今回は「借地権」のメリットやデメリットについて解説いたします。そもそも「借地」や「底地」という言葉を耳にしたことはあっても、実際にその中身を知っている人は少ないのではないでしょうか。もしかしたら将来の家づくりに関わってくるかもしれない借地、そして借地権についてお話いたします。■ 借地には種類があるHAKU / PIXTA(ピクスタ)まず、借地の種類は大きく二つに分けられます。ひとつは、土地を借りる人が建物を所有する目的ではなく「土地をそのままの状態で利用する」借地です。代表的なものは、建築資材や建設機械の置き場、大型車両や商業車両の置き場(月極駐車場ではないもの)等が挙げられます。もうひとつは、「建物の所有を目的とした借地」です。この「建物所有を目的とした借地」にもいくつかの種類があり、今回はこのタイプの借地を詳しくご紹介します。なお、いずれの場合も対象地を借りる側の立場から見た呼び方を「借地」といい、対象地を貸す立場から見た呼び方を「底地」といいます。■ 「借地権」ってなに?bee / PIXTA(ピクスタ)先述した、建物を所有せず単に土地を借りる借地には「借地権が発生しません」が、建物を建てるために地代を払って他人から土地を借りると「借地権という権利が発生」します。この借地権にも「土地賃貸借」によるものと「地上権」によるものの2種類があります。地上権による借地権は、登記義務があることや、自由譲渡が可能(地主の承諾不要)なこと、地上権そのものに抵当権が設定できること等から地主(底地権者)側に不利になる場合が多いのでほとんどの借地権は土地賃貸借によるものになります。■ 「借地権」には今後、相続や家づくりで関わる可能性も!ABC / PIXTA(ピクスタ)たくさんの種類がある借地権ですが、家を建てる場合や相続のときに関わるかもしれない借地権があります。まずは、一般の人が実際に関わる可能性が一番高いのは、1992年8月より前から土地を借りている場合の借地権(旧借地法)です。このタイプの借地権では借地契約の期限は決まってますが、更新することによって半永久的に借りることができます。ただし、建物の構造によっては存続期間が異なることや、借地契約の更新時には更新料が必要な場合があったり、建物を売却したり増改築する際には地主(底地権者)の承諾が必要だったり、承諾料が必要だったりしますので契約の内容には注意が必要です。実家の不動産を相続する際、「調べてみたら借地権だった」という話もたまに耳にしますので、そのような時は契約存続期間や契約内容などしっかりご確認ください。また、「不動産の広告で格安の物件を見つけたが借地権だった」という場合も上記同様、契約内容をしっかりご確認ください。■ 1992年8月以降に借り始めた場合の「借地権」KY / PIXTA(ピクスタ)1992年8月以降に借り始めて発生した借地権については「借地借家法」が適用され、その種類は5つ(普通借地権・一般定期借地権・事業用定期借地権・建物譲渡特約付借地権・一時使用目的の借地権)に分かれています。その中でも一般的に関わる可能性が高いのは「普通借地権」と「一般定期借地権」です。「普通借地権」は存続期間などに若干の違いはありますが、その内容は旧法の借地権に近いものとなっており、更新することによって半永久的に借りることが可能です。「一般定期借地権」の特徴はその借地期間が50年以上と長期であることや、期間満了後は更新がなく、原則的には更地にして地主へ土地を返還しなければならないことなどです。■ 借地権のメリット・デメリットbee / PIXTA(ピクスタ)借地権のメリットは土地所有権に比べて安く自分の住宅が手に入ることです。住宅敷地の取得費用が安く済めばその分を住宅性能のクオリティを上げることに費用を使えたり、住宅ローンの借入額を抑えることが可能となります。また、旧法借地権や普通借地権であれば、法の保護によって半永久的に土地を借り続けることができます。定期借地権の場合でも、住宅取得費が所有権よりも低く抑えられる分、借入額を抑えた住宅ローンを早期に完済してその分を貯蓄に回すことも可能です。デメリットは、毎月地代の負担があることや、様ざまなシーンで地主の承諾(売却・増改築など)が必要なことです。hilite / PIXTA(ピクスタ)借地やそれに付随する借地権には様々な種類があり、その契約内容も様々です。いざ借地取引の当事者になった場合には、借地や借地権に詳しい不動産業者にじっくり相談してみましょう!
2019年02月19日引き戸にダイヤガラスの入った食器棚や昔懐かしいちゃぶ台など、大正から昭和にかけての家具と食器を扱っているアンティークショップ、〔古道具権ノ助〕(以下、権ノ助)に突撃取材!外国人観光客も頻繁に訪れるという、その人気の秘密に迫ります!日本のみならず世界各国から来店東京随一のディープタウン、高円寺のアンティークショップといえば、真っ先に名前が挙がるのは〔権ノ助〕。大正ロマン、昭和モダンな家具や食器を取り扱っており、日本のみならず海外からも熱心なお客さんが訪れるといいます。その人気の秘密を探るべく、実際に店舗に潜入してみました!戦前の《小引き出し》が風格バツグン店先に並ぶ古家具の中に、さっそく気になる《小引き出し》を見つけました。右上が昭和30年代、右下が昭和20年代、そして左が戦前のもの。5,000〜10,000円くらいしそうなところですが、なんと順に3,500円・3,500円・6,500円というから驚きです。左の《小引き出し》の上部には、組木細工のようなマークが入っています。本体はセンノキという木でできており、全体的に重厚感があって良いですね。これは、掘り出し物が見つかりそうな予感!振り子時計がタイムトラベルに誘う期待に胸を踊らせてお店の中に突撃です。店内に響く振り子時計の「コチ、コチ……コチ、コチ……」という音により、時空が大正・昭和に巻き戻ったかのような感覚が呼び起こさせられます。折りたたみ式のちゃぶ台が12,500円そんな中、昔懐かしい《ちゃぶ台》を発見しました。直径は約87cm、高さは約27cm。本体の素材は一見してケヤキかと思いましたが、こちらも先程の小引き出し同様にセンノキです。食事はもちろんのこと、和裁なんかをする際にも風情が出ます。この《ちゃぶ台》、嬉しいことに脚が折りたたみ式なんです。戦後すぐの頃のアイテムということで、価格は確実に15,000円以上はするだろうと思いきや、なんと12,500円。もしかして、〔権ノ助〕の人気の秘密って、この安さにあるんじゃないでしょうか?ギミックが充実したダイヤガラスの食器棚続いて注目したいのが、ダイヤガラスの引き戸がたまらない《食器棚》です。昭和20年台のもので、価格は38,000円。上下に分割することもでき、収納スペースがとにかくたくさんあります。上部と下部の間の部分には、ベロ(引き出し式の天板)が付いているという、ギミックの面白さもポイントです。下のスペースにお鍋、上の引き出しにカトラリーなどを収納したいところですね♪素敵なソファや髪飾りも発見!さらにさらに、素敵なソファチェアを見つけちゃいました。こちらの《チーク材ソファ》、昭和40年台のものだといいますが、座り心地がバツグンです。ベージュの落ち着いた色合いもグッド。価格は8,800円と、やはり全体的にクオリティ以上の安さを感じますね。ちなみに、〔権ノ助〕では家具や食器のほかにも、様々な雑貨を取り扱っています。例えば、こちらのレトロかわいい《かみかざり》は1個200円です。昭和40年代のもので、種類も豊富ですよ。アンティークショップの敷居は決して高くない最後になりましたが、こんな素晴らしいお店を営んでいる店主さんって一体どんな人なんでしょう……ということで、店主の遠藤信彦さんにお話を伺いました。遠藤さんが〔権ノ助〕を開業したのは8年前の2010年。それまでは、富岡八幡宮の骨董市に7年間出店するなど、約23年間アンティーク関連の仕事をしてきたそうです。「自分のお店を出す」という夢を叶えた今、次なる夢は「支店を出す」こと。大好きなアンティークを通して、人との出会いを充実させていきたいのだといいます。〔権ノ助〕が気になった方は、まずはHPやインスタグラムをチェックしてみましょう!今回ご紹介しきれなかった素敵な商品が多数アップされています。そして次に、騙されたと思って是非とも店頭に足を運んでみてはいかがでしょうか。アンティークショップの敷居は決して高くありませんよ。【店舗情報】●店舗名小道具権ノ助●住所東京都杉並区高円寺北2-9-8●営業時間10:00-20:00●定休日不定休●TEL03-5373-8355〔小道具 権ノ助〕HP※本記事内の商品の価格は全て税込み表示です。※本記事内で紹介した商品の年代と素材については、あくまで店主・遠藤さんの見込みです。※本記事内で紹介した商品は一点ものなので、実際には売り切れてしまっている可能性があります。ただし、類似商品は随時取り扱っています。
2018年12月12日ある質問掲示板に、「ゲーム実況動画をアップロードする行為は、著作権侵害にならないのでしょうか?」という旨の書き込みがあり、話題になりました。たしかに、著作者の許可なく著作物をアップロードする行為は、著作者の複製権・公衆送信権などを侵害します。著作権侵害の可能性があるのに、なぜ、実況プレイヤーは逮捕されないのでしょうか?なぜ、動画は削除されないのでしょうか?この記事では、ゲーム実況動画と著作権侵害の関係について解説していきます。 ゲーム実況動画をアップした際に侵害しうる著作権は次の2つ大前提として、ゲーム実況動画をUPした際に、著作者のどのような権利を侵害しうるのか整理しておきましょう。複製権…自分の作品(著作物)を勝手に複製させない権利公衆送…信権 自分の作品を勝手にアップロードさせない権利ゲームを録画する行為は複製権を、不特定多数に公開する行為は、公衆送信権を侵害している可能性があります。 ゲーム実況動画をアップしても、なぜ罪に問われないのか?では、ゲーム実況動画をアップしてもなぜ罪に問われないのでしょうか? ゲーム実況を許可しているゲーム制作会社もあるから音楽業界などと比べると、ゲーム業界は比較的著作権に関して寛容な傾向があるようです。例えば、プレイステーション4には、プレイ動画をYouTubeにアップできる機能がついていますし、任天堂には、“Nintendo Creators Program”という、ゲーム実況者と任天堂が広告収入をシェアするプログラムがあります。ただ、すべてのゲームをアップロードしてよいわけではありません。ゲーム実況動画を投稿する際は、Nintendo Creators Programのようなページから、利用可能なゲームを確認するとよいでしょう。 ゲームの宣伝になるから実況動画がUPされることは、なにもゲーム制作会社にとってデメリットばかりではありません。有名な実況者が動画をUPした場合、10万回以上再生されることもあります。制作会社からすれば、無料で宣伝ができることになり、なかには、企業から実況者にPRを依頼するケースすらあるようです。 ゲーム実況動画が問題になるのはどんなとき?木川先生:実況が許可されていないタイトルのゲームについては、上記のとおり実況動画のアップロードにより著作権侵害となり得ます。著作権侵害に当たり得るとしてもそれが黙認されてきた理由は、上記のとおりゲーム会社にもメリットがあるからです。バグプレイや、ストーリー性が重要なゲームなどでネタバレを行うプレイではなく、通常の実況動画であれば損害は発生していないとも考えられるからです。実況動画をアップロードしようとする際には,まずは実況動画のアップロードが許可されているかを確認し、許可されていない場合は最低限、①黙々とプレイする等、ただの攻略・ネタバレ動画にはしないこと、②バグやゲーム会社が意図しない改変を加えたプレイ動画にしないこと、③有料コンテンツを無料で得られる方法など裏技を明かす動画にしないこと、には気を付けなければなりませんね。なお、個々のゲームおよびゲーム実況動画によって著作権侵害の有無や侵害の軽微性は変わり得ますから、やはり確実に合法といえるのは実況が許可されているゲームの実況動画しかないでしょうね。*取材協力弁護士:木川雅博(星野・長塚・木川法律事務所(旧星野法律事務所)。企業法務(会社運営上生じる諸問題),売買代金・貸金請求,損害賠償・慰謝料請求,不動産を巡る法律問題,子どもの事故,離婚・男女間のトラブル,相続問題,破産・民事再生・債務整理,労働問題など,法人・個人を問わず様々な案件を扱う。)*取材・文:アシロ編集部【画像】イメージです*縞 / PIXTA(ピクスタ)ゲーム実況動画をYouTubeにUP…著作権侵害では?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。ゲーム実況動画をYouTubeにUP…著作権侵害では?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年03月26日某国民的アニメキャラクターのそっくりグッズや着ぐるみが中国で横行し、「著作権侵害だ!」と一時期話題になりましたね。マンガやアニメ作品のパロディを描いた同人誌。これもまた「著作権侵害なのでは?」とうすうす疑問に思ってしまいませんか?日本において同人誌が文化の1つとされる現代まで、なぜ同人誌が生き残って来たのか。今回はそんなちょっとタブー感のある話について言及していきます。この記事の法律に関する内容は法律事務所あすかの冨本和男先生に監修いただきました。著作権についての詳細はこちら→『著作権とはなにか | 侵害に当てはまるものと当てはまらないものについて』そもそも同人誌とは?同人誌に対して私たちが持っているイメージは『アニメやマンガのキャラクターをファンがエッチな感じに描いたもの』といったところじゃないでしょうか? 実際に、最近ではそういったものが大半を占めるようになりました。元々は明治時代に、文学好きの人々が自費で小説や短歌などを発行したものを同人誌と呼んでいました。同人誌の祭典であるコミックマーケット(通称コミケ)で販売されているものには、そのような文学的作品もありますし、マンガやアニメのパロディでありながらもエロティックシーンがないものももちろんあります。さらには好きなものについてまとめたもの(航空機や鉄道など)や、ただただ趣味で書いたもの(回文の作り方や円周率についてなど)もあり、一概に『アニメやマンガのキャラクターをエッチな感じに描いたもの』とは言えません。とはいえ、ここではアニメ・マンガのパロディ作品の同人誌に焦点をあてていきますので、同人誌は『アニメ・マンガのパロディ作品』として認識していただければと思います。 どこからが著作権の侵害?どこからもなにもありません。誰かが制作したものをコピーしたりアップロードしたり、真似をしたりしただけで著作権侵害にあたります。ここで問題なのは、『訴えられなければ罪にならないのか』『著作権を侵害した時点で罪になるのか』という点。結論から言えば、『著作権を侵害した時点で罪』になります。しかし、著作権侵害は『親告罪』。当事者の訴えがあって初めて、これは著作権侵害ではないか!と立件されるのです。つまり、同人作家がマンガやアニメのパロディを描いて収入を得ていたとしても、原作者が「著作権侵害だ!」と言い出さない限り罪には問われないということですね。親告罪についての詳細はこちら→『親告罪の仕組みと該当の罪一覧|親告罪では示談が有効』 もし訴えられたらどうなるの?もし訴えられてしまった場合、『著作権の侵害』として民事上で裁判にかけられるか、刑事事件として処罰されます。民事上では損害賠償などが請求され(請求額はケースごとに異なります)、刑事事件では10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が課されます(出版物の場合)。 同人誌は違法同人誌は違法か、違法でないか…結論は『違法』です。しかし、『親告罪』であるため、「原作者が訴えなければ、何も始まらない、だけど訴えられたら終了。」そんなギリギリのラインで同人作家さんたちは制作・販売しているのですね。実際に訴えられ、販売中止された作家もいます。最悪の場合罪に問われたり、損害賠償請求をされたりしてしまうことだってありうるわけです。ちなみに、年2回のコミケで何百万も稼ぎ、1年の収入源としている方もいるそうですよ。もし訴えられてしまったら…考えるだけでぞっとしますね。 同人誌はなぜ生き残って来たのか?そもそも同人誌を買う人はどういう人でしょう?そう、そのアニメやマンガが好きな人です。クールでシリアスな悪役たちがゆるゆるっとした日常を過ごしていたり、原作ではあまり出番のない登場人物が主人公であったり、はたまた好きなキャラクターがエッチなことをしていたり…作品のファンの妄想を可視化させてくれるのが同人誌。原作が好きな人が買うものなのです。(好きな同人作家の作品を買う、という人もいますが。)逆に、コミケに行って好きなアニメ・マンガの同人誌を買おうと向かう道すがら、他のブースの同人誌を見て「なにこのキャラ超絶かわいい!買う!っていうかなんのキャラ!?」と、同人誌から原作に興味を持つ人だっているでしょう。つまり、原作者にとって大きなデメリットはないですし、むしろメリットが生まれるかもしれないのです。芸能人がモノマネ芸人に真似されたら少し大物になることができた、というのと同様に、自分の作品の同人誌が売れたら自分の作品もまた人気が出てきた、といった感覚もあるのでしょう。だから訴える原作者は少ないですし、『見て見ぬ振り』をあえてしているのですね。 同人作家の味方『同人マーク』TPP交渉で著作権侵害が非親告罪化とされる(訴えがなくても著作権侵害として公訴される)可能性がでてきました。これでは同人誌の訴訟があちこちで起こってしまう!と対策を打って出たのが、『魔法先生ネギま!』(講談社)で有名な赤松健先生。赤松先生は「このマークがある作品は作者本人が同人誌作成を認めています。」という意思を示す『同人マーク』を考案したのです。これはあくまでTPPに日本が参加する可能性(この辺りの話は言及すると長くなるので割愛します。)を見据えて施行されたもの。これがなければ同人誌にしてはいけない(法的には違反なのですが)、原作者が訴えますよ、というわけではありません。同人作家としては安心して制作できるありがたいマークですよね。 まとめ同人誌が違法か違法でないかの観点でいくと違法です。しかし、その同人誌がこれまで残って来たのは、きっと原作者・同人作家・作品のファン、みんながその作品を『愛しているから』なのでしょう。その上で成り立っているものですから、原作者や作品のファンを不快にするもの、利益を損なうものを作ってしまったら訴えられてしまうこともあります。コミケは2018年の夏の開催でなんと94回目。毎年多くの人々が同人誌を求めて来場しています。アニメ・マンガが日本の文化として認められている現代。その素敵な文化をさまざまな方向から盛り上げて行ってほしいものですね。 *取材協力弁護士先生/冨本和男先生(法律事務所あすか企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・執筆/鈴木 萌*画像Graphs/PIXTA(ピクスタ)※自作したイラスト(オリジナルキャラクター)を使用して撮影しています。パロディ作品《同人誌》は著作権侵害にならないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。パロディ作品《同人誌》は著作権侵害にならないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年03月14日2017年12月、「OUT IN JAPAN」というプロジェクトが広島で開催されました。このプロジェクトは、LGBTを始めとするセクシュアル・マイノリティの方々をフォトグラファーが撮影し、カミングアウトするというもの。カミングアウトをするか否かは個々人の自由ですし、タイミングもそれぞれ。OUT IN JAPANでは、カミングアウトしたいという人を優しく受け止め、応援できる社会作りを目指しています。初の広島開催でしたが、どのような様子だったかをレポートします。今の社会に必要なものが見えてくるはずです。フォトグラファーはレスリー・キーさん!地方開催への熱い想い【多様な性、LGBTの世界】vol. 72015年4月から始まっているOUT IN JAPANというプロジェクト。2020年までに1万人撮影という目標を掲げて、全国で撮影会を実施中です。東京を皮切りに、大阪・福岡・名古屋・仙台、札幌と各地で開催してきました。大都市が主でしたが、今回は広島という地方開催です。地方開催だからこそ見えてくる社会の実態や当事者たちの想いがありました。フォトグラファーは、プロジェクト開始から継続して参加しているレスリー・キーさん(写真手前)。アートやファッションといった撮影、映画監督など、世界で活躍し、輝かしい実績を持つ写真家です。彼のOUT IN JAPANに馳せる想い、地方開催への想いもとても深いものでした。レスリーさん自身が日本のことを大好きで、日本にできることを考え続けてきたそう。そんななか、このOUT IN JAPANに協力することは、日本に大きく貢献できるのではないかと考えました。一人ひとりが生まれ持ったものにプライドを持って生きていってほしいという強い思いがあります。日本では、LGBTのことを知らない人が多く驚いたと語ります。必要なのはコミュニケーションであり、伝えていくことだと力を込めました。レスリーさんは自然体の写真を表現したいと思っています。和やかなムードのなか行われた撮影会ですが、被写体になるというのはどうしても緊張してしまうもの。しかし、無理な表情を撮影するのではなく、緊張していれば緊張したままの姿を撮影したいと語りました。それが ”今” のあなたなのだから。この言葉も、自然なキャラクターを活かして、写真で生命力を発信したいという想いがあるからこそ出るのだと伝わってきました。温かい言葉と笑顔が飛び交う、優しさあふれる撮影会認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ主催のこのプロジェクト。ヘアメイクサポートとして資生堂、スタイリングサポートとして丸井グループ、カメラ機材サポートとしてキヤノン、といった具合にさまざまな企業がその強みを活かして協賛しています。参加者は、それぞれプロにヘアメイクや衣装をセットしてもらいます。担当者は彼らに寄り添いながら、なおかつ特別扱いをするといった空気もなく、さまざまな人の居心地が良い空間ができあがっていました。にこやかな笑顔があふれながら、個々の美しさを引き出していきます。初対面同士の参加者たちもフレンドリーで、楽しそうな会話が飛び交っていました。いざカメラを前にすると緊張した面持ちになる方もいましたが、前述の通りレスリーさんはそれを ”今” として撮影していました。ポージングや表情などはきちんと指導してもらえるので安心です。リラックスムードのなか、プロの力でより自分らしさが引き出された姿を撮影する。カミングアウトをするという勇気も含めて、参加者にとっても良い1日になったのではないでしょうか。当事者の可視化をする意義。主催者の想い認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表の松中権さん。松中さん自身がゲイで、LGBT当事者でもあります。カミングアウトは必ずするべきものではなく、個人の自由です。しかし、カミングアウトしたいと思ったときに、カミングアウトしやすい社会であるように変えていきたいのだと語ります。そのためには当事者の可視化が必要。可視化することで、自分の身近にも当事者がいるかもしれないという意識をいろんな人に持ってもらうのです。参加者一人ひとりにメッセージを書いてもらいウェブサイトにアップしています。そこにはさまざまな年代、職業、出身地、セクシュアリティの方がいます。当事者の方には勇気や希望を持ってもらいたいと願い、そうでない方にもセクシュアル・マイノリティの方が当たり前にいる存在として世の中に届くようにと活動を続けています。また、東京を中心に理解が広がっているいっぽう、地方は閉鎖的でなかなか理解が進まないという現状があります。そのような現状ではカミングアウトしにくく、”隣にいない存在” になってしまいがち。だからこそ、地方での開催にとても意味があるのだと考えているそう。これからは地方での撮影会だけでなく、写真展の実施も目指したいと熱を込めます。誰しもがその人らしく暮らせる社会になるように。いつかはLGBTというカテゴリーさえも無意味になるように。今は過渡期として、丁寧かつ力強く声を届けていきたいと考えています。一般社団法人広島県セクシュアルマイノリティ協会(通称「かも?」Cafe)代表理事の野元惠水さん。セクシュアリティはストレートで、アライとして活動しています。親友の子どもや仕事のクライアントに当事者がいたことで、彼らの生きづらさを感じたそう。少しでも力になれればと、広島県での活動を続けています。広島の閉鎖的な面を知っているぶん、撮影会には人が集まらないのではと危惧していたそう。当初は写真展だけを開催しようと思っていたけれど、グッド・エイジング・エールズと話を進めていくなかでポジティブな気持ちをもらい、撮影会開催を踏み切ったのだとか。LGBTに限らずボーダレスな社会を望み、誰も排除されない世の中になるよう活動しています。都会だけではなく、あなたの隣にも当事者がいるかもしれないという優しい想像力を持ってほしいと力強く語りました。OUT IN JAPANのロゴやポスター、チラシ等をデザインしている廣橋正さん。昔見たアメリカのLGBT写真集がきっかけで、日本でもそういったものを出したいと考えていたそう。セクシュアル・マイノリティ当事者はどこにでもいるのに、日本では全く認知されていなかったのを常日頃から疑問に感じていたそうです。「私はリンゴが好きだけど、あなたはレモンが好きなんだ」。LGBT当事者とそうでない人の違いは、それくらい些細なものだと考えています。将来的にはLGBTだけでなく他の様々なマイノリティにも優しく、"違い"を受け入れ認め合える社会になってほしいと願っています。デザインに関しては、様々に違う顔や表情、ポーズが一番美しく見える正方形を選んだということ。写真はモノクロでその人らしさをストレートに表し、その上にかかる金色のロゴによって、クローゼットから出てきて光り輝いている彼らの勇気を表現。10年経っても輝いているデザインを願って作ったそうです。「来て良かった…!」参加者の声を聞いてみました広島から参加した、ユキさん。セクシュアリティはゲイです。LGBTのイベントに参加するのは初めてだったけど、写真で自分を表現できればという思いで来ました。異性愛や同性愛の垣根を越えた社会を望んでいるそう。参加して本当に良かったと感じていて、これからもこういったイベントに行ってみたいと笑顔を見せました。Male to Female(MTF)の一之瀬花凛さん。彼女も広島からの参加です。LGBTイベントの参加は初めてでドキドキしたけれど、紹介してくれた人がいたので安心感があったそう。今回参加して良かったけれど、広島の閉鎖的な地域性を考えると今後も室内イベントでないと抵抗があると話します。東京などになると、パレードのような開かれたイベントへの参加にも抵抗感がないそうです。広島でも理解が深まるよう願っており、まずは知ってもらうところからだと語りました。元保健室の先生であり、現在は全国で講師をしている井上鈴佳さん。セクシュアリティはレズビアン。以前広島県内で講演会をした縁で、大阪から参加したそうです。大阪は「おもしろければ何でも来い!」というノリがあるそうで、そこが広島と違うな、と感じます。LGBT当事者の自殺率を下げたいという目標を掲げており、全国の子どもたちにセクシュアル・マイノリティの基礎知識を伝えています。当事者として伝えることで、子どもたちの意識が変わればと考えているそう。自分自身がセクシュアル・マイノリティ当事者だと気付いたとき、身近に当事者がいたときに、井上さんのことを思い出してもらえれば、と語ります。セクシュアル・マイノリティであっても他の人と変わらないし、いろいろな人がいるのだという考えが浸透するよう活動しています。今回のイベントに参加したのも、その一助になればという思いだそうです。広島からパートナー同士で参加したというC.Kさん(Cさん:写真右、Kさん:写真左)。Cさんはパンセクシュアル、KさんはFemale to Male(FTM)であり、クィアでもあります。これまでは、広島以外にも東京や関西でのLGBTイベントに参加したことがあるそうです。ただし、パートナー同士で大々的にカミングアウトするというのは初めてだそう。元々OUT IN JAPANは知っていたもの、広島には来ないだろうと思っていたと話します。ところが今回広島で開催されると知り、2人での参加を決意したそうです。一部の人にはカミングアウトしていたけれど、どこか殻に閉じこもってしてしまうところがあったと話すKさん。この日の撮影で、フッと心が軽くなったそうです。自然に笑顔になれる空間が心地よかったと、2人で笑みを交わしていました。岡山から参加したアメリカ人のJoshua V Oggさん(写真右)と、広島から参加のRasheim Taylorさん(写真左)。彼らはゲイで、友人同士です。Joshuaさんはアメリカで人権キャンペーンに参加したことがあるそうですが、写真を通したイベントは初。支援したいという思いやプライドがあっての参加です。楽しい時間を過ごせ、達成感があると笑顔で話してくれました。いっぽう、Rasheimさんはギリギリまで参加を悩んだそう。東京の友人が参加していたためOUT IN JAPANは知っていたけれど、勇気が出るまで時間がかかったと話します。友人に相談して「変われるかな」と思い、決断したそうです。実際に参加すると心が軽くなったと穏やかな声で語りました。マイノリティであっても、人と違う個性を尊重し合える社会を望んでいます。当事者は全国にいます。身近な存在なのだと意識してみてこちらは、この日撮った参加者の写真の一部です。それぞれが自分に誇りを持って輝いているのがわかるかと思います。その姿は、LGBT当事者ではない方と同じ。みんな、生まれ持った輝きを持っているのだと私は思います。LGBTというくくりは関係なく、自分に誇りを持って生きるのが素晴らしいのです。しかし、カミングアウトしにくい社会であるのも事実。地方ではそういった空気感が強いのだなと肌で感じました。LGBTは遠い世界での出来事ではありません。全国のどこにでも、当事者がいるのです。いろいろな人がいて当たり前だという未来を作るために。このプロジェクトはとても大切な意味を持っているのだと思います。LGBTのニュースを見る機会が増えましたが、東京など大都市での出来事が多いな、と私自身感じます。全国どこに住んでいても身近で当たり前だという社会になることを切に願います。この1日で見たたくさんの笑顔や温かい空気感が広がっていくように。デザインにも込められた想いのよう、輝き、色あせないように。あなたもLGBTを身近に意識して、そして伝えてみてください。きっと、誰もが生きやすい未来が待っているはずです。InformationOUT IN JAPAN認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ一般社団法人 広島県セクシュアルマイノリティ協会(通称「かも?」Cafe)レスリー・キー氏すべてのソーシャルメディアのアカウント:lesliekeesuper写真(レスリー・キー氏以外の人物写真除く):photo anno
2017年12月27日選挙権の年齢を20歳から18歳に引き下げる法改正・選挙制度改正が2016年に実施されました。先日の衆議院選挙で、初めて投票したという18歳も多かったと思います。そこでパパママ世代に調査! 18歳選挙権についてどう思いますか。Q.18歳選挙権、どう思う?1.賛成 27.8%2.どちらかといえば賛成 28.2%3.どちらかといえば反対 19.7%4.反対 6.0%5.わからない・どちらとも言えない 18.4%最も多いのはどちらかと言えば賛成という人で28.2%。賛成という人も27.8%と次に多く、両方を合計すると56%と過半数を超える結果になりました。■政治に関心を持つきっかけになってほしいいろんな問題はあるかもしれないけど、政治離れが加速していると言われる若者に興味を持ってもらうためにも、選挙権を与えるのはいいことという人が多数派でした。「良いことだと思います。娘の高校では、政治状況を高校生の視点から学んで、公正に判断できるような能力を育成する取り組みも始まっています」(神奈川県 50代女性)「18歳からの選挙権に賛成です。意味がわからなくても、関心を持つきっかけは大切なことです。面倒だとかだるいとか言わずに、選挙に足を運ぶ大人になってほしいです」(神奈川県 40代女性)「選挙のときに高齢者よりの政策ばかり選ばれると困るから、年齢の引き下げはいいことかも。18歳でもしっかりしている子はたくさんいるし、30代だってどうしようもないのはたくさんいる」(神奈川県 30代女性)■18歳はやはりまだまだ子どもなのでは…反対派の人は、18歳ではまだちゃんとした判断ができないのではないかという不安があるようです。何歳まで子どもなのか、何歳から大人なのかは難しい問題ですが、実施された今となっては、子どもへの政治や選挙に対する教育が求められているようです。「18歳を大人と見なすのなら、少年法も見直すべきでは?」(徳島県 40代女性)「人数稼ぎのための年齢の引き下げにしか思えない。学力低下も騒がれているのに選挙権!?」(静岡県 40代男性)「うーん、きちんと真面目に考えて投票するか不安です。タレント議員や人気バンドのファンですといった議員とかに入れそう」(千葉県 40代女性)■国民が変わるチャンス! 若者に期待したい新しい風が吹くことによって、国民全体が変わるチャンスと捉えている人もいました。自分の子どもが投票するとなったら、親も投票に対して意識が高まります。そういった意味では、親世代の投票率の向上にも効果はあるのかもしれません。「18歳に選挙権の年齢を下げることで、教育の場で選挙を意識させることができると思われるし、そうした教育を受けた若者が年齢を重ねていくことで、選挙や政治に対して意識の高い国民に変わっていくのかなと期待もできます。もちろん親である私も意識するようになりました。18歳のみならず、その親世代にもいい影響を与えるのではないでしょうか」(神奈川県 40代女性)Q.18歳選挙権、どう思う?アンケート回答数:8602件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年11月10日LGBT支援団体として活動している、認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ。その団体のなかで、唯一 ”アライ” として活動している女性がいます。その女性が、鈴木美樹さん。アライとして活動する思いをうかがいました。LGBT当事者との出会いとNPO法人立ち上げに関わるまで現在、私は化粧品などの流通系コンサル会社を持ち、仕事をしています。そのかたわら、認定NPO法人グッド・エイジング・エールズでも活動をしています。グッド・エイジング・エールズは、LGBT支援団体。そのなかで、唯一アライとして活動しているのです。アライとは、Ally(同盟、盟友、味方)が語源の言葉。LGBT当事者でなくても、LGBTを応援したり支援を行ったりしている人のことを指します。私がLGBT当事者の方と出会ったのは、新入社員時代のころまでさかのぼります。当時私は百貨店に勤務していました。企画スタッフとして働いており、デザイナーと商品企画をすることもありました。そんなとき、ゲイのデザイナーと出会ったのです。当時は1983年。「ゲイはいないものだ」という風潮さえ流れていたように感じます。彼は、「日本で生活することはできないから海外に行く」と、カミングアウトしてくれたのです。これが最初のLGBT当事者との出会いでした。その後私はニューヨークで仕事をすることになりました。ニューヨークでは、クラブに行くこともありました。そこで出会う友達が、ゲイばかりだったのです。これが第二の出会いです。そしてその後、現在グッド・エイジング・エールズの代表をしている松中権さんと出会ったのです。松中さんはLGBT当事者で、ゲイに当たります。私は13年前に夫を亡くし、夫の後輩だった松中さんと病院で出会ったのです。お葬式、1周忌、と顔を合わせる機会があり、精神的に弱っていた私を松中さんや彼の友だちが支えてくれました。支えてくれた松中さんの友だちにはゲイもいました。時が経ち、松中さんはNPO法人を立ち上げたいのだと打ち明けてくれました。私は今まで支えてくれたことへの感謝もあり、「私にできることがあれば」と参加を希望したのです。当時はアライという言葉もなかった時代。LGBT関係のNPO法人で活動していると、レズビアンだと思われることもありました。でも、そういった周囲の視線は気にならなかったのです。アライの立場だからこそできること。みんなの ”かけ橋” になりたい当事者が、ゲイであることをカミングアウトしてくれたときも、「そういった人もいるよね」という認識でした。根強い差別意識があるなか、いろんな人に、LGBTの存在や当事者のことを正しく知ってほしいというふうに思っていたのです。あるとき、店舗の物件を持っているオーナーから「お店をやらない?」といった話を持ちかけられたことがありました。松中さんにも相談しましたが、結局いったん断ったのです。しかし、少し時が経ってから、松中さんやほかのグッド・エイジング・エールズのメンバーが「LGBT当事者であってもそうでなくてもみんなで笑顔になれる場作りをしたい。そういった場作りのために、カフェを作ることはできないかな?」と相談してきました。当時、LGBT当事者が集う場といえば、新宿二丁目のような夜の世界ばかりでした。昼の世界にも、そういったオープンな場作りができれば、と思ったのです。それからは、いったん断ったカフェの場を借りることに奮闘しました。そこは古い別荘地で、お金持ちのご年配の方が多い地域。LGBTに理解がないかも……と思いました。まずはLGBTについて知ってもらうところからと、説明から入りました。返ってきた言葉は、「その人たちは女装しているの?」。そこで、松中さんたちに会ってもらうことにしたのです。「何でも聞いてください」というスタンスでお話をしたら、松中さんたちとオーナーはひと晩で仲良くなりました。ステキな仲間に囲まれていると感じた瞬間でもありました。さまざまな場面で批判されることがあるかもしれない。トラブルが起きるかもしれない。そんなときは、私が前に出よう。そう決意していました。しかしそれも杞憂に終わりました。ステキな仲間と活動しているからだと思います。もっとアライが増えてほしい。これが私の願いですとある企業では、LGBTは全体の7.6%だと発表されています。当事者が団結しても、8%ほどの力なのです。でも、当事者でない私たちが理解し、アライになれば……。それはもっともっと大きな力になるでしょう。私自身の考えでは、アライはLGBTを ”支援している” とは思っていません。LGBT当事者と同じ目線で、ともに過ごしている。より良い暮らしに向かっている。そう思っているのです。私はこの活動をしていくなかで、たくさんの学びをもらっていると感じています。こういった考えの方も増えたら良いな、と思っています。アライになるためには、何かに所属する必要はありません。本などを読んで、もっと勉強がしたかったら ”アライ会” というものに行くという方法もあります。LGBTを知り、ともに笑顔で暮らしたい、と考える人がひとりでも多く増えてくれれば幸いです。Information認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ(C) kupicoo/Gettyimages(C) RomanBabakin/Gettyimages(C) veerasakpiyawatanakul/Gettyimages
2017年09月14日【現役ホステスが語る男ゴコロの裏事情105】恋愛って、主導権を握ると有利な感じがしませんか?できれば主導権を取ったほうが、恋人に振り回されにくいのは確か。ただ、彼のことを好きすぎるとそれも難しいもの…。じゃあ、どうすれば握れるの?夜はホステスとして働く筆者が、カップル間で優位に立つコツについてお話します。■最初は彼を全面的に受け入れる筆者のお付き合いは、基本、男性の告白から始まります。でも、すぐに筆者が彼にハマってしまうんですよね…。結構、早い段階で、相手の筆者に対する「好き」よりも、筆者の彼に対する「好き」の気持ちのほうが大きくなり、恋愛の主導権を握られます…。そうなると「この子、俺にほれてるから、少しくらい放置しても大丈夫だろう」「ちょっとわがままを言っても許してくれるだろう」と(思っているかは定かではないですが…)彼もあぐらをかき始め、筆者が振り回される状態に…。それでも、当分の間は彼に“ねぎらいLINE”を送ったり、忙しそうなら、なるべく彼の予定に合わせてデートしたり、わがままも受け入れたり(というか筆者、基本的にNOがないんです)します。最初は彼を全面的に受け入れます。彼の一番の理解者になるんです。そうすれば、たいていはここから1~2ヶ月で逆転できるんですよね。■理不尽なことをされたら連絡をやめるいつも筆者がやるのは、彼が冷たい態度を取ったときや、理不尽なことを言ってきたときに「なんでそんなに素っ気ないの?」「いつも自分本位だよね?私のこと、もう好きじゃないの!?」と反撃するのではなく、シュンとした感じを見せて、今まで自分からしてた連絡をパタリとやめること。ポイントは、彼がこっちに冷める前に仕かけることですね。じゃないと彼も「ん?連絡こなくなった。まぁいいか」となりますから。これを機に連絡をやめると、彼も「今まで自分の都合に合わせてくれてた、わがままも受け入れてくれてた女の子が急に離れた!?」と焦るよう。連絡無精の男性でも、一週間もしないうちに「何してるの?」とか「会いたいな」と連絡してきますよ。別に無視はしません。ただ、ここからはもう自分のペースに相手を引きずり込みます。「今週は忙しいから来週以降かな~」と、文面の明るさは今までどおりだけど、なるべく自分の都合でしか会えないようにします。■他の男子の影をちらつかせるで、今まで彼と週1で会ってたのなら、2~3週間空けて久々彼に会う。そのときに彼の知らないアクセサリーをつけていくんです。まぁ、ほとんどの男子は「あれ?こんなアクセサリーつけてたっけ?」(他に男でもできたのか…?)と疑ってきます。よく覚えているのは、連絡を絶つ前までは「クリスマスイブかクリスマス、どっちか会える?」という筆者の質問に「んー、仕事忙しいからまだわかんない」と言っていた元カレのこと。久々に会ったときに、知らないアクセサリーを目にしたせいか、彼のほうから「イブはどこ行きたい?」と聞いてきました。ポイントは、連絡を絶ったら彼から連絡があっても、少しの間は会わないこと。で、久々に会ったときは今までどおり優しく接するけど、ほんのちょっとだけ他の男子の影をちらつかせるんです。今まで、自分にあんなにほれて優しかった彼女が、冷め始めているのか?と思うと、彼も気を惹こうと優しくなりますから。もう、ここまでいけば彼の「好き」がこっちの「好き」を超えるので、主導権は自分のものですよ。彼に振り回されることはそうそうないはず。きっと、今までよりも大事にしてくれるでしょう。■終わりにこれ、完全に筆者のやり方なので、万人に効くわけではないと思いますが、主導権を握りたいのに握れない…って悩んだときの、参考までにどうぞ!ライタープロフィール美佳コーヒーとスイーツをこよなく愛する東京在住のフリーライター。あちこちの媒体で執筆中。昼間はカフェ等で記事をかきかき。夜はドレスを着用し ばっちりメイク顔で酒をかっくらってるホステス。そんな20代後半の私です。
2017年09月11日*画像はイメージです:著作権の観点から、その存在がたびたび問題視される「まとめサイト」。2ちゃんねるの内容をまとめたものに加え、Twitterのツイート、さらには個人ブログも「まとめ」の名目で転載されるケースがあるようです。このようなサイトがいまだに生き残っているのはなぜなのか?「著作権侵害」にはならないのか?また、自分のツイートやブログなどを掲載されることを拒否できないのか?インターネット問題に詳しい法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士にご意見を伺いました。 ■まとめサイトは著作権侵害ではない?掲載拒否は可能?「まとめサイトが著作権を侵害するものであるかどうかは、著作権法32条の「引用」の要件を満たしているかどうか次第です。「引用」の要件を満たせば、掲載を拒否したとしても、掲載を拒否することは不可能です(その意味で「無断転載禁止」のような表示には何の意味もありません)。その要件は、条文上、(1)公表された著作物であること(2)公正な慣行に合致すること(3)目的が正当な範囲にあることが必要とされます。ただ、具体的にどのようなものが「公正な慣行」なのか、というところが問題であり、裁判実務上では、一般的にA 引用された部分が明確であること(明瞭区別性)B 引用する側が「主」で、引用される側が「従」と いえる関係にあること(主従関係性)が重視されています。Aは、たとえば引用部分を「」とか“ ”で括るなどして、どこからどこまでが引用部分なのかを明確にする必要があります。当然、引用している内容を改変するなどすれば、それは引用には当たないため、そのままコピーする必要があります。Bは、読んで字の如くですが、自分で調べて書き上げた記事や、意見や主張を基礎付けるために、他の記事を持ってくるといったことが必要です。まとめサイトは、Bの要件を満たしていない場合もあると思われ、その場合には引用の要件を満たさないと判断される余地はあります。なお、仮に引用の要件を満たしていないと考えても、実際にそうなのかどうかは、最終的に裁判所が判断することになります。したがって、著作権侵害であることが明らかにされるには、引用の要件を満たさず著作権侵害があるとして訴えるか、告訴をして捜査をしてもらうことが必要になります」(清水弁護士) まとめサイトが著作権を侵害しているかどうかは、著作権法32条の「引用」の条件を満たしているか否かが判断基準になるそう。そして最終的にその要件を満たしているか否かは、裁判所が判断することになるようです。お悩みの方は、ネット問題に詳しい弁護士に相談し、告訴をするか否か話しあったうえで行動にでることをおすすめします。 *取材協力弁護士:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Graphs / PIXTA(ピクスタ)
2017年07月09日ファッション誌『JJ』(光文社)出演権をかけたオーディションが、ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM(ショールーム)」で開催される。同誌は、「ガール」から「レディ」を目指す20代に向けて、ファッションとビューティを中心に実用的な情報をまとめたファッション誌。今回のオーディションのグランプリ受賞者は11月発売の1月号の誌面に登場でき、グランプリ以外の審査員特別賞の受賞者(0~3人)もモデルとして誌面を飾ることが約束される。モデルとしてスカウトされるチャンスもある。オーディションは、誌面を見た応募者の中での審査通過者が参加する「JJ枠」(応募期間:~2017年7月16日23時59分)と、SHOWROOM公式アカウント所有者が参加する「SHOWROOM枠」(応募期間:~8月20日21時59分)の2部門で行われ、勝ち残った参加者で決勝が行われる。参加者はイベント期間中に配信を行い、視聴者からの星(無料ポイント)、ギフティング(有料ポイント)、コメント数によって順位が決定。配信を通じて視聴者の心をつかむことが鍵となる。詳しくはJJ枠告知サイト、SHOWROOM「予選A」枠告知サイト、SHOWROOM「予選B」枠告知サイトにて。
2017年07月09日英シンガーソングライターのエド・シーランが、自身の楽曲「フォトグラフ」の著作権侵害を巡って2,000万ドル(約22億円)を求められていた裁判にようやく決着がついたようだ。2016年にソングライターのマーティン・ハリントン氏とトーマス・レナード氏は、エドの楽曲「フォトグラフ」が、2人が作曲し英版『Xファクター』の勝者マット・カードルの名のもとで2012年にリリースした「アメージング」の盗作だと主張する裁判を起こしていた。ハリントンとレナードは、「アメージング」のコーラス部分と、権利を侵害している「フォトグラフ」は39個の共通の音があり模倣していることが明らかだと訴えていた。BBCの報道によると7日、カリフォルニア州の裁判所は和解条件を施行するという形でこの訴訟終止符を打ったという。とはいえ、ハリントンとレナードの弁護士を務めたリチャード・ブッシュ氏は和解条件についてコメントすることを避けている。その一方で、問題となっている曲を歌ったマットは昨年、ツイッターで自身はこの裁判にまったく関与しておらず、エドのことを音楽の「天才」であると称賛していた。「みなさん、どうか記事をしっかりと読んでください。これは僕の裁判ではありません。エド・シーランは本当に天才的で彼の成功は100%すべて受けるべきものなんです」(C)BANG Media International
2017年04月13日日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽教室などから著作権料を徴収する方向で検討していることを受け、大手音楽教室などの企業や団体はこの方針を反対するための「音楽教育を守る会」を結成しました。その他、アーティストや作詞家からも、「子どもには無料で使ってほしい」と言う声があがっています。実際に音楽教室に通わせている人もいる親の意見を聞いてみましょう。Q.音楽教室への著作権請求、どう思う?1.請求すべきだと思う 9.9%2.請求すべきではないと思う 61.4%3.わからない・どちらとも言えない 28.7%過半数以上の人が請求すべきではないと思うと回答しました。カラオケなどの営利目的での使用で著作権請求するのはいいとして、音楽教室での使用まで含むのはどうなの? そして、なぜ今になって? という疑問があるようです。■楽譜からも取っているのにさらに取るなんて!ピアノ教室などで使用する楽譜にはすでに著作権料が含まれています。当然子どもが習うときにもその楽譜を買っているわけですから、さらに著作権請求をするというのが理解できないという人が多数派。「楽譜には著作権料発生してますよね。さらに、それを使用する教室から取るんですか? 二重取りではないんでしょうか?」(千葉県 40代女性)「演奏するための著作権といった感じでしょうか。確かに音楽教室は恩恵受けてますが、レッスン料に上乗せされるのはどうかなと」(広島県 40代女性)「楽譜で払ってるのに。なんだかんだお金が欲しいだけなのに、もっともらしい理由をつけようとしてあさましいと思います」(神奈川県 40代女性)■なぜ今さら? JASRACへ不信感を抱く人も今まではよかったのになぜ今さら徴収するのか、ということを疑問に思う人もいました。急に「それ違反ですから、お金払ってください」なんて、お金目的と思われても仕方ないのかもしれません。「なぜ今さらこういうことが問題になるんでしょうか? 請求すべきなら、もっとずっと以前からされるべきじゃないんでしょうか」(東京都 40代女性)「ちょっとせこくないですか」(愛知県 30代女性)「今さら徴収するなんて、お金目当てと思われても仕方がない気がする」(千葉県 30代女性)■音楽教室は演奏ではなく練習営利目的での演奏に著作権料が発生するのはいいとして、教室での演奏にまで発生してしまうというのはおかしいという冷静な意見を言う人もいました。音楽教室での演奏は、あくまで練習ですよね。「音楽をはじめ、著作物には著作権があり、お金がかかることは当然だと思います。しかし、教室での演奏、つまり練習にも著作権料が発生するというのは違和感を感じます。教室では『著作権のある音楽』に対して授業料を払うのではなく、先生の指導に対して支払うのですから」(神奈川県 40代女性)Q.音楽教室への著作権請求、どう思う?アンケート回答数:7090件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年03月07日音楽の著作権を管理するJASRACが、音楽教室での演奏について著作権料を求める方針を示し、批判を浴びているようです。未来の作曲家やミュージシャンを養成する機関である音楽教室にまで「カネ」を請求することについて、「日本の音楽文化を衰退させるものだ」と批判が噴出。今後音楽教室側は団体を作り、反対活動を展開していくようです。賛否両論ありますが、誰もが最初は名曲を演奏することで楽器の使い方を覚え、音楽家やミュージシャンとなるもの。その芽をつむようにも思う行動は、やはり歪に思えてしまいますね。真似といえば「替え歌」もその一種です。最近は様々な曲の替え歌を歌い、それをYouTubeなどの動画サイトに投稿している様子を目にします。これもやはり、著作権の侵害ということになるのでしょうか?法律事務所アルシエンの清水陽平弁護士にご意見を伺いました。 Q.替え歌を歌ってYouTubeに公開…これは法的に問題ないの?*画像はイメージです:著作権の侵害になる可能性が高いですが、例外もあります。「歌詞にも著作権があるため、替え歌をすることは、著作権のうち翻案権侵害、著作者人格権のうち同一性保持権を侵害する可能性があります。もっとも、著作権は原則として50年で消滅するため、50年経過していれば問題になりません。また、作者不明なものについても著作権の帰属が不明なので、問題になりません。なお、YouTubeなどは著作権管理団体と契約して、その団体が管理している楽曲であれば原則として自由に使って良いことになっていますが、翻案権や著作者人格権の管理まではしていない関係で、許諾もできず、結果、問題になるということになります。したがって、個別の許諾を取る必要があります。また、販売する際も、個別の許諾を取ることが必要です」(清水弁護士) 基本的には著作権の侵害になりますが、50年経過しているものや動画サイトが契約・管理している楽曲、そして個別に作曲家などに許可をとれば公開・販売することもできるよう。ちなみに、替え歌の元祖・嘉門達夫さんは個別に作詞作曲者や管理者に許可とり、許されたものだけをCD化しているそうです。替え歌を作ることも才能ですが、「権利」にも気を配らないといけないのですね。 *取材協力弁護士:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*I000s_pixels / Shutterstock
2017年02月06日キャリー・マリガンが主演を務め、女性には投票権も親権さえも認められていなかった時代の女性参政権運動を描いた『未来を花束にして』(原題:『Suffragette』)。このほど、その予告編映像が解禁となった。1912年イギリス・ロンドン。24歳のモード・ワッツは、洗濯工場で働く同僚の夫と幼い息子と3人で暮らしていた。ある日、モードは、サフラジェット(女性参政権運動の活動家)である友人の代わりに公聴会で証言をすることになる。それを機に彼女は、WSPU(女性社会政治同盟)のリーダー、エメリン・パンクハーストの演説を聞き、デモにも参加するように。しかし、夫から家を追い出され、息子に会うことまで禁止され、さらに工場長からクビを宣告される…。20世紀初め、ロンドンで先鋭化していた女性参政権運動の活動家、サフラジェットたちを描く、実話を基にした本作。主人公は、洗濯工場で働く若き母親モード。あるとき“別の生き方があるのでは?”と疑問が芽生え、愛する我が子には自分とは異なる人生を歩んでほしいと、行動を起こすべく運動に身を投じていく。そのモードを凛として演じたのは、『17歳の肖像』『華麗なるギャツビー』のキャリー・マリガン。また、女性運動の指導者エメリン・パンクハーストには、オスカー女優メリル・ストリープ、モードの同志のイーディスにはヘレナ・ボナム=カーター。モードの夫には、ベン・ウィショーと豪華キャストが集結。監督はサラ・ガヴロンが務め、脚本は『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』のアビ・モーガンと、強力な女性チームが語り継ぐべき物語を完成させた。2016年、日本では6月に18歳以上が投票した参院選が初めて実施され、8月には女性初の小池百合子・東京都知事が就任。いまでは当たり前となった1票に、命をかけ、自分たちの意思で社会を変えていった女性たちの心揺さぶられる物語には、予告編のラスト、メリルから「すべての娘たちはこの歴史を知るべきでありすべての息子たちは胸に刻むべきだ」とコメントも寄せられている。『未来を花束にして』は2017年1月27日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月16日現在開催中のトロント映画祭で、アン・ハサウェイが主演するSFスリラー『Colossal』の北米配給権を中国企業が買い付けたことが、業界で話題を呼んでいる。その他の情報その中国企業の名前は、現在、明らかにされていない。買い付け金額は、500~700万ドルあたりではないかと見られている。2017年に大規模な公開をすることも約束しているようだ。もちろん、中国企業がアメリカの映画館に自ら配給するのは現実的に難しく、この会社はアメリカの新しいスタジオに投資するようで、実際の配給業務は、そのスタジオが行うことになると思われる。最近、中国とハリウッドは急速に関係を近づけているが、このようなディールは、初めてのことだ。『Colossal』には、ほかに『ダウントン・アビー』のダン・スティーヴンスなどが出演。監督は、スペインのナチョ・ビガロンド。文:猿渡由紀
2016年09月15日「もうかれこれ5、6年も付き合ってるのに、彼から『君のことは好きだけど結婚はまだ考えられない』と言われてしまいました。私は当然結婚できるものだと信じてたのに……」という悩みをアラサーの読者さんよりいただいた。そう、付き合ってはいてもなかなか結婚に踏み切れない彼に焦りを感じている女性は多く、最悪の事態は“女性側が結婚したくとも彼には結婚の意思がない事を知り、長年付き合ってきたのに破局”……というパターンだ。「さんざんベッドで愛し合ってきたのにもかかわらず……いまさら結婚できないって何様のつもりッッッ?」と往復ビンタを食らわしたくなることだろう。相手がいないから結婚できないならいざしらず、相手がいても結婚できない苛立ちやもどかしさは独身女性の悲劇ではないだろうか。しかもその相手は不倫でも遊びでもなかったのに結婚してもらえないなんて女からしたらなんとも残酷な仕打ちである。なぜ男たちは結婚に踏み込めないのか、その理由を追求してみよう。1)趣味を制限されたくないから……「自分はロードバイクが趣味。ハッキリいってそこにお金を費やしてしまってる。ロードバイク自体にもお金はかかってるけどメンテナンスにもお金はかかる。タイヤ交換とか新しいパーツとかも欲しくなるし、ただ長距離を走るんじゃなくてイベントやレースにもエントリーしたいしね。だから移動や宿泊にだってお金はかかる。でも“仕事では味わえない達成感”や“日常からの開放感”がハンパなく大きい!!そんな大事な趣味を制限されてまで結婚なんてしたくない。たとえ相手の女性が『結婚しても続けていいのよ』って表面上は認めてくれたとしても独身の時みたいにはいかなくなるだろうし、結婚したら不満をぶつけてくるようになるのが目に見えてる。金かかる趣味を許してくれる相手なんてそうそういないと思う」(30代・建設関係)……ハッキリ言うと時間の自由と金銭的自由が制限されることで結婚を躊躇してしまう男性は多いのだ。そして男性はアラサー、そしてアラフォーで独身となればなるほど、趣味にお金を費やす。……というよりも“本気モード”で趣味に向き合っているのだ。それは彼らにとって趣味というより自分でいるための一部とっても過言ではないだろう。つまり一般的に「お金がないから結婚できない。貯金がないからムリ」なんていうのは男性が結婚しない理由にはならない。なぜならお金がなくても役所に届け出を出せば結婚はできるのだから。男から言わせれば“お金を使いたくない”のが本当のところ。結婚や披露宴やらのためにお金を使うぐらいなら趣味の新しい道具一式を揃えたいのだ。男は自分のためにお金使い、自由になるお金をもっていたいのである。2)自分の夢や仕事が実現できるかわからない……「女性と付き合うのはいいですが、どんなに素敵な女性であっても正直結婚はしたくないですね……。自分はビジネスでの将来の目標がある。独立を真剣に考えているし、そこにはリスクも伴う。それに男が語るビッグな夢なんて、実現できるとも限らないし(笑)いつ起業してスタートできるかわからないし、それが成功するかもわからない。そんなこの先どうなるかわからない状態で他人の人生なんて背負えないですよ」(30代・会社員)……男性が結婚する気がない理由に“自分のポジションが確立されていない”“自分の足が地についていない”ことが挙げられる。男性が「仕事がどうなるかわかならい、落ち着かない」状況ではなかなか結婚に手を出すことなどできない。あれもこれもいっぺんにできる女性とはちがって一点集中型シングルタスクの男性脳では自分の「やりたいことがある」こと意外の両立などムリなのだ。また男というものは結婚や女性に合わせて自分の計画を立てるのでなく、つねに仕事に合わせて人生設計をたてることが多い。まだ自分の行く末がわからない、その先になにがあるかわからないのに“自分の船に女を乗せて航海に”など旅立てるわけがないのだ。3)他にもっといい女があらわれるかも……「付き合ってる彼女が結婚したがってるのは分かってるんだけど、正直ここで“打ち止め”ってゆうのがなんだかね……。決して彼女のことが嫌いなわけじゃないけど、この先もっといい女があらわれるかもと思うとなかなか結婚に踏み込めない……。俺の知り合いのバツイチの男なんて相手の女が結婚迫ってくると『一度失敗してるから慎重になりたいんだ。心の傷を癒やすには時間が必要なんだ……』とかなんとかいってうまくかわしてたりする(笑)俺には裏で『せっかく離婚できて晴れて独身になったのに冗談じゃないよ。ひとりの女に決めるなんてもったいない。もっと謳歌したいよ』って断言してた。男ってそんなもんです」(30代・営業職)……男のいう“ていのいい誤魔化し方”、“結婚を遠ざける常套句”には「ちょっと待っててくれ」や「もう少し時間をかけよう」「俺には時間が必要」などがある。これを男版で直訳すると「ちょっと待ってくれ」→「おまえじゃ満足していない。俺はいつも上を目指している」「もう少し時間をかけよう」→「時間をかけて他の女もみてみたい」だろう。長い時間付き合っているのにも関わらず結婚に逃げ腰な男性の本心は“あなたで手を打ちたくない”“まだ年貢の納めどきではない”ということもあるのだ。女は結婚に前向きであっても男は結婚にはマイペースなもの 男は結婚に対してタイムリミットがないぶん“悠々自適なもの”である。あなたがたとえ今の彼との結婚を望んではいても、男性の意思がそこへ向かわないと結婚はできない。たとえ結婚式の主役は花嫁であっても残念ながら結婚の主導権は男が握っている。「結婚しよう!」と、男のタイミングで結婚は決まることが殆どである。そう、男の覚悟なくしては結婚はできないのだ。「おまえとは結婚する気はない」とか彼があなたとは遊びの関係でなく「結婚も一応考えてはいるけど、今はできない」というのならば相手がその気になるまで猶予を与えるのもアリだ。しかし、“男のタイミングを待つ”のがひとつの手であっても、“待つ”ことはつねに不安がつきまとう。「いつまで待てばその時が来るのかわからない」という無期限状態で女が年齢を重ねなくてはならないのは酷である。しかも、待ったご褒美に必ずハッピーエンドが訪れるならば良いのだが、あなたがこの先何年待ったとしても結婚できるという保証はどこにもないのだ。だからもう一つ道がある……。彼とでなく“自分が幸せになるために”別れを切り出すのも正しい選択である。別れの言い出しっぺは女であるべきだと私は思う。現状維持で構わないダラダラ男は「結婚しよう」とも言わないが「別れよう」とも言いださないのだ。仮に結婚の主導権は男にあったとても、別れの主導権は女が握るべきである。「俺はこの先どうなるか分からないし、結婚したくなるかわからないけど、とりあえずキープ」なんて男に女のプライドを壊されてはならないのである。体験型恋愛コラムニスト・神崎桃子
2016年07月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「18歳からの選挙権」です。***公職選挙法が一部改正され、70年ぶりに選挙権の年齢が引き下げられました。いよいよ、満18歳から投票できるようになります。少子化が進むなか、未来を担う若い世代が政治に参画できるようになるというのは、喜ばしいことですね。ただ、今年18歳、19歳になる人の数は約240万人で、有権者全体の2%にすぎません。ですから、これを機に政策がいきなり若い人向けにシフトするということはないでしょう。10代の有権者が生まれるということは、政党にしてみれば新たな支持者を囲い込めるチャンス。高校生や大学生を対象にボランティアを募ったり青年部を作るなど、どの政党も積極的にアプローチをかけています。世界的に見ると、191か国・地域のうち9割以上の国で、選挙権の年齢を18歳以上にしています。日本の有権者の年齢が20歳以上だったのは、成人年齢が20歳だからです。選挙年齢の引き下げは、国民投票の年齢が満18歳以上に定められたことがきっかけになっていますが、政府は将来的に、日本の成人年齢を18歳にすることも検討中。そうなれば、少年法も改正されますし、国民年金保険料を納める義務も18歳から課せられます。少子高齢化対策として、国は、働ける人、税金を払える成人の数を増やしたいんですね。18歳選挙は夏の参議院議員選挙から始まります。本番を前に「模擬選挙」を実施している学校もあります。議題に合わせて、生徒同士で議論を戦わせ、多角的な視点から、どこに投票するか考えをまとめる力を養うというもの。日本人はディベート下手ですよね。自分の意見が否定されると人格まで否定されたように感じて、人間関係に支障が出てきたり。感情と切り離して議論することは大切です。皆さんも、今日のランチをどこにするかというような身近なテーマでも、お友達とディベートをしてみてはいかがでしょう?汚職問題などを機に政治不信が募り、若者の政治離れに拍車がかかって、今、20代30代の投票率の低さが問題になっています。10代の政治参加に刺激されて、20代30代の政治意識が高まることも期待されているんです。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2016年6月29日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2016年06月26日ピクスタは10日より、 新たに写真・イラスト・動画素材のマーケットプレイス「PIXTA」の素材を購入する全会員を対象に、 権利侵害(著作権侵害、 肖像権侵害など)が発生した場合、これに起因する損害を補償する「安心補償サービス」を開始する。「安心補償サービス」は、 PIXTAで購入したデジタル素材(未加工のもの)に権利侵害(著作権侵害、 肖像権侵害等)が発生した場合に、 これに起因して購入者(会員)が被った損害を一定の条件においてピクスタが補償するというもの。同サービスを利用するにあたっての追加費用は不要。素材を最初にダウンロードした日から1年間を有効期限として、自動的に開始される。補償限度額は、会員ごとの総計で100万円まで。購入者である会員が利用規約等に違反していないこと等を条件に補償する。今回「安心補償サービス」を開始した背景には、昨今の社会的な著作権侵害に対する意識の向上や、企業のコンプライアンス意識の高まりを受け、多くの企業が日々使用するデジタル素材の著作権や肖像権について、 今まで以上に意識を向けるようになったこと、そして素材購入者のクリエイティブ活動をサポートすることで、同社のブランド価値を向上させたいという狙いがあるとのこと。また、同サービスの開始に合わせ、ピクスタ主催の無料セミナー「いまさら聞けない!クリエイティブの現場で必要な著作権入門」を開催。主にデザイナーやディレクターなどクリエイティブ業界の担当者を対象に、 デジタル素材を利用する上で知っておくべき権利の基礎知識として、「デジタル素材の著作権者は誰か、 購入したら著作権はどこに帰属するのか」、「そもそも「フリー素材」とは何がどこまで「フリー」なのか」、「被写体の肖像権はどうなっているか」などのトピックについて、過去に起きた訴訟の判例を交えながら語られる。なお、セミナーの開催日時は12月16日 19:00~(受付18:30~)、会場は東京都・渋谷のピクスタ 3Fセミナールーム。事前申込制で、Webページより手続きが可能となっている(12月15日 14:00締め切り)。
2015年12月11日レオナルド・ディカプリオが、先日発覚したフォルクスワーゲン社のディーゼル排ガス規制不正問題についての映画化権を取得した。「Hollywood Reporter」誌によると、レオナルドの製作会社「Appian Way」とパラマウント・ピクチャーズ社は、フォルクスワーゲン社が自社のディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していた問題について「New York Times」のジャック・ユーイング記者が執筆中の本の映画化権を取得した。フォルクスワーゲン社が、アメリカの自動車排ガス規制対策としてディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していたことは先月、アメリカの環境保護庁によって明らかにされた。以来、全米だけでリコール対象はおよそ50万台、全世界では1,100万台にもなると見られ、同社の前CEOが引責辞任している。地球の温暖化対策や絶滅の危機にある動物の保護など、環境保護活動に熱心なレオナルドにとって、これは絶対に手掛けたいテーマだろう。現時点では、映画化はドキュメンタリーになるのか、フィクションか、監督や出演などについても未定。レオナルドは「Netflix」でも環境問題をテーマにしたドキュメンタリー・シリーズのプロデュースにあたる予定だ。(text:Yuki Tominaga)
2015年10月15日●「お財布」と「心」を守る著作権東京五輪のエンブレム取り下げ問題をきっかけとして、創作物を作る側だけでなく制作を依頼する側、ひいてはそれらを受け取る側にまで、広く「著作権」に対する注目が集まっている。そんな中、農林水産省が不定期で実施している広報関連の勉強会において、「著作権」の基本について解説するセミナーが9月初旬に開催された。これは事件の以前より予定されていた会で、テーマと時勢の一致は偶然とのこと。しかしながら結果として、「著作権」を今知りたいと考える同省の職員で会場は満員となった。本稿では、今だから知っておきたい著作権の基本と事例について解説した、同セミナーの内容をレポートする。今回講師を務めたゲッティイメージズの杉渓言久(ときひさ)氏は、同社で実務をこなしながら、AIPE認定知的財産アナリストの資格を持ち、写真著作権に関する修士論文を執筆した実績もある人物。この勉強会が行われたのは、広報誌やポスターの制作、Webサイトの更新など情報発信を行う場面において、撮影あるいは購入した写真を使うことが多く、それにあたっての問い合わせが各所より寄せられ、農水省広報がゲッティイメージズ側に講演依頼をしたのがきっかけだという。○著作権のふたつの柱著作権は、創作性が認められる表現に対して与えられる、法律で決められた権利。しかし、「著作権」とは大きく分けて、「人格的な権利」と「財産的な権利」がある。杉渓氏は、「著作権には、"心を守る"権利と、"お財布を守る"権利のふたつがあります」と解説。正式名称で言えば、"心を守る"のが「著作者人格権」、"お財布を守る"のが「著作財産権」だ。「著作者人格権」は著作権者自身の「人格」を守るための権利で、譲渡や相続をすることが不可能。一方、「著作財産権」は「財産」であり、譲渡・相続が可能となっている。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で著作権の保護期間の延長が問題となったのは後者の「著作財産権」であり、これによる得失が争点となっている。「写真」の利用に関して押さえておきたいのは、「著作権」と「被写体の権利」があるということ。被写体となった人物の権利は「肖像権」で保護されるが、「肖像権」を明文で定めた法令・条約はなく、これまで積み重ねられてきた判例によって認められた権利だ。「写真」の撮影・利用に際し、その被写体であるヒト/モノの権利について考慮することが重要だという。「肖像権」は全ての個人に認められる権利だが、そのうち著名人など顧客誘引力のある人にとっての財産的側面を「パブリシティ権」と言っている。著名人の写真利用に関して「パブリシティ権」が問題となるケースがあるが、このような肖像の利用が常にパブリシティ権侵害となるわけではなく、時事報道、論説、創作物等に使用されることが正当な表現行為として受任すべきとされる場合もある。例えば、アイドルグループ「ピンクレディ」の写真が雑誌記事に無断利用されたことを同グループが訴えた裁判では、最高裁判所は、「専ら肖像等の有する『顧客誘引力』」の利用を目的とする場合には違法とする一方、この事案では、ピンクレディの『顧客誘引力』を直接利益に利用する目的としたものではないから、権利侵害はないという判断となった。つまり、著名人のブロマイドなど、肖像を直接商品や広告に無断利用した場合は侵害となるが、雑誌記事は「表現」の一環であるという判断となった。判決では、パブリシティ侵害となりうる類型として、「肖像自体が鑑賞の対象となる商品として使用する場合(ブロマイド等)」、「商品等の差別化を図る目的で商品に写真を付す場合」、「肖像等を商品等の広告として使用する場合」という3つのケースが挙げられた。モノの権利(モノのパブリシティ権)は、現在のところ未だ確立していないという。法律上、動物はすべて「モノ」として扱われるのは知られたところだが、有名な競走馬の名前を使う権利を争った裁判で、最高裁は、パブリシティ権が人格権に根ざすことを前提に、モノ(この場合は著名競走馬)のパブリシティ権利が否定されている。ちなみに建築物は、著作権法上は原則自由に撮影可能。ただし、著作権以外の権利を理由として、クレーム等が申し立てられるリスクはあるとのことだ。●過去の事件から、著作権侵害の傾向を知る○著作権にまつわる象徴的な判例セミナー中では、著作権にまつわる裁判の裁判例が紹介された。写真の著作権に関する著名な裁判例として、「スイカ写真事件」が挙げられた。これは、スイカを撮影したふたつの写真について、先に発表した権利元が、後に発表した人物を訴えたというものだ。判決は、被写体に関し、素材の選択、組み合せ、配置が類似していることを理由として、慰謝料100万円の支払いが命じられた。これが、「被写体の選択や配置」に創作性を認めたはじめての判決となった。一方、同じく「被写体の選択や配置」を問題にした裁判で、異なる判決が出されたのが「廃墟写真事件」だ。廃墟は被写体としてメジャーで、これをテーマとした写真集はいくつも出されているが、この裁判では、同じ場所・建物で撮影し、写真集を出版した写真家を、先に撮った写真家が著作権侵害で訴えた。ここまでは、「スイカ事件」と流れは同じだ。結果、判決は「非侵害」。著作権侵害は認められなかった。「廃墟の選択はアイデアであり、それぞれの被写体や構図、撮影方向そのものは、表現上の本質的な特徴ということはできない」とされた。スイカと廃墟、ふたつの裁判は一見すると類似の内容と思われるが、対比することで、「アイデア」と「表現」の2分論を象徴する事例となっている、と杉渓氏。廃墟事件は、被写体の選択そのものは著作権の保護が認められないという結論となり、スイカ事件は被写体の選択に加え、配置について創作性を認め、著作権の保護を与えたということになる。「著作権はアイデアを保護せず、表現を保護する」のであるが、これは、このような裁判例にも現れているという。○写真をトレースてた描いたイラスト、著作権侵害になる?また、写真の撮影ではなく、「他者が撮影した写真を元に絵を描いた場合、元の写真家の許諾は必要となるか?」という問題についても、判例を元に解説が行われた。絵を描くという異なる手法を用いた模倣の場合、どのような結果になるのだろうか。ここで紹介された「祇園祭写真事件」では、雑誌の表紙を飾った祇園祭の写真を元に描かれたとみられる水彩画が問題となり、撮影者が絵を描いた人物を訴えた。そして、判決は「侵害」。写真に写っている要素(被写体となった人物や構図)との類似が多いことから、写真家の「表現」を水彩画家が剽窃した、という判断が下された。杉渓氏は、この判例を挙げて、「他人の写真を無許諾でイラストにしたり、CGにしたりすると、著作権侵害になり得る」と指摘。表現手法の相違ではなく、「表現上の本質的特徴」が類似しているかどうかが争点となるようだ。それでは、インターネットで見つけた写真の構図を参考に、新規で広告用撮影をすることについては、どうだろうか。同じ「写真撮影」という手法だが、撮影自体は別途行っているため、新規撮影をした側の著作物と見なされるのだろうか。実際にゲッティイメージズと広告代理店とのあいだに同種の事案があり、同社の写真の被写体の服装や撮影地を模倣していた代理店とは、「Artistic Reference(参考料)」の支払いによって和解したという。著作権には、オリジナル作品を改変して「二次的著作物」を作る(翻案権)という権利があるが、本件は翻案を事後的に許諾したとの評価ができる。本来、著作物を翻案して利用する場合、事前に著作権者の許諾を受けるべきであり、そうしなければ著作権侵害に問われることになる。なお、著作物の無許諾での利用かどうかは、両者の「類似性」、および該当の写真を見たかどうかという「依拠性」によって判断されると解説した。これは、写真の場合も同様で、類似の構図で撮影された写真でも、他の先行写真を参考にしたものではなく、撮影者がたまたまそのような構図で撮影した場合、「依拠性」が認められないため、著作権侵害とはみなされない。●こんな時はどうしたら?実務で役立つ権利のはなし○実務で役立つ権利のはなしここからは、実際にゲッティイメージズで販売されている写真などを用いて、実務に参考となる知識が列挙されていった。同社だけでなく、国内外さまざまな提供社から販売されている「ストックフォト」。撮影せずに素材写真を探せるのは便利だが、こうした素材を使うときにも、気をつけたい権利がある。販売されている写真だから、写っている人物も素材となることまで了承済みだろう…と思いこみやすいところだが、"撮影こそ了承したが、写真の販売は了承していない"というケースもあるそうだ。被写体が商用利用を確認していない写真を広告などに利用すると、被写体から肖像権侵害を訴えられることもある。そのため、杉渓氏は購入前に「モデルリリース」を取得していることが、素材のWebページに明記されているかを確認することを勧めた。「モデルリリース」とは、被写体たる人物から自分の写った写真の商用利用に関する許諾である。書面での説明・サインが主流だったが、昨今はスマートフォンアプリでの確認をするケースもあるのだとか。多くの人が走っているマラソン大会の様子を俯瞰で撮影した写真では、ゲッティイメージズ側がランナーたち全員にモデルリリースの確認を取ったのだという。また、農水省の広報誌「aff(あふ)」掲載の写真について、杉渓氏が直接権利関係の問題の有無を解説する場面もあった。イベントに集まった人々を後ろから撮った写真に「肖像権」は適用されるかどうかという疑問には、「(顔が正面から写り込むなど)個人判別ができなければ、肖像権は問題にならない可能性が高い」というコメントを寄せた。一方、農家の人々がカメラ目線で写っている集合写真に対しては、「取材内容や掲載先について説明がされている可能性が高く、自分の写真が利用されることに対する黙示の許諾が認められるケース。そのため、「モデルリリースをいただくに越したことはないが、なくても権利侵害と言われることはないだろう」と語った。そのほか、市長らによるテープカットの写真は、「取材向けにセッティングされた場面であり、その撮影・公表は当然予測の範囲内であるから、許諾書をもらうようなシーンとはいえない」とのことだった。最後に、ゲッティイメージズが行っている権利処理サービスと事例の紹介が行われた。ゲッティの中でも、古い写真の中にはモデルリリースがないものもある。それを利用する場合、ゲッティのライツ部門が利用者に代わって使用許諾を得る「ライツ&クリアランス」というサービスがある。象徴的な例として、フランスの名所・エッフェル塔は、昼間の様子はパブリックドメインとなっていて、誰でも撮影し、発表することができる。驚くことに、これが夜になると話が一転。建物自体はパブリックドメインだが"ライティングに芸術性がある"ということで、著作権が発生するため、夜のエッフェル塔の写真を利用する場合には、著作権料が発生する。そのほか、非常に古い写真など、権利者を特定するのが困難な写真を利用する場合には、仮に被写体などからクレームが入った場合、ゲッティ社内の専門家が対応する「免責サービス」もあるということだった。ストックフォトというと膨大な写真を提供するコンテンツ提供サービスというイメージが強いが、杉渓氏は、「弊社は写真を売る側でもありますが、写真や映像を売りたい側/買いたい側のニーズをマッチングさせる業務を行うという面もあります」とコメント。商用利用を行う際には、単なる素材としての利用だけでなく、リスク回避も提供サービスのひとつだと語って、場を締めくくった。
2015年10月15日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「集団的自衛権」です。* **世論調査では反対意見も多かったのですが、「安全保障関連法案」が衆議院で採決され、与党議員の多い参議院での審議を経て、可決成立する見通しです。今回は法案のなかの「集団的自衛権」についてお話しします。「集団的自衛権」とは、自分の国が直接攻撃されていなくても、緊密な関係にあるほかの国が、別の国から攻撃を受けたときに、軍隊を送って一緒に戦う、というものです。実は、国際社会で認められた独立国であれば、どの国も「集団的自衛権」を持つことを国連憲章(国際連合で決めたことを記したもの)で認められているんですね。ただ日本は、憲法9条のなかで「戦争の放棄。陸海空軍を持たない。武力を行使しない」とはっきり明言しているので、集団的自衛権の権利は持っているけれど、それを実際に使うこと(行使)はできなかったんです。集団的自衛権について近年、国会で論じられるようになったのは、アメリカからの強い要請があるからともいわれています。最近オバマ大統領は、欧州や中東を訪問し、「集団的自衛権を行使して助けてくださいね」とお願いして回っています。というのも、ロシアのクリミア半島やイスラム国など、米軍が攻撃されるかもしれない場面が世界中で増えているからなんですね。中国や北朝鮮に対しても、一方的に攻撃されないよう、「抑止力」として、集団的自衛権を使えるようにしたいというのが安倍総理の考えです。まずは、憲法を改め、行使できるようにしようとしたのですが、憲法を変えることに対して反発が強かったので、「集団的自衛権を行使しても、憲法違反にはならない」という拡大解釈説を唱え、今回の法案提出に至りました。集団的自衛権が行使できるようになると、自衛隊員が死の危険にさらされる。軍備を拡張することになり、軍事予算が増える。少子高齢化で自衛隊員が足りなくなると、将来的に「徴兵制度(兵隊になることを義務づける制度)」につながる可能性があると野党から反対の声が挙がっています。「戦争をしない国」という日本のブランドがなくなったとき、テロの標的にされる可能性も出てきてしまうんですね。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年8月26日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年08月25日電通は7月29日、国際オリンピック委員会(IOC)から新たに、オリンピック競技大会の放送権を取得したと発表した。これは、2013年既に取得したアジア22カ国・地域における2014年・2016年の放送権に加え、新たに同地域において2018年・2020年・2022年・2024年大会の放送権を取得したものとなる。具体的には、第23回オリンピック冬季競技大会(2018/韓国・ピョンチャン)、第32回オリンピック競技大会(2020/日本・東京)、第24回オリンピック冬季競技大会(2022/開催地未定)および第33回オリンピック競技大会(2024/開催地未定)、のアジア22カ国・地域における放送権で、テレビやラジオ、インターネットを含むすべてのメディアがその対象。上記期間内に開催されるユースオリンピック競技大会の放送権も、取得権利の対象に含むという。なお、この22カ国・地域とは、アフガニスタンやブルネイ、カンボジア、台湾、東ティモール、香港、インドネシア、イラン、カザフスタン、キルギス、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、パプアニューギニア、フィリピン、シンガポール、タジキスタン、トルクメニスタン、タイ、ウズベキスタン、ベトナムとなる(アルファベット順)。
2015年07月30日ゲッティ イメージズは、写真素材を安心して使うための基礎知識を解説する「写真を活用した制作に関する著作権セミナー」を開催する。日時は3月25日 19:00~20:00(受付は18:30~)。会場は東京都・原宿のゲッティ イメージズ ジャパン(ジブラルタ生命原宿ビル 2階)。受講料は無料(先着30名、事前申し込みが必要)。同セミナーは、写真、イラスト、動画などの素材を使ってマーケティング、営業、広告活動をする人を対象に、Webやパンフレット等のビジュアル制作を行う際に知っておくべき写真にまつわる主なふたつの権利をはじめ、入手方法ごとのメリットやリスク、ストックフォトについての知識、ロイヤリティフリーを選ぶ際の注意点などを、陥りやすいトラブルなどをさまざまな事例を交えながら紹介する内容となっている。なお、プログラムは19:00~20:00がセミナー、20時以降は質疑応答および名刺交換会となっている。参加希望者は、こちらのページの申し込みフォームにて必要事項を記入して申し込む。定員は30名(先着順)。
2015年03月16日日本レコード協会とレコード会社23社は12月17日、YouTube上のコンテンツ動画をダウンロードできるサービス「TUBEFIRE(チューブファイア)」が著作権を侵害しているとして、運営元のミュージックゲートを相手取り、サービス停止および損害賠償を求める訴訟を起こした問題で、東京地裁で和解が成立したと発表した。ミュージックゲート側はTUBEFIREの利用において、YouTube上でダウンロード可能となっていたコンテンツ動画に関し、著作権の侵害があったことを認めた。また、日本レコード協会らに対し、すでにTUBEFIRE の提供を中止していることを確認し、今後も同サービス(名称のいかんに拘わらずこれと実質的に同一のサービスを含む)を再開しない。日本レコード協会らは、ミュージックゲートに対して損害賠償を請求しないという。
2014年12月18日伊藤忠商事は、仏ファッションブランド「キャシャレル(CACHAREL)」の日本市場における婦人服及び、服飾雑貨の独占輸入販売権を取得した。グループ会社のコロネットを通じ、2015年秋冬シーズンより販売を開始する。キャシャレルは、フランス・ニーム出身のジャン・ブーケ(Jean BOUSQUET)が1958年に創設。創業当初からの企業理念は「創造的でありながらも顧客に手の届く価格で商品を提供する」。現在ではウィメンズ・メンズ・キッズなどのアパレル、香水・アイウエアなどの服飾雑貨を展開。今年よりパリの百貨店プランタンでコーナー販売を開始した他、2015年には同地に旗艦店出店も計画している。日本市場においては、20から40代の洗練された女性をターゲットに全国の有力セレクトショップ、専門店での展開に加え、百貨店内にショップ・イン・ショップ開設を予定。3年後には小売り上代ベースで売り上げ12億円を目指す。主要アイテムの価格帯はコート・ジャケット7万5,000円から8万8,000円、ワンピース4万3,000円から8万8,000円、シャツ2万5,000円から6万9,000円、パンツ・スカート2万4,000円から5.3万円、ニット2万8,000円から4万9,000円。
2014年11月12日日本音楽著作権協会(JASRAC)はこのほど、福岡県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課と粕屋警察署が、「Bit Torrent」系のファイル共有ソフト「μTorrent」を使用してインターネット上に音楽ファイルなどを公開していた長崎県在住(22歳)と大分県在住(36歳)の男性2人を検挙したことを発表した。2人の男性はいずれも、JASRACの管理楽曲を含む音楽ファイルを無断でインターネット上に公開し、不特定多数のユーザーに送信可能な状態にして著作権(公衆送信権)を侵害していたという。JASRACはこの2人を7月8日に告訴していたもので、長崎県の男性は8月28日に逮捕、大分県の男性は8月19日に送致となっている。
2014年08月29日アンジェリーナ・ジョリーが、デイムの称号を使用するためナミビア共和国の市民権を取得する話が出ているようだ。アンジェリーナは先日、イギリスでエリザベス女王から名誉デイムの称号を授与されたばかり。彼女は2012年からイギリスのヘイグ外務大臣とともに「紛争下での性的暴力を防止するイニシアチブ(PSVI)」活動を始めたが、それを評価されてのことだが、イギリス国籍ではないため、正式ではない名誉称号となった。イギリス連邦加盟国であるナミビア共和国の市民権を取得すれば、デイムの称号を正式に使用することができるようになる。アンジェリーナはこの称号が今後のチャリティ活動に活用できるのではないかと考えているという。実は婚約中のブラッド・ピットとの間に誕生した第1子・シャイロを2006年に出産したのもナミビアで、アンジェリーナにとって縁ある国。ナミビア共和国側は早くも歓迎ムードだが、果たしてアンジェリーナはどんな決断を下すだろうか?(text:Yuki Tominaga)
2014年06月20日日清食品ホールディングスおよび日清食品は3日、サンヨー食品および太平食品工業に対して、サンヨー食品の一部製品について、特許権侵害訴訟を大阪地方裁判所に提起した。同訴訟において、同社は特許権の侵害行為の差止と2億6,652万円の損害賠償を請求している。同社によれば、従来の即席麺は製造効率を高めるため、麺にウエーブを付けざるを得ず、そのため、そばやうどんなど、本来、真っすぐであるべき麺にもウエーブが付いていた。しかしながら、本件特許にかかる「ストレート麺製法」は、湯戻し時に麺同士がきれいにほぐれ、喫食時に真っすぐになる即席麺の大量生産を可能とし、滑らかな麺の「のどごし感」を味わえる革新的な製造技術であるとしている。同社はかねてからサンヨー食品と交渉を続けてきたが、残念ながら解決には至らず、やむを得ず提訴することとなったものであると説明している。なお、この訴訟提起による同社の業績に与える影響は軽微であるとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月04日ダイアナ・ロスが、故マイケル・ジャクソンの子供たちの養育権を引き継ぐことを検討しているようだ。マイケルの遺言により3人の子供であるパリス、プリンス、ブランケットの後見人に指名されているダイアナ。現在は祖母のキャサリン・ジャクソンとマイケルのいとこに当たるティト・ジョセフ・ジャクソンが3人の子供たちの共同親権を保有しているものの、必要があればダイアナは子供たちの養育を引き受ける覚悟があるようだ。最近3人の子供たちの元を訪れたダイアナと一緒にいたというジャクソン一家の1人は、「New York Post」紙に「今回初めてダイアナは『もし必要ならば』と前置きをしつつも養育権に踏み込む意思を示したようですね。彼女はそういったことに関していままで何も話さなかったんですが。後見人に指名されたかったかどうかは別にしても、ダイアナはどんな義務も放棄することはないでしょうね」と明かした。先日、子供たちの祖母・キャサリンが失踪し、3人の親権を一時的に喪失し再び獲得したという一件もあり、ダイアナは子供たちが無事でいるかを確かめるために直接カリフォルニアのカラバサスに出向いて面会したと先の人物は語る。「(2009年にマイケルが亡くなった後、ダイアナは子供たちに電話をして)何かアドバイスやほかに必要なものがあるかを確かめたんです。そういうこともあり、先週、彼女は子供たちの本音を聞くために、直接会いに行ったんです。ボディランゲージなど微妙なニュアンスはなかなか電話では嗅ぎ取ることはできないですからね。マイケルだけがダイアナを愛してるんじゃないんです。私たち全員愛してます。マイケルの子供たちも彼女を慕っています」。そしてダイアナは、14歳のパリスちゃんに何か助けが必要な場合はすぐに電話するように言ったようだ。ダイアナは御年82歳になるキャサリンが子供を育てるだけの責任と能力があるかを心配しているようで、ジャクソン家の家族の大半は、その責任をダイアナが引き取ることを好意的な目で見守っているという。
2012年08月08日22日から日本公開中の主演作『96時間』がヒット中のリーアム・ニーソンが、アメリカ市民権を取得したことを公表した。北アイルランド出身のリーアムはアメリカのトーク番組「Good Morning America」に出演し、「アメリカに暮らすようになって20年経つけれど、この国は私にとてもよくしてくれた」と言い、「いまでもアイリッシュとしての誇りを持ち続けているが、アメリカの市民権を獲得したことも、とても誇りに思っている」と続けた。市民権獲得に気持ちが動いた要因の1つは、3月に起きた愛妻・ナターシャ・リチャードソンの急逝という悲劇。14歳と12歳になる2人の息子とカナダにスキー旅行中、転倒事故で頭部を負傷し、そのまま帰らぬ人になった妻の喪に服す彼のもとには、いまもアメリカの人々からたくさんのお悔やみの便りが届いているそうだ。この手紙に「深く心を動かされた」というリーアムは「これもアメリカ市民権を得ようと思った理由の1つ」と話した。2人の息子との生活について、「正直に言えば、ただ日々を過ごしているだけ」と、まだ喪失感は拭い切れていない様子。このインタビューは、ナターシャが亡くなってから初めて公の場で彼が心情を語ったものとなった。(text:Yuki Tominaga)26日、「GOOD MORNING AMERICA」のインタビューで胸中を明かしたリーアム。© Retna/AFLO■関連作品:96時間 2009年8月22日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2008 Europacorp - M6 Films - Grive Productions■関連記事:【どちらを観る?】ピンチこそ、男の見せ場!『トランスポーター3』VS『96時間』リーアム・ニーソン、愛妻急逝後初めてのレッド・カーぺットに悲しみをこらえて登場映画史上初のコラボ娘を守る“親父”が競馬場をヒートアップさせる!過激で過保護なパパが待受けで登場!リーアム・ニーソンが「遅くなるなら連絡しろ」
2009年08月28日