなに心細かったことでしょう。疲れて仕事から帰ってくれば当たり前のように温かいご飯があって、疲れを癒すお風呂が沸いていて…。しかし、これらは当たり前ではないのです。かすみはこれを理解しているからこそ、毎日欠かさずすぐるに「お疲れ様」「ありがとう」と労わりと感謝の気持ちを伝えていました。しかしすぐるは妻を気にかけることもなく追い詰めるだけ…、そんな夫にかすみの愛はついに尽きてしまったのでした。次回に続く「極論被害妄想夫」(全65話)は17時更新!
2024年01月26日付き合っていた時は、夫の正体に気付けなかった…気づいた時には、もう彼から逃げられなかった。なぜか妻が失敗すると嬉しそうな夫。実は彼は、妻を貶め支配したがる夫だったのです。妻を孤立させ、依存させて逃げられなくさせる彼の魔の手にハマったレイの運命は…?失敗を慰めているようで…楽しんでる?妻の失敗を聞いてなぜか不気味に笑う夫…。それからというもの、夫は目を輝かせて仕事で何か失敗しなかったか聞き出そうとするようになったのです。孤立させ、依存させる夫のやり口そんなある日、突然レイのスマホが故障してしまいました。自尊心を奪ったり、外部との連絡手段を断ったり…巧妙なやり方で妻の正常な判断能力を奪い逃げられなくしていく夫のトオル。ついにレイは彼の実家に連れていかれ、そこで異常とも言える生活が始まります。お金も外部との連絡手段も断たれたレイは逃げ出せるのか…。こちらは2023年9月29日よりウーマンエキサイトで公開された漫画です。漫画に対する読者からのコメントをご紹介します。妻が困ってるのが嬉しい?!優しさを装って実は妻を洗脳し支配しようとする夫のトオルに、読者から「キモチワルイ」の悲鳴が!・トオルってモラハラ夫じゃないのかな? 妻と10才以上離れているのも、支配したい為に…という感じがする。会話もアドバイスというより上から目線の命令や強制だし。・30も超えたいいおっさんが10歳も年下の妻にマウント取ってどや顔とかキモくない? まだ21歳でしょ。これから学校に通って手に職をつけ、二度と再びこんなあほに引っかからないような自信をつけて人生やり直しましょう!!・立派なモラハラ夫です。しかも狡猾。誰かに相談して。早く目を覚まして。この男から逃げて。レイと同じように、支配したがる男につかまってしまったという衝撃的な体験談も。みんな、早く逃げて!・「妻が困っているのが嬉しい」という心理の一端が分かった気がします。我が家も同様です。私はたまたま、相談できる女性上司がいたため、何があっても仕事は続けて自分の力で生きて行けるようにと言われて「生きる」ことに目がいった。・うちの夫も似たところがあります。・元夫を思い出してゾワゾワしながら読むのが止められません… 彼らにとって妻とは「自分専用のドアマット兼サンドバッグ兼家政婦兼(外面用の)ベビーシッター」なのだと思います。兼業多すぎるわ!! ドアマットなので、汚ければ汚いほどうれしくてたまらないらしいです。・元夫も、7歳下の私と結婚しておいてモラハラと経済DVで、私が苦労して周りから「同じ年に見える」と言われたとき私は絶望しましたが、元夫は高級グルメでも食べたような至福の表情で笑っておりました。人を支配し不幸を喜ぶ人間って実際にいるのですね…。精神的な攻撃や束縛は、当事者ですら何が起きているかわからないことがある様子。パートナーの不幸を喜ぶような人からはとにかく逃げた方がよさそうです。▼漫画「妻の不幸を喜ぶ夫」
2024年01月02日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「孤独・孤立対策推進法」です。社会全体の課題。官民連携により急ピッチで進む。今年の通常国会で「孤独・孤立対策推進法」が成立しました。孤独や孤立は、「個人の努力が足りない」ものでも、「仕方のない問題」でもありません。社会全体の課題で、社会で解決しなければいけないと、本腰を入れることになりました。この法律は、国主導でできたものではありません。長年孤独・孤立対策や貧困対策などを進めている「自立生活サポートセンター・もやい」や、24時間365日無料・匿名チャット相談を行っている「あなたのいばしょ」など、現場の窮状を知るNPO法人の方々が、前政権時代から「官民で連携してほしい」「国が司令塔となってほしい」「自治体が積極的に対処できるよう目標を定めてほしい」と働きかけていました。これにより、一昨年、孤独・孤立対策担当大臣が生まれ、本法律が成立に至ったのです。基本理念には、「孤独・孤立の状態は人生のあらゆる段階において何人にも生じ得るものであり、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図ることが重要」と書かれています。基本的施策には、国民の理解増進や相談支援の推進、地方公共団体と支援関係者の連携・協働の促進などが盛り込まれました。地方公共団体には孤独・孤立対策地域協議会を設置する努力義務を課し、それを作らない地方公共団体には注意ができるようになります。自殺者数はコロナ禍を機に一気に増えました。令和4年の自殺者数は2万1881人で、前年よりも4.2%増。女性は3年連続で増え続けています。最近では、奨学金の返済苦を理由に自殺をしたと考えられる人が、昨年10人いたという嘆かわしいニュースもありました。女性や子供、若者が孤立しやすい状況のなかで自殺者数が高止まりしており、対策は急務だと、スピーディに法案が可決されました。イギリスや韓国でも自殺者数は増えており、孤独や孤立対策の必要性が謳われるようになりました。日本が世界に先駆けて、この問題に取り組むことにより、そのノウハウを世界に提供できる可能性も出てきます。いま世界の分断は進んでいますが、同じ問題を抱える国同士、国際協調が進み、課題解決がなされることを願います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年8月9日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年08月05日努力をするのが発達障害当事者だけというのは、アンフェアでは?そこからスタートしたオールマイノリティ・プロジェクトUpload By 発達ナビ編集部All Minorities Project(オールマイノリティ・プロジェクト)は、発達障害の当事者が社会的孤立・孤独に陥らないフェアな社会の実現を目指すプロジェクトです。本プロジェクトの代表である千葉大学の子どものこころの発達教育研究センター大島郁葉先生にお話を伺いました。LITALICO発達ナビ編集部(以下――)オールマイノリティ・プロジェクトとはどういうものか教えていただけますか?大島郁葉先生(以下大島先生):オールマイノリティ・プロジェクトは、「社会的孤立、孤独の予防」をテーマにした五ヶ年計画のプロジェクトです。マイノリティの中でも、発達障害のある方に着目しています。私の専門は自閉スペクトラム症(ASD)で、支援者の1人として発達障害のある方と関わることが多いのですが、努力をするのが当事者だけというのはアンフェアではないかとずっと考えていました。なぜなら、 発達障害のある方たちが感じるつらさの一部は、マイノリティの人たちへの無配慮であったりとか、偏見、差別といった非常に心理社会的な問題であったりします。ですが、マジョリティ※1はそれに気づかず、ただ当事者の方たちが一生懸命適応しようと頑張っている状況だからです。例えば、通常学級に在籍している場合、当事者は通常学級に合わせようとかなり過剰適応していたりします。その上、かなりのコストをかけて、心理療法やさまざまなトレーニングを積ませるのは、アンフェアです。ですので、このプロジェクトを機に、当事者の方たちを努力させるのではなく、周りのマジョリティがマイノリティとの非対称性を認知し、悪意なくおこなってしまう差別的な言動に気づく仕組みづくりをしたいと考えています。われわれが生きる社会は、片方に権力が偏ることなく、それぞれみんな等しい人権を持つべきです。みんながマイノリティであるという社会にしていった方がいいという想いを込めて、「オールマイノリティ」という言葉を使いました。※1 マジョリティとは、「多数者」や「多数派」を意味する言葉ですが、単純な人数の多さだけではなく、「強い発信力がある」、「優位な立場にある」といった、より多くのパワー(権力)持つグループを指す場合もあります。オールマイノリティ・プロジェクトでは、後者の「強い発信力がある」、「優位な立場にある」という意味でマジョリティという言葉を使用しています。――仕組みづくりとは具体的にどのようなものになるのでしょうか?大島先生:マジョリティ、例えば支援者たちがマイクロアグレッション、つまり見えない差別に陥らないような、心理教育のためのツールを作りたいと思っています。具体的に言うと、何回か研修会を実施した上で、自分のマジョリティ性や、マイクロアグレッションの癖みたいなものを確認できたり、あのときの発言はどうだったとか自分で振り返れるようなセルフモニタリングできるアプリです。われわれ支援者は、支援するスキルはある程度持っていますが、実は当事者に対する偏見とか見えない差別に対しては、全くといっていいほど教育を受けていません。ある意味本人次第で対応しているところがあると思います。そんな中、このアプリを使うことで、自分で気づいて発言や行動をコントロールできるようになれば、当事者の方たちが不当な扱いを受けることを減らすことができます。また、支援者だけでなく保護者の方やそのほか多くの方にご利用いただき、自分の行動がマイクロアグレッションになっていないかご確認いただきたいです。これを本プロジェクトの5年後のゴールとしています。Upload By 発達ナビ編集部――とても興味深いアプリですね。このアプリはマジョリティ向けとのことですが、発達障害当事者の方も使えますか?大島先生:そうですね。当事者の方も使うことはできるとは思います。「私はやっぱり嫌なことを言われていたんだ」と気づけることがあるかもしれません。そこで「仕方ないって思わなくてもいいんだ」と知って、役立てていただきたいです。「なんでできないの?」「普通に見えるね」。当事者が日常的に受けているマイクロアグレッションに多くの人は気づいていない――先生が実際に見たマイクロアグレッションには、どのようなものがありましたか?大島先生:まず多いのは、「なんでできないの?」でしょうか。私は成人や思春期以降の方にお会いすることが多いんですけれども、みなさん口を揃えておっしゃるのが「みんなと一緒にできない」ということです。ほかの人ができないことができてしまう場合もありますが、自閉スペクトラム症のある方で、みんなが当然のようにできることができなかったりすると、「なんでできないの」と悪気がなくても言われることが多いです。そう言われた当事者は「自分は劣った人間なんだ」と、自分の中で結論づけてしまいます。また、変に解釈されてしまうこともありますよね。みんなと一律にできないことを、先生が「わがまま」と決めつけたりすることなどです。以前、大人の当事者の方が話してくださったのですが、小学校のとき(過敏などの特性があって)給食をほとんど食べられなかったら、先生から「そんなんじゃ小さいまま成長が止まって、大人に一生なれないよ」と言われたそうなんです。他にも「親のしつけが悪い」と親のせいにされたりとか…。人を傷つける、許してはいけない言葉です。大人の場合は、「あなたは自閉スペクトラム症の中でも優秀な方だよね」とか、 「発達障害でもきっと幸せになれるよ」といったことを言われる場面もあります。これらには『発達障害は幸せじゃない』というメッセージが隠れています。ほかにも「普通に見えるね」、「全然バレないから大丈夫」、「第一印象いいから大丈夫だよ」。こうした言葉も、一見褒めているように思われがちですが、『発達障害があると嫌われるけど、バレてないから平気だよ』というメッセージがその背後にあります。言われた本人は非常に気持ち良くないですし、傷つく言葉です。ほかにも、実際に言われた言葉だけではなく、例えば本のタイトルなどでよくある「発達障害を克服する」とかは、克服しなければいけないものだと考えているということですし、カサンドラという言葉は「人に迷惑かけるんだ」というメッセージになります。あと、ドラマなどで、”発達障害のある方の役柄が天才”ということもよく目にするのではないでしょうか。そうした、ステレオタイプのキャラクターが実は多いですよね。それをみて「自分は天才じゃないから意味はない」と思わされるということもよくありますね。こういったマイクロアグレッションはあらゆるところに転がっていて、それを毎日毎日当事者たちは受けているのが現状です。Upload By 発達ナビ編集部――発言した当人も、相手を傷つけてしまうことに気づいていないものもありそうです。もし、このようなマイクロアグレッションを受けた場合、当事者はどのように反応するべきなんでしょうか。大島先生:とても健康的で自信がある人ならば「それは違うんじゃない」、「それはこういう意味に捉えられて嫌なんですけど」と言い返せればいいのですが、そういうことができる人はほんの一部だと思います。あとは、「違うよね」とディスカッションできる理解者、仲間が近くにいると、認知的変容ができるかもしれません。ですが、いない場合は難しいでしょう。セクハラやパワハラと一緒で、マイクロアグレッションを受けた側はメンタルヘルスが阻害されて、落ち込んだり傷ついてしまいます。また、権力を持っている学校の先生や支援者といったマジョリティの方を、発達障害の人は上に見てしまいます。そうすると、パワーがある人たちが言っていることは正しいし逆らえないと思ってしまい、彼らから言われた言葉を「私はそうなんだ」と信じてしまいます。ですので、やはりマイクロアグレッションがないことが1番ですね。――オールマイノリティ・プロジェクトのホームページにある”COMIC”というコンテンツの中にマイクロアグレッションをテーマにしたマンガがありますよね。この中で、発達障害があることを告白した方が、悪意のないマイクロアグレッションを受けていますが、先生だったら、発達障害だと告白された場合、どのように答えるのが適切だと思われますか。大島先生:そうですね。「そうだったんだ、知らなかった」とか「言ってくれて ありがとうね。なにか気をつけることあったら教えてね」という感じがいいでしょうか。相手との関係性によってかける言葉も違いますので、あまり親しくない人か言われたらちょっと慌ててしまう人が多いと思います。 どう答えるかは難しいですね。このマンガにあるように、悪気のない行動でも、マイクロアグレッションとして成立してしまいます。このように起こりうるものだと自覚すること、悪気はなくても当事者にはすごくダメージがあることを知識として社会が意識していけるようにしたいですね。――ありがとうございます。障害は当事者ではなく、周りの方にあるというお話につながっていくと思いました。相手に合わせる「社会的カモフラージュ」で、発達障害のある方たちは疲弊している――2023年4月23日(日)に開催された本プロジェクトのシンポジウム「マイノリティに対して、社会の認知や行動は変容するか?」では、発達障害のある方たちが取る社会的カモフラージュに触れていらっしゃいました。こちらについても教えていただけますか?Upload By 発達ナビ編集部大島先生:社会的カモフラージュとは、自閉スペクトラム症の方たちが定型の社会に馴染むために取るような、 普通の人のような振る舞いのことを指します。例えば 、大して興味はない流行りのものをみんながいいねと言っていたら「そうだね」と合わせる、といったことです。仲間づくりをしたいとか、嫌われたくない、印象良くしたいという思いは誰でもあります。普通でないもの、つまり異質なものは世間から排除されてしまいがちですので、その異質さを消すように印象を管理し、周りに合わせて振る舞う。自分に対する批判や攻撃を避けるための行動ですね。――定型発達と言われる人も、そのような行動をとることはもちろんあると思います。ですが、やはり発達障害のある方たちの場合は、心身への負担感が違うのでしょうか。大島先生:そうですね。調査の結果、発達障害のある方の社会的カモフラージュは定型発達の方より非常に多く、長時間行っていることが分かっています。また、特性的にも、やりたくないことをやることに苦痛に感じる方たちです。このカモフラージュ行動自体非常にストレスです。よくも悪くも柔軟な定型発達の人であったら、まあいいやと本心では違うと思っていても、周りに合わせたりできますが、自閉スペクトラム症のある人が無理をしてそのような行動をとると、嫌だったという感じがずっと残ったり、過剰な負荷によってメンタルヘルスに非常に悪影響を与えてしまいます。つくり笑い一つとっても、意識して顔の筋肉を動かし、一生懸命笑顔をつくることはとても疲れると教えてもらったこともあります。マイクロアグレッションの概念が出てきたのは、10年ぐらい前です。社会的カモフラージュはここ5、6年ですね。海外のコンテンツですとマイクロアグレッションの動画や解説は結構ありますが、日本にはほとんどありません。日本では当事者の人権をどう守るかという視点が遅れていますので、このプロジェクトで多くの人にこれらのことを知っていただきたいと思っています。――日本もこういう知識をきちんと得て、マイノリティを含むすべての人々が生きやすい社会をつくっていくっていくことがとても大切だと思います。最後に、LITALICO発達ナビの読者へ、メッセージをお願いします。大島先生:現在の日本の一般的な公教育は、定型発達、マジョリティの人にとっても画一的で非常に厳しい面があると思います。私は、発達障害のある方たちがこの公教育に適応しなければいけないとは到底思いません。たとえ頑張って適応できたとしても、ストレスが溜まってしまい、幸せで楽しく、自発的に好きなことに取り込むという日々から遠ざかってしまうからです。お子さんが学校生活に適応しづらいと思い詰めている方がいらっしゃったら、どうか思い詰めずにお過ごしいただきたいです。また、診断があるお子さん、ないお子さんともに、個性的な面が多分におありになると思います。「もっとこうできれば」と思うとそこに目がいきがちですし、親御さんはさまざまなことが気にかかりでしょうし心配してしまいますよね。それがお子さんの長所だとしてもです。私の専門は自閉スペクトラム症ですが、自閉スペクトラム症のあるお子さんから大人まで一貫して言えるのが、みなさん本当に素直で誠実で、裏表なく、人間として素晴らしい素質がいっぱいあるということです。そういったところを見てあげるといいと感じています。――ありがとうございました。※クリックすると発達ナビのサイトから『オールマイノリティ・プロジェクト』のページに遷移します。Upload By 発達ナビ編集部開催日時<リアルタイム:当日参加>2023年7月23日(日)13:00〜16:30※12:50開場予定。前後することがあります<見逃し配信>2023年7月23日以降設定完了次第~8月23日(水)23:55開催方法ウェビナー形式(Web会議システムZoom)参加費無料内容第1部:基調講演「発達障害のある人の社会的孤立・孤独とマイクロアグレッション」大島 郁葉 さん(千葉大学子どものこころの発達教育研究センター 教授)第2部:パネルディスカッション「青年期・成人期において、発達障害の"障害"は社会のどこにあるのか?」<パネリスト4名>堀口 里奈 さん(筑波大学大学院生)村田 淳 さん(京都大学学生総合支援機構 准教授)大島 郁葉 さん(千葉大学子どものこころの発達教育研究センター 教授)佐々木 銀河 さん(筑波大学人間系 准教授)※モデレーター※クリックすると発達ナビのサイトから『一般公開WEBイベント「発達障害の"障害"は、社会のどこにあるのか?」』の申し込みページに遷移します。
2023年07月02日このお話は作者原黒ゆうこさんに寄せられたエピソードを漫画化しています。登場する人物はフィクションです。■前回のあらすじあおいに「チクリ魔」と呼ばれクラスで孤立してしまったほのか。まゆみは自分のせいでほのかにつらい思いをさせたと自分を責めました。私が子どもの人間関係を壊してしまった?もう自分から動くのが怖い…!描きながら思うのは、閉鎖的であればあるほど、こじれて傷つくということ…。周りの助けが必要だと感じています。いったいどういう風に伝わったの?ママ友から連絡があった夜嘘を平気でつくあおいちゃん。真実を見ようとしないよしえさん。事態は悪い方、悪い方へと向かっていきます…。次回に続く 「ママ友がモンペだった話」(全36話)は17時更新!
2022年11月03日心の中に常にある悲しみ40代となった今、数は少ないですが理解者もでき、幸せに暮らしている私。それでも根底には常に、「私は絶対的なマイノリティだ」「自分が自分であるだけで周囲から排除されがちなのは事実だ」という思いがあります。この思いは簡単な言葉で言えば悲しみです。しかし、「マジョリティとしての人生を喪(うしな)いつづける状態」に焦点をあてれば、私は長い人生にわたって喪失体験の中にあり、私はそうした喪失の「悲嘆」を感じているのだ、と言えるのかもしれません。※悲嘆とは、グリーフケアの文脈で使われる、親密な人や慣れ親しんだ環境など、何か非常に大切な対象を喪失したときの感情的な反応のことです。多くは死別による強い悲しみの反応に使われます。私が本当に頻繁に、最低でも週に1回は見る悪夢に、「みんなと同じように振る舞えないことへの恥」が表されていると思われるものがあります。私は中学高校時代の制服を着ていて、複数の友達から囲まれて怒られていたり、電車に乗り遅れて遅刻したり、道に迷ったり、持ち物をなくしてしまったり、自分だけちょっと違った制服を着ていたりするのです。制服は「皆と同じように振る舞うプレッシャー」の象徴なのでしょう。上記のような夢の中で起こることは実際には経験していないことばかりですが、いつもリアルに身に迫ってきます。定型発達の同級生の中で浮いていた学生時代学校の中で、私は常に浮いていました。地元の公立校に通っていた小学校時代は、常にいじめのターゲット。担任教師からも冷遇されていると感じていました。私はクラスで一番ぐらい身体が小さく、動作はスローモーなのに座学の教科は常にトップクラスの成績。児童・教員問わず、相手が間違っていると思ったら徹底的に理屈で追い詰めました。こうした私が、横並びが求められる公立小学校コミュニティでうまくやっていけるはずがありませんでした。あるとき、いじめについて父に相談したところ、「お前をいじめるようなやつらは軽蔑して、お前の知識と論理で論破してやれ。学級会で『憲法違反だ』と演説すればいい」と言います。今思えばこれは不適切なアドバイスですが、幼かったうえになんでも字義どおりに解釈する傾向のある発達障害児だった私は、父のアドバイスを鵜呑みにして実行しました。「憲法違反」とか、「いつか実名で被害を公表してやる」という強い言葉に恐怖した同級生は、表面的にはいじめの手をやや緩めました。しかし私はこの日以来、完全に同級生の「敵」になってしまったのです。当時、父も私も気づいていなかったのは、多くの人は「何を言うか」よりも「(どんな立場の)誰が言うか」に着目しているということです。父は何か理不尽な目に遭ったときには理詰めで反論して成功してきたのでしょうが、それは彼が迫力のある体躯の、運動神経抜群な、クラスのボス的な立ち位置の存在だったからでしょう。私のように、身体がひょろひょろで小さく運動も苦手、普段から浮いた言動ばかりしている、スクールカーストの低い女の子が父と同じ方法で戦おうとしたから、残念ながら「分不相応な振る舞い」とされ、マイナスのジャッジをされたのかもしれません。※周囲の反応が正しいと言う意図はありません。私や父の所属していたコミュニティには残念ながらこういう傾向があったという事実を言っています。小学校時代のいじめは勉強ができることへの嫉妬もあったと思います。いじめから逃れるために中高を私立の女子進学校にしたところ、あからさまないじめはなくなりました。しかし「なぜかなんとなく浮く」傾向はなくならず、グループの中でうっすら除け者にされることはよくありました。おとなしくて控えめな子が大半の女子同属コミュニティの中で、なんでも歯に衣着せずものを言い、教員ともすぐに口喧嘩を始めて激怒させてしまうような私は、なんとなく敬遠されました。お互いに距離を置いてはいましたが、特にグループ内での強い同調圧力の中で絆を確認しあっているタイプとは反りが合いません。自分にはまったく面白さの分からないことでやたらと盛り上がってきゃあきゃあと騒ぎ、笑い転げているので「何が面白いの? うるさいんだけど。少しは静かにしてくれない?」と言い放ったことも何度もありました。私としては、彼女たちの騒ぐ声が聴覚過敏の耳をつんざくように聞こえ、頭痛が起きそうになるほど苦痛だったからもあるのですが、彼女たちにとっては、せっかくの仲間うちの楽しみに絡んできて台無しにしようとする悪意の者に見えたことでしょう。たまたまこの中のボス格の子と同じ大学に進学したのですが、高校のときのことを根に持っていたようで、彼女の周囲の友人を巻き込んで集団で執ように嫌がらせしてきたことがあります。必死に定型発達に擬態しようと失敗を繰り返した20代中高でぼんやりと感じていたコミュニケーション上の不全感は、大学以降どんどん膨らんでいきました。職場でもしょっちゅう先輩や上司と衝突して、反抗的だとか変わってるとか言われるし、同僚の中ではやはり浮いてしまう。当時まだ自分が発達障害だと気づいていなかった私なりに、どうしたら「みんなと同じ」に周囲とつきあえるのか試行錯誤していましたが、どうしてもうまくいきませんでした。20代半ばで関わった職場では、古参の人たちの中に私が新しく入った形のところがありました。古参の人たちの中で、ある「いじられキャラ」の人をからかって皆が楽しそうにしているので、私も同じようにすれば皆と同じようになれると思い、その人を皆と同じようにからかってみたら、その場の全員が明らかに引いた反応をしました。ここでも私は、先にも書いた「何を言うかよりも誰が言うかが重要」ということを分かっていませんでした。当時は「どうして同じことをやっているのに私がやると歓迎されないんだろう」と全く理解できず、ずっとモヤモヤ…。発達障害を自覚、なぜ周囲と違うのかがわかるようになった30代以降ずっとモヤモヤしていた私にも、ついに自分がなぜ「皆と同じにできない」のかを理解できる日がきました。30歳になって発達障害を自覚したときです。自分は発達障害というもので、その特性のひとつのコミュニケーション障害によって、私は周囲とうまくなじめなかったんだ。私のコミュニケーションの仕方は、定型発達といわれる人たちのコミュニケーションの仕方は違うんだ。長いこと暗闇の中を進んできた自分の道が、初めて1本のライトで照らし出されたかのように、「自分は発達障害者だった」という発見は、私に自分の苦しかった人生経験を「コミュニケーション障害」という観点から把握し直す視点を与えてくれました。あれ以来10年間、自分と定型発達の違いについて考え続けています。擬態がうまくなった面もあり、必要なときには最大限擬態しますが、そのぶん非常に強いストレスを感じ、疲労困ぱいしてしまいます。困るのが、ASDによくある、喋り方や表情が平坦になりがちな傾向を私も持っているということです。「あれは言わない、これはこう言う」と特定のやりとりの内容をいくら訓練しても、普段から無意識に出る喋り方や表情まではコントロールできません。私はこれを女性のASDに多い苦労ではないかと考えているのですが、ASDのある人の喋り方の平坦さや無表情は、女性にジェンダー的に求められる理想像と相反するものなので、どうしても「(女のくせに)冷淡で傲慢でけしからん」→「性格が悪い」という印象を与えてしまいがちのようです。一般的には、ある発言について「誰が言ったか」が重要であることが多い、という法則に基づくと、たとえば、私が私である限り、何か褒められた瞬間にいくら「とんでもない!」と精一杯謙遜したとしても、「なんだかすかしていた。感じが悪い」などと受け取られる可能性があるということだと思います。私は年々、定型発達的コミュニティに入るのが怖くなってしまっています。最近は私を理解してくれる友人も増えてきたので少し心強くはありますが、世間に無防備に出ていったときに、まずは排除される可能性のほうが高いというのはとても心細いことです。結果、本当に不可欠な場合以外は不用意に入っていかず、少数の友人・理解者の中だけで暮らすように心がけるようになりました。子どもの頃はなかなか所属するコミュニティを選びづらいですね。しかし、大人になるとかなり自由に選べ、周囲を自分の理解者だけで固めることもできるようになるので、それはひとつの大きな救いかなと思います。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)お父様も、交友関係において宇樹さんと同じような悩みがあったのかもしれません。「憲法違反」という言葉もやや飛躍しており、それを律儀に受け取り学級会で言ってしまった宇樹さんに、結果的に周りが引いてしまったと思われます。IQの高い高機能ASDの人は成績がいいので診断はスルーされるケースが多く、私立中学へ進学する人も多くいらっしゃるようです。似たような人が選抜されて入学してくることもあり、初めはあまり目立たなくなります。音過敏も手伝って言わなくてもいいことをついつい口走ってしまい、周りから敬遠されることもみられます。まだまだ世間ではASDに関して周知されていないことが多いので、自分を理解してくれる友人(または職場)とだけ付き合えばいいのではないでしょうか。いじめのターゲットにするような人たち(または職場)はあなたのことを理解しずらい人たち(または職場)なのですから。
2022年09月03日板谷由夏主演映画『夜明けまでバス停で』の予告編が公開された。もしかしたら明日、誰しもが置かれるかもしれない、コロナ禍の中の社会的孤立を描く本作。公開された予告編では、突然、仕事と家を同時に失った主人公・三知子(板谷さん)が、ホームレス生活を送る様子が描かれ、ホームレス・バクダン(柄本明)と出会い、「爆弾作れますか?」と不穏な言葉を掛けるシーンや、焼き鳥屋の店長・千晴(大西礼芳)が、マネージャー(三浦貴大)からパワハラ・セクハラを受けている様子も確認することができる。また、キャスト陣からコメントも到着。ホームレスに転落してしまう三知子の働く居酒屋の店長役の大西さんは「多くを語る方ではありませんが、映画づくりにおいてとても大切なことを教えて下さり、その教えは現在に至るまで、私にとって最も重要な心構えとして多大なる影響を与えて下さいました」と恩師で本作の監督である高橋伴明について語る。ユーチューバー役の柄本佑は「1日参加。しかも衣装合わせ含めて撮影時間30分足らず。うん、短い時間ながら伴明監督の『よーいスタート!』には魔法の力があると改めて確信しました」と撮影をふり返っている。そして、居酒屋の同僚役のルビーモレノ、片岡礼子、土居志央梨は「この作品を通じて綺麗事じゃなく、生きるという事、生きる為に大切な事、人との繋がりを改めて考えさせてもらいました」(ルビーモレノ)、「この時期でなかったらその色になって居なかったような景色を見届けることができた思いです」(片岡さん)、「相変わらずスピーディーな現場が刺激的でした」(土居さん)とそれぞれ本作についてコメント。古参ホームレス役の下元史朗、根岸季衣、柄本明は、「板谷由夏さんと初共演でたのしく演じられました」(下元さん)、「やり切れない現実をリアルに、でもポジティブな光明が見える素敵な作品に登場出来て幸せです」(根岸さん)、「短い時間にもかかわらず撮影の流れは実にゆったり。いい時間でした」(柄本さん)と思いを述べた。ほかにも、三浦さんは「全体の出来上がりが楽しみ」と期待し、松浦祐也は「高橋伴明監督の最新作、ご期待ください!」と呼びかけ、筒井真理子は「もっと社会に対して声をあげて良いのかも、つまりは“もっと社会に期待しても良いのかも”と完成したこの映画を観てそう思いました」と鑑賞した感想を明かしている。『夜明けまでバス停で』は10月8日(土)より新宿K’s Cinema、池袋シネマ・ロサほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:夜明けまでバス停で 2022年10月8日より新宿 K’s cinema、池袋シネマ・ロサほか全国にて順次公開(C)2022「夜が明けるまでバス停で」製作委員会
2022年09月02日石川県の馳浩知事(61)が8月3日、悪天候が予想されるなか白山市にある日本三霊山の一つ・白山への登山を決行。さらに大雨の影響で、“孤立状態”になったと発表された。ネットでは、その行動を疑問視する声が相次いでいる。石川県では大気の状態が不安定となり、3日の朝ごろから大雨や土砂災害の可能性が天気予報で報じられていた。4日には白山市尾口付近で1時間に約100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」の発表が。そして5日16時現在も白山市と小松市に大雨警報が発令されている。今回の登山は白山の国立公園指定60周年を記念し、知事自ら白山の魅力をPRするためのイベント。各メディアによると、馳知事は3日の早朝、白山への登山を開始。しかし3日夕方頃から山頂で雨が降り始め、4日早朝には大雨に。4日昼に下山したものの、雨の影響で登山口と市街地を繋ぐ一本道の県道が通行止めとなっていたため“孤立状態”になったという。「馳知事は登山口そばの旅館で1泊し、5日の朝には県庁に到着。そして、今回の件について『中止にすればよかったかなという思いもある』と釈明しました。しかし今回の登山には、県の職員と報道陣合わせて約20人も参加しており、周囲の人の安全を管理する立場でもあるでしょう。さらに知事は災害時、県のトップとして指示する立場。大雨に関して『登山の間は副知事に指示を出していた』と話していますが、公務とはいえ、最悪の事態を予想して行動していたほうがよかったのではないでしょうか」(全国紙記者)悪天候が予想されるなか、登山を中止しなかった馳知事。ネットでは、厳しい声がこう上がっている。《記録的大雨で大変なことになっている。知事が白山登山している場合じゃない》《なんと、災害級の大雨という事態なのに知事不在》《石川県知事が下山を開始した判断は支持しないし、そもそも登山開始したことも支持しない。こうなる可能性は天気予報で想定できた。同行の職員を危険にさらすだけでなく、県下の非常時に知事として必要な仕事ができていないことの責任は重い》《この方の「危機管理」感どうなってるの???》朝日新聞によると、5日、馳知事は午前に開かれた県災害対策本部会議に出席し、「本部の立ち上げに立ち会うことができなかった。改めておわびを申し上げたい」と謝罪したという。
2022年08月05日誰も悩みを聞いてくれない――。ただでさえ子育て中の母親は孤立感に陥りやすいもの。その状況にさらなる追い討ちをかけるのがコロナ禍です。今、孤立感に悩む母親たちは、どんなことに困り、どんな支援を求めているのでしょうか。行政や支援団体に寄せれる現場の声とは。「孤育て」のSOSを取材しました。 「とにかく話を聞いてほしい」 相談者から伝わる孤立の闇「毎日ワンオペで孤独なんです。仕事と家事と育児で疲れ切ってしまって……。夫は育児の話を聞いてくれません」受話器の向こうの女性は沈んだ声で語った。 子育て世帯が多い世田谷区では、夜間と休日に子育てに関する電話相談を受け付けている。相談員は臨床心理士などの有資格者たち。2021年度は881件の相談が寄せられ、そのほとんどが母親からだった。 「せたがや子育てテレフォン」電話番号 03-5451-1211(専用電話)対象は世田谷区在住の18歳未満の子ども、妊婦、子育て中の保護者ら利用時間は平日夜間(17〜22時)と土日祝日(9〜22時)※年末年始除く 前述の女性は、ワンオペ育児の大変さと、メンタルを支えてくれない夫への不満を切々と話した。相談員が丁寧に話を聞き、労いの言葉をかけるうちに女性の声は明るくなっていったという。 「またいつでもご利用くださいね」相談員のやさしい声掛けに、女性は幾度も礼を述べ電話を切った。 この相談窓口では約60%が助言により終了している。「孤立感に悩む人は電話で話すだけで気持ちがラクになるという人が多いです。聞いてもらってアドバイスを受けることで、納得して通話を終える方が多い。このテレフォンは直接的なサービスを提供するといったものではありませんが、話を聞いてもらうだけで育児に対する負担感・不安感の軽減につながっていることがわかりますし、ちょっとした不満に対しても相談者に寄り添って話を聞くことの大切さを実感しています」と担当職員は話す。 “ちょっとした不満”が吐き出せないもどかしさ子育て中は楽しいことばかりではない。誰かに吐き出したい不満もある。でもその大半は“ちょっとしたこと”なのかもしれない。ママ友や実家に聞いてもらうだけで溜飲が下がることも多い。しかし、それが誰にも言えずに鬱積すると孤独や苛立ちを覚えるようになる。 「子どもがチョコレートばかり食べる」「ワクチンで痛い腕に子どもが乗っかってくる」 相談窓口に寄せられた悩みは、一見ささいなことのようだが、内実はどれも深刻だ。電話で相談するほど誰かに聞いてもらえない状況が続いているという証拠なのだ。 世田谷区の地域特性として、「身近に頼れる親族がいない」という相談も多い。母親が一人で育児を担っている場合、こうした状況も孤立感を増幅させる。 「実家が遠くて両親や友達とすぐに会えないんです。夫は夜の仕事なので昼間は寝ていることが多くて。夫とはけんかになってしまうことが増えて、子どもには申し訳ないと思っています」 乳幼児を抱えるある母親はこう話し、「子育ての自信がなくなってしまった」と打ち明けた。相談員に胸の内を吐露するうち、落ち着きを取り戻したという。 ソーシャルディスタンスがママ友づくりの壁に「コロナ禍に入ってから、なかなか実家の応援が得られない人が増えています。お母さんたちの人恋しさが増した気がしています」と語るのは無償の訪問支援を続けるNPO法人ホームスタート・ジャパン事務局長の山田幸恵さんだ。ソーシャルディスタンスが浸透し、ママ友作りにも支障が出ているそうだ。 「妊婦さんは産科で友だちができることが多いですが、コロナ禍の現在、待合室では隣と距離を空けて座らなければいけない状況です。公園で初めて会う人には『声を掛けてはいけないような気がする』と感じるお母さんもいます。子育て広場も人数制限した時間制になっていると、気軽に話しかけづらいと感じるようです」(山田さん) ボランティアが寄り添う訪問支援。孤立感の解消に ホームスタートでは、妊婦や子育て中の親の訪問支援を続けている。現在、全国113団体がネットワークに参加。現在、全国115地域で取り組まれている。研修を受けた地域のボランティアが訪問するので利用料金はかからない。最も多い支援のニーズは「孤立感の解消」だという。 NPO法人ホームスタート・ジャパン対象は妊婦、乳幼児(未就学児)がいる家庭 シッターやヘルパーとは違うので、育児家事そのものは担わない。一緒に洗濯や料理をしながらおしゃべりしたり、上の子も連れて一緒に公園や子育て広場へ行ったりすることもある。言わば“近所のおばちゃん”的な存在だ。 「このゆるさがボランティアならではの良さだと思っています。お母さんたちを批判しない、否定しない、ありのままを受け止める、ということを大切にしていますので、話すことで気持ちが整理でき、ラクになるようです。それがお母さんの自信や意欲の回復につながっていくことが多いですね」 私を応援してくれる人がいる。そう感じるだけで孤立感はやわらぐ。コロナ禍でも母親たちを支える支援は続いている。「孤育て」に陥る前に、気負わず甘える勇気も大切なのかもしれない。 取材協力/世田谷区、NPO法人ホームスタート・ジャパン 著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2022年02月28日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「孤独・孤立対策担当室」です。孤独は社会問題。官民協力体制で根本的解決を。長引くコロナ禍で、大学では休講やオンライン授業が続き、アルバイト先の休業や閉店で経済的に困窮。休学・退学する学生が多く出ているというニュースがありますが、実は前年同期比でいえば、中途退学者は2割減。休学者は1割減です。学校側が授業料の納付期限を猶予したり、困っている生徒の授業料の減額や免除を行ったため、この1年は持ちこたえました。ところが今後はどうなるかわかりません。注視しなければいけないのは、学生たちのメンタルヘルスです。日本では新型コロナウイルスによる死者数よりも自殺者数の増加率が高く、とくに若い世代や女性の自殺が増えています。2020年1月~11月の統計では、増減率では20代が最も高く17%増、19歳以下の未成年は14%増。小中高生は479人と1980年以降で最多となりました。人に会えないこと、将来の不安、経済的困窮などが要因になっていると考えられます。コロナ禍で、世代を超え孤立している人が増えている現実を踏まえ、政府は内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を新設。省庁横断で本格的な対策に動きだすことにしました。参考にしたのはイギリスです。イギリスでは、孤独が身体に及ぼす影響を科学的に証明。死亡リスクは26%、脳卒中を発症する率は32%アップ、認知症発症率にも影響があるという数字が。これを機に2018年、孤独担当大臣を設置。約28億円規模の予算を組み、どういう人が孤独を感じ、支援の対象になるかの指標を算出し、相談体制の強化、職の支援や低所得対策を行いました。以前より孤独担当相の創設を訴えていた国民民主党の昨年11月の資料によると、東京23区の単身高齢者の孤独死は10年間で1.7倍に。全国の単身世帯数は34.5%、生涯未婚率は男性23.37%、女性14.09%でどちらも増加中。高齢者の親と無職の子供の“8050”世帯は2013年時点で推計約60万世帯、引きこもりは推計約61万人、シングルマザーは約123万世帯、うち半数が相対的貧困というように、日本には孤独があふれています。これらに対処することが、経済、医療福祉、少子化対策の一助になると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~8:00)が4/1スタート。※『anan』2021年4月14日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年04月10日2020年11月4日の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、同月1日に乳児を遺棄したとして元女子大生が逮捕された事件を独自取材し放送しました。女性は、妊娠を誰にも相談できないまま就職活動をしており、上京した際に空港のトイレで赤ちゃんを出産。その後、公園に遺棄した罪に問われています。加藤浩次「家族が多いから孤立がないわけではない」番組レポーターの阿部祐二さんは、現場や女性の家族に取材。そこで見た状況や感じたことをスタジオで明かしました。阿部さんは、取材をした上で「母親が乳児・幼児に対する犯罪を行った場合、『孤立』という言葉が出てくるが、この家庭環境を見ていると孤立は見られない」とコメント。すると、MCの加藤浩次さんは異論を呈しました。家族多く住んでいるから孤立してないとは限りませんよ。一人暮らしだから孤立してるとか、家族大勢で暮らしているから孤立してないとか、そこいいがたい部分は、そこ内情見てみないと分かりませんよね。スッキリーより引用加藤さんのコメントに、阿部さんは、実際に女性が「精神的には孤立してたというのは供述からもうかがえる」とし、事件の背景がいまだハッキリしていないことを伝えました。生まれたばかりの赤ちゃんの口に、トイレットペーパーを詰めて首を絞めたと供述している女性。加藤さんは、この行為に対し、どのような理由があっても「許されない行為ですからね」と憤りをあらわにしています。加藤浩次「社会のサポートは大事だけれども…」また、誰にも相談できなかったことについて、コメンテーターから「社会のサポートが必要」という意見が出ると、このように持論を述べました。社会の中でそういったことは大事だと思うんですけれど、やっぱり僕は容疑者の部分は大きいと思う。容疑者が話せなかった状況がもしかしたらあるのかもしれない。でもそれだったら、どこか病院にも1回行ってるわけですよ。その時に相談できたし、でも自分の中で自分のやりたいことを優先したといってるんです。容疑者は。自分の就職活動、自分のやりたいことに赤ちゃんが邪魔だったという発言もしている。そう考えるとやっぱりそこが欠落している部分があると思うんですけど。スッキリーより引用ほかのコメンテーターからは「父親が誰なのかっていう事ですよね。男性はある意味、逃げられてしまう」と、男性にも幼少期からの性教育が必要で責任があると追及する声も上がりました。ネット上では、加藤さんのコメントに共感や称賛の声が寄せられていました。・家族がたくさんいるから孤立してないとは限らないし、家族みんな仲がいいとも限らないですよね。・いろんな仮説を立てて話を進める加藤さんは、さすがだと思った。・確かにそうだよね。自分も加藤さんと同じ意見です。家族の形はそれぞれ。きっと、表面上では見えないところもあるはずです。明るく見えても、誰にも相談できず悩んでいることもあるでしょう。悩みや苦しみに寄り添えるように日頃から、家族だけでなく友人もコミュニケーションをとりたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月04日梅雨前線の影響で、熊本県南部を襲った豪雨。2020年7月4日には、熊本県の球磨川が上流から下流にわたり広範囲で氾濫したことから、熊本県知事が自衛隊へ災害派遣を要請しました。「危険を承知で…」球磨川氾濫に派遣された自衛隊、迅速な出動に反響同日7時10分から初動対処部隊が派遣され、被災現場で救助活動を開始しています。過酷な現場で急がれる人命救助氾濫後、SNS上には濁流で逃げ場を失い、助けを呼ぶ声が複数投稿されていました。救助を待つ人の中には足腰の弱っている高齢者のほか、赤ちゃんを連れている人もいたとのこと。自衛隊はヘリコプターやボートで孤立者の元へ向かい、順次救助しています。陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月3日金曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月3日金曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月3日金曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月3日金曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月4日土曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月4日土曜日救助に当たっている陸上自衛隊第8師団は、厳しい状況の中で活動をしていることが分かる動画をFacebookに公開。ヘリコプターや自衛隊員の様子を撮影しています。九州南部豪雨に伴う災害派遣(第3報)UH-60救助動画【九州南部豪雨に伴う災害派遣(第3報)】熊本県八代市坂本地区において、住宅が冠水して孤立した住民を、多用途ヘリコプターUH-60において救助する様子です。陸上自衛隊 西部方面隊さんの投稿 2020年7月4日土曜日九州南部豪雨に伴う災害派遣(第3報)UH-60救助動画【九州南部豪雨に伴う災害派遣(第3報)】熊本県八代市坂本地区において、住宅が冠水して孤立した住民を、多用途ヘリコプターUH-60において救助する様子です。陸上自衛隊 西部方面隊さんの投稿 2020年7月4日土曜日また、第42即応機動連隊が捜索や安否確認などに当たっている様子も投稿しました。陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月4日土曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月4日土曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月4日土曜日陸上自衛隊第8師団さんの投稿 2020年7月4日土曜日ネット上では、改めて自衛隊に対して感謝の声が寄せられています。複数の死傷者が確認されているほか、各地で土砂崩れが発生し、道路が寸断され広範囲で冠水も起こっている今回の豪雨。産経ニュースによると、さらに同月5日にかけて西日本や東日本で非常に激しい雨が降る恐れがあるとのこと。いつどこが被災地になってもおかしくありません。いざという時の準備をして、『命を守るための行動』を心がけましょう。[文・構成/grape編集部]
2020年07月05日現在4歳と1歳の子どもを育てている2児のママですが、新型コロナウイルスの影響で4月から保育園への登園を自粛する運びとなりました。私は自営業を営んでおり、平日は子どもを預けて仕事ができていたはずだったのに、まさかこんな事態になるとは予想できませんでした。また、私自身が下の子を産んだあとに抑うつ状態となり、今現在も精神薬などの服用も欠かせないといった経緯があり、日々イライラが募るばかりでした。 登園自粛から3日目でイライラがピークに子どもの登園を自粛した3日目から、私のイライラはピークに達しそうでした。元から感情の起伏が激しくイライラしやすいということもあったのですが、ワーママということもあり、ママ友同士のつながりに乏しかった私。 「今、周りのお友だちや子どものクラスメイトたちはどこで何をしているのか? 」といったことがまったくわからず、孤立を感じやすかったからだと分析しています。 リスクを下げるための行為にモヤモヤまた、人恋しくなって公園など限られた施設で子どもたちと遊んでいると、上の子や下の子と同年代の子どもたちもわりとたくさん遊んでいました。その姿には、なんとなくほっとした気持ちもあったのですが、上の子が知らない子どもに近付こうとすると、その子どもの親は「近付いちゃだめだよ」と子ども同士を引き離したのです。 もちろん新型コロナウイルスの影響で、感染リスクを下げるためにむやみに人には近付かないほうが良いという判断のうえだということはわかっていました。しかし、頭では理解していても、感情は孤立感でいっぱいで「人恋しいけど、誰も私たちに近付いてくれない、寂しい」といった気持ちがあったのも正直なところです。 新しいコミュニケーションを思い付きそんな心のよりどころを失いつつあった私が思い付いた孤立感の対処法は、「メンタルヘルスの電話カウンセリングを積極的に受けてみる」という方法でした。 具体的には、夫が加入している健康保険組合や家族が加入する生命保険の福利厚生として、心理士など心の専門家によるカウンセリングが電話で受けられるというものです。 自分が話したいときに気軽に話せる喜びメンタルヘルスの電話カウンセリングの通話はフリーダイヤルで、電話代も気にしなくていいですし、かつ新型コロナウイルスの感染リスクもまったく気にしなくても大丈夫です。 また、リアルの友人たちに連絡を取るとしても、電話をするということはお互い時間をすり合わせないといけないため、私にとってはハードルが高かったです。しかし、電話カウンセリングであれば、自分が誰かに話を聞いて欲しいときに話すことができます。そのため、私自身の気持ちがラクになり、かなり助けられました。 この一件で私が感じたことは、「やはり人同士のコミュニケーションがなければストレス過多になりやすい」ということ。自分の置かれている状況や今の自分の気持ちを話すことの大切さを知りました。電話したあとは毎回、自身の気持ちが整理されて「今日は子どもに怒りすぎたな……」など自身の反省点も振り返りができました。 監修/助産師REIKOイラストレーター/みいの 著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年07月03日ねんね期やはいはい期。お外の公園などで遊べない赤ちゃん時期は、児童館に行ったりしていました。とくに、徒歩10分の距離にある週1回やっている保育園の赤ちゃん広場は、1歳半までの赤ちゃんがねんねしたり、床をはったりしながら自由に遊べたので、毎週その日がとても楽しみ。トイレに行くときは保育士さんが赤ちゃんを見てくれて、とても助かっていました。普段、日中は言葉の通じない赤ちゃんと2人きり。夫も帰りが遅く平日の会話はほぼなかったので、そこでおなじ小さな赤ちゃんを持つママさんとお話をするのはすごくストレス発散になりました。ひとりぼっちになりがちな育児中に、こういう取り組みがあるのは本当に助かるもの。ですが、そんな赤ちゃん広場も週に1度だけ。毎日開放している児童館もありましたが、徒歩30分もかかるので、暑い日や寒い日に長時間かけて移動するのはかわいそうで、足が遠のいていました。■初めての電車移動での苦い思い出赤ちゃんと2人きりだと、何をしていいかわからない毎日。そこで、隣町に住む両親のもとに遊びに行くことに!ペーパードライバーだったため、それが赤ちゃんを連れて公共交通機関を利用する初めての機会になりました。電車で3駅。久しぶりの電車にわくわくしていました。でも、たった3駅の電車の時間が、これほど長く感じるなんて…。駅に着くと、逃げるように電車を降りました。妊娠を期に検索魔になっていた私は、いろいろな掲示板などで公共機関で泣く赤ちゃんを迷惑がる書き込みを見てしまっていたため、必要以上に恐縮していたのもあり、泣きそうでした。それから、毎週末、夫に横に乗ってもらい、車の練習。18歳になると同時に運転免許証をとったものの、それから車を運転する機会がなく10年越しのペーパードライバーだった私。必死の思いで練習をし、家と隣町の実家の行き来ができるようになりました。これで、好きなときに実家に行けるようになると、ほっとしたのを覚えています。結局、次に電車に乗ったのは、娘が2歳ごろになってから。それまで、怖くて乗れなかったんです。■赤ちゃんを愛でるつもりでも…?ときは過ぎ、子どもが6歳と3歳になった今、まわりの赤ちゃんがかわいくて仕方がありません!わが子が赤ちゃんだったころは、とにかく毎日が必死で、わが子の泣き声にイライラしてしまったけれど。渦中から抜け出した今は、そんな泣き声がかわいくて仕方がない。でも、こんなコメントを見てハッとしました…。電車内やレストランで泣いている子がいると大丈夫かな?と思って見てしまうのだけど、その子の親からしたら迷惑だと思ってチラ見されたと思われているかもしれないと思って見るのをやめました。でもそれはそれで無視してるみたいで、どうしたら「泣いてもいいんだよ。気にしてないよ」感が伝わるのか悩む。出典: WEラブ赤ちゃんプロジェクト わが子が泣いていると、焦ってまわりを見る余裕がなくなってしまう。そんなとき、まわりからの目が温かい目なのか、冷たい目なのかを判断できないかもしれません。実際に私も電車でわが子が泣いたとき、まわりの表情は見ずに、勝手に非難の視線だと感じてしまって落ち込んでいました。かといって、視線がまったくないのも、孤立感を感じてとても心細くなりそう…。難しいですよね。■泣いても大丈夫だと伝えたい子育て中のママ(パパ)が、「赤ちゃんを泣かせてはいけない」という思いが強いほど、まわりがどんな行動をとっても、追い詰められてしまうのかもしれません。でも、実際には「そうじゃないよ。赤ちゃんは泣いてもいいんだよ」というメッセージを、 「WEラブ赤ちゃん」プロジェクト を通じてたくさんのパパママに伝わるとうれしいです。このプロジェクトに届いたみんなのメッセージを見ていると、どれもとてもあたたかくて、優しい気持ちになります。\おかげさまで2周年/ WEラブ赤ちゃんプロジェクト ~赤ちゃんの泣き声を温かく見守っている人たち、集まれ!~公共の場で泣いてしまった赤ちゃんを、温かく見守っているという人たちのポジティブな思いを可視化するために、ウーマンエキサイトが立ち上げたプロジェクト。公式サイトではワンクリックで賛同できだけでなく、温かいコメントが4000件以上も集まっています。賛同や応援の声はこちらから
2018年11月02日全国で2,200カ所を超え( 「こども食堂安心・安全向上委員会」 の調査による)、大きなムーブメントとなっている「子ども食堂」。もともとはごはんをちゃんと食べられず困っている子どものために、食事を提供したいという思いで始められたものですが、今では地域交流など、さまざまな役割をもつスペースになっています。しかし、ボランティア活動であるがゆえに課題もたくさん。政府が発表した最新のアンケート結果からその課題を読み解きます。■「子ども食堂」が抱える“6つの問題点”急増する「子ども食堂」ですが、実際に運営するのはやっぱりたいへん? 農林水産省が3月にまとめた「子ども食堂」運営者へのアンケート結果( 農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」 )には、主要課題として6つのポイントが挙げられています。1)来てほしい人や家庭の参加2)資金の確保3)スタッフの負担、スタッフの確保4)地域との連携5)リスク管理6)会場の確保「1)来てほしい人や家庭の参加」は、お金で解決できるわけではないだけに難しい問題です。「子ども食堂」は親子で訪れる人も多いように誰でも利用できるオープンな場ですが、そもそも運営者は「生活困窮家庭の子どもの居場所作り」を活動目的にしている人が多く、その割合は90%にもなります。それなのに実態としては「来てほしい家庭の子どもや親に来てもらうことが難しい」と感じている人が40%も! つまり、ちゃんとしたごはんを食べられない生活をしている子どもに食事をさせてあげたいという気持ちで食堂を始めたのに、実際にはそういった子どもは来てくれないというジレンマを抱えています。これを少しでも解消するためには、学校や行政、民生委員との連携が欠かせないようです。大阪府の子ども食堂(朝ごはんを提供)「個別児童の朝食欠食状況について、運営者が把握し対象の児童を絞って事業を実施することは難しいため、小学校を通じて全校児童に呼びかけをする」滋賀県の子ども食堂「民生委員や学校の先生が気がかりな家庭の子どもたちにそっと声をかけて誘ってくれたり、連れてきてくれたりすることもあります」また、非営利の「子ども食堂」とはいえ、運営するには普通のレストランと同じように場所と食材・調理器具などが必要です。先立つものはまずお金。「2)資金の確保」では、約70%の「子ども食堂」が社会福祉法人や市区町村などの助成制度を活用しているという結果が出ました。また、お金としては受け取らなくとも、食材を無償で提供してもらう場合も多いようです。農家やJAから農産物、肉、魚などを直接もらったり、食品メーカーからパッケージ商品を寄付してもらったり、スーパーの余剰在庫を提供してもらったり、「フードバンク」というNPO活動から集めた食品を提供してもらったりと、さまざまに工夫しているようです。「3)スタッフの負担、スタッフの確保」は、「子ども食堂」が基本的にボランティア活動であるがゆえに、賃金として支払えず、難しい課題になっているようです。経費面では人件費がかからないのはプラスですが、アンペイドワークゆえに人を集めにくい。「運営スタッフの負担が大きい」と考えている割合は30%にもなります。新潟県の「子ども食堂」「食事の準備、配膳、片付け等は、主催者3名とボランティア(地域住民および市内の大学に所属する学生等)により行われています。ボランティアは事前登録制ですが、ボランティア活動への参加日や時間は自由で、事前連絡も求めていません」「4)地域との連携」では、「学校・教育委員会の協力が得られない」と答えた人が最も多く約17%、続いて「行政の協力が得られない」と答えた人が13%。「住民の協力が得られない」と答えた人も3%いました。「町内会で子ども食堂を立ち上げようとしたら『貧困家庭はこの地域にいない』と言われてしまった」(「広がれ、こども食堂の輪!」全国ツアー参加者より)など、“見えない貧困”について理解が広がっていないこともうかがえます。「5)リスク管理」で最も心配されているのは、やはり食中毒を出してしまうこと。それぞれの「子ども食堂」では火を通したものしか提供しないなど、注意を払っているようですが、利用者からすると、知らない人が調理したものを子どもに食べさせることに不安を抱く場合もあるでしょう。福岡県の子ども食堂「初回の時、おにぎりの提供風景が新聞記事に載り、保健所から衛生管理について問い合わせを受けました」千葉県の子ども食堂「ボランティアを含めた調理スタッフ全員が毎年、検便検査を受けることにしています」81%以上の「子ども食堂」が事前に保健所に相談し、スタッフに衛生管理の知識がある人を加え、万が一の事態に備えて保険に加入しています。「6)会場の確保」についても周囲の協力が不可欠でしょう。最も多い例となっている「公共施設(公民館、児童館等)」を借りるのもお金がかかりますし、飲食店の定休日にそこを使わせてもらったり、お寺や教会などの宗教法人に場所を提供してもらったりという場合でも、光熱費などを支払う必要が出てきます。 ■自分で「子ども食堂」を開いてみたら!? 予算をリアルにシミュレーションちなみに、もしこの記事を書いている私が「子ども食堂」を開いてみるとしたら、どのぐらいの予算が必要なのか。アンケート結果を参考にしてリアルにシミュレーションしてみました。まず会場代。自分の住む地域の福祉センターで調理室と28人収容できる洋室を、夜間の時間帯に借りるとします。1室1,000円で合わせて2,000円。調理室は、準備のために昼間から借りると考えて、会場代はトータル約3,000円になります。メニューはカレーライスとサラダとゼリーと仮定し、1日の来場者見込み30人分で換算してざっと2万円。スタッフは自分のほかに3人ほどママ友に来てもらうとして、ボランティアなので良くも悪くも人件費ゼロ。開催の告知は、自分でポスターを50枚作成し配布するとして5,000円。ここまでで2万8,000円となります。さらに、来てくれた子どもたちが遊べるような折り紙などを用意することを考えると、トータルで3万円ほどかかりそうです。食堂の料金は子ども無料、大人は300円。子ども20人、大人が10人来たとして、売上は3,000円なので、収支はマイナス2万7,000円。これを月1回開催していくと、1年間での出費は32万4,000円です。この金額がすべて私個人の持ち出しになってしまう。そう考えると、正直、私には「子ども食堂」を運営するお金は出せそうにありません。このマイナスを埋めるために、多くの「子ども食堂」では寄付金や補助金を受けています。ちなみに私が住んでいる地域の「子ども食堂」のひとつは市の地域福祉活動支援事業に選ばれ、助成金を年間75万円受け取っています。こちらは月2回の開催なので、ちょうど試算の倍になり、プラスマイナスゼロ。やはり毎回の支出が3万円というのがリアルな数字なのではないでしょうか。「もし私が『子ども食堂』を開くとしたら」シミュレーション1回につき来場者30人として試算。【支出】会場代 3,000円食材代 20,000円広告宣伝費 5,000円予備費 2,000円合計 30,000円 ※保険料含まず【収入】大人300円×10人来場。合計 3,000円収支マイナス27,000円 ※この分を寄付か助成金でまかなえるか?ただ、助成金や寄付金でまかなえる可能性も低くはないですし、まずは寄付金を募っておいて3万円集まったら開催するという不定期のやり方も考えられます。また、ひとりではなかなかお金が出せなくても、PTAの有志が集まって資金を出し合い、その外部活動として年に数回、開催しているところもあるようです。1回3万円はイタイと考えるか、そのぐらいなら出せると思うか。または「みんなでお金を集めたり出し合ったりすれば3万円ぐらい集まるよね」と話し合えるような仲間がいるかで、ハードルの高さは変わってきそうです。現状として全国に2,200カ所まで増えたわけですから、「やってみよう」と踏み出す人が多くなってきているわけですよね。もし、「子ども食堂」が気になっているのなら、まずは利用者として訪れるところから始めてみませんか? ・「こども食堂安心・安全向上委員会」 ・農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」
2018年05月20日全国各地に着々と増えつつある「子ども食堂」。その総数はなんと現在2,200以上という調査結果があります( 「こども食堂安心・安全向上委員会」 の調査による)。この数年で爆発的に増えているといっても過言ではない普及ぶり。しかし、まだ一度も行ったこともない、その場を見たこともないというママも多いはず。そもそも「子ども食堂」とはどんなところなのでしょうか?■今や6人に1人…貧困対策として始まった「子ども食堂」子どもの相対的貧困率が16%を超えている( 内閣府「子どもの貧困」 )、つまり子どもの6人に1人が“見えない貧困”に陥っているという今、満足に食事をとれない子のために、無料または1食100~300円ほどで夕食を提供しているボランティアワーク。料理を作る人や食材を提供する協力者がいて、社会貢献のために活動している。それが「子ども食堂」の基本的なスタイルです。具体的な運営形態について、農林水産省が3月にまとめた運営者へのアンケート( 農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」 )を参考にしました。まず、開催会場は公民館、児童館などの公共施設が最も多く39%、ほかにはお寺や教会、飲食店などが多いようです。そして、開催頻度は「月1回」が最も多く48.5%。続いて「2週間に1回」が24.5%を占めています。「週1~2回」は10.3%、「ほぼ毎日」はわずか3.3%に過ぎません。“食堂”というと、毎日オープンしているというイメージを抱きがちですが、実際は月1~2回ほどの開催がほとんどという現状です。食堂というよりはイベントのような感覚で参加する子も多いのかもしれません。「子ども食堂」を運営する人たちの根底には、生活困窮家庭の子どもを支えるセーフティーネットになりたいという思いがありますが、ほかにもいろいろな目的があるようです。農林水産省のアンケートによると、「子ども食堂」の活動目的として最も強く意識されているのは「多様な子どもたちの地域での居場所づくり」(78.8%)。たとえば低所得世帯ではなくても、親が仕事などで不在がちで夕食をひとりで食べなければいけない「孤食」の子や、親の虐待やネグレクトがあって家庭ではごはんを食べられない子など、さまざまな事情が考えられます。また、「子どもたちにマナーや食文化、食事や栄養の大切さを伝えること」という「食育」や、「高齢者や障害者を含む多様の地域な人との共食の場の提供」という「共食」についても、約3分の1の運営者が「とても意識している」と回答しています。 ■半数が母子で利用「ママもごはんをゆっくり食べられる」が魅力そして、1回の参加者数を見てみると、平均値は子ども23.7人、大人14.9人。つまり、「子ども食堂」を訪れる子どもの半数以上が、親といっしょに来ていることがうかがえます。「うちは生活困窮家庭じゃないから」と遠慮することはなく、ママも気軽に利用していいのです。ママがワンオペ育児の重労働や子どもの反抗期に疲れた時や、ごはんを作りたくない、誰か家族ではない人と話したいと思ったら、子どもを連れて行ってみるのもいいでしょう。そこで“ママ友”ができることもありうるのです。農林水産省のアンケート結果では、実際にそうした保護者の実例も紹介しています。仙台市の子ども食堂のコメント「初対面の参加者同士でもスムーズに、楽しそうに話されています。70代のボランティアメンバーにたびたび相談に訪れる母親もいます。小さい子どもを抱っこしながらの食事は“両手を使って食べる”ということがなかなかできません。子ども食堂では、ボランティアが子どもと遊んだり見守ったりするので、親も安心してゆっくりと食事ができ、リフレッシュされているようです」千葉県の子ども食堂のコメント「引っ越してきて、周囲に知り合いがいない母親は、ボランティアが子どもの世話をしている間にゆっくりごはんを食べられ、悩みごとを気軽に相談できる」新潟県の子ども食堂のコメント「子どもが家族以外の大人とコミュニケーションをとる機会になる。親がゆっくり食事をとれるなど、親にとって息抜きの場にもなっています。食べ終わった後には子どもたちはトランプで遊び、親同士はおしゃべりして情報交換する様子も見られます」こうした実際の声を聞くと、行ってみようかな? という気になりますよね。自宅の近くにあるか分からない場合は、地域名と「子ども食堂」というワードを組み合わせてネット検索してみるといいかもしれません。また、 「こども食堂ネットワーク」 のWEBサイトには、全国の子ども食堂の一部が掲載されています。大人が利用する場合の多くは有償ですが、子どもが無料で食べさせてもらうのは気が引けるという人は、食材を持参して寄付するのはいかがでしょうか? ほとんどの食堂が寄付を歓迎しています(事前に確認するほうがベター)。共助の精神を忘れず気軽に参加して、困った時はちょっと甘えてみる。そんな母子にとって居心地の良い場所が、ますます増えてくれるといいですね。 ・「こども食堂安心・安全向上委員会」 ・内閣府「子どもの貧困」 ・農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」 ・「こども食堂ネットワーク」
2018年05月11日ヨコハマトリエンナーレ2017のテーマである「接続と孤立」、あるいは「島」「星座」「ガラパゴス」といっ たキーワードに関連する国内外の劇映画、ドキュメンタリー、アニメーション、実験映画を特集します。 また、本展出品作家の創作の現場に迫った長編ドキュメンタリー作品群もあわせて上映します。 上映日は、9月16日(土)、9月17日(日)、10月7日(土)、10月8日(日)の計4日です。入場料はヨコハマトリエンナーレ2017チケット提示で無料です。開催概要日時: 9月16日(土)/9月17日(日)/10月7日(土)/10月8日(日) 計4日 ※各日13:30-/15:30-の2プログラム会場: 横浜美術館レクチャーホール料金: ヨコハマトリエンナーレ2017チケット(使用・未使用問わず)提示で無料定員: 240名(先着順)主催: 横浜トリエンナーレ組織委員会企画協力: 山村浩二(アニメーション作家/東京藝術大学大学院映像研究科教授)、 山下宏洋(映画プログラマー/イメージフォーラム・フェスティバルディレクター) 笠原貞德(フィッカ)9月16日(土) 13:30-(64分)【Aプログラム】極北のナヌーク 『極北のナヌーク』 Nanook of the North ロバート・フラハティ(Robert FLAHERTY)/1922年/アメリカ/64分 15:30-(114分)【Bプログラム】海は燃えている 『海は燃えている―イタリア最南端の小さな島』 Fuocoammare ジャンフランコ・ロージ(Gianfranco ROSI)/2015年/イタリア・フランス/114分9月17日(日) 13:30-(78分)【Cプログラム】あなたはここにいる 『あなたはここにいる』 You Are Here ダニエル・コックバーン(Daniel COCKBURN)/2010年/アメリカ/78分 15:30-(87分)【Dプログラム】作家特集① 『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』 Tracing the Future: Photographer Naoya Hatakeyama 畠山容平(HATAKEYAMA Yohei)/2015年/日本/87分10月7日(土) 13:30-(約60分)【Eプログラム】短編特集① 『パワーズ・オブ・テン』 Powers of Ten チャールズ&レイ・イームズ(Charles and Ray EAMES)/1977年/アメリカ/9分 『ジャンピング』 Jumping 手塚治虫(TEZUKA Osamu)/1984年/日本/6分 『つみきのいえ』 La maisonenpetitscubes 加藤久仁生(KATO Kunio)/2008年/日本/12分 『Skhizein(スキゼン)』 Skhizein ジェレミー・クラパン(JérémyCLAPIN)/2008年/フランス/13分 『アザラシの島』 Isle of Seals エド・ヤンソンス(Edmunds JANSONS)/2014年/ラトビア/6分 『年をとった鰐』 The Old Crocodile 山村浩二(YAMAMURA Koji)/2009年/日本/13分 15:30-(約60分)【Fプログラム】短編特集② 『隣人』 Neighbors ノーマン・マクラレン(Noman MCLAREN)/1952年/カナダ/8分 『対話の可能性』 MoznostiDialogu ヤン・シュヴァンクマイエル(Jan ŠVANKMAJER)/1982年/チェコスロバキア/11分 『Between Showers』 Between Showers 岩崎宏俊(IWASAKI Hirotoshi)/2009年/日本/3分 『人生の意味』 The Meaning of Life ドン・ハーツフェルト(Don HERTZFELDT)/2005年/アメリカ/12分 『アアア』 AAA (Mein Herz) カタリーナ・ディジーラー(Katarina ZDJELAR)/2016年/セルビア/5分 『犬を見れば、声が聞こえる』 See A Dog, Hear A Dog ジェシー・マクリーン(Jesse MCLEAN)/2016年/アメリカ/18分10月8日(日) 13:30-(77分)【Gプログラム】作家特集② 『オラファー・エリアソン 視覚と知覚』 OlafurEliasson: Space Is Process ヘンリック・ルンデ、ヤコブ・イェルゲンセン(Henrik LUNDØ, Jacob JØRGENSEN)/2009年/ デンマーク/77分 15:30-(91分)【Hプログラム】作家特集③ 『アイ・ウェイウェイは謝らない』 Ai WeiweiNever Sorry アリソン・クレイマン(Allison KLAYMAN)/2012年/アメリカ/91分
2017年09月08日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「人を傷つける言葉を言ってしまい、孤立して寂しい」という、ふぁんたさん(40歳・主婦)に、心屋塾上級認定講師のいかり屋圭子さんからアドバイスをいただきました。■ふぁんたさんのお悩み私はいつも言葉で人を傷つけてしまうようです。その時々で思ったことを口にしてしまい、後でいつも後悔します。仲良くなれた子どもの学校のお母さんたちにも嫌な思いをさせてしまうようで、気づけばひとりになってしまい…。いつも反省していますし、とても寂しいです。他の人たちの楽しそうな会話が羨ましいです。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師のいかり屋圭子さんよりふぁんたさん、こんにちは。楽しい会話の仲間に入れず、「いつも」言葉で人を傷つけ、思ったことを口にしたことをいつも後悔し、いつも反省していて、とても寂しいのですね。「いつも」ということですが、それは本当でしょうか。反省して後悔して寂しいのは「いつも」なのかもしれませんが、人を傷つけていることが「いつも」なのかは、かなり疑わしいと思います。だって、人が傷ついたのかどうか、どうして分かるでしょうか。「傷ついた」と言われましたか? 「いつも傷ついている」のは、むしろふぁんたさんのほうではないですか? 私には、ふぁんたさんの悲しみが伝わってきます。人の言葉や顔色を見ては、傷ついている。だから他人も同じように「傷ついたはず」だと思っているのではないでしょうか。本音を隠す人もいるなかで、「思ったことを口にする」のは正直でいいことだと思いますよ。きっと性分なのでしょうし。もしかしたら、子どもの頃に「思ったことを口にすること」を誰かに咎められたり、叱られたりしませんでしたか?ふぁんたさんには「自分が思ったことをそのまま口にすると、人を傷つける」という思い込みがあるようにも感じます。ですので、こんな言葉を呟いてみてください。「私が思ったことをそのまま口にすると、喜ぶ人もいるし、傷つく人もいる」と。そして次は、「私の言葉は人を喜ばせる」「だって私は正直だもん」「私は傷つける人じゃないよ」「私、優しいよ」と。いかがですか。 自分が放った言葉で、人を傷つけてしまうこともあるし、喜ばせることもある。ふぁんたさんだけでなく、誰しも同じです。でもその感情は相手側のことなので、こちらではコントロールできません。ふぁんたさんは「人を傷つけようとして」何かを言っているわけではないですよね? ただ、人が自分の言葉に傷つき、嫌な思いをし、離れていってしまう…と最初から決めてしまっているだけだと思います。そんな自分責めは、もうやめましょう。もしかしたら、全部気のせいかもしれないですよね。誰かに「そんなことを言われて傷ついた」と言われたら、「ごめんなさい」と謝るだけです。謝るしかありませんが、相手がどう感じているのかわからないのに「傷ついたはず」「嫌な思いをしたはず」と決めつけるのは、逆に相手に失礼ですし、勝手な判断ではないでしょうか。不機嫌に見えても、たまたまその日は朝から別のことで不機嫌だっただけ、という人もいるでしょう。もともとの表情が仏頂面な方もいます。人の気持ちを決めつけることも、意識してやめていきましょう。「私が思ったままを口にすると、人が喜ぶ」「私が思ったままを口にすると、人と話が弾む」。そんなふうに前提を書き換えて、人と関わってみてください。それで会話が弾まなくても、決して反省しないでくださいね。「楽しい会話ができない自分」「うっかり人を傷つけてしまう自分」「つまらない自分」「孤独な自分」「寂しい自分」も全部マル◎です。目の前の出来事を使って「いつも反省して後悔する自分」をやり続けるのか。それとも、「時には失敗もするけれど、正直で人が好きな自分」でいるのか。選択するのはふぁんたさんです。ふぁんたさんは人が好き。それは人にも必ず伝わります。自分を責めることなく、そのままの自分で人と関わってください。私くらいの年齢になっても「人を傷つけてしまったかも」と思うことはありますよ。そんな自分を、私はいつも許しています。言ってしまったこと、やってしまったこと、すべて許す・許す・許す。応援しています。 ・このカウンセラーのブログを読む
2017年07月18日【ママからのご相談】40代、中学1年生の男の子のママです。小学校高学年ごろから、息子が同級生と会話が合わず孤立しているようです。そのため最近、学校に行くのもつらそうです。どうすれば息子が楽しく過ごせるようになるでしょうか。●A. 無理に周りにあわせることよりも素敵な大人に引き合わせることを考えてみてご相談ありがとうございます。ママライターの馬場じむこです。息子さんが同級生と会話が合わないとのこと、母親としては心配ですよね。しかし、興味や行動を無理に周りの同級生にあわせていくのも、息子さんにとっては心の負担になるかもしれません。今回は、心理カウンセラーであり、NPO法人『いばしょづくり』代表理事の阿部伸一さんの著書『「不登校」は天才の卵学校に行かない7つの選択肢』から、同年代の子と話が合わない子が人間関係で楽になれる方法 をご紹介します。●同世代が苦手でも大人相手でリラックスできる子がいる阿部伸一さんの著書にはこのような記述があります。**********『同世代が苦手でも、大人を相手にするとリラックスできる子は少なくありません。周りに合わせることを強いられる中学生よりも、自由で自立を求められる大学の方が合うタイプともいえます。つまり、もう大人に近いわけですから、どんどん素敵な大人に引き合わせてあげましょう。リラックスできる場を持てるというだけでなく、飛び級をさせるイメージで挑戦してください』**********同世代が苦手な子は大人に引き合わせる 。どうしても、家では子どもとして見てしまうので、大人と引き合わせても大丈夫か心配になってしまいますよね。しかし、私の中学生の息子も、パソコンや釣りが趣味で大人と話が合うタイプなのですが、息子に合いそうな大人に引き合わせたところ、自分らしさを出してのびのびと話をしており、長期休みのときなど、私抜きで大人たちと一緒にお花見をして楽しんでいました。●こんな場所で素敵な大人と出会えるしかし、どういった場所で素敵な大人と出会わせられるかわかりませんよね。そこで、オススメの3つの場所を提案したいと思います。●(1)大学のイベント学園祭で大学生と話ができたり、大学生と一緒に楽しめたりするイベントが開かれることが多いです。特に教育・心理系の大学だと、子どもと話すことに慣れている人が多い のでオススメです。大学生だと、大人でありながら年齢が近いこともあり、中学生にとっては頼れるお兄さん・お姉さんと会話できて、リラックスしやすいのではないでしょうか。●(2)地域のイベント地域のイベントや市民講座でも中学生が参加できるものがあります。近所ということで参加しやすいのはもちろんのこと、その後のつながりも作りやすい です。市の広報や公共施設に置いてあるチラシを意識しましょう。●(3)SNSのサークル趣味を追求したものや、志ある人が開くおもしろい集まりを見つけやすいです。しかし、SNSのつながりですと顔が見えない怖さもあるので、しばらくは親と一緒に参加し、その集まりが子どもにとって危険ではないか 見極める必要もあります。----------いかがでしたでしょうか。同年代となじめない場合、学校だけでどうにかしようというのではなく、第三の場所に目を向けることで、子どもの世界を広げるきっかけにもなります。お子さんが素敵な大人とたくさん出会えるといいですね!【参考文献】・『「不登校」は天才の卵学校に行かない7つの選択肢』阿部伸一・著●ライター/馬場じむこ(書評ブロガー)
2016年11月26日「ママ友」は、いわゆる学生時代の友だち関係とは違うことが多く、戸惑う人も少なくないでしょう。しかし、噂されているほど怖い関係ばかりではありません。孤立せず、かといってべったりすることもない、気の合うママ友を上手に探す方法について紹介します。■あくまでも主役は「子ども」ママ友が学生時代の友人と大きく違うところは、「子どもありきの関係」であること。「同学年、または年の近い子どもがいる」という共通点があるだけで、お互いの趣味も価値観もまったく違う、本来なら友だちにならないであろう間柄がほとんどです。したがって、ママ友との関係は「職場の同僚」と思うくらいがベスト。普通の友だち関係より一歩引いたくらいの距離感がちょうどよいでしょう。「そんな距離感なら、ママ友なんていらない」と思うかもしれませんが、そうバッサリと切り捨ててしまうのはもったいないですよ。子育てをしていると、必ず悩みや愚痴が出てきます。そうした話題を遠慮せずに話せるのは、同じ環境で頑張っているママ友ならでは。ランチが苦手なら、無理につき合わなくても大丈夫です。立ち話で楽しくおしゃべりできるだけでも良好な関係を保つことができます。■ママ友づきあい2つの鉄則・あいさつは笑顔でこちらから幼稚園の送り迎えですれちがうママには、進んでこちらからあいさつをしましょう。あいさつは友好関係を築く第一歩。「あなたに心を開いています」というサインを、こちらから積極的に送るのです。はじめは知らない者同士でも、何度か会ってあいさつを重ねるうちに顔なじみになり、少しずつ会話を交わせるようになるでしょう。・悪口は絶対に言わない、うなずかない「その場にいない人の悪口を言わない」は人間関係のルールですが、ママ友同士ではとくに気をつけましょう。違う園のママ友ならいいだろう…と考えるのもNG。ママ友ネットワークは、どこでどうつながっているかわかりません。「悪口を言ったら絶対に、相手の耳に入る」くらいに考えたほうが無難です。また、他人の言う悪口に同意してもいけません。これも同じく「あの人も同意してたわよ」と本人の耳に入るおそれがあります。悪口には絶対うなずかず、同意を求められても、「そうなの? よく知らないけど」「○○さんって誰だっけ…わからないや、ごめんね」などと濁して、話にのらないことが重要です。悪口大会が続くようであれば、タイミングを見はからって「しまった! もう行かなきゃ」と、その場から抜けることをおすすめします。 ■気の合うママ友には出会えたらラッキー仲のいいママ友は「作るもの」ではなく、自然と「できるもの」と心得ましょう。入園当初から「ママ友をつくらなきゃ!」と意気込むママもいますが、あまりママ友関係の構築に全力投球しすぎると、ほどよい距離を保てなくなり、うまくいかないことも。ばったり会えば世間話をする程度の関係のなかにも、「なんとなくしゃべりやすい人」や「気の合う人」が出てくるはず。「次に会ったら、ちょっとお茶に誘ってみようかな…」と無理のないお付き合いを続けていくうちに、いつしか行動を共にするといった関係に発展するかもしれません。いつも自然体で人と接していれば、自分に合ったママ友に巡り合いやすくなるでしょう。親しいママ友には「出会えたらラッキー」くらいに考えて、肩の力を抜きましょう。かわいい子どものためを思って日々を過ごしていれば、いつか自然に、気の合うママに出会えますよ!(あとりゆうか<フォークラス>)
2016年05月08日