「怒り」について知りたいことや今話題の「怒り」についての記事をチェック! (1/2)
猫が大好きな、寿々(@hakutorajuju)さん。実家で暮らしている保護猫の、はーちゃんの写真を、Xで公開しました。はーちゃんと寿々さんは、普段は離れて暮らしているため、なかなか心の距離が縮まらないのだとか。寿々さんが会いに行くと、こんな表情を見せるようで…。添えられたコメントと一緒に、こちらの写真をご覧ください!猫様、お怒りです。めちゃくちゃキレている…!鋭い目付きで睨みつけるだけでなく、猫が警戒する時になるという『イカ耳』まで見せています。ここまで感情をむき出しにされたら、怖さを通り越して、笑ってしまいそうですね!寿々さんによると、はーちゃんが幼い頃は好かれていたはずが、会いに行く回数が減ったことで距離が遠ざかってしまったのだとか。投稿には、このようなコメントが寄せられていました。・なんでー!ものすごい表情。・まずい。激おこだわ…。・『イカ耳』がかわいい。大好物です。・こ、怖いー!怖い表情を浮かべてはいるものの、はーちゃんがかわいいことに変わりはありません。いつか、はーちゃんが心を開いてくれる日が来るまで、寿々さんはめげずに見守り続けるのでしょう![文・構成/grape編集部]
2024年10月26日時に自分の怒りが周りを混乱させることもあるでしょう。今回は、周りが理解できない「怒りスイッチ」を紹介します。メッセージへの返信の遅さに憤慨「彼女からのメッセージが通勤時にきて、仕事が終わるまで返信できないときがありました。それで『返事が遅すぎ!昼休憩にでも返せるでしょ?何してたの?』って怒られて。正直、理解できないよ…」(30歳/男性)なかには「雑談のメッセージは気が向いたときに返せばいいじゃないか」と考える人もいます。そんなときに「自分からのメッセージは息抜きにならないの?」と追及されたら、彼も言い訳が見つからず困惑することでしょう。答えを求めていないアドバイスへの反発!「彼女が仕事の愚痴を言うから『うんうん』って聞いているんだけど、たまに『こんな風にやればどうなのかな?』って提案をすると、驚くほど怒られるんだよね。意図がわからないよ…」(28歳/男性)相手も何かを助けるために話しているので、まずは相手の感情を理解しようと努力することが大切です。怒りで周りが混乱!?「結婚式準備で私と彼の両親がバトルになってしまいました。最終的に義父が『離婚しろ』と言い出して絶句しました…」(20代女性)感情的な発言で周りをうんざりさせることもあります。良好な関係を保つためにも発言には気をつけましょう。(Grapps編集部)
2024年07月15日男性が「キュン」とする!?【イラッ】としない可愛らしい怒り方とは彼が感心する「可愛らしい怒り方」を試してみてはいかがでしょうか?今回は、男性がイラッとしない可愛い怒り方を紹介します。はっきりとした口調も効果的何を伝えたいのかをはっきりと伝えるのにおすすめです。初めに「○○君、お話があります」と、大事なことを伝えることを前置きします。そのうえで、教師のように「私は怒っています。どうしてでしょうか?」「○○の行動はどう思う?」と、聞いてみましょう。このときに演技を交えて演じると、彼はその演技につられて、自分の気持ちを素直に伝えてくれるはずです。絵文字のLINEメッセージ絵文字だけを使ったLINEで、あなたが何に対して怒っているのかを伝えてみましょう。初めに、怒った顔の絵文字だけをメッセージ送信します。そうすると、彼はすぐにあなたが憤っていることを察するでしょう。「どうしたの?」と彼から反応があったら、あなたの怒りを示す絵文字を追加します。これにより、彼は「え?何があったんだ?」と感じ、あなたの気持ちを伝えるきっかけとなるでしょう。ツンデレ的な態度も試してみてツンデレのように、怒りをあからさまに示すことも、可愛いとされる怒り方の一つです。彼が言い訳をしたり約束を破ったりした場合、あからさまに顔を背けて「○○をしてくれなかったら、許さないよ!」と言いましょう。しかし、怒りの表情をずっと続けていると、彼も気を悪くするかもしれません。適度なところで怒りを表現したら「でも、○○だけはお願いしたいんだけど…」と、目を見つめながら言ってみましょう。こうすれば、彼は何をすべきかを理解し、ちゃんとそのことを実行するかもしれませんよ。自分の気持ちを素直に伝えるのが大事彼はあなたの怒りを「そんなに大事じゃない」「ちょっと時間が経てば、大丈夫だろう」と思っているかもしれません。そのため、いつもとは違う表現で、あなたが怒っていることを可愛らしく伝えることにより、彼の心にも刺激を与えることができます。(愛カツ編集部)
2024年05月16日アメリカのノースカロライナ州にある動物保護施設『アシスティング・ザ・ホーク郡・アニマルシェルター・イン・レイフォード,NC』。この施設では、ホーク郡動物管理局に預けられた保護動物に新たな家族を見つける手助けをしています。飼い主に捨てられた犬が見つかった場所は…残暑が厳しい2023年9月、ホーク郡の動物管理局に「犬が捨てられている」という連絡がありました。路上などに犬がいた場合、その犬が野良犬なのか迷い犬なのかはすぐには分からないことがあります。しかし、この犬の場合は見つかった状況から捨て犬だということは明らかでした。なぜなら…犬は文字通り、ゴミ捨て場にいたからです。犬はキャリーケースに入った状態で、ほかのゴミと一緒に置かれていました。ゴミの回収にきた作業員たちが犬を見つけて驚き、通報してきたといいます。心優しい作業員たちは動物管理局の職員が来るまでの間、犬に冷たい水を与えていたそうです。『アシスティング・ザ・ホーク郡・アニマルシェルター・イン・レイフォード,NC』によると、モーモーくんというその犬は、飼い主が何度か変わっていたことが分かりました。以前は3匹の犬と暮らしていたことがあり、捨てられる前の最後の家では、飼い主の子供たちと仲よくしていたそうです。施設のFacebookにモーモーくんのことが投稿されると、捨てた飼い主への批判の声が殺到しました。・なぜこんな残酷なことができるのか。犬はゴミじゃない。彼らは人間と同じように感情をもっているんだ。・こんなにかわいらしい犬を捨てるなんて信じられない!胸が張り裂けそう。・この犬の気持ちを思うと怒りと悲しみで泣いてしまった。・元の飼い主は訴えられるべき。そして二度と動物を飼えないようにしてほしい。施設ではモーモーくんが保護されてから数日後に里親の募集を開始。するとその日のうちに新しい家族が決まりました!現在、モーモーくんは新しい家の広い庭を楽しんだり、家族とくつろいだりして過ごしているといいます。施設によると、モーモーくんを捨てた飼い主は特定されているということ。ただ、捨てた理由は明らかにされていません。前の飼い主いわく、モーモーくんはとても穏やかな性格で、問題行動などはなかったそうです。家族としてかわいがってきた犬をゴミ捨て場に捨てるなんて、理解に苦しみます。これからはモーモーくんが新しい家族とずっと一緒に幸せに暮らしていけることを願わずにいられません。[文・構成/grape編集部]
2023年10月03日職場や家庭、SNS上など、人はさまざまな場面で、怒りの感情に直面します。怒るのも、怒られるのも、それが正当な理由であれ、いい気持ちはしないものです。また、『怒り方』によっては、必要以上に相手を畏縮させてしまうケースもあるでしょう。一番恐い、怒り方ゐ(@irk_hrk)さんは、人の『怒り方』について漫画を描き、Twitterに投稿しました。ゐさんによると、人の怒り方はたいてい3つのタイプに分かれるそうです。中でも一番恐ろしいのは…。1番怖い怒り方 #漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/cinwTF9mWZ — ゐ (@irk_hrk) November 15, 2022 1番恐いのは、怒らないで去っていく『菩薩型』!普段から穏やかで、他人に対しほとんど怒ることがない、菩薩型タイプ。このタイプの人を怒らせた時はもはや手遅れで、理由も告げられないまま、ただ縁を切られてしまうのでしょう…。投稿には、自分や身近な人の『怒り方』をチェックする人が相次ぎました。・分かる。普段ニコニコしている人は、たいてい怒らせると恐い。・自分は3番かも。理不尽な扱いを受けたと思ったら、何もいわずに去ります。・2番タイプの上司を経験したことがある。しんどすぎて、3番で対処した。・職場では3番だけど、子育てでは1番になってしまいます…。怒りの感情の裏側には、悲しみや不安の感情が隠れているといわれています。誰かに怒りをぶつけたくなった時は、その感情の根っこの部分にある、つらい気持ちを伝えてみてはどうでしょうか。そうすれば、理不尽な怒り方をしなくて済むかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2022年11月17日引っ越しをする時は、誰もが忘れずに大切なものをもっていくでしょう。しかし、中には大切な『家族の一員』を置いていく人がいるようです。アメリカのミズーリ州にある動物保護施設『ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス』に、「空き家に犬がいる」という通報がありました。連絡をしてきたのは家主さんで、その家の住人は1週間ほど前に引っ越していました。そして、信じられないことに、愛犬を連れていかなかったのです。家主さんは、犬が置き去りにされていることを知らされておらず、1週間後に見つけました。しかし、犬が怖くて家の中に入れなかったため、『ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス』に助けを求めたのです。階段で生き延びていた犬施設のスタッフのドナさんが家の中に入ると、まるで「助けて!」と叫ぶような鳴き声が聞こえてきました。鍵のかかったドアを開けると階段があり、オス犬がいました。ドナさんは犬を怖がらせないように、食べ物をあげながら少しずつ近付き、時間をかけてやっと捕まえました。犬は怯えていて、混乱している様子。なぜ自分が飼い主に捨てられたのか、分からないのでしょう。それでも犬は、ドナさんたちを信用しようとしていました。そして、動物病院に到着すると、犬はすっかり心を開き、その場にいる全員にキスをしてきたそうです。とても人懐っこくて愛情深い性格だといいます。フレオンと名付けられた犬は、保護されてから約1か月後に里親が決まりました!フレオンのストーリーには「かわいそうに。心が痛むよ」「なぜこんなひどいことができるのか。怒りが込み上げる」「この犬に最高の未来が待っていますように」などの声が上がっています。ドナさんに連れられて外へ出た後、フレオンは家のほうを振り返り、しばらく動こうとしませんでした。おそらく「ここにいたら飼い主が戻って来るかもしれない」という希望をもっていたのでしょう。階段にドッグフードと水が置いてあったため、フレオンは生き延びていました。しかし、家の中はとても暑く、かなりノドが渇いていたようでした。もしあのまま誰にも見つからなかったら、いずれ食べ物と水はなくなり、フレオンの命も尽きていたと思われます。どんな事情があろうと、ペットを置き去りにすることは無責任としかいいようがないでしょう。本物の『家族』ができたフレオンが、これからは一生大切にされて過ごせることを願わずにいられません。[文・構成/grape編集部]
2022年09月29日飼い主(@LilyK1101)さんと暮らしている、サイベリアンという猫種の、リリィちゃん。長毛種であるリリィちゃんにとって、飼い主さんに毛並みの手入れをしてもらうのは大事なことです。しかし、リリィちゃんはブラッシングが苦手で、だんだんと不機嫌になっていくといいます。その過程がよく分かる、4枚の写真がこちらです。「まだブラッシングするの?」「もう終わる?」「もう終わるよね?」「そろそろ、怒るよ…!」やり過ぎると段々お怒りモードになって来るので引き時を見極めるのが肝心 #猫 #cat #猫がいる暮らし pic.twitter.com/nWWMoxnIl9 — リリィサイベリアン (@LilyK1101) September 26, 2022 初めはキョトンとした表情を浮かべていた、リリィちゃん。しかし、だんだんと表情が曇っていくことが分かります!飼い主さんによると、ブラッシングを進めるうちにリリィちゃんが『お怒りモード』になるため、引き時を見極めることが肝心なのだそうです。この投稿には、ブラッシングが苦手な猫を飼っている人たちから、共感の声が寄せられました。・痛いほど分かります!機嫌がいい時にブラッシングを始めても、最終的には怒られてしまいます…。・ブラッシング苦手な猫あるあるですよね…。手早く済ませて、その後のおやつによるフォローが欠かせません。・3枚目の写真からムッとし始めるのが面白い。・とても分かりやすく機嫌が悪くなっていくのですね!かわいいなー!頑張ってブラッシングに耐えたリリィちゃん。この後、飼い主さんにたくさんかわいがってもらったことでしょう![文・構成/grape編集部]
2022年09月27日会社など、何かしらの組織に長く在籍していると、後輩の指導を担当することがあります。後輩のミスをフォローをするのも先輩の役割とはいえ、時には怒りがこみ上げる場面もあるかもしれません。『後輩がやらかした時』日常の出来事を漫画に描いている、グッドスリープ(good.sleep7416)さんは、後輩に手を焼いている先輩のエピソードをInstagramに投稿しました。その日、イライラしている先輩を発見したグッドスリープさん。話を聞いているうちに、先輩の怒りはあらぬ方向へ行ってしまいます!自分の怒りと向き合い、適切に管理する『アンガーマネジメント』ができている先輩。指導に支障をきたすこともある怒りを、そのまま爆発させずにクールダウンすると、笑える方向へと処理しました。怒りを通り越すと、胸がときめく恋とも思える状態になるようです!先輩の背中を見たグッドスリープさんは「ちょっとウイットに富んだ心の余裕があると、みんな救われるし、人間力も感じますよね」とコメントしています。漫画を読んだ多くの人たちも、先輩の頼もしさと面白さが心に刺さった様子。「めっちゃ分かる」「笑った」などの反応が寄せられています。・怒りをコントロールできる先輩に、胸が『トゥンク』しました。・その恋が実るように祈ります…!・最高だよパイセン。あなたも怒りを感じた時は、先輩のように考えて、心を穏やかにしてみてはいかがでしょうか![文・構成/grape編集部]
2022年08月07日パラグアイに住むパブロ・ビラマヨールさんが、妻と一緒にサイクリングを楽しんでいた時のことです。彼らは、遥か先のほうで1台の車が停車して、車の中から小さな袋が草むらに投げ捨てられるのを目にします。そのまま車は猛スピードでその場から走り去りました。投げ捨てられた袋に入っていたのは…ウェブメディア『The Dodo』によると、パブロさんたちはその場所に近付いた時、袋の中身が何なのかすぐに分かったのだそう。なぜならその袋から子犬が出てきて、鳴きながら彼らのほうへ駆け寄って来たのです。この子犬をここに置いていくわけにはいかない。そう思ったパブロさんたちは子犬を自転車に乗せて、連れて帰ることにしました。 この投稿をInstagramで見る Pablo Villamayor(@villamayor_pablo)がシェアした投稿 パブロさんたちは、保護した子犬を動物保護施設に連れて行くこともできました。しかし、彼らはその子犬を家族に迎えることにしたのです。ロレンツォと名付けられた子犬は幸い健康状態もよく、元気に過ごしているといいます。パブロさんは『The Dodo』にこう語っています。人々の残酷さを見て気分が悪くなりました。でも、私たちが子犬を発見できてラッキーでした。運命はロレンツォが私たちと一緒にいることを望んでいたのですThe Dodoーより引用(和訳) この投稿をInstagramで見る Shot Paraguay(@shotparaguay)がシェアした投稿 命ある子犬を袋に入れ、人気のない場所に捨てるなんて、どんな事情があっても許されることではありません。偶然にもパブロさんたちが通りかかって、本当によかったですね。幸運にも命を救われたロレンツォは、これからずっと優しいパブロさんたち家族と一緒に幸せに生きていくことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年05月26日ほぼ毎日、Twitterに漫画を投稿している歯のマンガ(@hanomanga)さん。多くの人が共感したり、クスッと笑ってしまったりするような漫画で人気を博しています。休日あるある! 笑ってしまうほど共感「まずこれができないんだなぁ」「分かる~」今回は『何をいっても上から目線で返してくる人』についての漫画をご紹介します。何を言っても上から目線で返してくる人 pic.twitter.com/U4fEN2J0BL — 歯のマンガ (@hanomanga) June 19, 2020 こういう人、いる!何に対してもアドバイスめいた言葉で返されては、うんざりしてしまいます。特に求めていないアドバイスほど、参考にならないものはありませんよね。漫画にはさまざまなコメントが寄せられました。・無駄で意味不明なアドバイスを押し付けてくる人います!何様なの?・いちいち偉そうな人いる!自覚がないからなおさらたちが悪い。もうその人とは話したくない!・毎回、格言めいた言葉を押し付けてくる人もいる!いちいちムカつくんだよなぁ。たくさんの人が怒りを爆発させていました!それだけ、上から目線で話す人が多いのでしょう。軽率に人を見下すのはやめてほしいものです。[文・構成/grape編集部]
2020年06月29日「情けないよホント…」2020年6月19日、お笑いタレント『サンドウィッチマン』の伊達みきおさんが自身のブログで怒りの声を上げています。伊達さんの怒りの矛先は、お笑いタレント『ナイツ』の塙さん。塙さんは同月15日にブログで長年愛用した携帯電話の端末をスマートフォンに機種変更したことを報告していました。塙さんの突然の『ガラパゴス携帯(以下、ガラケー)卒業』に、ガラケー仲間だったサンドウィッチマンの2人は衝撃を受けたとのこと。伊達さんのブログには『ガラケー』を使っていた頃の塙さんの写真とともに、こんなコメントがつづられていました。悪い事は言わない……この頃(写真)をよく思い出して欲しい。この…緑色の携帯を肌身離さず常に持ち歩き、何かあれば携帯にメモし…写真に収めていた。正直……俺は、怒りを通り越して今は笑ってるよ。あそこまでガラケーをフル活用し、ガラケーを愛していた人間が、そう簡単にスマホに移行出来るはずがない。伊達みきおオフィシャルブログーより引用「あんな1個しかないボタンのスマホにくら替えするなんて」と塙さんの心変わりを嘆いた伊達さん。さらに、同じく『ガラケーユーザー』の相方、富澤たけしさんの写真をアップし次のように語ってます。こうしないと、通話が出来ないんだよ。携帯の背中にあるスピーカーからしか相手の声が聞こえないんだよ…。2年前からずっとだ。伊達みきおオフィシャルブログーより引用伊達さんは壊れていても買い換えない富澤さんの『ガラケー愛』を称賛しつつ、塙さんに「まだ間に合う。ガラケーに戻して、また赤外線で連絡先を交換しようぜ」と優しく呼び掛けていたのでした。ネット上には「ガラケーへの愛がハンパなくて面白い」「富澤さんのはさすがにガラクタだと思う」「塙さん、2人のために戻ってあげてください」などコメントが多数寄せられています。ガラケーユーザーの絶滅が危惧される中、数少ない生き残りとなったサンドウィッチマン。仲間の裏切りや端末の寿命を乗り越え、長く使い続けてほしい…そう願わずにいられませんね![文・構成/grape編集部]
2020年06月19日「性格の治し方を教えてください(辛口求む)」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。自分の思い通りにならない事があるとすぐ腹を立てる性格が原因で、毎回恋愛が上手くいかず失敗し、そのたびに後悔している……というトピ主さん。「自分の性格が嫌いで治したい」ものの、「ただ我慢するだけでは長続きしないとも感じている」と語り、アドバイスを求めています。人に怒りをぶつける際には、なんらかの「目的」がある何度も反省を繰り返してきたにも関わらず、大切なパートナーにイライラや怒りの感情をぶつけてしまう行為がやめられない。まずは、その心理的理由を探っていきましょう。人が怒りの感情を発露する際には、以下に挙げられるような、色々な「目的」があると言われています。(1)自分の思いどおりにするため、相手に言うことを聞かせるため(2)言うことを聞かない相手を「罰する」ため、上下関係を思い知らせるため(3)自分の「メンツ」や「プライド」を保つため(4)相手の攻撃や傷つけられることを予知し、先んじて回避するため(5)別のところで溜まったストレスやフラストレーションを解消するため(1)のように自分の主張を通すために声を荒げたり、威嚇したりして怒るようなケースもあれば、(2)のように「次からは反抗するなよ」といった脅迫にも近い感情表現をする人もいる。あるいは、コンプレックスや気にしていることに触れられたときに、急にカッとなる(3)のようなケースや、(4)のように相手の攻撃を避けるために先に攻撃する、“逆ギレ”に近い怒り行動もあります。さらに、普段から満たされない感情や不満があり、正当に見える攻撃理由を見つけたときにそれを発散する(5)のような例も。八つ当たりに近く、相手側からすれば理不尽極まりないですが、こうした不満解消の目的で怒る人は意外に少なくありません。職場や学校などで承認欲求や自己実現欲求が満たされず、イライラして恋人や家族、年下の相手に当たり散らす……といったケースは大変よく見られます。「怒りをぶつける効果」を、育つ過程で学んできた可能性もトピ主さんが(1)〜(5)のどの傾向が強いのか、投稿内容だけでは判断できませんが、もしも仕事やキャリア、家庭環境など恋愛以外での悩みや不満があるならば、そちらの解決に努めることが性格面に変化をもたらす可能性もあるでしょう。また、「幼い頃から甘やかされて生きてきた」のが原因かも……という記述もありますが、確かにこれは大きな原因のひとつと考えられます。「怒ったりイライラしたりすれば、相手に言うことを聞いてもらえる」という経験を積み重ねてきたのかもしれません。のちの投稿では「喜怒哀楽すべての感情が激しいタイプ」という自己分析もされていますが、もしかしたら両親や祖父母、兄弟姉妹などにも、そのような性格の方がいたのではないでしょうか。ご自身を含め、怒ることで主張を通す家族の姿を見るなかで、そうした行動が有効であると無意識に学んできたのかもしれませんね。「視点を変えてみる」習慣を付け、「許す心」を磨いていこう行動の目的や性格形成要因を探ることも改善の一歩ですが、最後に、具体的な「怒りをぶつけないためのコツ」についても触れたいと思います。色々な方法がありますが、個人的には「相手の視点に立って、その出来事を捉え直すこと」+「必ずひと呼吸置いてから、対応する癖をつけること」が最も有効と考えます。怒りを感じたら、一旦、目線を相手側に移して「彼は今こういう状況だから、ああ言ったのかもしれない」等々と、想像を巡らしてみる。その上で「どう対処するのが最善か」を決め、それから落ち着いて行動に移す――。よければ、ぜひ試してみてください。また長期的には、「許す心を磨くこと」も肝要です。ここでは『内観法』と呼ばれる方法をご紹介しますね。定期的に「相手にしてもらっていること、してもらったこと」を振り返り、それに対して「自分は相手に何をしたか」「どんな迷惑を相手にかけたか」を考察します。その結果、「何事も“お互いさま”だな」という境地に至ることができれば、許しの心につながるはずです。我慢するくらいなら別れた方がマシだと思ってしまう……という記述もありますが、彼の側だって同じように、何か我慢していることがあるかもしれない。そのように視点を変えて考えてみる習慣を付けると、感謝の気持ちも生まれやすくなるでしょう。人と一緒に生きる上では意見が食い違うこともあるでしょうが、「怒りをぶつける」以外のコミュニケーション方法を少しずつ体得していけるといいですね。一番近くにいる相手と敵対するのではなく、“許しあえる関係”を築ければ、それはとてもかけがえのないものになると思います。応援しています。(外山ゆひら)
2020年05月25日バイクが好きな悪魔のz乗りジョルノ(@5454takei)さん、嫌がらせ被害についてTwitterに投稿。その内容に「ひどすぎる」などのコメントが寄せられています。ある日、バイクで走行していた投稿者さんは、いきなり警察に止められて、このように声をかけられたといいます。「ナンバープレートに何か書きました?それか落書きですか?」何も身に覚えがなかった投稿者さん。ナンバープレートを確認するとそこに書かれていたのは…。おい自粛警察。ふざけんかよ。ババタンに止められて危うく減点される所やったわ。これはやり過ぎやぞほんまに。濡れタオルやったら落ちんかったから油性やろうな。 #拡散希望️ #自粛警察 #バイク #バイク好きと繋がりたい #迷惑 #迷惑行為 #バイク乗りと繋がりたい #バイク乗りとして軽く自己紹介 pic.twitter.com/2DdmGlLyAB — 悪魔のz乗りジョルノ (@5454takei) 2020年5月17日 投稿者さんは、「警察に声をかけられて初めて『自粛しろ』とナンバープレートに落書きされていることに気付いた」といいます。新型コロナウイルス感染症の影響で、一般人が店に休業などを強要したり、県外のナンバープレートの車に対して行き過ぎた行為で自粛を求めたりする人たちを、一部では皮肉を込めて『自粛警察』と呼んでいます。投稿者さんのナンバープレートに落書きをした人も、きっと『自粛警察』だったのでしょう。投稿者さんは、「県内ナンバーのため県外から来る車両への嫌がらせではなく、無差別に外出してる車両に行っている嫌がらせなのではないか」といいます。また、警察に事情を話したところ、悪質ないたずらと分かってくれたとのこと。投稿にはたくさんの怒りの声が寄せられていました。・行き過ぎた行為。これはもう犯罪じゃない?・これは許せないですね。しかも油性ペンで書くなんて悪意に満ちてる。・さすがにひどすぎる。これは正義ではないと思います。仕事などでどうしても車やバイクを使わないといけない人もいるでしょう。自粛することも大切ではありますが、このような行きすぎた行為が今後増えないことを願います。[文・構成/grape編集部]
2020年05月18日子育てをしていると、子どもを怒るという行為や怒りの感情と無縁ではいられません。「こんなに怒りたくないのに」「怒っても子どもに伝わっている気がしない」「怒った後に落ち込んでしまう」という人はいませんか。そもそも怒るというのはそのやり方を間違えてしまうと、大人の言いたいことが子どもに伝わらず、マイナスの効果しか生まないことがあります。今回は心理カウンセラーの筆者が、あなたの怒り方がどんなタイプかを4パターンに分けて分析し、言いたいことをきちんと子どもに伝えるポイントや注意点についてお伝えします。まず自分の怒り方パターンをチェック!人の怒り方はさまざまですが、いくつかのパターンに分類することは可能です。自分を振り返ってみて、どのような怒り方をしているかを考えてみましょう。複数の怒り方が組み合わさっていることもあります。■ 手が出る(子どもをたたく、モノに当たるなども含む)■ 大きい声を出す、乱暴な言葉遣いをする■ 「もう知らない」と言って無視する■ そもそも怒ることが苦手あなたの怒り方は、上記のどれに当てはまりますか?もしくはどれに近いでしょうか?では、それぞれの怒り方に隠された心理と、気をつけたいポイントとは…。【手が出る】⇒ひとりの時に話し方を考えるイライラしやすい人に多いのが、手が出てしまうというパターン。毎回手が出るわけではなく、自分にイヤなことがあった時などに子どもが失敗をすると、つい子どもに当たってしまう人もいます。たたいて怒られる子どもは、同じことを繰り返すことが多いようです。これは怒られるときにたたかれるために、「たたかれた!」というショックだけが子どもの中に残り、何が原因で怒られたのかを理解できないためです。モノに当たるのも同様で、大人が何かに対して暴力を振るっている間、子どもはそのことに注目しておびえてしまい、何が原因で怒られているかということを意識できなくなるのです。子育てするにあたって、力に訴える方法は、「百害あって一利なし」であり、まったく何の効果も生みません。しかも子どもは、なぜ怒られているかがわからないので、次も同じ失敗を繰り返しがち。大人は同じ事が繰り返されるために、ますますイライラするという悪循環が待っています。まずは、自分を落ち着かせる方法を学び、力を使わないことに注力しましょう。子どもがよくないことをしたと感じたら、「何がよくないのか」「なぜ、よくないのか」を語って聞かせることに、意識を集中します。また力を使う大人は、言葉を使うことが不得意であるケースも見られます。自分ひとりの時などに、子どもが何をしたら、どのように話せば理解できるだろうかとシミュレーションしてみるのも効果的でしょう。【大きい声を出す、乱暴な言葉遣いをする】⇒大人自身が自尊心を養う手は出さないけれど、大きな声を出してしまう…という人もいます。実はこのパターン、大人自身が心の傷を持っていることが少なくありません。子どもが自分のことを尊重してくれない、子どもにバカにされた!などと感じることでカッとなってしまう…自分の中に根強い劣等感を持っているケースがよくあるのです。子どもへの怒り方を考える前に、自分と向き合い、自分自身を癒すことが大切です。自分で自分の自尊心を養うことで、カッとする自分が抑えられるようになることも多いのです。大きな声を出し相手を威嚇したり、自分を大きく見せようとしたりしなくても大丈夫と思えるようになることで、少しずつ落ち着いて子どもと話せるようになるでしょう。また大きな声を出したり、乱暴な言葉遣いをすることで子どもはおびえてしまうので、子どもの自尊心も損ねてしまうことになります。大声を出すことは虚勢を張ることと同様と考え、今まで大きな声で話していたことを、小さな声で丁寧に話すようにしてみて。【「もう知らない」と言って無視する】⇒「自分で考えなさい」に変えて子どもとケンカになると、つい「もう知らないから!」と突き放してしまっていませんか?大声を出す怒り方もイヤだし、手を出すなんてもってのほか…と考えている大人が、時々やってしまいがちな怒り方です。この方法で怒ってしまうと、子どもは何がいけなかったのかを完全に理解する前に、自分が見放されてしまうという恐怖感でいっぱいになります。すると、悪いことを反省するのではなく、大人の気に入るような行動をして見放されないようにしよう…と相手の顔色をうかがい、自主性を失ったまま成長することに。つい「もう知らない」と言ってしまいたくなることはありますが、そんな時は、「知らない」というフレーズを使わないようにしましょう。何がいけないかを言い聞かせた後に、「どうしたらよかったのか、自分で考えて説明しなさい」と、子どもに考えさせた上でコミュニケーションの道を常に確保しておくといいですね。【怒ることが苦手】⇒子どもの目を見て返事をもらって怒ることが必要だとわかっていても、怒ることが苦手で逃げたくなってしまう人もいます。もうちょっとしっかり怒りたいのに…と思いながら、つい「まぁいいか」と、なあなあにしてしまっているなら、あなたはこのタイプかも。基本的に子どもの怒り方は、激しければよいというものではありません。肝心なのは怒るべきことが、子どもにしっかり話せているかどうかと、子どもがそれを理解できているかどうかということ。ですからあなたの言いたいことが子どもに伝わっているのか、子どもからレスポンスを受け取ることに注力するのがおすすめです。怒る時には自分がしゃがんで子どもの目線まで下り、子どもの目を見て話しましょう。ゆっくりとした話し方でも、目線が真剣なら子どもはちゃんと受け取ります。子どもが目を逸らすようなら、ママの目を見て!と自分のほうに向かせましょう。何がいけなかったか、どうしなくてはならないのかを話し終わったら、子どもが理解をしたかどうか「わかった?」と確認してあげるとよいでしょう。怒り方に正解はないけれど不正解はある!怒り方についてさまざまなことが言われていますが、実際には子どもの性格を観察し、その子がわかりやすいような話し方を選ばなくてはならないため、怒り方に正解はありません。そこが怒り方の難しいところです。一方で、大きな声を出して怒鳴る、手を上げる、無視をするといった怒り方では効果はありませんし、子どもがいけないことをした時に怒らずに済ませることもよくありません。これらの怒り方は、いわば不正解の怒り方と言えるでしょう。わが子の性格をよく見ながら、どのような言葉を選んだら子どもにわかってもらえるかを考えましょう。また大人でも一度言われただけで何かを正しく直せることは少ないもので、腰を据えて同じ事を何度も根気よく話すことが当たり前だと考えておくことも、自分の落ち着きを保つために大切ですよ。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2020年05月18日みなさんは、怒りが湧くような酷いニュースを見た後、しばらくその話題ばかりが気になったことはありますか。その話題について検索し、より情報を集めていくとさらに腹が立ったり、気分が悪くなったりしますよね。そんな怒りについて、かん だんち(@dankoromochi)さんが漫画を描きました。【エッセイ漫画】怒りに依存しない(全2枚) pic.twitter.com/1yrfH8qicC — かん だんち (@dankoromochi) May 5, 2020 気になるニュースがあると、ネットを使って延々と調べ続けてしまう人もいるでしょう。しかし、そのニュースについて過剰に考えてしまい腹が立っている時は、この漫画の通り『怒りに依存』してしまっている状態かもしれません。漫画には、さまざまな声が寄せられました。・なるほど。これを継続しているとクレーマーになるのか…。・最初はただの怒りだったものが、途中から「攻撃したい」という欲求になってしまう。・以前の僕は、怒りに依存した状態でした、今は情報を深追いしないようにしています。理不尽な怒りを誰かにぶつけている人を見ると、「そんなことで怒らなくても…」と思うことがありますよね。しかし、行きすぎた怒りを持て余すと、さらに怒りを求めて理不尽に怒るようになってしまうのかもしれません。自分の中で過剰な怒りを感じたら、一度冷静になることを心がけたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月11日以前、信田先生を取材させていただいた 「『私って、毒親?』と心配するママたちの原因は、“母”にある!?」 という記事が、とても人気がありました。それだけ、多くの人が、「こんなに感情的になってしまう私って、大丈夫?」と、心配しているのだと思います。》 「『私って、毒親?』と心配するママたちの原因は、“母”にある!?」 出産・育児の時期は、自分の母親の育児態度が思い出され、「母と同じ口調でわが子を叱ってしまう」と、自己嫌悪を感じることも。「私って、もしかして毒親?」と、心配になるママはどうすればいいのかをひも解いていきます。それだけ、多くの人が、「こんなに感情的になってしまう私って、大丈夫?」と、心配しているのだと思います。子育てをしていれば、感情的に子どもを叱ってしまう日だってあるでしょう。では、母親は、感情的になってはいけないのでしょうか? 引き続き、母子論の第一人者であるカウンセラーの信田さよ子さんにお話しを伺います。この記事は、 「『親にされたことを、わが子にしたくない』そんなママに限界がきたら…」 の続きです。■「感情的になった母親はひどい」のか?―つい感情的に子どもを叱ってしまい、その後に激しい自己嫌悪に陥ります。信田さよ子さん(以下、信田):「感情的になった母親はひどい」と考えると、「感情的になってはいけない」「怒ってはいけない」と抑制しなければという気持ちになりますが、それは誤解です。たとえ否定的な感情だったとしても、湧き上がる感情そのものに良い悪いはないんです。「怒りの感情を抱く」ことと、「それをどのように表現するか」は、別の話として考えた方が良いですね。―そうなんですか?信田:怒ったらすぐに怒鳴ってしまう、思わず子どもを叩いてしまうという人は、「怒り」を「抑える」しか方法がない、だから我慢しなければというふうに考えがちです。近年の心理学の成果は、どれほど怒りの感情が激しくしても、その表現方法は「選択」できることを明らかにしたことです。―表現方法を、「選択」ですか?信田:それには、自分の怒りを客観的に眺める必要がありますね。「怒りの温度計」という比喩は、とても役に立ちます。ゼロから10までの目盛りの温度計で「今6度だ、このままの状態を続けると9度を超えてしまう」というように、自分がどこまで怒りを抱いているか、怒りの程度をウォッチするのに温度計の比喩は役立ちます。怒りの温度計が上昇しているときであっても、ゆっくりとそして落ち着いた声で、「パン屋さんでは、パンに指でさわってはいけません」と、伝えることはできるでしょう?―なるほど。そんなふうに考えれば良いんですね。信田:怒ったらすぐ大声で怒鳴ってしまう、という人は、行動の選択肢は怒鳴る以外にもあることを知らないか、怒鳴るという行為を許している、自分を正当化しているんだと思います。もし、「自分の子どもだから怒鳴ってもかまわない」と考えているとすれば、はなはだ迷惑な話だと思います。子どもを所有物だと思っているのではないでしょうか?■叱るのはいけないことなのか?―所有物というか、子どもに対して「責任がある」と思っているんです。信田:なるほどね。そういう方は、もしかすると「怒る」と「叱る」を混同しているのかもしれませんね。最近は、「怒ると叱るは違う」と、さまざまな子育て本に書いてあり、ひとつの定番化になっているほどです。でも、「怒る」と「叱る」の違いを理解している人は、案外と少ないのかもしれません。「叱る」行為の大前提として、「自分の感情を爆発させるためではなく、相手の成長のため」という目的がある点を、意識してみましょう。つまり下の存在を成長させるために、上の存在がきつく諭し気づかせるように導くことが、「叱る」という行為です。そこには、「上から下への勾配関係」があります。―なるほど。信田:けれども、最近では子どもに対して「上から目線」になることをためらう親が増えています。「子どもを対等な人として扱うことが大切」、「押し付けない」「強制しない」、「なぜなら子どもの自主性が大切だから」といった育児観が広がることで、上から目線の命令口調は否定されるようになってきました。けれども、「〇〇してはいけません」「〇〇しなさい」と発言しないことは、親が責任を取ることに怯えているんじゃないでしょうか。もっとはっきり言えば、「叱らない親」「お願いする親」の本質は、私には責任逃れのように感じられるのです。■子どもに怒ってしまったことは取り返しがつかないの?―すごく思い当たります…。でも、やっぱり、何だか及び腰になってしまうんです。信田:「怒る」と「叱る」を、整理できるようになってくると、怒りのエネルギーを上手に使えるのかもしれませんね。そんな方に知っておいて欲しいのは、思わず怒りの感情が暴発してしまったとしても、取り返しがつかないわけではない。ちゃんとフォローできていれば大丈夫、ということです。取返しのつかないことなどないんです。―そういってもらえると、何だかホッとします。信田:そして、さらに、親が叱る時の基準をつくることが大切です。親の気分次第の勝手な叱り方は、子どもに大きな混乱をもたらしますからね。そうすると、子どもなりに、リスクの少ない安全策は「親から見て常にいい子でいることである」と学んでしまうんです。過剰ないい子、誰からみてもいい子であることの背景に、親のわけのわからない無原則的な怒りの暴発があることは指摘しておきたいと思います。―そうなんですね…。信田:望ましい家族の一つの条件は、「子どもなりに納得できる原則を親が示し、親がそれを守ろうとする姿勢を示すこと」。それはひとつの「秩序」を示すことですね。叱るという行為は上から下への支配的な言動のひとつですが、「自分の感情を爆発させるためではなく、相手の成長のため」という目的ゆえに許されるのです。こうやって整理しておけば、「怒る」ことをむやみに怖がらなくなるし、感情的になってしまった時も、きちんと「叱る」ために、ハッと立ち止まれるのではないでしょうか? <感情的に怒ってしまうママへ>1)「怒り」の表現方法は選択できる。「怒りの温度計」という比喩を使うとわかりやすい2)「叱る」のは、相手の成長のため。叱る時は基準を示し、親は基準を守る姿勢を見せる3)親のわけのわからない無原則的な怒りの暴発が、「いい子」を作ってしまう次回は、いよいよ本特集の仕上げ。虐待の世代間連鎖を防ぐためのお話しです。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと』 (¥1,400円(税別)/講談社)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)など。
2020年01月24日「ベビーカーを押していたら『邪魔だな』と知らない人に怒鳴られた」「夫に『専業主婦は楽でいいよな』と言われた」「義母が予告なく訪問してきて、子どもが昼寝できなかった」そんな日々の「あるある」で怒ったり落ち込んだりした時、皆さんはどう感情をコントロールしていますか?そういった負の感情にとらわれて、なかなか気持ちを切り替えられない場合、周りに嫌な空気を巻き散らしたり、ついつい子どもや夫に八つ当たりしてしまうこともあるでしょう。怒りや落ち込みを引きずらないためには、どうすればいいのでしょうか。■怒りや落ち込みなど負の感情はどこから生まれる?実は、怒りや落ち込みという感情は、誰かに怒られるといった「自分以外の何かが引き起こす」ために生まれるものではありません。怒りという感情は突きつめていくと、「相手が自分のことをわかってくれない」という失望が引き起こすものです。一方、落ち込むという感情は「自分はダメでデキない人間だ。価値がない」という思い込みが強くなり、自己肯定感の低下や自己無力感が引き起こすもの。「理解してほしい」という希望や「自分はダメだ」という思い込みなど、自分の中から生まれる感情が怒りや落ち込みを引き起こしているのです。負の感情は、ほかからの働きかけではなく、自分の中から生まれてくるものだと早く気づければ、ダラダラと長く引きずることはなくなります。しかし、怒りや落ち込みの感情にとらわれている最中は、冷静な判断ができず、なかなか自分で気づくのは難しいでしょう。そんな時に活用してほしい怒りの鎮め方、アンガーマネジメントの方法をご紹介しましょう。■ステップ1:怒りや落ち込みの感情を2つの方法でコントロールするまず、自分が怒りや落ち込みの感情にとらわれ、冷静さを失っていると感じたら、次の2つをやってみましょう。1.ひとりになる。2.深呼吸する。まずは、自分自身に向き合うために、別部屋に移動する、トイレに入るなどしてひとりになりましょう。それから、大きく深呼吸をするのです。怒りや落ち込みを感じている時は、自律神経のうち交感神経が優勢になりノルアドレナリン(激しい感情などで出る交感神経の情報伝達物質)が放出されます。それを抑えて体を回復させる状態、つまり心を平静に保つ副交感神経を優勢にするためには、深呼吸をしたり、トリプトファン(心の安定を保つ情報伝達物質セロトニンを増加する効果がある必須アミノ酸)が含まれる大豆製品や乳製品を食べるといいでしょう。中でも、すぐできるのが深呼吸。何度もやることで、心のバランスを保ち冷静さを取り戻せます。ほかの人の目がある場所では緊張を感じて副交感神経が優勢にはならないので、必ずひとりになることが条件です(*)。もし、子どもを感情的に怒ってしまいそうな時などにもおすすめ。子どもとはいったん離れ、別の部屋に移動してひとりになることで、怒りをコントロールできるようになるでしょう。■ステップ2:どうして怒ったのか、落ち込んだのかを自分に問いかけるひとりになり深呼吸をすることで落ち着いてきたら、次のステップへ進みましょう。自分の怒りや落ち込みという感情に意識を向け、「どう思ったから怒ったのか、落ち込んだのか」を自分自身に問いかけてみてください。例えば、上司に理不尽なことで怒られて落ち込んだ、せっかく作ったごはんを子どもがすべてこぼしてしまい怒っているなど、自分の嫌な気持ちが「誰に対してなのか、どんなことなのか」を、自分自身との会話でひもといていきます。嫌な気持ちの対象がはっきりしたら、次は「自分はどう思ってほしかったのか、どう伝えたかったのか、どうしてほしかったのか」を明確にしましょう。例えば、子どもにごはんをおいしく食べて欲しくて一生懸命に用意したけれど、それがかなわなかった。そのがっかりした気持ちが怒りへと変わったことが理解できます。そうやって冷静に分析していくと、嫌な気持ちは不思議と薄まってくるでしょう。ただし、自分に責任があると思い込みやすい人、自責タイプの人は、怒りが自分への強い失望へ変わることがあります。そうすると、「私はダメな人間だ」とさらに落ち込む場合も。そうならないために、自分を責めてつらくなったら、「私だけが悪いんじゃない」とあえて他責、自分以外に責任があると言いきかせるんです。私だけが悪かったのではなく、怒った上司もちょっと機嫌が悪かったし、子どものあの態度もないよねってつぶやいてみるんです。そう言っているうちに、どう思って欲しかったか、どうして欲しかったか、どう伝えたかったのか、どうしてそう思われてしまったのかがだんだんとわかってきます。■ステップ3:「他人は他人、自分は自分」価値観や感情に流されない自分が怒りや落ち込みを感じた原因や、それによる負の感情を解き明かしていくうちに、次のことがはっきりしてきます。今起こった嫌なことは「その時点での相手の価値観からくだされた判断」であり、たまたま相手がその時、そう感じただけのことだと気づくでしょう。それは、本来の自分に対しての評価ではなく、一過性のもの。自分はダメだ、わかってもらえない存在だと思い込んでいたことが、真実ではないとわかってくるのです。大抵、嫌な気持ちを引きずる原因は、相手の言っていることや態度が「真実」だと思い込んでいるから。そうすると、長くいやな気持ちを引きずり、立ち直れなくなるのです。寝る前などは副交感神経が優勢になって冷静になります。そういった時、何に怒っているのかに焦点を見定めて、自責傾向が強く出てきたなと感じたら「自分だけが悪いわけじゃない」と言い聞かせましょう。自分を責める気持ちが薄まったら、「どうして欲しかったのかな」「どうわかって欲しかったんだろう」と自分を見つめます。そうすることで、嫌な気持ちを周りにまき散らすことが少なくなり、八つ当たりも減るでしょう。■あなたは自責? それとも他責タイプ?ただし、他責の多用には注意を。他責傾向が強くなってしまうと、落ち込んだ気持ちから復活するのも早く後に引きずらないメリットがありますが、反省の気持ちが薄まり、失敗は周りのせいだと攻めたてて迷惑をかける存在になる場合も。ですので、「自分の責任ではない」と言い聞かせて気持ちを浮上させるテクニックは、もともと自責傾向が強く、一つつまづくとずっと引きずって周りに八つ当たりをして落ち込むタイプの人におすすめです。自分が自責タイプか他責タイプかがわからない時は、「何かトラブルが起こった時、とっさに自分がどう思うか」を思い出してみましょう。自分が悪いと感じる人は自責タイプ、自分以外の人やものが悪いと思う人は他責タイプに分けられるでしょう。ただし、それは程度の差があり、混在していることもあるため、どちらかに白黒はっきり分けられるものではありません。どれくらい負の感情が続くかによって自責傾向が強いかどうかが分かります。落ち込みや怒りが3日続くなら自責タイプでしょう。自責タイプの中でも、すぐ「悪かった、ごめん」と言えるのは「プラスに働く自責」で負の感情をあとに引きずりません。何も言わずにうつうつとずーっと怒っているのは「マイナスに働く自責」なので注意しましょう。自責、他責、それぞれに良いところもあれば悪いところもあります。要はバランスです。この機会に、自分の怒りや落ち込みの感情を見つめなおしてみましょう。*参考書籍:小林弘幸著「怒らなければすべて健康」(祥伝社黄金文庫) エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2019年10月05日職場の人間関係、多すぎる仕事量、責任の重いプロジェクト…。そんなストレスから「もう勘弁してほしいよ」「やってられないよ」なんて仕事の愚痴を、妻にこぼす夫は少なくないでしょう。愚痴をこぼせるのは、信頼している妻だからこそ。心を許している妻に弱音をはくことで、甘えているんです。妻のほうもそんな夫を気遣って「ご苦労さま」とねぎらったり、「負けないで」と応援したりしますよね。でも、その愚痴の対象がだんだんと自分に向けられるようになってきたら? 怒りの対象が仕事だったはずが、なぜか矛先が妻に向かい始め、「おまえのせいだ」と言い始めたら要注意。それはもう、甘えの域を超えています。今回は、「夫の愚痴。妻への甘えなのか、ライトなモラハラなのか」を見極めるポイントと、その対処法について考えていきましょう。■夫の愚痴テーマ、大きく分けると4パターン夫の愚痴は大きく分けると、下記のような4パターンに分かれます。・自分の能力・スキルに関すること・職場の人間関係・仕事の内容について・勤務先の待遇・業界について例えば「今日はすごく疲れた。なんで俺だけこんなに多く仕事を振られるんだろう…?」というのは自分の能力に関する愚痴です。「あの上司と、俺。なんか相性悪いんだよなあ」というのは職場の人間関係にあたる愚痴ですね。「昨日、大きなミスしちゃって…。夏のボーナスに響くかも」は仕事内容について。「少子高齢化の時代に、うちの会社はやってることが逆行しているよ。もう先細りかなあ」は勤務先や業界について… というような感じです。■愚痴る夫の心理「自己嫌悪の甘えか、責任転嫁のモラハラか」愚痴をいうとき、夫の心の中はどのような状態になっているのでしょうか? 実は、愚痴をこぼす夫の心理は2つのタイプに分けられます。1つ目のタイプは「どうしたらいいんだろう…」「俺ってダメだなあ…」という自己嫌悪からくる愚痴です。これは「弱音をはく」と言い換えることもできますね。自分に対する愚痴をいうのは「妻に甘えたいから」です。成果を出さなければならない毎日の中で、頑張る自分を励ましてほしい、話をやさしく聞いてほしい…。つまり、夫は弱音をはくことで妻に甘えているんですね。2つ目のタイプは「部下(上司)は分かってない!」「会社の制度が悪い!」など周りを批判する愚痴です。会社という組織の中にいれば理不尽な目に合うことも珍しくありませんし、こうした文句はどうしても生まれてしまうものでしょう。だから、たまにあるのは仕方のないことです。でも、自分の身に起こった出来事を、いつまでも周りの誰かや環境のせいにしている、自分を省みることがほとんどない、といった場合は要注意…!なぜかというと、このタイプは自身のイライラの矛先を妻にスライドさせる恐れがあるからです。例えば、部下の悪口をいっていたと思ったら「おまえもいつも要領が悪いよな」といってきたり、給料が上がらないといった愚痴から「お金がないのは、君が節約してないからじゃないか?」といってきたり…。愚痴を聞いていただけなのに、いつのまにか自分が責められている…。周囲の誰かや環境を批判する愚痴は「妻へのモラハラ」の第一歩になる危険を秘めているのです。■夫の愚痴、モラハラになりかけた時の対処は?誰でも愚痴をこぼしたくなるときはあるものです。では、夫の愚痴に対し、どのように対応するのが望ましいのでしょう?「俺ってダメかも」「どうしよう…」といった自分に対する愚痴をいうのは、妻を信頼して弱みを見せている証拠です。だから、ひたすら聞いてあげましょう。「うんうん」とうなずきながら、会話の途中に「そうなんだね」「大丈夫、なんとかなるよ」など、気休めでもいいので励ましの言葉を入れてあげると効果的です。「話をきちんと聞いてくれている」と思えると、どんな人でもホッとしますよね。信頼している妻に自分の気持ちを聞いてもらった夫は、次第に気持ちも落ち着いてくるはずです。周囲を批判する愚痴も、最初の対応は同じ。話を聞いて、励ましてあげましょう。ただし、矛先が自分に向いてきたな…と感じたときは、決して「謝らない」ことを意識してください。自分が責められたとき、なだめようとして「はいはい、私が悪いね。ごめんね」と謝まってしまうと、夫は「妻がイライラの受け口になってくれる」と認識し、外での鬱憤(うっぷん)をますますぶつけてくるようになります。だから、決して謝らず、極力言葉を挟まないようにすることです。「聞いてる?」「どうなの?」など夫からの問いかけがあったり、何か言葉を返さなければならなくなったときは「まあ」「うーん」「ふーん」「あ、そうだっけ?」「ああ、そうなのね」といった感情のこもっていない、そっけない反応を示すようにします。すると夫は「あれ?」と肩すかしをくらったような気分になり、それ以上ヒートアップしにくくなるのです。「長くなりそうだな…」と感じたときは最初だけ話を聞いて、さりげなくその場を離れるのも有効です。すべて受け止めようとせず、我関せずといった態度が周囲を批判する愚痴への望ましい対処といえるでしょう。甘えの愚痴なのか、モラハラに発展する愚痴なのか。夫の愚痴タイプを意識して、上手にガス抜きさせてあげられると良いですね。
2019年05月02日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「嫉妬心が強すぎて、人間関係をダメにしてしまう」という、ムクさん(34歳・看護師)に、心屋塾認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。■ムクさんのお悩みねたみや嫉妬の感情が強すぎることに悩んでいます。ねたみを感じると、怒りを感じたり、勝手に裏切られたと思ったりしてしまい、そういう自分になるのが嫌で、人間関係を疎遠にしてしまいます。私の心の中に「誰よりも自分を一番に評価してほしい」「大切に扱われたい」「傷つきたくない」という感情があるように思います。 こんな自分に振り回されてバカみたいだと思いつつも、ねたみと嫉妬の感情のせいで、怒り疲れてしまいます。こんな自分の心をコントロールする方法があれば教えてください。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾認定講師の心みねこさんよりムクさん、ご相談ありがとうございます。心屋塾認定講師の心みねこです。ねたみや嫉妬心が湧いて、怒り疲れて、そんな自分が嫌で人間関係を疎遠にしてしまうのですね。本当は誰よりも人からの承認が欲しいのに、裏腹な行動を取ってしまう…。寂しいやら、やるせない思いをたくさん感じてこられたのではないでしょう。ムクさんは「嫉妬心」を嫌悪している。嫌悪している感情を抱いてしまう自分自身も、嫌悪してしまっている。加えて、そういう感情を喚起する相手にも「裏切られた!」と感じてしまう…。自分だけではなく、相手まで勝手に巻き込んでしまうことも、情けないと感じているのではないでしょうか。「感情をコントールできたら」と書かれていますが、実は感情は、コントールしようとすればするほど暴れまわる習性もあります。まずは、どんな感情も肯定してあげること。嫉妬心は湧いてもいいのです。嫉妬心は誰もが持つもので、心に湧いてもいい感情だと肯定しながら、ぜひ次の3つの思考法を試してみてください。【嫉妬心を和らげる思考法1:嫉妬をチャンスととらえる】嫉妬心を「ようこそ!」と歓迎してみましょう。嫉妬心とは、自分と大差がない相手に対して抱く感情です。自分と同じ土俵にいる人だから、嫉妬する。すでに同じ土俵に上がっているのに、「相手からすごく引き離された」と思い込み、「かなわない」と感じて嫉妬するのです。つまり、嫉妬を感じている相手は「超えられない相手」ではないということ。相手は「ちょっと手を伸ばせば届くんだよ」という地点を見せてくれています。自分がこれからたどり着く先の姿を体現してくれているのです。「次はあなたよ」と教えてくれています。嫉妬心が湧いたときほど、チャンスだとも言えます。たとえば、友人が結婚することになりました。「よかったわね」と素直に喜べない自分がいます。その友人に嫉妬しているからですね。しかしその友人は、「あなたも結婚できる」と教えてくれている人なのです。お互いに大差ない位置にいるということは、その友人よりさらに上へ行くことも可能です。もっとイケメンで、高収入で、かつあなたを幸せにしてくれる人に出会うかもしれません。嫉妬を感じたときには、ぜひ「嫉妬」→「次は自分」という図式を思い出してください。嫉妬心が湧いたら、あなたは次に進める。信号で言えば「青」のGOサインだと思ってみましょう。 【嫉妬心を和らげる思考法2:心の痛みを優しく受け止める】ムクさんは、ねたみや嫉妬心が湧いてくる際、「自分が評価されなかった、大切に扱われなかった、そのことで傷ついた」といった強い心の痛みも伴なっているようですね。そういう痛みを感じるのは、もしかしたら相手との距離を絶対に縮められないシチュエーションでの嫉妬を覚えているのかもしれません。たとえば、家柄や育ち、身長や脚の長さなどの体形、すでに身につけている技術、身体能力の違いなどは、どうしようもない部分もありますよね。変えようのないことに嫉妬してしまうときは、「一番に評価されたかったね」「もっと大切に扱われたかったね」「傷ついたんだね」と自分の心の痛みを優しく受け止めてあげてみてください。【嫉妬心を和らげる思考法3:嫉妬対象の悩み・努力を想像する】ムクさんは他人の「華やかな部分」や「光の当たっているところ」だけを見て、嫉妬をしていませんか?しかし、相手は湖に浮かぶ白鳥のように、水面下では足を猛烈にバタバタ動かしているのかもしれない。あるいは、これまで人には見せない血のにじむような努力をして、苦労に苦労を重ねて、ようやく花を咲かせたのかもしれない。セミのように長い間、土の中でひっそりと辛抱してきての今、なのかもしれない。華やかに見える今この瞬間も、大っぴらには言えないようなつらい悩みを抱えているかもしれません。見た目ほど幸せではない可能性もあるわけです。相手がうらやましいからといって、その人の人生と自分の人生をそっくり入れ替えて、その人と同じ称賛を浴びたいと思いますか?そのように考えていくと、「今のままの自分のほうが居心地がいいし、家族をはじめ愛する人たちも身近にたくさんいるし、取り換えたくはないな」と気づけるのではないでしょうか。「あんなに苦労するんだったら、いいや」と思えた時点で、嫉妬の気持ちは昇華され、かなり和らいでいると思います。ムクさんの幸せを願っています。※嫉妬の心理については、自著「心屋流、すっごく!うまくいく方法」(PHP研究所)に基づいてご紹介しています。・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年11月06日「自分は虐待をしているのではないか?」1991年より都内で、子どもへの虐待防止のための電話相談などボランティアで支援を続けている民間団体の「子どもの虐待防止センター(CCAP)」には、相談者からこういった疑問を投げかけられることも少なくないそうです。前編では、ベテラン相談員・Mさんに「虐待の境界線」をお聞きしました。続く後編では、子育てしにくい時代に、どうやってできるだけ怒らずに子育てをしていけるか、というお話をうかがいました。■児童虐待防止法も影響? 周囲の目がきゅうくつに感じる「現代の子育て」── 長年相談を受けている中でお母さんたちの相談内容が変わってきたという印象はありますか?Mさん:私の主観的な印象ですが、「周りに子どもがいるのが当たり前」の環境から、「子どもと接する機会がない、子どものはしゃぐ声や泣き声を普段耳にしない」という環境になってきているように思います。その中で子育てをするのは大変ではないかと感じています。── 今の環境は、お母さんたちにとってきゅうくつなのでしょうか?Mさん:電話相談を受けるなかでも、「スーパーで子どもがダダをこねてギャーっと騒いでしまったので叱ったら、周囲からは冷たい視線。通報されるのでは? といたたまれなくなって、買い物もそこそこに家に帰りました。ドアを閉めた途端、つい子どもに『何なのよ!』と怒鳴ってしまった。今、子どもはイヤイヤ期真っ盛りなのはわかっているのに…」などと話す方もいらっしゃいます。──私の周囲でも、「子どもを叱っていたら児童相談所の人が来た」という笑えない話を結構聞きますが、2000年に児童虐待防止法が成立して、通告が増えた影響はありますか?Mさん:通告は困っている親子を支援するためのものなのですが、お母さんたちは「助けられている」というよりは「見張られている」ように感じる面があるのかな、と感じています。──相談を受けているなかでお母さんたちのとまどいを感じているんですね? Mさん:小さい子の機嫌をコントロールするのは難しいことです。親ならそれをうまくできるはずというプレッシャーを受けて頑張るけれどうまくいかない、ということだと思います。── そんなきゅうくつな中で、どのように子育てをしていったらいいのでしょうか?Mさん:難しいことですが、少し心に余裕を持てたらいいですね。親も子育てしながら親として成長します。失敗したと思ったら「言い過ぎたね。ごめんね」と正直に伝えたらどうでしょう。「おやつ食べようか。本でも読もうか」と親子共に気持ちを切りかえられたらいいのでは?子どもとの関係ってもっと広いし深いので、一つのことにとらわれすぎずにやっていってもらえたらいいな、と思っています。■自分の中の「コップの水=たまったストレス」をあふれさせないためには?── 具体的にはどうすればいいでしょうか?Mさん:ストレスがたまりにたまった時って、コップにお水がいっぱいいっぱいの状態と似ていますね。表面張力でかろうじてこぼれていない状態のようなものです。だから、そこで何か起こると、最後の一滴となってコップに注がれ、一気に水があふれてしまうんです。── そうですね。子育て、家事、仕事とあふれそうな状況は私自身よくあります。そういう時は申し訳ないけれど、子どもに八つ当たり気味に怒ってしまう時もあります。Mさん:皆さんそういう状況で電話をかけてくれるので、「子どもにやりすぎてしまった」「自分は反省している」「でも夫はこういうことをわかってくれない」と話していくと少し余裕が出てきて、子どもに当たってしまう今の自分が見えてきます。だから、お母さんがいっぱいいっぱいになった時は、コップの水が一気にあふれないように、少し自分からこぼせるといいですね。子どもには成長段階があって、時期がくれば今まではなんだったのか? ということも多いです。── 自分の中のコップの水を減らすのが大切ということですね。具体的にはどのような方法がありますか?Mさん:今はいろいろなところで相談を受け付けていますから、こういう電話相談などにかけてみるのも一つの手だし、どこかに子どもを預けたり、休みの日は夫に預けて自分の好きなことをやる時間を少しとったり、というようなことをやって、しのいでいけたらいいのではと思います。── 子育てだけの世界から少し離れる、ということですね。Mさん:1日24時間、365日お母さんをやっていると、すごく疲れますよね。だから、お母さんも1人になれる時間は必要ですよ、と話すと「食事もトイレもお風呂も、1人の時はない!」と初めて気づかれるんです。それでちょっとでも1人になれる時はないか、ホッとできるのはどんな時かを一緒に考えます。ワンオペで育児されている方も多いですが、公的サービスなど使えるものは何でも使って、少しでもストレス解消できるといいですね。── 電話をかけてくるのもワンオペ育児の方が多いのですか?Mさん:多いですね。そういう方はワンオペという大変な状況のなかで、すごく頑張っているんです。なのに「もっとやらねば。大変だと思うのは子どもを愛していないからなのか」と自分を追い込んでしまっているのが本当に残念です。── まずは、自分が大変ななか頑張っている状況を自分でほめてあげて、心に少しでも余裕を持つことが大切なんですね。 ■「どういう時に怒ってしまう?」自分の怒りパターンを把握── そのほかに怒りすぎない方法はありますか?Mさん:そうですね。あとは怒りたくなるけれど、視点を変えると超かわいい子どもの姿を撮る“おバかわ写真”のような方法でしょうか。ギリギリの状況は変えられない、腹が立つのも仕方ない。でも、せめて腹が立つのを笑いに変えられたら、親子共にハッピーですね。── 笑いに変えるなど自分なりにしのぐ方法をちょっと探してみる、ということですね?Mさん:怒りすぎてしまう時って大体、同じパターンになっていませんか? いつものように親子のやりとりをして、気がつけばいつものように怒っていた。そのようなやり取りになった時に、先ほどのおバかわ写真を撮るとか「あー始まった、始まった」と呪文を唱えるとか、その場を離れる、深呼吸するなど自分なりにしっくりくるものを探して、「あー、また怒っちゃった」と後悔せずにすめばいいな、と思います。── パターンを把握して、対処法をいくつか持っておくといいんですね。Mさん:パターンのどこかを変えると流れが変わります。この言い方で話してみよう、このタイミングでこうしてみようなど、なるべく楽しくなるようなことに変えながらやってみる。それでダメだったら、「あ、ダメだったな。次はどの手でいこうかな」くらいの気持ちで。── それ以外に何かありますか?Mさん:子どもの行動を(a)好ましい、(b)やめさせたい、(c)してはいけない、のように3つに分けてみてはどうでしょう。(c)は命にかかわるなど重大なことですが、(b)は時期を待つ選択もあるかもしれません。親も言い出すと意地になって引くに引けなくなる時期もあったりしますのであきらめる、というか、今すぐにどうこうしようとせず、ちょっと置いておくのはどうでしょうか。── 今日はありがとうございました。日々、子育てに困っているお母さんたちに向き合っているMさんのお話は大変参考になりました。取材なのに、ゆったりとした口調で、こちらの話も丁寧に聞いてくださるMさんとのインタビューは時折、自分の子育て相談をしているような錯覚に陥りました。そのMさんが「子どもを怒らない」ための対策としてあげるのが次の3つ。1.1人でがんばりすぎず、できるだけ心に余裕を持つ。2.自分が怒ってしまう原因などパターンを見つけ、(できれば楽しめる)対策を考える。3.あきらめる(今は置いておく)。ほぼワンオペで、コップの水もかなりギリギリの筆者自身の話も聞いていただき、「怒りたくないのに怒ってしまった」と後悔を繰り返す日々を抜け出す多くのヒントをもらったように感じました。長年、親身に困っているママたちに寄り添ってきているMさんのような方たちに話を聞いてもらうのも、とてもスッキリしそうです。取材協力: 社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP) 子どもの虐待を早期に発見し、虐待防止を支援するために1991年に設立された民間団体。研修を受けた相談員と、医師、弁護士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、行政経験者、教育関係者などが活動しています。CCAPでは、子育てに悩む方のための電話相談、母親のグループ(MCG)、CCAPペアレンティングプログラム講座「親と子の関係を育てるプログラム」などを行っています。相談の電話番号は、03-5300-2990(平日10:00~17:00 土曜日は10:00~15:00/通話料以外は無料)取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年03月10日「大きな声で子どもを怒鳴ってしまったら、児童相談所の人が来た。近所の人に通告されたみたい…」。ママ友の飲み会で、このような笑えない話が出ることも決して珍しくない昨今。つい子どもを怒鳴ってしまい「自分のしていることは虐待ではないか!?」と不安になっているお母さんも少なくないのではないでしょうか。「どこまでが虐待で、どこまでがしつけ?」という疑問を解消すべく、都内で1991年より虐待防止に向けて電話相談を始めとした支援をボランティアで続けている、民間団体の「子どもの虐待防止センター(CCAP)」にお話をうかがってきました。■一般的な境界線は? 東京都発行の児童虐待予防パンフに見る「虐待」一般的には虐待とはどのような状況をいうのでしょうか。東京都発行のパンフレット「みんなの力で防ごう 児童虐待」(2017年度版)によると、虐待は、1.身体的虐待 2.性的虐待 3.ネグレクト(養育の放棄または怠惰) 4.心理的虐待という4種類があります。2016年度の東京都の統計データでは、約10,000件の中で、心理的虐待が55.0%、身体的虐待が24.7%、ネグレクト19.5%となっています。そして、実母による虐待は53.8%、実父によるものが38.7%となっていて、お父さんよりもお母さんの虐待が多いようです。また、同パンフレットによると、虐待は子どもたちに次のような「深刻な影響」があるとされています。*発育・発達の遅れなどの身体症状。*情緒不安定、感情抑制、強い攻撃性などの精神症状があらわれることがある。■「虐待かどうか」ママたちが気になるのはなぜ?お話をうかがったのは20年近く子育ての電話相談をボランティアで受けてきたMさん。「虐待としつけの境界線はあるのでしょうか?」という冒頭の質問に対して、やさしい口調で次のような返事がありました。Mさん:電話相談でも「これって虐待ですか?」とたずねるお母さんはいて、皆さんものすごく心配していらっしゃいます。でも、虐待かどうか、その境界線を引いて仕分けすることに、どれくらい意味があるのかな、とはちょっと思います。思いがけない答えが返ってきて、ハッとしました。なぜ自分たち母親は「虐待の境界線」が気になるのでしょうか? 法律に触れるようなことは犯していないはずだし、子どもも元気に育っている。それなのに心配なのは、「自分の子育てはこれで大丈夫」という判断基準がない不安からでしょうか? 「虐待じゃない。しっかり子育てをしているよ」というお墨付きを誰からかもらいたいという気持ちなのでしょうか?「自分は虐待の境界線を知って、どうしたかったんだろう?」。そんな気持ちとともにインタビューは進みました。Mさん:私はまず、相談してきた方に「あなたはどう思う?」とお母さんの思いを聞いています。あるいは、「虐待ではないかを判断する立場ではないけれど、あなたが、自分がしていることをあまり良いことだと思っていなくて、今、困っているように感じられるのだけど…」と話すんです。── 虐待かどうかという答えを出さないんですね?Mさん:たとえ「それは虐待ではありませんよ」と言われても、「良かった。ホッとしました」と言って終わるものではありませんよね。モヤモヤを抱えているから電話をかけてきているので、しっかりその思いを聞かせていただきます。そして「少しスッキリしました」と言って電話を切ってもらいたいと思っています。── 確かに、「虐待ではありませんよ」と誰かが保証してくれても、お母さんたちの「自分の子育てはこれで良いのか」という心配がなくなるわけではないですもんね。■子どもを「かわいい」と思えない時があっても当たり前Mさん:子どもがかわいく思えないと、自分のことを母親失格のように感じてしまうお母さんも多いのが気になっています。だだをこねて泣き叫んでいれば、かわいく思えない時だってあって当然なのに、「ダメな親だ」と自分を責めてしまうのです。── その気持ちよくわかります。私も、遠くから眺めている時と寝ている時はかわいいのになあ、と思うこともしょっちゅうです。Mさん:お母さんにとって、子どもは大事な存在で、だからこそ精一杯努力しているわけです。でも努力が報われなかったり、ギリギリの状況になったりした時はかわいく思えなくても普通なんだ、と自分を許してあげていいと思います。── 子どもをかわいくないって思う気持ちがあってもいいんですね。Mさん:大事だから放りだせないし、もっと子どものために良くしてあげたいし、だけどうまくできないからイライラもするし、腹も立つ。そして、そういう自分を責めてしまうんです。そんな時は寝顔を見て「かわいい!」というので十分だと思います。 ■怒ることはしつけではない…虐待としつけの境界線── 子どもは大切だから、なんとか良い子に育ってほしいと思うからこそ、うまくいかない時につい腹が立って怒ってしまうんですね。よく、虐待の事件で、「しつけのつもりだった」などという報道もありますが、この差をどう思われますか?Mさん:しつけというのは本来、子どもが自立していけるようにサポートすることで、決して親の感情をぶつけることではないと思っています。子どもが自分の生活をきちんと立てていけるように基本的なところ、例えば、社会で生きていける信頼感や他人との関係のベースになるものを築くためのものなのではないでしょうか? ── 感情をぶつけるのはしつけではない、ということですね。Mさん:親が怒りすぎた時って子どもが失敗とか間違いをした時ですよね? 失敗とか間違いって、ふつう誰もがするものでしょう? だからそうした時に感情を爆発させるのではなく、どうすればいいかを教えられたらいいですね。── 例えば、どのように?Mさん:「なぜこういうことをしたの?」と聞くことから始めみてはでどうでしょうか? 例えば、子どもが友だちのおもちゃを無理やり取ったとしますよね。「○○ちゃんが貸してくれなかったから」などと言われたら、「遊びたかった気持ちはすごくよくわかるけど、取るのはいけないね。もう一度、また頼んでみようか」というように。すごく手間がかかることですけどね。──なかなか毎回対応するのは大変そうですね…。Mさん:お母さんが全部それをするのは、神様ではありませんから、無理でしょう。でも、今は悪いことと怒ることがセットになってしまっていることに気付いてもらって、ちょっと冷静になれればいいな、と思います。── 子どもがいけないことをした時も、本来、怒る必要はないということでしょうか?Mさん:本当のしつけは、子どもに何がいけなくて、どうすればよいかを教えることだと思うんですよ。だけど、ただ怒って「謝りなさい」って言っていたら子どもは何を学ぶのかなと思います。怒られたら謝るという、表面的なことだけ学んでしまうかもしれませんよね。「本当はどんな子に育ってほしいと思っていたか」を、思い出して欲しいですね。■子どもの存在を否定・無視することは「心理的虐待」── 虐待で一番多いのは心理的虐待なんですね? どのようなことが心理的虐待にあたりますか? Mさん:「お前なんか生むんじゃなかった」「Aちゃんと違ってお前はかわいくない」など、根本的に子どもの存在、人格を否定することです。── 頭にきてしまったら思わず言ってしまいそうですが…。Mさん:やっぱり存在を否定することは避けたほうがいいですね。それ以外にも、ちゃんとできるまでお説教し続けるなど、やりすぎるケースがあります。こういうケースは、「自分の子どもはこうあるべき!」という、親の思いが突っ走っているように思います。── そのほかには? Mさん:冷たく突き放したり、何を言っても無視したりと、無関心にさらされることです。── 感情を示さない無関心も虐待となるのですね?Mさん:存在をスルーされるのはつらいことです。人間として育っていく過程で、子どもは喜怒哀楽を学んでいきますよね。あり得ない例えかもしれませんが、なんのつらいこともなくて、お母さんはいつもニコニコしていて、それで子どもが健全に育ちますかっていうと、それはそれで難しいと思うんですよね。だから、やりすぎだなって思ったらセーブして、親子一緒に泣いたり笑ったりしていってはどうでしょうか?──心理的虐待が続くと、子どもにはどのような影響がでますか?Mさん:自分に自信がなくなる、安心感がなくなる、落ち着きがなくなる、食欲がなくなる、元気がなくなるというようになってくるかもしれません。── 子どもの存在を否定することは言わない、そして、あとは怒らないほうがもちろんいいけれど、喜怒哀楽をお互いにやりとりをしている間は大丈夫ということでしょうか。今日はありがとうございました。筆者自身も、娘たちをつい怒鳴ってしまったり、傷口に塩を塗るようにネチネチと叱ってしまったりすることもあり、それは心理的虐待にあたらないかな、といった思いも持ちながら向かったこの取材。長年、電話相談で虐待や子育てと向き合ってきたMさんのお話から、「どこまでが虐待で、どこまでがしつけ?」という線引きよりも、親が子育てで困らないことと、子どもの存在を否定しないことが大切なのだと感じました。後編では、子育てが大変な今の時代に、親がどのようにすれば心の余裕が持てるか、というお話を聞きました。取材協力: 社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP) 子どもの虐待を早期に発見し、虐待防止を支援するために1991年に設立された民間団体。研修を受けた相談員と、医師、弁護士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、行政経験者、教育関係者などが活動しています。CCAPでは、子育てに悩む方のための電話相談、母親のグループ(MCG)、CCAPペアレンティングプログラム講座「親と子の関係を育てるプログラム」などを行っています。相談の電話番号は、03-5300-2990(平日10:00~17:00 土曜日は10:00~15:00/通話料以外は無料)取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年03月09日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「些細なことで、すぐイライラしてしまう自分が嫌」という、かおりんごさん(41歳・保育士)に、心屋塾上級認定講師の大竹公子さんからアドバイスをいただきました。■かおりんごさんのお悩み小さいことで、すぐにイライラしてしまいます。人に優しくしたいのに怒ってしまいます。すごくズボラで適当なのに、人によく思われたいために、よくしようとしてしまいます。自分もそれほど勤勉なわけでもないのに、ちゃんとやっていない人を見ると不快になります。自分でも何にムカついているのかわかりませんが、不安なときにイライラしていることが多い気がします。どこかすっきりしないで、生きている気がします。「それでいいんだよ」と誰かに言ってもらいたいだけなのでしょうか。今の自分でいいと思えませんし、自信がありません。イライラせず、心穏やかに、人に優しくして生きていきたいです。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師の大竹公子さんよりかおりんごさん、ご質問ありがとうございます。心屋認定講師&脱べきカウンセラーの大竹公子と申します。小さいことにイライラしてしまうのですね。すぐイラついてしまうのは、疲れますよね。私も以前はそうでした。「イライラ」って、何かをガマンしてると発生するのです。かおりんごさんは、「人に優しくしたいのに怒ってしまう」のですよね? 本当の自分は怒りを感じてるのに、「人には優しくしなきゃダメだ!」と考えるから、イライラは表しても、本当に感じていることはガマンしてしまう。本当の自分は「ズボラで適当でいたい」のに、「良い人でいなきゃダメだ!」と考えるから、そんな自分をガマンしてしまう。本当の自分は「ちゃんと」ではなくユルユルと自分のペースでやりたいのに、「ちゃんとやらなきゃダメだ!」と考えるから、そんな自分の気持ちをガマンしてしまう。本当の自分の気持ちがあるのに、それを「こうしなきゃいけない」「こうするべき」という思考で抑えようとするから、イライラしてしまうのですね。人に優しくできなくてもいいのです。ズボラで適当でも、ちゃんとやらなくてもいいのです。そのままで、かおりんごさんのままで、いいのです。「それでいいんだよって誰かに言ってもらいたいだけなのか」と書かれてますよね? その言葉は、かおりんごさんが、かおりんごさんに言ってあげて欲しいのです。自分が「自分の本当の気持ち」を許していないから、ガマンするから、イライラしてしまう。自分が「自分の本当の気持ち」を許していないから、周りからも許されていないように思うだけ。怒りを感じる自分、人に優しくできない自分、ズボラで適当な自分、そんなに勤勉でない自分。何ひとつ問題ないです。それでいいのです。「怒ってもいい。人に優しくできなくてもいい。ズボラで適当でもいい。そんなに勤勉でなくてもいい。だって人間だもの」。そんな魔法の言葉を、毎日ブツブツと呟いてみてください。許してあげてください。そうしたらきっと、今よりも「イライラ」が減っていることに気付く日がやってきますから。かおりんごさんを、心から応援しています。 ・このカウンセラーのブログを読む
2018年02月06日「怒り」そのものは、人間として、ごく自然な感情です。本質を知り、付き合い方を知っていればむやみに恐れるものではありません。そうは言っても毎日子どもを怒ってばかりという日々から抜け出したいと思っているママたち。では怒りの感情を持ってしまったら、どうすれば抜け出すことができるのか、最終回の今回は、アンガーマネジメントの手法を3つご紹介しましょう。NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんにお話しを伺いました。■「アイメッセージ」で、「怒り」から抜け出す自分の中に怒りを感じ、「腹が立つ!」と言ったときは、「私=怒り」です。「でも、『私は、怒りを感じている』と言うと、『私=感じている』となり、感情(怒り)から少し距離をおけます」(高山先生) 自分と感情の間に距離ができて、少し冷静になったら、怒りの種である「第一の感情」を言葉にして、アイメッセージで伝えます。まず、「私は」と言い始めてください。次に「○○(思考)なので、●●(感情)です」と続けます。これが、アイメッセージです。自分の思考や感情を比較的冷静に、具体的に伝えることができます。●アイメッセージに言い換える方法「なんで、いつも遊びながらご飯を食べるの!」(本当の気持ち:ご飯をモリモリ食べてくれなくて悲しい)↓(言い換える)「ママ、○○くんが遊びながらご飯を食べていると悲しいな」(「ママは」「わたしは」を使うと、本当の感情が伝えられて、冷静な会話がなりたつ)「不満を言うだけでは、単なる親子げんかです。けれど、『ママは』をつけて、自分の気持ちを言い表すと、『意見』になり、子どもと少し冷静に話すことができるようになります」(高山先生)■「なんで」は失敗の原因を探る言葉怒っているときに、つい口から飛び出てしまう「なんで」という言葉。「なんで」、は、失敗の原因を探る言葉です。物事の解決につながりにくく、子どもや自分への怒りを招きがちです。このような後ろ向きの言葉が口ぐせになっている場合は、「どうしたら」を口癖にするように意識してみると良いかもしれません。「『どうしたら』は、物事を、『次の成功』に導くための、前向きな問いかけです」(高山先生)「どうしたら」と結びつくのは、「できる」です。「どうしたら」と自問すれば、「できるかな?」と、前向きな言葉が自然に出てくるのです。■怒りの記録をつけてみよう最後に長期的な視点にたった、怒りに対しての抜本的な方法をご紹介しましょう。それは、「イライラした」「腹が立った」「気持ちが落ち込んだ」といった出来事の記録である「アンガー・ログ」をつけること。ほんのメモ程度でかまいません<「アンガー・ログ」の5つのポイント>①いつ、どこで?自分が怒りやすい時間帯や、場所を見極めるための項目。日付だけでなく時間も書き、場所も具体的だとgood②どんなことがあったか?怒りを感じた場面を描写。感情は抜きにして、場面を描写することに徹します③そのとき自分が思ったことその時、自分が思ったことを素直に書き出します。自分で読み返すだけのものなので、人目を気にする必要はありません④どんな感情を持ったかイライラした、怒り、失望・・など、感情の種類を書きます。例)〈感情〉イラっとした⑤怒りのレベル感じた怒りがどのくらいか、ランク付けをします。ランクは目安を、前もって決めておきます例)〈怒りのレベル〉5点くらいだから、レベル2出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 <怒りのレベル例>出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋■「怒りのきっかけ」を減らすには「アンガー・ログ」は、自分の観察日記です。書いたときには「怒るのは無理もない」と思ったことでも、あとで読むと「こんな些細なことで怒っていたのか」「このときに怒ったのは、第一次感情(※)が、こうだったからだ」など、気づくことがあるでしょう。こんなふうに、アンガー・ログを読み解いていくと、自分の怒りのパターンが見えてきます。「アンガー・ログから浮かび上がることのなかで、いちばん対策を立てやすいのが『怒りのきっかけ』です。きっかけを減らすと、行動も変えやすくなります」(高山先生) ※第一次感情とは怒りの下に隠れている感情を、第一次感情といいます。第一次感情のなかには、「不安」や「悲しみ」といったマイナスの感情だけではなく、「希望」や「期待」などの前向きな感情もあります。 ●「怒りのきっかけ」を減らす例例1)<自分の「怒り」の傾向>疲れがたまった夕方や空腹時にイライラして子どもに怒りやすい<対策>大切な仕事は午前中、少なくとも午後の早めには終わらせておく。夕方になったら軽食をとる例2)<自分の「怒り」の傾向>ママ友が思ったようなリアクションをしてくれないとき、怒りやすい<対策>「期待・希望」といった第一次感情が大きすぎる。無意識に自分の「期待・希望」が大きくなっていないかノートに書き出してみる「『アンガー・ログ』で怒りの傾向がつかめたら、まずは改善策をひとつ決めて実行してみましょう」(高山先生)「怒り」という感情は、価値観、いわば、「自分らしさの根っこ」に関わる問題と感じている人も多いでしょう。でも、自分が「価値観」だと思っていたことが、単なる「思い込み」の可能性もあります。「アンガー・ログ」を使って、「自分の考え方の癖」を意識してみるだけで、怒りを感じる回数は減っていくことでしょう。喜怒哀楽という感情の中でも、とりわけ強いエネルギーを持つ「怒り」。この「怒り」のエネルギーに自身が振り回されないように、「怒りとの付き合い方」を知り、コントロールできるようになっていけると良いですね。「ぜひ、ご自身に合った方法をみつけて、怒りと上手に付き合っていただきたいと思います。そして、みなさまのハッピーな時間が一秒でも長くなることを心から望んでいます」(高山先生)■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)高山恵子(たかやまけいこ)さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。NPO法人えじそんくらぶ公式サイト: <イベント情報> 「成人ADHD等の理解と対応」 (2018年1月~6月/全6回・東京)第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火))
2018年01月17日いつも子どもにイライラしてしまう。どうして子どもに怒りをぶつけてしまうのだろう。そんな風に毎日怒っている自分に悩み、夜はひとり反省会をしてしまう。そんなママのための怒りの応急処置を前回教えていただきました。今回は、「怒り」のメカニズムについて教えていただきます。じつは「怒り」自体は、人間ならだれもが持つ、ごく自然な感情なのです。「怒り」の本質を知れば、むやみな恐れは消えるはず! NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さんにお話を伺いました。■「怒り」は、悪なの?高山先生は、言います。「怒りは、単なる感情のひとつで、危機や攻撃に対する、人間としての自然な反応です」。人間にとって、もっとも根源的な怒りは、「自分を傷つけるものへの怒り」。ヒトが、「獲物をとる」か「獲物になる」しかなかった原始時代には、危険に立ち向かうために怒りのエネルギーを使ってきました。怒りを感じると、意識しなくても、脈拍や呼吸が速くなります。これは、交感神経が働いているサインで、交感神経のスイッチが入ったために、自然に体が活動に備える状態になったからです。こんなふうに、怒りは、「生きるエネルギー」そのものであり、大切な身を守る手段でもあったのです。でも、現代では野生の猛獣と戦ったり、必死で逃げたりすることはまずありません。私たちは怒りのエネルギーをムダ使いしてしまっていないでしょうか。「現代では、怒りの扱い方に、工夫が必要ですよね。そこを、アンガーマネジメントという“技術”で補完しましょう」(高山先生)■怒りのもとにある本当の感情とは?ところで、怒りは一瞬で湧き上がると感じていませんか? じつはそうではないのです。「怒りのもとには、必ずタネとなる別の感情が隠れています」(高山先生)この感情は、感じている時間が短い上に、すぐに頭は怒りでいっぱいになるため、キャッチするのがなかなか難しく、気づきにくい感情です。たとえば、「子どもが思い通り動いてくれず、悲しい」「想定外のことが起こって、不安だ」…。こういった怒りのもとに隠れている感情を「第一次感情」といいます。また、「第一次感情」には、「不安」や「悲しみ」といったマイナスの感情だけではなく、「希望」や「期待」などの前向きな感情もあります。そういった感情も、簡単に怒りに変わってしまうのです。怒りが爆発しているときは、怒りと自分が一体化しています。6秒ルール※で応急手当をしたら、第一次感情に耳を澄ませてあげましょう。こんなふうに、怒りの本質を見つめられるようになってくると、怒りは、「怖いもの」でないと感じられるのではないでしょうか?※6秒ルール怒りは6秒間でピークが治まってくるといわれています。このためこの6秒間を我慢すると、怒りを静めることができます。次のような応急手当を試してください。・おでこに手を当てて数を数える・水を飲む・深呼吸をする<怒りは意外なところからも生まれる>●不安「いやだ」という拒否感や、自分の心や体が脅かされそうな不安定感から生じる感情で、怒りと仲良しです。自分を守ろうとするために、怒りを呼び覚まします●悲しみ自分のことを理解してもらえなかった、がっかりしたといった悲しみからも怒りは生まれます●期待・希望「~したい」「~になって欲しい」という期待や希望には、欲があります。期待や希望がかなわなかった時に、自分の欲が満たされないことへの怒りが生まれやすいのです出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 ■「怒らない」よりも「爆発させない」 怒りは自然な感情なので、「怒らない」ようにするのは、相当の力が必要です。怒りを、「ただ、我慢」しようとすると、怒りと我慢で二重にエネルギーを消耗し、ヘトヘトになってしまいます。しかも、「怒るのを我慢している」ことが見てわかるぐらいなら、家族が感じるトゲトゲ感は、「怒ったとき」とあまり変わりません。こんなふうに、「ただ、我慢」するのは、消耗するわりに、良い効果はあまりえられないのです。「怒りを無理にねじ伏せて『怒らない』ようにするのではなく、『爆発させない』方が大切です。そのために堪忍袋を上手につかいましょう」(高山先生)■堪忍袋を上手に使うポイント3つ「堪忍袋を上手に使うためのキーワードは、『小さく』と『少なく』です」(高山先生)堪忍袋の上手な使い方について、ポイントを整理してみました。●ポイント1 怒りを拾わない人が生活をしていれば、怒りを起こす原因は、身の周りにたくさんあります。まずは、怒りを堪忍袋にいれないことが大切ことです。「時間があるときに、『何が自分をイラっとさせ、怒りの原因になるのか?』を考えてみます。それがわかれば、拾わないように注意できますよね?」(高山先生)●ポイント2 怒りを大きくしない堪忍袋の中に怒りのかんしゃく玉が入ったとしても、数が増えず、怒りそのものが大きくならなければ、堪忍袋の緒が切れることはありません。「長期的には、これからご紹介するアンガーマネジメントの手法を使って、怒りと上手に折り合っていく技術を身につけていきましょう」(高山先生)●ポイント3 ガス抜きをする「怒りを拾わない」「怒りを大きくしない」といったことができるようになると、心に余裕が出てきます。そこで、自分の好きなこと、たとえば、「アイドルのDVDを見る」、「大好きなスイーツを食べる」などして、ガス抜きができるようになれば、堪忍袋の中身は、ますます軽くなっていくことでしょう。 次回は、「もう『怒り』に振り回されない! イライラせずに子どもと向き合うには」です。アンガーマネジメントの具体的な手法を教えていただきます。■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)高山恵子(たかやまけいこ)さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。NPO法人えじそんくらぶ公式サイト: <イベント情報> 「成人ADHD等の理解と対応」 (2018年1月~6月/全6回・東京)第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火)))
2018年01月16日ママの毎日は、ある意味、戦い。子どもを感情的に叱ったあと、言いようのない後悔に苛まれる…。そんな経験は、どんなママでもしているはず。けれども、「私って、毒親?」「これって、虐待?」と、自分で、自分のことが不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。「まずお伝えしたいことは、『怒りはあなた自身ではない』ということです」と言うのは、NPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子(たかやまけいこ)さん。「怒り」との上手な付き合い方について、お話を伺いました。高山恵子さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。■「アンガーマネジメント」という技術「アンガーマネジメント」という言葉を、聞いたことがありますか? アンガーマネジメントとは、心理学に基づいた怒りを扱う技術のことです。最近は教員採用試験にも出題されるなど、子どもと接するすべての大人にとって、必須な技術として注目を集めています。じつは、怒りの感情が沸くことは、人間としてごく自然なこと。「『怒り』との付き合いで大切なのは、まず『怒りという感情』と『あなた自身』を分離することです」(高山さん)「自分は、いま、怒っている」と、きちんと自分で気づいてあげること。そうすることで、「感情」と「あなた自身」は、少し分離されます。■怒りの応急処置は、「最初の6秒」がカギアンガーマネジメントの第1歩は、「自分は、いま、怒っている」と気づき、「いま、ここにある怒り」を、それ以上大きくしないことです。サインが現れた段階で「怒り」に気がつくことができれば、それだけ早く爆発を防ぐための行動に移行ができます。キーワードは、「最初の6秒」。「怒りのサインに気づいた最初の6秒間をどのように使うかが、アンガーマネジメントの重要なポイントです」(高山さん)この時点で「怒りのもと」を深追いするのはご法度! 「どうして、イヤばかり言うの?」「どうして、早くご飯を食べられないの?」。そんな怒りのもとを考え始めたら、炎に燃料をくべるようなものなのです。<早く気がつこう! 怒りのサイン>・呼吸が浅くなる・頭が真っ白になる・顔がカッと熱くなる・動悸がする出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 なぜ「最初の6秒」がカギになるのでしょうか? それは、怒りには、「アドレナリン」というホルモンが関係しているからです。怒るとき、体の中では、「アドレナリン」が分泌されています。アドレナリンには体を活発にする作用があり、怒っているときには、まさに「火に油を注ぐ」ように怒りがエスカレートしていきます。カチンときて、アドレナリンが分泌されても、6秒後にはそのピークは過ぎるといわれています。言い換えれば、怒りの応急処置法とは、「最初の6秒を、いかに上手にやりすごすのか?」の方法論を知っておくことなのです。■自分が怒っていると気がついたら「最初の6秒」を、ただ、我慢するというのは、意外と難しいものです。そんなとき、物理的な「応急処置メニュー」を知っておくと便利です。「あ、ヤバいな!」と思ったら、それをパッと取り出しましょう。<怒りの応急処置メニュー3つ>●おでこに手を当てて数を数える目の真上、おでこの少し出っ張った部分には前頭葉があります。前頭葉は感情を制御する脳。手を当てて血流の動きを促すことで、動きを活性化させます。●水を飲む水は、火を消すもの。水を飲む時には、心の中で燃えている怒りの火を鎮めることをイメージします。水を飲むことで、脳の血流を改善する効果もあります。●深呼吸をする吐く時間のほうが長くなるよう、4秒吸って、6秒かけて吐きます。息は鼻から吸って、口から吐きます。肺から体のすみずみに新しい空気がめぐるイメージです。出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 ■怒ってしまった自分に声をかけるまた、自分で、自分に声をかけてあげることも有効です。「言葉の力は、思っているよりも強く、確かなものです」(高山先生)セリフトークは、短く簡潔に! 大切なのは、しっかりと何度も唱えることです。もうひとつ。「『ママ、ちょっとあっちの部屋で休んでくるね』と、その場を離れることも効果的です」(高山先生)その場を離れたら、子どもへの「続きのお説教」を考えることはやめましょう。怒りの原因から心も離すことで、気持ちは切り替えやすくなります。<怒りをしずめるセルフトーク例>・落ち着いて。・私は大丈夫。・コントロールできる。出典: 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)より抜粋 次回は、「また子どもを怒鳴ってしまった…。『怒り』をぶつけてしまう本当の理由」です。怒りのメカニズムについて教えていただきます。■今回のお話を伺った高山恵子さんのご著書 『イライラしない、怒らない ADHDのためのアンガーマネジメント』 (高山恵子監修/講談社)¥1300円(税別)高山恵子(たかやまけいこ)さんNPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所 所長。臨床心理士。薬剤師。専門はAD/HD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心にストレスマネジメント講座などにも力を入れている。注意欠陥/多動性障害(以下、ADHD)の正しい理解の普及と、ADHDを持つ人々を支援し、ADHDを障害としてクローズアップするのではなく、豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるよう支援する団体として「NPO法人えじそんくらぶ」を立ち上げる。NPO法人えじそんくらぶ公式サイト: <イベント情報> 「成人ADHD等の理解と対応」 (2018年1月~6月/全6回・東京)第1回 『アンガーマネジメント概論』怒りのメカニズムとクールダウンの方法を学び、自責・他責を減らしましょう。(2018年1月23日(火)))
2018年01月15日大人の癇癪とは?出典 : 癇癪(かんしゃく)とは、怒りの気持ちを抑えたり、怒りからくる突発的な行動をコントロールしたりすることができない状態を指します。私たちは、時には気持ちをぐっと抑え、実際に相手とのやりとりでは柔らく表現するなど、工夫をしながら生活しています。専門的には、ぐっと気持ちを抑えることを「情動調整」、「本当は怒りたいのだけれど、やわらかく言おうとする」ことを「行動制御」といいます。癇癪は、医学的に明確な診断名として確立されたものではなく、どのような症状や状態を癇癪とするかははっきりとしないのですが、一般的には、【気持ちのコントロール】【行動のコントロール】という2点について難しさがあるという状態のことが、「癇癪」として理解されています。癇癪というと子どもの行動をイメージするかもしれませんが、大人の場合、それとは原因やメカニズムが異なっています。ここでは大人の癇癪について、詳しく見ていきたいと思います。人が生活するなかで、ポジティブ・ネガティブ問わずさまざまな感情が湧き起こること自体は、自然な現象です。ネガティブな感情が起こったときには、状況に合わせてどのくらい感情を出せばよいのか、また起こった感情を上手になだめてあげるというように、ある程度頭で判断をして、感情とうまく付き合っていく必要が生じます。ネガティブ感情のコントロールがうまくできない場合には、頭で冷静に判断をすることができず、怒るとすぐに体が動いてしまったり、湧いてきた怒りのやりどころに困ったりします。具体的には、周りの人や物に激しく当たり散らしたり、攻撃的な言葉を発するなどの行動をとってしまいます。また、行動に出ないまでも、怒りの気持ちが長い時間おさまらず、仕事や勉強がまったく手につかないということもあるでしょう。このように気持ちをコントロールするのが難しいと、体のストレスを解消できなかったり、人間関係を発展させることができないなどの二次的な問題が起こることもあります。怒りが起こるきっかけはさまざまです。たとえば、人とのかかわりの中で相手から投げられた言葉や態度、また物事に対するうまくいかなさなどです。いずれにせよそれらのきっかけは、冷静に考えたらささいなものであり、それほど怒るようなことでもない場合が大抵です。癇癪を起こしてしまう原因は、その場での出来事、つまり物事のうまくいかなさ、相手の態度などではなく、もっと別のところに問題があるということも考えられます。この点については後の章でご紹介します。そもそも、怒りとは何か?出典 : 感情は、人が自分がどのような状況に置かれているかについて知らせるシグナルの役目をもっています。例えば、恐れの感情がその代表といえるでしょう。自分の生命を脅かすようなものに出くわしたときに、「怖い!」と感じることにより、危険を回避することができます。また、感情が起こることにより、周りの人との関係を作ってゆくことができます。例えば、「楽しい」気持ちによって出てきた笑顔が周りの人とのかかわりを生み出して、友好的なコミュニケーションを引き出すということは、誰しも経験があることなのではないかと思います。このように生命を維持したり、人とのかかわりをつくるのに感情は役に立っています。では、今回のテーマである「怒り」についてお話を進めていきます。「怒って暴言を吐く」という怒りの行動があるとします。怒りにはきっかけがありますが、そのきっかけが瞬間的に行動に移るわけではありません。そのきっかけがあったときに、どのようなプロセスを経て行動へと結びついているのでしょうか。怒りのメカニズムには以下の順序があります。1.きっかけとなる出来事が起こる2.反応する3.怒りの感情が起こる4.感情を調整する5.行動・表現する癇癪を起こしてしまう人は、上記のプロセスを経る中で「過剰に反応してしまう」「感情を調整することができない」「行動の調整をすることができない」のうちのいずれかの状況に陥っていると言えます。では、そのような困った状況で、私たちは怒りをどのように抑えていけばよいのでしょうか。癇癪を自分でコントロールしたい出典 : 感情が生じてしまうこと自体は生物学的に自然なものです。ですから、感情の生起自体をコントロールすることは難しく、その感情が起こった後に、どのように対処するかが重要になります。ここでは怒りが起こったときに、どのような対処法が有効かをご紹介します。アンガーマネジメントとは、アメリカで開発された怒りを予防し制御するための心理プログラムです。プログラムの開発の当初は、軽犯罪者に対する矯正プログラムとして確立されていましたが、今では企業や教育現場などにも取り入れられています。怒りの感情を上手に向き合うことで「あのとき、あんなふうに怒らなければよかった」と後悔することが少なくなるでしょう。アンガ―マネジメントはトレーニングですので、すぐには怒りを抑えることができなくても、意識をして何度も行動に移すことで効果が現れてきます。諸説あるものの、怒りが頭にのぼるピークは6秒ほどといわれています。この短い時間をやりすごすことのできる方法についてお伝えします。1.怒りを数値化する怒りは目に見えないものです。だからこそ、振り回されてしまいます。怒りを数値化することによって、感情を客観的に評価することができ、怒り任せの行動を防ぐことができます。ここでは10点満点中、0~10までの数字を思い浮かべます。0 まったく怒りを感じていない状態1~3 イラッとするが、すぐに忘れてしまえる程度の軽い怒り4~6 時間がたっても心がざわつくような怒り7~9 頭に血が上るような怒り10絶対にゆるせないと思うくらいの激しい怒り戸田久美/著『アンガ―マネジメント怒らない伝え方』2015年/刊/かんき出版点数をつけることで、怒りの対象から意識がそらされ、怒りの気持ちにストップがかかります。また、点数をつけることを習慣にすることで、自分が怒りを感じるパターンが把握できるようになります。2.その場から離れるこれは、自分が感情をコントロールできなくなったときに有効です。怒りの気持ちがおこった環境を変えることにより、攻撃的な気持ちをリセットすることができます。怒りを感じたときに相手がいる場合には、「ちょっとお手洗いにいくので席をはずしますね」などと一言断ってから場を離れるようにしましょう。3.深呼吸をする怒りを感じたら深呼吸をするという対処法はよく聞きますが、生理学的にも効果が証明されています。深呼吸をすることによって、副交感神経という心をリラックスさせる自律神経のはたらきが高まります。怒りが湧いてきたら、鼻から大きく息を吸い、いったん呼吸を止めます。そして、口からゆっくりと息を吐きます。これを2~3回行っていきます。「4秒吸って、8秒吐く」など吐くことに時間をかけると効果的です。4.意味づけを行う問題のある状況に意味を見出すこと、またその状況に対してポジティブな解釈をすることです。例えば就職活動の面接に来た場合を例として考えてみましょう。面接官から非常に難しい質問をされたとします。その状況を「意地悪な面接で嫌だなあ」と思うかもしれません。しかし「面接官も好きで意地悪をやっているのではない。業務の一環なんだ」ととらえることもできます。そして面接官がした質問の捉え方によって、私たちの反応は変わってきます。おそらく前者では恐怖を感じる、自信をなくしてそのあとの質問にもうまく答えられないかもしれないですが、後者では、質問に何とか対応しようと冷静さが保てるかもしれません。このように、状況や相手の言葉や態度を見る視点を変えることを心理学では「認知的再評価」といいます。5.いまに意識を集中させるこれは怒りが頭に湧き起こってきたときにも有効ですが、他の方法と異なるのは、以下のようなときにも効果が見られることです。・怒りが長く続いているとき・過去に起こった怒りにとらわれているとき・よくない未来を想像しがちなとき目の前にあるものを観察したり、目を閉じて聞こえてくる音を心の中で描写します。例えば「紙がこすれるカサカサという音がする」「足音がする」「電気がチリチリと鳴る音がする」などです。これはマインドフルネスという瞑想プログラムでも用いられている方法で、今ここに意識をもってくることで、とらわれている感情から解放されることが目的とされます。癇癪が抑えきれない…障害や疾病との関係は?出典 : アンガ―マネジメントを試してみても、怒りの頻度や程度があまりにひどい場合どうしたらいいのでしょうか。もちろん睡眠不足やストレスなどの日常生活上の習慣は怒りの要因として大いに関係していますが、以下のような障害や疾病が関連していることも考えられます。ADHDとは、注意欠陥・多動性障害(または注意欠如・多動性障害)と呼ばれる、発達障害のひとつであり、不注意、多動、衝動性を主な症状としています。ADHDの特性から生じる障害のひとつとして、行動のコントロールの障害があります。ADHDのある人は、刺激と反応の間にワンクッションを入れることが苦手な傾向にあります。つまり衝動性が高く、カッとなったらすぐに手が出てしまうといった行動もこのひとつとして考えられます。また、ADHDの二次障害として、素行障害や反抗挑戦性障害を引き起こすことがあります。幼少期、就学期のころに、周囲から叱責や注意を多く受け、自分の行動が理解されないことから自尊心が下がることにより、反抗的な態度を取ることとなります。幼い頃は反抗的な態度をとるにとどまっていても、年齢があがってくると徐々に攻撃性がエスカレートし、また周囲からの理解が得られず、攻撃性がさらに高まり、暴力行為や非行問題に走ってしまうことがあります。このような負の連鎖をDBDマーチといいます。攻撃性のレベルが非常に高く、また高頻度で続く場合には間欠性爆発性障害である可能性が考えられます。アメリカの精神医学会の発行する『DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)』には、この障害について以下のように述べられています。A. 下記のいずれかに現れる攻撃的衝動の制御不能に示される、反復性の行動爆発(1)言語面での攻撃性(例:かんしゃく発作、激しい非難、言葉での口論や喧嘩)、または所有物、動物、他者に対する身体的攻撃性が3カ月間で平均して週2回起こる。身体的攻撃性の損傷又は破壊にはつながらず、動物または他者を負傷させることはない.(2)所有物の損傷又は破壊、および/または動物または他者を負傷させることに関連した身体的攻撃と関連する行動の爆発が12カ月間で3回起きている.B. 反復する爆発中に表出される攻撃性の強さは、挑発の原因又はきっかけとなった心理社会的ストレス因とはひどく釣り合わない.C. その反復する攻撃性の爆発は、前もって計画されたものではなく(すなわち、それらは衝動的で、および/または怒りに基づく)、なんらかの現実目的(例:金銭、権力、威嚇)を手に入れるため行われたものではない.D. その反復する攻撃性の爆発は、その人に明らかな苦痛を生じるか、職業または対人関係昨日の障害を生じ、または経済的または司法的な結果と関連する.E. 暦年齢は少なくとも6歳である(またはそれに相当する発達水準).F. その反復する攻撃性の爆発は、他の精神疾患(例:うつ病、双極性障害、重篤気分調節症、精神病性障害、反社会性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害)でうまく説明されず、他の医学的疾患(例:頭部外傷、アルツハイマー病)によるものではなく、または物質の生理学的作用(例:乱用薬物、医薬品)によるものでもない。6~18歳の子どもでは、適応障害の一部である攻撃的行動にはこの診断を考慮するべきではない.注:この診断は、反復する衝動的・攻撃的爆発が、以下の障害において通常みられる程度を越えており、臨床的関与が必要である場合は、注意欠如・多動症、素行症、反抗挑発症、自閉スペクトラム症に追加することができる.引用:アメリカ精神医学会/編『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』2014年/刊/医学書院親が役割を放棄していたり、虐待にあっているなどの過酷な家庭環境にさらされている場合には、情動制御の弱さが見られるケースが多く報告されています。というのも気持ちのコントロールは、他者とのあいだにある多様なやりとりによって、その方法を学ぶという要素が強いからです。人は相手との関係の中で、「気持ちをなだめる方法を教えてもらう」「気持ちをコントロールしてうまくいく」という経験を経て学習していくものです。しかし、虐待や育児放棄をされ、養育環境の中で適切なやりとりが行われなかった子どもだと、その方法を学ぶことができず、気持ちのコントロールをする方法がわからないことがあります。そしてそれが大人になっても続いていくことがあります。自覚できることがある場合、カウンセラーなどの専門家に相談してみることをおすすめします。人に危害を加えてしまうことがある、また対人関係が上手くいかないなどの具体的な悩みごとがあれば、その旨をしっかり伝えるとよいでしょう。癇癪の治療が必要かわからないけれど、一度相談してみたい出典 : 専門家の人に相談してみたいけれど、いきなり精神科やカウンセリングに行くのには抵抗がある…こういった悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。精神科やカウンセリングに行く前に相談に乗ってくれる機関があります。以下の相談機関では、こころの問題を含めた病気や生活の悩み事の相談に乗ってくれます。病院の受信が必要かどうかわからないときや、ご家族や知人の方が相談したいときには気軽に利用してみましょう。電話で相談、受診先を案内してもらったり、場合によっては面接の予約をしての相談となることもあります。これらは各都道府県と政令指定都市に1か所以上設置されています。公的機関であるので相談料金は無料です。・保健所・精神保健福祉センター以下のリンクからお近くの相談機関を調べることができます。保健所一覧|全国保健所長会精神保険福祉センター一覧|厚生労働省癇癪の治療を受けたいと思ったら出典 : 精神科医療機関とカウンセリングでは、問題に対するアプローチの方法が全く異なっています。精神科では怒りを鎮めるための処方箋を、カウンセリングでは根っことなっている認知の問題を解決するための治療が行われます。自分のニーズに合わせた機関へ行くことが重要です。注意したいこととして、「医療機関では長時間のカウンセリングは行われない」ということが挙げられます。逆に、病院でしかできないこととは、薬の投薬と医学的な検査(血液検査や画像検査)の結果をふまえた診断です。これらを求める場合には、是非病院を訪れてください。医療機関では、主に症状そのものの緩和のためのアプローチが行われます。主に投薬と生活指導が基本です。例えば、不安という症状に対しては抗不安薬を、不眠症状には睡眠導入剤や抗不安薬など症状を緩和するための薬剤を処方されます。医療機関では【症状を聞く】→【診断を下す】→【投薬をする】という一連の流れで患者の病状を改善していきます。病院によってはあまり長い時間をとってもらえないこともありますので、以下のような準備をしていくとよいでしょう。◇メモを用意する自分が困っていることとや、確認したいことについて事前に整理をしておきます。例えば、最近の体調、気持ち、仕事や学校のこと、家庭のことなどです。このように事前に自分の身に起きていることを整理したメモは、診察の場面で言いたいことをきちんと伝えるお助けツールになります。しかし苦しいという悩みはあるものの、実際に言葉にできないこともあるでしょう。そのようなときには、以下の質問リストを参考することで、聞きたいことをリストアップしてみることをおすすめします。これは統合失調症の患者さん向けに作られたものですが、精神科を受診するすべてのの人が参考にして役立てることができます。「質問促進 パンフレット」精神科外来での共同意志決定支援ツール|精神科外来における意思決定支援ツール開発・普及委員会また、病院によっては精神科と心療内科が分かれていることもあります。精神科は精神的な症状のみでとどまっている患者を対象としており、心療内科は、身体的な症状が現れており、心理的な要因が考えられる場合に受診するのがよいでしょう。カウンセリングでは、【話を聞く】→【何が問題となっているのか根っこを査定】→【心理的な療法】という流れで治療が行われます。医療的な治療と異なるのは、カウンセラーと相談者がともに問題解決の方法を探っていくという協同型の治療であるという点です。また、病院に併設されていることもありますが、多くの場合は自由診療であるので、診療以外の費用がかかります。カウンセラーは、意識的なものだけではなく、心の無意識的な働きについても考慮し、問題の原因を分析し、よりよい心の使い方や感情の向き合い方ができるような働きかけをしていきます。怒りについては、気持ちや行動の調整を妨げる原因によって、アプローチの方法は異なります。治療者によっても治療の内容は異なります。前の章で紹介したような怒りに対する瞬発的な対処法についても学ぶこととなり餡巣が、怒りとうまくつきあうための心の土壌づくりがメインとなります。例えば、考え方の枠組みを変える認知行動療法や、身体そのものに働きかけるリラクゼーション療法、マインドフルネス療法などが行われます。癇癪を起こす人の周りにいる方へ出典 : 癇癪を起こしてしまう人の周りにいる人もつらいと思います。なぜなら楽しい、うれしい、悲しいなどすべての感情はその場に伝染していきます。特に怒りは強いエネルギーをもつ感情のために、ほかの感情よりも伝染しやすい性質があります。周りの人たちはどのような心構えで本人と関わればよいのでしょうか。怒りが抑えられないと「我慢が足りない」と捉えられがちですが、癇癪と我慢には関係性はありません。これは、空腹な人に対して「根性が足りない」といっているようなものです。癇癪を起してしまう人は、爆発的な怒りをどうにかしたいと思っている一方で、気持ちをコントロールできず当たり散らしてしまう現状に対して葛藤を抱いています。癇癪は自分では「怒りを抑えられない」という状態のために、自分でも怒りの原因や対処法が分かっていないことが多く悩んでいます。また二つ目の問題として、癇癪による二次的な問題があります。すぐに感情的になってしまうために人とうまく付き合えず、家族や恋人、友人との間の人間関係や、職場や学校における適応に問題を抱えていることが多いです。そのような場合に、カウンセリングなど、他の人の支援を受ける方法を知らせるなど、解決したいという本人の支えとなる方法がないかを一緒にさがしてみるとよいでしょう。怒りの感情は周囲に伝染するので、あまりに癇癪がひどい場合には、周りの人も大きな精神的ストレスを受けてしまいます。癇癪が起きているその瞬間には逃げることも考えてください。周囲の人に明らかに非があった場合を除いて、本人の怒りのサンドバックになる必要はありません。大事なのは、周りにいる自分の苦しさがあると伝えた上で、自分の身を守るためにもその場を離れることがあると伝えておくことです。職場などの場合には「逃げる」という選択をすることが難しい場合もありますが、怒っている人のいる場から物理的に離れるという勇気をもってみることも大切です。また、あまりに癇癪が激しく、精神的につらい時や危害を受けている時には、ためらわず専門機関などに相談することも検討しましょう。相談ナビ総合労働相談コーナーのご案内まとめ出典 : 感情とうまく向き合うことができれば、感情を使って建設的な行動をとることができるようになります。怒りをバネにして何かを成し遂げるといったように、怒りは目的に向かって行動するきっかけにすることも可能です。わたしたちを怒らせるものの正体は「譲ることのできない価値観」です。しかし「こうあるべき」という価値観が大きすぎると、現実を受け入れにくくなってしまいます。自分がどのような「こうあるべき」という価値観を、どの程度望んでいるのか、それをお互いに伝え合うことができれば、職場や家庭での人間関係も良好になるかもしれませんね。
2017年07月29日「怒りは、うれしい、楽しい、悲しいと同じ、人間にとってごく自然な感情です。怒りを感じないようにすることは不自然なこと。いかに上手に付き合うかが重要なのです」 そう語るのは、「日本アンガーマネジメント協会」の理事をつとめる戸田久実さん。感情のコントロールといえば、エリートコースを歩んだ豊田真由子議員(42)が元秘書に向かって言い放った「この、ハゲー!」などの怒声を思い出す人もいるだろう。また《さあバイアグラ100ml男船越英一郎と全面戦争、はじまりますよ》と、夫への怒りをブログにつづった松居一代(60)の姿を思い浮かべる人も。 「相手を傷つけたり、自己嫌悪に陥ったりするなど、怒りで後悔しないことが大事です。そのためには怒りの仕組みを知ること。怒りの裏側には、自分の気持ちをわかってほしいという“第一次感情”が、じつは潜んでいるのです」 なにかと世間を騒がせている「怒り」について、怒りと上手に付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」のコンサルタントでもある戸田さんが、ケース別に抑える方法を教えてくれた。 【ケース1】連絡もよこさず夜遅く帰宅した夫に、「なんで連絡しないのよ!」と怒鳴ったら「オレも忙しいんだよ」と逆ギレされて、微妙な空気になったーー。 「この怒りの裏側には、本当は“帰りが遅くて心配”“連絡がなくて不安”という“第一次感情”があるのです。ところが、怒りという感情のエネルギーが大きいため、それを見失い、相手を責める言葉だけをぶつけてしまう。怒りを感じたときこそ冷静になり、わかってほしい本当の気持ちに目を向けましょう。どんなに強い怒りでも、ピークは6秒しか続きません。つまりムカッとしてから、6秒間をいかにコントロールするかがポイントなのです」(戸田さん・以下同) 【ケース2】ファミリーレストランの店員の対応が最悪。頭に血が上って「なによ、その態度は!」と怒鳴ったら、周りの人からクレーマーだと思われてしまったーー。 「ムカッとしたときに、頭のなかで数を数えてみてはどうでしょう。とはいえ、1から順番に6まで数えることは無意識でもできること。100から3ずつ引いて『97,94,91……』と数えていくなど、少し考えないといけない数え方のほうが、怒りにまかせた反応が出にくくなります」 【ケース3】スーパーのレジで、並んでいた列の前の女性が財布の中の小銭を探してモタモタ……。思わずイライラしてしまうーー。 「少しでも腹を立てることがあった場合、そこで感じている怒りが、10点満点中、どのくらいのレベルなのか、点数化してみることも効果的です。モタモタしている人に対しても“怒りは2点だな”と考えるだけで、自分を客観視することができます。この習慣を続けることで、自分が怒りを感じるパターンもわかるようになるのです」 【ケース4】パート先で先輩に八つ当たりされて帰宅したら、部屋は、子どもが脱いだ服で散らかっている。「脱いだ服は片付けなさい!そういえばこの前のテストはなんだったの!!いつもゲームばかりやっているからでしょう!」と、声を荒げてしまったーー。 「怒りは、弱い立場に向けられる傾向があります。怒りをぶつけられたら、その相手ではなく、さらに弱い立場の人へ怒りをぶつけてしまうのです。子どもなど身近な対象には、期待が高くなり、甘えも生じます。そのため怒りの程度も強くなってしまうのです。子どもを叱るときも、感情的にならず、いちばん言いたいことをハッキリさせて、なんのために叱っているのか、目的を伝えることが重要です」 【ケース5】玄関にいつも靴を脱ぎっぱなしの夫。「普通さ、脱いだ靴ってそろえるよね!」と怒鳴ったら、「ヒステリーだな」と返され、夫婦ゲンカにーー。 「人はそれぞれ“〜べき”というものを持っています。たとえば『脱いだ靴はそろえるべき』『洗濯に出すときはポケットの中を調べるべき』などの“〜べき”は、自分にとっては大事で譲れない価値観かもしれません。そんな価値観を誰かに裏切られると、つい感情的になってしまうもの。ところが、その価値観は、すべての人と共有しているものではありません。もちろん夫婦間でも違っています。自分にとっての“当たり前”が他人にとっての“当たり前”とは限らない。そう思うことが、怒りと上手に付き合う第一歩なのです」
2017年07月21日忙しいときや虫の居所が悪いとき、つい感情的になってしまうこともあるでしょう。とはいえ、感情的になった相手と接するのはできれば避けたいもの。カッとなっている相手の意見や怒りをそのまま受け止めることは、とても大きなストレスになります。しかし、接し方・言い方を少し工夫するだけで、相手を落ち着かせられる可能性も。ママ友トラブルに巻き込まれそうなとき、職場の上司が機嫌を損ねているときなど、コツを頭に入れておけば、いろいろな場面できっと役立つはずです。■相手の怒りやモヤモヤに気づくには?相手の顔をしっかり見て、表情を観察しながら会話していれば、早い段階で相手の怒りやモヤモヤに気づくことができます。カッとなる前の段階で気づくことができれば、それだけ対応も簡単に。まずは普段の会話の中で、相手の表情やしぐさをよく見ることから始めてみませんか?<相手が怒っている・不満を持っていることがわかったとき>一番大事なことは、できるだけすぐに対処すること。「何か納得できないことがある?」「この件は、反対なの?」このように、ストレートな質問がおすすめです。怒りの感情というものは、原因や気持ちを口に出すと、だんだん小さくなっていくのだとか。早い段階でそれを口に出してもらうことで、相手を落ち着かせることができるかもしれません。■冷静さを取り戻してもらうためのコツ感情的になって怒ったり、取り乱したりしている人は、たいてい理性的な判断が難しくなっています。物事を客観的にとらえることができず、ほかの人の意見はなかなか耳に入りません。そんな相手に、ちょっと冷静になってもらうには、視点をガラリと変えるように促してみる方法が有効です。<視点を変える方法>たとえば、「Aちゃんってひどいのよ!」と怒っているママ友がいるとします。ここで、「そうね、Aちゃんひどいね」と共感するのは、一瞬楽に思えます。しかし共感してしまえば、Aちゃんを悪く言うことに。そこでひと工夫。「もしアナタがAちゃんの立場だったら、どうしたと思う?」と、ママ友にAちゃんの視点に立つ質問をしてみます。大切なのは、相手自身に違う立場でものを考えさせるということ。視点を変えることで、失われていた冷静さを取り戻す効果が期待できます。また、場所が変わると気分も変わるので、これを活用して、相手をクールダウンさせるという方法も。相手が怒っているのに、突然「店を変えようか?」と言い出すのは少し不自然。たとえば「もう少し、人が少ないところでじっくり話を聞きたいな」など、相手のいまの気持ちに合わせた理由を添えて、自然に場所を変えてみると良いでしょう。■「売り言葉に買い言葉」でテンションアップ!?話し方やしぐさ、態度、さらには感情など、会話している人同士は、さまざまな部分で影響し合っているそうです。たしかに、「売り言葉に買い言葉」と言うように、相手が感情的になっていると、ついこちらも同じテンションで言い返してしまうことも…。これは逆も同じ。相手が感情的になっているとき、こちらが落ち着いた態度で接すると、徐々に相手の態度も落ち着いてくることがあります。まずは慌てず落ち着いて。少し低めの声でゆっくり、はっきりと話すように心がけると、相手も次第に落ち着いてくるかもしれません。このとき、聞きとりにくい話し方をしてしまうと逆効果に。いつもよりしっかり口を開閉するよう心がけると良いでしょう。■「引くに引けない」ケースを変えるには?怒りにまかせてアレコレ言っているうちに、そもそも何に怒っていたのかが曖昧に…という経験はありませんか?本来、人の怒りというのは、それほど長くは続かないものです。しかし、感情的になって相手を責めた手前、そう簡単には引けない。そんなケースはけっこう多いものです。この場合、「引くに引けない」状況を変えてあげることが大切です。<「引くに引けない」状況を変える>たとえば、「説明が足りなかったから、誤解させたみたいね。ごめんなさい。実は○○で~」と謝罪の言葉とともに、状況を詳しく説明してみましょう。これにより、相手は「たしかに、ちょっと誤解があったわね」と意見を変えやすくなることもあります。感情的になっている相手に対し、真っ向から同じボルテージで向かい合うのは得策とは言えません。誰かの感情の火の粉がふりかかるような場面があれば、自分の、そして相手のダメージを少しでも軽減できるよう、上手に向き合うための工夫を取り入れてみましょう。
2017年04月23日子育てに奮闘するママたちにとって「笑顔で育児をすること」は永遠の課題ですよね。「今日はニコニコママでいよう!」と毎日決意するのですが、結局は毎日のバタバタ生活にイライラが収まらず、わが子のちょっとしたイタズラや反抗に「もう!何やってるの!」と声を荒げてしまうことも。できることなら穏やかで優しいママでいたいのに、怒りがコントロールできない!ということ、ありませんか?そんなママのイライラを上手にコントロールし、ママがもっと笑顔で育児をするにはどうすればいいのか、アンガーマネジメント講師、心理カウンセラーでもある朴澤和歌子さんに聞いてみました。アンガーマネジメントとは?アンガーマネジメントとは、アメリカで生まれた心理トレーニングで、 日本での初めは、スポーツ選手や企業で働く社員が、自分の怒りの感情をコントロールして、生活や仕事や人間関係をよりよくするために学んでいたこと。それを育児ママ向けに日々の育児のあるある!な例を題材にアレンジし、ママの怒りの感情をコントロールする方法を学ぶのが、朴澤さんの講座です。現在3歳と1歳の母である私も、毎日の育児にイライラの感情をコントロールしきれない1人。今まさに抱えている悩みをぶつけてみました。怒鳴りつけたことを、子どもたちが寝た後に後悔してしまう…育児と家事にいっぱいいっぱいな日々。疲れや焦りでママがイライラしてしまっているとき、子どもが思ったように行動してくれなかったり、思わぬイタズラでまた家事が増えたりして、つい子どもを怒鳴ってしまった経験はありませんか?先日こんなことがありました。保育園から帰宅後、慌ただしく洗濯物を整理していると、子どもたちがボールペンで壁に落書きをしているではありませんか!「何を考えてるの!?」と、思わず怒鳴りつけてしまいました。そればかりでなく、怒りをコントロールしきれず「これ、もう落ちないかもしれないよ」と責め立て、子どもは恐怖で涙ぐんで黙ってしまう展開に。落ち着いた後に食事をし、お風呂に入れ、寝かしつけまで猛スピードで過ぎていき、眠った子どもの顔を見て「また今日も叱るだけで終わってしまった」と後悔してしまいました。もう少し落ち着いて、子どもが「怖い」と感じるだけではない叱り方ができれば…と思うのですが、その瞬間はなかなか怒りをコントロールできません。ママの罪悪感・自己嫌悪こそが育児の悪循環にしかし、朴澤さんによると、このママたちの後悔する気持ちや自己嫌悪する気持ちこそが、育児にとっては悪影響になってしまうそう。ママの自己肯定感が下がることでストレスがたまり、余計イライラしやすくなり、また子どもに対して大声を出してしまうきっかけになりかねないのです。それを防ぐには、まずは罪悪感のもとになっている「衝動的・反射的に大声で叱ってしまう」ことを防ぐのが大切です。反射的な怒りをコントロールするには、どんな方法があるのでしょうか。呪文を唱えて6~10秒待つよく「叱る前に深呼吸」と言いますが、まさにその通りで、人間の怒りが最高潮に達してから落ち着くまで、だいたい6~10秒ほどかかるのだそうです。その6~10秒をどうしのぐかが問題なのですが、その技術を身につけるには、まずは意識をそらすために「数を数えること」の他に「呪文を唱える」のも効果的なのだそう。呪文は自身が言いやすい言葉、落ち着ける言葉など、どんな言葉でも大丈夫です。実際に今、2人の男の子を育児中の朴澤さんは「子育てバンザーイ!」と唱えるのだそう。どんなイタズラでも、その言葉でなんだか笑えてきてしまうこともあるのだとか。怒りのピークが去ったら、まずは「聴いて」それから「伝える」6~10秒待ったら「よし!10秒経ったぞ!」とばかりに怒り始めるのではなく、少しクールダウンの状態になったところで、まずは子どもの気持ちを聴いてみましょう。「どうしてこれをしたの?」「なんでやろうと思った?」と、子どもの思いに耳を傾けます。人間は誰でも「自分の思いを聴いてほしい」「自分は大切にされたい」という思いを持っているもので、それを満たされることで、子どもたちはとても安心できるのだそう。その上で「でも、これはやってはいけないよ」と行動を叱ります。本人の人格を否定するのではなく、「行動を叱る」のがポイント。 「あなたはダメな子ね」というように、本人の人格を否定する言葉を使ってしまうと、子どもの自己肯定感が低くなってしまいます。「こういう行動がダメなのよ」と、行動に焦点を当てるように気を付けましょう。怒りそのものを減らす「体質改善」も同時に取り組んで叱り方の理想はわかっていても、それでもイライラを処理しきれないこともありますよね。子どもに伝わり切っていないと感じると、どんどん語気が強くなって、最後にはやっぱり怒鳴ってしまうこともあるでしょう。そうした「怒りの気持ち」そのものが出てくる機会を減らすことも、アンガーマネジメントの1つ。それを「体質改善」と言うのだそうです。■自分は何について怒るのかを分析する「怒り日記」体質改善のためには、まずは自分が「何について」「いつ」怒りやすいのかを分析する「怒り日記」をつけるのがおすすめなのだそう。怒り日記には、その日にイライラした時間と原因を記入します。そうしたことで、自分が怒りやすい時間帯や、その原因を客観的に見ることができるのです。朴澤さんの生徒の中には、この日記をつけただけで「自分の怒りの原因のくだらなさに笑えてきた…」と、怒るタイミングを減らすことに成功した人もいるのだそうです。■怒る原因は自分の中の「べき」人が怒る原因は、その人の中の「べき」にあるという朴澤さん。人それぞれが持っている「べき」に反することが起きたとき、裏切られたとき、人は怒りの感情を持つのだそうです。たとえば「おもちゃはすべて片付けるべき」「母親は子どもに野菜を食べさせるべき」という考えがあるから、片付けない子どもにイライラしたり、食べない子どもに「食べてよ!」と怒鳴ってしまったりするわけです。怒るタイミングを減らし、怒りの「体質改善」をするには、自分の中の「べき」と向き合い、その中で大事にしたいもの、逆に減らしたり、ゆるめることができるものがないかを検討します。たとえば「おもちゃはすべて片付ける」のではなく「お気に入りのおもちゃだけは自分で元の場所に」とすることや「野菜をすべて食べる」のではなく「3食のうちどこかでどれか食べられたらOK」とすることで、怒りの臨界点が下がり、結果的に体質改善につながりますね。「カウンセラーだった私でさえ、育児中にはイライラした」今回お話を聞いた朴澤さんは、もともと企業で従業員の方をケアするカウンセラーでした。職業柄、どんな人の話でも受容的に冷静に聴く練習を積んでいることもあり「自分は怒りっぽい方ではない」という自負があったそうです。しかし、長男を出産してから、はじめて子育てのイライラを経験します。毎日の忙しさに、無表情で家事に取り組んでいると、3歳ごろだった長男にふと「ママ、顔怖い...」と言われたのだそう。それを聞き「一番笑顔を見せたい人に笑顔を見せられていないなんて、悲しい、何か違う」と気がつき、自らもアンガーマネジメントを学ぶことを決めたのだそうです。「怒り」は必要な感情上手に付き合おうアンガーマネジメントは、先生から教えてもらうことはもちろん大切ですが、それ以上に自分自身が自分の「怒り」と向き合うことが大切なのだと強く感じました。怒りは、自分の身を守るために備わっている、なくてはならない感情です。怒ることは決して悪いことではなく、気持ちを発散することは生きる上で必要なこと。しかし、その怒りをむやみに放出するのではなく、自分でコントロールすることが、自分自身の生きやすさにつながっていくのです。取材協力:アンガーマネジメントファシリエーターカウンセラー朴澤和歌子さん日本アンガーマネジメント協会<文・写真:フリーランス記者宮澤初恵>
2016年09月05日たとえ彼が原因のケンカでも、冷静に話し合うことが大切。感情をぶつける怒り方ではなく、彼が自発的に「悪いことしたな」と思えるケンカがふたりの関係を深めてくれます。では、もし彼とケンカになったとき、どんな怒り方をすれば問題ないのでしょうか。彼の気持ちを素直にさせる怒り方についてチェックしていきましょう。■ネチネチと怒らない基本はダラダラと怒らないこと。しつこくネチネチと怒ったりせず、「何が悪くて」「どのように改善してほしいか」をハッキリ伝えなければなりません。長々と“くどい”怒り方はNG。スマートに怒ったほうが効果的。シンプルにスパッと要点を伝えることで彼のハートに届き、反省する気持ちが強くなるはず。■攻撃しては意味がない一方的に怒りをぶつけるのはナンセンス。追い詰めるような気持ちで責め立てる怒り方は、彼との距離を遠ざけるばかりで何も解決しません。はじめから攻撃的な口調で責めたりせず、まずは彼の本心を聞き出すのが先です。「なぜ、このようになったのか」「なぜ悪いことなのか」を自発的に理解させる必要があります。■怒りより悲しさを伝える激怒して徹底的にたたきのめしたい気持ちは分かりますが、彼を改心させるためには怒りではなく悲しみを伝えたほうが効果的。悲しい感情が彼に伝われば反発する気など起きず、胸にグサッと刺さります。「怒らせた」よりも「悲しませてしまった」のほうが男は反省しやすくなるんです。■客観的に理解させる男の頭は幼稚。本能で女心を理解させるのは正直ムリです。なので、客観的に物事の状況を分からせる必要があります。「あなたが私だったらどう思う?」「逆の立場になって考えてみたことある?」など、相手目線になることの大切さを教えるのも大人のケンカですね。■男のプライドを利用する大なり小なり男性にはプライドがあります。ほとんどの男性がもっているプライド、それは“優しさ”を認めてもらうこと。男性は、優しいという言葉に弱い生き物なんです。あえてケンカの最中に「優しさって何だろうね…」と問いかけてみましょう。きっと彼はプライドをくすぐられて、「ごめん」と素直に自分の欠点を認めてくれるはずです。肝心なのは言い争いに発展する前に、大人の態度で話し合うこと。一方的に責めたりののしったりすると、必ずと言っていいほど男性は反発します。反発すればケンカの根本がブレてしまい、彼は反省するどころか開き直って適当な気持ちで聞き流してしまうでしょう。建前の反省では意味がないのです。同じケンカをくり返してしまわないために、意味のあるケンカをしなければなりません。ケンカするとき、怒り方で方向性が変わってきます。ケンカの目的は言い争いではなく、「彼に反省させるための話し合い」であることを心得ておきましょうね。
2016年04月09日