JTBグループで福利厚生のアウトソーシングサービスを提供するJTBベネフィットは9月16日、京セラと日本予防医学協会が同日発表した生活習慣改善支援サービス「デイリーサポート」のパートナー企業として、同サービスの継続的利用に向け、JTBベネフィットが提供するポイント交換サービス「サンクスコレクト」と連携していくことを発表した。デイリーサポートは、スマートフォンとウェアラブルデバイスを用いて、日々の生活データを取得し、生活習慣の改善を支援するサービス。一方のサンクスコレクトは、さまざまな目的に併せて従業員や販売代理店、自社の顧客などの対象者に対して、報奨(インセンティブ)としてのポイント付与を提供するもので、対象者は貯まったポイントを、約1万点のサービスや商品へ交換することができる。なおJTBベネフィットでは、今後はポイント交換サービスに加え、同社の事業の柱である福利厚生サービスとも連携し、リフレッシュやスポーツ・旅行などの実際の健康増進の場そのものも提供していきたいとしている。
2015年09月16日ロシュ・ダイアグノスティックスは9月16日、京セラと日本予防医学協会が同日発表した生活習慣改善支援サービス「デイリーサポート」のパートナー企業として、POCT(Point of care testing:臨床現場即時検査)生化学分析装置「コバス b 101」を用いた血液データ管理における提携を2015年秋より開始すると発表した。デイリーサポートは、スマートフォンとウェアラブルデバイスを用いて、日々の生活データを取得し、生活習慣の改善を支援するサービス。同分析装置は、HbA1cと脂質を1台で測定可能であり、同サービスと連携することで、血液データの情報管理を可能とする。具体的には、サービスを活用しているユーザーが企業内診療所などに設置された同分析装置で血液測定を行った結果が出力された用紙に印刷されたQRコードを専用アプリにアップロードすることで、保健師などから得られる健康指導の一助とすることなどが可能となる。なお、同社では、今回の提携により、健康保険組合などを通じた保健指導など、予防医療での幅広い活用が期待できるようになるとしており、生活習慣病予備軍の早期発見や予防意識の改善・向上などにつなげていければ、とコメントしている。
2015年09月16日京セラと日本予防医学協会は9月16日、スマートフォン(スマホ)とウェアラブルデバイスを連動させることで、継続的に生活習慣の改善をサポートする生活習慣改善支援サービス「デイリーサポート」の提供を2015年秋より、日本予防医学協会を通じて、健康経営を目指す企業や健康保険組合、ヘルスケアサービス事業者などに提供すると発表した。日本の国民医療費は年々増加しており、2014年度は年間で約40兆円となった。医療費が高騰していく大きな要因として、歯科を除いた医療費の約3割を占める生活習慣病の存在が挙げられる。この生活習慣病に関しては、要介護者の約7割に生活習慣/生活習慣病が関与しているとも言われており、医療費の抑制などの観点からも、生活習慣の見直しによる健康増進に期待が高まっている。また、政府としても厚生労働省が「データヘルス計画」を、経済産業省が「健康経営銘柄」を打ち出すなど、効果的な保険事業の実施が健康保険組合(健保組合)や企業に求めるといった動きが出てきており、今回のサービスは、そうした施策を意識した健保組合や企業をターゲットとして提供されるものとなる。日本予防医学協会の専務理事を務める村瀬孔一氏は「従業員の健康への配慮を、単に福利厚生の面から取り扱うのではなく、従業員の士気や生産性を高め、ひいては経営面にもメリットをもたらすものとして、健康管理を経営的視点から戦略的に進めていく、いわゆる健康経営の視点が重要となる」とし、新たな企業価値の1つの側面として、従業員の健康が重要な意味を持っていくであろうとした。同サービスのコンセプトは「健康管理のために自分で機器を購入して、データを収集し、健康管理を行っていく人のみならず、そういったことを意識していない人も手軽に利用できるもの」というものが掲げられており、京セラとしては今後、進化をしていく予定としているが、第一弾のサービスとして今回、継続的に毎日の生活習慣を把握することを目指し、活動量を自動でチェックしてくれるウェアラブルデバイス「TSUC(ツック)」、TSUCからのデータなどを収集してくれるiPhone/Androidスマホ向けアプリ、そしてユーザーの健康についてアドバイスを行う企業や健保組合などの保健師などに向けたWebサイトの3種類が提供される。TSUCは、白、黒、ライトグリーン、赤、ピンクの5色が用意されており生活防水仕様となっている。機能としては、加速度センサと気圧センサが搭載されており、それらを低消費マイコンで管理し、スマホとはBluetoothで通信を行う。データとしては、歩いているとか走っている、乗り物に乗っているといった状態を検出して得られる、歩数カウントや消費カロリーといったものが記録される。駆動はボタン電池で約4カ月間となっており、Bluetoothのスイッチをオフにしていても、活動記録そのものは蓄積されていく。一方アプリについては、24時間の行動履歴グラフを中心に、企業や加入健保組合の内部などで見たユーザーの成績順位、歩数の目標と実際の比較などが表示されるほか、食事や睡眠、活動なども入力も可能で、食事アプリ「デイリーダイエット」、睡眠アプリ「デイリースリープ」、内臓脂肪推定アプリ「デイリースキャン」などもセットで提供される。デイリーダイエットは、食事時間を生活習慣として記録するアプリで、食事の食べ始め、食べ終わりの時間の記録のほか、食事の写真を撮影すると、自動で画像解析する機能を用いて、摂取カロリーの計算、分析、行事などを行ってくれるというものとなっている。このカロリーはあくまで目安であり、精度が不十分と思われる場合などは、メニューや履歴などを含めて手修正を行うことで、精度を向上させることも可能だ。2つ目のデイリースリープは、睡眠中の身体の動きと目覚めの状態を検知して、眠りの質を判別することを可能とするアプリ。何時に寝て、睡眠の深さの度合いはどうか、起きたときの状態はどうか、といったことを知ることができる。そして3つ目のデイリースキャンは内臓脂肪を推定するアプリ。スマホを8秒間かけて、へそ部分から、背中にかけて身体に当てつつ半回転させるだけで、自分の内臓脂肪がどの程度か、という目安を知ることができる。仕組みとしては、実際に超音波や電磁波をスマホから出して解析しているわけではなく、スマホに搭載されたジャイロセンサで腹囲の形状を測定し、日本医学予防協会の協力を得て開発した内臓脂肪面積の推定アルゴリズムと、画像データベースを元に、実測値から内臓脂肪面積を推定し、画像データベースから最適な画像を選択して表示するといったものとなっている。3つ目のサービスである支援者(保健師など)向けWebサイトは、基本的にユーザーには自己の活動内容に合わせたアドバイスが自動で届く仕組みを採用している(自動学習機能を有しており、ユーザーの行動パターンなどを学習し、よりマッチしたアドバイスをしてくれる仕組みを採用している)が、保健師などが実際にユーザーの各種の活動状況をチェックすることも可能であり、評価が悪いユーザーに対して、個別にメッセージを送ることで、より健康な生活の実現に向けた支援ができるようになっている。なお、デイリーサポートはオープンプラットフォームとして展開していくとしており、すでにロシュ・ダイアグノスティックと提携し、血液データ管理サービスを提供していくことが決定しているほか、JTBベネフィットが、同サービスを楽しく、継続的に利用してもらうために、ポイント交換サービス「サンクスコレクト」との連携を行っていく予定としている。またサービスの価格としては、TSUCの標準販売価格が7000円、サービスそのものの標準販売価格は月額で600円を予定しており、当面の目標として、100万人の加入を目指すとしている。
2015年09月16日現在、日本では約2割の人が交代制勤務に従事しています。そんななか、ある実験で交代勤務従事者のうち62.8%もの人が睡眠障害の傾向にあるという結果が出ました。このような交代勤務睡眠障害を改善するには、どうすればよいのでしょうか?交代勤務睡眠障害とは交代勤務睡眠障害とは、夜勤や深夜勤など、日によって働く時間帯が大きく変わる環境で勤務している人々に起こる睡眠障害です。典型的な例として、夜勤明けの早朝や午前中に眠ろうとしてもなかなか寝つけなかったり、熟睡できずに何度も目が覚めてしまったりといった不眠の症状があります。さらに、しっかりと眠っていないために起床後も体の疲れが残っているように感じ、頭がぼんやりして仕事に集中できないという症状もみられます。これらの原因は、生体の自然なリズムと勤務時間との間に生じるズレにあると言います。体のリズムと合わない勤務形態交代勤務睡眠障害の具体的な原因は、眠りに重要な深部体温リズムや、一部ホルモンの分泌リズムが、夜勤などの時間帯と同調しにくくなることだと言われます。深い眠りに導くための体内リズムと眠る時間帯が合わないために、睡眠障害が起こりやすくなってしまうのです。改善するための手っ取り早い方法は、「一定の生活リズムが見込める職業への転職」になるかもしれません。しかし、実際に転職に踏み切るというのはそう簡単にできないものです。もしかすると、このような状況から改善を諦めている方も多いのでないでしょうか?しかし、ここで諦めてしまえば、体調の悪化が加速しさらなる障害が予想されます。きちんとした解決方法を理解して、改善を目指しましょう。睡眠障害を改善して質のよい眠りを手に入れるには交代勤務睡眠障害を改善するためには、一般的な睡眠リズムに近づけるとよいとされています。例えば、日中に眠る場合、できるだけ夜に近い環境を作ってみてください。日中は夜にくらべると明るさや物音など眠りを妨げる要素が多く、どうしても寝つきが悪くなってしまいます。遮光カーテンや耳栓などのアイテムを用いれば、快適な睡眠を得られる可能性が高まるので、取り組んでみてはいかがでしょうか。このように、交代勤務でも睡眠の質を上げることは可能なので、ここで紹介した改善策をぜひ参考にしてみてください。睡眠の質を上げて元気に働き、ぐっすり眠ってメリハリのある生活を送るようにしましょう。photo by pixabay
2015年09月13日お得な睡眠、損な睡眠――そんなものが本当にあるのか? 調べてみると、バッチリありました。もしかしたら、不眠症の人に限らず、誰しもが知らないうちに「損な睡眠」をしているかもしれません。どうしたら「お得な睡眠」に変えられるのでしょうか?不眠症改善につながる?何ごとも適切な時間帯がある人には「眠りにつきやすい時間帯」と「覚醒しやすい時間帯」が備わっているといわれています。たとえば、普段夜0時に寝る人の場合、眠りにつきやすい時間帯:0~6時頃覚醒しやすい時間帯:20~22時頃となるのだそう。「早く寝なくちゃ!」という強迫観念からか、脳がまだ眠る準備に入っていない20時前に睡眠薬を服用して、なんとか眠ろうとする不眠症の方がたくさんいるといわれています。いつは覚醒しやすい時間帯にいくら寝ようとしても、なかなか寝付けなかったり、途中で何回も目が覚めてしまったり、睡眠薬が効きにくかったりと、非効率な眠りにしかならないそうなんです。どうして効率が悪くなるの?私たちの体のなかでは、「覚醒しやすい時間帯」に交感神経が優位に働いています。交感神経は活動系の作用、副交感神経はリラックス系の作用を担っているため、どちらが優位に働いているかでそのときの行動や感情が大きく左右されるといわれているのです。つまり、交感神経が優位に働いている時間帯に寝ようとするのは、効率の悪い睡眠方法ということ。脳や体が進もうとしている方向とは、反対の状態にもっていこうとしているのだから、当然の話ですよね。この眠りにつきやすい時間帯、覚醒しやすい時間帯は、普段何時に寝るかで変わってきます。先ほどの例は、夜0時に寝付く人のパターン。普段もう少し早く寝る人は、全体的に前倒しになり、入眠しやすい時間帯も早くなり生活サイクルに合った時間になります。週末の寝だめに注意!最後にひとつ注意していただきたいことをご紹介します。それは、週末の寝だめ。平日に朝型の生活をし睡眠サイクルを前倒しパターンに整えたとしても、週末に寝だめをしてしまうと、そのリズムが崩れてしまうのだそうです。そうならないためには、週末も同じリズムで生活するのがベスト。とはいえ、週末もう少し寝たいという方もいますよね。その場合は、遅起きするよりも、昼寝を取り入れるほうが、睡眠バランスへの影響が小さくてすむのでおすすめです。眠れないときは体が眠ろうとしていない。そのときに寝ようとすることは効率が悪い、週末は寝だめより昼寝。この3つを覚えておくだけで、快適な睡眠を手に入れられるかもしれませんね!photoby pixabay
2015年09月05日過労死問題が取り沙汰されるようになり、亡くなった方の睡眠時間も注目されることが多くなりました。睡眠不足は倦怠感を生みますから、モチベーションのダウンにもつながりかねません。こうした睡眠問題の改善のために、部下の家庭での過ごし方について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。よく眠れる家庭とは?笑顔のあふれる食卓で食事を楽しみ、子どもと一緒に遊んだり入浴したりする時間をとって、夫婦揃って早めの時間に就寝する。そんな家庭では、自然と「健康的な食事・適度な運動・リラックスした入浴・早めの就寝」という眠りやすい環境ができあがります。家族とコミュニケーションをとることが、良質な睡眠につながるのです。家族との団らんが少なく、スマートフォンを片時も離さず操作し、絶えずテレビやパソコンなどを見つめ続けている方もいるのではないでしょうか?画面を見続けたあとに布団に入っても脳は光の刺激で活性化したままで、時間が遅いにもかかわらずなかなか眠れなくなってしまうこともあります。部下と家族の関係を改善させようこうした状況を踏まえて、管理職の方は、家族関係の向上を目的とした対話型セッションやゲーム、ロールプレイなどを取り入れ、部下の家族に対する接し方の改善を目指してみましょう。家庭内で起こりうるトラブルの芽を発見した際、どういった対応をすべきかを改めて考え直すことで、実際にそうしたケースに当たったときの心構えができます。また、部下が家庭で居心地が悪くならないような働かせ方についても学びましょう。具体的には、家族行事を理由とした有給をとりやすい環境を作ったり、極力残業しない体制作りをしたりといったことが挙げられます。実際に睡眠不足改善に役立つの?アメリカのペンシルベニア州立大学を中心とした研究グループが行った実験では、管理職や従業員に対し、家族を支援する職場になるように変えていったところ、指導を行ったグループの睡眠時間の平均は、それ以外の人の平均と比べて8分長いという結果が出たそうです。大きな差ではありませんが、睡眠時間の長さに加え、ストレスなく眠ることができるので睡眠の質の向上も期待できます。その結果、業務効率の改善に役立つ可能性は十分あると言えるのではないでしょうか。良好な家族関係というのは、一見、睡眠不足とは関係がないようにも思えます。しかし、居心地のいい家庭環境を整えることは、ストレスフリーにつながり、よりよい睡眠の実現へと結びついていくのです。部下が気持ちよく仕事ができる環境を作るためにも、管理職の方はぜひ意識してみましょう。photo by pixabay
2015年08月31日『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』(古川武士著、大和書房)の著者は、「習慣化コンサルタント」としてさまざまな生活習慣を提案してきた人物。これまでにも数々のベストセラーを生み出してきましたが、今回は「早起き」をテーマに掲げているわけです。■1ヶ月9時間睡眠して得られた効果でも人間は本来、何時間眠ればいいのでしょうか?この問題を掘り下げるにあたり、著者はおもしろい試みを行っています。睡眠の重要性を実験によって立証するため、「寝尽くす!」を目標に掲げ、1ヶ月ほど9時間睡眠に挑戦したというのです。具体的には、21時に寝て6時に起きたのだといいます。その結果、実感したのは次のこと。まず仕事面でいえば、集中力が劇的にアップ。通常3時間かかっていた仕事が半分の時間で終わり、気の重い仕事もどんどん片づいていったそうです。睡眠によって脳のエネルギーが満ちあふれているため、苦痛を感じないということ。■「睡眠負債」はためない方がいいまた、本を書いたり、教育コンテンツを開発したりといった創造活動が多いだけに、想像力が飛躍的に高まったことも実感できたのだとか。寝不足が続き「睡眠負債」がたまった状態だと、2~3時間かかっても決断できなかったにもかかわらず、スキマ時間だけで重要な仕事を終わらせることができるようになったのだといいます。そして著者が寝尽くすことによって感じた最大のメリットは、日中まったく睡魔と戦う必要がなくなったこと。それどころか、1日では使い切れないほどのエネルギーが充電されるのだそうです。そして痛感したのは、起きている間は幸福を感じられる生活が続き、逆に睡眠負債を抱えている状態がいかに苦痛かということ。もちろん、通常のビジネスパーソンにとって、9時間睡眠をとることはなかなか困難。著者はそのことも理解していて、7時間眠れば充分だと結論づけています。■生活習慣全体を最適化するべし!でも、睡眠時間を確保するために、仕事から帰って寝るだけの生活では毎日を楽しめません。だからこそ必要なのは、生活習慣全体を「最適なもの」にすること。たとえば著者の場合は、「塑造製の発揮」と「起きているときの集中力」という観点から、高い睡眠の質を保ちながら現在は8時間眠っているのだといいます。いろいろ試した結果、最終的に8時間睡眠がベストだと判断したのです。つまり同じように「からだの声」を聞きながら、睡眠の適量を判断すればいいということです。*早起きは手段であり、その目的は理想の生活習慣。著者のこのことばには、学ぶべきものが多いと言えるのではないでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※古川武士(2015)『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』大和書房
2015年08月26日仕事で残業が多いと、どうしても睡眠時間がバラついてしまうものです。その結果、睡眠不足で作業効率が悪くなってしまい、仕事に支障を来すといった悪循環に。そんな方にオススメなのがアンカースリープという眠り方。この眠り方を取り入れれば、不規則な生活を改善できるかもしれません。睡眠時間を確保できるアンカースリープ!「いかりを下ろして眠る」という意味を持つアンカースリープ。これは、自分に必要な睡眠時間の半分を深夜12~早朝4時の決まった時間(コアタイム)に必ず眠り、不足した時間はほかで補う方法です。たとえば、皆さんが必要とする睡眠時間が8時間だとすれば、アンカースリープとして4時間の睡眠をコアタイムに必ずとります。残りの4時間の睡眠は、お昼や夕方など、空いている時間に確保するようにします。日常生活に取り入れると、どれだけ不規則な生活であっても一定の睡眠リズムは確保されるようになるため、身体機能の低下を最小限に留めることができます。ただ、コアタイムの入眠時間と起床時間がバラつくと効果が得られないので、この点には気をつけてください。デメリットも考慮した上で最終手段として取り入れる睡眠時間を規則正しくするアンカースリープですが、一方でデメリットもあります。それは、体に負担がかかることです。アンカースリープの効果は、あくまで身体機能の低下を最小限に留めるだけであり、疲労は毎日蓄積されていきます。さらに、コアタイムでは人間にとって必要な睡眠時間の半分しか眠らないので、睡眠不足になってしまうのは否めません。ですから、仕事上の締め切り日が近い、病人の看護で目が離せないなどきちんとした理由があって、まとまった睡眠がとれない時に行う最終手段だと考えましょう。最長で2週間程度にして、休日にはきちんとコアタイムにまとまった睡眠をとるように心がけてください。不規則な睡眠時間よりは負担を減らすことができるアンカースリープは、忙しいときの不規則な睡眠時間を安定させますが、そのプロセスで体に負担を与えてしまいます。つまり、大きなメリットがある半面、デメリットもある諸刃の剣ということです。あくまでリズム調整のために用いる、一つの手段として考えておいたほうがいいでしょう。「じゃあ睡眠時間が不規則なのとそう変わらないのでは?」と思う方もいると思いますが、やはり不規則な睡眠時間が続くほうが、体にかかる負担は大きくなってしまいます。健康的で充実した生活を手に入れるためにも、睡眠時間に悩みを抱えている方は、アンカースリープ度試してみてはいかがでしょうか?photo by pixabay
2015年08月26日働く女性は、家に帰っても家事や育児に追われたりして、なかなかゆっくりできないもの。あれもこれもとやるべきことが重なって、知らないうちに睡眠時間を削ってしまうことも。そんな女性たちのワークライフバランスを充実させるには、どうすればよいのでしょうか?女性のワークライフバランスの充実に睡眠時間の確保は不可欠株式会社ナガセ・ビューティケァが2013年に行ったアンケートによると、働く女性ができるだけ時間を割きたいと心がけていることは『睡眠』でありながら、時間を取りたくてもなかなか取れないものも『睡眠』だったという結果が出ています。女性の社会進出が加速する日本では、このような女性たちは珍しくなくなってきています。ビジネスとプライベートの両立はいつだって難しいものですが、特に働く女性にとっては大変な時代になっているのかもしれません。それでは、どのように時間を管理すればワークライフバランスが改善できるのでしょうか?なるべく時間をかけたくないことは短縮する働く上で女性が極力時間をかけたくないと感じている対象は『通勤時間』『家事』『接待』だそう。この意見はここ数年変化がないようです。このなかで一番時間を削りやすい項目は、『家事』になるかもしれません。なぜなら、家事代行というサービスが登場しているからです。家事代行とは、時間別に分かれたコースを選択し、自宅で家事を行ってもらうサービスのこと。今、働く女性の間で注目の集まっているサービスで、実際に定期的に利用している人も多いようです。ほかにもスーパーの食材配達や不用品回収など、家事の手間を省けるようなサービスは多くあります。もちろん費用はかかってしまいますが、時間の節約を考えると、ひとつの選択肢として検討してみる価値は十分にあるでしょう。睡眠不足を解消して健康な毎日を産休や介護休暇、育児休暇など。働く女性を支援する制度がずいぶんと充実してきました。しかし、職場環境によっては、まだまだこれらの制度が使いにくかったり、必要な日数をきちんと確保できなかったりするのではないでしょうか。とはいえ、自由時間を確保できずに睡眠時間を削ってしまうと、注意力や判断力が低下し、仕事はもちろん、プライベートにまで影響が及びます。ひどい場合は体調不良を起こしてしまう可能性もあります。元気に働くためにも体は資本。状況が悪化する前に、一度、時間の節約を心がけてみてください。そして、睡眠不足を解消し充実したライフスタイルを目指しましょう。photo by pixabay
2015年08月21日「自分の睡眠データ」を貯めることは、睡眠改善の第一歩。そう主張するのは、『“ぐっすり”の練習ノート』(白濱龍太郎著、実務教育出版)の著者。たとえば「前夜にビールあ杯以上飲んだ翌日の午前中は眠気がひどい」「朝食を和食にした日の夜は寝つきが早い気がする」など、“眠り”について気づいたことを本書の「睡眠ログ」に記録していくことで、自分にとっての快眠の黄金パターンを構築しようという書籍です。実際に記入できる「睡眠ログ」が豊富に掲載されているため、日常生活で多いに役立てることができそう。しかしそれ以前に、「睡眠時間」についてきちんと知っておきたいところではあります。そこできょうは第3章「今夜から始める“ぐっすり”のカイゼンから、睡眠時間に関する記述を引き出してみたいと思います。■最適な睡眠時間は「6時間30分前後」パフォーマンスが最大になる最適睡眠時間は、自分で試行錯誤しながら見つけなければならないのだそうです。たとえば、「23時までに寝る」というような一定のリズムをつくっておく。そこから、睡眠ログを参考にして“黄金の生活パターン”を実行し、翌日にいちばんスッキリする睡眠時間を確認していくわけです。地道な作業ですが、これが自分の最適睡眠時間を見つける唯一の方法なのだそうです。ただし、そうはいってもひとつの目安として意識しておきたいのは、「6時間30分前後」という時間だとか。というのもこれは、人間がもっとも長生きするといわれる睡眠時間なのだそうです。つまり、これだけ寝ておけば、大幅な睡眠不足になる心配はないということ。なお不眠症の方は、逆に「朝起きる時間だけ決める」ことが有効だといいます。なぜなら、きっちり寝る時間を決めてしまうと、かえってストレスになってしまうから。それよりも、眠くなるまで寝室に行かないと決めてしまうのがベストだということです。■毎日最低限の睡眠時間を確保すべきまた、「ショートスリーパーになりたい」という声を聞くことは少なくありませんが、ショートスリーパーになることは、慣れによってある程度は可能だといわれているそうです。とはいえ、傷んだからだを修復するためには、まとまった睡眠をとることが不可欠。それに睡眠不足が続くとネガティブになり、最悪の場合はうつになってしまうこともあるといいますから注意が必要。そうならないためにも、自己管理として最低限の睡眠時間を確保すべきだということです。■“自称不眠症”でも長く眠らなくてOKちなみに、最近では“自称不眠症”の人も増えているのだとか。「昔は8時間眠れたのに、最近は7時間しか眠れない」などと嘆いているような人です。でも成人しているなら、あまり長く眠ることを求めなくても大丈夫だそうです。たとえば70代の方にとっての5時間睡眠は、異常ではないのだそうです。むしろチェックすべきは、「日中の活動に支障があるかどうか」だけだといいます。*睡眠の常識も、その本質はなかなか理解しにくいところ。本書をもとに「睡眠ログ」をつくり、快適な睡眠を心がけてみてはいかがでしょうか?(文/印南敦史)【参考】※白濱龍太郎(2015)『“ぐっすり”の練習ノート』実務教育出版
2015年08月11日睡眠中に呼吸が止まってしまう病気、睡眠時無呼吸症候群。ひどくなると身の危険にもかかわるといわれているこの睡眠障害が、成人の気管支喘息と関係があるということが明らかにされました。その研究結果をご紹介します。睡眠障害と喘息の関係睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のことです。ひどい場合は、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こすこともあると言われています。また、睡眠中に呼吸が止まってしまうため、息苦しくなって夜、目が覚めることが多くなり、その結果、深く眠ることができず、日中の行動に支障が出てくる場合もあります。今年1月に睡眠時無呼吸症候群と気管支ぜんそくの間に、なんらかの関係があるという研究結果が発表されました。調査を行ったアメリカの研究者によると、「喘息にかかることが睡眠時無呼吸症候群を引き起こす危険因子になる」のだそうです。喘息は危険因子になるその研究によると、喘息にかかっている被験者のほうが健常者よりも数年後に睡眠時無呼吸症候群になる確率が高かったいうのです。ただ、「その原因が何か?」というところまではまだわかっていないようで、今後の研究でそのメカニズムが明らかになることに期待が集まっています。睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに症状がみられる病気なので、自分では気がつきにくいと言われています。そのため、家族など、自分以外の人に「寝ているときの呼吸がおかしい」「いびきが突然止まる」などと言われて、初めて病院にかかり睡眠時無呼吸症候群と診断されたという人も多いようです。睡眠時無呼吸症候群がもたらす危険睡眠時無呼吸症候群の人には下記のような症状が見られるそうなので、自分は大丈夫と思っている人も一度チェックしてみましょう。・睡眠中に呼吸が止まる・いつもいびきをかいている・よく夜中に目が覚める・よく寝汗をかく・起床時に熟睡感がない・日中に眠気やだるさを感じる睡眠時無呼吸症候群で怖いのは、本人に「熟睡できていない」という自覚がないことです。特に自覚のないまま日中を過ごしていることがあるので、昼間に眠気に襲われたり、集中力をかいて思わぬ事故を起こす可能性があります。実際に、睡眠時無呼吸症候群の患者は交通事故を起こす率が高いという報告もあるようです。周囲から指摘されたり、上の項目で当てはまる点が多い場合は、一度、お医者さんに相談してみたほうがよいかもしれません。photo by Lisa Marie Cannon
2015年08月09日睡眠が翌日の仕事に影響しているという感覚をもっているビジネスマンはたくさんいると思います。それは、アスリートにとっても同様で、パフォーマンスを高めるために、睡眠の質をいかに上げるかは重要なテーマ。そこで一流アスリートが実践していることをご紹介します。睡眠がパフォーマンスに直結一流のアスリートほど睡眠にこだわっているという記事をよく見かけます。それもそのはずで、睡眠の質を高めることは翌日のパフォーマンスを高めることに直結しているからです。みなさんも睡眠不足の状態で頭がボーッとして働かず、仕事でケアレスミスを連発したなんていう経験がありませんか? 脳は睡眠中に昼間に受けたダメージを修復したり、ネガティブな記憶を削除したりと、翌日からフル回転できるように「必要な休息」をとっているといわれています。睡眠不足であったり、睡眠の質が低かったりすることは、脳が前日の疲れをそのまま引きずっている状態に他なりません。これでは最高のパフォーマンスができるわけありませんよね。良質な睡眠をとるコツ良質な睡眠を手に入れるためにはどうしたらよいのでしょうか? ある一流アスリートが実践している取り組みはとてもシンプルなものでした。ポイントは3つあります。1.規則正しい生活を送ること(リズムを乱さないこと)2.1日3食、バランスの良い食事をとること3.運動をすること意外かもしれませんが、一般の人も簡単にできるようなことばかりです。一流アスリートほど「基本を大切にしている」ということなのかもしれません。とはいえ、これらはすぐに実践できるように見えて、継続するのは大変だったりするものです。ビタミンBをとろう!また、一日を気持ちよくスタートし、パフォーマンスを高めるにはスッキリした目覚めも欠かせません。そのためにしっかり摂取したいのはビタミンB。ビタミンBをとることで、覚醒のホルモンが分泌されるのだそうです。ビタミンBが含まれる食品は、胚芽米や玄米、豚肉、レバー、うなぎ、納豆、牛乳、乳製品、卵、バナナ、小麦、ナッツなど。目覚めが悪いという方は、これらの食品を日常的に取り入れることを意識してみるとよいかもしれません。最後に、フルーツは夜ではなく朝に食べたほうがよいそうです。そうすることで、摂取したビタミンが1日中体にいい効果を与えてくれます。photo by pixabay
2015年08月07日ちゃんと夜眠れていますか? 今回は睡眠と精神面の関係をある調査データから見ていきたいと思います。最近は、小中学生でも夜遅くまで起きている子が増えていると言われていますが、それは彼らの精神面にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。睡眠不足の影響力みなさんは自分のことを好きですか? 自分を認める気持ちのことを「自己肯定感」と呼ぶそうですが、文部科学省が小学5年生から高校3年生までを対象に行った睡眠と心身の健康に関する調査では、「睡眠不足の子どもほど自己肯定感が低い」という結果が出ています。「自分のことを好き」と回答した小学生の睡眠状況を見ていくと、「午後9時前に就寝」が最も多く23.2%。就寝時間が遅くなるほど、自己肯定の割合は減っていき、「午後11~午前0時前」と「午前0~1時前」ではそれぞれ約10%と「午後9時前」の半分以下になっていることがわかります。データから見る中学生も同様で「自分のことを好き」と回答した割合は、「午前9時前に就寝」が17.8%、「午後9~10時前」が13.2%、「午後10~11時前」が10.0%、「午後11~午前0時前」が8.6%、「午前0~1時前」が7.9%と、就寝時間が遅くなるにつれて、自己肯定感も下がっていくことが顕著に表れる結果に。また、睡眠時間が短いとイライラする子が増えるという結果も出ているので、睡眠時間と精神面には深い関係があると考えられます。睡眠には、日中にフル回転で働いた脳と体を休ませる役割があるので、寝られないということは、脳と体が前日の疲れを翌日も引きずるということです。睡眠状況をチェックしよう睡眠不足でイライラする、精神的に不安定になるというのは子どもに限ったことではないようです。というのも、睡眠不足がうつ病などに繋がる可能性もあると言われているからです。でも、睡眠不足を自覚している大人はとても少ないのだとか。「自分はちゃんと寝ている」と思っていても、1週間の睡眠時間をチェックしてみると、平均5時間ぐらいしか眠れていなかったなんてこともあるそうですよ。なんだか理由もなくイライラする、自分のことが好きになれない、という方は改めて自分の睡眠状況をチェックしてみると改善できるかもしれませんね。photo by Purple Sherbet Photograp
2015年08月05日第23回日本運動生理学会がこのほど都内で開催され、天然の糖質「パラチノース」に着目した研究のランチョンセミナーが行われた。パラチノースは生活習慣病などの改善に有効とされており、当日はその相乗効果が期待できる研究成果が発表された。○さまざまな分野で注目されるパラチノース「体内でゆっくりと吸収する食べ物のエネルギー」を意味する「スローカロリー」という言葉をご存じだろうか。スローカロリーは血糖値やインスリンが急激に上昇せず、おだやかに吸収されていくため、内臓脂肪が蓄積しにくく、満腹感や満足感が持続するという特徴を持つ。パラチノースもスローカロリーに該当し、優れた機能性甘味料として、医療分野をはじめ、スポーツ分野やダイエット食品などさまざまなものに広く使われ始めている。今回のランチョンセミナーでは、東京慈恵会医科大学 医学部医学科の鈴木政登氏が「糖-脂質代謝に及ぼす一過性パラチノース経口投与の影響およびメタボリックシンドローム危険因子に及ぼす長期投与と運動との併用療法の影響」と題して、その研究成果を講演した。肥満や糖尿病療法の基本となるのは、食事と運動療法にある。これまでの食事療法では、「摂取エネルギー量を制限」することが主だった。しかし、パラチノースがもつ「ゆっくり吸収される」という利点を生かし、単なる供給制限でなく「摂取エネルギーの質」にも着目した摂取による研究が進められている。さらに運動療法と併用することで、メタボリックシンドロームや糖尿病性腎症の抑制が期待されるという。鈴木氏は、健康なラットと糖尿病のラットにパラチノースとスクロース(砂糖)を与えた実験で、どのような違いが現れるかを研究した。○パラチノースは糖尿病などの生活習慣病に効果的エネルギー代謝面において、パラチノースとスクロースでどのような変化があるかを見たところ、健康なラットにおいては有意な差は見られなかった。だが糖尿病のラットでは、スクロースを与えたラットに比べて酸素消費量や糖質消費量、脂質を含むエネルギー消費量が多かった。しかも、運動回復時は安静時よりもより多くのエネルギー消費が認められた。この結果により、健康であればパラチノースは普通の砂糖と同じように体内で作用し、糖尿病などの生活習慣病を抱えている場合には、よりエネルギー消費を促す効果があることが示唆された。次に、長期間パラチノースとスクロースを与えて運動をさせたラットの体の変化を比較した。その結果、パラチノースを与えたラットでは、体重の減少や血糖、インスリンなどの血液値、皮下脂肪量などの改善が確認された。これらの改善も、糖尿病のラットにおいてより顕著に認められた。○糖尿病患者の運動によるリスクの抑制も体重や皮下脂肪の改善などだけではなく、疾病リスクの観点においてもパラチノースは優れたメリットを持っている。上述のように、肥満や糖尿病療法の基本となるのは食事と運動療法で、この2つを併用することで、メタボリックシンドロームも改善される。ただ、運動によって血圧が上昇すると腎臓に負担がかかり、糖尿病性腎症につながるリスクもある。糖尿病性腎症は糖尿病による合併症の一つで、症状が進行すると腎不全になり、人工透析が必要になるリスクもはらんでいる。だが、パラチノースを与えた糖尿病ラットでは、腎症の進行を抑えるメカニズムがある可能性も示唆されたという。鈴木氏は「パラチノースのように生理機能を有する食品を活用することが、健康維持につながる」と語り、今後さらなる研究を進めていくと話した。
2015年08月04日「睡眠の悩みはあるけれど、なぜなのか、どうしたらよいのか分からない」という人に朗報! リラックス法や寝室などの環境づくり、生活習慣の改善ポイントなど、睡眠に関するあらゆるアドバイスが1冊につまったガイドブック『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版)が発売になりました。この本の著者は、ネムジムでもおなじみの快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂先生。先生は、寝具メーカー勤務を経て2003年に独立後、睡眠に関する講演・執筆活動や、コンサルティング、快眠グッズのプロデュースなど多方面で活躍をされています。これまでに1万人の枕のフィッティングに関わり、眠りの悩みを解決してきました。ベッドに入るとすぐに眠れてしまうあなたも注意!眠れないという悩みを持つ人が多い一方で、「自分はベッドに入ったらあっという間に寝てしまう。寝つきがいいから睡眠の悩みとは無縁」と思っている人も多いのではないでしょうか?実はこんな人も要注意!「睡眠不足症候群」といって、睡眠不足による疲労やイライラを日常的に抱えている可能性が高いのです。『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』には、睡眠に関する意外な常識や知られていない豆知識も含まれています。「ノーパン+腹巻きで朝までぐっすり」!? 今晩から実践可能な明快アドバイス「ノーパン+腹巻きで朝までぐっすり」「左の鼻の通りをよくする」など、明快でシンプルなアドバイスは、1万人の眠りの悩みを解決してきた三橋先生ならでは。すぐにでも実践できそう。また、徹夜や不規則な睡眠になってしまう場合の対処法なども書かれていて、「忙しくてなかなか理想的な睡眠がとれない」という人にも役立つ実践型のアドバイスが豊富。「睡眠が変われば、人生が変わる」という考え方も、三橋先生ならでは。不眠の悩みを持つ多くの人に接してきた経験から生まれたもの。睡眠をきちんととることは心身の健康を促すだけでなく、心の成長や意欲を高め人生に充実をもたらすという。眠りによって、多くの人によりよい人生を生きてほしいという三橋先生の愛情も伝わってくる一冊、ぜひ手元において、眠りに悩んだときに参考にしてみては?『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』三橋美穂著(かんき出版/1,512円)Photo by Mishio
2015年07月31日徹夜して仕事をしたというと、とても働き者、デキる人のようなイメージがありますが、本当にそうなのでしょうか? 徹夜で仕事がいつもよりできるようになるのなら、睡眠は不要ということ? 人間以外の生物の睡眠から 、その必要性を見直してみましょう。睡眠は脳をつくる睡眠の研究者の言葉に「睡眠は脳をつくる、脳は睡眠をつくる、睡眠は脳を守り、修復し、賢くする」というものがあります。私たちの脳は、日中の活動で酷使されているため、たくさんのダメージを受けています。そのダメージを修復するために欠かせないのが睡眠です。睡眠をとることで、脳は疲れを癒やし回復することができるのです。人類でたくさん脳を使ったうちのひとりとも言えるアインシュタインは、1日10時間の睡眠をとることを習慣にしていたそうです。常人よりも長く脳に休息を与えなければ修復できないほどに、いつも脳をフル回転させていたのかもしれません。マグロは何時間眠る?一般的に人間には1日7時間程度の睡眠が必要だと言われています。ちなみに、体長が人間と同じぐらいのマグロは1日何時間眠ると思いますか?一説には、マグロの1回の睡眠は約5秒。基本的には夜間の間に昼間よりも動くスピードを落としカロリー消費を抑え、睡眠はほとんどとらないそうです。何分や何時間という単位で寝てしまうと、天敵に襲われる恐れがあります。また、マグロの脳はビー玉程度と非常に小さいので、短時間の睡眠でも十分に休めるのではないかと考えられています。体長がほぼ同じでもこんなに違うだなんて面白いですよね。ハチは睡眠不足が原因で……昆虫のなかにも、睡眠をとる習慣が確認されている種がいます。たとえばカマキリ、ミツバチ、ミバエ、アシナガバチ、ゴキブリなど。これらの昆虫は、実験によって睡眠をとることが証明されているそうです。人間と同様に、ミツバチは睡眠不足のときに、行動に影響が出ると言われています。睡眠不足のミツバチは睡眠をたっぷりとったミツバチにくらべて、道案内の仕方が明らかに異なっていたという実験報告があります。ミツバチも徹夜の状態では正常に頭が働かないのかもしれません。冒頭の研究者の言葉通り「睡眠は脳をつくる」ものというのは、人間だけに当てはまるわけではないようです。私たちも毎日、しっかり睡眠をとって、健康的な生活を心がけましょう。photo by pixabay
2015年07月26日「携帯電話が睡眠の質を下げる」という話を聞いたことはないでしょうか?実は、携帯電話と睡眠については、さまざまな機関で研究が行われていて、携帯電話が睡眠の質を下げるという説も、下げないという説もあるのです。それぞれの内容をご紹介します。携帯電話の電波は睡眠の質とは関係ない?携帯電話の普及が急激に進み、1人1台持っているのが当たり前の時代となりました。実際に、総務省が2014年に発表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成25年度第四四半期(3月末))」によると、携帯電話の普及率は112.5%にもなるそうです。そんななか睡眠不足に悩む人が増加し、「携帯電話の電波が睡眠の質を下げる」という説が浮上しました。そこで、その真相を解明するために、福島県立医科大学神経内科の宇川義一教授を中心にしたグループが調査研究を行いました。その結果、携帯電話の電波が睡眠不足を招くわけではないことが明らかになったのです。これは、携帯電話の電波に焦点を当てた研究なので一概には言えませんが、携帯電話が睡眠の質を下げるという説は一部否定されたことになります。それでもやっぱり睡眠の質低下の原因に?総務省が携帯電話の普及率を発表した同年、厚生労働省は、寝る前の携帯電話の利用に対し、注意喚起を促しました。つまりここでは、携帯電話が睡眠の質を低下させると考えられているのです。実際にアメリカのレンセラー工科大学は「就寝前にバックライトディスプレイを見続けると睡眠の質に支障をきたす」と発表をしています。これは、画面から発せられる光によって、「メラトニン」という生体リズムをコントロールするホルモンが抑制されてしまうからだそう。先ほどご紹介した研究で、携帯の電波には問題がないと分かったものの、後者の研究結果では、就寝前の利用はできるだけ控えたほうがよいということになったのです。携帯電話の利用そのものには問題ない!?携帯電話の電波が睡眠に影響しないと明らかになった一方で、就寝前の利用は睡眠の質を低下させるという報告もあり、どちらを信じればよいのか混乱する人は多いかもしれません。ただ、結論から言えばどちらも真実です。実は、携帯の電波の研究で行われた被験者アンケートでは、「携帯電話の使用時間が長いほど睡眠の質が低下する傾向がある」との結果も示されているのです。つまり、利用時間の長さや時間帯によって睡眠の質は低下する可能性があり、携帯電話の利用そのものが睡眠に影響を及ぼしているわけではないということ。気を付けるべきなのは、長時間利用しないようにすることなのです。あまり気に病んでしまうとストレスがかかり、かえって不眠になる可能性もあるので、使うのをやめるのではなく、できるだけ短時間の利用に抑え、快適な睡眠ライフを送るようにしましょう。photo by pixabay
2015年07月09日まずは質の良い睡眠から! 必要なものは?最近、気持ちよく眠れていますか?質の高い睡眠をとることは心身ともに大事なこと。睡眠の質は、夜に分泌されるメラトニンという脳内物質の量で決まります。メラトニンの材料となるのはセロトニンという物質です。これは日中に運動をすることで効率よく分泌されるといいます。水泳のカロリー消費量はウォーキングの4倍!良質な睡眠に必要な運動は「軽く汗ばむ程度」で十分だそうです。軽い運動といえばウォーキングを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?ただ、これからの季節は気温が高くなり、蒸し暑く、熱中症の心配があるのでウォーキングには注意が必要です。そこでオススメなのが水泳です。1時間当たりのカロリー消費量をウォーキングと比較すると、なんと4倍以上!ダイエットもできて気持ち良く眠れたら一石二鳥ですよね。水泳は血行を良くし、体全体の筋肉をバランスよく使えるうえに、足腰にはほとんど負荷をかけずにできるため、無理せず行うことができるのです。水の中なら汗をかいても気にならないので、これからの季節にもぴったりといえるでしょう。二兎を追って二兎を得る!運動を質の良い睡眠に結びつけるにはタイミングも重要です。午後から夕方にかけて、特に夕食前に運動することで、就寝時間にちょうど体温が下がりだし、眠りにつきやすくなります。また、運動習慣がない人はある人に比べて、夜中に目が覚める可能性が1.3倍になるそうなので、少しずつでも運動する習慣をつけて、深い眠りにつきたいですね。セロトニンは心のバランスを整える物質としても知られているので、運動をすることは精神の安定やストレスの解消にもつながります。“二兎を追って二兎を得る!”この夏は水泳で理想のボディと理想の睡眠、両方を欲張ってみてはいかがでしょうか?参考健康に関する意識調査快眠コンソーシアム
2015年07月01日うっとうしい梅雨の時期は、睡眠をとっても気分がスッキリしないもの。そこで、最適な睡眠時間や、質のよい睡眠のとり方について、ニュースサイト『Inquisitr』の記事を中心に調べてみました。■睡眠時間は7~9時間がベスト米国睡眠医学会と睡眠学会が6月に合同で作成・発表したガイドラインでは、コーヒーなどの刺激物に頼らず活動的に生産性を保つために、最低限7時間の睡眠を勧めています(18~60歳の場合)。また、ここでは「寝不足を解消したいときや病気のときは9時間以上寝てもよい」と、「寝すぎるとかえって身体によくない」という説を否定しています。一方、アメリカの非営利団体・国立睡眠財団が今年2月に発表した研究では、以下のように、睡眠不足も睡眠の取り過ぎもよくないとしています。18~25歳・・・推奨値:7~9時間/不適切:6時間未満/11時間以上26~64歳・・・推奨値:7~9時間/不適切:6時間未満/10時間以上解釈が大きく異なる2つの研究ですが、共通していえるのは、成人にとって最適な睡眠時間は7~9時間ということのようですね。■質の良い睡眠のポイント7つところで睡眠は、長さだけでなく質も大切。では、どうすれば7~9時間の睡眠を質のよいものにできるでしょうか?優良な医療機関として名高いアメリカの総合病院『メイヨー・クリニック』が、質の高い睡眠をとるための7つのポイントをホームページで紹介しています。(1)決まった時間に寝起きする平日や休日も含め、毎日の就寝時間と起床時間を一定に。こうすることで、睡眠のサイクルができ、よく眠れるようになります。ただ、布団に入ったものの眠れない状態が15分以上続いたときは、無理に寝ようとせず、代わりになにかリラックスできることをしましょう。(2)食事に気をつける寝るときは満腹でも空腹でもいけません。胃が不快な状態だと、睡眠が阻害される可能性があります。また、夜中にトイレに目覚めないためにも、就寝前に摂る水分の量にも気をつけましょう。その他、ニコチンやカフェイン、アルコールの量にも注意。(3)就寝前の習慣を作る毎晩、就寝時間に決まったことをすると、からだに「もう寝る時間ですよ」と伝えることができます。ぬるめのお風呂に入ったり、読書をしたり、落ち着く音楽を聴いたり。できれば照明は暗めに。リラックスした時間を過ごすことで、覚醒状態から眠気へとシフトしやすくなります。ただし、テレビやパソコン、スマホを就寝前に使用した場合、睡眠が阻害されるそうなので注意。(4)快適空間をつくる暗くて涼しくて静かな、睡眠に適した空間をつくりましょう。また、快適に眠れるよう枕やマットレスなども自分に合ったものを選んでください。(5)昼寝は控えめにする昼寝をし過ぎると、夜の睡眠に影響が出ます。昼寝は10~30分間とし、午後の遅い時間は避けましょう。(6)定期的に運動をする定期的に運動すると、質のよい睡眠をとれるようになるだけでなく、より早く、より深く眠れるようになります。ただし、夜遅い時間に運動すると覚醒してしまう可能性があります。(7)ストレスを減らすストレスが溜まっていると、質のよい睡眠はとれません。やるべきことや考えるべきことが山積しているなら、なにをすべきか優先順位をつけてみたり、考えていることをノートに書き出したりして整理しましょう。他にも、友人と楽しく話すなど、自分なりのストレス解消法を考えてみてください。英語には“Beauty sleep”という表現があるくらい、睡眠と美容は切っても切れない関係にあります。睡眠時間を削って日々忙しくしている人も、美と健康のために、生活習慣を少し見なおして睡眠時間をつくるようにしてみましょう。(文/松丸さとみ)【参考】※Sleep Study: Experts Settle On The Number Of Hours Adults Should Get To ‘Sustain Health’ With An Added Perk-Inquisitr※Sleep tips: 7 steps to better sleep-Mayo Clinic
2015年06月26日じめっとしてむしっとする嫌な季節になりました。寝苦しい夜が続きますが、きちんと睡眠をとれていますか?私のように寝ても寝ても身体がだるい……という万年疲れを抱えている方も多いかもしれません。良質な睡眠をとるためには一体どうすればよいのでしょうか?「スリープカウンセラー」の資格をお持ちのエアウィーヴ 銀座コア店 店長の奥ノ谷さんにお話をうかがってきました!寝心地をグレードアップするために浅田真央ちゃんや錦織圭くんをはじめ、多くのアスリートから絶大な支持を得ている寝具「エアウィーヴ」。今使っている寝具の上に重ねるだけで寝心地をグレードアップしてくれるそうです!筆者「実際にどんな方が来店されるんですか?やはりご年配の方が多いのでしょうか?」奥ノ谷さん「決してそのようなことはございません。幅広い年齢層の方がいらっしゃいますよ。敷き布団はお安く済ませてその上に重ねるマットにお金をかけるという方が最近では増えています」なるほど!口コミを聞きつけて一人暮らしをする子供のために来店されるお客様もいらっしゃるとか。ユーザーの口コミが、この絶大な人気を支えているようです。良質な睡眠をとるために必要なことって?筆者「実際に使用した方の感想や反応ってどんなものがあるんでしょうか?」奥ノ谷さん「これは実はあまり知られてないことなのですが、睡眠時に行う寝返りは、運動をしているのと同じくらいの身体に負荷がかかっているのです。エアウィーヴは復元性(体重を押し戻す力)が高いので、自然に寝返りを助けて、余分な力を使わないように設計されています。ですから、起きた時に身体がすっきりしている、短い睡眠時間でも爽快感があるという声を多くいただいています。実際わたしもエアウィーヴに変えてから睡眠時間が短くなりました!」なんと驚くべきことに、睡眠時間はとにかく長ければ良いというものではなく、身体に合わない寝具を使用したまま長時間睡眠をとると、逆に身体を疲れさせてしまう場合もあるとのこと。睡眠時間が平均8時間の私の身体が常にだるいのは、これが原因だったようです……!寝るだけで頭が良くなるって!?筆者「最近すごく売れ行きが伸びているようなのですが、一日どのくらい売れているのですか?」 奥ノ谷さん「それは秘密です……!(微笑)でも、とにかく好調です。有名ホテルやアスリート養成施設などにも採用されています。また某有名大学の進学率上位を誇る高校の寮でも使用していただいていて、実際にエアウィーヴを採用する前と後では進学者に差が出たなんて話も聞いています」なんと!寝るだけで翌朝の仕事が嘘みたいにはかどっちゃうなんてこともあるかもしれませんね!これであなたも睡眠美人!正しい寝姿勢を体験してみたせっかくなのでスリープカウンセラーの奥ノ谷店長に、私の睡眠の質をチェックしてもらい、おすすめの寝具を体験してみました!エアウィーヴでは店員さんみなさんがこの資格を持っているそうなので、ぜひ診断してもらってください。さっそく寝てみると……うん、なるほど!沈み込む感じがなく、それでいて突っ張る感じもなく、包み込まれているような感覚。奥ノ谷さん「横から見た時に耳、肩、腰のラインが一直線になっているのが正しい寝姿勢です。ここが曲がっていると疲れたり、女性はむくみの原因にもなったりするので注意が必要です」女性の大敵むくみ!これには睡眠も関わっていたなんて驚きです。毎日の睡眠を良質なものに変えることが美人への近道となります。みなさんも今日から睡眠を見直してみませんか?Photo by GOTA
2015年06月25日「社員の生産性が低い」と悩む経営者は多いのではないでしょうか? その原因は、睡眠不足にあるのかもしれません。実際、日本企業の労働時間は世界とくらべても長く、睡眠時間が確保できていないのが現状。結果、労働生産性が低下しているというデータもあるのです。働いているのに生産性は低いOECD(経済協力開発機構)が2014年に公表した世界の労働平均時間を見ると、日本は加盟26カ国中最長となっており、世界のなかでも労働時間の長い国です。同じくOECDが2012年に公表した労働生産性の統計によると、全加盟国34カ国中21位。労働時間が長いにもかかわらず、生産性が低いのが日本の特徴なのです。そして、この原因のひとつとして考えられるのが睡眠時間の短さです。残業などで労働時間が長くなれば、当然睡眠時間は削られてしまいます。睡眠不足になると、自律神経のバランスが乱れ、心と体に大きな支障が。特にイライラしたり、思い違いをしたりといった精神面への悪影響が出やすく、それが仕事の進捗にも影響する可能性があります。睡眠時間がなぜ生産性に関係するのか?アメリカに睡眠不足が招くリスクを検証した研究があります。その内容は、被験者を4時間・6時間・8時間の睡眠時間に分け、2週間一定のリズムで生活したのちに、ランプがついたらボタンを押す簡単なテストを行うというもの。この結果、4時間睡眠の人は「ふた晩徹夜した状態」、6時間睡眠の人は「ひと晩徹夜した状態」と同様の反応を示したようです。このように、睡眠不足は注意力や判断力を低下させるリスクを備えています。そして、結果としてこれらの機能の低下が、仕事の生産性を低下させている可能性があるンドエス。経営者はこのことを考え、睡眠不足になるような状況を避けなければなりません。フレックスタイム制を導入して生産性を上げようそこで、改善策としておすすめなのが「フレックスタイム制」の導入です。フレックスタイム制とは、総労働時間をあらかじめ決めておき、その枠内で始業・終業時間を社員に委ねる制度です。この制度を導入すれば、社員のプライベートタイムが確保されるため、十分な睡眠時間が得られ、生産性の向上が期待できます。実際、フレックスタイム制の導入率が90.0%と言われるドイツでは、2013年時点で日本より34%も労働生産性が高いというデータが出ています。フレックスタイム制の導入は、睡眠不足の改善に繋がるだけでなく、残業時間を削減できたり社員のモチベーションが上がったりといった効果も期待できます。社員の生産性を高めるためにはとても有効な手段。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。photo by pixabay
2015年06月22日寝言を呟いている人に対して、喋りかけられているのかと思いつい返事をしてしまうことはありませんか? 実は寝言への返事が寝ている人の睡眠の質を下げる原因かもしれないと言われているんです。その理由をご紹介しましょう!なぜ寝言を言ってしまうのか?自分では気づかなくても、実は寝言を発しているという可能性もあります。パートナーや子どもと一緒に眠っているときに、「何か喋ってたよ」と指摘されたことのある方もいるかもしれませんね。寝言を呟くのは子供のほうが多く、大人になるにつれて徐々に減っていき、25歳を過ぎるとほとんどなくなっていきます。寝言を発するのは、眠りが浅いレム睡眠時。夢を見るのもレム睡眠時だと言われていて、この夢に連動して言葉を発することが多いのだそうです。原因は、ストレスや不安などによるものとされていますが、特に原因がない場合もあるため、あまり心配する必要はないでしょう。寝言にも種類がある寝言は、誰でも発するもので全く心配ないと考える方も多いでしょう。しかし実は、寝言にも種類があって病気によって発せられるケースもあるのです。わかりやすいものでは、熱が出たときの寝言。高熱が出ると、寝ながら言葉を発してしまうことがあります。ただしこの場合は、寝言というよりも、意識がもうろうとした中で喋るうわごとに近いものです。深刻なのは、レム睡眠行動障害やナルコレプシーといった症状によるものです。レム睡眠行動障害は、夢で起こっていることを実際に行動に移してしまう症状のこと。そしてナルコレプシーは入眠時に幻覚を見たり金縛りにあったりする症状です。ただの寝言だと思っていても、病気の兆候である可能性もあるため、あまり頻繁に寝言を言っている場合には注意した方がいいでしょう。寝言に返事をしない方がいい理由とは?このように寝言は、病気の兆候である場合と、特にに異常がなく発せられる場合との2種類がありますが、どちらも共通して返事はしない方がいいと言われています。上でも紹介したように、寝言が起こるのはレム睡眠時……つまり、眠りが浅い状態のときです。レム睡眠時は外からの音を無意識的に聞いているため、返事をすることで眠りを妨げてしまう可能性があります。さらに、こちらから喋りかけて寝言を誘発すると、どんどん睡眠の質を下げてしまいかねません。寝言が聞こえると、つい返事をしたくなってしまいますが、そこは放置してあげるのが優しさ。相手の健康のためにもそっとしておき、ぐっすりと眠らせてあげましょう。photo by Quinn Dombrowski
2015年06月19日十分な睡眠をとっているのに、日中ひどく眠くなってしまい、大事な会議に集中できなかったり、仕事中にうっかりうたた寝をしてしまったりしたことはありませんか?睡眠時間はしっかり確保しているのにどうしてだろうって思いますよね。実はこれ、寝ていても寝不足を招く、睡眠時無呼吸症候群という恐ろしい病気にかかっている可能性があるのです。いったい、睡眠時無呼吸症候群とはどのようなものなのでしょうか。睡眠時無呼吸症候群の症状と原因睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まったり、低呼吸を起こしたりする病気です。睡眠中に起こる頻度は高く、本人も気づかないうちに重度の寝不足状態を招いてしまいます。日中の眠気だけではなく、集中力の低下や疲れの蓄積、高血圧に心疾患などの突然死にも繋がってしまう可能性もあります。肥満型の人や中年男性に多く見られ、激しいいびきとともに10秒以上の呼吸停止を繰り返す特徴があります。睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、睡眠中に筋肉が緩み、舌の後方1/3部分にあたる舌根部を下げ、気道を塞いでしまうことです。気道の塞がりはいびきの誘発に繋がるため、この病気はいびきを伴うことが多いようです。呼吸が止まって突然死!?オンディーヌの呪い現在、日本人の1/4(潜在患者を含む)が睡眠時無呼吸症候群に該当する可能性があると言われています。実はこの病気、睡眠時無呼吸という病名が一般に広がる前から、ヨーロッパでは「オンディーヌの呪い」と称され、睡眠中に呼吸が止まって突然死する危険性が示唆されていました。由来は、オンディーヌの物語からです。『水の精オンディーヌは、ハンサムな若者ハンスに恋をしてしまう。愛が真実でなくなったとき、相手の生命を奪い、自分の記憶も奪われるという約束のもと、不死の命と引き換えに人間になったオンディーヌ。2人は結ばれ、仲睦まじく暮らすが、次第にハンスは他の女に目移りするようになる。ある日、いびきとともに、あられもない格好で他の女性を腕に抱いた夫の姿を発見する。オンディーヌは怒りに震え、裏切り者に呪いの言葉を吐く。「もしあなたが再び眠ることがあれば、あなたの息は奪われるだろう」と。』この伝説から、「オンディーヌの呪い」という言い方が使われるようになりました。高いいびきといい、ハンスが中年男性であることといい、この病気の特徴をよく捉えていますね。呪いを回避するには‥‥‥睡眠時無呼吸症候群は危険な病気です。この病気を回避するには、自身に症状がでているかどうか確かめることが大切です。十分な睡眠をとっているにもかかわらず、昼間に強い睡魔や疲れを感じることが続く場合、家族や友人に睡眠を確認してみてもらい、激しいいびきや呼吸の停止が見つかった場合は、お医者さんに相談しましょう。オンディーヌの呪いにかからぬよう真実の愛を貫くことも大事ですが、真実を診断してもらうこともまた、大切ではないでしょうか。参考『人はなぜ眠れないのか』著:岡田尊司幻冬舎新書
2015年06月16日今回は「睡眠コンサルティング」を事業として行っている、ビオスピクシス株式会社におじゃまします。睡眠を数値によって分析することで、健康維持のための基準として役立てることができるそうです。なんだか興味深いですね。-今回、お話を聞くのは、ビオスピクシス株式会社代表取締役の仙波修さんです。本日はよろしくお願いいたします。仙波さん:よろしくお願いいたします。-さっそくですが、御社の睡眠の分析事業について、くわしく伺ってもよろしいですか?はい。ビオスピクシスは2009年に設立されました。ビオスピクシスのコンセプトは、より健康的な生活を送れる指標を、多くの人の役に立つ形で提供するというものです。-具体的にはどんな事業なのでしょうか?仙波さん:企業の社員の睡眠状況のリサーチや分析、それに基づいたコンサルティングなどを行っています。ほかにも、睡眠改善セミナーを実施したり、睡眠を記録・管理するアプリケーションなどを開発しています。-なるほど。睡眠状況の分析が求められる企業って、どのような企業なんでしょう?需要が多いのは交通関係の企業ですね。たとえばタクシー会社や運送会社、バス会社など従業員が自動車を使用する企業が分かりやすいでしょう。運転中の眠気は事故に直結しますからね。企業として従業員の睡眠状況の把握と改善は死活問題です。-確かにそうですね。仙波さん:もちろん、交通関係の企業だけでなく、企業の姿勢として社員に質の良い睡眠をとってもらうことは本当に重要です。良い睡眠をとれているということは、健康のパラメーターとしてもっとも重要だと思っています。-睡眠が足りないだけで、業務の質って落ちてしまいますよね。仙波さん:睡眠は近年「新うつ」などの患者が増加しているメンタルヘルスにも深く関わってきますからね。-良い睡眠をどのように分析するのでしょうか。当社では睡眠計というもので、対象者の睡眠状態を計ります。-睡眠計なんてあるんですか!仙波さん:はい。ベッドの下に敷いて身体の動き・心拍数・呼吸などを計測して、眠りの深さや周期などを計ります。睡眠において大切なのは睡眠時間ではなく、睡眠の質なんです。質の良い睡眠がとれているかということが重要になってきます。-睡眠は、深い眠りと浅い眠りを繰り返すと言いますよね。仙波さん:その時間にも個人差や年齢差があるので、それぞれ個人の状態を計るうえでも、睡眠計での計測は重要です。たとえば、曜日によって眠りの深さが違う人もいるんです。翌日に仕事がある平日は眠りが浅いけれど、金曜日や土曜日の夜はぐっすり眠れている人とか。明らかに仕事への緊張感が睡眠に影響を及ぼしている例です。-睡眠にも個人差があるんですね!仙波さん:ヒアリングも重要です。過去に眠りが浅いのでコーヒーを飲むことをやめたという人がいましたが、コーヒーの変わりにウーロン茶を飲んでいました。ウーロン茶にもカフェインが入っているので、これではカフェインを抜いたことにはなりませんよね。お酒を飲むと眠りが浅くなりますし、日々の生活パターンも併せて分析しておくといいわけです。-そして、集めた分析結果を相手に提示するときに数字を使うのですね?仙波さん:そのとおりです。数字というのは、採集したデータを、相手に伝えたい情報として提示するときにとても役に立ちます。眠れなくて悩んでいる人は、なぜ眠れないのかわからなくて不安です。その不安を取り除くためには、なぜ眠れないのかの「なぜ」の部分を数字で解き明かしてあげなくてはなりません。-いろいろな原因があるんですよね。仙波さん:そうですね。高級マットレスを使ってよく眠れるようになる人も確かにいますが、眠れない理由がベッドの環境ではない場合も多くあります。パソコンやスマートフォンのブルーライトはスムーズな入眠を妨げますし、深部体温が高いと身体が入眠の状態になりにくいので、寝る直前の熱いお風呂なども好ましくありません。-そうなんですか!仙波さん:個人のストレス耐性に起因する場合もあります。会社でストレスを受けても、ストレス耐性の高い人なら処理できるし、逆の場合はストレスが蓄積して不眠につながったりします。また、よく知られているように睡眠は浅い眠りと深い眠りの周期が大切です。浅い眠りと深い眠りを繰り返すことで、質の良い眠りになるわけです。眠れないからといって睡眠薬を日常的に使ってしまうと記憶の取捨や定着に大きな役割を果たすREM睡眠が少なくなり、忘れっぽくなることもあります。-さまざまな原因が考えられるんですね。仙波さん:はい。数字とグラフを使って睡眠の現状を知ることで、さまざまな原因を分析することができます。そうすることで、眠れない要因を取り除いていくという解決に向かうことができます。また、小さな変化も数字にすることできちんと見えてきますよね。自分の身体のことを漠然と感じるよりも、数字で示された方が皆さん納得されるわけです。-身体の具合は個人の感覚で語られがちですが、きちんと数字にすることで健康維持がしやすくなるんですね。ところで、仙波さんは数学はお好きだったのでしょうか。仙波さん:はい。とくに微分積分や数列などが好きでしたよ。昔から、数学は冷たいものではないと思っていました。数学はものごとのいろいろなプロセスを示すことができますよね。それって、自分の考え方を数字という記号に置き換えて、共有できるようにしているということじゃないですか。数学がもっている、とても温かい機能だと思います。-仙波さんのような考え方を、もっと一般の人に広めていきたいですね。仙波さん:日本人の5人に1人が、睡眠に関して何らかの問題を自分自身で感じています。インターネットなどでは、睡眠のためにやるべきことなどがまとまっていたりしますが、まずはそれぞれ個人のもつ睡眠傾向を分析して、改善していくという基本が大切です。-それを示すための数学というわけですね。仙波さん:僕は幸せな国の指標とは、良い睡眠がとれる国だと思っています。数字の力で良い睡眠ができるお手伝いができればいいですね。-仙波さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。人が生きていくうえで必ず必要となる睡眠ですが、睡眠の満足度はなかなか自分ではわかりません。しかし、数字による指標で、より的確な睡眠改善を提案できるようになるわけですね。良い眠りは幸せの指標という仙波さんの言葉が心に残りました。1人でも多くの人に良い眠りをとどける、そのために数学が役に立ってくれるとうれしいです。○今回のインタビュイー仙波修(せんばおさむ)ビオスピクシス株式会社代表取締役1961年栃木県出身明治大学法学部法律学科卒業後、パイオニア株式会社入社。宣伝部、マーケティング部などを経てブランドマネージャーを務める。2009年パイオニアを退社、同年10月にビオスピクシスを創業心理カウンセラー、睡眠改善インストラクタービオスピクシス株式会社このテキストは、(公財)日本数学検定協会の運営する数学検定ファンサイトの「数学探偵が行く!」のコンテンツを再編集したものです。(公財)日本数学検定協会とは、数学の実力を図る数学・算数検定の実施をはじめ、数学に関する研究や講習会、普及、啓発活動を通じて数学的な思考力と応用力を提案する協会です。数学検定・算数検定ファンサイトは、(公財)日本数学検定協会が開設する、数学好きが集うコミュニティサイトです。社会と数学との接点や、数学教育に携わる人々の情報交換など、数学を軸により多くの示唆と教養を社会に提案していくために生まれました。本コラムのベースとなった「数学探偵が行く!」をはじめ、数学を楽しみながら学べるコンテンツをたくさん運営中です。
2015年06月15日国立がん研究センター がん予防・検診研究センターはこのほど、健診ツール「5つの健康習慣によるがんリスクチェック」をホームページで公開した。○チェック後は改善シミュレーションも可能「がんリスクチェック」は2011年4月に開設。「がんと循環器の病気リスクチェック」を公開して以降、男性を対象とした「大腸がんリスクチェック」「脳卒中リスクチェック」を公開。今回新たに5つの健康習慣によるがんリスクチェックを加え公開した。いずれのチェックも10問以内の簡単な設問で構成され、短時間でチェックすることができる。5つの健康習慣によるがんリスクチェックは、45歳から74歳の男女が対象。「禁煙」「節酒」「塩分控えめ」「運動習慣」「適正BMI」の5つの健康習慣をどれだけ守っているかを診断し、今後10年の間にがんに罹るリスクを算出する。チェックを進める中で5つの健康習慣の知識が得られ、リスクチェックの後に改善シミュレーションにもトライできる。
2015年06月15日子どもは悩みごともストレスもなく、スヤスヤ眠るもの……というのは大人の思い込みかもしれません。なぜなら子どもだって睡眠障害になる可能性があるからです。さらに、幼児期の睡眠状態がその後の行動にも影響を及ぼすことが研究で明らかになりました。1歳半のときの睡眠状態ノルウェーの研究者の報告によると、1歳半のときの睡眠時間と夜間覚醒のトラブルが、5歳になったときの行動に影響するということが明らかになったそうです。これまでも成長期の子どもの睡眠障害は、健康に害をもたらすものと考えられていましたが、実際にどのような関係があるのかを調べた研究はほとんどありませんでした。今回研究では、3万人以上の子どもと妊婦を対象に、睡眠時間と夜間覚醒の有無、さらにチェックリストを使って問題行動がないのかを調べ、調査が行われました。睡眠不足の子どもたち調査の結果、1歳半の時点で1.7%の500人強の子どもが1日の睡眠時間は10時間以内という睡眠不足状態であり、1,000人強が一晩で3回以上の覚醒がある(夜間覚醒)ということがわかりました。また、1歳半の時点で睡眠不足の状態で、夜間覚醒が頻繁な子どもは、5歳になったときに情動面や行動面での問題を抱えていることが多いということも判明しました。この調査を行った研究者は、幼児の頃から睡眠障害を治療し、早期発見・早期改善をすることが重要だと言い、これからもっと研究を進めていく必要があると話しているそうです。子どもも睡眠障害になるの!?日本でも子どもの生活が大人と同じように夜型化して、子どもたちが睡眠不足の状態に陥いりがちだと言われています。子どもが睡眠不足になると、成長が遅れる可能性があるだけでなく、イライラしたり、多動になったりする可能性があると考えられています。また、肥満になる可能性も増えるそうです。子どもは、自分の睡眠時間が正しいのかどうかを判断する基準を持ち合わせていません。そのため、学校や社会が教育・啓発活動を行う必要があると厚生労働省は説いています。子どもは睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害になることもあるので、まわりが協力して、子どもの成長を見守ってあげたいところです。photo by pixabay
2015年06月13日体が必要としている睡眠時間に対し足りていない分の睡眠時間は、「睡眠負債」として蓄積されていくそうです。しかし、沖縄の高齢者のデータを見ると、東京の高齢者と同じ睡眠時間にもかかわらず、睡眠負債が少ないようです。なぜ、眠りの質が違うのでしょうか?睡眠愁訴をする高齢者は東京より断然少ない!『長寿の島』として知られる沖縄は、本州・九州などとは違った食文化や、「なんくるないさ(大丈夫)」、「ゆいまーる(相互扶助)」といった独特の精神風土が根付いている地域です。琉球大学が行った研究によると、沖縄独自の食生活や考え方が、長寿の人を生み出しているようです。そして、もうひとつ、本土の人に比べ沖縄県民の睡眠の質が高いことも長寿の理由として指摘されています。というのも、東京都の高齢者と比較すると、沖縄県民のほうが起きる時間が早く睡眠時間が少ないにもかかわらず、睡眠負債は半分程度という結果が出ているのです。また、睡眠による不調を訴える高齢者は、東京が9割であるのに対し、沖縄では1割程度しかいません。いかに良好な睡眠状態を保っているか、よくわかる指標と言えます。沖縄県民の睡眠負債が低い理由は規則正しい生活サイクル沖縄と東京の高齢者の睡眠時間を比較すると、ほとんど変わらない長さです。しかし、高い睡眠の質が保たれている理由として、普段と休日で睡眠時間が変わらないことが明らかになっています。60歳代の平均睡眠時間を見ると、普段は7時間6分、休日は7時間24分と、大きな開きが見られません。70歳代、80歳代も同様で、普段と休日の睡眠時間は30分程度しか違いがないことから、平日、休日に関係なく規則正しい睡眠サイクルができていることがわかります。また、東京の人にくらべ、沖縄の高齢者は昼寝の習慣と夕方の散歩の習慣がある人が多いという調査結果も。短時間の昼寝と軽い運動も夜の睡眠の質を高め、睡眠負債を減らす手助けをしているのかもしれません。メリハリのある生活で睡眠サイクルを整える睡眠が規則正しいだけでなく、生涯現役として畑仕事をしたり伝統工芸に力を入れたりと、沖縄の高齢者の暮らしは充実している様子。身体を動かしたり頭を使ったりすることで、東京の高齢者よりも健康的でメリハリのある生活を築いているのかもしれません。「毎日忙しいから休みの日は多めに寝よう」と考えているあなた。実は、その考え方が生活リズムを乱し睡眠負債を増やしているのかもしれません。規則正しい睡眠サイクルで、毎日シャキッと過ごしましょう。Photo by Hiroaki Kaneko
2015年06月10日女性にとってつらい症状のひとつ生理痛。痛みの度合いは人それぞれですが、なかには仕事に行くのもつらいほど…という方もいます。実は、生理痛と睡眠には切っても切れない関係が。少しでも毎月の痛みを抑える方法をご紹介します。生理痛を軽減するためには?「なんとなくつらいけど、誰もが感じるものだから仕方ない」と放置してしまう人が多い生理痛。でも、本来であれば、20代~30代前半までは女性ホルモンのバランスが正常に整っているため、不調を感じるようなことはほとんどないはずなんです。つまり、生理痛がつらい方は、日常生活の何らかが原因となって症状が悪化している可能性が高いということ。たとえば、食生活の乱れやストレスなど。これらは、女性ホルモンのバランスを乱す原因のひとつです。体の不調を感じる方は、自身のライフスタイルを見直してみましょう。また実際に体調がすぐれないときには、カイロを使ってお腹周りを温めたり、手や足にあるツボを押したりすることで、解消されることがあります。つらいときこそぐっすり眠ることが大切!そして、もうひとつ生理痛をつらくする原因があります。それが睡眠不足。私たちの体は眠っている間にそのバランスを整えるようにできているので、睡眠が足りていないと女性ホルモンのバランスが崩れてしまいます。このホルモンバランスの乱れが生理痛をもたらしてしまうのです。質の高い睡眠をとるためには毎日できるだけ同じ時間に寝て同じ時間に起きるという生活習慣を心がけることが大切。また、寝る前にはパソコンやスマホを見ないようにするのもポイントです。これらの画面からは脳を覚醒させるブルーライトが発せられているので、眠りにつけたとしてもしばらくは脳が活発に活動してしまっているので熟睡ができません。こういった些細なことを気を付けるだけでも睡眠の質が高まり、ホルモンバランスの崩れも解消されるはずです。生理痛がつらい場合は月経困難症の可能性あり?さらに、あまりにも症状がひどい場合は、ただの生理痛ではなく「月経困難症」である可能性もあります。これは、鎮痛剤を飲んでも痛みがあまり緩和されない、腹痛がひどくて起き上がれない、頭痛や吐き気をもよおすこともある、といった症状を伴う生理痛のこと。さらには、子宮内膜症や子宮筋腫といった女性特有の病気が隠れている可能性もあります。痛みはそれらを知らせるサインでもありますので、生理痛があまりに重いという方は一度病院へ行って相談してみてください。月経困難症は婦人科で治療を受けることで症状の改善も可能です。たかが生理痛、されど生理痛。毎月の心と体の負担が少しでも減らせるといいですよね。photo by pixabay
2015年06月09日最近、よく眠れていますか? 眠れていないという人は、運動や生活習慣の見直しなど、すでにいくつもの試みをされているかもしれません。それでもイマイチ改善しないという方は、腸内細菌の状態にも注目してみてください。意外にも腸が睡眠に影響を及ぼしているそうです。腸内フローラとは?腸内フローラを知っていますか? 腸内細菌の塊のことで、腸内細菌には、次の3つの種類があります。善玉菌:体にとって良い働きをする腸内細菌悪玉菌:異常繁殖すると体にとって悪い働きをする腸内細菌日和見菌:腸内環境によって、どちらの働きもする腸内細菌私たちの腸内には、約1,000兆もの腸内細菌がいると言われていて、腸内細菌の重要な役割の1つが必須アミノ酸の生成です必須アミノ酸を生成するには、大豆や乳製品、肉、魚の摂取が必要と言われていますが、実は、これらを食べるだけで生成されるのではありません。食べ物から摂取した成分に腸内細菌の活動が加わることで必須アミノ酸が作られるのです。睡眠リズムを整えてくれるメラトニン必須アミノ酸はメラトニンと深い関係のある成分です。メラトニンとは、脳内ホルモンのひとつで「若返りホルモン」とも呼ばれるホルモン。眠りを誘う効果があると言われています。メラトニンが分泌されることで、私たちの睡眠リズムは整い、朝もスッキリと目が覚めるように。つまり、メラトニンは睡眠には欠かせないホルモンなのです。そして、このメラトニンを生成しているのがトリプトファンという必須アミノ酸です。トリプトファンはビタミンの作用を得てセロトニンになり、腸から脳へ到達するとメラトニンに合成されます。腸内細菌がメラトニンづくりに力を発揮トリプトファンがメラトニンの前段階であるセロトニンに変化する際、ビタミンの作用が必要となります。そしてこのビタミンを、食べ物から吸収して体内へ送り込んでくれるのが腸内細菌なのです。つまり、睡眠を促すホルモン、メラトニンを合成するためには、腸内細菌の働きが欠かせないということ。腸内フローラが貧弱な状態だと、必須アミノ酸もビタミンも生成されにくくなってしまいます。腸内フローラの環境をしっかり整えたうえで、肉や魚などの良質なたんぱく質を摂取すると、メラトニンを作るうえで必要なビタミンの力が高まり、メラトニンの分泌量を増やすことができると言われています。脳内のメラトニンが増えることで、睡眠のリズムが整いしっかり眠れて、心身ともに健康に一歩近づけるはずです。photo by rachel CALAMUSA
2015年06月07日IDC大塚家具が6月21日まで全国のショールーム15店舗で眠りの改善プロジェクト「グッドスリープフェア」を開催中だ。同社では、在籍する眠りのプロフェッショナル「スリープアドバイザー」が、眠りに関するさまざまな悩みの相談に応じるサービスを提供している。3月末の取締役会で、前会長の大塚勝久氏との「お家騒動」の末、代表取締役社長に大塚久美子氏が再任され、"新生・大塚家具"として再スタートを切った同社。秋口までに全国のショールームのリニューアルを図る計画を表明しているが、5月30日にまず東京・銀座本店のリニューアルを行った。中でも全面的な改装が行われたのは、9階の寝具フロア。リニューアルのテーマを「眠り」とし、ベッドなどの寝具だけでなく、インテリアや他の快眠グッズとともにコーディネートした4つのコンセプトブースの設置や、快適な睡眠環境をつくるためのノウハウをわかりやすく解説した「Good Sleep Labo」の設置がリニューアルのポイントだ。スリープアドバイザーによると、質の高い眠りで大切なのは、眠りの「リズム」とのこと。睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があり、それぞれ約90分のサイクルで交互に繰り返している。しかし眠っている間は、温度や湿度などの要因で睡眠が妨げられる。それゆえ、これを改善するために必要なのがまずは個々人に合わせた寝具選びということだ。スリープアドバイザーの話では、寝ているときの理想的な姿勢は、立っているときと同じ姿。目安となるのは、背骨を中心に頸椎(けいつい)と腰椎にかけてなだらかなS字ラインとなる姿勢で、あおむけに寝た際に、マットレスの適切なサポート力により、この姿勢を保つことができるよう、身体にフィットしたものを選ぶことがポイントとことだ。ただし、マットレスの反発性や弾力性は個々人の体重や体形、筋肉の硬さなどによっても異なるので、一概に柔らかければいいとか硬ければいいとは言えないという。そこで、「実際に店舗で体験をして、自分に合ったマットレスを選んでほしい」とアドバイスしてくれた。一方、意外だったのがまくらの選び方だ。マットレス同様に多数の種類があり、オーダーまくらなども存在するが、アドバイザーによると、マットレスとの相性が非常に重要と説明する。まくらを使いあおむきに寝た際に、横から見て額からあごにかけての角度が約5度沈むのがベストな寝姿勢だそうだ。ただ、体形や体重によりマットレスの沈み込み具合が異なると、相性のいいまくらも変わってくる。そのため、ベストな寝心地を追求するためには、まくらとマットレスをセットで選ぶ必要があるという。また、快眠のためにはベッドフレーム選びもポイントだ。通常、ベッドフレームはデザインや機能性で選ばれることが多いが、ワンランク上の寝心地を目指すのであれば、ボトムクッション選びも不可欠だ。ボトムクッションとは、ベッドフレームでマットレスを支える台座にあたる部分。一般的な仕様としては、スノコや床板が挙げられる。これに対し、ホテルのベッドなどで使用されている仕様は、「ダブルクッション」と呼ばれるタイプ。マットレスの下の部分も脚付きのマットレスで支えることから、マットレス自体の耐圧分散性がアップし、身体への負担を軽減してくれる利点があるとのことだ。快眠にはハード的な部分も必要な一方で、室内・床内環境も重要である。アドバイザーの話では、快眠に最適なのは温度33℃、湿度約50%の状態とのこと。従って、寝具や寝装品はこれらの条件を満たすことを目安に選ぶとよいそうだ。また、快眠のためには寝室の明るさなど視覚的な条件も重要とのこと。まずは明るさだが、睡眠ホルモンである「メラトニン」は煌々(こうこう)とした光の中では分泌が抑制されてしまうため、夜に強い光を浴びるのは厳禁。寝る前は間接照明やほの暗い明るさの照明を利用して、速やかな入眠に備えることが大切だという。もちろん、画面から強い光が発せられているテレビやスマートフォンの寝る前の使用もご法度。さらに、寝る前の深酒は、寝入りはよくても睡眠の質事態を悪化させてしまうので要注意とのことだ。その他、寝具のカラーや香り、音楽なども快眠には欠かせない要素となる。IDC大塚家具には、このような睡眠に関する総合的な相談に乗ってくれるスリープアドバイザーが807人在籍。「グッドスリープフェア」の期間中は、有明・新宿・横浜みなとみらい・名古屋栄・大阪南港・福岡・仙台の各ショールームでは、毎週土曜日の13時から「眠りのセミナー」も開催される(予約制)。リニューアルした銀座本店のショールームの報道関係者向け内覧会が開催された5月30日には、大塚家具代表取締役社長の大塚久美子氏が出席。大塚社長は、「眠りについての悩みは、人それぞれに違います。寝具というのは見た目では違いがわかりにくく、選びにくいアイテム。また、すべての人に合った寝具というのはなく、体形や年齢などに応じてそれぞれにフィットする寝具があります」と、眠りに適した寝具選びの難しさを指摘。そのうえで、「各社の寝具の特性を比較検討したデータをもとに、最適な眠りの環境のためのコンサルティングをスリープアドバイザーが一人ひとりに合わせて行っていきたい」と決意表明した。
2015年06月03日