フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回ご紹介するのは、『ニュー菜苑(さいえん)』の純レバ丼です。「菜苑が復活した!」。浅草に住む友人から歓喜の連絡を受け取ったのは今年の春のこと。地域の再開発により惜しまれながら閉店した老舗中華料理店『菜苑』が、跡地からほど近い場所に『ニュー菜苑』として帰って来たというのだ。「浅草でまた純レバ丼が食べられる日が来るなんて…」。友人のメッセージは大量の号泣マークに彩られていた。店に入るなり厨房からジャーッとレバーを炒める音が。これこれこの音!純レバ丼がもうすぐできる、空腹の音。鍋を振るうのは先代の奥様。今も現役で厨房に立っている姿に胸が熱くなる。炒めた鶏レバーは甘辛く味つけて、白米に豪快に盛りつけ、大量のネギをオン。久しぶりに再会した純レバ丼は相も変わらず輝き、「写真はいいから早く食べろ」と食欲中枢を刺激しまくるのだった。現在のオーナーは、先代の娘さん。お母様(つまり先代の奥様)と二人三脚で店を開ける。旧店の閉店を機に廃業に至らなかったのは、続けて欲しいという常連さんの声はもちろん、仕事が大好きなお母様のためだったとか。だから、お店の規模を小さくしても、メニューを少なくしても、営業時間を短縮しても、自分たちに無理のない範囲でお店を続けることに決めたという。その決断にありがとう。フォーエバー菜苑。浅草には純レバ丼がある。甘辛タレに輝く純レバ丼(スープ付き)¥1,100。そのほかにライスなしの純レバ¥800や焼き餃子¥400なども。ニュー菜苑東京都台東区浅草4-35-1 TEL:なし17:30~23:00火・土曜休閉店した『菜苑』は千束通り商店街の入り口で半世紀にわたり愛された名店。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2019年6月12日より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2019年06月07日スイーツライター・chicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回ご紹介するのは、『DRYADES(ドリュアデス)』の木目のバーです。木目がきれいなこのチョコレート、木型で形作られているというから驚いた。チョコレートの型といえば大抵プラスチックやシリコンで、木型チョコなんて初耳。聞けばこの『DRYADES』、木製デザイン雑貨の『Hacoa』が始めたショコラトリーという。ショコラティエはパリ『ピエール・エルメ』などで研鑽を積んだ斎藤拓野シェフ。木の恵みであるカカオを通し、福井の木工職人×フランス帰りのショコラティエが起こす化学反応…想像するだけで心躍る!木とショコラの職人が共に工夫を重ね、木目柄に彫り上げたメープル材の木型、それ自体が美しい型で抜くチョコレートはどこか温かな風合い。「〈木目のバー〉のランバーコレクションは木を食べるイメージで作りました」と斎藤シェフ。実は味わいまで木で、木製雑貨によく使う木材から、チェリー、メープル、ウォールナット(くるみ)のフレーバーをチョコレートの中に忍ばせている。白木のメープルはブロンドチョコで、ウォールナット材の深いブラウンはダークチョコでと、木肌の色もぬかりない。チェリーの一本を齧れば、中からチェリージャムとピスタチオクランチがザクザク。果実の酸味も落ち枝を踏みしめるような食感も心地よく、木型チョコの森を散策している気分だ。チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。〈木目のバー〉はランバーコレクション(チェリー、メープル、ウォールナット)とボタニカルコレクション(キャラメル、パッションフルーツ、シナモンハニー)の2ライン。各3本入り¥1,500。ほかにも木材チップでスモークしたナッツチョコや木の葉のように彫った木型タブレットなど、ウッディなチョコレートが並ぶ。DRYADES春日本店東京都文京区西片1-2-8BRICK BLOCK 1FTEL:03・6801・562510:00~19:00水曜休※『anan』2019年6月5日より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2019年05月30日ギフトコンシェルジュ・真野知子さんの「おいしいギフト」。今回ご紹介するのは、『WABARA Cafe』のドライペタルとバターです。ばら農園・Rose Farm KEIJIは「生きたばらをつくる」をコンセプトに、自然の野山に近い環境でオリジナル品種のWABARAを60種類以上も育てている。そこで育つばらは色や姿も様々ながら、どれも野性味を帯びた力強さのある気高い香りを放つ。その農園が運営するカフェのフードプロダクトが新しくなり、通販でも買えるようになった。酵母パンやスパイスソルトなどがある中で、特に興味を惹かれたのは、ばらの花びらを酸化させないように真空下で乾燥させた3種のドライペタル。色の濃い「かおりかざり」は麗しい香りの余韻が残る。淡いピンク色の「オールドローズ」はヨーグルトにかけると高貴な雰囲気を醸し出し、口に入ったとたんに香り高い味わいが広がる。色は似ているけれど「美咲」はちょっとおとなしめ。3種をブレンドして協奏曲のような風味をアレンジするのもよい。ドライペタルを無塩バター、発酵バター、グラッパで和え、ホイップ状にしてから固めたバターは、蓋を開けるとドライペタルがぎっしりと姿を見せ、芳醇な旨味とコクにフルーティな後味さえある。パンケーキにメープルシロップとこのバターをのせ、その上からドライペタルを振りかければ、なんとも味わい深い優雅なひと皿に。WABARAバター 75g¥1,000、WABARAドライペタル S 3種セット(右から、かおりかざり、美咲、オールドローズ)各2g¥1,200。WABARA Cafe滋賀県守山市勝部1-13-1-101 TEL:077・596・307010:00~20:00月曜(祝日の場合は営業)、火曜休まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2019年5月29日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2019年05月22日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『YOSHIDA HOUSE(ヨシダハウス)』の小皿料理とグラスワインです。あれ、あそこにいるのは…シェフ、その向こうはシェフだし、その前には××シェフじゃない?深夜0時を過ぎるとこの店の客は俄然シェフ指数が高くなる。「緊張しますよ、気付くと深夜1時に満席のことも珍しくないんです」とオーナーシェフの吉田佑真氏。合計15席の料理は、すべて彼が仕上げる。その素早い動きを見て思い出した。どこかのお店で会ったことがあるゾ!経歴を聞くとそれは13年前のこと。私の定番レストラン『レストランキノシタ』・木下和彦シェフの元で修業していたという。それから6年前、原宿の店でシェフを務めていた時期もあった。なるほど、記憶を呼び起こしたのは“キノシタ流サービス精神”だった。「お二人なら、すぐに出る小皿料理を2皿、前菜2~3皿、それからメイン1皿で十分」とアドバイスしてくれたが、出てきて目を見はった。「全然、小皿じゃない」。(写真のように)ゆうに3人前はある。キノシタイズムはしっかり受け継がれている。ただし、料理はもちろん吉田シェフの個性が出ている。例えばブルゴーニュの卵料理にタコ?「思いついて作ったら大正解でした」。メニューに載せたら人気ナンバー1に。21時まではしっかり食事を楽しむ大人のカップルが多く、その後は気楽なスタイルで。味は、シェフたちのお墨つき!YOSHIDA HOUSE東京都渋谷区広尾5‐20‐5TEL:03・5860・213918:00~翌3:00(翌2:00LO、主菜のみ翌1:30LO)月曜休タスマニアサーモンの瞬間燻製¥680、タコの燻製とウフマヨネーズ¥680、グラスワイン「マルセル・セルヴァン」の白¥950。いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2019年5月22日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2019年05月15日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回ご紹介するのは、『LIKE(ライク)』の多国籍料理です。レストランにおけるメニューは地図だから、はじめに一読すればなんとなくの全体像が掴める。はずなのに。白金台のライフスタイルショップ・BIOTOPの3階に3月にオープンしたレストラン『LIKE』は全然わけがわからない。担々麺おいしそーと思えば、パテドカンパーニュがあって、その下には白キムチ、デザートには豆花……ってまさかのカオス、古今東西の味覚が一堂に会しすぎなのだ。「これまでずっとフレンチをやってきたけど、その軸を生かした自由な料理をやってみたくなったんです」と語るオーナーシェフの原太一さん。代々木八幡の『PATH』や渋谷の『Bistro Rojiura』など、人気ビストロを手掛けてきた経歴が証明する料理は、確かな技術さえあればジャンルの枠を超えて冒険できることを教えてくれる。もちろん、多国籍とはいえ、おいしさへの責任感も強い。「シメに食べたい」を目指した担々麺は、京都の七谷地鶏で取った澄んだ旨味のガラスープに、漢方やスパイスの香りを加え、タヒニソースでゴマの風味を纏わせ、パワフルなのに重くないを実現(さすがです)。そこへコブミカンの香るオリジナルカクテルを合わせたら口の中はたまらなくヘヴン。自由な料理に明るい酒。気負わず、縛られず、ただただ“好き”を肯定する態度が、楽しさに満ちた食体験を作っている。ディナーメニューから、氷見自然豚の水餃子¥980、担々麺¥1,100、牡蠣のセビーチェ¥1,400、フィナンシェ¥300、恵比寿の『Bar TRENCH』が監修したオリジナルカクテル・カフィアライムミュール¥1,200。LIKE東京都港区白金台4-6-44BIOTOP 3F TEL:03・5422・818311:30~23:00(ランチ11:30~14:00LO、カフェ14:00~18:00、ディナー18:00~22:00LO)月曜、第2・第4日曜休ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)※『anan』2019年5月15日より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2019年05月10日女優の奈緒が出演する歌手・Aimerの新曲「STAND-ALONE」のミュージックビデオが5日、公開された。この楽曲は、奈緒が出演する日本テレビ系ドラマ『あなたの番です』(毎週日曜22:30~)の主題歌。きょう5日には、iTunesなど音楽配信サイトでリリースされた。奈緒は「自分が出演するドラマの主題歌が大好きなAimerさんに決まり、さらにPVのお話を頂いたときはなんのご褒美だろうと思いました。ドラマ『あなたの番です』を彩る主題歌としてはもちろん、今回のPVの世界観も優しく包み込んでくださるAimerさんの声とともにたくさんの方へ届きますように」とコメントしている。
2019年05月05日スイーツライター・chicoさんの「お菓子な宝物」。今回ご紹介するのは、『nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフト チョコレート トウキョウ)』のボンボンショコラです。カカオ豆からのチョコレート作り、なんて説明もいらないほど定着した“ビーン・トゥ・バー”。その楽しみ方といえばタブレットで産地ごとの食べ比べがセオリーだったけど、今はそれだけでない。「ボンボンショコラなどをよりおいしくするにはどうするか、豆から作るのはその手段なんです」と『nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO』・村田友希シェフ。ベトナムの契約農家からカカオを仕入れたり発酵の違いを比べられるタブレットを仕立てたりと、マニアックにカカオを味わうものをおきつつ、みんなに素直においしい色んなフレーバーのボンボンショコラやチョコ香るポップコーンまで並べている。全てチョコレートは自家製で香料はバニラさえ使わないから、カカオの自然なアロマに満ち、合わせるフレーバーを邪魔しない。繊細な和素材もショコラの濃密の中で鮮やかに香りだす。「京都の錦市場で見つけた青実山椒は一晩生クリームにつけ、ゆっくり香りを抽出します」。素材に寄り添い魅力を引き出し、いいバランスでショコラと合わせて。舌で溶かすとまずカカオ感、その奥からふわりと山椒の香りが追いかけ、柔らかくも豊かな余韻を残していく。まっすぐな職人の手仕事が、また新しいショコラの喜びを生み出していた。ボンボンショコラは秋田の梅酒や高知産柚子など、選りすぐりの和素材を使ったものと産地別の2ライン。ボンボンショコラ(柚子、梅、紫蘇 各¥380山椒、胡麻、丹波黒豆きなこ、ブンチャプベトナム、ブンチャプベトナムミルク、タンザニア、ハイチ、ブラジル、ベネズエラ 各¥350)。nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO 東京都中央区日本橋浜町3-20-2HAMACHO HOTEL 1F TEL:03・5643・712310:00~20:00不定休チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2019年5月1日‐8日合併号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2019年04月25日ギフトコンシェルジュ・真野知子さんの「おいしいギフト」。今回ご紹介するのは、『氷温熟成 氷室豚』のベーコン、ソーセージです。熟成肉。数年前からなんとなく目に留まることが多かったけれど、豚の熟成肉は初めてのご対面。それもそのはず、牛肉と違って豚肉の熟成は扱いが難しく、不可能とされてきたのだとか。氷雪を貯蔵するための氷室のように凍るか凍らないかの絶妙な温度で、枝肉のまま14日間ねかせて熟成させた肉は、旨味とコクがギュッと凝縮されている。その豚肉で作られたベーコンやソーセージがこちら。ベーコンは、なんと焼かずにそのまま食べるようすすめられた。まったく脂がしつこくなくて、しっとり&やわらかな食感に、甘さもしっかり。優しい塩味で、おつまみとして、いくらでも食べられてしまう。ウィンナーとチョリソーは、まずは沸騰したお湯に入れて5分ほどおく。そのひと手間で工房でできたばかりの仕上がりに近くなるのだそう。その後フライパンで焼く。香ばしい香りに期待値もぐんぐん上がる。1本目はやっぱり、そのままシンプルに素材の持ち味をいただいて。パリッ!ジュワッ!の後には、香ばしくてコクのある強い旨味が押し寄せてくる。チョリソーはピリッとした味わいが後を引いて。もちろんバンズにザワークラウトと粒マスタードを一緒に挟んでほおばっても。行楽シーズンのバーベキューにもってこいの逸品たち。右から、氷室豚ベーコンスライス(100g入り)¥1,512、氷室豚あらびきウィンナー(200g入り)¥1,296、氷室豚チョリソ(200g入り)¥1,296(すべて税込み)。同じ群馬県内にある『育風堂精肉店』とのコラボレーションによるもの。氷温熟成 氷室豚東京都新宿区新宿3-14-1伊勢丹新宿店B1フレッシュマーケット TEL:03・3352・1111(代)10:00~20:00群馬県の食肉加工メーカーが25 年の歳月を費やして開発した氷温熟成技術による熟成肉を真空パックで販売。14日・30日と熟成期間による味わいの違いも楽しめる。イートインコーナーもあり。まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2019年4月24日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2019年04月19日美容エディターの松本千登世さんが、“ワンランクUP”のためのお仕事小物をご紹介。今回はスマホケースです。色やデザインで遊ぶ。それもまた自分らしさに。シンプルなものから、個性豊かなデザインまで百花繚乱のスマホケース。だからこそ、自分らしさで選びたい。「いつもシンプルな服装の方が赤い小物を使っている姿を見たとき、そのギャップにグッときたことがあります。そんなふうに、小物の色で人の印象が変わるんだ、と勉強に。また、その年々でテーマカラーを決めて楽しむという女性も。その方曰く、色でその年をふと思い出すそう。そんなふうに自分らしく小物を選べるって素敵ですね」(1)天然貝の煌めきをケースにまとって。天然貝ならではの光沢と柄が印象的なケース。まるで絵画のようなモザイク柄で、自分らしさをアピール。角度によって変わる色のトーンも素敵。スマートフォンケース[iPhone XS]¥4,390(iKins/マークスタイル トーキョー GINZA SIX店 TEL:03・6280・6776)(2)大理石の上質さをさりげなく持つ。一見すると、飾り気なく思えるかもしれないけれど、よく見ると大理石の上質さに気づくはず。シンプルな中にも個性が光り、ホワイト一色の潔さもいい。スマートフォンケース[iPhone 8/7]¥9,800(NATIVE UNION/MoMA Design Store TEL:03・5468・5801)(3)丁寧な手仕事を感じる、手にフィットするケース。ドライフラワーを何層にも閉じ込めたケースは、丸みを帯びているから手にフィット。花も数種あるので、花言葉で選んでも楽しい。アクリルフラワーケース[iPhone 8/7]¥6,800(ANREALAGE/ANREALAGE FLAGSHIP SHOP TEL:03・6447・1400)(4)傷もまた一興。男前な多機能ケース。ステンレスでできたスタイリッシュなケース。センターにあるフラップは縦横のスタンドにもなれば、ハンドグリップにもなる。傷もまた味わいに。スタンド付きホルダー[iPhone XS]¥9,000(CONCRETE MATTE/マークスタイル トーキョー GINZA SIX店)(5)テーマカラーで選べるカラバリ豊富なレザー。写真のオレンジの他に、ピンクやブルー、ネイビーなど、カラバリが豊富だから、毎年カラーを変えるのもおすすめ。内側には、4つのポケットが。スマートフォンケース[iPhone 8 Plus/7Plus]¥16,900(LORNA PASSONI Paris/FOX TEL:0570・666・355)まつもと・ちとせ美容エディター。客室乗務員、広告代理店、出版社を経て独立。その審美眼に定評があり、エッセイも人気。著書『もう一度大人磨き 綺麗を開く毎日のレッスン76』(講談社)など多数。※『anan』2019年4月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・野崎未菜美取材、文・野村紀沙枝(by anan編集部)
2019年04月15日毎日使うお仕事小物は、意外と周りに見られているもの。美容エディターの松本千登世さんも、「小物がその人の印象を左右する」と話す。そんな松本さんが大切にしている“物選びのコツ”を教えてもらうとともに、自分をバージョンアップさせてくれるお仕事小物をご紹介。憧れるのは、物が自分にフィットしている人。ときには背伸びする楽しさも感じてください。私が物を選ぶとき、“長く愛する”ということが大前提にあります。もともと母から、「小さくていいから本物を持ちなさい」と言われて育ったので、それがベースにあるのかもしれませんね。だから、物持ちはすごくよくて。手帳も名刺入れも、ルイ・ヴィトンのモノグラムのものを、かれこれ15年愛用しています。購入するきっかけも、“本当に長く使えそう”と思えたから。でも、これらを買うまでは、使っていた小物は割と短命で。その時どきの気分で買っていたのですが、そうすると自分の使い方がぞんざいになるのを感じていたんです。それは心のどこかに、「どうせ替えればいいや」という気持ちがあったから。そんなとき、ある年上の女性が、バッグを長年修理しながら大切に使ってらっしゃるのを見て、その素敵な姿に感化されました。物を長く愛している人って、普段から丁寧に生きている人だと思うんです。そのこともあり、“物を長く愛そう”という視点に。自分の手で味わい深く育てる、という楽しみも見つけました。これはビジネスの面でも、同じことが言えますよね。日常的に万年筆を使っていたり、名刺入れがいつもスリムできちんと整理されていたり、レザーの傷さえも自分の味にしていたり。高価なものだからいい、というわけではなく、「物そのものがその人にフィットしているか」が大切だと思うんです。また、普段はシンプルな服装の方が、明るい色の小物を持っているのも印象的。逆もしかりで、そのギャップが、「この人はどんな人だろう?」という好奇心に繋がることも。お仕事小物は、人から見られるということもあるのですが、仕事をする自分を投影するものでもあるのかもしれません。女性って、意外に相手の持ち物をチェックしています。きっと自分自身が物に表れるって、心のどこかで意識しているのだと思います。最近、30歳の頃にすごく背伸びをして買ったものをよく使っているんです。バッグ、スカーフ、靴や洋服も。当時これを選べた自分を褒めてあげたいと思って、嬉しくなりますね。その楽しさを、若い世代にも感じてもらいたいなって思います。それがお仕事小物なら、背伸びもしやすいはず。頑張って背伸びをしたその気持ちを小物に託して、それが似合うように自分が努力するのも、私はすごく大切だと思うんです。特に30歳前後は、上にも下にもどちらにも転べる世代。下に行くのは、力を抜けば簡単。上には、一生懸命力を入れないと行けないけれど、時々息抜きをしながら、今より上を目指すほうが絶対に楽しいと思います。年を重ねてから、かつて憧れて買ったものを思い出したとき、より今の自分にフィットしたな、と感じられるはずです。自分らしさを一緒に育てる5つのノート。「こだわりを一番表現しやすいのがノートです」と、松本さん。けれど、サイズや色柄、材質など、種類が豊富にあるからこそ、悩んでしまう場合も。「3年前から使っているHININE NOTEは、黒いレザーの表紙に自分の名前を刻印。紙を入れ替えられるので、ずっと使えるのがお気に入りです」バージョンアップさせるなら、表紙がレザーや布のものなど、使い続けるうちに自分らしく味わいが増していくものを選んでみて。(1)使い込むほどに、手に馴染むノート。表紙にプレスコットンを貼り付けたリングノート。使い続けることでコットンが色あせ、より柔らかく変化。デニムのように、長く愛せる逸品。なめらかな紙で文字も書きやすい。ノートブックA5¥2,100(POSTALCO/POSTALCO Shop TEL:03・6262・6338)(2)手漉きならではのぬくもり感じる一冊。インドで作られる、ぬくもりあるノート。繊維工場で破棄される木綿で作られた再生紙は、手漉きの分厚さやざらっとした手触りが魅力。カバーのかわいい柄にも注目。ノートブック¥1,500(HATAGUCHI COLLECTIVE/PAPIER LABO. TEL:03・5411・1696)(3)自分らしく育てる楽しみをノートで。人気レザーブランドが作るノートは、表紙にカウレザーを使用。着脱ができるように、リングを通す穴には切り込みが入り、表紙だけ付け替えて長く使える。リムーバブルリングノートA6¥2,800(Hender Scheme/CIBONE Aoyama TEL:03・3475・8017)(4)揃えて使いたいコンパクトな3冊セット。ベルギーの伝統的な印刷技術を用いてペーパープロダクトを作るブランド。14×9cmというコンパクトなサイズで、シリーズで揃えて使うのも楽しい。活版印刷ならではの風合いも。トラベルノート 3冊セット¥2,100(le typographe/CIBONE Aoyama)(5)世界に1つだけのクリエイティブな逸品。松本さんも愛用するHININE NOTEは、サイズ、製本、表紙、紙など、自分好みにカスタマイズ可能。その組み合わせはなんと数万通り!写真はレザーの表紙にゴムバンドのオプションをプラス。オリジナルノート¥760~(HININE NOTE TEL:03・6407・0819)まつもと・ちとせ美容エディター。客室乗務員、広告代理店、出版社を経て独立。その審美眼に定評があり、エッセイも人気。著書『もう一度大人磨き 綺麗を開く毎日のレッスン76』(講談社)など多数。※『anan』2019年4月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・野崎未菜美取材、文・野村紀沙枝(by anan編集部)
2019年04月15日「小物がその人の印象を左右する」と話す美容エディターの松本千登世さんが、自分をバージョンアップさせてくれるお仕事小物を紹介してくれました。今回はカードケースです。印象を左右する名刺入れこそ、自分らしさをプラス。ビジネスシーンでは、一番印象に残りやすいカードケース。松本さんが憧れる女性も、“名刺入れがスリムな人”。「いっぱい入りそうなカードケースでも、いつも整理されていて、ミニマムな枚数だけを持ち歩く人に好感を抱きます。物をきちんと循環させている人って、私生活でも丁寧に暮らしているんだろうなと、ふと想像します」デザイン、色、質感など、カードケースのどこに自分らしさを投影させるのかも、腕の見せどころです。(1)ミニマムな美しさでずっと愛せる逸品。縫い目がなく、全て手作業で組み立てられたカードケース。サイドには白いレザーが使われ、モノトーンで飽きずに長く使える。内側の仕切りのおかげで、名刺も整理しやすい。シームレスカードケース¥22,000(CHACOLI/PAPIER LABO.)(2)ブランド名にも物語が。一緒に時を重ねたいケース。LAが拠点のバッグブランドが作るカードケースは、重ねたようなデザインがユニーク。「積み木のように一緒に年月を積み重ねよう」という想いが込められているところも素敵。2ポケット。カードケース¥9,800(BUILDINGBLOCK/Playmountain)(3)唯一無二のケースで個性を楽しんで。柔らかなポリウレタン樹脂に、製造の過程で生み出される残り糸や布を閉じ込めたケース。同じ柄はひとつとしてなく、選んだ瞬間から愛おしさが生まれるはず。防水性もあり、タフ。4ポケット。カードケース¥4,300(LUISA CEVESE/Pili TEL:03・6436・5633)(4)封筒のようなルックスとカラーに一目惚れ。シームレスなカードケースは、フラットな艶が魅力のガラスレザーを使用。1枚のレザーを折り込んで組み立てることで、封筒のような愛らしい見た目に。マチはないけれど収納力はあり。カラーも豊富。カードケース 各¥4,000(irose/Playmountain)(5)最小限の機能だけ。より“らしい”色を選んで。ヌメ革のハギレを職人が手染めし、全てが一点モノ。極限までシンプルにデザインされた中に、ステッチを効かせて個性を演出。上部が開いていて出し入れがしやすく、自分らしい色を選べるのも楽しい。ミニマムカードケース各¥3,000(A4/CIBONE Aoyama)まつもと・ちとせ美容エディター。客室乗務員、広告代理店、出版社を経て独立。その審美眼に定評があり、エッセイも人気。著書『もう一度大人磨き 綺麗を開く毎日のレッスン76』(講談社)など多数。※『anan』2019年4月17日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・野崎未菜美取材、文・野村紀沙枝(by anan編集部)
2019年04月11日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『元喜(げんき)』の刺身とつまみです。個人的に今いちばん知りたいのは、おいしい魚を適正な値段で楽しませてくれる店。そんな時、雑司が谷にオープンした『元喜』の刺身は、焼津『サスエ前田魚店』の魚を使っているという噂を聞いた。「ホントに?」と思わず身を乗り出す。なぜならこの魚屋こそ有名レストランや日本料理店の料理人が絶賛する超ブランド店。ウエイティングリストには全国から200余りの店が並ぶという、取引が難しい魚屋なのだ。逆に考えれば、そんな魚を扱うのだから、こだわりの強い気難しい店かも。が、そんな不安もすぐに消えた。店に入って店主の顔を見たら記憶が蘇った。岡部藤夫さんは元々フレンチの料理人だったが、その後、その店がプロデュースする居酒屋のシェフも経験。独立するにあたっては「日本人でよかった!」と思う料理とお酒を揃えたいと思ったという。その目玉が『サスエ前田魚店』の魚と、土鍋で炊くご飯。刺身を食べた印象は…“一度は食べておくべき!”。余分な水分をきれいに取り除き(魚の臭みは残った水分が原因)、その魚本来の香りと味を堪能できる。フレンチの技術を生かした「カリフラワーのムース」はなめらかなムースにカツオ出汁のジュレがとても合う。和洋の素材使いが絶妙。ホント、日本人でよかった!右・刺身5種盛り¥2,300(1人前)。神経締めという特別な技術を用いることで魚の鮮度を保ち、旨味も増す。左・黒豚の角煮 桜味噌煮込み¥1,300、奥・ズワイガニとカリフラワーのムース¥1,200。元喜東京都豊島区高田1-36-18ハウスTKA目白201 TEL:03・6812・1414ランチ11:30~14:30(14:00LO)、ディナー17:00~24:00(23:30LO)火曜休いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2019年4月17日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2019年04月10日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『東京豆漿生活(とうきょう ドウジャン せいかつ)』の鹹豆漿(シェンドウジャン)と酥餅(スーピン)です。とろんとした舌触りに、ほんのり甘さの広がる豆乳。台湾の朝ごはんでおなじみの豆漿(ドウジャン)の専門店が今年の2月、五反田にオープンした。ご店主は2015年に神田の『東京豆花工房』を開いた田邊与志久さん。豆花屋を始めたことで朝が早くなり、おいしい朝食にありつく余裕がなくなってしまったことをきっかけに「忙しくても気軽に立ち寄れる朝食が街には必要なんだ」と決意して、豆漿屋の開店に至ったという。朝の街角で、豆漿を一杯。台湾の朝食文化はとても豊かだ。豆漿は毎朝お店で絞る作りたて。お酢を加えてふるふると固める鹹豆漿(シェンドウジャン)は、干しエビ、大根の塩漬け、ねぎ、油条(揚げパン)を加え、ごま油とラー油を回しかければ完成だ。豆漿の包容力に、お酢の酸味と具材の食感がアクセントとなって、食欲のない日でもするすると食べ進められる。器が空っぽになる頃には、胃袋がじんわり温まり元気がわいてくる。中華系のパンこと酥餅(スーピン)も充実で、サクサクホロホロの塩揉み大根のパイや、ピーナッツの甘じょっぱいおまんじゅうなども添えれば、これ以上ない完璧な朝食となる。大きな窓からは惜しみなく朝日が注ぎ、パイ生地が散らかったテーブルにきらきらと反射する。慌ただしい朝の中にあって、この場所だけはまるで聖域みたいだ。鹹豆漿¥450。塩揉み大根の酥餅(左)¥250。ピーナッツの酥餅(右)¥250。豚とねぎの酥餅(手前)¥280。台湾からやってきた酥餅のプロ・江さんの技が光る。薄焼きパンの焼餅(シャオピン/¥460)は、ねぎ入り薄焼き卵と油条を挟んで食べる。東京豆漿生活東京都品川区西五反田1‐20‐3TEL:03・6417・03357:30~14:00日曜休ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2019年4月10日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2019年04月05日スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『ルノートル 銀座三越店』のフイユ・ドトンヌです。約10年ぶりに『ルノートル』が再上陸!しかもパンがメインだった以前よりパティスリー色を濃くして帰ってきた。パリで愛され60余年、M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)シェフが現在7人もいる名店に息づくのは、“フランス菓子の父”、創業者ガストン・ルノートルさんの教え。誰もが食べやすい軽さもそう。創業からの代表作「フイユ・ドトンヌ」は、どっしりしたお菓子が主流の当時、チョコレートケーキを軽やかにしてパリっ子達を夢中にさせた。ショコラムースの中には生地でなくメレンゲが入り、さくほろ軽快、エアリーに溶けてしまう。最新の発明はタルトで、ふちまで平らなディスク仕立て。フォークですんなり切れる食べやすさに、なるほどと感心しつつ口にしてまた驚いた。ザクザクすぎない軽いクリスピーさが、果物の柔らかな香りや瑞々しさを際立ててくれるのか。「ガストロノミーの精神で食材を見極め、どう足し引きしたら最高の一皿になるか追求しています」とクリエーション・ディレクターのギー・クレンザーシェフ。綿密に研ぎ澄まされた美味しさがそこにある。「とはいえ知識をめぐらせ味わうより、存分に喜びを味わってほしいのです。時間を忘れるくらいね」。私達はただその幸せに飛び込めばいい!手前から時計回りに、エスプリ・タルトレット・フレーズ¥750、キャラメリゼした表面とバニラの香りが溶け合うプレジール¥750、フイユ・ドトンヌ¥800。ほか、エッフェル塔をモチーフにした日本限定品「トゥール・エッフェル・ヴォリュテ」など、どれも目に舌にアーティスティック。ルノートル 銀座三越店東京都中央区銀座4‐6‐16銀座三越B2TEL:03・3562・1111(代)3/27オープン。チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2019年4月3日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2019年04月02日ギフトコンシェルジュ・真野知子さんの「おいしいギフト」。今回ご紹介するのは、『蔵出しめんたい本舗』のめんたいアヒージョです。明太子好きな私が思わず手に取った、「めんたいアヒージョ」。明太子なのに“アヒージョ”?ご飯のお供に食べる和食のイメージしかなかったので、響きが新鮮。アヒージョとはスペイン料理の一種で、オリーブオイルとニンニクで魚介や野菜を煮込む小皿料理。それに着目して明太子をアレンジしたのがこちら。瓶の中には一口サイズにカットされた明太子がゴロゴロと。マイルドな味わいのプレーンはスペイン産のピュアオリーブオイルにニンニクのスライス、ローリエやローズマリーなどのハーブと凝縮された旨味が溶け込んでいる。まずはそのままおつまみとして味わったら、アツアツに熱したオイルをバゲットに染み込ませ、明太子をのせてみる。口に運ぶとプチプチとした明太子の粒の食感もしっかりあって、ニンニクの効いた奥ゆきのある味わいがいつまでも余韻を残して。サラダにドレッシングのようにかけてもよいし、茹でたパスタにオイルも中身もそのまま和えれば手間いらずのパスタソースとしても活躍してくれそう。一方のレッドペッパーは唐辛子のピリッとした辛みがアクセント。こちらは野菜と一緒に炒めると、簡単にエスニック風にできあがる。いずれも常温で持ち運べるので、お花見シーズンのパーティに。めんたいアヒージョ(左から、レッドペッパー、プレーン)110g各¥1,200。蔵出しめんたい本舗佐賀県鳥栖市藤木町若桜4-9TEL:0120・877・3339:00~18:00 年末年始休まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2019年3月27日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2019年03月20日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『SUPPLY (サプライ)』の手打ちパスタとヴァン・ナチュールです。あれ、店の前に白い暖簾がかかっている。確かイタリアンのはず?引き戸を開けて入ると店内は先客でぎっしり。予約をせずに行った私たちの席はもちろん、ない。でもサービス・ワイン担当の小林希美さんがたちまち席を作ってくれた。その対応がとても自然で感じがいい。カウンターの中では小林隆一シェフが一瞬たりとも動きを止めずに料理を仕上げていく。「やっぱりイタリアン」と安心したのは、本棚に『パスタ宝典』(イタリアのパスタ研究の第一人者による約1300ものレシピ集)があったから。二人は今年1月23日に独立。「イタリア料理にはこだわっていません。しっかり食事でも、軽く一杯でもOK。毎日通える“居酒屋”です」。例えば、羊セロリギョーザは、セロリを練り込んださわやかな色と香りのラヴィオリだ。「ギョーザは居酒屋らしい気軽さがある料理。うちでは前菜です」。お得意の手打ちパスタは常時5~6種類を用意。ホタルイカ、筍、カラスミのオレキエッテが1200円なんて居酒屋価格はうれしい。ちなみにSUPPLYは供給という意味。「カタカナにしてもロゴがかっこいいところが気に入って、決めました」と小林シェフ。料理も飲み物もいろいろ揃えているけれど、実は二人ならではの個性的なセレクトなのが魅力!右からホタルイカ、筍、カラスミのオレキエッテ¥1,200、羊セロリギョーザ¥800。この2皿に合うワインは、ベリー系の果実味とフレッシュな舌触りが特徴のロゼ「ベロッティ・ローザ」、グラス¥850。品種はメルロー100%。SUPPLY東京都渋谷区幡ヶ谷1‐5‐6TEL:なし18:00~24:00(23:00LO)水曜休、不定休あり営業情報の確認はインスタグラム(@supply_hatagaya)かFB()まで。いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2019年3月20日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2019年03月19日フードライターの平野紗季子さんがおすすめフードを紹介する「MY STANDARD GOURMET」。今回は『FELICELLA(フェリチェッラ)』のランプレドットのパニーノです。今、中里通り商店街がおいしい感じになっている。三軒茶屋から駒沢方面へ約10分。国道246号線から左にそれる旧道を進むと広がる商店街には、昔ながらの食堂に交ざってモダンなタコス店やディープなインドカレーの店がここ1~2年でオープンしている。去年11月のニューカマーはトスカーナ料理をメインとしたイタリアン『フェリチェッラ』。ドアを開けるとたちまちおいしい匂いに包まれたのは、わずか10席ほどの小さなお店だからだ。店主の榎本大介さんは料理専門学校を卒業以来、15年以上にわたりイタリア料理を追求してきた人。それもクラシックな郷土料理、特にトスカーナ地方にこだわってきた。「トスカーナの料理は色的には茶色が多いです(笑)。見た目は素朴ですが食べると味わい深い。特に野菜の甘さを生かす料理が好きですね」。絶対に出したかったというランプレドットも、国産のギアラを香味野菜と共にゆっくり煮込んだフィレンツェの伝統料理。いわばイタリア版のモツ煮だ。ぎゅっと噛み締めると柔らかすぎず固すぎずの絶妙な食感と共にスープの旨味が溢れだす。一品料理としてオーダーするのもいいが、自家製のロゼッタパンに挟まれたパニーノを頬張るのはたまらない。『フェリチェッラ』で出合えるのは、ストレートに人を幸せにする、芯のある料理ばかりだ。ランプレドットのパニーノランチ、サラダ付¥900。ランプレドットに添えられる、サルサヴェルデ(イタリアンパセリのソース)と唐辛子のソースがいい仕事しすぎ。ジンジャーエールを合わせるのもよいです。FELICELLA東京都世田谷区三軒茶屋1-20-7TEL:03・6805・4147ランチ11:30~15:00(14:00LO)、ディナー18:00~23:00(22:00LO)日曜休、月曜のランチ休ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2019年3月13日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2019年03月11日スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『Le Magnolier(ル マグノリア)』のアルテミスです。目が醒めるようなひと口だった。この〈アルテミス〉ではラムは香り付けでなく、思いきり主役。口にするとたちまち蕩け、ラムの香りに満たされる。ショコラとブリュレのこっくりした甘みをお酒がキレよくまとめ、食後は優雅で仄かにスモーキーな香りが続く。なんて幸せな余韻だろう。「ヒントになったのは『シャンドワゾー』の〈ロワイヤル〉という口どけ良い紅茶のケーキ。滑らかな口どけに乗って香りが放物線を描くように伸びていくイメージがあって、それをラム酒で表現してみました」と、『シャンドワゾー』では長くスーシェフを務め、昨年この店を開いた伊東大樹シェフ。理想の口どけを叶えるべく、ガナッシュは水分をギリギリまで上げて瑞々しく、ブリュレもゼラチンをできるだけ控えた。さらに「全パーツに香り高い『ネグリタラム』を効かせますが、そのまま使うばかりでは強すぎるので」とひと工夫。ブリュレはふんわり香るようアルコールを飛ばし、ビスキュイには生のラム酒シロップをうってダイレクトに味わわせる。ガナッシュに混ぜるラムも生だけどショコラを合わせることで、エッジを残しつつ穏やか。全部一緒に食べると尖りすぎたりせず、酒呑みでなくてもラムの奥深さに気持ちよく溺れられる。チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。“ラムの貴婦人”と呼ばれるフレンチラム、「ネグリタラム」の香りが重なる「アルテミス」¥463。芳醇とはまさにこのこと!Le Magnolier東京都西東京市谷戸町3‐10‐2TEL:042・439・459010:00~19:00火曜休(ほか不定休あり)昨年11月オープン。※『anan』2019年3月6日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2019年02月28日ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめのギフトをご紹介。今回は『東京會舘 新本舘 スイーツ&ギフト』の上食パンとバターです。100年近くの歴史を持つ東京會舘が今年初めにリニューアルオープンした。東京會舘の手土産といえば、お馴染みのプティフールやマロンシャンテリーが代表的。もちろんそれらも健在だ。ベーカリーメニューには、バケットやバターロール、ライバケットなどがある中、“食パン”が目を引いた。白い専用ボックスがあり、それがあるだけでギフト感が格段にアップする。この角食パンは生クリームとバターを増量し、ふんわり&もっちりとした食感にこだわってマイナーチェンジしたもの。スライスしてしっかりトーストすると、ザクっと音をたてた後は、ふんわりやわらか。ショップの棚に目をやれば、パンと相性抜群のバターを発見。なんて気が利いている!キャンディ包みのスティックは、フランス産の発酵バター〈グランフェルマージュ〉の使い切りサイズ「コンビエット」。このタイプには初めて出合った。これは舘内のフランス料理「プルニエ」でも提供されているそうで、食事の邪魔をせず、パンの持ち味を引き出せる、ほど好い塩気と甘味が魅力とのこと。パンにたっぷりのせれば至福のひととき。バターコンテストで何度も金賞を受賞しているフランスを代表するバターのひとつ。そんなストーリーも、語れる手土産に。左から、上食パン¥500、グランフェルマージュ コンビエット(15g×5本)¥600。東京會舘 新本舘 スイーツ&ギフト東京都千代田区丸の内3‐2‐1‐1FTEL:03・3215・201510:00~20:00無休4年間の休業を経て、1月に新装オープン。シュークリームなど縁起の良いひょうたん型のスイーツも話題。まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2019年2月27日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2019年02月21日すこやかに、そして、しなやかに生きる人――松下奈緒さんを目の前にして思う。ゆったりマイペースに見える一方で、揺らがない強い芯を持ち、凛とした佇まいが素敵。まさに柳のような人。それでいて、チャーミングで豪快さもある。女優スイッチをオフにしたときの松下さんを知りたくて、「現場での休憩時間、どういうキャラなんですか」と尋ねると、「キャラですか!?」と美しい歯を見せて大笑い。「そのまんまですよ(笑)。変わらないです。常にフラットな感じで、久しぶりに会う方からも『変わらないね』と言われることのほうが多いですね」ざっくばらんで、ナチュラルな人なのだ。そんな松下さんが出演する映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』は、宮川サトシさんのエッセイ漫画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』(新潮社)が原作の実話。頼りないところはあるけれど、優しく母親思いの息子・宮川サトシ(安田顕)の母は、明るく元気な明子(倍賞美津子)。笑いの絶えない日々を送っていたが、母がガンを宣告されたことで、穏やかな日常は変化していく。そして、天国の母から届く“驚くべき贈り物”とは――。サトシを励まし、精神的に支えるキーパーソンとなるのが、恋人・真里(松下奈緒)。いずれは結婚するだろうという未来は描いていても、今はあくまで彼女という立ち位置だからこそ、どんな距離感や心持ちでサトシと母と向き合うのか。とても難しい役柄でもある。■「私も両親の遺骨を食べたいと思う、と思います」オファーが来たときのことを、「衝撃的なタイトルだなあって」と振り返る。出演したことで、両親や大事な人がどんな最期を迎えたいか、それぞれの希望を知っておきたいし、自分はどう接すると良いのか、少しずつだけど考えるようになった、と心境の変化を語る。「考えたくはないですが、いつか両親が亡くなったとき、私も(遺骨を)食べたいと思うと思います。安田さん演じるサトシさんみたいに、大事な人の存在を残したくて、遺骨を指に取って舐める、くらいはするんじゃないかと。この作品に出会うまで、遺骨を食べるなんて思いもしなかったですけど、大切な人の存在を自分の中に取り込む方法は、他にないような気がします。母の遺骨を食べたい――そんな思いを持つ人(サトシ)の恋人として、宮川家の一員になれたのは嬉しかったです」息子と母との関係を描いた作品に、息子の彼女として登場し、もがいて悩む彼を支える重要な役。支えると言うのは簡単だけれど、何でも賛成するわけではなく、ときにダメなことはダメと言う勇気を持たなくてはいけない――難易度の高い役を自分なりに考えながら演じた。■強さだけじゃない。優しさを持った恋人を演じた「倍賞さん演じる明子さんは、真里にとって肉親ではなくても、愛する男性のお母さんです。そのお母さんの調子が悪化し、サトシの気持ちが落ちていくとき、どういうトーンでどういう言葉をかけるといいのか、迷ったことはありましたね。人の死がかかわるぶん、接し方や言葉の選び方はとても難しかったです」一方で、お気に入りのシーンもある。作中、カレーが何度か登場する。カレーは宮川家を象徴する食べ物のひとつ。サトシは自身が教える塾で、カレーを巡って教え子と張り合う。「大の大人が子どもに対してムキになって、『うちのカレーが一番なんだ』って言うんですよ(笑)。宮川家でお母さんと一緒にカレーを作って、家族で食べるシーンでは、真里はまだ宮川家の人間ではないけど、家族として接していいんだと思えました。母と娘のような感覚があったんですよね」男性にとって母の存在はとても大きいと、作品を通して改めて感じたという。だからこそ、お母さんにはできないことを見つけて、強さだけではなく、優しさを見せるパートナーとして傍にいたい。そんな想いを持って作り上げたのが、真里というこれまで演じたことのない役柄だった。■女優業と音楽、ふたつあるからバランスが取れる本作に女優として出演しただけでなく、主題歌『君の歌はワルツ』(BEGIN)で、ピアノ/コーラスとしても参加した松下さん。3歳からピアノを始め、東京音楽大学在学中にファーストアルバムをリリースし、以後ピアニスト、作曲家、歌手としても活躍している。女優業と音楽活動。どちらも「表現」であり、自身にとって違いはない。ふたつの分野を行き来するからこそ、気持ちのバランスを取ることができ、双方が良い影響を及ぼし合っていると話す。「昔からドラマや映画の撮影と音楽活動を並行してやっていて、各現場に行くとそれぞれのスイッチが入って、『今日の現場はドラマ』『今日は音楽』と、さっと馴染んでいますね。両方があるから気持ちも落ち着いているんだと思います」女優人生は約15年。音楽活動はそれを遥かに上回る。幼い頃から親しんできただけに、音楽への思い入れは強く、「どんな場所でもライブ活動は必ずやりたいし、自分の音楽活動も知ってもらいたいし、楽しんでもらいたい」と意気込む。■演じた役はすべて、自分の人生経験につながっているキャリアを積み重ねるにつれて、変わってきたことがある。仕事を「仕事」だと思わなくなり、ライフワークだと捉えるようになった、というのだ。「女優という、自分ではない誰かを演じる、他の人になるという『職業』ではあるけど、仕事だと思うよりも、好きなことと捉えるほうがより楽しいし、がんばれるなあと思ったんです」いろいろな役を演じる中で、こんな考え方もあるのかと発見があったり、自身の人生に経験が肉付けされたりと、人生の広がりを感じていると話す松下さん。誰かになりきることは、自分を拡張する行為でもあるのだ。「一つひとつの役で歩いてきた経験はすべて、自分の人生経験につながっていると思っています。今でも新たな役をいただく度に悩むことはありますが、そのときにできる限りの力を注いで、悩みをパワーに変えるだけの術は、年を重ねるにつれて身についてきたような気がしています」今後、演じてみたいのは「悪女」役。松下さんといえば、清潔感あふれる爽やかな役柄のイメージが強い。「女優の私を好きになっていただくのも嬉しいですが、『あの◯◯役が良かった』と言っていただけるほうが嬉しいんです。身近に感じてもらえたんだなって思えるので。一方で、自分が今まで演じたことのなかったタイプの役を『いい』と評価してもらえるような、そんな役にも出会ってみたいです」(編集後記)最後に「続けることが一番難しい」と松下さんは語ってくれた。今、こうして女優業と音楽活動に取り組んでいるけれど、続けることがひとつの目標なのだと。「いつかスランプがきたり、大きな不安に襲われたりするかもしれません。でも、そうなったとしても跳ね返せるような人生を送りたい」正直な人からまっすぐ飛び出した、強く、逞しい言葉が、同世代の自分にぐっと刺さった。■作品情報映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』2月22日(金)より全国公開出演:安田顕、松下奈緒、村上淳 / 石橋蓮司、倍賞美津子監督:大森立嗣脚本:大森立嗣原作:宮川サトシ『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』 (新潮社刊)音楽:大友良英主題歌:BEGIN「君の歌はワルツ」(テイチクエンタテインメント/インペリアルレコード)配給:アスミック・エース助成:文化庁文化芸術振興費補助金2019年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/108分©宮川サトシ/新潮社 ©2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員会Text・Photo/池田園子ヘアメイク/佐藤 寛(KOHL)スタイリスト/大沼こずえ(eleven.)
2019年02月21日劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本・演出を手掛ける舞台「山犬」が5年ぶりに上演される。本作に出演するAKB48 Team 8京都府代表/Team Bの太田奈緒と丸尾に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、人間の極限状態と純愛を描く“監禁劇”で初演は2006年。今回はメインキャストを男女逆転させた新バージョンとなり、メインを岩立沙穂(AKB48 TeamB)、太田奈緒(Team 8京都府代表/Team B)、谷口めぐ(AKB48 TeamB)が演じる。丸尾は「今回は彼女たちが等身大で演じられる設定に変えました。歌も入れたいと思っています。3人とは舞台版「マジムリ学園」(2018年/丸尾は脚本・演出を担当)を一緒に作った間柄で、役も当て書きです」ストーリーについて「ちょっとしたことの積み重なりで人が変わっていく様がすごく怖かった」と感想を語るのは太田。本作では、内気で歌と料理が好きな元コーラス部・山本雲雀を演じる。「すごく感情の高低差がある役柄なので、最初は“大丈夫かな?”と不安に思いました。だけど今まで演じたことのない役柄ですし、今回で自分の殻皮を破れたらと思っています」と楽しみにしているそう。丸尾も「奈緒が演じるうえで1番苦労するのは狂気じみたところなんじゃないかなと思います。僕の中で奈緒には、負けん気や人を蹴落とすようなイメージがないんですよ。だからこそ役ではそういうことをやってもらいたい。奈緒の汚いところが出ればなと思います(笑)」と期待する。これまで5作の舞台を経験し、そのうちの4作が昨年に集中している太田。その理由を、「将来的に女優の道を考えたがまずは実際にやってみて、自分がどう感じるか、向いているのかどうかを知ったほうがいいと思って。それで“舞台に出たい”と口に出すようにしたら、すごく充実した1年になりました」と明かす。その日々を経て「やっぱり楽しかった。難しいなと思うこともたくさんありますが、これからもやっていきたいです」と目を輝かせた。そんな1年で出会った丸尾の印象は「ひとりひとりと向き合ってくれる方で、それがすごく嬉しかった。今回もまた勉強になるんだろうなと思っています」。逆に丸尾から見た太田の印象は「女優としての偏差値が高い。何色にでも染まれるし素質があると思います」ホラーとも言われる作品だが、丸尾は「この作品をホラーにしたい気持ちはない」と語る。「作品のテーマは“僕たちは人殺しをしたことないですか?”ということ。“間接的にでももしかしたら人を殺しちゃってるんじゃないですか?”って。そういうことに気付いて、少しでも愛が大きくなった状態で劇場を出てもらえるような作品にしたいなと今は思います」舞台「山犬」は2月27日(水)から東京・池袋のサンシャイン劇場、3月6日(水)から大阪・ABCホールにて上演。取材・文:中川美穂
2019年02月19日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回は『AnimA la tua osteria(アニマ ラ トゥア オステリア)』のバカロ料理です。表参道から青山通りを外苑に向かって2分。ポルシェのショールームの手前を右手に入ったところに4階建ての小さな白いビル。ここが昨年12月22日にオープンしたオーガニック・イタリアン『アニマ』だ。1階はピッツァ&立ち飲み、2階はバル。3階はゆったりしたオステリア(食堂)。そして4階は、カンティネッタ(ワインショップ)。コンパクトながら使い勝手のいい店に仕上がっている。実はこの店を手掛けたのは約25年前から数々のイタリアンを経営してきた中村雅彦氏。久々の新プロジェクトは「真のイタリアン・レストラン」だ。ポイントは3つ。できる限り有機栽培の素材を使う。 ワインを適正価格で提供する。 パスタは自家製手打ち&自社輸入品。ちなみに2階はベネチアのバカロ(居酒屋)スタイルで、ストゥッツィキーニ(つまみ)や、スピエディーニ(串の炭火焼き1本400円~)や、パンツェロッティ(揚げピッツァ600円~)など日本ではまだあまり紹介されていないつまみが充実している。有機野菜だけでなく、塩、オリーブオイルなど基本的な調味料をおろそかにしていないのもえらい。ワインは4階のショップで買った値段にプラス800円で持ち込み可。ビオ中心で飲みやすいから、ちょっと一杯のつもりが、ついつい1本空けちゃうのが心配…。バカロは北イタリア・ベネチアの居酒屋スタイル。ストゥッツィキーニ(つまみ)3種盛り¥1,200、スピエディーニ(串の炭火焼き)よりパスコラーレ(羊)¥550、グラディウス(カジキマグロ)¥450、パンツェロッティ(揚げピッツァ)モッツァレラとトマトソース¥800。ワイン¥2,800(ボトル¥2,000+持ち込み料¥800)。AnimA la tua osteria東京都港区南青山3-12-1TEL:03・6890・0855ランチ11:30~15:00(14:30LO)、ディナー17:30~23:30(22:30LO)水曜休いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2019年2月20日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2019年02月13日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『ketoku(ケトク)』の比内地鶏のだまこ鍋風煮込みです。豪徳寺の線路沿いに新しいお店ができた。明るいカウンターキッチン、壁にはドライフラワー。なにやらおしゃれな空気を漂わせているぞ、と思ったのも束の間、メニューに赤星の中瓶を見つけて、あ、そういう感じ?と笑ってしまった。肩の力が抜けちゃう瞬間だった。店主の松岡悠さんが目指しているのは「どんな街にもある、いつでもふらっと立ち寄れる居酒屋さん」。一人で店を切り盛りするのも、お水がセルフなのも、お酒は奥のショーケースからお客さんに自由に選んでもらうのも、ゆるやかで気張りのない空気感につながっている。しかしそのくせ、料理は冴え渡っているのがずるい。自家製の塩辛にはキラリとコブミカンの香りが輝き、ときめくような個性を放つ(絶対この人がレシピ本出したら売れるわー)。比内地鶏のだまこ鍋風煮込みは、まるでカスレのビジュアルながら、中身のベースはきりたんぽ!というサプライズが。秋田出身の店主ならではの発想で、ぎゅっと香ばしい旨味が引き出された比内地鶏の煮汁が、だまこ(ご飯を潰して丸めたもの)や野菜にジュワッと染み込んだ味わいがたまらない。煮込みをすすりつつビールをちびちび飲む時間は幸せそのもの。心の中の乙女とおっさんが同時に喜ぶこの感じ、『ketoku』はきっと私たちの赤提灯なんだ。比内地鶏のだまこ鍋風煮込み¥2,500。左はイカの塩辛 コブミカンの香り¥400、サッポロラガー中瓶¥600。松岡さんは三軒茶屋の名ビストロ『uguisu』に10年勤めたのち、昨年11月に『ketoku』を開店!Ketoku東京都世田谷区宮坂2‐26‐4豪徳寺コーポラス1FTEL:03・6413・756917:00~24:00(23:00LO)日曜休ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2019年2月13日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2019年02月07日スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『Patisserie LesLines(パティスリー レリアン)』のトラディッショナルです。どっしりと、いかにもチョコレートケーキという重厚感漂う見た目なのに、舌にのせるとたちまちほどけるように消えていく。思いがけない軽さにするすると食べ進めば、ビターな味わいと力強い旨味が舌にじんわり。その奥に潜むナッティな風味もあとを引き、フォークが止まらなくなってしまう。「〈トラディッショナル〉のムースは生クリームを使わずメレンゲとチョコレートで、昔ながらのやり方で仕立てました。乳化させないのでさらりと溶けるし、カカオの香りもストレートに出るんです。生地も口どけよくしたいから粉を使いません」。そう話す松島啓介シェフは、日本でもお馴染みのショコラトリー、『ジャン=ポール・エヴァン』で6年スーシェフを務めた人。ショコラへの想いは人一倍強い。軽やかで食べやすくもカカオの醍醐味を感じさせるこのお菓子をシグネチャーにしたのも、ショコラの魅力をより多くの人に伝えたくて。店作りも然りで、白と水色で彩られた佇まいはショコラトリーの高級感とはまた違う可愛らしさがあり、誰でも気後れせずに入れる。「今はまだまだですが、生菓子の半分くらいはショコラ系にしていきたいです。ショコラと他の食材の組み合わせも色々挑戦したいですし」。敷居は低くも志は高い!クセがなくビターで食べやすい、マダガスカル産チョコレートを存分に楽しめる「トラディッショナル」¥585。ナッティな香りの正体は生地に混ぜ込んだパートダマンドクリュ(ローマジパン)。アーモンドを挽くところから手がける自家製だからとびきり芳しい。昨年10月オープン。Patisserie LesLines東京都杉並区西荻北3‐13‐14TEL:03・5303・922510:00~19:30水曜・隔週火曜休チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2019年2月6日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2019年02月01日ギフトコンシェルジュの真野知子さんがおすすめするギフトをご紹介。今回は『TEAPOND(ティーポンド)』のミルクティーバッグです。肌寒い季節にはミルクティーやチャイなど、ミルクを加えたほんのり甘さのある飲み物がホッとする。旬の紅茶やバリエーション豊富なフレーバーティーが揃う清澄白河の紅茶専門店『TEAPOND』から、この季節にぴったりなミルクティー専用ティーバッグのアソートが冬季限定で登場した。ポイントは鍋がなくてもマグカップで簡単に作れるところ。ティーバッグを入れたカップに熱湯を注いで好みの濃さに抽出したら、ミルクを加え、そのまま電子レンジで温めるだけ。布製のキュートな巾着の中には、3種のティーバッグがそれぞれ3点ずつ。「アールグレイ ロイヤルミルク」はベルガモットが香る柑橘系の爽やかな味わいで、チョコレートや焼き菓子など甘いものとのペアリングもよい。「セブンスパイスチャイ」はエキゾティックで華やかな香り。チャイ好きな私はちょっぴり濃いめに出してからミルクを加える。そうすると香りも味わいもより深く。「ミルクティーブレンド」はアッサム産茶葉をベースにしたオリジナルのブレンド。麦芽を思わせる芳醇な香りとパンチのあるコク。ナッツをお供にすると旨味も合わさって、さらに奥行きのある風味を楽しめる。寒い日には、こんな体の温まるギフトがきっと嬉しい。ミルクティーバッグ 布袋入りアソート(ミルクティーブレンド、セブンスパイスチャイ、アールグレイ ロイヤルミルクの3種×各3個入り)¥1,500。4月末までの数量限定販売。TEAPOND東京都江東区白河1‐1‐11TEL:03・3642・333711:00~19:00月曜休まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2019年1月30日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2019年01月25日レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回は『Trattoria L’astro(トラットリア ラストロ)』の牛ホホ肉の煮込み料理と手打ちパスタです。鮮やかな黄色いパスタの上に、ふわふわとのせられた生ハム。パスタ(写真左)をひと口味わってなるほどと思った。「少し塩分が強いかな?」と思わせるが、パスタとソースが口の中で混ざっていくうちにちょうどよい旨味に変わる。ここでワインをひと口飲んで舌をリセットさせると間違いなく、イタリア的なハーモニーが広がる。パスタの厚みや食感が非常に繊細で正確なことにも気付く。厨房のシェフに「美味しい!」と伝えると、キリリとした表情がニッコリ笑顔に変わった。12月3日に恵比寿にオープンした『トラットリア ラストロ』は、イタリアで14年活躍し、オーナーシェフとして店を切り盛りした経験もある女性・仲田睦さんがシェフ。厳しい世界で自分のイタリア料理を確立してきたプロだ。「私のパスタは卵黄のみで練るピエモンテのパスタが基本です。だから色も味も濃厚で、クリーム・チーズ系のソースによく合います」。仲田シェフが作ると、家庭的なトラットリア料理もリストランテ並みの完成度。「今後は人材を育てることにも関わっていきたい」という仲田さん。牛ホホ肉の赤ワイン煮、骨付仔羊と自家製サルシッチャのグリルをはじめ、お得意の北イタリア料理を次々に紹介したいと張り切っている。牛ホホ肉の赤ワイン煮込み、根セロリのピューレと黒トリュフ添え¥3,000と、24ヶ月熟成パルマ産生ハムのせ、パルミジャーノクリームソースの自家製タリアテッレ¥2,000(ランチでも選べる)は共に夜のアラカルト。赤ワインは北イタリアのテロルデゴという土着品種を使ったフォラドーリ¥6,000。Trattoria L’astro東京都渋谷区恵比寿1-22-13メゾンド・ペルル1FTEL:03・3446・7998ランチ11:30~14:00LO、ディナー18:00~22:00LO(ドリンクは~22:30LO)日曜休いぬかい・ゆみこレストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。※『anan』2019年1月23日号より。写真・清水奈緒取材、文・犬養裕美子(by anan編集部)
2019年01月21日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『BANDARA LANKA(バンダラ ランカ)』のスリランカランチビュッフェです。ジャックフルーツにバナナの花。見慣れない食材がネームプレートに躍っている。店内の大テーブルには総勢10数種類のカレーやお惣菜がカラフルに並び、スパイシーな香りをふんわりと漂わせている。この幸せな光景に出合えるのは、スリランカ料理店の『バンダラ ランカ』。信濃町にほど近い現代アートギャラリー・アートコンプレックスセンターの1階に昨年10月にオープンし、現在はランチビュッフェとカフェのみの営業をしている。お皿の中心にタイ米とスリランカ米をよそい、その周囲を埋め尽くすように様々なカレーを盛り合わせていく。肉料理はだいたい1種類で食材は野菜がメイン。「スリランカの家庭では野菜のカレーをよく食べるんです。肉がなくても十分においしいですから」と、オーナーのバンダラさん。毎日食べても体に優しいカレーがバンダラ ランカの基本だ。とはいえきっちり辛味は効かせたり、モルディヴフィッシュやココナッツミルクを多用し、現地ならではの味わいを舌に広げていくお料理は見事。シェフはキャンディの名門ホテルで腕をふるってきた経験を持ち、「ホテルならではの技術と家庭的な優しさが溶けあった、珍しいけれど安心する味」を目指しているのだそう。食後のセイロンティーとデザートを食べ終わる頃には、じんわりと胃が温まっている。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。ランチビュッフェ(90分¥1,800、土・日・祝日は¥2,000)は紅茶とデザートつき。「全種類を盛り、すべてをよく混ぜながら食べると香りが複雑になり、一層おいしくなります」と、バンダラさん。BANDARA LANKA東京都新宿区大京町12‐9アートコンプレックスセンター1FTEL:03・6883・9607ランチ11:00~15:00、ティータイム15:00~17:00、ディナー17:00~21:30(予定)月曜休※『anan』2019年1月16日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2019年01月14日スイーツライターのchicoさんがおススメのスイーツをを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『Megan‐bar & patisserie(ミーガン バー&パティスリー)』の焼き菓子です。フランスのカヌレやイタリアのパンナコッタに、アメリカンなベイクも盛りだくさん。そしてシグネチャーはメキシコのミルキーなケーキ、「トレス・レチェ」!国境をこえてお菓子が並ぶ『Megan bar & patisserie』のショーケースを前にしたら、誰だって目移りしてしまう。気鋭のパティシエチーム「タンジェント」とコラボして生むお菓子は、トラディショナルでシンプル。国にはこだわらないがおいしさへの工夫は抜かりない。カヌレはラム酒とバニラの香りが溢れるほどたっぷりで、しっとりしたパウンドケーキは、発酵バターの旨味が優しくも力強い。さらに、「クラシカルなお菓子にもミーガンらしいテイストを忍ばせています」とペストリーシェフ。エンガディーナはとりわけユニーク。くるみと柔らかなキャラメルをクッキー生地で包んだスイスの伝統菓子で、日本のパティスリーでもわりと見るけど、カルダモンを効かせるのがミーガンスタイル。しかもこのカルダモン、店内でホールから挽いているから、わきたつ香りがなんとも鮮やか。さくほろ、ねっとりと賑やかな口当たりの中で、チャイにも似たエキゾチックなアロマに包まれる。素朴でいてあか抜けている、遊びのきいたクラシックをあれこれ楽しんで。左から「カヌレ」各¥300、「発酵バターのパウンドケーキ」各¥400、「エンガディーナ」各¥350。小麦粉はすべて北海道産。国産ならではのしっとりもっちりした食感もおいしい要素。(価格はすべて税込み)Megan‐bar & patisserie東京都渋谷区東1‐29‐3SHIBUYA BRIDGE B棟1FTEL:03・5962・76488:00~23:30LO(日・祝日~17:00パティスリーは10:00~18:00、日・祝日~17:00)不定休チコスイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子取材、文・chico(by anan編集部)
2019年01月04日「V6」50枚目となるダブルAサイドシングル「Super Powers/Right Now」から、「Right Now」のMVが公開された。清水翔太が作詞作曲、そして編曲までを手掛けた新曲「Right Now」は、「俺」という一人称を使った男性目線のストレートな歌詞で、恋愛の駆け引きを描いた“大人のラブソング”だ。トラップ的なビートを効かせ、ダークでセクシーな一曲に仕上がっている。完成したMVでは、いまの彼らだからこそ出せる、オトナな魅力を放出。ダンスシーンと1つの同じシーンを6つの異なったシチュエーションで撮影し、編集効果を使い、空間を立体的にとらえ、ギミックの利いた映像となっている。今回楽曲提供した清水さんは「子どもの頃からいつもテレビで見ていたスター達が自分の作ったトラックで踊り自分の書いたメロディーや詩を歌っていると思うととても幸せですし、子どもの頃の自分に自慢したいです」とこの機会を喜び、「僕なりに彼らをより格好良く魅せる作品を考えて作りました。是非とも、沢山の方の元に届けば幸いです」とコメントを寄せている。なお、NEWシングルには、TVアニメ「ONE PIECE」の主題歌「Super Powers」がダブルAサイドとして収録。CD通常盤の初回仕様のスリーブジャケットには、麦わらの一味と「V6」のメンバーが描き下ろされており、早くも話題に。そして、通常盤にのみ収録されるカップリング曲は、「20th Century」、「Coming Century」のそれぞれの楽曲が収録される。「Super Powers/Right Now」は2019年1月16日(水)リリース。(cinemacafe.net)
2018年12月25日ギフトコンシェルジュ・真野知子さんの「おいしいギフト」。今回ご紹介するのは、『Made in ピエール・エルメ 丸の内』のグロッサリーです。日本をこよなく愛するフランスのパティシエ、ピエール・エルメ氏による『Made in ピエール・エルメ 丸の内』がオープンした。エルメ氏が選りすぐった日本の素晴らしいものを世界へ発信するというコンセプトショップだ。店内は瓶詰やジュースなど商品がズラリと並ぶ圧巻のディスプレイ。スイーツはもちろん、ロゴ入りのキッチン雑貨やTシャツなどファッションアイテムまで揃う。ギフトにぴったりだと思ったのは生産者とコラボレーションしたドレッシングやピクルスなどのグロッサリーシリーズ。ドレッシングは高知県のイタリアン『グラッツェミーレ』から。“野菜で野菜を食べる”をコンセプトにした手作りで、私好みはトマト ドレッシング。トマト、人参、セロリ、玉ねぎにわずかなオリーブオイルや醤油などを加えた濃厚な味わい。サラダにかけると野菜の味に深みが増す。ピクルスは愛媛県『グッドモーニングファーム』とのコラボ。愛媛の野菜を使用し、どれも優しい酸味。愛知県の『デイリーファーム』のマヨネーズには、刻んだピクルスを混ぜ合わせてタルタルソースにアレンジ、なんてペアリングもおすすめ。スイーツの巨匠が厳選したスイーツではない品たち。ちょっと気になりますよね。東京みやげにいかが?右から、トマト ドレッシング¥600、愛媛野菜のミックスピクルス¥1,200、トマトタルタルミックスピクルス¥1,200、マヨネーズ¥900(いずれも数量限定)。Made in ピエール・エルメ 丸の内カフェがあり、イスパハンのマフィンをはじめとする焼き菓子、こだわりの食材を使用した週替わりのサンドイッチやお弁当も揃う。テイクアウトもOK 。東京都千代田区丸の内3-2-3二重橋スクエア1FTEL:03・3215・662210:00~22:00不定休まの・ともこギフトコンシェルジュ。手土産など日常的なギフトからハレの日まで多彩なシーンに合わせたギフトをセレクト。※『anan』2018年12月26日号より。写真・清水奈緒スタイリスト・中根美和子文・真野知子(by anan編集部)
2018年12月19日