まさかこの作品の続編が読めるとは。吉田修一さんによる『続 横道世之介』は、青春小説『横道世之介』の数年後の話。1987年を舞台にした前作では、大学進学で上京した世之介の一年が描かれ、今作では卒業から数年後、1994年の1年間が綴られる。「自分でも続編を書くつもりはありませんでした。でも、文芸誌『小説BOC』が創刊される際に連載を依頼され、考えていたら世之介が浮かんできてしまったんですよね(笑)」24歳の世之介は、バイトとパチンコに通う日々を送っている。「人生がうまくいかなかった時期を書こうと思いました。自分も、全然やることがなく、アルバイトをしながらあてもなく小説を書いていたのがこの頃だったんです」確か著者も20代前半、世之介のように湾岸の倉庫街で働いていたはず。「そうです。基本的にこの小説は自分の体験や、実際に見聞きしたエピソードを集めて書いているんです」当時の風俗をよく憶えているなと感心もするが、「当時つけていた日記を見ながら書き進めました。その日観た映画とか、会った人について1~2行書いただけですけれど。年表には残らないようなあの時代の雰囲気が書けたかなと思いますね」世之介は2人の女性と出会う。鮨職人を目指す丸刈りの浜本と、シングルマザーの日吉桜子だ。「浜ちゃんは、10代の頃に女友達が突然角刈りにした記憶が強烈に残っていたので(笑)。桜子は、以前書いた短編集『女たちは二度遊ぶ』に収録された〈殺したい女〉に出てくる、小岩の整備工場の娘をもう一回書きたかったんです。単純にキャラクターとして好きだったので」お気楽で勝手なのに、なぜか周囲に人が集まってくる世之介。「彼は友達が辛い時期に、助けに行こうと思いながらも行かない人。友達にしてみたら、実際に来られても迷惑ですよね。でも辛い時に会いに行くといつでも会えるのが世之介なんです。結果的に、そういう人のほうが、スランプの時に必要じゃないかと思う」前作同様、世之介と関わった人たちのその後が書かれる本作。今回描かれる「その後」は、少し未来、東京オリンピックの年だ。「マラソン競技中のコースの何地点かで同時多発的に何かが起きる小説の構想もあったので、それがこの話と重なっていきました」彼らの中でも「この人が書けたことに達成感をおぼえた」というのが、桜子の兄の隼人だという。中学生の時にケンカ相手が意識障害で寝たきりとなり、ずっと彼の家にお見舞いに通い続けていた青年だ。「隼人のように、その場所から動けなくなっている人に興味があるんですよね。世之介と関わった時間を経て、隼人が自分から動いたことを書けて本当によかったです」世之介がその後どうなったのかは、前作の読者なら知っているはず。知らない人は…とにかく読んで!よしだ・しゅういち1968年、長崎県生まれ。’97年、「最後の息子」で文學界新人賞を受賞しデビュー。’02年に『パレード』で山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞。ほか受賞多数。『続 横道世之介』アルバイト生活を送る世之介、24歳。現在、人生のスランプ期。それでものんきな彼の周囲はいつも明るくて…。映画化もされた青春小説、奇跡的な続編。中央公論新社1600円※『anan』2019年3月20日号より。写真・土佐麻理子(吉田さん)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年03月14日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はアイデザイナーでモデルのNANAMIさんです。アイデザイナーとしても活躍。二足のわらじを履く注目モデル。原宿のサロンでアイデザイナーとして働きながら、数々のファッション誌でモデル業もこなす。「元々メイクが好きで、美容学校に通っていました。色々な巡り合わせのおかげで、1年くらい前から雑誌の撮影に呼んでいただけるように。目立つのは苦手な性格だったのですが、最近ようやく撮られることに慣れてきたかな」。週の半分はお店に立つNANAMIさん。忙しい毎日を乗り切る秘訣は?「友達とはしゃぐのが大好き。大切な人と美味しいごはんを食べる時間とお客様の笑顔があれば頑張れます!」友達と野外フェスに。開放感がたまらない!お酒も飲んで、とことん雰囲気を楽しむ派。ロック系をよく聴きます。今のお気に入りリップ。ジンジャーの香りが。季節ごとにリップはチェンジ。友達のSNSを参考にすることが多いです。時間ができたら、さくっと温泉旅行熱海や箱根によく行きます。次のお休みは九州の温泉でまったりしたい!1994年生まれ。東京都出身。アイラッシュ&ヘアサロン『L by HOME』アイデザイナー。1stフォトブック『NANAMI』(主婦の友社)が発売中。近況はInstagram(@nanami023)にて。※『anan』2019年3月13日号より。写真・土佐麻理子(by anan編集部)
2019年03月12日『テルマエ・ロマエ』の大ヒットで、一躍人気マンガ家となったヤマザキマリさん。名が知られるにつれ、ヤマザキさんの破天荒な半生も話題になった。美術の勉強のため、17歳にして単身イタリアに渡ったことや、イタリア人の詩人と恋に落ち、シングルマザーとなったこと…。まるで“朝ドラ”規格外で心優しき母リョウコの生き方とは。ヤマザキさんのボーダーレスな生き方は、「この母にしてこの娘あり」を地で行く世界。そんなヤマザキさんの目を通して綴られた、母リョウコさんの一代記的な読み物『ヴィオラ母さん』が滅法面白い。「インタビューや講演などで自分の話が出てくると、『なぜそんな若さで、単身イタリアに行ったのですか』と尋ねられるんですね。きっかけは、母に行ってこいと提案され、14歳のときにヨーロッパを1か月くらい一人旅したことだと説明すると、今度は必ず『ヤマザキさんのお母さんてどういう人なんですか』と驚かれるんです。私の自伝的なマンガやエッセイなどにも登場するリョウコという女性のことを、一度まとめてみてもいいのかなと思いました」実際、リョウコさんは仰天のエピソードに事欠かない。やっと戦争の痛手から立ち上がりかけた昭和20~30年代に、女性が音楽の道で食べていこうというのも無謀なら、知り合いがひとりもいない札幌へ乗り込んで、交響楽団の演奏家になろうというのも無謀。子育てしながら、北海道各地へバンを運転して、子どもにバイオリンを教えに行くというのも向こう見ずすぎる。大自然が好きで、泳げないのに川に入っていって流され、ペット禁止の団地住まいなのに、拾ってきた犬を堂々と許可を求めて飼い始める。「母は、祖父母の影響もあって、小さな世界のルールなんて何ほどのものかという人。友達のお母さんとあまりに違うので、友達の家で“お母さんらしいお母さん”を観察するのが楽しみでした。リョウコさんには、母親とは、子育てとは、『こうあらねば』がなかった…というか、忙しくて考える暇もなかったのかもしれません(笑)」本書では少し触れられているだけだが、リョウコさんは、サウジアラビアに海外赴任していた再婚相手の母親と同居し、その夫と離婚後も義母と一緒に暮らす道を選ぶ。並外れて情に厚いのだ。「バイオリンを習いたいという子がいれば、バンを飛ばし、ほぼ無償で北海道中に教えに行っていました。その代わりに、季節の野菜だの海産物だのがしょっちゅう送られてくるので、『物々交換だ』なんて悦に入ってる。母はお金が必要だという概念が薄かったんですよね。生きている、それだけでうれしくてしかたがないという人なんです」そんな〈規格外〉の母の背中を見て育ったヤマザキさん。「私はたぶん母よりひどいですよ。『ここから先は行くな』と学校で注意をされたら、必ず行く。規則やルールがあるのは知っていても、その先にもっと面白いものがあるかもと思うと、自分を抑えられない」自らの生き方はもちろん、成人した息子さんの子育てについても、どこか母譲りな部分があったようだ。「海外へ引っ越した直後、息子は言葉もわからないと悩んでいたけれど、私は一緒に深刻にはならない。『それが楽しいんだって』と笑い飛ばしていました。生きていればみな絶対につらいことに直面するけれど、どんなときも笑っている母親は慰めになると思う。7歳にして花輪和一さんのマンガ『刑務所の中』を愛読していた息子ですから、好きなように生きてほしい、それだけですね」ヤマザキマリ1984年に渡伊。フィレンツェの美術学校で油絵と美術史を学ぶ。’97年にマンガ家デビュー、2010年に『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞など多数の賞に輝く。現在は日伊を行き来。『ヴィオラ母さん』御年86歳というリョウコさんの生い立ちや、夫と死別したのち、女手一つで2人の娘を育てていたころを、エッセイとコミックで振り返る。文藝春秋1300円※『anan』2019年3月13日号より。写真・土佐麻理子(ヤマザキさん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年03月08日今じわじわと人気を高めてる作家、高山羽根子さん。芥川賞候補にもなった『居た場所』について、お話を伺いました。移ろいゆく、かつての場所へ。旅と記憶が組み重なる芥川賞候補作。『居た場所』は、記憶を辿る旅に出た、ある夫婦の話だ。「自分が通過してきた場所に戻る旅、というイメージがありました。はじめて一人暮らしをした場所、自分が“個”となった場所に行ってみるという体験は私もしたと思う。ただ今回は、通過した本人ではなく、その人の片割れとなった人が、自分の記憶にはない場所を行く旅です」〈私〉が生まれ育った町に来た介護の実技実習留学生・小翠(シャオツイ)は小さな島の出身。〈私〉と結婚後、彼女は以前一人で住んでいた海沿いの街へ行きたがり、二人は旅に出る。そこはアジアのどこかを彷彿させる街。「自分がこれまでに旅してきた場所をコラージュしたような街ですね。一見、身近な場所のようだけど、看板の文字は見慣れないし、言葉が違って意思疎通ができない。そんな雰囲気が出せたらと思いました」小翠が住んでいた地区はネットの地図ではボカシが入っており、彼女はやがて、地図を作ろうとするが…。「私自身、美術の勉強をしてきたのに地図が描けないんです(笑)。目の前のものはデッサンできるのに、知っている場所でも地図を描こうとすると曖昧になってしまう」古い地図と今の地図、昔の記憶と現在…幾層にも重なったそれらが厚みを作る。その様子は著者の中で立体的に再現されているようで、「不自由なレイヤーの中を進むと、建物の吹き抜けのようにスコーンと抜けた場所がある。スカッと見通せる瞬間があって、今見えたのはなんだったんだろうと思いながら元に戻って書く感じですね」微生物、外来生物、謎の壺と液体の思い出、ミイラ…。説明の多すぎない文章世界に触れて、読み手の中でさまざまな空想が生まれるはず。「行間を読ませようとしているつもりはないんです。いろんな要素を拾ってレゴのように組み立てられるようにしたかった。出来上がったものが人によって違っていいし、同じ人でも読む度に違うものができてもいい。自由度を保っていたいんです」それでも意識しているのは、「その時代の社会性、共時性はつねに入れているつもりです。今の時代の人たちが対面しているものを書いておきたいんです」『居た場所』家業を継ぐ〈私〉は、異国出身の小翠と出会い結婚。彼女が以前住んでいた街を再訪したいと言うのでネットで調べると、その場所はぼやけていて…。他2編収録。河出書房新社1400円たかやま・はねこ作家。1975年生まれ。2009年「うどん キツネつきの」で創元SF短編賞佳作を受賞。‘14年、同タイトルの短編集を刊行。‘16年「太陽の側の島」で林芙美子文学賞受賞。※『anan』2019年3月6日号より。写真・土佐麻理子(高山さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年03月05日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の森 七菜さんです。話題のドラマや映画に続々出演。凛とした瞳が印象的な大分ガール。新海誠監督の新作『天気の子』など話題作に立て続けに出演。「中学3年生のとき、地元・大分県の海鮮焼き屋さんで声をかけてもらったのがデビューのきっかけ。お仕事を始めたばかりの頃は、“カチンコって本当に使われているんだ”ってびっくりしました(笑)」。素顔は、マイペースな高校生。「辛いシーンの前は屍のような状態になっていますが、終わると楽しくなってハイテンションに。納得いく演技ができないときは悩むこともあるけど…それがお芝居の楽しいところだと日々実感しています!」マネージャーさんたちと牡蠣の食べ放題に♪美味しいものに目がありません。上にかけるのは、もちろん大分のカボス。綺麗な風景や周りの人を描くのが好きです。中学時代は美術部に所属。朝の渋谷がすごく綺麗で、水彩で描いてみました!坂元裕二さんの作品に出演するのが夢。『カルテット』のすずめちゃんが憧れで、ファッションもよく真似します。もり・なな2001年生まれ。『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』(NTV系)出演中。映画『天気の子』『Last Letter』『東京喰種2(仮)』『地獄少女』などの注目作の公開が控える。※『anan』2019年3月6日号より。写真・土佐麻理子(by anan編集部)
2019年02月27日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の福本莉子さんです。演技と食で頭がいっぱい!?「1日1食は麺類」な注目女優。漫画原作の純愛ドラマに出演中の福本さん。「私の演じる聡美は、思ったことを素直に発言してその場の空気を変えちゃう子。弓道やスキーなど、アクティブな撮影が多くて楽しいです♪」。今後、演技を通じて挑戦したいことがあるとか。「髪を染めてみたいです。見た目が変わったら役にもっと入り込めそう。一生に一度は金髪にしてみたいな」。仕事以外の時間は、食べることに夢中。「楽しみが食事。今日は何を食べるか、ずーっと考えています(笑)。一人ごはんも余裕。おいしいお店を開拓中です」睡眠欲より食欲!朝ごはんはしっかり。前日に朝ごはんを決めておくと、ウキウキ気分で起床できるんです♪汗をかきたいときは岩盤浴が鉄板。地元の大阪に帰るたびに行きます。ひよこちゃんをかぶってみました(笑)。最近購入した大好きなリップたち。5本くらい持ち歩き、気分で塗りかえます。特に、3CEがお気に入り!ふくもと・りこ2000年生まれ。2016年、第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリ・集英社賞。ドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』に出演中。Instagramは@riko_fukumoto_※『anan』2019年2月27日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・武久真理江ヘア&メイク・冨永朋子(アルール)文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年02月26日原田ひ香さんの『DRY』。タイトルのこの一語に、物語のいくつもの鍵が込められている。この生き方しか知らないという女の言葉が重い。渾身の犯罪小説。執筆のきっかけは、ネットニュースで見た実在の事件だという。「加害者の娘は50代後半とかで、被害者の母親は70代。頭に血が上って衝動的に老親を刺してしまったというのは10代20代の子が起こすような未熟さを感じました。一方で、50にもなって親から些細なことでガミガミ言われたらきついだろうなぁと同情する部分もあったんです。それで妙に印象に残っていました」プロットをつめていく中で、加害者には娘がいて3世代の関係性を書くことや、家が袋小路のような閉鎖的な環境にあることなど、ディテールが決まっていった。不倫が原因で離婚した北沢藍は、事件を起こして収監されている母の孝子から、保釈を頼まれ、しぶしぶ力を貸してやる。金銭的な事情もあり、3世代同居を始めた藍だが、男にだらしない母やお金にうるさい祖母との生活は、想像以上に鬱憤がたまった。淀んだ空気が藍を蝕む。「そんな境遇もあって、藍は幼なじみの隣人・美代子と親しくなります。2代続きで介護をさせられていた美代子は、就職も結婚もできないまま40代になってしまった。美代子のようなヤングケアラーという存在に、私自身も関心がありました」やがて、藍は、美代子の家のおぞましい秘密を知ってしまう。「藍は美代子を同じ介護の問題を抱える友達と思えばこそ、踏み込みすぎないでいようという遠慮もします。そういう中で、藍が美代子の秘密に巻き込まれていくようにするにはどうしたらいいのか、自然な流れを作り出すのが難しかったですね」女性の貧困や介護など社会問題がモチーフになっているが、原田さんがつぶさに描くのは女性の心理だ。「本作は、先行の『ランチ酒』や『三千円の使いかた』のような作品と一見かけ離れているようですが、お金や家族の話という意味では地続きだと思っているんですね。藍や美代子が互いに関わる中で変わっていく、ギリギリを生きる女性たちのリアルにどこまで迫れるだろうと、『もっともっと』と編集さんに煽られるままに自分を鼓舞して(笑)ここまで書けた。できていなかったことができたような充足感はあります」『DRY』原田さんの小説らしく、つましい生活の中でもおいしい料理を工夫する藍や美代子。〈メンチカツの卵とじ〉などリメイク料理の描写も楽しい。光文社1600円はらだ・ひか1970年、神奈川県生まれ。シナリオライターとして活動後、2007年に「はじまらないティータイム」ですばる文学賞を受賞。『母親ウエスタン』『彼女の家計簿』など著書多数。※『anan』2019年2月27日号より。写真・土佐麻理子(原田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年02月21日文芸評論や編集者として知られる仲俣暁生さん。意外にも学生の頃は、マンガ評論家になりたかったのだとか。新刊『失われた娯楽を求めて』では、そんな著者が数々の名作マンガを論ずる。といっても堅苦しくなく、分かりやすく魅力を伝えてくれるガイド的な一冊だ。「10年ほど前に書いたマンガ論と、最近書いたものをまとめました。編集者に薦められて読んだ作品もあるので、僕の好みに偏っているわけではなく、結果的に間口の広い一冊になったと思います」岡崎京子、楳図かずお、安野モヨコ、島本和彦、藤田和日郎、衿沢世衣子、渡辺ペコ…。各論の中で別の作家にも言及され、結果的に登場する作家・作品数は多数。女性作家が多いのが印象的だが、「僕は学生の頃『別冊マーガレット』を買っていましたが、『少年ジャンプ』を買う女の子もいた。へだたりなく男子も女子も同じマンガを楽しめた時期って、戦後民主主義の中で小春日和のいい時期だった気がします。この本のタイトルには、そういう意味も込められていますね」まえがきでは1964年生まれの仲俣さんのマンガ遍歴が語られ、「ニューウェーブ」の登場など、日本のマンガ史の一端として読める。「本にまとめるにあたってひとつ背骨を作ろうと思って、ちょっと長いまえがきを書いたら、個人史になっちゃって(笑)。でもそこも面白がってくれる人が意外と多いんです」巻末には、カバー絵を描き下ろした今日マチ子さんとの対談も。『COCOON』など戦争三部作についての思いなどを丁寧に聞いている。「戦争マンガや戦争映画って、最初は娯楽として作られ、次第にテーマが深くなっていった気がします。いま戦争を描く今日さんは、娯楽の構造を踏まえつつリアルなストーリーを生み出している。今日さんのお話には発見がいっぱいありました」時を経て読み継がれる名作から、現代の注目作まで、きっとあなたの気になる作品に出合える本書。「最近はマンガに詳しい人でも、全体像を把握している人は少なくて、それぞれ好きなジャンルの中で楽しんでいる印象。だから垣根を越えて紹介したい気持ちもありました。マンガって正面から向き合って読むと、やはりどれも面白いですから」『失われた娯楽を求めて極西マンガ論』過去の雑誌連載や近年発表したマンガ論を収録、新たに今日マチ子さんとも対談した著者初のマンガ評論集。紹介作家は他に西原理恵子、松本大洋、西島大介ら。駒草出版1000円なかまた・あきお1964年、東京都生まれ。文筆家、編集者。オンラインメディア「マガジン航」編集発行人。著書に『ポスト・ムラカミの日本文学』『極西文学論』『再起動せよと雑誌はいう』など。※『anan』2019年2月20日号より。写真・土佐麻理子(仲俣さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年02月14日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は欅坂46の森田ひかるさんです。昨年、坂道合同オーディションに合格し、欅坂46に加入。すでにメンバーからは、「ギャップがスゴイ!」と言われているそう。「見た目はおっとりしているけど、意外とよく喋るし、おばさんみたいな笑い声だねって(笑)」。食べ歩きにハマるほど、食べることが大好き。「食べ歩きは、いつもメンバーと一緒に。ポーチにはコスメじゃなくて、マシュマロがいっぱい詰まっています(笑)」。メンバーが付けた愛称があるそう。「“るんるん”!ひかるんるんを略して。ファンの方からも呼ばれたいです♪」新大久保で韓国グルメを堪能。メンバーと一緒に食べ歩き♪チーズがすっごくのびておいしかったー!動物園によく遊びに行きます。ハシビロコウが見たくて。アレルギーで飼えないけど、動物は大好き。お仕事終わりにメンバーと浅草巡り。花やしきや食べ歩きが好き。出来たてのお団子がおいしかったです。もりた・ひかる2001年生まれ。2018年の坂道合同オーディションに合格して欅坂46のメンバーに選ばれた。2月27日に欅坂46の8thシングル『黒い羊』が発売。詳細は、公式サイトにて。※『anan』2019年2月20日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年02月13日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の井桁弘恵さんです。美女タレントの登竜門、『ゼクシィ』のCMに出演中。身長170cmと、恵まれたスタイルの持ち主。CMで見せた美しいウェディングドレス姿が話題に。「純白のドレスの力はすごい。着た瞬間に母が泣く姿とか、結婚式のシーンがリアルに思い浮かび、撮影は感情が入りました。ゼクシィCMガールという貴重なチャンスをいただけたので、ここからが勝負だと思っています」。現在早稲田大学に在学中。「春から完全に社会人になります。今年は“とりあえずやってみる”が目標。女優、モデル、レポーターと今までやってきたことをさらに広げていきたいです!」勉強するのが好きで資格をいくつか所持。食生活アドバイザー3級、化粧品検定2級、漢字検定2級を持っています。地元・福岡を愛しています。街から海も山も近く、居心地がよくて。いつか福岡で仕事をしてみたい。スポーツは生活の一部!結構アクティブです。これまで陸上、テニス、バレエをやってきました。最近ゴルフに興味アリ!いげた・ひろえ1997年生まれ。春公開の映画『4月の君、スピカ。』出演。最新情報はTwitter(@Hiroe_igeta23)とInstagram(@hiroe9723)をチェック。※『anan』2019年2月13日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年02月09日洗練されたグッドミュージックを常に提供し、結成3年目ながら確固たる実力と人気を兼ね備えたバンド、ナルバリッチ。そんな彼らが約1年ぶりとなるアルバム『Blank Envelope』をリリースした。「昨年得た良質のインプットが生み出してくれた、自信作なんです」そう語るのは、ナルバリッチの中心人物であるシンガーソングライターのJQ。昨年は、初の日本武道館単独公演をソールドアウトで成功させ、海外フェスへの進出も果たした。「武道館で強く感じたことは、オーディエンスと共有できるこの場所を消したくないって想いだったんです。そのために僕たちに何ができるのか。それは、より広い場所を目指すことだろうと。もっとスケールを上げていきたい、そう思えたんです」新しい景色を知り、広い視野を手に入れた上でたどり着いたのは、意外にも、聴く人の日常に溶け込むように、どんなシーンにも寄り添う、とても実直なサウンドだった。「ただ楽しければいいじゃんっていうのではもうないのかなって。喜怒哀楽の“喜”だけじゃない、すべての感情を知った上でポジティブな音を鳴らしたい、見つけに行こう、というのはメンバー全員の共通の想いです。ナルバリッチはメンバー全員の自己表現の場。それぞれの日常の中で生まれた音、日々感じた想いが、そのまま詰め込まれていると思ってもらえればいい」TVCMに採用された「Kiss You Back」など全13曲を収録。全編通して心地よいグルーヴに酔えるのは当然として、珠玉のバラード「Toy Plane」や壮大なスケール感の「Stop Us Dreaming」など、彼らの行く先を感じさせる聴きどころも多い。「僕、ロールプレイングゲームのレベル上げが好きなんですよ。コツコツ敵と戦った積み重ねで自分がレベルアップするのが快感で(笑)。ナルバリッチもそうやって日々成長できたらと思う。まだまだレベル上げの旅の途中なんだと思うんです」ナルバリッチボーカルJQを中心として結成。ファンク、アシッド・ジャズ、ヒップホップなどのブラックミュージックをベースに唯一無二のグルーヴを奏でる。3/31よりワンマンツアーが開始。3rd Album『Blank Envelope』全13曲収録。【完全生産限定盤A(CD+RemixCD+Blu‐ray)】¥5,500 【完全生産限定盤B(CD+RemixCD+DVD)】¥5,000【通常盤CD】¥2,800(Victor Entertainment)※『anan』2019年2月13日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・沖永大暉インタビュー、文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年02月06日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の森田 想さんです。演技を続けていくことが、私の一番の目標です。女優の道を歩き始めたのは小学生の頃。「目立ちたがり屋でうるさい子供でした。『うるさくしてもいい場所に』と、母が子役事務所に入れたんです。読書が好きだったので、物語の登場人物になれる演技の仕事はすぐ好きになれました」。昨年公開された東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門選出作品『アイスと雨音』で初主演を務め、若手演技派女優として注目を集めている。「74分ノーカットの大変な撮影でしたが、レッドカーペットを歩く夢が叶いました。あの幸せな時間をまた経験してみたい!」ポストカードを集めています。旅先で買ったり、母からもらったり。小さな四角に世界が詰まってる!フィルムカメラの仕上がりが好き。中古のミノルタのカメラを愛用。300円くらいでしたがキレイに撮れます。バンクーバーに一人で行ってきました。自由気ままな一人旅、ハマりそうです。韓国やメキシコにも行ってみたい。もりた・こころ2000年生まれ。映画『ソロモンの偽証』『笑う招き猫』『心が叫びたがってるんだ。』など数々の話題作に出演。インスタグラム(@kokoro_morita)には旅の写真なども。※『anan』2019年2月6日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年02月04日『ゲイだけど質問ある?』の著者・鈴掛真さんにお話を伺いました。歌人の著者が明るく丁寧に回答、LGBTがぐっと身近になる一冊。「なんで男なのに男を好きになるの?」「ゲイの友情と恋愛の境目はどこ?」「ゲイの息子を持つ親として大切なことは?」……ぶしつけな質問の数々に、明るく分かりやすく回答する話題の書、『ゲイだけど質問ある?』。著者は歌人としても活動する鈴掛真さん。「いつもは硬めの文章を書くんですけれど、普段本を読まない人にも手にとってもらいたくて、あえて軽い文体で書きました」もともとは2年半ほど前からWEBの2つの媒体で連載していたもの。「それまで短歌の中で同性愛をさりげなく表現することはありましたが、そろそろしっかり書いてもいいという社会の風潮を感じたんです。同性愛者と話してみたいけれど身近にいない人に向けて書きましたが、自分がゲイであることに悩んでいる子にも、こんなふうにオープンにできる人間もいるんだよと伝えたかった。本来、アンタッチャブルなものではなく明るく話せるものなんだ、ということを表現できた気がします」“絶対に手の届かないあの星にあなたと同じ名前を付けた”などぐっとくる短歌も多数掲載、昔の片思いを振り返ったりSexy Zoneについて熱く語ったり、胸襟を開いていて親しみがもてる。「同性愛者でもいろんな考えの人がいるので、僕がゲイを代表して書いているわけでないです。これは“僕みたいなゲイもいるんですよ”という本だと思ってもらえたら」時には、知人から「何のためにそんなこと書いているの」と冷たく言われたこともあるという。「やはり、これまで差別に対して頑張ってきた人がいて今があるのだから、自分も何か未来を作るきっかけを生み出せたら、と思いました」また、連載中に気づいたことも。「“ゲイは女の気持ちが分かる”と言われるなど、男性を好きになる男性はフェミニンだという固定観念ってありますよね。僕自身も自分は中性的だと思っていたんです。でも連載中に女性編集者に『鈴掛さんってすごく“男”ですよね』と言われて、はっとしました。同性愛のことに限らず、周りの影響で自分自身にも暗示をかけていることっていろいろあるんでしょうね」先入観を解かすこの一冊から、あなたの中で始まることがきっとある。鈴掛真『ゲイだけど質問ある?』同性愛者であることをオープンにしている歌人の著者が、さまざまな素朴な質問に丁寧に回答する入門書。恋心の滲む短歌の数々も魅力的。講談社1500円すずかけ・しん歌人。1986年生まれ。大学時代から短歌を始め、広告会社でコピーライターとして3年勤務ののち、本格的に作家活動を開始。著書に『好きと言えたらよかったのに。』ほか。※『anan』2019年2月6日号より。写真・土佐麻理子(鈴掛さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年02月02日転職や結婚など…人生の様々な選択。自分自身に合う選択肢を選びたいけど、自分の軸をきちんと持っている人は意外と少ないのでは?そこで、今回はアンアン特別ワークシートをご用意。ベストな道を選ぶコツとは?情報量が多すぎる現代で迷いから解放されるコツSNSやメディアなど、日々大量の情報に囲まれている私たちの生活。こうしないといけない、みんな言っているから…と、様々な意見に振り回されがちに。転職、恋愛、結婚などの転機に直面したときも、その情報や意見があなたの選択の邪魔をしているかも。「自分らしさを見つけることを、心理学用語で“自己理解”と呼びます。この自己理解ができている人は、周りの意見や情報に流されません。だから選択を迫られても、自分らしい答えを自然と選べるようになるんです」(Meee代表・八木仁平さん)とはいえ、自分らしさとはとても曖昧な表現。一体どうやって導き出せばいいのでしょう?「自分の好きなこと・得意なこと・大事にしていることを知ることが重要です。興味があることを自分の得意な方法で行って、さらに価値観が満たされると、自分らしい生き方が完成するのです。今回のワークではボンヤリしがちな自分らしさを、“じぶんモットー”という標語に。これさえあれば、自分という軸に立ち返りやすくなります」好きなことを探す誰に何を言われようと「好き!」と言える経験やもの。それがあなた自身の好きなこと。「興味や好奇心といったものが、自分の内側から溢れ出るモチベーションとなります。お金が稼げるから、人から褒められるからといった外から刺激されるモチベーションよりも、この内側からのモチベーションの方が効果は強く、長く持続しやすいのです」(八木さん)。まずは、夢中になったことを思い出すワークから始めましょう。1.これまでに夢中になったことは?【YAGI’S ADVICE】夢中になったこととは、これまでに時間やお金をかけてきたことでもあります。過去と現在を振り返って、思いつくだけ書き出してみましょう。書き出すものは、具体的な単語や抽象的な表現、どちらでも大丈夫です。2.夢中になった理由を、それぞれ書き出そう。【YAGI’S ADVICE】1で書き出した事柄に対して、なぜ心が動かされたのか理由を考えましょう。例えばファッションなら、トレンドを追うことが好きな人もいれば、作り出すことが好きな人もいますよね。自分なりの好きな理由を書き出してみて。3. 2の中から、特にワクワクする「単語」を丸で囲もう。【YAGI’S ADVICE】2の中から、自分が特にワクワクすると感じる言葉を丸で囲んでください。統一性があるものは、共通する言葉や表現にまとめ直してもOK。いま自分が一番大切にしたいと思うキーワードをピックアップすることが大切です。A.3で囲んだ「単語」を書き出そう。得意なことを探す得意なことを問われると、ほとんどの人が頑張って勉強したり、練習してきた具体的なスキルを思い浮かべてしまうもの。しかし、「ここで探す得意なこととは、無意識のうちに自分ができていることを指します。その得意なことを行動に落とし込めれば、自分自身も楽な状態で動ける上、成果も出やすいというメリットがあります」と八木さん。自覚していない人の方が多いため、じっくりと自分と向き合うことが大切。1.最近、ムカついたことは?【YAGI’S ADVICE】自分の長所を親しい人に聞くという手段もありますが、今回はムカついた出来事を思い出して。他人の行動に心がざわつく理由は、自分は当たり前にできていることが相手はできていないから。これが得意なことを探すヒントに。2.1を、それぞれ「逆の言葉」で言い換えてみよう。【YAGI’S ADVICE】1で記入したムカついた出来事を、それぞれ逆の言葉に変換して書き出してみましょう。例にあるように、友達にウソをつかれたことにムカついたのなら、逆の言葉は「ウソをつかない」となります。3.2の中から、自分ができることを丸で囲もう。【YAGI’S ADVICE】自分が得意なことは、いつも当たり前にやっているからこそ、“できている”“できていない”のジャッジのハードルが高くなってしまいがち。新しい自分の一面に気づくためにも、この項目では謙遜しないことが大切!B.3をポジティブな言葉で書き出そう。大事にしていることを探す人生において何を重要視して生きていきたいかという、自分だけの価値観を探す最後のワーク。「価値観とは、理想の自分を生きるためのキーワード。これを知ると、自分に不要な情報や意見をスルーすることができるように。そしてこの価値観が、良い選択の基準となります」(八木さん)。ただし、価値観は置かれている環境や状況によって変化するもの。しっくりこないと感じたタイミングで、定期的に見直そう。1.有名人や、周りの人、漫画のキャラクターなど、あなたの好きな人を3人ほど書き出そう。2.それぞれの下に、その人の好きなところを書き出そう。【YAGI’S ADVICE】好きな人に惹かれる理由を、それぞれ1~2個程度書き出すことは、自分の価値観と向き合うための大切な作業。もし似た言葉があるなら、ひとつの言葉にまとめてもOK。価値観が出揃ったら、それぞれに優先順位をつけて、一番大事にしたいことを導き出します。自分の価値観を知っておくと、人の価値観に惑わされることがなくなり、より生きやすくなるはずです。C.2の中で、あなたが生きる上で一番譲れないことを書き出そう。じぶんモットーA~Cのワークで導き出した答えを、下の枠に書き入れて。これがあなたを表す標語。不安になったときや選択のときに見返して、最適な道を選ぼう!八木仁平さん大学時代からブロガーとして活動し、卒業後はフリーランスに。2017年、自己理解をサポートする会社「Meee」を設立。自分らしさについてわかりやすくまとめたWebメディア「自分コンパス」も人気。※『anan』2019年1月30日号より。写真・土佐麻理子取材、文・野村紀沙枝©metamorworks(by anan編集部)
2019年01月27日今回ご紹介するのは、調布市で暮らす仲良しなSさんご夫婦のお家。2人が住まいに求めたのは、自由でシンプルな空間づくりでした。以前から憧れだったという〔ブルースタジオ〕に相談し、価格が明確なセレクトオーダー式リノベーションサービス《TOKYO*STANDARD》を利用した2人。一体どのような観点で家づくりを進めていったのでしょうか?ギャラリー兼雑貨店で働く奥様がセレクトした、おしゃれな雑貨たちも必見です!“好きなものたち”をディスプレイできる、ギャラリーのようなお家S邸 リビング「家具とかライトは好きなようにできるけど、賃貸だと壁やドアなどの細部に手を加えられなくて。理想の部屋で暮らすために、自由にできる家が欲しかったんです」というSさんご夫婦。長年賃貸の部屋に住んでいましたが、「ずっと賃貸に住んでいるわけにもいかないし、そろそろ自分たちの家を持っていいかも」と思うように。「中古マンションのフルリノベーションで理想の家をつくるのが、僕らにとってぴったりの選択肢だったんです。そこで相談したのが、以前から妻と『カッコいいね』といって憧れていたデザイン会社〔ブルースタジオ〕でした」(ご主人)そうして選んだのが、〔ブルースタジオ〕の定額制セレクトオーダー式リノベーションサービス《TOKYO*STANDARD》だったといいます。「物件探しからデザインまでやってもらえて、オプションをつければ、こだわりたいところはかなり自由にできる。不安だった予算面も、定額制なので価格の目安をつけやすいのが魅力でした。施工期間も2ヶ月程度と早かったのも驚きましたね」(ご主人)そんなSさんご夫婦が自由な発想でつくったお家は、まるで映画のセットのようなステキ空間。さっそく、おうちの様子を見てみましょう!夫婦2人の時間を大切にした動線づくりS邸 ダイニング亜鉛天板のダイニングテーブルは存在感抜群。「共働きなので、2人が顔を合わせる朝と夜の時間を大切にしたかったんです。そこで、朝食作りや朝の支度がしやすいこと、夜もいっしょにくつろぎやすい空間になるように、設計の方と一緒に動線を考えていきました」というご主人。一方で「長年集めた雑貨たちを活かせるように、部屋自体はシンプルなものを求めました」と言うのは、雑貨好きの奥様。リビングとダイニングのスペースを横並びに広く取り、ギャラリーのようなプレーンな空間にしています。奥様が集めた雑貨の数々は、アンティーク棚にディスプレイ。ダイニングテーブルの横には、アンティーク雑貨が並ぶディスプレイケースが。天井から吊り下げられたフラワーベースも印象的で、まるで海外のセレクトショップのような、個性的な空間に仕上げています。予算安心の定額制プランに自由な発想を取り入れる廊下はコレクションの絵などを飾るスペースに。形はシンプルでも、色や素材感には遊び心が満載のS邸。玄関からリビング・ダイニングに繋がる廊下の天井は、「ティンパネル」を使うことでインパクトも抜群です。「ティンパネルは壁に使うことが多いんですけど、壁には集めた絵を飾りたい。そこで、天井にティンパネルを取り付けました」(ご主人)と、パッケージに含まれない特殊な仕上げでも、オプションという形で取り入れられたといいます。夫婦のお気に入りは、色のある空間寝室は映画「アメリ」の世界観を意識した空間に。そんなご夫婦のお気に入りは、“色のある空間”です。奥様のお気に入りは寝室。フランスの映画『アメリ』の世界観が大好きだという奥様の要望で、壁は暗めのレッド、床は深いグリーンに仕上げています。「遊びに来た友人から、寝室が赤いと落ち着いて眠れないんじゃないの?って言われるんですけど、トーンを暗めにしているので結構落ち着けます(笑)」と、奥様。まるで映画のセットのような空間です♪元気のある空間に仕上がったレモンイエローのキッチン。一方でご主人がお気に入りだというキッチンは、レモンイエローを取り入れた元気な空間です。料理好きのご主人にとって、キッチンはこだわりたいポイント。アイランドキッチンが憧れだったといいますが、費用やスペース、汚れにくさ、使い勝手の良さの観点から壁付きのシステムキッチンを採用し、背面に作業台をつけています。食器棚はパリ発のブランド〔Tsé&Tsé associées〕のもの。ポップなキッチンに映えるのが、パリの人気ブランド〔Tsé&Tséassociées(ツェツェ・アソシエ)〕の《インディアンキッチン》という食器棚。カラフルな食器もきれいに収納できますね♪さらに「実は、トイレが一番派手なんですよ!」とご夫婦に言われ、扉を開けると......トイレもピンクの壁で非日常の空間に。なんと全面ピンク!ポップアートのような空間で、トイレなのになんだかワクワクします。トイレは特に色で遊べる場所なので、カラーを取り入れたい方はぜひ挑戦してみてくださいね♪好みが変わっても、変化していけるお家づくりフラワーベースに季節の植物を飾ることで、お部屋の印象もガラリと変わる。飾られているのは、飛騨高山のお正月飾り「花餅」。上品な色味が奥様のお気に入り。「年代に合わせて好みも変わってくるもの。これからも自分たちが好きなものを集めていって、また違った表情を持った家にしていきたいです」と、自由にできる家を手に入れられたSさんご夫婦。お部屋の雰囲気を変えるのは、インテリアアイテムだけではありません。季節を感じる草花を取り入れることもポイントのひとつ。短期的にも、長期的にも、その時々の気分に合う空間に変えていける住まいが、夫婦仲良く暮らしを楽しむ秘訣になるのかもしれません。〔ブルースタジオ〕公式ウェブサイトはこちら《TOKYO*STANDARD》詳細はこちら●取材協力株式会社ブルースタジオ●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子
2019年01月26日読めばみな、幼少期の記憶が喚起されるはず。それくらい、能町みね子さんの小説『私以外みんな不潔』の中には、生身の5歳児がいる。「自分は幼稚園の頃の記憶が人より鮮明なようなので、その頃の感覚を今大人の言葉で書いたら面白くなるんじゃないかなと思いました」子どもの内面を大人に響く小説として成立させている巧さに驚くが、「会話文が多いと大人の語彙が使えず子どもっぽい文章になるので、地の文を多くしました。それと、親は子どもにとってあまりに絶対的なので、存在感を薄めています」読み書きを早くにおぼえ、イラストを描くのが好きな誇り高き幼稚園児・なつき。転居により新しい幼稚園に通うが、それが苦痛だ。「うちは家族が円満だったのですが、子どもだからそれが当たり前だと思っている。でも幼稚園に行くと誰もが自分を愛してくれるわけじゃなくて、それが嫌で仕方がなかった。家では絵を褒められたので、幼稚園では何も言われないだけでマイナスに感じていました。ようやく褒められた時も“当然なのに、なんで今まで気づかなかったんだ”と(笑)」絵や文字が下手な子への眼差しは冷淡。一方できないことがあってつらくても、ひどく恥じたりはしない。「5歳児の自我はまだ、人と自分を比べて劣っている部分を恥ずかしく思ったりする前の段階。失敗しても、周囲の子たちもまだ注意力散漫なので、気を付けていればしつこくいじめられたりしませんでしたし」他人に関心がないわけでもない。超然とした子が気になったり、あっけらかんとした子と友達めいた仲になったり…。やがて来る卒園の日、なつきが抱く感覚に、ぐっとくる。「人生ではじめての、人と別れるという体験だったんですよね。その時に自分がああいう気持ちになったことにも、びっくりしました」5歳にだって不安や不満も、自尊心だってあるのだと実感させる本作。「“共感した”という感想も多くて、結構みんな共通の部分があるんだなと思いました。あの頃の、大人はなんでこんなに子ども扱いするんだという感覚はいまだに残っていて。今、自分が小さい子に話しかける時には一人の人間として接していますね」子どもの人格をもっと尊重したくなる作品でもあるのだ。のうまち・みねこ1979年、北海道生まれ、茨城県育ち。文筆業、自称漫画家。2006年『オカマだけどOLやってます。』でデビュー。著書に『文字通り激震が走りました』『雑誌の人格』など。『私以外みんな不潔』聡明で潔癖ななつきは、新しい幼稚園で乱暴な子や字の下手な子に馴染めない。そんなある日、「おたのしみ」時間に危機的状況が訪れて…。幻冬舎1300円※『anan』2019年1月30日号より。写真・土佐麻理子(能町さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年01月24日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は歌手、女優の上野優華さんです。「泣ける声」と話題!リアルで切ない恋の歌に共感する人続出。20代になって初のアルバムとなる『好きな人はあなただった』をリリース。新たな自分に出会うきっかけになったそう。「デビュー以来ずっと長かった髪を30cm以上カット!新曲は、尊敬するアーティストの方々にそれぞれのラブソングを書き下ろしていただいて、一皮むけた大人な曲調に仕上がっています」。何事にも挑戦する性格が魅力的。「何がきっかけで才能が開花するかわからないから、とりあえずやってみる!プライベートでは、リアル謎解きゲームにハマって、友達とよく行っています」喉が潤う紅茶を持ち歩いています。軽い炎症を鎮静化する効果も。さらにマヌカハニーも入れています!洋服がシンプルな分、指輪をアクセントに。マイクを持つときに目立つのでよくつけています。大ぶりのものが好き!朝晩のシートマスクで肌荒れしにくい肌に。去年の春からリピートしています。しっかり保湿できて肌の調子が改善!うえの・ゆうか1998年生まれ。2012年、キングレコードと講談社主催のオーディションでグランプリを獲得。日本以外にも、ベトナム、中国、ミャンマーなどアジア圏で活躍している。※『anan』2019年1月30日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年01月23日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、アーティストの松本妃代さんです。演技と並行し、絵の世界でも、マルチな才能を発揮中!「人見知りなので、役でいる時のほうが人とコミュニケーションしやすいんです」と言う松本さん。「1人4役のアテレコをしたり、クセのあるコメディに挑戦したり。監督の無茶ぶりも楽しめます。ドMなのかも(笑)」。出演する映画『チワワちゃん』でも、自分からかけ離れた役を演じたそう。「私は石橋を叩きまくって渡る性格ですが、サヨコは後先考えずに楽しむ性格。お酒やたばこ、クラブなど初体験ばかりでした」。憧れはリリー・フランキーさん。「文章、絵、お芝居で世界観が一貫していて尊敬!」立体的なものを創作したくて、紙粘土。こねて形を作り、その上から色を塗っています。無心になれる時間が好き。4年前から本格的に描き始めました!アクリル絵の具を使います。絵でその時の自分の感情を表現しています。自作のアクセサリーはシンプル仕上げです。銀を熱して、トンカチで叩くところから作りました。3時間ほどで完成!まつもと・きよ1995年生まれ。1月18日公開の映画『チワワちゃん』のほか、ドラマやCMでも活躍中。オフショットやイラストが満載のInstagram(@kiyomatsumoto)も必見。※『anan』2019年1月23日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2019年01月21日面倒見のよい堀川次郎、容姿に恵まれ皮肉屋の松倉詩門。高校2年生の彼らの共通点は、図書委員であること。放課後、図書室で暇をつぶす二人に持ち込まれる数々の謎とは?米澤穂信さんの新作『本と鍵の季節』は、魅力的な男子コンビが活躍する青春ミステリ短編集だ。「もともと、いろんなタイプのミステリを書こう、と始まった企画でした。それで1話目を“暗号もの”にして、こういう謎を解くのは誰だろうと考えた時、二人の人物像が出来上がりました。次の短編では違う登場人物を考えていたのですが、周囲から“彼らの話がもっと読みたい”と言ってもらえたので、二人の話を続けることになりました」物語は堀川の視点で進む。謎を解く二人組とくればホームズとワトソンのような「探偵と助手」という役割分担をイメージしがちであるが、本作では二人が共に推理に挑戦し合っていく。「堀川はわりと真っすぐにものを見ると同時に発想が優れ、松倉は斜めからものを見ていて、鋭さがある。視点が少しずつ違うダブル探偵が一緒に謎を解いていくという形です」どれも本もしくは鍵に関わる謎が登場するが、ミステリのタイプのバリエーションについては、「表向きはこういうミステリだけど、その奥にはこういうミステリの狙いもある、という二重構成です」ネタバレを避け表向きだけ説明すると、先述の“暗号もの”に加え“アリバイ探し”、他人の何気ない言動から秘密を暴く“ワンシチュエーションからの推理連鎖”、“日常の謎” “テキストクリティーク(資料の読み込み)”といったタイプがあり、読めばどれもその展開に驚くはず。ミステリの手練れの米澤さんだけに、細部も周到に組み立てられている。探偵役が最終的に犯人を追い詰めて裁いたりしないのも特徴で、「ここから先は一介の高校生の領分ではない、と彼らもわきまえていますね。それに、事件を解決することが動機というより、好奇心のために行動している部分もあります。それでも、そこから踏み出す場面があります。人が本当に死ぬかもしれない場面と、作中ただ一度だけ“君”という言葉が使われている場面の、2か所です」というから、ぜひチェックを。そして、季節のうつろいとともに堀川と松倉の二人の関係がどう変化していくのかも、読みどころだ。「第1話の時点で二人はすでに友人同士でお互いのことを分かり合っている。でもお互いが知っているのは、放課後の図書室にいる相手なんですよね。それが、いろんな謎に出合い、外の世界を見るなかで、相手の知らない一面も見えてくる。そして…ということを考えていました。彼らは今は未熟なところがありますが、これからの時間で、いろんなことを知っていくはず。そんなニュアンスもこめて、タイトルに“季節”という言葉を入れています」上質な謎解きと、青春のきらめきとほろ苦さ、そこからほの見える男子たちの友情。ディテールまでしっかり噛みしめたい一冊なのです。よねざわ・ほのぶ作家。1978年生まれ。2001年のデビュー作『氷菓』から始まる〈古典部シリーズ〉などが人気。’11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、’14年『満願』で山本周五郎賞受賞。『本と鍵の季節』放課後の図書室にいた堀川と松倉のもとに、先輩から「開かずの金庫を開けてほしい」と相談が。二人が推理に挑む「913」ほか5編収録。集英社1400円※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年01月15日わくわくが止まらない、娯楽と感動の殿堂。モデルの前田エマさんに、「将棋の聖地」について語っていただきました。将棋を指せない私でも、棋士の想いに触れたくて。「将棋会館で撮影ができて、本当に幸せ。家宝にします!」モデルの前田エマさんは、2年前から将棋の世界に夢中だ。「漫画『3月のライオン』を読んで興味を持っていたのですが、弟が『本物の将棋の世界はもっとすごいよ』って。それから、将棋番組を見たり専門誌を読んだりして、棋士にハマっていきました」都内にある「将棋会館」は、前田さんにとって神聖な場所。「1階のグッズ売り場によく行くのですが、4階の対局室では、憧れの先生方が今まさに将棋を指しているんだなぁと思うとワクワクが止まらなくて。盤を挟み相手と共に壮大な旅をし、ひとつの冒険記を後世に残していくような感覚に心が震えます」この日は“西の王子”と呼ばれる期待の若手、斎藤慎太郎王座の写真入りクリアファイルを購入。そわそわしはじめたかと思うと、「わあ!森下卓九段を見かけました」と大興奮!山形県天童市の「天童市将棋資料館」へもたびたび訪れる。お目当ては、過去の対局について書かれた新聞記事を読むこと。「対局の感想や昇段の喜びを語る棋士の言葉って美しくて魅力的。個性豊かな対局時のファッションも楽しみです!」将棋と聞けば東へ西へ。「関西将棋会館」には、棋士たちが出前をとることで有名なレストランがある。藤井聡太七段の影響で注目の集まる“将棋めし”。前田さんも豚の天ぷら「珍豚美人(ちんとんしゃん)」を食べたそう。会館の近くには、病と闘いながら人生を将棋にかけた伝説の棋士・故村山聖(さとし)九段が暮らしたアパートや通った定食屋も。ちなみに前田さんは「観る将」。将棋を観て楽しむファンのことだ。「将棋を指せなくても師弟愛や幼い頃からのライバル関係、憧れのスターとの対決、若手の成長など、日々更新されていく棋士の物語に触れられることが楽しくて仕方ないんです!」さすが将棋の街。街歩きも楽しい!【天童市将棋資料館】将棋駒の生産日本一の山形県天童市。資料館では将棋の歴史や、駒工人の作品などを展示。●山形県天童市本町1-1-1TEL:023・653・16909:00~18:00(最終入館17:30)第3月曜休(祝日の場合は開館、翌日休)西日本で活躍する棋士を知るなら。【関西将棋会館】大阪にある将棋会館。販売や対局室、棋士も利用するレストランがある。●大阪府大阪市福島区福島6-3-11TEL:06・6451・7272(事務所)※レストランは11:30~14:00 、17:00~22:00、木曜休まえだ・えま1992 年、神奈川県生まれ。モデル、エッセイスト、アーティストとして幅広く活動。インスタグラムや雑誌などで、将棋愛を発信中。Semi Sircle collar¥12,000(NesessaireTEL:03・5458・1791)※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子取材、文・ 神武春菜野村紀沙枝保手濱奈美(by anan編集部)
2019年01月10日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の西本まりんさんです。容姿に悩む“マスク女子”を好演。素顔はキュートなムードメーカー。ドラマ『中学聖日記』でコンプレックスがゆえに常にマスクをしている女子生徒を演じた西本さん。「マスク?と最初は思ったけど、私も容姿で気にしちゃうことがあるから、入り込みやすかったです。学校の夏休み初日から撮影が始まって。暑くて熱い、いつもと違う夏の思い出ができました」。素顔の西本さんは、とにかく明るくて元気な高校生。「クラスでは完全おちゃらけポジションで“静かにして”って言われることも(笑)。最近モーニング娘。さんにハマっていて、家で歌って踊ってます!一眼レフを買って友達を撮りまくり♪修学旅行先のハワイにて。友達がかわいくてシャッターが止まらなかった!ジャージャー麺にハマっています。週1で作っています。改良を重ねてどんどんおいしくなっていく(笑)。靴を集めるのが好き。最近の一軍はコレ!特に『ドクターマーチン』がお気に入り。シンプルなデザインが好みです。にしもと・まりん2002年生まれ。小学6年生の時にスカウトされデビュー。出演作に映画『そうして私たちはプールに金魚を、』など。1月26日公開の映画『デイアンドナイト』に出演。※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年01月09日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はシンガーソングライター山出愛子さんです。女の子に「わかる!!」と共感してもらえる歌を届けたい。キッズモデルを経て、成長期限定ユニット「さくら学院」のリーダーを経験。「正直プレッシャーに悩んだこともありました。でも、どうやって人をまとめていくか10代にして考えられたことは、貴重な経験だったと思います」。現在はアーティストとして活躍中。「詞って、自分をさらけだすようなもの。人に共感してもらえた時の嬉しさがたまらないから、恥ずかしいのをこらえて頑張って作詞しています(笑)。これからは恋愛ソングにも挑戦したい。好きな人を作るところから始めないと、ですけど!」ワードローブはボーダー率高め。幅によって雰囲気が変わるからいろいろ欲しくなる。これはほんの一部。ベイマックスが好きすぎて!これは日々持ち歩いている子たち。ぬいぐるみもたくさん持っています。髪を切ってから帽子にハマってます。帽子を使ったスタイルを考えるのが楽しい。お気に入りは『New Era』。やまいで・あいこ2002年生まれ。’18年3月にさくら学院を卒業し、ソロ活動開始。シングル『Choice』を12月にリリースしたばかり。※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2019年01月08日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回はモデル・女優の中島セナさんです。中学1年生とは思えないオーラと卓越した表現力は業界でも話題に!事務所の社長にスカウトされてデビュー。それまではモデルになることを考えたことはなかったそう。「大好きな動物か遺跡に関われる仕事をしたいと思っていました。遺跡は古代文明を知ることができて面白いんです。今行きたいのはメキシコとエジプト。いつかロケもしてみたい!」。休日の過ごし方もマイペース。「映画を観たり、動物の絵を描いたり。図鑑や本を見ながら、チラシやコピー用紙の裏につい描いちゃうんです。たまに、家族に外に連れ出されることが(笑)。最近はぶどう狩りにも行きました」スター・ウォーズグッズを集めています。描いたことがなかった 抽象画に挑戦。油絵で描いています。気持ちが反映されて、日々変化するのが面白い。叔父さんの愛犬にメロメロです。モジャとマリン。たまに家に泊まりにくるんです。可愛くて癒される!お目当ては、絶叫系アトラクション。東京ディズニーランドとシーに家族や友達と行きます。世界観が好き。なかじま・せな2006年生まれ。デビュー後すぐに数々の雑誌で表紙に抜擢され、CMでも活躍。来年6月公開、長久允監督の初の長編映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』に出演。※『anan』2018年12月26日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年12月25日AGARU(アガる)T V内の「占い芸人育成プロジェクト」で選ばれた芸人が、来年がどんな年になるかガチ予言。当たれば、売れっ子占い芸人の称号が!?自由を求める時代に突入!資格を取得し、副業も吉。AGARU(アガる)TV内で開催された、優秀な占い芸人を選ぶ「占い芸人育成プロジェクト」。約2か月かけて学び、一流占い師のお墨付きを得た7名の芸人が今年7月、占い師デビュー!そのうちの3名、舛方一真さん、世良光治さん、らぶさんに、’19年の運勢を占ってもらいました。舛方一真:日本全体の運勢をタロットで占ったら、めちゃくちゃいい。例外はあるけど、引いたカード7枚のうち6枚が正位置なので、正しい方向に進み、さまざまなことが復調に向かいそう。世良光治:’19年前半は木星が射手座の位置に入る時期なので、自由がテーマになります。束縛を嫌い、自由を求める年なので、たとえば四国地方が独立したりするかも…。らぶ:それはないでしょう~。僕は、安倍晋三首相を姓名判断してみました。誰と仲良くするかで、運命が大きく変わってくるので、対人関係が肝になりそう。世良:そうそう、ドナルド・トランプもこのまま勢いに乗るか、はたまた衰退するか、来年が正念場。らぶ:実は安倍さんとトランプさんの相性もあまり良くないんだよね。安倍さんは総画数29画で、悩みの尽きない人生を送る人だから、病気にも気を付けてほしい。世良:改名したら運気は変わる?らぶ:たとえば2画のハートマークを足して、安倍※晋三にしたら、超ラッキーボーイになると思う!(※=ハートマーク)舛方:つのだ☆ひろみたい(笑)。世良:星の巡りからみると、景気は上向き。あと勉強の年でもあるから、資格ブームが来るかも。舛方:タロットでも共存を表すコインのカードが出たので、本業と副業でWの収入を得るのもありですね。俺らは占い芸人を本業にして売れたいけどね…。3人に「2019年」について聞きました!芸能界のスキャンダルは?世良:性やエロに貪欲な蠍座に木星が滞在していた2018年は、熱愛や不倫スクープが多くありましたが、2019年は射手座に移動するので、不倫などは少ないでしょう。逆にみんなが応援したくなるようなカップルの結婚など、うれしいニュースが多そう。たとえばイケメン俳優と一般女性の結婚とか!ブレイクしそうな芸能人を教えて!舛方:復活、昔の縁を繋ぐカードが出たので、リバイバルブームが来そう。また、カードを1枚引き、そこからブレイクしそうな人を予想したら、ソードのカードが出ました。ミュージカル『刀剣乱舞』をはじめ、時代劇や刑事ものなど、刀や武器が登場するドラマに出ている財木琢磨さんが活躍するかも?新しい元号は何になる?らぶ:まず新元号の2文字の総画数で良いのが、最強のラッキーナンバーといわれる11か13。さらに今の元号『平成』に続き、希望に満ちて、永久に安らかな時代になるような意味も込めて、2文字で総画数が11か13になるように考えたら、『希安』『安永』。ありそうでしょ!?当たったら褒めてね!舛方一真さん(ロカカカ)1983 年生まれ。相方は元東京国税局員のさんきゅう倉田。「占い芸人育成プロジェクト」第1位。映画検定3級を持ち、映画情報にも詳しい。世良光治さん(ぺんとはうす)1990 年生まれ。過去に大手不動産会社でトップの営業成績を誇り、今でも不動産のアルバイトで月収120万円を稼ぐ、不動産芸人の異名も持つ。らぶさん(ピーチキス)1983 年生まれ。姓名判断のほか、手相占いも得意。現在タロットも勉強中。元ホストで、映画『新宿スワンⅡ』にホスト役で出演した経験を持つ。※『anan』2018 年12月26日号より。写真・土佐麻理子取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2018年12月24日平成30年の今年は、松尾スズキさんがその名を名乗り大人計画を旗揚げして30周年のメモリアルイヤー。それを記念し、「30祭(SANJUSSAI)」なるイベントが開催される。このイベントの見どころ、そして、いまや多方面で大活躍する劇団員の方々の推薦コメントを、旗揚げ3年目から27年間を共に歩んできた社長の長坂まき子さんに伺ってきました。「口火を切ったのは、松尾さんの、30周年を記念したゴージャスでダンディなコンサートがやりたい、との言葉。そこから劇団員にやりたいことを募り、面白そうな企画を考えていたら、こんなお祭りになりました。そもそも大人計画は、松尾さんを筆頭に、演劇だけで生きてきた人たちの集団じゃないし、それも“らしい”のかな、と(笑)。我々が面白がって考えた企画の数々、一緒に楽しんでいただけたら幸いです」大人計画大博覧会12月18日(火)~ 27日(木)入場料2500円音声ガイド付入場券3000円大人計画と松尾さんの軌跡を展示で振り返る。舞台写真や、所属メンバーの歴代アーティスト写真などの展示で30年の歴史を振り返るほか、突如、劇団員が登場して行われる出し物も。「目玉は松尾さんの原画展。初期作から描き下ろしまで見応えあります」松尾スズキ30周年記念ファミリーコンサート“なんとかここまで起訴されず”12月25日(火)・26日(水)指定席9000円立見8500円上手いのに、松尾さんが歌うと途端に面白い。「わちゃわちゃしていない…結局するんでしょうけれど(笑)、ドリンク片手に、ゆったりと歌とトークを楽しんでいただきます。6人編成の生バンドをバックに、松尾さんがミュージカルナンバーなどを披露予定」名作上映会と愉快なトーク12月28日(金)・29日(土)全席指定3500円大人計画のエポック的舞台、全5作品を映像で。社長自ら「これを観せずして何を観せるというくらいの初期の代表作」と語る『愛の罰』をはじめ、松尾さんセレクトの『サッちゃんの明日』など過去作品5作を上映。上映後には出演者たちのトークも。「いまのお客さんにお見せしたい作品ばかり。臨場感のある大きいスクリーンで、若い松尾さんや劇団員をご堪能ください」宮藤官九郎と伊勢志摩の感動ドキュメント“伝説の先輩を訪ねて”12月29日(土)・30日(日)全席指定5500円意外に感動!? 大人計画版「あの人は今」。宮藤さんと伊勢さんが、大人計画を辞めたメンバーに会いに行く様子を映像で上映。「会いに行った側も来られた側も、嬉しくなっちゃってる感じが最高です」エンディングセレモニー“また逢う日まで、生きてたら”12月30日(日)全席指定5800円大人計画の天才ふたりがトークする貴重な機会。松尾さんと宮藤さんのふたりを中心に、思い出話などで繰り広げるトークイベント。「詳細はまだ秘密。劇団員もそこそこ登場しての企画も用意しています」「30祭」12月18日(火)~30日(日)表参道・スパイラル大人計画 社長長坂まき子さん1964年生まれ。’91年より大人計画に携わる。現在、所属俳優のマネジメントと舞台制作の両輪で活躍する。※『anan』2018年12月19日号より。写真・土佐麻理子(長坂さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年12月18日連載時から大胆に改稿し、できあがった大長編『熱帯』は、森見登美彦さんご自身も“怪作”と言い切る、2018年の目玉と呼べる一冊だ。幻の本に魅入られた人々の「読む/書く」をめぐる冒険奇譚。作家の〈私〉は、ふと学生時代に出合った佐山尚一の『熱帯』という小説を思い出す。大切に読もうと思っていた〈私〉の元から忽然と消え、以来、図書館や古書店を探し歩いても見つからない謎の本。その奇書をめぐり、物語は進んでいく。「単行本化に取りかかるタイミングで『千一夜物語』を初めて読んでみたんですね。200話ほどしかなかった原型が、勝手に付け加えられて増えたり、バージョン違いが生まれたりと、成り立ちも含めて面白いと思ったんです。最初は、’80年代の京都を舞台に、作中作である『熱帯』の内容や誕生の経緯を書くのだろうと考えていたのですが、影響を受けてどんどん膨らみ、“謎の本”についてより深く考えることになりました」〈この本を最後まで読んだ人間はいない〉等、噂を聞けば聞くほど、『熱帯』についても、著者の佐山尚一についても、知りたくなると同時に、よくもこんな風変わりな物語を思いつくものだと、作家としての森見さんを、謎多き作家・佐山尚一に重ねてみたくなる。「彼は、この世界のどこかに穴があって、その向こう側に心惹かれるような人物ではあるので、そのメンタリティは僕自身と重なる部分かもしれません。実は、佐山尚一は平凡なようでいて、ネットなどで調べても、同姓同名の人が全然引っかからなかった名前なんです。自分が作り出したことで、初めてこの世に出てきた存在だと思うと興味深いですね」登場人物たちが、読書とは何かと考察する丁々発止も楽しい。突き詰めていく場面も出てくる。たとえば、同じ小説を読んでも人によって解釈はいろいろなのに、みな同じ一冊を読んでいるといえるのだろうか。「そもそも『熱帯』という魔術的な小説のことを書かなくてはいけない。それに重ねて、読書についてや、断片的な妄想が小説という形になっていく自分の小説が生まれてくる過程を、小説にしようとも考えていました。複雑に考えすぎて、納得できる形になるまで試行錯誤の連続。担当編集さんは、書き終わらなかった別バージョンの『熱帯』を山のようにお持ちです(笑)」もりみ・とみひこ1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞、’07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。『熱帯』Amazonには佐山尚一の古書が用意され、作中の古書店「暴夜(アラビヤ)書房」プロジェクトも進行中。本好きの心をくすぐる仕掛けも。文藝春秋1700円※『anan』2018年12月19日号より。写真・土佐麻理子(森見さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年12月13日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の芋生悠さんです。女優を目指したきっかけをたどると、中学時代の挫折経験が原点だと言う。「本気で空手をやっていたんですが、だんだん勝てなくなりすべてが嫌になってしまって。その時絵画に目覚め、美術系の高校に進学。自分を表現する場所がさらに欲しくなり、この世界に飛び込びました」。公開中の映画『左様なら』では主演を務め、題字も手がける。「書道の師範の資格を持っているんです。一時期はお芝居のことだけを考えていたけれど、表現の幅を広げるためにも、再び書や絵に向かう時間を楽しんでいます」描いたことがなかった 抽象画に挑戦。油絵で描いています。気持ちが反映されて、日々変化するのが面白い。撮影でタイに行って以来、パッタイの虜!滞在中毎日のように食べていました。具材のバランスが神的!役作りのために日本舞踊を始めました。舞台に向けて最近習い始めたばかり。楽しくてすでにハマっています。いもう・はるか1997年生まれ。映画『左様なら』は新宿K’sシネマなどで上映中。来春公開予定の映画『恋するふたり』でヒロインを務める。写真集『はじめての舞台』が発売中。※『anan』2018年12月12日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年12月11日自分たちが住みやすいように家を変えたい......。そんな願いを叶えられるのが、中古物件のリノベーションのいいところ。そこで今回訪れたのは、神奈川県内のマンションに暮らす、Yさん一家のお家です。リノベーションのために物件探しからワンストップで行える〔nu(エヌ・ユー)リノベーション〕に依頼したというYさん。どのような視点でリノベーションをしたのか、そのポイントを伺いました。リノベ会社は事例の好みで選択。センスあふれる提案を楽しむY邸リビング&ダイニング奥様はデザイナー、ご主人はIT系の仕事をしているというYさんご一家。奥様が産休中にDIYにハマり、雑誌やブログですてきに改造されたお家をみているうちに、「自分たちが住みやすいように家を変えたい!」と思うようになったそう。そこから、中古マンションのリノベーションという選択肢があることを知ったといいます。「いつかは自分たちの家を持ちたいと思っていて、まずは新築の戸建てやマンションを見てみたんです。でも作られた内装と間取りが全然気に入らない上に、住みにくそうだったんです。そこで『私たちに合う家ってなんだろう?』って夫婦で話し合った結果、中古マンションのリノベーションをしようということで2人の意見が一致しました」(Yさん)リビングの真ん中にあるのは、〔nuリノベーション〕の設計デザイナーが提案したという〔DULTON(ダルトン)〕のシーリングファン。スチールの骨組みとキャンバスの組合せが魅力。リノベーション会社は、施工事例が1番好みだったという〔nuリノベーション〕を選択。物件探しから設計・施工・アフターサービスまでワンストップで行える上に、間取りや設備、素材などをゼロからつくることができる完全オーダー型のリノベーションができるのが特徴です。好みの観点で選んだからか、担当の設計デザイナーとも相性抜群だったそう。「設計はもちろん、内装の提案もセンスが良くて、楽しみながら進められました。夫婦の理想はオープンで家族の存在を常に感じられるような、コミュニケーションが取りやすい家。部屋数は少なくてもいいから、リビングが広くて壁が少ない家にしたいという要望を出したところ、壁がなくても空間に区切りをつけられるようなデザインを提案してくれたんです」(Yさん)壁がなくても空間を区切る秘訣とはどのようなものだったのでしょうか?さっそく、おうちの様子を見てみましょう!壁を作らずに空間を区切る。導線が考えられた玄関と納戸造作棚で、壁を作ることなく空間を区切る。玄関からDENスペースまで土間が続くことで、家を出入りするときも楽々。空間を区切るために取り入れた方法のひとつが、こちらのテレビ裏に設置した造作棚。背板がないので、奥の空間も見えて、開放的な雰囲気です。棚の裏側は納戸も兼ねた、隠れ家的なスペース。玄関の土間を納戸の方まで繋げることで、ベビーカーを置いたり、自転車を置いたり、雨で濡れた上着をかけるときもストレスなくスムーズに活用できます。収納・くつろぎ・遊び場などマルチな役割の小上がりスペース広々とした小上がりスペースは、同じ空間にいながら別の部屋にいる気分に。Yさんのお気に入りは、こちらの床下収納付きの小上がり。「部屋数は少なくしたかったんですけど、収納スペースは確保したいと伝えたところ、この小上がりを提案してもらったんです。壁がなくても、段差があることでフラットな空間に部屋がぽこっと生まれるのが面白いと思いました」(Yさん)小上がりは、現在は子どもの遊び場や猫たちの憩いの場としても活用。収納力はもちろん、その時々のシーンに合わせてマルチに使えるところが気に入っているそうです。キッチンスペースは、黒を締め色にキッチンには黒いタイル、ダイニングには黒のアイアン家具を取り入れることで、空間が引き締まる。「黒を締め色に使いたかったんです」という要望から、キッチンの壁は黒いタイル、ダイニングの家具やパーテーションには黒いアイアン素材を取り入れたそう。「締め色の黒は、あんまり使いすぎると圧迫感が出すぎてしまうので、バランスを考えて取り入れました」(Yさん)ということもあって、ほどよく黒が効かせたメリハリのある空間に仕上がっています。家の中でも外にいる気分。インナーテラスがおしゃれで便利!インナーテラスの壁はブリックタイル、床にはモルタルを使用して、室内でも外にいる気分に。窓際はすべてインナーテラスに。ここはご主人のこだわりポイントで、普段は通勤に使うロードバイクを置いているそう。玄関の土間と同じく一段下げることで、空間に区切りもつけられ、ヴィンテージオークのフローリングの床に“抜け感”を作っています。テラス部分の床をモルタルにすることで水はけも良く、グリーンに水やりをするときも楽にできるそう。天井には納戸と同じく、アイアンのポールを設置。「アイアンポールは、洗濯物を干すときにも便利ですし、インテリアとして趣味のグリーンを飾るのにもぴったりなんです」(Yさん)と、奥様もお気に入り。印象的な黒い枠のガラスパーテーションも空間を分けるのにひと役買っていますね♪ワークスペースの壁の一面は自分たちでDIY!造作家具やデザイン性の高いインテリアを取り入れているYさんのお家。しかし、リノベーションに興味を持ったきっかけがDIYだったというだけあって、自分たちの手で仕上げたところもあるそう。「リノベをするときも、自分たちでもなにか1つ手を加えたいね、ということでワークスペースの壁一面だけ下地のままで引き渡してもらいました。磁石がつくようにしたくて、マグネットペイントを使って2日かけて自分たちで塗りました」(Yさん)他にも、子どものおもちゃを収納するためのヴィンテージ風の棚や椅子など、自分でつくれるものはDIYで作っているそう。プロに頼みながら、自分たちができるところは自分たちでやる。そうすることで、ライフスタイルが変化したときも、お家とうまく付き合っていけるのかもしれません。〔nuリノベーション〕公式ウェブサイトはこちら!●取材協力nuリノベーション(運営会社:株式会社ニューユニークス)●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子
2018年12月07日歳をとっても好きなものに囲まれながら、豊かに暮らしたい。家は人生で長い時間を過ごす場所だから、今だけじゃなく将来の暮らしを見据えてつくりたいものです。そこで今回伺ったのは、神奈川県川崎市にある中古マンションをリノベーションしたHさんのお宅。デザイン性を大切にしながら、歳を重ねても快適に暮らすために心がけたことを伺いました。スケルトンを白く塗った、好きなインテリアが似合う空間H邸リビングHさんお気に入りの家具店〔TRUCK〕の家具が似合うようオーダー。80代のお父さまと2人で暮らしながら、こだわりの暮らしを実現したHさん。中古マンションのリノベーションを選択した理由は、おしゃれな暮らしをしたかったというよりも、もっと現実的な問題があったからだと言います。「シングルでの生き方を選択して将来設計をしたときに、歳をとってからの賃貸物件の借りづらさや、いつまでもワンルームの狭い部屋で暮らしていたくないという思い、毎月支払う家賃のことを考えると、マンション購入をした方がいいと思ったんです」(Hさん)そして、せっかくお金を出すんだから内装も気に入ったものにしたいと、中古マンションのリノベーションを選択したといいます。お部屋を見渡すと、家具や雑貨のひとつひとつが選び抜かれたものばかり。センスのいいセレクトショップのように洗練されていながら、リビングとダイニングには暖かな光が差し込み、ほっこりとした雰囲気もある居心地のいい空間に仕上がっています。H邸ダイニングもともとインテリアショップで働いていたこともあり、“好きなもの”が明確にあるHさんの家づくりは、かなりスムーズに進んだそう。「リノベーションをする時っていろいろ決めなければいけないんですけど、好きなものがはっきりしていたこともあってかサクサクと決められて......担当の方が感覚の合う人だったことも功を奏して、最短で終わらせることができました(笑)」(Hさん)イメージがはっきりしていることで工期も延びることなく、工事中の賃貸料などの節約にもつながったといいます。そしてHさんが目指したのは、“老後を考えているけど老人向けじゃない家”。そのために心がけたことがあるといいます。「同居している父が高齢であることも考慮に入れつつ、自分自身も歳をとったときに動きやすくなるように“動線”を大事にしながら考えていきました」(Hさん)それでは、老後の暮らしやすさを考えながら、自分のセンスを存分に活かしたHさんのお家を見てみましょう!料理が好きだから、キッチン収納にもこだわりを親子そろって料理好きだというHさん。キッチンのカウンター部分は造作家具となっていて、収納スペースとして活用することができます。造作のカウンターは、裏側部分が収納に。扉をつけずオープンにしています。「造作の家具は一番お金がかかる部分だったんですけど、予算の関係もあって必要なところだけ引き出しにして、あとはオープンにしました」(Hさん)苦肉の策だったそうですが、すてきな食器類を重ねてしまうことで見た目も美しく、みごとなまでの見せる収納になっています。引き出し部分を深めに作ったことで、カップやグラスの収納も楽々。引き出し部分は、背の高いカップやグラスを収納できるように深めにオーダーしたそう。実際に引き出しからコップを取り出したりしまったりしてみると、その便利さに驚きます。洗面台は脱衣所から独立させて、おしゃれに広々と使う。洗練されたトリレタリーグッズを取り入れて、よりおしゃれに。脱衣スペースに設置されることが多い洗面台。Hさんは脱衣スペースを広く取るために、洗面台を廊下に設置することを選びました。「家に来てくれたお客さんにとって、手を洗うために人の家の脱衣所に入るのって抵抗感があったりする。でも廊下に洗面台があれば、ちょっと手を洗いたい時も気軽に使いやすいかな、というのもありました」(Hさん)住む人のことはもちろん、家を訪れる人のことまでしっかりと考えられています。立ち上がる時の手すりは、ディスプレイ棚としても活用手すりの棚には洗剤も置けるため、床もスッキリ清潔に。お父様の部屋からのアクセスもいいトイレスペースは、座るときや立ち上がる時の手すりとして使えるように、丈夫な棚を設置。ディスプレイ棚としても活用できるので、機能的でありながらおしゃれに仕上がっています。玄関スペースを広々とって寝室と地続きに玄関と寝室はモルタルで地続きというユニークなつくり。「玄関が狭いと、部屋全体が狭く感じるから」と、玄関スペースは贅沢に広々と取っています。さらに床のモルタルは、Hさんの寝室と地続きになっています。「寝室のスペースをどう取るかや、予算の兼ね合いを考えていくなかでデザイナーさんが提案してくれました。玄関のモルタルと寝室と地続きにすることで、床材をはらなくて済むから予算が浮くし、外国のお家っぽさもでる。これはいいなと思って取り入れました」(Hさん)寝室はこぢんまりとした海外のアパートのようにおしゃれな雰囲気。「床がモルタルで寒くないの?って友達に聞かれることがあるんですけど、ベッドは高めのものを使っているし、床に座って生活をするようなスペースでもないので、そこまでデメリットは感じないです。秘密基地みたいで落ち着きます(笑)」(Hさん)コンパクトにまとめられた居心地のいい寝室の奥には、クローゼットも設置。玄関と行き来しやすいので、身支度もスムーズにできそうです。周りの環境も考慮に入れて、将来も快適に快適に暮らせるお家を手に入れたHさん。〔nuリノベーション〕に物件選びからサポートしてもらったことで、現在の理想的な物件に出会うことができたそう。「神奈川県って坂が多いんですよ。歳をとって足腰が弱くなった時のことを考えると、都心へのアクセスもよく、駅近で坂の影響が少ないこの物件に出会えたのはよかったです」(Hさん)と、周辺の環境の良さも気に入っている様子。自分好みの環境で、自分好みのインテリアに囲まれながら暮らすことが、すてきに歳を重ねていくことに繋がるのかもしれません。〔nuリノベーション〕公式ウェブサイトはこちら!●取材協力nuリノベーション(運営会社:株式会社ニューユニークス)●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子
2018年12月04日ののとはなというふたりの女性の、約30年にわたる絆を書簡形式で綴った『ののはな通信』が5月に。そして9月は、『愛なき世界』が。2018年は、三浦しをんさんの傑作長編が2冊刊行され、ファンにとっては当たり年だ。『愛なき世界』は、植物学の研究にいそしむ女子院生・本村紗英と料理人見習いの青年・藤丸陽太が淡い交流を深めていく恋愛小説といえるが、読みどころは“恋愛”だけにあらず。「東京大学大学院の塚谷裕一先生から『辞書作りが小説になるんだったら、きっと植物学の院生も小説になると思うんです』とお声がけをいただいたんです。研究室にお邪魔してみて感じたのは、先生や院生のみなさんの知りたい気持ちの強さです」作中に、本村がシロイヌナズナの細胞を光らせ、それを藤丸が顕微鏡でのぞき込む場面がある。「私も見せてもらったんですが、本当にキレイで宇宙みたいでした。ヒトも植物も同じ地球上でそれぞれが進化を遂げた結果、共通した仕組みも全然違うところも持っているけれど、同じように細胞は活動し、一生懸命生きている。そんな植物のことを彼らはもっと知りたいんだなとわかって、私はそんな彼らのことをもっと知りたくなったんです」本村がのめり込む葉っぱの発生遺伝子を調べる実験には、塚谷教授ら研究室のみなさんが全面的にバックアップ。研究者の日常なども参考にしたそう。好きな研究に打ち込みすぎて、本村と藤丸の恋模様など見えていない院生像も何だか好もしい。「でも、恋の空気に鈍感なのは、むしろ私なんですよ。周りは気がついているのに私だけわかっていなかったとか、よくあります(笑)」タイトルは、植物が〈愛なき世界〉を生きていることに由来する。「『植物には感情や思考がないのです』と言われたとき、はっとしたんですね。私たち人間はついつい人間の感覚に引き寄せて彼らの様子を解釈しようとしてしまうけれど、愛とか恋とか言わないと繁殖できない人間の方が、地球上では圧倒的少数派です。面白いのは、植物たちを研究している研究室の彼らは、めちゃめちゃ植物愛に溢れているということ。言葉で説明するならば、やはり世界は愛に溢れた場所だとしか言いようがないなぁと感じますね」『愛なき世界』青井秋さんの植物の挿画に、胞子や実験器具などが箔押しされた、うっとりするほど美しいカバーデザインにも注目!中央公論新社1600円みうら・しをん1976年、東京都生まれ。2006年、『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、’12年、『舟を編む』で本屋大賞、’15 年、『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞を受賞。※『anan』2018年11月28日号より。写真・土佐麻理子(三浦さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年11月26日