9月17日(土)より汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開催中の「モードとインテリアの20世紀展」。パナソニック社の社業に親和性のあるとされる「建築・住まい」「工芸・デザイン」の切り口でこれまで企画展をしてきたこの美術館にとって「ファッション」を取り扱うことは初めてのことだそう。ファッションデザイナー、森英恵の故郷・島根県立石見美術館所蔵の貴重なファッションを多数取り揃えた展覧会は小規模ながら非常に見応え十分です。特に今回は2つの点に注目して展覧会を見ていきましょう!時代毎に特徴のあるインテリアとファッションの変遷19世紀の「ベルエポック」の名残から戦後の「ミッドセンチュリー」と言われる1900年代〜1960年代のハイファッションとインテリアがまとめられている本展。章立ては年代毎に分かれており、それぞれの象徴的なインテリアとともに当時を彩った実物のハイファッションを鑑賞することができます。ポイントは写真を見てお分かりの通り、各年代のドレスたちの後ろの巨大パネル。激動の時代とされる20世紀において、ファッションの大きなキーワードとされているのが「簡素化」という言葉です。19世紀までコルセットできつく締め上げていた身体を解放し、華美な装飾が洗練されていったという傾向が今日に至ります。映画『タイタニック』のヒロイン、ローズを想像してもらうとイメージしやすいでしょうか。なかでも、1960年代の章で飾られていた下の写真は、かつて日比谷にあったエール・フランス航空の東京営業所のイラスト画。シャルロット・ペリアンというフランス人建築家による内装デザインです。この絵で描かれているイームズチェアは美術館内にもあるので、鑑賞中の一休みに座っていただけます。ぜひ探してみてくださいね。島根県立石見美術館所蔵の100点を超える貴重なファッションコレクションの数々森鴎外ゆかりの作品を重点的に所蔵している島根県立石見美術館ですが、森英恵氏の故郷ということもあり、ドレスなどの服飾資料をはじめファッション雑誌やファッション写真など所蔵品のバラエティは多岐に渡ります。それらが東京に来ているのは非常に貴重な機会!年代物のドレスの裾や襟ぐりなどのディテール、360度見れるからこそ実際にその細やかさを間近で見ることができます。百聞は一見に如かずと書くことが執筆者にとって怠慢だとしても、これらファッションの数々は実際に目にしていただくことには始まりません。せめてお写真だけでもお伝えせんとこちらに掲載していきたいと思います。下の写真は、戦後の1940年代後半〜1950年代に発表されたクリスチャン・ディオールやバレンシアガのオートクチュール。裾や襟ぐりの繊細さはもちろん、布を贅沢に使ったデザインはまるで戦後の開放感を表現しているようにも感じられ、ため息ものです。創刊まもない雑誌『ヴォーグ』も、クリスチャン・ディオールが1947年春夏コレクションにて発表した「ニュー・ルック」の特徴を色濃く反映しています。もちろん本展覧会のラストの部屋には森英恵氏の名を世界に轟かせた有名なドレスも展示されています。戦後、敗戦国であるが故に日本商品が米国デパートなどで蔑まれているという惨状を知った彼女らしい、ジャポニズム溢れる鮮やかな色彩には目を奪われてしまいます。今回、第2章の20-30年代の部屋のみ、特別に撮影可能となっています。1920年代といえば『華麗なるギャッツビー』の時代。アールデコに代表されるように豪華絢爛な時代、女性の内面美を表現したシャネルや、老舗メゾンのランバンなど、当時の衣装が贅沢に展示されている部屋となっていますので、ぜひ写真に収めてみてはいかがでしょう。今やすっかり「ライフスタイル」の言葉が浸透し、”着ること” を生活とリンクさせることが当たり前になりましたが、こうして100年に渡る変遷を辿るといつの時代も社会情勢にトレンドは大きく影響を受けてきたという一貫性が見えてくるかもしれません。だからこそ、ファッションの変遷を見つめること、そして現代における「何」がトレンドに影響しているのか?とアンテナを張り続けることが、今後のファッションの在り方を見据える手がかりになるかもしれません。「モードとインテリアの20世紀 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」会 期 : 2016年9月17日(土)~11月23日(水・祝)休館日 : 毎週水曜日 ※ただし11月23日は開館主 催 : パナソニック 汐留ミュージアム、毎日新聞社特別協力 : 島根県立石見美術館後 援 : フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会協力 : TOKYO MXHP Text. Midori Tokioka
2016年11月13日夏にお台場で開催され連日長蛇の列で賑わった「DMM PLANETS art by teamLab」をプロデュースしたチームラボが次なるクリエイションのパートナーに選んだのは、南仏発の化粧品ブランド「ロクシタン」。確立されたロクシタンの世界観と発祥の地プロヴァンスを五感で感じられるインスタレーション「デジタル プロヴァンス(Digital Provence Powered by teamLab)」を一足早く体験してきました。最後にとっておきのキャンペーン告知もあるのでお見逃しなく! (左)チームラボ 猪子さん(右)ロクシタンジャパン西口社長今回、ロクシタン新宿店ヴォヤージュ・アン・プロヴァンス内で発表されたのはフレグランスウォール、フラワーテーブル、デジタル プロヴァンス シアターと名付けられた3つのデジタルアート。世界中から愛されるブランドと先鋭的アート集団がタッグを組んだ空間で、デジタル プロヴァンスの旅に出かけましょう。①フレグランスウォール(1階)店頭すぐに設置されているディスプレイにはいきなり仕掛けが隠れています。前に立つとプロヴァンスの植物が表示されると同時にその香りも噴霧され、フレーバーを体感することができます。これは自撮りスポット!②フラワーテーブル(1階)ロクシタンの商品をテーブルモニターに置くと、原材料の植物イメージが表示される仕組み。どの植物が使われているか一目でわかるので店頭スタッフとの会話もこれまで以上に弾みそうです。③デジタル プロヴァンス シアター(4階)4階にあるデジタル プロヴァンス シアターは、20〜30人ほど入る空間。中央に置かれた大型テーブルにロクシタン製品を置くことで、その製品のキーとなる植物のビジュアルがテーブルや空間全体に広がります。壁に映し出されたプロヴァンスの美しい風景で、デジタル プロヴァンスを堪能することができました。テーブルから製品を外すとそれぞれの草花が散り混じり合う美しい演出に思わず見入ってしまいます。ここは動画タイムに決まり!おまけ:10月16日までの限定スペシャルメニュー今回のオープン記念で発表されたのが「ラベンダーブリュレコーン」。ロクシタンカフェ人気No.1のクリームブリュレをラベンダー風味にアレンジした今作は、シアター内で食べ歩きができるようにとコーンに詰めた粋なデザインがなんともうれしい限り。税込み500円のワンコインデザートです。テイクアウト専用ですが、2Fのロクシタンカフェでお求めいただけます。また、9月16日〜10月16日の期間内にオーガニックジュースがもらえるキャンペーンも実施されます。方法はとっても簡単なのでぜひ投稿して店頭で味わってみてくださいね!キャンペーン概要はこちら。デジタルプロヴァンスで気に入ったお写真をハッシュタグ #デジタルプロヴァンス をつけてSNSに投稿店舗スタッフに投稿画面を提示すると、果実を絞ったストレート果汁、オーガニックシュガー、フランスの井戸水を使用したシンプルな原材料でつくられたオーガニックジュースをプレゼント!今回の新しい試みについてロクシタンジャパンの西口社長は「ロクシタングループ全体の16%もの売上を占める日本市場において、今回のようなイノベーションをし続ける重要だと感じている」と述べていたのが印象的でした。ただ商品を買うならECで済んでしまうこのご時世。店頭でのインタラクティブな体験を通してブランドの世界観や背景を知れば、今まで以上に製品も愛してしまうこと請け負いです。ということで、記事を読んでいただくよりも一度体験に行くことを強くお勧めします! 『DIGITAL PROVENCE Powered by teamLab』Address東京都新宿区新宿3-17-5 盛成堂ビルTel03-5312-6864Open11:00〜21:00(ショップ) 10:00〜23:00(カフェ)※4階は12:00〜21:00(最終入場〜20:20)HPText. Midori Tokioka
2016年11月13日「色んなへんてこなイラストを描いてみました。 いしいひろゆきがお届けする、題名のない展示その2です。」ーいしい ひろゆきパステルカラーでへんてこな空想世界を描き出すイラストレーターいしい ひろゆきの個展が11月12日(土)より自由が丘のKIAN ART GALLERYにて開催。いしいひろゆきは今年から本格的にイラストレーターの活動を始めたのにもかかわらず、すでに海外からも注目を集め雑誌やCDジャケットのデザインを手がける注目の若手イラストレーター。見ているとフワフワ肩の力が抜けていくような独特の世界観に酔いしれて。いしいひろゆきの絵は、彼の興味を全て投影したひとつの世界である。そこには私たちがまだ知らない、どこか遠いけれど近い世界が広がっている。言葉はなくとも、ストーリーが見え、柔らかな風が吹くのを感じ、そこにいるものたちが今にも動き出しそうな気配を示している。彼のクリエイションのゴールはイラストレーションではない。頭の中では、家具をデザインし、家をかたちづくり、町を構成し、いきものの仕組みをつくり、重力をも設計している。それらを現時点で一番手っ取り早くアウトプットできるのが、たまたま絵を描くことだったのである。オリジナルグッズの販売も今回の個展では紙に描いた作品に留まらず、彼の興味が赴くまま製作した様々なグッズが展示販売されます。タペストリーやクッション 、時計のフレームを用いた額装作品など50点近くが並ぶのはこの機会だけ。いしい ひろゆきプロフィールパレットクラブイラストコース17期卒。不思議な世界観の絵やへろへろでへんてこな絵を描く。2015年パレットクラブ卒業後、周りの人の好意で2016年春からイラストレーターとして本格的に活動を始める。SNSを通じ、It’s Nice Thatなど海外メディアに取り上げられ、国外からもイラストを依頼されるようになる。2017年3月にSUNNY BOY BOOOKS、7月にギャラリールモンドでの展示を予定。これまでの主な仕事は雑誌、CDジャケット、グッズデザイン、イベントフライヤーなど。( Instagram / WEB ) いしい ひろゆきの絵展 Ⅱ日程:2016年11月12日(土) 〜 23日(水)開場時間:12:00 - 18:00入場:無料会場:KIAN ART GALLERYデザインとアートの領域を行き来しながら活動しているクリエイターの紹介、または、デザインとアートのコラボレーションとなるような展示会を企画・開催するギャラリーです。HP / Instagram / Facebook / Twitter
2016年11月12日ディオール(Dior)から、ディオールのクリエイションを“色”という切り口でまとめたアートブック『アート オブ カラー(原題:Dior, The Art of Color)』が発売。同書籍の出版を記念したイベントが10月25日、ニューヨークで開催された。同書籍は、12色のキーシェードからインスピレーションを得て創り上げた著名なアーティストやクリエイター達の作品を華麗な写真を通して表現し、「カラー」への情熱を閉じ込めたアートブック。執筆者はジェリー・スタフォードで、アートディレクターはマーク・アソコリが担当した。ピーター・フィリップスやディオールで最初にアーティスティックイメージディレクターを務めたセルジュ・ルタンスらが、様々なカラーを通してクリエイティブの過程について語り、彼らの作品や言葉でディオール ビューティーの歴史を紐解く一冊となっている。10月25日にはニューヨークで、出版を祝したイベントが開催。会場には、ディオールのメイクアップクリエイティブ&イメージディレクターを務めるピーター・フィリップスや、アメリカのファッションブランドであるヴィクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)の新エンジェルにも選ばれ、ディオールのメイクアップアンバサダーも務めるベラ・ハディッド、フォトグラファーのリチャード・バーブリッジを始めとする300人以上のゲストが集結し、色鮮やかな世界観を堪能した。【書籍情報】『アート オブ カラー』(原題:『Dior, The Art of Color』)出版社:リッツォーリ社発刊:2016年10月価格:アメリカ価格115ドル、日本での価格は書店により異なる動画引用元: (ディオールオフィシャルYoutube: )
2016年11月06日デジタルアート展「スーパー浮世絵『江戸の秘密』展」が、日本橋茅場町の「特設会場」で開催されます。期間は2017年1月28日(土)から5月21日(日)までです。世界で最も美しいと称される浮世絵をデジタルアート化した展覧会で、和の文化を堪能してみてはいかがでしょうか。デジタルアート展「スーパー浮世絵『江戸の秘密』展」が開催浮世絵は食、慣習、ファッション、風俗、恋愛、ゴシップなど江戸の生活や文化を色彩豊かに映し出した大衆メディアであり、江戸時代のありさまや時代背景を知る貴重な資料です。展覧会ではこの浮世絵に隠されたコード=「江戸の秘密」を浮き彫りにする事で、“江戸とは何だったか?”を紐解きます。ガイド役には江戸時代の旅行マニュアル「旅行用心集」の著者である八隅蘆菴(やすみ・ろあん)が登場し、ボイスキャストは歌舞伎俳優の六代目片岡愛之助さんが務めます。また、応援団として、ゆうたろうさんをはじめとする人気モデルと外国人が“スーパー浮世絵フレンズ”となり、若者と海外に向けて展覧会の魅力がSNSで発信されます。最新の映像技術で、江戸世界を観光しよう浮世絵を「見る」ではなく「没入する」をコンセプトに、浮世絵を最新の映像技術を駆使して動かし、巨大化し、さらに立体の空間デザインと組み合わせる事で、まるで艶やかな浮世絵の中に紛れ込んだような江戸世界が再現されます。また、一日で江戸を見てまわる観光形式のデジタル展となっている事も大きな特長です。「名所」「街並み」「エンタメ」「グルメ」「あやかし」「花街」などのゾーンに分かれたコンテンツに(予定)、それぞれに関連する浮世絵のデジタルアートを製作。来場者は「名所」をスタートして「街並み」や「エンタメ」を見学し、お昼には「グルメ」へといった観光感覚で江戸への理解を深めていく事ができます。各ゾーンの詳細や見所は随時発表されるので、いまから楽しみです。今回の展覧会で見る事ができる浮世絵は、ボストン美術館が所蔵する浮世絵を撮影し、デジタルデータ化したものです。なかでも門外不出の浮世絵コレクション「スポルディング・コレクション」は保存状態の良さから世界で最も美しい浮世絵と称されており、描かれた当時の色に近い世界を体感できます。見て食べる体験型デジタルアート展も同時開催!日本橋で和の文化を堪能本アート展は日本橋兜町を文化で活性化するプロジェクト「日本橋 兜町・茅場町アートプロジェクト」の一環として開催されます。開催会場では同じくデジタルアート展の「見て食べる体験型デジタルアート『食神さまの不思議なレストラン』展」が同時開催される予定で、世界屈指の金融街である日本橋 兜町・茅場町を和の文化をテーマにアートで盛り上げていきます。【開催概要】「スーパー浮世絵『江戸の秘密』展」開催日程:2017年1月28日(土)~2017年5月21日(日)開催場所:日本橋茅場町「特設会場」入場料:<通常チケット>前売料金:大人(高校生以上):1,300円、子ども(3歳以上~中学生以下):800円販売期間:2016年10月29日(土)~2017年1月27日(金)当日料金:大人(高校生以上):1,600円、子ども(3歳以上~中学生以下):1,000円販売期間:2017年1月28日(土)~2017年5月21日(日)<「江戸の秘密展」×「食神さまの不思議なレストラン展」セット券>前売料金:2,900円販売期間:2016年10月29日(土)~2017年1月27日(金)当日料金:3,400円販売期間:2017年1月28日(土)~2017年5月21日(日)※セット券は「子ども」券種はございません。
2016年11月01日2017年1月28日(土)から5月21日(日)まで「見て食べる体験型デジタルアート『食神さまの不思議なレストラン』展」が、日本橋茅場町の「特設会場」で開催されます。「見て食べる体験型デジタルアート『食神さまの不思議なレストラン』展」ただ見るだけでなく「見る」「触る」「聞く」「嗅ぐ」「食べる」という五感で体感する新感覚の展覧会です。来場者は神秘的で不思議な世界を視覚、聴覚、嗅覚、触覚で感じられます。例えばそれは、稲から米へ、米から和食へと変化していく過程を光で表現した映像。普段目にできないマクロとミクロの世界を感じられます。さらに最後に辿り着くレストランでは中東久人氏(野草一味庵「美山荘」)、スペシャルゲストとして村田吉弘氏(京料理・懐石料理「菊乃井」)、ジョエル・ロブション氏(20世紀を代表する世界的フレンチシェフ)など、日本と世界の一流料理人監修による和食を実際に味わうことができます。世界屈指のデジタルアート集団が製作を担当デジタルアートの製作は、マドンナをはじめとする海外一流アーティストの演出やスペインのサグラダ・ファミリアのプロジェクション・マッピングなどを手掛けた世界屈指のデジタルアート集団「モーメント・ファクトリー社(カナダ)」が担当します。同社が日本の展覧会でデジタルアートを手掛けるのは今回が初めてで、四季と自然が育む米や食材をモチーフにしたプロジェクション・マッピングやシノグラフィー(光と音の舞台装置)により、日本人が知らなかったユニークでミステリアスな和食の世界を創り出し、世界中で愛される和食の魅力を再発見していきます。■開催概要イベント名:「見て食べる体験型デジタルアート『食神さまの不思議なレストラン』展」開催日程:2017年1月28日(土)~2017年5月21日(日)開催場所:日本橋茅場町「特設会場」入場料:<通常チケット(“神様のおいなり”付)>前売料金:大人(高校生以上):1,800円、子ども(3歳以上~中学生以下):800円販売期間:2016年10月29日(土)~2017年1月27日(金)当日料金:大人(高校生以上):2,000円、子ども(3歳以上~中学生以下):1,000円販売期間:2017年1月28日(土)~2017年5月21日(日)<「江戸の秘密展」×「食神さまの不思議なレストラン展」セット券>前売料金:2,900円販売期間:2016年10月29日(土)~2017年1月27日(金)当日料金:3,400円販売期間:2017年1月28日(土)~2017年5月21日(日)※セット券は「子ども」券種はございません。■関連URLウェブサイト::::
2016年10月30日現在、六本木ヒルズ森タワー52階で「ヴェルサイユ宮殿《監修》マリー・アントワネット展美術品が語るフランス王妃の真実」が開催されています。フランスだけでなくウィーンの美術館からも、肖像画をはじめ貴重な美術品約200点を集め、その波乱の生涯を辿ります。いま注目の展覧会を、さっそくアソビュー編集部員が取材してきました!見どころをご紹介!はじめに、展覧会のみどころをご紹介します。1つめは、とにかく豪華なファッション。時代のファッションリーダーでもあったアントワネットの、斬新できらびやかな衣装にご注目ください。2つめは、室内空間の再現。実際に使われれた家具などで浴室や居室を再現しています。アントワネットがおくった日常生活をリアルに感じられますよ。3つめは、スウェーデン貴族 フェルセンとの暗号ラブレター。今年1月に解読されたばかりの、貴重な資料です。暗号で交わされた愛のメッセージは必見ですよ。200点の美術品でたどる、波乱の一生それではさっそく、展覧会の会場へ!会場内に入ると、高級感あふれる真紅の壁があらわれます。ぐっとマリー・アントワネットの世界に引き込まれます。●14歳で政略結婚。そして異国の王太子妃へ第一章では、オーストリア皇女からフランス王太子妃となるまでの少女時代の様子を肖像画でみていきます。こちらの絵は、教科書でも見たことのある「1755年の皇帝一家の肖像」。子沢山で知られたオーストリア大公マリア・テレジア夫妻と12人の子どもたちの様子が描かれています。真ん中のゆりかごにちょこんと座っているのが、末娘であるマリー・アントワネットです。こちらも有名な肖像画。フランスへの嫁入り直前と推測される絵です。チェンバロを弾く姿が優雅ですね。この後1770年4月、アントワネットは14歳でウィーンを離れ、フランスへ嫁ぎます。オーストリア・フランス間の和平強化のための、政略結婚でした。続く第2章では、華やかな王家の結婚を伝える美術品が登場します。この大きなテーブル飾りは、1770年5月におこなわれた結婚式の祝宴で使われたものです。トルコブルーの大理石やブロンズが光る、豪華な作りですね。若く美しいアントワネットの評判はたちまちフランス中に広がり、大勢の民衆がヴェルサイユ宮殿に押し寄せ、その結婚を祝ったと言われています。●フランス王妃 マリー・アントワネットの誕生1775年、ルイ15世が天然痘で逝去するとルイ16世が即位、アントワネットはフランス王妃となりました。写真の左が、夫でありフランス国王となった19歳のルイ16世です。右のアントワネットもこのときまだ18歳。ルイ16世の王としての初めての言葉は「神よ守り給え、このように若くして国を治める私たちを!」だったと言われています。パリの華やかなファッションに魅了されたアントワネットは、たちまちドレスや装飾品の虜となります。フランス貴族のファッションリーダーとして、ダチョウの羽をつかったアクセサリーや派手なデザインのドレス、高く結い上げた髪型など、次々とあたらしいファッションで注目を集めました。そんな王妃の散財ぶりに、国民からの不満は、じわじわと高まっていくのでした。●豪華な家具や装飾品へのこだわりが、国家財政をさらなる危機にヴェルサイユをはじめとする宮殿の装飾に執着したアントワネット。莫大なお金をつぎこみ、当時の流行にあった家具調度品を揃えていきました。当時フランスがアメリカ独立戦争に介入したことで国家財政が厳しくなっていたにもかかわらず、王妃の散財は加速するばかりだったといいます。寝台の上掛けには、国王ルイとマリー・アントワネットの頭文字であるLLMAが入っています。アントワネットがとくに好んだ花柄の壁布。これもゴージャスなデザインですね。●王妃のプチアパルトマンを再現した空間王妃の浴室と居室は、実際に使われた家具を用いて、再現されています。これは浴室。白いふわふわのドレスを着ているのがアントワネットです。お付きの方の服装もかわいい…!壁紙のデザインや、家具の配色にセンスを感じますね。浴槽の蛇口ですらブロンドで、こんなにゴージャス。すごい…。東京駅のプロジェクションマッピングなどを手がけるNAKEDによる、図書室の再現も必見です。設計図をもとに、バーチャルリアリティで再現しており、図書館のなかにいるような感覚を味わえます。窓から宮殿の庭に出ていったりする演出もあり、とってもリアルですよ。アントワネットが過ごしたとされる居室は、グリーンを貴重とした空間になっています。寝台や、ナイトテーブルなど、リアルな生活を感じることができます。写真中央、奥にある寝台の脚部には、アントワネットがこよなく愛したとされるエジプト女性の人物像が施されています。さらに奥に進むと、王妃が好んだ食器が展示されています。ズラリと並ぶセーヴル食器のなかには、日本風デザインのものも。このお皿は、伊万里焼から着想を得たものと考えられています。日本の食器を好んだ母、マリア・テレジアに贈ったものだそうです。お母さん想いなんですね。1774年に、王妃がルイ16世によって与えられた「プチ・トリアノン」の様子もうかがえます。形式ばった宮廷生活を嫌ったアントワネットは、この私的な離宮の敷地内に池や田舎風の離宮を作らせ、牧歌的な暮らしを夢みました。ふたりの子どもとともに描かれたマリーの顔は、おだやかなお母さんそのもの。派手な暮らしばかりが伝えられるアントワネットですが、実は子煩悩な母親でもあったそう。とくに息子であるルイ・シャルルのことは「愛のキャベツ」と呼んで溺愛したそうです。かたくるしい宮廷から抜け出してごく親しい友人を招き、オペラや舞踏会を開き、大胆なファッションを楽しんだようです。しかし楽しい時間もつかのま。いよいよ革命が始まります。●国民の不満が爆発。フランス革命、そして悲劇の結末へいよいよ悲劇のエンドロールへと向かいます。国民の不満爆発のきっかけとなった大スキャンダル「首飾り事件」が起こります。アントワネットは詐欺の被害者でありながら、国民の信頼を失う結果になってしまいました。この頃には、国王と王妃を批判する風刺画がよく描かれるようになりました。国王はヤギにたとえられ、アントワネットは虎の体にメドューサの顔で描かれています。双頭の怪物であり、互いに身動きがとれない状態をたとえています。ひどい食糧危機への不満が爆発し、ヴェルサイユへ向かう女性たちの絵も見られます。遊興庁の建物に招集された国民議会に、パンを要求したと言われています。そして、バスティーユ監獄が占領されます。王権の象徴であったこの建物はたちまち民衆に包囲され、監獄司令官のド・ローネの首は槍に突き刺された状態で街中を引きずり回されました。この事件が王権崩壊の引き金になったと言われています。この頃王妃がスウェーデン公フェルセンとかわした秘密の恋文が残されています。黒塗りになっている部分は、今年2016年1月になってはじめて解読され、ふたりが親密な仲にあったことが明らかになりました。女性らしいやわらかい文字で、情熱的な愛の言葉が書かれています。ヴェルサイユを追われ、チュイルリー宮殿で過ごしていた王家が襲われたのは、1792年8月10日のこと。多くの犠牲者をだしたこの事件により、いよいよ王政は終焉を迎えます。事件の3日後には、国王一家はタンプル塔に投獄されてしまいました。暗く、ずっしりとした雲が空を覆う様子が、一家の悲惨な結末を表しているようです。塔のなかでも、国王はのちのルイ17世となる王太子の教育に熱心だったといわれています。ゲームや数学、そして書き方の練習をしていた記録が残されています。王太子の習字帖には「国民に愛される、国民に愛される…」と書かれています。1792年12月以降、家族と引き離されていたルイ16世は、1793年1月21日に断頭台へのぼります。そして1793年10月16日、ついにアントワネットも死刑執行の日を迎えます。16日、死の直前となった午前4時に、義理の妹に書かれた遺書が残っています。紙にびっしりと、小さな文字で悲痛な思いがつづられています。タンプル塔で暮らしていた時の肌着が、そのまま残されています。この頃には下着の洗濯にも自由が許されず、10日に1回程度だったと言われています。死刑当日に履いていたとされる靴も展示されていました。あれほどファッションを愛し、豪華絢爛なドレスに身を包んで暮らした彼女が最期に身に付けたのは、白の質素なチュニックでした。群がる民衆たちの好奇と憎悪にみちた表情とは対照的に、さいごまで気品を失わず静かに死に向かう王妃の姿が印象的です。贅の限りをつくした華やかな宮廷生活から、時代の波にのまれ、監獄、そして断頭台へ。波乱にみちたひとりの女性の一生を、ぜひご覧ください。■イベント詳細名称ヴェルサイユ宮殿《監修》マリー・アントワネット展美術品が語るフランス王妃の真実開催期間2016年10月25日(火)~2017年2月26日(日)開催場所森アーツセンターギャラリー〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階開館時間10:00~20:00(ただし火曜日は17:00まで)※入館は閉館の30分前まで観覧料一般・・・当日1800円前売/団体1600円高校・大学生…当日1200円前売/団体1000円小・中学生…当日600円前売/団体400円※小学生未満は入館無料※団体料金は15名以上で適用。添乗員1名まで無料※障がい者手帳を持っている方と介助者(1名まで)は、当日観覧料が一般900円、高校・大学生600円、小・中学生300円お問い合わせ03-5777-8600公式HP
2016年10月30日一度目が合えば思わずキュンと胸が苦しくなってしまう。レトロでセクシーな女の子をシンプルなラインで描き出し、インスタグラムを中心に男女問わず人気を集めているイラストレーターのたなか みさき。現在は熊本を拠点に活動している彼女が、自由が丘 KIAN ART GALLERYで10月22日より個展 "たいいく" を開催。可愛くて、危なっかしくて、セクシーで、いじらしい。細い線で描かれる女の子たちは繊細でありながらも大胆に魅力を放ち、つい触れてしまいたくなるような柔らかさまで持つ。たなか みさき個展 “たいいく” では、“たいいく”をテーマに彼女が描くお茶目でどこか色っぽい女の子たちが紙の上で運動会を繰り広げます。あなたが一目惚れしてしまうのはいったいどんな女の子?本人による似顔絵ライブドローイング!個展で人気の企画、たなか みさき本人による来場者の似顔絵ライブドローイングは今回も開催。本展のテーマ “たいいく”にちなんで来場者の似顔絵を体操着で描くというスペシャルバージョンです。日程は10/28(金)29(土)30(日)の3日間、各日先着15名のみ。人気イラストレーターに似顔絵を描いてもらえるまたとない機会を逃したくない方は早めの来場がオススメです。※先着順で整理券を配布TシャツやマグカップなどのオリジナルグッズもKIAN GALLERY公式オンラインショップで販売中!たなか みさきプロフィール酒と涙とイラスト描きます。「たなかみさきは考えた。体について考えた。運動会をさせてみた。」ーたなか みさき / Instagram @misakinodonたなか みさき 個展 "たいいく"日程:2016年10月22日(土) 〜 30日(日)開場時間:平日 13:00 - 20:00 土日祝 12:00 - 19:00作家在廊予定日:10月27日(木) 〜 30日(日)入場:無料会場:KIAN ART GALLERYデザインとアートの領域を行き来しながら活動しているクリエイターの紹介、または、デザインとアートのコラボレーションとなるような展示会を企画・開催するギャラリーです。HP / Instagram / Facebook / Twitter
2016年10月29日2016年1月に亡くなったアーティスト、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の大回顧展「DAVID BOWIE is」が、2017年1月8日(日)から、東京・天王洲の「寺田倉庫G1ビル」で開催!2013年にイギリスからはじまった巡回展が、いよいよ日本にやってきます。「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」といわれる、デヴィッド・ボウイの50年にわたるクリエイティビティの軌跡をたどりましょう。「DAVID BOWIE is」の見どころミュージシャン、アーティストとして活躍し、ファッションなどアートや文化にも多大な影響を与えたデヴィッド・ボウイ。「DAVID BOWIE is」では、そんなデヴィッド・ボウイの多岐にわたる活動を300点以上の展示品、音、映像を駆使して紹介しています。●『スターマン』「ポップ・ミュージックの流れを変えた」といわれるパフォーマンスが、1972年にイギリスBBCの音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」でデヴィッド・ボウイが披露した『スターマン』。スターマンの衣装と「トップ・オブ・ザ・ポップス」の映像により、当時の衝撃を再体験することができます。●ファッションデヴィッド・ボウイは世界の一流デザイナーとコラボレーションして、斬新なファッションを生み出し続けました。山本寛斎、アレキサンダー・マックイーン、ジョルジオ・アルマーニ、エディ・スリマンらによる衣装展示は見逃せません。ミュージック・ビデオで見た、あの衣装が展示されているかも!?●JAPAN日本文化からインスピレーションを得、親日家としても知られていたデヴィッド・ボウイ。歌舞伎の化粧法や早変わりをライブ・パフォーマンスに取り入れていました。デヴィッド・ボウイを40年以上撮影してきた鋤田正義の写真、山本寛斎がデザインした漢字柄のマント、デヴィッド・ボウイが描いた三島由紀夫の肖像画など、日本とのつながりを感じる展示がおこなわれます。●音と映像で「音楽を展示」音と映像をフルに使ったマルチメディアにより、デヴィッド・ボウイの「音楽を展示」します。入場者1人ひとりにヘッドフォンが提供され、インタビュー音源を聞きながら展示を観賞。スクリーンでのライブ・パフォーマンス体験など、五感でデヴィッド・ボウイの世界へと没入することができますよ。日本だけのスペシャルコーナー!1983年に公開された映画「戦場のメリークリスマス」(監督・大島渚)の名場面が上映されます。さらに映画で共演した北野武氏、坂本龍一氏の撮り下ろしインタビュー映像も。「David Bowie Meets Japan」と題し、映画を通じてデヴィッド・ボウイの美学やクリエイティビティを感じられる構成になっています。また、会場では日本限定のグッズも販売される予定。貴重なグッズを手に入れましょう。大回顧展「DAVID BOWIE is」がスタートする2017年1月8日(日)は、存命ならばデヴィッド・ボウイ70歳の誕生日。比類なき表現者、デヴィッド・ボウイの世界にぜひ触れてください。チケットの先行発売は2016年10月3日(月)からはじまっています。亡くなったあとも人々をインスパイアし続けるデヴィッド・ボウイの大回顧展は、ファンならずとも必見です!■イベント概要名称:大回顧展「DAVID BOWIE is」開催期間:2017年1月8日(日)~4月9日(日)会場:寺田倉庫G1ビル所在地:東京都品川区東品川二丁目6番10号開館時間:10:00~20:00 (最終入場19:00)※金曜日のみ10:00~21:00 (最終入場20:00)休館日:毎週月曜日 ※1月9日、3月20日、3月27日、4月3日は開館前売り料金:一般2,200円 (当日券2,400円)、中高校生1,000円(当日券1,200円)、 ※小学生以下は入場無料。限定オリジナルグッズ付きチケット5,000円 (当日券は扱いなし)公式サイト:
2016年10月10日2016年10月18日(火)から10月23日(日)の期間中、「藝大アーツ イン 丸の内2016」が開催されます。舞台は東京・千代田区の丸ビルです。さまざまなジャンルのアートに触れ、芸術の秋を満喫しませんか。「藝大アーツ イン 丸の内2016」の見どころ今回で10回目を迎える「藝大アーツ イン 丸の内」のテーマは「INNOVATION(革新)」です。開催の目的は、次世代を担う新進気鋭のアーティストたちを支援し、丸の内で芸術を気軽に楽しむ機会を提供すること。初日10月18日(火)は12時からバグパイプと金管アンサンブルの演奏と、東京藝術大学学長・澤和樹氏による開催宣言、オープニングトーク、バイオリンコンサートで幕が開きます。「見て 聴いて 食べて」楽しめる体験型アートイベントです。ここで、主なコンテンツをチェックしましょう。●美術展示・リサイタル「三菱地所賞」受賞者による作品展示とリサイタルが行われます。三菱地所賞は東京藝術大学を卒業した、若く優秀なアーティストを支援するために設けられた賞です。今年は美術部門5名、音楽部門5名の計10名が三菱地所賞に選ばれました。開催場所:丸ビル1階マルキューブ、丸ビル7階丸ビルホール内容:美術部門は彫刻・工芸・デザイン作品 、音楽部門はピアノ、管打楽、弦楽、声楽※詳細は10月上旬に公式サイトにて発表予定です。●イノベーショントーク東京藝術大学で教鞭をとるアーティスト、OBと現役の藝大生とのトークショーが行われます。開催場所:丸ビル1階マルキューブ 特設ステージ開催日時:10月18日(火)17:30~18:30 ファッションデザイナー舘鼻則孝氏、三田村有純教授10月19日(水)15:30~16:30 箭内道彦准教授10月20日(木)16:00~17:00 隈研吾客員教授10月20日(木)19:30~20:30 平田オリザ特任教授10月23日(日)16:00~17:00 秋元康客員教授●巨大プロジェクション丸ビルにバベルの塔が出現します!巨大プロジェクションでは丸ビル3階回廊のガラス面をスクリーンに見立てて、バベルの塔をモチーフにした映像を投影。芸術と科学技術を融合させた、革新的な芸術表現を楽しみましょう。10月18日(火)は丸ビル1階マルキューブで、学生の生演奏とともに鑑賞できます。生演奏で指揮を務めるのは千住明特任教授です。開催場所:丸ビル3階回廊開催日時:10月18日(火) 19:30~20:00、10月19日(水) 20:00~20:30、10月20日(木) 18:30~19:00※混雑時には入場制限が実施されます。丸ビルに「GEIDAIカフェ」が登場「藝大アーツ イン 丸の内2016」の期間中は、丸ビル1階のカフェ「Marunouchi Cafe × WIRED CAFE」が「GEIDAIカフェ」に変わります。イベントのテーマカラー、群青色を取り入れたメニューを提供。腕を振るうのは「SUGALABO Inc.」の須賀洋介シェフです。フレンチの巨匠、ジョエル・ロブション氏の右腕として活躍していた須賀氏が、宮廻正明教授や千住明特任教授の芸術作品から受けたインスピレーションをもとにオリジナルメニューを生み出します。美味しいアートを体験してください。丸ビルがアートに染まる6日間、「藝大アーツ イン 丸の内2016」をお楽しみに!東京駅直結の丸ビルが会場だから、アクセスは抜群。ふらっと立ち寄れる気軽さもおすすめのポイントです。■イベント概要名称:藝大アーツ イン 丸の内2016開催期間:2016年10月18日(火)~10月23日(日)会場:丸ビル所在地:東京都千代田区丸の内2-4-1開催時間:11:00~21:00 ※最終日は20:00まで主催:三菱地所株式会社、東京藝術大学問い合わせ先:03-5218-5100 ※受付時間11:00~21:00公式サイト:
2016年10月06日10月になり、いよいよ本格的に秋の足音が聞こえてきましたね。アートにグルメにパーティーに…今週もイベントが盛り沢山です。東京で開催される、編集部のオススメのイベントをご紹介します。秋だって盛り上がりたい!お酒を片手に楽しめるイベント5選●お台場オクトーバーフェスト2016(シンボルプロムナード公園「セントラル広場」)「お台場オクトーバーフェスト2016」の季節がやってきました。本場ドイツのビールをたっぷり飲める、年内ラストのチャンスです。ドイツの民族音楽とともに、乾杯しましょう!●NEWoMan オクトーバーフェスト(JR新宿駅 新南改札前 「Suicaのペンギン広場」)新宿でもオクトーバーフェストが開催されています。ランチタイム限定の「屋台風ジャーマンホットドック」や「シュニッツェルサンド」など、気になるフードも盛り沢山。改札口前に位置しているため、迷うことなく辿り着けるのも魅力です。●オトナの酒ジカン(新宿野村ビル 1F 西側ロビースペース 公開空地)100種類ものお酒が楽しめる利き酒イベント「オトナの酒ジカン」が開催されます。中でも注目は、秋限定酒の「ひやおろし」。お酒にぴったりな絶品フードの販売や、極上のオトナ時間を演出する音楽ライブも行われます。●TAKUMI BAR with MASTER’S DREAM(INTERSECT BY LEXUS - TOKYO)サントリーの最高級ビールが300円で楽しめる、なんとも夢のようなバーが期間限定でオープンします。衣にマスターズドリームが使われたフィッシュアンドチップスなど、特別グルメも見逃せません。●GANTZ:AWAPA -転送先、泡パ。-(渋谷clubasia)泡にまみれて踊る「泡パ」と、フル3DCGアニメーション映画「GANTZ:O」のコラボレーションが実現しました。大量の泡に埋もれて、ダンスフロアで盛り上がっちゃいましょう!会場内は常夏ですが、タオルと着替えをお忘れなく。芸術の秋と食欲の秋…どちらも堪能できる、欲張りイベント5選●RIVERSIDE&TOKYO(浅草 隅田川テラス)東京・浅草の隅田川テラスで開催される「RIVERSIDE&TOKYO」では、畳敷きのテラス空間や飲食エリアが設置され、水辺の風を感じながら夕涼みが楽しめます。水の都・東京の魅力を発見してみてはいかがでしょう。●German Fest in Tokyo station(東京駅全体、および駅周辺施設)東京駅とドイツのフランクフルト中央駅が、姉妹駅締結1周年を迎えました。それを記念したイベントが「German Fest in Tokyo station」です。期間中は東京駅全体がドイツ一色に染まります。ドイツのグルメや多彩な催しを楽しみましょう!●ものづくりの街 創業祭(2k540 AKI-OKA ARTISAN)「2k540 AKI-OKA ARTISAN」は、JR秋葉原駅と御徒町駅間の高架下を利用して造られた、「ものづくり」がテーマの商業施設です。オープン5周年を記念したイベントでは、ものづくりとグルメを同時に楽しむことができます。●アークヒルズ 音楽週間 2016(アーク・カラヤン広場、サントリーホールほか)「アークヒルズ音楽週間2016」では、コンサートのライブビューイングや、親子で参加できる体験型コンサートなどイベントが盛り沢山です。お酒や食べ物を片手に、本場のオーケストラを聴きながらゆったりと過ごしてみるのも素敵ですね。●第28回北海道フェアin代々木~ザ・北海食道~(代々木公園B地区野外音楽堂前広場)北海道グルメが一堂に会する食いしん坊にはたまらないイベントが、代々木公園で開催されます。通常の半額以下で提供されるメニューもあり、お得感もバツグン。焼きたてアツアツの料理に舌鼓を打ちましょう。
2016年09月30日2017年1月17日(火)~3月12日(日)の期間中、東京・上野の東京国立博物館 平成館で特別展「春日大社 千年の至宝」展が開催されます。春日大社の古神宝の数々をはじめ、春日大社にまつわる美術作品などが一堂に会する、貴重な特別展をお見逃しなく!春日大社とは?創建は768年。奈良県奈良市にある神社です。全国に約3,000ある春日大社の総本山としても知られています。平安時代を中心に、春日大社には数々の宝物が伝えられました。1998年にはユネスコ世界遺産に「古都奈良の文化財」の1つとして登録。本社 本殿の4棟は国宝でもあります。今回の特別展は、春日大社が20年に1度おこなう社殿の修繕や建て替え「式年造替」が2016年に20回目を迎えた節目に開催されます。かつてない規模の展示に注目が集まっています。●「春日大社 千年の至宝」展のここを要チェック!見どころは大きく分けて次の3つです。●平安の正倉院あまたの至宝を有していることから、春日大社は「平安の正倉院」と称されます。特別展では、その「千年の至宝」を余すところなく大公開。平安貴族の美意識がうかがえる古神宝、平安工芸の最高峰といえる品々をじっくり拝観しましょう。●祈願の造形春日大社には名だたる偉人たちから甲冑や刀剣が奉納され、国宝に指定されています。国宝の武具は間近で見ると迫力満点。偉人たちが込めた願いが伝わってくるような展示内容です。●神鹿の美術春日大社がある奈良公園といえば、鹿。「神様が鹿に乗って奈良の地へおいでになった」という伝説が残る春日大社にとって、鹿は大切な存在です。「神鹿(しんろく)」と呼ばれています。特別展では鹿にちなんだ美術作品を随所に展示しています。イキイキと愛らしい鹿の姿が、心を和ませてくれますよ。●展示の概要特別展は第1章から第6章に分かれています。各章の内容を大まかに紹介します。●第1章神鹿の杜鹿島立神影図 南北朝~室町時代・14~15世紀 所蔵先/春日大社 写真提供/春日大社展示期間:通期展示「武甕槌命(みかつちのみこと)が鹿に乗って春日の地に降り立った」という伝説をもとにした、春日大社の起源にまつわる展示です。歴史的資料や絵画作品を中心に、『鹿図屏風』(17世紀・江戸時代)など神鹿に関する美術も鑑賞できます。●第2章平安の正倉院金地螺鈿毛抜形太刀 平安時代・12世紀 所蔵先/春日大社 写真提供/春日大社展示期間:1月17日(火)~2月19日(日)『蒔絵箏』(12世紀・平安時代)、『金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたたち)』(12世紀・平安時代)など、国宝がずらりと並びます。神々への調度品としてふさわしい、雅な古神宝は必見。「平安の正倉院」と呼ばれるにふさわしい、貴重な展示です。●第3章春日信仰をめぐる美的世界人々が春日大社に寄せる信仰を表した作品が展示されています。『春日宮曼荼羅』(13世紀・鎌倉時代)などの礼拝画、文殊菩薩騎獅像から神々への祈りが感じられるはず。●第4章奉納された武具赤糸威大鎧(竹虎雀飾) 鎌倉時代・13世紀 所蔵先/春日大社 写真提供/春日大社展示期間:2月14日(火)~3月12日(日)『赤糸威大鎧(竹虎雀飾)』(13世紀・鎌倉時代)をはじめ、国宝の武具がそろいます。豪華な甲冑、優美な刀剣に魅了されますよ。●第5章神々に捧げる芸能舞楽面 納曽利 平安時代・12世紀 所蔵先/春日大社 写真提供/春日大社展示期間:1月17日(火)~2月12日(日)いにしえの時代から現在にいたるまで、春日大社では多くの神事や祭事が受け継がれています。12月におこなわれる「若宮おん祭」は、国の重要無形民俗文化財。『舞楽面 納曽利』(12世紀・平安時代)をはじめ、祭事につきものの奉納舞楽、能にかかわる品々が展示されます。●第6章春日大社の式年造替獅子・狛犬 鎌倉時代・13世紀ほか 所蔵先/春日大社 写真提供/春日大社展示期間:通期展示春日大社で20年に1度おこなわれる修繕や建て替え「式年造替」に関する資料や作品を展示。2016年の式年造替で役目を終え、神殿からおろされた『獅子・狛犬』(13世紀・鎌倉時代)を拝観しましょう。特別展「春日大社 千年の至宝」展は、はじめから終わりまで見どころの連続、充実の展示内容です。拝観すれば、春日大社を訪れたような神々しい気持ちになれそう。2017年の新春は上野の東京国立博物館 平成館へ「春日詣で」に出かけませんか?■イベント概要名称:特別展「春日大社 千年の至宝」会期:2017年1月17日(火)~3月12日(日)会場:東京国立博物館 平成館所在地:東京都台東区上野公園13−9拝観時間: 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円 ※中学生以下は無料電話番号:03-5777-8600公式サイト:
2016年09月15日アート・ビオトープ那須にある、ガラススタジオ&陶芸スタジオ「アート・ビオトープ那須」には、アート体験から本格的な創作活動までできるガラススタジオと陶芸スタジオを備えていて、初心者でも自分だけの作品にトライすることができます。(いずれも有料)陶芸スタジオでは、手びねりの陶芸作品を作ったり、コップやお茶碗への絵付け、ブローチやペンダントなどのパーツに釉薬をのせて焼く七宝焼の体験ができます。七宝焼の釉薬は、ガラスの粉と水を混ぜたもの。とてもきれいな色合いで、混ぜることもできます。釉薬をつけて、1時間後には焼き上がってきます。手作りグラスが翌日にはオリジナルのお土産にガラス工房には、約1,200℃の溶解炉と、ガラスを温めるのに使う約1,170℃のグローリーホールがあって熱気に包まれる。まずは作りたいガラス作品の形や色を見本の中から選びます。グラスを作ることに決定。しかし出来てみるまでどんな風になって出て来るのは分かりません。溶けたガラスに色付けして、ガラスを吹くこと数回。徐々にグラスの形になっていきます。板で押さえて底を作ったら、ガラスに小さな穴を開けて、吹きざおをトンと叩くとグラスが切り離されるので、後はゆっくり冷えるのを一晩待つばかり。翌朝、袋に入って手渡される作品に、もうワクワクドキドキです。取材・文/小野アムスデン道子店舗情報店名:アート・ビオトープ那須TEL・予約:0287-78-7833住所:栃木県那須郡那須町高久乙
2016年09月11日緑と清らかなせせらぎ、自然の中でアート体験JR那須塩原駅から無料送迎バスで30分ほど。緑深い那須高原、横沢エリアにある「アート・ビオトープ」は、自然の中でアートが息づく空間です。世界各地から招聘されたアーティストが長期滞在して創造に励むこともある宿泊施設は、余計なものはないシンプルさが快適。アート作品が置かれた中庭には、日陰を作るパラソルとチェア、時にはマルシェも開かれるアーティスティックな白い屋台があって、憩いの場になっています。「アート・ビオトープ」の宿泊は、ヘルシーな朝ごはん付き。煎ったナッツなどをミックスした自家製グラノーラ、地元で評判のベーカリーのパン、新鮮なオーガニックな地野菜など。気持ちよく朝のスタートがきれそう。隣接する二期俱楽部のNIKI CLUB&SPAが利用できるのも大きな魅力「アート・ビオトープ」には、アート体験から本格的な創作活動までできるガラススタジオと陶芸スタジオがあって、吹きガラス体験やとんぼ玉作り、絵付けや七宝焼を体験することができます。広大な二期の森の中を専任の「森のコンシェルジュ」に案内してもらっての散策、サイクリングのほかそば打ちなどのアクティビティも。そして、隣接のブティックリゾート「二期俱楽部」の東館、温泉があるNIKI CLUB&SPAを利用することが出来るのも嬉しい。素敵な高原の休日も楽しめます。取材・文/小野アムスデン道子店舗情報店名:アート・ビオトープ那須TEL・予約:0287-78-7833住所:栃木県那須郡那須町高久乙
2016年09月09日10月1日(土)~12月14日(水)の期間中、横浜美術館で企画展『BODY/PLAY/POLITICS』が開催されます。国内外の現代美術作家6名によるグループ展示で、「身体が生み出すさまざまなイメージ」をモチーフにした作品が登場予定です。出展するアーティストと作品概要参加アーティストは6名。「人間の身体、集団としての行動、歴史の中でつくりあげられた身体のイメージ」をモチーフにした作品は、詩的であったり、ユーモラスであったり。6名それぞれの視点で「身体」について考えられる展示です。アーティストと作品概要をまとめました。インカ・ショニバレMBE1962年イギリス生まれ。ナイジェリアで育ち、現在はロンドン在住。アフリカ現代美術を代表する作家として知られています。作品は大航海時代から現代にいたる、アフリカとヨーロッパの関係を表現。アフリカ風のろうけつ染めによる生地を素材に用います。イー・イラン1971年マレーシア生まれ。写真による作品が多く、綿密な歴史的・社会的検証に定評あり。今回の企画展には、映像インスタレーションを出品。「ポンティアナック」と呼ばれる、東南アジアの民間伝承に出てくる女性の幽霊がモチーフです。アピチャッポン・ウィーラセタクン1970年タイ生まれ。映画監督、脚本家として日本でも注目を集めています。日本初公開のビデオ・インスタレーションを披露する予定です。ウダム・チャン・グエン1971年ベトナム生まれ。彫刻、映像、ダンスパフォーマンスなど表現方法は多岐にわたります。今回出品するのは映像インスタレーション。オートバイを使い、身体をイメージした映像を作り上げています。石川竜一1984年沖縄生まれ。第40回木村伊兵衛写真賞を受賞した、いま注目の写真家。沖縄や県外各地で撮影されたポートレートや風景の新シリーズを発表します。田村友一郎1977年富山生まれ。写真、映画、インスタレーション、パフォーマンスと縦横無尽に活躍する現代美術家。近代ボディビルディングの歴史を下敷きに、新作の映像インスタレーションを制作、発表します。●パートナープロジェクト「横浜ダンスコレクション2017」にも注目同じく『BODY/PLAY/POLITICS』をテーマに開催されるパートナープロジェクト、「横浜ダンスコレクション2017」も要チェックです。日本初演、アイサ・ホクソンの「HOST-fantasy and reality」は社会の主流とは違う環境にある身体がテーマ。演出家の多田淳之介は『BODY/PLAY/POLITICS』のテーマに沿った、新作ダンスを世界初披露します。ダンサーが肉体で表現する『BODY/PLAY/POLITICS』を鑑賞しましょう。企画展とあわせて鑑賞すれば、より深く味わえますよ。会期中はライブ・パフォーマンスや、ダンスのワークショップも開催予定。『BODY/PLAY/POLITICS』で芸術の秋を満喫しませんか?■イベント概要名称:『BODY/PLAY/POLITICS』会期:2016年10月1日(土)~12月14日(水)時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)※10月28日(金)は20:30分まで(入館は20:00まで)会場:横浜美術館所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目4番1号休館日:毎週木曜日、11月4日(金)※11月3日(木)は無料開館公式サイト:<横浜ダンスコレクション2017 『BODY/PLAY/POLITICS』>会期:2017年1月26日(木)~2月19日(日)会場:横浜赤レンガ倉庫1号館および屋外広場、横浜にぎわい座のげシャーレ、急な坂スタジオなど問合せ:横浜赤レンガ倉庫1号館電話番号:045-211-1515公式サイト:
2016年09月05日『ファンタジーアートの巨匠 内尾和正の世界展~人の心に棲む竜が語りかける譚歌~』が2016年9月22日(木)から25日(日)まで横浜赤レンガ倉庫にて開催されます。映画版『ファイナルファンタジー』やソーシャルゲーム『神撃のバハムート』など多数のイラストを手掛け、デジタルペインティングを用いて独自のファンタジー世界を描き出す内尾和正氏作品の展示会です。現実と夢がすり替わったかのような錯覚を覚える美しい作品の数々。ここでしか踏み込めない美しい世界に、ぜひこの機会に飛び込んでみましょう!内尾和正氏と展示会について内尾和正氏は日本や海外で高く評価を受けるイラストレーターです。その作品は一言でいえばファンタジック。例えば見たこともないような光輝く草花の生える森から、美しい中世の上空に幻想的な乗り物が飛んでいる作品もあります。ファンタジーアートと聞いてピンと来ない人も、心惹かれるものを感じたら勇気を出して飛び込んで下さい。そこにはただひたすら普段目にすることのできない美しい世界が広がっています。ロールプレイングゲームなどで氏の作品を見たことがある、という方もこの展示会は必見です。会場には全長3mを超えるような大型作品も展示されているため、普段目にするディスプレイとは比べ物にならない繊細なファンタジー世界と出会うことができます。展示作品数も約60点と見ごたえ抜群です。より深くファンタジーアートの世界に触れる!ライブペインティング&トークショー●ライブペインティング&トークショー今回の展示会ではライブペインティングとトークショーも開催されます。内尾和正氏の世界に心惹かれた方は、ぜひライブペインティングとトークショーにも参加して氏の世界の深淵を覗いてみてください。日時:9月25日(日)14:00~料金:無料●作家来場予定内尾和正氏の世界をもっとよく知りたいけれどライブペインティング&トークショーの時間は都合が合わない、という方はぜひ作家来場時間に合わせて会場に行ってみましょう。ライブペインティング&トークショーとは違った形で、内尾和正氏の世界に触れられるかもしれません。作家来場時間(予定)9月24日(土)13:00~9月25日(日)12:00~イベント詳細イベント名:『ファンタジーアートの巨匠 内尾和正の世界展~人の心に棲む竜が語りかける譚歌~』会期:2016年9月22日(木)~25日(日)時間:11:00~19:00 ※22日(木)は13:00開場、25日(日)は17:00閉場会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 2階 スペースA・B 住所:神奈川県横浜市中区新港1-1-1入場料:無料
2016年09月03日ドイツの写真家「トーマス・ルフ」の日本初の本格的回顧展が東京と石川で開催されます。期間は東京国立近代美術館が8月30日(火)~11月13日(日)まで、金沢21世紀美術館は12月10日(土)~2017年3月12日(日)までです。初期作品の「Interieurs(室内)」や「Porträts(ポートレート)」、最新作の「press++」など、18シリーズ・約125点の作品が一堂に会します。世界初公開となる作品も展示予定。現代の写真表現をリードするトーマス・ルフのユニークな世界観を存分に満喫できるまたとないチャンスです。トーマス・ルフ 《Porträt (P. Stadtbäumer)》 1988年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016C-print 210×165cm写真家トーマス・ルフとは?トーマス・ルフは1958年生まれ、ドイツ出身の写真家です。アンゼルム・キーファーやゲルハルト・リヒターなどを輩出した名門デュッセルドルフ美術アカデミーに入学し、ベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として、写真への新しいアプローチを展開してきました。初期に発表した高さ約2メートルにもなる巨大なポートレート作品で注目されて以降、建築や都市風景、ヌード、天体など様々なテーマの作品発表し、世界中の美術館やギャラリーで個展を開催。有名美術館がこぞってコレクションに加えるほど、現代の代表的な写真家の1人として知られています。近年は自身で撮影を行なわずに、インターネット上で収集した画像を再構築した作品シリーズを制作。その斬新な写真表現で、多くのアートファンの支持を集めています。トーマス・ルフ展の見どころをご紹介!トーマス・ルフ 《cassini 10》 2009年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016C-print 98.5×108.5cm今回の展覧会はルフにとって日本初の本格的な回顧展です。初期作品である「Interieurs」や、さまざまな人物の顔写真を高さ2メートル以上の大判サイズに引き伸ばした話題作「Porträts」、少年時代から続く宇宙への関心を背景にした「cassini」や「ma.r.s.」、インターネット時代の視覚・情報空間を問う「nudes」や「jpeg」など、全18シリーズ・約125点が展示されます。トーマス・ルフ 《Substrat 31 III》 2007年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016186×268cmC-printほかにも、日本の漫画やアニメから取り込んだ画像に、原形がわからなくなるまでデジタル加工を繰り返した「Substrate」、デジタル画像の特性に注目した「jpeg」なども登場。写真の既成概念そのものが覆ること間違いありません。トーマス・ルフ 《jpeg ny01》 2004年©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016256×188cmC-printまた、今回の展覧会では作品選択や展示構成にトーマス・ルフ自身も参加します。作家の全面的な協力を得て開催されるのもトーマス・ルフ展のポイントです。未発表の新作を含む世界観の全貌を楽しんでみてください。●最新作「press++」シリーズに注目!世界初公開となる作品も展示「press++」は、ある新聞社のプレス写真アーカイヴを入手したことから着想されたシリーズです。かつてのメディア空間で使用されていた紙焼写真と、それにともなう文字情報を素材に生まれました。今回の回顧展では、読売新聞社から提供されたプレス写真を使った世界初公開作品も発表予されます。同展は2016年12月10日(土)から2017年3月12日(日)まで、石川・金沢21世紀美術館にも巡回予定です。こちらの会場には、約160点の作品が展示が予定されています。「トーマス・ルフ展」詳細会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口から徒歩約3分会期:2016年8月30日(火)~11月13日(日)開催時間:10:00~17:00※毎週金曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 ※9月19日(月)、10月10日(月)は開館し、9月20日(火)、10月11日(火)は休館料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料東京国立近代美術館公式サイト:会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1アクセス:JR金沢駅バスターミナル東口7番乗り場から約20分、「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車、徒歩すぐ会期:2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)開催時間:10:00~18:00※毎週金・土曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 ※1月2日(月)、1月9日(月)は開館し、12月29日(木)~1月1日(日)、1月10日(火)は休館料金:一般1,000円、大学生800円、小中高生400円金沢21世紀美術館公式サイト:トーマス・ルフ展特設サイト:作品すべて© Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016
2016年08月29日スウェーデン出身のテキスタイル・切り絵作家のアグネータ・フロックの大規模展「北欧から届いたファンタジー 切り絵作家 アグネータ・フロックの世界展」が開催されます。会場は東京都世田谷区の玉川髙島屋ショッピングセンターです。日程は2016年10月22日(土)から11月3日(木)までの13日間。北欧の深い精神性を受け継ぐアグネータの独創的なファンタジーな作品と暮らしの魅力に迫る、芸術の秋にぴったりのイベントです。テキスタイル、切り絵作家・アグネータ・フロックをご紹介アグネータ・フロックは、スウェーデン・イェテボリー生まれのテキスタイル作家。その作品はストックホルム国立美術館といった名だたる美術館に収蔵されており、世界的に名の知れたアーティストです。切り絵作家としても活動しており、北欧の自然や伝統的な物語に育まれた独創的でファンタジー溢れる切り絵の世界を表現し続けています。日本では2004年から2年間に渡り、NHK放送の「おしゃれ工房」に作品を連載。さらに2011年には、NHKBSプレミアムで「ハイビジョン特集アグネータと魔法の切り絵」が放送され、大きな反響を呼びました。展覧会のみどころ今回の展覧会は、テレビや雑誌で彼女を知り“生の作品を見てみたい”という反響の声の大きさから開催が決定しました。会場は秋の芸術イベントに力を入れている玉川髙島屋ショッピングセンターです。展示作品数は約120点。関東初の大規模展です。東京展では切り絵作品約100点を軸に、他会場で好評だったテキスタイル作品の展示がさらに充実した内容になります。ゴブラン織りやパッチワーク、刺繍などに加え、東京展特別出品のタペストリー作品「山の上で」も登場する予定です。展示会は主に3つのコーナーで構成され、切り絵やテキスタイルなどの色彩溢れる作品が展示されます。注目はストックホルム郊外にある、温もり溢れる自宅コーディネートの再現展示です。切り絵で彩られたアグネータ流コーディネートは要チェックですよ。また、切り絵モチーフのグッズや書籍、北欧雑貨などの販売やリトグラフなどオリジナル作品の展示即売も行われます。●アグネータ作品の魅力とは?アグネータ・フロックは幼少期、父親の仕事の関係でアフリカや東南アジアなど遠い異国の地での生活を体験しています。故郷スウェーデンでは目にしたことのない、原色に満ちた異国の文化に強く影響を受けました。そのため、スウェーデンの民話がモチーフのファンタジックな作品はもちろん、アフリカや東南アジアを連想させるようなエキゾチックで力強い作品も数多く制作しています。中には日本の万葉集をモチーフにした和歌の世界を表現した作品もあり、北欧スタイルの伝統の枠にとらわれない独自の表現様式や世界観で、多くの人を魅了してやみません。なお東京会場では、2016年10月22日(土)・24日(月)にアグネータ本人によるギャラリー・トークが開催される予定です。アグネータ・フロックをより深く知りたい方は、ぜひ足を運んでみてください。イベント詳細名称:北欧から届いたファンタジー 切り絵作家 アグネータ・フロックの世界展会場:玉川髙島屋S・C 西館1F アレーナホール住所:東京都世田谷区玉川3-17-1アクセス:東急田園都市線・東急大井町線二子玉川駅西口から徒歩約2分開催期間:2016年10月22日(土)~11月3日(木)開場時間:10:00~20:00(最終日は18:00まで)※入場は閉場の30分前まで入場料:一般700円、高校生・中学生500円玉川髙島屋S・C公式サイト:
2016年08月29日神奈川県藤沢市にある新江ノ島水族館で、夜間スペシャルイベント「ナイトワンダーアクアリウム 2016 ~月光に漂う水族館~」が開催中です。3パートで構成されており、パート1の日程は2016年7月16日(土)から9月12日(月)まで。2016年9月13日(火)からはパート2がスタートします。魚たちと一緒に見るカラフルな夢の世界が描かれたデジタル映像コンテンツ「そして、あなたは魚になる」は必見です。より美しく、幻想的な空間が楽しめます。ロマンチックな雰囲気はデートにぴったりです。今年も「えのすい」で、ナイトワンダーアクアリウムが開催!ナイトワンダーアクアリウムは通称「えのすい」の愛称で多くの人に親しまれている新江ノ島水族館で、2014年からスタートした夜のスペシャルイベントです。音や光の競演でロマンティックなムードを演出する画期的な夜間展示で、毎年多くの観光客が訪れます。2016年のテーマは「月光に漂う水族館」。生きとし生けるものたちを優しく照らす月の光をキーワードに、魚たちとデジタルテクノロジー、照明、サウンドが融合した夜の海を体感できる神秘的な時空間が広がります。太古の海から未来へと繋がっていく尊く、美しい物語の世界を堪能してみませんか。9月13日(火)からパート2がスタート!新たなコンテンツが続々登場今年のナイトワンダーアクアリウムは7月16日(土)から9月12日(月)までのパート1、9月13日(火)~10月31日(月)までのパート2 、11月1日(火)~12月25日(日)までのパート3と、3つの期間で構成されています。季節とともに内容やコンテンツが変化していくのが特徴です。2016年9月13日(火)からスタートするパート2では、合計8つの新コンテンツがバージョンアップ・追加されます。注目は魚とデジタル映像の壮大な世界を体感できるメインコンテンツ「そして、あなたは魚になる」です。夜の海底で、まるで魚になって相模湾を泳いでいるかのような壮大で不思議な体験が楽しめます。さらに相模湾に回遊する3種類のウミガメが展示される「ウミガメの浜辺」には、満月の夜の神秘的な空間をデジタル映像紹介する新コンテンツがスタート。入場口を入ってすぐの階段にもウミガメが登場し、さらにファンタジックでスペクタクルな大空間が体感できます。オーシャンカフェ、オーシャンバーではオリジナルメニューを提供施設内にある「オーシャンカフェ」では、ナイトワンダーアクアリウム2016のオリジナルメニューが展開中です。おすすめは“光る”かき氷に星型のパイナップルやナタデココをちりばめ夜を表現したオリジナルプラッペ「ムーンライトフラッペ」。こちらにも立ち寄ってみてください。イベント詳細名称:ナイトワンダーアクアリウム2016 ~月光に漂う水族館~会場:新江ノ島水族館住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1 開催期間:【パート1】2016年7月16日(土)~9月12日(月)、【パート2】9月13日(火)~10月31日(月)、【パート3】11月1日(火)~12月25日(日)開催時間:17:00~20:00休催日:2016年10月15日(土)入場料:大人2,100円、高校生1,500円、小・中学生1,000円、幼児(3歳以上)600円特設サイト:
2016年08月28日戦国時代に全国の各地に残された歴史資料や美術工芸品を一堂に展示する「戦国時代展 -A Century of Dreams-」。坂本龍馬の手紙や新資料を展示する「特別展覧会 没後150年坂本龍馬」、ふたつの展覧会がそれぞれ東京都江戸東京博物館で開催されることが決定した。「戦国時代展 -A Century of Dreams-」は織田信長、上杉謙信など、戦国時代に台頭した戦国武将にまつわる歴史資料や、狩野派絵師の作品など美術工芸品を展示。約100年に及ぶ歴史を紹介する。「特別展覧会 没後150年坂本龍馬」では自由奔放な生き様や家族への愛情が伝わってくる龍馬の手紙を展示。そのほか、近年になって発見解明された書状や剣術免状、近江屋で暗殺された際に龍馬が敵刃を受けたとみなされる刀など、貴重な関連資料も展示される。「戦国時代展 -A Century of Dreams-」は11月23日(水・祝)から2017年1月29日(日)まで、東京都江戸東京博物館で開催。その後、京都、山形を周る。「特別展覧会 没後150年坂本龍馬」は京都、長崎で開催されたのち、2017年4月29日(土・祝)から6月18日(日)まで東京都江戸東京博物館で開催。■「戦国時代展 -A Century of Dreams-」【東京会場】東京都江戸東京博物館(東京都)2016年11月23日(水)~2017年1月29日(日)【京都会場】京都府京都文化博物館(京都府)2017年2月25日(土)~4月16日(日)【山形会場】米沢市上杉博物館(山形県)2017年4月29日(土)~6月18日(日)■「特別展覧会 没後150年 坂本龍馬」【京都会場】京都国立博物館(京都府)2016年10月15日(土)~11月27日(日)【長崎会場】長崎歴史文化博物館(長崎県)2016年12月17日(土)~2017年2月5日(日)【東京会場】東京都江戸東京博物館(東京都)2017年4月29日(土)~6月18日(日)【静岡会場】静岡市美術館(静岡県)2017年7月1日(土)~8月27日(日)
2016年05月17日ウルトラマン放送開始50周年を記念して、3月19日(土)より「浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ」が枚数限定で発売されることが決定した。「浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ」は、今年放送開始50周年を迎えた日本を代表する特撮ヒーロー「ウルトラマン」と、日本を代表する伝統工芸である浮世絵とのコラボ作品。和紙は人間国宝9代岩野市兵衛氏による越前生漉奉書和紙を使用。江戸時代よりおよそ400年以上にわたり、その技術を継承してきた一流の職人達の手によって制作された。今回は、『ウルトラマン』のエピソードのひとつ、大阪城を背景にウルトラマンと古代怪獣ゴモラが戦う『怪獣殿下』と、バルタン星人、ケムール人、メトロン星人、エレキング、ピグモンなどウルトラシリーズの人気怪獣を描いた『怪獣百鬼夜行』の2作品が各200枚限定で販売される。今後浮世絵木版画は『ドラゴンボール』、『初音ミク』などの販売が予定されている。浮世絵木版画ウルトラマンシリーズは特設サイトにて販売。受付は3月19日(土)午前10時から5月31日(火)午後11時59分まで。■浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ怪獣殿下販売価格:48,600円(税込)販売数:初版200枚限定■浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ怪獣百鬼夜行販売価格:48,600円(税込)販売数:初版200枚限定
2016年03月16日ウルトラマン放送開始50周年を記念して、3月19日(土)より「浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ」が枚数限定で発売されることが決定した。「浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ」は、今年放送開始50周年を迎えた日本を代表する特撮ヒーロー「ウルトラマン」と、日本を代表する伝統工芸である浮世絵とのコラボ作品。和紙は人間国宝9代岩野市兵衛氏による越前生漉奉書和紙を使用。江戸時代よりおよそ400年以上にわたり、その技術を継承してきた一流の職人達の手によって制作された。今回は、『ウルトラマン』のエピソードのひとつ、大阪城を背景にウルトラマンと古代怪獣ゴモラが戦う『怪獣殿下』と、バルタン星人、ケムール人、メトロン星人、エレキング、ピグモンなどウルトラシリーズの人気怪獣を描いた『怪獣百鬼夜行』の2作品が各200枚限定で販売される。今後浮世絵木版画は『ドラゴンボール』、『初音ミク』などの販売が予定されている。浮世絵木版画ウルトラマンシリーズは特設サイトにて販売。受付は3月19日(土)午前10時から5月31日(火)午後11時59分まで。■浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ怪獣殿下販売価格:48,600円(税込)販売数:初版200枚限定■浮世絵木版画ウルトラマンシリーズ怪獣百鬼夜行販売価格:48,600円(税込)販売数:初版200枚限定
2016年03月16日大好きな本はたくさんあるのですが、いつも身近なところに置いて、パッと目に入るようにしておきたい本というと、やはりビジュアルも大事! 内容の素晴らしさはもちろんのこと、センスがものを言うブックデザイン含め、挿画の美しさが加わると、本はたった一冊で何冊分もの魅力を感じさせてくれる宝物になります。枕元といい、リビングルームのサイドテーブルといい、どこかしら常に手元にないと落ち着かない。表紙を目にするだけで気持ちが明るく華やいでくる、優しくも頼もしい親友のような本たち。人生をともに暮らしていく彼らを、3冊ご紹介させてください。「Paradise 花と生き物いっぱいのぬりえブック」がくれるカラフルな癒し塗り絵の本が女性を中心に大人気で、自律神経を整え、不眠にも効果的という事実を、この本と出会うまで知りませんでした。本書はその名の通り、まさにパラダイス! 色彩かなキノコや花々が躍る表紙のゴールドに、まず視線を奪われました。金子みすゞの詩とともに動植物、雪の結晶などが描かれているのですが、あまりに繊細なラインは、ぬりえというよりもはやアート。作者のタカヤママキコさんに、お話を伺いたくなりました。タカヤママキコ/イラストレーター。1983年広島県生まれ。多摩美術大学卒業。書籍、雑誌、ファッション、Web、スマホアプリなど、幅広い分野で活躍。ビームス、アーバンリサーチ、リーバイスなど、企業とのコラボレーションも多数。HPから、彼女のデザインしたTシャツやスマホケースが入手できます。―― 最初は大変かも…と思ったのですが、いざ塗ってみると本当に癒されますね。「ありがとうございます。インスタグラムでタグを付けて、写真をアップしてくださってる方がたくさんいらっしゃるんですけど、時々見てみると、みなさん、想像を絶する上手さで、私には無理だなと(笑)。色鉛筆だけでなく、パステルでふわ~っとぼかしたり、サインペンでクリアに塗ったり、いろんな画材で自由自在。すごく刺激を受けてます」―― 苦労した点、大事にされた点は?「私が育った広島の野山で触れあった自然や動植物を描いているのですが、中には虫とかミジンコも。女子に嫌われがちな虫も、可愛く描いたら好きになってくれるかな…と思って描きました。実家の近くに馬もいたし、道端や林にいるものを描きたかったんです」子供の頃は、山を探検したり、枝で編んだ釣竿で川魚を釣ったり、レンゲ畑で駆けっこしたり、虫を捕まえて観察していた、というタカヤマさん。本書には、彼女の日常を彩った景色やワンダーランドがつまっているからこそ、ホッと安らいで癒されるのですね。「好きな色、好きな塗り方で自由に塗って、植物や生き物たちに命を吹き込んであげてください。そして、あなただけのパラダイスを完成させてください」。彼女自身のふんわりピュアな雰囲気に、可愛いだけでなく、ちょっぴりポイズン(毒)な魅力も混じったオリジナリティあふれるマキコワールド。日々の忙しさや喧噪を忘れて、あなたもParadiseの世界で遊んでみませんか? 「ビロードのうさぎ」のせつなさに胸がキュンキュンある日、小さい男の子のもとに、ピンクサテンの耳が愛らしいビロードでできたおもちゃのうさぎがやってきます。うさぎは、子供部屋のおもちゃの棚で暮らし始めますが、ある時、「長い間に、子供の本当の友達になったおもちゃは“本物”になれる」という魔法のような話を耳にします。うさぎは男の子と、寝る時も庭で遊ぶ時もずっと一緒に過ごすようになり、男の子にとってかけがえのない存在となりますが、だんだん汚れていき…。1881年、ロンドン生まれの作家、マージェリィ・W・ビアンコの名作が、日本を代表する絵本作家の一人、酒井駒子さんの絵と抄訳で甦りました。酒井駒子/絵本作家。1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学卒業。海外でも高い評価を得ている。「きつねのかみさま」(あまんきみこ/文、ポプラ社/刊)で2004年日本絵本賞、「金曜日の砂糖ちゃん」(偕成社/刊)で、2005年ブラチスラバ世界絵本原画展で金牌、「ぼく おかあさんのこと…」(文溪堂/刊)で2006年フランスのPITCHOU賞、オランダの銀の石筆賞など、受賞歴多数。ブロンズ新社HP 年、本書の発売イベントの一環で、憧れの酒井駒子さんのサイン会が、たまたま当時住んでいた六本木の青山ブックセンターであると知り、事前に購入しようと手に取り最後までパラパラと繰っていて、その場から動けなくなってしまったことがありました。童話とはいえ、心を揺さぶる衝撃の大きさと、とっくに大人になっているのにこんなにも動揺してしまう自分に驚き、本書を入手したのはそれからしばらく経ってから。というと何だか恐いみたいですが、そうではなく、どこかノスタルジーと憂いが漂う、絵の具の筆致が感じられる絵の魅力に、完全に惹き込まれてしまったからなのです。今ではお気に入りの毛布みたいに、身近にないと落ち着きません。一生見ていたい大切な絵本です。 「本と店主」の表紙の絵から清冽なイマジネーションが湧きあがる銀座の片隅にある“一冊の本を売る書店”というコンセプトの森岡書店の店主、森岡督行さんは文章の名手でもあり、今まで彼の著した「写真集 誰かに贈りたくなる108冊」(平凡社刊)や「東京旧市街地を歩く」(エクスナレッジ刊)を愛読してきました。新著「本と店主」は、森岡さんが人気のカフェや雑貨店などの店主12人に、彼らの“人生にかかわった本”について聞き出す対談インタビュー集。森岡さんらしい地に足の着いた日常感覚とメタフィジカルな魅力が交錯する内容も素敵ですが、本を描いた表紙の絵に一目惚れ。2015年12月、この絵を描いた画家の平松麻さんの個展が森岡書店で催されたので、お邪魔して、後日お話も伺いました。もともと本が大好きで、本の表紙に作品を使ってもらうことが夢だったとか。ブックデザインを担当したsmbetsmbの新保慶太さん、新保美沙子さんと相談しながら、表紙だけでなく、裏にも続く絵にしたかったので、新たに描き下ろしたそうです。平松麻/画家。1982年東京生まれ。この写真は、写真家・Eric(エリック)が、「麻ちゃんは中性的なところがあるから、半分は光、半分は影に」といって撮影したものだそう。―― 本が並ぶだけの静謐な絵なのにインパクトが強いです。麻さんにとって絵とは?「暮らしの中でいうと、野菜やパンのように生活必需品です。暮らしの中になくてはならない存在。絵の具の物質感、運筆を追う高揚感、作者が過ごした時間の積層、そういったものを近く感じていたいと思っています。種をまいて野菜や果実が育っていく過程と、わたしが経る絵の制作過程も重ねて考えることが多いです。芽が出て水をやったら茎が枝になって、枝分かれして実ができてくる。実が大きくなったら収穫して、展覧会という場所で観てもらう。実がなくなったら、次はまた、種植えから…。そんな制作姿勢が理想です」―― きれいに飾っておくものというより、生活の中で一緒に暮らしてほしい?「はい。だから、本の表紙に使われてすごく嬉しいのは、本はカバンの中に入れて持ち歩かれて、生活の一部になるでしょう? もちろん美しく飾って対峙する絵との時間も濃密だし、この本のように持ち運んだりする絵の在り方も濃密だと思っています。作品を求めてくださった方の中には、出張に絵を持っていってくださる方もいらっしゃって、本当に嬉しかったです」そんな平松さんの絵を起用した森岡さんにも、彼女の絵を選んだ理由を伺ってみました。「麻さんの絵は、キャンバスとか伝統的な画材でなく、フローリングの板とか、より生活に近い素材を用いているため、雑貨とか古物に近い趣があって、それは自分にとってとても魅力があります。自分の周りにもそういうものが多いので、調和しますし。それに、絵というのは普通、経年変化を嫌うものだと思うのですが、彼女の絵はともに時間を経ていくというか、それを楽しめる作品だと思います」お二人の感性がスパークした本書を手元に置いて、イマジネーションの幅を広げてみませんか? 生き生きとした絵がいつも語りかけてくれるので、前向きでいられますよ。・ 「Paradise 花と生き物いっぱいのぬりえブック」 ・ 「ビロードのうさぎ」 ・ 「本と店主」
2016年03月01日2016年2月に行っておきたい首都圏の美術展を5つ厳選しました。誰でも名前を知っている巨匠の作品展から、小さな美術館の個性的な企画まで、いましか見られない美術展を紹介します。■これは見逃せない! 巨匠の作品展・『フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展』美術の教科書などで誰もが目にしたことのあるフェルメールとレンブラント。実際に鑑賞する機会はそう多くはありませんよね。とくにフェルメールは、生涯に制作した作品数が50ほど。現存するものは約35点しかないのです。《水差しを持つ女》もこの展覧会が日本初公開。今回を逃したら次、日本でいつ見られるかわかりません。《水差しを持つ女》は若い女性の自室でのひとこまを描いた作品。金張りの水差しや部屋のしつらえから、オランダ黄金時代の市民生活の豊かさが伝わってきます。しかし、フェルメールの生活は決して豊かではなかったといいます。彼が愛用した「フェルメール・ブルー」とも呼ばれる絵の具は、ラピスラズリが原料のたいへん貴重なものでした。フェルメールはこの絵の具に夢中になり、財産をつぎこんでしまったのです。フェルメールがこの作品を描いたのは30歳のころ。いまのわたしたちと同世代です。11人の子持ちでありながら、絵の具に財産を使いはたすとは…。しかし、そのおかげでわたしたちはこの作品に出会えるわけですね。ところで、フェルメールはデッサンが苦手だったという説があることを、ご存じですか? 彼はカメラ・オブスクラというピンホールカメラのような装置を使い、箱の内側に投影された像をなぞって下絵を描いたそう。小さい作品が多いのはそのためだといわれています。デッサン苦手説が事実だとしても、それでフェルメールの価値が損なわれるわけではありません。彼の作品に一瞬が永遠につづくような静寂を感じるのは、その作法にこそよるのかもしれませんね。会期:2016年1月14日(木)~3月31日(木)開館時間:10:00~20:00会場:森アーツセンターギャラリー・『リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展』ラファエル前派は、19世紀の英国で起こったムーブメントです。同時代の印象派が屋外で一瞬の光景をとらえる「ライブ感」を追求したのに対し、ラファエル前派は神話や伝説、文学作品に題材を求めました。展示作品をひとことで表現すれば、「ストーリーが感じられる作品」といえるでしょう。たとえば、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作の 《デカメロン》。イタリアの作家ジョバンニ・ボッカチオによる同名の小説に着想を得た作品です。ところが、この物語の登場人物は10人なのに、描かれているのは9人だけ。残るひとりは、この絵を見ているあなたというわけです。物語だけでなく、観衆まで作品に取りこんでしまう手法はさすがです。作品世界に流れるストーリーに想像をめぐらせる、豊かな時間を楽しんでください。会期:2015年12月22日(火)~2016年3月6日(日)開館時間:10:00~19:00会場:Bunkamuraザ・ミュージアム■春が待ち遠しくなる展覧会・冬季展『春に想う―梅・椿・桜・桃―』畠山記念館は、荏原製作所の創業者であり茶人としても知られる畠山一清が収集した、古美術品などを展示するために設立した美術館です。展示では春を象徴する花々をデザインした美術工芸品と、季節の茶道具を見ることができます。こちらの美術館では、展示室でお抹茶(干菓子つき・有料)をいただけるんです。春を思いながら、ほっとひと息つくのも粋ですね。会期:2016年1月16日(土)~年3月13日(日)開館時間:10:00~16:30会場:畠山記念館■童心に返って楽しむ 超絶技巧に舌を巻く 個性派の展覧会・特別展『なぞなぞ? ことばあそび!! 江戸の判じ絵と練馬の地口絵』「判じ絵」は絵から答えを導きだすなぞなぞ。「地口絵」は成句などをもじった言葉遊びを絵にしたものです。たとえば、「花よりほかに知る人もなし」→「腹よりほかに減るものもなし」といった具合。思わずぷっと噴きだしてしまうようなユニークな作品を、童心に返って楽しみませんか?会期:2016年1月30日(土)~3月21日(月・振休)開館時間:9:00~18:00会場:練馬区立石神井公園ふるさと文化館・『世界を驚かせた焼物 吉兆庵美術館蒐集 真葛香山展』1876年のフィラデルフィア万国博覧会に出品されて評判を呼び、海外で人気を博した真葛焼。海外向けとあって華やかな意匠が多いのですが、なかでも必見は「高浮彫」と呼ばれる超絶技巧。今回の目玉であり、香山晩年の最高傑作といわれる《真葛窯変釉蟹彫刻壷花活(まくずようへんゆうかにちょうこくつぼはないけ)》の、水盤に取りついたワタリガニのリアルな質感ときたら! いまにも動きだしそうで、ぞくぞくします。会期:2015年2月17日(水)~2月29日(月)開館時間:10:00~18:30会場:日本橋三越本店 新館7階ギャラリー歴史的名画に春を思わせる雅な美術工芸品、くすりと笑えるユニークな絵から世界を驚かせた焼物まで。早春の1日、感性を豊かにしてくれる展覧会にお出かけしませんか?
2016年02月24日蓮の花の形をした建物が印象的な「ArtScience Museum at Marina Bay Sands(アートサイエンス・ミュージアム)」は、国際巡回展示が観賞できるシンガポール初の博物館。期間限定で開催される興味深い展示は、常にチェックしておきたい。金曜日には、ファミリー向けのお得なサービスも。マリーナ・ベイを特徴づける個性的な建物マリーナ・ベイ・サンズの併設施設として2011年にオープンしたアートサイエンス・ミュージアム。「芸術科学」をテーマとする博物館としては、世界初と言われている。蓮の花の形が斬新なこの博物館は、建築家モシェ・サフディ氏の設計。マリーナ・ベイ・サンズの会長がこの形を「シンガポールの歓迎をする手」と称賛したように、そのユニークな建築物はシンガポールのアイコンの一つとなっている。10本の「指」の先には天窓が設けられ、壁面をランダムに照らす。この屋根からは、雨水が中央のアトリウムを通って35メートル下のプールに滴り落ちる仕組み。雨水は構内で再利用されており、環境に配慮した建築物としても有名。国際巡回展示を観賞できる場所このミュージアムはアート、デザイン、メディア、建築、テクノロジーをテーマとし、大小合わせて21ものギャラリーにて、最先端の展示を観賞することができる。常設展「ArtScience : A Journey Through Creativity」では、Curiosity(好奇心)、Inspiration(インスピレーション)、Expression(表現)の3つの展示スペースを通し、創造のプロセスへの旅を表現。アーティストの作品を生む原動力、どのようにスキルを身に付け、創り出し、それによって私たちの世界がどう変わるかを考える機会を与えられる。ここでは、常設展に加え、世界的に有名なコレクションの国際巡回展示を開催できるのが最大の特徴。過去には、「タイタニック:アーティファクト エキシビション」「ハリーポッター展」「ダリ:Mind of Genius」など、シンガポールで最も人気の高い展覧会が催されてきた。毎週家族にお得なイベントも毎週金曜日は、子供が無料になる「ファミリーフライデー」を開催。大人のチケット1枚購入につき、12歳未満の子供が4名まで無料で入場できる。また、毎月一回、木曜日には、通常営業の後に「ArtScienceレイト」を開催。通常展示が終わる19時から22時まで、この夜限りの最先端パフォーマンスを目撃しよう。バーもオープンし、アートに浸る大人の夜を過ごすことができる。・詳しいスケジュールと内容はこちらArtScience Museum(アートサイエンス・ミュージアム)・住所:6 Bayfront Ave, Singapore 018974・営業時間:10:00-19:00(最終入館は18:00)・電話:+65 6688 8888・入場料金:展示内容により異なる詳しくはこちら・アクセス方法:マリーナ・ベイ・サンズのベイサイド。ショッピングモールの目の前。MRTベイフロント駅より徒歩10分。©All Photos to Singapore Tourism Board
2015年09月27日白亜の壁が眩しいビクトリア様式の建造物が目を引く美術館「The Arts House(アート・ハウス)」は、シンガポールのアートシーンを語るのに欠かせない場所。国内最古の政府機関が入っていたこの建物は、2003年に美術館として生まれ変わった。併設のレストランやカフェもユニークなので合わせてチェックしよう。役割を変えながら歴史を刻むアート・ハウス1826年にスコットランドの商人ジョン・マックスウェルの個人邸宅であったアート・ハウス。現在でも白く美しく輝くコロニアル調の建物は、後に巨大ホーカーセンター「ラオ・パ・サ」の建築に携わったGeorge Coleman(ジョージ・コールマン)によってデザインされたもの。その後Court House(裁判所)として、1954年から1999年までは国会議事堂として利用され、2003年に現在のアート・ハウスに姿を変えた。邸宅であった時代の名残を思わせるインテリアや、議場の跡地を利用したコンサートホールは、アート・ハウスの歴史的意味を感じさせる。シンガポールのアートシーンを牽引するアートイベントの数々アート・ハウスでは、常設展示に加え、ショートフィルムの上映や、演奏会、ワークショップなど、芸術的なイベントが随時行われている。建物内の部屋やスペースは、アート団体や企業などのイベント向けに有償で貸し出され、更にはウェディングパーティーの会場として利用されることも。シンガポールの国の歴史や建築様式の変遷を学べると同時に、芸術を発信するクリエイティブな場所として国民に重宝されている。※最新のイベント情報はこちら。併設のカフェでアートを感じるアート・ハウスには、5つの個性的な飲食店が併設。本屋とカフェが融合した「earshot café(イヤーショット・カフェ)」は、ゆっくりとコーヒーを飲みながらアートに浸れる絶好の空間。ランチセットのハンバーガーが人気。本格ベトナム料理が楽しめる「Viet Lang」や、生バンドが楽しめるバー「barber shop by timbre」など、魅力的な飲食店ばかり。アート・ハウスは観光スポットで有名な「ラッフルズ卿上陸地点」のすぐ近く。観光の合間にふらっと訪れて、歴史的建築と最先端アートにゆっくりと触れてみてはいかがだろうか。©All photos to Singapore Tourism BoardThe Arts House・住所:1 Old Parliament Lane, Singapore 179429・営業時間:10:00-22:00※BOX OFFICE(チケット売り場)は10:00-20:00。日曜休み。チケット購入が必要なイベント開始の1時間前にオープンする。オンライン購入はこちら・電話:(+65) 6332 6900 / (+65) 6332 6919(BOX OFFICE)・入場料金:チケット購入が必要なイベント以外は無料・アクセス方法:MRT City Hall(シティ・ホール)駅から徒歩5分。
2015年09月17日パブロ・ピカソといえば、世界で最も有名なアーティストのひとり。誰もが知っている現代美術の巨匠です。しかし、そのピカソがじつにキュートな陶芸作品を大量に残していることは、彼の絵画作品ほどには知られていないのではないのでしょうか。『ピカソの陶芸』(パイ・インターナショナル刊)はその名のとおり、陶芸だけを200点以上収録したピカソの作品集。知らなかったピカソがいっぱいで新鮮です。監修者の岡村多佳夫先生にお話を伺いました。岡村多佳夫(おかむら・たかお)美術評論家。早稲田大学大学院博士課程修了。専門はスペイン美術史、近・現代美術史。「生誕100年記念ダリ回顧展」など美術展の監修を多く手がける。著書に『ピカソ──巨匠の作品と生涯』(角川文庫)など多数。2014年、長年勤めた大学を退任。現在、個人で美術史の寺子屋を開講すべく準備中。「陶器では、君は何もできない」──当然、ピカソの絵画は有名ですが、陶芸作品は意外に知られていませんね。「絵画って、いちいち細かい決まりがあって、わけわかんないところがあるでしょう」──えっ、わけわかんないって、どういうことでしょう!?「絵画というのは描くにあたって、構図であるとか、主題であるとか、考えないとならないことがいろいろあるわけです。陶芸は、そういう難しいことは考えないで済むから。割れ物だから壊れていくことが前提で、次から次へと自分が描きたいものを描いている。形がある程度でき上がっているところに、好き勝手にどんどん描けるわけです」──形ができ上がっている、というのは?「ピカソは南フランスのマドゥーラ工房で陶芸をやっていたんだけれど、基本はその窯元にある焼き物に絵付けをしていたんです。だから、共同制作ですね」──半分、他人の手が介入しているし、焼き上がってくるまでどうなるかわからない、コントロールしきれないところがあったんですね。「ガラスも同様、火を使う芸術ってそうで、自分が手出しできない部分があるんですね。リトグラフなんかの版画も、刷り師によって変わってしまうけれども」──本のなかにも、「陶器は版画のような機能を持つ。焼くことは刷ることだ。そのときに君が表現したものが何かを知る。刷り上がったとき、それはもはや彫ったものではない。陶器では、君は何もできない」というピカソの言葉が紹介されていました。陶器制作には、自分の想像を超えるおもしろさがあったんでしょうね。「落書きのようなものだよね。息抜きでもあったんだと思いますよ」──息抜きでさえ、制作なんですねえ。「なんか描いてないとダメなんですよ、あの人は。マラソンランナーなんかでもよく、走ってないと体調が悪くなるなんていうけど、それと同じじゃないかな? それに、制作が娯楽、趣味だったんだと思います。だから描き続け、つくり続ける。ピカソは多作で知られてるけれど、数があるのも不思議ではないんです」陶芸は自由に描くためのツール──本では、作品の合間にピカソの言葉が時折挟まれているのが印象的です。本全体のリズムもつくる役割も果していますが、そのなかのひとつに「ラファエロのように描くには4年かかった。子どものように描くのは一生かかった」という言葉があります。「ただ描くだけではなく、アートに昇華する訓練を幼少時からやっているから。ピカソは、絵画とは何かということをずっと探求していました。絵でも陶芸でも、そこに精神性は求めていない。だから彼は抽象画を描かなかったんです。絵画という平面のなかで三次元のものを描くにあたり、どうやって本物らしく見せるか、つまり、表現の方法を追求していた。それが、あるときはキュビスムになったわけです。あれは形と、そのまわりの空気をどう表現するかという命題だから。だからこそ、デヴィッド・ホックニー然り、フランシス・ベーコン然り、横尾忠則然り、画家の連中はピカソを特別視していった。絵画とは何であるかを見せつけているという意味で、ピカソは特別な存在なんです」──ゴッホのような精神性の特異さによる表現ではなく、あくまでも表現のうえでのバリエーションが評価されているんですね。「子どもは、たとえば人間を描くとき、顔から描き始めますよね。画用紙いっぱいに顔から描くから、頭でっかちで、体はおまけでくっついてるみたいになる。大人から見るとそれは変なバランスだけれども、子どもにとっては普通のこと。いちばん見えてくるものは顔であって、そう見えてるから、そう描いているだけなんです。けれど、絵画としてそれをやろうとすると、難しい。それで苦労してるわけ」──だって、すでに大人の見方や考え方をもっちゃってるわけですもんね。「そう。彼は美術学校で学んでもいたわけだから。だから、わかる・わかんないは、どうでもいいんです。ガラクタでもなんでも、くっつけちゃえば新しいものになる。そういうものを考えていくのが好きだったんですね。でも、絵画の場合はいろんな取り決めがあるから。どうしてもフレームという制限があって、そのなかで構図を考えていくものだから、その時点で子どものように無邪気には描けないわけです。陶芸はその点で、自由気ままに制作できるツールだったんでしょう」──なるほど。ピカソが陶芸に没頭していった理由がわかった気がします!国内でピカソの陶芸作品を所蔵しているのは、箱根の彫刻の森美術館。また、洋菓子店ヨックモックはコレクションをもっているので、青山本店の店内に飾ってあるのが見られます。子どものように無邪気に、感性のまま描いたピカソの陶芸。本で、実物で、解放的なピカソにふれてみてください。『ピカソの陶芸』監修・解説 岡村多佳夫発行 パイ・インターナショナル価格 ¥2,300(税別)ピカソが没頭した陶芸の作品を201点収録。ピカソの陶芸の世界をポップで楽しく、テンポよく眺められるのは中島基文氏のブックデザインによる。時折挟まれている生前のピカソの写真や言葉が内容に厚みを加えている。
2015年09月03日残暑とはいえ、あまりに暑かった日々を思うと、どう過ごしていたのやら、意識すら混濁していたような記憶しかありません。リフレッシュして秋を迎えるためにも、本当に必要なこと以外は無理して集中せず、まどろみのひとときを楽しみませんか?ふわ~っとした浮遊感のある画集や写真集が、そのひとときを魂レベルで究極の癒しにしてくれます。視覚から入る夢の扉を開けると、そこは天空で、天使たちが雲をつき飛ばしあったりして遊んでいて…。真夏の夜の夢ならぬ、夏の終わりの白日夢へようこそ!画集「Silent Landscape」が誘う見果てぬ夢の先へ黒坂麻衣さんが描く鹿や馬、人や静物の絵画を、本の装丁や広告、ポストカードやハンカチなど、どこかで目にしたことがあるのではないでしょうか? 色彩が半透明のヴェールに包まれているような、ミルクが混ざったような、白っぽい淡い陰影。写実的なようで、どこにも無い幻想的な世界にも見える美しい絵は、心を穏やかに解き放ってくれます。画集のページを繰っていくと、映画のワンシーンみたいな夢がどんどん降り積もっていくのです。こんな絵を描く人はどんな人なのだろう? 麻衣さんにお話を伺いました。黒坂麻衣(くろさか・まい)画家・イラストレーター。1986年青森生まれ。多摩美術大学卒業。2013年ADC賞入選。2014年JAGDA入選。2013年「Silent Landscape」(浅草橋天才算数塾刊)出版。島本理生著「匿名者のためのスピカ」(祥伝社)装画など。―― 絵は子どもの頃から描いていたのですか?「一人で本を読んでいるような物静かな子どもだったんですが、小学校低学年の頃から、絵を描いていると友達が寄ってきてくれて、自分はあまりしゃべらないのに、絵がコミュニケーションツールになっていたんですね。絵が人とつないでくれるのが嬉しくて、今思うと、それで絵描きになったのかもしれません」青森で生まれ、3歳から7、8歳頃までを北海道で暮らした麻衣さんは、雪景色から連想する白とグレーの色彩に魅了され、それが描く時の根底にあると語ります。「自分の心がホッとする世界。たびたび思い出します。雪景色が恋しい。自分にとってはユートピアなのかな。昔見た風景に近いようなモチーフを自然と選んでたりしますね」そのせいかピュアで清冽なだけでなく、胸がキュンとなる郷愁や孤独感がどの作品にも漂っていて、それが麻衣さんの絵の強烈な魅力になっています。学生時代からの愛読書「カラマーゾフの兄弟」に登場する、天使のようなアリョーシャに惹かれ、聖なる存在と俗なる存在の間で葛藤する姿に自身を重ねたことがある、と麻衣さん。彼女が、実は夢からすごくインスパイアされている、と伺って驚きました。「私は夢に助けてもらってる気がする。河合隼雄さんの本で読んだのですが、起きている間は、建前でものを言わなきゃいけない世界だけれど、夜見る夢で調節してくれるのだとか。私、子供の時にさみしかったこととか傷ついたことが夢に出てくるんですね。すごくいい夢を見ることもあるし、夢に導いてもらったり、けっこう夢を信じています」描くことでまず自分が癒されたい、という麻衣さんの祈りにも似た絵は、私たちをも癒し、優しいまどろみへと誘います。9月5日~27日、浅草HATCHIでアーティストの大塚咲さんと二人展が開催されるとか。生の絵画に触れる絶好の機会です。詳細はHPでご確認を。写真集「幻夢」が連れて行ってくれる桃源郷の究極の癒し“一冊の本を売る店” というコンセプトで、2015年5月にオープンしたばかりの森岡書店銀座店での湯沢薫さんの個展「幻夢」を見た時の衝撃は忘れられません。初めて見る写真展なのに、デジャヴみたいな懐かしさと、自分を取り巻く空気が一瞬にして変容し、どこかへ連れ去られるような未知の刺激に、同時に襲われたのです。ドキドキしました。湯沢薫(ゆざわ・かおり)アーティスト。1971年生まれ。18歳からファッションモデルとして活躍。1997年渡米し、San Francisco Art Instituteで、写真、装丁、実験映画を学ぶ。帰国後は国内外の展覧会に参加し、写真、立体、絵画、音楽など、様々な手法で制作活動をおこなっている。2015年「幻夢」(HeHe刊)出版。学校に馴染めず、小・中学校とイジメられっ子で地獄を味わい、バレリーナを夢見ながらも、ファッションモデルとして活躍した後、サンフランシスコ・アート・インスティチュートに留学して、初めて自分の居場所を見つけたという薫さん。写真、絵画、立体、音楽と多才に活動する彼女が、最近、ファッションブランドaoとのコラボレーションで洋服をデザイン。洋服とともに作品が展示されたaoを訪れ、インタビューをお願いしました。―― サンフランシスコで、初めて自分らしい呼吸ができたんですね。「そう! 学校ってこんなにおもしろいんだって初めて思えたの。先生もすっごい変で、特に実験映画の先生は光を好きなあまり、8ミリで覗いてるうちに興奮してきて椅子がクルクル回り出して、そのまま走ってどっかへ行っちゃったり(笑)。すごく自由。でも、作品へのクリティークは厳しいんだけど、そこで初めて受け容れられて。お前はアーティストなんだから、アーティストとして生きなさい、と言ってくれて」それまでは、モデルゆえに「どうせ趣味なんでしょ」という先入観を持たれるから、普通の人の3倍がんばらないといけないと思っていたのが、渡米後はそういうバイアスがなくなったのだそう。「今でも、くじけそうになるとその時のことを思い出します」と薫さん。彼女の写真の撮り方は“シャーマン”そのもの。心に降りてきたイメージ、目の前に漠然と現れた風景を探す旅に出て、同じ風景を見つけたら撮影。時には、夢中で撮影していて崖から落ちてしまったことも。「カメラを持ってると、サルみたいにどこでも登ってっちゃう。カメラを持ってると登れちゃうんです。撮り終わるとスイッチが切れて、気がついたらすごい上まで登っちゃってて、どうやって下りよう…みたいな(笑)」そんな命がけの撮影も含め、5年ほどかけて編まれた写真集が「幻夢」。空想の世界で遊ぶことを教えてくれた亡き父の葬儀場のカーテンからスタートし、生と死の意味を探り、道に迷い、通り抜けると光が射し、花が咲き乱れ、霧が立ち込め、バレリーナの妖精が踊っていたり、目が覚めるとニュートラルな世界が広がり、別れてしまった恋人の面影が浮かんだり、最後は海で新しい旅立ちへ…と、ストーリーが展開していきます。「人生いろいろあるけど、キレイごとばかりじゃない。でも、必ず光がある。いい未来が待ってるんだよ、っていうのが裏のメッセージ。かなり前向きです」と、薫さんは微笑みます。彼女の写真に触れて、空想の世界でまどろんでみませんか? 暑かったトンネルを抜ければ、そこはオアシス。新しい季節は、リフレッシュしたあなたのものです。・黒坂麻衣さん 公式サイト ・湯沢薫さん HeHe ※文中のイベントは2015年のものとなります。
2015年09月02日© Bangkok Art and Culture Centre気軽にタイのアートシーン最先端に触れるなら「バンコク・アート&カルチャー・センター(BACC)」へ。ここは2008年、13年の構想を経てオープンしたアートスポット。真っ白な外観と、らせん状の内部がニューヨークのグッゲンハイム美術館を思わせる特長的な建物。館内にはタイのコンテンポラリーアートがインタラクティブな形で展示されている。ギャラリースペースに加えてショップ、ライブラリー、カフェも併設。美術企画展のほか、音楽や詩、演劇パフォーマンス、映画や文学に関するセミナー、キッズ向けワークショップも行われ、タイのアート好きが集まる。© Bangkok Art and Culture Centre館内は2つのエリアに分かれていて、企画展が開催されるメインギャラリーは上層階の7階、8階、9階に位置。1階には250席のイベントホールと、一休みにぴったりなおしゃれなカフェ「Gallery Drip Coffee」。広くはないが、バリスタが一杯ずつ丁寧にいれてくれ、美術鑑賞の合間はもちろん、近隣でショッピングに訪れた観光客の涼み処としても人気。2階に市民ギャラリーとショップ、3階にもまたショップがあり、4階、5階にはスタジオやミーティングルーム等がある。複数あるショップにはタイをモチーフにしたものや若手作家が手掛けたグッズもあるので、ユニークなお土産が見つかるかも!© TRIPPING!エスカレーターでメインギャラリーまで上ると、象徴的ならせん状のギャラリーと吹き抜けが眼下に広がり、定番のフォトスポットでパシャリ。ぶらり訪れてみるのも良いが、展示の内容は幅広いので、情報を事前にチェックしておくのも良い。さらに地下のアートライブラリーでは、アート関連本や企画展のプログラムを閲覧することが可能。ファミリーには嬉しいキッズコーナーもある。© TRIPPING!マーブンクローン・センター(MBK)、サイアム・ディスカバリー・センター、サイアムスクエアのある交差点の一角にあり、BTSナショナルスタジアム駅直結、サイアム駅CENからも徒歩約5分とアクセスも便利。入館無料なので、ちょっと時間が空いたら気軽に立ち寄ってみて。© Bangkok Art and Culture Centreバンコク・アート&カルチャー・センター(Bangkok Art and Culture Centre (BACC))・住所:939 Rama1 Road, Wangmai, Pathumwan, Bangkok 10330・利用時間:10:00~21:00(月休)・利用料金:無料
2015年07月30日フリーダ・カーロという画家を知っていますか? 1907年メキシコ生まれ。6歳の時に小児マヒを患って右足は短いまま、18歳で電車とバスの衝突事故に遭い、バスの折れた鉄柱が下腹部を貫通。脊椎、鎖骨、右足、骨盤の骨折で一時は医者にも見放され、生還しても47歳で亡くなるまで後遺症に苦しみ、それでも情熱的に描き続けたフリーダのことを。死後50年を経て、フリーダ・カーロ博物館からの依頼で彼女の遺品を撮影することになったのが、原爆で亡くなった人々の衣服を撮影した写真集「ひろしま」などで著名な世界的写真家、石内都さんでした。石内さんをテーマに映画を撮りたいと念願していた小谷忠典監督が、メキシコで石内さんに同行してカメラを回し、さらにメキシコの歴史や文化にも分け入って撮影した映画が、この魅力的で貴重な「フリーダ・カーロの遺品」です。遺品なのに、まるでフリーダが生きているかのよう! 偉大な画家というより、一人の女性としてフリーダを甦らせた石内さんは、普遍的な“女の人生”を私たちに突きつけます。女性として芸術家として、共通点を持つこの二人を、生と死の境を越えて活写した小谷監督にお話を伺いました。自分の傷に気づかせてくれた石内さんをテーマに、映画を撮りたい学生の頃から石内さんのファンで、いつか彼女の映画を撮りたいと思っていた小谷監督がインスパイアされたのが、石内さんが身体の傷を撮った写真集「scars」でした。「10年位前、結婚したいと思ったバツイチの女性に子どもがいて、その子の父親になりたいと思った時、引っかかるものがあったんです。それが何かはわからなかったけれど、石内さんの写真を見た時、自分の傷に気づかされて。自分には、父親がアルコール依存症という問題がずっとあったのですが、そのことと向き合わないと進めないんだなと」父親の理想像を追い求め、実際の父親とぶつかっていた自分が、石内さんの写真を見たことによって理想が崩れ、父親を一人の人間として受け容れられるようになったとか。その変化は非常に大きく、後に小谷監督は、自身の家族を撮った映画「LINE」のパンフレットで石内さんにコメントを依頼します。今回、彼女をテーマに映画を撮りたいと連絡した時は、たまたま石内さんがメキシコに旅立つ2週間前だったとか。「まさか、メキシコへ行ってフリーダを撮ることになるとは、全然思ってなかったです。こんなすごいプロジェクトを見過ごすわけにはいかないでしょう! とプロデューサーを説得し、石内さんの到着した2、3日後、どうにかメキシコに降り立ちました」フリーダ個人の奥にあるメキシコの歴史や文化を投影青く塗られた壁が印象的な、通称“青い家”。フリーダ・カーロの生家であり、夫の画家ディエゴ・リベラと結婚生活を送り、最期の時を迎えた場所、フリーダ・カーロ博物館の陽光の当たる中庭や、風通しのよさそうな明るい室内で、石内さんが撮影しています。何万点もある遺品の中から、即決で選び、撮らないものは「アディオース!」と除けていく姿勢の軽々と楽しげなこと。そのキュレーションの見事なこと。「石内さんも、最初はフリーダ個人を捉えていたんですけれど、遺されたものの中にある色彩とか質感、ディテールから、フリーダ個人より、もっと奥にあるメキシコの歴史とか文化に、どんどん着眼されていったんです。ただの記録では映画にする意味がないので、そういった石内さんの目には見えない仕事も可視化するというか、映像で伝えたいなあという思いがあったので、翌年、もう一度メキシコを訪れたんです」フリーダの母親の出身地オアハカで死者の祭りを撮影し、フリーダが日常的に愛用した伝統衣装テワナドレスを作る刺繍家の女性たちを取材するなど、映像に民俗色豊かな色彩感と文化の奥行が加わりました。テワナドレスは母から子へと受け継がれるとか。女性の手仕事も脈々と受け継がれ、「着物と同じね」と石内さんが撮影中に共感するシーンも。フリーダの強さは日常をちゃんと送っている生命力の強さ「フリーダは衣装持ちですが、その中でもテワナドレスは圧倒的に多い。痛みをあれだけ抱えた人だったので、衣装に守られているという感覚があったんじゃないでしょうか」1937年ヴォーグに載った時に着ていたグリーンのブラウスが、お洒落で驚きました。「自分をアピールするために、戦略的だったとは思うんですけれど、それだけじゃなく本当に大事にしていたんでしょうね。ただ、彼女はセルフプロデュースが本当に上手い人だと思います。本人は身長150cm足らずなのに、あれだけ大きく見せるというか、強く見せるというのは、衣装の力が大きいと思いますね」フリーダは、洗練された独自の感覚でテワナドレスを注文していたので、現地の刺繍家たちからは、あれは伝統本来のものではない、と言われているようです。「センスいいですよね。石内さんも着物を着崩して着るんですけれど、本当にかっこいいと思います」石内さんが淡々と撮影した写真は、光や風と柔らかく重なり合って、まるで家族の遺品をファミリーで見ているような親密な日常感に繋がってくるから不思議です。「石内さんもおっしゃってましたが、フリーダはいろいろセンセーショナルな物語を抱えていましたけれど、彼女の強さはそういうものじゃなく、あれだけの障害を抱えながら、ちゃんと日常生活を送っていた強さだと。映画でも、フリーダの日常の生命力を描きたいと思っていました。彼女は衝撃的な絵を描いていますが、タッチとか見るとすごく繊細で可愛らしかったりするんですよね。実物を見ると、よりそれは感じました」そんなフリーダの遺品を、あちらのスタッフが「こんなところで撮るの?」と驚くほど、石内さんはカジュアルに撮影していたとか。「ものを撮ってる感覚ではなく、身体としてものを撮れる人だから、フリーダ像を一回とっぱらって、もう一回、普遍的な女性というものを立ち上げるんだという意識は、最初から持っていたと思うんです」と小谷監督。撮影中も、「フリーダ、そうだったの」と話しかけながら撮影していたという石内さん。メキシコに行く前から話しかけていたそう。「フリーダ、呼んでくれてありがとう」と。そんな女性二人の息吹が伝わってくる「フリーダ・カーロの遺品」、自分に投影して観てみませんか? きっと新しい発見があり、生きる勇気が湧いてくるはずです。ドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 ― 石内都、織るように』2015年8月からシアターイメージフォーラムほか 全国順次公開監督・撮影:小谷忠典 出演:石内都 予告編: 小谷忠典(こたに・ただすけ)1977年大阪出身。絵画を専攻していた芸術大学を卒業後、ビュジュアルアーツ専門学校大阪に入学し、映画製作を学ぶ。『子守唄』(2002)が京都国際学生映画祭にて準グラン プリを受賞。『いいこ。』(2005)が第28回ぴあフィルムフェスティバルにて招待上映。初劇場公開作品『LINE』(2008)から、フィクションやドキュメンタリーの境界にとらわれない、意欲的な作品を製作している。最新作『ドキュメンタリー映画100万回生きたねこ』(2012)では国内での劇場公開だけでなく、第17回釜山国際映画祭でプレミア上映後、第30回トリノ国際映画祭、 第9回ドバイ国際映画祭、第15回ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭、サラヤ国際ドキュメンタリー映画祭、ハンブルグ映画祭等、ヨーロッパを中心とした海外映画祭で多数招待された。映画写真 ©ノンデライコ2015
2015年07月24日