フィンランドからとんでもないSF映画がやって来た!時は2018年。何と、密かに月に巨大秘密基地を作り上げていたナチスが、宇宙艦隊を率いて地球を襲来するという衝撃の物語『アイアン・スカイ』が間もなく公開となる。その設定といい、ストーリー展開といい、実に荒唐無稽な本作だが、その中で強烈なインパクトと美貌を放つのが、ドイツ出身の新星、ユリア・ディーツェだ。役を離れての絶妙な語り口からも、彼女の大物ぶりがうかがえる。「ナチスが月からやってくる夢を見た」という脚本家のジョークがきっかけで、それを聞いていたティモ・ヴオレンソラ監督がある確信のもとに創作に乗り出した本作。だがその資金集めと並行して、幾度となく脚本が書き換えられたと言い、早々に出演が決定していたユリアも16種類もの脚本を手渡される羽目になったのだとか。「1回だけすごく哀しい変更があったわ。何人もの脚本家がこの作品に携わっているのだけど、一度、アメリカ人の脚本家が書いてきたスクリプトはとても退屈で、冷酷なジョークばかりの政治的に間違っていたひどいものだった。私は、本当に泣きながらティモに電話して『(ユリア扮する)レナーテの良い部分が全てなくなってしまっていて、こんな映画は観たくないわ』と言ったらティモも同調してくれて、『そうだね、このスクリプトはダメだ。フィンランドに帰ってやり直そう』と言ってくれたの。とても良かったと思ってるわ」。実は、SF映画には全く興味を持っていなかったと暴露するユリアだが、そもそも自身が育った母国の歴史をブラックユーモアとしてなぞる本作への出演を決めたのには、母国では描けない、ぶっ飛びすぎたユーモアがあったから。彼女が演じる、ナチスのプロパガンダに心酔する人格者・レナーテの役づくりにも、枠に囚われない彼女の柔軟さが感じられる。「ドイツの女優であるマレーネ・ディートリッヒ、マルコムX、キング牧師の研究はしたのよ。マレーネは人間性を持って国家社会主義思想と戦っていて、笑顔、ユーモア、慈悲を与えた。慈悲はとても重要な要素で、マザー・テレサのようだわ。ドイツで育っているから、ナチスの歴史や学校でもちろん習っているし、ヒトラーがどんなひどいことをしてきたかは知ってるわ。準備段階で考えたのは、地球では女性らしさをいろんなものから学べるけど、月面ではそういったことができない。男性が強い世界だしね。私は、(月面で生きる)彼女たちはチャップリンやマレーネから女性らしさやセクシーさを学んだのでは?と考えたの。だから、チャップリンやマレーネの作品をたくさん観て勉強したわ。私は、いつも演じるときに動物をイメージするんだけど、今回、レナーテは『白鳥』だと思うの。醜い姿から美しく威厳をもつ姿になる。少女らしい人から大人の女性に成長して強い女性になっていく。姿勢も白鳥のように、顎を上げて、羽が生えたように背筋を伸ばすことを心がけたわ」。ナチスに心酔していた月面暮らしから一転、アメリカに降り立ったレナーテはやがて、自身が信じていたものの危険な野望を思い知ることとなる。その中で生まれるアメリカ人とのほのかなロマンスのゆくえも見どころであるが、それと同じくして気になるのがユリアがファッショナブルに着こなすナチスの軍服を始めとするコスチュームの数々だ。その着心地は…?「マシュマロの衣裳がお気に入りよ。月面基地の中に戻ってくるときに来ている衣裳よ。車のタイヤを使っているのよ。『アイアン・スカイ』の衣裳は、リドリー・スコットの大作でも活躍しているデザイナーが、ノーギャラに近い形で携わってくれたの!」観る者を惹きこむ大きな瞳だけでなく、内側から放たれる健康的な色気は、男のみならず女性をも羨望させる美しさをもっている。その美貌の秘訣を聞くと、「あらゆる種類のダンスをいっぱいすることね。ダンスのコンクールにも挑戦しようと思ってるの」という彼女だが、無尽蔵な好奇心とアクティブさこそが最大の秘訣と言えそう。では、そんな彼女が目指す女優像とは?最後に聞いた。「メリル・ストリープ、シャルロット・ゲンズブール、それから『タイガー&ドラゴン』という日本の作品に出てた女優が好きだわ。歴史上の女性では、マザー・テレサ、そしてエルゼ・ラスカー=シューラーというユダヤ人の詩人。第二次大戦中でナチスの迫害によって故郷を追われ、悲劇の人生を生き抜き、イスラエルで死んだ女性よ。彼女の人生を映画化して出演したいわ。また、ケイト・ブランシェットも憧れの女優よ。彼女からのアドバイスで『究極の選択に直面するような女性を演じなさい』という言葉があって。私も、そういう役を演じていきたいと思っているの」。■関連作品:アイアン・スカイ 9月28日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2012 Blind Spot Pictures, 27 Film Productions, New Holland Pictures
2012年09月27日ユアン・マクレガーが、新作ブラック・コメディー作品『August:Osage County』(原題)の豪華キャスト陣に加わった。ピュリッツァー賞とトニー賞最優秀作品賞を受賞したトレイシー・レッツの同名戯曲の映画化となる同作は、メリル・ストリープ扮する精神的に不安定な女家長バイオレット・ウェストンとその家族の関係を描いた作品で、母との関係がうまくいかない娘・バーバラをジュリア・ロバーツが演じることが決定している。ユアンはバーバラの夫、ビル・フォーダムを演じるという。『カンパニー・メン』のジョン・ウェルズがメガホンを取り、ジョージ・クルーニーとグラント・ヘスロヴがプロデューサーを務める同作には、ジュリエット・ルイス、アビゲイル・ブレスリン、ダーモット・マローニーらも出演予定のほか、現在ベネディクト・カンバーバッチが出演交渉中と囁かれている。ユアンは、同作のほかにも新作アクション作品『エージェント・マロリー』が今月28日(金)に日本公開を控えているほか、童話「ジャックと豆の木」を映画化したアクション・ファンタジー『Jack the Giant Killer』(原題)でニコラス・ホルトと共演するなど今後も新作が目白押しだ。■関連作品:エージェント・マロリー 2012年9月28日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2011 Five Continents Imports, LLC. All rights reserved
2012年09月14日スタンリー・トゥッチ(51)が、エミリー・ブラントの姉でリテラリー・エージェントのフェリシティ・ブラント(31)と極秘結婚していたことがわかった。トゥッチは2009年に妻と死別している。ふたりを引き合わせたのはトゥッチと『プラダを着た悪魔』で共演したエミリー・ブラント。エミリーはトゥッチに好感を持ち、姉を紹介したのだという。ふたりの婚約は8ヶ月ほど前にわかっていたが、極秘結婚していたことは、今月6日、ふたりが結婚指輪をはめてメリル・ストリープの新作映画『Hope Springs』の試写会に出席したことから明らかになった。記者に結婚したのかと聞かれて、トゥッチは「イエス」と答えたらしい。家族や親しい人たちを招いての正式な結婚式も、近いうちに行うつもりでいるようだ。トゥッチは今年、北米で大ヒットした『ハンガー・ゲーム』に出演。この秋には、第2部にあたる『The Hunger Games: Catching Fire』の撮影に入る。妻ケイト・トゥッチとは1995年に結婚し、3人の子供をもうけたが、乳がんが原因で死別した。文:猿渡由紀
2012年08月09日ズバ抜けたカリスマ性、逆らうことを許さない美しさと威厳を持ち合わせた女性たち。彼女たちを称え、人々はこう呼ぶ…“女王様”。同性からの羨望を集め、男性からは憧れと共に、怖れ(?)の眼差しを向けられる彼女たち。シネマカフェのランキング企画「シネマカフェゴコロ ランキング5」では、「あなたが思う“女王様”が似合う女優」をテーマにアンケートを実施。納得のあの人から予想外なあの人まで、みんなが認める“女王様”を大発表!やはりと言うべきか…ダントツで1位に輝いたのは、“エリカ様”こと沢尻エリカ!「性格・生き方・外見、全てが“女王様気質”だと思うから」(30代・男性)という意見が示すように、スクリーンを離れての「別に…」発言に始まり、電撃入籍&離婚劇をめぐる数々の言動や問題行動のイメージが強い様子。ほかにも「雰囲気、ふるまいがまさに女王様!」(40代・女性)、「イメージとゴージャス感」(40代・男性)といった声が寄せられた。数々のバッシング報道やスキャンダルさえ力に変えて、5年ぶりの復帰作として臨んだ『ヘルタースケルター』をめぐる一連の騒動ももちろん、“女王様”の健在を証明。まさにクイーン・オブ・クイーン、今後の出演作にも無条件で注目が集まりそう。2位も日本からのランクインとなる天海祐希。凛々しく、逞しく、男性にも物怖じせずに突き進んでいく姿は、頼れる姉貴分のような存在で女性たちの羨望を集める。「芯が強そう」(20代・女性)、「凛としていて、ぐいぐい引っ張っていってくれる女王様」(20代・女性)と、女性たちが目指す“強い女”としての支持は絶大!人気を博した主演ドラマ「カエルの女王様」(フジテレビ)での男勝りなミュージカルスター役も女王様オーラ全開で、男役トップとして活躍した宝塚時代の面影を感じさせていたのは、記憶に新しいところ。一転して3位からは、ハリウッド勢が続く結果に。3位に名を連ねるのは、オスカー女優のニコール・キッドマン。「あの目力で全てを支配する感じがします」(20代・女性)、「氷のような美しい微笑で君臨しそう」(30代・女性)と圧倒的なニコールの“美”にひれ伏す女性が続出し、納得のランクイン。4位には、アンジェリーナ・ジョリー。こちらもエリカ様と同様にプライベートでのイメージが強いようで、「最近のブラピの態度を見ていると尻に敷かれている感が出てるから」(30代・男性)、「ブラピの態度を見ていると家庭での強さが見え隠れしている」(20代・女性)との意見が…。現在撮影中のディズニー映画『Maleficent』(原題)では女王様ではなく魔女を演じているが、ブラッドと2人きりのときはきっとプリンセスに戻るはず?そして5位には、シャーリーズ・セロンが滑り込んだ。上位4名と異なりシャーリーズを推したのは女性のみ。PR来日を果たした『スノーホワイト』で見事にダークな女王を演じきったが、彼女の「美貌と気品と低い声」(20代・女性)を推す声が目立った。。そのほかにも、「眼力がすごい!」との声が上がったシャロン・ストーンや『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』のメリル・ストリープといったベテラン勢から、ティルダ・スウィントンやヘレナ・ボナム・カーターの少し恐そうな(?)女王様たち。さらに、「エイリアンもひれ伏す」(20代・女性)という意見が寄せられた肉体派(?)のシガニー・ウィーバーに和田アキ子まで幅広い声が集まった。女王様の条件は可愛いだけでも、綺麗なだけでもダメ。厳しさや人を屈服させる圧倒的な“美”、カリスマ性がやはり必要。さて、あなたが憧れる“女王様”は誰?「“女王様”女優」ベスト51位:沢尻エリカ2位:天海祐希3位:ニコール・キッドマン4位:アンジェリーナ・ジョリー5位:シャーリーズ・セロン次回の「シネマカフェゴコロランキング5」のテーマは「“メガネ男子”が似合う俳優は?」。こちらもぜひ、ご応募ください。「シネマカフェゴコロランキング5」■関連作品:ヘルタースケルター 2012年7月14日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 映画『ヘルタースケルター』製作委員会スノーホワイト 2012年6月15日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.
2012年07月30日グウィネス・パルトロウが『Blood,Bones&Butter』(原題)へ出演交渉中のようだ。グウィネスは、シェフであるガブリエル・ハミルトンの同名自叙伝の映画化となる本作で、ガブリエルを演じることになるかもしれない。原作は、自由奔放なガブリエルがニューヨークにあるレストラン「プルーン」のオーナーになるまでを描いたサクセスストーリーで、映画化作品はメリル・ストリープが料理家を演じた『ジュリー&ジュリア』と同様のタッチになるようだ。ロドリゴ・テイシェイラが、アン・ケリーやミンディ・ゴールドバーグと共にプロデューサーを務める予定だ。グルメで知られるグウィネスは、以前「My Father’s Daughter」という料理本も出版しており、自身のライフスタイルを紹介しているウェブサイトの「goop」では、お勧めのレストランやレシピ、ホームパーティーでのおもてなしアドバイスなどを掲載している。グウィネスは現在、ロバート・ダウニーJr.主演作『Iron Man 3』(原題)を撮影中のほか、年内にはマーク・ラファロ、ジョエリー・リチャードソンと共演したコメディ映画『Thanks for Sharing』(原題)が公開予定だ。
2012年07月20日トミー・リー・ジョーンズが、リュック・ベッソン監督最新作『Malavita』(原題)に出演するようだ。ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファーらが共演する本作は、証人保護プログラムによってフランスへ強制移住させられたマフィア一家が、新天地になじもうとするも過去の悪行を隠すのに苦労した挙句、すぐにまた元のマフィアの習慣に戻ってしまうという物語となっている。デ・ニーロとミシェルは、マフィア一家の夫妻を演じる見込みだが、トミーの役柄はまだ不明。トニーノ・ブナキスタの小説「隣のマフィア」を原作に、ベッソン監督とTVドラマ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」を手がけたマイケル・カレオの2人が本作の脚本を執筆し、8月にもフランスでクランクインを予定している。トミーは、今後メリル・ストリープと共演の『Hope Springs』(原題)とスティーヴン・スピルバーグ監督作『Lincoln』(原題)が年内の公開を控えており、『Emperor』(原題)ではマシュー・フォックスと共演。さらに、脚本と監督を兼任する『The Homesman』(原題)も控えている。
2012年07月02日脚本家で監督のノーラ・エフロンが、71歳で亡くなった。26日(現地時間)の夕方、ニューヨークの病院で急性骨髄性白血病で併発した肺炎により亡くなったノーラには、長年一緒に仕事をしてきたハリウッドスターたちから多くの哀悼の意が寄せられた。代表作『恋人たちの予感』(’89)でメグ・ライアンと共演したビリー・クリスタルは「ノーラが亡くなったことを知り、とても悲しいです。ユーモアのセンスを持った素晴らしい脚本家でした。映画でメグの相手役になれたことは、僕の心の中でいつも特別な位置を占めています。僕はノーラの書いた台詞を喋ることができて本当にラッキーだったと思います」と語っている。アカデミー賞脚本賞に3回ノミネートされたノーラは、『めぐり逢えたら』(’93)、『ユー・ガット・メール』(’98)、『ジュリー&ジュリア』(’09)などロマコメ映画を得意としていた。『奥さまは魔女』(’05)で一緒に仕事をしたニコール・キッドマンは「ノーラはとても頭がよく、温かく、面白い人でした。友人になれたこと、また一緒にお仕事をする機会を持てたことをすごくありがたく感じます。いまのご家族のご心痛を心よりお察しします。ノーラと共に過ごした食事や、一緒に笑って遊んだ時間を決して忘れません」とコメントを寄せている。ノーラの手がけた『心みだれて』(’86)と『ジュリー&ジュリア』に出演したメリル・ストリープもまた「ノーラはどんな状況をも観察し、首を傾げて『うーん、どうやったらもっと面白くできるのかしら?』と考えてたのよ。ノーラには何でも頼めたわ。医者のこと、レストラン選び、料理のレシピ、スピーチやちょっとしたジョークまでね。私たちはいつも全部やったのよ。上手に生きること全てにおいて、ノーラはエキスパートだったわ」と追悼の意を表した。ノーラの遺された家族には、3番目の夫であるニコラス・ピレッジ、2度目の結婚で授かった2人の息子のジェイコブとマックスがいる。ご冥福をお祈りいたします。■関連作品:ジュリー&ジュリア 2009年12月12日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開
2012年06月28日ジョージ・クルーニーが、新作『August:Osage County』(原題)をプロデュースすることになった。ジョージは、ピュリッツァー賞とトニー賞最優秀作品賞を受賞したトレイシー・レッツの同名戯曲の映画化作品の製作に参加するため、ワインスタイン・カンパニー社と契約を結んだという。海外人気ドラマ「ER 緊急救命室」でジョージとタッグを組んだジョン・ウェルズがメガホンをとり、俳優としても活躍するグラント・ヘスロヴが製作と脚本を担当する。本作は、散り散りに暮らしていたものの、家族の危機によって中西部の家に戻ってこざるを得なくなったある一家の女性たちを描いたブラック・コメディだ。女家長のバイオレット・ウェストンを名優メリル・ストリープ(『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』)が、母・バイオレットとの関係がうまくいかない娘・バーバラをジュリア・ロバーツ(『白雪姫と鏡の女王』)が演じることが決定している。ジョージは「グラントと僕はこの作品のために仕事ができるのをとても喜んでいるんだ。キャストも本も良いことはもちろんだし、このプロジェクトを取りまとめるのにハーヴェイ・ワインスタイン以上の人を思いつかないね。それになんといっても僕らの昔からの友達であるジョン・ウェルズと一緒にやれるのが楽しみなんだ。こんな素晴らしいチームで、作品の役に立てるのは光栄だよ」とコメント。一方のハーヴェイも「ジョージとグラントは、良いテイストと直感力を持った才能のあるプロデューサーだし、仕事の上での倫理観も業界一なんだ。2人の才能はこの芸術的に優れた作品に完全にフィットするから、個人的にも参加して欲しかったんだ。『August:Osage County』(原題)に参加してもらって嬉しいし、とても幸運だと思っている」とジョージの参加を喜んだ。■関連作品:ファミリー・ツリー 2012年5月18日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Twentieth Century Fox
2012年06月21日人気女優クリステン・ステュワートが「ハリウッドで一番稼いだ女優」に選ばれた。クリステンは2011年5月から2012年5月までに3,450万ドル(約27億2,000万円)を稼ぎ出し、3,400万ドル(約26億8,000万円)のキャメロン・ディアスを僅差で抑え、米「Forbes」誌のリストでトップの座に輝いた。クリステンは「トワイライト」シリーズ2作の出演料と映画の利益報酬分による1,250万ドル(約9億8,600万円)、および日本でも公開中の『スノーホワイト』のギャラなどで3,450万ドル(約27億2000万円)を稼ぎ出し、一方のキャメロンは同じく日本公開中の『バッド・ティーチャー』や、『グリーン・ホーネット』、『What to Expect When You’re Expecting』(原題)への出演料などで2位にランクインした。サンドラ・ブロックは、最新作『Gravity』(原題)の出演料と、2009年公開の『しあわせの隠れ場所』からの配当などにより2,500万ドル(約19億7,200万円)で3位となった。以下、アンジェリーナ・ジョリーが2,000万ドル(約15億7,700万円)で4位、シャーリーズ・セロンが1,800万ドル(約14億1,900万円)で5位、ジュリア・ロバーツが1,600万ドル(約12億6,200万円)で6位、サラ・ジェシカ・パーカーが1,500万ドル(約11億8,300万円)で7位と続いた。『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』に主演したメリル・ストリープと、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』に出演したクリステン・ウィグは1,200万ドル(約9億4,600万円)の収入で共に8位にランクインし、10位には1,100万ドル(約8億6,800万円)でジェニファー・アニストンが滑り込んだ。数多の大女優たちを押しのけ、堂々の1位となったクリステン。今後の活躍に更に期待したい。■関連作品:バッド・ティーチャー 2012年5月19日より渋谷HUMAXシネマほか全国にて公開© Columbia Pictures Industries,Inc.All Rights Reserved.スノーホワイト 2012年6月15日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.
2012年06月21日2006年に公開されるや否や、瞬く間に働く女性たちの絶大な支持を得て大ヒットを記録した『プラダを着た悪魔』。その原作本の著者であるローレン・ワイズバーガーが続編となる小説を2013年に発売予定であることが明かされた。おしゃれに無頓着なジャーナリスト志望の主人公・アンディことアンドレアが、たまたま受かった一流ファッション誌の編集部で悪魔のような上司に振り回されながらも前向きに成長していく姿を描いた『プラダを着た悪魔』。メリル・ストリープが米「VOGUE」誌の“鬼”編集長ことアナ・ウィンターをモデルにしたミランダを演じ、そのアシスタントであるアンドレア役をアン・ハサウェイがキュートに演じ、一躍脚光を浴びた。公開当時、劇中に登場する数々の美しいファッションが女性たちの心を虜にし、一方でメリル扮する辣腕編集長の凄みと華やかな世界の壮絶な舞台裏に圧倒されたものだ。世界有数のファッション雑誌である「VOGUE」で編集長のアシスタントとして働いていた経歴を持つ著者・ローレンの実体験に基づいて描かれているということも話題となりベストセラーを記録した前作の発売から約10年ぶりとなる続編「Revenge Wears Prada:The Devil Returns」では、タイトルからも分かる通り、“復讐”がテーマとなるようだ。鬼編集長・ミランダの元を離れてから8年後の設定で、アンディはファッション業界を飛び出し、かつてはライバルだったエミリーと共にブライダル誌の編集部で働いているということまでは明らかにされている。しかし、テーマが復讐ということからもミランダの登場は必然だろう。再びあの地獄のような日々が舞い戻ってくるのか、それとも…?これと同時進行で、既に映画化の続編の話も進められているとの報道も。再び日本に“プラダ旋風”が巻き起こる日も近い?「プラダを着た悪魔」[DVD]発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン定価:3,990円(税込)発売中©2005-2006 Twentieth Century Fox Film Corporation■関連作品:プラダを着た悪魔 2006年11月18日より日比谷スカラ座ほか全国にて公開©2006 TWENTIETH CENTURY FOX
2012年06月01日強い母ちゃんに美しい母、たくましい“肝っ玉母さん”、優しいママ、厳しいお母さんなどなど母親も千差万別。もちろん映画の中で描かれる母親像もいろいろ。映画を観ながら本筋とは関係ないところで「うちの母親と同じこと言ってる!」とか「こんな母親の下で育ったらどうなってたかな?」なんて考えに浸る人もいるはず。シネマカフェのランキング企画「シネマカフェゴコロ ランキング5」ではこの1か月、「あなたが思う“理想の母親”女優」をテーマにアンケートを実施。国内外を問わず多くの作品を引き合いに、様々な女優にたくさんの票が投じられたが1位に輝いた理想の母は?結果を大発表!男女を問わず多くの支持を集めて“ベスト・マザー”の座を獲得したのは、還暦を過ぎて尚、その美しさに全くかげりを見せない吉永小百合。2008年に公開され、愛情深い一家の母を演じた映画その名も『母べえ』を始め、これまでに数々の作品で魅力的な母親を演じてきた。60代以上のサユリストからは「理想の“母親”だなんてけしからん!理想の“女性”だ!」との声が挙がるかもしれないが、吉永さんよりもひと回りからふた回り下の50代、40代の男性からの票が多数集まった。一方で興味深いのは比較的若い30代の女性からの支持が高い点。「素晴らしい人だと思うから」(30代・女性)という声に代表されるように、同じ女性として「こうありたい」と思う憧れの女性と言えそう。今秋公開の主演作『北のカナリアたち』ではまさに母のような愛情で教え子たちを包み込む教師を演じており、完成が待たれる。続いて第2位には八千草薫がランクイン。近年では母親役だけでなく愛情豊かな祖母役を演じることも多いが、80歳を過ぎて尚、多くの演出家や監督からのオファーが途切れることがないのは八千草さんにしか出せない優しさ、気品があるからこそ!「おしとやかさの中に強さがある」(50代・男性)、「良妻賢母そのもの」(30代・女性)と多くの票を集めた。3位に入ったのは数多くのドラマで明るく子供たちを励ます母親を演じてきた黒木瞳。“かわいいお母さん”の代名詞とも言える存在で、こんな母親がいたら反抗期なんてなかったのに、なんて感じる人も多いのでは?「肩肘張らずに、自然体で生きている感じがステキです」(40代・男性)、「いつも笑顔を絶やさないから」(30代・女性)といった声が多く寄せられた。そして、公開中の『わが母の記』で認知症を抱えつつも息子との絆を繋ぎ直そうとする愛情あふれる母を演じ、絶賛を浴びている樹木希林が第4位に。何と言っても樹木さんの魅力はその器の大きさ。映画撮影中のエピソードにとどまらず、プライベートでのさまざまな出来事に対する姿勢などを含め、ドンと構えて動じないその姿に“強く、包容力のある母親像”を見る人が多数!「酸いも甘いも経験してそう」(20代・男性)、「物事の捉え方、対応の仕方が素晴らしい」(30代・女性)という声が多かったが、20代、30代の若い層を中心に支持を集めたというのも興味深いところ。樹木さんという“母”を持つ内田也哉子&もっくん(本木雅弘)夫妻がうらやましい!ここまで日本人の女優が並んだが、唯一、海外の女優でベスト5に入ったのはアンジェリーナ・ジョリー。ブラッド・ピットとの間に生まれた子供たちや養子の母として世界中を駆け回る姿に「カッコイイ母親」(30代・男性)、「究極の美しい母」(20代・女性)などといった称賛と羨望の声が寄せられた。プライベートでの母親っぷりに注目が集まりがちだがオスカー主演女優賞にノミネートされた『チェンジリング』を始め、これからまさに母親になろうとする妊娠中の女性を演じた『マイティ・ハート/愛と絆』など、女優としても“母”の顔をしっかりと見せてくれているのでこちらも要チェック。ランク外にはやはりCMの力のすさまじさというべきか、ソフトバンクのCMに“母”&“祖母”役で揃って出演している樋口可南子と若尾文子、今年のアカデミー賞で2度目の主演女優賞に輝いたメリル・ストリープ、意外なところでは「情熱的でものごとをはっきりというところがいい!」といった意見を集めた歌手の和田アキ子など多彩な顔ぶれが並んだ。いろいろな母親像が挙げられたが、全体的に子供を温かく見守ってくれる包容力のある母親像を理想とする向きが多い結果に。さてあなたは誰を理想として子育てに奮闘する?「“理想の母親”女優」ベスト51位:吉永小百合2位:八千草薫3位:黒木瞳4位:樹木希林5位:アンジェリーナ・ジョリー次回の「シネマカフェゴコロランキング5」のテーマは「“ダメ男”が似合う俳優は?」。こちらもぜひ、ご応募ください。「シネマカフェゴコロランキング5」『母べえ』通常版発売・販売元:松竹株式会社 映像商品部価格:3,990円(税込)発売中© 「母べえ」製作委員会■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:“母の日”サプライズで義理の息子・本木雅弘登場に樹木希林、感激!宮崎あおい、原田作品は「大変だと聞いていた」タレ込みの犯人は堺雅人?桐谷美玲、綾野剛と遠距離カップル役で『新しい靴を買わなくちゃ』パリ撮影に挑戦!紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら女優陣が花束で祝福『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」
2012年05月28日「The OC」の第1シーズンでミーシャ・バートンのちょっぴり生意気な妹を演じた女の子といえばピンとくる人も多いかもしれない。その後もドラマを中心にキャリアを積み重ね、「The Secret Life of the American Teenager」(’08~)では妊娠と向き合う主人公の女子高生役に抜擢され、全米のティーンを虜にしたシャイリーン・ウッドリー。まもなく公開となる長編映画初出演作となる『ファミリー・ツリー』ではジョージ・クルーニー演じる主人公の長女役を好演しアメリカ国内のみならず世界的にも高い評価を得ている。「The OC」の頃は10代前半でまだまだ“子役”といった風情を残していた彼女もすでに20歳。次世代のハリウッドの担い手として注目を集めるシャイリーンの素顔に迫る!オーディションは「覚えていない」ハワイを舞台に人生最大の危機と岐路を迎えた中年男が、もがきながら家族の絆を取り戻していく姿を描いた本作。シャイリーンは主人公・マットの娘で高校生のアレックスを演じている。監督のアレクサンダー・ペイン(『サイドウェイ』)は、彼女の過去の作品を観たことはなく、オーディションでの演技のみで起用を決めたという。オーディションの思い出を尋ねるとシャイリーンからは「覚えていないんです」との答えが…。この言葉から彼女の女優としての意識の高さ、“凄み”が見えてくる。「覚えていないというのはオーディションがうまくいったということのしるしではないかと思います。その瞬間に存在を発揮したということなんじゃないかと。実際、この映画の中にも撮影したことを覚えていないシーンがいくつかあります。それは自分が本当に存在感を発揮できたかどうかを判断する決め手になると思ってます」。10代にして家族の様々な問題に直面するアレックス。時に周囲の誰よりも大人であり、時にごく普通の17歳らしい脆さをのぞかせる。役柄への共感は?という問いにシャイリーンは「もちろんです!」と即座に頷いた。「私も不安な時期を経験してますから。世の中のものが全て嫌いになったのは、たぶん14~15歳のときだったと思いますが…でもそんな時期はすぐに終わったので、自分の経験はこの役にそれほど助けにはなってないわね(笑)」。“父親よりも大人っぽい一面をのぞかせる娘”を演じなくてはいけなかったわけだが、よりによって、情けないダメなパパを演じたのはハリウッド随一の大人の男、ジョージ・クルーニー!共演の感想やいかに?「L.A.で読み合わせのために彼が部屋に来るまでは、それほどドキドキはしていなかったんです。でも彼を見たら冷や汗が出て手が震えました。でも彼はそばに来て私をハグしてくれて『ようこそ、お嬢さん』と言ってくれたんです。それですぐに怖い気持ちは消え去りました。とっても素晴らしい人です。私は彼を“ジョージ・クルーニー”という有名な映画スターとして見てはいません。ジョージ・クルーニーという名前のケンタッキー出身の優しい人というだけです。そして全ての面でダイナミックな人です」。先述の「The Secret Life of――」ではティーン・チョイス・アワードへのノミネートを始め、若い観客からの支持を集め、またヤング・アーティスト・アワードなど若い世代の俳優向けの賞で受賞対象とされることが多かったシャイリーン。だが本作での好演で「ゴールデン・グローブ賞」など名だたる映画賞で大女優たちと共に候補者に名を連ね、若き実力派女優として認知されるようになった。5歳から演技を始め、16年のキャリアを誇るが、決して本人は小さい頃から女優を志望していたわけではなかったという。「そうなったのはたまたまなんです。私は演技のレッスンを受けていましたが、エージェントから母に電話が来て、私のことを面白そうだと言ったんです。でも私は『大きくなったら女優になりたい』なんて思ってなくて、教師か心理学者になりたかったんです。実はいまもその気持ちは持っています」。周囲から見れば女優としてのキャリアは約束されたようなものだが、彼女は冷静そのもの。「本当に役者になりたいと思ったことはありません。“アーティスト”になりたいんです」と明かし、こう続ける。「この業界にいると自分が商品のような気がすることがよくあります。注目を集めるぐらい良い演技をしたり、人の注意を引いたりすると人間ではなくて、突然、ポスターに顔が載る人のようになるんです。そういう人にはなりたくないですね」。TVよりハイキング!?現代スターの趣味は?そうした彼女の“スタイル”は私生活にも反映されている。撮った写真を自分なりに加工し、FacebookやTwitterなどで共有できるアプリケーション「Instagram」を愛用しているところは現代の若者らしいが、一方でTVは持っておらず、親友の家で録画された番組を見るのだとか。TVシリーズでブレイクした彼女がTVを持っていないというのは何とも皮肉だが…その理由は?「使わなかったからです。TVには興味がなくって。もし自由な時間があったら、むしろ外へ行って木登りとか自転車、ハイキングなんかがしたいですね」。意外な一面をのぞかせるが、もちろん女優の仕事をやめたいわけではない。4年目に突入した「The Secret Life of――」について、いまなお「楽しい」と笑顔で語り、さらに今回初めて映画の現場を経験したことでTVシリーズとは違う面白さを感じたよう。今後、一緒に仕事をしてみたい映画人を尋ねると複数の名前を口にした。「ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・フランコ、ナタリー・ポートマン。大女優のメリル・ストリープとも共演してみたいです。それにダニー・ボイル監督と一緒に仕事をしてみたい。彼の映画は全部好きです。『スラムドッグ$ミリオネア』は私がここ5年間に観た映画の中で、No.1。それに『127時間』も映像が素晴らしかったです」。矢継ぎ早にこれだけ挙げてくれるのだから、彼女が興味を失いスクリーンからいなくなってしまう心配は不要だろう。自らの人生へのアプローチの仕方を「“誰も助けてくれないから、自分というものを持たなければならない”という考え方」と語る20歳。これからどんな人生を切り拓いていくのか楽しみだ。© JJC/Rex Features特集:ハリウッドニューセレブ■関連作品:ファミリー・ツリー 2012年5月18日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Twentieth Century Fox■関連記事:G・クルーニー宅でオバマ大統領選挙資金集めパーティ開催シメにはバスケットボール梅宮一家、父娘孫の三世代が初共演!“ジイジ”辰夫は孫の成長にウルウル“素顔”を見たら、もっと好きになっちゃいそう。『ファミリー・ツリー』×ハワイ本年度アカデミー賞脚色賞受賞!『ファミリー・ツリー』原作本を3名様にプレゼント『ファミリー・ツリー』みたいな父親なら“共犯関係”もアリかも!?
2012年05月14日もし、そう尋ねられたら何と答えるでしょうか?恋は奪うもの、愛は与えるもの。恋は経過で、愛は結果。恋は自分本位、愛は相手本位。恋は不安定で、愛は安定。恋には下に心(下心)があって、愛には中心に心があるとも。こんな風に、世間で言われている違いも様々。答えは人の数だけあるのかもしれません。フランスの文学者で「愛について―エロスとアガペ」を記したドニ・ド・ルージュモンは、愛と恋の違いについて、こう言っています。「惚れるのは状態であり、愛するのは行為である」深いですね。では、あなたがいま誰かを好きだとして、それは恋なのか愛なのか。その狭間で揺れている、それを測りかねているというのなら、観ておくべきは映画『恋と愛の測り方』。キーラ・ナイトレイとサム・ワーシントン演じる夫婦ジョアンナとマイケルが“3年目の危機”に直面しながら、自分たちの関係について、もう一度考え始めるという物語です。夫婦の危機となるのは、妻の元カレ(しかも、恋の国から来たフランス人!)と、妙にセクシーな夫の同僚(出張にも一緒に行く関係!)。妻も夫も、彼らの存在について内緒にしているあたりが、何やら意味深。そこには、潜在的な欲望が隠れているということなのです。夫婦ともに、互いを愛し、いまの生活には満足しています。でも妻が、夫と参加したパーティで、夫に気になる同僚がいることを知ってしまうところから物語は動き始めます。たまたま夫とセクシー美女が楽しげに話しているのを発見。絡み合う視線に胸騒ぎを覚え、2人が「たぶんタイミングを狙っている」と感じ、これまでの出張でも何かあったのではないかと疑い始めるのです。疑念が生まれた以上、妻は冷静ではいられません。その後の夫婦の議論は、なかなかの見もの。夫は動揺し、「とんだ言いがかりだ」「ただの同僚だ、何もない」と言い続けるのですが、それがたとえ本当だとしても、夫の動揺は見過ごせません。肉体の関係がないとしても、夫が誰かに惹かれているというだけで、不快だし、不安なのが女心というもの。こうなると、肉体関係があったかどうか、自分の方が愛されているかどうかは、もう二の次なのです。女性の場合、自分が“一番”になるより、“唯一”であることの方が重要だと考える人も多いようです。反対に男性は一番になりたがる。ジョアンナとマイケルの議論がいつまでたっても平行線なのも、そのあたりに理由がありそうです。そんな状況のまま、夫は問題のセクシーな同僚と出張へ。そんな日に限って、妻は偶然にも元カレ(いまも好き)と再会。どちらにとっても、間違いを犯すには格好の機会が訪れるのです。夫婦は、愛のために踏みとどまるのか。それとも、感情に流されてしまうのか。もしかすると、妻が元カレに、夫が同僚に対して抱いている感情を、人は恋と呼ぶのかもしれません。でも、人はなぜ最愛の人がいるにも関わらず、ほかの人に惹かれるのでしょう。愛の方が崇高だと思われているけれど、人は恋する者の情熱を羨ましがるものです。愛を捨てるつもりはないけれど、恋もしたい。それが愛を脅かすかもしれなくても、です。それは、ジョアンナがマイケルに叫んだように「人は常に新しさを求める生き物だから」かもしれません。パートナーを傷つけると分かっているのに、自分本位にほかの誰かを求める気持ちこそ、恋ということなのでしょうか。たとえそれが、後に愛に変わったとしても。では、もし別の人に恋心を抱いているとして、それでもパートナーのためにセックスはしないとしたら、それは自分を犠牲にして愛を貫いたことになるのでしょうか。それとも、別の誰かに恋心を抱いた時点で、もう裏切りなのか。実はこの作品では、観る者はこの問題にも突き当たります。それは“身体の浮気”と“心の浮気”なら、どちらがより酷い裏切りなのかということ。この話題が出ると、メリル・ストリープとロバート・デ・ニーロ共演の恋愛映画『恋におちて』(’84)を思い出します。既婚者同士が出合い強く惹かれあうのですが、身体の関係は結ばないまま、互いのパートナーに知られてしまうのです。そのとき男が自分の妻に、「体の関係はない」と告白すると、妻は余計に逆上し、「そのほうがよほど罪だ。本気だってことでしょ。肉体関係があったほうが許せるのに」と言うのです。好きだけど、しない。できるけど、しない。大人の男女は、そこに肉体関係以上の深い繋がりや、真剣な想いを見てしまいます。タイトルでは、2人は“恋におちた”ことになっていますが、実はこれは愛なのかもしれません。身体の関係を結んだときよりも、愛する人以外に惹かれるという自分の気持ちに気づいたときこそ、パートナーへの裏切りを意識する人もいることでしょう。気持ちは自然発生的で抑えられないもの、そしてすべての行為の根源。でも、行為は意志で抑えることができる。どちらが厄介か、明白ですからね。だから、ジョアンナは、夫がほかの女性に惹かれていることに気づき、とても傷つき不安になるのです。彼が自分を愛していると分かっていても、自分が彼にとって唯一無二ではない可能性を感じてしまうから。そんなときに、まだ好意を持っている元カレから連絡を受け、誘いに乗って出かけてしまう彼女の気持ちに、共感できる人も多いはず。不安定なときに、自分が特別だと感じさせてくれる男が現れたのですから、すがりつきたくもなるでしょう。もし、「私ならこの状況でも絶対に出かけたりしない」「こんな誘いに乗るなんてダメよ」と断言できる人がいるとしたら、なかなかの理性派。「私は行ってしまうかも」と考える女性と、そうでない女性との違いは、きっと恋愛経験の種類によるもの。現在、愛するパートナーがいるのに、まだ気になる相手がいる人と、いない人では、恋愛観は大きく違うはず。人のキモチとは割り切れないもので、自分ですらコントロールできないと知ってしまった人とそうでない人、ある人に恋をしながら別の人を愛せると気づいてしまった人とでは、ジョアンナへの共感にも大いに温度差が生まれるはずなのです。それにしても、ジョアンナとマイケルを見ていると、結婚の意味がよくわかります。結婚とはいわば契約。“この人”と決めた時点で、残りの一生をともに過ごす誓いを立てます。それは、いわば覚悟の表明。でも、忠実な愛を信じるならば、人は結婚という契約で相手を、そして自分を縛る必要などないのです。つまり、結婚の前提には、人の心は揺れるもの、移ろいやすいという事実が見えてきます。約束事があるから、人はより慎重に行動し、自らの気持ちをコントロールしようとする。だからといって、自重は愛ゆえとは限りませんが。浮気をしていない夫婦が、必ずしも愛し合っているわけではないのですからね。さて、ジョアンナとマイケルはどうなるのでしょう。あなたなら、ジョアンナとマイケルが互いに持つ感情は愛なのか、彼らが元カレや同僚に抱いている感情は恋なのか、はっきりと見分けがつくでしょうか。誰が誰を一番深く愛しているのか。エンディングを見ただけでは、単純に測りかねないのが、彼らの心理というもの。あなたならこの夫婦の抱く感情を、どう推し量るでしょうか。実は、映画をフィルターにして見えてくるのは、あなた自身の恋愛観なのかもしれませんよ。(text:June Makiguchi)特集:恋と愛のちがいって…■関連作品:恋と愛の測り方 2012年5月12日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 Last Night Productions, Inc.■関連記事:『恋と愛の測り方』ハート型ジュエリングブックマーカー&プレスを5名様にプレゼント愛する人がいても恋に迷うことも…?『恋と愛の測り方』試写会&座談会に10名様ご招待恋と愛の違いって?キーラ・ナイトレイ主演『恋と愛の測り方』女性限定試写会に20組40名様ご招待恋と愛の違いって何…?キーラ・ナイトレイ主演『恋と愛の測り方』予告編を公開
2012年04月27日弱冠15歳にして、ショウビズ界でのキャリアは既に10年。悪と闘う“ヒット・ガール”役で華麗なるアクションを見せたと思えば、人間の少年との切ない愛を魅せる美しきヴァンパイアに変貌したり、クロエ・グレース・モレッツの飛躍的な進化は同じ10代の中でも群を抜いてる。そんな彼女が『キリング・フィールズ失踪地帯』で演じるのは、犯罪多発地帯の不遇な家庭で生まれ育ち、心に傷を抱えた少女・アン。これまでとまた一味違う、影のある演技で観る者を惹きつける彼女だが、その素顔とは――?舞台はアメリカ南部、テキサス州・テキサスシティの一角。クロエ扮する少女・アンは酒とドラッグ、そして母親の元に出入りする男たちに囲まれた家庭に生まれ、心の拠り所のない生活を強いられている。「アンはすごく強くてタフな女の子」そう語るクロエだが、同時に彼女が見せるふとした等身大の少女の顔に共感を覚えたという。「普通の13歳というところもあって、自分の環境の中にも小さい喜びを見つけることができる女の子ですよね。例えば、マイク(サム・ワーシントン)やブライアン(ジェフリー・ディーン・モーガン)に自分の爪をラインストーンで綺麗にしたところを見せるシーンがあるけど、それは母が娼婦という厳しい環境にある中でも、普通の女の子としてのちょっとした喜びを見つけることができるということ。そんなところに共感できたわ」。ある連続殺人事件のミステリーを軸に、荒廃しきった土地から醸しだされる不穏な空気が緊張感を誘うが、その役柄とは裏腹に、実際の役作りや撮影現場の様子をふり返る彼女の表情はとっても楽しげだ。「私は南部で育ってはいないのだけど、家族が南部出身で、叔父さんや叔母さんがいまもジョージアに住んでいて南部独特のアクセントがあるから、彼らと話すことで楽にアクセントを学ぶことができたわ。ルイジアナでの撮影では、作品の内容がすごく暗いから現場ではとにかく楽しくやろうという雰囲気があったの。ちょっとした笑いや喜びを見つけたり、小さなことで笑ったりジョークを言ったりして。なんとかしてダークな雰囲気を払拭しようという雰囲気だった。特にジェフリーが面白くて、その低い声がヨギベア(アメリカの国民的人気キャラクター)に似ていて面白かったし、サムのオーストラリア独特のアクセントをからかってみんなで笑ったりして、本当に楽しい現場だったわ」。『(500)日のサマー』の兄に冷静な恋のレクチャーをするレイチェルや、『グレッグのダメ日記』の中学生・アンジーなど、どこか同年齢の子供たちから一歩離れた達観した役どころが似合うクロエだが、事情は異なれど、本作で演じたアンも然り。「アンはほかの普通の子供よりも責任感のある落ち着いた大人になると思う。彼女は酷い環境にいて、普通になりたいと思って育ってきた子供。だからこそ、なりたくない姿を分かっている。人を差別する目で見たりしない、たくさんの可能性を秘めた良い大人になるはず」。アンの“その後”の成長をこう分析するクロエだが、では自身の変化、成長についてはどう感じているのだろうか?「毎回、自分が出た映画を見直すたびに、自分にどういう変化が起こったかを気づくことがあるの。プレミアのたびに自分に変化を感じていて、今回『ヒューゴの不思議な発明』(公開中)と『ダーク・シャドウ』(5月19日公開)の間にも、自分がいかに変化して成長したかを感じた。自分の出演した作品を観ていると、まるで自分の演技のドキュメンタリーを観ているようで、学ぶことが多いわ」。本人が挙げた2作のほかにも、傑作ホラーのリメイクのヒロインに抜擢された『キャリー』(原題)を含め、彼女の今後の待機作は数え切れない。目まぐるしい日々を過ごすが、そのバイタリティは一体どこから沸いてくるのだろうか?「私が一番リラックスできるのは、家族といるとき。家族といるとクロエになれる。だけど、私はワーカホリックな部分があって、働くのが大好きなの。だから3週間のオフがあると“どうしよう?何しよう?”となってしまう。だからあまり仕事から長く離れられないの」。お気に入りの映画は『ローマの休日』。「ロマンティックで、悲劇的な映画が大好きで、最近は『CRAZY LOVE』(原題)を観たの。本当に悲しいお話だけど大好き」と大好きな映画について語るクロエ。以前『キック・アス』で来日した際には「目指す憧れの女優は?」との質問に「ナタリー・ポートマン」と答えていたが、今回同じ質問をしてみたところ、彼女が挙げたのは「メリル・ストリープ、オードリー・ヘップバーン、ナタリー・ポートマン、グレース・ケリー」と名だたるアカデミー賞女優たちの名前。果たして、この名女優たちに並んで、彼女がそこに名を刻む日は――そう遠くないはず。■関連作品:キリング・フィールズ失踪地帯 2012年4月14日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開© 2011 GIDEON PRODUCTIONS. LLC ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:今最も輝く女優、ジェシカ・チャスティン全く異なる顔が楽しめる作品が続々公開
2012年04月13日シータ奪還に向かうパズーに全年代が共感!!国内だけでなく、海外でも人気の高い宮崎駿監督の映画作品。その深いテーマ性を持つ冒険活劇や美しいアニメーションは、どんな気むずかしい大人も童心にかえらせてしまう魔法に満ちていますよね。まさに日本の宝と言っても過言ではありません。そこで今回は男性333名に「外国人にも絶対見てもらいたい!!宮崎駿監督映画」を聞いてみました。>>女性編も見るQ.外国人にも絶対見てもらいたい宮崎駿監督映画と言えば?(複数回答)1位『天空の城ラピュタ』32.7%2位『となりのトトロ』29.1%3位『もののけ姫』28.8%4位『千と千尋の神隠し』24.9%5位『風の谷のナウシカ』23.7%■『天空の城ラピュタ』を見てもらいたい!!・「生命を賭してシータを守ろうとするパズーの心意気が素晴らしい」(36歳/自営業/その他)・「武力だけじゃ何ともならない世界もあるって知ってほしいから」(30歳/情報・IT/技術職)・「欲望に走る者は滅びる」(31歳/自動車関連/営業職)・「メリル・ストリープにドーラ船長を演じてもらえるのなら、アメリカ人にも間違いなくラピュタの良さを理解してもらえる」(29歳/情報・IT/事務系専門職)・「バルス!!」(44歳/情報・IT/技術職)■『となりのトトロ』を見てもらいたいい!!・「日本の古き良き時代を描写している作品だから」(27歳/その他/事務系専門職)・「かわいくて楽しい世界観は世界共通だと思う」(31歳/電機/営業職)・「日本の美しさを知ってもらいたい!」(29歳/ソフトウェア/技術職)・「やさしい化け物は外国人にも受けそう」(30歳/商社・卸/事務系専門職)■『もののけ姫』を見てもらいたい!!・「日本の神秘性みたいなものがあるから」(38歳/学生/その他)・「アクションシーンに力が入っている」(28歳/情報・IT/技術職)・「自然と人間の関係について、日本人の根源的な部分をよく表現できているので」(42歳/ホテル・旅行・アミューズメント/技術職)■『千と千尋の神隠し』を見てもらいたい!!・「和風な雰囲気が出ていて外国人でも楽しめると思う」(29歳/その他/技術職)・「湯屋や八百よろずの神など日本の文化が描かれている」(50歳以上/フリーランス/クリエイティブ職)・「斬新だと思う」(28歳/食品・飲料/技術職)■『風の谷のナウシカ』を見てもらいたい!!・「世界に警鐘を鳴らしているテーマ性がいい」(38歳/その他/営業職)・「宮崎アニメの原点なので」(50歳以上/情報・IT/営業職)■番外編:この映画を見てもらいたい!!・『紅の豚』:「男のロマンに共感してもらえると思う」(27歳/その他/販売職・サービス系)・『崖の上のポニョ』:「今見てもらうならこれ!日本の環境や文化、考え方などを感じてもらえると思うから」(27歳/その他/その他)・『魔女の宅急便』:「ストーリーが外国人受けすると思う。またキキのかわいらしい描写は日本のアニメならでは」(50歳以上/機械・精密機器/営業職)総評「シータ奪還のために冒険に向かうパズーの心意気に共感した」などの理由で、『天空の城ラピュタ』が幅広い年齢層から支持を集めて1位を獲得しました。ラピュタという幻の城をモチーフにした冒険活劇や、ロマンに満ちあふれたストーリーは本当によく練られていて見るたびに心を揺さぶられますね。名場面は数多くありますが、なかでも読者の心にはバルスを唱(とな)えるシーンが深く残ったようです。日本の古き良き時代を描いた『となりのトトロ』は2位。自然との調和や日本の情緒を作品から強く感じ取れるところに票が集まったようです。確かに外国人に見てもらうなら、こんなほんわかした日本がいいですよね。3位の『もののけ姫』と4位の『千と千尋の神隠し』は、いずれも日本の文化や神秘性について描かれているのが人気の理由。外国人には理解しづらいと思われるシーンもありますが、異国情緒という点では確かにこの2作品が双璧と言えるでしょう。5位の『風の谷のナウシカ』は、自然と人類の調和という普遍的なテーマを扱っている点に支持が集まったようです。実際、作中に出てくる腐海は、現代の日本や世界にとって決して絵空事ではありません。どちらかというと日本的な雰囲気を持つ作品が中心になりましたが、これは「外国人に見てもらいたい」という前提があったからだと思われます。その前提が変われば、各作品の順位も少し異なっていたでしょうね。(文・山口優)調査時期:2012年2月29日~3月6日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:男性333名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【ランキング男性編】見に行きたい!!実際に作ってほしいジブリの建物ランキング【ランキング男性編】『となりのトトロ』のサツキに将来就いてほしい職業ランキング【ネタバレもありの徹底解明コラム】悪役ムスカが憎めないわけ完全版(画像などあり)を見る
2012年04月08日4月1日夜、投開票が行われたミャンマー議会補欠選挙で、国民民主連盟(NLD)を率いて圧勝したアウンサンスーチー。ビルマ民主化運動のリーダーであり、その非暴力による民主化・人権を目指す闘いを評価され、1991年にアジア女性としては初のノーベル平和賞を受賞した彼女の激動の半生を描いたリュック・ベッソン監督最新作『The ladyひき裂かれた愛』のポスタービジュアルがこのほど完成し、シネマカフェにいち早く到着した。民主主義運動のリーダーとして軍事独裁政権と闘い、長きにわたり自宅軟禁生活を強いられながらも不屈の強い意思を持ち続けた姿は、日本でもたびたび報道され、世界的に広く知られる。だが、ひとりの妻として、母としての彼女の姿はあまり知られていない。本作では、遠くイギリスの地から陰で支え続けたイギリス人の夫や息子たちの存在、そしてその死に立ち会うことさえ叶わなかった最愛の夫との深い愛を通して、ひとりの女性として生きる彼女の辛く厳しい半生を描き出す。メガホンを握ったのは、『レオン』や『フィフス・エレメント』など数多くのヒット作を送り出してきたフランスの鬼才、リュック・ベッソン。近年では『アーサー』シリーズや『アデル/ファラオと復活の秘薬』などアドベンチャー色の濃い監督作が並ぶが、実在の女性ヒロインを映画化するのは『ジャンヌ・ダルク』(’99)以来となる。そして、アウンサンスーチーを演じるのは、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のボンドガールや『グリーン・デスティニー』などで知られ、米ピープル誌による「永遠の銀幕女優35人」に中華圏から唯一選出されたこともある、ミシェル・ヨー。5年前にレベッカ・フレインの脚本に感銘を受けた彼女自らベッソン監督に企画を持ち込み、約4年の歳月をかけて今回の映画化が実現した。実在の女性リーダーの映画化といえば、メリル・ストリープにオスカーをもたらした『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』も絶賛公開中だが、一国の未来のために家庭との狭間で奮闘する女性たちの生き方には、社会で闘う女性たちにとってきっと胸打たれるものがあるはず。今年2月にベルリンで開催されたアムネスティ主催「Cinema For Peace映画祭」で本作を鑑賞したアンジェリーナ・ジョリーは終映直後、興奮を抑えきれずに席から立ちあがり「素晴らしい!本編中ずっと涙が止まらなかったわ。強く胸を打たれました。こんなにも素晴らしい作品を見せてくれて、本当にありがとうございます」と会場にいたベッソン監督とミシェルに涙ながらに賛辞を送ったというエピソードも。今回出来上がったポスターには、ミシェル扮するアウンサンスーチーの慈愛に満ちた穏やかな笑顔が描かれており、その横には「心は、離れない」というメッセージも。いま激動の渦中にいる彼女の知られざる半生が、観る者に訴えるものとは――?『The ladyひき裂かれた愛』は7月21日(土)より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開。■関連作品:The Ladyひき裂かれた愛 2012年7月、角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011 EuropaCorp - Left Bank Pictures - France 2 Cinema
2012年04月02日サイズが逆転した動物や昆虫の数々、失われた文明など、驚きがあふれる謎の島を舞台にしたアトラクション・アドベンチャー『センター・オブ・ジ・アース2神秘の島』。本作で紅一点、男性陣たちと肩を並べてたくましく未知なる冒険に挑んでいくヒロイン、カイラニを演じるのがヴァネッサ・ハジェンス。自身の演じた役について、さらにショービズ界という酸いも甘いもある“冒険”の中で生きる、女優としてのモチベーション、そして覚悟を動画インタビューで語ってもらった。世界的に社会現象を巻き起こした大人気ミュージカル「ハイスクール・ミュージカル」で一躍脚光を集め、ハリウッドのスターダムを駆け上ってきたヴァネッサ。昨年は、真実の愛を問う現代版「美女と野獣」とも言うべき『ビーストリー』や、激しいアクションシーンが求められた『エンジェル ウォーズ』など新たなるジャンルへの開拓の年となったが、それに続く本作では、それらとはまた一線を画すたくましいヒロイン像で観客を魅了する。自身の演じたカイラニと自身を比べ「私とは全然違うわ」と言い切るヴァネッサ。「彼女はタフで強くて短気だけど、少しずつ心を開いていき、新しい出来事を受け入れていくの」。未知なる世界へ踏み出していく中で、一人の女性として成長していくカイラニのように、ヴァネッサも本作でかけがえのない先輩俳優との共演を果たした。その人物とは、名優マイケル・ケイン。「彼と共演できて、話もできてとても光栄だったわ。フランク・シナトラにラスベガスに連れていかれた話とか、彼の話をいつも聞いていたわ。78歳になったいまもバリバリ現役よ」。女優としての憧れの存在については「少女時代は多くの名女優に憧れて育ったわ。メリル・ストリープ、ナタリー・ウッドに憧れた」と話すヴァネッサ。しかし一方で、「自分自身の世界に浸って好きにやってたわ」という言葉からは、何事にも縛られない彼女の柔軟さがうかがえる。「私はいつも心に従う。誰でも本能と心に従って行動すべきよ。頭でっかちになると妄想を抱くようになって良くないと思うし、大げさに考えすぎてしまうから。心が大事よ」。そんなヴァネッサに最後にこんな質問を。「ショービズ界で自分を見失わない秘訣とは?」。その答えはこちらの動画からチェック!現在23歳。何が飛び出してくるか分からない、危険でスリリングなジャングルでの冒険で一皮むけるカイラニのように、しなやかに強く成長していく彼女の今後の活躍に期待したい。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:センター・オブ・ジ・アース2神秘の島 2012年3月31日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© 2011 NEW LINE PRODUCTIONS■関連記事:巨大トカゲが出没!『センター・オブ・ジ・アース2』ドキドキ映像が到着!新たな冒険が始まる!『センター・オブ・ジ・アース2神秘の島』親子限定試写会に30組60名様ご招待!
2012年03月29日ライアン・ゴズリングが昼と夜で別の顔を持つ天才ドライバーを演じたクライム・サスペンス映画『ドライヴ』が31日(土)から日本公開されるにあたり、本作に出演しているアルバート・ブルックスのコメントが届いた。その他の写真本作は、昼はカースタントマン、夜は強盗を逃すプロの“逃し屋”を営むドライバーの男(ゴズリング)が、同じアパートに住む子連れの女性アイリーンと偶然に出会い、恋をしてしまったことから、裏社会との凄惨な争いに巻き込まれていく姿をスタイリッシュな映像で描いた作品。ブルックスは、スポーツ・ライターやコメディ・ショーの脚本家・演出家など風変わりな経歴を持ち、俳優だけでなく監督や脚本家としても活躍する才人で、本作では主人公のドライバーに資金援助を申し出るマフィアの幹部バーニー・ローズを演じている。彼は自身が演じた役について「金儲けのために合法的なことから非合法的なことまでやって生きてきた人物。彼は、自分とは直接関係していない出来事が原因で追いつめられ、最終的に“檻に閉じ込められた野獣”のような行動に出る」という。本作のメガホンをとったのは、デンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン監督。緻密な映像設計と大胆な描写で観客に“衝撃”を与えてきた鬼才だ。ブルックスは「ニコラスのやり方はとても独特だと思うよ。15人の映画監督がカーチェイスを撮影したら、13人は同じものになるけど、2人はまったく違ったものになる。ニコラスは、その2人の監督のひとりだ」と、メリル・ストリープやシャロン・ストーンを主演に迎えて監督作を手がけてきたブルックスもレフン監督の才能を絶賛。彼が映画『ドライヴ』でどんな手腕を見せてくれるのかも気になるところだ。『ドライヴ』3月31日(土)より、新宿バルト9他全国ロードショー(C)2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.
2012年03月28日みなさん、こんにちは!春がもうすぐ到来しますね!今回は私がいま注目している話題の一つ、本年度アカデミー賞の主演女優賞に輝いたメリル・ストリープのコンサートについてご紹介します。誰もが知る大女優のメリルですが、彼女が歌も歌うことを知ってる方はどれくらいいるのでしょうか?4月3日(現地時間)、カーネギーホールで開催される熱帯雨林基金を目的とした「レヴロン・コンサート」には著名エンターテイナーたちが集まるのですが、ここにメリルも参加するのです。彼女と一緒に参加するのは、エルトン・ジョン、アカデミー賞女優仲間のジェニファー・ハドソン、ブルーノ・マーズ、そしてスティングといった豪華アーティストたち。スティングと言えば、様々なゴシップニュースでも知られているように、長きにわたり夫婦で熱帯雨林の保護活動を行っているひとり。今回のイベントも妻で女優のトゥルーディー・スタイラーがプロデュースを手がけています。毎年行われているこのイベントで年毎にテーマを設けているのですが、今年のテーマは「銀幕から生まれたソング」。チケットは150ドルから600ドルという金額で出回ってますが、盛況になることを祈ります!話題を変えて…故エルヴィス・プレスリーの娘で、故マイケル・ジャクソンの前妻として知られるリサ・マリー・プレスリーが音楽界に復帰、5月15日に「Universal Republic/XIX Recordings」から5年ぶり3枚目のニュー・アルバム「Storm and Grace」がリリースされます。同アルバムのプロデュースを担当するのはグラミー賞に輝くT・ボーン・バーネット。このプロモーションのため、リサ・マリーはアメリカの大人気TV番組「アメリカン・アイドル」にも出演する予定です。この最新作について、音楽批評家の間では彼女の歌声がますますお父さんのエルヴィスに似てきているとも言われています。どんな音楽に仕上がっているのか、楽しみに待ちましょう。最後に、彼女の話題から。常にショウビズ界で最も忙しくしており、今年もますます精力的に音楽活動を繰り広げるクイーン・オブ・ポップことマドンナです。先月、アメリカの国民的イベントであるスーパーボウルで彼女は素晴らしいパフォーマンスをやり遂げたばかりなのですが、それから休むことなく、ニュー・シングルのリリースと12枚目のスタジオ・アルバム「MDNA」のリリースを予定しています。ウィリアム・オービット、ミーカ、LMFAO、ニッキー・ミナージュ、MIAらとコラボレートしている最新アルバムは3月26日にリリース。さらに5月26日からはイスラエル・テルアビブを皮切りに11月17日までのワールドツアーも決定しています。しかし、それだけでは足らないマテリアル・ガールは、「Truth or Dare」と名づけた新しいフットウェア・ラインを発表。フラットシューズからブーツまで、60種類以上のスタイルを展開していくそうです。マドンナの専属スタイリスト、アリアン・フィリップスがコレクションのクリエイティブ・コンサルタントを務めており、お値段も89ドルから349ドルと幅広い価格帯で発売されるとのこと。こちらのコレクションも待ちきれませんね!(text:Lisle Wilkerson)(原文)Hi everyone!!!I hope that you are ready for spring!! it is JUST around the corner!! yayyyy!My first interesting bit of news is about a concert featuring recent Academy Award winning actress, Meryl Streep!!!You didn’t know that she sang??? Well, ME NEITHER!! Anyway, it seems that on April 3rd some of entertainment’s finest will be gathering at Carnegie Hall to perform at The Revlon Concert for the Rainforest Fund.And as I mentioned earlier, Meryl Streep will be there (will she really be singing???!!!???), along with Elton John, fellow Academy Award winner Jennifer Hudson, Bruno Mars, as well as Sting. If you follow your celeb gossip, then you know that Sting and his wife have been very active in raising awareness and money for the Rainforest for many years now. So it is probably no surprise that this event is being produced by Trudie Styler, Sting’s wife.Every year this concert has a theme, and this year the theme is "Songs from the Silver Screen", and tickets run anywhere from $150 - $600. Well, hopefully they will have a great turnout for the event!In other news...it seems that Elvis Presley’s daughter (also known as ex-wife to Michael Jackson), Lisa Marie Presley has decided to get back into the music game. She will be releasing a new album called "Storm and Grace" on May 15th on Universal Republic/XIX Recordings. This will be her first album in five years, as well as being her third album altogether, and the album is produced by Grammy award winning producer T Bone Burnett. Lisa Marie will be making an appearance on one of America’s most popular television shows, "American Idol", in order to promote the album. According to various music critics that have heard some of the music on the album, they say that she is starting to sound more and more like her father. Guess we shall have to wait and see!Last, but not least, the Queen of Pop, Madonna has always been known to be one of the hardest working people in showbiz. And this year seems to be no different. Not only did she have a successful performance at the Superbowl last month, but Madonna also has a new single out and is ready to release her 12th studio album called "MDNA". The new album has her working with William Orbit, Mika,LMFAO, Nicki Minaj and MIA, and is set to be released on March 26th.Then on May 26th Madonna kicks off her world tour from Tel Aviv, which will be running until November 17th!!WELL, guess all that is just NOT ENOUGH for the Material Girl. Because she also recently announced that she is going to be producing a new footwear line called "Truth or Dare" as well! The line will have more than 60 different styles, and will have everything from flats to over-the knee boots to heels. Madonna’s stylist, Arianne Phillips, will be a creative consultant for the collection, and the shoes will retail anywhere from $89- $349.Can’t wait to see the collection!!■関連作品:マーガレット・サッチャー鉄の女の涙 2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.■関連記事:メリル・ストリープに訊く、輝きの源――「年を重ねることは、豊かになること」メリル・ストリープ、サッチャー元首相役で「親の世代について学ぶ機会をもらった」メリル・ストリープ来日!オスカー受賞の瞬間は「頭が真っ白になった」ひな祭り記念、ガールズパワーみなぎる最強ヒロイン映画を一挙紹介!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?
2012年03月23日メリル・ストリープが英国初の女性首相を演じ、本年度米アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』が公開されている。本作を手がけたのは『マンマ・ミーア!』でもストリープとタッグを組んだフィリダ・ロイド監督。「この映画を決して伝記映画にしたくなかった」というロイド監督は、サッチャーの半生をどのように映画化したのだろうか? 来日した際に話を聞いた。その他の写真『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたサッチャーの生涯を描いた作品で、米アカデミー賞だけでなく多くの映画賞で高い評価を集めている。しかし、ロイド監督は「最初にこの映画の話が来たときは少し不安に感じた」という。「もし、彼女の政治的な足跡をたどる映画をつくれば12時間ほどの映画になったでしょう。それに私は政治的な映画は撮りたくなかったんです」。そんな監督の不安は、女性脚本家アビ・モーガンの書いた脚本を読んで一気に解消したそうだ。「彼女の書いた脚本を読み、この映画は普遍的なシェイクスピア劇のような要素をもった物語だと思いました。権力と喪失の物語であり、権力を手にするためにはらう犠牲の物語です」。映画だけでなく、舞台劇の演出も手がけるロイド監督は、この物語に一瞬にして魅了され、主演女優に再びストリープを指名した。「この映画の中では、セリフのない場面が重要な役割を果たします。サッチャーを表現するエッセンス、それは“彼女の孤独”だからです。もし、メリルほどの才能やキャリアをもたない女優が演じていれば、サッチャーがジッと座っている場面や、ひとりで何かを書いている場面はあそこまでの感動を呼ばなかったでしょう。この映画では、メリルが体や仕草で表現するエッセンスが重要な役割を果たしますし、本作の“ハート”の部分だと言ってよいと思います」。逆境に立ち向かい、決して己を曲げず、信念を貫き通してきたサッチャー。その功績は現在もなお賛否をもって取り上げられるが、ロイド監督はそこに“普遍的な人間ドラマ”を見出したという。「サッチャーの意志や確信の強さは、彼女の長所でした。しかし、それがときに横柄さや頑固さにもつながりました。権力を手にした人間の強みは、時に欠点になる。私はそこに普遍的なドラマを感じたのです」。日本では現代英国史やサッチャー首相の功績に明るい人は多くはないだろう。しかし、映画『マーガレット・サッチャー…』は、どんな時代のどんな国の観客にも通じるドラマをじっくりと描いている。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』公開中
2012年03月21日トム・ハンクスとジュリア・ロバーツが共演した話題作『幸せの教室』に、今年の米アカデミー賞で3度目の主演女優賞に輝いた、名女優メリル・ストリープの次女であるグレース・ガマーが出演していることがわかった。その他の写真ハンクスが製作・監督・脚本・主演のすべてを手掛けた『幸せの教室』は、学歴を理由にリストラされてしまった男性ラリー・クラウン(ハンクス)と、人生にも仕事にも情熱を失ってしまった女性教師(ロバーツ)が短期大学で出会い、それぞれが新しい生き方を見つけていくまでを描いたハートウォーミングな人間ドラマだ。現在25歳のガマーは6歳の頃にストリープの主演作『愛と精霊の家』(ビレ・アウグスト監督)で、母が演じた主人公クララの子供時代を演じスクリーン・デビューを飾っている。だが、その後は大女優の娘という立場に甘んじず、自ら数々のオーディションを受けるなど地道な努力を重ね、ドラマや舞台、映画などで経験を積んできた。さらに2008年には母ストリープが通っていたヴァッサー大学を卒業。仕事と学業を両立させてきたサラブレッドだ。そんな彼女がハンクスに抜擢され、ついに『幸せの教室』というメジャー作品に登場する。劇中では、ハンクス演じる主人公の同級生であり、またロバーツ演じる教師のもとで、スピーチを学ぶ個性的なクラスメイトのナタリー役を演じている。母譲りの白い肌、親しみのわく笑顔や美しい金髪が印象的なガマー。撮影時には娘のことを気にかけたストリープ本人が、ハンクスに直接電話をかけたこともあったという。本作はハンクスとロバーツという2大オスカー俳優の共演だけでなく、母やロバーツに続き、オスカー女優への道を歩み出したガマーの“第一歩”にも注目して観るとより楽しめるのではないだろうか。『幸せの教室』5月11日(金)全国ロードショー
2012年03月21日いよいよ本日より公開!『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』の主演、第84回アカデミー賞主演女優賞のメリル・ストリープのオフィシャルインタビューをご紹介!●フィリダ・ロイド監督からマーガレット・サッチャー役のオファーを受けた際、どのように感じましたか?フィリダからマーガレット・サッチャーの人生と女性指導者をめぐる問題を描いた映画を作ると聞いて、すぐに関心を持ちました。女性指導者は数少なく、女性指導者であることの意味について興味を抱く映画監督も少ないですからね。英国の首相になるためにマーガレット・サッチャーがどのような障壁を打ち破ってきたか。それを想像するためには、彼女が保守党の党首として頭角を現し始めた1970年代後半に生きる女性になったつもりで考える必要がありました。娘たちにはいつも言っているのですが、当時の世界は現在と大きく異なるものの、実際のところ、物事はあまり変わっていないのです。戦時中に育ち、物資不足で復興途上の戦後の英国をじかに体験した女性が、自らの哲学を打ち出し、国の経済を立て直すために弱点と思われる要素を排除し、現実的な解決策を実行していく姿を追うのは興味深い作業でした。世界的な大問題を解決したその人物はたまたま女性でしたが、女性にそのようなことができるとは期待されていなかったのです。●彼女は“男のクラブ”、しかも上流階級の世界に足を踏み入れ、その襟首をしっかりとつかんだわけです。政策はどうあれ、それだけで重大な成果ですね?私は役者ですが、リハーサルの初日から本当に圧倒されるような気分でした。そこには英国が誇る名優たちが恐らく40~45人ほどいましたが、私は部屋の中で唯一の女性だったんです。保守党の会合に参加した時にマーガレット・サッチャーが感じたであろう気持ちを私も味わった気がしました。議会での撮影、あるいは議会を再現するのはとても面白かったです。その場を支配し、政策か何かについて聴衆を引き込み、説得するということは人として誰もが苦闘を強いられることだからです。●愛を手に入れ失う、そして権力を手に入れ失う、作品ではこの二つのテーマが浮かび上がりますが、あなたにとってはどちらのテーマがより重要でしたか?この作品が成功するとすれば、それは重圧と重大性と緊張感に満ちた彼女の政治家人生と、人間としての彼女に多大な影響を与えた私生活の両方が同等に扱われているからだと思います。つまり私たちは、ある人物を丸ごとすべて描いた映画を作ろうとしているんです。マーガレットははっきり言いました。厳しい決断を下せば、その時には人々は自分を嫌うだろう、しかし彼らは代々にわたって自分に感謝することになるだろうと。指導者は常にそういう考え方をしなければなりませんが、それは母親も同じなんです。そう、今はあれこれ禁止する自分を子供が嫌うのでつらい、でも長い目で見れば子供は自分に感謝するようになるだろうとね。どちらも似たような問題だと思います。短期的な視点に立って人気を集める政治家もいるでしょう。しかし本当は長期的な展望を持たねばならないのです。●作品は驚くほど政治的ではありません。そのことに観客は驚くと思いますか?マーガレット・サッチャーの政治について何らかの考えがあって作品に出演したわけではありません。正直言って、彼女の政策については話にならないほど何も知らなかったんです。レーガン大統領の政策にはなじみがありますから、それらと一致するものが多かったことは知っています。しかし彼女は彼のすべての政策に沿っていたわけではありません。ですから彼女の政策そのものよりも、その政治的決断のせいで一人の人間として彼女がどのような犠牲を払ったかに興味を引かれました。なぜ彼女が政策のせいで人々に嫌われたのか、その一方で彼女の政治的選択を称賛する人が多いのはなぜか、私たちはそれをできるだけ正確に描こうとしたんです。しかし私たちがそれ以上に描きたかったのは、政策を決定する立場にいることによって、人はどのような犠牲を強いられるかという点です。指導者であり責任を取らねばならない立場にある時、それは人にどのような影響を与えるのか。そして強くあり続けるためには、どれだけのスタミナが必要なのかという点です。●マーガレット役として40年分の人生を演じているわけですが、それは大きな挑戦だったでしょう。すばらしい体験でしたよ。通常の作品では一つの特定の時代が設定されますが、この作品では彼女の人生を丸ごと振り返るので、本当にワクワクしました。一言加えておくと、J.ロイ(・へランド)とマリース(・ランガン)の見事なヘア&メイクはもちろん、年老いたマーガレットを表現できたのはマーク・クーリエが補綴技術を駆使して見事に変身させてくれたおかげです。●この作品に出演できて最も良かった点は何ですか?この作品に出演できて最も良かった点は、一人の人物の人生を丸ごと見ることができたことですね。この年齢になると、自分の人生を最初から振り返ってみることが実際にあるんです。その膨大さに圧倒されることもあります。当時は重大だと思っていた出来事がぎっしり詰まっているから。その一方で、重要なのはこの日、この瞬間だと気付くんです。今ここにいることがね。唯一重要なことは自分の人生を生き、まさに今この瞬間を生きることだと言えますが、実際にはこれほど難しいことはありません。つまり禅ですね、今この瞬間を生きる。感じて、ただそこに在れ。作品情報『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』大ヒット公開中!(c)2011 Pathe’ Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute
2012年03月16日メリル・ストリープが英国初の女性首相を演じ、本年度米アカデミー賞主演女優賞に輝いた映画『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』が16日(金)から日本公開される。これまで幾度となくオスカーにノミネートされ、世界最高の女優のひとりとして活動するストリープは本作にどう向き合ったのか? 先ごろ来日した際に話を聞いた。その他の写真『マーガレット・サッチャー…』は、現段階において英国史唯一の女性首相であり、その強い信念から“鉄の女”と称されたサッチャーの生涯を描いた作品だ。ストリープは本作のためにリサーチを重ね、サッチャーの口調やブリティッシュ・アクセントを完璧に再現した。しかし、この役の見どころは、彼女が“沈黙”する場面にある。セリフのある場面は、過去の記録映像を参考に口調を真似することができるが、セリフのない場面では俳優がその人物に成りきらなければシーンが成立しないからだ。ストリープも「女優として台本をもらうと『私のセリフはどこかしら?』と、そこばかり読んでしまうけど、セリフのない場面がどのように描かれているかが大事だし、そういう場面で観客は想像力を働かせて人物の内面に入り込もうとします」といい、「セリフのない場面を演じきれたのは、監督が私の思うように演じる自由をくれたから。彼女の“自由を認める精神”が、あのような場面を生んだのだと思います」と振り返る。本作の監督を務めたのは、舞台演出なども手がけるフィリダ・ロイド。ストリープとは『マンマ・ミーア!』でもタッグを組んだ。「彼女はとても静かだけれど、リーダーシップのある人です。『マンマ・ミーア!』は本当に大変な映画でした。私たちはプロのダンサーやシンガーではないですし、エキストラも多く、ロケ撮影も困難が多かった。でも本作はセットでの撮影が多く、じっくりと人物表現を深めていく作品。彼女はどちらの作品でもキャストやスタッフをまとめあげてくれました」。信頼のおける演出家の下で、実在の人物の“再現”ではなく、英国史に名を残すひとりの女性の人生を“生きた”ストリープ。本作で彼女は、自身が年齢を重ねることで見つけた“日常の中の美”を役作りに活かしたという。「年齢を重ねると、食器を洗ったり、小鳥の声を聴くことだけで生きていることの確信になります。若い人にこんな話をしても理解してもらえないでしょう。でも私もサッチャーも同じで、歳を重ねることで独断的にならずに、日常の中に“美”を見出せるようになったのです」。どんな時も信念を曲げず、男性優位の議会の中で粘り強く自説を主張し、権力を手にしたサッチャーは年齢を重ね、沈黙の中で何を思うのか? ストリープが渾身の演技で見せるサッチャーの“沈黙”こそが、本作の最大の見どころなのではないだろうか。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』3月16日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
2012年03月15日アカデミー賞ノミネート最多17回。うち『クレイマー、クレイマー』(’79)で助演女優賞、『ソフィーの選択』(’82)で主演女優賞、新作『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』では3度目のアカデミー賞受賞となる主演女優賞を手にしたメリル・ストリープ。28歳のときに映画『ジュリア』(’77)で銀幕デビューを飾ってから34年間、常に世界の映画界のトップを走り続けてきた、誰もが認める名女優だ。彼女が今回演じるのは、元英国首相マーガレット・サッチャー。西洋史上初めて一国のトップに立った女性であり、20世紀最長の任期をまっとうした首相であり、“鉄の女”のニックネームと共に歴史にその名を刻んだ人物。現在も生きている有名な人物を演じることは、大女優であっても相当荷は重かったはず。メリルは「正確で真実に近い役作り」に徹し、その言葉のとおり、微妙なイギリス英語のアクセントを身につけ、髪型、メイクアップ、仕草、話し方、サッチャーのすべてに自身を近づけた。スクリーンの中にいるのはまさにサッチャーそのもの。そして、サッチャーを知ることで、“鉄の女”というイメージからは想像がつかない一面に驚かされたのだと、ほほ笑んでみせる。「驚いたこと?数え切れないほどあるわ!一番驚いたのは、あれほど多忙で仕事に打ち込んでいたにも関わらず、彼女の家に料理人がいなかったことね。朝食も夕食も彼女自身が作っていたのよ。あまり上手ではなかったらしいけれど(笑)。1日平均4時間の睡眠で、仕事と家事の両方をこなす、そのスタミナとエネルギーは超人的、本当にすごいと思う。面白いエピソードがあるのよ。彼女の仕事場の上が自宅になっているんだけれど、2階で内閣の会議をしていると上の階から夫・デニスが降りてきて、『彼らはお腹が空いているんじゃないのか?』って官僚たちに料理をふるまうよう指示するの。すると『あら、そうだったわね!』って彼女、3階の自宅に行って料理を作るのよ。しかも、一国の首相の家なのに彼女の家のキッチンは質素でね、大きさは、そう、このくらいね…」と椅子から立ちあがり、身振り手振りでキッチンの大きさを伝えるメリル。なんともチャーミングだ。今年63歳を迎えるメリルの顔には、もちろん年齢を感じさせるいくつものシワが刻まれている。けれど、そのシワの1本1本すら美しく見えてしまう。そう表現すれば、彼女の魅力がどれほどのものか伝わるだろうか。この日は、シックな紺色のワンピースに黒いブーツ、黒縁めがねという飾らないスタイリング。唯一、鮮やかだったのは指先のまっ赤なネイル。そのさりげない女性らしさは、ますますメリルの知的さを際立たせる。そして、話は女性としてのサッチャーの人間力へ。「政治家として男社会で男と対等に生きていくために、彼女は、泣くことや笑うことといった女の弱々しさを決して表に出さなかった。だから“鉄の女”と呼ばれたのね。それでも彼女が女性として魅力的だと思うのは、たとえ首相になっても女らしさを失わなかったこと。ハンドバッグやキラキラしたブラウスを着ることで、彼女は女らしさを保っていたの」。親しみを込めてサッチャーの想いを代弁する。政治家としての栄光と挫折を経験し、そのために犠牲にしたのかもしれない家族の愛に戸惑い、妻として、母として、ひとりの女性として必死で生きたサッチャーの人生に、観客は自然と自分自身を重ね合わせることだろう。特にセリフのないシーンで深く共感してもらえるのではないかと、メリルは期待を寄せる。「映画のセリフのない部分は、観客一人ひとりがセリフに惑わされることなく、自分のイマジネーションを膨らませて観ることができると思うの。もちろん、そういう自由な演技の場を監督から与えてもらったことも幸せだったわ」。『マンマ・ミーア!』(’08)に続くタッグとなるフィリダ・ロイド監督を始め、脚本のアビー・モーガン、編集のジャスティン・ライトなど、女性スタッフに囲まれた環境もメリルにとっては大きな支えとなった。また、ロイド監督は「この映画は老いについての映画でもある」と言葉を残している。強く、厳しい“鉄の女”だったリーダーが、認知症に苦しんでいると娘の回顧録で発表されたのは2008年のこと。この映画でも晩年のサッチャーが幻想の夫に「あなたは幸せだった?」と問いかけるシーンがある。サッチャーの40年という人生を演じたメリル自身は、62歳のいまをどう生きているのだろうか。どんなことに幸せを感じているのだろうか。「そうね…、若き日のサッチャーのセリフに、『お皿を洗うだけで一生を終えたくないわ!お母さんみたいになりたくないのよ!』というセリフがあるけれど、そんなことが言えるのは23歳の女の子だけよ(笑)。若さゆえの傲慢な発言ね。年を重ねることは、経験を積むこと、豊かになること。それって素晴らしいことでしょう。年をとるからこそ、鳥の声や子供の遊び声、お皿を洗うことでさえも美しいこととして捉えられるんですもの。映画のラストシーンはそんな(老いの)ステージの美しさを描いているのよ。ただ映画界においては、老いたあなたは見たくないわって、仕事が減ってしまう。それは残念なことよね」。老いを心の豊かさと受け止め生きているからこそ、メリル・ストリープという女優は60歳を過ぎてもなお求められ、第一線で活躍し続けるのだろう。そして、彼女のシワの一つ一つが美しく知的に見えるのは、彼女自身もまたシワの向こう側にある人生を見つめているから。「意外かもしれないけれど、私もロイド監督もよく地下鉄やバスに乗るのよ。そこには幸せも不幸せも含めていろいろな人たちがいる。一つのシワの背景に、その人のどんな人生があったんだろうって考えさせられるの。その人たちの人生を見ることが好きなのよ」。どう年を重ねていくのか、どう生きていきたいのか──。メリル・ストリープが全身全霊で演じたマーガレット・サッチャーには、自分らしく生きるためのヒントがぎゅっと詰まっている。決断する勇気、信念を貫く強さ、何よりも人生は愛おしいもの、人生は美しいものだと気づかせてくれる。(photo:Yoshio Kumagai/text:Rie Shintani)■関連作品:マーガレット・サッチャー鉄の女の涙 2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.■関連記事:メリル・ストリープ、サッチャー元首相役で「親の世代について学ぶ機会をもらった」メリル・ストリープ来日!オスカー受賞の瞬間は「頭が真っ白になった」ひな祭り記念、ガールズパワーみなぎる最強ヒロイン映画を一挙紹介!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~
2012年03月14日みなさん、こんにちは!あなたはハリウッドの最大イベント、今年のアカデミー賞授賞式をご覧になりましたか?ご覧になった方は何を思いましたか?私の正直な感想を言えば、久しぶりの司会復帰となったビリー・クリスタルは、少しスキャンダラスでエッジの利いたユーモアとスムーズな進行で素晴らしい仕事を成し遂げたと思います。しかしながら、そのほかはと言うと…、今年は少し退屈だった印象があります。というのも、サプライズの少ない授賞式だったからです。ご存知の通り、『アーティスト』は作品賞、監督賞、主演男優賞を始め、5冠に輝きました。これは大そうな快挙で、サイレント映画がオスカーを獲得するのは、第一次世界大戦中の映画『つばさ』が獲って以来でした。オクタヴィア・スペンサー(『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』)はほぼ全てのほかの各映画賞に続き助演女優賞を獲得、助演男優賞にはクリストファー・プラマー(『人生はビギナーズ』)が同じく予想通り受賞しました。一方で、ヴィオラ・デイヴィスが主演女優賞の受賞を逃したことに驚いた人も少なくなかったのでは?多くの人がこの黄金に輝くオスカーをめぐる対決でメリル・ストリープに勝つことを期待していましたが、勝利の女神はハリウッドの“ゴールデン・ガール”、メリル・ストリープに微笑みました。おもしろいのは、大勢の人がメリルの家にはたくさんのオスカー像であふれていると思っているものの、実際には17回のノミネートのうち今回の受賞がたった3度目だということ。彼女が最後にオスカーを手にしたのは、1982年の『ソフィーの選択』での受賞。彼女自身、ウェブ上や各オンラインメディアでの受賞予想をすべてチェックしていたそうで、そのほとんどでヴィオラ・デイヴィスが主演女優賞を獲得するだろうと書かれていたことにもインタビューでは触れていましたが、それゆえ今回の受賞に対しては少し複雑な気持ちだったそうです。受賞スピーチでも、視聴者に向かって「アメリカ国民の半分はこの受賞について怒っていることでしょう」とジョークを飛ばしていました。さて、正直に言えば、今回の授賞式では興奮するシーンが少なかったように思います。それは私だけではなかったようで、視聴率においても今年初めてグラミー賞がアカデミー賞を上回りました。今年、アカデミー賞の視聴者数が3,930万人だったのに対し、その2週間前に放送されたグラミー賞は3,990万人に上ったそうです。もし1つだけ、その夜の最も奇妙な(そして最も興奮した?)瞬間を挙げるとしたら、それはアンジェリーナ・ジョリーの右足についてのTwitter上の盛り上がりでしょう。アンジェリーナは腰からスリットが入った黒のドレスを着こなし、その美しい右足を大胆に見せていました。彼女がレッドカーペットでポーズを取った際に、インターネット上では彼女の右足の話題で持ちきりになり、何者かが「アンジーの右足」専用のTwitterを立ち上げていたのは有名な話。また、授賞式の間も彼女はプレゼンターとしてステージに上がった際に、右足を見せつけるようにポーズを取ってました。これは、右足が話題になっているのを知っていたから…?それはさておき、私は受賞した男性集団がアンジェリーナのポーズを真似していたのがとても気に入りました。さて、あなたは授賞式のどのシーンがお気に入りでしたか?(text:Lisle Wilkerson)(原文)HI everyone!!! SO...did you get to watch the biggest event in Hollywood, the Academy Awards???If so, what did you think? Honestly in my opnion I thought that Billy Crystal did a great job of coming back to host it. I thought he had enough "on edge" humor to make it a bit scandalous, and he did a great job of keeping things going. However the rest of the show...hmmm...a bit boring!! At least to me. There were really not that many surprises."The Artist" took Best Picture, Best Director, and Best Actor, and in all took five awards. This is quite a feat because the last time a silent film earned the top prize at the Academy Awards was when the World War 1 film "Wings" was named Best Picture in 1929. Octavia Spencer, who has won "Best Supporting Actress" (for her role in "The Help")at almost every ceremony, won again at the Academy Awards. And Christopher Plummer, who has also been consistently winning for "Best Supporting Actor"(for his role in "The Beginners") also won on Oscar night. However many people were a bit surprised that Viola Davis didn’t win Best Actress. Many were favoring her to beat Meryl Streep for the Golden Statue. But Hollywood’s Golden Girl, Meryl Streep, walked away victorious. It’s funny because so many people think that Meryl Streep has a room full of Oscar statues at home, but in reality, this was only here THIRD win. Sure, she has been nominated SEVENTEEN times (a record number of nominations for ANY actor/actress), but the last time that she actually won was in 1982 for her role in the film "Sophie’s Choice". Until Now.And I know that she felt somewhat guilty about winning this year, because in her acceptance speech, she told the press that she read all the predictions online, and in social media sites, etc. and most of the stuff that she read said that actress Viola Davis would win "Best Actress". So when she accepted the award, she apologized to the audience, saying "I know that I made half of America mad by winning this...."Honestly, though, I didn’t find much excitement in the ceremony. And it seems that I was not alone. In fact, for the first time this year, the ratings for the Grammys BEAT OUT the Academy Awards. There were about 39.3 million viewers of the Academy Awards this year, whereas two weeks ago the Grammys had 39.9 million viewers.Probably the strangest (and yet maybe the most exciting) part of the night was when actress Angelina Jolie’s right leg got it’s own twitter page!! Angelina wore a long black dress with a slit all the way to her waist, showing her right leg. And so when she was posing for pictures on the red carpet before the ceremony, the internet lit up, talking about her sexy leg shots....which led to someone creating a twitter page for her right leg!!! Then during the ceremony, when Angelina Jolie went up to present two awards, she made a pose again showing her leg. Was this because she KNEW that people were talking about her right leg??? Who knows. But I loved it when a group of guys came up to receive their award after Angelina Jolie was done, and they pretended to pose exactly like Angelina.SO...what was your favorite part of the ceremony?Michael Yada / © A.M.P.A.S.Heather Ikei / © A.M.P.A.S.■関連作品:第84回アカデミー賞 [アワード] 2012年2月26日(現地時間)、ハリウッド・コダックシアターにて授賞式が開催© AMPAS■関連記事:ナタリー・ポートマンがオスカー授賞式で着用のヴィンテージ・ドレス、5万ドルで売却ナタリー・ポートマン、指輪はしているが、本当に結婚したかどうかは謎のままショーン・ヤング、オスカーのアフター・パーティ会場前で警備員を殴り逮捕される【アカデミー賞】歴史を塗り替える快挙の数々をふり返り【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~
2012年03月12日メリル・ストリープが圧倒的な演技力で演じ切る<鉄の女>マーガレット・サッチャーの栄光と挫折を描く人間ドラマ『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』。第84回アカデミー賞主演女優賞を見事受賞した、メリル・ストリープとフィリダ・ロイド監督が来日し、プレミア試写会舞台挨拶を実施。観客からの温かい拍手に迎えられ客席を通って登場したのは、黒のフェラガモのコートジャケットにプラダの靴を履き、TASAKIのパールネックレスと指輪をつけたメリル・ストリープ。フィリダ・ロイド監督とともにファンからの花束を受け取る一面も。また、マーガレット・サッチャーが就任当時、首相として活躍し、ご本人とも交流も深い中曽根康弘氏が、今回本作を鑑賞しにご来場しており、メリル・ストリープと監督がご対面し、握手を交わした。●メリルさん、オスカー受賞おめでとうございます!オスカー常連のメリルさんですが、意外にも29年ぶりの受賞。受賞発表の瞬間のことを教えてください。メリル:ものすごくハッピー!この歳だから感動しないわと思っていたけど、頭が真っ白になって、興奮したわ。受賞したのはたった3つだけど(笑)。●日本に来ていかがですか?メリル:とても光栄です。3.11から1年。未来は、希望は、絶対あると伝えたいわ。フィリダ:日本に来るとすごく謙虚な気持ちになります。本作は非常に自信があります。楽しんでもらえると思うわ。●お二人は、『マンマ・ミーア!』に続いての2度目のタッグです。イギリスの有名な首相、しかもご存命のサッチャーさんに、アメリカン人のメリルさんを起用した理由を教えて下さい。フィリダ:サッチャーは初の女性首相で、世界中の超大物スター。人間として素晴らしい。彼女を演じるには、同じように世界的なスーパースターが必要だった。また、サッチャーは冷酷な面もあるので、温かく、ウィットで共感できる人がよかった。本作は政治映画ではなく、権力を持った人間の栄光と挫折を描いた映画です。●役作りで一番大変だったのは何でしょうか?メリル:人間は自分の中に子供から大人まで自分の中にあるように、老後の自分の中にあって人生を歩んでいると思うの。それは、国籍を問わず、人間としては同じ。私は是非日本人を演じてみたいと思っているわ。それが、私の次回作ね!●サッチャーさんも時代のリーダーとして11年間首相をつとめました。今の時代に必要なリーダーとはどんな人と思われますか?フィリダ:サッチャーは顧問を置かず、人の意見や支持率も聞きませんでした。信念を絶対に曲げず、間違うことを恐れないことが必要だと思います。メリル:近い未来ではなく、遠い未来を見る人が必要だと思います。メリル:近い未来ではなく、遠い未来を見る人が必要だと思います。<中曽根康弘氏コメント>サッチャーさんとはサミットで5年間ご一緒していましたが、政治家としてはこうあるべきだという姿を映しだし、ご本人がよく現れていました。困難に遭遇した時の政治家はみな同じです。サッチャーさんは愛情ある女性らしい面もあります。世界中の政治家にこうあるべきだと示しているいい映画で、感銘を受けました。作品情報『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』監督:フィリダ・ロイド『マンマ・ミーア!』出演:メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント配給:GAGA(c)2011 Pathé Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
2012年03月07日『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で今年の米アカデミー賞主演女優賞に輝いたメリル・ストリープが、本作の日本公開に先がけてフィリダ・ロイド監督と共に来日し、7日に都内で記者会見を行なった。その他の写真本作はイギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーの半生を描いた人間ドラマ。ロイド監督とストリープは『マンマ・ミーア!』に続いて2度目のタッグとなる。アメリカ人であるストリープは「英国ではアウトサイダーである私が、愛されそして批判されたミセス・サッチャーを演じるのはとても難しいことだったが、(同時に)自分自身について学ぶことでもあった。正確で真実に近いように心がけた」と存命の人物を演じるにあたっての責任と苦心を明かした。さらに役作りにあたって「観た人が自分を重ね合わせることができるようにしたかった」と、首相であり、妻であり、母でもある“ひとりの女性”としてのマーガレット・サッチャーであることを強調した。記者から「同じ女性としてサッチャーの魅力はどこか」と聞かれたストリープは「たとえ首相になってもハンドバックを持ち、ヒラヒラのブラウスを着て女性らしさを失わなかった。でも、涙など弱々しさは決して見せないところ」だと回答。一方、ロイド監督は「普遍性のある作品を作ろうと心がけた。核にあるのは老齢についてでもある。難しいテーマではあるけれど何かを感じとっていただけたら」と作品をアピールした。『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』3月16日(金) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
2012年03月07日『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』で自身2度目のアカデミー賞主演女優賞を獲得し、現在来日中のメリル・ストリープが3月7日(水)に都内で開催された記者会見にフィリダ・ロイド監督と共に出席した。“鉄の女”と言われた英国初の女性首相マーガレット・サッチャーが政界を上り詰めていく軌跡と、その裏での家族との関係や苦悩を描いた本作。『クレイマー、クレイマー』での助演女優賞、『ソフィーの選択』での主演女優賞に続いて、メリルに通算3つ目のオスカー像をもたらした。マーガレット・サッチャーという人物について、メリルは「首相になっても決して女性らしさを失うことがなかった人物だと感じています。政界という男性社会の中でも彼女はハンドバッグを持ち、ヒラヒラの服を着続けました。一方で涙や笑顔という女性の弱さを見せることを自分自身に許さない強さを持っていました。だからこそ“鉄の女”と呼ばれるのでしょうね」と語る。監督はサッチャーが下層中産階級(ロウワーミドル)出身であることに触れ、「自らの出自を忘れることなく世の中で重視されてこなかった層、普通の人々の気持ちが分かるということが彼女の魅力と言えるのではないでしょうか」と分析した。これまでにも実在の人物を演じたことはあったが、現在も存命している人物を演じるのは初めてということで「それだけ責任が加わりました」とメリル。「より正確に真実に近づけて、想像の部分も含めてなるべく事実と近いものを作っていくことを心がけました。その中で映画を観る人が彼女と自分を重ね合せて見ることができればと思っています。決してひとりの人間の“成功”を描いた伝記ではなく、“日常”を描いた作品だと思いますし、この映画を通じて自分自身や親の世代について学ぶユニークな機会をもらったと思います」としみじみと語った。本作はメリルの主演女優賞に加え、メイクアップ賞も受賞しているが、メイクチームのメンバーのひとり、J・ロイ・ヘランドは37年間にわたってメリルと一緒に仕事をしてきた人物。「彼とは私がニューヨークのリンカーンセンターで芝居を始めたときからの付き合い」(メリル)ということだが、今回、自身が演じる老年のサッチャーのメイクを初めて施されたときの印象について尋ねられると「見知った人がいるな、という感じでした。父のことを思い出しましたね。父とサッチャーをミックスしたような人がいるなという印象でした」と笑顔でふり返っていた。また、記者から難局に臨む野田首相にアドバイスを求められると「演技のことならアドバイスできるんですが…」とやんわりとかわし会場の笑いを誘った。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』は3月16日(金)より公開。■関連作品:マーガレット・サッチャー鉄の女の涙 2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.■関連記事:メリル・ストリープ来日!オスカー受賞の瞬間は「頭が真っ白になった」ひな祭り記念、ガールズパワーみなぎる最強ヒロイン映画を一挙紹介!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!
2012年03月07日先日発表された第84回アカデミー賞において『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』で自身2度目の主演女優賞(※助演女優賞と合わせて通算3度目)に輝いたメリル・ストリープが来日。フィリダ・ロイド監督と共に3月6日(火)に都内で開催されたジャパン・プレミアイベントに出席し、日本のファンからの祝福の声に笑顔で応えた。英国初の女性首相であり“鉄の女”の異名を取ったサッチャーの戦いや苦悩の日々を描いた本作。映画にちなんでこの日の会場には来賓として、現在93歳で首相在任期間(1982年~87年)がサッチャー首相と重なる中曽根康弘元総理大臣も来場。客席横の扉から登場したメリルは、客席の間を通って壇上に向かう途中、中曽根元首相とガッチリと握手を交わした。メリルは観客の声を揃えての「(アカデミー賞)おめでとう!」という祝福に一瞬、驚いた様子を見せ「アリガトウ」と満面の笑みを浮かべた。司会者の「3度目のオスカーですが…」という言葉に「たった3つ目よ」とおどけるメリル。それでも受賞の瞬間について「この年になるともう感動することなんてないと思ってたけど、あの瞬間は頭が真っ白になって興奮しました。本当に幸せでした」とふり返った。来日は同じくロイド監督作品の『マンマ・ミーア!』以来、約3年ぶりとなるが「この映画を持ってこれたこと、特にこの時期、津波から1年が経ついまの時期にここに来られたことを名誉に思います。この映画を多くの犠牲者の方々、いまなお苦しんでいいらっしゃる方々に捧げます。物事には希望がある、ということを伝えられたらと思っています」と日本のファン、そして東日本大震災の被災者に向けて語りかけた。監督は英国人のサッチャーを演じる人物としてアメリカ人のメリルを選んだことについて「ある種の世界的スターであるマーガレット・サッチャーを演じるには世界的なスターの力が必要であり、メリルが持っているような演技の幅の広さが必要不可欠でした」と説明。さらに映画について「これは政治映画でもなく、彼女の政策の是非を問うものでもありません。権力を手にした人間がどうなるのか?彼女の姿を通してひとりの人間の栄光と挫折を描いています」と語った。メリルはイギリス人を演じると同時に60代にして80代のサッチャーを演じてもいるが「老後の自分というのは誰しも自らの中に持っているものです。誰もが子供の頃の自分を抱えたまま大人になっているようにね。人種や国籍というのも関係ありません。私は次回作で日本人を演じたいと思ってるわ」とユーモアたっぷりに語った。そして、いまの時代に求められるリーダー像について尋ねられると監督は「私自身、在任中のサッチャーを決して支持していた方ではなかったんですが…」と前置きした上で「リサーチする中で彼女が自分の周囲に顧問を置かず、支持率の上下も気にしない人物だったと分かりました。そして絶対に自分を曲げない信念の強さを持っていたんです。それはある意味で恐ろしいことなのかもしれませんが、間違うことを恐れないリーダーは必要なのかもしれません」とコメント。メリルもその言葉に頷きつつ「遠い未来を見る人間――自分の在任中のことだけでなく、さらにその先の未来を見ている人が必要とされていると思います」と力強く語った。『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』は3月16日(金)より全国にて公開。■関連作品:マーガレット・サッチャー鉄の女の涙 2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.■関連記事:ひな祭り記念、ガールズパワーみなぎる最強ヒロイン映画を一挙紹介!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!【アカデミー賞】メイクアップ賞は『マーガレット・サッチャー』に
2012年03月06日明日3月3日(土)は女子のための日、ひな祭り。雛壇を飾ってお祝いしていた少女時代から年月を経ても、女性としては一年で一度しかないこの日をやっぱりお祝いしたいと思う人も少なくないのでは?そんなひな祭りを記念して、女子力を高めてくれる“ハイパー”ヒロインが大活躍する、この春注目の映画をここで一挙ご紹介!まず最初にご紹介するのは、ハリウッドのトップスター、ブルース・ウィリス主演のクライム・アクション『キリング・ショット』(4月7日公開)から。真夜中のラスベガスを舞台に、薬物の取引が行われるダイナーを中心に物語が展開する本作。キャラクター全員がクセ者の中で、一際輝きを放っているのが、豊かな美貌と度胸を兼ね備えた美女ドラッグ・ディーラー、テスだ。銃を片手に、ブルース演じるマフィアのボスを敵に回し、タイトルにもなっている“キリング・ショット”を撃ちまくるテス。ハードアクションが求められるこの役に抜擢されたのは、『ウォッチメン』で“二代目シルクスペクター”を演じ脚光を浴びたスウェーデン出身の女優、マリン・アッカーマン。正義のヒロインから一転、本作ではワイルドなガン・アクションを見せる。テスが文字通り、体を張ったヒロインならば、現在公開中の『ドラゴン・タトゥーの女』で強烈な印象を放つリスベットはそこにずば抜けた知性が加わった最強ヒロイン。こちらは白夜のスウェーデンを舞台に、鬼才デヴィッド・フィンチャーが原作小説の世界観を忠実に再現することに徹底した猟奇的ミステリーである。数十年に及ぶ血族の因縁が引き起こした事件の謎を追う記者(ダニエル・クレイグ)と協力し合っていく天才ハッカー・リスベット。斬新なヘアスタイルに眉毛を剃り落とし、顔ピアスにタトゥーと、エキセントリックな容貌で彼女に成りきったのは、新星ルーニー・マーラ。どんなヒントも見逃さないリスベットが事件を紐解いていく姿は圧巻!ディズニーのプリンセスに憧れと夢を抱いた少女だった方にぜひオススメしたいのは、そのイメージを覆す『スノーホワイト』(6月15日公開)。世界中で愛されるグリム童話「白雪姫」を大胆にアレンジし、王子様のキスを待つのではなく、女王とデッドヒートを繰り広げる白雪姫が描かれる。戦術とサバイバル術を身につけた白雪姫こと、スノーホワイトをクール&ロックに演じるのは、『トワイライト』シリーズで人気を不動にしたクリステン・スチュアート。これまでのいわゆる“プリンセス”としての白雪姫のイメージをどのように覆してくれるのか、楽しみな一作だ。その鍛え抜かれた体と頭を駆使して戦う、逞しきヒロインたち。しかし、やはりこの女性の右に出る女性はそうそういない?先日発表された本年度アカデミー賞で29年ぶりの快挙を果たしたメリル・ストリープが演じる“鉄の女”こと、イギリス初にして唯一の女性首相、マーガレット・サッチャーである。1979年の首相就任以来、強気の姿勢とカリスマ性でもって一国を導いた彼女の知られざる、孤独な一面が『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』(3月16日公開)では描き出されている。どんな役もハマリ役にしてしまう大女優、メリル・ストリープの渾身の演技は一見の価値あり!このほかにも“戦うヒロイン”を描いた作品が続々と公開される今年。セクシー部門では、ウォルト・ディズニー生誕110周年記念のアクション超大作『ジョン・カーター』(4月13日公開)のヒロイン、デジャー・ソリス(リン・コリンズ)は、主人公のジョン・カーターと壮大なロマンスを魅せながら、時には彼よりも逞しい姿で戦っている。また、『ダークナイト ライジング』(7月28日公開)でアン・ハサウェイがボディ・スーツを纏って華麗なるアクションを魅せるキャットウーマンや、『アベンジャーズ』(8月公開)の紅一点、スカーレット・ヨハンソンが演じるブラック・ウィドウなど、男性も女性も魅了するセクシー・ヒロインが映画ファンを興奮させる。さらに、日本映画でも谷村美月が初のアクションに挑んだ痛快エンターテインメント『サルベージ・マイス』(3月24日公開)も見逃せない一作。清純な少女のイメージが強い谷村さんがそのイメージをどう覆すのか、期待される。強く逞しく、女性ならではの繊細さを併せ持つパワフル・ヒロイン。あなたがガールズパワーをもらいたいヒロインは誰?■関連作品:サルベージ・マイス 2011年10月22日より広島バルト11、ティ・ジョイ東広島ほか広島先行© 2011「サルベージ・マイス」製作委員会ダークナイト ライジング 2012年7月28日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLCジョン・カーター 2012年4月13日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.アベンジャーズ 2012年8月、公開© 2011 MVLFFLLC.TM& © 2011 Marvel. All Rights Reserved.スノーホワイト 2012年6月15日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Universal Studios. All Rights Reserved. ドラゴン・タトゥーの女 2012年2月10日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.マーガレット・サッチャー鉄の女の涙 2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.キリング・ショット 2012年4月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2011 CATCH44 AP LLC ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:ディズニーの“夢”を再現110体のキャラクターも楽しめる展示イベントが開催!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~ホワイト&メタリック編~【アカデミー賞】会場総立ち!メリル・ストリープが3度目のオスカー受賞!【アカデミー賞】メイクアップ賞は『マーガレット・サッチャー』に
2012年03月02日