緑に囲まれたオープンテラスがあったりドラマのロケに使われたり、美術館のカフェは知る人ぞ知るおしゃれな場所。展覧会のあとに訪れると、その楽しみは倍増します。今回は、食&芸術の秋に訪れたい都内の美術館を3つご紹介!東京都庭園美術館『生命の庭』【女子的アートナビ】vol. 186まずは、東京都庭園美術館。アール・デコという装飾様式で統一された建物も見どころのひとつとなっているこの美術館は、目黒駅から徒歩圏内にありながら、周りは緑豊かな庭園に囲まれている最高の立地。四季折々の自然と芸術作品を一緒に楽しめるぜいたくなスポットです。こちらで現在開催されているのが、現代アートの展覧会『生命の庭―8人の現代作家が見つけた小宇宙』。内装もおしゃれな洋館のなかで、日本を代表する8人の作家(青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介)による絵画や彫刻、インスタレーションなどが展示されています。展覧会を担当した学芸員の浜崎加織さんによると、アール・デコ様式の建物と現代美術は相性がよく、この場所でしか体験することのできない展示空間ができるとのこと。自然に囲まれたなかで、自然と人間の関わりをテーマにした展覧会をしたいということで、今回の企画展が実現したそうです。思わず悲鳴が…例えば、山口啓介さんの《花波ガラス》は、透明のカセットにドライフラワーや種子などの植物を入れ樹脂で固めたものが積み上げられている作品。見た瞬間、あまりに美しくて悲鳴をあげそうになりました。背景にある庭園の緑とカラフルな植物が一緒に目の中に飛び込んできて、夢の世界のような光景を生み出しています。もうひとつ、悲鳴をあげそうになったのは、加藤泉さんの立体作品《無題》。人面飛行機のような、ちょっとグロい造形物で、上部にプラモデルの飛行機がたくさん乗っています。この美術館のなかでも特に壮麗な空間に展示されているので、不気味さと美しさのギャップにしびれます。加藤さんは、人型に似せた彫刻や絵画などを制作されている作家さんで、今展では美術館の入り口をはじめ、会場内のさまざまな場所に作品が展示されています。どれも、一瞬ギョッとするシュールな造形ですが、見慣れてくるとカワイイと思える不思議な魅力があります。カフェには人面スイーツが…東京都庭園美術館に併設されているのは、『café TEIEN(カフェ庭園)』。こちらは、美術館の入場料を払った人だけが入れる穴場カフェ。庭園に面したガラス張りの明るい店内で、スイーツやドリンク、軽食も楽しめます。現在、『生命の庭』にちなんで、8人の現代作家とコラボしたスイーツを展開中です。そのなかでアヤシイ雰囲気を出しているのが加藤泉さんの作品をイメージした「人型シュー」(税込¥660)。あのシュールな人面をスイーツにしてしまうなんて、カフェ庭園さん、ステキです!府中市美術館『日本の美術を貫く炎の筆《線》』続いてご紹介するのは、府中市美術館。こちらも自然豊かな都立府中の森公園のなかにあり、さわやかな秋の散歩と芸術鑑賞を一緒に楽しめます。現在開催されている展覧会は『日本の美術を貫く炎の筆《線》』。作品のなかにある「線」にスポットをあて、縄文時代の火焔土器から令和の最新アートまで、絵画、刀剣、書、漫画、工芸品など幅広いジャンルの作品が紹介されています。例えば、メインビジュアルにも使われている丸田恭子さんの油彩画《マイナスの質量》は、線の力強さが目の前に迫ってくるようなインパクトのある作品。じっと見ていると近未来の異世界へ連れていかれそうな気分になります。また、椛田ちひろさんの2点も迫力ある線作品です。どちらも紙の上にボールペンで描いたもので、近くで見ると無数の線がびっしりと引かれていてちょっと感動します。細い線が集結したパワフルな作品です。森を感じられるカフェ府中市美術館内にあるカフェの名は、『府中乃森珈琲店』。府中の森などをイメージしたオリジナルのコーヒーや日替わりランチなどもあり、美術館を見たあとに立ち寄るのにぴったりです。上の写真は、お店イチオシのドリンク「自家製ジンジャーカフェラテ」(税込¥650)。スパイスの効いたチャイのような味を楽しめます。日差しの降り注ぐ店内もいいですが、秋の晴れた日は緑豊かなテラス席がおすすめ。ずっと座っていたくなる、居心地のいいカフェです。三菱一号館美術館『開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展』最後にご紹介するのは、東京・丸の内にある三菱一号館美術館。オフィスビルに囲まれた都心の角地に建つ赤レンガの瀟洒な建物です。三菱が1894年にジョサイア・コンドルの設計で建てた「三菱一号館」を復元し、2010年に美術館として開館しました。現在開催中の展覧会は、《開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展》。三菱一号館の建設年である1894年にフォーカスし、その前後の時代に活躍した画家たちの作品を展示しています。特に、タイトルにもなっているルドンとロートレックの作品群は見ごたえ抜群。三菱一号館美術館が所蔵する作品に加え、本展の共同企画である岐阜県美術館所蔵のコレクションも展示されています。本展では油彩画や版画など常時約120点を超える作品が集結していますが、なかでも目を引くのがルドンのパステル画《グラン・ブーケ(大きな花束)》。フランスのブルゴーニュ地方にあるロベール・ド・ドムシー男爵の城館の食堂を飾るために依頼された装飾画のひとつです。描かれている花々はまるで奇妙な生き物のようで、ちょっと妖艶な雰囲気。色彩も美しく、いつまでも見ていたくなる作品です。(前期・後期で展示替えがあります)ドラマや雑誌に出てくるカフェ三菱一号館美術館に併設されているカフェ・バー『Café 1894』は、ドラマや雑誌の撮影で何度も使われているおしゃれな場所。クラシカルな空間は、銀行営業室として使われていた場所を復元したもので、落ち着いた内装のなかで食事やスイーツを楽しめます。展覧会とタイアップしたメニューも魅力のひとつです。今のおすすめは見た目も豪華な「おとなのグラン・ブーケ」(税込¥990)。作品を見たあと、余韻にひたりながらいただくと格別です。秋は美術館へ!秋におすすめの美術館3選、いかがでしたか。コロナの影響で外国から作品が借りられなかったり、展示内容が変更となったりしている展覧会もありますが、どの美術館も所蔵コレクションなどを使って工夫しながら楽しい企画展を開催しています。ぜひこの秋は、美術館に足を運んで本物の作品に触れてみてくださいね!Information『生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙』会期:~ 2021年1月12日(火)休館日:毎月第2・第4水曜日(10/28、11/11、25、12/9、23)年末年始(12/28-1/4)開館時間:10:00–18:00*入館は閉館の30分前まで会場:東京都庭園美術館(本館+新館)観覧料:一般¥1,000、大学生(専修・各種専門学校含む)¥800、中学生・高校生¥500、65歳以上¥500『日本の美術を貫く炎の筆《線》』会期:~11月23日(月)休館日: 11月23日を除く月曜日開館時間:10:00–17:00*入館は閉館の30分前まで会場:府中市美術館観覧料:一般¥500、高校生・大学生¥250、小学生・中学生¥100『開館10周年記念1894 Visions ルドン、ロートレック展』会期:~2021年1月17日(日)※展示替えあり※本展覧会の会期は変更となる場合があります休館日:月曜日*と展示替えの11月24日(火)、25日(水)、年末年始の12月31日(木)、2021年1月1日(金)*月曜日が祝日の場合と11月30日(月)、12月28日(月)、2021年1月4日(月)は開館開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで会場:三菱一号館美術館観覧料(音声ガイド付き):一般¥2000、高校生・大学生¥1000、小学生・中学生は無料
2020年11月03日“日常をより豊かにする”ビジョンを掲げ、インテリア・キッチン・ライフスタイル商品の卸売及び自社ブランドの展開を行う株式会社マークスインターナショナル(本社:東京都渋谷区恵比寿西2-21-1、代表取締役:大谷正人)は、今年リリースした新ブランド「70cmの景色」から、『時を生ける』の限定カラー・シルバー×ホワイトを、雑誌「ONKUL(オンクル)」(発行元:株式会社三栄)との初のコラボレーション商品として発表、2020年10月23日(金)〜25日(日)の期間開催する株式会社三栄が主催のファッションイベント「HolidayCircus2020」での先行発売、及び「70cmの景色」公式オンラインショップでの発売を2020年10月26日(月)より開始いたします。『時を生ける』シルバー×ホワイト『70cmの景色』は、「心に届くプロダクト」という考え方を軸にしたデザインで、新しい空間を提案するライフスタイルブランド。椅子やソファが暮らしの中心になった現代でも、ついつい床に座ったり畳でごろごろしたりしてしまう、日本人らしい心地よさの感覚を、床に座ったときの目線の高さ=70cmに込めました。わずか半世紀前には考えられないくらい家のしつらえや過ごし方は変化しましたが、それでも変わらない私たちが心地いいと感じる尺度を、各商品を通して感じていただけるよう、また、皆様の大切な人や空間がもっと大切なものになるようなブランドを目指しています。今回発表となった新商品は、雑誌「ONKUL」とのコラボレーションとして生まれた別注カラー・シルバー×ホワイト。ファッション感度の高いユーザーにあらゆるシーンでご使用いただけるよう、マットな質感で落ち着いた印象に仕上げることで、より一層、花器として生ける植物が引き立つようなカラーリングとなっています。また、ご購入特典として、限定100個で「70cmの景色」と「ONKUL」のコラボレーションを記念したWロゴ入りオリジナル風呂敷のプレゼントをご用意しております。今回特別につくられた『時を生ける』で、壁掛けの花器としてお好きな植物を飾るなどして、ご自宅で素敵な空間を演出してみてはいかがでしょうか。マークスインターナショナルは、この度の新ブランド及び新商品の発表をはじめ、皆様の生活を共にするさまざまな商品を通して、“日常をより豊かにする”ご提案を続けてまいります。■『70cmの景色』とは70cmの景色は、家で過ごすときに特別な視線を演出してくれる「心に届くプロダクト」という考え方を軸にして生まれた部屋の新しい空間を提案するライフスタイルブランドです。座位から70cmという尺度は近しい人との距離でもあり、心が安らいでいるときの視線の高さを表したものです。腰を下ろしたりごろごろしながらひとりでゆっくり過ごす部屋は、よりくつろげる空間へ。季節のうつろいを感じながらかぞくでわいわい過ごす部屋は、よりにぎやかな空間へ。よろこぶ笑顔を想像しながら友人や知人をもてなす部屋は、より気持ちの伝わる空間へと変わります。いろんな日常に花を添えるように心と心をつなぐコミュニケーションを生み出し、大切な人や空間がもっと大切になるデザインを提案していきます。「70cmの景色」公式サイト■新商品販売概要商品:『時を生ける』シルバー×ホワイト価格:8,500円(※『時を生ける』シルバー×ホワイト、及びプレゼントの「オリジナル風呂敷」をセット販売)先行発売:HolidayCircus2020にて、2020年10月23日(金)〜25日(日)公式サイト発売:70cmの景色オンラインショップにて、2020年10月26日(月)10時〜販売個数:限定100個販売元:株式会社マークスインターナショナル販売店:HolidayCircus2020特設ECサイト会場、HolidayCircus2020サテライト2020会場(東京都世田谷区駒沢3-1-151F)、70cmの景色オンラインショップHoliday Circus 2020 特設 EC サイト会場の景色オンラインショップ■「HolidayCircus2020」概要FUDGE、men’sFUDGE、ONKUL、kiitos.という雑誌を通じて表現してきた価値観を、リアルに体験できるコトとして演出する、新しいファッション誌イベントの提案。“眼に映るすべてがフォトジェニック”をコンセプトに、週末の時間と空間をデザインします。今年のテーマは“EVERGreen~色褪せないもの”。特設ECサイト会場を新たにプラスして、より安全に、より多くの方々に参加いただける開催形式としています。「Holiday Circus 2020」公式サイト■『時を生ける』商品概要部屋に季節がおとずれる、いのちの流れをきざむ小窓西尾健史による『時を生ける』は、好きな植物を飾ることができる壁掛けの花器。かつての日本では、床の間に掛け軸や生け花を飾り、季節の移ろいを感じる文化がありました。自然と共に生きてきた私たち日本人にとって、儚い自然の美しさに“時”を感じることは、生活の一部でした。西尾は、そのことを現代のライフスタイルに沿った形へと落とし込み、部屋に時計を掛けるように植物を飾るができるプロダクト『時を生ける』をデザインしました。それは、ちいさな窓のように、もの寂しかった部屋の壁に趣をもたらします。取り付け方は、プレートの中心に植物を固定するだけと、いたってシンプル。周囲を縁取るリングには、植物をリング外にも伸ばせるように一箇所穴があり、穴の位置は自由に変えることができるので、時計の針に見立てた植物の角度を変え、様々な表情をつけることが可能です。プレート裏面にはフックがあり、時計と同じように壁に掛けるか、もしくはテグスや紐を巻きつけ吊るすか、2通りの飾り方があります。また、生ける植物は徐々にドライフラワーとなるため手入れも少なく、より気軽に楽しむことができます。商品名:時を生けるデザイナー:西尾健史価格:7,500円(税抜)/8,500円(税抜)(※限定色シルバー×ホワイトのみ)サイズ:直径180mm×縁幅30mm重量:300gカラー:シルバー/シャンパン/ゴールド/シルバー×ホワイト(※ONKULコラボカラー)素材:アルミニウム(リング部分)/スチール(プレート部分)使用上のご注意事項:・直射日光や熱、冷暖房機器の強風などが直接あたらないように設置してください。・商品は壁にしっかりと固定されたネジやフックに掛けて使用してください。・リングとプレートの取り付けや取り外し、植物の取り付けの際は、布などを敷き、必ず机や台の上で行ってください。・表面の塗料が変色したり剥がれたりする場合がありますので、直接熱いものや濡れたものを置いたり、ビニールなどで長時間覆って使用しないでください。西尾健史/にしおたけし1983年長崎生まれ。桑沢デザイン研究所を卒業後、設計事務所を経て「DAYS」として独立。空間をベースに机と作業場を行き来しながら家具、インテリアのデザイン及び自身の制作を行っている。■「70cmの景色×ONKULコラボ風呂敷」概要「70cmの景色」と「ONKUL」のコラボレーションを記念して、『時を生ける』シルバー×ホワイトをお買い上げのお客様に先着順にて、Wロゴ入りオリジナル風呂敷をプレゼント!(限定100個)70cm の景色×ONKUL コラボ風呂敷■MarcsInternationalco.,ltdについて日常をより豊かにする。日々の生活の中で我々はあらゆる“もの”に囲まれて暮らしています。我々のなにげない生活の中で毎日使うもの、毎日目にするものが、なんとなく気に入っていたり、好きなデザインであることが、日々の暮らしを、少し豊かに感じる手伝いをしてくれているのだと思っています。そんな想いから、世の中の誰かに素敵だな、と感じていただけるようなプロダクトをみなさまにご紹介していくのが、我々の使命です。■会社概要社名:株式会社マークスインターナショナル所在地:〒150-0021東京都渋谷区恵比寿西2-21-1電話:03-6861-4511設立:平成9年1月6日代表者:大谷正人資本金:2,000万円取扱商品:インテリア商材、ファニチュア、キッチン&テーブルウェア「株式会社マークスインターナショナル」公式サイト■商品に関するお問い合わせ先ONKUL編集部:onkul@san-ei-corp.co.jp株式会社マークスインターナショナル(70cmの景色):info@kesiki70.com企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年11月02日アート集団チームラボのパブリックアート「Continuous Life and Death at the Now of Eternity II, Grand Central Terminal」が、この度ニューヨーク市で公開された。本作は、マンハッタンの中心グランド・セントラル駅直結の新・高層ビル「ワン・バンダービルト」に常設展示される。誕生と死滅を永遠に繰り返し続ける花々が描かれた作品世界は、マンハッタンの日の出とともに明るくなり、日の入りとともに暗くなっていく。そして、1年を通して咲いていく花々は移り変わっていく。 Life and Death at the Now of Eternity II, Grand Central Terminal会期: 2020年9月14日(月)~常設場所: One Vanderbilt1 Vanderbilt Ave, New York, NY※ワン・バンダービルトはまだ一般公開されていません。作品はビルの外からご覧頂けます。One Vanderbilt:
2020年10月30日インテリアショップ『Francfranc(フランフラン)』では、秋冬の新作アイテムを販売しています※1。気候も涼しくなり、ファッションやメイクも秋冬仕様にし、季節の変化を楽しむ方も多いはず。メイクやファッションのように気軽にお部屋の雰囲気を変えられる模様替えの三種の神器、壁紙、アート、クッションカバーより新作のおすすめアイテムをご紹介します。※1:秋冬の新作アイテムは、FrancfrancBAZAR(アウトレット業態)ではお取り扱いがございません。2018年秋冬にデビューした「ROOMCOSME」の貼ってはがせる壁紙には防水タイプが新登場。さらに広い範囲でお部屋のメイクアップを楽しんでいただけます。ROOM COSME特集ページキッチンや浴室も華やかに。水回りで使える防水タイプの壁紙が新登場!BeforeAfter【使用箇所・使用アイテム】キッチン壁面:防水リムーバブルウォールペーパーロゼックピンク:2,800円キッチン戸棚:防水リムーバブルウォールペーパーカラーピンク:2,500円【コーディネートのポイント】キッチンの壁面全体に、華やかな花柄の壁紙を使用しました。これまで生活感の出やすかったキッチンも、一気に自分好みの空間になります。また、戸棚部分にもピンク色の壁紙を貼ることで、キッチン全体に統一感が出るようコーディネートしました。防水タイプ新柄一覧シールタイプで貼ってはがせるという特長はそのままに、場所を選ばず使っていただきたいという思いから企画した防水タイプの壁紙。生活感が出やすい水回りに貼ることができるため、浴室や洗面スペース、キッチン等も気軽にデコレーションをお楽しみいただけます。素材は塩化ビニル樹脂を使用しているため、ツルツルした質感です。素材の特性上、油ハネや水滴等をはじくため、汚れもさっと拭き取れてお掃除も簡単です。【商品名】防水リムーバブルウォールペーパー【種類】リリアグレー/タイレルグレー/アビューピンク/ロゼックピンク/カラーピンク/カラーグレー【価格】柄:2,800円/無地:2,500円【サイズ】W45cm×H250cm通常タイプ新柄一覧【商品名】リムーバブルウォールペーパー【種類】ピオニーピンク/ピオニーグレー/マーブルピンク/マーブルグレー/ピオニー90ピンク/ピオニー90グレー/モディーリネイビー/カラーピンクベージュ/カラーライトグレー【価格】柄:2,800円/無地:2,500円【サイズ】W45cm×H250cm5枚セットの新作アートなら、おしゃれに見える複数貼りも簡単気軽に取り入れられるコーディネートいらずの5枚セットのアートボードです。どんなインテリアでも合わせやすいモノクロを基調にしたデザインで、アートボードを飾ったことがない方でも気軽に試しやすいアイテムです。【商品名】モノクロアートボード5枚セットアブストラクト/モノクロアートボード5枚セットアムール【価格】2,800円【セット内容】中サイズ2枚、小サイズ3枚ベルベットやファーなどの素材のクッションカバーを取り入れると、お部屋が秋冬モードに変身!家具などの大きいアイテムは頻繁に買い替えることが難しく、部屋の大きな面積を占める床や壁で印象を変えるのは更に難しいため、クッションカバーやラグ、寝具などのファブリックアイテムで季節感を取り入れるのがおすすめです。ファブリックの中でも収納しやすいクッションカバーは、Francfrancでも毎シーズン200種類以上の新作をご用意しています。秋冬の新作より、おすすめのクッションカバーをカラー別でご紹介します。ホワイト・ベージュ系(左から)【商品名】ファーI-016ホワイト【価格】3,000円【商品名】ニットケーブル023アイボリー【価格】3,000円【商品名】ニットソリッドD-038ベージュ【価格】3,000円【商品名】ファーQ-001【価格】3,500円【商品名】スラブXモヘアソリッド093ホワイト【価格】3,500円イエロー・ゴールド系(左から)【商品名】コーデュロイソリッドA-126イエロー【価格】2,500円【商品名】フリルA-039ゴールド【価格】3,500円【商品名】ベルベットフリンジ094イエロー【価格】3,500円【商品名】ベルベットライン099イエロー【価格】3,500円【商品名】ニットソリッドB-048イエロー【価格】3,500円ピンク・パープル系(左から)【商品名】ベルベットキカA-089ピンク【価格】2,000円【商品名】ファーB-008ピンク【価格】2,500円【商品名】EMBオーナメントA-072ライトピンク【価格】3,000円【商品名】EMBフラワー116ピンク×ゴールド【価格】3,500円【商品名】EMBジオメトリック098パープル【価格】4,000円ブルー・グレー系(左から)【商品名】ファーA-001グレー【価格】2,000円【商品名】ストーンオーナメント044ライトグレー【価格】3,000円【商品名】ファーE-007ライトグレー【価格】3,000円【商品名】ベルベットオーナメント033ライトグレー【価格】3,500円【商品名】EMBオーナメントG-042ライトブルー【価格】4,000円※価格は税込表示です。商品名、価格、仕様は変更される可能性がございます。企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年10月29日10月20日からBunkamura ザ・ミュージアムで『東京好奇心 2020 渋谷』がはじまります。この展覧会では、100人の写真家たちが撮影した作品約200点が集結。今回、同展キュレーターの太田菜穂子さんに取材し、見どころなどをうかがってきました。東京好奇心って?【女子的アートナビ】vol. 185「東京好奇心」とは、「写真が社会のために何かできるのではないか」という思いをもって活動しているNPO東京画が2018年に立ち上げたプロジェクト。東京をキーワードに100人の写真家が撮影した作品をまとめ、世界に発信しています。2018年にはパリ市4区庁舎で、2019年にはベルリン市庁舎とベルリン日独センターで展覧会を開催。そして、いよいよ2020年秋、『東京好奇心 2020 渋谷』がスタートします。今回、NPO東京画のファウンダーで、同展のキュレーターも務める太田菜穂子さんにお会いし、写真展のお話をうかがってきました。どんな100人?展覧会の公式サイトを見ると、参加作家はアジアから欧米、南米まで16の国と地域にわたり、年齢もさまざま。巨匠と呼ばれる人から若手まで、個性的な100人が集まっています。そんな写真家たちについて、太田さんは次のように語りました。太田さんこの100人全員は、みんな私と実際に会った人たちです。写真は、ドキュメンタリー・建築・風景、アート系、エンターテインメントからコマーシャルまで、多くのカテゴリーに分かれています。同じ時代を生きていても、フォトジャーナリズムの写真家とファッションやコマーシャルの分野で活躍する作家間にはまったく交流がありません。私はさまざまなケースでのキュレーションをする機会があり、自由な関係性のもと、垣根を越えて多ジャンルの方々が「東京好奇心」に興味をもち、集まってくださいました。20代から80代まで、東松照明さんや上田義彦さん、森山大道さんなど有名な方もいれば、無名の新人写真家もいます。普通の展覧会ではスター写真家に焦点をあてることが多いのですが、この展覧会ではみなさんを平等に扱い紹介しています。写真はどう見ればいいの?会場構成は、テーマごとに13の壁がつくられ、作家ごとに原則ひとり2点の作品が展示されるとのこと。約200点も並んでいると、どんなふうに見ればよいのか、迷いそうです。そこで、写真の見方についてお聞きしてみたところ、次のように教えてくれました。太田さん200点近いプリントや映像があるので、最初から全部をわかろうとするのは無理です。いくつか好きなものがあれば、それでいい。人生は、欲張らないほうが幸せです(笑)。でも、たくさんあるなかから自分で選ぶ習慣をもたないとだめ。自分で考え判断する習慣をもって、「これが好き」と感じ、発言していくことが大切です。100人の写真家が主役のようですが、本当の主役は実は“見る人”。“見る人”が「これが好きだ」「これ、わからない」「こんなのでいいの」「この人と話をしてみたい」と感じ、写真の後ろ側にどんな物語があるのか、どんな意味合いを指しているのかなど、想像する力を養ってもらいたいのです。例えば「東京ってこうだよね」と今まで自分が思っていたことが、写真を見ることで「あれ?」と思ったり、自分から積極的にかかわろうとする当事者意識をもって新しい発見をしてほしいのです。会場では、自分の感受性を思いっきり解放してみてください。とはいえ、展覧会では各章のはじめに、写真への理解が深まる短い解説を設置していますし、今回はJ-WAVEの4人のナビゲーターの解説もオーディオガイドとしてご用意しています。4人のナビゲーターのことばからの“気づき”は、きっと新しい写真との出逢いをつくってくれるはずです。女子におすすめの作品は?好きな作品を自分で選ぶことが大切、というお話に心から納得しました。でも、やはり具体的な作品の鑑賞方法なども知りたいですよね。そこで、太田さんにおすすめの作品と見どころポイントを語っていただきました。太田さんまず、第1章では東京の近過去を撮った写真からはじまります。ここではマーク・リブーさんの《日本の女性たち》にぜひ注目してください。女性が口に手をあてて笑い、その手前にマネキンの手が写り込んでいます。当時、女性は口を隠してエレガントな仕草で笑っていたのです。まだ戦後の影が残る街で、女性たちが美しい洋服を着て笑いながら街を歩いている姿はいかに華やかであったか、想像してみてください。彼女たちの姿に、元気をもらった人たちもいたでしょうね。見てはいけない…神々しい作品とは?太田さん次の章では、上田義彦さんの一対のヌード作品の前にたたずんでください。“女性の美しさとは何か”、その原点に想いがゆくはずです。ひとつめの鮮明に写し出された黒バックのヌード。このモデルは色素がない、真っ白な女性です。金髪碧眼の女性が美の究極イメージとしてありますが、何が本当に美しいのか、ということを新しい形で見せてくれています。もうひとつの対になる作品は、雪の森に赤いボートがあり、そこにヌードの女性が立っている写真。フォーカスアウトでぼんやりと写されています。これらの二点は私にとってヌードの最高傑作のひとつ、黒バックの作品は見れば見るほどミステリアス。そして雪の中のヌードは、圧倒的に美しい存在が目の前にあるのに、“神々しく”て見てはいけないと感じさせる力を秘めているようです。太田さん次は、瀧本幹也さんの作品、一年がかりで森を撮影した「LOUIS VUITTON FOREST」シリーズから今回は夏と冬の二点。季節によって風景はがらりと変わります。一回見ただけではわからない、自然界の奥深い美の姿を感じてみてください。これらの写真は大型クレーンを立てて、地上を見下ろす神の目の視点から描かれています。太田さん大和田良さんの作品は数百年を生き抜いた盆栽、後ろには光を反射する金屏風。実は、一か月ごとに撮影した複数の写真を合成した作品です。金屏風は月ごとの光の変化を見せていますが、木は一切変わらない。さらに盆栽は生と死の共存が生み出す造形美です。そんな盆栽を愛でる感覚は日本的なるもの。ヨーロッパ人は満開の花の状態が一番美しいと評価する“完全”という基準がありますが、日本には異なる美のありようを追究する姿勢があり、それが写真のなかにも見出されます。最後は、希望の作品太田さん最後に、澄毅さんとルイーズ=クレール・ワーグナーさんの写真を紹介します。写真はリアリティを克明に撮るものと理解されがちですが、フォトグラフィーの「フォト」とは“光”、元来は“光画”を意味します。光を求めた若い作家たちの写真をここではご覧ください。太田さんコロナ禍の現在、私たちは暗闇の底にいるのかもしれません。でも、これからみんなで力を合わせ、誠実に一歩を踏み出せば、きっと希望を託せる時代がくるはずです。この展覧会をご覧になり、未来への希望となる“光”を感じてもらえたらうれしいです。インタビューを終えて…「若い女性たちにぜひ見に来てほしい」と熱く語ってくれた太田さんは、キュレーターをはじめ、さまざまな仕事をされているキャリアウーマン。東日本大震災のあと、被災地の方々がアルバムを探す姿を見て、「未来を生きるために過去が必要で、その過去を保証するのが写真」と気づき、東京画の活動をはじめたそうです。各国のアーティストと交流され、世界でもっとも重要な現代写真家のひとりといわれた故ロバート・フランクさんからは、「写真家と社会をつなぐ仕事をすべき」といわれたとのこと。太田さんは、世界の写真家たちから信頼される存在です。そんな太田さんが心をこめてつくりあげた『東京好奇心 2020 渋谷』は10月20日から開催。ぜひ会場に足を運んで、自分の好きな写真を見つけてみてください。Information会期 : 10月20日(火)~11月12日(木) ※会期中無休 時間 : 10:00-18:00(入館は17:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム入館料:一般¥1,000、高校・大学生¥500、中学生以下無料音声ガイド:この展覧会では、自分のスマートフォンとイヤホンを持参すれば、音声ガイドアプリ「33Tab/ミミタブ」をダウンロードして、無料の“音声ナビゲート”を聞くことができます。J-WAVEのナビゲーター4名(ジョン・カビラさん、クリス智子さん、ハリー杉山さん、マリエさん)が、展示作品からご自分の視点で作品を選び、自らの言葉で語ります。問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年10月18日アートのなかでも、ちょっと難しそうなイメージのある日本美術。今まであまり興味がもてなかった人にも見ていただきたいのが、現在サントリー美術館で開催しているリニューアル・オープン記念展II『日本美術の裏の裏』。同展では、展示方法に工夫を凝らし、日本美術の“裏技鑑賞法”をさまざまな形で伝えています。どんな内容なのか、たっぷりご紹介します!入り口で滝の音が…【女子的アートナビ】vol. 184『日本美術の裏の裏』、まず入り口から凝っています。さわやかな滝の音が流れ、天井からは木々の緑があしらわれたロールスクリーンが垂れ下がり、マイナスイオンまで感じられそうな雰囲気。期待が高まります。そろりと足を踏み入れていくと、一幅の掛け軸が目の前に。展示されているのは、江戸時代に活躍した絵師、円山応挙の《青楓瀑布図》です。迫力ある滝つぼの様子を描いた本作品は、縦182センチほどもあるので、ほぼ実物大。音響効果と相まって、リアルな滝を見ているようです。次の部屋との仕切りには、襖が使われています。第1章「空間をつくる」の展示室に入ると、華やかな屛風が出現。室町時代の《四季花鳥図屛風》です。四季の花や木の合間に鳥や蝶が描かれています。屛風の手前にある床には、蝶々がひらひらと舞っていました。心憎い演出です。続いてご紹介するのは《洛中洛外図屛風》。この種の作品は教科書などでおなじみですが、方角や建物をどう見たらいいのかわからない人も多いと思います。ここで、裏技鑑賞法の登場!京都のどのあたりを描いているのかイメージできるよう、床を使って図解で詳しく説明されています。風景を見たあとは、ミニチュアの世界に入ります。第2章「小をめでる」では、日本人が大好きな小さくてカワイイものが集結。ミニチュアの漆器や陶磁器、絵巻などが並んでいます。上の写真は雛道具。小さいけれど、かなり精巧につくられているのがわかります。江戸時代後期の人形屋で販売されていたもので、大名や裕福な町人たちが購入したそうです。ジワる名作絵本!続いて第3章「心でえがく」へ。室町時代の絵巻が展示されているのですが、ここでは、ぜひ学芸員さんの「言葉」にも注目してみてください。まず、章解説のボードには、次のような一文が書いてあります。“当館所蔵の「かるかや」は、一度見たら忘れられない、ジワジワと心を奪われる逸品です”いったいどんな作品なのか、ワクワクします!「かるかや」は、仏教説話を語り聞かせるためにつくられた絵本。花見の席で無常を感じ、身重の妻と娘を捨てて出家した主人公の刈萱道心(かるかやどうしん)と、父を知らずに育った息子の物語が展開します。作品横にある解説には「絵は正直下手」と身もふたもないお言葉が…。実際、美術館に展示されるものとしてはちょっと稚拙。でも、見ていると作品世界にジワジワと引き込まれていきます。ストーリーが理解できるよう、絵の下には場面解説も書いてあるので、ぜひ読んでみてください。素朴な絵と、悲劇的な物語のギャップに魅了され、ラストはちょっと感動します。お気に入りを探す!次は第4章「景色をさがす」へ。タイトルにある「景色」とは、陶磁器を焼くときに偶然できあがる形や色つやなどの表情のこと。鑑賞するとき、どの部分が好きか、自分で「正面」を探してみるのが鑑賞のポイントになるそうです。会場では、作品を360度どこからでも見られるように展示されています。例えば、野々村仁清の《色絵鶴香合》で自分が好きな景色を探してみます。このような動物の香合は「顔を正面にして飾るのが基本」らしいのですが、後ろから見る姿もエレガントです。和歌はラップ?続いて、第5章「和歌でわかる」へ。美術工芸よりもさらに難易度が高そうな和歌の世界。ですが、ここでもハードルを下げる工夫がされています。まず章解説に「かつての日本人は、ラップのように和歌でバトルを繰り広げていた」と書いてあり、一気に親近感アップ!和歌は、当時の恋愛やコミュニケーションに欠かせないツールで、和歌の名手はアイドルのような存在だったとのこと。彼らを集めたグループも結成されていました。平安時代に選ばれたのは、36人の歌人たち。会場には、36人のメンバー全員を描いた絵巻を分割した《佐竹本・三十六歌仙絵源順》も展示されています。最後の第6章「風景にはいる」では、風景画に描かれている小さな「点景人物」に注目して、作品を楽しむ方法が紹介されています。例えば、江戸時代の人気絵師、池大雅の作品《青緑山水画帖》第8図「漁舟楊柳図」では、ぜひ船に乗った人物を探してみてください。さらに、どんな場面なのかを想像し、心のなかで話しかけてみるとよいそうです。日本美術が身近に!今まで、日本美術の楽しみ方がわからなかった人でも、この会場をひとまわりすれば、きっと興味がもてるようになるはず。昔から日本人が大切にしてきた美意識に、改めて気づくこともできると思います。会期は11月29日まで。Information会期 : ~11月29日(日) ※前期・後期で作品の入れ替えがあります時間 : 10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※11月2日(月)、22日(日)は20時まで開館(入館は閉館の30分前まで)休館日 : 火曜日(※11月3日、24日は18時まで開館)入館料(税込): 一般¥1,500、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料会場:サントリー美術館
2020年10月14日2018年5月からリバプールで開催され、好評を博した展覧会『DOUBLE FANTASY-John & Yoko』が、ジョン・レノン生誕80年を迎える誕生日から東京でスタートする。ジョンの故郷リバプールでは会期を7か月も延長し、70万人を動員するほど話題になった本展。ジョンとヨーコの物語を彼らの言葉や作品、ヨーコ所有の貴重なプライベートコレクションによって辿っていく回顧展だ。ジョン・レノンとオノ・ヨーコ、影響を与えあった二人の軌跡を辿る。Photo by Iain Macmillan ©Yoko Ono展示はそれぞれの生い立ちから時系列に沿って進む。二人の出会いは1966年にロンドンの画廊インディカ・ギャラリーで開催されたヨーコの個展。当時と同様、会場には彼女の作品《天井の絵》《釘を打つための絵》《リンゴ》を再現する。ジョンが感銘を受け、ヨーコに惹かれるきっかけとなった天井の「YES」を見つけた瞬間など、二人の感動を追体験できるはずだ。また東京展では、たびたび訪れていた軽井沢での家族写真や愛用の洋服なども初めて公開。《WABISABI(侘び寂び)》や《AMAI、SUPPAI、SHOPPAI、KARAI、NIGAI(甘い、酸っぱい、しょっぱい、辛い、苦い)》など、ローマ字で書き込まれたジョンの日本語練習スケッチブックの原画も登場。他にも二人の肉声が収録された復刻インタビュー盤が会場限定で販売されるなどファン垂涎の品が満載だ。ジョンの日本語練習スケッチブック ©Yoko Ono Lennon「イマジン」手書きの歌詞 ©Yoko Ono『DOUBLE FANTASY-John & Yoko』ソニーミュージック六本木ミュージアム東京都港区六本木5-6-2010月9日(金)~2021年1月11日(月)10時~18時(金・土曜、1/11は~20時。入場は閉館の30分前まで)12/31、1/1休一般当日券2600円ほか※ローソンチケットにて販売※『anan』2020年10月14日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年10月13日15世紀に始まるテューダー朝から現在のウィンザー朝まで、英国に君臨した国王と女王陛下の肖像画がこの秋「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展」として、海を渡ってやってくる。そのカリスマ性ときたら圧巻だ。世界で一番注目を集める一族、英国のロイヤルファミリー。そのファッションや一挙一動がマスコミを賑わせているけれど、現役の彼ら以上に世を騒がせ、時に栄光、時に血と屈辱にまみれた、ドラマティックな一生を歩んだのがそのご先祖たち。6人の妻をめとり、そのうち2人を処刑したヘンリー8世、絶対王政のもと大英帝国の礎を築いたエリザベス1世など、世界史の教科書に登場する絶対君主もいれば、断頭台の露と消えた悲劇の王様、かたや美食家で知られ、紅茶を広めたとされる女王様の姿も。豪奢な衣装の奥に垣間見える、人間性も気になるところ。歴史は下り、ロイヤルウェディングフィーバーを巻き起こしたダイアナ妃、現王室の顔、ウィリアム王子とキャサリン妃の家族写真まで見どころ満載。フィクションより波瀾万丈な英国王室の物語、それを肖像画で見る面白さは極めつきだ。英国史上、最強の王ヘンリー8世。その妻と娘の運命は?(1)ヘンリー8世King Henry VIII after Hans Holbein the Younger, probably 17th century(1536)©National Portrait Gallery(2)アン・ブーリン Anne Boleyn by Unknown English artist,late 16thcentury(ca. 1533-1536)©National Portrait Gallery(3)エリザベス1世Queen Elizabeth I by Unknown English artist(ca.1588)©National Portrait Gallery(1)、(2)、(3)シェイクスピアの戯曲にもなったヘンリー8世は2人目の妻アン・ブーリンを姦淫などの罪で斬首刑に。二人の間の娘は、生涯独身を貫き“ヴァージンクイーン”と呼ばれたエリザベス1世。その治世に英国は繁栄し「女王は英国と結婚した」と讃えられた。(4)ヴィクトリア女王Queen Victoria by Bertha Muller, after Heinrichvon Angeli,1900(1899)©National Portrait Gallery娘を他国に多く嫁がせたことから“ヨーロッパの祖母”と呼ばれるヴィクトリア女王。63年にわたって君臨した老女王の姿にはどこか哀愁が。(5)エリザベス2世 Queen Elizabeth II by Dorothy Wilding, hand-coloured by Beatrice Johnson(1952)©William Hustler and Georgina Hustler/National Portrait Gallery歴代最長の在位を更新中のエリザベス2世。代々女王陛下の存在感が大きいのも、英王室の人気の理由かもしれない。「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展」上野の森美術館東京都台東区上野公園1-210月10日(土)~2021年1月11日(月)10時~17時(金曜は~20時。入場は閉館の30分前まで)会期中無休一般1800円(土・日・祝日は2000円)ほか※日時指定制。TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年10月14日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2020年10月08日六本木の森美術館で『STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ』が開かれています。世界で活躍する6人のアーティスト(草間彌生、李禹煥〈リ・ウファン〉、宮島達男、村上 隆、奈良美智、杉本博司)による初期作から最新作まで見られるゴージャスな展覧会、その詳細をレポートします!トップバッターは、あの巨匠!【女子的アートナビ】vol. 183『STARS展』、入場するとまずは現代アートの巨匠、村上隆のかわいいフィギュア作品がお出迎え。さらに広い空間に出ると、村上ワールドが全開です!壁には、おなじみのポップな花のキャラクターが描かれた最新作《ポップアップフラワー》が掛かり、中央には巨大な像が2体、展示されています。さらに展示室を進んでいくと、全裸少年のフィギュア彫刻が目の前に!少年は左手で男性器を握っていますが、その先から精液のような物体が頭上まで吹き出しています。本作品は1998年作の《マイ・ロンサム・カウボーイ》。同名作品が2008年に約16億円で落札されて話題となりましたが、実物を間近で見るとインパクトがすごいです。肉体が妙にリアルなので、作品を凝視してよいものか、ちょっと心がざわつきました。このような作品は、どう解釈したらいいのでしょう?わからないときに役立つのが音声ガイドです。同展では、自分のスマホに音声ガイドをダウンロードして聞くことができます。(税込¥500)作品解説だけでなく、アーティスト本人のインタビューも収録されている豪華版。さっそく村上さんの話を聞いてみると、《マイ・ロンサム・カウボーイ》のような性をデフォルメした作品は、日本美術の「浮世絵」とも関係があるとのこと。詳しくは、ぜひ会場で作品を見ながら音声ガイドを聞いてみてください。割れたガラスと石が…次の展示室に入ると、一転して静かな雰囲気に様変わり。韓国で生まれ日本で活動しているアーティスト、李禹煥(リ・ウファン)の絵画と立体作品が展示されています。割れたガラスの上に大きな石が置いてある作品《関係項》は、初期につくられた代表作のひとつ。木や石など素材そのものを提示する「もの派」と呼ばれる芸術動向の思想が現れた作品です。ありていにいえば、単に物体が置いてあるだけなのですが、何か静かに訴えてくるものがあり、村上作品とは違う意味で心がざわつきます。ふたりの個性派作家の作品を見たあとは、アーカイブ展示のコーナーへ。ここでは、6名のアーティストたちが出展した展覧会のカタログや展示風景写真など、彼らの活動歴を見ることができます。さらに、海外で開かれた日本の現代美術展の概要や展示資料なども紹介されています。草間彌生&宮島達男続いて登場するのは、草間彌生の作品群。アメリカで活動していた1960年ごろの初期作品から2019年の作品まで、絵画や立体作品、鏡のインスタレーションなどが展示されています。ひとつの空間に各年代の草間作品が集結している光景は、まさに圧巻!個性的な作品のひとつひとつがぶつからず、見事に調和した展示方法もすばらしいです。ちなみに、この展覧会は一部を除いて写真撮影OK。カラフルな草間作品は、「映え」ること間違いなしです!草間ワールドを抜けると、今度は少し暗めの空間が待ち受けています。この作品は、宮島達男の《「時の海―東北」プロジェクト(2020東京)》。東日本大震災の犠牲者を鎮魂し、震災の記憶を継承していくことを願って制作されたインスタレーションです。緑や青のLEDランプは海のイメージを表しているとのこと。実はこのLEDはすべてデジタルの数字カウンターで、1から9、あるいは9から1へとカウントして0のときは暗くなります。この暗闇になる瞬間が「死」で、作家のコンセプトである「時間」や「生命の永遠」を表現しています。本作品は、東北の被災された人たちと一緒に制作し、現在も進行しているプロジェクト。今後も発展し、最終的には東北沿岸部の海の見える場所に設置することを目指しているそうです。奈良美智&杉本博司続いて、奈良美智の展示室へ。初期のドローイングや新作の大型肖像画、さらに巨大なインスタレーション作品も見ることができます。こどもや動物などがモチーフになっていて、色彩もパステル調なので、優しくあたたかい感じがする奈良作品。一見すると「かわいい」のですが、こどもの目がうつろだったり、悲しそうだったりして、あまり幸せそうには見えません。ちょっと闇を抱えているような彼らの表情を見ていると、想像力をかきたてられます。最後は、杉本博司の展示室へ。初期の代表的な「ジオラマ」シリーズの写真作品や、2020年に制作された初映画作品《時間の庭のひとりごと》などを見ることができます。写真家のイメージがあるアーティストですが、建築や造園、古美術や古典芸能にも造詣が深く、パリ・オペラ座で舞台演出をしたり、展覧会の会場構成を手がけたりと、多彩な活動をされています。2017年には、彼の創作活動をまとめた「小田原文化財団 江之浦測候所」が小田原にオープン。70代になっても、世界から注目を集め続けている現代美術家です。刺激的な展覧会へ!この展覧会には現代美術界のスター6人の作品が集結しているので、どの展示室も濃くて見ごたえがあります。作品から出てくるパワーも刺激も強いので、体調を整えてから見に行くことをおすすめします。なお、森美術館では入館前に検温チェックなどがあります。9月末現在、事前予約は不要となっていますが、最新情報を公式サイトで確認してからお出かけください。Information会期:~ 2021/1/3(日)会期中無休時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)チケット:一般¥2,000、高校・大学生¥1,300( 9月21日(月)~10月31日(土)は「STARSの学割」を実施、特別割引料金¥650)子供(4歳~中学生)¥700、65歳以上¥1,700公式サイト: www.mori.art.museum
2020年10月02日歴女はもちろん、戦国通も茶道ファンも!華麗な桃山文化の美術品に注目した、特別展『桃山─天下人の100年』。政治史における安土桃山時代とは室町幕府滅亡から江戸幕府開府までの、わずか30年間。織田信長と豊臣秀吉が政権を握っていたこの時代には南蛮文化が伝わり、ヨーロッパの美術品が本格的に日本に流入。日本美術史上もっとも豪華絢爛な時代として知られている。そんな激動の時代に花開いた桃山美術に注目した本展。室町末から江戸初期に至る100年間の美術作品約230件を展示。美術品から日本美術の流れを知るのが狙いだ。まず注目したいのが絵画。狩野永徳や長谷川等伯らによる障屏画を大々的に紹介。さらに桃山時代前後の作品も加える本展ならではの趣向も。例えば室町後期の禅宗寺院の大画面障壁画や洛中図は格式高く、安土桃山時代後の近衞信尹(のぶただ)や俵屋宗達らの作品は優美で自然な調和を重んじている。100年間という時の流れの中、時代を映した日本画の画風の変化を比較できる試みだ。また桃山文化と聞いて外せないのが茶の湯の発展。こちらも千利休から古田織部に至るまで、時の人とともに育まれていった精神性や造形美を選りすぐりの名品から導き出す。最終章では、豊臣家滅亡後の江戸の武家美術も紹介。徳川の時代になって、桃山美術がいかに受け継がれ、どのようにリニューアルしていったのか、その進化から未来を展望する。戦国武将の肖像画から、茶道具、甲冑や刀剣といった武具まで名品が集結する圧巻の内容。美術史のバイブルとして楽しめるのはもちろん、戦国ファンにも、茶道通などカルチャー女子にも満喫できるはずだ。唐獅子図屏風狩野永徳筆安土桃山時代・16世紀東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵後期展示2頭の威圧的な唐獅子は時代の空気を体現。狩野永徳の《唐獅子図屏風》。重要文化財松鷹図襖・壁貼付狩野山楽筆江戸時代・寛永3年(1626)京都市(元離宮二条城事務所)蔵通期展示(部分)狩野山楽の《松鷹図襖・壁貼付》は京都・二条城の大広間の障壁画。重要文化財花鳥蒔絵螺鈿聖龕安土桃山時代・16世紀九州国立博物館蔵前期展示《花鳥蒔絵螺鈿聖龕》は日本から欧州に輸出されたキリスト教の祭儀具。『桃山─天下人の100年』東京国立博物館 平成館東京都台東区上野公園13‐910月6日(火)~11月29日(日)(前期:10/6~11/1後期:11/3~11/29)9時半~18時(金・土曜~21時)月曜(11/23は開館)、11/24休一般2400円ほか※事前予約制。TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年10月7日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年10月02日大人の女性として内面を磨くために欠かせないものといえば、芸術に触れること。そこで、波乱な半生を経験した“現代美術界の巨匠”をモデルに描いたオススメの話題作をご紹介します。それは……。各国で絶賛の『ある画家の数奇な運命』【映画、ときどき私】 vol. 326ナチ政権下のドイツで、少年のクルトは叔⺟の影響を受け、芸術に親しむ⽇々を送っていた。ところが、精神のバランスを崩してしまった叔母は安楽死政策によって、命を奪われてしまう。終戦を迎えると、東ドイツの美術学校に進学したクルト。そこで出会ったエリーと恋に落ちるが、その父親こそがクルトの叔母を死に追いやった張本人だった。しかし、そんな残酷な運命に気づかないまま2人は結ばれる。そして、ベルリンの壁が築かれる直前、2人は西ドイツへと逃亡を試みることに……。本作で主人公のモデルとなっているのは、オークションで数⼗億円の価格がつくことで知られ、2012年には生存する画家としては最高金額で落札されたアーティストのゲルハルト・リヒター。そこで、こちらの方にお話をうかがいました。フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督2007年には『善き⼈のためのソナタ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したドナースマルク監督(写真・右)。13年振りに祖国ドイツを舞台に描いた最新作では、激動の時代を背景に、歴史の闇と芸術の光に迫っています。今回は、作品完成までの道のりや監督が思う芸術の必要性ついて語っていただきました。―今回は、リヒターさんへ1か月にわたる取材を敢行したのち、制作に取り掛かったそうですが、取材のなかで感じたリヒターさんの印象を教えてください。監督確かにリヒターは、僕にとってインスピレーションの一部ではありました。ただ、僕が関心を持っていたのは、彼の芸術家としての本質。あらゆる成功者が抱いている野心や成功したいという強い動機は、彼のなかにもありましたが、そういう個人的な面に興味はありませんでした。あくまでも彼の芸術家としての“エッセンス”にフォーカスしたかったのです。―そういった思いは、俳優への演出面にも影響を与えましたか?監督そうですね。主演のトム・シリングから「身振り手ぶりは、リヒターのまねをしたほうがいいですか?」と聞かれたとき、「ものまねは必要ないよ。君は俳優なんだから自分自身でいてほしいし、僕が書いた脚本のなかのキャラクターを自分のなかに探してほしい」と伝えたほどでしたから。―なるほど。では、リヒターさんと過ごした時間のなかで思い出に残っているエピソードがあれば、教えてください。監督リヒターと出会って何週間か経ったとき、彼が子ども時代を過ごしたドイツのドレスデンという街に行こうと誘ってくれました。そのとき彼は「一緒にプライベートジェットで行かないか?」と言ってくれましたが、そういう部分は僕が作り上げたキャラクターのイメージとはまったく異なるものだったんですよね……。そういった思いから、その誘いを断った僕は冷たい電車に乗り、10時間もかけて自力でドレスデンまで行ったんですよ(笑)。人生の大事な瞬間にリヒターの作品と出会うこともあった―作品のためとはいえ、すごいですね。その後、リヒターさんは完成した作品に対して感想をお話されることはありましたか?監督実は、彼はまだ観ていません。でも、その理由はよくわかります。なぜなら、クルトは彼とは違うキャラクターであるとはいえ、自分の半生にあまりにも近く、しかも人生のトラウマ的な部分を大きなスクリーンで観ることは、つらかった時期をもう一度生き直すことであり、痛ましいことだと思いますから。もし、僕だったら同じように観たくないと思うでしょうね。なので、今回はできあがった脚本を僕が全部彼に読み上げました。その段階で、あまり観る気になれないとおっしゃっていたので、僕もそれはすごく理解できますとお答えしたほどです。―今回は、取材で知った内容を必要に応じて使うのは自由だけれど、映画のなかで何が真実かは明かさないという約束をリヒターさんとされたそうですね。その制限のなかで難しさを感じることはなかったですか?監督実はその制限は、僕から提案したアイディアだったんですよ。というのも、そういった制限を設けることで彼が安心して話をしてくれるのではないかと考えたからです。「これはフィクションになるんだから」と思えば、話しやすくなりますよね。―見事な交渉術ですね。ちなみに、監督の人生において、重要な瞬間にリヒターさんの作品と出会うことも多かったそうですが、そのなかでも忘れられない出来事といえば?監督私の初長編作品である『善き人のためのソナタ』を作る際、当時すでに有名だったウルリッヒ・ミューエに主演をお願いしに行く機会がありました。彼は脚本を気に入ってくれてはいましたが、気がかりだったのは、僕が初監督であるということ。やはり初めての監督を信頼するのは、俳優にとってもリスクのあることですからね。そういったこともあり、彼は2回ほど僕を自宅に呼んで、インタビューをしたのです。僕にとっては、彼が引き受けてくれないとこの映画が作れないというプレッシャーがあったので、非常にストレスのかかる状況でした。そのとき、リビングのソファに腰を掛けていた彼の真後ろにあったのが、リヒターの有名な作品のプリントだったのです。純粋な芸術とは“魂の表現”のこと―その作品から何か得るものがあったのでしょうか?監督ウルリッヒが芸術に関するアーティスティックな質問を僕にしているとき、ずっと目に入っていたのはリヒターの娘が顔を後ろに向けている姿を描いた絵。いまでもそのときのイメージははっきりと残っていますが、おそらくウルリッヒにとってリヒターの絵というのは、彼の芸術における参考基準となっているのだと感じたので、それを受けて質問の答えを言いました。そういった出来事がひとつの例ですね。―劇中では、芸術に対する印象的なセリフがいくつか見られましたが、この作品と向き合うなかで監督が「芸術とは何か?」について改めて考えたこともあったのでは?監督それはとても大きな問題ですが、僕が常に考えているのは、「まったく異なる表現形態の芸術のなかにある共通点は何か」ということです。たとえば、何かのアート作品を見た人がいたとして、素晴らしい芸術なら、それをきっかけにその人の世界に対する見方を変える力があるはず。それがどんな芸術にも共通していることではないかなと感じています。ただ、プロパガンダ絵画のように、芸術に目的を持ってしまうのはちょっと違うんじゃないかなというのが僕の意見。純粋な芸術というのは、魂の表現なので、見る人の感覚や心に訴えかけるものがあると思っています。そしてまた、芸術には人々を結びつける力があるのです。―具体的には、どのようなことでしょうか?監督たとえば、哲学的な疑問としてよくあるのは、「どうして自分の周りにいる人がロボットではないとわかるのか?」というもの。それをどうやって証明できるかの答えのひとつが芸術にはあると思っています。自分が深いところで感じたものを表現したとき、相手も自分と同じように感じることがありますが、それによってお互いを理解することができるのです。そういったものが純粋な芸術には存在するのだと、今回の作品で考えさせられました。この作品が人々の助けとなることを願っている―コロナ禍でドイツ政府は「芸術やアーティストは生命維持に必要不可欠な存在」として大規模な支援をし、日本でも注目を集めました。こういった状況下で、なぜ私たちには芸術が必要なのだとお考えですか?監督経済的な問題で社会が弱くなっているときやいろいろな葛藤が生まれている危機の時代こそ、芸術が大切だと僕は思っています。それゆえに、芸術に対する支援は増やされるべきであって、決して減らされるべきではありません。特に、コロナが原因でほかの人と接触する機会が減り、1人で過ごす人が増えているなかで、「いったい自分の価値とは何なのか?」「自分は何を感じて生きているのか?」といった問いと向き合う時間も増えていますよね。そんなときに、芸術はその助けになると思っています。そういったこともあり、この作品もいまの時代によりインパクトを持って受け入れられたらいいなと。なぜなら、本作は一人の人間が自分自身を発見する物語でもあるので、同じことに直面している人々の助けになればと願っているからです。―最後に、監督が映画や芸術を通して続けていきたいことはありますか?監督僕が映画を作るときに優先しているのは、まずストーリー。たとえば、何年も寝ても覚めてもずっと考えられるようなストーリーなら、映画にしてもいいのかなと思っています。というのも、僕にとっての悪夢は、おもしろいと思って作り始めた作品だったのに、途中で自分がその物語に飽きてしまうこと。自動的に作業しなければいけなくなるような状況は最悪ですからね。それくらい自分を魅了し続けるストーリーを探すことが大切だと思っています。おそらくそういった物語は僕の核心を突くものであり、ある意味で“自画像”のようでもあると思いますが、それは事前に意図したものではありません。できあがった作品を観てはじめて、無意識のうちに意識していたことに気がつき、自分自身が見えてくるものなのです。深い感動を味わい、余韻に浸る!時代と運命に翻弄されながらも、苦しみのなかから希望を見出した主人公を描いた本作。その姿に心を揺さぶられるとともに、芸術の持つ力強さを感じるはず。脳裏に焼き付く圧倒的なシーンの数々を放つ世界観に、身を委ねてみては?真に迫る予告編はこちら!作品情報『ある画家の数奇な運命』10月2日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー配給:キノフィルムズ・木下グループ©2018 PERGAMON FILM GMBH & CO. KG / WIEDEMANN & BERG FILM GMBH & CO. KG
2020年10月01日柔らかな感触が想像できるほど、繊細に描かれた毛並み。クウクウと気持ちよさげに眠る仔犬。今にも鳴き声が聞こえてきそうなひな鳥たち。日本画を専門に取り扱い、半世紀の歴史を持つ山種美術館で、動物をテーマにした展覧会『【特別展】竹内栖鳳(せいほう)《班猫(はんびょう)》とアニマルパラダイス』が開催される。画中に描かれた動物の姿は、愛らしくて思わず笑顔になってしまうものから、ワイルドな迫力に満ちたものまで、実にバラエティ豊か。動物たちのさまざまな表情が、鮮やかに切り取られている。リアルでユーモラス。日本画家が描く動物たちの姿。目玉は4年ぶりに公開される『班猫』(重要文化財)。作者の竹内栖鳳(1864~1942)は、明治から第二次世界大戦前にかけて、京都で活躍した大御所画家。日本画に西洋絵画の写実的な表現を持ち込んで、当時の京都の画壇に大きな影響を与えた。また動物画を数多く残したことでも知られる。『班猫』では、墨や金泥(きんでい)といった日本画特有の材料を使い、フワッとした毛の繊細な質感を表現。毛繕いするしなやかな背中や、よく見ると意外に鋭い視線など、私たちもよく知る猫の自然な姿がリアルに描かれる。会場には、栖鳳作の17点をはじめ、弟子にあたる西村五雲(ごうん)、西山翠嶂(すいしょう)、さらに東京の画壇からは小林古径(こけい)、奥村土牛(とぎゅう)ら、近現代の画家たちが描いた個性豊かな動物画が一堂に。いわゆる“花鳥風月”をテーマにしたものとはちょっと違う、日本画のイメージが変わりそうな展覧会だ。併設のカフェでは、展示作品の動物にちなんで考案された和菓子と抹茶のセットがいただけるほか、ミュージアムショップではオリジナルグッズも販売予定。秋の休日、和の情緒たっぷりのアニマルパラダイスに、足を運んでみては?リアルなまだらの毛並み。竹内栖鳳《班猫》【重要文化財】1924(大正13)年絹本・彩色 山種美術館日本画家が描く迫力の白熊。西村五雲《白熊》1907(明治40)年 絹本・彩色 山種美術館ピヨピヨと聞こえてきそう。竹内栖鳳《鴨雛》1937(昭和12)年頃 絹本・彩色 山種美術館【特別展】竹内栖鳳(せいほう)《班猫(はんびょう)》とアニマルパラダイス併設展示:ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》試作 特別公開山種美術館東京都渋谷区広尾3-12-36開催中~11月15日(日)11時~16時(入館は15時30分まで)月曜、9月23日休一般1300円ほかTEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年9月30日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2020年09月29日イタリアのセンシュアルなランジェリーブランドとして注目を集める、Intimissimi (インティミッシミ)は、4月からオープンしたアートスペースに、プシェメク・ソブツキを第二弾のアーティストとして迎え、彼のアーバンでフレッシュなアート作品を展示しています。プシェメク・ソブツキは、ポーランド出身で東京やアジアをベースに活躍しているアーティストです。彼のアートワークは、イラストレーションを中心に構成されており、ウィンドウディスプレイや壁画、そして短編のアニメーションなど多岐に渡ります。これまで、デザイナーのStephen JonesやManish Arora、そしてアーティストのJoanna Wangともコラボレーションした作品を発表してきました。また、伊勢丹やルイ・ヴィトン、パークハイアット東京、エル ジャパンなど、様々なクライアントに作品を提供してきており、バンタンデザイン研究所では講師として教壇に立っています。今回のアートスペースでは、「WHO is Who?」とタイトルした彼のユニークなイラストレーションを発表しています。彼の描いた様々な異なった女性たちのポートレイトを通して、誰にも違いがあることを表現しています。そして誰もが、多様なバックグラウンドを語れるほどの個々のストーリーを持っていること、さらに、私たちも含めてすべての人々が、常に変化し、進化していて、その違いは私たちを繋げている、ということを表現しています。このエキシビションで発表されている作品は、一度に作成されたものではなく、彼の過去においてその時々の状況やムードによって、とても自然発生的にクリエイトされたものであり、そのいくつかはさらに熟考を重ねられたものであり、またその他のいくつかは特別な瞬間にインスパイアされて出来たものです。彼の古いスケッチをベースにしたものなども作品に反映され、それらは彼のパーソナルな旅の一部でもあり、さらには絶え間ない進化と実験を表現しているようです。それぞれのアート作品の裏側には、パーソナルな言葉が隠れています。作品ごとに異なった言葉は、アート作品の持ち主、もしくはその裏側を見ることの出来る人のみが、閲覧可能です。そこには、作品に描かれた女性のパーソナルなメッセージや、それぞれの女性たちが持つ小さな「ストーリー」が隠れています。今回フィーチャーされているプシェメク・ソブツキも、前回同様、新進気鋭のアートギャラリーとして注目を集める、CTAG (シータグ Central Tokyo Arts Gallery)のキュレーションにより選ばれています。アーティストを約2ヶ月ごとに新しく迎え、インティミッシミ 渋谷文化村通り店のアートスペースで作品を展示していきます。アーバン・アーティストの作品やプロジェクトを扱うCTAGは「人や社会がアートに対して能動的に関与することが出来るきっかけづくり」を大切にしています。インティミッシミもまた、ショップを訪れるたくさんの人々に、この素敵なアート空間を通して、世界中のアーティストが発信するアートと、そしてインティミッシミが表現するファッションを同時に肌で感じてもらえるような機会を提供出来たらと考えています。9月29日には、このエキシビションのローンチを記念して、プシェメク・ソブツキ本人がインティミッシミ渋谷文化村通り店に来場します。Intimissimi Art Spaceでインティミッシミが届けたいことは、「Beyond Words」、つまり「言葉にならない感動」です。この素敵なアートスペースを通してたくさんの人々に、インティミッシミの世界観を一緒に楽しんでいただくことを願っています。Przemek Sobócki Exhibition「WHO is Who?」Curated by CTAGIntimissimi Art Spaceインティミッシミ 渋谷文化村通り店東京都渋谷区道玄坂2-25-12 2Fアートスペースにて開催9月23日(水)からスタートwww.intimissimi.jp#intimissimiartspaceLINE公式アカウント : @intimissimi企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年09月24日1969年にテレビアニメとして登場して以来、日本で圧倒的な人気を誇るムーミン。’45年に作者トーベ・ヤンソンが最初の小説を発表してから75周年。昨年は埼玉に「ムーミンバレーパーク」がオープンするなど、愛されぶりは周知の通り。けれど、このキャラクターの人気を不動のものにしたのはコミックスだという事実をご存じだろうか。ムーミン人気を決定づけたコミック原画を日本初公開。ムーミンが漫画に初めて登場したのは‘47年。フィンランドの新聞ニィ・ティド紙に2年間掲載されると、‘54年からは英国イブニング・ニューズ紙で連載がスタート。最盛期には全世界で120紙・2000万部の紙面を飾り、世界的なムーミン人気につながっていった。これをきっかけに、トーベは児童文学作家としての国際的な名声を得たのである。ただ、この連載コミックスはトーベ一人で仕上げたものではなかった。当時、アート制作や書籍の執筆などマルチな活躍をはじめたトーベに代わり、それまで主にネタ探しや英訳を担当して彼女を助けてきた弟のラルスが’60年からコミックスを引き継ぎ、15年にわたり執筆を続けた。実は、弟あってこその共作だったのだ。本展ではそんなコミックスを、日本初公開となる原画やスケッチ280余点などを通して紹介。ムーミンの物語やキャラクター以外にも、ヤンソン姉弟がこの物語を守ってきた背景や仕事ぶり、ひいては家族の絆までも知ることができる。従来とはひと味違った切り口のムーミン展だ。ムーミンを家族で守るヤンソン家の絆に注目。トーベ・ヤンソンとラルス・ヤンソン。彫刻家の父と挿絵画家の母との間に生まれた長女トーベ(左)と次男ラルスは12歳差。長男のペルは写真家と芸術一家の中で育つ。©Moomin Characters TMトーベ・ヤンソン「『黄金のしっぽ』習作」。新聞連載の第18話の下書き。©Moomin Characters TMトーベ・ヤンソン「『まいごの火星人』スケッチ」。第11話には警察官など人気キャラも。©Moomin Characters TMラルス・ヤンソン「『Moomin and the Ten Piggy Banks』原画」。ラルスが手掛けた最後のムーミンコミックス。©Moomin Characters TM「ムーミン コミックス展」松屋銀座8階イベントスクエア東京都中央区銀座3-6-19月24日(木)~10月12日(月)10時~20時(9/27、10/4、10/11は~19時30分、最終日は17時閉場。入場は閉場の30分前まで)日時指定制/一般1200円ほかTEL:03・3567・1211(松屋大代表)※『anan』2020年9月30日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年09月23日スマホに自分の好きなアートを自由にコレクションできたら、楽しいと思いませんか。そんな夢をかなえてくれるのが、美術鑑賞アプリ『PINTOR(ピントル)』。今回、その新サービス発表イベントに参加し、新しいアート体験のお話を聞いてきました!PINTOR(ピントル)って?PINTOR(ピントル)とは、約20万点という世界中のアート作品の中から好きな絵を探したり、スマホにコレクションしたり、自分の感想をシェアすることもできるインタラクティブな美術鑑賞アプリ。20万点という膨大すぎる数字なので、画家の名前も紹介しきれないのですが、中世の画家から印象派、ナビ派、ラファエル前派、ロスコも歌麿もバンクシーの作品までもありました。普段なかなか見られないような有名作品をスマホでゆっくり見ることができる、まさに“手のひらサイズの美術館”です。美術系日本一YouTuberとトーク!イベントでは、PINTOR代表取締役社長の高橋大地さんが登壇。高橋さんはお母さまが画家という家庭で育ち、昔からアートに興味があったそうです。「美術館で一方的にアートを見るだけ、という現在の美術鑑賞の状態をこわし、新しいアート鑑賞体験をつくりたい」とPINTOR創業の思いを語りました。また、PINTOR顧問で美術系YouTubeチャンネル日本一のYouTuberいとはるさんも登壇。西洋美術の解説動画をYouTubeに配信するほか、イベントでキュレーターもされているいとはるさんは、ユーザー目線でPINTORにアドバイスをしているとのこと。「美術は娯楽のひとつ」という思いから、若者にもアートを楽しめるような工夫をして活動されているそうです。そんなおふたりのトークセッションがはじまりました。日本の美術館はしーんとして…まず、なぜ高橋さんが美術鑑賞アプリをつくったのか、その経緯などを語りました。高橋さん美術館に行って絵を鑑賞したとき、感想を友達と話したりすることに楽しさを感じている人が多いですよね。そんな体験をシェアできるサービスが日本にも海外にもなかったので、つくりたいと思いました。PINTORは世界初の試みで、食べログのアート版みたいなものです。いとはるさんPINTORはレビューもシェアしあうこともできます。鑑賞体験を共有できる点がほかのアプリとは違います。それに、現代アーティストの作品が見られるのもいいですね。高橋さん日本の美術館はしーんとしていて静かにしなければならない雰囲気。特に今はコロナもあり、集団で行くことは難しいです。そんなときでも、PINTORならアートを発端に会話したり、ほかの人の意見を知ったり、音声コンテンツで学ぶこともできます。(※学習コンテンツは10月中旬リリース予定)この前、(上野で開かれている)ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に行ったとき、PINTORに絵の感想を書きながら見たら充実感があったし、おもしろかった。こんなふうに、新しいアート鑑賞体験を楽しんでもらいたいですね。いとはるさん学生のとき、美術鑑賞の課外学習で、ワークシートに感想を書いたりしましたけど、それと近いところがあります。アウトプットの意識を持つだけで、自分で主体的に考えて見ようとしますよね。ぼーっと見るのと違い、作品の魅力を言語化するきっかけにもなります。トイレットペーパーから生き物!?続いて、アーティストの更科あかねさんが登壇。4歳ごろから絵を描いていたという更科さんは、陶芸家のお父さまから「勉強すると自分の殻を破れなくなるから、勉強せず思い浮かんだものを描け」という教えを受けたとのこと。実際、美大などに行かず独学で絵を学び、画家になったそうです。更科さんは、ご自身の創作について、次のように語りました。更科さん物心ついたときから描くのが好きで、頭に浮かんだものを絵にしています。トイレットペーパーとか壁を見ていたら生き物が出てきて、それを全部紙に描いていたら父親から「おもしろいね」といわれて(笑)。感情的に描くこともありますけど、だいたいは頭に浮かんだもの、壁やキャンバスを見て思いついたものを絵にしているので、空想画家といわれています。イベント会場では、更科さんの色鮮やかな作品《Time Zone》のデジタル画像が披露されました。PINTORの「オンライン企画展」には、更科さんのファンタジックで美しい作品がたくさんアップされています。アプリ、使ってみた!イベント後、さっそくアプリをダウンロードして使ってみました。とりあえず自分の好きなイタリアの画家を検索してみると、ジョットからはじまり、ルネサンスのラファエロ、バロックのカラヴァッジョ、20世紀のボッチョーニやモランディまで、気になる作品は全部ありました。お気に入りの作品を「コレクション」に保存して見ることもできますし、AR(拡張現実)機能を使って作品を自宅の壁に映し出し、バーチャルな雰囲気でアートを楽しむことも可能。しかも画像が高画質なので本物の名画を見ているような気分になれました。PINTORは、「美術館に行くのは好きだけど、いまいちアートがわからない人」に向けてつくられたアプリ。まずはスマホで自分だけの美術館をつくってみては。InformationPINTORの主な機能1. 約20万作品を検索できる機能2. 作品を自宅の壁などに映し出して楽しむAR機能3. 自分の感想をシェアしたり他者の感想を閲覧できるレビュー機能4. 感想に対して“ いいね” や“ コメント” ができるSNS機能5. 自分の好きな作品をフォルダ化できるコレクション機能6. 現代アーティストを中心としたオンライン企画展機能
2020年09月19日123456789…。赤いLEDカウンターがランダムにカウントする1から9までの数字。これは、いったい何を表しているのだろう?この夏、リニューアルオープンし、開館25周年を迎える千葉市美術館で、現代美術家・宮島達男の四半世紀を振り返る展覧会『宮島達男 クロニクル 1995‐2020』が開かれる。1988年のヴェネチア・ビエンナーレにLEDカウンターを使った作品を出展して以来、約30か国、およそ250か所で、数字をモチーフとした作品を発表してきた。これまでにも世界の主要な美術館で個展を開催し、国際的にも常に注目されるアーティストだ。赤、緑、青に輝くデジタルの数字は、時には展示室に設置されたプールの底に沈み、暗い室内の空中を舞い、高層ビルの外壁に映し出される。作家が投げかけるテーマは変わらない。それは「死」と「生」について。ランダムに行き交う数字がカウントするのは、私たちが死を迎えるまでの時間。そして、東日本大震災後にスタートしたプロジェクト「時の海―東北」で試みられているように、忘れがたい、風化させたくない過去の日付、時刻だ。それらをじっと見ていると、やがて数字そのものが命として輝き、消え、移り変わっていくようだ。会場では、2020年の新作、日本初公開の作品に加え、会場で観客が自らの死亡年月日を想像して入力する《Deathclock》、CGで合成された数字が空間を飛び回る《Floating Time》など、観る側が参加できる作品も。決して目で見ることができない「時」に対し、「数字」を通して向かい合ってみること。観る人一人一人にとって、大切な意味を持つ体験になりそうだ。宮島達男《Innumerable Life/Buddha MMD‐03》(部分)2019年Courtesy of SCAI THE BATHHOUSEPhoto by Nobutada Omote1から9の数字は時間、命そのもの。0はブランクとして表され、死を意味する。無数の数字は無数の命が生と死を繰り返していくさまを表現。宮島達男《地の天》1996年千葉市美術館蔵Photo by Nobutada Omote亡くなった恩師を追悼する作品。宇宙を模した暗闇に、青いLEDの数字が星座のように浮かぶ。宮島達男《Counter Voice in Chinese Ink》2018/2020年Courtesy of Akio Nagasawa GalleryPhoto by Siliang Ma東京藝術大学在学中、街中でのパフォーマンスから作家活動をスタート。最新作では「不確定性」をテーマに。千葉市美術館千葉県千葉市中央区中央3‐10‐89月19日(土)~12月13日(日)10時~18時(金・土曜は~20時。入場は閉館の30分前まで)10月5日(月)・19日(月)、11月2日(月)・16日(月)、12月7日(月)休一般1200円ほかTEL:043・221・2311※『anan』2020年9月23日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2020年09月16日日本最大級のアート複合施設「テラダ アート コンプレックスⅡ(TERRADA ART COMPLEXⅡ)」が、2020年9月に東京・天王洲にオープンする。“日本最大級”のアート複合施設「テラダ アート コンプレックスⅡ」ギャラリー数の多さが魅力「テラダ アート コンプレックスⅡ」は、アートシティを目指した街づくりを行う寺田倉庫が手掛けた、日本最大級のアート複合施設。2021年春までに計10ギャラリーの入居を予定し、隣接する「テラダ アート コンプレックスⅠ」の8つのギャラリーと合わせると、日本最多のギャラリー数を誇るアート施設となる。カフェやガーデンも併設倉庫を改装した展示場では、オープンに合わせて現代美術のアートフェア「artTNZ produced by AFT with APCA」を開催。また、施設内にはカフェやガーデンも併設される。アートファンの憩いの場となりそうだ。【詳細】テラダ アート コンプレックスⅡオープン:2020年9月住所:東京都品川区東品川1-32-8アクセス:東京臨海高速鉄道りんかい線・天王洲アイル駅「B 出口」より徒歩約 8 分東京モノレール羽⽥空港線・天王洲アイル駅「中央口」より徒歩約 11 分
2020年09月13日あなたが撮った写真をモチーフにアーティストが1点物の絵画を制作し、プレゼントいたします。前代未聞のプレミアムでスペシャルな体験をお届けします。日本最大の絵画のサブスクを展開する『Casie(カシエ)』は累計投稿写真800万枚を誇る日本最大の植物・お花好きが集まるSNSアプリ『GreenSnap(グリーンスナップ)』とタイアップフォトコンテストを開催します!Casie(カシエ)グリーンスナップ)タイアップフォトコンテスト参加はGreenSnapのアプリを無料ダウンロードし、フォトコンテストのテーマ「おうちを彩る花」にそった写真を投稿して「おうちを彩る花」のタグを選択するだけ!本フォトコンテストでは2つのスペシャルコンテンツをご用意しています。あなたの撮った写真が絵画になり、プレゼントされる→優秀賞10名様には、Casieに所属するアーティスト10名が写真をモチーフとした完全オリジナルアートを制作します。写真の世界観が10名のアーティストの解釈によって、絵画となり誕生します。※プレゼント作品は0号(18cm×14cm)を予定しております。※アーティストの指定はできません。あなたの撮った写真から新たな絵画が誕生、 Casie内で誰もがレンタル可能に→優秀賞10名様に写真から、Casieに所属するアーティストがインスピレーションを得て、新たな絵画を創作します。新たに誕生した10作品はCasieのサービスの中で誰もがレンタル可能に!※誕生した絵画の著作権はCasieに帰属いたします。プレゼントはいたしかねますのでご了承ください。※アーティストの指定はできません。参加アーティスト一覧レトロ可愛いお花のアートに、植物の持つ生命のパワーを込めて。華やかな色づかいと、ダイナミックかつ迫力のある世界観で描く作品に注目。どこか切なく、愛おしい。感情を揺さぶるアートが人気のアーティスト。切なさは人生のスパイス。そんな「儚い美しさ」をテーマに制作中。日常の中で見つけた美しいものを大切に描く、繊細かつ奥深い作品が魅力。きらきら、わくわく。この世にある綺麗なものだけを閉じ込めて、アートに。まるで宝石箱みたいに、女の子の憧れを詰め込んだ「理想郷」を描く。気軽に飾れるアートをテーマに、カジュアルでキュートなアートを。感じたままをアートに。個性溢れる色彩と質感を楽しむアート。それぞれのモチーフが持つ、ポジティブなエネルギーを込めたアート。開催概要■開催期間2020年9月2日(水)〜2020年10月4日(日)■開催場所GreenSnapGreenSnap■審査期間2020年10月上旬を予定■受賞作品の発表2020年10月中旬を予定※受賞者にはGreenSnapのアプリのお知らせとメールにてご連絡をし、商品送付先の情報をアンケートフォームにてご入力いただいております。※メールアドレスが未設定の場合は、「アカウント設定」より設定をお願いいたします。会社概要■株式会社Casie購入はちょっとハードルが高いと感じられやすい一点物の原画を、作品や画家の知名度などに関係なくレンタルできるサブスクリプションサービスを運営しています。簡単な要望伝えるだけで、プロがあなたに合う絵を選んで届けてくれ、毎月1回までなら交換も可能です。季節感や好みに合わせて選んだ絵が空間を彩ってくれます。また、売上金額の35〜60%をアーティストに還元しているため、絵を飾ることで、毎日の暮らしをより多彩で豊かにするたけでなく、アーティストの支援にも繋がっています。所在地:京都市下京区堺町通五条上る俵屋町218代表者:代表取締役社長CEO藤本翔設立:2017年3月30日事業内容:定額制絵画レンタルサービス「家族ととことん楽しむ暮らしを届ける」というビジョンを掲げ、現代アートのサブスクリプションサービスを展開資本金:18,098万円(資本準備金含む)「株式会社Casie」公式サイト企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年09月08日原宿駅前のWITH HARAJUKU HALL で、大人気のイラストレーター“Chocomoo(チョコムー)”さんの展覧会が開かれています。“絵を見てくださった人が笑顔になってほしい”……そんな思いで描かれた、かわいいイラストが会場に集結。元気が出る作品や内覧会レポートもご紹介!ご本人もキュート!Chocomooさん【女子的アートナビ】vol. 182Chocomooさんは京都出身のイラストレーター。ポップでかわいいイラストをモノトーンで描く独自の画風で、日本だけでなく海外でも大人気!国内外のアパレルブランドとコラボしたり、著名ミュージシャンのCDジャケットにイラストを提供したりと、さまざまなジャンルで活躍されています。作品もかわいいですが、ご本人もとってもキュート。絵の中から飛び出してきたような、明るい笑顔のすてきな女性です。元気になれる作品が集結!3年ぶりに開かれた今回の展覧会『Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU』では、73点の作品を展示。そのほとんどが描きおろしの新作や未発表作品です。こどものころから絵を描くのが好きだったChocomooさんは、“絵を見てくださった人が笑顔になってほしい”、“1通のラブレターみたいな感じで見てもらいたい”という思いをこめ、イラストを描いたそうです。好きなことをすればいい…!会場では4つのカテゴリーにわけられ、作品が展示されています。例えば「THAT’S A PARTY」というカテゴリーでは、2009年に韓国で開催された個展の出品作品を展示。イラストには「好きなことをすればいい」「すべてうまくいく」など前向きな言葉が英語で盛り込まれています。また、「DIARY OF A MOMENT」というカテゴリーでは、Chocomooさんが新しくチャレンジした作品を展示。例えば、背景に色を使うというのも新しい試みのひとつで、モノトーンのイラストとはまたひと味違う、おしゃれな雰囲気です。報道内覧会では、Chocomooさんがライブペインティングを披露。白いキャンバスに、次々とかわいいモチーフが生み出されていきます。必見!黄色いピアノ会場には、キャンバスに描かれた作品だけでなく、ピアノの全面にイラストが入った作品も展示されています。この鮮やかな黄色いピアノは、「LovePiano5号機」。ヤマハが展開している「LovePiano」は、街角などに設置され、自由に弾くことができるストリート・ピアノのシリーズ。8月23日まで、黄色いピアノはHARAJUKU HALL前のテラスに設置され、誰でも弾くことができました。(現在は会場内に展示されているので、弾くことはできません)その他にも、フリー撮影スポットやライブペインティングコーナー、さらにはオリジナルグッズの販売コーナーなどもあり、楽しいChocomooワールドを満喫できます。作品にこめた想いとは…最後に、ギャラリートークでご本人が解説した作品《THANK YOU》をご紹介。このイラストは、新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中に制作されたもので、Chocomooさんは次のように語りました。Chocomooさん医療関係の方々やみなさんの前に立って働いてくださっている方々に感謝の気持ちを伝えたいと思い、あまりダイレクトに描くとつまらないので、お礼の思いを込めて、FREE の音楽のパーティーが開催される、といったイメージでミュージックイベントの開催をテーマに仕上げてみました。今こそ見たい!コロナ禍で不安やストレスをためこんでいる今、Chocomooさんのイラストは見ているだけでパワーを与えてくれます。展覧会は9月28日(月)まで開催。日時指定チケットになっていますので、まずは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information展覧会名:「Chocomoo EXHIBITION -OUR SECRET PARTY- Supported by WITH HARAJUKU」会期:~9月28日(月)会場:WITH HARAJUKU HALL休館日:会期中無休観覧料:<日時指定チケット>一般¥1,200、高校・大学・専門学生(高・専・大生)¥1,000、中学生¥800(税込)販売期間:・8月15日(土) 0時より 対象日程:8月27日(木)~9月9日(水)・8月29日(土) 0時より対象日程:9月10日(木)~9月28日(月)
2020年09月02日8月24日、横浜市役所で『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』のプログラム発表イベントが開かれました。会場では、地元の小学生に向けた公開授業も実施。イベントの様子とパラトリエンナーレの魅力についてご紹介します!パラトリって?【女子的アートナビ】vol. 181『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』とは、障害のある方と多様な分野のプロフェッショナルが芸術表現を創造・発信するアートプロジェクト。横浜美術館を中心に開催される国際芸術展『横浜トリエンナーレ』にあわせ、3年に1度開催されています。パラトリの初開催は2014年。2回目は2017年に開かれ、どちらも来場・参加者数が約10万人以上を記録したビッグなイベントです。奇跡のメインビジュアル『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020』の開催テーマは「our curioCity ―好奇心、解き放つ街へ」。メインビジュアルに使われているのは、アメリカ在住の写真家ブルース・ホールさんの写真です。生まれつき視覚障害のある彼は、重度の自閉症をもつ双子の父親でもあります。今回の写真は、息子さんが水をつかもうとしている瞬間をとらえた一枚。美しい青と少年の姿が混ざり合って、見たこともない不思議な世界が表現されています。この写真は、ヨコハマ・パラトリエンナーレ総合ディレクターの栗栖良依さんがセレクト。「既存の常識では考えられないような写真でビジュアルを作成したい」と考えて選ばれた、奇跡の写真です。コロナ禍だからこそやりたい!『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020』は、新型コロナウイルスの感染拡大を機に企画内容を見直し、オンラインとリアルが融合したプロジェクトとして開催されます。今回のプログラム発表イベントでは、総合ディレクターの栗栖良依さんが登壇。ご自身も脚に障害を抱えながら活動を続けてきた栗栖さんは、「コロナ禍で大変な状況だからこそ、孤立しがちな障害者もアクセスできる形でパラトリエンナーレをやりたい」と意気込みを語りました。2020年のパラトリは、プレ会期が8月24日(月)からスタートし、コア会期は11月18日(水)から 11月24日(火)まで、横浜市役所アトリウムにて開催される予定です。(おもなプログラムは最後のInformationをご覧ください)小学生のコメントに涙…イベントには、みなとみらい本町小学校5年生のこどもたちも参加。会場では、ドキュメンタリー映画『sense of oneness とけあうところ』(監督・撮影・編集:池田美都)の一部が上映されたあと、ディスカッションが行われました。(※この映画は、障害や国籍の壁をこえて多くの人たちがパフォーマーとしてイベントに参加している様子を記録したものです)ここで、栗栖さんと小学生たちによるディスカッションの一部をご紹介します。栗栖さん この映画を見てどう思いましたか?小学生Aさん 車いすを使うからこそできるパフォーマンスがいいなと思いました。小学生Bさん 男女関係なく、車いすでも自分の個性を生かして演技して踊っていました。差別がなくていいと思います。栗栖さん アカンパニストになるのに必要な要素とはなんだと思いますか?(※アカンパニストとは、障害のある人と一緒に創作活動をする人のこと)小学生Cさん 周りの状況を見て何が求められているか、その人が今何をしたいのかを考え、周りと人の考えを埋めることが必要です。小学生Dさん いろいろな人を想える心があったら、どんな人でもアカンパニストになれる。思いやりがあれば、経験したことのない人でもできると思います。いかがですか?小学生のみなさんのコメント、どれも本当にすばらしいですよね。聞いていて涙が出そうになりました。みんなで一緒につくりあげていくパラトリの魅力が存分に伝わるイベントでした。パラトリのプレ期間は、8月24日からはじまっています。まずは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information名称:ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020会期:プレ会期8月24日(月)~コア会期11月18日(水)~ 11月24日(火)場所:オンライン、横浜市役所アトリウムチケット:無料 ※一部有料。詳しくは公式サイトをご確認ください。『ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020』のおもなプログラム:1.パラトリテレビ:ヨコハマ・パラトリエンナーレの魅力を伝えるオリジナル番組をYouTubeで配信。車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さんがナビゲーターをつとめます。2.BOOK PROJECT「そのうち届くラブレター」:障害のある表現者とアーティストによる読む展覧会。本の形式で編まれ、横浜市役所で作品展示をするほか、公式サイトでも展開されます。3. 「サーカスアニメーション」/「パラトリみらいサミット」:両足義足のサーカスアーティスト、エリン・ボールさんや日本初のソーシャルサーカスカンパニーSLOW CIRCUS PROJECTのメンバーが「サーカスアニメーション」をつくり、オンラインで配信。さらにコア会期には、SLOW CIRCUS PROJECTのメンバーと、みなとみらい本町小学校5年生のこどもたちが議論を交わす「パラトリみらいサミット」が開かれます。4. パラトリラボ:「フード」と「メディア」のふたつのテーマでオンラインゼミが開催されます。
2020年08月30日展覧会「エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンクインターネットアートへの再接続」が、東京都写真美術館にて、2020年8月18日(火)から10月11日(日)まで開催されます。「エキソニモ」初の大規模回顧展インターネットが一般へと普及を始めた1990年代から、インターネットそのものを素材として扱い、美術の表現領域を拡張し続けてきたエキソニモ。エキソニモは、千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニットであり、デジタルとアナログ、ヴァーチャル世界と実世界を自由に行き来することで、ユーモアのある切り口と斬新な視点をあわせ持つ作品を生み出しています。「エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンクインターネットアートへの再接続」は、世界初となるエキソニモの大規模回顧展。現実の「展示室」とオンライン上の「インターネット会場」の2会場を連動させ、初期のインターネットアート作品から近年の大型インスタレーションまで、多彩な活動を紹介。初公開インスタレーション《UN-DEAD-LINK 2020》世界初公開となる最新作《UN-DEAD-LINK 2020》は、展示室とインターネット会場の両方で体験できるインスタレーション。シューティングゲームで敵を撃つと、これに反応してグランドピアノの音が鳴り響き、ヴァーチャルな空間での出来事が現実に連動する作品となっています。初期作から代表作、近作までまた、実会場となる展示室では、初期インターネットアート作品である《KAO》(1996)や、 ユーザーにより入力されたキーワードをもとに、ウェブ上で見つかったサイトの画像やテキストをリアルタイムかつランダムに表示する《Frag Mental Storm》(2007)、データの記録でしかないデスクトップ上のカーソルの動きを再現することで、マウスを動かす人間の身体性をイメージさせる代表作《断末魔ウス》(2007)などを展示しています。イベント情報イベント名:展覧会「エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンクインターネットアートへの再接続」催行期間:2020年08月18日 〜 2020年10月11日住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内東京都写真美術館 B1F展示室、2Fロビー、インターネット会場電話番号:03-3280-0099
2020年08月24日2018年末にパリのラ・ヴィレットで開催され1か月間で3万人以上を動員した「MANGA TOKYO」展の凱旋展が開催される。「MANGA」を通して再発見できる、世界の人々を魅了する東京。「パリでは日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮への関心が非常に高く、それは19世紀のフランスで日本の浮世絵などがジャポニスム旋風を巻き起こしたことに連なります」教えてくれたのはゲストキュレーターの明治大学准教授・森川嘉一郎さん。出品コンテンツは90タイトル以上、マンガ原画やアニメ、ゲームの制作資料など500点以上という圧巻のボリュームだ。日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品は、現実の都市の景観がリアルに描写されているものも多い。作品とキャラクターが、駅や電車、コンビニエンスストアなど実空間とシンクロすることで、作品と都市の双方にファンが生まれる。本展では、そんな事例をインスタレーションとして再現する試みを実施。1/1000の縮尺で再現された幅約17m、長さ約22mの巨大都市の模型を会場の中心に設置し、それを取り巻くように様々な作品のシーンを展示する。「基本的に作品よりも場面を重視した展示です。時代を超えた東京をそれぞれの時代の少年目線、女性目線で鮮やかに切り取り、会場の巨大模型と照らし合わせることで位置関係を明らかに。フィクション作品をパノラマのように見渡す体験を提供しています」普段暮らしている街がドラマの舞台になると嬉しくなったり、普段の街が違って見える。そんな発見が、本展にはあちこちに溢れている。1もはや日本アニメの定番?永遠のテーマ“破壊と復興”。日本のフィクション作品において、天災や未知なる生物の襲来などで東京が破壊されるシーンはもはや定番。それは東京が実際に何度も壊滅的な打撃を受け、そのたびに奇跡的な復興を遂げてきた歴史があるから。「破壊と復興の反復」セクションでは、単なるランドマークにとどまらず、未来への対策まで映し出された作品を紹介。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、街中を疾走する初号機の背景に富士山が。細部までリアリティを追求した表現。©カラー2生活の場である東京の変遷をたどる「東京の日常」シーン。破壊と復興という非日常の合間には人々の暮らしがあった。ここでは江戸時代からの近代化と敗戦、戦後の高度経済成長からバブル、現在まで、作品に描かれてきた人々のライフスタイル、価値観の変化を、絵巻のように並べて紹介。生活の場としての東京の変遷をたどる、まるで時間旅行のような華やかなセクションに。歴史『サクラ大戦』など、江戸時代末期から現代へと、近代化の幕開けを描いた作品で歴史に興味を持つ人も。©SEGA3実際に登場したキャラクターに注目。「キャラクターvs都市」ここでは、現実の東京の都市空間に様々なフィクションのキャラクターが現れるようになっている現実に注目。街に現れるキャラクターのラッピングカーや電車、お台場に現れた実物大のガンダム立像、さらにはアニメの舞台となった現場を訪れる聖地巡礼など、現実とフィクションが混在する新たな都市風景の事例を紹介する。お台場の「実物大ユニコーンガンダム立像」はもはやエリアの顔。子供だけでなく幅広い世代のファンからも支持される。撮影協力:ダイバーシティ東京 プラザ©創通・サンライズ「MANGA都市TOKYOニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020」国立新美術館 企画展示室1E東京都港区六本木7-22-2開催中~11月3日(火)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)火曜(9/22、11/3は開館)、9/23休日時指定観覧券当日1600円ほか*事前予約制。オンラインにて日時指定観覧券または日時指定券(無料)の予約が必要。TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年8月26日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年08月20日“金魚絵師”深堀隆介の展覧会「深堀隆介 ~金魚愛四季(きんぎょいとしき)~」が、2020年8月13日(木)から8月30日(日)までそごう横浜店で開催されます。“金魚絵師”深堀隆介、本物そっくり金魚アート深堀隆介は、金魚に魅せられた現代芸術家。“金魚絵師”と呼ばれる深堀の作品は、まるで生きているかのように本物そっくりなのが特徴。特に、透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描いた作品群は、圧倒的な躍動感で見る者を魅了します。深堀の作品は、国内外から高い評価を受け、平面である絵画作品と立体作品の境界に揺さぶりをかける“革命的絵画”2.5D ペインティングと呼ばれています。初期から現在までの“金魚アート”集結そごう横浜店で開催される「深堀隆介 ~金魚愛四季~」では、初期から現在までの金魚作品を集めた企画「金魚ノ図鑑」や、金魚の新たなイメージを四季折々で演出するインスタレーション展示「金魚ノ四季」などを展開。さらに、金魚だけでなく、深堀隆介が手掛けた平面作品や、実際の制作風景なども紹介されます。金魚グッズもアート鑑賞だけでなく、ショッピングも楽しめるのが「深堀隆介 ~金魚愛四季~」の魅力。金魚をモチーフにしたポストカードやクリアファイル、ステッカーなどのグッズが発売されます。イベント情報イベント名:「深堀隆介 ~金魚愛四季きんぎょいとしき~」催行期間:2020年08月13日 〜 2020年08月30日住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1そごう横浜店8階=催会場<グッズ例>※限定ショップのみ、入場無料・ポストカード 5枚セット 825円・クリアファイル A4サイズ 440円・クリアファイル A5サイズ 385円・ステッカー 330円
2020年08月13日六本木のサントリー美術館で、リニューアルオープン記念展I『ART in LIFE, LIFE and BEAUTY』がはじまりました。今展では、化粧道具や髪飾り、メイク指南書など、女子の心をがっちりつかんでくれるアート&工芸品が登場。その華やかな世界をレポートします!隈研吾デザインでリニューアル!【女子的アートナビ】vol. 1802019年の秋から改修工事のため休館していたサントリー美術館が、7月にリニューアルオープンしました。まずは、改修工事後の新しいエントランスをご覧ください。受付カウンターは「水」をイメージしたもので、建築家の隈研吾さんによるデザインです。そもそも、この美術館の内装を設計したのも隈さん。なので、エントランス全体が調和のとれた心地よい空間になっています。それでは、展示室に入ってみます。展覧会名にもなっている「ART in LIFE(生活の中の美)」とは、サントリー美術館の基本理念。1961年の開館以来、同館では絵画などの芸術作品だけでなく、日常生活の中で使われていた美しい調度品や道具なども収集し、公開していました。リニューアル後初となる今展では、そのコレクションの中からセレクトされた「生活を彩る美しいものたち」が紹介されています。江戸時代のメイク指南書!展示室では、「装い」「祝祭」「異国趣味」のテーマ別に着物や工芸品、絵画などが並んでいます。まず注目したいのが、江戸時代の化粧道具。婚礼調度のひとつとして用意されたもので、漆地に平蒔絵が施されていてとても豪華です。道具類を見ると、鏡や櫛、ブラシ類などはおなじみのものですが、珍しいのが「歯黒箱」。いわゆる「お歯黒」をするための道具です。今は白い歯が当たり前なので、黒い歯なんて大昔の風習…と思ってしまいそうですが、お歯黒禁止令が出たのは明治になってから。ほんの150年前まで、成人・既婚女性などの歯は「黒」が主流だったのですね。こちらは、『化粧眉作口伝』。上流階級の女性に欠かせない眉メイクテクが、図版入りでわかりやすく書かれています。眉を剃って、おでこの上部に黒い点のような眉を描く、あの「まろ眉」にもテクニックがあったのですね。どの位置に、どんな濃度で眉を描けば自分が美人に見えるのか、真剣に研究したのかもしれません。江戸時代女子たちのメイク時間を想像してみるのも楽しいです。こちらは、ヘアスタイルを図解したもの。明治維新後、西洋の女性たちの髪形に影響を受けた「束髪」が普及。日本髪に比べて手軽で、自分でも結えるということで、「イギリス結び」などさまざまなスタイルがあったようです。各図の上にある囲みも要チェック。鏡が描かれ、別の角度からの見え方もわかるようになっています。必見!リアルな戦国武将今展では、古美術と現代作家による作品のコラボも見どころのひとつになっています。例えば、桃山時代の伝・豊臣秀次所用《朱漆塗矢筈札紺糸素懸威具足》と同じケースに展示されているのは、現代美術家の野口哲哉さんが制作したリアルなミニチュア戦国武将。単にビジュアルとして見るだけでもユーモアがあり楽しいのですが、作品のコンセプトを知ると、さらに興味が持てます。サントリー美術館が所蔵する具足は、豊臣秀次伝来といわれていますが、歴史的資料の裏付けはないとのこと。制作年も桃山ではなく江戸時代という意見もあるいっぽうで、具足には実戦痕もあり、謎が残されています。そんな経緯がある具足とコラボすることになった野口さんは、具足の伝来を推測して「木下利房」という武将を着用者と仮定。本作品《WHO ARE YOU~木下利房と仮定~》が誕生したそうです。こちらは、17世紀の作品《賀茂競馬図屛風》との野口さんのコラボ。まるで侍たちが屏風に描かれている競馬を楽しんでいるようです。(※賀茂競馬とは平安時代より行われている神事)ほかにも、現代美術家の山口晃さんや山本太郎さん、若宮隆志さんが出品。ウィットに富んだ現代アートと古美術のコラボは想像以上に刺激的です。昔の屏風や工芸品などにあまり興味がない人でも、きっと新たな楽しみ方を発見できると思います。この展覧会は途中で展示替えがあります。ぜひ前期と後期、二回にわけて楽しんでみてください。会期は9月13日まで。Information会期 : ~9月13日(日) 時間 : 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)休館日 : 火曜日(9月8日は開館)入館料(税込): 一般¥1,500、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料会場:サントリー美術館※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年08月11日現在、上野にある2つの美術館で、日本文化を楽しめる展覧会が開かれています。さまざまな時代のきものが集まる特別展『きものKIMONO』と、世界最高水準の浮世絵を楽しめる『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』。会場の様子と見どころをレポートします!アートな「きもの」がずらり!【女子的アートナビ】vol. 179まずは、東京国立博物館で開催中の特別展『きものKIMONO』からご紹介。この展覧会では、篤姫や信長など日本史でおなじみの人物が着用したきものや、現代デザイナーが手がけた最新きもの、さらには国宝の絵画作品などもあわせ、鎌倉時代から現代までの作品、約300件が展示されています。会場には、将軍家のお姫さまや遊郭の太夫など、時代や身分も異なるさまざまな人たちのきものが勢ぞろい。刺繍や絞り、あるいは友禅染などを施されたきものはアートそのもの。うっとりと見入ってしまいます。クールな衣装を着たヒーローは誰?女性だけでなく、信長、秀吉、家康など男性が着用したきものも見ごたえがあります。特に筆者の目を引いたのが、たくさんのドクロがデザインされたクールな衣装。背中側はこちら。能楽の「船弁慶」を題材にしたデザインが施されています。このような刺子の半纏を着ていたのは、江戸時代の火消たち。火事の多かった江戸の町では、とび職の人たちが火消として活躍。燃え盛る火に立ち向かい、人や家財を守ってくれる彼らは、町の人たちにとってあこがれのヒーローでした。ちなみに、これらの派手なデザインは裏地だけで、表側は地味な無地。火消たちは、無事に火を消すことができると半纏を裏返し、それぞれ凝った図柄を見せながら意気揚々と市中を歩いたそうです。火消半纏が壁一面に並んでいます!人気絵師、歌川国芳が描いた錦絵をもとにした図柄もあり、原案となった錦絵も一緒に展示されているので、見比べるのも楽しいです。YOSHIKIの「きもの」も…!展覧会の最後に登場するのは、YOSHIKIがデザインしたYOSHIKIMONO。老舗呉服店を営む家庭で生まれ育ったYOSHIKIは、日本の伝統文化であるきものを世界に紹介するため、自らデザイナーを務めるブランドYOSHIKIMONOを展開。現代の日本女性だけでなく外国人にも似合うきものを目指しているそうで、どれも超クールなデザインです!特別展『きものKIMONO』は8月23日まで。世界最高水準の浮世絵が集結!続いては、東京都美術館ではじまった『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』。タイトルにある「三大浮世絵コレクション」とは、太田記念美術館(東京・原宿)、日本浮世絵博物館(長野・松本)、平木浮世絵財団のコレクションのこと。この3館の作品が一緒に展示されるのは今回がはじめてということで、展示数も半端ではありません。前期・後期にわたり、各館から約150点、あわせて約450点の名品が集まっています。絵師の数は、なんと約60名。江戸時代初期に活躍した浮世絵の祖・菱川師宣から、幕末の人気絵師、歌川国芳まで網羅されています。彼らの代表作をまとめて見られるのも貴重な機会。しかも、どれも保存状態がよく、色もなかなかきれいです。神田伯山さんの怪談話も…!この展覧会は、会場デザインもおしゃれです。壁面のところどころに穴があけられているので、換気対策にもよさそう。また、三密回避のため、ひとつのフロアに細長い部屋がいくつもつくられています。日時指定入場制も導入されているため、距離を取りながら作品を鑑賞できそうです。展覧会の音声ガイドナビゲーターは、声優の杉田智和さんが担当。さらにスペシャルトラックには講談師の神田伯山さんが登場し、浮世絵に描かれている人物や物語などを紹介してくれます。例えば、葛飾北斎の作品《百物語シリーズ「こはだ小平二」》のスペシャルトラックでは、絵の主題である怪談話の一部が講談独特の口調とリズムで語られます。神田さんの怪談話を聞いてから再び北斎作品を見ると、描かれている幽霊に親近感がわきました。単に「絵」として見るだけでもいいのですが、ガイドや解説を通して作品の背景を知ると、さらに浮世絵鑑賞が楽しくなります。『The UKIYO-E 2020』は9月22日まで開催。Information特別展『きものKIMONO』会期 : 6月30日(火)~8月23日(日) 前期展示:6月30日(火)~7月26日(日)後期展示:7月28日(火)~8月23日(日)時間 : 9:30~18:00最終入場は17:00休館日 : 月曜日、8月11日(火)※ただし8月10日(月・祝)は開館会場:東京国立博物館平成館入館料: 一般¥1,700、大学生¥1,200、高校生¥900、中学生以下無料※オンラインによる事前予約制。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください。※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。『The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション』会期 : ~9月22日(火・祝) 前期:7月23日(木・祝)~8月23日(日)後期:8月25日(火)~9月22日(火・祝)※前期・後期で作品は全て入れ替わります。時間 : 9:30~17:30休室日:8月17日(月)、8月24日(月)、9月7日(月)、9月14日(月)会場:東京都美術館入館料: 一般¥1,600、大学生・専門学校生¥1,300、高校生¥800、65歳以上¥1,000、中学生以下無料※日時指定入場制です。詳しくは展覧会公式サイトをご覧ください。問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年08月10日美術や芸術などの表現において、欠かせないのが“おさなごころ”。「なぜなんだろう」「こうしてみたいな」など子供の頃に感じた好奇心こそが、実はクリエイションの原点。大人になって忘れてしまったけれども、今も密かに自分の中に眠る好奇心や自己表現。そんな気持ちを再発見できる展覧会『おさなごころを、きみに』が始まった。8Kの高精細な映像表現が目を引くイントロコーナーに始まり、「触覚」「身体」「音と言葉」「忘却」「宇宙」と人間の成長の流れをおおまかにたどったテーマで構成される。作品の多くにはインタラクティブな試みが。例えば「触覚」がテーマの展示の中にある《手のひらで感じるテニスコート》という作品。これは、映像に記録されたテニスの試合を、自分の手の触覚から追体験できる仕掛け。また、特別な装置を通して誰かと心臓の鼓動を共有・体感できる《心臓ピクニック》という作品も登場。他人のドキドキを自分の体で実感できる不思議な装置だ。さらに「身体」のコーナーにある《HERO HEROINE》は参加者が6つのポーズをとると、その映像が瞬く間に特撮の世界に投影され、自分がヒーローやヒロインに、時には悪役にもなれる映像作品。会場では、子供の頃から憧れていたヒーローやヒロインになれると喜んで参加する大人も多い。しかも体験者はツイッター上でつながり、みんなで映像を共有することもできる。「全体を通してメディアテクノロジーで表現した内容です。19世紀から20世紀にかけて、美術は観て楽しむことが主流でしたが、芸術も社会も新たな局面を迎えつつある今、五感で楽しむ古くて新しい試みを紹介したい」(東京都現代美術館学芸員・森山朋絵さん)アート&テクノロジーの歴史は意外にも古く、その起源は19世紀以前までさかのぼる。今回は、日本がテクノロジーアートを世界に発信し一躍脚光を浴びた1960年代の東京オリンピックから大阪万博までの進化の系譜も紹介。また、CG黎明期の代表的アーティスト幸村真佐男の新作《非語辞典・人名編》も登場。漢字をランダムに組み合わせたコンピューターのプログラムにより、新しい名前がもらえるユニークな仕掛けを、運試し気分で楽しめるかも。夏休みに子供と楽しめるようにと企画された展覧会だが、その内容は大人も驚く最先端ぶり。ネイチャーにもテクノロジーにも興味が湧く演出に、子供はもちろん大人だってエキサイトすることは間違いない。俳優の森山未來とアンドロイド「オルタ」が言語と身体表現で対話する実験的な作品。ジュスティーヌ・エマール《Co(AI)xistence》2017年、ビデオインスタレーション(12分)with 森山未來 / オルタ(大阪大学石黒研究室、東京大学池上高志研究室)©Justine Emard / Adagp, Paris 2020結晶化させた薔薇で変化する自然物の美を表現。吉岡徳仁《ROSE》2013年東京都現代美術館蔵Photo by TOKUJIN YOSHIOKA Inc.自分が憑依したキャラクターをゲームコントローラーで操作しながら、永遠に自分探しをする作品。藤木 淳《P055E5510N》2011年©Jun Fujikiビーズで覆われた剥製のバンビは見る角度によって様々な表情を見せる。名和晃平の代表シリーズ。名和晃平《PixCell‐Bambi #10》2014年東京都現代美術館蔵Photo by Ichiro Otani『おさなごころを、きみに』東京都現代美術館 企画展示室 3F東京都江東区三好4‐1‐1開催中~9月27日(日)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)月曜(8/10、9/21は開館)、8/11、9/23休一般1300円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年7月29日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年07月23日教会を思わせるアーチ窓が美しい杉並区内の静かな住宅街に建つ染織作家の高見由香さんのお宅。1階には念願のアトリエを構えた。設計は『佐藤・布施建築事務所』 。「幼い頃から渡辺篤史さんの『建物探訪』が大好きでずっと見ていました。素敵だなと思った建物は『佐藤・布施建築事務所』 が手がけていたり、雑誌を開いていいなと思えば『佐藤・布施建築事務所』だったりと、いつか自分で家を建てることになったらぜひお願いしたいと思っていました」作家として独立する以前は、美大でインテリアデザインを学び、内装設計の仕事をしていた高見さん。木や石の素材感やデザインなど、自分の住まいへのイメージはしっかりとあったのだそう。建築家との打ち合わせには、自作のファイルを持参した。1階と2階の窓際には吹き抜けを設け、内側にアーチ型のデザインの開口を作った。「建築家が写真を見せてくれた海外の教会の窓のイメージです。壁の厚みを生かし、テーパーをとることで光の変化が感じられる、美しい窓になりました」家族は3人。プロダクトデザイナーの荒川正之さん、そして7歳のいおりちゃん。「アトリエと家族の住まいの両方をどう実現していくかが課題でした」3階建てを建てられる土地を探し、1階にアトリエ、2階に個室と洗面とバスルームをまとめ、視界が開ける3階をリビングとダイニングキッチンにした。外から見ると格子の窓は、内側から見ると吹き抜けをはさんで美しいアーチを描く。1階がアトリエ、2階に寝室や水回りなどのプライベート空間、3階が眺めの良いリビングダイニング。下見張りにしたレッドシダーのエントランスが物語を感じさせる。経年変化が楽しみだ。植栽も美しい。1階は手動の織機のあるアトリエ。「織機は畳むこともできるので、1Fのスペースを広く使い、展示会を開くこともできます」ピーター・アイビーの照明は、ぜひ使いたいものだったそう。アプローチから室内へと連続する床のトラバーチンはあえて磨いていない裏面を表にして張り、ナチュラルな表情を楽しむ。正面の棚の裏側はウォークスルークローゼットになっている。右側の仕事場からグルリと回遊できる。「糸巻きのサイズに合わせて、戸棚の幅を決めたので、無理なくきれいに収まります」収納やドアのハンドルは『千sen』の真鍮金物を使っている。素材感と機能を両立漆喰の壁、トラバーチンの床、オークの階段、真鍮の把手と、ひとつひとつの素材感を大切にした高見邸。光の美しい家に仕上がった。アトリエの正面の棚の下段には、作家の作品を並べる。「間合いを大切にしながら飾っています。時々レイアウトを入れ替え、楽しんでいます」一方で、使い勝手のよい動線や収納にもこだわっている。ウォークスルークローゼットはグルリと回遊できるように設計され、予め何を収納するか決めて作った棚はピッタリと無駄なくモノを収納できる。壁に飾られているのはカシミアを使い立体的に織られた作品。アーチ状の開口部の奥が仕事場。手前のアームチェアはフィン・ユールの「No.45」。左官の壁と木のバランスがとても美しい。作業台は壁付に。棚の間に玄関を伺える小窓をつけた。作業場の奥には染色に使うコンロとシンク、染めた糸を干すバーを設置。少しだけグレーを混ぜた左官の壁。オークの床材は、土足で歩く部分は荒目、靴を脱いで上がる段から目を整えている。ウォークスルークローゼットはグルリと回遊できるようになっている。2階へ上がる階段の手前で靴を脱ぐ。見晴らしのいい3階リビング3階は広々としたワンルームのリビング&ダイニングキッチン。周囲は2階建ての建物が多い住宅街のため、屋根越しに視界が開ける。リズミカルに連続する窓が美しい。「実はアルミサッシなのですが、内側に木製の方立をつけてくださいました」リビングの一角には、テラスのグリーンを眺めながら籠もれるデイベッドも設えた。天井高もたっぷり。継ぎ目のない天井材が美しい。ダイナミックな変形の切妻天井。見晴らしがよく、船にいるかのような気分になる。オークのダイニングテーブルはstudio fujinoの藤崎均さんが制作。「家族が3人が座りやすいように脚を3本にしていただきました」。フォールディングチェアはデンマークのモーエンス・コッホ。階段の壁は一部ガラスにすることで、リビングからも照明器具の明かりを楽しむことができる。「飛松灯器のペンダントライトは、ぽっかりと浮かぶお月さまのようで気に入っています」ガラス作家の大室桃生さんにオーダーしたペンダントライト。デイベッドの張り地はデンマークのKvadratのもの。木枠は板の中央に目地を入れて細いピッチにした。見晴らしの良いコの字型の造作キッチン。「シンクはシャープなエッジにこだわって作っていただきました」ライムストーンを細かく砕いて貼った壁が美しい。アントニン・レーモンドの戦前の建築として名高い東京女子大学の礼拝堂の鐘楼が見える位置を確認しながら小窓を作った。2階には個室と水回りを「寝室と娘の部屋、クローゼットと、バスルームや洗面の水回り、それらを限られた面積の中でどう収めるかに頭を悩ませました」狭さを感じさせないよう、洗面台の下はあえて空間を開けるなど、工夫をこらしている。前川國男邸でも使われているテクスチャーが美しい葛布クロスを引き戸に使っている。「今は廃番になっているそうで、建築家が大切に保管していた貴重なクロスを使わせいただきました」2階の寝室にもアーチ型の開口部。「吹き抜けのカーテンは1階までの長さがあります。キレイな透け感のある生地を探し、自分で縫いました」。手前はリネンのカーテン。クローゼットの引き戸は寝室側と廊下側の両方から開くことができるので、風通しが抜群。「普段は娘の部屋側の引き戸も開け放ち、風を通しています」両サイドは葛を織り込んだ表情豊かなクロスの引き戸。右側が寝室のクローゼット、左側がいおりちゃんの部屋のクローゼット。バスルームの扉は木で造作。グレーのタイルが美しい。シャワーはグローエ社のもの。「浴室乾燥の機能があるので、ここで洗濯物も干します。ハンガーバーはデザイン性にこだわり、あえて角型のものにしました」洗面ボウルは台から浮き上がったようなフォルムが美しいDuravit社のもの。棚の小口を斜めにカットすることで、軽やかなイメージに。大理石のモザイクタイル。細やかな仕事が美しい。荒川邸設計 佐藤・布施建築事務所所在地東京都杉並区 構造木造規模地上3階 延床面積102㎡
2020年07月22日7月上旬、西新宿に新しいアートスポット、SOMPO美術館が開館しました。ゴッホの超有名な作品《ひまわり》を間近で見られるこの美術館。リニューアル後初の開館記念展『珠玉のコレクション―いのちの輝き・つくる喜び』を取材してきましたので、新しい美術館の内部をたっぷりご紹介します!SOMPO美術館オープン!【女子的アートナビ】vol. 178SOMPO美術館の前身は、現・損保ジャパン本社ビル42階にあった「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」。1976年から43年間もの長い間、ゴッホや東郷青児の所蔵作品を含めたさまざまな企画展を開催していました。同館は2020年3月に閉まり、本社ビル敷地内に建設された地上6階建ての新美術館棟に移転。名称もSOMPO美術館に変更し、この7月にオープンしました。開館記念展では、所蔵作品のなかでも特に人気のある作品約70点を展示。フランス近代絵画や日本画など、多彩なコレクションを楽しめます。5階からスタート新しい美術館の展示室は3つ。エントランスを抜けると、まずはエレベーターで5階に上がっていきます。第1章「四季折々の自然」では、東山魁夷や岸田劉生など日本人画家による作品を紹介。植物や動物、風景を描いた油絵などが並んでいます。この展示室の出口付近にはSOMPO美術館の建築を紹介したコーナーもありました。新しい美術館は、特に外観のフォルムがころんとしてかわいらしいのですが、解説によると「建物自体をひとつの彫刻のようにとらえた」とのこと。訪問の際には、ぜひ美術館の外観もチェックしてみてください。ピカソとも交流…東郷青児って?4階では、第2章「『FACE』グランプリの作家たち」からスタート。『FACE』とは、新進作家を支援するために2012年度から毎年開かれている公募コンクールのこと。そこでグランプリを受賞した現代作家たちによる感性豊かな作品7点がセレクトされています。続く第3章「東郷青児(1897-1978)」では、昭和時代に活躍した画家、東郷青児の作品が並んでいます。1921年から7年間フランスに留学し、ピカソらとも交流のあった東郷の作品は、幻想的な雰囲気の漂う油彩画や甘美な女性像などさまざま。彼の作品のひとつ、《超現実派の散歩》は、美術館のシンボルマークにも使われています。ちなみに、SOMPO美術館は東郷青児の作品約240点を収蔵。1930年代、損保ジャパン(当時の東京火災)は、顧客配布用のカレンダーに東郷の作品を載せたことから画家との付き合いがはじまり、最終的に彼の作品や資料が遺族などから寄贈されたそうです。ゴッホ《ひまわり》が近い!3階の展示室では、第4章「風景と人の営み」、第5章「人物を描く」、第6章「静物画―花と果物」と題して、アメリカの国民的画家グランマ・モーゼスやフランス近代絵画を紹介。ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌにルノワールなど、巨匠の作品も次々と登場します。例えば、ルノワールの《浴女》(写真右)は保存修復された新しい姿で登場。古いニスが除去され、特に肌の部分などかなり明るい色彩になっています。最後を飾るのは、美術館の至宝、ゴッホの《ひまわり》です。以前、42階にあったときには、ほかの作品と一緒に少し高い位置にあり、見上げるようにして鑑賞したのですが、リニューアル後は一点のみ、目線の高さで展示。作品までの距離も近く、花弁の絵の具がこんもりと盛り上がっている様子や勢いのある筆触など、間近で見ることができます。鑑賞後のお楽しみ…鑑賞後は、ぜひ2階のミュージアムショップへ。ひまわり作品のグッズや絵ハガキなどが手に入ります。居心地の良い休憩スペースもあるので、展覧会の余韻を味わいながらひと休みすることも可能。設備も新しいので快適です。なお、SOMPO美術館は日時指定入場制を採用し、入り口では手指の消毒と検温が実施されています。ご来館の際にはマスクもお忘れなく。Information会期:~9月4日(金)休館日:月曜日(ただし8月10日は開館)時間:午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分まで)会場:SOMPO美術館料金:一般 ¥1,000/大学生 ¥700/高校生以下無料※日時指定入場制10時~11時11時~12時12時~13時13時~14時14時~15時15時~16時16時~17時半※時間入替制ではありません。※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2020年07月17日東京・JR立川駅の北側に誕生した、広場と商業・文化施設から成るGREEN SPRINGS。その一角にある「PLAY!」は、1つの建物の中にミュージアム、プレイパーク、ショップ、カフェが集まる。英語のPLAYに「する」「遊ぶ」などの意味があるように、ここへ来ると、目や耳、体を使って、普段とは違う物の見方を発見したり、新しいワクワクと出合えたり。名前が予感させる通り、大人も子どもも楽しめるユニークな場所だ。絵本の世界を体で感じて遊べる、新しい美術館。ミュージアムのオープニングを飾るのは、「tupera tuperaのかおてん.」。人気のクリエイティブ・ユニット、tupera tuperaが手がける遊び心満載の展示では、まず入り口で「かおシール」が手渡される。来場者たちは眉毛やホクロのシールを自分の顔にペタペタ。「皆さん自身が作品になって、一緒に展覧会をつくりましょうという作家からのメッセージですね」と教えてくれたのはプロデューサーの草刈大介さん。ほかにも食材、楽器、洗濯物(!)などを使って制作した直径2mの顔と撮影できる「かお10」、床に設置された大きな顔のフレームの中で、自分自身もパーツになって遊べる「床田愉男(ゆかだゆかお)」など、観客を巻き込む仕掛けがあちこちに。「ミュージアムのテーマは“絵とことば”。よく海外の人に驚かれるのですが、日本には大人も絵本や漫画を楽しむ文化がありますよね。僕らが心を揺さぶられる、絵本の表現の奥に何があるのか。それを目に見える形にすることに挑戦しています」もう一つのスペースは、一年を通じて鑑賞できる常設展。「絵本界の大御所ともいえる作家の原画、バイオグラフィー、創作の秘密に迫る展示を展開していく予定です」第1回は世界的ベストセラー『はらぺこあおむし』などの仕掛け絵本で知られるエリック・カール。穴をのぞいたり、壁をくぐったり、まるで絵本の中に入り込んだような展示設計も楽しい。ミュージアムショップでは、展示ごとにオリジナルグッズを販売。カフェでは展示にちなんだメニューが楽しめる。すぐ隣は、緑あふれる昭和記念公園。今度の休日、併せて訪れてみては?企画展「tupera tuperaのかおてん.」常設展「エリック・カール 遊ぶための本」PLAY! MUSEUM東京都立川市緑町3-1GREEN SPRINGS W3企画展「tupera tuperaのかおてん.」開催中~12月29日(火)常設展「エリック・カール遊ぶための本」開催中~2021年3月28日(日)10時~18時(入場は17時30分まで)原則無休一般1500円ほか(企画展、常設展共通) TEL:042・518・9625くさかり・だいすけPLAY!プロデューサー。ブルーシープ株式会社代表。本の出版、展覧会の企画、美術館の運営を手がける。「僕自身、親しみやすいアートが好き」。代表的な仕事に、スヌーピーミュージアムなど。※『anan』2020年7月22日号より。写真・北尾 渉文・松本あかね(by anan編集部)
2020年07月17日おうち時間が増え、ぬりえブームが到来中。買ってすぐに本格アートぬりえが楽しめる『ぬりえで浮世絵グラフィックマーカーセット』を、数量限定で7月16日に発売します。日本が世界に誇る最高のポップアート・浮世絵は、木版画の技法上限られた線と色で様々な表現が工夫され、実はぬりえにぴったり。本書では、ぬりえ初心者も浮世絵初心者も安心して始められるよう、ぬりえに必要な3つのアイテムを揃えました。誰もが一度は見たことのある超名作浮世絵を、自由自在にぬってみましょう。「ぬりえで浮世絵」の楽しみ方、作例など詳細はこちらをご覧ください。詳細はこちら《本格3大アイテムのご紹介》アイテム1◆水性グラフィックマーカー「ABT」7色+水筆(ともにトンボ鉛筆製品)・世界中のアーティストが愛用するトンボ鉛筆の大ヒットマーカー厳選7色・しなる筆芯と0.8mm細芯、2種類のペン先による軽やかな筆運びと鮮やかな水性インク・ぼかしたり、にじませたりと水彩のような表現が可能な水筆アイテム2◆浮世絵ぬりえポストカード10枚・日本美術史上に残る浮世絵名作10点・北斎、歌麿、写楽・・・一度は見たことある超名作揃い・丁寧な描き起こし線画アイテム3◆かんたん!テクニック帖・グラフィックマーカー「ABT」の使い方やアレンジを写真付きで説明・浮世絵の作品解説つきで、ぬりえをしながら浮世絵鑑賞も楽しめる(商品スペック)和樂ArtBOX『ぬりえで浮世絵グラフィックマーカーセット』B5判ボックス(グラフィックマーカー7本+水筆1本、浮世絵ぬりえポストカード10枚、オールカラー小冊子16ページ、リーフレット)価格:本体2,200円+税小学館より7月16日頃発売企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年07月08日