東ちなつの個展「ESSENTIAL」が、2022年11月16日(水)から11月26日(土)まで、恵比寿・ALにて開催される。東ちなつとは?東ちなつは、繊細な描線と甘いカラーリングによって、フェミニンなハピネスを描き続けている人気アーティスト/イラストレーターだ。他と類を見ない創作手法が特徴で、ドローイングとペインティングを軸に、シュガークラフトなど、平面と立体を行き来しながら独自の世界を表現している。過去には雑誌『SPUR』でグッチ(GUCCI)とのアートコラボレーションを手掛けたほか、ユニクロ(UNIQLO)のキッズTシャツもデザインするなど、多岐に渡るジャンルで活躍の場を広げている。新作アートなど、約50点の展示・販売「ESSENTIAL」は、そんな東ちなつが約4年ぶりに開く都内での個展だ。期間中は、丸型キャンバスを“ケーキ”に見立て、実際にケーキナイフやパレットナイフなど、製菓道具と画材を駆使して制作したという新作を中心に、「りぼんにお願い」挿画シリーズから自薦した原画も含め、約50点の展示・販売を行う。初の“トーストアート”展示も今回「ESSENTIAL」で初展示される、SNSで話題のトーストアートも必見。キャンバスに見立てた本物のトーストには、ファンシーなアニマルや、温かなニットのモチーフを砂糖細工などで表現。トーストであることを忘れてしまうほど、ロマンティックかつ繊細なアートに魅了される人も多いはずだ。なお展示期間中は、これまで東が制作したトーストをまとめたZINEも先行発売。こちらも合わせて是非チェックしてみて。【詳細】東ちなつ「ESSENTIAL」会期:2022年11月16日(水)~11月26日(土)会場:AL住所:東京都渋谷区恵比寿南3-7-17開館時間 : 12:00~19:00※最終日のみ~18:00。会期中は無休。※本会場での展示作品は、期間限定ECサイトでも公開し販売予定。※トーストアート(2点)は、食品につき展示のみ。非売品。
2022年11月18日来年1月から2月にかけて上演されるミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』の全キャストが発表された。本作は、『オペラ座の怪人』や『キャッツ』、『エビータ』など数々の名作ミュージカルの作曲で知られるロンドン・ミュージカル界の巨匠、アンドリュー・ロイド=ウェバーと、『We will Rock You』を手がけた人気作家ベン・エルトンによるミュージカル。北アイルランド紛争のドキュメンタリー番組に胸を打たれたベンが実話をもとに書き上げた作品で、サッカーに青春のすべてを懸け、逆らうことのできない運命に翻弄されながら戦っていく男と、そんな男を愛する女、その仲間たちの鮮烈な人生が描かれる。演出は、気鋭の劇作家・演出家の瀬戸山美咲がミュージカル初演出に挑戦する。主演は、ミュージカル初挑戦となるジャニーズWESTの小瀧 望。小瀧演じるひたむきにプロサッカー選手を目指すジョン・ケリーの恋人メアリー役には、ミュージカル界のトップ女優として数多くのヒット作に出演する木下晴香。ジョンのサッカーのチームメイトとして共に青春時代を過ごすも、内戦によってそれぞれの道へ進んでいくことになるトーマス役には、舞台を中心に活躍し近年は映像作品にも数多く出演する東 啓介。奔放且つ進歩的なクリスティン役には、ミュージカルを中心に活動し話題作に多数出演する豊原江理佳。バーナデット役には、秋に上演された主演ミュージカル『シンデレラストーリー』での演技が話題となった加藤梨里香。また、ダニエル役には、歌手としての活動に加えてミュージカル作品でも存在感を発揮する新里宏太。ジンジャー役には、ダンサー・振付師としての活動に留まらず俳優としても舞台・映像作品に出演する皇希。デル役には、デビュー翌年にミュージカル主演を務めるなど実力派俳優の木暮真一郎。そして、サッカーチームの監督であり若者たちの行く末を常に案じている父親的な存在のオドネル神父役は、ベテラン益岡 徹が演じる。■木下晴香(メアリー)コメント本作の出演が決まった時は、とても惹かれていた作品だったので、すごく嬉しかったです。共演するキャストの方々も同世代の方が多く、役者としても青春を感じられる日々になりそうですし、初めて日生劇場の舞台に立たせていただくのも楽しみです。瀬戸山美咲さんとは、’21年末に瀬戸山さんが脚本を書かれた舞台(『彼女を笑う人がいても』)でご一緒して以来、瀬戸山さんが紡ぐ言葉の力のファンです。また、宣伝用の扮装撮影の際に、"またご一緒できて嬉しい"、"今日ですごくイメージが湧きました"と言っていただけたことは、すごく力になりました。私とサッカーのつながりですが、出身地にJ1リーグのチーム(サガン鳥栖)があり、サッカー場の近くの施設でよくテスト勉強をしていたので、歓声や「ゴール!」という声をよく耳にしていました。この作品は青春のポップな部分もありつつ現実がしっかり描かれていて、物語と楽曲の幅の広さが印象的でした。若いからこそのエネルギーや輝きや繊細さ……色々なものがギュッと詰まっていて力強い作品だなと思います。宗派の違いによる衝突が物語の根底に流れているので、日本のお客様に届ける上で、そこにいかに説得力を持たせられるか……皆さんと一緒にしっかり現実味を持って作っていきたいです。役柄については、多感な時期であることを大切にしながら、メアリーがひとりの女子学生から成長していく姿や、強くならざるを得ない運命を丁寧に描いていきたいです。『ザ・ビューティフル・ゲーム』は、懸命に生きる若者たちのエネルギーと人生が詰まった作品です。魂込めて挑みますので、ぜひ楽しみにしていてください。■東 啓介(トーマス)コメント今回この作品に出演する事が出来て、本当に嬉しいです。素敵なキャストの皆様とお芝居や歌を歌えること、とても楽しみです。台本を読ませていただいた時、とても心に突き刺さる作品だと率直に感じました。宗教や、この時代の環境、今でも誰しもに当てはまるものが詰まっているので、見てくださるお客様一人一人が、誰かに共感するところがあるなと思いました。これからの稽古が楽しみです!僕が演じるトーマスは強い信念を持ち、正義感もある。そんな役柄かなと今は感じています。演じるにあたって、トーマスなりの正義を表現できたらと思っています。そして、それゆえのすれ違い、悲しさなどもしっかり見せることが出来たらなと思っています。観に来て下さる皆様の心に何か残るようなそんな作品だと思っています。稽古の中で、よりこの作品を深めて素敵な作品にしていきたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください!!■豊原江理佳(クリスティン)コメント出演のお話しをいただき、生きる情熱に溢れた本作に参加できることに感激しました。また日生劇場は私にとって思い出のある場所でしたので、嬉しかったです。瀬戸山さんは、私が今年4月に出演していた作品(ミュージカル『EDGES』)を観に来てくださっていて、「あのパッションがまさに役にぴったりです!」と扮装撮影の際におっしゃってくださり、嬉しかったですね。稽古が始まったら、役や作品についてたくさん瀬戸山さんと話し合いながら素敵な作品にしたいです。作品の最初の印象は、まず「若さ」「情熱」「愛」、そして「本当に大切なもの」というイメージが浮かびました。クリスティンを演じるにあたっても、役と誠実に向き合い、今までやったどの役にも重ねず、自分の役と、自分と、一から向き合いたいです。劇場は、普段なら叶わない、言葉以上のコミュニケーションができる特別な場所だと信じています。この作品を通して、どんなメッセージを共有できるのか、私も今からドキドキしています。劇場でお待ちしています!■加藤梨里香(バーナデット)コメントアンドリュー・ロイド=ウェバー作品に出演できることがとても嬉しく思いました。また、同世代の素敵な俳優の皆さんが揃っているので、お稽古でたくさん刺激をいただけると思いましたし、一緒に作品創りをしていけるのが本当に楽しみです。扮装撮影の時、支度を終えて瀬戸山さんにお見せした時に、「バーナデットだ!」と言っていただけたのが印象的でした。話をさせていただく中で、ひとつひとつ丁寧に向き合ってくださる印象があったので、お稽古ではどんな風に作品創りをしていけるのか、とても楽しみです。この作品は、青春群像劇のような爽やかさもありながら、若さ故の危うさや心の不安定さがずっと漂っている印象を持ちました。この時代の北アイルランドのことを知ることがとても必要なことだと感じました。私とサッカーとの繋がりですが、小さい頃、地元J1チームである川崎フロンターレを応援していてキッズサポーターのメンバーズに入っていました! でも私は球技が苦手なので、今作では応援する側の役で安心しました(苦笑)。バーナデットは争いのない平和で穏やかな日々を心から願っている人という印象を現時点で持っています。彼女の目に映る現実はどんなものなのか、彼女にたくさん寄り添って考えていきたいです。そして、この作品に生きる登場人物たちの激動の日々を、お客様が一緒に心を動かしながら見守っていただけるよう、丁寧に作品と役と向き合っていきたいと思っています。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。お待ちしております!■新里宏太(ダニエル)コメント僕自身、サッカーが本当に大好きで、学生時代はずっとサッカーをしていました。勝手にこの時期はW杯シーズンで盛り上がっているところに、このお話を頂きご縁を感じました!瀬戸山さんとは今回初めて御一緒するのですが、早く想いを汲み取って自分なりの解釈でキャストの皆さんとスタッフの皆様と力を合わせてこの作品に向き合いたいと思います。サッカー。友情。愛情。そして、紛争。今の世の中にはとてもメッセージの強い作品だと思います。この時期にこの作品に携わらせて頂けることをしっかり噛み締めて挑んでいきたいです。僕は幼少期からずっとサッカーしていました。怪我もあり途中でリタイアしましたが今は友人達とフットサルもしますがサッカー観戦、そして何より休日はサッカーのゲームしかしておりません。笑僕が演じるダニエルは、争いと共存していく役です。彼のとてつもなく重い決断にしっかりと向き合って役作りをしていきたいと思います。今回この作品に携わらせて頂く事、改めて幸せに思います。今のこんな時期だからこそ大切なメッセージが沢山詰まってるこの作品を沢山の方に見て頂きたく思います。■皇希(ジンジャー)コメント出演が決まった時は素直に嬉しい気持ちでした! ただ、今回の作品と向き合えば向き合うほど考えることが多く、不安な気持ちもあります。この今の気持ちとも向き合いながら、初日までの時間を過ごせたらなと思います。作品については、簡単に語れる内容の作品ではないなという印象です。宗教、戦争など、今の自分の日常生活では正直実感できない題材なので、少しずつ自分のペースで勉強しながら、演出の瀬戸山さん、共演者の皆さんとの稽古を経て、作品と役を体に馴染ませていきたいと思っています。僕とサッカーとのつながりですが、小学生の時の休憩時間にグランドでよく走り回ってやっていた記憶があります! でも、凄い下手くそでしたが(笑)。演じる役柄についてですが、扮装撮影の時に瀬戸山さんから、「純粋に、素直にというのが、逆にジンジャーの儚さを際立たせる」というようなニュアンスの言葉をいただきました。役作りのヒントとして、そこは大事にしたいなと思います。あとは「ピュアな恋愛」というキーワードも撮影中の雑談で出てきたので、そこも楽しみですね(笑)。今回の作品への出演は、僕の中では大きな挑戦です。少しの不安と大きなワクワクをもって、作品と向き合おうと思います! 劇場でお待ちしております!■木暮真一郎(デル)コメント本作の出演が決まった時は、私事で恐縮なのですが、少し悩んでいる時期に頂いた、嬉しいニュースだったので喜びも一入(ひとしお)でした。この機会に感謝しつつ、頑張りたいと思います。アンドリュー・ロイド=ウェバーさんの楽曲でサッカーと宗教問題を描くミュージカルということで、楽しみでもありますが、僕にとって、今までにない新たな挑戦になるだろうなとひしひしと感じております。覚悟を持って稽古に臨みたいと思います。僕とサッカーの繋がりについてですが、実は小学生の頃、数年間サッカーをやっていました。当時は周りの友達に感化されて始めましたが、今になってサッカーに触れる機会が訪れて不思議な気持ちです。友達がみんな上手くて、小学生ながら勝手に疎外感を抱いていたので、役柄的にその経験が今回の作品の糧になればいいなと思っています。僕が演じるデルという若者は、チームの中で唯一“プロテスタント”の家庭で育ったという設定で、舞台上でも共演者の皆さんとは、どこか違った存在感で居られる様に稽古場で模索できたらなと思っております。観劇後、お客様の心に何か一つでも残せるように一生懸命頑張りますので、劇場でお待ちしています!■益岡 徹(オドネル神父)ミュージカルは3作品目です。それも、この5年間のことで、今回も稽古場で、舞台で、いろいろ学びたいと思います。演出の瀬戸山さんと、ポスター撮りの時にお目にかかりました。扮装をした姿をご覧になり、「演出のヒントになる」と言ってらっしゃいました。瀬戸山さんと皆さんとの稽古が始まるのが、とても楽しみです。この作品の時代背景となる1969年は、IRAと英国との衝突が激化していった頃で、その歴史をケン・ローチ監督等の映画の助けも借りて、勉強しなければ、と思っています。サッカーで思い出すことですが、自分の中学・高校時代のサッカーボールは革製で、雨で濡れると、とても重くなり、うかつにヘディングすると、衝撃がすごくて、首を痛めた事を覚えています(笑)私の演じるオドネル神父は強い気持ちと言葉で、若者を鼓舞し、自らも一緒に戦っているイメージです。そのイメージを、大切に演じたいと思います。<公演情報>『ザ・ビューティフル・ゲーム』作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー作詞:ベン・エルトン上演台本・演出:瀬戸山美咲出演:小瀧望(ジャニーズWEST)/ 木下晴香 / 東 啓介 / 豊原江理佳 / 加藤梨里香 / 新里宏太 / 皇希 / 木暮真一郎 / 益岡 徹今村洋一 / 江見ひかる / 岡本拓也 / 尾崎 豪 / 後藤裕磨 / 齋藤信吾 / 酒井比那 / 酒井 航 / 鮫島拓馬 / 社家あや乃 / 田川颯眞 / 富田亜希 / 中野太一 / 広瀬斗史輝 / 松田未莉亜 / 宮崎 琴 / 門馬一樹 / 安井 聡 / 吉田萌美 / 渡部光夏【東京公演】公演期間:2023年1月7日(土) ~26日(木)会場:日生劇場【大阪公演】公演期間:2023年2月4日(土) ~13日(月)会場:梅田芸術劇場 メインホール【チケット情報】S席:14,000円A席:9,000円B席:4,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)一般発売日:2022年11月26日(土) 10:00~購入リンク:【お問い合わせ】東京公演:東宝テレザーブTEL:03-3201-7777大阪公演:梅田芸術劇場メインホールTEL:06-6377-3800(10:00∼18:00)公式サイト:
2022年11月04日ピアニストとしてその音楽性を深めながら、デビュー以来継続して行っている全国ツアーで、自分がその時に向き合いたいと心から感じる作品を披露してきた外山啓介。今回彼が選んだのは、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンのソナタを軸にしたプログラム。初めに決まったのは、ベートーヴェンのピアノソナタ第12番「葬送」だったという。「もともとコロナの影響で中止になった公演のプログラムに入れていたのですが、その後、コンサートが少しずつ再開したばかりの頃はまだ弾く気持ちになれず、一度横に置いてありました」外山はこれまでにもたびたびベートーヴェンのピアノソナタをプログラムに入れてきた。このソナタは、古典派からロマン派の過渡期における「扉を開きかけた作品」だと感じるという。「改めて最近、ベートーヴェンの時代の楽器の進化はすごく、それによって和声など音楽の可能性が広がっていったことを感じています。それまでのピアノソナタでは終楽章に重点が置かれていたのが、この葬送は、フィナーレもつかみどころがなく不思議なところがある。サプライズがたくさんある作品です。ベートーヴェンのピアノソナタ全曲を演奏しようという計画はありませんが、死ぬ時に、“あぁ、全部弾いたなぁ”と思えたらいいなとは思っています。今回は、自分の次の扉を開いてみたいという気持ちで取り上げることにしました。ベートーヴェンにとってピアノソナタは大切なジャンルのひとつで、その時の心情をのせた、いわば自分の身代わりのような存在だったのではないかと思います。後世の作曲家にも多大な影響を与えました。絶対に知っていなくては、先に進むことができません」そんなベートーヴェンのソナタに関連させる形で、モーツァルトとショパンのソナタも選んだ。「モーツァルトのピアノソナタ第11番《トルコ行進曲付き》は、1楽章が変奏曲で書かれているところなど、ベートーヴェンの葬送に影響を与えたと言われる作品です。また、ショパンの葬送からは、ベートーヴェンの葬送を意識していることが感じられ、改めて弾いてみると、特に4楽章など指のまわり方がよく似ています。一方で興味深い違いもあります。以前ある方から、国や宗教によって死への価値観が違う、死は全てから救われて苦しみのない世界にいくことだと認識されている地域もある、と聞きました。葬儀の行進にも、行きは暗い音楽、帰りは明るい音楽を奏でる文化があるそうです。今回取り上げるふたつの葬送には、どちらも天国への憧れ、現世の苦しみからの解放という意味があると思います。ただショパンのほうは、解放された先が人間には触れられない天上の出来事、一方のベートーヴェンは、もう少し現世の感覚に近いというか、騒がしさや華やかさがあって、捉え方の違いを感じます」「演奏することを楽しみたいし、みなさんにも楽しんでいただきたい」外山啓介 (c)Yuji Hori後半はそんなショパンの「葬送」につなげる形で調性を意識し、プレリュード「雨だれ」(変ニ長調)、ノクターン第7番Op.27−1(嬰ハ短調)、第8番Op.27−2(変ニ長調)を弾く。「変ロ短調のソナタの前には、平行調で書かれたOp.27-2のノクターンを置きました。もともとこのノクターンはすごく好きな作品。さらに平行調は似て非なるもので、背中あわせのようなところもあります。Op.27のふたつのノクターンの調性的なつながりも気に入っています。プログラミングの可能性は無限大で、逆にある意味すごく難しいのですが、僕は調性につながりのあるものが一番きれいだと感じるのです」マスターピースといわれるショパンの「葬送」については、どう自分の解釈を見つけていったのだろうか。「昔から、何かが燃えさかるようなところのある曲だと感じていました。ただその考えに凝り固まらないよう、一度頭を柔らかくして楽譜を見直してみると、改めていろいろな指示が書かれていると気がついて、とにかくシンプルに、楽譜に誠実に弾いていけばいいと思いました。熱く弾き進める部分と、冷静に、細かい色のニュアンスを表現していく部分をうまく両立させたいですね」今回のプログラムも、弾けば弾くほど難しく感じるようになったという。「自分では、ちょっと弾けるようになったぐらいが一番うまいと思えるものですが(笑)、それから本番で弾くうちあれこれ考えるようになって、葛藤がはじまります。それが昔よりもしんどいのは、ステージで演奏することの重みを一層感じるようになったからかもしれません。でもやはり、演奏することを楽しみたいし、みなさんにも楽しんでいただきたい。だから今回も、新しい可能性を自分で開いていく気持ちで、シンプルにがんばることに心を決めました」恒例となっているサントリーホールでのリサイタルでも、自然体で、今できるベストの音楽を届けたいと語ってくれた。外山啓介ピアノ・リサイタル《モーツァルト~ベートーヴェン~ショパン》9月24日(土) 14:00 開演/13: 15 開場サントリーホールプログラム:モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11 番「トルコ行進曲付き」 イ長調 K.331ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第 12 番「葬送」 変イ長調 op.26ショパン:プレリュード第15 番「雨だれ」 変ニ長調 op.28 15ショ パ ン :ノクターン第 7 番 嬰ハ短調 op.27 1ショパン:ノクターン第8 番 変ニ長調 op.27 2ショパン:ピアノ・ソナタ第2 番「葬送」 変ロ短調 op.35※曲目・曲順等が変更になる場合がございます。取材・文:高坂はる香■チケット情報
2022年09月09日1960年代のアメリカ音楽シーンを代表するスター、ザ・フォー・シーズンズ。その栄光と挫折の日々を描き、2004年の初演から世界中で愛されているミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が、2020年のコンサートバージョンを経て、ついに本公演の幕を開ける。そこで前作にも参加した東啓介と、今回初参加となる有澤樟太郎のボブ・ゴーディオ役コンビに、作品にかける想いを語ってもらった。世界中の一般大衆から愛された4人の男たち――大人気を誇る『ジャージー・ボーイズ』ですが、本作がこれほどまでに愛される理由はどんな点にあると思いますか?東演じるボブ・ゴーディオの、「僕らをトップに押し上げたのは一般大衆だった」という台詞にもあるように、ザ・フォー・シーズンズって本当に今でも世界中で愛されているバンドなんですよね。そこをメンバーも理解していて、そういう人々のおかげで今の自分たちがいるんだと。それがこの『ジャージー・ボーイズ』という作品の人気にも繋がっているのだと思います。東啓介有澤ザ・フォー・シーズンズの曲自体、もちろん素晴らしいと思います。それとニュージャージー州から成り上がった男たちの物語が、ザ・フォー・シーズンズの生き様が描かれていることが、この『ジャージー・ボーイズ』という作品の魅力になっているんじゃないかなと。つまり彼らの生き様が魅力的だからこそ、多くの人に受け継がれていくような作品になっているのではないかと思います。――そんな作品に出演が決まった時の心境は?東僕は2020年版にも参加していて、当時決まった時は本当に喜びと嬉しさでいっぱいでした。ただコロナ禍の影響でコンサートバージョンになってしまって……。やっと今回本公演が出来るということで、前回出来なかった想いも重ねつつ、改めて気を引き締めて頑張りたいなと思います。有澤僕は映画版を観ていたのですが、とても華やかな作品ですし、憧れの気持ちをずっと抱いていました。そんな作品に携われるということで、とても嬉しい気持ちですし、また演じるボブ・ゴーディオさんがご存命ということで、プレッシャーを感じつつも楽しめたらなと思います。新しいボブ・ゴーディオ像を作っていけたら――ボブ・ゴーディオという役に対し、現状どのようにアプローチしていこうと考えていますか?東演出の藤田(俊太郎)さんとも話したことですが、本公演は今回が初めてということで、これまで作ったものは一旦クリアにして、改めて作り上げていきたいなと思っています。彼の頭の良さであったり、キレであったり、豪快さっていうのはもちろん取り入れつつ、いろいろ試してみるのも楽しいかなと。それこそ樟太郎くんとも話し合いながら、また新しいボブ・ゴーディオ像を作っていけたらと思います。有澤僕は今回が初参加なので、今はまだ歌稽古に集中している段階です。なので役作りに関してはまだまだですが、ひとりの天才というよりかは、ひとりの男として、人間味のある人物を作っていけたらいいかなと。そしてザ・フォー・シーズンズの4人がそろった時、またすごいエネルギーが発揮されると思うので、しっかりその一員として役を全う出来たらと思います。有澤樟太郎――今回は2チーム制で、東さんがチームBLACK、有澤さんがチームGREENに配されています。それぞれのチームのカラーを教えてください。東BLACKは前回のコンサートバージョンからメンバーも変わっていないので、すごくチーム感があると思います。特に初演から参加されているアッキーさん(=中川晃教)はこの作品のことを一番理解していると思うので、いろいろお話を伺って、チームとしての色をもっと濃く、強くしていきたいなと思います。有澤本当に個性あふれる、粒ぞろいのメンバーだと思います。それぞれフィールドも違いますし、どうなるのかわからない、その読めない感じがGREENの魅力じゃないかなと。みんながみんな、新しいものを作っていこうという姿勢で臨んでいるので、僕も心置きなく、役に集中していきたいと思います。しっかりと受け継ぎつつ、さらに越えていく――作品の大きな魅力となるのがやはり名曲の数々です。楽曲面でのおふたりの課題とは?東もう全部ですね(笑)。『ジャージー~』の歌い方って本当に特殊で、いろいろな声質を使い分けないといけない。体に馴染むまでが大変ですが、これが出来たら、絶対に歌はうまくなると思います。有澤日々使ったことのない脳の部分を使っている感じです。リズムやピッチにしても、歌稽古の段階できっちり合わせていかなければいけませんし、終わったあとはどっと疲れます(笑)。ただ吸収したいことはたくさんあるので、この貴重な稽古の日々を大切に過ごしたいですね。――本公演としては4年ぶりの上演ということで、待ちわびていたファンの方も多いと思います。改めてそんな皆さまにメッセージをお願いします。東本当に『ジャージー・ボーイズ』って根強い、熱狂的なファンの方が多いので、もちろん怖さもありますし、比較もされるんだろうなと思います。でも僕としては、純粋にこの作品の楽曲や物語の素晴らしさを楽しんでいただきたい。そしてこの作品が、夢や目標を追いかけ続ける糧になってもらえたらなと。そのために僕らも一生懸命頑張りたいと思います。有澤僕の周囲にも、『ジャージー・ボーイズ』が心に残る作品になっているという方はたくさんいます。そんな作品に自分が参加させてもらう上で、これまで作り上げられてきたものをしっかり受け継ぎたいという気持ちと、さらに越えたいという両方の気持ちがあって。ボブ・ゴーディオさんは途中から加入したメンバーで、僕も初めましてではありますが、皆さんの印象に残るものになればいいなと。そして出来ることなら……、優しく見守ってもらえると嬉しいです(笑)。東わかる~(笑)。取材・文=野上瑠美子撮影=古熊美帆ヘアメイク=(東)谷口祐人(amber_be)/(有澤)SHIOスタイリスト=(東)青木紀一郎(ALVARO)/(有澤)山田安莉沙衣裳=(東)ニットブルゾン ¥13,200(FDLT / サンマリノ TEL 03-3634-8411)・シューズ ¥26,400(ASICS RUNWALK / アシックスジャパン株式会社 お客様相談室 TEL 0120-068-806)・その他(スタイリスト私物)ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』2022年10月8日(土)~2022年10月29日(土)※プレビュー公演:10月6日(木)・7日(金)会場:東京・日生劇場チケット情報はこちら:
2022年08月31日【“孤独”を感じるあなたへ】馬場啓介 著『迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい』2022年6月14日刊行株式会社あさ出版(代表取締役:田賀井弘毅、所在地:東京都豊島区)は馬場啓介 著『迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい~No.1キャリアコーチが贈る心の重りを軽くするヒント~』 を2022年6月14日(火)に刊行いたします。自分の羅針盤を信じて進むあなたへの50のメッセージ近年、社会が急激に変化し、世間が正解を失い、無難のない、半歩先の未来も予測しにくい時代に突入しました。これからは、「自分の正解」を信じて生きていくか、「誰かの正解」に依存して生きていくかの二択になったと言えます。「自分の正解」を信じるためには「自分と向き合う」ことが大切です。本書は、「自分と向き合う」ことに苦手意識がある方、これまであまりしてこなかった方が、向き合うことを難しくする「思い込み」や「盲点」、自分との対話を楽にするポイントを知り、自分と仲良く、ご機嫌でいられる時間が増やせるようになるための一冊です。自分と向き合うことを難しくする「思い込み」や「盲点」を知る「自分と向き合うポイント」をいくつか知っていると、自分との対話は、とても楽しく、楽になります。自分との対話が楽しくなると、無駄に自分を責めたり、嫌ったりする時間も減り、自分と仲良く、“孤独”を感じず、ご機嫌でいられる時間が増えます。※以下本書から抜粋要約私は自己肯定感が低いからそもそも、自己をわざわざ自分で高く肯定する必要などありません。自己肯定感が低いことが問題なだけです。自己肯定感が低くない人は、自分の心配ばかりではなく、大切な人の心配もできている人です。自分の心配ばかりしている暇もない人です。人への関心や関わりの弱さが生み出す「暇」が、自己肯定感を下げる要因とも言えます。自己肯定感を高めたければ、周りに目を向け、「誰かのための視点」を持ってみる。これまで自分を応援してくれた人、今、支えてくれている人、そんな自分の周りの人の「思い」に感謝してみる。すると、自己肯定感は自然と高まってくるものです。難しい相手とうまくやる秘訣は?気難しい人、要領よく逃げる人、すぐ感情的になる人。「難しい」と感じるそんな人が気を遣わせ、誰かのパフォーマンスを下げています。ただ、そんな人を責めてはいけないし、変えようとしてもいけません。その人たちは、そんな自分でいることで「守っているもの」があります。では、どのように関わるべきなのか。そんな人が「守っていること」はさまざまですが、「求めていること」は同じです。誰だって、自分の存在が相手にとって必要な存在だと認められたいのです。だから、まず自分が相手を認めること。どんなに認めたくない人でも、関わらなければならない人であれば、良いところ、共感できるところを探しだし、先に認めてみてください。友達ができなくてSNSなどで人とつながりやすくなった半面、孤独を感じやすくなった現代社会。どういう関係性になれば「友達」と呼べるのかも、定義は非常に曖昧です。友達は、幻。人はひとりじゃないと思いたいので「友達」という存在を求めますが、自分が友達だと思っていても、相手がどう思っているのかはわかりません。では、孤独にならないためには、どうすればいいのか。「仲間」をつくることです。「仲間」とは、同じ目的地に向かっている人のこと。同じ目標に向かう仲間とは、無駄に仲良くなる必要もありません。ほどよい距離感で、自然と必要な会話が生まれ、お互いのことを知り、励まし合える仲になれます。友達がいないと思っている人も、「友達」と「仲間」の定義を分けて考えると、気持ちが楽になり、孤独を感じずに生活が送りやすくなるはずです。書籍情報表紙タイトル:迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい~No.1キャリアコーチが贈る心の重りを軽くするヒント~著者:馬場啓介ページ数:184ページ価格:1,540円(10%税込)発行日:2022年6月14日ISBN:978-4-86667-387-5 amazon: 楽天: 目次第1章「自分」のあり方を考える第2章「人間関係」を美しくする第3章「人生」を軽やかに歩く第4章「仕事」と向き合う著者プロフィール馬場啓介(ばば・けいすけ)著者:馬場啓介トラストコーチングスクール代表/マザーズコーチングスクール代表1980年、鹿児島生まれ。法政大学法学部卒。米国留学後、外資系人材サービス会社を経て株式会社コーチ・エィ入社。トップトレーナーとして国際コーチ連盟の試験官も務める。2009年トラストコーチングを設立。経済産業省や大手企業の人材育成担当を務める傍ら、「誰もがコミュニケーションを学ぶ文化を創る」をミッションに、国内外に累計約5000名の認定コーチを育成している。また、コーチングを取り入れたコミュニケーションプログラムを導入しての幼児教育も手がけ、各地の教育委員会の後援を受け、「いじめ」や「孤独」などをテーマにした講演などで、コミュニケーションの重要性を伝える活動に力を入れている。著書に『「キングダム」で学ぶ最強のコミュニケーション力』(集英社インターナショナル)、『鏡の中のぼく』(キングベアー出版)など。【報道関係各位】『迷ったら、自分を好きでいられるほうを選べばいい』リリース.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月06日1月28日(金)にLINE CUBE SHIBUYAで開催される『Japan Musical Festival 2022』。出演は中川晃教、加藤和樹、知念里奈、田代万里生、藤岡正明ら実力派から花村想太、木下晴香、東啓介ら勢いのある若手俳優、歌舞伎界の新鋭にしてミュージカルでも注目されている尾上右近のほか、鈴木勝吾、平野良といった主に2.5次元作品で人気を博している俳優が名を連ねる。さらに2月上演予定の新作ミュージカル『The View Upstairs‐君が見た、あの日‐』からは平間壮一、小関裕太をはじめとするカンパニーが揃って出演。加えて井上芳雄と海宝直人の映像出演も決定、まさに今の日本のミュージカル界の様々なジャンルから第一線で活躍しているミュージカルスターが集う、ミュージカルの祭典になりそうだ。さらに、本ステージは「最新の映像技術を用いて、従来のコンサートのイメージを超えた、特別な体験」になるとのこと。そのひとつが、抽選で選ばれた観客合計20名がアバターとして舞台上に登場、キャストと共演できるというシステム(応募可能対象は、12月17日(金)から26日(日)までにチケットぴあ他で当公演の配信チケットを購入いただいた方)。この「アバター」がいったいどういうものなのか、出演者の東啓介が体験した様子を取材した。初めての3Dアバターに大興奮!使用される技術は株式会社ワントゥーテンが開発した3Dアバター生成プラットフォームANATOMe(アナトミー)。全身を3Dスキャンして、動く3Dアバターを自動生成するシステムだ。ANATOMe撮影スタジオに到着した東さん、モニターに表示されているサンプル映像を見てさっそく「すげぇ、ゲームやん!」とテンションがあがった様子。人体を赤外線で3Dスキャンし、自動的に22か所の関節が検知されてアバターが出来る、そのため袖のゆったりした服などはNG、目線と表情は固定して……といった説明を受けたのち、撮影開始。東さんが指定された円の上にゆったり腕を広げて立ち、その回りを柱状の筐体が回転、360度スキャンしていく。所要時間はわずか10秒。その後「関節にあわせて骨をアバターに入れるのに少し時間がかかります」と言われたものの、それとて数分ほどで、あっという間にモニターに東さんのアバターが登場! もともとANATOMe側で用意されていたモーションだが、ディスコフロアのセンターで東さん(のアバター)がキレキレのダンスをし始めた。これには東さんも「ヤバい、恥ずかしい、すごい!」と興奮。「ちゃんと身長デカいんですね……」と自分のアバターを見つめている。そのあと光の具合などを調整、合計3度のスキャンをし、満足なアバターが出来上がった模様。最後には今回の公演とは直接関係ないもの、東さんのアバター2体が対戦する格闘ゲームも体験し、大喜びの東さんだった。その後、この日のアバター体験の感想に加え、公演に対する意気込みを東さんに聞いた。自分がアバターになるのは、不思議な気持ちだけど愛おしい(笑)――楽しそうにされていましたね。ゲームとか、お好きなんですか?はい、特に昨年の自粛期間は共演した俳優仲間とボイスチャットをしながらオンラインゲームをけっこうしていました。今日のアバター体験は、自分もゲームの中に入っちゃうような感覚が不思議で面白かったです。――ご自身のアバターが踊っていましたが、どんな感覚でしたか。不思議な気持ちです。でも愛おしい(笑)。さっき踊っていたの、たぶん「シェリー」(ジャージー・ボーイズ)の振付ですよね? ちょっと下手なのがまた可愛い、ずっと見たくなっちゃう。頑張れ! と(笑)。――今回の『Japan Musical Festival 2022』では、抽選で合計20名のお客さんもアバターで皆さんと共演できるとのこと。これ、つまりダンスができなくても、アバターはちゃんと踊ってくれるってことですよね?そう、画期的ですよね! ここ数年で配信という参加型のスタイルは定着してきましたが、また新しい参加型のコンテンツ。観客の方も「まさか自分が参加できるなんて」と思うでしょう。僕も、自分の好きなアーティストのステージに、自分がアバターとして存在できるとなったらすごく嬉しい。ちょっと恥ずかしさもありますが(笑)。それよりも一緒に動いて、共演できるって、楽しいなと思います。今回はこちらの指定の動き(ダンス)をアバターが一緒にするのかなと思いますが、今後、自分の思い通りの動きやポーズ、顔の表情も動くようになっていったら最高ですね。あとは映画『サマーウォーズ』じゃないけれど、アバターサーバみたいなのができて会える場所みたいなのがあっても面白い。このコンテンツの今後の展開も気になります。名だたる共演者と一緒に、今回のフェスは勿論、ミュージカル界を一層盛り上げたい――『Japan Musical Festival 2022』という公演自体、日本ミュージカル界を盛り上げていこうというような意気込みが感じられるものになりそうで、楽しみです。この公演にお声がかかった時はどう思われましたか。もう「ありがとうございます」しかないです。世の中には名だたるミュージカルスターさんがいっぱいいる中で僕を呼んでくださって……。しかも共演した方も多いんですよ。『ジャージー・ボーイズ』メンバーも、『マタ・ハリ』メンバーもいる。嬉しいです。――何を歌うかは決まっているのでしょうか。『ジャージー・ボーイズ』メドレーは100%あります! 『ジャージー~』は僕は昨年のコンサートバージョンで初参加。これは本公演をやるはずだったものがコロナの影響でコンサートバージョンに変更になったのですが、来年、改めて本公演が決まっています。花村想太さん、有澤樟太郎さんという新しい方も加わりますが、ほとんど昨年のコンサートとメンバーも変わらず……愛を感じますね。そのキャストも今回の『Japan Musical Festival 2022』に何人も出るので、「本編、頑張ろう!」という意気込みを、このフェスでも感じていただけるのではないでしょうか。――ほか、今回のフェスで楽しみにしていることは。女性の方はおふたりとも(知念里奈、木下晴香)僕は初共演なので、もし何かコラボできることになったら楽しみだな。『ジャージー・ボーイズ』メンバー、『マタ・ハリ』メンバーとも、その作品の楽曲以外のものを一緒に歌えるかもしれないというのも、ミュージカルコンサートやフェスティバルならではですよね。(加藤)和樹くんともしふたりで歌えるとしたら、何があるかな? とか考えるのは、すごく楽しいです。――ミュージカル界が盛り上がるためにこういう企画が続くといいですね。はい。ディズニーのガラコンサートがあるように、ミュージカルでもその輪がどんどん広がり、こういうフェスティバルがもっともっと大きくなっていくといいなと思います。そのためにはまず第一回目を成功させたいです!――ちなみに東さん、お客さんと舞台上で共演したことはありますか?ないです。なので今回、アバターとはいえファンの方とご一緒するのは初。その初体験をご一緒できるのは20名の方です。ぜひ勝ち取ってください(笑)! ……アバター、すごく面白かったので、みんな体験した方がいいと思いますよ、本当に。ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント東啓介さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!取材・文:平野祥恵撮影:源賀津己『Japan Musical Festival 2022』日程:2022年1月28日(金) 17:00開場/18:00開演会場:東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)チケット情報:12月26日(日)までにチケットぴあにて配信チケットをご購入の方から、抽選で10名様にアバター参加権をプレゼント!詳しくは以下販売ページにてご確認下さい。
2021年12月20日対象公園東大和南公園概要東大和南公園の魅力スポットを探検しながら、東大和市の大人気ご当地キャラクター「うまべぇ」から出されるミッションに挑戦!ミッションを全部チャレンジすると、東大和南公園オリジナルうまべぇ缶バッチをプレゼント!(なくなり次第終了)※東京都公園協会セルフガイドアプリ「TOKYO PARKS PLAY」のダウンロードが必要ですコンテンツイメージ景品缶バッヂアプリについてアプリ名:「TOKYO PARKS PLAY」(東京パークスプレイ略称:パープレ)提供元:公益財団法人東京都公園協会対応OS:iOS10以降のiPhone、iPadおよびiPod touchに対応(iPadおよびiPod touchの専用画面の設定はありません)Android5以降利用料金:無料(通信料が別途発生します)主な機能:公園で行うイベントの通知機能公園の施設や園内の紹介公園公式Twitterアカウントの閲覧「遊び」や「ガイド」などのセルフガイドコンテンツダウンロード方法:アプリストアで「東京都公園協会」「TOKYO PARKS PLAY」「パープレ」のいずれかで検索【Android Google PlayのURL 【App StoreのURL】 東大和南公園について米軍の大和基地跡地の一部を整備し開園した運動公園です。園内には、東大和市の文化財である旧日立航空機立川工場変電所が残されています。また、120種の樹木の新緑と花と実、紅葉を鑑賞できます。公園の最新情報は公式ホームページ、ツイッターにてお知らせしております。ぜひご覧ください。■公式ホームページ公園へ行こう!>東大和南公園 ■公式Twitter東大和南公園 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月09日2007年のサントリーホールを完売にして成功させた衝撃的なデビュー公演以来、精力的な活動を続けているピアニスト・外山啓介。このほど、ベートーヴェンのソナタをまとめたソロ・アルバムをリリースし、8月29日(日)にはサントリーホールで『オール・ベートーヴェン ピアノ・リサイタル』を開催する。ベートーヴェンに対する思い、そして、コロナ禍で感じたことをインタビューした。7月28日にリリースしたアルバムには、第21番『ワルトシュタイン』、第8番『悲愴』、第23番『熱情』を収録している。「ベートーヴェンはずっとコンスタントにピアノソナタを書いてきた。弦楽四重奏やシンフォニーなど素晴らしい作品がたくさんあるが、同じぐらいピアノソナタも大切だと思う。いろいろな挑戦が1番から32番まで詰まっている」と外山は話す。その中でもこの3曲を選んだのは「単純に好きだから」というが、「『ワルトシュタイン』は新しい時代の幕開けとなるような、ベートーヴェンにとって大きなソナタの一つだし、『熱情』は中期の一つのゴールになる曲。『悲愴』は、いろいろなことがあるけれど、それでも強く生きていくしかないという前向きなエネルギーを感じる」と魅力を語ってくれた。意外だったのが、アルバムの仕上がりを尋ねたときに「どんなときもそうだが、出来上がったものに対しての“恐怖”がある」と答えたこと。現在、37歳の外山は「もうすぐ40歳。もう若手ではなくて、中堅の域に差し掛かってくる」として、「今後の自分の仕事の展開や、理想を考えると、いい意味で周りからの評価が気になるというか、きちんと自分が登っていけているのか不安に思うようになった」という。しかし、その“恐怖”があるからこそ、「本番がより面白くなった」とも。「何を弾いても《外山啓介》というのは嫌だなと思う。自分がどう弾きたいかではなく、作曲家がどう弾いてほしかったのかを一生懸命考える。自分がピラミッドの頂点に立たないピアニストでありたい」。本来、アルバムも昨夏リリースされる予定で、リサイタルも昨年9月に開催されるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で敢えなく延期となった。この1年間は「一生忘れられない1年になった」と外山は言う。「当たり前のように、観客の皆さんの前で演奏をしてきたが、それが当たり前ではないということ。自分の仕事がどういうものなのか、これからどうしていきたいのか、今まで自分は何をしてきたのか。いろいろと冷静に振り返ることができた」1日も早くコロナ禍の終息を願う一方、一度立ち止まって、思考を深めることができた点においては、プラスだったようだ。「時間ができたので、自分で知っているつもりだったことをもう一度勉強し直したり、演奏に関してもより高みを目指すことができたり、ほかのピアニストの音楽を積極的に聴いたり。本当に忘れることのできない1年だった」本番まで1ヶ月を切った、サントリーホールでの演奏。観客へのメッセージを尋ねると、外山は「特別な時間になると思う。本番でお客様からいただくパワーは本当に大きい。ぜひ、ベートーヴェンのコンサートを作り上げるために、皆様の力を貸していただきたい」と話した。『《ワルトシュタイン》《悲愴》《熱情》〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集』エイベックス・クラシックスAVCL-841223300円(税込)発売中外山啓介 オール・ベートーヴェン ピアノ・リサイタル2021年8月29日(日)14:00開演会場:サントリーホール〈その他のスケジュールはこちら〉取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年08月02日4月3日より大阪、名古屋と上演してきたBroadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』の東京公演がTBS 赤坂 ACT シアターにて4月17日に開幕。『ハミルトン』で全世界に新風を贈ったブロ-ドウェイの異端児リン=マニュエル・ミランダが原案・作詞・作曲を手掛けた出世作「イン・ザ・ハイツ」。ラップ、サルサ、ヒップホップと魅力溢れるラテンのリズムに乗せて多くの観客を魅了するエネルギッシュなミュージカル作品で、日本版の上演は初演以来約7 年ぶりとなる。Wキャストで初演に引き続き主人公のウスナビを演じるMicro[Def Tech]は、「今回、本当にまったく違うものに生まれ変わっています。サウンドもそうですし、中身もすべて刷新して、これが本当の『イン・ザ・ハイツ』だと僕は確信しています」と自信をみせる。「セリフの中でもスペイン語がかなり足され、内容を含めて、より本国の『イン・ザ・ハイツ』を届けられる」と、初演から変わった点を述べた。物語のもう一人の主人公であるウスナビの幼馴染・ベニーをW キャストで演じるのは、林翔太と東啓介。劇中楽曲にラップが多いことについて、林は「櫻井翔くんとか、自然と先輩のラップ映像を観ちゃいましたね」と、ジャニーズ事務所の先輩のラップを気にかけていたことを明かしつつ、「Microさんから最初に『自分の声でラップを録音して、それをオリジナルのテンポよりも速いテンポで聴いて練習すると覚えやすいよ』とアドバイスしてもらったので実践していました」と語り、 他にも家でラップのように発声練習をしていた様子を報道陣に披露した。一方、東は「シンプルに音楽を楽しむことであったり、台本に書かれている伝えたいものを素直に表現することが大事なのかなと思っていて。ラップの表現は海外のアーティストの方を見たり、本家の音楽をたくさん聴いたり、自分なりに解釈しながらやっていました」と振り返った。また、毎公演全楽曲を楽しみにしているというソニー役の阪本奨悟は、「今回、生のバンドが入ってお届けしているんですけど、全曲が良いバランスで絶妙に照らし合っているというか、作品のカラーが濃く出ているので楽しみにしていただきたいです」と本作ならではの演出についても触れた。上演は4月28日(水)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。取材・文・撮影:能一ナオ公演情報Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ脚本:キアラ・アレグリア・ウデス演出・振付:TETSUHARU翻訳・訳詞:吉川徹歌詞:KREVA音楽監督:岩崎 廉出演:Micro、平間壮一(Wキャスト) / 林翔太、東啓介 (Wキャスト) / 田村芽実 / 石田ニコル / 阪本奨悟 / エリアンナ / 青野紗穂 / エリック・フクサキ / 山野光 / 戸井勝海 / 未来優希 / 田中利花 / 他上演中~2021年4月28日(水)会場:東京・TBS赤坂ACTシアター
2021年04月19日Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』東京公演の公開ゲネプロが17日に東京・TBS赤坂ACTシアターで行われ、Micro[Def Tech]、平間壮一、林翔太、東啓介、田村芽実、石田ニコル、阪本奨悟が取材に応じた。同作は『Hamilton』で全世界に新風を贈ったブロ-ドウェイの異端児、リン=マニュエル・ミランダが原案・作詞・作曲を手掛けた出世作。オフ・ブロードウェイからオン・ブロードウェイに上り詰めると、すぐに観客や批評家達を虜にし、2008年のトニー賞をはじめ数々の演劇賞を受賞した。ラップ、サルサ、ヒップホップと魅力的なラテンのリズムにのせて、マンハッタン北西部の移民が多く住む町・ワシントンハイツの人々を描いたミュージカルで、ジョン・M・チュウ監督による映画も2021年に公開を予定しており、今回初演以来7年ぶりとなる日本版の公演となる。ヘアサロンで働きながらハイツの外の世界に憧れている女性・ヴァネッサを演じた石田。道を歩けば男性達からナンパされ、主人公・ウスナビ(Micro、平間)からも想いを寄せられるヴァネッサはクラブでも様々な男性からダンスを申し込まれる。石田は真っ赤なミニスカートを美しく翻し、妖艶なダンスを披露。また、力強い声で切ないヴァネッサの心情を歌い上げた。今回が4回目の舞台出演となった石田は「本当に、このヴァネッサをさせていただくということはプレッシャーでしたし、シナリオもWキャストで学ぶことが多く、初挑戦のことがたくさんある」と心境を明かす。「毎回毎回違う新しい新鮮な感覚で『イン・ザ・ハイツ』の中で生きていけることが嬉しいので、改めてミュージカルも楽しいなと思うことが出来ました」と、魅力を語った。
2021年04月17日ブロードウェイ・ミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』のプレビュー公演が3月27日(土)、28日(日)に鎌倉芸術館 大ホールにて上演、本公演は4月7日(水)から28日(水)まで大阪、愛知、東京にて上演される。ウスナビ役・Micro[Def Tech](平間壮一とWキャスト)、ベニー役・林翔太(東啓介とWキャスト)の公開ゲネプロをレポートする。“ブロ-ドウェイの異端児”リン=マニュエル・ミランダが原案・作詞・作曲を手掛けた本作は、オフ・ブロードウェイで上演成功後、ブロードウェイに進出し、トニー賞の最優秀作品賞、グラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞をはじめ数々の賞を受賞したヒット作。日本版は初演以来7年ぶりの上演となり、演出・振付は初演同様TETSUHARU、サルサやヒップホップの楽曲が中心となる本作の日本語詞はヒップホップアーティストのKREVAが手掛けている。また、主人公ウスナビ役は、初演から続投のMicro(マイクロ)と、今作より参加の平間壮一がWキャストで演じる。マンハッタン北西部、移民が多く住む町「ワシントンハイツ」を舞台に、ドミニカ系移民で両親の遺した雑貨店を守るウスナビ(Micro/平間)や、幼馴染のベニー(林/東)、ハイツの希望の星として名門大学に進学して町を出たニーナ(田村芽実)、ウスナビが思いを寄せるヴァネッサ(石田ニコル)、ウスナビの従兄弟で弟分のソニー(阪本奨悟)たちが、問題や悩みを抱えながらもそれぞれの“居場所”を見つけていく姿を描く。音楽は、登場人物たちのルーツ同様ラテン系で、ミュージカルではあまり聴くことのないラップも多く取り入れられているが、トニー賞もグラミー賞も受賞している楽曲はどれも秀逸。耳に楽しく、心にやさしく、すんなりと作品の世界に引き込んでくれた。Microのハスキーで温かな歌声はこの作品の魅力そのもので、そこに林をはじめ田村、石田らの生き生きとした歌声、山野光らのキレのいいダンスが賑やかに加わり、この『イン・ザ・ハイツ』の物語が色とりどりに輝いていく。劇中、登場人物たちはそれぞれに岐路を迎える。そこから一歩踏み出す様を描く楽曲や表現は、ミュージカルそのものの魅力をも感じさせるもので、物語としても、エンターテインメントとしても、幅広い人に薦めたい作品だと感じた。本公演は4月3日(土)・4日(日)に大阪・オリックス劇場、4月7日(水)・8日(木)に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、4月17日(土)~28日(水)に東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演。文:中川實穂
2021年03月31日現代のブロードウェイを代表する才能、リン=マニュエル・ミランダが原案と作詞作曲を手がけて主演も務め、2008年のトニー賞に輝いたミュージカル『イン・ザ・ハイツ』。ミランダのアメリカでの名声がどれほどかというと、2015年に生み出した大傑作『ハミルトン』が“ミュージカル界”の枠には収まり切らない人気と話題を博し、Time誌の「最も影響力ある100人」特集号で表紙を飾ったほどだ。そんな彼のあふれる才気を存分に感じ取ることができ、また彼のラップ詞を見事に日本語にしたKREVAの偉業にも触れることができる日本版『イン・ザ・ハイツ』が、3月27日より7年ぶりに再演されている。Wキャストのうち、平間壮一がウスナビ役を、東啓介がベニー役を務めた2日目のゲネプロを取材した。舞台はマンハッタン北西部、ヒスパニック系移民が多く住む町ワシントンハイツ。独立記念日前後の3日間にそこで起こった様々な出来事が綴られていく物語だが、一般的なミュージカルのように、“物語をドラマチックに盛り上げるために歌がある”のではない。ハイツの日常、宝くじ当選騒動、停電の喧噪を、それぞれたった1曲で伝え切ってしまう《In the Heights》、《96,000》、《Blackout》。登場人物一人ひとりが葛藤や決断を吐露するなかに、各々の歩んできた人生や信念までもが浮かび上がってくるソロナンバー群。ウスナビとヴァネッサ(石田ニコル)、ベニーとニーナ(田村芽実)というふた組のカップルの関係性の変化を、局面ごとに異なる曲調が表すラブソングたち。『イン・ザ・ハイツ』は、そもそも“ドラマチックな歌に導かれるようにして物語が編まれていく”ミュージカルなのだ。登場人物の人種や世代に応じても曲調が使い分けられているとは言え、身体を突き動かすようなラテンのリズムに貫かれている点は全曲に共通しており、日本版キャストにとっては挑戦だっただろう。そんななか、平間はラップに違和感なく感情を乗せてどこかいたずらっ子的なウスナビを造形し、東は持ち前の豊かな声量でベニーの野心と恋心を熱く表現。田村と石田の日本人離れした声帯の強さとリズム感、大人チーム(田中利花、戸井勝海、未来優希)のさすがの表現力、阪本奨悟の軽やかな存在感なども印象に残る。わけても出色はダニエラ役のエリアンナで、彼女が中心となって歌う第二幕の《Carnaval del Barrio》は、TETSUHARUによる情熱的な振付ともあいまって大きな見どころ――ならぬ、“つい一緒になって身体が動いてしまうどころ”となっていた。4月3日(土)・4日(日)に大阪・オリックス劇場にて上演、その後愛知・東京公演を予定している。取材・文:町田麻子撮影:源賀津己公演情報Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ脚本:キアラ・アレグリア・ウデス演出・振付:TETSUHARU翻訳・訳詞:吉川徹歌詞:KREVA音楽監督:岩崎 廉出演:Micro、平間壮一(Wキャスト) / 林翔太、東啓介 (Wキャスト) / 田村芽実 / 石田ニコル / 阪本奨悟 / エリアンナ / 青野紗穂 / エリック・フクサキ / 山野光 / 戸井勝海 / 未来優希 / 田中利花 / 他【大阪公演】2021年4月3日(土)・4日(日)会場:オリックス劇場【愛知公演】2021年4月7日(水)・8日(木)会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール【東京公演】2021年4月17日(土)~2021年4月28日(水)会場:TBS赤坂ACTシアターチケット情報:
2021年03月31日NYのヒスパニック・コミュニティに生きる人々の人間模様をラテンのリズムに乗せて描く、2008年のトニー賞受賞ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』。その日本版の7年ぶりとなる再演で、主人公ウスナビ役に平間壮一が、その幼馴染のアフリカ系青年ベニー役に東啓介がそれぞれ挑む。稽古場のふたりを直撃すると、“なかなかないほど最高のカンパニー”がすでに立ち上がっているようで……?初対面の時から空気感が合っていた――まずはご出演が決まった時の、“楽しみだったポイント”と“不安だったポイント”をお聞かせください。平間楽しみだったのは、ラップができることですね。自分がずっと触れてきた文化なので。東あ、そうなの?平間うん、ダンスとかのストリート文化っていう意味で。ラップ自体も、“やっていた”とまでは言わないけど、役者になる前、自分で韻を踏んだ歌詞を書いていた時期もあって。東へ~、だからうまいんだ。壮ちゃんのラップ、マジでカッコイイっす!平間やったー!(笑) 不安だったのは、MicroさんとWキャストだってこと。Def Techは憧れのアーティストさんだったから、同じ役っていうのはやっぱりプレッシャーでした。東僕は壮ちゃんと逆で、ラップは今まで全く触れてこなかった分野。だからそこが不安ポイントで、楽しみだったのは共演者の皆さんですね。特に壮ちゃんとは、同じ役をWキャストでやったことはある(編集部注:2020年『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』出演時)けど共演は初めてだから、新たな一面を見られるのがすごく楽しみでした。――とても仲が良さそうですが、きっかけはそのWキャストの時?平間そうですね。初対面の時からなんか、空気感が合う感じがあって。稽古を通して仲が深まったというより、最初から深くてそこからずっと同じという感じです(笑)。東年齢的にはね、壮ちゃんのほうがすごく先輩なんですけど。平間でもとんちゃん(25歳)が落ち着いていて、僕(31歳)がちょっと年下に見られるタイプだから、今はふたりとも28歳くらいとして接してる感じじゃない?(笑)東確かに(笑)。自粛期間中もふたりで、毎日のように電話したりネットつないでゲームしたりしていて。大体いつも、今日の報告から始まり(笑)。平間何時に起きたよ~、こんなことがあったよ~って(笑)。東だからもう、仕事仲間っていうより地元の友達みたいな感じなんですよ。平間そうだね。今回は役も地元の幼馴染って設定だから、すごく自然にお芝居ができていて。東うん、本当にやりやすい。ウスナビの従弟のソニー(阪本奨悟)も含めた3人の関係性が、すでに成り立ってる感じがします。こんなにやりやすいの初めて(東)困っていることが全然ない(笑)(平間)――そんな仲良しのおふたりが思う、お互いの役者としての魅力とは?東壮ちゃんはね、ズルイんですよ。ふわ~って来てうぇ~いってやるのにちゃんと出来てて、どこでスイッチ入ったの!? みたいな(笑)。Wキャストの時もそうで「とんちゃん先いいよ~」って言うから俺からやったら、あとからパッパーってやって持ってっちゃうから、ちょっとちょっと! と思ってました(笑)。多分、自分の持ってるもので役を作るのが上手いんでしょうね。かけ離れた役を演じる時でも、自分が近寄るんじゃなく、自分を投影してやってるんだろうなって。平間そうですね。最初に台本を読む時から、自分がこの状況に置かれたら何て思うだろうって思いながら読んで、1回そこで自分が経験しちゃうから、演じてるつもりがあんまりないんですよね。とんちゃんはわりと、その場その場で感じたことを重視してる気がする。東そうだね。相手が投げかけてくれたことに対して、じゃあこう行くぜ、みたいな感じ。平間どっちにしても、台本を教科書みたいには思ってない。そこはなんか、似た感覚を持ってるのかなと思います。台本がそのまま歩いてるみたいな芝居は目指してないというか。東そうそう、台本通りでいいならAIが演じればいいじゃん、みたいな(笑)。そこが似てるから、今回すごくやりやすいのかな。俺、こんなにやりやすいの初めてなんですよ。平間僕も、困っていることが全然ない(笑)。ふたりが合っていて、ふたりともそれぞれの役に合っていて、この作品にも合ってるってことなのかな~と思います。得意のラップでド直球になるウスナビは“こち亀”の本田速人タイプ?!――改めて、ウスナビ役とベニー役について今、感じていることを教えてください。平間ウスナビはですね、難しいなと思ってるのが、「俺はこれがしたいんだ!」という明確なものがないところ。自分のホームを見つけたいっていうふわっとした夢はあるんですけど、それに向けてどう動くとかがないんです。ピュアで不器用で、なのにラップはうまいっていう設定を持ってるから、その擦り合わせが難しいなって。東確かに。しかもラップになるとさ、結構ド直球にものを言ったりするじゃない。セリフの時は「いや……」みたいな感じなのに、ラップになると「俺はこうするんだ!」ってなる。平間そう! 大好きなヴァネッサ(石田ニコル)にも、普段は気持ちを伝えられないのに、ラップだと結構ストレートに言っちゃうから(笑)。東あれじゃない? バイクに乗ると豹変する(漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の)本田速人タイプ(笑)。平間あ~、ラップになると豹変するみたいな(笑)。日本語に訳してる難しさもあると思うんですけど、そのあたりを今は探っている最中ですね。ベニーは?東何かをバネに生きてるな~って感じがすごくする人ですね。ウスナビに比べると分かりやすくて、ニーナ(田村芽実)と付き合いたい! 自分の会社を持ちたい! 人種差別を越えたい! っていうのがはっきりあるから、熱量は出しやすい。演じてて楽しいです。平間うん、楽しそう(笑)。でもベニーって、バックグラウンドはあんまり描かれてないでしょ。東そうだね、アフリカ系なのにヒスパニックのコミュニティにいる理由が書かれてないから、そこは自分で考えなきゃいけない。今のところは、差別されることもあるけど、味方もいるから居心地がいいのかなって。それに、どこに行っても差別は受けるから、だったらここで頂点に立ってやるぜ! みたいなのがあるのかなって思ってます。個性豊かなキャスト4名で演じる全く異なるウスナビ&ベニー――おふたりともWキャストですが、お稽古はどのように進んでいるのですか?東今は初日チーム(Micro&林翔太)と2日目チーム(平間壮一&東啓介)に分かれてすることが多いですね。だからMicroさんのウスナビと組む時には、ベニー像も変えたほうがいいのかもしれないなとは思います。平間演出・振付のTETSUHARUさんの作り方として、この役はこういう設定だからこうしてください、っていうのがあんまりないんですよ。役者の個性を引き出そうとしてくださるから、今はウスナビとベニーがふたりずついるっていうより、4つの役があるみたいな感じで(笑)。東ほんっとそう! 翔太君と僕では、体格も声質も全然違いますし。平間とんちゃんは夢に熱く向かってる人で、林君は真面目な好青年っていう感じだよね。東翔太君はなんか、頭がいい感じ。で、俺はパワープレイみたいな(笑)。平間Microさんと僕も持ってるものが違うから、どうしたって全くの別物になる。もちろんある程度のバランスはこれから取っていくと思いますけど、組み合わせによって全然違う関係性になるっていうのも、今回の面白さかもしれないですね。『イン・ザ・ハイツ』のコミュニティさながらのカンパニー――この作品の大きな魅力である、音楽についてもお聞かせださい。聴く側をノセる力が絶大だと思うのですが、歌う側としてはどんな感覚なのでしょう?平間僕も初演を観た時、弾まずにはいられない音楽がすごいなって思いました。それってどこから来るのかなと思っていたら、今回のキャストのエリック(・フクサキ)君っていうペルー出身の子に、向こうの人はどんな曲も「タッタッタ、ンタタ」ってリズムを取るんだって教わって。言われてみたら『イン・ザ・ハイツ』の曲って、全部にそのリズムが潜んでるんですよ。東確かに、裏にずっといるね、そのリズム。平間だからマジックにかけられたみたいに乗っちゃうんだろうなって。東歌う側の感覚ってことで言うと、稽古ピアノよりカラオケ音源のほうがやりやすいっていう珍しい作品ですね。「タッタッタ、ンタタ」を見失うと歌えなくなっちゃうんですよ。平間なるね~。だから今日、気持ち良かったもんね、初めてカラオケでやって。東マジで気持ち良かった! お客さんも絶対にノセられちゃうと思います。平間エリック君がいてくれることで、『イン・ザ・ハイツ』の信憑性が増す気がするよね。音楽だけじゃなく、スペイン語のこととかも色々教えてもらえて、すごく勉強になってます。――音楽以外の魅力、みどころについてはいかがですか?平間この作品の魅力はもうね、なんか本当、人間味!(笑) かわいい人ばっかりだけど、なかでも一番魅力的なのはやっぱりアブエラかな。東そうだね、本当に象徴だと思う。演じる(田中)利花さんがまた、めちゃくちゃ素敵で!平間ね~! 利花さんが初めて稽古場に入ってきた瞬間、みんな「アブエラー!」みたいになっちゃって、帰る時には利花さんも「みんな愛してるよー!」とか言ってて(笑)。東最高だったよね!平間音楽監督さんなんか、利花さんが台本を持って歌った段階からもう泣いちゃってたし(笑)。とにかく愛おしい方だなあって思います。東しかも、パッションもめちゃくちゃあって。利花さんを中心に本当のコミュニティみたいになってて、最高のカンパニーだなって思います。なかなかないですね、稽古が終わる時「ああもうちょっとここにいたかったなあ」って思うこと。平間うん、なかなかない環境。稽古場に行く時も終わって家に帰る時も、“ホームに帰る”みたいな感覚になれるんです。――最高の環境で作られる『イン・ザ・ハイツ』、まずます楽しみです! 最後に、宝くじが当たったかもしれないという場面で歌われる大ナンバー「96,000」にちなんで。もし1千万円当たったら、おふたりなら何に使いますか?東……とりあえず、いい家具を揃えて自分の住んでる場所を完璧にする(笑)。平間ああ、冷蔵庫をグレードアップさせたりね(笑)。東あとなんか、一本の木でできた机を買ったり(笑)。平間そしたら僕は、ゲーム機を揃える……ヤバいな、ふたりとも答えがインドア派すぎる(笑)。でもね、1千万ってちょっと微妙じゃないですか? もっと大きな額だったら、人助けというか、きれいな水が出ない国に井戸を掘ったり出来るなぁって。東ちょっと、そういうのやめてもらっていい? 俺がめちゃくちゃ自分のことしか考えてない人みたいになるんだけど(笑)。平間いや(笑)、それするには1千万じゃ足りないってことを言いたかったの。東確かに、自分で使うしかないくらいの額なんだよね。平間そうそう。それなのにハイツの人たちは、当たったらカーニバルしちゃおうぜ! くらい盛り上がってて、本当にかわいいなって。だからやっぱり、この作品の魅力は人間味!(笑)東そうだね。人間味あふれる『イン・ザ・ハイツ』、早く皆さんに観てもらいたいです!取材・文:町田麻子撮影:源賀津己平間壮一さん、東啓介さんのサイン入りチェキを3名様にプレゼント! ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=5c2c1b60-a6ad-4d6f-b16a-c6299ec560a7&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。公演情報Broadway Musical『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ脚本:キアラ・アレグリア・ウデス演出・振付:TETSUHARU翻訳・訳詞:吉川徹歌詞:KREVA音楽監督:岩崎 廉出演:Micro、平間壮一(Wキャスト) / 林翔太、東啓介 (Wキャスト) / 田村芽実 / 石田ニコル / 阪本奨悟 / エリアンナ / 青野紗穂 / エリック・フクサキ / 山野光 / 戸井勝海 / 未来優希 / 田中利花 / 他【神奈川公演(プレビュー公演】2021年3月27日(土)・28日(日)会場:鎌倉芸術館 大ホール【大阪公演】2021年4月3日(土)・4日(日)会場:オリックス劇場【愛知公演】2021年4月7日(水)・8日(木)会場:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール【東京公演】2021年4月17日(土)~2021年4月28日(水)会場:TBS赤坂ACTシアター公式サイト: チケット情報:
2021年03月13日「映像作品にほとんど出演していない僕がこんなに重要なポジションをやらせていただいていいのか!?と。ものすごくうれしい気持ちの半面、プレッシャーもありました。ドラマを見た方からの反応もよくて本当にうれしいです」そう語るのは、放送中のドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)で注目を集める東啓介(25)。恋愛小説家の母(菅野美穂)とその娘(浜辺美波)の2人と運命的に出会う整体師・渉周一役は、脚本を手がける北川悦吏子のラブコールで決定したという。「北川さんが、『渉先生役は東くんじゃないと!』と僕に当てて書いてくださったんです。渉先生はまっすぐで、優しくて、人を癒す雰囲気のある男性。僕自身、思ったことをストレートに言うところや面倒なことを嫌うところとか、彼に重なる点が多くて。きっと北川さんが僕の素の部分を見つけてくださったのだと思います」そんな彼がこれまで主戦場としてきたのは舞台。3月からは、ブロードウェイミュージカル『イン・ザ・ハイツ』に出演する。舞台は、米国の中南米系の移民が多く住む町・ワシントンハイツ。演じるのは、主人公ウスナビの幼なじみベニーだ。これまでも数々の作品でその美声を披露してきた東は、今作で人生初のラップに挑戦する。「自分自身でも未知数です(笑)。夢や希望を持つ若者たちが厳しい現実を前に苦悩して、挫折して。でも、そこには恋も、人を思いやる愛もある。誰が見ても共感するストーリーだと思いますし、差別や貧困という部分もリアルに描かれているところもいい。音楽の力を感じて、明日への活力にしてもらえたらと思います」デビュー後、舞台『刀剣乱舞』などの人気舞台で活躍し、現在はストレートプレイやミュージカルなどに出演する実力派の舞台人へと成長した。昨年は、ミュージカルのヒットナンバーを歌うファーストソロコンサートも開催。「このライブを機に音楽活動への意欲が湧きました。いろんなジャンルの歌を歌ってみたいし、作曲もしたい。有名アーティストさんとコラボレーションできたらいいなと夢は膨らむばかり。でも、いまはまず、この名前を世の中に広く浸透させることがいちばん大切だと思っています。大勢のお客さんに舞台に足を運んでもらえるような役者になって、映像作品でもこの顔を覚えていただいて、それから自分のやりたい活動や作品に挑戦していきたいと思います」「女性自身」2021年3月2日号 掲載
2021年02月21日及川浩治と外山啓介による初のオンライン・コンサートの配信がいよいよ迫ってきた。チャイコフスキーの「花のワルツ」とベートーヴェンの交響曲第9番(第3・4楽章)を2台ピアノ版でお届けする。収録会場となったのは松尾ホール。ピアノの鍵盤数にちなんだ88名収容という親密な空間で、その響きが多くのアーティストに愛されてきた。2台ピアノによるコンサートの開催も多く、今回の収録にふさわしい会場だと言える。今回のオンライン・コンサートは、収録映像でありながら、LIVE感にこだわって製作された。「第九」の演奏収録はなんとワンテイク。ベートーヴェン後期の作品であり、大編成のオーケストラで演奏される「第九」を、2台のピアノで表現するリスト編曲版は、言うまでもなく難曲だ。より演奏の精度を求めるならば、何度か演奏収録を行い、繋ぎなどの編集を行うという方法もある。しかし2人は、「LIVEだからこその勢いや緊迫感」を映像に反映させることを優先した。第3楽章・第4楽章の間も続けて演奏され、完全無編集の「生のコンサートに限りなく近い音」が映像に収められることとなった。第3楽章での2人の親密な音の交歓は、オーケストラで聴く以上に繊細さを感じさせた。情熱溢れる力強い演奏のイメージが強い及川浩治だが、「及川の魅力は弱音にこそある」と改めて思わせるほど美しい音を聴かせた。外山啓介は、及川の音楽にしっかり寄り添いながら、重厚で堅牢な音を紡いだ。第4楽章に入る瞬間の緊張感は、2台ピアノならではのものだ。冒頭の不協和音は、オーケストラでは圧倒的な迫力で迫ってくるが、2台ピアノではよりスリリングで鋭利な印象が強かった。この瞬間の2人の呼吸をぜひとも感じてほしい。そして、歓喜の主題が流れたとき、これまでに味わったことのない感動があった。ピアノならではの細やかな表現、そして美音で紡がれる耳慣れたメロディが、今までになく新鮮に響き、「第九」の感動を新たにしてくれた。同時に収録された「花のワルツ」は、「第九」の緊張感とは異なり、この曲の愛らしさが感じられる温かみ溢れる演奏となった。また演奏の合間には、2人による特別対談も収録されている。普段は接することのないアーティストの素顔も垣間見られ、貴重な映像となっている。配信は2020年12月26日(土)19:00~開始。※アーカイブ配信もあり
2020年12月22日ブロードウェイミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』が2021年春に再演決定、第1弾となるキャストも発表された。それに伴い、出演するMicro(Def Tech)や平間壮一、林翔太、東啓介、田村芽実、石田ニコル、阪本奨悟らのビジュアルとコメントも到着している。2008年の「トニー賞」で最優秀ミュージカル作品賞を含む4部門に輝き、2014年の日本初演では心打つストーリーとグラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞した楽曲で多くの観客を魅了。さらに来夏ハリウッド映画化も予定されている本作が満を持して戻って来る。作詞作曲・原案はトニー賞、ピューリッツァー賞、グラミー賞、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を受賞するなど今やミュージカル界のみならずエンタテインメント界の最重要人物と言える『Hamilton』を産み出した天才リン=マニュエル・ミランダ。主人公ウスナビ役は初演に引き続き、卓越したラップスキルと温かな演技で観客を魅了したDef TechのMicroと、新たに「RENT」のマーク役での好演が記憶に新しい注目の平間壮一が抜擢された。そして物語のもうひとりの主人公である、ウスナビの親友・ベニー役には幅広い舞台での活躍が目覚ましい林翔太と舞台だけでなくドラマ、映画へも活躍の場を広げる東啓介が決定。さらに名門大学に進学するもある秘密を抱えてハイツに帰ってきたニーナ役として田村芽実、ヘアサロンで働きながらハイツの外の世界へ憧れているヴァネッサ役には石田ニコル、ウスナビの弟の様な存在のソニー役には舞台でも存在感をみせるシンガーソングライターの阪本奨悟。新たなメンバーが作品に加わり、物語にフレッシュな風を送り込む。また演出・振付を努めるのは初演に引き続き、安室奈美恵やSMAP、AKB48などの振付師として知られ、ミュージカル『刀剣乱舞』の振付、オリジナル・ミュージカル『THE CIRCUS!』シリーズの企画・構成・演出・振付と幅広く舞台でも活躍するTETSUHARU。作品中全編に散りばめられたRAPを中心とした歌詞を日本ヒップホップ界のレジェンド・KREVAが担当した。グラミー賞を受賞したヒップホップ、サルサ、メレンゲなどの心躍る音楽とパワー溢れるダンス、観た者の心に優しく染み渡り、明日を生きる力をくれる物語に期待したい。<ウスナビ役・Micro コメント>初ミュージカルでウスナビという大役を頂いた2014年の初公演から7年。待望の来春再公演。音楽家として、デフテックとして20年の歩みを進めてきた先にこれほどの素晴らしい舞台に立たせてもらうことができた経験を活かし、さらなる高みを目指しながら、今回最高のウスナビを演じ切り、完全燃焼していきます!<ウスナビ役・平間壮一コメント>やっとお知らせ出来る事が嬉しいです!とても好きな作品なんです。だから、自分が関われるとなって、めちゃくちゃ大切にしていきたいとも思いましたし、出演できるというだけで浮かれないように向き合っていきたいなと思っています。心からぶつかっていくキャストと心地よいリズム、心あったまるラブストーリーを感じに、ぜひ観に来てください!<ベニー役・林翔太コメント>ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」初出演、すごく嬉しいです!今までミュージカルには何度か出演させていただきましたが、今回はまた新たな挑戦がたくさんありそうな予感がしています!新しい林翔太を見せられるよう頑張ります!<ベニー役・東啓介コメント>ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」初出演とても嬉しいです。素敵な楽曲とストーリーで、これからキャスト・スタッフ全員で、この作品を作り上げていくのが楽しみでなりません。精一杯努力し、見にいらしてくださるお客様の心に残るものを届けたいと思います!<ニーナ役・田村芽実コメント>今回、「イン・ザ・ハイツ」にニーナ役として参加させていただけること、嬉しくて仕方ありません。ミュージカルには珍しい、力強く魅力的なラテン調の音楽で歌い、踊ることを今から夢想して、胸をときめかせています。今、この作品に参加できる喜びと共に、責任も感じています。観劇に来て下さるお客様ひとりひとりにしっかりと作品をお届けできるよう精?杯努めたいと思います。<ヴァネッサ役・石田ニコルコメント>今回ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」に出演することができ、とてもとても嬉しく思います。この状況下ですが、舞台の上で皆様に会えることを願って、また新しい挑戦にチャレンジしつつ、全力で挑みたいと思っています。<ソニー役・阪本奨悟コメント>この度、ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」にソニー役で出演させて頂くことになりました。2014年、日本人キャストでの公演でも話題となったブロードウェイミュージカルの傑作と言われるこの作品に出演できること、とても光栄です。今まで自分が経験したことがない要素が沢山ある作品かと思いますが、この作品から新しいことを学んで成長できるように精一杯頑張ります。皆さん、どうぞよろしくお願いします!■公演情報ブロードウェイミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』2021年3~4月上演<会場>プレビュー公演:鎌倉芸術館大ホール大阪公演:オリックス劇場名古屋公演:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール東京公演:TBS赤坂ACTシアター公演HP: 公式Twitter: @intheheightsjp()
2020年12月11日檀れいが、明治座『恋、燃ゆる。~秋元松代作「おさんの恋」より~』に主演する。原作となるTVドラマを鑑賞し、作品や役柄のイメージを膨らませる稽古前の心境に耳を傾けた。【チケット情報はこちら】石丸さち子が上演台本・演出を手がける本作は、近松門左衛門の浄瑠璃『大経師昔暦』をベースに、秋元松代が執筆したTVドラマシナリオ『おさんの恋』を原作としている。商家・彩玉堂に嫁いだ美しく気立てのよい“おさん”は、奉公人である茂兵衛から寄せられた一途な想いに触れて──。共演者には中村橋之助、東啓介、多田愛佳、石倉三郎、西村まさ彦、高畑淳子らが名を連ねている。男性中心社会の江戸時代を舞台に、抑圧される存在であった女性が自らの“意志”に目覚め、行動を起こしていく強さ・美しさを描きたい──。そうプロデューサーから説明を受けた檀は「東洋、西洋を問わず時代物に携わるたびに、女性は長らく苦しい時間を過ごしてきたのだな、と実感してきました」と語る。今回演じるおさんの人物像を「自分の気持ちを抑えて耐えて、ひたすら主人に仕える女性」「顔で笑っていても、心の中では冷たい涙を流している」と捉えた檀。“個人”として自由に生きられない切実さに思いを馳せつつ、「そんな彼女が、自分の想いをストレートに伝えてくる男性に出会ってどう変化するか……その葛藤や喜びを、おさんの人生に魂を吹き込みながら活き活きと表現したい」と意気込んでみせた。相手役・茂兵衛を演じる橋之助との共演経験はない。しかし、檀は過去に橋之助が出演した歌舞伎を鑑賞しており、当時の印象を「瞳がエネルギッシュに輝いており、役を突き詰めて演じることが本当に好きなんだろうな、というのが伝わってきました」と述べる。さらに「自分の心にまっすぐな茂兵衛を彼が演じたら、どんな熱量でおさんの心を揺さぶるんでしょうね?」と微笑み、「一緒にお芝居するのが今からすごく楽しみです」と期待を寄せた。座長としての気がかりは、流行中の新型コロナウイルス感染症だ。檀は不安な気持ちを吐露する中にも「苦しい時に観た舞台に心が救われるように、人間にとって心の潤いや活力になるのはエンターテインメント」の信念を打ち出す。そして「上演するからには万全な態勢で、皆さんに上質な作品を届けたい」「そのために、自分に与えられた役割を全うします」と覚悟を覗かせ、取材を結んだ。公演は10月19日(月)~11月15日(日)に、東京・明治座にて。また本作は、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じて上演される。8月30日(日)の一般発売に先駆け、8月28日(金)より先行先着開始。取材・文:岡山朋代
2020年08月27日『戦場のピアニスト』などで知られる巨匠ロマン・ポランスキーの、『ローズマリーの赤ちゃん』と並ぶ初期の代表作『吸血鬼』。1967年に公開されたこのホラー喜劇映画をもとにポランスキー自らが演出を手がけ、1997年にウィーンで舞台化されたのが、ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』だ。その日本版が初めて上演されたのは2006年のこと。初演時から吸血鬼・クロロック伯爵を演じて当り役となっている山口祐一郎が今回も続投し、11月5日、東京・帝国劇場で4年ぶり5度目となる日本版の幕が開いた。舞台はルーマニア中部の、山脈に囲まれたトランシルヴァニア。ヴァンパイア研究に没頭しているアブロンシウス教授(石川禅)と助手のアルフレート(相葉裕樹、東啓介のWキャスト)は、雪深い山に迷いこむ。たどり着いた宿屋で「ガーリック、ガーリック」と歌う村人たちの様子に、ヴァンパイアの存在を確信する教授。一方のアルフレートは、お風呂が大好きな宿屋の娘サラ(神田沙也加、桜井玲香のWキャスト)に恋をしてしまう。だが彼女は、お城に住むクロロック伯爵(山口)の舞踏会に憧れ、深夜に現れた伯爵と共に姿を消してしまい……。脚本・歌詞は『エリザベート』『モーツァルト!』で日本でもファンの多いミヒャエル・クンツェ、音楽は映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のテーマ曲を手がけたジム・スタインマン、演出は山田和也が担当。ウィーン発のミュージカルらしい美しくドラマチックなメロディが印象的だが、本作はその旋律と共に繰り広げられる、あまりに人間くさい人間模様が大きな魅力。“理性”を第一義として、ありえない状況でも調査と研究に没頭するアブロンシウス教授、そんな教授の弟子を任じながらも、サラに夢中になってしまう若きアルフレート。そして、しがない村娘ながら非現実的な恋に憧れるサラ。ストーリーは当然、人間対ヴァンパイアの対立を軸に進むのだが、欲望に翻弄される人間たちを笑っているうちに、ふと自分の姿を見ているような気持ちになるのは本作ならでは。つい、人間たちの狂乱を見透かしているかのように端然とたたずむクロロック伯爵に、すべてを委ねたくなったりして……!?その先は、ぜひ劇場で。11月27日(水)まで帝国劇場、12月15日(日)から21(土)まで愛知・御園座、1月1日(水)から7日(火)まで福岡・博多座、1月13日(月・祝)から20日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。文:佐藤さくら
2019年11月06日ロマン・ポランスキー監督映画『吸血鬼』をもとに、『エリザベート』の脚本家であるミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を手掛けたミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』が11月5日(火)、東京・帝国劇場で開幕する。初日を目前にした4日、主演の山口祐一郎をはじめ、出演者である神田沙也加、桜井玲香、相葉裕樹、東啓介、石川禅が会見で意気込みを語った。チケット情報はこちら物語はヴァンパイアの故郷・トランシルヴァニアを舞台に、欲望のままに生きるヴァンパイアのクロロック伯爵と、吸血鬼研究の権威・アブロンシウス教授の対決が描かれるのだが、個性豊かなキャラクターが観客の爆笑を誘っていく。だがコミカルな展開の中に時折、人生の深淵をのぞき込むようなセリフが鋭く差し込まれる哲学的な面もあり、一筋縄ではいかない中毒性を持つミュージカルだ。今回は4年ぶり5度目の上演。舞台セットが一新され、新鮮な『ダンス オブ ヴァンパイア』になっている。2006年の日本初演より主役のクロロック伯爵役を務めているのがミュージカル界の帝王・山口祐一郎。唯一無二の存在感と深みのある歌声が“ヴァンパイアの伯爵”という非現実的な存在にぴったり、もはや日本版のクロロックはこの人しか考えられないという当たり役になっている。その山口は「ずっと皆さんに愛され、楽しんでいただいている作品ですが、今回のメンバーは今まで以上にエネルギッシュ。とってもチャーミングな作品になっていると思う」とアピール。敵役を務める石川は「島村抱月さんの言葉に『二元の道』というものがある。芸術性と大衆性を持ち合わせている作品は名作になる……というような意味ですが、この『ダンス オブ ヴァンパイア』はその芸術性と大衆性をしっかり持ち合わせた名作」と話した。ヒロインのサラ、教授の助手アルフレートはそれぞれ神田と桜井、相葉と東のダブルキャスト。神田は2015-16年公演に続き2度目の出演で、ほかの3人は初出演だ。欲望のままに生きるヴァンパイアにちなみ「やめられない欲望」を聞かれ、それぞれ「チョコレート。朝起きて水分より先にチョコレートを口にするほど。元気が出ます」(神田)、「食べること。稽古で帰るのが遅くなって“今日は食べるのはやめよう”と思っても気づいたら家でひとりで鍋を始めていたりします」(桜井)、「やめようとも思っていないのですが(笑)、ペットと戯れること」(相葉)、「プライベートのカラオケ含め、歌を歌うことはやめられない」(東)と作品のキャラクター同様、個性豊かに答えていた。11月27日(水)まで帝国劇場にて。チケットぴあでは11月7日(木)18:30、19日(火)13:30に半館貸切を実施。公演はその後愛知、福岡、大阪でも上演される。
2019年11月05日11月5日~27日に東京・有楽町の帝国劇場で公演されるミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』の初日前会見が4日、同所で行われ、山口祐一郎、神田沙也加、桜井玲香、相葉裕樹、東啓介、石川禅が出席した。同ミュージカルは、2006年に帝国劇場で日本初演を迎えた、ミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)と、作曲家ジム・スタインマンが音楽を担当したヴァンパイア・ミュージカルの傑作。2006年の日本初演より主演のクロロック伯爵を務める山口祐一郎、ヒロインのサラ役には前回の2015年に続いての出演となる神田沙也加、そして今回初参加の桜井玲香のダブルキャストが務める。主演の山口は「ずっと皆さんに愛されて楽しんでいただいている作品です。今回のメンバーは今まで以上にエネルギッシュで、とてもチャーミングな作品になると思います。是非劇場へ足をお運びください。お待ちしております」とアピール。2015年に続いての出演となる神田が「この作品はお客さんとして見ていた時も大好きで、前回は念願が叶いました。ヴァンパイアの世界に戻れることができ、さらに光栄に思っています」と再び演じれる喜びを感じているようで、乃木坂46卒業後初の舞台となる桜井玲香は「明日から始まるということでワクワクしています。今回は5度目の再演ということで、今回の再演を待ちわびていたお客さんもたくさんいらっしゃると思うので、お客さんと一緒に楽しめたらと思っています」と公演が待ち遠しい様子だった。欲望のままに生きるヴァンパイアを描いた同ミュージカル。それにちなみ、自身がどうしても止められないものを問われた桜井は「私は食べることです(笑)。本当に食欲が抑えられなくて、結構エネルギーを使う作品なので遅くまで稽古した帰りとか絶対に食べないで帰ろうと思うんですけど、家に帰ると気づいたら鍋を始めてたりするんです(笑)」と食欲が止まらないようで、「ずっと食べていますよ。食べないと持たないと思うので、美味しいものをいっぱい食べて公演を頑張りたいと思います」と意欲。山口は「神田さんと桜井さんがお風呂で生まれたままの姿で入っているシーンがあるんです。どうしても止められないのは、スタンバイのタイミングより早く後ろで覗くという、それが我慢できません。ごめんなさい」と笑いを誘うと、神田は「光栄です。ありがとうございます(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。
2019年11月05日中村雅俊デビュー45周年を記念した『中村雅俊45thアニバーサリー公演』が東京・明治座にて上演中。その公演初日に潜入した。【チケット情報はこちら】1974年4月にドラマ『われら青春!』で俳優デビューし、同年7月にはドラマ挿入歌『ふれあい』で歌手デビューした中村の記念公演となる本作は、その45年間に欠かせない“芝居”と“歌”をそれぞれ披露する二部構成。明治座初座長を務める。第一部で上演されたのは、中村が主演を務める時代劇『勝小吉伝 ~ああわが人生最良の今日~』。中村とは4度目のタッグとなる鴻上尚史が脚本・演出、鹿目由紀が脚本を手掛け、中村が勝海舟の父である勝小吉を演じる。共演は、小吉の妻・賀来千香子、息子の麟太郎(未来の勝海舟)・東啓介、麟太郎の恋人・愛加あゆ、悪役の片目・山崎銀之丞、小吉の兄・田山涼成、小吉の甥・寺脇康文ら個性豊かな面々。時代劇ならではの殺陣はもちろん、生演奏あり、歌あり、ダンスあり…そしてまさかのフライングあり!?という賑やかで楽しい作品に仕上がっていた。そしてその楽しさの中には「相手を信じる気持ち」や「今日の自分によかったと言える生き方」などさまざまなメッセージが詰まっていて、そこから生まれるあたたかなものには“中村雅俊”という存在に通ずるものを感じた。中村が演じる小吉は、自由でどこかとぼけているけれど剣の腕が立つ男。そんな彼を中心に登場人物それぞれが周囲の人を愛し、信じ、影響を与え合い、勇気を持って一歩踏み出す姿にぜひ注目してほしい。そして第二部のライブでは、デビュー曲『ふれあい』をはじめとするシングル曲はもちろん、アルバム曲やメドレーなど10曲以上を披露。中村は、歌はもちろんのこと、サックスやギターなど楽器を演奏したり、MCで観客とコミュニケーションを取ったりと、約60分のステージはあっという間だった。この日はMCで、本ライブのタイトルであり、7月1日に発売したばかりのベストアルバムのタイトルにもなっている『yes!on the way』について「まだ途中、という意味です。まだまだがんばるつもり。過去の45年よりもこれから先のほうががんばり甲斐があります」とにこやかに語り、観客を喜ばせた。公演は7月31日(水)まで東京・明治座にて上演中。チケット発売中。また、7月15日(月・祝)に開催される一夜限りのスペシャルライブには小椋佳、松山千春がスペシャルゲストで参加する。取材・文:中川實穗
2019年07月09日中村雅俊デビュー45周年を記念した『中村雅俊45thアニバーサリー公演』が7月に東京・明治座で上演される。芝居とライブの二部構成となる公演について中村に話を聞いた。【チケット情報はこちら】1974年4月にドラマ『われら青春!』で俳優デビューし、同年7月にはドラマ挿入歌『ふれあい』で歌手デビュー、その日から45周年を迎える感想を中村は「改めて長い間やってきたんだっていう実感……がないんです(笑)」と明かし、「今をどう生きているかが一番!」と、第一線を走り続ける理由を感じるひと言。今回の公演は、中村の両輪である“芝居”と“歌”をそれぞれ披露する二部構成。第一部は鴻上尚史が脚本・演出、鹿目由紀が脚本を手掛け、中村が勝海舟の父・勝小吉を演じる時代劇『勝小吉伝 ~ああわが人生最良の今日~』を上演する。鴻上とは昨年上演された『ローリング・ソング』に続いてのタッグ、共演者は賀来千香子、東啓介、愛加あゆ、山崎銀之丞、田山涼成、寺脇康文と共演経験のあるキャストが多く揃い、中村にとっては安心する座組だという。「若手の東くんと愛加さんは初めてですが、歌がうまいと聞いて、ひょっとすると芝居にも歌が入るのかな?と思っています。俺が第二部で歌だけやるにも関わらずね(笑)。鴻上さんだったらやりそうだなあ。そしたら田山くんなんかは“ちょっと歌わせてくれよ”って飛び入りしてくるかも(笑)」と楽しそうに語った。第二部は中村のLIVE『yes!on the way』。「皆さんの知っている曲を多くやろうかなと思っています」とセットリストも決まっているそうだが、「言えるのは、俺が楽器をたくさんやるってこと。サックス、ピアノ、ギター、ハーモニカと弾きますよ」と中身は開幕までのお楽しみ。さらに7月15日(月・祝)に開催される一夜限りのスペシャルライブには小椋佳、松山千春がスペシャルゲストで参加するなど、アニバーサリーならではの企画も用意されている。「楽しんでもらえると思います。ライブの中で、ファンの皆さんと一緒に“ここまできたね”と思えたらいい。でもここで終わりじゃないのでね。on the way、途中なので!」最後に45年前の自分に声をかけるとしたら?と聞いてみた。「“よかったね、中村くん”かな。いきなりドラマの主役でデビューして、デビュー曲もオリコンで10週間1位だったんですよ。そのときは、これから先でこれ以上の結果は出せないと思った。それで不安だったんだろうね。当時の取材では“八百屋になろうかな”とか言ってるんですよ(笑)。だから45年後もまだやれてるってことで、“よかったね、中村くん”と言いたいです」中村の魅力が詰まった公演は7月6日(土)から7月31日(水)まで東京・明治座にて。チケット発売中。また、7月1日(月)には歌手生活45周年を記念したシングルベスト盤『yes! on the way』を発売する。取材・文:中川實穗
2019年06月05日舞台で目を引く187cmの長身と、声量の豊かさと音域の幅広さ、深みのある歌声で、いまミュージカル界から注目を集めている東啓介さん。その東さんが挑むのは、偶然飛行機で隣り合わせたことから始まる恋を描いたNew Musical『Color of Life(カラー オブ ライフ)』。「誰しも日常に、見知らぬ人と言葉を交わすことってありますよね。その何気ない出会いが意図せずいい方向へと繋がっていく、出会いの奇跡を描いた物語です。小さな心の動きが大事な作品だけに、お芝居ではリアリティが必要ですけれど、ミュージカルとして心情を拡大して見せる必要もあり、これまでのミュージカルとは違う難しさを感じています」脚本・作詞・演出は、これまでも何度か舞台を共にしている石丸さち子さん。初演はなんとニューヨーク。石丸さんが現地で制作し、自らオフ・オフ・ブロードウェイの国際演劇祭に参加して高く評価された作品だ。「つねに上を目指し、稽古場で役者をかき立ててリアルな感情を引き出してくれる演出家さんです。今回はさち子さんの思い入れの強い作品だけに、新しい自分を見せたいですね」近年はグランドミュージカルなどでも活躍している東さんだけど、以前は「歌うのが嫌いだった」そう。「カラオケが苦手で、行っても歌わずに聞いているだけっていうタイプでした。でも、高校生の時に、学校の授業の一環で観たミュージカル『レ・ミゼラブル』の、最初の歌を聴いた瞬間、作品にのめり込んでしまったんです。その後に、この世界に入り、仕事を始めてみんなで作品を作り上げる楽しさに目覚めて、そこからもっと歌を磨きたいと思うようになりました」いまは歌に加え、あらためて芝居の大切さを実感しているという。「ミュージカルって、どんな大曲でも、綺麗に歌い上げるだけではダメなんですよね。昨年、三島由紀夫さんの『命売ります』という作品をやって、芝居…役作りって何だろうってあらためて考えるようになっています。今回の作品は、そんないまの僕が出合うべくして出合った作品かもしれない。役として気持ちのこもった歌を届けられたらと思います」この秋には念願だった帝国劇場の舞台に立つことも決まっている。「よっしゃー!っていう気持ちと同時に、もっと自分を磨かなきゃって、引き締まる気持ちもあります」『Color of Life』震災を機に創作の手が止まってしまった画家の和也(東)は、ニューヨークに旅に出る。その機内で、たまたま席が隣り合わせたレイチェル(青野)と意気投合し、彼女の部屋で暮らし始める。5月1日(水)~27日(月)DDD青山クロスシアター脚本・作詞・演出/石丸さち子作曲・編曲/伊藤靖浩出演/東啓介、青野紗穂全席指定8000円*税込みチケットぴあインフォメーション TEL:0570・02・9111ひがし・けいすけ1995年7月14日生まれ、東京都出身。7月には「中村雅俊45thアニバーサリー公演」、11月にはミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』に出演予定。※『anan』2019年5月1日-8日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・谷口祐人インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年04月28日東啓介と青野紗穂が出演するNew Musical『Color of Life』が4月26日(金)に東京・相模女子大学グリーンホールにてプレビュー公演を行い、5月1日(水)に東京DDD青山クロスシアターにて開幕する。4月25日に行われたゲネプロを取材した。【チケット情報はこちら】本作は、脚本・作詞・演出を石丸さち子、作曲・編曲を伊藤靖浩が手掛けるオリジナルミュージカル。初演は2013年のニューヨークのオフ・オフ・ブロードウェイ演劇祭「Midtown International Theatre Festival」で、最優秀ミュージカル作品賞、最優秀ミュージカル演出賞、最優秀作詞・作曲賞、最優秀ミュージカル主演女優賞の4部門を受賞した。日本でも2016 年に初演され、今回は日本で3度目の上演。東と青野は共に初めての出演となる。対面客席になったことで舞台美術も大きく変わり、衣裳の雰囲気もこれまでのイメージとは違うものになった今作。そこで演じるのも、昨今『マタ・ハリ』『スカーレット・ピンパ―ネル』などミュージカル作品でその存在を示し始めた東と、『RENT』や『ソーホー・シンダーズ』などのミュージカル作品に出演する女優であると共にニューヨークアポロ・シアター「Stars of Tomorrow」で優勝を果たす実力派歌手でもある青野という、20代前半の輝き出したばかりのふたりだ。大震災によって画題を見失ってしまった和也(東)と、同性の恋人と死に別れたばかりのレイチェル(青野)が偶然飛行機で隣り合わせになり、惹かれ合い、ニューヨークの彼女の家で一緒に暮らし始めて……というストーリー。そこで描かれるのは、大きな事件というようなものではなく、和也のビザの有効期間(3か月)までの間に、ふたりが向き合って、自分自身とも向き合って、迷いながらも変化していく様だ。そのなかにあるのは、膨らんだりしぼんだりし続ける感情や刻々と進んでいく時間。それらを奏でるメロディは繊細で緻密で複雑で、東と青野は歌、身体、表情、息づかいで丁寧に丁寧に…けれど大胆さも重ねながら紡いでいく。和也の幸せな時間と、自身の根幹を揺るがす感情に戸惑うレイチェルの不安。隣同士で同じ時間を温かく過ごしながらも同じではない感情が、小さく交わす笑顔やふとした目線の動き、空気の揺れによって伝わってくる。対面客席ならではの客席との距離の近さが、そういった表現を実現しているのだろう。東と青野、そして石丸と伊藤がつくりだす、劇場でしか味わえない演劇の魅力がたっぷりと詰まった作品。ぜひ劇場で味わって!プレビュー公演は4月26日に東京・相模女子大学グリーンホール 多目的ホールにて。本公演は5月1日(水)から27日(月)まで東京DDD青山クロスシアターにて上演。取材・文:中川實穗
2019年04月26日2月1日(金)に東京・サントリーホールで、“競演”するピアニスト・外山啓介とチェリスト・辻本玲。大学の同級生であり、今やクラシック音楽界に欠かせない存在となったふたりが同じステージに立つのは、2012年ザ・シンフォニーホール(大阪)公演以来となる。演奏曲は、ショパンのピアノ協奏曲第1番とエルガーのチェロ協奏曲。公演を前にして、演奏するふたりにコンサートへの想いを聞いた。【チケット情報はこちら】ロマン派を代表する協奏曲のひとつである《ショパン ピアノ協奏曲第1番》。「ショパンの若い時の作品だけど、技術的な部分や旋律の美しさなど、その後のショパンの作品の基となるものがすべて詰まっている曲」と外山は語る。しかし、ロマンティックなイメージだけでは、この曲を弾くことはできないという。「もちろんロマン派の時代なので、例えば21連符や27連符とか出てきて、割り切れない部分が多くて合わせるのは難しい。しかし忘れてはいけないのは、ショパンは古典というものをとても強く意識している作曲家だということ。きらびやかなイメージだけで〈自分で歌おう〉とするのではなく、そこにある音を素直に表現しなさい、と教えられたことがある。だから、生み出そうとするというより、〈曲の中に入り込んでいく〉という感覚を持って演奏したいと思う」意外にもこの曲を弾くのは久々で、自分でも演奏が楽しみとのことだ。昨年日本ショパン協会賞を受賞し、充実の時を迎えている外山が改めて弾く、至高のコンチェルトに期待したい。一方、《エルガー チェロ協奏曲》について、辻本は次のように語った。「ジャクリーヌ・デュ・プレの名演が有名なため、なんとなく女性が演奏するイメージが強いけれど、それだけではない。第3楽章などはとても男性的。エルガーは非常に愛妻家で、この曲を作ってから間もなく奥さんが亡くなってしまうけれど、すでにそれを予期していたかのような、過去と未来を見つめながら人生を辿っているようなイメージがある。情熱的な部分と抒情的な部分を併せ持つ素晴らしい曲なので、ぜひ聴きにきてほしい」辻本がこの曲でプロのオーケストラと共演するのは初。力強く、表情豊かに歌う辻本のチェロが、いかにこの劇的な名曲を描くのか。チェロ・ファン必聴の演奏になるに違いない。公演は2月1日(金)東京・サントリーホールにて。チケットは発売中。
2019年01月16日三島由紀夫の小説を原作にした2018 PARCO PRODUCE 三島×MISHIMA 『命売ります』が東京・サンシャイン劇場にて12月9日(日)まで上演中だ。【チケット情報はこちら】開幕を迎え脚本・演出を手掛けるノゾエ征爾は「三島由紀夫の驚きのパンクな小説。を演劇化したらこんな風になったと、別に奇をてらったようなことは何もしていませんが、ともかく面白な原作に面白な役者が乗っかったらこんなんになりました」、主演の東啓介は「三島由紀夫でありながらノゾエさんの脚本・演出で、とてもエンターテイメントな作品に仕上がっていると思います。山田羽仁男という人物が愛されるよう、僕はひたむきに演じていきます。キャスト、スタッフ全員で作り上げてきましたので、是非劇場でご覧ください!」、上村海成は「『半分、青い。』等、最近やらせていただいた役とかなり違うタイプの役柄で、しかも初のストレートプレイなのでとてもドキドキしていますが精一杯演じます!お客様に観ていただくのがとても楽しみです!」とそれぞれコメントを寄せた。ある日ふと「死のう」と思い立ち「命売ります」という新聞広告を出した羽仁男(はにお)のもとに、訳ありの人々が次々と訪れる物語。原作が「週刊プレイボーイ」に連載されたエンターテインメント小説ということもあってか、羽仁男を取り巻く人物たちはキャラが濃く、それを上村や馬渕英里何、莉奈、樹里咲穂、家納ジュンコ、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、ノゾエ、不破万作、温水洋一という個性的なキャスト達がより一層ポップに立ち上げる。そんな彼らに命を買われる羽仁男は、若く、“いい生活”をしている、いわゆるエリート。演じる東の抜群のルックスも相まって、登場人物がずらりと並ぶオープニングでも一人浮き上がって見え、そんな彼こそが自分の命を売っているのだという異常さが引き立つ。何度命を買われても生き残ってしまう羽仁男。生きたくないから命を売っているのに、その出会いや体験が彼を変えていくのを観ていると、なんとも言えない気持ちになる。オムニバスのように進んでいく物語は一つひとつが一癖ある展開なのだが、劇中でふと歌われる歌の歌詞がそれとは真逆のストレートさで、目の前の出来事の別の面を見せる。ポップで笑えて楽しい舞台だが、命とは、生きることとはなんだろうかということを考えずにはいられない、ちょっと不思議な感覚が味わえる作品だ。公演は、12月9日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて、12月22日(土)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文:中川 實穗
2018年11月27日2018 PARCO PRODUCE “三島×MISHIMA”シリーズの第二弾『命売ります』が11月24日に開幕。原作は三島由紀夫が1968年に「週刊プレイボーイ」に連載したエンターテイメント小説で、ある日ふと「死のう」と思い立った27歳の羽仁男(はにお)が新聞に「命売ります」という広告を出す。すると訳ありげな人間たちが次々現れ――という物語。脚本・演出はノゾエ征爾。その通し稽古に潜入した。【チケット情報はこちら】東啓介が演じる主人公・羽仁男と関わる人々は、上村海成が演じる吸血鬼の母親のために羽仁男の命を買う高校生・薫や、馬渕英里何が演じる間貸しする女・玲子、莉奈が演じる謎の老人の妻・るり子、樹里咲穂が演じる吸血鬼の女、家納ジュンコが演じる図書の貸出係の女など、役柄を並べるだけでも面白そうな本作。さらに、最初に羽仁男に接触する謎の老人を温水洋一、るり子を愛人にしている男を不破万作が演じるほか、市川しんぺー、平田敦子、川上友里、町田水城、ノゾエがさまざまな役柄で登場する。組まれたセットは上下2段で等間隔に並んだ扉と、同じく床に等間隔に並んだ長方形の台で、スーパーマーケットの売り場のようにも見える。オープニングではそこにキャストたちが等間隔に並び、オリジナルの曲を全員で歌った。「妻といい仲になって、嫉妬した愛人から殺されてほしい」など、依頼内容はどれも個性的。羽仁男は毎回命を懸けて遂行するもなぜか生き残ってしまうため、オムニバスのように次々と出来事が描かれていく。命を買いに来る人たちはユーモラスでありながら切実で、依頼のひとつひとつに人間の欲望や業がカラフルに詰まっている。そして個性的なキャストたちの芝居により、そこに人間の持つおかしさや愛おしさ、そして残酷さが感じられた。そのなかで東は、死が迫り妙に生き生きしたり、死にたいのに死ねず苛立ったり、出会いと別れを繰り返すうちにある変化が訪れたりと、あらゆる依頼を渡り歩く姿が危うくセクシーだ。エンタテインメント小説と呼ばれる原作とノゾエによる演出の掛け算で、物語はポップに進んでいく。だからこそ浮き上がってくる三島由紀夫の死生観は、芝居に笑わされながらも心にグイグイと迫ってくるため、観終わった後には何とも言い難い気持ちになった。ぜひ劇場で味わってほしい。公演は12月9日(日)まで東京・サンシャイン劇場、12月22日(土)に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文:中川 實穗
2018年11月26日「同い年の俳優さんと話すんです。『若いころから一緒に芝居してるけど、30年もよくやってきたよね』って」そう話すのは、小心そうな雰囲気で、俳優として出演する作品以外に路線バスでの旅番組でもお茶の間を和ませる温水洋一(54)。今年で芸歴30年だ。「第一線ではなく“脇を固める”というんでしょうかね、隅っこからちょっと真ん中寄りの“第二線”あたりにいて、役者で食べられるのはありがたいことです」(温水・以下同)演劇との出合いは高校時代。気になるクラスの女子の勧めで演劇部に入ったのがきっかけだった。現在は、三島由紀夫原作の舞台『命売ります』(11月24日~12月9日/東京・サンシャイン劇場、12月22日/大阪・森ノ宮ピロティホールにて)の稽古に余念がない。「台本にはなかったのに、歌うと突然言われて。聞いてなかったんですけど、まぁ歌が入るとメルヘンチックになるから……。舞台で歌うのは15年前の三谷幸喜さんのミュージカル『オケピ!』以来。パートに分かれたりハモったり、結構難しいんです」物語は、自殺に失敗した主人公(東啓介)が、自分の命を捨て売りしようと「命売ります」という新聞広告を出すことから始まる。彼のもとには、さまざまな事情をもった客がやってくる。温水は、愛人をつくった若妻を殺したいと思っている謎の老人役だ。生死のはざまで揺れる人間たちをユーモラスに描いている。「三島先生が割腹自決した日のことを覚えていますよ。幼稚園から帰ってテレビでアニメを見ようと思ったら、どのチャンネルも中継で様子が違っていました。市ヶ谷の防衛庁(当時)を新しく建て替える前、自衛官だった父は『おまえ知ってるか?あの屋上で作家の三島由紀夫が演説して自決したんだぞ』と言っていました」今回共演する不破万作は72歳。「三島先生が存命中、不破さんが出ている公演の最前列に見に来られていたとか。先生は不破さんのお芝居を見たんですね!?不破さんはそのころすでに演劇をやっていたんだなぁ」これからも芝居を長く続けるために、決めたことがあるという。「前の晩、どんなに遅く寝ても、朝、どんなに早起きしても、必ず朝食を取るのがうちのルール。今朝は冷蔵庫に1玉だけ残っていたうどんにおあげとねぎを入れて、つるっと妻と半分こ。あと、僕も手伝って作ったサラダ」今日の私服は、胸にドクロのマークのシャツに、キャップ。「普段着は夫婦で出かけたときに、妻に見立ててもらってます」
2018年11月19日2018 PARCO PRODUCE “三島×MISHIMA”シリーズの『豊饒の海』に続く第2弾として、この秋上演される舞台『命売ります』。原作は、三島由紀夫作品のなかでも文庫版(1998年刊行)が累計発行部数29万部超のうち25万部は15年以降の重版という、今改めて注目を浴びる小説。脚本・演出はノゾエ征爾。【チケット情報はコチラ】主演の東啓介と、上村海成に話を聞いた。物語は、ある日ふと「死のう」と思い立ち服毒自殺を図るも未遂に終わった主人公・羽仁男(はにお)が、「命売ります」という新聞広告を出すことから動き出す。すると訳ありげな怪しい男女がつぎつぎに現れ……。原作を読んだ東は「羽仁男は僕が今まで読んできた主人公とは違いました。“自分はこうしたいから進むんだ!”ではなく“もうどうでもいい”からはじまって、そこから人が変わっていく、それがすごく素敵だと思いました。作品として、今やる意味というのものもあると思っています」。上村も「登場人物がみんな別の生き方をしていて、自由な生き様のようなものを感じました。今って“多様性を認めよう”と言ってる割に、みんなの意見に賛同しないといけない空気があるように感じます。その中でこうやっていろんな人がいるのを見ると、そんなに縛られなくていいんじゃないかと思ってもらえるんじゃないかな」。東が演じるのは羽仁男、上村が演じるのは母親のために羽仁男の命を買いに来る高校生・井上薫。役について東は「実はもともとテニスのインストラクターになりたかったのですが、それが怪我でできなくなってしまったときに“今までの時間ってなんだったんだろう”“自分が生きている意味ってなんだろう”と考えたことがあります。僕はそこで芝居というやりたいことを見つけたのですが。誰もが1度は死にたいとかもう嫌だとか思ったことがあると思うので、今回はそこから考えていければいいなと思っています」、上村は「僕の役は、すごく素直にお母さんのためにやっているのですが、それがまっとうじゃなく感じられるほどの真っ直ぐさなので。そうなるくらいに自分も役に没頭していかなければと思っています。真面目な中にも怖さを孕んでいる。簡単には演じられない役だと思います」。人気2.5次元作品やミュージカル作品で次々と主演を務める東、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で主人公の弟・楡野草太役でも注目を集める上村。若手として伸び盛りのふたりが、今作では手練れのキャスト陣にズラリと囲まれる。それについて東は「プレッシャーはめちゃくちゃ感じます(笑)。でも主演として引っ張れるところは引っ張っていきたいです」と意気込む。ふたりの挑戦にも期待しつつ開幕を待ちたい。公演は11月24日(土)から12月9日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。取材・文:中川 實穗
2018年08月21日今年も恒例の全国リサイタル・ツアーに挑戦中のピアニスト外山啓介。9月1日(土)には東京オペラシティでの東京公演を控える。昨年デビュー10周年を終え、次の10年へ向けての新たな1歩を踏み出した今年。〈月の光〉で有名なドビュッシーの《ベルガマスク組曲》とシューマンの《謝肉祭》を軸に、「音が紡ぎ出す情景」をテーマにしたプログラムを組んだ。「まず《謝肉祭》を弾きたい!一方で《ベルガマスク組曲》を全曲弾いてみたい!というところから選曲を始めました」【チケット情報はコチラ】実は芸大に入って最初のレッスンに持っていったのが、《ベルガマスク組曲》の中の〈メヌエット〉だった。「幼い頃からCDを聴くのが好きで、ジャック・ルヴィエだとかウェルナー・ハースだとか、ドビュッシーをすごく聴いていた時期があったんです。独特のしゃれた和声の中に少し毒がある。子供心に、そんなところに魅力を感じていたのだと思います。今年はドビュッシー没後100年。これまであまりまとめて取り上げたことがなかったのですが、どんどん弾いていきたいです」そして、シューマンが《謝肉祭》に添えた「4つの音符による面白い情景」という副題から、「情景」というキーワードが浮かんだ。それに導かれたのが、ドビュッシーと「月の光」つながりになる、ベートーヴェンのソナタ《月光》だ。ベートーヴェンは「今後、長い時間をかけて勉強して、あらためて取り組んでいきたい」という。そしてメインとなる《謝肉祭》は、まさにさまざまな「情景」の連なりだ。「実は最近まで、自分がシューマンを弾くイメージがありませんでした。あの独特のとりとめのなさ。ある意味直観的な音楽の表情の移り変わりに根拠がないように感じて、ついていけないと思っていたんです。ところがなぜかある時期からすごく弾きたくなってきた。《謝肉祭》も、1曲ごとに題名がついているように、キャラクターの移り変わりがとても面白い作品です。でもたぶんそこに自分が入り込み過ぎてしまってはダメ。個々のキャラクターを自分の中で整理しておかなければなりません。とりとめないように聴こえるからこそ、緻密な計算が必要なのです。ただ好きなように弾いて終わってしまう危険があるのが怖いところで、シューマン、面白いけれど難しい作曲家です」つまり、子供の頃から弾きたかったドビュッシーと最近目覚めたシューマンを中心に、11年目の新しい外山啓介が聴ける充実のプログラムなのだ。「内容がたっぷりなので弾くのは大変(笑)。頑張ります。新しい出発の年ということで、東京のリサイタルも、10年続けたサントリーホールではなく、東京オペラシティにしました。デビューのきっかけになった日本音楽コンクール(2004年優勝)の会場ですが、リサイタルで弾くのは初めて。少し流れを変えて、新しいステップアップのためのいろいろな可能性を探ってみたいと思っています」公演は9月1日(土)東京・東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルにて。チケット発売中。取材・文:宮本明
2018年07月24日