2011年から2018年まで週刊ヤングジャンプで長期連載されたダークファンタジー『東京喰種トーキョーグール』シリーズで、鮮烈なデビューを飾った漫画家・石田スイ。人の姿をしながら人肉を喰うことで生きる「喰種(グール)」が蔓延する現代の東京を舞台に、互いの種の存続をかけた戦いを通して、生や正義とは何かを問いかけた本シリーズ。全世界累計発行部数が4700万部を超える世界的な人気作だ。映像や音楽と一体となった空間で、石田スイの制作過程を追体験。©Sui Ishida/SHUEISHAそんな石田氏初の大規模展覧会「石田スイ展[東京喰種(トーキョーグール)▶JACKJEANNE]」が始まった。テーマは、“石田スイの世界を追体験、~ゼロから作品が生まれるまで~”。会場では『東京喰種トーキョーグール』シリーズに加え、今年3月に発売されるNintendo Switch用新作ゲーム『ジャックジャンヌ』の2作品に焦点を当て、石田作品の制作過程を、多数のイラストや資料を通して紹介。さらに初期作品であるアナログ原稿やネームも初めて公開される。注目は石田氏が原作、キャラクターデザイン、シナリオを務めた初めてのゲーム『ジャックジャンヌ』。これは男性が男女両役を演じる「ユニヴェール歌劇学校」で、女性であることを隠して入学した主人公・立花希佐が、仲間たちとの絆を深め、時に競い合い、主役になることを目指す少年歌劇シミュレーションゲームだ。ゲーム内の立ち絵やイベントイラストは全て石田氏の描きおろし。ストーリーは小説20冊分を超える大ボリューム、しかもメインシナリオはフルボイスで、豪華仕様だと前評判も高い。そんなファン待望作品のキャラクター設定や楽曲等の制作過程を各分野のクリエイターたちによるコメントとともに紹介することで、石田氏の作品創作の過程を辿ることができるのも魅力の一つだ。会場に一歩足を踏み入れると、まずはイントロダクションとして17台のモニターにより『東京喰種トーキョーグール』の世界感を表現したビデオコラージュ映像が目に飛び込む。ここで用いられている楽曲はTVアニメ主題歌「unravel」をヨルシカのn-buna(ナブナ)氏がリミックスした新バージョン。ワクワク感をさらに盛り上げる。音楽と展示作品、そして造形までもが融合した会場では、文字通り石田氏の世界を追体験できるような趣向があちこちに。石田ファンならずとも見逃せない内容だ。石田スイ展[東京喰種▶JACKJEANNE]池袋・サンシャインシティ 展示ホールA東京都豊島区東池袋3-1-3開催中~3月7日(日)13時~20時(土・日・祝日10時~。入館は閉館の30分前まで)全日日時指定制ローソンチケットで発売中。一般2000円ほか。TEL:03・3535・7815※『anan』2021年2月17日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2021年02月16日ユニクロや楽天グループ、セブン-イレブン・ジャパンなどのデザインを手掛け、今や日本を代表するクリエイティブディレクターとなった佐藤可士和さん。そんな彼が自身初、国立新美術館での個展「佐藤可士和展」を開催する。佐藤可士和の美意識の神髄に迫る展覧会。「国立新美術館からオファーをいただいたのがきっかけです。デザインの展覧会を国立の美術館でやることはたいへん意義深いですし、なんといっても2007年の開館時に僕がシンボルマークをデザインした非常に思い入れのある美術館で大規模な個展ができて、とても嬉しいです」今回は過去の膨大な作品の中から約50のプロジェクトを厳選。その多くは、デザインの力でなんらかの新しい挑戦を試みているものだ。「僕が小学5年生の時に描いた『宇宙』という作品から展覧会が始まります。そこから最新のアートワークまで、ほぼ時系列に僕の歩んできた道が辿れる趣向に。プロジェクトの規模はどんどん大きくなっていますが、子供の頃から大切にしていることはあまり変わっておらず、本展で僕の美意識の根底に流れるものも感じていただければ幸いです」特に今回は自身で手掛けたという空間演出も見どころのひとつ。例えば「THE LOGO」のコーナーには、キャンバスに3.5mもあるユニクロのロゴや、実際のタオルで織られている今治タオルのロゴなど、そのブランドの特性を表現する素材でロゴをオブジェ化。20m角の大空間の中に並ぶ巨大なロゴは、ロゴの存在感や重要性を改めて感じられるインスタレーションに。また「UNLIMITED SPACE」は、楽天のテクノロジーをテーマに、佐藤さんと楽天デザインラボ、楽天技術研究所とが共同で作り上げたインタラクティブ作品。展示空間に足を踏み入れると、その動きに反応して楽天で検索されている単語が続々と投影され、一人ひとりの人型を形成するというもの。私たちの体の動きと楽天のデータ世界が可視化される空間演出など、様々なメディアを駆使した空間にはサプライズが満載だ。また今回は、和紙に描かれた岩絵の具のドローイングなど、画才を感じさせる新作も披露される。「デザインとはソリューション。社会の中の問題を一つひとつ解決するプロセスこそがデザインの正体」と言う佐藤さん。彼が30年にわたり、様々な仕事で考えてきた問題解決の方法を、本展ではエンターテインメントの要素も交えて、惜しみなく紹介している。1.「日清食品関西工場」トータルプロデュース2019年滋賀県にオープンした日清食品の工場は、建物を見ただけでそれとわかる象徴的なデザイン。2.グローバル旗艦店「ユニクロ ソーホー ニューヨーク店」屋外広告(工事中店舗の仮囲い)2006年NYにある『ユニクロ』旗艦店。カタカナを使用したスクエアなロゴやシンプルな建物はもはや世界のブランドとして浸透。3.「宇宙」1975年色紙のコラージュ38×53.5cm佐藤氏が小学生の時に描いた作品も本邦初公開。すでに才能の片鱗が!国立新美術館東京都港区六本木7-22-2開催中~5月10日(月)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)火曜(2/23、5/4は開館)、2/24休全日日時指定制一般1700円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)さとう・かしわ1965年、東京都生まれ。博報堂を経て2000年「SAMURAI」設立。最新著書『佐藤可士和の対話ノート』(誠文堂新光社)発売中。※『anan』2021年2月17日号より。取材、文・山田貴美子(by anan編集部)
2021年02月14日3月27日(土)~5月23日(日)の期間、東京藝術大学大学美術館にて「渡辺省亭 ―欧米を魅了した花鳥画―」が開催される。本展は、明治から大正にかけて活躍した渡辺省亭の全貌を明らかにするはじめての展覧会。嘉永4年に江戸神田佐久間町に生まれた渡辺は16歳で歴史画家・菊池容斎に入門。明治11年パリ万博への出品をきっかけに、日本画家として初めて渡仏し、ドガをはじめ印象派の画家たちと交流した。渡辺の描いた繊細で洒脱な花鳥画は海外で高い評価を得るも、日本では明治30年代以降は美術展覧会や美術団体と距離を置き、弟子も取らずに市井の画家であることを貫いたという。本展では、そんな渡辺の海外からの里帰り作品を含め、これまで知られていなかった個人コレクションを中心に全画業を紹介。渡辺が得意とする生き生きとした動物画や、鮮やかで洗練された四季折々の植物画だけではなく、後代の鏑木清方らにも影響を与えた花鳥画に劣らない独特の品格を持つ美人画も展示する。本展は事前予約制ではないが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、混雑状況により入場に時間がかかる場合あり。前売券は2月10日(水)10時より発売される。渡辺省亭-欧米を魅了した花鳥画-会期:2021年3月27日(土)~5月23日(日)休館日:月曜日※ただし、5月3日(月・祝)は開館開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)会場:東京藝術大学大学美術館(台東区・上野公園)巡回愛知展:岡崎市美術博物館2021年5月29日(土)~7月11日(日)予定静岡展:佐野美術館2021年7月17日(土)~8月29日(日)
2021年02月10日「名画の謎」「怖い絵」シリーズなどで知られる中野京子さんに“官能”をテーマに、2点の絵画を選んでいただきました。描かれる者の美しさのみならず、背景にある物語を知ることで、ますますその色香に魅せられ、目が離せなくなってしまうはず。2つの名画から浮かび上がる、官能表現の普遍性。人間が甘味を好むのは、それがエネルギー源であることを体が知っており、快を感じるようにプログラムされているからだという。では美しい人を好む理由は?それは自分の子孫を残したいため、との説がある。つまり男女問わず美しい人というのは――時代や文化によって美の基準が異なるとはいえ――概ね、若くて肌がなめらかで目鼻のパーツが整い、肉体に瑕疵がない。言いかえれば、そのような相手との間に生まれる子は健康で生き延びる確率が高く、自分のDNAを末永く伝えてくれる可能性がある。だから多くの人は無意識に美しい人に惹かれ、また美しい人を見ることに快を覚えるのだそうだ。かなり説得力のある説と思われる。絵画に美男美女があふれているのも無理からぬことだろう。さらには、画面に描かれたそれら美男美女が、単に外見が美しいだけでなく、セクシュアルな魅力にあふれているのも当然ということになる。たとえ絵の中であれ、描く方も観る方も美によって官能を刺激されることが「快」となる。さて、そうなると画中の美しい人は笑ってはなるまい。微笑みを浮かべて誘うことはあっても、ほがらかな笑いは官能とは相性が悪い。なぜなら(ごく一般的な例で言うのだが)真剣な性の営みのさなかに笑いだされて平気な者はおるまいから。十九世紀フランスの新古典派ジャン・ブロック作「ヒュアキントスの死」を見よう。ギリシャ神話におけるヒヤシンス(=ヒュアキントス)の花の誕生譚でもあるこの物語は――太陽神アポロンがスパルタ王の息子ヒュアキントスを愛し、片時もそばから離さなかった。ある日、いつものように野原で円盤投げをしていると、二人の仲を嫉妬した西風ゼフュロスが円盤を急旋回させ、ヒュアキントスの頭にぶつけた。嘆くアポロンの腕の中でヒュアキントスは息絶え、彼の血で染まった大地からは赤いヒヤシンスの花が咲いた……。ブロックは画面のすみずみにまで、抜かりなく小道具をちりばめている。黄昏時の野原。西からの風にひるがえる赤いスカーフ。アポロンは彼のアトリビュート(その人物をあらわす持ち物)たる矢筒を背に負い、死にゆくヒュアキントスを愛しげに抱きしめる。足元には血のにじんだ円盤とヒヤシンスの花。二人の肉体は少年から青年への移行期にある、まだ男女の性差定かならぬ繊細な美しさと、けぶるような柔らかさに輝いており、ボーイズラブのお手本のごとき完璧さだ。何よりヒュアキントスの表情、それは愛に包まれて死へ向かうというよりむしろ、性愛における没我状態と見紛うばかりだ。もちろん画家はそれを意図している。観る者にそれを喚起させようとしている。一瞬の自己崩壊たる性の恍惚は限りなく死に近いことを、観る者にありありとイメージさせようとしている。そしてもちろんそれに成功している。もう少し控えめな官能表現もある。イギリスのラファエロ前派に属するダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの「ベアタ・ベアトリクス」。名前からわかるように、ロセッティはダンテ研究家の父からこの名を与えられ、自らをダンテに、自分の妻リジーをダンテの永遠の恋人たるベアトリーチェに投影してこの作品を描いた。リジーは病弱で痛み止めに服用していたアヘンチンキ中毒となり、摂取過剰で若くして死んでいる。これは死後に制作されたもの。リジーの手に赤い鳥がケシ(=ポピー)を運ぶ。アヘンのもととなるこの花のシンボルは夢と死だ。独特な魅力を放つリジーの顔。だがその表情はヒュアキントスとよく似ている。顎をあげ、目を閉じ、かすかに口を開け、恍惚に身をまかす。ヌードでなくとも十分エロティックだ。こうした官能表現は世界共通だからこそ、絵ばかりでなく映像にも使われ続けているのだ。ジャン・ブロック作「ヒュアキントスの死」作者は、ルネサンス期の写実的な表現を追求した「新古典派」の画家、ジャン・ブロック(1771~1850年)。代表作といわれる本作は1801年に発表。フランス西部ポワティエ州のサントクロワ美術館に所蔵。提供:ALBUM/アフロPOINT1:性愛の没我状態を彷彿させる表情POINT2:柔らかく輝く二人の肉体ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作「ベアタ・ベアトリクス」ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828~’82年)はロンドンのイタリア系の家族に生まれる。本作は1864~’70年の間に発表(モデルとなった妻リジーの死後)。イギリス・ロンドンのテート・ギャラリー所蔵。提供:akg‐images/アフロPOINT1:恍惚に身をまかせた表情POINT2:ケシ(=ポピー)の花は夢と死を象徴中野京子さん北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。西洋の歴史や芸術に造詣が深く、「名画の謎」シリーズ(文藝春秋)、「怖い絵」シリーズ(角川文庫)ほか、多数の書籍の執筆、新聞や雑誌での解説を手掛ける。近著に『運命の絵 なぜ、ままならない』(文藝春秋)が。※『anan』2021年2月10日号より。(by anan編集部)
2021年02月06日銀座の能楽堂で開かれた『狂宴御芸~狂言お笑い共宴~』にミルクボーイや中川家、ミキが登場!さらに落語界のレジェンド桂文珍師匠とイケメン狂言師の野村太一郎さんも共演。異色で超ゴージャスな舞台の様子をレポートします!お笑いと狂言がコラボ!1月30日に開催された吉本興業の公演『狂宴御芸~狂言お笑い共宴~』では、狂言、落語、漫才というジャンルを越えた3つの話芸が集結。会場はGINZA SIXの二十五世観世左近記念観世能楽堂です。出演者も超豪華。お笑い界からは落語家の桂文珍師匠をはじめ、中川家、ミルクボーイ、ミキ、そして狂言界からは野村太一郎さん、高野和憲さん、岡聡史さん、内藤連さん、野村裕基さんが出演されます。しかも、オープニングや随所で京都フィルハーモニー室内合奏団の演奏まで入ります!今回の公演は、吉本興業が狂言師 野村太一郎さんのサポートを行うことになった記念に開かれたお披露目イベント。650年の歴史をもつ日本最古の伝統芸能である狂言と現代のお笑いがどんなふうにコラボするのか、楽しみです!ミルクボーイが興奮…!トップバッターは、M-1第15代王者のミルクボーイ。まず登場シーンからおもしろいです。能舞台特有の長い廊下(橋がかり)をパタパタと歩き、中央の本舞台までやってきます。普段のステージとは違う現れ方で、しかも白足袋姿。お二人とも最初からテンションが上がり、ネタ前のトークから会場の笑いをとっています。披露されたのは、人気の湿布ネタ。たくさん笑わせてもらいました!二番手は上方漫才協会大賞で大賞をとったミキ。彼らも能楽堂の舞台に興奮している様子。舞台背景に描かれている松などをネタに混ぜながら、スピード感のあるトークと誕生日プレゼントのネタで会場が大いに盛り上がりました。漫才界のラストを飾るのはM-1初代王者の中川家。さすがベテラン、能楽堂でも堂々と落ち着いた振る舞いをされています。時事的なトークから、お笑い界のちょっと記事化しづらい裏話、食レポのネタなど笑いのツボを何度も押されました。狂言界のプリンス登場!続いての演目は、狂言『佐渡狐』。主役を演じるのは、野村太一郎さんです!彼は、加賀藩前田家のお抱えだった名門、野村万蔵家の直系長男として生まれた正真正銘のプリンス。とても品格のあるイケメンさんです。『佐渡狐』とは、佐渡と越後の百姓が、「佐渡に狐はいるか」をめぐって口論となり、帯刀を賭けて争うというストーリー。実際、佐渡に狐はおらず、本物の狐を見たことがない佐渡の百姓が、奏者(役人)に賄賂を渡して味方につけながら、越後の百姓とやりとりする場面などが楽しい見どころです。漫才のあとに狂言を見る体験ははじめてでしたが、なかなかおもしろいです。能と狂言をセットで見るときには、ちょっとかしこまって伝統芸能を見せていただく、という気分になりますが、漫才を見てリラックスした状態から狂言に入ると、今まで気づかなかった細やかな芸の楽しさも発見できました。続いて、桂文珍師匠が落語『商社殺油地獄』を披露。中東で働く日本人商社マンが国王に天才バカボンの狂言を見せる、という演目です。大御所の熟練話芸で再び大笑いしたあと、最後に野村太一郎さんの狂言『蝸牛』で終了となりました。文珍師匠「吉本はウエルカム」公演後、桂文珍師匠と野村太一郎さんの取材会が行われました。吉本興業のサポートについて、野村さんは「日本の伝統文化がさらなるエンタメとして展開していくことを期待し、狂言が新しいお客さまにも既存のお客さまにも楽しめる芸能としてさらに確立していくよう精進したい」と抱負を語りました。文珍師匠は「古典はよくできたものが残っているが、同じ時代を生きる人におもしろいと思ってもらえるのも大切。新作をつくりつつ古典を継承していくスタンスを若い人にやってほしい」とアドバイス。さらに「あらゆる世界に向かって吉本の扉は開いていますからウエルカムです。出ていく者もあります(笑)」と締めて、取材会が終了しました。オンライン視聴もできます!今回の公演『狂宴御芸~狂言お笑い共宴~』はオンラインでも視聴できます。購入期限は2月6日(土)10:00まで。お笑いと伝統芸能の狂言を一緒に楽しむことができるまたとないチャンスです。ぜひご覧になってみてください。以上、『狂宴御芸~狂言お笑い共宴~』観劇レポートでした!©吉本興業
2021年02月02日株式会社龍村美術織物(本社:京都府京都市右京区、代表取締役:龍村育)は、2021年1月より、内装・装飾品として「アートパネル」を開発致しました。商品の詳細はこちら龍村美術織物では、これまで様々な織物の研究と復元を行い、それを基盤とした「美術織物」という新しい分野を確立して、世に多くの織物を発信して参りました。蓄積されたデザイン性と、それを表現する伝統的な技術に裏打ちされた多くの製品は、さまざまなシーンでご利用いただいております。この度、龍村美術織物の織物製品が生み出す上質な空間を味わって頂く為の製品の一つとして、「アートパネル」を発表致しました。ホテルのロビーや客室、オフィスの応接間、個人邸宅のリビングなど、場所、シーンに応じて、サイズや色柄をカスタマイズできますので、快適な空間づくりに役立つアイテムとなっています。龍村の織物をより多くの方に楽しんで頂けるよう、新しい織物装飾をご提案致します。龍村美術織物が発信する新たな織物の“かたち”をぜひご覧下さい。■〈龍村美術織物〉生地使用装飾「アートパネル」概要パネル表面使用生地:龍村美術織物製絹生地等サイズ:応相談製作ロット:1作品から応相談■【会社概要】社名:株式会社龍村美術織物所在地:京都市右京区西院平町25ライフプラザ西大路四条2階設立年月日:昭和53年(1978年)2月23日代表取締役:龍村育業務内容:美術織物の製造および販売各種緞帳・懸装品の企画・デザイン、製造および販売和装雑貨などのインターネット販売株式会社 龍村美術織物 HPへ企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2021年01月31日1990年代に『週刊少年ジャンプ』で連載され、累計発行部数は7200万部超え。アニメ化、実写映画化もされた大ヒット漫画『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』。時代の変化に苦しみつつも自分の信念を貫き、幸せとは何かを模索する主人公・緋村剣心。その生き方や本作に描かれる普遍的なテーマが、価値観の大きく変わる現代にも通じる人生の指針になるはずだと、満を持して「25周年記念 るろうに剣心展」が開催される。描きおろしの原画に加え、無鑑査刀匠が作った逆刃刀も登場。かつてない規模の直筆原稿やカラー原画を展示するほか、現在連載中の続編「北海道編」や、メディアミックス展開がなされた作品も紹介。特筆すべきは、本展に合わせ作者・和月伸宏氏が特別に描きおろした二枚一対の《剣闘図》。剣心と宿敵・志々雄真実の闘いを、作者ならではの躍動感あふれる筆致で描いた直筆原画となる。この作品にふさわしく、場内は燃え盛る炎をイメージした演出に。さらに後期には、岐阜県・関の無鑑査刀匠・尾川兼國氏が作品を元に作り上げた、実物の刀剣「逆刃刀・真打」も登場する。「逆刃刀・真打」 所蔵・写真提供:博物館明治村(後期から展示予定)「25周年記念 るろうに剣心展」東京ドームシティGallery AaMo東京都文京区後楽1-3-611月22日(金)~3月7日(日)(前期~2/10、後期2/11~。一部展示入れ替えあり)11時~19時(土・日・祝日と1/22は10時~。入場は18時半まで)会期中無休一般1600円ほか※完全日時指定制ローソンチケットのみでの販売。東京ドームシティ わくわくダイヤル TEL:03・5800・9999「25周年記念 るろうに剣心展」キービジュアル ©和月伸宏/集英社※『anan』2021年1月27日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2021年01月26日仲睦まじく肩を並べる、がまくんとかえるくんのコンビ。作者・アーノルド・ローベルの名前には馴染みがなくても、小学校の教科書や読書の時間などを通して彼らの姿を目にしてきた人は多いのでは。シリーズ最初の本が出版されてから半世紀。長い時を超えて、今なお世界中で愛され続ける本作の誕生50周年を記念する展覧会「『がまくんとかえるくん』誕生50周年記念アーノルド・ローベル展」が開催される。大切な人を思い出す、優しさとユーモア溢れる作品たち。一番の見どころは、日本初公開となる「がまくんとかえるくん」の原画やスケッチ約100点。描いて、悩んで、また描いて…と繰り返していたローベルの人物像やキャラクターの変化など、じっくり見ると様々な発見があるはず。また、ワニやブタなど愛らしい生き物が登場する名作原画も多数展示される。他にも、『つみきのいえ』などで知られるアニメーション作家・加藤久仁生氏が絵本をもとに、がまくんとかえるくんのゆるやかな日々を描いた『一日一年』も特別上映。時間にして数分の映像作品なので、見逃さずにチェックして。「友達や家族など、いろんな人との結びつきに思いを馳せることができるローベルの作品を、ぜひじっくり味わってほしいです」(PLAY!プロデューサー・草刈大介さん)会場では展覧会図録やグッズも販売。子どもも大人も関係なく、すべての人が楽しめるローべルの優しくて温かい作品世界を、あなたも体感してみてはいかが。『ふたりはきょうも』(1979)表紙下絵 Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. ©1979 Arnold Lobel. Used by permission of HarperCollins Publishers.『ふたりはともだち』(1970)「すいえい」原画(墨版)Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. ©1970 Arnold Lobel. Used by permission of HarperCollins Publishers.アーノルド・ローベル Courtesy of the Estate of Arnold Lobel. ©The Estate of Arnold Lobel.PLAY! MUSEUM東京都立川市緑町3-1GREEN SPRINGS W3開催中~3月28 日(日)10時~18時(入場は17時半まで)3/7休一般1500円ほかTEL:042・518・9625※『anan』2021年1月20日号より。(by anan編集部)
2021年01月18日渋い柄をセンスよく着こなす若衆、花模様をまとった侠客、奇抜な衣装の歌舞伎役者。浮世絵に描かれた江戸っ子たちの、お洒落心と遊び心でいっぱいの姿が印象的だ。「浮世絵というと風景画や美人画が有名ですが、現代の雑誌や写真集と同じように、かっこいい役者や有名人を目当てに女性がこぞって買い求めた一面もありました」と学芸員の赤木美智さん。「和装男子―江戸の粋と色気」では浮世絵に描かれたメンズファッションに注目、当時の憧れの男性像に迫る。橋の上で行き交う若い男女を描いた「橋上の行会」では、お洒落な若衆に町娘たちが熱視線。そのファッションは紫の縦縞の羽織に黒の縦縞の小袖、つまりストライプ×ストライプという難易度の高いコーディネートだ。また、「最後の浮世絵師」といわれる月岡芳年が描くのは、実在した江戸時代初期の侠客。奇抜な花模様が映える黒地の生地は、見る角度によって市松模様が浮かび上がる、版画ならではの技法に注目したい。そのほか七代目市川團十郎が舞台で用いて大流行したかまわぬ文様など現代に伝わるものも。「度々、奢侈禁止令が出される中、装うことへの情熱を密かに楽しんでいた江戸っ子の心意気をぜひ感じてみてください」一. 重ね着上手のお洒落上級生。勝川春潮「橋上の行会」二. 浮かび上がる市松模様が粋。月岡芳年「月百姿名月や来て見よがしのひたい際深見自休」三. かまわぬ文様、大流行。豊原国周「三十六花艸の内風車草御所の五郎蔵市川小団治」『和装男子-江戸の粋と色気』太田記念美術館東京都渋谷区神宮前1-10-10開催中~1月28日(木)10時半~17時半(入館は~17時)月曜(1/11は開館)、1/12休一般800円TEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)※『anan』2021年1月13日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2021年01月07日渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで『ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代』が開催中です。20世紀後半のフランスで活躍した画家の都内では10年ぶりとなる本展では、初期から晩年までの作品が集結。ナイーブな天才画家ビュフェの凄絶な人生とアートをご紹介!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 193『ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代』では、フランスの画家ベルナール・ビュフェ(1928‐1999)の油彩画を中心とした絵画作品約80点を紹介。展示されている作品は、すべて静岡県にあるベルナール・ビュフェ美術館のコレクションです。黒い線と暗いトーンで描かれたビュフェの具象画は、第二次世界大戦後の不安な時代の空気と共鳴し、フランスだけでなく世界の人々の心をつかみました。現在もコロナ禍で世の中が不安定になっていることから、彼の絵はまさに今の時代の空気にもあてはまり、鑑賞者の心に響きます。ナイーブなイケメン!ベルナール・ビュフェとは、どんな画家だったのでしょう。会場に写真が展示されていますが、かなりイケメンです。1928年にパリで生まれた彼は、ナチス・ドイツの占領下で名門エコール・デ・ボザール(国立高等美術学校)に通い、20歳で若手画家の登竜門といわれる「批評家賞」を受賞。その後、世界各地で個展が開かれます。ナイーブで非社交的だったビュフェは、当時パートナーだったピエール・ベルジェにマネージャー的な仕事をしてもらい、自身は絵画制作に専念。南仏プロヴァンスに滞在して、著名な小説家ジャン・ジオノや詩人ジャン・コクトーとも親交を深めていきます。ベルジェのサポートでビュフェは活躍の幅を広げていきましたが、1958年、彼と別れてファッションモデルで歌手のアナベルと結婚します。会場では、美しいアナベルをモデルにした作品も見ることができます。いっぽうベルジェは、若きデザイナーのイヴ・サン=ローランのパートナーとなり、ファッション界で活躍しました。上記画像は、ビュフェを取り巻く人々の相関図。『悲しみよこんにちは』で知られる小説家フランソワーズ・サガンとも交流がありました。必見!ピエロの絵20世紀半ば以降、美術界ではジャクソン・ポロックなどの抽象絵画が主流となっていきますが、ビュフェは人物や動物、建物などの具象画を描きつづけます。さらに1960年代に入ると、初期の地味な色調ではなく鮮やかな色を使った作品も増えていきます。そのなかのひとつ、展覧会のメインビジュアルにも使われている作品が《ピエロの顔》。真っ赤な背景に、シルクハットを被った男が描かれています。ベルナール・ビュフェ美術館の学芸員 雨宮千嘉さんによると、この絵は「画家自らピエロのメイクをして、自分の心を投影させて描いた」とのこと。楽しい道化師であるピエロのイメージとはほど遠く、見ていると少し不安になる絵です。雨宮さんの話では、この絵を見るために美術館を何度も訪れるファンもいるそうです。絵画は私の命…1973年に静岡のベルナール・ビュフェ美術館が開館し、1993年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章を授与されるなど、経歴を見ると画家として幸せな人生を送っていたように思えますが、ビュフェは制作の苦悩を抱えていたようです。さらに、晩年になるとパーキンソン病を発症。絵筆をとることができなくなり、1999年、自ら死を選びました。最終章の解説には、「絵画は私の命です。これを取り上げられてしまったら生きていけないでしょう」という画家の重い言葉が記されています。展覧会は1月24日まで開催。お出かけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください。取材、文・田代わこInformation会期: ~2021/1/24(日)※1/16(土)・17(日)・23(土)・24(日)の4日間に限り【オンラインによる入場日時予約】が必要(当日予約枠に余裕がある場合、予約なしで入場可能)開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)会場:Bunkamuraザ・ミュージアム観覧料:一般¥1,600、高校・大学生:¥1,000、小・中学生:¥700※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2021年01月07日みんな大好きな『スイミー』の作者、レオ・レオーニの作品を集めた展覧会が、板橋区立美術館で開かれています。『あおくんときいろちゃん』や『アレクサンダとぜんまいねずみ』など、絵本作家のイメージが強いレオーニですが、実は油彩画や彫刻などのアート作品、さらに強烈な風刺画も生み出していました。彼の激動の人生とともに作品をご紹介します!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 192『だれも知らないレオ・レオーニ展』では、おなじみの絵本原画だけでなく、大きな油彩画や彫刻、政治風刺イラスト、広告ポスターなど幅広い作品群が集結。制作スケッチなども合わせて200点以上の展示品があります。会場になっている板橋区立美術館はレオ・レオーニと深い縁があり、1996年に日本ではじめて彼の展覧会が開かれたのもこちらの美術館。しかも、今後レオーニの遺族から多数の作品が寄贈される予定になっています。今回の展覧会では、その寄贈予定作品も見ることができます。アメリカに亡命…1910年、アムステルダムにあるユダヤ系の家に生まれたレオーニは、幼いころから芸術に触れる環境で育ち、イタリアの大学に通いながら作品展に出品したり、デザインの仕事を手がけたりしていました。1931年に結婚、その後ミラノでデザイン会社を立ち上げます。会場には、1930年代に手がけた羊毛製造会社のポスターや、毛糸商品のラベルなども展示。グラフィックデザイナーとしての意外な一面を知ることができます。第二次世界大戦が近づくと、イタリアでも反ユダヤ主義的な人種法が制定され、レオーニは家族とともにアメリカへ亡命します。ニューヨークで活躍!戦後になると、ニューヨークを中心に広告デザイナーやビジネス雑誌のアートディレクターとして活躍します。そのころの作品で特に目を引くのが、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の開館25周年記念ポスター。(上記写真の壁中央部にかかっている横長のポスターです。)ローマ数字で表された「25」のデザインと、原色系の色彩の組み合わせがとてもステキです。衝撃の風刺画華やかなデザインの仕事をするいっぽう、レオーニは政治風刺のイラストや水彩画も描いていました。大きな手がヒトラーを握りつぶしているような風刺画や、人種問題をテーマにした絵など、鋭い批判が込められた作品もあります。展覧会の図録『だれも知らないレオ・レオーニ』(玄光社)によると、政治風刺画は近年の調査で発見されたとのこと。今回初公開となった作品も多いようです。特にヒトラーのイラストはおぞましさが伝わり、衝撃的でした。スイミー誕生!1959年、レオーニははじめての絵本『あおくんときいろちゃん』を出版します。1961年にアメリカからイタリアに帰国すると、広告デザインの世界から絵本や油彩画、彫刻などの制作へと移行し、1963年、あの『スイミー』が誕生します。会場ではレオーニが描いたスイミー原画も展示されていますが、実は実際に絵本で使われた原画とは違うバージョンのもの。原画は現在、行方不明になっているそうです。ゾクゾクする…!平行植物最後にご紹介するのが「平行植物」のシリーズ。1970年代からレオーニが取り組んでいる幻想的な植物の作品です。油彩や鉛筆画、ブロンズ彫刻などで表現された植物たちは、生き物のようにも見えてちょっと不気味。作品に囲まれていると異世界にいるような気分になり、ゾクゾクします。デザインからアートワークまで、幅広い作品を生み出したレオーニは、1999年、イタリアのトスカーナで亡くなりました。享年89歳。限定品も…!作品を見終わったら、ぜひミュージアムショップへ。Tシャツやポーチ、バッグ、マグカップなど、多彩なグッズがそろっています。レオーニと縁の深い板橋区立美術館ならではの限定商品もあり、思わず大人買いしてしまう人も多いとか。絵本もあるので、贈り物にも使えそうです。展覧会は1月11日まで開催。入場はオンラインでの日時予約が必要です。最新情報など美術館の公式サイトをご確認してからお出かけください。文・田代わこInformation会期: ~2021年1月11日(月・祝)休館日:月曜日・年末年始(12月28日~1月4日)(ただし、1月11日は祝日のため開館)開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)会場:板橋区立美術館観覧料:一般¥650、高校・大学生¥450、小・中学生¥200*土曜日は小中高校生は無料で観覧できます*65歳以上・障がい者割引あり(要証明書)
2021年01月04日2020年ナンバー1の胸キュン韓国ドラマ『愛の不時着』が展示会として日本に上陸!年明けの1月8日から東京・渋谷で、さらに大阪・福岡・名古屋で『愛の不時着』展が順次開催されます。名シーンの再現や小道具の展示など、あのラブストーリーを全身で体感できるドキドキのイベントをご紹介!『愛の不時着』に再会!【女子的アートナビ】vol. 191『愛の不時着』は動画配信サービス『Netflix』で2020年2月から配信され、空前の大ヒットとなった韓国ドラマ。韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)がパラグライダー事故で北朝鮮に不時着し、北朝鮮の将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と出会って恋に落ちる、サスペンスタッチのラブストーリーです。初回からスリリングな場面が多く、中毒性の高いドラマにハマる女子が続出。クールなのに恋愛には純朴なジョンヒョクがとにかくステキで、韓国ドラマならではのロマンティックなシーンも魅力的です。SNSでは“愛の不時着ロス”や“ヒョンビン・ロス”も話題となりました。そんなロスの方にぜひ訪れてほしいのが、『愛の不時着』展。会場では、ふたりの出会いから再会までの名シーンが再現されます。パラグライダーが登場!ドラマと同じように展示会もパラグライダーのシーンからスタート。なんと、本物の木の枝にセリが実際に使ったパラグライダーが展示されます。心憎い演出ですね~。また、ジョンヒョクの家のリビングや別れの国境などのセットも登場。お気に入りの場面をいろいろ思い出しながら、映像の世界をリアルに体験できます。衣装展示も見逃せません。パラグライダーのシーンでセリが着用していた衣装や、ジョンヒョクの軍服なども日本初公開。実際に使われていた衣装なんて、想像するだけで興奮しちゃいます!自転車もピアノも!名シーンの小道具も多数登場。ロマンティックな夜のデートで2人乗りした「自転車」や、ジョンヒョクが弾いた「ピアノ」も展示。さらにフォトスポットでは、スイスでふたりが再会したシーンが再現されています。あの場面で写真が撮れるなんて、感涙ものです!写真や映像も惜しみなく公開されます。本編映像はもちろん、約250点の未公開カットを含む450点超のカットが登場。ドラマを何度もループして見たというツワモノさんでも満足できる、充実した展示内容です。グッズもすごい!『愛の不時着』展にはオリジナルグッズも多数用意されています。定番のクリアファイルやマグカップ、Tシャツのほかに、マスクやマスクケースなども販売。個人的に気になるのは、「ゆらゆらアクリルスタンド」¥1,000(税込)。パソコンの隣にジョンヒョクを置いて、仕事の合間につんつんしたいです。また、クレーンゲームもおもしろそうです。1プレイ¥500(税込)で、オリジナル缶バッチやスマホグリップなどがゲットできるかもしれません。展示会は1月8日から開催。東京会場のjingでは1時間ごとの時間指定入場となっています。詳しくは公式サイトでご確認ください。Information「愛の不時着」展【東京 jing】会期:2020年1月8日~2020年2月27日開館時間:10:00~22:00(最終入場21:30)※1時間ごとの時間指定入場会場:東京 jing観覧料:¥1,800※未就学児無料©CultureDepot. ©STUDIO DRAGON CORP.
2020年12月25日1991年生まれのアーティスト宮川慶子さんの個展「宮川慶子展―生命は自分自身だけでは完結できないようになっているらしい―」が開催される。移ろう陽光の中で味わう、作家の優しい作品世界。宮川さんは東京造形大学を卒業後、奈良美智氏による若手作家選抜プロジェクト「PHASE 2014」に選出。2014年に青森県立美術館で個展を開催した。‘16年には同大学院を修了、現在までジャンルに縛られることなく精力的に活動を続けている。本展では、展示の中心である立体作品との繋がりが感じられるような詩作も展示される予定だ。舞台となるテーマホールは、湘南の光が燦々と降り注ぎ、時間とともに様相が変化する大空間。「メインとなる鹿の剥製を用いた作品も、すでに命はないながら身体から耳のような芽が新たに生まれていて、人工の光よりも自然光の中で映える作品だと考えています」(展覧会担当・勝山滋さん)。まさに「場」と作品が纏う空気の調和が感じられるだろう。生とは、死とは。剥製や石塑粘土を素材とした宮川さんの作品は、私たちにそんなことを考えるきっかけを与えてくれるのかもしれない。宮川慶子展―生命は自分自身だけでは完結できないようになっているらしい―宮川慶子《ちっちゃいひと(謎のいきもの)》2018年 個人蔵宮川慶子《わたしがわたしとあなたのためにお祈りしているとき》2014年 photo by Masako Kakizaki 作家蔵宮川慶子《わたしが歩いているあいだに》2014年 photo by Masako Kakizaki 作家蔵平塚市美術館神奈川県平塚市西八幡1-3-3開催中~2021年4月4日(日)9時半~17時月曜(1/11は開館)、年末年始(12/28~1/4)、1/12休観覧無料TEL:0463・35・2111※『anan』2020年12月23日号より。(by anan編集部)
2020年12月19日本誌では、連載ページをはじめ、特集記事でイラストを担当してくれることもある、五月女ケイ子さん。最近はCMなどでも活躍している、まさに売れっ子イラストレーターです。そんな五月女さんが、5年ぶりに個展を開催。タイトルは前回を引き継ぎ、その名も「乙女の逆襲展2」。スタローンの映画のような飛躍力、それを感じさせる展覧会にしたい。「’15年の展覧会の準備期間は40歳になった頃で、人生の岐路に立ってる印象がありました。その中から、自分を変えたい思い、そして“逆襲”という言葉が生まれ、あの展覧会に繋がりました。女でも『崖っぷちだ』って言ってもいいし、『酒飲みたい』って言ってもいいじゃんという気持ちで描いた絵に、いろんな女性から『今の気持ちにフィットしてます』と声をかけてもらい、『あぁ、みんな同じことを考えてたんだな』と、感動したのを覚えています」そして今年はパート2。しかも前回同様、またもや少し、迷いを感じながら準備を始めたそう。「春先からのコロナ禍の中で目標が見えなくなり、私の絵って本当に必要とされているのだろうか…と、悩んでしまう日もありました。その中でたまたまツイッターに上げた絵に、『元気が出ました』という書き込みをたくさんいただいて…。絵そのものが、物理的に何か役に立てるわけではないけれど、見た人が笑ってくれたりすることで、元気を出すことのお手伝いはできるかもしれない。そんな気持ちで、改めて展覧会に向き合うことになりました」前回は自分の殻を破るという“個人個人の逆襲”でした。さて’20年の五月女ケイ子は、何に逆襲を?「世の中の雰囲気も5年前とは大きく変わりましたよね。SNSで自分の意見を言える人が増えた印象がありますし、特に女性が『つらい!』と言えるようになった。例えば“ポテトサラダくらい作れ”論争とかもそう。女の人も男の人も、“当たり前”から少しずつ解放され始めている。そういう意味では、逆襲は結構進んでいる気がします(笑)。だからこそ今、『頑張っていきましょうよ~!』と、みんなに呼びかけたくなった…のかな(笑)。以前の私は“清く正しく美しく”でしたが、今は“清く正しく、たくましく”。私の好きな映画『ロッキー』と『ランボー』は、1は普通の映画だったのに、2になった途端、急に肉体派になるんです。この展覧会も“2”なので、その2作のような、飛躍力のある絵をお見せできたら嬉しいです」「五月女ケイ子 乙女の逆襲展2」ギャラリーハウスMAYA東京都港区北青山2‐10‐26開催中~12月20日(日)11時30分~19時(土・日曜、最終日は17時まで)TEL:03・3402・9849 ©Keiko Sootome 2020そおとめ・けいこイラストレーター。本誌で堀潤さんと「社会のじかん」を連載中。また今年は、カップヌードルやNewマイティアCLスタンダードのCMなどのイラストも手掛け、話題に。※『anan』2020年12月16日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2020年12月12日東京・竹橋の東京国立近代美術館で『眠り展:アートと生きることゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』がはじまりました。芸術家たちの創造を刺激した「眠り」にスポットをあてたユニークな展覧会のプレス内見会を取材。さらに、同時開催中の美しき『男性彫刻』もご紹介!『眠り展』とは?【女子的アートナビ】vol. 189『眠り展:アートと生きることゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』では、「眠り」をテーマにした古今東西33作家による絵画や写真、映像、インスタレーション作品など119点を展示。17世紀のバロック絵画から現代アートまで多彩な作品を見ることができます。そもそもこの展覧会は、全国各地にある国立美術館6館による合同展。幅広いコレクションのなかから作品を厳選し、紹介しています。なせ「眠り」?なぜ美術の展覧会で「眠り」をテーマにしたのでしょうか。企画者の東京国立近代美術館研究員 古舘遼さんによると、「眠りというのは、夢とうつつ(現実)をつなぐ創造の源泉である」とのこと。また、本展の象徴として使われているゴヤの作品《理性の眠りは怪物を生む》について、古舘さんは次のように解説しました。古舘さんこの絵は、眠る芸術家の周りにさまざまな動物が集まり、そのなかのフクロウが、銅版画制作に必要な針を芸術家に手渡すことにより芸術が生まれる、という趣旨の作品。眠りが芸術を生み出す原点、ということを表しています。「眠り」がいっぱい!会場は序章・終章を含む7章で構成されています。まず、シンプルにかわいいのが、幼い甥っ子たちの寝顔を描いたルーベンスの作品《眠る二人の子供》。無防備な表情やぷくぷくした赤い頬が愛らしく、見ていると自然に頬が緩みます。ルーベンスとは対照的にドキッとするのが、塩田千春の映像作品《落ちる砂》。砂ぼこりが立つ息苦しそうな部屋で、女性がベッドに横たわるシーンなどが流れています。窓からの光が不穏な室内を照らし出し、なんともいえない不安な気持ちにさせられます。河口龍夫の《関係―種子、土、水、空気》は、一見すると眠りとは関係なさそうに思えます。黒い鉛の板に埋め込まれたタマネギや麦などの種子が壁一面に掛かり、床に置いてある管には、植物に必要な土や水などが閉じ込められています。これらは「植物の種子を保護する」というメッセージが込められた作品。『目覚めを待つ』と題された第4章で見ることができます。『眠り展:アートと生きること』の会期は2021年2月23日まで。男の裸がいっぱい?!『眠り展』のチケットで入館当日に限り見られる同時開催中の展覧会が2つあります。本記事では、2階のギャラリー4で開催中の『コレクションによる小企画男性彫刻』をご紹介。小さな一室で開かれている企画展ですが、凝ったパンフレットを見るだけで並々ならぬ気合いが感じられます。この小企画では、20世紀はじめから1940年代にかけて日本で制作された男性の彫刻を展示。展示室内は「強い男」「賢い男」「弱い男」の3コーナーに分けられ、荻原守衛、朝倉文夫、平櫛田中など有名彫刻家の作品が並んでいます。「強い男」たちの彫刻は、ほぼ裸体。筋骨隆々の肉体をさらけ出しています。上の画像は、長崎にある「平和祈念像」の制作者として知られる北村西望の《怒涛》。モチーフは、荒波に立ち向かう漁師です。胸板のたくましさに見惚れますが、体と対照的に表情がゆるい感じ。これは口笛を吹いている顔とのこと。近くで見ると、妙にリアリティがあります。聖書や神話の人物をモデルにしている西洋彫刻なら全裸でも違和感ないのですが、一般東洋人のリアルな全裸彫刻は、なにか生々しくて気恥ずかしさも感じます。なぜ裸にするのでしょう?解説によると、明治時代の彫刻家は西洋彫刻を規範に全裸彫刻の日本定着をもくろんだとのこと。ただ、風紀を乱すという理由で検閲にひっかかった時代もあり、男性器を切断させられ、そもそも目立たないようにつくったりしたこともあったそうです。男性彫刻をまとめて見られる機会はめったにありません。ぜひ『眠り展』と合わせて、こちらもご覧ください。Information『眠り展:アートと生きることゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで』会期: ~2021年2月23日(火・祝)休館日:月曜[2021年1月11日(月)は開館]、12月28日(月)~2021年1月1日(金・祝)、2021年1月12日(火)開館時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー観覧料:一般¥ 1,200、大学生:¥600※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示。※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、「コレクションによる小企画男性彫刻」(2F ギャラリー4)も観覧可能。※本記事の写真は、プレス内見会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年12月10日何かとすぐに炎上しがちな昨今において、表現することの不自由さを感じている人も多いのでは?そこで今回ご紹介するオススメ作品は、“20世紀を最も騒がせた写真家”に迫った注目のドキュメンタリーです。それは……。『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』【映画、ときどき私】 vol. 348一流ファッション誌で女性を撮り続け、さまざまな物議を醸してきたファッション・フォトグラファーの世界的巨匠ヘルムート・ニュートン。強烈なインパクトを与える作品は、ときに「ポルノまがい」「女性嫌悪主義」との議論も巻き起こしたが、女優やモデルなど多くの女性たちを魅了した。生誕100年となる2020年。彼にインスピレーションを与えた12人の女性たちの視点から作品や人物像を捉え直したスリリングなドキュメンタリーが完成した。ヘルムートの真実とは……。2004年に自動車事故による不慮の死を遂げたあとも、長く人々の記憶に残り続けているヘルムート・ニュートン。その素顔から撮影の舞台裏までを映し出している本作について、こちらの方に見どころをうかがってきました。ゲロ・フォン・ベーム監督これまでに製作したドキュメンタリーは100本を超えるという“ドキュメンタリーの名手”ベーム監督。今回は、ヘルムート本人と生前交流があった監督に、彼との忘れられないエピソードや表現の自由が奪われつつある現代に訴えたいことなどについて語っていただきました。―まずは、この映画を作ろうと思ったきっかけから教えていただけますか?監督それは、もう一度ヘルムートの作品や彼という人物をいまの時代の人たちに見せることで、いろんなことを考えてほしいと思ったからです。このタイミングになったのは、ちょうど今年で生誕100周年を迎えたからというのがありましたが、これまでドキュメンタリーが作られていなかった20世紀最大の写真家の一人である彼について、知ってほしいというのが最大の理由でした。映画にしようと思ったのは、彼の写真がシネマスコープのサイズで撮られているものが多いから。大きなスクリーンで見せるにはピッタリだと思ったというのもありました。あとは、以前彼とコラボしたときの素材が残っていたので、それを多くの人に見せたいという気持ちも込められています。―この作品を作っている過程で、現在の時代における創作活動の難しさや見直すべき点について考えた部分もあったと思います。いちアーティストとして、いまのこの現状に対して訴えたいことはありますか?監督これはとても興味深くて、重要なテーマだと思います。いまのポリティカル・コレクトネスの風潮は、私たちが60年代から80年代にかけて活躍していたころとはまったく違っているので、もし彼の写真をいま雑誌に掲載したら、おそらくフェミニストたちが抗議するでしょうね。でも、私は芸術の自由は大切にしなければいけないと思うので、これはとても危険な風潮だというふうにも考えています。もしポリティカル・コレクトネスばかりを尊重するのであれば、ボッティチェリやピカソのような作品もそのうち消えてしまうのではないかと危惧しているからです。表現の自由は守られるべきものなので、検閲を行うことは独裁国家の始まりとも言えるかもしれません。それは、気をつけるべきことだと思っています。若い人にはもっと勇気をもって冒険をしてほしい―では、いまのアーティストたちにアドバイスするとしたらどんなことでしょうか?監督ヘルムートの真似をするのではなく、その時代ごとに合った作風を模索しながら、冒険してほしいと思ってます。つまり、挑発的で斬新な作品をもっと探っていってほしい、ということですね。私からすると、特に最近のファッション業界の写真は退屈な方向へと進んでいるように感じるので、若い写真家たちにはもっと勇気を持ってがんばってくださいと伝えたいです。―ヘルムートさんの作品については、ポルノまがいや女性差別と批判する者も多かったと劇中でも触れていますが、紙一重とも思えるアートとわいせつさの差を生んでいるものは何だと思われますか?監督これもまた興味深い問題ですよね。ヘルムートはつねにその境界線を操るように、そして遊ぶように写真を撮っていたように思います。ただ、そのなかでもつねに何かしらのストーリーを伝えようとしていたというのは、大きな違いではないでしょうか。つまり、女性をただの物としてとらえるのではなく、そこにきちんとメッセージがあるのが彼の写真が持っていた特徴でした。とはいえ、当時もそこが伝わらずに「女性蔑視だ」という批判もあがったのも事実です。―監督にとって印象に残っている作品はありますか?監督映画にも出てくる2枚の写真が対になっている作品で、左側にはオートクチュールの服に高い宝石を身に着けた女性たちがいて、右側には同じ女性たちがすべてを脱ぎ捨てて裸でハイヒールを履きながら同じポーズを取っているという写真があります。これは「服がなくても、女性たちは強く見える」ということを言っていますが、そんなふうに彼は写真を通してつねに何かしらのメッセージを見る人に送り続けていたのです。ただ、「オートクチュールの服はいらない」というメッセージを込めたこの写真を当時のファッション業界が受け入れて掲載したということが、私にとっては何よりも驚きではありました。いまだにヘルムートに恋しているように感じられた―確かにいまでは難しいと思います。しかも現代はインターネットの発達などによって、些細なことでもすぐに炎上してしまうため、アーティストには生きづらい時代と言えるかもしれません。もしヘルムート・ニュートンさんが生きていたら、どのようにこの時代に立ち向かっていたと思いますか?監督おそらく、彼の姿勢は特に変わらなかったんじゃないでしょうか。他人が何と言おうと、変わらない人でしたから。ポリティカル・コレクトネスに配慮するような写真は撮らなかったでしょうし、自分の作品が雑誌に掲載されなかったとしても、彼は気にしなかったと思います。実際、彼は「敵は多いほうがおもしろい」という言葉をよく言っていましたからね(笑)。―そんな刺激的なヘルムートさんと時間を過ごしたことで、影響を受けたことも多かったのではないでしょうか?監督そうですね。いまでもよく覚えているのは、2人で一緒に彼の生まれ故郷でもあるベルリンを歩いていたときのこと。そこでいろいろな話をしたのですが、彼からは写真のことよりも人生について多くのことを学ばせてもらったと思います。彼は紳士的ないっぽうで、アナーキストという相反する側面を持っていましたが、そういう彼の姿からは自由と勇気を教えてもらいました。つねに前向きで、ときにはルールを破りながら新しい表現方法を探し続けていた彼に刺激をたくさんもらったと感じています。―本作には、ヘルムートと縁の深い女優シャーロット・ランプリングや編集者のアナ・ウィンターといった多くのセレブが出演しています。いずれも個性豊かで強さのある12人の女性たちでしたが、彼女たちからインスピレーションを受けた部分はありましたか?監督彼女たちと話をしていると、驚かされることばかりでした。なかでも30~40年も前の撮影のことを事細かに話してくれたのには、本当にびっくりしましたね。ただ、インタビューしていくなかで感じたのは、どれだけ月日が経っても彼女たちはどこかヘルムートに恋しているようなところがあるんだなということ。シャーロットも初のヌード写真となったヘルムートとの撮影では、パワーをもらったと話していましたし、あの写真がなければ自分のキャリアはまったく違う方向に行っていただろう、と振り返っていましたから。彼のクリエイティビティに触れて考えてもらいたい―インタビューを続けるなかで、なぜ彼女たちがヘルムートから愛されたのかという理由も見えてきたのではないでしょうか?監督それもありましたね。彼女たちがヘルムートからあんなにも愛されたのは、知的で強気な態度の女性たちだからだと思います。男女関係なく、彼は退屈な人が嫌いだったので、彼女たちのようにつねにチャレンジをして楽しませてくれる人が好きでモデルにしたんだと理解しました。―そんなヘルムートさんにとって、妻のジューンさんがミューズだったと映画のなかで明かされていますが、監督にとってのミューズもしくは創作活動の源とは何ですか?監督ここはヘルムートと私がすごく似ているところなのですが、私も妻がクリエイティビティを刺激してくれる存在です。結婚して45年が経ちましたが、つねに愛情を注いで力をくれていますし、仕事も一緒にしているのでそういった環境づくりにも気遣ってくれていますから。毎日が前の日よりも楽しい、というとても素晴らしいパートナー関係を築けていると思います。―とても素敵なエピソードをありがとうございます。それでは最後に、日本の観客にメッセージをいただけますか?監督自分たちの文化や写真文化を大切にしている日本で公開できることはとても光栄ですし、みなさんにスクリーンで観ていただけることも非常にうれしく思っています。何と言っても日本は、杉本博司氏や荒木経惟氏、細江英公氏といった素晴らしい写真家を輩出している国ですからね。ぜひ、ヘルムートのクリエイティビティに触れていろいろと話し合ってほしいです。そして、それが若い人にとっていい刺激になってくれたらとも願っています。そして最後に、みなさんにはこれからも健康に気をつけて過ごしていってください、ということを伝えたいです。内に秘めた創作意欲を掻き立てられる!表現の自由や芸術のあり方について、改めて考えさせられる本作。コンプライアンスや周囲の評価にがんじがらめになりつつある現代に生きるからこそ、自分の表現を追求し続けたヘルムートの生きざまからエネルギーと刺激を存分に浴びてみては?取材、文・志村昌美刺激的な予告編はこちら!作品情報『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』12月11日(金)よりBunkamuraル・シネマ、新宿ピカデリーほか全国順次公開配給:彩プロArena, Miami, 1978 (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton FoundationGero von Boehm (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton FoundationDavid Lynch and Isabelle Rossellini, Los Angeles, 1988 (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton FoundationCharlotte Rampling (c) Pierre Nativel, LUPA FILMAnna Wintour (c) Pierre Nativel, LUPA FILMHelmut at home, Monte Carlo, 1987 (c) Foto Alice Springs, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation
2020年12月10日人気イラストレーター長場雄さんの個展『The Last Supper』が12月11日から渋谷MIYASHITA PARKのギャラリー『SAI』ではじまります。貴重なアートピースをはじめ、さまざまな限定グッズも登場!注目の個展をご紹介します!「最後の晩餐」が…!【女子的アートナビ】vol. 189まもなくスタートする長場雄さんの個展『The Last Supper』では、大小さまざまな形のキャンバスに描かれた作品や初披露の立体作品が集結。なかでも注目されているのが、4メートルのキャンバスにアクリル絵の具で描かれた代表作《The Last Supper》です。日本語にすると「最後の晩餐」となる本作品には、あのレオナルド・ダ・ヴィンチの同名作品と同じように横長のテーブルについた13人の人物が描かれています。中央にいる黒い帽子を被った人物の左右にさまざまな人が配置されていますが、これらの登場人物は、音楽やファッションの世界で後世に影響を与えた有名人。テーブルに置かれている小物がヒントになっています。『anan』でもおなじみ!イラストレーターでアーティストの長場雄さんは1976年生まれ。少年期をトルコで過ごされ、現地で画家に油絵を習った経験から美術大学に進み、デザイナーとして活動したあと独立。現在は人気アパレルとのコラボや雑誌、広告、コンサートのツアーグッズなど、幅広い分野で活躍されています。雑誌『anan』でのコラム挿画でもおなじみですよね。ミニマルで無駄のない線で描かれた作品は、スタイリッシュなのにどこか懐かしい感じがします。その理由は、映画やミュージックシーンなどで見たことのある人たちが描かれているから。人物の特徴をとらえたシンプルな造形は、ポートレートやカリカチュアといった従来のジャンルを超えた、魅力的な現代アートになっています。クリスマスプレゼントに!展示会場では、作品だけでなくポスターやステッカーなどさまざまな限定グッズも登場。さらに、シルクスクリーンポスターや作品の抽選販売も予定されています。また、長場さんといえばUNIQLOやBEAMSなど有名ブランドとのコラボコレクションを思い浮かべる人も多いと思いますが、今回も展覧会限定のアパレルアイテムが登場。長場さんのグッズは男性ファンも多いので、彼へのクリスマスプレゼントが見つかるかもしれません!さらに、この12月に京都で開催されたばかりの人気アートフェア「artKYOTO 2020」で発売されたアンダーカバー(UNDERCOVER)とのコラボアパレルも販売。黒のロングスリーブTシャツは、写真で見るだけでもかっこいいです!ほかにも、ポストカードやピンズ、サコッシュなども販売予定。自分へのクリスマスプレゼントとしてもよさそうですね。会期は12月27日まで。ぜひ足を運んでみてくださいね!Information「The Last Supper」会期:2020年12月11日(金)~12月27日(日)時間:11:00~21:00会場:サイ住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 レイヤード ミヤシタパーク サウス 3階【問い合わせ先】サイTEL:03-6712-5706
2020年12月10日残虐な王さまや酒浸りの女王など、クセのある人物を多く輩出した英国王室。今なお注目を浴び続けるロイヤルファミリーの歴史を肖像画でたどれる『ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING & QUEEN展』が上野の森美術館で開催中です。描かれた人物の生きざまにドキドキしたり、華やかなドレスにうっとりしたり、さまざまな楽しみ方ができる肖像画の世界をご紹介!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 188この展覧会では、肖像専門美術館ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリーから来日した肖像画・肖像写真など約90作品を展示。16世紀のテューダー朝から現在のウィンザー朝まで、5つの王朝のドラマチックな歴史を肖像画でたどることができます。会場では1階にテューダー朝からハノーヴァー朝までの油彩画を中心とした作品が並び、2階にはヴィクトリア女王の時代から現代のウィンザー朝までの写真などが展示されています。※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。展覧会日本側監修の東京藝術大学大学美術館准教授 熊澤弘さんによると、肖像画には「王室の人々の姿を記録するだけでなく、国王のイメージを紹介するという目的もあった」とのこと。古い時代には国王が雄大な姿で描かれ、近代になると親しみやすいものに変わっているそうで、時代によってイメージが変わっていく点も見どころのようです。また、本展のナビゲーターをつとめる作家・ドイツ文学者の中野京子さんは「描かれている人がどんな人かわかっていると、肖像画はおもしろい。最低限の知識をもって鑑賞すると楽しみが増す」とコメント。会場には、中野さんの視点で書かれた王さまたちのストーリーがところどころに掲示されています。肖像画と王の物語をセットで楽しむのがポイントです。妻2人を斬首!それでは、特に濃厚なストーリーをもつ国王の肖像画をピックアップしてご紹介していきます。もっとも強烈な王さまは、ヘンリー8世(在位1509-47)。この肖像画は、1536年に画家のハンス・ホルバイン(子)が描いたオリジナルの複製。服装や宝飾品がゴージャスで、権力者の貫禄が漂っています。彼は自分が離婚するために宗教改革を起こし(当時カトリックでは離婚が禁止されていた)、結局6回も結婚しました。妻たちの運命がとにかく悲惨で、男子が生まれないなど気に入らないことがあると離縁され、ひどいときには斬首。6人の妻は順に、離婚・斬首・死亡・離婚・斬首と続き、最後の妻だけ生き残りました。会場には、処刑された妻の肖像画や彼女たちの物語も展示されています。ダイアナ妃のご先祖さま!続いてご紹介するのは、チャールズ2世(在位1660-85)の肖像画。カリスマ性があり国民に愛された王さまで、たくさんの愛人がいたことでも有名です。その愛人との間にできた子どもの子孫がダイアナ元皇太子妃。あの美しい元妃のご先祖さま、と知ってから肖像画を見ると、がぜん興味がわきます。ちなみに、カミラ夫人のご先祖さまの写真も会場2階で見ることができます。酒びたりの女王さま…最後にご紹介するのは、アン女王(在位1702-14)の肖像画。1707年にイングランドとスコットランドを統合したことが功績として語られていますが、中野さんの解説によるとアルコール依存症だったとのこと。17回ほど妊娠したのに流産や死産などで子どもが育たず、その悲しみでお酒におぼれてしまったそうです。この肖像画は王位につく前に描かれたもの。きらびやかな衣装を身につけていますが、表情はあまり晴れやかではありません。未来を予見しているのかもしれません。本記事では伝統的な肖像画をピックアップしましたが、会場では近現代のロイヤルファミリーを撮った写真も数多く展示されています。美しいポートレートと、描かれた人のストーリーを一緒に楽しめる展覧会、どうぞお見逃しなく!Information会期: ~2021年1月11日(月・祝)休館日:会期中無休開館時間:10:00~17:00 ※金曜日は20:00まで。ただし、1月1日(金・祝)は17:00まで会場:上野の森美術館観覧料:平日:一般¥1,800、高校・大学生:¥1,600、小・中学生:¥1,000、土日祝:一般¥2,000、高校・大学生:¥1,800、小・中学生:¥1,200、※会場にて午前10時より当日券を販売。入場前日午後5時まで日時指定券の事前販売あり。
2020年11月24日アートディレクター、デザイナーとして多岐にわたる分野で新しい時代を切り開きつつ世界を股にかけ活躍した石岡瑛子。彼女の世界初となる大規模回顧展『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』が開催される。1992年公開のハリウッド映画『ドラキュラ』の衣装を手がけアカデミー賞を受賞。また2008年の北京五輪では開会式の衣装を担当。マイルス・デイビスやビョークら、世界の一流アーティストたちから愛された彼女の仕事と人生を総覧する内容だ。彼女の才能は、資生堂に入社し1年目ですぐに開花する。社会現象となったサマー・キャンペーンポスターをはじめ、独立後もパルコや角川書店などの数々の歴史的な広告で快進撃を続けた。拠点をNYに移した’80年代以降は映画やオペラ、サーカス、演劇、PVなど様々な分野でその才能を遺憾なく発揮し続けた。その活躍を支えたのはデザインを生み出すまでの徹底した調査や、たった1ミリという細部にまでこだわる姿勢。完璧主義を貫く彼女の制作現場は常に緊張の糸が張りつめ、刃物のような立ち振る舞いだと彼女を揶揄する者もいた。そんな声を意に介さず「デザインはタイムレスでなければ。何十年後かに見た時、古くてはならない」「時代を生き残ってゆくために必要なのは自分の内から湧き上がるオリジナリティ」「創造のゴールは国を超え、人種を超え、性別を超えたところに存在する」と哲学を持ち、生涯仕事に邁進した。本展では、「Timeless:時代をデザインする」「Fearless:出会いをデザインする」「Borderless:未知をデザインする」の3部で会場を構成。’60~’70年代の広告の仕事や、石岡のデザインプロセスを示す膨大な資料、ハリウッドをはじめとする世界各国のアーカイブから集められた映画&舞台衣装を展示する。「表現者にとって一番大切なのは鍛錬」とバイタリティの塊のような生涯を送った彼女。その人生と言葉には、人を前に向かせる力がみなぎっている。石岡瑛子とは…「すごい日本人」と、世界が称賛した人物。1938年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部卒。アートディレクターとして資生堂、パルコ、角川書店などの広告でセンセーションを起こす。1980年代からはNYを拠点に幅広いプロジェクトを手がけアカデミー賞、グラミー賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、カンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞。紫綬褒章受章。2012年、すい臓がんで永眠。石岡瑛子1983年 Photo by Robert Mapplethorpe ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.’79年に制作されたPARCOのポスター「西洋は東洋を着こなせるか」は、無国籍で鮮烈なイメージ。高度成長期の日本において世界に目を向けたメッセージ性が注目を集めた。石岡瑛子ポスター『西洋は東洋を着こなせるか』(パルコ、1979年)アートディレクションシルク・ドゥ・ソレイユ『VAREKAI』の衣装。危険極まりなく見えても、絶対安全を確保できる魔法のコスチュームをデザインした。石岡瑛子コンテンポラリー・サーカス『ヴァレカイ』(シルク・ドゥ・ソレイユ、2002年)衣装デザイン Director:Dominic Champagne/Director of creation:Andrew Watson/Set designer:Stephane Roy/Courtesy of Cirque du Soleil『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』東京都現代美術館 企画展示室1F/B2東京都江東区三好4‐1‐1開催中~2021年2月14日(日)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)月曜(11/23、1/11日は開館)、11/24、12/28~1/1、1/12休一般1800円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年11月25日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年11月24日アートフェア「artKYOTO 2020」が、2020年12月4日(金)から6日(日)まで、京都・元離宮二条城および京都国立博物館にて開催されます。「artKYOTO」とは古美術から現代美術までの幅広いアート作品を展示する「artKYOTO」は、世界遺産の元離宮二条城と歴史的建造物・京都国立博物館 明治古都館が舞台。2020年度のメイン会場となる、近代洋風建築の重要文化財・京都国立博物館 明治古都館は、 明治30年5月に開館した京都国立博物館のシンボル的存在の煉瓦造りの建物。 通常非公開の歴史的建造物を活かした空間に作品が出品、それらを購入できる特別な場となります。東京と京都を中心とした21のギャラリーから厳選アートが集結歴史深い建築物内には、京都の6軒を含む全21の出展ギャラリーから厳選されたアート作品が集結。2019年は、平安時代の仏像から、江⼾時代の蒔絵・浮世絵、ピカソやゴッホなど近代の巨匠、新進気鋭の国内外の現代美術家の作品など、バラエティに富んだラインナップを展開しましたが、2020年はそれとは一味違ったプレゼンテーションを予定しています。美術史体験ツアーもまた、二条城および京都国立博物館の2会場では、“狩野派”をテーマに美術史の変遷を体験するプログラム「美術史体験ツアー」を実施。“二条城篇”では日本を代表する絵師集団“狩野派”の狩野探幽が現代に蘇るという設定のもと、二条城の二の丸御殿の襖絵、壁画、装飾品を音声ガイドで案内。“京都国立博物館篇”では、“狩野派”の流れを汲む美術作品を紹介します。【詳細】artKYOTO 2020開催期間:2020年12月4日(金)~12月6日(日)会場:元離宮二条城(二の丸御殿台所、御清所、東南隅櫓)住所:京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541出展者:21軒チケット料金:一般 前売り券 5,000円(税込)※チケットは枚数限定。事前予約制。※別途、各会場への入場料が必要となる場合あり。<開催スケジュール>・美術市(アートフェア)会場:京都国立博物館 明治古都館時間:12月4日(金)・5日(土) 12:00~18:00(最終入場)、12月6日(日) 11:00~15:00(最終入場)・美術史体験ツアー会場:二条城 展示収蔵館&二の丸御殿、京都国立博物館 明治古都館時間:二条城 8:45~16:00(最終入場)、京都国立博物館は美術市開催時間と同じ
2020年11月22日東京・京橋のアーティゾン美術館で『琳派と印象派展』が開催中です。日本美術のなかでも人気のある琳派と、みんな大好きなフランスの印象派作品約100点が集結。あの有名すぎる国宝もご紹介!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 187『琳派と印象派東西都市文化が生んだ美術』は、17世紀~19世紀の京都、江戸、パリという大都市から生まれた多くの作品を、東西の都市文化を比較しながら楽しむことができる展覧会です。会場には、石橋財団コレクションと国内の寺院や博物館などの作品を合わせた約100点が集結。そのなかには国宝2点と重要文化財7点も含まれています。さらに、アーティゾン美術館の新収蔵作品12点も初公開。見どころ満載の企画展です。京の景色からスタート!まずは序章「都市の様子」からご紹介。ここでは、京の都市文化をテーマにした作品が展示されています。(前期は京、後期は江戸に展示替え)華やかな《洛中洛外図屛風》からはじまり、絵巻や扇絵などを見たあと第一章「the 琳派」へと進みます。琳派とは、江戸時代初期に京都ではじまった芸術様式。華やかな色彩と、装飾的で大胆な構図が特徴です。会場には、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一など、まさにthe 琳派の絵師によるゴージャスな作品が勢ぞろい!例えば、尾形光琳の《槇楓図屛風》は、木や枝がうねるように配置された大胆な構図で、金地に鮮やかな赤と緑が映え、うっとりするほど美しい作品です。琳派と印象派がコラボ?!続いて、第二章「琳派×印象派」へ。時代も文化もまるで違う2つのジャンルが一緒に展示されていますが、違和感がなく心地よい空間になっています。例えば、「水の表現」にスポットをあてた展示では、ぜひ尾形光琳の《流水図広蓋》(前期展示)とクロード・モネの《睡蓮の池》を比べてみてください。光琳の水は線で描かれたデザインのようで、モネの水は光の明るさを感じることができ、描き方の違いが際立っています。さらにおもしろいのは、人物をモチーフにした琳派と印象派のコラボ展示。手前はエドガー・ドガの《右手で右足を持つ踊り子》、奥にあるのは俵屋宗達の《舞楽図屛風》(前期展示)です。人物のリアルな動きをとらえたドガの彫刻と、舞っている人物の構図がユニークな宗達の作品。タイプの異なる作品を一緒に見ることで、新たな発見があるかもしれません。第三章「the 印象派」では、アーティゾン美術館の印象派コレクションを中心とした作品を展示。琳派の装飾的な作品を見たあと印象派の油彩画を見ると、特に光の描き方に目を引かれます。あの国宝は12月に登場!この展覧会では前期と後期で展示替えがあり、後期の12月22日から有名な国宝、俵屋宗達《風神雷神図屛風》が登場します。誰もが知っている作品ですが、描かれている風神雷神とはどんな神さまなのか、ご存じですか?展覧会を監修した美術史家の小林忠さんによると、風神雷神は「もともと仏教の千手観音の両脇で観音さまを守る鬼の神だった」とのこと。そんな鬼神を、宗達は風と雨をコントロールして、耕作の恵みを与えてくれる“人に優しい神”として描いたそうです。(小林さんの解説は、展覧会公式サイトの動画で視聴できます)前期と後期、どちらも見逃せない展覧会は2021年1月24日まで開催。Information会期:~ 2021年1月24日(日)前期2020年11月14日(土)〜2020年12月20日(日)後期2020年12月22日(火)〜2021年01月24日(日)休館日:月曜日(11月23日、1月11日は開館)、11月24日、年末年始(12月28日ー1月4日)、1月12日開館時間:10:00–18:00(最終入館時間 17:30)会場:アーティゾン美術館6階、5階展示室観覧料:日時指定予約制ウェブ予約チケット¥1,700、当日チケット(窓口販売)¥2,000、学生無料(要ウェブ予約)*ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売*中学生以下の方はウェブ予約不要*この料金で同時開催の展覧会をすべて観覧可能※同時開催:~ 2021年1月24日(日)『石橋財団コレクション選』(4階展示室)特集コーナー展示青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち
2020年11月20日「翻訳とはコミュニケーションのデザインである」。そんな考えがテーマの展覧会「トランスレーションズ展―『わかりあえなさ』をわかりあおう」が今、話題を集めている。本展のディレクターで情報学研究者のドミニク・チェン氏は、日本、台湾、ベトナムの血を引くフランス人。幼少期は50か国以上から学生が集まるインターナショナルスクールに通い、日常的に翻訳とともに過ごした経験から、うまく言い表せないもどかしさを痛感してきたと語る。「コミュニケーションの根本には“わかりあえなさ”が横たわっている。翻訳によってこぼれ落ちてしまう意味もたくさんあるが、その面白さや豊かさをもっと知ろう。本展の副題にはそんな意味が含まれています」会場では、様々な分野から集まった21作品をキーワード別に、7ゾーンに分けて紹介。その内容は言葉の翻訳を超え、アートやデザイン、身体表現、動物や微生物との対話にいたるまで、多種多様な翻訳スタイルを紹介。例えば「ことばの海をおよぐ」ゾーンでは、自分が叫んだ言葉が一瞬にして世界中の言語に翻訳されるインスタレーションが登場。画面の大小はその言語を話す世界人口の数を示しており、日本のことわざなども絶妙に翻訳してくれる様子に圧倒される。一方「異種とむきあう」ゾーンでは、特殊な香水を使ってサメと人間が恋愛できるか実験した作品や、ぬか床の様子を様々なセンサーで読み取り、「そろそろかき混ぜたら?」「ちょうどいい具合に漬かっているよ」など微生物の言葉を翻訳し、対話できるロボットも。他に植物の気孔の動きを読み取って、植物の言葉を理解しようと試みた作品など、実験的かつユーモア溢れる展示が満載で、実に興味深い。「作品には相手の気持ちを汲み取ろう、ケアしようという想いが共通している」とチェン氏。世界中で分断が進む今、コミュニケーションの本質について考える好機になりそうだ。マイクに向かって話すと、23か国語に翻訳!Google Creative Lab+Studio TheGreenEyl+ドミニク・チェン《ファウンド・イン・トランスレーション》は、翻訳の結果だけではなく、機械が言葉を発見していくプロセスを可視化する。異なる動物と愛しあえる?サメを誘惑する香水。長谷川愛の《Human X Shark》は、異種間の愛について考える作品。ダイビングスーツにサメが好む美味しい香りをつけて引き寄せ、「匂い」を用いてオスを性的に惹起する実験をレポート。植物の葉にある唇から声なき声を読み取る。シュペラ・ピートリッチの作品《密やかな言語の研究所:読唇術》。まるで動物の唇のように開閉する植物の気孔を唇に見立て、読唇術や人工知能を使い、植物の言葉を解読する。「トランスレーションズ展―『わかりあえなさ』をわかりあおう」21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2東京都港区赤坂9‐7‐6東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内開催中~2021年3月7日(日)11時~18時30分(土・日・祝日10時~。入場は閉館の30分前まで)火曜(2/23は開館)、12/26~1/3休一般1200円ほか※事前予約制TEL:03・3475・2121※『anan』2020年11月18日号より。写真・北尾 渉文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年11月13日使わなくなった化粧品から絵具を作ってオシャレにアートを楽しむをコンセプトにした「SminkArt」。2020年11月2日よりMAKUAKEにてクラウドファンディングを開始致します。また、2020年11月より各メディア等で取り上げられており(詳細はホームページ及びクラウドファンディングページへ)、11月7日~11月8日開催のデザインフェスタVol.52にも出展致します。・SminkArtクラウドファンディングページ:・SminkArtホームページ:・SminkArtネットショップ: ホームページ ネットショップ皆様のお手元にこんな理由で使わなくなった化粧品はございませんか。・あまり使わない色だから・落として粉々になってしまったから・使わないまま放置して古くなってしまったからでも、捨てるのも忍びなくて、使ってたあの時の思い出を残すように何か他の形で残せないでしょうか。使わなくなった化粧品をただ捨てるだけじゃなくて遊びに変えよう。「作って」・「塗って」・「貼る」の新ジャンルの楽しみを大切な誰かにプレゼントしてみませんか。商品の概要1.【SminkArtキット】ご自身で、お手持ちの使わなくなった化粧品を不思議な液体magicwaterで簡単に絵具へと大変身させるキット。油で被膜された化粧品粉末はなかなか水に溶けません。そんな化粧品を水溶性の絵具に大変身させます。ケースは、165度開けるとパレット側と備品収納側に分離できます。1つのケースとして持ち運びもでき、アクセサリーケースなどのセクションケースなどとしてもお使いいただけます。2.【SminKArtときめくペイント】化粧品企業が捨ててしまう大量の化粧品の中身を特殊処理してできた粉末状絵具。化粧品(make-upcosme)から絵具(paint)を作る(make)という新たな楽しみで、自分だけの充実した「ときめく」時間を創っていただきたいという思いから、「ときをメイクするペイント」と命名しました。水にも溶けるよう特殊処理をしているので、magicwaterだけではなく水道水でも溶いてお使いいただけます♪化粧品特有の粉感とキラキラ感が一般的な水彩絵具にはない描写タッチを演出。しかも、UVレジンに混ぜ込んでiPhoneケースをデコってみたり、アクセサリーを作ってみたり、エコバックのデザインを描いてみたり、、いろんな用途の色材として使うことができます。3.【SminKArt塗り絵シール】塗って、切って、貼って楽しめる塗り絵シール。画家さん・アーティストさんに依頼して素敵な塗り絵デザイン(クラウドファンディングページをチェック)を描いてもらいました♪塗った塗り絵シールは、額縁に入れて一枚の作品としても、iPhoneケース・アルバム・色紙・カレンダー・ギフト用のシールなどとしても、、いろんな用途に使えます!!SminkArt クラウドファンディングページ シリーズの一連の流れSminkArt の商品はこんな方々にオススメ♪●使わなくなった粉物の化粧品を持て余している方●家でも外でもできる新たな楽しみをお探しの方●小さなお子様と一緒に楽しめるツールをお探しの方●自分だけのオリジナルをDIYしたい方●オリジナルを作って大切な人へプレゼントしたい方●SDGsなど持続的可能な社会を目指した社会貢献にご興味のある方●SNSでの話題を探している方●新しいジャンルのプレゼントを探している方SminkArt シリーズの開発背景化粧品の研究開発に従事してきた創業者が化粧品研究に基づいて開発した、粉末状化粧品を水溶性の絵具に変えてしまう不思議な液体「magicwater」。【化粧品メーカーの研究職においてメイク製品の研究開発に従事していた創業者が日々感じてきたこと】研究や製造過程で色見等が目標から少しずれただけでも、化粧品の中身が廃棄されてしまうのは、色見等もその製品の品質の一部なので化粧品企業としてはそうせざるを得ません。しかしながら、私個人は、そうやって廃棄されていく化粧品の中身に対し、「有効利用できる術があるのではないか、使わなくなった化粧品を何か新たな楽しみへと結びつけることができないか」と在職中に思案するようになりました。また一方でCtoCビジネスの台頭がヒントとなりました。モノが過剰に溢れる状況に疑問を抱き、既製品にはないオリジナリティやストーリーのあるモノを求める消費者が多くなってきていると捉え、「化粧品を絵具にすることで、各個人が自分のオリジナルを作る楽しみ」を提供できるのではないかと考え、SminkArt事業を立ち上げました。SminkArtと(株)モーンガータについて【SminkArtについて】SminkArt=Smink【化粧※スウェーデン語】+Art【芸術・絵画】【(株)モーンガータについて】■企業名:株式会社モーンガータ■代表者:代表取締役田中寿典■住所:東京都練馬区三原台3-7-40<WEB>・SminkArtクラウドファンディングページ:・SminkArt(株式会社モーンガータ)ホームページ:・SminkArtECショップページ:<SNS>・Twitter:・Facebook:・Instagram: ECショップページ企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年11月11日11年目を迎えるTABF(東京アートブックフェア)がコロナ禍のもと、バーチャルで開催される。その名も「VIRTUAL ARTBOOK FAIR」。昨年は各国から約300組が出展、3万5000人以上が来場したアジア最大のブックフェアがどう変わる?世界のブックメーカーが手作りするバーチャルなブックフェア。「TABFはアーティスト個人や独立系出版社が出版物を発表する場としての役割を担ってきました。来場者の方にとっては作り手と直接コミュニケーションでき、新しい才能と出会う場。VABFはそれをバーチャルなプラットフォームで行おうという試みです」とディレクターの中島佑介さん。各出展者が工夫を凝らしてブースをDIY。個性的な本屋さんへバーチャル上で訪れるというイメージだ。特別企画ではオランダにフォーカス。アートブックシーンを読み解く展覧会やトークショーが開かれる。「オランダは最もブックデザインが豊かな国。彼らの常に実験精神を忘れない姿勢とVABFの試みには、相通じるものを感じます」今までにないブックフェアが誕生する予感。ぜひクリックしてみて。ブックデザインアワード受賞作33点がずらり。「Best Dutch Book Design」(BDBD)は1926年に設立された世界最古のブックデザインアワード。2019年の受賞作の紹介とBDBD代表エステル・ショルテンらのトークショーを配信。11月20日16時30分~18時。オランダ人アーティスト、ローゼンダールの作品も。VABFのメイン会場は東京都現代美術館をイメージ。その「屋外」の公園として設定されたバーチャルなインスタレーション空間がこちら。スマホ内に表示されるコントローラーを使い公園を散策しながら作品を鑑賞できる。©Rafael Rozendoalデジタル化するブックデザインの行方とは?オランダのデザインスタジオ、ファンファーレがキュレーションする展覧会。“デジタル時代のブックデザイン”をテーマにウェブ上で作品を展示。次世代を担う若手デザイナーの新たなと出合えるはず。キーパーソンの貴重なインタビュー動画を公開。アーマンド・メーフィス、リンダ・ファン・ドゥールセン、イルマ・ボームら、オランダの出版文化を牽引するアーティスト、デザイナーのインタビュー動画を公開。彼らが影響を受けた本や手がけた出版物の紹介は必見。Photo by Shinji OtaniVIRTUAL ART BOOK FAIR11月16日(月)~23日(月)※『anan』2020年11月11日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2020年11月06日緑に囲まれたオープンテラスがあったりドラマのロケに使われたり、美術館のカフェは知る人ぞ知るおしゃれな場所。展覧会のあとに訪れると、その楽しみは倍増します。今回は、食&芸術の秋に訪れたい都内の美術館を3つご紹介!東京都庭園美術館『生命の庭』【女子的アートナビ】vol. 186まずは、東京都庭園美術館。アール・デコという装飾様式で統一された建物も見どころのひとつとなっているこの美術館は、目黒駅から徒歩圏内にありながら、周りは緑豊かな庭園に囲まれている最高の立地。四季折々の自然と芸術作品を一緒に楽しめるぜいたくなスポットです。こちらで現在開催されているのが、現代アートの展覧会『生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙』。内装もおしゃれな洋館のなかで、日本を代表する8人の作家(青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介)による絵画や彫刻、インスタレーションなどが展示されています。展覧会を担当した学芸員の浜崎加織さんによると、アール・デコ様式の建物と現代美術は相性がよく、この場所でしか体験することのできない展示空間ができるとのこと。自然に囲まれたなかで、自然と人間の関わりをテーマにした展覧会をしたいということで、今回の企画展が実現したそうです。思わず悲鳴が…例えば、山口啓介さんの《花波ガラス》は、透明のカセットにドライフラワーや種子などの植物を入れ樹脂で固めたものが積み上げられている作品。見た瞬間、あまりに美しくて悲鳴をあげそうになりました。背景にある庭園の緑とカラフルな植物が一緒に目の中に飛び込んできて、夢の世界のような光景を生み出しています。もうひとつ、悲鳴をあげそうになったのは、加藤泉さんの立体作品《無題》。人面飛行機のような、ちょっとグロい造形物で、上部にプラモデルの飛行機がたくさん乗っています。この美術館のなかでも特に壮麗な空間に展示されているので、不気味さと美しさのギャップにしびれます。加藤さんは、人型に似せた彫刻や絵画などを制作されている作家さんで、今展では美術館の入り口をはじめ、会場内のさまざまな場所に作品が展示されています。どれも、一瞬ギョッとするシュールな造形ですが、見慣れてくるとカワイイと思える不思議な魅力があります。カフェには人面スイーツが…東京都庭園美術館に併設されているのは、『café TEIEN(カフェ庭園)』。こちらは、美術館の入場料を払った人だけが入れる穴場カフェ。庭園に面したガラス張りの明るい店内で、スイーツやドリンク、軽食も楽しめます。現在、『生命の庭』にちなんで、8人の現代作家とコラボしたスイーツを展開中です。そのなかでアヤシイ雰囲気を出しているのが加藤泉さんの作品をイメージした「人型シュー」(税込¥660)。あのシュールな人面をスイーツにしてしまうなんて、カフェ庭園さん、ステキです!府中市美術館『日本の美術を貫く炎の筆《線》』続いてご紹介するのは、府中市美術館。こちらも自然豊かな都立府中の森公園のなかにあり、さわやかな秋の散歩と芸術鑑賞を一緒に楽しめます。現在開催されている展覧会は『日本の美術を貫く炎の筆《線》』。作品のなかにある「線」にスポットをあて、縄文時代の火焔土器から令和の最新アートまで、絵画、刀剣、書、漫画、工芸品など幅広いジャンルの作品が紹介されています。例えば、メインビジュアルにも使われている丸田恭子さんの油彩画《マイナスの質量》は、線の力強さが目の前に迫ってくるようなインパクトのある作品。じっと見ていると近未来の異世界へ連れていかれそうな気分になります。また、椛田ちひろさんの2点も迫力ある線作品です。どちらも紙の上にボールペンで描いたもので、近くで見ると無数の線がびっしりと引かれていてちょっと感動します。細い線が集結したパワフルな作品です。森を感じられるカフェ府中市美術館内にあるカフェの名は、『府中乃森珈琲店』。府中の森などをイメージしたオリジナルのコーヒーや日替わりランチなどもあり、美術館を見たあとに立ち寄るのにぴったりです。上の写真は、お店イチオシのドリンク「自家製ジンジャーカフェラテ」(税込¥650)。スパイスの効いたチャイのような味を楽しめます。日差しの降り注ぐ店内もいいですが、秋の晴れた日は緑豊かなテラス席がおすすめ。ずっと座っていたくなる、居心地のいいカフェです。三菱一号館美術館『開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展』最後にご紹介するのは、東京・丸の内にある三菱一号館美術館。オフィスビルに囲まれた都心の角地に建つ赤レンガの瀟洒な建物です。三菱が1894年にジョサイア・コンドルの設計で建てた「三菱一号館」を復元し、2010年に美術館として開館しました。現在開催中の展覧会は、《開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展》。三菱一号館の建設年である1894年にフォーカスし、その前後の時代に活躍した画家たちの作品を展示しています。特に、タイトルにもなっているルドンとロートレックの作品群は見ごたえ抜群。三菱一号館美術館が所蔵する作品に加え、本展の共同企画である岐阜県美術館所蔵のコレクションも展示されています。本展では油彩画や版画など常時約120点を超える作品が集結していますが、なかでも目を引くのがルドンのパステル画《グラン・ブーケ(大きな花束)》。フランスのブルゴーニュ地方にあるロベール・ド・ドムシー男爵の城館の食堂を飾るために依頼された装飾画のひとつです。描かれている花々はまるで奇妙な生き物のようで、ちょっと妖艶な雰囲気。色彩も美しく、いつまでも見ていたくなる作品です。(前期・後期で展示替えがあります)ドラマや雑誌に出てくるカフェ三菱一号館美術館に併設されているカフェ・バー『Café 1894』は、ドラマや雑誌の撮影で何度も使われているおしゃれな場所。クラシカルな空間は、銀行営業室として使われていた場所を復元したもので、落ち着いた内装のなかで食事やスイーツを楽しめます。展覧会とタイアップしたメニューも魅力のひとつです。今のおすすめは見た目も豪華な「おとなのグラン・ブーケ」(税込¥990)。作品を見たあと、余韻にひたりながらいただくと格別です。秋は美術館へ!秋におすすめの美術館3選、いかがでしたか。コロナの影響で外国から作品が借りられなかったり、展示内容が変更となったりしている展覧会もありますが、どの美術館も所蔵コレクションなどを使って工夫しながら楽しい企画展を開催しています。ぜひこの秋は、美術館に足を運んで本物の作品に触れてみてくださいね!Information『生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙』会期:~ 2021年1月12日(火)休館日:毎月第2・第4水曜日(10/28、11/11、25、12/9、23)年末年始(12/28-1/4)開館時間:10:00–18:00*入館は閉館の30分前まで会場:東京都庭園美術館(本館+新館)観覧料:一般¥1,000、大学生(専修・各種専門学校含む)¥800、中学生・高校生¥500、65歳以上¥500『日本の美術を貫く炎の筆《線》』会期:~11月23日(月)休館日: 11月23日を除く月曜日開館時間:10:00–17:00*入館は閉館の30分前まで会場:府中市美術館観覧料:一般¥500、高校生・大学生¥250、小学生・中学生¥100『開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展』会期:~2021年1月17日(日)※展示替えあり※本展覧会の会期は変更となる場合があります休館日:月曜日*と展示替えの11月24日(火)、25日(水)、年末年始の12月31日(木)、2021年1月1日(金)*月曜日が祝日の場合と11月30日(月)、12月28日(月)、2021年1月4日(月)は開館開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで会場:三菱一号館美術館観覧料(音声ガイド付き):一般¥2000、高校生・大学生¥1000、小学生・中学生は無料
2020年11月03日“日常をより豊かにする”ビジョンを掲げ、インテリア・キッチン・ライフスタイル商品の卸売及び自社ブランドの展開を行う株式会社マークスインターナショナル(本社:東京都渋谷区恵比寿西2-21-1、代表取締役:大谷正人)は、今年リリースした新ブランド「70cmの景色」から、『時を生ける』の限定カラー・シルバー×ホワイトを、雑誌「ONKUL(オンクル)」(発行元:株式会社三栄)との初のコラボレーション商品として発表、2020年10月23日(金)〜25日(日)の期間開催する株式会社三栄が主催のファッションイベント「HolidayCircus2020」での先行発売、及び「70cmの景色」公式オンラインショップでの発売を2020年10月26日(月)より開始いたします。『時を生ける』シルバー×ホワイト『70cmの景色』は、「心に届くプロダクト」という考え方を軸にしたデザインで、新しい空間を提案するライフスタイルブランド。椅子やソファが暮らしの中心になった現代でも、ついつい床に座ったり畳でごろごろしたりしてしまう、日本人らしい心地よさの感覚を、床に座ったときの目線の高さ=70cmに込めました。わずか半世紀前には考えられないくらい家のしつらえや過ごし方は変化しましたが、それでも変わらない私たちが心地いいと感じる尺度を、各商品を通して感じていただけるよう、また、皆様の大切な人や空間がもっと大切なものになるようなブランドを目指しています。今回発表となった新商品は、雑誌「ONKUL」とのコラボレーションとして生まれた別注カラー・シルバー×ホワイト。ファッション感度の高いユーザーにあらゆるシーンでご使用いただけるよう、マットな質感で落ち着いた印象に仕上げることで、より一層、花器として生ける植物が引き立つようなカラーリングとなっています。また、ご購入特典として、限定100個で「70cmの景色」と「ONKUL」のコラボレーションを記念したWロゴ入りオリジナル風呂敷のプレゼントをご用意しております。今回特別につくられた『時を生ける』で、壁掛けの花器としてお好きな植物を飾るなどして、ご自宅で素敵な空間を演出してみてはいかがでしょうか。マークスインターナショナルは、この度の新ブランド及び新商品の発表をはじめ、皆様の生活を共にするさまざまな商品を通して、“日常をより豊かにする”ご提案を続けてまいります。■『70cmの景色』とは70cmの景色は、家で過ごすときに特別な視線を演出してくれる「心に届くプロダクト」という考え方を軸にして生まれた部屋の新しい空間を提案するライフスタイルブランドです。座位から70cmという尺度は近しい人との距離でもあり、心が安らいでいるときの視線の高さを表したものです。腰を下ろしたりごろごろしながらひとりでゆっくり過ごす部屋は、よりくつろげる空間へ。季節のうつろいを感じながらかぞくでわいわい過ごす部屋は、よりにぎやかな空間へ。よろこぶ笑顔を想像しながら友人や知人をもてなす部屋は、より気持ちの伝わる空間へと変わります。いろんな日常に花を添えるように心と心をつなぐコミュニケーションを生み出し、大切な人や空間がもっと大切になるデザインを提案していきます。「70cmの景色」公式サイト■新商品販売概要商品:『時を生ける』シルバー×ホワイト価格:8,500円(※『時を生ける』シルバー×ホワイト、及びプレゼントの「オリジナル風呂敷」をセット販売)先行発売:HolidayCircus2020にて、2020年10月23日(金)〜25日(日)公式サイト発売:70cmの景色オンラインショップにて、2020年10月26日(月)10時〜販売個数:限定100個販売元:株式会社マークスインターナショナル販売店:HolidayCircus2020特設ECサイト会場、HolidayCircus2020サテライト2020会場(東京都世田谷区駒沢3-1-151F)、70cmの景色オンラインショップHoliday Circus 2020 特設 EC サイト会場の景色オンラインショップ■「HolidayCircus2020」概要FUDGE、men’sFUDGE、ONKUL、kiitos.という雑誌を通じて表現してきた価値観を、リアルに体験できるコトとして演出する、新しいファッション誌イベントの提案。“眼に映るすべてがフォトジェニック”をコンセプトに、週末の時間と空間をデザインします。今年のテーマは“EVERGreen~色褪せないもの”。特設ECサイト会場を新たにプラスして、より安全に、より多くの方々に参加いただける開催形式としています。「Holiday Circus 2020」公式サイト■『時を生ける』商品概要部屋に季節がおとずれる、いのちの流れをきざむ小窓西尾健史による『時を生ける』は、好きな植物を飾ることができる壁掛けの花器。かつての日本では、床の間に掛け軸や生け花を飾り、季節の移ろいを感じる文化がありました。自然と共に生きてきた私たち日本人にとって、儚い自然の美しさに“時”を感じることは、生活の一部でした。西尾は、そのことを現代のライフスタイルに沿った形へと落とし込み、部屋に時計を掛けるように植物を飾るができるプロダクト『時を生ける』をデザインしました。それは、ちいさな窓のように、もの寂しかった部屋の壁に趣をもたらします。取り付け方は、プレートの中心に植物を固定するだけと、いたってシンプル。周囲を縁取るリングには、植物をリング外にも伸ばせるように一箇所穴があり、穴の位置は自由に変えることができるので、時計の針に見立てた植物の角度を変え、様々な表情をつけることが可能です。プレート裏面にはフックがあり、時計と同じように壁に掛けるか、もしくはテグスや紐を巻きつけ吊るすか、2通りの飾り方があります。また、生ける植物は徐々にドライフラワーとなるため手入れも少なく、より気軽に楽しむことができます。商品名:時を生けるデザイナー:西尾健史価格:7,500円(税抜)/8,500円(税抜)(※限定色シルバー×ホワイトのみ)サイズ:直径180mm×縁幅30mm重量:300gカラー:シルバー/シャンパン/ゴールド/シルバー×ホワイト(※ONKULコラボカラー)素材:アルミニウム(リング部分)/スチール(プレート部分)使用上のご注意事項:・直射日光や熱、冷暖房機器の強風などが直接あたらないように設置してください。・商品は壁にしっかりと固定されたネジやフックに掛けて使用してください。・リングとプレートの取り付けや取り外し、植物の取り付けの際は、布などを敷き、必ず机や台の上で行ってください。・表面の塗料が変色したり剥がれたりする場合がありますので、直接熱いものや濡れたものを置いたり、ビニールなどで長時間覆って使用しないでください。西尾健史/にしおたけし1983年長崎生まれ。桑沢デザイン研究所を卒業後、設計事務所を経て「DAYS」として独立。空間をベースに机と作業場を行き来しながら家具、インテリアのデザイン及び自身の制作を行っている。■「70cmの景色×ONKULコラボ風呂敷」概要「70cmの景色」と「ONKUL」のコラボレーションを記念して、『時を生ける』シルバー×ホワイトをお買い上げのお客様に先着順にて、Wロゴ入りオリジナル風呂敷をプレゼント!(限定100個)70cm の景色×ONKUL コラボ風呂敷■MarcsInternationalco.,ltdについて日常をより豊かにする。日々の生活の中で我々はあらゆる“もの”に囲まれて暮らしています。我々のなにげない生活の中で毎日使うもの、毎日目にするものが、なんとなく気に入っていたり、好きなデザインであることが、日々の暮らしを、少し豊かに感じる手伝いをしてくれているのだと思っています。そんな想いから、世の中の誰かに素敵だな、と感じていただけるようなプロダクトをみなさまにご紹介していくのが、我々の使命です。■会社概要社名:株式会社マークスインターナショナル所在地:〒150-0021東京都渋谷区恵比寿西2-21-1電話:03-6861-4511設立:平成9年1月6日代表者:大谷正人資本金:2,000万円取扱商品:インテリア商材、ファニチュア、キッチン&テーブルウェア「株式会社マークスインターナショナル」公式サイト■商品に関するお問い合わせ先ONKUL編集部:onkul@san-ei-corp.co.jp株式会社マークスインターナショナル(70cmの景色):info@kesiki70.com企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年11月02日アート集団チームラボのパブリックアート「Continuous Life and Death at the Now of Eternity II, Grand Central Terminal」が、この度ニューヨーク市で公開された。本作は、マンハッタンの中心グランド・セントラル駅直結の新・高層ビル「ワン・バンダービルト」に常設展示される。誕生と死滅を永遠に繰り返し続ける花々が描かれた作品世界は、マンハッタンの日の出とともに明るくなり、日の入りとともに暗くなっていく。そして、1年を通して咲いていく花々は移り変わっていく。 Life and Death at the Now of Eternity II, Grand Central Terminal会期: 2020年9月14日(月)~常設場所: One Vanderbilt1 Vanderbilt Ave, New York, NY※ワン・バンダービルトはまだ一般公開されていません。作品はビルの外からご覧頂けます。One Vanderbilt:
2020年10月30日インテリアショップ『Francfranc(フランフラン)』では、秋冬の新作アイテムを販売しています※1。気候も涼しくなり、ファッションやメイクも秋冬仕様にし、季節の変化を楽しむ方も多いはず。メイクやファッションのように気軽にお部屋の雰囲気を変えられる模様替えの三種の神器、壁紙、アート、クッションカバーより新作のおすすめアイテムをご紹介します。※1:秋冬の新作アイテムは、FrancfrancBAZAR(アウトレット業態)ではお取り扱いがございません。2018年秋冬にデビューした「ROOMCOSME」の貼ってはがせる壁紙には防水タイプが新登場。さらに広い範囲でお部屋のメイクアップを楽しんでいただけます。ROOM COSME特集ページキッチンや浴室も華やかに。水回りで使える防水タイプの壁紙が新登場!BeforeAfter【使用箇所・使用アイテム】キッチン壁面:防水リムーバブルウォールペーパーロゼックピンク:2,800円キッチン戸棚:防水リムーバブルウォールペーパーカラーピンク:2,500円【コーディネートのポイント】キッチンの壁面全体に、華やかな花柄の壁紙を使用しました。これまで生活感の出やすかったキッチンも、一気に自分好みの空間になります。また、戸棚部分にもピンク色の壁紙を貼ることで、キッチン全体に統一感が出るようコーディネートしました。防水タイプ新柄一覧シールタイプで貼ってはがせるという特長はそのままに、場所を選ばず使っていただきたいという思いから企画した防水タイプの壁紙。生活感が出やすい水回りに貼ることができるため、浴室や洗面スペース、キッチン等も気軽にデコレーションをお楽しみいただけます。素材は塩化ビニル樹脂を使用しているため、ツルツルした質感です。素材の特性上、油ハネや水滴等をはじくため、汚れもさっと拭き取れてお掃除も簡単です。【商品名】防水リムーバブルウォールペーパー【種類】リリアグレー/タイレルグレー/アビューピンク/ロゼックピンク/カラーピンク/カラーグレー【価格】柄:2,800円/無地:2,500円【サイズ】W45cm×H250cm通常タイプ新柄一覧【商品名】リムーバブルウォールペーパー【種類】ピオニーピンク/ピオニーグレー/マーブルピンク/マーブルグレー/ピオニー90ピンク/ピオニー90グレー/モディーリネイビー/カラーピンクベージュ/カラーライトグレー【価格】柄:2,800円/無地:2,500円【サイズ】W45cm×H250cm5枚セットの新作アートなら、おしゃれに見える複数貼りも簡単気軽に取り入れられるコーディネートいらずの5枚セットのアートボードです。どんなインテリアでも合わせやすいモノクロを基調にしたデザインで、アートボードを飾ったことがない方でも気軽に試しやすいアイテムです。【商品名】モノクロアートボード5枚セットアブストラクト/モノクロアートボード5枚セットアムール【価格】2,800円【セット内容】中サイズ2枚、小サイズ3枚ベルベットやファーなどの素材のクッションカバーを取り入れると、お部屋が秋冬モードに変身!家具などの大きいアイテムは頻繁に買い替えることが難しく、部屋の大きな面積を占める床や壁で印象を変えるのは更に難しいため、クッションカバーやラグ、寝具などのファブリックアイテムで季節感を取り入れるのがおすすめです。ファブリックの中でも収納しやすいクッションカバーは、Francfrancでも毎シーズン200種類以上の新作をご用意しています。秋冬の新作より、おすすめのクッションカバーをカラー別でご紹介します。ホワイト・ベージュ系(左から)【商品名】ファーI-016ホワイト【価格】3,000円【商品名】ニットケーブル023アイボリー【価格】3,000円【商品名】ニットソリッドD-038ベージュ【価格】3,000円【商品名】ファーQ-001【価格】3,500円【商品名】スラブXモヘアソリッド093ホワイト【価格】3,500円イエロー・ゴールド系(左から)【商品名】コーデュロイソリッドA-126イエロー【価格】2,500円【商品名】フリルA-039ゴールド【価格】3,500円【商品名】ベルベットフリンジ094イエロー【価格】3,500円【商品名】ベルベットライン099イエロー【価格】3,500円【商品名】ニットソリッドB-048イエロー【価格】3,500円ピンク・パープル系(左から)【商品名】ベルベットキカA-089ピンク【価格】2,000円【商品名】ファーB-008ピンク【価格】2,500円【商品名】EMBオーナメントA-072ライトピンク【価格】3,000円【商品名】EMBフラワー116ピンク×ゴールド【価格】3,500円【商品名】EMBジオメトリック098パープル【価格】4,000円ブルー・グレー系(左から)【商品名】ファーA-001グレー【価格】2,000円【商品名】ストーンオーナメント044ライトグレー【価格】3,000円【商品名】ファーE-007ライトグレー【価格】3,000円【商品名】ベルベットオーナメント033ライトグレー【価格】3,500円【商品名】EMBオーナメントG-042ライトブルー【価格】4,000円※価格は税込表示です。商品名、価格、仕様は変更される可能性がございます。企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年10月29日10月20日からBunkamura ザ・ミュージアムで『東京好奇心 2020 渋谷』がはじまります。この展覧会では、100人の写真家たちが撮影した作品約200点が集結。今回、同展キュレーターの太田菜穂子さんに取材し、見どころなどをうかがってきました。東京好奇心って?【女子的アートナビ】vol. 185「東京好奇心」とは、「写真が社会のために何かできるのではないか」という思いをもって活動しているNPO東京画が2018年に立ち上げたプロジェクト。東京をキーワードに100人の写真家が撮影した作品をまとめ、世界に発信しています。2018年にはパリ市4区庁舎で、2019年にはベルリン市庁舎とベルリン日独センターで展覧会を開催。そして、いよいよ2020年秋、『東京好奇心 2020 渋谷』がスタートします。今回、NPO東京画のファウンダーで、同展のキュレーターも務める太田菜穂子さんにお会いし、写真展のお話をうかがってきました。どんな100人?展覧会の公式サイトを見ると、参加作家はアジアから欧米、南米まで16の国と地域にわたり、年齢もさまざま。巨匠と呼ばれる人から若手まで、個性的な100人が集まっています。そんな写真家たちについて、太田さんは次のように語りました。太田さんこの100人全員は、みんな私と実際に会った人たちです。写真は、ドキュメンタリー・建築・風景、アート系、エンターテインメントからコマーシャルまで、多くのカテゴリーに分かれています。同じ時代を生きていても、フォトジャーナリズムの写真家とファッションやコマーシャルの分野で活躍する作家間にはまったく交流がありません。私はさまざまなケースでのキュレーションをする機会があり、自由な関係性のもと、垣根を越えて多ジャンルの方々が「東京好奇心」に興味をもち、集まってくださいました。20代から80代まで、東松照明さんや上田義彦さん、森山大道さんなど有名な方もいれば、無名の新人写真家もいます。普通の展覧会ではスター写真家に焦点をあてることが多いのですが、この展覧会ではみなさんを平等に扱い紹介しています。写真はどう見ればいいの?会場構成は、テーマごとに13の壁がつくられ、作家ごとに原則ひとり2点の作品が展示されるとのこと。約200点も並んでいると、どんなふうに見ればよいのか、迷いそうです。そこで、写真の見方についてお聞きしてみたところ、次のように教えてくれました。太田さん200点近いプリントや映像があるので、最初から全部をわかろうとするのは無理です。いくつか好きなものがあれば、それでいい。人生は、欲張らないほうが幸せです(笑)。でも、たくさんあるなかから自分で選ぶ習慣をもたないとだめ。自分で考え判断する習慣をもって、「これが好き」と感じ、発言していくことが大切です。100人の写真家が主役のようですが、本当の主役は実は“見る人”。“見る人”が「これが好きだ」「これ、わからない」「こんなのでいいの」「この人と話をしてみたい」と感じ、写真の後ろ側にどんな物語があるのか、どんな意味合いを指しているのかなど、想像する力を養ってもらいたいのです。例えば「東京ってこうだよね」と今まで自分が思っていたことが、写真を見ることで「あれ?」と思ったり、自分から積極的にかかわろうとする当事者意識をもって新しい発見をしてほしいのです。会場では、自分の感受性を思いっきり解放してみてください。とはいえ、展覧会では各章のはじめに、写真への理解が深まる短い解説を設置していますし、今回はJ-WAVEの4人のナビゲーターの解説もオーディオガイドとしてご用意しています。4人のナビゲーターのことばからの“気づき”は、きっと新しい写真との出逢いをつくってくれるはずです。女子におすすめの作品は?好きな作品を自分で選ぶことが大切、というお話に心から納得しました。でも、やはり具体的な作品の鑑賞方法なども知りたいですよね。そこで、太田さんにおすすめの作品と見どころポイントを語っていただきました。太田さんまず、第1章では東京の近過去を撮った写真からはじまります。ここではマーク・リブーさんの《日本の女性たち》にぜひ注目してください。女性が口に手をあてて笑い、その手前にマネキンの手が写り込んでいます。当時、女性は口を隠してエレガントな仕草で笑っていたのです。まだ戦後の影が残る街で、女性たちが美しい洋服を着て笑いながら街を歩いている姿はいかに華やかであったか、想像してみてください。彼女たちの姿に、元気をもらった人たちもいたでしょうね。見てはいけない…神々しい作品とは?太田さん次の章では、上田義彦さんの一対のヌード作品の前にたたずんでください。“女性の美しさとは何か”、その原点に想いがゆくはずです。ひとつめの鮮明に写し出された黒バックのヌード。このモデルは色素がない、真っ白な女性です。金髪碧眼の女性が美の究極イメージとしてありますが、何が本当に美しいのか、ということを新しい形で見せてくれています。もうひとつの対になる作品は、雪の森に赤いボートがあり、そこにヌードの女性が立っている写真。フォーカスアウトでぼんやりと写されています。これらの二点は私にとってヌードの最高傑作のひとつ、黒バックの作品は見れば見るほどミステリアス。そして雪の中のヌードは、圧倒的に美しい存在が目の前にあるのに、“神々しく”て見てはいけないと感じさせる力を秘めているようです。太田さん次は、瀧本幹也さんの作品、一年がかりで森を撮影した「LOUIS VUITTON FOREST」シリーズから今回は夏と冬の二点。季節によって風景はがらりと変わります。一回見ただけではわからない、自然界の奥深い美の姿を感じてみてください。これらの写真は大型クレーンを立てて、地上を見下ろす神の目の視点から描かれています。太田さん大和田良さんの作品は数百年を生き抜いた盆栽、後ろには光を反射する金屏風。実は、一か月ごとに撮影した複数の写真を合成した作品です。金屏風は月ごとの光の変化を見せていますが、木は一切変わらない。さらに盆栽は生と死の共存が生み出す造形美です。そんな盆栽を愛でる感覚は日本的なるもの。ヨーロッパ人は満開の花の状態が一番美しいと評価する“完全”という基準がありますが、日本には異なる美のありようを追究する姿勢があり、それが写真のなかにも見出されます。最後は、希望の作品太田さん最後に、澄毅さんとルイーズ=クレール・ワーグナーさんの写真を紹介します。写真はリアリティを克明に撮るものと理解されがちですが、フォトグラフィーの「フォト」とは“光”、元来は“光画”を意味します。光を求めた若い作家たちの写真をここではご覧ください。太田さんコロナ禍の現在、私たちは暗闇の底にいるのかもしれません。でも、これからみんなで力を合わせ、誠実に一歩を踏み出せば、きっと希望を託せる時代がくるはずです。この展覧会をご覧になり、未来への希望となる“光”を感じてもらえたらうれしいです。インタビューを終えて…「若い女性たちにぜひ見に来てほしい」と熱く語ってくれた太田さんは、キュレーターをはじめ、さまざまな仕事をされているキャリアウーマン。東日本大震災のあと、被災地の方々がアルバムを探す姿を見て、「未来を生きるために過去が必要で、その過去を保証するのが写真」と気づき、東京画の活動をはじめたそうです。各国のアーティストと交流され、世界でもっとも重要な現代写真家のひとりといわれた故ロバート・フランクさんからは、「写真家と社会をつなぐ仕事をすべき」といわれたとのこと。太田さんは、世界の写真家たちから信頼される存在です。そんな太田さんが心をこめてつくりあげた『東京好奇心 2020 渋谷』は10月20日から開催。ぜひ会場に足を運んで、自分の好きな写真を見つけてみてください。Information会期 : 10月20日(火)~11月12日(木) ※会期中無休 時間 : 10:00-18:00(入館は17:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム入館料:一般¥1,000、高校・大学生¥500、中学生以下無料音声ガイド:この展覧会では、自分のスマートフォンとイヤホンを持参すれば、音声ガイドアプリ「33Tab/ミミタブ」をダウンロードして、無料の“音声ナビゲート”を聞くことができます。J-WAVEのナビゲーター4名(ジョン・カビラさん、クリス智子さん、ハリー杉山さん、マリエさん)が、展示作品からご自分の視点で作品を選び、自らの言葉で語ります。問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年10月18日アートのなかでも、ちょっと難しそうなイメージのある日本美術。今まであまり興味がもてなかった人にも見ていただきたいのが、現在サントリー美術館で開催しているリニューアル・オープン記念展II『日本美術の裏の裏』。同展では、展示方法に工夫を凝らし、日本美術の“裏技鑑賞法”をさまざまな形で伝えています。どんな内容なのか、たっぷりご紹介します!入り口で滝の音が…【女子的アートナビ】vol. 184『日本美術の裏の裏』、まず入り口から凝っています。さわやかな滝の音が流れ、天井からは木々の緑があしらわれたロールスクリーンが垂れ下がり、マイナスイオンまで感じられそうな雰囲気。期待が高まります。そろりと足を踏み入れていくと、一幅の掛け軸が目の前に。展示されているのは、江戸時代に活躍した絵師、円山応挙の《青楓瀑布図》です。迫力ある滝つぼの様子を描いた本作品は、縦182センチほどもあるので、ほぼ実物大。音響効果と相まって、リアルな滝を見ているようです。次の部屋との仕切りには、襖が使われています。第1章「空間をつくる」の展示室に入ると、華やかな屛風が出現。室町時代の《四季花鳥図屛風》です。四季の花や木の合間に鳥や蝶が描かれています。屛風の手前にある床には、蝶々がひらひらと舞っていました。心憎い演出です。続いてご紹介するのは《洛中洛外図屛風》。この種の作品は教科書などでおなじみですが、方角や建物をどう見たらいいのかわからない人も多いと思います。ここで、裏技鑑賞法の登場!京都のどのあたりを描いているのかイメージできるよう、床を使って図解で詳しく説明されています。風景を見たあとは、ミニチュアの世界に入ります。第2章「小をめでる」では、日本人が大好きな小さくてカワイイものが集結。ミニチュアの漆器や陶磁器、絵巻などが並んでいます。上の写真は雛道具。小さいけれど、かなり精巧につくられているのがわかります。江戸時代後期の人形屋で販売されていたもので、大名や裕福な町人たちが購入したそうです。ジワる名作絵本!続いて第3章「心でえがく」へ。室町時代の絵巻が展示されているのですが、ここでは、ぜひ学芸員さんの「言葉」にも注目してみてください。まず、章解説のボードには、次のような一文が書いてあります。“当館所蔵の「かるかや」は、一度見たら忘れられない、ジワジワと心を奪われる逸品です”いったいどんな作品なのか、ワクワクします!「かるかや」は、仏教説話を語り聞かせるためにつくられた絵本。花見の席で無常を感じ、身重の妻と娘を捨てて出家した主人公の刈萱道心(かるかやどうしん)と、父を知らずに育った息子の物語が展開します。作品横にある解説には「絵は正直下手」と身もふたもないお言葉が…。実際、美術館に展示されるものとしてはちょっと稚拙。でも、見ていると作品世界にジワジワと引き込まれていきます。ストーリーが理解できるよう、絵の下には場面解説も書いてあるので、ぜひ読んでみてください。素朴な絵と、悲劇的な物語のギャップに魅了され、ラストはちょっと感動します。お気に入りを探す!次は第4章「景色をさがす」へ。タイトルにある「景色」とは、陶磁器を焼くときに偶然できあがる形や色つやなどの表情のこと。鑑賞するとき、どの部分が好きか、自分で「正面」を探してみるのが鑑賞のポイントになるそうです。会場では、作品を360度どこからでも見られるように展示されています。例えば、野々村仁清の《色絵鶴香合》で自分が好きな景色を探してみます。このような動物の香合は「顔を正面にして飾るのが基本」らしいのですが、後ろから見る姿もエレガントです。和歌はラップ?続いて、第5章「和歌でわかる」へ。美術工芸よりもさらに難易度が高そうな和歌の世界。ですが、ここでもハードルを下げる工夫がされています。まず章解説に「かつての日本人は、ラップのように和歌でバトルを繰り広げていた」と書いてあり、一気に親近感アップ!和歌は、当時の恋愛やコミュニケーションに欠かせないツールで、和歌の名手はアイドルのような存在だったとのこと。彼らを集めたグループも結成されていました。平安時代に選ばれたのは、36人の歌人たち。会場には、36人のメンバー全員を描いた絵巻を分割した《佐竹本・三十六歌仙絵源順》も展示されています。最後の第6章「風景にはいる」では、風景画に描かれている小さな「点景人物」に注目して、作品を楽しむ方法が紹介されています。例えば、江戸時代の人気絵師、池大雅の作品《青緑山水画帖》第8図「漁舟楊柳図」では、ぜひ船に乗った人物を探してみてください。さらに、どんな場面なのかを想像し、心のなかで話しかけてみるとよいそうです。日本美術が身近に!今まで、日本美術の楽しみ方がわからなかった人でも、この会場をひとまわりすれば、きっと興味がもてるようになるはず。昔から日本人が大切にしてきた美意識に、改めて気づくこともできると思います。会期は11月29日まで。Information会期 : ~11月29日(日) ※前期・後期で作品の入れ替えがあります時間 : 10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※11月2日(月)、22日(日)は20時まで開館(入館は閉館の30分前まで)休館日 : 火曜日(※11月3日、24日は18時まで開館)入館料(税込): 一般¥1,500、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料会場:サントリー美術館
2020年10月14日