世界卵巣がんデーの5月8日、2007年に卵巣がんで母親を亡くしたアンジェリーナ・ジョリーが、インスタグラムで「健康を守るための時間を取ってください」と女性たちに呼びかけた。若い頃の母と幼い自分の2ショットを掲載し、「明日(5月9日)は、母の73歳の誕生日です。乳がんと卵巣がんで長く闘病した母が亡くなってから、15年が経ちます」との出だしで長文をつづったアンジェリーナ。「私は(乳がんと卵巣がんに罹患する)可能性を低くするための予防的手術を受けていますが、検診も受け続けています」と検診の重要性に触れた。アンジェリーナは予防的手術を受けた理由について、「子どもたちが大人になるのを見届け、孫に会える確率を高めるために選択した」と2019年に「タイム」誌に寄稿したエッセイで明かしていた。「私と同じように、愛する人を失った人たちに愛を送ります。今この瞬間も自分の命のために闘っている人たち、愛する人の命のために闘っている人たちにはパワーを送ります」と力強いメッセージを送った。そして、世界の女性たち、とりわけがんの家族歴がある人たちに向けて、「自分自身の健康に気を配る時間を取ってください。マンモグラフィー、血液検査、超音波検査に行ってください。#世界卵巣がんデー」と呼びかけた。(賀来比呂美)
2023年05月09日子宮頸がん検診で引っかかり、精密検査を受けた結果、医師から「高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出されました」と宣告されてしまった生野さん。子宮頸部異形成と診断され、手術を受けることになったのですが……。 入院前、親との対話近くに住む彼氏には、すでに事情を説明していた生野さん。いよいよ手術日が決まり、今度は遠方から両親がやってきて家族全員で病院へ行き、手術に関する説明を受けることになりました。 「子宮頸部異形成が認められたので、今回、子宮頸部円錐切除という手術をおこないます」 遠方からはるばるやってきた両親とともに、手術の説明を受けた生野さん。 もともと、生野さんは「実家にいると甘えてしまうから」との理由で、自分から望んで遠い土地に引っ越し、ひとり暮らしを始めたそう。両親に会うのも今回が久々だったようです。 病院を出た3人は、両親が予約していたホテルへと移動します。そこで、お父さんの口から衝撃の告白が飛び出しました。なんと、お父さんが実父の事業を引き継いだとき、何億もの借金があったと言うのです! 何億ともなると返却の目処が立たずどうしようもなかったお父さんは自己破産を決意し、会社も倒産に追い込まれます。裁判で大勢に責められ、人生に希望が見えなくなったお父さんは、湖のほとりまで行って飛び込もうと考えたこともあったのだとか。 暗い過去を振り返ったのち、お父さんは最後に生野さんに向かって「でも今の会社は黒字経営で新車も買えたし、今度は家をリフォームするんだ。人生、暗いこともあればきっと明るいこともある。だから、簡単にあきらめちゃダメだよ」と告げたのです。 父の過去を初めて聞いた生野さんは、その壮絶さに驚いたとともに、「あきらめちゃダメだってこんなに格好良く言える人が他にいるだろうか」と感じたそう。お父さんの言葉が、生野さんのこの先の未来を照らす1つの道標になったようですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 生野甲さんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター 生野甲
2023年05月09日子宮頸がん検診を受けた際に、高リスク型HPVが見つかった生野甲さん。人生初となる子宮の手術をするにあたって感じたことを、実体験をもとに描きます。 これからの未来は?子宮頸がん検診で引っかかり、精密検査を受けた結果、医師に「高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出されました」と宣告されてしまった生野さん。子宮頸部異形成と認められ、手術を受けることになりました。医師に「家族や恋人と相談してから手術日を決めたいです」と告げ、病院をあとにします。 その数日後、生野さんは彼氏とデートに出かけたのですが、あいにくこの日は生理前。病気や手術に対する不安と生理前の情緒不安定が重なってしまい……。 実家から遠く離れた土地で、ひとり暮らしをしている生野さん。この日は彼氏とデートなのですが、車中で彼が「そういえば、この間誘ったライブの抽選に応募したんだ。友だちと行こうと思って」と告げたことをきっかけに、生野さんは手術のことを思い出し、思考が負のループに陥ってしまいます。 ーー縁もゆかりもない土地でひとりで手術を受けて、私はここにいる意味があるのだろうかーー私にはこれから幸せな未来が訪れるのだろうか 今まで押さえ込んでいた不安や恐怖が一気に溢れ出し、思わず涙がこぼれてしまいます。生理前でメンタルが不安定なこともあり、彼氏と会って安心したことがきっかけで気が緩んだのか、涙腺が崩壊してしまって涙が一向に止まりません。すると、その姿を見た彼が「知らない土地で手術を受けるなんて不安だよな」とやさしい言葉をかけてくれ、「手術が終わって少し状況が落ち着いたら同棲しよっか」と言い出したのです。 そして、キュッと手を繋ぐ2人。生野さんはこのとき、「彼の手がガサガサしていることとか、意外とガッチリしていることとか、この手の温もりを、ずっと忘れないでいよう」と思ったそうです。 闘病中は先が見えなくて、どうしても不安になってしまいますよね。そんなとき、今回のように親しい人間からやさしい言葉をかけてもらったり、身体的に触れ合ったりすることで、不安も少しは和らぐのではないでしょうか。生野さんが闘病を終えた先の未来に、きっと彼はいるはず。今は彼の言葉や手の温もりを信じて、1つひとつ問題を解決していく段階かもしれませんね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 生野甲さんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター 生野甲
2023年05月05日がんは年齢や性別に関係なく、どんな人でも罹患する可能性がある病気です。がんの中でも50代を過ぎて発症率が高くなるという「腎がん」。一体どうすれば早期発見できるのでしょうか? また腎がんにならないように何かできることはあるのか。内科医の窪田徹矢先生にお伺いしました。教えてくれたのは…監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。★関連記事:閉経したら「慢性腎臓病」に要注意! 静かに忍び寄る病気の影。どうすれば気付くことができるの?腎がんの症状は?初期の段階では自覚症状はないそもそも腎がんとは「腎細胞がん」という腎臓の細胞ががん化したものを指します。同じ腎臓でも腎盂(じんう)という肝臓と尿管をつなぐ部分のがんである「腎盂がん」とはまったく別物なのだとか。今回は一般的な腎がんである「腎細胞がん」について解説します。「腎細胞がんは50代から発症することが多く、男女比は2〜3:1と男性のほうが患者数が少し多い傾向にあります。生活習慣病と大きく関わっており、肥満体質な人や高血圧の人は要注意です。喫煙者の発がん率は1.4〜2倍なので、喫煙をする人も気を付けてください。腎不全などで透析治療を受けている人の発がん率は10倍にもなります。糖尿病が悪化して透析を受けている人もいますので、そういった人は悪化しないよう注意が必要ですね」(窪田先生)腎細胞がんになるとどのような症状が出るのでしょうか。「他のがんでも同じですが、腎細胞がんも初期だと自覚症状は出ません。症状が出ている人はがんが進行してしまっている人です。腎細胞がんが進行すると足のむくみや血尿、便秘など体調不良を感じるようになります。腎臓は背中側にある臓器なので、おなかにしこりができたなんてときはかなりがんが進行している状態です」(窪田先生)症状がないのに早期発見できる検査で発見される腎細胞がん自覚症状が出るころにはがんが進行していると聞くと不安になってしまいますよね。しかし、腎細胞がんは早期に発見されることが多いのだとか。「腎細胞がんの多くは人間ドックや健康診断の腹部超音波検査で見つかります。あとはCTやMRI検査なんかでも見つかることがあります。他の病気の検査を受けていたらたまたま発見した、なんてことはよくあります。がんには腫瘍マーカーというがんを発見する検査がありますが、腎細胞がんを判定できる腫瘍マーカーはありません。そのため、腎細胞がんの早期発見には腹部超音波検査を受けることが最適です。がんは大きさ4cmがターニングポイントとされています。腎細胞がんは1年で1cmくらい大きくなるので、1年に1回腹部超音波検査を受けると良いでしょう」(窪田先生)どんな治療をおこなうのかポピュラーなのは外科手術「腎細胞がんの治療法として、手術をせずに経過観察をすることや細胞組織を凍らせてがん細胞を死滅させる方法があります。ですが、最も多いのは外科手術です。腎臓を摘出することはほとんどなく、がん細胞だけを取り除いてなるべく腎臓を温存できるようにしています。もちろん、がんの大きさや状態によっては摘出せざるを得ないこともあります。ですが、腎臓は2つありますので、1つ摘出したからといって日常生活に支障が出るようなことはあまりありません。放射線治療や抗がん剤治療をするということもありますが、基本的には外科手術で治療をおこなっていきます」(窪田先生)腎細胞がんにならないようにするにはどのようなことを意識するといいでしょうか?「腎細胞がんに対する予防法はありません。直接的な予防法はないものの、リスク要因に対処することで腎細胞がんのリスクを減らすことができます。腎細胞がんのリスクを高める『肥満』『高血圧』『喫煙』の3点は気を付けたほうが良いですね。この3点は腎細胞がんだけではなく、生活習慣病など他の病気の予防にも通ずるところがあります。たばこや塩分を控えたり、1日20〜30分程度ジョギングをしたりすることは体に良いことなので、是非とも意識してもらいたいです」(窪田先生)まとめ腎細胞がんは生活習慣を正すことでリスクを下げることができるのだそう。他にも健康診断を受けるなど、日ごろから健康を意識していくことが病気にならない生活につながるのかもしれませんね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/監修/窪田 徹矢 先生くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
2023年05月03日子宮頸がん検診を受けた際に、高リスク型HPVが見つかった生野甲さん。人生初となる子宮の手術をするにあたって感じたことを、実体験をもとに描きます。 人生初の子宮頸がん検診精密検査を受け、医師に「検査の結果、高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出されました」と宣告され、子宮の手術を受けることになった生野さん。異常が見つかったきっかけは、これまでずっと避けてきた子宮頸がん検診でした。 ※「引っ張っない?」→「引っ張ってない?」 通常、子宮頸がん検診では ①問診(最近の月経や、妊娠・出産経験の有無、病歴などについて質問します)②視診(クスコ〈腟鏡〉と呼ばれる器具を入れて子宮の入り口を広げ、子宮頸部を観察します)③内診(腟側とおなか側から手で挟むようにして、子宮や卵巣の大きさを確認します)④細胞診(専用のヘラやブラシなどで細胞をこすり取り、顕微鏡で調べます) の4つが実施されます。 子宮頸がん検診は基本的に痛みのほとんどない検査と言われていますが、もちろん個人差はあり、生野さんの場合は少し痛みがあったようですね。 検診で採取した細胞は専門機関に回され、病理検査(顕微鏡で細胞を観察して、細胞の形態が正常か異常かを確認し、異常であればどの程度の異常かを判定する検査)がおこなわれます。その病理検査の結果、生野さんは「Asc-us」であるとの診断が下されました。 Asc-usとは、「意義不明な異型扁平上皮細胞(いけいへんぺいじょうひさいぼう)」とも呼ばれており、細胞の形態が正常ではないが、がんと言い切るまではいかず、子宮頚部異形成(子宮頸がんの前段階)のおそれがある段階です。Asc-usと判断された場合は、さらにHPV検査という精密検査を受ける必要があり、そこでHPVの感染があると判明したときは、正式に子宮頚部異形成と診断されます。 診断書に書かれた「HPV」というのは、ヒトパピローマウイルスのこと。HPVは100種類以上の型があり、少なくともそのうちの13種類に発がん性(高リスク型ウイルスとも呼ばれます)が認められています。特に、子宮頸がんや子宮頸部前がん所見の70%は、16型または18型のHPVを原因としていて、生野さんの場合はこの2つの型は見つからなかったのですが、他の高リスク型ウイルスが見つかったようですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 生野甲さんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター 生野甲
2023年04月30日2021年春。子宮筋腫による重症貧血のため、しまむらさんは子宮全摘手術を受けました。同じような症状に悩んでいる方や受診に抵抗のある方に向け、自分の体と向き合うことの大切さをマンガを通じて語ります。 紹介状を持って総合病院へ転院42歳のときに経血が水っぽくなり、経血量が増えたしまむらさん。43歳を過ぎたころからは、生理になるとレバー状の血の塊が出るようになってしまいます。44歳で婦人科の定期検診に訪れたところ、以前から経過観察となっていた子宮筋腫が6cmから10cmにまで肥大し、鉄欠乏性貧血になっていることが判明。鉄剤とホルモン剤による治療を3カ月続けたしまむらさんは、本格的な治療に移るべく、紹介状を持って総合病院を訪れます。 これは、しまむらさんの子宮筋腫がまだ小さかったころの回想です。2人目妊娠中に子宮筋腫があると判明したしまむらさんですが、当時は2cmと4cmの小さいサイズの筋腫が2つあるのみでした。あお向けになっておなかを触ると、ゴリゴリとしたコブが2つあるのがわかったそうです。 それから数年後。子宮筋腫が10cmにまで肥大化したころに再びおなかを触ってみると、感触に大きな変化が。小さくゴリゴリとしたコブは見つからず、その代わりに、まるで鉄板が入っているように下腹部が平たく硬くなっていました。 子宮筋腫になったときの主な症状としては、経血量が増加する、レバー状の血の塊が出る、貧血になるなどが挙げられるのですが、そのほかにも、筋腫のせいでおなかがポッコリする、腰痛が現れる、膀胱が圧迫されてトイレの回数が多くなるなど、筋腫(コブ)の肥大化によって体に影響が及ぶケースもあるそうです。 ※子宮筋腫が大きかったり、筋腫の影響で子宮内腔の形がいびつになっていたりすると、受精卵が着床しにくくなったり、流産、早産の原因となることもあります。筋腫の数も少なく、サイズも5〜6cm以下であれば問題なく出産できるケースのほうが多いため、心配しすぎる必要はありません。筋腫の大きさや位置によって不妊につながっている場合には、その部分だけを取り除く手術がおこなわれる場合もあります。7〜8cmくらいの大きさになっていれば、切除してから妊娠に臨むほうがおすすめです。 最初にかかった婦人科で鉄剤とホルモン剤(レルミナ)を処方され、それらを3カ月ほど服用し続けたしまむらさん。体調が以前よりも良くなったタイミングを見計らって、総合病院へ転院することになりました。これからいよいよ子宮筋腫の本格治療ーーつまり手術に向けた準備が始まります。 主治医となったのは、会話の中で「うんうん」と相槌を連発する、若い医師でした。主治医の見立てによると、しまむらさんの場合は子宮筋腫の切除をするために開腹をおこなう必要はなく、おなかに小さい穴を開けておこなう腹腔鏡手術で済むそう。ただし、内部組織の癒着が見つかったときには開腹手術に切り替えるようです。 それから1カ月後、しまむらさんはMRI検査を受けるため、再び総合病院を訪れます。MRI装置を前にしたしまむらさんは「まるで宇宙旅行だな」と感じたのだとか。言われてみればスペースシャトルも閉鎖空間で近未来的ですし、MRIから発する「シュンシュンシュン」という音も、どこかSFのような雰囲気があるかもしれませんね。 子宮筋腫は「良性疾患」と言われており、悪性化することはほとんどありません。ただし、手術時に切り取った病変部位を検査に回した結果、実は悪性だったというケースもまれにあるそう。しまむらさんはそれを理解した上で、「治療を急ぐものではないので気楽にのんびり通院しよう」と考えました。 治療が長期にわたる場合、「もう治療を続けるのがしんどい」と次第にモチベーションが下がってしまう方も多くいると思いますが、しまむらさんのように最初から「気楽にのんびり通院しよう」と考えると、長い闘病生活であっても安定したメンタルで過ごせるのかもしれませんね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター しまむらゆきえ
2023年04月29日子宮頸がん検診を受けた際に、高リスク型HPVが見つかった生野甲さん。人生初となる子宮の手術をするにあたって感じたことを、実体験をもとに描きます。 メンタルが落ち込んだ夜子宮頸がん検診で引っかかってしまい、精密検査(HPV検査)を受けた生野さん。医師に「HPV検査の結果、高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出されました」と宣告され、子宮の手術を受けることになりました。それからの生野さんは、仕事をしていても家事をしていても、心のどこかにずっと暗い気持ちがあって……。 職場の同僚たちが「あの上司ポンコツだよね〜」と悪口を言っていて、自分のことでないとわかっていても、心が少し傷ついてしまった生野さん。心がざわっとして「さっさと帰ろう」と考えていると、陽キャの男性に「そのマフラーかわいいっすね!」と急に距離を詰められ、生野さんのメンタルはさらに疲れてしまいます。 生野さんにとって自宅は、誰にも邪魔されず気ままに行動できる安心空間。帰宅したあとに「結局のところ、ひとりでいるのが1番落ち着くんだよなあ」と考えていたのですが……、日々のルーティーンであるお皿洗いをしているときに心のモヤモヤがピークに達し、涙がこぼれてしまいます。 生野さんにお伺いしたところ、病院で前がん段階と宣告され子宮頸部円錐切除術をすることが決まったことで、「子宮頸がんに進展するかもしれない」とのおそれから、死への漠然とした恐怖を感じるようになったそうです。手術をすると決まってからの日常生活では、ずっと暗い感情がどこかにあって、無意識のうちに自分を責める癖がついてしまったのだとか。 時に、事実を事実として受け入れるのはとても難しいことですよね。受け入れるまでの過程には段階があって、受容までの時間も人それぞれで、段階通りにスムーズに進むわけではありません。突然、「前がん段階です」と宣告された生野さんが暗い感情を抱き、無意識のうちに自分を責めてしまうのも、決しておかしいことではないと思います。 自分の思いを表出するのは難しいと考える人もいるかもしれませんが、支えになってくれる人は必ずいるはずです。それは、身近な存在である家族や恋人、友人かもしれないし、医療の専門家かもしれませんね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 生野甲さんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター 生野甲
2023年04月28日2012年に子宮頸がんが判明した、はたの有咲さんが子宮頸がんだと診断されるまでを描いたマンガを紹介します。当時41歳だったはたのさんが子宮頸がんに気付いたきっかけは、夫婦生活の際に出血してしまったことでした。検査をしたところ高度異形成(こうどいけいせい)というがんの手前の状態であることが判明し、円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)という手術を受けました。切除した部分を病理検査に出したところ、がんだと判明して……。★前の話病理検査の結果、子宮頸がんであることが判明したはたのさん。一度はがんではないと診断されていたため、とても驚いてしまいました。主治医のO先生との電話を終え、まずは夫に連絡することに。妻ががんだと知った夫の反応は一体。O先生から「病理検査の結果、子宮頸がんであることが判明した」という電話をもらい、その場で子宮を摘出する手術日を決めました。ショックを受けていたものの驚く気持ちのほうが大きく、不思議と涙は出てきませんでした。夫に連絡をすると「それは治してもらわなあかんなー」と焦りまくる私とは正反対に冷静な様子。そんな夫の冷静さに私も気持ちが落ち着き、手術日など伝えることができました。その後、母や妹に連絡をして仕事も調整することに。妹は私が子宮を摘出すると聞き、セカンドオピニオンを勧めてくれました。しかし、O先生の様子からそんなにいい状態ではないのだろうと思ったのでセカンドオピニオンは受けないことにしました。円錐切除術を受け、すっかり治療が終わったつもりだった私ですが、本当の治療はここからでした。手術だけではなく、放射線治療や夫婦関係の変化など……がんが治るまでの目まぐるしい日々が始まりました!--------------子宮頸がんであることが判明し、子宮の摘出をおこなうことが決まったはたのさん。そのことを聞いた家族は驚いたりする一方で冷静だったり……反応はさまざまでした。子宮頸がんと闘うことになったはたのさんを家族にはしっかりと支えてもらいたいものですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。■コミックス情報「私が子宮頸がんを乗りこえた話」著者:はたの有咲定価:150円(税抜)出版社:秋水社ORIGINAL★関連リンク:「私が子宮頸がんを乗りこえた話」(WEB)秋水社公式ページ(外部サイト)©︎はたの有咲/秋水社著者/はたの有咲(52歳)マンガ家で3姉妹の母。子宮頸が(IB1期)の治療から11年が経過。治療経験を描いたマンガを描いている。「mini SUGAR」にて4コママンガを連載中。
2023年04月27日子宮頸がん検診を受けた際に、高リスク型HPVが見つかった生野甲さん。人生初となる子宮の手術をするにあたって感じたことを、実体験をもとに描きます。 人生の重大宣告を受けたのは冬祭りの日だった その日は冬祭り。多くの人々が街に繰り出し屋台や花火などの催し物を楽しむ中、生野さんは静まり返った婦人科で重大な宣告を受けていました。 「HPV検査の結果、高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出されました」「子宮の表面を削る手術をしましょう」 突然の宣告に頭が追いつかず、医師に「手術日はいつにしますか?」と聞かれても事の重大さがよくわからない生野さんは、「すみませんが家族と相談してからでもいいですか?」と答えるので精一杯。病院の外に出ると肌に突き刺さるような冷たい風が吹いていて、「あぁ……これは現実なんだ」と実感します。 生野さんは、以前に受けた子宮頸がん検診の細胞診(子宮頸部の細胞を採取して顕微鏡で調べる検査)で引っかかり、「精密検査を受けるように」と指示されていました。そして今回、精密検査(=HPV検査:採取した細胞が子宮頸がんの原因であるHPVウイルスに感染しているか調べる検査)の結果が判明したというわけです。結果は「高リスク型HPVと呼ばれるウイルスが検出された」とのこと。 ちなみに、HPVとは「ヒトパピローマウイルス」の略称で、HPVは性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で1度は感染するとされているウイルスです。HPVは100種類以上の型があり、少なくともそのうちの13種類が発がん性であるとわかっています。つまり、生野さんの場合もHPV検査でこの13種類のうち、いずれかのウイルスが発見されたということです。 昨今では、20〜40代で子宮頸がんになる人が急増しているそう。初期にはほとんど自覚症状がないようで、早期発見のためには定期検診がカギになります。20代以上の方に対し、政府は2年に1回の検診を推奨していますので、少しでも不安に思う方は、子宮頸がん検診を一度検討してみてはいかがでしょうか。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 生野甲さんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター 生野甲
2023年04月26日2021年春。子宮筋腫による重症貧血のため、しまむらさんは子宮全摘手術を受けました。同じような症状に悩んでいる方や受診に抵抗のある方に向け、自分の体と向き合うことの大切さをマンガを通じて語ります。 長期戦となる治療の始まり 2021年の春、子宮全摘手術を受けたしまむらゆきえさん。きっかけは43歳ごろに子宮筋腫が巨大化し重症貧血になったことでした。実は以前から子宮筋腫はあったものの6cmほどの大きさで経過観察となっていたのですが、42歳のころに経血が水っぽくなり量が増え、43歳を過ぎたあたりで生理になるとレバー状の血の塊が出るように。 44歳になったしまむらさんは「これはおかしい」と思いながら婦人科の定期検診に訪れます。すると、子宮筋腫が10cmほどの大きさに肥大し、過多月経になっていると言われてしまったのです。さらに医師から顔色が悪いと言われ血液検査を受けたところ、ヘモグロビン値は6.9g/dlで「重症貧血」との診断が下されます。その後、医師から今後の治療方針についての提案が。一旦はホルモン剤や鉄剤で子宮筋腫と貧血の治療を進め、良きタイミングで大きな病院に転院して本格治療を始めることになりました。 産婦人科医と相談し、数あるホルモン剤の中から、しまむらさんは「レルミナ錠(子宮筋腫の治療薬として認められているホルモン剤)」を選択し、鉄剤とともに服用を開始。エストロゲンを低下させて閉経状態にする作用があるレルミナ錠は、子宮筋腫の縮小が期待できる薬です。貧血や月経過多にも非常に有効ですが、副作用としてのぼせや発汗、抑うつなど、更年期に似た症状が出るおそれがあります。 子宮筋腫と判明しても今すぐ手術するほどの緊急性がないときは、経過観察となるか、内服や注射で長期的に治療をします。具体的な治療法としては、リュープリン注射やレルミナ錠、ミレーナ、低用量ピルなどです。しかし、筋腫のサイズが10cmを超えたときや、過多月経や疼痛で生活に支障が生じている場合は、手術を検討しなければなりません。その際、ホルモン剤を一定期間服用して、ある程度筋腫を小さくしてから手術に移行するケースもあります。 このように、子宮筋腫では「閉経間近だからホルモン剤で更年期状態にしてもいい」「妊娠を希望しているから子宮全摘は避けたい」など、その方の年齢や体質、状況に応じて、最適な治療法が異なります。自分に合った治療法を信頼できる医師と一緒に考えることが大切です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター しまむらゆきえ
2023年04月25日2012年に子宮頸がんが判明した、はたの有咲さんが子宮頸がんだと診断されるまでを描いたマンガを紹介します。当時41歳だったはたのさんが子宮頸がんに気付いたきっかけは、夫婦生活の際に出血してしまったことでした。検査をしたところ高度異形成(こうどいけいせい)というがんの手前の状態であることが判明。円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)という手術を受け、もう大丈夫だと思っていたのですが……。★前の話婦人科で高度異形成の診断を受けたはたのさんは、総合病院を紹介されました。総合病院で命の恩人となるO先生と出会い、円錐切除術を受けることに。無事に手術を終え、もう大丈夫だと信じきっていたはたのさん。しかし病理検査の結果は、はたのさんが思っているよりも深刻なものでした。私は円錐切除術で子宮頸部の一部を切り取ることになりました。1泊2日の入院で手術時間は30分と、比較的簡単な手術だったため、そんなにおびえることもありませんでした。何より、自分はがんではなかったという事実が不安を消してくれていたので、入院中も明るく元気に過ごすことができました。看護師さんにもこんなに元気な患者さんを見るのは初めてと言われるくらい元気で、退院してからも何事もなく生活していました。手術で切り取った部分は病理検査に出すと言われていました。もうすっかり完治した気分で結果が出るのを待っていたところ、突然病院から電話が。手術をしてくれたO先生はとても焦った様子で「病理の結果、がんになっていました! 子宮頸がんです!」と言ったのです。高度異形成じゃなかったの? 手術もしてもう大丈夫だと思っていたのに……急に「自分が子宮頸がんである」という事実を突きつけられ、どうしようもなくなってしまいました。信じられない気持ちでいっぱいでしたが、その場で今後の治療について説明され、手術日を決めることに。あまりの展開でショックよりも驚きのほうが大きかったです。--------------がんではないと安心していたはたのさんを襲った子宮頸がんという病気。このときのはたのさんの気持ちはとても複雑だったのではないでしょうか。手術をして大丈夫なはずなのに……なんだかやるせない気持ちになってしまいますね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。■コミックス情報「私が子宮頸がんを乗りこえた話」著者:はたの有咲定価:150円(税抜)出版社:秋水社ORIGINAL★関連リンク:「私が子宮頸がんを乗りこえた話」(WEB)秋水社公式ページ(外部サイト)©︎はたの有咲/秋水社著者/はたの有咲(52歳)マンガ家で3姉妹の母。子宮頸が(IB1期)の治療から11年が経過。治療経験を描いたマンガを描いている。「mini SUGAR」にて4コママンガを連載中。
2023年04月25日2012年に子宮頸がんが判明した、はたの有咲さんが子宮頸がんだと診断されるまでを描いたマンガを紹介します。当時41歳だったはたのさんが子宮頸がんに気付いたきっかけは、夫婦生活の際に出血してしまったことでした。検診を受けた結果、再検査になってしまい不安を抱えていたはたのさん。がんだったらどうしようという気持ちで病院へ検診の結果について説明を聞きに行くと……。★前の話市から配布されたクーポンを使い、検診を受けたはたのさん。検診の結果が出るのを待っていたところ、病院から「再検査です。すぐに来てください!」と電話がかかってきました。再検査という言葉に大きな不安を抱き、はたのさんは夜も眠れませんでした。婦人科で結果を聞いたところ、高度異形成(こうどいけいせい)だと言われました。子宮頸がんの検診で再検査になり「自分はがんなのかもしれない」と思い、どうしようもないくらい不安になりました。再検査の連絡があった日は娘たちと一緒に泣き、目を腫らしながら病院へ行きました。結果は高度異形成という、がんの一歩手前の状態でした。どうやらがんになるのはまれなことのようで、ひとまず心配はないということなのだそう。円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)という子宮頸部の一部を円錐型に切り取る手術を受けることになりました。婦人科から紹介されて総合病院へ。この病院で出会ったO先生は、私の命の恩人でこれからたくさんお世話になることになる先生。再検査の結果も検診と同じく高度異形成とのこと。手術も30分程度で終わるらしく、本当に簡単な手術のようでした。切除した部分は病理検査をするそうで、その結果でまた治療も変わってくるとのことでした。入院も1泊2日と短期間だったため、その場で手術の日を決めて帰宅しました。--------------検診と再検査の結果、がんの手前である「高度異形成」であると診断されたはたのさん。がんではなくてよかったと安心したのもつかの間。円錐切除術という手術を受けることになりました。検査などの結果が、自分が思っているよりもいい結果だと安心しますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。■コミックス情報「私が子宮頸がんを乗りこえた話」著者:はたの有咲定価:150円(税抜)出版社:秋水社ORIGINAL★関連リンク:「私が子宮頸がんを乗りこえた話」(WEB)秋水社公式ページ(外部サイト)©︎はたの有咲/秋水社★関連記事:同じ会話を繰り返す父。高次脳機能障害の影響を初めて実感して #預金資産ゼロの父が倒れた話 60★関連記事:「私のこと!?」夫婦生活後に出血が…がんかもしれないと気付き #子宮頸がんを乗り越えた話 1著者/はたの有咲(52歳)マンガ家で3姉妹の母。子宮頸が(IB1期)の治療から11年が経過。治療経験を描いたマンガを描いている。「mini SUGAR」にて4コママンガを連載中。
2023年04月23日2012年に子宮頸がんが判明した、はたの有咲さんが子宮頸がんだと診断されるまでを描いたマンガを紹介します。当時41歳だったはたのさんが子宮頸がんに気付いたきっかけは、夫婦生活の際に出血してしまったことでした。性交時の出血はがんの可能性があるという情報を目にし、子宮頸がんの検査を受けることに。再検査という結果に、はたのさんは悪い予感しかせず……。★前の話夫婦生活時に出血することがあったはたのさんが雑誌で目にしたのは、「子宮頸がんが進行すると性交時に出血をすることがある」という情報でした。そこで市で配られたクーポンを使い、検診を受けることにしました。検査から1週間後、婦人科から電話があり再検査を受けるように言われてしまいました。再検査という事実に、はたのさんは悪い予感しかありませんでした。意を決して婦人科に行ったのはいいものの、どこか気恥ずかしさがあり夫婦生活で出血したとは言えず、不正出血があったというふうに言いました。検査も無事に終わり、市からもらったクーポンも無駄にしなくて済んだ! と気楽に過ごしていたのですが……病院から「再検査です。すぐに来てください!」と電話がかかってきました。もしかしたら雑誌にあったように、出血はがんが原因だったのかもれない。がんだったらどうしよう、と一気に不安が押し寄せてきました。再検査と言われただけで、何もない可能性もあるのに私の中には悪い予感しかなく……。思わず夕飯中に泣いてしまいました。初めは「大丈夫やってー」と私を慰めてくれていた娘たち。しかし、涙を抑えることができない私につられて娘たちも泣きだしてしまい、楽しいはずの夕食タイムはお通夜ムードに。ポジティブな夫は「大丈夫や!」と明るく振る舞っていましたが、私は不安で夜も眠れなくなってしまいました。--------------婦人科で検診を受けたところ、再検査という結果になってしまったはたのさん。たしかに再検査と聞くと「どこか悪いところがあるんだ」「大きな病気なのではないか」と不安になってしまいます。ですが、はたのさんの夫のように励ましてくれる人がいると、気持ちも少しはラクになりますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。■コミックス情報「私が子宮頸がんを乗りこえた話」著者:はたの有咲定価:150円(税抜)出版社:秋水社ORIGINAL★関連リンク:「私が子宮頸がんを乗りこえた話」(WEB)秋水社公式ページ(外部サイト)©︎はたの有咲/秋水社著者/はたの有咲(52歳)マンガ家で3姉妹の母。子宮頸が(IB1期)の治療から11年が経過。治療経験を描いたマンガを描いている。「mini SUGAR」にて4コママンガを連載中。
2023年04月21日ある日、姉に「無料だし、子宮頸がん検診に行こうよ」と誘われた、にゃちさん。「どんな検査だろう…痛くないといいな」と不安を抱きながらも、姉に着いていくことに。すると、意外な結末が待っていました。 どうにかトイレを出て、ようやく姉と合流!お姉さんに誘われ、バス内でおこなわれる無料の子宮頸がん検診に訪れたにゃちさん。内診台にあがって検査を受けたのですが、専用のブラシで子宮頸部の細胞を採取する際に、出血してしまいました。検査後、出血量に驚いたにゃちさんはトイレの個室で迷走神経反射のような反応を起こし、頭がクラクラして立ち上がれない状態に。それでもどうにかトイレから脱出し……。 しばらく休んでいるうちに、どうにか立ち上がれるようになったにゃちさんは、まだフラフラの状態ではありますが、ゆっくりとした足取りで手すりに掴まりながらお姉さんの姿を探します。そして、ようやくお姉さんと合流。顔面蒼白になったにゃちさんを見て、お姉さんは「どうしたの!?」と慌てた表情です。そのあと、お姉さんは「ちょっと休もう」と言ってにゃちさんの体を支え、横になれる場所へと連れて行ってくれました。 お姉さんが買ってきてくれた飲み物を飲みつつ、横になってしばらく休むことにしたにゃちさん。数分ほど経つと、めまいや視界不良はなくなり、ひとりで帰れるほどにまで回復したので、このあとは自分で車を運転して帰宅したそうです。 今回、お姉さんに誘われた子宮頸がん検診で出血してしまい、そのショックで迷走神経反射を起こしてしまったにゃちさん。迷走神経反射は、有名な例でいうと「注射をされる恐怖で意識を失う」といったケースがありますが、きっかけは人によってさまざまです。にゃちさんの体験談から、子宮頸がん検診による出血がきっかけで、迷走神経反射が起きてしまうケースもあるとわかりました。 にゃちさんが今回受けた子宮頸がん検診は、子宮の入り口に器具を入れたりはするものの、ほぼ痛みのない検査と言われています。にゃちさんのように検診後に出血するケースもありますが、あくまで少量で、数日のうちにおさまるものです。にゃちさんは今回の検診で出血トラブルに見舞われてしまったものの、子宮頸がん検診そのものは怖いものではないのだと、皆さんには覚えておいていただけたらと思います。 監修/助産師 松田玲子 ※この記事は実話に基づいた体験談であり、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 にゃちさんのマンガは、このほかにもInstagramで読むことができます。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター にゃち
2023年04月21日ある日、姉に「無料だし、子宮頸がん検診に行こうよ」と誘われた、にゃちさん。「どんな検査だろう…痛くないといいな」と不安を抱きながらも、姉に着いていくことに。すると、意外な結末が待っていました。 何度も立ち上がろうとするものの…お姉さんに誘われ、バス内でおこなわれる無料の子宮頸がん検診に訪れたにゃちさん。内診台にあがって検査を受けたのですが、専用のブラシで子宮頸部をこすって細胞を採取したあと、出血が起きてしまいました。ナプキンを持っていないにゃちさんは、一旦トイレの個室に避難し、お姉さんに助けを求めようとします。しかし、便座に座った瞬間に頭がクラッとし、視界も歪んできて……。 子宮頸がん検診を受けたあと、出血に見舞われてしまったにゃちさん。あいにく手元にはナプキンがないのでこのままでは下着もスカートも汚れてしまうと思い、慌ててトイレの個室へ。お姉さんに連絡して助けにきてもらおうとしますが、検査による出血で脳がパニックに陥ってしまったのか、便座に座った瞬間に迷走神経反射が起こり、めまいに襲われてしまいます。 そのまま、頭がクラッとして床に倒れ込んでしまったにゃちさん。何度も起きあがろうとしますが、フラフラしてうまく体を起こせません。一方そのころ、検査を終えたお姉さんはにゃちさんの姿を探すものの見つからず、「どこに行ったんだろう? まだ終わってないのかな? 連絡もきてないな〜」とウロウロしていました。 迷走神経反射が起こると、その場で失神してしまうケースもあります。トイレの個室だと気を失ってしまったとしても見つかりにくいので、どうにか個室の中から出て、誰かが通りかかる場所まで行ったほうがよさそうです。気分が悪くなったときには、近くの医師や看護師さんに声をかけるのが1番ですが、非常事態で気持ちが不安になっている今は、少しでも安心できるよう、一刻も早くお姉さんと合流したいですね。 監修/助産師 松田玲子 ※この記事は実話に基づいた体験談であり、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 にゃちさんのマンガは、このほかにもInstagramで読むことができます。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター にゃち
2023年04月20日ある日、姉に「無料だし、子宮頸がん検診に行こうよ」と誘われた、にゃちさん。「どんな検査だろう…痛くないといいな」と不安を抱きながらも、姉に着いていくことに。すると、意外な結末が待っていました。 急いでトイレの個室に入ったものの…お姉さんに誘われ、バス内でおこなわれる無料の子宮頸がん検診に訪れたにゃちさん。内診台にあがって細胞診(専用のブラシやヘラで子宮頸部をこすって細胞を採取し、その細胞を顕微鏡で調べる検査)を受けているとき、刺激となってしまったのか、中から出血してきてしまいました。医師は「少し出血したようです。すぐに止まりますからね〜」と言うのですが、下着についた鮮血を見てにゃちさんは不安になってしまい……。 にゃちさんは「思ったより出血量が多いのですが大丈夫でしょうか?」「ナプキンはありませんか?」と医師に尋ねようとしたのですが、どうやら次の患者さんの検査に移ってしまったよう。この状況では、強引に声をかけることもできません。 ーーナプキンも持ってきていないし、このままだと下着だけじゃなくスカートまで汚れてしまう……! 一旦、トイレに避難してお姉ちゃんに助けてもらおう! そう考え、早足でトイレに向かうにゃちさん。すると、トイレの個室に入って腰をおろした瞬間……頭がクラッとして、視界が「ぐわんぐわん」と歪んできてしまいました。 これは、助産師さんいわく『迷走神経反射』ではないかとのこと。迷走神経反射とは、緊張やストレスなどのさまざまな要因によって副交感神経が活発になり、血圧の低下や脈拍の減少が起こった結果、失神してしまうことです。有名な例としては、注射のあとに痛みや恐怖が引き金となって失神してしまうケースが挙げられます。失神する前には、前兆として頭痛や頭重、吐き気や嘔吐、腹痛、冷や汗、視界不良(目の前が真っ暗になったり揺れて見えたりする)などの症状が現れるのだとか。 意識を失いそうになったときには、まずその場でしゃがんだり横になったりすることが大切です。また、血行を良くすることが症状の改善につながるので、横になっているときは足を高くあげ、座っているときには両足を組むといいのだとか。ただし、助産師さんいわく、にゃちさんの場合は気を失ったときに周囲に気付かれにくいトイレの個室にいるので、こういった状況では意識を失ってしまう前に、勇気を出して周りの誰かに声をかけたほうがいいそうです。 監修/助産師 松田玲子 ※この記事は実話に基づいた体験談であり、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 にゃちさんのマンガは、このほかにもInstagramで読むことができます。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター にゃち
2023年04月19日2012年に子宮頸がんが判明した、はたの有咲さんが子宮頸がんだと診断されるまでを描いたマンガを紹介します。当時41歳だったはたのさんが子宮頸がんに気付いたきっかけは、夫婦生活の際に出血してしまったことでした。出血したときはなんともないと思っていたようでしたが、その後雑誌を見ていると衝撃の情報を目にして……。★関連記事:どんな夫婦にでも起こる? がんの治療後、立ちはだかったのは夫婦生活の壁 #子宮頸がんとレス 140代を過ぎても夫婦生活があるくらい仲の良いはたのさん夫婦。ある日、夫婦生活後にはたのさんは出血を起こしてしまいました。しかし婦人科の受診をためらってしまったはたのさん。その後、雑誌で「子宮頸がんが進行すると性交時に出血をすることがある」という情報を目にしたのでした。子宮頸がんとは、年齢を問わず性交経験のある女性なら誰しもがなり得る可能性がある病気です。私は夫しか知りませんが、子宮頸がんになってしまいました。夫は夫婦生活時に私が出血することを心配して、病院に行ったほうがいいと勧めてくれましたが、婦人科を受診するのはどうにも恥ずかしく……。出血もそのときだけなので、私は大丈夫だろうと思い病院へは行かずにいました。そんなある日、雑誌で子宮頸がんについて特集されているのを見つけました。そこには「がんが進行すると性交時に出血する」という情報が書かれていました。もしかして……私のこと!? と不安になり、ちょうど住んでいる市から検診のクーポンが届いていたこともあり、病院を受診することにしました。もしも、出血に気付いた時点で病院に行っていれば……。過ぎたことを後悔しても仕方ありませんが、もっと早く受診していれば何か違ったかもしれないと思うと、過去に戻りたい気持ちでいっぱいになってしまいます。--------------夫婦生活時に出血することがあり、もしかしたら子宮頸がんかもしれないと思ったはたのさん。出血に気付いたとき、すぐに病院に行っていれば……と後悔する気持ちがありましたが、婦人科の受診を恥ずかしいと思ってしまったのだとか。自分のためにも受診への一歩を踏み出すことはとても大切ですよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。■コミックス情報「私が子宮頸がんを乗りこえた話」著者:はたの有咲定価:150円(税抜)出版社:秋水社ORIGINAL★関連リンク:「私が子宮頸がんを乗りこえた話」(WEB)秋水社公式ページ(外部サイト)©︎はたの有咲/秋水社著者/はたの有咲(52歳)マンガ家で3姉妹の母。子宮頸が(IB1期)の治療から11年が経過。治療経験を描いたマンガを描いている。「mini SUGAR」にて4コママンガを連載中。
2023年04月19日ある日、姉に「無料だし、子宮頸がん検診に行こうよ」と誘われた、にゃちさん。「どんな検査だろう…痛くないといいな」と不安を抱きながらも、姉に着いていくことに。すると、意外な結末が待っていました。 すんなり終わった検査。しかし着替えようとすると…お姉さんに誘われ、バス内でおこなわれる無料の子宮頸がん検診に訪れたにゃちさん。ドキドキしながら内診台にあがると、医師の「それじゃあ検査しますね」という掛け声とともに検査が始まったのですが……。 医師の「じゃあ始めますね〜」の掛け声とともに、何かの器具が腟内に挿入されます。これは細胞診(専用のブラシやヘラで子宮頸部をこすって細胞を採取し、その細胞を顕微鏡で調べる検査)といい、数秒ほどで終わる検査です。ブラシでこすっている最中、ふいに医師が「あっ」と声を漏らします。 その後、「ちょっとだけ出血があるけどすぐに止まるからね〜」と案内され、子宮頸がん検診は終了。緊張したわりに痛みもなく、思ったより早く終わったことで、にゃちさんは「なんだ、楽勝じゃん!」と安堵しました。しかし、着替えようとしたときに下着のクロッチ部分にヌルッとした感触があり、ふと見てみると……そこには鮮血が付いていたのです。 実は、子宮頸がん検診を受ける際の注意事項として、「検診後は少量のにじむような出血が2〜3日間続く場合がある」のだとか。細胞診の過程でブラシやヘラで子宮頸部をこすったとき、まれに出血をしてしまうケースがあるそうです。どうやら、にゃちさんも細胞診のときに出血してしまったようですね。 出血があった場合の対処法としては、出血は数日で止まることがほとんどなので、まず数日間は様子見となります。数日経っても出血が続いたり、出血量が増えたり、腹痛や発熱が見られたりした場合は、医師に相談が必要となります。子宮頸がん検診を今後受けられる予定がある方は、出血があったときに慌てないためにも、覚えておくといいかもしれませんね。 監修/助産師 松田玲子 ※この記事は実話に基づいた体験談であり、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 にゃちさんのマンガは、このほかにもInstagramで読むことができます。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター にゃち
2023年04月18日ある日、姉に「無料だし、子宮頸がん検診に行こうよ」と誘われた、にゃちさん。「どんな検査だろう…痛くないといいな」と不安を抱きながらも、姉に着いていくことに。すると、意外な結末が待っていました。 初めての子宮頸がん検診 ある日、お姉さんに突然「バスでやっている子宮頸がん検診、無料らしいから一緒に行くで!」と誘われ、半ば強引に連れて行かれることになったにゃちさん。 説明にもあるとおり、子宮頸がん検診とは子宮の入り口(=子宮頸部)を調べる検査です。 検査内容は、以下の4つになります。 ● 問診(最終生理はいつか・妊娠出産経験はあるかなど医師が質問します)● 視診(クスコと呼ばれる器具を子宮に入れて中を確認します)● 内診(医師が片方の指を腟内に入れ、もう片方の手でおなかを押して子宮や卵巣の大きさを確認します)● 細胞診(専用のブラシで子宮頸部をこすって細胞を採取し、顕微鏡で調べます) にゃちさんは以前、会社の健康診断で子宮の検査を受けたことがあるのだとか。でも、婦人科の検査にはあまり慣れていなくて「子宮頸がん検診って……どんな検査をするんだろう」と不安な気持ちでいっぱいでした。ドキドキしながら内診台に寝かされ、医師の「じゃあ検査しますね」の声とともに、いざ検査がスタート。 20歳以上の女性は2年に1度、子宮頸がん検診を受けることが国から推奨されています。がんの早期発見のためにも、にゃちさん姉妹のように、定期的な検診を意識するのがいいかもしれませんね。 監修/助産師 松田玲子 ※この記事は実話に基づいた体験談であり、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 にゃちさんのマンガは、このほかにもInstagramで読むことができます。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター にゃち
2023年04月15日大腸がんによる死亡者数が増え続けている。日本では女性の6人に1人ががんで亡くなっているが、なかでも大腸がんはもっとも多く、2021年には2万4千338人(男性は2万8千80人)が命を落としている。「今から50年ほど前までは、大腸がんの手術があると、医師たちは『珍しいね』と言っていたほど。1963年の統計によると、大腸がんで亡くなった女性は2千953人ですから、60年間でおよそ10倍に膨れ上がりました」とは、国立がん研究センター中央病院大腸外科の金光幸秀先生。女性の部位別がん罹患数でも大腸がんは乳がんに次いで2位。2019年に大腸がんと診断された女性は6万7千753人(男性は8万7千872人)にのぼる。1975年の推定患者数は8千867人だから、こちらも半世紀あまりで7倍以上に……。「先進国で日本だけが罹患率、死亡率が高くなっています。たとえばアメリカでは、1970年代から国をあげてがん撲滅に乗り出し、大腸がんは1990年代から患者数・死亡者数ともに減少を続けています。とくに死亡率低下に寄与したのは内視鏡を含めた大腸のスクリーニング検診が受けやすくなったこと。50~75歳の人は無料で大腸がん検診を受けられるようになり、70%近くが受診しています」(金光先生、以下同)大腸がんの死亡者数を減らすためにも大腸がん検診(便中の血液の有無を調べる便潜血検査や内視鏡による精密検査)の受診率を上げていくことが大切だ。「大腸がんは、早期に発見することができれば、内視鏡や外科治療(手術)による切除で、ほとんど治癒が可能な病気。進行したがんが治ることも珍しくありません」ところが、日本人の大腸がん検診の受診率は、40~69歳の女性で40.9%(男性47.8%)にとどまっている。さらに新型コロナウイルスの感染禍で受診者数も激減し、コロナ前(2019年)と比べると、2020年は23.3%、2021年も9%少なくなっている。「大腸がんは進行度によって0期からIV期に分類されます。がんが大腸壁の粘膜層にとどまる0期の5年生存率は97.6%ですが、II期、III期と進行するにつれて、生存率は低下していきます。国内では年間約15万5千人が大腸がんと診断されますが、その2割弱が、肺や肝臓に転移し、もっとも進行した状態のIV期(5年生存率20.2%)。コロナ禍による大腸がん検診の受診控えで、早期発見ができないケースのさらなる増加が危惧されます」■初期の大腸がんには自覚症状がない!手遅れになって死なないためにも、大腸がんという病気を正しく理解することが重要だ。「大腸内壁の粘膜にできる悪性腫瘍である大腸がんは、発生した部位別に直腸がんと結腸がんに分けられます。日本人では肛門に近い直腸とS状結腸にできるがんが6割ほどですが、女性の場合は、盲腸から横行結腸にかけても、がんができやすい傾向があります。また近年は、直腸がんより結腸がんが徐々に増えています」そんな大腸がんの発生パターンには2種類あるという。「1つは大腸の粘膜にできたポリープが発がん刺激を受けた結果、悪性化してがんに変わってしまうパターン(ポリープ型)。ポリープは胃や鼻、子宮など粘膜のある場所ならどこにでもでき、それ自体は良性です。しかし大腸でできるポリープには腺腫というがんに変わるものがあるのです。もう1つは正常な粘膜に突然、がんが発生するパターン(デノボ型)。初期は平面のため、ポリープと比べて見つかりづらいうえ、進行も速いのが特徴です」ポリープから発生する大腸がんが多いそうだが、いずれにしても粘膜の表面に発生したがんは増殖を続けていく。「そのままにしていると、次第に大腸の壁の奥に入り込んでいく『浸潤』が起こります。大腸壁の筋層(固有筋層)より深く広がったものを進行がんといい、周辺のリンパ節や、肝臓、肺などほかの臓器に転移したりします。とはいえ、大腸がんは進行速度が遅いのが特徴。1cmの大きさになるまで8年かかるといわれ、“比較的、性質のよいがん”とされています」ただし、初期の大腸がんは自覚症状がないため、注意が必要。「進行すると大腸の粘膜表面に潰瘍ができて出血し、貧血が続いたり、便に血液が付着したりします。また、がんで腸管が狭くなり、便が細くなったり、通りが悪くなることも。これらの症状が出ている場合は、専門の医療機関で検査を受けてください」下血や血便が起こる痔と間違えて、大腸がんを見過ごしてしまうことも多いため、自己判断をせず検査を受けることが大切だ。「女性の場合、発症リスクが上がる40歳以降は毎年1回の便潜血検査を受け、陽性の場合は、必ず大腸内視鏡検査など精密検査を。大腸がんの2分の1から4分の3は、便潜血検査で発見できるとされています。また死亡率が高くなる50歳になったら、便潜血検査に加え、1度は精密検査を受けてください。とくに大腸内視鏡検査は、ポリープを見つけることができ、その場で切除治療も可能。これにより死亡率が下がるというデータも報告されています」■ 赤肉や加工肉の摂取で 発症リスクが上がる大腸がんが“比較的、性質のよいがん”であるとはいえ、かからないに越したことはない。どんな人がなりやすいのだろうか?「ハワイの日系移民を対象とした研究報告によると、彼らは日本人よりも大腸がんの罹患率が高く、欧米の白人とほぼ同じ結果でした。このことから、人種や遺伝的な要因より、食習慣による影響が大きいと考えられています」日本人に大腸がんが増えた理由の1つとしても、食生活の欧米化はいわれている。「大腸がんが少なかった時代、日本人の多くは、食物繊維を含む野菜や海藻、きのこ、穀類などが中心の食事をしていました。ところが豊かになるにつれ、食物繊維の取れる食事が減少し、肉類や脂肪の多いメニューが増えていったのです。動物性タンパク質や脂質は消化に時間がかかるため、大腸内での便の滞留時間が長くなります。これが腸内環境を悪化させ、大腸がんの増加につながっているのではないかといわれているのです。また、脂肪を分解するために、発がん促進作用のある二次胆汁酸が多く分泌され、大腸粘膜が傷つき、発がんが促進されるという説もあります」米がん研究協会では、赤肉(牛肉や豚肉)や、ハム、ベーコン、ソーセージなどの加工肉を食べすぎると「確実に大腸がんのリスクが上がる」と判定。赤肉は週500g以内、加工肉はできるだけ摂取を控えるよう勧告している。国立がん研究センター予防研究グループも、とりわけ女性は赤肉や加工肉で大腸がんのリスクが上がる可能性があると示している。「大腸がんになりやすくなる要因として、喫煙や過剰飲酒、運動不足、男性では肥満が挙げられます。また、大腸がんになった家族がいる人もリスクが高い傾向です。さらに大腸がんに限らず、がん自体が高齢になるとかかりやすい病気。老化の影響も大きいといえます」ほかに糖尿病や高血圧症といった生活習慣病、ストレスの多い生活などによっても、大腸がんのリスクは高まるようだ。食生活や生活習慣を見直して予防する、定期的な検診で早期発見するー。大腸がんで命を落とさないために、今日から心がけたい。
2023年03月15日更年期になると、いろいろな病気が心配になりますが、特にがんは気になる病気ではないでしょうか。中でも女性なら、婦人科系がんは気になる病気の一つ。今回は、婦人科系がんの中でも死亡率が高いことで知られる卵巣がんを紹介します。症状や原因、予防のポイントについて産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:閉経したはずが突然出血!まず検査したいのは子宮体がん。40代後半以降は発症リスク大!【医師監修】ハッキリした自覚症状がない死亡率が高いことで知られる卵巣がん。その原因はハッキリした自覚症状がないことが大きいと駒形先生は言います。「おなかが張る、トイレが近い、食欲がないといった症状が見られますが、これらはちょっとした体調不良でも起こることなので見過ごされることがほとんど。下腹部にしこりが触れるという症状があるときにはかなり進行してしまっていることが多いのが現状です。また、卵巣がんは転移しやすく、気付いたときには他の臓器などに転移していることも多いです」(駒形先生)とても怖い卵巣がん。自覚症状が見られたときには遅い……というケースが多いということです。子宮内膜症が原因になることも駒形先生によると、卵巣がんは若い女性にも見られますが40代から増加し、50~60代にピークを迎えると言います。原因はあるのでしょうか。「親族に卵巣がんの女性がいる、子宮内膜症があるといった原因の他に出産経験がない、閉経が遅い、初潮が早いなど排卵回数が多い場合も指摘されています」(駒形先生)子宮内膜症と卵巣がんはどのように関係しているのでしょうか。「子宮内膜症が卵巣に発生して嚢胞(のうほう)を形成するチョコレート嚢胞があると、自然発生の卵巣がんに比べて高い確率でがん化することがわかっています。子宮内膜症やチョコレート嚢胞は再発しやすいので、定期的に健診を受けてほしいと思います」(駒形先生)年に1回は必ずエコー検査を!卵巣がんと指摘された患者さんの中には、「年に1回健診していたはずなのにどうして」と驚く人もいるようです。なぜ、見落とされてしまうのでしょうか。「見落としているのではなく、そもそも検査していないのです。会社や自治体でおこなわれる婦人科検診は子宮頸がんのみで卵巣がんはオプションということも少なくありません。一方で、卵巣がんや子宮体がんの検査がセットになっている場合もあり、統一されていないのです。友人が“婦人科検診”で子宮頸がんと卵巣がんと子宮体がんの検査をしたと聞いて、自分の会社の“婦人科検診”でもおこなっていると思い込んでしまっていることもあります」(駒形先生)同じ婦人科検診でも、内容が違うことがあるとのこと。それではどんな検査が必要なのでしょうか。「卵巣がんはエコー検査でしか見つけることができません。エコー検査は痛みもなく結果もすぐわかるので、もっと気軽に受けてほしいと思います。自分の会社や自治体の“婦人科検診”の内容をきちんとチェックしてほしいですね」(駒形先生)まとめ皆さんは、これまでの“婦人科検診”でエコー検査はありましたか? 私が受けている健診では卵巣がん検査をオプションで付けられることを知っていましたが4,000円をケチって受けていませんでした。皆さんも、ご自分の会社や自治体の“婦人科検診”の内容をもう一度確認してみてはいかがでしょうか。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年03月13日私は長年の生理痛解消のために、50歳で子宮全摘出手術を受けました。子宮を取ったことがきっかけで便秘に悩むように。入院中にお世話になった担当医から、便秘には気を付けるようにと指示もあり、腸活を始めるようになった体験談を紹介します。★関連記事:アラフォーで便秘が悪化、疲労感も…食生活に発酵食品を取り入れて快便&体がラクに!【体験談】手術をきっかけに便秘体質に今まで便秘とは無縁の生活をしていました。毎日便通はありましたし、テレビの便秘解消のための薬や食品のCMを見ても、他人事でさらっと流していました。私の便通に変化が表れたのは50歳のときです。もうすぐ51歳になろうという誕生月の前に子宮全摘出手術を受けました。子宮を取ったことで便秘体質になってしまったのです。腸の精密検査を受けていないので、原因は明らかではありませんが、手術の担当医いわく子宮全摘出手術後によく見られる症状だそうです。事実、全摘出手術時の大学病院での8日間の入院生活では、整腸剤の酸化マグネシウムを処方され、便秘解消と筋力低下予防のために歩くように言われ、院内をウロウロしていました。また、水分をこまめに飲むなどして過ごし、無事退院してからは自宅療養で便秘対策をすることになりました。健康茶を飲んだらお通じに変化が退院後しばらくは処方された酸化マグネシウムを朝・昼・夕食後に服用し、野菜をたくさん食べるなどして過ごしていました。便秘といっても「おなかが張ってつらい!」というほどではなく……とはいえ、手術前なら毎日スッキリ感のある便通だったのが、手術後は便通のない日があったり、あっても少量だったりと、明らかに便通に変化がありました。そんな日々を送っていましたが、そんなものだと思って過ごしていました。酸化マグネシウムの量は医師に相談したところ、補助的に飲んでいるものなので毎食後飲まなくても良いと言われていました。自分判断で徐々に減らしていたものの、服用開始から半年後、ふと思いました。「私ってずっとこのまま酸化マグネシウムを飲む生活?」と。そんなことを考えながら過ごしていると、たまたまネットサーフィンをしているときに、2カ月間のごぼう茶モニター試飲の募集を発見! ごぼう茶は飲んだことがなかったので、興味本位でモニターに応募して、ごぼう茶を1日1回飲むことにしました。飲み始めて1週間ほどたったころでしょうか? なんと! 便通に変化が表れました。スッキリ感のあるどっさり便通があったのです。「これはもしかすると酸化マグネシウムを飲まなくても過ごせるかも?」と思い、酸化マグネシウムはやめてごぼう茶で様子を見ることにしました。2カ月間のごぼう茶のモニターが終了し、私はそのまま定期購入をして半年間飲み続けました。ごぼう茶を飲んだ翌朝の便通は良いような感じがしました。ごぼう茶をきっかけに薬に頼らない腸活をするようにしたのです。今は食生活と運動習慣で便秘対策その後、半年間飲んでいたごぼう茶の定期購入が、発売元の都合によりなくなってしまったため、今は食生活と運動習慣で便秘対策をしています。食生活では、子宮全摘手術時の入院生活で食べた食事を通じて、思ったよりも野菜を食べてなかったことに気付きました。意識して野菜で食物繊維をとることに加え、「イージーファイバー」を1日1本コーヒーに入れて飲んでいます。これはドラッグストアでたまたま見つけたのですが「お通じの改善に役立つ」というフレーズにひかれて飲み始めました。「イージーファイバー」に含まれる食物繊維は4.2g。これは1日に摂取したい食物繊維の約1/4に相当します。これで不足しがちな食物繊維を補っています。腸内環境を整えることが期待できるビフィズス菌を多く含むヨーグルトも毎日欠かせません。あとは水分を多くとることも。食生活での腸活を続けた結果、今では便通のリズムが整いました。また、便秘対策に良いと実感できたのは、日ごろの運動習慣です。気軽にできるウォーキングを腸活として継続するようにしています。仕事で疲れた日、忙しくてなかなかウォーキングができない日が続くと、便通が悪くなってしまいます。そのため、時間がある限り、ウォーキングの回数を多くおこなうようにしています。さらに趣味で続けているキックボクシングができないときは、ストレッチを多めにしたり、股関節周りの筋肉を動かす筋トレをおこなったりしてこまめに体を動かすことも。朝起きる前の布団の上でのストレッチは特に入念におこなっています。中でも体をねじるストレッチは、腸を刺激してくれるのでじわ~っとおこなうようにしています。そんな感じで、運動をして腸に近い骨盤周りを動かすようにすると、腸の働きが良くなるような気がしたので、腸内環境を整える食生活と合わせて、体を動かすことでも腸活をしています。まとめ子宮全摘手術の影響で自分が便秘体質になるとは思っていませんでした。今まで便秘で悩む人は、野菜を食べる量が少ない、運動不足の人だと他人事として思っていました。これからも自分の体の変化に向き合いながら、野菜をたくさん食べ、適度な運動習慣で腸活生活を続けていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/わみ(52歳)管理栄養士・健康運動指導士としてフリーランスで活動中のアラフィフ女子。 40代前半から不調に悩まされあらゆることを試行中。
2023年03月13日閉経後に出血があると、「もしかして閉経じゃなかった?」と思ってしまうかもしれません。けれど、不正出血はさまざまな病気の初期症状であることも。そこで、閉経後に不正出血があるとき考えられる原因と、対処について産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。教えてくれたのは…監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。★関連記事:閉経から3年後、不正出血が! 子宮がん検診で擬陽性になり、 子宮内膜の組織を採取した結果閉経後にリスクが高まる“子宮体がん”閉経後に突然出血があった場合、まず検査したいのが“子宮体がん”であると駒形先生は言います。「子宮体がんは、子宮体部の内側にあり、胎児を育てるための子宮内膜から発生するがんです。 40代後半から増加し、50~60代がピークです。子宮体がんの発症には卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが関係していますが、原因の約8割がプロゲステロンが出ないことによるエストロゲンの過剰分泌に遺伝子異常が加わったものだと考えられています。そのため、ホルモンバランスが崩れやすくなる閉経後は特に注意が必要なのです」(駒形先生)また、閉経後が危険なのは、生理が子宮体がんを防いでいたから、と先生は言います。生理により子宮内膜が剥がれれば子宮内の炎症は起きないため、子宮体がんのリスクを抑えられていたのだそうです。自覚症状は不正出血以外にもあるのでしょうか。「茶色いおりものが分泌されたら、不正出血と思ってください。進行すると排尿しづらい、または排尿時に痛みを感じる、性交時に痛みがある、下腹部や腰の痛みなどがあります」(駒形先生)子宮体がんのリスクになるその他の要因そして、閉経以外にも子宮体がんにかかりやすい要素はあると先生は言います。「まず肥満です。脂肪細胞が多いと、エストロンというエストロゲンに似た物質が出るのですが、これはホルモンバランスを乱す原因になります。次に妊娠出産の経験がないこと。生理は子宮体がんを防ぐ働きがありますが、何十年も絶え間なく毎月生理が来ることは子宮に大きな負担がかかるためです。また、ホルモン補充療法も原因になることがあります。女性ホルモンを補充すると子宮内膜が厚くなりますが、子宮内膜が厚いのに剥がれない状態は子宮体がんのリスクを高めます」(駒形先生)もし3つのうち1つでも当てはまることがあれば、注意が必要です。がん検診のときは必ずエコー検査を!子宮体がんは不正出血があってもホルモンバランスの乱れとされ、見逃されることも多いそうです。そのため、健康診断が早期発見のカギになります。「自治体や企業の婦人科のがん検診は子宮頸がんが中心で、今のところ子宮体がんはオプション検査となることが多いようです。しかし、発症リスクが高い40代後半以降なら、年に1回はエコー検査を受けてほしいですね」(駒形先生)子宮体がんも、他のがんと同様、発見が早ければ早いほど完治の可能性は高くなると言います。オプションとなると二の足を踏みがちですが、積極的に受けたいものです。まとめ閉経前でも生理不順が長く続いていたり、乳がんの経験があったりすると子宮体がんのリスクが高まるそうです。更年期や閉経後の不正出血は軽く捉えず、婦人科を受診してみましょう。取材・文/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。イラスト/きびのあやとら著者/監修/駒形 依子 先生2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
2023年03月12日47歳のときに体調不良により病院で検査をしたところ、子宮筋腫が見つかり、手術かホルモン治療のどちらかを選ぶことに。医師と相談の末に決めたホルモン治療は、思ったよりきつい副作用がありましたが手術を免れることができ、今は病気と仲良く付き合っているという体験談を紹介します。★関連記事:「嫌な予感」人間ドックで子宮筋腫の相談をしようと思ったら… #人間ドックで指摘された子宮筋腫 1検査結果を聞くだけで倒れそうに40歳を過ぎたころから生理中の腹痛や大量の経血など不調を感じるようになりましたが、ついに47歳のときに生理前後以外の下腹部の痛みや不正出血、下半身の異常なむくみなどが起こるように。病院嫌いの私でしたがとうとう不安になり婦人科を訪れました。医師から子宮がんの可能性も考えて検査をしましょうと言われ、子宮がんという言葉に異常に反応した私は立ちくらみを起こしそうに。その日のうちに超音波検査や内視鏡検査、血液検査などの検査をしましたが、実際はその日にどんな検査をしたかも覚えていないほど、私の精神は落ち込みと疲れでヘロヘロになっていました。夫には心配をかけるので、結果が出るまでは何も伝えていませんでした。そして1週間後、検査結果を聞くために来院したときの待合室での私は、子宮がんだったらどうしようというあまりの不安で心臓が高鳴るばかり。結局、検査結果は子宮がんではなく子宮筋腫だったと伝えられ、ホッとして力が抜ける思いでした。しかし、今度はあまりの安堵感にその後の話は上の空でしたが、実はこのとき医師に話された今後の治療についての話こそ、私にとってとても重要なことだったのです。ホッとしたのもつかの間不調の原因が子宮筋腫と判明し、現在直径2cm程度の大きさになっているとのこと。そして、今後も放っておけばまだまだ大きくなる可能性が高く子宮摘出ということにもなるので、今のうちに治療をすることが必要だと言われました。医師の意見は閉経の年齢も遠くないのでホルモン治療で筋腫を小さくし、なんとか時間稼ぎをしてみてはどうかということでした。私は言われるがままにホルモン治療をすることを決めました。ホルモン治療は1カ月に1回のホルモン注射を半年間続けて終了するとのこと。料金的にもそれほど負担の大きなものではありませんでした。副作用について医師に聞きはしましたが、更年期の症状が出るもののそんなに心配することはありませんと簡単な説明がありました。もう少し詳しく聞きたいと思いましたが、大きな病院だったこともあり患者さんがとても多く、医師はあまり診察時間をかけたくないという雰囲気。私も迷惑をかけてはいけないとあまり深く聞かずに決めてしまいましたが、このときはこのあと想像以上にきつい副作用に苦しむとは思ってもいませんでした。つらい日々から今は感謝の日々に月1回のホルモン注射がスタートしてからは、いわゆるホットフラッシュのひどい状態が1日に何度も起こるようになりました。さらに、どうしていいかわからないような体の中から起こるムズムズ感やだるさ。また、イライラしたり落ち込んだりと精神面もボロボロになるなど、想像もしなかったような副作用を乗り越える必要がありました。そんなつらい副作用でしたが、6回の注射を打ち終わってから2カ月程度たつと副作用も消えていき、生理痛、下半身のむくみ、経血異常なども正常に。それでも小さくなった筋腫の状態をチェックするため、今でも1年に1回病院に訪れていますが特に異常はありません。また薬は処方されていませんがストレスと冷えには注意するようにと医師に言われたので、疲れをためないように睡眠を十分とり、体を冷やさないために冷たい飲食を避けるなど心がけています。しかし、手術もせずに体調が改善されたことは感謝の気持ちでいっぱいです。これからも筋腫とじょうずに付き合いながら閉経を待ちたいと思っています。まとめ今回の治療を受けて考えたことは、不調があれば早めに病院に相談することが大切だということです。治療方法の説明を受けたときに、このまま放っておくと子宮がんになることも十分考えられると医師に言われましたが、やはり早期発見、早期治療はとても大切だと感じました。子宮がんになることなく治療することができましたが、もう少し放っておけば悪い状況になっていたかもしれないと考えるとちゃんと受診してよかったと思います。今まで病院嫌いだった私ですが、年齢的にもそろそろそんなことを言っていてはダメだと強く反省。そして、せっかく治療して小さくなった筋腫を少しでも維持するように医師の指導に従っていきたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/Sakura(49歳)子どもは独立し今は夫と2人暮らし。大好きなアクセサリー作りを仕事に。収入は少ないけど好きなことなので意外と気に入っている。
2023年03月09日43歳になる誕生日当日。レバーのような血の塊と大量出血に見舞われ、思わず「ギャー!」と叫び声を上げた、はなうたねこさん。婦人科を受診したところ、子宮体がんだと宣告され…!? これからの人生子宮体がんが判明して約6時間におよぶ大手術を受けた、はなうたねこさん。その直後に1度目の腸閉塞を発症したのち、数年後には2度目の腸閉塞を経験。子宮体がんも腸閉塞も再発のおそれがあるため、体調が悪くなると、どうしても「もしかしてまた腸閉塞? それともがん細胞が転移した?」と不安にかられてしまいます。 しかし、はなうたねこさんはあくまでも前向きです。ある日、市民オーケストラの演奏会に足を運んだはなうたねこさんは、演奏者の1人を見てこう感じました。 がんを宣告されてからは未来のことがまったくわからなくなり、「このまま死ぬのかもしれない」と絶望したこともあったはなうたねこさん。 しかし、家族や友人、職場の同僚、病院で知り合ったがんサバイバーの人たち、担当してくれた医師や看護師さんに支えられ、どうにか生き延びることができました。 ある日、市民オーケストラの演奏会に足を運んだはなうたねこさん。 演奏していた曲は、ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』。 他パートの人たちが懸命に演奏する中、ピッコロ担当だけが楽器を手に持ったまま、ピクリとも動きません。 そのまま、彼は第3楽章まで1音も吹かなかったのですが…… 最後の第4楽章に入って大活躍! ーー彼の演奏のように、私も人生の後半で大活躍できればいいな。 と、未来に期待を込めます。 子宮体がんだけでなく腸閉塞も2度発症し、ここ数年は病気に人生を振り回されてきた、はなうたねこさん。今後も再発のおそれはあるものの、不安になったときには気分転換をして、楽しく充実した人生を送れるといいですね。 <著者のはなうたねこさんより> 「子宮がんと腸へいそくになりました」を読んでいただきありがとうございました。 私は43歳の誕生日に大量出血する前に、1〜2年ほど毎日少量の出血が続いていました。でも生理不順だと軽く考えて病院に行かず、気づいたときには、子宮体がんが進行していました。 運良く転移もなく過ごしていますが、もう少し発見が遅れていたら、どうなっていたかわかりません。 がんは早期に発見できれば治ると言われています。おかしいな、と思ったらぜひ検診を。健康第一です! 監修/助産師 松田玲子 はなうたねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター はなうたねこ40代で子宮がんが判明。子宮全摘出、抗がん剤治療、2度の腸閉塞を経て、現在がんサバイバー12年目。そのほかいろいろInstagramにて投稿しています。
2023年02月28日43歳になる誕生日当日。レバーのような血の塊と大量出血に見舞われ、思わず「ギャー!」と叫び声を上げた、はなうたねこさん。婦人科を受診したところ、子宮体がんだと宣告され……!? 2度目の腸閉塞〜不安な日々〜数年前、子宮体がんと腸閉塞で2度の手術を受けたはなうたねこさん。それから長い月日が経過したある日、なんと再び小腸がねじれて腸閉塞を発症し、人生で3度目となる腹部の手術を受けました。 そして退院から5日後、まだ本調子ではない中で職場復帰を果たし……。 退院から5日後に職場復帰を果たした、はなうたねこさん。 まだ本調子とはいかず、手術後からおなかにうまく力が入らないため、前回や前々回の手術後と同じように、腹帯を巻いて出勤しました。 その日は、復帰初日にもかかわらず業務がてんこ盛り。朝から夜までフル稼働で仕事をこなします。 本当はもっと休んでいたいところですが、治療費や生活のことを思うと休んでもいられません。 後日、退院後の経過観察のため、病院を訪れたはなうたねこさん。 血液検査やレントゲンを受けた結果、「異常なしですね」と言われてひとまず安堵。 しかし、医師は「小腸同士の癒着が残っているので、いつまた腸閉塞になってもおかしくありません」と言うのです。 その後の生活では、医師の言葉がずっと頭の中に残っているため、胃が痛くなるたびに「もしかしてまた腸閉塞!?」と不安になるように。 加えて、子宮体がんが転移するおそれもあるので、頭痛がすると「まさか、脳に転移した!?」、腹痛があると「もしや……大腸に転移した!?」と、不安はつきません。 結果的にはただの頭痛や腹痛だったのですが、どこか痛くなるとどうしても不安になってしまうのです。 不安にかられたときは、心の中で自分にエールを送ったり…… 音楽を聴いたり、おいしい物を食べたり、散歩をしたり、友人と会ったりして、心の中が不安で支配されないように気分転換するのだとか。 人生が終わりを迎えるその日まで、不安に振り回されながら過ごすのか、好きなことをして過ごすのか。できることなら、はなうたねこさんのように毎日を楽しく有意義に過ごし、後悔のない人生を生きたいものですね。 監修/助産師 松田玲子 はなうたねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター はなうたねこ40代で子宮がんが判明。子宮全摘出、抗がん剤治療、2度の腸閉塞を経て、現在がんサバイバー12年目。そのほかいろいろInstagramにて投稿しています。
2023年02月24日43歳になる誕生日当日。レバーのような血の塊と大量出血に見舞われ、思わず「ギャー!」と叫び声を上げた、はなうたねこさん。婦人科を受診したところ、子宮体がんだと宣告され……!? 人生で2度目の救急搬送〜手術から退院まで〜子宮体がんの手術から約6年が経過したある日の夕食中、胃や脇腹のあたりが突然痛み出したはなうたねこさん。徐々に痛みが増して手足のしびれや呼吸困難も発症し、救急車で運ばれる事態に。最初に搬送された病院では激痛に耐えながら検査を受けたのですが、医師いわく「原因不明ですし、ここでは手術ができません」とのこと。仕方なく20〜30分かけて違う病院に向かい、改めて検査を受けることになり……。 2件目に搬送された病院で改めて検査を受けた結果、医師から「絞扼(こうやく)性腸閉塞ですね。手術するしかありません」との宣告を受けてしまった、はなうたねこさん。 ーーまたか……。過去に体験した痛みとよく似ていると思ったら、今回も腸閉塞なのか……。ーーああぁぁ……。なんで3回もおなかを切らなきゃいけないの? 人生3度目となる腹部の手術が決まり、「どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだろう」と悲しくなってしまったはなうたねこさんは、思わず涙がホロリ。 病名が判明してからは、手術室の台に横向きに寝かされ、硬膜外麻酔(こうまくがいますい:脊髄近くの硬膜外腔という場所に痛み止めを注入する麻酔法)をして、開腹手術の準備に入りました。 手術は朝6時ごろに始まり、2時間後の朝8時に無事終了。 手術を担当した医師によると、小腸の一部がねじれて壊死していたのだとか。 手術翌日のはなうたねこさんは、傷跡部分には確かに多少の痛みがあるものの、麻酔がまだ効いているのか、思ったよりも元気に過ごすことができたそうです。 これから数日は入院生活が続くため、気を利かせたお姉さんが身のまわりの物を持ってくれました。 手術翌日の昼間は元気だったはなうたねこさんですが、麻酔の効果が切れてしまったのか、手術翌日の夜には傷口がズキズキと痛み出し、おなかの内部にも痛みを感じるように。 さらに、硬膜外麻酔の副作用なのかわかりませんが、軽い吐き気に加え、ひどい頭痛や耳鳴りもするようになってしまいました。 入院中のはなうたねこさんは、頑張ってベッドから体を起こしたり、病院内を軽く歩き回ったりしていたのですが……。 まだおなかにうまく力が入らなくてヨタヨタと歩くしかできず、無理して歩くと気持ち悪くなってしまうため、仕方なくベッドの上でボーッと座っていることにしました。 手術からしばらく経ったある日の朝、レントゲンを撮ったはなうたねこさん。結果は「異常なし」で、このころには頭痛や耳鳴りの症状もなくなっていました。 はなうたねこさんの体調を踏まえ、ここでようやく主治医から退院許可が。やさしいお姉さんが今回も病院まで迎えにきてくれ、窓口で看護師さんたちにお礼を告げたはなうたねこさんは、10日ぶりに自宅に帰ることに。 深夜に緊急搬送されてからずっと病院内にいたため、初めて病院を外から見ることができた、はなうたねこさん。 ーーまさか人生で3回もおなかを切られることになるとは……。 もう病院にはお世話になりたくないものだな、としみじみ感じたのでした。 監修/助産師 松田玲子 はなうたねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター はなうたねこ40代で子宮がんが判明。子宮全摘出、抗がん剤治療、2度の腸閉塞を経て、現在がんサバイバー12年目。そのほかいろいろInstagramにて投稿しています。
2023年02月21日がん検診のついでに受けた内診で病気が見つかりました。重い月経など思い当たる節が多く、ホルモン薬服用で治療を始めることにしました。ちょっと面倒な副作用を乗り越えた先には、痛みのない生活がありました。ホルモン薬服用による治療についてお話しします。★関連記事:「子宮が張り裂けそう!」深夜に突然下腹部が痛み出した原因は… #アラフォーの気にし過ぎな毎日 26がん検診のついでに「子宮腺筋症」が判明事の発端は、2020年秋に自治体からの案内で子宮がん検診を受診した際のこと。オプションで内診のエコー検査もできると聞き、「アラフォーだし……いろいろ心配だし……」となんとなく依頼しました。すると内診しながら先生が「あなた子宮が大きいわね」と言うのです。内診台を下りて診察室に入り、詳しく説明を聞きました。先生の診断は「子宮腺筋症の疑い」。子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が子宮内の筋層の中で増殖する病気です。子宮の筋層が肥大するので、子宮が大きくなるとのこと。「月経の量や痛みは強いほうじゃない?」と聞かれ、「はい!」と即答すると「やっぱり」。過多月経や月経痛も子宮腺筋症の主な症状なのだそうです。たしかに人よりも月経が重いほうだという自覚はあり、時々鎮痛剤を飲むこともありました。しかし、在宅で仕事をしているのでいつでも好きなときにトイレに行けることもあって、自分の中で困った感じは強くなかったのです。黄体ホルモン薬を服用することに当時私は42歳。医師によると、これから月経を重ねるたびに症状が悪化する可能性があるとのことで治療をすることにしました。そこで、「ジエノゲスト」という黄体ホルモン剤の薬を服用することになったのです。服薬すると女性ホルモンのエストロゲンが抑制されて排卵が止まり、月経が来なくなります。子宮内膜の増殖を抑制する効果もあるとのこと。「これで痛みを止められますよ」と言われ、特に困ってはいないつもりでしたが、ホッとした自分がいました。しかし、副作用もあります。最も気になるのが、おりもの程度から月経時と同程度くらいの不正出血が見られるというものでした。先生からは「不正出血は徐々に減るはずですが、大量に続くようなら受診して」と、薬剤師からは「念のため毎日ナプキンをつけておいたほうが良いでしょう」とのアドバイスをもらい、朝晩にジエノゲストを服用する生活が始まりました。痛みがなくなって我慢に気付く…!ジエノゲストを服用し始めて1週間ほどで、月経のような量の出血が5日ほど続きました。しかし、腹痛は月経痛よりもずいぶん軽かったのです。これでラクになると思いきや、それからは生理4日目くらいの出血が1カ月ほど続きました。中途半端にだらだらと続く出血にうんざり。痛みはないものの、「これなら普通に月経が来たほうがマシかも……」と思い始めた矢先、2カ月目の半ばくらいで出血がおりもの程度まで減少。これには心底安心しました。また意外なうれしさとして、月経時以外の慢性的な腹痛がなくなったことが挙げられます。慢性的ゆえに「おなかが痛い」という自覚はなかったのですが、いざ痛みがなくなってみるとおなかがスッキリ穏やかなのです。「これが普通の状態か……」と思うと、以前は無意識ながらずいぶん我慢をしていたのだなと思いました。まとめジエノゲストの服薬を始めて2カ月目ごろに受診したとき、「どのくらいで子宮が元の大きさに戻るのですか?」と尋ねたら、「まだかかりますよ。半年くらいしてからまた内診してみましょう」との返事でした。ジエノゲストを服薬したことで、今まで月経痛や慢性的な腹痛などに、無自覚に耐えていたことがわかりました。機会があるときに検査をしてもらうことが大切なのだなと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。イラスト/サトウユカ著者/にかねこ(42歳)童顔&早生まれで、若く見られがちだったが、40代に突入して一気に加齢が加速。今まで感じなかった不調が現れるたび、これが更年期?とおびえている。娘は9歳。ストレス解消は猫を吸うこと。
2023年02月20日2018年に大腸がんが判明したしあすささんの、大腸がんだと診断されるまでのマンガを紹介します。特定健診の結果を受け、内科を受診したしあすささん。医師はしあすささんの結果を見て「大きい病院を紹介したほうがいいみたい」と言いました。不安になったしあすささんは……。★前の話しあすささんは特定健診でD判定やF判定が出たことをきっかけに内科を受診することにしました。その内科で医師から言われたのは大きい病院を紹介するということ。まさかのことに驚いたしあすささんは「悪い病気なのかな」と不安な気持ちに……。その後、紹介された病院で大腸がんだと診断されることになるのでした。この内科から紹介された病院で、私は大腸がんだと診断されました。空がとても青くて、まさか自分ががんになるなんて……と受け入れられない気持ちでいっぱいでした。ただ、今思えば3〜4年前から便に血が付き始めて、胃の不調や膀胱炎、さらには軟便や下痢など予兆らしき不調はたくさんありました。体調が悪い日が増えていっても「自分は大丈夫!」と思い込み、「自分が何か大きな病気を患っている」という可能性を否定し続けました。もしあのとき病院に行っていれば……と思うこともありますが、自分なりに精一杯体調不良と向き合っていたと思います。私は3〜4年前に体調を崩したころよりも前、7〜8年前くらいから風邪をひくとおなかが痛くなることが常でした。もしかしたらそのときからがんの種は芽吹き始めていたのかも……と思いますが、本当のことはわかりません。ー--------------紹介してもらった病院に行った結果、しあすささんは大腸がんだと診断されました。しあすささんはいろいろなことを思ったそうでしたが、自分なりに精一杯だったと思ったのだとか。もしかしたら体調を崩す前からがんの種はあったのかも、と思うこともあるようですが、本当のことはわからないままだそうです。後悔することもあるでしょうが、これからもしあすささんが前を向いて生きていけますように。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/里村仁志先生(里村クリニック院長)消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。★関連記事:「マです!」父の転院先であるリハビリ病院はまさかの待遇で! #預金資産ゼロの父が倒れた話 45★関連記事:「ガリガリ痛い!」とにかく痛い! 初めて子宮体がんの検査を受けてみたところ #乳がん絵日記 43★関連記事:「あっ!」便に血が…早く治ればいいと思っていたのに #大腸がんと診断されるまで 1著者/しあすさ2018年に大腸がんが判明し、2019年に手術を受けました。魂のツッコミをしてくれる「くもちゃん」とともに闘病するマンガを描いています。
2023年02月19日2018年に大腸がんが判明したしあすささんの、大腸がんだと診断されるまでのマンガを紹介します。2018年の夏、動くことすらやっとというくらい体調が悪くなってしまったしあすささん。そこで、3年ぶりに特定健診を受けることにしました。その結果、まさかの事態に発展していき……。★前の話胃腸クリニックを受診するも、下痢や血便はイボ痔によるものだと診断されたしあすささん。その後も体調が戻らないことから、3年ぶりに特定健診を受けることにしました。特定健診は予約が多く、しあすささんが健診を受けることができたのは11月になってからでした。12月には結果が届いたものの、3年前の結果からは考えられないほどに悪い結果になってしまっていました。3年前、私が特定健診を受けたときはほとんどA判定でした。胃の不調があったり膀胱炎になるけど自分は健康なんだ! と信じて疑いませんでした。しかし、その後体調は悪くなるばかり……。あまりにも良くならないので、私はようやく病院を受診しました。そこではイボ痔が3つあり、イボ痔が原因で下痢や血便があると診断されました。座薬を処方されてその日の診察は終了。体調は悪いし、座薬も効かないので特定健診を受けることにしました。すると、肝機能にF判定が!それ以外にもD判定の項目もありました。D〜F判定は病院の受診が必要とのことなので、私は病院へ行くことに。その病院で特定健診の結果を見てもらったところ、医師が渋い表情になりました。なんだろうと思っていると、「大きい病院を紹介したほうがいいみたい」と言われ私はただただ驚くことしかできませんでした。ー--------------しあすささんの特定健診の結果は3年前よりもかなり悪くなっていました。C判定やD判定だけではなく、F判定まで! しあすささんはショックを受けつつも、病院を受診することにしました。受診したのは外科病院に併設されている内科。そこでしあすささんは大きい病院を紹介されることになりました。今まで大丈夫だと信じ続けていただけに、急にこんなことを言われては驚いてしまいますよね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/里村仁志先生(里村クリニック院長)消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。★関連記事:「これって絶対…」ドキドキ! 1年ぶりの健康診断の結果は #アラフィフ主婦ちゃんねる 61★関連記事:「私はズボラ」傷用テープの張り替えが面倒でサボっていたらまさかの事態に! #乳がん絵日記 42★関連記事:「あっ!」便に血が…早く治ればいいと思っていたのに #大腸がんと診断されるまで 1著者/しあすさ2018年に大腸がんが判明し、2019年に手術を受けました。魂のツッコミをしてくれる「くもちゃん」とともに闘病するマンガを描いています。
2023年02月18日