【遺族年金】とは、共に家族として過ごしていた方が亡くなったことによって、その後もなるべく生活が困らないように、最低限の生活費としてもらえるお金です。家族の逝去で生活に困る状況があったとしても、所定の要件に当てはまらなければ【遺族年金】は支給されません。また、当初はもらえていても途中で打ち切りになる場合もあります。今回のテーマは、【遺族年金】がいつからいつまでもらえるのか、という内容と【遺族年金】をもらえるための資格などについてです。少し難しいテーマに感じるかもしれませんが、なるべくわかりやすくまとめていきますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。受給資格【遺族年金】をもらうことができる資格は、故人が生前加入していた年金が【国民年金】か【厚生年金】のどちらだったかによって、その条件が違います。さらに、もらう人の条件もあります。各年金ごとに以下、まとめていきますね。【遺族年金】をご遺族がしっかりもらえる大前提として、故人の生前の年金加入状況が非常に大事なポイント。しっかり加入して保険料を払っていることは重要です。厚生年金に関しては、給与天引きなので未納や滞納はほとんどないと考えられますが、自営業やパート、アルバイトの方は、ご自身のためにもご家族のためにも、今一度加入状況を把握して、未納や滞納がある場合は可能な限りさかのぼって支払いましょうね。なお、やむを得ない事情から納付猶予や免除の申請をして認められている方は、その期間は加入期間とみなされますのでご安心ください。遺族基礎年金【遺族基礎年金】は、故人が自営業者でも、会社員・公務員などの給与所得者であっても、条件に当てはまりさえすれば支給されます。【基礎年金】とは、【国民年金】加入者がもらう年金のことです。【国民年金】は誰もが加入しなければならない年金ですから、どなたも対象となる、ということですね。さて、【遺族基礎年金】の受給の対象ですが、「子」または「子のある配偶者」です。年金の範囲では、子どもの定義として18歳に到達した年度末までのお子さんを指します。(または20歳までの子供で、障害等級1または2を受けている場合)つまり、配偶者が【遺族基礎年金】をもらうにあたって、例えば、同居している19歳や20歳の大学生のお子さんでは対象とならないことになります。お子さんが対象とならないということは、「子のある配偶者」には当たらないとみなされます。ご夫婦の間にお子さんがいない場合や、お子さんがいても18歳以上のお子さんで、制度上の子供の定義から外れている場合には、【遺族基礎年金】はもらえません。この後で詳しくまとめますが、故人の逝去当時にはお子さんがまだ幼く【遺族基礎年金】をもらえていた場合でも、前述したようにお子さんが18歳になった年度末を迎えた等の理由から、途中で年金が打ち切りになることもあります。寡婦年金について【遺族年金】以外にも、ご遺族の生活を守る制度として【寡婦年金】という制度があります。主に自営業者など、国民年金だけに加入していた方の妻が対象です。なお、この制度は妻のみが対象で、妻が60歳から65歳の間にもらえる有期の補償です。以下の要件に該当すれば【寡婦年金】を受け取ることができる場合があります。婚姻期間は重要なポイントです。第1号被保険者として10年以上加入していた夫と、10年以上婚姻関係にあった妻夫が【老齢基礎年金】を受けておらず、【障害基礎年金】の対象でもない場合5年以内に請求した場合遺族厚生年金【遺族厚生年金】とは、生前故人が【老齢厚生年金】として受け取るはずだった報酬比例部分の年金額に対して、約3/4の額程度を、対象のご遺族に年金として支給するものです。【厚生年金】とは、会社員などの給与所得者や、以前は【共済年金】の対象であった公務員(警察官、自衛隊なども含む)が加入している年金です。いわゆる「二階建ての年金」の二階部分が、この【厚生年金】にあたります。(一階部分は【基礎年金】)【遺族厚生年金】の対象となるのは、子、妻、55歳以上の夫、親、祖父母など、【遺族基礎年金】と違って対象が広く設定されています。もちろん、この全員がもらえるわけではなく、もらえる順位が高い方が優先される決まりです。優先順位の高い方から、子、妻、55歳以上の夫です。子どもは、絶対的に最優先で【遺族年金】をもらう権利があります。夫が【遺族厚生年金】をもらうには夫が【遺族厚生年金】をもらうには、少々ハードルが高い印象です。以前は【遺族年金】の対象は妻に限られていましたので、夫まで範囲が広がったことは良いことですが、妻が死亡時に夫が55歳以上の場合に限り、60歳以降から【遺族厚生年金】をもらえる仕組みになっています。近年、家族スタイルの多様化から、専業主婦だけでなく専業主夫の方も増えてきました。例えば妻が一家を担う収入を得ていて、夫が専業主夫である場合、夫が55歳以上でなければ【遺族年金】としての補償がないということです。ただし、子どもがいれば、子どもに対する【遺族補償】はありますので、ご安心くださいね。社会保険からもらえるお金【厚生年金】の対象であるということは、社会保険の加入者であるということですよね。【遺族補償】として、社会保険から何かもらえるお金がないか…とお思いの方もいらっしゃると思います。社会保険からもらえるお金としては「埋葬費」などの名目で約5万円前後が支給されます。加入している社会保険の団体によりますが、主に協会けんぽなどの場合は、もう少し上乗せされる場合もあります。詳しくは、加入している社会保険のHPや冊子などでご確認ください。その際に、万が一の際の手続きの流れや連絡先についても、併せて確認しておくと良いでしょう。受給期間【遺族年金】がいつからもらえて、いつまでもらうことができるのかは、非常に気になるポイントではないでしょうか。簡単に言えば「対象となった時から、対象ではなくなった時まで」もらうことができるのですが、この要件がそれぞれの場合で色々ありますので、ここから分けて見ていきましょう。[adsense_middle]①いつからもらえる?いつからもらえる?というと、前述した受給資格に該当した時からもらえます。ちなみに、故人がお亡くなりになった後、【遺族年金】の受給申請の手続きがすべて終わって、実際に第一回目の振り込みがあるまでに、一般的に3~4カ月かかります。実際にもらえる時期としては「申請手続きをしてから3~4か月後」を目安にしておきましょう。当然、申請時期が遅れれば、その分もらえる時期も遅くなりますので、可能な限りなるべく早く手続きをしておくと良いでしょう。②いつまでもらえる?基本的に【遺族年金】は、配偶者の場合は一生もらうことができます。ただし、新たなパートナーと再婚した場合など、もらえない場合の一定の条件を満たすと打ち切りとなります。支給期間に上限がある場合も基本的に、配偶者の場合は一生もらえますよ、と書きましたが、一部の配偶者の場合は受け取る期間に上限があります。夫が亡くなった時に、子どものいない30歳未満の妻の場合、上限5年までで【遺族厚生年金】は打ち切りです。お子さんがいない場合は一律【遺族基礎年金】はもらえませんので、会社員や公務員の30歳未満の妻で、お子さんがいない場合は、【遺族厚生年金】がもらえる期間である5年経過後は何の補償もない状態になります。この場合、民間の生命保険に加入するなどして、妻に対して予め遺族補償を補完しておくと安心ですね。【補足】異なる2つの年金が発生したら先に何らかの【遺族年金】を受給していて、ご本人が高齢者になってから【老齢年金】をもらうようになったら、この2つの年金はどうなるのでしょうか。一般的に、一人一年金制度を導入していますので、国民一人に対してもらえる年金は1種類のみです。同じ種類の年金で【基礎】と【厚生】をもらうことはできます。ここで問題となるのは、【障害】と【老齢】と【遺族】の3種類のうち同時に発生した場合は、基本的にはどちらを受け取るかを選ばなければなりません。つまり、場合によっては今もらっている【遺族年金】がもらえなくなる場合があるということです。どちらかを選択する場合は、あらかじめ年金事務所などにご相談ください。ただし、以下の3つの組み合わせだけは、例外的に一緒にもらうことができます。【老齢基礎年金】+【遺族厚生年金】【障害基礎年金】+【遺族厚生年金】【障害基礎年金】+【老齢厚生年金】遺族年金の受給期間はいつまでかに関するまとめ【遺族年金】は【老齢年金】と違って、ある一定の年齢に達したら全員がもらうというものではありません。一緒に暮らしていたご家族が亡くなり、その他の条件に該当した人だけが受け取ることのできるお金なので、【老齢年金】ほどは遺族年金制度について浸透していない部分も多い印象です。特に、子どもがいない自営業者等の夫婦の場合、受給期間以前に「何も遺族補償がない」ので、前もって対策をしておくことが必要でしょう。また、会社員等の配偶者で、子どもがいない30歳未満の妻の場合も5年の有期補償となりますから、その後に備えた対策も必要となってきます。当初はもらえていた【遺族年金】も、お子さんが18歳を超えた場合などは途中で打ち切りになる場合もありますから、受給期間や受給資格は予めしっかり確認・把握しておき、足りないと感じる部分に関しては、民間の生命保険や金融資産で備えておくと安心ですね。
2020年03月24日金融商品には、資産を増やすチャンスがあるのと同時に資産を減少させるリスクもあります。投資に関する情報には様々なものがありますが、本当に大事なのは原理原則です。金融商品の中でも投資信託で資産運用を行う方が多いと思われます。そこで、どれくらいの方が投資信託を保有し損失を出しているのか紹介した上で、運用に失敗しないための原理原則について今回は記載してみたいと思います。投資信託で損失を出している投資家の割合投資信託を購入することのできる金融機関で一番身近なのは、銀行だと思います。その銀行で投資信託を保有しているお客さまの6割は運用損益がプラスで、4割がマイナスです。証券会社ではこの1年で運用損益が改善されており、資産運用会社は下がっているものの今でも高い水準を保っています。しかし、銀行ではほとんど変化がありません。「顧客本位の業務運営」の取組成果の公表状況P4個人の方は銀行で資産運用すると損をする確率が高い?そうであるからと言って必ずしも銀行で投資信託を購入するのが損とは限りません。どの金融機関で購入するとよいかどうかは、その人によって異なります。資産運用以外も含めた総合的なお金の相談ができるところは、銀行を利用するメリットです。一方で、証券会社等と比べ、投資信託等の資産運用商品の品揃えが少なく提案力にもバラツキが生じ得る点は、銀行を利用するデメリットです。ポイント1:投資目的を決めてから投資を実践する一般社団法人投資信託協会ホームページ 専門家に学ぶ 投資信託実践編 第3回 長期投資のメリットとは投資期間の決め方投資期間は、投資目的を満たすために必要な金額を決めてから、以下の計算式でシミュレーションして決めるとよいでしょう。必要金額=投資金額×投資期間×投資利回り投資利回りが5%を超える場合はある程度高リスクで積極的な資産運用が必要になりますので、この数値以下で考えるのがおすすめです。これらの計算はモーニングスター社の金融電卓を利用すれば、簡単に計算することができます。モーニングスターホームページ 金融電卓ポイント3:分散投資する金融庁ホームページ 投資の基本 分散投資ポイント4:運用にかかる手数料の安い投資信託を選ぶ資産運用で失敗しない第四のポイントは、低コストの投資信託を選ぶことです。投資信託の種類には、資産運用のプロが目利きで投資銘柄を選びパッケージ化したアクティブ型と、市場の指数と同じような値動きをするよう設計したインデックス型の2種類があります。このうち、低コスト運用であるインデックス型の投資信託を選択するのが原則です。アクティブ型の投資信託を選んではいけない理由投資のプロが銘柄を選ぶ手間がかかる分、アクティブ型の投資信託はインデックス型よりも手数料、特に資産運用中に毎年かかる信託報酬という手数料が割高になる傾向にあります。プロが選ぶなら手数料を加味したとしても、運用益が出て利益が出るようにも思えます。しかし、相場を毎年当て続けるのはプロでも至難の業です。一時的に利益が出ても長い目で見ると大損する可能性が高く、一般的にはおすすめすることはできません。アクティブ型の投資信託の運用成績の悪さは昔から言及され続けているアクティブ型の投資信託がインデックス型の投資信託の運用成績に劣後することは、最近になって判明したことではありません。30年以上前から資産運用の先進国のアメリカで言われています。「敗者のゲーム」という資産運用の古典的名著があり、この著者によりアクティブ型の投資信託のパフォーマンスの悪さについて言及されています。ご興味のある方は読んでみて下さい。Amazonポイント5:理解できない商品に投資しない資産運用で失敗しない第五のポイントは、自分が理解できない商品に投資をしないことです。当たり前に思われるかもしれませんが、これも投資で失敗する主要因です。投資の世界では、難しいカタカナの用語や世間のトレンドワードがたくさん出てきます。こういう言葉が商品説明のパンフレット等に掲載されていると、理解できなくても「何となくよさそうだ」と感じてしまいがちです。投資信託の理解度を確認する方法投資信託では、商品性や手数料、リスクなど投資をする上での重要情報が目論見書に網羅されています。ご自身で投資をしてみたいと感じる銘柄があったら、必ずこの目論見書を確認して、疑問に感じる点や不明な点がないか確認しましょう。そして、そういう事項があれば、金融機関に問い合わせてして納得するまで聞いてみることをおすすめします。それでも理解ができないときはここまでやって理解できない事項があったり不安に感じる商品であれば、ご自身の投資には不向きな商品だと考えてよいでしょう。きっぱり諦めて他の銘柄への投資の検討をおすすめします。またこうなるということは、ご自身の投資の知識が不足していることも考えられます。わからない用語は逐一調べてみたり毎日ニュースを見たり、日々の積み重ねも大事です。ご自身の勉強もできる範囲内でやってみて下さい。実際に投資を実践する際の注意点以上は投資を行う前の時点での注意点です。投資は実行して終わりではなく、その後の管理もあります。自分に合った銘柄や投資手法を選択しても、その後の管理が不十分であれば大きな損失を被るおそれがあります。そこで、次に投資を実行している際のポイントについても以下記載します。[adsense_middle]他人のアドバイスを鵜呑みにしないまず大事なのは、他人のアドバイスを鵜呑みにしないことです。金融機関の営業担当者との接点がある方であれば、担当者から保有している投資信託を他の商品に乗り換えしないか、提案を受けることがあるはずです。この場合、乗り換えにも各種手数料が発生することや、他の商品に変えて運用成績が必ずよくなるとは限らないことを、しっかり認識しておく必要があります。周囲の雑音に惑われない相場が下落局面になれば、マスコミ等により不安感を煽るような報道が行われがちです。アベノミクス等でここしばらく、かなり資産運用しやすい環境にありました。ただ、最近は雲行きが怪しくなってきており、先行きに不安を感じる報道が増えていくことも予想されます。今のコロナウィルスに関連した報道にもその傾向が感じられます。こういうときに恐怖心で資産を動かさないことを、今から肝に銘じていくことも非常に重要です。資産の管理を怠らない投資信託の価格は毎日チェックする必要はありませんが、毎月、少なくとも数か月に1回は確認して放置しないようにしましょう。そして、価格が下がった場合にどこまで保有を続けるかを決めて実践することも大事です。基本的には、購入後に目標金額に到達するまでは解約しないのが原則ですが、あまりに価格が下落するようであれば最悪解約も必要です。心身の健康も大事にする上記の3つを実践するにはメンタル面も重要な要素になります。ここをおろそかにすると、恐怖心に駆られ投資判断をしたり、相場下落局面で資産価格のチェックを怠るといった行動に表れます。心身の健康をおろそかにしないことが資産運用においてとても大切です。具体例心の健康面でいえば、人の少ない場所で静かに過ごす時間、自然に触れる時間を作ることが大事です。後は瞑想やマインドフルネスも有効です。イライラすることが多いとき、気持ちがざわつくというときは、こういったリフレッシュをしてみましょう。食事では、植物性たんぱく質のあるものを意識的に摂取することを大切にし、睡眠は時間の長さだけでなく就寝時間と起床時間のばらつきをなくすことも大切です。投資信託で損する原因&対策に関するまとめ投資信託で資産運用を行う上で、知識面でたくさんのことを知っておく必要はありません。上記のような最低限理解しておくべき原理原則を大事にして実践することが重要です。細かい投資のテクニックに走らずに、原理原則を守って投資を行うことをぜひ心掛けてみて下さい。
2020年03月20日年金というワードを聞くと、どうしても退職後のシニア層がもらう【老齢年金】のイメージがありますよね。実際は「年金」と一口に言っても3種類あります。【老齢年金】の他に【障害年金】【遺族年金】です。あとの2つは、特にシニアにならなくても条件に当てはまればもらい始めることになります。この3種類について、それぞれ【基礎年金】【厚生年金】がありますから、細かく言うと全6種類の年金があります。今回のテーマは、親御様が逝去され、お子様が遺族になった場合どうなるか?という内容です。お子様をお持ちの全ての方、必見です。子供の受給資格(年齢・所得)もらう年金が【国民年金(基礎年金)】または【厚生年金】のいずれであっても、子供が年金をもらうための受給資格(前提条件)は共通です。主に年齢制限、所得の制限があります。それぞれ分けて見ていきましょう。年齢要件親からすると、子供はいくつになっても子供ですよね。それは間違いないのですが【遺族年金】の制度上での子供とは、18歳に到達した年度末まで、とされています。簡単な覚え方として、高校卒業相当の年齢だと覚えればよいでしょう。もうひとつの条件は、障害等級1級または2級を受けている20歳未満の子、です。こちらもあわせて覚えておきましょう。所得要件子供の収入を証明する、とは少し不思議に思われるかもしれません。【遺族年金】をもらうためには、対象となる遺族に高額の収入がある人が居ないか、受給の手続きの時に所得を証明するものを提出する決まりになっています。小学生、中学生の義務教育より下のお子さんに関しては所得証明は不要です。高校生は、学生証の控えなどが提出義務のある書類です。義務教育後、お勤めをしている子供さんに関しては、他に提出する住民票などにマイナンバーの記載があれば所得の証明は不要ですが、マイナンバーの記載や控えがない場合は別途所得証明書などが必要です。【遺族年金】の対象者(主に、配偶者や子)の年収は850万円以下でないと【遺族年金】はもらえません。対象者には一定の所得制限があるという事です。たとえ子供が【遺族年金】の対象となる場合でも、必ず年収の証明は提出する仕組みになっています。補足・支給額の目安子供が【遺族年金】をもらう場合、その支給額は【遺族基礎年金】では一律の額が決まっています。基本額として年額780,100円(2019年度の満額・ほぼ毎年変わります)子ども一人あたりの加算額は年額224,500円(子供2人までは、一人当たりこの加算額)子供が3人の場合、基本額+年額299,300万円子供が4人以上の場合は、3人の場合の合計額に、一人当たり74,800円を加える一方【遺族厚生年金】は、生前の報酬に比例して年金額が変動するため、目安となる一律の年金額を自力で割り出すのは困難です。平均標準報酬額などを用いた複雑な計算式になる為、ご自身で計算するのではなく、年金の加入期間や直近の月収などを用いて、簡易的に計算してくれる無料のシミュレーションを活用することをおすすめします。また、シミュレーションではなくても、だいたいの年収や年齢から簡単な早見表として公表しているサイトもあります。概算として知っておく分にはこれらの活用で十分かと思います。親の条件子供が受け取る為の条件についてここまで解説しましたが、いくら子供だけが条件を満たしていても、遺す側の親が条件を満たしていなければ【遺族年金】が子供に届きません。万が一のことがあった場合、子供に然るべき【遺族年金】を残すためには、親はどんな条件を満たせば良いのでしょうか。夫、妻、それぞれが亡くなった場合に分けて解説します。保険料の未納などが無く、所定の期間を納付済みであることは【遺族年金】がきちんと遺族に支払われる大前提です。払っていないのに遺すことは出来ません。夫が死亡した場合(受取人・妻と子供)親のうち、夫が死亡した場合、遺族は子供と妻です。夫によって生計を維持されていた妻と子であれば良いので、亡き夫が自営業者であれば【遺族基礎年金】、会社員・公務員等であれば【遺族厚生年金】がその対象となります。この場合はもう少し詳細の要件があるので、追記します。会社員等の場合【遺族厚生年金】の場合は、単に夫が死亡するだけでなく「被保険者期間中の傷病がもとで、初心から5年以内に死亡した時」「1級または2級の障害厚生年金を受けられる者が亡くなった時」という条件もあります。妻が死亡した場合(受取人・夫と子供)妻が死亡して、夫と子供が【遺族年金】の対象となった場合も、子供がもらえる年金に関しては「夫が死亡して妻と子が対象となった場合」と変わりありません。親にも【遺族年金】の受給権がある場合は、子供の分と一緒に振り込まれます。補足・夫の【遺族厚生年金】についてどんな状況であっても、子供は【遺族年金】の第一の権利者です。年齢制限と所得制限に引っ掛からなければ、必ず受け取ることが出来ます。さらに、妻が遺族になった場合も比較的もらえる確率が高いです。会社員等の妻であれば、お子さんがいなくても少なくとも【遺族厚生年金】は受け取ることが出来ます。一方、夫が遺族となった場合は、かなりハードルが高く感じます。特に【遺族厚生年金】は「妻が死亡したときに夫が55歳以上である場合に、夫が60歳以降になると【遺族厚生年金】が支給される」という条件があります。例えば会社員の妻が亡くなった場合、第一の権利者である子供は【遺族基礎年金】【遺族厚生年金】のどちらももらえますが、この時に夫が55歳以下であれば【遺族厚生年金】をもらうことは出来ません。ただし、【遺族基礎年金】における「子のある配偶者」に該当することから、子供が18歳以上になるまでは、夫も【遺族基礎年金】のみもらうことが出来ます。近年「配偶者」の定義に夫も含まれるようにはなりましたが、現行制度ではまだ妻(母親)の方が優遇されている感じがします。配偶者のない親の場合(遺族が子供のみ)なんらかの理由で配偶者のない親は、全国の内で、母子家庭で123.8万世帯、父子家庭で22.3万世帯とのこと。統計によると、どちらも年々増えています。子供にとって、たった一人の親が亡くなったら…と考えると胸が痛みますが、これも大切な話なのでしっかり解説していきます。とにかく子供は守られる存在母子家庭でも父子家庭でも、唯一の親が亡くなってしまい、遺族が子供のみになった場合、生前に親がかけていた年金から【遺族年金】がもらえます。一般的に、父子家庭の父親の場合は正規雇用で働いている場合が多いので、【遺族基礎年金】【遺族厚生年金】のどちらからも子供に対して支給されます。一方で母子家庭の場合、母親が非正規パートなどの場合が多く、そうなると国民年金にのみ加入していることになり、子供には【遺族基礎年金】のみが支給されます。また、これは母子・父子ともに危惧される点ですが、お子さんを抱えておひとりでの家事も育児もなさっているとなると、多忙故に国民年金保険料の納付を忘れていることもあるかもしれません。(会社員で厚生年金を給与天引きされている方は、この限りではありません)繰り返しになりますが、子供に【遺族年金】が支払われる大前提として「親がきちんと年金保険料を納付していること」があります。未納の分は遡って納付できる期限も決まっていますので、もし未納がある場合はお早めに納付しましょう。病気があって働けなかったり、低収入で家計が苦しいなどのやむを得ない理由で年金保険料が払えない場合は、納付猶予や免除の申請をしましょう。きちんと申請をして猶予や免除の許可があれば、何も言わずに納付していない未納とは違いますので、しっかりと年金の加入期間には含まれます。理由があって納付できない場合には放置せず、年金事務所などに相談しましょう。[adsense_middle]もらえる期間子供が【遺族年金】をもらえる対象の間は、もらい続けることが出来ます。一般的には以下のような理由から対象ではなくなれば、そこで打ち切りです。18歳に到達した年度末を迎えて、制度上の「子」ではなくなった場合(年齢制限)勤労した収入が850万円を超え、さらに5年以上継続すると見込まれる場合(年収制限)親が再婚し、子供が新しい親と養子縁組をしたら「遺族基礎年金」は打ち切り子供がもらえる遺族年金・まとめ【遺族年金制度】では、子供は絶対的に優先して【遺族年金】をもらうことが出来る権利を持っています。特に義務教育のお子さんは働くことが出来ません。生計維持関係にある親が居なくなってしまうと、生きていくこともできませんから、生活費としての【遺族年金】はとても大切なお金です。そのことから、子供自身の受給要件(年齢要件と所得制限)は厳しくありません。親がきちんと年金保険料を納付していれば、子供は必ずもらえるシステムになっています。唯一の注意点といえば、年齢要件です。子供が18歳になると、基礎・厚生いずれの年金も一律打ち切りとなりますので、その後大学や専門学校への進学を希望する際の学費等の準備は予め必要であると言えます。対策として、例えば子供と生計維持関係にある親を保険契約者とした学資保険に加入する方法があります。契約者である親が亡くなったらその後の保険料の払い込みは免除となりますが、学資保険加入時に設定した保険期間満了まで保険は継続し、さらに満期金や節目の成長祝い金のような給付金もきちんと支払われます。【遺族年金】は子供に必ず届くようになっていますが、それでも足りない場合を予め防ぐために、少額でもよいので学資保険を始めとして生命保険などで備えておくことをお勧めします。
2020年03月19日資産運用は比較的、高年齢者の方ほどしているというデータが出ていますが、資産形成に時間をかける事のできる方、特に20代の方こそおすすめです。今回は、20代の方にもおすすめできる資産運用の仕方として、投資信託や国債、ETF等をその理由等も併せて解説させて頂きたいと思います。20代にもおすすめな少額での資産運用の始め方20代の方というと、一般的に言って勤めている会社の勤続年数も少なく、一部の方を除いて、相対的にお給料も少ないといった方が多数かと思います。ですので、「資産運用なんかする余裕がない」と思い、投資に興味がある方は少ないかもしれません。しかし、20代の方はこれから将来に向けて時間があり、住宅ローンや結婚資金、子供の学費を支払う等の多くのお金を使う人生のイベントはもう少し後という方が多いです。この「時間がある」という事が20代の方の、資産運用における大きなメリットなのです。「時間がある」という事のメリットを理解して頂くために、「複利効果」という言葉をご説明したいと思います。「複利効果」とは何かでは、早速「複利効果」についてご説明させて頂きたいと思います。例えば100万円の予算を持っていて、その予算を全部資産運用に充てるとします。利益が年10%だと仮定すると、1年あたり10万円の収入になり、10年間で倍になると考えられます。手数料等は説明をわかりやすくする為に考えないとします。しかし、ここで毎年得られる10万円を、さらに投資するとどうでしょう。1年目に入る10万円を2年目に投資すれば、元々の100万円と1年目に手に入った10万円で110万円になります。その110万円を投資して、利益が年10%であれば、11万円のリターンを得ることができます。更に3年目にはその11万円を投資して121万から12万1000円のリターンが得られると考えられます。このように計算していくと10年間では約260万円に増やす事ができます。10年間で200万円になるのと大きな差がありますね。この事を投資では「複利」ないしは「複利効果」といいます。極端な話にはなりますが、20歳の方が年金を貰う65歳まで投資をするという事であれば、45年間の時間が見込めます。そうなるとそこから得られる利益は、例に出した100万円の例より、遥かに多くの利益を出す事ができます。これが若い方、特に20代の方の資産運用上のメリットなのです。このメリットを活かせば少額の予算でも大きなリターンを見込めるでしょう。「72の法則」余談ではありますが、金融の世界には「72の法則」という言葉があります。これは、年利と資産運用する年数をかけて72になると、複利効果で資産がおよそ倍になるという法則です。例えば、年利8%で9年資産運用すると、8×9で72になりますから、資産がおよそ9年で倍になると計算できます。8×9=72ですから、逆に年利9%なら8年で資産が倍になるという計算です。掛け算して72になる組み合わせは結構あります。7.2%の年利で10年資産運用すれば、7.2×10でやはり72になります。6%で12年資産運用すれば6×12で72になります。注意点①「72の法則」はあくまで概算この「72の法則」はいくつか注意が必要です。一つは、「72の法則」はあくまで概算であり、ぴったり資産が倍になる訳ではないという事に注意が必要です。これは簡単な計算でわかります。掛け算して72になれば必ず資産が倍になるのなら、36×2で倍になるでしょうか。年利36%で2年で倍にはなりません。だいたい1.85倍くらいです。極端な数字になれば、ちょっと誤差が出てきます。あくまで単純計算でおおまかな数字をつかむ為に使いましょう。注意点②「72の法則」は、複利計算の為の法則注意すべき点の二つ目は、「72の法則」は、複利計算の為の法則だという事です。資産運用で得た利益を再度投資する事で、より大きな利益を出すという事を忘れないで下さい。株はあまりおすすめできない資産運用というと皆さんは何を思いつくでしょうか。多くの方は、株式投資を連想するのではないでしょうか。金融の世界には色々な考え方がありますので一概には言えませんが、個人的には資産運用初心者の方が株式投資をする事は反対です。株式投資は一般の人が思っている想像や映画等とは違い、意外に地味かつ大変な作業なのです。世界一有名な投資家ウォーレン・バフェットは1年に20回ぐらいしか売買をせず、大半の日は一日中、決算書や投資先の業界に関する本を読んで過ごしていると言います。世界で一番投資する資金を持っているウォーレン・バフェットですら、年間に数えられる程しか売買をせず、しかも決算書や情報収集の為の読書に一日を費やすとしたら、おそらく本業があり個人として資産運用をする私たちでは、なかなか成果や利益を手にするという事は難しいでしょう。また、仮に決算書や読書の為の時間をたくさんとれたとしても、実際に多くの時間を決算書を読んだり、趣味ではない情報収集の為の読書に充てたりするのは大変な事でしょう。しかも、その使った時間が確実に利益として返ってくる保証はありません。貯金もあまりおすすめできない預貯金ではお金が増えにくいまた、資産運用というにはちょっと違うかもしれませんが、資産を増やすという意味での預貯金もあまりおすすめできません。いくつか理由があります。まず、貯金はかなり安全ではありますが、今は低金利の時代で、預貯金ではお金が増えにくいという単純な事実があります。一定期間、基本的には引き落としができなくなる定期預金ですら、0.1%の利息がつかないものがほとんどではないでしょうか。仮に0.1%だったとして、100万円を1年間預けて1000円の利益という事になります。あまり効率的な資産運用とは言えないのではないでしょうか。預貯金はインフレに弱いまた、金融の専門的な話になりますが、預貯金はインフレに弱いという弱点があります。インフレというと難しい話に聞こえますが、簡単な計算ですぐにわかります。例えば、これから年間の定期預金が年間1%の利息がつくとします(かなり可能性の低い話ではありますが)。しかし、それ以上に物の値段が上がり、物価が2%上がってしまったら、実質お金の価値は減っている事になります。具体的な数字を使って計算してみましょう。今、100万円持っているとします。当たり前の事ですが、100万円の現金は100万円分の買い物ができます。100万円という現金は100万円分の価値があるわけです。しかし、先程の例で出た、年間1%の利息がつく定期預金に預けたとすると、1年後には101万円に増えていますが、100万円の商品は物価の上昇で102万円になっていますから、1年前に購入できた100万円分の商品は買えないわけです。ちょっとピンとこないかもしれませんが、要は預貯金等の利息より物価の方が値上りしてしまったら、お金の価値はその分減ってしまうという事なのです。ここ10年の日本はほぼ物価が変わっていませんが、消費税が上がっている為、物の値段は上がっています。つまり、その分お金の価値は減っているといっても過言ではありません。初心者はまずこれから始めよう。おすすめの資産運用4選資産運用の初心者にとって株や預貯金がおすすめでないとしたら、どのような資産運用の仕方が良いでしょうか。私は以下の4つをおすすめします。投資信託ETF国債(特に外国のもの)REITなぜこの4つがおすすめかといいますと、それぞれに良い点がありますが、概ねこの4つは少額ながらも安定した利益が見込め、先程の「複利効果」を得やすいという事がおすすめの理由です。では、それぞれについて細かく見てみましょう。[adsense_middle]投資信託で積立投資がおすすめ投資信託のメリットおすすめの資産運用という事で4つご紹介しましたが、この中で一番スタンダードなのは投資信託です。投資信託のメリットは以下の様なものです。少額でも毎月決まった額を積立て投資できる。一つの商品で複数の金融商品に分散投資できる。投資信託は大体の金融機関で月1万円から始められる金融商品です。中には100円単位で始められるところもあります。また、金額を決めたら絶対にそれでなくてはだめという訳ではなく変更する事もできます。そして、その顧客から集めたお金を使って、色々な株式等の金融商品に投資されリターンが分配されます。投資信託は種類が多いので、一概には言えないのですが、複数の投資先に投資している為、大きく値下がりする可能性は他の金融商品に比べて相対的に低いです。初心者が始める資産運用として最適でしょう。投資信託のデメリットデメリットとしては、一般的に馴染みがないので、多少、専門用語等覚える事がいくつかある。投資信託は種類が多いのでどれを選ぶか迷ってしまう。という様な事があります。しかし、きちんと理解すればかなり良い金融商品です。どうしても株をやりたいならETFこちらも聞きなれない言葉かもしれませんが、世の中にはETFという金融商品があります。ETFとは、「Exchange Traded Fund」の頭文字をとったもので、上場投資信託という金融商品です。投資信託を株式にしたもので、内容としては投資信託とほぼ同じです。投資信託と比べると、株式になっている為、取引されている値段でしか売買できない。投資信託と比べると種類が少ないというようなデメリットがあります。しかし、以下の様なメリットもあります。同じような内容の投資信託と比べると、手数料が安い。NISAを利用する事ができる。安全に増やしたいなら外国の国債を資産運用の話をする時に、意外と一般の方の話に出てこないのが国債です。国債とは、国にお金を貸し付けて、その見返りとして利息を貰うという金融商品です。国債には株等の他の金融商品と比べて良い所があり、それは国の利益や状況によって貰える利息が減ったりしないという点です。国債というのは、お金を貸すというものなので、一旦購入したら好況不況で利息が変わるという事は基本ありません。ですので、損を絶対にしたくないという方は国債を視野に入れても良いでしょう。特にアメリカやオーストラリア等の国債は破綻する可能性は少なく、ある程度のリターン(約2~3%)を見込めるのでおすすめです。逆に日本の国債は、破綻する可能性は低いものの、あまりリターンがないので資産運用としてはおすすめできません。意外に知られていないけれど、REITもおすすめ一般の方に意外と知られていませんが、REITも資産運用としておすすめです。REITを一言で言えば、不動産を株式にした金融商品です。一般の株が会社に対して投資するのに対し、REITは不動産に対して投資を行い、その不動産から発生する家賃や、不動産を売買した時に発生する利益を分配する金融商品です。株式投資と比べると、不動産に投資していますから大きな利益が出る事は少ないですが、その分安定した利益が出る可能性が大きいです。REITがあげる収益は基本的に家賃収入ですから、比較的安定しているのです。収入をどれだけ投資に回せばいいのか[adsense_middle]20代の投資であれば収入の1割の割合で十分余談ですが、よく資産運用には給料等の収入のどれくらいの割合を使ったら良いかと相談を受ける事があります。一般的には、収入の1割から2割と言われていますが、1割で十分だと思います。もちろん多いに越した事はないですが、今回のメインテーマの20代の方の投資という事であれば1割、もし難しいという事であれば、その1割の半分でも十分です。月20万の収入があれば、1万円の予算という事ですね。月1万円だったとしても、1年では12万円です。そのお金を冒頭の複利効果で増やしていけば、数年で倍になります。そして、そのお金に手を着けずにいれば、さらにその数年で倍になる事が見込めますから、複利効果というのはとても大事です。あとどれくらいの年数でいくら増えるんだと思ったら、是非「72の法則」を思い出して下さい。20代の資産運用に関するまとめ20代は今後の資産運用にかけられる時間が長い為、少額でも将来的に大きなリターンを得られる可能性があります。「複利効果」や「72の法則」といった事を理解し、無理をしない資産運用が大事です。その為、収入における資産運用の割合は1割程度でも十分に効果があります。投資信託やETF、国債、REIT等を賢く利用する事が肝要です。
2020年03月18日一般的な年金の種類として、現在では自営業者などが加入する【国民年金】と、会社員や公務員が加入する【厚生年金】がありますよね。国民年金を建物の一階部分、厚生年金を二階部分に見立てる【二階建ての年金】などのたとえによって、年金を分かりやすく説明するFPの先生も多いです。(私もよく二階建てのたとえを使います)しかし、実は数年前まで公務員の方が加入する【共済年金】というものがありました。昔は、建物で言うと三階部分があったということです。現在その三階部分である【共済年金】は消滅したのではなく、【厚生年金】と合併してデータなども全て統合されているのでご安心ください。建物の二階と三階をくっつけたとイメージしていただくのが良いでしょう。今回のテーマはこの共済年金も含めて《公務員の【遺族年金】について》です。年金をもらい始めた時期によっては【共済年金制度】の適用がされていることもあるので、一緒に内容を確認していきましょう。共済年金とは?2015年10月に、公務員等が加入していた【共済年金】は、会社員などの給与所得者が加入している【厚生年金】と一元化されました。それまでの【共済年金】にかかるデータ全般は、時間はかかりましたが厚生年金にデータ移行が済んでいます。共済年金には【退職共済年金】【障害共済年金】【遺族共済年金】の制度がありました。2015年10月以降に年金受給対象となった場合は、全て【遺族厚生年金】をもらうことになります。【共済年金】を実際にもらうための要件などは、ほぼ現行の【厚生年金】と同じ内容です。また、現在公務員の方が今後遺族補償として年金をもらう場合は全て【遺族厚生年金】の対象です。国家公務員共済年金国家公務員(主な省庁に勤務、自衛隊など)は【国家公務員共済年金】に加入していました。現在でもKKR【国家公務員共済組合連合会】が各省庁ごとに年金相談の窓口を設けています。KKRは全国でホテルや病院などを運営しており、共済加入者や年金受給者への施設優待があります。もちろん共済加入者以外の方でも利用できます。地方公務員共済年金【地方公務員共済年金】は、地方職員共済組合が窓口です。2015年以前に受給対象となった方の窓口として現在も運営されています。その他の共済地方公務員共済組合に関しては、警察共済組合、全国市町村職員共済組合、指定都市職員共済組合など、所属先団体によって細分化されていました。詳しい概要については、日本年金機構ホームページ内に「地方公務員共済組合一覧」のページがありますので、これらの詳細を知りたい方はご確認ください。(旧)遺族共済年金の受給資格まず、亡くなった方の要件として《共済年金に加入していた方が2015年9月以前に亡くなった場合》または《亡くなった方が既に老齢共済年金や障害共済年金を受け取っていた場合》です。これ以降は全て【遺族厚生年金】の対象になります。もちろん未納や滞納が多く、所定の期間加入していない場合は対象にはなりません。本来加入しておくべき期間の2/3以上は納付済であるか、免除等の申請をしていることは必須条件です。さらに受給資格についていくつかのポイントがあるので、ここからそれぞれに分けてまとめますね。亡くなった方先にまとめた条件と併せて、以下の内いずれかに当てはまらないと【遺族共済年金】はもらえません。組合員である間に初診日がある病気やケガが原因で初診日から5年以内に死亡した場合障害年金を受けている方が死亡した場合(障害等級1〜2級の共済年金か、1~3級の障害年金)配偶者公務員の遺族年金では、配偶者の要件として妻も夫もその対象となっています。ただし妻と夫で満たすべき要件が違いますので、それぞれポイントをまとめます。妻妻が【遺族共済年金】をもらうための条件は以下3つです。このうちどれかに当てはまればもらえます。18歳未満の子供がいる妻子供のいない妻簡単に言うと、子供の有無に関わらず、妻であれば【遺族共済年金】はもらえるということですね。夫夫が遺族共済年金を受け取る場合は、妻の場合よりかなり条件が絞られます。18歳未満の子供がいる場合で、妻が亡くなった時に夫が55歳以上である場合に、60歳以降になればもらえる。公務員の遺族年金・支給額の計算実際に支給される金額の計算ですが、計算の基となるのが故人の生前の給与です。その給与に対して所定の係数をかけて割り出しますが、一律にいくらというものでは全くないので、ご自身で計算するのは一苦労ですからオススメしません。目安として知りたい場合は、Web上の無料シミュレーションを活用するか(あくまで目安程度として活用くださいね)、公務員共済の相談窓口、社会保険労務士などにお尋ねいただくのがベストです。お子さんがいる場合などで【遺族基礎年金】の要件にも該当すれば、もちろん【遺族基礎年金】からももらえます。[adsense_middle]現行制度の場合現行制度の【遺族厚生年金】の支給額の計算には《平均標準報酬額》や《平均標準報酬月額》の金額が必要です。さらに加入期間ごとに2つの計算式に分けて計算をし、それらを合計した額が【遺族厚生年金】の受給額(の目安)となります。これもなかなか分かりづらく、念のため参考までに計算式を以下に紹介しますが、やはりご自身で計算するよりはWeb上の簡易シミュレーションを活用するか、年金事務所等に出向くことをお勧めします。【遺族厚生年金】=〈平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間(月数)〉+〈平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間(月数)〉×3/4旧共済年金の場合参考までに、遺族共済年金の計算式をご紹介しますが、聞きなれない言葉ばかりでなかなか分からないと思いますので、やはり支給額に関しては年金の担当窓口にお尋ね頂くのがよいでしょう。【遺族共済年金】=厚生年金相当額+賦課加算(職域年金など)+配偶者に関する加算(中高齢寡婦加算など)公務員の遺族年金・まとめ公務員の【遺族年金】は、【厚生年金】と統合された2015年10月以降の申請から【遺族厚生年金】の対象となっています。統合の背景として、年金をもらうための手続きの煩雑化や、年金制度の分かりづらさ等を軽減する目的もあったそうです。2015年から既に役5年ほど経過し、現在では随分浸透してきているようです。まとめると、現行制度では、自営業者やフリーランスは【遺族基礎年金】、公務員と会社員などの給与所得者は【遺族厚生年金】の対象です。日本は高齢化も進み、人口のバランスとしても、子供より高齢者の割合が高くなってきていますよね。いよいよ平均寿命も、あと数年後には90歳に到達するのではないかと言われています。【遺族年金制度】は、共済年金でも、厚生年金でも、ご遺族が安心して暮らしていけるための大切な生活費として、末永くもらえることのできるお金です。今回の記事を参考に試算をしてみて、もし不足分が判明したり、何か金銭的な不安があるようでしたら、お早めに遺族補償としての生命保険の活用や、老後資金対策をスタートしてみてはいかがでしょうか。最後に、年金制度全般に関するご不明点は、最寄りの年金事務所、または年金の専門家である社会保険労務士事務所までお尋ねすることをお勧めします。
2020年03月13日初心者の方が資産運用を失敗せずに始めるには、いったいどのようにしたら良いでしょうか。資産運用には色々な方法がありますが、初心者の方にもおすすめの資産運用としてETFという方法があります。ETFは少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、少額から簡単に資産運用できる金融商品ですので、初心者の方が10万円から投資を始める方法としておすすめです。今回はETFの特徴や注意点についてご説明したいと思います。10万円から始められる!初心者におすすめの投資方法、ETFETFは、正式には「Exchange Traded Fund」の頭文字をとったもので、上場投資信託という意味です。投資信託と名前につくぐらいなので、金融商品としては投資信託に似ていますが、株式と同じように上場しているので銀行や証券会社で簡単に買う事ができます。もしかすると、既にお持ちの口座がある銀行や証券会社でも取り扱いをしているかもしれません。意外にもETFはすでに日本でも普及しています。ETFの特徴さて、具体的にはETFとはどういう金融商品なのでしょうか。まずはETFの主な特徴についてお話していきたいと思います。まず、わかりやすいように、初心者の方はETFは株式とほぼ一緒だと思って下さい。そう思っていてもほぼ間違いはないでしょう。株式と一緒ですから、銀行や証券会社で値段を指定して売買する事ができます。しかし、通常の株式は、ある特定の会社一つの営業成績や資産状況を反映して株価が決まりますが、ETFは複数の会社をひとまとめにした株式なのです。例えば、日経225連動型上場投資信託というETFがあります。これは日経平均を算出する日本を代表する複数の株式をひとまとめにしたETFです。つまり、この日経225連動型上場投資信託というETFを購入すれば、それだけで200を超す株式を購入したのと同じ事になります。ETFなら、一つの株式で複数の株式を簡単に購入できる簡単に一つの株式で複数の株式を購入できるETFですが、中にはこのような不安を持つ人がいるかもしれません。一つの株式でそんなに多くの株式をまとめた株式なら、値段がすごく高いのではないかと。そんな事はありません。ETFの多くは、まとめた株式の平均値になっているものがほとんどですので、そんなに元手はいりません。有名な一部上場企業の株価より安いETFもたくさんあります。例えば、前述の日経225連動型上場投資信託というETFであれば、今の日経平均株価と同じくらいの2万円超ぐらいの金額で一口購入する事ができます(2020年3月現在)。10万円もあれば、選択の幅が広がるでしょう。また、少額の元手で複数の株式を購入できるという事は、分散投資の意味合いもあります。通常、株式というものは一つの会社を反映したものですから、意外なトラブルで大幅に値下がりする事も考えられます。例えば、一社では対応できないような世界情勢の変化や為替の変動等です。また、その会社の一部の経営者がスキャンダル等のトラブルを起こした場合でも、急激に株価が下がる可能性があります。しかしながら、ETFでは複数の株式に投資している為、世界情勢の変化等にまったく影響を受けないとは言えないまでも、リスクが分散されているので、相対的に一社しか株式を購入していない場合と比べてリスクが低いと言えます。ETFという一つの株式を買うだけで簡単にリスクを減らせるので、初心者におすすめできる投資方法と言えます。投資信託との違いこういった特徴は、投資信託とかなり似ています。実際に日経225に連動した投資信託もあるので、ETFじゃなくて投資信託でもいいのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、通常ETFは投資信託と違って上場している為、投資信託と比べると購入される可能性が高いので、一般的に同様の投資信託と比べると「信託報酬」といった手数料が安くなっています。信託報酬:投資信託やETFを維持する為に、年間に払われる手数料の事。大抵は実際に口座等から支払われる訳ではなく、その分投資信託やETFから直接引かれている。お金を増やすにはリスクの分散が必要また、ETFの特徴として、色々な投資先に投資されているETFがあるというのも魅力の一つです。お金を増やすには、まず第一に資金を減らさない事が大事ですからリスクの分散が必要です。先程は日本の株式に投資されている「日経225連動型上場投資信託」を例にとりましたが、主にアメリカの企業に投資されているS&P500というETFや、債権や金に投資しているETFもあります。S&P500:S&Pという会社が、主にアメリカを代表する会社500社ほどを選出し、その株価の平均をとった指標。アメリカ版日経平均的な指標。株式だけでなく、債権やREIT・金等の金融商品に投資している事により、資産投資におけるリスクをかなり分散させる事ができます。REIT:投資する人からお金を集め、株式や債券ではなく「不動産」に投資して、利益を投資した人に還元する金融商品。ETFが上場投資信託と呼ばれるのに対し、REITは不動産投資信託とよばれる。一般的にいって、不動産に投資している為、株式よりは値動きが安定している。NISAにも対応しているETF昨今、注目を集めているNISAですが、一部ETFも対象になっています。NISAについてよくわからないという人の為に、NISAについてご説明しておきますと、NISAとは2014年から始まった非課税制度の事です。NISAの一定の条件を満たせば、本来かかるはずの株の利益に対する所得税等が非課税になります。条件には以下の様なものがあります(2020年3月現在)。20歳以上一人一口座で証券会社等でNISA用の口座を開設1年間に120万円最長5年このような条件を満たせば、ETFで得た利益が非課税になります。NISAはETFでは利用可能ですが、投資信託では対象にならないので注意が必要です。投資信託の場合はつみたてNISAを利用する事になりますが、つみたてNISAが適用になるには一定の条件が必要です。ETFのデメリットETFの特徴という事で、色々なETFの側面をご説明してきましたが、ETFにはデメリットはないのでしょうか?ETFはデメリットが少なく、10万円からの資産運用として初心者の方にもおすすめできる金融商品ですが、まったくデメリットがないという訳ではないので、ここで触れておきましょう。[adsense_middle]積み立て投資ができないETFでは積み立て投資ができません。積み立て投資とは、毎月1万円とか3万円等と金額を決めて積み立てていく投資方法ですが、ETFでは基本的に積み立て投資ができません。一部の金融会社では、自動で株式を月ごと等に一定数購入するサービスもありますが、投資信託等と違って株式は購入金額の変動がある為、毎月決まった特定の金額になりにくく、厳密な意味では積み立て投資とは言えないでしょう。もし、毎月決まった額を積み立てて投資したい場合は、投資信託等がおすすめです。しかし、今回のように10万円で投資を始めるという場合におすすめなのはETFです。配当金が自動的に分配されるこれは少し難しい話なのですが、多くのETFでは配当金が出る事があり、配当が出た場合はその金額が口座に入ってきます。これは一見良いように思えますが、税金の面では少し不利になります。投資信託では、配当金が出た場合、大抵は自動的に再投資され、購入している投資信託を買い増す事になります。自動で買い増しになっているので、利益が出た分の税金は投資信託の場合は売却した時のみになりますが、ETFでは配当金が出るたびに税金が発生します。NISAを利用すれば、NISA適用分は非課税になりますからあまり変わりはありませんが、NISAが適用されていない場合は税金面で不利になります。また、税金とは別に、配当金を再投資したい場合は自分自身で再投資しなおす必要があり、手間がかかります。このようなデメリットがETFにはありますが、少額で投資を始める場合、特にNISAが適用される金額以内で投資を始めてみたいという場合には、ほとんどこのデメリットが該当しないのでETFがおすすめです。おすすめの2つのETFでは、実際にETFを購入するとなった場合、どういったETFを購入するのが良いのでしょうか。ここではおすすめのETFを2つご紹介したいと思います。S&P500ETFまずは、S&P500ETFをご紹介したいと思います。先程少しご説明しましたが、アメリカで上場している主要500銘柄をひとまとめにしたETFです。アメリカの株式市場は世界の株式市場の約半分を占めると言われており、その中でも、この主要500社でアメリカの株式市場の8割から9割を占めると言われています。つまり、このETFを購入すれば、世界の大半に分散投資しているのも同じなのです。また、世界的に有名なウォーレン・バフェットという投資家が、投資するならどうしたら良いかとの質問に、資産の9割をS&P500に投資する事をすすめるといった話は有名です。有名投資家のお墨付きですから安心できますね。ウォーレン・バフェット:世界的に有名なアメリカの投資家。毎年発表される資産家ランキングでほぼ5位以内に入っており、資産家としても有名。バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)こちらはアメリカだけでなく、先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型の株約8,000銘柄で構成されるETFです。S&P500ETFと違い、投資先がアメリカだけではないので分散投資という面でも安心できます。バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)だけでなく、S&P500ETFもあてはまりますが、今勢いのある企業としてGAFAと言われる4つの会社があります。今はとてもインターネットと関連がある企業に勢いがあり、そのようなインターネット関連企業にも多く投資している、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)やS&P500ETFは利益を出す可能性があります。GAFA:具体的にはGoogle・Amazon・Facebook・Appleの4社を指す。インターネットやソフトウェアと関連が深い会社だが、それ以外の会社・業界にも大きな影響を与える。多くの投資先に分散しているのでとても安心できますが、取り扱っているのがマネックス証券、楽天証券、SBI証券等に限られ、日本円を一旦ドルに変更する等の必要があります。また、NISAに対応しているかは証券会社次第なので確認が必要になります。難しいと感じた場合は、そういった手間が少ないS&P500ETFをおすすめします。実際にETFを購入する場合の注意点実際にETFを購入する場合の注意点がいくつかあります。[adsense_middle]購入するETFについて名前をよく確認するまず一つ目に、色々な会社が似たような種類のETFを出している為、名前が紛らわしいという点に注意が必要です。一度ETFを購入される前に一通り確認した方が良いでしょう。また、証券会社によって取り扱っているETFが異なる為、間違いやすいです。よくよく確認し、わからなかった場合は証券会社に問い合わせて確認する等の注意が必要です。NISAに対応しているか確認する二つ目として、購入前にNISAに対応しているか確認するという点です。ETFは海外の株式をまとめたETF等があるので、海外の株式と認識されNISAの対象になっていない場合があります。海外のETFでも日本で販売しているのでNISAの対象となったりするのですが、そこの線引きがまだ曖昧な為、証券会社によってNISAの対象かそうでないのかは確認が必要です。ホームページの商品紹介ページに載っている場合がありますが、こちらもよくわからない場合は問い合わせてみましょう。ETF独自の専門用語を把握しておく三つ目に、ETF独自の専門用語等があり、わかりにくいという点です。ETFは複数の金融商品をひとまとめにしているという「しくみ」の為に、いくつかETF独自の専門用語があります。専門的になりすぎるので説明は省略しますが、信託報酬は費用として発生するため確認はしておきましょう。10万円で始める資産運用に関するまとめ今回は投資初心者の方のために、10万円からでも始めやすい資産運用であるETFをご紹介しました。ETFは一般にはあまり知られていないですが、メリットが多く資産運用初心者の方にもおすすめです。投資信託等と比べて手数料も低く、少額でも分散投資ができ、NISA等の節税効果のある制度も利用できます。また、購入方法が株式と一緒なので、株式購入の練習にもなるはずです。ETFの投資方法を正しく理解して利用すれば、少ないリスクで多くのリターンが得られるでしょう。
2020年03月11日日本の長寿化は世界的にも注目されており、特に女性の長寿化は年々目を見張るものがあります。世界の最新データによると、男女合わせた平均寿命は日本で83.98歳、アメリカで78.69歳、中国で76.25歳とのこと。更に日本の内訳として、男性の平均寿命は81.25歳、女性はさらに長く87.32歳となっています。男性と女性ではおよそ6歳の開きがあり、一般的に考えると「日本の女性は世界的にも長生きである」という事になります。ちなみに現在の日本の最高齢女性は福岡県にお住まいの方で117歳とのこと!素晴らしいですね。さて今回のテーマは《80歳以降の遺族年金について》です。データ上はほとんど女性が遺族となる場合が多いうえに、女性は長生きですので、高齢となった妻が遺った場合の【遺族年金】についてまとめていきます。今現在20代30代の女性の方は、80歳以降の話は気が遠くなるくらい先の話だと思いますが、誰にでも老後はやってきますので、その時の参考までに、どうぞ最後までお付き合いくださいね。遺族年金はいつまでもらえる?【遺族年金】は、いつから、いつまでもらえるのでしょうか?最初に紹介したデータのように、日本の長寿化が更に進み、長生きしていても年金はずっと続くものなのでしょうか。長生きしても入ってくるお金が無いと不安ですよね。簡単に言うと「【遺族年金】をもらえる条件に当てはまった時から、対象外になる時まで」ということです。以下、具体的に見ていきましょう。いつから?いつから年金スタートなのか?というと【遺族年金】の受給要件を満たして、さらに認定を受けた時からです。故人が生前どの年金に加入していたかによって、故人が満たすべき要件、遺族の要件、お子さんがいる場合はお子さんの年齢も調査対象となります。初回の【遺族年金】を実際にもらえるまでには、一般的に手続き開始から約3~4か月かかると言われています。結構長い時間がかかりますが、これはしっかり調査をした上で、間違いなく支給するために必要な時間だと思ってくださいね。いつまで?一度もらい始めた【遺族年金】に関して、年金がもらえなくなる状態にならない限りは一生受け取ることが出来ます。【国民年金】に加入していた場合、遺された家族に【遺族基礎年金】が支給されますが、ここでポイントなのが【遺族基礎年金】をもらえる範囲は【子】または【子のある配偶者】です。つまり、お子さんがいらっしゃらない場合、【遺族基礎年金】はもらえません。今回のテーマである《80歳以降の遺族年金》について検討してみると、子のある配偶者に該当しませんので、おおよそ80歳以降ではどなたも【遺族基礎年金】はもらえないということです。子供とは何歳まで?遺族年金制度全般(基礎・厚生どちらも)において、子供の概念は「18歳に到達した年の年度末まで」となっています。18歳になった年を含む年度末が過ぎたら、制度上の「子」は居ないことになり、「子のある配偶者」として【遺族基礎年金】をもらっていた人も、もらえなくなるという事です。故人が社会保険に加入していた場合故人が社会保険加入であれば、年金は厚生年金に加入していたことになります。以前は公務員など一部の業種に対して【共済年金】制度がありましたが、今は【厚生年金】に一本化されているので、【共済年金】加入だった方は【厚生年金】に関する記述を参考になさってくださいね。仕組みなども含めて、全て【厚生年金】制度に移行されています。【厚生年金】に加入していた場合は、生前の加入期間や給与に応じて【遺族厚生年金】が支給されます。《80歳以降の遺族年金》についてですが【遺族厚生年金】に上乗せで【経過的寡婦加算】ももらえる場合があります。【経過的寡婦加算】は【中高齢寡婦加算】を受給していた人が対象の加算です。それぞれの加算について、以下にポイントをまとめます。遺族厚生年金には【中高齢寡婦加算】【経過的寡婦加算】という制度もある。中高齢寡婦加算とは以下の要件のいずれも該当すれば【中高齢寡婦加算】を受給できます。生計維持関係にある夫が死亡した時点で【遺族厚生年金】の受給要件を満たしていること死別した時点で妻の年齢が40歳以上であるか、死別した後に40歳となった時点で【遺族基礎年金】の受給要件を満たす子がいることなお【中高齢寡婦加算】の支給時期は40歳から65歳までです。今回のテーマである《80歳以降の遺族年金》については直接的には関係しませんが、この後の【経過的寡婦加算】の受給要件に関連してきますので、並行して確認しておくと理解が深まりますのでオススメです。経過的寡婦加算とは以下の要件に該当する場合には【経過的寡婦加算】を受給できます。妻の生年月日が1956年4月1日以前である【中高齢寡婦加算】の受給の要件をすべて満たしている経過的寡婦加算に該当すれば《80歳以降の遺族年金》に加えて受給できるという事です。【補足】もうひとつの遺族補償【遺族年金】といえば、加入していた年金制度に応じた基礎または厚生のいずれかの年金を受け取る場合がほとんどです。しかし、お亡くなりになった原因が業務上の理由(通勤中も含む)の場合は労災保険からも遺族補償年金を受けられることになっています。国などから労災であると認定された場合に限ります。労災保険は、雇い主が全額負担で必ず従業員にかけなければならない保険なので、実際に働いている人から徴収するものではありません。労災年金に関しての詳細は、厚生労働省ホームページ内に関連のページがあるので、そちらも合わせてご確認いただくと良いでしょう。[adsense_middle]配偶者には夫も含まれる?【遺族年金】の対象になっている遺族の中で【遺族年金】をもらえる第一順位であるのは《配偶者》です。この記事の冒頭でも少し平均寿命に関するデータを紹介しましたが、女性の方が長生きであり【遺族年金】を受給できるのは女性であるというイメージは大いにあると思います。確かに、以前の【遺族年金制度】の配偶者の範囲は「妻のみ」に限定されていました。ところが家族スタイルの多様化から、2014年より、夫や妻という分け方ではなく、一律「配偶者」という括りに変更されました。妻が死亡した時の夫の年齢が重要【遺族厚生年金】をもらうためには、前提条件として「亡くなった方と生計維持関係にあった」妻、子、夫などです。生計維持関係とは、少々難しいワードですが、要は家族を養っていた方が亡くなった場合に、世帯全体の収入が無くなってしまっては困るので、せめてもの生活費代わりとして年金をもらえるようになる、というイメージでも良いでしょう。夫が【遺族厚生年金】を受け取る為にはさらに条件が二つあり、このいずれかに該当しなくては受給できません。まず一つ目に【子のある55歳以上の夫】です。もう一つは【子の無い55歳以上の夫】です。つまり子供がいてもいなくても、死別した当時に夫が55歳以上ではないと【遺族厚生年金】は全くもらえないという事です。逆に言うと、お子さんがいらっしゃらなくても、奥様が亡くなった時点でご主人が55歳以上であれば、その後は継続的に【遺族厚生年金】をもらえるという事です。ちなみに、55歳以上の夫が妻の分の遺族厚生年金を実際に受け取ることが出来る時期は、夫が60歳以降になってからです。この後に詳しく書きますが、日本の年金制度は「ひとり一年金」が原則です。異なる理由の年金を二つ同時に受け取ることは出来ません。しかし例外的にいくつかの併給が認められており、遺族年金の範囲であれば、ご自身の【老齢基礎年金】と【遺族厚生年金】であれば同時に受け取ることが出来ます。専業主婦の妻が亡くなったら?専業主婦の妻が亡くなったら、遺された夫はなにももらえないと思っている方が多いのではないでしょうか。実は、専業主婦の方が亡くなった時にも【遺族年金】をもらえることがあります。もちろん全ての方がもらえるわけではありません。では、どのような場合に遺族である夫に支給されるかというと、妻が亡くなった時点で専業主婦であったとしても、生前会社員や公務員としてお勤めをされていた場合です。その加入していた厚生年金の加入期間や、本来老齢年金として妻がもらうはずだった老齢年金額に応じて、夫に支給される場合があります。その場合の要件として【年金加入期間(または受給資格期間)が300月以上ある場合】が必須となっています。また、一つ上の項目でも紹介した通り、夫が妻の分として【遺族厚生年金】を受け取る場合には【妻が死亡時に夫が55歳以上であること】が条件です。夫が55歳以上で受給権が発生し、実際に【遺族厚生年金】がもらえるのは60歳以降になってからです。近年、随分制度改正などが行われていますが、遺族補償としてはまだまだ妻の方が手厚い印象ですね。老齢年金と一緒にもらえる?基本的には「ひとり一年金の原則」がありますから、何かしらかの年金をもらっている間に、並行して他の年金をもらうことは出来ません。ただし【老齢年金】と【遺族年金】の受給権が発生した場合の例外として【遺族厚生年金と老齢基礎年金は併給可能】です。また、今回のテーマである80歳以降の年金の話から少し外れますが、【特別支給の老齢年厚生年金】と【遺族厚生年金】は一緒にもらうことはできません。どちらか一つを選ぶことになります。【特別支給の老齢厚生年金】とは、生年月日や性別に応じて段階的にもらうことが出来る【老齢厚生年金】です。もらえる期間は60~64歳です。[adsense_middle]結局、80歳以降の受給額はどれくらい?ここまで【遺族基礎年金】【厚生年金】についてまとめてきましたが、結局いくらくらいもらえるのかというところは一番重要ですよね。故人が国民年金のみ加入していた場合の【遺族基礎年金】に関して、80歳以降にご遺族が【遺族基礎年金】としてもらえる金額はゼロということです。この場合は、ご遺族ご自身の【老齢基礎】【厚生年金】のみの受給ということになります。では故人が厚生年金に加入していた場合【遺族厚生年金】はどうなるかというと、故人の生前の給与に対して所定の倍率を掛けたものが支給されますので、一律にいくら、と金額を申し上げることはできません。80歳以降の遺族年金=《遺族厚生年金》+《経過的寡婦加算》+《労災保険からの遺族補償年金》無料のシミュレーションを活用しよう遺族厚生年金の支給額は、生前故人が働いていた時期の給与に応じて変動します。平均標準報酬月額や平均標準報酬額といった数字を基にして計算しますが、既に退職して時間が経っている場合などは分かりづらい場合もあるかと思います。そのような場合は、日本年金機構のねんきんネットの活用や、Web上に無料で遺族年金シミュレーションを利用できるサイトもあります。詳細な平均標準報酬月額などがわからなくても、だいたいの年収(または月収)などや、年金加入期間などがわかれば、簡易的に試算をすることもできます。シミュレーション以外でも、年収をいくつかに分けて遺族年金の早見表を公開しているサイトもあります。いずれも簡易的ではありますが、だいたいどのくらいの遺族年金をもらうことが出来るのかを目安として知ることが出来ます。遺族厚生年金の最高額現在、遺族厚生年金の平均標準報酬月額の上限は30等級の62万円です。その中でも故人が生前公務員だった場合の「遺族共済年金」から遺族年金を受け取る場合が、現行の遺族厚生年金制度での最高額と考えて良いでしょう。なおかつ《80歳以降の遺族年金》について考えた場合は、配偶者のみ受給のパターンになりますので、その場合の支給額は概算で年額約1,174,800円とのことでした。80歳以上の遺族年金に関するまとめいかがでしたか。【遺族年金】は貴重な生活費であることは間違いありません。いつからいつまでもらえるのか、自分の【老齢年金】と一緒にもらえるのか、という部分はどなた様も気になるところだったかと思います。80歳以降でも【遺族厚生年金】と【老齢基礎年金】が合わせてもらえる、という内容は本記事でも是非覚えていただきたいポイントです。2つの年金を受け取ることが出来れば、老後の生活費としてかなり安心材料になるのではないでしょうか。今後、日本はますます長寿化に突入します。民間の生命保険でも、長生きのための保険が新発売され、途端に売れ筋となっているそうです。それだけ皆さんの意識が「長生きへのリスク」に向いているという事でもありますよね。医療の進歩などから、病気は治る時代になってきました。つまり、まだまだ私たちは長生きする確率が高いという事です。パートナーと死別した後の人生が必然的に長くなってしまうことも十分にあり得ます。今回のテーマである「80歳以降の遺族年金」に関しても、予め概算で良いので金額を把握しておけば、その過不足に対して予め預貯金や生命保険などで備えて準備しておくことができます。日本年金機構のねんきんネットの活用や、無料のシミュレーションを基に、是非早い内から老後対策を始めてみませんか?
2020年03月10日「資産運用」という言葉を聞いた事はあるけど、実際にどうしたら良いかというのは、実際に資産運用している人以外はなかなかピンとこないという人も多いかと思います。今回は初心者にもおすすめな投資信託を、具体的な商品名・方法・注意点等も含めて解説していきます。資産運用初心者にもおすすめのお金を増やす方法皆さん、日本で株式投資をしている人はどれくらいだと思いますか?日本証券業協会の証券投資に関する全国調査によると、日本で株式を保有をしている人は約12%です。また、日本証券経済研究所の米国の個人株主実態調査によると、アメリカでは株式を保有している人は5割超です。つまり、日本人の大半は、外国の方と比べてほとんど株式投資をしていない、資産運用初心者なのです。この差は一体どこから来てるのでしょうか?日本では学校でも金融等に対する教育がほぼなされず、親からお金の教育をするという事もほとんどありません。また、お金の話しを大っぴらにする事は卑しいというような、日本の文化とも関係がありそうです。しかし、株式投資等の資産運用をする事は、日本の経済に寄与する立派な行為です。もし興味があるのなら気兼ねなく行うべき経済活動なのです。とはいえ、日本人の八割以上は株式投資をした事がないわけですから、日本人の大半以上が株式投資初心者なのです。この記事では今まで資産運用をした事がないという人がどのように資産運用すべきかをお話ししたいと思います。株?貯金?貯蓄したお金はどうしたら良いのか?資産運用に興味があっても損をするのは嫌だ。そんな方は多いと思います。せっかく今まで貯蓄した財産を失うのは、誰にとっても避けたい事です。資産運用の宣伝や話を聞くと、元本保証という言葉もちらほら出てきます。元本保証とは、「支払った金額は確実に保証される。支払った金額以下にはならない」という事です。正確な意味で元本保証というのは実は相当少ないです。その元本保証に相当する数少ない資産運用先が、1000万円以下の銀行の預貯金です。可能性はかなり少ないとは思いますが、銀行に貯金したお金も、その銀行が破綻してしまえば、必ずしも預けていたお金が返ってくるとは限りません。しかし、日本には預金保険機構という組織があり、例え銀行が破綻しても、1人あたり1000万円までは保証されます。つまりかなり安全な訳です。しかしながら、今や銀行の預貯金は年利0.01%位です。1000万円ほど貯金しても、年間1万円にもならないのです。一般的に言って、リスクが少ないものはリターンも少なくなりがちで、リターンが多いものはリスクも多くなりがちです。もし、銀行以外で安易に元本保証を謳うものがあれば、その理由を確認しましょう。中には詐欺とは言えないまでも、詐欺まがいなものは存在します。では、大事な財産を運用するには、どのような投資先があるのでしょうか。おすすめは投資信託です。投資信託とは投資信託とは、顧客から集めたお金をプロのファンドマネージャー等が、値上がりの期待できる株式や債権等の金融商品を顧客に変わって買い付け、出した利益を顧客に還元するというサービスです。しかし、最近ではファンドマネージャー等の人間ではなく、ある一定の法則等に基づいて買い付けをする、いわゆるパッシブファンドというものが簡単に購入できるようになりました。ちなみに前述のファンドマネージャー等が買い付けをする方はアクティブファンドと言います。アクティブファンド:ファンド・マネージャーが、株式や債券等の金融商品を選ぶ投資信託パッシブファンド:価格をある一定の指標と同じ値動きになるようにする投資信託[adsense_middle]パッシブファンドの特徴パッシブファンドは例えば日経平均株価等に採用されている銘柄を均等に買い付ける等、法則性があります。この法則性に基づいて買い付けを行う為、ファンドマネージャー等が選ぶ手間がかからず、一般的に言ってアクティブファンドより手数料等の面で安くなっています。安いからと言って、リターンもアクティブファンドより少ないかと言うと、そんな事はありません。優良なパッシブファンドは一般的なアクティブファンドより良い実績が出ています。パッシブファンドはインデックスファンドとも呼ばれ、ハリー・マックス・マーコウィッツという学者の研究から来ています。後にこの研究結果は、「資産運用の安全性を高めるための一般理論形成」という名前でノーベル経済学賞を受賞します。この研究の説明は難しいので結論から申し上げますが、世界中の株式を均等に買い付けると、できるだけリスクを減らした中で最もリターンが大きくなる組み合わせになるというものです。しかし、世界中の株式を均等に買い付ける事などできるのでしょうか。ここで出てくるのが、投資信託のパッシブファンドです。パッシブファンドの中には、顧客から集めたお金で世界中の株式を均等に買い付け、そこから得た利益を顧客に還元するという、そのものズバリな投資信託が存在します。しかも、その投資信託は日本の金融機関で普通に購入することができます。初めて投資をする方はまず、投資信託のパッシブファンドから始めるのが良いでしょう。では、実際に投資を始めるとしてどのようにすれば良いでしょうか?ここでは100万円あったとして、どのように資産運用するかご説明していきます。賢い100万円の資産運用の仕方まず、まったく自由に使えるお金が100万円あったとしても、いきなり100万円使う必要はないと思って下さい。例えば、月の始めとか終わり等、一定の日にちを決め、毎月その日に10万円とか5万円を均等に払って、時間をかけて100万円を使っていくという方法があります。これをドルコスト平均法と言います。ドルコスト平均法:資産運用する際に、一度に購入しないで、資金を均等にわけて月ごと等に投資する方法ドルコスト平均法のメリットこのドルコスト平均法のメリットは、毎月一定額しか購入しない為、その金融商品を買う時に高ければ購入数が少なくなり、安ければ購入数が自動的に多くなり、結果的に機械的に購入してるにも関わらず、比較的安い金額での金融商品の購入につながるという点です。例えば、月10万円ずつ、何かしらの金融商品を購入するとして、その金融商品が10万円だった場合は一つしか購入できません(手数料等は考えないとする)。しかし、1か月後、その金融商品が25000円に下がったとしたら、その金融資産を4つ購入する事になります。この様に、安い時に沢山購入し、そうでない時は自動的に少なめに購入するのが、ドルコスト平均法という手法なのです。実にシンプルな投資法ながら、値段を正確に見極める事の難しい資産運用のコツの一つと言えるでしょう。また、毎月一定額を決まった時に投資するという以外、特に制限はありません。先程の話で言うと、100万円という金額に対して10万円であるとか、5万円であるとか例を出しましたが、7万円であろうと3万円であろうと、決めた金額を守って投資すれば特に問題はありません。ご自身の資産状況に合った好きな金額にすれば良いでしょう。具体的な投資信託による資産運用の方法[adsense_middle]おすすめはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)さて、では具体的な資産運用の仕方について、具体的にご説明していきましょう。まず、前述した世界中の株式を均等に購入している投資信託があると言いましたが、ズバリそれにあてはまる商品は、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という名前の投資信託です。名前の通り、日本を含む全世界の株式を均等に買い付ける事を目標とした、パッシブファンドです。この金融商品は、SBI証券やマネックス証券、楽天証券等、大手証券会社で購入する事が出来ます。この「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という商品について、少しご説明してみましょう。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のメリット全世界の株式に投資できるまず、この投資信託一本で、全世界の株式に投資できるのが大きな魅力です。最初に申し上げた通り、世界中の株式を均等に買い付けると、できるだけリスクを減らした中で最もリターンが大きくなるはずなのですから、世界中の株式に投資してもらわないと話になりません。しかし、投資信託の中には、例えば全世界の中から日本の株式を抜いた部分に投資したり、先進国だけに投資したり、また逆に先進国以外だけに投資しているパッシブファンドも存在しています。もちろん、それらは色々な意味があって作られている投資信託なのですが、まず最初は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だけで良いでしょう。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」一つだけで良いと言っても過言ではありません。世界中に分散されて投資されている事で、特定の国にトラブルに起こりその国全体の株価が下がっても、世界全体で見たら一部の地域ですから、十分にリスク分散する事ができます。年率0.1144%のコスト続いて、コスト面でも大きなメリットがあります。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のコストは年率0.1144%(税抜 年率0.104%)で、業界トップクラスです(2020年2月27日現在)。年率0.1144%と言われてもピンとこないと思いますが、10万円に対して、年間114円ぐらいの手数料がかかるという事です。これはかなり安い金額です。さらに、この投資信託を運用しているのは、三菱UFJ国際投信という三菱UFJの関連会社ですから、大手金融会社としての安心感もあります。この投資信託の純資産総額は169.97億円(2020年2月27日現在)と、規模もかなり大きくなっているという事で安心できます。つみたてNISAが適用される「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」はつみたてNISAが適用されるので、つみたてNISAの口座を作り、その口座でこの投資信託を購入する事により、税金面での優遇が受ける事ができます。つみたてNISAについて簡単に説明しますと、つみたてNISAは投資信託等で得た利益が一定の条件のもと、非課税になるという国の制度です。つまり条件さえあっていれば、本来支払うべき税金を節約する事が出来るという物です。その条件を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は満たしていますので、証券会社等でつみたてNISA用の口座を作り、その口座から「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を購入すれば良い訳です。つみたてNISA:2018年1月から始まった、投資信託等の積立投資専用の少額投資非課税制度の事。似たような制度に株式の購入に使えるNISAがある。外貨の購入等が不要さらに、細かい点ではありますが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」であれば、外貨の購入等もしなくて良いという利点があります。海外の株式等を購入しようとすると、いったん日本円を外国の通貨に両替して購入しないといけない場合があります。そしてそれは通常、両替手数料等の費用が発生します。しかし、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託は、そういった事をしないでも日本円で購入する事ができます。投資信託は短期の売買に走らないのがコツさて、このようにして投資信託を購入した場合、色々買ったり売ったりしてみたくなるものですが、そういった短期売買に走らないのが資産運用のコツです。一旦、ドルコスト平均法の月々の金額を決めたならば、それを守り続けるのが一番利益を出す方法です。理由は二つあります。株価や投資信託の値上りを見抜くのは難しい一つ目は、やはり株価や投資信託の値上りをピンポイントで見抜く事は難しいという事があります。しかし、ドルコスト平均法を使えば、購入金額は購入期間の平均に落ち着きますから、たまたま急に値上りした時期に買うという可能性が少なくなります。ですから、焦らないで決めた事を守るのがポイントです。つみたてNISAの恩恵を考えると、頻繁な売買はもったいない二つ目は、頻繁に売買を繰り返すとつみたてNISAの恩恵を受けられなくなってしまうという事があります。つみたてNISAの年間の利用額は、1年あたり40万円と決まっていますから、頻繁に売買を繰り返してはこの40万円をすぐに超えてしまいます。超えた分に関しては税金が発生しますので、何らかしらの意図のない売買は控えた方が良いでしょう。個人向けの資産運用方法に関するまとめ初心者の方におすすめの資産運用として、投資信託や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」についてご説明していきました。私としては、個人でできる資産運用としては、ほぼ最高に近い方法だと思っています。これらの方法を実践する事によって、個人でも資産運用で利益が出せるという事は、数々の研究で証明されています。もし、これから資産運用を始められるのであれば、この様な方法が最適ではないでしょうか。
2020年03月05日申請窓口に書類提出へ。初めてお会いした担当の方は…娘の記録を引っ張り出し、主治医や過去にかかっていた療育センターなどにも連絡をとり、申請に必要な書類を揃えた私はいよいよ申請窓口に向かいました。過去に何度か相談をしに行ったことはあったのですが、年度が替わり人事異動があったのか、当日担当してくれたのは初めて見る方でした。Upload By 荒木まち子その方は若くて柔らかな物腰の方でしたが、お話をすると経験と知識が豊富で、頼りになる方だということがすぐに分かりました。(実際、申請手続き中に他の職員さんが質問をしに来たりしていました。)Upload By 荒木まち子申請窓口では...医師が作成した『診断書』や『受診状況等証明書』を確認した後に『病歴・就労状況等申立書』の記載内容を確認しました。Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子アドバイスをもとに初診日などを変更私が作成した『病歴・就労状況等申立書』の[発病したときの状況と発病から初診までの間の状況]記入欄の“呼びかけても振り返らない、指示が通りにくいなどのことから総合病院にて聴覚検査を受けたが、異常はなかった。”という箇所を見て、窓口の担当者さんは「娘さんの場合、初診日を誕生日ではなく、総合病院の受診日に変更した方が良いでしょう」とアドバイスをしてくれました。また、状況欄に書いた『厚着をし過ぎて電車内で体調を崩し、駅の救護室に運ばれたことがある』という記述から、[日常生活状況欄]の《着替え》の4段階の評価を3→4に見直しをすることも提案されました。(『病歴・就労状況申立書』裏面・赤枠の部分)Upload By 荒木まち子災害時にも有効な「ヘルプマーク」を知っていますか?丁寧に確認してもらえて安心!『年金請求書』など、記入方法がわからない部分がある申請書類は、申請時に窓口で担当者と一緒に記入することは事前に打ち合わせ済みでしたが、『病歴・就労状況等申立書』もここまで丁寧に確認してもらえると思っていなかったので私は驚きました。Upload By 荒木まち子障害年金請求を審査、認定するのは日本年金機構です。役所の窓口では書類が全て正しく整っているかを確かめる作業をしています。ですが窓口の方が「『病歴・就労状況等申立書』を読んだ審査担当者が、状況を正確に把握できるように」と内容を一緒に確認してくれたことを私はとても嬉しく思いました。また、申請窓口の方は後の消費税アップを見越して、今後に必要になると思われる『年金生活者支援給付金』の申請手続きも同時にしてくれました。最後に戸籍課で発行した戸籍謄本を提出し手続きは終了しました。全ての手続きを終えるのには一時間ほどかかりました。申請してみて実感。障害年金請求の資料はそんな早くから準備する必要はないかも一連の手続きを終えて私が感じたのは、障害年金申請資料準備は「早ければ早いほど良い」というものではないということでした。※娘の初診日は18歳より以前でしたので、「障害認定日」は20歳の誕生日の前日です。初診日、障害認定日等によっては早めに動き出す必要がある場合もあります。「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、請求する傷病の初診日から起算して1年6月を経過した日又は1年6月以内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)をいう。たとえば年金申請コラム第3話で書いた、“初診の医療機関が廃業していたり、カルテが破棄されていたりして『受診状況等証明書』を作成してもらえなかった場合は2番目に受診した医療機関で『受診状況等証明書』を作成してもらう。もし2番目の医療機関でも『受診状況等証明書』が作成できなかったら3番目の医療機関…と辿っていく”という規定は、障害認定日が20歳に達した日以前である場合は、障害の程度を認定する時期は一律に20歳となる。2番目以降の医療機関の受診日から障害認定日が20歳以前であることを確認でき、かつその受診日前に厚生年金等の加入期間がない場合には、初診日の医証を追加で請求者に求めずとも、20歳前の期間で請求者が申し立てた初診日を認めると新たに規定されました。5年、10年経てば制度は変わります。(逆に時代やニーズに沿って改新されなければ困ってしまいますよね)ですので、お子さんが未就園児や小学生のころから窓口に障害年金についての相談に行ったり、焦って申請書を取り寄せたりする必要はないと思います。20歳になるまでに子ども自身や子どもを取り巻く状況、困りごとなどは刻々と変化していきます。いくら別紙添付が可能とはいえ、子どもが小さいうちからのできごとすべてを『病歴・就労状況等申立書』に書くことはあまりおすすめできません。『病歴・就労状況等申立書』では1.病院や療育センターの初診日2.通院、入院歴3.投薬履歴4.障害に起因した大きなアクシデント(怪我や事故など)と、どのように対処しても改善できない現状や“申請時の”困りごとをしっかりと伝えることが大切だからです。ブログや日記などで子どもの記録を残していく場合、『日記や日々の子育て記録』と『書類に書いた方がよい内容』をカテゴライズしておくと良いかと思います。障害年金申請よりも先に意識しておきたい『子どもの情報の引き継ぎ』娘が通っていた療育センターは利用が小学生までだったので、中学進学を機に成人まで見てくれる病院に転院しました。当時はまだサポートブックなども普及しておらず、私は転院時に受けるソーシャルワーカーとの「受理面接」の為の資料として独自に娘の療育、発達検査、通院、投薬、病歴などを年表形式でまとめた『成育歴表』を作りました。子どもは成長と共に小児科や小児精神科から思春期外来や青年期精神科に移ることが多いですが、幼年期から成人までの発達障害を一貫して診てくれる医師はなかなかいないのが現状です。転院や主治医変更を意識して成育歴のような資料を予め作っておくと、『病歴・就労状況等申立書』作成時だけでなく、放課後等デイサービスやショートステイの利用等の申し込み、役所の相談窓口の担当者が代わったときなどに子どもの説明をするのに役に立つので良いと思います。次回は年金コラム最終話これまでのコラムでは主に提出する書類について書いてきましたが、次回最終話では書類についてではなく、申請作業を進めていく中で知った新事実や、改めて気がついたことについてお話しします。
2020年03月05日「年金」と聞くと、60代以降の方が受給している「老齢年金」をイメージする方がほとんどですよね。「年金=シニア世代」の印象が強くあるかと思います。しかし「年金」をもらっている方で20代の方も存在します。実は年金にはこの【老齢年金】以外にあと2つあります。【障害年金】と【遺族年金】です。この2つはシニア世代になっていなくても、条件に該当すれば若い世代で受給している方もいらっしゃいます。今回のテーマは若年層でももらう可能性のあるうちの一つ【遺族年金】について。中でもさらに【遺族厚生年金】についてわかりやすく解説していきますね。難しい言葉はなるべく使わないようにしますので、ご安心ください。年金には2種類あるここからは【遺族年金】だけではなく、少しだけ日本の年金制度自体の概要についてお伝えしましょう。なるべくわかりやすくポイントを絞って解説します。今ここで理解しておくと、【遺族年金】だけでなく【老齢年金】【障害年金】についても理解が深まります。国民年金に加入していた人の年金【基礎年金】日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、必ず【国民年金】に加入して、しっかり国民年金保険料を払わなければいけません。様々な事情から払えない場合は、納付猶予や納付免除を申請することで、払えるようになったときに遡って追納することもできます(追納期間には別途定めがあります)。20歳から60歳までの40年間(480月)全額払い込むことで満額の年金額を受け取ることができますが、未納などがあるとその分だけもらえる額が減ります。まとめると、国民年金は【誰でも必ず加入していなければならないもの】です。このことから、年金制度の基礎となるという意味で【基礎年金】と呼ばれます。国民年金の保険料(掛け金)は、ほぼ毎年料率改定がありますが、仕事や属性によって金額の差はありません。掛け金は一律同額です。ちなみに令和元年度は月額16,410円です。厚生年金に加入していた人の年金【厚生年金】【厚生年金】とは、会社員や公務員などの給与所得者(勤務先から給料をもらっている人のこと)が、毎月の給与や季節の賞与などから自動的に保険料を天引きされているものです。平成27年以前は公務員の方が加入する【共済年金】がありましたが、現在では厚生年金と統合されています。つまり、厚生年金の加入対象者は会社員や公務員となります。私が行っているマネーコンサルティングでもよく質問を受けるのが「【厚生年金】に入っていれば【国民年金】には入れないの?まさか2つも加入できないでしょ?」という内容のご質問です。二階建ての年金という言葉を聞いたことはありませんか?【厚生年金】は、いわゆる二階建ての年金の「二階部分」にあたります。では一階部分は何かというと、上の項目で解説した【基礎年金】です。【基礎年金】は、とにかくどなたでも加入しなければいけないものなので、会社員などの厚生年金加入者は【一階も二階も加入し、両方もらえる】ということですね。【厚生年金】の保険料は、給料に応じて変動しますので、例えば同期入社の方でも全く同じ厚生年金保険料であることはまず考えられません。更に、厚生年金加入の一番のメリットとして【保険料が労使折半であること】が挙げられます。年金保険料の約半分は勤務先企業や団体が負担してくれているので、給与明細で確認する天引き額の倍の金額を実際には年金保険料として納めていることになります。遺族厚生年金・支給の条件それでは早速、今回のテーマである【遺族厚生年金】について確認していきましょう。基礎・厚生ともに【遺族年金】とは【故人が生前もらうはずだった年金を遺族補償として遺族に支給する】という性質があります。つまり、故人が何の年金に加入していたかによって、ご遺族がもらえる【遺族年金】は違うという事です。【遺族年金】を考える場合は「故人の要件」と「遺族の要件」をどちらも満たす必要があり、この後の項目で更にそれぞれについて見ていきましょう。遺族の考え方として、一昔前までは「遺族年金の対象配偶者は妻のみ」とされていました。しかし、家族スタイルの多様化が進む中、それではあまりにも時代に沿っていないということで、現在では配偶者である「夫」も対象となっています。ただし、まだまだ夫が受給するためには細かい要件が設けられていますので、この後の項目で解説しますね。必要な支給要件とは【遺族厚生年金】を受け取る為に必要な支給条件は以下の通りです。厚生年金被保険者が死亡した時被保険者期間中のケガや病気が原因で、初診日から5年以内に死亡した時【老齢厚生年金】の受給資格期間が25年以上あるものが死亡した時【障害厚生年金】1級または2級の受給資格のある方が死亡した時故人・遺族がそれぞれ満たす要件についてここからは、お亡くなりになった方(故人)と、遺されたご遺族がそれぞれ満たさなければいけない要件についてまとめます。いくつか項目がありますが、そのいずれかに該当すれば足ります。[adsense_middle]故人の要件故人の要件として真っ先に挙げられるのは、死亡した方が生前きちんと年金保険料を納めていたかどうかということです。上の項目でもご紹介していますが、【厚生年金】は基本的に給与から自動天引きされていますので未納ということはほぼ考えられないのですが、お亡くなりになった日にちの前に未納がなかったか等の細かい要件がありますので、以下リストアップします。以下のどちらかに該当すれば【遺族厚生年金】の故人の要件は満たしたことになります。故人の加入していた年金について不明な場合は、お住まいの地域の年金事務所などへご相談ください。死亡した日が令和8年4月1日より前であり、死亡した日に65歳未満で、なおかつ死亡した月の前々月までの1年間で保険料の滞納が無いこと被保険者が亡くなった場合、保険料納付期間が厚生年金加入期間の2/3以上あること(ただし免除期間を含む)対象者別・遺族の要件【遺族厚生年金】の対象者とは、お亡くなりになった方から生計を維持されていた(簡単に言うと、生活を共にしていた)妻、子、孫、55歳以上の夫、父母、祖父母です。対象者別に要件をまとめますので、確認していきましょう。また、遺族には年収の制限があり、遺族の年収が850万円を超える場合は残念ながら【遺族厚生年金】をもらえない決まりです。子に関しては【基礎年金】【厚生年金】いずれの場合でも次のように定義付けられています。【18歳に到達した年度末まで。または障害等級の1級または2級で20歳未満の者】いくら生計を同一としていて、同居している大学生の子供だとしても、18歳を超えていれば「子」としての【遺族年金】を受け取ることは残念ながらできません。妻妻は、再婚しない限り受給期間は一生涯です。また、年齢条件や子供の有無に関わらず、無条件で遺族年金がもらえます。ただし注意点として、お子さんのいない妻で、夫が亡くなった時に30歳未満である場合、5年間で【遺族年金】は打ち切りとなります。子・孫子の要件は一つ前の項目でもご紹介しましたが、基礎・厚生いずれも同一の基準です。子や孫の場合、18歳に到達した年度末までは【遺族厚生年金】の対象です。また、《障害等級1又は2級》の20歳未満の子も該当します。受給期間としては、それぞれ「子」の要件から外れる時までです。18歳到達の年度末までか、障害等級のあるお子さんの場合は20歳到達の年度末までです。夫・父母・祖父母夫・父母・祖父母の要件は、被保険者が亡くなった時に遺族の年齢が55歳以上である場合に、その後遺族が60歳到達後にもらえるようになります。妻や子、孫と違って、被保険者の死後すぐに受け取れるものではありません。もらえる人がたくさんいたらどうなる?例えばの話ですが、祖父母から妻、子、孫全てを支える大家族の世帯主が亡くなったとしましょう。この場合【遺族厚生年金】を受け取ることができるのは誰になるでしょうか?もちろん全員がもらえるわけではありません。実は【遺族厚生年金】をもらうことができる順番は決まっていて、すでに上位の順番の方が受け取ることになれば、後順位者は貰うことが出来ません。一番にもらう権利があるのは【子のある妻】です。次に【子】【子の無い妻】と続きます。では独身で配偶者が居ない場合はどうなるかというと【父母】【孫】【祖父母】の順で、同じく上位の方が受け取る権利があるという事になります。受給額の計算方法これまでにも解説しましたが【遺族厚生年金】は給与によってその受給額が変動します。なおかつ、加入期間を2つに分け、それぞれ所定の計算式に当てはめて計算し、それらを合算したものが【遺族厚生年金】の受給額の概算となります。計算式は以下の通りです。①2003年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×2003年3月までの加入期間(月数)②2003年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×(5.481×1,000)×2003年4月以降の加入期間(月数)①+②の合計が、遺族厚生年金の概算となります。小数点が多かったり、計算式が複雑だったりで、なかなかこのような計算式を使って手動で算出するのも難しいかと思います。インターネット上には、無料で【遺族厚生年金】の目安額を知ることができるシミュレーションもあります。この場合は平均標準報酬額などが不明であっても、現在の月給などから簡易的に計算することができ、非常に便利です。目安として知っておく分には、このようなシミュレーションを使ってみることをお勧めします。[adsense_middle]年金は請求してもすぐはもらえない!【遺族厚生年金】をもらうためには、様々な書類を取り寄せて記入してから年金事務所に提出しますが、そこから実際に一回目の遺族厚生年金が振り込まれるまでに3~4か月程かかります。その間、提出された書類に関して、然るべき審査をきっちりしているという事です。(もちろん間が開いた分でも受給権が発生した期間については、第一回の年金振込の際に合算されて支給されますのでご安心くださいね。)被保険者の死後、葬祭費や医療費など様々な支払いが発生しているにも関わらず、収入の途絶する期間が続くのは心細いと思います。お子様の居るご遺族の場合は、今後の教育費についてもご心配なことでしょう。代表的な対策としては、一つ前の項目で紹介した年金受給額の目安を把握しておき、年金額でも足りない部分(例えば教育資金など)について予め民間の生命保険などで備えておくことが挙げられます。さらに、実際に年金が振り込まれるまでの生活費の3~4カ月分の預貯金を準備しておくことも有効ですね。【補足】遺族年金以外の支給額について被保険者が死亡した場合【遺族厚生年金】以外にも、ご遺族に支払われるお金があります。在職中であれば勤務先から死亡退職金が支給されます。また、加入していた社会保険から「埋葬費」「埋葬料」などの呼び名での一時金の支給があります。一律5万円程度を支給している場合が多いようです。遺族年金・遺族厚生年金に関するまとめ今回は、遺族厚生年金を受給する際のポイントについてまとめました。厚生年金のみ受給対象となる場合と、基礎年金も合わせて受給できる場合があります。それぞれ受給の条件が違いますので注意が必要ですが、詳細に関してはお住まいの地域の年金事務所や年金相談センター、または年金のプロである社会保険労務士の方へ個別ご相談することもお勧めです。また、今回ご紹介した計算方法についても、あくまで概算としてお考え下さい。だいたいの目安として捉えていただき、足りないと思った場合は民間の生命保険や預貯金などで早めに対策することが出来ます。万が一のことが起こってからでは対応できない場合がほとんどですので、前もって大体の額を把握しておくと良いですね。ご家族に万が一のことがあるということを仮定すること自体、不謹慎なような気がして気が進まない方がほとんどかと思います。しかし「万が一」は必ずいつかはやってきます。そうなったときに少しでも精神的、肉体的な負担を減らすことが出来るよう、遺族年金の制度や仕組みについて前もって知っておくことは非常に大切であると言えます。
2020年03月04日資産運用に興味はあるけれど、どこから手を着けていいかわからない。そんな方もきっと多いはず。この記事では資産運用に興味がある方に、資産運用の概要がわかるようにご説明していきます。一口に資産運用と言ってもいろんな種類があり、方法があります。ここでは資産運用が初めての方でも理解できるように、様々な種類がある資産運用を比較していきます。資産運用にはどのような種類や方法があるのか?資産運用というと一体どのようなものを想像されるでしょうか、株式投資、不動産投資、国債、投資信託、FX、仮想通貨。資産運用にはいろんな種類があります。ここでは、それぞれの資産運用がどのようなものか簡単に説明していきます。資産運用の王様、株式投資資産運用といって想像されるもので一番多いのは株式投資ではないでしょうか。いまや銀行からネット証券まで、多種多様な実績のある金融機関が株式投資を取り扱っています。有名なだけにおおよそどんなものか想像できる方も多いと思います。ご想像の通り、会社や企業に投資する事により、その会社の株式を取得し、その株式の値上りによって利益を得るものです。また、株式の値上がりだけではなく、会社によっては配当や株主優待があるのが魅力の一つです。注目度が高い、FXFXは外国為替証拠金取引と呼ばれ、Foreign=外国の・exchange=両替という意味でFXと呼ばれています。ネットで取引する事が多く、最近まで注目度が高い資産運用でした。具体的には、日本円や外国の通貨を売買し、為替レートの差額を利益とする資産運用です。FXの特徴はレバレッジという実際に投資した金額の最大25倍までの金額を取引できる点です(2020年2月現在)。単純に計算して、利益も損失も25倍になるという事です。他の資産運用でも似たような事が出来るものもありますが、最大25倍というのは破格で、良くも悪くもFXという資産運用を特徴づけているポイントです。安定度が高い債券安定したリターンを見込める資産運用に債権というものがあります。簡単に言うとお金を貸して利息を貰うというものです。債権は国債や地方債、社債等に分かれ、国にお金を貸すのが国債、会社にお金を貸すのが社債という風に貸し出す相手によって分類されます。お金を貸し付けるといっても難しい事ではなく、債権を取り扱っている金融機関で債権を売買できます。債権は年いくらという風に金利がありますので、その金利を見てお得かどうか決める事になりますが、債権も金融商品なので、一部もしくは全部が支払われない可能性があります。また為替の差分等によって、元本割れを起こす可能性があります。とはいえ、債権は資産運用の中で最もリスクが低いと考えられ、特に債権の中の国債、さらには先進国の国債(アメリカとかオーストラリアとか日本)は最もリスクの低い金融商品と言えるでしょう。また、国債は金融の世界では無リスク資産とも呼ばれ、安全性が高い事を示しています。いろいろな種類がある投資信託投資信託という言葉を聞いた事はないでしょうか、投資信託とはお客様から集めたお金をプロのファンドマネージャー等が運用して、利益を還元する仕組みです。こちらも証券会社や銀行で取り扱っている事が多く、簡単に取引する事が出来ます。ただ、一口に投資信託といっても様々な種類があり、今ではAIで投資内容を決めたり、一定のジャンルの金融商品を均等に買い付ける等種類は様々です。また、投資信託で取り扱っている金融商品も株式に限らず、前述の債権であったり、金(ゴールド・金塊)であったり、それらを複数取り扱ったりしています。一般的に、投資先を決めて貰っているので、手数料という形で別途料金が発生する事が多いです。事業的な要素も含む、不動産投資こちらは聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。基本的にはアパートやマンションを購入し、その家賃収入を得る資産運用です。良い物件を買うというだけでなく、購入した不動産を運用していくという点で、資産運用というだけでなく一つの事業としての側面もあり、税金や法律の知識等も必要でしょう。また、通常不動産は多額の資金を必要とする為に、銀行からローンを組んで不動産を購入するという場合もあるでしょう。そうなると利息の計算であるとか、ローンの手続き等も必要になってきます。成功すればリターンが大きいものの、リスクも大きいと考えられます。新しい資産運用の形、仮想通貨最近新しく生み出された資産運用に仮想通貨というものがあります。本来は暗号通貨という名称が正しく、仮想通貨だとお店で貯まるポイントや交通機関のチャージも含まれるようですが、ここでは暗号通貨=仮想通貨としてお話します。資産運用としては単純で、仮想通貨を安い時に購入し、高くなった時に売る事で差益を得るものです。通貨という意味ではFXと似ているかもしれません。ただ、FXと違うのは仮想通貨は実物がなく、ネット上にある仮想の通貨を取引しているという点です。また、仮想通貨はネット上のセキュリティは安全と言われているものの、仮想通貨の取引所でのトラブルが散見されますので、仮想通貨そのものだけでなく、実績のある取引所を選ぶ等、注意が必要でしょう。貯蓄性もある生命保険あまり生命保険を金融商品と思って契約する人は少ないと思いますが、生命保険を筆頭にいくつかの保険は貯蓄性があります。終身保険や養老保険と言われるタイプのものがそれで、満期まで契約していると支払額より多い金額が支払われる可能性があります。ただ、利息という面ではあまり高いとは言えず、前述の無リスク資産と言われている国債等よりも低い可能性があります。しかしながら、保険はそもそも万が一に備える為のものなので、「保険金が何かあった際には支払われる」プラス「最悪の場合、解約して支払った金額より多く貰える」可能性がある、と考えておいた方がいいでしょう。意外なお得がある確定拠出年金最近は、だいたいの証券会社や銀行で取り扱いのある確定拠出年金、金融機関ですすめられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。iDeCoという名称でキャンペーンをしている所も多いと思います。これは、もともと支払っている国民年金・厚生年金にプラスして、さらに上乗せで年金を支払い、その分多くの年金を受け取るという物です。確定拠出年金の一番大きな特徴は、確定拠出年金の為に支払ったお金の運用先を自分で決める事ができる点です。普通の年金は、運用先を自分で決める事はできませんが、確定拠出年金は自分で決める事ができます。逆にいえば、自分で決めなくてはいけません。一般的には、確定拠出年金の手続きをしてくれる金融機関が取り扱っている投資信託等に決めます。また、確定拠出年金のメリットとして、確定拠出年金の掛け金(支払った金額)が全額所得控除になり支払う税金が安くなります。投資信託と株式の融合?ETF資産運用の一つとしてETFというものがあります。これは投資信託を証券化したもので内容としては投資信託とほぼ一緒です。投資信託を株式にしたものと考えて下さい。投資信託と比べると手数料が安いというメリットがありますが、ETFはそれぞれ金額が決まっているので、投資信託よりは買いにくいかもしれません。具体的に言うと、投資信託はだいたい、月1万円とか2万円とか好きな金額で積み立てていくのがスタンダードですが、ETFは株と同様に、それぞれ20000円とか14000円とか値段がありますので、資金面での自由さは投資信託ほどありません。資産運用で着目すべきは利回りとリスク資産運用といっても色々な種類があるという事がおわかり頂けたと思います。聞いた事があるものから、まったく聞いた事がないものまで様々だったのではないでしょうか。これ以外にも資産運用と呼べるものは存在します。最近ではロボアドバイザーという、投資対象を助言したり投資対象を決めてくれるサービスも出てきました。さて、色々な資産運用があるという事がわかった所で、では実際にどのように自分がすべき資産運用の対象を決めれば良いでしょうか。資産運用で着目すべきは、「利回り」と「リスク」です。では、それぞれを細かく見ていきましょう。[adsense_middle]資産運用の要、金利や利率に着目まず、資産運用を始める場合、金利や利率に着目して下さい。金利とは主に預貯金や貸付たお金に対する利子を指し、利率とは債権等に投資していくら利子が付くかを示した割合です。つまり、投資した額に対していくら増えるのかを確認するという事です。株式の値上り益のように、なかなか判定の難しいものも存在しますが、例えば債権等であれば、何%といった様に明らかな形で表示されています。また、投資信託等は過去平均の利回りを実績として、1年・3年・5年等に分けて提示している事がほとんどです。資産運用を始めたての方ですと、この利率を見て、こんなに増えるのとお思いの方もいれば、全然増えないじゃないかと思う方等、様々でしょう。まずは投資を始める前に投資の利回りはこれぐらいなんだと確かめる事をおすすめします。その金利や利率になっているのはそれなりの訳があるのです。例えば、日本国債や定期預金等の預貯金は、ほぼ利息が付かないといっても過言ではないでしょう。しかし、日本国債や銀行の預貯金であれば、国や銀行が破綻して預けたお金が返されないという事は可能性としてはかなり少なく、また為替の変動があって急に元本割れするという事もありません。極めて安全なのです。一方で、先進国を投資対象としている投資信託の利回りは10%を超えるものもあります(2020年2月現在)。ところがこれらの商品は状況によっては3割近く減る可能性もあるのです。リーマンショック等がいい例でしょう。リターンばかりでなく、リスクにも注意利回りを確認したら、その次はリスクにも注意しましょう。本来金融業界においてリスクとは「価格が変動した場合、どれだけの振れ幅があるか」をいいますが、ここでは「危険」という意味でお話したいと思います。金融商品は、預貯金等と違い元本割れのリスクを伴います。資産運用に使うお金は、生活するのに必要なお金を差し引いた余裕のある金額でするべきです。いつ変動があるかを正確に予想する事は難しいでしょう。また、金融商品には満期になるまで引き落とし出来ない、もしくは満期を迎えないと満額もらえないものも存在します。その金融商品が自由に引き落とし出来るのか、満期を迎えないと引き落とし出来ないのか、満期があるとすれば、それはいつになるのかは確認すべきポイントの一つです。そして、最後に費用です。金融商品によっては、手数料等の形で費用が発生する物もあります。費用が発生する場合は、それはいくらなのか、どうやって決まるのかを確認しましょう。そして類似の金融商品や他社の金融商品と比べて高いかどうかを確認しましょう。リターンを予測しにくい金融商品において、手数料等の費用は唯一確認出来る項目です。費用が少なければ少ないほどリターンは大きくなりますから、わからない場合はその金融会社に確認しましょう。FPおすすめの資産運用さて、いろいろな資産運用とそのポイントについてお話してきましたが、その中で私がおすすめする資産運用を2つ紹介しましょう。それは投資信託と確定拠出年金です。その理由は大きく2つあります。[adsense_middle]初心者は長期でNISA・iDeCoを利用投資信託は株式と同様にNISAという制度を利用でき、本来、投資信託で得た利益の20.315%を税金として支払わなければいけませんが、非課税になります。またiDeCoこと個人型確定拠出年金も運用益は非課税になります。これが1つ目の理由です。株式取引の譲渡益にかかる税金=所得税15%×(1+復興特別所得税2.1%)+住民税5%=20.315%2つ目は、投資信託も個人型確定拠出年金も分散投資がしやすいという所にあります。投資信託も個人型確定拠出年金の運用先も、その多くが分散投資となっており、かなり多数の運用先をひとまとめにして投資する事が可能です。これにより特定の投資先・運用先が値下がりしても、資産運用の資金全体が値下がりするというリスクを分散できます。そして、これらの投資信託や個人型確定拠出年金を長期で保有する事によって、かなり高い可能性で利益を出し、損失の可能性を減らす事が出来ます。NISAとiDeCoで迷ったら老後を考えようよく聞かれる質問として、「NISAとiDeCoどちらがお得なのか?」と聞かれる事がありますが、もしどちらか一つだけをするとしたら、老後の事を考えてみるのが良いでしょう。iDeCoは所得控除がありますが、基本的には年金なので、基本60歳まで支払われる事はありません。資産運用を老後の資金の為に行うならiDeCoがおすすめです。NISAは所得控除はありませんが、NISA期間内に引き落としてもデメリットが無い為、近い将来引き落とす可能性もあるならNISAの方が安全でしょう。NISAとiDeCo共に掛けられる金額に上限があるので、可能であれば両方利用した方が良いと思いますが、もしそれが難しいなら上記の様に考えるのがおすすめです。資産運用の比較に関するまとめ資産運用はいろいろな種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。特にリスクとなるデメリットの部分には注意が必要でしょう。これから資産運用を始められる初心者の方は、投資信託等を利用し、複数の投資先を長期に保有する事によって、金融商品の変動のリスクを最小限に抑える事が出来ます。まずはリスク分散のしやすい投資信託を、節税効果もあるNISAやiDeCoで始めてみてはいかがでしょうか?
2020年02月29日遺族年金は、老齢年金制度(一般的に「年金」と呼ばれるもの)ほどは日常的に話題になるものではありません。老齢年金は誰でももらうことができるのに対し、遺族年金は必ずしも誰もがもらえるものではないからです。また、詳細は後述しますが遺族年金に関しては女性の方が受給の幅が広いことや、受給できるターゲット層の狭さも一般的に遺族年金の認知度が低い要因であると考えられます。今回の記事では、これらの手続き方法について手順通りにまとめて解説します。是非参考になさってください。遺族年金とは遺族年金には、故人が生前どの年金に加入していたによって2種類あります。ひとつは国民全員が加入義務のある「国民年金」に加入していた場合の【遺族基礎年金】、もうひとつは会社員などの給与所得者が厚生年金に加入していた場合の【遺族厚生年金】です。国民年金加入の方のご遺族は【遺族基礎年金】の受給要件に該当しなければ他の遺族補償はありませんが、厚生年金加入だった方のご遺族は「基礎」または「厚生」のどちらか(または両方)の要件に該当すれば、どちらの年金も受け取ることが出来ます。ここからは、この受給の要件に関して、加入していた年金別に詳しく解説をしていきます。日本の年金制度には、この【遺族年金】も含めて3種類があります。一般的に「年金」と呼ばれるのは【老齢年金】のことで、老後資金としての年金です。他に【障害年金】がありますが、これは所定の障害状態に該当した場合に受け取ることができます。受給の要件故人が、生前に加入していた年金がどれであるかによって、遺族がもらえる年金は変わってきます。さらに《故人の要件》《遺族の要件》があり、このいずれにも該当しなければ受給できません。どちらかの条件しか満たしていない場合は遺族年金を受給することはできません。ここからは年金の種類別に受給要件のポイントを解説していきます。基礎・厚生ともに共通する配偶者の所得要件として「年収850万円未満であること」があります。遺族基礎年金故人の要件《故人の要件》として、「国民年金に加入していること(していたこと)」「現に【老齢基礎年金】を受け取っていたこと」などがあります。遺族の要件《遺族の要件》としては「子(18歳を迎えた年度末まで)」または「子のある配偶者」です。つまり、お子さんのいらっしゃらない配偶者や、18歳を超えたお子さんがいる場合は【遺族基礎年金】は受給できません。子供の有無が非常に大きなポイントであり、あくまでも子供の養育のための側面が強いのがこの遺族基礎年金です。遺族基礎年金の場合の【配偶者】とは、父親・母親どちらでも良いとされています。生前、生計維持関係にあった妻や夫・子であれば、この受給対象となります。遺族厚生年金故人の要件《故人の要件》として、「厚生年金の加入者だった場合」「厚生年金加入期間に初診日のある病気やケガが原因で初診日から5年以内に死亡した場合」「所定の障害年金を受けられる場合」「老齢基礎年金の資格期間を満たしている場合」があります。遺族の要件《遺族の要件》として、生計維持関係である「1・配偶者」「2・子」「3・孫」「4・父母」「5・祖父母」の順位で受給権が発生します。配偶者や子がいる場合は真っ先に受給対象者となり、配偶者も子もおらず、例えば同居して生活を共にしている(これを生計維持関係と言います)親がいる場合には、その親が遺族厚生年金の受給の対象者となります。【遺族基礎年金】よりも受給範囲が広いことが特徴です。この場合の配偶者は夫でも良いのですが、妻が死亡した時点で、夫が55歳以上の場合、60歳になった以降遺族厚生年金をもらうことになります。【遺族厚生年金】の場合、子供の有無は問題ではありません。子どもの居ない配偶者でも年金をもらうことが出来ます。ただし、夫の死亡時に30歳未満で子どもの居ない妻である場合は、受給から5年間の有期年金となります。5年経過すると【遺族厚生年金】は打ち切りという事になります。【補足】現に会社員の妻である場合若くで夫が亡くなった場合、妻と子はどうなるのでしょうか。遺族年金として受け取る額は、本来夫が【老齢厚生年金】としてもらえるはずだった金額の3/4が目安です。この場合、若くして亡くなった場合は厚生年金の加入期間が少ないため【遺族厚生年金】も少なくなってしまうのではないか、と心配される方がいらっしゃいます。しかしご安心ください。厚生年金の加入期間が25年(300月)に満たない場合でも、300月とみなして遺族厚生年金を支給する【短期要件】という特別な要件があります。この短期要件があるおかげで、厚生年金加入が25年に満たない若年層の方の遺族補償として十分に安心できる仕組みとなっています。途中でもらえなくなる場合も配偶者の死亡時には要件に該当しており長年もらっていた遺族年金も、様々な理由から途中で打ち切りとなる場合があります。最も代表的な例は「子供が成長し、18歳を迎える年の年度末を過ぎてしまい【子のある配偶者】ではなくなった場合」や「新たなパートナーを得て再婚することになった場合」などがあります。[adsense_middle]申請に必要なもの申請に必要な書類は以下の通りです。年金請求書年金手帳(紛失の場合は再発行)故人と受給権者の続柄の明記のある戸籍謄本住民票(世帯全体で故人の除票となるもの・マイナンバー不要)受給権者の所得証明(源泉徴収票など)義務教育以外の子供がいる場合は、子の所得証明(高校生は学生証のコピーなど)死亡診断書交通事故など第三者行為による死亡の場合は、それらを証明する書類(交通事故証明書など)遺族年金の振込先金融機関の通帳印鑑(実印でなくても可。スタンプ印不可)申請場所遺族年金に関する書類の提出先は、全てが年金事務所ではありません。実はこの提出場所に関しても、受給する年金が基礎か厚生かによって違います。年金事務所へ提出する場合【遺族厚生年金】の受給対象者の方は、お住まいの地域の管轄である年金事務所へ提出します。市役所・区役所などへ提出する場合【遺族基礎年金】の受給対象者の方は、市役所や区役所などの市町村役場の年金担当課に提出します。代理での提出は可能?配偶者を亡くされた後は、遺族年金の手続きだけでなく相続や遺品・財産整理など、精神的にもお辛い中でやるべきことは山積みの状況です。遺族年金の手続きに関しては、委任状などの然るべき書類を揃えることで代理申請も可能です。社会保険事務所に依頼も可遺族年金だけに限らず、年金に関する手続きの専門家は社会保険労務士です。遺族年金の代理申請に関して、親族が遠方でお願いできない場合や、間違いの無いようにプロに依頼してきっちり手続きを進めたい方などは、社労士のいる社会保険事務所へ有料で依頼することもできます。料金目安として、2万円前後~せいぜい5万円くらいで収まります。郵送での提出も可どうしても時間が無い場合などは、必要書類を郵送して遺族年金の請求を行うことも可能です。ただし、この場合に注意しなければいけない点として、もし書類の不備や訂正が発生した場合に、やりとりに時間がかかってしまうという事です。可能であれば、やはり年金事務所や市役所等の年金窓口などの提出先に持参するのが確実でしょう。年金に関する相談場所遺族年金に限らず、年金制度全般に関しての相談場所は年金事務所です。時期によっては年金事務所でも大変混雑していることがありますので、前もって予約をしてから訪れる方が良いでしょう。提出期限遺族年金は、基礎・厚生ともに、いつまでに提出しなければいけないという期限は特に設けられていません。しかし遡って申請できる時効期間は受給権が発生してから5年と決まっており、受給権が発生して5年を超えると時効により権利が消滅します。やむを得ない事情により5年を超えてしまっても、時効撤回の申し立てをすることもも可能ではありますが、当初の期間内に行うよりも遥かに時間と労力がかかる作業なので、やはり早めに提出し申請することがベストです。実際に遺族年金の受給申請をしてから実際に受給するまでに3~4カ月かかることもあります。このことから、ご自身が遺族年金の受給対象者であると分かり次第、なるべく早めに必要書類などを揃えて然るべき提出先へ提出することをおすすめします。受給開始の目安遺族年金は、偶数月の15日に2カ月分を振り込まれる仕組みになっています。しかし、遺族年金の初回分の振り込みに関しては、ここまで解説してきたような様々な書類を提出し、それを基に「故人の要件」「遺族の要件」を満たしているか等の審査が行われまず。それらを経てから受給開始となりますので、早くても申請から3か月程度、長い場合は更にあと1か月程度かかる場合もあります。初回振込が遅れても、受給権が発生している年金額に関しては後の振り込みと合算されますのでご安心ください。受給開始までの生活費の備えが肝心実際に生活費としての遺族年金をもらえるようになるまで、最大4か月程度かかるとすると、その間収入がかなりダウンすることになります。配偶者の逝去により葬儀費用や医療費など、様々な形での出費は免れません。さらに、住居費や教育費など、配偶者の生前と変わらない定期的な出費も続きます。近年では民間の生命保険での保険金支払いもスピーディになりましたので、きちんとした保障の生命保険に加入していれば、実際に遺族年金を受け取るまでの生活費として十分な一時金となるでしょう。しかし、そうではない場合は、少なくとも当面の生活費として預貯金で備えることになります。生命保険にしても、預貯金にしても、早めに万が一に備えておくことが大切です。[adsense_middle]老齢年金と遺族年金は併給できる?日本の年金制度には【老齢・遺族・障害】の3種類があります。日本では【一人一年金の原則】があり、複数の年金の受給権が発生しても、基本的にはいずれか一つを選んで受け取ることになります。同じ種類の年金は併給OK遺族年金の場合、基礎と厚生を同時にもらうことは出来ます。これは老齢年金や障害年金の場合でも同じで、基礎と厚生は併給可能です。種類の異なる年金は要注意種類の異なる年金の受給権が発生した場合は、注意が必要です。どちらの受給権も発生していますので、どちらを受け取るか選ばなくてはいけません。ここでポイントとなるのは、一度発生した年金の受給権は消滅しない、ということです。今はいずれか一つの年金を選んでも、のちに別の受給権のある年金に切り替えることもできます。選ばなかったからといって、受給権が消滅するわけではありません。併給の例外65歳以上になって老齢年金の受給権が発生した後は、一人一年金の原則ではなく例外としていくつかの併給が認められます。老齢基礎年金+遺族厚生年金障害基礎年金+遺族厚生年金障害基礎年金+老齢厚生年金複数の年金受給権が発生した場合は、年金手帳を持参のうえ年金事務所等へ「どれを選ぶと良いか」の相談に行くことをお勧めします。本当に困っている事象に対して年金制度がより役に立つ方法を専門家に相談することが安心の第一歩です。遺族年金の税務遺族年金は、基礎・厚生どちらも全額非課税です。遺族年金とは、生計維持関係にある配偶者が逝去したことによる、生活費の大幅ダウンに備えるための生活費という位置づけであるからです。遺族年金の手続き方法に関するまとめ配偶者が亡くなった場合でも、受給のための要件を満たしていない場合は残念ながら受給することができません。まずは要件を満たしていることが大前提ですが、一度受給開始した遺族年金でも途中で要件を満たさなくなれば途中で打ち切りとなる場合もあります。手続きの流れとしては、故人が生前加入していた年金制度の窓口となる然るべき提出先に提出するだけで良いのですが、大変なのは書類の取り寄せや記入です。なるべく何度も書類の取り寄せに動くのではなく、本記事でまとめている必要書類を参考に、限られた時間の中で効率的に書類を集めることが出来ればと思います。これらの必要書類や手続きの流れについては、日本年金機構の遺族年金のページにもしっかりまとめられていますので、お困りの際は是非そちらもご参照ください。また、最寄りの年金事務所や市役所等の年金担当窓口にたずねるのも確実かと思います。
2020年02月20日お子さんの教育費や老後資金の準備などに積み立てや資産運用をしている人もいらっしゃると思います。順調に積み立てや資産運用をしている人がいる反面、あまりじょうずにできていない人や始めようと思っているのに始めていない人もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は積み立てや運用で失敗しないためも、避けたほうがよい積み立てや資産運用についてお伝えできればと思います。 積み立てや資産運用は必要に応じて取り組む積み立てや資産運用はライフプラン上で子どもの教育費、住宅購入資金、老後生活の資金などお金がたくさんかかるライフイベントに備えるために必要なことです。例えば私立大学と比べて一般的に安い国立大学でも、4年間の授業料+入学金でも通常250万円程度掛かります。私立大学ではさらに掛かり大学ごとに異なるだけでなく、学部・学科ごとに授業料は異なり、安い文系学部でも4年間の授業料+入学金で450万円程度掛かります。 利回りが0とした場合、18年間で準備するには、250万円の場合は毎月11,574円、450万円の場合は毎月20,833円の積み立てが必要となります。また、利回りを年2%と想定すると、250万円を準備する場合には毎月9,626円、450万円を準備する場合には毎月17,326円の積み立てで済みます。まとまったお金を一度に用意するには、毎月の積み立てで準備をするほうが手間もかからず、資産運用がうまくできれば少ない元手で目標金額に達することもできますので、積み立てや資産運用そのものは必要に応じて取り組むと良いのですが、なかには積み立てや運用に向いていないものや適さないものもありますので、次の章でお伝えします。 こんな積み立てや資産運用はしてはいけない積み立てや資産運用と一口に言っても、リスク(値動きの大きさ)や期待する利回りが大きいものもあれば、小さいものもあります。シンプルにお伝えすれば、リスクが小さいものは期待する利回りも小さく、リスクが大きければ期待する利回りも大きくなるのが一般的です。原則としては、自分で理解できないものでの運用はやめましょう。 リスクが低いのに利回りが大きい場合は、「途中で解約ができない」などのような特別な条件がないか、または詐欺ではないか確認すると良いでしょう。例えば仕組預金は、預金と名前がついていますが、通常の預金金利より高い金利が設定されているものの、原則中途解約ができず、満期日を金融機関が延長できるものや払戻しの通貨が為替相場によって変わるものがあるため、内容やリスクを理解した上での活用が必要です。また、リスクが他の運用と比べて大きいもの(FXや先物・オプション取引、新興国通貨等)は値動きが大きく、他の運用経験がない場合は、よほど信用できる相談相手がいるか、しっかり勉強した上でない限りは避けたほうがよいでしょう。 さらに銀行、証券会社、保険会社の営業担当者などからおすすめの商品をすすめられることもあると思いますが、説明を聞くだけでなく、資産運用の目的や経験、ご自身のお考えを伝えて適切なものがあるか提案できる人を選ぶことも大切です。金融機関も収益を上げるため、手数料の高いものや短期で乗り換える前提のものを提案するケースもありますので、進められるがまま金融商品を納得・理解もせずに購入しないようにしましょう。 運用初心者にもリスクの少ない積み立て・運用とは元本保証のもので考えると、積立預金(積立定期預金など金融機関にとって名称が異なります)が選択肢となりますが、利回りは期待できないので、あくまでも毎月決まった額を積み立てるものとして活用するものです。勤務先に一般財形の制度があれば給与天引きで貯蓄できますので、こちらも元本保証の積み立てとして活用できます。 また、多少のリスクを取れる場合は、金融庁が認定した投資信託で非課税での運用を行うつみたてNISA、節税効果が高いものの60歳まで現金化できないため老後準備に用途が決まっているiDeCo(個人型確定拠出年金)、運用成果で満期返戻金・解約返戻金などが決まる変額保険・変額年金などが候補に挙がりますが、いずれも元本保証はないものがほとんどで手数料も掛かることは覚えておきましょう。 いずれも複数の選択肢か運用先を選ぶのですが、購入時の手数料は1%程度、保有時の手数料(信託報酬)はインデックス運用(指標に連動する運用)であれば年0.5%前後、アクティブ運用(指標を超える目標の運用)であれば年1.5%前後までが、平均より安い手数料率の目安ですので、運用先を選ぶ参考にしてください。 マイナス金利の影響や老後2,000万円問題などで積み立てや資産運用を始めたり、検討したりする人が増えていますが、世の中にはさまざまな積立商品、運用商品があります。いきなり積立商品、運用商品を選ぶのではなく、目的や年数、金額をしっかり考えた上で、自分の理解・納得できるもので始めるようにされると失敗しにくくなると思います。いずれにしても、積み立てや資産運用は最終的には自己責任となりますので、その点を理解されたうえでご検討ください。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年02月18日配偶者が亡くなり、これからの生活をいかに立て直していくか大変心細い状況の中で、「遺族年金を受給できる」ということは唯一の安心材料ではないでしょうか。どんなにつらい状況であっても生活は続きます。つまり生活費は日に日に減っていきます。精神的にもお辛い中で、2カ月に一度の振込日には、必ず生活費として遺族年金を受け取ることが出来ると思うと、少なくとも金銭面での不安は少し解消されるかもしれません。本記事では、この大切な遺族年金の受け取りの流れについて解説していきます。申請方法の流れ遺族年金は、老齢年金と違って誰しもが受け取る権利のある年金ではないので、該当する場合にはご自身で申請しなければ受給できません。配偶者の逝去により、なんらかの遺族年金を受給できる要件に該当するかもしれない、と思った方は最寄りの年金事務所へ相談に行くと良いでしょう。もちろん本記事のようにインターネットや書籍などで遺族年金についてご自身で調べるのも一つの手段ではありますが、配偶者を亡くした後で精神的にもお辛い中、ご自身で調べるにも限界があるのではないでしょうか。ここからは実際の申請方法の流れや必要書類について、なるべく簡潔にポイントを絞ってまとめていきます。是非参考になさってください。申請に必要な書類申請に必要な書類として、2パターンあります。まずは【ご自身で取り寄せる書類】、もうひとつは【年金事務所から受け取る書類】です。年金事務所から受け取る書類は「年金請求書」のみです。実際に年金事務所へ行き直接受け取ることもできますし、日本年金機構のホームページ内より年金請求書のダウンロードもできます。記入見本を確認することもできますので、ホームページの資料をお使い頂いても良いでしょう。【ご自身で取り寄せる書類】はいくつかありますので、以下リストにて紹介します。年金手帳戸籍謄本(提出の6カ月前までのもので、配偶者との続柄のわかるもの)世帯の全部の住民票請求者(ご遺族)の収入のわかるもの(生計維持認定のため)子の収入がわかるもの(義務教育中の子の証明は不要。高校生は学生証など)死亡診断書または死亡届の記載事項証明書受取先金融機関(遺族年金振込先)の通帳印鑑(スタンプ印不可。認印は可能)どこに申請するのか「遺族年金の受給」といっても、自営業者やフリーランス等のご遺族が受け取る年金なのか、会社員や公務員等の給与所得者のご遺族が受け取る年金なのかによって、申請および提出先が違います。亡くなった方が国民年金の加入者だった場合の申請先は「市町村役場の年金窓口」です。一方、給与所得者であり、厚生年金の加入者だった方の請求先は「お住まいの都道府県の最寄りの年金事務所」となります。申請から実際の受け取り年金請求書や取り寄せるべき書類一式を提出したら、あとは実際に振り込みがあるまで3~4カ月待つことになります。途中で進捗状況を知らせる葉書や封書が日本年金機構から届きます。またその間、書類に不備などがあれば当然修正することになり更に時間がかかりますので、なるべく最初の提出時に間違いのないよう書類を揃えましょう。以下、申請から初回の振込までの流れを順を追って解説します。受給資格の取得(配偶者逝去の翌月)遺族年金の請求(請求締め切りの期間は特にありませんが、なるべく早めが良いでしょう)日本年金機構より【年金証書・年金決定通知書】が郵送で届く日本年金機構より【年金振込通知書】【年金支払通知書】が郵送で届く第一回目の年金受取その後は偶数月の15日(土日祝の場合は前倒し)に遺族年金振込受給できる期間各種遺族年金を受け取ることが出来るのは、受給要件に該当したときからスタートで、該当しなくなれば取り消しです。最初は貰っていたのに、のちに要件に該当しなくなる場合とは、主なもので【新たなパートナーと再婚する場合】や【遺族年金を受け取っていた遺族の死亡】により中断すること等が挙げられます。加えて、遺族基礎年金に関しては子供がいるかいないかは受給するための大前提となります。そのお子さんが成長し、18歳を超えた場合には、遺族基礎年金は打ち切りとなります。いつからもらえる?遺族年金の開始時期は「配偶者の死亡した日の翌月から」対象となります。ただし、翌月からすぐに振り込みがあるわけではありません。実際には諸手続きを済ませた後、3~4カ月くらいは初回の振込までに時間がかかります。また、振り込まれるタイミングは個別に違うものではなく、全国一斉に日にちが決められており、銀行などの金融機関では「年金支給日カレンダー」をあらかじめ掲示や配布しているところもあります。支給月および支給日支給月は1年の内の偶数月で(2月・4月・6月・8月・10月・12月)、支給日は偶数月の15日です。ただし土日や祝日などで一般的な金融機関が営業していない日にちに年金振込日が重なった場合は、前倒しでの振込となります。(たとえば2月15日が土曜日である場合、前倒しの14日金曜日に年金が振り込まれます)遺族年金の認定日から実際の初回振り込みまで時間がかかっても、その間に受け取ることが出来る年金額については、初回振込分に合算して支給されます。たとえ遅れていても、年金受給の権利が発生していればもれなく受け取ることが出来ますのでご安心ください。受給できる要件受給できる要件として、亡くなった配偶者が「国民年金」「厚生年金」いずれに加入していたかによって違います。また、どちらの場合でも【配偶者】であれば夫でも妻でも良いのですが、夫の場合は少々要件が厳しい場合があります。ここでは年金制度別に、受給の要件についてポイントをまとめます。[adsense_middle]①国民年金受給の対象は「生計維持関係にある子または子のある配偶者」子の要件として18歳に到達する年度末までであること子の18歳以降はもらえなくなる妻の死亡により夫が受給する場合は、夫の年齢が55歳以上で60歳未満であること子供の居ない場合は受給不可遺族の要件として前年の収入が850万円以下であることお子さんの居ない国民年金加入のご夫婦の場合、遺族年金をもらうことが出来ません。現行の遺族年金制度では、年齢や収入に関わらず、子供の有無が大きなポイントとなっています。例えばご夫婦二人で自営業を営んでいる場合などは、配偶者の内どちらかがお亡くなりになると事業自体の規模縮小や、場合によっては廃業せざるを得なくなる場合もあります。遺族年金が無いという事は、配偶者の死後の生活費を自分で準備しておくしかありません。生命保険の死亡保障でしっかりお互いの為に資産を残すことや、事業の内容によっては損害保険への加入検討など、早めに万が一に備えておくことをお勧めします。②厚生年金受給の対象は「配偶者、子、父母、孫、祖父母」の順で順位の高い人が受給する。子供の居ない配偶者でも受給できる(ただし妻が30歳未満の場合は受給上限5年)40歳以降65歳未満の場合は中高齢寡婦加算も上乗せされる場合もある。妻が死亡した時に夫が55歳以上であれば60歳以降から受給可能。中高齢寡婦加算とは、遺族厚生年金を受給する妻にお子さんがいない場合(または18歳に到達した子がいる場合)に、40歳から65歳未満であればその期間だけ上乗せして支給されます。残念ながらこの制度は、妻を亡くした夫には適用されません。また、中高齢寡婦加算が65歳で終了した後、妻が自分の老齢基礎年金を受給するようになったら、今度は【経過的寡婦加算】という加算を受け取ることが出来る場合もあります。これも遺族が夫の場合は受け取ることが出来ません。このような遺族年金に関する諸制度に関しては、妻が遺族になる場合が未だ優遇されている面があります。受給できる金額の目安遺族年金の金額は、亡くなった配偶者が生前に加入していた年金が、国民年金か厚生年金かどちらだったかによって計算基準が変わります。なお、年金制度の違いによる受取基準は上記の通りです。ここでは年金別に金額の目安となる概要を説明します。また、年金額の一般的な計算はご自身やファイナンシャルプランナーでも行うことは可能ですが、年金に関する専門的なご質問に関しては、最寄りの年金事務所または社会保険労務士までお尋ねください。基礎年金は一律遺族基礎年金(国民年金加入者だった方)の場合は、年金受給の要件に該当すれば受け取る年金額はどなたでも一律です。基準となる額は同じなので、変動があるとすればせいぜい子供の人数によって金額が変わるくらいです。一律の金額は以下の通りです。780,100円+子の加算(第2子までは各224,500円・第3子以降は各74,800円)厚生年金は報酬により変わる遺族厚生年金の受給額は、亡くなった配偶者の年収に応じて細かく金額が変わります。基礎年金と違い、決して一律ではありません。平成15年以前とそれ以降の被保険者月数と、平均標準報酬月額(平均標準報酬額)を掛け合わせ、さらにそれぞれに対して所定の係数をかけて合算したものが遺族厚生年金の額の目安となります。この計算式は非常に複雑な為、手計算で行うのではなく、Web上に無料で公開されている遺族厚生年金の受取額を調べるための簡易シミュレーターがありますので、そちらを活用するのが良いでしょう。遺族年金がいつからもらえるのかに関するまとめ遺族年金をもらうと言っても、なかなかすぐには受給開始とならないことはお分かりいただけたのではないでしょうか。年金を受け取ることになる方(ご遺族)の生計維持関係の確認や、年齢・年収の確認、お子さんの条件など、申請してから調査し認定を受けるまでに、最低でも3カ月~4カ月は時間がかかると思っておいた方が良いでしょう。またその際でも所定の期間の分は、1回目の支払日にまとめて振り込まれますが、初回振込まで少し間が空く間の生活費に困ることがないよう、できるだけの預貯金は常に準備しておくことをお勧めします。申請先に関しても、基礎年金の請求は市町村窓口、厚生年金の申請は年金事務所と、実は細かく分けられています。もちろん年金全体に関するご相談やお尋ねは最寄りの年金事務所で構いませんが、提出先は異なるという事は覚えておきましょう。
2020年02月14日配偶者を亡くし遺族年金を受け取ることになった場合、ご遺族がご本人だけなのか子供がいるのかによって支給額が変わります。他にも、配偶者が国民年金に加入していた場合にももらえる「遺族基礎年金」か、会社員や公務員などの給与所得者で厚生年金に加入していた場合にもらえる「遺族厚生年金」なのか、あるいはそのいずれも貰える場合があるのか、など遺族年金の受給には様々なパターンがあります。本記事では、どのような状態に該当すれば、どこの年金からいくらもらえるのか、受給要件や計算方法も含めて解りやすく解説していきます。なお、遺族年金制度全般に関しては【日本年金機構】ホームページ内の遺族年金に関するページにて、解りやすくまとめられています。受給要件とは遺族年金をもらえるようになるための要件は【亡くなった方の要件】と【ご遺族の要件】の2種類があります。このどちらも満たすことで初めて年金の受給権が発生します。該当する遺族年金が基礎・厚生いずれの場合でも共通する要件として、「亡くなった配偶者と生計維持関係にあること」「生計維持関係にある遺族の年収が850万円に満たないこと」があります。そこから更に基礎・厚生で要件が違いますので、ここからは基礎と厚生に分けて解説します。ご遺族が遺族基礎年金をもらうということは、亡くなった配偶者が自営業やフリーランスなどで国民年金に加入している(していた)場合です。加入義務のある国民年金は、誰でも加入しなければならないので、会社員などで厚生年金に加入している人でも、この基礎部分の条件も満たせば厚生年金と併せて貰えることになります。よく「二階建ての年金」と言われますが、一階部分は国民全員が支払う義務のある【国民年金(基礎年金)】です。二階部分は、給与所得者が更に上乗せで加入している【厚生年金】です。つまり、厚生年金加入者は一階にも二階にも該当すればどちらも貰えるという事になります。遺族基礎年金を受給するための条件亡くなられた方の要件亡くなられた方の要件として、下記要件などのどれか一つに該当しなければなりません。国民年金に加入している(していた)こと保険料の納付について免除している期間を含めて加入期間の2/3以上の保険料を納付していること老齢基礎年金を受給する資格を保有していること保険料の納付が済んでいる期間が25年以上であること遺族の要件遺族の要件として、18歳到達の年度末を迎えるまでの子と、その子のある配偶者(夫でも妻でも可能)です。子の要件として、もう一つ【20歳到達未満で、障害等級1級・2級に該当する子】という条件もあります。お子さんが、この内いずれかに該当すれば対象となります。遺族厚生年金を受給するための条件亡くなられた方の要件亡くなられた方の要件として、下記要件などのいずれかに該当する必要があります。厚生年金に加入している(していた)こと厚生年金の被保険者期間中のケガや病気が原因で、初診日から5年以内に死亡した場合1級または2級の障害厚生年金を受給している人が亡くなった場合免除期間も含めて保険料納付済期間が25年以上であることまた、特例として【2026年3月末までに65歳未満で亡くなった場合、亡くなった付きの前々月までの1年以内に保険料の未納がなければ良い】というものがあります。遺族の要件遺族の要件としては、基礎年金よりも更に範囲が広がり【妻】【55歳以上の夫(60歳以降に受給開始)】【子】【父母、孫、祖父母】の順で、順位が高い人に要件を満たす人が居れば、その方が受給できる人ということになります。遺族厚生年金は、子供の有無に寄らず《妻》が受給権者の第一順位となっています。ただし、お子さんのいない妻が30歳未満である場合は、5年のみの有期年金となります。途中でもらえなくなる場合も配偶者と死別した段階では、上記のような要件にいずれも該当しており年金を受給していたとしても、途中で打ち切りになる場合もあります。主なものでは、【遺族である配偶者が新たなパートナーを得て再婚する場合】や【基礎年金の場合の受給要件である「子」が18歳を迎えた年度末を経過し、遺族年金の制度上における「子」に該当する人がいなくなった場合】などです。試算の仕方・方法遺族年金の詳細な金額については受給額が決定してみないとわかりません。ただし、日本年金機構ホームページ内でも計算式が公表されていますので、概算については決定前にご自身で割り出すことも可能です。受給決定前に試算することのメリットとしては、前もって受給額の概算を知っておくことで、それに対しての過不足を予め備えておくことが出来ます。例えば自営業者の配偶者の場合などで、生活費としての遺族年金が思っていたよりも少ない、またはそもそも要件に該当せず年金をもらえない場合などは、民間の生命保険や預貯金などで備えておく必要があります。試算をすることで、遺族補償を考えるきっかけになればと思います。[adsense_middle]国民年金加入者の計算方法国民年金に加入していた方の計算方法は、金額が一律であるため比較的シンプルでわかりやすい内容です。基本となる加算額+該当者が何人いるかの合計ですので、遺族基礎年金に関してはご自身でも一度計算してみると良いでしょう。780,100円+子の加算(第2子までは各224,500円・第3子以降は各74,800円)厚生年金加入者の計算方法厚生年金の加入者だった方の遺族厚生年金を試算する場合、基準となるのは《平均標準報酬月額》や《平均標準報酬額》です。報酬比例部分と言われるもので、その名の通り《報酬(給与)に比例して額が変わる》という性質のものです。ですから、算定基準がどなたも一律である遺族基礎年金の場合と違って、遺族厚生年金に関しては全く同じ金額を受け取っている方は日本中でもかなり少ないと言えます。計算式はかなり複雑ですが、こちらも日本年金機構にて計算式が公表されているものですので、参考までにご紹介します。〈平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数〉×3/4シミュレーションを活用しよう遺族厚生年金をご自身で試算するには、まず《平均標準報酬月額》や《平均標準報酬額》、各期間における加入月数を調べておく必要があります。毎年誕生日頃に届く《ねんきん定期便》や《ねんきんネット》などで把握することはできますが、これらが活用できない場合、ご自身ではなかなかはっきりした試算が出来ないのではないでしょうか。そのような場合には、インターネット上で簡単に遺族年金の額を試算できる無料のシミュレーションの活用をおすすめします。あくまでも目安の金額ではありますが、だいたいいくらくらいもらえるのかの参考にはなります。いくつかの項目について、簡易的に入力するだけで概算がわかりますので利用されてみるのも良いのではないでしょうか。【補足】各種加算について遺族厚生年金には、試算して割り出す受給額とは別に、該当者に特別に加算される金額があります。【中高齢寡婦加算】【経過的寡婦加算】です。ここでは、どのような条件に当てはまれば加算があるのかポイントを解説します。この加算はいずれも《妻》だけが対象となっている点は注意が必要です。残念ながら現行制度ではまだ《遺族である夫》は該当しません。中高齢寡婦加算注意点として、遺族年金について基礎と厚生のどちらも受け取っている方は該当しません。お子さんが居ない、または18歳を超えたため制度上の子が居ないことになり基礎年金を受け取れない遺族厚生年金の受給者で、夫の死亡時に40歳以上65歳未満の場合に【中高齢寡婦加算】があります。加算額は以下の通りです。中高齢寡婦加算の額=585,100円経過的寡婦加算経過的寡婦加算の要件として《昭和31年4月1日以前に生まれた妻》で、妻が65歳以降になれば妻の生年月日に応じて一定の金額が加算されます。この【経過的寡婦加算】は、昭和31年4月2日以降に生まれた妻には支給されませんのでご注意ください。経過的寡婦加算の額は以下の通りです。経過的寡婦加算の額=19,500~585,100円の間の所定の額(生年月日により額は変動する)遺族年金は金額によらず非課税遺族年金はご遺族の大切な生活費としての側面があり、2カ月に一度の振込額も決して少額ではないことから、精神的な支えとしても金額的にも大きな収入です。しかし、遺族年金(基礎・厚生いずれも)は全額非課税です。一般的に「年金」と呼ばれるのは、退職後のシニア層が受け取る「老齢年金」のことですが、この老齢年金は雑所得として課税対象となります。一方遺族年金や障害年金に関しては、年齢によらず条件を満たせば受給対象者となりますが、これらは年金年額や受給対象者の年収など一切関係なく全額非課税です。遺族年金の受給要件&計算方法に関するまとめ遺族年金は、配偶者を亡くした方やそのご家族を支える大切なお金です。生きている限り何かしらの出費はありますが、配偶者の死去により入ってくるお金が大幅にダウンしてしまうことが考えられ、この遺族年金は全ての収入の内で大きな割合を占めることになります。それだけ意味のあるお金だという事です。本記事でご紹介した遺族年金の受給額を知る方法は、あくまでも目安であり確定の金額ではありません。遺族年金に関するご相談やお尋ねは、お近くの年金事務所や市町村の年金窓口、社会保険労務士などの専門家に直接お尋ねください。ただし、詳細までは解らないにしても、概算としてお知りになる方法は本記事にて紹介していますので是非ご活用ください。誰でも利用できる年金シミュレーションも上手に取り入れながら、万が一に備えて、遺族年金以外の遺族補償も備えておくためのひとつの目安にしてはいかがでしょうか。
2020年02月13日配偶者を亡くした方が受け取ることが出来るのが「遺族年金」ですが、この遺族年金は死別後の生活費としていただくものです。同じく老後の生活費として受け取る「老齢年金」や所定の障がい状態になった場合に受け取る「障害者年金」もあります。いずれも、なにかしらで困っている人が受け取る「生活費」としての側面がある年金ですが、これらの年金に対しては、果たして税金を払わなくてはいけないのでしょうか。今回は、特に遺族年金について税務関係を確認していきますが、わかりやすいようにその他の年金とも比較しながら解説していきます。税金のかかる年金とは?年金には3つの種類があります。一般的に「年金」と呼ばれるものは「老齢年金」です。定年退職後の老後資金として受け取るものです。他に「障害者年金」は、所定の障がい状態になった場合に受け取ることが出来ます。最後に「遺族年金」ですが、これは配偶者を亡くした方で、なおかつ一定の条件を満たした方が受け取ることのできる年金です。公的年金の税務の取り扱い公的年金等の内、老齢年金(基礎年金・厚生年金いずれも)は雑所得として課税対象になります。一方、遺族年金と障害者年金に関しては、受給する金額に関係なく非課税となります。年金は貴重な収入世帯主の逝去に伴い、その後はそれまでのような生活が出来なくなる方がほとんどです。たとえば住居が賃貸の方は、もう少し家賃の安い部屋に引っ越しを余儀なくされる場合もあるでしょう。団体信用生命保険に加入して住宅ローンを組んでいた場合でも、負債は保険により相殺され住宅が残ったとしても、たとえばそこが地域の中でも一等地だった場合などは固定資産税の支払いが生活を圧迫する場合もあります。このようなことから、遺族年金を受給している方にとって、この年金は非常に貴重な収入となっていることは間違いありません。ここからは、少しでも生活の負担を軽減することが出来るポイントをご紹介していきます。確定申告で受けられる控除遺族年金を受給しているということは、確定申告や年末調整の際に「寡婦控除」「寡夫控除」「特別寡婦控除」のいずれかを受けられる場合があります。自ら申告しなければ誰も指摘してくれませんので、案外これらの控除を忘れている方もいらっしゃいます。控除を受けることができる権利があるのに手続きを失念すると、せっかくの権利が無駄になってしまいます。ここから詳細を解説していきますので、該当する方は是非覚えておかれると良いでしょう。寡婦(寡夫)控除は27万円、特別寡婦控除は35万円の所得控除となります。所得控除とは、一定の要件に当てはまる場合、所得合計から一定の控除額を差し引くことを指します。この所得控除には上記にて紹介した寡婦控除等を含めて細かく15種類もあります。これらは、該当する場合には全てご自身で申告しなければ控除を受けられませんので、節税のためにも必ずチェックしましょう。よく知られているものでは「医療費控除」「生命保険料控除」「寄附金控除(ふるさと納税も含む)」がありますが、詳細は国税庁ホームページ等でご確認ください。①寡婦控除寡婦控除には2つの要件があり、この内いずれかに該当すれば控除適用となります。寡婦控除・条件1「夫と死別、もしくは夫と離婚後婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族(子以外)がいる人、または生計を一にする子があること」。つまりこの場合は、配偶者と死別した人だけではなく、離婚して子供のいるシングルマザーでも寡婦控除の対象となるということです。寡婦控除・条件2「夫と死別した後婚姻していない人、または夫の生死が明らかでない人で、合計所得金額が500万円以下であること」。この場合は条件1とちがい、子供の有無は関係ない代わりに所得の制限があります。寡婦(寡夫)控除の概念における「死別」「離婚」とは、法律上の婚姻関係にあった者との死別や離婚を指します。未入籍であったり、事実婚や内縁関係のままであったりは、これらの寡婦控除を受けることは出来ません。しかし近年、家族スタイルの多様化から未入籍でシングルマザーになる方も増えてきた背景があり、今後の法改正のポイントとなっています。②寡夫控除二つ目は「寡夫控除」です。この概要は、ほとんど寡婦控除の条件と類似していますが「妻と死別または離婚後に再婚していないこと」「生計を一にする子があること」「合計所得が500万円以下であること」の3つを全て満たす必要があります。死別だけでなく、お子さんを連れて離婚したシングルファーザーの方でも、合計所得500万円以下であれば寡夫控除を受けることが出来るということです。逆に、妻と死別をしてもお子さんがいらっしゃらなければ寡夫控除の適用外ということになります。③特別寡婦控除特別寡婦控除とは、以下の要件全てに該当する場合に受けることが出来ます。通常の寡婦控除の要件をさらに厳しくしたものというイメージで良いでしょう。特別寡婦控除は「妻」のみに限られ、夫の場合は特別な寡夫控除制度はありません。夫と死別した、または離婚した、または夫の生死が不明生計を一にする子がいる合計所得が500万円以下市民税・住民税が軽減される寡婦(寡夫)控除や特別寡婦控除を適用すると何がメリットかというと、その控除額が所得から差し引かれることにより、市民税や住民税の算出根拠となる所得自体を少なくすることが出来ます。補足・シングルマザーの場合これまでの解説の通り、未婚のシングルマザーの方は現状では寡婦控除を受けることが出来ません。あくまでも婚姻歴のあるシングルマザーの方が対象です。しかし、未婚のシングルマザーの方は2021年から個人住民税が非課税になるという制度が新たに開始されることになりました。政府としても家族の多様化をサポートする姿勢が見られます。計算上節税になるポイントここからは、計算上「節税」ということになるポイントを解説します。主に、税制上や健康保険についてまとめていますが、いずれも知られていない場合が多く、せっかく制度として設けられているものばかりなので、是非こちらでご確認ください。[adsense_middle]健康保険のポイント例えば、既に成人したお子様の世帯に入れてもらっている方であれば、健康保険のポイントとして「生計を一にしている方の扶養に入る」ことができます。ただしこれは、お子さんが国民健康保険以外に加入していることが前提です。給与所得者で健康保険組合などに加入している場合であれば、被扶養者として健康保険に加入することが出来ます。お子さんが国民健康保険に加入している場合は、被扶養者となったとしても、通常通りおひとり分の保険料を払わなくてはいけないので、おひとりで加入しても扶養親族となってもあまり意味がないと言えます。さらに、75歳以上になると加入している健康保険に関わらず、皆さんが「後期高齢者医療制度」に加入することになりますので、健康保険上の扶養親族になれるのは実質75歳までということになります。健康保険の被扶養者になるには、以下の2つの収入の制限があります。「遺族年金も含めた年間収入が130万円未満、60歳以上の場合は180万円未満であること」「被保険者(世帯主)の収入の1/2以下であること」扶養控除の場合は年収制限がありませんが、健康保険における被扶養者に関しては年収制限がありますのでご注意ください。扶養にすると世帯の節税になる上記の様に、遺族年金を受給している家族を扶養親族として迎える場合、その受け入れる側の世帯にとってもメリットがあります。扶養親族が増えるという事は「扶養控除」が発生します。扶養控除は所得控除ですので、結果として住民税と所得税の節税となります。扶養控除額扶養控除は年齢によって控除額が違います。23歳以上70歳未満の親族…38万円70歳以上の親族(老人扶養親族)…48万円(ただし同居の場合は58万円)年末調整での証明について給与所得者の場合、確定申告ではなく年末調整にて税務手続きが完了します。上記のような「遺族年金を受給している同居親族を扶養親族にする場合」は年末調整の書類にて、扶養控除や老人扶養控除を申告することで手続きは終わります。ただし、遠方に住んでいて仕送りをしている等で「別居だが生計を一にしている状態」である場合、勤務先によっては仕送りした通帳の履歴などの確認が求められる場合もあります。ここでの別居とは、親が老人ホームなどの施設に入居していて、施設での入居費用や身の回りの世話をしている場合も含まれます。義父母の場合どうなるか?遺族年金を受給している義父母がいる場合も、実の父母同様に扶養親族とすることができます。しかし、ひとつだけ違う点があります。それは「同居していること」が前提です。いくらこちらから仕送り等をきちんと行っていて、事実上生計を一にしている形になっていても、別居の義父母であれば扶養親族にはあたらない、ということになっています。非課税の年金&遺族年金の税務と節税に関するまとめいかがでしたか。遺族年金を受給している世帯にとって、年金額の多寡に関わらず非常にありがたいお金です。亡くなられた方がきちんと年金保険料を納めていたからこそ、ご遺族が2カ月に1度まとまった金額を受け取ることが出来るものです。亡くなられた方からの「天国からの生活費の仕送り」だと思えば、少しでも工夫をして大切に遣いたいと思うのではないでしょうか。今回ご紹介した節税のポイントについても、これは決して裏技や法の抜け道ではありません。正当に公になっているものばかりですので、どうぞ正々堂々と大いにご活用ください。また、一般的な税務に関してはFPでもご紹介・ご案内が可能ですが、税務の詳細、具体的な算出根拠やその理由について等、具体的な個別相談に関しては税理士までご相談ください。
2020年02月02日結婚し、ともに家庭を築いてきた配偶者が逝去することは、縁起でもないので本来ならあまり考えたくないものです。しかし、万が一そのようなことになってから考えるとなると、配偶者の死後は各種手続きでの時間も必要となりますし、事務手続きと並行して考えることも多いとなると、心身ともに大変お辛いかと思います。不幸にも若くして配偶者と死別し、幼い子供を抱えたまま未亡人になる方も中にはいらっしゃいます。遺族年金制度とは、高齢者になってからの死別のみが対象ではありません。では、配偶者と死別した場合の生活保障などはどうなるのか、最低限の知識は前もって身に付けておくと安心でしょう。本記事では、配偶者と死別したその後の生活費として受給する【各種遺族年金】について、いくらもらえるか等についても解説していきます。遺族年金とは遺族年金とは、その名の通り「世帯主(正式な呼び名は生計維持者と言います)の逝去に際し遺された遺族に対し年金形式で支払われるお金」のことです。遺族年金といってもその内訳は2種類あり、一つは【遺族基礎年金】、もう一つは【遺族厚生年金】です。遺族の補償として【基礎年金】だけなのか【厚生年金】だけなのか、どちらとも受け取ることが可能かの違いがあります。この場合における受給権の算定基準となるのが、世帯主の年金加入状況です。フリーランスや自営業の方で、国民年金だけ加入していた(現在加入中)のか、会社員などの給与所得者として厚生年金に加入していた(現在加入中)のかが、遺族年金を決める大きなポイントとなります。以下、亡くなった方が【厚生年金加入】か【国民年金加入】か、それぞれについて概要をまとめていきます。年金受給は高齢者だけではない通常「年金」と聞くと、大半の方が「老齢年金」をイメージするでしょう。一般的にはそのとおりで、一定の年齢に達した高齢者の方がもらっているのが、一般的な「年金」です。しかし実は年金制度には、この老齢年金以外にあと二つの年金があります。ひとつは今回のテーマである【遺族年金】であり、もう一つは【障害年金】です。この遺族年金と障害年金に関しては、若年層であってもこれらの事由に当てはまれば、年金としてお金を受け取る権利が発生します。すなわち、老齢年金のみ一定の年齢以上に達しなければもらえない年金であり、他の二つの年金に関しては年齢問わず誰もが受給対象になり得るということです。もちろん受給するためには年金保険料を納付していること等の要件はありますが、年金には3種類あると覚えておくと良いかと思います。①厚生年金加入の場合お亡くなりになった方が生前会社員などサラリーマン(給与所得者)だった場合、ご遺族に何らかの遺族年金が支払われる要件として、ご本人(世帯主・生計維持者)が以下の要件の内いずれかに該当しなければ、ご遺族は補償を受けることができません。短期要件厚生年金に加入中である(在職中の死亡の場合)厚生年金加入中の初診日における病気またはケガが原因で5年以内に死亡した場合長期要件【老齢厚生年金】の受給資格期間が25年以上既に【老齢厚生年金】を受け取るようになった場合この長期要件のいずれかに該当する場合は、加えて以下の年金保険料の納付に関する要件にも当てはまる必要があります。国民年金加入期間の内、納付済期間が2/3以上であること(免除は納付済とみなされる)【特別措置】令和8年3月31日までに65歳未満でお亡くなりになった場合、死亡の前々月迄の1年間に保険料の滞納が無いこと②国民年金加入の場合お亡くなりになった方が、生前に自営業者やフリーランス等で国民年金のみの加入だった場合、そのご本人が以下の要件の内いずれかに該当していなければ、ご遺族は遺族年金を受給できません。国民年金加入中であること国民年金に加入していて60~65歳の日本在住であること既に【老齢基礎年金】を受け取っていることさらに、厚生年金加入の場合の長期要件で解説したものと同じ「老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある」「特別措置として令和8年3月31日までに65歳未満でお亡くなりになった場合、死亡の前々日までの1年間に保険料の滞納が無い」という要件も必須です。ご注意ください。遺族の受給要件について遺族年金を受け取る為の要件として、亡くなられた方だけでなく、残されたご家族の要件もあります。亡くなった方の生前の働き方によって大きく2つに分けられます。サラリーマンの場合、自営業者の場合に分けて解説していきます。[adsense_middle]サラリーマンの場合亡くなった方がサラリーマンだった場合、ご遺族は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」のいずれからも貰える権利があります。ただし、遺族が以下の要件を満たすことも必要です。子どもの有無に関わらず妻(ただし子供がいない30歳未満の配偶者は5年間のみ支給)高校卒業相当の年齢に達するまでの子妻が世帯主(生計維持者)である場合の夫で、55歳以上で遺族基礎年金を受給している場合上記の要件は「第一順位」の場合です。この後第一順位に該当する方がいない場合、それ以降の順位として「父母」や「孫」「祖父母」に受給権が発生することもあります。自営業の場合亡くなった方が自営業者の場合は、ご遺族が受け取ることのできる遺族年金は「遺族基礎年金のみ」となります。さらに遺族が受給できる条件として、以下の条件に該当しなければなりません。子(18歳の年度末を迎えるまで)子のある配偶者(夫または妻)お子さんの居ない専業主婦の方は注意世帯主が自営業者で配偶者が専業主婦で、なおかつ18歳未満のお子様がいらっしゃらない場合、上記の受給要件のいずれにも該当しないということになり、結果として【遺族基礎年金】は受給できません。この場合は将来の老後資金に対策として、早い内からご夫婦で話し合い備えておく必要があります。夫婦二人ともが国民年金のみに加入している場合は早めの対策を上記のようにお子さんが居ないご夫婦の場合、条件によっては遺族に対する補償が全く受けられない、ということも考えられます。例えば、ご夫婦二人で美容室や飲食店など自営業を営んでいる場合などは早めの対策がポイントです。世帯主様がお亡くなりになった後、お仕事自体の存続をどうするかも考える必要があり、さらに店舗兼住宅の場合は「お店を閉店せざるを得ない場合の住居」についても問題となる場合があります。このように、ご夫婦二人ともが国民年金のみ加入している場合は、万が一に備えて多角的なプランニングが必要です。夫が会社員の場合はWで受給できる場合あり世帯主(生計維持者)がサラリーマン等の給与所得者で、厚生年金加入の場合、遺族年金(基礎・厚生)どちらの受給要件も満たしている場合は、合わせた額を受給することが出来ます。一般的な例としては「18歳未満の子のいる妻」ですが、実際の年金受給に関しては個別条件が違いますので、年金事務所等でお尋ねください。受給の金額と受け取り方法受給の金額は、遺族厚生年金に関しては亡くなられた方の生前の給与に比例し算定されます。一方遺族基礎年金は、要件に該当さえすればどなたにでも一律同じ額が支給されます。遺族厚生年金の支給額【遺族厚生年金】の額の算出に関しては、平均標準報酬月額や亡くなられた方の年金加入期間等を基に、所定の倍率をかける等細かく計算をします。また、毎年少しずつ改定も行われており1円単位で変動していることから、遺族厚生年金の支給額に関してはご自身での計算はオススメしていません。概要を計算してみたい方は、遺族厚生年金のシミュレーションを無料で利用できるウェブサイトもありますので、そちらを利用すると良いでしょう。遺族基礎年金の支給額遺族基礎年金はどなたにでも一律です。計算式は以下の通りです。【780,100円+子の加算】★第2子までは一人当たり224,500円、★第3子以降は一人当たり74,800円受け取りは2カ月に1度遺族基礎年金、遺族厚生年金いずれも、2カ月に一度指定した金融機関への振込が原則です。また、毎年料率の改定も行われており、おおむね毎年少しずつ減っているのが現状です。妻が知っておきたい遺族年金の基本に関するまとめいかがでしたか。お子様の有無によって受給できなかったり、死別した時の配偶者の年齢などによっては途中で打ち切られることもあるという事実は、なかなかショッキングな内容だったのではないでしょうか。遺族年金の制度自体は広く知られていますが、条件によっては受け取ることが出来ない場合があることも、今回を機に知って頂くことが出来たかと思います。さらに、今回の記事を読んで遺族年金の受給要件に該当しないと判明した方は、今からでも備えをスタートすることが可能です。遺族年金に代わるような老後資産作りを早速はじめませんか。おひとりでの生活になると、これまでの生活費から何割くらい抑えれば暮らしていけそうか等も考慮する必要があります。夫婦、また家族が健康で末永く時間を過ごすことが大前提ではありますが、万が一の場合の知識を持っておくかおかないかは、その万が一が訪れたときに慌てず対応できるポイントとなります。
2020年01月30日“素材と動き”を追求「家を機能的にしたかった」と語るのは中村圭介さん。妻の奈保子さんともにグラフィックデザイナーである。「動線を生活するうえで使いやすいものにしたかった」という。中村家での家づくりに関しては明確に担当分けがあった。動線など家の機能面に関しては奈保子さんと話をしながら中村さんがまとめ、素材やデザインのテイストなどは奈保子さんが決めていったという。敷地の面積は考えていたよりも狭めだったが目の前が公園で視線が抜けるという立地が購入の決め手となったという。この2階の大きな開口は木のフレームも含め夫妻がリクエストしたもの。設計を依頼された建築家の佐々木達郎さんはお2人のこの担当分けについてこう話す。「中村さんが白くてミニマルなキャンバスをつくって、奈保子さんがそこに自由にモノを置いていく。そんなイメージを持っていました」奈保子さんも重要だったのは「素材と動き」だったと話すが、夫妻と佐々木さんとの間でかなりのやり取りが交わされたという。「けっこうやり取りをしましたね。初期のらせん状のプランもすごく面白かったのですが、僕らの考える動線とは違う考え方、暮らし方で家ができていた。それに対して、もうちょっとここをこうしたいああしたいといってオーダーを出していったら中途半端な感じになってしまった。次案も同じようにオーダーを出していってそれで決まりそうだったんですが、最後に佐々木さんが“これどうですか”とバンと出してきたのがほぼ今の形のもので“あっ、こういうことです”みたいな感じでしたね」(中村さん)2階のスペースを公園側から見る。左の箱の中は奈保子さんの仕事のスペースで、その上がロフトになっている。キッチンは「木の種類をこれ以上増やしたくなかった」ため、ステンレスにした。奈保子さんの仕事場を階段側から見る。大量の本を収める棚はLDKから見えない部分につくった。すっきりとした印象のキッチン。冷蔵庫は奥の左側に置かれている。収納家具の素材には合板を使用した。“気持ちのいい場所”をつくるこのプランはやり取りの中で佐々木さんがお2人の志向されている方向・内容を把握した結果、出来上がったものだが、これには中村家のライフスタイルが大きくかかわる。「僕が仕事で帰りが遅いので平日は朝だけごはんを3人で一緒に食べる。あとは彼女が家で仕事をして、娘が保育園から夕方帰ってきてからは彼女たち2人の生活になる。土日のメインは3人でご飯を一緒につくって食べてる。こういう必要なことだけ、重要なことだけを快適にしたいというのがありました」(中村さん)「ふつうにリビング、ダイニングを取っていくのではなく、仕事をしてちょっと休憩してご飯を食べてっていう一番長い時間を過ごすこの2階のスペースがいちばんいい場所、気持ちのいい場所であってほしかった」。こんな中村さんの思いから発して出来上がった2階のスペースはダイニングに平行して奈保子さんの仕事のスペースがあるというつくりになった。ロフトから見る。「好きなものだけを置いて、雑多なものが目に入らないようにした」という室内は、この通り、すっきりとしたスペースになっている。表と裏収納の考え方も特徴的で、壁1枚を間に挟んで“表”と“裏”に分けて、裏、つまりふだんは隠れて見えない場所にほとんどのモノを収納してしまい、表側はきれいすっきりに保つ。2階は“裏”である仕事部屋と収納スペースにほとんどのモノが収められて、テーブル、イス以外にはモノがほとんどない状態だが、1階も同様だ。服類は廊下の裏側、寝室とユーティリティを結ぶ通路の両脇にまとめられている。このウォーク“スルー”クローゼットとユーティリティの関係がユニークで面白い。室内干しにすることを強く望んだ奈保子さん。中村さんの北海道の実家のやり方を見習って洗濯物をそのままハンガーにかけて干すようにした。そして乾いたらたたまずにそのハンガーごとクローゼットに収納する。「洗濯物を抱えて家を横切って行ったり来たりみたいなのはいやだなっていうのはずっとありました」という奈保子さん。このつくりでずいぶんと手間が省けただけではない。このスペース自体が「非常に快適」という。「干していて苦にならないだけでなく、誰に見せるというわけでもないんですが、非常に満足感がありますね」階段室に吊り下げられたライトは佐々木さんがむき出しのオブジェ的に見えるものがいいのではと選んだもの。階段の素材を上下で変えるアイデアは奈保子さんからのもの。奈保子さんお気に入りのスペース。手前を左に入るとウォーク“スルー”クローゼットでその奥に寝室がある。洗面の左側が浴室になっている。寝室側から見る。階段前から見る。室内干しを前提につくられたスペース。洗濯したものをハンガーにかけて干し、乾いたらそのまま右のクローゼットに収納する。動線に無駄がないうえにたたむ手間も省ける。「空間がつながっている感じにしたかった」ため、戸はすべて引き戸にしている。室内に「オランダのギャラリーみたいにざっくりした感じ」を求めた奈保子さん。写真を置いたこのスペースはまさにギャラリーの空気感。1人だけで部屋にこもることはないと思い自分の部屋をつくらなかった中村さん。左がキャンプ道具や釣り道具などを置いた唯一の自分だけのスペース。奈保子さんがオランダで気に入って購入したというペイパーホルダー。トイレの扉には娘さんの描いた絵がサインがわりに貼られていた。子どものための空間中村さんのつくった白いキャンバスに奈保子さんの目に適ったモノを置いていく。それにさらに加わってこの家の空気感をつくり出しているのが娘さんの描いた絵だ。これがよく描けているだけでなく1階の壁に貼られたものは場所場所のキャラクターを絶妙にとらえている。「あれは本人が勝手に描いたものですが、よく描けているなあと思って貼りっぱなしにしている」(奈保子さん)という。実はこの中村邸のプラン、生活動線の面から検討を重ねただけでなく娘さんのことも考えたものという。「プラン的に回れるような感じにすることも考えましたね、子どもには面白そうだろうと。実際、初めてここに来たときもすごい気に入ってくれて」。「ぐるぐる回って追いかけっことかしていますね。2階だけでなく下でもぐるぐる回ってます」「僕が小さいときに遊びに行った親戚のうちがぐるぐると回れるつくりになっていてそれがとても面白かったという体験があるんですが、この家はその家とは違うタイプの空間だからどうなるのかなという楽しみはありますね」。2階につくった奈保子さんの仕事場とダイニングを仕切る壁には扉がなくぐるぐると回ることができるようになっている。そしてダイニングに面した壁面のほうには娘さんの絵が貼られている。自分たちの思いを実現できた中村夫妻はもちろん、彼女も大満足の家になっているのではないだろうか。ダイニングに面した壁には娘さんの絵が飾られている。キッチンから見る。ライトはプルーヴェの「Potence」で佐々木さんのセレクション。外観のミニマルな印象はサイドに玄関をつくったことにより強まっている。中村邸/House-NA設計佐々木達郎建築設計事務所所在地神奈川県横浜市構造木造規模地上2階延床面積87.76㎡
2019年12月23日ウェルスナビは、資産運用を自動で行ってくれるサービスですが、確定申告は自分でしなければいけないのでしょうか。結論をいうと、「特定口座・源泉徴収あり」を選べば基本的に何もする必要はありません。ただ、状況によっては確定申告をした方が有利になる場合があるので、どのような時に確定申告した方が有利になるのかを解説していきます。ウェルスナビとはウェルスナビ高い実績を誇るロボアドバイザーウェルスナビは、2019年11月時点で預かり資産1,900億円を超え、一番の実績を持っているロボアドバイザーです。ウェルスナビでは、世界水準の資産運用をすべて自動で行ってくれます。これまで世界水準のアルゴリズムは、機関投資家や一部の富裕層に限られていました。しかし、テクノロジーの力で誰でも世界水準の資産運用をできるようにしたのが、ウェルスナビのロボアドバイザーなのです。AI(人工知能)が投資を代行するので人件費がかからず、手数料は預かり資産の1%と低コストで、最低投資金額は10万円と少額から始められるというメリットがあります。また、スマホで簡単に開始できるのも大きなポイントです。AI自分に最適な運用プランを提示してくれる6つの質問に答えるだけで、自分に合った運用プランをAIが提示。発注や積立、リバランス(資産のバランス調整)も、ウェルスナビがすべて自動で行います。人ではなくAIが投資をしてくれるので、相場環境に一喜一憂することもなくなります。資産運用の王道は「長期・積立・分散」です。世界中の金融商品に分散投資しながら、世界経済の成長率を中長期で上回ることを目指します。もちろん、世界経済はいい時も悪い時もあり、資産運用中にはリーマンショックなど大きな金融危機が起こることもあります。しかし、「長期・積立・分散」投資を続けることで、そのような大きなショックが起こっても、長期で見ればプラスのリターンを期待できるのです。たとえば1992年1月から2017年1月までの過去25年間の期間で、ウェルスナビの推奨ポートフォリオを用いて資産運用のシミュレーションを行うと、資産は2.4倍に成長し、1年あたりのリターンは6.0%という結果になります。ウェルスナビウェルスナビの売却益にかかる税金株や投資信託を売って利益が出たとき、利益の20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)が課税されます。ウェルスナビの売却益も同じです。株や投資信託と同じく、ウェルスナビを含めたロボアドバイザーの売却益の税金も、申告分離課税に区分されるからです。申告分離課税とは、株式や投資信託などの譲渡により所得が生じた場合、確定申告の段階で他の所得と合算せず、分離して課税する制度のこと。株式等の譲渡による所得は、総合課税となる他の所得はもちろん、土地や建物などの譲渡による所得のような、他の申告分離課税の所得とも分離して課税が行われます。たとえば、ウェルスナビを10万円で買って20万円で売ったときの利益は10万円ですが、20,315円(10万円✕20.315%)が税金として引かれるので、実際の手取りは79,685円(10万円-20,315円)となります。売却益は出金することもできます。本来、税金は投資家本人が確定申告の書類に必要事項を記入したり、税務署に行ったりする必要があります。しかし日中忙しい人は、「面倒な手続きをしたくない」と考える人も多いでしょう。次の項では、確定申告が不要になるポイントを解説します。「特定口座・源泉徴収あり」を利用すれば確定申告の必要は原則ない証券会社や銀行で口座を開く場合、「特定口座」か「一般口座」を選ぶ必要があります。両者の違いは、損益計算や税金の納め方です。特定口座は、証券会社や銀行が年間取引報告書を作成してくれ、税金を本人に代わって納めてくれます(源泉徴収ありの場合)。一方、一般口座では税金の計算から確定申告、納税まで投資家自身がすべて行わなければいけません。[adsense_middle]特定口座・源泉徴収ありとは面倒な手間を省きたい人は「特定口座」を選ぶようにしましょう。特定口座を選べば、1年間の損益をウェルスナビが計算してくれます。ただし、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。「源泉徴収あり」を選べば、ウェルスナビが税金を納めてくれるので、確定申告の必要は原則ありません。一方、「源泉徴収なし」の場合、投資家自らが確定申告して税金を納めます。また、特定口座以外にも「一般口座」があります。一般口座の場合、ウェルスナビでは税金の手続きについて何もしません。損益の計算から確定申告、税金の納付まで投資家がすべて行わなければなりません。資産運用を自動で任せられるのがウェルスナビのメリットですから、税金の手間も省ける「特定口座・源泉徴収あり」を選ぶようにしましょう。特定口座・源泉徴収なしを選んだほうがいい場合もあるが、住民税の申告が必要手間が省けて便利な「特定口座・源泉徴収あり」ですが、「源泉徴収なし」を選んだほうがいい場合もあります。それは、投資による利益が20万円以下なら、所得税がかからないというメリットがあるからです。ただし、住民税の申告は必要になるので、手間をかけたくない人は「源泉徴収あり」を選んだ方がいいでしょう。外国税額控除を適用したい場合は確定申告が必要ウェルスナビは海外のETF(上場投資信託)で運用を行っているので、配当は米国内で租税条約に基づいた税率(10%)で源泉徴収されます。さらに米国で課税された後の金額に対して、日本でも20.315%の税率で源泉徴収されます。源泉徴収されているので確定申告は必要ありませんが、日米の二重課税を調整するための外国税額控除を適用したい場合は確定申告が必要になります。外国税額控除とは外国証券投資(株やETFなど)による配当金や利子は、まず外国で課税され、さらに日本でも課税されることから二重に課税されることになります。この二重課税を調整するために、外国で課税された税額を日本の税金から差し引く制度です。外国税額控除に必要な書類外国税額控除を受けるためには、確定申告をする必要があるので、必要書類を作成して期間内に税務署に提出します。外国税額控除に必要な書類は、以下の通りです。外国税額控除に関する明細書国外所得総額の計算に関する明細書外国所得税を課されたことを証する書類その税が外国税額控除の対象となる外国所得税に該当することについての説明を記載した書類ただし申告の際は、書類ややり方の詳細を税務署に問い合わせるようにしましょう。ウェルスナビで確定申告をした方がいい場合配当の二重課税以外にも、以下のように確定申告をしたほうが税金がオトクになる場合があります。[adsense_middle]株式や投資信託との損益通算確定申告すれば、他の証券会社の株や投資信託と損益通算できます。たとえば、ウェルスナビで利益が出ていて、株式で損失が出ている場合、損益通算することで支払う税金を減らせることができるのです。特定口座で取引をしていれば、ウェルスナビが年間取引報告書を作成してくれます。年間取引報告書はウェルスナビのホームページで電子交付しているので、いつでもダウンロードが可能です。損失の繰越控除を利用する株や投資信託と損益通算しても譲渡損失が残ってしまう場合、「譲渡損失の3年間繰越控除」の適用を受けるようにしましょう。適用を受けると、翌年以降3年間、翌年の譲渡益や配当金から繰り越した損失額を控除できます。これによって、課税評価額がゼロまたはマイナスとなれば課税されません。ただし、損失を繰り越すには、3年間は毎年「損失の繰越控除」の申告をする必要があるので注意しましょう。口座の変更方法ウェルスナビで一般口座を開設していても、特定口座に変更可能です。「ウェルスナビのお問い合わせ」から「現在の口座を特定口座に変更したい」と申し込みましょう。すると、ウェルスナビから口座変更申込書が送られてくるので、記入してマイナンバーなど身分証明書のコピーを同封して送り返せば完了です。ただし、その年の売却益や分配金が発生している場合は、変更できないので注意しましょう。たとえば、2019年度の口座を変更しようとしても、すでに売却益や分配金が発生している場合は、税金の計算が始まっているので年度内の変更はできません。翌年(2020年)まで待つ必要があるのです。確定申告書の書き方確定申告書をスムーズに作るためには、国税庁の「確定申告書作成コーナー」を利用すると便利です。確定申告書作成コーナーを利用すると、画面の案内にしたがって入力していくことで、申告の目的や所得の種類に応じた申告書を作成できます。申告書はプリントアウトできるので、確定申告の書類を税務署に提出すれば終了です。直接税務署に行き、職員に確認しながら作成する方がミスなくできますが、確定申告の期間は混み合い時間もかかるので、「確定申告書作成コーナー」を利用するようにしましょう。ウェルスナビのDeTax(デタックス)とはDeTax(デタックス)とは、税金の負担を軽減(先送り)してくれるサービス。分配金の受け取りやETF(上場投資信託)の売却によって利益が出ると、税負担が生じます。デタックスは、税負担が1万円を超える場合を目安に、税負担の一部または全部を翌年以降に繰り延べます。税負担を繰り延べなかった場合より運用できる金額が増えるため、投資効率の向上が期待できるのです。具体的には、損益がマイナスになっている銘柄を売却して損を確定させます。そして、すでに利益確定している銘柄と利益を相殺させることにより、その年の利益を圧縮もしくはゼロにし、税負担を翌年以降に繰り延べるのです。また、損益がマイナスになっている銘柄を売却すると同時に、同じ銘柄を「同じ数量・同じ価格」で買い戻します。これにより、ポートフォリオを維持したまま、税負担を軽くすることができるのです。柴山CEOは、SBI証券とのインタビューで、DeTaxの機能で年間0.4~0.6%程度の負担減になるといっています。ウェルスナビの手数料は年率1%(預かり資産3,000万円まで)ですが、DeTaxにより半分程度のコスト負担になることが期待できるのです。ウェルスナビの確定申告に関するまとめ今回は、ウェルスナビの税金について解説しました。「特定口座・源泉徴収あり」をしておけば、何もする必要はありません。ただし、外国税額控除や株・投資信託と損益通算をしたい場合は、確定申告をする必要があります。それでも資金が少ない間は、「特定口座・源泉徴収あり」を選んでいても問題ないでしょう。しかし、10年・20年と運用を続けて資産が大きくなった場合は、税金についてもきちんと考えるようにしましょう。
2019年12月21日まずは情報収集「20歳になったら障害年金の申請ができる」ということはうっすらと知ってはいましたが、それが現実味を帯びてきたのは娘が高校3年(18才)のときです。きっかけは学校主催の保護者向けの障害年金説明会でした。講師の日本年金機構の担当の方の話によると、申請に必要な主な書類は1.医師による『診断書』2.初診時の医療機関が書く『受診状況等証明書』(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合)3.請求者(本人や保護者)が作成する『病歴・就労状況等申立書』で、その中で私が「一番大変そう」と感じたのは3.の『病歴・就労状況等申立書』(※1)でした。※1発症から現在までの日常生活状況や就労状況を3~5年に分けて記載する。「?」がいっぱい『病歴・就労状況等申立書』の記入欄には「発病日」(※2)や、「障害認定日」(※3)などといった、聞きなれない用語もありました。また、「初診日」(※4)にも細かな規定がありました。※2「発病日」・健康診断で異常が発見された場合は、異常を指摘された日・先天性疾患の場合は、症状を自覚したときまたは検査で異常が発見された日・生来性の知的障害(精神遅延)の場合は出生日※3「障害認定日」障害認定日は原則として初診日から1年6ヶ月後の日を言いますが初診日から1年6ヶ月を経過する前に20歳の誕生日が到来する場合は20歳の誕生日(正確には20歳の誕生日の前日)が障害認定日となり、その日以降に障害年金の手続きを行うことができる。一方初診日から1年6ヶ月後の日が20歳の誕生日以降に到来する場合は原則通り初診日から1年6ヶ月後の日が障害認定日となる。※4初めて診療を受けた日を記入するが、初めて診療を受けるよりも前に次のようなことがあったら、その日を記入。・健康診断で異常が発見され療養に関する指示を受けた場合は、健康診断日・生来性の知的障害(精神遅延)の場合は出生日娘の場合、どれにあてはまるのか私には判断できませんでした。Upload By 荒木まち子また「傷病名」(=診断書の病名)についても障害年金申請は審査基準が複雑で、複数の傷病がある(例:うつ病とパニック障害、知的障害と発達障害など)場合、どの病名で申請すれば良いのかなどは素人には到底判断ができそうにありませんでした。さらに「傷病があったとしても、薬などでコントロールできている(例:てんかんがあるが、薬で発作が抑えられている)場合は障害年金支給の対象外になる」など、障害年金の申請の難しさを感じました。説明会の後しばらくして別件で役所に行く機会があった私は、帰り際に年金課に寄り、障害年金の申請書をもらうことにしました。Upload By 荒木まち子早すぎた!私は「申請用紙をもらうだけ」と軽い気持ちで年金課の窓口に行ったのですが、窓口の職員さんからは娘の障害名や現在の状況など細かな聞き取りがありました。(職員さんはメモを取っていました)障害年金申請書類一式をもらうことはできましたが、職員さんに「時期が早すぎるので、20歳の誕生日の3カ月くらい前に改めて窓口に相談に来てください」と言われました。請求するときに必要な書類等 | 日本年金機構申請書のサイズの大きさにビックリ!Upload By 荒木まち子娘は20歳前の障害なので「障害認定日」は“20歳の誕生日の前日”になります。その場合、申請には障害認定日の前後3カ月以内に医師が作成した診断書が必要です。診断書作成は早すぎてもだめですが、保護者が作成する『病歴・就労状況等申立書』は早めに準備をしても大丈夫な書類です。私は少しずつ、『病歴・就労状況等申立書』の作成に取り掛かることにしました。娘が小学生以降の資料はコラムやブログを書くときに使用していたので、すぐに取り出せる場所にありましたが、産まれてすぐのときの細かな資料や記録は、娘が幼年期に作った作品やアルバムなどと一緒に『思い出ボックス』に保管してありました。何度も引越しを経験しているわが家には、以前の引越しのときに箱詰めしたままの段ボール箱があり、「思い出ボックス」もその中にありました。開けたら過去の思い出に浸ってしまうことは容易に想像ができましたが(笑)私は娘の20年分の記録を読み返す作業を始めたのでした。続く...年金受給者(老齢年金・障害年金・遺族年金)に関する届出・手続き | 日本年金機構
2019年12月06日自分がもらえる年金はいくらなのか、スマホで”最短3分”で試算できるサービス「撮るだけねんきん試算」が登場しています。公的年金は、老後や働けなくなった時、死亡したときにも受け取れます。年金受給額が分からない方は、このサービスを使って試算してみましょう。「撮るだけねんきん試算」とは?撮るだけねんきん試算とは、スマホで「ねんきん定期便」を撮影するだけで、自分がいくら年金を受け取れるか試算できるサービスです。西日本シティ銀行が、今月からサービスを開始しました。ねんきん定期便って?年1回・誕生月に、日本年金機構から年金加入状況を知らせる青いハガキが届きます。このハガキが”ねんきん定期便”です。ハガキの見方が分からない将来いくら年金がもらえるか書いていない年金額が少なくて驚いたこうした方もいるでしょう。というのも、50歳未満の人のねんきん定期便には、今までの加入実績による年金額しか記載されていません。筆者も、自分のねんきん定期便を見てみたところ”年間21万円”、月額にすると2万円弱と書いてあります。ねんきん定期便を見るだけでは、将来受け取る年金額は分からないのです。「撮るだけねんきん試算」の使い方将来の年金額を知りたいときは、3分で手軽に試算ができる「撮るだけねんきん試算」がオススメです。早速使ってみました。手順①年齢や職業を入力入力する自分の情報は、この5つです。生年月日も入力する必要がなく、30秒ほどで入力できました。年齢性別職業現在の年収配偶者、子供の年齢手順②カメラでねんきん定期便を撮影カメラ起動のボタンを押して、ねんきん定期便を撮影します。撮影したデータから必要な情報が読み取られ、自動で入力されます。カメラを使わず直接入力することもできるので、パソコンから試算も可能です。試算完了!たったこれだけで「老齢年金・障害年金・遺族年金」3種類の年金額を、まとめて試算してくれます。「撮るだけねんきん試算」をおすすめする3つの理由日本年金機構のウェブサイト”ねんきんネット”でも老後の年金は試算できます。両方のサービスを使って感じたのは、撮るだけねんきん試算の3つのメリットです。おすすめ①難しい作業は一切なし、スマホとハガキだけで確認できるスマホとハガキ(ねんきん定期便)があれば、家族の生年月日が分からなくても試算は完了します。難しい作業は一切なし、会員登録も不要です。利用登録準備するもの撮るだけねんきん試算○不要スマホねんきん定期便ねんきんネット(日本年金機構)✕必須ID、PW、メールアドレスなどスマホねんきん定期便基礎年金番号メールアドレス…などおすすめ②障害年金・遺族年金もシュミレーションできるこれも「撮るだけねんきん試算」ならではのサービスです。老齢年金障害年金遺族年金撮るだけねんきん試算◎◎◎ねんきんネット(日本年金機構)◎✕✕障害で働けなくなったとき、健康保険から受け取る傷病手当金もまとめて試算できます。障害年金は働けなくなってもすぐには貰えない遺族基礎年金は子供が成長すると受け取れなくなる厚生年金のみ・基礎年金のみといった受給パターンがあるこのように本来は複雑な障害年金・遺族年金ですが、試算をすると受給額の推移がグラフになり、どのくらい年金が受け取れるか分かり易くなっています。おすすめ③「撮るだけ」なのに、撮らずに試算もできるねんきん定期便のデータから、一人ひとりに合わせた年金額を計算してくれますが、手元にねんきん定期便がない場合も、試算ができます。ハガキが無い場合のの試算額は、これまでも現在と同じ仕事に就いていたと仮定した額です。より詳しく試算するなら、ねんきんネットも活用!手軽に年金額を知りたいなら撮るだけねんきん試算がオススメです。一方、日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」では、老後の年金をより詳しく試算できます。納めていなかった保険料を払ったら、年金がいくら増えるか年金を受け取りながら働き続けたら、年金がいくらに減るか簡単・手軽な「撮るだけねんきん試算」と、いろいろなパターンの試算ができる「ねんきんネット」どちらも活用するのがよいでしょう。老齢年金額撮るだけねんきん試算○目安が分かるねんきんネット(日本年金機構)◎より詳しく分かる若いうちから年金受給額を試算する必要性は?メリットを2つご紹介年金受給額を試算することは、老後までまだ時間がある若い世代にもメリットがあります。メリット①これからいくら積み立てたらいいか分かる老後に受け取る年金額が分かると、老後に足りないお金の目安が付けやすくなります。「老後に2,000万円不足する」と言われていますが、これは全員に当てはまることではありません。それでも不安に駆られてしまうのは、自分の年金額がいくらになるか、よくわからないからではないでしょうか。自分の年金受給額が分かれば、足りない分をいくら備えたらいいのか分かり、計画的に準備ができます。年金の平均受給額は、夫婦で月額19万円?”老後2,000万円不足”の元になったデータ・総務省の家計調査年報によると、平均の年金収入は夫婦で月191,880円です(2017年)。しかし、その人の職業や年収によって年金額は全く違います。夫婦ともずっと自営業であれば、月13万円しかもらえないこともあるでしょうし、一人暮らしであればその半分、月6万円台です。平均ではなく自分自身の年金額を知って足りない金額を計画的に準備することが、老後に備えるポイントです。メリット②かしこく保険を買えるもしもの時に受け取れるお金が分かると、ケガや病気のために備えるべき金額が分かります。医療保険や死亡保険を契約する前に、公的年金の給付額を知っておきましょう。何もかも民間の保険で備えようとすると、保険料が今の生活を圧迫してしまいます。過不足なく保険で備えるためにも、年金の見込額を知ることが大切なステップです。年金試算のまとめもしもの時に、どのくらい年金が受け取れるのかを大まかに把握しておくことはとても大切です。面倒だから、今困っていないから…と備えを後回しにしてしまうことはNGです。手軽に試算できるサービスを活用して、賢くリスクに備えましょう。
2019年12月05日こんにちは、婚活FP山本です。現役会社員なら税金のことは年末調整で済みますが、年金を受給するようになると確定申告が必要になるかもしれない事をご存じでしょうか。仮に不要であっても、確定申告しないことで余計な損をしているケースも多々あるのが実情です。現役中の方も年金受給中の方も、基本的な知識は持っておきましょう。そこで今回は、年金受給者の確定申告についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。そもそも年金受給者でも確定申告が必要?まずは年金と確定申告の基本についてお伝えします。そもそも日本では、基本的に「全ての利益」に対して税金が発生するルールです。これは給料でも年金でも変わらず、そして給料もそうですが、年金でも基本的に税金が源泉徴収されます。一方、いくつか例外もあり、公的年金が158万円未満の場合(65歳未満なら108万円未満)だと源泉徴収はありません。また公的年金には、給与所得控除のような「公的年金等控除」という制度もあり、年金額が158万円未満(65歳未満なら108万円未満)だと収入ナシと見なされて税金も発生しない制度です。あなたの年金額はいくらでしょうか?上記の通り、158万円が一つの境界線となります。この金額を超えているなら確定申告が必要……というより、基本的に「したほうが得」です。覚えておきましょう。年収の中に税金天引きの所得があるならメリット年金を含めて、年収の中に税金が天引きされている、源泉徴収されている所得があるなら、確定申告したほうが得なことも多いと言えます。なぜなら、源泉徴収された税金は多めに取られていることも多いので、確定申告することで返してもらえることも多いためです。なお、先ほどの公的年金等控除は、2020年から変更予定となっています。一応、年金その他の収入が1000万円以下なら、同時に基礎控除も変更予定なので税負担は変わりません。しかしそれでも「自分の場合はどうか」を確認しておきましょう。年金所得者の確定申告不要制度の要件!次は、年金所得者の確定申告不要制度についてお伝えします。実は年金所得者の場合、以下の要件を満たす時は確定申告が不要です。公的年金等の収入金額が400万円以下公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下簡単に言えば、まず年金が400万円以下で、そして給料や個人年金などが年20万円以下の場合、確定申告しなくても良い制度になります。ただし、以下の場合は確定申告が必要です。所得税の還付を受ける場合確定申告が必要な特例を受ける場合つまり……悪く言えば「損を受け入れるなら確定申告しなくていい」といった意味合いです。また確定申告は不要でも、代わりに住民税の申告が必要なこともあります。なるべく、確定申告することをおすすめしたいところです。20万円以下の対象者は年金暮らしの人?先ほどの要件で、年金が400万円を超える人は滅多にいません。しかし給料や個人年金などが年20万円以下というのは、意外と厳しい要件と言えます。給与所得控除などを差し引いて計算するにしても、多くの場合で超えてしまうでしょう。20万円以下の対象者は、実質的に「年金暮らしの人」かもしれません。必要性の面でも損得勘定の面でも、どちらで考えてもやはり確定申告は「すべきもの」と考えておくことをおすすめします。年金だけで生活できる人は限りなく少ない……ここで少し余談をお伝えします。確定申告が必要なら老後は働きたくない……などと考えた人もいるかもしれませんね。確定申告が必要なのは、基本的に「年末調整がない年金受給者」です。定年延長などで、引き続き勤め先で年末調整できるなら確定申告は要りません。ただ、定年後の就労は非正規雇用やアルバイトということも多く、必ずしも年末調整があるとは限らないのが実情です。一方、今は老後資金2000万円問題が上がっているように、定年後に働かなくていい人はかなり限られています。実質的に、働かない選択肢は中々ありません。年金だけでは中々生活できない以上、ひいては確定申告も必要になる可能性が極めて高いと言えます。余計な損を防ぐためにも、確定申告できるようになっておきましょう。在職老齢年金の見直しを含め、働くのが基本実は現在の年金は、現役世代並みに稼げる(65歳以上なら月47万円)高齢者に限り、年金額が減らされる「在職老齢年金制度」が採用されています。ちなみに対象者は、高齢在職者のうち約13%です。この制度が、2021年から見直される可能性が高まっています。つまりそれほど、国としても高齢者に意欲的に働いてほしい訳です。もはや定年まで働けばいい人生モデルは成り立たなくなっています。老後も働く前提なのですから、合わせて確定申告も覚悟しておきましょう。年金収入の確定申告の方法とは?ここからは、年金収入の確定申告の方法についてお伝えします。まず、年金(と給料)収入について申告する場合に使う必要な書類は、以下の通りです。確定申告書A(公的年金等の)源泉徴収票また確定申告では、1枚目(第一表)で所得毎の総額を、2枚目(第二表)で内訳を記載します。なお、書類作成は国税庁サイトにある「確定申告書等作成コーナー」を使うと、書き方の説明もありますからおすすめです。合わせて、必要に応じて「生命保険料控除(証明書)」なども申告・添付します。税金とは、以下の流れで計算しますから、合わせて理解しておきましょう。収入-経費=利益×税率=税金額「〇〇控除」という税金計算上の経費を増やせるほどに、最終的な税金額も安くなります。全部で14種類ありますから、他に使えるものがないかも確認しましょう。収入の金額と種類以外は通常と同じ給料は給与所得に該当し、年金は雑所得に該当します。また現役中の給料と比べ、基本的に年金額は割安です。そんな収入の金額と種類の違いはあるものの、確定申告の基本や書き方については現役の方と変わりません。経験済みなら、安心して取り組みましょう。なお、扶養控除や配偶者控除は、対象が高齢者(70歳以上)になると控除額が上がります。高齢者に優しいのが日本ですね。せっかくの優遇があるのですから、使えるなら忘れず申告しましょう。[adsense_middle]確定申告の提出の仕方と期限は?今度は、確定申告の提出や期限についてお伝えします。まず、確定申告書の提出の仕方は以下の通りです。税務署へ郵送する税務署へ持参するe-Taxを利用する(事前の申請や一定の機器が必要)また確定申告は、毎年2月16日~3月15日が期限となっています。この期間の税務署は沢山の高齢者が申告に来ていますから、持参するにしても気後れはしないでしょう。さらに最近では、土曜日も受け付けている税務署も増えてきましたから、平日働いていても大丈夫です。なお、申告が必要なのに期限に間に合わなかったり申告しなかったりすると、相応のペナルティを受ける可能性があります。余計な損を生まないためにも、ひとまず期限はしっかり守りましょう。書き方や仕方が分からない時は税務署で相談を!初めて確定申告するのであれば、どうしても分からない部分も出てくるのが普通です。そんな時は、ぜひ税務署に相談しましょう。特に確定申告の期間中は、専用の相談・作成コーナーを設ける税務署も多いです。書き方や仕方について、署員の方に相談しながら完遂しましょう。一方で、確定申告は毎年のことです。いつまでもできない、分からないままでは、それはそれで節税面などで損に繋がりかねません。なるべく早めに確定申告のことも理解していきましょう。老後資金は2000万円どころか4000万円必要!最後に、肝心なことをお伝えします。確定申告も含め、何事も年齢が高まるほどに目新しいことに困難や苦手意識を感じがちです。すると、どうしても人は避けようとしますね。お気持ちは分かるものの、確定申告を避けると労働を避けることにも繋がりかねません。一方、今は老後資金2000万円問題が言われていますが、実際には多くの場合で2000万円どころか倍の4000万円は必要です。しかし4000万円を超える資産を持つ高齢者は、全体の2割以下となっています。つまり、多くの場合で老後も働かなければならない訳です。限界まで働き、ギリギリまで貯金を減らさないようにするのが老後を生き抜く基本と言えます。そのためには、確定申告もセットで必要です。ちなみに確定申告は、例えば家賃収入や資産運用で老後対策をする際にも必須ですから、避けられないと考えて挑みましょう。尽きる直前では遅い、早くから対策を!多少なりとも貯金がある方の中には、まだまだ「いつか貯金が尽きる現実」を理解していない方も沢山おられます。実際のところ、70代~80代で貯金が尽きそうな方も多いです。尽きてから、尽きる直前になってからでは、定年直後よりもさらに諸々の対処のハードルは高いでしょう。働き口を探すのも働くのも、確定申告を覚えるのも、少しでも若いほうが有利です。70代~80代よりは、まだ今のほうが若いのではないでしょうか。どんなに周囲のサポートがあったとしても、肝心なのは本人です。ぜひ今のうちから、少しでも早くから、確定申告も含めて「未来への備え」を始めていきましょう。年金生活のためにも確定申告に慣れておこう働くにしても年金生活するにしても、どちらにしても老後は確定申告が必要になる可能性が高いです。仮に不要であっても、確定申告しない・できないのは損に繋がりやすいと言えます。人間いくつになっても成長できない訳ではありませんから、ぜひ早めに確定申告にも慣れていきましょう。
2019年11月25日「年金を受け取れる年齢が迫ってきました。しかし、周囲からは“受給を繰り下げたほうが後々楽になる”と言われたり、“死んだら終わりだから、繰り上げて60歳からもらったら”と言われたり……。いったい何を信じていいのかわかりません」(59歳専業主婦)年金の受給開始は原則65歳からだが、最大5年、受給を繰り上げたり(早めたり)、繰り下げたり(遅らせたり)することができる。“年金博士”として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんは、こう解説する。「年金は65歳より1カ月受給を繰り上げるごとに、0.5%ずつ減額されます。5年早めて60歳からもらおうとすれば、30%も減額された年金が生涯続きます。反対に、1カ月受給を繰り下げるごとに、年金額は0.7%ずつ増額します(繰り下げ期間は最低1年以上)。最大70歳まで繰り下げれば、42%も増える計算に」(北村さん・以下同)次の「繰り上げ、繰り下げ受給をした場合」の「受給率」と「損益分岐点」を見てほしい。損益分岐点の年齢で、年金を繰り上げ/繰り下げ受給をした場合の受給総額と、65歳から年金を受給した場合の受給総額が並ぶことになる。以降、長生きすればするほど、65歳に受給開始した場合に比べて、繰り上げ受給した場合には“損”に、繰り下げ受給した場合は“得”になっていく。【繰り上げ受給】60歳=受給率:70%/損益分岐点:76歳8カ月61歳=受給率:76%/損益分岐点:77歳8カ月62歳=受給率:82%/損益分岐点:78歳8カ月63歳=受給率:88%/損益分岐点:79歳8カ月64歳=受給率:94%/損益分岐点:80歳8カ月65歳=受給率:100%【繰り下げ受給】66歳=受給率:108%/損益分岐点:77歳10カ月67歳=受給率:117%/損益分岐点:78歳10カ月68歳=受給率:125%/損益分岐点:79歳10カ月69歳=受給率:134%/損益分岐点:80歳10カ月70歳=受給率:142%/損益分岐点:81歳10カ月「長生きリスクを考えて、よっぽど生活に困窮しているなどではない限り、繰り上げはしないほうがいい」と語る北村さん。では、年金額を増やすために、必ず繰り下げをしたほうがいいのだろうか。「無理に年金の受給を繰り下げて、生活に困窮してしまっても、意味はありません。また、妻が年下の専業主婦などの場合、夫が20年以上厚生年金に加入しているなどの条件を満たせば、年間およそ39万円の加給年金 が、妻が65歳になるまでの間、夫の年金に加算されます。しかし、厚生年金を受給していることが条件なので、受給を繰り下げると、その間の加給年金はもらえません。人によって、寿命や加入している年金の種類、夫婦の年齢差も異なりますし、繰り下げることが、必ず得とは言い切れないのです」さらに、注意してほしいのが、5年年金を繰り下げたからといって、手取り額が42%増額するとは限らないという点だ。「平均的な収入で、40年勤め上げたサラリーマンの年金額は、厚生年金と基礎年金を合わせて、約188万円とされています。しかし、国民健康保険や介護保険などの社会保険料があるため手取りは約166万円になります。これを70歳まで繰り下げると、年金額は約267万円まで増えるが、社会保険料に加え、所得税と住民税もかかるようになり、手取り額は約225万円に。手取り額でみれば、35%の増額にしかなりません」
2019年11月15日「年金は繰り下げが正解!」「いや65歳からもらうべきだ」。さまざまな意見に、多くの人も迷っていることだろう。でも、正解は“夫婦によって違う”。あなたにとっての正解はーー。「年金を受け取れる年齢が迫ってきました。しかし、周囲からは“受給を繰り下げたほうが後々楽になる”と言われたり、“死んだら終わりだから、繰り上げて60歳からもらったら”と言われたり……。いったい何を信じていいのかわかりません」(59歳専業主婦)年金の受給開始は原則65歳からだが、最大5年、受給を繰り上げたり(早めたり)、繰り下げたり(遅らせたり)することができる。“年金博士”として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんは、こう解説する。「年金は65歳より1カ月受給を繰り上げるごとに、0.5%ずつ減額されます。5年早めて60歳からもらおうとすれば、30%も減額された年金が生涯続きます。反対に、1カ月受給を繰り下げるごとに、年金額は0.7%ずつ増額します(繰り下げ期間は最低1年以上)。最大70歳まで繰り下げれば、42%も増える計算に」(北村さん・以下同)次の「繰り上げ、繰り下げ受給をした場合」の「受給率」と「損益分岐点」を見てほしい。損益分岐点の年齢で、年金を繰り上げ/繰り下げ受給をした場合の受給総額と、65歳から年金を受給した場合の受給総額が並ぶことになる。以降、長生きすればするほど、65歳に受給開始した場合に比べて、繰り上げ受給した場合には“損”に、繰り下げ受給した場合は“得”になっていく。【繰り上げ受給】60歳=受給率:70%/損益分岐点:76歳8カ月61歳=受給率:76%/損益分岐点:77歳8カ月62歳=受給率:82%/損益分岐点:78歳8カ月63歳=受給率:88%/損益分岐点:79歳8カ月64歳=受給率:94%/損益分岐点:80歳8カ月65歳=受給率:100%【繰り下げ受給】66歳=受給率:108%/損益分岐点:77歳10カ月67歳=受給率:117%/損益分岐点:78歳10カ月68歳=受給率:125%/損益分岐点:79歳10カ月69歳=受給率:134%/損益分岐点:80歳10カ月70歳=受給率:142%/損益分岐点:81歳10カ月「長生きリスクを考えて、よっぽど生活に困窮しているなどではない限り、繰り上げはしないほうがいい」と語る北村さん。では、年金額を増やすために、必ず繰り下げをしたほうがいいのだろうか。「無理に年金の受給を繰り下げて、生活に困窮してしまっても、意味はありません。また、妻が年下の専業主婦などの場合、夫が20年以上厚生年金に加入しているなどの条件を満たせば、年間およそ39万円の加給年金 が、妻が65歳になるまでの間、夫の年金に加算されます。しかし、厚生年金を受給していることが条件なので、受給を繰り下げると、その間の加給年金はもらえません。人によって、寿命や加入している年金の種類、夫婦の年齢差も異なりますし、繰り下げることが、必ず得とは言い切れないのです」それでは、さまざまな夫婦のケースから、“賢いもらい方”を考えてみよう。【1】会社員の夫と同年齢妻サラリーマン家庭の場合、夫が完全リタイアする65歳から受給を開始するのが基本だ。「いまは企業に再雇用が義務付けられていますし、60歳からの5年間は働くことは大前提です。収入がある間は繰り上げる必要はないですよね」65歳以降も、家計に余裕がありそうなら、年金の繰り下げを検討してもいいかもしれない。「じつは、どの年金を繰り下げるかは選ぶことができる。夫の厚生年金のみを繰り下げたり、妻の基礎年金のみを繰り下げたり。さまざまな選択ができるのです」繰り下げる場合、女性の平均寿命のほうが長いので、妻の年金から検討するのが合理的だ。要件を満たしていれば、夫が亡くなると、妻は遺族厚生年金がもらえるようになるが。「妻が基礎年金のみ受給している場合、夫の厚生年金の約4分の3が、妻の年金に上乗せされます。しかし、仮に繰り下げによって、生前に夫が厚生年金額を増額していたとしても、遺族厚生年金の算出の基準となるのは、65歳時点でもらったときの受給額です」【2】会社員の夫と年下妻妻が年下の専業主婦などの場合は、加給年金をもらえるので、厚生年金は繰り下げないほうがいい。ただし、夫の基礎年金を繰り下げても、加給年金には影響はない。「夫の厚生年金は65歳から受給して、基礎年金のみを70歳まで繰り下げると、加給年金をもらったうえで、70歳からの年金額を約33万円も増やすことができます。仮に、夫が5歳年上の夫婦の場合、夫が81歳、妻が76歳の時点で、夫婦の受給総額は4,326万8,040円となり、繰り下げなかった場合の受給総額を超えることになります」夫が85歳、妻が80歳の時点では、134万円も“得”をする。ちなみに、加給年金をもらわずに夫の厚生年金と基礎年金の両方を70歳まで繰り下げた場合、受給総額が夫の基礎年金のみを繰り下げた場合を超えるのは、夫が86歳、妻が81歳の時点だ。だが、「平成30年簡易生命表」(厚生労働省)によると、65歳男性は平均84.7歳までしか生きられない。夫が65〜70歳の間は無年金になるうえ、夫は平均よりも長生きしなければならない。【3】会社員と姉さん女房妻が年上の場合は、妻が65歳を迎えた時点で、夫は現役世代か、再雇用で働いていることになる。「夫が働いている間は、妻は年金をもらわなくても生活が成り立つ可能性が高い。であれば、受給を繰り下げて、老後に備えるという選択をすることもできます」仮に妻が5年受給を繰り下げた場合、81歳時点で“得”することになる。【4】自営業の夫婦満額の基礎年金は、65歳受給開始で月額約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどにすぎない。「定年のない自営業者の場合は、できる限り働き、可能な限り繰り下げることが大事です」70歳まで繰り下げれば、基礎年金額は月額9万2,300円に。夫婦ともに繰り下げれば、18万4,600円。だいぶ心強い金額になるのだ。必ずやってくる老後を豊かなものにするために、あなたも年金の繰り下げを検討してみてはどう?
2019年11月15日「今年6月、“年金だけだと老後資金が2,000万円不足する”とした金融庁の報告書が話題となりました。そして、8月末に厚生労働省が、今後の年金制度の見通しである“財政検証”を発表しました。しかし、いずれもサラリーマン夫と専業主婦の妻というモデル世帯を中心とした分析。独身で、一人暮らしの女性などは、参考にしにくくなっているのです」そう語るのは家計コンサルタントの八ツ井慶子さんだ。7人に1人の女性が生涯結婚しない時代。さらに50歳以上の離婚率は’90年から比べて、2.5倍の5.49%(’17年)にまで増えている。夫との死別なども含め、一人暮らしをしているいわゆる“おひとりさま”は現在、65歳以上女性の5人に1人にあたり(内閣府「令和元年版高齢社会白書」)、今後も増えていく見込みだ。まず、知っておく必要があるのが、将来の年金見通し。「もともと、物価の上昇などにあわせて、年金の支給額も上がっていく仕組みでした。しかし、『マクロ経済スライド』が導入され、寿命の延びなども考慮して、年金支給額の上昇は調整されるようになりました。年金は実質的に“目減り”していくのです」(八ツ井さん・以下同)もらえる金額は変わらなかったり、わすかに上がっていたりしても、物価はそれ以上に上昇していくため、もらえる年金の価値はどんどん減っていく。実際に、どれくらい減るのだろうか?「人口比や寿命の延びから、独自に年金の将来を試算してみました。10年後の’29年には、年金を受け取る65歳以上の人口は3%増加する見込みです。一方、年金の保険料を支払う20〜64歳までの人口は6.5%減ると予想されている。さらに、この20年間の平均余命の伸び率から、10年後の女性の寿命は2.5歳ほど延びると仮定。それらをふまえて計算した結果、10年後の年金支給額は、マイナス11.03%になると試算しました」わずか10年で、約1割以上の減!そんな試算をもとに、タイプ別の“おひとりさま”の年金の今後を見てみよう。「会社員として働いていた女性が現在、受け取っている年金の平均額は、基礎年金と厚生年金をあわせて10万8,776円。しかし、10年後、支給額は、現在の価値に換算して9万6,778円にまで下がってしまう見通しです(以下、10年後の予想額はすべて現在の価値における金額)」最新の家計調査によると、65歳の単身女性の月の支出額はおよそ15万円(総務省2018年「家計調査」)。現在でも4万3,000円ほどの赤字だが、10年後には5万4,643円に。仮に95歳まで生きた場合、単純計算で1,967万円の不足となる。だが、それ以上に厳しいのは、自営業者などの国民年金のみの受給者だ。10年後に予想される基礎年金の額は4万9,663円。今年10月に始まった、年収が87万9,300円以下の条件を満たせば支給される、「年金生活者支援給付金」の5,000円(満額)を足しても、とても年金だけで生活はしていけないだろう。大黒柱だった夫が亡くなった場合の専業主婦はどうだろうか?「たとえば会社員の夫が亡くなり、子どもがいなかった場合、夫がもらえるはずだった厚生年金の4分の3にあたる遺族厚生年金をもらうことができます。これは再婚しなければ一生涯、受け取れます」10年後に年金額が“減った”場合でも、平均で実質12万円の受給。それでも65歳以上の“おひとりさま”の平均支出額からは、月に3万円ほどの赤字で、95歳までの30年で累計1,147万円の不足に。専業主婦がサラリーマンの夫と離婚した場合はどうだろう。「サラリーマンの夫と離婚した場合、“離婚分割”といって、夫の厚生年金の一部を受け取れます。といっても、夫の厚生年金の半分がもらえるわけではありません。婚姻期間中に夫が払った保険料の“実績”の半分をもらえるというもの。対象は厚生年金だけです。当然、婚姻期間が長いほど、もらえる金額は増えますが、分割後に増える金額は、現在でも平均3万1,000円ほどにすぎません」10年後は、その平均が2万7,632円まで目減りするかもしれません。“おひとりさま”平均支出からいえば、月に7万9,126円の赤字で、30年だと2,849万円不足する。かくも厳しい“おひとりさま”の老後生活。しかし、これはあくまでも、平均額をもとにしたモデルケース。個人差があるので、注意してほしい。「一人暮らしは、1人あたりの生活コストが割高になります。世帯の人数が2人から1人になっても、家賃や光熱費は半分になるわけではありませんから。しかし、見直しは十分可能。まずは契約している電力・ガス会社を変えたり、携帯電話のプランを検討して、光熱費や携帯電話代など、毎月必ずかかる“固定費”を見直しましょう。削減の効果は一生涯続きます」さらに、“おひとりさま”には攻めの姿勢が大事かもしれない。「重要なのは、長く働くことです。将来への不安を、働いていない人は働き始めるきっかけに、すでに働いている人は働き続ける動機に変えてみてはいかがでしょうか」金銭的には不安が多い“おひとりさま”。でも、自分のライフプランを自分1人で決められるのも、また“おひとりさま”の特権だ。
2019年10月28日最近、「在職老齢年金」の見直しがさかんに議論されている。在職老齢年金とは、年金をもらいながら働く60歳以上の方を対象としたもので、給与と年金の合計額が、基準額を超えたとき、厚生年金が減らされる制度だ。現在の基準は65歳以上が47万円、60~64歳は28万円だが、年金の減額は高齢者の働く意欲をそぐと問題に。そこで、基準を62万円に引き上げることを中心に検討されている。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■年齢に関係ない基準額の引き上げを期待たとえば65歳のAさんは、給与が月45万円で、年金は月15万円。給与と年金の合計が57万円で基準の47万円を超えるため、年金が減らされています。減額は、合計57万円から基準47万円を引いた残り10万円の半額、5万円です。Aさんの年金は月10万円に。しかし、改定案どおりに基準が62万円になった場合、Aさんの年金は減額されず、月15万円のまま受け取ることができます。基準が上がり、年金の減額者が減るのはいいことでしょう。ただ、対象者はかなり限られています。現在、働きながら年金をもらっている65歳以上で、もっとも多いのは、年金と賃金の合計額が20万~24万円の方です。合計額が47万円を超えるのはかなりの高給取りで、働きながら年金をもらう方の17%、年金受給者全体の1.5%しかいません(’19年10月・厚生労働省)。それより問題は60~64歳のほうです。働いている方がたくさんいるのに、基準は28万円と65歳以上より低水準です。今回の改定議論では、65歳以上と同様、基準を62万円に上げる意見もありますが、現行のままでよいという意見が根強いようです。というのも、年金の支給は原則65歳から。今65歳未満の方がもらっているのは「特別支給の厚生年金」などに限られ、それも男性は’25年、女性は’30年に制度そのものが終わってしまうからです。ですが、今働く60代前半の方は体力ややる気がまだあるのに、年金が減額されない程度にと給料を抑えてしまうでしょう。その後、65歳以降に基準額が上がったところで、一度抑えた給与を上げるのは至難の業です。在職老齢年金を改定するなら、年齢に関係のない基準額の引き上げを期待したいものです。日本の少子高齢化は予想を上回るスピードで進行しています。今年1~7月の出生数は、前年同期より5.9%減って約52万人。このままだと、今年の出生数は90万人を下回ると言われます(厚生労働省)。働き手が減り、年金受給者が増えていくなか、国は、高齢者にできるだけ長く働いて、長く年金保険料を払う側にいてほしいと考えています。そのため、在職老齢年金の改定や、年金受給を75歳まで先送りできる制度、基礎年金の払込期間を今の40年から45年に延長する案などを検討しています。その先には、年金の受給開始を70歳に延ばしたい思惑が丸見えです。私たちは議論の行方に注目しながら、長く働ける体力作りにも力を入れたいですね。
2019年10月25日証券会社は、ポイントで投資できるサービスや、投資信託や株などの取引に応じてポイントが貯まるサービスを開始しています。これから投資で資産形成する世代の顧客を囲い込むのが狙いです。SBI証券では、2019年4月にSBIモバイル証券をCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)マーケティングと合弁で設立。T-POINT(Tポイント)で株式を1株から購入できるようにしました。また、SBI証券自身も、2019年7月にT-POINTが貯まるサービスを開始。株式の手数料や投資信託の保有金額などに応じてポイントがもらえます。そして、投資信託をT-POINTで購入できます。この記事ではT-POINT投資の詳細とメリット・デメリットについて解説します。SBIネオモバイル証券(ネオモバ)とはSBI証券は、2019年4月10日にスマホ専用の「SBIネオモバイル証券」をCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)マーケティングと共同で開業し、日本株を一株単位で購入できるサービスを始めています。ネオモバネオモバならT-POINTを使って株を買えるSBIネオモバイル証券(ネオモバ)なら保有するT-POINTを使って株を買うことができます。やり方は簡単で、ポイントを使って気軽に株式投資が始められるのです。現金で購入することもできますが、ある程度貯めていればポイントだけで株を買えます。また、T-POINTで買った株を購入すれば、現金を手にできます。間接的にT-POINTを現金化できるのです。SBIネオモバイル証券は以下のような人におすすめです。T-POINTを普段使っている投資を始めたいが、損をするのが怖い少ない資金で積立投資をしたいT-POINT投資(SBIネオモバイル証券)のメリットネオモバのメリットについて見ていきましょう。シンプルな操作性SBIネオモバイル証券(ネオモバ)は投資初心者が対象なので、操作しやすいようにサイトがシンプルに作られています。チャートはローソク足ではなく、シンプルな折れ線グラフ。売買注文状況を把握するための板情報もありません。情報が多すぎず、操作しやすい工夫が施されているのです。ネオモバSBIネオモバイル証券なら現金を使わずに株を購入できるSBIネオモバイル証券の特徴は、T-POINTで株式を買えること。株式投資にはまとまった資金が必要で手を出しづらいという人でも、貯まったT-POINTで気軽に株を購入できます。日常の買い物などでT-POINTを使っていれば、ある程度ポイントが貯まっているでしょう。買い物で貯まったポイントを使って実際に投資できるのは、SBIネオモバイル証券の大きな特徴です。SBIネオモバイル証券なら、毎日の買い物や携帯料金の支払いなどで貯めたT-POINTで株を買えます。いつからでも始めることができ、現金が必要ないので気軽に投資を始められます。500円以下で有名企業の株主になれるSBIネオモバイル証券は単元未満株の取引なので、1株単位で株を買えます。500円で以下のような有名企業の株主になれるのです。みずほフィナンシャルグループ野村ホールディングス三菱自動車実質20円(消費税分)で株の取引ができるSBIネオモバイル証券では株の取引手数料は無料ですが、約定代金に応じてサービス利用料がかかります。サービス利用料は以下の通りです。ネオモバSBIネオモバイル証券では、期間限定(SBIネオモバイル証券のみで使える)T-POINTを毎月200ptもらえます。1カ月の約定代金が50万円以下の場合、200円(税込220円)で取引放題なので、実質20円(消費税分)で株の取引ができます。T-POINT投資の評価ネオモバが初心者にオススメな理由は、次の4つです。[adsense_middle]投資に関する実践的な知識が得られる通常の株式は100株単位なので「株を買ってみたい」と考えても、実際に始めるのはまとまったお金が必要でした。しかし、SBIネオモバイル証券は、T-POINTを使って1株単位で取引できます。少額だと大きな利益を狙うのは難しいものの、株式の売買に慣れるのにいい機会です。ネオモバのターゲット層は投資未経験の若年層です。若い間に投資を経験することで、早めに資産形成に取り組むことができます。豊かな老後のためには、早めに投資を始めることが大切です。投資に関する知識が得られるというのは、ネオモバの大きな特徴です。少額で運用を始められて銘柄が豊富SBIネオモバイル証券は1株単位で株を購入できるので、有名企業の株でも500円で買える銘柄がたくさんあります。また、約3600銘柄購入できるので、東証に上場しているほとんどの企業を買えるのです。配当金がもらえる配当金とは、企業が業績に応じて株主に還元するお金のことです。単元未満株でも配当金はもらえるので、SBIネオモバイル証券で保有している株でも配当金がもらえます。ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)も取引できるSBIネオモバイル証券では個別株だけでなく、ETFやREITも取引可能です。ETFとは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など指数に連動することを目指して運用されます。インデックスファンドと同じ仕組みですが、株式市場に上場しているので、取引時間中ならいつでも売買できます。REITとは、不動産の投資信託。投資家から集めたお金を商業ビルや倉庫など複数の不動産に投資し、そこから得られる賃料や売却益を投資家に分配する金融商品です。SBIネオモバイル証券のデメリットSBIネオモバイル証券のデメリットについても確認しておきましょう。SBI証券とは別口座が必要金融商品の数が少ない非課税制度に対応していないので税金がかかるサービス料がかかるクレジットカードの登録が必要SBI証券とは別口座が必要一ヶ月まったく取引しなくても利用料がかかります。期間限定ポイントが毎月貯まっていくわけではないことに注意しましょう。金融商品の数が少ないSBIネオモバイル証券の対象は、国内の株式とWealthNavi for ネオモバだけです。投資信託や債券などは購入できません。ただ、SBI証券でT-POINTを使って投資信託を購入できるので、SBI証券とSBIネオモバイル証券両方で取引するのがおすすめです。非課税制度に対応していないので税金がかかるSBIネオモバイル証券は、iDeCo(イデコ)やNISAなどの非課税制度に対応していません。通常の株式取引と同じように、運用益の20.315%の税金がかかるということを念頭に運用する必要があります。ただ、特定口座は開設できます。「特定口座・源泉徴収あり」を選べば、税金が自動的に徴収されるので、原則として確定申告する必要はありません。サービス料がかかる取引を1度もしなくても、サービス料200円(税込220円)が毎月かかります。クレジットカードの登録が必要SBIネオモバイル証券のサービス利用料の支払いには、以下のクレジットカードの登録が必要です。VISAJCBMasterCardアメックス(American Express)ダイナースクラブT-POINT投資(SBI証券での投資信託)SBIネオモバイル証券は株式しか購入できませんでしたが、SBI証券でT-POINTを使って投資信託の購入ができるようになりました。日常の買い物で貯めたT-POINTを使って投資信託を買えるようになったのです。対象はSBI証券が取り扱っている投資信託の2600本。SBI証券では投資信託を100円から購入できますが、1T-POINT=1円として、購入金額の一部や全額に充てることが可能です。投資信託の半分以上は販売手数料がかからないノーロードファンドです。豊富な種類があるので、きっと気に入る投資信託が見つかるでしょう。T-POINTは、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が展開する共通ポイントで、国内で7000万人が利用しています。T-POINTを投資に活用し、若年層を中心とした投資初心者の取り込みを狙っているのです。ただ、すでに持っているT-POINTをSBI証券で利用するには、ヤフージャパンのIDが必要です。IDを持っていない人は登録から始める必要があります。[adsense_middle]マイレージサービスマイレージサービスとは、国内株式や投資信託の取引に応じてT-POINTが貯まるサービス。ポイント獲得条件は以下の通りです。国内株式1注文の約定代金に対して手数料がかかる「スタンダードプラン」なら、月間手数料の1.1%相当のポイント。投資信託対象投資信託の保有で、保有額の年率0.1%相当のポイント(1000万円以上の顧客は0.2%)。T-POINT投資の評判2019年4月に開業したSBIネオモバイル証券は、口座開設件数が月間約3万口座。営業開始から半年で13万口座を超えました。SBIネオモバイル証券は、T-POINTが手数料に応じて貯まるほか、株を買うこともできます。初めて証券口座を開設した人の割合は57%。20~30代の利用者が52%を占めます。およそ半数が30代以下で、「若い世代に利用される証券会社を目指す」とSBIネオモバイル証券の小川社長は話しています。顧客にアンケートを取ったところ、口座開設の理由は以下のようになりました。ポイントで投資できる:74%ポイントがもらえる:23%投資の疑似体験ができることと、ポイントがもらえるという点が評価されています。ポイントの付与が若い世代の開拓の重要な手段となっていることがわかります。ポイント投資は1回あたりの取引金額が小さく、証券会社の収益にはあまり貢献しません。しかし多くのビギナーを囲い込み、そのうちの何割かがヘビーユーザーになることで、中長期的に証券会社の収益に寄与することを期待しているのです。T-POINT投資に関するまとめ今回はT-POINT投資について解説しました。SBIネオモバイル証券(ネオモバ)では株式を購入でき、SBI証券では投資信託を購入できます。T-POINT投資なら、買い物などで貯めたT-POINTで気軽に投資を始められます。SBIネオモバイル証券なら1株単位、投資信託は100円単位なので、数百円で投資を開始できるのです。ポイントなら損失も怖くありません。今後もポイント投資は若年層を中心に広がっていくことが予想されます。口座開設は無料なので、貯まっているT-POINTがあるなら始めてみてはいかがでしょうか。
2019年10月19日昨今の一般消費者を取り巻くお金の問題として、国民年金の支給額も年々少なくなっていることに加え、消費税増税や長寿時代に突入したことによる医療費負担の問題なども挙げられ、心配は尽きません。今回はこのような老後生活対策として、特に資産運用についてまとめていきます。老後資金は必ず2000万円不足するの?2019年夏に世間を大きく賑わせた、通称「老後資金2000万円不足報告書」。金融庁金融審議会・市場ワーキンググループによる報告書のことですが、実際に「老後資金2000万円不足」と明記しているわけではありません。報告書内のモデルケースにおける不足額の概算が約2000万円ほどあるので、そこを補うために早期に資産運用を心がけて備えましょう、という内容です。金融庁による老後資金2000万円不足報告書の概要ですが、夫婦二人世帯で年金のみの収入で65歳以降30年間の生活費として約2000万円不足する可能性があるとしています。もちろんこれはモデルケースであり、厚生年金を受給できない自営業者など国民年金のみ受給の世帯では、さらに老後資金が不足することも考えられます。また、住居環境が賃貸か持ち家かによって老後の住居費の出費も大きく変わります。長期・積立・分散の原則この報告書の中で、主に老後資金対策として有効な資産運用方法について言及されています。要点をまとめると以下の3つに絞られます。長期的な運用を心がける一気に大きな額で運用するより積立タイプでコツコツとあらゆるリスクを回避するために分散投資老後資金目的の資産運用必ず損をしない、損失リスクゼロの資産運用は存在しません。元本保証商品の代表である個人向け国債も、万が一日本の情勢が危ぶまれることになれば元本割れすることも考えられます。しかし何も資産運用をせずに預金のみで備えていると一向に増えません。より元本が守られ、よりリスクが少なく、よりメリット性の高い商品を選んでいきましょう。全世帯平均・老後生活費の目安退職後、老齢年金が主な収入となった場合、夫婦二人の生活費として果たして平均いくらくらい必要なのでしょうか。公益財団法人・生命保険文化センターの意識調査より主なポイントを紹介します。最低でも月に約22万円は必要夫婦二人世帯の場合、日常生活費として月に約22万円は必要であると解答した方が、全体の約32%を占めています。次点で30~40万円は必要であると答えた方が15%にも及び、老後の生活費の考え方は幅の広いものであると考えられます。ゆとりある老後には月に約35万円最低限必要な額に約13万円を上乗せした額が、ゆとりある老後生活費として約35万円は必要であるというデータがあります。上乗せした13万円には、主に以下の項目が挙げられています。旅行費やレジャー費身内とのつきあい趣味や教養孫へのお小遣いもあなどれない退職後世帯の方のお孫さんとなると、おおむね小学生から高校生くらいの年齢層が多いでしょう。在職中はお年玉やお小遣いをはずんでいたのに、リタイア後は半額にしてほしい…ということも現実的ではありません。ゆとりある老後生活費の内訳として当然お孫さんへのお小遣いなども含まれますので、お孫さんのいらっしゃる方は余裕資金に少しプラスして考えておくと安心です。そもそも老後って何歳からを指すのでしょう?同じく生命保険文化センターの調査によると、実際に老後資金を使い始める年齢は65.1歳という結果となっています。近年の老後生活に関する調査なども65歳を区切りとしている場合が多く見られますので、近年では老後と言えば65歳くらいを指すことが多いようです。iDeCoとつみたてNISAは全世帯必須金融庁の報告書でも、iDeCo(個人型確定拠出年金)とつみたてNISAは老後資金対策として早期に取り組むべきであるとまとめられています。この二つの商品のポイントとなる特徴を表にまとめましたので是非ご参考にしてください。税制上のメリットiDeCo及びつみたてNISAが老後資金対策として有効である根拠として、税制上のメリットが大きいことも挙げられます。どちらも運用益は非課税さらにiDeCoは掛け金も全額所得控除運用する際の注意点iDeCoとつみたてNISAは、老後資金に備えるための資産運用として最適ですが、以下の点について特に注意する必要があります。事前に確認してから運用を始めましょう。つみたてNISAとNISAは併用不可iDeCoは途中解約や引き出し不可[adsense_middle]世帯別・資産運用のポイントここからは世帯別にiDeCoとつみたてNISA以外の資産運用のポイントをまとめていきます。世帯別に分けることによって、より具体的で詳細な資産運用について理解できます。以下の4つの世帯に大きく分けて概要を説明しますので、ご自身の該当する世帯についてご確認ください。単身世帯共働き夫婦世帯家族世帯夫婦のみ世帯1・単身世帯(独身)独身の方の老後の生活費の平均は約15万円前後と言われています。ご自身の年金見込額の試算は日本年金機構「ねんきんネット」で簡単に出来ますので、そちらも合わせてご参照ください。ねんきんネットとは、年金手帳に記載の年金基礎番号を用い、IDとパスワードを設定してご自身の年金加入状況や将来受取額の試算が簡単にできます。これまでは年に一度誕生月に郵送されてくる「ねんきん定期便」で確認するのが主流でしたが、加入漏れの確認や未納・滞納の支払いについてインターネットですぐに確認が取れることから利用者数も増えているという事です。オススメは投資も楽しむスタイル独身の方は、ご自身のライフイベントのみで老後のことを考えることが出来るので、お金の使い道もご自身で決定出来ますし、比較的早い段階から具体的なプランニングが可能です。会社員の方なら退職時期から逆算して、退職までの在職中に大きな貯金をすることもできます。是非この特権を生かし、資産運用も楽しみながら以下のような資産運用を始めてみませんか。株主優待を楽しみながら株式投資インデックスファンド(株価連動型ファンド)気になる金融商品はNISAで試してみるインデックスファンドとは、株式指数と連動している投資信託のひとつです。似ている内容の投資信託商品でバランスファンドがありますが、かかるコストが低いのはインデックスファンドです。2・共働き夫婦世帯共働き夫婦の方の老後資金対策として必ずやっておいて欲しいのが「夫婦で口座を分ける」ことです。この口座とは、預金口座、NISA口座など全ての口座を指します。実際は二人でお金を出し合って運用しているとしても、口座が一つだと一人分とみなされてしまい、税制優遇も一人分しか適応されず非常に勿体ないことになります。2人で手堅く運用しよう二馬力で働いている特権を活かし、手堅く増やす資産運用がオススメです。社内預金・財形貯蓄(会社員の場合)一時払終身保険(配偶者へ遺すお金としても可)夫婦それぞれでNISAを活用(攻めの投資はNISAで)一時払終身保険とは、一般的に100万円以上から購入できる生命保険商品です。終身保険は、貯蓄性と保障性を兼ね備えた商品ですが、更に一時払いで保険料を支払ってしまうので、あとは保険を保有しておくだけで所定の範囲内で増えていきます。死亡保険金受取人をあらかじめ指名して、名前を付けてお金を遺すこともできますので相続対策としても有効です。3・家族世帯家族世帯は、実は他の世帯よりも資産運用に関して難易度が高くなります。なぜなら、ご自身又はご夫婦のみの意志でお金の振り分けが出来ないからです。特にお子さんのいらっしゃるご家族世帯の場合は、お子さんに関する突発的な出費が発生することもあり、毎月決まった額を運用に回すことが出来ない場合もあります。先取資産運用がオススメ毎月のお給料日に、生活費や教育費などを仕分けして管理すると思いますが、その仕分けする項目に是非「資産運用にあてる資金」も組み込むことで確実に運用していきましょう。最初から必要費として一定の資金を先取りしておき、更にその中から各種金融商品に分けましょう。家族世帯にオススメは以下の商品があります。値動きが安定しているバランス型投資信託個人向け国債も取り入れ元本保証もバッチリ学資保険で子どもの保障も貯蓄も安心貯金がうまくいかない人の典型として「毎月の生活費などを差し引いた後に残りの額を貯金する」というパターンがあります。残りの金額は毎月変動しますから、いつまでにいくら貯めるか明確ではなくなかなか貯まりません。貯金が苦手な方や、ご自身での管理に自信が無い方は銀行の積立投信などを利用して毎月定額を口座から自動引き落とししてもらうと確実です。4・夫婦のみ世帯ここでの夫婦のみ世帯とは、お子さんのいらっしゃらないご夫婦のみの世帯のことを指します。ご夫婦二人世帯であれば、ご夫婦それぞれのお仕事環境やライフイベントを擦り合わせ、二人分のライフイベント表に基づき計画的な資産運用が可能です。効率的に増やしていく商品としてオススメはこちらです。株式投資(国内株式と海外株式をバランスよく)投資信託(最初はNISAを利用しても良い)外貨預金(最初は少額からスタート)結婚時のそれぞれの資産はどうする?結婚するにあたり夫婦それぞれに既に貯金や金融資産を保有していることも多く、配偶者にそのことを伝えるかどうか悩む方がほとんどです。結婚して家族になる前の資産ですから、当然個人の資産であると考えられます。無理をして配偶者に伝える必要はありません。車や住宅など夫婦の共有財産を購入する際に、それぞれの貯金から少しずつ出し合うなど、夫婦で納得して使う場合に利用してはいかがでしょうか。[adsense_middle]年齢によって運用方法を変える世帯や家族環境に関わらず、年代によって投資スタイルを変えることが得策です。主な年代別のポイントは以下の通りです。20代から30代20代30代の方は、万が一資産運用でマイナスが出てしまっても、その後の収入や新たな投資でマイナスを補うことが可能です。定年までかなり時間がありますので、マイナスが出た時点で運用方法を見直し、微調整しながら「長期・罪積立・分散の原則」で再度チャレンジすることも出来ます。このことから、この時期には攻めの投資にチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。40代から50代この世代の方は仕事上のキャリアも積んで働き盛りでもありますが、教育費や住宅ローンなど出費が増える時期でもあります。生涯の中でも一番多忙である時期ですので、資産運用での利益を出すために、値動きを逐一チェックしなければならない運用手法は不向きであると言えます。個人向け国債など、置いておくだけで少しでも増える商品を取り入れると良いでしょう。60代以降退職後で年金収入が主になる世代になると、資産運用のバランスとして、資産全体の内半分の割合を各種金融商品で運用し、残りの半分は預貯金として準備しておくのがベストです。各種金融商品には生命保険商品やNISAなどが含まれます。半分を預貯金にする理由としては、ご自身だけでなくご家族に万が一のことがあった際に、預貯金など自在性のあるお金があると安心です。金融商品も当然解約や引き出しができますが、すぐにキャッシュが手元に戻るとは限りません。「貯金2000万円」から考える、老後のための資産運用老後のための資産運用について世代別にまとめました。現在すでに何かしらの運用をしている人も参考にしていただければと思います。資産運用はコツを掴めば楽しみながらお金を増やすことも可能です。実際に元・会社員の方で在職中に投資などに成功し、今は脱サラし資産運用を生業としている方もいます。定年後の趣味としても楽しめますので、是非早い内から少しずつスタートしてみませんか。
2019年09月29日資産運用の一つの選択肢として不動産投資がじわじわと注目を集めていますが、興味はあっても実際のところ、どんなメリット・デメリットがあるのか分からないからちょっと怖い、という人も少なくないようです。そこで本記事では、不動産投資のメリット、デメリット、そして初心者不動産投資家におすすめしたい運用法について詳しく解説します。初心者でも安心!不動産投資の高いメリット第 21 回市場ワーキング・グループ 厚生労働省資料このニュースを受けて、多くの方が老後の生活資金をどうすればいいのか不安になったことと思いますが、実は不動産投資こそがここで大きなメリットを発揮します。不動産投資最大のメリット、それは「家賃収入」です。何もしなくても毎月一定額の収入が発生することは、他の投資にはない大きなメリットになります。つまり、不動産投資による家賃収入は個人年金としての役割を担ってくれるのです。メリット2:ローンを使って効率的な資産形成と運用ができる投資には不動産投資の他にも、株式投資やFXなどさまざまな方法がありますが、不動産投資には他の投資にはない独自のメリットがあります。それは「ローン」が使えるということです。通常、個人の方が投資をするためには、もととなる投資資金を自己資金で準備しなければなりません。ところが、不動産投資については自己資金がほとんどない状態でもローンで借りられるのです。今現時点で手持ちの自己資金が十分にない人でも、すぐに投資を始められるところが不動産投資の特徴であり、大きなメリットと言えます。不動産投資でローンが使える理由とは個人が銀行からお金を融資してもらうためには、個人の収入や勤務先などの属性をもとに審査されるため、そこまで大きな融資は受けられません。ですが、不動産投資の場合は、購入する物件自体を債務の担保に入れられるため、物件自体の担保評価に応じて高額な融資が受けられるのです。不動産投資の「レバレッジ効果」とは不動産投資のメリットでよく言われるのが「レバレッジ効果」です。レバレッジとはテコの原理のことで、少ない自己資金で大きなリターンを得るという意味でよく使われます。例えば、自己資金100万円を利回り10%で運用したとすると、年間の利益は10万円ですが、900万円のローンを組んで合計1,000万円で運用したとすると、年間の利益は100万円となり、たった1年で自己資金をペイできてしまうのです。このように、ローンを活用して不動産投資をすることで、自己資金の何倍ものリターンを得ることができるため、投資規模を容易に拡大していくことができます。メリット3:団信で生命保険代わりになるローンを組んで投資をすると聞くと、人によっては「多額の借金を負うようで怖い」と感じる人もいるようです。特に、自分自身に万が一のことがあったら、家族に多額の借金を残してしまうのではないかと心配する人も少なくありません。ですが、ご安心ください。不動産投資でローンを組む場合、同時に「団体信用生命保険」にも加入するため、万が一の時にも全く心配はありません。団体信用生命保険とは団体信用生命保険とは、ローンを組んでいる人が死亡した場合に、その時点におけるローン残高相当額の保険金がおりる保険のことです。例えば、4,000万円のマンションに投資をして、その後ローン残高2,000万円の時に本人が病気などで死亡した場合、2,000万円の保険金が支給されて、残りのローンが自動的に完済します。残された家族には、ローンのなくなった賃貸物件だけが残るので、家賃収入を遺族年金代わりにしたり、売却して保険金代わりにしたりすることができるのです。このように、不動産投資には生命保険としての機能も備わっています。メリット4:確定申告で還付される?サラリーマンの節税効果不動産投資で発生する所得のことを「不動産所得」と言います。不動産所得は税務申告上、他の所得との間で赤字を相殺できる「損益通算」が可能です。この仕組みを利用すれば、下記イメージ図のように、不動産所得で生じた赤字を給与所得から相殺できるため、サラリーマンであれば確定申告によって所得税の還付を受けることができます。不動産所得が赤字でもキャッシュフローが黒字になるわけ不動産投資が節税になる一番の理由は、キャッシュフローが黒字のまま不動産所得を赤字にできることにあります。不動産投資をすると、購入した建物部分の価格については減価償却することになるため、毎年減価償却費という経費を計上することができます。節税できる2種類の税金ただ、減価償却費というのはあくまで減価償却という帳簿上の経費計上の仕組みであるため、実際に減価償却費という経費がキャッシュアウトしているわけではありません。そのため、実際は家賃収入でキャッシュフローは黒字でも、帳簿上の不動産所得は赤字にできるため、それをサラリーマンの給与所得にぶつけることで、所得税と住民税という2種類の税金が節税できるというわけです。メリット5:インフレに強い資産である日本は長期的にデフレから脱却できずにいますが、今後急激にインフレになることも十分想定されます。インフレが生じた際に預金資産を大量に抱えていると、物価が上昇してしまうため、資産が大幅に目減りしてしまうのです。一方で、不動産投資によって不動産を所有していれば、万が一インフレになったとしても、物価の上昇とともに不動産価格も上昇する可能性があるため、預金資産よりもインフレに強いと言われています。このように、不動産投資にはたくさんのメリットがありますので、初心者の方でも安心して始めることができます。本当はリスクが高い?低い?不動産投資のデメリットメリットの多い不動産投資ですが、投資である以上は必ずデメリットもあります。ここでは、初めて不動産投資をする方が、最低限覚えておいた方がよいデメリットについて次の2つをご紹介したいと思います。賃貸経営は「空室リスク」との戦いオーナーの頭を悩ます「滞納リスク」[adsense_middle]デメリット1:賃貸経営は「空室リスク」との戦い不動産投資最大のメリットでもある「家賃収入」ですが、家賃収入を得るためには常に部屋を賃借人に貸していなければなりません。ですが、いつも満室であるとは限らず、むしろ保有物件の1割程度は空室があることが一般的であるとも言われています。空室期間については収益が大幅に減ることになるため、あまり長くその状態が続くとローンの返済が厳しくなる可能性が出てくるのです。募集条件とリフォームを工夫することでリスクヘッジ空室リスクを回避するためには、ただ単に募集に出すのではなく、次の2種類のポイントに基づいて対策を打つことが大切です。礼金ゼロ?募集条件を工夫する募集家賃が相場からかけ離れていると、空室が長期化してしまいます。たとえ近隣相場が値下がりしていなくても、賃貸需要は季節によっても変動しますので、夏の暑い引越し閑散期に空室が発生した際には、家賃を値下げして募集するといった工夫が必要です。また、どうしても家賃を下げたくないのであれば、礼金をゼロにするなど、募集条件にアレンジを加えるとよいでしょう。少額でも効果大!リフォームを工夫する賃貸物件は都内でも供給過多の状況にあるため、空室になった際にコストだけを考えて最低限のリフォームだけを行っていると、結果として空室が長引いてしまう可能性があります。では具体的にどのようなリフォームをすればよいのでしょうか。アクセントクロスで印象に残る部屋にするウォシュレットや浴室乾燥機を設置する畳やカーペットをフローリングにするこれらのように、大掛かりなリフォームというよりは、通常の原状回復工事にプラスアルファ付加価値のある施工をすることで、他の物件と差別化を図ることができます。最近では、IKEAなど安くてデザイン性の高いインテリアが増えてきていますので、そういったものも積極的に取り入れていくとよいでしょう。デメリット2:オーナーの頭を悩ます「滞納リスク」オーナーが直面する問題で、最も解決が難しいのが「家賃滞納」です。昭和のころは終身雇用が一般的だったため、収入が安定している人が多く、家賃滞納はそこまで大きなリスクではありませんでした。ところが、終身雇用が崩壊した昨今、収入が安定せず、たびたび家賃が滞納するケースが増えているようです。管理会社任せでは解決が難しい理由管理会社に丸投げすれば大丈夫、そう考えている人も多いのですが、確かに管理会社に委託すれば賃借人に連絡くらいはしてくれますが、本格的に家賃を取り立ててもらうことはできません。そもそも、滞納家賃の督促は債権回収に該当するため、弁護士以外の人間が行うと非弁行為となってしまい違法なのです。つまり、家賃滞納が発生したら、最終的にはオーナー自身で対処するか、弁護士に依頼することになります。保証会社でリスクヘッジ可能家賃督促をやりたくないという方は、保証会社を利用することでリスクヘッジができます。保証会社とは、賃借人からの依頼を受けて家賃等を保証してくれる会社のことで、万が一家賃滞納が発生しても、保証会社が速やかに立て替えて支払ってくれるのです。最近では、集金代行もセットで委託できる保証会社が増えており、家賃が滞納しても自動で立て替えてくれるため、滞納という状態自体が発生しません。また、賃借人の累積滞納額が増えて建物の明け渡しを求める場合についても、訴訟費用や強制執行の費用などすべて保証会社が負担してくれるので、滞納リスクについてはほぼ完全に解消できるでしょう。初心者やサラリーマンにおすすめの不動産投資運用法不動産投資の中にも、幾つかの運用法があります。そこで今回は、初心者やサラリーマン投資家におすすめの運用法についてご紹介したいと思います。[adsense_middle]手頃な価格から始められる分譲マンション投資不動産投資は大きく分けるとアパートやマンション一棟に投資する一棟投資と、分譲マンションの一部屋に投資する区分マンション投資の2種類があります。一棟投資ですと、一度に投資する金額が大きくなるため、ハイリスクハイリターンであるのに対し、区分マンション投資は手頃な価格で購入できるローリスクリターンであるため、経験の浅い初心者や、サラリーマン投資家は区分マンション投資から始めて経験を積むことがおすすめです。ワンルームの分散投資で賃貸経営のリスク管理分譲マンションであれば、一棟アパートとは違い別々の地域に分散投資することが可能です。災害が多い日本において、狭いエリアに集中して物件を所有することは大きなリスクとなるため、分散投資することが最大のリスクヘッジとなります。急な転勤、住宅活用で始める不動産投資不動産投資で成功している人の中には、もともと自己使用目的の住宅、つまりマイホームとして購入した物件を賃貸に出すことから始めた人も多くいます。例えば、住宅ローンを組んで購入したものの、すぐに転勤が決まった場合、売却するのではなく、他人に貸して家賃収入を得ることで不動産投資が始まったというケースは比較的よくある話です。「住宅ローン」でも他人に賃貸できるというメリット住宅ローンは不動産投資ローンとは違い、マイホームを購入するということで、低金利で貸し付けてくれるローンです。そのため、通常は住宅ローンで不動産投資をすることは絶対にできないのですが、転勤などやむをえない事情で賃貸に出す場合については、例外的に金融機関の了承を得られれば、住宅ローンでもマイホームを他人に賃貸できる場合があります。マイホームから引越しをする際には、すぐに売却するのではなく、賃貸に出すことも一つの選択肢にすると面白いでしょう。不動産投資のリスクに関するまとめ不動産投資には魅力的なメリットがある一方で、空室リスクや家賃滞納など一定のデメリットがあることもお分かりいただけたでしょうか。ただ、デメリットのほとんどは今回ご紹介したような対策をとることで、十分リスク管理することが可能ですので、そこまで心配する必要はありません。不動産投資のリスクが高いと感じている方は、リスクの低いワンルーム区分マンション投資から始めてみてはいかがでしょうか。
2019年09月25日国民年金の保険料は、原則として、日本に住んでいる20歳から60歳までの人が納めなければならない義務を負っています。そのため、例えば20歳を過ぎた学生をはじめ、失業して収入のない人など、国民年金を払うのが困難な人や払えない人にも納付義務があることを意味します。最悪な場合ですと、年金を払わないことによる財産の差し押さえもあり得ることを踏まえ、本記事では年金と差し押さえの関係について解説を進めます。年金を払わないと、ただちに財産が差し押さえられるわけではない国民年金保険料を未納のまま、長い期間に渡って放置していた場合で、最悪な場合は財産を差し押さえられてしまうことになるのは確かですが、年金を払わないからといって、ただちに財産が差し押さえられるわけではありません。実際に、国民年金保険料の未納がある場合、通常は年金事務所から特別催告状が自宅へ郵送で送られ、何かしらの対応が求められます。また、日本年金機構から委託を受けた会社(アイヴィジット)が、国民年金保険料の未納になっている人に対して、電話などで納付を促すこともあります。国民年金保険料の未払いや不払いによる滞納を長く続けると危険信号国民年金保険料の未払いや不払いによる滞納を長く続けることは問題ですが、何よりも大きな問題は、年金事務所などから連絡があった場合に未対応のまま放置することです。前項では、年金を払わないからといって財産がただちに差し押さえになるわけではないことをお伝えしましたが、大まかに解説しますと、催促、督促、最終通告などのように、未納や滞納問題がエスカレートしていき、最終的に財産の差し押さえとなるわけです。年金を払えない、払わないから連絡しないは最もしてはいけないこと年金事務所などから催促や督促などの連絡が来た時に、年金を払えないためや払う気がないからなどといった理由で、連絡をしないことは最もしてはいけないことです。たとえば、経済的な理由などが原因で毎月国民年金保険料を納めるのが困難な人も多いと思われますが、このような立場に置かれている方であれば、まずは年金事務所へ相談をしに行き、納付ができない事情をしっかりと説明することが重要です。国民年金保険料の未納や滞納による催促や督促などの対応方法とは前項で紹介しましたように、国民年金保険料の未納や滞納による催促や督促などが届いた場合は、放置をせずに速やかに年金事務所へ相談をすることが正しい対応方法と言えます。当然のことながら、未納や滞納をしている国民年金保険料をすべてまとめて納付できることが望ましいのは確かですが、意図的に払わない人を除きますと、その大半は経済的な理由によるものが考えられ、全額納付はまずもって不可能でしょう。年金事務所へ相談を行い、国民年金の保険料免除申請を行う国民年金保険料の未納や滞納による催促や督促などが届いた場合は、放置をせずに速やかに年金事務所へ相談をすることが正しい対応方法です。この時、なぜ国民年金保険料を納付することができないのか、事情を説明した上で国民年金保険料の免除申請を行うようにして下さい。なお、免除方法には全額免除、半額免除などがあり、相談に行った人だけではなく、配偶者などの収入(所得)によって免除の条件が変わります。国民年金保険料の未納や滞納が多いと考えられる人とその理由国民年金保険料の未納や滞納が多いと考えられる人には、主に無職やフリーターなど収入(所得)が少ない人、自営業者やフリーランス、場合によっては学生などが考えられます。また、次項で紹介する国民年金の種別が変更になったことによる影響もあると思われますが、このように言い切れる理由には、収入の問題だけではなく、国民年金に加入している人の種別と納付方法が大きく関係しているためです。[adsense_middle]国民年金に加入している人は、大きく3つの種別に分けられる本記事の冒頭では、国民年金の保険料は原則として、日本に住んでいる20歳から60歳までの人が納めなければならない義務を負っていることをお伝えしました。そのため、上記年齢の範囲にあてはまっている人は、基本的に以下で紹介する3つの種別のいずれかに必ず該当していることになります。(例外あり)国民年金の第1号被保険者国民年金の第1号被保険者とは、後述する、国民年金の第2号および第3号の被保険者にあてはまらない人のことを指し、考えられる主な職業は以下の通りです。無職フリーター自営業者フリーランス学生など国民年金の第2号被保険者国民年金の第2号被保険者とは、会社員や公務員など、毎月の給料などから厚生年金保険料が天引きされている人のことを言います。判定のポイントとして、必ず正社員でなければならないといったことではなく、契約社員、アルバイト、パートなどといった待遇であったとしても、毎月の給料などから厚生年金保険料が天引きされている人であれば、国民年金の第2号被保険者に該当します。国民年金の第2号被保険者になる主な職業は、以下の通りです。会社員公務員契約社員・アルバイト・パート(毎月の給料などから厚生年金保険料が天引きされている場合に限ります)会社役員など国民年金の第3号被保険者国民年金の第3号被保険者とは、前項で解説した国民年金の第2号被保険者に扶養されている配偶者で、年齢が20歳以上60歳未満の人です。実務上、国民年金の第3号被保険者に該当するためには、収入要件など他の条件も満たしている必要がありますが、ここでは、大まかに主な職業を紹介しておきます。専業主婦(主夫)アルバイトやパートに就いており、給料から厚生年金保険料が天引きされていない人種別における国民年金保険料の納付方法国民年金の種別は第1号被保険者から第3号被保険者まであることが分かりましたが、それぞれの種別によって国民年金保険料の納付方法は異なります。重要ポイントは、第1号被保険者以外は、基本的に自ら国民年金保険料を納付することがないため、仮に国民年金の第2号被保険者や第3号被保険者になっている期間については、未納期間や滞納期間が発生することはないことになります。国民年金の種別変更に注意勤務先を退職した場合や年齢が60歳に達した場合など、様々な事情によって国民年金の種別が変更になることがあります。たとえば、国民年金の第2号被保険者であった人が勤務先を退職し、その人には扶養している配偶者がいたとします。この時、夫婦いずれも国民年金の第1号被保険者に種別が変更となり、種別変更届を行わなければ、将来もらえる年金額などに影響が生じてしまう点に注意が必要です。国民年金の種別変更忘れによる不整合があった場合前項の例の続きとなりますが、たとえば会社員であった第2号被保険者が退職し、第3号被保険者であった配偶者が種別変更届を行わなかった場合、誤りのあった部分についての国民年金保険料を後から納付する必要があります。(本来ならば第1号被保険者であるのにも関わらず、第3号被保険者として取り扱われていた未納部分のことです)この場合、基本的に配偶者である本人に国民年金保険料を納付する義務が生じますが、本人が納付できない場合、次項で紹介する法律上のルールに則って納付をする必要があります。国民年金保険料の納付義務についてポイントを知っておこう国民年金保険料を払わないと最終的には財産を差し押さえられることになるのですが、ここでは国民年金保険料の納付義務についてポイントを解説します。実のところ、国民年金法という法律の中には、国民年金の納付義務について規定しており、以下にポイントをざっくりまとめます。国民年金の被保険者は、国民年金保険料を納付しなければならない世帯主は、世帯に属する被保険者の国民年金保険料を連帯納付する義務を負う配偶者は、被保険者になっている他方の国民年金保険料を連帯納付する義務を負う国民年金保険料を本人が納付できない場合、世帯主や、未納や滞納状態である本人の配偶者が連帯納付しなければならないことを意味します。[adsense_middle]国民年金保険料と財産の差し押さえについて、これまでの解説をまとめます国民年金保険料と財産の差し押さえについて、これまでの解説を流れに沿ってまとめます。国民年金保険料が未納や滞納状態の場合、年金に関係する機関から特別催告状などの納付に関係する連絡がある1の連絡があった場合、速やかに年金事務所へ納付の相談へ行き、国民年金保険料の免除申請手続きを行う免除された期間について、催促や督促といった連絡が来ることはない免除申請の結果、免除された以外の未納部分がある場合は納めることになるが、本人のみならず、世帯主や配偶者も連帯納付する義務を負っている国民年金保険料を払わないことによる財産の差し押さえは、本人のみならず、世帯主や配偶者などが意図的に払わないなど、悪質な場合に十分ありえると予測できます。国民年金保険料を納付しないことによる財産の差し押さえは余程のこと国民年金保険料を納付しないことによる財産の差し押さえは余程のことであると考えられ、通常は年金事務所などから連絡が入った後に、納付についての相談をすることで解決するはずです。しかしながら、相談後のルールを破ったり、連絡を無視し続けたことが財産差し押さえという最悪な結末を迎える訳であり、いわば自業自得というしかありません。年金未納による差し押さえに関するまとめ国民年金保険料の未納や滞納が原因で財産を差し押さえられる場合とは、催促や督促といった再三の連絡に対して、応対や相談をしなかった場合であり、いわば長い期間に渡って、極めて不誠実な対応を行ったことによる結果です。国民年金保険料は、世帯主をはじめ配偶者なども未納となっている家族のものを連帯納付する義務を負っているため、年金を払わないことによる財産の差し押さえは余程のことと理解する必要があるでしょう。
2019年09月23日