法政大学教授小黒一正氏が提起。岸田政権が「賃上げ(現役世代の可処分所得の底上げ)」を目的に「所得税減税」など経済対策を進める一方「社会保険料負担の上昇か抑制か」重要な論点として注目を集める。SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)はこのたび、「岸田首相は「社会保険料上昇の抑制か、継続的な上昇か」という対立軸を示すべきでは?」というイシュー(課題)について1月31日に投票が終了しましたので結果をお知らせします。岸田首相は「社会保険料上昇の抑制か、継続的な上昇か」という対立軸を示すべきでは?岸田政権が重点的に取り組む「賃上げ(現役世代の可処分所得の底上げ)」。2023年11月上旬、岸田首相は所得税減税を含む総額17兆円台の経済対策を閣議決定しました。しかし、各種メディアの世論調査では、「一時的な所得税減税」を求める声はあまり多くはありませんでした。「賃上げ」も重要な施策のひとつではあるのですが、社会保険料負担の上昇を抑制することも国民の収入を増やす有効な手段です。「社会保険料負担をどう考えるべきなのか」、Surfvoteを通じて広く意見を募集しました。投票の詳細イシュー(課題):岸田首相は「社会保険料上昇の抑制か、継続的な上昇か」という対立軸を示すべきでは? 調査主体:社会デザインプラットフォーム Surfvote(Webサービス)調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票投票期間:2023年12月13日〜2024年1月31日有効票数:63票投票結果とコメントの紹介(一部抜粋・原文ママ)現役世代の可処分所得を底上げするため、社会保険料上昇を抑制すべきである 71.4%現役世代の手取りが増えないと少子化は加速するばかりだと思います。抑制すべきではない 17.5%払える人が頑張って払い支えていかないといけないと思います。いつか逆の立場になるときがいずれくるしそれまでは仕方ないかと思います。どちらともいえない 9.5%仕方ないことだとは思うがこのまま上昇し続けたら経済的に困る家庭がほとんどだと思います。その他 0% わからない 1.6%このイシューを執筆した 小黒 一正氏法政大学教授/鹿島平和研究所理事/RIETIコンサルティングフェロー。『財政危機の深層』『財政と民主主義』『日本経済の再構築』『薬価の経済学』など著書多数。専門は公共経済学。世代間問題や財政・社会保障を中心に研究。あなたの意見・投票を社会のために活用しますSurfvoteでは社会におけるさまざまな課題や困りごとを「イシュー」として掲載し、どなたでもすべてのイシューを読むことができますが、アカウント登録をすると各イシューに投票したりコメントを書いたりできるようになります。私たちは、みんながさまざまな社会課題を知り、安心して自分の意見を言える場を提供したいと考えています。また、そこで集められた意見は、イシューの内容に応じて提言書に纏め関係省庁や政治家へ提出することもあります。 Polimill株式会社Polimill株式会社は社会デザインプラットフォームSurfvoteを運営・開発するICTスタートアップ企業です。Surfvoteは社会課題や困りごとに特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年02月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「所得税定額減税」です。一時的な処置で将来改善するのか。長期的な政策を!岸田政権は、2024年度の税制改正で、所得税3万円、個人住民税1万円の定額減税を行うことにしました。6月よりスタートすることになります。岸田首相は、総裁選の頃は「分配なくして成長なし」と謳っていました。様々な優遇策により国民の暮らしが良くなるという期待感がありました。ところが実際には社会保障費の負担が増え、ガソリンや小麦などの価格高騰もあり物価高が進んでいます。それでも給料は上がらず、生活は苦しいまま。岸田首相は「税には手をつけない」と話していましたが、方々から批判を受けて急に減税に転換しました。ですが、その額は限定的で、期間も1年ですから、一時的な痛みを取り除くことにしかなりません。’24年の総裁選を乗り切るために、自民党内の様々な声を聞く姿勢を示そうと、場当たり的に決めた策のようにも見えてしまいます。経済政策に整合性がとれていないのは、国民としては不信感が募ります。ただ、ロシアとウクライナの戦争が解決を見ないうちにガザでも戦争が始まり、予想以上に深刻な円安が続いており、デフレからなかなか脱却できない。誰がトップでも難しい政策運営を強いられている状況ではあります。デフレを抜け出すには、賃金を上げることが求められます。ただ、経営者の側からいえば、賃金を上げればその分、社会保障費の負担も増えてしまう。本当に賃上げしたいなら、社会保障費の方も、優遇なり減額なりしていかないと企業も簡単には上げられません。個人や企業が稼いだ国民全体の所得に対して、税金と社会保障費の負担の割合を示す「国民負担率」というのがあります。’23年度は46.8%になる見通しです。統計を取り始めた1970年度は24.3%でしたから、実質的にだいぶ負担が増えているのですね。65歳以上の人の割合が国の人口の21%を超える「超高齢社会」に、日本は2007年から突入しています。2060年には人口の約40%が65歳以上になると予測されます。減税をしても成長には繋がりません。この先どのようなビジョンを描いているのか。岸田政権には原点に立ち返り、未来を見通した政策をとってほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2024年1月3日‐10日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2024年01月03日「過去の調査データでは、所得税減税や給付金を受けた際、実際消費に使われるのは2割程度で、残り8割近くは貯蓄に回っています。おそらく、来年実施される減税策の経済効果も限定的で、景気回復を後押しするほどの効果は期待できないでしょう」こう語るのは、第一生命経済研究所の首席エコノミスト・永濱利廣さん。2024年6月、政府は所得税などを定額1人当たり年4万円の減税、非課税世帯には一世帯当たり7万円を給付するなど、総額5兆円規模の“還元政策”を実施する予定だ。だが、来年6月からの実施というスピード感のなさに、国民の反応は冷ややか。それもそのはず、年末になっても物価上昇は止まることなく、家計を圧迫し続けている現実があるからだ。岸田文雄首相(66)は、先の国会で「デフレ脱却を完成させるためにどうしても必要な政策」、「賃上げが物価高騰に追いつくまでの一時的な対応」と、定額減税をやる意義を繰り返し強調。野党から“消費税減税を実施するほうが、はるかに物価高対策になる。なぜやらないのか”と追及を受けても、定額減税にこだわり続けた。なぜか?「その背景には、消費税には触れて欲しくない財務省への配慮。そしてすべて給付金で国民に還元したほうが迅速にできるのに、わざわざ所得減税にこだわったのは、自らの増税イメージを“減税”という言葉で、払しょくしたかったからだと言われています」(全国紙政治部記者)1年で最も出費が多いと言われる年末年始。物価高による家計への負担はさらに深刻さを増している。「家計負担増の半分以上が食料品の値上げ。これが最も大きな負担となっています。消費者物価指数をみても、食料品は前年比で9%程度上昇しています。食料品は消費税のうち8%の軽減税率が適用されています。仮にこれを非課税にした場合、物価上昇分はほとんど吸収することができます。非課税となれば食料品の値段が安くなるうえ、お金を使わないと恩恵を受けられないことになる。経済的合理性だけで考えたら、家計負担を軽減するのに最も効果的な物価高政策となります」(永濱さん、以下同)永濱さんによると、内閣府の「短期日本経済マクロ計量モデル」をもとに減税効果を試算したところ、政府が予定している所得減税や給付金を実施するよりも、消費税減税をやったほうが、減税する年のGDP(国内総生産)が2倍以上も押し上がるという結果が出たそうだ。「来年、5兆円規模の財源で所得税減税や給付金などを行いますが、おそらく消費に上乗せされるのは、1兆円ぐらいだと推定されます。対して、消費税減税をやった場合、お金を使わないと恩恵を受けないので、それだけ消費が増えることになります。こちらのほうが費用対効果が高くなるということです」たしかに、給与明細で所得税減税された金額を見ても、あまり貰った感が沸かないので、実際にどれだけ消費意欲が高まるかは疑問である。それよりも、毎日買う食料品が安く手に入るようになったほうが、家計の負担軽減を実感できるはずだ。だが、仮に消費税減税をした場合、社会保障財源はどうなるのかという声もあるが……。「消費税率5%から 10%引き上げで確保した財源 13.3兆円のうち、社会保障支出に紐づいているのは8兆円程度。残りの5兆円以上は政府債務の返済に回っています。この5兆円を消費税減税分に使えば、社会保障財政に直接影響が及ぶことはありません」政府は来年1月の通常国会で、定額減税や給付金などに関する税制関連改正法案を提出し、3月末までに成立させる見込み。どうせ同じ5兆円の財源を使うなら、物価高対策、景気回復につながる、国民が本当に喜ぶ“減税”をやってもらいたいものだ。
2023年12月25日政府が、来年6月に予定される所得税などの定額減税を受けられない低所得世帯のうち、所得税は納めていないが、一定以上の収入があれば課される住民税の「均等割」だけ納めている世帯には一律で10万円を給付する方針であることが判明した。「所得税と住民税の両方が課されない世帯には、今回7万円が給付されますが、それとは別に今年3月に3万円が支給されています。しかし、“均等割”だけが課されている世帯は、この3万円給付の対象外でした。今回の+3万円は、その差分を埋める処置となります。また、低所得世帯全体には18歳以下の子ども1人当たり5万円が上乗せされます」(経済部記者)2023年度予算の予備費を財源とする方向で調整し、早ければ来年2月から3月にかけて年度内に給付を開始する予定だ。住民税非課税世帯向けの7万円給付は、早ければ月内に支給が始まる。所得税の納税額が少なく1人当たり4万円に満たない人に対しては、差額の給付を1万円刻みで給付。1人当たり4万円の定額減税については’24年6月からの実施が予定されている。しかし、この報道の直後SNSやネットニュースのコメント欄は紛糾。不公平感を訴える声が相次いで寄せられていた。《年収300万くらいだけど、毎月保険や税金やなんだかんだで4分の1ほど引かれる。手取りなんてわずかだよ。ただ持っていかれるだけで。なんの恩恵もない感じ》《持ちつ持たれつはわかるけど、他人のために働いてるみたい》《本当に困窮している世帯にはもちろん賛成。でも不必要な所や適切に行き届かないとかは辞めてね中間層ジリ貧になってるだけに、正しく使ってもらわないと気持ちの整理が追いつかない》《これで助かる人がいるのは事実だけど頑張って働いても納税してるせいでカツカツな生活の方へのフォローは?それないとあかんくない?》「昨今、このような低所得者の方が多く給付をもらえる、という方針に対して中間層の不満が爆発しています。特に、非課税世帯にギリギリならないような所得の世帯では、納税しているのに給付が受けられないとフラストレーションがたまっている様子。非課税世帯については、資産を持っているが現在の収入は少ない高齢者などが含まれることも、不公平感を増すことにつながっています。もちろん、今回給付を受ける低所得者層の多くは本当に支援を必要としている人達です。しかし、税や社会保険料の負担が増しているなか、賃上げの追い付かない物価高により中間層の生活も苦しくなっています。政府の物価高対策が中間層にとっては不十分と感じられることや、政治と金の問題などから生じた政府に対する不信感もあいまって、怒りの声が続出しているのです」(前出・経済部記者)岸田政権が掲げた、“分厚い中間層”再構築への道のりは遠そうだ。
2023年12月13日《YouTube永久banふざけるな俺様の月150万~200万の不労所得がなくなったぜマジでふざけんじゃねぇ》11月10日、Xでこう怒りをぶちまけたのは“私人逮捕系”YouTuber・煉獄コロアキ。アイドルのコンサートチケットを高額転売する人に接触し、取り締まる動画などをこれまでアップしてきたコロアキ。最近でも、10月31日に埼玉県蕨市で発生した立てこもり事件で物議を醸していた。「同日放送の『ニュースウォッチ9』(NHK)で、事件現場をリポートする生中継に乱入したのです。コロアキさんは状況を伝える記者に『いま生放送されてます?』と話しかけ、記者は『申し訳ありません。ちょっと状況をお伝えしておりますので……』と困惑した様子でした。それでもコロアキさんは引き下がらず、中継映像がスタジオに切り替えられてしまいました」(WEBメディア記者)一部メディアの報道によれば、コロアキのYouTubeアカウントは8日夕方までに停止されていたという。現在、YouTubeチャンネルには《嫌がらせ、いじめ、脅迫を目的としたコンテンツを禁じているYouTubeポリシーに対する度重なる違反または重大な違反のため、このアカウントを停止しました》との表示が。コンテンツの閲覧ができなくなっている。どの動画が原因でアカウント停止されてしまったかは不明だが、コロアキは冒頭の書き込みに続けてYouTubeを運営するGoogleにまで怒りの矛先を向けている。《俺banするくらいなら他の奴らもbanしやがれGoogleの社員も経営者もアホばっかりしかいねぇなAIでやってるならAIもアホだろマジでふざけんじゃねぇよこれから新宿109KENZOチャンネルに加入します引き続き応援よろしくお願いします》またYouTubeからは以前まで名乗っていた「煉獄カズアキ」宛に、アカウント停止の通知が届いたようだ。コロアキはメッセージのスクリーンショットも公開している。だがコロアキの行いには“やり過ぎ”や“迷惑行為だ”との批判も相次いでいたため、Xでは冷ややかな視線が。《やっぱり….。正義振りかざしたやり方に問題があったし、埼玉立てこもりの時の迷惑行為がダメ押しだったね。もう少し頭で考えよう》《お前はやりすぎたんだよ…》《私人逮捕系は全滅するべき》いっぽう月150万~200万円もの収益があったことは意外だったようで、《毎月そんなに利益あったんだ》《月150万~凄》《すごい金額稼いでいたんだな》と驚く声も続出している。“別のプラットフォームに移る”と宣言したコロアキだが、果たして“私人逮捕系”のスタイルを維持するのだろうか。
2023年11月10日「賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するには、所得税、個人住民税の減税がもっとも望ましい」10月26日に行われた政府与党政策懇談会で、岸田文雄首相はこう強調した。来年6月ごろの実施に向けて、岸田首相が検討しているのが、1人あたり所得税3万円、住民税1万円の「定額減税」だ。所得税・住民税は、年収から各種控除を引いた課税所得にかかる。所得額が大きいほど税率が高くなり、払う額も大きくなる。第一生命経済研究所主任エコノミストの星野卓也さんが解説する。「所得税の減税となれば、1999年の小渕内閣が行って以来のことになります。あのとき、行われたのは所得税額から一定割合を差し引く『定率減税』。支払う税額の多い高所得者ほど、減税額が大きくなるという特徴があります。今回、岸田首相が検討しているのは、本来の納税額から一定額を差し引く『定額減税』です」“率”ではなく、“額”で引くので、年収の差に関係なく、同じ額が減税されることになる。一方、所得税や住民税を払っていない場合、減税の恩恵を受けることはできない。そんな所得の低い住民税が非課税の世帯に向けて、1世帯あたり7万円を給付することが検討されている。こちらは年内に開始予定だ。住民税非課税世帯には、今春、すでに3万円が給付されており、合計で10万円の給付ということになる。夫婦2人世帯(妻は専業主婦)が、住民税非課税になる収入のボーダーラインは、別図のとおりだ。「また、住民税は課税されているけれど、所得税は課税されていない“ボーダー世帯”に、10万円の支給が検討されています。所得が高くないにもかかわらず、今春の3万円給付の恩恵がなかったので、10万円という金額を検討していると考えられます」(全国紙記者)減税の対象となる場合、1人あたりの減税額は4万円なので、家族が多い世帯ほど、減税額が大きくなる。「たとえば、年収500万円の夫婦2人で8万円の減税となります。減税の内訳は所得税6万円、住民税2万円です。しかし、年収300万円の夫婦は、現在の所得税額は3万5500円なので、住民税2万円分と合わせても5万5500円の減税にしかなりません。こうした場合、8万円との差額分を給付することも検討されています」(全国紙記者)なんとも複雑な仕組みが検討されているが、懸念はさらにあると言うのは、前出の星野さんだ。「住宅ローンを組んでいる人には、所得税や住民税が減税される『住宅ローン控除』(住宅借入金等特別控除)を受けている人がかなり多くいます。年収500万〜600万円世帯でも、住宅ローン控除が適用されている場合、すでに所得税がゼロになっているケースも。こうした世帯は、減税の恩恵も、給付金も受けられない可能性があります」
2023年11月02日10月20日に“期限付き”の所得税の減税を検討するように指示を出した岸田文雄首相(66)。収入にかかる所得税を減税することで、自由に使えるお金を増やす狙いだ。しかし、元経済産業省官僚で政治経済評論家の古賀茂明さんは、こう指摘する。「短期的に、国民生活を改善する効果はあるかもしれませんが、長期的に見れば、税収を減らすことで国の借金を増やし、将来にツケを回す結果になります」所得税を減税するなら、歳出の削減や大企業に負担を求める政策も行うべきという。「国民の支持を得られない大阪万博は中止にすべきです。また、円安でボロ儲けの輸出大企業に臨時増税して、円安で苦しむ庶民の支援策の財源に充てれば、財政負担を軽減できます」さらに、特定の目的のためにお金をプールしておく“基金”の膨張も問題だという。研究開発などを名目に、国が補助金をつぎ込んで作られる“基金”だが、岸田政権下でその額は急激に増え、2022年度末の段階で、残高は16兆円にも膨らんでいたという。なぜ、ここまで膨張したのか。「一つには、政府が予算規模を大きく見せたいからです。何十兆円予算を組みました、ということが国民へのアピールになる。つまり“やってる感”の演出です。とくに基金の場合、国民に配る給付金と違ってすぐに使わなくてもかまわない。だから“見せ金”としての効果があるんです」そのうえ、大企業などに恩を売ることもできるという。「基金の受け皿は、大企業や大学、研究所などですから、基金を積んでおけば選挙の際の票集めにもなる。いわば賄賂みたいなものです」百歩譲って、こうした基金が、将来的に国民のために使われるならいいが……。「予算規模を膨らませるためなので、中身は二の次。予算“ありき”で作られた基金ですから、大部分が無駄になる可能性が高い。しかし予算を余らせると、官僚は『失敗した』と責められるので、無理にでも使おうとします。結局、国民の役に立つことはなく、特定企業の“補助金”のように使われるのではないでしょうか」このような無駄な歳出を放置したまま、行われようとしている所得税の減税。「現状でも、GDPの約2.6倍もの借金がありますが、その額はますます増えていくことになります。物価の上昇を止めるには、欧米諸国のように、金利を上げる必要があります。しかし、巨額の借金を抱えた日本は、金利を上げると、国債の“利払い費”が急増してしまう。有効な物価高の対策が打てない状態なのです。一方、諸外国との金利差は円安を進行させる。今後も、輸入品の価格が上がり、物価高は進行していくでしょう」ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは「残念ながら、“自己責任”で何とかするしかない時代にきている」と語る。「物価高が進行するなか、資産を銀行に預けているだけでは、“もはやリスク”。お金の価値が目減りしていくだけです。貯蓄を目減りさせないために、iDeCoやNISA口座を使い、リスクを抑えた積立投信で、資産運用していくしかありません。とはいえ、50代前半は、まだまだ働き盛り。子育ても終えて貯蓄に回せるお金が増えるので、希望はあります。厳しいのはすでに定年退職をした世代。ふたたび働き始めるか、抜本的な支出の見直しが急務です」
2023年10月27日ブルー・ソリューションズ株式会社は、「不労所得のつくり方」を伝える本を5月26日(金)に出版いたします。書籍 表紙本書は、2021年3月にFIRE(早期退職・経済的自立)を成し遂げた著者(ブルー・ソリューションズ株式会社 代表取締役:岡本 康)による、投資や資産運用についてまったくの初心者の方でもできる、「不労所得のつくり方」をお伝えする本です。収益不動産の第一人者としての著者の豊富な経験を基に、初心者でも実践できるノウハウを教えます。老後2,000万円問題や副業OKの企業が増える中、多くの人がお金に関する不安を抱えています。国や会社が「最後まで面倒見れないよ」というなら、自分の身は自分で守るしかありません。そんなとき、無理して働かなくても自動的に手元に入ってくる不労所得こそが、人生の大きな経済的な支えになるでしょう。本書では、まずは自分自身の現在地点(属する会社、業界、年収、住居地、健康面、生活面)を把握して、到達地点(達成したい資産、不労所得での収入、健康面、生活面)との差を把握できるようにします。このプロセスを「自分マッピング」と呼び、その上で不労所得をつくるマインド(心構え)+不労所得を手に入れるメソッド(方法)+不労所得を激増させるスキル(技術)をていねいに解説していきます。豊かな人生100年を生きるために、少しでもお金に対する不安がある方に手に取っていただきたい一冊です。【書籍概要】■タイトルゼロからはじめる 不労所得のつくり方(働かずに楽しく生きるためのマインド、メソッド、スキル)■目次第1章 給料以外の金をつくる方法第2章 自分マッピングをしよう第3章 不労所得をつくるマインドセット第4章 不労所得をつくるスキル第5章 確実に不労所得を手に入れるアプローチ第6章 会社員でもはじめられる!不動産投資で不労所得を手に入れる方法詳細: ■著者 岡本 康1965年生まれ、名古屋市出身。愛知大学法経学部卒。ブルー・ソリューションズ株式会社代表取締役。営業系の転職を4回経験。不動産投資を知り勉強を始め、2021年3月に会社員生活に終止符を打ちFIREを達成。不動産の投資総額約10億円、FIRE時点での年間キャッシュフローは8桁、保有する不動産以外の金融資産は9桁達成。友人と不動産投資家のための優良物件選別システムを構築した。優良物件選別システムは、日本初のAIを使った不動産投資に特化した情報解析システムで、Web上に公開されている数万件の不動産物件情報の中から希望するスペックの物件を抽出することができる。このシステムを使い不動産投資家に優良物件情報配信サービスを提供している。現在は不動産資産管理会社と不動産情報解析サービス会社を経営。不動産投資で資産を築く投資家のためにノウハウを伝えて、FIREするためのサポートを行っている。著書に『FIREできる不動産投資3つのルール』(スタンダーズ株式会社)がある。●投資用不動産や非公開物件などのサービス「RAISE」 【出版概要】著作 :岡本 康(著)ISBN :9784866366296Cコード :0033判型 :四六判ページ数:224ページ定価 :1,760円(税込)発売日 :2023年05月26日出版社名:スタンダーズ株式会社 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年05月23日モノを買う時に支払う消費税など、さまざまな場面で登場するのが税金。働く人の税負担を少しでも減らすべく、まずは所得税の節税につながる「所得控除」に注目しよう。所得控除が増えるほど、納める所得税は減る!会社員、フリーランス、どんな立場の人でも働いて得たお金には所得税がかかり、誰もが国に納めるべきもの。「所得税は、所得に対してかかる税金です。そもそも所得とは、年間収入からその年にかかった必要経費を引いた金額のことを指します。必要経費とは、例えば仕事に必要なスーツや本、文房具などを購入した金額のことで、会社員の場合は『給与所得控除』として予め給与の収入から引かれています。所得税の額を算出する際に、所得から一定の金額を差し引く制度が『所得控除』です。所得税は所得に対してかかる税金なので、所得控除の割合が増えれば必然的に所得が減り、所得税も下がります」(ファイナンシャルプランナー・丸山晴美さん)所得控除の対象になるのは、年間に支払った生命保険料や地震保険料など15種類。その中からanan世代に関わりそうな5種類を抽出。所得控除を受けるには、基本的には年末調整や確定申告で手続きする必要があるので、所得控除にあたる費用を支払っているのに何もしないのはもったいない!「とくに会社員の場合、所得税に無自覚な人が多いのでは?今後も増税が懸念されるなか、節税を学び、取り分をしっかり確保することが大切です」CHECK1所得控除とは?・1年間に得た収入(会社員は給与収入という)を年間収入(給与収入)という。源泉徴収税として所得税など何も引かれていない状態の金額。・収入から必要経費を引いた金額が所得。会社員は給与所得控除として予め給与から引かれていて、例えば年収300万円の人は98万円。・所得から所得控除額を引いた金額に所得税がかかる。税率は所得によって変わり、例えば所得が195万~329万9000円までなら10%で9万7500円を控除。例えばこんな項目が所得控除に!<生命保険料控除>病気やケガでの入院、手術などに備えた生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料などの掛け金のうち、一定の計算式に当てはめた金額が控除の対象に。上限は合計12万円まで。<医療費控除>自分だけでなく、家族も含め、病気やケガによる通院や歯科治療、介護、妊娠、出産にかかった費用が控除される。支払った総額が1年間で10万円を超えた場合など、条件つき。<地震保険料控除>支払った地震保険料に応じて、一定の金額の控除が受けられる。年間の金額が5万円以下の場合は全額控除、5万円を超える場合は一律5万円控除。<寄附金控除>災害地域への支援を行っている団体など、特定の団体への寄附金から、基本的に2000円引いた金額が控除される。ふるさと納税も寄附金控除に含まれるが、ふるさと納税は翌年支払うべき住民税を先払いする代わりに、2000円の自己負担で各地の返礼品がもらえるという仕組み。実質、節税にはならないが、単に税金を納めるより、返礼品がもらえてお得ともいえるので、考え方次第。<小規模企業共済等掛金控除>代表的なのは、個人型確定拠出年金(iDeCo)で、掛け金が全額控除になる。掛け金の上限は会社員、フリーランスなど立場によって異なるが、全額控除で所得税と住民税の負担が軽減される。CHECK2所得控除のやり方は?会社員の場合…基本的には年末調整時に会社に申告する。会社員の場合は年末調整の時に、所得控除に関わる書類(支払金額を証明する書類など)を経理部など担当部署に提出。所得税は「源泉徴収税」として月々の給与から天引きされているが、所得控除で課税所得が減ると、所得税を多く払いすぎていた、ということにもなり得る。その場合は、払いすぎた所得税が12月分の給与にプラスされて戻ってくる。フリーランスの場合…翌年の決められた期間内に確定申告する。確定申告書に必要事項を記入して、支払金額を証明する書類とともに税務署に提出(e‐Taxは添付・提示不要)。所得税の申告は2023年分なら翌2024年の2月16日~3月15日に行うのが原則。フリーランスの場合は、所得控除で課税所得が減れば納税額が減り、源泉徴収税が支払金額から予め引かれている場合は、多く引かれた分の金額が戻ってくる。CHECK 3所得控除で所得税はどれくらい減る?会社員のアン子の場合…給与収入450万円(給与所得350万円)だとすると?・生命保険料控除…月3000円(年間3万6000円)・小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)…月2万3000円(年間27万6000円)所得税が2万850円減る!アン子は生命保険に加入していて、年間の掛け金の合計が3万6000円。iDeCoにも加入していて、掛け金は会社員の上限である月2万3000円、年間27万6000円が全額控除になる。つまり課税所得からその金額が引かれるからけっこう大きい。この2種類の所得控除があった場合と、なかった場合を丸山さんに試算してもらうと、差額はなんと2万850円に。丸山晴美さん節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー。食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを執筆、監修。近著に『お金を活かす ハッピーエンディングノート』(東京新聞)。※『anan』2023年5月24日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2023年05月21日少子高齢化が進むなか、将来、年金をどれくらいもらえるか不安な人も多いのでは。iDeCoはそんな人が注目したい、私的年金制度。所得税と住民税が軽減されるなど、その特徴や注目すべきポイントとは?iDeCoのおもな特徴・老後のお金の積み立てができる。・定期預金以上にお金を増やせる可能性がある。・増えたお金から税金が引かれない。・掛け金の額により、所得税と住民税が減る。・60歳までお金を引き出せない。積立金額の上限が働き方によって変わる。iDeCoは毎月積立を行うと、60歳以降にそのお金が引き出せるという私的年金制度。「積立額は月5000円からで、上限は自営業やフリーランスが月6万8000円、会社員や公務員が月1万2000円~2万3000円(勤務先の年金制度による)と、上限のみ働き方によって変わります。iDeCoの積立では投資信託のほか、定期預金と保険も選べますが、投資信託を選んだほうが、長期で考えるとお金を増やせる可能性が高いでしょう」(ファイナンシャルプランナー・西山美紀さん)つみたてNISA同様、投資で出た利益が非課税になるうえ、積み立てた金額が全額所得控除になり、所得税と住民税が軽減されるというメリットも。「iDeCoは信託報酬以外にも手数料がかかるので、それで利益が相殺されないように月1万円以上は積み立てたほうがいいと思います。また、フリーランスは会社員より公的年金が薄いぶん、こうした制度でプラスαの年金を確保することを考えましょう」どれくらい節税できるの?【年収300万円】1年ごとに戻ってくる税金(所得税と住民税の軽減額)…約1万8000円、30年間で戻ってくる税金の合計額…約54万円【年収400万円】1年ごとに戻ってくる税金(所得税と住民税の軽減額)…約1万8000円、30年間で戻ってくる税金の合計額…約54万円【年収500万円】1年ごとに戻ってくる税金(所得税と住民税の軽減額)…約2万4000円、30年間で戻ってくる税金の合計額…約72万円30~60歳まで月1万円を30年間、iDeCoで積み立てた場合の節税効果の試算例。※iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」にて試算。社会保険料は年収の14.39%として計算。会社員の場合。参考:『お金の増やし方』(主婦の友社)始める前にチェック。iDeCoの心得月々1万円以上掛けたほうがいい。会社員よりフリーランスの人のほうが検討するべし。60歳までお金を引き出せないので要注意。投資信託を選んだ場合は元本割れのリスクがある。西山美紀さんファイナンシャルプランナー。All About 貯蓄ガイド。女性誌を中心に活動。著書に『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)などがある。※『anan』2022年4月27日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2022年04月23日公明党の山口那津男代表(69)は、11月8日、テレビ番組で「18歳以下への一律10万円給付」について、「大人の都合で子どもたちを分断すべきではない。所得制限を設けるということが、子どもを分断してしまう」と述べた。公明党は、10月の衆議院選挙で「18歳以下の子どもに、一律10万円を給付する」という「未来応援給付」を公約として掲げており、自民党に対して支給の実現を求めていた。だが、所得制限を設けることに否定的な山口代表の発言に、SNS上では“悪平等”という批判の声が溢れた。《公明党の都合でバラマキをするべきではない》《大人の都合で子どもたちを分断すべきではないというけれど、他の分断が生じそう》《困った人に給付をするのは誰もが納得すると思うが、困っていない人にも給付するのは、本当に困った人に上積みしてあげた方が良い》《こんなの悪平等。金持ちの子育て世帯に使う税金があるなら、もっと違う給付のあり方があるべき》各紙によると、翌9日、自民党の茂木敏充幹事長(66)と公明党の石井啓一幹事長(63)が国会内で会談。年内をめどに5万円の現金、来年春までに5万円相当のクーポンを配ることで合意したという。しかし、高市早苗政調会長(60)をはじめとして自民党内には所得制限を設ける声が根強く、茂木氏は世帯年収960万円の制限を設けるように主張。公明党は党に持ち帰って協議することになった。自公の合意に、やはりウェブ上の批判はさらに強まって――。《税金納めてるのに不公平。子供がいる身としてはありがたいけど》《コロナでバイトもままならない大学生の方がはるかに困窮度合いは上でしょう》《生活困窮者って別に子供のいる家庭だけじゃない》■公明党が「一律」にこだわる理由は――そもそも、なぜ公明党は頑強に「未来応援給付」の実現を求めるのか。そこに「主な支持母体である創価学会と切っても切れない関係がある」と話すのは、ある公明党担当記者だ。「支持母体の創価学会で力を持っているのは女性部。選挙活動で主導的に動くのは、女性の学会員たちだからで、学会の指導部や公明党も、彼女たちの意見を無視するわけにはいかないという事情があります。伝統的に福祉や教育、子育て分野での給付金や助成を手厚くするべきだという声は女性部内には根強く、熱心に選挙を手伝う彼女たちに報いないわけにはいかないというわけです。ただ、今回の『18歳以下の子供がいる世帯のみ』という給付金には世論の反発が根強い。最終的には、公明党も自民党の主張を飲むのではないかと思うのですが……」岸田首相は、因縁の“公明党の壁”にぶち当たっている――。
2021年11月10日「当面は触ることは考えていない」自由民主党の総裁選で「金融所得課税」の強化を“公約”にしていた岸田文雄首相(64)。だが、総理就任のわずか6日後の10月10日に出演したテレビ番組で、早くもこう言い切ったのだ。「政府の言う“当面は触らない”は今後も触らないということです。岸田政権もアベノミクスを引き継いで格差拡大の政策を押し進めることを表明したと言ってもいい」そう語るのは『財政爆発 アベノミクスバブルの破局』(角川新書)などの著書がある弁護士の明石順平さんだ。株式の譲渡益や配当金などの金融所得は、給与所得などと別に計算する「分離課税」となっていて、これらにかかる金融所得課税の現在の税率は一律「20%(所得税15%+住民税5%)」になっている。この税率の見直しに意欲を見せた岸田氏が総裁選を勝ち抜くと、株価が急落。3万円ほどだった日経平均株価は、一時2万7,000円台まで下がった。明石さんが続ける。「予想以上に株価が下がってビビってしまったのでしょう。アベノミクスは一言でいうと円安株高。その株高の部分がとれてしまうとメッキがはげてしまう。格差を助長していると批判されている『1億円の壁』の打破を訴えましたが、腰砕けてしまったのです」この「1億円の壁」について、元神戸大学大学院経済学研究科教授で、「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さんが解説する。「日本では累進課税制度を採用しているので、給与などの所得が上がれば上がるほど所得税の税率が高くなります。現在の最高税率は45%(年収4,000万円以上)。さらに、一律で住民税が10%かかるので、実質的な最高税率は55%ですが、実際はさまざまな控除があるので、年収に占める税の負担割合が55%にはなりません」国税庁の実際の納税額のデータをもとに本誌が試算した表(画像参照)を見てほしい。薄い色の部分が所得に占める税負担の割合だ。左から右にいくほど年収が高くなる。「年収200万円以下」の4.5%から年収が上がるほど税負担率も高くなり、「年収(5,000万円超)1億円以下」の36.9%でピークを迎えるが、それ以降は下がっていき、「年収100億円超」になると21.6%まで下降する。「この年収1億円を頂点に、年収が上がるにつれて税負担率が下がっていく現象が『1億円の壁』と呼ばれています。これは所得が多くなればなるほど、給与などではなく、株の売買益や配当金などの所得に占める割合が多くなるためです(表内の折れ線グラフ参照)。この金融所得の税率は、いくら稼ごうが一律20%。100億円以上の所得がある人は、およそ収入の90%が金融所得ですから、所得に占める税の負担率はほぼ20%になっているのです」(山家さん)「年収100億円以上」の21.6%という税負担率は、「年収(1,200万円超)1,500万円以下」の税負担率23.4%より低い(表内の1)。■格差の拡大を助長している社会保険料さらに、格差の拡大を助長しているのが、社会保険料だ。「収入が上がるにつれて、健康保険料や厚生年金の保険料などは上がっていきますが、上限があります。厚生年金は年収780万円、健康保険料は年収1,668万円で上限に達し、それ以降はいくら年収が上がろうが、保険料は増えない。社会保険料は年々上昇していて『年収(400万円超)500万円以下』の人の年収に占める社会保険料の割合は15.3%に上ります。一方、『年収100億円超』では負担率は0.01%にすぎません」(山家さん)税と社会保険料をあわせると、「年収(300万円超)400万円以下」の負担率22.7%(税8.2%+社会保険料14.5%)のほうが、「年収100億円超」の負担率21.61%(税21.6%+社会保険料0.01%)よりも高くなるのだ(表内の2)。過去、株の配当にかかる税金は35%、譲渡益は26%という時代はあったが、株取引を活性化させるという大義名分のもと、’07年にはいずれも10%にまで減税され、現在は20%となっている。“株持ち”に優しいこの税制が、富裕層の資産形成を助けてきたのは間違いない。労働者の実質賃金は下がり続けるなか、アベノミクスが始まったこの9年間で、日本の上位40人の大富豪の資産は6兆円から24兆円に増えたという。「アメリカの金融所得課税は、利益の額に応じて0%、15%、20%の段階的課税に加え、州・地方政府税などがかかります。イギリスも配当金に7.5%、32.45%、38.41%の段階的課税を導入。一律の分離課税があるフランスとドイツも、それぞれ税率は30%と26.375%と日本より税率が高い。コロナで広がった格差の抑制のため、各国では金融所得課税を増税する動きもあります」(山家さん)立正大学法制研究所特別研究員で、税理士の浦野広明さんが語る。「税金や社会保険料の負担は、憲法に基づき、支払える能力に応じて支払うべきというのが原則です。仮に’19年の所得税の最高税率を、’74年当時の75%の税率にしただけでも11兆円870億円の税収が確保できます。金融所得も分離課税ではなく、ほかの所得とあわせて累進課税にすることで格差拡大を抑制することが可能です。不公平な税制を正すことが、格差をなくす一歩となるのです」課税を強化すると、富裕層が海外に逃げるという声も多いが、「日本株の配当金を含め、日本国内で生み出された所得は日本に納税義務があるので、言語や生活環境の問題もある海外に移住する利点は少ない」(明石さん)という。格差是正を訴えて総理に就任した岸田氏は、ぜひ初心に帰ってほしい。
2021年10月21日日々の生活や人生を充実させるには、自由に使えるお金や時間を増やすことも重要な要素といえます。そのひとつの方法が不労所得を作ることです。ここでは不労所得とは何かをテーマに、これから不労所得を作っていこうという人におすすめの不労所得の作り方をご紹介していきます。不労所得とは働かずに得られる収入のことまずは不労所得とはどのようなものなのかを押さえておきましょう。不労所得の意味不労所得(不労収入)とは、労働によらず得られる収入のことをいいます。不労所得は何もせず簡単に得られるものではないとはいえ、相続した不動産や株式などから家賃や配当金が入ってくるようなケースを除き、何もせずに不労所得が得られることはありません。まずは自身で収入が得られる仕組みを作る必要があるのです。不労所得と勤労所得の違い不労所得の場合、どれだけの収入を得られるかはその仕組みによって変わり、方法によっては損失が出る場合もあります。不労所得を得るためにかけた時間や労力に対して、確実に収入が得られるとは限らないのです。労働の対価として得る勤労所得(勤労収入)は、どれだけ働けばどのくらい収入を得られるかをある程度予想でき、基本的に収入がマイナスになることはありません。不労所得と勤労所得にはこのような違いがあります。不労所得の種類不労所得を得るには主に次のような方法があります。[adsense_middle]【不労所得の作り方①】持っているお金を活用する持っているお金を活用して不労所得を得る代表的な方法としては、金融機関にお金を預けて利子を受け取る「預貯金」があります。そのほか、人にお金を貸して金利を受け取る方法もあります。ただし、これを継続的に行うには、貸金業者として内閣総理大臣または都道府県知事へ登録しなければなりません。もし無登録で行えば違法となり罰則があります。ソーシャルレンディング最近では、お金を貸したい人とお金を借りたい人をネットを介してつなぐ「ソーシャルレンディング」という方法も登場しています。ソーシャルレンディングは貸金業者である金融機関を介してお金を貸すため、お金を貸す(出資する)本人は貸金業者として登録する必要がありません。預貯金は金融機関によって元本が保証されています。一方、お金を貸す方法では貸したお金を回収できなくなるリスクをともなうため、預貯金よりも多くの金利を受け取れるのが一般的です。【不労所得の作り方②】持っている資産を活用する土地や建物などの不動産を持っていれば、それを人に貸して不労所得(賃貸収入)を得られます。最近では多くのシェアリングサービスのプラットホームがあり、利用していない家や、自宅の空いているスペース、所有している自動車やブランド品などを気軽に貸し出せるようになっています。このほか家の軒先などに自動販売機を設置し、売上の一部を受け取るといった方法もあります。【不労所得の作り方③】資産に投資して運用する資産を持っていない場合でも、不動産や株式、債権、投資信託などの資産に投資し、運用することで不労所得を得られます。投資では投資資金が多いほど有利です。たとえば、同じ年3%の配当が受け取れる商品に投資する場合でも、元手(元本)が100万円であれば配当は3万円、元手が1,000万円あれば配当は30万円になります。給与所得者であれば、まずは本業の収入アップを図り、より多くの投資資金を確保することが不労所得を効率よく増やすことにつながります。まとまった資金がなくても、継続的に買い増していくことで資産は積み上がり、不労所得は増えていきます。投資は余裕資金で行うのが基本投資には購入する資産に応じてさまざまなリスクがあり、購入した資産の価格が下落すれば損失が出ることもあります。投資は当面使う予定のない余裕資金で行うことを基本に、生活費や急な出費に備える資金など、近いうちに必要な資金は預貯金のようにすぐに現金化できる安全性の高い商品で保有するのが安心です。【不労所得の作り方④】独自のコンテンツを作成する自身でブログや動画、書籍、イラスト、楽曲などのコンテンツを作成して、印税や版権収入といった不労所得を得る方法もあります。自身のブログなどで商品やサービスを紹介し、購入にいたった場合に報酬が得られる「アフィリエイト」という仕組みもあります。不労所得を得るための主な方法一覧預貯金(利子収入)ソーシャルレンディング(配当収入)証券投資(配当金収入)不動産賃貸(家賃収入)太陽光発電(売電収入)自動販売機などの設置(賃料・売上収入)シェアリングビジネス(賃料収入)アフィリエイト(広告収入)YouTube(広告収入)コンテンツ制作(印税・版権収入)初心者にもおすすめの不労所得を作る方法ランキング不労所得を作るにはさまざまな方法がありますが、これから不労所得を作っていこうという人におすすめするのは次のような方法です。第1位預貯金第2位投資信託・ETF・REIT第3位株式第4位シェアリングサービス第5位不動産賃貸[adsense_middle]第1位預貯金現在の低金利ではあまり効率的な方法とはいえませんが、利用しやすく、ほとんどリスクなく不労所得を得られる点はやはり魅力です。生活費や急な出費に備える資金など、安全性と流動性の高さが求められる資金については、預貯金で保有・運用するのが望ましいといえます。金利は金融機関や商品によって異なるため、利用する金融機関や商品の選択が重要なポイントです。各行ホームページをもとに作成(2020年6月時点)各行ホームページをもとに作成(2020年6月時点)第2位投資信託・ETF・REIT投資信託やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)は、少額から分散投資ができる点が魅力の投資商品です。まとまった資金がなくても無理のない金額から投資を始めることができ、資産を積み上げていくことで不労所得を増やせます。資金が少なくても投資対象や投資時期を分散しやすく、リスク軽減を図りやすいメリットもあります。ETFETFは株式市場に上場している投資信託です。一般的な投資信託に比べて売買手数料や信託報酬などが割安な傾向があるため、同じ対象に投資する場合には有力な選択肢となります。REITREITは不動産を投資対象とする投資信託です。実物不動産への投資では、まとまった資金が必要となったり、換金しにくかったりというデメリットがありますが、REITであれば少額から投資でき、取引所に上場しているREITであればすぐに換金できます。また利益の多くを配当する仕組みとなっているため、安定して比較的高い配当が期待できるのも魅力です。投資信託投資信託は商品によって、運用による収益を毎月分配(配当)するもの、年1回分配するもの、分配を行わないものなどがあります。投資信託では分配金が「不労所得」となりますが、その都度受け取ると複利効果がなくなり、投資効率は低下します。資産を増やす目的であれば、なるべく配当頻度の少ない商品を選ぶ、あるいは配当を再投資し、お金が必要になったタイミングで必要な分だけ解約するほうが効率的といえます。分散投資によりリスクは軽減されますが元本保証ではないため、元本割れのリスクがあります。第3位株式株式は株の値動きによる利益(キャピタルゲイン)と、配当による利益(インカムゲイン)が期待できる投資商品です。得られる売買益や配当は株の保有額に比例して増えるため、資金力のある人ほど効率よく不労所得を得られます。同じ年5%の配当を行う企業の株に投資するにしても、100万円分の株を持っている人と1,000万円分の株を持っている人が受け取れる配当は、それぞれ税引後で約4万円と約40万円、10倍の違いがあります。株価は日々変動しており、購入した株が値下がりして損失が出るリスクがあります。もし投資した企業が倒産すれば投資した資金は戻ってきません。配当も一定ではなく、業績によって引き下げられたり、支払われないこともあります。株式投資にはこのようなリスクがあると理解した上で、当面使う予定のない余裕資金で行うのが原則です。資金が特定の銘柄に偏っていると、その企業の業績などにより大きく影響を受けてしまいます。1銘柄への投資額を投資資金全体の5〜10%程度に留めたり、投資する銘柄を分散したりして、リスクの限定や軽減を図ることも大切です。第4位シェアリングサービスシェアリングサービスとは、保有する資産を人に貸し出して収益を得る仕組みのことです。すでに持っている資産を活用する場合には、元手が必要なく気軽に始められるのが特徴です。出典:一般社団法人シェアリングエコノミー協会「シェアリングエコノミー 領域map」シェアできる資産は、空間(スペース)、モノ、スキルなど多岐にわたりますが、不労所得を得る方法としては、空間(スペース)やモノのシェアということになるでしょう。空間(スペース)のシェアリングサービス空間(スペース)のシェアリングサービスとしては、使っていない家などを宿として貸し出す「民泊」や、自宅などの空きスペースを駐車場として貸し出すものなどがあります。モノのシェアリングサービスモノのシェアリングサービスとしては、マイカーや保有しているブランド品などを貸し出すものがあります。シェアリングサービスでは、貸し出しを行うために利用者とやりとりしたり、部屋の清掃が必要となるものもあります。利用者とのトラブルや貸し出したモノが壊れてしまうこともあるため、保険などの備えも必要です。第5位不動産賃貸不動産賃貸による家賃収入は代表的な不労所得です。まとまったお金がなくても、ローンの審査に通れば手持ち資金以上の物件を購入できるため、資金効率を高めることができ、家賃収入がローンの返済や税金といった支出を上回れば、その分が不労所得になります。家賃収入から実際にかかった経費と減価償却費を差し引いて利益がマイナスとなった場合、そのマイナス分は給与所得などほかの所得と相殺できるため、節税効果も期待できます。空室リスクや流動性リスク一方で不動産投資は金額も大きく、空室リスクやすぐに換金できない流動性リスクなどがあります。得られる収益や将来売却する場合の売却価格は、立地などの要素に大きく左右されるため、物件の選択も非常に重要です。不動産への投資は、維持管理にかかるコストや将来の売却を考慮し、収支計画をしっかりと立てて行う必要があります。コストを含まない表面利回りを強調したり、実際の収支がマイナスになるにもかかわらず、節税効果によって実質的な利益があるように見せたりして、投資用マンションの購入を勧める業者も少なくありません。表面的なメリットだけでなく、コストやリスクを十分理解した上で、判断することが大切です。不労所得の種類&おすすめランキングまとめ不労所得にはさまざな種類がありますが、何もせず、すぐ確実に収入が得られるようなものは基本的にありません。自身が持っている資産やスキルなどを活用し、リスクを理解した上で、働かなくても収入が得られる不労所得の仕組みを作る必要があるのです。収入や資産、スキルの少ない20代の人でも、本業の収入やスキルを高める努力とあわせ、始めやすい方法で不労所得の仕組みを作っていけば、不労所得を増やしていくことは十分可能です。日々の生活や人生をより豊かなものとするために、不労所得作りを始めてみてはいかがでしょうか。
2020年06月30日現在サラリーマンで会社に勤めているけれども、「副業してみたいな」と考えている人は多いでしょう。「でも、副業したら所得税も取られるかも。損したらどうしよう」と心配になっているかもしれません。実は、サラリーマンの方なら一定範囲では所得税はかかりませんし、もしその範囲を超えても、できるだけ所得税を抑える方法があるんです!この記事では副業の所得税、所得の仕組みと副業をした場合の所得税の計算方法について解説していきます。サラリーマンが本業以外で副業したら所得税がかかる?サラリーマンなら、本業のほうで自動的に所得税が天引きされています。この上でさらに副業をしたとして、税務署はどうやってそこから所得税を徴収するのでしょうか?黙っていればわからないのではないでしょうか?結論をいえば、副業の所得が一定以上になれば所得税の支払いをしなければいけなくなります。そしてそれは、自分から「副業と本業を合わせてこれだけ所得がありました」と税務署に確定申告をすることによって、所得税を支払うということを意味します。いったいどういうことなのか、以下で説明いたします。副業で確定申告が必要になる理由通常、サラリーマンであれば年間の収入が2,000万円を超えない限り確定申告は不要です。年収2,000万円なんて、よほどのトップか外資系のエリートサラリーマンでもない限り手が届きませんよね?ところが、普通のサラリーマンでも副業を始めた途端に、その所得が一定以上になれば確定申告が必要になります。その理由は、副業をして20万円の所得があれば、本業の収入にかかわらず確定申告が必要と決められているからです。そうしないと税務署が副業分の税金を徴収することが難しいからでしょう。では、具体的にはどのような状態であれば申告が必要になるのでしょうか?おおよそ下記の2つのケースで目安が異なります。副業が給与になる場合副業が給与以外の場合以下でそれぞれについて説明いたします。副業が給与の場合の目安こちらは、本業で働く以外にパートやアルバイトという形で別の会社で働き、そこからも給料をもらうという場合になります。派遣会社に登録して、派遣先で働いて派遣元から給料をもらう場合もこのパターンになります。この場合には、年間収入が20万円を超えれば確定申告が必要になると判断しましょう。月あたりですと1万6千円強ですね。すぐに超えてしまうような金額です。なぜかというと、給与で副業収入をもらっている場合には「収入=所得」ですので、収入が20万円を超えれば確定申告の対象になってしまうからです。副業が給与以外の場合の目安これが、副業が個人事業といった給与以外での収入ということになると話が変わってきます。なぜなら、確定申告が必要なのはあくまでも所得が20万円以下だからです。そして、給与以外であれば「収入ー経費=所得」という考え方が効いてきます。つまり、収入が20万円を超えたとしても、経費が多ければ所得を20万円以下に収めることができます。すると、確定申告が不要になるというわけです。これはお得ですね。だからといって、経費にならないものまで経費にしてしまうことはNGです。あくまでも常識の範囲内で経費を計上しましょう。ただし、逆に経費になるべき費用なのに、確証がないために経費にできなかったというのでは非常にもったいないです。経費にできそうな領収書やレシートは普段から集めておくようにしましょう。不要と思っても確定申告をするメリットでは、確定申告はできればしないほうがいいのかというと、そうとも言い切れないのが悩ましいところです。実は、確定申告が不要と思われる場合であっても、場合によっては申告をしたほうがよいケースも存在します。それはどんなときなのかというと、給与や法人からもらう報酬などの場合で、源泉徴収された報酬を受け取るケースです。例えば、サラリーマンをやりながらクラウドソーシングサイトに登録して、そこで法人からの案件を請け負うと、受け取る報酬は源泉徴収がされています。このケースでは、確定申告をしなければ源泉徴収されたままです。確定申告をすると、場合によっては源泉徴収された額が引かれすぎていると判明して、いくらか戻ってくることがあります。なので、確定申告は避けるべきとは必ずしも言い切れません。給与以外の副業での所得の仕組み一口で副業といっても、その中には色々な種類の仕事があります。そして、副業の種類によって所得を計算する方法はさまざまです。ここでは、主な副業について所得の計上方法を見てみましょう。下記の4つの所得について取り上げます。パート・アルバイトなどの給与所得原稿料・アフィリエイトなどの雑所得不動産賃貸の不動産所得事業を行っている事業所得[adsense_middle]1.パート・アルバイトなどの給与所得まずは、先ほども出てきたパート・アルバイトなどです。この場合には、本業・副業ともに給与所得に分類されます。ということで、本業と副業の1年間の収入を合算して、そこから給与所得控除を差し引いたものが給与所得金額となります。つまり、「給与所得金額=年間の給与合計額ー給与所得控除」となります。給与所得控除とは何かというと、サラリーマンには経費をいちいち計上するのではなく、一定分を経費とみなして差し引くという控除の仕方がなされます。それを給与所得控除といい、サラリーマンはいちいち経費のことを考える必要がないわけです。なので、会社から源泉徴収票をもらうときには、給与所得控除された給与所得金額が掲載されています。確定申告の際には、その額を足し合わせて転記するだけでOKです。2.ライターやブログなどの雑所得次に、サラリーマンをしながらライターの仕事をして原稿料を得たり、ブログを運営してアフィリエイトの収入を得たりしたケースです。この場合には、本業は給与所得で副業は雑所得になります。この雑所得は、「雑所得金額=売上ー経費」で計算されます。この売上金額や経費の金額については、自分で計算する必要があります。雑所得の売上を立てるのにかかった費用を適切に計上するようにしましょう。ただし、雑所得の場合には一点注意すべきことがあります。ほかの所得と違い、雑所得は損になった場合、ほかの所得と合算ができないという点です。その場合には雑所得の税金が0となり、給与所得はそのまま計算されます。3.不動産賃貸は不動産所得かなりの資産を有しているサラリーマンの場合になりますが、マンションやアパートを所有していて、その物件を賃貸に出している場合には不動産所得の対象となります。やはり「売上ー経費」で所得を出しますが、先ほどの雑所得よりもお得な特典があります。青色申告特別控除確定申告に青色申告を適用した場合には、青色申告特別控除を使うことができます。複式簿記を記帳して貸借対照表・損益計算書を確定申告の際に添付すると65万円の、それ以外の場合には10万円の控除を受けることができます。せっかくですから、ここは65万円の控除を受けたいですね。しっかり条件を満たしましょう。ということで、この場合には本業の給与所得の金額と合算するのは、「不動産所得金額=売上ー経費ー青色申告特別控除」ということになります。4.継続して事業を行っている場合は事業所得クラウドソーシングや内職などの個人事業を毎年継続して行っている場合には、事業所得と判断されることとなります。ただし、サラリーマンの場合は継続した仕事であると税務署に認められる必要があります。認められない場合には「雑所得」になりますので、どうしても事業所得として認めてもらいたい場合には事前に税理士に相談してみましょう。事業所得と認められた場合、不動産所得と同じく青色申告特別控除を使うことができます。なので、総所得は給与所得に「事業所得=売上ー経費ー青色申告特別控除」を合算した金額になります。副業を合わせた税金の計算方法所得の算出の仕方はこれまで述べた通りですが、最終的にはそこから所得税を計算する必要があります。数字に弱い人であれば「もうついていけない」と逃げ出したくなるかもしれません。しかし、心配は無用です。所得を算出すれば、あとはWebサイトに必要項目を入力するだけで計算は自動で行ってくれます。電卓をたたく必要はほとんどありません。ただし、どのような方法で所得税が算出されるのかを把握しておくと、支払う税金にも納得感が出るというものです。ということで、ここではサラリーマンが副業をした場合の税金の計算について述べていきます。[adsense_middle]それぞれの収入から所得を計算して合算まずは、本業と副業それぞれの所得を合算していきます。そして、税金を算出するもとになる総所得の金額を決定します。ここで、もしも副業のほうで所得がマイナスになっていたら、その分の通算をすることができます。ただし、先ほども言ったように雑所得はマイナスの通算ができません。この点には気をつけましょう。所得合計金額から所得控除を除く次に、総所得金額から所得控除を引いていきます。まずは、全ての人に与えられる基礎控除38万円を差し引くことができます。あとは人それぞれですが、代表的なものでは医療費控除や生命保険料、地震保険料、社会保険料の控除などがあります。ただ、こういった控除は病院へ行ったり保険に入っていたりするだけでは自動的に控除されません。確定申告の際に自分で申告し、場合によっては税務署に確証を提出する必要があります。また、提出しなくても確証は一定期間保存しておかなければなりませんので注意しましょう。税率を掛けて所得税を計算ここまでで算出された課税対象所得に、所得税率を掛けて所得税額を計算することになります。「課税総所得金額×税率-控除額」で計算されますが、この計算は自動で行われます。最後に、住宅ローン控除といった税額控除を差し引き、復興特別所得税を加えた金額が納付する所得税となります。ただし、実際には源泉徴収されている所得については差額を納付し、払いすぎていたら還付を受けることになります。所得税を納税する納付する必要がある場合には、その金額を税務署へ支払いに行くだけになります。まずは確定申告で申告して、実際に税務署から通知が来て納付を行います。納付する方法には、実際に現金を支払う現金納付と、引き落としをする振替納付があります。副業と所得税に関するまとめ副業と所得税について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?一般に、サラリーマンが副業をしても、年間所得20万円までは確定申告が不要で所得税はかかりません。また、副業の種類によって所得の計算方法は異なります。「副業をしてみたい、でも税金は取られたくない」という人は、まずは年間所得20万円以下の枠内でトライしてみましょう!
2020年06月15日2019年(令和元年)10月に消費税の税率が10%に変更されましたが、制度の変更があるのは消費税だけではありません。所得税は今までも見直しがされ2018年(平成30年)には配偶者控除・配偶者特別控除の基準が変更されました。今回はすでに始まっている2020年(令和2年)の所得税の変更点についてお伝えします。 給与所得者の給与所得控除が変更(年収850万円を超えると増税に)会社員等の勤務先から支給される給料を収入源としている方を税法上では給与所得者と分類されます。給与所得者には個人事業主のような必要経費といった考えは原則ありませんが、法律上の経費的な扱いをし、税負担を軽減する給与所得控除があります。この給与所得控除が2020年分の所得税から変更となります。なお、課税の基礎となる給与所得の計算は、給与収入金額(年収)-給与所得控除=給与所得となります。具体的には、下記の表をご参考になさってください。 例えば、給与収入金額(年収)300万円の場合、変更前は300万円×30%+18万円=108万円、変更後は300万円×30%+8万円=98万円となります。また、給与所得の計算は、変更前は300万円-108万円=192万円、変更後は300万円-98万円=202万円となります。 上記の変更後、年収850万円以下の場合は10万円給与所得控除が下がりますが、次の章でご説明する基礎控除が10万円増えますので、実質所得税の増減はありません。年収850万円を超える場合は、給与所得控除が一律上限の195万円となりますので、2020年末の年末調整または確定申告では増税となります。しかし、年収850万円を超える場合でも、①23歳未満の扶養親族がいる場合、②重度の障がい者(特別障害者)の配偶者または扶養親族がいる場合、③本人が重度の障がい者(特別障害者)の場合は、所得金額調整控除が適用されます。これは、給料収入金額-850万円×10%(上限15万円)が給与所得から差し引かれ、今回の変更の増税の影響が緩和されます。 基礎控除が変更(自営業者は減税に、合計所得2500万円超の人は増税に)基礎控除とは、誰でも適用することができる控除です。基礎控除の金額は一律38万円でしたが、変更後は合計所得金額※1によって控除額が異なります。詳細は以下の表をご確認ください。合計所得金額が2400万円以下である場合、10万円引き上げられて48万円になります。給与所得者は、年収850万円以下の場合、給与所得控除が10万円減り増税の要因となりますが、基礎控除は10万円増え減税の要因となり相殺され、実質所得税の増減はありません。 なお、自営業者はこの基礎控除のみ増えるため、実質減税となります。しかし、合計所得が2500万円を超えると控除額は0となるため、所得の種類に関わらず合計所得2500万円を超える場合は、実質増税となります。 ※1合計所得金額・・・その人の課税となる給与所得や事業所得等の所得の合計金額のことです。適用とならない所得もあるため、詳細は国税庁のサイトをご確認いただくか、最寄りの税務署などでご確認ください。 すでに1月から差し引かれている源泉徴収税額は変わっている場合も所得税は1月1日~12月31日までの1年間の所得に応じて計算されるため、年末調整または確定申告で精算しますが、給与所得者は毎月の給料等から所得税が源泉徴収されています。この金額は毎月の給料等に応じて計算された仮払いの金額ですが、上記1、2の変更を受け、すでに差し引かれた源泉徴収税額が昨年と変わった基準で計算されています。今までと同じお給料でも源泉徴収税額が変わっている場合もありますが、この影響である可能性があります。 消費税は毎日の買い物で税率が変化している実感が多い反面、所得税は月1回のお給料をベースに計算されるため接する時間が少なく、意識しにくい税金です。上記の変更も踏まえて、給与明細の税額も確認するきっかけにしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年03月17日こんにちは、婚活FP山本です。一般的な学校では税金のことを学ばないため、自分の年収にかかる所得税がどれくらいか分からないという方も多いといえます。特に会社員の方なら、税金のことは何となく年末調整すれば済みますから、尚更かもしれませんね。とはいえ思わぬ損をするかもしれませんから、最低限のことは知っておきましょう。今回は、年収と所得税の関係や基本的な税金の計算方法をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。日本の所得税率は年収が高まるほど高くなる!まずは、そもそもの所得税の基本についてお伝えします。日本の所得税というのは累進課税制度が採用されており、簡単にいえば「年収が高いほど所得税率も上がる」制度です。現在の所得税率は年収によって7段階に分類されており、最高税率は45%になっています。ちなみに累進課税制度は、「担税力」が背景にある制度です。年収が高いほどに、高い税金を負担できますよね……という考え方になります。同じ税率でも年収が高いほどに税金額も高まる訳ですが、この制度によってさらに税金額が高まる訳です。年収が高い人にとってはイヤな制度でしょうが、文句を言っても税率や制度は変わりません。特に年収が高い人ほど、まずこの基本については押さえておきましょう。所得税は累進課税制度、住民税は一律計算と違う前述の通り、所得税は累進課税制度によって年収が高まるほど税率も高くなります。しかし、もう一つの住民税については一律10%で計算する制度です。年収の低い人には厳しい制度とも言えますが、十分に所得税で恩恵を受けている訳ですから、喜んで受け入れましょう。合わせて、税金初心者の方は2つの違いを知っておくことが大切といえます。税率以外にも少しずつ違いがありますが、まず初心者の方は所得税をしっかり理解しましょう。税金の目安となる一覧表!分岐点を押さえておこう次は、所得税の税率と税金額の目安についてお伝えします。結論から言えば、以下が目安です。なお、税金額の計算方法は「課税所得金額×税率-控除額」になります。また現在は、東日本大震災からの復興のためとして、「復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)」も必要です。基準所得税額とは、普通に所得税額のことと考えておけば問題ありません。ひとまず、税率が変わる分岐点については押さえておいて頂きたいところです。同時に、自分はどの程度の所得税を支払っているのかも押さえておきましょう。年収と課税所得の違い、関係性にも注意を!税金を計算する際には、年収と課税所得の違い、関係性にも注意が必要です。例えば会社員なら給料(給与所得)を貰いますが、この場合は年間給料(年収)から以下の「給与所得控除」を差し引いて課税所得金額を先に計算します。なお、給与所得控除は変更の流れになっており、令和2年分の計算時にはまた変わる予定です。数字の変更には注意しつつ、「年収-控除=課税所得」という関係性を覚えておきましょう。税金の計算方法は、単なる割合算出ではない今度は、税金の計算方法において大切な控除についてお伝えします。まず、簡単にいえば税金の全体的な計算方法は以下の通りです。収入-経費(控除)=利益(課税所得金額)利益(課税所得金額)×税率=税額そして、経費とは収入を得るために必要だったものだけでなく、以下のような個々人の事情に合わせたものも経費化できます。なお、以下はその一部です。基礎控除:誰でも差し引ける。38万円。2020年分から変更予定。配偶者控除:配偶者がいる場合。1~38万円。年収要件アリ。医療費控除:医療費を支払った場合。金額は医療費次第で、最高200万円。社会保険料控除:社会保険料を支払った場合。金額は全額。生命保険料控除:生命保険料を支払った場合。3種類あり、合計最大12万円。税金の計算方法は単なる割合算出ではないため、同じ年収でも最終的な税金額は個々人で違ってきます。あくまで「自分の場合はどうか」で考えましょう。控除額を積み上げ、税率パーセントを下げようすでにお気づきかもしれませんが、税金は控除額をどれだけ積み上げられたかが勝負です。その分だけ、最終的な税金額が下がりますからね。ついでに税率パーセントも下げられると、割高な税率部分の税金支払いをしなくてよくなりますから、よりお得といえます。税率が変わる分岐点あたりの年収の方は、特に意識すべきです。存分に使える控除を考え、税金の引き下げ(節税)を図っていきましょう。[adsense_middle]会社員でもできる税金対策も色々ある!今度は、会社員でもできる税金対策についてお伝えします。先ほどの通り、税金対策は「〇〇控除」の積み上げが基本です。しかしそれ以外にも色々あり、最近の代表例としては「iDeCo(個人型確定拠出年金)」が挙げられます。これなら節税しつつ、老後対策も可能です。他には「ふるさと納税」も有名といえます。これは直接的な節税にはなりませんが返礼品がもらえますから、そういう意味で一種の税金対策です。ちなみにふるさと納税は、以前は確定申告が必要でしたが、現在は一定条件の元で不要となっています。さらに、事情によっては「子供などの国民年金保険料を肩代わりする」のもおすすめです。会社員だからと諦めず、何か方法はないのか模索してみましょう。平均的なコツコツ支出は資産形成にも最適!先ほどのiDeCoのような「平均的なコツコツ支出」は、資産形成にも最適です。余った分を貯金するような方だと、中々お金も貯まらないのではないでしょうか。節税とは資産形成のためという側面もありますが、純粋な資産形成の方への意識も大切です。ただでさえ年収が上がらない時代ですから、節税を通して資産形成も図っていきましょう。「年収を上げたら損」という訳ではない!最後に、大切な補足情報をお伝えします。結論から言えば、「年収を上げたら損という訳ではない」という点です。年収を上げても税率も上がりますから、最終的な手取り額は大きく変わらないと感じる方もいます。これ自体は、けして間違っていない感じ方です。しかし、それでも「上がった年収を上回る税金を取られる」という事はありません。また不必要な経費アップは、最終的に手元に残るお金が少なくなる行為です。結局、年収アップに励み、必要な範囲で経費を増やすという「普通の姿勢」が一番といえます。あまり極端に考えず、日ごろは仕事に励みましょう。将来的に必要な金額は莫大!年収アップを!先般、老後資金2000万円問題が取り上げられましたね。年収アップを考えず、またムダ使いをして、この金額を貯められるでしょうか?一方、だからこそ節税も重要です。年収が高い人ほど節税は大切ですが、年収が低い人は低い人で少しでも手取り額を上げる必要があります。将来的に必要な金額は莫大だからこそ、平均的にコツコツ努力を重ねていきましょう。年収を上げつつ所得税は下げる努力をしていこう所得税は年収が高まるほどに高くなります。一方で税金には様々な対策方法があり、一部は会社員の方でも活用可能です。普段は年収を上げるために励まれているでしょうが、一方で今後は所得税を下げる努力をしていきましょう。
2020年02月21日社会人年数が増え年収が上がるごとに、住民税、所得税に悩まされる方が多いのではないでしょうか。今回は、節税対策および老後に向けた貯蓄・投資の観点からもおすすめできるiDeCoについて紹介していきます。節税できると耳にしたことはあるもののよく知らない、仕組みがよくわからないので始めるには不安、といった方に向けて、具体的な節税効果やコストも解説しています。また専業主婦(夫)などの、自身に収入がなく節税メリットを享受しにくい方についても、考えておきたいiDeCoの使い方をご提案します。iDeCoとは?個人が自身で資金を積み立て、自身で運用方法を選び、積み立てた掛金およびその運用益を受け取ることができる、個人型確定拠出年金という制度です。運用商品は投資信託から銀行預金まであり、運用リスクをとりたくない方にもお勧めできる制度と言えます。受け取り方法は二つあり、年金として受け取る、もしくは一時金として受け取ることが可能です。受け取り時期が60歳以降となることから、私的年金制度とも言われています。まずは制度の概要とメリットからご紹介します。iDeCoの加入メリット加入することでの大きなメリットは3つあります。掛金が全額所得控除の対象となる1年間で支払った掛金の合計全額が、所得控除の対象となります。こちらについては所得控除の仕組みと合わせて、後述にて詳しく説明させていただきます。運用益が非課税であるiDeCoで運用している商品の運用益については、すべて非課税です。運用益は現金での受け取りではなく、運用商品に再投資されます。受け取るときも控除の対象となる一時金として受け取ると退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除の対象になります。加入資格は?誰でも入れるの?基本的に、国民年金や厚生年金等の公的年金を支払っている20歳以上60歳未満のすべての方が加入できる制度です。専業主婦の方等の第3号被保険者も含まれます。また、雇用形態によっての可否はないためアルバイトの方も加入が可能です。ただし、お勤めの企業で企業型確定拠出年金に加入されている場合、個人型には加入できないケースがあります。規約によって個人型確定拠出年金にも加入して良いと定められている場合のみ併用が認められていますので、注意が必要です。加入にあたって支払う手数料、コストiDeCoにまつわる手数料をご紹介します。まずは、iDeCoに加入するときにかかる手数料が2829円。こちらは国民年金基金連合会に対して支払うもので、申し込み時だけにかかる手数料です。どこの金融機関を通じて加入しても、金額は変わりません。次に、毎月支払う手数料が2種類あります。国民年金基金連合会に対して支払う金額月額105円と、事務委託先金融機関(信託銀行)に支払う月額66円の合計171円。年額にすると2052円です。そして、iDeCoを始める金融機関によって変わってくるのが運営管理機関の手数料です。条件付きで無料にしているところなど様々な種類がありますので、始める際はいくつかの金融機関を比較するのがお勧めです。また、運用する商品によっては信託報酬等がかかってくるケースがあります。運用商品を選択する際には、商品ごとのコストを確認することも大切です。あなたの所得税の税率は?所得控除の仕組みを知ろう所得税や住民税は、どの金額に対してかかっているかご存知でしょうか?収入すべてについてかかる訳ではなく、大まかには下記のような流れを経て計算された「課税所得」に対して税金がかかるのです。収入ー経費=所得(自営業等の場合)給与収入ー給与所得控除=所得(会社員の場合)まずは、収入から経費(会社員であれば給与控除)を引いたものを所得と呼びます。所得所得控除=課税所得次に、算出された所得の金額から、更に各種所得控除の金額を差し引き、残った金額が課税対象である「課税所得」となります。この課税所得の金額に対して、所得税や住民税の税率をかけることで、支払う税額が算出されます。中でも所得税は、課税所得の金額ごとに税率が増える累進課税方式をとっているため、年収の多い方ほど所得税の税率および金額は大きくなります。所得控除の仕組みって?所得控除とは、収入から経費を差し引いた所得から、更に控除できる金額のことを指します。税金を少なくしたければ、所得控除の金額を増やして課税所得を減らす必要があります。所得控除の中には様々な種類があります。配偶者控除や医療費控除、生命保険料控除などは耳にされたことのある方も多いのではないでしょうか。iDeCoの掛金として支払った金額については、全額が所得控除の種類のひとつである「小規模企業共済等掛金控除」の中に含まれます。つまり、iDeCoの掛金を拠出すると所得控除の金額が増えるため、課税所得が減り、結果的に減税が可能になるという仕組みなのです。保険よりiDeCoがお得?所得控除面を比較個人年金保険という商品をご存知でしょうか。同じように老後資産形成の方法としてお勧めされたことのある方も多いかもしれません。現役時代に保険料を支払うことで、老後に一括もしくは年金として分割で保険金を受け取ることができる商品です。こちらも、支払う保険料が所得控除の対象となるということで、iDeCoとよく似ているように思えます。ただし、所得控除においての限度額に差があります。所得控除の対象となる金額が、個人年金保険の保険料は1年で最大4万円までという限度があるのに対し、iDeCoは掛金全額が対象となります。所得控除の面で比較するとiDeCoのほうがお得であると言えます。運用方法や解約可能時期等、他にもいくつか違いがあるため一概にどちらが良いとは言えませんが、保険の契約や見直しの際にはiDeCoと組み合わせて検討するのも一つの方法です。掛金はいくらまでOK?iDeCoの掛金は月々最低5000円以上、1000円単位で選択することが可能です。金額上限については加入資格によって異なっています。[adsense_middle]加入資格ごとの掛金上限をチェック加入資格は、国民年金の被保険者区分に応じて定められており、それぞれ掛金の上限が異なります。ご自身はどこに当てはまるのか、掛金を決める前にご確認ください。基本的に退職金や厚生年金がなく、老後の資産形成の重要度が高い自営業者の方のほうが限度額が大きくなっています。掛金を決める時のポイント小さな金額から老後資産形成を始められるのがiDeCoの良さでもあります。ただし、掛金が少ないと、掛金に対する固定コスト(手数料)の比率が高くなるため、運用益が少ないと手数料負けしてしまう可能性があり注意が必要です。基本的に60歳になるまで受け取ることはできませんので、今のご自身の生活や貯金を圧迫しない金額にすること、ずっと続けていくことができる金額を選ぶのもポイントです。掛金は年に1度だけ変更も可能ですので、すでに始められている方についても、生活の変化に応じて金額を見直す機会を持つのも良いかと思います。節税できる金額を計算するには?iDeCo公式HPでは、「かんたん税制優遇シミュレーション」という試算システムがあります。掛金と年収、年齢を入力すれば、軽減される税額を月単位・年単位・60歳になるまでの合計の3種類で確認することができますので、検討されている方は一度使ってみていただくと、ご自身にとっての効果がわかりやすいかと思います。かかっている税率が大きいほど所得控除で減税できる額も大きくなるため、年収が高いほどメリットを大きく感じやすい傾向があります。また、早く始めたほうが加入期間は長くなりますので、加入期間合計の軽減額も大きくなります。例として、年収が400万円、600万円の場合の軽減税額を記載しました。こちらは20歳〜60歳の40年間加入した場合の試算になりますが、かなり大きな節税効果があるのが見て取れるのではないでしょうか。iDeCoの本質とは?専業主婦(主夫)の方などでiDeCoの所得控除メリットを受けられない場合、あまり魅力を感じないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし何より運用益も非課税ですし、受け取る際も控除の対象となりますので、全くメリットが受けられない訳ではありません。短期的に効果がわかる所得控除だけが全てではありません。運用益の増加など長期的な視点でのメリットも加味して、ご自身にとって必要な制度かどうか判断してみるのが良いでしょう。[adsense_middle]老後資金を貯蓄する手段を早いうちから用意できるまた、iDeCoに加入することへの本来の意義は別のところにあるというのがFPとしての私の考えです。それは老後資金を貯蓄する手段を早いうちから用意できることです。公的年金で生活費をすべて賄うことができれば理想的ですが、そうはいかないケースの方が多いものです。平成30年の総務省家計調査によると、高齢夫婦かつ無職世帯の実収入の1ヶ月平均は22万円ほど、実支出は26万円ほどとなっており、貯蓄を切り崩しての生活となることが伺えます。さらに、現在の年金受給者より、これから受け取ることのできる公的年金の金額は少なくなっていく可能性が高いのが現状です。「老後2000万円問題」としてメディアに取り沙汰されていたのも記憶に新しく、すでに危機感を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に必ずしも2000万円を貯蓄する必要があるのかというと一概には言えませんが、老後への貯蓄の重要性が高まっていく時代であることは確かでしょう。投資に抵抗のある方にも対応可能、対象商品の種類は様々投資と聞くと、損失リスクを考えてしまう方もいらっしゃるでしょう。老後資金の形成として考えると、あまりリスクを取りたくないという考えも一般的です。iDeCoでは、利用者の投資方針に応じて運用先を選択することができます。元本割れは絶対にしたくないという方についても、投資先を定期預金等とする元本確保タイプの商品があり、比較的検討しやすいのではないでしょうか。ご自身の掛金の中で複数の商品を選択することができますので、気軽に分散投資をすることができるのもiDeCoの良さではないかと思います。手数料等の経費を検討するただし、先述した通りiDeCoには手数料等の経費がかかります。少なくとも固定でかかる経費として、月々171円、年換算すると2052円は支払う必要があります。元本確保タイプの商品は、比較的運用益が大きくなりにくい傾向にあります。また、積み立て金額の大小によらず同じ手数料(=コスト)がかかるので、毎月の積み立て金額が小さいと、年間の積み立て金額に対するコストの比率が高くなってしまうところにより留意する必要があるでしょう。よくご自身の投資方針と積み立て予定金額を固定コストと照らし合わせ、商品と金額を選択するようにしましょう。自助努力の一環として。iDeCoの使い方のポイント先ほども触れましたが、特に自営業の方については、退職金にあたる資金を自分で用意する必要があること、受け取ることができる年金が国民年金のみであり、厚生年金を受け取ることのできる会社員の方と比較すると個人年金の重要性が高いことから、より有効に活用していただきやすい制度であると言えます。会社員の方についても、退職金は以前ほど大きな金額は受け取りにくくなってきており、老後資金の一部については事前の自助努力が必要なケースが多いのではないでしょうか。もちろん現金で預金をしておけば問題ないという考え方もあります。ただ貯金には手をつけてしまいやすく、何かと物入りで老後のための資金がなくなってしまったというのも良く聞く話です。iDeCoには、選択した商品によっては預金以上の運用益が期待できること、そして60歳以降にしか受け取ることができないため、半強制的に老後のための貯蓄ができることがポイントです。退職金の金額に不安のある方にもお勧めできる制度と言えるでしょう。受け取り方式によって使い方を選択できる受け取り方式を選ぶ際、一時金方式を選べば退職金的、年金方式を選べば年金的使い方をすることができ、併用も可能です。660歳を迎え受給が可能になったタイミングで選択することになりますので、その時の自身のニーズに沿った受け取り方式を選ぶことで老後の生活をより豊かにすることができるのではないでしょうか。iDeCoの所得控除に関するまとめiDeCoでは所得控除による節税ができる所得控除の仕組みを知って、効果をシミュレーションしてみよう未来への安心は自分でつくる時代。より豊かな老後を過ごすための自助努力が必要iDeCoについて、まずは税制面でかなり優遇されていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。所得が増えていくほど賢く節税することが大切になってきます。また、節税は今の生活への効果を生み出しますが、同時に未来の生活に投資できるのがiDeCoです。人生100年時代、65歳で定年したとして35年の人生があります。平均寿命で考えても、20年間ほど第2の人生を送られる方が多いでしょう。決して焦る必要はありませんが、知識をつけて何かしらの準備ができるようにしておくことは大切ではないでしょうか。
2020年02月07日今回は住民税と所得税の違いに関して解説していきます。税金という意味では同じですが、日頃言葉として使う事があまり無いので、区別がつきにくいかもしれません。そこで今回、中身や制度、計算方法等どんな差があるのかを詳しく解説していきますので、最後までお付き合い頂ければと思います。住民税と所得税の関係所得税の納税方法は?納税の方法に関してですが、サラリーマンと個人事業主とで異なります。サラリーマンの場合は源泉徴収制度といい、給与を支払う企業が代行して納税する仕組みです。ここで用語を解説しておきます。源泉徴収制度とは、サラリーマン等給与所得者の納税額の精算に関わる手間を簡略化するために、所得を発生させる源泉から一定の税率を差し引き所得税を納税させる為の制度です。この制度によって確定申告を不要する事が出来る為、企業内部は大変ではありますが、従業員は何も気にする事はありません。毎月の給料から所得税も住民税同様に天引きされている事になります。この天引きは大まかな計算でなされており、最後の12月に1年間の総所得が計算される事になります。この12月の年末調整によって、しっかりと計算され差額の徴収、還付が行われるわけです。対して個人事業主は翌年の2月16日~3月15日までの期間内に確定申告を行い、税金を納めなければなりません。この場合申告期限である3月15日までに現金で納付するか、振替納税といって口座から引き落とす場合は4月20日前後(暦によって日付が異なります)の引落に間に合う様に準備しておかなければなりません。住民税と所得税についてのまとめここまでは住民税と所得税について解説を行ってきました。一旦ここまでを纏めてみたいと思います。上の表のようになります。税率の違いや納付先も違いますね。次にその違いについて触れていきますね。住民税と所得税の違いさて住民税と所得税について解説してきましたが、ここからは大まかな違いについて触れていきたいと思います。税金で身近なもので直ぐに思い出せるのは「消費税」でしょう。その他にはガソリン税や酒税、たばこ税等、生活の中に税は関連しています。税は国民皆さんの生活サービスや医療、福祉、公共事業等様々な事に使われています。税金無くして生活は豊かになる事はありません。その税の中でも、意外にも身近な住民税と所得税について解説を進めます。どんな違いがあるのでしょう?納付先使い道の対象納税のタイミング課税対象期間控除額[adsense_middle]納付先が違う住民税と所得税では税金を納める先が異なります。住民税は地方税ですので、お住いの都道府県、市区町村に納税しなければなりません。対して所得税は国税です。納付先は税務署、つまり国に納税する事になります。この違いもあり、次の使い道の点でも違いが生まれます。使い道の対象が違う住民税と所得税は税金という意味では同義ですが、細かく言うと、住民税は地方税で、所得税は国税に該当します。よく耳にするのは県が管理している、国が管理しているといった事を聞きますが、住民税は自治体管理の分野で利用され、所得税は国が管理している分野で使い分けられる事になります。大きな金額になれば、国がいくら使って、県や市がいくら使うといった事をイメージして頂ければ分かりやすいでしょう。納税のタイミングが違う前述しましたが、住民税と所得税はサラリーマンの場合は毎月のお給料からの天引きとなりますので、大きな違いはありません。しかし個人事業主となると納付期限が違います。住民税は6月からの支払いに対し、所得税は申告期限である3月15日まで、若しくは4月20日前後の振替納税期日までとなっております。所得税の方を先に納税し、後に住民税の徴収が始まると憶えておいて下さい。課税対象期間が違う1年間の所得に対して課税される事は変わりはありませんが、所得税と住民税では対象期間が異なります。ここではサラリーマンの場合を対象に解説しておきます。所得税はその年の所得に対して課税される所得税は、所得が発生すれば早速課税される仕組みとなっていまして、裏を返せば所得が無ければ課税される事はありません。対象期間は収入が発生した月からと憶えておけば問題ありません。源泉徴収され、年末調整で整えられる事を憶えておきましょう。住民税は前年の所得に対し課税、翌年納税対して住民税は、前年の所得に対して課税され、翌年の6月より天引きが開始される事になります。昨年まで収入が無ければ、翌年は課税される事はありません。また年末調整等で還付が受けられるといった性質はありません。課税額が決まったら必ず天引きされる事になりますので、この点も憶えておいて下さい。控除額が違う住民税と所得税は共に所得控除というものが存在します。これは課税額を導き出す過程において、所得に応じて控除されるもの、既婚者か独身者で使える控除枠が違うなど、いたるところで違いは出てきますが、計算過程の控除額の違いについて解説をしていきます。控除の内訳所得控除の内訳は次の通りです。社会保険料控除医療費控除雑損控除小規模企業共済等掛金控除上記4つの控除は控除額が住民税、所得税共に変わらないものです。次に挙げる控除は控除額が異なるものになります。基礎控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除勤労学生控除障害者控除寡婦・寡夫控除生命保険料控除地震保険料控除寄付金控除これまで挙げた14の所得控除を使い課税所得を計算します。所得控除一覧の見方先程解説した、控除額の異なる10の控除の一覧がこちらになります。見方として、左側が所得税についての控除額で、右側が住民税の控除額となっており、例えば基礎控除で見て見ると、所得税控除は38万円ですが、住民税となると33万円と控除額が低くなっている事が分かります。この様に、皆さんの使える控除額は各ご家庭で異なりますので、上記の表を参考にして頂ければと思います。住民税、所得税を計算・比較してみました先程の控除の違い等も含め、住民税、所得税の額を比較してみたいと思います。[adsense_middle]事例①年収450万円の場合次の事例で計算してみます。(夫)会社員:41歳、年収450万円、他収入無し、住宅ローン無(妻)パート:39歳、年収100万円、他収入無し(子)小学校3年生、小学校1年生(条件)生命保険料控除、配偶者控除のみ上記条件で試算した結果、住民税が163,514円所得税が81,757円となりました。このケースでは住民税の方が高い事が分かります。事例②年収800万円の場合では上記の事例で年収を800万円に上げた場合はどうなるか計算してみました。年収が800万円の場合は住民税が426,380円、所得税が425,260円の結果となりました。年収が約2倍になるとご覧の様に税金がかなり跳ね上がる事が分かります。事例③年収1,000万円の場合では年収が1,000万円の場合ではどうでしょうか?試算の結果住民税が584,844円、所得税が742,189円となり、所得税額の方が住民税よりも大きくなりました。先程解説しました、超過累進税率の効果が大きく反映されている事になりますね。税額控除を利用した場合ここでは税額控除を利用したケースで試算してみます。税額控除について解説しておきます。税額控除とは、所得税、住民税の課税額が算出された後に、その金額から更に控除を受けられる制度。所得控除とは異なり、計算の最終段階で控除される事になります。主な控除は住宅ローン控除があります。では先程の家族構成は変えず、年収、住宅ローンがあるという事で次のケースで試算してみます。(夫)会社員:41歳、年収450万円、他収入無し、住宅ローン控除有(妻)パート:39歳、年収100万円、他収入無(子)小学校3年生、小学校1年生(条件)生命保険料控除、配偶者控除、住宅ローン控除残高2,000万円としてみます。上記の条件で試算の結果住民税は65,000円、所得税は非課税となりました。先程事例①でご紹介したケースと比較すると、住民税では98,514円節税されており、所得税に至っては81,757円が節税された事になります。このケースで考えた場合、住宅ローン控除がかなり大きく作用している事がよく分かります。事例②の条件で住宅ローンがある場合は?では先程の事例②に住宅ローンを組み込んだ場合どうなるでしょう?年収が800万円になっています。住宅ローンの残高を3,000万円に変更してみます。試算の結果、住民税は先程の試算と変わらず426,380円、所得税が125,260円になりローン残高の1%の節税効果が発生致しました。この様に、住宅ローン控除を使うと、先に所得税から節税され、使い切れなかった部分が住民税に及びます。個人事業主の方の住民税と所得税についてここまでの記事はサラリーマンの方を中心に書いてきました。では個人事業主の場合ではどうなるのかという点について触れておきます。個人事業主の方は、確定申告で納税額を申告し、納税する事になります。確定申告は所得税の確定申告となっており、本来住民税を申告するものではありません。しかし、控除額が違うだけで、計算過程は全く同じになります。よって確定申告を税務署へ提出した際に、所得などのデータが自治体に渡り、6月に住民税の納付書が送られてくる事になります。特別何かをしなければならないという事はありませんので、ご安心下さいね。住民税と所得税の違いに関するまとめ今回は住民税と所得税の違いについて解説してきました。計算方法は同じでも控除額の違いや使い道、分類等様々な違いがある事がお分かり頂けたかと思います。また税額控除を利用する事も大きな節税効果がある事もありますので、今後住宅購入をご検討の方はしっかりと税金とシミュレーションを行って頂ければと思います。
2020年01月05日こんにちは、婚活FP山本です。近ごろでは「サラリーマン大家さん」という言葉もよく聞くほど、不動産所得のある方も増えました。それほど不動産投資が一般的になった一方で、会社員なら税金のことは年末調整で済むことが多いため、確定申告に苦戦している方も多いのが実情です。そこで今回は、会社員の方が不動産投資をしている事を想定して、不動産所得がある場合の確定申告についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。不動産による収入は確定申告が必要まずは、不動産所得と確定申告の関係についてお伝えします。冒頭でも少し触れた通り、不動産による収入がある方は、年末調整では済まず確定申告が必要です。稀に「どうやって年末調整するんだ?」と悩む声も聞きますが、そもそも年末調整できませんから注意しましょう。ちなみに会社員の方は確定申告を避ける傾向にありますが、年末調整よりも税金を安くできることも多いので、むしろおすすめです。それに、どうせ確定申告する訳ですから、これで「確定申告が必要」という行為を避ける必要もなくなります。また確定申告が必要といっても、あくまで「自分に関係する部分だけ」です。初めてなら難しく感じても、いずれ慣れてくるでしょうから、そう考えて確定申告に挑んでいきましょう。税金への義務はしっかり果たそうそもそも、日本では基本的に「全ての利益」について税金が発生します。そして納税は国民の義務であり、少額だからと許されるものではありません。会社員の方は年末調整で税金関係が完了しますから、つい軽く考える方もいるのですが、その感覚は極めて危険です。なお、仮に「利益がゼロ」であっても確定申告したほうが得に繋がります。不動産投資をする以上、不動産所得がある以上、確定申告は付き物と考えて取り組みましょう。金額ではなく規模で計算方法が変わる?ここからは、不動産所得と確定申告の基本についてお伝えします。不動産所得というのは、不動産の価格・金額ではなく「事業の規模」で確定申告の内容が変わるルールです。具体的に言えば「10室以上か否か」、または「5棟以上か否か」で基本的に判断されます。そして簡単に言えば「5棟10室以上」のほうが、事業的規模と見なされて、様々な優遇措置が受けられます。とはいえ一般的なサラリーマン大家さんなら、そこまでの規模ではない事が多いので、将来的な事業規模の拡大を見越して覚えておいて頂けますと幸いです。また確定申告は、「青色申告」「白色申告」という2種類があり、青色申告のほうが細かく帳簿を付けなければならない反面、以下のメリットがあるので有利です。青色申告特別控除が使える(10万円、事業的規模なら65万円)(事業的規模なら)家族への給料を経費にできる(事業的規模なら)貸倒引当金を設定できる赤字を3年繰り越せる青色申告したい方は、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を出すだけで出来ます。ぜひ検討してみましょう。賃貸数によってはサラリーマン大家も事業者最初は一室から始めた不動産投資であっても、その後に賃貸数が増えたのであれば、サラリーマン大家さんであっても事業者と見なされる訳です。むしろ最初の一室を始めた時点で、確定申告が必要だったり申告の種類を選んだりで、立派な事業者と言えるかもしれません。少なくとも、借主から見たら規模は関係なく誰もが大家です。ぜひそんな意識で、これからも不動産所得を得ていきましょう。不動産所得になる収入とは?次は、不動産所得になる収入についてお伝えします。不動産には様々な名目のお金が発生しますが、簡単に言えば不動産所得になる収入は以下の通りです。家賃名義書換料・承諾料・更新料・頭金など敷金・保証金など(返還しないもの)管理費・共益費などの名目で受け取る水道光熱費や掃除代などなお、「収入として認定される時」は、名目によって違いがあります。そして給与所得と同じく、不動産所得も1月1日~12月31日の期間が対象です。この間に手に入った収入かどうかも考えましょう。またサラリーマン大家さんの中には、「これがどの名目のお金になるのか分からない」ような場合もあるでしょう。そんな時は勝手に判断せず、できれば管理会社や税理士などにしっかり確認を取って下さいね。管理費や共益費は忘れがちかも会社員の場合、お金は「出すか貰うか二者択一」のことが多いので、稀に管理費や共益費を忘れる方もおられます。たとえ一部を出そうとも、帳簿上・確定申告上は一旦全額を収入として計上するわけです。もちろん最終的には差額分しか収入計上しませんけどね。サラリーマンでも大家さんになった以上、このような感覚や帳簿・確定申告も覚えていく必要があります。少しずつでも慣れていきましょう。不動産所得で経費・控除できるものとは?今度は、不動産所得で経費にできるものについてです。不動産所得は、先ほどの収入から以下の経費を控除として差し引いた残りが該当します。固定資産税などの税金損害保険料など減価償却費修繕費管理会社に支払う手数料司法書士などへの報酬ローンの金利や手数料簡単に言えば、不動産所得を得るために支出した様々なお金を経費にできる訳です。減価償却費など、直接的な支出を伴わないものも、ちゃんと経費にしましょう。逆に言えば、不動産所得とは関係ない支出については経費にできません。代表例は所得税や住民税でしょうか。なお、このような様々な支出を伴うのが不動産投資だからこそ、日常的な記録を取ることが大切と言えます。税金についてはもちろん、自分で経営状態を常に把握・管理するためにも帳簿付けを日課としましょう。ローンの金利や固定資産税をお忘れなく先ほどの経費にできる支出一覧を見て、忘れているようなものはないでしょうか?初めて確定申告する方だと減価償却費以外にも、ローンの金利や固定資産税あたりも忘れがちです。忘れがちというより、どんな支出を経費にできるか知らなかった……というケースも多いと言えます。経費は増やすほどに利益を小さくでき、ひいては税金額も低く抑えられる訳です。あくまでルールの範囲で、できるだけ経費を増やすよう心がけましょう。[adsense_middle]不動産所得の手続きに必要な書類は?今度は、実際の不動産所得の確定申告手続きについてお伝えします。まず、不動産所得を申告する時に使う必要書類は、以下の通りです。青色申告:確定申告書B、青色申告決算書白色申告:確定申告書B、収支内訳書どちらのケースも、最近では国税庁サイトにある「確定申告書等作成コーナー」を使うと簡単なのでおすすめです。ちなみにサラリーマン大家さんなら、不動産所得だけでなく給与所得についても申告する訳ですから、そちらも忘れず申告しましょう。なお、上記のコーナーを使うと、収入と経費さえ入力すれば利益や税金額については自動で計算してくれます。収入や経費も色々と指示・説明がありますから、それに沿って入力しましょう。領収書などは5年間、しっかり保存を例えば、あなた個人にかかる源泉徴収票や生命保険料控除証明書などは、確定申告書に記載するとともに添付する必要があります。一方で不動産所得の経費などの証明書となる領収書などは、添付する必要はありません。ただし5年間の保存義務があるので、大切に保管しましょう。ちなみに帳簿関係の保存義務期間は7年間です。このように基本的に確定申告では、架空の収入や経費を申告させないために、一定の証拠書類を必要とします。会社員ならレシートを貰ってもすぐに捨てていたかもしれませんが、以後はしっかり保管するようにしましょう。確定申告する時期と方法は?今度は、確定申告の提出についてお伝えします。添付書類も含めて確定申告書類が完成したら、あとは提出するだけです。確定申告は、毎年1月1日から12月31日の期間の内容を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。土日の関係で毎年、多少はズレますから時期には注意しましょう。また確定申告書類を提出する方法は、以下のような方法があります。税務署へ郵送する税務署へ持参するe-Taxを活用する(一定の事前申請や機器の準備が必要)はじめて確定申告するなら、その場で簡単にチェックしてもらえるので、税務署へ持参する方法がおすすめです。会社員なら税務署へ行く機会など中々ありませんから、今後の経験の意味も込めて、一度は行ってみるのもアリではないでしょうか。なお、確定申告は控えとともに2つ提出しますが、申告後の控えは銀行から融資を受ける際に必要となります。領収書などとともに、これもちゃんと保管しておきましょう。最近では土曜日でも提出できる!最近の税務署は、確定申告の時期は土曜日でも納税者のために署を開けているところもあります。サラリーマン大家さんなら平日は都合が付きにくいでしょうが、土曜日ならいかがでしょうか。もし確定申告書類を持参するなら、対象となる税務署がどうかを確認してみましょう。ただし、全ての税務署が同じではありません。どうしても持参できない場合は、素直に郵送で手続きしましょう。不動産所得は給与と損益通算できる!今度は、サラリーマン大家さんにとって大切なことをお伝えします。不動産投資の営業マンのセリフではありませんが、不動産所得は給与所得と損益通算できるルールです。つまり、もし不動産投資で赤字になっていたとしたら、その分だけ税金が安くなります。また不動産投資というのは、特に初年度は税金などの関係で赤字になりがちです。もちろん初年度から黒字のほうが望ましいものの、赤字になったならなったで有効活用すべきと言えます。きっちり確定申告して、源泉徴収されてきた所得税を返してもらいましょう。なお、だからこそ最初の物件が黒字化した頃に、次の物件を増やすような投資手法を取る方もおられます。ぜひ今後は、総合的に一番得になりそうな方法を模索しましょう。「損が出ても得」とは言えないので注意を!少し注意が必要なのですが、稀に「不動産投資は損が出たほうが得」などと勘違いする方もいますが、そんなことはありえません。税金は、あくまで利益の一部を納めるだけですからね。先ほどの損益通算も、あくまで赤字が出た時の損失補てんの一部でしかありません。税金を一円でも減らすことばかり考えると、かえって損してしまうことも多いのが実情です。あくまで不動産投資も黒字を目指す一方で、赤字が出た時には損益通算などで少しでも損失補てんするようにしましょう。[adsense_middle]確定申告のやり方がわからない場合は相談を!最後に、確定申告における大切なことをお伝えします。はじめて確定申告するのであれば、大抵は一つや二つ、分からない部分も出てくるのが普通です。不動産所得がある事情も様々で、身近な相談相手がいないようなケースもあるでしょう。そんな時は、以下のいずれかの方法がおすすめです。近くの税理士に相談する税務署で相談しながら作成する管理会社などに相談できるのなら良いのですが、そうでない場合でも確定申告を無視するのは危険と言えます。一定のペナルティ的な税金が発生する可能性もあるうえ、場合によっては不動産投資が会社バレするかもしれません。税理士か、あるいは税務署に相談してでも、しっかりと確定申告はこなしましょう。サラリーマン大家も立派な経営者!サラリーマン大家さんの中には、経営者感覚の弱い方も少なくありません。そんな場合は税金への感覚も弱く、むしろ税務署の存在やペナルティを他人事と捉えて「自分には関係ない」などと考える方もいます。残念ながら、そんな自分ルールは社会では通りません。特に、親から投資用物件を相続したようなケース、あるいは空き家となった自宅を貸しているようなケースで注意が必要です。人に貸した時点であなたも立派な経営者ですから、強めに注意しましょう。不動産所得の確定申告は毎年のこと!基本的に不動産投資は毎年、不動産所得が発生します。つまり、確定申告も毎年のことになる訳です。毎年苦しむくらいなら、早めに慣れたほうが得ではないでしょうか。慣れるほどに節税にも強くなります。ぜひ早めに慣れて、早期の資産形成を目指しましょう。
2019年11月25日本記事ではiDeCoの所得控除について考察します。記事の中ほどに「年収などの違いによってどのくらい減税の効果があるのか」分かりやすい一例の一覧表を作成しましたので、ご覧いただければ幸いです。iDeCoのメリットの一つ、所得控除とは税金がお得になることiDeCoは老後のための資産形成の制度です。大きなメリットが3つあります。「掛け金が全額所得控除になる」「運用益が非課税になる」「将来お金を受け取るときに所得控除が受けられる」この中でも今回は1の「掛け金が全額所得控除になる」について見てみましょう。iDeCoへの掛け金の全額が所得控除になる。iDeCoの所得控除の仕組み&メリットを受けられる対象は所得税・住民税が課税される人iDeCoの所得控除の仕組みを簡単に言うと「iDeCo口座に毎月(あるいはまとめて)お金を出していくと、税金の負担が減少しますよ」ということです。もう少し詳しく言いますとiDeCoに出した掛け金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となります。個人事業主や所得のある専業主婦などは確定申告が必要です。そして、iDeCoの所得控除の減税メリットを受けられる人は、会社員・公務員・自営業者などの「課税される所得のある人」です。【質問】所得税・住民税が課税されない人でもiDeCoに掛け金を出すと、所得控除のメリットがありますか?答え:ありません。所得税・住民税が課税されない人の場合には、所得控除による減税メリットはありません。ただ「減税メリットがないからiDeCoをする理由がない?」かというと、そうではありません。理由は後述します。【質問】家族のiDeCoの掛け金を自分が負担すれば、自分に減税メリットがありますか?答え:ありません。家族の掛け金を負担しても、減税メリットは得られません。iDeCoの所得控除はどのくらい減税効果があるのか【年収別シミュレーション】それでは具体的に、iDeCoの所得控除のメリットによる減税効果がどのくらいなのか一例を見てみましょう。注意点:以下は毎月掛け金を出した場合です。途中で課税所得や掛け金の変更がない前提です。こちらの一例は「イデコ公式HPかんたん税制優遇シミュレーション」を使用して出しています。実際とは異なることがあります。[adsense_middle]iDeCoの所得控除のメリット【金額】をチェックしてみよう共通の条件として、20歳で加入して60歳まで40年間続けた場合です。ちなみにiDeCoに出せるお金の毎月の限度額は「加入者区分」によって異なります。以降のシミュレーション一例では、以下のパターン(月/5,000円・12,000円・23,000円・68000円)で見てみましょう。最低掛け金額/月5,000円公務員の限度額/月12,000円会社員の限度額/月12,000円or23,000円(会社員の場合、企業年金のある・なしなどにより異なる)専業主婦(主夫)の限度額/月23,000円自営業者の上限/月68,000円①年収が200万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額上記を見ると掛け金に応じて軽減額が大きくなることが分かります。②年収が300万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額自営業者の上限68,000円のケース以外では①と同じ数値です。③年収が400万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額このケースでは②と全く同じです。④年収が500万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額③より減税金額が大きくなってきました。⑤年収が600万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額こちらは④と68,000円のところだけが異なります。⑥年収が700万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額やはり年収が上がるほどに所得控除の減税メリットが大きくなってくることが分かります。iDeCoの本当のメリットは所得控除じゃない?さて上記のシミュレーション一例をご覧になって、どのような感想を抱かれたでしょうか。「結局、高所得者の方がお得になるじゃないか」「所得が低いと減税の金額にお得感が感じられない」「そもそも収入の無い専業主婦だと所得控除のメリットがないからiDeCoをする気が起きない」などと思われた方もいらっしゃるかと思います。その一面は確かにあります。ただ、iDeCoは所得控除のメリットを受けられるだけの制度ではありません。その本質は「老後のためのもう一つの年金」にあります。どういうことでしょうか。[adsense_middle]老後の公的年金が減るからiDeCoは重要2019年8月27日に厚生労働省より「公的年金の財政検証」が発表されました。これは簡単に言うと、「公的年金の健康診断」のようなものです。5年に一度のペースで公表されます。今回のポイントはいくつかありますが、少しだけ見てみましょう。公的年金制度の「健康診断(財政検証)」のポイント一例:「減税だけじゃ乗り切れない?」筆者にとって(そしておそらく読者の方にとっても)印象的なのは次の点でした。現在20歳の方が現状の高齢者と同水準の年金をもらうには68歳9か月まで働く必要があるということでした。現在定年の多くは60歳ですので、実に8年9か月長く働かなくてはいけません。※ちなみにこれは今後「日本経済が良かった場合」の楽観的なシナリオです。現実はもっと悪くなると筆者は考えています。ちなみに30歳以降が今の65歳と同水準の年金を受給するには、次の年齢まで働かないといけないことが数値上算出されています。現在の30歳→68歳4か月現在の40歳→67歳2か月現在の50歳→66歳ここだけ見ても、何となくiDeCoやつみたてNISAを利用しての資産形成の重要性が見えてきます。将来、年金を現在と同水準もらうには、現在よりも(短くて)6年~8年4か月働かないといけない可能性がある。若い人ほど老後のお金は厳しくなる。所得控除のメリットにこだわりすぎないことも重要ではまた公的年金制度の「健康診断(財政検証)」では、所得代替率の低下についても触れられていました。所得代替率:ざっくり言うと、現役世代の今の私たちの手取り収入に対する年金額の割合。低いほど受け取れる年金額が少ない。いま(2019年度)は所得代替率が61.7%です。しかし「健康診断(財政検証)」では6つある、どのシナリオでも将来の所得代替率は低下しています。一番良いシナリオ→51.9%一番悪いシナリオ→36%~38%ちなみにこれは賃金が上がり続けるという前提のお話です。しかし直近5年間で賃金が上昇したのは2016年の一年だけでした。筆者の個人的な考えでは、一番悪いシナリオよりも将来は悪くなる(もらえる公的年金は減る)のではないかと考えています。その理由は少子高齢化です。公的年金は現役の世代が高齢者にお金を「仕送りする+積立金を上乗せしている形式」です。そして、今の現役世代が年金受給資格を得るころには、ますます若い人が減っていると思われます。つまり、「未来の私たちに仕送りをしてくれる人が減っている」わけです。そのため、将来のもらえる年金額は構造上減ってしまうと考えられます。ちなみに6つのシナリオの一番悪いものでは2052年には国民年金の「積立金が枯渇する」ということになっています。つまり「仕送りする+積立金を上乗せしている形式」の「積立金を上乗せしている」部分がなくなって、単純な「仕送り形式(正式には賦課方式という)」になることを意味しています。早い話が受け取れる年金がさらに減る可能性があります。ちなみに公的年金を受給開始後も、加齢とともに所得代替率は下がる見通しです。嫌なお話ばかりですが、だからこそiDeCoの所得控除のメリット以外について考えてみることが重要かもしれません。将来もらえる年金の所得代替率は今61.7%だが、36%~38%(あるいはそれ以下)に下がる可能性がある。iDeCoの所得控除に関するまとめiDeCoのメリットの一つは所得控除で実質減税になるあなたの所得控除のメリットはいくら?年収・掛け金別一覧でまる分かり!iDeCoで大事なのは所得控除だけじゃない。iDeCoで未来の自分を助けようiDeCoのメリットの一つに「掛け金が全額所得控除になる」というものがあります。税制面でとても優遇されているのがiDeCoの特徴です。本文内のシミュレーション一例で見ましたが、基本的に年収・掛け金が大きいほど所得控除のメリット金額が大きくなっていきました。ただ、iDeCoの本質は所得控除のメリットだけではないと筆者は考えています。記事の最後の方で触れましたが、これからは若い人ほど、公的年金だけでは老後の生活が成り立ちにくくなると考えられます。そこで出てくる考え方が「自助努力(自分の老後のお金は自分で形成する)」です。人によってはiDeCoの所得控除のメリットがない・少ないことがあり、魅力的に見えないかもしれません。ですがiDeCoの本質はそこではないのではないでしょうか。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年09月03日カニエ・ウェストが低所得者向けの住宅を建設中であることが明らかになった。本人が「Forbes」誌に語った。すでに計画は具体的になっており、カニエはインタビュー中、唐突に同誌の記者をランボルギーニに乗せて、現地へ案内。家の試作品3棟を見せた。1977年の大ヒット作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で、幼少の頃のルーク・スカイウォーカーが過ごした家に着想を得たデザインだという。記者によれば、遠くから見ると木製の宇宙船のようで、形は楕円形で高さ数メートル。プレハブ構造とのこと。場所の詳細は明らかになっていないが、カリフォルニアの森の中だとみられる。カニエはこれまで自分の楽曲に『スター・ウォーズ』を彷彿させる歌詞を取り入れるほどの『スター・ウォーズ』ファン。15年前にはコメディドラマ「Alligator Boots」(原題)のパイロット版を制作し、なんと現在の妻キム・カーダシアンに劇中でレイア姫を演じさせていた。キムも2015年12月に、インスタグラムにこの時の画像を掲載し、「『スター・ウォーズ』が私とカニエに出会いをくれたって感じ笑」とコメントしていた。『スター・ウォーズ』とカニエは切っても切れない関係のようだ。(Hiromi Kaku)■関連作品:スター・ウォーズエピソード4/新たなる希望 1978年6月30日より公開
2019年07月11日2019年10月に消費税が10%に増税される予定ですが、税制は社会状況の変化に応じて変わるものです。所得税も働き方の多様性を踏まえ、同一業務であるのに雇用形態が異なる場合がある、会社員とフリーランスにある税制の差を埋めるために今回の改正となりました。 今回は2020年以降に適用される所得税の給与所得控除と基礎控除の改正事項についてお伝えします。 1.給与所得控除の改正について 所得税を計算するうえで、事業をしている人やフリーランスの人(以下、個人事業主)は必要経費を収入から引くことによって所得を算出しますが、勤務先から給料を支払われている人(以下、給与所得者=会社員・公務員・団体職員・パートタイマーやアルバイトも含まれます)は具体的な必要経費の計算をしません。 その代わりに、給与所得控除と呼ばれる法律上の経費的なものを差引き、収入の全額を所得としないことで、個人事業主との所得税負担の公平を図っています。この給与所得控除について、高額所得者は多額すぎるとの判断から、2020年分の所得税から上記の表のように変更となります。経費的に差し引ける給与所得控除額の上限を220万円から195万円にすることで、給与の高額所得者の所得税負担を増やすことになりました。 2.基礎控除の改正について基礎控除とは、所得税額の計算をする場合に、所得金額などから差し引くことができる控除の一つで、誰にでも適用される控除です。この控除があるため、年間103万円以内のパート・アルバイト等の収入があっても、所得税はかからないことになります。 2019年分は所得に関わらず、一律38万円ですが、2020年からは上記の表のとおりとなります。所得の種類を問わず、2400万円を超える所得がある場合は、控除額が減り所得税の負担が増えることになります。 3.給与収入850万円以下の人は実質的な影響はなし給与所得者にとっては、給与所得控除と基礎控除との両方が影響しますが、給与収入が年間850万円以下の場合は、給与所得控除が10万円減少するものの基礎控除が10万円増加するため、合計するとそれらが差引されて実質的な所得税には変化がありません。 しかし、給与収入金額が年間850万円を超える場合には状況が変わります。所得調整控除の対象となる人(特別障害者、23歳未満の扶養親族がいる人、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる人)以外は、段階的に控除額が減るため負担増となります。例えば、給与収入1,000万円の場合・税率20%の場合には、所得やその他の控除が同じ条件であれば、年間3万円の所得税の負担が増えることになります。 一方、個人事業主は、雇用形態でない場合には給与所得控除がありませんので、今回の改正で基礎控除の控除額が引き上げられる分、所得やその他の控除が同じ条件であれば、所得税は減ります。事業所得が1,000万円・税率20%の場合は年間2万円の所得税の負担が減ることになります。 今回の所得税改正では、給与での年収850万円以上の人は負担増、個人事業主の人は負担減となるため、本人や家族で該当する人は2020年からの手取り額が変わる可能性がありますので、働き方や源泉徴収票、確定申告書を確認する機会にしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年05月23日確定申告や年末調整は、個人の方が1月1日から12月31日までの1年間で得た収入(所得)を基に所得税を計算して精算する手続きを言います。この時、所得税を計算する流れの中で、所得控除と呼ばれる控除を差し引いて所得税を計算する仕組みになっているのですが、実のところ、確定申告と年末調整では、適用することができる所得控除に違いがあります。そこで本記事では、確定申告で適用可能な所得控除の紹介をはじめ、節税対策に使える大切なポイントをわかりやすくまとめて紹介していきます。所得控除とは?所得控除のイメージをざっくり知ろう所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入(所得)を基に計算される税金ですが、すべての方が公平な税負担をするための措置として、14種類の所得控除が設けられており、これらの所得控除を差し引いて所得税を計算することによって、税負担の公平性を保っています。所得控除の具体的なイメージとして、たとえば、本人も含め障害を抱えている家族や親族を扶養している場合は、他の方に比べて多くのお金がかかる場合や生活する上での負担が大きいと考えられるため、このような方々には、障害者控除を適用できるようにすることで、税負担を軽くします。また、高校生や大学生などの子供を扶養している場合は、教育費にお金が多くかかることが考えられるため、このような方々には、扶養控除を適用できるようにすることで、税負担を軽くします。このように、所得控除はその方が置かれている状況や置かれていた状況を加味された上で税負担が軽減される控除のことを言い、所得控除の種類は次項の通りです。確定申告で適用可能な所得控除は14種類所得税法で定められている所得控除は、全部で14種類あり、所得控除を適用することができる条件に合致している場合は、確定申告をすることで、14種類すべての所得控除を適用することができます。所得控除の種類所得控除が受けられる場合雑損控除災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けた場合医療費控除1年間を通じて、医療費負担の合計金額が一定額以上となった場合寄附金控除ふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄附金)をはじめ、国や政党などに対して寄附をした場合社会保険料控除健康保険料や国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料などの支払いがある場合小規模企業共済等掛金控除iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や自営業者などが加入している小規模企業共済の掛金がある場合生命保険料控除終身保険や医療保険、個人年金保険など各種生命保険や共済へ加入している場合地震保険料控除地震保険料や旧長期損害保険料の支払いがある場合寡婦・寡夫控除申告する方が、寡婦または寡夫である場合勤労学生控除申告する方が勤労学生である場合障害者控除申告する方や配偶者、扶養親族が障害者である場合配偶者控除配偶者が専業主婦(主夫)などの場合や配偶者の収入が低い場合配偶者特別控除申告する方の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円を超え、76万円未満である場合扶養控除12月31日時点で16歳以上の扶養している親族などがいる場合基礎控除すべての方に適用される所得控除上記14種類の所得控除は、毎年1月1日から12月31日までの1年間において、所得控除が受けられる条件にあてはまっていることで適用を受けることができます。ただし、実務上、それぞれの所得控除を適用するための条件は、さらに細かくなっているため、上記表は大まかな目安とした上で、適用になりそうな所得控除がある場合は、国税庁のWEBサイトで詳しく調べたり、税務署や税理士へ尋ねてみることをおすすめします。確定申告のみで適用可能な所得控除は3種類本記事の冒頭でもお伝えしましたように、実のところ、確定申告と年末調整で適用することができる所得控除には違いがあるのですが、具体的に、雑損控除、医療費控除、寄附金控除といった3種類の所得控除は、確定申告のみで適用可能な所得控除になります。そのため、年末調整でこれら3つの所得控除の適用はできないため、1年間において、雑損控除、医療費控除、寄附金控除のいずれかの適用を受けるためには、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をしなければなりません。ちなみに、会社員や公務員で、基本的に年末調整のみで1年間の税金精算を終了した方がふるさと納税をした場合、寄附金控除の適用を受けられますが、確定申告をする手間を省くことができるワンストップ特例制度がありますので、そちらの制度も合わせて確認されておくのも良いでしょう。なお、年末調整で適用できる所得控除と確定申告で適用できる所得控除の内容や条件は、手続きによる違いはありません。確定申告のみで適用可能な医療費控除とは?医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。ここで言う、支払った医療費の一定額というのは、確定申告をする方の収入(所得)によって異なる特徴があり、それによって、医療費控除が適用できる、できないといった判定も異なります。加えて、医療費控除の適用を受けるためには、作成した確定申告書のほかにも医療費控除の明細書などが必要であり、さらに、医療費控除の対象となる金額を計算する必要もあります。ここだけ見ますと、とても難しそうな感じを受ける方もおられるのかもしれませんが、以下、同サイト内で公開している記事では、確定申告で医療費控除を適用する方法や医療費控除の計算方法をはじめ、対象となる医療費などポイントを幅広く紹介しておりますので、合わせて確認されてみることをおすすめします。住宅ローン控除の適用を受ける場合も確定申告が必要住宅購入は、一生に一度の大きな買い物と言われますが、夢のマイホームを金融機関から住宅ローンを借入して購入された場合は、こちらも一定の条件を満たしていることで、住宅ローン控除の適用を受けることができます。住宅ローン控除の重要なポイントの1つとして、住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度のみ必要書類を添えて確定申告をしなければならないことも適用条件に含まれています。なお、住宅ローン控除は、本記事で紹介している所得控除ではなく、税額控除にあてはまるため、節税効果はかなり大きいメリットがあり、さらに、会社員や公務員など給与所得者の方であれば、2年目からは勤務先が行う年末調整で適用が可能です。住宅ローン控除は、購入した住宅が新築なのか中古なのかといった種類のほか、リフォームをした場合など、それぞれによって適用条件が異なるのですが、こちらも、以下、同サイト内で公開されている記事を合わせて読み進めてもらうことで、住宅ローン控除の適用方法から必要書類をはじめ、多くの方が抱えている疑問まで解決することができると思います。確定申告で節税対策に使える大切なポイントとは確定申告は、年末調整で1年間の税金精算が終える方々にとってみますと、馴染みがないため難しいイメージや面倒なイメージをお持ちの方も多いと思いますが、確定申告のメリットは、適用し忘れた所得控除を追加できるところにあります。たとえば、給与所得者であれば、年末調整後に新たに適用できる所得控除がわかった場合や適用できる所得控除を適用するのを忘れていた場合など、いわば、税金の精算をやり直すことで、所得税の還付を受けられ、翌年納める住民税も軽減できるのが、確定申告のメリットと言えます。そのため、必ず節税効果が得られるといったわけではありませんが、これまで紹介した14種類の所得控除がどのような場合に適用されるのか、そして、それぞれの所得控除の適用忘れがないかを再確認することで節税対策につながる可能性があると考えることができます。確定申告で適用可能な所得控除まとめ確定申告で適用可能な所得控除の紹介をはじめ、節税対策に使える大切なポイントを紹介させていただきましたが、特に、確定申告をしなければ適用されない雑損控除、医療費控除、寄附金控除については、いま一度、適用できるのか確認されてみることをおすすめします。また、住宅ローン控除の適用を受けるために初年度は確定申告が必要であることや、そもそも確定申告とはどのような手続きなのか大まかな概要やポイントも押さえておく必要があるでしょう。
2019年01月24日この時期になると、毎年のように「年末調整」や「翌年分の扶養親族等の申告書」が当たり前に出てくるようになります。ここでは、同じように出てくる疑問として「扶養に関する4つの壁」があります。「扶養に関する4つの壁」とは、扶養配偶者や扶養親族として、世帯主の扶養(生計を維持してもらっている状態のこと)に入ることが出来る上限となる所得金額のことで、各種法令(後程解説します)で定められています。今回は、この「扶養に関する所得の壁」がどのようなものであるかを解説したうえで、どのような場合であれば、扶養から外れたほうが有利になるかについて説明します。扶養の所得の壁とは?扶養の所得の壁は、大きく分けると、所得税法によって規定されている「税法の所得の壁」と健康保険法などで規定されている「社会保険の所得の壁」に分かれます。それぞれの壁はそれぞれの趣旨をもって設定されている壁です。それぞれの壁の趣旨を理解したうえで、もっとも最適な働き方について考えていく必要があるといえます。「収入」と「所得」は全く別物扶養の壁を考えていくうえでは「収入」ではなく「所得」の金額が判断材料とされます。収入は「総支給額」を表しており、年収とは「1年間における収入の合計」となります。これに対して、所得とは「各種税金や社会保険料を差し引いた後の金額」を表します。そのため、収入と所得は全く別物であり、各種制度を受けられるかどうかの判断基準が所得金額を基準に行われているということです。このことを踏まえたうえで、実際に扶養制度における4つの壁とは何かを説明します。扶養制度における、具体的な4つの壁とは1. 103万円の壁この金額を超えてしまうと、配偶者控除(課税対象額から38万円を控除することが出来る所得控除のこと)の適用を受けることが出来なくなります。扶養親族である場合は、扶養控除(扶養親族1人当たり38万円から63万円までの範囲内で控除できる所得控除のこと)の適用が受けられなくなります。配偶者控除とは、配偶者に対する所得控除のことで「38万円」が控除されます。他の扶養親族に対する所得控除とは区別して、配偶者の扶養控除として所得控除の金額を計上しているものです。2. 106万円の壁(正式には105.6万円の壁)平成28年10月より、この金額(月額8.8万円)を超えると、厚生年金保険・健康保険などの社会保険に強制加入しなければなりません。3. 130万円の壁この金額を超えてしまうと、社会保険における扶養親族とはみなされなくなります。(つまり、自分で社会保険の保険料を納めなければならなくなるということです)4. 141万円の壁この金額を超えてしまうと、配偶者特別控除(配偶者の年間所得金額が「38万円超76万円以下」であるときに受けることが出来る所得控除のこと)も受けることが出来なくなり、配偶者に関する所得控除がなくなります。配偶者特別控除とは、配偶者の年間合計所得が38万円超76万円以下である場合、その配偶者の所得金額に応じて控除額が決められている所得控除です。具体的な控除額は配偶者の所得金額に応じて「38万円」から「2万円」と変化します。所得税法の規定の壁世間的にも最もなじみが深い「103万円の壁」は、所得税法上、所得税が課税されない上限額のことで、「給与所得控除額(最低65万円)」と「基礎控除額(38万円)」の合計金額が103万円となるから「103万円の壁」と呼ばれています。給与所得控除額とは、給料等の収入に係る所得税の計算をするうえで、所得金額を調整するために定められた控除額です。給与所得の収入金額の合計によって控除額が変化しますが、最低限度額が65万円とされています。基礎控除とは、所得税の計算上、課税対象とされた金額から控除することが出来る金額(これを「所得控除」といいます)の一つで、「38万円」が所得税の課税対象金額から必ず控除されます。なお、住民税にも基礎控除がありますが、こちらは「33万円」となります。また、もう一つの役割として「配偶者控除の適用を受けることが出来る所得の上限」というものがあります。これは、夫(妻)の所得税の計算上、「配偶者控除」として38万円の所得控除が受けるためには、配偶者である「妻(夫)」が所得税の計算対象となる金額が0円(非課税者)であること(つまり、「扶養」されている状態であること)が必要になるため、非課税になる所得の上限額としての基準としての役割も併せ持っています。しかし、年間所得額が1円でもある場合(年間所得合計が38万円を超える場合)は、配偶者控除の適用は受けられませんが、その代わりに「配偶者特別控除」という所得控除の適用を受けることになります。社会保険は106万円と130万円の2つの壁が存在社会保険における不要の壁は「106万円の壁」と「130万円の壁」の2つが存在します。この2つの壁は、平成30年度より所得税法が一部改正される関係で非常に大きな意味を持つようになりました。また、社会保険における壁は、「収入金額」が基準となるため、税法の扶養の壁とは考え方が異なります。「106万円の壁」は社会保険に加入する義務の基準106万円の壁とは、「厚生年金保険に加入する必要があるかどうかの基準」となる収入金額です。厚生年金保険は、平成28年10月より加入対象者が拡大され、その加入要件の一つに、「月額賃金が8.8万円以上」というものがあり、年額に換算すると「105.6万円」となりますが、実質的には、年収が「106万円」を超えてしまうと、社会保険に加入することが義務付けられてしまうということになります。「130万円の壁」は健康保険の扶養親族等の範囲の基準130面円の壁とは、「健康保険における扶養親族として認められるかどうか」の目安となる収入金額です。健康保険の扶養親族等に該当するための要件の一つに「年間収入が130万円未満であること」が規定されています。そのため、健康保険の被扶養者となるために、年間収入が130万円未満でなる必要があり、それを超えてしまうと、自分で国民健康保険等の医療保険に加入手続きをしなければならなくなります。「扶養範囲内」と「社会保険加入」どちらがお得?ここまで扶養の壁の種類について説明しましたが、具体的に「年収がいくらを超えると社会保険に加入する方が有利」又は「年収がいくらまでであれば、扶養の範囲内で働く方が有利」となるかを検証していきます。年収が130万円(月平均:約10.8万円)の場合標準報酬月額:110,000円(厚生年金保険料額表より)健康保険料:110,000 × 10% × 1/2=5,500円/月厚生年金保険料:(厚生年金保険料額表より)10,065円/月年間の手取り額:(108,000-5,500-10,065)× 12ヶ月=1,109,220円/年年収が150万円(月平均:約12.5万円)の場合標準報酬月額:126,000円(厚生年金保険料額表より)健康保険料:126,000 × 10% × 1/2=6,300円/月厚生年金保険料:(厚生年金保険料額表より)11,529円/月年間の手取り額:(125,000-6,300-11,529)×12ヶ月=1,286,052円/年年収が170万円(月平均:約14.1万円)の場合標準報酬月額:142,000円(厚生年金保険料額表より)健康保険料:142,000 × 10% × 1/2=7,100円/月厚生年金保険料:(厚生年金保険料額表より)12,993円/月年間の手取り額:(141,000-7,100-12,993)×12ヶ月=1,450,884円/年これらの金額から、所得税・住民税などの税金などが控除されるため、実際の手取り総額は上記金額よりも少なくなります。まとめ扶養の範囲内で収入を抑える形で働く方法がよいか、会社の社会保険に加入して収入をより上げる方がよいかは、その人が現在置かれている状況によって異なります。働きたくても働くことが出来ない状態(産前産後の女性や育児休業中の女性など)であれば、必然的に扶養されることになりますが、働くことが出来るようになってきてからについて、この問題が生じてくるところだと考えられます。現在も労働環境が大きく変化しており、また、扶養制度に関する改正が行われてきています。その中で、どのような働き方をしていきたいのか?ということをしっかりと考えたうえで、今後のライフスタイルを考えていくことが必要とされます。
2018年12月25日ふるさと納税は、都道府県や市区町村に対して寄附を行った場合に、納めるべき所得税や住民税を減らすことができる制度にあたり、所得税法上では、寄附金控除として所得控除の対象になります。実際のところ、総務省が公開しているふるさと納税のポータルサイトを見ていきますと、一見、税額控除のように感じている方も多いと思いますが、こちらにつきましては、国税庁のWEBサイトや実際に確定申告書をe-taxで作成するとその理由が明白です。そこで本記事では、国税庁が公開している様々な情報を下に、源泉徴収票から実際に確定申告書を作成して、ふるさと納税が、所得税法上、所得控除である理由を検証した結果を紹介していきます。ふるさと納税をした寄附金が、所得税法上、所得控除である理由ふるさと納税をした寄附金が、所得税法上、所得控除である理由は、以下、国税庁が公開しているWEBサイトの寄附金控除について、解説を見ることで確認ができます。国や地方公共団体、特定の公共法人などに寄附をした場合は、確定申告を行うことで、所得税及び復興特別所得税が還付される場合があります。個人が特定寄附金を支出したときは、寄附金控除として所得金額から差し引かれます。個人が支出した政治活動に関する寄附金のうち政党若しくは政治資金団体に対する寄附金又は個人が支出した認定NPO法人等若しくは公益社団法人等に対する寄附金については、1寄附金控除(所得控除)の適用を受けるか、2寄附金特別控除(税額控除)の適用を受けるか、どちらか有利な方を選ぶことができます。出典:国税庁 寄附金を支出したとき 個人が支出した寄附金の控除上記の解説をまとめますと、寄附をした先が、政党・政治資金団体・認定NPO法人等・公益社団法人等であれば、所得控除と税額控除の内、納税負担が軽くなる方を選択しても良いとしています。ふるさと納税の場合は、寄附をした先が、都道府県や市区町村といった地方自治体にあたり、政党・政治資金団体・認定NPO法人等・公益社団法人等にあてはまらないため、税額控除は適用できず、所得控除されることになるというわけです。ふるさと納税が、税額控除として見られる理由も実はあるふるさと納税をした寄附金は、所得税法上、所得控除になることをお伝えしましたが、国税庁のWEBサイトでは、参考情報として、住民税の税額控除についても触れています。個人住民税における寄附金税額控除について都道府県・市区町村や住所地の都道府県共同募金会・日本赤十字社支部に対する寄附金、住所地の都道府県・市区町村が条例で指定した寄附金を支出した場合は、住民税(翌年度)において寄附金税額控除を受けることができます。この寄附金税額控除を受けるには、原則として所得税及び復興特別所得税の確定申告又は住所地の市区町村に簡易な申告書による申告を行っていただく必要があります。出典:国税庁 寄附金を支出したとき 特定寄附金とはふるさと納税は、都道府県や市区町村に対する寄附であることは、すでにお伝えした通りですが、上記の参考情報を見ますと、都道府県・市区町村に対して寄附をした場合で、確定申告など必要な手続きを行った場合、翌年度に納める住民税から直接減額される寄附金税額控除が受けられるとしています。このような理由から、ふるさと納税は、実のところ所得控除と税額控除が入り混じっており、少々複雑でわかりづらい仕組みになっていると考えることができます。ここまでの解説のポイントを以下へまとめます。ふるさと納税を行った寄附金は、所得税法上、所得控除の対象ふるさと納税を行った寄附金は、個人住民税の寄附金税制において税額控除の対象つまり、所得税や住民税といった税金の種類によって、ふるさと納税の寄附金は、取り扱いのされ方が変わることを意味します。源泉徴収票から実際に確定申告書を作成して検証ここからは、実際に国税庁がサンプルとして公開している源泉徴収票を下に、ふるさと納税をしたものと仮定し、e-taxを利用して確定申告を行ったものとしてポイントを紹介していきます。国税庁 平成30年 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引上記の源泉徴収票を下に、国税太郎さんが、平成30年中にふるさと納税を7万円寄附したものとし、確定申告書をe-taxを利用して作成していくものとします。源泉徴収票の支払金額と確定申告書の収入金額等の給与の金額が合致しています。また、源泉徴収票の給与所得控除後の金額と確定申告書の所得金額も合致していることが確認できます。源泉徴収票の所得控除の額の合計額と確定申告書の(16)が合致しています。また、ふるさと納税を70,000円行ったことによって、所得控除として68,000円の寄附金控除の適用がされていることが確認できます。ふるさと納税を行って寄附金控除の適用を受けた結果、国税太郎さんが納めるべき所得税は、161,600円であることが確認できます。ただし、住宅ローン控除が140,000円あるため、直接差し引いた21,600円が納めるべき所得税となり、これに2.1%を乗じた金額453円を加えた22,053円が納めなければならない税金ということになります。国税太郎さんは、すでに所得税と復興特別所得税を合わせて28,900円納めているのですが、ふるさと納税を行ったことによって、本来納めるべき税金は、22,053円で済むことになりました。つまり、28,900円から22,053円を差し引いた6,847円が本来納めるべき税金よりも多く納めていることになるため、この金額が還付(戻ってくる)お金となります。手引きが公開されているため、確定申告書をe-taxで作成するのは簡単ふるさと納税の寄附金控除を確定申告で適用することに対して、抵抗がある方は、とても多いと思いますが、実のところ、会社員や公務員のように普段、確定申告と馴染みが無い方であったとしても、手順通りに行うことで、誰でも簡単に確定申告書が作成できる手引き(マニュアル)が公開されています。こちらにつきましては、同サイト内で公開している別の記事で紹介しておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。確定申告が無理そうな方は、ワンストップ特例制度の活用を検討しましょうふるさと納税の節税効果を受けるには、すでに紹介した確定申告を行うほかにも、ワンストップ特例制度を活用するといった方法もあります。ワンストップ特例制度とは、基本的に確定申告が不要となっている会社員や公務員などのように、給与の支給を受けている方が制度の対象で、この制度を活用しますと、確定申告を行わなくとも、先に紹介した個人住民税における寄附金税額控除を受けることができます。ただし、ワンストップ特例を活用するには、ふるさと納税をする地方自治体に対して特例の適用に関する申請書を提出する必要があるほか、その年の1月1日から12月31日までの1年間を通じて、5つ以下の都道府県や市区町村に対して行った場合に活用できるなどの条件があります。なお、ふるさと納税の節税効果は、確定申告を行ったとしても、ワンストップ特例制度を活用したとしても、節税効果は同じになるため、特に、会社員や公務員の皆さまは、どちらの方法も確認した上で、活用しやすい方を選ぶのが望ましいでしょう。まとめふるさと納税を行った寄附金は、所得税法上では所得控除となり、個人住民税の寄附金税制においては税額控除となることがわかりました。所得控除・税額控除のいずれにしましても、ふるさと納税の節税について、確定申告をした場合もワンストップ特例制度を活用した場合も効果が同じところが大きなポイントになります。ただし、所得税の還付金や住民税の税額控除される金額は、確定申告を行った場合とワンストップ特例制度を活用した場合では、金額が異なるため、どのように異なるのか、比較したものを確認しておくことも大切です。この辺の比較シミュレーションも公開しておりますので、本記事と併せて、以下、記事を読んでみることを強くおすすめします。
2018年12月05日確定申告とは確定申告とは税金を納める事は国民の義務なので、所得があった人は、所得に応じて所得税を払う必要があります。所得税を払うために「いくら所得がありました。その結果、所得税をいくら払います」と自分で税務署に申告します。この税務署に対していくら所得があって、所得税がいくらになるかを申告する行為が「確定申告」です。 その年の1月~12月分の収入分の税金額を計算し、翌年の2月15~3月15日に申告します。新築、中古の家を購入したら確定申告するの?新築、中古を問わず、家を購入したら確定申告をしなければいけません。「住宅ローン控除」を受けるための手続きは、勤め先を通じた簡易な手続きである「年末調整」ではできないため、1年目だけは自分で税務署に手続き(確定申告)をする必要があます。会社への提出を忘れてしまう「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」確定申告後に税務署から「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」がこれから先の数年分がまとめて送られてきます。会社勤めの方は、年末調整に必要な書類として「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」を1枚づつ提出する必要がありますので、無くさないように大切に保管しておきましょう。住宅ローン控除「住宅ローン控除」とは、マイホームを一定の条件のローンを組んで購入したり、省エネやバリアフリーなど特定の改修工事をしたりすると、年末のローン残高に応じて税金が戻ってくる制度のことです。この制度を受けるには、所得が3,000万円以下であることや返済期間が10年以上の住宅ローンであることなど、色々と条件があり後程説明します。以下の要件に当てはまる方について、ざっくり言うと、10年間ローン残高の1%に当たる税金が戻ってきます(2018年に家を買った場合)。住宅ローンと確定申告の関係住宅ローン控除の条件・新築の場合(1)新築又は取得の日から6か月以内に住んでいること(2)借り入れした人の所得金額が3,000万円以下であること(3)登記簿に登録されている床面積が50㎡以上であること(4)床面積の2分の1以上が自分の居住用であること(5)ローンの返済期間が10年以上であること・中古の場合(1)マンションなどの耐火構造物は、取得の時点で築25年未満であること(2)耐火構造物でなければ取得の時点で築20年未満であること。または一定の耐火基準をクリアしていること(3)生計を一にする親族からの購入ではないこと(4)贈与された家ではないこと主に上記の条件を満たしているマイホームを購入した時に、住宅ローンの残高(最大4,000万円まで)のうち、1%の所得税控除を10年間受けることが可能になります。控除を最大限利用すれば、年間40万円まで所得税からの控除(所得税が40万円以上の場合)を、10年間受け続けることが可能です。※ここで覚えておきたい控除という表現ですが、支払った所得税または住民税分から還付・相殺されますので税金を支払った以上の還付はないようです。確定申告に必要書申請類はどこで手に入る?【主な手続き方法】(1)税務署から確定申告書を入手し、記載して税務署に持参か郵送(2)税務署に行き、税務署の確定申告書作成コーナーでe-taxを使用して確定申告書を作成・申請(3)国税庁のサイトから確定申告書を入手し、記載して税務署に郵送(4)国税庁のサイト上で確定申告書を作成し、インターネット(e-tax)で申請お住まいの地域の税務署で確定申告の書類が手に入ります。また、わざわざ税務署に行かなくても、郵送やインターネットでも手続きが可能です。インターネットで書類作成をする大きなメリットは、まず手間が少ないことです。さらに、必要な部分に金額などを入力していくだけで計算が自動的に行われて書類が作成されるので便利ですね。ミスが起こりにくいメリットもあります。また、国税庁のサイトではQ&Aなどの情報も充実しています。何かわからないことがあっても調べやすく、自分の都合のいい時間に作業ができるのも良い点ですね。ネットの場合は国税庁のサイトに確定申告書作成コーナーがありますので、チェックしてみて下さい。最近の確定申告はこんなに便利になりました2017年の確定申告(平成28年度分の確定申告)には、マイナンバーと、本人確認書類が必要になりました。(1)マイナンバーカード(個人番号カード)をお持ちの方はマイナンバーカードだけで本人確認が可能です。・表面のコピー・裏面のコピーマイナンバーカードは、顔写真入りで、ICチップが埋め込まれたカードです。マイナンバーカードをお持ちでない方は番号確認と身元確認ができる書類が必要です。(2)マイナンバーが確認できる書類+身分証明書通知カード・住民票の写し・住民票記載事項証明書(マイナンバー記載のあるものに限ります)上記のどれかと、身分を証明できるものが必要です。・運転免許証・パスポート・在留カード・健康保険証・身体障害者手帳そして、申告書には、「マイナンバー」を記載する欄がありますので、そちらに「マイナンバー」を記載します。扶養家族がいる場合は、家族全員分のマイナンバーも記載します。確定申告でマイナンバー通知が始まり、手間に感じられる方が多いかもしれませんが、そのおかげで住宅ローン控除の確定申告で必要な住民票添付が不要になりました。マイナポータルの運用が始まると同時に、地方公共団体などとの情報連携も始まります。そのため、住宅ローン減税の手続きで必要だった住民票の写しを準備しなくてもよくなるのです。サラリーマンの場合、住宅ローン減税の手続きに決まりがあり、初年度の手続きには住民票の写しを添付する必要があります。役所に住民票の写しを取りに行くのは少々面倒ですよね。しかし、マイナンバー通知により住民票の添付が不要になり確定申告もかなり便利になりました。
2018年01月22日「『高所得者の負担を増やす』というと大きな反発もなく、法律が成立することがよくあります。でも、法律は『小さく産んで大きく育てる』ものだと政治家たちは言います。つまり、抵抗の少ない高所得者から導入し、あとは少しずつ改正を重ねながら、中所得者へ、そして全体へと枠を広げていくのです。決して人ごとではないと、捉える目を持ちたいものです」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。最近の税や社会保険などの負担増の矛先は、高所得者に集中。特に’18年8月以降は、高所得者の高齢者の負担が一気に増える。しかし、これらの負担は、次第に国民全体に広がっていくのが通例だという。そんな、高所得者の負担増を荻原さんが解説。 「まずは介護保険です。’00年から始まった介護保険は、当初、一律1割負担で介護サービスを受けられるというものでした。国全体でかかった介護費用は、’00年には約3兆6,000億円でした。ところが、’14年には約10兆円を超えました。介護保険料も、当初は月2,911円でしたが、’14年には月5,000円を上回り、’25年には月8,000円を超えるとの予測もあります」 そこで’15年8月に介護サービスの2割負担が導入された。2割負担の対象は、年金収入等が280万円以上の人(単身で年金収入のみの場合・以下同)だった。 「それからわずか3年、’18年8月からは、3割負担が導入されます。年金収入等が344万円以上の方で、介護サービス受給者の約3%に当たります。ただ、3割負担になっても、高額介護サービス費制度で毎月の自己負担上限が決められています。今のところ、高所得者の方でも月4万4,400円を超える分は、申請すれば返金されますので、大きく負担が増えることはないでしょう」 8月には、医療費にかかる高額療養費制度も70歳以上の人の自己負担上限額の引き上げがある。 「医療費は、70~74歳までの方は原則2割負担、75歳以上の方は原則1割負担ですが、現役並みの所得があれば70歳を過ぎても3割負担です。高額療養費制度とは、病院などを受診して、負担割合に応じて支払った医療費の1カ月分の合計金額が一定水準を超えたと申請すれば、超えた分が返金される制度です。’18年8月以降は、病院の窓口で3割負担となっている現役並み所得の高齢者の負担上限が上がります。加えて、一般的な収入の高齢者が外来を利用する際にも負担が増えます」 また、現役世代の高所得者も負担が増えている。 「’18年1月から実施される配偶者控除・配偶者特別控除の引き上げでも、詳しく見ていくと、世帯主の年収が1,120万円を超えると控除額が減り、1,220万円を超えると控除がなくなります」 ’17年まで配偶者控除を受けていた世帯ではかなり負担が増える。 「8月には介護保険料の総報酬割が導入されます。これまで健康保険組合ごとに組合員の人数によって割り当てていた介護保険料を、組合員の給料も加味して介護保険料を決定する仕組み、つまり総報酬割に変えることです」 総報酬割が導入されると、給料が高い大企業の健康保険組合の負担が重くなる。すなわち、これも高所得者の負担増に当たる。 「また、6月にある給与所得控除の改正は、それまで年収1,200万円超で最高230万円控除されていたものが、’18年からは住民税で、年収1,000万円超で200万円の控除と、縮小されます。控除が縮小されると、それだけ税金が増えるので、高所得者にとっては負担増ということになります」 ’18年度の税制改正大綱には、会社員の給与所得控除のさらなる減額や、高所得の高齢者には公的年金等控除の減額も盛り込まれると、先日決まったばかり。高所得者への負担増については、「お金持ちだから、それくらい負担して」と、問題視しない人が多いが、注意深く見守らなければいけないようだ。
2018年01月01日さがみ農業協同組合(以下、JAさがみ)と富士通エフサスは28日、状況に応じたきめ細かな提案で生産者の所得向上目指す「営農台帳システム」を新たに構築、稼働に至ったことを発表した。JAさがみと富士通エフサスは、2013年4月より管内すべての農家の所得向上に向けたセッションを約3年間にわたり重ねている。識者や関係省庁、大学教授やレストラン経営者など、多様なメンバーが参加する"フューチャーセッション"から約350の施策を導き出しており、今回稼働した「営農台帳システム」はそれら施策の一つとなる。「営農台帳システム」は、富士通システムズ・イーストの「FUJITSU インテリジェントソサエティソリューション NetSeeds」をベースに、農家やJAさがみ職員の個別の「現場情報」が加えられ、栽培ノウハウを可視化することで個々の農家にあわせた現場重視の対応ができる。JA全農(全国農業協同組合連合会)では、地域農業の担い手である農業経営者を重点顧客と考え、現場の声を収集し業務改善につなげるTAC(Team for Agricultural Coordination)活動を推進している。新システムでは、このTAC活動の強化はもちろん、マーケットからのニーズに対する最適なマッチングを含む具体的な販売戦略の企画、圃場における土壌分析、生育分析情報からの適切な施肥設計プランや、最適かつ充分な量の資材提案と、各農家の状況に応じたきめ細かな提案が可能になる。JAさがみは、システムの活用により、管内全ての農家の所得向上を目指すとともに、組合員や地域住民のニーズに応え、これまで以上に地域農業と地域社会を支える存在になることを目指していく、としている。
2016年03月29日パロアルトネットワークスはこのほど、米国で所得税申告を狙った税金申告に関連したフィッシングメールを確認したとセキュリティブログで明かした。フィッシングメールは、マクロを含んだMicrosoft Word文書が添付されており、添付ファイルを開いてWord上でマクロを実行することで「NanoCoreRAT」というマルウェアに感染する。NanoCoreは、.NETフレームワークで開発されたトロイの木馬で、ブラックマーケットなどで売買もされており、比較的入手しやすい。2015年3月ごろから注目を集め出し、エネルギー分野への標的型攻撃でも使われた。また、同4月頃からNanoCoreを用いた活動が増加し、6月以降は税金申告に関連するフィッシング活動が始まっている。同社の脅威インテリジェンスクラウドが収集したデータでは、件名に「レポート (report)」「税 (tax)」「セキュリティ (secure)」「個人識別番号 (pin)」「還付金(return)」と、税金申告に関連したキーワードが使用されていることがわかった。また、サイバー脅威インテリジェンスサービス「AutoFocus」のAPIとPythonを使用し、税金申告に関連したフィッシングメールのサンプルデータを収集し、さらなる分析のためのデータフレームワークを構築した。その結果、2015年9月2日から2016年1月28日の間の2062件の電子メールセッションで70件のユニークなマルウェアサンプルを確認した。それらの多くは、電子メールの送信元アドレスは偽装されていた。メール送信元のIPアドレスは主にmail2worldと呼ばれるフリーメールサービスのものであった。フィッシングメールの添付ファイルの一部はPEファイル(実行ファイル)で、それ以外は悪質なマクロを含んだWord文書であった。サンプルの1つ(119f3dd48e316f77974a7ec84c0fdecd943ceed77c30db9a6df0c1b0615b0ac0) には、マクロの有効化を促す指示が含まれていた。オープンソースのツールを使用すると、難読化されたファイルのダウンロード機能がWordのマクロに取り込まれる。メール添付ファイルに含まれているマルウェアを見てみると、ペイロードの大部分は「NanoCoreRAT」というマルウェアと、同マルウェアのダウンロードと実行を行う汎用のマクロダウンローダーで構成されていることがわかる。これらのフィッシングメールを受信した国は、不正なURLやメールの添付ファイル名に含まれる国コードの痕跡 (Indicator) と見られるものと一致している。これらの悪質なマクロ文書を分析すると、これら税金申告に関連するフィッシング攻撃では、攻撃のふるまいと攻撃インフラに重複する部分が含まれており、ほとんどのサンプルで6つのドメインが頻繁に使用されていた。同社は、NanoCoreRATの感染は今後も増加傾向にあると見ており、ユーザーに対して攻撃の起点となるWordファイルのマクロの危険性を改めて認識するべきと注意喚起している。
2016年02月24日所得が低い人ほどコメやパンなど穀類の摂取量が増える一方で、野菜の摂取量が少なく、栄養バランスのよい食事を摂れていないことが、厚生労働省の調査でわかりました。手軽に、そしてお金をあまりかけずに野菜の摂取量を増やすにはどうすればいいのでしょうか?節約アドバイザーのヨースケ城山さんに教えていただきました。■理想的な摂取量は野菜料理5皿厚生労働省は毎年、国民の健康状態などについて調査を行っており、去年は回答を得られた3,600世帯余りについて結果を分析しました。その結果、コメやパンなど穀類の1日の摂取量は、所得が200万円未満の世帯では男性は535g・女性は372gと、所得が600万円以上の世帯より20gから40g多くなっていました。一方、野菜の摂取量は、所得が200万円未満の世帯では男性が253g・女性は271gと、所得が600万円以上の世帯より40gから70g少ないという結果に。厚生労働省の「食事バランスガイド(基本編)」では、副菜(野菜、きのこ、いも、海鮮料理)と、1日に理想的な摂取量は野菜料理5皿程度としています。メニューは、1皿分として野菜サラダ、キュウリとわかめの酢の物、具たくさん味噌汁、ほうれん草のおひたし、ひじきの煮物、煮豆、きのこソテー、2皿分として野菜の煮物、野菜炒め、芋の煮っころがしが挙げられています。これだけ見てみると、ひとり暮らしではまず不可能なメニューですよね。それでは、どうすれば野菜の摂取量を増やせるのでしょうか?■1日の野菜摂取量を増やす方法(1)タニタのホームページを参考にして自炊するヨースケさんは、「そもそも、栄養バランスという意味では、厚生労働省のガイドはまったく参考になりません。民間のタニタのホームページの方が参考になります」といいます。タニタ食堂のレシピを毎日つくってもそれほどお金はかからず、栄養バランスのとれた食事がとれるとのこと。栄養バランスのとれた食事として理想的なのは、ごはんなど穀類の「主食」を基本に、肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質主体のメインのおかず「主菜」、たっぷりの野菜、きのこ、海藻などの「副菜」、そして「汁物」を組み合わせた和定食です。1日の必要摂取量を意識し、カロリーをとりすぎない工夫をすれば、ほぼ完璧でしょう。(2)野菜ジュースをネット通販でまとめ買いするそもそも厚生労働省が平成21年に策定した「21世紀における国民健康づくり運動:健康日本21」では、1日に350g以上の野菜を摂取することを目標としています。しかし、実際にはなかなか難しいですよね。特にひとり暮らしだと「忙しくて料理をつくれない」「ごはんやパンだけで食事を済ませてしまう」という人も多く、どうしても野菜不足になりやすい傾向にあります。「朝は忙しくてサラダを食べている時間もない」という場合、「コップ1杯、もしくは200mlパック1個の野菜ジュースを飲むようにすればいい」とヨースケさん。野菜ジュースはどこのコンビニでも売っているので、通勤途中に簡単に野菜成分を摂れます。「野菜ジュースでは栄養が摂れない」という意見もありますが、それは生の野菜と比較した場合であり、なにも飲まないよりはマシ。複数種類の野菜が入った100%野菜ジュースを選べば栄養バランスもよく、野菜がもつさまざまな栄養を摂取できます。ただ、果物や糖分入りの野菜ジュースは甘くて飲みやすいのですが、糖分・カロリー過多になりやすいので、健康のためにもできるだけ避けた方がいいです。野菜ジュースはあくまで野菜不足を解消することを目的とした補助的な食品。あまり飲みすぎるとカロリーが気になるので、1日1杯を目安に飲みましょう。ちなみに「野菜ジュース」「処分品」で検索すると、格安の野菜ジュースが手に入るとのこと。それらを3ケースくらいまとめ買いしておけば、2ヶ月分は確保できます。単価約40円~70円ですから、それなりのコストパフォーマンスになるはず。しかし、これだけで1日350gの野菜の栄養素が摂れるわけではないので、あくまでも補助的な要素として活用していきましょう。(3)野菜たっぷりのお好み焼きをたくさんつくる最終手段は、お好み焼きです。個人ブログ『関内関外日記(内)』の、「貧乏だから野菜が食えないとかいうのは毎晩お好み焼きを食べないやつの戯言にすぎない」という記事が話題になっていました。たしかに、お好み焼き粉は500gで300円前後、卵10個で200円前後、キャベツ1玉で150円前後、お好みソースは300gで250円前後。さらにトッピングの鰹節を買っても、合計で1,000円未満です。しかも、お好み焼き粉250gで2~3人前。大体4枚は焼けるので、2日間はお好み焼きでいけます。これなら、1日の食費が250円もかかりません。飽きたら、キャベツ以外の野菜でお好み焼きをつくるといいでしょう。*野菜不足になるのは、日持ちしない野菜をどうやって摂ればいいのかわからないから、という部分も大きいです。まずはタニタ食堂のホームページを見て、いろいろな野菜の食べ方を知ることから始めてみましょう。(文/水野渚紗)【取材協力】※ ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。ブログ『節約アドバイザーヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。【参考】※食事バランスガイド(基本編)-e-ヘルスネット※タニタ食堂ヘルシーレシピ【毎週更新】からだカルテ-株式会社タニタ※貧乏だから野菜が食えないとかいうのは毎晩お好み焼きを食べないやつの戯言にすぎない-関内関外日記(内)
2015年12月23日