突然ですが、皆さんが一番好きなジブリ映画は何ですか? 『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』『天空の城ラピュタ』など、いろいろな答えが聞こえてきそうですね。 すでに子ども時代を過ぎ、大人になった私たちにとってジブリ映画の面白さって何だろう?改めてそう考えてみると、幼い頃に感じたワクワク感はもちろんそうですが、大人になった女子の感性にもガンガン響く要素があるんじゃないかと思うのです。例えば、さまざまな経験を経て、大人になった今だからこそ、登場人物たちのセリフがズーンと胸に響くなんてことも。今回は、そんな印象的なセリフにも注目しながら、ジブリ映画の魅力を紹介していきます。 1991年公開の『おもひでぽろぽろ』は、個人的に大好きな作品で、見直すたびにつくづくよくできたドラマだと感じる名作です。物語は、東京都内で働く27歳のOL・タエ子が、夏季休暇をとって山形旅行へ出かけるところから始まります。この旅行をきっかけに、タエ子の心の中に、小学生時代の思い出が次々とよみがえってきます。本作は、現在のタエ子の姿と、小学5年生のタエ子の思い出を交錯させながら、27歳の女性の心境を多彩なエピソードとともに描いています。 『おもひでぽろぽろ』(高畑勲監督/1991年公開)© 1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH 27歳OLのタエ子と小学5年生のタエ子本作の面白さは、主人公・タエ子のどこか懐かしくて、おかしいエピソードにあります。小学生時代の楽しかった思い出や苦い思い出。今思えば、どうしてあんなことに一喜一憂していたのだろうというような、小学生の悲喜こもごもは、まさにかつて私たちが体験した思い出と重なり、懐かしいやら恥ずかしいやらで共感が止まりません。映画冒頭のシーンで、会社で休暇届を提出するタエ子。海外旅行ではなく、山形の田舎を旅行するという彼女を、上司は珍しがります。それに対し、「田舎に憧れてるんです」と明るく答えるタエ子。彼女はこの言葉をきっかけに、小学5年生の夏休みのことを思い出します。幼い頃、遠くの田舎に遊びに行く友人たちが羨ましくて仕方なかったこと。回想シーンで描かれるのは、「ねえねえ、うちには田舎ないの」と何度も母にたずね、駄々をこねる小学生・タエ子の姿。周りの友人と自分を比べてやたら羨ましがる姿は、大人になって振り返ると滑稽ですが、小学生なりにそれが一大事だったあの頃。本作は、そんな忘れかけていた子ども時代の記憶の描き方が秀逸なんです。 ★印象的な名セリフ「体育休む子はみんな生理だって思われちゃうじゃない」「やっぱり果物の王様はバナナね」etc.そして数々のエピソードを彩る名セリフの数々!上記のちょっぴり衝撃的なセリフは、小学5年生のタエ子が、クラスの女子だけを集めて行われる保健の授業後に発したもの。ほかにも、当時はまだ珍しかったパイナップルを、家族全員でワクワクしながら食べるシーン。パイナップルを食した姉たちが「やっぱり果物の王様はバナナね」と言うに至る顛末は、時代性とともに家族の思い出を生き生きと描写しています。さらには、小学5年生のタエ子が、少し年の離れた姉たちと交わす会話がとてもリアル。妹のわがままさ、年の離れた姉のこざかしさに、“あー、こういうのあったあった!”と共感するのは、私だけではないはず。家族で外食に行くことになったタエ子が、お出かけ用にエナメルのハンドバッグを、姉に貸してほしいとねだるシーン。「ハンドバッグがないんだもん」と散々ごねたあげく、結局「あたし行かない」とすねるタエ子。姉妹ならではのこのやり取りがあまりにもリアルで、個人的には胸がえぐられるようにズキズキしてしまいました。 楽しかった記憶も苦い記憶も、ひっくるめて今の自分があるこの作品が大人女子の心にじんわり染みるのは、幼い頃の楽しい記憶だけでなく、つらかった思い出や、思い通りにならなかった願望もすべてひっくるめて描いているからだと思います。そして、幼い頃の経験や記憶が、やがて大人になった自分の考え方を形成しているという事実も。貴重な夏季休暇を使い、わざわざ山形の田舎で農作業に励む27歳のタエ子。彼女が心の中にあるモヤモヤを見つめ直すには、幼い頃の記憶に立ち返ることが必然だった。そして映画の終盤、上っ面だけを見て田舎の良さを絶賛していたタエ子は、“田舎に嫁に行く”という現実的な選択肢を突き付けられるのですが……。30歳前後の心境の変化…。例えば、いったん仕事を辞めて息抜きしてみたかったり、がらりと環境を変えてみたくなったりするのは、わりとよくあることではないでしょうか。でも結局のところ、自分自身の性格が大きく変わることはなくて、欠点を受け入れながら、続きの人生を踏み出すほかない。夢見るばかりではいられない大人になったからこそ、この物語は余計心にしみるのかもしれません。爽やかな季節の到来とともに、ぜひぜひオススメしたい作品です。 【DVD発売情報】 『おもひでぽろぽろ』(高畑勲監督/1991年製作)【発売元】 ウォルト・ディズニー・ジャパン【価格】4700円(税別)© 1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH
2018年04月21日映画界の生けるレジェンド、スティーブン・スピルバーグが、世界中で大旋風を巻き起こしている監督最新作『レディ・プレイヤー1』(4月20日公開)を携えて日本に降臨! 『宇宙戦争』(05)以来13年ぶりの来日を果たしたスピルバーグ監督が、インタビューで日本への愛を語ってくれた。これまで『A.I.』(01)や『マイノリティ・リポート』(02)など、最新テクノロジーの脅威をエンターテインメントに落とし込み、警鐘を鳴らしてきたスピルバーグ監督。今回は観る者がVR(バーチャル・リアリティー)ワールドを体感できる、規格外の映画を打ち出した。ゴーグルをつけ、自分の夢を叶えられる場所“オアシス”へ逃避する若者たち。彼らが天才創設者の遺言に仕掛けられた3つの謎と、56兆円という莫大な財産を巡る世界規模の争奪戦にトライする。本作はすでに、アメリカ、フランス、スペイン、中国など各国でメガヒットを記録している。○三船敏郎をアバターに起用した理由――森崎ウィン演じるダイトウのアバター・トシロウが三船敏郎さんという点が面白かったです。三船さんはスピルバーグ監督の『1941』(79)にも出演されていますが、今回アバターに起用された理由を聞かせてください。アメリカの観客にとって、三船敏郎といえば黒澤明監督、黒澤明監督といえば三船敏郎なんだ。僕はお二人の映画では『蜘蛛巣城』(57)が大好きだよ。三船さんが1977年にLAに来た時、僕の監督する『1941』にぜひ出てほしいとオファーして、出てもらったよ。そういう交友関係があったので、今回は息子さんに許可を得て、アバターとして出演してもらうことになったんだ。○スピルバーグ監督のお宝が劇中に!?――VRのゴーグルをつけてないのに臨場感たっぷりの映像が楽しめました。何か観客を魅了させるトリックを使ったのですか?ものすごい褒め言葉だね。トリックはないけど、あるとしたらストーリーが良かったことじゃないかな。また、アバターが実写の人間と同じくらいリアルなところがいいんじゃないかと。本作は今まで手掛けてきた中では技術的に一番複雑な映画で、制作に3年もかかってしまった。僕の監督作の中では一番時間を掛けたのが『未知との遭遇』(77)で、本作は2番目に長くかかった映画となった。アーネスト・クラインの原作はもちろん、ザック・ネンの脚本も素晴らしかった。僕は3年間、ずっとザックと話し合ってきた。今回は僕と同じくらい想像力に長けた人たちと組んで、オアシスのイメージを伝える手伝いをしてもらったよ。観客に、バーチャルワールドにいるような感覚を味わってほしかったから。――VRの中でお宝を探していきますが、監督ご自身がこの映画に隠したお宝映像はあるのでしょうか?あるよ。今は言えないけど、僕とすごく親密なものを発見できるんじゃないかな。ILMが特殊効果をやってくれたんだけど、彼らが僕を驚かせるためにイースターエッグをいろんなところへ入れてくれたんだ。ある時、エフェクトの作業中にグレムリンが走っていく姿を見つけたよ(笑)。それは一瞬の出来事だった。どうやらそれは僕へのサプライズで、本当は見つけちゃいけなかったけど、驚かされちゃったよ。○最新テクノロジーへの危機感――スピルバーグ監督は、これまで最新テクノロジーをテーマに、それがもたらす夢と共に脅威も描いてきました。今、現実世界において未来に期待しているテクノロジーと、危惧しているテクノロジーについて教えてください。『ジュラシック・パーク』(93)などは、まさに最新テクノロジーがあったからこそできた映画だ。僕が少し恐れているのは、ロボット工学における感覚をもつロボットかな。AIがどんどん発達しているから、人間より賢いものを作ってしまうとコントロールできなくなるから怖いよね。また、サイボーグのように体をいじり、機械を組み込んだりすることも恐ろしい。ただ、30年後、50年後を考えると、当然そういうサイボーグ的なものが生産されていくと思う。また、僕が今一番恐れているのがスマートフォンなんだ。要するに人間が目と目を向き合って話す機会をなくしてしまっている。本作のVRでは、アバター同士が目を見て会話をしているから、ずっとスマホを見て下を向いている状況よりはまだマシなんじゃないかと思う。○宮崎駿監督にシンパシー――童心を忘れないために、何か心がけていることはありますか?それは自分がそういう人間だからだと思う。童心は捨てようと思っても、捨てられない。朝起きる時も夜寝る時も、僕はそういう心をもったままなんだ。でも、この業界にいて、いろんな物語を語れることは、非常にラッキーだとも思う。――スピルバーグ監督は、普段、どういうものからイマジネーションを受けているのですか?僕は常日頃から空想の世界にいる。そのことは家族に聞けばわかると思うよ。よく子どもに「今、どこにいたの?」と聞かれるから(笑)。数年前、スタジオジブリにおじゃまして、宮崎駿監督にお会いした時、彼にとてもシンパシーを感じた。きっと彼も自分と同じようにいつも空想しているんじゃないかと思ったよ。○『レディプレ』で伝えたいメッセージ――本作は80年代のカルチャーへの愛が詰まった作品になっています。監督にとって80年代は、映画監督としてどういう時代だったと思いますか?80年代はイノセンスの時代だった。レーガン大統領がいて、経済もまあまあ良くて、仕事もあって、文化がすべてコントロールされていた。映画、ファッション、テレビにもイノセントな要素があった。原作者アーネスト・クラインが本作の舞台を2045年に設定しているけど、描かれている文化は80年代のものだ。現実の世界はすごくディストピアになっているけど、オアシスは私たちが戻りたい80年代になっている。私が『E.T.』(82)を撮ったのも80年代で、本作は映画史上、最も大ヒットした映画になった。でももし、今の2018年にあの映画をあのまま作ったとしても、あそこまでヒットしないと思う。80年代だから受けたけど、今の時代はシニカルだからきっと受けないと思う。ただ、僕が本作を手掛けたのは、そういうシニシズムを打ち破るような映画を作りたかったからなんだ。自分が子どもに戻れるような作品を作りたかったよ。――この映画でいちばん伝えたいメッセージはどんなものですか?これまでの映画なら「こういうメッセージだよ」と伝えられたんだけど、この映画に関してはメッセージがありすぎる。だから、観客には自分のメッセージを自分で見つけてほしいと思う。テーマの1つとして言えるのはチームワークの大切さだ。1人でいろいろとやるよりも、5人の友だちと一緒に解決する方がいい。そういうことをこの映画は言いたいんだと思う。■プロフィールスティーブン・スピルバーグ1946年12月18日、アメリカ出身。映画監督でプロデューサー。『JAWS/ジョーズ』(75)、『E.T.』(82)、「インディ・ジョーンズ」シリーズ(81, 84, 89, 08)、『ジュラシック・パーク』(93)など、数々の大ヒット作を手がける。『シンドラーのリスト』(93)で、アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀作品賞をW受賞、『プライベート・ライアン』(98)で、最優秀監督賞を受賞。近作は『ブリッジ・オブ・スパイ』(15)、『BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(16)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(17)。今後『インディ・ジョーンズ5』が待機中■著者プロフィール山崎伸子フリーライター、時々編集者、毎日呑兵衛。エリア情報誌、映画雑誌、映画サイトの編集者を経てフリーに。映画やドラマのインタビューやコラムを中心に執筆。好きな映画と座右の銘は『ライフ・イズ・ビューティフル』、好きな俳優はブラッド・ピット。好きな監督は、クリストファー・ノーラン、ウディ・アレン、岩井俊二、宮崎駿、黒沢清、中村義洋。ドラマは朝ドラと大河をマスト視聴(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTSRESERVED
2018年04月21日日本アニメーション界の巨匠にして、世界でも賞賛される数々の作品を世に送り出した高畑勲監督の訃報を受けて、「金曜ロードSHOW!」では放送作品ラインナップを急遽変更し、4月13日(金)に高畑監督の代表作『火垂るの墓』を放送することが発表された。1988年に公開された本作は、神戸の大空襲を体験した野坂昭如による直木賞受賞小説が原作。第二次世界大戦当時の神戸を舞台に、懸命に生きようとした兄妹のいのちを描いた。罪のない子どもや病気の母たちを容赦なく炎に飲み込んでいく空襲。周囲の人々に頼ることができない幼い清太と、優しさを見せる余裕のない大人たち…。戦争の愚かさと哀しさを、高畑監督は切々と訴えかけていく。1935年10月29日生まれ、4月5日に82歳でこの世を去った高畑監督。スタジオ・ジブリ設立に携わった人物であり、宮崎駿監督とは盟友だった。同枠では、これまで『火垂るの墓』をはじめ、『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』、遺作となった『かぐや姫の物語』など、スタジオジブリ作品として公開された高畑監督の長編映画が長年にわたって放送された。なお、「金曜ロードSHOW!」ではすでに13日(金)に『名探偵コナン から紅の恋歌』が放送決定していたが、今回の決定により同作は20日(金)に放送日が変更。さらに、20日(金)に予定されていた『パシフィック・リム』は、新たな放送日が決定次第、発表されるようだ。金曜ロードSHOW!『火垂るの墓』は4月13日(金)21時~日本テレビにて放送。金曜ロードSHOW!『名探偵コナン から紅の恋歌』は4月20日(金)21時~日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2018年04月06日日本を代表するアニメーション監督のひとりである高畑勲氏が4月5日、都内の病院で亡くなった。82歳だった。1935年三重県伊勢市生まれ。東京大学仏文科卒業後、東映動画(現在の東映アニメーション)に入社し、85年に宮崎駿監督らと「スタジオジブリ」を設立した。■日本のアニメを変えた繊細な“日常描写”記念すべき長編デビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』から50年。最高傑作の呼び声高い『火垂るの墓』からちょうど30年である。その偉大な功績をふり返り、検証するのに多くの時間と労力が必要なのは言うまでもない。それでも高畑作品の魅力として、まず頭に浮かぶのは、日本のアニメーション全体にも大きな影響を与えた、繊細な日常描写だ。そこに生まれ、そこで暮らす人々の営みを的確に捉え、丁寧に演出することで、キャラクターの内面を浮かび上がらせ、生きざまを輝かせる…。そんな高畑マジックは、70年代に生み出した「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」といった名作テレビアニメに始まり、それに続く劇場作品でも健在。91年公開の『おもひでぽろぽろ』は、高畑監督の日常描写が特に光る秀作である。■盟友・宮崎駿監督との作風の違いは?東映動画の後輩だった宮崎駿監督との長年にわたる盟友関係も広く知られるが、両巨匠の作風には大きな違いがある。その最たるものが、登場人物に対する視点ではないだろうか。ひと言で表せば、宮崎作品のキャラクターは非常にエモーショナルであり、宮崎監督自身もそんな彼らの喜怒哀楽に寄り添いながら、物語を盛り上げていく。一方、高畑監督は登場人物に一定の距離を置くことで、彼らの感情に見え隠れする「儚さや滑稽さ」を作品に映し出した。代表作である『平成狸合戦ぽんぽこ』は文明批判を込めたメッセージ色の強い作品だが、化学(ばけがく)を駆使し、自然を破壊する人間たちに戦いを挑むタヌキたちの姿には、どこか悲哀や皮肉も受け取れる。仮に同じ題材を宮崎監督が描いたら、「人間vs.自然」の対立構造がもっと強調された、まったく違う映画になったはず。また、結果的に遺作となった『かぐや姫の物語』で見せた、詩的な躍動感と夢見心地な浮遊感も、高畑作品ならでは。同作は第87回アカデミー賞で、長編アニメ賞候補となった。盟友でありライバルだった高畑監督の旅立ち…。果たして、長編アニメからの引退宣言を撤回し、新作の製作を進めている宮崎監督の胸には、どんな思いが去来していることだろう?高畑監督が残した功績を足早にふり返ったが、改めてご冥福をお祈りしつつ、今日は『太陽の王子 ホルスの大冒険』をじっくり見直したいと思う。何度見ても、胸が踊るなあ、この作品は。(text:Ryo Uchida)(text:Ryo Uchida)
2018年04月06日『火垂るの墓』や「アルプスの少女ハイジ」など多数の名作を生み出したアニメーション作家で監督の高畑勲が、4月5日、82歳で亡くなった。14年ぶりとなった長編映画『かぐや姫の物語』は米アカデミー賞にもノミネートされるなど国内外で絶賛されたこともあり、海外でも悲しみの声が広がっている。1935年、三重県・伊勢出身の高畑さんは、東京大学文学部仏文科に在学中、フランス初の長編アニメーション映画『やぶにらみの暴君』(1952年、後に『王と鳥』として公開)に影響を受け、アニメーションに関心を持つようになったという。日本では1955年に公開された同作は、高畑監督のみならず、盟友・宮崎駿監督にも大きな影響を与えたことで知られ、『王と鳥』はスタジオジブリ提供によって2006年に日本公開されている。高畑監督は、宮崎監督とともにTVアニメ「ルパン三世」や「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」などの作品を手がけ、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』にもプロデューサーとして参加。1985年、スタジオジブリの創立に関わった。野坂昭如・原作で太平洋戦争に翻弄された兄妹の悲劇をアニメーションで如実に表現した『火垂るの墓』(1988)は、モスクワ児童青少年国際映画祭でグランプリを獲得するなど海外での評価が高いことで知られる。手描き風アニメーションや水墨画のような表現で注目を集めた『かぐや姫の物語』(2015年)も高い評価を受け、第87回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネート。2009年にも、スイス・ロカルノ国際映画祭でも映画界への長年の貢献が評価され「名誉豹賞」を受賞。2015年には、世界最大級のアニメーション映画祭として知られるフランスのアヌシー国際アニメ映画祭「名誉クリスタル賞」を受賞し、フランス芸術文化勲章のオフィシエを受けている。翌年には“アニメ界のアカデミー賞”アニー賞でも、功労賞にあたる「ウィンザー・マッケイ賞」を受賞するなど、海外の映画・アニメ専門家からも尊敬を受けていた。訃報を受け、米誌「The Playlist」では「スタジオジブリの共同創設者で、アニメーションのパイオニア」と高畑監督を紹介。先日、『かぐや姫の物語』を21世紀の最も優れた日本映画(The Best Japanese Films of the 21st Century)の1本に選んだばかりの「IndieWire」誌は、『火垂るの墓』をはじめ『おもひでぽろぽろ』(1991)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)などを代表作として上げている。より詳しく、1960年初期から映画とテレビの双方で活躍し、アニメーターであり、脚本家であり、製作者であったこと、最後にその名がクレジットされたのは『レッドタートル ある島の物語』(アーティスティックプロデューサー)であったことにも言及。とりわけ、『火垂るの墓』については「最も偉大で(--そして最も悲しい)アニメーション映画であり、彼の最も有名で最も尊敬された仕事として刻まれる」とコメント、映画批評家として知られた故ロジャー・イーバートが遺した言葉「これまで作られた最も優れた戦争映画のあらゆるリストに加えられるべき作品」も引用している。SNSには、『火垂るの墓』の画像とともに「信じられない」「レジェンドだった」など、ショックと悲しみを伝える声が後を絶たない。フランスのアニメチャンネルとして知られる「Catsuka」ではTwitterで追悼の意を示し、2014年に行われた監督のインタビューがオンラインでも見られることを告知、さらに『火垂るの墓』を再放送すると伝えている。またフランス大使館からも【大使の言葉】と題しローラン・ピック駐日フランス大使から追悼のコメントが発表された。(text:cinemacafe.net)
2018年04月06日「ジブリの大博覧会 〜ナウシカからマーニーまで〜」が、2018年4月7日(土)から7月1日(日)まで、兵庫県立美術館 ギャラリー棟にて開催される。「風の谷のナウシカ」から「思い出のマーニー」まで、これまでのジブリ作品がどのように生み出され、そして世に出て行ったのか。本展では、当時を振り返るポスターやチラシといった広告宣伝物を中心に、制作資料、企画書などの未公開資料を含む数多くの資料が所狭しと展示される。ジブリの大博覧会の展示内容展示は、さまざまな試行錯誤から生み出された宣伝の軌跡を、膨大な資料とともに読み解く「ジブリの大博覧会」展、特別企画「スタジオジブリ空とぶ機械達」展、大博覧会限定のグッズや過去作品のジブリグッズが手に入る「物販ショップ」などで構成される。「スタジオジブリ空とぶ機械達」展頭上には、プロペラを回しながら飛ぶ大きな船が登場。スタジオジブリ作品のイメージのひとつ“空への憧れ”を表現した作品に、来場者は圧倒されるに違いない。「ジブリの大博覧会」展スタジオジブリの30年が詰まった展示室。映画ポスター、無数の新聞広告の切り抜き、過去に展開されてきた映画関連アイテムなどを通して、それぞれの作品の公開当時が鮮やかに蘇ってくる。また、展示物だけでなく空間で楽しむエリアも。スタジオジブリ プロデューサー・鈴木敏夫の再現デスクや、大人でも中に入り込むことができるネコバスエリアは、ファンの心をくすぐるはず。スタジオジブリの設立(1985年)からおよそ30年間の歩みを体感できる「ジブリの大博覧会 〜ナウシカからマーニーまで〜」に、是非足を運んでみてはいかがだろう。開催概要ジブリの大博覧会 〜ナウシカからマーニーまで〜会期:2018年4月7日(土)~7月1日(日)会場:兵庫県立美術館 ギャラリー棟(神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号)開館時間:10:00~18:00 ※金・土は20:00まで、ただし6月1日(金)・2日(土)・8日(金)・9日(土)は除く。入館は各閉館30分前まで。休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌日休館。観覧料:・平日限定前売 一般 1,300円/大高生 900円/中小生 400円・前売 一般 1,400円/大高生 1,000円/中小生 500円・当日 一般 1,600円/大高生 1,200円/中小生 700円販売場所:ローソンチケット・ぴあ・イープラス・セブンチケット・楽天 他【チケット問合せ先】ローソンチケット内TEL:0570-000-341(10:00~20:00)
2018年04月01日女優の福本莉子と、関西ジャニーズJr.の大西流星がミュージカル『魔女の宅急便』に出演することが31日、わかった。同作は、角野栄子による児童書を舞台化。原作は27年間にわたり執筆されており、1989年にスタジオジブリがアニメ映画化し、世界的に有名な作品となった。舞台化・実写映画化もされているが、今回は2017年に上白石萌歌&阿部顕嵐で初演を迎えたミュージカル版の再演となる。キキ役に抜擢されたのは、今作品が初舞台・初主演で、第8回東宝シンデレラグランプリを受賞した福本。また、トンボ役には、関西ジャニーズ Jr.で活躍中の大西が決定となった。キキのお母さん(コキリ)役には、生田智子が新キャストとして出演、キキのお父さん(オキノ)役には、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」のうたのおにいさんとして歴代最長出演記録を持つ横山だいすけが続投する。また、コリコの街のパン屋のおかみさん・おソノ役の白羽ゆり、おソノの旦那・フクオ役には、 お笑いコンビ「ライセンス」のボケ担当の藤原一裕が昨年に引き続き出演。原作の角野は「キキ役の福本さん。初々しくて、かわいらしいキキ。さあこれから旅立ちです。希望に満ちた空へ、風をきって元気に飛ぶ姿が見えるようです」とコメントを寄せる。さらにトンボ役の大西には「あどけない少年、その眼差しの中に純粋な夢がいっぱい。少年の夢、それはいつでも美しい。憧れいっぱい、楽しさいっぱいの舞台になるでしょう。あたらしいキキとトンボさん。二人がどんな魔法を見せてくれるか、とても、 とても楽しみです」と期待を寄せた。東京公演は新国立劇場中劇場にて、6月15日〜24日。大阪公演は大阪メルパルクホールにて7月4日〜5日。○福本莉子コメント・『魔女の宅急便』という作品の印象始めて観たミュージカルが昨年の『魔女の宅急便』でした。まさか自分がやると思っていなかったので、普通に観客として、先輩の上白石萌歌さんが演じる キキを観てすごく素敵だなと思いました。スタジオジブリの映画『魔女の宅急便』を小学生の時に初めて観たのですが、 そのときのキキの印象は、好奇心旺盛で、元気で活発な女の子だと感じました。 自分とはあまり似ていないかなと思ったのですが、演出の岸本さんには、まっすぐで芯が強いところとが似ていると言って頂き、嬉しかったです。・キキ役を演じるにあたっての意気込みお客さんとして観た『魔女の宅急便』もすごく良かったのですが、そこを追うのではなく、私なりの新しいキキを生み出せたらいいなと思います。新しいシ ーンもあるみたいなので、ワクワク楽しみながらお稽古をしたいと思います。 少しずつお芝居や発声のお稽古を始めています。普段の話し方と、舞台上での相手とのやり取りをする距離感の違いを教えて頂き、発声の仕方を意識するようになりました。その後、歌の録音をした時にスタッフさんに「変わったね」と褒められたのが嬉しかったです。 歌では、おなかを意識してどれだけ声を前に飛ばせるか。カラオケだと結構裏声で歌ったりするのですが、舞台では地声を生かしつつ、きれいに歌えるようになるのが課題かなと思います。 今は緊張と不安しかないですが、たくさんお稽古をして、緊張と不安をはねの けられるくらいに成長して舞台に立ちたいと思います。○大西流星コメント・『魔女の宅急便』という作品の印象作品全体が暖かい雰囲気に包まれていて、ストーリーが素敵だなと思っていました。スタジオジブリの映画も大好きですし、前回の舞台公演も見ていましたが、まさか自分が参加できるとは思っていませんでした。素敵な作品に出演が決まり、とても嬉しいです。・トンボ役を演じるにあたっての意気込みトンボは、空を飛びたいというまっすぐな心を持っていて、慣れない恋に戸惑う純粋な少年という印象です。街のみんなに愛されているトンボと同じように、舞台を見に来ていただいたお客様や共演者のみなさんに可愛がっていただけるような自分なりのトンボを表現したいです。僕も小さいときから空を飛ぶことに憬れていて、生まれ変わったら鳥のトンビになりたいと思っています(笑)。空を飛びたいトンボとの共通点もあるのかなと感じています。
2018年03月31日スタジオポノック最新作『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が、2018年8月24日(金)全国公開。スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』(2014)や『借りぐらしのアリエッティ』(2010)を手掛けた米林宏昌が、2014年末にジブリを退社した後、西村義明が設立したスタジオポノックでの監督第1弾作品となる映画『メアリと魔女の花』は、女優・杉咲花を声優に迎え大きな話題を呼んだ。そんなスタジオポノックが新プロジェクト“ポノック短編劇場”を発足。第1弾として展開するのが2018年夏に公開となる『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』だ。作品は3つの物語で構成される。米林宏昌が紡ぐのは、カニの兄弟の冒険ファンタジー。『火垂るの墓』の監督を務めた高畑勲の右腕として活躍した鬼才・百瀬義行は、母と少年の愛と感動の人間ドラマ「サムライエッグ」を、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター・山下明彦が、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる「透明人間」をそれぞれ描き出す。共通するのは「ちいさな英雄」がテーマであること。映画『メアリと魔女の花』で華々しいデビューを飾ったスタジオポノックの新しいプロジェクトに期待が高まる。【詳細】ポノック短編劇場『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』公開日:2018年8月24日(金)配給:東宝(C)2018 STUDIO PONOC
2018年03月30日『メアリと魔女の花』で知られる「スタジオポノック新作プロジェクト発表会」が3月27日(火)、都内にて行われ、新作のタイトル『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が発表された。■スタジオジブリ出身の監督が集結本作は新プロジェクト「ポノック短編劇場」が贈る第一弾で、米林宏昌をはじめとするスタジオジブリ出身の3人の監督が手掛けた3作品の短編アニメーションから成る。『メアリと魔女の花』の米林監督の『カニーニとカニーノ』、巨匠・高畑勲監督の右腕として活躍した百瀬義行監督の『サムライエッグ』、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター山下明彦監督による『透明人間』の短編3作が結集した。「ちいさな英雄」をテーマにしたアニメーションとなるが、それぞれジャンルはバラバラ。『カニーニとカニーノ』は米林監督が自身初となるオリジナルストーリーに挑戦したカニの兄弟のファンタジー、母と少年の愛と感動の人間ドラマを描いた『サムライエッグ』、見えない男の孤独な闘いという奇想天外なストーリーが目を引く『透明人間』と、バラエティに富んでいる。■プロデューサー西村義明「短編は次なるステップ」スタジオポノック代表取締役/プロデューサーの西村義明は、「今後、僕らの挑戦の場としてレーベルを立ち上げました。高畑勲監督、宮崎駿監督は新しいものを先駆として、アニメーションの豊かさを信じてやってきた。彼らが作った土台にどっぷり胡坐をかいて作るのかと思うと、自分たちが次なるステップを作っていかないといけない。短編アニメーションはそれができる場だと思った」と意気込む。配給元となる東宝株式会社常務取締役の市川南も、「西村さんから提案を受けて、ふたつ返事で受けました。三者三様、冒険ファンタジー、リアルな人間ドラマ、アクションものとできています」と出来栄えに胸を張った。今後の事業展開では長編も作り続けるという西村さんは「漠然と、長編アニメーションは2年に1本作るのがやっとでベスト。その合間に短編アニメーションを作れたらと思います」とした。今回はスタジオジブリスタッフの抜擢となったが、今後の短編アニメーションについては「実写監督かもしれないし、海外の人かもしれないし、畑違いの方々、漫画家や絵本作家が作るかもしれない。アニメーション映画の可能性を狭めても仕方ないので、“次、ポノックには何が起こるんだろう”と期待を持ってもらえるレーベルになってもらえたらうれしいです」と期待を込めていた。なお、『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』の声優にはオダギリジョー、尾野真千子、田中泯が決定している。『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』は8月24日(金)より全国公開。(cinamacafe.net)
2018年03月27日子どもから大人まで幅広い世代に支持され、興行収入32.9億円という大ヒットを記録した『メアリと魔女の花』のブルーレイとDVDが、いよいよ3月20日(火)に発売される。これを記念して、本作の脚本家・坂口理子よりコメントがシネマカフェに到着。メアリの魅力について、脚本家ならではの視点で語ってもらった。本作は、スタジオジブリを退社した米林宏昌監督が、ジブリ作品の『思い出のマーニー』に続きプロデューサーの西村義明と2度目のタッグを組み誕生した、アニメーション制作会社「スタジオポノック」の第1回長編アニメーション映画。原作は1971年に描かれたイギリスの女流作家メアリー・スチュワートによる児童文学。かつて魔女の国から盗み出された“魔女の花”を見つけ、一夜限りの不思議な力を手に入れた主人公メアリを、若手実力派女優の杉咲花が声を務めた。「メアリがメアリのままで出来ることにこだわろうと」普通の女の子として、自分の力で前へ踏み出していくメアリ。坂口氏が脚本を書く上で気をつけたことは、「最終的には、『何も持たないこと』です。メアリがメアリのままで出来ることにこだわろうと思いました」と明かす。「彼女が、すべての魔法を失って普通の女の子に戻ってしまったとしてもできることは何か?それはきっと誰にでもできること、だけれども、たったひとつ『小さな勇気』がなければできないこと…そのひとつの答えとして導き出したのが、大切な人と手をつなぐこと、でした」とふり返る。「完璧なヒロインからはほど遠いからこそ」共感できるまた、メアリという女の子に共感できるポイントについて、「まずは、自分に満足していない、ということです(笑)。変わりたいとは思っているけれども、どうしたらよいかわからず、退屈で、不満でいっぱいで、あげくの果てに、ほめられて有頂天になって大きな間違いをしでかしてしまう…そんな完璧なヒロインからはほど遠い彼女だからこそ、ごく身近な誰かだったり、あるいは自分自身の中にも見え隠れしている存在のように感じてもらえるのではないでしょうか。もしそうだとしたらとても嬉しいです」と語る坂口氏。メアリが“小さな勇気”を持って、自分の力で失敗や困難に立ち向う姿が丁寧に描かれている本作。彼女にはコンプレックスがあり、大きな失敗を犯すものの、それでも、それを乗り越えていくところに観る者は共感する。それが、本作の魅力の1つなのだ。ワクワクドキドキの大冒険と、失敗や悩みに自らの意志で変わる“出会いと希望の物語”。そんな本作ブルーレイに収録予定のボーナス映像には、実際に背景画を描くスタッフの姿を収めた「ZERO CULTURE スピンオフ 密着500日『メアリと魔女の花』」や、主題歌「RAIN」を手掛けた「SEKAI NO OWARI」×米林宏昌・西村義明 SP対談をはじめ、インタビュー映像やメイキング映像などが盛りだくさん。もう一度、たっぷりと作品の世界観に浸ることができそうだ。『メアリと魔女の花』は3月20日(火)よりブルーレイ&DVDで発売。先行デジタル配信中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
2018年03月18日山崎賢人が主演を務め、「火花」「君の膵臓をたべたい」などを抑えて2016年「本屋大賞」を受賞した小説(著者:宮下奈都)を映画化する『羊と鋼の森』。このほど、本作の本予告映像が到着、日本が誇る世界的音楽家・久石譲とピアノ奏者・辻井伸行によるエンディング・テーマもお披露目された。山崎さんがドラマ「トドメの接吻」のホストから一転、調律師としてひたむきにピアノと向き合い、迷い悩みながらも周囲の人々に支えられ成長していく主人公を演じる本作。このたび、作曲・編曲を久石さん、ピアノ演奏を辻井さんが担当したエンディング・テーマ「The Dream of the Lambs」が、本予告映像とともに公開された。世界で活躍する音楽家のタッグが“相思相愛”で実現!久石さんといえば、スタジオジブリ作品や北野武作品、アカデミー賞受賞作『おくりびと』などの音楽を担当したことで知られ、国内、国外問わず数々の賞を受賞。作曲家、ピアニスト、指揮者と様々な面で活躍し続けており、世界中で愛され続けている音楽家。また、辻井さんも世界トップクラスのピアニストであり、2009年、アメリカで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝して以降も、数々の賞を受賞。作曲家としても『神様のカルテ』「美の巨人たち」などの映画やテレビ番組の音楽も担当し、コンサートも日本のみならず世界中で開催してきている。原作「羊の鋼の森」は「本から音が聴こえてくる」という感想が出たほど、表現力豊かに描かれた物語。その世界観、そして“ピアノ”の魅力を最大限に活かせるテーマ曲を考えた映画制作陣は、優れた表現力で世界的に有名な音楽家である2人に制作を依頼。もともと原作に親しみ、その世界観に強く惹かれた両名がオファーを快諾したことにより、今回の豪華すぎる“夢”のタッグが実現した。曲の収録は昨年夏、コンサートホールにオーケストラを集め、久石さん自らタクトを振って行われた。この日、初対面となった2人は互いに「お会いできて光栄です」と挨拶。事前に打ち合わせをした後に本番収録となった。息の合った演奏をした2人は、終わった後も「本当に楽しかった」と嬉しそうな笑顔を見合わせ、その姿はまるで相思相愛!ピアノの調律に真摯な思いをぶつける本作に相応しいエンディング・テーマが完成した。久石譲「調律師は求める音を表現してくれる、本当に大事な存在」本作で山崎さんをはじめ、鈴木亮平、三浦友和が演じる調律師の役割について、久石さんは「ピアノによってタッチがそれぞれすごく違います。調律師は求める音を表現してくれる、本当に大事な存在で、音は出さないけど立派な音楽家だと思います」と断言。「そんな調律師を描いた原作を、オファーをいただく前に読ませていただきました。成長譚の美しくてとても良い話。だからこそ、綺麗なだけで終わらないように、映画の奥行を出せるように、シビアなミニマル的な部分とメロディアスな部分の交差する曲を作るように意識しました」とエンディング・テーマに込めた思いを明かす。「その曲を辻井くんと一緒に作ることができて嬉しく思います。古典的なスタイルをとりつつ、現代的な曲を作ったのですが、見事に弾いてくれました。辻井くんは本当に素晴らしいピアニストで、特にリズム感が凄い」と絶賛を贈り、「演奏をしていて、とても楽しかったです。辻井くんとはまた是非一緒に演奏させていただきたい」とも語っている。辻井伸行、大ファン・久石譲との“共演”は「本当に光栄」また、世界的ピアニストである辻井さんも、調律師について「ピアニストは演奏するときは1人ですが、調律師さん、観客の皆さんと一緒にコンサートを作り上げていると思っています。国内外の様々な場所で調律師さんと出会うのですが、いろいろなタイプの調律師さん、そして会場のピアノと出会えるのは楽しいですね」とコメント。さらに「久石さんとご一緒させていただけたのは本当に光栄でした。久石さんの大ファンで、素晴らしい曲をずっと聴いていたので、本当に嬉しかったです」とその喜びを語り、「楽譜をいただいたときに、どのような気持ちで作曲されたのか想像し、また映画のイメージを自分の中で膨らませて、できる限りのことをしようと思って練習し、本番に挑みました。お会いするまでは緊張しましたが、本当にお優しい方で、合わせやすく、またいろいろと勉強させていただきました。この曲は感動的で、美しく、弾いていて本当に楽しかったですし、収録があっという間でした」とふり返っている。そんな両名を引き合わせた本作プロデューサーは、「どんな化学反応が起きるのだろうという期待もありオファーしたところ、原作がお好きという運命もあり初タッグが成立しました。調律師の主人公の成長を見守るような久石さんの楽曲と、その調律師を讃えるような辻井さんのピアノの音色は、『羊と鋼の森』に太鼓判を押していることを物語っています」と手応えを込めてコメント。そんなエンディング・テーマを使用した本予告映像には、山崎さん演じる主人公・外村をはじめ、ピアニスト姉妹を初共演で演じる上白石萌音、上白石萌歌姉妹など、ピアノと向き合う人たちのそれぞれの悩みと葛藤、そして成長の姿が映し出され、「The Dream of the Lambs」の美しい旋律が物語に深い奥行をもたらしている。『羊と鋼の森』は6月8日(金)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:羊と鋼の森 2018年6月、全国東宝系にて公開ⓒ 2018「羊と鋼の森」製作委員会
2018年03月06日「金曜ロードSHOW!」で2週にわたりお届けしている「冬もジブリ」。2週目となる1月12日(金)今夜は宮崎吾朗監督が手がけた壮大な冒険ファンタジー『ゲド戦記』をお届けする。原作は「指輪物語」「ナルニア国物語」に並ぶファンタジー文学の傑作。同作は宮崎駿監督も多大な影響を受けたと公言、『風の谷のナウシカ』の“原点”にもなったという。この偉大なる名作をスタジオジブリが宮崎吾朗氏を監督に迎えてアニメ化した。舞台は「魔法」が日常的に存在する多島海世界「アースシー」。そこで人間の住む世界に現れるはずのない竜が突然現れて共食いを始め、魔法使いが魔法の力を失うなど異常事態が起こる。原因を探って旅を続けていた「大賢人」と呼ばれる魔法使い・ゲド=通称ハイタカは、ある日、エンラッドの国王である父を刺し逃走中の王子・アレンと出会う。アレンは世界を覆いつつある「影」に怯えていた。2人は美しい港町・ホート・タウンに到着。そこでアレンは少女・テルーと出会い、ハイタカの昔なじみの巫女・テナーの家で畑仕事などを手伝うなかで人間らしさを取り戻していき、アレンにテルーも少しずつ心を開き始めるが、アレンが自ら生み出し彼に付きまとう「影」は彼の心をむしばんでいく。そしてハイタカは世界の均衡が崩れかけている元凶が、魔法使いのクモであることを察知。ハイタカに恨みを抱くクモも、アレンの心の中の「影」を利用してハイタカを倒そうとする…という物語。主人公・アレンの声を担当するのは、先日、女優の宮崎あおいと結婚を発表した岡田准一。テルーの声と挿入歌を担当したのは、公開当時その歌声が大きな話題を呼んだ手嶌葵。そのほか田中裕子、香川照之、風吹ジュン、内藤剛志、倍賞美津子、夏川結衣、小林薫、菅原文太ら日本を代表する名優が揃った。スタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーによれば「実は『風の谷のナウシカ』の前に原作者のグウィンさんに映画化を申し出ていたんです。でも当時からすればどこの馬の骨とも分からない日本人からの申し出…お断りされてしまいました。それが、年月を経て今度は向こうから打診がきた」という本作。日本を代表するスタジオジブリが世界の名作を映像化した「金曜ロードSHOW!『ゲド戦記』」は1月12日(金)21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2018年01月12日2013年公開の長編アニメーション『風立ちぬ』以降、スタジオジブリの宮崎駿監督が初めて手がける映像作品「毛虫のボロ」が、三鷹の森ジブリ美術館の映像展示室「土星座」にて3月21日(水・祝)より上映されることが分かった。宮崎監督が、原作・脚本・監督を務める本作。物語の主人公は、草むらのなか、夜が明ける前に卵からかえった毛虫のボロ。初めて見る朝陽はとてもまぶしくて、世界はおいしそうな空気にあふれいた。ボロはボロギクの根元に降り立ち、毛虫の仲間たちや外敵が行き来する世界へと踏み出す。本作は、宮崎監督が映画『風立ちぬ』公開以降初めて手掛けた映像作品であり、ジブリ美術館だけで上映されるオリジナル短編アニメーションとしては10本目。宮崎監督は、“虫の目から見た世界”を描く企画を長年あたためていたそうだ。既に、ジブリ美術館では、絵の描かれたガラス板を重ねて作られた奥行きのある世界をのぞいて楽しめる展示物“パノラマボックス”のひとつで、「毛虫のボロ」を紹介している。2013年公開の長編アニメーション『風立ちぬ』で、長編映画の制作から引退することを正式に発表した宮崎監督。だが、その後2017年5月には、宮崎駿監督の新作長編アニメーション映画制作のためのスタッフ(新人)募集を開始するなど、本格的な始動が心待ちにされている。なお、三鷹の森ジブリ美術館の入場チケットはすべて日時指定の事前予約制となっており、従来の一般販売は、毎月10日に翌月分のチケットをローソンにて日にち&入場時間別に選択して購入するというもの。3月入場分のチケットは、2月10日(土)より発売が開始される。短編アニメーション映画「毛虫のボロ」は、三鷹の森ジブリ美術館内「土星座」にて3月21日(水・祝)より上映。(text:cinemacafe.net)
2018年01月09日「金曜ロードSHOW!」では「冬もジブリ」と題し2週にわたってスタジオジブリ作品を放送。1月5日(金)今夜は1989年公開の宮崎駿監督作品『魔女の宅急便』をオンエアする。本作は『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』に続いて宮崎監督がスタジオジブリで手がけた長編アニメ映画であり、魔女の女の子・キキが人間社会での様々な出会いを通して成長していく様を描いた作品。“魔法”というファンタジーの要素がありながらも、そこに登場する人々は親近感溢れる“普通の人々”であり、誰もが親しめ共感できる心温まる一作となっており、2014年には原作小説が実写映画化、さらには何度もミュージカル化されるなど根強い人気を保ち続けている。魔女のおかあさん・コキリと人間のおとうさん・オキノに愛されて育った天真爛漫な魔女の女の子・キキは、魔女の掟に従い、一人前の魔女になるため知らない街で一人暮らしをする旅に出る。海沿いの大都会・コリコを「新居」にしようと決めるも、大都会に戸惑い騒動を巻き起こしてしまう。落ち込むキキだがパン屋のおかみさん・おソノと知り合い、彼女の家の離れに下宿しながら、魔女の空を飛ぶ力を使って「お届け屋さん」をすることになる。新生活に少しずつ慣れ始めていたある日、街で初めて声をかけてくれた少年・トンボがキキをパーティーに誘う。初めてのパーティーに胸をときめかせるキキは、大急ぎで仕事を片付けようとするのだが…。主人公・キキの声優は「名探偵コナン」の江戸川コナン役をはじめ、数々の名作に出演してきた高山みなみが担当。トンボ役は「ONE PIECE」のウソップ役など、こちらも数々の作品で知られる山口勝平が、おソノ役は声優としてだけでなく女優としても「ショムニ」シリーズや「ちゅらさん」などに出演している戸田恵子がそれぞれ担当している。またテーマ曲には荒井由実の「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」が起用され、作品世界の暖かい雰囲気をより盛り上げている。金曜ロードSHOW!『魔女の宅急便』は1月5日(金)21時~日本テレビ系にて放送。「冬もジブリ」2週目となる来週1月12日(金)は『ゲド戦記』を放送する。(笠緒)■関連作品:魔女の宅急便 2014年3月1日より全国にて公開(C) 2014「魔女の宅急便」フィルムパートナーズ
2018年01月05日杉咲花や神木隆之介らが声で出演を果たしたことでも話題となった、米林宏昌監督作『メアリと魔女の花』のブルーレイとDVDが、2018年3月20日(火)よりリリース、7日(水)より先行デジタル配信がスタートすることが明らかに。併せて予告映像も到着した。本作は、スタジオジブリを退社したプロデューサー・西村義明が、新たに立ち上げたアニメーション制作会社「スタジオポノック」の第1回長編アニメーション映画。ジブリ作品の『思い出のマーニー』に続き、米林監督と2度目のタッグを組んで今年夏に公開された本作は、禁断の“魔女の花”の力で魔女となった少女メアリの奇想天外な大冒険と、やがて”小さな勇気”を持って自分の力で失敗や困難に立ち向う姿を描いた“出会いと希望の物語”だ。またキャストには、メアリ役を数々の映画賞を総なめにし話題となった杉咲さんが、メアリと冒険をともにする少年ピーター役を神木さんが演じたほか、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶら日本映画界を代表する豪華キャスト陣が集結。「SEKAI NO OWARI」の書き下ろし主題歌「RAIN」も注目を集め、興行収入32.9億円という大ヒットを記録した。そして本作は日本だけにとどまらず、海外100か国・地域での配給が決定し、さらにアニメーション界のアカデミー賞ともいわれる第45回アニー賞で脚本賞と美術賞でWノミネートされ、年明け早々に発表されるアカデミー賞ノミネートにも期待が高まっている。そんな中、本作が「ブルーレイ」と「DVD」、「4K Ultra HD」、そして「デジタル配信」で登場!ブルーレイにはアウターケース、DVDはリバーシブル・ジャケットが初回限定特典として付属。さらに、ファン垂涎のコレクターズ・エディション:4K Ultra HD+ブルーレイ(数量限定)には、メアリが偶然見つけた「呪文の神髄」が表紙になった三方背ケース入りで、4K Ultra HDとブルーレイの2枚組のほか、50Pの特製ガイドブック、完成台本(縮小版)、米林監督描き下ろしアートが同梱されている。『メアリと魔女の花』ブルーレイ&DVDは2018年3月20日(火)リリース。先行デジタル配信は3月7日(水)開始。(cinemacafe.net)■関連作品:メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
2017年12月19日今年7月に公開され興行収入32.9億円を記録したアニメ映画『メアリと魔女の花』のBlu-ray・DVDが、2018年3月20日に発売されることが19日、発表された。同作は、スタジオジブリを退社したプロデューサー・西村義明氏が立ち上げたアニメーション制作会社・スタジオポノックの第1弾長編アニメーション映画。ジブリ作品『思い出のマーニー』に続いて米林宏昌監督と2度目のタッグを組み、子どもから大人まで幅広い世代に支持された。物語は、禁断の"魔女の花"の力で魔女となった少女・メアリが奇想天外な大冒険と、やがて"小さな勇気"を持って自分の力で失敗や困難に立ち向かう姿を描く。杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶといった日本映画界を代表する俳優たちが声優を務めた。主題歌は、ロックバンド・SEKAI NO OWARIが書き下ろした「RAIN」。海外100カ国・地域での配給が決定し、第45回アニー賞で脚本賞と美術賞のWでノミネートされた。Blu-ray(デジタルコピー付き)が5,800円(税別・以下同)、DVDが4,700円で発売されるほか、「4K Ultra HD」とBlu-rayをセットにした「コレクターズ・エディション:4K Ultra HD」(数量限定)が12,000円で発売。同日にレンタルも開始し、3月7日には先行デジタル配信される。初回限定特典は、Blu-rayがアウターケース付き、DVDがリバーシブル・ジャケット仕様。コレクターズ・エディションは、メアリが偶然見つけた「呪文の神髄」が表紙になった三方背ケース入りで、4K Ultra HDとブルーレイの2枚組のほか、特製ガイドブック(50ページ)、完成台本(縮小版)、米林監督描き下ろしアートが同梱される。
2017年12月19日「金曜ロードSHOW!」では1月5日(金)から「冬もジブリ」と題して、スタジオジブリが贈る傑作ファンタジー『魔女の宅急便』と『ゲド戦記』を2週にわたって放送決定。さらに、「映画天国」(関東ローカル)にて『レッドタートル ある島の物語』がテレビ初放送されることが分かった。またスタジオジブリ・鈴木敏夫プロデューサーから各作品についてのコメントも到着した。1週目は『魔女の宅急便』!鈴木Pが人気の秘密を明かす1月5日(金)、新年1回目に放送する「冬もジブリ」第1弾は、見習い魔女のキキが両親のもとを離れ、見知らぬ土地で奮闘する姿を描いた心温まる成長物語『魔女の宅急便』。「魔女の宅急便」といえば今年、上白石萌歌がキキ役を演じミュージカル化、また“もしキキが17歳の女子高校生になって高校生活を送っていたら?”というテーマのもとCM化もされ話題になったことが記憶に新しい。今回「金曜ロードSHOW!」では、本作をノーカットで放送していく。『魔女の宅急便』がこんなにも人々が愛される理由について、鈴木氏は「なんでうけるんだろう…。これは『魔女の宅急便』に限らず、宮崎駿にしろ、高畑勲にしろ、ジブリの作品が何故いろんな人に観てもらえるかっていうのはアナログ故だと思います。残念ながら人間の歴史って『人間なのに人間じゃなくなる』“非人間化”してきていると思うんです。そういうときに、ジブリの作品の芯にあるものは人間的であるということだと思います。人間ってそういうものが好きですよね。デジタルかアナログかっていったら、アナログが好きに決まっているんですよ」とコメント。本作のテーマ“思春期”について、宮崎監督は最初このテーマに悩んだそう。「2人で吉祥寺の町や井の頭公園を歩いて、3時間ぐらい歩いて、疲れ切って、喫茶店に入ったんですね。席に着いた途端に宮崎駿が『この映画でなにやったらいいの?』と聞いてきたので、苦し紛れに『正面から思春期ってやったことないですよね』と答えたんです。そしたら『それだ!』って。宮崎駿という人は抽象的な概念で思考をしない人だから、すべてが具体化するんですね。(作中で主人公のキキが)パン屋へ行って次の日の朝起きてトイレに行くじゃないですか。あのシーンと、つまらなそうな顔をしながらパン屋でお留守番をする絵。宮崎駿がそういった形で思春期を表したんです」と明かす。また、当初予定になかったという“飛行船のクライマックスシーン”については、「やっぱりお客さんは娯楽として映画を観に来るわけだから、サービスは必要ですよね。それで、宮崎駿と話してあのシーンを付け加えることになったんです」と理由を述べ、「でも、メインのスタッフからは呼び出されて袋叩きにあいました。『あのシーン(本来ラストシーンとされていた老婦人からサプライズのプレゼントにケーキをもらうシーン)で終わればいい映画なのに、なんでそんな提案したんだ!?』って。そこで、『なんでもいいから付け足してやればいいシーンになるわけじゃない。宮崎駿がやるんだよ。面白くなるでしょ!』って…これが説得の言葉だったんです」と経緯を明かしている。2週目は『ゲド戦記』!実は「宮崎駿にとって念願の企画」!?1月12日(金)の2週目は、2006年公開の『ゲド戦記』。「指輪物語」「ナルニア国物語」に並ぶファンタジー文学の傑作「ゲド戦記」を原作に、スタジオジブリが贈る冒険ファンタジー。原作には宮崎駿監督も多大な影響を受けたと公言しており、監督の不朽の名作『風の谷のナウシカ』の原点ともなったそう。岡田准一をはじめ、手嶌葵、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、内藤剛志ら豪華俳優陣が声の出演をしている本作は、本編ノーカットで放送する。『ゲド戦記』について鈴木さんは、「宮崎駿にとって念願の企画で、実は『風の谷のナウシカ』の前に原作者のグウィンさんに映画化を申し出ていたんです。でも当時からすればどこの馬の骨とも分からない日本人からの申し出…お断りされてしまいました。それが、年月を経て今度は向こうから打診がきた」と製作秘話を明かした。『レッドタートル ある島の物語』をテレビ初放送!「映画天国」では構想10年、制作8年をかけた『レッドタートル ある島の物語』をテレビ初放送!テレビ初放送となる『レッドタートル ある島の物語』は、『岸辺のふたり』で米国アカデミー賞短編アニメーション映画賞をはじめ、高い評価を得たマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の長編初監督作品で、スタジオジブリ初の海外との共同製作映画。物語は、嵐の中、荒れ狂う海に放りだされた男が九死に一生を得て、ある無人島にたどり着いた。必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、一人の女が現れ――というあらすじだ。こちらもノーカットで放送する。『レッドタートル ある島の物語』放送にあたっては、「今回お正月の深夜に放送するということで、作品の内容からすると一番いいんじゃないかと思います。お正月の深夜…いまふとそんな気持ちになってみたら、楽しんでもらえる気がしてますね。僕が本当に好きで作った作品なんで、是非観てください」とメッセージを寄せている。新春特別映画天国『レッドタートル ある島の物語』は1月2日(火)1時59分(月曜深夜)~日本テレビにて放送。(関東ローカル)金曜ロードSHOW!『魔女の宅急便』は2018年1月5日(金)21時~、『ゲド戦記』は12日(金)21時~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2017年12月15日小説『羊と鋼の森』が山﨑賢人主演で映画化。2018年6月8日(金)に全国ロードショーとなる。ピアノの調律に魅せられた青年の成長物語原作は、『火花』『君の膵臓をたべたい』などの話題作を抑え、2016年「本屋大賞」を受賞した宮下奈都の小説『羊と鋼の森』。「2016年 キノベス第1位」、「2015年 ブランチブックアワード大賞」も受賞し、史上初の三冠受賞を達成。さらに直木賞にもノミネートされるなど、2016年最も話題になった小説といっても過言ではない。物語の主人公は、ピアノの調律に魅せられた1人の青年・外村直樹だ。彼は、北海道の高校に通う外村は調律師・板鳥と出会い、ピアノの調律師として生きていくことを決意する。そして、調律師、板鳥宗一郎がいる江藤楽器で働き始めるのだった。ピアノと繋がる多くの人と出会い、調律師としての自分を探し求める、そんな彼の成長物語を描く。主人公・外村直樹に山﨑賢人主人公・外村直樹を演じるのは、『四月は君の噓』、『斉木楠雄のΨ難』などで主演を務めた若手俳優・山﨑賢人。外村の人生を導いていく調律師・板鳥は三浦友和が演じる。また、上白石萌音と上白石萌歌姉妹が、外村の調律師人生を大きく変えることになるピアニスト姉妹として起用される。外村の勤める江藤楽器のピアノ調律師であり、一番年齢の近い先輩である兄貴分・柳伸二役には、『海賊と呼ばれた男』『忍びの国』、そして2018年の大河ドラマ「西郷どん」で主演の鈴木亮平。今まさに大活躍中の彼の演技にも注目したい。そのほか、堀内敬子、仲里依紗、城田優、森永悠希、佐野勇斗らも出演する。久石譲×辻井伸行のエンディング・テーマ「The Dream of the Lambs」映画のラストを飾るエンディング・テーマは「The Dream of the Lambs」。スタジオジブリ作品や北野武作品の音楽で知られる、日本を代表する作曲家の久石譲が作曲・編曲を手掛け、ピアノ演奏は世界トップクラスのピアニストである辻井伸行が担当している。豪華な音楽家同士のタッグによって生まれた、感動の1曲に注目だ。辻井伸行による特別コンサートもまた、映画公開を記念して、辻井伸行による特別コンサートが、6月13日(水)に東京・サントリーホールにて開催される。チケットは4月28日(土)より発売。コンサートでは、『羊と鋼の森』の劇中に登場するピアノ曲が演奏される他、スペシャルゲストとして久石譲も登場する。久石譲はエンディング・テーマの指揮を担当し、ステージ上で辻井伸行との初共演を果たす。ストーリー「羊」の毛で作られたハンマーが、「鋼」の弦をたたく。ピアノの音が生まれる。生み出された音は、「森」の匂いがした―。将来の夢を持っていなかった外村は、高校でピアノ調律師・板鳥に出会う。彼が調律したその音に、生まれ故郷と同じ森の匂いを感じた外村は、調律の世界に魅せられ、果てしなく深く遠い森のようなその世界に、足を踏み入れていく。調律師の先輩たち、高校生姉妹、引きこもりの青年、意地悪なバーのオーナー。ときに迷い、悩みながらも、ピアノ関わる多くの人に支えられ、磨かれて、外村は、調律師として、人として、逞しく成長していく。【詳細】『羊と鋼の森』公開日:2018年6月8日(金)原作:宮下奈都著「羊と鋼の森」(文藝春秋刊)監督:橋本光二郎脚本:金子ありさ音楽:世武裕子出演:鈴木亮平、山﨑賢人、三浦友和、堀内敬子、仲里依紗、城田優、森永悠希、佐野勇斗、光石研、吉行和子エンディング・テーマ:「The Dream of the Lambs」作曲・編曲 : 久石譲、演奏 : 辻井伸行製作:「羊と鋼の森」製作委員会■映画『羊と鋼の森』公開記念 辻井伸行 特別コンサートスペシャルゲスト:久石譲日時:2018年6月13日(水)19:00開演(18:15開場)場所:サントリーホール住所:東京都港区赤坂1-13-1チケット料金:全席指定 S 9,000円、A 7,000円、B 5,000円※4月28日(土)10:00よりチケット発売、価格は全て税込。
2017年12月12日映画『ジャスティス・リーグ』(11月23日公開)で"世界最速の男"フラッシュを演じた俳優のエズラ・ミラーが20日、東京・六本木ヒルズアリーナで行われた同作のジャパンプレミアに出席。日本の漫画・アニメ好きな一面を見せた。今年のコミコンでは、人気コミック『鋼の錬金術師』のコスプレを披露して注目を集めたエズラ。「『鋼の錬金術師』の映画が近々公開される聞きました。ものすごい興奮しています!」と実写映画公開が待ちきれない様子で、「みなさんも興奮していますか!?」と問いかけると会場は大盛り上がり。そのほかに好きな作品を聞かれると、スタジオジブリの名作『もののけ姫』を挙げた。また、日本で行きたいところを聞かれると、「あとでゲームセンター行きます」と宣言。隣にいたサイボーグ役のレイ・フィッシャーに近寄り、「レイと2人で『ストリートファイター』の対決をする予定です」と笑顔で話した。ジャパンプレミアには、エズラ、レイのほか、プロデューサーのチャールズ・ローブン、また、日本人ゲストとしてお笑いトリオのパンサー、米大リーグのドジャースに所属する前田健太投手も登壇。さらに、レッドカーペットには、バットマンの吹き替え声優を務める小原雅人をはじめ、叶姉妹、ぺえ、JOY、菅谷哲也ら多くのゲストが駆けつけた。同作は、スーパーヒーローたちで結成された最強の超人チーム"ジャスティス・リーグ"の物語。スーパーマンの亡き後、バットマンのスカウト作戦により集まった超人たちが、地球崩壊の危機に立ち向かう。
2017年11月20日「金曜ロードSHOW!」が2週連続でスタジオジブリ作品を放送する「秋のジブリ」。先週の『崖の上のポニョ』に続き9月29日(金)今夜は『天空の城ラピュタ』を完全ノーカットでお届け。今回もスマホ等で参加できる「好きなシーンランキング」が実施される。宮崎駿監督が『風の谷のナウシカ』に続き原作、脚本、監督を手がけ、1986年夏に公開された本作。宮崎監督が子ども時代から構想していた企画を映画化、子どもから大人まで楽しめる“冒険活劇”として完成した。小さな山里で暮らす少女・シータはある日、ムスカ率いる謎の男たちによって連れ去られてしまう。しかしムスカたちの飛行船を空賊のドーラ一家が襲撃し、飛行船から逃げようとしたシータは誤って落下してしまう。だがシータは彼女が持つ“飛行石”の不思議な力でゆっくりと降下。たまたまそれを発見した炭鉱で働く少年・パズーがシータを助けるが、翌朝ドーラ一家、ムスカら国防軍がシータを探してパズーの町に現れる。追い詰められたパズーとシータは谷底に落下するがそこで再び飛行石が輝き2人は助かる。そしてパズーとシータはドーラ一家とともにかつて栄えた空の王国・ラピュタを探す冒険に出る…という物語。本作ではムスカら国防軍が持つ飛行戦艦やドーラ一家が使う昆虫を彷彿させる飛行マシンなど宮崎アニメならではともいえる独創的なデザインの乗り物が多数登場するほか、宮崎監督が演出した『ルパン三世』第2シリーズの最終回に登場したロボットが“飛行兵”として登場するなど、それまでの宮崎アニメの様々な要素が詰まっており、後の『紅の豚』にも通じる空中戦はいま見ても迫力満点。また放送のたびに巻き起こる“バルス祭り”にも注目したいところ。今週も放送中に番組特設サイトとデータ放送で作品の見どころを紹介する恒例企画「シーンガイド」と、特別企画の「みんなで選ぶ!好きなシーンランキング」を実施。放送に合わせて表示されるシーンガイドを観ながら「このシーンが好き!」と思ったところで特設サイトの「大好きボタン」(またはデータ放送で決定ボタン)を押して投票すると投票結果がランキングで発表される。2018年のジブリカレンダーが当たるチャンスもあるのでこちらも要チェック。金曜ロードSHOW!『天空の城ラピュタ』は9月29日(金)21時~日本テレビ系にて放送。(笠緒)
2017年09月29日「金曜ロードSHOW!」では「秋のジブリ」と題して2週連続でスタジオジブリ作品をオンエア。9月22日(金)今夜は2008年公開の大ヒット作『崖の上のポニョ』をノーカット放送する。今回はスマホとデータ放送で参加できる「好きなシーンランキング」も実施される。『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』をはじめ数々のアニメーション作品を世に送り出してきた宮崎駿監督によって2008年に世に送り出された本作。当時、すでにCGが多用されるようになっていたアニメーション制作において、あえて手描きにこだわって作られた色彩豊かでダイナミックな映像はもちろん、なによりもメインキャラクター“ポニョ”の愛くるしい姿、そして誰もの耳に残る親しみやすいテーマソングなどが大きな評判を呼んで、当時大ブームを巻き起こした。海辺の小さな町に住む5歳の男の子・宗介がある日出会ったのは、ジャムの瓶に入り込んでしまったさかなの女の子・ポニョ。宗介は、瓶を割ってポニョを助けだすと「ぼくが守ってあげるからね」と約束。ポニョは宗介が大好きになり、宗介もポニョを好きになる。父・フジモトによって海の中に連れ戻されてしまったポニョだったが、「人間になりたい」と強く願うように。ポニョは、いもうとたちの力を借りてフジモトの魔法を盗み出すと、宗介の元へと向かっていく――という物語。奈良柚莉愛、土井洋輝、山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子ら豪華俳優、女優陣が声優として参加しているのも見どころの1つだ。また今回は放送中に番組の特設サイトとデータ放送で作品の見どころを紹介する恒例企画「シーンガイド」とともに、新企画「みんなで選ぶ!好きなシーンランキング」が実施される。これは放送に合わせて表示されるシーンガイドを観ながら「このシーンが好き!」と思ったところで特設サイトの「大好きボタン」(またはデータ放送で決定ボタン)を押して投票するというもの、投票結果がランキングで発表されるのでこちらもお楽しみに。なお次週9月29日(金)は同じく宮崎駿監督による『天空の城ラピュタ』がオンエア。こちらも「好きなシーンランキング」が実施される。“バルス祭り”がどこまで広がるか。今週、来週の2週にわたってお届けする「秋のジブリ」企画は必見だ。金曜ロードSHOW!『崖の上のポニョ』は9月22日(金)21時~日本テレビ系にて放送。(笠緒)■関連作品:崖の上のポニョ 2008年7月19日より全国東宝系にて公開(C) 2008 二馬力・GNDHDDT
2017年09月22日2006年版「この恋愛小説がすごい」1位に輝いた島本理生の恋愛小説を原作に、「嵐」松本潤・主演、有村架純がヒロインを務める『ナラタージュ』。この度、10月より公開となる本作をいち早く鑑賞したスタジオジブリの鈴木敏夫、女優・石田ゆり子、映画監督・岩井俊二ほか著名人からコメントが到着した。高校教師と生徒として出会った葉山貴司(松本さん)と工藤泉(有村さん)が、時が経ち再会した後、決して許されはしない、けれど、一生に一度しか巡り会えない究極の恋に落ちていく物語を描いた本作。女優・石田ゆり子は「この映画の中に流れる粒子は、しっとりと重たくて、まるで紫陽花の花のよう。静かな映像の中に、美しい狂気を感じる。ただひたすらにまっすぐ愛するヒロインのすべての表情に、わたしは圧倒された」とコメントし、タレントの篠原ともえも「はじめての感情に何度も触れることが出来た、あまりに美しい純文学的な愛の作品。シーンの一瞬を思い出すだけで、心がぎゅぅぅってなるんです」と感想を語る。また普段映画を撮る側の監督たちからも絶賛のコメントが。『GANTZ』『図書館戦争』シリーズの佐藤信介監督は、「台詞の生々しい音は、まるで初めて台詞の音声というものに出会ったかのような瑞々しさがあり、顔の寄り画の表情の力には、まるで初めて映像で顔というものを見つめたような新鮮さがあった。フォーカスアウトした映像の奥や、フレームの外に、想像を掻き立てられ、これが映画が本来もたらすべき力だなと思った」と監督らしい視点で語り、犬童一心監督(『ゼロの焦点』)は「久しぶりに胸を押しつぶされるヘビー級の恋愛映画。出会えてとても幸せでした」、岩井俊二監督(『リップヴァンウィンクルの花嫁』)は「曖昧でいて透明な、この世のようなあの世のような、幽霊のような化石のような、でも確かに見事に21世紀の若者たちのラブストーリーなのです」とコメント。そのほか、「ナラタージュ、それは回想。若い男は私を束縛したし、年上の男は優し過ぎた。大人のための恋愛映画、楽しませて貰いました」(スタジオジブリ鈴木敏夫)、「腑に落ちた。恋愛とは何か、なぜ恋愛でこんなに苦しまなければならないのか、ずっと謎に思いながら生きてきて、この映画を観て、決して答えは出ないのだけれど、『人間なのだから、こういう状態に陥ることは誰にでもあるんだ』ということが、腹にストーンと落ちてきた。恋を、納得してしまう。原作も大好きで、映画も大好きになった」(エッセイスト・小説家山崎ナオコーラ)などなど、恋愛の痛みとそれに勝る幸せを余すことなく描いた本作に、感嘆の声が続々とあがっている。また、コメントの一部を掲載したコメントフライヤーが、全国の『ナラタージュ』上映劇場にて明日9月23日(土)より設置される。『ナラタージュ』は10月7日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年09月22日新ブランド「スタジオジブリのあの服(STUDIO GHIBLI NO ANOFUKU)」がデビュー。2017年9月15日(金)より、公式オンラインショップ、代官山/中目黒 蔦屋書店にて発売される。「スタジオジブリのあの服」は、神田恵介と森永邦彦が新たに設立した企画会社「株式会社あの服」が手がけるファッションブランド。日本を代表するコンテンツや企業と共に、新しいファッションを生み出していくことを目的とする同社による第1弾の企画として、誰もが知る日本のアニメーション制作会社「スタジオジブリ」とのコラボレーションブランドが誕生した。文字通りジブリのキャラクターをモチーフにした商品構成は子供服が中心。『となりのトトロ』のトトロと猫バスを胸元に大胆にデザインしたニットや、同作品に登場する“まっくろくろすけ”、『魔女の宅急便』のジジなどのキャラクターを刺繍やニットワークであしらったウェアなど、全て一点物のアイテムが展開される。また、デビューコレクションの発売を記念して、2017年9月18日(月)に代官山 蔦屋書店にて「スタジオジブリのあの服」主催の参加型“服育ワークショップ”が開催予定だ。【概要】「スタジオジブリのあの服(STUDIO GHIBLI NO ANOFUKU)」発売日:2017年9月15日(金)取扱店舗:公式オンラインショップ、代官山/中目黒 蔦屋書店※代官山 蔦屋書店は9月15日(金)〜10月31日(火)、中目黒 蔦屋書店は9月15日(金)〜10月5日(木)までの期間限定■ワークショップ開催日:2017年9月18日(月)開催場所:代官山 蔦屋書店1号館2階時間:第一回 13:00〜13:30、第二回 13:30〜14:00、第三回 14:00〜14:30、第四回 14:30〜15:00所要時間:約30分定員:各回5組(限定20組/5組×4回)参加料金:無料申込方法:代官山 蔦屋書店1号館2階にて当日受付
2017年09月17日ニューアルバム『天空のバンドネオン~タンゴでスタジオジブリ~』を9月27日(水)にリリースする、バンドネオン奏者の小松亮太。アルバム発のツアー『小松亮太コンサート~天空のバンドネオン~』の開催を10・11月に控える中、ジブリの映画音楽をタンゴというジャンルで紐解いた小松が、アルバムやコンサートの聴きどころを語った。【チケット情報はこちら】小松は2015年12月、東京・三鷹の森ジブリ美術館で行われたサプライズライブに登場。「天空の城ラピュタ」などジブリ作品の楽曲を自らアレンジし、披露した。当日はタンゴの本場・アルゼンチンをはじめ、台湾、中国、フランスなどから訪れた観客の反応を目の当たりに。ジブリの存在が世界各国に浸透していることを実感すると、「海外の人たちに向けて、日本人が描いたメロディーをタンゴにして聴いてもらう。新しいファンが開拓できるのでは」と考え、アルバム制作のきっかけとなった出来事であると紹介する。さらに、小松はタンゴをよく知らない日本人にもその魅力をアピールできると分析。「ジブリ音楽をジャズやポップス、クラシックでカバーしたアルバムは過去に出ていますが、タンゴでのカバーは世界初。もともと予備知識のある音楽をタンゴで聴いてもらうことで、良さに気づいてもらえたら」と期待を寄せた。イチ押しの楽曲を尋ねると、迷いながらも『さんぽ』(となりのトトロ)を挙げた小松。マーチのリズムがタンゴになるって? という問いかけには、実際の演奏で応えてくれた。傍らに置いてあったバンドネオンを奏でると、おなじみのメロディーの中にそこはかとない哀愁が。演奏に対して感謝の気持ちを伝えたところ、「うまくアレンジできるかな? って思いながら書き始めたけど、意外にハマって」とはにかんでみせる。今回のコンサートには、ボーカルとして本アルバムの制作に参加した坂本美雨と宮沢和史が登場。ラジオ共演を通じて話し声に魅力を感じたという坂本とは『風の谷のナウシカ』を、昔から親交のある宮沢とは『時には昔の話を』(紅の豚)を披露する。『さよならの夏』(コクリコ坂から)で共演したクミコはコンサートへの参加が叶わなかったが、小松は「インスピレーションで依頼して、打ち合わせもなくレコーディング。2~3回歌ってもらっただけなのに完璧で、圧倒されました!」とその歌声を称賛した。『小松亮太コンサート~天空のバンドネオン~』は、10月に新潟・愛知・大阪を周ったあと、11月20日(月)に東京・東京文化会館 小ホールで行われる。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2017年09月15日9月9日(土)今夜放送の「SWITCHインタビュー達人達(たち)」はこの夏大ヒットした映画『メアリと魔女の花』の監督、米林宏昌と国内外のコンクールで数々の優勝歴を誇るパティシエの辻口博啓が登場。同郷でもある2人がその「仕事術」について語り合う。異なる分野で活躍する2人の“達人”がクロスインタビュー形式で対談する本番組。番組の前半と後半でゲストとインタビュアーが“スイッチ”してそれぞれの「仕事の極意」を語り合う独自のスタイルが視聴者に新しい感動をよんでいる。同じ石川県の出身であり、大学在学中にアニメの楽しさに目覚めスタジオジブリに入社した米林さんと、実家が和菓子店ながら小学3年生のときに友達の誕生日会でショートケーキと出会ったことからパティシエの道を進むことになった辻口さん。米林さんは2014年に退社するまでスタジオジブリで宮崎駿監督のもとでアニメーターとして『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』『ゲド戦記』などの作品に携わった。その後2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』で長編初監督。2014年には第2作となる『思い出のマーニー』を監督し第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされるなど、次世代のアニメーション監督としても脚光を浴びるようになり2015年、スタジオポノックを設立。今年長編第3作となる『メアリと魔女の花』を世に送り出した。そんな米林さんが会いたいと熱望したのが国内外のコンクールで数々の優勝歴を誇るパティシエの辻口さんだ。東京・自由が丘のモンサンクレールのほかコンセプトが異なる13ブランドを展開。海外店舗「モンサンクレール ソウル」もオープンさせたほか連続テレビ小説「まれ」では製菓指導を務めた。番組の前半ではそんな辻口さんが生まれ故郷・石川県の七尾市に開いたスイーツのミュージアムを舞台に、辛酸をなめながらも、素材にこだわり見た目も楽しいスイーツで現在の成功を勝ち取るまでの辻口さんの人生を米林さんがひもとく。後半では辻口さんが米林さんのスタジオを訪ねて、美しいアニメを生みだす繊細な動きへのこだわりから、若手を育てる難しさまでその「仕事術」に迫る。「SWITCHインタビュー達人達(たち)」は9月9日(土)22時~NHK Eテレで放送。(笠緒)■関連作品:メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
2017年09月09日「金曜ロードSHOW!」では「秋のジブリ」と題し、9月22日(金)と29日(金)に宮崎駿監督による『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』を2週連続放送。スタジオジブリ作品としては初めて、放送当日にスマホとデータ放送で参加できる「好きなシーンランキング」を実施することになった。まず9月22日(金)には、2008年、主題歌と共に日本中で社会現象になった冒険ファンタジー『崖の上のポニョ』がノーカット放送で登場。海辺の小さな町に住む5歳の男の子・宗介がある日出会ったのは、ジャムの瓶に入り込んでしまったさかなの女の子・ポニョ。宗介は、瓶を割ってポニョを助けだすと「ぼくが守ってあげるからね」と約束。ポニョは宗介が大好きになり、宗介もポニョを好きになる。父・フジモトによって海の中に連れ戻されてしまったポニョだったが、「人間になりたい」と強く願うように。ポニョは、いもうとたちの力を借りてフジモトの魔法を盗み出すと、宗介の元へと向かっていく――。どこまでもピュアな2人の大冒険に、心が弾む!声の出演には、奈良柚莉愛、土井洋輝、山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージら豪華な顔ぶれが揃う。9月29日(金)には、公開から30年以上がたったいまでも色褪せることがない、好奇心と夢にあふれた伝説的名作『天空の城ラピュタ』をノーカット放送。鉱山で働く見習い機械工の少年・パズーのもとに、空から少女が降りてくる。彼女の名前はシータ。彼女は光り輝くペンダントを首にかけていた。翌朝、パズーの住む小屋で目を覚ましたシータは、彼の家で不思議な写真を目にする。その写真はパズーの父親が撮ったもので、空に浮かぶ伝説の島・ラピュタを写したものだった。しかし、その写真は誰からも信じてもらえないままだったという。父の汚名を晴らすために、いつの日かラピュタを見つけたいと願っていたパズーは…。声の出演には田中真弓、横沢啓子、初井言榮、寺田農、永井一郎、常田富士男が名を連ねる。宮崎監督が手掛けた大傑作冒険ファンタジーが、2週連続で登場する「秋のジブリ」。しかも、今回の放送中は、番組の特設サイトとデータ放送で作品の見どころを紹介する恒例企画「シーンガイド」とともに、新企画「みんなで選ぶ!好きなシーンランキング」を実施。放送に合わせて表示されるシーンガイドを観ながら「このシーンが好き!」と思ったら特設サイトの「大好きボタン」(またはデータ放送で決定ボタン)を押して投票するというもので、投票結果がランキングで発表される。日本テレビの谷生俊治プロデューサーは、スタジオジブリ作品の放送時には毎回多くの視聴者が参加しているというデジタル企画について、「『シーンランキング』企画はスタジオジブリ作品で実施するのは初めてで、多くの方になじみがある『崖の上のポニョ』、『天空の城ラピュタ』という2作品の魅力を再発見していただければ嬉しく思います」とコメントを寄せる。何度観ても、色褪せない魅力を放つ2作品。あなたの好きな名シーンが何位になるか、楽しみながら参加してみて。金曜ロードSHOW!『崖の上のポニョ』は9月22日(金)21時~、『天空の城ラピュタ』は9月29日(金)21時~日本テレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年09月08日「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」が、金沢21世紀美術館にて2018年7月27日(金)から8月25日(土)まで開催される。なお、期間中8月11日(土)から閉幕日までは『千と千尋の神隠し』にまつわる特別企画を実施する。金沢でスタジオジブリ関連の展示が開催されるのは初めてのことだ。スタジオジブリ作品の“言葉の魔法”に触れる貴重な展示鈴木敏夫は、『千と千尋の神隠し』などスタジオジブリ作品をプロデュースし、作品の本質的なメッセージを言葉にして世に送り出してきた。『かぐや姫の物語』の題字や『風立ちぬ』のキャッチコピー“生きねば。”など、手書きのメッセージによって、言葉のもつ力強さを存分に表現している。本展では、プロデューサー鈴木敏夫が生み出した言葉の魅力に迫る資料や手書きの書、キャラクターデザインを展示。活字では表せない、手書きならではのメッセージが伝わる作品資料や、名台詞などを書き下ろした書を通して、ジブリ作品の持つ「言葉の魔法」を紐解いていく。ジブリ作品の原点に立ち返る会場では、鈴木が編集者を務め、アニメーション雑誌のパイオニアとして創刊された月刊『アニメージュ』の仕事にも焦点を当てる。この時期に、高畑勲・宮崎駿両監督と出会い、同誌で『風の谷のナウシカ』を連載、映画化をも成しとげた。まさにジブリの原点とも言える雑誌だ。当時の『アニメージュ』をはじめとし、スタジオジブリ設立までの軌跡を感じとることもできそうだ。ちばてつや原作、幻の作品を限定上映また、幻と言われた宮崎駿初演出作品『ユキの太陽』を限定上映。『あしたのジョー』を手掛けた漫画家ちばてつやが原作をつとめた本作は、2人を結びつけた貴重な一作でもある。さらに見どころは続き、名古屋での開催時に鈴木本人が残した落書きや直筆メッセージの展示、名言を添えた開運おみくじなども用意。今まで慣れ親しんだスタジオジブリ作品に、また新たな角度で触れられる機会となるだろう。夏休み特別企画『千と千尋の神隠し』をピックアップ8月11日(土)から閉幕日の25日(土)までは、夏休み特別企画を実施。毎日先着1,000人の来場者に特製ポストカードがプレゼントされる。また、18日(土)から24日(金)までの1週間は、カオナシが会場を散歩する「カオナシ散歩」を実施。フォトスポットエリアでは撮影も可能だ。そして、23日(木)には1日限定で映画の上映会も行う。開催概要スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展会期:2018年7月27日(金)〜8月25日(土) ※会期中無休場所:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA住所:石川県金沢市広坂1-2-1開催時間:10:00〜18:00※初日7月27日(金)は13時開場※金・土曜日は20時まで、但し最終日8月25日(土)は18時閉場※いずれも入場は閉場の30分前まで入館料:大人 1,200円 中高生 800円 小学生 600円■夏休み特別企画詳細期間:2018年8月11日(土)~8月25日(土)・ポストカードプレゼント:企画開催中全日、先着1,000人にポストカードプレゼント。・カオナシ散歩:18日(土)~24日(金)の期間、各日11:00、13:00、15:00頃カオナシが会場内を散歩。・映画『千と千尋の神隠し』上映会:8月23日(木)11:00~定員150名。上映時間の30分前から先着で受付。※展覧会チケット(半券も可)が必要。
2017年08月28日●撮影後に気づいた「絹は私と似ている」「なんで今さら?」と思われるかもしれないが、2016年4月期に放送されたTBS系ドラマ『重版出来!』の話を少ししたい。漫画雑誌『週刊バイブス』の編集部を舞台に、黒木華演じる新人編集者・黒沢心の奮闘劇を中心に、脇役の葛藤までが丁寧に描かれていた。副編集長・五百旗頭(オダギリジョー)の「正しい編集者とは何か」、久慈勝社長(高田純次)の「運を貯める」と並んで、心に深く刺さったのが、自身の才能に悩む東江絹の姿だった。明日に備えて前向きになりたい時。何かの壁にぶち当たった時。このドラマを観て、気持ちを切り替えることが今でもルーティンになっている。東江絹を演じているのが、女優・高月彩良。彼女と会ったのは約2年前、主演映画『人狼ゲーム クレイジーフォックス』のインタビュー取材だった。8月10日に二十歳を迎えるこの節目だからこそ、東江絹についての思いを聞いておきたかった。取材前にブログをチェックしたところ、勝手にハマり役と思い込んでいたことをほどなく猛省することになる。「不器用な自分が不甲斐なく思いました」「私が悩んでいる中で、マネージャーさんが声を掛けてくれたり、監督やスタッフさんからアドバイスを頂いたり、素敵な共演者の皆様に助けて頂いたことで、ヒントが出てきて周りの方達のサポートのおかけで絹ちゃんを演じることができました」(2016年5月23日投稿より)。役者が視聴者に「ハマり役」と思わせるまでには相当な苦労を伴っていることを今更ながら知る。今回の取材でも、自身の足りない部分をいつでも意識し、それを必死に補おうとする姿勢は、やっぱり東江絹を重ねてしまう。○朗読劇の自主練で号泣――8月10日に節目となる二十歳を迎えられますね。おめでとうございます。どのような心持ちですか?(8月8日に取材)ありがとうございます。今まで迎えて来た誕生日の中では特別というか。大切にしたいという思いはあります(笑)。何かが変わるというような予感は今のところありませんが、新しいことには挑戦したいという気持ちは抱いています。――詳しく聞きたいです。ミュージカルに挑戦してみたいです。とにかく舞台に立つことが好きで、歌うことも好き。いろいろなミュージカルを観劇して感動しますが、終わってから感じるのは「自分にできるのかな」というマイナスイメージばかりで。でも、そういう不安を稽古で乗り切りたいとも思っています。実は、新しいことに挑む時にはいつもそういう心理状態になってしまいます。今日のインタビューも「ちゃんと答えられるかな」と不安になりながら来ました(笑)。――これまでたくさんの取材を経験してきても(笑)?そうなんですが、いつも新たな気持ちでというか。毎回緊張してしまいます。――初挑戦といえば、朗読劇『私の頭の中の消しゴム』が迫っていますね(8月17日19時~・20日12時~/東京・サンシャイン劇場)。本格的な稽古はこれからで、今はひたすら自主練です。過去に内山理名さんの朗読劇を拝見したことがあって、その時のことを思い出したり、参考となるような動画を観たりしてイメージを固めています。緊張と不安はありますが、もともと好きな作品なのでどちらかというと楽しみの方が大きいです。本を読んであまり涙を流してしまうことはないのですが、この作品は自宅で練習していても一人で泣いてしまって。ポロッとこぼれてしまうことはあっても、号泣してしまうのは初めてのことだったので、自分でも驚きました。――ドラマや映画でそのようになることはなかったんですか?そうですね、涙が出ることはあっても号泣まではならなくて。ドラマや映画は、カメラが回るとそうなります。環境に追い込まれるというか、相手の方が目の前にいると自然とそういう気持ちに。朗読劇はそのあたりの調節が難しいと感じていて、あまり泣きすぎるとお客さんに正しく伝わらなかったりするので、気をつけたいと思っています。台本を読んで、私が演じる薫は自分とかけ離れている存在だと分かりました。美しくて、華やかで、明るくて。その女性像を追いかけるので一生懸命で、細かい点でいえば、こうして話しているトーンも全く違っていて薫は常に明るい。「抱きしめていい?」というセリフも日常生活で口にしたことがないので(笑)、役と自分の溝を埋めることにも集中しています。――今回の朗読劇に限らず、自分と役に隔たりがあると、演じる上ではハードルになるんですか?今までは比較的自分に近いというか、ここまで開きがある役はなかったと感じています○『重版出来!』苦悩の真相――前回お会いしたのが2015年末、『人狼ゲーム クレイジーフォックス』の取材でした。その後、個人的に何度も観返している出演作があって、それがドラマ『重版出来!』です。仕事で思い通りにならないことがあったり、何かにつまずいたりした時に観ています。そうなんですね! ありがとうございます。――高月さんが演じた東江絹は自信の才能に葛藤し、やがては前向きに自らの人生を選択していきます。すごく悩みながらの撮影だったことがブログに書いてありました。一視聴者としては勝手にハマり役と思い込んでいたので、とても意外でした。「絹は私と似ている」ということに後に気づくんですけど、演じている時は全くそんなこともなく。監督がとても厳しい方で、お芝居について指導していただくことが繰り返しあって、絹を演じていて「これが正解なのか」と迷ってしまいました。そんな私を見て、周りのスタッフさんはじめ、マネージャーさんもアドバイスをくださったんです。そういう意味で、周囲の支えなしでは乗り切れない撮影でした。●舞台演出家「なにその演技?」が転機に――監督は他の方にもそういう指導だったんですか?たぶん、私だけだったと思います。4話から6話に出演させていただいたんですが(最終話にも少し出演)、4話が福田亮介監督、6話が塚原あゆ子監督。絹がどんどん精神的に追い詰められていく6話で塚原監督から熱心に指導していただきました。今でも印象に残っているのが、「もっと気持ちを込めて」と言われたことです。――今振り返ってみて、受けとめ方は変わりましたか?愛情を持って接していただいていました。監督のアドバイスがなければ、あのようにはならなかった。――自宅の二階から下りてきて、玄関にいた黒沢心を見て涙するシーンなんか最高でした(6話)。ありがとうございます(笑)。あのシーンは、黒木さんとお会いするのが本当に久しぶりで、本当にうれしかったんです。自分の気持ちがリンクしていました。黒木さんは本当にすばらしい方でした。見つめ合うだけでシビれるというか、まっすぐな瞳で見つめてくださるんです。安田顕さん(安井昇役)も役柄では追い詰められましたが(笑)、本当に紳士的で優しい方でした。そして、『重版出来!』はいろいろな方から反響がありました。今でも現場に入る時に「観てたよ」と言ってくださるスタッフさんがいます。本当にありがたいです。――東江さんは、自分に才能があるのか悩んでいましたが、漫画家だけでなく誰もが一度は悩んだことがあると思います。高月さんはいかがですか?私も不安です。この仕事をやっていても、いつも「自分には才能なんてあるのかな」とよぎってしまいます。最後は、「がむしゃらにやるしかない!」となるんですが、デビュー間もない頃と比べると、もう少し役について考えて臨めるようになったんじゃないかなという感覚はあります。そういう意味で、同世代の方々は刺激になる存在で、みなさん自分にないものを持ってますし、それぞれに違う魅力があって。この仕事をやっていて良かったと思うのは、そういう方々と出会えた瞬間。先輩含めて刺激をたくさんいただいています。○『脳スマ』『片想い』役柄との距離感――さて、8月31日放送の読売テレビ・日本テレビ系『脳にスマホが埋められた!』(毎週木曜23:59~)の第9話にゲスト出演。演じる朝比奈は社長秘書で、才色兼備のキャリアウーマンです。ご自身と役の開きはいかがですか?大学在学中に起業したエリート中のエリート。3日間の撮影だったんですが、現場に行くたびにセリフで毒舌を吐かなくてはいけなかったのですごく胸が苦しくて(笑)。初めて会った役者さんにも高圧的な態度をとらないといけないので、結構つらかったです。カットがかかったらすごくニコやかにして、「自分はそんな人じゃない」と伝わればいいなと思っていました(笑)。朝比奈は自信の塊。そういう自分にはないものを持っている役は、近い方を参考にしたりしています。――10月21日スタートの連続ドラマW『片想い』(毎週土曜22:00~)では、性分化疾患で男女両方の要素を持つ陸上部員高校生・末永睦美役。これも難しい役どころですね。心は女の子なのですが体の一部に障害があって、男性ホルモンが多いことが影響して陸上競技では普通の女の子よりも良い記録なので女子の大会に出られなかったり、いろいろな葛藤の中で生きている役です。ある日、桐谷健太さん演じるスポーツライター・哲朗の取材を受け、そこで抱えているものを打ち明けていくうちに、徐々に前向きになっていきます。スタッフさんがたくさん資料をくださって、それを読み込んだり、調べたりしながら性分化疾患について知識を深めました。疾患で悩んでいる方を傷つけてはいけないので慎重に演じないといけないと思っていたのですが、睦美がすごく明るい性格だったことに救われて、前向きに役と向き合うことができました。――こうしていろいろな役を演じる機会が増えて、周囲の期待が高まったり、より高いレベルを求められると感じることはありますか?演じる役の幅が広がっていることを幸せに思います。毎回が挑戦なので、自分が評価されていることはあまり実感できていません。○「まだまだ自分を評価できない」――20歳の節目ということで、デビューのお話をうかがいたいのですが、スカウトだったそうですね。2008年の小学5年生当時、地元・横浜でスイミングスクールに通っていて、そこは山奥の坂道をのぼったところにありました。私は自転車で、坂からおりてくるマネージャーさんとすれ違いざまにぶつかってしまって。謝っていたら名刺を渡されて、とりあえず受け取ってスイミングスクールに行ったのですが、終わっても待っていて(笑)。翌日に詳しいお話をうかがいました。――それまでに芸能界に興味は?全くなかったです。私にとっては未知の世界で、自分なんか女優さんになれるわけないと思っていました。だからこそ、「こんな私」に興味を持ってくれたというのが一番うれしかった。お父さんが「やりなよ」と背中を押してくれたので一歩を踏み出せましたし、「ダメだったらやめればいい」とも言ってくれました。お母さんも「やったら?」みたいな感じでしたね(笑)。――デビュー後すぐに『TSC東京ガール』(BS-i・08年)、『オトメン』(フジテレビ系・09年)などに出演されました。そういう現場を経験して気持ちは変わりましたか?夢を見ているような気持ちになりながら、現場にいたと思います。テレビで見ていた方々が目の前にいる。本当にそういう感覚で現場に立って、女優としての自覚は全くなかったです。セリフも「ありがとう」だけなのに反芻して(笑)。パニック状態でした。――その後の向き合い方はどのように変化していったんですか?どのタイミングで変わっていったのか……きっとやっていくうちに自覚していったと思います。その中でも印象に残っているのが、オーディションで受かった舞台『BASARA』(12年)。演出家の方から「なにその演技?」と怒られて、現実を突きつけられました。はっきりとダメ出しをもらったのは、その時が初めてでした。bump.yを2014年に卒業して一人になった時から、今まで以上にがんばらないといけないと思うようになりました。グループ在籍中はやっぱりそこに甘えていたんだと思います。自分にとっての「お家」のような存在でした。最近、やっと一人でいることに慣れてきました(笑)。まだまだ自分を評価できないですが、二十歳の節目を迎えて、もっともっとがんばっていきたい。そんな気持ちです。■プロフィール高月彩良(たかつき・さら)1997年8月10日生まれ。神奈川県出身。2008年にネットドラマ『TSC東京ガール』で女優デビューを飾り、スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』の主演(声優・佐々木杏奈役)で注目を集める。これまで、『GTO』(12年・フジ系)、『地獄先生ぬ~べ~』(14年・日本テレビ系)、『五つ星ツーリスト ~最高の旅、ご案内します!!~』(15年・日本テレビ系)、『重版出来!』(16年・TBS系)、『銀と金』(17年・テレビ東京系)などのドラマ、『男子高校生の日常』(13年)、『僕は友達が少ない』(14年)、『スレイヤーズ・クロニクル』(15年)、『人狼ゲーム クレイジーフォックス』(15年)、映画『黒崎くんの言いなりなんてならない』(16年)などの映画に出演。
2017年08月17日7月30日(日)今夜オンエアの日本テレビ系「おしゃれイズム」に俳優の高橋一生がゲスト出演。“セミプロ級”だというスケボーの腕前を披露するほか、親友の俳優・瀬戸康史も登場。高橋さんの意外な素顔が明らかになる。本番組はMCである上田晋也、藤木直人、森泉の3人が、毎回スタジオに迎えるゲストの私生活やこだわりの趣味など、ゲストの持つ“イズム”に迫っていくトークバラエティ。今回出演する高橋さんは子役時代から幾つもの作品に出演、俳優だけでなくスタジオジブリ作品『おもひでぽろぽろ』や『耳をすませば』では声優も務めている。2015年放送のドラマ「民王」で注目を集めると、2016年に入り月9「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」や「僕のヤバイ妻」、「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」などのドラマから大ヒット作となった『シン・ゴジラ』まで出演作が連続。今年も「カルテット」や大河ドラマ「おんな城主 直虎」など出演作が連続。「2017年上半期ブレイク俳優1位」の称号を手にするなど、いま最も注目を集める俳優の1人となった。そんな高橋さんだが、小学生の頃から始めたというスケボーがセミプロ級の腕前ということで、収録日当日は寝起きのようないでたちで私物のスケボーを片手に日本テレビに到着。華麗なるスケボーの腕前を披露してくれた。番組ではその模様をVTRで紹介する。また自宅の家具や植物に「名前をつける」という高橋さん。最近オーダーメードで買ったというお気に入りのソファーの名前を今回スタジオで初披露、「届くまでに2~3か月待ったから」ことが由来となったユニークなネーミングにも注目だ。さらに高橋さんと仲がいい俳優の瀬戸さんがスタジオに現れ、瀬戸さんの視点から見た高橋さんに一生に合うと思う理想の女性像を語ってくれる。今後の注目作が目白押しの高橋さん。10月から新宿武蔵野館ほかで全国公開公開予定の映画『リミット・オブ・スリーピング・ビューティ』に出演のほか、長澤まさみ、吉田鋼太郎らと共演する『嘘を愛する女』や長瀬智也、ディーン・フジオカらとの共演でおくる『空飛ぶタイヤ』が来年公開予定。“最旬”イケメンが汗だくでスケボーに打ち込む姿にファンならずとも胸ときめくこと間違いなしの「おしゃれイズム」。放送は7月30日(日)22時~日本テレビ系にて。(笠緒)
2017年07月30日『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のスタッフが再集結し“青春群像劇”第2弾として製作された2015年公開の大ヒットオリジナルアニメーション映画『心が叫びたがってるんだ。』が7月29日(土)今夜の「土曜プレミアム」で地上波初放送される。本作はフジテレビ木曜深夜の“ノイタミナ”枠で放送され評判を呼び、その後劇場アニメ化された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のメインスタッフである長井龍雪(監督)、岡田麿里(脚本)、田中将賀(キャラクターデザイン)の3人が再結集。『あの花』と同じく秩父を舞台に再び4人の高校生の青春ストーリーを描き出した『ここさけ』。主題歌に「乃木坂46」の「今、話したい誰かがいる」が起用され、ヒロインの母親役で女優の吉田羊が声優として出演するなど、多くの注目要素も盛り込まれ2015年9月19日(土)に全国142館で公開されると、累計興収11.2億円、累計動員82万人という大ヒットを記録。完全オリジナルの劇場アニメが興収10億円を突破するのはスタジオジブリ作品、大友克洋作品、細田守作品に次ぐ史上4番目の快挙であり、さらに「第19回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門」でも審査委員会推薦作品に選出されるなどその作品性も高く評価された。物語は幼い頃家族がバラバラになったことから、言葉を発するとお腹が痛くなってしまうようになり、心も閉ざしメールが唯一のコミュニケーション手段になってしまったヒロイン・成瀬順と、本音を言わずやる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月の4人の高校生を中心に、それぞれ心に傷を持った4人がある日「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命され、交流会の出し物のミュージカルで順が主役に抜擢されてしまい…という展開。キャストは順役に水瀬いのり、拓実役に内山昂輝、菜月役に雨宮天、田崎役を細谷佳正とそれぞれ人気の声優がメインキャストを演じ、藤原啓治、吉田さんらが脇を固める。大ヒットした本作だが「実写版」も7月22日から公開されこちらも大好評。実写版では「Sexy Zone」中島健人が拓実役を、芳根京子が順を、「E-girls」石井杏奈が菜月を、寛一郎が田崎をそれぞれ演じている。こちらもお見逃しなく。土曜プレミアム『心が叫びたがってるんだ。』は7月29日(土)21時からフジテレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:心が叫びたがってるんだ。 2015年9月19日より全国にて公開(C) KOKOSAKE PROJECT
2017年07月29日