前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15)に続き、シリーズ第6弾『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(公開中)を手掛けたクリストファー・マッカリー監督に単独インタビュー。毎回違う監督がメガホンをとることで、それぞれの個性を発揮してきた『ミッション:インポッシブル』シリーズだが、マッカリー監督が初めて2度目のメガホンをとった。監督、脚本家としてのスキルや情熱は、主演でプロデューサーでもあるトム・クルーズのお墨付きだ。実際にマッカリー監督は、トムの主演映画『アウトロー』(12)の監督をはじめ、プロデューサーや脚本家としてトムと9回もタッグを組んできた。本作でのイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、捕まった仲間の命と引き替えに、奪還したプルトニウムを再び敵に引き渡してしまう。イーサンとIMFチームは、敏腕エージェントのウォーカー(ヘンリー・カヴィル)と共に、3都市における同時核爆発を未然に防ぐべく、新たなミッションに挑む。毎回トムによる命知らずのアクションに目を見張るが、本作の危険度&スリルは、ケタ外れだ。トムの骨折したシーンがそのまま使われた決死の“ビルジャンプ”や特殊なパラシュートを使うヘイロー・ジャンプ、パリ・凱旋門前をバイクで爆走したり、2000時間の飛行訓練をした後、トム自らヘリコプターを操縦したりと、正直なところ正気の沙汰とは思えないレベルのチャレンジだ。インタビューでは、マッカリー監督にトムとの仰天撮影裏話をはじめ、興味深い監督のバックグラウンドや、脚本を手掛けた出世作『ユージュアル・サスペクツ』(95)の秘話まで話が及んだ。――再び『ミッション・インポッシブル』シリーズのメガホンをとることになり、まさに“自己ベスト更新”を余儀なくされたと思いますが、どんな点を心がけて監督をされましたか?2回目の監督に挑めたのは、きっと僕がクレイジーだから(笑)。シリーズのファンは、毎回、違う監督が演出することを期待しているから、僕も前作とは全く違う演出でいこうと決めた。だから編集者を除き、スタッフは全員替えたんだ。こんなにスケールの大きい作品を撮ったことがない撮影スタッフもいたけど、僕は本作を通常のアクション映画じゃないスタイルで撮りたかったからちょうど良かった。その分、いろんなディスカッションをして撮ったから、時には衝突することもあったよ。――アクションはどれも素晴らしいですが、特にヘイロージャンプのシーンが圧巻でした! IMAXレンズをスカイダイビングで使ったのは初めての試みだったそうですね。使ったのは一番小さなデジタルカメラだ。IMAXカメラは大きすぎるので、フレームだけを使ったんだが、まるで1ショットのように撮るというのが最大の難関だった。スカイダイビング中のトムの顔を、ずっと入れたかったので、トムがダイブする時、カメラマンは後ろ向きに落ちていかないといけなかった。とても難しい撮影だったよ。――トム・クルーズは、この撮影で100回以上もトライしたそうですね。そうなんだ。ちょうど夕陽が落ちた直後を狙いたかったので、毎日1回3分間しか撮るチャンスがなかった。少し遅すぎると暗すぎるし、早すぎると明るすぎる。しかも複雑なショットだったから大変だった。また、撮り終わってからもビジュアルエフェクトをかけたので、実は一番お金がかかったシーンでもあるよ。――これまで「ミッション:インポッシブル」を「ミッション:ポッシブル」に変え続けてきたトム。まさにトム自身がイーサン・ハントなのではないかと思ってしまいますが、監督はトムをどんなふうに見ていますか?トムとイーサン・ハントとの大きな違いが1つだけある。イーサンはやむを得ずミッションに取り組んでいるけど、トムはいつだってやりたくてやっている。彼は仕事が大好きなんだ。だから時々トムに「イーサン・ハントは恐怖心をもってミッションに挑んでいるよ」と念を押すこともある。そのくらいトムは楽しんでやっているから。――ちなみに、トムは毎回、1つ間違えば命取りとなる危険なアクションにトライしています。愚問かもしれませんが、監督として「これは危ないからやめよう」と、トムを止めることは可能でしょうか?ううーん……(大きくため息)。きっとトムを止めることなんて誰にもできないよ(苦笑)。今回、ヘリコプターのシークエンスもかなり危険度が高い撮影で、全員が固唾をのんで挑んだけど、本当に何も起きなくて良かった。そしたら、ビルからビルへとジャンプするシーンで事故が起きてしまった。あれは、ずっと走って1回だけジャンプするという、他と比べるとそこまで難しいアクションではないと思っていたから、その油断が落とし穴になってしまった。――監督は、高校卒業後、大学に行かずに5年間旅をしたり、探偵事務所で働いたりされたとか。その人生経験が今の仕事に生かされているのでしょうか?探偵事務所ではなく、警備会社で警備員をやっていただけさ。特別ドラマチックなことも起きない退屈な仕事で、僕は映画館の警備もやっていた。当時住んでいたのは、ドラッグが蔓延しているような街で、映画館でトラブルやケンカが起きないように見張るのが僕の仕事だった。ただ、今振り返ると、その仕事をしていたことが、後々になってとても良かったと思っている。――映画館の警備員の仕事が、今の仕事とどう結びついたのですか?僕は映画館の一番後ろに立って、観客の反応をずっと観ていたんだ。観客は映画を観ながら、意見を交わしたり、反応したりするでしょ。警備員として働いた4年間で、人がどんなふうに映画を観るのか、また、どういうところに反応するのかということを無意識に学んでいったんだと思う。観客は頭が良くて、なかでも本当に賢い観客は、物語の落ちを読んでしまう。その観客がポロリとネタバレをしてしまった時なんて最悪だよ(笑)。だから、監督は観客よりも賢くなければいけない。でも、ストーリー自体は誰もがついてこられるような作りにしなければいけないと痛感させられた。それを踏まえて書いたのが『ユージュアル・サスペクツ』の脚本だ。――なるほど、『ユージュアル・サスペクツ』は、予断を許さない展開が見事なサスペンス映画でした。監督したブライアン・シンガーとは、トム・クルーズ主演映画『ワルキューレ』(08)をはじめ、何作も組まれていますね。ブライアン・シンガーは僕の幼なじみで、小学校からの付き合いなんだ。彼とはずっと一緒に映画作りをしてきたよ。ブライアン・シンガーが大学で4年間映画作りを学んでいた頃、僕は映画館で“映画の見方”を勉強していたということだ。今、僕がトムと仕事ができているのも、過去の積み重ねがあったからだと思うと、実に感慨深いよ。■プロフィールクリストファー・マッカリー1968年6月12日、アメリカ生まれ。脚本家、プロデューサー、映画監督。『ユージュアル・サスペクツ』(95)で第68回アカデミー賞脚本賞他、数多くの賞を受賞。脚本と監督を務めた作品は『誘拐犯』(00)や『アウトロー』(12)、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15)。トム・クルーズの出演作では、『ワルキューレ』(08)や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(17)などの脚本を手掛けている■著者プロフィール山崎伸子フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
2018年08月11日日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」では、「3週連続 夏はジブリ」企画が始動。初週となる今夜8月10日は、『ハウルの動く城』が放送。SNSでは放送前から「テレビ前スタンバイOK」「そろそろハウルに会う 準備をしなくちゃね」待機組が続々現れ、放送中は木村拓哉演じる“ハウル”にキュンキュンするファンが続出していた。宮崎駿監督が手掛けた本作は、魔女の呪いで老婆に姿を変えられてしまった少女・ソフィーと魔法使いのハウルをはじめ、カルシファーやマルクルなど不思議で個性的なキャラクターが登場。生きることの素晴らしさや戦うことの愚かさを描いたファンタジー超大作だ。本作で注目なのが、登場キャラクターに声をあてているキャストたち。魔法使い・ハウル役は木村拓哉が担当しており、冒頭のソフィを助ける登場シーンから「ああああああああああああハウルまじイケメン ジブリキャラで1番イケメンだわ」「イケメてるな~ハウルさん」「キムタクの声もイケボすぎw」「ハウル様、顔がハウルで声が木村拓哉なのヤバい」とイケメンすぎるといった声で溢れ、また「ハウルに上手だ、、、ーーーーーっとか言われたい!!!!!!!」「私もハウルにいい子だって言われたい!!!!!!」「『上手だ』『いい子だ』好きー!」「おいで!とか言われたい」とハウルにキュンとする女子続出。そして、どこか弱虫だったハウルが戦うことを決意しソフィ―に言う名セリフ「ようやく守らなければならないものができたんだ。…君だ」という特に人気の高いシーンでは、「最上級のプロポーズでは?」「ああああああ!! 守らなければならないもの!!!」「泣けるんだけど」「言われてぇぇぇぇぇぇぇぇ」「守られたい…」などと悲鳴を上げるファンも。また木村さん以外にも、倍賞千恵子が少女の時代から90歳のおばあちゃんまで、ひとりでソフィーの声を担当。さらに、荒地の魔女役に美輪明宏、カルシファー役に我修院達也、マルクル役に神木隆之介、かかしのカブ役に大泉洋らが参加。そんな個性的で魅力的なキャラクターたちの登場に、「カルシファーかわいいいいい」「神木くんキター」「マルクル!神木くん!!!神!」「ちび神木くんの声ってめちゃくちゃかわいい」「美輪さんのイケズっぷりも素敵」といった感想も飛び出していた。ほかにも、「人生のメリーゴーランド最高すぎる」「ハウルの動く城のバックミュージックすき」といった“音楽”や、「すげえ背景の描写だ 惹き込まれる」「夕焼けがすごく綺麗」「背景や隅まで書き込まれてるから綺麗だしお城も凄く良いよね」と“動く城”をはじめとするその作画&映像美に魅了される人たちも。そして、放送スタートすぐに「#ハウルの動く城」がTwitterトレンド1位になった今回。加えて放送中は、「カルシファー」「マルクル」「ベーコンエッグ」「荒れ地の魔女」などと本作に関するワードがトレンド上位を独占していた。なお、次週8月17日(金)には『となりのトトロ』、その翌週24日(金)は『猫の恩返し』が金曜ロードSHOW!にて放送。残りの“夏ジブリ”も見逃せない。(cinemacafe.net)■関連作品:ハウルの動く城 2004年11月20日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にて公開©2004二馬力・TGNDDDT
2018年08月10日日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」では「夏のスーパーアニメ祭り第2弾」と銘打って「3週連続夏はジブリ」をお届けする。初週となる8月10日(金)今夜は巨匠・宮崎駿監督によるファンタジー超大作『ハウルの動く城』をオンエアする。超特大の興行収入を記録した『千と千尋の神隠し』に続いて世界中が注目するなか2004年に公開された本作。ベネチア国際映画祭でオゼッラ賞を受賞したほか、アメリカのアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされるなど、本作も世界で高い評価を受けた。主人公・ソフィーは父が遺した帽子店で働く地味で恋にもオシャレにも消極的、華やかな妹や義母から心配されている少女。ソフィーはある日、町で兵士に絡まれているところを美しい青年に助けられるのだが、彼こそ人の心臓を食べるとうわさされている魔法使いのハウル。そうとは知らずソフィーはハウルに恋心を抱くのだが、その夜、突然訪ねてきた荒れ地の魔女に魔法をかけられ、90歳の老婆に姿を変えられてしまう。このままの姿では家にいられないと旅に出たソフィー。彼女の前に巨大なハウルの動く城が現れる…という物語。ソフィー役には『男はつらいよ』シリーズ、『幸福の黄色いハンカチ』などの倍賞千恵子。ソフィーの少女時代から90歳までを演じきったその声の演技は圧巻。美しい魔法使い・ハウルを演じたのは「HERO」シリーズや『無限の住人』など数々の作品に主演、8月24日(金)からは『検察側の罪人』の公開も控える木村拓哉。声優としての木村さんの“美声”ぶりにも聞き惚れてほしい。また荒地の魔女役で『もののけ姫』でも存在感抜群の声優ぶりをみせた美輪明宏。マルクル役には本作と『千と千尋の神隠し』と『君の名は。』で邦画歴代興収TOP3作品いずれにも出演している神木隆之介。かかしのカブ役には『思い出のマーニー』など声優としても数々の出演作を誇る大泉洋。カルシファー役には我修院達也といった面々が顔を揃えた。なお次週8月17日(金)には『となりのトトロ』が放送される。『ハウルの動く城』は8月10日(金)21時~日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」でオンエア。(笠緒)■関連作品:リズと青い鳥 2018年4月21日より全国にて公開© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会ハウルの動く城 2004年11月20日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にて公開©2004二馬力・TGNDDDT
2018年08月10日ピクサー・アニメーション・スタジオ最新作『インクレディブル・ファミリー』(8月1日公開)は、前作『Mr.インクレディブル』(04)をさらにパワーアップさせた最強の続編となった。Mr.インクレディブルこと、パパのボブ役の声優を続投した三浦友和にインタビューし、ボブと自身のイクメンぶりについて語ってもらった。Mr.インクレディブルたちヒーロー一家は、正義のために戦ってきたが、戦闘で街を破壊してしまったことで、活動を禁止されてしまう。そんななか、ヒーロー復活を懸けた任務を命じられたのは、ボブではなく、建物を壊す心配がない妻のヘレンだった。ボブは仕方なく、ヘレンから子どもたちの世話を頼まれ、イクメンとして大奮闘していく。日本版では、ボブ役の三浦をはじめ、ママ・ヘレン役の黒木瞳、長女ヴァイオレット役の綾瀬はるかも続投した。○演じたボブのイクメンぶり――またMr.インクレディブルことボブ役をオファーされた時の感想から聞かせてください。すごくうれしかったです。もしかして別の人がやるのかな?と思っていたら、同じメンバーで続投できたので。今回は、より“ファミリー”を描く映画となっていましたが、本当に面白かったです。――ピクサーの作品は、どれも前作を上回るようなクオリティの作品になるのは、なぜだと思いますか?取り組み方が素晴らしいと思います。よく「2匹目、3匹目のドジョウを狙う」というけど、「ヒットしたからもう1本作る」とか、「スケールが小さくなっても絶対に客が入るからやっちゃおう」とか、そういう考え方ではなく「前作よりもいいものを作らないとお客さんに申し訳ない」というスタンスで作っているところです。だから続編の方がさらに膨らみ、面白いものになるのではないかと。――今回、ボブ役を演じてみて、彼のイクメンぶりはいかがでしたか?前作ではそういうエピソードが全くなかったのですが、今回はイクメンパートが多くて、その分、ボブの台詞量が多くなっていました。前作のアフレコは確か3日間くらいで終わった気がしたけど、今回のスケジュールは1週間もとってありましたが納得です。最初に、女房(ヘレン)が活躍する話だと聞いていたから、そんなにボブの台詞はないと思っていたけど、ちょっと予想外の分量でした(苦笑)。――活動禁止令が出たあとで、街を救うミッションを任されたのは妻のヘレンでした。その時、内心ショックを受けながらも、妻を明るく送り出すボブが健気でした。まあ、強がりなんだけどね(笑)。「育児なんて簡単だよ」と言いながら、実際にやってみるとこんなに大変なことだったのかと思い知らされる。家事全般含めて、奥さんの大変さが初めてわかるんです。○実生活でもイクメンだった!――三浦さんにも祐太朗さんと貴大さんという息子さんがいらっしゃいます。三浦さんは、お子さんがまだ小さかった頃、イクメンでしたか?実はけっこうやっていました。女房が料理をする時は、横に並んで手伝ったりするし、洗い物もたまにはします。まだ子どもが小さかった30代の頃は仕事があまりなくて、けっこう暇だったので、すごくイクメンでした。――では、ボブより三浦さんの方がイクメンだったのですね。僕は何年もイクメンをやっていました。お風呂に入れたり、オムツ替えはもちろん、離乳食を作ったりもしていました。世間的には何もしないタイプだと思われているかもしれないけど、子育てはけっこう参加したほうです。今回のボブはジャック・ジャックに振り回されるので、昔のことを思い出しながら演じました。――ボブとヘレンは、お互いに助け合う素敵な夫婦だと思いました。ヘレンも外に出ていながら家庭のことやだんなのことを気にしていますよね。ああいう気持ちもすごくよくわかります。子育ては本当に大変なので、僕に限らずみんなそう思うと思いますよ。○2人の息子との親子関係――ティーンエイジャーのヴァイオレットとパパとの関係性も実にリアルでした。三浦さんは、父親と娘の関係性についてどう思われましたか?僕は娘がいないので「娘がいたらこんな感じかな?」と思って、そこはちょっと興味深かったです。でも、実際には娘がお父さんに恋愛相談をすることってあまりないんじゃないかと思いますが。うちは姉がいるけど、姉が親父に何かを相談している姿なんて見たことがなかったし。やっぱり相談するとしたらお母さんにするんじゃないですか。――三浦さんは息子さんから相談ごとをされたりしますか?自分が振り返ってもそうですが、男は親に相談なんてしないですよ。決定した時は言うけど、それまでは口にしないし、全部事後報告です。自分の時もそうだったから、親は大変だったんじゃないかなと。今、親になってそのことを思い知らされています。――三浦さんも事後報告派だったということですね?はい。だから今思えば、親に対して悪いことをしたなと思っています。自分が芸能界に入る時も、最初に「テレビでのデビューが決まったよ」とだけ言いに行きましたし、結婚する時も、本当にギリギリまで言わなかったんです。僕は18歳で家を出て、何年も家に帰らなかった時期もあったから、男はだいたいそういうものだなと思っています。もちろん、いろいろなタイプの子がいるとは思いますが、うちの子もそういう感じなので、まあいいのかなと。――そんなふうにおおらかに構えてらっしゃったから、息子さんたちはそれぞれの道を力強く歩むことができたんじゃないですか?いや、おおらかというよりは「そういうもんだよな」という諦めに近いです(苦笑)。次男坊(三浦貴大)なんて、最近全然会ってないけど、まあいいかと。○子供の才能とDNA――今回、ボブが一番手こずっていたのが、末っ子ジャック・ジャックの子守です。ボブはだんだん疲弊していきますが、そのへんも共感できましたか?うちは、あんなすごい力を持った子どもじゃなかったですが、気持ちはよくわかりました。でも、子どもは大人が忘れているようなパワーを間違いなく持っていると思います。僕も親として、子どもの能力を伸ばせられればいいなと思いながら子育てをしてきました。――三浦さんの息子さんたちはすでにひとり立ちされて、それぞれの才能を発揮されていますね。息子たちは、歌い手と俳優になったけど、僕は親として反対することはもちろんできなかったし、する必要もないと思っていました。彼らが本当に向いてないと思ったら、前もって言ったかもしれないですけど。例えば、ものすごく足が遅いのに「オリンピックに出たい」と言われたら「それは無理だな」と思うじゃないですか。でも、そうじゃなかったら、好きな道へ進んでいいんじゃないかと。――三浦さんも若き頃、音楽の道を志していらしたし、今は俳優として活躍されています。息子さんたちも素晴らしいDNAを引き継がれているのではないかと。自分がいいとか悪いとかではなくて、DNAというものはきっと関係すると思います。のちのちどうなるかはわからないけど、向き不向きはきっとあるのではないかと。それは、世襲制度の歌舞伎役者さんたち一家を見ていても思いますが、やっぱり見ていてDNAが濃いなあと思います。○幸せな家庭を作り上げる秘訣――ボブたち一家も三浦さんたち一家も、とてもいいファミリーだと思います。幸せな家庭を作り上げる秘訣は、どんなところでしょうか?秘訣というのは特にはないのですが、簡単に言えば「人と比べないこと」かなと思っています。他の家族や夫婦と自分のところを比べて、良いことを学ぶのならいいけど、劣等感やひがみ、そねみ、嫉妬などが出ると、ろくなことにならない。自分たちは自分たちでしかないよねと、思うことが大切なのかなと。もちろん、なかなかそうはいかなくて、今はいろんな情報が入ってくるし、隣の芝生は真っ青に見えるけど、そういうことは気にしない。「自分は自分」と思うことが一番いいのかなと思っています。■プロフィール三浦友和(みうら・ともかず)1952年1月28日生まれ、山梨県甲州市出身の俳優。70年代に二枚目俳優として活躍し、後に妻となる山口百恵と共演した主演映画やドラマを次々とヒットさせる。主な出演映画に『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『沈まぬ太陽』(09) 『アウトレイジ』(10)、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(11)、『葛城事件』(16)など■著者プロフィール山崎伸子フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年08月08日8月9日(木)にジブリの魅力が満載の特別番組「ジブリのうた」がNHKで放送されることが決定。案内役は俳優の神木隆之介が務める。『となりのトトロ』と『火垂るの墓』が同時公開されてからちょうど30年――。また今年は、日本のアニメーションを牽引してきた高畑勲監督が惜しまれつつ亡くなった。今回の番組では、高畑監督と宮崎駿監督が心をこめて創り上げてきたスタジオジブリの作品にスポットをあて、中でも世代を超えて愛される音楽を主役にした内容をお届けする。多くの人たちに親しまれる名作たちの楽曲を歌うのは、バラエティに富んだアーティストたち。宮崎監督作品にまつわるエピソードや高畑監督の足跡にも触れていく。また、出演アーティストには、久石譲をはじめ、「King&Prince」、「Little Glee Monster」、横山だいすけ、新井美羽、五嶋龍、二階堂和美が参加する。番組案内の舞台は、「ジブリの大博覧会」。案内役は、2016年に社会現象をも巻き起こした『君の名は。』や、ジブリ作品『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』に声優として参加した神木隆之介。さらにナレーションは、『千と千尋の神隠し』でハクの声を担当した人気声優の入野自由が務める。「ジブリのうた」は8月9日(木)19:58~NHK総合テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2018年07月30日こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。盟友の高畑勲監督をうしなってもなお、次回作『君たちはどう生きるか』 完成への情熱は変わることのないスタジオジブリと宮崎駿監督。その長編アニメーション作品の数々はわが国が世界に誇るべき文化の代表選手ではないかと思います。ママのみなさんがお子さんにみせるジブリ作品を選ぶ際に、お子さんの年齢によって 「何をみせるか」の参考にしていただければと思い、今回は筆を執りました。『魔女の宅急便』(1989年公開作品)こちらは、小学校高学年の児童から中学生にお薦めです。主人公のキキが魔女界のしきたりにしたがって13歳の春に人間しか住んでいない街へと独り立ちの旅に出る物語。人間界の街で出会ったとんぼとの初恋は高学年の小学生ならシンパシーを感じるでしょう。また、生まれて初めて“職業実習”を体験する中学2年生 にとっても感じるところがある作品です。『となりのトトロ』(1988年公開作品)4・5歳児から小学校の全学年の児童にお薦めです。母親の療養のため引っ越してきた農村で姉妹二人きりの夏を過ごすことになった12歳の小学6年生サツキと4歳児メイの物語。日本の子どもたちにとって小学生時代の“夏休み”ほど特別なものは他にありません。このアニメは入道雲や夕立がある日本の夏の風景を鑑賞できるだけでも価値がありますが、しばし親が傍にいない時間を過ごさざるをえなくなった小さな姉妹の心理描写が観ているわたしたちの胸を打つ作品です。4・5歳児のお子さんであればメイの微笑ましい様子 を観て楽しむこともできるでしょう。『耳をすませば』(1995年公開作品)中学生みんなにお薦めです。京王線聖蹟桜ヶ丘駅周辺の東京の多摩地区を舞台にした中学3年生の雫と聖司の初恋物語です。高橋一生さん が聖司の声を担当していましたね。人生の早い時期から医者や公務員や大企業の会社員を目指すのもいいですが、雫と聖司のように作家やバイオリン職人を夢見て努力する中学生もいてほしいですよね。中学生のお子さんであればほとんどのみんなが共感できる作品ではないかと思います。『コクリコ坂から』(2011年公開・宮崎吾朗監督作品)中学生・高校生にお薦めです。メルという愛称で呼ばれる高校1年生の少女・海と同じ高校に通う1学年先輩の新聞部長・俊との甘く健気で美しい初恋物語。日本の青春映画の最高傑作 ではないかと筆者は思っています。海や俊と同じ高校生はもちろん、高校進学を控える中学生のお子さんたちにもぜひ観ていただきたい作品です。心から「好き」と思える異性に出会えたことが人としてどれほど幸福なことであるかをあらためて実感させられる上質のラブストーリーです。『火垂るの墓』(1988年公開・高畑勲監督作品)最後は、4歳以上の全ての子どもたちにお薦めです。わが国に生を受けた全てのお子さんに観ていただきたい作品です。4歳以上になっていれば、感覚的に「何か」を感じ取る ことができるかと思います。太平洋戦争末期の神戸大空襲で親を亡くした14歳の清太と4歳の妹・節子が、子どもだけではやはり生きて行くことができず終戦を迎えた直後に二人とも栄養失調による衰弱死をとげる物語です。この作品は、子どもたちが子どもたちだけでは生きて行けない以上いかなる理由があっても一国の指導者は「戦争」という選択肢を採ってはならないという強烈なメッセージを含んでいます。原作者の野坂昭如さんと高畑勲監督がこのアニメを子どもたちに観てもらうことによってその思いをずっと後世の子どもたちにまで伝えて行ってほしいという願いが、観る者の胸に突き刺さってくる、そんな凄いアニメ映画です。----------いかがでしたでしょうか。こうしてみるとジブリの長編アニメ作品は、いろいろな年代のそれぞれ気質の違う「少女」たちが主人公になっているので、どんな学齢のお子さんでも夢中になれる作品が必ずあるように思います。今回ご紹介しきれなかった作品についていずれまたコメントさせていただく機会があればこのうえなく幸いに存じます。●参考リンクスタジオジブリ()●ライター/鈴木かつよし
2018年07月26日スティーヴン・スピルバーグ監督作『ジュラシック・パーク』(95)の誕生から25周年を迎えた今、シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(公開中)は、さらなる高みを目指す。重責のバトンを受け取ったのは、『怪物はささやく』(16)などの才気あふれるスペイン人監督J・A・バヨナだ。高級リゾート地イスラ・ヌブラル島のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」の恐竜たち解き放たれてから3年、島に残った恐竜たちはジャングルの中でたくましく生き延びていた。島の休火山が再び活動し始めた時、オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、恐竜たちを救い出そうとする!行き過ぎた科学技術に警鐘を鳴らす社会性を折り込みながらも、友情のドラマをしっかりと織り込んだ冒険活劇に心躍る本作。恐竜たちのバリエーションも豊かで、まさに血湧き肉躍る映像美に大興奮。クリス・プラットら人気スターの続投はもちろん、イアン・マルコム博士役のジェフ・ゴールドブラムの再登場にファンが歓喜するなか、スタッフ陣も製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ、『ジュラシック・ワールド』(15)の監督だったコリン・トレボロウの製作・脚本と、泣く子も黙る豪華な布陣で放つ本作。最強チームの指揮官を見事に務め上げたJ・A・バヨナ監督を直撃した。――プロデューサーのコリン・トレボロウとは密にやりとりをされたそうですが、どのようにコラボレートしていったのですか?最初に脚本をもらった時、それを読み込んで分析し、どこを一番重要視するか、また、作品のトーンについて話し合ったんだ。後半はノアの方舟のようなイメージで考え、具体的にアイデアを出したよ。いろんな選択肢を考え、そこからディスカッションしていった感じだ。いわば2人の監督が共に手を携えて作ったような映画になったと思う。――本作では、これまでにないほど、アニマトロニクスの恐竜を使われたそうですが、その狙いについて聞かせてください。僕の作品である『怪物はささやく』で、動く大木をアニマトロニクスで表現した時、いろいろなことを学べたので、今回はその教訓を活かそうと思った。僕はできるだけ本物のセットのなかでアニマトロニクスの恐竜を使って撮影し、そこでできないものをCGで補っていくのが一番だと考えた。それを実行したまでだ。――実際に目の前にいる恐竜と共演することで、クリス・プラットたち役者の演技も変わりましたか?そうだね。やはり質感、質量だけではなく、恐竜の魂を感じられることが大きかったと思う。役者たちが実際に恐竜に触れたり、目を合わせたりできるから、彼らの演技も必然的にリアルになる。本編では、アニマトロニクスとCGのシーンが混ざり合っているけど、見ても区別がつかないような仕上がりを目指したんだ。――恐竜に襲われ、必死に逃げる人々。ギリギリ助かったと油断したあとに、バクッとやられてしまう。サスペンスとユーモアのさじ加減やテンポ感などが最高でした。本作はファミリー映画なので、コメディの要素は常に必要だと思っていた。サスペンスでとことん怖がらせるにしても、要所要所で笑える部分がないと安心して観られないからね。そこは意識して入れ込んでいったよ。――前作で最も恐れられていたインドミナス・レックスをさらに上回るハイブリッド種「インドラプトル」が最強のヴィランとなっていました。姿を見せない恐怖の描かれ方が秀逸でしたね。そこは今回、恐竜の見せ方で挑戦したポイントだよ。インドミナス・レックスが巨体で怖さを出すのに比べ、インドラプトルは見えないことで神秘的な恐怖を押し出したいと思った。つまり暗闇のなかで動く恐ろしさだ。子どもが何を怖れるかというと、恐竜の全体像というよりも、チラっと見える目や歯などの一部分や影だったりするでしょ。そこを効果的に出すことによって恐怖感を煽っていく。つまり、大きいから怖いのではなく、わからないから怖いんだ。――フォトジェニックなシーンもたくさんありました。なかでも月をバックにインドラプトルのシルエットが浮かび上がるシーンが印象深かったです。物語を語る上で、各ショットの効果は常に考えているよ。あのシーンは編集をしている段階で思いついたんだ。不気味な屋敷の上に月が出ていて、城のような建物にお姫様、モンスターがいる。これはまさにおとぎ話のような美しいシーンになると思い、月をバックにしたシーンを挿入したんだ。――今回、初めてハリウッドのメジャースタジオによる超大作を手掛けてみて、いかがでしたか?ハリウッドではいつも新しい才能や隠れた才能を探していると思う。アメリカは移民の国だし、昨今はいろんな国の人たちが活躍しているし、ハリウッドで活躍するスペイン人監督も増えていると思う。僕自身も今回オファーをしてもらえたことは本当にラッキーだったし、うれしかったよ。ただ、僕は本国スペインで映画を撮ることを誇りに思っているから、これからはハリウッドと母国の両方で映画を手掛けていきたいと思っている。■プロフィールJ・A・バヨナスペイン・バルセロナ出身の映画監督。監督デビュー作『永遠のこどもたち』(07)が2007年のカンヌ国際映画祭でワールド・プレミア上映され、本国で公開時に歴代興行収入2位をマークし、ゴヤ賞で新人監督賞を含む7部門を受賞。監督第2作目『インポッシブル』(12)ではゴヤ賞で監督賞を含む5部門を受賞、ガウディ賞でも同じく監督賞を含む6部門で賞を獲得。近作『怪物はささやく』(16)でもゴヤ賞で監督賞を含む9部門を受賞、ガウディ賞では8部門を受賞した実力派監督■著者プロフィール山崎伸子フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴Photo:Kazuhiko Okuno(C)Universal PicturesGiles Keyte
2018年07月16日『メアリと魔女の花』の「スタジオポノック」が短編アニメーションの制作レーベルとして「ポノック短編劇場」を新設、その第1弾として公開される『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』から、木村カエラの新曲が流れる予告編が到着した。“子どもたちから大人まで楽しめるアニメーション映画を作りたい”という志からスタートした本プロジェクト。“ちいさなものの中にこそ大事なものが込められている”3つの奇跡の物語が誕生し、木村さんの新曲「ちいさな英雄」がエンディングテーマとして起用されることになった。■木村カエラ「子どもたちが、のびのびと生きてほしい」と思い込める木村さんは「この3作品を手掛けられた、米林監督作品や、百瀬監督、山下監督が関わった作品の大ファンで、いつか自分の曲も一緒に何かできないかとずっと思っていたので、夢が叶いとてもうれしく思っています」と今回の起用に感動の様子。「何度もスタッフと打ち合わせを行い、3作品のすべてをまとめるというエンディングテーマなので、この映画を観終わった人たちすべての人が笑顔で帰れるような楽曲を作ろうと思いました。この楽曲を聴いた子どもたちが、のびのびと生きてほしい、育ってほしいと、私なりの目線で書かせてもらいました」と、母親として絵本も手がける木村さんならではの楽曲となっているようだ。劇場公開よりひと足早く解禁された本作の予告編では、その元気なエンディングテーマを聴くことができる。『メアリと魔女の花』の米林宏昌監督の自身初となるオリジナルストーリーとなる、カニの兄弟の大冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』。故・高畑勲監督の右腕として活躍してきた鬼才・百瀬義行監督による、実話をもとにした母と少年の愛と感動の人間ドラマ『サムライエッグ』。宮崎駿監督作品の中心を担った天才アニメーター・山下明彦監督が、見えない男の孤独な闘いをスペクタクル満点のアクションで描く『透明人間』。兄と弟の勇気、母と子の絆、そしてたったひとりの闘い…。楽曲「ちいさな英雄」の中では、懸命に生きる子ども、そして彼らを温かくみつめる大人の目線、感情が相互に入れ替わり、軽やかで爽快な楽曲となっている。西村義明プロデューサーが「すごい!」と唸った楽曲物語も絵柄も作り手も異なる3つの作品を、「ちいさな英雄」というテーマで明るく包む歌が欲しい。声の中に笑顔が見える木村カエラさんの歌声なら、この無理難題に一緒に挑んでもらえるんじゃないか。その思いでエンディングテーマをお願いしました。後日、歌曲が完成したとき「緊張しすぎて泣きました!」と笑っていた木村カエラさんですが、こちらは思わず「すごい!」と唸りました。カエラさんの曲と真っ直ぐな声は、感傷や叙情を軽々と飛び越えて、劇場をキラキラと祝福で満たします。映画館からの帰り道、大人も子どもも思わず口ずさんで空を見上げるような、とても素敵な歌の完成に心から感謝しています。『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』は8月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年07月05日『メアリと魔女の花』で知られる「スタジオポノック」の新プロジェクト「ポノック短編劇場」。その第1弾『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』に、木村文乃、坂口健太郎が新たに参加することが分かった。米林宏昌をはじめとするスタジオジブリ出身の3人の監督が手掛けた3作品の短編アニメーションからなる本プロジェクト。このたび、米林監督の『カニーニとカニーノ』、巨匠・高畑勲監督の右腕として活躍した百瀬義行監督の『サムライエッグ』、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター・山下明彦監督による『透明人間』の3作品で声の出演を果たす追加キャストとスタッフが明らかに。兄と弟の勇気、母と子の絆、そして、たったひとりの闘い。“英雄たち”の3つの物語で、奇跡のコラボレーションが実現し、ポスタービジュアルも解禁となった。■木村文乃×鈴木梨央、『メアリ』米林監督初のオリジナルストーリーに挑む!オリジナルストーリーとなるカニの兄弟の大冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』では、木村さんが主演カニーニ役でカニ役に初挑戦。弟のカニーノ役には鈴木梨央。音楽は『思い出のマーニー』『メアリと魔女の花』に続き、米林監督と3度目のタッグとなる村松崇継が務める。木村文乃(カニーニ役)初めてお話をいただいたとき、カニ役のお兄ちゃんということでどんな風になるのか、と思っていましたが、絵コンテで米林監督の映画の世界観に触れて想像が広がり、とてもワクワクしています。全編、カニ語!?ということで、どのように演じていくのかいまから楽しみです。鈴木梨央(カニーノ役)米林監督が、初めて男の子を主役にされた作品だと聞いて感動したこと、その作品に私も関わることが出来るとわかったときは、驚きと喜びで全身に鳥肌が立ちました。男の子の役は初めてですが、カニーノの気持ちになって、カニーニと大冒険をしていく様子をしっかりと演じきれる様に精一杯頑張りたいと思います。村松崇継(音楽)絵コンテを頂いたとき、これが短編映画?と感じるくらい、短編とは思えない展開やスケールに正直、驚かされました。そしてこの映画は、家族愛、兄弟愛、何をテーマにしているんだろうと思ったとき、あっ、この映画は、いま、この現代だからこそ届けたい全ての愛を表現しているんだということにも気づかされました。絵コンテ状態から既に感じる圧倒的な絵の美しさとスケール感。息を飲むスペクタクルな展開。この世界を自分が、音楽で表現させてもらえることにいまは、ただただ幸せを感じています。■鬼才・百瀬義行監督による『サムライエッグ』、坂口健太郎はパパ役本作は、故・高畑勲監督の右腕として活躍した鬼才・百瀬義行による実話を元に描いた母と少年の愛と感動の人間ドラマ。出演は尾野真千子、子役の篠原湊大(9歳)に坂口健太郎が参戦。たまごアレルギーをもった少年シュンとその家族が懸命に生きる姿を描く。さらに、日本ポップス界を牽引する島田昌典が映画音楽を手がける。尾野真千子(ママ役)本格的な声のお芝居は初挑戦でした!とにかく難しい。声優というお仕事を尊敬した時間でした。でもやはり伝えたいという気持ちは変わらず1つ1つ大切にお芝居させていただきました。この物語がたくさんの人に届きますように。篠原湊大(シュン役)オーディションでは関西弁に気をつけながら「ぼくはシュンだ!」と思いながら初めてのアフレコに臨みました。極度のたまごアレルギーのシュンになりきり、自分と戦う役を精一杯頑張りたいです。坂口健太郎(パパ/医者役)普段のお芝居とは違う、声でキャラクターに命を吹き込むことを大切に、現代の小さなヒーローに寄り添えるように頑張ります。ぜひ、楽しみにしていてください。島田昌典(音楽)初めての映画音楽です。それがこのような素晴らしい作品で挑戦させていただけたなんて、大変光栄です。観る方々が、スッーと映像の世界感に入っていけるような、寄り添った音になっていると嬉しいです。■オダギリジョーが『透明人間』!宮崎監督作品のアニメーター・山下明彦が監督見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる本作。透明人間はオダギリジョーが演じ、舞踊家として活躍する田中泯も出演。音楽プロデューサーの中田ヤスタカが独自のEDM的サウンドで重厚感のある音楽世界を作り上げた。オダギリジョー(透明人間役)改めて芝居というのは色々な要素で形成されるんだなということを考えさせられました。声優の仕事を通して、俳優の根源を見つめ直すことができ、良い経験になりました。アニメーションで透明人間を描く、ということがまず面白い挑戦だなと思っています。いままでにない、未知の経験をこの作品から感じて頂くことが出来たならとても嬉しく思います。田中泯(盲目の男役)見えてない、あるいは見られていなくでも人は存在できた。が、現代ではこれでは無視されることになる。見える、見られるために他者が必要なのだろうか?わからない人では駄目なのだろうか?誰のカラダの中にも、自分ですら知らない透明人間性というのが本来的にあるのではないのでしょうか。誰だって自分のカラダの中で生きているのだから。■キャスト決定に西村義明プロデューサー、3つの物語は「紛れもない挑戦」『カニーニとカニーノ』のカニの演技、『サムライエッグ』の現実の家族、『透明人間』の言葉にならない芝居。今回の3つの物語で要求される演技は、どれを1つ取っても簡単ではありません。短い映画だからこそ、台詞ひとつが作品を大きく決定づけることも起こります。出演者の方々にとって、3人の監督たちにとって、本作は紛れもない挑戦となるでしょう。実力ある映画界、音楽界の方々と、アニメーションの才能が一同に介して、この夏、まったく新しいアニメーション体験を皆さまにお届けできたら嬉しいです。『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』は8月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年06月18日●悲願の「男劇団 青山表参道X」2014年、第27回JUNONスーパーボーイコンテストで1万3520人の中からグランプリを受賞し、芸能界デビューを果たした西銘駿(20)。翌年には、『仮面ライダーゴースト』の主役に抜てきされ、以降もドラマ・映画・舞台など第一線の俳優としてキャリアを積んでいる。「芸能人になる」の一心で、中学卒業後に上京することを決断。オーディションに応募するまでの1年間を準備期間にあてるなど、西銘の経歴からは揺るぎのない志が見えてくる。その思いは『仮面ライダーゴースト』を経て、どのように変容していったのか。今年5月、「男劇団 青山表参道X」旗揚げ公演を目前に控えた西銘に、デビューからこれまでを振り返ってもらった。○オスカープロモーションに託した思い――オスカープロモーション所属の俳優30人で結成された「男劇団 青山表参道X」。30人という大所帯ですね。驚きはしましたが……僕はオスカーに入る時、女性のイメージが強いオスカーの中で取り上げられると男性イメージもアピールできる、そういう思いでやってきたので、集団としてようやく形になってうれしいです。――あえて女性のイメージが強い事務所をなぜ選んだのでしょうか?その中で売れれば必ず重宝されるのではないかと予感していたのと、すごく待遇も良いからこそ、頑張れば頑張った分だけ結果もついてくるんじゃないかという期待もありました。そして、僕だけじゃなくて、魅力的な男性がたくさん所属しているというのもアピールできます。さすがに30人は多いなぁと思いましたけど(笑)。――学校の1クラスぐらい(笑)。そうなんです。だから、最初は「うわっ! 多いな!」が正直な感想かもしれません(笑)。――30人の中で面識があった人はどのくらいいたんですか?稽古やレッスンで20人ぐらいは知っていましたが、ほとんど面識もないままいきなり集められてお披露目イベントが行われました。それから各メンバーとお仕事する機会も増えてたので、結成されてからの方が距離は近くなりました。――栗山航さんがリーダー、塩野瑛久さんが副リーダーを務めていますが、西銘さんは組織内でどのようなポジションなんですか?盛り上げ担当です。どのグループでもムードメーカーと言われることが多いのですが、みんなが笑っている空間が好きで、いつもみんなを笑わせたいと思っています。――そういえば、ポジティブであることを公言されていますよね。悩む時は悩むんですけど、寝たら忘れてしまうタイプです(笑)。○旗揚げ公演『SHIRO TORA』秘話――そして、14日からいよいよ旗揚げ公演『SHIRO TORA~beyond the time~』が上演されます。稽古もにぎやかでしょうね(取材は5月)。出演者28人が稽古をするって、通常の舞台ではなかなかないことですよね。僕が演じるのは白虎隊のメンバーの一人で、現実世界では演劇部の3人だけが見える幽霊です。殺陣や所作も様になるように、しっかりと練習したいと思います。――どのような役作りをしているんですか?白虎隊は悲しい運命をたどった方々です。ただ、今回の台本を読んで、そこをあまり取り入れないほうがいいんじゃないかと思って。悲運な背景があるからこそ、感動を誘われるのかもしれません。冒頭のシーンで僕ら白虎隊が亡くなるシーンがあって、そこから時代が現代へと移る。廃部寸前の演劇部が文化祭で「白虎賞」に表彰されるようにバックアップします。最初は何もかも分からない。なぜ人が戦ってないのか、なぜ平和なのか。現代の学生たちとの交流を深める中で、一番最初に現代になじんでいく役どころです。最終的にはゲームとかYouTubeが大好きになります(笑)。ただ、そんな夢中になっている姿も切なさにつながってくるんだと思います。同じ年齢でも、生まれる時代が違えば全く状況が異なります。そこを直接訴えかけるのではなくて、現代のものに触れる喜びを通して伝えることができればなと思います。○高校から上京した理由――西銘さんは中学卒業後に上京。どんな青春時代を過ごされたのでしょうか。中学のときは家族が近くにいて、卒業後は芸能をするために上京したので、高校時代は僕にとってすべてが新鮮な日々でした。――ご自身の決断だったそうですね。そうですね。――なぜ、まず東京に行くことを決断されたんですか?何よりもいち早く動きたくて。1年間は東京になじんで、方言が抜けることを心掛けて、高校2年生のときに応募しました。●仮面ライダーで学んだこと、学べなかったこと――上京する前から、「芸能デビュー」が目標として明確にあったと。そうですね。中学の同級生に、沖縄ですごく有名なCMに出ている子がいて、周りで評判だったんです。それまで、芸能はすごく遠い存在、手の届かないお仕事だと思っていたんですが、身近にそういう子がいたので考えが変わって、自分もその世界に飛び込んでみたいと思うようになりました。――家族も説得して。お父さんの妹のおばさんが東京にいたので少しは安心だったと思うんですけど、高校から親元を離れるのは家族にとってもすごく寂しかったと思います。でも、自分で「やる」と決めたことだったので、おばさんに連絡したり、高校の手続きを進めたりして、そういう熱意が伝わって「頑張るんだったらいいよ」と認めてくれました。――憧れを抱きながら上京し、夢破れて故郷に戻る人もいると思います。オーディションを通過するまで、なぜ耐えられたんですか?耐えたというか、自分にとっては新鮮なものが多くて、「やめたい」とか「さびしい」とか思うよりも東京という未知の世界への戸惑いの方が大きくて。電車の乗り方も分からなかったですし、とにかくがむしゃらで、最初の1年はそういった環境に慣れる期間でした。○「初心者であること」が心の支えだった――そして、第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで1万3520人の中からグランプリを見事に受賞します。あんなにカッコいい人たちが集まる場所は初めてでした。2次審査でも、どこを見てもカッコいい人だらけ。東京ってやっぱりすごいと思いました。こんなの受かるはずがない。おばさんにすぐに相談したら、「ウケを狙うしかない」と言われて(笑)。自己紹介でとにかく細かい情報を入れることにして、審査員の方もクスクス笑ってくれました。――デビューして間もなく『仮面ライダーゴースト』の主役に抜てき。そこで演技についても徹底的に鍛え上げられたそうですが、時にはつらいこともあったと思います。それでも切り抜けられたのは、さきほどもおっしゃっていたポジティブな一面があったから?ライダーの現場は厳しいことを結構言われるので落ち込むことも多くて、いくらポジティブでもつらい日もありました。ただ、後半は自分への落ち込みです。「ここまでやってきたのに、なぜこれができないんだろう」という悔しさ。むしろ最初は、自分が初心者であることが心の支えになっていて、10話、20話と撮影を重ねていくとそうも言ってられなくなる。だから、自分に対して腹立たしくなることが後半はありました。――解決方法はとにかく考えること?そうですね。教わるのは10話ぐらいまでで、あとは自分で考えて行動するしかない。できない自分に悩みながら、何とか乗り切ることができました。――それ以降、舞台・ドラマ・映画など数々の作品を経て、そのような悔しさや悩みは変化するものですか?ライダーの現場は若い人が多いので、間違ってもやり直すチャンスをくれます。でも他の現場では、番手が低いと何をやってもOKになってしまう。そういう状況で100%の実力を発揮できない時にイラッとしたり、あとは大御所の方々が多い時は圧倒されて自分の力を出せない時に「メンタル弱いなぁ……」と感じます。――演技は正解がない上に、そういう環境や自身のメンタルにも左右されるんですね。そうですね。自信があれば何でもできる。自信がなければすぐにダメになる。それはライダーの時には学べなかったことでした。他の現場を経験して、大御所の方はしっかりと安定したお芝居をやられていて、やっぱり自信を持つことはとても大切なことだと感じました。お芝居に答えはないですが、それに近づくことはできる。そういう方々は、ご自身の中で「答えに近いもの」を持っていらっしゃるんだと思います。それが刺激にもなりますが、やっぱり圧倒されちゃいますね(笑)。○“俳優・西銘駿”にとってのファンとは――最後の質問になるのですが、西銘さんの取材記事を読むと「ファン」という言葉がたくさん出てくるような気がします。過去に「ファンがいないと芸能の仕事は成り立たない」とおっしゃっていたこともあると思いますが、ファンの存在を意識するきっかけが何かあったのでしょうか?イベントでファンの方々と触れ合うと常に感じます。トークショーで優しい眼差しで見守ってくれたり、僕の名前を書いたグッズを持って来てくださったり、そういう光景を目の当たりにすると「自分がやってきたことはゼロじゃなかった」と思えるというか。舞台はお客さんの反応を感じられるのですが、ライダーは大変な撮影を乗り越えてからイベントなどでのファンの方々の反応を見てようやく「無駄じゃなかった」と感じることができました。やっぱり、ファンの方々は僕にとって大切な存在です。――特に印象に残っているファンの言葉はありますか?「1話ごとに成長していく姿を見て親目線になって、最終話で涙が止まりませんでした」と言われた時は、本当にやってきてよかったと思いました。自分なりにやりつつできないことも多くて、本当に素人だったので。1話と最終話を見比べると、自分でも別人のように変わったと思います。それをファンの方も感じ取ってくださっていると知って、すごくうれしくて感動しました。僕の気持ち、分かってくれてるんだなって。■プロフィール西銘駿(にしめ・しゅん)1998年2月20日生まれ。沖縄出身。身長173センチ。2014年、第27回JUNONスーパーボーイコンテストでグランプリを受賞。2015年に『仮面ライダーゴースト』の主役に抜擢され、以降は舞台・ドラマ・映画で活躍。2017年、オスカープロモーションの俳優で結成された「男劇団 青山表参道X」のメンバーとなった。2018年は『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)に出演したほか、11月3日には出演映画『走れ!T校バスケット部』が公開される。主演舞台『ダンガンロンパ3』が7月20日から上演。
2018年06月16日スタジオポノックのアニメーション映画『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が、2018年8月24日(金)に全国公開。本作は、3本の短編映画で構成される。『メアリと魔女の花』のスタジオポノック、新プロジェクト開始『メアリと魔女の花』が266万人の国内観客動員数を記録、全世界の上映も決定するなど、2017年に初の長編作品で鮮烈なデビューを飾ったスタジオポノック。本作では、新プロジェクトとしてスタートする「ポノック短編劇場」から、それぞれ異なる監督が手掛ける3本の短編映画を一挙に上映する。兄と弟の勇気を描く『カニーニとカニーノ』兄と弟の勇気、母と子のきずな、たったひとりの闘い…と3作それぞれ違う視点をとりつつも、描かれるのはいずれも愛と感動の英雄たちの物語だ。『メアリと魔女の花』の米林宏昌が自身初のオリジナルストーリーで挑む、カニの兄弟の冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』。主演カニーニは、映画『伊藤くん A to E』『羊の木』に出演した木村文乃が担当し、カニ役に初挑戦。弟のカニーノ役には、NHK大河ドラマ『八重の桜』に出演し、女優、声優としても活躍している人気子役の鈴木梨央。音楽は、『思い出のマーニ』『メアリと魔女の花』に続き、村松崇継が再び米林宏昌とタッグを組む。母と子の絆に焦点を当てた『サムライエッグ』2018年4月に惜しまれつつもこの世を去った高畑勲監督の右腕として活躍した百瀬義行が手掛けるのは『サムライエッグ』。主演に映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』にも登場した尾野真千子、映画『今夜、ロマンス劇場で』の坂口健太郎もキャストに迎える。物語で描かれるのは、母と少年の愛に溢れた人間ドラマ。たまごアレルギーをもった少年シュンとその家族が懸命に生きる姿が映し出される。孤独な男の闘い『透明人間』宮崎駿監督作品を中心に携わった、天才アニメーター山下明彦は、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる『透明人間』を展開。主役となる透明人間には、映画『エルネスト』で主演を務めたオダギリジョー、さらに音楽は中田ヤスタカが手がける。エンディングテーマは木村カエラ「ちいさな英雄」エンディングテーマは、木村カエラの新曲「ちいさな英雄」。懸命に生きる子ども、そして彼らを温かく見つめる大人の 目線、それぞれの感情が相互に入れ替わり、軽やかに飛び越えていくような楽曲だ。「TREE CLIMBERS」や「Ring a Ding Dong」などの楽曲を手掛けた、ASPARAGUSの渡邊忍がサウンドプロデュースを行っている。作品情報『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』公開日:2018年8月24日(金)「カニーニとカニーノ」監督:米林宏昌/音楽:村松崇継/声の出演:木村文乃 鈴木梨央「サムライエッグ」監督:百瀬義行/音楽:島田昌典/声の出演:尾野真千子 篠原湊大 坂口健太郎「透明人間」監督:山下明彦/音楽:中田ヤスタカ/声の出演:オダギリジョー 田中泯エンディングテーマ:木村カエラ「ちいさな英雄」(ELA/ビクターエンタテインメント)プロデューサー:西村義明制作:スタジオポノック/スタジオポノック・日本テレビ・電通 提携作品/配給:東宝
2018年06月07日大きな黄色い看板が目印のお店。気軽に訪れたい居酒屋3枚の黄色い大きな看板が、遠くから来店するお客さんの目を引く、大阪・心斎橋の「どぎゃん」。炭火焼鳥、宮崎郷土料理と麺料理、という文字が踊る看板の下には提灯が並び、賑やかな印象です。階段を上って2階が店舗の入り口です。店内にはテーブル席にカウンター席、小上がりの席があり、1人でも大人数でも訪れやすい空間。壁には著名人のサインが多数飾られており、お店の人気ぶりが伺えます。ざっくばらんな雰囲気なので、肩ひじ張らずにお食事やお酒を楽しみましょう。大阪では珍しい宮崎料理のお店! ラーメンも大人気!宮崎名物の真っ黒い焼き鳥を食べられるお店がなかったため、店主が一念発起して作ったのが、こちらの「どぎゃん」です。お店の創業以来、仕事帰りのサラリーマンのグループや、美味しいものが大好きな女性のグループで賑わっています。また、看板に「麺料理」と記載しているだけあり「どぎゃん」のラーメンは人気が高く、その味を求めてラーメン愛好家も多く訪れます。「高井田中華そば」の真っ黒いスープを味わってみよう「高井田中華そば」はお店の人気メニュー。席に運ばれてくると、その色が濃いスープに驚かされます。大量の鶏ガラでとられたコクの深いスープに、たまり醬油を合わせて作られており、見た目のインパクトに反して塩辛くはありません。麺は極太で、スープがよく絡むのが特徴です。香ばしく炙られたチャーシューやメンマ、ネギのトッピングと一緒に味わうと、更に風味が豊かに感じられます。このラーメンを求めて、わざわざ遠方から足を運ぶお客さんもいるのが頷ける絶品ラーメンです。香ばしくてクセになる! 「炭火もも燻し焼き」「炭火もも燻し焼き」は、本場宮崎の味が堪能できるイチオシ名物メニュー。高く上がる炎の中、網に入れた鶏もも肉をいぶしながら焼いて仕上げた一品です。香ばしい鶏肉の良い熱々の状態でお皿に乗っており、鶏の旨みがしみ出した油がじゅうじゅうと音を立て、香りがあたりに広がり食欲を刺激します。炭火で香ばしく焼かれた鶏は、コリコリの食感に仕上がっており、クセになるおいしさ。宮崎旅行せずとも、宮崎の旨いものに出会えるお店「お友達や同僚と気軽にお店に来てほしい」と語る店主が作る料理は、どれも本場宮崎の味に負けない絶品のお品。宮崎までわざわざ足を運ばずとも、宮崎の味を堪能できるとあり、連日多くのお客さんでお店は賑わいます。宮崎が発祥と言われるサクサクの「チキン南蛮」や、ぷりっぷりのせせりを秘伝のタレで焼き上げた「名物せせりタレ炭火焼」など、食べるとその美味しさのトリコになることでしょう。また、大阪名物の「あぶらかすそば」もあるので、〆にどうぞ。OsakaMetro御堂筋線の「本町駅」徒歩5分の距離にあります。12番出口を出たら、「南久宝町3丁目交差点」を目指して進みましょう。交差点を左折し2つ目の角を右折するとお店が見えます。「どぎゃん」で気心知れた仲間と、宮崎料理に舌鼓を打ってみませんか?スポット情報スポット名:どぎゃん住所:大阪府大阪市中央区博労町3-1-13 戎センタービル2F電話番号:06-6241-6689
2018年05月31日スタジオジブリ映画『耳をすませば』の背景美術で知られる画家・井上直久の個展「ふしぎな国 イバラード 井上直久の世界展」が、阪急うめだ本店9階の阪急うめだギャラリーにて、5月30日から6月4日まで開催される。制作参加作品『耳をすませば』(スタジオジブリ) ©1995 柊あおい/集英社・Studio Ghibli・NH1995年、映画『耳をすませば』の背景美術制作を皮切りに、2006年に宮崎駿が監督を務め、三鷹の森ジブリ美術館でしか上映されていない短編映画『星をかった日』への原作提供など、様々な形でスタジオジブリとのコラボレーションや協力を行ってきた井上直久。井上が制作していた「イバラード」が、『耳をすませば』の主人公、月島雫が生み出す空想物語の世界の元にもなっている。『イバラード 人形師の店 2018May』15変形「イバラード」とは、架空の幻想世界ではなく、今も目の前に広がる現実世界。日常の傍らにある当たり前の景色を「イバラード」と呼ぶことで、周りのすべてのものがキラキラと光りだし、この世は驚きと喜びに満ちていることに気付かされる。空の色や風の音、いつもの帰り道、何気ない日常に隠れている素敵なものがあふれ出し、そこに奇跡を見ることが出来る。すべての人にある、あたたかく懐かしい景色を井上の作品は感じさせてくれる。本展では、心の景色「イバラード」を描き続け、古希を迎えた井上の画業50年の歩みを辿る。会場では、秘蔵の初期作をはじめ、立体・陶彫、スケッチや映画『耳をすませば』などの関連作品、未発表作品から最新の大作に至るまで一堂に展示する。『古き良き友』60P また、井上の発想を育んだ茨木市も記念すべき市制施行70周年となり、福岡洋一茨木市長が記念事業として応援に来場。会期初日となる5月30日の10時からは、スペシャルイベント「福岡洋一茨木市長×井上直久 トークショー」が開催され、「イバラード」の世界観や茨木市の魅力について語る。なお、参加無料、予約不要。【展覧会情報】ふしぎな国 イバラード 井上直久の世界展会期:5月30日~6月4日会場:阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー住所:大阪府大阪市北区角田町8-7時間:10:00〜20:00(最終日は18時閉場)料金:無料
2018年05月28日第71回カンヌ国際映画祭にて開催中の「監督週間」に、細田守監督の最新作『未来のミライ』が選出され、世界初上映された。会場には、細田監督と主人公・くんちゃんの声を担当した上白石萌歌が招待を受け、上映終了後には舞台挨拶も行われた。『サマーウォーズ』や『おおかみこども雨と雪』などで知られる細田守監督の最新作『未来のミライ』は、時空を超えた“きょうだい”の物語。声のキャストには、上白石萌歌、黒木華、星野源、さらに福山雅治など、豪華俳優陣が名を連ねている。■「監督週間」アニメ作品は本作のみ選出も、細田監督「まだ全然実感がない」今回が初のカンヌとなる細田監督は、「まだ全然実感がないですが、初上映がカンヌで、カンヌの人たちと一緒に作品を観られることがとても楽しみです」とコメント。また上白石さんは国際映画祭自体が初参加ということで、緊張をにじませながらも期待に目を輝かせた。開催50周年を迎える「監督週間」は、過去にソフィア・コッポラや大島渚、北野武が選出されるなど、映画監督の登竜門的な部門でもある。映画際から独立した並行部門として特に監督の作家性が重要視され、近年では、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が選出されたことでも記憶に新しい。今回は、1,600本以上もの応募作品の中から20本の長編作品が選ばれ、アニメーション作品では細田監督の『未来のミライ』だけが選出され、正式招待される運びとなった。■上白石萌歌、流暢なフランス語で挨拶公式上映会場となったのは、「監督週間」部門のメイン会場「シアタークロワゼット」。8時45分から行われた上映は、開場前から長蛇の列ができ、10代からシニア層までの劇場を埋め尽くす850人もの観客が来場。場内満席の大盛況の中、細田監督、上白石さんが場内に入場すると大きな歓声と拍手が!上映中には、上白石さんが演じるくんちゃんの4歳ならではの天真爛漫なしぐさ、その愛くるしい表情に何度も笑いが起き、家族それぞれの想いに感嘆の声が漏れ聞こえていた。観客からの大きな拍手を受けながら、上映後の舞台挨拶に登壇した上白石さんは、「こんにちは! 上白石萌歌です」と緊張気味ながらも流暢なフランス語を披露。また、細田監督は4歳の男の子を主人公にする本作のチャレンジに、「どこにでもある1つの家族を通して、何百年、何千年と続く人生のループみたいなものを描きたいと思って作りました」とコメント。さらにアニメーション映画について「アニメーションという表現で作る映画はまだまだやっていないことが多い。(高畑勲監督や宮崎駿監督といった方々が)これまでたくさんの作品を生み出されており、そのバトンを受け継ぐように、様々なことにチャレンジをし、表現していかなければいけないと思います」と想いを語った。なお、本作は世界最大規模のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭2018」の長編部門コンペティションにも選出が決まっており、今夏には細田監督がアジア数か国を巡る舞台挨拶ツアーも決定。さらに世界中で期待が高まっている。上映会終了後のコメント細田守監督日本よりも先に、世界の方々に観てもらうことが大変なプレッシャーを感じていました。初めての上映はいつも緊張しますが、上映が終わった後、たくさんの拍手を頂けて今はとてもホッとしています。映画が出来上がり、お客さんが観終わって初めて映画が完成します。子どもが生まれる瞬間と同じ気持ちで、カンヌのお客さんに、映画の誕生の瞬間に立ち会っていただき、祝福されながら無事に映画が生まれました。上映中には何度も笑い声が聞こえ、お客さんの反応を直接感じることが出来て嬉しかったです。次は日本で、夏休みの時期に公開なので家族みんなで楽しんでもらいたいです。上白石萌歌監督の隣で初めて作品を観させていただくこととフランス語での挨拶がとても緊張しましたが、しっかりと想いが伝わって良かったです。カンヌで映画が生まれた瞬間に立ち会うことが出来てとても幸せで、夢のような時間でした。映像の美しさ、音楽の壮大さを4歳のくんちゃんの目で冒険出来るという作品の素晴らしさを日本でも自信を持って伝えていきたいです。『未来のミライ』は7月20日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開© 2013 畑事務所・GNDHDDTKリズと青い鳥 2018年4月21日より全国にて公開© 武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図
2018年05月17日安田大サーカスのクロちゃんが女優の宮崎あおいさんにツイッター上で対抗しているのでは?とネット上で話題になっています。今回はついに宮崎あおいさんに対抗する形?でネット上を騒がせているクロちゃん。対抗しているとされたのは、宮崎あおいさんの資格取得についての芸能記事をクロちゃんがリツイートする形で発覚しました。宮崎さんの芸能記事の中身は大型免許の資格を取得したという内容だったのですが、それに対してクロちゃんのコメントは以下です。「クロちゃんはアロマコーディネーターだしんよー!アロマとクロちゃんで2重に癒しちゃうしん!!」(原文まま)同記事の中で、他の芸能人の資格事情として、クロちゃんにも触れられていますが、触れられ方としては、「その他」的な扱い。資格という点で、自分もアロマコーディネーターであることをアピールし、宮崎さんに対抗したかったようです。このようなクロちゃんのツイートに対してネット上では、「いやいや、何言ってんの?」「アロマとクロちゃんで、アクマだね」「2重で癒しちゃうって…ダブルで損なのですが。」など宮崎さんに対抗している以外にも、コメントが気持ち悪いとの「通常営業」の反応も見られます。収束しているかと思ったクロちゃんの炎上商法。今後も続きそうです。●ライター/ぶるーす(芸能ライター)
2018年05月15日今年4月5日に亡くなった高畑勲監督(享年82歳)を偲ぶ「高畑勲 お別れの会」が5月15日(火)、東京・三鷹の森ジブリ美術館で行われた。このお別れの会は、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの「ジブリとして盛大なお別れの会で見送りたい」という言葉に従い、高畑監督も生前大好きだった三鷹の森ジブリ美術館で開催。宮崎監督が実行委員長を務め、スタジオジブリと公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団の協力で執り行われた。「開会の辞」を担った宮崎監督は、追悼コメントとして、高畑監督の出会いや思い出を回想。時折、涙ぐみ、言葉につまる場面もあった。宮崎駿監督追悼のコメント(全文)パクさんというあだ名のいわれは定かではないんですが、だいたいがとにかく朝が苦手な男でして、東映動画に勤め始めたときも、ギリギリに駆け込むのが常でして、買ってきたパンを、タイムカードを押してから“パクパク”と食べて、水道の蛇口からそのまま水を飲んでいたという。それでパクさんになったという噂です。追悼文という形ではありませんが、今日は書いてきたものは読ませていただきます。パクさんは95歳まで生きると思い込んでいた。そのパクさんが亡くなってしまった。自分にもあんまり時間がないんだなと思った。9年前、私たちの主治医から電話が入った。「友だちなら、高畑監督のタバコをやめさせない」。真剣な怖い声だった。主治医の迫力に恐れをなして、僕と鈴木さん(鈴木敏夫プロデューサー)は、パクさんとテーブルを挟んで向かい合った。姿勢を正して話すなんて、初めてのことだった。「パクさん、タバコをやめてください」と僕。「仕事を続けるために、やめてください」。これは鈴木さんの言葉です。弁解や反論が怒涛のように噴き出てくると思ったのに、「ありがとうございます、やめます」とパクさんはきっぱり言い、頭を下げた。そして、パクさんは本当にタバコをやめてしまった。僕はわざとパクさんのそばで、タバコを吸った。「いい匂いだと思うよ。でも、全然吸いたいと思わない」とパクさん。彼のほうが、役者が上であった。やっぱり95歳まで生きる人だなと思いました。1963年、パクさんが27歳。僕が22歳のとき、僕らは初めて出会いました。初めて言葉を交わした日のことは、いまでもよく覚えています。黄昏時のバス停で、僕は練馬行きのバスを待っていた。雨上がりの水たまりの残る通りを、ひとりの青年が近づいてきた。穏やかで賢そうな表情がそこにはあった。それが高畑勲ことパクさんと出会った瞬間だった。55年前のことなのに、ハッキリ覚えているのだろう。あのときのパクさんの顔を、いまもありありと思い出す。次にパクさんに出会ったのは、東映動画の労働組合の役員に押し出されてしまったときだった。パクさんは副委員長。僕は緊張で吐き気に苦しむような日々が始まった。それでも組合事務所のプレハブに泊まり込んで、僕はパクさんと夢中で語り明かした。ありとあらゆること。僕らは仕事に満足していなかった。もっと遠く、もっと深く、誇りを持てる仕事がしたかった。何を作ればいいのか…。パクさんの教養は圧倒的だった。僕は得難い人に出会えたのだとうれしかった。(高畑監督が演出を手がけた『太陽の王子 ホルスの大冒険』の)製作は難航した。スタッフは新しい方向性に不器用だった。仕事は遅れに遅れ、会社全体を巻き込む事件になっていった。パクさんの粘りは超人的だった。会社の偉い人に脅され、泣きつかれても、踏ん張っていた。僕は夏のエアコンが止まった休日で、ひとりで大きな紙を相手に背景原画を書いたりした。会社と組合の協定で、休日出勤は許されていなくても、構っていられなかった。タイムカードを押さなければいい。初号(試写)を見終えたとき、僕は動けなかった。感動ではなく、驚愕に叩きのめされていた。会社の圧力で、“迷いの森”のシーンは削る削らないの騒ぎになっているのは知っていた。パクさんは粘り強く会社側と交渉し、ついにカットごとの作画枚数まで約束し、必要製作日数まで約束せざるを得なくなっていた。当然のごとく、約束ははみ出し、そのたびにパクさんは始末書を書いた。一体、パクさんは何枚の始末書を書いたのだろう。僕も手いっぱいの仕事を抱えて、パクさんの苦闘に寄り添う暇はなかった。僕は初号で初めて、“迷いの森”のヒルダのシーンを見た。何という圧倒的な表現だったろう。何という強い絵。何という優しさだったろう。パクさんはこれを表現したかったんだと初めてわかった。パクさんは仕事を成し遂げていた。公開から30年が経った西暦2000年に、パクさんの発案で、映画の関係者の集まりが行われた。当時の会社の責任者、重役たち、会社と現場の板挟みに苦しんだ中間管理職の人々、制作進行、作画スタッフ、背景や彩色の女性たち、撮影、録音、編集の各スタッフがたくさん集まってくれた。興行は振るわなかったが、もう誰も気にしてはいなかった。パクさん、僕らはあのとき、精いっぱい生きたんだ。パクさんの生き方は、僕らのものだったんだ。ありがとう、パクさん。55年前に、あの雨上がりのバス停で声をかけてくれたパクさんのことを、忘れない。どうも、すみません。▽高畑勲監督プロフィールアニメーション映画監督。1935年10月29日、三重県伊勢市に生まれ、岡山で育つ。1959年に東京大学仏文科卒業後、東映動画に入社し、劇場用映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)で初監督。退社後、「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」といったTVアニメの演出・監督を務めた。1985年、スタジオジブリの設立に参加し、『火垂るの墓』(1988)、『おもひでぽろぽろ』(1991)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)、『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999)を発表。2013年には、製作に8年を費やした待望の新作『かぐや姫の物語』が公開され、米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞にノミネートされた。1998年、紫綬褒章を受章。2018年4月5日(木)午前1時19分、帝京大学医学部附属病院にて、逝去。死因は肺がんだった。(text:cinemacafe.net)
2018年05月15日2017年8月に発売された『漫画君たちはどう生きるか』(マガジンハウス刊)は、売り上げを伸ばし続け、すでに200万部を突破!出版不況のご時世、またたくまにダブルミリオンを達成するなんて、ただただ「すごい!」のひとことです。こちらは1937年に発表され、読み継がれてきた吉野源三郎氏の同名小説を、80年の時を経て羽賀翔一さんが漫画化したもの。名著を読むタイミングを逸していたという方も、活字はちょっと苦手という方にも、また大切な方への贈り物にもおすすめの1冊。「自分の生き方を決定できるのは、自分だけだ」など、女性にも響く名言が満載です!名著を漫画化。社会現象を生むベストセラーに大きく見開かれた瞳、きつく結ばれた唇。強い意志を持った少年のイラストが印象的な『漫画君たちはどう生きる』(マガジンハウス刊)。この少年こそ、主人公のコペル君です。コペルというのはあだ名で、地動説を唱えた(=信じられてきた事実が間違っていると訴えた)コペルニクスから名付けられました。名付け親は彼の叔父(おじさん)です。旧制中学に通う15歳、思春期真っただ中にいるコペル君にとって、適度な距離を保ちつつ、近くで見守ってくれる元編集者のおじさんは頼りになる存在。困ったことがあると相談するのが日課です。いっぽう、おじさんもまたコペル君との会話から多くの気づきや刺激を得て成長していく。そしてそれらの気づきやコペル君へ伝えたいことをノート(通称「おじさんのノート」)につづるようになるのです。本書は、コペル君の学校生活(いじめなどを描く漫画パート)と、「おじさんのノート」を中心とした活字パートで構成されています。漫画にしたことで手にした人も多かった原作をバイブルのように愛読している人は大勢います。たとえばジャーナリストの池上彰さん。新装版(マガジンハウス)ではまえがきも担当し、たびたびテレビ番組や自著で紹介しています。また宮崎駿さんが同名の映画を制作すると発表したことも記憶に新しいニュースです。このように多くの知識人が「影響を受けた」とたたえるいっぽうで、「古い本だし読みづらそう」「説教くさそう」など、いわゆる「読まず嫌い」の人が多かったのも事実。そんな人たちにも届くようにと、やはり原作の愛読者だったという編集者が今回の漫画化を企画・模索したのだとか。原作の持つ魅力は損なわぬまま、親しみやすく手にしやすい漫画という媒体になったことで読者の裾野が広がり、爆発的なベストセラーへとつながったのです。原作の持つ圧倒的な力と、その哲学を今の人たちに届けたいと望んだ編集者、そして魂をこめて物語をつむいだ漫画家・羽賀翔一さんの情熱が結実した結果だといえましょう。池上さんが某番組でこんなニュアンスのことを語られていました。「原作が出版された戦時中の重苦しい空気と、誰かの発言や行動がネットで炎上したりという現代社会の空気に共通するものがある」と。「なんとなく生きづらい」という曖昧な不安を抱える現代人に、そっと寄り添ってくれる。そんな内容もぴったりはまったのかもしれません。子どもだけでなく大人だって成長できるクラスでいじめを受けている浦川君をどうやったら助けられるか――。コペル君はおじさんに問いかけます。「そんなとき、どうすればいいのか……」と。おじさんは明快にこう答えます。「そりゃあコペル君決まってるじゃないか」「自分で考えるんだ」大人が子どもの相談を受ける場合、どうしても上から目線になってしまいがちです。少しばかり長く生きているというだけで先輩風を吹かせてしまう……。けれど、おじさんは違います。コペル君から「自分で考え、行動する」機会を奪わなかった。原作ではコペル君に「教えている」というシーンが多かったけれど、この作品ではおじさんも迷ったり悩んだりしていて、「大人だった迷うし悩むよね」と親近感が湧くのです。「おじさんのノート」には、こんな言葉がつづられています。英語や、幾何や、代数なら、僕でも君に教えることができる。しかし、人間が集まってこの世の中を作り、その中で一人一人が、それぞれ自分の一生をしょって生きてゆくということにどれだけの意味があるのか、どれだけの値打ちがあるのか、ということになると、僕はもう君に教えることができない。それは、君がだんだん大人になってゆくにしたがって、いや、大人になってからもまだまだ勉強して、自分で見つけてゆかなくてはならないことなのだ。間違いに「NO!」と言える勇気を持つことネットには悩み相談に乗ってくれる交流サイトが氾濫し、SNSにも「名言」的な言葉があふれています。それらを否定するわけではないけれど、他人が導き出した答えをそのまま自分のものにするのはいかがなものか。内なる自分の声に耳を傾け、自分で考えろ――。おじさんにそう言われているような気がして、ページをめくりながら何度も鼓舞されました。少し前からインターネット上でセクハラなどの経験を告白・共有する「♯Me Too」の運動がさかんになっています。脈々と根付いてきた「社会人ならセクハラも仕事の一部」「みんな耐えてきたんだから」といった我慢を強いる風潮に対し、「間違っている!」と声を上げた人がいた。この一連の動きを知ったとき、私はすぐこの作品のことを思い浮かべました。間違ったことがまかり通っているまま、次の世代にバトンを渡してはいけない。変えたいと思うなら、きちんと声に出して「NO!」と言わなくちゃいけないんだ、と。世の中の常識は変えていけるそしてこうも思いました。セクハラだけでなく、すべての慣例に対し、「言っても何も変わらない」とか「前例がない」などと諦めてしまっていることがたくさんある。でも、気づかないふりをしたり、諦めてしまったら永遠に何も変わらないぞ、と。まず「常識を疑う」ことから一緒に始めませんか?自分や周囲の人たちが心地よくいられるために自分が何をすべきなのか……。コペル君が自分自身で考え、勇気を持って行動したように、私たちも思考&行動あるのみです!この作品に描かれている通り、「自分の生き方を決定できるのは、自分だけ」なのですから。Information『漫画君たちはどう生きるか』(マガジンハウス) 1,404円 (税込)吉野源三郎/原作 羽賀翔一/漫画©IBushuev/Gettyimages
2018年05月12日こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。1937年、吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか 』が刊行され、現在羽賀翔一さんによって漫画化されたこの作品は、現代の子どもたちの心をもとらえてベストセラーになっています。この作品の中には現代にも通用する普遍性 が描かれています。一体どういうもの なのか、現代の子どもたちと一緒にわたしたちパパ・ママも一緒に考えてみましょう。時代や地域に左右されない2つの“普遍”とは本が売れないこの時代に2017年8月の出版からあっという間に発行部数200万部を突破した『漫画君たちはどう生きるか』 。軍国主義の暗い空気が漂う1930年代の東京を舞台に主人公である“コペル君”こと本田純一少年が日常生活の中で突き当たる「世の中」や「生きる意味」に関する様々な悩みに、父親を早くになくした彼に“おじさん”が示唆を与える という物語です。アニメ映画監督の宮崎駿さんが次回長編作品のタイトルをこの作品から貰うことに決めたといわれる『君たちはどう生きるか』。筆者はこの作品には時代や世代や国や地域に左右されない「2つの“普遍” 」が描かれていると思います。・一つ目は、この世の中を根っこで支えているのは、額に汗して働く人たちの労働 だということ。・二つ目は、人は自分が情けないものだと認めたときにようやく立派な存在になれる のだということ。どういうことか。『君たちはどう生きるか』の中のエピソードから、考えてみることにしましょう。額に汗して働くことの尊さ本作品第四章『貧しい友』には、主人公コペル君の同級生である浦川君の家の“貧しさ ”にかんするエピソードが出てきます。家族経営のとうふ屋さんを営む浦川君の家では、浦川君のお父さんが店の運転資金を調達するためにお父さんの実家がある山形へと出かけ何日も帰ってこなくなったため、浦川君が学校を休んで店を手伝っています。学校に来ない浦川君のことを心配してとうふ屋さんを訪ねるコペル君が目の当たりにしたものは浦川君の家の貧しさはもとより、風邪をひいて寝込んでいるとうふ屋さんの従業員タメさんのより一層の貧しさで した。このことにかんして“おじさん”はコペル君にこう話します 。**********・世間には、浦川君のうちだけの暮らしもできない人が、おどろくほどたくさんある(第四章おじさんのノート第二節より)・からだをこわしたらいちばんこまる人たちが、いちばんからだをこわしやすい境遇に生きている(同第二節より)・この人々のあの労働なしには、文明もなければ、世の中の進歩もありはしないのだ(同第三節より)**********みなさんは「人手不足 」という言葉をよく耳にされるかと思いますが、筆者はこの言葉に何か違和感を覚えてしまうのです。なぜなら、労働者が自分の身を削ってする厳しい労働に対して経営者がそれに見合った正当な賃金を払っていさえすれば、「人手不足」になどなるはずがないからです。保育士さんにしても介護士さんにしても適正な報酬が貰えていないからこそ人手不足になるのであって、「人手不足」などという言葉が横行する状況は企業経営者にとっては“恥 ”だと思わなければいけません。『君たちはどう生きるか』では今から80年も前に、額に汗して働く人たちの労働こそが世の中の根底を支えているにもかかわらず、そのような労働に対して“支配する側”の人たちが適正な賃金を支払っていないことの不条理を指摘しています。声高に“働き方改革”などと言う前に政治に携わる人たちにはこの本を読んでいただきたいものだと筆者は思ってしまいます。己の情けなさを認めて初めて一人前『君たちはどう生きるか』に描かれているもう一つの普遍 。それは、「人間は自分の弱さ・あわれさ・情けなさを認めるこ とができたときにようやく立派な一人前の大人になれる」ということです。本作品第六章『雪の日のできごと』では、コペル君の同級生である北見君が上級生5~6人に囲まれて「俺たちが作った雪人形をわざと破壊しただろう」と因縁をつけられます。上級生たちは「礼」や「規律」を持ち出して北見君に謝罪と服従を強要 しますが北見君はわざとやったわけではないのでそれを断るのです。案の定、上級生たちの鉄拳が飛んで来たとき、級友の浦川君と水谷君は自分の身を盾にして北見君を守るのですが、コペル君は上級生たちのことが怖くて陰から事の成り行きを見守ることしかできませんでした。友だちが危機に瀕しているときに何もできずただ隠れていたことにコペル君は、学校に行けなくなるくらいの強い自責の念 に駆られてしまいます。つづく第七章『石段の思い出』の中の「おじさんのノート」で、“おじさん”はコペル君にこう語りかけます 。**********・人間は、自分自身をあわれなものだと認めることによってその偉大さがあらわれる(第七章おじさんのノートより)・自分のあやまちを認めることはつらい。しかし、あやまちをつらく感じるということの中に、人間のりっぱさもある(同)**********なんだか、あまりフェアでないことにかかわっていたのは明らかなのに「かかわっていない」「記憶にない」と言い張り自分のあやまちを認めようとしない今のわが国の要人たちの姿が思い浮かびませんか。彼らに比べたら自責の念に駆られて学校にも行けなくなってしまうコペル君は数段立派なのではないでしょうか。----------以上、いかがでしたでしょうか?『君たちはどう生きるか』には今回筆者が取り上げた2つの“普遍”のほかにも、今の時代を生きるわたしたちパパ・ママと子どもたちが一緒になって考えてみるべき哲学的なテーマ がぎっしりと詰まっています。哲学というのは“道徳”とは違います。道徳は誰かがある特定の価値観に基づいて作った“教育の指針 ”です。しかし、哲学というのは一切の前提条件なしにどんな人にも当てはまる事実について考える“論理の体系”ですので、普遍性という意味でその質が違います。この物語が現代の子どもたちの心に響いてやまない理由は、「哲学を語れなくなってしまった今の大人たちに代わって、それを語ってくれる物語だから」です。お子さんたちだけでなく是非パパやママのみなさんにも一度読んでいただきたい一冊 です。●参考文献『君たちはどう生きるか』吉野源三郎・著、ポプラポケット文庫、2011年『君たちはどう生きるか』吉野源三郎・著、岩波文庫、1982年『漫画君たちはどう生きるか』吉野源三郎・原作、羽賀翔一・漫画、マガジンハウス、2017年●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/大上留依
2018年05月11日5月11日(金)今夜の日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」は2013年に公開され世界的に大ヒットを巻き起こした『パシフィック・リム』をオンエア。続編『パシフィック・リム:アップライジング』も大好評公開中の中、記念すべき第1作がTVに登場する。2013年、太平洋(パシフィック)の深海から突如出現した未知なる巨大生命体に、世界中の大都市が次々と破壊され、人類は滅亡の危機に晒される。甚台な被害を受けた人類は、巨大生命体と戦うため、英知を結集して人型巨大兵器“イェーガー”を開発する。パイロットと神経を接続して動く2人乗りの人型巨大ロボット“イェーガー”。到底勝利の見込みのないこの戦いに、元エリート・パイロットのラリーと、落ちこぼれの研修生・マコが搭乗員として選ばれる。“イェーガー”は次々と現れる巨大生命体の侵攻を食い止めることができるのか――?『シェイプ・オブ・ウォーター』で第90回アカデミー賞監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督が、宮崎駿を始め高畑勲や押井守、大友克洋など多くの日本人クリエイターを愛する自身の“日本オタク”ぶりを存分に注ぎ込み、日本のアニメや特撮文化へのリスペクトをハリウッドの映像技術と融合。巨大ロボと“KAIJU”との熱いバトルを描き出した本作。日本からも菊地凛子、芦田愛菜が出演しているほか、杉田智和、玄田哲章、林原めぐみ、古谷徹、浪川大輔、池田秀一らロボットアニメなどで活躍する声優陣が日本語吹き替え声優として参加している。本作の好評をうけて制作された続編『パシフィック・リム:アップライジング』も現在公開中。前作で描かれた人類(イェーガ―)とKAIJUの死闘から数年が経過し、平穏が戻っていた地球に、進化を遂げたKAIJUが再び姿を現し、世界を絶望の淵へと突き落とす。よりスタイリッシュに洗練されパワーアップを果たした新世代のイェーガーに乗り込む若きパイロットたちは、迫りくるKAIJUを撃ち滅ぼすことが出来るのか…。『スター・ウォーズ』シリーズのジョン・ボイエガをはじめ、日本からは菊地さん、新田真剣佑らが出演している。金曜ロードSHOW!『パシフィック・リム』は5月11日(金)21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2018年05月11日10月25日(木)より開催される「第31回東京国際映画祭」では、日本映画をより世界へ強く発信していく企画として、2つの大きな日本映画の特集を実施することが決定。「Japan Now部門」では俳優・役所広司を、「アニメーション特集」ではアニメーション監督の湯浅政明を特集する。■Japan Now部門:「映画俳優 役所広司」3年前に新設された「Japan Now部門」は近年の日本映画をふり返り、現在の日本を代表する作品の数々を、映画祭独自の視点でセレクション。いま一番海外へ紹介したい映画人として、これまでに原田眞人監督、岩井俊二監督の監督特集、さらに安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮崎あおいの女優特集を行ってきた。そして今回は、東京国際映画祭最優秀男優賞受賞作『CURE』(’97/黒沢清監督)、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞作『Shall we ダンス?』(’96/周防正行監督)、米アカデミー賞作品賞ノミネート作『バベル』(’06/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)など、多くの出演作が国際的に高く評価され、国内外で幅広く活躍する俳優・役所広司を特集。昭和の時代の貴重な作品から最新作までを紹介する初の大規模上映を実施し、これまでの軌跡を辿りつつ、常に新しい挑戦を続ける役所さんの魅力を世界に発信する。今回の決定に役所さんは、「芝居に興味を持って、今年で40年。子どもの頃から何一つ長続きしたものがない僕にとって、40年同じことを続けられるなんて奇跡です」と役者人生をふり返り、「今回の特集上映、とても光栄です。そして、今まで自分に影響を与えてくれた全ての人に感謝します」とコメントしている。■アニメーション特集:「アニメーション監督 湯浅政明の世界」続いて、これまで庵野秀明や細田守などを特集してきたアニメーション特集では、「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」など、日本を代表するアニメシリーズにも数多く携わっているアニメーション監督の湯浅政明をフィーチャー。昨年公開されたオリジナル長編映画『夜明け告げるルーのうた』は、世界最大級のアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭にて、長編部門グランプリにあたるクリスタル賞を受賞し、宮崎駿監督、高畑勲監督に次ぐ、日本人史上3人目となる快挙を果たした湯浅監督。『夜は短し歩けよ乙女』(’17)で第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞したほか、第41回オタワ国際アニメーションフェスティバルでは、日本人として初めて長編部門グランプリを受賞するなど国内外で多くの賞を受賞し、世界中から注目を集めている。湯浅監督は、「世界中から作品が集まる国際映画祭で、まさか自分の名前のついた特集上映が実施される日がくるとは思いもしませんでした。このような機会をいただき、大変光栄ですし、とてもびっくりしています」と心境を明かし、「ぜひこの機会に、未だご覧になった事のない多くの皆様に観ていただく事ができればとても嬉しく思います。私自身も作品をふり返る機会をいただいたと思い、楽しみたいと思います」と多くの人に作品を楽しんでもらいたいと語っている。「第31回東京国際映画祭」は10月25日(木)~11月3日(土・祝)の期間中、六本木ヒルズ(港区)、EXシアター六本木ほかにて開催。(cinemacafe.net)
2018年05月09日「幼いころから、ずっと不安を抱えて生きていました。それを初めて忘れさせてくれたのが、子育てしながらチャレンジした『書くこと』でした。一歩踏み出したら、日常とは違うアナザーワールドの扉が開くかもしれないと、その繰り返しで今日まできました」 『魔女の宅急便』や『ちいさなおばけ』シリーズで知られる角野栄子さん(83)は3月26日、児童文学のノーベル賞といわれる「国際アンデルセン賞」の作家賞に選出された。白髪と原色のメガネという個性的なスタイルで穏やかに語る姿は、まさにおしゃれ魔女のようだ。 12歳の魔女キキが、宅配便屋さんとして活躍する代表作『魔女の宅急便』は野間児童文芸賞などを受け、本編6作と特別編2作で累計167万部に達し、英語や中国語などにも翻訳された。’89年には宮崎駿監督によってアニメ映画となり、約265万人を動員して、新たな作品のファンを生み出した。 ほうきにまたがる代わりにペンを握って、角野さんは創作の大空を自在に飛び、新たな扉を開いてきた。キキに寄り添う黒猫ジジならぬ、次々と沸き上がる想像力を相棒にしてーー。 「人生で最初の記憶が、病院のベッドで横たわる母の姿。真夜中にタクシーで東大病院に駆けつけましたが、臨終には間に合いませんでした。姉とまだ乳飲み子だった弟を残して母が病死したのは、私が5歳のときでした」(角野さん・以下同) 暗い病室で、3歳年上の姉が「お母さんを返して!」と叫んだ。すると医者は、泣き続ける姉妹に向き合い、「ごめんね。世の中には、どうにもならないこともあるんだよ」と言った。続いて、納骨式で目にした墓石の下の深い暗闇。とめどない不安が、このとき角野さんに覆いかぶさってきた。 角野さんは’35年(昭和10年)1月1日、東京は深川で、質店を営む家に生まれた。 「母の死以来、また大切なものを突然奪われるのではないかと、いつもおびえていました。情緒不安定、いったん泣き出したらヒステリックで、ご近所からも“サイレンの栄子ちゃん”なんて言われて。夜中に泣きながら父の布団に行くと、『お入り』と招き入れてくれて。すると温かくて安心するんです」 “見えないものの大切さ”を日々の生活の中から教えてくれたのも、父親だったという。 「当時、お盆になると門口で迎え火をたくんですが、そのとき父は、『タンスの位置が変わりましたから間違えないよう、お仏壇まで行ってください』なんて言うんです。すると、お線香の煙にのってきた母が家にいるのを感じる。見えないけれど、いる。だから、その数日間は、いい子になってたり(笑)」 遅いデビューだった。結婚と出産を経て、2年間のブラジル暮らしの経験をベースに書いた第一作『ルイジンニョ少年』が出版されたのが35歳。『魔女の宅急便』が世に出たのはさらに15年後の50歳のとき。魔女という存在からは大切なことを教わった。 「もともと魔女というのが、“こっち”と“あっち”の境い目にいた存在だったんですね。私も、日常のすぐ隣にある不思議を切り離して考えるのではなく、リスペクトしながらともに生きたい。そう思うと、父が幼いころから繰り返し言っていた『見えない世界なんてないと思ったら大間違いだよ』という言葉がいっそう愛おしいし、母の死さえ“贈り物”はあったんですね」 不安で、悲しくて、泣き虫にもなったけれど、母の死がきっかけで死について思い、それは生きる意味を考えることにつながったのだ。 病院のベッドに横たわった母の記憶。不安が「ここではない、どこかへ」という思いを駆り立てた。「書くこと」で不安から自由になれる。飛躍する想像力で描かれた、“あっち”と“こっち”の世界をつなぐ物語は、いつしか私たちを“見えないものが見せる世界”に連れてってくれる。 角野さんはおちゃめに笑う。“だから、私も魔女なの”と。
2018年05月07日「この手描きの絵は、娘のリオが12歳のときに描いたもの。ここから、魔女の少女キキの物語が始まったんです」 『魔女の宅急便』や『ちいさなおばけ』シリーズで知られる角野栄子さん(83)は3月26日、児童文学のノーベル賞といわれる「国際アンデルセン賞」の作家賞に選出された。選評にはこうあった。 《角野の描く女性たちはひときわ自立心が強く、大胆だ》 12歳の魔女キキが、宅配便屋さんとして活躍する代表作『魔女の宅急便』は野間児童文芸賞などを受け、本編6作と特別編2作で累計167万部に達し、英語や中国語などにも翻訳された。’89年には宮崎駿監督によってアニメ映画となり、約265万人を動員して、新たな作品のファンを生み出した。 遅いデビューだった。結婚と出産を経て、2年間のブラジル暮らしの経験をベースに書いた第一作『ルイジンニョ少年』が出版されたのが35歳。『魔女の宅急便』が世に出たのはさらに15年後の50歳のときだ。 『魔女の宅急便』の物語誕生のルーツは、その7年前に長女・リオさんの描いた1枚の絵にさかのぼる。 「もともと絵やイラストを描くのが好きな子でした。12歳のころ、ふと机の上を見たら魔女の絵がポンと置いてありました。ほうきやリボンにラジカセも付いていて、そんな12歳くらいの魔女が空を飛ぶ話はおもしろいなと思って。最初に決めたのは、魔女は空を飛ぶ一つだけということ。小さいときに読んでいたアラジンの魔法は、ちょっと便利すぎたかなと思ったのね(笑)」(角野さん・以下同) すぐに続編もできたこの物語には、角野さん自身の体験が込められていた。キキが13歳になって、魔女として独り立ちの決心をするシーンのことである。 《今は、贈り物のふたをあけるときみたいにわくわくしてるわ》 「キキがジジに言うセリフは、私がブラジルに行ったときの気持ちそのまま。もちろん、すごく不安でした。でも、不安は憧れに近いと思うの。そして憧れからは、思いがけない力が生まれる」 ブラジルへ夫婦で渡ったのは結婚の翌年、24歳のときだった。 「外国を見てみたいというのは、当時の若い人は誰もが思うことじゃないかしら。小田実さんの『何でも見てやろう』の時代ですね。英語がなんとか通じればと思ったんだけど、あっちはポルトガル語。そんなことも知らずに貨客船に乗り込んで、2カ月間かけて。ほんと、自分でも無謀だと思います」 留学生でも政府移民でもない、自費移民としての渡航だ。 「1ドル360円の時代で、所持金も1カ月暮らせる分くらいしか持っていけない規則で。サントスの港で途方に暮れていると、バナナを積んだトラックが通りすぎて、山積みの黄色い実を見てたら、まあ、あれを食べてりゃなんとかなるか、って思えたの!」 8月に、ギリシャ・アテネでの国際アンデルセン賞の授賞式を控え、久しぶりの海外への旅を前に、現在執筆中の『魔女の宅急便』特別編3作目や、自伝的要素が強く自らの戦争体験をベースにした『トンネルの森1945』の続編など、角野さんの世界はますます広がっていく。 「この年になっても、気づくと、一歩踏み出しちゃっているの。違う世界があると思うと、見ておかなくっちゃって考える。貪欲を超えて、強欲なの、わたし!」
2018年05月07日4月5日に82歳で逝去した高畑勲監督の集大成にして遺作となった『かぐや姫の物語』が、5月18日(金)の「金曜ロードSHOW!」でオンエアされることになった。1935年、三重県伊勢市に生まれた高畑監督は東京大学仏文科卒業後、東映動画(現在の東映アニメーション)に入社「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のアン」「じゃりン子チエ」などの演出、監督を担当。物語の世界のなかに生きる人々の営みを的確に捉えた繊細な日常描写でキャラクターの内面を浮かび上がらせる演出技法は、後の日本のアニメーションの表現、技術に大きな影響を与えた。東映動画の後輩でもある宮崎駿らとスタジオジブリを設立すると、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョとなりの山田くん』といった作品を監督、プロデューサーとしても『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』などいまだに愛される名作を世に送り出した。そんな高畑監督の遺作となった『かぐや姫の物語』は、誰もが知っている日本最古の物語「竹取物語」を全く新しい解釈で映画化。水彩画がそのまま動き出したような美しさとダイナミックさを併せ持ったその映像は日本のみならず。第87回アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされるなど、海外の多数の映画賞を席巻したのは記憶に新しい。「かぐや姫」という一人の女性が誕生し、少女時代を経て美しい姫に成長していく物語を日本の原風景ともいえる美しい景色とともに描くことで、命の輝きと“生きる喜び”というテーマを表現。感動のラストへとつながっていくこの超大作を今回完全ノーカットで放送。かぐや姫役の朝倉あきをはじめ高良健吾、宮本信子、田畑智子、宇崎竜童、上川隆也、朝丘雪路ら豪華声優陣による声の共演も注目だ。今回の放送にあたり本作のプロデューサー・西村義明(スタジオポノック)は「かぐや姫はなぜ、数ある星の中から地球を選んだのか。この地で何を思い、どう生きたのか。かぐや姫は、なぜ地球を去らねばならなかったのか…高畑勲監督の3つの問いから、映画『かぐや姫の物語』の企画が始まりました。8年間という長期の制作期間を経て完成した映画ですが、ジブリ第7スタジオのスタッフ達とともに、とても楽しそうに映画を作っていた高畑監督を思い出します。残念なことに高畑監督は亡くなってしまいましたが、最後の長編映画『かぐや姫の物語』を、この機会にぜひ日本中の皆さんに楽しんでいただければと思います」とコメントを発表。高畑監督と日本アニメ界最高のスタッフたちによる渾身の名作『かぐや姫の物語』は5月18日(金)21時~日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」枠で完全ノーカット放送。また5月15日(火)には監督を偲ぶ「お別れの会」が東京・三鷹の森ジブリ美術館にて執り行われる。(笠緒)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開© 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2018年05月04日スタジオジブリ作品の世界観を再現したテーマパーク「ジブリパーク」が、愛知県の愛・地球博記念公園に誕生。2022年秋から2023年にかけて開業をすすめる。世界で愛されるスタジオジブリ作品の世界を再現「ジプリパーク」では、国内外で多くの人に親しまれてきたスタジオジブリ作品の世界観を表現。愛・地球博記念公園の未利用地や既存施設を再整備し、「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」「どんどこ森エリア」の5つのエリアを設ける。なお、「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」が2022年秋に開業し、その後おおむね1年の時を経て「もののけの里エリア」と「魔女の谷エリア」が2023年に開業予定だ。「青春の丘エリア」ジブリパーク北入口側に位置する「青春の丘エリア」は、来場者を迎え、“ジブリの世界”へと導いてくれる場所だ。その入口付近には、既存のエレベーター棟を映画『天空の城ラピュタ』や映画『ハウルの動く城』などのジブリ作品に代表される、19世紀末の空想科学的要素を採用した内外装へ改装し、メインゲートとしての象徴性を持たせる。『耳をすませば』の「地球屋」や映画で見た風景を再現平成初めの住宅地を感じさせるような風景が「青春の丘エリア」の最大の特徴。映画『耳をすませば』に登場する、アンティーク家具や時計の修理・販売を行う店「地球屋」を整備するほか、劇中に登場する電話ボックスや掲示板、電話機などを設置して作品世界を思う存分に味わえる空間を創出する。また、映画『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」は、家具や小物をミニチュアサイズで制作・再現される。「ジブリの大倉庫エリア」2018年9月末をもって営業を終了した温水プールの空間は、通年天候に左右されずに楽しめる施設「ジブリの大倉庫エリア」としてリニューアル。「倉庫」らしさとなつかしさを感じさせる和洋折衷の空間をイメージしており、ジブリ作品の保管・保存を行う展示室、遊び場、売店・喫茶、多くの展示物を収蔵する倉庫などで構成される。展示室は、常設展示室と企画展示室、約170席を設ける映像展示室の3つによって、ジブリ作品の世界を堪能できるよう構成されるという。『天空の城ラピュタ』の天空の庭&空飛ぶ巨大な船中でも注目したいのが、映画『天空の城ラピュタ』に登場する廃墟となったラピュタの庭園の再現。さらに、空飛ぶ巨大な船を全長6.3メートルのビッグスケールで設置する。『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』の世界子供たちが映画『となりのトトロ』の世界で遊べる部屋にも注目だ。“ねこバス”なども導入予定だという。さらに映画『千と千尋の神隠し』に登場する不思議の街をイメージした空間も誕生する。『借りぐらしのアリエッティ』床下の家と小人の庭の再現もうひとつ、このエリアの見どころとなるのが映画『借りぐらしのアリエッティ』の世界。アリエッティやその家族が暮らす家と、彼女たちの目線で見た植物の茂る庭が巨大なセットで再現されたこの場所では、アリエッティのように小人なったかのような気分を味わうことができる。「もののけの里エリア」「もののけの里エリア」には、映画『もののけ姫』に登場するエミシの村とタタラ場をモチーフにした、和風の里山的風景を整備する。園内には、体験学習施設となる「タタラ場」や「炭焼き小屋」、休憩処などを設ける。また、緑あふれる広場には、タタリ神や乙事主をモチーフにしたオブジェの設置も計画している。あいちサトラボと一体化された同エリアは、体験スポットとしても機能する。「魔女の谷エリア」大芝生広場近くにある未利用地は、魔法を題材とした映画『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』の2作品にちなんで、「魔女の谷エリア」として生まれ変わる。北ヨーロッパをイメージしながら創出された空間には、物語に登場する「ハウルの城」や「オキノ邸」、遊戯施設、休憩・レストラン棟などが整備され、あらゆる用途に応える複合的空間となる。「どんどこ森エリア」ジブリパークの中でも緑に囲まれる自然たっぷりの「どんどこ森エリア」では、受付所などを「サツキとメイの家」をイメージしたデザインとし、裏山の森に散策路を再整備。ちなみに“どんどこ”とは、サツキ、メイ、トトロが、蒔いた種の発芽を願って踊ったダンス“どんどこ踊り”に由来する。昭和の田園風景をイメージしながら、映画の世界観がより身近に感じられる場所を目指す。エントランスや駐車場も整備愛・地球博記念公園の北エントランスは、ジブリパークと調和した景観や、公園の表玄関にふさわしい案内所、休憩所、飲食・物販店などの機能をもつ総合案内センターを整備する。また、公園の北駐車場も再整備が行われる。さらに公園西口の案内所および休憩所を立て替えて、「ジブリの大倉庫エリア」付近には「ジブリパーク」の各エリアをつなぐ園路を改修する。愛・地球博記念公園を撮影した写真をポスターにジブリパークのポスターは、愛・地球博記念公園で撮影された写真を使用しているという。また、ロゴについて、“ジブリ”の部分は宮崎駿が描いたもの、“パーク”の部分は鈴木がそれを真似して書き足したものを採用した。なお、ジブリパーク誕生に向け、鈴木は「テーマパークの要素も若干いれながら、公園を楽しんでいる方の邪魔はしない公園に」と構想を述べ、最後に「愛知県の皆さん、国内外の多くの皆さんに喜んでいるものになるよう、がんばります」と話している。「サツキとメイの家」の営業再開「ジブリパーク」の整備工事スタートにつき、モリコロパーク内の「サツキとメイの家」は2020年7月13日(月)より当面の間休業となっていたが営業を再開。なお、2021年11月以降は、「サツキとメイの家」の工事が再度始まることから、営業期間は2021年10月末までを予定している。施設概要「ジブリパーク」オープン時期:・青春の丘エリア・ジブリの大倉庫エリア・どんどこ森エリア:2022年秋・もののけの里エリア・魔女の谷エリア:2023年秋場所:愛・地球博記念公園住所:愛知県長久手市茨ケ廻間 乙 1533-1
2018年04月28日グルメな人々からアツい注目を集める街、宮崎市。温暖な気候が作り出す色の濃い野菜に、豊かな自然のなかで育てられる牛や鶏、美しい海で採れる魚介など、素晴らしい素材が揃ってます。素材を活かした美味しいものをいただけるのが宮崎市の魅力のひとつです。そんな宮崎市で先日、堀江貴文さんと名店10軒をハシゴするイベントが開催されました。宮崎市の中心街に位置する西橘通りのほか、中央通りや西銀座通りなどを中心に、1000軒を超える店が連なる通称・ニシタチの、グルメ通御用達のディープな店をめぐりました。今回堀江さんが回った10軒のうち、『DRESS』目線で5軒をセレクト。イベント中に堀江さんが食したメニュー1品のほか、お店がおすすめする1品をご紹介します。宮崎市を訪れる際の店選びの参考にしてください。■素材を大切にするイタリアン「ジーリ」「オステリア ジーリ(OSTERIA GIGLI)」は、宮崎市内の有名なイタリア料理店。東京や京都にあるイタリアン「イル ギオットーネ」で修行した、若きオーナーシェフ外山慎さんが腕をふるいます。こだわりは厳選した宮崎県産の食材を使うこと。無農薬有機栽培の野菜を作ったり、狩猟にいったりと、自ら足を動かして“素材”にふれ、素材を五感で感じようとするのが外山さんのスタイルです。宮崎生まれの良質な素材を活かし、素晴らしい料理を作り出すために、素材と日々真剣に向き合っています。■季節の食材を贅沢に使ったパスタこの日いただいたのは、「たけのことわかめとブリのタリアテッレ」(1800円・税別)。「地のものを使い、季節感を出すのを大切にしています」と外山さん。ぷりぷりとした肉厚なわかめの食感が楽しいです。からすみや山椒など、エッジの効いた食材同士がぶつからず、うっとりするコラボレーションを生み出しています。こしのある平打ちパスタと素材そのものの濃い味がよく合います。他にもトマトを使ったパスタが多いジーリ。定番メニューの「シンプルトマトソーススパゲティーナポリ人好み」(1600円・税別)もおすすめです。■日替わりのドルチェは芸術作品のようジーリはドルチェメニューにも定評があります。日替わりで楽しめるドルチェ、この日は「ティラミス」(780円・税別)でした。なんとも美しく、繊細なビジュアルのティラミス。植物を目の前にしているかのようです。周りの土っぽいものはガトーショコラ。上のつるんとしたゼリー状のものはコーヒーをベースに作られています。すっとスプーンを通すと、いちごとマスカルポーネチーズのムースの内側にはスポンジケーキが……!見るだけでも、匂うだけでも幸福感が漂います。贅沢すぎるドルチェでした。店に入ってすぐのところの壁は、コルク栓でびっしりと覆い尽くされています。2011年のオープン当時から店で飲まれたワインたちが、店が歩んできた歴史を伝えてくれているようです。ふるさと・宮崎を愛し、そこで生まれる素材を深く知ろうと努め、人々を感動させる料理を作り続ける外山さん。ジーリの進化は止まりません。■オステリア ジーリ宮崎県宮崎市中央通3-22TEL 0985-55-0780・Photo/池田園子取材協力/宮崎市
2018年04月27日「宮崎あおい(32)や多部未華子(29)の所属事務所として知られるヒラタオフィスですが、いま大きな変化が起こっているのです」 そう語るのは、芸能プロダクションの関係者。ヒラタオフィスは設立から29年になる“老舗芸能プロダクション”だが、今年3月末に新しい社長としてA氏が就任したという。前出のプロダクション関係者が続ける。 「この新社長就任の時期にあわせて、宮崎と多部の2大看板女優がひっそりと別の事務所である『ヒラタインターナショナル』に移籍しているのです。こちらには3月末に女性の社長が就任しています。彼女は長年、宮崎のマネージャーを務めている人物です」 プライベートでは昨年12月にV6・岡田准一(37)との結婚を発表した宮崎。実は女優業のほうでも新しい局面を迎えているというのだ。 「ヒラタオフィスとヒラタインターナショナルは系列としては同じということになっていますし、それぞれの所在地も同じビル内です。しかし仕事の方針はかなり異なっており、特に宮崎はA氏のもとで仕事をすることに拒絶反応を示したと聞いています。彼女はヒラタオフィスの新社長・A氏に対して、根強い不信感を抱いているそうです」 宮崎の移籍理由について、ヒラタインターナショナルに聞いた。 「(宮崎は)女優として、より大きな目標を掲げ、事務所の名前どおり、大きな広い場所、国際的な場面で活動したいと願い、移籍しました。移籍時期は1年ほど前ですので、A氏の社長就任とは関係ないと考えています」 だが前出の芸能プロダクション関係者は言う。 「前向きな理由であればもっと移籍を大々的にアピールしても良いと思うのですが。それに移籍先のヒラタインターナショナルはつい最近ホームページを作成し、本格的に活動を始めたばかりです」 宮崎のA氏に対する不信は、12年ほど前から芽生えていたという。 「’05年に宮崎が出演した映画『NANA』は大ヒットしました。ただ彼女は自分が演じたヒロインに共感することができず、’06年公開の続編への出演を拒否していたのです。しかしA氏は宮崎のそうした意向を無視し、彼女の出演を強引に進めようとしたそうです。宮崎は女優のなかでも特に役柄にこだわるタイプなのですが、その後もA氏と何度も衝突したと聞いています」 移籍は、宮崎の女優人生飛躍への契機になるのか。
2018年04月25日最後にご紹介する作品は、2013年7月に公開の宮崎駿監督作『風立ちぬ』です。宮崎駿監督は本作公開後の2013年9月に引退を発表。その後、2017年5月に引退発言を撤回しましたが、本作が宮崎駿監督の集大成的な作品であるのは間違いないでしょう。 『風立ちぬ』(宮崎駿監督/2013年公開)© 2013 Studio Ghibli・NDHDMTK “美しい飛行機を作ること”を夢見て、設計士になった主人公本作は、1920~30年代を舞台に、飛行機の設計家として活躍した主人公・二郎の半生を描いています。主人公のモデルは、零式艦上戦闘機を作った実在の人物・堀越二郎。宮崎駿監督は、そこに同時代の文学者・堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエッセンスを交えて、大胆に脚色。幼い頃から、“美しい飛行機を作ること”を夢見て、飛行機の設計家となった二郎。しかし、彼が飛行機設計にかかわった時代は、日本が戦争へと突入し、破滅へと向かう道のりとともにありました。劇中、夢を実現しようと邁進する二郎の姿は、現代の私たちの胸にも熱く響きます。小学生の二郎は、辞書を片手に英語の航空雑誌を読み、イタリアの航空技師・カプローニ伯爵に憧れていました。そして、夢の中で尊敬するカプローニ伯爵と出会う二郎。現実と大胆に交差する、この夢の世界の描写は、本作の見どころのひとつ。異国情緒漂う風景の中をたくさんの人を乗せて飛行機が飛んでいく様子は、主人公の壮大な夢を具現化したとても素敵なシーンです。 ★印象的な名セリフ「近眼でも飛行機の設計はできますか?」空に憧れる主人公・二郎は、視力が悪いせいで、飛行機の操縦はできないと諦めます。そんな彼が、憧れの人物・カプローニ伯爵に向かって発したのがこのセリフ。カプローニ伯爵は「飛行機は美しい夢だ」と二郎に向かって語り、設計家の仕事をは夢に形を与えることだと説明します。操縦士という夢は叶わないながらも、飛行機の設計という新しい夢を見つけた二郎。幼いながらも固い決意で一歩を踏み出す、物語上のきっかけとなるセリフです。その後、戦争に向かう時代の中で、二郎は戦闘機を設計することになります。それが彼にとって幸せだったのかはさておき、子どもの頃からの夢を死ぬまで追いかけ続けた姿に、胸を熱くせずにはいられません。 ★印象的な名セリフ「あなた 生きて」本作では、主人公・二郎と、結核を患った妻・菜穂子の恋模様、短いながらも幸せだった結婚生活も描かれています。映画の終盤で、二郎の夢の中に、先に亡くなった菜穂子が姿を現します。夫をずっと待ち続けていた彼女が発した言葉は、二郎に生きてほしいと願う「あなた 生きて」というものでした。このセリフ、続いて紹介するドキュメンタリー『夢と狂気の王国』を見ると分かるのですが、当初は違うセリフが想定されていたとか。主人公に、生きて使命をまっとうするという希望を託したセリフは、本作に通底するメッセージともとれるような印象的なものです。 物語の中を吹き抜ける“風”これまでのジブリ映画がそうであるように、本作で描かれる風景の数々が美しいのは言うまでもありません。なかでも特筆すべきなのは、『風立ちぬ』というタイトルからも分かる通り、劇中の“風”の表現。二郎と妻・菜穂子との出会いのシーン。カプローニ伯爵と夢の中で飛行機に乗るシーン…多くの大事なシーンで風が吹いているのが印象的です。風は、あるときは登場人物たちの帽子を空高くまで飛ばし、あるときは、新緑の草原を勢いよく波立たせます。そんな風の描き方は本当に美しく、主人公・二郎の生きる決意を表現しているかのよう。そして、観ている私たちの心にも強い風が通り抜けるような、爽やかな感動を与えてくれます。 あわせて観たい、ドキュメンタリー『夢と狂気の王国』©2013 dwango 先述の通り、『風立ちぬ』は、宮崎駿監督が一旦は引退を決意することになった、ひとつの区切りといえる作品です。観客側も、本作にこれまでの宮崎駿作品の痕跡やテーマを感じとらずにはいられません。そういった背景を踏まえながら、もっと深く作品世界を楽しみたいという人にオススメなのが、『夢と狂気の王国』という作品。これは、映画『風立ちぬ』の制作過程をとらえたスタジオジブリのドキュメンタリーです。宮崎駿監督の創作現場はもちろん、ジブリを支える鈴木敏夫プロデューサーの仕事にもスポットが当てられています。そして、宮崎駿の先輩であり、数々の作品で一緒に仕事をしながら切磋琢磨してきた高畑勲監督のエピソードも。高畑勲、宮崎駿両監督のアニメーション映画制作を原点にスタートした、スタジオジブリの軌跡を知る貴重な映像作品となっています。また、先に『風立ちぬ』を観た人は、主人公・二郎役の声優さがしに難航し、決定にいたるまでの経緯など、映画完成までの舞台裏を知ってさらに楽しめること間違いナシです! さて、ここまで3回に分けて、大人にオススメしたいジブリ映画をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。私たちの思い出とともにあるジブリ映画ですが、大人になってからはあまり観ていない、というペルル読者もいるのでは? 今回は、大人にもオススメ、むしろ大人になって観てこそ、より深く楽しめる作品を取り上げてみましたが、『となりのトトロ』も、『魔女の宅急便』ももちろんオススメ!これをきっかけに、久々にまたジブリ映画を観てみようかなーと思っていただけると幸いです! ----------------------------------------------------------------------- 【DVD発売情報】『風立ちぬ』(宮崎駿監督/2013年製作)【発売元】 ウォルト・ディズニー・ジャパン【価格】4700円(税別)© 2013 Studio Ghibli・NDHDMTK 『夢と狂気の王国』(砂田麻美監督/2013年製作)【発売元】 ウォルト・ディズニー・ジャパン【価格】4700円(税別)©2013 dwango-----------------------------------------------------------------------
2018年04月23日映画界の生けるレジェンド、スティーブン・スピルバーグが、世界中で大旋風を巻き起こしている監督最新作『レディ・プレイヤー1』(4月20日公開)を携えて日本に降臨! 『宇宙戦争』(05)以来13年ぶりの来日を果たしたスピルバーグ監督が、インタビューで日本への愛を語ってくれた。これまで『A.I.』(01)や『マイノリティ・リポート』(02)など、最新テクノロジーの脅威をエンターテインメントに落とし込み、警鐘を鳴らしてきたスピルバーグ監督。今回は観る者がVR(バーチャル・リアリティー)ワールドを体感できる、規格外の映画を打ち出した。ゴーグルをつけ、自分の夢を叶えられる場所“オアシス”へ逃避する若者たち。彼らが天才創設者の遺言に仕掛けられた3つの謎と、56兆円という莫大な財産を巡る世界規模の争奪戦にトライする。本作はすでに、アメリカ、フランス、スペイン、中国など各国でメガヒットを記録している。○三船敏郎をアバターに起用した理由――森崎ウィン演じるダイトウのアバター・トシロウが三船敏郎さんという点が面白かったです。三船さんはスピルバーグ監督の『1941』(79)にも出演されていますが、今回アバターに起用された理由を聞かせてください。アメリカの観客にとって、三船敏郎といえば黒澤明監督、黒澤明監督といえば三船敏郎なんだ。僕はお二人の映画では『蜘蛛巣城』(57)が大好きだよ。三船さんが1977年にLAに来た時、僕の監督する『1941』にぜひ出てほしいとオファーして、出てもらったよ。そういう交友関係があったので、今回は息子さんに許可を得て、アバターとして出演してもらうことになったんだ。○スピルバーグ監督のお宝が劇中に!?――VRのゴーグルをつけてないのに臨場感たっぷりの映像が楽しめました。何か観客を魅了させるトリックを使ったのですか?ものすごい褒め言葉だね。トリックはないけど、あるとしたらストーリーが良かったことじゃないかな。また、アバターが実写の人間と同じくらいリアルなところがいいんじゃないかと。本作は今まで手掛けてきた中では技術的に一番複雑な映画で、制作に3年もかかってしまった。僕の監督作の中では一番時間を掛けたのが『未知との遭遇』(77)で、本作は2番目に長くかかった映画となった。アーネスト・クラインの原作はもちろん、ザック・ネンの脚本も素晴らしかった。僕は3年間、ずっとザックと話し合ってきた。今回は僕と同じくらい想像力に長けた人たちと組んで、オアシスのイメージを伝える手伝いをしてもらったよ。観客に、バーチャルワールドにいるような感覚を味わってほしかったから。――VRの中でお宝を探していきますが、監督ご自身がこの映画に隠したお宝映像はあるのでしょうか?あるよ。今は言えないけど、僕とすごく親密なものを発見できるんじゃないかな。ILMが特殊効果をやってくれたんだけど、彼らが僕を驚かせるためにイースターエッグをいろんなところへ入れてくれたんだ。ある時、エフェクトの作業中にグレムリンが走っていく姿を見つけたよ(笑)。それは一瞬の出来事だった。どうやらそれは僕へのサプライズで、本当は見つけちゃいけなかったけど、驚かされちゃったよ。○最新テクノロジーへの危機感――スピルバーグ監督は、これまで最新テクノロジーをテーマに、それがもたらす夢と共に脅威も描いてきました。今、現実世界において未来に期待しているテクノロジーと、危惧しているテクノロジーについて教えてください。『ジュラシック・パーク』(93)などは、まさに最新テクノロジーがあったからこそできた映画だ。僕が少し恐れているのは、ロボット工学における感覚をもつロボットかな。AIがどんどん発達しているから、人間より賢いものを作ってしまうとコントロールできなくなるから怖いよね。また、サイボーグのように体をいじり、機械を組み込んだりすることも恐ろしい。ただ、30年後、50年後を考えると、当然そういうサイボーグ的なものが生産されていくと思う。また、僕が今一番恐れているのがスマートフォンなんだ。要するに人間が目と目を向き合って話す機会をなくしてしまっている。本作のVRでは、アバター同士が目を見て会話をしているから、ずっとスマホを見て下を向いている状況よりはまだマシなんじゃないかと思う。○宮崎駿監督にシンパシー――童心を忘れないために、何か心がけていることはありますか?それは自分がそういう人間だからだと思う。童心は捨てようと思っても、捨てられない。朝起きる時も夜寝る時も、僕はそういう心をもったままなんだ。でも、この業界にいて、いろんな物語を語れることは、非常にラッキーだとも思う。――スピルバーグ監督は、普段、どういうものからイマジネーションを受けているのですか?僕は常日頃から空想の世界にいる。そのことは家族に聞けばわかると思うよ。よく子どもに「今、どこにいたの?」と聞かれるから(笑)。数年前、スタジオジブリにおじゃまして、宮崎駿監督にお会いした時、彼にとてもシンパシーを感じた。きっと彼も自分と同じようにいつも空想しているんじゃないかと思ったよ。○『レディプレ』で伝えたいメッセージ――本作は80年代のカルチャーへの愛が詰まった作品になっています。監督にとって80年代は、映画監督としてどういう時代だったと思いますか?80年代はイノセンスの時代だった。レーガン大統領がいて、経済もまあまあ良くて、仕事もあって、文化がすべてコントロールされていた。映画、ファッション、テレビにもイノセントな要素があった。原作者アーネスト・クラインが本作の舞台を2045年に設定しているけど、描かれている文化は80年代のものだ。現実の世界はすごくディストピアになっているけど、オアシスは私たちが戻りたい80年代になっている。私が『E.T.』(82)を撮ったのも80年代で、本作は映画史上、最も大ヒットした映画になった。でももし、今の2018年にあの映画をあのまま作ったとしても、あそこまでヒットしないと思う。80年代だから受けたけど、今の時代はシニカルだからきっと受けないと思う。ただ、僕が本作を手掛けたのは、そういうシニシズムを打ち破るような映画を作りたかったからなんだ。自分が子どもに戻れるような作品を作りたかったよ。――この映画でいちばん伝えたいメッセージはどんなものですか?これまでの映画なら「こういうメッセージだよ」と伝えられたんだけど、この映画に関してはメッセージがありすぎる。だから、観客には自分のメッセージを自分で見つけてほしいと思う。テーマの1つとして言えるのはチームワークの大切さだ。1人でいろいろとやるよりも、5人の友だちと一緒に解決する方がいい。そういうことをこの映画は言いたいんだと思う。■プロフィールスティーブン・スピルバーグ1946年12月18日、アメリカ出身。映画監督でプロデューサー。『JAWS/ジョーズ』(75)、『E.T.』(82)、「インディ・ジョーンズ」シリーズ(81, 84, 89, 08)、『ジュラシック・パーク』(93)など、数々の大ヒット作を手がける。『シンドラーのリスト』(93)で、アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀作品賞をW受賞、『プライベート・ライアン』(98)で、最優秀監督賞を受賞。近作は『ブリッジ・オブ・スパイ』(15)、『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(16)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(17)。今後『インディ・ジョーンズ5』が待機中■著者プロフィール山崎伸子フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTSRESERVED
2018年04月21日スティーヴン・スピルバーグ監督最新作『レディ・プレイヤー1』(4月20日公開)の公開を記念して19日、スピルバーグ監督、タイ・シェリダン(主役ウェイド)、オリビア・クック(ヒロインのサマンサ役)、そして森崎ウィン(トシロウ役)が、都内で行われたトークセッションイベントに出席。会場に集まった未来の映像クリエイターたちへ映画製作を直々に伝授した。若手キャストたちと一緒に登場したスピルバーグ監督は、満席の会場を見るなり「将来のフィルムメーカーたちが大勢集まってくれて、日本の将来が楽しみです。自分も勇気付けられる」と笑顔でコメント。「映画は文化の壁を超えるので、日本語や英語ではなく、映画という共通言語を話せばいい。そうすればきずなで結ばれると思います」とメッセージを送った。数々の名作で人々を魅了し続けるアイデアやイマジネーションの生み出し方についての質問が飛び出すと、「想像力は皆が持っているもので、オンラインで買えるものではなく、そこにあるものだよ」とスピルバーグ監督は回答。「子どもの頃、ファンタジーを想像していたと思うけれど、そういうものをチャネリングして、ストーリーテリングしていくことだ。アイデアが浮かんだら、書き留めることも大事だね」とアドバイスしていた。また、好きな日本のキャラクターについては、主演のタイが「どこの国のプレミアでもガンダムが出てくると、歓声がすごかったよ。日本のキャラクターをうまいこと見せられたからだと思うので、みなさんにも喜んでもらえれば。僕は『君の名は。』が好きだよ(笑)」と語ると、オリビアも「ハローキティが好き! 小さい時にパジャマを着ていました(笑)」と告白。森崎もガンダムのファンだと言い、「ロンドンやLAのプレミアで観客のみなさんと一緒に映画を観たわけですが、すごく緊張していたけれど、"あのセリフ"を言った後の盛り上がりが本当にすごくて(笑)。みんなのベクトルが上がっていることをこの身で経験したので、この作品に出たこと誇りに思いました」とエピソードを報告した。スピルバーグ監督は『AKIRA』のバイクのファンだそうで、「若い時にバイクをやっていたからね」と意外(?)な趣味を告白して笑いを誘った。ちなみに仮に続編があるなら「ウルトラマン」を出してほしいという声が出ると、「実は今回、権利関係のクリアが難しかったよ。もちろん許可が下りれば、ぜひ出したいね」とすでに今回調整していたことも説明した。そして日本人のクリエイティビティーについての質問が出ると、スピルバーグ監督は「宮崎駿監督の世界は本当に素晴らしい。特に『千と千尋の神隠し』はディズニーのどの作品よりもすごい!」と宮崎駿監督を絶賛。また、「11カ月くらい前、アニメーションの仕事をしている娘と一緒に宮崎さんと会うことができて、彼女は天国のような素晴らしい体験だと言っていました」と3人で会っていたことも告白した。その際、作品作りのプロセスについて話したそうで、「キャラクターかストーリーか、どちらが先かの話をしたよ。宮崎さんは『キャラクターがストーリーそのものなので、キャラクターが語ってくれるから、キャラクターを見つけることが大事だ』と言っていたよ」と、名作誕生の秘訣について語り合っていたことを明かした。
2018年04月20日まるで自宅にいるような落ち着く雰囲気の店内赤坂に2017年4月にオープンした宮崎の郷土料理を楽しめる話食酒房 トロントロン。赤いクッションのソファとイスが目を引く店内には、落ち着いた和の空間に木の色合いのカウンターとテーブルが並びます。カウンター内のガラス張りの棚には、九州、宮崎県内の本格焼酎が多数置かれていて、見ているだけでも心が躍る風景です。宮崎の家庭的な郷土料理をつまみながら、プレミア焼酎や珍しいお酒をゆっくり嗜むことができます。まるで自宅にいるかのような、くつろぎと癒しの隠れ家空間です。あたたかい人柄の店主とふるさとの懐かしい味店主のふるさとである宮崎には、長く愛される郷土料理が多数あります。その美味しさを、都会でも味わってほしいという思いから赤坂の地でお店を開きました。東京には宮崎出身の人も多くいます。ふるさとの懐かしい味を、店主との会話を楽しみながら味わうことができます。疲れた心に癒しを提供してくれる、第二のふるさとになりそうです。トロントロン自慢のチキン南蛮と本格焼酎で乾杯!話食酒房 トロントロン自慢の料理の数々をご紹介します。まずは宮崎名物「チキン南蛮」。甘酢を絡めたチキンと自家製タルタルソースが相性抜群です。鶏ムネ肉を使用しているのでさっぱりとヘルシーにいただくことができます。鶏料理といえば「宮崎地鶏」も忘れてはいけません。宮崎より直送された地鶏を炭火焼きで香ばしく焼き上げ、お酒の進む一品。宮崎ブランド豚である「うるおいレディポーク」を使用した「しゃぶしゃぶサラダ」は、女性にうれしいコラーゲンが豊富で、美肌の元になるサラダです。予算に合わせて頼めるおまかせコースがお得!話食酒房 トロントロンでは、予算に合わせていくつか料理を出してもらえる「おまかせコース」もあります。内容はその日によって異なりますので、希望などを伝えて注文しましょう。飲み物も宮崎尽くしのお店です。東京にいながら、まるで南国のリゾートにいるかのようなジューシーさを味わえる「宮崎マンゴージュース」は、濃厚な果汁とフルーティな香りで女性に人気があります。心のこもったおもてなしで都会のオアシスに優しいふるさと宮崎の味を提供する話食酒房 トロントロンの店主。味と共に、ふるさとへの思いも込められ、心のこもった数々の料理が人々の疲れを癒してくれます。家庭的な雰囲気の中で、ふるさとを思い出すような宮崎料理をぜひ堪能してみてください。東京メトロ銀座線・丸ノ内線の赤坂見附駅から徒歩3分の距離に位置し、アクセスの良さもうれしいポイント。ビル名はディアシティ赤坂・一ツ木館で、お店は地下1階です。基本的な定休日は土日祝ですが、予約すれば定休日でも営業対応してもらえるとのこと。都会の喧騒から離れ、ビルの地下1階へ降りれば、そこは宮崎のふるさとへの扉です。スポット情報スポット名:話食酒房 トロントロン住所:東京都港区赤坂4-2-3 ディアシティ赤坂・一ツ木館 B1F電話番号:03-6886-8168
2018年04月14日