ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスら豪華共演で贈るウディ・アレン監督作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。今回は、ティモシー演じる主人公ギャツビーが名ホテル「カーライル」のバーでくだを巻く本編映像が到着した。裕福な生まれで文化人気取りの母親を持ち、両親から過大な期待を背負って育ったティモシー演じるギャツビー。親に反発するように、ギャンブルにお金をつぎこみ、お金にも執着するそぶりをみせない。彼が「ラルフローレン(RALPH LAUREN)」の定番ジャケットに身を包み、懐古主義でポーカーに勤しむ姿は、ファッションも性格も『アニー・ホール』をどこか彷彿とさせる。そんなギャツビーがアイデンティティに苦悩し、早口でまくしたてるような台詞がみられるのは、本作の見どころのひとつ。久しぶりのニューヨークを散歩しながら「ニューヨークは他のどの街とも違う。不安と敵対心と被害妄想をかきたてる。世界中どこにもない痛快な街だ」とさながら評論家じみた発言をしたり、セレーナ演じるチャンとのメトロポリタン美術館デートでは、将来の夢をたずねられると「もがいてる。自分が何になりたいのか分からない」と葛藤している姿をみせる。久しぶりの母親との再会では、「“ふさわしさ”を求める人生。ふさわしい友達、ふさわしい学校、ふさわしい女性。ママが判断を下す。違う、僕のことを見て欲しいだけだ」と、ちょっぴりマザコン気質で承認欲求がのぞく様子も。併せて、今回解禁された映像では、ギャツビーお気に入りの「カーライル」のバーでこじらせモードに入っているシーンが公開。約束を後回しにされたアシュレー(エル・ファニング)からの連絡がなく心配していたところ、ホテルのテレビで、アシュレーがプレイボーイで知られる人気俳優フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)の“新しい恋人”というスクープを目にしてしまう!ヤケになり、バーで「リアルな“今”を演じられないロクでもない役者だ」「気取ったジェスチャーと宣伝臭のするリベラル発言。地球温暖化に抗議して焼身自殺すりゃいい」とヴェガをディスり、続けて「あんな男が好みか」と思わず、心の声まで漏れてしまう…。すると、近くの席に座っていた美女と思わず目が合い、なんだかいい雰囲気に…?この後の展開が気にならずにいられない本編映像となっている。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:レイニーデイ・イン・ニューヨーク 2020年夏、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開©︎2019 Gravier Productions, Inc
2020年06月26日ウディ・アレン監督が手掛ける甘くて苦いロマンチック・コメディ『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』より、ジュード・ロウの出演シーンが切り取られた本編映像が公開された。『グランド・ブダペスト・ホテル』『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』『キャプテン・マーベル』など、これまで様々な作品に出演し、2004年にはピープル誌で「最もセクシーな男性」に選ばれるなど、イギリスを代表するダンディ俳優であるジュード。しかし今作では、少しツイてない男を演じている。エル・ファニング扮するアシュレーがインタビューする大物映画監督ローランド・ポラードと長年タッグを組み、常に監督の影に隠れてしまう存在であることに苦悩する脚本家テッド・ダヴィドフを演じるジュード。劇中では、試写会で新作の出来に納得できず失踪してしまうポラード監督を探すため、アシュレーを連れて雨のニューヨークの街を探し回る途中、妻の浮気現場に遭遇してしまう…。今回到着した映像は、そんなテッドが妻コニー(レベッカ・ホール)の浮気現場に遭遇してしまう場面。妹とショッピングに出かけると言っていたコニーだが、親友のマンションに入っていく姿を目撃してしまうテッド。出てくるまで車で張り込み、そして出てきた瞬間を狙って詰め寄り、「妻が親友と浮気とは泣けるね。僕のアフターシェーブも妻も共有だ」といったアレン監督作品ならでは皮肉なセリフも入れながら、道端で問い詰める様子が映し出されている。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:レイニーデイ・イン・ニューヨーク 2020年夏、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開©︎2019 Gravier Productions, Inc
2020年06月19日ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスが豪華競演するウディ・アレン監督最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』から、新場面写真が到着した。本作でティモシー・シャラメ演じるギャツビーとセレーナ・ゴメス演じるチャンの2人が訪れるメトロポリタン美術館は、セントラル・パークの東側に位置する最大の美術館。ニューヨーカーの間では、“メット(MET)”の名称で親しまれている。これまで、ブライアン・デ・パルマ監督の『殺しのドレス』やウディ・アレン監督の『世界中がアイ・ラヴ・ユー』ではその外観で、アンドリュー・デイヴィス監督の『ダイヤルM』では「エジプト美術」エリアのデンドゥール神殿で撮影が行われた。また、「VOGUE」の編集長アナ・ウィンター主催で毎年開かれるメットガラは、メトロポリタン美術館を舞台に、世界中のセレブやスターたちがドレスを着て集うファッションの祭典で、「ファッション界のアカデミー賞」としても知られている。その模様は、アンドリュー・ロッシ監督の『メットガラ ドレスをまとった美術館』でも楽しめる。今回解禁された場面写真には、エル・ファニング演じるアシュレーに約束をすっぽかされたギャツビーが、チャンと2人でメトロポリタン美術館にデートに訪れるシーンが切り取られている。ドレスを着た絵画に見入っているチャンや、エジプト美術エリアを鑑賞している姿など、作品を楽しむ2人の様子を収めたカットのほか、絵画そっちのけで姉と付き合っていた当時のチャンのそっけない態度についてふり返り、思い出話をしている姿や、美術館の外で見つめ合いながら語り合う姿も捉えている。絵画を眺めながらも、小慣れた様子で会話を楽しんでいる2人から、ニューヨーカーならではの粋が感じ取れる。素敵な美術品の数々と、2人のデートのムードが気になるシーンとなっている。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:レイニーデイ・イン・ニューヨーク 2020年夏、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開©︎2019 Gravier Productions, Inc
2020年06月16日ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスが豪華競演するウディ・アレン監督最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。本作は、脇を固めるキャストも主役級の顔ぶれで超豪華。ダンディなイケオジ揃いの実力派俳優たちの場面写真が到着した。妻の浮気が心配な脚本家テッド・ダヴィドフ役には、『リプリー』『コールドマウンテン』で2度アカデミー賞(それぞれ助演男優賞、主演男優賞)にノミネートされ、『ホリデイ』『シャーロック・ホームズ』シリーズから『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』や『キャプテン・マーベル』、現在公開中の『ポップスター』といった話題作にも出演するジュード・ロウ。歳を重ねるごとに大人の渋みが増し、根強い人気を誇る彼が熱演を見せる。また、ハンサムなラテン系映画スター、フランシスコ・ヴェガ役には、アルフォンソ・キュアロン監督の『天国の口、終りの楽園。』でヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を盟友ガエル・ガルシア・ベルナルと共に受賞、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のキャシアン・アンドー役で知られ、『ビール・ストリートの恋人たち』やNETFLIXオリジナルシリーズ「ナルコス:メキシコ編」などに出演、甘いマスクを持ったディエゴ・ルナがフェロモン全開。そして、スランプ気味な映画監督ローランド・ポラード役には、人気TVシリーズ「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」でゴールデン・グローブ賞テレビ部門(ドラマシリーズ)主演男優賞に5度ノミネート、アカデミー賞受賞作品『スポットライト 世紀のスクープ』をはじめ、『犬ヶ島』『スパイダーマン:スパイダーバース』では声の出演を果たしたダンディな俳優リーヴ・シュレイバー。この度解禁された新場面写真9点では、ローランド・ポラードがアシュレー(エル・ファニング)からインタビューを受けているシーンや、業界関係者のパーティーでアシュレーと再会し、彼女の無垢な魅力に惹かれていくシーンも。はだけた胸元がセクシーなフランシスコ・ヴェガのカットや、アシュレーをディナーへ誘い、優しい微笑みで甘い言葉を語りかけている姿。さらに、試写後に行方をくらましたポラード監督を探しに、アシュレーと一緒に彼の行きつけの店にいるテッド・ダヴィドフのカット、車中でポラード監督作についてアシュレーと楽しく会話を弾ませる場面が切り取られている。エル演じるアシュレーに魅了された3人のイケオジたちの出現により、アシュレーとティモシー演じるギャツビーとの関係はどうなってしまうのか、気になるところだ。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:レイニーデイ・イン・ニューヨーク 2020年夏、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開©︎2019 Gravier Productions, Inc
2020年06月11日ウディ・アレン監督最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の公開を記念して、監督の過去作を一部の映画館にて特集上映することが決定した。新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAなどで行われる今回の特集上映。アレン監督作品の中で2000年代を代表する4作品がラインアップ。オーウェン・ウィルソン演じるハリウッドの売れっ子脚本家が、現代から1920年代のパリへとタイムスリップし、憧れの偉人たちと出会う『ミッドナイト・イン・パリ』をはじめ、ケイト・ブランシェットがアカデミー賞主演女優賞に輝いた、ひとりの女性の転落人生とその複雑な胸の内を映し出す人間ドラマ『ブルージャスミン』。ホアキン・フェニックス主演、エマ・ストーンがヒロイン役で出演し、孤独で気力のない哲学科の大学教授が、突拍子もない妄想から“生きる意味”を発見し、憂鬱だった日々が輝きだすダークコメディ『教授のおかしな妄想殺人』。1930年代のハリウッド産業に憧れ、ニューヨークからやってきた青年(ジェシー・アイゼンバーグ)が、華やかな上流階級の社会に飛び込み、2人の美しい女性との恋を描いた『カフェ・ソサエティ』といった、人生や恋愛を描いた珠玉の4作品がスクリーンにカムバックする。また特集上映のすぐあとには、『What’s Up, Tiger Lily?』(’66・未/原題)から監督作通算50本目(※短編、テレビシリーズ除く)となる『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』が公開。ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスといったいま人気の俳優たちが集結し、ニューヨークの街で運命のいたずらに翻弄される男女を映し出すロマンチックコメディとなっている。「ウディ・アレン監督作品 特集上映」は6月12日(金)~7月2日(木)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMA、ミッドランドスクエアシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、MOVIXあまがさき、札幌シネマフロンティアにて上映。(YEBISU GARDEN CINEMAは6月26日~7月2日の期間中、『ミッドナイト・イン・パリ』、『ブルージャスミン』のみ上映)『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ミッドナイト・イン・パリ 2012年5月26日より新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか全国にて公開Photo by Roger Arpajou -(C) 2011 Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L. and Gravier Productions, Inc.ブルージャスミン 2014年5月10日より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋 ほか全国にて公開© 2013 Gravier Productions, Inc.カフェ・ソサエティ 2017年5月5日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.レイニーデイ・イン・ニューヨーク 2020年夏、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開©︎2019 Gravier Productions, Inc
2020年06月10日ウディ・アレン監督のもとティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスら現代を代表するアイコニックな人気俳優たちが集結した『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。この度、ティモシーの“絵になる”横顔を揃えた新場面写真6点が解禁された。ルカ・グァダニーノ監督『君の名前で僕を呼んで』以来、続々と名匠たちとコラボを果たしているティモシー。浮世離れしたその美しさは、ファッション業界からも注目を浴び、レッドカーペットではスタイリストをつけず、パリコレではリュックサック姿でさらりと登場したり、アカデミー賞ではサステナブル素材を着用したりなど、独自のスタイルが話題になっている。この度、解禁された新場面写真6点では、伏し目がちな表情で優雅にピアノをひくセクシーな姿から、アシュレー(エル・ファニング)と馬車に乗りセントラル・パーク内の自然を見渡すカット、旧友と再会し過去を懐かしむ表情。偶然チャン(セレーナ・ゴメス)とタクシーに乗り合わせるシーンでは、雨の中でも神々しい輝きを放ち、生き生きと楽しそうな表情をみせる様子も。そのほか、兄の家でただのソファに座ってくつろいでいるだけで、雑誌モデルのような様になる姿、映画撮影でのチャンとのシーンでは、夕陽に照らされた美しい横顔ばかりが切り取られている。また、本作では自身のアイデンティティに悩みながらも、魅力を隠し切れない好青年ギャツビーを見事に演じているティモシー。語り口調や猫背な姿勢はまるでウディ・アレン監督を投影しているかのよう。ニューヨークの悩めるモラトリアム男子に扮したティモシーの姿は必見といえそうだ。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年06月09日ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスの豪華競演で送るウディ・アレン監督の最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。この豪華タッグが話題の本作から、クラシックなニューヨーカーの雰囲気が漂うティモシーの場面写真5点が到着した。本作についてSNS上では、「ウディアレンのモダンジャズの世界に、ティモシーシャラメが出てくるのが楽しみで仕方ない」「ティモシー・シャラメ×エル・ファニングに周りを固めるキャストも強い」「映画館でピアノを弾き歌うティモシー・シャラメを拝めるだなんて…」と本作ならではのティモシーの姿に、早くも期待の声が続出。『君の名前で僕を呼んで』(17)で、彫刻の様な美しさと繊細な演技でその名を世界中に馳せ、一躍スターダムへと駆け上がったティモシー。『レディ・バード』(17)では、主人公を翻弄するプレイボーイな青年を演じ、『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』(17)では、あどけなさを残した少年がドラック・ディーラーの道へと足を踏み外していく危うさをみせ、『ビューティフル・ボーイ』(18)では薬物依存症に苦悩する主人公を体当たりで演じるなど、作品ごとに全く違った表情を魅せる24歳の天才。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19)では、『レディ・バード』のシアーシャ・ローナン、グレタ・ガーウィグ監督と再タッグ。今後もウェス・アンダーソン監督『The French Dispatch』(原題)や、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『DUNE』(原題)、『君の名前で僕を呼んで』続編のカムバックや、ジェームズ・マンゴールド監督が手掛けるボブ・ディランの伝記映画の主演が決まるなど、続々と巨匠たちのコラボを果たしている。そして本作では、小さなヤードレー大学に通い、モラトリアム真っ只中の主人公ギャツビーを演じるティモシー。今回解禁された新場面写真5点では、「ラルフローレン(RALPH LAUREN)」の茶色の定番ジャケットをさらりと着こなし、今時では少し珍しい、シガレットホルダーでタバコを嗜む姿も。中年グループ相手に、ポーカーにいそしむシーンや、ウディ・アレン監督も常連客として足を運んでいるホテル、“カーライル”にあるベメルマンズ・バーでピアノを弾く姿。こなれた様子でスマホ片手に、ひとりグラスで呑んでいるシーンが切り取られ、懐古主義のニューヨーカー役でも魅力を発揮してくれそうだ。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年06月02日ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスらいま人気の若手俳優が出演し、ニューヨークの街で運命のいたずらに翻弄される男女を描くウディ・アレン監督最新作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の日本公開日が7月3日(金)に決定。日本版予告編とビジュアルが到着した。今回到着した予告編では、ティモシー演じるギャツビーと、エル演じる恋人アシュレーが、大学の課題でマンハッタンにいる有名映画監督にインタビューできることを喜ぶシーンからスタート。ギャツビーは2人きりのお泊まり旅行を兼ねたデートプランを計画するも、アシュレーは取材に熱が入り、映画業界の大物たちと出会い舞い上がっていく。一方のギャツビーも、急遽エキストラとしてとある撮影に参加。そして元カノの妹チャン(セレーナ・ゴメス)とキスしてしまうことに。さらにアシュレーが超人気スター、フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)の新しい恋人というスクープを目にしてしまう。惑わされ、すれ違う…そんな恋の結末はどうなってしまうのか?ニューヨークの街に降る雨が、3人の恋模様をより魅力的に盛り上げる。さらに、傘の形に切り取られたギャツビー、アシュレー、チャンの写真が配置されたビジュアルも到着。3人の恋模様の行方が気になる1枚に仕上がっている。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2020年05月29日映像配信サービス・GYAO!では、27日より「GWもたっぷり無料動画」特集を立ち上げ、人気の映画作品からアニメ・ドラマ、バラエティ、ライブ映像など、GWにおすすめの豪華作品を無料配信する。人気を誇る『名探偵コナン』をはじめ、WEB先行無料配信となるSUPER JUNIORのシウォンが主演を務める韓国ドラマ『ピョン・ヒョクの恋』、ウディ・アレン監督の『女と男の観覧車』など見ごたえたっぷりの作品が勢ぞろい。そのほか、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』で101人の中から選ばれた11人で結成されたグローバルボーイズグループ・JO1の初レギュラー番組『JO1 HOUSE』や、木村拓哉がリスナーやスタッフから与えられる“お題”に挑戦していくバラエティ番組『木村さ~~ん!』など豪華ラインアップとなっている。○「GWもたっぷり無料動画」特集 作品一覧(4月27日時点)■映画【邦画】『リベンジ girl』 配信中~5月6日『PARKS パークス』 配信中~5月11日『リアル鬼ごっこ2』 配信中~5月11日『蜜のあわれ 』 配信中~5月17日『高校デビュー』 配信中~5月24日『ガメラ 大怪獣空中決戦』 配信中~5月9日『ガメラ2 レギオン襲来』 5月3日~5月30日『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』 5月2日~5月15日『駆込み女と駆出し男』 5月3日~6月2日『理系が恋に落ちたので証明してみた』 5月5日~5月31日『結婚』 5月6日~5月26日『クリーピー 偽りの隣人』 5月8日~5月21日『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』 5月13日~6月12日【洋画】『女と男の観覧車』 配信中~5月25日『パレス・ダウン』 配信中~5月21日『ミニミニ大作戦』 4月28日~5月11日『サイレントヒル:リベレーション』 4月29日~5月12日『パディントン2』 4月30日~5月13日『ギャング・オブ・ニューヨーク』 5月2日~5月15日『TAXi2』 5月2日~6月1日『ブラッド・ファーザー』 5月3日~6月2日『アメリカン・ハッスル』 5月7日~6月6日『彼が二度愛したS』 5月8日~5月28日『NINE』 5月10日~5月23日■アニメ『名探偵コナン 第18シーズン』(一挙配信) 配信中~5月2日『名探偵コナン 第19シーズン』(一挙配信) 5月3日~5月30日『キングダム 第2シリーズ』 配信中~7月6日『美味しんぼ【デジタルリマスター版】』 配信中~9月7日『この素晴らしい世界に祝福を!』(一挙配信) 4月29日~5月5日『新妹魔王の契約者』(一挙配信) 4月30日~5月6日『僕は友達が少ない』(一挙配信) 5月1日~5月7日『緋弾のアリア』(一挙配信) 5月2日~5月8日『約束のネバーランド』 5月2日~6月10日『金田一少年の事件簿』 5月3日~5月16日『テニスの王子様 全国大会篇』 5月3日~5月9日■ドラマ【国内ドラマ】『仰げば尊し』 配信中~5月19日『恋空』 配信中~5月19日【韓国ドラマ】『彼女はキレイだった』 配信中~5月7日『キンコンカンコン 恋の始まり~スイート6ストーリーズ~』 配信中~5月6日『想像ネコ ~僕とポッキルと彼女の話~ 』 配信中~5月18日『ナイショの恋していいですか!?』 配信中~5月10日『のだめカンタービレ~ネイルカンタービレ』 配信中~5月6日『冬のソナタ』 配信中~5月4日『魔王』 配信中~5月26日『ピョン・ヒョクの恋』※WEB 先行無料配信 4月28日~6月29日『ハッピー煉獄レストラン~スイート6ストーリーズ~』 5月4日~5月20日【海外ドラマ】『ウェントワース女子刑務所 シーズン1』 配信中~6月27日『刑事フォイル』 配信中~5月21日『スニッファー ウクライナの私立探偵』 配信中~5月3日■バラエティ『木村さ~~ん!』 配信中~未定『千鳥のロコスタ』 配信中~2022年2月5日『なにわからAぇ! 風吹かせます!~なにわイケメン学園×Aぇ! 男塾~』 配信中~未定■韓国バラエティ『アイドルに夢中!アミーゴTVシーズン1』 配信中~5月18日『週刊K-POPアイドル』 配信中~8月25日■音楽『THE EYEWALL NiGHT vol.2【5G LAB】』 配信中~9月26日『THE YELLOW MONKEY【5G LAB】』 配信中~9月26日『SBS 人気歌謡』 配信中~2022年1月17日『Mnet LIVE』 配信中~未定『JO1 HOUSE』 配信中~8月19日『チーム8 結成6周年記念特番!エイトちゃんのおたんじょう日会』 配信中~10月3日『PRODUCE101 JAPAN』 配信中~8月19日
2020年04月27日映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』が、2020年7月3日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国公開。ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスが出演する。ウディ・アレンが贈る、NY舞台のロマンティック・コメディ『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は、『ミッドナイト・イン・パリ』『マジック・イン・ムーンライト』で知られる巨匠ウディ・アレン監督の最新作。過去の監督作品『カフェ・ソサエティ』『女と男の観覧車』同様、今回もニューヨーク・マンハッタンを舞台にしながら、運命のいたずらに翻弄される男女のキュートなロマンティック・コメディを描き出す。ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスらが参加映画制作にあたっては、『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメや、『マレフィセント』シリーズのエル・ファニングをはじめ、『デッド・ドント・ダイ』の出演が記憶に新しいセレーナ・ゴメスら豪華メンバーが集結。マンハッタンの街を舞台に、どんな恋模様がくり広げられるのか?スクリーン上映が待ち遠しい。キャラクター(キャスト)紹介ギャツビー(ティモシー・シャラメ)ニューヨーク出身の大学生。ガールフレンド・アシュレーを週末にニューヨークを案内する予定だったが、約束をドタキャンされてしまう。アシュレー(エル・ファニング)ギャツビーのガールフレンド。マンハッタンで映画監督ローランド・ポラードに取材をする機会を得て、ニューヨークへと到着する。当初ギャツビーとロマンティックな週末を過ごす予定だったが、ジャーナリストとしてのキャリアを築こうと意欲に燃え、ギャッツビーとの約束をすっぽかしてしまう。チャン(セレーナ・ゴメス)ギャツビーの元恋人の妹。学生映画の撮影の中で、アシュレーに約束をドタキャンされたギャツビーがエキストラとして現れ、キスシーンの撮影を行う。テッド・ダヴィドフ(ジュード・ロウ)妻の浮気を心配する脚本家。ポラードの紹介でアシュレーに出会う。解禁された本編映像の中には、ジュード・郎演じるテッドが、妻の浮気現場に遭遇してしまうシーンも!道端で妻を見つけた瞬間に、大声で問い詰める様は、なんともウッディ・アレン作品らしいドタバタな展開だ。フランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)ハンサムなラテン系で、プレイボーイとしても名高い人気俳優。取材中に出会ったアシュレーと急接近ー⁈ローランド・ポラード(リーヴ・シュレイバー)スランプ気味な映画監督。アシュレーからインタビューを受ける。<あらすじ>大学生のカップル、ギャツビーとアシュレーは、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。きっかけは、アシュレーが学校の課題で、有名な映画監督ローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをする機会に恵まれたこと。生粋のニューヨーカーのギャツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーに街を案内したくてたまらない。ギャツビーは自分好みのクラシックなスポットを巡るためのプランを詰め込むが、2人の計画は晴れた日の夕立のように瞬く間に狂い始め、思いもしなかった出来事がつぎつぎと起こるのだった……。詳細『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』公開時期:2020年7月3日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開監督・脚本:ウディ・アレン出演:ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメス、ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ、リーヴ・シュレイバー配給:ロングライド
2020年04月18日ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスら人気俳優が集結し話題を呼んでいたウディ・アレン監督の最新作が『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(原題:A Rainy Day in New York)として、今夏、全国公開されることが決定。その海外版予告と13点もの場面写真が到着した。本作のメガホンを取ったのは、『アニー・ホール』(’77)、『マンハッタン』(’79)、『カフェ・ソサエティ』(’16)、『女と男の観覧車』(’17)などニューヨークを舞台に数々の作品を発表してきた巨匠ウディ・アレン監督。古きよきアメリカの風情が残るニューヨークへのラブレターの集大成ともいえる本作は、ロマンチックなラブストーリー。現在84歳の監督自身「僕は、昔からこういうクラシックなラブストーリーが大好きなんだ」と語っている。2018年北米公開予定だったが、監督自身の「#Me Too」問題で公開中止に。2019年初夏のポーランドでの公開を封切りにヨーロッパを中心に続々と公開され、今回日本でも公開する運びとなった。出演は、ルカ・グァダニーノ監督の『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞ほか数々の賞にノミネートされ話題を呼び、さらにグレタ・ガーウィグ監督『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』やドゥニ・ヴィルヌーブ監督『Dune』(原題)などで新世代を牽引するティモシー・シャラメが、“生粋のニューヨーカー”・ギャツビー役に。『マレフィセント』シリーズのような大作からインディペンデント映画まで引っ張りだこのイット・ガール、エル・ファニングが、“アリゾナ出身の無垢なガールフレンド”・アシュレーを生き生きと演じ、コメディエンヌぶりを発揮。また、世界的歌姫で、『デッド・ドント・ダイ』にも起用されたセレーナ・ゴメスが“ストレートな物言いの知的な女性”・チャンに。そのほか、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』『シャーロック・ホームズ』シリーズのジュード・ロウ、『ビール・ストリートの恋人たち』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のディエゴ・ルナ、『スポットライト 世紀のスクープ』『The French Dispatch』(原題)のリーヴ・シュレイバーなど実力派俳優が脇を固めている。ティモシー、エル&セレーナに翻弄される!? 海外版予告海外版予告では、ギャツビーがガールフレンドのアシュレーから、マンハッタンで映画監督ローランド・ポラードに取材するチャンスを得たことを報告されるシーンから始まり、煌びやかな世界の住人たちとの予期せぬ出会いの連続に彼女が興奮する姿が描かれている。一方のギャツビーも、元恋人の妹チャンに再会し、映画の撮影のエキストラとして熱い口づけを交わしてしまう。運命のいたずらに翻弄される3人の若者の恋の結末はどうなってしまうのかー?併せて解禁された場面写真では、ギャツビーとアシュレーが笑顔で肩を寄せ合っているラブラブな姿や、雨の中、ギャツビーとチャンがお互いに見つめあっている場面など、3人の恋の行方が気になるシーンが切り取られている。映画の舞台となるのは、美しい現代のマンハッタン。メトロポリタン美術館やセントラル・パーク、カーライルホテルなど数々の名所を舞台に、小粋なジャズピアノと雨音が彩る。撮影監督としてタッグを組んだのは、『カフェ・ソサエティ』『女と男の観覧車』も手掛けた、79歳の巨匠ヴィットリオ・ストラーロ。美しいカメラワークを駆使し、めくるめく空模様にあわせてキャラクターたちに印象的な光と影を創り出している。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は今夏、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年04月15日ウディ・アレンがメモワール本を出版することになった。タイトルは『Apropos of Nothing』。アシェット系列のグランドセントラル・パブリッシングが4月7日にアメリカで発売する。カナダ、イタリア、フランス、ドイツ、スペインでも発売が決まっている。アレンのメモワールのプロジェクトが最初に出たのは2003年。しかし、アレン本人が考えを変えたため、執筆はなされなかった。2018年、彼は再び本を書きたいと申し出るが、「#MeToo」運動が起こったことで、出版社はどこも、養女ディランに性的虐待を行なった疑惑のある彼と組むことを嫌がる。そんな中、グランドセントラルは、2019年3月にアレンと契約を結んだ。ギャラの金額などはわかっていない。アシェットからは、昨年、アレンの息子で、アレンによる姉ディランへの性的虐待を批判し続けてきたローナン・ファローの本『Catch and Kill』も出版されている。文=猿渡由紀
2020年03月03日今年も残りわずか。忘年会やクリスマスも終えて、いよいよ大掃除ですね。部屋や職場の片付けと並んで、ココロの整理整頓のほうは進んでいますか?私はスッキリしたり荒れ狂ったりと日々バラエティに富んでいます。あなたもそうだとしたら、もしやサンクコスト効果の罠に陥っているのでは。本当は今にでも解約したい全然見ていない有料チャンネル、別れたいのにズルズル付き合っている不毛な関係なんてありませんか? 無意識にやってしまう不合理な決断というサンクコスト効果の蟻地獄から、一年の締めくくりにすっきりと脱却して、ピカピカの心で新年を迎えてはいかがでしょう。心理学研究からそのコツを紐解きます。取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 16損のループにがんじがらめ! サンクコストの蟻地獄とは?サンクコスト(埋没費用)とは過去に支払ってしまい、もはや取り戻すことができないお金や労力のこと。サンクコストにとらわれて意思決定を間違えやすくなる心理状態のことをサンクコスト効果(sunk-cost bias)といいます。「今までの苦労がパァになってしまう」と支払い済みのお金や費やした時間、労力を惜しんで、赤字を生み続ける事業を継続したり、不毛な人間関係にのめりこんでしまうのです。この半年ほとんど通っていない会員制ジム、本当はすぐにでも解約したいのにそのままの有料チャンネル……。ほかにも恋愛関係だったり仕事でも「あんなに奢ったから」「時間も手間も尽くしたし」という気持ちに縛られてしまうと、正直いってもう続けたくないのに関係性をストップできないというのはよくある話です。このままだと痛々しい主人公の生きざまを描いたウディ・アレンの映画『ブルージャスミン』を観たあとのような気分。「リターンが出ないままでは諦められない」、「過去の決断が過ちだったと認めたくない」といった心理が働き、ずぶずぶとサンクコストの蟻地獄にハマっていくのです。何かを払うと精神的な苦痛が伴うという心理。なぜ冷静に考えれば不合理であるのに、それを続けてしまうのか。その理由は私たちには「出費の痛み(pain of paying)」という心理があるからです。何かを支払うときに、私たちは精神的な苦痛を感じるようにできています。例えば一般的に現金払いよりも、電子マネーやクレジットカードのほうが羽振りよくお金を使うものだというのはよく言われること。物理的に「財布からお金が減っていく」のが実感しにくくなるからです。ちなみに10月から政府が行っているキャッシュレス消費者還元事業はこういった人間の行動心理をうまく利用しながら還元金も振る舞い、出費の痛みの強さを小さくして消費活動を高めようと試みています。また、心理学者のナオミ・アイゼンバーガー博士によると、脳には心の警報装置とも喩えられるACC(前帯状皮質)という場所があります。さて、ここは肉体的な痛みや嫌な肉体感覚を感じたときに活性化されますが、人間関係における拒絶、別れ、排除という社会的な痛みでも反応します。つまりサンクコスト効果は、出費の痛み、そして「今までの関係性がムダになる」といったゴールや意図に反した社会的な痛みを避けるために、目の前の現実を「損していない」と歪めて認識する心のサバイバル本能なのです。マインドフルネスがサンクコストの罠を救う?さてINSEADという経営大学院(余談ですが、一年の学費1000万円超え!)とペンシルベニア大学の研究者たちは次のように提唱します。「サンクコストは過去にやってしまった出費。だったらマインドフルネスで“今ここ”に目を向ければ、サンクコスト効果に影響されにくくなるのでは?」と(1)。そして実験には109人の大学生が参加します。全員15分間の録音を聞きますが、うち半分がマインドフルネス(今ここに心を集中)の録音、残りの半分がマインドワンダリング(心ここにあらず)の録音を渡されます。マインドフルネス・グループは呼吸が体の中を入ったり出たりする体の感覚に集中し、何度も呼吸に意識を向けなおすように指示されます。心ここにあらず(マインドワンダリング)グループの人たちは、なんでも頭に浮かぶままに心をさまよわせるようひっきりなしに命じられます。そして参加者たちは以下の筋書きを渡されます。あなたはレーダー航空機の開発に10億円を投じた航空会社の社長です。ところが9億円を使った後に、ライバル会社がより優れた性能と低コストのレーダー航空機を発表しました。あなたは残りの1億円を使って、引き続き今のレーダー航空機の開発を行いますか?冷静に考えれば、劣悪なレーダー航空機の開発を継続することは経営的に無意味ですよね。でもすでに9億円も使っちゃったから、「失敗しました」と引き返すのはかなりハードな出費の痛みが伴います。そこで「継続します」と参加者が答えた場合は、サンクコスト効果に屈しているとみなします。たった15分の瞑想で損のループから自由に。結果は、マインドフルネス・グループの人たちは心ここにあらずグループの人に比べて、過去や未来ではなく、今ここに心が向かってネガティブな気持ちが減ったことで、サンクコストの影響を受けづらいというものでした。たった15分間意識を今に向けるだけでサンクコスト効果から少し自由になれたのです。「逆に、今得たものはなんだろう?」という視点が処方薬。「今ここ」に意識を向けるためにこのようなマインドフルネス瞑想を日課とするのもいいでしょう。ほかにも「逆に今何を得ている?」という視点を持てばいいのです。「失うだけ」と思うから、できた隙間を埋めようといらないものが手放せないのです。深く世界を見渡すと、“支払うだけ”という関係性が無いことに気がつきませんか? 例えばパスモにお金をチャージしたら、財布からお金が無くなります。でもその代わりに、歩けば2時間かかる場所へ20分たらずで移動できます。しかも車内は暖房が効いていて、あったか。コーヒーショップで購入したお気に入りのラテもそうですね。何かを差し出すと必ず何かを手に入れています。それは物の交換という形をとらないかもしれません。例えば得られるのは笑顔だったり「ありがとう」という言葉かもしれません。相手から何も得られなくても究極的には何かを贈るには、受け取ってくれる相手がいないことには成立しません。関係性を終えたとしても、それはあなたの何かを失うことではなく、与えることができた自分に出会えるということ。また、不安や苦しみ、重い気分というコントラストを体験したおかげで、望みもクリアになっていきます。それは経験を学びとして「今こんな風に生きたい」という願望を得たということ。支払ったものは何も無駄になっていない。逆に得るものがたくさんあった。そんな視点に立って初めて「もし時間もお金も失っていなければ、今ここでどんな決断をする?」と問いかけます。最後に私がお守りにしている『ニーバーの祈り』をお贈りします。神よ、変えられないものを受け入れる心の静けさと、変えられるものを変える勇気と、その両方を見分ける英知を与えてください。今年も大変お世話になりました。どうぞ良いお年を!土居彩編集者。東京の薪割り暮らしを綴るブログ 『東京マキワリ日記、ときどき山伏つき。』 株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を務める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にてダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)を翻訳中。参考(1) Hafenbrack et al. Debiasing the Mind Through Meditation: Mindfulness and the Sunk-Cost Bias(2013). Psychological Science(2014) 25(2) 369–376 DOI: 10.1177/0956797613503853
2019年12月27日《text:山崎まどか》『マリッジ・ストーリー』が今季の賞レースにおける注目作なんて、何だか不思議な気がする。それはこの映画がベリー・ノア・バームバックとしか言いようがないものだからだ。すなわち、1.ノア・バームバック自身のライフ・ストーリーを感じさせるものであり 2.ニューヨークの映画人らしい嗜好に溢れた映画であり 3.とても“個人的”な作品。ノア・バームバックは自身の体験から映画の題材を紡ぎ出すが、監督自身の弁によると、彼の映画は「自伝的ではないが個人的」な作品だという。バームバックの映画を追うことは、彼の人生の出来事を追体験するのと同時に、彼の物語の中に自分の体験を見出すことだ。まずは1.“ライフ・ストーリー”から『マリッジ・ストーリー』を見てみよう。前作『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』(2017)には、2019年の3月に亡くなった父ジョナサン・バームバックを入院させた時のことがフィードバックされていたが、今回はアダム・ドライバー演じる演出家のチャーリーとスカーレット・ヨハンソン扮する女優ニコールの関係に、かつて夫婦だったノア・バームバックと女優ジェニファー・ジェイソン・リーを重ねる人も多いだろう。二人は2013年に離婚している。チャーリーの劇団を看板女優として、そして妻として支えてきたニコールは、かつてはハリウッドで学園映画のスターだった。映画内に登場するニコールの主演映画はいかにも90~00年代の学園コメディという感じで、彼女はそこのパーティ・シーンでいきなりシャツを脱いで上半身ヌードになり、話題を集めたという設定だ。ジェニファー・ジェイソン・リーのブレイク作だった『初体験リッジモント・ハイ』(1982)を思い起こさせる。ニコールはチャーリーと彼の劇団から離れ、古巣のハリウッドでSFドラマのパイロット(試作)制作に参加する。その前に出演していたチャーリーの舞台では、彼女は黒子のような俳優たちに手足を操られて演技していた。自分のキャリアを築くのではなく「夫の才能に寄与してしまった」というニコールの言葉を裏付けるような演出だ。しかし、彼女が自分で選んだはずのSFドラマでも同じことが起こる。グリーンバックの中で、SFX用に様々な仮面を着けて撮影される彼女はやはり操り人形のようだ。植物に世界を乗っ取られるというこのドラマの内容自体が、リーの出演した『アナイアレイション-全滅領域-』(2018)を思わせる。バームバックらしい皮肉が見え隠れする。ここに2.“ニューヨークの映画人”としてのバームバックの要素もある。愛する人が去っていた先のロサンゼルスに対するニューヨーク派の複雑な思いを描いた作品といえばウディ・アレンの『アニー・ホール』(1977)だ。『グリーンバーグ』(2010)で既に“ニューヨーク派のロサンゼルス映画”を撮っているバームバックだが、今回はアレンもその影響下にあるイングマール・ベルイマンへのオマージュが見られる。クローズアップの多用がベルイマンの『仮面/ペルソナ』(1966)の影響から来ているのはバームバック本人も認めているし、何よりクライマックスのチャーリーとニコールの激しい口論のシーンに、ベルイマンの『ある結婚の風景』(1973)の第三部に出てくるエルランド・ヨセフソンとリヴ・ウルマンのシーンが重なる。チャーリーとニコールが息子とベッドに寝ているシーンのショットは『ある結婚の風景』だけではなく『ファニーとアレクサンデル』(1982)も思わせる。もう一つ、ニューヨークらしい要素といえばスティーヴン・ソンドハイムのブロードウェイ・ミュージカル「カンパニー」の曲の使用だ。ニューヨークで35歳の誕生日を迎える独身の主人公をめぐる、様々なカップルの矛盾や関係の破綻を描いたこの作品からの二曲「You Could Drive A Person Crazy」と「Being Alone」が歌われるシーンはこの映画のハイライトとなっている。余談だが、今年は『ジョーカー』に「リトル・ナイト・ミュージック」から「哀しきクラウン」、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』に「フォリーズ」から「Losing My Mind」が使われるなど、ソンドハイムの年だった。そして3.。『マリッジ・ストーリー』はバームバックの作品で最も“個人的”といえる『イカとクジラ』(2005)と呼応する。それぞれ破綻していく家族の物語だが、『イカとクジラ』の基になっているのはバームバックの父母の離婚であり、今回は彼自身の体験だ。映画の冒頭近くに置かれた短いテニスのシーン、猫の存在、「日常的だが映画に出てこない身振りを入れたかった」という『イカとクジラ』のローラ・リニーがくちびるの皮を剥く場面と、ニコールが弁護士に二人の経緯を語る長回しのシーンで、さりげなく彼女がバッグからリップクリームを出して塗るポイント。様々なシンクロがある。しかしチャーリーは喧嘩の最中にニコールにこう怒鳴る。「父親と俺を比較するな!」かつて子供として見ていた父母の問題が、今度は彼自身のものになった。その描き方に、子供の側に心を寄せた青年から、中年になったバームバックの成熟が見られる。その成長は彼の経験から来たものだが、バームバックのことを知らなくても、とても“個人的な体験”として観客に響くような傑作を撮る力をもたらした。『マリッジ・ストーリー』はバームバックの醍醐味が詰まっている、彼の最高傑作だ。Netflix映画『マリッジ・ストーリー』は12月6日(金)よりNetflixにて独占配信中。(text:山崎まどか)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2019年12月16日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/12/16(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は26本(ライブビューイングを除く)。とても多い週です。全国のシネコンで拡大上映されるのが『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が22本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい4作品をご紹介します。『テッド・バンディ』ウィキペディアで「シリアルキラー(連続殺人犯)」を調べると、最初に出てくるのがこのテッド・バンディという名前。女性36人以上を殺害した、アメリカ犯罪史上稀にみる殺人鬼が主人公の映画です。だからといって、『ハウス・ジャック・ビルト』のような、どちらかというと、グロなホラーを想像して観ると、これが肩すかしにあうというか、うまく裏切られます。日本公開用のチラシに大きく書かれた「極めて邪悪衝撃的に凶悪で卑劣」という宣伝文句が実は原題。映画は「そういわれているのだが……」と、このシリアルキラーを極悪人として事件を再現するのではなく、長年の恋人、リズの視点から描いていきます。彼女の目には、ハンサムでやさしく向学心に燃える好青年。それが一転、殺人事件の容疑者として逮捕され、有罪の判決を受け、さらに他の州で起きた事件の容疑までかけられてしまうのです。人殺しなんてできる人じゃない、リズからすると、バンディは冤罪? とすら思えてくるのですが……。この事件が全米中で話題になったのは1979年、フロリダでの裁判が公開となり、TV中継されたためです。甘いマスク、弁舌さわやかで、時には軽い冗談を交えて話す彼に、女性ファン、いまでいうと追っかけまで登場します。この一部始終が観ものです。「人間というのは妙な生きものよ。悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事を働く」、池波正太郎さんの鬼平の一節を思い出しました。バンディを演じるのはザック・エフロン。法廷で彼と対置する判事役はジョン・マルコヴィッチです。リズの友人役、どこかで観たことがあります。あの名子役、ではありませんか。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』大ヒットした名作アニメに、250のカット、およそ30分近くが新たに描き加えられました。完全版にしたというよりは、別バージョンとして作られた形。だからタイトルも少し変わっています。すずさんが遊郭に迷い込み、そこで出会ったリンさん。彼女のエピソードがふくらみました。同世代でありながら、まるで別の人生を歩むふたりが心を通わせ、互いを大切な存在と思うまでがていねいに描かれています。このことで、すずさんというひとりの女性が、戦前戦中をどう生きたかだけでなく、世界にはいくつもの「片隅」があるのだと気付かされます。観終わると、すずさん、リンさん、夫に先立たれ北條家に出戻った義姉径子や、義理の母・サンといった女性たち、それぞれの人生が、しみじみと心に残ります。夫、周作もすこし見え方が変わりました。年の瀬。のんさんがあの声でつぶやく「こまったねえ」というセリフをきくのは、心がほっこりして、とてもよろしいと思います。『冬時間のパリ』毎年10月の最終週に、フランスは夏時間から冬時間に切り替わります。やはりパリはこの季節、とてもロマンティックです。そんな季節のなかで、編集者と女優、小説家と政治家秘書、年の頃なら40〜50代でしょうか、ちょっとセレブなカップルが微妙にからみあい、もつれあうオサレな大人のラブコメです。ひんぱんにでてくる話題は、出版業界が直面する電子化問題。男ふたりの大関心事です。主演のギョーム・カネは書籍系出版社の編集者ですが、電子書籍にどこまで対応するか、目下検討中。電子化担当の部下との不倫関係も同時進行中です。ジュリエット・ビノシュは彼の妻役、TV刑事シリーズに出演する中堅女優ですが、どうやら夫が担当する小説家と浮気中。その小説家が書いた新作も不倫がテーマで……。電子書籍と恋愛。みんなとても忙しいのです。気の利いたセリフと知的会話がいっぱい。ウディ・アレン作品を思わせる都会派コメディです。監督はオリヴィエ・アサイヤス。ビノシュの主演で、ニューヨーク・タイムズの「21世紀の映画暫定ベスト25」に選ばれている『夏時間の庭』という作品がありました。首都圏は、12/20(金)からBunkamuraル・シネマで公開。中部は、1/11(土)から伏見ミリオン座で公開。関西は、1/17(金)からテアトル梅田他で公開。『サイゴン・クチュール』ファッションデザイナーを目指す女性が、1969年のベトナムから現代へタイムスリップするファンタジー。1969年といえば、ベトナム戦争中ですが、この作品はそれを完全にネグっています。戦時臭はなく、この映画にでてくる女性たちはポップな60sを謳歌しています。それがベトナムで大ヒットしたといいます。そういう時代なんですね。伝統衣装アオザイを扱う老舗の娘ニュイはミス・サイゴンに選ばれるほどの美女。9代続く家業を嫌い、パリのファッションに憧れています。彼女がデザインする服は、当時としてはハイファッション風。そんな彼女が突然のハプニングで現代へ。ファッション・ビジネスに潜り込むのですが、今観るとどこか野暮ったいニュイのセンスでは、成功はとても無理。いくつもの現実を目の当たりにする中で、最後にアオザイをアレンジしたデザインを思いつき、認められます。50年経って古いものが一番新しいものになっているというアイロニーでしょうか。古いと馬鹿にし、反発していた家業とそれを守る母の気持ちに目覚め、過去に戻るという、まるで松竹新喜劇のような人情ベトナムファンタジー。音楽、ファッション、ヘアスタイルもアメリカの影響下にあったカラフルなアジアの60’sカルチャーが楽しい。とてもかわいらしい映画です。首都圏は、12/21(土)からK’s cinemaで公開。中部は、12/28(土)から名演小劇場で公開。関西は、1/25(土)からシネ・ヌーヴォで公開。
2019年12月16日是枝裕和監督との対談も話題となったケン・ローチ監督の最新作『家族を想うとき』をはじめ、これから公開される、夫婦や家族の様々な形と絆を描いた3作品をピックアップ。夫婦やカップルで一緒に映画館で鑑賞したら、感想をじっくりと語り合いたくなる珠玉作ばかりとなっている。時代に翻弄される英国の家族を描く『家族を想うとき』2016年カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝き、日本でも大ヒットを記録した『わたしは、ダニエル・ブレイク』。この傑作を最後に、一度は表舞台から降りたケン・ローチ監督だが、同作のリサーチ中に社会の底辺で目の当たりにした“現実”が彼の心の中に生き続け、いつしか“別のテーマ”として立ち上がり、どうしても撮らなければならないという使命へと駆り立てた。労働者階級に寄り添ってきた名匠が引退表明を撤回して最新作で描いたのは、グローバル経済が加速しているいま、世界のあちこちで起きている働き方問題と、急激な時代の変化に翻弄される現代家族の姿。個人事業主とは名ばかりで、理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、家族のために働き続ける父。そんな父を少しでも支えようと互いを思いやり、懸命に生き抜く母と子どもたち。日本でも日々取り上げられている労働問題や家族の姿とも重なり、観る者はこの家族の美しくも力強い絆に、激しく胸を揺さぶられるだろう。ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか12月13日(金)より全国にて順次公開。時と国を超えた壮大な家族の物語『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』ゴールデン・グローブ賞を含む38の賞を受賞した大ヒットドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス」。その企画・脚本・製作総指揮を手掛けるダン・フォーゲルマンが、何十年もの歳月、2つの大陸、2つの言語にまたがる壮大な家族の物語を書き上げ、自らメガホンを取り映画化した『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』。キャストは、オスカー・アイザック、オリヴィア・ワイルド、オリヴィア・クック、アネット・ベニング、アントニオ・バンデラスと実力派俳優が総出演。愛ゆえの葛藤、家族との別れ、一瞬のあやまち、運命のいたずら――。誰もが人生の旅路で出会う悲しみを真正面から描き、その悲劇に押しつぶされそうになっても、必ず喜びの瞬間を見つけることができると伝えてくれる感動のストーリーを紡ぎ出す。11月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。2組の夫婦関係の“新たな意義”『冬時間のパリ』『夏時間の庭』『アクトレス 女たちの舞台』などで知られるフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤスの最新作『冬時間のパリ』。紙からデジタルへ、テクノロジーの進化と共に変化を迫られるパリの出版業界を舞台に、編集者と女優、作家と政治家秘書という、2組の夫婦の愛の行方を軽妙なタッチで描き出す。出演は、是枝裕和監督『真実』も話題の大女優ジュリエット・ビノシュや、監督としても活躍する『セザンヌと過ごした時間』のギヨーム・カネ、ポスト・ジェラール・ドパルデューと称される『女っ気なし』『セラヴィ!』のヴァンサン・マケーニュ、人気コメディエンヌのノラ・ハムザウィ、そして『木と市長と文化会館』で主演を務めたパスカル・グレゴリーが思わずニヤリとさせられる役どころで出演。「互いの関係に新たな意義を見出し、受け入れ合う夫婦を語りたいと思った」と語るアサイヤス監督の脚本は、洗練された会話とユーモアに満ちており、迷える男女の愛のドラマとパリの出版業界を共鳴させながらも、“パリのいま”を鮮やかに活写する。まるでウディ・アレン作品を思わせるような、“フランス的、人生の愉しみ方”がたっぷりと詰まった、小粋で洒脱な大人のラブストーリー。12月20日(金)よりBukamura ル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:家族を想うとき 2019年12月13日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©Joss Barratt, Sixteen Films 2019冬時間のパリ 2019年12月20日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIMEライフ・イットセルフ未来に続く物語 2019年11月22日TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2018 FULL CIRCLE PRODUCTIONS, LLC, NOSTROMO PICTURES, S.L. and LIFE ITSELF AIE. ALL RIGHTS RESERVED
2019年11月22日アメリカの禅センターで暮らしていた頃、“禅”と書かれた特注の作務衣を着こなすイケメンゲイのレジデントが居ました。彼はのちにパンセクシャル(全性愛)の女性と恋に落ち、僧侶の道を志すことに。二元性を超えた空(くう)の世界に触れたいと、アメリカで禅修行に勤しむ人たちにLGBT(性的少数者)の人々が少なくないことは自然なのかもしれません。言葉を生業にしていたというアイデンティティなんてものは完全に崩壊し、危うい英語で立ち回り続けた丸裸同然の筆者・土居彩がアメリカ修行中にジェンダーについて考えました。取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 3モテモテだったイケメン雲水のアール。私がアメリカの禅センターで典座とともに料理を作りながら生活していたとき、アール(仮名)というイケメン・レジデントがいました。アールの生まれはドイツ。イギリスの名門大学院を卒業し、ロンドンにアート関連の会社を起業した彼は美術に特化したコンサルティング業務を生業としていました。彼が渡米して禅センターで修行生活をしていたのは、禅仏教関係の古美術に魅せられたため。プラクティスしながらその世界に触れ、学びたいと考えたのです。完璧なクイーンズ・イングリッシュを話し、ちょっとスパイシーな冗談を飛ばすアール。筋金入りのミニマリストな彼が持っている服といえば、「禅」と襟元に書かれた特注の黒い作務衣と着古されたコム・デ・ギャルソンのブラック・ジャケットのみ。只者ではないこだわりを見せ、キラキラ光る瞳にしなやかな肢体、くすんだ色の金髪には寝癖が……と、見た目もいいので当然モテます。ところが、禅センターで恋愛はご法度。特に最初の4か月間は断固禁止で、レジデントとして認められたあかつきに渡される分厚い文書のかなりのページにも「恋愛沙汰NG」というお達しが念入りに書かれています。とはいってもアールのことをちょっといいなと思っていた女性は私が知っているだけでも何人かいて、彼女たちは恋破れては涙していました。というのも、アールはゲイだったからです。ゲイの彼がパンセクシャルの女性に恋をした。このたびそんなアールが恋に落ちて結婚したのです。なんと相手は、女性! 美男美女で、就寝前には二人そろって小さな顔にウディ・アレンみたいな大きな丸メガネをかけ、笑っちゃうぐらいそっくり。パートナーのティ(仮名)は、パンセクシャル。彼女の前の恋人は女性で、その前は男性。ティにとって性別というのは付属的なものに過ぎず、相手に惹かれるかどうかの条件にはならないのだそうです。ちなみにバイセクシャルと混同されがちなパンセクシャルですが、バイセクシャルが「男性も女性も好き」とするのに対して、パンセクシャルは「相手の性別に囚われないで好き」となります。異性愛者の私ではありますが、ニンフのような人間離れした透明感と底なしの明るさを持つティの魅力には、ちょっとクラッとくることも。アールが落ちたのもわかります。そして僧侶になったアール。とはいえ男性以外とお付き合いをしたことが無かったアール自身もビックリな展開です。当然ティ以外に女性経験ゼロな彼は「日々女性器の奥深さを探究中だけど、すごいんだねぇ! 僕らに娘ができたら、“アヤ”って名づけるつもりなんだ」、ですって。アメリカ人のティと結婚したアールは現在グリーンカードを申請中。ロンドンの会社も閉鎖し、出家してよりディープなお坊さん修行に勤めています。神は男と女を作られた。アメリカにおけるLGBT(性的少数者)の人たちが、「神は男と女を作られた」とする旧約聖書を基にした教えではなく、男と女という二元性や、「私」という個の概念を超越したところに真理があるとするブッダの教えを積極的に学ぼうとするのは自然なことなのかもしれません。ところでアールのドラマティックな出来事はすべて、たった半年間で起こった話。当人を含めて誰も想像できないものでした。つまり私たちは、自分はこういう人間だと、どこか決めているところがありますが、変わるんです、実際は。アールのように。あらゆるものは変わるという般若心経の教え。そういえば私たちが一緒に禅センターの朝課で唱えていた摩訶般若心経も、あらゆるものには自性がなく、変化を続けることが存在の本質だと説いていました。毎朝唱え続けることで、気づかないうちにその教えがアールや私にも浸潤したのでしょうか。というのもアールほど極端な例ではありませんが、私もずいぶん変わりました。料理しない女が典座と料理を作り続けたら…。例えばアンアン編集者時代は素晴らしい料理家さんたちの料理ページの連載を担当しながら「私は料理をしない女」と豪語していました。太りたくなくて、食べることにもあまり興味がありませんでした。ところが退職してからは何の縁か、アメリカの禅センターで毎日三食30〜100人の人たちの料理を作ることになり、否応なく食べることの重要さをヒシヒシと痛感することになりました。結果として、今では料理は大切な日課になりました。先日も「食」とは「良い人」と書くと、接心でお世話になった福井県の天龍寺のご住職に教えていただき、日々それを実感しています。©星覚食べることを通じて、あらゆるものとの深いつながりを再認識し、さらには食べたものが3日もすれば、自分へと変化していく。そんな食の奥深さについて思うことは、また改めてこちらでお話したいと思います。ほかにも中目黒に住んで、最新ファッション・ショーや化粧品の新作発表会にお邪魔させていただいていた頃には、自分が望んでアメリカで2年間もホームレス生活をするなんて想像すらできませんでしたし。人は毎瞬変化するのです。食べたもの、取り入れた情報、出会った人、語り合った言葉、触れた土地……消費したり感じたもの全てがその人になっていきます。トランス女性禅教師のカイトリオナ・リード。さて1992年にティク・ナット・ハン師から禅仏教教師としての権限を授けられた、アメリカにおけるLGBT禅指導者のカイトリオナ・リードという人がいます。カイトリオナは、南カリフォルニアにあるマンザニタ・ヴィレッジ・リトリート・センターを設立し、持続可能な環境作り、非暴力、社会正義を促進することを目的としたヴィッパサナー瞑想と禅のプラクティスを教えています。今でこそ当たり前と言っても過言ではないLGBTQの仏教家ですが、男性だった彼女がトランス女性禅教師という道を選んだ1996年はそうではありませんでした。実際に弟子のひとりにも「あなたがトランス女性として生きることを選んだことにがっかりしました。だってあなたは私が出会った最も男性性と女性性が統合され、調和している男性だったからです」と言われたそうです。カイトリオナの勇気ある選択を誇りに感じながら、その弟子の心も少しわかります。というのも男性僧院長と女性信者のスキャンダルで問題になった禅センターやスピリチュアル・コミュニティは、アメリカで数か所あるからです。パワーとジェンダーがらみの問題は、たとえ精神修養の地だといっても、そこから完全に解放されてはいません。だからきっと私がレジデントとして暮らした禅センターでも、恋愛御法度という分厚い但し書きが渡されたのでしょう。丸裸でもなおしがみつく「私」というレッテル。日本で編集者だったなんて口が裂けてもいえない、訛りの強い英語に限られた語彙を擦り切れるまでリピートし続けてかろうじて意思の疎通がはかれる、丸裸同然の私っていったい何者なんだろう?そんなふうに日々何者でもない自分と向き合わざるを得なかった毎日の中で、アールとティ、センターの休日に山を降りて一緒に5リズム・ダンスに行ったゲイのダブリュー(仮名)と何か月も一緒に修行しながら生活したことは、丸裸同然でもなお、私が女性というカテゴリーに依然としてしがみついていることに気づかせてくれる体験でした。ある日会話のなかで、当然のように「まぁ、私は異性愛者だから」と私が言ったとき、ティが「どうしてそう言い切れるの?」と興味深そうに、ちょっと悪戯めいて微笑みながらたずねてきました。残念ながらそれに対する「今までそうだったし、これからも多分そうだから」という私の返答は、仏教の修行者としては全くクールではありませんでした。公案だったら老師から落とされているでしょう。だから私は、今日も坐っています。土居彩編集者。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を勤める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にて、畏怖の念について研究するダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、13世紀の道元禅師を初めて英訳し欧米に伝えた禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)を翻訳中。恩人たちに支えられ続けながら、会社を辞めて渡米奮闘したドタバタな当時の様子を綴ったananweb連載『会社を辞めて、こうなった』も。
2019年10月02日名匠オリヴィエ・アサイヤス監督がパリの出版業界を舞台に描く大人のラブストーリー『Non-Fiction』(英題)が、邦題を『冬時間のパリ』として日本公開することが決定。併せて、ポスタービジュアルが解禁となった。■ストーリー敏腕編集者のアランは電子書籍ブームが押し寄せる中、なんとか時代に順応しようと努力していた。そんな中、作家で友人のレオナールから、不倫をテーマにした新作の相談を受ける。内心、彼の作風を古臭いと感じているアランだが、女優の妻・セレナの意見は正反対だった。そもそも最近、2人の仲は上手くいっていない。アランは年下のアシスタントと不倫中で、セレナの方もレオナールと秘密の関係を結んでいる。時の流れと共に、変わりゆくもの、変わらないもの――それは何なのか?もつれてこんがらがった2組の夫婦は、それぞれの幸せを模索していく…。■名匠オリヴィエ・アサイヤス監督最新作!迷える大人たちのラブストーリー本作はエリック・ロメールの『木と市長と文化会館』に着想を得た、オリヴィエ・アサイヤス監督の新境地ともいえる作品。魅力的な冬のパリを背景に迷える男女の愛の行方とパリの出版業界を共鳴させつつ、洗練された会話とユーモアで活写していく。“食べて、飲んで、愛して、会話する”というウディ・アレン作品を思わせるような、フランス的人生の愉しみ方がたっぷりと詰まった小粋で洒脱な大人のラブストーリーだ。敏腕編集者のアランを演じるのは、『戦場のアリア』『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』などに出演し、映画監督としても活躍するギョーム・カネ。アランの妻・セレナには、『ポンヌフの恋人』でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞し、10月11日(金)に公開を控える是枝裕和監督の最新作『真実』にも出演するジュリエット・ビノシュ。アランの友人でありながら、セレナと秘密の関係を結ぶレオナールを『やさしい人』『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』などで主演を務めたヴァンサン・マケーニュが演じる。今回解禁されたポスタービジュアルには、上段に部屋の中で椅子に腰掛けているジュリエット・ビノシュ、下段にパリの街を並んで歩くギョーム・カネとヴァンサン・マケーニュの姿が。「人生は一冊の本に似ている」というキャッチコピーが添えられ、彼らがどんなラブストーリーを紡いでいくのか期待が膨らむビジュアルになっている。『冬時間のパリ』は12月20日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月30日世界中のセレブたちが愛し、名だたるスターたちが幾多の逸話を残していることから、ニューヨーク・タイムズが“秘密の宮殿”と呼んだ伝説のクラシックホテル“ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル”について描いた『カーライル ニューヨークが恋したホテル』が現在公開中。“究極のおもてなしとは何か”が隠された、世界初の5つ星ホテルドキュメンタリーだ。本作では、ジョージ・クルーニーやソフィア・コッポラ、ウェス・アンダーソンをはじめとする総勢38名のスターたちが、カーライルに眠る歴史的な秘話やその魅力を語る。そして、セレブたちにこよなく愛されるホテルスタッフたちから紐解く、今こそ知りたい究極のおもてなしが明らかになる。1930年創業のニューヨーク・マンハッタンに佇む“ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル”は、1泊だけで200万円もするスイートルームがある超高級ホテルだ。その顧客には、英国王室や歴米大統領、映画スター、アスリートにミュージシャンと、極上のセレブたちが名を連ねている。『ハンナとその姉妹』や『セックス・アンド・ザ・シティ』のロケ地としても知られ、2年間カーライルに滞在していたこともあるウディ・アレンは、ホテル内のカフェ・カーライルで今でも週に1度クラリネットを演奏しているほどだ。上等なホテルは数あれど、セレブの誰もがカーライルを選ぶその理由とはなんなのか?“お客様の秘密は必ず守ります”と、そう答えるのは個性的でユーモラスなホテルのスタッフの人々。先達からの伝統を受け継ぐ彼らは、溢れんばかりの笑顔でゲストを出迎える。それに対してセレブたちは「まるで我が家のよう」と口をそろえるのだ。名物コンシェルジュのドワイトは、吃音症を抱えながらも36年間カーライルを支えてきた。彼の上品で温かい接客は、宿泊客だけでなくスタッフからも愛されている。彼らのおもてなしの心意気は、時代の中で失われつつある本当の人間の豊かさを教えてくれるはずだ。監督はマシュー・ミーレー。彼はこれまでに、『ニューヨーク バーグドルフ 魔法のデパート』や『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』といったニューヨークの老舗高級ショップのドキュメンタリーを続けて制作してきた。4年間自らカーライルに通い詰め、超一流セレブたちの数々の素顔を引き出している。撮影はジャスティン・ベアで、音楽はアール・ローズが担当だ。その他の出演者は、アンジェリカ・ヒューストン、トミー・リー・ジョーンズ、ハリソン・フォード、ジェフ・ゴールドブラム、ヴェラ・ウォン、アンソニー・ボーデイン、ナオミ・キャンベルらなど。彼らの視点と声を通して、5つ星ホテルの魅力に迫ることができる。今こそ知りたい世界一の“おもてなし”を、ぜひ劇場で。『カーライル ニューヨークが恋したホテル』公開中
2019年08月15日おとな向け週末映画ガイド今週のオススメは『カーライル ニューヨークが恋したホテル』『カーマイン・ストリート・ギター』『シークレット・スーパースター』。特集上映では「にっぽんのアツい男たち2」に注目!ぴあ編集部 坂口英明19/8/2(金)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は11本。全国300スクリーン規模で拡大上映される『ライオン・キング』『ONE PIECE STAMPEDE』と、ミニシアターなどで上映される9本です。その中から、おとなの映画ファンにオススメしたい作品をご紹介します。『カーライル ニューヨークが恋したホテル』ケネディ大統領一家や、イギリスのロイヤルファミリー、ハリウッドセレブが愛してやまない、ニューヨークを代表するホテル。それが「ザ・カーライル」です。インテリア、エクステリア、レストラン、ロビーに飾られた絵画、そしてエンタテインメント、どれをとっても超一流ですが、絢爛豪華ではなく、すべてが洗練されていて、ひとことでいうとエレガント。でも、なによりもこのホテルが愛される理由は、働いている人の魅力、ホスピタリティなんです。これは、そんなホテルマンや常連たちの話を交えたドキュメンタリーです。インタビュアーの興味本位な質問に「それは話せない」「答えられない」と、矜持にあふれたホテルマンたち。しかし許容範囲内で話すエピソードですら魅力的です。ケネディとマリリン・モンローのデートの謎?、ダイアナ妃とスティーブ・ジョブズとマイケル・ジャクソンがエレベーターに乗り合わせたときに何が起こったか?いま彼らの間でいちばんの人気者はジョージ・クルーニーです。それはなぜ?このホテルと最も相性の悪そうな現大統領が来たときの話題もかなり笑えます。ウディ・アレンは、『ハンナとその姉妹』でこのホテルのピアノラウンジを使っています。このラウンジは70年代、ボビー・ショートという芸達者なピアノ弾きの牙城でした。いまもさまざまな心揺さぶるエンターテイナーが出演しています。アレンがここでクラリネットを演奏することも。噂には聞いていましたが、なるほどこれはニューヨークならではのホテル。観ているだけでお洒落な気分になります。『カーマイン・ストリート・ギター』こちらもニューヨークが舞台のドキュメンタリー。グリニッジ・ヴィレッジ、カーマイン・ストリートに実在する、ハンドメイドのエレキギター専門店。その1週間を描いています。店の主人は白髪の物静かな職人リック・ケリー。ニューヨークの古い建造物の廃材をボディに使ってギターを作り続けているのです。街の古い建物で工事があるのを聞きつけると、ケリーが出かけていって、古材を貰い受けます。映画では、1854年創業、NYで一番古いというバー、マクソリーズから出た古材を入手し、ギターにする過程が描かれます。完成品をスマホで撮り、「ハッシュタグ=エールが染み込んでいます」と書いてインスタに上げるのは、若い見習いシンディの仕事です。ちょっと色っぽいチャーミングな女性です。ルー・リードやボブ・ディランなどのミュージシャンも愛用しています。この店のギターのファンで主人を慕う愛好家が毎日立ち寄り、店のギターを手にして演奏したり、雑談をしたり、まるで小さなライブハウスのよう。パティ・スミス・バンドのレニー・ケイ、ウィルコのネルス・クライン、ビル・フリゼール、チャーリー・セクストン、映画監督のジム・ジャームッシュも顔を出します。みんな店のギターを手にして、試しに一曲弾いてみます。終わって、主人とかわす満足そうな笑顔が素敵なんです。『シークレット・スーパースター』インド映画『きっと、うまくいく』をご覧になった皆さんへ。あの主演、アーミル・カーンの映画です。この前の『ダンガル きっと、つよくなる』では、女子レスリングのスパルタ親父を演じていましたが、今回は製作と脇役にまわっています。主役はミュージシャンでの成功を夢見る14歳の少女インシア。父親が暴君で、母へのDVなど日常茶飯事ですから、そんなことを言い出したらどんなことになるかわかりません。で、考え出したのはYouTubeデビュー。イスラムのヴェール、ブルカで顔を覆い、自作自演でアップするとなんとこれが大人気に。メディアは「シークレット・スーパースター」と書きたてます。アーミル・カーンはやや人気に陰りがみえている大物歌手でプロデューサーの役。何度も離婚を繰り返す色男です。でもそれが、彼女を発掘するきっかけとなり、見事売出しに成功、終盤に向けてインド映画らしい、ドラマチックな悲喜劇が展開されます。ムキムキでド派手なプロデューサーと清純な少女歌手のアンバランスさが、また面白いんです。インドの離婚や家庭事情などシリアスな面もみせつつ、全体としては、肩の凝らない痛快エンタテインメントになっています。インドの映画興行史上で『ダンガル…』『バーフバリ 王の凱旋』に続いて第3位の大ヒット作です。特集上映では。「にっぽんのアツい男たち〜無鉄砲野郎の美学」(神保町シアター)8/10〜9/6「にっぽんのアツい男たち〜無鉄砲野郎の美学」(神保町シアター)8/10〜9/6チラシには「アナーキーで無鉄砲、かっこよくて優しい、アツすぎる男たちのドラマチックな映画をお送りします。」とあります。確かに。男騒ぎのする16本、なかなかのチョイスです。先ごろあいついで他界したおふたり、萩原健一と内田裕也の作品も入っています。ショーケン主演では、神代辰巳監督の『アフリカの光』『青春の蹉跌』、市川崑監督『股旅』、五社英雄監督『226』。内田主演作は崔洋一監督の『十階のモスキート』が。アウトローたちがはじける菅原文太『仁義なき戦い』、北野武『ソナチネ』、松田優作『蘇える金狼』、渡瀬恒彦『狂った野獣』、渡哲也『青春の裁き』などなど。60〜70年代の閉塞感をぶっこわすエネルギーにあふれた映画ばかりです。
2019年08月09日スカーゲン(SKAGEN)から、オーロラにインスパイアされた新色腕時計「アレン カラー コレクション ノーザン ライツ(AAREN KULOR COLLECTION Northern Lights)」が登場。2019年8月1日(木)より、スカーゲン直営店などで先行販売される。北欧・デンマークデザインにインスパイアされたライフスタイルブランド「スカーゲン」。2019年秋は“ノーザン ライツ”をテーマに掲げ、人気の「アレン カラー」コレクションから、デンマークの空に現れるオーロラの色合いを落とし込んだ新色を発売する。「アレン カラー コレクション ノーザン ライツ」は、パープル、ピンク、ブラック、グリーンの4色展開。ホワイトのインデックスを施したダイアルに、アルミニウム製ケースやシリコンストラップを合わせたミニマルなデザインと、オーロラの神秘的な色合いがマッチしている。サイズはケース径41㎜、ストラップ20㎜幅のユニセックスサイズと、ケース径36㎜、ストラップ16㎜幅のスモールサイズが用意される。【詳細】「アレン カラー コレクション ノーザン ライツ」全4色 各14,000円+税先行発売日:2019年8月1日(木)取扱店:スカーゲン直営店(東急プラザ銀座店、LUCUA1100店、VIORO店)、公式ウェブサイトカラー:パープル、ピンク、ブラック、グリーンサイズ:・ユニセックスサイズケース径41㎜、アルミニウム製ケース、サンドブラストダイアル、6時位置に秒針のサブダイアル。シリコンストラップは、スライドピンで20㎜幅の各種ストラップと交換可能。3気圧防水。・スモールサイズケース径36㎜、アルミニウム製ケース、サンドブラストダイアル、6時位置に秒針のサブダイアル。シリコンストラップは、スライドピンで16㎜幅の各種ストラップと交換可能。3気圧防水。【問い合わせ先】フォッシルジャパン(スカーゲン)TEL:03-5992-4611
2019年08月04日世界中のセレブたちから愛される伝説のクラシックホテル「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」に迫った世界初の5つ星ホテルドキュメンタリー『カーライル ニューヨークが恋したホテル』。その顧客には、英国王室や歴米大統領、映画スター、アスリートにミュージシャンと極上のセレブたちが名を連ね、『セックス・アンド・ザ・シティ』(’08)をはじめとする映画のロケ地としても名高い。ここ以外にもホテルを舞台にした映画は、うっとりするほどのラブストーリーから、銃撃戦の繰り広げられるアクション、息をのむほどにハラハラするサスペンスまで数知れず。単なる背景ではない、映画をよりいっそう魅力的に演出する素敵なホテルが舞台の映画をピックアップした。『泥棒成金』(’55)グレース・ケリーがカンヌで放つ輝きホテルロケ地:フランス・カンヌ「インターコンチネンタル・カールトン」サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックが描いた、高級ホテルで巻き起こる宝石泥棒を題材にしたラブ・サスペンス。『ダイヤルMを廻せ!』『裏窓』に続いてヒッチコックと3度目のタッグとなったグレース・ケリーの輝きにうっとり。『ノッティングヒルの恋人』(’99)ジュリア・ロバーツ&ヒュー・グラントの立場違いの恋ホテルロケ地:イギリス・ロンドン「ザ・リッツ」ジュリア・ロバーツ演じる有名ハリウッド女優と、ヒュー・グラント演じる冴えない本屋の店主が運命の恋に落ちる、英国を代表するロマンティックコメディー。『ロスト・イン・トランスレーション』(’03)スカヨハ、東京でひとりぼっちホテルロケ地:日本・東京「パークハイアット東京」異国の街で知り合った、孤独を抱えるハリウッド俳優(ビル・マーレイ)と人妻(スカーレット・ヨハンソン)の出会いと別れを繊細に描く。ソフィア・コッポラ監督が自身の東京での体験を基にした。『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(’09)ハメを外すにもほどがある!?ホテルロケ地:アメリカ・ラスベガス「シーザーズ・パレス」ブラッドリー・クーパーをはじめとする4人の男たちが繰り広げる、独身前夜のおバカ騒ぎが巻き起こす爆笑コメディ。シリーズ3作が製作され、絶大な人気を誇る。『グランドフィナーレ』(’16)マイケル・ケインの渋さに注目ホテルロケ地:スイス・アルプス「ホテルシャッツアルプ」ほかセレブが集うアルプスの高級ホテルを舞台に、友人の映画監督と優雅なバカンスを満喫する作曲家(マイケル・ケイン)と、交流するホテル客たちが繰り広げる人間ドラマ。音楽や映像美も圧巻。『ハンナとその姉妹』『アニー・ホール』などウディ・アレン監督のお気に入りそして本作に登場するの5つ星ホテル「ザ・カーライル」は、『アニー・ホール』(’78)や『ジゴロ・イン・ニューヨーク』(’14)、『セックス・アンド・ザ・シティ』(’08)など、多くの映画のロケ地に使用されたことでも有名。映画『ハンナとその姉妹』(’87)では、ジャズが鳴り響く店内で男女2人が話し込む姿が印象的なシーンを当ホテルのカフェで撮影した。いまでもこのカフェには監督のウディ・アレン本人が定期的に訪れる。映画本編では、クラリネットを演奏するアレンを捉えた貴重な映像も収められている。また、このホテルには、ウェス・アンダーソン監督が『グランド・ブダペスト・ホテル』(’14)のインスピレーションを得たと語る、名物バーがある。有名絵本作家が描いたメルヘンな世界が一面に広がる、趣ある「ベーメルマンス・バー」だ。ホテル内は豪華絢爛なスイートルームはもちろん、ヨ-ロッパの雰囲気も感じられるアンティークや絵画の数々も見どころ。どこをとっても絵になる内装は、それだけでまるで映画のワンシーンのよう。本作では、映画監督たちにひらめきを与え続ける「ザ・カーライル」の全貌が余すところなく明かされている。さらに、ジョージ・クルーニーをはじめ、世界的ハリウッドスターらのインタビュー映像も満載。ここでしか見られない、スターの素顔と次々と飛び出す極上のエピソードは映画ファン必見だ。『カーライル ニューヨークが恋したホテル』は8月9日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カーライル ニューヨークが恋したホテル 2019年8月9日よりBunkamura ル・シネマ ほか全国順次公開© 2018 DOCFILM4THECARLYLE LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年07月25日映画好きも演劇好きも楽しめる、傑作舞台『キネマと恋人』に出演する妻夫木聡さんにお話を伺いました!映画を心の支えに生きるハルコ(緒川たまき)の前に、ある日、映画の中の登場人物が飛び出してきて――。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんが敬愛するウディ・アレンの監督映画『カイロの紫のバラ』をモチーフにした舞台『キネマと恋人』。’16年に初演され、数々の演劇賞を受賞した傑作が、当時のキャスト、スタッフのまま再演に。「前回は稽古と台本があがるのが同時進行だったので、台本を渡されたらすぐ覚えて稽古するっていう状態(笑)。しかもその合間に映画の部分の撮影もあって。めちゃくちゃ大変でしたけど、めちゃくちゃ楽しかったんです。その時から、みんなで再演も旅公演もやりたいねと話していただけに、実現できて嬉しいです」妻夫木聡さんが扮するのは、芝居にこだわりを持つ売れない俳優の高木高助と、彼が演じる時代劇映画の人物で、気っ風のいい間坂寅蔵。「寅蔵は悪いところが何ひとつないキャラクターで赤子のような無垢さがある。高助は、スターになりたい思いもあるけれど、それ以上に芝居を愛している。ふたりとも違う意味で純粋さが大事な役。ただ、寅蔵の決め台詞『まさかまさかの間坂寅蔵』に関しては、どう言うかすごく悩みました。ちょっと滑稽に見えたらいいなと思っていたんですが」実際、初演は、画面から寅蔵が出ていって右往左往する映画関係者のドタバタと、寅蔵と高助から好意を寄せられるハルコとの恋が重なり、コミカルで甘く、軽妙だけどビターな上質のコメディの仕上がりに。「台本が、それだけで十分に面白いので、なるべく余計なことはしないように心がけていた」と話す。「KERAさんは、まずは僕らの中で生まれるものを待って、それを尊重しながら軌道修正してくださる演出家。振付の小野寺修二さんを交えて、どの角度でどう動いたらいいか、映像とどう合わせていくかを全員で話し合ったり。一緒に作っている感覚でした。今回、劇場が大きくなるのでテクニカルな面で変わることもあるだろうし、前回をなぞって狙った芝居をすると面白くない気もするので、初演はいったん忘れて新しく作ろうかなと思っています」映像でも活躍する妻夫木さんにとって、舞台は「夢みたいな場所」。「本番が終わったら終わりじゃないですか。実際に舞台に立っていたはずなのに、この現実は本当にあったのかなって感覚になることがあって、舞台のその儚さがたまらなく好きなんです。観客の時も同じで、自分の記憶の中だけに残るから、時間を経ていくうちに作品が自分だけのものになっていくんですよ。物語がそれぞれの人の中で成長する。それがね、僕は素晴らしいなって思うんです」『キネマと恋人』昭和11年、東京から1年も2年も遅れて映画が上演される小さな港町。ハルコ(緒川)がいつものように映画を観ていると、銀幕から寅蔵(妻夫木)が話しかけてきて…。6月8日(土)~23日(日)三軒茶屋・世田谷パブリックシアター台本・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演/妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえほかS席7800円A席4800円(共に税込み)ほか当日券あり。世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00)北九州、兵庫、名古屋、盛岡、新潟公演あり。撮影:西村裕介つまぶき・さとし1980年12月13日生まれ。福岡県出身。日台合作で製作された主演映画『パラダイス・ネクスト』が7月27日に、出演映画『決算!忠臣蔵』は11月22日に公開を控えている。※『anan』2019年6月5日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・片貝 俊ヘア&メイク・勇見勝彦(THYMON Inc.)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年05月31日ケラリーノ・サンドロヴィッチが2016年に書き下ろし、3年ぶりに再演される『キネマと恋人』。チケット販売の好調を受け、世田谷パブリックシアターでの追加公演が急きょ決定した。【チケット情報はこちら】本作は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が敬愛するウディ・アレンが監督した映画『カイロの紫のバラ』(1985年製作)をモチーフとし、舞台を昭和11年の日本のとある港町に置き換え、銀幕のスターとそこで暮らす女性との淡い恋心を巡る騒動を描いたもの。初演はさまざまな演劇賞を受賞するなど話題となり、再演への熱い要望が高く、今回、初演と同じキャスト・スタッフがそのまま顔を揃えての待望の再演となる。出演は、スクリーンの中の登場人物と映画俳優の2役を妻夫木聡、映画が生き甲斐の女性ハルコを緒川たまき、その妹をともさかりえが演じる。現在稽古に取り組んでいる作・演出のKERAから次のようなコメントが寄せられた。「2019年版『キネマと恋人』の稽古は、まだ始まったばかりだが順調に進んでいる。同一キャスト、スタッフで臨めるのだから、どんなやり方をしてもそれなりに良い結果を生むのは初演の経験で実感している。この度はより丁寧に、深く、作品に切り込めるはず。私の作品歴で『グッドバイ』と並んで最も間口の広い芝居です。老若男女、誰が観ても楽しめる。とくに演劇や映画を愛する方には。劇場でお待ちしています」追加公演は6月12日(水)13時、6月15日(土)18時の2ステージ。チケットは5月12日(日)午前10時よりチケットぴあにて発売。なお、チケットぴあでは5月11日(土)18時よりWeb先着先行《プリセール》を実施する。
2019年05月10日名匠アスガー・ファルハディ監督が初めてのオール・スペインロケに挑み、新境地を切り開いた『誰もがそれを知っている』。本日4月28日は、主人公ラウラを演じたスペインの名女優ペネロペ・クルスの、なんと45回目の誕生日!本作でハビエル・バルデムと夫婦共演を果たした彼女に、改めて注目した。スペインではペドロ・アルモドバル監督のミューズとして知られ、ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の外国語映画賞を受賞した『オール・アバウト・マイ・マザー』(’99)で注目を浴び、続くトム・クルーズ共演『バニラ・スカイ』やジョニー・デップ共演『ブロウ』などの話題作で一躍ハリウッドの人気女優に。アルモドバルと再び組んだ『ボルベール<帰郷>』(’06)ではスペイン人女優として初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネート、ヨーロッパ映画賞、カンヌ国際映画祭では主演女優賞を受賞し、続くウディ・アレン監督の『それでも恋するバルセロナ』(’08)でついに、アカデミー賞助演女優賞受賞を果たした。その後も『NINE』や『ローマでアモーレ』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』などの作品で、スタイル抜群の妖艶な美しさと情熱的な演技を見せ、世界中を虜に。40歳となった2014年には「エスクァイア」誌が発表するランキングで「世界で最もセクシーな女性」に選出。歳を重ねるごとに輝きを増すその類稀な美貌は、ファッション業界からも引く手あまた。近年では「シャネル(CHANEL)」のアンバサダーや、2019年春夏「アトリエ・スワロフスキー(Atelier Swarovski)」のキャンペーンで広告塔を務めている。さらに、小児白血病をテーマに描いたドキュメンタリー短編映画『Soy Unoentrecienmil』(’16・未)を手がけており、16歳から夢見ていたという長編映画も作りたいという意気込みを米メディアに語ったことも。近年は、ジャンニ・ヴェルサーチの暗殺を描いた話題のTVシリーズ「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」で妹役のドナテラ・ヴェルサーチを熱演し、その美貌が話題に。映画ではペドロ・アルモドバル監督『Dolor y gloria』(’19・原題)、オリヴィエ・アサイヤス監督『Wasp Network』(原題)が控えるなど、多岐にわたるその活躍からますます目が離せない。そんなペネロペが「今まで演じた役の中で一番複雑なキャラクター」と語り、夫のバルデムと6度目の共演を果たした本作。「ここまで激しい感情をぶつけ合うことは珍しい」(The Wrap)、「役者たちが新たなレベルのスター性をもたらした」(IndieWire)と母国スペインを舞台に、繊細にしてエモーショナルな演技でファルハディ監督作品を新たな境地へと導いたペネロペの演技は必見だ。今回は誕生日に合わせ、ペネロペのゴージャスな披露宴シーンと、娘の誘拐に気づき不穏な表情を浮かべるシーンという、展開が気にならずにはいられない場面写真2点も到着している。『誰もがそれを知っている』は6月1日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:誰もがそれを知っている 2019年6月1日よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開Ⓒ 2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION - MORENA FILMS SL - LUCKY RED - FRANCE 3 CINÉMA - UNTITLED FILMS A.I.E.
2019年04月28日憧れの“銀幕のスター”が、もし現実に飛び出してきたら――ウディ・アレンによる映画『カイロの紫のバラ』(1985年製作)にインスパイアされ、ケラリーノ・サンドロヴィッチが2016年に書き下ろした舞台『キネマと恋人』。数々の演劇賞を受賞した話題作が2019年、待望の再演となる。しかも初演時のキャスト・スタッフがそのまま顔を揃える、とても理想的な形で。【チケット情報はこちら】「初演の公演中から『再演やりたいね』ってみんなで話してたんですよ。評判もよかったですし、皆さんに愛された作品が同じキャストでまたやれるのは単純にすごく嬉しいです」そう語るのは、売れない映画俳優・高木高助と、高助が映画の中で演じる寅蔵の2役を演じる妻夫木聡だ。「初演はびっくりするくらい、あっけなく終わった印象なんですよ。でもそれは多分、とても楽しかったから。キャストみんなの仲が良かったですし、ひとつひとつの公演が愛おしすぎて……ほら、恋愛真っ只中のカップルって、あっという間に3か月くらい経ちますよね?そんな感じでした」寅蔵&高木と騒動を繰り広げるハルコ役の緒川たまき、その妹・ミチル役のともさかりえをはじめキャスト全員が意気投合、とてもいい空気だったとか。この舞台の音楽を今でもよく聴くほど“お気に入り”の作品になったというが、初演の稽古場ではやはり産みの苦しみもあったようだ。「稽古中にだんだんと台本ができてくるから、突然“ここからこの長ゼリフなの!?”とか、毎日宿題を出されるような状態で。でもそんな経験は初めてだったから、後半は逆に台本が来るのを面白がってましたね(笑)。でもそれも理由があって、KERAさんはやっぱり稽古場での俳優を見てから書きたい、って言われていて。究極の当て書きですよね。俳優のいい部分も悪い部分も詰め込まれるし、だからこそみんなに愛される作品になったのでは、と思います」ときには場面のアイデアをキャストたちから出し合ったりと、妻夫木にとっては初めての体験が多かった作品というのもあり、再演への意気込みも大きい。また、スクリーンから飛び出してハルコと恋をする寅蔵、寅蔵をなんとかスクリーンに戻そうとするうちにやはりハルコに恋をする高木と、なかなか珍しいパターンの1人2役を演じる点も注目だ。「今回の再演では、特に高木役をもう少し考えたいというか、向き合っていきたいなと思ってます。高木も寅蔵も純粋な男なんですけど、“違う意味での純粋さ”が彼らの分かれ道なのかなと。高木という男の魅力をもっと引き出すには、彼の背景が見えたほうが深みが出ると思うんですよね」今回の再演では福岡、兵庫、愛知、岩手、新潟の各地を巡るが「このメンバーで旅公演がやりたかったんで、これも嬉しいんです」と笑顔を見せる妻夫木。愛すべき作品の中で生き生きと演じる姿が見られそうだ。東京公演は6月8日(土)から23日(日)まで世田谷パブリックシアターで上演。チケットは4月13日(土)よりぴあにて発売。取材・文:川口有紀
2019年04月11日テクノバンド・電気グルーヴのメンバーで俳優のピエール瀧被告の逮捕劇で物議を醸した斎藤工主演映画『麻雀放浪記2020』がいよいよ4月5日より公開となった。マスコミ試写は一切行われなかったので、早速、初日に本作の配給会社である東映の本丸、丸の内TOEI 1にて鑑賞。冒頭で「麻薬取締法違反で逮捕されたピエール瀧容疑者が出演しております」というテロップを観て気を引き締めながら観た本編は、失笑&爆笑シーン満載のブラックコメディに仕上がっていた!【ネタバレあり】ご存知、原案は和田誠監督作『麻雀放浪記』(84)で知られる阿佐田哲也の同名小説だが、本作は大胆不敵に設定をアレンジ。メガホンをとったのは、『孤狼の血』(18)など、筋金入りの男くさい映画を手掛けてきた白石和彌監督だ。主人公のギャンブラー、坊や哲(斎藤工)が、第二次世界大戦後の1945年から、タイムスリップして2020年にやってくる。そこは、第三次世界大戦で東京オリンピックが中止になったという戦後の日本だった。○■斎藤工が“ふんどし雀士”に! “ふんどししゃぶしゃぶ”も登場物語はすでにタイムスリップした2020年からスタート。まずは、斎藤自身も自虐的にツッコミを入れていた、坊や哲が“童貞”だとイジられるシーンがシュール。その後、坊や哲は芸能プロダクションの社長・クソ丸(竹中直人)の後押しで、攻める麻雀プレイを見せる“ふんどし雀士・哲”として大ブレイクしていく。トップアイドル並みに顔写真入りグッズが量産され、時の人となった哲。世間的にもふんどしがイケてるファッションとして大ブームを巻き起こし、クソ丸はふんどし姿のイケメンたちが迎えてくれる“ふんどししゃぶしゃぶ”までもプロデュースし、イケイケドンドンとなる。ちなみにその後、ある容疑で哲が逮捕され、彼のグッズすべてが店頭から回収される羽目に。さらに、謝罪会見までさせられるという、まさに「事実は小説より奇なり」的なアイロニーのきいた物語になっていた……。○■バーコードヘアのピエール瀧と、元東京都知事役の舛添要一!元五輪組織委員会・会長の杜役のピエール瀧被告は、バーコードヘアで登場し、威圧感たっぷりの演技を披露。先日、ピエール瀧被告について「言語道断」とツイッターでぶったぎっていた舛添要一前東京都知事が、なんと本人役で出演し、開催されることになった麻雀五輪の解説を務めるという点にびっくり仰天。また、白石組の常連俳優・音尾琢真といえば、『孤狼の血』でかなり際どい“局所の真珠”のシーンが記憶新しいところだが、本作では、AbemaTV麻雀番組のプロデューサー役に扮し、同シーンをおちゃめにパロっているのでお見逃しなく。○■バーチャルHシーンに挑戦したももと、AI役がドハマリのベッキー男優陣がハッスルすれば、女優陣も負けてはいない。常にコンプライアンスに立ち向かうがごとく、ギリギリの映像表現にトライしてきた白石和彌監督だが、今回は、なんとバーチャルSEXのシーンをお見舞いする。演じたのは、天真爛漫な地下アイドル・ドテ子役のチャラン・ポ・ランタンのボーカル・もも。ここはもはや笑って観てほしい。また、今回出色だったのが、麻雀クラブ「オックスクラブ」のオーナー八代ゆき役と、AI搭載のアンドロイド役の2役に挑んだベッキー。色香が漂うゆき役では、斎藤との胸キュンシーンを熱演。2020年に舞台を移せば、美しいアンドロイドにチェンジ。いかにも血の通ってなさそうなクールビューティーぶりに思わず息を呑む。最後まで観ると、現代社会に皮肉を込めた社会派のブラックコメディとなっていたことがわかった『麻雀放浪記2020』。斎藤工が初日舞台挨拶で「紆余曲折あった」「七転び八起き」といった言葉を口にしていたが、とにかく無事に公開されたことが喜ばしい限りだ。さらに第9回北京国際映画祭への公式上映も決定した本作は、ぜひ多くの人に観てほしい!■著者プロフィール山崎伸子フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴。(C)2019「麻雀放浪記2020」製作委員会
2019年04月06日英国王室や歴代大統領、数々の映画スターが愛するニューヨークの5つ星ホテルを描いたドキュメンタリー『カーライル ニューヨークが恋したホテル』が8月9日(金)より公開決定。併せてポスタービジュアルと場面写真が到着した。いまは亡きダイアナ元妃とマイケル・ジャクソン、スティーブ・ジョブズが同じエレベーターに乗り合わせた。3人は沈黙していた、ダイアナ妃が「ビート・イット」を歌うまで――。本作は、世界中のセレブたちが愛し、名だたるスターたちが幾多の逸話を残していることから、ニューヨーク・タイムズが「秘密の宮殿」と呼んだ伝説のクラシックホテル「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」を描いた、世界初の5つ星ホテルドキュメンタリー。ジョージ・クルーニーやソフィア・コッポラ監督、ウェス・アンダーソン監督、ハリソン・フォードをはじめとする総勢38名のスターたちが、カーライルに眠る歴史的な秘話やその魅力を教え、セレブたちにこよなく愛されるホテルスタッフたちからは究極のおもてなしが明らかにされる。1930年創業のニューヨーク・マンハッタンに佇む「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」は、1泊200万円もするスイートルームがある超高級ホテル。その顧客には、英国王室や歴米大統領、映画スター、アスリートにミュージシャンと極上のセレブたちが名を連ねる。『ハンナとその姉妹』(87)や『セックス・アンド・ザ・シティ』(08)のロケ地としても知られ、2年間カーライルに滞在していたこともあるウディ・アレン監督は、ホテル内のカフェ・カーライルで週に1度クラリネットを演奏している。上等なホテルは数あれど、セレブが皆カーライルを選ぶその理由は…?「お客様の秘密は必ず守ります」そう答えるのは個性的でユーモラスなホテルのスッフたち。先達からの伝統を受け継ぐスタッフたちは、溢れんばかりの笑顔でゲストを出迎える。まるで我が家のよう、とセレブたちは口をそろえるほど。なかでも名物コンシェルジュのドワイトは、吃音症を抱えながら36年間カーライルを支えてきた。彼の上品で温かい接客は宿泊客からもスタッフからも愛されている。彼らのおもてなしの心意気は、時代の中で失われつつある人間の豊かさを教えてくれるのかもしれない。また、今回解禁されたポスターは、アメリカで活躍するファッションイラストレーターのケラ・ティルが本作のために描き下ろした、繊細で愛らしいタッチの超高級ホテル・カーライルがお目見え。場面写真では、ジョージ・クルーニーやナオミ・キャンベル、ジョン・ハムらがカーライルについて語る姿や、美しく悠然と佇むカーライルの外観がうかがえる。監督は、『ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート』(13)、『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』(16)といったニューヨークの老舗高級ショップのドキュメンタリーを続けて製作しているマシュー・ミーレ―。過去作でもみせた超一流セレブたちの素顔を引き出す手腕は健在で、今回は4年間、自らもカーライルに通い詰め、その情熱が数々のビッグネームを本作出演へと導いたという。『カーライル ニューヨークが恋したホテル』は8月9日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:カーライル ニューヨークが恋したホテル 2019年8月9日よりBunkamura ル・シネマ ほか全国順次公開© 2018 DOCFILM4THECARLYLE LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年03月25日こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。2020年東京オリンピックに向けてマラソン界がとりわけ注目されていますが、オリンピック代表選手の選出レースも始まり、今からとても楽しみですね。【シネマの時間】第58回は、『超高速!参勤交代』の原作・脚本で知られる土橋章宏が、日本のマラソンの発祥といわれる史実「安政遠足」を題材に執筆した小説『幕末まらそん侍』を映画化。話題の『サムライマラソン』をご紹介します!日本の新しい「サムライ映画」を世界へ発信しようと企画・プロデュースを手がけたのは、『ラストエンペラー』でアカデミー賞を受賞し、『戦場のメリークリスマス』『十三人の刺客』など日本映画の製作に実績のある名プロデューサー ジェレミー・トーマスと『おくりびと』『十三人の刺客』などで知られる中沢敏明。彼らのもとに、佐藤健、長谷川博己、竹中直人、豊川悦司、青木崇高、森山未來、染谷将太、小松奈菜といった豪華スターキャストと国内外で活躍するアカデミー賞スタッフ陣が集結!監督には、『不滅の恋/ベートーヴェン』のバーナード・ローズが、カメラの前で起こる偶然やハプニンングさえすべてダイナミックに演出し、歴史・スポーツ・アクション・サスペンス・ヒューマンドラマがたっぷり楽しめる幕末エンタテインメントに昇華させています。音楽は、ウディ・アレン、デヴィット・ボウイなど幅広いアーティストとのコラボレーションや映画音楽も数多く手がけ、『めぐりあう時間たち』などでアカデミー賞にもノミネートされた巨匠フィリップ・グラス。衣装デザインは、黒澤明監督の『乱』でアカデミー衣装デザイン賞を獲得し、『宋家の三姉妹』などヨーロッパやアジアの大作で衣装デザイナーとして活躍するワダエミが担当。西洋文化が少しずつ入ってきた幕末という時代の魅力を、自由に発想されたデザインの衣装でキャラクターの属性を存分に表現し素晴らしいです。「駆けろ、時代を。駆けろ運命を!」ぜひ、この機会に映画館でお楽しみください!■映画『サムライマラソン』あらすじー優勝すれば願いが叶うマラソン大会が、 藩の存亡と家族と仲間の命をかけた戦いに260年もの間、日本は国を守るために鎖国してきました。しかし1855年幕末、幕府大老の五百鬼祐虎(豊川悦司)は、黒船でアメリカからやって来た海軍総督ペリー(ダニー・ヒューストン)と面談し和親条約という名の開国を迫られます。安中藩主の板倉勝明(長谷川博己)は、アメリカは口では和平を唱えているが、日本への侵略が目的だと疑っていました。「国と藩を守らなければならない」と考えた勝明は、藩士たちの心と体を鍛錬するために「明日、十五里の遠足(とおあし)を行う」と宣言しました。「優勝者はどんな願いも叶えられる」と聞いて、藩士たちは色めきたちます。そんななか、勝明の娘の雪姫(小松菜奈)が城を抜け出し、城内で大騒ぎとなります。芸術的才能に恵まれた雪姫は、江戸へ出て絵画を勉強し、いずれは異国へも渡りたいと願っているのですが、父からは激しく反対されていました。重臣の息子で、辻村平九郎(森山未來)を婿にとって藩を治めるよう命じられ、強い決意のもと逃げ出したのです。一方、城下の人々の間では、早速誰が1着になるかの賭けが始まっていました。藩で一番足が速いのは、足軽の上杉広之進(染谷将太)だと誰もが知っていました。上杉は両替商の留吉に茶屋で奢られ、1着にならなければ10両渡すと八百長を持ちかけられます。妻子の待つあばら家へ帰った上杉は、1着とお金とどちらをとるか悩むのでした。ところが、その夜江戸城では、安中藩の人々にとって絶体絶命の指令が下されていました。以前から勝明を警戒していた五百鬼が、安中藩の遠足を「謀反の動き」と見做して、アメリカの最新式の拳銃を携えた刺客を放ってしまったのです。翌朝、五百鬼の企みに気づいた男がいました。彼の名は唐沢甚内(佐藤健)。安中藩に仕える勘定方は仮の姿で、実は代々幕府の隠密として、不穏な動きを察知したら直ちに報告する役目を負っていました。藩の上司の植木義邦(青木崇高)にはもちろん、妻にさえ打ち明けてはならない秘密でした。それぞれの想いを抱えた参加者たちが、出発地点に集まってきます。虚栄心から不正をしてでも1着を取ろうと気合いを入れる辻村や、遠足に乗じて江戸まで行こうと計画し、男装に身を隠した雪姫なども群衆に紛れていました。守衛番を解雇された栗田又衛門(竹中直人)は、最後にひと花咲かそうと、亡き親友のまだ幼い息子と出場することに。太鼓の音が響き、開始の掛け声で、元気よく一斉に飛び出す藩士たち。しかし、ほどなく刺客たちが到着し、まずは関所が襲撃されます。幕府か藩か揺れるなか、愛する者たちとここで出会ったことに気づいた甚内は、仲間たちに危機を告げ、一刻も早く城へ戻ろうと全力で走り始めます。果たして、甚内は大切なものを守れるのでしょうか?ゴールのその先にある日本の未来とは?■映画『サムライマラソン』作品紹介映画『サムライマラソン』2019年2月22日(金)TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー公式サイト:監督:バーナード・ローズ原作:土橋章宏『幕末まらそん侍』(ハルキ文庫)脚本:斉藤ひろし、バーナード・ローズ、山岸きくみ企画・プロデュース:ジェレミー・トーマス、中沢敏明製作:余海峰、吉崎圭一、亀山慶二、中西一雄、依田巽、畠中達郎、宮崎伸夫、山田裕之、木村正明、渡邊耕一、狩野隆也、樋泉実共同製作:周晏清、マリー=ガブリエル・スチュワートチーフプロデューサー:井口高志、厨子健介、佐々木基プロデューサー:池上司、八木征志、大野貴裕共同プロデューサー:丸山典由喜アソシエイトプロデューサー:三船力也、クリスチャン・ストームズ、アレイニー・ケント撮影監督:石坂拓郎照明:舘野秀樹美術:佐々木尚衣装デザイン:ワダエミ装飾:佐藤孝之録音:小松将人編集:上綱麻子音楽:フィリップ・グラス殺陣・所作指導:久世浩スクリプター:原田侑子VFXプロデューサー:レアンドロ・マリーニ、サウンドエディター、マイケル・ペリコーネ助監督:松下洋平キャスティング:安生泰子制作担当:坪内一製作年:2019年上映時間:104分映倫区分:PG12製作国:日本配給:ギャガ©”SAMURAI MARATHON 1855”FILM PartnersGAGA.NE.JP/SAMURAIMARATHON■映画『サムライマラソン』キャスト佐藤健=唐沢甚内小松菜奈=雪姫森山未來=辻村平九郎染谷将太=上杉広之進青木崇高=植木義邦若林瑠海=福本伊助竹中直人=栗田又衛門豊川悦司=五百鬼祐虎長谷川博己=板倉勝明木幡竜小関裕太深水元基カトウシンスケ岩永ジョーイ筒井真理子門脇麦阿部純子奈緒中川大志and ダニー・ヒューストン【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2019年02月27日いよいよクリスマスシーズン突入! 街ではイルミネーションが輝き、映画でも今年最後を飾るにふさわしいゴージャスな作品が公開される。『アリー/ スター誕生』は、スターが誕生する瞬間を描いたキラキラがいっぱい詰まった物語。そこで今回はクリスマスシーズンにぴったりの、人生が輝いて見えるキラキラ映画を紹介しよう。夢見ることを諦めなかった女性シンガーがスターに…『アリー/ スター誕生』世界の歌姫レディ・ガガが夢見ることを諦めなかった女性シンガー・アリーにふんし、トップスターにのぼりつめるまでを描いた『アリー/ スター誕生』(12月21日公開)。クリント・イーストウッドからバトンを受け継いだ俳優ブラッドリー・クーパーが、初監督&出演した感動のラブストーリーだ。世界的ミュージシャン・ジャクソン(ブラッドリー・クーパー)は、場末のシンガー・アリー(レディー・ガガ)の才能に魅せられ、猛烈アタックを開始する。そして熱気みなぎるジャクソンのライブにゲスト出演した彼女は一気にスターダムへ。下積み時代が長かったアリーが、ためらいながらも、ステージで披露した奇跡の歌声には誰しも胸を熱くすることだろう。また本作のもうひとつの見どころは、美しくも激しい2人の愛の絆。その象徴とも言えるジャクソンとアリーの甘美なハーモニーに酔いしれたい。心に傷を負った男女の再生の物語…『世界にひとつのプレイブック』同じくブラッドリー・クーパーが主演を演じ、実力派俳優としての評価を獲得した作品がヒューマン・コメディ『世界にひとつのプレイブック』(2012年)。心に傷を負った男女の再生を描く。妻の浮気現場を目撃したことから躁うつ症を患い、精神病院に入院していたパット(クーパー)と、夫を亡くし、同じく精神を病んでいたティファニー(ローレンス)。何かと過激なティファニーと彼女のエキセントリックな行動に振り回されるパットが、少しずつお互いを認め合い距離を縮めていく姿が微笑ましい。成り行きで出場することになったダンス大会では、2人はユニークながらも完全燃焼の踊りを披露!人生をこじらせていた不器用な彼らは、果たして幸福になれるのでしょうか?モテ男×記憶障害の女性が選んだ未来は?…『50回目のファーストキス』アダム・サンドラー&ドリュー・バリモアによる2004年のハリウッド映画を、山田孝之&長澤まさみでリメイク。『50回目のファーストキス』(2018年)は、モテモテのツアーガイドと記憶障害の女性が織り成すラブコメディ。ハワイ、オアフ島。大輔(山田さん)は、カフェで偶然居合わせた美しい女性・瑠衣(長澤さん)に一目惚れ。なんとか再会を約束するも、次の日になると瑠衣は全く大輔のことを覚えていない。実は瑠衣は事故の後遺症で、眠るとその日あった全てのことを忘れてしまうのだ!瑠衣の家族に反対され、会うことを止められた大輔が、瑠衣と話をしようと奮闘する姿が笑える。コメディを得意とする福田雄一監督が、随所に笑いを散りばめながらも、数奇な運命に翻弄される男女の切なさをしっとりと描いた本作。ハワイの美しい風景とまばゆい陽光の下に繰り広げられる、2人の恋の行方を見守ろう。作家志望の脚本家が黄金時代のパリにタイムスリップ…『ミッドナイト・イン・パリ』『それでも恋するバルセロナ』の名匠ウディ・アレンが、パリを舞台におとぎの世界をつむぐ『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)。遊び心たっぷりのロマンティック・コメディなのだ。ハリウッドの売れっ子脚本家で作家志望のギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者のイネズ(レイチェル・マクアダムス)と訪れた憧れのパリで迷子に。そして午前0時の鐘の音を合図に、1920年代へとタイムスリップしてしまう。ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、ゴーギャンら偉大なる芸術家たちと、刺激的な時間を過ごすギル。洒脱な薫り漂うバーや夜闇に回る観覧車のネオンなど。黄金時代のパリを再現した幻想的なシーンにはうっとりさせられるはず。夜ごと芸術家たちと教養を高める一方、妖艶な美女アドリアナ(マリオン・コティヤール)に心惹かれるギルが最後に下した決断とは? ウディ・アレン流の皮肉が効いた小粋なラブロマンスをどうぞ。インド人マダムが異国でコンプレックスを克服…『マダム・イン・ニューヨーク』最後はインド映画界に旋風を巻き起こした、新進気鋭の女性監督ガウリ・シンデーによる『マダム・イン・ニューヨーク』(2012年)。英語コンプレックスのインド人女性が、一念発起して苦手を克服していくヒューマンドラマ。料理が上手で英語が苦手なインド人主婦シャシ(シュリデビ)。ある日シャシは米国で暮らす姪の結婚式を手伝うために、単身N.Y.に渡ることに。家族から英語が話せないことをからかわれ、軽んじられていることに傷ついていたシャリ。N.Y.でもカフェで言葉が通じず、つらい思いをして涙を流すエピソードには共感する者も多いだろう。そんな彼女が、N.Y.で家族に隠して語学学校に通い、一緒に学ぶ仲間たちと励まし合いながら自信を取り戻していく姿には勇気づけられる。インド映画が誇る人間賛歌&多幸感いっぱいの歌と踊りを堪能すべし!人生に希望を感じていれば、美しい景色はさらに美しくキラキラと輝いて見えるはず。今年のクリスマスシーズンには人生に前向きになれるキラキラ映画を観て、心豊かに年末年始を過ごしてみるのはいかがでしょう?(text:足立美由紀)(text:Miyuki Adachi)■関連作品:ミッドナイト・イン・パリ 2012年5月26日より新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマほか全国にて公開Photo by Roger Arpajou -(C) 2011 Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L. and Gravier Productions, Inc.世界にひとつのプレイブック 2013年2月22日よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC50回目のファーストキス 2018年6月1日より全国にて公開© 2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
2018年12月14日