もしも子どもを産むとしたらどんなふうに育て、どんな親でありたいか。自分が持つかもしれない未来の子どもについて、想像を巡らせたことがある人は多いだろう。著者の山本美希さんもそのひとり。本作『かしこくて勇気ある子ども』を描くきっかけのひとつが、当時立て続けに起こっていて、そして今も起こり続けている“不測の事態”だった。「世界中でテロや事件、事故が連日のように起きているのを見て、こういうことが人生を大きく変えてしまう可能性は誰にでもあるのだと感じ、作品に取り込んでみたいと考えるようになりました」主人公は、初めての子どもを迎えようとしている夫婦。お互いに仕事を持ち、精神的にも自立しているようなカップルで、生まれてくる子どもにどんな習い事をさせたいか嬉々として話し合い、かしこくて勇気ある子どもに育てば、明るい未来が訪れると信じて疑わない。「私の美希という名前も漢字を説明するときに恥ずかしくなるんですけど(笑)、親は名前ひとつにも希望を込めますよね。こんなことも、あんなこともできるかもしれないと、期待を膨らませるのは心理として避けがたいのかなと思います」そんななか妻はテレビであるニュースを見たことで、完璧と思えた幸せの絶頂から引きずり降ろされてしまう。パキスタンのマララ・ユスフザイの銃撃事件だ。ご存じの通り彼女は、タリバン運動によって学校に通えなくなり、11歳から女性の教育の必要性を訴えてきた人物だ。「女性が社会でどう生きていくかは、自分の作品のなかで大事なテーマのひとつといえるのですが、この事件は特に印象に残りました。“どの子がマララ”なのかわからない人間に襲撃されるということが衝撃的でしたし、アジアで起きた事件なのでより身近に感じたのもあります」かしこくて勇気ある子どもであるがゆえに狙われてしまう世の中を憂えて、日ごとにうつ状態になっていく妻と、不安定な妻を見守りながらも理解に苦しむ夫。妊娠や出産は当事者にしかわかり得ない部分も多いのだろうが、想像して考えるのをやめないことの大切さを教えてくれる。子どもを持つとはどういうことなのか、という視点もしかり。「妻の沙良のように悲観的な考えばかりではないと思うのですが、だからといって子どもが生まれたらそれで幸せと簡単に言えるものでもないというのは、作品を描き終えた今も変わらずに思っています。それぞれの立場で考えてもらえるような作品になっていたら嬉しいですね」『かしこくて勇気ある子ども』出産を目前に知った恐ろしい事件。妊娠・出産をめぐる男女の思考の違いも垣間見ることが。子どもを持つ準備として、パートナーとともに読みたい一冊。リイド社1800円©山本美希/リイド社 トーチコミックスやまもと・みきマンガ家、筑波大学助教。主な作品に『ハウアーユー?』『Sunny Sunny Ann!』など。さまざまな手法で物語を絵で表すことを模索。※『anan』2020年9月9日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年09月02日イラストレーター和田フミ江さんの「ママならぬ日々」第75話。出産翌日、わが子に授乳をしていたら、想像をはるかに超える吸引力に、和田さんの胸が……!?出産したら突然始まる「お母さん」生活!まだ体はボロボロ、頭もボーッとしている状態にも関わらず、出産翌日はまず授乳&おむつ替え指導を受けました。 「ママならぬ日々」第75話 初産なので当たり前ですが、赤ちゃんにおっぱいを吸われたことがなかったので、娘がちゃんと乳首に食らいついたときは「すごい! ちゃんとここをくわえるってわかってるんだ!」と感動しました。しかしその感動も束の間、思った以上の吸いっぷりにびっくり。おっぱいが痛くて声が出そうになりました。 授乳指導の方に痛くない吸わせ方を教えてもらったものの、コツがうまくつかめないまま、赤ちゃんにげっぷをさせて、おむつの替え方を教わって終了。赤ちゃんを連れたまま入院室へもどって本格的な母子同室が始まり、張り切っていたのですが……。監修/助産師REIKO 著者:マンガ家・イラストレーター 和田フミ江姉妹の母。趣味はゲームと旅行と美味しいものを食べること。
2020年08月27日・創作に必要なのは想像力。それはつまり、人の心や痛みへの想像力なんだと思う。・これ以上ないほど真摯な言葉。・本人の気持ちを思うと、無念だろうけど、それでも被害者に寄り添っていて立派。2020年8月8日、漫画『アクタージュ act-age』の原作者である、マツキタツヤこと松木達哉さんが強制わいせつ罪で逮捕された件を受け、同月24日、作画担当の宇佐崎しろさんがコメントを発表しました。そこにつづられていた宇佐崎さんの思いや、作品のファンに向けた呼びかけに対し、そんなコメントが続々と寄せられています。「間違った方向に暴力として向けるのはやめて」2018年1月から『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートし、コミックスが300万部を突破するほどの人気作品だった『アクタージュ act-age』。しかし原作者が、都内の路上で10代の少女の胸を無理矢理触ったとして強制わいせつ罪で逮捕され、連載も終了に。ファンからは「刑務所で書き続けて」「出所したら連載を再開にして」といった声が上がっていました。連載継続を求める声は、もしかしたら作画担当の宇佐崎さんの元まで届いていたのでしょうか。24日に投稿された宇佐崎さんのコメントには、「連載終了を全面的に受け入れている」とし、被害者への思いがつづられていました。先日8月8日、私宇佐崎しろが作画を担当する漫画作品『アクタージュ act-age』の原作担当であるマツキタツヤ氏が、女子中学生への猥褻行為、性犯罪の容疑で逮捕・勾留されました。まず被害に遭われた方とそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。大きなショックと恐怖の中、声を上げ、ご自身の尊厳を傷つけられたことに対する怒りを捨てなかったことは、本当に勇気ある行為だと思います。まだ司法の判断は下されていませんが、被害に遭われた方の届出によって事件化され、逮捕・勾留という手続がとられたという事実を、重く受け止めたいと思います。私は、今回の事件に伴う『アクタージュ』連載終了、及び企画や単行本、グッズ等への対応について、ジャンプ編集部の決定を全面的に受け入れています。性犯罪によって受けた傷は自然に癒えるものではありません。この先も似た身なりの人とすれ違うたびに体が強張り、早足になり、夜道を歩くことに恐怖を覚え、被害に遭われた方の人生に本来必要なかったはずの緊張と恐怖をもたらします。『アクタージュ』という作品そのものを見ることによってそれらが誘発されたり、苦痛を与える原因になる可能性を考慮して、作品の終了は妥当だと判断しました。@uszksrーより引用連載を続ける道はあったのかもしれません。しかし、もしも連載を続けたとして、それが被害者を今後も苦しめる要因になりかねないことを、宇佐崎さんはちゃんと考えていたのでした。続けて、宇佐崎さんはファンに向けてこうも呼びかけています。そして作品を愛してくださっているファンの皆様へお願いがございます。いつも『アクタージュ』を応援いただきありがとうございます。この度は道半ばで作品を終わらせることになってしまい、皆様と同じく私もとても残念に思っています。しかし作品を惜しむ声が被害に遭われた方に対しての重圧となることは、絶対に避けるべきことです。当然のことですが、作品が終了するのは被害に遭われた方のせいではありません。被害に遭われた方が声を上げたこと、苦痛を我慢して痴漢行為や性犯罪に対して泣き寝入りしなかったことは決して間違いではありません。正しいことが正しく行われた結果です。その勇気と行動を軽視したり、貶めたり、辱めるような言葉でさらに傷つけることは、あってはならないことだと思います。漫画に救われて生きている方々、作品を生きがいにしていただいていたファンの皆様の気持ちもよくわかります。私も漫画に救われて生きています。やりきれない気持ちでいっぱいです。ですがその愛を間違った方向に暴力として向けるのは絶対にやめてください。どうかしっかり考え、様々な視点を持ち、根拠のない情報に惑わされず、何を言うべきか、言わないべきかを選択してください。最後に、被害に遭われた方の心のケアがしっかりとなされ、今後の人生で二度と同じような思いをすることなく、心穏やかに過ごせることを願っております。@uszksrーより引用アクタージュ読者の皆様へ pic.twitter.com/ewuOZR2ALB — 宇佐崎しろ (@uszksr) August 24, 2020 「作品を読みたい」というファンの気持ちも理解できます。ラストを迎えることなく連載が終了し、行き場をなくしたファンの気持ちもまた、つらいものがあるでしょう。しかし、それは宇佐崎さんも十分に理解しているはずです。その上で、どこまでも被害者の気持ちに寄り添い、守ろうとする姿勢は誠実さにあふれたものでした。「どうかしっかり考え、さまざまな視点を持ち、根拠のない情報に惑わされず、何をいうべきか、いわないべきかを選択してください」という宇佐崎さんの言葉を受け止めること…それがファンにできる最善の選択なのではないでしょうか。【お詫びと訂正2020年8月25日10時27分】記事中、宇佐崎しろさんの表記に誤りがありました。訂正し、お詫び申し上げます。[文・構成/grape編集部]
2020年08月24日10年以上の少年院勤務経験から私は児童精神科医として、2009年から現在まで10年以上、少年院に勤務し、非行少年と言われる多くの少年たちに出会ってきました。勤務当初は、凶暴な子ばかりいるのではと身構えていましたが、そんなことはありませんでした。実際には、成功体験が少ないために自信のもてない子、また、学習面では「簡単な計算ができない」「漢字が読めない」「簡単な図形を書き写せない」ということで「困っている」少年たちが大勢いたのです。彼らは見る力、聞く力、想像する力が弱く、そのせいで勉強ができないばかりでなく、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗し、自信を失い、被害的になり、それが非行の一因にもなっていたのでした。生きていくために必要な『学力以前の力』私は率直に言って、「この子たちには生きていくために必要な『学力以前の力』が備わっていない」と感じました。しかし、これは非行少年だけに限った話ではありません。私は現在、幼稚園や小・中学校で教育相談も受けています。そこで出会う子どもたちの相談は、発達や学習の遅れに関するものが多く、その状況は非行少年たちの学校時代の様子と似ているところがあるように感じました。そこで、今「困っている」子どもたちの今後の人生が少しでも生きやすくなるように、子どもたちが生きていくために「学力以前の力」を身につける必要性を強く感じました。そうして考案したのが、注意して見る力・聞く力、想像する力(認知機能)を鍛えていく「コグトレ」です。認知機能を高めるトレーニングコグトレとは、「認知○○トレーニング(Cognitive 〇〇 Training)」の略称です。○○には「ソーシャル(社会面)」「機能強化(学習面)」「作業(身体面)」が入ります。認知機能には、「注意」「記憶」「言語理解」「知覚」「推論・判断」という5つの要素が含まれます(下図)。その5つの要素に対応する「数える」「覚える」「写す」「見つける」「想像する」力を伸ばすことが、コグトレの目的です。Upload By 宮口幸治次に、認知機能の弱さがどのように勉強の苦手さにつながるか、例を出して紹介しましょう。出された問題を解くために必要な力たとえば、授業中に先生がこんな問題を口頭で出したとします。「Aさんは10個の飴を持っていました。4個をあげるとAさんは飴を何個持っているでしょうか?」これに答えるには、まず先生の話に「注意」を向けることが必要です。外を見ていたり、ノートにお絵描きをしていたりしては聞き取れません。次に、先生の話したことをしっかり聞きとって「知覚」し、個数を忘れないように「記憶」します。また、先生の話した問題の「言語理解」も必要です。さらに、ここから答えを考えていきますが、暗算するためにはほかに考えごとなどせずに「注意(集中)」する必要があります。認知機能すべての力をフル稼働最後に大切なのが、この問題では次の2通りの解釈ができることです。「Aさんは誰かに4個の飴をあげたのか?」「Aさんは誰かから4個の飴をもらったのか?」いったい先生はどちらを意図したのか「判断・推論」する必要があります。以上から、先生が口頭で出した問題を解くためには認知機能のすべての力が必要なのです。もしその中の1つにでも弱さがあれば、問題を解くことはできません。学習につまずきを抱える子どもは、認知機能の働きのどこかに、または複数に弱さをもっている可能性があるのです。そのような弱さを見つけトレーニングしていくのが、コグトレなのです。紙と鉛筆があれば始められるトレーニング具体的には、「数える」「覚える」「写す」見つける」「想像する」という5つの分野を対象にしたトレーニングを行います。紙と鉛筆があれば、今日から始められます。次に実際に、コグトレの問題をご覧いただきましょう(8月刊行の『医者が考案したコグトレ・パズル』より抜粋)。まずは「写す」問題から。問題に取り組むことで、「見る力」の基礎力を強化していきます。下の図は、「写す」問題の一部で、「点つなぎ」「くるくる星座」です。「点つなぎ」では正確に形を見る力、「くるくる星座」は考えながら見る力をつけていきます。「写す」問題全体を通して、漢字の書き取りや図形問題の基礎力をつけるのに役立つでしょう。見本の通りに点をつないで、上の絵を下に写します。Upload By 宮口幸治上の星座と同じ形になるように、下の★〇●を線でつないでいきます。Upload By 宮口幸治次に「見つける」問題です。この問題では、「見る力」の応用力を強化していきます。下の図は、「見つける」問題の一部で、「黒ぬり図形」「違いはどこ?」題です。「黒ぬり図形」では形の輪郭を見る力、「違いはどこ?」では形の違いを見つける力をつけていきます。「見つける」問題全体を通して、広い観点で物事を見る力、図形問題の応用力をつけるのに役立つでしょう。ある形の影を見つけます。①~④の図を黒くぬったものを、1~10から選びます。Upload By 宮口幸治上の絵と下の絵には、3つの違いがあります。違う部分に〇をつけましょう。Upload By 宮口幸治答えはこちらです。Upload By 宮口幸治子どもの心を傷つけない課題に取り組んでみると、もしかしたら「見つける」は得意だけれども、「写す」は苦手という得意不得意が出てくるかもしれません。苦手意識が強ければ、できるところの課題から取り組んでもらえればいいと思います。なお、テストができなくて傷つく子どもはいますが、コグトレができなくて傷ついたという話はあまり聞いたことがありません。コグトレはパズルやゲームのような課題なので、学習という感覚があまりしないのでしょう。子どもたちは楽しみながら取り組んでいます。自然に認知機能を鍛えていけるのです。勉強嫌いな少年たちが変わった瞬間また、学習は楽しんで取り組める工夫があると、子どもの力を伸ばせるはずです。そう感じるのは、私の経験にもとづきます。少年院では、勉強嫌いで授業などまともに聞いたことのない少年たちに多数、会いました。私は彼らに教えることをあきらめて、「じゃあ、私の代わりに授業をやってくれ」と、教師役を肩代わりさせたことがあります。そうすることで、私の苦労を実感させようとしたのですが……意外な展開が待っていました。なんと、授業をまともに受けようとせず、妨害すらしていた少年たちが「ぼくが教えます!」「ぼくがやります!」と率先して、教える役に就こうとしたのです。前に出て「教える」彼らの姿はとても楽しそうでした(実は、人に教えてみたい、頼りにされたいという気持ちを強くもっていたのです)。教わる側の少年たちも、変わっていきました。自分と同じ立場の少年から出される問題に答えられないのでは面目がないのでしょう。まじめに取り組むようになりました。図形の模写から知る、発達の目安最後に、子どもの発達が遅れていないか、ちょっと不安という親御さんへ。不安を抱えつつ、かといって、知能検査を受けさせるのも抵抗がある…そんなとき、発達の程度に目安をつける簡単な方法をお伝えします。お子さんに次のような正方形、三角形、ひし形を、見本を見ながら書かせてみましょう。Upload By 宮口幸治正方形は4~5歳、三角形は5~6歳、ひし形は7~8歳くらいまでに描けることが目安です。これらが描ければ、さらに次のような立体図や蜂の巣も書かせてみましょう。Upload By 宮口幸治立体図や蜂の巣は、8~9歳くらいまでに描けることが目安です。これらの図形が、該当する年齢を超えても描けないことが明らかであれば、そのときは念のため、発達専門外来や教育センターなどでご相談されることをお勧めします。適切なサポートで子どもの力は伸ばしていけるUpload By 宮口幸治発達や学習の遅れがあったとしても、適切なサポートをすることで、お子さんの力を伸ばしていける可能性があります。たとえば上の絵は、コグトレ前後の変化を示すものです。学校の勉強についていくのがしんどいと訴えていた中学生が、見本の立体図を見ながら写した絵です。4ヵ月コグトレをしたところ、図の立体感が増し、かなり正確に写せるようになりました。その子は、小学生の頃から黒板を写すこと、漢字を覚えること・書くことに苦手さをもっていました。コグトレ後は、正確に形を覚える力・見る力(形の輪郭や構成も)が増したのでしょう。立体図の模写ばかりでなく、漢字の読み書きも上達しました。紙と鉛筆があれば今日から始められるコグトレで、まずは学習の土台づくりをサポートしてみてはいかがでしょうか?
2020年07月22日子どもたちが求められる能力のひとつに「思考力」があります。思考力とは考える力のこと。いま、小学校から高校までの学校教育と、大学入試が大きく変わってきています。そう、教育改革です。これからは、学習したことをしっかり理解するだけでなく、理解した内容を駆使して自分で考え、表現し、判断できるかどうかが求められるようになります。言い換えれば、「思考力」の高さが子どもたちの将来を決める時代がやってきているのです。社会に出てからもずっと必要になる「思考力」を子どもたちに身につけさせるには、学校教育だけでなく家庭教育が必須になってきます。今回は、「思考力」とはどのような能力のことか。そして、子どもの思考力を育むために、親が身につけるべき習慣を3つ紹介します。「思考力」は、学校と家庭との連携で育む先ほど、教育改革の影響で、子どもたちは考える力をより求められ、思考力の高さで将来が決まると書きました。じつは、教育改革の移行期間として、平成30年度から新しい学習指導要領に沿って授業が進んでいます(プログラミング体験など一部を除く)。いま、子どもたちは「思考力」を問われる教育の真っただ中にいるのです。学校での教育内容について、最も重要な基準となる学習指導要領の第1章総則には、「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」として以下のことが書かれています。基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際,児童の発達の段階を考慮して,児童の言語活動など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,児童の学習習慣が確立するよう配慮すること。(引用元:文部科学省|学習指導要領 第1章総則「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」2(1))いままでと同じように、知識や技能はきちんと身につけたうえで、思考力、判断力、表現力を育んで問題を解決することを求められているのです。そして、学習の習慣づけは家庭と連携を図るようにとはっきり記されています。子どもたちは学校で、クラスメートと課題を見つけ、仮説を立て、資料を調べ、時にはインタビューをし、それをまとめて発表するといった、いわゆるアクティブラーニングを行なって思考力を鍛えています。では、家庭ではどうでしょう。子どもが家に帰った途端、「あれをしなさい」「それはだめ」「こうするのよ」「いつまで〇〇しているの」「あなたは△△の道へ進むべき」など、子どもに考えさせる時間を与えず、口や手を出していませんか?もし、「子どもの考える時間を奪ってしまっているのかも」と感じるのであれば、次に紹介する3つの習慣を上手に取り入れてみませんか?思考力を鍛える習慣1:たくさんおしゃべりをさせるお笑いコンビ「パックンマックン」として活躍しながら、相模女子大学と東京工業大学で教鞭をとるパトリック・ハーランさんの専門は「コミュニケーションと国際関係」。パトリックさんは、ご自身のお子さんふたりが通う日本の小学校の授業参観で、お友だちどうしでのおしゃべりが禁止されていることに驚いたのだそう。しゃべる場面が少ないから、しゃべる技術が身につかない。議論が生まれない。討論ができない。問題提起ができない。指摘されても反論ができない。(引用元:朝日新聞DIGITAL|子どもの「思考力」を伸ばすために、親ができること~パトリック・ハーランさん)「しゃべる場面が少ないために、必要なスキルが身につかない」。パトリックさんは、そう指摘します。おしゃべりでの基礎トレーニングがあってこそ、議論や討論といった応用スキルを身につけられるのです。学校でおしゃべりができないなら、家庭でたくさんおしゃべりをさせましょう。パトリックさんは、「大人が当たり前に思っていること」について、子どもに質問することをすすめています。「交番はどうしてあると思う?」など、大人にとっての常識を質問すると、子どもからは予想の斜め上をいく答えが返ってくるのだそう。思考力を鍛えるためには、普段の会話から子どもに考えさせる機会をつくることが大切です。思考力を鍛える習慣2:親は子に “具体的に” 問いかける私たち大人は子どもに対して、すぐに「考えたらわかるでしょう?」「なんでもすぐ聞かずに考えなさい」と言うことがよくありませんか?しかし、この「考える」という言葉がどういうことを意味しているのか、大人もよく理解していないのではないでしょうか。言っている本人が明確にわかっていない言葉を子どもが受け取ったところで、理解できるはずがありません。長年、学習塾を経営して都留文科大学特任教授を務める石田勝紀さんは、「考える」の定義として以下を挙げています。【「考える」とは】「自分の言葉で語れること(What)」「疑問に思うこと(Why)」「手段や方法を思いつくこと(How)」のいずれかのことをしているときに、「考えている」という状態になると考えます。(引用元:東洋経済オンライン|「考える力がない子」を変える3つの問いかけ)そして、この考え方を教えないかぎり、子どもは考えられないし、応用力を身につけることもできないと指摘します。つまり、「考えなさい」と言いたくなったとき、一度、私たちは子どもに対してどのような考え方をしてほしいのか咀嚼し、「これってどういう意味なんだろうね(What)」「なんでそう思ったの?(Why)」「じゃあ、どうすればいいかな(How)」と具体的に問いかけるべきなのです。思考力のトレーニングには、具体的な問いかけが必要になりますよ。思考力を鍛える習慣3:「なぜ・どうして」を考えさせる具体的に問いかけても、子どもからは「わからない」と返ってくることもあるでしょう。それを「なんでわからないの」と責めるのはNG。子どもの「自分はできる」という自己肯定感を低くしてしまいます。大手進学塾で数学の指導経験がある教育クリエーターの秋田洋和さんは、子どもに倫理的思考力を身につけさせるために、「答えをあえて見せ、正解までの途中経過を考えさせる」ことがあるのだそう。よくありがちな「結果だけを見て叱る」ことを100回繰り返すよりも、「なぜ・どうして? を自力で考える習慣づくり」を仕掛けたほうが、子どもは算数・数学好きになるし、急激に成長していく。(引用元:プレジデントオンライン|中国の「子どもの論理的思考力」が高い理由は?)親がやりがちな「結果だけを見て叱る」よりも、「なぜ・どうして」を考えさせるほうが、子どもは成長するのです。たしかに、親に「どうしてわからないの」と叱られたところで、「わからないんだから、その理由なんてもっとわからないよ!」となりますよね。子どもが「どうしてもわからない」と言うときは、答えや親の考えを先に伝えて、どうしたらそこへたどり着くのか考えるように促すとよさそうです。子どもの思考力を高め、「わかった」という経験を積ませることが自信につながり、自己肯定感も高めることにもつながるでしょう。***思考力がついてくると、自分で考えて判断することができて、「自分はこう思う」「自分ならできる」「自分は任されている」と自信がついてきます。この自信は「自己肯定感」につながり、意欲的に学ぶ土台を形成するという相乗効果を生み出してくれますよ。(参考)文部科学省|学習指導要領 第1章総則「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」2(1)ベネッセ 教育情報サイト|子どもの「考える力」と「自己肯定感」を育む[やる気を引き出すコーチング]朝日新聞DIGITAL|子どもの「思考力」を伸ばすために、親ができること~パトリック・ハーランさん東洋経済オンライン|「考える力がない子」を変える3つの問いかけプレジデントオンライン|中国の「子どもの論理的思考力」が高い理由は?
2020年06月30日登場人物ぐっちゃん:2018年4月生まれの男の子。よく食べよく眠る元気いっぱいボーイ。ママ(chiiko):ぐっちゃんのママ。激しくて楽しいぐっちゃん育児を漫画にしている。幼い子どもの水族館の思い出…!?赤ちゃんのころから絵本をたくさん読み聞かせたり、一緒にテレビを見たり、近所の公園に散歩に行ったりしてさまざまな経験をさせてあげたいと考える方も多いでしょう。子どもとの思い出作りは、親のリフレッシュにもなりますよね。chiikoさんの息子・ぐっちゃんは水族館に行ったことがあるとのこと。小さな子どもでも思い出すことがあるかな~と質問してみたところ、「イソギンチャク」から「うどん」を連想したのでしょうか。予想外の返答に驚きですね。思い出す視点が違うのも、子どものかわいらしさ。豊かな想像力に感服です!(ままのて編集部)chiikoさんが描くぐっちゃん漫画が動画になりました!「ままのて」で大人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後もchiikoさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他の育児漫画や育児に関するお役立ち情報、生活の知恵がたくさん配信されていますよ。どの動画にも字幕が付いているので、赤ちゃんや子どもが寝ているときでも音声なしでお楽しみいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。※「ままのてチャンネル」とは妊活・妊娠・出産・育児の情報を届けるチャンネルです。妊娠中や育児期のお役立ち情報のほか、マンガ動画も配信していますよ。お気に入りの動画を見つけたら、ぜひチャンネル登録してくださいね。過去のエピソード妊娠・育児に関するお役立ち情報発信中!ままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてくださいね。著者情報
2020年06月19日こんにちは、どすこい母さんことケイコモエナです。徐々に外出禁止や外出自粛が解除されてきていますが、スイスでのロックダウン中に、子どもたちとどう過ごしてたかを描いてみました。私が調べて「すごく遊びそう!」と思った工作や遊びでも、5分、もって30分くらいしか遊ばなかったのですが、子どもたちが考えついたり、プチ発明した遊びは数日~1週間にわたって遊んでいました。その遊びのために朝飛び起きたりしてて、おもしろいな、と思いました。大人が子どものことを考えた遊びというのは、やはり子どもの興味からずれた所にあったのかもしれません。工作の準備や後片付けの方が遊ぶ時間よりもずっと長かったり。一日中いろいろ考えてやっていた生活も、1週間で早々にギブしてしまいました(笑)ゆあの発明した遊び、私にはミニカーに糸、なんて考えつかないし、もし思いついても、リモコンカーのほうがいいよね? と思ってしまう遊びなのですが、リモコンカーはそっちのけで、うちの子達はハマっていました(笑) 一緒に遊んであげたほうが良い親なんだと今まで思っていたけど、知らないうちに子どもたちの想像力の邪魔をしてしまっていたのかもしれないな、放っておくというのもとても大事なんだな、と新たな気づきとなりました。コロナ前だと、学校や宿題、習い事、連日友達と遊ぶ約束に忙しくしてて、こんな暇の極地に立たされる時間もない毎日。暇っていうのは子どもにはとても大事なことなんだなと思わされたのでした。最後まで読んでくださってありがとうございます! それではまた次回に!
2020年06月01日こんにちは。ライターの和です。何年も前から話題になっている「女子力」というワード。筆者も「女子力」という言葉をテレビや会話で聞くたびに、「本当の女子力とは・・・?」と疑問に思っていました。今回はそんな誰しも一度は聞いたことがある、「女子力」について考えたいと思います。女子力を上げる方法が知りたい人も、そもそも「女子力」の実態が分からないと行動できませんから、じっくり読んでみてくださいね。■「女子力」は「見た目を磨くこと」だけじゃない「女子力」というと最初に思いつくのが、メイクやファッション、ダイエットなどの外見に力を注いで「かわいくなること」だと思います。もちろんこれも確かに女子力のひとつです。かわいくなると外に出たくなるし、実際に「モテる」というイメージはあります。でも見た目だけ努力することを「女子力」と呼ぶのかというと、それはちょっと違いますよね。■小手先の「女子力アピール」は、割とすぐバレる見た目がかわいくて良い香りがしたら、男性も「この子イイじゃん!」と飛びつきます。食事の席でおしぼりやお皿を配るのも、同じように「優しい!」と良い印象を与えますよね。でもそれも最初のうちだけなんです。話しているうちに「あれ?この子、性格悪いな」「自分じゃ何もできないじゃん」なんて思われてしまうと、彼らもすぐに離れて行ってしまう。しかもみんなが付き合いたいと思うような男性ほど「この子はハリボテだな」とすぐに察知するのです。なぜならモテる男性ほど、たくさんの女性を見てきているから。素敵な男性ほど、中身がしっかりしている。彼らは男女問わず、上辺だけの人には騙されないんですよね。つまりいくら外見を磨いたり、行動を見せつけたりしても、それは一時的なモテにしかなりません。でも私たちが望んでいるのって、一瞬だけ誰かにチヤホヤされることじゃないですよね?ひとりの男性に、長い間愛されたいと願っているんですよね?■女子力って結局のところ「人間力」なんです女子力の根本について考えてみると、結局のところ「人間力」にたどり着くのではないかと思います。つまり普通のことを普通にする。朝起きてご飯を食べて仕事へ行って、色んなことで悩んで、たまに楽しいことがあって。そういうごくごく日常的なことをすることに意味があると思います。逆にどんなにかわいくても、親のスネをかじって遊びまくっている人は、女子力が高いとは言わないと思うんです。話は戻りますがこういう普通のことをしていると、時には辛いことにも出くわします。そういう問題をひとつひとつ乗り越えたり、逆に「自分にできない」と判断する力を身に着けたりしていく。このように経験値が上がっていくと「これは違う」と思ったときに引き返せるようになるのです。そうすればダメ男と出会ったときも、たとえ好きでも「付き合わない」という判断ができますよね。わざわざ棘の道を進まなくて良いので、自分の心も穏やかになっていきます。そして「男子力」って言葉は聞かないけれど、いま書いたような「日常生活を送りながら学び、自分を成長させること」ができる男性って、やっぱりモテるんですよね。私たちがよく言う「誰か良い人いないかな~」「普通の人で良いんだけど!」に当てはまっている。だからやっぱり女子力だろうが男子力だろうが、結局のところ「人間力」につながっているんだと思うんです。■おわりにあくまで「かわいくなる女子力」がダメなわけではありません。でもたったひとりの人に長く愛される女子になりたいのであれば、こういった内面的な部分の「女子力」も並行して意識すると良いのではないでしょうか。(和/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年05月28日登場人物ほにゅ:2018年2月生まれ。泣くのが得意。薄毛。飽き性。笑顔で母をノックアウトできる。つぶみ:ほにゅの母。すぐムリっていう。一応一生懸命取り組む。ぺー:ほにゅの父。効率的に動きまくる。優しい。声がでかい。子どものかわいいひとり遊び…どんな結末?編集後記子どもには独特な世界があって、子どもの遊んでいる姿や視線の先を見ていると大人のほうがついつい気になって見入ってしまったということありませんか。つぶみさんの息子・ほにゅくんも、素敵な世界観を持っているようですね。その想像力はとても独特です。「こんにちは」とキリンの人形と車があいさつするかわいらしさから、最後は車が空を飛び始めて激しさを増すあたり、さすが男の子の想像力と愛らしさを感じますね。また、そんなほにゅくんの姿をスマホにおさめているつぶみさん。子どもの成長やかわいらしさをしっかりと記録に残しておくことも大切ですね!(ままのて編集部)ままのて公式SNSアカウントままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてください!つぶみさんが描くほにゅくん漫画が動画になりました!ままのてで大人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後もつぶみさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他の育児漫画や育児に関するお役立ち情報、生活の知恵がたくさん配信されていますよ。どの動画にも字幕が付いているので、赤ちゃんや子どもが寝ているときでも音声なしで楽しんでいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。過去のエピソード著者情報
2020年05月20日編集部:学研キッズネット編集部株式会社ゴーゴーゴー は、 “子どもの集中力を栄養面からサポート”をコンセプトとした、学習サプリ「ひらめき生ゼリー manabees」を、2020年5月18日より公式オンラインショップで販売開始したことを発表しました。本商品は、人工甘味料と着色料は無添加なのに加え、短時間での集中や、集中力の長時間の持続を栄養面からサポートします。「ひらめき生ゼリー manabees」とは「ひらめき生ゼリー manabees」は、“子どもの集中力が続かない”、“集中するまでに時間がかかる”、“学校でも集中できていないのではないかと不安”など、子どもの集中力に悩みを抱える父親・母親の声をもとに開発した、子どもの集中力を栄養面からサポートするゼリー状のサプリメントです。成分には、集中力を高めるとされる「PS /ホスファチジルセリン」、「アガベシロップ」、「ザイナマイト」などが含まれています。また、管理栄養士の資格をもった栄養士の監修のもと開発し、カフェインや砂糖などの人工甘味料不使用、着色料も無添加の健康に配慮をした商品です。さらに、子どもが飲みやすく、かつ飲み続けやすいよう、ゼリータイプにしました。1日1回が摂取の目安となっております。定期購入を初めてお申し込みの方へは、特典として、初回分を通常価格より約70%オフの2980円(税込)でご提供いたします。「ひらめき生ゼリー manabees」公式オンラインショップでご購入頂けます。新型コロナウイルス感染防止対策の影響での休校中の自宅学習や、新学期にむけた勉強、塾などでの新クラスのスタート、受験勉強に向けてなど、ぜひこの機会にお試しください。「ひらめき生ゼリー manabees」が提供する価値1. 「集中力サポート」へのこだわり!本商品を企画するにあたり、市場の調査や母親座談会などを実施。その中で、「子どもの集中力に関する悩み」が多く寄せらせたことから、「集中力」に徹底的にアプローチできる「成分」にこだわりました。集中力をサポートする成分「PS /ホスファチジルセリン」を豊富に取り入れております。2. カフェイン・砂糖に頼らない配合多くの既存商品には、カフェインによって集中力向上を謳い、砂糖によって美味しさを実現しており、子供が摂取することを想定すると、成分面に不安が残ります。そこで、「ひらめき生ゼリー manabees」は、カフェインの代わりにマンゴー葉乾燥エキス「ザイナマイト」、砂糖の代わりに天然甘味料「アガベシロップ」を使用。子供の健康面を考慮したサプリメントに仕上げました。3. 子供が飲みやすく続けやすい「ゼリータイプ」毎日、子供が摂取することを考え、錠剤ではなく「ゼリータイプ」を選定しました。また、1回飲みきりのパッケージにすることで、慌ただしい朝の通学前の時間でも摂取が可能な上、また、錠剤のように水を必要としないことから、学習塾への持ち運び・摂取にも最適です。■信頼の生産体制1. FSSC認証を取得した工場での生産FSSC22000は、ISO22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格です。FSSC認証を取得した工場での製造を徹底することで、安全な製品の提供に関するリスクを低減します。2. 管理栄養士の資格をもった栄養士が監修栄養士が監修することで、栄養成分による効果を追求するだけでなく、成分摂取による中毒症状などの健康被害にも最大限考慮した製品開発を可能にします。商品概要商品名:ひらめき生ゼリーmanabees内容量:300g(10g×30包)※1日1包目安原材料:有機アガベシロップ(メキシコ製造)、大豆レシチン抽出物、赤ぶどう果汁、ブラックカラント果汁、こんにゃく粉、マンゴー葉乾燥エキス、亜鉛含有酵母/香料、ゲル化剤(増粘多糖類)、V.C、クエン酸Na、甘味料(ステビア)クエン酸、抽出V.E.、ナイアシン、パントテン酸Ca、硫酸Mg、V.B1、V.B6、V.B2、V.A.、葉酸、V.D.、V.B12(一部に大豆を含む)栄養成分表示(※1):エネルギー11kcal・たんぱく質30mg・脂質130mg・炭水化物 2.4g・食塩相当量17mg価格:定期購入を初めてお申し込みの方に限り初回分2980円(税込)※参考価格/詳細は販売ページをご覧ください。販売方法:【公式オンラインショップ】発売日:2020年5月18日(月)※1・・・1包(10g)あたりひらめき生ゼリー manabees【株式会社ゴーゴーゴー概要】会社名:株式会社ゴーゴーゴー所在地:茨城県つくば市吾妻一丁目10-1 105事業内容:Eコマース事業代表取締役:齋藤 優太設立:2019年2月8日会社HP:既存の「健康食品」は、果たしてどれだけの顧客のパフォーマンスに貢献しているでしょうか。それらは、利益を得るために、原価をできるかぎり削って作られた顧客の「体感」を二の次にしているものばかりです。私たちは、医師や栄養士といった専門家と共に企画した、安心し実感できる製品だけを提供します。サプリを活用した生活が豊かなものであるということが常識になる日まで。ゴーゴーゴーは、若い感性とサプリへの深い愛情で、社名の通り突き進んで参ります。■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月19日パン教室を開いているRan(@konel_bread)さん。Twitter上には、さまざまなかわいいパンの写真が投稿されており、人気を博しています。ある日、クマを題材にパンを作ったところ、日本だけでなく海外からもたくさんの称賛の声が集まりました。顔だけを見ると、とてもかわいらしいクマなのですが体を見て驚き!その姿とは…。筋肉ムキムキくまさんのパン♩腹筋はちぎりパン仕様です #bread #konel #手作りパン #パン教室 #筋肉パン #コロナに負けるな pic.twitter.com/Y6NcjYT9b0 — Ran (@konel_bread) 2020年5月2日 体がムッキムキ!ちぎりパンで表現されたムキムキの筋肉。顔からは想像できない体のたくましさに驚きますね!さらに、こちらは大会仕様の『筋肉パン』とのこと。こんがりと色黒く、照りも出ていてボディビルの大会のようです!【ネットの声】・見事な6パックの筋肉!かわいい。・アメイジング!素晴らしいね。・食べるのがもったいない!とても強そう。・笑った!こんなにムキムキなパンは初めて見ました!ぜひちぎりパンを作る時は、筋肉ムキムキなパンに挑戦してみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2020年05月13日定番デートスポットへのお出かけは安心感がありますよね。でも、せっかく楽しいはずのデートがちょっとしたことで気まずくなったり、辛い思いをすることもあります。ぜひ、注意点を知っておきましょう。映画館話題の映画を観るために映画デートに誘われることがあるでしょう。映画デートは、無理に話す必要もないため、初回や知り合って間もない時にオススメのデートコースです。しかし、相手男性が選んだ映画の内容が全く興味なくて寝てしまう、映画の中に出てくる恋人同士のシーンに気まずくなるなど、注意したいポイントがあります。どんな映画を選ぶかでその日の盛り上がりにつながるのです。できれば、事前に内容をある程度把握しておき、お互いに興味のある映画を選びましょう。せっかく映画を見たのなら、その後の食事などの会話のきっかけにしたいですよね。遊園地やテーマパーク東京ディズニーランドや後楽園など、東京近郊で人気のある遊園地やテーマパークはデート先で選ぶ人も多いでしょう。遊園地だと1日がかりで行くことになり、並び時間が長く、疲れて会話もなくなるということがあります。混雑する場所へ行く時には、ディズニーランドならアフターシックスを利用して短時間で十分楽しめるようにするといいです。絶叫系アトラクションは、男性であっても好き嫌いが分かれます。相手が苦手なのを知りつつ大はしゃぎすると、相手が引いてしまったということがよくあるのです。相手の好みを確認しつつ、疲れないようなプランで行くようにしましょう。動物園動物園は、可愛い動物に癒され、天気のいい日には散歩がてら回れるので、デートスポットで選ばれる場所の一つです。動物園は意外と広く、全ての動物を見て回ろうとするとかなりの距離になります。東京の上野動物園は、西園と東園に分かれており、パンダやキリンをはじめとした定番動物の展示が園内の幅広いエリアに点在しているのです。可愛さ重視でヒール靴を履いてきてしまったら、かなり足の疲れを感じることでしょう。食事は園内の休憩所がありますが、ランチを園外で食べる予定ならあらかじめ伝えておいたほうがいいです。広い園内を往復するのはとても大変でデートどころではなくなります。動物園デートならフラットシューズかスニーカーで行きましょう。定番デートスポットで注意したいこと定番デートスポットはその安心感から災難を招いてしまうことがあります。デート場所にふさわしい服装やシューズで、男性に合わせることも重要です。疲れや混雑が予想される場所へ行く時には余裕を持つことが大切です。楽しく時間を過ごせるように、あらかじめ起きそうなトラブルを知っていると、対処しやすいでしょう。
2020年05月12日ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは!ドイツで2歳のひとり息子を育てているぱん田ぱん太です。皆さんのお子さんの中にも、「乗り物好き」な子は大勢いるのではないでしょうか。わが家の2歳児、フリッツ君もその中のひとりです。では、なんの乗り物がお好みですか? 救急車? 消防車? パトカー? フリッツ君は…。「トラクター」ひと筋なのです!トラクターは、日本ではそこまで子どもに人気がない印象がありますが、ドイツでは男女問わず、子どもが好きな乗り物のひとつ。おもちゃはもちろん、子どもの雑貨や身に着けるもののモチーフとしても大人気です。おしゃべりが上手になってきたフリッツ君は、トラクターについて隅々まで知りたがり、次々と質問を投げかけてきます。対する私は、乗り物の知識がなく勉強中なので、しどろもどろな答えになりがちです…。ある日、外遊びに出かけた折のこと。外出自粛の影響で、最近は人気のない近所の広い野原くらいしか選択肢がありませんが、フリッツ君は楽しそうです。この日は、草むらの中から伸びるバールのようなものが気になった様子。トラクターの煙突と形が似ているからでしょうか。私もそれが何なのか分からず、観察していたら…。突然、フリッツ君が絶望的な表情で叫びました。謎の棒の前で、くずおれるフリッツ君。私には何が起きたんだか、さっぱり。フリッツ君がショックを受けている理由が分からず、少し考えて…そして気付きました。そう、フリッツ君は野原に伸びる煙突に似た棒を、トラクターの煙突だと勘違い。どうやら、煙突の下にあるはずのトラクターが「土の中に埋められている」と思ったようなのです。必死に誤解を解いて励ましてあげると、フリッツ君はなんとか納得してくれました。先入観を持たない子どもの想像力は、なんとまあ豊かなんでしょうか…!!その豊かな想像力が今回のような絶望ではなく、できるだけ楽しく喜ばしい方向に働くよう、母として手助けしていきたいですね。
2020年04月20日男性にモテたいと思ったら、「女らしさをアピールできるように」と女子力アップのために行動する人が多いでしょう。しかし、女子力アップの前に“人間力の高さ”に注目するのも大切です。男性が思わず惚れるような“人間力の高い女性”を目指すべく、男性の体験談からヒントを探っていきましょう。■ 会話の中に“大人”を感じる!言葉遣いがきれい「職場で周りが年上ばかりなのもあって、友だちと集まったとき『マジ』とか『ていうか』って言葉を使う女子が気になって……親しみがあっていいんだけど、ちょっと子どもっぽいかな。きちんと言葉を遣っている職場の先輩と話すと、大人の魅力を感じます」(25歳/建築メーカー)言葉遣いは、聞き手の印象を大きく左右するものです。大人の女性としての魅力をアピールしたいなら、まずは普段の言葉遣いに目を向けてみましょう。親しみやすさを大切にしつつ、きれいな言葉遣いを心がけたら、男性から「人間力の高い女性」と思ってもらえるかも。■ 努力家な一面にドキッ!目標に向かって努力している「同期の子がペン字検定に挑戦中。“きれいな字がかけたらいいなって思ってはじめたんだけど、どんどん上を目指すのが楽しくなっちゃって!”と明るく楽しそうに話す姿にドキッとしました。何かの目標に向かって努力できる子はキラキラして見えますね」(23歳/出版社)目標に向かって努力することは、人間力アップにも男性の印象アップにも効果を期待できるでしょう。こちらの例ではペン字検定となっていますが、女性らしさのあるものや賢いイメージのあるものでも◎人間力の高さを意識するなら、目標を立てることからはじめたいものですね。■ 忙しくても笑顔を忘れない!気遣い上手「仕事でみんなバタバタしてるとき、忙しいながらも笑顔を忘れない○○さんは“できた人だな~”と思います。忙しいとつい暗い顔になっちゃうから、余計笑顔や明るさが目立つんですよね。仕事仲間をフォローしたりはげましたりするところも好印象です」(26歳/食品メーカー)周りを気遣えるタイプの女性は、男性から人間力の高さを認めてもらえるよう。場の雰囲気を明るくするための笑顔やはげましが、周囲へのフォローとなるでしょう。“気遣い上手”はいきなりできるようになるものではないため、周りをよく見るなど、日々のちょっとした努力で少しずつ身につけていくのがおすすめです。■ 人間力の高さが好印象につながるカギ男性からの印象アップには、人間力を高めることも効果的です。まずは人間力アップにつながる行動から。続いて女子力アップも考えて……と順を追っていけば、女性としての魅力はぐっと高まるでしょう。今回ご紹介した例を、女子力アップの前の“基本”として参考にしてくださいね。(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年04月14日子どもは元来飽きっぽいものですが、「いまの子どもたちの集中力は、かつての子どもより低下している」と指摘するのは、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る進学塾VAMOSの代表である富永雄輔先生。その要因はどんなところにあり、どうすれば子どもの集中力を伸ばしてあげられるのでしょう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)好きなことをやることでしか集中力は育たない効率的に勉強をして結果につなげるには、集中力が不可欠です。では、集中力があるとはどういうことを指すのでしょうか?長時間、勉強を続けられるというイメージを持っている人もいるかもしれませんね。でも、長時間にわたって勉強することは、別に集中していなくてもできることです。ダラダラと集中しないまま勉強をすることはできるからです。わたしが考える集中力がある子どもは、短いパートの集中を繰り返したくさんできる子どもです。しかも、その集中の度合いが、わたしの感覚ではふつうの子どもの1.4倍くらいあるイメージ。100メートルダッシュにたとえるなら、ふつうの子が6本もダッシュをすれば疲れてしまうところを、集中力のある子どもはふつうの子より速いスピードで12本のダッシュができるといった感じです。では、集中力があるか否かはどう決まるのか?わたしは、小さい頃から好きなことに集中する経験をたくさんしてきた子どもが、それ以降も充実した集中力を得られるのだと考えています。人間が持っている集中力というものは、好きなことをやることでしか絶対に増やせません。その好きなことというのは、なんでもいい。親とすれば、それがレゴブロックなどの知育玩具だったり、それこそ勉強だったりすればうれしいのでしょうけれど、漫画やテレビでもいいのです。いまの子どもは集中力をどんどん失っているいまの子どもたちの集中力は、かつてと比べてどんどん下がってきているように思います。ゲームでも、わたしが子どもの頃なら『ドラゴンクエスト』などのRPGにハマって、それこそ三日三晩ほとんど寝ずに遊ぶ子どももいました。でも、いまのスマホのゲームは集中しなくてもいいものばかり。なぜかというと、いまの子どもたちは膨大な情報や娯楽に囲まれているために、ゲームにすら集中できなくなっているからです。漫画の例なら、かつての漫画の主流は、『ドラゴンボール』など子ども向けのものでした。ところが、いまの漫画の主流は明らかに大人向けのもの。なぜなら、いまの子どもたちは漫画を買わないから。というのも、漫画1冊を読み通すことへの興味や集中力が、いまの子どもにはないからです。スマホやタブレットでいろいろなコンテンツに触れ、飽きたら次々に別のコンテンツに移ることができる。だからこそ、集中力が育たないのです。そう考えると、「ゲームや漫画は禁止!」なんてことをいってしまえば、ただでさえ低下気味である子どもの集中力の育ちを、親がわざわざ阻害することになってしまいます。もちろん、子どもが集中できる好きなものが、先に挙げたレゴブロックなどの知育玩具だったり、あるいは習い事だったりすればベストでしょう。ですから、子どもに習い事をさせるにも、やはり子どもが好きなものかどうかという軸で判断してほしい。ただでさえいまの子どもたちは忙しいので、好きでもない習い事をたくさんさせてしまうと、集中するタイミングがまったくない生活を子どもが送ることになってしまいます。人生をより豊かにする「長期的な集中力」そして、この集中力こそが、子どもにとっては強力な武器になります。これからの時代を生きる子どもにとって大切なものとして、いろいろな人たちがさまざまな力を挙げますが、集中力こそ大切なものだとわたしは信じています。わたしは、いわゆる難関校に受かる子どもかどうかは、会ってから30分で見極められます。そして、そのちがいはどこにあるかというと、集中力の有無です。もちろん、集中力が育っていない子どもも、その後の努力によって難関校に合格するということはあります。ただ、集中力がある子どもは、その時点で極めて高い確率で難関校に合格できるといい切れる。わたしの感覚では、上位の難関校に合格する子どもの9割は、強い集中力を持っています。そう考えると、親としてはやはり好きなことに没頭する経験を子どもにさせて、しっかりと集中力を身につけさせることを意識してほしい。ただ、みなさんにはもうひとつ別の視点も持っていてほしいのです。それは、「長期的な集中力」というものがあるということ。先に、集中力があるとは、短いパートの集中を繰り返したくさんできることだと述べました。それももちろん大切な集中力です。でも、たとえば1カ月のあいだの小テストですべて100点を取るというような、長いパートでの集中も大切です。短いパートの集中を長期間にわたって続けられる力があれば、長い人生をより良い方向に進められる人間になれるのではないでしょうか。『それは子どもの学力が伸びるサイン!』富永雄輔 著/廣済堂出版(2019)■ 進学塾VAMOS代表・富永雄輔先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「“エンジンがでかい”賢い子」にするための、親の心得第2回:“できない”意識を持つ子にすべき、超重要なこと「褒めて自己肯定感を高める!」第3回:「ゲームや漫画は禁止!」が、子どもの“集中力の育ち”を阻害する理由【プロフィール】富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)京都府出身。進学塾VAMOS代表。幼少期の10年間をスペインのマドリードで過ごす。京都大学卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生までを対象とする進学塾VAMOSを設立。現在、吉祥寺校に加え、四谷校、浜田山校の3校を開校。入塾テストを行わず、先着順で子どもたちを受け入れるスタイルでありながら、毎年、首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。受験コンサルタントとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の子どもたちの家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性に合った難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についての研究を続けている。主な著書に『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月11日過去には考えられないほど、時代が変化するスピードは上がっています。そんな「いま」を生きる子どもたちに必要とされる力は、じつにさまざまです。研究者によって意見は異なりますが、大切な力として「自己決定力」「協働性」を掲げるのは、幼稚園教諭の経験もあり、著書『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)で注目を集める玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友先生。その真意を伺ってきました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)多様性ある社会をつくるためにも重要な「自己決定力」と「協働性」いまの時代、あるいはこれからの時代を生きていく子どもにとって大切な力のひとつとして、わたしは「自己決定力」と「協働性」を挙げています。なぜなら、自己決定力と協働性は、自分らしく主体的に、あるいは他者とともに生きていく力そのものだからです。いま、外国人がどんどん増えている日本でも、「多様性のある社会をつくることが大切だ」と盛んにいわれています。そういう社会をつくるためにも、自己決定力や協働性は欠かせません。自分の考えを自分で決められないと、自分自身のことを大事に思えませんよね?同時に、他者のことも大事に思えないのではないでしょうか。自分らしさを大事にすることと他者を大事にできることは同時に大切なのです。近年、選挙があるたびに投票率の低さについて懸念するニュースを目にします。もしかすると、投票に行かない人は自己決定していないということなのかもしれません。そうではなく、社会全体を見回して、「いまの時代にはこういう政治が必要だ」と、自分の考えを決めることも大切です。その一方で、「自分はこう思うけど、別の考えを持つ人もいる。ちがう考え方のなかにもいいところがある」というふうに考えることも、また重要ではないでしょうか。子ども時代に自分らしさや個性を大事にされ、興味関心に即した遊びを大事にすることは、自己決定力を養い、他者の視点にも立ちながら他者と協力して生きていくことを大事にすることなのです。子ども自身が興味を持っていることについて決断させるでは、どうすれば子どもに自己決定力はつくのでしょうか?大切なのは、なるべく小さい頃から自分で選ぶ・決めるという経験をさせることです。いま、日本では、早期教育が盛んです。その多くは先取りしてなにかを伝えること。それは、その子がなにを必要としているかではなく、こうしたことがあとで役に立つのではないかといった「先回り」です。でも、それは、その子の個性や、興味関心に合っていない可能性もあります。日本よりも海外が優れているというわけではないですが、欧米などでは幼い子どもに対しても、食事をする際には「なにをどれくらい食べたい?」というふうに、基本的に「あなたはどうしたいのか?」ということを確認し、決断させることを目にすることがあります。もちろん、日本には日本の良さもあるのですが、もう少し自己決定の文化を取り入れるのも大切なのではないでしょうか。それこそ、子どもが着る服を選ぶにも、着せ替え人形のように親が服を決めてしまうのではなく、夜に寝る前に「明日はどの服を着ようか?」というふうに、子どもに選ばせてもよいのかもしれません。ただ、子どもの興味関心は十人十色。服を自分で選ぶことにまったく興味を示さない子どももいるでしょう。そこで、「自己決定力が大切だ」と考え、「どうして自分で選ばないの!」と叱ってしまっては本末転倒です。その子にとっては、「服には興味がない」「服は自分で選ばない」ということも自己決定なのです。ですから、その子が本当に興味を持っていることについて自分で決断させればいい。「切り替える力」を得ることにもつながる自己決定また、まだ小さい子どもの場合だと、たとえ興味があることに対してであっても、自分で決めることはそう簡単ではありません。そういうときは、子どもに選択肢を与えてはいかがでしょうか。服を選ばせるのであれば、いくつかの服を見せて「どれにする?」と選択させるのです。この行動は、「切り替える力」を伸ばすことにもつながります。遊びに夢中になっている子どもも、ご飯やお風呂の時間が迫ってきたら、切り替えておもちゃを片づけ、やるべきことをやる必要がある。しかし、小さい子どもにとっては、その切り替えがなかなか難しいのです。親としては、予定通りに遊び終えない子どもに「いつまで遊んでいるの?」といってしまうこともあるでしょう。でも、子どもにもまだやっていたいという気持ちがあって、なかなか終われないのかもしれません。そこで、その子の自己決定を促すための声かけをしてみてはいかがでしょうか?たとえば、「時計の大きい針が3のところまできたら、おもちゃを片づけようか」「このテレビ番組が終わったら片づける?」というふうに、選択肢を示してあげる。本来であれば、そんな選択肢がなくても自分で決められればいいわけですが、選択肢を与えられていても自分自身で決めることには変わりありません。そういった経験を積み重ねることで、段階を経て自己決定力を身につけていくのです。■ 玉川大学教育学部教授・大豆生田啓友先生 インタビュー一覧第1回:非認知能力は育っているか?子どもが「目をキラキラさせる世界」があれば安心です第2回:かわいい子には“いたずら”をさせよ!?「自由に遊んでいいよ」で子どもは学ぶ第3回:親が先回りしたら「自己決定力」は育たない。幼くても決断力を伸ばせる声かけのコツ第4回:イヤイヤ期に「悩まない、苦しまない」。子育ては“ほどほど”がちょうどいい(※近日公開)『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』大豆生田啓友・大豆生田千夏 著/講談社(2019)【プロフィール】大豆生田啓友(おおまめうだ・ひろとも)玉川大学教育学部教授。青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て、現職。専門は乳幼児教育学・保育学で、現在、日本保育学会副会長。メディア出演も数多い。著書は、『子育てを元気にする絵本』(エイデル研究所)、『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0~5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)、『日本が誇る!ていねいな保育 0・1・2歳児のクラスの現場から』(小学館)、『マンガでわかる! 保育っていいね』(ひかりのくに)、『子どもの姿ベースの指導計画』(フレーベル館)、『あそびから生まれる動的環境デザイン』(学研みらい)、『21世紀型保育の探求-倉橋惣三を旅する』(フレーベル館)、『子育てを元気にすることば』(エイデル研究所)他、多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月01日親であれば、誰もが子どもには幸せになってほしいと願っています。では、その幸せとはどんなことであり、どうすれば子どもは幸せになれるのでしょうか。イタリア生まれの教育手法「レッジョ・エミリア・アプローチ」をベースとするインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」の伊原尚郎理事長は、「幸せは他者とのかかわりのなかでこそ生まれる」といいます。その真意を聞く前に、東京チルドレンズガーデンの1日のスケジュールについての話からはじめてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)決まった1日のスケジュールは存在しない「レッジョ・エミリア・アプローチ」では、誰かが指示をしたり目標を与えたりするのではなく、基本的に子どものなかから湧き出る興味に従って活動します。ということは、決まった1日のスケジュールもないということ。当校のホームページには、登園から降園までのスケジュールを掲載していますが、それも便宜上のものであり、だいたいの目安でしかありません。決まっているのは、8:30の登園時間くらいのものでしょうか。もちろん、なにをやるかは子どもたち次第。たとえば、明日(取材日の翌日)は、わたしにはあるひとりの子どもとの約束があります。それは、電車に乗ってふたりで上野の博物館に行くこと。いま、その子がいちばん興味を持っているのが博物館だからです。帰りの予定も、「だいたいお昼頃には帰ってこようかな」くらいのものです。理想は、子どもたちみんなが自分なりの課題を持った独立系研究者のようになることです。朝、登園してきて「おはようございます」といったら、「それでは、研究をはじめます」という感じで、なにかをやらされるのではなく、自分の興味を持っていることに没頭してほしい。そして、わたしたちの役割は子どもの研究のサポートです。自分の子どもがアインシュタインだったとしたら、研究中の彼に向かって「はい、時間がきたから研究はやめて散歩に行きましょう」なんてことをいう人はいないでしょう?やることは、「なにか必要なものはある?」と聞いて、研究のサポートをすることしかありません。子どもを信じることが、子どもの本来の力を引き出すこの自由度の高さは、GoogleやYahoo! などに見られるフリーアドレスのオフィスに通じるものがあると思います。フリーアドレスは、チームのメンバーの誰もが自発的に仕事をすることが前提となっているシステムです。「ちょっとカフェで仕事をしてきます」というメンバーに対して、マネジャーが「あいつはちゃんと仕事をしているのか」と考えていたら成立しません。同じように、「子どもにはすごい能力がある」という観点に立って子どもたちを信じることこそ、子どもが本来持っている能力を引き出し、伸ばすことになるのです。でも、残念ながら多くの親は子どもに対して「この子はなにも知らないから、わたしが教えてあげなければならない」と思い込んでいます。少し話はそれますが、このことの要因のひとつは、「教育」という言葉そのものだとわたしは考えています。教育を意味する英語の「education」の語源は「educe」。本来、その意味は「引き出す」です。ところが、福沢諭吉は、「education」を「教え育てる」として「教育」と訳してしまった。このことに対して、福沢諭吉自身ものちに「誤訳だった」と振り返っています。でも、日本では「教育」という言葉が浸透してしまいました。漢字は表意文字ですから、わたしたち日本人は漢字を見るだけで意味を受け取ります。そうして、「education」は、本来の「力を引き出す」ではなく「教え育てる」という意味として日本人には感じられるようになりました。このことの影響は非常に大きいとわたしは見ています。親であるみなさんには、「子どもは教えてあげなければならない存在だ」という思い込みをもう一度見直してほしいのです。もともと有能な子どもが集まれば、素晴らしいものができる!話を戻しましょう。わたしの理想は子どもたちが独立系研究者のようになることだと述べました。でもそれは、自分勝手な人間になるということではありません。優れた研究者――つまり子どもたちが集まれば、それぞれが持っている力を結集して思いもよらない大きな成果を生むということもあります。たとえば、絵を描く場面もそうです。子どもたちが絵を描くとき、一般的な幼稚園では、子どもたちそれぞれに1枚の紙を用意します。一方、わたしたちの学校では、大きな紙にみんなで絵を描くのです。すると、友だちの描き方を見て「あれ、いいな」と思った子が、その描き方を真似するということもあります。一方、真似された子も別の子の絵を見て、「あの色ってどうやってつくっているんだろう」なんて思って真似しようとする。こうして、互いに影響を与えたり与えられたりしながら、それぞれが学び、壮大なコラボレーションともいえる絵ができ上がります。そして、それこそが人間の社会にとって大切なことです。他人を出し抜いた誰かひとりがお金持ちになればいいということではないでしょう?わたしは、子どもたちみんながそれぞれに自分なりの幸せを手にしてほしいと願っています。その幸せとは、愛する人と出会っていい家庭を築くことかもしれないし、気の合う同僚とやりがいのある仕事をすることかもしれません。いずれにせよ、幸せというものの多くは、他者とのかかわりのなかで生まれるものであるはずです。そして、少なくともわたしたちの学校を巣立った子どもたちなら、そういう幸せな人間になってくれるのではないかという期待を抱いているのです。■東京チルドレンズガーデン■ 東京チルドレンズガーデン・伊原尚郎理事長インタビュー一覧第1回:いまの時代にマッチする「レッジョ・エミリア・アプローチ」の教育第2回:もしも子どもがアインシュタインだったら?子どもに対して親が取るべき姿勢第3回:グローバルな人間に――生まれ育った地域や国を知る「レッジョ・エミリア・アプローチ」第4回:信じることで本来の力を引き出す。すごい能力を持つ子どもたち【プロフィール】伊原尚郎(いはら・ひさお)東京チルドレンズガーデン理事長、共同創設者。米国ニューヨーク州立大学メディアアート科修士課程修了。ビデオアーティストとしてニューヨークで多方面に活躍。約20年の在米ののち帰国し、幼稚園の園長に就任。国際幼児教育の理解を深め、クリエイティブ思考を育てるための研究に従事。2017年に共同創設者の西ヶ谷アンとともにレッジョ・エミリア・アプローチをベースとするインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」をオープンし、理事長に就任。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年12月18日子どもが成長するにつれ、徐々にそれぞれの性格がはっきりしてきます。でも、なかには、親からすれば「困った」と思うような性格もあるでしょう。そんな子どもの性格の「困った」に答えてくれるのは、著書の『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』(ダイヤモンド社)で注目を集める脳科学者・西剛志先生です。「集中力がない」「聞き分けがない」「内気」という3つのケースについて、親がどうするべきかというアドバイスをしてくれました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/和知明(インタビューカットのみ)脳が未発達の子どもは集中力がなくてあたりまえ多くの親御さんから寄せられる悩みとして、「子どもの集中力がない」というものがあります。集中力を司る脳の前頭前野という部分は28歳くらいまでの長い時間をかけて発達していくものですから、子どもの前頭前野はそもそも未発達です。つまり、子どもは集中力がなくてあたりまえなのです。でも、そうはいっても、すごい集中力を発揮する子どももいますよね?電車が好きな子どもなら、飽きずにずっと電車を眺め続けます。そういう子どもがなにに集中しているかというと、間違いなく自分が好きなことなのです。つまり、たとえ前頭前野は未発達の子どもでも、自分の好きなことならしっかり集中できる。そうして集中することが、集中力を育む最適なトレーニングとなります。であるならば、親としては子どもの好きなこと、やりたいことをきちんと見つけて、没頭させてあげることが大切になります。逆にいうと、子どもがやりたくもない習い事を親のエゴで無理やりやらせるようなことはNGだということです。それから、親のNG行為としては、子どもにむやみに介入することも挙げられます。せっかく子どもが自分の好きな遊びに集中しているのに、つい「面白そうだね」なんて一緒に遊ぼうとしてはいませんか?その都度、子どもの脳の集中は途切れますから、これは、わざわざ親が子どもの集中力を育む邪魔をしているということなのです。子どもがなにかに黙々と取り組んでいるときは、親はそっと見守るように心がけてください。また、集中力がなく飽きっぽい子どものなかには、単純に頭がいいという可能性もあります。おもちゃを与えてみてもすぐに飽きてしまう。それは、頭がいいためにそのおもちゃでの遊び方をすぐに学習してしまうからということも考えられるわけです。聞き分けがない子どもほど社会的に成功しやすいまた、「うちの子は聞き分けがない」というのもよく寄せられる悩みです。親の立場からすれば、聞き分けがない子どもはわがままに映って困ってしまうものですよね。ですが、ちょっと意外な研究データがあります。ドイツのヘッツァーという心理学者の研究なのですが、「聞き分けがない子どもほど社会的に成功しやすい」というのです。親の目にはただのわがままに映っているような子どもも、子ども本人からすればそうではない場合もあります。それは、子どもが自分の考えをきちんと持っていて、親の話に納得していないという場合です。自分でしっかり考えることができるのですから、将来的に成功を収める可能性が高いというのも納得できる話ですよね。そういう子どもに対しては、親の考えをしっかり伝えることが大切です。なにかを禁止するにしても、「○○しちゃ駄目」というだけではなく、なぜ駄目なのか、その理由をきちんと伝える。そうすれば、自分の考えを持っているような頭のいい子なのですから、しっかり理解してくれるはずです。とにかく、「聞き分けがないことは悪いことだ」と決めつけてはいけません。ただ、そうはいっても、聞き分けがないことで家族以外の他人に迷惑をかけるようなことは問題ですから、その点だけはきちんとしつける必要があるでしょう。もうひとつの注意点は、先の話を受けて、「うちの子は聞き分けがないから成功する」と早合点してはいけないということ。聞き分けがない子どもになることの要因として、カロリー不足、睡眠不足、愛情不足の3つの不足が挙げられます。もしかしたら、自分の考えをしっかり持っているのではなく、それら3つが不足しているだけかもしれません。しっかりご飯を食べさせて、睡眠時間を確保し、親子のスキンシップを取ってください。内気な子どもほど内的なエネルギーに満ちている最後に、「内気な子ども」のケースを取り上げておきましょう。いつからか「明るいことがいい」「ポジティブであることがいい」という時代になったことで、子どもが内気なことを心配している親は意外なほど多いものです。ただ、これも聞き分けがないことと同じように、心配しすぎる必要はありません。内気な子どもは、「内面的才能」が高い可能性が考えられるからです。内面的才能とは、「自分の心を深く掘り下げる能力」のこと。そんな子どもは、幼少期のときには口数も少なくてひとりで遊ぶようなことが多いという傾向があります。そして、そのなかで高い創造力を身につけ、将来はクリエイティブな仕事で力を発揮するということもある。あるいは、自分の心を深く掘り下げられると同時に他人の気持ちもわかるので、カウンセラーなどの仕事に向いているということもあります。また、内気な子どもほど内的なエネルギーが強いという研究もあります。ひとりで遊んでも十分に楽しめるというのは、エネルギーに満ちていると見ることもできます。一方、明るく外交的な人はどうかというと、他人と会って他人からエネルギーをもらってはじめて楽しいと思える。自分自身で楽しみを生み出すような強いエネルギーを持っていないのです。たとえ内気であっても、そんなエネルギーに満ちた子どもなら、内面的才能によって自分の心を掘り下げ、「これだ!」と思う目標を見つけたときには、それに向かって力強く進んでいけるでしょう。いずれにせよ、「内気なことは良くないこと」という先入観を親はいますぐに捨てるべきです。内気な子どもには内気な子どもだからこそ持つ力があるのです。『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』西剛志 著/ダイヤモンド社(2019)■ 脳科学者・西剛志先生インタビュー一覧第1回:家のなかに生活感を!子どもの「創造力」を伸ばすために親ができること第2回:お手伝いで子どもの「自制心」が育つ“脳科学的メカニズム”第3回:集中力がない、聞き分けがない、内気。子どもの性格の「困った」はどうする?第4回:子どもを自立できる人間に育てる――脳科学者が考える「理想の子育て」【プロフィール】西剛志(にし・たけゆき)1975年4月8日、鹿児島県出身。脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表。LCA教育研究所顧問。東京工業大学大学院生命情報専攻修了。2002年に博士号を取得後、(一財)知的財産研究所に入所。2003年に特許庁入庁。大学非常勤講師を兼任しながら、書籍出版、雑誌掲載、ノーベル賞受賞者との対談、世界旅行、結婚、当時日本に1100人しかいない難病の克服など、多くの夢を実現。その自身の夢をかなえてきたプロセスが心理学と脳科学の原理に基づくことに気づき、いい人生を歩むための脳科学的ノウハウを企業や個人向けに提供するT&Rセルフイメージデザインを2008年に設立。現在は、脳科学を生かした子育ての研究も行う。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年12月11日ウーマンエキサイトをご覧の皆さま、こんにちは!ぴなぱと申します。今回は以前書かせていただいた の続編です。公開後いろいろと質問をお受けしたのでそれらにお答えしつつ、前回からさらに掘り下げて詳しく書いていけたらと思っております。まず、子どもに絵の具をやらせようと思ったとき、初めはどんな道具を用意したらいいのかというお話。基本的に初めは安い道具やあり合わせのものでいいと思います。参考までに我が家で使っているものをご紹介します。パレットとバケツは私が元々持っていたものを使っています。絵の具、筆、紙、ビニールシートは全て100均で買い揃えました。筆は水彩の場合馬毛とナイロンが主流で、子どもの場合ナイロン製のものの方が使いやすいかもしれませんが(小学生の絵の具セットなどはナイロン筆が多いと思います)、私は馬毛の方が水彩らしさが出しやすくて好きなので、馬毛のものを選んでいます。平筆と丸筆がありますが、最初は丸筆の方が使いやすいと思います。絵の具は固形でパレット状になっているものも売っていますが、それはそれで手軽でいいんですが初めはやはりチューブから始めるのがおススメです。絵の具の質に関してもいい絵の具はやはり描き心地も伸び方も全然違いますが、最初のうちはとにかく思いっきり描いた方がいいので安いもので十分です。 色は基本の赤・青・黄色・白さえあればとりあえず大丈夫。混ぜ方次第でいくらでも好きな色にできます。追加していくなら緑・オレンジ・茶色など。これらは基本色からでも作れるのでなくてもいいですが、あったらあったで便利だし賑やかだし、こういう色も作れるという見本にもなります。黒についてはお子さんが「どの色より一番黒が好き!」とかでなければ当分いらないです。同様に肌色(現在はペールオレンジと言われる色)も個人的にはオススメしません。うちではどちらも使わず、必要なときはその都度他の色を混ぜて作っています。黒は主張が強すぎて混色や使い方が難しいということもありますが、黒も肌色も特に顔を描くときなどにそれだけで完結してしまいがちな色なので、一人一人肌の色も髪の色も少しずつ違うということを意識しづらくなってしまいます。パレットやバケツはなんでもいいですが、できれば使い捨てのものより洗って繰り返し使えるものがいいです。前回も少し書きましたが道具の手入れというのも大事なことで、終わったら自分で綺麗にする習慣をつけるのも必要なことだと思っています。絵の具は消耗品だし筆も使っているうちにどうしても劣化してしまいますが、パレットやバケツは大事に使えばずっと使えるものですからね。続いて描くときの環境について。我が家ではリビングの比較的広い場所にビニールシートを敷いて、その上で描いています。部屋にスペースがない、賃貸だから汚すと困るなどの場合もあると思いますが、要は「このスペースでは好きにしていい」という場所が作れればいいと思います。例えば折りたたみ式の机を1つ用意して、その上ならいくらでも汚していいとしてもいいでしょうし、ダイニングテーブルにビニールシートを被せてもいいし、可能なら屋外で描いてもいいと思います。5歳になった現在は服を着替えて手を洗う程度で済む汚れ方しかしませんが、始めたばかりの小さい頃は終わったらお風呂に直行して流していました。服も絵の具用に汚れてもいいものを用意しています。絵の具を始める時期については、指や道具を口に入れないようになって、ある程度こちらの言ってることがわかる歳になれば始められると思います。我が家の長女は2歳前後で始めました。初めは手形を取って遊んだり指で直接描いたりしながら、少しずつ筆に移行していけばいいと思います。 ここまで水彩画に限ってのお話をしてきましたが、創造力を伸ばすという意味ではなにも絵の具にこだわることはなく、お子さんが興味のあることやお母さんお父さんの好きなこと、なんでもいいと思います。一番は「何かを作り出すのは楽しい!」とお子さんが感じてくれること。スポーツでも音楽でも同じことですが、〇〇が得意・〇〇が好きということはその子の自信になり、いつかそれに救われるときもあるかもしれません。いろんなものに触れて、その子にしかない個性を伸ばしていけたらいいんじゃないかなと思います。
2019年10月29日まだ気が早いのはわかっているけど、今から子どもの将来をあれこれ想像することってありませんか?ほんのちょっとした行動を見て「この子もしかしてこんな才能あるかも〜!?」なんて、勝手にワクワクしちゃう(笑)今回はそんな親バカあるあるのお話です。 長女の場合4歳のほぺこはズバリ「シンガーソングライター」です!!とにかく暇さえあれば歌っています。3歳の時から作詞作曲ほぺこの完全オリジナルソングを披露しています。幼児の作詞は凡人には理解できない世界観(笑)この歌にはちゃんと「ほどちのどーんの歌」というタイトルまであり、今でもよく歌っています。4歳になった今は歌詞も少しずつ進化して、なんとなくそれっぽいフレーズを積極的に取り入れてます(笑)どれも動画に残しているので、いつかほぺこの結婚式に流してもらいたいです。次女の場合次女のはぴちゃんはまだ0歳児なんで、さすがにまだ容姿くらいしか未来予想図を描く要素がないんですが…とにかく男前な顔…!!かかりつけの病院の先生ですら、いまだに男の子と間違えられます(笑)そんな次女の将来は…どこまでもポジティブシンキングでねっ!華やかな妄想は尽きません(笑) そんなわけであれこれ好き勝手に言ってますが、結局はとにかく健康で幸せになってくれさえすればそれで十分なわけで。最終的には娘たちが楽しいと思える道に進んでくれたらいいなと思っています。親として、できることがあれば応援していきたいな。ほぺちゃんとはぴちゃんの未来に幸多かれ!!
2019年10月24日創造力は、大人になってもとても大切なもの。でも、大人になって自由に創造力を羽ばたかせるためには、子どもの頃から創造力を育んでおくことが重要です。子どもは誰でも、無限の創造力を持って生まれます。しかし、親の接し方によって、せっかくの創造力がつぶされてしまうことも…。今回は、心理カウンセラーの筆者が、子どもの創造力をつぶしてしまう親の特徴や行動について紹介します。特徴1「子どもの自由裁量を許さない」あなたは日常の中で、子どもにどれくらいの頻度で「ダメ!」と言っていますか?大人が「ダメ!」と言うことの中には、よく考えると特段ダメでもないことがたくさん含まれています。例えば、子どもがお絵かきをしている時、太陽を描くのに青いクレヨンを用いたとします。あなたなら、どうコメントしますか?ママが「太陽を青で書いたりしちゃダメでしょ。赤か黄色じゃない?」とコメントすれば、子どもは「太陽って、赤とか黄色なのだ」と覚えるかもしれませんが、反面、青い太陽を楽しむ創造力は失われてしまうでしょう。こんな時はできれば「わあ、太陽が青いの?サファイアみたいですてきだね!」と、子どもの創造力に乗っかりたいものです。ほめられた子どもは、喜んでさらに創造力を働かせるようになるでしょう。特徴2「遊び方を限定する」おもちゃに限らずモノは基本的に、使い方が決まっていることが多いですね。例えばブロックは組み立てて遊ぶものですし、新聞は読むものです。ただし、子どもの創造力を伸ばしたい場合は、「モノの使い道」という枠を取り外すことが重要です。子どもの世界では、例えばブロックはただ組み立てるものに留まらないことが多いようです。時にそれはおままごとの食べ物になったり、サッカーボールのように蹴って遊んだりするかもしれません。こんな時、「ブロックは組み立てるものでしょ?おままごとをするなら、おままごとセットを使ってね」なんて言ってしまうのは、子どもの創造力を奪うことにつながります。特徴3「部屋をいつもきれいにしておく」「きれいな部屋で、すっきりと暮らしたい!」そんなふうに思っていませんか?実は、部屋をいつもきれいにしておくことで、子どもの創造力を奪ってしまうことがあります。子どもは、そこにあるもので創造力を働かせ、工作したり、あれをこうしたらどうなるだろう…と試したりして、創造力をどんどん伸ばしていきます。つまり、そこにモノがあるから伸びる、とも言えるわけですね。おもちゃでも何でも、いつもすぐに大人が片づけてしまうきれいな部屋には、モノが少なく、その分、創造の余地が少ないという見方をすることができます。もちろんいつも散らかっているのは理想ではありませんが、寝る前に片づける、食事の前に片づける、この部屋は昼間なら片づけなくてもよい…などのルールづくりを行い、子どもにある程度、モノを自由に使わせる工夫をするとよいでしょう。創造するとは、常識を疑うこと創造するということは、常識を疑うことでもあります。大人になってもこれは同じで、突出した何かを行っている人は、決して型枠の中にはまって安穏としていることがありません。大人になってこれができるようになるかどうかは、子どもの頃に、自由に創造力を羽ばたかせることを認められたかどうかにかかっているのです。当たり前を教えることは簡単です。でも、子どもの創造力を伸ばしたいなら、当たり前ではないという理由だけで否定をしないこと。当たり前ではないことを否定する親こそが、子どもの創造力をつぶしてしまうのです。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2019年10月15日息子が1歳のとき、気に入らないことがあると近くにある物を投げてしまうことが増えてきました。自己主張は成長過程の1つですが、できるだけ「物を投げる」ことは阻止したいところ。物を投げる息子にどう対応すべきか、私が試行錯誤したエピソードをお伝えします。 怒ると物を投げてしまう息子に困惑私の息子は、1歳になったころから怒ると物を投げることが増えてきました。特に多かったのが食事中です。嫌いな食べ物が目の前にあるだけで、お皿ごとガシャーンと投げていました。 私は「せっかく作ったのに!」と頭に血が上り、思わず息子の頭をたたいてしまったことも。でも、それでは解決の糸口が見つかりません。そこでどうして物を投げてしまうのか、息子の気持ちを考えてみることにしました。 息子の気持ちになって考えてみた1歳ごろは言葉がまだ未発達。もし私がうまく言葉を発せられなかったら、どんな気持ちになるだろう。伝えたいのに伝えられない気持ちを考えると、息子が物を投げてしまう気持ちもわかるような気がしました。 息子は言葉でうまく表現できないから、物を投げるといった行動で私に気持ちを表現していたのかも……。そう思うと、物を投げてしまったことをしかる前にすることがあると感じました。 しかる前に気持ちを代弁!息子が物を投げてしまったとき、まずはしかる前に「食べにくいよね」など、息子の気持ちを想像して、私が代弁してあげるように心がけました。しかるときは息子の目を見て「お皿が痛いって泣いてるよ。投げないでね」と、ダラダラと長くならないよう、短く端的に伝えます。 また、言葉で理解することが難しい年齢でもあるので、しかるときは真剣な顔をするなど、しかる側の態度にも気を付けました。 そのほか、息子が物を投げてしまう前に、未然に防ぐ対策も。物を投げそうな場面に出くわしたとき、周りの物を片付けるだけでも、物を投げてしまうことが減ったように思います。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2019年09月20日せっかく夢を見るなら幸せになれる夢をみたいですよね。今回は、ご利益のある夢と、その夢を見る方法を紹介したいと思います。水回りのトラブルに遭う夢は新しい出会いが近い証拠!?水道管が破裂して水浸しになったりお風呂で溺れそうになるなど、住宅の水回りに関するトラブルに遭ってしまう夢は人間関係の再構築を意味すると言われています。恋愛については新しい出会い、特に学生時代の同級生など過去に何らかの接点があった男性との出会いを示唆しているのが特徴です。また、トラブルの規模が大きいほど衝撃的な出会いになる可能性が高くなります。このような夢を見るためには水そのものに触れるのではなく、水をイメージさせる音を聞いたり写真を見て就寝するのが効果的です。お腹が空いたり喉が渇く夢は気になる男性との仲が深くなる可能性がある!?空腹や喉の渇きに苦しむ夢は不吉なように思えますが、恋愛に関して言えば気になる男性との仲が深くなることを意味すると言われています。お腹が空いたり喉が渇くのは欲しい物が得られないという意味であり、その状況が改善される可能性があることを示唆しています。好きな男性との仲が発展するというご利益を期待できるので、気になる相手がいるならぜひ見ておきたい夢です。男性の事を強く思いながら眠ることで、このような夢を見ることができるかもしれません。交通事故に遭う夢は多くの男性に好意を抱かれるチャンス!?交通事故、特に車両同士の事故に遭う夢は不特定多数の男性から慕われ、好意を持たれる可能性があります。車の事故は突発的に起こるうえ、非常にダメージが大きいものです。夢について言えば自分が知らない所で衝撃的なことが発生し、その影響の大きさが自分にも届くことを意味します。恋愛に関しては自分の過去の行いが男性に好意的な印象を与え、その印象が恋心に発展した結果と言えます。車に関する話を聞いたり、映画やテレビドラマを観れば夢にも反映されやすいかもしれません。夢を操作して恋愛成就を実現させよう慣れが必要ですが、コツを掴めば夢を自由に操作することも不可能ではありません。ご利益があるとされる夢を見ることで自信が持てるようになり、積極的に行動するきっかけを得ることができるかもしれませんね。
2019年09月08日いつか子どもができたら…と、私が昔からあこがれていた家族像は、子どもたちが「ママ!」「ママ!」と求めてくるというものでした。「子どもたちはやっぱりママが一番よね~!」とドヤ顔がしたかったのです。しかし現実に、子どもができた今…■想像していた未来と違う…全く想像してなかったものに…。わが家は、パパがいつも人気で子どもたちはパパの取り合い。娘は「パパ!聞いて!聞いて!」息子は「パパ!遊んで!遊んで!」主人は、帰宅した瞬間から、いつも大忙しです。下の子はまだ小さいこともあって、眠いとき、ご飯のとき、お風呂のときなどは、私にきてくれますが…、遊ぶとなると、パパからべったり離れません。おかげで私は、一人でさみしく…じゃなかった、一人でゆっくり。でも、私にだって主人に聞いてほしいことがあります。■パパと話すために悪戦苦闘!子どもたちと遊んでいる主人に話しかけてみると…全く届かず!相手が子どもでも譲れない!負けてなるものか!と、対抗したのですが…3人が同時に話したことで、主人がパニック状態に。そこで、娘と息子が寝たあと、ゆっくり主人と話そうと慌てて息子を寝かしつけ、リビングに戻ると…力尽きて爆睡している主人。…と言っても、主人が家族みんなから求められているこの状況、なんだかんだ好きな私。これはこれで楽しい。子どもたちも私も、パパが大好き。主人には引き続き、子どもたちを全力で相手してもらって…二人でゆっくり話すというのは、子どもたちがもっと大きくなってからにとっておきます(笑)
2019年09月03日夏休み、とびきり想像力を刺激するお芝居が全国で上演!誰もが知るグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』とはちょっと違う『グレーテルとヘンゼル』の物語だ。【チケット情報はこちら】姉・グレーテルを演じるのは土居志央梨。「原作は兄妹が協力して魔女をやっつけるけど、この物語のグレーテルは、自分を慕う弟・ヘンゼルが可愛いけれども鬱陶しくて憎んでいる。友達同士でも、そんな複雑な気持ちを持つことがあるはず」と語る。ヘンゼル役の小日向星一は「子ども向けの演劇だけど、子どもじみてない。憎しみや残酷さがちゃんと描かれているからこそ、子どもにも大人にも伝わる舞台」。7月21日(日)から24日(水)に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演後、水戸、つくば、長野、京都、神戸、久留米をめぐる。2018年初演、子ども達は全身で楽しんでいた。「派手な仕掛けはなく、会話だけで、お菓子の家も出てこない。でもすごく集中して、笑いたいところで笑うし、泣くし、喋る。お芝居って自由でいいんだなと教えてもらいました」(土居)。「子ども達は観劇することが「経験」になる。アンケートでは色鉛筆でイラストを描いてくれたり、楽しんでくれました」(小日向)。弟のいる子どもからは「グレーテルの気持ちがわかります」「うちの弟は面白いからいてもいいです」などたくさんの感想が寄せられた。大人からも「自分の子どもを見ているよう」「子ども時代が鮮明に蘇った」と共感の声が届いた。身近な人のことを“好きだけど憎たらしい”という矛盾した感情は、誰にでもある。全役をふたりで演じる。小日向は「土居さんの魔女は怖い!僕、本当に食べられるかと思いました(笑)」と笑い、土居は「最前列の子どもは口をあけてぽかーんとしてたね」と頷く。笑い合うふたりの雰囲気はよく似ていて、子どもからも「ほんとうの姉弟?」と聞かれたそうだ。演出はカナダのジェルヴェ・ゴドロ。同作は、ゴドロ主宰の劇団、ル・カルーセルにより世界各地で上演されてきた。その演出は想像力を刺激するもので、舞台上には15脚のイスのみ。それを組み替えるだけで、森や、お菓子の家などを表現する。「イスを森の枝や丸太に見立てて動かす。少しズレると世界が崩れるのでとても難しい」(土居)上演は約1時間。「夏休みに遊びにいく感覚で、気楽に来てほしい」(土居)。「家族の大切さを感じる素敵な作品。初演を観た方にも「良くなってる!」と思ってもらえるよう、改めてイチから作ります」(小日向)公演日:7月21日(日)~24日(水)公演場所:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオチケット残りわずか!取材:河野桃子
2019年06月28日国語はもちろん、算数や理科などあらゆる教科を勉強する際にも重要とされる「言葉の力」。子どもの「言葉の力」を伸ばすためにはどうすればいいのでしょうか。お話を聞いたのは、屈指の名門校、麻布中学・高校の国語教諭である中島克治先生です。まずは、「おしゃべりな子どもと無口な子どものちがい」についてのお考えから話してもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)ドリル学習では「言葉の力」はなかなか伸びない我が子が、まわりの子と比べて無口だと心配になってしまう親もたくさんいると思います。でも、ありていにいってしまえば、それは「個性」ということなのです。親がどんなにおしゃべりでも子どもは無口になることもあるし、その逆もある。同じような育て方をしても兄弟姉妹でちがいはありますし、親のアプローチいかんで子どもが多弁になったり寡黙になったりといったことはないのではないかとわたしは考えています。子どもには親とはまったく別の人格が備わっていて、おしゃべりであれ無口であれ、それはその子の「個性」なのです。そうとらえれば、「なんとか子どもの言葉を増やそうと努力しているのに……」と、頭を悩ますというような呪縛から解放されることになるはずです。とはいえ、おしゃべりか無口かということとは別に、「言葉の力」を身につけておくことはあらゆる勉強をするにあたって重要となります。そう考える教育熱心な親であれば、子どもにドリル学習などをさせているかもしれません。でも、ドリル学習にはあまり意味がないとわたしは考えています。子どもからすればドリル学習はやらされる、仕方なくやる受け身の側面が強いものです。しかも、紙の上での学習ということで、どうしても現実世界に応用しづらいものであるため、学習した内容の定着率も良くありません。たとえ勉強した直後には身についても、1カ月、1年といった時間が経つと内容がすっぽりと抜け落ちてしまうのです。単なるドリル学習というものは、どうしてもただ覚えること、テストでいい点を取ることに重点が置かれます。そういう学習で得た知識は、子どもにとって「生きた知識」にはならないのです。親との共通体験が子どもの学習を補強していくでは、「生きた知識」としての言葉の力をどのように伸ばしてあげればいいのでしょうか。その方法は、「実生活のなかでの親とのコミュニケーション」です。たとえば、親子で植物園に出掛けたときに、以前に図鑑で見たことのある花が咲いているのを発見したとします。そして、「これ、前に図鑑で見たよね?」「どんな花だっけ?」といった会話をする。すると、実体験のなかで実物と言葉がぴたっと結びついていくので自然に言葉が子どもの頭に入っていくのです。親に教えてもらったとか、親の質問に答えられてうれしかったとか、具体的な場面のなかでの親との共通体験が学習を補強し、そのときに得た言葉はしっかりと子どもの頭に刻まれます。共通体験といっても、わざわざどこかに出掛けて特別な体験をしなければならないということはありません。それこそ家庭での日常的な会話でもできることです。会話の内容も天気のことでもご飯のことでもいいし、幼稚園や小学校での出来事、親子それぞれが観たテレビ番組の感想をいってもいい。そういった親とのコミュニケーションを通じて、子どもは満足したり、安心したり、うれしく感じたりといったポジティブな体験とともに感受性を高めながら言葉を覚えていくのです。子どもに知識をただ詰め込もうとしても、身につくものではありません。喜怒哀楽などの気持ちが伴わなければ、学習したことが子どもの糧にならないからです。たとえば、子どもがはじめて真っ赤な美しい夕焼けを見たとき、「綺麗」という言葉を知らなくとも子どもの心はすでに震えています。そして、そばにいる親が「綺麗だね」とつぶやいた。自分の心の震えと「綺麗」という言葉が重なり合う。そんな言葉を忘れるわけがありません。親子のコミュニケーションにおける3つの注意点子どもとコミュニケーションを取る際の注意点もお伝えしておきます。ひとつは、子どもから「これ、なに?」というふうに質問をされたときに、すぐには答えないほうがいいということ。答えられることでもあえて答えず、「なんだろうね?」「うちに帰ったら調べてみようか」というふうに答えるのです。どういうことかというと、子どもに立ち止まる時間を与えるということです。そうすることにより、子どもは手探りで考えることになる。その時間が、その後の学習で得た知識の定着を高めることになります。次の注意点は、子どもの言葉を頭から否定しないということ。子どもは大人が忘れてしまったような感覚を持っていて、大人が考えもしなかった側面から考えることもあるものです。大人になってしまった親からすれば、子どもの言葉が間違っていると思っても否定してはいけません。また、子どもの言葉に親が本当に驚かされることもあるでしょう。そういうときは否定せずに「そんなふうに考えるんだね」といったリアクションをしたり、素直に驚きを伝えたりしましょう。子どもからすれば、自分より言語能力が長けていると思っている親にちょっと先んじることができたという優越感を得ます。その優越感によって、子どもは言葉に対してよりポジティブにかかわっていくようになるのです。そして最後のアドバイスとしては、なにより親自身が子どもとのコミュニケーションを楽しむことが大切だということ。子どもは「教えてもらっている」と思うと受け身になってしまい、学びに対する積極性を失います。でも、親自身が楽しんでいれば、それは親が子に教えるという姿勢ではありませんよね。子どもも親の楽しむ姿勢に引っ張られてコミュニケーションを楽しむようになる。そうして、親子のコミュニケーションによって言葉を得る効果も高まるわけです。『本物の読解力をつけることばパズル 入門編』中島克治 著/小学館(2019)■ 麻布中学・高校国語科教諭・中島克治先生 インタビュー一覧第1回:子どもの「言葉の力」を伸ばすには?名門麻布の国語教師が説く“親の心得3か条”第2回:先取り学習はこんなに危険。「した子」の成績が「しなかった子」に抜かれるのはなぜ?(※近日公開)第3回:麻布中高の国語教師が断言。「絵本の読み聞かせ」の教育効果はやっぱり絶大だった!(※近日公開)第4回:我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは(※近日公開)【プロフィール】中島克治(なかじま・かつじ)1962年生まれ、東京都出身。麻布中学・高校を経て東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、私立麻布学園麻布中学・高校国語科教諭。『本物の読解力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『一生役立つ! 子どもの本当の読解力をグッと引き出す方法』(PHP研究所)、『1話5分! 12歳までに読みたい名作100』(新星出版社)、『小学生クロスワードBOOK 1・2・3年生』(星雲社)、『本物の国語力をつけることばパズル 中級編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『夏目漱石ほか文豪名著 書き写しノート』(朝日新聞出版)、『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』(小学館)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月24日こんにちは! イラストレーターのにわゆりです。小さな子どもの想像力にたびたび驚かされてしまうかーちゃんですが、以前、友人の子どもが5歳くらいのときに、布団の間に住んでいる妖精とよく会話をしていたなんて話を聞きました。うちの子もそんな話をするようになるのかな~と思っていたら…! モン太が4歳のころに突然、小さい妖精(?)の話をするようになりました。今回はその不思議な妖精のエピソード。■息子が教えてくれたイマジナリーフレンドの姿ある日モン太が口にした、「コージージャ」というお友達。これがうわさの小さな妖精!? かーちゃんは興味津々! さっそくモン太にコージージャについていろいろ聞いてみました。■小さな子どもにしか見えない妖精は…おじさん?どうやら、コージージャは空き家の屋根に住んでいる、かけっこが好きな50歳のこどもだそうです(笑)質問するとすぐに細かく話してくれるので、想像の世界なのか、本当に見えているのか…わからなくなるほど! その後もたびたび「コージージャと遊んだよ!」という話をしてくれ、うんうんと聞いていたかーちゃんですが…。5歳を過ぎたころからコージージャの話はパタリとしなくなりました。それとなく「最近コージージャとは遊んでないの?」と聞いてみると…■子どもの成長とともにお別れしていた…!コージージャがいた空き家は更地になっていて、引っ越してしまったんだそうな…。いつの間にか切ないお別れをしていたなんて…!そして成長するにつれ、コージージャのこともすっかり忘れてしまったモン太を見て少し寂しいかーちゃんです。小さなころにしか聞けない素直でかわいらしいお話は、記録に残して大切にしておきたいものですね!キーちゃんもそろそろ小さな妖精の話をしてくれないかな~と思ってワクワクしていますが、今のところまだ何もありません(笑)
2019年06月08日「非認知能力」とは、テストの点数や偏差値など数字で測れる認知能力に対して、数字では測れない力のこと。そこには、回復力、やり抜く力、自信、自己肯定感、リーダーシップ、主体性、社会性、共感力……など、さまざまな力が含まれます。その非認知能力との出会いによって自身の人生を変えたのが、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開する、アメリカ・ワシントンDC在住のボーク重子さん。全米の女子高生が知性や才能、リーダーシップを競う大学奨学金コンクール「全米最優秀女子高生」で娘のスカイさんが優勝したことでも注目を集め、出版された本は軒並みベストセラーになっています。もちろん、ボーク重子さんの子育ての軸となったのも、子どもの非認知能力を伸ばすことでした。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/櫻井健司(インタビューカットのみ)はじめての失敗で心が折れた子ども時代子どもの非認知能力の有無によってどんなちがいが生まれるのか――。親であればとても気になるところですよね。ここでは、わたし自身を例にしてお伝えしましょう。子どもの頃のわたしは、「いい高校、大学、会社に入って、いい結婚をすれば一生安泰だから、とにかく勉強をしなさい」といわれて育ちました。わたしの親は少し教育熱心だったかもしれませんが、当時の「幸せへ向かうレール」に子どもを乗せようとする、ごく普通の家庭だったと思います。わたしはいわれるままに勉強をしましたから、最初は学校の成績も優秀でした。ところが、中学生のある日、急に数学ができなくなったのです。いつも100点だったテストがいきなり70点になってしまった。そして心が折れた。いまならその理由がわかります。それは、わたしの非認知能力がまったく育っていなかったからです。当時のわたしは、「やりなさい」といわれたことになんの疑問も持たずに従っていました。いわゆる「いい子」です。だからこそ、自分で考えるということをまったくしたことがありませんでした。勉強も親や先生にいわれたことをやって、とにかく暗記を繰り返すだけ。学習内容の本質を理解していませんから、学習レベルが上がると一気に成績が落ちてしまったのです。そこでわたしがどうしたかというと……勉強をやめてしまいました。というのも、賢くないと思われるのがすごく嫌だったからです。「勉強をしなければ、『やればできるのに』と思ってもらえる……」。そう考えたわけです。そのときのわたしに回復力ややり抜く力といった力があれば、そこで立ち止まって「どうすればいいか」と考えられたでしょう。でも、当時のわたしにはそれらの力はなかった。要するに、わたしには勉強での失敗経験がなかったのです。なにかをして失敗するという経験は、非認知能力を育てるためにはとても大切なものです。あたりまえですが、失敗しないことには回復力なんて育つわけがありませんからね。そもそも、それ以前に主体性が育っていれば、親や先生のいうことにただ従うのではなく、自ら考えて勉強に励むこともできたかもしれません。さらに、そういった主体的な勉強で成績が上がったのなら、自信をつかむこともできたでしょう。でも、当時のわたしはそうではなかった。だから、たったひとつのテストの結果でポキッと心が折れてしまったわけです。教育法のちがいが子どもの人生を大きく変えるそれからはどんどん成績は下がる一方で、自分は「なんてダメなのだろう」という気持ちを拭うことができませんでした。そこからわたしが回復するには、15年ほどの時間がかかりました。20代はそれこそ暗黒時代。ずっと「どうして自分はこんなに駄目な人間なんだろう?」「どうせわたしなんて……」と思いながら過ごしていました。その後、回復するに至ったのは、30歳になる直前に、当時お付き合いしていた男性にフラれたことが大きなきっかけです。そのとき、真剣な顔をしている彼を見たわたしは「プロポーズかな?」と思った。でも、彼は「君は僕と結婚したらどう生きたい?」と聞くのです。当時のわたしは、「え?そんなの決まってる」と思いました。その答えは、「あなたのお世話をして、あなたの子どもを生んで、一緒に年を重ねたい」です。わたしの返事を聞いて、彼はこういいました。「僕、それだけの人はいらない」と。幼い頃から凝り固まった人生観を刷り込まれ、自分というものを持てていないわたしに彼は愛想を尽かしたというわけです。そうして「幸せへ向かうレール」から外れたことで、わたしは一念発起しました。ずっと心のどこかで「いつかやりたい」と考えていたアートの勉強をするため、イギリス、続いてアメリカに渡ったのです。そのうち結婚して娘が生まれると、また強い不安に駆られました。「わたしに育てられたら、いつも自信を持てなくて誰かの指示を待つわたしみたいな人間に娘が育つのではないか」と――。そして、娘のための学校を探しているうちに出会ったのが非認知能力でした。当時のアメリカにおけるいわゆるエリートコースにある幼稚園や小学校は非認知能力教育に重点を置くようになりつつありました。そして、ある研究によって、その潮流は決定的なものとなった。従来の教育を受けるか、非認知能力を高める教育を受けるかによって、その後の子どもたちに大きなちがいが生まれることがはっきりとわかったのです。非認知能力を高める教育を受けた子どもたちの学習は、機械的にやらされるようなものではありません。学習内容に興味を持ち、自ら能動的に学ぶ。勉強したくないときも、責任感があるから「やらなくちゃ」と勉強をする。もちろん、学習成績も上がります。さらには、自分がやったことを肯定してもらえるため、自信を持つようにもなる。子どもたち一人ひとりが認められるから、いじめも減る。やる気、主体性、パッションがあって、自分がやりたいことをやるためにそれ以外のことも自然にできるようになるし、やり抜く力も身についていく――。まさにいいことずくめなのです。親は子どものロールモデルという役割から逃れられないさて、肝心の非認知能力を高める教育ですが、特別な学校でしかできないというわけではありません。むしろ、家庭教育のほうが重要だともいえます。娘を通わせた学校の先生からは、「いちばん小さいけれど最強のコミュニティーである家庭での教育、親との対話が子どもにもっとも影響を与える」といわれました。親は子どものロールモデルという役割から逃れることはできません。親の姿を見て育つ子どもは、ふとしたときに出るしぐさや口癖などまで親に似るものです。子どもは必死に生きて親を愛して、いずれ親のようになる。それだけ親という存在は子どもにとって大事なものなのです。そう気づいたとき、わたしは思い至りました。「だとしたら、まずわたし自身が自分の非認知能力を高めなければいけない」と。それから、わたしはいろいろと行動をはじめました。アートギャラリーを立ち上げたこともそのひとつでしょう。とにかく行動することが大切で、ずっと家にこもっていても心は強くなりません。家でご飯を食べてテレビを観ているだけなら、誰かに共感したり、失敗して回復したりする必要もないし、主体性やリーダーシップを発揮する場面もありませんからね。そして、「ママ、いまはこういうことをしてるんだよ」というふうに、自分の行動を子どもとシェアするのです。子どもは親を見て育つといいますが、見えやすくするのも親の役目です。子どもには、いわれなければわからないこともたくさんあるのですから。親の行動をシェアする際には、「失敗こそシェアする」と心がけてください。当時のわたしはなにもわからないままビジネスをはじめましたから、当然、失敗の連続です。それらの経験を娘に伝え、ときには娘からアドバイスをしてもらうこともありました。それは、失敗か成功かという結果ではなく、なにがどうしてどうなったかというプロセスを娘に見せるということです。そうすることで、子どもは、失敗は通過点であってやり直しができるということ、方法はひとつじゃなくてもしひとつの方法が駄目でも他の選択肢や可能性を試せばいいといったことを学んでいくことができます。それは、回復力ややり抜く力といった非認知能力そのものですよね。そう考えていたわたしは、娘には成功より失敗を重点的に見せてきましたから、娘にとってはじつは格好悪いママなんです……。はじめて「子育ての本を書くんだ」といったときに、いちばん驚いていたのが娘でしたね(笑)。娘のスカイさんと。『世界基準の子どもの教養』ボーク重子 著/ポプラ社(2019)■ ボーク重子さん インタビュー一覧第1回:子どもが親の失敗から学ぶもの。「やり抜く力」を育むなら“格好悪い親”であれ第2回:「親の態度」がカギを握る。子どもの自己肯定感を高める行動、低める行動(※近日公開)第3回:「ルールを守れる子ども」はこうして育つ。親が子に与えるべき大事な“時間”(※近日公開)第4回:「自分の考えを言えない」問題の解決法。幼い子どもにこそ大切な“リベラルアーツ”(※近日公開)【プロフィール】ボーク重子(ぼーく・しげこ)ライフコーチ。福島県出身。30歳の誕生日1週間前に「わたしの一番したいことをしよう」と渡英し、ロンドンにある美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、留学中にフランス語の勉強に訪れた南仏の語学学校でのちに夫となるアメリカ人と出会い1998年に渡米、出産。「我が子には、自分で人生を切り開き、どんなときも自分らしく強く生きてほしい」との願いを胸に、全米一研究機関の集中するワシントンDCで、最高の子育て法を模索。科学的データ、最新の教育法、心理学セミナー、大学での研究や名門大学の教育に対する考え方を詳細にリサーチし、アメリカのエリート教育にたどりつく。最高の子育てには親自身の自分育てが必要だという研究データをもとに、目標達成メソッド「SMARTゴール」を子育てに応用、娘・スカイさんは「全米最優秀女子高生 The Distinguished Young Women of America」に選ばれた。同時に、子育てのための自分育てで自身のキャリアも着実に積み上げ、2004年、念願のアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年アートを通じての社会貢献を評価されワシントニアン誌によってオバマ大統領(当時上院議員)やワシントンポスト紙副社長らとともに「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。2009年、ギャラリー業務に加えアートコンサルティング業を開始。現在はアート業界でのキャリアに加え、ライフコーチとして全米並びに日本各地で、子育て、キャリア構築、ワークライフバランスについて講演会やワークショップを展開している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月08日「ソーシャルスキル」という言葉を知っているでしょうか。直訳すると「社会的な技能」となりますから、なんとなく意味も想像できるかもしれません。いま、子どもたちのソーシャルスキルが不足している、あるいは未熟なままであると危惧しているのが、法政大学文学部心理学科教授の渡辺弥生先生。きちんと社会生活を営むために欠かせないというソーシャルスキル。具体的にはどんなものなのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「バイバイ」のハンドサインもソーシャルスキルソーシャルスキルというと、なにか特別な技能を想像するかもしれませんね。でも、これはみなさんすべてが日常的に使っているしぐさや行動なのです。たとえば、手の振り方次第で相手に「こっちに来て」とも「バイバイ」とも伝えられますよね?このように、社会生活をうまく営むために「こういう場合はこういう振る舞いをする」というフォーム(モジュール:人間の行動のうえで、まとまった社会的機能を有する単位)のようなものです。「うまく営む」というと、「要領良く生きていく」ためのスキルだと勘違いする人もいるでしょう。でも、そういうものではなくて、ある社会に暮らすために誰にも求められているものなのです。電車に乗るときのマナーをイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。電車でのマナーは、社会生活をスムーズに営むためのものであって、要領良く生きるためのものではないですよね。それらは、かつては親やおじいちゃん、おばあちゃん、近所の大人たちが子どもたちに教えてきたものです。でも、地域との接点が薄れ、核家族化が進んだいまはそれが難しくなってきています。極端にいえば、家庭教育を担うのは親だけという状況。その親が教えることができなければ、子どもはソーシャルスキルを学ぶことができないのです。遊びが多くのソーシャルスキルをもたらすまた、子どもがソーシャルスキルを身につけることが難しくなってきている原因としては、子どもたちが自由に遊べる時間が激減しているということも挙げられます。いまの時代の親は本当に教育熱心です。子どものためを思って塾はもちろんさまざまなお稽古事に子どもを通わせますから、子どもが自由に友だちと遊べる時間はどんどん減っています。でも、本来、子どもは遊びからさまざまなソーシャルスキルを学ぶのです。たとえば、近所の子どもたちと遊ぶうち、年上のお兄さんやお姉さんに優しくされれば、「思いやる力」を学べます。そうして学んだスキルを、今度は年下の子どもたちを相手に発揮することもあるでしょう。また、山の急勾配を登るような遊びなら、何度転げ落ちても粘り強く挑戦を続けるうちに、子どもは「あきらめない力」を身につけます。逆に、遊びのなかで「あきらめる力」を身につけることもあります。たとえば、本当はもっと遊んでいたいのに、日が暮れてしまって遊ぶことを「あきらめた」という経験はみなさんにもあるでしょう?これも立派なソーシャルスキルです。「あきらめる力」は「粘り強さ」の対極にあるものではありません。ときと場合によっては、どこかで妥協することも必要なのです。そうできなければ、次のステップに進んで頑張るということもできないでしょうからね。そういった「決断」が「あきらめる」ということなのです。ソーシャルスキルの不足が招く悪影響ソーシャルスキルは、いってみれば「生きるための総合力」です。それらが不足してしまうと、当然、子どもたちにはさまざまな影響が表れます。その筆頭は、「人とうまくかかわれなくなる」ということ。人間は社会生活を営む動物ですから、「ひとりで生きていける」なんて思っている人であっても、実際にはどこかで人とかかわって生きています。それなのに、人とうまくかかわることができなければ、まわりから「迷惑な人だ」と思われるなどして、幸せな人生を歩むことが困難になります。それから、「うまくかかわれなくなる対象」には「自分」も含まれます。「ソーシャル」というからには他者とのかかわりをイメージすると思いますが、先に挙げた「あきらめない力」や「あきらめる力」がそうであるように、ソーシャルスキルが欠乏すると、自分ともうまくかかわれなくなるのです。「不安ありき」の家庭教育では子どもも不安になるでは、子どもにソーシャルスキルを身につけさせるために親はどうすればいいのでしょうか。わたしは、変に難しく考える必要はないと思っています。なによりも楽しく子育て、家庭教育をすることを心がけてほしいのです。先に、ソーシャルスキルが不足すると人とうまくかかわれなくなるとお伝えしました。すると、「うちの子がそうなったらどうしよう」と思った人もいることでしょう。いまの親を見ていると、多くの人が「不安ありき」の家庭教育をしているように思えてくるのです。自分の子どもが「不登校にならないか」「いじめに巻き込まれないか」といくつも不安があって、そうならないための家庭教育になっているのではないでしょうか。それはすごく残念なこと。子どもは無限の可能性を秘めています。だとしたら、起きてもいない問題をイメージして不安を取り除くような発想ではなく、子どものいいところをどんどん伸ばしてあげるためになにをすべきなのかという発想で、もっとポジティブに家庭教育をしてほしいですね。親が毎日のように不安な顔をしていたら、子どもだって不安になります。でも、お父さんとお母さんが人生を楽しんで、いつもニコニコして「人生って面白いよ!」と伝えてくれたら、子どもはワクワクした気持ちで毎日を過ごせるにちがいありません。「情動感染」という言葉がありますが、気持ちは即時に影響し合うところがあるのです。そうすれば、幼稚園でも小学校でも友だちがどんどんできて、先生ともいい関係を築けるし、自己肯定感が高まり、結果として自然に必要なソーシャルスキルを学んでいくように思うのです。『感情の正体 ――発達心理学で気持ちをマネジメントする』渡辺弥生 著/筑摩書房(2019)■ 法政大学文学部心理学科教授・渡辺弥生先生 インタビュー一覧第1回:「あきらめない力」も「あきらめる力」も大切!子どもの決断力を伸ばす家庭教育法第2回:我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!(※近日公開)第3回:劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング法(※近日公開)第4回:「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由(※近日公開)【プロフィール】渡辺弥生(わたなべ・やよい)大阪府出身。法政大学文学部心理学科教授。筑波大学卒業、同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだあと、筑波大学文部技官、静岡大学助教授、ハーバード大学在外研究員、カリフォルニア大学客員研究員等を経て現職。同大学大学院特定課題ライフスキル教育研究所所長も務める。専門は発達心理学、発達臨床心理学、学校心理学。『まんがでわかる発達心理学』(講談社)、『小学生のためのソーシャルスキル・トレーニング スマホ時代に必要な人間関係の技術』(明治図書出版)、『イラスト版 子どもの感情力をアップする本 自己肯定感を高める気持ちマネジメント50』(合同出版)、『子どもの「10歳の壁」とは何か? 乗り越えるための発達心理学』(光文社)、『考える力、感じる力、行動する力を伸ばす 子どもの感情表現ワークブック』(明石書店)、『図で理解する発達 新しい発達心理学への招待』(福村出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月03日明確な答えがない時代を生きる子どもたち。今後、どんな力が求められているのでしょうか?「観察力」「推論する力」「他者を受容して理解する力」「再考する力」「表現力」、そして「自ら学ぶ力」と「コミュニケーション能力」。並べてみれば、きりがありませんね。では、どうすればこれらの能力を身につけることができるのでしょう?その答えとして、上記の全ての力を育てるために有効な手段のひとつ、「対話型鑑賞法」をご紹介しましょう。アメリカ発の新しい美術鑑賞教育法「対話型鑑賞」とは対話型鑑賞法(Visual Thinking Strategies)とは、アメリカ発の新しい美術鑑賞教育法です。対話型鑑賞法について語るうえで欠かせない著作 Visual Thinking Strategies の訳者である、元京都造形芸術大学アートプロデュース学科教授、アート・コミュニケーション研究センターの福のり子氏の言葉をご覧ください。ニューヨーク近代美術館(MoMA)教育部の部長を務めた本書の著者フィリップ・ヤノウィン(Philip Yenawine)は、鑑賞教育における知識偏重型の指導に疑問を抱き、長年の調査・研究・実践を踏まえて新たな指導方法を開発した。それがヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS)である。「アート作品は文字に頼らない視覚的なもので、親しみやすい部分と謎めいた部分をあわせ持っている。また、解釈が開かれており、幅広い層に訴えかけるテーマを扱っている。さらに、多様かつ複雑で、概念と感情の両方を喚起するという特性を持っている。」こうした美術作品の特性を活かし、VTSでは対話を介してグループで作品をみるという鑑賞方法を提唱している。ヤノウィンは、対話型鑑賞を通して子ども達にさまざまな力がつくことを、その理論的背景、そして数々の実践例を紹介しながら説得力をもって私たちに語ってくれている。VTSを介して彼らが身につけていく「複合的能力」とは、観察、解釈、根拠をもった考察、意見の再検討、そして複数の可能性を追究する力などである。(引用元:フィリップ ヤノウィン 著, 京都造形芸術大学アートコミュニケーション研究センター 訳(2015),『学力をのばす美術鑑賞』,淡交社.)アートは現象!?鑑賞者と作品の間で何が起こるのか一般的にはアートとは、表現者側の活動として捉えられる側面が強いものです。つまり、表現者が働きかけるためにとった手段、媒体、対象などの作品やその過程が、アートだと思われがちです。しかしアートとは、表現者あるいは表現作品と、鑑賞者とが相互に作用しあうことにより、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動だとも言えるでしょう。対話型鑑賞法では、鑑賞者側の活動に重点を移し、作品と鑑賞者の間に起こる現象をアートと捉えています。作品を解釈するのは、鑑賞者自身です。そしてその解釈は、鑑賞者それぞれが育った環境や経験、好みや思考の特性によって異なります。対話を通して鑑賞者の視点から作品を捉えるとき、人間にとっての知覚のメカニズムが反映されます。つまり、個人の認知や認識の過程、さらには思考形成の過程を探ることの手がかりが得られるのです。これは、子どもたちの心や知の発達に大いに役立つことでしょう。対話による鑑賞で「他者を受容して理解する力」が育つ本来人間は、見たいものを見たいようにしか見ません。同様に、聴きたいものを聴きたいようにしか聴きません。これが先入観を生み、相互理解を妨げ、ひいては偏見を生み出す原因となっています。しかし、対話型鑑賞を続けることによって、さまざまな視点や解釈の可能性を受け入れることができるようになります。自分は絶対にAだと思ったのに、隣の子はBだと言っている。さらに、Cだと考えている人もいる。このように、自分とは異なる他者の意見にふれることで、先入観のしがらみから自分自身を解放できるのです。論理的思考力・自ら学ぶ力・観察力・共感力・表現力が養われる対話の経験を通して、論理的な思考力が養われることは言うまでもありません。なぜなら、自身の考えを他者に理解してもらうためには、自分の思考回路を順序立てて説明することが求められるからです。さらに、周囲の人々の様々な意見に出会うことで、もともとの自分の考えを再考する機会にも恵まれることでしょう。同時に、自分自身の視点や思考の特性を知り、検証するという、自己との対話も始まります。自己対話は、自ら自分自身を育て、主体的に学ぶことを学ぶという、セルフ・エディケーション能力への道を拓いていきます。さらに、鑑賞する喜びから感動できる力、作品に対する「観察力」や「共感力」が育まれます。加えて、イメージの構想力や言語による「表現力」、それを相手に円滑に伝え合う「コミュニケーション能力」も伸びていきます。対話を通して培われた「鑑賞する力」は、次第に「表現する力」を育てることにつながっていくのです。もちろん、対話型鑑賞に参加する子どもたちだけでなく、親御さんにも大きなメリットがあります。子どもたちとの対話を通して親御さん自身も、自分の思考の特性に気づかされるはずです。そして、我が子の思考や感性、そこから生じる行動を、より深く理解することができるようになるでしょう。人間の知の基本フレームは、小学生の時期に形成される発達心理学の観点では、人間の知の基本フレームは小学生の時期に形成されると言われています。思考や感性が形成されるこの大切な時期に、あらかじめ定められた解答を単に繰り返すだけの作業や、一問一答式のテスト結果などの目先の成果を優先してしまうと、どうなるでしょう。子どもたちの自ら学び創造する力、じっくりと考える力、他者を理解する力を削いでしまうのではないでしょうか。作品とのまっすぐな対話を通して、将来役に立つであろうさまざまな能力を育んでいくために。他者との深い対話を通して、子どもたちの想像力に富んだ未来を切り拓いていくために。親子の豊かな対話を通して、家族の幸せな時間を共有し、相互理解を実現するために。ぜひ、親子で「対話型鑑賞」に取り組んでいただけたらと思います。次回からは、私がこれまで「対話を通した創造的鑑賞」と称して子どもたちと行なってきた数多くの事例を示しながら、実際の対話による鑑賞の方法をご紹介していきましょう。(参考)■対話型鑑賞法フィリップ ヤノウィン 著, 京都造形芸術大学アートコミュニケーション研究センター 訳(2015),『学力をのばす美術鑑賞』,淡交社.岡崎大輔(2018),「なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか」, SB Creative.鈴木有紀(2019),「教えない授業――美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方 」,英知出版.エイミー・E・ハーマン著(2016), 「観察力を磨く 名画読解」,早川書房.上野行一(2011),「私の中の自由な美術-鑑賞教育で育む力」,光村図書出版.上野行一(2014),「風神雷神はなぜ笑っているのか(対話による鑑賞完全講座)」,光村図書出版.奥村高明(2015),「エグゼクティブは美術館に集う(「脳力」を覚醒する美術鑑賞)」,光村図書出版.アメリア・アレナス(2005),「MITE! ティーチャーズ・キット」〈1〉〈2〉〈3〉,淡交社美術手帖編集部(2019),「美術手帖 19年2月号 みんなの美術教育」,美術出版社.■アートを現象として捉えるマルティン・ハイデッガー 著, 関口浩 訳(2008),「芸術作品の起源」,平凡社.ジャック・デリダ著, 高橋允昭 , 阿部宏慈 訳(2012),「絵画における真理」〈上〉法政大学出版局今道友信(1973),「美について」,講談社.佐々木健一(2004),「美学への招待」,中央公論新社.■教育心理学レフ・セミョノヴィチ ヴィゴツキー著, 柴田義松 訳(2001),「新訳版・思考と言語」,新読書社.佐藤公治(2015),「ヴィゴツキーの思想世界――その形成と研究の交流」,新曜社.ジャン・ピアジェ 著, 滝沢 武久 訳(1972),「発生的認識論」,白水社.■対話型鑑賞法造形芸術の効果パウル・クレー 著, 土方定一, 菊盛英夫, 坂崎乙郎 訳(2016),「造形思考」〈上〉〈下〉,筑摩書房.ヴァシリー ・カンディンスキー 著, 宮島久雄 訳(2017),「点と線から面へ」,筑摩書房.
2019年06月02日