V6の森田剛が、古谷実原作の『ヒメアノ~ル』(2016年公開)で映画に初主演することが23日、明らかになった。クランクインは3月末を予定している。映画は、『行け!稲中卓球部』『ヒミズ』などで知られる古谷氏が、『週刊ヤングマガジン』(講談社)で2008年から2010年まで連載していた同名漫画が原作。ビルの清掃会社でパートタイマーとして働く岡田が同僚と恋愛に悩む平凡な日常とともに、彼の恋人となるユカをつけ狙うサイコキラー、森田の心の闇を描く。タイトルは、爬虫類の「ヒメトカゲ」のことを指し、「強いものの餌になる弱者」を意味している。連載当時、その過激な内容からファンの間で物議を醸し、実写化不可能とも言われていた。本作では、人をターゲットとしか思わない連続殺人鬼・森田正一を森田が演じる。平凡な男・岡田を俳優の濱田岳、森田にストーキングされるヒロイン・ユカを女優の佐津川愛美が演じ、2人ともこれまでにない体当たりの演技に挑む。監督は、『さんかく』(2010年)『銀の匙 Silver Spoon』(2014年)の吉田恵輔監督。原作を忠実に映画化するため、R15指定も辞さない覚悟で臨むという。出演が決まってから原作を読んだという森田。「人間がしっかり描けている所が、とても読みやすく面白い」と感じたという。しかし、"殺人鬼"という難しい役どころについては「決して共感はできない今回の役作りに関して、吉田監督とお話ししただけでは、なかなか理解するのが難しいと感じています」と打ち明ける。その上で「森田正一の過去や、なぜこういう人間になったのかを理解して、クランクインを迎えたい」と気持ちを語り、「キャスト・スタッフのこめた熱が、しっかり伝わる人間臭い作品を目指したいと思います」と意気込みを述べた。メガホンをとる吉田監督は、「高校生の頃からバイブルだった古谷実さんの漫画を監督できるなんて夢のようです」と喜びを明かす。そして「ドス黒さあふれる、良い意味でバランスの悪い映画に仕上げたいです」と思いを語り、主演の森田に「"普通なんだけど普通じゃない"という感じを表現していただきたい。難しい注文ですが、森田さんなら答えてくれると思います」と期待を寄せた。(C)古谷実・講談社/2016「ヒメアノ~ル」製作委員会(C)古谷実/講談社
2015年03月23日『行け!稲中卓球部』『ヒミズ』の古谷実による人気コミック『ヒメアノ~ル』が森田剛主演で実写映画化されることが決定した。原作は、次々と快楽殺人を重ねていくサイコキラーを主人公に、彼の心の闇を描いた話で、本作が初主演作となる森田は「熱がしっかり伝わる人間臭い作品を目指したい」とコメントを寄せている。その他の情報本作で森田が演じるのは、人をターゲット=餌としか思わない連続殺人鬼・森田正一。彼の同級生で、ビル清掃会社のパートタイマーとして働く平凡な男・岡田を濱田岳が演じ、森田正一にストーキングされるヒロイン・ユカを佐津川愛美が演じる。監督は『さんかく』『銀の匙』の吉田恵輔。森田は「決して共感はできない今回の役作りに関して、吉田監督とお話ししただけでは、なかなか理解するのが難しいと感じています。森田正一の過去や、なぜこういう人間になったのかを理解して、クランクインを迎えたいです」といい、「いわゆる悪い人は沢山存在しているかもしれないが、彼らの過去には何かしらの理由があるのでは?キャスト・スタッフのこめた熱が、しっかり伝わる人間臭い作品を目指したいと思います」と意気込みを語っている。吉田監督は「高校生の頃からバイブルだった古谷実さんの漫画を監督出来るなんて夢のようです」と話し、実写化にあたり「ドス黒さ溢れる、良い意味でバランスの悪い映画に仕上げたいです。森田さんには“普通なんだけど普通じゃない”という感じを表現して頂きたい。難しい注文ですが、森田さんなら答えてくれると思います」と語り、原作者・古谷氏は「大変ありがたいです。森田さん、よろしくお願いいたします」とコメントを寄せている。撮影は3月末日にクランクインし、2016年に公開される。『ヒメアノ~ル』2016年 全国公開
2015年03月23日映画初主演となる「V6」の森田剛を迎え、その過激な内容から連載当時に物議を醸した古谷実の伝説的コミック「ヒメアノ~ル」が映画化されることが決定。このほど、“狂気の連続殺人鬼”役を務める森田さんのコメントが到着、さらに濱田岳、佐津川愛美らの出演が明らかになった。物語は、ビルの清掃会社で働く平凡な男、岡田(濱田岳)が同僚・安藤に自らも想いを寄せるユカ(佐津川愛美)とのキューピッド役を頼まれることから動き出す。岡田がユカの働くカフェに向かうと、そこで高校時代の同級生・森田正一(森田剛)に出会うが、ユカから「森田にストーキングされている」と知らされ…。原作は、その過激さから実写化不可能とも言われていた、「行け!稲中卓球部」「ヒミズ」の人気漫画家・古谷実のベストセラー漫画を、『銀の匙 Silver Spoon』の吉田恵輔監督がメガホンをとった本作。森田さんが演じるのは、のちに岡田の恋人となるユカを付け狙い、“人をターゲット=餌としか思わない連続殺人鬼・森田正一”。森田さんといえば、アイドルグループ「V6」のメンバーとしてデビューして以降、多数の作品に出演。近年では舞台を中心に活躍し、蜷川幸雄、宮本亜門、いのうえひでのり、行定勲といった錚々たる名演出家からのオファーが絶えないが、意外にも映画の主演を務めるのは本作が初めてだという。森田さんは今回の出演を機に原作を読んだ感想を「人間がしっかり描けている所が、とても読みやすく面白かったです」としながらも「決して共感はできない今回の役作りに関して、吉田監督とお話ししただけでは、中々理解するのが難しいと感じています。森田正一の過去や、なぜこういう人間になったのかを理解して、クランクインを迎えたいです。いわゆる悪い人は沢山存在しているかもしれないが、彼らの過去には何かしらの理由があるのでは?」と、役作りの難しさについて語る。そんな本作を手がける吉田監督は、高校生の頃からバイブルだった原作を監督出来るなんて夢のよう、とその心境を語り、R15指定となることも辞さない決意を持って挑むという。「ドス黒さ溢れる、良い意味でバランスの悪い映画に仕上げたいです。森田さんには“普通なんだけど普通じゃない”という感じを表現していただきたい。難しい注文ですが、森田さんなら答えてくれると思います」と、監督も実写化にあたり森田さんに強い期待を掛けているよう。数々の映像作品・舞台で演技を研鑽し、今年11月にデビュー20周年を迎える森田さんが、満を持しての映画初主演で、“映画史に残る連続殺人鬼”役を務める本作。「キャスト・スタッフのこめた熱が、しっかり伝わる人間臭い作品を目指したいと思います」と目標を掲げる超意欲作だけに、今後の動向から目が離せない。『ヒメアノ~ル』は3月末日クランクイン、2016年に全国公開予定。(text:cinemacafe.net)
2015年03月23日ワコムは2月10日、「CGアーティスト森田悠揮ZBrushテクニックセミナー」をデジタルハリウッド駿河台ホールにて開催した。セミナーにはCGアーティスト森田悠揮氏とPixologic社COOのハイミ氏、マーケティング担当のトマ氏が登壇。オークの山田有祐氏が司会を務めた。森田氏の実演に会場が沸いたセミナーの様子をレポートする。○デジタルライブスカルプティングを披露同セミナーは、3Dモデリング制作を行っている人から3Dモデリング制作に興味がある人までの幅広い層を対象に行われた。「ZBrush」はゲームや映像作品の3Dモデリング制作に使われているデジタルスカルプティングソフトウェア。今回のセミナーに登壇した森田氏は、「CG Student Awards 2013」にて、世界第3位を受賞。セミナーでは、ZBrushとペンタブレットを使ったデジタルライブスカルプティングを披露した。また、実演と平行してZBrushの開発元であるPixologic社のハイミ氏とトマ氏がソフトウェアを解説し、質疑応答も実施。会場には液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズのフラッグシップモデル「Cintiq 27HD」を中心とした液晶ペンタブレットを展示し、その場で体験できるようになっており、セミナー終演後には、実際に試してみる参加者の姿も見られた。○「爬虫類っぽい」クリーチャーを作成セミナー冒頭で進行の山田氏が尋ねたところ、来場者の中でZBrushを使っているのは4~5割程度。森田氏はセミナーが行われる1時間半~2時間の間にクリーチャーの頭部を作ると話し、実演が開始された。森田氏が作るのは「爬虫類っぽい」クリーチャーということで、トカゲを意識しながら作ると説明。普段はクリーチャーであれば何の動物をベースに作るかを考え、大量の資料を見て、動物の構図を頭にたたき込んでからさっと作るようにしているとのこと。最初の段階では印象だけを重視しているので、ディテールにはあまり凝らずに進めるのだという。目の周りが決まるとそれ以外の部分も決まるということで、目の周りから重点的に作っていた。会場からの「自分で絵を描くのか」という質問に対しては、デッサンを本格的に習ったことはないが、デッサンは観察力をつけるためにあるため、観察力さえあればできなくても大丈夫だとの回答をしていた。○ZBrush 4R7をPixologic社が紹介森田氏による作業の中盤には、Pixologic社によるZBrushの説明が行われた。ZBrushの特徴は、紙とペンがあれば何かが描けるのと同じように、ZBrushがあれば経験がなくても制作を始められるということだ。「粘土をこねるように作業を進められる」と例えていた。産業分野ではゲーム、映画、マーケットデザインのイラストレーション、製品製作前のコンセプト段階でのアート、テレビコマーシャルなどさまざまな場面で使われており、利用者に合わせて幅広く活用できるという。ハイミ氏とトマ氏は、今回の来日で2月8日に行われたワンダーフェスティバルに参加し、「日本では漫画文化が強い」と実感したとのこと。このほどリリースされた「ZBrush 4R7」についても、いち早く詳細を紹介。ZBrushの特徴のひとつに「ZBrushだけですべての作業が完結できること」があるが、4R7ではそれがさらに強化されたという。○最終的な質感をイメージして作業を進行Pixologic社が「ZBrush 4R7」の説明をしている間に、森田氏の実演も進行。大まかな形が完成。続くディテールでは、質感を考えて作業を進めるという。今回のクリーチャーについては、ぬるっとした首の皮にし、ヒダや顔のシワをつけていた。最終的な質感をイメージしていると作業が早く進むのだという。その様子を見ていたハイミ氏は、球からアウトラインを作っていったことに注目し、「作業をやっていく中で調整を重ねてドラゴン(クリーチャー)ができあがっていった」と話した。トマ氏は作業の早さがZBrushならではであると強調。山田氏は、「デジタルでは、良くも悪くもとことんディテールを突き詰められる」とデジタルならではの特徴を読み取って説明していた。○液晶ペンタブレットは「アナログで制作しているみたい」セミナーの後半では、山田氏が事前アンケートの結果を紹介。会場にいるZBrushユーザーではペンタブレットを使っている人が多いという内容だった。それについて、最近液晶ペンタブレットを買ったという森田氏は、「アナログで制作しているみたいで慣れるとすごく使いやすい。5時間で慣れてしまった」と話した。購入したのは「Cintiq 13HD」だという。メインのディスプレイとミラーリングして使っているという山田氏は、「Cintiq 13HDなら原型を作る感覚のまま、フィギュアを作る感じに近いので良い選択だった」と振り返っていた。そしていよいよ森田氏のクリーチャーが完成。ハイミ氏は「2時間以内で作った作品ではハイクオリティ」と評価していた。森田氏はもともとはモデラー志望ではなく、いろいろなものを作っていたのだという。しかし、クリーチャーを作るのが楽しく、生き物が好きだったことから、現在ではクリーチャーの仕事が9割を占めるようになったそうだ。また森田氏は、日頃から使えそうな質感や造形を頭にストックしておくことの大切さを強調。現存の動物から使える要素を探して、イマジネーションに取り入れておく。実際の作業においては、シルエットが決まれば完成形も見えるため、ディテールにとらわれずに形を突き詰めて、最終的に良い物をつくることを心がけるように意識していると話し、セミナーは幕を閉じた。
2015年02月17日女優の北川景子が、松山ケンイチ主演の映画『の・ようなもののようなもの』(仮題)でヒロインを務めることが17日、明らかになった。同映画は、森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』(1981年)の続編で、2011年12月に急逝した森田監督を慕う旧知のスタッフとキャストが結集して練り上げた企画。東京の下町を舞台に落語家のようなもの、二つ目(真打になる前のタマゴ)の青春を綴った『の・ようなもの』のその後を描いている。まだ二つ目にもなれていない落語家"の・ようなもの"である出船亭志ん田(松山ケンイチ)は、師匠・出船亭志ん米(尾藤イサオ)の自宅に寄宿して、日々修行に精進。ある日志ん田は、師匠の志ん米に頼まれ、以前この一門に在籍したいた志ん魚(伊藤克信)を探し出す羽目になる。『の・ようなもの』で助監督、『僕達急行A列車で行こう』などで監督補を務めた杉山泰一氏がメガホンを取り、森田監督の遺作となった『僕達急行A列車で行こう』(2012年)でも主役を演じた松山ケンイチが主演を務める。一方の北川が演じるのは、志ん米の一人娘・夕美。北川は『間宮兄妹』(2006年)でスクリーンデビューを飾って以降、森田作品への参加を熱望し続けてきた。松山と共に『サウスバウンド』(2007年)に出演。"チョイ役"でも出たいと『わたし出すわ』(2009年)に特別出演するなど、本作には渾身の思いで挑んだ。映画はすでにクランクアップし、年内の完成を予定。撮影を終え、北川は「杉山組だけど、森田組そのものというか、"また戻ってきた"という感じがしました」と振り返り、「映画のデビューの時に、森田監督の現場を体感できたことは、すごく大きかったと思います」と語る。「『間宮兄弟』のクランクアップの時に、森田さんが『女優をやめないでくださいね』って言ってくださったことがあって、これまでやめようかなと思った時もあったんですけど、その一言が最後の勇気になって、辞めずに続けられているので、その言葉がすごく胸に残っています。映像にこだわってやってこれたのは森田さんのおかげだと思っています」と恩師にメッセージ。「亡くなった時は、前触れもなかったですし、ショックというか、ビックリしました、嘘かなと最初思いました」と当時の心境を明かした。そして、「このチームと出会えたのは(「間宮兄弟」の時の)夕美という役がきっかけだったので、みんなが、『あ、夕美が帰ってきたな』って楽しくなれるような、面影を沢山残した役にしたいなと思っていました」と役柄への思いを語り、「森田さんはいつも、口を片方だけあげて笑ってくれていたんですが、だからそうやって笑ってもらえるようにしたいなというのが、一番強い思いかもしれません。(森田監督が)亡くなった時は心が折れそうになったんですけど、悲しんでいるだけではよくないですから、なるべく森田さんのやってた事を継承できるように、松山さんも含めてですけど、我々で頑張っていきたいと思っています」と意気込みを見せた。杉山監督は企画がスタートした時を振り返り、「相手役のヒロインには、下町育ちで言いたいことをズバッと言う師匠の娘には、『間宮兄弟』の夕美がピッタリだと北川景子さんをイメージして脚本作りをお願いしました」とコメント。「初日からまさしく、ちょっと大人になった、あの時のやんちゃな夕美を全力でかましてくれました。普段の彼女は一見クールでおとなしい印象ですが、一旦芝居に入ると、わき目も振らず猪突猛進でぶつかってくる情熱家で、むしろ現場では抑える芝居をお願いしていた事が多かった気がします」と撮影の様子を語った。
2014年10月17日多くの映画人、映画ファンに惜しまれながら2011年12月に急逝した森田芳光監督。そんな森田監督の死からもうすぐ3年が経とうとしている。そんな中、先日発表された1本の映画が、ファンの間で話題を呼んでいる。彼を慕う旧知のスタッフ・キャストが再集結し、主演に松山ケンイチを迎え、森田監督デビュー作『の・ようなもの』(’81)のその後を描くオリジナル作品『の・ようなもののようなもの』(仮題)。このほど本作のヒロイン役で、森田監督を恩師と慕う女優・北川景子が出演していることが発表され、北川さんからおよそ1000文字にもおよぶ長文コメントが到着した。本作の舞台は、現代の東京の下町。落語家一門の出船亭に入門した志ん田(しんでん/演:松山ケンイチ)は、師匠の志ん米(しんこめ/演:尾藤イサオ)に頼まれ、以前この一門に在籍していた志ん魚(しんとと/伊藤克信)を探し出す羽目になる。実はこの一門を財政的に支えてきたスポンサーの女会長は、クリクリした目玉が大好きという理由で志ん魚を贔屓にしており、志ん米師匠は彼女のご機嫌を取るため、志ん魚をもう一度高座に引っ張りだそうという考えだ。志ん魚を探し回る志ん田。師匠の弟弟子の志ん水(しんすい/演:でんでん)や、昔の門下生たちを訪ね、手がかりを集めようとするが、まったく上手くいかず――。森田監督作『間宮兄弟』(’06)でスクリーンデビューを飾って以降、松山ケンイチと共に出演した『サウスバウンド』(’07)、チョイ役でも出たいと『わたし出すわ』(’09)に特別出演と、森田監督に熱く尊敬の念を抱いていた北川さん。森田監督が亡くなった際、葬儀ならびに告別式の場で人目をはばからず号泣し、各メディアが大きく報じていたことも記憶に残っている人も多いだろう。そんな北川さんは本作では、志ん米師匠のひとり娘・夕美役を演じることとなる。今回の出演には並々ならぬ想いがあったようで、渾身の想いで撮影に臨んだとのこと。今回届いた長文コメントは、その片鱗を感じさせるものとなっている。<北川景子/コメント全文>「『間宮兄弟』という映画でスクリーンデビューさせて頂いていて、その時からほとんどのスタッフの皆さんが変わっていなくて、杉山組(※本作の監督・杉山泰一)だけど、森田組そのものというか、“また戻ってきた”という感じがしました。『間宮兄弟』の合格をもらった時に、『の・ようなもの』のビデオテープを渡されて、何度も見ていたので、そのオリジナルの作品のキャストの皆さんが集結する現場を見た時は、感動して鳥肌が立ちました。映画のデビューの時に、森田監督の現場を体感できたことは、すごく大きかったと思います。『間宮兄弟』のクランクアップの時に、森田さんが『女優をやめないでくださいね』って言ってくださったことがあって、これまでやめようかなと思った時もあったんですけど、その一言が最後の勇気になって、辞めずに続けられているので、その言葉がすごく胸に残っています。映像にこだわってやってこれたのは、森田さんのおかげだと思っています。亡くなった時は、前触れもなかったですし、ショックというか、ビックリしました、嘘かなと最初思いました。今回、声をかけて頂いたことはすごく嬉しいし光栄でした。錚々たる面々の女優さんが森田さんとご一緒されている中で、今回松山さんの相手役にと言って頂けたのは、ラッキーでしかないというか、自分で良かったのかなというのはちょっと思いますけど、でも嬉しかったです。このチームと出会えたのは(『間宮兄弟』の時の)夕美という役がきっかけだったので、みんなが、『あ、夕美が帰ってきたな』って楽しくなれるような、面影を沢山残した役にしたいなと思っていました。すごく純真で、天真爛漫で、明るくてパワフルっていうのが夕美のいいところだと思うので、そういうところは年をとっても変わらないところかなと思ったので、『間宮兄弟』の時のまま、きちんと残しつつ演じようとしました。夕美という役はすごく自分にとっても思い入れの強い役でもあるんです。森田さんはいつも、口を片方だけあげて笑ってくれていたんですが、だからそうやって笑ってもらえるようにしたいなというのが、一番強い思いかもしれません。亡くなった時は心が折れそうになったんですけど、悲しんでるだけではよくないですから、なるべく森田さんのやってた事を継承できるように、松山さんも含めてですけど、我々で頑張っていきたいと思ってます」。「私」ではなく、最後の「我々」という言葉は、まさに森田組の一員であることの証だろう。その決意と共に、どんな役を演じてみせるのか?続報に注目があつまりそうだ。『の・ようなもののようなもの』(仮題)は2015年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月17日「ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)」はデザイナーの森田恭通によるコラボレート作品を発表した。13年に公開のクリスタル花瓶に続くコラボ作品として発表されたのは、クリスタルガラス製の切子グラス。ルシアン ペラフィネのアイコンであるスカル柄があしらわれており、価格は5万5,000円。発売は10月下旬を予定している。
2014年10月03日11月、新国立劇場・中劇場にて『ブエノスアイレス午前零時』が上演される。演出を担当する行定勲と、原作者の藤沢周に話を訊いた。『ブエノスアイレス午前零時』チケット情報1998年に芥川賞を受賞した小説『ブエノスアイレス午前零時』を、行定は刊行当初から映画にしたいと熱望していた。「藤沢さんの描くハードボイルドな、ちょっと距離を置いて社会を見つめる視線というのは、僕の思う非常に〈映画的なるもの〉なんです。静かだけれど、つねに凶暴」と藤沢作品の魅力を語る行定。ノートを新しくするたび、今後実現させたい企画の筆頭に『ブエノスアイレス午前零時』の名はあり続けたのだという。これが舞台化に向けて大きく舵を切ったきっかけは、主演である森田剛からのラブコールだった。「行定さんの演出で舞台をやりたい」という森田の想いを行定はふたつ返事で受け入れた。そして彼に似合う作品を考えるうち、15年もの間温め続けていたタイトルが浮かんだ。「森田くんに、現実に縛られた男を演じてほしかった。そういう男が奥底にあるものを出す瞬間を演じたら、彼はすごく輝くんじゃないかと思ったんです。そのときに『ようやくあの作品ができる』と感じた」長年行定から映画化の構想を聞き続けていた藤沢は、そのキャスティングに最初は驚いたのだとか。それもそのはず、原作に描かれているカザマという男は、森田の風貌と決して似ているとはいいがたいのだ。しかし制作発表の場で森田と会い、彼がカザマを演じることに深く納得したという藤沢。「森田さんは静かなのに、心の中に刃を抱えている感じがする。彼に演じてもらうカザマは、静謐な男だけれど実は奥底でパッションが燃えている。ぴったりですよ」。原作者である藤沢は、行定の手による舞台化に全幅の信頼を置いている。「行定さんの映画って、たとえラブストーリーでもそのなかに冷酷なものや毒を孕んでいる。それが僕に共鳴する部分があるんです。『ブエノスアイレス午前零時』もいろんな読み方ができる小説ですが、書き手の核を確実に掴み取ってくださっている」。行定も「どう演出するか、いまの時点ではまったくわからない」と言いつつ、自信をのぞかせる。「藤沢さんの小説は、10年以上経ってもまったく色あせない。それは僕が映画をつくるときに目指しているところです。いくつか演劇に携わってきたけれど、こうして企画の段階から携わるのは初めての経験。プレッシャーはあります。でも、原作を初めて読んだ時の初期衝動のまま、この世界を描き出せれば」。果たして、行定によってこの作品がどのような形で立ち現れるのか、期待が募る。舞台は11月28日(金)から12月21日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、12月25日(木)から29日(月)まで大阪・シアターBRAVA!で上演。チケットの一般発売は10月4日(土)午前10時より。取材・文/釣木文恵
2014年09月30日いのうえひでのり演出、青木豪脚本、森田剛主演で贈る『鉈切り丸』が10月12日、大阪・オリックス劇場で幕を開けた。シェイクスピアの『リチャード三世』を鎌倉時代に置き換え、天下を獲るために悪の限りを尽くす源範頼の生き様が描かれている。いのうえシェイクスピア「鉈切り丸」~W・シェイクスピア〈リチャード三世〉よりチケット情報戦乱絶えない平安末期。顔にアザ、背中にこぶ、片足を引きずり歩くひとりの男がいた。その名は源範頼、幼名を鉈切り丸(森田)という。容姿は醜いが頭脳明晰で口が立つ範頼は、人並み以上の野望を抱き、天下を獲ろうと舌先三寸で巧妙に策略を仕掛けていく……。愛を知らずに生まれた孤独感、そして醜い容姿による強い劣等感からくるものなのか、その悪のエネルギーは半端じゃない。野心に満ちた目を光らせ、会話には少しの感情もこもらない。自分の手を汚さずして、弟・義経(須賀健太)、兄・頼朝(生瀬勝久)を死に追いやる範頼。知略を尽くして徐々に駒を進めていくその様は、時には目を背けたくなるほどに残忍非道だが、ある種の痛快さをも感じさせる。将軍へと昇りつめた後、急展開で落ちていく哀れな様も見ごたえたっぷりだ。範頼を演じる森田は、将軍へと近づくにつれてどんどん輝きを増し、鋭い眼光を放ちながら吐くキメ台詞にもゾクッとさせられる。さらには憎しみがこもったキレ味鋭い立ち回りを魅せ、強くも哀しく、そして脆い“ダークヒーロー”を見事に演じきっている。また、意外にもいのうえ演出は初となる生瀬はコミカルに頼朝を演じ、張り詰めた空気の中に柔らかさをもたらす。その家臣・大江広元役の山内圭哉と見せる抜群のコンビネーションも必見。柔と剛の絶妙なバランスが観る者の心を揺さぶっていく。さらに、渡辺いっけい、若村麻由美、麻実れい、秋山菜津子など、豪華ベテラン俳優陣がどっしりとした演技で物語に厚みを持たせる。一方、若手の活躍ぶりも見もので、義経役の須賀や家臣・和田義盛役の木村了がフレッシュな演技と俊敏な立ち回りで魅せ、成海璃子は、範頼に夫を殺された巴御前を丁寧な演技で魅せていく。公演前には森田が「僕が演じる源範頼はとても悪い男ですが、この舞台は衣装もキレイで派手、セットも豪華で立ち回りもありますし、たくさんの方々に楽しんで頂けると思います」と魅力を語り、生瀬も「この舞台を観れば人生が変わると言ってもいいくらい。特に若い人たちに観てほしい」と語った。また、初舞台の成海も「巴御前は夫を殺した範頼を復讐しようとするとても強い女性。初舞台を楽しみたいと思います」と意気込んだ。公演は10月26日(土)まで大阪・オリックス劇場(旧大阪厚生年金会館)、11月8日(金)から30日(土)まで東京・東急シアターオーブにて。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2013年10月25日嵐電(らんでん)の名称で親しまれている京都の京福電気鉄道・嵐山駅が、13日のリニューアルに先駆けてプレスに公開された。デザインは伊勢丹新宿店のリモデルなどを手がけた森田恭通。2002年に同氏が行った第1期の駅舎改修から11年が経過し、駅周辺への集客計画が順調に推移、今回は駅のコンコース自体に創造性を持たせ、“エキナカ”効果を狙ったデザインとなっている。今回のリニューアルでは駅構内と周辺エリアの一体化を実施。街と駅を仕切っていた改札口を撤去し、ホームと線路の周囲を“広場”として、ベンチなどを設置し、誰でも自由に回遊・滞在できる「電停のある小さな街」を実現した。2002年に改装した駅正面(西口)が「はんなりゾーン」として3,000本の竹と京都の銘店街で構成したのに対し、今回改装を実施したコンコース側は「ほっこりゾーン」として新たに駅東口を新設。「キモノフォレスト」と呼ばれる友禅をLEDで透過させたアクリルポールを約600本林立させ、日没以降には、入舎する車窓からも幻想的な風景が広がるエンターテイメント性を持たせた。また、コンコース内に嵐山温泉の足湯、駅前の天龍寺にちなんだ「龍の愛宕池」にはカスタムペインターの倉科昌高作の龍を設置、震災復興を願う「福島三春町の滝桜」も植栽された。北側コンコースに新た導入されたテナントには宇治茶の産地の和束町と京福電鉄のジョンイントベンチャーの日本茶カフェ&バーも出店されるなど「従来、あまり訴求できていなかった日没以降の嵐山エリアの魅力を打ち出せれば」と京福電鉄の鈴木浩幸・事業推進部部長。「日本の駅のパブリックゾーンの白い光の空間が僕自身苦手で、今回のリニューアルでも自分自身の得意とする“光”をデザインのテーマに置いた。外国の観光客が訪れて、京都らしいと感じる駅の必要性を以前から感じており、“ザ・キョウト”の嵯峨嵐山でのランドマークになれば」と森田恭通氏は話す。
2013年07月12日昨年末に急逝した、森田芳光監督をトリビュートしたMOOK本「ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~」の出版を記念し、12月9日(日)、特集上映イベントが銀座シネパトスで行われ、森田監督作『間宮兄弟』で主演を務めた佐々木蔵之介と塚地武雅(ドランクドラゴン)がトークショーを行った。この日の特集イベントでは、『の・ようなもの』(’81年)、『家族ゲーム』(’83年)、『それから』(’85年)、『間宮兄弟』(’06年)の4作品の上映と併せて、『間宮兄弟』で兄弟役を演じた佐々木さんと塚地さんが撮影当時に着用していたパジャマ姿で登場。登壇前のトークでは、「兄弟として再会するのは6年半ぶりだけど、何の違和感もないね」と笑顔を見せ、「6年半ぶりに『間宮兄弟』の舞台あいさつをするとは思ってもみなかった。こういう機会を作っていただいて、僕たちも会場のみなさんも、そして監督も喜んでいると思います」(佐々木さん)、「僕は森田監督によって確実に人生を変えられ、お芝居の道を切り開いてもらった。今日は感謝の気持ちを込めて登壇したいと思います」(塚地さん)と、それぞれに再会した胸の内を語った。この日の会場には、京都や愛知など全国から森田監督を偲ぶファンが詰めかけた。そんなファンたちの熱い質問にも6年半ぶりとは思えない、息の合った掛け合いを見せた2人。本作で本格的な映画デビューを果たした塚地さんは、「森田監督のおかげで演技の仕事が増えました。僕は監督の“秘蔵っ子”だと思ってます(笑)」と宣言。また、「うわさで、監督が松田優作さんと殴り合いのケンカをしたと聞いて、めっちゃ怖い人だと思っていたけど、実際にお会いしたらすごくシャイな方だった」、「撮影中の思いつきがとても多くて、いきなり着ぐるみやタライが出てきて驚いた」などなど、森田監督との思い出を明かした。さらに、森田組の撮影現場で「この作品のテーマでもある“おもてなしの心”を教わった」とふり返る2人。「森田組は、僕たちキャストがやりやすいような現場を作ってくれて、いつも“おもてなし”があった。監督からも『今後生きて行く中でも、“おもてなし”はとても大事なこと』と言われ、僕の中でその言葉は常にある」と佐々木さんは感謝を口にし、会場は温かい拍手に包まれた。MOOK本「ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~」は全国書店にて発売中。「ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~」発売中価格:1,470円(税込)発刊元:ぴあ株式会社■関連作品:僕達急行 A列車で行こう 2012年3月24日より全国にて公開© 2012『僕達急行』製作委員会
2012年12月10日昨年12月に死去した森田芳光監督のトリビュート本『ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~』が8日に発売されたのを記念し、9日に銀座シネパトスで行われた森田監督の特集上映イベントに、映画『間宮兄弟』で兄弟役を演じた佐々木蔵之介と塚地武雅(ドランクドラゴン)が登壇した。また、トークイベントの模様とあわせて、登壇直前、直後のふたりによるトークがニコ生で中継され、撮影当時のエピソードや森田監督への想いを語る模様が公開された。その他の写真この日佐々木と塚地は、撮影当時に着用していたパジャマ姿で登場。登壇前のトークでは、「兄弟として再会するのは6年半ぶりだけど、何の違和感もないね」と笑顔を見せ、「6年半ぶりに『間宮兄弟』の舞台あいさつをするとは思ってもみなかった。こういう機会を作っていただいて、僕たちも会場のみなさんも、そして監督も喜んでいると思います」(佐々木)、「僕は森田監督によって確実に人生を変えられ、お芝居の道を切り開いてもらった。今日は感謝の気持ちを込めて登壇したいと思います」(塚地)と、それぞれの想いを語った。会場は全国から集まった多くのファンで埋めつくされ、歓声とともに大きな拍手で迎えられた佐々木と塚地。本作で本格的な映画デビューを果たした塚地は、「森田監督のおかげで演技の仕事が増えた。僕は監督の秘蔵っ子だと思ってます(笑)」と会場の笑いを誘い、「噂で、監督が松田優作さんと殴り合いのケンカをしたと聞いてめっちゃ怖い人だと思っていたけど、実際にお会いしたらすごくシャイな方だった」など森田監督とのエピソードを明かすも、「森田監督からこの作品のテーマでもある“おもてなしの心”を教わった」と口を揃えるふたり。「森田組は、僕たちキャストがやりやすいような現場を作ってくれて、いつも“おもてなし”があった。監督からも『今後生きて行く中でも、“おもてなし”はとても大事なこと』と言われ、僕の中でその言葉は常にある」(佐々木)、「“おもてなし”の精神を忘れず、今も現場に行ってます」(塚地)と、それぞれ感謝の気持ちを述べた。イベント後のトークでは改めて互いの存在を、「久しぶりに会っても絆がある、本当の兄弟のよう」とコメント。そして、「これから先も、“間宮兄弟”のドキュメンタリーがあるものだと信じてるし、今後も何かしらの形で続くよう願っています」(佐々木)、「『間宮兄弟』は何年後に観ても色あせないような映画なので、今後ともみなさんに観てほしいです」(塚地)と視聴者にメッセージをおくった。MOOK『ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~』発売中1470円(税込)限定特典:特製クリアファイル(ぴあBOOKSHOP限定)■特典1:小冊子・脚本「森田組で行こう ~森田組・関係者200人の思い出~」■特典2:CD「森田の音・映画脚本朗読&インタビュー」(伊藤克信、宮川一朗太、塚地武雅、貫地谷しほり、石田純一、由紀さおり、桃井かおり)取材・文・写真:滝島千尋
2012年12月10日昨年12月に亡くなり、一周忌を迎える森田芳光監督のトリビュート本『ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~』が8日(土)に発売される。翌日9日(日)には、銀座シネパトスで森田作品を一挙上映する出版記念イベントが開催され、佐々木蔵之介と塚地武雅によるトークショーの模様がぴあ映画生活チャンネルで生中継されることが決定した。『家族ゲーム』『それから』『失楽園』『間宮兄弟』『僕達急行 A列車で行こう』など、日本の映画史に残る様々な作品を残した森田監督。このたび発売されるMOOK本は、織田裕二、北川景子ら今をときめく俳優陣の撮りおろしインタビューや、30年以上のキャリアの中での貴重な写真、嵐の松本潤と三沢和子プロデューサーの対談など、豪華な企画が満載。亡くなってもなお、多くの人々に愛され、魅了し続ける森田監督の魅力に迫った1冊に仕上がっている。また、本誌の発売を記念した特別上映会イベントが9日(日)に銀座シネパトスで開催。チケット発売と同時に即完売となったが、当日券も発売される予定だ。特別上映会では、『の・ようなもの』『それから』『間宮兄弟』『家族ゲーム』の4作品を上映し、『間宮兄弟』の上映終了後には、“兄・明信”を演じた佐々木蔵之介、“弟・徹信”を演じたドランクドラゴン塚地武雅のトークショーが行なわれ、本イベントに足を運べないファンのためにこの模様をぴあ映画生活チャンネルが生中継する。MOOK『ぴあ 森田芳光祭 ~全員集合! モリタ監督トリビュート~』12月8日(土)に、全国書店、ぴあBOOKSHOPほかにて発売1470円(税込)予定限定特典:特製クリアファイル(ぴあBOOKSHOP限定)■特典1:小冊子・脚本「森田組で行こう ~森田組・関係者200人の思い出~」■特典2:CD「森田の音・映画脚本朗読&インタビュー」(伊藤克信、宮川一朗太、塚地武雅、貫地谷しほり、石田純一、由紀さおり、桃井かおり)出版記念イベント12月9日(日) 11時開映会場:銀座シネパトス上映作品:『の・ようなもの』『それから』『間宮兄弟』『家族ゲーム』料金:当日券3500円(自由席)劇場窓口にて販売予定※『間宮兄弟』上映後のトークショー生中継開場:16:57 開演:17:00(ぴあ映画生活チャンネルにて)登壇者:佐々木蔵之介、塚地武雅文:滝島千尋
2012年12月03日2011年版の「レジャー白書」によれば、国内の将棋人口は約1,200万人。近年では特に子どもの競技人口が増え、大会の参加人数も増加傾向にあるという。そんな今、注目が集まっているのが将棋マンガの名作の数々である。『このマンガがすごい!』2008年版オトコ編1位を獲得した『ハチワンダイバー』、第4回マンガ大賞2011や第35回講談社漫画賞を受賞した『3月のライオン』をはじめ、エキサイティングで感動的な数々の将棋マンガが誕生している。そこで今回は、女性280名に「好きな将棋マンガ」を聞いてみた。>>男性編も見るQ.好きな将棋マンガは?(複数回答)1位『3月のライオン』 31.4%2位『月下の棋士』 15.4%3位『ハチワンダイバー』14.3%4位『聖―天才・羽生が恐れた男』10.0%5位『ひらけ駒!』 5.0%6位『しおんの王』4.3%7位『まんが 羽生善治物語』3.2%7位『JOKER』3.2%9位『若き王将』2.9%10位 『ザンガード』2.8%1位は『ハチミツとクローバー』の作者・羽海野チカが初めて男性誌で連載することなった『3月のライオン』。もともと女性マンガ誌で活躍していただけあり、当然「作者のファンだから」(29歳/金融・証券/専門職)という意見が非常に多い。そのほか「将棋だけでなく、人物の心理描写も豊かに表現されているので読み応えがある」(27歳/マスコミ・広告/クリエイティブ職)のように、『ハチクロ』での繊細な心理描写は羽海野チカの真骨頂。憎悪や嫉妬心、寂しさなど心の闇を抱えつつ、結局は人を愛してやまない不器用な登場人物に魅了される作品である。2位は男性編と同じく『月下の棋士』。将棋マンガとして知名度が高いことに加え、「絵がきれいだから」(37歳/その他/その他)と、マンガ家というよりも絵師と呼びたいほどその高い画力を称賛する声が多く、女性にとっては読みやすさに繋がっているようだ。「ドラマが面白かったし、配役もよかった」(39歳/生保・損保/秘書・アシスタント職)という意見にもあるように、V6の森田剛が出演したドラマを見ていた人も少なくない。男性編1位だった『ハチワンダイバー』は3位で「はちゃめちゃぶりが面白い」(24歳/農林・水産/販売職・サービス系)などの声があり、続く4位の『聖―天才・羽生が恐れた男』には「ハラハラしながら読んだ」(29歳/通信/事務系専門職)、5位の『ひらけ駒!』には「軽い感じがいい」(31歳/金融・証券/事務系職)などの意見が寄せられている。■総評『ハチクロ』ファンの圧倒的な支持も得て、『3月のライオン』が女性編の1位に。女性マンガ誌から男性マンガ誌へ舞台を移しても、羽海野チカの名台詞や風景に溶け込んでいくような繊細な心理描写は健在だ。4位の『聖―天才・羽生が恐れた男』は、個人的に「泣けるマンガ ベスト10」に入れたいほどの名作。若くして亡くなった天才棋士・村山聖の生涯を、感情豊かな人間ドラマを描くことで定評のある山本おさむがマンガ化した。女性にはややとっつきにくい絵柄かもしれないが、感動大作としてぜひおすすめしたい。「男の勝負」や「命懸け」というヘビーなテーマが苦手な人には5位の「ひらけ駒!」がイチオシ。小学生棋士の宝くんとママのほのぼの生活を、「ポスト岡崎京子」との呼び声が高い南Q太が描いている。将棋のルールを知らなくても楽しく読める作品ばかりなので、未読の方はぜひ読んでみてほしい。(文・塩澤真樹/C-side)調査時期:2012年9月20日~9月28日調査対象:マイナビ ニュース会員調査数:女性280名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【女性編】25周年記念ッ!!『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズランキング【女性編】『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の使ってみたい技ベスト5【女性編】女性とは知らなかったマンガ家ランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年10月18日森田芳光監督の遺作『僕達急行 A列車で行こう』のブルーレイとDVDが14日(金)に発売されるのを前に、森田監督の代表作3作を上映するオールナイトイベントが7日に開催され、森田監督と縁の深いゲストによるトークショーも実施。35mmのプリントで上映する貴重な機会とあって、多くのファンが参加した。その他の写真上映された作品は、『僕達急行』『の・ようなもの』『ときめきに死す』の3作品。上映前に行なわれたトークショーには、『の・ようなもの』で主演の伊藤克信のほか、三沢和子プロデューサー、編集の川島章正氏(『の・ようなもの』『ときめきに死す』『僕達急行』)、助監督の杉山泰一氏(『の・ようなもの』『僕達急行』)が出席。森田監督についてや映画の裏話が語られた。上映作品の『の・ようなもの』は、青年落語家の姿を描いた作品。伊藤は「『全日本学生落語名人決定戦』という番組で(僕が)敢闘賞をもらったのを監督がたまたま観てたんですよね」と、『の・ようなもの』で俳優デビューを果たしたきっかけを明かした。本作は、森田監督にとってもデビュー作。助監督の杉山氏は「新人とは思えない振る舞いで、的確に演出されてました」と裏話を披露した。また、「毎回、(監督から)いろんなテクニックを見せてもらってびっくりする」という編集の川島氏は、「『ときめきに死す』のエンディングで、駅へ向かう3人のシーンを、車の上にカメラを置いて360度回して撮りました。当時初めて見たテクニック」とコメント。さらに、「森田監督はロケ地を決めるとき、空気感と四季温度を大事にしていた」と三沢プロデューサーが話すと、杉山氏が『僕達急行』に触れ、「舞台となる九州へ製作部と先に乗り込み、青春18切符で九州の列車を乗りつぶしました。各駅停車だから眠れなくて、ずっと車窓の風景を眺めながら、撮影ポイントを探してましたね」と徹底したロケ地探しについて語った。イベント終了後に行なわれたアンケートでは、「伊藤克信さんの話が聞けて満足!」[コメディやサスペンスの描き方が好き」「『の・ようなもの』『ときめきに死す』は観たことがなかったので、スクリーンで観れて本当にうれしかった」と、満足度の高いコメントが寄せられるなど、盛り上がりを見せたイベントとなったようだ。『僕達急行 A列車で行こう』9月14日(金)、ブルーレイ&DVD発売、DVDレンタル開始●ブルーレイ豪華版(初回限定生産)7350円(税込)通常版5040円(税込)●DVD豪華版(初回限定生産)6300円(税込)通常版3990円(税込)発売・販売元:バンダイビジュアル
2012年09月12日森田芳光監督の遺作となった映画『僕達急行 A列車で行こう』のブルーレイとDVDの発売を記念して、森田監督作品をオールナイトで上映する“森田芳光 オールナイトで行こう!”が7日(金)に新宿バルト9で開催されるにあたり、森田監督作の『黒い家』で助監督を務めた西川美和監督のコメントが届いた。その他の写真『ゆれる』『ディア・ドクター』でメガホンを執り、最新作『夢売るふたり』の公開が8日(土)に控えている西川監督は、撮影現場での森田監督について「次から次へと湧き出てくる(森田監督の)突拍子もないアイデアに、現場はいつも理解が追いつかず、謎めいた空気に包まれていました。でも、森田監督はそんな空気に流されず、『何で出来ないんだよ!』と、子どもが駄々をこねるごとく、猪突猛進で、無我夢中なんです」と明かすも、「プロデューサーの三沢さんも当時助監督だった杉山さんも、森田組の人たちは、全員がじいややばあやのように骨身を削って監督のために働いてましたね。アイデアが思い通りに行ったときの森田監督は、これ以上ないほど興奮されていて、その喜びようを見ていると、誰もがたまらないと思うんです。だからみんな、中毒になるんです。これぐらい強烈に愛される人こそが、映画監督たるのだろうな、とそのとき強く私は思いました」と振り返る。また、今回のオールナイトで上映される『の・ようなもの』『ときめきに死す』を「心臓を貫かれるような思い出の作品」と話す西川監督は、「常に新しいことを試みたい、と切望されていた(森田)監督の情熱が、どの作品にもあふれています。遺作となった『僕達急行』に流れているおぼつかなさや温かい童心は、デビュー作の『の・ようなもの』にとてもよく似ている。これで終止符を打つつもりだったのかなあ。いや、そんなことはないはずでしょう。監督に、もう一度戻ってきてもらいたいです」とコメントを寄せている。オールナイト当日は、『の・ようなもの』で主演を務め、森田監督映画の“常連”としても知られる伊藤克信をはじめ、プロデューサーの三沢和子氏、編集の川島章正氏、助監督の杉山泰一氏によるトークショーが予定されているほか、入場者特典として『僕達急行』のプレスシート(非売品)がプレゼントされるという。『僕達急行 A列車で行こう』Blu-ray&DVD発売記念 森田芳光 オールナイトで行こう!上映作品:『僕達急行A列車で行こう』『の・ようなもの』『ときめきに死す』日時:9月7日(金) 22時40分開場/23時開映/翌5時45分終了予定会場:新宿バルト9料金:3000円(前売りは9/6まで)※当日券あり※上映前にトークショーあり
2012年09月04日森田芳光監督の遺作となった映画『僕達急行 A列車で行こう』のブルーレイとDVDの発売を記念して、9月7日(金)に新宿バルト9で、森田監督作品をオールナイトで上映する“森田芳光 オールナイトで行こう!”が開催される。その他の写真今回のイベントは、大画面で観たい森田監督作を3本上映し、監督ゆかりの人々のトークショーも行う日本映画ファン必見の内容。上映作品は、1981年の商業映画デビュー作『の・ようなもの』をはじめ、1984年に沢田研二を主演に迎えて製作され、現在も熱狂的なファンを多くもつ傑作『ときめきに死す』、そして森田監督が完成させながらも公開初日を迎えることが叶わなかった遺作『僕達急行…』の3作品。いずれもソフト化されているタイトルだが、当日はすべてを35ミリプリントで上映。森田監督の意図した通りの映像を、新宿バルト9の大画面で堪能できる貴重な機会となる。当日は、『の・ようなもの』で主演を務め、森田映画の“常連”としても知られる伊藤克信ら、監督とゆかりのあるゲストによるトークショーが行なわれるほか、入場者特典として『僕達急行…』のプレスシート(非売品)がプレゼントされる予定。『僕達急行 A列車で行こう』Blu-ray&DVD発売記念 森田芳光 オールナイトで行こう!上映作品:『僕達急行A列車で行こう』『の・ようなもの』『ときめきに死す』日時:9月7日(金) 22時40分開場/23時開映/翌5時45分終了予定会場:新宿バルト9料金:3000円※上映前にトークショーあり/登壇者:伊藤克信ほか(予定)プレリザーブあり/プレリザーブ期間:発売開始~8月17日(金)まで受付8月18日(土)より一般発売
2012年08月08日グループを卒業し、女優業に注力アイドルグループ、アイドリング!!!のメンバーである森田涼花が、今月末の5月30日に行われる、Zeppダイバーシティ東京公演をもってグループを卒業することが分かった。2008年4月より2期生として加入し、アイドリング!!!11号として活動を続けてきた人気の彼女。これからはひとり、森田涼花として活躍することを目指していくこととなる。放送内で電撃発表この卒業は、3日深夜に放送されたバラエティ番組「フジテレビからの!」(木曜深夜1:55)のなかで電撃発表され、公表されたもの。放送後には、本人もオフィシャルブログを通じて報告をおこない、思いをつづっている。ここでは、これまで支えてきてくれたたくさんの人たちへの感謝を述べ、今後は女優業に注力し、前へと進んでいきたいと、これからについても熱く語られている。現在放送中の日中韓合同で制作されたWOWOWドラマ「ストレンジャーズ6」にも出演するなど、すでに女優としての力量を発揮しつつある彼女。今後の活躍も楽しみだ。元の記事を読む
2012年05月05日昨年12月に急遽した、森田芳光監督の最新作『僕達急行 A列車で行こう』のメイキング映像がこのほど公開された。メイキング映像本作は、森田監督が10数年前から温め続けてきたオリジナル作品。東京と九州を舞台に、鉄道の趣味を通じて出会った小町(松山ケンイチ)と小玉(瑛太)が、恋や仕事に奮闘する姿を描く。メイキング映像では、小町の転勤先である九州を舞台に、福岡市地下鉄での通勤風景や、あずさ(貫地谷しほり)とのデートシーン、後半では物語の重要な部分とも言える、無人駅でふたりが抱き合う場面が映し出されている。また、森田監督自らが演技をして、松山と貫地谷に指導する様子や、時にコミカルな動きで出演者やスタッフを笑わせる監督の姿も確認でき、現場の和やかな雰囲気が伝わってくる。そんな森田監督に対し松山は、「森田監督が一番面白かった。(監督は)演出しながら笑っていたりするんです。監督から感じた面白さをちゃんと表現できるようにと思いながら演技しました」とコメント。さらに「(映画の中で)すごく速い目で今の社会を切り取っている。これまで僕が考えもしなかったことを見ていて、ハッとさせられた」と振り返った。公開を前に、ここでしか見られない森田監督の貴重な演出姿をチェックしてみてはいかがだろうか。『僕達急行 A列車で行こう』2012年3月24日(土)、全国ロードショー
2012年03月22日森田芳光監督がスクリーンに映し出すキャラクターたちは、とても人間味がある。そして監督はいつもちょっとだけ時代の先を歩き、観客に道しるべを作ってくれている気がしてならない。1981年に『の・ようなもの』で映画監督としてデビューを飾り、『家族ゲーム』、『それから』、『(ハル)』、『失楽園』、『模倣犯』、『阿修羅のごとく』、『間宮兄弟』、『椿三十郎』、『武士の家計簿』など、数多くの名作を送り出し、映画と人を愛した。そんな監督が「この1作目がヒットしたら、シリーズものにしたいんだよね」と、ぽつりとつぶやいていた最新作が『僕達急行 A列車で行こう』だった。森田監督が最後に遺してくれた道しるべは、趣味というごく普通に日常にあるものが、実は宝物であると気づかせてくれる、そんなハートフル・コメディ。本作は2009年の『わたし出すわ』に続く、森田監督自身によるオリジナル脚本。「これからは趣味の時代になる」と、十数年前から温めてきた企画だ。「鉄道ファンとして、僕はまだ末端の立場だけれど、鉄道好きの中に参加できたことが何だか嬉しくて。今このタイミングでこの映画を作ったのは、テレビ放送の多チャンネル化の影響もありますね。というのは、僕はいつも有線放送を聴いたり、CSの番組を見たりしていて、あるとき鉄道の番組ってものすごく多いことに気づいた。これを映画にしたらファン層も広がっていくんじゃないかなって。鉄道という趣味をテーマに、ひとつの時代性として、趣味に生きる2人の物語をやってみよう、そう思ったんです」。趣味と鉄道を切り口に森田監督のイマジネーションは大きく膨らみ、松山ケンイチと瑛太という日本映画界を引っぱる若手実力派の2人が主人公に選ばれた。松山さんは『椿三十郎』、『サウスバウンド』に続く3度目の森田作品の参加となるが、どんな現場かを知っていても「毎回、びっくりさせられる」と撮影の日々をふり返る。「この役ってこうなっていくんだ!こういうふうな動きをするんだ!と、いつも驚かされるんです。ああいう演出方法は森田監督だけ、森田監督に似ている監督なんていないですね。僕は監督の作品に出るのはこれが3作目で、その間にもほかの作品をやらせてもらって(経験を積んで)いますが、森田監督の現場ではそれがまったく通用しないんです(笑)。瑛太さんと2人で本読みをしているときも──『違うんだよ、セリフは言い方も重要でね。ちょっと言ってみるからね…』って、監督自らセリフを言ってくれる。それが僕らの何十倍も何百倍も面白いんですよ。だから、森田監督の演じてくれたものに追いつこうと必死でした」。悔しそうに、でも嬉しそうに語る松山さんの話を、隣ではにかみながら聞いている森田監督は、続けて俳優・松山ケンイチだからこそ任せた主人公の小町像をこう説明する。「僕が目指している笑いのツボって、瞬間芸的なものではなく、映画のストーリーに沿った人間的な笑いなんです。人間の正直さって、真面目にやればやるほど可笑しいわけで、それを松山くんならやってくれるだろうと思った。一流会社に勤めているけれど素朴で、かつ趣味を大切にしていて、名誉とかのために働いているふうでもなく、そういう現代のエリートですね、小町は」。「俳優といっても自分の人格にないものは演じきれない」という森田監督の言葉は、キャスティングも重要であると伝えている。ちなみに、松山ケンイチ&瑛太の組合せは、脚本の段階から思い浮かべていたそう。「どっちがサラリーマンでどっちが労働者かっていうのは難しいところではあったんですど、悩んだのはそれぐらいかな。コンビものとしては、これまでに『間宮兄弟』を作っていますけど、今回はああいうテイストの面白さではなく、2人がピュアゆえの面白さ、少し違った面白さを目指したんです。面白いコンビではなく、心が温まるコンビっていうか、そのコンビがふと笑いを誘うというかね。コメディと言いながらも違った作戦なんです」。人間臭さを深く探り、観察し、繊細に映し出していく。森田監督のコメディセンスが唯一無二と言われるのは、そこにある。コメディを描くうえで、森田監督が一番にこだわっているのはニュアンスだ。「愛しているとか好きだとか、おはよう、おやすみといった日常会話にしても、人によってニュアンスって違いますよね。僕は昔からニュアンスのことばかり考えているんですよ。大切なのは、言葉そのものが持つ意味ではなく、ニュアンスだと思うから。事実、台本上に書かれているしゃべり(セリフ)自体はそんなに面白いものではないんです。役者さんがニュアンスをもってしゃべっている、そうすると同じセリフでも意味が違ってくる、それが面白さにつながるんです」。話を聞けば聞くほど、森田監督の緻密さが浮き上がってくる。松山さんの「監督に追いつこうと必死だった」という言葉も納得だ。また、十数年温めてきた企画を主演・松山ケンイチに託したことにも、もちろん理由がある。取材前の雑談で「彼とはもう3回目になりますからね、彼のことはすべて知ってますよ、すべてね(笑)」と冗談っぽく話していた言葉が、実は核心だったりする。何度もタッグを組んだ相手だからこそ、託したものとは──。「電車が遅れて、近くの駅を知っているからって女の子をナンパする、それって考えてみたらものすごく変な話じゃないですか。すごく軽くてバカみたいな男でしょう(笑)。おまけに、『ココまで来たら世界のどこへだって行けるよ』っていうセリフをしれっと言えちゃう、それが小町なんです。松山くんをよく知っているからこそ、この小町という役を頼めたんですよね」。照れくさそうに頭をかきながら、松山さんも言葉を足す。「そう、大きいこと言っているけれど、けっこうスケール小さいんですよ、小町って(笑)。そういう面白さが小町にはたくさんあって演じていても楽しかったですね。あと、僕が好きなのは、写真を撮っているそばでスプーン曲げをしている人がいたり、会議をしている最中にブナの話をしたりするナンセンスなシーンが好きなんです。映画のテーマとは全然関係ないんだけど(笑)」。そんな松山さんのコメントに「嬉しいなぁ」と喜びを噛みしめる森田監督。「そう、映画と全然関係ないんだけどね、僕もナンセンスは大好きですね。部屋探しのマンションで不動産屋さんに『跳んでみてください』って言うシーンとか、あれはけっこう自信あるんですよね(笑)。松山くん、やっぱりいいとこ見てるなぁ」。たとえば、恋人選びの項目に「笑いのセンスが一緒の人」を挙げる人が多いように、笑い、ニュアンス、空気…言葉にすると曖昧なものこそが、価値観と言えるのかもしれない。ということは、森田監督と松山ケンイチは、もちろん相思相愛!最後にもうひとつ、森田監督は『僕達急行 A列車で行こう』の観客のために、ある招待状を添えた。それは誰もが映画の主人公になれるという、監督らしいアイディア。「この映画のテーマは、ひとつの趣味を持つことで、その趣味をきっかけに会話につながって、友達もできるという基本的なことなんです。今回は電車だったけれど、飛行機でもガーデニングでも同じように映画が作れると思う。それから、多くの映画の場合は、主人公になりたくてもなれない、できないことの方が多いじゃないですか。けれど、この映画の主人公たちには誰もがなれるんです。電車に乗って、景色を眺めながら『RIP SLYME』の曲を聴けば、誰でも松山ケンイチ=小町になれるんですよ(笑)」。2011年7月某日(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集:私も発見、仕事と恋と、好きなコト。■関連作品:僕達急行 A列車で行こう 2012年3月24日より全国にて公開© 2012『僕達急行』製作委員会■関連記事:いよいよ発進!『僕達急行 A列車で行こう』モバイルポーチを5名様にプレゼント松ケン&瑛太がキュートなイラストに!『僕達急行』映画史上初の試みの前売り鑑賞券松ケン&瑛太も大喜び “僕達急行ラッピング電車”が京急線で運行中!恋と仕事と好きなコト『僕達急行A列車で行こう』女性限定試写会に25組50名様ご招待松ケン&瑛太が再共演の誓い 森田監督の遺作『僕達急行』が発進
2012年03月22日KAAT神奈川芸術劇場のこけら落としとして昨年1月に初演された、三島由紀夫原作、宮本亜門(同劇場の芸術監督)演出の『金閣寺』。現在、“凱旋公演”として大阪・梅田芸術劇場で上演中だ。世界各国から厳選されたパフォーマンスが集まる“リンカーンセンター・フェスティバル2011”に招待され、昨年7月に同キャストでニューヨーク公演を行った本作。ホーメイ(のどを詰めた発声から生じる独特の歌唱法)歌手の山川冬樹や舞踏の大駱駝艦のメンバーが参加し、身体、声、映像で多層的に表現した舞台は、“Fusion Theater(融合劇)”として高く評価された。「言葉を超えたところで感じてもらえるこの作品の強みが改めてわかって自信になりました。日本とは全然違うところでリアクションが来たりするのも楽しかった」と、出演者のひとり、大東俊介は振り返る。その『金閣寺』が約1年ぶりに日本の観客の前に姿を現す凱旋公演に向け大詰めの稽古場で、通し稽古を見学した。『金閣寺』チケット情報1年前の初演以来、数多く顔を合わせているはずのカンパニーだが、馴れ合いすぎた空気はなく、ほど良い緊張感に包まれている。大東も、「緊張感が一番大事ですね。表面的でない、気持ちのひとつ奥を描いた作品だけに、どこか慣れてしまって新鮮さが欠けることは致命的になる」と語る。その中で、親友(=鶴川)を演じる共演者の大東をして「圧倒的な存在で魅入らされる。(演じていて)引っ張られます」と言わしめるのが、主役の溝口を演じる森田剛だ。吃音というハンディを背負った青年の孤独や心のもがき……上手く言葉にできないそれらが、些細な表情や動き、あまりに無垢な瞳の輝きから痛いほど伝わってくる。内翻足というハンディをもしたたかに武器にする柏木(高岡蒼甫)、明るい好青年ながら心に闇を抱える鶴川(大東)、そして溝口(森田)。この若者たちの関係性が作品の軸となるが、「3人の依存関係みたいなものが、ニューヨーク公演ではよりしっくり体になじんでる感じがあった」(大東)と言うだけに、今回も一層の深化が見られるだろう。余計な会話は一切交わさなくとも、互いへの確固な信頼感は、現場でもひしと感じ取れた。演出席の宮本はというと、目の前で展開する俳優たちの演技を“耳で聞き”ながら、台本を熱心に見つめていたのが印象的。三島由紀夫の言葉ひとつひとつに今一度真摯に耳を傾け、新鮮な作品を生み出そうとする誠実な姿だった。大阪公演は1月22日(日)まで同劇場にて、東京公演は1月27日(金)から2月12日(日)まで赤坂ACTシアターで上演。取材・文:武田吏都
2012年01月20日突然の訃報に、映画界を中心に各界から悲しみのコメントが寄せられている森田芳光監督。同監督が、デビュー直前に撮影した幻のドキュメンタリー作品『劇的ドキュメント レポート’78~’79』の本編映像が、YouTube公式チャンネル「ぴあチャンネル」にて公開された。追悼:森田芳光『劇的ドキュメント レポート’78~’79』全編公開この作品は、当時雑誌『ぴあ』誌上で行われていた読者投票企画「ぴあテン」「もあテン」の演劇部門で人気を集めていた気鋭演劇人たちを追いかけたもので、「東京キッドブラザース」の東由多加、「四季」の浅利慶太、「空間演技」の岡部耕大、「天井桟敷」の寺山修司、「状況劇場」の唐十郎、「夢の遊眠社」の野田秀樹・・・等々、錚々たる面々の若き日をフィルムにおさめた貴重な1本。当時の熱気溢れる演劇シーンが、生々しくフィルムに刻まれており、日本の演劇シーンを語る上でも非常に貴重な映像といえる。なお、来年3月24日(土)からは遺作となってしまった『僕達急行 A列車で行こう』の公開も控えているほか、これからも森田監督の作品は繰り返し名画座などで上映されることが予想され、文芸大作からコメディ、エンターテインメントまで幅広いジャンルを手がけてきた森田監督の仕事は、氏の死後も映画ファンに愛され続けていくのではないだろうか。
2011年12月23日『家族ゲーム』や『失楽園』、『阿修羅のごとく』などシリアスドラマからヒューマンコメディまで、数多くの名作を世に送り出した名匠、森田芳光監督。昨日、12月20日(火)に急性肝不全のため急逝された森田監督の訃報を受け、『失楽園』で主演を務めた役所広司、そして森田監督の遺作となった来年公開の『僕達急行 A列車で行こう』でW主演を務める松山ケンイチ、瑛太の両名よりお悔やみのコメントが届いた。渡辺淳一原作の男女の不倫ドラマを映画化し、社会現象となるヒットを記録した『失楽園』(’97)。本作で森田監督と共演した役所さんは、このたびの訃報を故・市川森一の告別式のときに知ったといい、「ショックです。自分にとって大切な監督でした。また、森田監督作品に参加するのを楽しみにしていたのに、残念でたまりません」と悲痛な胸の内を打ち明けた。また、公開を待たずして遺作となってしまった『僕達急行 A列車で行こう』。本作は幼い頃から好きだった鉄道を題材に、森田監督がオリジナル脚本で挑んだ渾身の一作である。主演の松山さんは、「いままで毎年のようにオリジナル作品を精力的に作られてきた偉大な監督。そのどれもが監督独特の台詞回しや笑い、思わずニヤリとしてしまうキャラクターに、いつも暖かい気持ちと前向きな気持ちをいただいていました。もう森田監督の新作を観ることができないこと、森田監督と一緒に仕事ができなくなること、もう世の中を独特な視線から見て話している森田監督の言葉が聞けなくなること、そんなことが頭いっぱいに広がってきて、悲しくなります」とあふれる気持ちを吐露。さらに、本作の撮影当時をふり返り「森田監督は、趣味を持たない人間の怖さという話をしていました。趣味を持つことで繋がりができ、つながることで様々な障害やジャンルを越え助け合うことができると解釈しました。その繋がりというものがいま、僕の人生のテーマでもあるし、僕が演じるキャラクターに込めたい想いでもあります。森田監督から沢山のモノをいただきました。これからも森田作品からたくさんのモノをいただくと思います。でも、やっぱり寂しいです。心から監督のご冥福をお祈り申し上げます」とコメントを寄せた。瑛太さんは、「突然の知らせにびっくりしています。『僕達急行 A列車で行こう』の公開時には松山くんを交えていろいろとお話をしたいと思っていました。初めてお会いしたときから、映画を愛し、人間を楽しむという森田監督独自の世界観に心を強く揺さぶられていました。監督の作品に携われたことを自分の胸に深く刻んで、これからも俳優として歩んでいきます。心よりご冥福をお祈り致します」と故人を偲んだ。映画『僕達急行 A列車で行こう』は2012年3月24日(土)より全国にて公開予定。ご冥福をお祈りいたします。■関連作品:僕達急行 A列車で行こう 2012年3月24日より全国にて公開© 2011『僕達急行』製作委員会■関連記事:松山ケンイチ、大河ドラマ「平清盛」放送目前で気合を注入!松山ケンイチ、中井貴一演じる父親が理想の父親像?松山ケンイチが船上で加藤浩次と死闘!「平清盛」呉ロケを公開深田恭子、平清盛の妻に抜擢!大河ドラマ「平清盛」女性キャストついにお披露目逆境に強そうな俳優ランキング1位は水嶋ヒロ!結婚、独立…逆風でのパワーに共感
2011年12月21日太宰治の分身である主人公・葉蔵のごとく、この人も相当、歪んでる。いや、正しくは還暦をとっくに過ぎて、なお尖がっている。太宰の生誕から1世紀と1年目に公開される『人間失格』の監督・荒戸源次郎のことである。何せこちらが「太宰への思い入れ」なんて聞こうものなら「そんなのないよ。ていうか特別好きじゃないね、彼の作品は」と言い放ち、「そもそもおれに感情移入なんてないからね。客観よ、客観」と言い切る。でも、その眼差し、そして俳優たちについて語る口調は不思議と温かい。さて、何をどこまで話してくれるのか?荒戸監督に話を聞いてみた。「原作は読み込むな」――。これは主演の生田斗真に監督が与えた唯一のアドバイス。その意図は?「まああんまり観念的になってもいけないんだよ、映画の現場は“具体性”だからね。じゃあ私は原作をどう捉えたかって?難儀したよ(苦笑)、この一人称の文体と行間を埋めつくしてる“モノ”に。これ読んだって普通映画にならんよ。じゃあ、切り方を考えなくちゃいけない。映画は光と陰。何に光を当てて何を陰にするか?最初の葉蔵が不忍池で絵を描いてるのが昭和11年で2か月前には『二・二六事件』があって、この数か月後には『阿部定事件』が起こる。その前年は総理大臣が3人も替わってるんだ。これはいつかの時代と似てるだろう(笑)?そこから5年を野球で言うところの“フェアゾーン”、光を当てるところだと考えて作ったよ」。先述の通り、「作品やシーンに思い入れなんてない」、「撮った理由は(太宰の)生誕100年だから!」など、嘘かマコトか?取り付くシマもない答えを(しかし楽しそうに!)返す監督だが、俳優陣の話になると少しだけ多弁に。そもそも「原作を読むな」が“唯一の”アドバイスだったということは、生田さんにほぼ自由にやらせたということ?「言わなきゃしょうがない奴には言うけど、出来る奴に余計なこと言って邪魔してもしょうがないだろ?斗真は、言えば何でも出来るけど、原作の枠にハメる気は毛頭なかった。あいつのピュアで無垢なままの感じのままが良いだろうってね」。では改めて俳優・生田斗真の魅力は?「キレイじゃん(笑)、第一に。そして芝居がうまい、言うことないよ。役を演るときに“自分”と“役柄”の性根を誰よりストイックに、真っ直ぐ考えられる…つまり知的なんだな。そして、それをカメラの前で体現できる。私もいろいろ見てきたけど、モノが違うよ。50年に一人さ。フィルムで捉えてるものなんて1秒にたった24コマだもん。その隙間からこぼれて来るものを観る者に感じさせるんだ、斗真は」。そして、“斗真=葉蔵”の何とも言えぬ美しさと歪みに絡みとられ、一緒に堕ちてゆく女たち。中でも、寂しさを抱え、彼と最初に心中を図り、あろうことかたった一人死んでいく常子の存在は監督が「第一のヤマ」と認めた大きなもの。演じたのは、荒戸監督に“映画賞30冠”をもたらした『赤目四十八瀧心中未遂』で強烈な印象を放った寺島しのぶ。「彼(葉蔵)を受け止められる女。しのぶちゃん以外考えられなかったし、彼女になら安心して任せられた。出演を口説くときはこう言ったんだ。『赤目』のときは“心中未遂”だったけど、今度はちゃんと死なせてあげるよ!って(笑)」。では、葉蔵を“悪の道”へと誘い込みつつ、自らは堕ちることなく、どこか冷静な悪友の堀木(伊勢谷友介)、そして原作には登場しない詩人の中原中也(森田剛)の存在は?「まあ、2人とも“メフィストフェレス(人間を悪徳へと導く悪魔)”だわな。ただ、堀木は大人の男で斗真の“甘さ”に対して“辛さ”を出したかったから、辛い顔した伊勢谷に任せたんだ。奴にも好きにやらせたよ(笑)。堀木よりも幼児性が強くて、悪魔の二面性の片方の面を持ってるのが中也だね。(森田さんは)悪魔顔だしな(笑)。トンネルのシーンはあの世とこの世を行ったり来たりしてるようなものだな。森田は、斗真とはまた違った意味で天才かもしれん。さっき言ったように、斗真が考えて体現するとしたら、森田は考えずにポッと何かを掴むんだ。『こいつ、こんな表情ができたのか!』って感じさせられたことが何度もあった。自意識の果ての無意識とでも言うのかね…?」とまあ、次から次へと俳優陣に対する感想、感嘆の言葉が…。この監督の言葉を念頭にそれぞれの俳優陣の動きや表情を追っていくだけでも、映画が楽しめることは請け合い!「女のことは分からんし、深く追求もしない」と語る監督が描く男たち、女たちの“楽しげな”堕ちざまをとくと味わってほしい。映画『人間失格』荒戸源次郎監督が語る、主人公・葉蔵を取り巻く女たち寺島しのぶ(常子)編「人間失格」―主人公・葉蔵を取り巻く女たち―各サイトをめぐってキーワードを集め、スペシャルプレゼントをゲットしよう!cinemacafeのキーワードは「B」※詳しくは公式サイトキャンペーンページへ!■関連作品:人間失格 2010年2月20日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開■関連記事:押切もえ、いまもだめんず好き!?「太宰大好き。守ってあげたい」生田斗真との絡みに豪華女優陣から黄色い声、続々? 『人間失格』完成披露松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2010年02月19日俳優、生田斗真の初主演映画『人間失格』の完成披露試写会が1月27日(水)、東京国際フォーラムで行われ、石原さとみら豪華女優陣が生田さんとの絡みについて思い思いに語った。美しい容姿と独特の感性を備え持つ資産家の息子・葉蔵(生田さん)が女性遍歴を重ねつつ、遊び人の先輩らの影響を受け堕ちていく姿を描く人間ドラマ。2009年の文豪・太宰治の生誕100年を記念して太宰の代表作から製作された。映画初出演にして初主演を果たした生田さんは「胸を張って自信作と言える作品になりました。みなさまに観ていただけることを心待ちにしていたので感無量です」と清々しい表情を浮かべた。葉蔵と次々に関係を持つ女性たちを演じた、石原さとみから三田佳子まで豪華女優陣がズラリと並び、生田さんとの共演の感想を順に報告。葉蔵に想いを寄せる下宿屋の娘・礼子を演じた坂井真紀は「撮影中は斗真くんしか見ないようにしていました」とテレ気味。葉蔵が堕ちていくきっかけとなる薬屋の女主人・寿を演じた室井滋は「目を覆いたくなるシーンが…まさか私もそんなことになるとは知らずに撮影現場に行ったものですから…暑い夏でございました」と苦笑い。葉蔵の最後の女・鉄役の三田さんも「斗真くんと大変なことになるシーンがありまして、オッホッホ」と楽しげにふり返り「室井さんもおっしゃっていましたが、私もそうなるとは思いませんで、ごめんなさいね。ショックを受けるかもしれない」と生田ファンに謝罪しつつ「私がおばあさん女優になって、男盛りの斗真くんとまたお仕事できたら」と妖艶な笑み。生田さん、共演の伊勢谷友介ら男性キャストを爆笑させた。一方、遊び人の先輩・堀木役の伊勢谷さんは、演技で心がけたことを司会を務めたフリーアナウンサーの深澤里奈から聞かれ「僕のキャラクターはやたらしゃべる役だったんですけど、僕、滑舌が悪いので…」。深澤さんから「では今回は、滑舌に気をつけたということで」と確認され、会場の笑いを誘った。また原作にない天才詩人・中原中也を演じた人気グループ、V6の森田剛も「後輩の生田くんと絡めたのはすごく楽しかったです」と“絡めた”の言葉で笑いを誘発。メガホンを取った荒戸源次郎監督も「美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに撮りました。堪能してください」と呼びかけ、キャスト陣を苦笑いさせていた。『人間失格』は2月20日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:Yoko Saito)■関連作品:人間失格 2010年2月20日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開■関連記事:松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2010年01月27日