『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』のショート役、『グーニーズ』のデータ役で知られる子役出身のキー・ホイ・クァン(51)が米国時間12日夜、第95回アカデミー賞授賞式で助演男優賞を受賞。受賞スピーチでクァンは母に、「私の母は84歳で、今家でこれを見ています。母さん、僕、オスカーを獲ったよ」と語りかけた。クァンは中国系ベトナム人として、ベトナム戦争末期の’71年にサイゴン(現ホーチミン市)で誕生。’75年に北ベトナムによってサイゴンが陥落したことをきっかけに母国を脱出した。受賞スピーチでは「私の旅は船の上で始まりました。1年を難民キャンプで過ごし、どうにかこうにか、このハリウッドの大舞台にたどり着きました」と難民時代にも触れた。’80年代には『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』『グーニーズ』と続けざまに大作に出演し、一躍脚光を浴びたが、彼を照らしていたスポットライトはすぐに消えてしまった。クァンはNBC Newsに「ハリウッドは私を必要としていませんでした。私にできる役はなく、10代後半から20代前半の頃は、ひたすら電話を待つだけの生活を送っていました。電話はほとんど鳴りませんでした。描いていた夢に別れを告げることはとても難しかった。当時は、アジア人俳優であるということ自体が困難だったのです」と語っている。俳優のキャリアに見切りをつけたクァンは、ハリウッドの裏方として生きていくことを決めたという。スタントコーディネーターや助監督として『X-MEN』シリーズなどに関わり、信頼できるスタッフとして名を上げたが、主要キャストがアジア系俳優で占められている『クレイジー・リッチ!』(’18年公開)が彼の人生を変えることになったと語った。「ハリウッドが劇的に変わったのだと実感しました。ハリウッドはより多くの人のチャンスを与えているのだと。もう一度、演技をやってみようか、と思ったんです」俳優復帰作は、ミシェル・ヨー(60)主演の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。クァンは主人公エヴリンを深く愛する夫ウェイモンド役を好演し、見事オスカーを手にした。アジア系俳優が助演男優賞を受賞するのは、『キリング・フィールド』(’84年)に出演したカンボジア人俳優ハイン・S・ニョール以来、史上2人目。涙で声を詰まらせながら、受賞スピーチをこう締めくくった。「夢は信じるべきものです。私は夢をほとんど諦めていました。皆さんに言いたい。夢を持ち続けて下さい」
2023年03月13日今年のトロント国際映画祭にて初上映され、観客賞の次点に選ばれた話題作『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のサラ・ポーリー監督が第95回アカデミー賞脚色賞を受賞。この度、監督のインタビューが脚色について語ったインタビューが到着した。2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を基にした、ミリアム・トウズによる同名ベストセラー小説をサラ・ポーリー監督が女性側の視点から脚色。その脚本は高く評価され、オスカー前哨戦で数々の脚色賞を受賞、アカデミー賞においても脚色賞を受賞した。ポーリー監督は脚色について、「とても楽しい作業だった」と語る。「もちろん、納屋で何時間にも及ぶ会話が続くのだから、難しさはあったけれど、そんななか叙事詩感と寓話感にこだわりながらストーリーを描いていきました」という。叙事詩には、語り伝える価値のある事件を物語として語り伝えるもの、という意味がある。そして寓話は、教訓的な本質的な作品の意図を隠しながら表現される、たとえ話。サラは本作で取り上げた語り継がれるべき“事件”を、映画作品として練り上げることで、いまの私たちに問いかける。サラ・ポーリー監督もう1つ、サラは「納屋での会話が、この女性たちの生きる世界の進歩に欠かせないものであることもポイント」だと言う。「この女性たちがどのように今の世界を取り壊し、新しい世界を創造するのかを模索することが何よりも大切なことであるということを表現しようとしました。同時にどんな風景を描くのかについても、最初から視覚的に想像しながら脚本を書き進めていきました」と明かした。また、アカデミー賞脚色賞の受賞を祝して、新スチール2枚と作家・柚木麻子からのコメントが到着。スチールの1枚は、納屋に集う女性たちの姿。脚色の手腕を絶賛された長時間にわたる納屋での話し合いの最中が捉えられている。もう1枚は、村の子どもたちが畑で遊んでいる場面。納屋の緊迫感とは裏腹に、のびのびとした雰囲気が伝わってくる。女性たちは、納屋で、この子どもたちを守るために話し合いを進めていく。子どもたちの未来のために、女性たちは赦すのか、闘うのか、それとも去るのか。柚木氏は「被害者同士の対話が、ふみにじられた尊厳を取り戻す。次世代への愛と責任、そして希望。この作品をきっかけに数々の名作が産みだされるであろう、歴史を変える一作」と、歴史的な作品となることを語っている。『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ウーマン・トーキング 私たちの選択 6月2日TOHO シネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年03月13日パンデミックの感染対策から解放され、従来の雰囲気をようやく取り戻した第95回アカデミー賞。3月12日(現地時間)の授賞式で、今年はシャンパンカラーになったカーペットを華やかに彩った装いを紹介する。作品賞をはじめ最多7冠の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で、アジア系を自認する俳優として初の主演女優賞受賞者となったミシェル・ヨーは「ディオール(Dior)」のオートクチュールのドレス。繊細なフリンジが何層にも重なった白のドレスに、ダイアモンドをふんだんに使ったヘアアクセサリーとネックレスを合わせた。ミシェル・ヨー助演女優賞を受賞したジェイミー・リー・カーティス(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)はカーペットの色にマッチするシャンパンカラーのドレス。ドクリスタルとスパンコールをあしらった「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」のものだ。プラチナブロンドの髪にもぴったりだ。ジェイミー・リー・カーティス『ウーマン・トーキング私たちの選択』の監督で、脚色賞を受賞したサラ・ポーリーはタキシードを着用。キリスト教一派のある村で、性被害にあった女性たちの実話に基づく小説を脚色したポーリーは劇中のセリフを引用しながら、未来を担う若い女性たちに向けてメッセージを発信した。サラ・ポーリー主演男優賞受賞のブレンダン・フレイザー(『ザ・ホエール』)は「ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)」のネイビーのタキシード。ブレンダン・フレイザー助演男優賞受賞のキー・ホイ・クァンは「アルマーニ・プリヴェ(Armani Privé)」のタキシード。キー・ホイ・クァン惜しくも主演男優賞受賞を逃したオースティン・バトラー(『エルヴィス』)は「サンローラン(Saint Laurent)」のカスタムのタキシード。オースティン・バトラー前哨戦をミシェル・ヨーと争ったケイト・ブランシェットは「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のドレープがたっぷりのターコイズブルーのベルベットのブラウスに黒のロングスカートを合わせた。ケイト・ブランシェット歌曲賞のパフォーマンスでステージに立った助演女優賞候補のステファニー・スー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)は、カーペットには「ヴァレンティノ(Valentino)」の鮮やかなピンクのドレスで登場した。ステファニー・スー事前に授賞式でパフォーマンスしないと発表した歌曲賞候補のレディー・ガガ(「Hold My Hand」/『トップガンマーヴェリック』)は「ヴェルサーチ(Versace)」の2023秋コレクションの黒のシースルードレスでカーペットに登場、授賞式では黒の無地Tシャツにダメージデニム、ほぼノーメイクといういでたちで歌唱に専念する姿で圧巻のパフォーマンスを披露した。レディー・ガガ同じく歌曲賞候補のリアーナ(「Lift Me Up」/『ブラックパンサーワカンダ・フォーエバー』)は現在第2子妊娠中。ブラックレザーを使った「アライア(Alaïa)」のカットアウト・ドレスで授賞式に臨んだ。リアーナ『ブロンド』でマリリン・モンローを演じ、主演女優賞候補となったアナ・デ・アルマスはモンローが1962年にケネディ大統領のために「ハッピー・バースデー」を歌った際の衣装に似せたデザインのシークインドレス。フリルで層を作ったトレーンが印象的な「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のものだ。アナ・デ・アルマス助演女優賞候補のホン・チャウは「プラダ(Prada)」のピンクのドレス。彼女のルーツであるベトナムの民族衣装のアオザイを思わせるシンプルなデザインに黒のフリンジのトレインが付いていた。ホン・チャウ同賞候補のアンジェラ・バセット(『ブラックパンサーワカンダ・フォーエバー』)は「モスキーノ(Moschino)」のパープル、同賞候補のケリー・コンドン(『イニシェリン島の精霊』)は「ヴェルサーチ(Versace)」のサニーイエロー、とシャンパンカラーのカーペットに映える鮮やかな色の装いも目についた。アンジェラ・バセットケリー・コンドンフローレンス・ピューはたっぷりしたデザインのシャンパンカラーのロングドレスの中に黒のショートパンツとプラットフォーム・シューズという「ヴァレンティノ(Valentino)」のドレス。フローレンス・ピュー2トーン・カラーのドレスは、今年になって久しぶりに公の場に現れるようになったファン・ビンビンの「トニー・ウォード・クチュール(Tony Ward Couture)」、モニカ・バルバロ(『トップガンマーヴェリック』)、ジャネール・モネイ(『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』)もチョイスしている。ファン・ビンビンケイト・ブランシェットをはじめ、胸にブルーのリボンを着けた参加者も多かったが、これは世界中の難民や避難民の支援を表明する「#WithRefugees」のものだ。ジェニファー・コネリーやジェニー・スレート、エリザベス・オルセンらは髪をコンパクトにまとめて黒のドレスというスタイル。コネリーの「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」はオフショルダーのデザインにネックラインのメタリックなディテールというデザインだ。エリザベス・オルセンカーラ・デルヴィーニュやニコール・キッドマン、ハル・ベリーは、2012年の授賞式で話題をさらったアンジェリーナ・ジョリーのスタイルを思わせる片脚を露出したデザインをチョイス。デルヴィーニュは「エリー サーブ(Elie Saab)」の赤いドレスの右肩に大きなリボン。ニコール・キッドマンキッドマンは「アルマーニ(Armani)」の黒のドレスで右の肩とウエスト部分に花のモチーフをあしらったデザイン。ベリーは「タマラ・ラルフ(Tamara Ralph)」の白のドレスで、こちらもネックラインとスリット上部に花のモチーフが付いている。ドウェイン・ジョンソン男性では、プレゼンターのドウェイン・ジョンソンが「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」のサーモンピンクのジャケットで目立った。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のハリー・シャム・ジュニアは前田華子のブランド、「アディアム(ADEAM)」の白にネイビーブルーでパイピングされたロングジャケット。左右の襟のデザインがアシンメトリーで帯を思わせる同色のサッシュベルトで個性を演出した。ハリー・シャム・ジュニア(冨永由紀)
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式で、女優のカーラ・デルヴィーニュがハイジュエリーのセルペンティのネックレスにイヤリング、ブレスレットを纏い、同じくハイジュエリーのリングを合わせました。カーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)/GETTY IMAGES着用商品セルペンティネックレスWG x エメラルド x DIAセルペンティイヤリングWG x YG x エメラルド x DIAセルペンティブレスレットWG x DIAリングWG x ターコイズ x エメラルド x DIAお問い合わせ先:ブルガリ ジャパン03-6362-0100
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞をはじめ、監督賞と脚本賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)など7部門に輝く圧勝で幕を閉じた。誰も止められない!大旋風を巻き起こした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまなスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じる。作品賞受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は前哨戦で圧倒的な強さを見せていたミシェル・ヨー(主演女優賞)、キー・ホイ・クァン(助演男優賞)に加えて、劇中の“ヴィラン”を演じたジェイミー・リー・カーティスが、大本命だった『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のアンジェラ・バセットを猛追し、見事に助演女優賞を獲得する逆転劇も。これで『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は候補となった演技部門をすべて受賞するという快挙も成し遂げた。「夢は実現する」を証明した元人気スターの復活劇そんな今年の受賞式は、元人気スターの復活劇が大きな注目を浴びることになった。まずは、前述のキー・ホイ・クァンだ。子役として出演した『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』などで人気を博すも、ルーツや年齢的な壁により、キャリアの低迷を余儀なくされた彼が、スクリーンに復帰し、オスカー像を手にするなど、半年前まで誰が想像できただろうか。助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァン受賞スピーチでは、涙ながらに「まるで映画みたいと思うかもしれませんが、実は僕の人生なんです。これこそがアメリカン・ドリームだと思います。諦めかけたこともありました。でも、夢というのは、信じなければ実現しません。皆さんも、夢を諦めないでください!」と力強く訴えかける姿が、印象的だった。会場には、『フェイブルマンズ』で監督賞候補になったスティーブン・スピルバーグがおり、作品賞発表の際には、ハリソン・フォードがプレゼンターとして登場。一瞬ではあるが、同じ空間に『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の関係者が顔を揃える、感動的な展開が待っていた。壇上でハグをするハリソン・フォード&キー・ホイ・クァン復活劇といえば、もうひとり忘れてはいけないのが『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザー。ダーレン・アロノフスキー監督(『レスラー』『ブラック・スワン』)の最新作で、フレイザーは恋人を亡くしたショックから逃れるため、過食を繰り返してきた結果、体重が272キロになってしまった主人公のチャーリーを演じた。巨体を演じるにあたり、自身の体重増量に加え、特殊メイクとファットスーツを着用する全身全霊の役作りが高く評価された結果だ。主演男優賞を受賞したブレンダン・フレイザーフレイザーといえば、『ハムナプトラ』シリーズで一世を風びしたスター俳優だが、その後は、プライベートでの不幸が重なり、ハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていた。それだけに、この夜の受賞スピーチでは「当時は自分の恵まれた状況に、感謝することはあまりありませんでした。今夜、評価していただき、本当にありがたいです」と感無量の面持ちだった。そんな復活劇を体現した2人は、1992年に製作された『原始のマン』で共演していたという不思議な縁も。ともに、ハリウッドの悪しき慣習によって、キャリアの機会を奪われた側面が強いため、キー・ホイ・クァンの「皆さんも、夢を諦めないでください!」という言葉にはより一層の重みと説得力が感じられた。映画が結び付けた、時空と国境を超えた“マルチバース”昨年起こったビンタ事件の影響なのか、授賞式はよくも悪くも“滞りなく”幕を閉じた印象が強いが、受賞者の感動的なスピーチや、歌曲賞候補アーティストたちのパフォーマンスは感動的で見応えがあった。MVPは間違いなくインド映画『RRR』の劇中歌「Naatu Naatu」だ。この夜、一番の盛り上がりで会場を熱くさせただけでなく、レディー・ガガやリアーナといった大物シンガーを抑えて、見事に歌曲賞を受賞してしまった展開は、痛快の一言だった。歌曲賞受賞『RRR』の劇中歌「Naatu Naatu」パフォーマンスそんな熱気が象徴するように、アジア圏から世界に発信された作品が、第95回アカデミー賞を席巻した。ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンの快挙については、もはや説明不要だが、例えば短編ドキュメンタリー映画賞では、インドで製作された『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』が受賞を果たしている。短編ドキュメンタリー映画賞受賞『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』『RRR』に話題を戻すと、オスカーに輝いた「Naatu Naatu」のダンスシーンは、ロシア侵攻のわずか数か月前、ウクライナの首都キーウで撮影された。一方、ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイが、自分を毒殺しようとした犯人を自ら追い詰め、政府の暗部に切り込む姿を捉えた『ナワリヌイ』が、長編ドキュメンタリー賞を受賞。また、圧倒的なスケールで、戦争の不条理と非情を現代社会に突き付けた『西部戦線異状なし』(ドイツ)が、撮影賞、美術賞、作曲賞、国際長編映画賞の4部門を獲得し、存在感を発揮した。国際長編映画賞を受賞した『西部戦線異状なし』こうした受賞作から見いだされる“結びつき”は単なる偶然ではなく、映画というメディアが過去と現在、そして国境を超えたマルチバースを見事に捉え、描いている証ではないだろうか。その頂点として、マルチバースが舞台になった意欲作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が第95回アカデミー賞を制した結果に異論はない。世界は確かに、つながっているのだ。(text : Ryo Uchida)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日アジア全域版アカデミー賞といえる「第16回アジア・フィルム・アワード(以下AFA)」の授賞式が開催され、日本作品の『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)が最優秀作品賞・編集賞・音楽賞(石橋英子)のトリプル受賞。『エゴイスト』にて宮沢氷魚が最優秀助演男優賞、是枝裕和監督が韓国作品『ベイビー・ブローカー』で最優秀監督賞に選ばれるなど日本人の受賞が続いた。AFAは、東京国際映画祭(TIFF)が香港国際映画祭、釜山国際映画祭とともに共催するアジア全域版アカデミー賞。授賞式は2020年、2021年とコロナ禍の2年、オンラインそしてリアルで韓国・釜山で開催してきたが、4年ぶりに香港に戻り、大規模で豪華なレッドカーペットと授賞式を開催。『ドライブ・マイ・カー』『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊と岡田将生が、また『エゴイスト』の鈴木亮平と宮沢さんがプレゼンターを務めたほか、特別功労賞を受賞したサモ・ハン・キンポー、アジア映画貢献賞を受賞したトニー・レオンなど、アジア全域よりスターが集まる華やかな式典となった。阿部寛今回、俳優・阿部寛もアジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」のほか、授賞式当日レッドカーペットを歩いた参加者から選ばれる「AFA X STI ベスト・ドレッサー・アワード」にも選ばれた。主な受賞者一覧最優秀作品賞『ドライブ・マイ・カー』(日本)最優秀監督賞是枝裕和『ベイビー・ブローカー』(韓国)最優秀主演男優賞トニー・レオン『Where the Wind Blows』(香港)最優秀主演女優賞タン・ウェイ『別れる決心』(韓国)最優秀助演男優賞宮沢氷魚『エゴイスト』(日本)最優秀助演女優賞キム・ソジン『非常宣言』(韓国)最優秀脚本賞チョン・ソギョン、パク・チャヌク『別れる決心』(韓国)最優秀編集賞山崎梓『ドライブ・マイ・カー』(日本)最優秀音楽賞石橋英子『ドライブ・マイ・カー』(日本)Excellence in Asian Cinema Award阿部寛特別功労賞(Lifetime Achievement Award)サモ・ハン・キンポーアジア映画貢献賞(Asian Film Contribution Award)トニー・レオンAFA Next Generation Awardチ・チャンウク日本人受賞コメント阿部寛(英語で挨拶:和訳)皆さん、こんばんは。Excellence in Asian Cinema Awardの受賞、そして多くの素晴らしい才能を持った方々の一員になれたことを大変光栄に思います。私たちをつなぎ合わせてくれたAFAアカデミーに感謝したいと思います。何十年にもわたる私の俳優としての仕事を認めていただき、感謝しています。昔、子供のころに好きだったアニメの役のオファーを受けたのが、映画の魔法の世界への入り口でした。タイムスリップしてお風呂をデザインできたり、ロマンチックでありながら結婚できなかったり等々、たくさんのキャラクターに挑戦してきました。多くの国で、多くの才能ある人たちと、様々な役柄を演じることは、素晴らしい冒険でした。しかし、その中でも香港は特に私の心に残っています。それは、ここで映画を作った良い思い出があるからです。私の旅を支えてくれたすべての人に、感謝とお礼を言いたいです。懐かしさと感謝の気持ちを込めて、この賞を受け取ります。本当にありがとうございました。濱口竜介監督大家好(ダージャーハオ)。Thank you very much.(授賞式に香港入境しているスタッフ、キャストを全てステージに呼び込む)ここに来られなかったたくさんのキャスト、スタッフもおります。その人たちの力で、『ドライブ・マイ・カー』という映画が出来上がりました。この場を借りて、その原作、素晴らしい物語を与えていただいた村上春樹さんにも感謝を申し上げます。思っているのは、もちろんプロデューサー、スタッフの力があって出来ているものではあるのですが、特に、私がこの場で称えたいのはキャストです。西島秀俊さん、岡田将生さんに来ていただいていますが、三浦透子さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ペリー・ディゾン、アジアから本当にたくさんの俳優の皆さんに来ていただいて、皆さんが本当に信じられるような感情というものをスクリーンの中で、撮影現場で見せてくれたから、今こうして、我々こうしていられると思っています。俳優が本当に何かを感じているから、観客も何かを感じることができるんだというシンプルな原則を私自身は信じています。そういうことがこれからも起こせるように、もちろんとてもいい仕事ができたと思ってはいますが、できなかったことにもちゃんとフォーカスをして、またここにいる皆さんと一緒にお仕事ができたらと思っています。そして今、この場にいる皆さまともいつかお仕事する機会があればと思っています。本当にありがとうございます。宮沢氷魚(英語で挨拶:和訳)皆さん、こんばんは。このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思っています。スピーチは全部考えていたのですが、忘れてしまいました。(用意した紙が)ポケットの中にあるのですが、出すのはやめておきます。最初に、このような素晴らしい才能を持つ皆さまの前に立つことができて、これ以上ないほど幸せです。そして、この映画を愛し、私たちの愛する映画『エゴイスト』に手を差し伸べてくださった皆さんに感謝します。松永大司監督、主演の鈴木亮平さんにも感謝を伝えたいと思います。この映画は、映画だけでなく、新しい人生の形、人の捉え方、接し方など、様々な扉を開いてくれると信じています。誰もが幸せに、快適に暮らせる日。この映画は、まだ世界中を旅し始めたばかりです。そして、この映画には、私たちの想像を超えて、人々に働きかけるチャンスと力があると信じています。また、ここに戻ってくるのを楽しみにしています。ありがとうございました。是枝裕和監督コメントサモ・ハン・キンポーさんとか、トニー・レオンさんとか、阿部寛さんと同じ場所にいられるだけで、今回は幸せな時間を過ごしておりました。僕は韓国で楽しい時間を過ごしただけなので、今日一緒に来ている福間美由紀プロデューサーが多分一番大変だったと思います。韓国の素晴らしいスタッフ、キャストと一緒にこの映画を作ることができて、本当に幸せでした。多分これからもこういう国際共同制作のような、文化とか言語を超えた映画作りを続けて行けという激励だと思いますので、頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。山崎梓コメントThank you for a great prize.(素敵な賞をありがとうございます。)とても驚いており、何を言っていいのかわからないのですが、この映画が本当にたくさんの国で上映されていることを今実感していて、とても誇らしい気持ちにまたなっています。ありがとうございました。石橋英子(英語で挨拶:和訳)本当にありがとうございます。素晴らしい作曲家の方々の中にいることに感謝しています。『ドライブ・マイ・カー』のキャスト、スタッフの皆さんに感謝します。ありがとうございました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ドライバー 2017年8月19日より新宿バルト9ほか全国にて公開ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会エゴイスト(2023) 2023年2月10日より全国にて公開© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、製作・配給スタジオ「A24」史上No.1ヒットを記録した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞、監督賞と脚本賞(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)など7冠に輝き、下馬評通りの“圧勝”を収めた。カンフーとマルチバース(並行宇宙)を融合させた異色のアクションエンターテインメント。経営難のコインランドリーを抱える中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という使命を背負わされ、無限に広がるマルチバースを往来しながら、カンフーをはじめ、数々の能力を手にし、全人類の命運をかけた戦いに身を投じる。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞に加えて、演技部門ではミシェル・ヨーの主演女優賞をはじめ、ジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞、キー・ホイ・クァンが助演男優賞を揃って初受賞した。主人公の主婦エヴリン・ワンを演じたミシェル・ヨーは、ハリウッドに進出したアジア人俳優の先駆者として、アジア人俳優初の快挙を達成。キー・ホイ・クァンは、エヴリンを未知なる世界に誘うキーパーソンである夫・ウェイモンドを演じ、ユーモアとシリアスの二面性に加えて、広東語、北京語、英語と“マルチ”言語を駆使し、唯一無二の人物像を生み出した。主演男優賞に輝いたのは、『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザー。ダーレン・アロノフスキー監督(『レスラー』『ブラック・スワン』)の最新作で、フレイザーは恋人を亡くしたショックから逃れるため、過食を繰り返してきた結果、体重が272キロになってしまったチャーリーを演じた。自身の体重増量に加え、特殊メイクとファットスーツを着用し、かつての人気スターの面影を打ち消す“キャリア最高の演技”と称される熱演で、初ノミネートにして、オスカーを獲得した。『ザ・ホエール』(C)2022 Palouse Rights LLC. All Rights Reserved.また、『RRR』(S・S・ラージャマウリ監督)の劇中歌「Naatu Naatu」がインド映画として初めて歌曲賞を受賞する快挙も。英国植民地時代の激動のインドを舞台に、男の友情と使命がぶつかり合う豪快なアクションエンタテインメント。この楽曲は、主人公の二人が超高速の「ナートゥダンス」を披露し、映画の大きな見せ場を作ったが、授賞式でも圧巻のパフォーマンスが披露され、この日一番の盛り上がりを演出した。『RRR』(C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァンらアジアにルーツを持つ俳優が、アカデミー賞の俳優部門で栄冠を勝ち取り、インド映画に目を向けると『RRR』に加えて、短編ドキュメンタリー賞では『エレファント・ウィスパラー: 聖なる象との絆』も受賞を果たすなど、アジア圏から世界に発信された作品群が、脚光を浴びる結果になった今年のアカデミー賞。同時に、『ハムナプトラ』シリーズの主演を務めるスターだったブレンダン・フレイザー、80年代を代表する人気子役だったキー・ホイ・クァンの華麗なる復活劇も印象に残った。この日の授賞式には、キー・ホイ・クァン、監督賞候補のスティーブン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)、そして作品賞プレゼンターのハリソン・フォードという『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』の関係者が一堂に会すという、“胸アツ”な風景もひとつのクライマックスになっていた。Netflixが製作した『西部戦線異状なし』が美術賞、撮影賞、作曲賞、国際長編映画賞の4部門を受賞したことも、見逃せない重要なトピックだ。◇主演女優賞/ミシェル・ヨー【受賞コメント】ありがとうございます。今夜、この様子を見ている私のような小さな子どもたちにとって、(オスカー像を掲げながら)これは希望と可能性、「夢は実現する」という証なのです。女性の皆さん、もう誰にも『あなたはもう旬を過ぎている』なんて言わせてはダメ。決して諦めないでください。(監督コンビの)ダニエルズ、A24、素晴らしいキャストとクルーがいなければ、私はここに立ってはいません。同時に私の84歳になる母親、世界中のお母さんたちに、この賞を捧げたいです。彼女たちは皆、スーパーヒーローなのです。彼女たちがいるから、私たちがいる。お母さん、これ持ち帰ります。そして、キャリアの始まりだった香港の家族、皆さんの助けがあったおかげで、今ここにいます。本当にありがとうございます。アカデミー賞、ありがとう!これは歴史的な出来事です。◇主演男優賞/ブレンダン・フレイザー【受賞コメント】信じられません。これもまた、(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にからめて)マルチバースなんでしょうか。A24、ダーレン・アロノフスキー監督、脚本のサム・D・ハンター、そして主演男優賞にノミネートされた方々。皆さんがホエール(クジラ)のような大きな心を持っています。ショービジネスの世界に足を踏み入れたのは、30年前のことです。当時は自分の恵まれた状況に、感謝することはあまりありませんでした。今夜、評価していただき、本当にありがたいです。まるでダイビングをしているような体験ですね。皆さんが水面から見ていてくれた。家族にも感謝しています。◇助演女優賞/ジェイミー・リー・カーティス【受賞コメント】皆さんには私がここに一人で立っているように見えるかもしれませんが、もちろん、そんなことはありません。作品を導いたすばらしいアーティストの皆さんと一緒なのです。私の両親(俳優のトニー・カーティスと女優のジャネット・リー)は異なった部門でノミネートされてきました。そして、私はオスカーを獲得することができました!◇助演男優賞/キー・ホイ・クァン【受賞コメント】ありがとうございます。私の84歳にある母が、見てくれていると思います。お母さん、オスカーを受賞したよ。私の旅路は、ボートに乗ってたどり着いた難民キャンプで始まったんです。そして今は、ハリウッド最高の舞台に立っているんです。まるで映画みたいだと思うかもしれませんが、実は僕の人生なんです。これこそが、アメリカン・ドリームだと思います。(スタッフや親族への感謝の述べた後)、妻エコに感謝します。何カ月も、何年も、そして20年間「いつか、あなたの時が来るわよ」と言い続けてくれたんです。諦めかけたこともありました。でも、夢というのは、信じなければ実現しません。だから、皆さんも、夢を諦めないでください。本当にありがとうございました。ありがとう、ありがとう、ありがとう!◇監督賞/ダニエル・クワン【受賞コメント】天才とは、こうしてステージにあがる私たちだけではなく、集団の中にあってその才能を発揮するものです。移民の親にも感謝します。映画が好きな父が、その愛情を私に伝えてくれました。役者にはなれませんでしたが、兄弟や高校時代の友人が手助けしれくれました。クリエイティビティの自由というものを教えてくれた人たちにも感謝しています。この状況は、信じがたい驚異です。とてつもないことです。一人一人の人間が、偉大な存在になりえるのです。そして才能を発揮できるのです。◇監督賞/ダニエル・シャイナート【受賞コメント】世界中の母親、私の母親、そして両親に捧げたいです。これまで、ホラーやコメディなどいろいろ作ってきましたが、今回、誰にも脅威を及ぼさない作品を生み出すことができました。素晴らしい天才たちが集まり、魂を込めて、僕らために尽力してくれました。文・内田涼【第95回アカデミー賞】受賞結果◇作品賞『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇監督賞ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇主演男優賞ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』◇主演女優賞ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇助演男優賞キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇助演女優賞ジェイミー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇脚本賞ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇脚色賞サラ・ポーリー『ウーマン・トーキング私たちの選択』◇視覚効果賞『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』◇美術賞『西部戦線異状なし』◇撮影賞『西部戦線異状なし』◇衣装デザイン賞『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』◇長編ドキュメンタリー賞『ナワリヌイ』◇短編ドキュメンタリー賞『エレファント・ウィスパラー: 聖なる象との絆』◇編集賞『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』◇国際長編映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)◇音響賞『トップガン マーヴェリック』◇メイクアップ&ヘアスタイリング賞『ザ・ホエール』◇作曲賞フォルカー・ベルテルマン『西部戦線異状なし』◇長編アニメーション賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』◇短編アニメーション賞『ぼく モグラ キツネ 馬』◇主題歌賞“Naatu Naatu”(M・M・キーラバーニ作曲、チャンドラボース作詞)『RRR』◇短編実写映画賞『An Irish Goodbye(原題)』
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞に輝いた。『ミッドサマー』で知られる新進気鋭の製作・配給スタジオ「A24」史上No.1ヒットを記録している本作。作品賞、監督賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)など10部門11ノミネートを果たし、本年度の台風の“目”として注目された『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が、下馬評通りの大暴れ。最多7部門を受賞し、オスカーを制圧した。カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。オスカー前哨戦を振り返ると、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)こそ逃したが、以降は、第28回クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)で作品賞を含む4冠、第75回米監督組合賞(DGA)の長編映画部門、第34回アメリカ製作者組合(PGA)賞の映画部門で最高賞にあたる作品賞、第29回全米俳優組合(SAG)賞で4冠、第38回インディペンデント・スピリット賞で作品賞など最多7冠と、主要な映画賞を総なめにしていた。受賞コメントキャストとクルーのおかげでこの映画ができました。みなさまを代表し、アカデミーに感謝したいと思います。私たちの奇妙なものをずっとサポートしてくれました。私たちが映画をともにつくりました、父の教えに従いました。決して忘れることはできません、ダニエルズありがとうございます。<ダニエル・クワン>私たちは互いに混乱から自分たちを守るということが大切でした。私たちの物語が十分に追いついていないと感じることがあります。このような物語によって私たちの人生が変わりました。何世代にもわたって続いています、ありがとうございました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーが主演女優賞を獲得。アジア人俳優初の快挙を達成した。カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメントで、ミシェル・ヨーが演じたのは、経営困難なコインランドリーを抱え、日々の困窮に追い詰められる主婦エヴリン・ワン。要介護の父親、優しいだけで頼りない夫、大学を中退し、恋人と家を出ようとする娘、そして確定申告とやること・考えることが山積みの彼女が、突然、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることに。そんな、文字通り“マルチ”なヒロインを、ハリウッドに進出したアジア人俳優の先駆者として、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』『クレイジー・リッチ!』、そして『シャン・チー/テン・リングスの伝説』など多種多彩な映画で活躍したミシェル・ヨーが心身ともに体現。国籍、年齢、性別といった、いわゆるガラスの天井を突き破り、アジア人俳優にとって、初めてとなる快挙を成し遂げた。オスカー前哨戦を振り返ると、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ)、第29回全米俳優組合(SAG)賞の主演女優賞、第38回インディペンデント・スピリット賞の主演俳優賞(今回から演技賞の性別区分を廃止)など、圧倒的な強さを見せていた。受賞コメントありがとうございます。今夜、この様子を見ている私のような小さな子どもたちにとって、(オスカー像を掲げながら)これは希望と可能性、「夢は実現する」という証なのです。女性の皆さん、もう誰にも『あなたはもう旬を過ぎている』なんて言わせてはダメ。決して諦めないでください。(監督コンビの)ダニエルズ、A24、素晴らしいキャストとクルーがいなければ、私はここに立ってはいません。同時に私の84歳になる母親、世界中のお母さんたちに、この賞を捧げたいです。彼女たちは皆、スーパーヒーローなのです。彼女たちがいるから、私たちがいる。お母さん、これ持ち帰ります。そして、キャリアの始まりだった香港の家族、皆さんの助けがあったおかげで、今ここにいます。本当にありがとうございます。アカデミー賞、ありがとう!これは歴史的な出来事です。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザーが主演男優賞を初受賞した。A24が製作したダーレン・アロノフスキー監督(『レスラー』『ブラック・スワン』)の最新作。フレイザーが演じたのは、恋人を亡くしたショックから逃れるため、過食を繰り返してきた結果、体重が272キロになってしまったチャーリー。病状の悪化で自身の死期が近いと悟った彼は、長らく押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意し、離婚して以来音信不通だった娘との絆を取り戻そうとする。巨体のチャーリーを演じるにあたり、フレイザーは自身の体重増量に加え、特殊メイクとファットスーツを着用し、かつての面影も一変。『ハムナプトラ』シリーズなどで、スター俳優として人気を博すも、プライベートでの不幸が重なり、ハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていたフレイザーが、“生涯最高の演技”と称される熱演で、初ノミネートにして、オスカーを手にした。オスカー前哨戦では、クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)の主演男優賞、第29回全米俳優組合(SAG)賞の主演男優賞などを受賞。第80回ゴールデングローブ賞で最優秀主演男優賞(ドラマ)を受賞したオースティン・バトラー(『エルヴィス』)同賞の最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ)に輝いたコリン・ファレル(『イニシェリン島の精霊』)らライバルとの戦いを制した。受賞コメント信じられません。これもまた、(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にからめて)マルチバースなんでしょうか。A24、ダーレン・アロノフスキー監督、脚本のサム・D・ハンター、そして主演男優賞にノミネートされた方々。皆さんがホエール(クジラ)のような大きな心を持っています。ショービジネスの世界に足を踏み入れたのは、30年前のことです。当時は自分の恵まれた状況に、感謝することはあまりありませんでした。今夜、評価していただき、本当にありがたいです。まるでダイビングをしているような体験ですね。皆さんが水面から見ていてくれた。家族にも感謝しています。(text:cinemacafe.net)
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、監督賞に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート(ダニエルズ)が輝いた。エキセントリックな設定で話題を集めた『スイス・アーミー・マン』の監督コンビが、監督賞を過去2度受賞のスティーヴン・スピルバーグ(『フェイブルマンズ』)、昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた『逆転のトライアングル』のリューベン・オストルンド、2度目の監督賞ノミネートとなったマーティン・マクドナー(『イニシェリン島の精霊』)、16年ぶりの新作を発表したトッド・フィールド(『TAR/ター』)といった巨匠、著名監督に勝利を収めた。カンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。受賞コメント▼ダニエル・クワン天才とは、こうしてステージにあがる私たちだけではなく、集団の中にあってその才能を発揮するものです。移民の親にも感謝します。映画が好きな父が、その愛情を私に伝えてくれました。役者にはなれませんでしたが、兄弟や高校時代の友人が手助けしれくれました。クリエイティビティの自由というものを教えてくれた人たちにも感謝しています。この状況は、信じがたい驚異です。とてつもないことです。一人一人の人間が、偉大な存在になりえるのです。そして才能を発揮できるのです。▼ダニエル・シャイナート世界中の母親、私の母親、そして両親に捧げたいです。これまで、ホラーやコメディなどいろいろ作ってきましたが、今回、誰にも脅威を及ぼさない作品を生み出すことができました。素晴らしい天才たちが集まり、魂を込めて、僕らために尽力してくれました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、インド映画『RRR』の劇中歌「Naatu Naatu」が歌曲賞を受賞した。インド映画の歌曲賞受賞は初となる。世界的に大ヒットしたインド映画『バーフバリ』シリーズを生み出したS・S・ラージャマウリ監督による最新作。英国植民地時代の激動のインドを舞台に、男の友情と使命がぶつかり合う豪快なアクションエンタテインメントは、公開直後から旋風を巻き起こし、日本国内で公開されたインド映画として、初めて興収10億円を突破する大ブームとなったのは、記憶に新しいところ。英国軍にさらわれた少女を救うため立ち上がったビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr.)と、大義のため英国政府の警察となったラーマ(ラーム・チャラン)。ふたりは、敵対する立場とは知らずに友情を育むが、ある事件をきっかけに選択を迫られてしまう。インド映画史上初となる歌曲賞受賞を果たした「Naatu Naatu」(M・M・キーラバーニ作曲、チャンドラボース作詞)は、インド総督公邸で開催されたパーティーでビームとラーマが、超高速の「ナートゥダンス」を披露し、イギリス人男性たちを圧倒していくシーンに使用され、映画の大きな見せ場となった。受賞コメントアカデミー協会に感謝申し上げます。子供の頃、私はカーペンターズの曲を聴いて育ちました。そして私が、アカデミー賞に輝いた。この歌を捧げたいと思います。(カーペンターズの楽曲「トップ・オブ・ザ・ワールド」を替え歌で)Once only wish my mind. So was Rajamouli(本作の監督ラージャマウリ) and my family.RRR has to wind, pride of every India,RRRは受賞する必要があるんです、ありがとう、カールティケーヤ(本作のプロデューサー)。これを実現する事が出来ました。(text:cinemacafe.net)■関連作品:RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、国際長編映画賞にNetflixで独占配信中のドイツ映画『西部戦線異状なし』が輝いた。エーリヒ・マリア・レマルク著による 1929年のベストセラー書籍「西部戦線異状なし」を原作に、『パトリック・メルローズ』『ぼくらの家路』のエドワード・ベルガーが監督を務める。主人公・パウルを演じるフェリックス・カメラーや、アルブレヒト・シュッヘ、アーロン・ヒルマーなどの俳優陣が集結。“絶望”と“恐怖”に溢れた第一次世界大戦の西部戦線で戦う若きドイツ軍兵士の心情と体験をリアルに描き出す。撮影技術、美術、メイクや衣装、さらには兵士の訓練に至るまで、あらゆるパートで緻密にそして徹底的に作り込まれた本作はNetflixにて配信開始されるや否や、各国で注目を集めた。本年度アカデミー賞で作品賞・国際長編映画賞ほか9部門ノミネートに加え、英国アカデミー賞では最多14ノミネート・7部門にて受賞、ゴールデングローブ賞でも最優秀非英語映画賞ノミネートという高評価を獲得している。国際長編映画賞には本作のほかに『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)、『Close/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)、『EO』(ポーランド)、『The Quiet Girl』(アイルランド)計5作品がノミネートされていた。受賞コメント私たちにとって大切なことです。この映画でたくさんの友達を作ることができました。みなさんのおかげです、スタッフ全員のおかげです。Netflixのサポートに感謝します。素晴らしい役者たち、とくにフェリックス、今回が初めての映画です。しかし、何のプレッシャーも感じずに成し遂げてくれました。フェリックスさん、ありがとうございます。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-西部戦線異状なし
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を初受賞した。『スイス・アーミー・マン』の監督ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン(通称:ダニエルズ)がミシェル・ヨー主演で描く、「マルチバース」と「カンフー」が融合した、かつてないカオスな世界観で繰り広げられる壮大な異色作。本年度ゴールデン・グローブ賞では2部門受賞4部門ノミネート、第95回アカデミー賞では作品賞、監督賞(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート)、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)など10部門11ノミネートを果たし、公開前から大きな注目を集めていた。ジェイミーは、主人公・エヴリン(ミシェル・ヨー)に立ちはだかる“ヴィラン”の中の一人、ディアドラを好演。第80回ゴールデン・グローブ賞では、主演賞発表時にミシェルの名前が読み上げられ、感動のあまり両手で顔を覆ったミシェルと両手を上げて大喜びするジェイミーの姿が話題になっていた。大ヒットシリーズ『ハロウィン』のローリー・ストロード役でおなじみのジェイミー。これまで『大逆転』(83)で英国アカデミー賞受賞、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(88)でゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞、『トゥルーライズ』(94)でゴールデン・グローブ賞、『フォーチュン・クッキー』(03)でゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど数々の作品にて受賞・ノミネートを果たしてきたが、アカデミー賞のノミネートは今回が初めてとなる。受賞コメント私はここに一人で立っているように見えると思いますが、もちろん、そんなことはなくて、多くの方々と一緒なのです。すばらしいアーティストたちのおかげで、オスカーに輝く作品となったのです。私の両親(俳優のトニー・カーティスと女優のジャネット・リー)は異なった部門でノミネートされてきました。そして、私はオスカーを獲得することができました!(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のキー・ホイ・クァンが助演男優賞に輝いた。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』といった80年代を代表するヒット映画に出演し、映画ファンに愛された元人気子役のキー・ホイ・クァン。キャリアの低迷を経験した後、南カリフォルニア大学で映画を学び、スタント・コーディネーターやアシスタント・ディレクターとして裏方の活動をしていた。Netflix配信映画『オハナ』で久しぶりに俳優活動を再開させ、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で華麗なるスクリーン復活を果たした。助演女優賞と助演男優賞に輝いたジェイミー・リー・カーティス&キー・ホイ・クァンカンフーとマルチバース(並行宇宙)の要素を融合させた異色のアクションエンターテインメント。困窮した生活に息詰まる中年女性が、突然「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒す」という驚きの使命を背負わされ、無数に広がるマルチバースを行き来しながら、カンフーをはじめ、さまざまスキルを手に入れ、全人類の命運をかけた戦いに身を投じることになる。キー・ホイ・クァンが演じるのは、主人公エヴリン(ミシェル・ヨー)の夫で、優しいだけで頼りないウェイモンド。ある日、“別の宇宙のウェイモンド”と名乗り、エヴリンを未知なる世界に誘うというキーパーソンだ。ユーモアとシリアスの両面を演じ分けるだけでなく、広東語、北京語、英語を“マルチ”に使いこなし、作品のもつカオスを体現した。オスカー前哨戦を振り返ると、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞、第29回全米俳優組合(SAG)賞の助演男優賞、第38回インディペンデント・スピリット賞の助演俳優賞(今回から演技賞の性別区分を廃止)など、圧倒的な強さを見せていた。受賞コメントありがとうございます。私の84歳にある母が、見てくれていると思います。お母さん、オスカーを受賞したよ。私の旅路は、ボートに乗ってたどり着いた難民キャンプで始まりました。今はこうして、ハリウッド最高の舞台に立っています。まるで映画みたいと思うかもしれませんが、実は僕の人生なんです。これこそがアメリカン・ドリームだと思います。(スタッフや親族への感謝に続き)、妻・エコに感謝します。何か月も、何年も、そして20年間「いつか、あなたの時が来るわよ」と言い続けてくれたんです。諦めかけたこともありました。でも、夢というのは、信じなければ実現しません。皆さんも、夢を諦めないでください。本当にありがとうございました。ありがとう、ありがとう、ありがとう!(text:cinemacafe.net)■関連作品:エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
2023年03月13日第95回アカデミー賞授賞式が3月13日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、大本命だったNetflix作品『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が長編アニメ映画賞に輝いた。第90回アカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』の鬼才ギレルモ・デル・トロが、10年以上の歳月をかけて取り組んだ初のアニメーション監督作。『ファンタスティック Mr. FOX』でもアニメーション監督を務めた“ストップモーションアニメ界のレジェンド”マーク・グスタフソンとタッグを組み、世代を超えて愛されるピノッキオの冒険譚に、新たな命を吹き込んだ。ピノッキオ役の声優には、新人グレゴリー・マンを抜てき。ユアン・マクレガーが、語り部となるコオロギのセバスチャン・J・クリケットを演じたほか、ゼペットじいさん役は『ハリー・ポッター』シリーズ、「ゲーム・オブ・スローンズ」のデビッド・ブラッドリーが担当。ティルダ・スウィントン、クリストフ・ヴァルツ、フィン・ウルフハート、ケイト・ブランシェット、ロン・パールマンら豪華俳優陣が声優を務めている。オスカー前哨戦では、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀アニメーション賞、第28回クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)の長編アニメーション賞、第34回アメリカ製作者組合(PGA)賞のアニメーション映画部門、そして、アニメ界のアカデミー賞と言われる第50回アニー賞で作品賞など最多5冠に輝き、向かうところ敵なしの快進撃を続けていた。なお、デル・トロ監督は、カズオ・イシグロの長編ファンタジー小説「忘れられた巨人」をストップモーション・アニメ作品として映像化する意向を示しており、そちらの動向にも注目が寄せられている。受賞コメントアニメーションは“シネマ”です。これからも、アニメーションを次なる高みへと押し上げたいと思います。皆様も、ぜひアニメーションを継続していってください。Netflixにも、この映画を信じてくれたことに感謝します。妻のキム(・モーガン)、子どもたち…。そして、もうこの世にはいない両親。でも、私の心の中には彼らがいます。息子である私から『愛している』と伝えたいと思います。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ギレルモ・デル・トロのピノッキオ 2022年11月25日より全国にて公開、12月9日よりNetflixにて配信
2023年03月13日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。新人俳優賞を受賞した女優陣は華やかなドレスで登場。生見愛瑠はジョルジオ アルマーニのレースが美しいグレートーンのロングドレス、福本莉子は肩出しの白ドレスで魅了する。それぞれスピーチも披露し、小野花梨は「5歳からこの仕事をさせていただいて19年ぐらいになるんですが、ある方に『芸歴っていうのは売れてから数えるものだから』と言われたことがありまして。私はいつ1年目って言えるのかなと思ったところで、この賞をいただけたので、やっと自信を持って1年目と言えるなと、とてもうれしく思っています」と語る。また菊池日菜子は「きっと見てくださっている方のほとんどの方がはじめましてになるんじゃないかなというくらい無名な私なんですけど、そんな私に『月の満ち欠け』という作品で、この賞をいただけたことをありがたく思います。取るに足らない部分ばかりですが、そんな今だからこそ得られる感性があると信じて邁進して参りますので、成長過程を見守ってくださればうれしいです」と会場に語りかける。生見は「こんなにも光栄な賞をいただけると思ってなかったので、すごく嬉しいです。私は初めての映画撮影でわからないことがたくさんあって、たくさんの方に支えていただいて。今までは映画を観る側だったんですけど、こうやってたくさんの方と協力して、一つの作品を作り上げていくのって、こんなにもやりがいがあって、すごく楽しいことなんだなと実感しました。この賞に恥じぬように、作品の一つに自分がなれるように、一つ一つ丁寧にこれから頑張っていきたいなと思います」とコメント。福本は「見守っていただけているたくさんの方に支えられて、今回賞をいただけて、非常に光栄に思います。新人賞は私にとって、新たなスタートです。この映画をきっかけに、たくさんの方に観て知っていただけたので、ここからまた女優として、そして一人の人間として成長して映画を通して誰かの人生に少しでも輝く何かを残せるように頑張りたいと思います」と今後への抱負を述べた。○■「第45回日本アカデミー賞」最優秀賞受賞リスト作品賞…『ある男』監督賞…石川慶『ある男』脚本賞…向井康介『ある男』主演男優賞…妻夫木聡『ある男』主演女優賞…岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』助演男優賞…窪田正孝『ある男』助演女優賞…安藤サクラ 『ある男』音楽賞…RADWIMPS、陣内一真『すずめの戸締まり』撮影賞…市川修、鈴木啓造『シン・ウルトラマン』照明賞…吉角荘介『シン・ウルトラマン』美術賞…林田裕至、佐久嶋依里『シン・ウルトラマン』録音賞…小川武『ある男』編集賞…石川慶『ある男』アニメーション作品賞…『THE FIRST SLAM DUNK』外国作品賞…『トップガン マーヴェリック』新人俳優賞…小野花梨『ハケンアニメ!』、菊池日菜子『月の満ち欠け』、福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』、生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』、有岡大貴『シン・ウルトラマン』、番家一路『サバカン SABAKAN』、松村北斗『ホリック xxxHOLiC』、目黒蓮『月の満ち欠け』話題賞 作品部門…『ONE PIECE FILM RED』話題賞 俳優部門…松村北斗『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』(C)東京写真記者協会
2023年03月12日第46回日本アカデミー賞の授賞式が1日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、様々な男性俳優がスーツ&タキシード姿で登場した。『ある男』で最優秀主演男優賞を受賞した妻夫木聡は、タキシード、シューズともにDior Men。『月の満ち欠け』で新人俳優賞、優秀助演男優賞に輝いた目黒蓮も全身をフェンディで揃える。優秀主演男優賞の大泉洋はエンポリオ アルマーニのブラックタキシード、プレゼンターの鈴木亮平はジョルジオ アルマーニのブラックタキシードで決めていた。○■「第45回日本アカデミー賞」最優秀賞受賞リスト作品賞…『ある男』監督賞…石川慶『ある男』脚本賞…向井康介『ある男』主演男優賞…妻夫木聡『ある男』主演女優賞…岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』助演男優賞…窪田正孝『ある男』助演女優賞…安藤サクラ 『ある男』音楽賞…RADWIMPS、陣内一真『すずめの戸締まり』撮影賞…市川修、鈴木啓造『シン・ウルトラマン』照明賞…吉角荘介『シン・ウルトラマン』美術賞…林田裕至、佐久嶋依里『シン・ウルトラマン』録音賞…小川武『ある男』編集賞…石川慶『ある男』アニメーション作品賞…『THE FIRST SLAM DUNK』外国作品賞…『トップガン マーヴェリック』新人俳優賞…小野花梨『ハケンアニメ!』、菊池日菜子『月の満ち欠け』、福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』、生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』、有岡大貴『シン・ウルトラマン』、番家一路『サバカン SABAKAN』、松村北斗『ホリック xxxHOLiC』、目黒蓮『月の満ち欠け』話題賞 作品部門…『ONE PIECE FILM RED』話題賞 俳優部門…松村北斗『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』(C)東京写真記者協会
2023年03月12日アカデミー賞ノミネートで話題のアニメーション『Marcel the Shell with Shoes On』が、邦題『マルセル 靴をはいた小さな貝』として、6月に緊急公開されることが決定した。アマチュア映画作家のディーンは、あるAirbnbで、体長およそ2.5センチの靴をはいたおしゃべりな貝・マルセルと出会う。ディーンは彼が語る人生に感銘を受け、マルセルを追ったドキュメンタリーをYouTubeにアップするのだが…。本作は、2010年から2014年にかけてYouTubeで順次公開され、累計5000万回再生を記録した短編作品を長編映画化したもの。実写とストップモーションアニメを組み合わせ、“靴をはいた小さな貝 マルセル”の冒険を時にコミカルに、時にエモーショナルに描き出す。監督を務めたのは、新進気鋭の映像作家ディーン・フライシャー・キャンプ。本作の高評価を受け、実写映画版『リロ&スティッチ』の監督に抜擢され、YouTubeから躍り出た新世代クリエイターとして注目されている。『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などで知られる製作・配給会社A24が複数のハリウッドメジャーとの熾烈な競争の末に北米配給権を獲得し、2022年6月に全米で公開されると、たった6館での限定公開にも関わらず、館アベレージ2.8万ドルを叩き出す大ヒットを記録。映画批評サイトRottenTomatoesでは98%フレッシュ(23/3/3現在)を獲得し、高評価のレビューが続出している。映画賞レースも席巻しており、ファンタジーをはじめとしたジャンル作品を称えるサターン賞ではアニメ映画賞を受賞、“アニメーションのアカデミー賞”の異名を持つアニー賞では長編インディペンデント作品賞・長編作品声優賞・長編作品脚本賞の3冠受賞、ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞(アニメ部門)にノミネートされるなど快進撃を続けている。日本時間3月13日(月)に授賞式を控えた第95回アカデミー賞では長編アニメ映画賞にノミネートされており、受賞への期待が寄せられている。『マルセル 靴をはいた小さな貝』は6月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年03月12日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。映画『ある男』で最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木は、同作でボクシングに目覚め「僕は全く関係なかったんですけど、窪田くんが元ボクサーの役だったんですね。僕自身もボクシング興味があって、あの実際に『ある男』の中にも出演している松浦さんというトレーナーさんにお願いして、僕もボクシングを習い始めて」と明かす。「実は今日この会場にその松浦さんから習ってる生徒がいっぱいいるんで、この後ボクシングができるんじゃないか。昨日も岸井ゆきのちゃんと一緒にやってたし」という言葉に、会場も驚いていた。妻夫木は「もともと(柄本)佑くんと(安藤)サクラちゃんが一番早かったのかな」と問いかけ、柄本は「そうですね。1番早いのはサクラ」と回答。妻夫木はさらに「窪田(正孝)くんに、(横浜)流星くんもそうだし、ジムで会いましたね。その時はもう役作りに入ってたからなのか、流星くんと一緒になっても全然気づかなくて。先ほど『気づかなくてごめんなさい』という話をさせてもらったんですけど、それぐらいやっぱり入ってたんでしょうね。全然わかんなくて」とエピソードを披露した。また今回最優秀主演女優賞に輝き、映画『ケイコ 目を澄ませて』の主演を務めてからボクシングを続けているという岸井だが、フックが得意という話を振られると「もう、そんなことはなかなか言えないんです。やればやるほど下手になってく。得意なパンチなんて、なくなってく」と本当のアスリートのように謙虚に。岸井は「実践を重ねて人と戦うことで、なんて弱いんだろう、強くなりたいという気持ちが強くなって。そんな私にも得意なことを発見しまして、本気のパンチを受けることができる。力を流すことが得意というのが、妻夫木さんと戦ってる時に発覚しまして。昨日初めて会ったようなものですし、窪田さんもそうですけど、戦わせていただいて、よりボクシングを知っていって、まだまだ(演じた)ケイコの気持ちがわかるなと、終わってからも思います」と語った。○■「第45回日本アカデミー賞」最優秀賞受賞リスト作品賞…『ある男』監督賞…石川慶『ある男』脚本賞…向井康介『ある男』主演男優賞…妻夫木聡『ある男』主演女優賞…岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』助演男優賞…窪田正孝『ある男』助演女優賞…安藤サクラ 『ある男』音楽賞…RADWIMPS、陣内一真『すずめの戸締まり』撮影賞…市川修、鈴木啓造『シン・ウルトラマン』照明賞…吉角荘介『シン・ウルトラマン』美術賞…林田裕至、佐久嶋依里『シン・ウルトラマン』録音賞…小川武『ある男』編集賞…石川慶『ある男』アニメーション作品賞…『THE FIRST SLAM DUNK』外国作品賞…『トップガン マーヴェリック』新人俳優賞…小野花梨『ハケンアニメ!』、菊池日菜子『月の満ち欠け』、福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』、生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』、有岡大貴『シン・ウルトラマン』、番家一路『サバカン SABAKAN』、松村北斗『ホリック xxxHOLiC』、目黒蓮『月の満ち欠け』話題賞 作品部門…『ONE PIECE FILM RED』話題賞 俳優部門…松村北斗『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』(C)東京写真記者協会
2023年03月11日単館公開から、ハリウッド俳優らの激賞を受け第95回アカデミー賞主演女優賞ノミネートの快挙を成し遂げた『To Leslie トゥ・レスリー』が6月23日(金)より全国公開されることが決定した。テキサス州西部に暮らすシングルマザー、レスリー(アンドレア・ライズボロー)は、宝くじに高額当選するが数年後には酒に使い果たしてしまい、失意のどん底に陥る。6年後、行き場を失ったレスリーは、かつての友人ナンシーとダッチ(アリソン・ジャネイ、スティーブン・ルート)のもとへ向かうが、やはり酒に溺れ呆れられてしまう。そんな中、スウィーニー(マーク・マロン)という孤独なモーテル従業員との出会いをきっかけに、後悔だらけの過去を見つめ直し、母親に失望した息子のためにも、人生を立て直すセカンドチャンスに手を伸ばしはじめる。主演のアンドレア・ライズボローの圧巻の演技に対し、グウィネス・パルトロー、シャーリーズ・セロン、エイミー・アダムス、ジェーン・フォンダ、ローラ・ダーンら演技派俳優たちの間で瞬く間に称賛の輪が広がり、ケイト・ウィンスレットは「私の人生で見た中で最も素晴らしい演技のひとつ」と絶賛。また、本年度同じく主演女優賞にノミネートを果たしたケイト・ブランシェットは、全米批評家協会賞の受賞スピーチで恣意的な演技賞で最も見過ごされている演技の一つとしてアンドレア・ライズボローを挙げるなど、ハリウッド俳優から熱い支持を受けている。さらに、米映画批評サイトRotten Tomatoesでは98%の満足度、さらにAUDIENCE SCOREも85%を獲得し、演技、作品評価ともに鑑賞者から広く共感を呼んでいる(※2022/10/11時点)。昨年10月に米公開された本作は、単館公開で興行成績も2万7000ドル(約350万円)と規模が小さく、大規模なPRキャンペーンを行う予算もなかったため前哨戦や下馬評ではあまり注目されていなかった。しかし、作品に感銘を受けたハリウッド俳優たちが上映会の開催や、SNSでの投稿など、アンドレア・ライズボローの真に迫る演技を次々と絶賛。旋風が巻き起こったことで、ついにはアカデミー賞主演女優賞へのノミネートを果たし、賞レースに躍り出ることになった。ノミネートまでのシンデレラ・ストーリーとは裏腹に、アンドレア・ライズボローが演じるのは、宝くじに高額当選(190,000ドル・日本円で約2,500万円)したものの酒に溺れ、行き場を失い放浪するシングルマザー。痛々しいほどリアリティのある演技に誰もが惹き込まれ、ラストには涙なしでは見られない心温まる瞬間が待ち受けている。監督は「ベター・コール・ソウル」や「13の理由」、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などの重厚で良質なドラマを手掛けてきたマイケル・モリス。本作が長編映画デビューとなる。また2017年『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でゴールデングローブ賞助演女優賞、アカデミー助演女優賞を受賞したアリソン・ジャネイをはじめ、「GLOW:ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」出演のマーク・マロン、『猿の惑星』最新作に出演が決まっているオーウェン・ティーグら個性的な実力派俳優が脇を固める。『To Leslie トゥ・レスリー』は6月23日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年03月11日第46回日本アカデミー賞の授賞式が3月10日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、平野啓一郎の同名小説を石川慶監督が映画化した『ある男』が最優秀作品賞をはじめ、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(妻夫木聡)、最優秀助演女優賞(安藤サクラ)と最優秀助演男優賞(窪田正孝)など最多8部門に輝いた。弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者・里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫・大祐の身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。長年疎遠になっていた大祐の兄が「遺影に写っているのは大祐ではない」と話したことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが判明する。窪田正孝が里枝の夫になりすましていた“ある男”を演じた。妻夫木は『悪人』(第34回日本アカデミー賞)以来、2度目の最優秀主演男優賞。前回はスケジュールの都合で、授賞式には中継で参加しており「こうして実際に(ブロンズを)いただくことができて、本当にうれしいです」と喜びの声。石川監督とは、長編デビュー作の『愚行録』に続くタッグで、「脚本の向井(康介)さんもそうですが、またご一緒させてもらい、企画の段階からディスカッションしながら、作品に取り組ませてもらった」と思い入れは格別だ。妻夫木聡(写真提供:東京写真記者協会)また、以前に山田洋次監督から授かったという「妻夫木君、“在る”っていうことが大事なんだよ」という金言に触れ、「その言葉を頼りに、この役を演じさせてもらいました。僕は日本映画が大好きです。これからも盛り上げていけるように、皆さんとまた一緒に仕事ができたらうれしいなと思います」と決意を新たにしていた。最優秀助演女優賞の安藤は、開口一番「あー、泣いちゃう」と感激しきり。撮影中は俳優業と子育ての両立に葛藤もあったと明かし、「悩みつつ、家族で会議しながら、みんなで協力しあって、大好きな現場に戻れたらいいな」。改めて「現場がすごく好きなんだ」と実感したとも語り、「くよくよも超えて、他に見つけられない」と俳優業への思いを熱弁。安藤との夫婦役で、最優秀助演男優賞を手にした窪田は、「裸でいるより恥ずかしいくらい全部をむき出しにして、役にぶつかり、それをサクラさんが受け止めてくれた」と感謝の意。「本当にこの仕事をして良かったなと、今この瞬間も噛みしめています」と喜びを示した。安藤サクラ(写真提供:東京写真記者協会)最優秀主演女優賞に輝いたのは、『ケイコ 目を澄ませて』(三宅唱監督)で耳が聞こえないボクサーを熱演した岸井ゆきの。「身に余る賞をありがとうございます。三宅組の誰ひとり欠けても、私はここに立てなかった」と声を震わせ、作品のモデルになった元プロボクサーの小笠原恵子氏への感謝も示した。岸井ゆきの(写真提供:東京写真記者協会)最優秀アニメーション作品賞は、話題作がひしめき合うなか『THE FIRST SLAM DUNK』が見事受賞。ブロンズを受け取った東映のプロデューサー、松井俊之氏は「この作品は、(監督・脚本を手掛けた)原作者の井上雄彦先生が、映画という未知の世界に表現を求めてくださり、実現した作品。スタッフも最後まで戦い抜いてくれた」と喜びを噛みしめた。また、話題賞(作品賞)を受賞した『ONE PIECE FILM RED』から、ルフィ役の声優である田中真弓が出席し「『海賊王に俺はなる』と言い続けて23年。まだなっておりませんが、旅の途中で、このような晴れがましい場に立たせていただいた。応援してくださった皆さん、お前たちは俺の仲間だ~」と会場を盛り上げていた。田中真弓(写真提供:東京写真記者協会)第46回日本アカデミー賞は、2022年1月1日~12月31日に東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開され、同一劇場で1日3回以上、かつ2週間以上継続して上映された40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品が対象となっている。取材・文:内田涼▽受賞作品/受賞者リスト最優秀作品賞:『ある男』最優秀監督賞:石川慶『ある男』最優秀主演男優賞:妻夫木聡『ある男』最優秀主演女優賞:岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』最優秀助演男優賞:窪田正孝『ある男』最優秀助演女優賞:安藤サクラ『ある男』最優秀脚本賞:『ある男』最優秀撮影賞:『シン・ウルトラマン』最優秀照明賞:『シン・ウルトラマン』最優秀美術賞:『シン・ウルトラマン』最優秀録音賞:『ある男』最優秀編集賞:『ある男』最優秀音楽賞:『すずめの戸締まり』最優秀外国作品賞:『トップガン マーヴェリック』(東和ピクチャーズ)最優秀アニメーション作品賞:『THE FIRST SLAM DUNK』新人俳優賞:小野花梨、菊池日菜子、福本莉子、生見愛瑠、有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮特別賞:『ONE PIECE FILM RED』音楽チーム話題賞(作品部門):『ONE PIECE FILM RED』話題賞(俳優部門):松村北斗『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。石川慶監督の映画『ある男』が、作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞と8冠で席巻。最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木聡は「どうしよう。本当に何も考えてなかった。まさかいただけるなんて思ってなかったので。ちょうど10年前、『悪人』という作品でこの場に立たせていただいて、最優秀主演男優賞をいただいたんですけれども、その時は舞台で現場にいることができなくて、中継で受賞することになったので、今回はこうやっていただけて嬉しいです」と語る。さらに妻夫木は「山田洋次監督に『妻夫木君、"ある"ということが大事なんだよ』と言われたことが残っていて、その言葉を頼りに役を演じさせてもらいました。とにかくこの場にあるということ、存在するということを大事に役をさせてもらいました。日本映画が大好きです。これからも日本映画を盛り上げていけるように、みなさんとまた仕事ができたら嬉しいなと思います」とアピールした。最優秀監督賞に輝いた石川監督は「もし獲れたらこういうことを喋ろうとか思ってたこともあったんですけれども、今日、功労賞の方々や大先輩の方々の背中を見て、なんかそういうことじゃないなあという感じがして、ちょっと違うことしゃべっています」と明かす。「今日本当にたまたまいただきましたけれども、多分これってバトンなんだなあという感じがすごくしています。先輩方が作った日本映画の大きな大河があって、それを僕らがつないでいくバトンなんだと受け止めております」と厳粛な表情。さらに作品賞の受賞も発表されると、妻夫木は「監督のデビュー作から一緒で……」と話しながら声を詰まらせ、「ごめんなさい、ほんとうにすいません」と涙を見せる。「僕が1番、彼の才能というものを間近に見ていた自負あがあるので、こうやって認めてくださったのが本当に嬉しいです。おめでとうございます」と祝福。窪田正孝、安藤サクラ、清野菜名といったキャスト陣も集まっており、受賞を称え合っていた。○■「第45回日本アカデミー賞」最優秀賞受賞リスト作品賞…『ある男』監督賞…石川慶『ある男』脚本賞…向井康介『ある男』主演男優賞…妻夫木聡『ある男』主演女優賞…岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』助演男優賞…窪田正孝『ある男』助演女優賞…安藤サクラ 『ある男』音楽賞…RADWIMPS、陣内一真『すずめの戸締まり』撮影賞…市川修、鈴木啓造『シン・ウルトラマン』照明賞…吉角荘介『シン・ウルトラマン』美術賞…林田裕至、佐久嶋依里『シン・ウルトラマン』録音賞…小川武『ある男』編集賞…石川慶『ある男』アニメーション作品賞…『THE FIRST SLAM DUNK』外国作品賞…『トップガン マーヴェリック』新人俳優賞…小野花梨『ハケンアニメ!』、菊池日菜子『月の満ち欠け』、福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』、生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』、有岡大貴『シン・ウルトラマン』、番家一路『サバカン SABAKAN』、松村北斗『ホリック xxxHOLiC』、目黒蓮『月の満ち欠け』話題賞 作品部門…『ONE PIECE FILM RED』話題賞 俳優部門…松村北斗『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』(C)東京写真記者協会
2023年03月10日「第46回日本アカデミー賞授賞式」が3月10日(金)に開催され、『ある男』が最優秀作品賞を受賞した。今回、12部門13賞を受賞していた最多の『ある男』だが、結果、作品賞に加え、監督賞、主演男優賞ほか計8部門において最優秀賞を受賞し、本年度の日本映画の“顔”なった。『ある男』は、『愚行録』や『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が同名小説を映画化。亡き夫(窪田正孝)の名が別人のものだったと知った妻(安藤サクラ)が、知り合いの弁護士(妻夫木聡)に身元調査を依頼し、次第に夫の壮絶な過去が明らかになっていく物語。出自や家庭環境をめぐる差別やレッテルも容赦なく映しながら、アイデンティティを問う人間ドラマであり、ミステリー作品だ。檀上に妻夫木さんらキャストやスタッフとともに立った石川監督。最優秀監督賞を受賞の際には、「今日、本当にたまたまいただきましたが、バトンなんだなって感じがすごくしています。本当に先輩方が作った日本映画という大河があって、僕らがつめていくというバトンだと受け止めています」と語っていた。写真提供: 東京写真記者協会そんな石川監督の姿を笑顔で見つめていた妻夫木さんだが、マイクを握るととたんに目には涙が浮かんだ。「うれしいです。監督とはデビュー作から一緒で…」と話し、横にいる窪田さんがそっと妻夫木さんを支えた。妻夫木さんは「一番、僕は彼の才能というものを間近で見ていた自負があるので、認めてくださったのが本当にうれしいです」と喜びで声を震わせた。窪田さんも「本当におめでとうございます。この作品に関われて一員になれて、心からうれしいです。これからの財産になるし縁を少しずつ広げて映画をみんなで盛り上げていきたいです」と言い、安藤さんも「おめでとうございます!これ以上のものはないなって、おめでとうございます!」と笑顔を見せた。清野菜名も「本当におめでとうございます。こんな素敵な作品に参加できてラッキーだなと思います、私も頑張っていきます」と最後は涙声になっていた。そのほか、最優秀アニメーション作品賞は『THE FIRST SLAM DUNK』が受賞。企画から13年かけて制作された本作は、アニメ版でも映像化していない原作内の最終試合を新たな視点で描き、新旧ファンを興奮させ感動を呼んだ。そして現在も公開中、興行収入も100億円を超えて数字を伸ばし続けている。(cinamacafe.net)■関連作品:THE FIRST SLAM DUNK 2022年12月3日より全国にて公開© I.T.PLANNING,INC. © 2022 SLAM DUNK Film Partnersある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。映画『ホリック xxxHOLiC』で新人俳優賞、『すずめの戸締まり』(声の出演)、『ホリック xxxHOLiC』で話題賞 俳優部門と、2部門で受賞した松村。新人俳優賞では「賞をいただけたことを本当に嬉しく思いますし、僕なんかを選んでくれた人にゆっくりゆっくり恩を返しつつ、『なんでこの人なんだ』と思った方にゆっくり納得してもらえるように、今後頑張っていきたいと思います」と意気込む。さらに「日常で一歩歩くごとに、耳の穴から目の穴から、もう色んな所からこぼれそうなぐらい毎日嬉しいです」と独特な表現で喜びを表した。話題賞では、プレゼンターの菅田将暉が「松村さん、『すずめの戸締まり』を映画館で見ました。気づいたら本当に号泣してまして、映画の強度と皆さまの声に、いいち俳優として本当に刺激を受けまして、おめでとうございます」と祝福。話題賞 作品部門の『ONE PIECE FILM RED』田中真弓とともに登場した松村は「2回連続この場所に立って、本当に申し訳ない。『お前は誰だよ』って何度も思わせてしまうなという思いがありますが、本当に素晴らしい作品に携わらせていただいているなと。撮影中、公開期間中も持っていましたが、改めてここに立って話題になっていた、そして誰かの元に届いたというのを実感しました」と語る。「今、僕を話題にしていただいて、本当にありがとうございます。すみませんでした。ありがとうございます」と何度も感謝したり謝ったりしていた。(C)東京写真記者協会
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。優秀主演女優賞の岸井ゆきの、のん、賠償千恵子、広瀬すず、吉岡里帆の中から、最優秀主演女優賞に輝いたのは、『ケイコ 目を澄ませて』の岸井。声を震わせながら「身に余る賞をありがとうございます。三宅組でなかったら、誰一人かけても私はここに立っていなかったのでとても感謝していますし、支えてくださった関係者の皆さん、そして原案となった小笠原恵子さんに感謝します。ありがとうございます」と感謝の言葉を紡ぐ。岸井は「映画が大好き、映画を観ることが大好きで、映画を観ている時は何語でも喋れるしどこへでもいけるし何者でもないと思えるからすごく好きで、演じることも常に役があって、他者を演じることで自分を見ることができる。現場でわーってやって家に帰って、自分の生活を見つめて『ああ、やっぱり私ってなんでもないんだ』と思えることに安心して、そういうことで自分を見てるような気がする」と映画の魅力を熱弁。さらに「30年も40年も前の映画を初めて観た時に、これを観るために今までがあったんだなと思うことがあって、映画はずっとそこで見つけてもらうのを待ってくれていて、まだ出会う前の誰かのために生きることができるのかなと思ったりして」と話しながら、「わかんなくなってきたんですけど、この作品には私が見たことない景色をたくさん見せていただきました。まだ上映中なんです。ぜひ劇場で見ていただきたいなと思ってます。それだけが私の望みです」と訴えかけた。(C)東京写真記者協会
2023年03月10日俳優の岸井ゆきのが、『ケイコ 目を澄ませて』で第46回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞。前哨戦の賞レースを席巻してきた岸井さんの受賞となったが、発表された瞬間、信じられないといった表情で岸井さんは顔を両手で抑え、涙のスピーチを行った。優秀主演女優賞には、のん(『さかなのこ』)、倍賞千恵子(『PLAN 75』)、広瀬すず(『流浪の月』)、吉岡里帆(『ハケンアニメ!』)と、米手欄からフレッシュな俳優まで、様々な受賞者が揃っていた。写真提供: 東京写真記者協会『ケイコ 目を澄ませて』では、聴覚障害のある実在のプロボクサーの生き方に着想を得た三宅監督の先品で、主人公のケイコを演じた岸井さん。ケイコが再びリングに上がるまでの心の動きや葛藤を声ではなく手話や瞳、肉体で表現し、観客の目をくぎ付けにした。今なお(プライベートで)取り組んでいるというボクシングシーンも圧巻で、真っすぐなヒロインを体当たりで演じ、受賞となった。最優秀主演女優賞で名前を呼ばれた瞬間、自身の顔を驚きのあまり両手で覆った岸井さん。ブロンズ像を受け取った後も、壇上マイクの前で信じられないといったような表情で立っていた。言葉にならず、涙と岸井さんの息遣いだけがしばらく響いた。岸井さんは「ありがとうございます。いや…身に余る賞をありがとうございます。本当にこの三宅組でなかったら、誰ひとりかけてもここに立っていなかったので、とても感謝しています。支えてくださった関係者の皆さまに感謝します」と感謝を語った。そして「…私は映画が大好きなんです。映画を観ることが大好きで、観ているときは、なんか…何語でもしゃべれるし、どこへでもいけるし何者でもないと思えるからすごく好きで。演じることも常に役があって他者があって、他者を演じることでこう、自分を見ることができるというか」と映画愛をとうとうと語り続け、「30年も40年も前の映画を初めて観たとき、ああ、これを観るために今まであったんだなって思えることがあって。映画はずっとそこでずっと見つけてもらうのを待ってくれていて。そういう風にまだ出会う前の誰かのために生きることはできるのかなって思ったりして」と締めた。最後に岸井さんは「本当にこの作品には私が見たことのない景色をたくさん見せてもらいました。劇場でまだやっているんです、上映中です!ぜひ劇場で観ていただきたいです。それだけが私の望みです。ありがとうございました」胸を打つ心の声でスピーチしていた。(cinamacafe.net)
2023年03月10日『ある男』の妻夫木聡が、第46回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞。同作では最優秀助演男優賞に窪田正孝、最優秀助演女優賞で安藤サクラが受賞しており、妻夫木さんの名前が呼ばれた瞬間、『ある男』テーブルの面々は全員笑顔に!にぎやかに妻夫木さんを壇上に送り出していた。優秀主演男優賞には、阿部サダヲ(『死刑にいたる病』)、大泉洋(『月の満ち欠け』)、妻夫木聡(『ある男』)、二宮和也(『ラーゲリより愛を込めて』)、松坂桃李(『流浪の月』)と、現在の日本映画界を彩る俳優が顔を揃えていた。写真提供: 東京写真記者協会『ある男』では、3度目となる石川慶監督作品への主演で、妻夫木さんは人権派弁護士の城戸章良に扮した。スクリーン映えするたたずまいと存在感で作品をけん引し、城戸自身の内面の葛藤や苛立ちも表現した。静かな怒りの表情が印象的だった妻夫木さん。準備したことを聞かれると、「実際、弁護士の方に何度か会って取材をいっぱいさせてもらったり、裁判も傍聴したりしました。『いろいろなタイプの弁護の仕方があるんですね』と弁護士の方に言ったとき『僕も今こう接しているけど、この僕はいつもの僕とは違いますよ』と言われて。人にはいろいろな顔があって、ひとつのチョイスが今の顔なんだと気づきました」と役をやる上で大きな発見になったと明かした。受賞スピーチで、妻夫木さんは「ちょうど10年前くらい、『悪人』で(受賞したとき)は舞台でこの場にいられなくて、今回は実際にいただけて本当にうれしいです」と満面の笑みを見せた。「人間にはいろいろな顔があるよなと腑に落ちてからは、ふと山田洋二監督に言われた『妻夫木くん、あることが大事だよ』ということをすごく思い返しました。その言葉を頼りに、ずっとこの役をやっていました。とにかくこの場にあること・存在することを大事に役をやりました」と語った。最後に妻夫木さんは「とにかく日本映画が大好きです。これからも盛り上げていけるように、仕事ができたらうれしいです」とまた輝く笑顔を見せ、ブロンズ像をかかげてレッドカーペットを歩いていった。(cinamacafe.net)
2023年03月10日俳優の安藤サクラが、『ある男』で第46回日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞。第42回『万引き家族』で最優秀初演女優賞を受賞したことも記憶に新しい安藤さんだが、4年ぶりの本格的な映画出演となった『ある男』での受賞となった。スピーチでは様々な感情が交差したのか、涙を流しスピーチしていた。優秀助演女優賞は、有村架純(『月の満ち欠け』)、尾野真千子(『ハケンアニメ!』)、清野菜名(『ある男』/『キングダム2 遥かなる大地へ』)、永野芽郁(『母性』)、松本穂香(『“それ”がいる森』)と、安藤さんも入れて例年になく6名の選出となった。写真提供: 東京写真記者協会『ある男』では、再婚した夫(窪田正孝)が偽名を使っていたことを彼の死後知り、弁護士に身元調査を依頼する妻・里枝を演じた安藤さん。一度は疑心暗鬼になるも、最終的には自分は感じたことを信じる里枝を凛とした存在感で、温かく包容力のある演技で見せた。撮影前も今も「すごく難しい役だったなと感じていた」と語った安藤さん。およそ4年ぶりの映画出演はすごく緊張していたそうで、「うーん。苦しかったです、ははは。くよくよしていました、ずっと。でも途中から現場が大好きだと改めて思って、変わっていきました。この現場がないと、ずっとくよくよしたままだったかもしれない」と意外な胸の内を明かした。共演の妻夫木聡も「撮影中に、ある日『私やっぱり女優に向いてないと思うの。この作品で引退しようと思う』と言われて“えっ!? 引退作になってしまうのか…”と思っていた」と話し、くよくよエピソードを明かされた安藤さん。受賞後のスピーチで、安藤さんは「ありがとうございます。今ここで話したときにあまりにも自分が…」と一瞬止まり「泣いちゃう…」と涙を浮かべた。「本当にやめようと思っていたことがこんな形でばらされると思っていなくて、情けなくて」と涙を流して話す安藤さんに、会場中が温かく拍手でエールを送った。安藤さんは、「この作品の最中に、やっぱり現場がすごく好きなんだと。それは自分ができる・できないとか関係なく、それをも超えて私は撮影の皆さんの中にいることが何よりも好きなんだとはっきりと思えました。もうくよくよを超えて、そんなものほかに見つけられないなとはっきりと思えたので、また現場に今向かうことができています」とコメント。さらに、最後は「ただやっぱり子育てと撮影は今のところうまくできない。それはたぶん撮影のシステム的なこともあると思う。でもそれは私はどうしたらいいのかわからないけど悩みつつ、家族で会議しながら、みんなで協力し合ってまた頑張れたらいいな、大好きな現場に戻れたらいいなと思ってます。ありがとうございます!」と会場にいた(夫の)柄本佑に向かって微笑みかけ、柄本さんもピースサインを返し、場内も大きな拍手と笑顔を送っていた。(cinamacafe.net)
2023年03月10日第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。映画『月の満ち欠け』で新人俳優賞、及び優秀助演男優賞を受賞した目黒は、作品の中で20歳と39歳を演じ「39歳の時はお芝居の中でどう年を取らせて見せるか、話し方だったり姿勢だったり気を遣って、本番当日の日にヒゲを生やしていったんですよ。監督に見てもらって決めてもらおうと思ったんですけど、メイクさんが勢い余って剃っちゃったんですよ。で、なしでいきました」とエピソードを披露する。同作で主演を務め、作品の宣伝でも目黒とのコンビネーションを見せていた大泉洋は「彼はヒゲを剃られたって話してるんですけど、本当に残念な失敗だと思いますよ。見てみたいですね。やっぱりヒゲを生やしてやってくれればね。また違ったんでしょうけど、どうしてメイクさんに剃られてるのかもわからない。大体の役者は自分が剃る。どうしてそんな大事なところをメイクさんに剃られたのか? メイクさんも迷わずに剃ったのもすごい話だなと思うんですけど、そのあたりがいかがですか?」とたたみかける。目黒は「ここらへん(頬のあたり)を整えて剃る時に勢い余っていったと。監督的にもヒゲなしで良かったという感じだったと思うので……」と弁解すると、大泉は「まあ剃ってから行ったから監督もそう言うしかないわけだ。その日1日かしか僕と君とのスケジュールはないわけだから、なしで行こうかと言うしかなかったもんな」とツッコミ、目黒は「たしかにそうですね」と目を見開く。大泉は「今気づいたような顔するな!」とさらにツッコみ、「今ここで彼と揉めるわけにはいかないから」と息のあったやりとりで会場を楽しませていた。(C)東京写真記者協会
2023年03月10日