建築家との家づくりが始まりました。しかし、8か月間も家賃と住宅ローンの二重払いが発生し、なぜこのようなことになったのか。契約から引き渡しまでの具体的なスケジュールなどを確認したところ、その理由が見えてきました。■ 契約から引き渡しまでの具体的なスケジュール実は、住宅ローンと家賃の両方を払わなくてはならない期間が丸々8か月ありました。一体どうしてこんなことになったのか、当時の手帳や契約書などを元に、実際のスケジュールを振り返ってみました。2016年2月土地の契約2016年6月建築家と建築士業務委託契約2016年7月下旬確認申請を提出2016年10月確認申請の審査がおりる2016年11月下旬基礎工事開始2016年12月上旬上棟2017年4月下旬引き渡し改めて建築家との契約書を確認してみたところ、設計業務は2016年2月〜7月、工事管理業務は2016年8〜12月に行う、とあります。契約書にはガントチャートに落とし込んだスケジュールが添付されています。そこには、2016年2月…基本設計2016年3月…本見積もり・実施図面作成2016年7月末…確認申請提出7月末2016年8月上旬…着工2016年12月末…竣工とありました。これが建築家が立てていた当初の予定です。建築家、工務店それぞれと契約を交わした時点で、少なくとも3か月は家賃と住宅ローンの二重払いが発生することがわかっていました。また、工期が冬にかかるため積雪などで1か月程度遅れる可能性があることも覚悟していました。「二重払い、4か月くらいなら我慢できるしなんとかなる」と考えていました。ところが、その予想の倍の8か月もの間、家賃と住宅ローンの両方を払い続けることになるとは。思いもよらない大誤算でした。■ 落とし穴のその原因は確認申請と道路にあったそもそも確認申請とは?建物の建築には、さまざまな法律による規定があり、それらに適合していないと新たな建物を建てることはできません。これから建てようとしている建物=私たちの家が法律を遵守し、条件に適っているかどうかを確認するのが「建築確認申請」。構造耐力、最高や通風、防火や耐火、安全性、建物内の環境など建物本体に関わる規定のほか、用途、斜線制限といった高さ、容積率や建ぺい率といった大きさの制限、敷地と道路の関係といった建物と地域、周囲に関わる規定について審査されます。我が家の前には、未舗装の道路が通っています。時期はまだ未定ですが少し道幅を広げて舗装する計画があると、土地の購入時に不動産会社の担当者から聞いていましたし、それを見越して売り主さんが隣家との境界を仕切ってくれていました。未来の道幅は当初から図面に反映されていて、私たちも納得した上で土地を購入しています。それを踏まえて作成した確認申請の書類を提出したところ、役所から、図面に反映されている道路の件でもう一度土地の測量をしたいという申し出が。その測量を終えないと、確認申請の審査をすることができないという状況になってしまったのです。確認申請の書類は、建築家が8月の第1週目に提出してくれました。その後、役所の測量が終えるまでに約1か月。改めて確認申請の審査が行われ、さらに1か月。確認済証に記載の日付は10月31日。通常約1か月で審査を終えるところ、我が家の場合、3か月もかかってしまったのです。■ ローンの支払い開始日の確認を!私たちが利用した住宅ローンは、引き渡しの時に住宅ローンの支払いが発生するごく一般的な住宅ローンですが、6か月以内の引き渡しが必須。つまり、土地の契約から6か月を経過するとローンの返済がスタートするというものでした。確認申請で足止めされた上、さらに、予定していたクロスを発注したらメーカー在庫切れだったり、現場での打ち合わせで変更になったことなどが重なって、工期自体も1か月近く長くかかったため、2016年9月から竣工した2017年4月までの8か月間、住宅ローンと家賃の両方を支払うことになってしまいました。貯金を切り崩し、家計を切り詰めてやりくりしましたが、正直しんどかったです。土地と住宅を同時に取得するのはさまざまな面でメリットがありますが、ローンの内容によって、土地の売買契約から竣工までに時間がかかるようならそれなりのお金の準備が必要だということを痛感しました。我が家の場合、覚悟していた以上に大きな金額になり、「大変だ」「なんでこんな目に遭うんだろう」「お金がなくてしんどい」を順繰りに何度も何度も思い続けていましたが、喉元過ぎれば熱さを忘れるという単純さ(笑)。完成した完成度の高い素敵な家を見たら嬉しくて、すっかりゴキゲンに。私たち好みの家を見て、いろいろあったけれどやっぱり建築家に依頼してよかったと、大きな満足感を得ることができました。■ 審査が終わるまでの間にできることを確認申請の審査は概ね1か月で終わると言われていますが、そうは問屋が卸さないこともあるんですね。そして、審査が終わらなければ、具体的に家づくりは進めることは許されません。遅々として進まぬ家づくり。審査の間にできたことは地盤調査と地鎮祭だけと意気消沈していましたが、下を向いていても前へ進むことはできません。この間に、私たちが選ばねばならないシステムキッチンとユニットバスを見極めるため、ショールームへ出かけることにしたのです。次回は、選んで良かった設備、失敗したと感じている設備について、書いていきたいと思います。※【住宅ライターの家づくり】過去の記事を読む
2018年05月26日トレードオフ(Trade-off)という言葉をご存じですか?経済学用語で「一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない状態・関係」の意味。もともとはイギリスの経済学者が指摘した「失業率と物価の関係」から生まれた言葉で、失業率を抑えると(景気が回復して)物価が上昇し、物価を抑えると(景気が冷え込んで)失業率が上昇する……という状態や関係を表しています。分かりやすくいえば、「あちらを立てれば、こちらが立たぬ」ということですね。sunny / PIXTA(ピクスタ)■ 住宅の性能にもある「トレードオフ」の関係!快適で安全な住まいを求めるのは、誰しも同じです。しかし耐震性や耐久性、断熱性や気密性、耐火性や防火性、防音性や遮音性、さらにバリアフリーなどの「快適性・安全性」や家族の安全を守る「防犯性」などといった性能や機能を、すべて追求することは不可能です。また、それらの性能や機能を追求することはコストアップにつながり、現実的ではありません。OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)例えば、採光性や通風性を高めるために、あるいはリビングから庭を眺めるために、大きな窓を希望する人も多いことでしょう。しかし窓を大きくするということは、多くの熱量が窓ガラスやサッシから家の外へ放出されることを意味し、経済的ではありません。また大きな窓は、家の中が丸見えになるというプライバシーの侵害や防犯性の意味でもリスクが高まります。Graphs / PIXTA(ピクスタ)さらに、にぎやかな土地に建てられた家の場合は、防音性や遮音性といったリスクがつきまといます。このように、「採光性や通風性を追求すると、断熱性や防犯性、防音性や遮音性を犠牲にせざるを得ない」ことになり、これを住宅性能の「トレードオフ」といいます。■ 暮らしやすさと機能性のバランスを取るのは難しいもう1つ例をあげましょう。北欧風の住宅を希望してメインの開口部(掃き出し窓のこと)に三重ガラス窓を採用した場合は、断熱性や気密性、防犯性や防音性などは高まりますが、窓ガラス自体が重いことから、操作性や通風性などが損なわれる可能性があります。Flatpit / PIXTA(ピクスタ)また小さなお子さんやペットにしてみれば、ここから出入りすることは不可能のため、とても暮らしにくい家になることでしょう。さらに例を1つ。繁華街に近い住宅地や犯罪が多い地域では、防犯ガラス窓を採用したり、窓や玄関ドアなどに二重~三重の鍵を設けるケースが多いようです。これを「ワンドア・ツーロック」あるいは「ワンドア・スリーロック」などといいます。しかしその結果、快適性や利便性、さらに高齢者やクルマ椅子を利用する人にとって暮らしにくいなどのバリアフリーの性能を低下させることにもなりかねません。hinooto / PIXTA(ピクスタ)以上のような例を見ていくと、すべての住宅性能を高めることは不可能であることがわかります。つまり、家を建てようとする立地条件や環境、さらに家族の構成(特に小さな子どもや高齢者など)を考慮しながら、どの性能を高めていくか、逆にどの性能は標準レベルでいいのかを決める必要があるのです。■ 国土交通省が認めた、悪しき「トレードオフ・ルール」とは?新しい住宅省エネ基準(平成25年基準)の施行に伴い、平成27年(2015年)3月31日で旧住宅省エネ基準(平成11年基準)が完全に廃止されました。ここで注目したいのが、旧住宅省エネ基準(次世代省エネルギー基準)に盛り込まれていた「トレードオフ・ルール」のことです。Good morning / PIXTA(ピクスタ)例えば、小屋裏収納やロフトのある家を建てる場合、あるいは傾斜天井や勾配天井などを採用した家を建てる場合、天井内の空間がほとんど取れず、厚い断熱材を入れることはできませんでした。そこで国土交通省では、一部で薄くしか入れられなかった断熱材(充填断熱)を他の部分で埋め合わせをして、住宅全体のQ値(熱の損失度合い)をクリアすれば、次世代省エネルギー基準を満たした住宅であることを認めようという、「トレードオフのルール」を便宜的に採用したのです。■ 数字のマジックにご用心!具体的に見ていくことにしましょう。次世代省エネルギー基準では「天井の断熱材の厚さは200ミリメートル以上、窓はペアガラスで空気層の厚さは6ミリメートル以上、外壁は110ミリメートル以上」などという規定がありました。ZEAL / PIXTA(ピクスタ)しかし、トレードオフのルールを利用すると、「窓のペアガラスの性能を高め、空気層の厚さを12ミリメートル以上にすれば、天井の断熱材は半分の100ミリメートルでも良い」ということなります。その結果、悲しい運命が新居のオーナー家族を待ち受けていました。つまり、お金をかけて次世代省エネルギー基準の快適なマイホームを建てたはずだったのに、実際に暮らし始めてみると、(天井の断熱材が規定の半分しかないことから)屋根や天井内にこもった熱で、家の中がちっとも涼しくならない。GooDween / PIXTA(ピクスタ)逆に冬は、天井や屋根から熱が放出され、暖房があまり効かないことに気づかされたのです。このように、数字のマジックで建物全体のQ値は変わらなくても、実際はまったく快適ではない住宅が「次世代省エネルギー基準の適合物件」として、少なからず誕生しました。そしてその要因の1つにあげられるのが、国技交通省が認めたトレードオフのルールだといえるでしょう。新しい住宅省エネ基準の施行によって、トレードオフのルールはなくなりました。netanker / PIXTA(ピクスタ)しかし、旧住宅省エネ基準で建てられた中古住宅を購入しようとする場合は、天井や屋根に充填された断熱材の厚さにも注意する必要があります。特に、平成11年(1999年)から平成27年(2015年)3月31日までに建てられた小屋裏収納やロフトのある一戸建て住宅をはじめとして、勾配天井や吹き抜けのある一戸建て住宅、さらに三階建て住宅などを購入する場合は、念入りに確認する必要があるでしょう。
2018年05月12日中古住宅を買って、自分好みにリフォーム・リノベーションする人が増えています。うまくいけば新築よりも手頃な価格で間取りや内装を自分好みに変えられる点が魅力のリフォーム・リノベーションですが、工事を依頼する業者を間違えると、取り返しのつかないことになることも……。今回は、リフォーム・リノベーションで後悔しないために、「こんな業者に頼んじゃダメ!」なNGポイントについてお話ししたいと思います。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)■ NGポイント1.建築士などの資格者がいない木造2階建てやマンションのリノベーションの場合、増築をしなければ、多くの場合確認申請が要りません。確認申請がないということは、第三者の検査やチェックがないということです。freeangle / PIXTA(ピクスタ)行おうとしているリフォーム・リノベーションが構造・設備的にも適切なものか、判断しようがありません。建築士がリフォーム・リノベーションプランを設計し、きちんと監理を行う会社を選ぶことをオススメします。■ NGポイント2.サービスの有料、無料についての説明が曖昧最初の打ち合わせで、どの相談から有料になるのかを説明してくれない営業マンがいます。何度かプランを提示されたあと、お断りをするとします。タカス / PIXTA(ピクスタ)そのときに、今までかかった経費を請求される場合があります。もちろん経費を請求してくること自体は悪いことではないのですが、「本プラン以降は有料になります」など事前の説明は必要です。どこまでが無料で、どこからが有料になるかの説明を、事前にきちんと説明してくれる会社を選びましょう。■ NGポイント3.実績と経験が少なく施工レベルが低い業者を決める前に、どれぐらいの施工レベルなのかは、ぜひ知りたいところです。施工業者のホームページには、たいてい過去の施工事例などが掲載されていますが、写真だけではわからない部分もあります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)現在施工中の現場があれば、見学できないか確認してみましょう。モデルルームなどがあれば、そこで確認するのも良いでしょう。具体的な施工現場について、見学や説明などきちんと対応してくれる会社を選びましょう。■ NGポイント4.事業者団体に加盟していない、建設業許可などを得ていないリフォーム・リノベーション工事の請負金額が、500万円(一式の場合1,500万円)未満であれば、建設業の許可が不要です。建設業の許可とは、国土交通大臣または都道県知事によって出される営業許可のこと。建設工事に関して専門性を有しているか?金銭的信用があるか?などを審査されます。ucchie79 / PIXTA(ピクスタ)リフォーム・リノベーション業者の中には、要件を満たしていないため、建設業の許可をとっていない業者も存在します。また、建築工事保険、賠償責任保険、リフォームかし保険など、万が一のトラブルに備えて保険に加入している会社を選びましょう。トラブルがあった場合、工事に対して賠償金が支払われます。■ NGポイント5.工事の補償やアフターサービスが充実していないリフォーム・リノベーションが終わった後で、不具合が起きたり、欠陥が発覚したりすることがあります。その際の補償・範囲・期間などは、リフォーム・リノベーション業者によって異なります。また、欠陥がなくてもアフターサービスが1か月・3か月・半年・1年と、充実していることが大切です。工事の補償やアフターサービスについて、事前に文書などにより十分確認し、補償内容や範囲・期間が充実している会社を選びましょう。さわだゆたか / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?新築よりも、手軽で安価に見えるリフォーム・リノベーションですが、残念ながらトラブルが多いのも事実です。きちんとした物件と工事業者を選んで、失敗のないリフォーム・リノベーションを実現してくださいね。(しかまのりこ)
2018年05月01日中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。2016年の首都圏では、新築マンションの供給戸数より中古マンションの成約戸数が多くなりました。人気のリノベーションですが、無知なまま中古住宅を購入すると、あとで痛い目に合うことも……。今回は、リノベーション向き「優良中古物件の見分け方」についてのお話しです。ABC / PIXTA(ピクスタ)■ まずは知っておきたい!リノベーションの基礎知識リノベーション向きの中古住宅をえらぶ前に、リノベーションの基礎知識をおさえておきましょう。freeangle / PIXTA(ピクスタ)リノベーションの費用の相場中古住宅を買って、リフォーム・リノベーションする場合、その費用の相場はどのくらいでしょうか?構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。この金額に、中古住宅の購入資金が加算されるわけです。ですから、適正な中古住宅を慎重に選ばないと、新築住宅より高くなってしまうことがあります。物件によっては、工事の内容に制約がある大手ハウスメーカーの住宅は、工法によってはリノベーションが難しい場合も。もし、大手ハウスメーカーの住宅を購入してリノベーションをしたいときは、一般的な工務店で対応するのが難しい場合も。そのハウスメーカーにリノベーションを依頼するのが無難ですが、費用は割高になるかもしれません。リノベーションにも補助金・減税制度がある新築には、すまい給付金や長期優良住宅減税など、さまざまな減税や補助金制度がありますが、リノベーションにも、多くの補助金や減税制度があります。補助金や減税制度には、それぞれ適用条件がありますので、お住まいの自治体などで必ずチェックしましょう。KY / PIXTA(ピクスタ)■ リノベーション向き「中古戸建て」のポイントでは、どのような中古の戸建てがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。HIME&HINA / PIXTA(ピクスタ)敷地は、幅4m以上の道路に2m以上接していること「再建築不可」という格安の中古住宅、よく見かけませんか?住宅の敷地が、接道条件を満たしていないため、その敷地には新しく家を新築することができないというものです。接道条件とは、住宅の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけないという都市計画地域に制定された建築基準法の制約です。リノベーションは新築ではないため、道路に敷地が接していなくても工事を行うことは可能です。しかし道路に接していないということは、工事もしづらく、工事費もかさみます。給排水の配管なども、他人の敷地を通っている場合も多く、工事に隣家の許可が必要などのトラブルも発生します。また、地震時や火災時の消火活動も消防車や救急車が入れなく、避難・救助にも支障がでます。極楽蜻蛉 / PIXTA(ピクスタ)軟弱地盤はぜったいNG!建物の乗る敷地の地盤は、最も大切です。新築であれば、地盤を強く改良する工事ができますが、リノベーションの場合は地盤を改良することができません。建物をいくら耐震補強しても、地盤が軟弱であれば、地震の力で建物は壊れます。Renoir / PIXTA(ピクスタ)周辺環境や防犯性の良さ線路や幹線道路などに住宅が面している場合、交通騒音や排気ガスなどの影響が大きくなります。健康被害が出るようなものかどうか、隣家や周囲の人に聞くなどして判断しましょう。また、周辺に荒らされた空き地や空き家などがあると、犯罪の危険性が高くなります。周辺環境や防犯性の良さが確保されている地域がオススメです。■ リノベーション向き「中古マンション」のポイント次は、どのような中古のマンションがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。ABC / PIXTA(ピクスタ)定期的に大規模修繕・補修がされているマンションは、規模も大きいことから、建物の修繕や補修などの管理が大切になります。一般的に新築から12年程度の周期で、防水工事・外壁塗装・鉄部塗装などの大規模修繕が行われます。これらの工事がきちんと行われているかは、大規模修繕記録などで確認します。仲介業者に入手してもらいましょう。チンク / PIXTA(ピクスタ)修繕積立金や管理費の滞納がないことマンションに住むためには、共用部分やエレベーター設備などの管理費や、大規模修繕のための積立金を納める必要があります。しかし、マンションの所有者の中には、この管理費や修繕積立金を滞納している人がいます。その滞納があまりに多くなると、管理に支障がでるだけでなく修繕積立金不足から、建物の十分な修繕ができなくなります。修繕積立金や管理費の滞納状況は、マンションの管理組合が管理しています。仲介業者に、閲覧または入手をお願いしましょう。YNS / PIXTA(ピクスタ)ごみ置き場、自転車置き場、メールボックスなどがきちんと清掃、整頓されているごみ置き場・自転車置き場・メールボックスなどは、マンションの管理状態がわかるだけでなく、マンション住人のマナーの良しあしもわかる場所です。きちんと仕分けしてごみが出されている・メールが郵便受けからあふれていないなど、清掃・整頓状況を確認しましょう。いかがでしたか?リノベーション向き中古物件を選ぶためには、このようにたくさんの注意ポイントがあります。あせらず、細心の注意を払って、良い物件を選んでくださいね。(しかまのりこ)
2018年04月29日「マンションは管理を買え」とよく言われますよね。中古マンションの場合、実際にどこを見れば管理が行き届いているかどうか、わかるのでしょうか?管理状態を素人が正確に判断するのは容易なことではありません。今回は、内見する際に、最低限これだけは確認しておきたいポイントを3つご紹介します。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)■ 1.エントランスやごみ置き場だけじゃない。必ず見てほしいのはココ!kunio / PIXTA(ピクスタ)みなさんは中古マンションを内見しに行くとき、どんなところを見ていますか?もちろん、自分が購入する予定の部屋、つまり専有部をじっくり見たいですよね。それはもちろん大切ですが、「共用部」をよく見ないで中古マンション購入を決めるのは、結構怖いことなんです。というのも、マンションは管理が命!管理が行き届いたマンションかどうかを見分けるには、共用部をチェックするのが一番だからです。共用部でチェックしたいのは、まず外観これなら内見に行った日に見て回ることができます。以下に、見るべき場所とその見方をまとめます。HHImages / PIXTA(ピクスタ)建物の外観……パッと見てきれいか、目立つひび割れなどはないか、ベランダに植木鉢などが乱雑に置いてある部屋はないかエントランス……清掃が行き届いているか、自転車などが乱雑に置かれていないかごみ置き場……周囲やごみを入れる箱などが汚れていないか、分別ルールはしっかりしているか自転車置き場……区画がしっかり分けられているか、ゴチャゴチャしていないか駐車場……平置きか機械式か、清掃が行き届いているか(機械式駐車場だとメンテナンスにお金がかかるので、当然管理費が高くなります)以上をチェックすることで、管理組合の体制がしっかりしているかはある程度はわかります。これらが及第点以上ならば、管理組合のルールづくりがしっかりしていて、居住者のマナーも良いと思われます。YNS / PIXTA(ピクスタ)ぜひしっかり見ていただきたいのは「植栽」築年数が古くても植栽がとてもきれいなマンションがありますが、それは管理組合がしっかりしているマンションだと思って良いと思います。中には居住者でグリーンクラブをつくって玄関前の花壇を管理している、という管理組合もありました。資産価値を上げながら、マンション暮らしを楽しんでいる様子がうかがえますね。■ 2.豪華な共用施設よりもまずチェックしたいのは「掲示板」!廣冨豪 / PIXTA(ピクスタ)共用部といえば、つい気になってしまうのが豪華な共用施設や24時間ごみ出しOKなどの「便利なサービス」のこと。それらのチェックももちろん必要ですが、大事なのはそれがどのように使われているか、そのサービスが本当にきちんと機能しているか、です。ただあればOKというわけではない、ということです。サービスが機能しているか否かが、そのマンションの良し悪しを決めるといってもいいでしょう。ABC / PIXTA(ピクスタ)マンション内に入ったら、地味ですが、ぜひ見ておきたい場所があります。エントランスホール……清潔に保たれているか、(出前の皿など)余計なものは置かれていないかエレベーター……内部のシートはよく掃除されているか、シートがはがれたままになっていないか廊下、階段……清潔で廊下に物が雑然と置かれていないか、ひび割れやシートの剥がれなどがないか(共用廊下に物を置くことは消防法で禁止されています)共用施設……よく利用されている様子か、きれいに使われているかNon+i / PIXTA(ピクスタ)もうひとつ、ぜひ見ておいてほしいものは「掲示板」掲示板にはマンションのコミュニティの様子がよく表れるものです。コミュニティ活動を盛んに行っているマンションの掲示板は、サークルやお祭りなどの情報がたっぷりと掲示してあります。マンション管理の土台はコミュニティにあり。にぎやかな掲示板は、「管理の良いマンション」の指標のひとつです。■ 3.管理人、すれ違う居住者…チェックポイントは「笑顔で挨拶」piyopiyo / PIXTA(ピクスタ)最後に「人」にも注目してみましょう。マンションの「人」とは、つまり管理人さんや居住者です。私が過去に内見や取材で訪れたことのある、管理組合の体制がしっかりしていて管理が行き届いているマンションでは、感じのいい人とばかり出会いました。管理人さんは声をかけてくれましたし、居住者とすれ違うと必ず素敵な笑顔で挨拶をしてくれるのです。敷地内で迷っていたら道を教えてくれて、頼んでいないのに自慢の共用施設を案内してくれた人もいました。【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)居住者同士も笑顔で挨拶を交わしていました。反対に、ものすごく愛想の悪い管理人さんや、挨拶をしているのに無視をする居住者がいるマンションがたまにあります。正直、それはあまりいい気持ちのするものではありません。「ここには住みたくない」と思わせ、自ら資産価値を落としているといってもいいでしょう。いかがでしたか?中古マンションの管理状態を見抜くポイントは、「そのマンションが一生懸命管理している様子」がうかがえるかどうか、です。居住者間のコミュニティを大事にし、マンションの資産価値を上げるための努力が見えたら、それは「買い」のマンションといえるかもしれません。(written by 殿木真美子)
2018年04月26日中古マンションを購入してリノベーションするまで3年かかりました。やっとその家での生活にも慣れてきた今日この頃。今のような衣替えのシーズンに思うのが、クローゼットをオープンにしてよかった!ということです。以前住んでいた家では、北側の6畳洋間ひと部屋を丸々クローゼット兼ロードバイク置き場として使っていました。今考えると、子どももいなかったし贅沢な使い方をしていたもんです。さて、新しい家はそういうわけにはいきません。どこに衣類を収納しようか……。もちろんウォークインクローゼットを作ろう!と思ってはいましたが。※【自営業の妻、3年かかって家を買う】今までのシリーズを見てみる■ 廊下も兼ねることで、部屋の広さを有効利用できる私がクローゼットに求めることは「人目につかない」「風通しが良い」「お風呂に近い」「お金をかけない」でした。お風呂の隣に位置する寝室にクローゼットを設置するというところまでは考えたのですが、それからがなかなか進まず……。というのも、私は勝手にクローズされたクローゼットしか考えていなかったのです。でも、衣類収納のためだけに箱(部屋)を作ることに抵抗を感じるようにもなってきました。そんな時に夫が提案してくれたのが、なかなか良い案でした。LDKから寝室に繋がるドアを開けたところです。進むと右手がクローゼット部分です。夫が提案してくれたのは、ウォークインではなくウォークスルークローゼットだったんです。向こう側に通り抜けできるんですよね。収納場所としてはもちろん廊下としての機能も兼ね備えているし、なんと言っても風通しが抜群なのです。子どもの服以外は衣替えというものをしなくなった私たちにとって、風通しの良さはクローゼットには必須でした。季節によっては、ここで着物の虫干しもしています。■ 既存のクローゼットを使って、予算削減に成功!以前の住まいで使っていたハンガーラックが気に入っていたし、大きくて処分するのが面倒だったし、もう予算がパンパンだったので、そのままリユースすることにしました。写真のように、奥半分がそのハンガーラックです。ウォークスルーなので、扉は必要ありませんからその分の費用はかかりません。それだけで何万円もの節約になりました。しかしLDKからの扉を開けると、どうしても雑多なクローゼットが見えてしまいます。その目隠しのために、ラックに付属していたカーテンの半分をここにかけることにしました。こちらは中からの様子です。後ろの通り口にもカーテンをかけると、簡易的な個室になります。カーテン2枚だけでウォークスルーからウォークインクローゼットに早変わりです。朝の着替えもここで済ませます。夫の衣類収納に選んだのは、キッチンのパントリーにも採用したイケアの収納システム「ALGOTアルゴート」。シンプルで臨機応変に高さ調整もできるし、お値段も全部で15,000円くらいで済みました。安い!必要最低限のパーツだけをとりあえず揃えましたが、今でもそれで間に合っています。■ 将来の子ども部屋のためにも、ウォークスルーがベストな選択布団が敷いてある畳部分とクローゼットを仕切っているのが、この白い壁です。上は天井との間にすき間を空けて光と風をクローゼットに通しています。壁の左右からも出入りができて、ぐるりと部屋を回遊できるように作っています。壁の左右から出入りできるようにしたのには、もうひとつ理由がありました。今のところ我が家には子ども部屋がありません。でも将来は必要となるかもしれない。そうなったら寝室の半分を子ども部屋に当てるつもりです。真ん中に壁を立てるとして、左右にふたつの出入り口が必要になってきますよね。それにも対応できます!衣類を収納するだけじゃなく、将来も見越したフレキシブルに機能するクローゼット。それが我が家のウォークスルークローゼットなのです。参考にしていただけたら嬉しいです。※【自営業の妻、3年かかって家を買う】今までのシリーズを見てみる
2018年04月23日住宅コンサルタント兼住宅セカンドオピニオンである、寺岡孝さん著の最新刊『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』を読んで、今後のライフプランニングに役立ちそうな内容をご紹介しています。最終回は、「保険」と「老後資金」の話を交えながら、住宅、保険など大きな買い物の際に必ずと言っていいほど遭遇する「ポジショントーク」についてです。kuro3 / PIXTA(ピクスタ)「貯金がしたい」「資産運用がしたい」「マイホームが欲しい」「安心な老後を送りたい」……。本書では、誰もが今もこの先も安寧な暮らしを送るために不可欠な「お金と住まい」の話について具体的にかつ分かりやすく教えてくれます。■ 様々な場面で遭遇する「ポジショントーク」は知識を持って対処をみなさんは「ポジショントーク」ということばを聞いた事ありますか。意味深な和製英語ですが「自分の立場で自分に有利(有益)になる発言」という意味です。もとは金融用語として使われてきたのですが、今は多くのシーンで使われています。sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)営業マンが自社の商品を売りたいがために本来比較すべきでない事例を引き合いに出して、論理立てて説明し、その論理に公平性がなくてもストーリーを成立させてしまいます。さもその商品が魅力的だ!お得だ!と勧めてくるのでついつい契約を結んでしまうのです。もちろん購入するのは自身の判断ですので、自分の選んだものに後悔なし!と胸を張れる人にはお節介な話に聞こえるかもしれませんが、自分にとって魅力ある商品はひとつではないこと。そしてどんな商品が自分にとって本当に魅力なのかは、家でも保険でも「仕組み」をきちんと知ることです。■ 「2人に1人はがんになる」のは80代以上の場合つい先日のことです。同世代で会社員の友人が「医療保険に入っていなかったから入った」というので、月額や詳細についてたずねてみました。ちなみに筆者は現在、掛け金の少ない医療共済保険に入っており月の支払額はとても少ないプランです。友人は筆者の2.5倍もの保険料を払っているので「結構高いね~」と言ったら「2人に1人はがんになる時代ですよ、言われて不安になって」と契約しました。Graphs / PIXTA(ピクスタ)寺岡さんも本書内でまさに同じ事例を述べていますが、正しくは80代以上の場合「2人に1人はがんになる」のが実状です。大事な主語を隠してのポジショントークだよ!と、思わず言ってしまいました。会社員の方は、万が一病気になった時、会社の制度を申請して給与補償や見舞金を受け取れます。自営業でも高額医療費制度などの社会保障を申請すれば医療費は一定額を超えないので、医療保険は保障でまかなえない分を補えばよいという事です。保険は自分や家族の日常活動に見合ったものを選ぶのが大切です。Graphs / PIXTA(ピクスタ)例えば高額のオーディオや家電を買って長く使いたいと強く思う場合は、家電は地震や火災保険で補償対象にならないため、「家財保険」に加入したり、筆者のように日々の移動は自転車が多いという方は「自転車保険」の加入をおすすめします。活発な男の子の母親である別の友人は、「お年寄りが多い街に住んでいるので、万が一息子が年配の通行人に自転車で怪我をさせてしまったら」という事態に備えて自転車保険に入ったと言います。心配性になると、あらゆるものに保険をかけたくなりますが、何が必要かを吟味し、保険に回す分を貯蓄するという手も有効だなと思いました。■ ポジショントークで加入してしまっても、ローン同様「保険も見直し」できる上記では友人の例を引き合いに出しましたが、筆者自身もポジショントークに乗ってしまったことがあります。親から「貯蓄保険」はお得ということを聞き、筆者は昨年、貯蓄型の保険に加入しました。親が現役時代に運用していた貯蓄保険は現在と金利がかなり違うので、運用に成功した方は多くいるようです。(しかし金利が高い時代に住宅ローンを組んだので、実際にはプラマイゼロなのかもしれませんが)Greyscale / PIXTA(ピクスタ)成功体験をもとに大きな買い物を我が子に勧める親のポジショントークというのもあります。筆者が入った保険は、加入後10年以降は、元金が割れずに年を重ねるたびに元金が増えていくという商品で、目的は老後資金を少しでも貯めることでした。普通預金に預けているよりはお金が増えますが、保険会社が万が一倒産してしまったら利率が減ることもあり得ます。メリットのことしか考えなかったのが今回の反省点です。もし寺岡さんの本を先に読んでいれば、老後資金を貯めるという目的なら個人型確定拠出年金(iDeCo)で長期運用することを選択していた気がします。しかし、ローンや保険は定期的に見直しが必要という事を本書で学んだので、昨年契約した貯蓄型保険を10年後に半分あるいは全額解約し、iDeCoで運用するという方法を知ることができ十分な収穫でした。iDeCoは60歳までなら加入できるので、今後もっと意欲的に学んで検討したいと思っています。SK Photo / PIXTA(ピクスタ)筆者は今すぐにローンを組んで持ち家を取得するぞ!とは行動に移せませんが、マイホームを持つことはメリットの方が多いということ、住宅ローンを組む際は、賢明な選択が大切ということを学びました。いち早く家を買いたい気持ちになりましたが、残念ながら十分な資金がありません。機が熟したら、寺岡さんが教えてくれたお金と住まいの話を念頭において行動に出ようと思います。(おわり)【参考】『学校では教えてくれない!一生役立つ「お金と住まい」の話』
2018年04月18日こんにちは。新宿に注文住宅を建てて暮らしている鳥と申します。スタイリッシュな注文住宅をイメージしているのに、よくわかっていないまま、建築条件付きへの自動エスカレーターに乗ってしまった鳥夫婦です。※過去の記事を読む■ 希望が確定していないと押しに弱くなるとりあえず契約を締結するにあたり、住宅ローンの仮申請を通す必要がありました。そのためには間取図のたたき台を作り、見積りを算出しなければなりません。この頃のことは、もう数年前のことですし、詳細なやり取りについては覚えていません……。ただ、自分だけが四ツ谷に執着しているまま、現実がどんどん新宿の建築条件付き物件に向けて進められていくのを傍目に見ながら、「引き返すなら今だ」「でも四ツ谷でいい土地が見つかるとは限らない」「この新宿の土地を選ぶ方がマトモな選択なのだろう」「でも本当にこの仕様の家でいいの?この仕様の家に大金を払うの?」と逡巡していた感覚は良く覚えています。鳥夫が興味あるのは土地(立地)だけだったので、家(上物)に対する希望イメージはありませんでした。だから家のイメージや仕様については、鳥の感覚にかかっていたのです。「建築条件付きだから、いざとなったら白紙解除できるし…」という甘えの気持ちがあり、結局、鳥は周囲に流されることを選択してしまいました。ただ関係者が動いてくれればくれるほど、「私のワガママで白紙解除なんてそう簡単に言えそうにない…」というプレッシャーが積み重なっていきました。そんなやる気のない状態のまま、とりあえずの間取図ができて、見積があがってきてしまいました。■ 建築条件付きの見積書にビックリ間取図たたき台のざっくりとした条件は以下です。3階建て+搭屋(ルーフバルコニー付き)延床面積は約30坪そして出された見積書がこれです。2行目以降はすべてオプション。つまりオプションなしで建てれば1,650万円で建つということです。やはり建売仕様(かつ数棟同時着工)ですから安いですね。ここに土地の利益も入っているのですから、実際はもっと安い見積書のはずです。…と、今でこそ感触がつかめますが、当時の鳥夫婦はこれが安いのか高いのかもわからない状態でした。でもこの見積書を見て唖然としました。「1.本体工事」が1,650万円という大金なのに、内訳がブラックボックスなの?キッチンの3枚引戸が40万円もするの?ユニットバスのサイズを上げるだけで35万円も変わるの?洗面化粧台をワンサイズ上げるのと、床暖房取りやめが、ほぼ同じ値段??ルーフバルコニーは雨漏りしやすいというけど、この175万円の仕様って、どのレベルの施工なの?とりあえずこの家の仕様でこの金額って、妥当なの??数百円の日用品でさえ、ネットで一番安いサイトを探して、送料もチェックして買うタイプの鳥夫婦にとって、この見積書はあまりに受け入れがたいものでした。■ 営業Sさんになけなしの抵抗ざっくりの間取図による見積額2,027万円に、消費税8%をかけると、2,189万円です。土地代約3,500万円に、この上物約2,200万円で、合計約5,700万円。諸経費を入れたら約6,000万円。もともとSさんには、「予算は諸経費入れて5,500万円まで」と伝えてあったのに……。不動産屋には、最初から1~2割引いた予算を言えと言われるそうですね。こうやって予算オーバーの物件を勧められてしまうから。無事ローンの仮審査は通ったので、いよいよ鳥夫婦は土地契約を迫られました。土地(立地)が強く気に入ったため契約したい鳥夫。契約を急かす営業Sさん。鳥だけが抵抗勢力。ああ、みんなに迷惑をかけている、どうしよう……と焦っていたのですが、ふと気づきました。四ツ谷じゃなくなっている予算から大幅にオーバーしている既製品だらけの建築条件付き…なんかSさんのシナリオ通りに進んでいるだけじゃん……?…なんかイライラしてきた……ということで、「土地代100万値引いてくれるなら、(どうせ白紙解除付きだし)契約するけどォ」とちょっと困らせてやることにしました。(鳥)■この連載の一覧を見る■
2018年04月17日こんにちは、京都で戸建てを建てている紫苑です。現在進行形です。今回はそもそもなぜ家を購入することになったのか、購入するにあたって何を検討したのか、といったことについてご紹介したいと思います。※【京都で半注文住宅を建てる!】前回の記事を読む始まるよ!■ 半注文住宅を購入することになったキッカケそれまでは京都で賃貸物件に住んでいました。ところが、家主さんから退去してほしい旨の連絡があり、急に転居先を探さなければならなくなりました。突然賃貸を探すか、買うか、という問題が急浮上し、結果として家を買おうと決意しました。何年もかけて準備万端で、建てるぞ!と考えていたわけではなく、差し迫った状況に対応した結果、家を買うことになった、という感じでした。家を買うことになった動機や検討にかけた時間は、人生の大きな転機、最大の買い物のひとつと言われるものなのに、非常に単純であり短い時間でした。え?そんなことで、買うことを決めちゃったの?しかももう買っちゃったの?と、周囲にもちょっと驚かれたくらいです(苦笑)。普段わりと優柔不断なのに、ここぞという時は即断即決、オトコマエな決断っぷりでした。■ 京都で家に求める条件は?そんな、行き当たりばったりな感じの家探しが始まりました。大前提として、生活スタイルの関係で、マンションではなく、戸建て希望です。shiii / PIXTA(ピクスタ)でもここは京都。京都で戸建てとなれば、マンションよりも京都という土地柄の影響を強く受けます。それを反映して条件を定めなければなりませんでした。その条件とは以下の3つです。1.エリアに関する条件京都は盆地で狭いのに、住む人が多いので、どんどん範囲が広がっています。かくいう私も数年前京都に転居した際は、条件に合う物件が見つけられなくて苦労し、近郊の都市まで範囲を広げて探しました。そして、今は京都市ではなく近郊の都市に住んでいます。でも自分の所有物となるのであれば、やはり京都市でありたい、と考えました。shiii / PIXTA(ピクスタ)それは、今回の家が終の棲家ではなく、おそらく老後にマンションなどフラットな家に転居すると思われること、その際転売できる資産価値をそこそこ保っていたい、という気持ちからでした。京都の中心部でなくとも、「京都市」とそれ以外では、価格が変わってくると考えたのです。やはり、「京都」というブランドは大きいですからね……。2.公共交通機関へのアクセス京都市内は、意外と電車が少なく、JR2路線、地下鉄2路線、私鉄5路線しかありません。そして、それが近くに通っておらず、公共交通機関がバスのみという地域がとても多いのです。kenta57 / PIXTA(ピクスタ)私は仕事柄、京都市内や大阪、時には神戸まで移動することが多いので、なるべく鉄道の駅の近くに住みたい、できれば複数路線にアクセスできる場所が良いと考えました。3.土地と建物に関しての条件京都の一般的な戸建用の土地は、とても細長く、しかも三方囲まれた土地が多いのです。そういう土地での家の建て方は、だいたいどれも決まっていました。その難点は日照が限定的で、あまり望めないこと、横幅が狭くて窮屈な感じがすること、そして私にとって何よりダメだったのは、1階の部屋がたいてい狭いこと、でした。そこで、隣との距離が近くても、角地であれば少なくとも二方は開いているし、それがどの方角であれ、三方を囲まれているよりは日照が得られると考え、角地に絞って探すことにしました。広さと間取りについては、1階は7畳以上の独立した部屋、もしくは1階がLDKの場合はLDKを通らずに2階に上がることができ、7畳以上の部屋があること、間取りは3LDK以上であることを条件としました。日当たりは大事です!■ 長い目で見たら新築の方がおトク!?当初は新築は高いという思い込みのもと、中古で良いかなと考えて、物件紹介サイトで探し始めました。しかし、調べ始めて1週間位経つと、実は私が探している地域では、中古も新築もそれほど値段の差がないことがわかってきました。私が探していたエリアは築浅の物件が少なく、大抵の物件は築10年を超えていました。なかなか条件に合う物件が見つからないので、築年数を20年までとして探しましたが、中古物件は築年が古くなればリフォームが必要です。築年が古くなればなるほど、リフォーム代もかさみます。それなら、安い新築と変わらなくない?と思いました。freeangle / PIXTA(ピクスタ)さらに、築20年まで広げて物件をで探していて、ふと気付いたのです。自分の条件が20年までなのに、次に自分が転売する時、15年住んだとしても35年、20年住んだ後だったら40年になってしまいますよね。終の棲家にする気がない家なら、あとあと売却することも視野に入れなければならないし、その時に自分の現在の条件より劣ったら、ダメでしょ!でも新築なら、20年後だったとしてもなんとか中古物件として売れる範囲に入っていることもポイントでした。総額が1,000万円以上も違うなら、中古という選択肢が生きてくるけれど、差額が100万とか200万なら、新築一択じゃない!?そうして、私の選択は、新築物件に大きく舵を切ったのでした。※【京都で半注文住宅を建てる!】前回の記事を読む
2018年04月17日中古住宅を購入する場合、売りに出ている中古住宅の中でも少しでも“いい物件”を買いたいと願うのは当然のことです。その“いい物件”の意味や基準は、人によって違うと思いますが、構造的な安心感は多くの人が求めるところでしょう。住宅のプロでない限り、なかなか見極めが難しい部分ですが「築年数」からある程度の安心度を読み取ることは可能です。今回は筆者が1993年頃から取材してきた、中古の木造戸建て住宅を対象にお話ししたいと思います。HAKU / PIXTA(ピクスタ)■ ポイントになる年数は1981年と2000年たった2つだけ!freeangle / PIXTA(ピクスタ)中古住宅は建築の詳細がわかりにくいケースが多のですが、築年数から、どのような建築基準法のもとで建てられたのかをある程度知ることができます。建築基準法は何度も改正が行われていますが、木造の戸建て住宅ならば、まず「1981年(昭和56年)」がポイントになります。耐震性に関わる基準について、大きな見直しが行われた年だからです。ただし、1981年に建てられたものでも、改正前に建築確認申請を出している可能性もありますので注意してください。そして、さらに耐震性を向上させる内容へと改正されたのが、「2000年(平成12年)」になります。最初のポイントである1981年以降に建てられた住宅でも、2000年の改正以前に建築されている場合は、耐震性を高める補強などを検討したいものです。■ 「バブル期」の建物に要注意!cba / PIXTA(ピクスタ)特に1980年代後半~1995年頃の建物には、少し注意したいと筆者は思っています。この時期の前半に当てはまるのが、バブル期です。バブル期に建てられた住宅は、使う材料にもこだわって丁寧に建てられたものが多くあります。その一方で、「今こそ、マイホームを!」と住宅の着工件数が増えるなか、より多くの儲けを出そうとする業者も現れます。儲けを増やすために安価な材料を使い、さらに工期を短くして件数を稼ぐという方法が取られたケースもあるようです。工期が短くなれば当然手抜きが増え、いわゆる“欠陥住宅”が量産された可能性もあるのです。当時の業界内には、長く安心して住める住宅をつくるよりも「住宅をどんどん消費してもらったほうがいい」という空気があったように感じます。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)筆者は、バブル崩壊後の1993年に建築された一戸建てに住んでいたことがあります。取材でご一緒した建築士さんに自宅の建築年を言う機会があると「それは、お気の毒に」という声が聞こえんばかりのリアクションをよくされたものです。「あの時期の住宅は、マズかったね~」と、はっきり言われたこともあります。バブル崩壊直後に住宅の着工数が減り、経営が苦しくなった建築業者はやはり、安価な材料+工期短縮の傾向があったのではないかと筆者は推測します。■ 住宅の耐震性や構造への意識が高まった「阪神・淡路大震災」一本木 / PIXTAそして、1995年、阪神・淡路大震災が起きます。大きな住宅被害を目の当たりにして人々の間で耐震性や構造への関心が高まり、テレビのワイドショーでも「筋交い」「耐力壁」といった言葉を耳にするようになります。それまでは「業者にお任せ」「わからない」と思っていた住宅について、多くの人が疑問を持ち始め「うちは大丈夫なのかな?」という意識が生まれました。さわだゆたか / PIXTAその意識が住宅の不具合をあぶり出し、欠陥住宅について取り上げるテレビ番組なども増え、またインターネットの普及もあり、住宅に関する意識はより高くなってきています。その結果、「素人にはわかるまい」と思っていた建築業者は、襟を正すことになりました。一概には言えませんが、バブル期からこの時期までに建てられた中古住宅については、より注意が必要だと筆者は思っています。住宅のプロに診断をお願いするのも有効ですが、物件を探す際は、まず築年数で時代背景を読むことをオススメします。(written by いけだちよみ)
2018年04月16日結婚を機に中古マンションを購入し、広々したサーフスタイルにリノベーションしたYさん夫妻。豊かな緑に囲まれ、ゆったりとした敷地に建つマンションを選んだ決め手は、そこがどこよりも住み慣れた場所だからでした。■ 妻が生まれ育った環境抜群のマンションの一室を購入サーフィンを通じで出会ったふたりが結婚したのは2015年のこと。分譲も賃貸も生涯支払う額はほぼ一緒だと知り、だったら早めに新居購入に動いたほうがいいのではないか、と考えたそうです。京都府宇治市にお住いのY夫妻のお住いは、最寄り駅から徒歩数分で緑が多い抜群の立地です。マンションは昭和57年築、専有面積は78.79平米で物件価格は1,200万円、工事費は1,400万円(税・設計料込み)でした。「最初は住宅展示場などを見学に行ったりしましたが、そうなると今度はよい土地が見つからなくて……」と妻。そんな中、幸運にもふたりにぴったりの中古マンションの一室が見つかりました。それは妻が生まれ育ち、いまも実母が暮らすマンションでした。住み慣れたマンション周辺の住環境がよいことは、地元育ちの妻が誰よりも知っていました。購入時に夫の単身赴任が決まっていたこともあり、同じマンションで妻と母がお互いのひとり暮らしをサポートできることも購入への後押しとなったそうです。■ テーマは「サーフィン」。ルーバー扉を多用した大胆リノベーションリノベーションの依頼先は、「京都」「リノベ」「おしゃれ」といったキーワードで検索して出会ったリボーンキューブ。妻の主導で進められたリノベーションは、最初はテーマが定まらなくて、とにかく好みのインテリア画像を何枚も送ってやりとりをしたのだそうです。提案されたテーマは、夫婦共通の趣味であるサーフィンでした。そこで妻の大好きなセレクトショップ「ロンハーマン」のようなテイストをふんだんに取り入れたインテリアにすることになりました。圧巻なのが、エントランスからリビングダイニングまで連なる白いルーバー扉。左右にある寝室やトイレ、クロゼット、バスルームの扉に至るまですべて同じ仕様のルーバーにしました。インテリアは好きな要素をごちゃ混ぜにするより、ひとつのテーマで振り切ったほうがいいというリボーンキューブのデザイナーのアドバイスに納得し、思い切ってルーバーを多用したことでより奥行きのある空間に仕上がりました。リビングの壁の一部もエントランスから続くルーバーに。一見するとウォークインクローゼットのように見えますが、インテリアとしてルーバーを張って統一感を出しました。■ リラックス感のあるリゾートのような雰囲気に!間取については、元は細かく仕切られた5DKの空間を、メリハリのある1LDKに。清々しいくらいモノがなく、スッキリとしたリビングダイニングのフローリングは色ムラのある幅広のオーク。肌触りもやわらかく、裸足で歩いても心地よいのだそうです。窓際にはテラコッタタイルを敷いてインナーバルコニーとしても使えるように。屋外と室内の仕切りを曖昧にしたことで、リゾートのような開放感を感じられる空間に。キッチンとバックカウンターはIKEAのものを採用しました。また、床は玄関から続くテラコッタで統一。コンロは火力にこだわってガスを採用。体格の良いの夫とふたりで作業しやすいように、通路の幅はゆとりを持たせています。キッチンと同様に洗面スペースもゆったりとした設計にしました。カウンター下はお掃除ロボットが行き来しやすいよう、なるべくモノを置かず、日用品のストックなどは左奥の収納スペースにすべて収めています。写真右手はルーバーの引き戸を開けると現れるトイレ。廊下との境をフラットにして、こちらもお掃除しやすいように工夫をしています。床は白いタイルで清潔感をアップしました。■ 日常と趣味とが違和感なく共存する理想の住まいサーフィンが大好きなふたりのために、エントランスは土間にしてウエアやボードなどを収納できる広いスペースを確保しました。扉なしのシューズラックやサーフボードラックは、オリジナルです。玄関から入ってすぐのルーバー引き戸を開けると寝室があります。マンションの共用廊下を通る人の気配を緩和できるように、窓側にもルーバー扉を取り付けました。窓用エアコンの目隠しにもなっています。窓側のルーバーだけは隙間をあけることで、換気と採光もできるようにしています。ハンガーも棚上もまだまだ余裕があるウォークインクローゼット。収納力抜群の玄関土間とこのWICがあることで、LDKをいつもすっきりと保つことができています。将来的には、子ども室などほかの使い方も考えているとか。以前は狭い社宅でストレスを感じることも多かったそうですが、いまではストレスフリーな新婚生活を送れているそうです。もっと詳しく知りたい人は『リライフプラスvol.26』をぜひ参考にしてみてください。設計・施工リボーンキューブ撮影飯貝拓司
2018年04月16日中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。好きな建材や住宅設備を使って、自分好みの空間をつくれる人気のリノベーションですが、無知なままリノベーションをおこなうと、あとで痛い目に合うことも。中古住宅を買ってリノベーションする前に確認しておきたい6つの重要ポイントについてのお話ししたいと思います。naka / PIXTA(ピクスタ)■ 1.「リフォームかし保険」はついている?リノベーションには、雨漏りや変形などのリスクはつきものです。住宅トラブルの相談・住宅紛争処理 への支援などを行っている公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、財団によせられた2016年のリフォーム相談件数は6757件。そのトラブルの内容は雨漏りや変形、漏水やひび割れなど多岐にわたります。《戸建て住宅のリフォームトラブル》《マンションのリフォームトラブル》「リフォームかし保険」は、リフォームやリノベーションなどの工事によって雨漏りや変形などのトラブルが起きた場合に、修繕費用を補償してもらえる保険です。建築士による検査もついているのもメリット。トラブルに備えて、工事をおこなう前に、リフォームかし保険をつけることをおすすめします。■ 2.断熱・耐震など、建物の性能をアップさせる内容は含まれている?リノベーションをするときは、多くの場合、壁や窓なども取り壊し、柱や梁などの骨組みだけの状態にしてから、新しい住まいをつくっていきます。その際、間取りや収納などにこだわる人は多いのですが、断熱や耐震など、建物の性能にこだわる人はあまりいません。しかし地震なから生命を守るためには、建物の耐震性は最も重要です。milestone.tyo_01 / PIXTA(ピクスタ)また建物を断熱化すると温度変化が少なくなるため、血圧が安定します。断熱により、血圧が2.8mmHg下がるというデータが、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会から発表されています。季節にかかわらず、室温を18~21℃に安定させるためにも、屋根や壁・窓や床の断熱工事を検討することをおすすめします。■ 3.24時間換気はついている?24時間換気とは、家の空気をまるごと交換するよう設計されている換気システムのことです。この24時間換気、結露はもちろん、カビやダニなどの繁殖や、家具や衣類から放出される化学物質も取り除いてくれます。Chaay_Tee / PIXTA(ピクスタ)とくに小さいお子様がいるご家庭や、アレルギー体質の方、ペットを飼っている家にはなくてはならない設備です。平成15年7月から24時間換気の設置が義務付けられましたので、それ以前に建築された住宅には設置されていません。■ 4.間取りは希望通りに変えられる?リノベーションの際、とても多い希望が「2つの部屋をつなげて、1つの広い部屋にしたい」というものです。しかし、部屋をつなげる際に、障害となる柱や壁・天井からの梁が、構造的に除去できない場合があります。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)その場合は、壁や柱・梁を残しながらの部屋になりますので、理想としていた空間にはなりません。また、リノベーションは多くの場合、行政がチェックを行う確認申請が要りません。そのため、建築士でない業者もリノベーションをおこなうことができるため、構造的に大切な柱や壁を除去したり、削ってしまうことがあります。理想の間取りに変更できる物件か、建築士が設計を行う業者かなど、事前確認は大切です。■ 5.管理規約や、戸建ての建築協定などの内容は把握している?購入したい物件が、マンションの場合はマンション管理組合の規約による制限があります。規約の内容は、管理組合により様々ですが、多いものに、各戸で増設できる「電気容量(アンペア)」と「給湯器の大きさ」に関するものがあります。ふくいのりすけ / PIXTA(ピクスタ)例えば、キッチンをIHクッキングヒーターにしたり、電気圧力鍋・ティファールなどの電気ケトルなども使いたい場合は、電気の最大アンペア数を変更します。しかし、規約で、最大アンペアが50アンペアと定められている場合は、60アンペアのブレーカーは契約できません。また、戸建ての場合は、住む市町村に建築協定・地区条令などが設けられている場合があります。建築協定とは街並みや環境を守るために、地域住民が自ら決めた規約のことです。壁の色・塀の種類・高さや、用途など様々な規約による制限があり、守らなくてはいけません。Yp111 / PIXTA(ピクスタ)例えば、自宅でカフェやネイルサロンなどの店舗を開こうとした場合、建築協定により、出店が制約されている場合があります。その場合は、当然ながら店舗を開くことはできません。■ 6.リノベーション費用は妥当?リノベーション費用の相場は、構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。見積書を確認するときは、希望する住宅設備や建材が含まれているか?不要な工事は含まれていないか?などを確認してください。YNS / PIXTA(ピクスタ)とくにユニットバスやエコキュート(高効率給湯器)などの住宅設備は、値段を大きく作用します。また、同じ図面・同じ仕様で、ほかのリノベーション業者に見積もりを取ることも、費用の妥当性を確認する点でお勧めです。見積書の理解が難しく、リノベーション費用の妥当性を確認できないときは、専門家に診断してもらうこともできます。公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、専門家による「リフォーム見積チェックサービス」を無料で行っています。いかがでしたか?リノベーション済物件を購入される場合は、これらの事前確認ポイントがクリアされているか、チェックしてくださいね。(しかまのりこ)【参考】※リフォームかし保険※ 住宅相談統計年報2017※改正建築基準法に基づくシックハウス対策※建築協定※リフォーム見積チェックサービス
2018年04月10日住宅の購入を考えている方の中には、やはり一から自分の思い通りに建てることができる注文住宅にしたいとお考えの方も少なくないと思います。しかし、注文住宅では住宅ローンの利用ができないからと諦めている方もいるのではないでしょうか?諦める必要はありません。建売住宅や分譲マンションの購入時より多少複雑になりますが、土地の購入時からローンを利用することが可能です。今回は注文住宅を建てる際の住宅ローンの利用方法をご説明します。住宅ローンは建物が完成していないと組めない!?住宅ローンは基本的に建物が完成していないと利用することはできません。住宅ローンは高額な融資となりますから、借りた人がローンを返済できない場合に備えて、金融機関は住宅ローンを組む際に、土地と建物を担保とするための抵当権設定登記を必須としているからです。土地と建物をセットで販売する建売住宅や分譲マンション購入の場合は、決済時に建物が完成しているため、住宅ローンが組みやすくなりますが、注文住宅の場合、建物の完成前に土地の購入費用や、建築費の着工金・中間金の支払いが必要になるため、建物完成後の融資実行では間に合いません。そのため、「つなぎ融資」や「土地先行融資」と呼ばれるローンを利用することになります。正式な住宅ローンが実行されるまでの「つなぎ融資」つなぎ融資とは、正式な住宅ローンの融資が実行されるまでのつなぎとして利用するローンです。このため住宅が完成し、正式な住宅ローンの融資が実行された時点で、つなぎ融資分を清算します。つなぎ融資で注意する点は、つなぎ融資が実行される際に金利と事務手数料が借入額から差し引かれるため、不足する金額は用意しておく必要があること。また、無担保ローンとなるため、金利が高くなることです。つなぎ融資の金利は金融機関によって異なりますが、2.5%~3%程度が多いようです。つなぎ融資の利点は、必要に応じて土地購入時や建築費の着工金・中間金と3回程度融資が可能なことです。※事務手数料は金融機関によって異なりますが、新生銀行・楽天銀行では108,000円になっています。土地代だけ先に融資を受けたい人は「土地先行融資」土地先行融資とは住宅を建てる際、土地代だけを先に融資が受けられるローンです。建物への融資は建物が完成した時点で実行されます。融資の条件は金融機関によって異なりますが、工務店の正式な見積書や図面などの提出を求められることもあり、ある程度建築プランが決まっていなければならい場合が多いようです。また、土地と建物で2回のローン契約(事務手数料が2回かかる)をすることになります。注意点は住宅ローンよりも金利が高く設定されていること(契約時点の金利が適用される)、土地先行融資分の返済は建物が建つ前から始まるため、家が建つまでに賃料(賃貸住宅に住んでいる場合)とローンの返済が重なってしまうことなどです。土地先行融資の場合、土地の購入費を融資してもらえる制度のため、建築費の着工金や中間金は自己資金が必要になります。土地は所有しているけれど建築費用の融資を受けたい人は「すまいとマネープラン」既に土地は所有していても、建築費用の着工金や中間金の支払いに融資を受けたい場合に利用できるローンが「すまいとマネープラン」です。「すまいとマネープラン」は株式会社ERIソリューションが金融機関と提携し、工事の着工前に融資が実行される制度です。融資されたローンは信託口座に預けられ、工事の進捗状況を調査して出来高払いで支払われます。出来高払いのため、請負業者の了承を得ることが必要になります。つなぎ融資が不要なため、金利や事務手数料は発生しませんが、信託口座設定料60,000円と支払いごとに支払い金額の1%の手数料が必要になります。メリットは建物の完成保証が付いているため、請負業者にトラブル(倒産など)があっても安心なこと。注意点は、融資が実行された翌月からローンの返済が開始されることです。「すまいとマネープラン」は一般的に建築費の融資を目的に利用する制度ですが、土地を購入する場合は、土地先行融資をセットにすることも可能になっているようです。土地購入費用は信託銀行を通さず土地の売主に直接支払われます。条件などは各銀行によって異なるため、提携銀行に確認が必要です。※「すまいとマネープラン」の提携金融機関は、埼玉りそな銀行・スルガ銀行・ソニー銀行・千葉銀行・八十二銀行・三井住友銀行の6行。以上のように、注文住宅を建てるため利用できるローンはいくつかありますが、金融機関によっては扱っていないこともあり、利用条件も様々です。目的に合ったローンの方法を選び、利用可能な複数の金融機関をリサーチして、条件や金利・事務手数料などを比較検討し、ご自分に合った無理のないローンを選ぶようにしましょう。
2018年03月10日住宅ローンを借りるとき多くの人はメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などで金利面などを比較して住宅ローンを検討する人が多いでしょう。しかし、多くの人が見過ごしている住宅ローン借入先があります。実は、見過ごされがちなのは「地方銀行」なのですが、地銀で契約すると、人によってはメガバンクやネットバンク、住宅金融支援機構などよりも有利に住宅ローンを契約することができます。地銀は見過ごされがちな、優良な住宅ローン提供業者そもそも地方銀行とは、そのそれぞれのエリアに本社を構える銀行となっており、「横浜銀行」や「千葉銀行」「京都銀行」や「静岡銀行」など銀行の名前にも地域名が付されているような銀行になります。これらの地方銀行から住宅ローンを借りる場合には、他のメガバンクなどと同様に、まずは銀行の窓口に赴き、そこで住宅ローンの相談を行うことができます。実はファイナンシャルプランナーである筆者も関西の地方銀行である「京都銀行」で自身の住宅ローンを契約しています。筆者の例ではネットバンクはもちろん、メガバンクから住宅金融支援機構まで様々な銀行や金融機関の住宅ローンを検討しましたが、総合的に最も良いと考えたのが地方銀行である「京都銀行」であったため、京都銀行で契約をすることになったのです。それでは、具体的に地方銀行の住宅ローンがどのような点でメリットがあるのかをご紹介します。【メリット1】対面でコミュニケーションができるので、安心&便利地方銀行の一つ目のメリットとしては対面でのコミュニケーションが出来る点です。もちろん、これはメガバンクや住宅金融支援機構などでも同じように対面でコミュニケーションができるため、地方銀行に限ったメリットではありませんが、これは大きな点です。特に住宅ローンの契約などの場合、審査に必要な書類だけでなく、抵当権を入れる際の手続きや火災保険に関する書類など住宅ローンを契約する際に必要な書類は非常に多くなっています。これらの膨大な書類を一つ一つ揃え、確認をするためには対面でコミュニケーションをする方が便利です。ネットバンクの場合には、郵送などで書類のやりとりをすることが多くなりますが、「どこに判子を押すのか」「どの書類が必要なのか」を随時メールなどで確認をするのはストレスにもなります。そういった意味ではまず、対面で住宅ローンのやりとりが出来るという点が大きなメリットとなります。【メリット2】臨機応変な対応をしてくれるそして、二つ目のメリットが地方銀行ならでのメリットである「臨機応変な対応をしてくれる」という点です。具体的な臨機応変メリットとしては、不動産会社などへの支払いのタイミングを分けて融資をしてくれる点にあります。特に筆者の場合だと注文住宅を建築したため、支払いのタイミングが数多く分断されてしまっていました。まず「土地を購入したとき」に土地の支払い、注文住宅を契約したときに「契約金」を払うだけでなく、住宅が半分程度できあがったときに「上棟金(中間金)」。そして、建物が完成したときに支払う「完成金」、庭などの外構を作ったときに支払う「外構費」そして最後に引き渡しを行うときの「引き渡し金」と合計で6回も支払いを行わなければならなかったのです。このような場合、メガバンクなどの場合には建物に抵当権を入れてからでないと、住宅ローンを下ろせないため、最後の「引き渡し時」しか住宅ローンを支払ってくれなかったのです。そのため、メガバンクで契約を行う場合には、正式な住宅ローンが決裁される前に各支払毎に「ブリッジローン」が必要となり、そのブリッジローンの金利や手数料などが割高となってしまったのです。しかし、地方銀行であれば全ての地方銀行が対応してくれる訳ではありませんが、住宅ローンに積極的な地方銀行であれば、ブリッジローンの必要がないようにその都度ローンを決済してくれる銀行もあります。実際に筆者はこの地方銀行の柔軟な対応のおかげでブリッジローンの会社に支払う手数料や割高な金利分を含めて100万円近くの金額を圧縮することに成功しました。【メリット3】金利も低めで手数料も安いまた、柔軟な対応だけが地方銀行のメリットではありません。実際に金利も低めで手数料も安くなっていました。筆者の例ではメガバンクの提示してきた金利や手数料よりも地方銀行の方が安くなっていました。ただし、ネットバンクの金利や手数料と比べるとネットバンクの方が安かったのですが、中間金決裁などの臨機応変な対応や対面で住宅ローンの手続きが出来る手軽さを考慮して、地方銀行と住宅ローンを契約することになりました。最後にこの記事では、多くの人が見過ごしがちな「地方銀行」の住宅ローンについてを解説しました。地方銀行の場合、銀行によっては住宅ローンなどに力を入れていないような銀行もありますので、本記事で紹介したメリットを全ての地方銀行が実現出来るわけではありません。ですが、地域によってはメガバンクよりも強い地方銀行などであれば、この記事で紹介をしたようなメリットを得ることができるケースもあるため、現在住宅ローンを検討している人は地方銀行も選択の一つに検討してみはいかがでしょうか。
2018年03月07日賃貸併用住宅は住宅ローンを利用しながら収益用物件を購入することができるので、一般的な投資用のローンを使って購入するアパート経営よりも金利が低い分、毎月のローン返済が少なくなるというメリットがあります。しかし賃貸併用住宅は建築費がかかるため、自分で新築から建てようとすると、初期費用が非常に高くなってしまいます。そんな時に考えたいのが中古の賃貸併用住宅の購入です。中古物件の賃貸併用住宅を購入することで、購入額を抑え、各種のリスクを減らせるでしょう。しかしなかなか市場には出てこない希少価値の高い物件でもあります。では中古の賃貸併用住宅物件は一体どのように探せばいいのでしょうか。(1)専門の収益物件サイトで探すまず最も手軽な方法として考えられるのは収益物件を多数掲載している専門サイトで探すことです。収益物件を専門として掲載しているサイトと、一般的な住宅情報サイトの何が違うかというと、収益性を表す数字である「利回り」が掲載されている点になります。利回りが掲載されている物件は、以前から賃貸物件とし運営されていたということです。物件の内装や設備に関しては、事務所向け、店舗向け、また普通の賃貸住宅としてのものなど様々ですが、中には入居者に貸し出すだけではなく所有者の自宅も兼ねている物件も掲載されています。こういった専門サイトであれば一般的な住宅情報サイトで検索するよりも手早く収益性のある物件を見つけられ、さらに利回を見ながら比較検討できます。(2)二世帯住宅を購入して改装する賃貸併用住宅は建築費がかかるためにどうしても絶対的な数が少ないです。そこで既存の一般的な物件を賃貸併用住宅として活用することを考えてみましょう。最も賃貸併用住宅に転用しやすいのは二世帯住宅です。二世帯住宅は一つの建物内に2つの世帯がそれぞれ生活できるように独立して造られています。玄関、風呂、キッチン、トイレなどの日常生活を送るために必要な設備が別個設けられているのです。そのため自宅として利用する部分と賃貸物件として利用する部分、それぞれ特に設備追加やリフォームなどを行うことがなく、そのまま別の世帯に貸し出せます。特に完全分離型式の二世帯住宅であれば購入して即座に貸し出すことができるでしょう。一方で二世帯住宅の中にも玄関を共有しているもの、風呂を共有しているもののなど、一部の設備を二つの世帯で共有しているものもあります。そういった物件の場合はリフォームをしないと建物内に別の世帯に住んでもらっても、自宅と完全に隔離できません。購入前にはきちんと他人が自分の同じ家の中に住むということを意識して、それぞれのプライバシーの確保に気を配るようにしましょう。(3)アパートを改装して、一部を自宅にする二世帯住宅の場合は普通のファミリー向け物件を改装して賃貸物件に転用する形式になりますが、逆に今度は賃貸物件であるアパートを一棟購入し、その一部を自宅として活用する方法を考えてみましょう。この場合既存の賃貸用の部屋は特にリフォームする必要もなく、スムーズに貸し出せます。例えば1階に4部屋。2階に4部屋の賃貸物件が入っている場合、1階の4部屋はそのまま貸し出し、2階部分は自宅として活用することになります。中古の一棟アパート物件は非常に数が多く市場に出ているため、賃貸併用住宅を探すよりも選択肢が豊富であり立地や価格帯など自分たちの条件にあったものを選べます。ただし自宅部分に関しては、不要なキッチンや風呂、壁などを取り除き大幅な間取り変更などリフォームが必要になります。そのためある程度の改装費用は用意しておかなければいけません。賃貸部分はそのまま貸し出せるのですぐに家賃収入を得られることもありますが、大幅なリフォームが必要な場合は下の住人に迷惑がかかります。そこでどの程度のリフォームを予算内でできるか、また物件内の住人に迷惑をかけずにリフォームが行えるのかなど、しっかりとチェックしてから物件を購入しましょう。さらに賃貸併用住宅で住宅ローンを使うには自宅部分が建物全体の面積の50%以上ではないといけません。家賃収入を増やすために賃貸物件部分を多く残しておきたいという人もいますが、自宅部分を建物面積の50%パーになるように、リフォームプランを練りましょう。賃貸併用物件はそれほど数が多くないために、自分の条件にマッチする物件がなかなか見つからない時もあります。そういった時は二世帯住宅や一棟アパートを賃貸併用住宅に転用するといった方法を考えてみましょう。そうすればぐっと選択肢の幅が広がります。
2018年03月04日三兄弟+夫婦の5人家族であるわが家、2017年末に引っ越しをしました。実は、事前準備も下調べもしないまま、思いつきで中古の戸建物件を購入。当時の住まいから直線距離わずか300mの超近距離移動となりました。ただただ、不動産屋さんに言われるままに突き進んだ家購入だったため「もっとこうしておけばよかった」と後悔したことも多々。そんなわが家のトホホ体験と、中古物件購入だからこそ落ち着いて見極めてほしい、チェックすべき3つのポイントをまとめました!■チェックポイントその1:売主居住中でもしっかりチェック!「家の中」購入したのは、築14年の中古物件。住みたいエリアと部屋数、家の広さ、車の停めやすさなどから、「この家だ!」という物件に出会い契約。内見も2度させてもらい、確認しておきたいところはすべて見ました。ところが…売主さんが居住中だったため遠慮の気持ちなどもあり、あくまで「見たつもり」だったのです。引っ越ししてから、焦げたコンセントを見つけたり、床暖房がつかなかったりと、あれこれ問題が見えてきました。中古物件は、基本的に現状のままの引き渡しとなります。だからこそ、新築物件とは違い、念入りな事前確認が重要。引き渡し後に「気づかなかった」「チェックしていなかった」となっても、後の祭りなのです。しかし、初めての中古物件購入にもかかわらず、あわただしく契約・引き渡しまで走り抜けてしまったため、「もっとしっかり見て交渉しておけばよかった…」と後悔することに。引っ越し後、不具合が見つかるたびに、何度も不動産屋さんを通して売主さんに「ここの補償はどうなっていますか?」と聞かなければならず、多くの方の手をわずらわせてしまいました。■チェックポイントその2:名義変更ができない?!「太陽光発電の落とし穴」購入した物件の屋根には、太陽光発電の設備がついていました。「太陽光発電のある家がいい!」と選んだわけではなく「たまたま希望物件に、太陽光発電がついていた」だけだったわが家は、何も調べずに引き渡しを完了。ところが…。実は太陽光発電には、名義人氏名や設置場所の住所を登録しなければならないというルールがあります。そのため、持ち主が変わると名義変更手続きが必要。このことに、引っ越してしばらくたってから、別の手続き中に気がついたのです。太陽光発電機を取り付けた設置業者さんに一任すれば事は早いそうですが、運の悪いことに、数年前に倒産。引き継いだ会社があるようだがわからないと、売主さんに言われてしまいました。そのため直接、名義等を管理している一般社団法人太陽発電協会へ掛け合わなければならないのですが、電話はつながらない、ファックスを送っても数週間連絡がない状態で途方に暮れることに…。今もあの手この手で手続きすべく動いていますが、引っ越しをしてから数カ月がたつ今も、名義変更はできていないままです。発電量を増やそうと新居にエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)を取り付けましたが、太陽光発電と併せて使用するには、国への届け出が必要。つまり、名義変更できない→許可が下りない→発電が開始できない…という状態で、今は、エネファームが“宝の持ち腐れ”となっています。引っ越しをしてから困ったことにならないよう、太陽光発電つきの中古物件購入の際は、名義変更の手続きについて事前に確認をしておくことをおすすめします。 ■チェックポイントその3:そのほかにもポロポロと…契約当日の「失態の数々」中古・新築にかかわらず、家を購入するとなると内見、書類集め、契約準備と忙しくなります。書類がひとつないだけで契約ができなくなってしまうため、「ひとつひとつを確実に進めていかないと…」と、かなり慎重に準備をしていたつもりでした。しかし、まだまだ失敗は続きます。一番の大失敗は、物件購入の契約日。売主さんと買主側であるわが家とが一堂に会して書面を取り交わすその日は、台風がきていて悪天候。子どもたちも一緒だったので家を出るのに時間がかかり、車は渋滞…。結局、大遅刻をしてしまい、近所だからと油断していた自分を反省です。それでも、売主さんはとても優しい方で「子ども3人連れての移動は大変でしょうから」と言ってくださいました。それなのに、あわてて出たため、契約金を半分、家に忘れた私。急いで取りに戻ってことなきを得ましたが、さらに待たせることになり、本当に穴があったら入りたいほどの失態でした。■これから購入予定の方へ「中古物件購入で気を付けるべき3カ条」忙しかったりあわてたりすると、失敗をしがちです。家の購入というのは、予想以上に忙しくなるもの。そのことを覚悟しておき、みなさんは、私のような抜け漏れのないようにしてくださいね。その反省を含め、あらためて中古物件購入時に気を付けたいのは次の3つ。1.とにかく忙しくなるから抜け漏れのないように丁寧に進めていく。2.家の中は遠慮せずに隅々までチェックして気になるところはすべて質問しておく。3.太陽光発電設置の物件は、名義変更手続きについてもクリアにしておく。実は、わが家の担当不動産屋さんは、友人の友人。最初から知っていたわけではなく、いくつも家を見て回っているうちに偶然、共通の友人がいることがわかり、縁を感じた家購入物語だったのです。それでも、これだけのトホホ体験をしているのですから、家の購入にはトラブルや失敗がつきものなのだと思います。後悔をしたくない大きな買い物である家購入。下調べや事前のチェックを怠らないようにして、「あ〜よかった!」と思える買い物にしてくださいね。
2018年03月03日中古物件を購入したり、持ち家をリノベーションしたい......。家族も家づくりに参加できるDIYを取り入れれば、コストも下がりそうだし、なにより愛着のわく家になりそうですよね。そもそも、リノベーションでDIYを取り入れることって、どの範囲で可能なのでしょうか?そこで今回は、数多くのリノベーション事例に携わってきた〔ブルースタジオ〕の石井健さんに、リノベーションの基本的なプロセスから、リノベーションにDIYを取り入れるためのポイントや注意点を伺いました!まずはリノベーションの基本的な流れを押さえよう!〔ブルースタジオ 〕石井健さん——中古物件や持ち家のリノベーションを検討している方にとって、まず気になるのがリノベーションのプロセスです。物件探しから始める場合、基本的にはどのように進めていくものなのでしょうか?石井健さん(以下石井さん):物件探しから始める方は、リノベーションを手がける会社に相談するところから始めます。マンションの場合、1年間で供給された新築の戸数より中古マンションの成約件数の方が多くなってるんです(※)。つまり中古マンションの人気が高まっているんですね。また、リノベーションの会社も増えていますよ。その中でも最近は、コンサルタント的に物件探しや資金計画から考えるところから始めて、デザインをして、工事を経て、納品というところまでを一貫して手がける「ワンストップサービス」を提供するところが多いです。一方で、持ち家のリノベーションを考えている方は、自分が気に入っているデザイナーや、工務店に直接頼む場合もあると思います。——リノベーションは素人が参加できない印象がありますが、DIYを取り入れやすい業者もあるのですか?石井さん:ありますよ。最近では、工事ができるだけではなく、デザインや備品の提供、物とそれにまつわる道具も一緒に提案してくれるような、DIYも取り入れやすい新しいスタイルの工務店も増えてきています。※:出典「首都圏マンション市場動向2016年(年間のまとめ)」(株式会社不動産経済研究所)予算が足りない!コストダウンのためにDIYを取り入れるなら?リノベーション時に、書棚を設置できるスペースのみを作った例。棚は受け渡し後に家主がDIYで作ったのだそう。(提供:ブルースタジオ )——リノベーションにDIYを取り入れる場合、コストを下げることは可能でしょうか? 石井さん:基本的に、DIYを取り入れることはアリなのですが、まずはじめに言っておきたいのが、必ずしも「DIY=安くなる」という訳ではないということです。「道具」「技術」「時間」この3つが足りないと、金額的にも労力的にもコストがかかりすぎてしまい、高くついてしまう場合があります。逆に、DIYをするメリットは「経験」にあります。家がどうやってできているのか、その作る過程に参加しながら、ものづくりを楽しむ。これを経験していれば、長く住む家にメンテナンスが必要になったとき、プロではなく自分たちでやる、ということもスムーズにできるのではないでしょうか。ちなみに海外では修繕費が高いので、家のメンテナンスはDIYが当たり前、トイレの修理もお手のもの、なんていう家庭も多いですよ。また、DIYを取り入れて「安くする」ためには、プロがやる施工の範囲と、自分たちがDIYでやる範囲をあらかじめ線引きしておくことが重要になってきます。例えば部屋の壁ひとつとってもそうです。断熱材を入れて……という作業は難しくても、ペンキや漆喰を塗ることなら自分たちでできるという場合は、ペンキを塗る一歩手前のところで引き渡してもらうようにしてもらうといいでしょう。リノベーション後に家主がDIYで取り付けた収納棚。(提供:ブルースタジオ )石井さん:さらに、コストがかかりやすいのが収納家具です。特に造作家具は時間も費用もかかります。DIYを取り入れてコストを下げるなら、壁に取り付けられる形だけ作ってもらって、そこに合わせて自分たちで作っていく方法がいいでしょう。時間の確保が難しい方も、収納家具であれば、少しずつ作り足して行きやすいのではないかと思います。道具の使い方や、技術がわからない場合は、最近ホームセンターやDIYショップでワークショップも開かれているので、そういったものに参加するといいですよ。〔DIYFactory〕なんかはいい例ですね。もし知り合いや近所にDIYが得意な人がいたら、その人達と一緒にDIYをして技術を身につけていくのもいいと思います。プロに任せた方がいいところは?法律にも注意!——DIYの腕に自信があったり、仲間がいるという方の中には、ほぼ最初からリノベーションをしてみたい!という方もいると思います。その場合、ここだけはプロに任せたほうがいいという注意点はありますか? 石井さん:法律の面でも絶対に素人がやっていけないことが電気工事です。日本の場合は資格が必要なので、無資格の人が配線を繋いだり、分電盤をいじったりということはできません。防火や採光、換気に関わることも同じくプロに任せましょう。一方で、高い技術を要するという意味でプロに任せたほうがいいのが、木材のフローリング。多少の隙間が気にならなければDIYで問題ありませんが、きれいに貼るのは意外と難しいんです。あとは、「見えないところ」もプロに任せたほうが安心ですね。骨組みや配管などは、壁で隠してしまうので、そこの施工が甘いと、水漏れなどのトラブルが起きることも。壁で隠しているので、それを取り外して修理するとなると、かなりの手間になってしまいます。〔ブルースタジオ 〕が設計したDIY可能な賃貸住宅《鵠ノ杜舎》(提供:ブルースタジオ )——DIYを取り入れる場合、業者選びの注意点はありますか?石井さん:材料の持ち込み(施主支給)の対応が大丈夫かどうかなど、DIYをどの範囲でやるか決めて、あらかじめ可能かどうか、そのプランを相談してから業者を決定したほうがいいと思います。持ち込みOKのところもあれば、NGのところもありますから。——結婚式のプラン決めと似ていますね。石井さん: そうですね。特に大手のリノベ会社は難しい場合が多いです。〔ブルースタジオ〕で頼む場合は?〔ブルースタジオ 〕が手がけた賃貸物件《Hut》は、自由度高くDIYできる。(提供:ブルースタジオ )——それでは、数多くのリノベーションを手がけてきた〔ブルースタジオ〕に任せた場合、どのようなことができるのでしょうか?石井さん:もちろんリノベーションにDIYを取り入れたい方は大歓迎です。〔ブルースタジオ〕では、先ほどいったように、「何のためにDIYをするのか」というDIYをする目的と、コスト面、施工現場との関係が円滑になるように、コントロールをしていきます。(提供:ブルースタジオ )石井さん:もし賃貸住宅も考えているなら、そういったDIYをしやすい賃貸物件を選んでみるのもおすすめですよ。壁を塗装したり、壁紙を貼ったり、棚の設置や、ビスを打つなど、かなり自由度が高いDIY可能の物件や、オーナーに事前相談すればDIYが可能になる物件も取り扱っています。自分らしいリノベ+DIYに挑戦してみよう♪石井健1969年福岡県生まれ。1992年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。ブルースタジオ執行役員/建築家・不動産コンサルタント。日本のリノベーション・シーンの黎明期より数多くリノベーションデザインを手掛け、その傍らメディアへの露出、執筆活動も行うなど、活動内容は多岐に渡る。リノベーション+DIYは、必ずしもコストを抑えられる訳ではないようですが、リノベーション時にDIYをしやすい状態にしておけば、自分の手で家を作り上げていく楽しみができるかもしれませんね♪自分が持っている道具や、技術のレベルに合わせて、どの範囲でDIYを取り入れるかを決めることで、自分らしい家づくりをスムーズに行うことができそうです。賃貸でもDIYを楽しめる物件も増えてきており、気になるところ。ぜひ挑戦してみましょう!〔ブルースタジオ 〕ウェブサイトはこちら●ライター宇治田エリ
2018年03月01日「リンネル」が住宅をプロデュース株式会社宝島社が発行する女性誌「リンネル」が、住宅のプロデュースを行うことが発表されました。南欧風住宅メーカー、カーサプロジェクト株式会社からの依頼を受け実現したものです。「心地よい暮らしと装い」をメインテーマに、背伸びをせずに自分らしく暮らすための情報を発信する同誌が、その世界観を詰め込んだ住宅を作るプロジェクト。北欧のデザインと機能美が散りばめられた、誰もが快適に暮らせる住宅を目指しています。目指すは人が集う家「リンネルコラボハウス」には、水回りに施されるタイルやフリースペース、多機能な広いエントランスなど、これまでの住宅の概念にとらわれない「リンネル」らしさが満載。家族や友人がついつい集まりたくなる、居心地の良い家を理想としています。コラボハウスの詳細については、2018年2月20日発売の「リンネル」4月号に掲載中。今後の展開にも注目です。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社宝島社のプレスリリース(PR TIMES)
2018年02月24日住宅ローンの繰り上げ返済とは、住宅ローンを契約していた返済計画を前倒して返済をすることで利息の支払額を抑える方法のことです。 この住宅ローンのの繰り上げ返済の方法には2種類の方法があります。それぞれの方法によって、利息の削減の効果が異なる一方で、今後の返済計画も大きく変わりますので、自分自身のライフスタイルにあった方法を選びましょう。まず、一つ目は、月々の返済額は同じ額のまま、残りの返済期間を短くすることによって利息の支払い額を抑える「期間短縮型」があります。 そして二つ目が、残りの返済期間は同じ期間のまま、月々の返済金額を少なくすることで利息の支払額を抑える「返済額軽減型」の2種類があります。どちらの場合でも、当初住宅ローンを契約していた際に予定されていた支払利息よりは金利負担を減らすことができます。それでは具体的に「期間短縮型」と「返済額軽減型」のそれぞれの繰り上げ返済の方法を解説し、どちらの方がより多くの利息の支払い額を減らすことができるのかや、それぞれの繰り上げ返済の方法のメリット・デメリットを解説していきます。月々の返済額がラクになる「返済額軽減型」返済額軽減型は、繰り上げ返済をした金額を毎月の返済額に充当する方法になります。つまり、毎月の返済額が少しずつ安くなるようになるため、利息の減少額も少なくなるのです。例えば、住宅ローンの金額が1,000万円で10年のローンがあった場合、100万円の繰り上げ返済を返済額軽減型で行ったとします。その場合1年目の返済額から10年目の返済額までが毎月均等に安くなるのです。そのため、実質的に「前倒し」で返済できている期間や金額としてはあまり多くはありません。返済額軽減型のメリットとしては、やはり月々の返済が楽になるという事で生活面が楽になるのが最大のメリットです。特に住宅ローンの返済は毎月固定の金額になるため、その返済額を少しでも低くすることができれば生活面でも余裕が出てきます。また、繰り上げ返済を行ったばかりの場合は貯金を取り崩しているケースもあるため、生活に余裕がないケースが多くなっています。そのようなことを踏まえると、返済額軽減型は月々の返済額をラクにしてくれながら、住宅ローンの利息の総支払額も軽減される、バランスの良い繰り上げ返済の方法といえます。大きく返済額を減らせる「期間短縮型」次に月々の返済額は変えずに期間を短縮する期間短縮型について解説をします。期間短縮型については繰り上げ返済分を残りの借入期間から短くする方法です。例えば、住宅ローンの金額が1000万円で10年だと仮定した場合、繰り上げ返済で100万円を「期間短縮型」で返済した場合には、毎月の返済額は変わらい代わりに約1年ほど返済期間が短くなります。つまり、この「期間短縮型」の場合は繰り上げ返済を行った100万円の金額の約10年分の金利を丸ごと支払う必要がなくなるのです。その結果、小分けで毎月少しずつ安くする「返済額軽減型」と比べると利息の支払い額を大きく減らせるため、期間短縮型の方が有利になるのです。次に期間短縮型のメリット・デメリットについて解説します。期間短縮型のメリットについては何といっても金利の削減効果が大きいことです。大きく利息の支払い額を減らすことができるため非常に有利に住宅ローンの返済を進めることができます。一方で期間短縮型のデメリットとしては、月々の返済額は変わらないことから繰り上げ返済をしているにもかかわらず生活面での余裕はあまり生まれてきません。むしろ、住宅ローンの繰り上げ返済をする際に貯金を取り崩すことがあるため、期間短縮型で返済をすると一気に家計に余裕がなくなってしまうデメリットがあります。繰り上げ返済をするときは住宅ローン減税のタイミングも考えよう!また、繰り上げ返済をするときにはここで紹介をした繰り上げ返済の方法だけではなく、繰り上げ返済のタイミングも考えましょう。というのも、繰り上げ返済を行った場合には期間短縮型や返済額軽減型のどちら場合でも「住宅ローン減税」の減税額が少なくなってしまうため、注意しましょう。住宅ローン減税は、その年末の住宅ローンの残額が減税の基準になります。そのため住宅ローンの残高が多ければ多いほど減税額も多くなり、住宅ローンの残高が少なければ少ないほど減税額も少なくなるのです。これらの点を踏まえて、住宅ローン減税を使うといくら減税されるのか、そして繰り上げ返済をすることでいくら金利の支払額が減るのかをシミュレーションを行って、繰り上げ返済を行うようにしましょう。また、一般的には住宅ローン減税には10年間という期間がありますので、その10年を超えたタイミングで一気に繰り上げ返済をするのが最も有利なタイミングと言われています。ただし、人によっては住宅ローン減税の減税額をフルに使えていない人などもいるため、自身がどれだけ住宅ローン減税の恩恵を享受出来ているのかなどを確認するようにしましょう。最後にこの記事では繰り上げ返済の方法である「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類を解説しました。また、「期間短縮型」の方が金利の支払いを大きく減らせて有利に繰り上げ返済ができると解説してきました。ただ結局のところ、期間短縮型の方が支払計画が大変になりますので、どちらの方法がトクするのか、損をするのかと言うわけではありません。「期間短縮型」の方が早く多額の住宅ローン分を返済しているため、利息の減少額も多額になっているに過ぎません。そのため、どちらがトクなのか、損なのかではなく、自分の人生設計においてどちらが良いのかという軸で「期間短縮型」と「返済額軽減型」を選ぶようにしましょう。
2018年02月23日「念願だったマイホームをいよいよ購入したい!」そんなときに考えるのが住宅ローンですよね。もともと、住宅ローンの借り主の多くは夫でした。しかし共働きが一般的である今、さまざまな借りかたがあるのをご存知ですか?今回は「共働き夫婦のため」の住宅ローンについてご紹介します。 1. 共働き夫婦の住宅ローンは3種類共働き夫婦の住宅ローンには、「連帯保証」・「連帯債務」・「ペアローン」があります。主の債務者を「夫」としたこの3つの特徴は以下のとおり。連帯保証夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が住宅ローンを組む債務者となり、妻が連帯保証人になります。夫の返済が滞った場合は、妻に返済の義務が生じます。連帯債務夫婦の収入を合わせた「収入合算」で、夫が主債務者となり、妻が連帯債務者となります。住宅ローンを夫婦で借りる形になるので、夫婦どちらも同額の返済義務を負うことになります。ペアローン夫婦がそれぞれ別の住宅ローンを組みます。夫のローンの連帯保証人は妻となり、妻のローンの連帯保証人は夫となります。返済が滞った場合は、連帯保証人に返済の義務が生じます。 2. それぞれのメリット・デメリット3種類の借りかたのメリット・デメリットをご紹介します。 連帯保証メリット一人では借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられるデメリット住宅ローン控除は債務者だけが受けられる団体信用生命保険は債務者だけが加入できる住宅ローンを借りた分の所有権は債務者のみ※団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。債務者が返済中に死亡したり、高度障害状態(介護が常に必要など、日常生活が極めて困難になった状態)の際に、保険金として住宅ローンの残額分が金融機関に支払われます。つまり、この場合は連帯保証人に万が一の事があっても、保険金は支払われません。 連帯債務メリットひとりでは借りられない額の住宅ローンも、収入合算することで借りられる住宅ローン控除が夫婦ともに受けられる所有権はそれぞれ持つことができる必要な書類や手数料は1人分だけデメリット団体信用生命保険は債務者だけが加入できる(夫婦加入が可能のローンもある)民間金融機関では取り扱っている金融機関が極めて少ない ペアローン メリット夫婦それぞれ住宅ローン控除が受けられる団体信用生命保険も夫婦それぞれ適用される所有権はそれぞれ持つことができるデメリットローンを2本組むため、作業と諸費用が倍になる離婚したときに、名義や残高処理等が複雑・片方が死亡した場合、自分の分のローンは残る(※ただし、団体信用生命保険に特約をつけることで、夫婦どちらかが死亡した際に住宅ローンの残高がなくなることも可能。金利等や名称は取扱金融機関によって異なります) 3. 「片方の収入がなくなった」「離婚した」ときは住宅ローンは30年近くも一緒に払っていくもの。一方で、暮らしていく上で必ずしも収入が一定とは限らないのが「夫婦」ですよね。夫婦で住宅ローンを考えているのなら、必ずそういったことも話し合った上で決めるようにしましょう。子育てに専念したいから仕事をお休み、またはパートなどにしたいとき、はたまた離婚したら、それぞれの借りかたはどのように変化するのでしょうか。妻が育休・仕事を辞めた「連帯債務」と「ペアローン」の場合妻が税金を納めていないと住宅ローンの控除が受けられません。育休の場合は復帰すれば再び受けられるようになりますが、仕事をセーブすると控除額も少なくなります。さらに妻が退職した際には、夫が妻名義の分も返済することになるため、贈与税の課税対象となる恐れも。それを避けるために登記の持分変更をしたり、住宅ローンの借り換えをすることも可能ですが、手間も費用もかかります。離婚した離婚をしても、住宅ローンの契約に変更はありません。連帯保証の場合元夫の支払いが滞ると、連帯保証人である元妻に返済請求が届きます。連帯債務の場合元夫と元妻どちらも、借り入れ全額の債務を負うことは変わりません。また住宅ローン名義は解消されないため、家を独断で売却できません。ペアローンの場合自分がローンを支払っていても、元夫もしくは元妻の住宅ローンの返済が滞ると、連帯保証人である自分に返済請求が届きます。離婚が決まったら、上記のことを避けるために家を売却して住宅ローンを完済させる、ペアローンは1つのローンに借り換えをするなど、夫婦で話し合っていく必要があります。 ひとりでは希望額が借りられなかったとしても、共働き夫婦で住宅ローンを契約することで借入額を増やすことができます。ただし、「妻が働けなくなる」「離婚する」などの理由で、多く借りられたローンによって支払いが苦しくなってしまうといったリスクがあることを忘れてはいけません。「夫婦で住宅ローンを」と考えているのなら、さまざまなパターンを想定しながら、夫婦に合った借り入れ方法を選択してくださいね。 参照: 共働き夫婦のための住宅ローン講座(1)我が家はどうする?基本編共働き夫婦が賢く住宅ローンを借りる方法団体信用生命保険(団信)の特約は付けるべき?扶養に入っても住宅ローン控除は受けられる?退職の可能性視野に選択共働き夫婦の住宅ローン共稼ぎ世帯に人気の収入合算・ペアローン。デメリットが多いって本当?
2018年02月20日「賃貸併用住宅」という形態の住宅をご存知でしょうか?アパートと自宅が合体した住宅のことを指し、多くの場合は1階がアパートのように個別の賃貸物件、2階以上を自分の家として使用するケースが多いです。賃貸併用住宅は自宅に住みながら家賃収入が得られるために、毎月の住宅ローンを家賃収入から返済できるだけではなく、家賃の金額によっては手残りが出て、家を買ったのに収入が増えたこともあり得る大変家計に優しい住宅なのです。そこで賃貸併用住宅のメリットや選び方、そして住む時の注意点などについて触れていきたいと思います。1.賃貸併用住宅は、住宅ローンが利用できる賃貸併用住宅は家賃を得られるだけではなく、金利の低い住宅ローンを利用して賃貸物件を購入できるメリットがあります。一般的にアパートやマンションなどの投資用物件を購入する時は、住宅ローンの融資は受けられず、金利の高い投資用ローンを利用して物件を購入します。住宅ローンは国民に対してできるだけ安い価格で住宅を購入してもらうことを目的としたローンなので、金融機関も利益度外視の側面があります。しかし投資用ローンは収益を出すことが目的なので金融機関も金利を高めに設定してきます。また返済期間も住宅ローンのように長期間にすることが難しいので、毎月の返済額はどうしても大きくなってしまいます。しかし賃貸併用住宅ならば自宅面積を建物の半分以上とすることで、住宅ローンを利用できます。マイナス金利の現在ならば、住宅ローンを金利1%以下で利用できます。一方で投資用ローンの金利はマイナス金利の現在でも3%程度は支払わなくてはいけません。同じ3,000万円を25年融資で借りたとしても、金利0.8%は約11万円、3%では約14万2千円と、毎月3万円以上も返済額が違うのです。2.賃貸併用住宅を買う時は新築が良い?中古が良い?賃貸併用住宅を購入する時は新築物件が良いのか中古か良いのでしょうか。結論から言えば建築費用のかからない中古物件の方がお得です。賃貸住宅併用住宅の欠点として、建築費が高くなることが挙げられます。それは賃貸併用住宅の場合、風呂やトイレ、キッチンといった設備を各居室に設けなければいけないからです。坪単価といえば普通の住宅であれば50万円以下でも家を建てられますが、賃貸併用住宅の場合、坪単価70万円は覚悟しなければいけないでしょう。中古住宅で賃貸併用住宅を買う場合、中古販売時の建物の評価額は単純に物件の構造や築年数で算出されることも多いので、住宅部分の価値は建築費用が高かったものでも一律に計算されやすいです。そのため価格面のメリットが非常に大きくなるのです。もちろん新築物件ならば家賃を高く設定できるメリットもありますが、住宅ローンを利用するだけに、年収次第では物件購入費分の融資が受けられないこともあります。それよりも普通の住宅と変わらない相場になる中古の賃貸併用住宅を購入した方が良いでしょう。3.賃貸併用住宅に住む時の注意点賃貸併用住宅は住むときにいくつか注意点があります。自宅の下の階に家族以外の世帯が住むことになるので、それぞれのプライバシーが確保できるような間取りや設備を心がけましょう。自宅部分の玄関と賃貸部分の玄関はできるだけ、方角が異なるようにしたほうが良いです。そうすれば大家と入居者が頻繁に顔を合わせることもなく、ストレスを感じずに済みます。また駐輪場を設けるときも自宅の駐輪場とは別に設けるようにしましょう。防音にも気を配らなければいけません。賃貸併用住宅の場合1階に入居者がいるので、2階に住む自分たちの騒音が下の階に聞こえてしまうことがあります。特に小さなお子さんがいる家庭では、2階の足音が1階にドンドンと響いて下の入居者が迷惑に感じ、退去してしまうことも多いのです。もちろん1階のそれぞれの部屋の壁による防音も必要ですし、逆に自分たちが入居者の騒音でストレスを感じることもあります。互いのプライバシーを配慮し、ストレスをなくすために賃貸併用住宅を建てる、もしくは中古をリフォームする時は、普通の戸建てよりも特に防音に気を配りましょう。賃貸併用住宅に興味はあるものの、宅の中で他人が生活していると思うと、どうも落ち着かないと感じる人もいるでしょう。賃貸併用住宅を購入するときには、特に防音に気を配らなければいけません。そういった点をカバーできるのであれば、賃貸併用住宅は、家賃収入でローンを返済できる上に、金利の低い住宅ローンを利用できるので、一気に生活を楽なものにしてくれます。
2018年01月31日住宅の購入予算を算出するためには、毎月返済額と住宅ローンの借り方(条件)がそれぞれ必要になります。この記事では、実際の住宅ローンのシミュレーションを行い、購入予算を設定・確認していきます。1. 住宅ローンシミュレーションを使ってみよう今回はフラット35のホームページにある、「毎月の返済額から借入可能金額を計算」するシミュレーション機能を使います。まずは次のページを開いてください。フラット35「毎月の返済額から借入可能金額を計算」(図1)フラット35の住宅ローンシミュレーション①毎月返済額小数点第1位まで入力できます。今の住宅費などから考えて、返済に無理のない金額を入力しましょう。②融資金利適用金利のことです。ここでは①の毎月返済額が完済時まで変わらない場合の借入可能額を算定したいので、「全期間固定型」の金利を入力しましょう。③返済期間返済期間は、それぞれの状況に応じて変わってきます。定年時の年齢から今の年齢を引いた年数を入れてみるのもひとつの方法です。まだ決まっていない段階であればとりあえず「35」を選択しましょう。④返済方法特に理由がなければ、「元利均等」のままにしておきましょう。上記項目をすべて入力・選択したら、「計算する」をクリックすると、図のように計算結果が表示されます。(図2)試算結果※各種数値は次の条件をもとに設定しています。毎月返済額:9.7万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※シミュレーション結果の詳細は、こちらのフラット35のページをご確認ください。借入額のシミュレーションはできたでしょうか。大切なのは「毎月返済額」と「金利」を自分で判断し、入力できているかどうかです。2. 購入予算=「頭金」+「住宅ローン借入額」借入額が分かれば、後は頭金分をプラスすれば購入予算が算出できます。(図3)購入予算の設定方法(住宅ローン利用時)頭金についてはこれまで説明をしてきませんでしたが、購入予算を決定するうえで、非常に重要になります。また、これまで「購入予算=物件価格」という前提で話をしてきましたが、家を買う場合は、物件価格とは別に住宅取得にかかる諸費用・税金が存在します。頭金は、これらの費用を除いて算出するようにしてください。3. 住宅ローンは「借りられる額」ではなく「返せる額」まず、知っておいてほしいこととして、住宅ローンは「借金」であり、利息がつく分、総返済額は借入額よりもかなり高くなるということを忘れないでください。実際に家探しを始めると、どんどん条件のいい家に目がいって、これまでに経験したことがない数千万円という単位の買い物ゆえに冷静な判断ができなくなり、高額なローンを組んでしまいがちです。現在の仕組みでは高額なローンを借りることも意外とできてしまいます。しかし、住宅ローンは「借りられる最大額」ではなく、「返せる額」を借り入れるということを、基本的な考え方としてください。ここまで、家探しを始める前に最低限必要と思われる住宅ローンの知識・情報を、購入予算の設定と関連付ける形で説明してきました。実際の物件を探し始める前に住宅ローンを学んでおくことの大切さが、多少なりとお分かりいただけましたでしょうか。まだまだ、住宅ローンのすべてを説明できているわけではありません。物件探しをしながらも、さらに住宅ローンへの理解を深めて、納得のいく商品プランを見つけていただければと思います。また、今から金融機関のホームページを見ることやシミュレーションの使い方に慣れておくこともお勧めします。
2018年01月30日ローコスト住宅とはローコスト住宅とは、比較的安い価格で販売されている住宅のことをいい、ハウスメーカーが建てることが多いのが特徴といえます。一体どのぐらい安いのでしょうか。住宅を建設する場所にもよりますが、一般的な住宅の坪単価相場は80~90万円ほどです。しかし注文住宅は、なんと坪単価30万円~60万円が価格相場となっています。なぜ、このような格安相場で住宅を販売できるのでしょうか。それは住宅の建築費用として重要な「3つの要素」に理由があるのです。ローコスト住宅の秘密は「3つの要素」にある!?「3つの要素」とは、「材料費」「人件費・広告宣伝費」「諸経費」といった、いわゆる建築費用のことを指します。これら3つの要素を抑えることで、ローコスト住宅の坪単価を30万円~60万円と格安にすることが可能なのです。材料費人件費・広告宣伝費諸経費イメージしにくいのは、3つの目の「諸経費」でしょうか。これは比較的シンプルな間取りにして、また部屋数を少なくするなどをしてコスト削減効果を狙っています。削るところはとことん削って建てられるローコスト住宅ですが、そのメリットは何でしょうか。ローコスト住宅のデメリットとメリットローコスト住宅のメリットを説明する前に、まずはデメリットについてみてみましょう。デメリットには2つあります。デメリットユニット(キッチン、バス、トイレ)のグレードが低いこれはローコスト住宅の前提条件ともいえます。断熱性・耐火性・耐久性・耐震性・遮音性などが優れていないしかし中には上記2つのデメリット要素が優れているものもあります。たとえば、リビングや寝室に床暖房があるIHクッキングヒーターなどオール電化に対応している国で定められた「長期優良住宅の認定」を受けた住居であるなどが挙げられます。これらのような要素があれば、それはそれでメリットの1つともいえます。メリット格安で住宅が建てられて「これ以上にメリットなんてない」と思うところですが、最大のメリットは他にあるのです。それは、「建て替えのしやすさ」にあります。ローコスト住宅は比較的安く家を建てることを念頭とした住宅であり、そのため設備や性能が優れていないのが前提であると先述しました。つまり住宅に耐久性はなく、「一生この家に住む」といった人向けの住宅ではないといえます。しかし逆にいえば「子どもが大きくなるまではこの家でいいか」など、ライフスタイルに合わせて住まいを変えていくといったスタンスをとるのであれば、非常に優れているといえます。これが最大のメリットといえるでしょう。どこに頼めばいい?ここまででローコスト住宅の定義やデメリット・メリットについてみてきました。家探しで苦戦する要因として、「業者探し」があると思います。そこで、考えられる業者を紹介して最後にしたいと思います。ローコスト住宅を依頼するにあたって考えられる業者は以下の3つが挙げられます。ハウスメーカー大手メーカーは、上記で挙げた「3つの要素」のうち「人件費・広告宣伝費」「諸経費」に費用を掛けている傾向があります。「材料費」でお金が掛からないから安心、と思ってはいけません。外構工事費などを「諸経費」に加算してくる場合もあるので、注意が必要です。工務店上記1で挙げたハウスメーカーは全国展開しているのが特徴的ですが、工務店は地域密着型が多いといったのが特徴的といえます。そのためフットワークが軽いといったメリットはありますが、ハウスメーカーほどの資金力はないので「材料費」などにお金を掛けることができず、品質の悪い材料となる場合もあります。もちろんすべての工務店というわけではないので、営業担当マンなどに確認するのが良いでしょう。建築設計事務所建築士が在籍する建築設計事務所なら、設計はお手並みのものなので安心して依頼することができるでしょう。しかし建築士は基本的に設計・施行監督が主な仕事で、施行に関しては下請け業者に依頼する場合がほとんどなので、理想とはすこしズレる可能性も否めません。まとめローコスト住宅を依頼する場合は、設計と設計確認は「建築設計事務所」とし、施行は「工務店」に依頼するのがベターといえるでしょう。「一般住宅を買うほどお財布には余裕がないけれど、子育てをするためにも戸建て住宅には住みたい!」といった方にはお勧めのスタイルといえます。今後のライフスタイルを考慮しつつ、検討してみてはいかがでしょうか。
2018年01月22日住宅ローンを借りる際に重要な条件である「金利」ですが、金利の利率をあいまいにしたままでは、いつまでたっても実際の購入予算を算出できません。購入予算はこの後、住宅ローンシミュレーション機能を使って算出します。ここでは、住宅ローンの条件として設定する金利の利率をどのように決めるのかを見ていきます。1. 銀行のホームページでよく見る住宅ローン金利下の図は、架空の住宅ローン会社「A社」が提示している住宅ローンに関するプラン例です。1つの会社で提供している住宅ローンは、複数あることが大半です(※10以上のプランがあることも珍しくはない)。下の図は、そのなかから代表的なプランをピックアップしました。まずは、図の見方を説明します。(図1)「住宅ローンプラン例」①金利タイプ変動金利型、固定金利期間選択型、全期間固定金利型の3種類がメジャーなもの。返済期間中の金利が変わるのが変動金利型、変わらないのが全期間固定金利型、一定期間は変わらないのが固定金利選択型。②適用金利店頭金利から引き下げ金利を引いたもので、実際の貸し出しにおいて使用される金利(利率)。③店頭(表示)金利各金融機関が本来設定している基準となる金利(利率)。引き下げられる前の金利で、定価のようなもの。④引き下げ金利店頭金利からの引き下げ率のこと。引き下げ率は条件によって変わるため、幅表記か、図のように最大での引き下げ率が記されている。引き下げ金利によって②の適用金利が決定する。2. 毎月返済額が分からなくなる金利タイプとは住宅ローンを選ぶとき、最初に確認しなければならないのは①の金利タイプです。金利タイプは以下の3つに分けることができます。金利タイプの選び方には様々な考え方がありますが、今回は購入予算を設定するために金利を選ぶという視点で、金利タイプを考えてみたいと思います。変動金利型借入期間中、半年ごとに金利が変わるため、現時点では金利が変動した場合の毎月の返済額は分からなくなる(※1)。固定金利期間選択型借入期間中、あらかじめ決まっている期間は金利が変わらないため、その期間は毎月の返済額は変わらない。該当の期間が終了したら、その時点の金利で改めて変動金利型か固定金利期間選択型を選ぶ(※2)ことになるため、現時点では途中から毎月の返済額が分からなくなる。全期間固定金利型借入期間中、金利が変わらないため、現時点で借入期間中の毎月の返済額がはっきりと分かっている(※3)※1:変動金利型の返済額は、借り入れから5年間は金利の変動にかかわらず一定のままというルールがある。※2:ごく一部の金融機関で、一度変動金利型を選ぶと再び固定金利期間選択型を選べない商品がある。※3:実際の金利が決定するのは、多くの金融機関では融資実行日になる。金利タイプごとの返済イメージを図で表してみましょう。(図2)金利タイプごとの返済イメージオレンジ色は毎月返済額が分かっていて、変わらないところです。「?」の部分はそのときにならないと金利が分からず、毎月返済額もいくらになるか算出できない期間になります。変動金利は金利だけを見るといいように思いますが、先の見通しが立てられないというデメリットがあります。3. 将来の金利が分からないと予算は設定できないお手元に不動産広告のチラシがあれば、それを手に取ってみてください。売買用のチラシでは「毎月返済額●●円。家賃並みの支払いで家が買える!」といった文句が踊っています。その際、毎月返済額を算出するために必要な住宅ローンの金利は、ほとんどの場合で利率が最も低い金利タイプの「変動金利」を使っています。変動金利が悪いわけではありませんが、将来の金利動向が分からない変動金利を使って算出した“現時点での”毎月返済額が、あたかも返済期間中ずっと続くようなイメージで表現されることは、誤解を与える可能性があります。また、こうしたチラシで目にした情報をもとに、安易に購入予算を設定してしまったらどうなるでしょう。金利の違いが返済額に与える影響は、これまでの記事で確認したとおりです。金利の上昇、返済額の増加を想定していない購入予算の設定をしてしまっていたら、リスクは現実のものとして襲いかかってきます。購入予算の算出には、リスク管理の面から全期間固定型の金利を設定するようにしましょう。(図3)予算設定に使える金利、使えない金利
2018年01月20日住宅ローンを利用して家を買う場合に必要な住宅ローンの条件のひとつである「金利」が総返済額や毎月返済額にどのような影響を与えるのか、実際の数値を使って見ていきたいと思います。1. 総返済額に占める利息の割合まずは、住宅ローンを利用する場合の総返済額に占める元金と利息の割合を見てみましょう。(図1)「住宅ローンの借り入れと返済の内訳」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。図を見ると分かるように、3,000万円を金利1.800%、35年返済で借りた場合の総返済額は4,046万円です。利息額は1,046万円なので、総返済額の25.9%。つまり、返済額のうち4分の1は利息分ということになります。このように長期間借り入れをする住宅ローンの場合、総返済額に占める利息額の割合はかなり大きくなります。金利が高くなればさらにその割合はさらに増すので、わずかな金利差も無視できません。2. 金利でここまで変わる!借入額別の総返済額一覧下の図は、借入額別・金利別の総返済額を計算したものです。総返済額から借入額を引いたものが、利息額になります。同じ借入額でも、金利によって総返済額がずいぶん違うことが分かります。(図2)「借入額別・金利別の総返済額(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3. 総返済額を毎月返済額に置き換えて確認金利による総返済額への影響を体感できたでしょうか。次は、実際に自分が住宅ローンを利用することを前提に、この表を活用してみましょう。総返済額(借入額+利息額)だけを見ても、無理なく返済できるかどうか判断は難しいので、上の表の総返済額に毎月返済額を追記しました。今度は、現時点で想定している毎月返済額を中心に表を見てください。(図3)「借入額別・金利別の毎月返済額(上段)と総返済額(下段)(単位:万円)」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。毎月返済額がほぼ同じでも、金利との組み合わせ次第で借入額・総返済額に様々な可能性があることが分かったでしょうか。この表を見て、「とにかく金利が低いにこしたことはない」と考える人も多いと思います。「住宅ローン=金利の低い商品」を求めることは、あながち間違いではありません。ただし、金利の低さだけを追い求めて住宅ローンを選ぶと大きなリスクが生じます。このリスクは購入予算の設定にも影響するため、家探しの最初の段階で把握しておかないと、後戻りができなくなるほど危険をはらんだものなのです。【訂正】サブタイトルの一部に誤りがありましたので修正いたしました。
2018年01月19日家を買う場合、ほとんどの人は住宅ローンを利用しますが、住宅ローンについて調べ始めるのは、家探しの終盤、物件がほぼ決まってからというケースが多いようです。結論から言うと、これでは遅すぎます。住宅ローンの知識・情報は家探しの最初、購入予算を決める段階から必要です。1. 借入額よりも重要な返済額住宅ローンを利用して家を買う場合、購入予算は「頭金」と「住宅ローンの借入額」の足し算によって決まります。考え方として初めに購入予算があって、それを「頭金」と「住宅ローンの借入額」に分解していくのではなく、まず「頭金」と「住宅ローンの借入額」を明確にし、2つを足したものが購入予算になるというものです。家探しはその予算をもとに行います。住宅ローンは、端的に言ってしまえば借金です。借りた金額(借入額)に対し発生する利息額を合わせて返済しなければなりません。つまり、住宅ローンではいくら借りたかよりも、いくら返すのかという「返済」の指標が重要になるのです。返済額には、返済する総額(総返済額)と毎月の返済額があります。(図1)「住宅ローンの借入額と総返済額の違い」※各種数値は、次の条件をもとに設定しています。借入額:3,000万円/金利:1.800%/返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。3,000万円の住宅ローンを借りる場合を例に考えてみましょう。金利と返済期間については一般的なものを使用していますので、現段階ではそういうものとして考えてください。上図のように金利1.800%、返済期間35年でローンを組んだ場合、借入額は3,000万円でも、利息が約1,046万円上乗せされ、実際に返済する金額(総返済額)は4,046万円にもなります。今、現金ならば3,000万円で買える家でも、全額ローンだと4,046万円で購入することになってしまうということです。そして、その返済は35年など、かなり長期にわたって行われるものです。さて、例では借入額3,000万円、利息額1,046万円、総返済額4,046万円という3つの金額が分かりました。住宅ローンを借り入れる場合、その返済を無理なく行えるかが重要なポイントになります。では、この3つの金額を見て、無理なく返済できる金額かどうかを判断することはできるのでしょうか?2. 返済の程度を判断できる「毎月返済額」借り入れた住宅ローンが無理なく返済できるかどうかを判断するには、どのような数値があればよいのでしょうか。借入額3,000万円は、「みんなそのくらい借りているような気がするけど、自分たちに適切かどうかは分からない」といった認識でしょうか。総返済額が4,046万円と言われても、すぐにはピンと来ませんね。では、毎月の返済額が97,000円と言われたらどうでしょう。それなら今の住宅費と比較できるので、毎月払えるかどうか分かりやすいのではないでしょうか。住宅ローンを利用して家を買うときは、自分にとって無理のない毎月の返済額がいくらなのかをはっきりさせ、借り入れにあたっての判断基準として使えるようになっておくことが大切です。(図2)「無理なく返済できるかを判断するために必要な数値」3. 毎月返済額は同じなのに借入額が減る?住宅ローンの借入額が適正かどうかは、毎月の返済額を基準に判断すべきであることを説明してきました。ところが、毎月の返済額が同じでも、住宅ローンの選び方によっては借入額自体が変わるということが起こります。住宅ローンの借入額が変わってしまったら、購入予算の設定にも影響が出てきます。(図3)「住宅ローンの違いによる購入予算の変化」※各種数値は次の条件をもとに設定しています。返済期間:35年/返済方法:元利均等返済※分かりやすさを優先し、一部端数処理等を行っています。この図は毎月の返済額を97,000円とし、返済期間35年でローンを借りた場合に、借入額がいくらになるかを計算したものです。金利が1.800%の場合の借入額は3,020万円になります。では、金利が2.400%になるとどうなるでしょうか?借入額は2,754万円と、266万円もの差が生じることになります。この例では毎月の返済額が同じでも、金利2.400%の住宅ローンBで借り入れをした場合、購入予算が266万円もマイナスになってしまう可能性を示したものです。いったん整理をしてみましょう。家を探すには購入予算の設定が不可欠ですが、その購入予算の設定に必要なのが住宅ローンの借入額です。借入額を算出するには「毎月返済額」と「住宅ローンの諸条件(返済方法・金利・返済期間等)」の2つの情報を前もってそろえておかなければなりません。この順番を間違えると、物件価格ありきで返済計画に無理があるようなローンを組んでしまう、不動産屋さんに勧められるままに提携ローンを組んでしまうケースも出てきてしまうのです。
2018年01月18日住宅探しをしている方は、なかなか条件の合う理想の物件と出会えないと感じている方が多いのではないでしょうか。希望するエリアの土地は高額だし手頃な価格の土地となると、通勤や通学にとても不便……。そんな方に注目されているのが「再建築不可物件」です。再建築不可物件の概要やリフォーム・リノベーションが可能か、また注意点などをご説明します。再建築不可物件とはどういうもの?再建築不可物件とは、建築基準法に規定されている条件を満たしていないため、既存の建築物を取り壊し更地にしてしまうと再建築ができない物件のことです。何故このような物件が存在するのかというと、1950(昭和25)年の建築基準法制定やその後の建築基準法改正によって、建築当時は法律に適合していても、現行法には不適合となっているためです。このため、全国には多くの再建築不可物件が現存しています。再建築不可物件は、旗竿地や袋地と呼ばれている土地に多く、具体的には建築基準法でいう道路(幅員4m以上の道路)に敷地が2m以上接していない物件などを指します。(接道義務ともいい、災害時の避難経路の確保や緊急車両が接近できる道路確保が目的)。敷地が2m以上道路に接している土地であっても、目の前の道路が建築基準法上の道路の条件を満たしていない場合(幅員が4m未満の道路など)は再建築不可物件となります。このような再建築不可物件は資産価値が低いため、地域によっては二束三文の価値しかない場合もありますが、東京23区の場合は周辺の土地相場の60~70%程度の相場で取引されています。※建築基準法とは、国民の生命・健康・財産の保護や公共の福祉の増進に資することを目的に、建築物の敷地・構造・設備・用途などに最低限の基準が定められています(1950年施行)。再建築不可物件をリフォーム・リノベーションで新築同様に変身!再建築不可物件は、築40年以上経過した古い物件が多く資産価値も低いため、長く放置されている物件も少なくありません。しかし、物件によっては、リフォーム・リノベーションによって、新築同様に輝きを取り戻すことができる場合もあり、土地を安く手に入れた分をリフォーム・リノベーションに回し、理想に近い物件が取得できる可能性もあります。再建築不可物件は再建築ができませんが、建築確認申請が不要なリフォーム・リノベーションは可能です。建築確認申請が必要になるリフォーム・リノベーションとは、増築や改築、また大規模な修繕や模様替え(建物の主要構造物の一種以上について行う過半の修繕や模様替え)の場合です。しかし大規模な修繕や模様替えの場合、木造2階建て以下、延べ床面積500㎡以下の建物(4号建築物といわれる一般的な家)の場合は確認申請が不要とされています。したがってボロボロの築古物件でも増築や改築はできませんが、新築同様にリフォーム・リノベーションを行うことができます。再建築不可物件でのリフォーム・リノベーションの注意点再建築不可物件を購入しリフォーム・リノベーションする場合、注意したいこともいくつかあります。以下に注意点を挙げてみました。・ローンの利用が難しい再建築不可物件の購入には、基本的に住宅ローンは利用できません(換金しにくく、担保価値が低いため)。・リフォーム・リノベーション費用が通常より割高になる再建築不可物件では工事をする際、工事車両が入れない場合が多く資材の搬入が難しくなるため手間がかかります。また、現在の耐震基準を満たしていない建物が多いため、現在の耐震基準に適合するようなリノベーションが必要になります。・予算オーバーになりやすい予想以上に老朽化していることもあり、予算オーバーになりやすいことも注意が必要です。再建築不可物件は、デメリットやリスクもありますが、目的によっては、いわゆるお宝といえる物件が眠っている可能性があります。再建築不可物件購入の際は、デメリットやリスクなどを十分に承知した上で、検討することをおすすめします。
2018年01月15日住宅性能評価書とは住宅性能評価書とは、「住宅性能表示制度」に基づいて国(国土交通大臣)に認定された第三者評価機関が、住宅の性能について評価したものをいいます。住宅性能評価を受けた物件は、住宅性能が安全であると評価されたことになり、またこれには2つの段階が存在します。1つめが設計段階に住宅性能を検査する「設計住宅性能評価」で、2つめが建設段階に住宅性能を検査する「建設住宅性能評価」です。この制度が導入されたことで、様々な工法によって建設された住宅の性能を一律に評価することができるようになりました。さらにこれによって、私たち一般消費者でも性能評価を受けた物件を容易に比較検討できるようになりました。物件を比較検討するためにも、どのような項目で何について評価されているのかを知る必要がありますね。今回は「設計住宅性能評価」について具体的にみていきましょう。「設計住宅性能評価」10項目住宅性能評価では、以下の10項目を評価します。構造の安定地震などの影響による建物の「倒壊耐久度」や「損傷の受けにくさ」を評価します。等級が高いほど地震などに対して強いことを意味します。等級1の評価でも、大地震(震度7相当)が起きても倒壊することはないとされているので、住宅性能評価を受けていればまず安心といえるでしょう。このほかにも、台風など様々な自然災害に関する評価があります。維持管理・更新への配慮排水管・水道管・ガス管の点検、清掃・修繕のしやすさを評価します。温熱環境暖房や冷房を効率的に稼働するために、壁や窓の断熱性能を評価します。 等級が高いほど、省エネルギー性に優れているといえます。劣化の軽減柱や土台の劣化の進行を遅らせるための対策を評価します。光・視環境東西南北及び上方の5方向について、窓の開閉範囲や採光量などを評価します。空気環境接着剤などを使用している建材から発散するホルムアルデヒドが、シックハウス症候群の原因のひとつとされています。その危険性がないかを評価します。また換気設備が整備されているかも評価の対象となっています。音環境主に共同住宅の場合に多い評価項目で、上・下・隣の住戸からの反響音について評価します。選択表示事項(オプション)なので、申請者が評価対象とするか否かを選択することができます。火災時の安全住宅内で火災が発生したときの避難のしやすさ、隣の住宅が火災のときの延焼のしにくさなどについて評価します。耐火性のある外壁・床・屋根であることや、火災報知器などの設置状況、避難・脱出経路が確保されているかなどがこれにあたります。防犯対策外部開口部(ドアや窓など)について、防犯上有効な建物部品や雨戸などが設置されているかの侵入防止対策を評価します。高齢者への配慮高齢者や子供が暮らしやすいよう、バリアフリーの程度を評価します。1~4は必須項目で、5~10は選択項目です。住宅性能評価書を受けた物件のメリットとは最後に、住宅性能評価書を受けた物件のメリットについてご紹介します。国(国土交通大臣)の登録を受けた第三者機関による評価だから安心!(公平に性能をチェックしてくれている)住まいの性能評価の見方が、等級や数値で表示されているため分かりやすいトラブルが生じても専門機関(指定住宅紛争処理機関)が対応してくれるフラット35(住宅ローンの一種)でも適用可能!資産価値が維持しやすく査定に有利なため、中古売却がしやすいまとめ物件数はたくさんありますが、やはり耐震性などに優れた物件の方が良いですよね。物件選定で迷ったときは、住宅性能評価を受けている物件かどうかが、ひとつの判断材料になりそうですね。安心・安全な住まい環境を維持するためにも、ぜひ、住宅性能評価書を参考にしましょう。
2018年01月14日住宅ローンは一般的に借り入れの金額が大きくなることから長期間の返済を余儀なくされてしまいます。例えば、住宅金融支援機構が提供するフラット35などは35年間返済を行うことになりますが、それだけの長い間安定して返済を行わなければなりません。病気、リストラ、減給などの予期せぬ理由によって、返済計画に支障が生じてしまうようなこともないとは限りません。住宅ローンを延滞・滞納してしまった場合にはどうなってしまうのでしょうか?住宅ローンの延滞・滞納後の流れ延滞・滞納を行ってしまった場合の流れは以下のようになります。住宅ローンの返済期間中には、一時的に住宅ローンの返済用の口座の残高が少なくなってしまっていて引き落としが行われないなど、返済の滞りが生じてしまう場合があります。最初の1回程度の滞納に対しては銀行などの金融機関も「入金が確認できなかったので、確認してくださいね」というような入金が行えていないことに対する支払い請求程度で済みますが、その通知を無視して延滞・滞納から2~3ヶ月経過すると請求書から催告書へと変わります。催告書に変わるとどうなるのでしょうか?催告書では、これ以上延滞・滞納を行うと期限の利益といって住宅ローンの分割返済を認めないという内容になります。この催告書を無視して延滞・滞納から3~6ヵ月経過してしまうと期限の利益喪失通知が届き、返済期日が先であったとしても一括返済を行わなければなりません。期限の利益喪失通知が到着してからは、代位弁済通知といって住宅ローンを契約した際の保証会社が銀行に対して代わりに返済を行ったという通知書が届きます。保証会社が返済を行ってくれたからといって返済がなくなるわけではなく、返済先が銀行から保証会社に変わることになります。保証会社が代位弁済を行ってしまうと、保証会社は建物を競売にかけることによって返済を肩代わりした分を回収しますが、いきなり競売が行われるわけではなく、まずは保証会社から競売を開始するための競売開始決定通知が届きます。競売開始決定通知が届くとどうなってしまうのでしょうか?競売と競売を防ぐための任意売却とは?競売開始決定通知が届くと、いよいよ住宅ローン対象の物件が競売にかけられることになってしまいます。競売にかけられてしまうと以下のようなデメリットがあるので注意が必要です。・普通に売却する場合によりも安く買いたたかれてしまう。・競売が行われてしまうと出ていかなくてはならなくなる。競売開始決定通知が届いてから実際に競売が行われるまで6ヵ月程度の期間がありますが、その間に何とかして競売を防ぐ方法はないのでしょうか?競売を防ぐ方法として任意売却を行うという手段が挙げられます。任意売却によるメリットは以下の通りです。・リースバック方式によって住み続けることができる。・競売よりも高い価格で売却できる可能性が高い。任意売却によって購入した人が同意してくれた場合には、賃料を払うことによって住み続けることが可能になります(リースバック方式)。任意売却は保証会社の許可を得る必要があるので、なるべく早く申し出た方が良いでしょう。まずは銀行に相談してみる住宅ローンは契約当時の世帯年収などを基準にして返済計画を立てますが、必ずしも返済計画通りに返済が進むとは限りません。体調を崩してしまったことによって一時的に返済が滞ってしまったり、出産による産休や退職して育児に専念するために専業主婦になったりなど様々な理由によって返済計画に支障が生じる可能性があります。一時的に支障が生じた場合にはどうすればいいのでしょうか?まずは銀行に現状を伝えることをおすすめします。銀行からすれば信頼して住宅ローンの契約を行ったにもかかわらず、独断で延滞・滞納を行われてしまった場合には、後から理由を伝えたとしても配慮の余地がありません。しかし、返済計画の支障が一時的な理由である場合には、返済計画の見直しによって一時的に返済額を引き下げてくれるなど、競売を免れることができる可能性があるため、まずは銀行に相談してみましょう。まとめ住宅ローンの延滞・滞納を続けた場合には、住宅ローンの対象の物件を競売で失ってしまうことを覚悟しておかなくてはなりません。しかし、延滞・滞納を行ってしまったからといって即座に競売が行われるわけではありませんので、延滞・滞納に陥ってしまったとしても放っておかずに、任意売却やその他の解決策を模索するようにすることができるので、まずは銀行に相談など解決策を検討するようにしましょう。
2018年01月12日住宅性能評価制度には2種類ある住宅の性能品質を確保するため、国は指定機関である住宅性能評価機関に住宅の性能を客観的に評価するよう法律で定めています(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。これを「住宅性能評価制度」といい、2段階に分けることができます。1つは「設計住宅性能評価」で、2つめは「建設住宅性能評価」です。「設計住宅性能評価」設計住宅性能評価とは、「設計段階での住宅の検査」を意味します。つまり住宅が未完成時点のものであるため、設計図をもとに検査を行います。検査を受けるかどうかは、住宅の建築時点で決める必要があるので、注意が必要です。「建設住宅性能評価」建設住宅性能評価は、「完成段階での住宅の検査」を意味します。完成時点の住宅を検査するのですが、設計図と照らし合わせながら行うのが特徴といえます。そのため、事前に「設計住宅性能評価」の検査を受けておく必要があるので、この点に注意が必要です。住宅性能評価でチェックする項目は全部で10コあります。住宅性能評価には10コある構造の安定(地震・風・積雪に対しての建物の強さを評価)劣化の軽減(柱や土台の劣化の進行を遅らせるための対策を評価)維持管理・更新への配慮(排水管・水道管・ガス管の点検・清掃・修繕のしやすさ)温熱環境(建物の冷暖房を効率的に行う為の断熱などの省エネ対策を評価)火災時の安全(火災の早期発見のしやすさ、外部からの延焼に対する耐火性を評価)光・視環境(室内の明るさを、部屋の広さに対する窓の大きさの割合で表示)空気環境(室内への有害物質の発散量、換気対策を評価)音環境(開口部の遮音性能や、共同住宅の上下又は隣接する住戸への音の伝わりにくさを評価)防犯対策(犯罪者が住宅に侵入しないよう、開口部に対策がとられているかを評価)高齢者への配慮(高齢者や子供が暮らしやすいよう、バリアフリーの程度を評価)1~4は必須項目で、それ以降は選択項目となっています。住宅性能評価を受けるメリットは、2種類とも似たところがありますが、今回は「建設住宅性能評価」のメリットを中心にご紹介していきます。建設住宅性能評価を受けた物件のメリット地震保険の割引が効ある(10~50%の割引)民間から借入れる住宅ローンの金利が優遇されるトラブル紛争解決の専門機関が、1万円という破格で対処してくれるまとめ今回は建設住宅性能評価を中心にご紹介してきました。建設住宅性能評価は、設計住宅性能評価も兼ねていることから、業者に手抜き工事をさせない手段ともいえ、この点が最大のメリットといえるでしょう。安心・安全な暮らしを実現するためにも、設計段階からの検査を行うようにしましょう。
2018年01月10日