子どもをうまく愛せない……。そう深く思い悩み、心療内科を受診した私の行き着いた先は「愛着障害の疑いがある」という診断でした。なぜ愛着障害になったのか? それは私自身の生い立ちにありました。 なぜ無性にイライラするの?私は現在2児の母親ですが、上の子どもを出産したときは実家との折り合いが悪く、里帰り出産をしませんでした。したがって、退院してからは自分ひとりで子育てをしなければならず、毎日とても必死だったのを覚えています。そんなストレスフルな環境で、上の子どもが1歳半くらいのときから、子どもに対して無性に腹立たしくなってしまうことがありました。 子どもは特にかんしゃくがひどいとか、何か成長に関して大きく気になることがあるといった問題もありません。冷静に考えてみれば、ごく一般的な子どもが、ごくごく普通にママに愛情を求めて泣いたり、自己主張したりしているだけなのに、それだけでもイライラしてしまう自分がいたのも事実です。 2人目もワンオペ。そして精神の限界へ本格的に上の子に対して嫌気がさしてきたのは、下の子を出産したときでした。このときも里帰りはせず、退院直後から3歳になった上の子と新生児をワンオペで見る毎日。もう私の精神も限界に達していたのでしょう。思わず感情的に怒鳴り散らしたり、またある日は突然涙が止まらなくなったり。 そんな状態が下の子を出産して半年。私の情緒は落ち着くばかりか、ますます不安定になっていき、ついに意を決して心療内科を受診することに。結果は「適応障害」と「産後うつ」。おまけに「発達障害の疑いがある」とも言われ、後日心理テストを受けることになったのです。 発達障害を調べるテストを受けた私発達障害などを詳しく調べる検査は2日かかりました。1日目は臨床心理士さんとの面談があり、具体的にどのような家庭で生まれ育ったか、また学業成績など客観的な私の過去のデータについて話したのです。2日目はIQテストや、日常生活においてどれほど困難さを感じるかの自己記入式テストをしました。 2日合わせて3~4時間ほど費やして、精密に検査をしていただきましたが、結果は「発達障害はない」との所見でした。しかし、私の症状や実親からの虐待などの出来事から「愛着障害である可能性がある」と聞かされたのです。 検査を通してわかったこと「愛着障害」とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなど適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。 愛着障害と聞かされたときは「やっぱりな」と腑に落ちる私がいました。しかし、この検査を通して愛着障害と判明したことで、今までの生きづらさの理由がわかり、それを私の子どもたちに味合わせたくないと強く感じたのです。 イライラの理由が明確にわかったことで、これからは自分のつらかった過去とも向き合いながらも、子どもたちを育てていこうと心に決めることができたので、私は検査を受けてよかったと感じています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年03月16日食欲がない、疲れがとれない、眠れない、心のもやもやがとれないといった症状が出ていたとしても、風邪などのいわゆる病気と言えるような症状がないため、体に無理がきていることに気づかずに、うつ状態になってしまう人はたくさんいます。 うつになることを避けるために、早めに専門家に診てもらうのがおすすめです。しかし、病状がはっきりしないため、どこで診てもらったらよいかわからない方も多いかと思います。 心療内科・精神科・カウンセリングの違いとは?「心の病ではないか?」と疑ったときに思い浮かぶのが、心療内科・精神科・カウンセリングではないでしょうか。まず心療内科と精神科の大きな違いは、体に症状が現れているかいないかが判断材料となります。 心療内科動悸がする、食欲がない、眠れないなどの症状があり内科のお医者さんに行って診てもらったにも関わらず、異常がみられないと診断されるような場合が対象となります。 精神科うつ病、双極性障害、統合失調症などの精神疾患が表れている場合が対象となります。 いずれも、国家資格である医師の資格をもっている先生に診てもらうことになり、医師は治療薬を処方する薬物治療が可能です。一方、カンセリングをおこなうカウンセラーは医者ではないため、薬の処方はおこなえません。 カウンセリングとは?患者様がカウンセラーや医師との面談や対話を通じて心理的な問題を解消していく治療法です。心療内科や精神科の治療のひとつとしておこなわれます。カウンセラーが独立してカウンセリングのみをおこなっている場合も多くあります。 カウンセリングは、カウンセラーや医師が問題に対して回答を出すものではなく、あくまで心理学に基づいて、どうすればよいかの回答を患者様自身で導き出すための手助けをするのが目的です。患者様が出そうとする回答に対し、基本的に、カウンセラーや医師は否定や提案をしないことになっています。 どんなときに行けばいいの?風邪などの内科的な診断では異常がないにも関わらず、心が晴れない、眠れない、疲れがとれない、吐き気などが収まらないなどの症状が続き、つらいと感じているのであれば診てもらうことをおすすめします。 心療内科・精神科・カウンセリングのどこに行けばよいか迷うのであれば、まずは心療内科に行ってみてください。心療内科でカウンセリングや薬物療法を受けたほうがいいのか、精神科で診てもらったほうがいいのか診断してくれるはずです。 いきなり病院へ行くということにハードルを感じてしまったり、話を聞いてもらうことで少しでも落ち着きそうであればカウンセラーを訪ねてみましょう。うつは一度なってしまうと、治りにくい場合が多く、最悪、命を落とすことにもつながります。つらいと少しでも感じたら、心療内科やカウンセリングに行ってみてください。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2021年03月04日育児につまずき、思い詰めて心療内科を受診した私。そこで医師から投げかけられた言葉は「発達障害の疑いがある」という、私にとって意外な言葉でした。そこで心理テストを受け、結果を受け止めた今の自分の心境をお伝えします。 ほかのママとどこかで比べてしまう現在、私は3歳と0歳の姉妹を育てている2児の母親ですが、上の子も下の子も出産後から両親や親戚などに頼らず、ほぼワンオペで育児をおこなっていました。孤独に育児をしていたこともあってか、ほかのママ友たちと自分を比べると「どうも私は子どもに対する愛情に欠けているのではないか」と思ってしまう自分がいることに気付いたのです。たとえば、子どもとどうやって遊べばよいか本気でよくわからなかったですし、一生懸命に育児本を読んでそのようにおこなっても、いまいち乗り気になれない自分がいたりしました。特に下の子を出産したあとの数カ月の間は、上の子に対して感情的に怒鳴るなどひどい扱いをしていたことも事実です。そんな出来事から「私はもしかして産後うつなのでは?」と思い悩み、また慢性的な睡眠障害もあって、思い切って心療内科を受診したのです。 思い切って心療内科を受診心療内科を受診したのは下の子が生後半年を過ぎたころでした。医師からの診断は「適応障害と産後うつ」そして「発達障害の疑いがある」という、私にとっては衝撃的な話でした。恥ずかしながら発達障害というワードだけは聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。早速家に帰って発達障害について調べてみたり、セルフチェックテストなどをおこなったりしました。たしかに今までの人生を振り返ってみて対人関係においてのつまずきや、職場でのトラブルなどはあったのも事実ですし、いわゆるADDやADHDの症状である「忘れっぽさ」や「衝動性の強さ」「こだわりの強さ」があったように感じました。 愛着障害と診断を受けて後日、2日ほどに渡って精密な発達障害の心理テストを受けたのですが、結果は「発達障害の所見はなし」でした。しかし、私が過去に実親から暴力などの虐待を受けたことがあるということから、「愛着障害の可能性がある」と医師から聞かされました。愛着障害とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなどで傷を負い、適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。医師からその診断を受けたときは、正直言って「やっぱりな」と思う自分がいました。 まさか自分が発達障害の疑いを持たれるとは思いもよらず、心理テストの結果が出るまではモヤモヤでいっぱいでしたが、発達障害やそのほかの精神疾患などについての勉強にもなりました。客観的に自分が親にされてきたことは虐待だったのだと受け止め、過去の自分と向き合うことで本当の私になれる気がしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年11月29日前回 のあらすじついにパニック障害と診断された日のこと…いよいよ心療内科での治療がスタート!!主治医の女神先生から2つのお薬を提案されました。※この物語に登場する薬名は架空のものとなります。症状、処方薬は個人差があります。かかりつけ医にご相談くださいこれまで精神系の病気を経験したことがなかったので、抗うつ薬というのも、抗不安薬というのも初めて聞くものでした。以前の健康な時の私だったらこういった薬には偏見があり、飲むのをためらっていたかと思います…。しかしもう体も精神もギリギリの状態になっていたので、お薬が私を助けてくれる唯一の救世主のように感じ、頼もしい限りでした。これを飲めばきっと助かる…。これですぐに元の生活に戻れるんだ…。そう思っていました。来るときにパニック発作を起こしたこともあり、オサカナパワーをその場で飲むように言われました。本当に不安が取れるのかな…?と疑問に思いつつ、口にほおりこみました。抗うつ薬のマタタビーはゆっくり効果が現れてくるお薬なので、二週間毎日1錠を飲んで様子を見るようです。待合室で何時間も待っていてくれたタマオくん…本当にありがとう…!やはりパニック障害だったよ、と伝えてほっとしたような、少し悲しいようなそんな感じで二人で帰ろうとしました。すると…車に乗ろうとすると、急に視界がぐるんと回るような、ほわほわっとした感覚に…!!頭の中がほわほわクラクラっとするけど、決して気分が悪いわけでもない…でもなんだろうコレ!?さっきの頓服の影響なんだろうけど、こんな感じで大丈夫なの…??初めての感覚に急に不安になってしまいました。もちろんそれは先ほどの頓服オサカナパワーの効果だったのですが、初めて体験したものでつい焦ってしまいました。このほわほわっとした感じで不安を感じにくくなり、発作が出そうなときに飲むと効果があると言われました。ちなみにこのオサカナパワーは抗不安薬の中で相当弱い分類にあたるようで、弱いものなのにこの体感…!他のものはどれくらい効果があるのだろう…とふと気になってしまいました。私はお酒が飲めない体質で、お酒に楽しく酔う感覚は分かりませんが、気持ちよく酔っぱらったらこんな感じなのかな…?と思いました。個人差があるようですが、初めての抗不安薬を飲んだ私の感覚です。いやもう、当時の私からしたらパニックの発作はもう妖怪!何か見えないモンスターに血液を吸い取られて、殺されるのではないかというイメージでした。もちろん体験をしていないタマオくんからしたら「急に訪れる体調不良」ということで納得してもらいましたが、このモンスターに襲われる恐怖は体験した人しか分からないと思います…。とにかくあいつが来る…!と思うと怖くてたまりません…。でもこれだけ遠回りしてやっとたどり着いたパニック障害との闘い!頑張って討伐しようという目的ができて、少し前向きになりました。当時20代後半で新婚だった私。そして今から精神薬という薬を飲み始める私。自分なりに色々考えて、また女神先生に相談しようと心に決めました。次回に続く『パニック障害とは』理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、手足の震えといった発作が起こり、そして発作が繰り返されることで、発作に襲われることに対する不安を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまう症状です。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。
2020年11月14日私は現在2児の母親です。2人目を出産後、主に上の子に対して感情的に怒ってしまうことが増え出し、さらに2人育児の疲労感からか夜もまともに寝られず、とうとう心療内科を受診しようと決めました。病院を受診した最初の数カ月は、医師も私もPMS(月経前症候群)の症状とは気付きませんでしたが、思い切って心療内科の門を叩いたことによって自分の内面について気づきをたくさん得られた体験談をお話しします。 子どもの手に熱湯がかかるトラブルが!2人目を出産後、当時まだ2歳だった上の子に対して感情的になる場面が多々あり、怒鳴ったり八つ当たりすることが増えてきました。ある日、まだ生まれて間もない2人目の育児用ミルクを作っている最中に、上の子が「お母さん、私を見て!」と言わんばかりに、突然私の足に全身でアタック。お湯が上の子にかかってしまうトラブルが! 思わず「危ないじゃないの!」と思いっきり怒鳴ってしまい、そのあとも怒りがおさまらず。一応は子どもの手がやけどをしていないことを確認し、手を冷やしました。 子どものことを考える余裕はなかったしかし、このときに「子どもがやけどしていたらどうしよう」「熱いお湯がかかってしまってかわいそうに……」といった心配の気持ちよりも、「私の邪魔ばかりして! なんて迷惑な子どもなんだ」と、恥ずかしながら自分のことしか考えられない私に気付きました。 2人目を産んだあとも事情があって里帰りなどできなかった私は、生活全般に対して余裕がまったくなく……。それゆえの行動だと今なら理解できるのですが、当時の私は激しく怒ったあとに「なんて自分はダメな母親なんだ」と深く気持ちが沈み、暗い気持ちになる……このくり返しで辟易していました。 心療内科を受診し、自身の内面を観察不眠症にも悩んでいたため、「このままだと、私も子どももダメになる!」と思い、2人目が1歳になるころに心療内科を受診する運びに。初診時に適応障害と診断され、「軽いうつ状態ですね」とも言われました。 そこからは2週間に1回程度のこまめな通院をくり返し、主治医と「どんなときにイライラしてしまうのか」といったカウンセリングをおこなうことで、自分の内面を振り返る大きなきっかけとなったのです。 自分がPMSだとやっと気付いたそして、心療内科を受診してから2カ月ほど経ったときのこと。産後の体が元通りに戻っているかを確認するために、自発的に月経周期をアプリで記録していたのですが、そこで「どうも月経1週間前に子どもに対して当たりがキツくなる」ということを自分自身で気づき始めたのです。 そして、すぐに主治医にそのことを話すと、先生からも「それは典型的なPMSだね」と言われました。その後、PMSであれば漢方薬かピルを処方できると提案され、私は漢方薬を処方してもらうことに。 ホルモンバランスを整える漢方のおかげで、さらにメンタルの調子がよくなりました。多少の気分の変動もありながらも、過去と比べると明らかに穏やかな気持ちで過ごせています。心療内科へ行くまでは「私なんかが行ってもよいのだろうか?」となかなか足が踏み出せずにいましたが、思い切って心療内科の門を叩いてよかったと感じています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年10月08日第二子出産後に憂うつな気持ちになることが多くなったママ。悩み抜いた末に心療内科を受診すると「適応障害」との診断。そこで、主な原因となっている育児が少しでもラクになるよう、ママがおこなったことを紹介しています。 赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 私は現在2児の母親であり、2人目が生後半年ごろに心療内科から自身が「適応障害」であると診断を受けています。「ずっと苦しかったけど、まさか自分に精神疾患の病名がついてしまうとは……」と、診断が下された当初は戸惑いを隠しきれませんでした。主な原因となったのは育児でしたので、少しでもラクになるよう改善に向けておこなったことをお話ししていきます。 下の子出産後から心身が苦しくなった下の子を出産した直後から「感情のコントロールがききづらくなり、上の子に対して当たりがキツくなる」「泣いたらいけない公共の場面で急に涙が溢れる」など日常生活に支障が出始め、心身共に常に苦しい気持ちや憂うつさが抜けなくなる状態がずっと続いていました。 しかし、当時の私の心療内科のイメージと言えば「死にそうなくらいに苦しくなったときに受診するもの」「それまでは気の持ちようでなんとかなる」との考えがありました。 薬の服用はあくまで対処療法と気付く心療内科を受診することに大きなためらいがあったのですが、無理をして育児をおこない、その結果メンタルを崩している私を見かねた夫の助言もあり、下の子が生後半年のころにやっと心療内科を受診しました。 そこで漢方薬や精神安定剤を処方され服用してみると、たしかに以前よりも気持ちは落ち着くし、前より感情面の起伏はフラットになったので一定の効果はありました。しかし、心療内科へ通院してみて初めて、薬を服用してもそれは単なる対処療法だと気付いたのです。 育児をひとりで背負い込む責任の重さ結局、私のメンタル不調の大きな足枷となっていたのが子どもたちのお世話です。しかし、過去の私の考え方は「ママになれば皆していることなのに、なぜ私は不必要にイライラしてしまったり怒鳴ったりしてしまうの?」「皆と同じことがこなせない。子どもたちにずっと笑顔で接することができない」などと、今思えば不必要に自分を攻め込んでいました。 そんな最中、「なぜ、自分をそこまで追い詰めるのだろう」とふと考えてみたら、私は「子どもが順調に育たなければすべて私の責任だ」と、自分ひとりで育児を背負い込む思考になっていることに気付いたのです。 書籍やTVの情報が私を救ってくれた育児のつらさを解消したいがためにさまざまな書籍などを読み漁り、特に感銘を受けたのがNHKで放送されていた「ママ達が非常事態!?」という番組。放送のなかで、人間は本来、ひとりで子育てするのではなく「たくさんの仲間とつながって共同的に育てていきたい」という本能があるという知識を授かりました。 私の育児環境を見直すと、たしかに上の子のときから里帰り出産すらしなかったし、かといって夫も育休取得ができず、ずっと平日はワンオペ育児で慢性的な孤独を抱え込んだまま育児をしていたのだなと、自分の考えを改めるきっかけとなったのです。「そうか、だから私はこんなに育児がつらかったのか」と原因がわかれば、自分が何をすべきか見えてきました。 以前は「3歳ごろまでは自宅で子どもをみないと!」と固執する自分がいたのですが、現在は考えも柔軟になり、日中は保育園を活用してプロの方に子どもたちを任せることにしました。共同で子どもたちを育てている感覚になれて、余裕が生まれるとともに前向きさを取り戻すことができました。保育園には感謝の思いでいっぱいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年10月07日前回 のあらすじ動悸とめまいがあまりにも酷くて、立ち上がる事すら困難に。もう助けてくれるのは心療内科しかないだろう…私だけではなく、健康な時は自分は大丈夫だという楽観的な考えが誰にでもあるのかもしれません。当時こころの病気といえば、うつ病の名前ぐらいしか知りませんでした。が、「自分はそういうタイプ=こころの病気になるタイプ」ではないと思っていて、症状が出ても、メンタルクリニック系の病院へ行くことに抵抗がありました。当時はこころの病気に理解がなかったのです。今はそんな偏見があったことをとても恥ずかしく思っています。この2週間の間、外出のための準備をしていたのですが、やはり当日は怖くて恐怖でつぶれそうでした。車で横たわり、外が見えないようにして祈りながら移動しました。病院も病院らしくない内装で、受診されている人たちも普通でした。(独り言を言っていたり、暴れたりするような人も来ているのかと偏見がありました…すみません…)また血の気が引きましたが、予約時間は気にせず休んでていいという言葉に救われました。問診の量が多くて本当に驚きました。病歴や、何故この病院にしたのか? そして性格判断テストのようなものがありました。選択肢も「はい」「どちらかというとそうである」「わからない」「どちらかというと違う」「いいえ」など細かかったです。そしていよいよ初めての心療内科の診察…!どんな感じなのか、何を聞かれるのか、そしてどんな病名がつくのか…ドキドキしながらドアを開けました。第一印象から本当に優しそうで癒される雰囲気を出していました。(以下、「女神先生」と呼ぶことにします(笑))女神先生がとても感じの良い先生だったので、気を張ることも無く穏やかに話すことができました。そしてついに診断が…ついに私は「パニック障害」と診断されました。頑張ってきた自分、どうしようもない日々、外へ出られなくなってしまった恐怖今までの辛かった日々が押し寄せるように頭にかけめぐり、泣いてしまいました。原因が分かって本当に良かった…これできっと治ることができるんだ…!しかし…ここからパニック障害との長い長い闘いが始まるとは、この時は全く想像してませんでした……次回に続く『パニック障害とは』理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、手足の震えといった発作が起こり、そして発作が繰り返されることで、発作に襲われることに対する不安を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまう症状です。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。
2020年09月20日前回 のあらすじ何度も繰り返す不安と震えなどの体調不良。ついに大好きだった仕事も辞めることになり…体調不良で泣く泣く会社を辞めたのですが、荷物を取りに行くことに。この頃は出かける度に謎の動悸や震えに襲われるので、この時は外出がとても怖くて不安でした…化粧や着替えをしていつでも出れる状態になっても、家を出るまでにしばらくウダウダ悩んでましたが「今なら行ける!!」と気合で外に出たのですが…やはりだめでした…!バスに乗って椅子に座って1分も経たなかったと思います…。とにかくバスから降りたい! と途中下車したいくらいになったのですが…次の停留所で降ろしてもらいました。しばらく哀しい気持ちでベンチに座って休んでいましたが、バスから降りたら気分が悪いのもすぐ良くなりまた歩いて家に帰りました。この辺で「乗り物が特にダメなんだ」と完全に自覚していました。バスで10分くらいの場所にある会社に行って、荷物を取りに行き、お世話になった人たちに挨拶をする。たったそれだけの事がどうしてできないのだろう…と。最後の挨拶もろくに出来ない自分に心底落ち込みました。動悸とめまいがあまりにも酷くて立ち上がる事すら困難になりました…布団から出られず一日中横たわっていました。ご飯や飲み物はタマオくんが買ってきてくれて布団の横に置いていましたが、ほとんど食欲もなく食べることができませんでした。静かな部屋の中…心臓の動悸のせいで体が揺れるのを感じるくらいでした。もう助けてくれるのはきっと心療内科しかないだろう…ここまでになってようやく決意ができました数日寝込んでようやく少し動けるようになってきたので病院を探しました。予約の電話をかけることも大変で…驚きました。人と話すのは大好きなので、電話も好きでしたがそれすら怖くて震えるなんて…本当に不思議で仕方ありません。予約が取りにくいということはそれだけ他の人も不調を抱えているということ。勝手な仲間意識が芽生え、少しだけ勇気をもらいました。そう…!今現在乗り物怖い、外出怖い、体も動かないという状況でどう行けるのか…!2週間後に向けてどうにかしないと…と思い、また頑張ろうと思いました。じわじわ時間をかけて外出はできるようになりましたが、本当に近所数分の場所をウロウロするだけというレベル。本当に何もできない…この世は恐怖に満ちているこの時の私は、魔の森でずっと震えている何もできない子どものようでした…とにかく私の世界は一変してしまいました。次回に続く『パニック障害とは』理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、手足の震えといった発作が起こり、そして発作が繰り返されることで、発作に襲われることに対する不安を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまう症状です。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。
2020年09月19日緊張状態が続くと、筋肉が凝り固まっているため、呼吸が浅くなるそう。深い呼吸を意識して筋肉をほぐすメソッドで、筋肉がほぐれると、体がリラックスし、深い呼吸で自律神経のバランスが整い、入眠しやすくなるというーー。「新型コロナウイルスの影響により、先行きが見えない不安で眠れなくなった、睡眠のリズムが狂った、運動不足になったなど、ここ数カ月の急激な状況の変化が多くの人の睡眠に影響しているようです」こう話すのは、睡眠コンサルタントの友野なおさんだ。「特に、中高年の女性は、家事の負担が増えています。その結果として、やむなく睡眠時間を削った人も少なくないでしょう」(友野さん・以下同)緊急事態宣言は解除されたものの、これから迎える高温多湿の気候は、多くの人にとって寝苦しい季節であり、いかに良質な睡眠をとれるかが、この夏を乗り切る鍵となりそうだ。そんな今、友野さんがおすすめするのがオリジナルの「快眠メソッド」。「緊張状態が続いたことで、とにかく筋肉が凝り固まっています。それに比例して呼吸も浅くなっているはずなので、深い呼吸を意識して、筋肉をほぐすのが目的です」「快眠メソッド」をすることで、段階的にリラックスモードに入ってゆくことができるのだそう。そんな「快眠メソッド」を友野さんが教えてくれた。■たった10秒でOK!心療内科でも行われる筋弛緩法筋肉に力を入れてからゆるめるので、ゆるむ感覚がわかりやすい。時間がかからず、道具もいらない、手軽でどこででもできる。【1】ベッドの上であおむけになり、軽く目を閉じる。【2】手はグーににぎり、足のつま先は天井に向け、顔からつま先まで全身にぐっと力を入れて、5秒間キープする。【3】息を吐きながら全身の力を抜いて、そのまま5秒間キープ。【2】と【3】を3回ほど繰り返す。「睡眠前の行動療法として有名な方法です。椅子に座った姿勢でも行えますが、寝る直前に横になった状態で行えるのでオススメです。顔を含めた全身にグッと力を入れて5秒間保ちます。そして、フーッと長い息を吐いて全身の力を抜きます。これを繰り返すことで、無意識に力んでいる人も力を抜くことができるようになり、全身のコリを効率的にほぐすことができます。血行がよくなるので、冷え性の人にも効果的です」(友野さん)就寝前の快眠エクササイズで蒸し暑い季節を乗り切ろう。「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載
2020年06月24日育児につまずき、思い詰めて心療内科を受診した私。そこで医師から投げかけられた言葉は「発達障害の疑いがある」という、私にとって意外な言葉でした。そこで心理テストを受け、結果を受け止めた今の自分の心境をお伝えします。 ほかのママとどこかで比べてしまう現在、私は3歳と0歳の姉妹を育てている2児の母親ですが、上の子も下の子も出産後から両親や親戚などに頼らず、ほぼワンオペで育児をおこなっていました。孤独に育児をしていたこともあってか、ほかのママ友たちと自分を比べると「どうも私は子どもに対する愛情に欠けているのではないか」と思ってしまう自分がいることに気付いたのです。たとえば、子どもとどうやって遊べばよいか本気でよくわからなかったし、一生懸命に育児本を読んでそのようにおこなっても、いまいち乗り気になれない自分がいたりしました。特に下の子を出産したあとの数カ月の間は、上の子に対して感情的に怒鳴るなどひどい扱いをしていたことも事実です。そんなできごとから「私はもしかして産後うつなのでは?」と思い悩み、また慢性的な睡眠障害もあって、思い切って心療内科を受診したのです。 思い切って心療内科を受診心療内科を受診したのは下の子が生後半年を過ぎたころでした。医師からの診断は「適応障害と産後うつ」そして「発達障害の疑いがある」という、私にとっては衝撃的な話でした。恥ずかしながら発達障害というワードだけは聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。早速家に帰って発達障害について調べてみたり、セルフチェックテストなどをおこなったりしました。たしかに今までの人生を振り返ってみて対人関係においてのつまずきや、職場でのトラブルなどはあったのも事実だし、いわゆるADDやADHDの方の症状である「忘れっぽさ」や「衝動性の強さ」「こだわりの強さ」はあったように感じました。 愛着障害と診断を受けて後日、2日ほどに渡って精密な発達障害の心理テストを受けたのですが、結果は「発達障害の所見はなし」でした。しかし、私が過去に実親から暴力などの虐待を受けたことがあるということから、「愛着障害の可能性がある」と医師から聞かされました。愛着障害とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなどで傷を負い、適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。医師からその診断を受けたときは、正直言って「やっぱりな」と思う自分がいました。 まさか自分が発達障害の疑いを持たれるとは思いもよらず、心理テストの結果が出るまではモヤモヤでいっぱいでしたが、発達障害やそのほかの精神疾患などについての勉強にもなりました。客観的に自分が親にされてきたことは虐待だったのだと受け止め、過去の自分と向き合うことで本当の私になれる気がします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年04月19日子どもをうまく愛せない……。そう深く思い悩み、心療内科を受診した私の行き着いた先は「愛着障害の疑いがある」という診断でした。なぜ愛着障害になったのか? それは私自身の生い立ちにありました。 なぜ無性にイライラするの?私は現在2児の母親ですが、上の子どもを出産したときは実家との折り合いが悪く、里帰り出産をしませんでした。したがって、退院してからは自分ひとりで子育てをしなければならず、毎日とても必死だったのを覚えています。そんなストレスフルな環境で、上の子どもが1歳半くらいのときから、子どもに対して無性に腹立たしくなってしまうことがありました。子どもは特にかんしゃくがひどいとか、何か成長に関して大きく気になることがあるといった問題もありません。冷静に考えてみれば、ごく一般的な子どもが、ごくごく普通にママに愛情を求めて泣いたり、自己主張したりしているだけなのに、それだけでもイライラしてしまう自分がいたのも事実です。 2人目もワンオペ。そして精神の限界へ本格的に上の子に対して嫌気がさしてきたのは、下の子を出産したときでした。このときも里帰りはせず、退院直後から3歳になった上の子と新生児をワンオペで見る毎日。もう私の精神も限界に達していたのでしょう。思わず感情的に怒鳴り散らしたり、またある日は突然涙が止まらなくなったり。そんな状態が下の子を出産して半年。私の情緒は落ち着くばかりか、ますます不安定になっていき、ついに意を決して心療内科を受診することに。結果は「適応障害」と「産後うつ」。おまけに「発達障害の疑いがある」とも言われ、後日心理テストを受けることになったのです。 発達障害を調べるテストを受けた私発達障害などを詳しく調べる検査は2日かかりました。1日目は臨床心理士さんとの面談があり、具体的にどのような家庭で生まれ育ったか、また学業成績など客観的な私の過去のデータについて話したのです。2日目はIQテストや、日常生活においてどれほど困難さを感じるかの自己記入式テストをしました。2日合わせて3~4時間ほど費やして、精密に検査をしていただきましたが、結果は「発達障害はない」との所見でした。しかし、私の症状や実親からの虐待などの出来事から「愛着障害である可能性がある」と聞かされたのです。 検査を通してわかったこと「愛着障害」とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなど適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。愛着障害と聞かされたときは「やっぱりな」と腑に落ちる私がいました。しかし、この検査を通して愛着障害と判明したことで、今までの生きづらさの理由がわかり、それを私の子どもたちに味合わせたくないと強く感じたのです。 イライラの理由が明確にわかったことで、これからは自分のつらかった過去とも向き合いながらも、子どもたちを育てていこうと心に決めることができたので、私は検査を受けてよかったと感じています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年03月30日11月16日に合成麻薬MDMAを所持していたとして、麻薬取締法違反の疑いで逮捕された沢尻エリカ(33)。12月6日に保釈されて以降、公の場に姿を現してはいない。そんななか、薬物依存からの脱却を目指して都内の病院へと入院した沢尻。選んだのは超VIPな病院だった。「特別個室も用意されており、高級ホテルのスイートルームのような豪華さだそうです。その分、費用も高め。1泊20万円以上かかるといわれています。薬物治療の入院は、通常2カ月以上かかるともいわれています。総額1千万円は超えることになるでしょう」(芸能関係者)事件による損害賠償額が20億円ともいわれている沢尻。さらに高額な入院費用がかかるとあって、最近は転院を計画しているという。「場所は、関東近郊にある心療内科専門の病院。プライバシー保護が徹底されていることから政治家や芸能人に人気で、最近だと元TOKIOの山口達也さん(47)も静養していました。ここの施設も超豪華で、トレーニングルームやスパが完備。さらにはアロママッサージなども受けられるそうです。にもかかわらず、費用は1泊1万円程度。長期療養も視野に入れているため、治療計画の見直しを考えていると聞きました」(前出・芸能関係者)12月13日、所属事務所は沢尻の現在についてこう発表した。《家族や弊社も支援しながら、日々更生に向けて医師の皆様の指導を受けて真摯に努力しております》治療を受けることで、沢尻は支えてくれる家族に笑顔を取り戻すことができるのだろうか――。「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2019年12月20日周囲には水田も広がる、東京郊外の心療内科専門病院。治療にも適した静かな環境だが、9月末はいつもとは異なる緊張感に包まれていた。近隣には中継車が停車しており、遠くからテレビカメラで建物を撮影するスタッフの姿も。彼らは元モーニング娘。の吉澤ひとみ被告(33)の姿をキャッチするため、集結していたのだ。自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で起訴された吉澤被告。所属事務所が報道各社にファックスを送り、彼女との契約解除を発表したのは9月28日夜のことだった。吉澤の所属事務所の関係者は次のように語った。「吉澤の処分については事務所内でも意見が割れていました。『かばいようのない重大な事件を引き起こしたのだから、すぐに解雇もしくは契約解除すべき』という声もありました。そのいっぽうで『モー娘。として一時代を築き、そのリーダーまで務めた功労者を簡単に解雇していいのか』という意見もあったのです。吉澤が後輩からの人望もあり、スタッフたちにも好かれていたこともあって、『本人の意見を聞いてから処分を決めても良いのではないか』と、なりました」27日夕方に保釈された吉澤はその夜、前述の心療内科専門の病院に入院した。「逮捕のショックと拘置生活により、憔悴しきっており、精神的にも専門医のケアが必要な状態だったためです。彼女の気持ちが落ち着くまで、しばらくは入院生活を送ると聞いています」(前出・所属事務所関係者)実はこの病院は、ロケ先の滞在ホテルで女性トラブルを起こした高畑裕太(25)や、女子高校生への強制わいせつ容疑で書類送検された(※起訴猶予処分に)山口達也(46)も一時期入院していた。この病院の付近に住む精神科医は言う。「全60室がすべて完全個室で、施設内にはヒーリングスパもあります。診察時にも、ほかの患者といっさい顔を合わせることなく、診察室に行くこともできます。プライバシーが完全に守られるので、政治家や芸能人の利用も多いようです。山口達也さんはここでアルコール依存症や双極性障害の治療をしていたと報じられています。吉澤さんも酒癖が悪く、事故以前にも細々としたトラブルを起こしてきたそうですが、入院することによって、今後も断酒生活を続けるための治療を受けていると思われます」引退後の彼女にも多くの難題が待ち受けている。「彼女は法廷で裁かれることになりますが、実刑判決を免れるためには、被害者たちに示談金を支払い、示談を成立させる必要があるといわれています。また起訴されたことにより彼女の結婚後の本名が公になりました。そのためインターネット上では、IT企業社長だという夫の名前など、個人情報を特定できるような内容も書き込まれているのです。夫の事業に対する悪影響なども懸念されます」(社会部記者)前出の精神科医は言う。「社会的信用を回復するために断酒するにしても、並大抵の決意では難しいでしょう。少しでも飲んだら元の生活に逆戻りしてしまうことも多く、家族や友人など、周囲の協力も必要となります」茨道をゆく吉澤被告の“一歩一歩”は重くつらいものになる。
2018年10月02日学生の頃から、体調が悪く起き上がれない日が続くことがありました。あるとき心療内科に行き、うつ病だと診断されました。しかしその後、双極性障害(いわゆる躁うつ病)だったことが発覚。うつ状態にも躁状態にも怯える毎日が始まりました。そんな私が日々感じることを綴ります。文・七海抜け落ちた記憶。躁うつ病が発覚したとき1日中ベッドから起き上がれない日々が続き、おかしいな、と思うことはありました。心療内科の受診をすすめられ、そこでうつ病の診断が降りました。精神疾患と向き合い始めたのは、この時期からです。処方された抗うつ剤はよく効き、地に落ちるような気分も何とか持ち上げられる気がして、私は薬を飲み続けました。しかし、あるときから不審なことを感じ始めました。異性の友人から、かなり踏み込んだセクシュアルな発言を受ける。朝気づくと知らない男性が隣で寝ている、など。記憶にないこと、特に性に関するものでそういったことが起こるようになったのです。そういった事態は徐々に悪化していき、曖昧なまま知らない男性と過ごしている夜が出てきました。相手が友人であることもありました。私はそのとき寝ていなかったようで、眠らないまま、毎日そういった日を過ごしていたのだと思います。そんなときの記憶で強く残っている感覚は、全能感です。なんだか空でも飛べそうな、そんな高揚感がありました。ある日、突然体が動かなくなりました。ベッドから起き上がろうとしても起き上がれない。気分はとても落ち込み、全能感に浸っていた自分を責めるようになりました。そして、断片にある男性との記憶も、とても責めました。自分が何をしていたのかわからず、でも取り返しのつかないことをしてしまったと思ったのです。ベッドから動けるようになったとき、私は病院に行きました。そこで診断されたのは双極性障害。うつ病とは別物だったのです。抗うつ剤が躁状態を引き起こす場合もあると聞き、薬を切り替えました。うつ病と診断された後に躁うつ病が発覚するケースも稀ではないようで、私はまさにそれでした。躁うつ病は再発することが多く、薬ともうまく付き合わなければならない、と言われました。躁状態も怖い、うつ状態も怖い。当事者としての心境躁うつ病の中でも、さまざまな症状が出るそうです。例えば躁状態の際、買い物をたくさんしてしまったり、ギャンブルをしてしまったりするケース。私の場合顕著だったのは、性的奔放です。こうしたものから、人間関係を壊してしまうこともあるそうです。実際、私にも経験があります。躁状態の後に訪れるのはうつ状態です。経験則上、大きく躁転(躁状態になること)するほど、後に大きなうつがやってきます。躁状態の自分を責めるのも含めて、非常に落ち込んだ気分になります。絶えず自殺念慮がよぎり、自分の存在価値を見出せなくなります。私自身の、当事者の観点からだけでいうと、根拠のない全能感も怖いです。性的奔放も怖いです。人間関係を壊すのも怖いです。そして、その後で訪れる大きなうつも怖いです。躁うつ病患者は自殺率が高くなるともいわれています。私にはそれがわかるような気がするのです。感覚的なものなので、全ての人に当てはまるわけではないと思いますが、私の場合は酷いうつ状態の後が一番危険だと感じます。躁状態のときはとにかく何でもできる気がします。その後のうつで激しく自分を責めます。しかし、起き上がれない状態であることが多い。起き上がれる程度まで回復したとき、死への決意が固まっているような、そんな感覚があるのです。私が一生この病気と付き合うとしたら再発率が高いため、躁うつ病が完治するのは難しいといわれています。私はこの病気と一生付き合っていかなければならないのだと覚悟しています。現在は躁状態とうつ状態、どちらも抑える薬を服用しており、酷い状態は避けられています。だけど、薬を飲んでいても、恐怖心が大きいです。躁うつ病だから性的奔放が倫理的に許されるかといえば、そうではないことは理解しています。躁うつ病だから人間関係を壊して良いわけでもありません。私はいろいろな人に、多くの迷惑をかけながら生きているのだと自覚しています。だからこそ、私は私自身が怖くて、私自身を否定してしまいます。どうして私なんだろう。どうしてこの病気なんだろう。そう考えたこともあります。それでも、生きている限り、私は私と向き合わなければならないのだと思います。毎日、躁状態への恐怖が心のどこかにあります。だけど、きちんと向き合って生きることにしました。過去の自分は責めてしまいますが、未来の自分は今から作っていける。例え理性の及ばないところにそれがあったとしても、幸いにも自分に合っている薬がある。危ないな、と感じたら家族に「監視」してもらっています。迷惑をかけながら、助けを借りながら生きているけれど、病気と向き合いながら、未来を作っていきたい。それが、今の私の思いです。©PeopleImage/Gettyimages©kupicoo/Gettyimages©kieferpix/Gettyimages
2018年09月12日心療内科とは出典 : 心療内科とは、何かしらのストレスが招いた体の不調を診ることを専門とする診療科です。「内科」とついているところからも分かるように、頭痛やめまいなど体に表れた症状を主に診ます。精神疾患の中には、症状として頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良が現れるものがあります。しかしその不調の原因が精神的なものと分からないまま対処しても、なかなか症状が改善しないことがあります。そんなとき、症状の原因となる精神的なストレスに、カウンセリングなどを通してケアも同時に行うのが心療内科です。そのため、本来は精神科の領域のものでも程度が軽いものは心療内科でも診てもらえます。心と体の関係を考えながら、体の不調をケアしてくれるのが心療内科なのです。精神科・内科と心療内科の違い出典 : 心療内科は1996年に政令で表示を許された、比較的新しい名称の診療科です。名前のイメージから、精神科や内科と混同する人も多いようです。それぞれの科によって、診療できる疾患や得意とする診断領域、治療のアプローチが異なることもあります。心療内科ともっとも混同しやすいのは精神科ではないでしょうか。心療内科は大きなくくりで言うと内科です。体に表れた症状を治す診療科ですが、原因がストレスにあるため、カウンセリングなどで精神的なケアも行います。体と心の両方にアプローチして治療をするのが心療内科なのです。一方、精神科は不安や落ち込み、イライラなど心に現れた症状に向き合います。対象となる病気は躁うつ病、アルコール依存症、統合失調症などです。とはいえ厳密にはっきりと線引きされているわけではなく、両方の看板を掲げる病院も少なくありません。うつ病など、本来は精神科の範囲にある病気でも症状や程度によっては心療内科で診ることもあり、心療内科で相談したら精神科を紹介されたというケースもあります。心療内科も内科も、体の不調を治療するという点では同じです。違うのは、心療内科は体だけでなく心も含めて治療をするということです。内科はさまざまな症状に対応してくれるイメージもあるため、原因のよく分からない不調はとりあえず内科へ行く人も多いでしょう。そのため内科の検査では異常が見つからず、心療内科を紹介されたというケースもあります。心療内科や精神科ではなく、「メンタルクリニック」「メンタルヘルス科」という看板を掲げる病院も多くあります。これらは病院によって診療内容のとらえ方が違います。「精神科」という名前に抵抗のある人が多いと考え、精神科でありながらあえて名前を変えているケースもあります。また心療内科と精神科の両方の診療をするため、メンタル全般を診るという意味合いで看板を掲げるケースもあります。【参考】みんなのメンタルヘルス|厚生労働省心療内科の専門領域は、ストレスが招く体の不調出典 : ストレスが招く体の不調には以下のようなものがあります。・頭痛・倦怠感・めまい・不眠・過呼吸・食欲減退、過食・吐き気・腹痛、胃痛・動悸・発汗・抜毛頭痛や吐き気など、身近な症状が多く並びます。このような不調の背景には、以下のような疾患が隠れている可能性があるのです。心療内科の対象となる病気や障害など出典 : 心療内科の対象になる病気をいくつか挙げました。症状の程度や原因によっては精神科など、他の診療科を勧められる可能性もあります。何らかの理由で学校や会社にいけない、あるいは行きたくても行けないのが不登校・出社拒否です。登校や出社をしたい気持ちはあるのに、体がそれを拒否して腹痛や頭痛といった症状が表れるというケースもあります。休んで家にいれば症状が落ち着くこともあり、休むための嘘だと思われてしまうこともあります。ですが、子どもの不登校や配偶者の出社拒否から、本人だけでなく周りの人までストレスで体調を崩してしまうことも少なくありません。そのため、早めのケアが重要となります。主な症状は吐き気や腹痛、倦怠感、動悸などです。うつ病の中でも、心の不調が体の不調に隠れてしまっているものが「仮面うつ病」と呼ばれています。うつ病によくある気分の落ち込んだ状態が見られず、頭痛やめまい、不眠といった症状が目立つため、内科で診断を受けても異常は見つからず、単に調子が悪いだけだと思い込んでしまうことも多くあります。腹痛や下痢、便秘といった腸の不調が見られる病気です。日常生活への支障は痛みによる不快感だけではありません。急におなかが痛くなってトイレへ駆け込む、出勤前にトイレから出られなくなる日が多いなど、学校や仕事に影響が出ることもあります。症状を訴える人は男性と比べると女性が約1.6倍多く、年齢では30代までの比較的若い人に多く見られます。【参考】機能性消化管疾患心療ガイドライン2014|日本消化器病学会自律神経とは、体のバランスを整える神経です。その自律神経のバランスが崩れているというのが自律神経失調症ですが、自律神経の働きは検査ではなかなか正確に測れません。そのため、何となく体調が悪いのに検査では異常の見つからない状態が長く続いているものを自律神経失調症と呼んでいます。症状は倦怠感、不眠、めまい、頭痛、動悸、食欲不振などさまざまです。寝込んで起き上がれないほどの症状になることは少なく、多くの人は「なんだか調子が悪い」という状態がずっと続きます。片頭痛は名前の通り頭の片側に起こる頭痛ですが、両側に起こることもあります。ストレスなどにより頭部の血管が収縮、その反動で血管が広がったときにズキンズキンという痛みが起こります。主な症状は頭痛ですが、ひどくなると吐き気をともなうこともあります。頭や体を動かすと痛みが増すこともあるので、光や音の刺激を避けて安静にすると症状が緩和されます。発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。広汎性発達障害、学習障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、症状や特徴でいくつかの種類に分類されます。不登校やうつ(気分が落ち込んでいる)状態をきっかけに心療内科へ行ったところ、発達障害が判明したというケースもあります。発達障害の場合、環境とのミスマッチや人間関係がストレスとなったりすることも多く、発達障害の二次的な障害として、睡眠障害やうつ、不安障害などが併存するケースもあります。甲状腺の機能異常により起こるのがバセドウ病で、動悸や疲労感、発汗が主な症状です。脈拍も早くなり精神的にも落ち着かないため、「体が常に全力疾走をしている」と形容されることもあります。まぶたの筋肉が緊張することで常に目を見開いているように見えたり、眼球の周りの筋肉が肥大して眼球が突出することもありますが、バセドウ病が必ずしも眼球への変化をきたすとは限りません。突然息苦しさを感じ、呼吸が乱れ、息が入ってこないように感じるのが過換気症候群の特徴です。動悸や胸の圧迫感のほか、手足のしびれや筋肉のけいれんを感じることもあります。発症した場合、呼吸を遅くしたり止めたりすると症状は改善しますが、本人が呼吸をコントロールするのは難しいものです。紙袋などを口に当てて呼吸をするという対処法もありますが、医師の指示を仰ぐのが良いでしょう。【参考】過換気症候群|日本呼吸器学会突然息苦しさや動悸、冷や汗、恐怖感などを感じてパニック状態になり、そのせいで社会生活に支障の出ている状態をパニック障害と言います。電車やエレベーターなど閉鎖された空間では「逃げられない」と感じるため、外出ができず、学校や会社へ行くことができなくなることもあります。状況によってはだれもがパニック状態に陥る可能性はありますが、自宅でテレビを見ているときに突然、寝ているときに突然など、予期しないところで発作が起きるのが特徴です。食事をうけつけなくなる「拒食症」と、無謀な食べ方を繰り返す「過食症」。この両方を合わせて摂食障害と呼びます。食べては吐く、を繰り返すこともあり、その場合は体内のカリウムが下がって不整脈を起こすこともあります。拒食により栄養状態が悪くなり、月経が止まることもあります。拒食と過食、行動は正反対ですが根っこは同じです。拒食から過食へ、過食から拒食へと症状が変化することも少なくありません。「やせたい」という思いから治療を拒むケースもあるため、まずは治療の必要性を理解するところから始まります。生活習慣病と言われる糖尿病ですが、ストレスがホルモンバランスに影響して血糖値を上げることもあります。倦怠感やのどの渇きなどが症状として挙げられます。治療は一般の糖尿病と変わりませんが、運動や食事などの生活コントロールがうまくいかずにストレスをためることにならないよう、注意が必要です。40代以降に見られる、様々な体調不良や情緒面での不安定な状態を更年期障害と呼びます。ホルモンの影響を受けやすい女性に多いのですが、男性にも症状が表れます。症状は自律神経失調症に似ていて、動悸やめまい、疲労感、イライラ、不眠など様々です。ちょうど子どもが就職や結婚で親元を離れる時期と重なることも多く、環境の変化に心がついていけずにうつ状態となることもあります。皮膚に病気や傷がないのに円形に毛が抜けてしまうのが円形脱毛症です。痛みはなく、社会生活に直接の支障はありません。自覚症状がないのが特徴で、美容院で髪を切ってもらうときに指摘され気が付くということもあります。しかし容姿が変わることでショックを受けて、他人の視線が怖くなり外出を拒むなど、間接的に影響が出ることはあります。皮膚に症状が現れるため皮膚科を受診するのが一般的ではありますが、背景にはストレスがかかわっている場合もあります。その点から考えると心療内科で治療を受ける選択肢もあります。心療内科における治療の流れ出典 : 心療内科ではカウンセリングを含めた診察、検査を経てそれぞれの症状に合わせた治療を行います。まずは医師に現状を伝えます。病歴や症状、薬を飲んでいるかなどはもちろん、原因になりそうなストレスや家族との関係、生育歴などを話します。もし同じ病状で他の病院にかかっていた場合はそれも話しておくと良いでしょう。うまくまとめて話せないことも多いため、受診前に簡単に話す内容をまとめてメモしておくとスムーズです。話しているうちに人間関係や仕事の相談をしたくなる気持ちも出てくるかもしれません。ですが、心療内科の医師は体の不調の原因を探るために話を聞いています。悩みを聞いて答えを探してほしいという場合は、カウンセリングルームを利用するという方法もあります。じっくりと話を聞いてもらえますが、保険が適用されないため、1時間で1万円くらいの費用がかかることもあります。問診の後は体の不調の原因や程度を探るため、必要に応じて血液検査、心電図、MRIなどが行われます。心理状態や性格を知るために、心理検査(心理テスト)をすることもあります。簡単な質問に答える検査のほか、カードに描かれた模様を見て何に見えるかを答えるロールシャッハテストなど、あいまいな質問で深層心理を見る検査が行われることもあります。心療内科の対象となる病気は、原因にストレスなどがあると考えられます。そのため、生活習慣や考え方を変えることにより、症状が改善することもあります。内科的な治療としては薬物療法があります。病気やその症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、自律神経調整薬といった薬が使われます。最終的には薬物を使わなくても安定して社会生活を送れるように、徐々に薬を減らしていきます。ほかには患者の無意識を探りストレスの原因をあぶり出す精神分析療法、行動を変えて不安を減らす行動療法、認知のゆがみ(思い込み)を正して心を軽くする認知療法といった心理療法が用いられることもあります。診療にはどのくらい費用がかかる?出典 : 心療内科へ行こうと思ったとき、気になるのは費用ではないでしょうか。内科と違って問診(カウンセリング)の分の時間もかかるので、高額なイメージはあるかもしれません。しかしカウンセリングルームとは違って保険が適用されますし、カウンセリングと言っても何十分も時間をとれるわけではないため、驚くような額にはなりません。保険適用で3割負担のため、初診で払う費用の目安は2500円~5000円程度です。症状によっては薬や検査代が別途かかることもあります。臨床心理士によるカウンセリングを行っている場合など、別途予約料が必要なところもあります。予約の要不要を含めて、行く前に病院のシステムを調べておくと安心です。心療内科では、子どもが不登校の場合など、本人以外だけで話を聞きたいという要望にも応えてくれます。ただし本人不在の場合は自費診療となるため、費用も高額になってしまいます。パニック障害など、心療内科の対象となる病気には、自己負担が1割となる「自立支援医療制度」が適用されるものもあります。利用には医師の診断書と市町村での申請が必要で、市町村や都市に指定された「指定自立支援医療機関」でなければ適用されません。治療に時間と費用がかかる場合は、制度の適用について医師に相談してみると良いでしょう。【参考】自立支援医療制度|厚生労働省まとめ出典 : 心療内科は、ストレスが原因と考えられる多様な症状に対応してくれます。費用もほかの診療科とそれほど変わらず、特に高額ではありません。症状の中には自覚しづらいものも多くあるので、気になる症状があれば、一人で抱え込まずに一度心療内科へ行ってみるのも良いでしょう。ストレスの内容や症状について話すことで、客観的に自分を見つめることもできます。あわせて普段からストレスをためないような生活を送ることも重要です。ストレスは多くの病気の引き金になります。学校や仕事、人間関係など、ストレスと無縁に生きることはできませんが、できる限りため込まず上手に発散できると良いですね。
2018年04月05日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。千葉県市川市で『仁和医院』という診療所を開業する医師の竹川敦先生は、専門は心療内科・精神科ですが、小児科や在宅プライマリーケアなど専門にとらわれない包括的な地域医療をモットーにされているお医者さまです。竹川先生はそのホームページの中で、『老いと向き合うことは人間にとって相当のストレス。認知症は自分が老いて行く姿と向き合えなくなることによってストレスから解放され、最終的には多幸症といういつも幸せを感じる状態を手に入れて最期を迎える、“神様がくれた病気 ”なのだ』という趣旨のことを述べておられます。実の父親を認知症でなくしている筆者は、この竹川先生の説について「よく分かる」面と、「実際に介護をする家族にとって、認知症はそんなきれいごとではない」という気持ちが混在し、複雑な思いがあります。認知症は神様がくれた病気なのか、一緒に考えてみましょう。●認知症は“死に至る病気”ですご家族に認知症患者の方がいらっしゃらない人にとっては、「認知症って、直接の死因となるような病気ってわけじゃないでしょう」という感覚がおありかもしれません。しかし、そうではないのです。仁和医院のホームページにもあるように、アルツハイマー型の認知症は脳の神経細胞の脱落や脱髄などから脳が委縮する進行性の病気です。始まりは単なる物忘れでも、次第に目的地に行けないなどの高次機能障害をきたすようになり、さらに進むと妄想や人格変化などの周辺症状を呈し、やがては歩行不能となります。そして、最後は食べない・しゃべらない・動かないの『失外套(しつがいとう)症候群 』という大脳皮質の機能が完全に失われた状態となって死に至る、とても残酷な病気なのです。発症してからの余命は医師によって諸説ありますが、数年から15年程度と言われています。筆者の父親は認知症の進行スピードがとても速く、発症年齢が高かったせいもありますが、診断が確定した半年後には失外套症候群の状態に陥り、この世を去りました。●介護する家族にとっての正念場は周辺症状が現れるようになってから認知症の患者さんを介護する家族にとっての正念場は、周辺症状が現れるようになってからです。筆者の父親もそうでしたが、この世で一番患者さんのことを心配し献身的に介護してくれるパートナーに対して嫉妬・妄想を抱く傾向があり、人によって程度の違いはありますが、暴力行為に発展する こともしばしばです。そうなるとやがて着替えの仕方もお風呂の使い方も、トイレで用を足す方法もわからなくなりますので、施設に入らない限り介護する家族に平穏な時間はありません。●家族が「神様がくれた病気」と思えるのは認知症の末期。それも後からのこと……妄想や徘徊をきたした父を介護する中で、筆者がそれでも「認知症は神様がくれた病気なのかもしれない」と思ったことが一度だけありました。父がなくなる前々日の夜、すでに食べることもしゃべることも動くこともできなくなっていた父の布団を直してやると、しゃべれないはずの父が振り絞るような声で確かに「ありがとう」と言ったのです。後から思えばですが、筆者はあのとき神様が乗り移った父がくれた最後の言葉を受け取って、幸せを感じていたと思います。父がその翌日には意識を完全に失って翌々日の未明には帰らぬ人となったことを思うと、認知症患者さんを介護する家族が「認知症は神様がくれた病気なんだなあ」と素直に感じることができるのは、認知症のほんとうの末期になってから のことであって、それも後からそう思えるのではないか。今ではそんなふうに振り返れるようになりました。【参考リンク】・仁和医院ホームページ()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年09月06日関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(毎週火曜22:00~22:54)に出演中の俳優・林遣都がこのほど、都内のスタジオで取材に応じ、ヒロインを演じる波瑠をプロファイリングして「全然見えない人(笑)」と分析した。同ドラマは、驚異的な記憶力があり、犯罪者の心理に異常なまでの興味を持つ女刑事・藤堂比奈子(波留)の活躍を描くサスペンス。林が演じるのは比奈子にプロファイラーとして犯罪心理に関するアドバイスを行う心療内科医師・中島保で、2日に放送された第4話では、その特殊な性格から父親からも「怪物」と言われていた比奈子に、中島が「医師としてというよりも人として好意を抱いている」と告げたシーンが話題に。一時"中島先生"がツイッターのトレンドワードとなった。このことについて林は「(9日に放送される)第5話が僕の中では区切りとなるので、そこに向けて(4話のそのシーンも)計算しながら演じました」とコメント。また「僕の役割は、比奈子の感情のない目に色を与えるようなもの。(犯罪者の犯罪のスイッチが入った瞬間の顔に)比奈子が『あなたのその顔が見たかった』という決めゼリフがありますが、そのセリフの意味合いが、これまでとまったく違ったものになるよう波瑠さんに体当たりして演じたので、ご期待ください」とアピールした。林は、芥川賞で話題となったピース・又吉直樹原作のNetflixドラマ『火花』に主演するなど、多くの話題作に出演。多忙な日々を過ごすが、オフの日は友人とくだらない話で盛り上がるのが好きだそうで、今ハマっているのは「健康」だそうだ。「私生活を過ごす時間が短い分、シャンプーなど自分で使う物はできるだけ良い物を使うようにしています」と、はにかみながら明かした。役柄であるプロファイラーにかけて「主演の波瑠をプロファイリングすると?」との質問には「全然見えない人(笑)」と即答。続けて「波瑠さんは僕と同い年ぐらいなのですが(先輩の)渡部(篤郎)さんとはまた違う、でも同じぐらいの緊張感があり、だからこそ、こっちもしっかり役を作ってぶつけたくなる。皆がついていきたくなる主演ではないでしょうか」と、あらためて分析をしていた。第5話はあす9日に放送。これまで謎だった5年前に起こったキャンディー事件の全ぼうが明らかになっていくほか、この比奈子と中島との関係にさらなる衝撃が走る。
2016年08月08日子どもが不登校になった場合、学校との対応をどうするべきか悩む人もいることでしょう。勉強のフォローや行事の参加、給食の止め方など、わからないことがたくさんあります。私の実体験をもとに、担任の先生や学校、心療内科医との連携方法をお伝えします。■子どもと先生の伝言係に徹する不登校になったとき、休みの日や外では友だちと遊ぶけれど、平日は先生や友だちに会いたがらない子どもは多いと思います。私の子どもも、友だちや先生がプリントを持ってきてくれたのに会いたがりませんでした。そこで、先生にお願いしてプリントはポストに入れるようにしてもらいました。子どもが先生と話すのをいやがる時期には、電話も控えてもらいました。何かあれば、私が学校へ行って用事を済ませることも。学校行事も、先生や友だちから直接誘うのではなく、私を通して伝えるようにしました。先生とは、初めは電話でやりとりしていました。しかし、タイミングが合わなかったり、子どもがいる場で話しにくいこともあったりしたので、LINEでのやりとりに変更。良い方法ではあるものの、学校によっては特定の保護者とのSNSは禁じられている可能性もあります。事前に確認するといいでしょう。■心療内科医から説明してもらう先生とのやりとりで迷うのが、「どこまで介入してもらえばいいのか」ということ。子どもが学校の話題をいやがっているときは、先生からの接触も控えてほしいというのが本心です。しかし、先生も一生懸命なため、様子を伺う電話をくださいます。親も先生からの説得に気持ちが揺らいでしまうことも。子どもに「学校は行っても行かなくてもいいよ」と言ったのに、翌週には登校をほのめかすなど、あやふやな態度になってしまう場合もあります。とはいえ、先生に「電話しないでほしい」とはなかなか言えません。そんなときは、心療内科医に子どもの状態を診断してもらい、学校へ直接連絡してもらえると安心です(心療内科医とのかかわり方については こちら をごらんください)。我が家の場合、心療内科医から担任の先生に電話で説明してもらいました。学校との連絡をすべて遮断したおかげで、子どもの情緒も安定したようです。その後も学期はじめなどのタイミングで、先生に電話してもらいました。後日、担任の先生から、「子どもの状態を説明してもらうことで、かかわり方がわかって安心した」と聞きました。家庭と学校、心療内科医との連携はとても大切だと感じました。■先生との間でルールを決めておくといい学校を長期間休むと、気になるのが勉強です。塾だけでも行けるのならいいですが、それでも学校へ行けないと勉強もストップしてしまいがちです。我が家の場合は、子どもの状態が落ちついてから、先生が勉強を見る機会をつくってくださいました。週に1時間、放課後ほかの生徒たちが下校したあとの時間帯です。登校時は私も付きそい、勉強が終わるのを待って一緒に帰りました。給食は学校側の内部手続きがあるため、すぐには止められません。はじめは日割りで計算し、翌月からは月単位で確認しながら止めてもらう手続きをしました。学校には給食や行事など、事務的な手続きも意外と多いものです。そのつど先生と連絡を取り、来月も連絡しなければ給食は停止のまま、行事は3週間前までに出欠を連絡するなど、ルールを決めておくとお互いに楽です。学校や担任の先生によって、対処方法はさまざまです。しかし、子どもに無理強いすることなく、子どもを守りながら状況を改善できることはあります。今回は、その一例をご紹介しました。
2016年07月27日私が適応障害と診断されたのは20代中盤のこと。今回は私と同じく適応障害やパニック障害、自律神経失調症などを抱える「心療内科に通う奥様」3名(20代~30代、結婚半年~5年)にお話を聞きました。病気を抱えたままの結婚。病気や通院をどう相手に説明したのか、どう義理の両親に打ち明けたのか、いまどんなことを思うのか。現在通院中で、「私、将来結婚できるのかな」と不安を持つかたに届けば幸いです。病気・通院はご主人と付き合う前から、それとも途中から?付き合う前から。付き合ってすぐに病気を告白。受け入れてくれました交際を始めた学生のころから当時の彼、主人に『どこかおかしい』と指摘されることはありましたが、心療内科へ行ったのは社会人1年半になってから付き合っている途中で。診断が下りた当時は遠距離恋愛でした。電話越しに病気のことを伝えましたが、相手はピンときてなかったと思うなかには同棲2年を経て結婚したものの、病気についてご主人が強く意識したのは結婚式後だったという奥様も。結婚式後に奥様の調子が悪くなり、何度も倒れ、病院に行く頻度が増えたのがきっかけ。そこで何度も話し合いをし、ご主人も病気について調べてくれるようになったそうです。結婚するとき、夫の家族に自分から病気のことを話しましたか?夫が最初に『結婚しようと思う』と義両親に話したときに、病気のことも伝えてくれました。義母が心理学科卒だったこともあり、あっさり理解してもらえ、とくに難色もしめされなかったそう結婚前に私からは話していません。でも主人が話していると思います。最初は隠せるところまで隠そうと思っていました。義実家はものすごく保守的な地域なので、こういった病気は理解されにくいかな、と勝手に考えていました。義実家とは飛行機の距離があるし、無理をすれば、盆正月の2泊ぐらいならできるし、と。しかし最近病気が悪化し、私から義母に伝えました。伝えてから、義母は病気のことをいろいろ調べてくれたようです。当たり前ですが、私より私の世話をする主人の心配をしていますね(苦笑)話していません。夫と話し合った結果、特に言わなくていいだろう、『すべて言わなくてもいい。すべて知らなくてもいい』と妊娠・出産、夫への感謝以下は特に質問をしなかったのですが、奥様たちから共通で出てきたのは「将来の子どものこと・夫への感謝」でした。妊娠についての悩み子どもはほしいけど、薬の影響や不妊もあり、心配なことはたくさんあります現在薬を飲んでいないので子どもも考えてはいますが、できればいいな、ぐらいの考えもし子どもができても、ちゃんと育てられるかな? と心配夫への感謝夫は毎日、私にどんな1日だったか、無理はしていないかを聞いてくれ、『いっしょに幸せになろう、いっしょに悩もう』と言ってくれ…。夫の理解と笑顔にどれほど助けられたか。感謝でいっぱい結婚して安心感が増え、肩の荷が下りました。 私が楽しそうにしているのをニコニコ見ている夫の存在は、本当にありがたい奥様たちから最近、病院を変えたことがきっかけで、依存性がある薬とない薬があることを知りました。皆さんにも知ってもらえれば嬉しいです薬は合う、合わないもあるので細かく主治医と相談してくださいね。また相性のいい主治医を見つけることも大切です。病気の身で結婚できるのかとても不安でした。結果論ですが、ちゃんと相性の良い相手であれば、病気込みで理解してくれるものなんだなと今は思います厄介な病気になってしまった、思うことは多々あります。でもそのぶん人の気持ちを考えるようになったし、弱い人の立場に立てるようになったかな、とも思います。同じ病気で悩んで いるひとがたくさんいることも、病気になって初めてわかりました「結婚は私もすごく悩んだから、ぜひ知ってほしい」と今回協力くださった奥様たち。もちろん、ただ「結婚したから安心!!」ではなく、妊娠・出産や、義実家との距離について悩む奥様も…。しかし、自分を受け入れてくれるご主人とふたり、結婚生活を送っている姿からはたしかに幸せが伝わってきました。病気をしてからも、パートナーと出会える。自分の家族よりも、結婚相手や義理の家族のほうが理解あるかもしれない。いま理解がなくても、今後変わることもある。いろんな可能性や希望があること、感じて頂けたらなによりです。ライター:三谷 アイ
2016年07月21日子どもが学校へ行かないと親は不安になるものです。つい、あれこれ聞きだそうとしたり、アドバイスしたり、なんとか登校させようとしてしまいます。しかし、親があせるほど子どもは殻に閉じこもり、口を閉ざしてしまうもの。私が実際に心療内科の先生からいただいたアドバイスをヒントに、不登校の子どもにどう寄りそい、コミュニケーションをとればいいのかをお話しします。■子どもは親にただ理解してもらいたい「学校で何か嫌なことがあるの?」「どうして学校へ行かないの?」子どもの気持ちが知りたくて、ついそんな質問をしてしまいがちです。しかし、子どもは「責められている」としか受けとれないようです。子どもが親に求めているのは、いまの自分を受けとめて理解してもらうこと。子どもは自分が学校へ行けないことへの罪悪感や不安感を抱いています。心療内科の先生によると、理由を詮索するより、まずは子どもを安心させてあげることが先決だそうです。■子どもの気持ちを理解する方法まずは、お母さんが笑顔になることです。子どもに安心してもらうのが先で、気持ちを理解するのは次の段階です。お母さんがニコニコしていれば、それだけで子どもの気持ちは安らぎます。いくら「大丈夫よ」と言っても、こわい顔をしていたら、子どもは「怒られている」と受けとめてしまいます。私は鏡を見て笑顔をつくってから子どもと接するようにしました。そして、理由を詮索するのをやめて、「学校に行きなさい」と言わないようにしました。家は安心できる場所で、自分の居場所がここにあると思ってもらうためです。■共有するということ次に、子どもと一緒にいる時間を増やして、たくさん会話をするようにしました。私は家で仕事をしていましたが、仕事中は一人で部屋にこもるため、なかなか子どもと話す時間を持てませんでした。夕方6時以降はいっさい仕事をせずに、必ずリビングかキッチンにいるようにしました。子どもと100%向きあい、話を聞くためです。共有スペースで子どもと同じテレビを見て、たわいない会話をして、子どもが話しやすい雰囲気づくりを心がけました。すると、テレビの話題だけでなく、少しずつ不安やグチなども話してくれるようになったのです。安心できる場所としての基盤をつくり、親に十分受けいれられていると感じる体験を重ねることで、「自分は親に理解してもらっている」という改善への糸口をつくることができました。安心感を与えること、時間を共有することが大事。心療内科の先生に言われたとき、「そんなことわかっている」と思いましたが、頭でわかっていても全然できていませんでした。お母さんが笑顔で接し、無条件で受けとめ、ささいなことでも共感することがとても大事です。インターネット上で友だちができたことを打ちあけてくれたとき、「それはよかったね」と肯定したひとことで、子どもの顔がうれしそうに輝いたことを覚えています。これからも、心療内科の先生の言葉を忘れずに、子どもに寄りそいたいと思います。
2016年06月17日医療法人社団スリープクリニックはこのほど、日本で初めて内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を、「スリープクリニック銀座」内に開設した。スリープクリニック調布の院長である睡眠専門医・遠藤拓郎(通称:えんたく先生)は、これまでに1万2,000名以上の不眠やいびきなどに悩む患者の診療を行ってきた。子供の睡眠障害は以前から問題視されているが、専門の医療施設はなく、症状を放置しているという現状がある。子供の睡眠障害は、大人のものとは病気の程度も種類も違うという。症状や治療法も特殊なため、経験と技術を持った医師、スタッフ、医療施設が必要となる。このような状況に応えるため、同院は子供のための専門機関として「キッズすいみんクリニック」を開設した。院長・遠藤拓郎をはじめとする医師が、小児の睡眠障害の治療にあたる。院長の遠藤拓郎医師は、子供のころは重症な睡眠時無呼吸症候群で、手術により症状が改善したという。「子供にとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。私は医師として、この『キッズすいみんクリニック』を通して、子供たちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。来春には、同ビル7Fに子供の健やかな睡眠を応援するため「キッズステーション」も開設する。同施設は自由に楽しく遊び、学べるオープンスペース。睡眠に関する知見を持ったスタッフが常駐し、夜泣きや不登校の対応をはじめ、子供の睡眠に悩みをかかえた人々のサポートを行う。
2015年02月03日東京都港区の南青山に、獣医のいるアニマル・ケアサロン「FLORA」がオープンした。○日本で初めてペット向け心療内科を開設11月10日に、南青山の日本赤十字社医療センター前にオープンした、アニマル・ケアサロン「FLORA」は、獣医のいるアニマル・ケアサロン。病気ではないが病気に向かいつつある、東洋医学でいう「未病」のペットのためのホリスティックケアを中心とし、ペットの本来持つ生命力を回復させることを目標としている。施術メニューは、メディカルアロマから鍼灸・漢方、リハビリテーションまで幅広い。○猫や犬を対象とした心療内科を開設さらに、米国・アニマルコミュニケーター資格取得スタッフとともに、日本初となるペット向けの心療内科を開設した。ペットのダイエットやストレス軽減、生活相談まで対応する。対象となる動物は、猫や犬が中心となる。鳥やウサギ、フェレットなどの小動物の受診は要相談。オープンに際し、院長の中桐さんは「病気になってから治療する、という今までの動物病院の概念にとらわれず、普段の食生活や心のストレスケアなど様々な面から、動物の健康・美容について考えています。血液検査機器もありますので、一般診療の方もお気軽にご相談ください」とコメントしている。営業時間は、10時~12時30分、14時30分~19時30分(水曜は定休日)。その他詳細は、アニマル・ケアサロン「FLORA」のホームページにて。
2014年11月21日「ヤングキング」(少年画報社刊)の人気連載で、シリーズ累計300万部を突破している人気コミック『マンガで分かる心療内科』のアニメ版『アニメで分かる心療内科』のキャスト情報が公開された。『アニメで分かる心療内科』は、うつ・ED・認知症からえっちなお悩みまで、分かりやすく解説する臨床心理士・療と、突飛な方向へ誤解しがちなナース・あすながお届けする最先端のメンタル治療!? 心療内科にて扱う症例をテーマに笑えて学べる異色の心療内科ギャグアニメとなる。注目のキャスト陣は、ゆうメンタルクリニックに勤務する臨床心理士・心内療を三木眞一郎、ゆうメンタルクリニックに勤務する女性看護師・官越あすなを遠藤ゆりか、あすなの姉で、三姉妹の長女の官越いやしを日笠陽子、あすなの姉で、いやしの妹・官越ひめるを内田真礼、三姉妹の祖父で官越好蔵を緒方賢一がそれぞれ担当。豪華キャスト陣が、個性的なキャラクターたちを演じる。また、先月の発表時はキャラクターの後ろ姿だけのキービジュアルだったが、今回そのキャラクターの全容が描かれたビジュアルも解禁されたので、こちらも要注目だ。『アニメで分かる心療内科』は2015年2月よりWEBアニメとして配信開始予定。(C)ゆうきゆう・ソウ/少年画報社・Mental Anime Project
2014年11月10日5月のGWが終わると、「何となく気持ちが落ち込む」「体調が優れない」と感じる女性は少なくない。中には“五月病”を疑いつつも我慢してしまい、症状が悪化する人も。メンタル面で不調を感じた場合、どの段階で病院を受診すべきなのだろうか? 心療内科、メンタルクリニック、精神科、どの病院がいいの? 職場環境と働く女性のメンタルヘルスについて詳しい精神科医の香山リカ先生に、上手な病院の選び方や、健康的に仕事を続けていくためのコツを伺った。■働く女性の不調は原因が特定しづらい、週末しっかり休んでも回復しないなら要注意! 「職場環境や人間関係が変わることの多い4月は『周囲の期待に応えたい』という気持ちからいつもより緊張気味に。それが、5月の連休で友人と会ったり、実家に帰ったり、趣味の時間を持ったりすることで自分のペースに戻ります。その落差があまりにも大きいと、仕事に戻ったときに切り替えがうまくいかず、体調を崩してしまうことがあるようです」と、香山先生。いわゆる五月病として身体に表われる不調は、通勤電車に乗ったときに起こる動悸や腹痛、月経前後の不快な症状の悪化、食欲不振や過食、不眠や過眠、アルコール依存や自律神経の乱れと、多岐にわたる。「男性の場合はメンタルに不調が起こった場合、会社に行けなくなるケースが多いです。ところが女性の場合は、不調の原因が単なる疲れからなのか、月経が原因なのか特定しづらく、解決が先延ばしになりがちです」 >>続きを読む
2014年05月14日ここ数年で、「心療内科」という言葉を耳にする機会が増えました。実際、心療内科とは何をどう診察する科なのでしょうか。精神科とは違うのでしょうか。これらの疑問を解消するべく、心身医学専門医で心療内科医の野崎京子先生にお話を伺いました。■心療内科はプチ精神科ではない――心療内科とはどのような診察をする科なのでしょうか。野崎先生内科系の「心身症」を主に診察する科です。心身症とは、うつ病などの精神の疾患ではありません。体の病気で、その発症や経過がストレスなどの心理・社会的な要因によって影響を受けるときの病状を指します。具体的には、慢性の腰痛、胃潰瘍(かいよう)、慢性胃炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそくなどです。例えば、慢性的に下痢や原因不明の腹痛で苦しむ人が、胃腸科を受診してレントゲン検査をしても異常が見られない。そこで心療内科に紹介状を書かれ、「え?おなかが痛いのになぜ心療内科へ?」と疑問に思われることがよくあります。心身症とは、この患者さんのように、レントゲンやCTなどの検査で器質的な異常がある場合だけでなく、その臓器の働き、機能に障害がある病態も指します。日本心身医学会が1991年に定めた、「心身症の定義」をご紹介しましょう。「心身症とは身体疾患のなかで、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし神経症やうつ病など、ほかの精神障害に伴う身体症状は除外する」――うつ病は心身症から除外になっていますが、うつの症状があるとき、心療内科を訪れる人は多いのではないですか。野崎先生うつ病を専門的に診察する科は、心療内科ではなく、精神科です。しかしながら、心療内科を訪れる人が多いのが現実です。風邪をひいたときに気分も落ち込むように、病の多くは心因を伴います。糖尿病やがんを告知されると同時に、うつの症状が現れる人も数多くいらっしゃいます。よって、身体的な症状がある軽症うつの患者さんの場合は、心療内科で心身両面からの診察を行います。内科の医師からも、軽症うつの患者さんが紹介されてくるケースが多々あります。実のところは、このタイプの患者さんが今、一番多いのです。――心療内科は、「精神科」とはどう違うのでしょうか。野崎先生「心療内科」と「精神科」はよく混同されますが、違う領域です。「精神科」は、精神症状を中心に脳の疾患を診察する科です。統合失調症、うつ病、各神経症(不安障害、社会恐怖、強迫性障害など)、不眠症、アルコールなどの薬物依存、認知症などの病気を診療します。また、「神経科」という診療科もありますが、これは精神科のことです。「神経症」とはノイローゼの症状を指し、体の病気ではなく精神の病気になります。大学病院や総合病院では、精神科は「精神科・神経科」、または「精神神経科」と称する場合がありますが、最近は神経科という呼称は少なくなってきました。ですから、心療内科のことを「プチ精神科」とか、「ミニ精神科」、「軽症精神科」と思われている場合、それは間違いです。また、精神科と内科の真ん中あたりに存在すると解釈されていることもありますが、それも違います。「ひと月以上も胃の痛みが治まらない」、「心臓の動悸が激しいのに、検査ではどこも悪くないと言われた」、「皮膚科で処方された薬を塗ってもアトピー性皮膚炎が治らない」、「こんなに腰が痛いのに原因不明のままだ」……など、何とも表現しがたい体の不調が続くけれど原因が分からないとき、それは恐らく心身症です。自分の心身で何が起こっているのかが分からずつらいときは、心療内科を受診してください。――ありがとうございました。心療内科での診察する病態は、精神科とは違い、体の「器質的・機能的」な不調が鍵となることが分かりました。正しい知識を持って病院選びをする必要がありそうです。監修:野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院などをへて、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス1365円)がある。野崎クリニック:大阪府豊中市新千里南町2-6-12北大阪急行桃山台駅から徒歩7分TEL: 06-6872-1841岩田なつき/ユンブル)
2012年11月14日「心療内科」と掲げられた病院を見かける機会が増えた昨今。何か理由があるのでしょうか。心身医学専門医で心療内科医の野崎京子先生に詳しいお話を伺いました。■「精神科は行きにくいから、心療内科へ」と考える現実――街で「心療内科」が増えたように思います。実際のところはどうなのでしょうか。野崎先生心療内科は、1996年(平成8年)8月に、当時の厚生省(現・厚生労働省)から、「標ぼう」を認められました。「標ぼう科」とは、病院や診療所が外部に向けて当院は「○○科」です、と看板を出す、広告をすることが認められている診療科のことです。内科、外科、小児科、皮膚科 精神科などの表記はそれに該当します。心療内科はまだ歴史が浅いため、日本の心療内科医の人数は精神科医に比べて圧倒的に少なく、2012年8月現在では、「日本心療内科学会」認定の専門医は全国で129名、「日本心身医学会」認定の専門医は全国で586名というのが実情です。ですが、この15年余りで都市部を中心に、心療内科のクリニックの数は急増を続けています。それには、「心療内科クリニック」を開業する医師の大半は心療内科医ではなく、実は精神科医であるという現実があります。精神科医がクリニックを開業するとき、「精神科」という看板をあげると患者さんが通いにくいだろうと考え、「心療内科・精神科」と表現することが多いのです。標ぼうの方法については、現在の医療法では規制はなく、どの科を掲げてもよいことになっています。ですから、わざわざ患者さんが通いにくいだろう「精神科」という看板を表に出す医師は少ないのです。また、うつ病などの症状で病院を探す患者さんは、「精神科は行きにくいから、心療内科に行こう」と考える人が圧倒的に多い、というデータもあります。これらの理由が重なって、街に心療内科が増えているわけです。――心療内科に通っているつもりが精神科だった、ということがあるのでしょうか。野崎先生大いにあります。現在の確かな数字は出ていませんが、「心療内科の開業医の8~9割が精神科医」だと言われています。それが患者さんにとって支障があるかどうかというと、心療内科は「内科」の領域であり、内科としての疾患を診察しますから、訪れた精神科医が内科の症状について研究・研さんを積んできたかどうか、適切な診断ができるかどうかがポイントとなるでしょう。――心療内科の専門医を探すにはどうすればいいのでしょうか。野崎先生専門医は「日本心療内科学会」、「日本心身医学会」が実施する試験制度の受験資格を満たし(関連研修施設において5年以上の心療内科学臨床研修を修了していることなど、多岐にわたる)、試験に合格した医師に与えられる資格です。心療内科の専門医を探すには、「日本心療内科学会(」、もしくは「日本心身医学会(」のホームページから、「専門医一覧」をご確認ください。後者は氏名の掲載のみですから、電話で問い合わせてください。また、まずはかかりつけ医を訪れ、体と心の症状について率直に相談をすることをお勧めします。適切な医師を紹介してくれることもあるでしょう。――ありがとうございました。心療内科が増加する背景には、標ぼう科となった歴史や医師による開業に関する実情、また、患者にとっては受診しやすいという理由があるとのこと。病院を探すときの参考になりそうです。監修:野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院などをへて、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス1365円)がある。野崎クリニック:大阪府豊中市新千里南町2-6-12北大阪急行桃山台駅から徒歩7分TEL: 06-6872-1841岩田なつき/ユンブル)
2012年11月10日毎日疲れることばかり、何かと否定的、悲観的に考えてしまう日々において、少しでも前向きな考え、発想を持つことはできないものでしょうか。心身医学専門医で心療内科医の野崎京子先生にお話を伺いました。■人間は悪い出来事の方を多く記憶する習性がある物事を否定的にとらえる思考の傾向について、野崎先生はこう説明します。「『人間の感情記憶とは、自分にとって良い出来事より、悪い事象の方を多く記憶してしまうものだ』と複数の医師、学者、芸術家たちが言っています。人間は幼いころから、誰かに見下された、悪態をつかれた、いじめられたなどマイナスイメージが記憶に残りやすい習性があると言えます」思いあたります。「そのつらい思いが膨らんだり、マイナスの記憶に支配されたりすると、職場や家族、親しい人との人間関係にまで影を落とすことも多いでしょう。それを乗り越えて少しでも生きている充実感を高めるには、あらかじめ、『人は誰しもマイナス面を多く記憶してしまう習性がある』ことを知っておき、かつ、思考を前向きに持って行くように意識をすることから始めましょう」と、野崎先生は、その方法について次のように続けます。「医療現場で心理療法として実践されている思考法を一つ紹介しましょう。まずは、自分が幼いころ、親や身近な人に『してもらったこと』を思い出してみてください。誰しも、人に育てられたから今があります。たとえ親や誰かからひどい仕打ちを受けた記憶があるとしても、思い起こせば、与えられてきた衣食住教育を始め、何かしら『誰かにしてもらったこと』はあるはずです」(野崎先生)■「自分がして返したこと」を思い出す「してもらったことがどうも思い浮かばない」、「悪いことも連想してしまう」という場合はどう考えればいいでしょうか。野崎先生は、「『してもらった』人に対し、『自分がして返したこと』を思い出してください。例えば母親であれば、母の日にプレゼントをしたなど、相手が喜んでいたことを考えます。始めは、面倒だったりつらい作業だったりするかもしれませんが、3分も考えていたら、続けて考えることができるでしょう」(野崎先生)実践すると、「してもらったこと」より、「して返したこと」の方が圧倒的に少ないことに気付きました。野崎先生は、こう話します。「たいていはそうなんです。あらためて考えると、よくしてもらった人に対して、『自分がして返したこと』はあまりありません。これも人間の習性であること、また、自分の負の意識の思い込みに自ら気付いたとき、人への感謝の気持ちが生まれます。そのとき、自らの内にある憎しみやうらみを、少しずつプラス発想に変える機会を得たといえるでしょう」さらに、「職場の人間関係などでも同様に考えましょう」と野崎先生。「上司や同僚にしかられて傷ついた、家族や恋人、パートナーともめごとが絶えないなど、身近な人と感情的なトラブルを抱えているとき、その人に『してもらったこと』と、『して返したこと』を思い起こします。紙に書き出すと、よりわだかまりの解消につながりますが、通勤時間やバスタイムなど、ちょっとした時間に少し考えてみるだけでもかまいません。習慣化すると、何かマイナスの出来事があったとき、条件反射的にプラス思考ができるようになっていきます。何事にも否定的にとらえてしまうときは、自分を見失い、ささやかでも幸せを感じるような感性を持てないでいるでしょう。『してもらったこと』を自分の中で人生の輝く出来事としてクローズアップし、人の良い面、人から受けた恩に注目する練習を積みましょう。やがて、プラス思考につながるでしょう」つらいことがあれば、誰かにしてもらったこと、愛されたこと、それに対して自分がして返したことを思い起こす――。すぐに取り組みたい思考法です。監修:野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院などをへて、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス1,365円)がある。野崎クリニック:大阪府豊中市新千里南町2-6-12北大阪急行桃山台駅から徒歩7分TEL: 06-6872-1841海野愛子/ユンブル)
2012年08月11日梅雨時になると、頭が重い、ズッキーンと痛むことはありませんか。二日酔いではズキズキ、急に運動をすると酸欠かのようにガンガンと痛むこともあります。これらの症状はなぜ起きるのでしょうか。また、自分でケアする方法はあるのでしょうか。心身医学・ペインクリニック専門医で心療内科医の野崎京子先生に詳しいお話を伺いました。■血管の拡張や神経・筋の緊張で痛む頭痛のさまざまな症状について、野崎先生は、「多くの人が一時的に痛みを覚え、これが慢性に続く頭痛を『慢性頭痛』と言います。これには、原因別に大きく分けて3種類があります。一般的に、頻度が高い順にお伝えしましょう」と、次のように分類して説明します。1.緊張型頭痛――筋肉収縮性頭痛・こめかみ、後頭部など、全体的に頭が重い感覚がします・頭、首、肩にかけて、筋肉が緊張して血流が悪くなること、また、ストレスによる神経的な緊張が原因だと考えられます。・肩こり、腰痛、眼精疲労、めまいなどの症状を引き起こす、あるいはこれらが原因で頭痛になる場合があります。長時間のデスクワークなど、同じ姿勢を続けることも原因の一つです。・首や肩のこりの部分を温める、温泉に漬かる、マッサージをするなどして、血流を促すことが大事です。・一番多いのはこのタイプで、誰しも経験があるのではないでしょうか。2.片(へん)頭痛――血管性の頭痛・頭の片側や、どこかがズキンズキンと脈打つように痛む(拍動性頭痛)。吐き気、下痢などを伴うこともあります。・脳の血管が急激に拡張し、血管の周囲の神経を刺激するためと考えられます。・飲酒、睡眠不足、空腹時の血糖(血液中の糖分の濃度)の低下、睡眠不足、睡眠過剰、騒音などの刺激、ストレス、ホルモンの影響などによって起こります。・痛む部分を冷やし、血管を収縮させることで症状が緩和することがあります。また規則正しい食事、早寝早起きなど、生活習慣を整えることも大事です。・20歳~50歳の女性に多い症状です。3. 群発頭痛――片方の目の奥の激しい痛み・主に睡眠中に、片方の目の奥に、「キリでえぐられるような」、「金づちでなぐられるような」激しい痛みが走ります。1年から3年に数回、1カ月から3カ月にわたって毎日同じ時間帯に起こることから、群発頭痛と呼ばれます。自然に治ることもありますが、数年後に再発することがあります。・目の後ろの血管が拡張し、炎症を起こすことが痛みの原因と言われます。飛行機や高い山では起こりやすくなります。・痛むほうの目が充血し、涙が出る、鼻水が出る、まぶたの下垂などの症状があります。・飲酒、喫煙、気圧の変化などが原因になると考えられます。発症時は飲酒、喫煙は避けましょう。治まると、飲酒の再開は可能です。・窓を開けるなど換気をよくして、深呼吸をします。・20歳~30歳の男性に多い症状です。野崎先生は頭痛の対策について、アドバイスをします。「頭痛の原因はまだ未解明の部分がありますが、原因や症状を把握しておくと、自分の頭痛がどれにあたるかは見当がつきやすいでしょう。また、ストレス、プチうつ、不安や緊張感が強い人は、頭痛も悪化しやすい傾向にあります。2週間以上頻繁に起こる、市販薬を飲んでもどうもすっきりしないなど、少しおかしいな、しつこいな、と思った場合は、痛みを放っておかないで、早めにかかりつけ医に相談しましょう。さらに、経験したことがないようは激しい頭痛の場合は、脳血管障害などが考えられます。すぐに病院へ行ってください」それぞれに原因が分かると、対応もしやすくなります。これまでは、頭が痛い、重い、と思っても放置してきましたが、今後はできるだけ、事前に頭痛が起こらないようにケアしていこうと思います。監修:野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院などをへて、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス1365円)がある。野崎クリニック:大阪府豊中市新千里南町2-6-12北大阪急行桃山台駅から徒歩7分TEL: 06-6872-1841品川緑/ユンブル)
2012年07月10日目が覚めているのに、体が何かに押さえつけられているようにまったく動かない……。そんな怖い思いをしたことはありませんか。いわゆる「金縛り」の状態ですが、なぜこんなことが起こるのでしょうか。また、対応策はあるのでしょうか。心身医学専門医で心療内科医・野崎クリニック院長の野崎京子先生に詳しいお話を伺いました。■睡眠の障害の一つ金縛りの状態について、野崎先生はこう説明します。「金縛りは、睡眠障害の症状の一つで、『睡眠麻痺(まひ)』と言われることもあります。睡眠時に、全身の脱力で体は動かないけれど、意識は目覚めている状態です。とは言っても、脳がしっかりとは目覚めていないため、誰かに全身を押さえ込まれているような感覚を覚える場合があります。短時間ですが、息苦しさを伴うこともあります。その間、実際に呼吸が止まっていることもあるでしょう。それで、誰かに口を封じられているような夢を見ることもあるようです」幽霊のしわざなど、霊的な経験を疑う人もいます。実際にはどうなのでしょうか。「患者さんから、『海外旅行中の飛行機で金縛りにあった』、『スピリチュアルスポットと言われるところへ旅に出て、泊まったホテルで金縛りにあった……。場所柄もあって、霊では!?と怖くなってすぐに帰ったのですが』という体験談を聞いたことがあります。就寝中の出来事で、夢が鮮明な物語性を帯びているとなおさら、『何かにとりつかれたのでは!?』と思うこともあるかもしれませんが、それは違います。よく話を聞くと、『海外を転々としてかなり疲れて時差もあった』とか、『旅先の宿の布団が綿の重いタイプだった』、『疲労が蓄積している』、『いつもと睡眠の環境が違った』など、体は疲労していても脳が興奮して熟睡できない状況にあったことが分かりました。無意識のうちに、睡眠が損なわれていたわけです」と野崎先生は、明快に話します。■疲労蓄積に気付くきっかけとする原因はやはり、疲労でしょうか。「そうです。急に激しいスポーツ、ランニングや水泳などをして肉体疲労がある、スポーツ選手なので毎日激しいトレーニングがある、仕事が過酷で気が休まるときがない、精神的ストレスがたまっている、病気で入院をしている、時差ボケなど、心身ともに疲れているときに多いものです」と野崎先生。実際に金縛りにあったとき、対処する方法について、野崎先生は次のことを勧めます。「意識はあるが体は寝ている、という状態から脱するようにします。『早く目覚めよう』と自ら試みてください。そのために、『目を左右に動かそうとするといい』、『声を発しようとするといい』、とも言われています。目覚めたら、霊的な体験だと思わずに、『疲れているんだな。今日はゆっくり寝よう』と考えてください。金縛りの経験を、心身のケアをするきっかけと思うことが大切です」金縛りが癖になることはあるのでしょうか。「健康な場合は、そうあることではありません。もし1週間に2回以上起こるようなら、ほかの病気が隠れていることも考えられます。かかりつけの医師か、内科、心療内科を受診して相談してください」あの不可解な感覚が、自分の疲労から来る睡眠中の症状だということが分かって安心しました。それなら対応も考えられます。疲労を感じたら、金縛りにあう前に心身を休ませることを意識したいものです。監修:野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院などをへて、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス1365円)がある。野崎クリニック:大阪府豊中市新千里南町2-6-12北大阪急行桃山台駅から徒歩7分TEL: 06-6872-1841海野愛子/ユンブル)
2012年07月06日子どものときから内向的で、社会人になった今も人見知りをしてしまう性格だ、という人はけっこういます。なんとか改善したいのですが、いい方法はあるのでしょうか。心身医学専門医で心療内科医・野崎クリニック院長の野崎京子先生にお話を伺いました。■名刺配りが苦手でプチうつになる新入社員も「『人見知り』とは、本来は乳幼児が知らない人を見て、嫌がったり怖がったりすることを指します。本能的に危険を避けようとしているわけですが、現在は大人についてもよく使い、コミュニケーションが苦手という場合にも言うようになりました。私もどちらかと言うと、人見知りな方です。同業者の集まりなど社交的な場所で、積極的に名刺を配ってにこやかに雑談をする、などということは苦手です」と、だからこそ人見知りの人の気持ちが分かる、と言う野崎先生は、その克服についてこう続けます。「積極的に名刺を配る人にあこがれて、仕事上、あんなふうに動きたいと思うことがあるかもしれません。新入社員のころは特に、それができないから仕事で差し支えるといって、五月病やプチうつになる人もいます。でも、そういう体験をしたのなら、むしろ、『早くに自分の弱点が分かってよかった』と考えるようにしましょう。すると、仕事でもプライベートでも、毎日が建設的に動き出すようになります」さらに深く自分の弱点を見極めるために、野崎先生はこうアドバイスします。「人見知りだから営業的にはダメだ~と思い込まないで、自分のいい部分、例えば、『おとなしいけれど人の話をじっくり聞くタイプだ』、『温厚で人とのトラブルが少ない』、『内気だけど自分のこだわりを生かして技術的な仕事に就きたい』などと発想を転換し、落ち込む時間を自分の個性を生かすための時間に使うようにしましょう。気持ちも楽になるでしょう」■いい格好をしようとして緊張する「『近々、会社でプレゼンをするので、緊張しない薬はないか』、と心療内科を訪れる人もいます」と言う野崎先生は、緊張することについて、次のように分析します。「多かれ少なかれ誰しも経験はあるでしょうが、緊張とは、相手に対する警戒心とか、自分をよく見せよう、いい格好をしようと背伸びする意識から起こります。よく緊張する、人見知りするという人は、大人になっても危険を回避したい、また、自分をよく見せたい、褒(ほ)められたいという気持ちが強い傾向にあります」では、「ありのままの自分で評価してもらえればいい」と思うと、緊張感や人が怖いと言った気持ちからは開放されるのでしょうか。「そうです。自分の利益、自分そのものを守る気持ちより、ほかの人が心地よくなることを考えて行動すると、人見知りは改善されていくでしょう」(野崎先生)具体的な改善方法として、「うつ病になると、あいさつもできなくなることがあります。逆もしかり、です。ですから、まずは自分からあいさつをする習慣を身に付けましょう。相手があいさつをしてこないから自分もしない、ではなく、自分から思い切ってあいさつをする。すると、相手はさわやかな気分になり、次からはあいさつをしあうようになります。コミュニケーションが成立すると、あいさつの楽しさが分かってきます。出世しなきゃ、上司に気に入られるように立ち回らなきゃ、と画策する前に、行うべきはあいさつです」と野崎先生は、「受け身ではない自ら行うあいさつ」を勧めます。最後に、こうも付け加えます。「社交辞令が得意に見える人でも、よく聞けば、自分が言いたいことを言っているだけ、売りたいものを売っているだけ、ということもあります。不器用でも、誠実に仕事をこなして粘り強く相手の要求に応えていこうとする姿勢であれば、必ず正当な評価を得るときがくるでしょう。自分の性格や個性を悲観したり、マイナスに思ったりすることは何もありません」何だか気が軽くなりました。あいさつひとつとっても、相手の出方をうかがってしまうことがあります。自分も相手もさわやかな気持ちになれるよう、小さなアクションを積み重ねることが人見知り克服への道だと言えそうです。監修:野崎京子氏。心身医学・ペインクリニック・麻酔科専門医。京都大学医学部卒。国立京都病院、大阪赤十字病院などをへて、現在、心療内科・ペインクリニックの野崎クリニック院長。著書に『心療内科女医が教える人に言えない不安やストレスと向き合う方法』(マガジンハウス1365円)がある。野崎クリニック:大阪府豊中市新千里南町2-6-12北大阪急行桃山台駅から徒歩7分TEL: 06-6872-1841海野愛子/ユンブル)
2012年07月02日