兄と妹のように育ち、ある時期には濃厚な身体の関係もあった賢治と直子。直子の結婚式が10日後に迫る時、久しぶりに故郷で再会した二人の間で、再び禁忌的な欲望が疼きだす――直木賞作家、白石一文の小説『火口のふたり』が映画化された。原作者の白石一文さんへのインタビューをお届けします。明日死ぬという時にセックスを望む。それが、人間が本来持つしぶとさ。『火口のふたり』を書いたのは東日本大震災の翌年、2012年です。年明けに富士山が噴火する夢を見たんですよ。その頃は実際に、今後最大余震がきて富士山に連動するんじゃないかと言われていました。それで、夢から目覚めた後なぜかふと、自分がそれを小説に書いたら、噴火が少し遅れるんじゃないかなと思ったんです。それで富士山の写真集をめくりながら、一気呵成に書いたんですね。その時に考えたのは、明日若くして死ぬかもしれないとしたら、何がしたいか、ということでした。やっぱり好きな人とのセックスに勝るものはないんじゃないか。むしろ、それくらいしかないんじゃないか。そう思いました。生命って、絶滅の危機に瀕した時にしぶとくなる。人為的ではない、不可抗力の自然災害があった時に、自分にはないと思っていたしたたかさが出てくる。それに、死ぬかもしれないという恐怖心と生殖行為って繋がっていると思うんです。知り合いの漢方の先生が、不妊に悩んでいる人に「子供が欲しかったら食事を減らせ」って言っていたんですよ。飢餓状態を作って生命の危機を身体に感じさせたほうが、子供ができやすくなるってことですよね。頭の中であれこれ考えることとは別に、身体にも身体の言い分がある。この小説の中に何度も「身体の言い分」という言葉が出てきます。<男の悦びには言い分と呼べるほどの「身体の言い分」などありはしない。我が身から真実の声を聞くというのは女性だけの特権なのだろう。>という文章も書きました。実際、男の人は自分の身体のことをあんまり意識していないんですよ。性衝動はあるけれど、それはスイッチが入るというだけの話。若い時は自分の意思に関係なく、そのスイッチが入りっぱなし。性欲に身体が翻弄されている感覚なんです。男の人にとって性器って、身体の一部というか、単なるアタッチメントなんですよ(笑)。女の人みたいに身体の中に根差した感覚はない。男は単純な機能しかなくて、それに女の人が合わせてくれている感覚がありますね。女の人のほうが、入った大きさに合わせてくれるというか、身体を合わせてきてくれる。ただ、僕に言わせると、だからといって女の人が男の身体を憶えていてくれるわけじゃないんですね。むしろ男のほうが女の身体を憶えている。作中、直子に「私は、賢ちゃんの身体をしょっちゅう思い出してたよ」と言わせましたが、あれはわざと男女逆を書いたんです。男の人が女の人の身体を忘れないのは、反応があるからでしょうね。男の性欲って支配欲も込みだから、彼女の反応も憶えている。僕の個人的経験で言うと、女の人ってセックスしているときれいになるんですよ。その最中も、その期間も、全部。「えっ」と思うような表情をして、輝くように見える時期がある。男はそういうのを見ているんです。身体の相性なんて、回数を重ねていくと良くなっていく。だから、若い時は「この人と添い遂げようと思う相手じゃないと駄目だ」などと思わずに、惹かれる相手と集中的にセックスしておくのもいいと思う。もちろん、相手は誰でもいいわけじゃない。濃密な精神的な交流がないと快楽も深まらない。お互いが一緒にいる一定の理由が必要になる。賢治と直子は一度別れた後で再会しているし、従兄妹同士という血の繋がりもある。しかも一緒にいられる時間には限りがある。期間限定セックスだから、彼らは集中する。それがしぶとさだと思う。たとえばセックスレスの夫婦だって、下地はあるのだから、どこかで切り替えればまたいいセックスができるようになるんじゃないでしょうか。セックスって、男女で作り上げていくものなんですよ。挿入するだけが性行為じゃないんです。射精をどうデコレートするかが問題。動物の行為なんて超つまらないでしょう?猫なんて、痛いらしい。人間みたいにセックスを楽しむ動物って他にいないのでは。なぜかというと、人間だけがセックスをデコレートするから。若年層の性欲低下なんて話もありますけれど、それはデコレートする方法が分からないから。他にも楽しいことがたくさんあって性欲の優先順位が低くなって、身を入れていないから。セックスって、実は読書と一緒なんですよ。一定程度の本を読まないと読書の楽しさが分からないように、セックスもある程度のレクチャーが必要なんです。試写で完成品を観ました。賢治と直子の年齢設定が原作よりも若くなっていたけれど、観客にとってはそのほうが見栄えもいいから良かったなって。かつて関係のあった好きな女の人がいて、その人と血の繋がりがあって、追い詰められて田舎に帰った時にその人がいてくれたら、男はやっぱり、たまらない。映画という形になって具体的に二人が絡んでいる姿を観て、改めて、自分はいい小説を書いたなと思いました(笑)。しらいし・かずふみ作家。1958年生まれ。出版社に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行しデビュー。‘09年に『この胸に深々と刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、翌年『ほかならぬ人へ』で直木賞受賞。『火口のふたり』かつて愛し合った二人が再会。快楽を求める身体の言い分に従って、5日間だけという約束のもと身体を重ねていく。「世界が終わるとき、誰と何をして過ごすか?」。その問いに対する答えを突き付けてくるような作品。R18+。監督・脚本/荒井晴彦原作/白石一文出演/柄本佑、瀧内公美、柄本明(父の声)8月23日より新宿武蔵野館ほかにて上映。公開に合わせ、フォトストーリーブック『あの頃の「火口のふたり」』を刊行。同書には白石一文が書き下ろしたスピンオフ短編も収録。また、8月10日~9月8日、新宿・B GALLERYにて、野村佐紀子 写真展「火口のふたり」も開催。※『anan』2019年8月14-21日合併号より。写真・野村佐紀子取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年08月15日映画『火口のふたり』が伝える、「身体の言い分」への耳の澄まし方。兄と妹のように育ち、ある時期には濃厚な身体の関係もあった賢治と直子。直子の結婚式が10日後に迫る時、久しぶりに故郷で再会した二人の間で、再び禁忌的な欲望が疼きだす――直木賞作家、白石一文の小説『火口のふたり』が映画化された。監督・脚本は男女のエロティシズムを描いてきた荒井晴彦。主演は数々の映画に出演し実力派俳優としての評価を高めてきた柄本佑と、廣木隆一監督の『彼女の人生は間違いじゃない』等で注目される新鋭・瀧内公美。そして濃密でポエティックな男性ヌード写真で知られる写真家、野村佐紀子がモノクロ写真とスチールを担当。原作でも映画でも印象的に響くのが“身体の言い分”というキーワード。後先や利害に関係なく、身体の望むままに行動する。そんな劇中の二人の行動を、原作者、演者、撮影者はそれぞれどのように感じたのか。彼らの言葉に耳を傾けてみた。演者、撮影者が体感した、それぞれの「身体の言い分」。柄本 佑荒井晴彦監督のファンだったので映画の話をいただいた時には単純に嬉しかった。脚本を読んで、もう世界が終わりそうだという時に、だったら自分の身体の言い分に正直にいてあげようというのが面白いなと思いました。言葉だけ聞くと自分勝手に聞こえるかもしれない。でもこのストーリーの中でこの言葉を聞くと、実直で誠実な印象がありました。荒井さんの脚本ってチャーミング。僕が読んで感じたのは、荒井さんは普通のセックスをやりたいんだろうなということ。この映画は18禁だしベッドシーンが多いけれど、食べて寝る場面も多い。二人はどんどん原始的な、シンプルな状態になっていく。セックスは食べることと寝ることとイーブンになっていく。そこに抜けの良さを感じました。モノクロ写真の撮影は、野村さんがディレクター、僕が司会者、瀧内さんをゲストに迎えている感じ。「脚も見えたほうがエロイよ」なんて言いながら(笑)。貴重な体験でした。瀧内公美脚本を読んだ時、直子が夢見ていた日常生活が描かれているなと思いました。好きな人とごはんを食べたりお酒を飲んだり眠ったりお風呂に入ったり。どれも日常的なことだけど、誰と一緒にするかで違いますよね。直子は幼い頃、母親を亡くしています。従兄の賢ちゃんのおうちで育って賢ちゃんが一番身近な人でした。賢ちゃんの前ではどんなことをしても平気だと言っていますが、他の人とだったら恥ずかしかったり、引いてしまったりすることも、賢ちゃんとならできる。そこに気持ちがあるから、身体も動く。心と身体って本当に繋がっているなって表現しながら感じました。モノクロ写真は映画本編の撮影の前に撮りましたが、あれは過去の二人という設定。正しい時間の順序で撮影できて、気持ちが入りやすかった。演じてみて、本能のままに生きるって健康的だな、と思いました。実際の生活では難しいかもしれないけれど、シンプルっていいですよね。野村佐紀子私が手掛けたモノクロ写真の撮影が、お二人のはじめてのセックスシーンでした。彼らが集中している様子を見守って、淡々と撮っていく感じでしたね。賢治が撮った自撮りの写真という設定ですから、佑さんにカメラを持ってもらい、私がその腕を支えながら撮ってもらったりも。私は普段の癖で、つい一番いい瞬間を探してしまう。でも賢治と直子は自分たちの芸術写真を撮ろうとしているわけじゃない。単に盛り上がっているだけなのか、そこに罪悪感があったりもするのか。そこは慎重に考えました。だからあえてタイミングを見計らったりはしなかったのですが、思ったよりもブレずにきれいに撮れたものが多かった(笑)。二人の集中力がすごかったですね。お互いのちょっとした反応、ささいなやりとりを見ているのは楽しかった。何かが生まれる時って、こんなふうなんだなと思いました。二人とも、格好よかったです。『火口のふたり』かつて愛し合った二人が再会。快楽を求める身体の言い分に従って、5日間だけという約束のもと身体を重ねていく。「世界が終わるとき、誰と何をして過ごすか?」。その問いに対する答えを突き付けてくるような作品。R18+。監督・脚本/荒井晴彦原作/白石一文出演/柄本佑、瀧内公美、柄本明(父の声)8月23日より新宿武蔵野館ほかにて上映。公開に合わせ、フォトストーリーブック『あの頃の「火口のふたり」』を刊行。同書には白石一文が書き下ろしたスピンオフ短編も収録。また、8月10日~9月8日、新宿・B GALLERYにて、野村佐紀子 写真展「火口のふたり」も開催。このページの写真は『火口のふたり』の映画内で、主人公の二人が若い時期に撮りためていた写真という設定で撮影されたもの。えもと・たすく1986年生まれ。2003年『美しい夏キリシマ』で主人公を演じデビュー。第92回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、第73回毎日映画コンクール男優主演賞ほか受賞。たきうち・くみ1989年生まれ。2012年、本格的に女優として活動開始。‘17年公開の主演作『彼女の人生は間違いじゃない』で日本映画プロフェッショナル大賞新人女優賞受賞。他の主演作に『日本で一番悪い奴ら』。のむら・さきこ1967年生まれ。モノクロームの詩的で濃密な男性ヌード写真で知られる。『黒闇』(Akio Nagasawa Publishing)、『Ango』(bookshop M)ほか、写真集多数。※『anan』2019年8月14-21日合併号より。写真・野村佐紀子取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年08月14日吉田修一の最高傑作「犯罪小説集」を瀬々敬久監督が映画化した『楽園』から、豪華俳優陣の熱演垣間見える新たな場面写真が到着した。「悪人」「怒り」で知られる吉田氏の5編からなる「犯罪小説集」から、「青田Y字路」「万屋善次郎」の2編を組み合せて脚色した本作。今回到着した新場面写真には、綾野剛演じる“容疑者の青年”豪士がひどく怯えるカットや、村の人には言えない秘密を抱えながらも村の行事に参加する紡(杉咲花)、不遇の中でも安らぎのひと時を愛犬・レオと過ごす善次郎(佐藤浩市)の姿が。さらに、村上虹郎演じる紡に思いを寄せる幼なじみ・野上広呂や、事件の渦中に巻き込まれマスコミに囲まれる黒塚久子(片岡礼子)。善次郎に押さえられながら何かを叫ぶ豪士の母・中村洋子(黒沢あすか)のシーンも。ほかにも、透明感溢れる善次郎の亡き妻・田中紀子(石橋静河)や、激昂の表情をみせる藤木五郎(柄本明)、どこか曇った表情の五郎の妻・朝子(根岸季衣)と、日本映画界を支える錚々たる顔ぶれが揃う。そんな豪華俳優陣が見せる魂の熱演にも注目だ。『楽園』は10月18日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:楽園(2019) 2019年10月18日より全国にて公開© 2019「楽園」製作委員会
2019年08月14日オダギリジョー初監督の長編作品として、ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に正式出品されている『ある船頭の話』。この度、舟を漕ぐようにゆったりとした船頭の日常を映す映像から一転、ある時点をきっかけに不穏な空気が漂う予告編が解禁となった。明治と大正のはざま。文明の波がひたひたと押し寄せ、時代の移り変わりに直面した山あいの村を舞台に、「本当に人間らしい生き方とは何か」を世に問う本作。主人公の船頭トイチには日本を代表する名優・柄本明。ヒロイン役には川島鈴遥を抜擢。そのほか、村上虹郎をはじめ、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功といった超豪華なキャストがオダギリ監督のもとに集結。さらに撮影監督には、独特な色彩を映像に落とし込む名匠クリストファー・ドイル、衣装デザインには『乱』でアカデミー賞を受賞したワダエミ、そして世界を舞台に活躍するピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦している。様々な人たちの喜びと悲しみ、生と死を乗せて舟を漕ぐ船頭…予告編では、村と町をつなぐ渡し舟の船頭・トイチとその客人たちが、まもなく完成する橋の建設について会話を交わし、少しずつ日常が変わっていく様子が映し出されている。クリストファー・ドイルによって切り取られた美しい日本の原風景、そしてトイチが様々な客人のよもやま話に耳を傾けながら川の渡しをする様子は、舟の上で起こるドラマを期待させる。橋の完成が近づき、“役に立たないものはみんな無くなっていく”という会話は、日々めまぐるしく進化していく現代で何か大切なものを失っていないかと考えさせられる言葉。やがて渡し舟を漕ぐようにゆったりと流れていく映像から一転、突然現れた少女、聞こえてくる“一家皆殺し”のうわさ、凶器を持った男などによって不穏な空気が漂い始める。美しい映像に魅せられながらも、この村に、そして時代に取り残された船頭・トイチに、何かが起こることを予感させる予告編となっている。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月13日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年08月14日映画『火口のふたり』に出演する柄本佑と瀧内公美、そして原作の白石一文が、本日発売の雑誌「anan」に登場していることが分かった。今回の「anan」は、夏の恒例企画「SEX特集」。俳優・田中圭が表紙とグラビアを飾る同号。“性”をテーマにした作品にフォーカスする「文学と性」のコーナーで、本作の特集が展開する。「18禁だしベッドシーンが多いけれど、食べて寝る場面も多い」と語るのは、主人公・賢治を演じる柄本さん。「二人はどんどん原始的な、シンプルな状態になっていく。セックスは食べることと寝ることとイーブンになっていく」と飾ることなくシンプルに描いているとコメント。また、賢治の昔の恋人でもう一人の主人公・直子を演じる瀧内さんは「演じてみて、本能のままに生きるって健康的だな、と思いました」と率直な感想を述べ、“身体の言い分”に身を委ねて生きる登場人物たちの姿に魅力を感じたという。特集内は、本作で象徴的に使われる“身体の言い分”という印象的な言葉を軸に、演者・撮影者・原作者インタビューと写真家の野村佐紀子が撮影した本作のビジュアルで構成。それぞれが本作を通して考えた“性”への向き合いを赤裸々に語っている。そして今回、特集誌面に掲載される野村氏の撮影ビジュアルが先んじて公開された。雑誌「anan」愛とSEX特集号は8月7日(水)発売。『火口のふたり』は8月23日より新宿武蔵野館ほかにて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:火口のふたり 2019年8月23日より新宿武蔵野館ほかにて公開©2019「火口のふたり」製作委員会
2019年08月07日俳優・柄本佑が、8月3日放送の土曜朝のトーク番組「サワコの朝」に出演。番組では、父、母、弟、そして妻と、“俳優一家”の長男として生まれ育った柄本さんが家族や仕事について、熱い思いを語る。柄本さんは、2003年公開の『美しい夏キリシマ』で俳優デビューし、第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞などを受賞。その後も「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」や大河ドラマ「風林火山」、連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」「あさが来た」に出演するなど、様々な作品で異彩を放つ個性派俳優。現在放送中の連続テレビ小説「なつぞら」と大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」にも出演し、待機作としては、瀧内公美とW主演を務め、身体の言い分に身を委ねる男と女の不確実な愛を描いた『火口のふたり』がある。そんな柄本さんは、父は柄本明、母は角替和枝、弟は柄本時生という超俳優一家の長男。また、妻は女優の安藤サクラで、昨年のキネマ旬報ベスト・テンで主演賞を夫婦W受賞したことも大きな話題に。安藤さんの受賞を知った瞬間について「ヤバッ!恥ずー!えっ!?うちの妻も?と思った」と率直な感想を述べた柄本さんだが、実は身内や自分の出演作を観ることが苦手だそう。番組では、「普通の話が出来ない」という父・明さんとのエピソードをはじめ、俳優一家に生まれた柄本さんならではの深い悩みも披露。さらに、元々映画監督を目指していた柄本さんが、短編映画『帰郷プレスリー』で監督デビューを果たした際のこと、母・角替さんから学んだ俳優としての心得、そして、弟・時生さんと共に結成した演劇ユニット「ET×2」の結成理由も告白する。「サワコの朝」は毎週土曜日7時30分~MBS/TBS系にて放送。(cinemacafe.net)
2019年08月02日俳優・オダギリジョーが長編初監督を務めた映画『ある船頭の話』から、オダギリ監督らを写したメイキング写真と、美しい日本の原風景を写し出した劇中カットが到着した。山奥の村を舞台にした“本当に人間らしい生き方”を世に問う問題作『ある船頭の話』。主人公の船頭トイチ役を名優・柄本明が演じるほか、村上虹郎、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、永瀬正敏、橋爪功ら豪華な面々が参加している。監督・脚本はオダギリさんだが、撮影監督はクリストファー・ドイルが担当している本作。ドイル監督作品(ジェニー・シュンと共同監督作)『宵闇真珠』の撮影時に運命的な出会いを果たしたこの2人。「ジョーは監督しないのか?ジョーが監督するときは俺がカメラをやるから、何でも言ってくれ」と声を掛けられ、今回のタッグが実現したという。今回到着したメイキング写真では、そんな2人が仲良さげにふざけあうオフショットや、本番撮影時の真剣な表情などが切り取られている。オダギリ監督の期間限定映画公式Instagramでは、「いっぱいいっぱいな僕の代わりに、ムードメーカーとなり、みんなを引っ張っていってくれました。常識なんて気にしない、最高の翁ですよ。笑」というコメントと共に写真を投稿しており、今回の写真からも信頼で結ばれた固い絆が垣間見えるようだ。ほかにも、永瀬さんや川島さんと監督として向き合う姿も公開された。さらに併せて公開された場面写真では、川島さん演じるヒロインの少女が妖しげに岩場に佇む姿をはじめ、ただならぬ表情で叫ぶ源三(村上虹郎)。村と町を繋ぐための河渡しを生業にしている船頭・トイチの客人として、牛と一緒に河を渡る客(笹野高史)や、故郷を懐かしむ客(草笛光子)などの姿も切り取られている。なお、本作は8月28日より開催される第76回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門(コンペティション)への出品も決定している。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月13日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年07月30日教師と生徒の関係を描き続けてきた作家・重松清氏の“最も泣ける作品”ともいわれる「泣くな赤鬼」が映画化された。日に焼けた赤い顔と鬼のような熱血指導から“赤鬼先生”と呼ばれていた野球部監督の小渕(堤真一)が、ある日再会したのは、かつての教え子。野球の素質がありながら、堪え性のない性格ゆえに挫折し、高校を中退してしまったゴルゴという愛称の斎藤(柳楽優弥)だった。「役をいただいていても、初めてその作品を読む時は、なるべく一読者として読むようにするのが僕の最近のテーマなんです。というのも、これが僕の演じる役なんだと思いながら読むと全然面白くないし、最初は純粋に物語を楽しみたいから。この作品も、まずは役を気にせずに原作を読んだ時、生徒と教師という関係性や人との絆などにすごく感動して、一気に読み切りました。僕も器用に立ち回れるタイプじゃないから、そりゃ拗ねるよね、学校だってやめるよねって、ゴルゴの気持ちに共感できるところがたくさんあったりもして。青春時代って毎日がキラキラしているイメージがあるけど、そのキラキラの中には、意外と残酷な部分も多くて、大人や周りから正しいことだけで論破されると、逃げたくなることもあるんですよね。本当に逃げてしまったゴルゴはあまりにも正直すぎると思うけど、でも、それもよくわかるんです」大人になり、結婚して家庭を築いていたゴルゴだったが、ガンを患い、余命半年を宣告される。死に向かうゴルゴと、野球への情熱が衰えてしまっていた小渕。止まっていた二人の関係性が動きだし、やり残したことや何か大きな穴を埋め合うように互いに思いを馳せる姿にも、自身が重なるという。「先生と生徒ではないけれど、師弟関係みたいなものは、僕にもありますよ。蜷川(幸雄)さんや是枝(裕和)さんもそうだし、俳優なら柄本明さんとか。自分の子供を見ていても思うけど、よく、親も子供と一緒に成長するって言うように、先生も生徒も、師匠も弟子も、お互いに相乗効果で成長しているだろうし、どちらか一方だけが学んでいるわけじゃないと思うんですよね。なんて、僕が是枝さんや柄本さんに言えるわけもないんだけど(笑)」13歳の時に主演した、映画『誰も知らない』で俳優デビューし、史上最年少でカンヌ国際映画祭の男優賞を受賞。多感な時期を、厳しい大人の社会で過ごしてきた柳楽さん。くじけそうになったことは何度もあったという。「辛い時に支えてくれたのは家族と、やっぱり芝居でした。若いころから芝居にはちゃんと軸を持っていたし、そんな芝居に対して、いかに全力で臨めるかを常に考えて生きてきましたから。もうすぐ30代になるけど、役に活きるような考え方が身についてきて、10代のころのいい経験も悪い経験も、ひとつの引き出しになっているなって思えるんですよね。それから、当時からレベルの高い俳優になりたいって思ってきたけど、レベルの高さって自分で決めることじゃない。見てくれる人たちが決めることなんですよね。『よかったよ』って言ってもらえるように、これからも僕はさらに多くの経験を積んで、芝居をやり続けていきたい、そう思っています」『泣くな赤鬼』小渕が再会したのは、野球を挫折し高校中退したかつての教え子、ゴルゴ。厳しさでしか向き合えなかった後悔を抱え、彼のために何ができるのか…。監督/兼重淳出演/堤真一、柳楽優弥ほか6月14日より全国公開。©2019「泣くな赤鬼」製作委員会やぎら・ゆうや1990年3月26日生まれ。2004年に公開された映画『誰も知らない』で俳優デビュー。カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞し、一躍有名になる。6月21日公開予定の映画『ザ・ファブル』にも出演。シャツ¥36,000パンツ¥42,000(共にオールドジョー/オールドジョー フラッグシップストア TEL:03・5738・7292)その他はスタイリスト私物※『anan』2019年6月19日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・池田尚輝ヘア&メイク・佐鳥麻子インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年06月12日山下智久主演、濱田岳、菜々緒らが共演する「インハンド」。5月31日放送の第8話はある遺伝子を巡るストーリー。そのテーマに共感する声や紐倉の性格の変化にも注目が集まっている。「イブニング」(講談社)連載中の同名コミックをドラマ化、ロボットハンドの義手を持つ変わり者の天才科学者・紐倉哲を山下さんが演じ、紐倉が濱田さん演じるお人好しで正義感の強い熱血助手・高家春馬と、菜々緒さん演じるクールでやり手な官僚・牧野巴と共に次々と起こる難事件を、天才的なひらめきとアッと驚く科学的な方法で鮮やかに解決していくヒューマンサイエンスミステリーである本作。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。紐倉はSNSで話題になっている“呪いの血のポスター”に興味を持つ。それは園川務(柄本明)が会長を務める巨大企業キガシマホールディングスのポスターで、務の息子で後継者候補だった直継(夙川アトム)の飛び降り自殺とも関係があると言われていた。“呪いの血のポスター”と直継の自殺の関連を調べることにした紐倉たちだが、そこに経産省が横やりを入れてきた。さらに経産省のアドバイザーは紐倉の大学時代の同期・遠藤匡晃(要潤)。昔から紐倉を一方的にライバル視している遠藤は、今でも対抗心むき出しで紐倉に絡んでくる。紐倉たちがさらに調べを進めると園川家に伝わる“鬼の血”伝説に辿り着く。園川家の祖先はある島にたどりついた鬼の子孫だというのだ。務の父で直継の祖父は赤い髪で“鬼”のような性格だったという。さらに直継も実は赤髪だった。直継はビジネスパートナーである遠藤に自らの家系の遺伝子調査を依頼、自分に暴力性と関係のある遺伝子が存在することを知り絶望、自殺を計ったのだった…というのが今回のストーリー。人を決めるのは“遺伝子”か“環境”か。誰にも関係あるこのテーマを描いた今回、“MAOA遺伝子”という存在を本作で知った視聴者からの「MAOA遺伝子……依存症になりやすい遺伝子!!そういうものがあるのか!!」「MAOA遺伝子のことを初めて知りました。インハンドは毎週新たな学びも得られるから凄く面白い!」などの声のほか「これから生きる子に呪いをかけるような遺伝子至上主義は無益、というメッセージはとても良かったと思う」「遺伝子や環境よりも先入観の方がよっぽど危険、紐倉博士の言葉とても心に響きました!」など、本作が発したメッセージに共感する声などが多数寄せられる。また「紐倉博士も明るくなったね 犬を撫でたときの笑顔は見ていて心が落ち着くいいシーン」「笑顔が増え、人との関わりが好きになって来てるよね」など紐倉の性格の変化について触れたツイートも多数。ラストが近づくなか、変わりつつある紐倉にも改めて注目が集まっているようだ。(笠緒)
2019年05月31日上野樹里主演で贈る7月スタートの月9ドラマ「監察医 朝顔」。この度、風間俊介、志田未来、中尾明慶、戸次重幸、柄本明らの出演が決定した。法医学者と刑事、遺体の“生きた証”を探す異色の父娘のかけがえのない日々を描く本作。主人公の新米法医学者・万木朝顔役を上野さん、ベテラン刑事の父・万木平役を時任三郎が演じる。そんな上野さんと時任さんが演じる異色の父娘と共に、時を重ねて生きていくキャラクターたちを演じるキャストが決定。風間俊介、新米刑事で主人公の恋人に朝顔の恋人で、長らくの交番勤務を経て最近、平が異動してくる警察署の強行犯係に配属となった新米刑事・桑原真也を演じるのは、本作が初の月9ドラマレギュラー出演、上野さんとは初共演となる風間俊介。朝顔とは交番勤務時代からの交際で、正義感が強く謙虚な好青年な一方、小心者で心配性な一面も。異動してきた平とたまたま捜査でコンビを組むこととなる。月9は憧れだと語る風間さんは「プライベートは朝顔と、仕事は平と共に過ごすことになります。この微笑ましい親子が抱えた悲しみに、どう向き合っていくか。桑原と一緒に、時に悩み、時に苦しみながら、健やかに演じていきたいと思っています」と語り、初共演となる上野さん、「救命病棟24時」以来となる時任さんについては「先日、上野さんとお会いした時に、とても柔らかな居心地の良い空気を感じました。作品の話になると、しなやかな強さを感じ、この物語も上野さんのような、柔らかさと強さがある物語になっていくのだろうと思いました。時任さんとは、役が濃厚な関係を築きあげる作品でご一緒させていただくことが多いです。今回も恐らく、濃厚な関係を築いていくことになるだろうと、今から楽しみです」と期待を寄せた。志田未来、KYな医学部生にアルバイトとして法医学助手を務める医学部生・安岡光子役には、「ブルドクター」でも法医学者を目指す医学部生を好演した志田未来。時給目当てで応募しただけで法医学に興味もなく、周りの空気を読まずに思ったことをすぐ口にしてしまう性格。本作2話からの登場となる光子と朝顔との絶妙なコンビネーションに注目だ。志田さんは光子役について「私が演じさせていただく光子は、シャキシャキと明るく、何でも口に出してしまう女の子です」と役柄を説明し、「ご遺体と向き合う法医学教室の中で、少しでもホッとしてもらえる安心感のある存在になれればと思っています」と意気込んでいる。中尾明慶、臨床検査技師役に解剖の補助や臓器の病理学検査を行い、法医学者を縁の下で支える臨床検査技師・高橋涼介を演じるのは、「ROOKIES」、連続テレビ小説「まんぷく」の中尾明慶。朝顔たちの法医学教室になくてはならない存在だが、その天真爛漫なキャラクターが朝顔たちから愛され、イジられる役回りになることも。中尾さんは「どんな世界にもこんな奴が1人や2人必要だと、勝手に思って演じています。時にはこんな奴に救われる人生が、きっとどこかにあるとも勝手に思って演じています。高橋という人間が、ほ~んの少し、ほ~んの少し研究室に光を灯す存在であれたらという思いで、全力で演じさせていただきます」と演じるにあたっての思いを述べている。森本慎太郎、初月9&初刑事役平が異動してくる強行犯係に勤める刑事・森本琢磨を演じるのは、ジャニーズJr.内の大人気ユニット「SixTONES」の森本慎太郎。琢磨は警察署内の人間関係やウワサ話などもこまめに調べる情報通でもある。森本さんは本作が初の月9ドラマ出演であり、初の刑事役。「初めての刑事役でとても緊張していますが、役名が同じ“森本”と言う名前なので親近感が湧いています。そして先輩の風間さんとの初共演、月9ドラマ初出演は嬉しく、とても楽しみです」と心境を明かしている。坂ノ上茜、初月9で新米刑事役に桑原と同じく、平が異動してくる強行犯係に勤める新米刑事・愛川江梨花。男性に囲まれながらも、何も恐れることなく、ズケズケと発言できる女性刑事を演じるのは、「ウルトラマンX」で女優デビュー、「王様のブランチ」のリポーターを務める坂ノ上茜。「お芝居に興味を持ったきっかけが月9」と明かす坂ノ上さんは、「本当に夢のようです。素敵な方々に囲まれた現場で今から緊張していますが、等身大の江梨花を演じられるように精一杯、頑張ります」と気合十分。戸次重幸、強行犯係の係長役平が異動してくる強行犯係の係長・山倉伸彦役には、「TEAM NACS」のメンバーで、『人生、いろどり』「グッド・ドクター」などに出演する戸次重幸。法医学モノが好きだと話す戸次さんは「殺人だけでなく災害死にもクローズアップした作品ということでまた新しいドラマが生まれそうで楽しみです」と心境を明かし、「役所的に時任三郎さんの上司でありますが、年下という設定ですので、その辺りのぎこちなさを表現できたらと思います」とコメントしている。平岩紙、法歯学者役遺体の歯形や治療痕から身元を特定することを主な職務として、興雲大学の法医学教室に勤めている法歯学者・藤堂絵美を演じるのは平岩紙。同僚で法医学者の藤堂雅史(板尾創路)とは夫婦だ。平岩さんは「リハーサルの時から、キャストやスタッフの皆さんの、作品やお芝居に対する真摯な姿勢を感じ、これから始まる撮影に丁寧に優しさを持って臨みたいと思います」と言い、「板尾さんとの夫婦役もとても嬉しいです。明るく穏やかな落ち着いた夫婦ができたらと思います」と意気込んでいる。三宅弘城、優秀な検視官役優秀な検視官である一方、職人気質の塊で言葉の端々にアクの強さをにじませる伊東純を演じるのは、放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で注目を集めている三宅弘城。「初づくしのこの作品に出演できることをとても光栄に思います」と本作への参加を喜んだ三宅さんは「緊張も含めワクワクしています。事件現場では重要な役どころの検視官、作品のスパイスになれるよう頑張りたいと思います」と語っている。板尾創路、優柔不断な法医学者役法歯学者の絵美の夫であり、絵美と共に興雲大学の法医学教室に勤めるベテラン法医学者・藤堂雅史は、どことなく優柔不断で、のらりくらりとしながらも仕事は細やかで丁寧にこなし、朝顔も何かと頼りに。そんな藤堂を演じるのは板尾創路。「グッド・ドクター」では、副院長として上野さん演じる小児外科医とは相対する立場であった板尾さんだが、今作では法医学教室の先輩・後輩として助け合う。板尾さんは「今回、法医学という特殊な現場を描いていくという事で、しっかりと準備をして、法医学者のオンとオフを演じていきたいと思います」と意気込んでいる。柄本明、朝顔の祖父役もともと陽気な性格ではないものの、東日本大震災以来、人が変わってしまったかのように寡黙な部分もある朝顔の母方の祖父・嶋田浩之を演じるのは、意外にも本作が初の月9ドラマレギュラー出演となる柄本明。柄本さんは「上野樹里さん演じる孫と、時任三郎さん演じる義理の息子ができました。見ていただければ幸いです」と一言コメントを寄せている。「監察医 朝顔」は7月8日より毎週月曜日21時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2019年05月18日オダギリジョーの長編初監督作品であり、日本を代表する名優・柄本明が主人公のトイチ役を務める『ある船頭の話』の公開日が決定。併せて、第1弾ポスターと特報が解禁となった。今回解禁となった第1弾ポスターは、映画のキーカラーでもある「赤」をベースに、広大な河でひとり舟を漕ぎ進む船頭トイチの姿を切り取ったインパクトあるビジュアルとなっている。また、併せて解禁された特報では、ティグラン・ハマシアンによる弦とピアノの旋律に乗せて撮影監督のクリストファー・ドイルが捉えた日本の原風景が映し出され、まさに息を呑む美しさで映画の世界観が垣間見える。ひぐらしの鳴き声をバックに、こちらを見据えるトイチ(柄本明)の表情は何を物語っているのか?どこか懐かしさと切なさを感じさせる映像となっている。台詞の一切無いこの特報は、「一艘の舟。全てはそこから始まる。」というキャッチコピーとともに締め括られ、そこにはオダギリジョー監督の「舟に乗り込む客にはそれぞれに理由があり、船頭が彼らにどのように関わっていくのかを丁寧に描きたかった」という思いが込められているという。本作が長編初監督作品となるオダギリジョーさんは、移りゆく時代の中でなおも船頭を続ける男の物語をどのように描くのか?引き続き続報に注目したい。『ある船頭の話』は9月13日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ある船頭の話 2019年9月、新宿武蔵野館ほか全国にて公開予定© 2019「ある船頭の話」製作委員会
2019年05月15日映画『居眠り磐音』(5月17日公開)の完成披露試写会が6日に都内で行われ、松坂桃李、木村文乃、芳根京子、杉野遥亮、南沙良、石丸謙二郎、西村まさ彦、中村梅雀、柄本明、本木克英監督が登場した。同作は全著作の累計発行部数が6,300万部を超える時代小説家・佐伯泰英の同名小説を実写映画化。江戸勤番を終え九州・豊後関前藩に三年ぶりに戻った坂崎磐音(松坂桃李)だが、幼馴染3人の間に悲劇が起こり、江戸で浪人として長屋暮らしを始めるうちに、用心棒として仕える両替商・今津屋の騒動に巻き込まれていく。「令和の抱負」を書にしたためてきたキャスト陣。松坂は「豊かに」という文字を掲げ、「最初は『健康第一』にしようと思ったんですけど、マネージャーさんに止められて。令和の時代も仕事も生活も豊かに、自分自身も、周りも含めて豊かになれるようにやっていきたいな、という思いです」と意図を明かす。さらに「事務所が豊かになればいいなと思いますね。ちょっと認知少ないので。後輩も含めてがんばっていただいて」と述べると、トップコートの後輩である杉野は「はい!」と返事。先輩からのプレッシャーに「無言の圧をすごい感じて。ギラッという目が怖かったです」と苦笑していた。一方、「跳」と一文字で抱負を表した杉野は「『跳ぶ』と書いて『バンジー』と読むんですけど。令和元年って7カ月しかないなと思って。7カ月のうちに子孫や子供に自慢できること、バンジーだったり、空から飛ぶやつ(スカイダイビング)とか……跳んでいけたらな」とふわふわした回答に。松坂から「え、自慢したいんですよね?」と質問され、「『俺、令和元年にバンジーしたんだぞ』っていうのを、子供とかに自慢できるかなって」と答えると、木村からも「事務所の未来が不安になりましたね」とつっこまれていた。また、作品について石丸が「今回、ロケ地となった大分県の武家屋敷は本物の武家屋敷が現存してまして。実はその武家屋敷に、私が子供の頃住んでおりました。実家でロケをするという珍しい映画のケースがございました」と告白すると、会場の観客もどよめく。家族で着物で畳の上に座り「お父様お母様、いってまいります」と言うような幼少期を過ごしたというが、「自分ちでロケってやったことないでしょ」と語りかけると、撮影時に話を聞いていたと言う松坂も「なんかちょっと、そういう(人の家にお邪魔する)気分になっちゃうんですよね。『失礼します』という」と振り返っていた。
2019年05月06日俳優の綾野剛が主演を務める映画『楽園』(10月18日公開)の超特報、およびティザービジュアルが29日、公開された。同作は『悪人』『怒り』など映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の『犯罪小説集』を、瀬々敬久監督が映画化。ある地方都市で起きた少女失踪事件をきっかけに知り合った孤独な青年・豪士(綾野剛)と、失踪した少女の親友だった紡(杉咲花)だが、事件から12年後に再び同じY字の分かれ道で少女が姿を消して、事態は急変する。2つの事件、3つの運命を巻き込んだ真実とは。ティザービジュアルでは、綾野、杉咲、そして佐藤浩市がそれぞれの眼差しを見せる。更に、柄本明、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣といった顔ぶれがそろった超特報では、衝撃の展開を予感させるシーンも収められた。(C)2019「楽園」製作委員会
2019年04月29日映画の話になると、会話が止まらなくなる役者家族。家族の危機を救うのも映画だった。柄本明さん(70)がロケで家を空けることが多かった時期、長男の佑さん(32)が中学2年生で反抗期になり、妻の故・角替和枝さん(享年64)が手を焼いた。しかし、オーディションに受かって初主演した佑はロケの厳しさで“更生”して帰ってきたのだ。その後、次男の時生(29)も後を追って俳優に。年間500本の映画を見る長女は映画製作スタッフに。「子どもには興味ない」といいながら、父は映画の力を信じて子どもを育ててきた――。ドキュメンタリー映画『柄本家のゴドー』(4月20日、東京・渋谷ユーロスペースにて公開)。カメラは’17年1月、下北沢・ザ・スズナリで上演された舞台『ゴドーを待ちながら』の稽古初日から上演直前までを淡々と追う。演じるのは柄本明さんの長男・佑さんと次男・時生さんの兄弟で組むユニットET×2。明さんが演出を務める。『ゴドーを待ちながら』は、アイルランド出身の劇作家、サミュエル・ベケットによる有名な戯曲だ。2人の老人(佑さん演じるウラジミール、時生さん演じるエストラゴン)が、ゴドーという人物をひたすら待ちながら、とりとめのない会話を繰り返す。「退屈」「難解だ」などといわれる一方で、不条理演劇の傑作として演劇史にその名を残すこの作品は、多くの劇作家、俳優たちに強い影響を与えてきた。初演は’53年、パリ。日本では’60年に文学座で初上演され、明さんも’00年、石橋蓮司さんと組んで、エストラゴンを演じている。その舞台を当時13歳の佑さんが見ていた。ET×2でこの作品を初めて演じたのは、兄弟そろって人気俳優に成長した’14年のことだ。父に演出を依頼した理由を、佑さんは映画のなかで、こう話していた。「初めて2人で演じたとき、一生、時生と2人で付き合っていける戯曲と出合ったなという手応えを感じていて。だからこそ、早いうちに親父の演出でやってみたいなっていうのがあった」明さんは、家族のことを話すのが照れくさい。《世間的にみっともないよね。僕の演出で彼らが演じるってことだけでも》(映画『柄本家のゴドー』より)そんな明さんに代わって、『柄本家のゴドー』を監督・撮影した山崎裕さんが補足する。「映画の撮影中も、よく、下北沢の喫茶店で、家族でお茶を飲んでいました。もちろん角替さんも一緒です。そんなときは仲のいい親子です。ところが、いざ芝居となると、柄本さんは一線を引く。“芝居の鬼”になるんです」“芝居の鬼”の厳しさは、東京乾電池の女優でもあった角替さんにも向けられた。昨年2月、「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」でのインタビューで、佑さんは、こんなエピソードを披露している。「(乾電池の公演後)親父の顔が、目が、怖くなっているんです。母ちゃんは『怒られるぅ』って、顔が青くなっているし。それで、俺は、(自宅に)親父と2人だけの密室を作らないように、母ちゃんから人質に取られたんです。『一緒にいて』って(笑)」時生さんの思い出話も面白い。「幼いころは、学校から僕が悪いことをしたという内容の文章を受け取ると、親父が読み上げるんです。そして、それを急に渡されたと思ったら、2~3時間、声に出して読まされた。陰湿なんです」叱るというより、まるでセリフの練習ではないか。日常生活のなかで、兄弟は知らず知らずのうちに芝居の稽古をしていたようだ。明さんとて無意識だったことだろう。とはいえ、明さんは放任ではなく、むしろ繊細に、息子たちの成長を見守っている。「佑も時生も学芸会に積極的に出るタイプではないね。でも、下のガキは、一度、ジャンケンか何かで演出になっちゃって。学芸会に行って、見ましたね。パソコンのトラブルか何かで、たしか原稿がおかしくなった。それで手伝わなきゃいけなくなった」原稿直しだけで終わらず、舞台を見に行くところが、明さんだ。息子2人が俳優になったことについてはこう語る。「長男が中学のときに、事務所マネージャーがオーディションに出したいということで、出したら通っちゃった。下のガキもそんなことです。『お父さん、俳優になりたいんだけど……』なんてあらたまった話はなかったです、うちはね。ダラダラ、ダラダラと」それでも、子育てをするなかで、映画の仕事をしていてよかったという思いもある。佑さんがオーディションに通ったときのことだった。「佑は中2で、反抗期だったんです。俺も長期ロケで、家を空けることが多く、カミさんが手を焼いていた時期でした。で、夏休みの2カ月間、『美しい夏キリシマ』(’03年)の主役の少年役で、映画の現場に放り込んだんです。映画の世界は縦社会。周りは大人ばっかりでしょ。寂しくて、ひとりの部屋で泣いて電話をかけてきたりした」明さんは心配になって、撮影現場まで様子を見に行っている。「みっともない親でね。監督に迷惑かけましたけどね。(故・原田)芳雄さん、石橋蓮司さん、僕が尊敬する先輩がいるなかで『佑、佑』と呼ばれて、もまれてね。すっかりいい子になって戻ってきました」他人のなかに入る。社会人の枠のなかで生きていく。映画の現場での経験が、佑さんを大きく成長させ、“家族の危機”を救った。「その流れで、時生にもオーディションを受けさせて。うちは皆、姉ちゃんもそうだけど、映画というもの、映画館、撮影現場、それら映画に関する何かに触れて、学んでいって、反抗期を免れたって感じかなぁ。なんですかね、その『映画の力』というものは」
2019年04月22日東京・世田谷のアトリエ乾電池の舞台後方の黒い壁、やや右寄りに、美術スタッフが1本、垂直に線を描く。「そこから右に1本。左も……」指示しているのは、演出を務める柄本明さん(70)だ。幹と2本の枝しかないシンプル極まりない木が現れた。そこにテロップが入る。《舞台は1本の木から始まる》ドキュメンタリー映画『柄本家のゴドー』(4月20日、東京・渋谷ユーロスペースにて公開)の冒頭シーンだ。カメラは’17年1月、下北沢・ザ・スズナリで上演された舞台『ゴドーを待ちながら』の稽古初日から上演直前までを淡々と追う。演じるのは柄本明さんの長男・佑さん(32)と次男・時生さん(29)の兄弟で組むユニットET×2。『ゴドーを待ちながら』は、アイルランド出身の劇作家、サミュエル・ベケットによる有名な戯曲だ。2人の老人(佑さん演じるウラジミール、時生さん演じるエストラゴン)が、ゴドーという人物をひたすら待ちながら、とりとめのない会話を繰り返す。「退屈」「難解だ」などといわれる一方で、不条理演劇の傑作として演劇史にその名を残すこの作品は、多くの劇作家、俳優たちに強い影響を与えてきた。初演は’53年、パリ。日本では’60年に文学座で初上演され、明さんも’00年、石橋蓮司さん(77)と組んで、エストラゴンを演じている。その舞台を当時13歳の佑さんが見ていた。ET×2でこの作品を初めて演じたのは、兄弟そろって人気俳優に成長した’14年のことだ。父に演出を依頼した理由を、佑さんは映画のなかで、こう話していた。「初めて2人で演じたとき、一生、時生と2人で付き合っていける戯曲と出合ったなという手応えを感じていて。だからこそ、早いうちに親父の演出でやってみたいなっていうのがあった」’16年12月20日の稽古初日。「じゃあ、ちょっとやろう」明さんの号令で、父親の目の前で初めて演じる兄弟は、少し緊張ぎみに見える。そんな2人の芝居を見ているうちに、明さんは前のめりになり、しだいに白い歯をむき出しにして、肩を揺らし、大笑いする。うれしそうに。楽しそうに。ところが、2回目の通し稽古では、態度が一変。拳で頬づえをつきながら、2人の演技を鋭い目で見つめ、セリフの間、声の大きさ、動き方一つひとつに細かくチェックを入れ始めた。言葉で言うだけではない。自ら演じて見せるのだ。グッと腰を落とし、肩をすぼめ、ヨチヨチ、トボトボ、舞台の上を歩き回って、時生さんに近づいていく。佑さんも時生さんも、その場にいたスタッフ全員がその動きにくぎ付けになった。そこにいたのは、明さんではない。ウラジミール、その人だ。「自分が役者だから、言葉より、実演したほうが早いからね。そうしろと言っているわけではなく、ニュアンスを伝えるためにね」明さんは、家族のことを話すのが照れくさい。《世間的にみっともないよね。僕の演出で彼らが演じるってことだけでも》(映画『柄本家のゴドー』より)そんな明さんに代わって、『柄本家のゴドー』を監督・撮影した山崎裕さんが補足する。「映画の撮影中も、よく、下北沢の喫茶店で、家族でお茶を飲んでいました。もちろん角替(和枝)さんも一緒です。そんなときは仲のいい親子です。ところが、いざ芝居となると、柄本さんは一線を引く。“芝居の鬼”になるんです」当然ながら『ゴドーを待ちながら』に挑戦する息子たちへの稽古に熱が入った――。昨年2月、「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」でのインタビューで、佑さんは、撮影当時の緊張感を次のように語っていた。「なんか(今、映画を)見ていてもヒヤヒヤする。親父の顔、コワイですもん。初日は笑っていましたけどね。何日かたつと、暗くなってくる。親父にガッツリ演出してもらうのは、これが初めてだったんです。親父に殴られたことはないんです。でも、殴られるより怖い思いはしました。怒るときに、爽やかさがないんです。楽日前日の公演の後で『何やってるの?』って親父に言われたのが、表情から何からメチャ怖かったですね」時生さんもこう答えている。「親父が現場や楽屋に来ると、親父の空間になるんです。親父の言葉を理解しているつもりですが、言われた瞬間、全身がビビりだす。ブルっとする。楽日に、兄ちゃんが芝居で振り向いたとき、急に顔が引きつったんです。僕がそのあと、振り向いたら、親父が(舞台の)袖の奥のほうに見えて……。『殺すぞ』って言ってるんです!本番中に凍りつく思いでした」もちろん、そんな父の怖さは、兄も弟も、稽古に入る前から百も承知だった。それでも、あえて明さんに演出を頼んだ。佑さんは言う。「でも、いま思えば、怖い思いができるって幸福だなって」時生さんも言う。「怒られた後って、落ち着くことができるんですよ」『ゴドーを待ちながら』をライフワークと定めたET×2は、1年おきの公演を目指している。明さんは、そんな息子たちについてこう話す。「彼らの『ゴドー』は、かわいらしいですよ。若いしね。もっと高い年齢の人がやるものだけど、彼らは続けるって言っているから。演出は、僕はもう、しないほうがいいでしょう。ほかの人とやったほうがいいんじゃないですか。本(台本)は紛れもなく傑作です。ずっと続けられるのであれば、また、自分の発見にもなるし、ものすごくいいことだと思うんです」『ゴドーを待ちながら』は、年を重ね、何回演じても、頂にたどり着けない難解な作品ということでもある。「難しくないと、つまんないですよ。難しいことが、人間のモチベーションになる。わかりたいからやりたくなるんです。人間というのは、欲深いから。難しいということは、とても幸福なことなんじゃないでしょうか。逆に言えば、簡単なことがいちばん難しいよね」生涯をかけ、映画で演劇で演じることのさらなる高みへと登り続ける明さん。佑さんも時生さんも、その偉大な背中をどこまでも、追いかけていく。
2019年04月22日松坂桃李が“時代劇初主演”を務める映画『居眠り磐音』。この度、物語の重要な鍵を握る松坂さん演じる磐音と木村文乃演じる女性おこんの2ショットをとらえた場面写真がお披露目された。主人公の心優しき浪人・坂崎磐音役には、第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞や第61回ブルーリボン賞助演男優賞、第92回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞など数々の映画賞を受賞し、さらに注目が集まる松坂さん。そして、「大奥」リシーズの“完結作”「大奥 最終章」での主演が話題となったばかりの実力派女優・木村さんが、松坂さんと5度目の共演。さらに芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、佐々木蔵之介、奥田瑛二、陣内孝則、石丸謙二郎、財前直見、西村まさ彦、谷原章介、中村梅雀、柄本明など、日本を代表する豪華俳優陣が集結する。そんな本作から今回新たに解禁となるのは、とある夜、自身が用心棒を務める今津屋を守るために刺客との闘いで傷を負った磐音(松坂さん)を、おこん(木村さん)が優しく手当するシーンをとらえた場面写真。磐音はこの出来事をきっかけに、それまで隠していた自身の心の傷でもある哀しい過去について、初めておこんに打ち明ける。おこんは穏やかで優しく、剣の腕も立つ磐音に好意を寄せていたものの、彼の壮絶な哀しい過去と故郷・豊後関前藩に残してきた許嫁・奈緒(芳根さん)の話を聞き「それではあまりに奈緒様がおかわいそうです」と涙を流すことに…。おこんを心から信頼し、それまで胸に秘めていた哀しい過去を語った磐音。そして磐音を想うからこそ、自分の気持ちを抑え、影ながら磐音を支えるおこん。2人の今後の関係性をにおわせる重要な場面写真だ。もう1枚、併せて解禁となったのは、磐音が用心棒を務める今津屋のお屋敷で、2人が仲睦まじく向かい合う場面写真。磐音の穏やかで優しい表情と、おこんの磐音への想いが表れ、彼女の胸の内を知ればこそ少し切なくもなるカットとなっている。『居眠り磐音』は5月17日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:居眠り磐音 2019年5月17日より全国にて公開©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
2019年04月12日およそ280年の歴史を持つイタリアの老舗磁器ブランド、リチャード ジノリ(Richard Ginori)は、皆川 明デザインによる新コレクション「フロレンティア(FLORENTIA)」を5月15日より発売する。Photo_Norio Kidera Styling_Fumiko Sakuhara「フロレンティア」は、2017年に発表した「スぺランツァ(SPERANZA)」、2018年の「ガイア(GAIA)」に続く、皆川 明デザインによるグローバルコレクション。フィレンツェの語源にもなった“花の女神の都”の意味を持ち、リチャード ジノリを代表するベッキオシェイプに、新しいジノリブルーで皆川が描いた枝と小花の可憐なデザインが施されている。中心から外側に向かい開いていく空間は、料理が盛られた時の景色を想定して描かれ、筆先から生まれた濃淡の繊細さが温もりを感じさせてくれる。Photo_Norio Kidera Styling_Fumiko Sakuhara皆川氏は、「今回のテーマ『Florentia』ではまさにリチャード ジノリのある街フィレンツェをイメージして、花がお皿の中に泉となって湧き出るような世界を創りました。お皿ごとに料理を盛り付ける位置を想像しながら、食の空間をやわらかな躍動感や爽やかな風を感じさせるように絵柄を配置していきました」とコメント。主なアイテムの価格は、マグカップ 350cc(税込8,100円)、フタ付きコーヒーカップ&ソーサ―(税込1万2,960円)、ティーカップ&ソーサ―(税込1万800円)、ティーポット 600cc(税込2万4,840円)、シュガーポット 120cc(税込1万9,440円)、クリーマー 110cc(税込1万4,040円)、プレート 22cm(税込6,480円)、フルーツソーサー 15cm(税込4,320円)、サラダボール ラウンド(税込1万6,200円)。エレガンスの中に爽やかな風を感じさせる新たなコレクションで、食卓を彩ってみては。
2019年03月21日女優・土屋太鳳が、東山紀之主演ドラマ「砂の器」に出演することが決定。今回、中島健人(「Sexy Zone」)演じる天才作曲家・和賀英良の“愛人”成瀬梨絵子を演じる土屋さんは、「錚々たるキャストの方々が紡いでいらっしゃる現場の空気、そしてその現場を守るスタッフさんがたのアドバイスに、まずは全力で食いついていこうと思っております」と意気込みを語っている。松本清張不朽の名作「砂の器」を、2018年ハロウィーン当日の渋谷と現代を舞台に、全く新しい解釈でドラマ化する本作。主演の東山さんが鋭い観察眼を持つベテラン刑事役を、天才作曲家役で中島さんが初共演するほか、作曲家が幼い頃生き別れた父役で柄本明が出演する。昨年も「チア☆ダン」『となりの怪物くん』『春待つ僕ら』など多くの主演作が公開・放送され、また「ぐるぐるナインティナイン」ではゴチメンバーとして先日新たに加わり、いま映画やドラマだけでなく、バラエティー番組にも引っ張りだこの土屋さん。そんな彼女が今作で演じる和賀の愛人・梨絵子は、代官山でバーテンダーをしており、その店は和賀と仕事仲間らの行きつけで、ある夜恋に落ち、誰にも知られぬまま恋人関係になることに。また、和賀は大物大臣の令嬢と婚約しているが、心は梨絵子の元にあり、ある日殺人を犯した和賀に助けを求められ、手助けをしてしまう。オファーを受け、「とても難しい挑戦になると思いましたが、その危惧とは裏腹に台本を読む手は止まらず、梨絵子という役にも意外なほど違和感を感じなかったんです」と語る土屋さんは、「空から降ってきた雪を見つけた時みたいに、まるで梨絵子という役が空から舞い降りてきたようで、責任やプレッシャーも強く感じますが、それよりも、梨絵子を早く温めたい気持ちになりました」とコメント。そんな梨絵子というキャラクターについては「同じ名前や近い設定を持つ人物は原作や過去の映像作品にも登場するのですが、今回は『ある要素』が強調されていることもあって、今回ならではの解釈が必要なのかなと感じています」と言い、相手役の中島さんとの共演については「女優として全力でぶつかりたいです。どのシーンをというのは特になく、一瞬一瞬を丁寧に積み重ねて、その結果、観てくださる方々の心に何かを残せたらと願っています」と語っている。フジテレビ開局60周年特別企画「砂の器」は3月28日(木)19時57分~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2019年03月02日「Sexy Zone」中島健人が、来月3月放送のドラマ「砂の器」のクランクインを迎え、撮影の感想を語った。頭脳明晰、クールで気難しく寡黙な天才作曲家・和賀英良を演じる中島さん。初日に撮影されたのは、ドラマの冒頭で出てくる、彼が人をあやめた直後のシーン。2018年ハロウィーン当日、東京・渋谷で血まみれのシャツに黒いマント姿で、仮装を楽しむ人たちで溢れる街を駆け抜ける…という場面だ。寒空の中、車両通行止めにしたとある街の一角を使って行われたこのシーン。鬼気迫る疾走シーンに挑んだ中島さんは「“ただ走っているシーン”なのでは、と思うかもしれませんが、今日こそが大事なんです」と強く語り、「和賀英良が一番自分の体に入り込む瞬間を捉えるのは、初日にしかできない、と思っているので。人を殺害した直後で疾走するというのは、普通の走りとは違い“逃げる”という意味の走りで、自分も色々な役を演じてきましたが初めての感覚だったので、スリル感のある、ひりひりとしたクランクインとなりました」と撮影の感想を述べた。走るシーンを様々な角度で撮影し、カットがかかる度に丁寧にモニターチェックしていた中島さんは「ファーストカットが、初めて自分の中に和賀の魂が宿った瞬間なので、チェックしなくてはいけないと思っています」と今回は特に重要だったようで、「僕は関わる作品については、チェックはマストだと思っていますが、改めて和賀という役は繊細なので、細かくどういう表情していくべきか監督と話しながら毎回、丁寧に確認していきたいと思います」と語っている。さらに、一見、ハロウィーンの仮装軍団にまみれているように見える、この白シャツ×マント姿。衣装については「これは、歴代の『砂の器』を映像化した作品のなかでも現代の感覚を取り入れた2019年バージョンと言えます。ハロウィーンの渋谷を疾走していく和賀のシーンは過去の『砂の器』にはないので、新鮮味もあると思います」と新しい部分だと言い、血をつけて走るというシーンについては「作品的にも真っ白なものほど汚したくなるものなのでしょうか…」とコメント。また、「『砂の器』ファンの方にも、新しい和賀を楽しんでいただけるように尽くしたいと思います」と今後の撮影へ意気込みを語っていた。これまで何度も映像化されてきた松本清張の代表作「砂の器」を、東山紀之主演でドラマ化した本作。中島健人と初共演し、2018年ハロウィーン当日の渋谷と現代を舞台に、全く新しい解釈で描いていく。東山さんが撲殺死体を捜査する刑事・今西栄太郎役を、中島さんが周到かつ完璧な殺害後、「宿命」の作曲に没頭する天才作曲家・和賀英良を。そして、柄本明が父・本浦千代吉を演じる。「フジテレビ開局60周年ドラマ砂の器」は3月28日(木)19時57分~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2019年02月27日「今度、神戸でドラマの撮影をやるんだ。10日間くらい取られるかな。今日から、忙しくなるよ」2月13日、都内の喫茶店に姿を見せた柄本明(70)は同席した劇団関係者らしき女性にそう語った。台本を手に持ちながら、これからについてゆっくりと話し始める。その顔には、すっかり笑みが戻っていた――。昨年10月27日、最愛の妻・角替和枝さん(享年64)が原発不明がんのために亡くなった。近所の喫茶店で談笑するのが、夫婦の日課だったという柄本。1月30日の「お別れの会」ではラブレターを読むかのように、妻との思い出を涙ながらに語っていた。「いっしょに行った喫茶店はまだ行けない。思い出しちゃって……」だが亡くなってから3カ月。妻とすごした場所ではないものの、喫茶店通いを再開したようだ。そんな“妻ロス”から回復できたのは、あのニュースも大きく影響したことだろう。息子の柄本佑(33)とその妻の安藤サクラ(33)が、「第92回キネマ旬報ベスト・テン」で主演男優賞と主演女優賞をダブル受賞したのだ。夫婦での受賞は史上初。2月10日の授賞式で佑は、「(母は)きっと会場のどこかにいると思います……」とスピーチ。安藤も亡き義母を思い、涙を流していた。そこで本誌は喜びの声を聞くべく、都内の自宅を訪れた。すると、近所の喫茶店に出かける柄本の姿を目撃したのだ。2時間後、店を出てきた柄本に記者は声をかけた。――佑さんご夫妻のダブル受賞、おめでとうございます。「いやいや、まあよかったですよ」穏やかな口調で語る柄本。受賞について聞くと照れくさいのか、人ごとのように語る。「そりゃあ、うれしいんじゃないですか」――ご夫婦そろって主演賞を受賞するのは、史上初の快挙だということですね。「なんか初めてみたいですね」――奥さまへのご報告はされたのでしょうか?「いや、まあ別にね。仏前に手を合わせて……だいたいそんなところです」安藤が角替さんを思い号泣していたことについて触れると、「ああ、そうなんだ……」と驚いたように声を上げる。そして安藤が出演中の朝ドラ『まんぷく』は、角替さんが出演を後押しした作品だ。「ご覧になっていますか?」と聞くと、「ええ、ええ」とうれしそうに答える。記者が「今回のW受賞の報せは、奥さまからのプレゼントかもしれないですね」と聞くと、柄本はこう答えた。「そうですね……」最後は恥ずかしそうに笑うと、記者に会釈をして家の中へと入っていった。徐々に明るさを取り戻しつつある柄本家。その様子を、天国の角替さんもきっと“萬福の”笑顔で見守ってくれていることだろう――。
2019年02月21日松坂桃李が時代劇初主演、”本格殺陣シーン”に初挑戦した『居眠り磐音』。待望の本予告映像と本ビジュアルが公開された。“平成で最も売れている時代小説”シリーズとして多くの時代小説ファンの心を掴み、シリーズ累計発行部数2,000万部を突破した伯泰英の最高傑作にして初の映画化作品となる本作。第42回日本アカデミー優秀助演男優賞や、第61回ブルーリボン賞、第92回キネマ旬報ベスト・テンの助演男優賞など数々の映画賞を受賞した松坂さんが時代劇初主演を務め、新境地を見せる。■NEW英雄(ニューヒーロー)の居眠り剣士、爆誕!今回解禁された本予告は、冒頭から軽快な音楽と共に「眠狂四郎」「丹下左膳」「座頭市」「椿三十郎」など、数々の名作時代劇を彩った剣士たちが映し出される。そんな歴史ある中で“改元後初の時代劇作品”となるのが、本作。新時代のNEW英雄(ニューヒーロー)・磐音(松坂さん)が、浪人として昼はうなぎ屋、夜は用心棒として江戸で暮らす様子、さらに心優しい一面を持ちながらも胸に秘めた哀しい過去を背負って悪と戦い、誰よりも強く生きる姿が描かれている。そして、磐音の暮らしを支えるおこん(木村文乃)や陰謀を企てる有楽斎(柄本明)の緊迫感、磐音をずっと想い続ける許婚・奈緒(芳根京子)の表情や、磐音も静かに流す涙からも物語の切なさが伝わってくる。また、ナレーションは、特報映像に続き遠藤憲一が務めている。■日本を代表する豪華俳優陣が大集結した本ビジュアルも!「この男、切ないほどに、強く、優しい。」のコピーの通り、坂崎磐音(松坂さん)の人柄を表した本ビジュアルも完成。優しい眼差しと哀しい過去を背負った磐音の切なさを感じさせる松坂さんの佇まいに注目。そして、元気で明るい表情のおこん(木村さん)、磐音を一途に思い続ける奈緒の表情(芳根さん)を始め、柄本佑、杉野遥亮、佐々木蔵之介、ピエール瀧、陣内孝則、石丸謙二郎、西村まさ彦、谷原章介、中村梅雀、柄本明といった世代を超えた豪華キャスト13名が扮する劇中の姿も収められている。『居眠り磐音』は5月17日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:居眠り磐音 2019年5月17日より全国にて公開©2019映画「居眠り磐音」製作委員会
2019年02月18日俳優の柄本佑が、「第73回毎日映画コンクール」で男優主演賞を受賞し14日、川崎・カルッツかわさきで行われた表彰式に登壇。妻で女優の安藤サクラも女優主演賞を受賞したが、NHK連続テレビ小説『まんぷく』の撮影のため欠席し、ビデオメッセージを寄せた。同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。柄本は『きみの鳥はうたえる』、安藤は『万引き家族』での演技が評価されて受賞した。柄本は「この映画は自分の中で記念碑的な、これからの人生においても宝物。その作品でこの賞をいただいてうれしいです」と喜び、夫婦受賞について「うれしいです。でも恥ずかしいです」と照れ笑い。「でも、こんなことは一生に一度しかないことですし、家族にとっても、亡くなったうちの母ちゃんにとっても喜びは倍々ゲームで、非常にうれしいと思ってくれていると思います」と、昨年10月に亡くなった母で女優の角替和枝さんにも触れながら語った。安藤はビデオメッセージで、自身の受賞について喜びと感謝の思いを伝えてから、「夫が男優主演賞をいただくことになって、それが『きみの鳥はうたえる』という作品で、すごくうれしいというか、感慨深いというか、この作品の撮影中に娘が生まれたので。『万引き家族』は産後、お乳をあげながら参加した作品なので、家族にとっても特別な賞になりました。本当にうれしいです。ありがとうございます」と夫婦受賞を喜んだ。なお、安藤の代理として、『万引き家族』で共演した城桧吏と佐々木みゆが出席した。○「第73回毎日映画コンクール」受賞一覧■作品部門日本映画大賞:『万引き家族』是枝裕和日本映画優秀賞:『菊とギロチン』瀬々敬久外国映画ベストワン賞:『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■監督・脚本部門監督賞:上田慎一郎『カメラを止めるな!』脚本賞:野尻克己『鈴木家の嘘』■俳優部門男優主演賞:柄本佑『きみの鳥はうたえる』女優主演賞:安藤サクラ『万引き家族』男優助演賞:塚本晋也『斬』女優助演賞:樹木希林『万引き家族』スポニチグランプリ新人賞:玉置玲央『教誨師』スポニチグランプリ新人賞:木竜麻生『菊とギロチン』田中絹代賞:白川和子■スタッフ部門撮影賞:月永雄太『モリのいる場所』美術賞:原田満生。堀明元紀『日日是好日』音楽賞:Hi’Spec『きみの鳥はうたえる』録音賞:吉田憲義『日日是好日』■ドキュメンタリー部門ドキュメンタリー映画賞:『廻り神楽』遠藤恊■アニメーション部門アニメーション映画賞:『若おかみは小学生!』高坂希太郎大藤信郎賞:『リズと青い鳥』山田尚子■TSUTAYA プレミアム映画ファン賞日本映画部門:『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』西浦正記外国映画部門:『ボヘミアン・ラプソディ』ブライアン・シンガー■特別賞特別賞:戸田奈津子(字幕翻訳家)
2019年02月14日第92回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が10日に都内で行われ、安藤サクラ、柄本佑ら受賞者が登場した。『万引き家族』で主演女優賞を受賞した安藤サクラは、「どうしよう、うまく話せなくなっちゃった」と動揺を見せる。出産直後に撮影したという同作について「今までだったら背負っていたような、自分が大事にいつも持っていたものが、産後なくなったというか」と明かし、「一個、でかいものを出産とともに出したという感じがあって。これからもあの状態にはならないかもしれない。すごくおおらかな生き物でいたような気がして、なんだかちょっとどんな爆弾が飛んできても、ふわっと入れた気がします」と語った。妻である安藤の様子を見守っていた柄本佑(主演男優賞)は、「なんて言えばいいんだ」と苦笑し、関係者への感謝で言葉を詰まらせる場面も。さらに「昨年母(角替和枝)が亡くなりまして、直接は報告できませんでした」と振り返る。「きっと会場のどこかにいると思います。うちの母の口癖は『なんでもない日、万歳』でした。さすがに今日は、『なんでもなくない日、万歳』と言って喜んでくれていると思います」と笑顔を見せた。W受賞ということで改めて夫婦で並んだ2人だが、「もう一生ないから!」と涙を見せた安藤を、柄本が「ちょっと待て、夫婦で泣いてると、写真出るぞ!」となだめる。安藤は涙ながらに「ちゃんとしてなきゃいけないかなと思ったんですけど、もうお祭り騒ぎだからいいかなと思って」と訴え、柄本は「そんな目で見られても……!」と動揺していた。しかし、司会者が柄本に話を振ると、安藤は泣きながらも「そういうのはいいんです、男は」とその場を制していた。また、サプライズで安藤の父・奥田瑛二からの「旦那が賞をもらったことを何よりも何よりも一番喜んでいるのは、安藤サクラだと思っています。2人の日々の精進の結果だと思っています。父もまだまだガンガン攻めていきます。いやあ、エネルギーをありがとう、乾杯!」というコメントが読み上げられると、安藤は「ここまでくると恥ずかしくなってくる」と苦笑。同社のバックアップに、「賄賂とかは渡していないです。そこまでお金はございません」と弁解し、会場を笑わせていた。○受賞一覧&登壇者日本映画作品賞:『万引き家族』桑田靖(フジテレビジョン)外国映画作品賞/外国映画監督賞/読者選出外国映画監督賞:『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督 代理:平山義成(20世紀フォックス映画)文化映画作品賞:『沖縄スパイ戦史』三上知恵監督、大矢英代監督・個人賞主演女優賞:安藤サクラ主演男優賞:柄本佑助演女優賞:木野花助演男優賞:松坂桃李新人女優賞:木竜麻生新人男優賞:寛 一 郎日本映画監督賞:瀬々敬久 代理:川瀬陽太日本映画脚本賞:相澤虎之助/瀬々敬久 代理:坂口一直(スタンス・カンパニー)読者選出日本映画監督賞:是枝裕和監督 代理:依田巽(ギャガ)キネマ旬報読者賞:立川志らく特別賞:樹木希林 代理:内田也哉子
2019年02月10日オダギリジョー長編初監督映画『ある船頭の話』が、2019年9月13日(金)に全国公開される。オダギリジョー長編初監督作品映画『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』や『あずみ』、近年では、『エルネスト』『南瓜とマヨネーズ』といった作品で主演を務め、日本を代表する俳優の一人として精力的に活動してきたオダギリジョー。作品に出演するほか、短編映画の監督やテレビドラマの脚本・演出を手掛けるなど、作品の裏側の人間としても活動している。映画『ある船頭の話』は、そんなオダギリが手掛ける初の長編作品だ。文明の発展や競争社会の中で変わってしまった「幸せ」の定義。“本当に人間らしい生き方とは何か?”について、橋の建設が進む山村を舞台に、自身が長年温めてきたオリジナル脚本で描く。なお、『ある船頭の話』は長編デビュー作でありながら既にヴェネチア国際映画祭の出品が決定している。主演は柄本明、村上虹郎と共演船頭・トイチ(柄本明)主人公の船頭・トイチ。橋の建設が進む村で船頭を続けるトイチは、ほかの村人たちが橋の完成を心待ちにする中、渡し舟を漕ぐ日々を送る。ある日、身寄りのない謎めいた少女が現れる…。トイチを演じるのは、名優・柄本明。『万引き家族』『シン・ゴジラ』に出演した。映画主演は、2008年公開の『石内尋常 高等小学校 花は散れども』以来、じつに11年ぶりとなる。少女(川島鈴遥)トイチの前に現れた謎めいた少女。身寄りがなく、トイチと一緒に暮らし始める。この少女役は川島鈴遥が務める。村人の源三(村上虹郎)トイチの元を度々訪れる村人の源三。トイチをしたう。『犬ヶ島』『チワワちゃん』にも出演した村上虹郎が演じる。浅野忠信や蒼井優らも出演その他9名のキャストが、トイチの舟に乗り、向こう岸へ渡ろうとする客人として出演。村と町を隔てる山あいの河を往来する客には、それぞれ舟に乗り込む理由があり、彼らに寡黙なトイチがどう関わっていくのかに注目だ。伊原剛志は川上で建設中の橋の関係者、浅野忠信は馴染みの客、村上淳は上流で起こった事件の噂話を聞きつける商人、蒼井優は華やかな芸妓を演じる。笹野高史は酪農を営む賑やかな客、草笛光子は生まれ故郷に戻る女性、細野晴臣はマタギの親方、永瀬正敏はそのマタギの息子・仁平、そして橋爪功は町医者に扮する。また、お笑いコンビ・野性爆弾のくっきーが軽快に楽器を鳴らしながら祭りに向かう楽団員として登場。オダギリが監督した中編映画『さくらな人たち』では主演を務めた次長課長の河本準一も、橋の建設に携わる建設作業員として出演する。撮影監督にクリストファー・ドイル撮影監督を務めるのは、名匠ウォン・カーウァイの映画『恋する惑星』『花様年華』などを手掛けたクリストファー・ドイル。オダギリとは、2018年公開の映画『宵闇真珠』で監督、主演として共作した。『ある船頭の話』では美しい日本の風景を描いたようで、クリストファー・ドイルが映し出す映像美に期待が高まる。ワダエミデザインの衣装展示も映画の公開に先駆け、8月30日(金)から新宿武蔵野館では、作品内で使用されたトイチ(柄本明)と、少女(川島鈴遥)の衣装展示を期間限定で実施。会場には、今回衣装を担当した衣装デザイナー・ワダエミによる衣装デザイン案も展示される。ストーリー一艘の舟。全ては、そこから始まる―。近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始める―。【詳細】映画『ある船頭の話』公開日:2019年9月13日(金)脚本・監督:オダギリジョー撮影監督:クリストファー・ドイル衣装デザイン:ワダエミ音楽:ティグラン・ハマシアン出演:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功■関連情報ワダエミによる衣装展示場所:新宿武蔵野館(東京都新宿区新宿3丁目27−10 武蔵野ビル)期間:8月30日(金)~10月上旬予定
2019年02月04日俳優・オダギリジョーの長編初監督作が、1月11日にクランクアップを迎え、『ある船頭の話』のタイトルで9月に公開されることが発表された。とある川で、村と町を繋ぐため船頭を続けるトイチ。村人の源三が遊びに来るとき以外は、 黙々と渡し舟を漕ぐ日々を過ごしていた。川上では橋が建設中で、人々は皆完成を心待ちにしている。そんな折、トイチの前に現れる一人の少女。彼女はトイチの人生を大きく変えて行くことになる…。今作で長編初監督デビューを飾るオダギリさんは、本作について「人が生きる上で、便利な物が増えていくのは必然だと思います。しかし同時に、文明の発展の陰で消え行く物も多いのではないでしょうか。便利になっていく一方で失ってしまう大切な何か。資本主義が競争社会を生み出し、いつの間にか変わってしまった『幸せ』の定義。一人の船頭を通して見つめる『本当に人間らしい生き方とは?』美しい日本の原風景を季節と共に切り取り描きたいと思っています」と思いを語っている。本作の主演を務めるのは、日本を代表する名優・柄本明。『石内尋常高等小学校花は散れども』(’08)以来、11年ぶりの主演となる今作では、黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送る船頭のトイチ役を演じる。また、人懐っこい笑顔でトイチのもとに遊びに来る村人・源三役は、『武曲 MUKOKU』で第41回日本アカデミー賞優秀助演男優賞など多数の賞を受賞、その後も『ハナレイ・ベイ』『チワワちゃん』などに出演、また5月には舞台「ハムレット」の出演も控える村上虹郎が演じている。なお、本作には豪華で国際的なスタッフが集結。『ブエノスアイレス』『恋する惑星』、オダギリさん主演『宵闇真珠』でもメガホンをとったクリストファー・ドイルが撮影監督を務めたほか、衣装デザインには『乱』(黒澤明監督)で米アカデミー賞を受賞したワダエミ、アルメニア出身のジャズ・ピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦した。<キャストクランクアップコメント>■柄本明オダギリジョー監督に船頭の役を頂きました。一生懸命演りました。見て頂ければ幸いです。■村上虹郎灼熱の日差しに焼かれながらも、雄大な川の上で柄本さんが漕いてくださる舟にたくさん乗りました。これでもかと言わんばかりの魅力的な集団の一員として、両極の季節を跨ぎ、夏はあの生き物とあんな事をして、冬はただただ寒くて死にそうで。柄本さんとは、この頃作品でお逢いし過ぎて毎度なんだよお前って煙たがられ、この作品でもずっと話しかけている役なのでそろそろ嫌われそうですが、時々話す英語がいきなりすぎたり、急にぽろっと哲学が出てきたり。とても贅沢です。容赦無く移りゆく景色と時間を優美に描くオダギリさんの脚本が、どう彩られているのか。おたのしみに。『ある船頭の話』は9月、新宿武蔵野館ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2019年01月30日第71回カンヌ国際映画祭で最高賞、パルムドールを受賞、第76回ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞ノミネートなど、全世界的に注目が再度集まっている是枝裕和監督の『万引き家族』が、待望のBlu-rayとDVDとなって2019年4月3日(水)に発売決定。是枝監督、安藤サクラのコメントも届いた。今作の主役は、犯罪でしかつながれなかった家族だ。生計を立てるため、家族ぐるみで犯罪を重ねていくうちに、一層強く結ばれていくある一家。だがそれは、許されない絆だった…。人と人との関係が希薄ないまの時代に、真の“つながり”とは何かを問う、衝撃の感動作として大きな話題に。万引きを重ねる父をリリー・フランキー、その妻を安藤サクラ、彼女の妹を松岡茉優、祖母を樹木希林。そして池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人という実力派俳優たちが集まり、濃密なドラマを紡いだ。今回の豪華版にはメイキング映像や特別番組、イベント映像集など特典映像を収録する予定。また、特製のブックレットも付いてくる。その発売決定に際して、是枝裕和監督、安藤サクラが最新のコメントを寄せている。■是枝監督&安藤サクラのコメント是枝裕和監督小さく産んで、細く長く育てていこうという発想で取り組んだ映画が、公開当初から、こんなに多くの方に劇場に足を運んで頂けるなんて、思ってもいませんでした。監督としては望外の喜びです。この度は、Blu-ray、DVD発売とのこと。欲張り!とお叱りを受けそうですが、お手元に置いて頂けたら、嬉しいです。安藤サクラ(柴田信代 役)あの家族がついに、DVDに、、!!きったないおうちだったし、極寒だったけど、あの時間はなんともあたたかかった。ひんまがったかたちだけど愛が詰まってたんだなぁ。あのこたつが懐かしい。あのお鍋が懐かしい。歩くと足の裏真っ黒になる床も、ぬるっとしたお風呂も、とっても愛しい。あの家はぐっちゃぐちゃに物で溢れてたけど、DVDなんて一枚も無かったなー。また、第91回アカデミー賞の外国語映画賞に日本代表として選ばれ、このほど最終候補作リストに名が残ったことでも注目を集めているところだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年12月21日16年に公開された映画「シン・ゴジラ」が12月16日にテレビ朝日系列で地上波放送された。興行収入82.5億円という歴史的大ヒットを記録した同作。アニメ作品「新世紀エヴァンゲリオン」でおなじみ庵野秀明(58)が総監督を務めた。長谷川博己(41)や竹野内豊(47)のほかに、國村隼(63)、柄本明(70)、鶴見辰吾(53)光石研(57)といった日本を代表する名優陣が揃っていた同作。そのことからTwitterでは《3次元のイケオジがいっぱい出てくる最高!!!》《シン・ゴジラは、ありとあらゆる“イケオジ”を観る映画だ!》といった声が上がっていた。さらに同作には今年2月に亡くなった、大杉漣さん(享年66)も内閣総理大臣役として出演。そのため大杉さんを偲ぶ声も。《シン・ゴジラ見て大杉漣さんが亡くなったのが信じられないというか、今画面の中で確かに生きている人が今はもうこの世にいないことが不思議に感じた》《まだ生きてると錯覚してしまう 彼は作品の中で生きているんだけども》《大杉漣さん見る度にシュン……てなるしイケおじってああいう人を言うんだろうなあと》前回地上波放送されたのは17年11月。つまり今回の放送は、大杉さんが亡くなって初めての地上波放送となる。「大杉さんはドラマ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)に出演した際、『シンゴジラで総理大臣の役をした』というセリフがありました。ですから前回の放送時と違い、そのセリフを懐かしむファンも多く見られましたね。今回の放送は、改めて大杉漣という名優の偉大さを振り返るキッカケになったようです」(映画関係者)
2018年12月17日作家・吉田修一の「犯罪小説集」を綾野剛、杉咲花、佐藤浩市出演で映画化する『楽園』。この度、新たに柄本明、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、根岸季衣、石橋静河が出演していることが明らかになった。本作は、吉田氏自身が「こんなにも物語をコントロールできず、彼らの感情に呑み込まれそうになったのは初めて」と語る新たな最高傑作を、5編からなる小説の「青田Y字路」「万屋善次郎」の2編を組み合せて脚色し映画化。すでに発表されている豪華俳優陣3名に加えて、今回新たに本作を彩るキャストが決定。柄本明/藤木五郎役『座頭市』『岸辺の旅』『万引き家族』など数々の作品に出演する、日本を代表するベテラン俳優・柄本明が演じるのは、幼女誘拐事件の被害少女の祖父・藤木五郎。『悪人』に続き、吉田修一作品2作目となる柄本さんは、「やはり今回も吉田さんの世界だなと感じました」と参加した印象を語り、また「綾野さん、杉咲さん、佐藤さんともこれまでにご一緒しており、現場も楽しかったです」とふり返った。村上虹郎/野上広呂役「仰げば尊し」「この世界の片隅に」、TVアニメ「いぬやしき」など話題作への出演が続き、急成長を遂げる若手俳優・村上虹郎が演じるのは、紡(杉咲さん)に想いを寄せる幼なじみ・野上広呂。演じた役柄について「天使なのか、悪魔なのか。大事な人物を演じさせて頂きました」と語る村上さん。今回初の瀬々組となったが、「監督の鋭い目つきにゾクワクする日々でした。監督の名台詞集をすぐにでも出版できそうですが此処ではひとつだけ、“さっきの方がグビッときた”スクリーンでお逢いできるのを心待ちにしています」とコメントしている。片岡礼子/久子役『ハッシュ!』や、瀬々敬久監督作『ヘヴンズ ストーリー』に出演した片岡礼子は、善次郎(佐藤さん)の身を案じる女性・久子を演じる。「現場では迷い…考え過ぎる自分をやめたい日々でした」とふり返る片岡さんは、「途中から久子の家族や善次郎との未来を信じることだけに集中することにしていました。物語が生きてるかのように変化し続けていたことにも現場で何度も鳥肌が立っていました。映画を見届けるまで現場が終わらないような気分です」と撮影の日々について明かした。黒沢あすか/中村洋子役豪士(綾野さん)の母・中村洋子には、『冷たい熱帯魚』『渇き。』などに出演した黒沢あすか。黒沢さんは、台本ト書には“アジア訛りの日本語を話す”と記されていたと明かし、「後日、デモCDを手にし洋子という名のクメール人になりきる役作り。発音取りに試行錯誤しながらカタイ頭が柔らかくなっていく手応えを感じていきました」と役作りについて語り、「クランクアップの日は満ち足りた気分でした。今は完成する日が待ち遠しくて仕方ありません」と心境を述べた。根岸季衣/藤木朝子役五郎の妻・藤木朝子を、「ふぞろいの林檎たち」シリーズや連続テレビ小説「梅ちゃん先生」ほか数々の作品に出演する根岸季衣。同じく、完成が楽しみだと語る根岸さんは「今迄にも老け役は何度か経験して来ましたが、遂に!初の認知症役でした。幸いあらぬ事を叫び続ける事もなく、余りに辛い現実から逃避するかのように、夫役の柄本明さんの手を拠り所にしっかり握って静かに惚けて行く朝子は、幸せにも思えました」と演じていて楽しかったとふり返っている。石橋静河/田中紀子役善次郎の亡き妻・田中紀子役は、連続テレビ小説「半分、青い。」で佐藤健(律)の妻(より子)を演じ話題となった石橋静河に決定。石橋さんは、本作について「人間の恐ろしさと同時に、誰しもが心の中に持っている、狂気や哀しみが描かれているのが、この作品だと思います」と自身の解釈を話し、「初めて今回の脚本を読んだ時、私が演じさせていただいた紀子という役はこの物語の中のひとつの希望なのだと感じ、その灯りを大切に演じたいと思いました。たくさんの方たちにこの映画が届くことを願っています」とコメントを寄せている。『楽園』は2019年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:楽園(2019) 2019年、全国にて公開© 2019「楽園」製作委員会
2018年11月23日「10月29日には、予定通り大阪の撮影現場で『まんぷく』のリハーサルが行われました。義母の角替さんが亡くなったばかりなのに、安藤さんも満面の“福ちゃんスマイル”を見せてくれていました。でも休憩時間になるといつものように共演者たちと談笑はせず、1人で物思いにふけっていたのです」(NHK関係者)10月27日早朝、女優・角替和枝さん(享年64)が原発不明がんで亡くなった。当日、角替さんを看取ったのは夫・柄本明(70)と長男・柄本佑(31)ら。嫁の安藤サクラは(32)『まんぷく』の収録のため大阪におり、次男・柄本時生(29)もハワイで仕事中だった。「安藤が柄本家を訪れたのは29日の夜だと聞いています。昼間に大阪でリハーサルを終えた後に帰京しました」(所属事務所関係者)逝去から約60時間後のようやくの対面……。実はサクラが頑ななまでに大阪の現場で熱演を続けていたのは、義母の“遺命”のためだったという。角替さんを知る舞台関係者は言う。「がん発覚後、角替さんは家族たちに誓約をさせました。それは、《私の病気のことで仕事を休んだり、スケジュールの変更をしてもらったりすることは許さない》というもの。サクラさんは“看取りよりも収録”という誓約を守ったのです」『40、50は鼻たれ小僧』が口癖で生涯“演じること”を追求し続けた角替さんは、舞台にだけは妥協を許さなかった。角替さん自身はインタビューで次のように語っている。《たとえ(子供の)ピアノの発表会でも、チャランポランにやって欲しくないの。人様の前で、一段高いところに立ったらもう、ステージなのね、私たちにとって。とにかく稽古しろって、1カ月くらい前は鬼になりましたね。(中略)後でお父さんとも話したんだけど、私たちにとって舞台っていうのは、神聖なものなんだねって。『板』の上にのるってことはうちの家族には、神聖なことなんです」(『ラ・セーヌ』93年7月号)サクラは角替さん逝去の1カ月ほど前から週末は必ず帰京し、長女を連れてお見舞いに通っていた。「角替さんは、サクラさんがコミカルに歩く『まんぷく』のオープニングがお気に入りでした。最後にサクラさんが海岸で両手両足を広げるのですが、あれも彼女のアドリブで、その話を聞いた角替さんが笑ってほめてくれたそうです。『あんた、女優を選んで正解だったね』って」(前出・舞台関係者)“女優を選んで正解”。義母が遺してくれたその言葉は、安藤サクラの女優人生を照らし続けることだろう。
2018年11月08日小川絵梨子が芸術監督に就任し、新シーズンが幕を開けた新国立劇場。10月のカミュ「誤解」(演出/稲葉賀恵)に続き、11月はハロルド・ピンターの「誰もいない国」が寺十吾の演出で上演される。柄本明、石倉三郎、有薗芳記、平埜生成という実力派の俳優陣がそろった稽古場に足を運んだ。【チケット情報はこちら】物語はロンドンの屋敷の一室で展開。舞台上には、ソファや酒のボトルが並んだ棚などが置かれているのだが、特徴的なのは舞台に傾斜がついており、しかもその傾斜の角度が通常とは逆で客席側が高く、奥に行くほど低くなっているということ。ここで、主人のハースト(柄本)、彼と酒場で出会い、家までついてきた自称・詩人のスプーナー(石倉)、この家で暮らすフォスター(平埜)とブリグズ(有薗)の4人が会話を繰り広げ、物語が進んでいく。柄本、石倉は以前から取材の場やトークイベントで、4人が交わす会話の意味や終着点について一貫して「わからない」と語っており、そこにこそ魅力があるとも語っていたが、寺十も「物語が、ある最終目的を目指して進んでいないのが魅力。噛み合わない会話の中で、各々の下心や戦略、嫉妬などが絡み合い、巧みな攻防が展開する」と本作ならではの会話の面白さを明かす。柄本をハースト役にと提案したのは寺十自身だが、その理由は「直感。この本をやる上で“これはどういう意味?”などと聞くことをナンセンスだと思ってくれそうな人だから」とのこと。まさにその見立て通り、稽古場では、時折、寺十が「もう少し強めで」「もっとゆっくり」などとニュアンスを演出する姿は見られたが、意味や行動原理などを話し合ったりすることはない。柄本はたびたびシーンの合間に「いやぁ、意味わかんないね(笑)」と首をひねりつつ、しかし、スタートが掛かると、石倉らと丁々発止のやり取りを繰り広げ、ちょっとした沈黙、リアクションなどが不思議と見る者の笑いを誘う。ハーストは当初、気だるそうにスプーナーの言葉に返事をしていたが、二幕目になると突如、過去の時間か妄想の世界に暮らしているかのように、別人となって熱く語り始める。最初は慇懃な態度でハーストと接していたスプーナーは徐々にズケズケとものを言うようになるが、石倉は江戸っ子のようなべらんめぇ口調でハーストらと“舌戦”を繰り広げる。平埜が演じるフォスターは、寺十いわく「客と芝居の橋渡しを担うポジション」とのことだが、胡散臭い来訪者に警戒心を強めていく。若い平埜が柄本、石倉にどう挑むかも見どころだ。有薗が演じるブリグズは、クールに淡々と主人、同僚、来訪者に接するが、途中、凄まじい長ゼリフも披露する。個性的で一向に噛み合うことのない4人の男たちの会話だが、寺十が「だんだん、先の展開を読む気もなくなってくる」と語る通り、その場、その場でのやり取りを聞くのが、まるでライブで音楽を聴くかのように楽しくなってくる。まさに考えるのでも理解するのでもなく、感じる楽しさを教えてくれる芝居になりそうだ。「誰もいない国」は11月8日(木)より新国立劇場にて開幕。取材・文:黒豆直樹
2018年11月06日