私たちの日々の暮らしに関わりあるテーマを、その文化的背景とともにデザインの視点で楽しく読み解いてくれる「21_21 DESIGN SIGHT」の展覧会。建築家・安藤忠雄氏が手掛けた館内には、いわゆる美術品と呼ばれる所蔵作品が一切なく、展覧会ごとに作品からレイアウト、什器に至るまでガラリと変わる。従来の美術館とは一線を画したその演出は、訪れる人々に新鮮な印象を与え、さらに数々のヒットを生み出してきた。そんな伝説の企画展の一部が、サイト内「パノラマツアー」として復活。館内に足を一歩踏み入れれば360度見回すことが可能で、自由に鑑賞できるようになっている。また、気になる箇所をズームすることも。今回は、現在公開されている下記3展の見どころと、その魅力をご紹介。長蛇の列だった展覧会も、ウェブ上でなら待ち時間なく、しかも無料で楽しめる。当時うっかり見逃してしまった人も、復習したい人もぜひ。企画展『コメ展』日本の伝統文化や生態系にも着目。食だけじゃないコメの魅力を知る展覧会。食に限らないコメの姿に注目し、稲作とともに発展してきた日本文化を紹介。グラフィックデザイナー佐藤卓氏と文化人類学者の竹村真一氏がディレクション。稲藁が香る会場には作り手のドキュメンタリー映像、風景写真、体験型の作品も。本ツアーでは一部映像も公開。(2014年開催)※ギャラリー2会場風景(撮影:淺川 敏)企画展『単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?』目に見えないものも可視化して、社会に溶け込む単位の正体を解明。例えば空気、速度、情報。捉えにくいものの量を、視覚的に分かりやすく並べたり、違う単位と比較したり。一見難しそうな「単位」を様々な角度から捉え、世界をより鮮やかに楽しむ方法を提示した企画。尺貫法が生まれた文化的背景の紹介や、単位を皮膚で感じる試みも。(2015年開催)※ギャラリー2会場風景(撮影:木奥惠三)企画展『雑貨展』時代ごとにその定義が変わる雑貨の変遷とその魅力を追求。昭和の頃は“日用品”、平成では“愛玩具”に。時代とともに定義が変わりゆく雑貨の魅力を紹介。雑貨を巡る環境や、世界的にもユニークなひとつの文化を俯瞰できる内容に。プロダクトデザイナー深澤直人氏はじめ、企画チームが議論を重ねて選出したアイテムも見どころ。(2016年開催)※ギャラリー2会場風景(撮影:大谷宗平/Nacasa&Partners, Inc.)21_21 DESIGN SIGHT※『anan』2020年6月3日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年05月29日俳優やダンサー、ミュージシャンに、能楽師や書道家、美術家といったジャンルレスなアーティストと、アイヌ古式舞踊や琉球舞踊といった日本各地の土地に根付いた伝統の芸能をミックス。東京都の文化イベントとして、2015年の東京・駒沢からスタートし、さまざまな土地で開催されてきた「東京キャラバン」。東京スカパラダイスオーケストラ(以下、スカパラ)は、’16年のリオデジャネイロで行われた東京キャラバンに参加している。じつはきっかけを作ったのが谷中敦さん。旧知の松たか子さんを通じ、企画の発案者であり、総監修の立場から演出を手がける野田秀樹さんに自ら出演を志願したとか。「日本には土地土地の文化が根付いていて、それがすごく面白い。東京オリンピックという世界の注目が日本に集まる時に、自分の国のカルチャーを研究して海外に向けてアピールすることが必要なんじゃないかと思っていたんです」さまざまなカルチャーをミックスさせるという東京キャラバンの趣旨は、スカパラにも通じるとも。「“スカ”という音楽ジャンルは基本的にはジャマイカ発祥ですけれど、スカパラはいろいろな土地、いろいろな時代の音楽のエッセンスを取り入れながら“トーキョースカ”という独自の音楽を作ってきました。もともと日本って、海外で生まれた文化を磨き上げて独自に発展させるインプルーブが巧い国。僕はスカパラはその延長線上にあるように感じていて、だからこそ東京キャラバンにもぜひ参加させてください、と」しかし出演は決まったものの、実際に何をやるのかは、リオに着いてからも「ほとんど全体像が見えないままでした」と苦笑い。「公開ワークショップをやりますと説明されて、練習しているところを見せるなんて、面白いしカッコいいなと思ったんです。こんな異国の地でイチから始めていいのかなとは思ったけれど、僕らは基本的にその場その場に合わせていくインプロビゼーションには慣れているし好きなんで、楽しかったですね。最初の日に、野田さんからA4の紙数枚の文章が書かれたものが配られて、それを読んだ時、これはお芝居というより詩なんだなって思ったんです。いろいろなパフォーマンスを退屈せずに観てもらえるよう、心に刺さったり笑えたりするような詩でひとつのエンターテインメントにまとめる。映像詩人という言葉がありますけれど、芝居詩人なんだと感じました。でも、その言葉には受け取った人が考えたり想像したりする余地が残してあって、自分で最後のピースをはめて完成されるようになっている。それって、お客さんの想像力を喚起させて感動を呼ぶ、普段の野田さんのお芝居にもちょっと近い気がしたんですよね」違うものを受け入れるほど、自分たちの存在が明確に。ワークショップには、ブラジルで活動するさまざまなアーティストたちも参加し、即興でコラボレーションがおこなわれた。「現地の音楽家たちと演奏できたのは楽しかったですね。間の感覚とかも違うはずなのに、違和感はまったくなくて、自然とミックスできて。その僕らが演奏しているステージの真ん中で津村禮次郎さんが能を舞う姿を見た時には、日本人として誇らしい気持ちにもなって、ものすごく感動したんです。世代も文化も全然違う人たちが、ブラジルという異国に集まって、そこに現地のアーティストが参加して自然な形で成立させちゃえるのが野田さんのすごいところだし、文化の可能性も感じました」スカパラ自体、これまでに菊地成孔さんや宮本浩次さん、aikoさんなどのほか、関ジャニ∞やさかなクンまで、ジャンルを問わず多くのアーティストたちとコラボレーションを果たしてきている。「僕らの曲に『Paradise Has No Border』というものがあるんですが、そのタイトルを考えたのがメキシコなんです。その時は、アルゼンチンのロス・ファブロソス・カディラクスというスカバンドのライブ出演だったんですが、会場の6万人のお客さんが大合唱しているのを見た時、歌声が届く範囲は全部楽園なんだって思ったんです。アルゼンチンのバンドが、ジャマイカで生まれた音楽をメキシコで演奏して、それを日本人の俺らが見てる…とっても素敵なことじゃないですか。そうやって境界線を作らずにやっていきたいという考えからの“ノーボーダー”です。外のものを受け入れていくのって最初は怖いと思うんです。僕らの演奏に、アイデンティティがなくなっちゃうんじゃないかと心配する人もいましたし。でもじつは、逆に違うものを受け入れれば受け入れていくほど、自分たちの存在意義が明確になってくるんですよ」大切なのは、お互いをリスペクトし合うこと。「コラボレーションって、お互いが持っている手の内を全部見せ合って、共有しないとうまくいかない。そういう意味では、お互いに勉強させてもらう感覚で臨むのが大事なんだと思っています」音楽にとどまらず、伝統芸能やドラァグクイーンなど、カルチャーという線上でノーボーダーに交わる場所が東京キャラバンだ。「ブラジルでも、その後に参加した六本木でも、いろんなアーティストの方とお話をさせていただいてたくさん感銘を受けました。これからも、勉強させてもらう機会が来ることを期待しています」’16年、リオデジャネイロではスカパラと現地のパフォーマーたちがセッション。やなか・あつし1966年生まれ、東京都出身。昨年デビュー30周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックスを担当するほか作詞も手がける。新曲『倒れないドミノ』が先月配信リリースされた。東京キャラバンは、東京オリンピック・パラリンピック開催により世界からの注目が日本に集まるタイミングで、東京を文化の面から盛り上げるために立ち上げられた。発案者である劇作家・演出家・役者で東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹さんが提唱するのは、多種多様なアーティストが東京キャラバンの旗印のもとに集い、ジャンルを超えて交わることで、新たな可能性を見出す場を作ること。’15年の東京・駒沢を皮切りに、これまでにリオデジャネイロや、東北、京都、九州、四国、岡山、富山、北海道など各地を旅しながら、様々なアーティストが集い、全16か所で開催。出演するのは、俳優、ダンサー、ミュージシャンなどのほか、地方に根付いた伝統芸能の担い手やパフォーマーたち。あらゆる表現が入り乱れたパフォーマンスは、各地で観客を熱狂させている。今年5月に予定していた公演は延期となったが、今後の開催が注目されている。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月26日野田秀樹さんが発案し、総監修の立場から演出を手がけ、俳優やダンサー、ミュージシャンに、能楽師や書道家、美術家といったジャンルレスなアーティストと、アイヌ古式舞踊や琉球舞踊といった日本各地の土地に根付いた伝統の芸能をミックスさせた「東京キャラバン」。スタートとなった’15年の東京・駒沢から東京キャラバンに参加している松たか子さんにお話を伺いました。「最初に野田さんから説明されたのは、歌だったり表現だったり展示物だったりを見せるサーカスをやる、みたいな感じだったと思うんです。想像がつかなかったけど、『僕が書く言葉をただ朗読してくれればいいから』と言われて。でも最初に行ったリハーサルで動きをつけられまして…私はいつから、野田さんに読むだけだと言われて朗読だけだと受け取るようなつまらない人間になったんだ、と自分を反省しましたね(笑)」これまで’16年の福島・相馬、’17年の京都・亀岡、二条城の4回出演。「できることをできる時に参加するという感じです」と微笑む。「駒沢の頃は、個々のパフォーマンスがもう少しはっきり分かれていましたが、相馬、京都と、それがだんだん混ざっていっている感じがします。とはいえ、いま風にアレンジするわけではなく、それぞれがいつも通りのスタンスでがっぷり組んでいるのが面白い。私たち俳優やダンサーは、その隙間を探して動いている感覚ですね」隙間、と松さんは言うけれど、何をか言わんや。EGO‐WRAPPIN’の中納良恵さんとは歌手として歌で共演も果たしている。「中納さんと歌った時は、緊張もすごくしたけれど、ほんの数分の間、彼女を私が独り占めしているような特別な感覚があって。それはとても気持ちいい時間でした。歌に合わせて能楽師の津村(禮次郎)さんが舞っていて、その舞の意味を100%は理解できていなかったとしても、全員が同じ時間、同じ緊張を共有し合っているよろこびはありました」ほかに印象的だったパフォーマンスとして、村田製作所チアリーディング部も挙げてくれた。チアリーディングとはいえ、そこは電子部品を扱うメーカー。踊るのは球体の上に乗った小型ロボットだ。「ロボットが舞妓さんたちと一緒に踊るんですけれど、製作所のみなさんの熱意と愛情がすごかったんです。時間をかけて舞妓さんの動作を研究してプログラミングして動かしていく。芸能とは違うかもしれないけれど、普段あまり出会うことのない技術者の方々が参加してくれたことが嬉しかったですね。しかも技術者のみなさんが、ロボットたちに、親バカなくらいの愛情を注いでいるのがわかるんです(笑)。そんな光景を目にすることができて良かったですね」一夜限りの現場で生まれるライブ感が楽しい。一般的に本番までに1か月以上の稽古を重ねる演劇と比べ、数回の打ち合わせとリハーサルで本番を迎える東京キャラバンは、どこか通りすがりのような感覚だとか。「お客さんが通りがかりに観ているように、私もたまたま声をかけられて時間が空いていたから参加した、みたいな気持ちでいます。基本的に一夜限りのものだから、何が起きてもそれは失敗とかそういうことじゃなく、とにかくやり切って全部をOKとする。その現場でのイベント性というかライブ感が楽しいです」予想外の展開も不測の事態も引き受けて、その上で楽しめてしまうのが松さんという人なのだろうと思う。自分をこう見せたいという自意識より、まずは飛び込んでみる強さに清々しい潔さを感じる。「ある意味、ズルいんだと思います。こうやったら自分が素敵に見えるっていう方法がわかって、その通りにできたらどんなにいいか…。でもその自信がないから、この役をやってくれと言ってくれた人の思い描くものにできるだけ沿おうとするんだと思います。もし違っていたのなら、その人のイメージが違っていた、ということにして(笑)。結局、自分を信じてないというか、自分を疑っているんじゃないでしょうか」歌舞伎の家に生まれ、女優としてさまざまな舞台に立つ一方、歌手としても活躍する松さん。伝統芸能である歌舞伎への想いも伺った。「私の場合、ただ舞台を観ていたというだけですから…。ただ、父(松本白鸚)が歌舞伎だけでなく、ミュージカルもやったりシェイクスピアもやったりしていましたから、歌舞伎だけが特別なものじゃなかったというのは、よかったところかなと思います。でも、観るものとして歌舞伎はすごく好きですよ。女形さんの表現のひとつとして、階段を一段ずつ上がるとか、体を小さくするとか、か弱く華奢に見せる技術がある。舞台上でどう嘘を上手につけるかにずっと全身全霊を込めてきて、それが伝統芸能として残ってきた。そのことはとても素敵ですよね」あらためて、松さんが感じる東京キャラバンの魅力とは?「いろんなアーティストが、それぞれの流儀を持ったまま自由に混ざり合う、その決まりがあるようでないところでしょうか。私なんかは、そのなかで隙間を探して楽しんでいる感じ。それを観て楽しんでくださる人がいるって、芸能の原点な感じがするなって」’17年、京都・二条城にて、松さんは野田さん作の物語『夏の魂の中で』を朗読。EGO‐WRAPPIN’の中納良恵さんとアカペラ歌唱でのコラボレーションも。撮影:井上嘉和まつ・たかこ1977年生まれ、東京都出身。近作の舞台にNODA・MAP『Q』。今年2月のアカデミー賞授賞式では『アナと雪の女王2』の日本版声優として出演し話題に。公開待機作に映画『峠 最後のサムライ』が。東京キャラバンは、東京オリンピック・パラリンピック開催により世界からの注目が日本に集まるタイミングで、東京を文化の面から盛り上げるために立ち上げられた。発案者である劇作家・演出家・役者で東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹さんが提唱するのは、多種多様なアーティストが東京キャラバンの旗印のもとに集い、ジャンルを超えて交わることで、新たな可能性を見出す場を作ること。’15年の東京・駒沢を皮切りに、これまでにリオデジャネイロや、東北、京都、九州、四国、岡山、富山、北海道など各地を旅しながら、様々なアーティストが集い、全16か所で開催。出演するのは、俳優、ダンサー、ミュージシャンなどのほか、地方に根付いた伝統芸能の担い手やパフォーマーたち。あらゆる表現が入り乱れたパフォーマンスは、各地で観客を熱狂させている。今年5月に予定していた公演は延期となったが、今後の開催が注目されている。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)ヘア&メイク・赤松絵利(esper.)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月25日俳優やダンサー、ミュージシャンに、能楽師や書道家、美術家といったジャンルレスなアーティストと、アイヌ古式舞踊や琉球舞踊といった日本各地の土地に根付いた伝統の芸能をミックス。東京都の文化イベントとして、2015年の東京・駒沢からスタートし、さまざまな土地で開催されてきた「東京キャラバン」。この企画の発案者であり、総監修の立場から演出を手がけるのが野田秀樹さん。「もともとは、東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本各地から盛り上げていくことを目的として、文化の観点から何か立ち上げられないかという発想から始まっているプロジェクトです。僕は東京都が運営している東京芸術劇場の芸術監督という立場で会議に参加していたんだけれど、じゃあ一体何をやるのかという具体的なアイデアが一向に出てこない。それで僕が、例えとして出したのが“文化サーカス”というもの。日本にあるいろんな文化がクロスする場を用意すればいいんじゃないかと思ったんですよね。もともと文化ってそういうものだからって。そしたら、じゃあ野田さんがやってくださいと言われてしまったという、ね(笑)」文化サーカスとしてイメージしたのは、ロンドンに住んでいた時に年に一度家の前でおこなわれていた移動遊園地。「毎年6月に来るんだけれど、設営の準備で2~3日前から賑わいだす。そろそろだなって思うと、何だかすごくワクワクしたりして。そういう、街角に神出鬼没に現れて、何が始まるんだろうなって周りの興味を惹きながら本番を迎えて、終わったら跡形もなく去っていく。あの感じがいいなと思ったんです」容易に混ざるけれど完全に混ざらないのが面白いなと。とはいえ引き受けた当初は、漠然とイメージはあったものの、新しい“試み”すぎて、すべてが手探り状態で、困惑のほうが大きかった。それでも、「関わるうちに、だんだん自分のなかで前向きに変わっていった」そう。「何より、集まってくれたパフォーマーたちのクオリティの高さですよね。事前にいろんな場所に行って土地に残る伝統芸能をたくさん見せてもらったんですが、当たり前の話なんだけど、長く残ってきている芸能ってとてつもないパワーに満ち溢れていると改めて思い知ったことも大きいです。秋田の竿燈(かんとう)なんかは、あまりの迫力に演出家であることを忘れ、ただのおっさんとして感動したし。そういう、通常交わらないもの同士が交わった時、普段なら絶対に観られないようなパフォーマンスが生まれてくるんです。回を重ねていくうちに、この企画で一番得をしているのは、じつは俺かもしれないと思うようになりました」パフォーマーとして参加した人のなかには、松たか子さんや、谷中敦さんの所属する東京スカパラダイスオーケストラのほか、宮沢りえさん、木村カエラさん、EGO‐WRAPPIN’の中納良恵さんら、一線で活躍するアーティストたちが多く名を連ねる。「’18年の秋田でのキャラバンでは、ニューヨークで活躍しているタップダンサーの熊谷和徳さんと民謡の人たちとがコラボレーションしたんです。最初はやっぱりお互いに慣れないものだから、戸惑いもあって。でも、やっていくうちにお互いに『こんなふうにやってみたらどうか』とアイデアを出し合い歩み寄って、みるみる良くなっていくわけです。キャラバンをスタートさせたばかりの頃は、この“混ぜる”っていうことをおっかなびっくりやっていたんだけれど、回を重ねるうちに、それぞれが持っているリズムを掴んでしまえば容易に混ざるんだっていうことがわかってきた。それでもやっぱり完全には混ざらない部分があって、そこもまた面白いんですよ。終わった後に、パフォーマーのなかに『いままで経験したことがなかったけれど、こういうことをもっとやってみたくなった』って言ってくれる方がたくさんいて、また『全然違うからこそ面白かった』って言われたり、そういう言葉を聞くたびに自分の力になっているし、喜びを感じています」誰もがお祭りや遊園地と同じ感覚で気軽に立ち寄って体験できるのが東京キャラバンの魅力だ。「演劇やダンスのようなカルチャーとか、パフォーマンスに興味のなかった人が、ちょっと覗いて、こういう面白いものがあるんだって気づいてくれるかもしれない。その人が興味を持って、観る側もしくはやる側に回ってくれるかはわからないけどね。普段クラシック音楽を聴かない人が、バイオリンって生で聴くとこんなにいいものなんだって、まずは知ってもらうことが大事だと思っています。日が暮れて夕景のなかで見ると、さして興味のなかったものが素敵に見えたりもするっていう効果もあるだろうし」もうひとつ、野田さんがここで目指していることがある。それは東京と地方との文化をつなげていくということ。「東京芸術劇場の芸術監督に就任した時から、自分のなかで柱にしてきたことがいくつかあるんです。若い演劇人の育成、海外の優れた舞台芸術の招聘…もうひとつあるのが、東京と地方とのラインを作りたいということ。僕は演劇しか知らないけれど、作品も観客もやはり東京に集中しがちです。地方は面白いものもあるけれど、あまり注目されないために、自分たちのやっていることへの誇りを失いかけている人もいる。キャラバンを通じて多くの人に観てもらう機会を増やすことで、少しでも地方の文化に活力がみなぎればと思っています」’17年、京都・亀岡で2日間にわたっておこなわれたワークショップ。撮影:井上嘉和のだ・ひでき1955年生まれ、長崎県出身。劇団夢の遊眠社を結成。’80年代に日本の小劇場ブームを巻き起こす。NODA・MAPを率い、国内外で演劇を創作する。さらに東京芸術劇場の芸術監督も務め、精力的に演劇界を牽引している。東京キャラバンは、東京オリンピック・パラリンピック開催により世界からの注目が日本に集まるタイミングで、東京を文化の面から盛り上げるために立ち上げられた。発案者である劇作家・演出家・役者で東京芸術劇場の芸術監督を務める野田秀樹さんが提唱するのは、多種多様なアーティストが東京キャラバンの旗印のもとに集い、ジャンルを超えて交わることで、新たな可能性を見出す場を作ること。’15年の東京・駒沢を皮切りに、これまでにリオデジャネイロや、東北、京都、九州、四国、岡山、富山、北海道など各地を旅しながら、様々なアーティストが集い、全16か所で開催。出演するのは、俳優、ダンサー、ミュージシャンなどのほか、地方に根付いた伝統芸能の担い手やパフォーマーたち。あらゆる表現が入り乱れたパフォーマンスは、各地で観客を熱狂させている。今年5月に予定していた公演は延期となったが、今後の開催が注目されている。※『anan』2020年5月27日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)ヘア&メイク・赤松絵利(esper.)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年05月21日岐阜県を拠点にする関ヶ原石材が“石のもつ魅力に日常半径1mで触れる”をコンセプトにプロダクトブランド「ISHIZO(石三)」から「しかくいし」の新ラインナップKISEKI【SEKIGAHARA|Antolini】シリーズをローンチする。ソーダライトブルーA4岐阜県を拠点にする関ヶ原石材が立ち上げた「HELLOSTONEPROJECT」は、石が本来持つ魅力を発信するプロジェクト。その中でも人気を博しているプロダクトライン「しかくいし」に新しいシリーズが加わりました。KISEKI【SEKIGAHARA|Antolini】シリーズ関ヶ原石材が昨年パートナーとして提携したイタリア建築石材大手のAntolini社の材料から生まれた「しかくいし」の新シリーズです。クアルツォミケランジェロA3オイスターホワイトA3ドーバーホワイトA3クアルツォジュリエットA4サハラブランクA4○製品仕様サイズ:A4(210×297mm)、A3(297×420mm)の2サイズ展開重さ:A4サイズ1.0kg、A3サイズ1.8kg○「しかくいし」とは「しかくいし」は天然石材のフレームパネルです。本体裏面に壁掛け用の金属フックがセットされていますので、石膏ボードやベニヤ下地の壁面などに取り付けることが出来ます。石は本来とても重たく、壁面に取り付けるには建築のプロや特別な機構が必要でした。もっと手軽に石の表情を空間に取り入れてもらいたい、という思いから誕生しました。関ヶ原石材が培ってきた石材の調達力と石材加工技術が、石を限りなく薄く加工することを可能にしました。このことにより、軽量化が実現され、気軽に空間に取り入れて頂ける製品となりました。石の厚みはわずか5.5mm裏面はアルミヘアラインに取付用フックがセットされている住宅の壁にも簡単に飾ることができる○その他ラインナップAntoliniシリーズ以外にも4月に新しく追加された製品たちです。◇レインフォレストブラウンブックマッチA3レインフォレストブラウンブックマッチA3落ち着いた色合いが人気のレインフォレストブラウン。本品はA3サイズを2枚合わせ(ブックマッチ)にしたアートになります。レインフォレストブラウンブックマッチA3どの方向でも取付可能で、横に連結した場合は上のようになります。◇レインフォレストグリーンA4レインフォレストグリーンA4◇ブラックマリナーチェA5ブラックマリナーチェA5ブラックマリナーチェはA5サイズで5枚新たに追加されました。どれも同じ石ですが、一枚ごとに模様が違います。上記以外のラインナップは「ISHIZOonlineshop」でご覧いただけます。また、WEBに掲載されている製品以外の製作希望やコントラクトについても承っておりますので、お気軽にお問合せください。ISHIZO online shop【SEKIGAHARA|Antoliniについて】建築石材業を専業とする関ヶ原石材が伊Antolini社とパートナーシップ契約を結び日本初の専用StoneGalleryを設けることになりました。同建築は、イタリアの建築石材トップブランドであるAntolini社のデザインによるもので、Antoliniブランドの取り扱う希少な石種を100種類以上取り揃え、石材の持つ華やかさと豊かな色彩をご覧いただけます。Luxury Stone Collection"KISEKI"【関ヶ原石材株式会社について】関ヶ原石材株式会社は、岐阜県不破郡関ヶ原町にある建築用石材の調達から材料加工、現場施工までを行う総合建築石材会社です。1951年の創業より、日本の建築に携わり続け、変化し続ける石材ニーズに合わせて世界各国より天然石材の調達加工、石材の取付技術を日々進化させてきました。また、昨今は一般建築や住宅・商業店舗内装分野への石材・サービスの提供や、石材の新たな可能性を探求しています。関ヶ原石材株式会社企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年05月07日東京・上野の国立西洋美術館で、3月中旬に『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』のプレス内覧会が開かれました。現在、美術館は臨時閉館中ですが、取材時に撮影した作品画像の一部を本記事でご紹介。おこもり生活の気分転換に、ネットで名画をご覧になってみてください。ロンドン・ナショナル・ギャラリーとは?【女子的アートナビ】vol. 176ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、1824年に設立された世界屈指の美術館。ロンドン中心部にある同館には、13世紀から20世紀はじめまでの西洋絵画が展示されています。ヨーロッパにある有名美術館は、王室が集めた美術品がベースになっているところが多いのですが、ロンドン・ナショナル・ギャラリーは英国民の力で創設。「西洋絵画史を網羅するコレクションをイギリスに作る」という目的で収集されているので、質の高い作品がそろっています。200年近い歴史をもつ美術館ですが、今まで館外で大規模な所蔵作品展をしたことはなかったとのこと。今回は61点もの作品が来日し、史上初の展覧会としても注目されています。天の川の起源は…会場では、テーマ別に7章構成で絵画作品が展示されています。本記事では、そのなかから3点をピックアップします。まず第1章「イタリア・ルネサンス絵画の収集」でご紹介するのは、ヴェネツィアで活躍した画家ティントレット(1518頃~1594)の《天の川の起源》。この絵に描かれている場面は、神々の王ユピテルが息子ヘラクレスを抱き、正妻ユノ(最高位の女神)の乳を飲ませようとしているところです。ヘラクレスは人間のアルクメネと浮気したときにできた子どもだったので、不死身ではありません。そのためユピテルは、ユノの乳を飲ませ、息子に永遠の命を与えたかったのです。しかし、ユノは寝ていたときに乳を強く吸われたので、驚いて目を覚まし、ユピテルがヘラクレスを急いで引き離そうとします。そのとき母乳が天空に飛び散り、乳の道ができた……という物語がMilky Way(天の川)の起源。この絵画では、ユノの乳首から母乳が吹き出し、流れ星のようにきらきらと天に輝く様子が鮮やかな色彩で描かれています。恋人を待つ女性?続いて、第2章「オランダ絵画の黄金時代」でピックアップするのは、フェルメール(1632~1675)の作品《ヴァージナルの前に座る若い女性》。「ヴァージナル」とは、15世紀頃からヨーロッパで使われていた小型鍵盤楽器のひとつ。その楽器に手を置いた若い女性がこちらを見つめています。弾いている途中に、誰か親しい訪問者がやってきたのでしょうか。女性の表情がちょっと意味深です。写真では見づらいですが、女性の背景に一枚の絵画が掛かっています。そこに描かれているのは、売春婦と男性客、取り持ち女。さらに、ヴァージナルの手前には、ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器も置いてあります。風俗画に描かれる楽器には、男女関係や性的な意味合いも含まれているとのこと。この絵の読み解き方はいろいろあるので、想像を膨らませながら見てみると楽しいです。人気画家は盛り上手!?最後は、第3章「ヴァン・ダイクとイギリス肖像画」から、アントワープ出身の画家ヴァン・ダイク(1599~1641)の作品をご紹介します。描かれている二人の女性は、セレブな子爵の娘たち。これは二重肖像画です。画面右の女性は、妹のエリザベス。彼女は、古代に花嫁が着たといわれるサフラン色のドレスを身につけ、キューピッドからバラの入った籠を受け取っています。この絵は、エリザベスの結婚祝いのために制作されたと考えられているそうです。姉妹はともに大きな真珠の耳飾りをつけ、衣装も豪華で、表情も威厳と気品にあふれています。画家ヴァン・ダイクは、まるで神話に出てくる美しい女神のように「盛った」人物を描くのが得意で、肖像画家として当時とても人気があったそうです。公式サイトでは無料動画も公開中会場には、ほかにもベラスケスやゴヤなどのスペイン絵画、イギリスを代表する画家ターナーの風景画やゴッホの《ひまわり》など、傑作がたくさん来日しています。現時点で開幕日は未定ですが、展覧会公式サイトでは作品画像が見られるほか、展覧会監修者の川瀬佑介氏(国立西洋美術館主任研究員)が作品解説してくれる動画も無料で公開されています。展覧会公式サイトで作品画像や動画を楽しみながら、開幕日を待ちましょう。Information会期:開幕日未定~6月14日(日)※休館日は月曜日※開幕が延期となりました。開幕後も混雑対策のためチケットの販売方法や展示室への入場方法が変更となる場合がございます。最新情報を展覧会公式サイトで必ずご確認ください。時間:午前9時30分~午後5時30分(金曜日、土曜日は午後8時まで)※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥700中学生以下無料
2020年05月02日自宅で簡単にアートを楽しめる無料のウェブツール「Google Arts & Culture」を紹介します。リアルよりも凄い?ウェブならではのアート体験。「Google Arts & Culture」。これは世界中の美術館やアート・写真・世界遺産を、バーチャルで鑑賞できる無料のウェブツール。閲覧可能な施設は2000以上。しかも、肉眼では見られないほど拡大して作品を鑑賞できたり、ゴッホの寝室からインドのタージ・マハルまで、時空を超えて空間に入り込むこともできるなど、使い方は無限大!今回は、PCやスマホなどから簡単にアートを楽しめる方法をご紹介。自宅にいながら、世界中の美術館&作品を満喫してみて。【1】例えば…今すぐに世界の美術館をタダで散策できる![コレクション]を選択すると、そこには2000以上の美術館や博物館が!その中から好きな施設を選択すれば、ストリートビューで館内をバーチャルに歩き回ることができる(一部まだ機能がない施設もあり)。画面下の画像をクリックすればワープも可。作品にズームすることもできる。【2】例えば…国籍を超えて同時代に活躍したアーティストを検索![アーティスト]を選択すると有名画家が一覧で登場。特に注目は「時系列」検索。有史前から現在まで、膨大なアーカイブの中から好きな年代を選択すると、同時代に活躍したアーティストがズラリ。例えば「1700年」をセレクトすれば、北斎とゴヤが同時代の作家ということも一目瞭然!【3】例えば…今さら聞けないアートのあれこれを学ぶ!ツールバーから[芸術運動]を選択すれば、様々な時代に起こったアートのムーブメント一覧が。そこからひとつを選ぶと、詳しい解説とともに、深く関係したアーティストの名前や作品も登場する。その作品群は時系列や色彩別での検索もOK。難解な芸術運動もこれでばっちり理解できそう。お気に入りの名画を飾ろう!スマホアプリ限定のユニークな機能も多数。そのひとつ「アートプロジェクター」を使えば、AR で自宅に名画を浮かび上がらせることもできる。今すぐに試してみよう!Google Arts & Culture iOS / Androidストアから無料でダウンロード可能※『anan』2020年4月29日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年04月22日ニューヨーク近代美術館MoMAのミュージアムショップ、MoMADesignStore(運営本社:千代田区)は、2019年4月1日(水)より、春の新商品の発売を開始いたしました。新しい季節の空間を活気づける、遊び心のあるデザイン、鮮やかなカラー。気分を明るく、暮らしに彩りを添えるグッドデザインが揃いました。「AFreshStart」をテーマに、大胆な色使いのフルーツボウルや、小鳥のようにさえずるナイトスタンドなど、日常生活をより豊かにする新しいソリューションを提案する春のコレクションです。ぜひ、店頭やオンラインストアでご覧ください。・AFreshStart(2020春の新商品)販売詳細◆販売開始日:2020年4月1日(水)~◆販売店舗:-MoMADesignStore表参道東京都渋谷区神宮前5-10-1GYRE3F03-5468-5801-MoMADesignStore京都京都府京都市中京区河原町通三条下ル大黒町58番地ミーナ京都1階075-253-6450-MoMADesignStore心斎橋大阪市中央区心斎橋筋1-7-1大丸心斎橋店本館4階06-6282-6214-MoMADesignStoreatロフト※4/8(水)より順次発売・ショップインショップ:池袋、渋谷、銀座、札幌、仙台、神戸、なんばMoMA Design Store(オンラインストア)・販売商品一例※店舗により、取扱い商品が異なります。Chirpアラームクロック&LEDランプ23,800円+税伝統的なクラフト工法と優れた光と音の技術を融合させたユニークなLED照明&クロック。専用スマフォアプリで様々な鳥のさえずりをはじめとした自然音を選べ、日の出のようなウェイクアップライトで目覚めを促します。商品詳細スツールカラリンレッド/ターコイズ、グリーン/イエロー各48,000円+税MoMAコレクションに収められたアルヴァ・アアルトのアイコン的デザインが、建築家の長坂常が編み出した手法で新鮮に生まれ変わりました。日本古来から用いられる表面仕上げである「浮造(うづくり)」と漆塗りの技術である「津軽塗り」を掛け合わせた「カラリン」という独自の方法を応用しています。商品詳細デスクトップモビールマイアミ21,000円+税スペイン製の自立型モビールが、毎日のデスクワークに面白い気分転換をもたらします。スチールとアルミニウムから作られたパーツは、手作業で曲げ加工されています。高さ約51cm。商品詳細ディーベンコーン:OceanParkNo.24フレーム付ポスター32,000円+税MoMAコレクション収蔵アーティスト、リチャード・ディーベンコーンの作品OceanParkNo.24(1969)の複製画。ラミネート加工と額装を施してあり、木製フレームに収められています。商品詳細クラウドノラファクトリーアラームクロック4,200円+税オランダのデザイナーがノスタルジックなカラーパレットを採用したクラシックな目覚まし時計。スヌーズ、ライト機能付き。※オンラインストアでは、近日中に発売を開始する予定です。アーティストマグカップPabloPicasso、SalvadorDali、VincentvanGogh各3000円+税ピカソ、ダリ、ゴッホの顔の特徴が立体的に表現された、スペイン製の磁器製マグカップ。商品詳細ワイヤーバスケットLサイズ各7,500円+税、Sサイズ各6,500円+税バルセロナで作られた金属製フルーツボウル。通気性が良く、中に入れるフルーツを新鮮に保ちます。底部は瞳の虹彩のようにデザインされ、施された鮮やかなカラーは、地中海地方の色や雰囲気をイメージしています。商品詳細カイ・ボイスンソングバードRuth、Kay、Sunshine各10,000円+税デンマークで最も有名なデザイナーの一人、KayBojesen(カイ・ボイスン)のデザインを基に作られたハンドメイドの木製オブジェです。サイズは、7.5×15×16cm。商品詳細チャージャー&マウスパッド6,500円+税マウスパッドとQiワイヤレス充電ステーションの両方の役割を果たす、マルチタスキング技術革新プロダクト。マウスパッドをコンピュータに接続し、AppleまたはAndroidデバイスを置くだけで簡単に充電できます。※オンラインストアでは、近日中に発売を開始する予定です。オクタゴンポータブルデスクライトブラック、ウォルナット各8,400円+税タッチコントロールボタンとバッテリーを内蔵した美しい八角形のベースが人目を引くユニークなフォルムのワイヤレスライト。置く向きを変えることで、照らす角度を3段階に調整できます。商品詳細デザインストアはキュレーターが選定したアイテムをお客様にお届けし、日々の暮らしに高い品質性や創造性、そしてデザインの革新性をもたらします。お買い上げいただく収益が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の独創的な展示や、幅広い教育プログラム、収蔵品の保全をサポートします。1932年、MoMAはアートの美術館として初めてキュレーターが常駐する建築・デザイン部門を創設、20世紀半ばには「グッドデザイン」を定義しその価値を広めるという先導的な役割を担うようになりました。今後もMoMAデザインストアは「グッドデザイン」を提言してまいります。オンラインストアmomastore.jp、表参道、京都、心斎橋の直営店のほか、一部ロフト店舗、そしてニューヨークでお買い物をお楽しみいただけます。===================MoMADesignStore表参道東京都渋谷区神宮前5-10-1GYRE3F03-5468-5801年中無休11:00-20:00(GYREに準ずる)オンラインストア京都京都府京都市中京区河原町通三条下ル大黒町58番地ミーナ京都1F075-253-6450MoMADesignStore心斎橋大阪市中央区心斎橋筋1-7-1大丸心斎橋店本館4階06-6282-6214MoMADesignStore渋谷ロフト東京都渋谷区宇田川町21-1渋谷ロフト103-3462-3807MoMADesignStore池袋ロフト東京都豊島区南池袋1-28-1西武池袋本店9F03-5960-6210MoMADesignStore銀座ロフト所在地:東京都中央区銀座2-4-6銀座ロフト3階03-3562-6210MoMADesignStore札幌ロフト北海道札幌市中央区北5条西2丁目エスタ6F札幌ロフト内011-207-6210MoMADesignStore仙台ロフト宮城県仙台市青葉区中央1-10-10仙台ロフト2F022-224-6210MoMADesignStoreなんばロフト大阪府大阪市中央区難波千日前12-22難波センタービル3F06-6631-6210MoMADesignStore神戸ロフト兵庫県神戸市中央区小野柄通8-1-8神戸阪急新館1F078-272-6210企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年04月22日普段、私たちは気づかないうちにたくさんのドレス・コードに囲まれている。今日着ている服も、ひょっとしたら目に見えないコードに従った結果かもしれない。『ドレス・コード?――着る人たちのゲーム』では、こうした暗黙のドレス・コードを13のキーワードを通して見つめ直す。例えば「組織のルールを守らなければならない?」「教養は身につけなければならない?」など、下のキーワードの通り。学校や会社で制服を着る、ということはわかりやすいドレス・コードだ。一方でハイブランドを着ることで、高い教養を誇示しようとしたりも。もしそんな思いで服を選んでいるとしたら、あなたはすでにドレス・コードの支配下にあるといえそう。会場では各キーワードのもと、数多くの衣装コレクションが展示される。ヨーロッパの王侯貴族が宮廷で着た豪華なドレスから『コム デ ギャルソン』『グッチ』『ヴェトモン』など現代の人気ブランドの最新スタイルまで。ドレス・コードの実例としてファッションを眺めてみるのも、新しい発見がありそうだ。さらに“着ることの自由さと不自由さ”をテーマにしたさまざまな現代美術作品や、注目の演劇カンパニー「マームとジプシー」らによるインスタレーション、写真、映像作品も。私たちを無意識に縛る「ドレス・コード」という暗黙のルール。その正体を改めて考えてみたい。展覧会を読み解く13のキーワード00、裸で外を歩いてはいけない?01、高貴なふるまいをしなければならない?02、組織のルールを守らなければならない?03、働かざる者、着るべからず?04、生き残りをかけて闘わなければならない?05、見極める目を持たねばならない?06、教養は身につけなければならない?07、服は意志を持って選ばなければならない?08、他人の眼を気にしなければならない?09、大人の言うことを聞いてはいけない?10、誰もがファッショナブルである?11、ファッションは終わりのないゲームである?12、与えよ、さらば与えられん?たとえば、こんな展示にはこんなキーワードが…。【06、教養は身につけなければならない?】高橋真琴の絵柄を大胆に使った『コム デ ギャルソン』のドレス。このギャップが、「ハイブランド=教養ある人のもの」というドレス・コードを改めて考えるきっかけに。COMME des GARCONS2018年春夏京都服飾文化研究財団所蔵畠山崇撮影【08、他人の眼を気にしなければならない?】ピンクのジャケットを着た人に絞って路上観察したストリートスナップ。皆同じ着こなしに見えてくるコーディネートは「他人の眼」を意識した結果なのか、それとも?ハンス・エイケルブーム《フォト・ノート 1992‐2019》1992‐2019年 ©Hans Eijkelboom【11、ファッションは終わりのないゲームである?】26人の架空のキャラクターに、設定にふさわしい衣装を選ぶプロジェクトをインスタレーションに。私たちも自分というキャラクターを演じるために、ドレス・コードを利用しているのかもしれない!?マームとジプシー《ひびの、A to Z》2019年 ©Mum&Gypsy, photo by Sayuki Inoue『ドレス・コード?――着る人たちのゲーム』東京オペラシティ アートギャラリー東京都新宿区西新宿3‐20‐24月11日(土)~6月21日(日)※開幕延期、臨時休館中11時~19時(入場は閉館の30分前まで)月曜休(5/4は開館)一般1200円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年4月15日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2020年04月14日(株)トンカチは、日本におけるリサ・ラーソンの著作権を管理し、直営店ショップやTONKACHISTORE等にて、リサ・ラーソンの陶器や雑貨を販売しております。日本の伝統工芸「こけし」にした、70年代初頭に作られたリサの傑作のひとつ、クジラの「ヨナ」に新色が登場です!もともと陶器の色を再現したロイヤルブルー加え、木のぬくもりを感じる「プレーン」と、ポップでかわいさいっぱいの「ピンク」の2色が仲間入り。もともとは裸だったヨナは、カラフルでポップなボーダーを着て登場。荒々しく強そうな出で立ちを現代的で優しげな雰囲気にアレンジしています。こけしの生産量日本一を誇る群馬県の「卯三郎こけし」で全て作られており、リサ・ラーソンの作品のテイストはしっかりと醸し出しつつ、こけしのしなやかさ、木独特の温もりの風合いが際立ち、新たなこけしの魅力に触れることができます。こけし(ヨナ・プレーン/ピンク)(各)¥3、500(税抜)ヴィンテージ陶器「ヨナ」をイメージしたロイヤルブルーも人気です!合わせてご覧ください。こけし(ヨナ)¥3,500(税抜)トンカチストアでも販売いたします。TONKACHI STOREリサ・ラーソン/陶芸家1931年、スウェーデンのスモーランド地方・ハルルンダ生まれ。StigLindberg(スティグ・リンドベリ)に見出され、スウェーデン最大の陶芸製作会社Gustavsberg(グスタフスベリ)社で活躍。1979年に独立。以後、現在に至るまで精力的に創作活動を続けている。日本で一番有名な北欧の猫キャラクター「マイキー」の生みの親としても知られる。日本におけるリサ・ラーソンの著作権は、株式会社トンカチが管理しています。ライセンスに関するお問い合わせはこちらまで。【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】(株)TONKACHITEL:03-5728-5147企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年04月14日まるで本物のようにリアルに描かれた写実絵画の傑作が集まる展覧会が、3月中旬にBunkamura ザ・ミュージアムではじまりました。現在、美術館は臨時休館中ですが、展覧会の開幕にあわせて出品作家の島村信之さんと、アイドルの和田彩花さんが対談を実施。写実絵画の本質や、裸婦像を描く画家の気持ちに和田さんが迫ります!撮影:Yuya Furukawa和田さんも感動!『超写実絵画の襲来ホキ美術館所蔵』左:和田彩花さん右:島村信之さん【女子的アートナビ】vol. 175この展覧会では、ホキ美術館が所蔵する写実絵画のなかからセレクトされた傑作が一堂に集結。写実絵画とは、対象を見たままリアルに描くことを基本とした絵画のことで、作家たちは長い時間をかけて一枚の絵を仕上げていきます。2010年に世界初の写実絵画専門美術館として開館したホキ美術館(千葉県)は、日本を代表する現代作家たちの写実絵画約480点を所蔵。今回の展覧会では、同館の人気コレクション約70点が展示されています。展覧会の開催にあわせて、出品作家の島村信之さんと、大学院で美術史を学んだアイドルの和田彩花さんが対談を実施。写実絵画やヌード画などについての疑問を、和田さんが直撃してくれました!アイドルが画家に直撃!まずは、島村さんが写実画家になったいきさつについて、和田さんがたずねます。和田さんどうして絵画の道に進まれたのですか?島村さん今は絵描きをしていますが、もともとは運動ばかりやっていました。器械体操や陸上をしていて、体育大学に行こうとしていたのです。和田さん何がきっかけで絵のほうに?島村さん絵は好きでしたので、本屋に行ったときにいろんな画集を見ていました。入り口は、イラストレーターである長岡秀星さんの画集です。この人の絵がおもしろいなぁと思って、こんなふうに描いてみたいと憧れて、趣味として描いていました。和田さんいつから写実絵画を意識されるようになったのですか?島村さんもともと写実の方向が好きで、きっちり見たように描ける能力があったらいいなと思っていました。でも美大に入ってからは、自分の表現は別のところにあるのではないかと悩み、写実の方向ではないものを考えていました。ですが、スペインのリアリズム絵画を扱った展覧会に行ったとき、日本の写実とは違い、現実を超えているような感じがしたのです。例えば、壁の表現でも、重みとか力強さが、現実よりも絵画のほうがもっとリアルで。それを見たとき感動して、自分でも表現してみたいと思いました。写実とは…画家の意見は?続いては、『写実』の意味するところについて、和田さんが島村さんに迫ります。和田さん写実って「本物そっくり」というイメージが強かったのですが、そっくりに描くことだけではなく、リアルな質感のなかで見えてくる概念とかも写実絵画にはあるのかな、と気づきました。島村さん基本的に、写実という考え方以前に、絵画としてどうなのか、ということだと思います。僕は自分が感動したものを伝えたい。まずは自分が感動することが必要ですし、それを見てくれた方も、同じような体験ができればいいなと思います。それが絵画の役割として重要だと思っています。和田さん実際、目に見えるとおりに描かれるのですか?例えば、光は見えるけど、手に触ることもできないものだから、どう描くのだろうと不思議に思います。島村さん光を感じるためには影が必要です。通常は、絵画を逆光で描くことは少ないのですが、逆から見ると光が当たるところが強く出て、光を意識できるのがおもしろくなり、僕はある時期から逆光で絵を描くようになりました。でも、それが生涯の画風とも思っていません。自分のマンネリ化をどうやって脱却しようかと常にアンテナを張ってネタ探しをしています。数百匹飼っていた!?さらに、島村先生の虫作品について、話題が展開していきます。和田さん先生は女性像を多く描かれていますが、最近のテーマは虫ですか?島村さん女性像もひとつの方向として研究していますが、マンネリ化したくないので、虫も描いています。もともと、子どものときよく生き物を採りに行って、それを絵に描いていました。同じことを、この年齢になってもできるのはおもしろいですよね。感動をそのまま絵に表現できるのが、画家の一番いいところです。昆虫は、描くだけでなく、探しに行ったり、数百匹を同時に飼ったり、コレクションしたり、昆虫標本会に行ったりして、もう完全に趣味です(笑)。ヌード画について直撃!最後に、女性のヌード画を多く手がける島村さんに、和田さんが直球質問をぶつけます。和田さん私は絵画のヌードをけっこう見なれていますが、絵画を見慣れていない若い女性は、リアルな写実絵画を見たらどう感じるのかな、と気になります。恥ずかしいという気持ちを持ったりするかもしれません。島村さん自分が関わる人は、美大などを出ていたりするので、ヌードに麻痺していると思います。でも、僕が高校生のとき、女子校の文化祭に行って美術室でヌード作品を見たときは、すごく気恥ずかしかったです。和田さんなぜですか?島村さんだって十代の男の子がはじめて見る裸婦像は衝撃で、ドキドキしたというか、気恥ずかしい感情はありましたよ。おそらく、美術の世界に慣れていない人にとっても、ヌード画を見るのは気恥ずかしいという感覚があるのかなと思います。僕も、美大受験の予備校に入ってはじめて裸婦の前で絵を描いたときは、手が震えました(笑)。和田さん私は、同世代の女の子が写実のヌード画をどう感じるのか知りたいです。島村さん僕は娘もいるけど、彼女も慣れているから(笑)。うちにモデルさんがきて、それが絵になっていくことは娘も知っていたので。逆に、自分も絵のモデルになりたいという意識があり、自分を描いてほしいと言ってくれていましたね。それに、描いている側としては、裸婦も、ロブスターなどと同じように、かっこいいとか憧れの気持ちをもって描いていて、その気持ちをどう美しく表現するのかということを構図などで探っていっています。和田さん先生のなかで、美しさはどんな感覚ですか?島村さん僕はあまり挑発的なものは避けていて、常に安らぎとか、自分も楽に見られる絵を目指しています。目に見えたものをそのまま描かないで、一回自分で咀嚼します。形はモデルだけど、自分のなかでは違う色彩になり、イメージ化する方向にいっています。作家の心が伝わるような作品を、生涯描いていきたいですね。注:今回の展覧会で島村さんのヌード画作品は出品されていません。会場で販売中の『島村信之画集』(求龍堂¥4,180税込)に多数収録されています。和田さんからメッセージ!対談後、和田さんから、ananweb読者のみなさんにメッセージをいただきました。和田さん一般的に、美術に触れる機会が少ない人は、写実絵画を見て「本物そっくりだ」という感想を持たれる人が多いと思います。でも、「本物そっくり」という印象を超えた何かが写実絵画にはあります。それが何かというのは、実際に絵を見たときの人それぞれの感覚だと思います。写実絵画というのは、精緻で細かいところまで描き出して、まさにリアル。でも実際の作品を見たら、それだけじゃないパワーがあると思うので、そこまで楽しめるのが超写実絵画だと気づきました。女性のヌード画も、恥ずかしいという思いだけじゃ決して済まないのが絵画のもつ魅力と思うので、ぜひ同世代の女子にも見てほしいです!公式サイトをチェック!この展覧会の最新情報は、美術館の公式サイトで確認できます。展示作品の画像も多数アップされているので、ぜひサイトをチェックして、超写実絵画の美しさをご覧になってみてください。Information会期:現在臨時休館中。会期は5/11(月)まで。※新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため5/6(水・祝)まで臨時休館。(今後の予定は公式サイトをご確認ください)*4/14(火)は休館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 ¥1,600/大学生・高校生 ¥900/中学・小学生 ¥600
2020年04月12日いま気になる名美術館を、俳優・松下洸平さんとカメラマンの矢吹健巳さんと巡ります。今回は「東京都現代美術館」です。かっこいい空間でありながらポップな魅力もある建築。松下:この建築を設計した柳澤孝彦さんが大好きで、何度か来たことがあるんです。1年前にリニューアルしたばかりなんですね。矢吹:僕も、プライベートで一番よく訪れる美術館はここなんです。工藤(美術館広報):設備等を改修したのに加えて、館内外のサインをわかりやすくしました。当館は木場公園に面していて公園側からの出入り口も今回整備しました。その隣にあるオブジェは、英国の彫刻家アンソニー・カロの「発見の塔」(写真上)。時間帯によっては、松下さんのように登っていただくことも可能です。松下:思ったより高くて、上に立つと気持ちよかったです。工藤:中庭一面に広がる象徴的な壁ですが(写真下)、開館当時は人が近づくと音や光が反応する仕掛けがあったと聞いています。おすすめなのは、中庭の階段から下りたところにある「水と石のプロムナード」。知る人ぞ知るスペースなんです。公園からもアプローチできて、ここで読書している人もいますよ。松下:綺麗な空間に光がさしこんで、素敵ですね。なんだかずっといたくなるなぁ。矢吹:エントランスのベンチにずっと座っているだけでもいいし、ミュージアムショップで写真集を見たりするのもいいですよね。松下:天井が高くてかっこいい空間だから、圧倒されそうにもなるけれど、実際中に入ってみるとポップ。かわいらしさもありますね。矢吹:今回撮影した中庭は、今日はお一人で立ってもらいましたけれど、あそこに人が大勢いたとしてもすごく美しい景色になる。そういう空間って、いるだけでワクワクするし、創作意欲が湧く。今日はかっこいい人がいて、かっこいい空間があったらこう撮るしかないという素直な感覚に従って、撮影してみました。東京都現代美術館東京都美術館の戦後美術のコレクションを引き継ぎ、1995年に開館。改修のため3年の休館を経て2019年春リニューアル・オープン。国内外の現代美術、図書資料を体系的に収集する。「オラファー・エリアソンときに川は橋となる」ほか、展覧会を開催中。東京都江東区三好4-1-1まつした・こうへい1987年生まれ。東京都出身。高校時代は油絵を専攻。連続テレビ小説『スカーレット』の十代田八郎役で注目を集める。5月22日公開映画『燃えよ剣』に出演。4月、5月には3年ぶりにライブを開催。やぶき・たけみ1982年生まれ。福島県出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。ファッション、広告の分野で活躍。写真集『gengetsu』(2015)は、面識のない50人の人物を30分のフォトセッションで撮り下ろした作品。※『anan』2020年4月15日号より。写真・矢吹健巳スタイリスト・渡邉圭祐ヘア&メイク・五十嵐将寿取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2020年04月10日ちょっとミステリアスな風景画を描く画家の日本初個展『ピーター・ドイグ展』のプレス内見会が2月下旬に行われました。現在、美術館は臨時休館中ですが、取材時に見た作品はどれもすばらしいものばかり。この記事で一部の作品をご紹介しますので、こちらから、ぜひご覧になってみてください。写真・田代わこ幻想的!『ピーター・ドイグ展』【女子的アートナビ】vol. 174この展覧会では、スコットランド生まれの画家、ピーター・ドイグ(1959-)の初期作から最新作までを一堂に展示。世界で最も注目されるアーティストのひとりといわれるドイグさんは、ロンドンで美術を学び、2002年より、幼少期を過ごしたカリブ海の島国トリニダード・トバゴに拠点を移して制作を続けています。彼の作品は欧米の名だたる美術館に収蔵され、美術オークションでも高額で取り引きされるほど大人気。今回は油彩画を中心に、幅3メートルを超える大型作品も展示されています。ゴッホやマティスなどの近代画家の作品や映画のワンシーン、さらにドイグさんが暮らした場所のイメージなどを組み合わせて制作された絵画は、どこかミステリアスで魅力的。プレス内見会では、ドイグさんと学芸員さんが作品の見どころやポイントについて、語ってくれました。美しいのに怖い…学芸員も感動!同展を企画された東京国立近代美術館 主任研究員の桝田倫広さんによると、ドイグ作品には「どこかで見たことがあると誰もが感じるような不思議な魅力がある」とのこと。例えば、《のまれる》という作品は、桝田さんが以前、福島県の五色沼で見た景色にとてもよく似ていると感じたそうで、次のように語りました。桝田さん息をのむほど美しいのにちょっと怖い、そんな五色沼の雰囲気そのものがドイグ作品の性質と似ているのです。ドイグさんは、具体的な場所やパーソナルな経験を描いているのではなく、私たちの記憶と関わる“感覚そのもの”を描いています。だから、見る人は彼の絵に懐かしさを感じるのです。原点となった作品は…画家がナマ解説!プレス内見会では、ドイグさんが自身の作品や画業について語りました。そのなかから3点をご紹介します。ドイグさん《天の川》は私が学生だったときの出発点となった重要な作品です。それまで風景画を手がけたことはありませんでした。一回限りのものと思って描き始めたのですが、これが出発点となるとは思いませんでした。1989年から90年代の前半は、アートにとっておもしろい時代でした。当時人気だったジャンルはコンセプチュアル・アート(前衛芸術運動)で、“絵画はおもしろくない、すでに死んだ昔のもの”と考えられていました。自分の作品を展示してもらうには難しい時代でしたが、私のように好奇心にあふれた画家にとっては、実験できる大切な時代でした。日本に縁のある作品も!次は、日本に関連した作品についての解説です。ドイグさん《スキージャケット》は、トロントの新聞に掲載されていた広告記事の写真をもとに描きました。その写真は、日本のスキーリゾートを撮ったもので、見出しには「法外な価格で、日本のサラリーマンはレジャーでもストレスをため込みすぎている」と書いてありました(笑)。はじめは日本の掛け軸のように、風景を縦長のパネルに描いていました。でも数か月経ったあとに絵を見たとき、あまりにも動きがないと思い、左に拡張させ、結果的に左右が合わせ鏡のようになりました。ライオンの後ろに描かれているものは…?最後は、ある建物とライオンが描かれたカラフルな作品についての解説です。ドイグさん《ポート・オブ・スペインの雨(ホワイトオーク)》に描かれている建物は牢屋で、トリニダードの首都、ポート・オブ・スペインの中心部にあります。もとはイギリス植民地時代に建てられた拘置所で、今でも使われています。この牢屋から20分ほど行ったところに動物園があり、そこに行ったときにライオンが檻の中に入れられている様子を見て、牢屋と似ていると思って描いてみることにしました。ライオンは、トリニダードの人たちにとって多くのことを象徴しています。例えば、ユダの獅子は宗教的運動のシンボルにもなっていますし、街中のグラフィティやTシャツなどにも描かれています。イギリスとトリニダードの社会では、ライオンに対する感じ方が異なっているのです。公式サイトをチェック!ドイグさんの作品、いかがでしたか?ほかにも、映画『13日の金曜日』などからインスピレーションを得た作品や、日本の映画から影響を受けた作品などもあり、色彩もさまざまで見ごたえ抜群です。また、展覧会の音声ガイドナビゲーターは、のんさんが担当されています。作品のストーリーなど優しい語り口で案内されています。まずは公式サイトをチェックして、ドイグさんのさまざまな作品や解説などご覧になってみてください。臨時休館情報も載っています。Information会期:現在臨時休館中。会期は6月14日(日)まで。時間:10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥600※本記事の写真は、プレス内見会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年04月02日4月5日(日)~9月27日(日)に岡田美術館にておこなわれる「生誕260年記念 北斎の肉筆画 ―版画・春画の名作とともに―」の魅力に迫ります。葛飾北斎の実力を思い知る、圧倒的な肉筆画の数々。江戸の浮世絵師と聞いて誰もがまず思い浮かぶ作家といえば、葛飾北斎。1760年、現在の墨田区に生まれた北斎は6歳の頃から好んで絵を描いた。数え年で19歳の時、役者絵版画で一世を風靡し、美人画で有名だった勝川春章に弟子入り。浮世絵師・勝川春朗としてデビューする。勝川派から離れた後は、たびたび画号を変えて90歳で生涯を閉じた。今年は北斎の生誕260年。それを記念した本展では彼の40歳代から最晩年までの各時代を代表する肉筆画11点を中心に、版画・版本、春画を含む全17点の北斎作品が展示される。ちなみに肉筆画とは、大量生産できる版画に対し、絵師が一点一点筆で描く唯一無二の絵のこと。版画より自由度が高いため絵師の実力がダイレクトに反映されるのが特徴だ。まず最大の見どころは、北斎50歳前後の作品と伝わる肉筆美人画。なかでも「夏の朝」「美人夏姿図」の2点が並んで展示される機会はめったにない。また、北斎ファンには欠かせない浮世絵「冨嶽三十六景」より、三役とも呼ばれる「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」も登場する(※)。これらは北斎が70歳の頃に手掛けた作品で、西洋のプルシアンブルーの顔料を使った表現が話題を呼び、風景版画の大ブームを巻き起こした作品だ。さらに通なファンに愛されている『北斎漫画』も展示。北斎の漫画スケッチともいうべき本作は、彼が55歳から没後まで刊行され続けたロングセラー。変顔、動物、コミカルな人の動きなどユーモアたっぷりのこの本もお楽しみのひとつだ。さらにもう一つ、大人向けの企画として紹介したいのが北斎作の春画。特に北斎が絵だけでなくストーリーまで担当した『萬福和合神』は、読み物としても楽しめるはずだ。迫真の精密描写に注目!質感がわかるほどの肉筆画。上・義経、静御前、弁慶という人気の3人を描いた作品は精密かつ構図も洒落ている。葛飾北斎「夏の朝」(部分)19世紀初頭 岡田美術館蔵下・髪を整える女性の傍らには金魚鉢や房楊枝(歯ブラシ)もあり当時の文化も伝える。葛飾北斎「堀河夜討図」(部分)19世紀前半 岡田美術館蔵以前はこんな作風も!40歳代以前に描かれた屏風。北斎が40歳頃よりも以前に描いた屏風絵。私たちがよく知る彼の作風とは違い、優しいタッチで四季の移ろいを伝えている。年代によって違う北斎絵の多彩さを楽しめるのも本展の魅力だ。葛飾北斎「四季耕作図屏風」(部分)19世紀初頭 岡田美術館蔵生誕260年記念 北斎の肉筆画 ―版画・春画の名作とともに―岡田美術館神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-14月5日(日)~9月27日(日)9:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)会期中無休一般2800円ほかTEL:0460・87・3931※冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」はそれぞれ展示期間が異なります。※『anan』2020年4月8日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年04月01日Photo:前端紗季「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」アーティストが企画、運営、出品する、全く新しいスタイルのアートフェアとして、2018年に誕生した「ARTISTS’ FAIR KYOTO」。重要文化財の近代建築や街中に残る工場跡などに、国内外で活躍する旬のアーティスト、そして彼らが選ぶ注目の新進若手アーティストたちの作品を展示し、「エキセントリックな空間でアートを買う」という、刺激的な体験を提供してきた。3回目となる2020年のメインプログラムは、新型コロナウイルスの感染症拡大防止のために中止となり、サテライトイベントの「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020:BLOWBALL」のみが開催(一部規模縮小、中止)となる異例の事態となった。展示設営が完了しながらも人の目に触れることがなかったメインプログラムと、規模縮小しながら開催したサテライトイベント「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020:BLOWBALL」の様子を、ここにレポートする。●ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020 メインプログラム(1) 京都文化博物館 別館Photo:前端紗季京都文化博物館 別館は、日本を代表する建築家・辰野金吾とその弟子・長野宇平治が設計した明治を代表する近代建築として重要文化財に指定されている。そんな趣のある空間に建築現場さながらの足場が天井まで組まれたほかにはない空間で、現代アートを鑑賞できるのも、本フェアの見どころの一つとして人気を呼んでいる。会場には、ディレクターの椿昇、アドバイザリーボードの加茂昂、塩田千春、田村尚子、松川朋奈、Mon Koutaro Ooyama、矢津吉隆、Yottaのほか、招待作家であるアレックス・ムートン、そしてアドバイザリーボードが推薦した新鋭作家を含め、40名以上の作家の作品が集結した。大阪の建築家ユニットdot architectsが、足場を組んで立ち上げたエキセントリックな構造物の中に、ペインティングや写真、立体などさまざまな作品が展示され、今年も迫力のある空間を作り出していた。ちなみに、中止が決定した後も、事務局には作家や展示作品への問合せが数多くあった。「このような状況に対する若手の応援に」と、ディレクターやアドバイザリーボードの紹介を通じて数多くの作品が販売成約となったそうだ。このイベントがいかに注目されているかがうかがい知れる。Photo:高橋保世Photo:高橋保世Photo:高橋保世(2)京都新聞ビル 地下 1階会場風景 Photo:高橋保世今回の「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」の目玉は、間違いなく京都新聞ビル 地下 1階での展示だった。Photo:高橋保世会場奥の空間で上映されていたのは、ロンドンを拠点とする映像ディレクター・木村太一が、東京で撮りおろした新作の短編映画。「アブストラクト(抽象)とストーリーの間を表現したかった」と木村。フィルターを効果的に用いて光を捉えた絵画的な映像は、額装されて作品としての存在感を放っていた。Photo:高橋保世新たな作風に挑戦したのは、前谷開。前谷はセルフポートレートを中心に制作してきたが、本展のために制作した新作では、日本海の風景を撮影し、さらにそれを自分の体に投影した作品などを展示。写真というものに内在する「見ること、見られること」「主体、客体の入れ替わり」等の課題に挑んだ。Photo:前端紗季会場には大型作品も多く並んだ。目を引いたのは、あらゆる素材でオリジナルの楽器や彫刻を制作する黒川岳の作品。石の中に頭を入れて音を聞くものなど、発想の独自性が際立っていた。Photo:前端紗季また「合体」をモチーフに作品作りをする米村優人は、ギリシャ語で彫塑を表す「アガルマ」から、「アガルマン」と名付けられたシリーズを発表。彫刻で男性像を作るという行為を、日本人としてポップに解釈してみせた。Photo: 前端紗季書家・ハシグチリンタロウは、屏風などに書いた作品とともに、日々考えたことや作品の構想のアイデアを綴っている膨大なノートを展示した。「(スマートフォンなど)様々なツールが登場し、世の中の在り方が変わるなかで、“書く”というアナログな行為の意味を改めて探求したい。完成した作品のみだけではなく、僕が日常のなかで思考し、表現するという一連の流れを“活動”として見てもらえるようにしたかった」とハシグチ。作家が在廊し、制作プロセスにも触れることもできる、本イベントならではの展示だった。Photo:前端紗季他にも、日常にノイズをもたらすような映像を制作するトモトシや、看板がもつ新たな可能性を探る廣田碧など、興味深い作品が多く見られた。相磯桃花、柄澤健介、木村翔馬、山城優摩、またアドバイザリーボードの名和晃平とのWネームでの発表となった白木良、この会場で展示するために制作された新作も多く、どれも目をみはるクオリティの高さで非公開となったことが惜しまれる。●サテライトイベント「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020 :BLOWBALL」ここからは、サテライトイベント「BLOWBALL」の紹介をしたい。「ARTISTS’ FAIR K YOTO 2020」と連動して、京都府内のホテルや飲食店、町家、アートスペースなどを展示会場にアートが展示されるサテライトイベント「ARTISTS’ FAIR K YOTO 2020: BLOWBALL」は、過去最大規模に拡大し開催された。「GOLD, WHITE, AND BLACK」日程:2020 年2 月29 日( 土)・3 月1 日(日)会場:AIR 賀茂なすPhoto:高橋保世京都五条大宮の町家の2Fに、この春オープンしたばかりのレジデンス・スペース「AIR賀茂なす」では、品川亮の個展が行われた。「日本の絵画とはいったいどんなものなのか?」ということを一貫して追求してきた品川。今回の新作でも、今までの作風を踏襲しつつも、ブラシストローク(筆跡、滲み後)を残した表現が試みられている。「日本の “ローカル” な絵画を、 “単純化” などローカルな技法でアップデートしてきました。そこに “ブラシストローク” のような欧米の特権的な技法を取り入れることで、“現代のローカル”としてのローカルのアップデートを試みています。」と品川。品川は、2018年にスタートしたARTISTS’ FAIR KYOTO 第1回のメインプログラムに出展してから、年々ファンを増やし、今回の新作も開催前より注目を集め、人気の展覧会となった。「スーパーマーケット “ アルター” 市場」日程:2020 年2 月22 日(土)-3 月8 日(日)会場:BnA Alter Museum 1F + 2FURL::高橋保世3人の若手ディレクター、黒田純平、渡邊賢太郎、筒井一隆がキュレーションしたこちらの展覧会も話題を呼んだ。展示されたのは、関西を中心に活動する彼らの同世代(20〜30代)の作家たちの作品である。「アートの展示を見に来た人たちの多くは、 “作品が買える”ということを知らなかったりする。今回は、 “マーケット”というタイトルをつけて、初めてアートを買う人にも、買いやすいと思ってもらえるような展示構成を心がけました」と筒井。会場は、昨年オープンした宿泊型ミュージアム「BnA Alter Museum」。若いアートファンが集まる客層や会場の雰囲気に合う展示内容となっていた。 「表層と深層」日程:2020 年2 月21 日(金)- 3 月8 日(日)会場:Gallery PARCURL::前端紗季デニッシュ専門店「GRAND MARBLE」が運営する「Gallery PARC」に展示されたのは、京都造形芸術大学で写真、映像を学んだ3人の作品。志村茉那美は、横浜近郊の川のリサーチを元にCGで作成したアニメーションを発表。Photo:前端紗季白井茜は、2ヵ月にわたり高校の恩師を密着取材したドキュメンタリー映像を発表した。Photo:前端紗季大河原光は、自身の皮膚をモチーフとした写真作品を展示した。「展示後に気づいたのが、3人の作品のカメラの位置や視点の在り方が、それぞれ違っているということ。CGで作られた志村さんの作品では、神のような視点から物語が語られるのに対し、白井さんは “自身の目線=カメラの目線” となっている。セルフポートレートである僕の作品は、自分に向けられた視点が主になっている」と大河原。三者の作品から写真、映像というメディアによる表現の多様性が浮き彫りとなった。 「Wunderkammer」日程:2020 年2 月15 日(土)-3 月22 日(日)会場:GOOD NATURE STATION 4F GalleryURL::前端紗季昨年12月にオープンしたばかりの複合商業施設「GOOD NATURE STATION」も、サテライトイベントの会場に。16世紀頃のヨーロッパで流行した、世界中の珍しいものを収集・展示した空間「Wunderkammer (ヴンダーカンマー/驚異の部屋)」をテーマに、展覧会を開催した。女性アーティスト7名の共同アトリエ「punto」より、絵画や立体などそれぞれの作家の個性あふれる作品を展示。さらに、アーティストのアトリエから出る廃材を”副産物”と呼び、資材循環させるプロジェクト「副産物産店」と、アクセサリー作家・仲地志保美ともコラボレーションした。「punto」から発生した”副産物”を用いたアクセサリーも展示販売し、こちらも好評を得ていた。 「From one stroke 2」日程:2020 年2 月29 日( 土)・3 月1 日( 日)会場:庵町家ステイ筋屋町町家URL: 前端紗季築約140年の町家空間「庵町家ステイ筋屋町町家」の中で、只ならぬオーラを放っていたのが、青色の「一筆書き(one stroke)」を描く香月美菜の大作である。京都での初個展である今回は、これまで制作してきた作品のなかで最大サイズとなる「2m50cm」に及ぶ、大作に挑戦した。会場には、アーティストとしてデビューする前に制作した「one stroke」のアイデア源となった小作品、作品の青色を構成している233色の絵具を並べたドローイングも展示。精神統一させて一筆書きする様子を捉えたドキュメンタリー映像とともに、制作の過程にも触れられる展覧会となっていた。 「知らないかたち」日程:2020 年2 月22 日(土)-3 月8 日(日)会場:KYOTO ART HOSTEL kumagusukuURL: 前端紗季アートホテル「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」では、横浜美術大学を卒業した高橋美衣の作品が展示された。高橋は元々、乾漆の技術を用いて作品を制作していたが、だんだんと漆の素材感よりも、造形的な方向へと興味のベクトルが向いていく。漆以外の素材にも触れるようになり、今回の展示では主にテラコッタや石膏を用いた新作が並んだ。スペースのオーナーである矢津吉隆は、高橋についてこう語る。「形に対するこだわりがとにかくすごい。絵に描いて形を決めて、そこに向かってつくるのではなく、触ってつくっていく中で形を追求していく。そうして、抽象的でユニークなフォルムを生み出しています」。 「Allscape in a Hall」日程:2020 年2 月28 日(金)-3 月1日(日)※会期を変更して開催。会場:スプリングバレーブルワリー京都 洋館URL::前端紗季文化財級の貴重な築約100年の洋館で、通常非公開となっている「スプリングバレーブルワリー京都 洋館」。この場所では、髙木遊がキュレーターとなり、人工知能を用いた作品を制作するアーティスト立石従寛と、サウンドアーティスト小松千倫、三者の協同により作品がつくり上げられた。制作にあたっては、ギリシャ神話や、ビールの原料となる大麦麦芽の生産地・亀岡をリサーチしたという。この亀岡の麦畑の土で天井までの巨大な柱を立ち上げ、その中から音を発生させたり、ハッシュタグ#nightclubに集まった映像を人工知能を用いて編集した作品に、SVB京都のブルワーとの共同開発で生まれた展覧会オリジナルのアメジスト色のお酒が加わり、様々な要素と物語が重なり合う、サイトスペシフィックで土着的なインスタレーションを構成していた。 「fond de robe- 内にある装飾-」日程:2020 年2 月7 日(金)-3 月28 日(土)※日、月、祝は休館。会場:ワコールスタディホール京都ギャラリーURL::前端紗季インナーウェアメーカーである「ワコール」のギャラリーで展示していたのは、下着のレースをモチーフにした芳木麻里絵の作品。芳木はこれまでも、アクリル板にシルクスクリーン印刷を何度も重ねてインクを盛り上げていくことにより、平面的なイメージを物質性を伴った奥行きのあるものとして表現する手法をとってきた。今回は、現在の女性の下着の原型と言われている1920年代の下着や、2020年のワコールの最新コレクションなどをモチーフに、新作を制作。レースの繊細な柄や透け感、下着独特の立体感が、芳木の作風と絶妙にマッチして、女性の下着の美しさを改めて認識する、作家にとっても、企業にとっても有意義なコラボレーションが実現していた。Photo:前端紗季今回は予期せぬ事態によりメインプログラムは中止となってしまったが、京都の街中のホテル、飲食店、町家、アートスペースでは、メインプログラムのスピリットを受け継ぎ若手作家たちとの出会いの場として賑わいをみせていた。テキスト:木藪愛 ARTISTS’ FAIR KYOTOURL : 過去の紹介記事はこちらでチェック↓新感覚アートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」開催。そうだ!京都へ行かなくちゃ。早春の京都で五感を刺激するアート巡りはいかが?「ARTISTS’ FAIR KYOTO2020:BLOWBALL」
2020年03月31日世界5都市で100万人以上を動員した展覧会「バンクシー展 天才か反逆者か」が上陸!世界で最も注目されているアーティストの一人、バンクシー。イギリスを拠点に活動する覆面アーティストの彼は、世界各地のストリート、壁、橋などにステンシルを使用しつつ風刺的なひと言を添えた作品を描く。社会問題に根ざした批評的な作品が美術界で評価されるほか、テーマパーク、宿泊施設、映画の制作など、その活動は多岐にわたる。彼は20年以上もストリートで描き続け、その場所だからこそ意味のある作品を残してきた。2018年のサザビーズのオークションでは、彼の作品が落札された瞬間にシュレッダーで切り刻まれるという衝撃の事件が起こる。実はこれを仕掛けたのもバンクシー。自分の意に反して、作品が勝手に高値で売買される現実に対するアンチテーゼだった。本展では、そんな反骨精神を貫くバンクシーの作品70点以上が来日。オリジナル作品や立体オブジェクト、限定プリントの展示、またバンクシー作品に込められた政治的なメッセージやユーモアあふれる風刺などを映像で紹介する体験空間も登場。LOVE IS IN THE AIR2003年、パレスチナの分離壁に描かれた本作は「火炎瓶ではなく花束を投げよう」というメッセージ。GIRL WITH BALLOONもともと英国ウォータールー橋に上る階段に描かれた後、数多く英国内に登場したが、現存する壁画はない。「バンクシー展 天才か反逆者か」アソビル神奈川県横浜市西区高島2‐14‐9アソビル2F開催中~9月27日(日) 10時~20時30分(最終入場は20時)無休平日大人1800円ほか※『anan』2020年4月1日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年03月28日「六本木アートナイト2020」が、六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウンなど東京・六本木エリアにて開催される。“一夜限り”のアートの祭典「六本木アートナイト」2009年3月にスタートした「六本木アートナイト」は、生活の中でアートを楽しむという新しいライフスタイルの提案などを行う、東京を代表する“一夜限り”のアートの祭典。様々な商業施設や文化施設が集積する六本木を舞台に、現代アート、デザイン、音楽、映像、パフォーマンス等の多様な作品を街中に点在させ、非日常的な体験を作り出す。メインアーティストは村上隆2020年のメインプログラムアーティストは、世界を舞台に活躍する現代アーティストの村上隆。村上はルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)やユニクロ(UNIQLO)などともコラボレーションしており、ファッションとのつながりも強い。「ドラえもん」モチーフの新作アートを制作今回村上が「六本木アートナイト2020」のために選んだモチーフは、誕生から50周年というメモリアルイヤーを迎える「ドラえもん」。村上は「ドラえもん」を「20世紀、日本が生んだ最大のポップアイコン」とリスペクトしており、これまでにも「ドラえもん」の生みの親であるアーティスト藤子・F・不二雄と、アーティスト村上隆のコラボレーションとして数々の作品を生み出してきた。村上は「六本木アートナイト2020」に向けて、過去最大級のバルーン作品を制作予定。また公開されたメインビジュアルには、村上の代名詞ともいえるカラフルなフラワーと「ドラえもん」が描かれている。このフラワーは「六本木アートナイト」にも参加するアーティストMADSAKIとコラボレーションしたもの。ビジュアルの制作はデザインスタジオのグルーヴィジョンズが担当した。村上主宰「カイカイキキ」所属アーティストによる作品も村上が主宰するアーティスト集団「カイカイキキ」所属のアーティストも、「ドラえもん」をモチーフにした新作アートを制作予定。それらを村上プロデュースのもと、六本木ヒルズアリーナ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3か所に展示する予定となっている。世界中から現代アートが集結「マジカル大冒険 この街で、アートの不思議を探せ!」をテーマにした「六本木アートナイト2020」では、「ドラえもん」をモチーフにした現代美術作品のほかにも、光のインスタレーション、映像、音楽や演劇など、世界中から集結した多くの作品を目にすることができる。展示作品の詳細は順次発表される予定だ。【詳細】「六本木アートナイト2020」日時:メインイベント 2020年5月30日(土)10:00〜5月31日(日)18:00当初、2020年5月30日(土)・31日(日)の開催を予定していたが、5月の開催は取止め決定。今後のスケジュールは、公式ウェブサイトなどで今後公開予定。※六本木アートナイト2020開催に先駆けて展示・設置する「プレプログラム」も実施予定開催場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース入場料:無料(但し、一部のプログラム及び美術館企画は有料)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル) ※年中無休 8:00~20:00
2020年03月20日東京国際フォーラムにて開催される予定だった「アートフェア東京2020」が、開催を中止。日本最大級の国際的なアートフェア日本最大級の国際的なアートフェアである「アートフェア東京」。15回目の開催を迎える2020年は、“with Art”をテーマに国内外から147軒のギャラリーが出展し、古美術から工芸、日本画、現代アートまで幅広い作品が集結。作品を見るのみならず、購入することもできる。会場は主に、古美術や近代美術、現代アートなど多彩なジャンルの作品が集まる「ギャラリーズ(Galleries)」に加え、ロビーギャラリーで開催される入場無料の「プロジェクツ(Projects)」「クロッシング(Crossing)」の3つのセクションから構成される。「ギャラリーズ」セクション「ギャラリーズ」セクションには、有名作家作品が多数登場。葛飾北斎の《昇龍富士波濤図》や印象派クロード・モネの《牧草地、曇り空》をはじめ、ピカソや藤田嗣治、日本のメディアアートを牽引するエキソニモ、そして2019年から2020年にかけて個展も開催されている塩田千春や白髪一雄、森村泰昌など、巨匠から現代アーティストまでの多彩な作品が集まる。「プロジェクツ」セクション入場無料エリアのロビーギャラリーで展開する「プロジェクツ」セクションでは、今注目すべき12人のアーティストを個展形式で紹介。鑑賞者と絵画の知覚の関係を探るアメリカの若手作家、エヴァン・ネスビットなど3人の海外作家のほか、アクロバティックな視点からさまざまな都市風景を描く田島大介らが参加する。「クロッシング」セクションAFT2020の玄関口である「クロッシング」セクションでは、日本各地の文化・伝統を今に伝える地方工芸団体や百貨店企画のギャラリーなど、11軒のギャラリーが参加する。詳細アートフェア東京2020〈開催中止〉※当初、2020年3月20日(金)~22日(日)、3月19日(木)は招待制にて開催を予定していたが、開催をすべて中止。※国際展「ワールド アート トーキョー 2020」も開催を中止。※前売券は販売中止。既に販売した分の払い戻し対応に関しては、公式ホームページにて告知。場所:東京国際フォーラム ホールE、ロビーギャラリー住所:東京都千代田区丸の内3-5-1【問い合わせ先】一般社団法人 アート東京TEL:050-3187-5050(自動音声案内)
2020年02月29日6月7日(日)まで三菱一号館美術館にて開催されている『画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン』を紹介します。画家の愛が伝わる子供絵の数々。三菱一号館美術館の開館10周年を記念した本展は「子供」にフォーカスしたもの。19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちの作品を中心に、当時の都市生活や近代芸術を、子供を通して紹介する。ナビ派とは19世紀末にパリで起こった芸術運動のひとつ。ポスト印象派の巨匠ゴーガンやゴッホなどの影響もあり、写実を重んじる伝統的な美術に対して、何気ない日常生活のワンシーンを力強い色彩や単純化された構図で描き出しているのが特徴だ。ナビ派は19世紀と20世紀の美術をつなぐ存在として近年、注目され評価も高まっている。そんな中から今回はピエール・ボナール、フェリックス・ヴァロットン、モーリス・ドニ、エドゥアール・ヴュイヤールら派の中心人物たちが残した油彩・版画・素描・挿絵本・写真など約100点を紹介。家の中で、公園で、と当時のパリ生活と共に描かれた作品からは、画家として、親として、向けられた子供への温かい眼差しが読み取れるはずだ。フェリックス・ヴァロットン≪可愛い天使たち≫1894年 木版/紙 三菱一号館美術館蔵モーリス・ブーテ・ド・モンヴェル≪ブレのベルナールとロジェ≫1883年 油彩/カンヴァス オルセー美術館蔵Photo ©Musee d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMFエドゥアール・ヴュイヤール≪赤いスカーフの子ども≫1891年頃 油彩/厚紙 ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵National Gallery of Art, Washington, Ailsa Mellon Bruce Collection, 1970.17.90フィンセント・ファン・ゴッホ≪マルセル・ルーランの肖像≫1888年 油彩/カンヴァス ファン・ゴッホ美術館蔵Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)『画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン』三菱一号館美術館東京都千代田区丸の内2-6-2開催中~6月7日(日)10時~18時(入館は閉館の30分前まで。祝日を除く金曜、第2水曜、4/6、会期最終週平日は~21時)月曜休館(4/6、5/4、6/1と、トークフリーデーの3/30・4/27・5/25は開館)1700円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年3月4日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年02月28日シヤチハタ株式会社※1(代表取締役社長舟橋正剛本社:愛知県名古屋市)は、この度、スタンプアートにおすすめのスタンプパッド「いろもよう」を2020年2月4日(火)より発売します。※1社名表記は「シャチハタ」ではなく「シヤチハタ」です。「いろもよう」は、シヤチハタ独自のナノテクノロジーから生まれた油性顔料系インキを採用したスタンプアートにおすすめのスタンプパッドです。スピーディーな乾燥時間※2でにじまないので重ね押しの多色使いにぴったりです。また、極細繊維の盤面表布を採用することで盤面に軽く押すだけで適量のインキがつき、繊細な模様も広い面もムラなくクッキリと鮮明な印影が得られます。印面についたインキは水で湿らせたティッシュ等で拭き取れ、色替えやお手入れが簡単にできます。日本の伝統色から選定した24色の豊富なカラーバリエーションを使って、作品づくりを思いのままにお楽しみください。※2PPC用紙約3秒●商品イメージ●商品特長・シヤチハタ独自のナノテクノロジーから生まれた油性顔料系インキを採用。スピーディーな乾燥時間に加え、色鮮やかでクッキリ濃い印影を実現しました。・極細繊維の盤面表布の採用により耐久性に優れ、盤面に軽く押すだけで鮮明な印影が得られます。印面についたインキは水で湿らせたティッシュ等で拭き取ることができます。・フタを開けたままでも、パッドは乾燥しません。・スタンプパッドは重ねて保管できます。●商品ラインナップ(全24色)盤面サイズ:63×40mm■専用補充インキ容量:20ml各400円+消費税●標準小売価格<商品に関する消費者の方のお問い合わせ先>シヤチハタお客様相談室TEL:052-523-6935企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年02月10日ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020:BLOWBALL「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」のサテライトイベント歴史ある京都を舞台に現代アートが出品される新感覚のアートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」のサテライトイベントとして、若手アーティストの活躍の場を広げる『ARTISTS’ FAIR KYOTO2020:BLOWBALL』が早春の京都で開催されるらしい。前回もアート作品の展示の舞台となった【BnA Alter Museum】や【KYOTO ART HOSTEL kumagusuku】、【下鴨茶寮】、【スプリングバレーブルワリー京都】、【ワコールスタディホール京都】に加え、今回新たに【AIR賀茂なす】、【Gallery PARC】、【GOOD NATURE STAITION】、【庵町家ステイ】といった京都市内のホテル、飲食店、町屋、アートスペースなどを会場に、アーティストによる作品の展示・販売を過去最大の規模で行うとのこと。早春の京都の街がアートに染まるなんて、これは、見逃せません!【ARTISTS’ FAIR KYOTO2020:BLOWBALL】京都府内の飲食店、ホテルといった市内全9箇所の身近な場を会場とし、各会場と若手アーティストがコラボレーションして作品の展示・販売を行う。入場は無料。日 程: 2020年2月初旬~3月下旬 ※各会場によって開催時期、時間が異なる会 場: AIR賀茂なす、BnA Alter Museum、GALLERY PARC、GOOD NATURE STAITION、庵町家ステイ、KYOTO ART HOSTEL kumagusuku、 下鴨茶寮(2月28日限定イベント)、スプリングバレーブルワリー京都、ワコールスタディホール京都URL : ___________________________■AIR賀茂なすAIR賀茂なす品川亮「菊」「GOLD, WHITE, AND BLACK」2020年2月29日(土)・3月1日(日) 11:00~18:00AIR賀茂なす■BnA Alter Museum 1F + 2FBnA Alter Museum 1F + 2F丸橋光生「Behind The Color」「スーパーマーケット “アルター”市場」2020年2月22日(土)-3月8日(日) 11:00~18:00BnA Alter Museum 1F + 2F■Gallery PARCGallery PARCManami Shimura「表層と深層」2020年2月21日(金)- 3月8日(日) 11:00~19:00 金曜日のみ11:00~20:00Gallery PARC ※月曜休館■GOOD NATURE STATION 4F GalleryGOOD NATURE STATION 4F Gallery出展作家: punto × 副産物産店「Wunderkammer」2020年2月15日(土)-3月22日(日) 10:00~20:00GOOD NATURE STATION 4F Gallery ■庵町家ステイ 筋屋町町家庵町家ステイ 筋屋町町家展示作家: 香月美菜 All Photo by Saki Maebata 「From one stroke 2」2020年2月29日(土)・3月1日(日) 11:00~18:00庵町家ステイ 筋屋町町家■KYOTO ART HOSTEL kumagusukuKYOTO ART HOSTEL kumagusukuMie Takahashi「知らないかたち」2020年2月22日(土)-3月8日(日) 平日16:00~21:00 土日祝13:00~21:00KYOTO ART HOSTEL kumagusuku■スプリングバレーブルワリー京都 中庭・洋館スプリングバレーブルワリー京都 中庭・洋館小松千倫「Allscape in a Hall」2020年2月28日(金)-3月8日(日) ※時間は後日WEBで発表スプリングバレーブルワリー京都 中庭・洋館■ワコールスタディホール京都 ギャラリーワコールスタディホール京都 ギャラリー芳木 麻里絵「Lace#21」 撮影:表 恒匡 / OMOTE Nobutada「fond de robe -内にある装飾-」2020年2月7日(金)-3月28日(土) 火-金曜10:00~20:00/土曜10:00~17:30ワコールスタディホール京都 ギャラリー ※日・月・祝 休館■下鴨茶寮下鴨茶寮「京都アートラウンジ in 下鴨茶寮」2020年2月28日(金) 15:00~18:00下鴨茶寮___________________________食事を楽しむ人から宿泊する人、アート空間を楽しむ人まで。五感を刺激する会場とアートとの出会いをぜひ京都で楽しんでみてはいかが?●各会場の会期や展示内容など詳しくはこちらのHPでチェック!【問い合わせ先】ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会TEL: 075-414-4222(10:00-17:00 /土日祝休み)以前紹介した「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」の詳細はこちらでチェック↓新感覚アートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」開催。そうだ!京都へ行かなくちゃ。
2020年01月31日2017年、Bunkamura ザ・ミュージアムで日本初の回顧展を開催し、大きな話題を呼んだ写真家ソール・ライター(Saul Leiter, 1923-2013)。ライターの展覧会がまた渋谷Bunkamuraに帰ってきます。2020年1月9日より開催。 携帯電話のカメラが普及して、日常的に写真を撮ることが当たり前になった昨今。そんな中、あえてカメラを購入し、自分の思い描く1枚を残したいと思う人もまた、増えてきたと感じるのは私だけではないでしょう。どんな写真が人の心を惹きつけるのか、おぼろげながらも考えるようになったとき、ふと目に留まったのが、写真家ソール・ライターの作品でした。 ソール・ライター 《ニューヨーク》 1950年代、ゼラチン・シルバー・プリント ⒸSaul Leiter Foundation ソール・ライター 《帽子》 1960年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation 元は「ヴォーグ」などの有名ファッション誌の表紙を飾ることもあったソール・ライターは、1980年代に商業写真から退き、表舞台から姿を消していった、伝説の写真家ともいわれています。今回の展覧会「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」では、2017年に大きな話題を呼んだ展覧会開催以降に発掘された、まさに“宝の山”のような未整理資料の中からモノクロ・カラー写真、カラースライド等の多くの作品を選出。さらにデジタル技術を駆使して、ソール・ライターの生涯にわたるアーカイブを通し、一人の写真家の創作の秘密に迫ります。 ソール・ライター 《赤い傘》 1958年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation ソール・ライター 《薄紅色の傘》 1950年代、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation 展覧会は2部構成となっていて、第1部では、2006 年に出版された『Early Color』によって、“カラー写真のパイオニア”と称されるようになったソール・ライターの世界初公開となるカラー作品をはじめ、前回の展覧会では紹介できなかったモノクロの代表作、多数の未発表作品など約130点により、その業績をたどります。また第2部では、ソール・ライターが残した膨大な作品・資料のアーカイブ構築に取り組むソール・ライター財団のプロジェクトを通して、ソール・ライターの実像に迫ります。 ソール・ライター 《無題》 撮影年不詳、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation ソール・ライター 《高架鉄道から》 1955年頃、発色現像方式印画 ⒸSaul Leiter Foundation 晩年まで写真を撮り続け、絵を描き続けたソール・ライターは、12歳で初めて自分のカメラを手にして以来、多くのカメラを使い、新しい技術を楽しんだ写真家でもありました。彼の生きてきた証でもある写真1枚1枚を巡り鑑賞することで、何かヒントを得られることがあるかもしれません。 2020年の年始め、自分の感性を磨くために足を運んでみてはいかがでしょう。 ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター会期:2020年1月9日(木) ~ 3月8日(日)休館日:1/21(火)・2/18(火)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京/渋谷・東急本店横)開館時間 10:00-18:00(入館は17:30まで)毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)お問合せ:ハローダイヤル03-5777-8600(8:00-22:00)渋谷駅の賃貸をgoodroomで探す *出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2020年01月04日日々の暮らしをアップデートしてくれる“ライフハックサービス”の数々。ここでは、毎日の生活に潤いをもたらしてくれる、“アート&グルメ”にまつわるサービスをご紹介!毎日にちょっとした潤いを。“アート&グルメ”で上質な暮らしを実現。便利さだけでなく、住空間や食生活に彩りを添えてくれるサービスも増えている。一度申し込めば、その道のプロがあなた好みの作品や商品を定期的に届けてくれるので、ずっと新鮮な気持ちで楽しめる。交換など、フレキシブルに対応してくれるのも魅力。「生活に驚きや楽しみ、癒しをもたらしてくれるサービスですね。定期便のようなサービスは、届くたびワクワクします」(プロデューサー・横田 結さん)あなたの部屋が美術館に!Casie(カシエ)月額¥1,980~国内外の気鋭アーティストの絵画を、定額制でレンタルできる。全作品、世界に1点しかない原画で、在庫点数は4000点以上。自分でサイトから選ぶこともできるし、プロに任せてもOK。1か月に1回、作品の交換が可能。絵画の知識がなくても、アート診断でその人に合った一枚を提案してくれる。ハードルが高い印象のアートを、誰でも気軽に楽しめる。花のある暮らしが手に入る。FLOWER1回¥500※別途送料¥360季節やトレンドに合わせてプロがブーケを作り、隔週でお届け。雰囲気の異なる2種類の花から毎回好きな方を選べる。注文を受けてから市場で仕入れるため新鮮。専用ボックスに入れてポストに投函されるので、忙しくても受け取れるし、最適な長さにカットされた状態で届くから、そのまま飾れる。ブーケは¥500だが、1輪プランは無料(各別途送料)。旬の果実を厳選してお届け。食べチョク フルーツ セレクト1か月¥4,480~(税・送料込み)全国600軒以上の生産者が作った食材を直接買えるオンラインマルシェ。人気の果物を厳選し、毎月旬の果実が届く定期便が人気。’20年2月は愛媛県・井上果樹園のキウイ&フルーツ、3月は静岡県・Damon De Farm~だもんで農園~のはっさくが届く。1か月プランは¥4,980、3か月プランは¥4,780/月、6か月プランは¥4,480/月(税・送料込み)。よこた・ゆいメルカリグループでシェアモビリティサービス「メルチャリ」立ち上げ。プロダクトオーナーとして企画・デザインを担当。個人でプロダクトやミュージアム関連の執筆も。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・大嶋千尋イラスト・サヲリブラウン取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2019年12月26日2020年4月から開かれる『ボストン美術館展芸術×力(げいじゅつとちから)』の記者発表会に、俳優の要潤さんが登場!世界有数のコレクションを誇るボストン美術館から来日する作品の見どころや、アートの楽しみ方について語りました。半数以上が日本初公開!『ボストン美術館展』【女子的アートナビ】vol. 1692020年に設立150周年を迎えるアメリカのボストン美術館は、古代エジプトやアジア、ヨーロッパ、アメリカなどの古代から現代までの美術作品を収集し、50万点近いコレクションを所蔵しています。今回の展覧会では、そんな歴史ある美術館から来日した約60点の作品を紹介。その半数以上が日本初公開です!同展のテーマは「芸術と力」。権力を誇示するため芸術の力を利用したり、パトロンとして芸術家を支援してきた権力者たちと、芸術のもつ社会的な役割に焦点をあてながら、さまざまな作品が紹介されます。必見は、お殿さまの作品!来日するのは、古代エジプトのファラオ像や平安時代の貴重な絵巻、イギリスの宮廷画家ヴァン・ダイクによる肖像画など、実に多彩。古今東西のさまざまな時代に生み出された作品が見られる展覧会ですが、今回もっとも注目されているのが増山雪斎 (ましやませっさい1754-1819)の≪孔雀図≫です。この作品は今回の展示に合わせて修復が行われ、この度はじめて日本で公開されます。神戸市立博物館の学芸員、石沢俊さんによると、作者の増山雪斎は江戸時代の伊勢長島藩第5代藩主、つまりお殿さまで、画家などを支援するパトロンだった、とのこと。大名でありながら自らも筆をふるう芸術家だったそうです。さらに石沢さんは次のように解説しました。石沢さんこの≪孔雀図≫は、江戸時代中期以降に流行した南蘋(なんぴん)風花鳥画です。1725年に中国から長崎にやってきた中国人画家、沈南蘋(しんなんぴん)がもたらした新たな花鳥画で、南蘋風花鳥画は、例えば伊藤若冲や円山応挙といった江戸時代を代表する画家たちも魅了しました。≪孔雀図≫は、ただ孔雀や花を美しく写実的に描いているだけでなく、そこには一家一族の吉祥や繁栄への願いが込められていることがわかります。オフィシャルサポーターは要潤さん!記者発表会では、オフィシャルサポーターに就任した俳優の要潤さんも登壇。連続テレビ小説『まんぷく』で画家の役を演じ、さらに『新美の巨人たち』にアートトラベラーとして出演されるなど、アートに関する番組でも活躍されています。要さんは今回の就任について「ボストン美術館は日本との関わりが深いと聞いているので、150年の歴史にこうして携わることができ大変光栄」とうれしそうに感想を語りました。また、楽しみにしている作品について問われると、「増山雪斎の≪孔雀図≫です。増山さんは昆虫を描いたりもされていますし、孔雀も有名なので、孔雀の羽の感じとか色づかいとか、すべてじっくりと見たいです」と回答。美術に造詣が深い要さん、日本画についてもお詳しいです。絵との距離感が大事!さらに、美術作品の楽しみ方については、次のように話しました。要さん番組を通して各国の美術館を訪ねたことがありますが、絵との距離感がすごく大事だと思います。まずは引いたところから見て、どんどん近づいて詳細を見ていく。画家の方は、まず薄いところから色を塗っていく、と聞いたことがあります。引いたところから見ると、まず濃い色が目に入ると思うのです。そして近づいていくにつれて、薄い部分、細かく塗られた部分も見ていく、という楽しみ方があるのではないかと思うんです。家庭の権力者は…また、展覧会のテーマ「芸術と力」にちなみ、現在、要さんが力を入れていることについて問われると、「いま油絵に挑戦しだしたので、これから力を入れたい」とコメント。最後に、家庭での権力者は誰か? と質問されると、「やっぱり妻じゃないですか。妻のおかげで家庭が成り立っています」と少し照れながら回答。夫としてのステキな一面も見せてくれました。東京では4月16日スタート『ボストン美術館展芸術×力』は4月16日からスタート。現在、お得な前売り券が発売中です。特にオススメは、スペシャル音声ガイド付きチケット(税込¥2,200)。同展の音声ガイドは、おもな作品を「オモテ」と「ウラ」の2つの視点で読み解く新しい音声ガイドになっています。見どころや技法などの解説が聞ける「オモテ」ガイドのナレーターは、声優の鈴村健一さん。名品に隠された権力者たちのエピソードが聞ける「ウラ」ガイドは声優の櫻井孝宏さんが担当されるという何ともぜいたくな内容です。ぜひチケットを準備して、春がくるのを楽しみに待ちましょう!Informationボストン美術館展芸術×力(げいじゅつとちから)会期:2020年04月16日(木)〜2020年07月05日(日)会場:東京都美術館料金(当日券):一般 ¥1,600/大学生・専門学校生 ¥1,300/高校生 ¥800/65歳以上 ¥1,000 中学生以下無料
2019年12月25日ハリウッド・スターや大物アーティスト、スポーツ選手、タレントなど、さまざまな有名人と“触れ合えるような”体験がでちゃう話題のスポットが、12月13日より一部リニューアル!さっそく体験してきました!大物セレブが目の前に…!【女子的アートナビ】vol. 168今回ご紹介するのは、東京・お台場にある『マダム・タッソー東京』。レディー・ガガやジョニー・デップ、羽生結弦など有名人の等身大フィギュアと腕を組んだり、一緒に写真を撮ったりすることもできる、とっても楽しい体験型アトラクション施設です!こちらは2013年にオープン。ananwebは初潜入ということで、見どころをたっぷりお届けします!さっそく中へ!入場して、まずエレベーターに乗ろうとすると、ど真ん中に先客の姿が……。あまりにリアルなので、一瞬、外国人観光客かと思ったのですが、よく見るとフィギュア。ハリウッド・スターのブルース・ウィリスでした。そして、エレベーターを降りると、目の前にはジョニー・デップ様が!たくさんのカメラマンに囲まれて、レッドカーペットを歩こうとしているところのようです。一気に夢の世界へと引き込まれていきます。遠くから見るだけでなく、おヒゲに触ったり、抱きついて一緒に写真を撮るのもOK。本当に精巧につくられていて、近くで見ても実にリアルです。ちなみに、フィギュアは一体につき2000万円ほどかけて制作されているとのこと。まさにアート作品ですね!なりきり体験&コスプレも!見るだけでなく、体験できるのもマダム・タッソーのおもしろいところ。例えば、英国王室のエリアでティアラをつけて撮影したり、ホワイトハウス執務室のエリアでオバマ前大統領と一緒に写真を撮ったりすることもできます。(写真モデルは、PR担当のトムリンソンさん)さらに、クリスマスムードいっぱいの空間で、レオナルド・ディカプリオやブラッド・ピットと腕を組んで恋人気分になることもできちゃいます!また、ミュージシャンのエリアでは、歌手のマドンナに変身できるコスプレグッズや、X JAPANと共演できるようなステージが用意されているので、流れる曲に合わせて気分ノリノリで楽しんでいるお客さんもいました。ガガさま、草間さん、羽生選手も…!そして、こちらが今回リニューアルされた“レディー・ガガ”のエリア。ヒット曲『テレフォン』からイメージしてつくられた新しい空間では、鮮やかな黄色に目を奪われます!肌の質感も肉体も生々しく、本物のガガさまがいるみたい。フィギュアと一緒に撮影してSNSにアップするのが王道の楽しみ方ですが、リアルに作り込まれた顔や指先など、細部をじっくりと鑑賞してみるのもおすすめです。また、私が個人的に好きだったのは、草間彌生さんの水玉エリア。以前、展覧会の取材でお顔を拝見したことがあるのですが、本当にそっくり。感激しました!ほかにも、羽生結弦選手などスポーツ選手やハリウッド女優、モデルのフィギュアもあり、テンションが上がりまくり。写真もどんどん撮れるので、本当に楽しいです!(ちなみに、羽生選手のスケートシューズやアクセサリーはご本人から提供されたものです!)ナポレオンとも会っていた!?ところで、マダム・タッソーには長い歴史があるのをご存じですか?創始者のマダム・マリー・タッソーは1761年にフランスで生まれ、フィギュア製作の技術を習得。フランス革命前にはマリー・アントワネットやルイ16世のフィギュアもつくっていました。1801年にはナポレオンにも直接会って、製作のため測定を行ったとのこと。その後イギリスに渡って各地でフィギュア作品のコレクションを展示し、1835年にロンドンで常設展示を開始。今では、世界24か所でマダム・タッソーの世界観を楽しむことができます。とにかく遊べます!マダム・タッソー東京、いかがでしたか?取材前は、フィギュア展示を見る場所、というイメージだったのですが、実際に行ってみると、体験できるアトラクションが多いのでびっくりしました。バーチャルゲームを楽しんだり、トリックアートのような写真を撮ったり、モデル気分でランウェイを歩いたりと、とにかく遊べるアトラクションがいっぱい。インスタ映え写真もたくさん撮れます。特に、今の時期はクリスマスの雰囲気を味わえる展示エリアもあるので、ぜひこの機会にセレブたちと楽しい体験を味わってみては?Information
2019年12月22日イルミネーションが美しい東京駅エリアで、現在2つのアート展が開催中です。ひとつは、トップクラスの西洋近代絵画を見られる『世界に誇る吉野石膏コレクション展』。もうひとつはクールな抽象画がそろう『坂田一男 捲土重来』。キラキラの夜景と一緒にご紹介します!イルミ&ライトアップにうっとり【女子的アートナビ】vol. 167まずは、東京駅・丸の内エリアの最新イルミネーションからご案内!美しくライトアップされた東京駅から撮影スタートです。上の写真は、丸ビルと新丸ビルの間にある行幸通りからスマホで撮りました。こちらは、シャンパンゴールドのLED・約100万球がきらめく「丸の内イルミネーション2019」。丸の内仲通りでは、220本を越える街路樹が優しい色に輝いています!こちらは、丸の内ブリックスクエアにあるオブジェです。スター・ウォーズの世界観を表しているそうで、ちょっと近未来的。ほかにも大手町仲通りや有楽町エリア(国際ビル、新国際ビル前)でもさまざまなイルミネーションを楽しめます!三菱一号館美術館へ現在、丸の内ブリックスクエアに隣接する三菱一号館美術館では、『印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展』が開催中です。この展覧会では、国内有数の “吉野石膏コレクション”のなかから選び抜かれた72点の西洋絵画を展示。ルノワールやモネ、ドガなどの親しみやすい作品が集結しています。吉野石膏コレクションとは、石膏建材メーカーの吉野石膏株式会社が長年収集してきた美術コレクションのこと。特に西洋絵画のコレクションは、世界に誇る質の高い作品がそろっています。この貴重なコレクションが本格的に東京で紹介されるのは今回が初めてのこと。印象派を中心とした西洋近代美術のエッセンスがつまった必見の展覧会です。西洋近代美術の流れがわかる!展示は三章にわかれ、西洋近代美術の流れを見渡すことができる構成になっています。最初は印象派の先駆けとされるバルビゾン派のコローやミレーの作品からはじまり、マネやモネなどの印象派、ポスト印象派のゴッホやセザンヌと続きます。さらに、第二章ではナビ派のボナール、フォーヴィスム(野獣派)のマティス、キュビスムのピカソやブラック、素朴派のルソー、抽象絵画のカンディンスキーなどが登場。最後の第三章ではエコール・ド・パリ(パリ派)のユトリロやキスリング、そして吉野石膏コレクションの目玉であるシャガール作品10点も堪能できます。見どころはパステル画!なかでも見どころは、パステルで描かれたやわらかな色彩の絵画たちです。粉末顔料を粘着剤で固めたパステルは、お互いの色が混じることなく、顔料の明るい発色をそのまま生かせるのが特徴の画材。例えば、ルノワールの作品《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》では、青い衣服を着た少女の姿が軽やかなタッチで描かれています。同じパステルを使っても、あたたかい印象になったり、幻想的な雰囲気になったり、画家によってそれぞれ個性が違っています。今回、三菱一号館美術館の収蔵品であるルドンが描いたパステル画《グラン・ブーケ(大きな花束)》も展示されているので、ぜひ画材にも注目して作品を見比べてみてください。『印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展』は1月20日まで開催。続いて、東京ステーションギャラリーへ東京駅丸の内駅舎内にある美術館、東京ステーションギャラリーでは、現在『坂田一男 捲土重来』が開かれています。日本における抽象絵画の先駆者として評価されている坂田一男(1889-1956)の全貌に迫る初の展覧会です。クールな抽象絵画が勢ぞろい!坂田は医学者の息子として岡山市に生まれ、画家を目指して第一次世界大戦後の1921年に渡仏。フランスの著名な画家、フェルナン・レジェに師事し、10年以上フランスで画家として活躍します。1933年の帰国後は岡山で活動しますが、生前はあまり注目されることはなく、没後に高く評価されるようになりました。この展覧会では、坂田とともに、同時代に活躍したル・コルビュジエやジョルジオ・モランディ、ジャスパー・ジョーンズなど国内外の画家たちの作品も組み合わせて展示。造形作家の岡﨑乾二郎氏が監修し、抽象絵画の可能性を追求しつづけた坂田の画業を約200点の出品作で読み解いていきます。『坂田一男 捲土重来』は1月26日まで。夜の丸の内へ!どちらの美術館も、金曜日など夜間まで開館している日が設けられています。イルミの美しいこの時期は、ぜひ夜の丸の内に足を運んでみてくださいね!Information『印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展』会期:~2020年1月20日(月)時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで(1月3日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)休館日:月曜日(ただし、祝日・振替休日の場合、1月20日、トークフリーデーの12月30日は開館)会場:三菱一号館美術館料金:一般 ¥1,700/高校・大学生 ¥1,000/小・中学生 ¥500展覧会のキャンペーンやフォトスポット、タイアップなどスペシャルな情報は下記サイトをチェック!※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。『坂田一男 捲土重来』会期:~2020年1月26日(日)時間:10:00〜18:00 ※金曜日は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし1月13日、1月20日は開館)、12月29日~1月1日、1月14日(火)会場:東京ステーションギャラリー料金:一般 ¥1,000/高校・大学生 ¥800/※中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年12月13日新感覚アートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」2018年2月に初回が開催され、注目を集めたアートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO」。その3回目が2020年に、趣のある京都を舞台に再び開催されます!「ARTISTS’ FAIR KYOTO」は、若手アーティストが自ら制作、出品、販売までを行う、これまでにない斬新なシステムのアートフェアです。観客とアーティストの間に交流が生まれ、 「アートを買う文化」がもっと身近になることを目指して、今回も椿昇がディレクターを務め、塩田千春、名和晃平、宮永愛子、ヤノベケンジなど13名のアーティストがアドバイザリーボードとなり、それぞれ異なる視点から出品者となる若手アーティストを選出しています。会場は、無骨な雰囲気あふれる広大な地下空間の『京都新聞ビル地下1階』と、京都を代表する重要文化財の明治建築『京都府京都文化博物館 別館』の2会場で開催。京都新聞ビル地下1階(京都新聞本社)京都文化博物館 別館(旧日本銀行京都支店)第一線で活躍するアーティスト陣からの推薦を受けた、若く熱い情熱を持つ若手アーティストの作と世界をステージに活躍するアーティストの作品が、趣のある京都のユニークヴェニューに一堂に出品されます。エキセントリックな展示空間でアートを楽しめるのがポイントです。作品はペイントから写真、映像、インスタレーションなど多様な作品が一堂に集まります。2020年は、写真家で旅人の「アレックス・ムートン(Alex Mouton)」のゲスト参加も新たに 決定!エキセントリックな展示空間でアートを楽しめるのがポイントです。注目の若手アーティストらが手がける作品イメージ(一部)■ 会場:京都新聞ビル地下1階出展作家名: 白木良作家名: 名和晃平、白木良(プログラミング)、原摩利彦(サウンドスケープ)タイトル: Tornscape(制作年 : 2019)素材 : 映像撮影者 : Kim Song Gi 作家名: 黒川岳タイトル: 石の音を聴く素材: 御影石推薦者: 金氏徹平 作家名: ハシグチリンタロウタイトル: 発酵発電所 zymoticelectroplants素材: 墨、和紙推薦者: 加茂昂 ■ 会場:京都文化博物館 別館作家名: 顧剣亨タイトル: Utopia_i_014素材: Inkjetprint推薦者: 椿昇 作家名: 森井沙季タイトル: image素材: パネルに綿布、油絵の具推薦者: 松川朋奈 作家名: エレナ・トゥタッチコワタイトル: After an Apple Falls From the Tree, There is a Sound素材: type-c print推薦者: 矢津吉隆まだまだ紹介しきれない素晴らしいアート作品が盛りだくさん!アートを購入する際の最初のステップとして、また世界に羽ばたいていくアーティストといち早く出会うきっかけとして、ぜひこの機会に京都に出かけてみてはいかが。______________________________________ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020日 程: 2020年2月29日(土)、3月1日(日) ※28日(金)は特別内覧会を開催会 場: 京都府京都文化博物館 別館 / 京都新聞ビル地下1階時 間: 11時00分~18時00分URL : 入場料: 1,000円(学生無料 要・学生証) ※京都新聞ビル地下1階は無料[チケットに関するお問い合わせ]ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会TEL: 075-414-4222(10:00-17:00 /土日祝休み)______________________________________2019年に開催された「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019」についての詳しい紹介はこちら↓ 年開催の様子。撮影:前端紗季
2019年12月08日今、ものづくりの現場で注目を集める“デザインエンジニア”。製品の仕組みを作るエンジニアと、ビジュアルを設計するデザイナーを兼ね備える存在だ。その第一線で活躍する田川欣哉氏がディレクターを務める本展『マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画』では、プロダクト、グラフィック、建築などの分野で日本を代表するデザイナーたちの“原画”が並ぶ。鉛筆書きのレタリングや、写生したように細密なスケッチ。木やプラスチックなどで試作したものもあれば、原稿用紙に書かれた草稿もまた“原画”として展示されている。今やこれらの原画はとても貴重なもの。というのも、デジタル上の制作がメインの現在では、デザイナーのアトリエといえども、手書きの“原画”に触れる機会は滅多にないからだとか。20代の頃の経験を振り返りつつ、氏は言う。「このようなプロセスを垣間見ることは『つくる人』を目指す当時の私には宝物のような体験でした。良質なインスピレーションを絶えず浴びたことで、今の自分が成立していると思います」デザイナーの卵たちにこの“宝物”を譲り渡すために、本展は企画された。原画からはデザイナーたちの試行錯誤や、最高のクオリティに研ぎ澄まされていくまでのプロセスが読み取れる。何気なく馴染んでいる美しさや使いやすさの秘密を、原画の向こう側にいるデザイナーがそっと教えてくれる。そんな特別な機会になりそうだ。佐藤 卓 スケッチ柏木 博 草稿原 研哉 スケッチ小泉 誠 試作田川欣哉さんデザインエンジニア。テクノロジーとデザインに精通、プロダクトサービスからブランディングまで幅広く手がける。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェロー。『マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画』21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2東京都港区赤坂9‐7‐6東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン開催中~2020年3月8日(日)10時~19時(入場は閉館の30分前まで)火曜、年末年始休(12/24、2/11は開館)一般1200円ほかTEL:03・3475・2121※『anan』2019年12月11日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2019年12月05日華やかなドレスやジュエリーを身につけたプリンセスたちの肖像画などに出会える『ハプスブルク展』が上野の国立西洋美術館で開催中です。王女や皇妃の美しい姿を見ながら、彼女たちのドラマチックな運命にも触れてみます!ウィーンから名品が集結!【女子的アートナビ】vol. 166『ハプスブルク展600年にわたる帝国コレクションの歴史』では、世界有数の美術館のひとつ、ウィーン美術史美術館から来日した絵画や版画、工芸品、武具など100点を展示。歴史の教科書で見たことのある絵画や大きなタペストリーなど、見ごたえある作品が並んでいます。ウィーン美術史美術館の主なコレクションは、ヨーロッパ随一の名門貴族、ハプスブルク家の人たちがオーストリアを拠点にして築き上げたもの。15世紀後半から本格的に芸術品の収集をはじめたのは、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世(1459-1519)です。マクシミリアン1世は名門貴族との婚姻政策により領土を拡大し、ハプスブルク家隆盛の基礎もつくりました。武具も好きだったようで、本会場には彼の甲冑なども展示されています。叔父さんに嫁いだプリンセス…こちらは同展の必見作品で、スペインの巨匠ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)の傑作《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》です。絵のモデルは、スペイン国王フェリペ4世の娘、マルガリータ・テレサ。彼女が8歳のころに描かれた作品です。ハプスブルク家は16世紀中頃、オーストリア系とスペイン系に分裂しますが、両家は婚姻関係などでつながっていました。王女マルガリータも幼くして自分の母親の実弟、つまり叔父である神聖ローマ皇帝レオポルト1世(1640-1705)に嫁ぐことが決められていました。この肖像画は、未来の夫となる叔父に王女の様子を伝えるためのいわば「お見合い写真」のようなもの。現代の常識で考えると、叔父と姪の結婚などありえないと思ってしまいますが、当時の貴族たちは血統を守ることを第一に考えていたので、近親婚は当たり前のように行われていました。王女はゴージャスなドレスに身を包み、美しく気品あふれる姿で描かれていますが、あまり健康的には見えません。実際、彼女の両親も近親婚だったため、マルガリータも身体が弱かったそうです。彼女は15歳でスペインからオーストリアに嫁ぎ4人の子どもを産みますが、結局21歳の若さで亡くなりました。美貌を保ち続けたプリンセスもう一点、見逃せない作品は、歴史画家ヨーゼフ・ホラチェク(1830-1885)が描いた《薄い青のドレスの皇后エリザベト》。モデルは、16歳でオーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に嫁いだエリザベトです。シシィという愛称で知られるエリザベトは、絶世の美女といわれるほどの美貌の持ち主。彼女は皇帝に見初められて結婚し、当初は幸せな宮廷生活を送りますが、姑との確執や息子の自殺など苦労が続き、60歳のとき無政府主義者に刺されて亡くなるという悲劇的な最期を遂げます。また、エリザベトは美貌を保つ努力を惜しまなかった女性としても知られています。日々の生活に食事制限やトレーニングを取り入れ、つねにコルセットでウエストを締め付けていました。彼女のウエストは50センチともいわれ、展示されている絵画でも胴体の部分はかなり細く描かれています。会期は1月26日まで!会場には、ほかにもフランス王妃マリー・アントワネットの肖像画や、レンブラント、ティツィアーノ、ヴェロネーゼなど巨匠たちの作品も並び、ハプスブルク家の華麗なコレクションをたっぷり堪能できます。会期は1月26日まで。Information「ハプスブルク展600年にわたる帝国コレクションの歴史」会期:~2020年1月26日(日)時間:9:30~17:30毎週金・土曜日:9:30~20:00ただし11月30日(土)は17:30まで※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館料金:一般 ¥1,700/大学生 ¥1,100/高校生 ¥700/中学生以下無料※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2019年11月24日2017年5月~2019年8月、改装中の渋谷パルコの囲いを彩る美術演出として、漫画家・大友克洋の代表作『AKIRA』の世界観を表現してきたアートウォール。この外壁が11月22日にオープンする新生・渋谷パルコ内のミュージアム&ギャラリーにて、オープニングエキシビションとして復活する。『AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION』だ。渋谷パルコにAKIRAが再び。アートウォールを手掛けたのはアーティスト・河村康輔。新作を発表すれば瞬く間に売れていく注目のアーティストである彼は、過去にも大友作品を用いて展覧会を開催。大友氏自身とも旧知の間柄で、互いの作品をリスペクトするからこそ実現するものだ。今回の展示では、時間とともにダメージを受けたアートウォールを工事現場から発掘し、再び巨大な作品にコラージュした。新装されたパルコの4階に誕生した「PARCO MUSEUM TOKYO」では、この作品に加えて、マンガやアニメの貴重な原画や連載当時のポスター、作品中に登場するオブジェの再現などを展示。また地下1階の「GALLERY X」には、巨大立体物のインスタレーションが登場する。どちらの展示も「AKIRAのテーマ」でおなじみのパフォーマンス集団・山城組の音楽が鳴り響く中で鑑賞することができる。さらに今回、空間演出を手掛けるのはグラフィックアーティストYOSHIROTTENが率いるクリエイティブスタジオ「YAR」。昨今、アパレルブランドなど国内外の様々な企業から注目される集団だけに、研ぎ澄まされた感性が引き起こす化学変化も見どころだ。写真:渋谷の街で、金田と鉄雄にもう一度会える!作品の舞台と同じく“2020年を目前に控えた東京”に出現した外壁アート。2017年から約2年間、渋谷パルコの外壁に施されたもの。ここでしか入手できない限定グッズも多数登場。記念書籍『AKIRA ART OF WALL 4冊組蛇腹ブック』をはじめ、『READYMADE』『NEXUSVII.』などアパレルブランドとコラボしたTシャツやパーカなど限定品も多数販売される。おおとも・かつひろ1954年生まれ。漫画家、映画監督。代表作『童夢』ほか多数。映画『AKIRA』では国内外で高い評価を獲得した。かわむら・こうすけ1979年生まれ。グラフィックデザイナー、コラージュアーティスト、アートディレクターとして広告や装丁も手掛ける。『AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION』PARCO MUSEUM TOKYO東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷パルコ 4F11月22日(金)~12月16日(月)10時~21時(入場は閉場の30分前まで)GALLERY X(B1)11月22日(金)~12月8日(日)11時~21時(両会場とも最終日は18時閉場)一般1000円ほか。※『anan』2019年11月27日号より。文・山田貴美子©MASH・ROOM/KODANSHA©Kosuke Kawamura©AKIRA ART OF WALL EXHIBITION(by anan編集部)
2019年11月21日