関西学院大学はこのほど、高い発光効率と色純度を持つ有機ELディスプレイ用青色発光材料を開発したと発表した。同成果は関西学院大学の畠山琢次 准教授らと、JNC石油化学 市原研究所の共同研究によるもので、2月12日(英国時間)に独科学誌「Advanced Materials」オンライン版で公開された。スマートフォンなどの小型ディスプレイで実用化が進む有機ELディスプレイでは、発光材料として蛍光材料、りん光材料、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料の3種類が利用されているが、蛍光材料は、発光効率が25~37.5%程度と低い。一方、りん光材料とTADF材料は、発光効率が100%に達する場合もありますが、いずれも色純度が低い(発光スペクトルの幅が広い)という問題がある。ディスプレイでは、光の三原色である赤・緑・青色の発光を混合することによりさまざまな色を表現しているが、それぞれの色純度が低いと、再現できない色ができてしまい、画質が大きく低下してしまう。そこで、市販のディスプレイでは、発光スペクトルから不必要な色を光学フィルターで除去することで、色純度を高めてから(スペクトル幅を狭くしてから)使用している。そのため、元々のスペクトル幅が広いと除去する割合が増えるために、発光効率が高い場合でも、実質的な効率は大きく低下する。今回、同研究グループは発光分子の適切な位置にホウ素と窒素を導入し、共鳴効果を重ね合わせることで、発光スペクトルの半値幅が28nmという世界最高レベルの色純度を持ちながら発光効率が最大で100%に達するTADF材料「DABNA」の開発に成功。「DABNA」はホウ素、窒素、炭素、水素というありふれた元素のみからなることや市販の原材料から短工程で合成できることから、有機ELディスプレイの高効率化と低コスト化が期待できるとしている。同研究グループは、DABNAの開発を通じて有効性が証明された多重共鳴効果を利用した分子デザインによって、今後、さらに優れた特性を持つ発光材料を開発することも可能だとしている。
2016年02月15日ワコムは、同社Webサイトのコンテンツのひとつ「Making Ideas」において、会議についての調査結果をインフォグラフィックにまとめた「効率的な会議の仕方、情報共有の仕方」を公開し、約80%のビジネスマンが「会議に時間がかかりすぎている」と感じていることが明らかになった。今回公開されたインフォグラフィックは、ジャストシステムのネットリサーチサービス「Fastask」において、25歳~45歳までの男性331人に実施したアンケート結果をもとに作成したもの。その結果、「会議にかかっている時間」については、「1度の会議に1時間以上かかっている人」の割合が43.7%、「会議の時間が長いと感じている人」や約80%もいることが明らかになったという。さらに、そのうちの72%が「1時間程度で集中力が切れたなと感じる」ということだ。続いて、時間が掛かってしまう原因についての調査では、「事前に情報共有がされていないため、説明に時間がかかる」が27.7%で第1位。続いて「不要な意見が多く、意見がまとまらない」(26.3%)、「会議の目的が明確でなく、誰も理解できないままダラダラと続く」(22.8%)と続いた。ほかにも「資料の共有に時間がかかる」、「資料が多すぎて、読むだけで時間がかかる」、「会議が始まってから、コピーや資料を取りに行くなど、時間の無駄が多い」といった意見も挙がったということだ。ワコムでは、こうした原因から分析し、会議を効率化するための3つのポイントをまとめている。ひとつ目は「会議は少人数で行う」こと。これにより、意思決定までの時間の短縮が見込める。ふたつ目に「課題と目的を事前に把握しておく」こと。つまり、図や画像などの資料を事前に共有しておけば、課題説明の時間短縮につながるというわけだ。3つめは「時間を設定する」こと。これにより、延長しないように集中して短時間に会議が行えるとしている。また、調査結果では「会議中に自分でメモをとっている」と答えた90%の人のうち、実に71.2%の人が、メモをノートPCやタブレットに入力するのではなく、「ノートに手書きしている」と回答している。理由として「手を動かして書いたほうが、後々まで覚えていられる」、「手書きのほうがアイディアが浮かぶ」というような意見が挙がったという。このほか、議事録の作成率は62.8%で、国内の別支局や海外支部など離れた場所にいる人と「ビデオ会議」や「インターネット会議」などを行う人が、3人に1人はいるという結果も明らかになった。さらに、効率的に相手に情報を伝えるポイントとして、「わかりやすい議事録」を作成するためには、結論とタスクを冒頭に記載してすべての内容を読む手間を省けるようにすること、手書きメモをそのままデータ化して簡単な議事録代わりにすること、そしてインターネット会議や共同プロジェクトでも図を事前に共有して会議をスムーズに進行させることを挙げた。最後に同社は、資料の作成や共有を効率化にする便利ツールとして、ノートに専用ペンで書いてボタンを押すだけで、その内容をアナログからデジタルに変換してデータを共有したり、そのままメールで送ったり、後から編集したりできるワコムのスマートフォリオ「Bamboo Spark」を紹介している。
2016年02月09日リコーは1月22日、日本を訪れた外国人観光客が免税店で買い物をした際に必要となる消費税の免税手続きを効率化する「RICOH カンタン免税アプリ」の発売を発表した。新製品は、免税販売に必要な「購入記録票」「購入者誓約書」を簡単かつスピーディに作成することにより、免税販売の手続きをスピードアップし、外国人観光客の対応時間の短縮を支援するもの。パスポートをスキャンすると、免税販売時に必要になる「輸出免税物品購入記録票」「購入者誓約書」の項目にパスポートから読み取った旅客情報を自動入力した上で出力することができる仕組みとなっている。また、英語、中国語、韓国語などの言語を判別し、各帳票の注意事項などを、各言語での記載に自動対応するという。今回の免税対応システムは、A4デジタルフルカラー複合機「RICOH MP C306シリーズ」に対応した複合機版の「RICOH カンタン免税アプリ for MFP」と、タブレット版の「RICOH カンタン免税アプリ for Tablet」の2種類が用意されている。タブレット版はタブレットのカメラ機能を利用するため、専用スキャナは不要となっており、各種リコー製プリンタと組み合わせて利用することができる。印刷は、RICOH Smart Device Print&Scan対応機種で行うことが可能。複合機版もタブレット版も、価格は8万円(税別)。発売日は、複合機版が3月上旬、タブレット版が2月1日の予定となっている。
2016年01月22日京都大学は12月11日、独自に設計した座布団型構造をもつ有機半導体材料を開発し、これをp型バッファ層に用いることでペロブスカイト太陽電池の光電変換効率を向上させることに成功したと発表した。同成果は、同大学 化学研究所 若宮淳志 准教授、工学研究科博士後期課程 西村秀隆 氏、化学研究所 嶋崎愛 研究員、村田靖次郎 教授、佐伯昭紀 大阪大学准教授らおよび米ボストンカレッジ ローレンス・スコット 名誉教授の研究グループによるもので、12月10日付けの米科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン速報版に掲載された。ペロブスカイト太陽電池は、材料を基板やフィルムに塗る印刷技術により作製でき、従来の太陽電池に比べて製造コストを大幅に下げることが可能な太陽電池として注目を集めている。これまでは、主に光吸収材料であるペロブスカイト層の作製法の改良により光電変換効率が向上してきたが、光により生成した電荷をペロブスカイト層から取り出すためのバッファ層材料については、優れた特性を示す材料は限られており、製造コストが極めて高い有機半導体材料が用いられている状況だった。今回の研究では、二次元のシート状に骨格を拡張して「座布団型構造」をもたせるという独自の分子設計に基づいて、塗布型の有機半導体材料を新たに開発。これをペロブスカイト太陽電池のp型バッファ層に用いることで、従来の球状の分子である標準材料を用いた場合に比べて、最大で1.2倍の光電変換効率の向上を実現し、16.5%の光電変換効率を得ることに成功した。同材料は、独自の合成ルートにより、簡便かつ安価に製造することが可能で、すでに製造・販売について国内企業との共同研究を開始しており、1年以内に販売を開始する予定だという。若宮准教授は、「本研究で、ペロブスカイト太陽電池の高効率化につなげるための、有機半導体材料の分子設計指針を明確に示すことができました。これに基づいて、今後、安価で優れた特性を示す材料の開発が国内外で活発化し、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた研究が加速するものと期待されます」とコメントしている。
2015年12月11日NECは12月7日、企業における自社製品に含まれる紛争鉱物(タンタル・錫・金・タングステン)の調査・回答業務を効率化するソフトウェア「ProChemist/BM 紛争鉱物対応オプション」(利用には別途「ProChemist/BM」の導入が必要)を製品化し、販売を開始した。価格は税別で200万円で、販売目標は今後3年間で200社を目指す。新オプションは、NECの含有化学物質管理ソフトウェアのProChemist/BMを基盤に、紛争鉱物の調査・回答業務を支援する機能を追加。特長として、顧客企業から要求される調査対象製品の一覧リストを登録するとProChemist/BMに事前登録した部品構成表に基づき、製品を構成する各部品の品番・部品名・調達先名・調査状況などの情報に自動的に展開・表示する機能を提供。また、各部品について紛争鉱物管理用と含有化学物質管理用の両方の調査状況を一元的に確認が可能。これにより、調達先への調査依頼時の情報登録や管理の効率化を実現している。さらに、調査で用いる標準帳票である紛争鉱物報告テンプレートCMRT(Conflict Minerals Reporting Template)のうち、Declarationシート(調査結果申告シート)の全7問の質問について、全648パターンの回答内容の組み合わせを自動チェックし、組み合わせが正しいCMRTのみを登録した機能を提供する。これにより、回答内容の不備にともなうデータ修正や調達先への再依頼など後戻り作業の軽減を図っている。そのほか、調達先から部品単位に収集したCMRTの回答内容について、顧客企業単位に同一の精錬業者や製品を名寄せしてCMRTを出力する機能を提供しており、顧客企業からの調査依頼に対する回答作業の効率化を実現している。
2015年12月07日アクシバースはこのほど、睡眠の状況を数値化し、スマートフォンなどを通して確認できる「beddit スリープモニター」を発売した。同商品は、日々の睡眠を体重計のように数値化するスリープモニター。薄いセンサーをシーツの下に敷いて眠りにつくと、眠りの状態を感知してくれる。結果はスマートフォンなどのアプリで確認でき、睡眠時間や睡眠効率、安静時の心拍数、いびきと呼吸などの状況を知ることができる。また、睡眠状態が0~100点でスコア化されたり、良い睡眠状態のときは緑色のランプが表示されたりするなど、視覚的な理解が可能となっている。同社は同商品について、「自宅で気軽に睡眠の数値化をして健康管理に役立てることができます」とコメントしている。価格は1万9,800円(税込)。
2015年11月12日京都大学(京大)は10月21日、100%の変換効率で電気を光に変換する有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)材料を高性能化することに成功したと発表した。同成果は、同大の梶弘典 化学研究所教授、福島達也 助教、志津功將 助教、鈴木克明 研究員らと、九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センターの安達千波矢 センター長らで構成される研究グループによるもの。詳細は国際学術雑誌「Nature Communications」(オンライン版)に掲載された。電気を光に変える素子であり、次世代のディスプレイや照明として期待される有機ELだが、従来は電気から外部に取り出せる光への変換効率(外部量子効率)を高めるためにIrやPtといった希少元素が必要となっていた。そのため、近年、そうした希少元素を用いなくても高い外部量子効率を得られる熱活性化型遅延蛍光(TADF)材料の研究が進められてきており、2012年には外部量子効率19.3%を達成した発光材料「4CzIPN」が開発されるなど、高性能化に向けた研究が各地で進められている。今回、研究グループでは、コンピュータを用いた理論化学計算を活用することで、材料の分子構造と発光特性の相関を解明。その知見を活用し、炭素、水素、窒素のみで構成される新たな分子「DACT-II」を設計し、幅広い温度領域、輝度領域において、高効率で電気を光に変換することに成功したとする。実際に同材料を用いた有機ELでは、電気から光への変換効率は最大で100%、外部量子効率も29.6%を達成したとする。また、簡単なマイクロレンズから構成される光取り出しシートを用いた場合、外部量子効率は最大41.5%を達成したとするほか、3000cd/m2下で外部量子効率30.7%を達成したとしており、この特性により、素子の寿命も長くなることが期待されるとしている。また、低温から高温まで幅広い領域で高い発光特性を維持できるほか、薄膜状態におけるガラス転移温度も192~197℃と、高い耐熱性も確認されており、広い温度範囲での利用も可能だという。なお研究グループでは今後、長寿命化の実証や高特性・高付加価値を有する発光材料の設計・開発などを進めていきたいとしているほか、生体プローブなどの新たな有機デバイスへの展開なども進めていきたいとコメントしている。
2015年10月22日千代田システムテクノロジーズ(CST)は9月25日、プロジェクト管理に特化したクラウドサービス「CST PROJECT CLOUD」のサービスを開始した。価格は個別見積。同サービスは、ジョイントベンチャーといった国際プロジェクトや本社・支社・工場・現場など複数拠点間のプロジェクト情報を効率的に共有することを可能としたほか、Oracle Primavera、ARES PRISM、Microsoft Sharepoint、AutoCADなどのグローバルスタンダードパッケージソフトをインターネットで活用できるため、マネジメントやエンジニアリング環境の構築が容易となっている。また、プロジェクトマネジメントを支援する専用のプロジェクト・ポータルを標準で提供。スケジュールマネージメントやリソースマネジメントのためのPrimavera P6やプロジェクト・コスト、設計進捗管理、工事進捗管理ツールのPRISM G2といったアプリケーションを利用し、ドキュメントファイルサーバ機能、簡易チャット機能、アプリケーション・ユーザごとの利用履歴の確認機能をはじめ、プロジェクトの遂行に際して活用できる様々な機能を提供するなどマネジメントに特化したクラウドプラットフォームを有する。さらに、プロジェクト管理のシステムの準備には時間を要し、通常はソフトウエアを選定した上でサーバを準備、セットアップなどが必要だが、これらのセットアップが不要となっており、利用開始まで最短1週間と早期の環境整備が可能となっている。加えて、同サービスのバックボーンはLoadSpring社の提供する世界3000社、7万5000ユーザが利用する環境をCST専用にカスタマイズして採用し、24時間365日のサポート体制で国内外のユーザをサポート。また、英語でのサポートにも対応しているため海外とのJoint Ventureやコンソーシアム・プロジェクトにも適しているという。そのほか、標準のアプリケーションに加え、同サービス上に顧客が開発・作成したプログラムを追加することもできる。また、APIやWebService を利用してクラウド上のシステムと社内のシステムを連携させることも可能。同サービスは教育やサポートなどを含んだワンストップサービスとなっているため、同社ではエンジニアリング、建設、製造業、政府、IT、金融をはじめとした様々な業界に対し提供していく。
2015年09月25日NECは9月2日、製品マニュアルや規定など、文書を定期的に改訂する企業向けに、効率的な文書作成を実現するXMLを活用した技術「Darwin Information Typing Architecture」(DITA)の導入支援ソリューションを発売開始した。DITAは、文書を章や節単位に分け、その都度組み合わせて文書を作成する技術で、レイアウト作業をプログラムが自動的に行うため、人による作業は不要になり、複数の文書間で共通の章や節を利用することで、文書量全体の削減を実現する。同ソリューションは「コンサルティングサービス」「トレーニングコース」「DITAエディター」から構成される。「コンサルティングサービス」では、NECマネジメントパートナーの専門家が企業の文書から文書構成やDITA導入による効果を分析し、改善レポートを作成。導入推進者は改善レポートから導入プランを効率的に策定可能となる。また、企業内ユーザーは「トレーニングコース」により、実際にDITAでの文書作成を体験し、文書構成の標準化などの、従来の手法からDITAを導入する際の作業工程の違いを理解できる。「DITAエディター」は、あらかじめ用意された表題や見出しなどの項目に内容を入力するだけで、WebブラウザからDITAを使用する文書作成ソフトウェア。DITAエディターにより、XMLの専門知識がなくても、DITAを容易に活用することが可能となる。価格は、「コンサルティングサービス」が30万円から、「トレーニングコース」(5名まで×1日コース)が20万円、「DITAエディター」の月額ライセンス(25ライセンス)が6万,500円となっている。
2015年09月03日仕事で残業が多いと、どうしても睡眠時間がバラついてしまうものです。その結果、睡眠不足で作業効率が悪くなってしまい、仕事に支障を来すといった悪循環に。そんな方にオススメなのがアンカースリープという眠り方。この眠り方を取り入れれば、不規則な生活を改善できるかもしれません。睡眠時間を確保できるアンカースリープ!「いかりを下ろして眠る」という意味を持つアンカースリープ。これは、自分に必要な睡眠時間の半分を深夜12~早朝4時の決まった時間(コアタイム)に必ず眠り、不足した時間はほかで補う方法です。たとえば、皆さんが必要とする睡眠時間が8時間だとすれば、アンカースリープとして4時間の睡眠をコアタイムに必ずとります。残りの4時間の睡眠は、お昼や夕方など、空いている時間に確保するようにします。日常生活に取り入れると、どれだけ不規則な生活であっても一定の睡眠リズムは確保されるようになるため、身体機能の低下を最小限に留めることができます。ただ、コアタイムの入眠時間と起床時間がバラつくと効果が得られないので、この点には気をつけてください。デメリットも考慮した上で最終手段として取り入れる睡眠時間を規則正しくするアンカースリープですが、一方でデメリットもあります。それは、体に負担がかかることです。アンカースリープの効果は、あくまで身体機能の低下を最小限に留めるだけであり、疲労は毎日蓄積されていきます。さらに、コアタイムでは人間にとって必要な睡眠時間の半分しか眠らないので、睡眠不足になってしまうのは否めません。ですから、仕事上の締め切り日が近い、病人の看護で目が離せないなどきちんとした理由があって、まとまった睡眠がとれない時に行う最終手段だと考えましょう。最長で2週間程度にして、休日にはきちんとコアタイムにまとまった睡眠をとるように心がけてください。不規則な睡眠時間よりは負担を減らすことができるアンカースリープは、忙しいときの不規則な睡眠時間を安定させますが、そのプロセスで体に負担を与えてしまいます。つまり、大きなメリットがある半面、デメリットもある諸刃の剣ということです。あくまでリズム調整のために用いる、一つの手段として考えておいたほうがいいでしょう。「じゃあ睡眠時間が不規則なのとそう変わらないのでは?」と思う方もいると思いますが、やはり不規則な睡眠時間が続くほうが、体にかかる負担は大きくなってしまいます。健康的で充実した生活を手に入れるためにも、睡眠時間に悩みを抱えている方は、アンカースリープ度試してみてはいかがでしょうか?photo by pixabay
2015年08月26日エン・ジャパンは12日、「仕事の効率化」に関する調査を発表した。期間は、6月25日~7月22日。対象は、「エン派遣のお仕事情報」を利用する1,023名。○派遣社員の7割弱、「自分の仕事はもっと効率化ができる」「自分の仕事はもっと効率化できると思うか」を聞いたところ、66%が「できると思う」と回答した。また、「できると思う」と答えた人に、1日あたり何分くらい効率化できると思うかを聞いたところ、「30~59分」(35%)が最多となった。以降、「1時間~1時間59分」(27%)、「1~29分」(27%)と続いた。「仕事の効率化につながると思うこと」を質問したところ、最多は「業務指示の明確化」「情報共有」(ともに54%)だった。次いで、「コミュニケーションの活性化」(49%)、「役割分担の見直し」(47%)が上位に挙がった。「現在の仕事が効率的でないのは、どのような理由があるか」を聞いたところ、1位は「会社の体質」(50%)だった。また、2位は「そもそもの業務フローの問題」(38%)、3位は「上司の問題」(33%)と続いた。
2015年08月13日スマートフォンを内線にすることで社内外の業務連絡の効率化を進めるとともに、六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズにある2つのホテルをまたいだ内線化を実現して業務効率化を図っているグランドハイアット東京。同ホテルでは、どのようにしてスマートフォンを活用した内線環境改善を進めていったのか、同社の担当者に話を聞いた。○スマホを内線化六本木ヒルズの一角で運営している「グランドハイアット東京」は、都内でも有数のラグジュアリーホテルとしても知られている。そのグランドハイアット東京で昨年11月に進められたのが、スマートフォンを内線にして業務を効率化する取り組みだ。内線電話は通常、社内にPBX(構内交換機)を設置して各部署の固定電話に配線し、それを通じて利用するのが一般的だ。だが、グランドハイアット東京では、スマートフォンからも内線電話をかけたり受けたりできるようにしたことで、ホテル内のどこにいても社員同士で連絡が取り合えるほか、外出中も内線で通話できるようにしたことで、社員同士の連絡にかかるコストの削減にもつなげている。なぜ、グランドハイアット東京ではスマートフォンを用いた内線環境を構築するに至ったのだろうか。人材開発部 セキュリティーマネージャー総務の森谷 猛晴氏によると、同社でも元々はPBXによる通常の内線電話環境と、ホテル内で連絡を取り合うためのPHSによる内線システムを導入していたという。だが、PHSではホテル内に設置したアンテナの範囲でしか通話ができず、駐車場やホテルと隣接する「六本木ヒルズ森タワー」など、ホテルから少しでも離れた場所に移動してしまうと連絡がとれなくなることが多かったのだそうだ。また、外回りが多い営業部門の社員の場合には、外出先から会社と連絡をとるための携帯電話と、内線用のPHSの2つを同時に持ち歩く必要があった。当然ながらPHSと携帯電話の2台持ちは煩雑になるし、会社に連絡をとるたびに通話料がかかるなど、コスト面の問題も抱えていた。○コストとのバランスが重要そこでグランドハイアット東京では、PBXを更新するタイミングが近づいた2年前に、内線電話の見直しを実施するべく検討を進めていった。そうした中で候補に挙がったのが、NTTドコモの「オフィスリンク」であったと、森谷氏は話す。オフィスリンクは固定電話だけでなくスマートフォンも内線として活用できるようにするNTTドコモの内線ソリューションだ。NTTドコモのエリア内であれば全国どこでも内線による通話ができることから、外出先の社員と通話しても通話料がかからずに通話できるようになることが特徴となる。そもそもグランドハイアット東京を運営しているのは、「森ビルホスピタリティコーポレーション」という企業である。同社は昨年オープンした虎ノ門ヒルズでも高級ホテル「アンダーズ東京」を運営していることから、先行してアンダーズ東京にオフィスリンクを導入したとのこと。それによって高い業務効率化が実現できたことから、グランドハイアット東京にもオフィスリンクを導入。スマートフォン1台で内線と外線ができる環境の実現に至ったのだそうだ。オフィスリンクを導入する際に気を遣ったポイントの1つは「電波環境」。構内PHSではエリアの狭さによる電話の切断などが問題となっていたが、オフィスリンクの導入でNTTドコモのネットワークに切り替わったことに加え、小型のアンテナやフェムトセルをホテル内にくまなく設置したことで、電波環境も改善。PHSでは実現できなかった、地下や駐車場などでの内線通話も可能になったとのことだ。そしてもう1つのポイントは、利便性を高めながらも、いかにコストを抑えるかということ。実際グランドハイアット東京では、コスト削減のためデータ通信は利用せず、音声通話のみの料金プランを契約することで、コスト削減を図っているそうだ。また導入した端末の数も、全社員のうち管理職クラスと、ハウスキーパーやフロントなどホテル内での移動が多い人、そして外回りが多い営業職のみに絞っており、「社員700人のうち、180人くらい」(森谷氏)になるとのことだ。新たに導入したスマートフォンにも、コスト削減に向けた強い姿勢を見ることができる。外部との接触が多い管理職や営業職にはiPhoneを持たせているが、ホテル内の勤務が主となる社員が利用する端末としては「GALAXY S II SC-02C」を導入している。そもそも、通話のみに利用するのであれば、必ずしもスマートフォンを導入する必要はないように思える。だが、森谷氏によると、PHSからスマートフォンに変更したことで、通話以外にも大きなメリットが得られるようになったとのこと。特に大きかったのは、端末の電話帳の共有ができるようになったことだという。PHSでは人員の増加や異動などに応じて、内線の電話帳をその都度、端末ごとに変更する必要があった。だがスマートフォンでは電話帳の自動更新や共有ができることから、100台以上の端末の電話帳を書き換える手間が必要なくなった。もちろん、データ通信非対応の契約では、スマートフォンの電話帳の自動更新はできない。そのため現在は、電話帳の更新時だけ社内のWi-Fi環境に接続する形をとっているとのことだ。ちなみにオフィスリンクには、既存のPBXをそのまま生かしつつ、オフィスリンクを導入する「お客様PBXタイプ」と、クラウドに設置されたPBXを用いて内線環境を実現する「仮想PBXタイプ」の2種類が用意されている。後者であればPBXの設置が不要になり、管理コストなどを削減できることから、利便性が高いように感じるが、グランドハイアット東京では新しいPBXを導入し、前者のスタイルでオフィスリンクを採用するに至ったと森谷氏は話す。その大きな理由は、ホテルの客室にも内線電話を活用しているため、クラウドのPBXでは機能が足りないからとのこと。ホテルのシステム全体を考え、ビジネスとサービスの両面の親和性を図るためには、やはり社内にPBXを設置する必要があったようだ。PBXを社内に持つことを生かし、1台のPBXを、仮想的に2台のPBXとして活用することにより、グランドハイアット東京とアンダーズ東京とでPBXを共有している。これにより双方のホテルで相互に内線通話ができる環境を実現しているほか、宿泊予約も同じ交換台で受け付けるなどして、業務の効率化を図っているのだそうだ。さらにグランドハイアット東京では、スマートフォンによる内線環境を整備したことを生かし、通話以外の面でも業務効率を高めるための取り組みを進めていくという。中でも森谷氏が期待をかけているのが「HotSOS」だ。これはホテルの業務を支援するソリューションで、客室マネージャーがハウスキーパーに指示を出したり、ハウスキーパーが見つけた設備の故障を、素早くメンテナンス対応するエンジニアに連絡したりできるなど、ホテル内の情報共有をしやすくするものだ。既にアンダーズ東京ではHotSOSを導入し、業務の効率化を実現していることから、グランドハイアット東京でもいち早く導入したいとしている。だが、HotSOSを導入するにはデータ通信が必要であり、先に触れた通りグランドハイアット東京ではデータ通信の契約を行っていない。そこで同社では、現在ホテル全体に客室用のWi-Fi環境とは別となる、業務用のWi-Fi環境を整備することで、データ通信の対応、ひいてはHotSOSの導入を進めていくという。
2015年06月19日「ハイブリッドトレーニング」搭載で効率的に引き締めパナソニックは、ボディの引き締めに関心の高い20~30代女性に向けて、「ハイブリッドトレーニング」と同社独自のセンシング技術を合わせ、効率よくウエストの筋肉を引き締めるEMSエクササイズ機器「ビューティトレーニング」(ラン・ウォーク用ウエスト)を、9月21日より発売する。ランニングやウォーキングといったウエストのひねりを伴う運動とあわせて使用することで、側腹筋(外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)を効率的に引き締めることができ、美しいボディラインを求める女性のニーズに応える。有酸素運動をしながらウエストの筋トレが可能に「ハイブリッドトレーニング」は、久留米大学医学部の志波直人主任教授を中心とした研究グループが研究を進めてきた、「人間の動作」と「電気刺激による筋肉の収縮」を同時に行い、筋肉を効果的に鍛える運動理論。「ビューティトレーニング」は、同器具を装着後、体側に装着した「ボディモーションセンサー」が、体のひねり動作を検出し、伸びる筋肉に電気刺激をかけることで、おなか周りの筋肉を鍛えウエストを引き締める。「ラン」、「ウォーク」、「ツイスト」の3つの「ハイブリッドトレーニングモード」を搭載。各エクササイズで異なる「腹部(骨盤)の動き」や「筋肉が動く速度」に応じたプログラムにより、各エクササイズに適したタイミングで伸びる筋肉に電気刺激をかけ、手軽で効率的なエクササイズを実現する。サイズは、S・M・Lの3種類。充電式で、1回のフル充電で約3回(1回約30分)連続使用可となっている。(画像はプレスリリースより)【参考】・パナソニックプレスリリース
2015年06月17日昼食をとったあとに感じる午後の眠気。多忙な毎日で、少しでも仕事の効率を高めたいのに、午後の眠気による効率ダウンに悩まされている方も多いのではないでしょうか?「短時間の昼寝をすると仕事の効率が改善される」と言われる昼寝の効果を検証すべくおこなった今回の実験企画。実験1日目では、昼寝をせずに計算問題15分、タイピングテスト15分の計30分のテストをしてもらい、実験2日目は昼食後、短時間の昼寝をしてから、同じテストを行ってもらいました。(1日目の実験結果はこちら)昼食をとった3人に集合してもらったところで、まず前日の睡眠時間について聞いてみました。伊藤さんは前回と同じく5~6時間ほど。田渕さんと足立さんも5時間ほどの睡眠をとったそうで、前回とほぼ同じ条件で実験をすることができました。短時間の昼寝をしてから実験開始!今回は事前に告知していたとおり、3人そろって30分以内の短時間の昼寝をとってもらいます。田渕さんは枕まで持参。寝る気満々です。前日と同じ、小学生向けの簡単な計算問題(足し算、引き算、掛け算)と、画面上に表示された文章をテキストに書き写すタイピングテストを実施。心なしか、計算を解くペンのスピードが速くなり、キーボードを叩き方も滑らかになっているように感じます。実験終了!短時間の昼寝で効果はあったのか!?制限時間がきて実験終了です。1日目と2日目の比較をしながら、この実験を通しての感想を伺ってみました。短時間の昼寝で作業効率は上がりましたか?伊藤「いや~正直半信半疑だったんですが、頭がスッキリして前回よりも問題が解けたように感じましたよ(笑)」田渕「短時間の昼寝でしたけど、頭はすっきりしました。前回よりもはるかに問題を解けた数が増えたので、頭の中で何かが変わったんだろうな~と思います。」足立「僕はもうぐっすり。起きるのが少しツラかったくらいです。(笑)でも、起きて頭がすっきりしたのは確かに感じられましたね。集中力はかなり上がったと思います。」実験結果発表!計算問題・タイピングの結果を集計してみると……3人とも実験1日目では頭が働いていないことを実感していたのですが、短時間の昼寝をとっただけで全く違う反応を示しています。実験結果を集計してみたところ、3人の感じた手応えは間違っていませんでした。計算問題で、3人を平均して約34%の向上、タイピングで3人の平均が16%の向上という結果になりました。※グラフの横軸は、正解数※グラフの横軸はタイピング文字数伊藤さんを例に出して見てみると、計算問題が60問も多く解答でき、タイピングにいたっては180文字ほども多くキーボードを打つことができました。そして、他の二人も見事に第1日目の結果を大幅に更新することができたのです。二桁計算において、1問を解答するあたりの時間の違いを見てみると、田渕さん3.3秒→2.5秒足立さん5.1秒→3.6秒伊藤さん3.9秒→2.5秒と、3人とも短縮しています。伊藤「普段、仕事をしていて作業効率が上がらないとき、どうしたものかと思っていたのですが、短時間の昼寝でこれほど効率が上がるなら、明日からでも昼寝をしたいと思います」田渕「これまでは昼食の後は、外の空気を吸ったりして眠気を飛ばすようにしていたのですが、少し仮眠をとるだけでこれだけ結果が変わるなら真剣に睡眠をとってみたいと思うようになりました」足立「ぐっすり寝ちゃったんですが、昼食後の睡眠は30分以内が良いと思います。30分以上寝てしまうと気持ちよくて起きられなくなると思います(笑)」今回の実験で明らかになった昼寝の効果について、昼寝推奨の第一人者、久留米大学医学部 神経精神科医学講座 教授でありボディクロック研究会 理事長の内村直尚(うちむら なおひさ)先生にお話を伺いました。Qなぜ、昼寝は30分以内が良いのでしょうか?内村先生「20代の若いサラリーマンの方なら、昼寝は10~20分くらいがよいでしょう。若いほど、昼寝をしたときに早く深い睡眠に入ります。年齢が上がってきたら、昼寝の時間は少しずつ増やしても構いません。また、40歳を過ぎると夜間の眠気が減少し、午後の眠気が増大するため、中年以降の方が昼寝の効果は出やすいと思います。そして、長時間の昼寝は禁物です。深い睡眠をとってしまうと、起きたときに寝ぼけたような状態になってしまい、覚醒レベルがかえって下がってしまいます。10~20分の昼寝なら、起きるときにもパッと目が覚め、すぐに仕事に戻れますよ」Qどうして、昼寝で作業効率が高まるのでしょうか?内村先生「短時間の昼寝をとることで、睡眠不足が補われ脳がリフレッシュして、集中力、思考力、意欲が高まるということがあると言えます。また、昼寝によりボディクロック(体内時計)が調整され、夜の睡眠の質の向上にもつながり、相乗効果を生みます」午後は仕事の効率が上がらないと感じているみなさん。昼食後の短時間昼寝を試してみてはいかがでしょうか?
2015年06月16日昼食をとったあとに感じる午後の眠気。多忙な毎日で、少しでも仕事の効率を高めたいのに、午後の眠気による効率ダウンに悩まされている方も多いのではないでしょうか?厚生労働省健康局の「睡眠指針2014」では、昼食後に30分以内の短い昼寝をすることで仕事の能率が改善されると発表しています。最近では昼寝を推奨する国内企業も増えてきており、実際に作業効率の改善が図られた企業も多くあるとのこと。本当に短時間の昼寝で仕事の効率が高まるのか?IT系企業の社員である伊藤さん(26)、田渕さん(23)、足立さん(24)に協力してもらい、昼寝実験をしてみることにしました。ちなみに、昨夜みなさんの睡眠時間は、伊藤さん約6時間、田渕さんと足立さんが約5時間です。実験1日目は、昼寝をぜずに眠気と戦いながら作業実験は2日間。まず1日目は、昼食をとった後、昼寝をせずに、簡単な計算問題とタイピングの作業のテストを15分間行いました。2日目は、昼食後に30分以内の短時間の昼寝をとってもらい、1日目と同じテストを行ってもらいます。果たしてどのような結果になるのでしょうか?いよいよ実験開始です。最初は二桁の計算問題。内容は小学生向けの足し算と引き算、掛け算。小学生向けの計算問題とあって、さすがに途中でペンが止まることはありませんでした。続いてタイピング問題。これは、パソコンの画面に表示されている文字を、テキストにタイピングしていくというもの。計算問題がいい気分転換になったのか、3人とも心地よい音を立ててキーボードを打っていきます。伊藤さんの表情には笑みさえ浮かんでいました。単純作業を続けると効率が落ちてくる。意外と集中力が必要!?やがて問題は終了。3人とも何かをやり遂げたような面持ちですが、実験はまだ半ば。1日目を終えた彼らにコメントをもらうことにしました。実験初日いかがでしたか?伊藤「やっぱり昼食後の眠気で、頭が働くまで時間がかかりましたねぇ~。計算は比較的得意なんですが、掛け算まで解く余裕がありませんでした」田渕「僕も一緒で、二桁の簡単な問題で何度もミスをしちゃいました」足立「みんなそうなんですねぇ~。僕も昼食後は、集中力があまり続かないので、あんなに簡単な問題なのに思ったよりも苦労しました。」田渕「たしかに。簡単な問題とはいっても、100問を越えてくるとだんだん集中力が落ちてきて、眠気も出てきます」実験の第1日目が終了しました。3人の共通した感想は、昼食をとってからすぐは、眠気もあり、頭が思うように働かない。いつもは簡単に解ける小学生の問題でさえ、スムーズに解答することができないということでした。午後の眠気について、昼寝推奨の第一人者、久留米大学医学部 神経精神科医学講座 教授であり、ボディクロック研究会 理事長の内村直尚(うちむら なおひさ)先生にお話を伺いました。Q:午後の眠気の原因は何なのでしょうか?内村先生「人間には眠気のリズムがあり、一番眠くなるのは午前2~4時、もう一つのピークが午後2~4時です。また、昼食を食べて満腹になると、脳の血液循環が悪くなったり、覚醒を維持するホルモンの『オレキシン』が低下するなどの要因も重なり、さらに眠くなります。だからといって昼食を食べないと、低血糖になって思考力が落ちる、イライラするなど別のデメリットも出てきてしまいます」Q:午後の眠気を解消する方法は?内村先生「午後の眠気を解消するには、やはり昼寝が効果的です。昼寝のコツは、2~4時の眠気のピークがくる前に短時間の浅い睡眠をとること。眠った分だけ、脳に蓄積された睡眠物質が解消されて頭がすっきりし、集中力や思考力を高めることができますよ」次回はいよいよ実験2日目。昼食後の昼寝は、作業効率にどのような影響があるのでしょうか?>>Photo by Steve Koukoulas
2015年06月15日名古屋大学は6月10日、計算機を用いて新薬の開発を効率化する新手法「VS-APPLE」を開発したと発表した。同成果は名古屋大学大学院工学研究科計算理工学専攻応用計算科学講座計算生物物理グループの千見寺浄慈 助教、奥野達矢氏、加藤鉱也氏らの研究グループによるもので、6月9日に米科学誌「Journal of Chemical Information and Modeling」に掲載された。ほとんどの薬は、標的の生体タンパク質に結合しその機能を調節することで作用を発揮するため、新薬の開発では、標的タンパク質に結合する化合物(ヒット化合物)を探すことが第一となる。これまでは化合物探しを網羅的な実験で行っていたが、莫大な資金を要することが問題視されている。より効率的に化合物を探し当てるため、計算機を用いて理論的に化合物を予測するバーチャルスクリーニング(VS)という手法が注目を集めている。特許を避ける事や、その後の改良に有利となることから、同手法では新規性の高いヒット化合物を見つける能力が求められるが、これまでのVS法では新規性を欠いてしまったり、予測精度や計算時間が課題となっていた。VS-APPLEは、X線結晶解析技術の発展によって近年急激に増加しているタンパク質-化合物複合体の結晶構造を活用しており、多様で新規性の高いヒット化合物を発見し、精度が高く計算速度も速いという特徴を持つ。広く用いられているベンチマークテストセットであるDUDを用いて他のVS法と比較した結果、VS-APPLEはトップレベルの成績を収め、計算速度も実用的であることが確認されたという。今後、構造データベースに登録されるタンパク質-化合物複合体の数が増加するに伴い、予測精度も向上していくと考えられている。今後、VC-APPLEを公開して誰でも使えるようにする計画となっており、同手法によって、効率的にヒット化合物を発見することで、創薬にかかるコストを削減できれば、希少疾患など利益を想定しにくいためにこれまで創薬の対象となりにくかった疾患への介入が進むことが期待される。
2015年06月11日米Integrated Device Technology(IDT)は、6月2日、高速・高効率半導体素材であるGaN(窒化ガリウム)ベースのデバイス技術を米Efficient Power Conversion(EPC)と共同で開発すると発表した。通信・コンピューティング、ワイヤレス給電。高周波(RF)の3分野で、IDT製品にEPCのGaNデバイスを組み込み、高速・高効率化を図る。通信・コンピューティング部門では、GaNの低容量およびゼロQRRをチップスケールパッケージの低インダクタンスと組み合わせることで、高周波・高効率が得られる。EPCのGaN技術とIDTの高精度な通信およびシステム化ノウハウと組み合わされることで、電力密度を向上し、通信・コンピューティングインフラに高い競争優位性がえられるとしている。ワイヤレス給電分野に関しても、EPCのGaNのノウハウとIDTの高効率を実現する高精度ソリューションを組み合わせることで、ワイヤレス給電はさまざまなところで使用できるようになり、高効率で費用対効果の高いソリューションを実現できる。A4WP(Alliance for Wireless Power)コンソーシアム プロトコルの高共鳴ワイヤレス電力伝送規格の動作周波数は、6.78MHzであり、GaNの高速かつ低損失スイッチング機能により、有線と同レベルの効率が実現できるという。高周波(RF)でも、両社は通信インフラ市場のRF製品群を共同で構築する予定であるが、正本計画は、今後、具体化する。「IDTのような革新的な企業では、シリコンの限界回避策として実績のあるGaN技術を各社ソリューションに組み込む事例が増えています。われわれは、EPCの高速で効率のよいGaN技術をIDTの顧客に届けるため、IDTの技術者とともに仕事をするのを楽しみにしています」と、EPCのCEO兼EPC社共同創設者のAlex Lidow(アレックス・リドウ)は述べている。彼は、独Infineon Technologiesに最近買収されたInternational Rectifier(IR)の創業者である故Eric Lodowの子息で、IRのCEOを務めていたが、2007年にIRの仲間とともにスピンアウトしEPCを創業した。EPCはGaNデバイス専業のファブレス・ベンチャー企業で、エンハンストモードGaN-on-Si(eGaN)FETを世界で最初に実現したことで知られる。同社は、製造は台湾のGaNファウンドリに委託しつつ、企画とデバイス設計を行っており、航空宇宙応用からオーディオアンプへの応用に至る広範囲の用途向けのGaNを販売している。同氏は電力管理用GaNデバイスの普及に尽力し、「GaN Transistors for Efficient Power Conversion、2nd edition (wiley 2014年)」などの啓もう書の編著者としても知られているが、高速・高効率GaNデバイスのさらなる普及のためにパートナーをさがしていた。GaNとSiデバイスを融合させ、従来のシリコンベースの電子システムに一部GaNを採用しさらに高速・高効率・低消費電力化を目指す今回の協業に業界関係者は注目している。
2015年06月08日効率よくテキパキ仕事して、さっと時間には切り上げて退社……そんなできる人の仕事スタイルを目指したいもの。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、自分の今の仕事を効率的にするために、導入したいと考えていることを教えてもらった。Q.自分の今の仕事を効率的にするために、導入したいことを教えてください■効率化の鉄則・「(分単位の)タイムマネジメント: いつも残業してしまうから」(26歳女性/マスコミ・広告/クリエイティブ職)・「todoリストを作る: 一日にやることを明確化したいから」(27歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「スケジュールキーパー: 仕事に熱中すると打ち合わせを忘れそうになるから」(27歳女性/医療・福祉/クリエイティブ職)・「スケジュール管理アプリ: 部内の関係ある人とスケジュールを共有したい」(21歳女性/自動車関連/事務系専門職)・「スマホによる予定の管理: 同僚がそのようなアプリを使っているが便利そうだから、予定時刻になるとアラームで教えてくるので、ミスが少なくなりそう」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)■持ち歩きに便利・「スマホ: 出張の時便利そう」(37歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)・「タブレット: 会議中なども資料確認ができる」(31歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「タブレット端末の導入: 資料作成や検索等で効率が上がりそう」(31歳男性/商社・卸/営業職)・「BYOD: もっと私生活で便利なツールをどんどんつかいたいから」(34歳男性/機械・精密機器/技術職)■デジタル化を望む!!・「デジタル化と裁量権が必要である: 紙ベースの非効率な仕事と、いちいち確認しなければならない裁量権のなさがビジネスを阻害している」(27歳男性/学校・教育関連/事務系専門職)・「ペーパーレス化: コピーの時間とコストが高すぎるから」(29歳女性/情報・IT/秘書・アシスタント職)・「パソコン2台: 画面が2つほしいので」(34歳女性/商社・卸/秘書・アシスタント職)・「使いやすいマウス: 今使っているものが使いにくいから」(32歳女性/情報・IT/技術職)■データベース化・「部内の過去の業務を検索できるシステム: 過去の在籍者がやってきた仕事が埋没してしまっている……それを生かせればもっと効率的になると思う」(34歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「名刺のデータベース: 効率的になるから」(28歳男性/金融・証券/営業職)・「社内の人材データベースの構築: 仕事をする時に、適材適所でひとを探しアドバイスをもらいたいことが多々あるので」(54歳男性/電機/技術職)・「過去のデータ整理: 繰り返し使えるものがある」(48歳男性/建設・土木/技術職)■マニュアル化と自動化・「マニュアルとフロー、期限などの様式を作って実践: 実際にやって効率化が進んだ」(49歳女性/通信/事務系専門職)・「マニュアル整備: マニュアルがないと思わぬ落とし穴にひっかかったりするから」(28歳女性/医薬品・化粧品/事務系専門職)・「資料のマクロ化: 一から資料を作成せず、マクロで自動生成して欲しいから」(28歳女性/機械・精密機器/技術職)・「自動でリスト化するようなプログラム: 毎回手作業で編集しているから」(38歳男性/通信/技術職)■そのために必要なスキル・「エクセルのマクロ: 時間短縮」(27歳男性/自動車関連/技術職)・「エクセルの知識を増やしたいので、研修など: 周りの人もできない人が多いので」(29歳男性/食品・飲料/営業職)・「Excel vba: 仕事の自動化のため」(25歳男性/機械・精密機器/技術職)・「VBA: 単純作業はすべて自動化したい」(30歳女性/自動車関連/事務系専門職)■就労制度の見直し・「フレックスタイム制: 無駄な残業が少なくなると思う」(28歳男性/自動車関連/技術職)・「時間単位の休暇: 育児との両立で1時間だけ早く帰りたいときなど半休を使わなくちゃいけないから」(36歳女性/ソフトウェア/技術職)・「時短勤務: 自分の仕事が終わったら帰ってもいいというシステムだったら気合を入れて仕事すると思う……何時まで席に座っていないといけないと思うとだらだらしてしまうから」(34歳女性/商社・卸/その他)・「自宅で仕事ができるシステム: いちいち現場に行かなくても多少のことを家でやれるようになりたい」(32歳女性/医療・福祉/専門職)・「裁量労働制: 自由に仕事したい」(36歳男性/機械・精密機器/販売職・サービス系)・「朝早く出勤して一人で完結する業務はやってしまう: みんなが出勤すると電話対応や、その他もろもろで時間を取られるから」(23歳女性/人材派遣・人材紹介/営業職)■人材不足の解消・「社員を増やしてほしい: 社員を増やさないとこれ以上の効率化は無理だから」(30歳男性/商社・卸/秘書・アシスタント職)・「マンパワーの増員: 会社に人が少ないから」(31歳女性/不動産/専門職)・「事務員をやとってほしい: 総合職なのに事務負担が多い」(26歳男性/電力・ガス・石油/事務系専門職)・「新入社員を入れる: 人手が足りてない、入った人がすぐやめるから」(27歳女性/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)■休息こそが最大の効率化・「お茶のセルフサービス: 無駄な時間だから」(41歳女性/建設・土木/事務系専門職)・「コーヒーサーバーの導入: コーヒーを買う時間がもったいないから」(28歳男性/建設・土木/事務系専門職)・「シエスタ: 昼食後に睡眠をとることで、頭がすっきりするから」(27歳女性/食品・飲料/営業職)・「リフレッシュできる場所: 二人部屋なので息抜きしたい」(32歳女性/その他/その他)・「空気清浄機や加湿器を導入してほしい: 気持ち的に楽そう」(28歳男性/自動車関連/事務系専門職)■総評仕事を効率化する上で導入したいと考えていること、さまざまなレベルでのアイディアが集まった。まずは、効率化の鉄則「To Doリスト」と「スケジュール管理」。そのために、アプリなどを導入して、スケジュールを部内の人と共有したいという意見もあった。そのために便利な「スマホ」や「タブレット端末」の導入を望む人もいた。「紙ベースは非効率」と社内のデジタル化・ペーパーレス化を進めたいと考える声もあったが、反対に「PC撤廃」を唱える人も。"デジタル化"に捉われすぎると、仕事が増えてかえって非効率になる場合もあるようだ。具体的には「データベース化」「マニュアル化」「自動化」と、ルーティンワークを機械にやらせたいと考える人が多いようだ。そのために、エクセルのマクロやVBAを勉強したい、という声が非常に多かった。そこまで大がかりでなくても、過去のデータを整理して、アクセスしやすい状態にしておきたいという意見もあった。確かに、デスク上もPC内もきれいに整理整頓するだけでかなり効率アップするかもしれない。就労制度の見直しをボヤく意見も多かった。「フレックスタイム導入」「時短出勤」「在宅勤務」「朝活」など、ライフスタイルに応じた多様な働き方を認めてもらえるようになれば、確かにもっと効率も上がるかもしれない。制度以前に、とにかく根本的な「人不足」を嘆く声も見られた。「人を増やさないとこれ以上の効率化は無理」という悲鳴、かなり切迫している。休息する時間を充実させた方が、結果的に仕事の効率がアップすると考えている人もいた。コーヒーサーバーや昼寝タイムの導入はもはや市民権を得ている印象だが、空気清浄機や個室、リラックスするためのアロマを欲しがる声もあり、一口に効率化といっても人それぞれだとよく分かる。アンケートの意見を参考に、さまざまな効率化改革してみてはいかがだろうか。調査時期: 2015年4月14日~4月16日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性125名 女性175名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年05月27日イージーソフトは5月11日、請求書発行から入金管理に至る業務を一元管理し、効率化を図ることが可能で、請求担当者の業務負荷の削減や、確実な入金管理を実現する新製品「eSeikyu(イーセイキュウ)」請求管理システムの提供を開始したと発表。同システムでは、請求担当者だけでなく窓口担当者も請求書入力ができ、ワンタッチで社印やロゴが入った紙ベースの請求書発行が可能。また、入金消込、会計ソフトへワンタッチで仕訳データ連携ができる自動仕訳、別売の旅費・経費精算システム「eKeihi」とのシームレスな連携といった機能を持つ。パッケージ(オンプレミス)版は、初期費用:65万円~、保守費用:年額7万2千円~での提供、クラウドサービス版は、初期費用:10万円~、月額費用:2万円~での提供となる(価格はすべて税抜)。
2015年05月12日NANAROQは4月20日、BSIグループジャパン(BSIジャパン)と共同でPCIデータセキュリティ基準(PCI DSS)のコンプライアンスを効率的に管理できるクラウドサービス「PCI DSS Compliance PAQ」を提供すると発表した。PCI DSSは約300のコンプライアンス項目があり、準拠する企業はその準拠性について、BSIジャパンをはじめとした認定セキュリティ機関(QSA)から毎年審査を受ける必要があるが、準拠のエビデンス(文書や証跡)を管理する手間が非常に煩雑だという。これが、PCI DSSの準拠維持コストが肥大化する要因の一つとなっているとしており、一方でQSA側にとっても、訪問審査の際に全てのエビデンスを収集し準拠性の確認をすることは煩雑な作業となっている。「PCI DSS Compliance PAQ」では、PCI DSSに準拠する企業および、審査をするQSAの両者がひとつの管理システムを利用することにより、より効率的に低コストで高品質な審査を実現するという。
2015年04月21日Boxは4月13日、インタフェースの刷新や機能追加を発表した。これによりユーザーは、アプリケーションの確認作業やファイル保存の繰り返しといった作業を簡略化できる。また、HHVMプロジェクトを利用することで、従来の2倍の速さでファイルのロードが可能となった。Boxが刷新したデザインで特徴的なものは、ヘッダーのツールバーに編集、共有、ダウンロードのみを配置したことだ。これにより、タスクの迅速な操作が可能となった。また、サイドバーへの最新動作の反映や、コンテンツバーにおける動作表示の簡略化など、全体的にスマートなデザインへと生まれ変わった。新デザインのBoxのフレームワークはHTML5ベースで、Box機能に対応したあらゆるサイトに、簡単に組み込むことができる。アップグレードしたBox Embedウィジェットもその一つだ。今回の刷新で、D画像とX線などの医療画像もBox上で確認できるようになった。また、動画プレビュー機能も拡張したため、15種類のファイル形式への対応も可能になり、ダウンロードや複数ファイルの保存を繰り返すといった作業が不要になった。Box機能が追加される中で、HHVMプロジェクトを通じ、ページのロード時間も改善された。その結果、100KB未満のファイルは従来の2倍の速さでロードできるようになっている。
2015年04月15日ACCESSは4月8日、IoT(Internet of Things)機器およびサービスの開発・運用を効率化するソリューション「ACCESS Connect」とプロファイルの提供を開始すると発表した。ACCESS Connectの特徴は、デバイス用のSDKとクラウド用のBaaS(Backend as a Service)をパッケージ化。これだけで、IoTサービスの開発・運用に必要な技術的な要素が揃うという。SDKは、同社の高度な組込技術を集約し、多彩なサービスの開発に対応する。iBeacon、ECHONET Liteなど用途別に求められる業界規格に準拠しているという。一方のBaaSは、クラウド上でのユーザー管理機能やファイル管理機能などを搭載する。データをクラウド上で管理することで、Eメールなどの情報配信、コンテンツのプッシュ配信などの情報配信などの活用が可能となる。さらに、DMP(Data Management Platform)といったビッグデータ解析機能も搭載させる予定だ。プロファイルは用途ごとに用意する。プロファイル同士は互換性があり、単独での利用のほかに、複数を同時に利用することも可能だという。提供を開始したのは「O2O Profile」「M2H Profile」「UI Profile」「xEMS Profile」の4種類。O2O Profileは、モバイルデバイスの位置情報を収集し、集客・送客、ターゲットマーケティングなどに活用するプロファイル。同社の「ACCESS Beacon Framework」のiBeacon技術に準拠しており、今後はデジタルサイネージ連携などに応用させる予定としている。続くM2H Profileは、機器(Machine)と人(Human)との接続を提唱するM2H用のプロファイル。「Linkit」のチャット技術をベースにすることで、機器と人の双方向リアルタイムコミュニケーションが可能となるという。UI Profileは、LinuxなどのOSを搭載できないデバイスをインターネット接続し、スマートフォンライクなタッチパネル機能を実装可能とするプロファイル。M2H機器に理想的なUI(User Interface)エンジンで、「paneE(パネイー)」の技術を採用している。最後のxEMS Profileは、住宅、マンション、ビルなどの消費電力を可視化、遠隔制御、連携動作、効率的な電力使用のレコメンドといったサービスを実現するプロファイル。ECHONET Lite規格準拠のミドルウェア「NetFront HEMS Connect SDK」の技術を採用する。HEMS(Home Energy Management System)やMEMS(Mansion Energy Management System」向けサービスの開発に最適化されているが、BEMS(Building Energy Management System)」といったビルでの応用へと拡大させる予定だという。さらに、センサー技術を活用してリアルタイムに、人・モノの位置情報や移動履歴を提供する「Location Profile」、資材・機材などモノの位置情報や移動履歴を管理する「InventoryProfile」 といったプロファイルを夏に提供するとしている。
2015年04月09日デルは2月12日、共通型番により製品構成選択から見積作成までのプロセスの効率化を実現する「デルeカタログサイト」を、同社販売パートナー及び法人のエンドユーザー向けに開設した。新サイトでは、同社製品本体、各種パーツ、OS、サービス、ソフトウェアの構成を予め設定した「e型番」という共通型番を導入。これにより販売パートナー等は製品発注の度にディストリビュータから見積を取得しなくても、e型番を指定して製品発注を進められるという。またe型番を用い、業界大手のディストリビュータが運営するウェブサイト上でも希望する製品パッケージの参照及び発注が出来るとしている。同サイトは横断型検索機能を備えており、CPUやメモリ容量など希望する構成で、販売パートナーが購入可能な製品パッケージのリストが表示可能。またマップビュー機能では、製品ファミリーごとにパフォーマンス、サイズ、価格など簡単に比較検討出来るという。サイト内にあるマイページからは過去に検索したe型番をリストで参照でき、構成情報のPDF形式でのダウンロードが可能。この他、製品データや技術情報などのダウンロード、製品マニュアルやサポート関連サイトへのリンク、同社やパートナー主催のイベント情報などの掲載もある。同社はこれまで、さまざまな構成をカスタマイズして選択できるBTOモデルを強みとしてきたが、製品発注の度に見積を最初から作成しなければならなかったことを問題点として挙げている。今回の新サイト開設は、販売パートナーやエンドユーザーの手間を低減し、製品納入までのプロセスを効率化するための取り組みの一環という。開設時点での取扱製品は、デスクトップ/ノートPC/ワークステーションのクライアント製品、タブレット、モニタ、サーバだが、対象製品や取扱分野は今後拡大していく予定だ。
2015年02月13日AXSEEDは12月15日、スマートフォンやタブレットを活用した法人向け業務効率化サービス「SPPM BizApps」の提供開始を発表した。いつでもどこでも誰にでも電子カタログを簡単に作成できるサービス「SPPM BizCatalog」、営業担当者向け業務報告サービス「SPPM BizReport」を展開。同社が開発・販売するMDM「SPPM2.0」と組み合わせて利用することでスマートフォンやタブレットを安心して業務に利用できる。「SPPM BizCatalog」は、自社の製品やサービスのオリジナル電子カタログを簡単に何度でも作成できる、タブレット端末向けの電子カタログ作成サービス。紙では実現できない高解像度の画像や動画を使ったプレミアムな電子カタログが簡単に作成可能となる。シンプルなUIでスキルがなくても、コンテンツ入稿サイト(CMS)上でテンプレートに沿って、テキストや画像、動画、PDFデータなどの素材をアップロードするだけで完成する。いつでもどこでもタブレットやスマートフォンから編集でき、更新したカタログはタブレット端末に即時反映できるため、最新の情報をスピーディに提案が可能で、通信環境がないオフライン時も閲覧ができる。「SPPM BizReport」は、外回りの多い営業担当者や業務委託を受けている担当者が社外からスマートフォンやタブレットで簡単に業務報告を行える業務報告サービス。会社に戻らなくても上長に、写真や動画、音声の録音データとともに業務報告ができ、報告事項に対する上長からのコメントや承認、却下などのステータスも一覧から確認が可能なため、迅速にビジネスを進められる。月額料金は、両サービスとも1端末あたり300円(税別)。対応OSは、iOSとAndroid。今後、同社では、勤怠管理サービス「SPPM BizLog」や安否確認サービス「SPPM Anpi」、独自プッシュサービス「SPPM A-Push」、企業が独自開発した業務用Androidアプリケーション向けの死活監視・相互監視アプリ提供サービス「SPPM AppGuard」をラインナップに加える予定だ。
2014年12月16日シュナイダーエレクトリックは10月22日 、データセンターやサーバルームのエネルギーの効率化に向けたライフサイクルを総合的にサポートする新サービス「データセンターライフサイクルサービス(DCLS)」の提供を同日より開始すると発表した。同社は、データセンターやサーバルームのライフサイクルを計画・設計・構築・運用・解析の5つのフェーズに分類するが、DCLSは各フェーズでのコンサルティングサービス、アセスメント、構築段階でのプロジェクトマネジメント、運用段階での各種運用支援サービスからなる。日本国内では「コンサルティングサービス」と「アセスメントサービス」の2つのサービスから開始し、順次サービスを拡大していく。コンサルティングサービスは、建築や設備の計画段階でITシステムが必要となる要件を漏れなく反映させ、設計や構築段階では実運用に適したデータセンターやサーバルーム建設のサポートをする。すでにデータセンターやサーバルームを運用しているユーザーには、設備更新や増設・移設の検討に際し、長期にわたって今後も安全で高効率、高可用性を維持していくための支援をする。一方のアセスメントサービスは、データセンターやサーバルームの環境や設備機器の実効能力を調査し、電力消費量、冷却能力、運用効率などを分析することで現状の課題と今後の改善ポイントを可視化する「データセンターの健康診断」を提供。また、課題に対する改善策も提言する。このようなサービスを提供する背景について、シュナイダーエレクトリック データセンターライフサイクルサービス 部長 唐木眞氏は、「全世界の消費電力にうち、データセンターが1.8%を消費しており、大きなポジションを占めているため、電力量を削減に貢献していかなければならない。日本は建物の価値は将来なくなるという考えあり、年数が経つとメンテナンスを行わなくなり、建物の寿命も短い。欧米は建物の価値は継続するという価値観があるため、メンテナンスをしっかりやっているため寿命が長い。日本でも長く使っていくコンセプトでやっていくべきだ」と説明した。ある調査会社によれば、2018年には築20年以上経過するデータセンターの床面積の割合が半数を越えるという予測があり、重要設備が耐用年数を迎える。唐木氏は、「データセンターのライフサイクルは10年、20年単位だが、IT技術たビジネスニーズは数年で一変する。この異なるスピードの2つを調和させ、効率的にITを活用するためには、ITとともに、データセンターを進化させていく必要で、データセンターの最適化をライフサイクルの視点で考えていくことが重要だ」と指摘した。また、シュナイダーエレクトリック 代表取締役 副社長 アルノ・モンディ氏は「世界のエネルギー消費は膨張し続け、収まる気配はない。エネルギーの効率化を実現するのがシュナイダーエレクトリックのミッションだ。今後はソリューションやサービスも提供していきたい」と述べた。
2014年10月23日ベンチャー企業のバックオフィス業務を劇的に効率化してくれる、ヴェルク株式会社のクラウド型サービス「board」。請求書発行システムとしてはもちろん、豊富な分析機能や案件別管理など、まさに実戦で培われた経営者目線の機能が満載だ。扱いやすく、経営判断にも貢献でき、請求書発行といったバックオフィス業務も効率化できるのは、日々忙しい経営者にとって大変うれしいサービスだといえる。前回に引き続き今回は、「board」の実際の使い勝手を紹介したいと思う。○「borad」の基本的な使い方まず始めに「board」のユーザー登録をWebページから行う。面倒なことは一切なく、案内に従って必要事項を書き込んでいけば完了する。IDとパスワードが決定したら、さっそくログインしてみよう。最初に表示されるのはダッシュボードで、ここでは現在の案件や発注の進行状況、売上、諸費用のサマリなどが確認できる。処理が終わっていないものは赤く表示されるので、ステータス管理にも役立てることが可能だ。初回アクセスの場合は自社情報や顧客情報の入力がウィザードによって案内されるが、あとから登録したり修正したりする場合は、メニューバーの「設定」→「基本情報」で自社情報、左メニューの「顧客管理」から顧客登録をそれぞれおこなえばよい。基本情報と顧客情報ができれば実際に運用していくことができる。流れとしては、引き受ける仕事を「案件」として登録し、見積書を作成するだけ。案件は見積もりの確度別に高、中、低の3種類と受注済、失注のステータスを振り分けることができる。このステータスに合わせて集計することもできるので、経営においては売上見通しを立てるために役立てることができる。見積もりの項目に関してはテンプレートを作成しておくと便利。テンプレートの作成は、メニューバーの「設定」から「書類テンプレート一覧」をクリック。「新規登録」として作成してもよいし、先に登録されているテンプレートを「編集」してもよい。いずれにしても、この時点で見積もりを作成すると、発注書、納品書、請求書、書類送付状といった一連の書類が自動生成される。上の画像のタブに「発注書・発注請書」「納品書・検収書」「請求書」「書類送付状」があるが、見積書作成の時点でこれらにも同じ項目、金額等が反映されている。この基本的な作業だけでも、「board」が使いやすいツールであることはお分かりいただけるかと思う。業務内容にもよるが、この部分だけでもバックオフィス業務が楽になるという会社も多いはずだ。毎月の定額請求にも対応案件によっては一括請求あるいは分割請求といったパターン以外に、保守点検などのように毎月定額の請求が発生するケースもある。その場合は、案件を登録する際に「請求タイミング」の項目で「毎月請求」を選択し、月度ごとの請求日と期間を設定すればよい。見積書の時点で設定した期間を数量として入力し、それぞれ毎月発生する「単価」を決めれるだけだ。見積もりは決められた期間の金額がすべて表示されるが、以降の各請求書には、その月ごとの数量(通常は「1」)と単価が掲載されることになる。○発注する場合はどうする?自社が請け負いだけでなく、発注するケースも少なくない。例えば案件によっては外部スタッフを要請するといった具合だ。そんなとき「borad」では、左メニューの「発注者管理」および「発注先管理」を利用する(※現在はbeta版)。基本的な流れは先ほどと同じで、発注者を登録して、発注状況を入力すればオーケー。これで支払う金額や支払期日なども同時に「発注一覧」に登録されるので、請求日の確認も非常に楽になる。もちろん、源泉徴収をどうするかといった部分も登録操作に含まれるので、相手が法人か個人かといった取引状況も考慮することが可能だ。○印刷する必要があるんだけど?「board」で作成される書類は当然印刷もできる。書類はA、B、Cのデザインから選ぶことができ、メインカラーを変更することも可能。好みのスタイルで印刷できるのは、うれしい仕様だ。また、見積書や請求書は社印が必要となるが、メニューバーの「設定」から「基本情報」を選び「社印」の項目でPNG形式のデジタル印を登録しておくことができる。さらに、新機能として「捺印権限」が追加されており、ユーザーは「管理者」または「責任者」に捺印を依頼することが可能となっている。月末になって、部下から慌てて捺印を迫られることを少なくできるので、ぜひ使いこなしていただきたい機能だ。印刷デザインは「書類編集」のタブ画面にある「書類デザイン設定」から選ぶことができる。社印は「基本情報」の「社印」でPNG画像として登録可能○経営者のための機能「売上分析」「board」のイチオシ機能ともいえるのが「売上分析」だ。経営者の経営判断をサポートしてくれる機能で、平均支出金額を事前に登録しておけば、おおまかなキャッシュフローも見ることができるすぐれものだ。「売上分析」「顧客別集計」「案件区分別集計」「タグ別集計」と、売上管理の中でも経営者として見ておきたい項目が揃っている印象だ。もちろん、これらはグラフ化された状態で表示できるため、数字が得意でない経営者の方でも経営状態を視覚で捉えられる。すばやく的確な判断をするための強い味方となってくれるはずなので、この機能はぜひ活用していただきたい。○まだまだ進化を続ける「board」誌面の都合で「board」の機能紹介はここまでとなる。紹介しきれなかった機能や、もっと踏みこんだ情報が必要なら、親切に教えてくれるはずなので、ぜひヴェルクへ相談してほしい。筆者も初めて使わせていただいたのだが、どの機能もマニュアル不要で使うことができた。会計システムの多くがマニュアル必須のUIなのに対し、やはり実務経験から生まれたサービスは違うという印象を与えてくれた。バックオフィス業務の効率を最大限にしてくれる「board」は、ベンチャー企業にとって非常に強い味方になってくれるはず。毎月末の請求や支払い処理に苦労している経営者はもちろん、現状の請求書発行システムなどに不満のある方はぜひ一度試していただきたい。
2014年10月22日アジレント・テクノロジーは10月9日、「分析」、「装置」、「ラボ」の3つの側面から効率化を図った次世代液体クロマトグラフ(LC)「1290 Infinity II LCシステム」を発表した。同システムは、同社のInfinity LCシリーズの最上位に位置づけられている「1290 Infinity LCシステム」をさらに機能強化したもので、効率化を目指して搭載しているほとんどのモジュールを刷新したという。3つの効率化における「分析」という面では研究者やサイエンティストに向けた分析・結果データの効率の最適化が図られたという。特にキャリーオーバーは、従来は0.004%以下であったものを0.001%以下に低減することに成功したほか、1Dと複数のサンプルを分析可能な2D-LCをサンプルの複雑さに応じてシステムを切り替えることを可能としたとする。また「装置」の効率最大化としては、1台のオートサンプラで2つのサンプル注入用ニードルを装備。これにより、サンプル注入から次の注入まで最短5秒で行うことが可能になったとする。さらに「ラボ」の効率最大化としては、従来のHPLCとUHPLCの分析条件を自由に適用可能としており、これにより同じ結果を再現することが可能になったとする。これにより、当面従来のHPLCとして用いつつ、将来的な公定法が変わった後、UHPLCとして利用することなどが可能になるという。なお、受注は即日開始しており、出荷は11月中旬からを予定しているという。価格はモジュールの構成により変わってくるが、高性能なシステム一式の場合であっても約1100万円(税別)程度から、一般的な多機能システムの構成でも約970万円(税別)から、となっており、年間100台の販売を目指すとしている。
2014年10月09日スマートフォンが全体的に大画面化の傾向にある中、iPhoneにも5.5インチモデルが登場した。タブレットとの境界付近に存在していたニーズがスマートフォン側に取り込まれることにより、個人向けのタブレット市場はある程度までスマートフォンに奪われることになりそうだが、ビジネスユースではちょっと事情が違うようだ。○ビジネスの現場でiPadが活用されているIDC Japanの調査によると、2014年1~3月期の国内タブレット端末出荷台数は、前年同期比12.3%増の212万台。営業ツールや顧客向けのプレゼンツールとして、またワークフロー管理や業務システムの一部、さらに店頭の接客ツールやレジ端末としてなど、ビジネスの現場では多彩な業種でiPadが導入され、活用される機会が増えている。ビジネスユースにおけるタブレットの利点は、ノートPCよりも導入コストが低く抑えられ、持ち運びの負荷やバッテリー性能、通信など各種設定などに関しても現場の利用者にとってノートPCよりも扱いが容易であること。また、セルラー版ならデータ通信端末を別途用意することなく通信が可能で、情報共有・更新にも柔軟に対応できる。余裕のある画面サイズで入力や情報一覧もストレスなく行え、書き込むための筆記具を持たなくて良いなど、ちょっとしたことも作業現場としては効率向上につながる。こうした利点は、広い工場や複数拠点を持つ企業での事例ばかりでなく、数人~十数人程度のスモールビジネスにとっても業務への導入による改善効果が期待ができるものだ。むしろ、中小規模の事業所こそ速やかに成果が現れるケースが多いのではないだろうか。受注・発注や各種申請許可、業務記録、勤怠管理などを紙で行っているなら、あるいはデジタル化しても個別にExcel等のシートで管理している状態なら、それらをデータベース化し、iPadを入力端末として利用することで、大幅な効率改善や管理の正確さ向上が実現できるはずだ。業務用途でiPadを活用したデータベース運用を考えるなら、選択肢に入ってくるのがFileMakerだ。FileMakerは30年近い歴史を持つデータベースソフトの定番。現在の最新版は昨年末にリリースされた「FileMaker Pro 13」と組み合わせて、iOSデバイス向けのアプリ「FileMaker Go」、複数端末からの同時接続を可能にする「FileMaker Server」を使うことで、個人規模から企業の業務システムまるごとまで、様々なスケールに応じて柔軟なデータの活用に対応することが可能だ。FileMakerは導入の手軽さとその後の柔軟な拡張性が、運用を考えた時の利点と言える。○まずは小規模な導入から試してみては例えば、小売店などが紙ベースで棚卸しを行う場合、コピー用紙にチェック用の表をプリントし、倉庫内で商品の数を数えながら、クリップボードに挟んだ紙にペンで数を書き込んでいく。チェックが済んだら紙に書き込んだ内容をPCに入力し、集計するという流れになる。これをFileMaker+iPadにすれば、商品の数を数えてiPad上のフォームに入力するだけで、サーバ上にデータが集まり集計までの作業が完了する。また、アパレルの分野では、iPadのカメラで商品写真の撮影とバーコードのスキャンを行うことで照合し、POSと連動させることで、ペーパーレスでリアルタイムの在庫管理を行っている事例もある。こうした様々な業種における活用事例は[ FileMakerのWebサイト]でも紹介されている。また、現在データ入力に使用しているExcelドキュメントがあれば、それをFileMakerに取り込み、豊富なデザインテンプレートから入力フォームを作成して、簡単にデータベース化ができる。既存のデータを引き継いだ活用も容易だ。最新版のFileMakerは、フォームのデザインパーツとしてiOSに最適化されたボタンや選択肢などが用意されており、PCの操作に不慣れな人にとっても使いやすいインタフェース作りに役立つ。このように、紙で行っているワークフローをデジタル化する場合にも、既存のデータをより様々な形で活用したい場合にも、FileMakerとiPadという組み合わせの相乗効果による大きな成果が期待できる。App Store上では昨年10月の段階で47万5000本以上のiPad用アプリが提供されているが、ビジネス用途となると業務内容にぴったりのものを探し当てることは難しい。カスタマイズできる部分は限られるし、複数端末でのデータ共有や一元管理に適さないものもある。かといって専用に開発するには専門知識が必要で、外注すればコストもかかり、使うためにはアップルの審査も必要だ。すぐに使い始められ、機能改善やスケールに柔軟性のある運用を目指すなら、アプリよりもFileMakerでデータベースを扱う方が利点が多いと考えられる。企業向けのiPad導入ソリューションを提供している会社もあるが、FileMakerは部署やプロジェクト単位や現行のワークフローの一部分にのみ導入するといった小回りがきくことも特徴だ。FileMaker Pro 13は無料で一ヶ月間の体験利用が可能で、1ライセンス分のFileMaker Goとの連携もテストできる。もし、手書きの書類をPCに入力し直す作業や、頻繁にExcelシートをプリントして使うシチュエーションが身近にあるなら、まずはそれをFileMaker+iPadに置き換えてみてはいかがだろうか。
2014年10月03日1996年の創業以来、「CAE/CFDの業務効率化を推進」をテーマにソリューションを提供する株式会社ヴァイナス(VINAS)。同社主催によるユーザー会「VINAS Users Conference 2014」が、2014年10月9日(木)、10日(金)の両日、東京コンファレンスセンター・品川で開催される。ヴァイナスの創業以来開催されていたセミナーが、年々規模を拡大し、昨年の延べ参加者数は500人を超える、過去最高のものとなった。カンファレンス形式となって10回目となる今回は、メインテーマとして「大規模・最適設計・ワークフローマネジメントのための総合ソリューション」を掲げ、「ものづくりの価値づくり」を解説する基調講演、航空宇宙、重電重機、自動車、化学、電機電子、そして量子化学など、多彩な分野における事例の講演が予定されている。なお、サブテーマとして「クラウドコンピュータ・オープンソース・SDMの設計利用」と掲げられているように、今回のカンファレンスでは「CAE/CFDのクラウド化とオープンソース化」が一つの注目点となっている。そこで今回、同社の代表取締役社長である藤川泰彦氏に、クラウド化とオープンソース化によって変わる、CAE/CFDの未来について語っていただいた。○CAE/CFDの発展に立ちはだかる情報共有とライセンスの問題学術研究・航空・宇宙・医療などの専門分野から、自動車・家電・家具や調理器具などの身近なものまで、現在の社会ではさまざまな分野でCAE/CFDが利用されている。ヴァーチャル解析を繰り返し、試作による実験の精度を高め、ものづくりの効率化とコスト削減を行うCAE/CFDは、今後さらに活躍の場を増やしていくことだろう。「これまでのCAE/CFDソフトウェアは、主に大学の研究室や企業の開発部門などに所属する、専門家が扱っていました。ですが、利用シーンが今以上に広がると、専門家だけではとても手が足りません。これからは現場の設計者を含め、より多くの人がCAE/CFDソフトウェアを活用できる環境が求められてくることでしょう」(藤川氏)現場にまでCAE/CFDの利用が広がれば、解析回数を増やして精度を高めたり、現場ならではの意見を反映したりと、製品の質の向上につながるはずだ。だが、そこには大きな2つの問題が立ちはだかる。1つは情報共有について。現在の製造現場は、日本国内のみならず世界各地に広がっている。それぞれの場所でCAE/CFDを活用するためには、必要な情報を共有できる環境が必要不可欠だ。もう1つはライセンスについてである。これまでのCAE/CFDソフトウェアは、CPU固定ライセンスであるケースが多かった。つまり、現場で利用するためには、その分、追加のライセンスが発生することになる。ライセンスごとにユーザー数が制限されている場合も多く、利用範囲を広げようとすると莫大なコストが掛かってしまう。「この2つの問題を解決するキーワード、それがクラウドとオープンソースなのです」(藤川氏)○クラウドとオープンソースがCAE/CFDの未来を変える場所や端末を問わずアクセスできるクラウドは、情報共有の手段として、まさに打ってつけだ。またオープンソースのソフトウェアであれば、CPUやユーザー数の追加によるコスト増も抑えることができる。「クラウドとオープンソース。現在のIT分野において、この2つの潮流を避けることはできません。これはCAE/CFD分野においても同様です」(藤川氏)クラウドやオープンソースに対する懸念として、特に多く挙げられるのがセキュリティ面だろう。だが、近年のクラウドサービスには、充分に強固なセキュリティ対策を実施しているものが多く、安全性は高い。バグや脆弱性が発見された場合でも、ソースコードが公開されているオープンソースであれば、素早い対応が可能だ。そういった点から、現状のクラウドやオープンソースのセキュリティレベルは、けっして低くないといえる。「それでもセキュティ面に不安を感じるのであれば、情報を仕分けして利用すればいいのです」(藤川氏)導入当初は、汎用性の高い問題をオープンソースのソフトウェアで解析する。それだけでも「利便性はかなり向上するはず」と藤川氏は主張する。「スマートフォンやタブレットは、今後さらに普及していきます。いずれはCAE/CFD分野でも、その対応を求められることは間違いありません。その場合、既存のシステムや考え方だけで対処するのは不可能です。CAE/CFDが発展するには、クラウドやオープンソースなどの新しい技術や仕組みを、恐れずに勇気を持って利用する。そのためのチェンジマインドが絶対に必要です。今回のカンファレンスでは、それを多くの方々に訴えていきたいと考えています」(藤川氏)○CAE/CFDの"今とこれから"を体感する「VINAS Users Conference 2014」毎年、多彩な催しが実施される「VINAS Users Conference 2014」。今回は2日間に渡り、「CFDプリ・ポストプロセス」「最適設計・ワークフロー・SDM」「ターボ機械最適設計とオープンCFDソルバ」「HPクラウドコンピューティングと高速計算技術」の4テーマについて、40を超える講演が行われる。航空・宇宙分野からはNASAとJAXAの日米両巨頭が登場。そのほかにも、自動車における空力や設計解析、スーパーコンピュータ「京」を利用した事例など、注目度が高いプログラムが目白押しとなっている。また特別講演としては、東京大学 生産技術研究所の加藤千幸教授による「大規模流体解析の産業応用」と慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科の白坂成功准教授による「いま世界でおきているシステム開発方法論の革新」。基調講演には、一橋大学 イノベーション研究センター センター長 延岡健太郎教授による「製造業におけるものづくりと価値づくりのマネジメント」が実施される。通常、特別講演や基調講演などは、カンファレンスの冒頭を飾るケースが多い。だが今回のユーザーカンファレンスでは、初日プログラムの最後に行われることになっている。「ユーザーカンファレンスと銘打っていますが、特別講演と基調講演は私たちの製品とは関係なく、CAE/CFDの現在を総括し、将来を見据えるものとして位置づけています。間違いなく面白い話になるので、できるだけ多くの方に聴いていただきたい。そこで、この時間帯に設定しました。やっぱり、午前中よりも夕方のほうが参加しやすいでしょうから(笑)」(藤川氏)なお、当日には、テーマにあるクラウドとタブレットエンジニアリングを実際に体験できる催しも実施される予定。「もしiPhoneやiPadをお持ちでしたら、ぜひお持ちいただき、タブレットエンジニアリングを体感してください」と藤川氏。詳しいプログラム内容や申し込み方法は、「VINAS Users Conference 2014公式ページ」を参照してもらいたい。新たな技術を体感する場として、業界内の情報交換の場として、これからの「日本のものづくり」を担う多くの人々に、同カンファレンスを大いに有効活用していただきたい。○イベント概要【開催概要はこちら】
2014年10月01日ダイエットのポイントとなるのが運動と食事ですよね。実は、効率よくダイエットするには、運動前後の食事が重要なポイントなんです。今日は、そんな運動前後の食事について、ご紹介します。■1.運動前の食事は?運動前は、空腹でも満腹でも体に良くありません。カロリー制限のためにと運動前に何も食べないと身体への負担が大きく、血液中のブドウ糖が不足して低血糖症になる可能性もあり、危険です。また、運動すれば食べた分のエネルギーを消費できるからと、運動前に満腹になるまで食べるのもNG!より効率的にダイエットに繋げるなら、運動前の食事はどうすれば良いのでしょうか。食べ物が体に入ると、胃腸などの消化器官は活発に動きだします。消化の為に血液が消化器官に集まってきますが、食後すぐに運動をしてしまうと、消化器官に集まるべき血液が全身に巡り始めるため、消化がおろそかになり、消化不良を起こしてしまいます。十分に消化が終わらないうちに運動をすると脇腹が痛くなるのも、このためです。食後すぐに入浴することも、同じ理由で消化不良を起こしてしまいます。食事をしたあと、入浴するまでは30分ほど空けるようにしましょう。食べるものにもよりますが、運動前の食事もやはり30分前までには終えるようにします。■2.運動前の具体的な食事例【運動30分前】液状、ゼリー状、フルーツなどの消化の良いもので、すぐにエネルギーに変わるものにします。バナナ、果汁ジュース、栄養補給ゼリー飲料などがおすすめです。【運動1時間前】おにぎりやお茶漬け、お粥、うどんなど、脂質が低く、糖質(炭水化物)を補給できるものを食べます。固形の栄養補助食品も良いでしょう。食べる量が多ければ多いほど消化に時間を要しますので、小腹を満たす程度の量にしましょう。【運動2時間前】2時間前でもやはり胃腸の負担を少なくするために、脂質は控えめに。糖質(炭水化物)は腹八分目ほど摂りましょう。おにぎり、うどん、そば、油を多く使っていない食パンやハード系パンなどがおすすめです。基本的には固形の食べ物の消化にかかる時間は約2時間と言われていますので、通常の食事であれば2、3時間前に終えておきます。その場合も短時間でエネルギーに変わりやすい炭水化物を中心に摂り、タンパク質、脂質は控えめに。脂質を摂り過ぎると消化効率が落ちますので、油っこいものや揚げ物は避けましょう。■3.運動後の食事運動後には筋肉の元となる魚、肉、卵、豆などを食べ、タンパク源の補給をします。またクエン酸が含まれる食品を摂ると、疲労回復や筋肉痛予防に役立ちます。クエン酸は、柑橘系の果物や、梅干し、お酢などに含まれています。運動後は、炭水化物4:タンパク質3:脂質3の割合でエネルギーを摂取するようにすると、インシュリンの過剰分泌が抑えられ、脂肪分解を促進させるホルモンが分泌されやすくなると言われています。もちろん野菜やきのこ、海藻類なども食べて、ビタミンやミネラルをしっかり補給しましょう。■おわりにバランスの良い食事を続けることで、脂肪を燃焼しやすい体質となり、運動による脂肪燃焼効果をより高める効果を期待できます。みなさんも、運動前後の食事に注意して、効率的にダイエットしてくださいね。(下山一/ハウコレ)
2014年08月02日