アート好きで知られる女優の吉岡里帆さんが『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』の記者発表会に登場! 展覧会の音声ガイドに初挑戦する吉岡さんが、意気込みやお気に入りの美術館、好きなアーティストなどについて、熱く語ってくれました!『バスキア展』がやってくる!【女子的アートナビ】vol. 149ジャン=ミシェル・バスキアとは、1980年代のアメリカで活躍したアーティスト。わずか27歳で亡くなった彼の作品は、現代アートのなかでも特に人気があり、美術市場で高額取引されていることでも知られています。2017年には、ZOZO社長の前澤友作さんが、オークションでバスキア作品を約123億円という高値で落札し、話題となりました。9月21日から東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開かれる『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』では、世界各地から集められた絵画やドローイングなど約130点もの作品を展示。前澤さんの所蔵作品も実物を見ることができます!吉岡さん、登場!そんな注目の展覧会で、音声ガイドナビゲーターを担当されることになった女優の吉岡里帆さんが、鮮やかな赤のワンピース姿で登場しました!アートが大好きという吉岡さんは、音声ガイドナビゲーター就任について「とても光栄です」と笑顔でコメント。MCから、美術に興味をもつようになったきっかけについて問われると、次のように述べました。吉岡さん両親が、絵が好きなので、家に絵が飾ってありましたし、小学2年生のときから書道をやっていますので、書道をきっかけに美術展や展覧会、博物館などに行くようになり、作品に触れる機会が多かったです。「こんなにすごい」と圧倒!さらに、吉岡さんの美術トークが続きます。――お気に入りの美術館はありますか?吉岡さん本当に好きな場所がたくさんありまして……。地元では京都文化博物館。ここは内装がとても歴史があってすばらしいです。あとは、川村記念美術館ですね。まさに現代アートが好きになるきっかけになった美術館なのですけれど、ロスコを見たときは本当に感動しました。また、新潟県の十日町に行ったときに、ジェームズ・タレルの作品を見たときは、本当に「インスタレーションの作品ってこんなにすごいんだ」と圧倒されたりして、最近は特に現代アートに興味をもっています。バスキアのイメージは?――ご自身の中で、バスキアとはどんなイメージですか?吉岡さんバスキア自身が短い期間で3000点というものすごい量の作品を残していますし、とにかくエネルギッシュで、若さと才能にあふれている方です。残されている作品は、どれをとってもバスキアにしかできないバランスがあります。そして色、ですよね。とにかく色のコントラストであったり、独特な感性に驚かされますし、早く本物の作品を近くで見たいとワクワクしています。――バスキアに憧れや影響を受ける部分があれば教えてください。吉岡さん一枚の絵を見たときのその圧倒的な自由さ。そこには憧れを抱きます。「自分はこういう人間なんだ、自分の頭の中ではこういう芸術があふれているんだ」という彼の思いが一枚の中にしっかりと表現されている姿は本当に感動します。「自分は自由なんだ、やりたいことをやるんだ」という姿勢がとてもかっこいいと思います。――最後にバスキア展に来場されるみなさまに、メッセージをお願いします。吉岡さんバスキア展にご来場されるみなさま、本当に私も楽しみに待っているひとりなんですけれど、バスキアという人は、短い生涯の中で数多くの名作を残し、今もなお愛し続けられているとてもステキなアーティストです。彼の作品に触れると、とにかく気持ちがワクワクして、エネルギーが体中から満ちあふれるような、そんな気持ちになってもらえるかと思います。私も丁寧にガイドをしていけるように、務めてまいります。会場は東京だけとうかがいましたので、とにかくこの機会を逃さず、ぜひみなさんに来ていただきたいです。音声ガイドは来場者全員無料!バスキア展では、吉岡さんが担当される音声ガイド機を無料で提供。また、美術展史上はじめての試みとして「二度楽しめる」キャンペーンが実施されます。これは、来場者がもう一度バスキア展に来場することができるもので、二度目の来場は会期中平日17時以降の入場のみ対象となります。(詳しくは公式サイトをチェック!)現在、うれしい特典つきの前売り券が発売中です。ぜひ早めにお得なチケットを入手して、バスキア展の開幕を待ちましょう!Information『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』会期:2019年9月21日(土)~ 11月17日(日)休館日:9月24日(火)時間:10:00~20:00※9月25日(水)、9月26日(木)、10月21日(月)は17:00閉館※入場は閉館の30分前会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)特典付前売券(税込):バスキア展サポーターチケット(※10月4日(金)までの入場※1,000枚限定 )¥1,000/早割ペアチケット(※7月7日(日)まで販売)¥3,000 /図録付チケット¥4,500/※詳しくは公式サイトをご覧ください。当日券(税込):一般 ¥2,100/高校・大学生 ¥1,600/小・中学生 ¥1,100※音声ガイドは来場者全員無料公式TwitterフジテレビARTもしくは最新情報はフジテレビART@fujitvartTwitterまで
2019年06月12日浮世絵師たちが愛した江戸を、今も変わらぬ地形から感じる展覧会『江戸の凸凹―高低差を歩く』。今、東京の地形に着目した新しいアプローチの街歩きの本が、書店に続々と登場している。東京スリバチ学会会長・皆川典久氏の著書『東京「スリバチ」地形散歩』シリーズをはじめ、『タモリのTOKYO坂道美学入門』、松本泰生氏の『東京の階段』など。確かに自分の暮らす町について、丘はどんな地層で形成されているのか、幼い頃に遊んだ川はどこに続いているのか…その成り立ちを知ると、地域に対してさらに愛着が湧くのも事実。そんな話題に好奇心をくすぐられるあなたに、ぜひともおすすめしたい展覧会がこちら。東京は、西に武蔵野台地が、東には東京低地が広がる。坂道や階段も多く、高低差を感じながら散策するのも楽しい都市だ。その感覚は、150年以上前に住んでいた先人たちもどうやら同じだったらしい。江戸時代に描かれた浮世絵の風景画を眺めてみると、歌川広重をはじめとする絵師たちも、しばしば地形の高低差を意識した構図で江戸の町を描いている。すっかり変貌した現在の東京と江戸の街並みでも、高低差や坂道などの地形は、ほぼ変わらない。そこで本展では、浮世絵に描かれた江戸の地形、特に高低差に焦点を当てた浮世絵を80点以上紹介。愛宕山や駿河台などの山や台地、神田川など河川の周囲に広がる谷、築地や深川などの水辺に広がる低地、江戸見坂や九段坂などの坂。昔と変わらない地形を眺めつつ、古き良き江戸散歩を追体験できる。「ここはあの広重も愛した江戸の地形なんだ」と思えば、街歩きがさらに感慨深く、楽しくなることは間違いない。歌川広重「名所江戸百景昌平橋聖堂神田川」御茶ノ水にある昌平橋。正面に神田川が流れ、右手に湯島聖堂、左手には切り立った崖があるこの絵は東京屈指の高低差に富んだ風景。会場ではこの絵の横に現在の昌平橋を写した写真を並べて展示する。歌川広景「江戸名所道外尽廿八妻恋こみ坂の景」妻恋神社へ向かう途中にある現在の立爪坂の風景。歌川広重「東都名所御殿山花見品川全図」江戸時代から花見の名所として有名だった御殿山の春模様。『江戸の凸凹―高低差を歩く』太田記念美術館東京都渋谷区神宮前1‐10‐106月1日(土)~26日(水)10:30~17:30(最終入館は17:00まで)月曜休一般700円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年6月5日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2019年06月03日和装離れが進む昨今、その流れに反して、ますます多くのファンを魅了している浴衣。その魅力を教えてくれる展覧会『特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし』が始まった。浴衣が広まったのは江戸時代。当初は入浴後のくつろぎ着だったものが、その快適さから次第に夏の気軽な外出着へと発展。素材も麻から木綿へと変化すると、「型染」や「絞り」など染めの技法も進化してゆく。当時は「小袖雛形本」と称されるスタイルブックが存在、そこから柄を注文するのが一般的だった。しかし明治末期から大呉服店(現・百貨店)が急成長すると呉服店が続々と新柄を手掛けるように。特に大正末から昭和初期には、鏑木清方など有名な画家が考案した新作を百貨店が発表。既存の意匠とはまた違うデザイン性も加わり浴衣は一躍トレンドになった。そんな江戸から昭和にかけての浴衣や型紙、当時の風俗を描く浮世絵などが数多く展示される。さらに、現代の作家による、無形文化財である型染めの技術「長板中形」を用いての制作模様も映像で紹介。まずはお気に入りの浴衣に袖を通すことから本展を楽しんでみて。紺木綿地団扇模様浴衣大正~昭和時代 20世紀前半 東京都江戸東京博物館おおらかで大胆な模様は、江戸時代に町の女性が着用しはじめたもの。白麻地石橋模様浴衣江戸時代 18世紀後半 東京都江戸東京博物館能の演目「石橋」にちなみ中国の獅子と牡丹が大胆に描かれた図案。白麻地槍梅若松模様浴衣江戸時代 18世紀後半 東京国立博物館後期には、現存するものが少ない貴重な染織の作品を展示。画像提供:東京国立博物館Image:TNM Image Archives三代歌川豊国(国貞)「四条河原夕涼之図」江戸時代 嘉永2年(1849) 錦絵 大判三枚続 個人蔵歌舞伎役者が浴衣で涼む風景を描いた一枚。町衆の浴衣絵なども数多く現存。『特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし』泉屋博古館分館東京都港区六本木1‐5‐1前期:開催中~6月16日(日)後期:6月18日(火)~7月7日(日)10:00~17:00(入館は16:30まで)月曜休一般1000円ほか※きものでご来館の方100円割引(他割引との併用不可)TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年6月5日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2019年06月02日東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』が開催中です。この展覧会では、英国・グラスゴーで海運業により富を築いたウィリアム・バレル(1861-1958)の豪華なコレクションを紹介。さらに、バレエを題材にしたドガの傑作《リハーサル》初来日にあわせ、世界的バレエダンサー・熊川哲也さんが展覧会に来場されました!写真:Yuya Furukawa(熊川哲也)76点もの作品が日本初公開!【女子的アートナビ】vol. 148『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』では、グラスゴー市にある世界屈指の美術館「バレル・コレクション」から73点もの作品が来日。同市内にあるケルヴィングローヴ美術博物館所蔵のゴッホ作品なども含めた出品総数80点のうち、なんと76点の作品が日本初公開となっています。船舶の売買などで大きな成功を収めたウィリアム・バレルは、1944年に自身で集めた数千点ものコレクションをグラスゴー市に寄贈。その際、「海外には持ち出さない」などの条件をつけていたので、今まで英国外でほとんど彼のコレクションを見ることができませんでした。ただ、現在、本国の美術館が大規模改修中で閉館しているため貸し出しが可能となり、貴重な作品群の初来日が実現したそうです。展示されているのは、クールベやセザンヌ、マネなど巨匠たちによるフランス絵画を中心に、オランダ、スコットランドの画家たちによる作品など名画ばかり。日本初公開作品をたくさん見られるということもあり、連日多くの人が訪れています。なぜグラスゴーにフランス絵画?とはいえ、なぜ海運王バレルは上質なフランス絵画を多く集められたのでしょう?バレルの出身地、スコットランドは、歴史的にフランスとの結びつきがあり、文化面でも影響を強く受けていました。さらに、グラスゴーには、パリで修行した目利きの画商がいたため、コレクターたちは一流のフランス絵画を収集できたそうです。フランスだけでなく、地元スコットランドの絵画もバレルは熱心に集めていました。例えば、グラスゴー出身の画家、サミュエル・ジョン・ペプローの作品も今回の会場で見ることができます。ペプローはパリで学び、印象派などの影響を受けた画家で、スコットランドで活躍。特にバラの絵を好んで、繰り返し描いたそうです。この作品の近くには、フランスの巨匠、マネの描いたバラの絵も展示されているので、見比べてみるのも楽しいですよ。ドガ《リハーサル》は必見!今回の展示で特に見逃せないのは、ドガの名作《リハーサル》。彼はバレエをテーマにした作品を多く残していますが、特にこの絵は初期に描かれた油彩画のひとつ。色彩の美と大胆な構図が特徴の本作品は、やわらかな光が差し込む室内の様子が繊細に描かれていて、とても美しいです。そして、バレエをテーマに描いたこの作品の初来日にあわせ、世界的なバレエダンサー・熊川哲也さんが展覧会に来場されました!熊川さん、ドガに感動!熊川さんは、東洋人としてはじめて英国ロイヤル・バレエ団に入団した天才バレエダンサー。現在、Kバレエカンパニーを主宰され、Bunkamuraオーチャードホール芸術監督も務めるなど幅広く活躍されています。そんな熊川さんが作品を鑑賞し、感想など語りました。まず、メインとなるドガの《リハーサル》については、「我々バレエダンサーの世界を150 年前に描いた作品で、実際に見ることができて非常に光栄」と感想を述べ、「現在の稽古風景と共通するところ、対して変化したところは何なのか、自分の中にさまざまな問いかけが生まれた」とコメント。さらに、本物の作品を見て感動した熊川さんは、「買えるものなら手にしたいくらい。そうですね、5 億だったら買いたいな。冗談ですよ!(笑)」とユーモアをまじえて語ったあと、「バレルは作品選びに一貫性があり、ただのお金持ちの道楽ではないと思った」とコレクションの質の高さについても言及しました。ご自身でも彫刻作品や古い写真、楽譜などを収集しているという熊川さんは、「目に映るものがすべてきれいで完璧であってほしいという意識が常にある」と一流バレエダンサーならではの視点でアートについて語ってくれました。熊川さんも感動したこの展覧会は、6月30日まで開催。ぜひ本物の作品をご覧になってみてください!Information『印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション』会期:~6月30日(日)※6月4日(火)のみ休館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 ¥1,500/大学生・高校生¥1,000/中学生・小学生 700円
2019年05月31日ドキュメンタリー映画『アートのお値段』が2019年8月17日(土)より、全国で順次ロードショー。アートの値段はどうやって決まるの?バンクシーのアートが都庁に飾られ、企業の社長はこぞって買い求め、ジェフ・クーンズの作品「ラビット」は9000万ドル(約100億円)以上、ダ・ヴィンチ(?)の絵は500憶円以上の値段で落札された。そう、今アート作品が高騰しているのだ。株や不動産のような投資対象としての熱が年々高まっている。日々ニュースに流れる高額落札を聞くと、誰が何のために買っているのだろう?と疑問を持つ人もいるはず。そんな疑問を、美術界の人々に投げかけていく。最も高く売れるアーティスト、ジェフ・クーンズも出演映画には、もっと高く作品の値段がつくと言われるジェフ・クーンズ、現代アートにおいてもっとも重要な画家と呼ばれるドイツのゲルハルト・リヒター、若くして成功したナイジェリア出身の女性アーティスト ジデカ・アクーニーリ・クロスビーらが登場。サザビーズも紹介オークションハウスのサザビーズは、2018年に総売上64億ドル(約7000憶円)を記録した。映画では、そんなニューヨークのサザビーズ・オークションで、アート作品が売買されるオークションの様も紹介される。そこにはアートバブルだという評論家や、熱狂的なコレクターなど様々な思惑が入り混じっていた。なお、『マイ・アーキテクトルイス・カーンを探して』でアカデミー賞にノミネート経験のあるナサニエル・カーンが監督する。ZOZO社長の前澤友作のバスキアが落札される瞬間も2019年9月に開催の森アーツセンターギャラリー「バスキア展 MADE IN JAPAN 」で展示れる予定の、ジャン=ミシェル・バスキアの「 Untitled 」がサザビーズ で落札される映像に収められている。作品情報映画『アートのお値段』公開時期:2019年8月16日(土)原題:THE PRICE OF EVERYTHING監督:ナサニエル・カーン出演:ジェフ・クーンズ、ゲルハルト・リヒター、ラリー・プーンズ、マリリン・ミンター、ゲルハルト・リヒター配給:ユーロスペース
2019年05月24日東京・六本木の国立新美術館で、『ウィーン・モダンクリムト、シーレ 世紀末への道』がはじまりました。女子の心をわしづかみにするウィーンのアートやインテリアなど約400点が集結! 特におすすめの作品について、主任研究員の本橋弥生さんに聞いてきました!ウィーン文化を体感!【女子的アートナビ】vol. 146『ウィーン・モダンクリムト、シーレ 世紀末への道』では、19世紀末に花開いたウィーンの世紀末芸術を軸に、18世紀後半から20世紀初頭にかけての絵画やファッション、インテリアなどの作品約400点を展示。展示作品のほとんどは、オーストリアのウィーン・ミュージアムから来日しています。ウィーン市の歴史・文化資料を多数所蔵する同ミュージアムは、現在、改修工事のために閉館中。そのため、日本でまとめて貴重なコレクションを見ることができるそうです。担当学芸員さんに聞いてみた!今回、展覧会を担当された国立新美術館の主任研究員、本橋弥生さんに、女子におすすめの作品を3点セレクトしていただきました。――ひとつめの作品を教えてください。本橋さんまずは、《エミーリエ・フレーゲのドレス》がいいと思います。エミーリエは、当時(19世紀末~20世紀初頭)としては珍しく、結婚せず独身で通し、非常に聡明で強いキャリア・ウーマン(?)でした。そういった点で、今の私たちにも共感するところがあるかと思います。――自立した女性だったのですね?本橋さんそうです。このドレスも、実は革新的だったのです。当時、女性はコルセットで締めあげられ、ひとりで立っていられないような状態で、支えられる存在でした。男性の権力や財力を見せるための、いわば人形のような存在だったのです。このドレスは、エミーリエ本人が着て、販売もしていた“改良服”といわれるものです。コルセットで締めつけず、女性が快適に動けて、さらに美しくもあるという服装は、その人の生き方やライフスタイルを反映するもので、エミーリエの強い意思が表明された興味深い作品だと思います。※筆者注:エミーリエ・フレーゲ(1874-1952)は、画家グスタフ・クリムト(1862-1918)と親密な関係にあった女性実業家。今展のメインビジュアルで使われているクリムトの《エミーリエ・フレーゲの肖像》も、彼女をモデルにした作品です。奇跡の銀器は必見!――ふたつめのおすすめ作品をお願いします。本橋さん個人的に、すごく好きな作品をご紹介します。市民文化が開花した19世紀前半、ビーダーマイアー時代に制作された銀器です。――とてもシンプルでモダンな雰囲気ですね。本橋さんそれまでの芸術品や家具、ドレスは、権力や財力をいかに示すか、というものが多く、装飾的で威圧的で、その人の地位を示すものでした。このような燭台などにも、花やキューピットなどでごてごてと装飾されていたのです。そんな時代に、一気にこれだけシンプルですっきりとしたデザインの一点物が手づくりされるようになったというのは、奇跡に近いと思います。銀の輝きもすばらしいです。――どのような人たちが使っていたのですか?本橋さん主にユダヤ人をはじめとする都市の富裕層です。18世紀後半、啓蒙主義を支持していた皇帝ヨーゼフ2世の改革でユダヤ人がウィーンに集まるようになり、商業で成功した彼らが文化のパトロンとなって、銀器などもつくられるようになったのです。これらの銀器は、とても丁寧につくられていて、まるでモランディ(※)の静物画のような美しいたたずまいで、日本のわびさびにも近いものがあります。ごてごてと装飾されていた時代に、これだけ価値観の転換があったのはすごいことだと思います。※ジョルジョ・モランディ(1890-1964)は、瓶などをモチーフにした静謐な絵を描いたことで知られるイタリアの画家。――こちらの作品も、かなり現代的なデザインですね。本橋さん右側にあるのは、軍用のトラベルセットで、組み立ててコンパクトにできるようになっています。多機能的で、バウハウス(※)を100年先取りしていたのですね。モダンデザインというのは20世紀に入ってからの発想と思っていたのですが、この時代からあったというのが驚きです。※バウハウスは、1919年にワイマール共和国に創設された総合造形学校。近代建築やデザイン、絵画などに大きな影響を与えた。最後はクリムト!――最後のおすすめ作品をお願いします。本橋さん最後は、クリムトの絵画をご紹介します。クリムトは、「キュンストラーハウス」という伝統的で保守的な芸術団体にいたのですが、脱退して、1897年に「ウィーン分離派」を結成します。自分たちで新しい芸術をつくりたいという思いで立ち上げました。本橋さんこの作品は、1898年に建てられた分離派会館に展示する絵として特別に描かれました。自分たちの新しい指針を示すのに適した寓意像で(戦いの女神である)パラス・アテナが描かれています。鎧(よろい)の首の部分には、舌を出したメドゥーサが金色で描かれていて、権威などに対して舌を出しているといわれています。展示の際、ライティングを工夫して、下から光を当ててみました。すると、明るい色が見えてきて、背後にもいろいろなものが見えるようになったのです。クリムトの色づかいは本当にきれいなので、ぜひそれも見ていただきたいです。――詳しくご解説いただき、ありがとうございました。シーレもあります!会場には、ほかにも家具や建築模型、ポスターなど、ウィーンの文化を感じられる作品がぎっしりと並んでいます。さらに、クリムトと同時代に生きた天才画家、エゴン・シーレ(1890-1918)の退廃的な雰囲気が漂う作品も見ることができます。東京会場の会期は8月5日まで。その後は、大阪(8月27日~12月8日 国立国際美術館)に巡回します。どうぞお見逃しなく!Information会期:~8月5日(月)開館時間:10:00 ~ 18:00※毎週金・土曜日は、5・6月は20:00、7・8月は21:00まで。5月25日(土)は「六本木アートナイト2019」開催に伴い22:00まで開館。※入場は閉館の30分前まで開催場所:国立新美術館 企画展示室1E休館日:火曜日観覧料:一般¥1,600 、大学生¥1200、高校生¥800、中学生以下無料
2019年05月18日上野の東京都美術館で『クリムト展 ウィーンと日本 1900』が開かれています。この展覧会では、19世紀末のウィーンで活躍した画家、グスタフ・クリムト(1862-1918)の貴重な作品が集結。ドキッとする官能的なアートや貴重な初期作など、見どころをご紹介します!過去最多の油彩画、来日中!【女子的アートナビ】vol. 147『クリムト展 ウィーンと日本 1900』では、世界最大級のクリムト・コレクションを誇るベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館から、貴重な作品が多数来日。日本では過去最多となる25点以上の油彩画が集まり、さらに素描や関連作品など含めて100点以上が展示されています。2019年は、日本とオーストリアの間に国交が樹立して150周年となる記念の年。そして、前年の2018年はクリムトの没後100年ということもあり、今回の企画が実現したとのこと。日本にいながら上質なクリムト作品をまとめて見られる貴重なチャンスです。クリムトの生い立ちからスタート展示は8章で構成され、まずは画家の初期作品から見ることができます。ウィーン郊外の金工師の長男として生まれたクリムトは、1876年からウィーンの工芸美術学校で素描と絵画を学びます。その後、市立劇場の天井画や壁画、ウィーン美術史美術館の壁面装飾などを手がけながら力をつけて、ウィーンを代表する画家となっていきました。クリムトといえば、金を使った装飾的な絵画が有名ですが、初期のころはアカデミックで古典的な絵も描いていました。会場では、最初期に描いた男性裸体の習作や銅製彫金のレリーフなども見ることができます。エロティックな傑作1897年、ウィーンの保守的な芸術団体から脱退したクリムトは、「ウィーン分離派」を結成。初代会長となり、個性的な作品を手がけるようになります。そのころに描いた傑作が、この展覧会のメインビジュアルとなっている傑作《ユディトⅠ》。半開きのうつろな目や口元、はだけた胸元などの描写がかなりエロティックで、薄暗い展示室でこの作品と向き合うとドキドキします。東京都美術館の学芸員、小林明子さんの解説によると、「1900年以降、およそ10年間はクリムトの黄金様式の時代と称され、金箔をはじめ、金の表現を非常に洗練させていった」とのこと。この金箔は、日本美術からの影響も指摘されているそうです。また、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館の学芸員、マークス・フェリンガーさんによると、この作品には「女性のエロス、生身の身体と彩る装飾品など、クリムトの代名詞となっている要素が含まれている」とのこと。さらに、クリムトは複数の女性と関係を持つなど、奔放な恋愛関係で知られているのですが、そんな彼自身が抱いていた不安から生じる不安定な気持ちがこの作品に込められているそうです。ローマからきた傑作も必見!もうひとつ、見逃せないのがローマから来日した傑作《女の三世代》。展覧会を監修された成城大学名誉教授で広島県立美術館館長の千足伸行さんによると、本作はクリムトの中でも完成度が高く、すばらしい作品とのこと。赤ちゃんと母親、高齢の女性という三世代の女性の姿が表現されているのですが、老いた女性が残酷なくらい醜く描かれています。「この作品では、時代や宗教に関係なく誰もがたどる“運命”を表しているが、そんな暗いテーマでもクリムトは装飾的なモチーフを使い、色彩的にも美しい作品に仕上げている」と千足さん。この装飾的な部分にも、日本美術の影響があるそうです。ほかにも、風景画や肖像画、ウィーンの分離派会館に描かれている壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の原寸大複製なども展示。作品を通して、クリムトの人生をたどることができます。東京都美術館での会期は7月10日(水)まで。その後は、豊田市美術館(愛知県)に巡回します。ぜひ、本物の美しいクリムト作品をご覧になってみてくださいね!Information会期:~7月10日(水)開館時間:9:30~17:30※金曜日は9:30~20:00※入室は閉室の30分前まで開催場所:東京都美術館 企画展示室休室日:5月20日(月)、27日(月)、6月3日(月)、17日(月)、7月1日(月)入場料:一般¥1,600 、大学生・専門学校生¥1300、高校生¥800、65歳以上¥ 1,000、中学生以下無料
2019年05月11日お人好しの猫のトムと賢くてすばしっこい鼠のジェリー。永遠の“追いかけっこ”コンビがアメリカで生まれて来年で80周年。そのアニバーサリーとして、過去最大規模の展覧会開催が決定。『トムとジェリー』が幅広い年齢層から愛される日本に、世界に先駆けてやってくることに。天敵? 親友? 世界最強コンビ誕生の秘密に迫る。作者はウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ。「カートゥーン」と呼ばれるアメリカンアニメの世界でも、ウォルト・ディズニーと並び称される天才アニメーターコンビ。シリーズ第1作「上には上がある」がいきなりアカデミー賞にノミネートされて以来、7回も受賞しているというから驚き。“トムジェリ”はデビュー当初からスターだった!というわけ。同展覧会では受賞作の映像をはじめ、映画製作会社ワーナー・ブラザースアーカイブで大切に保管されてきた原画や資料を展示。セルに描かれたトムとジェリーの姿は色褪せることなく、初公開のレイアウトスケッチや絵コンテには、面白さの秘密が隠れていそう。そのほか、ジェリーにこてんぱんにされたトムの立体作品がお目見えしたり、追いかけっこシーンの特別映像がミニシアターで上映されたりとお楽しみも満載。Tシャツ、バッグなど展覧会限定や先行販売などのオリジナルグッズ約200アイテムが登場。お買い物も楽しめそうだ。デビュー作のセル画も。現在では使われなくなったセル画は、透明のシート上に直接キャラクターを描いたもの。たくさんのコマ数のセル画を連続して見せることで動きを表現。アニメ制作の原点だ。『トムとジェリー』「上には上がある」セル・セットアップTOM AND JERRY and all related characters and elements © & TM Turner Entertainment Co.(s19)史上最強コンビ、誕生秘話。キャラクターの造形も80年の間に変化が。今よりワイルドな初期のトム。中央の「THE ALLEY CAT」とは「野良猫」の意味。現行の設定に至るまでの変遷も興味深い。『トムとジェリー』モデルシートTOM AND JERRY and all related characters and elements ©& TM Turner Entertainment Co.(s19)『誕生80周年 トムとジェリー展 カートゥーンの天才コンビ ハンナ=バーベラ』松屋銀座 8階イベントスクエア東京都中央区銀座3-6-1 TEL:03・3567・1211(大代表)開催中~5月6日(月)無休10時~20時(4月21日は~19時30分、最終日は~17時。入場は閉場の30分前まで)一般1300円ほか※『anan』2019年4月24日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2019年04月22日六本木の森アーツセンターギャラリーで、『ムーミン展 THE ART AND THE STORY』がはじまりました。 みんな大好きなかわいいキャラクターの原画や資料などが集まるこの展覧会では、今まであまり見ることのできなかった貴重な作品も登場! 展示の見どころを、ムーミン美術館の館長さんに聞いてきました!『ムーミン展』スタート!【女子的アートナビ】vol. 145世界中で愛されているムーミンですが、特に日本での人気は絶大。この3月には埼玉にテーマパークも誕生し、ますます注目を集めています。そんなキャラクターの魅力がたくさん詰まった展覧会では、小説の挿絵に使われた原画やスケッチ、かわいいフィギュアやグッズなど約500点が勢ぞろい。フィンランドにあるムーミン美術館とムーミンキャラクターズ社の貴重な所蔵作品を中心に紹介されています。会場の雰囲気も、とってもステキ! アートディレクションを担当されたのは、映画や展覧会のグラフィックを数多く手がけているデザイナーの大島依提亜さん。展示作品だけでなく、空間全体も楽しめます!ムーミン美術館の館長さんに直撃!今回、ムーミン美術館の館長、タイナ・ムッリィハルエさんに、展覧会の見どころなどお聞きしました。――まず、日本で展覧会が開催されることについて、ご感想をお聞かせください。ムッリィハルエ館長前にも日本で展覧会をやったことがありますが、今回が今までで最大級のものです。さらに今回は、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して開催されています。この機会に開催できることをとてもうれしく思います。――展覧会の見どころを教えてください。ムッリィハルエ館長まず、ムーミンの物語を伝えたいと思っています。どのようにムーミンが誕生したのか。何十年の間でどう進化したかを伝えたいと思っています。また、物語には、みんなと仲良くするとか、寛容とか、家族や友だち、さらに自然を大事にするとか、そういう大事なメッセージがあることもお伝えできればと思います。ムーミンは黒かった!?――今回の展示では、ムーミンの原形ともいわれる黒いムーミンの絵がありました。このキャラクターはどのように誕生したのですか?ムッリィハルエ館長もともと、作者のトーベ・ヤンソンが子どものころ夏にスウェーデンの親類たちと一緒に過ごしていたとき、夜に抜け出してつまみ食いをすることがあって、それに怒ったおじいさんが「夜起きると、“スノーク”が襲ってくるよ」と怖い話をしました。そのときに沸いたイメージが、長い鼻の怖いキャラクターでした。例えば、その生き物はクローゼットの後ろに隠れていたり、暖炉の後ろに隠れているような怖い存在で、最初は黒い色でした。その後、だんだんと変わってきたのです。――浮世絵との比較展示もありますが、トーベはアジアにも関心があったのですか?ムッリィハルエ館長トーベは日本のアートや浮世絵に関心を持っていまして、それは50年代に日本に来てからますます興味を持つようになったと思います。彼女のコレクションの中には、日本や極東地域のコレクションもあり、生涯を通して日本の芸術に関心を持っていたと思います。――トーベの原画を見ると、かわいいだけでなく、深い精神性も感じられます。彼女の絵の魅力は、どんなところにありますか?ムッリィハルエ館長まず、絵がとてもうまいといえると思います。彼女の描いている線は、とてもしっかりとした良い線です。アーティストとして優れているから、それにストーリーもついてくるのだと思います。彼女自身は自分のことを画家と思っていたと思いますが、残念ながらムーミンに時間をとられて、あまり画家としての絵を描くことはなかなかできなかったようです。同性愛を公表…――今回の展示を通して、彼女の作品だけでなく、生き方にも感銘を受けました。館長ご自身は、トーベのどんなところが好きですか?ムッリィハルエ館長全部です(笑)。彼女は最初から他と違っていたと思います。第一次世界大戦と第二次世界大戦、あるいはフィンランドでの内戦があった時代を生きていますが、ある意味、マイノリティだといえると思います。というのは、彼女はフィンランド人ですけど、スウェーデン語圏の人です。そして女性でありアーティストであります。また、フィンランドとしては初めて同性愛者であることを公表した人のひとりです。その意味でも、マイノリティだったといえます。ただ、実際に同性愛者のカップルとして初めて大統領主催のレセプションにも招待されています。そういった意味で、とても勇気のある誇りを持っている人だと思います。(筆者注:フィンランドでは1971年まで同性愛が犯罪とみなされていました。)また、いろいろな面でユニークです。食事も変わっていて、あまり食べず、アルコールが好きでした。食事は魚とデザートだけで、家には台所がなくて、小さなガス台がひとつあっただけのようです。そこに行った人が「台所はどこ?」と聞くと、「食べないからいらない」と答えるような、とても特別な人でした。フィンランドのムーミン美術館とは?――フィンランドのムーミン美術館には、どんな特色がありますか?ムッリィハルエ館長ムーミン美術館は特別な場所です。おそらくトーベはムーミンの世界に入れるような、日常を忘れることができるようなものをつくりたいと思っていたと思います。そういうものにしています。カタログや図録など日本語訳のものをミュージアムショップで売っていますし、多くのものが日本語で提供されています。ぜひ、訪れてもらいたいと思います。――最後に、ひとこと、読者にメッセージをお願いします。ムッリィハルエ館長日本とフィンランドは、家族や自然を大事にするという共通の価値観があると思います。展覧会は巡回して何か所かで展示しますので、行ける場所にぜひ来てもらいたいと思います。ショップ&カフェも充実!ムーミン展を訪れたら、ぜひショップやカフェにも立ち寄ってみてください。かわいいグッズや写真映え抜群のスイーツが用意されています。フォトジェニックなニョロニョロもいます! 食べるのがもったいない!ムーミン展、六本木会場は6月16日まで。その後、大分、名古屋などに巡回します。ぜひ、足を運んでみてくださいね!Information会期:〜6月16日(日)※会期中無休開館時間:10:00 〜 20:00 ※火曜は17:00まで(入館は閉館の30分前まで)開催場所:森アーツセンターギャラリー入場料:一般¥1,800 、中学生・高校生¥1,400、4歳~小学生¥800※3歳以下無料問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)© Moomin CharactersTM
2019年04月20日ART EXHIBITION「% percentage」Presented by TIMELESS COMFORTEvent director:joji shimamoto 想像しようアートがある生活をアートを部屋に飾ることで今まで見慣れた部屋も雰囲気を変えて新しい空気を生むそれはきっと心地よくあなたの生活を包むだろう 時代を越えた快適さを提案するライフスタイルショップ「TIMELESS COMFORT 自由ヶ丘店」で開催するアートイベント「%(パーセンテージ)」のご紹介です。 %(百分率)は、全体を100とみなした時、その幾らに当たるかという割合のこと。人生の全体を100とした場合に、家で過ごす「暮らしの時間」はいったい何%になるでしょうか?ライフスタイルの中でもアートを感じ、日々の生活を心豊かに過ごしてもらいたい。季節ごとにファブリックを替えるように、アートを身近に感じて欲しい。そういった思いから、ライフスタイルの快適さ、その確率をあげるアートを提案するエキシビジョンです。 会期中はフランスから来日中のOusmane氏による公開製作も予定、生活を刺激するエクスペリエンスを提供します。 「TIMELESS COMFORT 自由ヶ丘店」は、昨年秋にリニューアルオープンしたばかり。世界中からセレクトした感度の高いインテリアブランドやアイテムが続々入荷中。この機会にぜひ足を運んでみてはいかが。 以前PeLuLuでご紹介したリニューアルオープンについて詳しくは→ |%SHOP |TIMELESS COMFORT 自由が丘店 東京都目黒区自由が丘2-9-11期間 |2019年4月19日(金)〜29日(月祝)11:00〜20:00 Ousmane公開製作4月21日(日) 14:00〜17:00 (制作状況により前後する可能性がございます)ARTIST |Ousmaneousmaneba.comMHAKmhak.jp imaoneimaone.com RAGELOWinstagram joji shimamotojojishimamoto.com sayaka oyainstagram ARTIST: Ousmane1988年フランス生まれ瞬間的なエネルギーや動的なイメージを優雅な線で描く年會津若松生まれ画をインテリアの一部として捉え、「生活空間との共存」をテーマに内装壁画をメインとした制作活動を行う顔は不器用、手は器用。1980年、東京・吉祥寺出身。繊細な水彩画から、100平米以上の大型壁画まで、支持体の大小を問わず個性を失わない絵を披露している。年東京生まれゲリラ新聞社"NEWTOKYOPOST"を主催する画家、幼少の頃より書道、写術ににいそしむ。『Normalization(正常化)』、『Think Outside the System(体制の外側から考える)』という言葉を掲げる。 shimamoto1983年千葉県出身写真家、クリエイティブディレクター自身の作家活動だけでなく、商業施設の壁画プロデュース等を手がける oya1984年生まれ壁画やライブペインティングからイラストレーションまで幅広く活動、舞台美術や美術監修等に携わる INFOMATION:T.C/ タイムレスコンフォート 自由が丘店 ※会場は2Fです〒152-0035東京都目黒区自由が丘 2-9-11 自由が丘八幸ビルTEL : 03-5701-5271 FAX : 03-5701-5272■TIMELESS COMFORTを運営するアスプルンド
2019年04月18日六本木の街を舞台にしたアートの饗宴「六本木アートナイト 2019」が今年も開催される。会期は、5月25日と26日の2日間。10回目の開催を迎える「六本木アートナイト」、今年は“夜の旅、昼の夢”をテーマに、メインプログラムに起用したアジアの現代アート界を代表する韓国のアーティスト、チェ・ジョンファ(崔正化)を始め、様々なアーティストが六本木の街中に現代アート、デザイン、音楽、映像、パフォーマンスといった広域に渡るプログラムや作品を点在させ、非日常的な体験を作り出す。チェ・ジョンファは、六本木ヒルズアリーナにカラフルなバルーン彫刻《フルーツ・ツリー》を展示する。枝から落ちたような果物や野菜の形をした合成ビニール製の彫刻がアリーナに配置され、辺りは魔法の庭へと変貌する。六本木ヒルズアリーナ 完成イメージ東京ミッドタウンのプラザ1階 キャノピー・スクエアに展示される同氏の作品《ライフ・ライフ》は、約1万個のくねくねと波打つバルーンを用いた作品。60年代のポップアートを想起させるような巨大な色彩の塊となって空間を覆い尽くす。日常にありふれたものをモチーフとするチェ・ジョンファ。国立新美術館と、TRI-SEVEN ROPPONGI 龍土町美術館通り沿いのブルーボトルコーヒー前に展示される《みんなで集めよう》は、プラスチック製の大量生産品や一般の台所用品の寄付を募り、素材とした作品。それらを積み重ね形作った、彫刻や寺院の柱のような独特なフォルムと色彩に人々は魅了されるだろう。5月20日から26日までは、日本初上陸となるアメリカ人アーティストのカート・パーシキーによる《レッドボール・プロジェクト》が、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館など六本木の街なかを巡回する。これまで32都市で実施されてきたこのプロジェクトは、ゴムボールで出来た巨大な赤玉を、ある場所から別の場所へと移動しながら、街の地図を描き直す。《レッドボール・プロジェクト》シカゴでの展示風景Photo: Kurt Perschke六本木ヒルズ 毛利庭園 ヒルサイド側では、「FUROSHIKI PARIS」報告展を開催。東京都とパリ市の文化交流事業「パリ東京文化タンデム2018」の一環として、アートディレクターに田根剛を迎え、2018年秋に行われた「FUROSHIKI PARIS」では、北野武、草間彌生、コンスタンス・ギセ、ジャンポール・ゴルチエ、ニコラ・ビュフ、蜷川実花、細川護熙などが参加し、パリの市庁舎前で風呂敷の展示やインスタレーション、ワークショップなどを行い風呂敷の魅力を世界に発信した。今回の六本木アートナイトでは、パリで展示された各アーティストによるオリジナル風呂敷を日本初公開。またインスタレーションなども行う予定だ。2018年「FUROSHIKI PARIS」の様子Photo: Takuji Shimmuraその他にも、チーウェイ・チョアン、WOW、さわひらき、高山明、和田永+Nicos Orchest-Lab、スプツニ子!+西澤知美、アンドリュー・ビンクリー、和田山真央、牧野永美子、志茂浩和、田中誠人、鈴木ユキオ、つちやあゆみ、セドリック・ル・ボルニュ、林剛人丸、大西康明、ジョシュア・オコンなど様々なアーティストが参加。5月25日の19時からは、東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン 芝生広場にて、バンクシーが初監督を務めた作品『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』の上映も。また、当日は各美術館やギャラリー、施設で開催されている展覧会の特別プログラムや、開館延長など連動企画も満載。アート作品を見て、感じて、触れて、心ときめくアートな週末をぜひ楽しんで。プロジェクト詳細はオフィシャルサイト()をチェック。【イベント情報】六本木アートナイト2019会期:5月26日10:00~26日18:00(コアタイムは26日18:00〜 26日6:00)場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース入場無料(一部のプログラム及び美術館企画は有料)
2019年04月16日イベントでは、コレクターの宮津さんと笠間日動美術館の副館長・長谷川智恵子さんの案内で一部の作品についてツアーしながら解説、さらには館長の長谷川徳七さんも登場して、今回展示作品の魅力を語ってくださいました。コレクター・宮津大輔さんが「難しく考えずに美術に対する先入観や既成概念を捨てて素直に見てほしい」と挨拶。本展は、宮津さんが25年間かけて、蒐集した現代アート作品から選りすぐった35点を、笠間日動美術館所蔵の近代名画とペアにして展示するという新たな試みとなっています。イベントでは、コレクターの宮津さんと笠間日動美術館の副館長・長谷川智恵子さんの案内で一部の作品についてツアーしながら解説、さらには館長の長谷川徳七さんも登場して、今回展示作品の魅力を語ってくれました。長谷川館長が自ら愛するスーラのデッサンの魅力を熱く解説。宮津さんの案内と解説で、アルベルト・ジャコメッティ『ディエゴの胸像』とジョンペット・クスウィダナント『ロングマーチ・ジャワ』、マルク・シャガール『村の通り』とカンボジアの作家リム・ソクチャンリナ『国道5号線』、アンリ・マティス『窓辺に座る女』とオラファー・エリアソンのインスタレーション『大輔のためのウインドウ・プロジェクション』、エドガー・ドゥガ『美しき女』とタワン・ワトゥヤ『Beautifulcreatures』、ウォーホルの2作品、セレブリティポートレート(副館長の肖像画)とブリロのデッサン、マックス・エルンスト『夢創りの達人』とMiND X『コンフォートゾーン』、ジョルジュ・スーラ『踊る道化』とエリザベス・ペイトン『ジョン・ライドン、ラファイエット』、岸田劉生『村娘之図』と奈良美智『無題』、アーティストの分身の青りんごを描いたルネ・マグリット『ビュー・ニューヨーク』と草間彌生の『南瓜』と10組のペアリングをご紹介頂きました。宮津さんの解説にとどまらず、副館長がシャガールに会った話、ウォーホルのモデルになった話や館長が最愛のスーラのデッサンを断れずにワシントン・ナショナルギャラリーに貸し出したところ買いたいと言われて慌てた話、さらには、現場にいた作家のタワン・ワトゥヤさんやMiNDXのプロデューサーにコメントを求めたりと、アクティブなオープニング・イベントとなりました。長谷川副館長がアンディ・ウォーホルのモデルになった裏話を披露。今回のペアリングは、ルネ・マグリッドの青りんごと草間彌生の南瓜のように視覚的な共通点に着目した組み合わせであったり、アンリ・マティスとオラファー/エリアソンの作品のように、異世界への扉を象徴する「窓」に着目した組み合わせがあったりと、ペアリングのあやを楽しみながら鑑賞すると新たな発見があるにちがいありません。根っからのコレクターである宮津さんが選んだ珠玉のペアリングを「美術に関する先入観や既成概念を捨てて」笠間日動美術館へ行って堪能してみませんか。DRESS会員にはチケットプレゼントもございます。■展覧会概要■展覧会名シンクロニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術‐■会期2019年3月23 日(土)- 5月19日(日)■会場笠間日動美術館 企画展示館 茨城県笠間市笠間978-4■開館時間午前9時30 分より午後5時(入館受付は午後4時30分まで) 休館日毎週月曜日 (但し4月29 日、5月6日は開館、5月7日は休館)■入 館 料大人 1000 円、65歳以上 800円、大学・高校生 700円、中・小生 500円■主催公益財団法人日動美術財団笠間日動美術館■特別協賛野村ホールディングス株式会社株式会社DRESS■お問合せ先:TEL:0296-72-2160※会期中に作品保存などの理由より、展示替えする場合があります。また、メディア・アートにつきましては、機材や記録媒体などの都合より鑑賞いただけない場合があります。日本初公開となるMiNDXのインスタレーション『コンフォートゾーン』■交通案内【J R 利 用】・常磐線友部駅北口(9:55/10:50/11:50発)より「かさま観光周遊バス」(100円)、または市内循環バスで約15分。「日動美術館入口」下車徒歩1分・水戸線笠間駅より徒歩約25分(日動美術館・春風萬里荘共、但し方向は逆)、「かさま観光周遊バス」またはレンタサイクルの利用が便利です。【自動車利用]】・常磐道友部JCT経由、北関東道友部ICより国道355号線経由約6キロ・東北道栃木都賀JCT経由、北関東道笠間西ICより国道50号線経由約8キロ■宮津大輔さんプロフィール1963年東京都出身。アートコレクター、横浜美術大学教授、京都造形芸術大学客員教授。1994年以来、企業に勤めながら収集したコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅が国内外で広く紹介される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会」委員、「Asian Art Award 2017」審査員等を歴任。著書に『現代アート経済学』(光文社新書)、『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国・金城出版/台湾・Uni Books/韓国・Art Books)、『アート×テクノロジーの時代』(光文社新書)などがある。
2019年04月01日3年の休館を経て、東京・木場の東京都現代美術館(MOT)がリニューアルオープン!それを記念して2つの展覧会が開催される。開館は1995年。当初は、上野にある東京都美術館の収蔵品を移管し、スタートした経緯が。つまり、東京都美術館が開館した1926年から数えると、約100年間にわたって収集したコレクションを持つ。今回の展覧会では、1910年代から2010年代までに制作された約5400点のうち、選りすぐりの作品が登場。日本の前衛美術、1世紀の潮流を追う同館コレクションで、初の大規模開催となる。「当館のコレクションは、戦前から今日まで、それぞれの時代で最も実験的な表現の集積です」と学芸員の関直子さん。その中で、大正期から平成生まれの作家まで、共通することとは?「東アジアの端っこにある日本には、海外からの情報は常に時差をもって入ってきます。そこで、日本の今と海外の動向、かつ自分の状況に対してどう反応してみせるかが、ずっと大きなテーマだったといえます」ここで目にするのは、オーソドックスな美術史に収まりきらない、エネルギーの塊のようなもの。「彼らの実践から、現在の私たちにつながる、鮮明な何かを感じ取っていただけるはず」初日3月29日は入館無料、20時まで。人気レストラン『100本のスプーン』が出店するなど、ショップもリ・オープン。新しくなったMOTで何が待ち受けているか、ワクワクして出かけてみたい。企画展・百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-「戦前でいえば、当時最新のシュールレアリスムとキュビスムを組み合わせたり、近年は新しいテクノロジーやメディアを既存の表現と組み合わせたり」。3フロアに及ぶ企画展では、そうした編集的な意図を持った作家にフォーカス。「編集」という切り口から1世紀を振り返る。戦前なら中原實、桂ゆき、戦後は森村泰昌らに注目。焼け野原の東京から歯科医と前衛芸術家、二足の草鞋を履いた中原實。手前は昼寝する子ども、奥には戦時中に伐採された杉の切り株から、若木が萌える様が。次世代への希望を描くメッセージ性の高い作品。中原實《杉の子》1947昭和の“隠れレジスタンス”1913年生まれの桂ゆきは、戦前~戦後の検閲が厳しい時代に発表を続けた稀有な存在。1つの絵に複数の表現方法を用い、社会的なメッセージを巧みに盛り込んだ作品で知られる。桂ゆき《抵抗》1952パロディ?or自虐?現代の“編み手”の代表選手、森村泰昌。名画中の人物になりきるシリーズでは、森村本人が演じる人物の不恰好さに笑いを誘われると同時に、西洋とのギャップを突きつけられる。森村泰昌《肖像(少年1、2、3)》1988コレクション展・MOTコレクションただいま/はじめまして休館中に新たに収蔵された約400点から、主に2010年代に制作された作品をお披露目。「21世紀の作家たちは、表現方法の追求はもちろん、日本社会のさまざまな課題に真摯に取り組もうとする意識が強い」。近年は若手の新しい試みが収集の大きな柱に。彼らの問題意識、チャレンジに時代の萌芽が読み取れるかもしれない。描くこと=生きること2015年、25歳で夭逝した中園孔二。東京藝術大学在学中より、モチーフを重ねる作風で知られる。上はスマホで事件現場(?)を撮影する人物というリアルさとおとぎ話的な世界が共存。中園孔二《無題》20122016年の新女神像1本の木から彫り上げる少年少女像で知られる棚田康司。成年女性をモデルとした本作は近年の新境地。もろさと強さを兼ね備えた姿は、流れる雨水から霊感を得たとされる。棚田康司《雨の像》2016「東京都現代美術館リニューアル・オープン記念展」東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)3月29日(金)~6月16日(日)10時~18時(3/29は20時まで。入場は閉館の30分前まで)月曜(4/29、5/6は開館)、5/7休一般1300円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年4月3日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2019年04月01日府中市美術館で『へそまがり日本美術禅画からヘタウマまで』が開催中です。この展覧会では、ユルくてかわいい「ヘタウマ」絵や、思わずツッコミを入れたくなる「おかしな」絵など、破壊力抜群の楽しいアートが勢ぞろい。テレビなどで続々と紹介されている話題の展覧会を取材させていただきました!「へそまがり」に注目!【女子的アートナビ】vol. 144美しく完璧に整った絵だけでなく、ちょっとヘンな絵にも感動することってありますよね。そんな「へそまがり」な感性に注目して日本美術を味わってみようと企画されたのが『へそまがり日本美術』展。入口の雰囲気も、どことなくユル~い感じで期待が高まります!展示されているのは、中世の水墨画や江戸時代に活躍した人気絵師たちの作品、さらに近現代のヘタウマ漫画など約140点。日本美術展のはずなのに、なぜかフランスの画家、アンリ・ルソーの絵も紛れ込んでいる自由な展覧会です。学芸員さんのオススメは…?今回は、展覧会の企画を担当された学芸員の金子信久さんに女子向けのオススメ作品をセレクトしていただき、anan世代の学芸員、大澤真理子さんが解説してくださいました。まず、ひとつめのオススメは、ユニークな絵で知られる仙厓義梵(せんがい ぎぼん)の《豊干禅師・寒山拾得図屛風》。虎に乗って周りを驚かせた禅僧とその弟子たちを描いた作品です。「仙厓は小さな作品が多いのですけど、大作もあります。このテーマの絵で子虎が描かれるのは珍しいんですよ。一筋縄ではいかない虎のかわいさが女子に人気です」と大澤さん。本作は前期のみの展示です。かわいい? 動物たち続いてのオススメは、長沢蘆雪(ながさわ ろせつ)の《菊花子犬図》。大澤さんこの絵の隣には、蘆雪の師匠である円山応挙が子犬を描いた《時雨狗子図》が展示されています。2つの作品を比べると、蘆雪のほうは造形がゆるいところがあり、くたっとしている姿に和んでいただけるかなと思います。ーー次のオススメ作品は、遠藤曰人(えんどう あつじん)が描いた《蛙の相撲図》。江戸時代後期の俳画です。この蛙くんたち、インパクトがありますね!大澤さんどうしちゃったの、とツッコミたくなる絵ですよね(笑)。でも、作者は仙台藩士で、俳句もたしなんでいた人なのです。ーー江戸時代の武士たちは、「たしなみ」のひとつとして絵を描いていたそうですが、こんなギャグマンガのような蛙を描く武士さん、なかなかステキです!ウワサのお殿さまも登場!学芸員さんセレクト、最後はネットでも話題になっている三代将軍・徳川家光公の作品3点です。まずは大人気の《鳳凰図》。あまりにもかわいいので、ネット世界では「ピヨピヨ鳳凰」と呼ばれているそうです!続いては、展覧会のメインビジュアルにも使われている《兎図》。ユルいというかヘタウマというか、なんともコメントしづらいビミョーな作品です。大澤さん家光公の周りには狩野探幽などがいたはずなのですが、狩野派とはまったく違う画風になっています。家光独自のスタイルですが、よく見ると、適当に描いたら絶対に出せないリアリティとか、ふわふわ感とか、ウサギらしさを出そうとしている様子がわかります。まじめにリアルにウサギを再現しようと思って描いています。ちなみに、このウサギちゃんはトートバッグにもなっています。税込み¥1,350。なんともいえない味わいがあり、思わず買ってしまいました!最後は《木兎(みみずく)図》。まるでトトロのような造形で、本当にかわいいです!大澤さんミミズクの目の部分などは単にぐりぐりと描いたのではなく、薄い墨を塗り重ねています。耳のあたりもかなり細い描線を使っているので、丁寧に描いた作品ではないかと思います。お殿さまの貴重な3作品、すべて見られるのは前期のみです。人気の若冲もあります!また、会場では、人気絵師、伊藤若冲の作品も数点見ることができます。特に、《福禄寿図》は新発見されたもので、今回が初公開。貴重な作品ですが、おでこが長すぎて、たまらなくユルいです。『へそまがり日本美術』は前期と後期で大幅な展示替えが行われます。府中市美術館では、2度目の観覧料が半額となるうれしいサービスがあるので、リピートしたほうが絶対にお得。しかも、美術館がある府中の森公園には桜並木があり、春になるとお花見も楽しめます。ぜひ春デートに、足を運んでみてくださいね!Information会期:〜5月12日(日)前期:3月16日[土]~ 4月14日[日]、後期:4月16日[火]~ 5月12日[日]※大幅な展示替えがあります。開館時間:10:00 〜 17:00(入場は16:30まで)開催場所:府中市美術館休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日[火]入場料:一般¥700 、大学生・高校生¥350、中学生・小学生¥150※観覧券を購入すると、2度目は半額になる割引券が付いています(本展1回限り有効)
2019年03月30日いよいよ桜の季節が到来。今回は、この時期ならではの桜と一緒に楽しめる展覧会にフォーカス! 六本木エリアで開かれている楽しい企画展『ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR』と美しい工芸品などが揃う『トルコ至宝展』をご紹介します!『ユーモアてん。』って…?【女子的アートナビ】vol. 143まずは、企画展『ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR』。東京ミッドタウンのミッドタウン・ガーデンにある21_21 DESIGN SIGHTで開催中の同展では、国内外の現代作家たちによるユーモラスな作品を展示。展覧会ディレクターは、広告史に残るポスターやコマーシャルを多数手がけてきた浅葉克己さん。世界各地を旅して、多くの人たちとの出会いを経験している浅葉さんにとって、ユーモアはコミュニケーションをとるのに欠かせない大事なもの。プレスプレビューでは、浅葉さんが海外でもたびたび披露している大道芸、南京玉簾(なんきんたますだれ)を見せてくれました。そんなユーモアあふれるディレクターが手がけているので、会場内の雰囲気はなかなかユニーク。とはいえ、一見して「おもしろい!」と理解できる作品ばかりではありませんので、お話を伺った作家さんの作品をピックアップしてご紹介します。指と卓球台と…こちらはニュージーランドを拠点に活躍しているディーン・プールさんの《Fingers》(2018年)。指の彫刻を写真に撮った作品です。プールさんによると、「どうすれば浅葉さんを笑わせることができるだろうかと考え、自分の指で不可能な指の彫刻をつくってみた」とのこと。「この指で、みなさんを笑わせることができればと期待している」と語っていました。こちらは、フランス出身のダミアン・プーランさんの作品《Disruptive Thought》(2019年)。卓球台ですが、あえて大きな円を台の上に描き、錯覚を起こすことによって遊びにくい状態にしているとのこと。プーランさんは、仕事柄旅をすることが多いそうで、「言葉が通じない人とつながるためには、ユーモアや冗談が重要なツールになる」と語り、「ユーモアをひとつのツールにして、さまざまな障壁を乗り越えていくことをテーマにしている」と話していました。ほかにも、展示室内にはさまざまな作品が並び、けっこうカオスです。素直に笑いを誘うものから、苦笑したくなるものまで人によっていろいろな感じ方ができる『ユーモアてん。』。ぜひ、のぞいてみてください!続いては、トルコのお宝!もうひとつの展覧会は、国立新美術館で開かれている『トルコ至宝展チューリップの宮殿 トプカプの美』。ヨーロッパとアジアが交わる国、トルコの知られざる美の世界がたっぷり紹介されています。同展では、600年以上も続いたオスマン帝国の華麗な宝飾品や工芸品など約170点が、イスタンブルのトプカプ宮殿博物館から来日。また、日本との友好関係を示す貴重な品々も見ることができます。チューリップがかわいい!展示作品で特に目を引くのは、チューリップがデザインされた美術工芸品の数々。チューリップといえばオランダのイメージがありますが、もともとの原産地はオスマン帝国領内。そこからオランダに伝えられました。チューリップはトルコ語で「ラーレ」。アラビア文字で「ラーレ」のつづりを入れ替えると、イスラム教の神「アッラー」となる等いくつかの理由により、チューリップはオスマン帝国の象徴としてさまざまな品にデザインされるようになったそうです。会場では、チューリップがあしらわれた豪華な宝飾品やかわいい工芸品、書籍なども見ることができます。さらに、オスマン帝国のスルタン(君主)と日本の天皇家との交流を伝える品々や、1890年に和歌山県沖で起きたエルトゥールル号遭難事件での救出活動による日本とトルコの友好を表す資料なども展示。トルコがとても身近に感じられる展覧会です。お花見も楽しめる!国立新美術館の敷地内や、東京ミッドタウンエリアには桜が多く植えられているので、今の時期は展覧会に行く途中でお花見を楽しむこともできます(写真は過去に撮影したものです)。ぜひ、春デートには六本木エリアでアートと桜を一緒に楽しんでみてくださいね!Information企画展『ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR』会期:〜6月30日(日)開館時間:10:00 - 19:00(入場は18:30まで)※六本木アートナイト特別開館時間:5月25日(土)10:00 - 23:30(入場は23:00まで)開催場所:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2休館日:火曜日(4月30日は開館)入場料:一般¥1,100 、大学生¥800、高校生¥500、中学生以下無料『トルコ至宝展チューリップの宮殿 トプカプの美』会期:~5月20日(月)開館時間:10:00 ~ 18:00※毎週金曜日・土曜日は 20:00まで※2019年4月26日(金)~5月5日(日)は20:00まで※入場は閉館の30分前まで開催場所:国立新美術館 企画展示室2E休館日:火曜日※ただし4/30(火)は開館入場料:一般¥1,600 、大学生¥1,200、高校生¥800、中学生以下無料※4月27日(土)~29日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
2019年03月29日東京都庭園美術館で『岡上淑子フォトコラージュ沈黙の奇蹟』が開催中です。写真を使ったシュールなコラージュ作品は、美しく繊細でゾクっとするほど魅力的。おしゃれな洋館で見られる女子必見の展覧会をご紹介します!注目の作品が集結!【女子的アートナビ】vol. 142この展覧会では、フォトコラージュ作品でいま再注目されている作家、岡上淑子(おかのうえ としこ)の貴重な作品群を紹介。アメリカのヒューストン美術館から12点のコラージュ作品が里帰りしているほか、国内の国公立美術館によるコレクションや関連資料なども多数展示されています。岡上は1928年高知県生まれ。現在91歳となる彼女は3歳で家族と東京に移り住み、戦争も体験します。戦後、1950年に文化学院へ進学し、コラージュの制作を開始。それから1956年までの間、集中的に多くの作品を生み出します。1957年に結婚後はコラージュ制作から遠ざかり、故郷の高知県に戻ってスケッチや日本画を制作。今回の展覧会では、絵画作品も展示されています。コラージュって?そもそもコラージュとは、「のりで貼りつける」という意味のフランス語。印刷物をはじめ、木や布、ガラスの破片などさまざまな素材をひとつの画面に貼りつけて作品にする芸術表現です。岡上の場合は、主にアメリカから輸入されたファッション雑誌をもとにフォトコラージュ作品を制作。華やかなドレスを着た女性や欧米の建物などさまざまなパーツをはさみで切り抜き、組み合わせて画面に貼りつけ、ひとつの作品に仕上げています。作品誕生の意外なきっかけとは…展覧会の企画を担当された学芸員の神保京子さんによると、岡上が作品を制作するようになったきっかけは「授業で出された“ちぎり絵”の課題」。そこからインスピレーションを得て、フォトコラージュをつくり始めたとのこと。偶然生み出された岡上の作品は、第一次世界大戦後にヨーロッパではじまった芸術運動、シュルレアリスム(超現実主義)の作品に通じるものがありますが、岡上自身は制作当初、誰の影響を受けたわけでもなかったそうです。岡上はコラージュ作品をつくったあと、日本におけるシュルレアリスム研究の第一人者である瀧口修造と奇跡的に出会い、さらに瀧口からマックス・エルンスト(※シュルレアリスムの代表的な画家)の作品を紹介され、より自身の作品が変化していきました。会場には、瀧口と交わした書簡や資料なども並んでいます。ゾクッとする美しさまた、ポスターなどのメインビジュアルに使われている作品について、神保さんは次のように解説。神保さんこの作品では、顔が分断されて頭部が扇にすり替えられていますが、サイズ感がぴったりで、実際に存在しているかのようにつじつまが合っています。全体的に技術力が高く、切る技術、貼り合わせる技術がすばらしく、よく見ても、境界がわからないくらい美しいのです。岡上作品は本当に美しく緻密でとってもシュール。首のない女性像や、頭部やガイコツが宙に浮いているような作品などゾクッとする作品も多く、女子の感性にビリビリ響いてきます。桜の時期には夜間も開館するおしゃれな洋館美術館で、ぜひ美しいコラージュ作品を楽しんでみてくださいね!Information会期:〜4月7日(日)開館時間:10:00–18:00 (入場は閉館の30分前まで)*3/29、3/30、4/5、4/6は、夜間開館20:00まで開館(入館は19:30まで)開催場所:東京都庭園美術館休館日:第2・第4水曜日入場料:一般¥900 、大学生(専修・各種専門学校含む)¥720、中学生・高校生¥450、65歳以上¥450
2019年03月16日福沢一郎という画家をご存じだろうか?1930年代の日本に初めてシュルレアリスムを紹介し、前衛美術運動のリーダーとして活躍した人物だ。彼は生涯を通じて社会批評をテーマとしたが、その表現方法も独特だった。3月12日から回顧展「福沢一郎展このどうしようもない世界を笑いとばせ」が始まる。謎めいたイメージの中に社会批評が!前衛画家の回顧展。例えば《Poissond’Avril(四月の魚)》という絵画。これはフランスの科学雑誌の図版をコラージュした作品。「何だ、これ?」と思う図案は、科学という尊大な権威を冷やかした彼ならではのカリカチュアだ。ちなみに仏語で「四月の魚」はエイプリルフールのこと。画中の魚モチーフに目を付けた彼は、これを絵のタイトルにしてしまうなど、洒落も利いている。他にも、世論を煽る人物、空虚な動物など、一見滑稽な画風の中には、彼ならではのドライな批判精神が。こんなふうに現代をシニカルに笑いとばした福沢の画業を、約100点の作品で紹介した本展。会場では鑑賞ワークシートが用意される。「なぜここに魚が?」「なぜ科学の実験中にスーツなの?」など様々な「なぜ?」を会場で見つけながら、謎解き気分で鑑賞できる趣向も新鮮だ。1.《埋葬》1957年 東京国立近代美術館蔵ラテンアメリカの埋葬を意味した作品。鮮やかな色面部分と荒々しい筆致が目立つ部分の対比に謎が隠されている。2.《煽動者》1931年 一般財団法人福沢一郎記念美術財団蔵1931年にパリから帰国した福沢が、日本社会にシニカルな視線を向けた作品。3.《Poisson d’Avril(四月馬鹿)》1930年 東京国立近代美術館蔵フランスで刊行された子供向けの本『楽しい科学』に掲載された図版を組み合わせた作品。4.《牛》1936年 東京国立近代美術館蔵画面中央の牛には所々穴があき背景が透けて見え、画面の力強さとは裏腹に空虚さをも感じさせ…。ここにも独特の謎が秘められている。「福沢一郎展このどうしようもない世界を笑いとばせ」東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー東京都千代田区北の丸公園3-13月12日(火)~5月26日(日)10:00~17:00(金・土曜~20:00。入館は閉館の30分前まで)月曜(3/25、4/1、4/29、5/6は開館)、5/7休一般1200円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年3月13日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2019年03月12日世界のさまざまな国や地域で、印刷物を通した独自の表現を続ける出版社、ギャラリー、アーティストたちが集まるイベント、TOKYO ART BOOK FAIR。今年7月には、10回目を迎えるフェアを約2年ぶりに開催予定です。 これに先駆けて、3月8日(金)から4月7日(日)までの1ヶ月間、Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)にて「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」が開催されます。 これまでの、週末の数日間の会期を通したお祭りのようなイベントと比較して、1ヶ月という長い期間で行われる今回の試みは、会場になるGinza Sony Parkのコンセプトである「公園」をイメージしたものになるとのこと。 ふらりと公園に立ち寄るように、ふらりと訪れた先でアートブックと出会い、そこから広がる新しい世界を楽しめる。そんな機会になりそうです。 TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition会期:2019年3月8日(金) ~ 4月7日(日) 10時~20時*3月8日(金)は17:00~21:00のみになります。会場:Ginza Sony Park 東京都中央区銀座5-3-1「Exhibitor Booth」日時:週末 場所:B2/B3 (土曜日は、12:00~スタートになります)会期中に含まれる5週末は、国内外の出版社、ギャラリー、書店、アーティストが、それぞれのテーブルで、来場者と直接コミュニケーションをとりながら印刷物の魅力を伝える「Exhibitor booth」が並びます。25~30組の出展者が毎週末入れ替わり、毎回異なるラインナップに。出展者一覧:「Art Book Vending Machine」日時:平日(3月11日以降)場所:B2平日のみ登場する「Art Book Vending Machine (アートブック販売機)」には、週末のブース出展者より「出展料」として10冊ずつ集めた約1500冊を超 えるアートブックがストックされています。全長12メートルの販売機でキーワードを選ぶと、それに紐づく一冊が受け取り口から出てきます。アートブックとの偶然の出会いをお楽しみください。参加料:500円、または持参したアートブック1冊※参加料として提供いただいたアートブックは、販 売機にストックされ、参加者に再提供される可能性 があります。内容や状態によっては参加料として受け付けられない本もございます。 「ZINE’S MATE SHOP」日時:毎日 10:00~20:00 場所:B2公募からTOKYO ART BOOK FAIRがセレクトする、国内外の個性豊かなアートブックやZINE約500タイトルを展示販売します。フェ アが設立された2009年から2015年まで毎年開催していた人気コンテンツの久々の復活です。一般書店には流通していないアートブッ クが数多く並ぶ「ZINE’S MATE SHOP」は、新しい才能との出会いの場になることでしょう。 出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。 おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年03月11日住み慣れた街に家を建てるある休日のお昼前。デザイナー、アートディレクターとして書籍のデザインなどを手がける中澤睦夫さんと、デザイン事務所でマネージャーを務める奥さまの千佳子さんの自宅を訪ねると、穏やかな光が差し込む3階のダイニングで、お二人がゆったりとブランチを楽しんでいた。中澤さん夫妻がこの家を建てたのは、6年ほど前のこと。睦夫さんのアトリエと自宅を兼ねるため、マンションではなく戸建てにしたいと考えていた二人は、千佳子さんが子供の頃から慣れ親しんできた東京・高円寺、阿佐谷周辺で土地を探すことに。そうして、いわゆる狭小地ではあるが、駅から近く周囲の街並みもきれいなこの土地に出会った。「この辺りは周囲に高い建物がなくて、視界が抜けているのが気に入りました」と振り返る睦夫さん。限られた敷地に理想の住まいをつくるため、設計は奥さまの叔父である建築家の小野寺利朗さんに依頼した。ダイニング・キッチンの壁は一面だけ淡いピンク色。白で統一された空間のアクセントになっている。明るいダイニングで休日のブランチ。共通の趣味であるマラソンの話題に花が咲く。シンプルで清潔感のあるキッチン。千佳子さんの帰宅時間が遅いため、料理は睦夫さんが担当することが多いそう。キッチンの壁や冷蔵庫の上も、ディスプレイ空間に。アレッシイのじょうごなど、お気に入りの雑貨を飾っている。心地よい居場所がいくつもある中澤邸は、1階に睦夫さんのアトリエ、2階に水まわりと寝室、3階にダイニング・キッチンとリビングというつくり。3階は日当たりのいい南側にダイニング・キッチンをつくり、階段の踊り場と吹き抜けを挟んだ北側にリビングを配置している。リビングの窓の外には視界を遮る大きな建物がなく、ダイニングからリビング、その先の景色まで視線が通るため、実際の面積以上に広く感じる。「休日はテレビを観たりお茶を飲んだりとダイニングでのんびりしている時間が大好きです」と千佳子さん。一方の睦夫さんは、特にリビングが気に入っているのだそう。「設計当初の案ではリビングの場所に部屋がなかったのですが、リクエストしてつくってもらいました」と話す。また、ダイニング・キッチンとリビングが離れていることで、心地よい居場所が複数あるのも魅力のひとつ。「友人が集まったとき、ダイニングで食事をして、その後リビングでゆっくり話をしたり」と千佳子さん。「タバコを吸う人はベランダへ行ったり、それぞれが好きな場所に分かれて過ごしますね」と睦夫さんも続ける。千佳子さんは、ダイニングとリビングの間の踊り場にヨガマットを敷いてストレッチをするのも好きなのだとか。「ちょうどいい広さで、集中できるんですよね」(千佳子さん)。ダイニングと写真右のリビングをつなぐ踊り場。左手に1階から3階まで貫く吹き抜けがある。北側に位置するリビング。PIET HEIN EEKのベンチは睦夫さんのお気に入り。2階の踊り場。写真右手が吹き抜け。シンプルで清潔感のある洗面室。作品が引き立つ白の空間室内のいたるところに、絵や陶器、雑貨などが飾られている中澤邸。知人のアーティストから譲ってもらったイラストや陶器なども並ぶが、中でも目を引くのが、画家でもある睦夫さんが描いた音楽家をテーマにした作品たち。「数年前に個展を開いた時に描いたものです。誰もが覚えているであろう、音楽室に厳粛に飾られていた肖像画を、“現代の空間に飛び出させたらなんか合うんじゃないのかな”と思い、心地よいクラシックが聞こえてくるようなイメージで巨匠達を僕なりに描いてみました。我が家にはゆる〜く合っていて自分の作品ながらとても気に入っています」(睦夫さん)。さまざまな作品が印象的に目に映るのは、シンプルな白の空間だからこそ。設計時から、このようにたくさんの絵を飾ることを前提に、壁や床はもちろん、ドアなどの建具、キッチンや洗面台などの設備まで白にこだわって選択したのだという。1階にある中澤さんのアトリエ。大きな仕事机は友人から譲り受けたもの。画材やアートディレクションを担当した書籍や雑誌、資料などが並ぶアトリエの収納棚。家のあちこちに、さりげなく花が飾られている。デスク上部は3階までつながる吹き抜け。階段の手すりなども白で統一。飾られた作品がパッと目に飛び込んでくる。階段の手すりには、お気に入りの小さなぬいぐるみがかけてあった。玄関には、友人であるアーティストのスドウピウさん作の陶器などをディスプレイ。白い花が咲く庭白へのこだわりは、玄関前の庭にも。取材に訪れた1月は冬の表情だったが、夏にはアジサイやサルスベリ、ハニーサックル、マグノリアなどの「白い花」が賑やかに咲くそうだ。じつは、当初は庭をつくる予定ではなかったのだという。「北側斜線の関係で、玄関前の空間が空いてしまって。普通はコンクリートを敷いて駐車スペースにするんでしょうけど、必要ないからどうしようかと考えて」と睦夫さん。そんなとき、たまたま井の頭公園で開催されていた緑化フェアを二人で訪問。出展していた自由が丘のショップ「BROCANTE」のブースを訪れ、「すごくきれいで魅力的な庭をつくっていたのを見て、急遽お願いすることに決めました」と千佳子さんは振り返る。「BROCANTE」がつくり出したのは、小さなスペースながら訪れた人を迎え入れてくれるようなおおらかで自然な雰囲気の庭。「近所のワンちゃんやアイドル猫が、散歩の途中によく立ち寄ってくれます。夏になるとカエルも来てくれて」と笑顔で話す千佳子さん。「家だけだと味気ない。やっぱり庭があるのはいいですね」と睦夫さんも。楽しそうに話すお二人の様子から、家や庭への愛着が伝わってきた。門や塀はあえてつくらず、開かれた雰囲気に。初夏の庭は、こんもり茂った緑と白い花のコントラストが美しい。(写真2点=中澤さん提供)
2019年03月11日1976年、「週刊少女コミック」で連載がスタートするやいなや、賛否両論の嵐を巻き起こした「風と木の詩(うた)」。なぜならそこには、フランスの寄宿学校を舞台に少年たちの同性愛、近親相姦、虐待といったタブーをテーマにしたドラマが繰り広げられていたから。発売日が待ち遠しかったあの頃へ、タイムスリップ。“BLの祖”とされ、少女マンガ界に革命をもたらした竹宮惠子の画業50周年を記念する巡回展が開催中。「風と木の詩」をはじめ「地(テラ)球へ…」「天馬の血族」など、代表作の貴重な直筆原稿を含む作品150点余りが一堂に会する。注目は初公開のクロッキーノート。ここに「風と木の詩」の連載を遡ること5年前、冒頭50ページがすでに完璧な形で描き上げられていたというから驚きだ。会場では実際の原稿と対比して展示する試みも。迷いのないタッチに若き日の漫画家の息遣いが感じられそう。そのほかスケッチなどの展示も。制作の裏側を想像しながら鑑賞するのも興味深い。もう一つの見どころは「大泉サロン」の再現。かつて竹宮惠子と萩尾望都という2人の天才漫画家が共に暮らした練馬区大泉の長屋。ここに同世代の漫画家、ファンらが集い交流する中で、いくつもの少女マンガの新潮流が生まれたそう。ひたすらペンを動かし、仲間と喧々諤々の論争を交わした青春の日々はまさしく原点なのかも。“サロン”といいながらも、6畳一間の昭和の風情もポイントだ。少女マンガといえば、星が輝く瞳の女の子がヒロインで、恋愛ものやスポ根ものがメインストリームだった時代。SF、冒険譚、ファンタジーなど、幅広い作品世界が生まれるようになったのも竹宮惠子以降のこと。連載当時、劇作家の寺山修司は《これからのコミックは、たぶん「風と木の詩」以後という呼び方で、かわってゆくことだろう》と評したというけれど、後の展開はまさに予言通り。本展ではその豊穣な作品世界に浸る贅沢な時間が楽しめる。©竹宮惠子『風と木の詩』よりジルベール©竹宮惠子『地球へ…』より「星の生まれるところ」「画業50周年記念展竹宮惠子カレイドスコープ50th Anniversary」川崎市市民ミュージアム神奈川県川崎市中原区等々力1-2(等々力緑地内)3月2日(土)~4月14日(日)9時30分~17時(入場は閉館の30分前まで)月曜・3/22休一般800円TEL:044・754・4500トークショー:3月9日(土)14時~※HPより要申し込み(3/1まで)。サイン会:3月9日(土)15時30分~※当日図録を購入した先着100名対象。劇場版アニメーション『地球へ…』上映会:3月10日(日)(1)11時~(2)14時~※一般600円。定員270名、当日先着順。※『anan』2019年3月6日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2019年03月04日「大好きなオブジェやアート、カラフルな色彩など、生活に直接必要なくても心を満たしてくれるものがあれば、もっと部屋を大切に思えるようになる」インテリアスタイリストの作原文子さんはこういいます。オンラインで買える愛すべき“いろどり”アイテムをご紹介。部屋をいろどる第一歩は壁を飾ること。デザインのいいハンカチやポストカードを手軽なアートと考えて、壁にペタペタ貼ってみる。「ポイントはグラフィックの要素を入れること。雑誌のコピーでも効果的です。ハンカチも紙も軽いのでマスキングテープで貼れば十分。壁も傷めないし、気分によって貼り替えてもいいですね」まず主役の位置を決め、少し離れた場所から確認しつつバランスよく余白を埋めていく。貼るもの同士の縦横ラインは揃えず、無造作なカッコよさを目指したい。「壁が完成したら次に飾ってほしいのが花。明るい色だけでなく、濃い紫やオレンジなど、ちょっと毒々しさのある色を加えると甘くなりすぎずにまとまります」ハンカチデイリーボブデイリーボブは、朝倉充展と朝倉洋美が2002年に設立したクリエイティブユニット「Bob Foundation」の日用品ブランド。壁に貼った大判ハンカチシリーズは、旅先で撮った写真にハンドライティングのメッセージやイラストを載せたもの。軽やかな素材と大胆なデザインのコントラストが新鮮。コットン100%にインクジェットプリント(45×45cm)各1,600[ゴードン・マッタ=クラーク]ポストカードパピエラボ世界中の紙と紙にまつわるプロダクトを扱うショップ、パピエラボによるカードセット。東京国立近代美術館で行われた、1970年代のNYで活躍した早世のアーティスト、ゴードン・マッタ=クラークの展覧会に合わせ、アートワークを抜粋してカードにしたもので、印刷は活版。11.8×16.6cmのカード4枚セット。GORDON MATTA-CLARK ART CARDS 900スノードーム¥9,000(Glas & Licht/リビング・モティーフ)花を生けたバケツ¥2,400(PUEBCO)LAMPADAIRE 1 LUMIERE¥78,000(イデーショップ)STRIPEPIPED CUSHION SQUARE“ CANOEING”¥6,800(The Tastemakers & Co.)青森ヒバ丸太スツール¥28,000(Cul de Sac)Ana Demanのマグカップ¥5,500(リビング・モティーフ)オーク材ベンチ・丸脚¥41,667(無印良品 池袋西武TEL:03・3989・1171)CAMPERIORのデイベッド¥78,000(スローハウス天王洲店TEL:03・5495・9471)右のクッションカバー¥2,800時計¥9,333(共にイデーショップ 自由が丘店TEL:03・5701・7555)ブランケットにしたタオル、スウェル¥6,000コットンウールブランケット¥8,000(共にコンテックス タオルガーデン青山TEL:03・6712・5978)作原文子日本のインテリアスタイリストの草分けだった岩立通子さんに師事。心地よく・楽しく・自分らしい空間をつくるスタイリングで、男女問わず根強いファンをもつ。『FIGARO Japon』『Casa BRUTUS』など雑誌のほか、ショップや企画展示会のディスプレイ、自身のプロジェクト「マウンテンモーニング」でも活躍。※『anan』2019年3月6日号より。スタイリスト・作原文子写真・馬場晶子、山口聡文・輪湖雅江ディレクション・柴田隆寛(by anan編集部)
2019年03月01日見たことのない芸術(アート)がここに!?「Grand Nouveau Cirque /グランヌーボーシルク」で非日常的な感動を体感 サーカスというと、何を思い浮かべるだろう?綱渡りに空中ブランコに楽しいピエロのパフォーマンスとか??そんなサーカスのイメージを超える、今までに見たことのないアートなサーカスがあるのをご存知? この春、サーカスを超えた新しいサーカス『ヌーボーシルク』の祭典「Grand Nouveau Cirque /グランヌーボーシルク」がグランフロント大阪で開催される。“感謝とアート”をテーマに進めてきた、グランフロント大阪のまちびらき5周年の集大成のイベントとなる。『ヌーボーシルク』は、フランス発の演劇、ダンス、音楽、現代美術、映像などの様々なアートとサーカスを融合した新しいサーカス。今回、公道をステージに見立てての特別開催は、まさにアートの宝庫。サーカスでおなじみの空中ブランコや綱渡り、クラウンの演目をはじめ、立体音響&シャボン玉インスタレーションなど盛りだくさんのパフォーマンスをオープンエリアで気軽に見ることができる。さらに、子どもも気軽に参加できる綱渡りなどのサーカス体験ワークショップも開催!しかも、入場無料。 サーカスプロデューサー・安田尚央監修の下、ディレクターとして世界を視野に入れたハイセンスな作品を作り続ける DJ ONI が異国情緒漂うカラフルなアート空間を西側道路に創出し、パフォーマーと楽団による『ヌーボーシルク』(新しいサーカス)の「クロワッサンサーカス」を中⼼に、「いくらサーカス」(MBS「マツコの知らない世界」(2月5日放送)で紹介)や DJ ブース、パフォーマンス、クラウン(ピエロ)が道路全体を盛り上げます。 プロデューサー 安田 尚央ディレクター DJ ONI「クロワッサンサーカス」いくらサーカス (MBS「マツコの知らない世界」(2月5日放送)でも紹介!) 【開催概要】「Grand Nouveau Cirque/グランヌーボーシルク」日程:2019年3月30日(土)12:00~19:00(車道イベントは12:00~16:30)31日(日)11:00~19:00(車道イベントは11:00~16:30)場所: グランフロント大阪 北館西側「いちょう並木」特設会場【歩道周辺および車道】〃 北館1階ナレッジプラザ入場料 : 無料※イベント内容は予定のため、一部変更になる場合があります。 ●出演:プロデューサーを務める安田尚央⽒率いる「ミラーボールサーカス」をはじめ、「クロワッサンサーカス」「いくらサーカス」と「MDF」の Juggling Jam Session と MDF PEACE が参加。 その他にも「PPA」「トリコロールシアター」「soap bubble artist:Onchi」 などの様々なアーティストたちが繰り広げる演目が楽しめるだけでなく、綱渡りやジャグリングなどのワークショップに参加できるサーカス体験コーナーも用意。 既存のサーカスでは決して味わうことのない解放感と非日常感を五感で体感し、感動していただける2日間。今年の春休みは、グランヌーボーシルクに足を運んでみてはいかが。 詳しくは、「Grand Nouveau Cirque/グランヌーボーシルク」公式サイトでチェック!
2019年02月28日お台場エリアにある日本科学未来館で、企画展『工事中!』がはじまりました。大型重機の実物が集まるこの展覧会のプレス内覧会に潜入! ゲストに公式サポーターである、みやぞん&あらぽんのANZEN漫才も登場し、重機愛を語ってくれました!かっこよすぎな重機に会える!【女子的アートナビ】vol. 141企画展『工事中!』では、油圧ショベルやブルドーザなど、ふだん私たちが入ることのできない工事現場で活躍する重機の実物が多数展示されています。とにかく、どのクルマもスケールが大きくてかっこいいのです!こちらは、解体工事で使われるアタッチメント。油圧ショベルの先端部分に、このようなアタッチメントを付け替えて作業するとのこと。まるで現代アートのようなかっこよさです!こちらは、撮影スポットに置かれているミニ油圧ショベル。実際に乗り込んで、記念撮影もできます!工事現場というと、ほこりっぽいとか騒音がするとか、ちょっとネガティブなイメージをもってしまいそうですが、ここでリアルな重機たちを間近で見たら印象がガラリと変わること間違いなしです!企画した人たちの思いは?プレス内覧会では、展覧会の企画や監修を担当した方々が登壇し、同展への思いや見どころなどを熱く語りました。まずは、日本科学未来館 展示企画開発課 課長の内田まほろさんが解説。内田さん朝起きてから寝るまで、私たちは土木や建築に触れないで生きることはありえません。衣食住や情報、快適な空気も技術のおかげで成り立っています。ふだん見られない工事現場の世界を、重機が好きな人だけでなく、工事が迷惑だとか思っている人たちにも興味を持っていただけるものになったらいいと思っています。続いては、監修を務めた京都大学大学院工学研究科教授の高橋良和さんが登壇。高橋さん企画展を通じて、建設の仕事のスケールの大きさを感じてほしいです。この大きな重機を操るのはあくまでも人間。重機はあくまで人の助けをしているもの。大きなアームを動かすために細やかな配管、機械でつながっています。大きな仕事をするには細やかな仕組みが必要になります。大きいだけではない、細かいところにも着目してほしいです。ANZEN漫才も登場!最後に、公式サポーターのANZEN漫才が登場。まずは、みやぞんさんが展覧会のためにつくった“ほぼ”公式テーマソングを披露。この曲は即興でつくられたとのことで、完璧には再現できないため「ほぼ公式…」とされているそうです。続いて、おふたりが重機愛を語ってくれました。みやぞんさん重機愛、ありますよ。子どものころからあこがれだった。海外ロケで重機を操縦したこともあります。ガンダムに乗っているような感じ。男の子は乗り物に乗るのが好きなので、夢がかなったような気がしました。あらぽんさんぼくは工業高校出身なので、重機愛があります。工事現場があると、何を使っているのか気になりますよ。この展覧会では重機を近くで見ることができて、迫力ありましたね。また、囲み取材では昨年のおふたりのブレイクが話題に。どんな年だったか、思い出を聞かれると…みやぞんさん去年は出会いの年でしたね。(『24時間テレビ』で)マラソンやったりするといろいろな関係者と出会い、食事に行ったりして友だちが増えました。今までは、ごはんを食べに行ったりとかはなかったので。みなさん、いつも仕事が終わったらさっさと帰っていきますよね。でも、仕事のあと、「ちょっと待って。ご飯行きましょう」と言ってくれる人が増えました。さらに、記者から今年の目標を問われると、「今ある仕事を一生懸命やれば、未来があるのではないか」と笑顔で応じたおふたり。今後の活躍も期待したいですね。ちなみに、みやぞんさんがつくった“ほぼ”公式テーマソングは展覧会の公式サイトで聴くことができます。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね!Information企画展 「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~会期:~5月19日(日)開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)開催場所:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン休館日:火曜日(ただし、3/26、4/2、4/30は開館)入場料:大人(19歳以上)¥1600 、中人(小学生~18歳以下)¥1000、小人(3歳~小学生未満)¥500、2歳以下無料
2019年02月24日でこぼことした質感がむしろ手に馴染んだり、少しのほころびに心が惹かれたりすることありませんか?直線やシンメトリーの美しさとは違う、あたたかみのある歪みの美を集めました。ユーモアたっぷりのワイヤーアートで楽しい毎日を。山盛りのフルーツバスケットからコロンと転がるオレンジが、プッと笑える一品。全体の色数は多いながらも、ワイヤーなので、どんなインテリアにも、スッと溶け込みそう。W30×H30cm Lane フルーツボウル¥34,000(ブルペンTEL:03・6407・0526)シンプルな色使いながらインパクト大な“顔”が楽しい!リネンの生地に、一筆で描かれた顔がなんともシュールなクッションカバー。刺繍は全てハンドガイドステッチで施されている。右・スパイラル¥13,000左・リニア¥13,000中材 45×45cm 各¥2,400(ザ・コンランショップTEL:0120・04・1660)愛着がわく、ふとっちょな花器。手作業で仕上げられたざらりとした土の質感と、ぷっくりとしたフォルムがいとおしい。デザイン、カラーと「ブルペン」だけの別注品!自分だけのお気に入りを見つけて。φ10×W16×H11cm Fanny Roos フラワーベース¥14,000(ブルペン)家で外で、活躍間違いなしの丈夫なバスケット。結び目だけで仕上げたバスケットは、タフなポリエステルのロープを使用。自立し、自由に形を変えられるのが面白い。マガジンラックやスリッパ入れなど幅広く使える。φ35×H25cmshigeki fujishiro knot L¥25,000(フークTEL:03・6805・0146)素朴な風合いの中にマットな釉薬が美しい。テキスタイルと陶器のデザインを手がけるジェシカ・ハンスと『HAY』とのコラボレーションアイテム。わざといびつに作られたマグは、持つと意外なほど手に馴染む。φ9×H9cm JESSICA HANS MUG¥4,900(HAY TOKYO TEL:03・6427・9173)※『anan』2019年2月20日号より。写真・多田 寛(DOUBLE ONE)スタイリスト・大谷優依(by anan編集部)
2019年02月18日六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が開かれています。展示替えをしながら約480件もの作品を展示する大規模展覧会は超必見。お江戸アートを満喫できるカフェもご紹介!新しい北斎に会える!【女子的アートナビ】vol. 140『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』では、江戸時代後期に活躍した絵師、葛飾北斎(1760-1849)の作品、約480件(会期中展示替えあり)を紹介。20歳から90歳までの約70年におよぶ画業を6章にわけて展示しています。誰もが知る傑作や名品はもちろん、アメリカ・シンシナティ美術館が所蔵する肉筆画や、近年国内で発見された貴重な作品などの初公開作品も登場。新しい北斎に出会える展覧会です。最初はうまくなかった…?世界で最も有名な日本のアーティストのひとりである北斎が浮世絵界にデビューしたのは20歳のとき。はじめは勝川春朗と名乗り、当時人気のあった歌舞伎役者の絵をはじめ、美人画や子どもの絵、名所絵、さらには絵本の挿絵など、さまざまなジャンルの作品を手がけていました。展覧会を監修された浮世絵研究家の根岸美佳さんによると、巨匠北斎でも「デビュー当時は絵が拙い部分もあった」とのこと。そこから努力を重ね、最後には世界的にも有名な富士山や波の絵を生み出せるようになっていったそうです。初公開作品は必見!また、『新・北斎展』というタイトルには、新発見・初公開という意味もこめられているそうで、会場には多くの初公開作品が展示されています。なかでも必見は、全118点もある《津和野藩伝来摺物》。保存状態がよかったため、美しい色彩も楽しむことができます。ちなみに、摺物(すりもの)というのは一般の出版物とは異なり、「お金持ちがお金を出し合って作るプライベートの出版物なので、贅沢な絵の具などを使っている」(根岸さん)とのこと。細密に描かれているため、細かい部分まで見てみるといいそうです。この展覧会は、北斎研究の第一人者である永田生慈さんが企画・監修したもので、展示作品件数の約7割は彼のコレクションからなります。半世紀にわたり北斎の研究や作品の発掘、収集を続け、『新・北斎展』の準備も進めていたそうですが、永田さんは2018年2月に他界されました。これまでに収集された北斎作品は2000件を超え、それらは故郷の島根県に寄贈。今展に出品されたあとは、故人の遺志により、島根県のみで公開されることになっています。カフェでもお江戸気分に♪また、会場の森アーツセンターギャラリーと同フロアにある『Cafe THE SUN』では、期間限定で北斎作品から着想を得たオリジナルメニューを楽しめます。特に北斎の「冨嶽三十六景凱風快晴」をイメージした『赤富士カレー』(税込¥1,566)は写真映えすること間違いなし!ほかにも、「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」をイメージした『浪裏デザートプレート』(税込¥1,706)や、わらび餅、白玉、抹茶ムースなど和スイーツを盛り込んだ『北斎漫画パフェ』(税込¥1,404)などスイーツも充実しています。お得なチケットセットも…また、現在上野の東京都美術館で開催中の『奇想の系譜展江戸絵画ミラクルワールド』と『新・北斎展』を会期中に1回ずつ見られるお得なセット券(税込¥2800)も販売中です。美術史家・辻惟雄氏(1932~)が、1970年に出版した『奇想の系譜』で取り上げた画家たちの名品を紹介するこの展覧会でも、伊藤若冲など江戸時代のアートをたっぷり楽しめます。ぜひ両展あわせて、足を運んでみてくださいね!Information展覧会名:『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』期間:~3月24日(日) ※会期中展示替えあり開館時間:10:00~20:00、火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前まで)休館日:2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)観覧料:一般 ¥1,600/高大生¥1,300/小中学生 600円
2019年02月16日1月下旬に九段ハウスで開催された『森山大道展』のキュレーターを務めた宮津大輔さん。400点にのぼる現代アートのコレクターとしても知られる彼のコレクションと笠間日動美術館所蔵の作品を厳選し、ペアリングして展示するという、新たな視点の試みが、2019年3月23日より『シンクロ ニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術 ‐』と題し、開催されます。アンリ・マティス《窓辺に座る女》1919-20 年Henri Matisse “Woman by the Window”向かい合う岸田劉生の《村娘図》(1919年)と奈良美智の《無題》(1998年)は、一見無邪気であるがゆえに、時に現れる少女の残酷性を見事に表しています。このほか草間弥生の《南瓜》(1981 年)とルネ・マグリットの《ビュー・ニューヨーク》(1946年)、アンリ・マティスの《窓辺にすわる女》(1919-20年頃)とオラファー・エリアソンの光を使ったインスタレーション《大輔のためのウィンドウ・プロジェクション》(2011年) など、35組の様々なペアリングを紹介。これら19世紀から21世紀に創作された多種多様な作品を見比べ、美術の持つ大いなる可能性とコレクションに込められた豊かな思いを堪能できます。さらに、宮津さんが昨年9月、オーストリアのリンツで行われたアートの祭典「アルス・エレクトロニカ2018」で注目した体験型インスタレーション『ComfortZONE』(MiND X)も今回日本で初めて、マックス・エルンストとのペアリングで展示されます。『Comfort ZONE』MiND X2018■ペアリングルネ・マグリット/草間弥生岸田劉生/奈良美智アンリ・マティス/オラファー・エリアソンヴィンセント・ファン・ゴッホ/ライアン・ガンダー ジョルジュ・ブラック/蔡国強北大路魯山人/フィリックス・ゴンザレス=トレズ/ ヤン・ヴォーアントワーヌ・ブールデル/アグス・スワゲ高橋由一/ジョージェ・オズボルトマックス・エルンスト/ MiND Xジョルジュ=ピエール・スーラ/エリザベス・ペイトン ラグーザ玉/森山大道シャイム・スーチン/オラファー・エリアソンオーギュスト・ルノワール/アピチャッポン・ウィーラセタクンパブロ・ピカソ/アリエル・シェルシンガーパブロ・ピカソ/ステファン・バルケンホール マルク・シャガール/リム・ソクチャンリナ ジョアン・ミロ/マリナ・ラインガンツ上記を含む35組70点を予定ポール・セザンヌ《聖アントニウスの誘惑》1874年Paul Cézannzannzannzanne "Temptation of St. Antony"■宮津大輔さんプロフィール1963年東京都出身。アートコレクター、横浜美術大学教授、京都造形芸術大学客員教授。1994年以来、企業に勤めながら収集したコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅が国内外で広く紹介される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会」委員、「Asian Art Award 2017」審査員等を歴任。著書に『現代アート経済学』(光文社新書)、『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国・金城出版/台湾・Uni Books/韓国・Art Books)、『アート×テクノロジーの時代』(光文社新書)などがある。■展覧会概要展覧会名シンクロニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術‐会期2019年3月23 日(土)- 5月19日(日)会場笠間日動美術館 企画展示館 茨城県笠間市笠間978-4開館時間午前9時30 分より午後5時(入館受付は午後4時30分まで) 休館日毎週月曜日 (但し4月29 日、5月6日は開館、5月7日は休館)入 館 料大人 1000 円、65歳以上 800円、大学・高校生 700円、中・小生 500円主催公益財団法人日動美術財団笠間日動美術館特別協賛野村ホールディングス株式会社株式会社DRESSお問合せ先:TEL:0296-72-2160*会期中に作品保存などの理由より、展示替えする場合があります。また、メディア・アートにつきましては、機材や記録媒体などの都合より鑑賞いただけない場合があります。■交通案内[J R 利 用]・常磐線友部駅北口(9:55/10:50/11:50発)より「かさま観光周遊バス」(100円)、または市内循環バスで約15分。「日動美術館入口」下車徒歩1分・水戸線笠間駅より徒歩約25分(日動美術館・春風萬里荘共、但し方向は逆)、「かさま観光周遊バス」またはレンタサイクルの利用が便利です。[自動車利用] ・常磐道友部JCT経由、北関東道友部ICより国道355号線経由約6キロ・東北道栃木都賀JCT経由、北関東道笠間西ICより国道50号線経由約8キロ
2019年02月13日“ネイルアート”を軸に、アート・テキスタイル・イラストレーションから、アートディレクションまで、国内外問わず幅広く活動するアーティストHana4がアート展「NEW me」をルーカ シブヤ ギャラリー(RVCA SHIBUYA GALLERY)にて開催中。会期は2月17日まで。同展では、キャンバス作品や新たな試みとなる壁画制作を展示。ネイルアートを原点に、繊細な技術で人々を魅了する彼女が切り開く新しい芸術の形を垣間見ることが出来る。なお、展示会場となるルーカ シブヤ ギャラリーは、様々なアイディアと思考の交流を行うプラットフォームを提供し、ユニークなプロジェクトやアーティストとのコラボレーションを行うルーカ ストア(RVCA STORE) の2階に併設するギャラリー。入場無料で楽しめるアートやサブカルチャーの発信スペースとなっている。【展覧会情報】Hana4「NEW me」会期:2019年1月23日〜2月17日会場:RVCA SHIBUYA GALLERY住所:東京都渋谷区神宮前5-27-5 TOLDAビル2階時間:11:00〜20:00入場無料
2019年02月09日九段下駅から歩いて程なく見えてきたのは、1927年に建てられた旧山口萬吉邸。2018年に国の有形文化財にも指定されたこの場所は、改築を経て、現在は会員制サロン「九段ハウス」として利用されています。この九段ハウスにて1月24日〜26日の3日間、アートサロン企画第一弾「森山大道展」が開催されました。展示作のキュレーションを担当したのは、アマトリウム株式会社とアート・コレクターの宮津大輔さん。大道さんが50年にわたって撮影された20点あまりの名作を選りすぐり、作品を囲いながらアートについて気軽に話し、学べる場をご用意いただきました。■DRESS部員の皆さんをご招待今回の展示会に特別に招待されたのは、DRESSアンバサダーの神吉さんとDRESS部員の伊原さん、國谷さん。みなさん美術館巡りも好きで、今回の森山大道展もとても楽しみにされていたそう。作品の解説をしてくださるのは、東京藝術大学大学院にて研究助手をしている加藤杏奈さんと、本展示会の企画を担当するアマトリウム株式会社の丹原健翔さんです。参加者に解説をする加藤さん(一番右)今回の展示会では、今までアートに興味があったものの、あまり触れてこなかった方でも気軽に楽しめるような工夫が散りばめられています。例えば美術館でよく見られる、作品前に置いてある立ち入り禁止のロープ。ここにはそのような境界線はありません。また、完全招待制のため人混みで作品が見えない、といったこともなし。作品を間近で鑑賞することができます。作品名の記載がないところも、見ている人の想像力を掻き立てます。シャンパンを片手に、来場者の方は会話を楽しんでいました。■写真に現れる、光と陰の世界今回展示されている作品はすべて白黒写真。写真の現像は大道さん自身でおこなっているのですが、印刷用の特殊な薬品を調合し、色を出すのがとにかく至難の技だそう。大道さんが見せたい色を突き詰めて出した「鮮明な黒」こそが、作品の美しさを形作っています。今回ご紹介したいのは「Osaka, Daido hysteric no. 8」シリーズからの作品。Osaka, Daido hysteric no.8 (1997)© Daido Moriyama Photo FoundationCourtesy of Taka Ishii Galleryどこまでも続くかのような真っ直ぐな線路に、引き込まれそうになります。最近の大阪の駅にも見えるし、どこか懐かしい風景にも見えるこの写真について、加藤さんからは「白黒だからこそ、時を超えることができるのかもしれないですね」との解説が。作品を囲んで、それぞれ感じたことが言葉で溢れます。また、ボケ写真の先駆けとも言われる大道さんの作品の中には、あえてピントを合わせない写真も並びます。DOCUMENTARY 78(’86.4 Setagaya-ku, Tokyo) (1986, printer later)© Daido Moriyama Photo FoundationCourtesy of Taka Ishii Gallery■展示されなかった作品を見せてもらう展示は、どの作品をどこに飾るか、見る人のリズムを考えた上で構成されています。そのため、今回どうしても展示することができなかった作品もあります。解説をする丹原さんその作品の一部を、丹原さんが特別に見せてくださいました。会場には展示できなかった作品がこちら特別な機会に、さらに本来見ることができなかった別の作品まで見ることができ、参加者の皆さんは感動していました。展示されている作品は、購入も可能だそうです。アートのある生活は、心を豊かにしてくれますね。今回の森山大道展を皮切りに、今後も現代アート推進活動の一環として、継続的にアートサロンを開催予定です。開催情報はDRESS読者の皆さんに、いち早くお届けします。アーティスト・プロフィール森山大道1938年大阪府池田市生まれ。デザイナーから転身し、岩宮武二、細江英公の助手を経て、1964年にフリーの写真家として活動を始める。1967年『カメラ毎日』に掲載した「にっぽん劇場」などのシリーズで日本写真批評家協会新人賞を受賞。近年では、サンフランシスコ近代美術館(1999年・メトロポリタン美術館、ジャパンソサイエティー(ニューヨーク)巡回)、国立国際美術館(2011年)、テートモダン(ロンドン)で行われたウィリアム・クラインとの合同展(2012~13年)他、国内外で大規模な展覧会が開催され、国際写真センター(ニューヨーク)Infinity Award功労賞を受賞(2012年)するなど、世界的に高い評価を受けている。写真集『新宿』(2002年、2003年 第44回毎日芸術賞受賞)、『モノクローム』『カラー』(2012年)、『犬と網タイツ』(2015年)等多数。
2019年02月08日女子憧れのブランドショップ、シャネル銀座の4階で、幻想的なアートを楽しめる展覧会『「INSULA LUX 光の島」 アントニ タウレ展覧会』がスタート。作家のタウレさんが参加するプレスプレビューでお話を聞いてきました!入場無料!シャネル・ネクサス・ホール【女子的アートナビ】vol. 139展覧会の会場は、シャネル・ネクサス・ホール。こちらで開催されるアートの展覧会は、いつも刺激的でとってもクール。しかも入場無料で鑑賞できる銀座の穴場スポットです。2019年に15年目を迎えたシャネル・ネクサス・ホールでの文化活動は、芸術や文化を愛したブランド創業者、ガブリエル シャネルの精神を受け継いで企画されているとのこと。日本ではなかなか見ることができない個性派アートを紹介してくれる貴重な場所です。現在、このホールで開かれているのは、スペイン・バルセロナ出身のアーティスト、アントニ タウレさんの日本初個展『「INSULA LUX 光の島」 アントニ タウレ展覧会』。1945年生まれのタウレさんは、幼いころから絵を描きはじめ、建築を学びながら画家として活動を開始。1970年にバルセロナで建築家資格を取得し、さらに1975年にはパリで初個展を開催します。その後は、世界各地の美術館やギャラリーで個展やグループ展などに参加し、絵画だけでなく、写真や映像作品も制作。さらに、パリのオペラ座やニューヨークのメトロポリタン歌劇場など世界各地の有名な劇場で舞台芸術も手がけるなど、幅広い分野で活躍されています。光と闇の幻想アート今回、会場では「光の島」をテーマにした作品40点を展示。絵の舞台となっているのは、1970年からタウレさんが暮らし、インスピレーションの源となっているスペインのフォルメンテーラ島です。趣のある建築物や外から差し込む光、そして海岸などの景色がモチーフとなり、どの作品にも建物の内側と外側をつなぐ“開口部”が描かれています。「50年近く絵を描いていますが、常に“開口部”に惹かれて興味を持っています」と語るタウレさん。開口部は、光と暗闇、人間の意識の外側と内側、現実と虚構をつなぐ重要なポイントになっているそうです。また、水平線や境界線も重要なテーマのひとつ。作品の中に繰り返し登場しています。タウレさん水平線は無限につながっています。この無限というのは私たち人間の内側にもあります。また、描いている道は、こちらにも行けてあちらにも行ける、始まりも終わりもない道なのです。絵画だけでなく、自ら撮影した写真の上に油彩で絵を描いた作品も展示されています。これらの作品も、主要モチーフはやはり開口部。タウレさんにとって、絵画と写真は密接に関係しているそうです。パワースポットも出現!?そして、作品と一緒に楽しみたいのが、展示空間。この展覧会の構成は、アートディレクターでグラフィックデザイナーのおおうちおさむさんがタウレ氏と相談しながら手がけたとのこと。特に、一番奥にある展示空間について、タウレさんは次のように語りました。タウレさんこの空間は、まるで寺院の中のような感覚を覚えます。デザイナーのおおうちさんと相談して、スピリットを見つけました。強いパワーのある空間をこちらに実現できたのではないかと思います。特に、この空間の中心に立つと、地球から受ける地の強いパワーを感じます。実際に、筆者もその中心点に立ってみたのですが、両サイドに神殿のような絵が配され、突き当たりの壁には今展覧会のメインヴィジュアルにもなっている美しい絵があり、神秘的なエネルギーが集まっているように感じました。アーティストたちが作り出した美の空間、ぜひ一度足を運んでみては?Information期間:~2月14日(木)(入場無料・会期中無休)開館時間:12:00~19:30
2019年01月25日ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ全米3位の人口を持つ大都市。それがシカゴだとご存知でしたでしょうか? ホリデー時期には近郊の州からシカゴを訪れるほどアメリカ国内では観光都市ともなっています。3日間も続いた大火災により街が焼けてしまったことで、新たに建設された高層ビルが立ち並び『シカゴ派建築』なども登場しました。アメリカ3大美術館もあるためアート好きも魅了する都市です。またあの行列必須のポップコーン『ギャレット』の発祥の地でもあります! そんなシカゴで楽しめる6つのことをご紹介します。写真・Miki Takahira(7,12,13,14,15枚目除く)1. あのインスタグラムで有名な絶景を!まず、ご紹介するのはシカゴを訪れたら絶対に行きたいフォトスポット『スカイデッキ(ウィリス・タワー)』です。雨宮もインスタグラムで写真をよく見かけていて、すごいな~とは思っていたものの、まさかシカゴにあるとは知りませんでした。何がすごいかというと……。息を飲む景色!展望会の103階より、建築が美しいシカゴの街を見渡せ、さらに壁から飛出した透明アクリルの展望スペースもあり、フォトスポットとなっています。足もとも頭上も透明なため、こんな宙に浮いたようなマジカルなショットも撮れちゃうんです。これがインスタグラムなどでも大人気なんですね! そのため比較的混雑がやわらぎそうな平日がおすすめです。2. 高層ビルのラグジュアリーホテルに滞在!建築が魅力的なシカゴ滞在のおすすめはやはり高層ビルのホテル。今回はその中でも高さ415mとシカゴで2番目に高い『トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー』に滞在しました。アクセスもよく、ここから多くの観光スポットに歩いていくことができます。世界の数百件の宿泊施設を巡った経験のある雨宮の目から見たこのホテルのおすすめポイントをあげておきますね。おすすめポイント1. お部屋からの絶景!お部屋に入ると広がるこの景色! この素晴らしい眺望は、カーテンを閉めたくなくなりますよね。さらにベッドも大きくふかふか。落ち着いたインテリアでのんびりリラックスできます。おすすめポイント2. ヨガマットやネック&アイピローがあって旅の疲れを癒せる(写真上)こらはスパフロアにある『スパ グランド デラックス キングルーム』というお部屋。リラックスを追求しており、ヨガマット、ダンベルなど女性にうれしいグッズが揃っています。日頃から、なぜホテルにはヨガマットがないんだ! と思っていた雨宮。満月の夜に月の光を浴びながらこの絶景を見てヨガができるのは何よりのラグジュアリーでした。さらに夜はホットネック&アイピロ―で深い眠りにつけます。おすすめポイント3. スリッパやバスローブが他のホテルに比べてふっかふっか(写真左下)ここのスリッパとバスローブは無駄に使いたくなるほど(笑)極上素材でした! トランプホテルオリジナルのアイテムだそうです。おすすめポイント4. キッチンつきのお部屋(写真右下)『スパ グランド デラックス キングルーム』にはキッチンはついていないのですが、このホテル内にある多くの部屋にキッチンがついているため、小さなお子さんがいるファミリーや外食に疲れてしまう方にもおすすめです。3. アメリカ三大美術館のひとつがある!アート好きにたまらないのが、ここ『シカゴ美術館』です。アメリカ三大美術館のひとつということもあり、とてつもなく大きい! 30万点以上の収蔵品があり、1日ではまわり切れないほどなので観たい作品をピックアップして巡ることをおすすめします。人気の絵画は光の魔術師と呼ばれたレンブラント、ルノワール、カイユボット(写真左上)、ゴッホなどです。スーラの点描だけで描かれた有名絵画『グランド・ジャッド島の日曜日』(写真右上)は寄贈者の遺言によりこの美術館から外に出せないそうで、ここでしか観られない貴重な作品です。パロディ題材によく使われるウッドの『アメリカン・ゴシック』(写真左下)などアメリカ近代美術も要チェックです。また、お土産ショップでザ・アメリカンなカラフルなアイテムなどを購入できるのでぜひチェックしてみて下さいね。雨宮はメタリックカラーやマーブルカラーの色鉛筆などを購入しました。4. シカゴの名物モニュメントが集まる公園も!シカゴ美術館からすぐのところにある巨大な公園『ミレニアム・パーク』ではシカゴを象徴するアート作品『クラウド・ゲート』などがあります。行ってみると……めっちゃ混んでる(笑)!でも、中に入ってみるとその人混みも『クラウド・ゲート』に映り込み、なんとも言えない不思議な世界観がおもしろいです。街中アート、奥深い!また雨宮が感動したのはパークに繋がっているメタリックで蛇のようなこの橋(写真奥に向かってニョロニョロと伸びています)! 日本のような露骨な歩道橋ではなく橋やビルもアートの一部になっていて、さすが、建築の街だな~と次々とおもしろい発見があるのがシカゴの特徴です。5. シカゴ・ジャズに酔いしれる!第一次世界大戦後、ミュージシャンが職を求めてシカゴへ移り住んだのがシカゴ・ジャズの始まりだそうで、この街には上質なジャズクラブがたくさんあります。今回訪れたのは地元の人にも大人気のジャズクラブ『Winter’s Jazz Club』。女性ボーカルと楽器が奏でるメロディに酔いしれる夜となりました。食事を済ませてから向かい、お酒をのんびり飲みながら音に浸りたい素敵な空間です。6. ライブハウスでシカゴ・ブルースも堪能!アフリカ系アメリカ人霊歌や労働歌がブルースのルーツだそうで、これがシカゴでバンド形式に発展しシカゴ・ブルースが確立されたそうです。『House of Bluce』は建物全体がユニークで入るだけでワクワクするライブハウスです。オーナーとここのデザイナーの趣味もあり内装が本当にアート! 雨宮は音楽とカラフルなアートも好きなので、シカゴで一番興奮したスポットです。夜にはバンドがソウルのこもったブルースなど生演奏をしてるのでこちらも食後の一杯におすすめですよ。さらに、お土産屋さんには、BOWIEのオシャレなイラストが描かれた絵本やカセットテープのキーホルダーなどのグッズがあり、とてもかわいかったのでぜひこちらもチェックしてみて下さい。羽田から直行便でシンプルに行けるシカゴに行くのにおすすめなのが、羽田からシカゴへ唯一の直行便、ANAの『羽田―シカゴ便』です。都内に近いからアクセスも便利。毎日1便、シカゴに就航しています。羽田を朝出発してシカゴへは早朝に着くので朝からゆっくりと楽しめます。客室乗務員もとても丁寧で機内食や機内設備、サービスも充実しているためシカゴに行く際はぜひ利用してみて下さいね。このようにシカゴはコンパクトで観光名所も巡りやすく、街歩きには多くの発見があってとっても楽しいですよ。ぜひ、アメリカの文化と共にアートや音楽、建築を楽しんでみてはいかがでしょうか。次回はシカゴの食やオシャレスポットについてご紹介します!Information■トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー(1部屋、約35000円~※部屋・時期により変更あり)
2019年01月19日