今、注目の女の子を紹介する『anan』の「イットガール」。今回はモデルの玖瑠実さんです。カラダを動かすことが大好き!4時起きでランニングしています。デビューしてまだ1年半ほど。昨年末にはテレビ番組で桐谷美玲さんに「最近見つけたかわいい子」として紹介され話題に。「聞いた時は『嘘でしょ!?』って思いました。その収録は去年イチ…いや人生で一番緊張しました(笑)」。輝く肌に適度な筋肉。見るからにヘルシーな玖瑠実さん。「小さい頃からモダンバレエ、ダンス、バスケをやってきました。今夜はバレエエクササイズの体験に行きます。運動のほかにはテレビドラマ観賞が趣味。大好きなんです。見ていないドラマのほうが少ないかも!」春に買った念願の一眼レフカメラ。実家の犬や友達を撮ることが多いです。カメラを構えるのが楽しい!実家では犬を3匹飼っています。ミニチュアシュナウザーとトイプードル。東京でも飼いたい~!!かわいいウェアでモチベーションUP。色重視で選ぶことが多いかな。服もそうですが、派手な色が好きなんです。くるみ1999年生まれ。『ViVi』『NYLON JAPAN』などファッション誌や「しゃぶしゃぶ温野菜」「デジャヴュ・塗るつけまつげ」などのCMに出演。Instagramは@kurumi_0125_※『anan』2018年9月19日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年09月12日昨今注目度を高めている作家、古谷田奈月さん。最新刊は『無限の玄/風下の朱』。三島賞受賞作の「無限の玄」は、ブルーグラスバンドを組んだ男家族の話で、父・玄は死んでは生き返ることを繰り返す。この男性しか登場しない話は『早稲田文学増刊 女性号』に掲載された。「もともと男がどう、女がどう、ということでないところを目指したいと思っていて。私という女性が、“女性だけの書き手を集めた雑誌”で女性について書くことに窮屈さを感じ、男性を書こう、と自然とそう考えました」本作では、日ごろ男性を見て感じていたことを反映させた。「男性だけのマチズモ的な社会の中で上下関係が形成され、受け継がれていっているように見えるので、その終わりのなさを書きたかった。ブルーグラスという弦楽器のバンドにしたのは、弦というものが締め付けや抑圧のイメージに繋げやすかったからです」女嫌いで威圧的だった父親の元で生きてきた息子たちの関係にも少しずつ変化が訪れるが、「自分も相手も共同体の一部であったと思っていても、実は“個”なんですよね。ずっと生きてきたコミュニティの中で自分が個であることに気づきながら生きていくのは、すごく大変だと思う。でも、今いる場所を疑う視点は持っていたい」一方、芥川賞候補作「風下の朱」は、大学の女子の野球部の話だ。「『無限の玄』は自分から見た男性を書きましたが、女性である自分が客観的に女性を書くのはずるい気がして。ですから自分のことを書きました。ここに出てくるポリティカルコレクトネスを気にする立場の人も、自分の欲求に正直な人も、何も考えていない人も、みんな自分ですね。それに今回は、生理のことを書きたかった。明らかに生活に支障をきたすものが結構なスパンでやってくる悔しさもあって」一連のジェンダーを主題とした小説を書いてみて思ったのは、「性というものから解放された状態を求めていましたが、自分が女性であることからは逃れられないと気づきました。自分の性を引き受けたうえで自由を求めることは可能だと、そう思えるものを今後は書いていきたいです」『無限の玄/風下の朱』父親と叔父、息子たちで組んだ旅回りのブルーグラスバンドで、ある日、父親が死亡するが…。男社会、女社会、それぞれを投影した2編。筑摩書房1400円こやた・なつき作家。1981年生まれ。2013年に「今年の贈り物」で第25回ファンタジーノベル大賞受賞。’17年『リリース』で織田作之助賞、’18年「無限の玄」で三島由紀夫賞受賞。※『anan』2018年9月12日号より。写真・土佐麻理子(古谷田さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年09月10日世界を魅了し続けるきゃりーぱみゅぱみゅ。撮影に、ライブにと国内外を走り回る!多忙な3日に密着してみました。7月×日新作ジャケ写&アーティスト写真撮影今回の撮影は、都内某所にある築90年以上のお屋敷にて。撮影は、日本のジャケットデザイン界の大御所・アートデイレクターの信藤三雄さん自らが担当!緊張感溢れる現場かな…とドキドキしながら伺ったところ、邸内から聞こえるのは、きゃりーさんの楽しそうな笑い声。こっそり覗くと、信藤さんもきゃりーさんもニッコニコで撮影中。信藤さん曰く、「クラシカルな場所で、少し大人っぽくきゃりーちゃんを撮影して、いつもとは少し違う表情を引き出したかった」とのことで、この場所を選んだそう。確かにきゃりーさんの衣装も、いつもより少し大人っぽい気が…と思ったら、よく見るとなぜか生卵がパカッと割られたヘッドドレスをつけている?「あ、これ卵かけご飯なんです、ふふふ」(きゃりー)。卵かけご飯をかぶりこなすきゃりーさん、恐るべし。「あ、ここで撮ってみようか」と突然信藤さんが場所を指定し、撮影が始まることも。そのたびにその場所に合ったポーズを瞬時に繰り出すきゃりーさんに、信藤さんも脱帽。「この勘の良さ、大物の証だよ…」と、きゃりーさんを褒めていらっしゃいました。7月21日(土)「ASOBIEXPO」出演この日はきゃりーさんの所属する「ASOBISYSTEM」のフェスに出演。ダルメシアン柄にフリルをあしらったセットアップというスタイルで登場。1曲目の「インベーダーインベーダー」の「おっしゃれっつ 世界征服だ!」の歌詞をみんなでコールし、一気に会場の熱が上がる!子供の「きゃりーちゃ~ん」という声と、男子たちの野太い声援が混ざる、なんともユニークな状況に。「キミに100 パーセント」「きみのみかた」、そして「原宿いやほい」とどんどん会場はヒートアップ。「声出して~!」と客席を煽るきゃりー、男らしくてカッコいい!最後の曲と聞いた観客席から、もっとやってコールが湧くと、「無料のイベントなんで許してください」とニコニコ謝罪し、ライブは終了。短時間で観客をぎゅぎゅっと掴む力はさすが!7月28日(土)ワールドツアー@上海今年5月から、世界7都市を回っていたワールドツアー。ラストの7月に訪れた上海は、初めてライブを行う場所。昨年の日本のハロウィン公演を再現するという内容のライブで、お化け屋敷のセットにちょっぴり怖め(?!)の衣装を身にまとったきゃりーが登場すると、お客さんたちが一斉に立ち上がってしまい、係員に「座って!座って!」と促されてのスタートだった。「中国のライブは座って聞かなければいけないんですが、ライブがどんどん盛り上がり、みんなが立っては係員が注意する、また立っては注意され…ってそれを何度も繰り返していたら、最後のほうは係員の人も諦めたみたいで、何も言わなくなっちゃって、みんな立ってました。そのときは私も感動しましたね、なんか、音楽の力ってすごいぞって」(きゃりーさん)きゃりーぱみゅぱみゅ1993年生まれ、東京都出身。高校時代に原宿で撮影されたストリートスナップで注目される。読者モデルを経て、’11年、中田ヤスタカプロデュースのミニアルバム『もしもし原宿』でデビュー。個性的でキュートなファッションとパフォーマンスで、日本のみならず世界の人気者に。9/26には4枚目のアルバム『じゃぱみゅ』(ワーナーミュージック)をリリース。それを引っさげ、秋には全国19か所のホールツアーを予定している。※『anan』2018年9月12日号より。写真・土佐麻理子(by anan編集部)
2018年09月07日体調を崩しやすい季節の変わり目は、しっかりと質のいい睡眠をとりたいもの。そこでおすすめなのが、電動ベッドです。電動ベッドといえば、介護用・医療用のイメージがつきものですが、普段の暮らしに取り入れてもメリットがたくさんあるんです!今回は、電動ベッドのパイオニア〔パラマウントベッド〕の小澤卓矢さんにインタビュー。ショールーム〔パラマウントベッド眠りギャラリーTOKYO〕で、快適な睡眠を取る方法について教えていただきながら、最新モデル《INTIME1000》の使い心地を体験しました!長年の実績!〔パラマウントベッド〕に聞く、いい睡眠を取るために大切なこと〔パラマウントベッド〕小澤卓矢さん——〔パラマウントベッド〕といえば、医療、介護用ベッドが専門のメーカーというイメージがあります。小澤卓矢さん(以下、小澤さん):〔パラマウントベッド〕が創業したのは1947年のこと。日本で初めて電動ベッドを手がけた会社で、戦後に病院数が増え需要が拡大したことにより、成長していきました。——70年以上の歴史があるんですね!現在は、一般向けの電動ベッド《INTIME》シリーズも販売していますよね。小澤さん:2000年をすぎたころから「睡眠」に関する悩みや、「健康」というテーマが一般的にも取り上げられるようになってきました。さらに、成人の7〜8割が睡眠に不満を感じているというデータも出てきたんです。そこで、医療現場で培った独自の技術と最新の睡眠研究を基に、よりクオリティの高い睡眠環境の実現を目指して、2003年から一般向けの電動ベッド《INTIME》シリーズの販売をはじめました。最新モデル《INTIME 1000 Series》——確かに、健康のために睡眠は欠かせません。社内には「パラマウントベッド睡眠研究所」という部署も設置されているということですが、どういった睡眠時間や睡眠環境が理想的なのでしょうか?小澤さん:睡眠時間は、長すぎても短すぎてもよくありません。ある調査によると、日本人の平均睡眠時間は先進各国と比較してかなり短いというデータもあるんですよ。——そうなんですね!小澤さん:でも、睡眠時間は長ければ長いほどいいというわけではありません。適度な長さを保ちつつ、睡眠の質を高めてあげることが大切なんです。そこで我々が考える大切なポイントが、「寝返りが打ちやすい環境」です。人は寝ている間に、10〜20回ほど寝返りを打ちます。しかし、マットが体にあっていないと、寝返りを打つときに目覚めてしまうんです。——寝返りをスムーズにすることで、目覚める回数を減らして、熟睡できるようにするということですね。小澤さん:そうなんです。そこで大切なポイントがマットレスの硬さです。よく、マットレスを選ぶときに「低反発と高反発、どっちのマットレスを選べばいいの?」と悩まれる方がいますが、楽に寝返りを打てるようにするという点では、自分の体の硬さに近い「等反発」のマットレスが一番なんです。——等反発マットレスは、あまり聞いたことがありませんでした!他にはどんな要素が大切なのでしょうか?小澤さん:枕も重要ですね。〔パラマウントベッド〕の枕は、寝返りを打ちやすいように転80cm幅と長めのものを取り扱っています。自分の頭に合う高さで、首に負担をかけないようにしましょう。もっとも、脳を刺激しないことも大切です。寝る前にスマートフォンやパソコンなどのブルーライトを目に触れないようにしたり、「寝ないといけない」という意識を持ちすぎないようにしましょう。一般向け電動ベッド《INTIME》シリーズとは?——いい睡眠を取るために、ベッドにもこだわりたくなってきました。〔パラマウントベッド〕が展開する、一般向け電動ベッド《INTIME》シリーズには、どういった種類があるのでしょうか?小澤さん:現在、《INTIME》シリーズは4モデルを展開しています。《INTIME7000/3200Series》は、高級感をもたせたハイエンドモデルで、ベッドの幅もシングルロングとセミダブルロングの2種類から選べ、値段は35~68万円です。——それはお高いですね......!小澤さん:その他に、デザインや機能を絞り込みよりお求めやすくなった《INTIMECOMFORT》《INTIMETRUST》があり、このたび新しく発売されたのが《INTIME1000Series》です。——そちらも、やっぱりお高いんでしょう?小澤さん:いいえ、最新モデル《INTIME1000Series》は、マットレス込みで15万円代からお求めいただけますよ。——なんというお手頃価格。それは気になります!最新モデル《INTIME 1000 Series》はココがすごい!小澤さん:《INTIME1000Series》の最大の特徴は、デザインの種類の豊富さにあります。ベッドの色、ボードの形、ベッドスタイルを自由に選ぶことができ、組み合わせのパターンは486通りあります。——デザインをカスタマイズできるのは、お部屋のインテリアにも合わせやすくていいですね!小澤さん:そうなんです。《INTIME1000Series》は、見た目も“介護ベッドらしくないもの”を目指しました。快適な睡眠をとりたい若い世代の方や、アクティブシニアの方もお部屋に取り入れやすいデザインにしています。——機能面はどういったものが備わっているのでしょうか?小澤さん:機能面は、3つのタイプから選べます。こちらのベッドは、「3モーター」タイプで、リクライニングとフットレストと昇降機能すべてが備わっています。とくに昇降機能が必要ない方は、「1+1モーター」という、リクライニングとフットレスト機能のみのタイプがおすすめです。リモコンで、リクライニングとフットレストの角度を両方動かすこともできますよ。——その寝心地、試してみたいです!——等反発のマットレスは硬すぎず柔らかすぎず。ちょうどいい硬さです。リモコンを使って、無段階で好きな角度に調整できるので、自分にとってベストな角度にできるのがいいですね!腰痛持ちの私も、楽に身を委ねられます。小澤さん:寝る前のリラックスタイムを楽な姿勢で過ごせるということは、上質な睡眠をとるためにも大切なことです。お客様からは「10度くらい背中を上げて寝るようにしたら、寝つきが良くなった」という声もいただいていますよ。——女性に嬉しい使い方はありますか?小澤さん:フットレスト機能で足を少し上げた状態で眠ると、むくみ対策に繋がります。日中、立ったり歩いたりすると、血流が下半身で滞ってしまうんです。足をあげることで、落ちてしまった血流をリセットする手助けになりますし、夜間頻尿対策にもおすすめです。——朝起きて足がスッキリしていると、今日も1日がんばろうという気になれますね!小澤さん:睡眠というのは本当に大切なこと。テクノロジーをかしこく取り入れることで、より人生を豊かにしていただければと思います。家族にもおすすめしたい。ライフスタイルの変化に寄り添うベッド《INTIME1000Series》は、介護が必要になったとき、オプションで器具が取り付けられ、簡単に介護ベッドにすることもできるそう。素材は鉄製で丈夫なので、20年は使える代物です。寝心地の良さや機能性の高さを実際に体験してみると、自分で使ってみたいのはもちろん、アクティブシニアである両親にもおすすめしたくなりました!《INTIME1000Series》は、長い目で見れば、ライフスタイルが変わる可能性にも対応できる“高コスパ”な電動ベッドでした♪【パラマウントベッド眠りギャラリーTOKYO】●住所:東京都中央区京橋1-6-1三井住友海上テプコビル1階●電話:03-5250-1515●営業時間:10:00~19:00●定休日:不定休※臨時休業の場合あり。詳細に関しては直接お問い合わせください。●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子
2018年09月07日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の古賀哉子さんです。初グラビアで表紙に大抜擢。「あの子は誰?」と話題に!この夏『週刊ヤングジャンプ』と『週刊プレイボーイ』、2誌の表紙を飾った古賀さん。「『目力がある』という声をたくさんいただきました。この目は完全に遺伝。父のおかげなんです(笑)」。6月に『ラストアイドル』を卒業し女優に本格転向したばかり。映画やドラマへの出演が続々と決まっている。「演技は奮闘中ですが、台本に書かれていない背景を想像して表現することが楽しい。息抜きはラップバトルの動画を見ること。ラッパーたちの高度な言葉遊びを聞いていると時間を忘れちゃう」愛犬の写真を毎日チェック。家族のグループLINEで送られてきます。3歳で5kgのビッグなチワワ。感性や想像力を養うため美術館へ。「ルーヴル美術館展」は時代背景や人々の想いを感じる深い展示でした。凍らせるだけ、の簡単アイスにハマり中。豆乳を冷凍庫に入れて作る即席アイス。ヘルシーだし、おいしい!こが・やこ1997年生まれ。オーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日)でデビュー。9月9日スタートの『文学処女』(MBS、11日にはTBSで放送)でドラマ初出演。※『anan』2018年9月12日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年09月05日初老に差しかかった個性派俳優・海馬五郎は、フランスの一風変わった文化賞の授賞式に出席するため、パリ行きを決意。それがトホホな道行きになっていく松尾スズキさんの『もう「はい」としか言えない』。同じく海馬五郎の語りで、幼少時より自意識でがんじがらめになっていた自らの生い立ちをたどる「神様ノイローゼ」。松尾ワールドにどっぷり浸る快感!“本人成分たっぷり”の2編を収録。読み進めるうちに、じわじわ気づくはずだ。「これ、かなり私小説的なんじゃ?」。松尾スズキさんも「僕の分身みたいな存在」と認める海馬五郎を主人公に据えた2編をカップリング。最新刊『もう「はい」としか言えない』が面白いのなんの。「『少年水死体事件』と名づけて新聞連載していた随筆にフィクションを加味して書き直したのが『神様ノイローゼ』。自意識と妄想でこんがらがっていた子ども時代の自分の話です。いままでインタビューなどでもしゃべってきたことなんですが、一度体系づけてまとめておこうと思ったんですね。もうこれを読んで、わかってくれと。僕という人間のマニュアルです」末恐ろしいほどシニカルで、冷めた思考の五郎少年。子どもが苦手だという松尾さんだが、作中に見る、あんな記憶があればさもありなん。「あいつらは自由にやってるくせに、いざ攻撃されると子どもという鎧に逃げ込むんですよ。僕もそういうガキでした(笑)」表題作もまた、松尾さんに起きた実際のエピソードや、周囲から聞いたリアルな悩みを投入してできた作品だという。道に迷いやすいという五郎のキャラもご本人と同じらしい。「でも迷ってる時間って自由だなと思うんですね。自分がどこにいるのかもわからずさまよえば、誰にも捕まえられない。究極の自由でしょう。僕が表現をやっているのも、結局は自由になりたいからだと思います。現実に対して感じている違和感を笑いに変えて、既成の価値観から逃れたい。僕の小説はドタバタしていると評されることが多いけれど、僕の中ではそれがリアルなので、そう言われるのは心外なんですよ」息苦しいルールを押し付けられていた五郎は逡巡の末、自由欲しさに、通訳を同行させるならと苦手な外国行きを承諾。しかし通訳となる斎藤聖の紹介者が、彼を〈少し新しいタイプの人間〉と説明していたわけを、五郎は行く先々で味わうことになる。「日仏ハーフの聖君が出てきた途端に、五郎がこの子によってもっと混乱に陥れられることがわかって、話に弾みがついてしまいました(笑)」自由に焦がれに焦がれた先で五郎を待っていた事態を見届けてほしい。『もう「はい」としか言えない』 妻に浮気がバレた海馬五郎。離婚回避のための誓約に汲々としていた彼は、わらにもすがる気持ちで「エドゥアール・クレスト賞」の授賞式へ旅立つ。表題作が3度めの芥川賞ノミネートとなる。文藝春秋1450円まつお・すずき1962年生まれ、福岡県出身。今年、旗揚げから30周年を迎えた「大人計画」主宰。12/18~SPIRALで「30祭」開催。作家、演出家、俳優、映画監督とマルチに活躍。※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子(松尾さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年09月02日事実婚=後ろめたいもの、というイメージも今は昔。事実婚も結婚の選択肢のひとつとして捉えられる時代に。しかし、その実情はよく知らないという人も多いはず。そこで、事実婚を選んだご夫婦に実際のところを聞きました!最近話題の、婚姻届を出さない結婚の形、事実婚。アンケートでも、「アリだと思う」「どちらかというとアリだと思う」と答えた人が過半数に。漫画家の水谷さるころさんは、以前、法律婚をしたものの離婚、その反省を活かして現在のパートナーである映像ディレクターの野田真外さんと事実婚をし、現在4歳の長男がいる。「最初の結婚と離婚のときに、一生続くとは限らないのに、名字を変えるのはリスキーだということを思い知ったんです。特に私はフリーランスなので、名義を変えることのデメリットがとても多かったというのもあります。今回、事実婚にしたのは、お互い譲れない条件を出し合った結果、これなら事実婚でよくない?ということになったから。子どもも生まれましたが、いまのところ不便に感じることはありません」結婚に関するアンケートで「ナシだと思う」という人の理由に多かった「事実婚のメリットとデメリットがイマイチわからない」という意見を踏まえ、実際に事実婚をしている水谷さんと野田さんだからこそわかる、本当のところを聞いてみた。これから結婚を考えるときの、選択肢の一つになるかも?なぜ事実婚を選んだの?最初の結婚をする前は、とにかく結婚をしたくて仕方なかったという水谷さん。「ずっと憧れていた結婚だったのに、実際にしてみたら、フリーランスで共働きの私には、デメリットが多かったんです。まず、銀行口座やクレジットカードの名義変更がとにかく大変。しかも、離婚したらしたで、また同じ手間がかかりました」法律婚のメリットとしては、税金の配偶者控除などがあるけれど、給与所得が年間103万円以内でないと扶養控除は受けられない。また、年間130万円以上所得があると、社会保険被扶養者から外れる。「私は年間130万円以上収入があるので、自分で税金を払い、社会保険に入らなくてはいけないんです。すると、法律婚というシステムを使う必要は特にない。自分のライフスタイルには事実婚のほうが合っていると思ったんです」(水谷さん)また、水谷さんたちの場合、再婚同士だったことも大きい。「結婚と離婚の大変さを知っているうえ、親の説得も初婚ほど難しくない、というのもあると思います」(野田さん)事実婚も届け出などが必要?「事実婚」というのは、「法律婚をしていないけれど夫婦である」という、広い範囲の状態を指す言葉。同居していて住民票が一緒の夫婦もいれば、世帯主を決めたくないという理由で住民票を別にしている夫婦、通い婚という形をとっている人も。「私たちの場合は、住民票を一緒にして同居しています。住民票を同じにすると、住んでいる自治体からは家族として扱われ、事実上法律婚しているのと変わらない生活になります」(水谷さん)住民票を一緒にすることは、別の人と法律婚をしていない人なら誰でもできる。住民票では、野田さんは「世帯主」、水谷さんは「妻(未届)」という記載になっているそう。健康保険証に世帯主としてパートナーの名前が入り、入院などのときにも家族としての証明がしやすい。「住民票の届け出は、役所のほか出張所でもできますが、役所のほうがおすすめ。公の書類に『妻(未届)』と書いてあるのを見たときは、やっぱり心強く感じましたね」(水谷さん)野田真外さん映像ディレクター。グラナーテ代表。監督をつとめたDVD『東京静脈』『東京静脈R 』『大阪静脈』『名古屋静脈』(すべてグラナーテ)などが発売中。水谷さるころさん漫画家。著書に『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)、『目指せ!夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)など。※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子取材、文・古屋美枝(by anan編集部)
2018年09月01日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の野田美桜さんです。長い美髪と力強い目元が印象的。多彩な表現力で公開作が続々!8/31公開の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』に出演する野田さん。「すごいメンバーの中に入ったな、と夢心地でした」。’90年代のコギャル役に挑戦し、「コギャルを忠実に再現するために、当時の映像を観ながらルーズソックスの履き方や話し方の指導を受けました。眉毛も自眉がほとんどなくなるくらい剃ったんですよ(笑)」。コギャルマインドにも感銘を受けたそうで、「“自分たちが最強、最高!”と、口に出して生きている姿が素敵。現代とは何もかもが違うところに注目してほしいです!」。『溺れるナイフ』が映画の中で一番好き。小松菜奈さんが演じる役と学生の頃の自分の境遇が重なって、すごく共感。靴は100足くらい持っているのに……。好きすぎてついつい買っちゃう!普段はハイヒールが多めです。においフェチだから香水もいっぱい!甘めの香りが好き出演する作品ごとに使う香水を変えているんです。のだ・みお1997年生まれ。中学生のときから芸能活動を始め、映画やテレビで活躍。9/14公開の映画『3D彼女 リアルガール』にも出演する。Instagramは@mio_noda※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2018年08月30日今年7月報告された、ブロガー・はあちゅうさんとAV男優・しみけんさんの結婚。“事実婚”という形をとったお二人に、結婚公表後の周囲の反応などを聞きました。彼は苦しいことも笑いに変えてくれる――お互いの好きなところを教えてください!しみけん:はあちゅうは言葉のセンスがいいんですよ。僕、(発言をメモした)“はあちゅう帳”をつけていて…(スマホを触る)。はあちゅう:ちょ!いいよ、言わなくて。恥ずかしいから!(笑)しみけん:ちょっとしたことなんですけど、レストランで食べ終わったお皿が下げられて、コーヒーを飲んでいるときに「終わりゆくランチタイム、っていう感じだね」とか。もの寂しさをそう表現するなんて、いいなあ、って。はあちゅう:もっといいのあるはず!(笑)しみけん:あとね、僕が困ったときにいつも背中を押すひと言をかけてくれるんです。たとえば、僕がテレビに出る前にすごく緊張してたことがあるんですけど、「けんちゃんは出るだけで意味があるんだから」と言ってもらって、すごく肩の荷が下りましたね。はあちゅう:けんちゃんはいつも幸せそうだよね。私はネット上とかで強がっていても、どよーんと落ち込んでしまうことが多くて。けんちゃんはいつも小さなことでもおもしろがって笑っていて、この人といたらずっと幸せだな、って思うんです。以前、私が彼に対してすごく怒って無視していたことがあったんですけど、そのとき彼がいきなり服を脱いで全裸で土下座し始めて。つい噴き出してしまって、この人だったら苦しいことも笑いに変えてくれるだろうな、と思いました。祝われるってこんなにうれしいんだ、と思いました――事実婚を公表してみてどうでしたか?はあちゅう:公表した途端、私にはこんなにたくさん知り合いがいたのか!というくらい、自分の人生の全関係者から「おめでとうございます!」と連絡がきて、すごくびっくりして。温かくて、うれしかったですね。本当に公表して良かったと思いました。しみけん:そうだねえ…。はあちゅう:もっとすごい拒否感を持たれると思っていたので。ファンの人たちに「え、旦那、AV男優?」と言われたり、12月に私がMeToo発言をしていたことも絡めていろいろ言われる可能性もあると思っていて。本当に、もう、道を歩いていたら石を投げられるくらいの覚悟を決めて…。しみけん:ネガティブ!(笑)はあちゅう:公表する前とか、不眠症みたいになっていたんです。しみけん:不眠症なってた、なってた!はあちゅう:こわかったよ。本当にこわかった…。しみけん:僕も発表して本当に良かったと思っていて。率直に、祝われるってこんなにうれしいんだ、って。中学のときにAVを貸してあげた同級生とかからも20年以上ぶりに「おめでとう!」ってメールもらったからね(笑)。はあちゅう:ファンの方が「好きな人同士がくっついてすごくうれしいです」って言ってくれたのもうれしかったな。しみけん:祝われるとやっぱり、実感がわくよね。はあちゅうブロガー、作家。著書は『半径5メートルの野望』(講談社文庫)など多数。4月からスタートした「はあちゅうサロン」が好評。ツイッター、インスタグラムは@ha_chuしみけんAV男優。著書は『光り輝くクズでありたい』『うんこ座りでオトコの悩みの大半は解決する!』(共に扶桑社)など多数。※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子取材、文・古屋美枝(by anan編集部)
2018年08月29日“事実婚”という選択をしたブロガー、作家のはあちゅうさんとAV男優のしみけんさん。お二人に結婚するまでの経緯を聞きました。非日常でなく日常の延長で一緒にいたいから事実婚に――ご結婚、おめでとうございます!まず、今のタイミングで結婚を決めた理由から教えていただけますか。はあちゅう:4年半前から付き合い始めて、早い段階から半同棲してきたので、結婚するタイミングがなくて…。でも、実は去年11月に一度別れて今年3月に復縁したんです。また一緒に住み始めるときに、私から「きちんとした形が欲しい」と言いました。――どちらから別れるというお話になったんですか。はあちゅう:彼からです。そのときほとんど結婚しているような状態だったのに、あっさり別れて離れていくのが悲しくて。もし戻ることがあったら、ちゃんと人生を一緒に歩んでいくような形をとりたいな、という思いがありました。それで「役所に行ったら事実婚ていうのができるみたいだから、したい」と話して。しみけん:はあちゅうの、27歳から32歳までという女性としていちばん大事なときに一緒にいたし、それは、そうするのがよいだろう、と思いました。――しみけんさんはなぜ一度お別れしようと思ったんですか?しみけん:それは…ちょっと外の景色見てみたいな、と(笑)。はあちゅう:修行したい、って言ってたよね。私は泣いて、「何、修行って…!?」って(笑)。しみけん:おかげですごくいろんなことがわかったんだよね。そしてやっぱり、はあちゅうといるのがいちばん楽しいな、って。――事実婚にしたのはどういう理由からでしたか。はあちゅう:まずは名字が変わらないからですね。フリーランスだと、取引先に振込先などを変更してもらわなければいけないのは大変で。さらに、私は法人をいくつか持っているので、その書き換えの手続きに結構なお金がかかったりする。そのほか、クレジットカード、パスポートなどすべて変更手続きしなければいけないけれど、そうまでして得られるメリットが思い浮かばなくて。しみけん:お互い自分の名前で仕事をしているので、事実婚でいいんじゃないかな、と。逆に、法律婚したい人は、なんでしたいんだろうね?はあちゅう:彼の名字になりたい、って言う女性は多いよ。女性は「お姫さまは王子さまと結婚して幸せに暮らしました」みたいな刷り込みがあって、結婚して彼の名字になった瞬間から人生がパーッと開けて良くなるような幻想を抱きがちなのかもしれない。しみけん:自分の人生を他力本願にしたら、幸せになれないんじゃないかな。夢描くのはいいけど。はあちゅう:けんちゃん、ロマンティックが嫌いなんだよね。しみけん:そうそう(笑)。はあちゅう:私たちが事実婚を選択したのは、結婚を非日常なものではなく、「日常の延長で一緒にいること」として捉えたいなら、事実婚のほうが合うんじゃないかな、と思ったからなんです。しみけん:すばらしいね!(笑)はあちゅうブロガー、作家。著書は『半径5メートルの野望』(講談社文庫)など多数。4月からスタートした「はあちゅうサロン」が好評。ツイッター、インスタグラムは@ha_chuしみけんAV男優。著書は『光り輝くクズでありたい』『うんこ座りでオトコの悩みの大半は解決する!』(共に扶桑社)など多数。※『anan』2018年9月5日号より。写真・土佐麻理子取材、文・古屋美枝(by anan編集部)
2018年08月29日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデルの岡本莉音さんです。可愛すぎる自撮りで芸能界入り。常に目標に向かって突き進む!小さい頃からの「モデルになる」という夢を叶えた岡本さん。「セルフィーオーディション2016」でグランプリに輝き、一躍話題に。「自撮りに自信があったわけでもなく、しかもオーディション前日にてりやきピザを食べて顔がむくんでしまって(笑)。でも、出るからには頑張ろう!と挑みました。自撮り、今はもっと上達しましたよ」。今後は「モデルをしつつ、女優もやりたい。演技レッスンを受けてすごく楽しかったんです♪」。今年の目標は「ドラマ出演と、痩せること。達成感を味わいたい!」。色々なデザインのイヤリングを集め中!友達からプレゼントでもらうことも。洋服に合わせて替えています一緒に映画を観に行く映画友達もいますDVDを借りたり、映画館に行ったり。最近は『万引き家族』に感動~!半年前から一眼レフにハマっています。空や山などの自然や、インスタ用のコーディネートをよく撮ります♪おかもと・りおん2001年生まれ。雑誌『セブンティーン』の専属モデルとして活躍中。Instagram(@rion051228)にはプライベートやオフショットが満載!※『anan』2018年8月29日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣
2018年08月28日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はアイドルの荻野由佳さんです。第10回AKB48世界選抜総選挙で4位獲得のシンデレラガール。AKB48を目指したのは小学6年生の時。「『ヘビーローテーション』のMVを見て衝撃が走ったんです」。何度もオーディションに挑戦し、15歳で受けた「48グループドラフト会議」を機にNGT48の一員に。「数か月はステージに立つたびに嬉し泣き(笑)。昨年、今年と選抜入りしてプレッシャーで苦しい時もありました。でも、ここで戦わないと未来はないなと。AKBは今、再び東京ドーム公演をできるよう頑張っています。実現のために私も少しでも貢献したい。ただ選抜でいるだけじゃ嫌なんです!」その日の気分でコスメをチョイス。特に重宝しているのが、『Dior』のリップマキシマイザー。透明感が◎。おでかけ時のマストアイテム。服の衿元にひっかけて、アクセサリー代わりにも使っています!お気に入りのかぶりものたち。ライブ配信する動画を撮る時用に買い始め、今やダンボール2箱分に(笑)。おぎの・ゆか1999年生まれ。NGT48チームNIII副キャプテン。2018年「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で4位。インスタグラム(@ogiyuka_ippaiwarae216)もチェック。※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年08月20日朝吹真理子さん7年ぶりの新刊だ。「『きことわ』を書き終わって、次回作の打ち合わせをするときには、『TIMELESS』という言葉はもう浮かんでいました。同時に、酒井抱一の『秋草鶉図』の中に不思議な距離感で並んでいる男女のイメージもあったのですが。そこがどこなのか、いつのことなのかがわからない。自分で紡いだ言葉を何度も読むことにより、次の1行が押し出されていく感覚で小説を書いているので、3~4行書いては戻って書き直すの繰り返し。6年そんな感じでした」誰かを愛しいと思ったことのない女性〈うみ〉は、高校の元同級生で被爆者の子孫であることを恐れている〈アミ〉と、恋愛感情も性的な関係もないままに結婚する。やがてふたりは交配し、生まれてきた子どもをアオと名付けた。その後アミは姿を消す。アオは、うみや祖母の芽衣子、血のつながらない姉のこよみ、うみや芽衣子の仕事関係の知り合いで奈良に住む桃さんや初子さんらと交流しながら17歳になっていた。江戸時代に江姫が火葬された場所から、南海トラフ地震が起きた2035年まで、浮かび上がっては沈んでいく、たくさんの人生と記憶と出来事。その物語構造は、朝吹さんが好きだという俵屋宗達の水墨画「蓮池水禽図」のイメージと重なる。「蓮の花が咲いて枯れるまでの時間の流れ、つまり違う時間に起きた場面を、同じ絵の空間の中に配置する“異時同図法”という手法で描かれているんです」2部構成をとる本書は、前半はうみの、後半はアオの語りで進む。風変わりな家族のサーガのようでいて、むしろ実に人間的な、温かな寄り添い合いにも見えるのだ。「うみは現代社会のルールでは薄情に映るかもしれませんが、人間の縁を血縁だとかでは縛らない人。生まれ変わるならクラゲになりたいと言ううみの心情を私なりに察すると(笑)、こんな家族のかたちも自然な流れだったように思うんです。クラゲは自分の力で泳ぐのではなく大きい海流に乗って漂うだけ。なんとなく吹き寄せられて集まり、また離れてもいい。その流れの中で交配の時期なら生殖し、個体としてはいずれ死ぬ。それはクラゲに限らず、やわらかな肉体をもった生き物の“ほがらかな宿命”という気がするんです」『TIMELESS』小説は、自分の中から湧き上がる感情やテーマを探すというより「これまで作られてきた芸術作品への応答のような気持ち」で書く、と朝吹さん。新潮社1500円あさぶき・まりこ作家。2011年「きことわ」で芥川賞受賞。エルメスの展覧会と連動し、物語「彼女と」を書き下ろす。ご希望の方は全国のエルメスブティックへ。なくなり次第終了。※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・土佐麻理子(朝吹さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年08月17日デビュー20周年を迎えた《東洋一のサウンドマシーン》、クレイジーケンバンド(以下、CKB)。この秋まで、アニバーサリーイヤーの真っ最中だ。3年も我慢してたので、やりたい音楽全部をこの一枚に。「20年といっても、感覚では3~4年くらいの感じですね。僕は38歳とデビューが遅かったので、一年一年が短く、あっという間に過ぎました(笑)。大器、ではないけど、晩成が良かったのかもしれないね」デビュー以来、毎年1枚のアルバムをリリースしてきたが、3年のインターバルの後、ついに20周年記念アルバム『GOING TO A GO-GO』が完成。剣さんが「腰にくるアルバム」と言う通り、まさにソレ。ソウル、ファンク、ジャズ、昭和歌謡にレゲエ…、CKBが得意とするジャンルをすべて網羅し、腰にガツンときて、気持ちよく体を揺すらせてくれる作品に仕上げている。「作曲中毒の僕が3年も我慢してたんだから、ありとあらゆることをやってしまいました。完成したものをバーッと聴いたら、なんて支離滅裂なんだろうと感じたのですが、それでは聞こえが悪いので、《24時間営業》サウンドと呼んでます(笑)」20年の月日を経ても、曲が生まれるベースは、つねに剣さんの頭の中から流れてくるメロディから。「いつもそうなんですけど、レコーディングに入るときは無の状態です。で、パッと浮かんだものを引き出して作っています。それは変わんないね。でもまあ、あまり引き出しがある感じじゃないから、受信機でキャッチしてる感じですね。最新の音楽に触発されることもありますよ。ああ!先にやられちゃったよ、って(笑)。でも同じことやっても面白くないから、その対極のことをやったりね。もうすぐ平成が終わるのに、平成に入る間もなく、昭和っぽいことを相変わらずやってますね」古い車の愛好家である剣さんらしく、使用する楽器も、こと鍵盤楽器は古い時代の機材にこだわってサウンドを作り上げる。しかし録音などは最新のテクノロジーを使うという。「例えれば最新のスマホで昔の音楽や映画を取り込んで楽しむような感覚なのかな。そんなふうに若い世代が古いものをよく知ってて、クレイジーケンバンドも、最新の音楽と同等に楽しんでくれるのが嬉しいね」交流のあるceroやSuchmosなどの若手バンドと、レアな音楽情報を交換することもあるとか。「僕が知らないアーティストもたくさん知ってますからね。教えてもらってメモしてあとで聴くと、本当にいいんだよ。彼らといちばん重要な、音楽の根っこの話ができるのが楽しいんです。SuchmosのYONCE君とはザ・ゴールデン・カップスについてのマニアックな話ができたり、ceroの高城君は仲間とCKBの歌が生まれた場所を訪ね歩いてて、僕より詳しい(笑)。もちろん彼らの作る音楽も素晴らしい。ホント、いつも驚かされ、刺激を受けてます」素敵な交流エピソード。音楽にも人に対しても、フトコロが深い剣さんだから、水があふれるように、いい音楽を作り続けられるのだろう。『GOING TO A GO-GO』【初回限定盤CD+2DVD】¥7,000デビュー20周年記念オリジナルアルバム。2枚の特典DVDには昨年9月に横浜で行われたスペシャルライブの模様を収録。【通常盤CD】¥3,000(UNIVERSAL SIGMA)よこやま・けん1998年にデビューしたクレイジーケンバンドのリーダー。ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。8月末からは全国ツアーもスタート。9月24日には20周年記念スペシャルライブを横浜アリーナで開催。※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・北條尚子(by anan編集部)
2018年08月16日今をときめく俳優・中川大志さんと小関裕太さんが、『A3!』の熱気を表現する“熱組”劇団員として、CMで即興芝居を披露!映像作品で共演するのは初めてのふたりとは思えないほど、息の合ったところをたっぷり見せてくれました。小劇場の舞台セットにあるのは、場面と台詞がランダムに出てくる巨大なスロット。写真の場合、「ふたり一緒に」という場面&「またカレー?」という台詞で、即興芝居をする。これを何十パターンも連続して行える瞬発力と引き出しの多さはさすが。休憩中は、互いの芝居の感想を語り合う姿も。最終OKが出て、何十パターンもやり切った同士が、笑顔で握手!そんなCM撮影を終えたお二人にインタビューをしました。――即興芝居の感想は?小関:どう芝居したらお題が面白く見えるか、正解を見つけながら直感で演じるのは楽しかったです。中川:僕は、どんなお題でも「来るなら来い!」という意気込みで演じましたが、同じお題が続くと、パターン違いの芝居を見せなきゃならないので、プレッシャーもありました。僕らが進んでる方向がはたして正解なのか、わからなくなったりもして(笑)。小関:感情表現には無限に選択肢があって、チョイスしたものがぴたっとハマると面白いという、芝居の醍醐味が伝わるCMだよね。中川:CMを通じて、演じる面白さが伝わるといいね。――『A3!』の魅力は?中川:キャラクターが劇団に入って、芝居に目覚め、初舞台を踏んで…という成長過程に、プレイヤーは監督という立場から感情移入できると思いました。僕も小関くんも小さい頃からやってきたので、応援してくださる方の中には「ずいぶん大きくなって」と見守ってくださってる方もいます。そうした目線に近いかもしれませんね。小関:響く台詞も多いんですよ。「体調管理も役者の仕事」とか。中川:マネージャーさんに言われるやつ(笑)。小関:だよね(笑)。「落ち込むんじゃなくて糧にしよう」という場面もよかったな。たとえネガティブな感想を耳にしても、凹んでる場合じゃないぞって励まされたし、やる気も湧いた!中川:劇団の監督として役者を育ててるつもりが、気づいたら自分のほうが育てられ、成長してる!小関:ほんとうだ!ストリートアクトはやってみたいけど、実際にやったら緊張するだろうな。中川:寮生活で、朝から晩までみんなで台詞合わせるのは楽しそう。小関:大志くんと同部屋になったら、何でも手際よくできるとこを見て、ヤキモチ焼いちゃう(笑)。中川:ずっと寝てるけどね(笑)。小関くんこそ、台本だけじゃなく、ストイックにいろんな本を読んだり、掃除も小まめにやったり、隙がないイメージがあって、焦る…。小関:その通りかどうか、答えはふわっとさせとくね(笑)。なかがわ・たいし1998年6月14日生まれ、東京都出身。『家政婦のミタ』の長男役で注目を集める。現在主演中のドラマ『覚悟はいいかそこの女子。』は、10月に映画版が公開される。こせき・ゆうた1995年6月8日生まれ、東京都出身。子役時代、『天才てれびくんMAX』に出演。現在、ドラマ『ゼロ 一獲千金ゲーム』に出演中。公開待機作に『春待つ僕ら』。※『anan』2018年8月8日号より。写真・土佐麻理子
2018年08月09日とある大学の部室に突如現れたタイムマシンを巡って起こる、学生たちのしょーもないSFな日々を描いたコメディ『サマータイムマシン・ブルース』。作・演出の上田 誠さんにお話を伺いました。劇団の初期の代表作、青春SFコメディ再び。撮影:原田直樹本広克行監督で映画化もされたヨーロッパ企画の代表作のひとつであるこの作品が、劇団結成20周年の今年、再演される。「ここ10年くらい新作が続いたんですけれど、久々に再演に手を出してみたら…楽しいですね。過去に書いた作品も、折に触れて自分の頭の中で転がしていたりするんですが、実際に手を入れることでクオリティを上げられるし、一番しんどい部分は終わっているし、禁断の果実に手を出してしまった気分です(笑)」しかも今回は、15年後を描いた続編で新作の『サマータイムマシン・ワンスモア』との交互上演に。「以前から、本広監督に冗談で『書いてよ』と言われていたんです。ただ、ファンの多い作品だけに、下手に続編を作って、当時せっかく頑張って作った代表作に傷をつけてしまうのを恐れていたんです。でも、いまはもう、どんなものを作っても、当時の自分に変な影響をもたらすことはないだろうって思える。ワンスモアのほうに15年前のシーンは出てきますけれど、並べて観ていただけたらいいかなって思います」演劇という場で、「面白いことをやりたい」と言う上田さん。「僕の場合、世の中に訴えたいこととか、伝えたいメッセージとかがあるわけじゃないんです。たとえば、だまし絵のコメディをやろうと思いついて、1930年代のパリを舞台にしようとひらめいたら、あとは徹底して、面白いことを整えて見せるための構成を考える。アーティストというより、作り方はデザイナーに近いと思います。役者も、漫才の立ち位置じゃないけれど、できるだけ収まりのいいレイアウトや組み合わせで配置してるんですよ」そんなヨーロッパ企画の舞台には、変わった形のパズルが少しずつはまっていく時の心地よい楽しさがある。「演劇は生ものですから、同じ作品でも、その日の客席や役者の体調で揺らぎが出る。その空気も全部閉じ込めた作品をやりたいんです」SF研究会の部員たちがたむろしている部室に、ある日、タイムマシンが置き去りにされていた。相談の結果、昨日に戻って壊れる前のクーラーのリモコンを持ち帰ることに(『サマータイムマシン・ブルース』)。あれから15年後、SF研究会の元メンバーたちが、再びあの部室を訪れる(『サマータイムマシン・ワンスモア』)。8月17日(金)~9月9日(日)下北沢・本多劇場作・演出・上田誠前売り4500円当日5000円(共に税込み)ほかサンライズプロモーションTEL:0570・00・3337(10:00~18:00)8月9日~12日に京都公演あり。また9月以降には地方公演も。上演スケジュールの詳細はHPにて。うえだ・まこと1979年生まれ。全劇団公演の作・演出のほか、アニメ『四畳半神話大系』のシリーズ脚本なども担当。昨年、『来てけつかるべき新世界』で岸田國士戯曲賞受賞。※『anan』2018年8月8日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子(by anan編集部)
2018年08月08日今回ご紹介するのは、文京区で2人の子どもを育てながら暮らす、共働き夫婦の住まいです。ご夫婦がリノベーションを決めたのは2人目の子どもの育休中でした。家づくりには〔ブルースタジオ〕のセレクトオーダー式リノベーションサービス《TOKYO*STANDARD》を利用。そのプロセスはどのようなものだったのでしょうか?彼らのライフスタイルと、家づくりの関係に迫ります。リノベーションのテーマは“子育てしやすい家”H邸リビングダイニング「2人の子どもの子育てのために、もっと広くて使い勝手のいい家に住みたい」と考えていた共働き夫婦のHさん。そこで、夫婦の職場や2人の子どもの保育園などを考慮に入れて、東京文京区にある駅近中古マンションを購入。今までの約1.5倍の広さの物件で、フルリノベーションに挑戦することにしたそう。「今現在、都内で新築マンションを買うのと、中古マンションを購入してフルリノベするのは、価格の差は小さくなってきています。それでも私たちが後者を選んだ理由は、中古マンションのリフォーム済物件に住んでみて、その住み心地の良さを実感したと同時に、もっと快適に住める家を自分たちで作りたいと思ったからです。さらに、通勤しやすい“都心の駅近物件”を選ぶなら、やっぱり中古マンションのほうが現実的でした」(Hさん)物件購入当初から“子育てのしやすさ”をテーマにリノベーションを考えていたHさんは、その後リノベの事業者を選定しました。「まず3社に絞って相見積もりを依頼して、最終的に提案がよく、実績も多い〔ブルースタジオ〕の《TOKYO*STANDARD》というサービスを利用することに決めました」(Hさん)《TOKYO*STANDARD》は、好きな素材やオプションを自由に選べる定額制のセレクトオーダー式リノベーションサービス。サービスが明確でリーズナブルなのに、こだわりたいところにはこだわれて、納得のおうちがスピーディーに完成したそうです。それではさっそく、おうちの様子を見てみましょう!リビングダイニングの片隅にプレイスペースを設置キッチン脇のスペースを小上がりにして、子どもが遊べる空間にHさんたちは、まず「上の子が小学生の間、子どもとどう暮らしていきたいか」をメインテーマに考えていったそう。そこで、プレイスペースをつくることにしました。「最初の段階で必要だと思う要素をたくさん書き出していき、設計者さんと相談しました。子どもが遊べるプレイスペースが欲しいという要望にも、応えてくれました」(Hさん)プレイスペースの隣はキッチンになっているため、料理中も子どもたちの様子を見守ることができます。プレイスペースの床下はキャンプ用品など季節もののグッズをしまう収納として活用小上がりになっているプレイスペースの床下は、収納にして有効活用しています。家事負担を減らす、家族と話せるキッチンリビングダイニング全体を見渡せる広々としたキッチン。タイルも好きな色をセレクト。「前の家はキッチンが狭く、子どもができてキッチンまわりの動線が重要だと感じていたので、今回はかなりこだわりました」(Hさん)キッチンを部屋全体を見渡せる場所に設置することで、家族とのコミュニケーションも取りやすくなりました。隣接しているプレイスペースにいる子どもと、お店屋さんごっこの遊びをしたり、料理をしながら子どもと同じ目線でコミュニケーションがとれます。大型食洗機は、共働き夫婦の強い味方仕事に子育てに忙しいHさんは、家事負担を減らすため、キッチンには海外メーカーの〔Miele〕の食洗機を導入。「鍋が入るほどの大容量で、洗浄力も強いので、1回で洗い物が終わるのが嬉しいです。すこし値段は張りましたがこの食洗機にして良かったですね」(Hさん)動線を考えて収納にも工夫をこらす「間仕切りをしすぎない」「動線に沿った収納の設置」も大切な要素だったというHさん。何が大切で、何が不要なのかを考えた結果、クローゼットと書斎の扉を1つに。「扉って意外と高価で。自分たちのリノベーションのテーマを考えると、2つも扉はいらないんじゃないかなと思ったんです。書斎にこもりたいときは書斎の方に扉を持っていき、来客があったらクローゼットの方を閉めて......というふうに使っています」(Hさん)ウォークインクローゼットは天井付近にも棚をつけることで、さらに収納力アップ。「収納を決めるときは〔無印良品〕の収納ケースを使うことを考慮に入れました」(Hさん)おうちのいたる所にさりげなくある収納スペースは、使いたい収納ケースの奥行きを考慮に入れて設計することで、すっきりとした見た目に。高さの調節ができるクローゼットのポール「ウォークインクローゼットも子どもが主体的に服を片付けたりできるように、高さを調節できるタイプをセレクトしました」(Hさん)子どもの遊具も楽にしまえる広々とした玄関収納玄関から入って右側も玄関と同じ床素材の収納スペースにすることで、外で使うベビーカーやストライダーも帰宅してそのまますっきりと収納できます。子どもの成長を見据えた+αできる寝室広々とした寝室は、扉を2つにしておくことで、後から壁をとりつけて2部屋にすることが可能。現在1LDKのHさんのおうちですが、広々とした寝室はあとから壁を取り付ければ2LDKになるようかしこく設計。「壁をあとから取り付けられるように準備してあるので、実際に工事する際も費用は安く済みます。子どもが『自分たちの部屋がほしい』となったときや、家を手放すという可能性を考慮に入れた結果、こうなりました」(Hさん)リビングの天井にも、ハンモックやグリーンをかけられるパーツをつけたりと、インテリアにも変化をつけられます。Hさんのおうちは、忙しい共働き家庭でも、子どもと一緒に楽しく暮らせる工夫が細部にまで施されていました。大変な子育て期間こそ、かしこく楽しく快適に2人目のお子さんの育休中に、楽しみながらリノベーションを進めていったというHさん。「今回《TOKYO*STANDARD》を利用して、ここまでセレクトできるの?設計もここまで自由に要望を聞いてくれるの?と結構細かく決められることに驚きました。キッチンや洗面所のタイル、コンセントのパーツなど、好きなものをセレクトできたのも良かったです」(Hさん)気に入ったものだけに囲まれているから、家族と一緒に過ごすおうち時間も充実しているそう。『自分たちがどの期間に、どういう暮らしをしたいのか?』というテーマにしっかりと向き合うことで、ライフスタイルに寄り添ったおうちづくりを叶えられるのかもしれません。〔ブルースタジオ〕公式ウェブサイトはこちら《TOKYO*STANDARD》詳細はこちら●取材協力株式会社ブルースタジオ●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子
2018年08月08日アルバム『POWER』でメジャーデビューするchelmico。RachelとMamikoからなる女子ラップユニットだ。共にリップスライムが好きで意気投合したふたりが、“軽いノリで”ステージに立ったのが‘14年。以来、ラップの面白さに魅了され、スキルとオリジナリティを磨き続けている。正反対なところもふたりで活動するパワーかな。「最初はリップスライムになりたくて音楽をやっていたんですが、曲を作って活動するうちに、だんだん自分たちのオリジナリティができていったんです。スキルという評価軸があるところがラップの面白さですね」(Rachel)ふんわりとした存在感と正統派なラップのスキル。その噂は広告業界内でもたちまち広がり、メジャーデビュー前にもかかわらず、有名企業のCMソングのオファーが殺到した。「最初はプレッシャーは全くなかったんです。でも、色んな方に出会って、『プロってすげー!私たちじゃできないことをしてくれる!』って感じて(笑)」(Mamiko)「『私たちはラップを頑張ろう』と思ったよね」(Rachel)今作『POWER』にはアグレッシブに夏を盛り上げるヒップホップチューンもあれば、センチメンタルな情景が浮かぶチルアウト系の曲も。「今回は初めて、前から好きだったU-zhaanさんに作曲を1曲お願いしました。とてもキュートなトラックをいただいたので、いつもはタブラでドープな音楽をされてるU-zhaanさんのイメージにないようなテーマにしようと思い『デート』という曲ができました」(Rachel)「この曲で初めて、5拍子のトラックに挑戦して。また更にラップが好きになりましたね」(Mamiko)向上心と好奇心旺盛な彼女たち。ふたりがそれぞれに感じている、自分に備わる“POWER”とは?「誰かに誘われたらすぐに行動するのは私の強み。そこで出会いや興味の幅も広がります」(Rachel)「私は逆に、いつも冷静なタイプ。その正反対なところもふたりで活動するパワーかな」(Mamiko)可愛くてユーモアに満ちたキャラも無敵のふたり。快進撃に期待。Major 1st Album『POWER』¥2,800ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)が参加した曲や、ライブでも人気の「Love Is Over(1UP Version)」も収録の全13曲。8月8日リリース。(WARNER MUSIC JAPAN)チェルミコ左・Rachel(レイチェル)、右・Mamiko(マミコ)。2016 年にアルバム『chelmico』、昨年9月に『EP』を発売。たちまち注目を集めたインディーズ期を経て、憧れのリップスライムの所属レーベルからメジャーデビュー。※『anan』2018年8月8日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子(by anan編集部)
2018年08月07日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の冨手麻妙さんです。型にはまらない、いろんな色を持った女優になりたい。15歳でアイドルとして芸能界入り。その後役者を目指し、20歳で転機が訪れる。「園子温監督作品が大好きで、イベントで出待ちして『使ってください』と監督に直談判したんです」。昨年公開の映画『アンチポルノ』では主役を務め、体当たりの演技を披露した。「次は恋愛ものをやってみたい。失恋するたびに『この経験は演技に使えるぞ』って引き出しに溜めているんですけど、まだ使えてなくて(笑)。今はクレイジーな役が多く“黒”のイメージが強いので、白い面も見せていきたいんです」最近、料理にハマっています。これはビーフストロガノフとスペアリブ、サラダ。得意料理は角煮です!ボクササイズでカラダづくり。運動は苦手だけど、1年以上続けています。ボディラインの変化を実感。なんでも聞いてくれるとーっても大事な妹。仕事のことも恋バナもなんでも話します。家にいると常に女子会状態(笑)。とみて・あみ1994年生まれ。2009年にAKB48の研修生として芸能界入り。映画『新宿スワン』『娼年』などに出演。ドラマ『東京ヴァンパイアホテル』がAmazonプライムにて配信中。※『anan』2018年8月8日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年08月06日手にするだけで熱が伝わってきそうなパワーを秘めた本。沖縄を舞台にした真藤順丈さんの『宝島』は、そんな圧倒的大作だ。あの時代の沖縄で夢を追いかけた若者たちの運命を描く熱い一冊。「7年前、戦後の琉球警察の話を書こうと取材に行ったんです。当時は戦果アギヤーという、米軍施設から物資を強奪していた人たちがいて、その事件を調べるうちに、警察より彼らに興味が移って。自分の書きたいものが表現できる気がしました」(真藤順丈さん)書きたいもの、とは?「路上のサバイバルだったり、市井の言葉や風景だったり、挫折も失敗もするけど生きていくバイタリティだったり……恰好よく言うと、我々が忘れている魂というところでしょうか」1952年。盗んだ物資を市民に配る戦果アギヤーの義賊だったオンちゃんが、キャンプ・カデナで米兵に見つかり失踪。英雄を失った混乱の島で、オンちゃんと繋がりのあった3人の少年少女は生き抜く。「3人それぞれに自分を投影していますね。お調子者で怠け者だけどやるときはやるというグスクはその後警官になり、血の気の多いレイは危険人物になっていく。教師になるヤマコはこの頃の沖縄を受け止める象徴的な女性。僕が書く女性キャラは、ファム・ファタルな謎の美女か、男どもを率いるジャンヌ・ダルク的な存在になりがちなので、もっと等身大の人物を描くためにNHKの朝ドラをたくさん見ました」オンちゃんが消えた謎を遠景に、殺人事件やコザ暴動など実際の出来事や実在の人物を登場させつつ、彼らの波瀾万丈な20年が語られていく。「虚実の“虚”の部分をどう盛り上げるか、史実に配慮しつつ面白い物語をつむぐのにはすごく苦労しましたが、あの時代を生き抜いた人たちの力強さやしなやかさに筆を動かされ、僕にできるかぎりの努力と工夫を重ねました」工夫のひとつが文体。誰かが彼らのことを語り聞かせてくれているような、時にユーモラスに、時にひょうひょうとした口調で物語は進む。「タイトルは担当編集者の提案で、最初はストレートすぎないかとも思ったけど、沖縄の宝とは何か、あの島の恵み深さにもふれている題名なので、今は気に入っています」最後にぐっと心をつかまれる事実も明かされる。壮大で強靭な世界だ。『宝島』1952年、戦果アギヤーの英雄・オンちゃんが嘉手納基地で米兵に見つかり、逃亡中に失踪。残された3人の幼馴染みが、やがて知る事実とは。講談社1850円しんどう・じゅんじょう1977年、東京都生まれ。2008年『地図男』でダ・ヴィンチ文学賞大賞、『庵堂三兄弟の聖職』で日本ホラー小説大賞、ほか2賞を受賞し、作家デビューして話題に。※『anan』2018年8月8日号より。写真・土佐麻理子(真藤さん)大嶋千尋(本) インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年08月05日初の全曲クラシックアルバムをリリースした宮本笑里さん。その名も『classique』。11年目の挑戦は、初のオールクラシックの名曲アルバム。宮本笑里さんはニューアルバムのタイトルに、極めてシンプルに“クラシック”と付けた。というのも、実はこのアルバムは、宮本さん初の全曲クラシックアルバムだから。「わかりやすく“これはクラシックですよ”と、この名前にしました(笑)。意外に思われるかもしれないですが、まだ私はバイオリンの名曲を集めたアルバムを作ったことがなかったんです。それであえてこのタイトルに決めました」クラシックのみならず、J-POPや映画音楽、沖縄民謡まで、幅広く奏でてきた宮本さんの原点回帰、という意味合いのアルバムだろうか。昨年デビュー10周年を迎えたことも、その動機になったよう。「ありがたいことにクラシックの演奏以外にも様々な活動をさせていただいた10年間でした。弾いたことのないような楽曲にチャレンジすることで、自信もついてきたと感じています。では、さらに成長するにはどうする?と考えたとき、全曲クラシックのアルバムを残したいと思いました。とはいえ、どこか避けてきた部分もあったので、とても勇気の要ることでしたね。でも、いまやらなくちゃいけない!って」選ばれた18曲のバイオリンの名曲は、タイトルを見て、すぐにメロディが浮かぶというものではないけど、聴けば、あっ!この曲、と気づくような有名な曲がほとんど。クラシックのコアなファンでなくても、なじみやすく、楽しめる名曲ばかりだ。とくに宮本さんの代表曲ともいえるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」やエルガーの「愛のあいさつ」など4曲を再録音している。「以前録音したときとは、年齢も人生経験も違うので、同じ曲を演奏しても、時間の積み重ねが音に反映されていると感じますね。とくに4年前に母親になり、いままで経験したことのない道を、日々勉強させてもらっているので、いい刺激をもらっていることもあるし、昔とは全然違う演奏になっています」また6曲の短い曲からなるバルトークの「ルーマニア民族舞曲」は、とりわけ思い出のある作品と言う。「幼いころ、五嶋みどりさんのCDで、この作品集を毎日のように聴いていました。舞曲なので華やかだけど、どこかあやしげでゾクゾクするような楽曲なんです。聴きながら、難しそうな曲だけど、なんか楽しいなって、一緒に踊っていました(笑)。そんな楽しい気持ちを、お子さんたちや大人の方にも感じてもらえたらすごく嬉しいですね」なお、レコーディングは宮本さんとピアニストのふたりで、ホールを3日間借り切って行われた。「普段はスタジオ録音が多いんですが、このスタイルははじめてでした。一発勝負のライブ録音なので、集中力や緊張感が必要で、普段とは違うレコーディングでしたけど、バイオリンの音そのものがスタジオとはまったく違う、ホールでしか出せない生音の響き。それは弾いていてすごく気持ち良かったですね」8th Album『classique』【初回生産限定盤CD+DVD】¥3,50018曲収録。DVDには最新MVやMay J.と共演した「My HeartWill Go On」などライブ映像も収録。【通常盤CD】¥3,000(SONY MUSIC)みやもと・えみり『smile』でCDデビューし、昨年10周年を迎えた。アルバムリリースツアーを8/16大阪・ザ・フェニックスホール、8/25愛知・宗次ホール、8/30東京・サントリーホールブルーローズで開催予定。衣裳協力・DHOLIC(DHOLIC LADIES+TEL:0120・989・002)※『anan』2018年8月1日号より。写真・土佐麻理子文・北條尚子(by anan編集部)
2018年08月02日音楽性のみならず、ファッション性、そして、そのフィロソフィーが熱烈な支持を呼ぶ。CHAI式・魅力の掛け算の起こし方とは―。「集まったときからもうCHAIだった!」――バンド「CHAI」はどんなふうに生まれたんですか?マナ:もともと、私とカナとユナが同じ高校の軽音部で。後から知り合ったユウキが加わって。4人でいるようになってすぐ、なんか“一致団結感”があったよね。カナ:バンドを組んだときにはすでに、“私たちはCHAI”っていう誇りがなぜかあった(笑)。ユウキ:うん。“CHAIです”って感じ。――バンドとしての方向性を話し合ったりはしましたか?マナ:そういうの、全然しないね。ユウキ:でも、ごはんを食べな?がら「アレが好き!」「コレがしたい!」とか話したりはしたよね。ユナ:ガストでねー。ユウキ:もともと好きなものが似ているからか、何を話しても「たしかにー!」「わかるー!」って言い合って(笑)。カナ:ファッションも、音楽も、全部そう。4人で共感できないことがないんだよね。マナ:古着屋さんに行くと、同じアイテムを手に取っちゃうし。大量生産型のものだとだいたいお揃いになる(笑)。生活リズムも似てるしね。ユウキ:親同士の仲もいいもんね。私たちがいなくても集まって盛り上がってる。マナ:親とか育った環境が近いのかもね。世間で言われている“結婚相手としていい条件”が揃っているメンバーって感じ。ユウキ:同じ芋畑で採れた芋みたいな(笑)。掘ったら似たのが4つ。ユナ:同じツルになった芋(笑)。ユウキ:東京に出てきて2年間、みんなで一緒に住んでいたしね。マナ:ムカついたことや、メンバーにしかわからないもやもやとかも、全部話してるから。自然と仲が深まっていくよね。カナ:愚痴もすべて共有する!マナ:みんなで泣いたりもするよね。『もののけ姫』の「アシタカとサン」のテーマを聴きながら。ユナ:最近だと、アメリカから日本に帰りたくなくて泣いたよね。マナ:そういうときって、だいたいみんな同じタイミングで泣いてる気がする。喧嘩をするのも、私とカナの姉妹喧嘩くらい?ユウキ:でも、すごく短い。5分ぐらいですぐ謝る。もうちょっとやってよって思うくらい(笑)。カナ:サウンドのことでしか喧嘩しないんだけど、すぐに後悔しちゃうんだよね。マナ:ユウキとユナは絶対に喧嘩しない。すごく穏やかだよね。特にユナは、怖いくらい穏やか。ユウキ:それ以上、優しくなっちゃダメだよ。ドラムがかわいそうになって叩けなくなっちゃいそう。――みなさんはよくお互いを褒め合いますよね。カナ:ライブの前とか緊張するときは、特に褒め合う。「うまいから大丈夫!」「今日もかわいい!」って。でも、普段からそう。――どうやって褒めるんですか?ユウキ:マナ、眉毛立ってるよ!マナ:ほんと?あ、カナは米粒かわいい。やや面長で。カナ:ユナの前髪の透け具合、すっごいかわいい。いい感じ。ユナ:ユウキは本当に首きれい!――(その後、5分以上褒め合う4人に)褒め言葉のバリエーションも豊かです。昔からですか?マナ:私たちはもともとネガティブ出身だもんで、昔の自分が言われたかったことを今CHAIとして言っているし、それを歌詞にもしてるよね。ユウキ:今はすごくポジティブだよね。そこがグループの強みのひとつだと思ってる。マナ:バンドとして、みんながブレずに持っている目標のひとつが、グラミー賞を獲ること。完ぺきじゃない私たちがトップに立つことで、“カワイイ”の価値観を変えたい。きっと世間における“カワイイ”の範囲が広がるし、カワイくない人なんていないということが伝わると思う!そんな “NEOかわいい”を伝えたい!ユウキ:その目標もみんなで共有しているね。アジアの顔になれるよう、頑張りたいね!CHAI ボーカル&キーボードのマナ、ボーカル&ギターのカナ、ベース&コーラスのユウキ、ドラム&コーラスのユナによるガールズバンド。“NEOかわいい”をテーマに、楽曲制作からアートビジュアルまでメンバーが手掛ける。ユナドラム&コーラス担当。力強いサウンドとはうらはらに、グループいちの優しさを持ち合わせている。料理が好き。ユウキベース&コーラス担当。CD ジャケットのデザインをはじめとする、CHAI のアートワークも手がけている。マナボーカル&キーボード担当。カナとは双子の姉妹。リーダーは決めていないが、彼女が引っ張ることが多いそう。カナボーカル&ギター担当。マナとは双子の姉妹。サウンドを常に冷静な視点で見つめる、クールな一面を持っている。※『anan』2018年8月1日号より。写真・土佐麻理子取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年07月30日週刊少年ジャンプで好評連載中の作品『アクタージュ act-age』。原作者と作画担当のお二人の信頼関係は、互いの才能への敬意が基盤になっていました。「予想以上のものが相手から返ってくる感動があります」――一緒にお仕事をされることになったきっかけは?マツキタツヤ:もともとデビュー前に、僕がつたない漫画を描いて、ツイッターにアップしていたことがあったんです。それを誰かがリツイートしてくれて、宇佐崎さんが反応してくれたのが始まり。ちょうど2年前くらいですね。宇佐崎しろ:「面白いです!」ってリプライを飛ばして、フォローさせていただいたんです。マツキ:それから僕もツイッターにアップされている宇佐崎さんのイラストを見て、「この人、絵がうまいな」と思って。そんなとき、週刊少年ジャンプがやっている原作志望者を対象にした漫画賞「ストキンPro」に入賞しまして、応募作品「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」の掲載権をいただいたんです。作画を当てないといけないということになり、担当編集の方に「誰かいる?」と聞かれ、宇佐崎さんの名前を出しました。そしたら、担当編集の方も以前からツイッターを通して宇佐崎さんの存在を認識していたようで、その場で「僕から連絡しておくから」と(笑)。宇佐崎:それまでは好きなキャラクターの絵ばかり描いていたのですが、漫画を描きたい気持ちはあって。自分では話が書けなかったので原作つきというのは魅力的なお話でした。しかもそれが、自分からフォローしたマツキさんだったのも大きかったです。――まさにドラマのような展開ですね…。お二人は、お互いの作品のどこに惹かれたんでしょうか?宇佐崎:初めてツイッターで見たとき、ネーム(下書き)くらいのラフさで描かれていても、その段階ですでにキャラクターに興味が湧いたというか。きっとこの子はこういう子なんだろうなぁ…という想像が、ちゃんとした作画でなくても伝わってきたんです。マツキ:僕は表情とデザイン性です。特に喜怒哀楽を読む側の解釈に任せるような絶妙な表情が好きです。『アクタージュ』の連載が始まってからは、すごくざっくりとしたキャラクター像を伝えて、返ってきた絵に合わせて当て書きをしている部分も結構あるんです。特に、湯島茜や源真咲というキャラですね。――お二人の信頼関係の土台には才能に対する尊敬があるのですね。マツキ:信頼関係ができているからこそ、ネームの絵もどんどん雑に…。「宇佐崎さん助けて~」という気持ちでやっています(笑)。宇佐崎:でもキャラクターがわかってくれば、結構簡易な絵のネームでも伝わってくるので(笑)。――意見が食い違ったり、衝突することはないんですか?宇佐崎:ありますね。マツキさんのイメージと私の絵の方向性がだいぶ違ってしまったときとか。――そんなときどう軌道修正を?マツキ:まず、否定はしない。宇佐崎:そうですね。私もそう心がけてはいますね。――コミュニケーションをとりながら作業を進めていく上で、大事にしていることは?宇佐崎:相手にも毎週締め切りがあることを念頭に置く(笑)。それを理解した上で、モヤモヤすることがあったらそのままにしない。疑問があったらすぐに連絡する、ということは意識しています。――コミュニケーションを結構密にとっていらっしゃるんですね。マツキ:宇佐崎さんは問題点を明確に伝えてくれるので、わけがわからないままに話が終わることがないんです。たとえいっぱいいっぱいのときでも「今は締め切りがやばいので、それは後にしてほしい」ということもはっきりと言ってくれますし。宇佐崎:わからないことや疑問に思うことはすぐに聞ける距離感でいたいなとは思っていて。会話をするのが億劫になるくらい距離を置いてしまうと作品に支障が出るので、お互いが喋りやすい空気になるように気を使っている部分はありますよね…?マツキ:そうですね。距離が近すぎても、逆に言いたいことが言えなくなってしまうので。――ズバリ、チームの強みは?マツキ:他人の意見を受け入れる態勢が二人とも整っていること。だから自分のエゴを持ちつつも、相手のエゴもきちんと理解して、大切にしようと思っていますし。宇佐崎:その両方をまとめて一つの作品に生かせる。それがチームの一番の強みのような気がします。原作をマツキさん、作画を宇佐崎さんが担当。2017年『週刊少年ジャンプ』掲載の読み切り「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」で初タッグ。2018年、初の連載作品「アクタージュ act-age」がスタート。8月3日に単行本第3巻が発売予定。うさざき・しろ1997年12月27日生まれ。作画担当。2017年に18歳にして、「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」でデビューし、新人とは思えない画力の高さで話題を集める。ツイッターは@uszksrまつき・たつや1991年5月29日生まれ。原作担当。週刊少年ジャンプによる「第2回ストキンPro」の準キングを受賞し、「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」でデビュー。ツイッターは@machi8mura※『anan』2018年8月1日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年07月27日『40歳までにオシャレになりたい!』を発売したトミヤマユキコさんにお話を伺いました。いまよりちょっとおしゃれな私。センスよく変身できるコツが満載。<おもしろい服なら得意なのだ>おしゃれかどうか判断しづらい、個性的な<圏外ファッション>で通してきたトミヤマユキコさん。しかし、ある気づきを得る体験があった。「グレーのパーカを着て、ニコ生の放送に出ていたんです。すると『トミヤマさん、テレビ局のADみたい』と視聴者からのテロップが。私の着こなしがどうというより、好きな服を好きなように着ていてもダメな年齢なのではないかと悟ったんです。けれど、一日中、気の張るファッションでいるとか、ヒールを履いてるとかはつらいなぁという年齢でもあります。そのちょうどいい塩梅の参考書が何もなかった。となれば、自分を実験台にしてやるしかないのかな。それを必要としてくれる人のところに届けばいいな、と。おもしろく読んでくれる人がいたら実験台になった甲斐があります」かつて無難すぎてつまらないと敬遠していたコンサバ服<圏内ファッション>を取り入れながら、自分らしい大人の装いができる自分になれないものか。そう考えたトミヤマさん自身が、おしゃれの大改革に取り組み、導き出した法則をまとめたのが本書だ。ベースにあるのは、おしゃれになりたいけれど、いまひとつ自信のない女性たちが普段から抱いている切実な悩み。雑誌に出てくるモデル並みのおしゃれ感を目標にしているわけではないので、ちょっと背伸びするだけというのが好もしい。扱うトピックは、トップスからアウター、アクセサリーやメイクなど、上から下まで網羅。骨格レベルで体型が変化していき、若いときから好きだった服が似合わなくなるのが40歳前後だろう。「それを自覚するといま着るべき服も見えてくるのですが、実はその年齢までに『こういう色は似合わない。こういう服は着ない』というヘンな自分ルールができている人も多いと思う。そういう思い込みは外したほうがいい。私の場合はカラー診断に行ったのがとても良かったです」好きな服を否定したいわけではない。ただ、おしゃれのチャンネルをもう一つ増やそうというような気持ち、とトミヤマさん。「私が体を張って試行錯誤をしておきましたので、読者のみなさんは、その迷路をショートカットしていただければ幸いです(笑)」『40歳までにオシャレになりたい!』 グラビアやイラストも多数。また、何がおしゃれなのか似合うのかがなかなかわからないメガネや腕時計などにまで踏み込んでいて重宝する。扶桑社1200円ライター、早稲田大学文化構想学部助教。著書に『パンケーキ・ノート』(リトルモア)、『大学1年生の歩き方先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ』(左右社、清田隆之氏との共著)がある。※『anan』2018年8月1日号より。写真・土佐麻理子(トミヤマさん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年07月26日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優でモデルの田中芽衣さんです。ファン目線で発信する情報とオシャレな世界観にラブコール♪SNSの総フォロワー、なんと67万人!「中学2年のとき、趣味でやっていたSNSを今の事務所の人が見たことをきっかけに、地元の熊本までスカウトに来てくれたんです」。中学卒業と同時に上京。専属モデル、女優、自身のブランド『mememi』のクリエイティブディレクターとしてマルチに活躍している。「18歳を武器に色々なことに挑戦したい!演技では、恋愛ものにあこがれますね」。最近成長したのは「キウイが食べれるようになったこと(笑)。前は嫌いだったけど、意外とおいしかった~!」。フィルムカメラの独特な風合いが好き。中のフィルムを替えて撮り比べすることも。今月は写真展も開催予定!スニーカーの魅力にハマっています!歩きやすいし、どんなコーデにも合わせやすい。差し色としても◎!メガネやサングラスで私服のこなれ感がUP。30 本以上は持っています。変わった形や配色に惹かれて買っちゃう!たなか・めい2000年生まれ。モデル業、女優業、『mememi』のクリエイティブディレクターとして多彩な才能を発揮。インスタグラム(@mei_tnk)にはオシャレ情報が満載!※『anan』2018年8月1日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2018年07月26日辻村深月さんが新作の短編集『噛みあわない会話と、ある過去について』を上梓。作品について辻村さんに聞きました。「人って怖い!でも分かる!」と唸らずにはいられないのが、辻村深月さんの新作『噛みあわない会話と、ある過去について』。4編を収録した作品集だ。「以前“いじめをめぐる短編”を依頼された時、いじめられた側の気持ちなら分かるという読者は多いだろうけれど、いじめた側に共感したという人はなかなかいないと思ったんです。それは隠したいというより、自覚がないからかもしれない。悪意というより、“あの子は分かってないから分からせなきゃ”という気持ちが集団で起きた結果だったりする。でもそれは傍から見たらいじめに近いものに見えると思うんです」そんな思いから書いた短編「早穂とゆかり」は、小学校の同級生同士が塾経営者と彼女を取材するライターという形で再会する話だ。しかし会話にはかなりの温度差が生じ、話は過去の出来事に遡り…。この一編を書き上げた時、「全部の短編を、共感できない側から書いて短編集にまとめよう」と思い立った。「自分に都合の悪いことは忘れていたり、思い違いをしていたり。現実には回避できるような、言いにくい内容を、あえて正面切って会話させてみました。それを共感できない側から書くと、噛み合わない感じがより出るみたい(笑)。会話がどちらの方向に流れていくのか分からない緊迫感を楽しんでもらえたら」と言う通り、過去に実は何があり、その時相手はどう思ったのかが明晰に語られていく部分が非常にスリリング。これでもかというくらい相手を追い込む話もあれば、ちょっぴり不思議なテイストの短編もあり、読み応えはさまざまだ。ただ、「読者の方たちが、“自分もこういう怒りを感じたことがある”という気持ちとセットで“自分も誰かにこんな思いをさせたかもしれない”と感じた、と言う方が多いんですよ。自分を省みる視点で読んでくれるなんて、みんなすごい!(笑)」痛感するのは、過去と現在は明確に違う、ということ。「過去に何があったとしても、その後も時間は進んで、関係性は変わっている。家族でも友達でも、思い出に寄りかかって今の相手と向き合うのは甘えではないかと。この4編は、そうした甘えが通用しないと分かる話かもしれませんね」つじむら・みづき1980年生まれ。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞、『かがみの孤城』で本屋大賞第1位を獲得。近著に『青空と逃げる』など。『噛みあわない会話と、ある過去について』小学校の同級生に取材するライター、人気アイドルになった生徒と再会する教師―スリリングな会話から真実を浮かび上がらせる作品集。講談社1500円※『anan』2018年7月25日号より。写真・土佐麻理子(辻村さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2018年07月24日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優でモデルの玉田志織さんです。フレッシュさとチャレンジ精神を持ち合わせた16歳の美少女!幼い頃にたくさん観ていたドラマや映画の影響で「TVに出たい」と熱望。なんと小学1年生のときに自ら事務所に電話をかけたそう。「それがきっかけでダンスや歌のレッスンを始めました」。憧れの女優は米倉涼子さん。「演じてみたいのは悪役です。作品によって悪役は全然違うので、挑戦してみたい!」。6月末に発売したファースト写真集も一つの挑戦に。「不安が大きかったけど、やるからには全力で挑みました。制服を着ているカットだったり、変顔をしていたり…。素の自分が満載です!」生クリーム専門店『ミルク』が好き。左のシフォンケーキが特においしい!母とシェアして食べました♪美容のために愛飲中。韓国の美酢(ミチョ)炭酸水やヨーグルトで割って飲んでいます。ざくろ味が一番好き。ポップな色が個性的なエレキギターに夢中!独学で練習中。家入レオさんや大原櫻子さんの曲を弾いています。たまだ・しおり2002年生まれ。第15回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。※『anan』2018年7月25日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花
2018年07月24日宮藤官九郎さんがシェイクスピアの『マクベス』にヘヴィメタルを組み合わせて脚色した劇団☆新感線の『メタルマクベス』。昨年オープンした、客席が360度回転する劇場・IHIステージアラウンド東京でキャストを変えて連続上演される。「新感線に宮藤さんにシェイクスピアって、演劇のオイシイところを全部ミックスしたような作品。12年前の初演時、出たかったと悔しい気持ちで客席で観ていた思い入れの強い演目で、21年ぶりに劇団に帰れるって、こんな嬉しいことはないです」橋本さとしさんが新感線の作品に出演するのは、’97年の退団以来だ。「稽古初日、僕は当然ノスタルジックな気持ちもあり、少し緊張して行ったわけですよ。でも、顔を見た途端、(主宰で演出の)いのうえ(ひでのり)さんがいきなり演出を付けだし…鞄を置く前ですからね(笑)。劇団員の方々も特別な想いで迎えてくれるわけでもなく、当たり前のように普通に話しかけてくる。一瞬で当時の空気に戻って、久しぶりに帰ってきた実家みたいな感じでした」長い年月で大きく変わったのは、劇団のネームバリューと公演の規模。「でも、いのうえさんの頭の中にあるものは、当時から何も変わってなくて、変わったのは、それを舞台上で具現化できるだけの技術と力が追いついてきているってこと。『一瞬、空中で止まってほしい』とか、無茶ブリも相変わらずです(笑)。ただ、360度客席が回転する劇場のノウハウを身につけたいのうえさんからは、次々と新しいアイデアが湧き出てくる。いま50代になって当時と同じ体のキレを要求されつつ、そのアイデアに食らいついていくだけで必死です。それでも、いのうえさんの求めるもの全部に応えたいし、劇団を離れて、『レ・ミゼラブル』などのミュージカルに本気で挑んで身につけたものも見せていきたい。自分を信じる力を教えてくれたこの場所で、すげーもんをお届けしますって自信を持って宣言したいです」はしもと・さとし劇団退団後は『レ・ミゼラブル』などの本格ミュージカルや、蜷川幸雄演出作のほか映像作品も多数出演。近作にドラマ『ブラックペアン』が。『メタルマクベス』2218年の廃退した近未来と、バンドブームに沸いた1980年代の日本とを行き来しながら、マクベスの世界が展開。ミュージカル界きっての歌い手、濱田めぐみさんとのコンビにも注目。7月23日(月)~8月31日(金)豊洲・IHIステージアラウンド東京作・宮藤官九郎演出・いのうえひでのり出演/橋本さとし、濱田めぐみ、松下優也、山口馬木也、猫背椿、粟根まこと、植本純米、橋本じゅん、西岡徳馬ほか全席指定1万3500円(税込み)ステージアラウンド 専用ダイヤルTEL:0570・084・617(10:00~20:00)※『anan』2018年7月25日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2018年07月22日暑い夏のおうちごはんは、栄養のあるものをさっぱりとおいしく食べたいですよね。そんなこれからの季節に注目したいのが、〔ミツカン〕の《カンタン酢》です。なんと、これ1本で料理をおいしく簡単につくれてしまうというすぐれもの。そこで、〔ミツカン〕商品企画部の佃知彦(つくだともひこ)さんに、気になる《カンタン酢》の開発秘話と、料理のレパートリーに加えたいおすすめレシピを伺いました!1番の人気商品は《カンタン酢》!その誕生秘話とは?〔ミツカン〕商品企画部佃知彦さんどこのスーパーへ行っても、《穀物酢》や《味ぽん》など〔ミツカン〕のお酢商品は必ずといっていいほど見かけますよね。〔ミツカン〕は、創業から200年以上続く老舗の食品メーカー。「江戸のすし文化を支えてきた」と言われるほどの高品質なお酢を、創業当初から研究を重ねながら作り続けてきたそうです。そんな歴史ある〔ミツカン〕で、今注目の商品が《カンタン酢》です。「お酢を使い慣れていなくて料理の失敗が怖い。なによりも使わないままにしてしまいそう......」といった心配も不要。2008年に発売されてからというもの、その便利さにじわじわとリピーターが増え、今では1番の売れ筋商品なのだとか。それではさっそく《カンタン酢》の誕生秘話を聞いてみましょう!「酸っぱい」を克服できる新機軸のお酢とは?——人気の《カンタン酢》ですが、どういった経緯で誕生したのですか?佃知彦さん(以下、佃さん):もともとの主力商品は、基礎調味料として使われていた、穀物酢や米酢などの「生酢」でした。しかし、年々すし酢などの「調味酢」の販売数が伸びてきていたことから、もう少し料理に使いやすいお酢があったらいいのかな、というニーズを汲み取って開発が始まったんです。——たしかに、生酢は配分を間違えると酸っぱくなりすぎてしまって、料理初心者には扱いにくい調味料という印象がありますね。佃さん:そうなんです。とくにお子さんや男性は酸っぱいものが苦手な方も多くて、酢がきつすぎると食べなかったりしますよね。——《カンタン酢》はすし酢などの料理専用の調味酢とはどのような違いがあるのでしょうか?佃さん:すし酢は、他の料理にも使えるけれど、あくまでもちらし寿司を作るために配合された調味酢ですよね。《カンタン酢》は、何かの料理専用の調味酢ではなく、「より万能な『調味酢』」として幅広い料理に対応できるように、甘み・酸味・塩味のバランスを調整していきました。——新しい商品かと思っていたら、発売は2008年と10年も前からあったことに驚きました。佃さん:実は、主力商品とまでは考えておらず、お客さまのニーズに応えるために開発されたものだったので、発売当初は少し目立たない商品でした。——それは意外ですね。佃さん:ですが、ほとんど広告していないのに年々売上が伸び、リピートもされているいる様子から、これはかなりポテンシャルを持っている商品なのでは?ということで、2012年から本格的にプロモーションを強化するようになったんです。——お酢ドリンクなど、お酢を食卓に取り入れることが定着していくなかで、日常的に使える《カンタン酢》もマッチしたんですね。《カンタン酢》で作る、失敗知らずのさっぱりレシピ——この夏におすすめの《カンタン酢》を使ったレシピを教えてください。佃さん:まず挑戦してもらいたいのが「フレッシュピクルス」ですね。切った野菜を《カンタン酢》に漬けるだけの簡単な工程なので、失敗することなく野菜をさっぱりと食べることができます。一度漬ければ日持ちするので、常備菜として作り置きするのもおすすめですよ。「オクラとミニトマトのフレッシュピクルス」佃さん:夏らしい野菜を使うなら「オクラとミニトマトのフレッシュピクルス」もおすすめです。ポイントはオクラを茹でずに漬けることです。——えっ、オクラは茹でなくていいんですか?佃さん:先入観で茹でたくなってしまいますが、オクラは生でも食べられる野菜なので大丈夫ですよ。茹ですぎてしまうと、色がくすんでしまいますしね。——たしかに生のままで漬けると、見た目も鮮やかでおいしそうです!これは試してみたくなりますね。佃さん:変わり種としておすすめなのが「うずらの卵のピクルス」です。これはカレー粉を入れることで、色味も風味も良くなりますよ。——おつまみにしても良さそうですね!「鶏の甘酢照り焼き」佃さん:続いて、子どもや男性に人気があるのがこちらの「鶏の甘酢照り焼き」です。——食べごたえがあるお肉を甘酢でさっぱりいただけるのが嬉しいですね。こちらのレシピをみると、鶏もも肉とサラダ油と《カンタン酢》の3つしか材料をつかっていないことに驚きました!佃さん:そうなんです。これ1本で味付けができてしまうんですよ。一度使えば本当に簡単においしく作れることがわかるので、《カンタン酢》をレギュラー調味料としてリピートしてくださる方も多いんです。たくさん使う方は、大容量の1Lタイプもおすすめですよ。——いつも酢の物ばかり作っていましたが、《カンタン酢》が1本あるだけで料理のレパートリーが一気に増えそうな気がします。さっぱりしたい夏こそ《カンタン酢》を使おう左から唐揚げやラーメンなどにちょいかけして“味変”を楽しめる《かけるカンタン酢》、マリネやコールスローなど、さっぱり楽しみたい料理にピッタリの《カンタン酢レモン》、酢豚やあんかけ焼きそばなど、中華料理を手軽に作れる《カンタン黒酢》、《カンタン酢》の500mLと1L。家に帰ってさっそく《カンタン酢》を使って「鶏の甘酢照り焼き」に挑戦!今までは米酢にみりん、酒、醤油、砂糖......とたくさんの調味料をあわせるだけで大変だったのに、《カンタン酢》を使えば手間なく一発で味が決まりました♪これはすごい!《カンタン酢》はシリーズ商品も充実。まだ試していないという方は、そちらもぜひ挑戦してみましょう!ミツカン《カンタン酢》の詳細はこちら♪●ライター宇治田エリ●写真土佐麻理子
2018年07月20日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の木竜麻生さんです。映画初主演は“女力士”役。新体操経験が役に立ちました!デビューのきっかけは14歳の時のスカウト。でも、大学に入学して上京するまでは学業を優先させたそう。「大学では近代文学を学びました。本を読むのが好きなんです」。公開中の映画『菊とギロチン』では初主演を務める。「大正時代に実在した、女相撲興行の力士役。相撲は初体験でしたが、子供の頃新体操をやっていたからか、股割りはすんなりできました(笑)。映画を観るのは大好きなので、ひとつでも多くの作品に関わりたい。自分が携わった作品が誰かの心に残ったら、幸せだなって思います」ふとした時に読み返す谷川俊太郎さんの本。子供の頃から絵本で親しんでいました。ひとつひとつの言葉が響きます。外出する時はフィルムカメラは必携。風景や人を撮ります。おじいちゃんのお下がりなど、中古のカメラを愛用。甥っ子&実家の犬が私の元気の源。この子たちの写真を見ると癒されて、頑張ろうって活力が湧くんです!きりゅう・まい1994年生まれ。’14年に映画『まほろ駅前狂騒曲』でデビュー。自身初の写真集『Mai』が6月に発売されたばかり。11月公開の映画『鈴木家の嘘』にヒロインとして出演。※『anan』2018年7月18日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年07月16日