クエンティン・タランティーノが、最新作『The Hateful Eight』をふたつの違ったバージョンで公開することを明かした。Variety.comに対して語ったもの。その他の情報ひとつはロードショー・バージョンで、70mmのパナビジョン映写機を使って上映するもの。上映時間も一般バージョンよりもやや長い3時間2分となる(途中に12分の休憩が入る)。シネコン版の上映時間は6分短く、違いは「ビッグで、クールで、まばたきもできないような長いシーン」だそうだ。このロードショー版のために、北米配給権をもつワインスタイン・カンパニーは、現在、全米100館の映画館にパナビジョン映写機を設置する準備を進めているという。『The Hateful Eight』は、チャニング・テイタム、カート・ラッセル、サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロスらが出演する西部劇。脚本が流出したことに激怒し、タランティーノは一時、映画の企画は取りやめるとも宣言したが、後に考えを変えて撮影を決行した。北米公開は来年1月。文:猿渡由紀
2015年10月13日かつて『ゴジラ』と双璧をなした、特撮ファンから熱狂的人気を誇る怪獣シリーズ『ガメラ』。この度、ニューヨークで現地時間10月8日より開催している米ポップカルチャーの祭典「New York Comic Con2015(ニューヨーク・コミコン2015)」にて、ガメラ生誕50周年記念映像「GAMERA」を公開。宮藤官九郎が主人公の父親役で出演していることが明らかとなった。日本・東京をギャオスが来襲。人々が逃げ惑うなか、少年・マナフ(高橋琉晟)は、父親(宮藤官九郎)をギャオスに食べられ、失ってしまう。ひとり生き残ったマナフの運命とは――。現地時間の10月8日、ニューヨーク・マンハッタン ジェイコブ・K・ジャヴィッツ・コンベンションセンターにて開催中の「ニューヨーク・コミコン2015」にてお披露目された「GAMERA」。CGで甦った本作を手掛けたのは、『茶の味』『ハロー!純一』など映画、CM、TV、ドラマ、アニメーションなど、あらゆるジャンルの映像作品を手掛け、クエンティン・タランティーノ監督作『キルビル Vol.1』のアニメパートも手掛けた実績もある、鬼才・石井克人監督。同ステージには、石井監督のほか、KADOKAWA 代表取締役専務 井上伸一郎氏、KADOKAWA 企画・プロデューサー 菊池剛氏が出席した。また、10月22日(木)~10月31日(土)に開催される第28回東京国際映画祭の日本映画クラシックス部門の旧作『ガメラ』シリーズ4作品上映にて、「ガメラ」生誕50周年記念映像が日本で初上映される予定だ。このたびお披露目された「GAMERA」は、「ガメラ生誕50周年」公式サイトにてショートバージョンを公開予定。(cinemacafe.net)
2015年10月09日レア・セドゥが、チャニング・テイタム主演の『Gambit』への出演を交渉しているようだ。役柄は、主人公ギャンビットの幼なじみであるベラ・ドンナ。テイタムが、主演とプロデューサーを兼任する。その他の情報『Gambit』は『X-MEN』シリーズ8作目。7作目に当たる『X-MEN:アポカリプス(原題)』は来年5月、『Gambit』は2016年10月に公開予定。セドゥは、11月北米公開予定の『007 スペクター』(日本公開は12月4日)に出演。その後には、グザヴィエ・ドラン監督の『It’s Only the End of the World』が控える。共演はマリオン・コティヤール。テイタムの次回作は、クエンティン・タランティーノ監督の『The Hateful Eight』と、ジョエル&イーサン・コーエン監督の『Hail, Caesar!』。日本では『マジック・マイクXXL』が10月17日(土)より公開される。文:猿渡由紀
2015年08月26日クエンティン・タランティーノが『ブルージャスミン』や『フランシス・ハ』と並べて“2013年ベスト映画10”に選出した映画『午後3時の女たち』が、ついに日本公開決定。サンダンス映画祭「監督賞」受賞など、すでに各方面で高い評価を受けている本作から、アラフォー女性の内面を赤裸々に描いた日本版予告編が解禁となった。一見とても幸せそうな生活を送る主婦レイチェル(キャスリン・ハーン)。セックスレスを相談する心理カウンセラー(ジェーン・リンチ)に、「不満はないの」と語るものの、彼女が感じているのは、日常の中で女性としての魅力を失っていく漠然とした焦燥感。ある日、レイチェルは友人たちと遊びで訪れたストリップクラブで、少女のようなルックスで強烈な性的魅力を放つストリッパー、マッケナ(ジュノー・テンプル)に出会う。レイチェルは住むところを失い、困っている彼女を、家族も住む家に住まわせることに。しかし、彼女はただのストリッパーではなく、体も売る娼婦だった。少女のようなルックスを持ちながら、卓越した百戦錬磨のエロティックな技術を持つ彼女を通して、これまでの人生で知ることのなかった世界を垣間見るうち、レイチェルの日々と生き方が変化していく――。本作は、主人公の主婦が刺激を求めて行ったクラブでストリッパーの少女と出会い、彼女を通してそれまで知ることのなかった体験をしていく様子を、日常のユーモアを交えながらリアルな感覚で描かれる人間ドラマ。監督は、Women In Film2015において、『グローリー/明日への行進』のエヴァ・デュヴァネイ監督や女優のニコール・キッドマンと共に「クリスタル・ルーシー賞」を受賞し、注目を集めたジル・ソロウェイ。セックスレスに悩む主婦レイチェルを演じるのは、『なんちゃって家族』でコメディエンヌの要素を発揮したキャスリン・ハーン。10月公開のM.ナイト・シャマラン監督の新作『ヴィジット』では愛情深い母親を、12月公開のピーター・ボグダノヴィッチ監督の新作『マイ・ファニー・レディ』ではベテランの舞台女優を余裕たっぷりに演じているが、本作でも見事なコメディの才能を魅せている。また、少女と女性の間の危うい魅力を持つストリッパーを演じるのは、期待の若手女優ジュノー・テンプル。『マレフィセント』で演じた妖精や『ホーンズ容疑者と告白の角』で演じたダニエル・ラドクリフの恋人役とは全く違う、キュートかつセクシャルな役柄を堂々と演じ切っているのも注目だ。『午後3時の女たち』は11月7日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月24日世界のオタクの祭典Comic-Con2015(以下コミコン)が米サンディエゴで開幕。8日の前夜祭から始まり、12日(日)までの5日間開催される。その他の写真コミコンとは、毎年7月または8月の5日間、カリフォルニア州サンディエゴで開催される漫画や映画などポップカルチャーの世界最大級のお祭り。ハリウッド大作映画の初出し映像の公開や、『ゲーム・オブ・スローンズ』『ウォーキング・デッド』など世界的ヒットしている人気ドラマのプレゼンテーションやサイン会のほか、カプコンやスクウェア・エニックス、任天堂といったゲームメーカーも大きなブースを展開しており、年を追うごとにジャンルを超え、拡大しているイベントだ。近年、より会場の大きいアナハイムやロサンゼルスへの移転話が出ていたものの、2018年まではサンディエゴで開催するとの決定が先日発表されたばかりで、今年は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』や、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』をはじめとしたDCコミック、ジョー・ライト監督ヒュー・ジャックマン出演の『PAN~ネバーランド、夢のはじまり』、クエンティン・タランティーノ監督の最新作『The Hateful Eight(原題)』などのパネルディスカッションが予定されている。『スター・ウォーズ…』の新情報発表は、8月のディズニー社のイベント“D23”が中心になることが予想されるが、10 日(金)に行われるルーカス・フィルムのパネルディスカッションにJ.J.エイブラムスの来場が予定されており、サプライズが得意なJ.J.だけに、あっと言わせるプレゼンテーションも期待される。約6000人を収容するホールHで行われるパネルディスカッションに入場するため、待ちきれないファンたちは既に長蛇の列に。先頭の女性Jamie Turkさん(写真)は、「8日の20時半から並んでいるわ」と野宿の過酷さも感じさせない笑顔で応えてくれた。ホールHで行われる主なラインナップは以下のとおり9日(木)『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』、『ドクター・フー』10日(金)『ウォーキング・デッド』、『ゲーム・オブ・スローンズ』、ルーカスフィルム『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』11日(土)ワーナー・ブラザーズ『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』『PAN~ネバーランド、夢のはじまり』『コードネームU.N.C.L.E』、クエンティン・タランティーノ監督『The Hateful Eight(原題)』、レジェンダリー・ピクチャーズ『Warcraft (原題)』『Crimson Peak(原題)』12日(日)ギレルモ・デル・トロによるドラマ『ストレイン 沈黙のエクリプス』、『ヴァンパイア・ダイアリーズ』、『スーパーナチュラル』『Heroes』「コミコン2015」7月8日(水)前夜祭7月9日(木)~12日(日)
2015年07月10日シネフィルとしても有名なデザイナー、アニエスベーの初監督作品『わたしの名前は…』が今年10月に渋谷アップリンクほか全国にて公開されることが決定した。ハーモニー・コリン作品のプロデュースを行い、デヴィッド・リンチ監督作『マルホランド・ドライブ』やクエンティン・タランティーノ監督作『パルプ・フィクション』など数々の映画で衣装デザインを手掛けるなど映画に情熱を注ぎ続けたアニエスベーが、本名アニエス・トゥルブレとして初監督を務めた『わたしの名前は…』。本作は、父親の虐待から逃げ出した12歳の少女とスコットランド人運転手の奇妙な旅を描いたロードムービー。アニエスベーが10年以上前に新聞で読んだ、とある事件の記事に着想を得て、自ら脚本を執筆した。アニエスベーは本作について「旅で経験する出会いや日常から切り離された純粋な自由を描きたかったのです」と語っている。12歳の少女を演じるルー=レリア・デュメールリアックと運転手を演じるダグラス・ゴードンの脇を固めるのは、シルビー・テステュー、ジャック・ボナフェといったフランス映画界の名優たち。撮影はアニエスベーの友人たちの協力を得て行われた。音楽には、フランスのエレクトロポップ・デュオ「エール(Air)」のジャン=ブノワ・ダンケルが参加し、アメリカのオルタナティブ・ロックバンド「ソニック・ユース(Sonic Youth)」も未発表音源を提供している。ほかにもジョナス・メカス監督が撮影したシーンにイタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリが出演するなど豪華アーティストや文化人たちが集結していのも見所だ。『わたしの名前は…』は10月、渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー。
2015年07月09日ハーモニー・コリン、デヴィッド・リンチ、クエンティン・タランティーノら名だたる監督作品において衣装デザインや、プロデュースをしてきたファッション・デザイナー、アニエスベーの初監督作品『わたしの名前は…』が10月より公開することが決定した。舞台はフランス・ボルドー地方。主人公の12歳の少女は父親から虐待を受けていた。ある日、学校の遠足で出かけた海辺で偶然停まっていたトラックに乗り込んだ彼女は、スコットランド人のトラック運転手と共に逃避行に出る。フランス語と英語、言葉が通じない2人は、次第に心を通わせていくが…。アニエスベーがアニエス・トゥルブレという本名で初監督を務めた本作。10年以上前に新聞で読んだとある事件の記事をきっかけに、彼女自身が脚本を書いたという。彼女の下に集結したのは、豪華アーティストや文化人たち。『ジダン/神が愛した男』の監督で現代美術家のダグラス・ゴードンがトラック運転手を演じ、アメリカン・アンダーグラウンドを代表する映画監督、ジョナス・メカスが撮影したシーンには、イタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリが出演。音楽にはフランスのエレクトロポップ・デュオ「エール(Air)」のジャン=ブノワ・ダンケルが参加、米オルタナティブ・ロック界の最重要バンド「ソニック・ユース」も未発表音源を提供している。「旅で経験する出会いや日常から切り離された純粋な自由を描きたかった」と語るアニエスベー。映画に情熱を注ぎ続けてきた彼女ならではの作品に期待が高まる。『わたしの名前は…』は10月、渋谷アップリンクほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月08日俳優として、ラジオナビゲーターとして活躍する別所哲也さんのライフワークのひとつに「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」がある。17年目を迎える今年のテーマは「シネマチック モーメント(映画的な瞬間)」。映画は映像作家たちの人生の“一瞬”を切り取ったもの。映画を観ることは彼らの一瞬を共有すること。だから心が動いていく。長編映画よりもグッと短いショートフィルムはその一瞬がより凝縮され「短い時間のなかにキラッと光るダイヤの原石がある、エスプレッソコーヒーのようにギュッと旨味が詰まっている」と別所さん。彼がショートフィルムに魅了されるきっかけ、またショートフィルムが教えてくれたという人生について、ファッションについて──。──17年目を迎えた「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」。どんなきっかけで主宰することになったのでしょうか。23歳のときにアメリカ映画『クライシス2050』でスクリーンデビューしたのがきっかけで、アメリカと日本を行き来するようになったんです。アメリカにいると「ショートフィルムのスクリーニングがあるからこないか?」って誘われることが多かったんですね。でも、当時の僕は「ショートフィルムは実験的、短くて学生映画のようなもの」という先入観があって、誘われてもずっと断り続けていたんです。それから10年ほど経った頃、アメリカに住む友人が映像作家としてショートフィルムを作って「ハリウッドのメジャースタジオで上映会をやるから観に来てくれ」と言われて。友だちとして渋々、観に行ったんです。10本のショートフィルムが上映されたんですが、どれもものすごく面白くて。コペルニクス的転回といいますか、天動説と地動説ほど自分のなかの映画の概念が変わった瞬間でした。映画って長くなくていいんだ、短くてもこんなに表現できるんだとか、ジョージ・ルーカスやクエンティン・タランティーノなどの監督も、トム・クルーズを始めとする有名俳優たちもショートフィルムからキャリアをスタートしていることを知って、驚くことばかりでした。それが僕にとってのショートフィルムとの出会いです。1997年の出来事ですね。──その2年後の1999年に日本発の国際短篇映画祭「アメリカン・ショートショートフィルムフェスティバル」を主宰することになったというわけですね。その後もいくつかの偶然が重なりまして──友人がサンダンス映画祭に長編映画を出したことを機に映画祭に行ったとき、そこでもショートフィルムの素晴らしさを目の当たりにしたんです。当時はまだ無名だったベン・アフレックや少し有名だったクリスティーナ・リッチ、前線で活躍していたスパイク・リー(監督)らがいて、彼らはごく普通に短編映画について語っていました。そして、1998年の米アカデミー賞では“日本の『シンドラーのリスト』”と言われるショートフィルム、クリス・タシマさんの『ビザと美徳』が賞を取ったんですが、その年は現地からアカデミー賞を伝える番組の司会を担当していたこともあって……そんな3つの出会いが重なったことで「日本でショートフィルム映画祭をやりたい!」と勝手に運命を感じてしまったんです(笑)。──心を動かされたんですね。今ではすっかり定着した映画祭ですが、今年は100の国と地域から集まった5,000作品の中から選ばれた200作品を上映。どんなふうに映画を選んで観たらいいのでしょうか。ショートフィルムの尺は25分までと決まっていますが、短いものだと2、3分の作品もあります。200作品はいろいろなプログラムとして上映されるので、興味のあるプログラムを選んで観るのもいいですし、特に観て欲しいのはオフィシャルコンペティション。米アカデミー賞につながる、今は無名だけれどこれから有名になる映画の原石をみなさんで発見してほしいんです。あとは、ポーランド、ブラジル、スウェーデン、フィリピンなど世界各国の映画を観る機会はそう滅多にないので、こういう国でこういう映画が作られているんだと、映画を通じて旅をしてほしいですね。最新のアカデミー賞受賞作やノミネート作品をまとめて上映するプログラム、ファッションとショートフィルムがコラボしたプログラムなど、たくさんのメニュー(プログラム)があるので、レストランでメニューを選ぶように映画を選ぶことを楽しんでほしいです。──今年からのプログラム「ファッションショートプログラム」も楽しみです。また、多くの中から自分にとっての選りすぐりのものを選ぶことは、洋服選びにも通じると思います。洋服を選ぶとき、別所さんが大切にしていることやこだわりはありますか。今日は“スマート・カジュアル”がテーマということでしたので、ブルーを差し色にコーディネイトしてみました。映画祭のような公式の場はわりとダークでベーシックなものが多くなってしまうので、タイ、チーフ、カフスで変化をつけたり、あとは足もと、靴にもこだわっています。洋服選びは楽しいですね。そう思うきっかけもやはり映画でした。ハリウッド映画に出たときに言われたことなんですが、その人がどんな人かを想像するとき、その時に着ている洋服やファションがその人の人となりを表す情報になると言われたことがあって。それから気にするようになりました。また、洋服を選ぶときは自分の価値観と向きあう時間でもある。デザインだったり、肌触りだったり、着心地だったり……自分が何に惹かれているのかを知ることはとても大事だと思うんです。そうやって惹かれるものがあって選んだ洋服のなかには、何年経っても着続けているものもあります。20歳のときに買った「Schott(ショット)」のライダーズの革ジャンはいまだに着ています。かれこれもう30年も着ていますね(笑)。時代時代の流行りを取り込むのも楽しいですけど、繕いながら経年変化を楽しむ、洋服に想い出を刻んでいくのもいいですよね。──そう思います。洋服に想い出が刻まれるように、映画館で観た映画の“一瞬”も誰とどんな状況で観たのかなど想い出として刻まれますよね。そうですね。今はインターネットでも映画を観ることのできる時代で、それはそれでアリだし、そうやってショートフィルムをどんどん観てほしいんです。ただ、映画祭にはそれとは違う感動がある。映画って、暗闇の中で大きなスクリーンに光の絵の具で作られたものが映し出される魔法みたいなもの、映像作家のその時の想いが真空パックされたようなもので、昔はフィルム、今はデータなのでハードディスクですが、それらに光があたることで物語が動き出す。すごくロマンチックな時間なんです。そんな不思議な魔法を映画祭で体験してほしいんです。──最後に、映画祭の主宰者であり、俳優としての活動もあり、ラジオナビゲーターとしても毎日活躍している別所さんのその活力は一体どこから湧いてくるのでしょうか。僕は、人間は生きている間はずっと「オン」の状態で「オフ」になる感覚はないと思っているんです。というのは、旅をしたり家族と過ごしたりする時間は仕事を基準にすると確かに「オフ」ですが、プライベートな時間としては「オン」なんです。そして、ずっと「オン」でいることによって泣いたり笑ったり驚いたり……いろんな感情が動く。本当に素晴らしいことです。それを日々感じることが活力に繋がっているのかもしれないですね。
2015年06月08日今年のフジロックにも参戦する「ベル&セバスチャン」のスチュアート・マードックが初監督を務める『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』。アラウンド20女子のハートをがっちりつかむ、『(500日)のサマー』のようなポップ&キュートな世界観で贈るミュージカルの本作に引き続き、ザック・エフロンがイマドキのアラサー男子を演じる『恋人まで1%』、クエンティン・タランティーノも絶賛する大人の映画『午後3時の女たち』が、「映画に恋する3部作」として順次公開されることになった。まず、「映画に恋する3部作/アラウンド20」には、英国スコットランド・グラスゴーを舞台にしたポップなミュージカル映画『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(8月1日公開)。いま日本の若者の間でも注目を集めているグラスゴー出身のバンド「ベル&セバスチャン」のフロントマン、スチュアート・マードックが、自身の同名ソロ・アルバムを元に脚本・監督を務めた。ウェス・アンダーソン監督作品や『(500日)のサマー』などにも通じるカラフル&ポップな世界観と音楽で、思春期特有の少女と少年の恋と痛みをビター&スイートに描き出していく。また、<アラウンド30>に選出されたのは、「ハイスクール・ミュージカル」で人気を博し、『ペーパーボーイ真夏の引力』などで演技への新たな開眼を見せたザック・エフロン主演作『恋人まで1%』(9月公開)。ニューヨークを舞台に、女性と気軽なセックスのみの関係しか築けない主人公を演じたザックと、『セッション』で日本でも知名度急上昇のマイルズ・テラー、『クロニクル』『フロートベール駅で』の好演で注目を集めたマイケル・B・ジョーダンという、アラサー男3人組それぞれの恋模様を描く。ザックの相手役を務めるのは、今年、「ミュウミュウ(Miu Miu)」広告の顔に選ばれ、ジミ・ヘンドリックスの黄金期を描いた『JIMI:栄光への軌跡』や、名匠ピーター・ボグダノヴィッチ監督の『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』に出演する英国の“ファッションアイコン”、イモージェン・プーツ。マイルズとマイケルはリブート版『ファンタスティック・フォー』の公開も控えており、まさに次世代のスター候補たちが集結した “NY式・イマドキラブコメディ”となっている。さらに、<アラウンド40>には、ドラマ「昼顔」のような妖しい雰囲気のポスターが印象的な『午後3時の女たち』(11月公開)。ベン・スティラー主演『LIFE!』では主人公の妹、『なんちゃって家族』ではおせっかいでKYなカントリー主婦を演じたキャスリン・ハーンと、『マレフィセント』の妖精役や『ホーンズ容疑者と告白の角』でダニエル・ラドクリフの恋人役を演じたジュノー・テンプルが繰り広げる、世代が違う女同士の“ふれあい”を描いた人間ドラマ。あのクエンティン・タランティーノが『ブルージャスミン』や『フランシス・ハ』とともに2013年のベストテン映画に入れた作品として注目を集め、サンダンス映画祭では「監督賞」も受賞。一見、何不自由ない生活を送っているように見えるが、実はセックスレスを抱えている主婦レイチェルが、少女のようなルックスで強烈な性的魅力を放つストリッパーと出会い、抑えていた欲望を解放させていく衝撃作。それぞれ、等身大のリアルさをもって表現された<恋愛>がテーマの3部作。さて、あなたはどれを見る?「映画に恋する3部作」【アラウンド20】『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』は8月1日より新宿シネマカリテほか全国にて公開。【アラウンド30】『恋人まで1%』は9月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。【アラウンド40】『午後3時の女たち』は11月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月15日深作欣二監督・菅原文太主演の名作『仁義なき戦い』のデジタルリマスター版が、5月13日から24日(現地時間)まで開催される第68回カンヌ国際映画祭にて上映されることが決定した。戦後間もない広島・呉。友人の喧嘩相手を射殺した復員兵・広能昌三(菅原文太)は刑務所に服役、そこで出会った土居組若頭・若杉(梅宮辰夫)と義兄弟の契りを結ぶ。出所後広能は山守組の盃を受け組の下で活躍するが、組の勢力が増すにつれて敵対組織との抗争、また組内部にも抗争が勃発。仁義なき戦いの火蓋が切られた――。2014年11月に81歳で逝去した名優・菅原文太を筆頭に、梅宮辰夫、松方弘樹ら昭和を代表する俳優が集結した本作は、クエンティン・タランティーノ監督など多くの監督、役者に影響を与えた作品としても知られている。同作が上映されるのはカンヌ国際映画祭の「カンヌクラシック部門」。過去の名作映画の再発見や、修復された偉大な作品の紹介などを目的として2004年に設立された正式部門のひとつであり、同部門に東映作品が選出されたのは今回が初めてとなる。(text:cinemacafe.net)
2015年04月30日『ザ・フライ』(ハエ人間)、『ムカデ人間』…数々の“人間コラボ”映画に続く禁断のコラボを実現させた“セイウチ・ホラー・エンターテイメント”『Mr.タスク』。本作に出演する、かつてのカリスマ子役ハ―レイ・ジョエル・オスメントが本日4月10日に27歳の誕生日を迎えることを記念し、ネット上でも話題を呼んだ衝撃の “激変”ビジュアルが解禁となった。あることがきっかけでセイウチに執心している謎の老人ハワード・ハウは、人体をセイウチに改造することを長年夢みていた。なぜ、老人は人間をセイウチにしようとするのか?果たして、セイウチにされてしまう主人公ウォレスの運命は、いかに!?アメリカの人気コミック作家として活躍するケヴィン・スミスが手がける、前代未聞の“セイウチ・ホラー・エンターテインメント”となる本作。セイウチへと変貌させられてしまう悲運に見舞われる主人公ウォレスには、『そんな彼なら捨てちゃえば?』のジャスティン・ロング。人間をセイウチに変える凶行に出る老人役を、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』『キル・ビル』シリーズなど、クエンティン・タランティーノ組でお馴染みのマイケル・パークスが鳥肌モノで怪演する。そんな本作で、ウォレスと一緒にポッドキャストを運営するオタク仲間・テディを演じているのが、かつて名子役として一世を風靡したハーレイ・ジョエル・オスメントだ。4歳から子役として活躍し、『フォレスト・ガンプ/一期一会』で映画デビュー。『シックス・センス』『A.I.』では、その下がり眉とうるんだ瞳で世界中を涙と感動に包み、『シックス・センス』では11歳ながらアカデミー賞「助演男優賞」にノミネート。ある時点まで、儚げで純粋な美少年のイメージを保っていたハ―レイは、本作ではご覧のように、ぽっちゃりオタク青年へと激変!解禁となった画像では、主人公ウォレスと一緒に運営している大好きなポッドキャストを収録中の、オタク感丸出しで楽しげな様子と、連絡が途絶えたウォレスを探しに、銃を片手にある館へ乗り込むシリアスなシーンが登場。かつての面影はどこへやら…誰もが想像しなかったまさかの激太り&ヒゲ面という、見事な役作り…でオタクのテディ役を熱演している。映画史上稀にみる“人間”と“セイウチ”の斬新コラボだけでなく、彼の激変ぶりも大きな衝撃を与えそうだ。『Mr.タスク』は7月18日(土)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイント(レイト)ほか公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月10日“コミコンの帝王”と称されるケヴィン・スミス監督の最新作であり、“衝撃の現在”写真が話題を呼んだハーレイ・ジョエル・オスメントも出演する映画『Tusk』が、『Mr.タスク』として7月18日(土)より日本公開されることが決定。併せて、かわいい(?)セイウチが登場するティザービジュアルが解禁となった。ポッドキャストを運営するウォレス・ブライトン(ジャスティン・ロング)は視聴率を伸ばすため、取材でカナダを訪れる。とあるバーで航海の話を聞いてほしいという老人ハワード・ハウ(マイケル・パークス)がいることを知り、彼の家を訪ねることに。そこで手厚いおもてなしを受けたウォレスはハワードが体験した壮絶な航海の話を聞きながら、紅茶に手を伸ばすが、それには睡眠薬が混ぜられていて…。目が覚めると足の感覚がないウォレスに、「これから君はセイウチになるんだ。“Mr.タスク(キバさん)”」と告げるハワード。ウォレスの友人テディ(ハーレイ・ジョエル・オスメント)と恋人のアリー(ジェネシス・ロドリゲス)は、連絡がとれなくなった彼の捜索を始めるが…!?本作は、かつてないほど斬新な“人間コラボ”映画。人間と生き物が掛け合わされる“人間コラボ”映画は、1986年、デヴィッド・クローネンバーグ監督『ザ・フライ』の人間とハエが融合という“コラボ”で衝撃と恐怖が日本を席巻。さらに、衝撃的でまさかのシリーズ化を果たした『ムカデ人間』。そして、人間と武器を融合させた『武器人間』に続き、本作では人間と“セイウチ”の融合という何とも斬新なコラボが誕生した。監督を務めたのは、コミック作家として、アメリカ・サンディエゴで毎年行われているコミコン・インターナショナル(通称:コミコン)で彼を知らない者はいないほどの人気を博すケヴィン・スミス。映画監督としても『チェイシング・エイミー』『ドグマ』『レッド・ステイト』などで知られ、ハリウッド第一線で活躍するあのマット・デイモンやベン・アフレックにいち早く目を付け、彼らを幾度もキャスティング。さらには役者として『ダイ・ハード4.0』などにも出演する多才さも発揮している。“セイウチ人間”と変貌してしまう主人公・ウォレスには、『そんな彼なら捨てちゃえば?』『スペル』のジャステイン・ロング。老人・ハワードには、クエンティン・タランティーノ組のマイケル・パークス。オタクの友人・テディを演じるのは、かつて子役として『シックス・センス』『A.I.』に出演し一世を風靡した面影はもうない(?)ハーレイ・ジョエル・オスメントだ。公開決定と同時に解禁されたティザービジュアルには、「人間とセイウチの新しいカンケイ」というポップなコピーに、1滴の血液が恐怖を感じさせつつも、どこかカワイイ、セイウチのアイコンと諦め顔のジャスティン・ロングがちょっと微笑ましくもある。果たして、新たな“人間コラボ”映画である“セイウチ人間”はどのような姿なのか?想像を膨らませつつ続報を待とう。『Mr.タスク』は7月18日(土)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイント(レイト)ほかにて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月27日「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」のクロージングセレモニー&授賞式が2月22日(日)に開催され、グランプリにAV業界の一端を描いた、自身もAV監督である50歳の森川圭監督による『メイクルーム』が選ばれた。これまでクエンティン・タランティーノや入江悠など若き才能を発掘し、若手監督の登竜門というイメージの強い「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」だが、50歳はグランプリ受賞監督としては過去最高齢となる。『メイクルーム』は森川監督が自身の経験やメイクスタッフへの取材を基に、AV撮影現場のメイクルームでのドタバタを描いた群像劇。森川監督は約30年前に助監督としてキャリアをスタートさせ、元「AKB48」の中塚智実主演のホラー作品『エクステ娘 劇場版』で商業映画の監督を務めたこともあるが、基本的には「AVをメインで撮影、監督してきた」とのこと。4年ほど前に本作の元となる舞台を自ら制作し小劇場で上演したが「舞台でしかできないものをという思いで作ったつもりでしたが、十分に映画で行けると思った」とプロットやセリフ、設定などはそのままに、本物のAV女優を起用して今回の映画を制作した。グランプリとして『メイクルーム』というタイトルが読み上げられると、森川監督は壇上に上がるも「何と言っていいか…、何か(賞を)いただけたらと思ってましたが、まさかグランプリを獲れるとは思ってなかったです」と驚いた様子だった。一緒に映画祭を訪れた関係者は監督を残して既に夕張を後にしてしまっていたが「みんな、獲ったよ!」とトロフィーを掲げ喜びを口にした。「オフシアター・コンペティション」部門の審査委員長を務めた大森一樹監督は『メイクルーム』の受賞と森川監督について「50歳と聞いてびっくり。若いことばかりがもてはやされるけど、その意味で50歳の監督にあげられたのは嬉しい。映画はある程度年齢がいって、世の中を知ったところでメッセージを伝えられる芸術。若けりゃ若い方がいいという映画祭の風潮に対し、ひとつのメッセージになる」と50歳のグランプリ監督を祝福した。森川監督は改めて年齢および、AV監督という経歴について触れ「僕の周りでAVを撮っている方は、みんな名前を変えてます。一般の映画を撮れなくなる可能性が高いし、CMも撮れないので。でも自分は、名前変えずにどこまでやれるのか?とやってきた。延々と続けて、50になってこういう形で賞をいただけて…。僕くらいの年でも評価してもらえるという事実ができて嬉しい」と気概を口にすると共に改めて受賞の喜びを語った。本作は現時点では劇場公開は未定で、今後、公開に向けて動いていくという。次回作について尋ねられると「許されるならパート2をやりたい。(本作の)3か月後の話で、脚本も出来上がってて、完結編になります」と明かした。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」は2月23日(月)まで開催中。(text:cinemacafe.net)
2015年02月23日1998年に梅津泰臣が手掛けた、性と暴力の過激な描写に加え、独創的なアクションをスタイリッシュに描いたR18指定のアニメを、ハリウッドで実写化した映画『カイト/KITE』。このほど、映画倫理委員会から注意が入り、大幅な修正を余儀なくされたという本作の過激すぎる予告編が解禁となった。原作はクエンティン・タランティーノら多くのハリウッドの映画人たちを虜にした伝説的カルトアニメ。その物語の舞台となるのは、金融危機により崩壊した近未来。そこでは少女たちが“性の奴隷”として人身売買組織に売りさばかれていた。その中のひとりで、幼くして組織に両親を殺された少女・サワは、父の親友であり相棒だった刑事・アカイに暗殺者として育てられ、両親の仇である人身売買組織への復讐を遂行していくのだが…。今回届いた予告編、まず目を奪われるのは、赤髪の少女・サワ役のバイオレンスあふれるアクション、さらに大胆なセクシーシーンだろう。この役を演じているのはインディアン・アイズリーという少女なのだが、まだまだ日本では無名。しかし実は、『ロミオとジュリエット』(’68)などで知られる往年の名女優オリビア・ハッセーの娘で、2014年度の「世界で最も美しい顔100人」の12位にランクインし、いま海外で注目を集めている新星女優なのだ。美しさを兼ね備えた殺人マシーンを演じる少女…これだけ聞くと、『キック・アス』のヒットガール役で一躍スターダムを駆け上がった“クロエ・グレース・モレッツ”を彷彿とさせるが、果たしてこれを機に日本でもブレイクとなるか?『カイト/KITE』は4月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月12日1996年に全米を震撼させたデュポン財閥御曹司による「レスリング五輪金メダリスト射殺事件」を映画化した『フォックスキャッチャー』。これまで『リトル・ミス・サンシャイン』などのヒットコメディで活躍してきたこのスティーヴ・カレルが、自身初のシリアスな怪演を見せるなか、一方で、存命するメダリストの弟を演じたチャニング・テイタムの鬼気迫る熱演も実は批評家から大絶賛をうけている。そんなチャニングの“新境地”とも言えるキャリア最高の演技に注目した。孤独、葛藤、富と名声、心の暗部で繋がれた大富豪とレスリング金メダリストの病的ともいえる心理を鮮烈に描いた本作。カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、第72回米ゴールデン・グローブ賞では「作品賞」「主演男優賞」含め3部門にノミネート、さらには第87回アカデミー賞では「監督賞」「主演男優賞」など全5部門にノミネートされ、世界中で注目を集めている。『ステップ・アップ』『マジック・マイク』など肉体美を披露する作品に多々出演してきたチャニング。しかし今回は“レスリング選手”という役どころ。チャニングは本作に挑むにあたり、できるだけ体を大きくするよう心掛けたという。「マーク・シュルツ本人より体重を増やすことになったんだよ。彼は僕より身長が4インチほど低い。だけど、現在の体重は、僕より重い。つまり彼は僕より横に広いわけで、僕も横に広くならなければいけなかったのさ。そのために、僕は、毎日懸垂をやったよ。そしてタンパク質をたっぷりと摂取するためにどんどん食べなきゃいけなかった。チーズバーガーやビールは避けたけどね」と体重を増やすための苦労を明かした。必要とされるのは体重を増やすだけではない。レスリング選手としてのトレーニングが必要となった。撮影が終わるまで、7か月もの期間を要した今回の肉体改造は、精神的にも彼を強くしていったという。「レスリングは、すごく特殊なスポーツ。この物語にとって最高のメタファーでもある。誰かを相手に奮闘し、自分とも奮闘するんだからね。相手を攻撃し、自衛をしながらも、自分自身とも闘っているのさ。窒息しそうになり、痛みに絶えつつ、そんなつらい状況をいかに自分が乗り切れるのかを見守るんだ。そんな究極の状況に自分を持ち込むことが美しい」と、レスリングというストイックなスポーツについて語るチャニング。外面だけでなく内面からも作り上げた見事な肉体美は必見だ。また、チャニングは本作を含めウォシャウスキー姉弟が監督を務める『ジュピター』やクエンティン・タランティーノ監督、コーエン兄弟監督の映画にも出演が決定しているが、「ちょうどいま、すばらしい人たちと一緒に仕事をさせてもらえるようになってきたと感じている。巨匠からたっぷり勉強する貴重な機会をいただいているよ」と語り、次は「自分で監督もしてみるべきか」と考えていることも打ち明けている。新たなチャレンジに挑み続けるチャニングの“レスリングで闘う強靭な肉体美”と“孤独と闘う危うい内面”、アンバランスな掛け合わせで作り上げた彼の“新境地”をご覧あれ。『フォックスキャッチャー』は2月14日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フォックスキャッチャー 2015年2月14日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) Photo by Scott Garfield(c)MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2015年02月09日毎年冬に開催されるゆうばり国際ファンタスティック映画祭が今年も19日(木)に開幕する。本映画祭は今年で25回目を迎えるが、これまでも様々な若い才能を発掘・発見しており、ゆうばりで注目を集めた監督たちが後に人気監督として活躍している。ゆうばり映画祭その他の写真北海道夕張市で開催されるゆうばり映画祭は、SF、ホラー、ファンタジー、アドベンチャー、アクション、サスペンスなど、イマジネーションとエンタテインメント性豊かなファンタスティック映画を対象とした映画祭で、熱狂的なファンが多く、映画の作り手たちからも支持されているのが大きな特徴だ。本映画祭がスタートしたのは1990年。ジョン・ボイド、アンジェリーナ・ジョリー、ジョゼ・ジョバンニ監督、相米慎二監督、根津甚八、竹中直人を審査員に迎え、ジョリーが映画祭スタッフと一緒にスキーをするなど、観客だけでなく、映画人にも愛される映画祭としてスタートした。その後も塚本晋也監督の新作が好評を集め、『味園ユニバース』の山下敦弘監督、『ヌイグルマーZ』の井口昇監督、『ジョーカー・ゲーム』の入江悠監督、『のぼうの城』の犬童一心監督の初期作品がコンペティション部門で入賞し、注目を集めた。また、1993年にはクエンティン・タランティーノ監督が来場し、移動中の車内で『マッハGOGOGO」を熱唱。滞在中に『パルプ・フィクション』のシナリオを執筆し、後に『キル・ビル』には“GOGO夕張”という名のキャラクターが登場した。他にもロバート・ワイズ、デニス・ホッパー、ロジェ・ヴァディム、チャウ・シンチー、アンナ・カリーナ、トビー・フーパー、ジョニー・トーらが映画祭に来場。夕張の地で、映画人と映画ファンが共に作品を観賞できる貴重な映画祭として愛されており、2007年の夕張の財政はたんの際にも映画ファンと有志によって映画祭は継続された。25回目となる今年も、若い才能が集結するコンペティション部門や、最新作をいち早く楽しめる特別招待作品部門など、多彩なプログラムが用意されている。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭20152月19日(木)から23日(月)まで開催
2015年02月07日日本で生まれ、あのクエンティン・タランティーノや『トリプルX』のロブ・コーエンらハリウッドの映画人たちを虜にした、R18指定の伝説的カルトアニメ「A KITE」が実写映画化。トム・クルーズが惚れ込んだ『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に続く、“日本発”の新たなる近未来SFアクションが誕生することになった。金融危機により崩壊した近未来。そこでは少女たちが性の奴隷として人身売買組織に売りさばかれていた。その中のひとりで、幼くして組織に両親を殺されたサワ(インディアン・アイズリー)は、父の親友であり相棒だった刑事アカイ(サミュエル・L・ジャクソン)に暗殺者として育てられる。彼女の目的は、両親の仇である人身売買組織への復讐。娼婦に成りすまし、一人、また一人と男たちを暗殺していくサワと、犯行現場の証拠隠滅を繰り返すアカイ。そして、サワを影から監視する謎の少年オブリ(カラン・マッコーリフ)。心身ともに傷つきながら、サワは真の標的である組織のボス、エミールへと近づいていくが…。1998年、梅津泰臣が手掛けた原作アニメは、性と暴力の過激な描写に加え、独創的なアクションをスタイリッシュに描き、日本国内に留まらずハリウッドをも席巻。タランティーノら世界的な映画監督・クリエイターの心を鷲掴みにした。少女たちが売買される近未来を舞台に、少女の壮絶な復讐を描く本作の主演を務めるのは、『ロミオとジュリエット』のジュリエット役で知られる往年の名女優オリビア・ハッセーの娘で、2014年「世界で最も美しい顔100人」の12位にランクインし注目を集めるインディア・アイズリー。さらに、彼女を助ける刑事には、ハリウッドきっての“怪優”サミュエル・L・ジャクソン。また、レオナルド・ディカプリオ主演の『華麗なるギャツビー』で若き日のギャツビーに抜擢された期待の若手イケメン俳優、カラン・マッコーリフも共演を果たしている。メガホンを取るのは、数々の大物ミュージシャンのMVを手掛けてきたラルフ・ジマン監督が、出身地である南アフリカで全篇ロケを敢行し、原作の基本的要素を活かしつつも、主人公サワの苦悩と葛藤により深く切り込み、オリジナルの結末を加えて映画化を実現させている。『カイト/KITE』は4月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年01月30日昨年、主演作『The Interview』(原題)の全米公開をめぐって大騒動となったセス・ローゲンが、今度はクリント・イーストウッド監督の『アメリカン・スナイパー』を観た感想のツイートで物議を醸している。セスは18日(現地時間)、「『アメリカン・スナイパー』は、『イングロリアス・バスターズ』の第3章で上映していた映画をちょっと思い出させる」とツイートしたが、これを作品批判だと受け取った人たちから抗議や非難が寄せられたのだ。来月発表の第87回アカデミー賞で6部門にノミネートされている『アメリカン・スナイパー』はイラク戦争で戦った実在の狙撃手、クリス・カイルを描いた作品。一方、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』(’09)には、ユダヤ系フランス人の女性が館主を務めるパリの映画館でナチスのプロパガンダ映画が上映される場面がある。ダニエル・ブリュール扮する主人公はドイツ軍の狙撃兵が演じているという設定だ。セスは19日に「何かが別の何かを“ちょっと思い出させる”と言っただけ。『アメリカン・スナイパー』は好きだ。ただタランティーノの映画のシーンを思い出しただけだよ」「2作を較べたんじゃない。較べるのと思い出すのじゃ、大きな違いがある。リンゴを見るとオレンジを思い出す。でも、この2つを比較することはできない」と弁明をツイートした。確かに、セスのツイートは作品批判ではない。だが、一部のフォロワーが過剰反応し、それがまたネットで拡散して騒ぎになってしまった。セスは「もし、大したニュースがないっていうなら、どうぞこの機会に、勝手に騒ぎを大きくしてください」ともツイートしている。(text:Yuki Tominaga)
2015年01月21日ティム・バートン監督の最新作『ビッグ・アイズ』で名優クリストフ・ヴァルツが強烈な演技を披露し、本年度の映画賞レースでも大きな注目を集めている。本作でヴァルツが演じたのはモダンアート界に大きな影響を与えた画家ウォルター・キーン。しかし、ウォルターは実際には絵をまったく描けない男だった。その他の画像ヴァルツはオーストリアのウィーンで生まれ育った俳優。クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』でランダ大佐役を演じて注目を集め、アカデミー助演男優賞を受賞。その後も『ジャンゴ 繋がれざる者」で再びオスカーを手にし、“007”シリーズの最新作『SPECTRE』に出演することも決定している。そんなヴァルツは『ビッグ・アイズ』で実在の人物ウォルター・キーンを演じた。ウォルターは妻のマーガレットが描く絵画“ビッグ・アイズ”シリーズを「自分が描いた」とウソをつき、巧みな話術で人々をダマしてはのしあがっていく。常にハイテンションで自説をまくしたて、都合が悪くなると言い訳してその場を切り抜け、妻のマーガレットを言葉巧みにコントロールする。どこからどう見てもロクでもない男だが、どこか憎めない側面がある不思議な男だ。バートン監督は本作の製作にあたってまずヴァルツをキャスティングしたそうで「ウォルターについて読んでみると、彼は様々な側面を持った人で、チャーミングだったし、非常に目立つ人で、だけどダークだし、場合によっては、暴力的ですらあった。すごく複雑な人物だったんだ。クリストフはそれをしっかりと表現してくれる俳優だった」と語る。一方のヴァルツは「あらゆる事実から距離を置いた。僕は芝居をしているのであって、ドキュメンタリーを作っているのではなかった」という信念から脚本だけを頼りに、バートン監督に全幅の信頼をおいてウォルター像を築いていったという。軽薄で、調子よく、強欲だが、何かを売り出すことにかけては圧倒的な才能をもつウォルターは本当に“悪人”なのか? ヴァルツのハイテンションだが繊細さを失わない演技によって映画のウォルターは魅力的な人物として描かれているそうで、ヴァルツは早くも本年度のゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされている。最低最悪だが魅力的なウォルターとは一体、どんな人物なのか? 公開が楽しみだ。『ビッグ・アイズ』2015年1月23日(金) TOHOシネマズ 有楽座ほか全国順次ロードショー
2014年12月26日この男、いま世界で最も特異な才能を発揮しているフィルムメイカーかもしれない。スペインの鬼才として名を馳せる監督、アレックス・デ・ラ・イグレシア。唯一無比のオリジナルが存在する彼の作品は世界に多くの熱狂的なファンを持つ。まだ知名度の低い日本でももっと注視したい存在だ。その他の写真ヴェネチア映画祭で監督賞を受賞するなど、数々の受賞歴を持ち、輝かしいキャリアを誇るイグレシア監督だが、そんな自身のステータスや名声にはまったく興味なし。いわゆる作家主義やアート系とはまったくの対極をいくサービス精神溢れる作品を一貫して発表している。その点について本人はこう明かす。「僕としては自分から生まれたアイデアをひとつひとつ形にしているだけ。僕としてはただ自分の作りたい映画を作っているだけだよ」今回同時公開となる2作品でも彼のスタンスは変わらない。『スガラムルディの魔女』では人食い魔女の聖地に迷い込んでしまったドジな強盗団ご一行の必死の逃亡が、『刺さった男』では頭に鉄筋が刺さり動けなくなった元エリート広告マンの運命がとてつもないテンションで描かれる。一見すると奇想天外にして荒唐無稽。でも、そこに現代社会への警報ともとれる痛烈なメッセージが隠されていたりもする。このイグレシア監督ならではの独自の世界観について、彼のミューズにしてパートナーでもある女優のカロリーナ・バングはこう語る。「彼のイマジネーションが反映された脚本には毎回驚かされるわ。役者として言わせてもらうと、彼の脚本は読んだとき、実際に演じているとき、出来上がったものをみたときの3度ともまったく印象が変わるの。だから演者としては役作りをどうとかではなくて。もう彼に身を捧げるしかないのよ(笑)。『スガラムルディの魔女』ではパンクな魔女を、『刺さった男』では主人公を取材しようとする女性記者を演じたけど、どちらも“私はどこに連れて行かれるの?”といった感じだったわ(苦笑)」。一方監督はこう語る。「今回、カロリーナは2時間もワイヤーに吊られっぱなしでいたことがあった。このようにね、僕の作品の撮影はハードで無茶な要求もするから(苦笑)。信頼できる俳優じゃないととてもじゃないけど任せられない。だから毎回同じような顔ぶれが揃うんだ」あのクエンティン・タランティーノも絶賛する才人、アレックス・デ・ラ・イグレシア。その作品世界は体感しないともったいない!『スガラムルディの魔女』『刺さった男』11月22日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて上映取材・文・写真:水上賢治
2014年11月20日あのクエンティン・タランティーノが2013年の私的ベストテン1位に選定し、世界的な脚光を浴びた『オオカミは嘘をつく』。22日の日本公開を前に来日したアハロン・ケシャレス&ナヴォット・パプシャド監督に話を聞いた。その他の写真まず注目すべきは、本作がイスラエル映画だということ。ケシャレス&パプシャドが2010年に放ったデビュー作『ザ・マッドネス/殺戮の森』は、政治色の濃い映画が目立つ同国で初のスラッシャー・ホラーと言われている。2作目の『オオカミは嘘はつく』は、少女殺人事件の容疑者、被害者の父親、悪徳刑事の3人を主人公にしたクライム・スリラーだ。これは単に過激なプロットやバイオレンスを売りにした映画ではない。例えば、序盤に被害者の首なし死体が発見される設定にも、描きたいテーマや感情を効果的に表現するための確かな狙いがある。「この映画のモチーフは“目には目を”の復讐だ。父親と刑事に容疑者をとことん追いつめる動機を与え、これがいかに重大な事件かを観客に感じさせたかった」(パプシャド)。「愛する我が子を失った遺族にとっては、首がなくては通常の葬儀さえ行えず、まったく心の慰めが得られない。それほどまでに強い悪意を持つ犯人なんだ。“首がない”理由を、こうして日本で説明できて嬉しいよ(笑)」(ケシャレス)。はたして3人のうち、最も凶暴な“オオカミ”は誰なのか。地下室を舞台にした濃密な心理戦に引き込まれた観客は、予測困難な展開とクライマックスの衝撃的などんでん返しに息をのむはめになる。ケシャレスいわく「3人の誰かの身に起きた悲劇が、他の人物にも起こる。そんな“血の循環”がめぐりめぐって意外な形で閉じる、という構成にしたかった」。パプシャドが付け加える。「これは“執着”についての映画でもある。登場人物は職務や復讐に執着しすぎて、普通の日常と大切な家族を失ってしまうんだ」。本作の成功をきっかけにハリウッド進出が決定したふたりは、ジョニー・トー監督作品『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』のリメイクを手がける予定だという。「コーエン兄弟の方向性を見習って、僕らもSFやコメディなど多彩なジャンルに挑戦していきたい」(ケシャレス)。イスラエルから世界へ、その確かな一歩を踏み出した才能から目が離せない。『オオカミは嘘をつく』11月22日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
2014年11月14日「パルムドールを受賞して、確かに人生が大きく変わったわ。でも、女優として10年歩んだ積み重ねがあるからこそ、より幅広いチャンスに恵まれるようになったんだと思うの。今回、『美女と野獣』のベルを演じたおかげで、街で子どもに声をかけられることも増えたのよ」。『アデル、ブルーは熱い色』で女優として史上初めて、カンヌ国際映画祭で最高賞の「パルムドール」を受賞。数々の話題作に出演する一方で、「PRADA(プラダ)」の新作フレグランス「PRADA CANDY FLORAL (プラダ キャンディ フロラーレ オーデトワレ)」の広告モデルを務め、ファッションアイコンとしても注目を浴びるのがフランス生まれの女優、レア・セドゥだ。来年クランクインが予定される『007』シリーズの最新作『Bond 24』(原題)で、ボンドガールにも決定した彼女が、フランスで語り継がれる永遠のファンタジーを実写映画化した『美女と女優』でヒロインのベルを演じている。公開を前に約2年ぶりの来日を果たし、インタビューに応じた。ディズニー長編アニメでも知られる『美女と野獣』だが、もとは18世紀にフランスで生まれたおとぎ話が原作。母国では1946年に芸術家のジャン・コクトーが映画化しており、「私にとっても、コクトー版はインスピレーションの源になったわ。違いがあるとすれば、今回私が演じたベルは愛を発見することで、少女から大人への成長を遂げる点。自分自身で運命を切り開こうとする姿もとてもモダン的だと思うわ」と語る。さらに「私はベルが強い意志をもった女性であってほしいと願った。運命に流されるのではなく、野獣と対等な存在にしたかったの」とも。そんな思いは、役柄を飛び越えて、彼女自身の仕事に対するスタンスにも色濃く反映されている。「作品選びのキーになるのは、監督ね。題材や役柄、共演者も大切だけど、やはりどんな監督と仕事できるかが最も重要な要素だわ」。野獣を演じるのは、フランスを代表する国際派スターのヴァンサン・カッセル。レアにとっては世界を舞台に活躍する“先輩”でもある。「彼とはキャリアについて話をしたわ。ちょうどこの作品を撮っている頃は、多忙を極めていたの。そんな私にヴァンサンは『そろそろバカンスを取ったら?』って言ってくれた。ただ、いまは彼の方が働き過ぎかもしれないけれど(笑)。現場での彼は本当に冗談好きで、何度も笑わされた。バカンス?去年のクリスマス休暇にモロッコに行ってきたわ」と共演をふり返る。「野獣はもちろん、家族のなかで孤立しているベルもまた、アウトサイダーなの。そんな2人が結びつくのが今回の『美女と野獣』のユニークな魅力ね。私もどこか夢見がちで、想像上のお友だちと遊んでいるような子どもだった。周りからはちょっと浮いていたかもね。ベルを演じるということはとても光栄だし、すぐさま私のための映画だと確信したわ。魅惑的なヒロインが、愛を見つけるために冒険に繰り出すなんて、とっても素敵だもの」。■レア・セドゥ1985年7月1日、フランス・パリ生まれ。セザール賞にノミネートされた『美しいひと』(’08)で注目を浴びた後、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』、リドリー・スコット監督の『ロビン・フッド』、トム・クルーズと共演した『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』といったハリウッド大作で存在感を発揮。ブノワ・ジャコー監督の『マリー・アントワネットに別れをつげて』で再びセザール賞候補となり、ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』、本年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『イヴ・サンローラン』、レイチェル・ワイズと共演する“THE LOBSTER”など話題作への出演が相次いでいる。『美女と野獣』は11月1日(土)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(photo / text:Ryo Uchida)■関連作品:美女と野獣 2014年11月1日よりTOHOシネマズスカラ座ほか全国にて公開(C) 2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTIONACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMS
2014年10月27日日本人女性のイメージと言えば、黒くつややかなストレート。クエンティン・タランティーノ監督が「キル・ビル」で日本の女子高生のステロタイプとして選んだのも、黒髪ロングのストレートだった栗山千明さんでした。しかし、昨今では海外のセレブやITガール人気によるブロンドや赤毛、シーパンクというストリートカルチャーの影響にある青系ロングなど、およそ日本人の色素にはないカラーや髪型が花盛り。そんな状況を海外の人たちはどう見ているでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に「日本人の髪型でかっこいい、かわいいと思うものは?」と質問してみました。■女性の黒髪ロングストレートがきれいでかっこいいと思います。(イタリア/30代後半/女性)■ロングストレート。(ブラジル/50代前半/女性)■日本人形のような前髪をパツンと切った漆黒のストレートヘア。(スリランカ/50代後半/男性)■女性の伝統的な髪形が落ち着いていてきれいです。(ロシア/20代後半/女性)■伝統的なスタイルが好き。(スペイン/30代後半/男性)■女子の前髪が特にかわいい。男子の短い髪もかっこいい。(オーストラリア/40代前半/男性)■ボブスタイル。(イギリス/40代後半/男性)1972年にパリコレモデルとしてアジア人で初めて起用され、日本人ブーム巻き起こした故・山口小夜子さんがまさにこのスタイル。涼しげな目元に黒髪のおかっぱ姿で資生堂の専属モデルとして活躍、世界的な化粧品メーカーへと押し上げた立役者でもあります。現代では冒頭に書いた栗山千明さんやモデルの秋山梢さんなどがその系譜。奥ゆかしさなども感じさせるため、マンガなどでは美少女の代名詞に使われることが多い髪型です。■女性の巻き髪がかわいいと思います。(中国/30代前半/女性)■女性の巻き髪がかわいい。(インドネシア/30代前半/女性)こちらは現代日本を象徴する髪型。関西・名古屋圏で人気があった巻き髪が雑誌「小悪魔ageha」を介してギャルに浸透して以降、巻き方に微妙に違いはあるものの、コンサバOLやオタク系女子など、幅広い層の女性の人気を集めています。また、このブーム以降、自宅でカールできる家庭用ヘアアイロンの販売数が一気に増加、若い女性の必需品となりました。■レイヤーの髪型。(インドネシア/30代後半/男性)■ポニーテールがかわいい。(韓国/40代後半/男性)■女性の髪型のアレンジが非常に気になる。(ベトナム/30代前半/女性)■女の子の髪型はかわいいと思います。美容室に行く回数はスウェーデン人よりはるかに多いです。(スウェーデン/40代後半/女性)ポニーテールはもちろん、編み込みやカチューシャなどのヘアアクセサリーを活用したアレンジなど、街を歩く女性の髪型には確かにさまざまなバリエーションがあります。日本人は手先が器用なのかもしれませんね。メイクやネイル同様、凝ったアレンジは外国人女性の興味も惹く力があるようです。■ワックスを使ったマンガチックな髪形がかっこいいです。長い黒髪も素敵です。(フランス/30代後半/男性)■パンチパーマ(アメリカ/30代後半/男性)独特な視点の回答です。「ワックスで固めたマンガチックな」という表現からするに、恐らくヴィジュアル系かホスト系のような髪型でしょうか。一方、短い髪を細いコテで巻く「パンチパーマ」も日本ならでは。主に男性向けのヘアスタイルですが、どちらも女性に負けず劣らずの時間(と情熱)を要するスタイルです。そんな部分が、外国人の方々の興味を惹くのかもしれません。■ない。みんな髪を伸ばしすぎ。(シリア/30代前半/男性)昭和時代の男性の髪型は七三分けやオールバックの短髪が普通でしたが、今はそれほどではなくなりましたね。1970年代のフォークソングブーム以降、長い髪の男性が増えましたが、現代では美容室に通う男性が増えたこともその理由と言えそうです。このアンケートでは特に男女どちらと指定はしていなかったのですが、女性への髪型に関する回答が多くあつまり、黒髪ストレートの人気と評価の高さを再確認することになりました。日本人の髪に多い色で、奥ゆかしさや神秘性を感じさせるからかも? オシャレさんの間では「明るい髪色も満足したし、そろそろ黒髪に……」という流れもあるようですし、普段は髪を染めている人も、一度挑戦してみてはいかがでしょう。
2014年06月05日5月25日(現地時間)、第67回カンヌ国際映画祭が閉幕した。今年は最終日の25日が欧州議会の選挙にあたるため、24日に授賞式が行われ、25日に改めて「パルムドール(最高賞)」を受賞したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『ウィンター・スリープ』が上映されて幕を閉じる、という変則的な日程となった。しかし、「パルムドール」を獲ったジェイラン監督よりも、目立っていたのがトロフィーを渡したクエンティン・タランティーノ。レッドカーペットでユマ・サーマンと踊りまくっていたタランティーノは今回、新作の上映ではなく、閉幕作品『荒野の用心棒』50周年記念修復版のプレゼンター、および自身が20年前に「パルムドール」を受賞した『パルプ・フィクション』の20周年記念上映のためにカンヌにやってきた。『荒野の用心棒』は1964年に、イタリアのセルジオ・レオーネ監督による元祖マカロニ・ウェスタン(イタリアで製作された西部劇)であり金字塔。主演のクリント・イーストウッドは、タランティーノが「パルムドール」を受賞した第47回の審査委員長でもあり、タランティーノにとってはもっとも愛する映画の1本だという。公式会見で「一番好きな映画は『バトル・ロワイヤル』だと言っていませんでしたか?」と突っ込まれたタランティーノは、「『バトル・ロワイヤル』はこの20年間で最高の映画だ」と返答し、「『荒野の用心棒』はマカロニ・ウェスタンを生んだ作品というだけでなく、すべてのアクション映画の元祖なんだ」と力説した。今回はデジタル修復版での上映だが、タランティーノは「デジタル化は“映画の死”を意味すると思っている。デジタル上映を観るのは、家で大きなテレビを観ているのと変わらない」と発言。これはかなり波紋を呼び、翌日の新聞の見出しを飾っていた。また、『パルプ・フィクション』はビーチでの野外上映が無料で行われ、タランティーノはジョン・トラボルタとユマ・サーマンと共に舞台挨拶を行い、集まった観客たちは大歓声をあげていた。(photo / text:Ayako Ishizu)
2014年05月27日日本の映画シーンでは、2013年は宮崎駿監督のスタジオジブリ作品『風立ちぬ』が圧倒的な強さを見せつけましたよね。興行収入では2位以下が2ケタ億円なのに、この作品だけは3ケタ億円をマーク。まさにひとり勝ちといった様相でした。そんな宮崎監督が引退宣言(3年ぶり5回目)をした映画界、2014年は誰がヒットメーカーとなるのでしょう。歯に衣きせぬトークが好評!芸能人もこぞってアドバイスを受けに行くという辛口鑑定師・魚ちゃんをはじめ、テレビや雑誌でもおなじみの人気占い師100人が大胆予想。今年大ヒット映画を作る強い運勢を持つ映画監督のランキングがこちらです!【今年大ヒット映画はこの人が作る!映画監督ランキング】1位園子温2位若松節朗3位ヴィム・ヴェンダース4位三木聡5位行定勲6位ガイ・リッチー7位ジョン・カーペンター8位ヴィンセント・ギャロ9位クエンティン・タランティーノ10位是枝裕和映画は国内だけでなく、世界にも市場が広がっています。世界的大ヒットを飛ばすことを考えると、やはり英語圏の監督のほうが言語の壁がないぶん有利かもしれませんね。3位に『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ベンダースさん、6位に『スナッチ』のガイ・リッチーさん、7位はゴジラとAKB48の大ファンとしても知られる『遊星からの物体X』のジョン・カーペンターさん、そして8位に個性派俳優であり監督しても非凡な才能を見せつける『バッファロー’66』のヴィンセント・ギャロさん、9位は『キルビル3』に期待がかかるタラちゃんことクエンティン・タランティーノさんがランクインしています。すでに世界的な大ヒットを飛ばしている海外の監督たちに対抗することになる、日本映画界期待の星々。そのトップバッターとして最高の運勢の持ち主とされるのが、1位に輝く園子温監督です。現在52歳の園子温監督は、いわば早熟の天才タイプ。17歳の頃から『現代詩手帖』などに投稿し、自主制作映画でぴあフェルムフェスティバルのグランプリを受賞、そしてベルリン国際映画祭に正式招待されるなど、国内国外を問わずに活躍しています。海外評価がとても高いのが特徴ですから、運気の強さを味方につけて、世界的な監督として名を挙げることになるかもしれません。これまで『自殺サークル』、『奇妙なサーカス』、『愛のむきだし』など実験的ともいえる作風で映画ファンのハートをわしづかみにしてきた園監督ですが、今後はどのような作品を生み出していくのか期待が高まります。☆占い師さんからのコメント・自身の世界をアピールするのに絶好のチャンス期です。ちょっとマニアックな作品であっても、大きく評価されたり、受け入れられたりするでしょう。テレビでの活動を増やされるとより良い作品を作れそうです。家族を大切にしないと、仕事に影響が出てきそうですので、注意して下さい。(生田目浩美.先生│改運 姓名術)・今年は、勢いよく急成長するというよりも、これまでの実績を具体化して安定した形にしていくことで、大きく不動のものとなる。といった運気です。人と協調していく事は、先天的に能力は高いのですが、心の中の頑固さのようなものが表面化しますと、今の支援者は離れていくことも有りそう。しかしまた別の方の協力を得られるという徳運は、守りたいところです。(山倭厭魏先生│運命矯正鑑定)世界的に有名な監督が名前を連ねる中、特に気になるのは、2013年に亀梨和也さん主演の『俺俺』でウディネ・ファーイースト映画祭(イタリア)の観客賞を受賞した3位の三木聡監督です。イタリアのみならず、アメリカ、台湾、ロシアにシンガポールでも同作が公開され、世界的にも評価が高まっているところ。脱力系と称される独特のノリと不条理な展開、その中に感じられる「日本らしさ」が高評価のポイントのようですね。今年はクールジャパンはアニメだけじゃないんだと世界に知らしめてほしいものです。でも、宮崎駿監督がまた復帰しそうな気がするんだよなぁ…(笑)。(文=総合占術研究家橘のえる)100人の占い師が2014年の運勢を大予想!「2014年cocoloni超運ランキング」
2014年01月06日6月26日(現地時間)カリフォルニア・バーバンクにて、優れたSF、ファンタジー、ホラーの映画、TVに与えられる「第39回サターン賞」の授与式が行われた。全20部門ある映画部門の賞のうち、『アベンジャーズ』が、最優秀SF映画賞、最優秀助演男優賞(コールソン役クラーク・グレッグ)、最優秀監督賞(ジョス・ウェドン)、最優秀特殊効果賞を受賞、主要部門4つを独り占め状態となった。またTV部門においては、日本でも話題の「ブレイキング・バッド」が、最優秀プレゼンテーション賞、最優秀助演男優賞(マイク役ジョナサン・バンクス)、そして最優秀男優では、主役のウォルター役ブライアン・クランストンが、「ザ・フォロイング」のケビン・ベーコンと並んで最優秀男優賞を同時獲得と賞を席巻した。来年はどのような映画やTVドラマが顔を揃えるのだろう。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞と違った視点の賞だけに、特に海外ドラマ通には興味津々かもしれない。「第39回サターン賞」受賞一覧映画部門最優秀SF映画賞:『アベンジャーズ』最優秀ファンタジー映画賞:『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』最優秀ホラー/スリラー映画賞:『キャビン』最優秀アクション/アドベンチャー映画賞:『007スカイフォール』最優秀男優賞: マシュー・マコノヒー(『Killer Joe』(原題))最優秀女優賞:ジェニファー・ローレンス(『ハンガー・ゲーム』)最優秀助演男優賞: クラーク・グレッグ(『アベンジャーズ』)最優秀助演女優賞: アン・ハサウェイ(『ダークナイト ライジング』)最優秀若手俳優パフォーマンス賞: スラージ・シャルマ(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)最優秀監督賞: ジョス・ウェドン(『アベンジャーズ』)最優秀脚本賞: クエンティン・タランティーノ(『ジャンゴ繋がれざる者』)最優秀プロダクションデザイン賞:『ホビット思いがけない冒険』最優秀編集賞:『クラウド アトラス』最優秀音楽賞:『フランケンウィニー』最優秀衣装賞:『レ・ミゼラブル』最優秀メイクアップ賞: 『クラウド アトラス』最優秀特殊効果賞:『アベンジャーズ』最優秀インディーズ映画賞: 『Killer Joe』(原題)最優秀インターナショナル映画賞: 『Headhunters』(原題)最優秀アニメーション映画賞:『フランケンウィニー』テレビ部門最優秀ネットワークTVドラマシリーズ賞:「レボリューション」最優秀ケーブルTVドラマシリーズ賞:「ウォーキング・デッド」最優秀プレゼンテーション賞:「ブレイキング・バッド」最優秀若者向けTVドラマシリーズ賞:「Teen Wolf」(原題)最優秀TVドラマ主演男優賞: ブライアン・クランストン(「ブレイキング・バッド」)&ケビン・ベーコン (「ザ・フォロイング」最優秀TVドラマ主演女優賞:アナ・トーヴ(「フリンジ」)最優秀TVドラマ助演男優賞: ジョナサン・バンクス(「ブレイキング・バッド」)最優秀TVドラマ助演女優賞:ローラ・ホールデン(「ウォーキング・デッド」)最優秀TVドラマゲスト出演賞: イヴォンヌ・ストラホフスキー(「デクスター~警察官は殺人鬼」)TM&(C) 2012 Marvel & Subs.(text:Mieko Nakaarai)■関連作品:アベンジャーズ 2012年8月14日より全国にて公開TM&(C) 2012 Marvel & Subs.007スカイフォール 2012年12月1日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開(C) 2012 Danjaq, LLC, United Artists Corporation,Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 2013年1月25日よりTOHO シネマズ日劇ほか全国にて公開(C) 2012 Twentieth Century Fox
2013年06月28日アカデミー賞作品賞ノミネートの最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』を携えて来日中のクエンティン・タランティーノ監督が2月15日(金)、都内で行われた記者会見に出席し作品への熱い思いを語った。ジェイミー・フォックスにクリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオら豪華スターを擁し、黒人で元奴隷の身でありながら賞金稼ぎとなって白人への復讐と愛する妻の奪還を誓う主人公・ジャンゴの戦いを描く。拍手に迎えられて登場したタランティーノは「なぜいまの時代に西部劇を?」という問いに「映画を作り始める前からいつか西部劇をという思いは持っていたんだ」と明かす。「いままでの『イングロリアス・バスターズ』や『キル・ビル』でも西部劇的な要素を踏襲していたけど、今回は100%の西部劇。単なる西部劇でなく、これまで触れられることがなかった奴隷制度を描こうと決めたんだ」と語った。黒人のジャンゴとドイツ人の元歯科医のシュルツのコンビが次々と賞金首を討ち取っていくさまは痛快!ジェイミーとクリストフについて「2人は役者としても人間としても全く個性が違うタイプ」と語る。そして「撮影が進む中で『この2人のコンビはすごいぞ』と思ったのが、日ごとの撮影シーンが映された映像を見たときだね。極上のマジックだと感じたよ。『明日に向って撃て!』のサンダンスとブッチに続く最高のウエスタンコンビが誕生したと思ったよ」と称賛を送る。さらにディカプリオが、奴隷農園の“王”として初めて本格的な悪役を演じていることも話題を呼んでいるが、このキャンディという役を当初の脚本では60代くらいの男に設定していたという。「脚本を読んだ彼から会いたいと連絡があって話を聞いたんだけど、いろんなアイディアを聞いて『これはもっと若くした方が面白いかも』と思ったんだ。悪の“帝王”よりも(もっと若い)カリギュラやルイ14世のように手に負えない“王子”にした方がいいんじゃないかってね。実際の演技は見事としか言いようのない素晴らしいものだったよ。彼は作品を背負える世界有数のスターであるけど、同時に素晴らしいキャラクター俳優でもあるんだ。役に埋没してレオ自身の面影が見えなくなるほどで、特にハンマーを手にするところは空恐ろしさすら感じたよ」と称えた。愛する妻を取り戻すという恋愛要素も取り入れた本作。「復讐のための復讐にしたくなかった。ジャンゴを動かすもの、それは愛なんだ!」と語り、大好きな日本映画『仁義なき戦い』(深作欣二監督)を引き合いに“仁義”について熱弁をふるう。「英語では説明しづらい言葉だけど、深作監督に定義を聞いたら『世界で一番したくないことだけど、しないではいられないこと』と言われた。やっと自由の身になった男が逃げ出したはずの地獄に再び戻る。愛する女性をこれ以上奴隷のままでいさせることはできないから。それが“JINGI”なんだ!」。初めて脚本・監督を手がけた『レザボア・ドッグス』から約20年が経つが、本作は興行的にもキャリア最高の勢いで世界中で観客を動員している。タランティーノは「自分の“アレ”を差し出すような思いで常にリスクを背負いながら映画を作り続けているよ(笑)」と最後は下ネタを交えつつ映画作りへの情熱を熱く語り、報道陣からは拍手がわき起こった。『ジャンゴ 繋がれざる者』は3月1日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジャンゴ繋がれざる者 2013年3月1日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開第85回アカデミー賞 [アワード] 2013年2月24日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催
2013年02月15日米アカデミー賞で5部門にノミネートされた、クエンティン・タランティーノ監督の新作『ジャンゴ 繋がれざる者』の日本公開を前に、12日、新宿ロフトプラスワンで公開記念イベント“~情無用の血斗ナイト~”が開催され、サプライズゲストとしてタランティーノ監督が登場し、会場を沸かせた。その他の写真会場には、わずか10分で完売した本イベントのチケットを手にすることができたタランティーノを愛する150名の観客が来場。映画評論家の町山智浩氏ら映画玄人たちがタランティーノ談義を繰り広げる中、突然タランティーノ監督が姿を現すと、場内は大歓声に包まれた。タランティーノ監督は、先日行なわれた英国アカデミー賞授賞式に参加し、その足で来日。英アカデミー賞では、クリストフ・ヴァルツが助演男優賞を、タランティーノ監督が脚本賞を受賞。その喜びと共に、日本のファンから熱烈歓迎を受けた。質疑応答でファンから「サミュエル・L・ジャクソンの“マザー・○ァッカー”が、今回も聞けたけど、あれは脚本に書いてあるんですか?」と聞かれると、タランティーノ監督は「脚本にも入れているし、サミュエルもアドリブで入れてくる。サミュエルを前に言うなとは言えないよね!」と答え、場内を爆笑させた。更にファンから「タランティーノ自身が、一番おいしい役で本編に登場していて、他の役者に罪悪感はなかったか」と質問されると、「僕の出演シーンは役者には危険すぎて、自分がやるしかなかったんだ。スタントマンならOKだけど、役者にはできないシーンだよ。僕があの役をやることは、プロデューサーにも秘密だったんだ(笑)」と自慢げに答えた。『ジャンゴ…』は、19世紀のアメリカ南部を舞台に、賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)によって自由を得た主人公ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)が、はなればなれになってしまった妻ブルームヒルダを救いだすべく、極悪非道な農場主キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)と壮絶な戦いを繰り広げる姿を描いている。『ジャンゴ繋がれざる者』3月1日(金)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2013年02月13日『レ・ミゼラブル』が、25日のクリスマスに北米公開された。この日1日の売り上げは、予測を大きく上回る1800万ドル。ミュージカル映画のオープニング成績としては、史上最高だ。その他の写真日本や韓国でひと足先に公開となった『レ・ミゼラブル』は、舞台ミュージカルの知名度が高いこともあり、北米でも公開前からヒットが予測されていた。公開前の前売りチケットの売り上げも2009年の『シャーロック・ホームズ』を抜いて最高記録を打ち立てていたが、公開日の興行成績は、それをさらに上回るものとなった。クリスマスの興行成績としては『シャーロック・ホームズ』に次いで史上2位、週末に重ならないクリスマスの興行成績としては1位。上映時間が2時間38分もあり、回せる回数が少ないことを考慮すると、さらなる快挙と言える。この日映画を観た観客に調査したところ“A-”とすばらしく、口コミ効果でこの後も堅調に売り上げを伸ばすことが予想される。『レ・ミゼラブル』に次いで2位に輝いたのは、やはりクリスマス公開となったクエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』。こちらも予想以上の成績で、観客に調査したところ“A-”となっている。文:猿渡由紀
2012年12月27日1月公開のSF大作『LOOPER/ルーパー』で、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じる主人公の“30年後”を演じたブルース・ウィリスのインタビュー映像が公開された。若い主人公の30年後を演じられる年齢になってもなお、新鮮さを失わないウィリスが自身のキャリアや作品選びについて語った貴重な映像だ。インタビュー映像本作は、未来からタイムループしてきた標的を抹殺する暗殺者“ルーパー”のジョー(レヴィット)が、ターゲットとして“30年後”の自分(ウィリス)に出会ったことから始まるSFアクション。強烈な個性をもつ主演ふたりの激突や、物語の背後に潜む数々の謎が物語の進行と共に明かされていく巧みな語り口が高い評価を集めている。ブルース・ウィリス、57歳。ベテランといってもいいキャリアを誇る彼のフィルモグラフィーは、同年代の俳優と比較しても相当にバラエティに富んでいる。彼の代名詞と言ってもいい『ダイ・ハード』シリーズをはじめとして、『アルマゲドン』『シックス・センス』などウィリスの出演作は圧倒的な興行成績を記録しており、今年も“エクスペンダブルズ”の一員として大暴れするなど、アクション俳優としても人気を博している。その一方で彼は、クエンティン・タランティーノ、ケヴィン・スミス、ウェス・アンダーソンら気鋭の映画作家たちの作品にも出演し、“殺しても死なない男”とはほど遠い役も見事に演じている。インタビュー動画でウィリスは「常に物語の新しい語り口を探してるんだ。同じことばかりやってたら誰も見なくなる。年齢と仕事の質は関係ないと思う。何をするにも脚本がよければ」と語る。そんなウィリスが「物語がよく書けていて素晴らしい出来だった」と評価するのが本作『LOOPER/ルーパー』だ。彼は脚本も執筆したライアン・ジョンソン監督についても「彼の作品は全部観ている。彼は すごく用意周到で構想が明確なんだ。セリフひとつとっても、細かくて、小さな言葉にも意味がある。今まで何本かSFをやったことがあるが、『LOOPER/ルーパー』はかなり優れてる。これは飛び抜けていい脚本だと思う」と評する。ちなみに演じる上でウィリスが重要視しているのは“正直”さだそうで、「政治家を演じろと言われたら、おそらくうまくできないだろう。でも愛する者を奪われてその人を取り返そうとする男なら想像しやすい」という。キャリアを重ね、名声を得てもなお、役と正直に向き合い続けるウィリスが新作『LOOPER/ルーパー』でどんな男を演じるのか気になるところだ。『LOOPER/ルーパー』2013年1月12日(土)公開
2012年12月26日