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2022年10月6日、画家の山脇百合子さんが亡くなったことが分かりました。80歳でした。絵本『ぐりとぐら』シリーズや絵本『そらいろのたね』など、いろいろな絵本の挿絵を担当してきた、山脇さん。中でも、姉であり絵本作家の中川李枝子さんとのコンビから生み出された『ぐりとぐら』シリーズは、1963年に発表されて以来、多くの人から愛されています。2013年には、文化分野において業績をあげた個人や団体を表彰する菊池寛賞を、中川さんとともに受賞しました。ぐりとぐら|福音館書店 スクリーンショット温かみのある絵を通し、たくさんの人に笑顔を届けてくれた、山脇さん。『ぐりとぐら』シリーズをはじめ、山脇さんの挿絵を見て育った人たちからは、「素敵な絵をありがとうございました」という感謝の声が上がっています。今後も、山脇さんが描いた数々の作品は残り続け、絵本の素晴らしさを伝えてくれるでしょう。山脇さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2022年10月06日CONTENTS■そもそも性教育ってなんだろう?■未就学児からの性教育は本当に必要なの?■未就学児の性教育、何から教える?■子どもに性にまつわる質問をされたら?■未就学児の性的な質問で多いもの■親子で学ぶ性教育 おすすめの本3選教えてくれた人高橋幸子先生埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター 産婦人科医、日本家族計画協会クリニック非常勤講師小学校・中学校・高等学校にて、年間120回以上の性教育の講演を行なっている。NHKの「あさいち」や「ハードネットTV」などにも出演し、性教育の普及や啓発に尽力。「性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?」(KADOKAWA)などの書籍の監修や、「サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』」(リトルモア)などの著書多数。そもそも性教育ってなんだろう?性教育というと、どのようなことを思い浮かべるでしょうか? 男女の体の違いや生殖の仕組みをイメージする人、恥ずかしいこと、エロいこと、そう感じる人も少なくないと思います。実は性教育において、男女の体の違いや生殖の仕組みは、大きなテーマのごく一部でしかありません。今は包括的性教育といって、性の多様性や性的同意など、人権問題もすべて含めて、性教育と言います。性について学び正しい情報を得ることで、性的なトラブルを避けられるようになりますし、自分の性や体についてきちんと知ることで、自分を大切にしよう、自分と同じように相手も大切にしようと思えるようにもなります。つまり、性教育は子どもたちの大切な心と体を守る教育でもあるのです。未就学児からの性教育は必要なの?もちろん必要です。小学校の高学年にもなると、歪んだ情報が先に入ってきてしまうことがあります。すると性教育について、恥ずかしこと、気持ちが悪いことだと、先入観を持ってしまいがち。私たち大人が「性教育」と聞いたときに身構えてしまうのは、幼いころに豊かな性教育がなされていなかったことが原因のひとつだと考えられます。歪んだ情報が入る前なら、「ふーんわかった」「そうなんだ!」と、抵抗なく受け入れるものです。だからこそ、未就学児から、もしくは10歳になる前からの性教育が必要なのです。未就学児の性教育、何から教えたらいいの?まずは「プライベートゾーン」を教えることが第一歩。プライベートゾーンとは、水着で隠れる部分と口のことで、体の内部とつながり、命や健康に直接関わる部分。0~1歳児であれば、おむつ交換のたびに「大事なところだからきれいにしようね」といった声かけをしてあげましょう。少し大きくなったら、体を洗うときに「あなたの体は全部大切だからきれいにしようね。とくに大切なプライベートゾーンは、自分で洗えるようになろうね」のように、清潔にすることと合わせて、大切な場所であることを伝えるとスムーズです。「あなたの体はあなたのもの」ということを幼い頃に教えることで、嫌なことをされたときに、はっきり嫌だと拒否できるようになり、将来的には性的同意にもつながっていくのです。性にまつわる質問をされたらどう答えたらいい?「赤ちゃんはどこからくるの?」「どうしてお母さんにはおちんちんがないの?」など、子どもは不意に、性にまつわる質問をしてくるものです。受け流したりせず、性教育ができるチャンス到来! と思って、きちんと答えてあげましょう。「性教育=恥ずかしいこと」そう感じているのは、実は大人だけ。子どもには何の先入観もありませんから、素直に受け止めるものです。ですが、聞かれた内容によってはどう答えていいかわからず、テンパってしまうこともありますよね。そんなときは、次のポイントを参考にしてみてください。point 1子どもが知りたくなった理由を聞く「なんでそれを知りたくなったの?」というやりとりを挟みましょう。きっかけが、ネガティブな理由かポジティブな理由かで、伝えるべきポイントが変わります。例えば、「赤ちゃんはどこからくるの?」という質問であれば、お腹が大きい女の人を見て、赤ちゃんができる仕組みを知りたくなっただけかもしれませんが、インターネットなどで歪んだ情報を得て、疑問に思った可能性も否定はできないのです。知りたくなった理由をまず聞いて、子どもが知りたいことに、答えてあげましょう。point 2回答できないときは正しい知識をまずは得よう!内容によっては戸惑うこともありますし、突然の質問に正しい答えが思い浮かばないことも……。どう答えていいかわからないときは、その場ですぐに回答しなくても構いません。子どもには「とてもいい質問だね。必ずあなたに私が答えるから、ちょっと待っててね」と伝え、本を読むなどして正しい知識を得て、心の準備が整ってから説明してあげましょう。point 3絵本などを介して伝えるとスムーズ最近では、性教育にまつわる良書がたくさんあります。絵本などを使って説明すると、子どもが理解しやすいうえに、大人も話しやすいものです。発達年齢に合わせた絵本を準備して、「この前聞かれた質問だけどね……」と言って、読んであげましょう。もちろん、自分自身の言葉で伝えるのでも構いません。このとき、子どもはいろんな質問をしてくると思います。正しい性の知識をきちんと伝えられたらいいですよね。未就学児の性的な質問、どのようなものが多いの?「なんでおちんちんは硬くて大きくなるの?」「どうして大人は毛が生えているの?」「なんでママはおっぱいが出るの?」など……。子どもは、自分自身の体はもちろん、相手との違いについても不思議に思うものです。このような質問をされたら、「人の体の仕組み」として科学的に説明するとスムーズ。いちばんはじめの質問であれば、「おちんちんの中はスポンジのようになっているよ。触ったりして刺激を受けると、スポンジに血液が集まるから硬くなることがあるんだよ」のように、そのまま伝えればいいのです。絵本を活用しても構いませんし、人体の不思議を解説している図鑑を使って説明してあげるのもOK。また、子ども自身が知りたくなったときにすぐに読めるように、手が届く場所に置いておくのもおすすめ。性の不思議に、自ら気づいていくことも必要なのです。親子で学ぶ性教育おすすめの本3選性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?たきれい 著・高橋幸子 監修/KADOKAWA3歳から読める、性教育絵本。男性と女性の体の違いから、赤ちゃんができるまで、さらに犯罪者から身を守るためのコツがこの1冊に。子どもと性の話、はじめませんか?からだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」宮原由紀 著・高橋幸子 監修/CCCメディアハウスある日突然にやってくる子どもからの疑問。幼児期・児童期・思春期の「性」悩みや、それに対する子どもへの具体的な伝え方を紹介。おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方フクチ マミ・村瀬幸浩 共著/KADOKAWA3~10歳、自分の体に興味を持ちはじめたときに、どうやって伝えたらいいか具体的な声かけをマンガでわかりやすく解説。親子で一緒に学ぶこともできる。先入観がない幼いころに正しい知識を伝えることで、性のことが恥ずかしいことではなく、自然なこと、当たり前のことだと考えられるようになっていくもの。豊かな性教育は、「自分の心と体は自分だけのもので、とても大切なもの」という、自分自身を肯定的に捉える豊かな人間性を育み、自分以外の人を尊重することができるようにもなりますから、ゆくゆくは幸せな人間関係を築くことにもつながるのです。
2022年10月05日CONTENTS01【東京都】国立国会図書館 国際子ども図書館02【東京都】いたばしボローニャ絵本館03【東京都】三鷹市 星と森と絵本の家04【東京都】武蔵野市立ひと・まち・情報創造館武蔵野プレイス05【東京都】豊洲図書館06【東京都】北区立中央図書館07【神奈川県】大和市文化創造拠点シリウス08【神奈川県】海老名市立中央図書館01【東京都】国立国会図書館 国際子ども図書館明治から続く洋館で、国際的な文化と絵本に触れる写真:国立国会図書館日本初の国立児童書専門図書館である「国際子ども図書館」。美しいレンガ棟は、明治時代に帝国図書館として建てられた建物を保存・再利用している。絵本や読み物、知識の本を約1万冊集めた「子どものへや」は未就学児も楽しめると評判。世界の国や地域を理解するための本や、外国語に訳された日本の絵本などを集めた「世界を知るへや」は、学びを深めるきっかけになりそう。写真:国立国会図書館レンガ棟は建物自体が見どころでいっぱい。クイズを解きながら館内をめぐる低学年向けのクイズラリーも実施されている。写真:国立国会図書館ランチメニューや軽食が食べられるカフェテリア。天気がよい日は、屋外にあるテラス席もおすすめ!CHECK国立国会図書館 国際子ども図書館所在地東京都台東区上野公園12-49電話番号03-3827-2053開館時間9:30~17:00休館日月曜日、第3水曜日、国民の祝日・休日(5月5日のこどもの日は開館)、年末年始※最新情報はHPでご確認ください。★オムツ替え台や授乳スペース完備★毎週土曜14:10~、15:10~、子どものためのおはなし会を開催(4歳以上の子どもとその保護者が対象)★館内にカフェあり【東京都】いたばしボローニャ絵本館日本×イタリアの懸け橋! 国内外の珍しい絵本が集まる毎年イタリアで開催される、世界最大規模の児童書の見本市「ボローニャ児童図書展」のなかから、選りすぐりの絵本が年間200冊ほど寄贈される「いたばしボローニャ絵本館」。約100か国、70もの言語の海外絵本が3万冊近く所蔵されていて、気軽に世界中の文化に触れることができる。この絵本館が併設されている「板橋区立中央図書館」の児童向け書籍とあわせると、蔵書は約8万冊にのぼる。親しみ深い日本発の絵本も、英語だけでなくスペイン語やイタリア語など数カ国の翻訳版を手に取って読める。子どもたちも興味津々!絵本館のある「板橋区立中央図書館」は、2021年に移転リニューアルしたばかり。2、3階のテラスからは、隣接している「板橋区平和公園」の豊かな自然を楽しめる。CHECKいたばしボローニャ絵本館所在地東京都板橋区常盤台4-3-1電話番号03-6281-0560開館時間9:00~20:00休館日第2月曜、月末(祝休日の場合は翌平日)、12/29~1/4、特別整理期間★オムツ替え台や授乳スペース完備★毎月第1日曜、第3日曜14:00~外国語おはなし会を開催。ほか、おはなし会、かるがもおはなし会、映画会なども定期開催。★館内にカフェあり【東京都】三鷹市星と森と絵本の家古きよき日本家屋で、天体や宇宙、絵本と出合う国立天文台の豊かな森の中にある、大正時代の建物を保存活用した展示施設「星と森と絵本の家」。絵本や図鑑から赤ちゃん絵本まで常時 2,500 冊以上を展示しており、読書室や和室など好きな場所で絵本を楽しめる。本は「ほし」「ちきゅう」「もり」「しょくぶつ」「どうぶつ」「ひと・くらし」に分類。たくさんの絵本と自然に囲まれながら、ゆったりとした時間を過ごせる。壁掛け電話機やミシンなど、館内にある昔の道具に触れたり、中庭では竹馬や輪回しなど昔ながらの遊びを体験できる。1年ごとに天体、宇宙に関連した企画展を開催。絵本やしかけがたくさんあり、子どもの知的好奇心を育む。CHECK三鷹市 星と森と絵本の家所在地東京都三鷹市大沢2-21-3電話番号0422-39-3401開館時間10:00~17:00※2022年9月現在、時間を変更して開館。HPでご確認ください。休館日火曜、12/28〜1/4、メンテナンス日※蔵書の貸出しは行っていません(館内での閲覧のみ)★オムツ替え台や授乳スペース完備【東京都】武蔵野市立ひと・まち・情報創造館武蔵野プレイス緑に囲まれた、美しいデザインの駅近図書館武蔵境駅前、境南ふれあい広場公園内に隣接する「武蔵野市立ひと・まち・情報創造館武蔵野プレイス」は、おしゃれで開放的な空間が特徴的。地下2階から地上2階までの4フロアは、図書館以外にもさまざまな機能を持ち、連日多くの利用者で賑わう。2階は料理や子育て、健康、旅行などの日常生活に役立つ図書3万冊と、約4万冊の絵本・児童図書、20誌の児童向け雑誌が同じフロアにあるので、ママと子どもが一緒に読書を楽しみやすい。ゆったりとした空間の「こどもライブラリー」。真っ白な空間、広い天井、大きな窓があり、開放的な雰囲気。「おはなしのへや」では、小さな子どもや親子が靴を脱いで自由に本を読むことができる。CHECK武蔵野市立ひと・まち・情報創造館武蔵野プレイス所在地東京都武蔵野市境南町2-3-18電話番号0422-30-1905開館時間9:30~22:00休館日水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、図書館特別整理日★オムツ替え台や授乳スペース完備★館内にカフェあり【東京都】豊洲図書館豊洲のランドマーク施設で景色と読書を楽しむ豊洲シビックセンター内にある「豊洲図書館」は、江東区内外から人が集まる憩いの場。なかでも、地上9~10階に設置されているテラス席は、美しい眺望を楽しみながら読書ができると人気を博している。靴を脱いで上がり、自由な姿勢で絵本が楽しめる「キッズコーナー」や、遊びも楽しめる「おはなしのへや」もあるから、まるで自宅にいるようにリラックスしながら読書を楽しむことができる。「現代の里山」をコンセプトとした緑豊かなテラス席。11階にある「おはなしのへや」は、読書と遊びが楽しめる。CHECK豊洲図書館所在地東京都江東区豊洲2-2-18 豊洲シビックセンター9~11階電話番号03-3536-5931開館時間9:00~21:00、(日曜祝日、12/28は19:00まで)休館日毎月第3金曜(祝休日の場合は第3木曜)、12/29~1/4★授乳スペース完備(オムツ替え台あり)★施設内に飲食スペースあり【東京都】北区立中央図書館新旧調和のデザイン! 木のオモチャや布絵本も揃う北区内一の広さを誇る「北区中央公園」内にある「北区立中央図書館」は、1919年に建設された赤レンガ倉庫と新築部分が一体化した独特なデザイン。2階にある「こども図書館」には、6万冊を超える児童書や木のオモチャ、布絵本が揃う。おすすめの絵本リストも用意されているので、本選びに迷ったら図書館員の方に相談してみて。読み終わった後は、公園の遊具で遊んだり、芝生広場でのんびり過ごしても◎!ベビーベッドや授乳室のある「子育て情報支援室」には、赤ちゃんや小さい子ども向けの絵本が揃う。重厚感ある内観は、眺めて歩くだけでも楽しい!CHECK北区立中央図書館所在地東京都北区十条台1-2-5電話番号03-5993-1125開館時間月~土曜は9:00~20:00、日曜祝日は9:00~17:00休館日第1・3・5月曜、12/29~1/4、館内整理日、ほか※2022/12/14~2023/1/4は臨時休館★オムツ替え台や授乳スペース、給湯設備完備★おはなし会は、赤ちゃん・幼児・小学生・紙芝居にわけて毎月第3・第4土曜などに開催。(小学生は第3土曜のみ、紙芝居は第4土曜のみ)【神奈川県】大和市文化創造拠点シリウス全天候型の屋内広場あり!館内全域で本が読めるリラックス空間写真:株式会社エスエス加藤俊彦芸術文化ホールなどが一体となった文化複合施設「大和市文化創造拠点シリウス」内にある「大和市立図館」。「全館図書館」をコンセプトに、1~5階まで図書館の本を配置している。広い館内では飲み物を飲みながら本を読んだり、おしゃべりを楽しめるので、親子連れにぴったり! 3階の「こども図書館」は、子ども向けの本を取り揃えたフロア。親子の遊び場である屋内こども広場も併設されている。写真:株式会社エスエス加藤俊彦1~3階までが吹き抜けとなっている開放感のある空間にはカフェも併設。写真:株式会社エスエス加藤俊彦魅力的な遊具が揃う「屋内こども広場」なら、季節や天候に左右されずに思いっきり体を動かして遊べる。※新型コロナウイルスの感染対策のため、遊具の利用につき一部制限CHECK大和市文化創造拠点シリウス所在地神奈川県大和市大和南1-8-1電話番号046-263-0214開館時間3階:9:00~19:00、4・5階:9:00~21:00(日曜祝日は20:00まで)休館日図書館・屋内こども広場は12/31、1/1★オムツ替え台や授乳スペース完備★館内にカフェあり【神奈川県】海老名市立中央図書館モダンな建築美にうっとり!365日利用できる図書館写真:海老名市立図書館2015年にリニューアルした「海老名市立中央図書館」は、1階に併設されているカフェでコーヒーを片手に読書を楽しめる空間。4階中央スペースのドーム型の天井は、プラネタリウムのように天井に映る星空を眺めることができ、定期的に上映会が催される。また、4階には親子でゆっくり過ごせるキッズライブラリーと、テラスには汽車などの遊具もある。読み聞かせのほか、キッズ向けワークショップやベビーヨガなどのイベントも随時開催。写真:海老名市立図書館近代的でおしゃれな外観が特徴的。写真:海老名市立図書館キッズライブラリーのテラスにある遊具に、動き回りたい子どもも大満足!CHECK海老名市立中央図書館所在地神奈川県海老名市めぐみ町7-1電話番号046-231-5152開館時間9:00~21:00休館日無休※業務の都合、自然災害等により、一部営業時間、開館日の変更の可能性があります。★オムツ替え台や授乳スペース完備、ベビーカー貸出あり★館内にカフェあり初めて出合う絵本に心が躍ったり、読書の後はレジャースペースで遊んだり、素敵な空間に癒されたり、カフェで一休みしたり……素敵な図書館で思い思いの時間を過ごせそう。気になるスポットが見つかったら、ぜひ足を運んでみて!
2022年10月03日嘘がテーマの絵本 01ダメな嘘といい嘘について考えよう『うそ』『うそ』 作:中川ひろたか 絵:ミロコマチコ(金の星社)対象年齢:4歳くらいから「嘘をつくのはいけないこと。でも、嘘をついていない人っているのかな? という疑問から導かれる『嘘』についてのやさしい分析絵本。お母さんは、25歳っていうけど、本当は……。お父さんが総理大臣だっていう友達がいるけど……。じっくり考えてみると、ときには本当のことを言わないでいる必要もあるかもしれません。そんなふうに考えを巡らしてみると、無駄に嘘はつかなくなるのかもしれませんね。中川ヒロタカさんのテンポのいい文とミロコマチコさんのダイナミックな絵が大変魅力の作品です」嘘がテーマの絵本 02嘘をついた少年の末路は……?『オオカミがきた』『オオカミがきた』 文:蜂飼耳 絵:ささめやゆき(岩崎書店)対象年齢:3歳くらいから「蜂飼耳さんによるスタイリッシュなイソップ絵本シリーズの一冊。羊飼いの少年が、退屈のあまりいたずらを思いつきます。村人たちを驚かしてやろう。『オオカミがきた! 』とありもしないことを叫びます。慌てふためく村人たちの姿をおもしろがった少年は、たびたび同じ嘘をつきます。するとある日、本当にオオカミが現れ……。助けを求めますが、どうでしょうか? あの有名なお話を、短い文でわかりやすく語り、嘘をつくと飛んだ目にあうということを力強く感じます。子どもに一度は読んで聞かせてあげたい作品。ささめやゆきさんの絵もユニークでインパクトがあります」嘘がテーマの絵本 03失敗を誰かに押し付ける姿は大人も共感できる『コップをわったねずみくん』『コップをわったねずみくん』 作:なかえよしを 絵:上野 紀子(ポプラ社)対象年齢:3歳くらいから「お馴染ロングセラー、ねずみくんの絵本シリーズの一冊。あるとき、ねずみくんがうっかりコップを割ってしまいます。どうしよう、お母さんに叱られちゃう。そこで思いついたのが、ほかの誰かのせいにしてしまうこと。ゾウさんの長い鼻、それともアシカくんの得意技のせいにしてしまおうか……。動物たちのそれぞれの個性を言い訳に、あれこれ嘘を考えてみます。でも、上手くいくのでしょうか。正直になるほうがずっといい。そんな気持ちにさせてくれる可愛らしい作品です」嘘がテーマの絵本 04嘘がバレてしまう瞬間をユーモラスに表現『おしゃべりなたまごやき』『おしゃべりなたまごやき』 作:寺村輝夫 絵:長新太(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから「王様シリーズで最も有名なお話。ある日、王様は鍵がささったままの小屋を開け、ニワトリたちを逃がしてしまいます。すると思いのほか、大騒ぎに。兵隊たちが出動し、犯人探しが始まります。王様は自分だとバレないよう、一羽のメンドリに秘密を守るよう伝えます。でもなんだか気まずい。そんな矢先、メンドリが産んだタマゴのタマゴ焼きにナイフを入れると……。思いがけない出来事が! シュールなタイトルの訳もわかります。嘘は結局はバレますよ、ということを、意外な展開と素晴らしいユーモアで描いたロングセラー中のロングセラーです」嘘がテーマの絵本 05嘘がバレたらどんな気持ちになるかな?『あたし、うそついちゃった』『あたし、うそついちゃった』 文・絵:ローラ・ランキン 訳:せなあいこ(評論社)対象年齢:5.6歳くらいから「思わず嘘をついてしまうことってありますよね。小さなものが大好きな子ギツネのルース。学校でふと見つけた小さなカメラが欲しくてたまらなくなり、自分のものだと言ってしまいます。さあどうなるでしょう。嘘をついてしまうまでの経緯をじっくり子ども目線で描写していて、愛らしいと同時にとても現実的。そして後悔している様子も丁寧に描かれています。そういう気持ちになるよねと、共感のオンパレードです。自分に置き換えてみやすいので、嘘はよくないよねと親子で頷き合いたくなるでしょう」嘘がテーマの絵本 06虚言癖のあるラリーのお話『ラリーはうそつき』『ラリーはうそつき』 作:クリスティアーネ・ジョーンズ 絵:クリスティン・バトゥーツ 訳:つちやあきら(辰巳出版)対象年齢:3歳くらいから「ラリーはいつも嘘ばっかりついています。宿題はやってもいないのに、『やっている』。嘘をついているのに、『ついていない』。思いついたお話をしているだけと言い訳をしたりも。そして『じゃあね』と言い捨てどこかへ行ってしまいます。そんなことを続けていると……。ラリーは本当はお友達とどうしたら仲良くなれるかを探っているのかもしれません。子どものちょっとした困りごとに寄り添い、どうしたら上手くみんなと楽しく過ごせるか、親子で一緒に考えることのできる作品です。ロバのような主人公の姿にも、思わずクスッとしてしまいますよ」嘘がテーマの絵本 07嘘をついた罪悪感をユニークに表現『ぞうになったうそ』『ぞうになったうそ』 文:ティエリー・ロブレヒト 絵:エステル・メーンス 訳:ふしみ みさを 発行元:パイ インターナショナル 対象年齢:3歳くらいから「サッカーが得意なぼくがボールを蹴って遊んでいたら、とある拍子にお家の窓ガラスを割ってしまいます。お父さんはカンカン。あまりの剣幕に慄いてしまったぼくは、本当のことが言えず、妹のせいに。でも、なんだか気持ちが落ち着きません。そのうちにおなかのあたりが重たくなって、歩けば今度は背中がずっしりとして苦しい。大きなゾウが乗っているみたい。どうしよう……。嘘が生み出す苦しさを、大きなゾウに例えて物語っています。そしてあっという間に『ゾウ』が消える魔法の言葉も。素敵なベルギーの作品です」嘘がテーマの絵本 08小さな嘘が大ごとに!『ゆっくとすっくうそはちくちく』『ゆっくとすっくうそはちくちく』 作:たかてらかよ 絵:さこももみ(ひかりのくに)対象年齢:2歳くらいから「『こんなときってなんていう?』シリーズで知られる仲良しのゆっくとすっくの一冊。ふたりが楽しく遊んでいるところに、木からサルが落ちてきました。サルは、恥ずかしいという思いが強く出て、思わず嘘をついてしまいます。小さな嘘だったはずが、あれあれ? だんだん大ごとになっていって、サルは引き下がれなくなってしまいます。心がチクチクしてなんだか嫌な気分。恥ずかしいと思う気持ちをどう消化するか。だんだんと周りの目が気なる年頃に、ぴったりのやさしいお話です」アンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2022年09月26日こんにちは! 保育士の中田馨です。朝夕が涼しくなってきて、秋がやってきましたね。今回は、子どもたちも大好き! 私も大好き! 1~2歳のお子さん向けの、秋にちなんだ絵本を4冊紹介します。『くだものさん』(学研教育出版) 亀山達矢さん、中川敦子さんのユニット・tupera tuperaの絵本です。 秋は「食欲の秋」とも言われます。秋ならではの食材と言えば「果物」。物語の舞台は果樹園です。「かじゅえんにやってきましたくだものさんくだものさんだあれ」というと、葉っぱに隠れた果物がしかけ絵本になって顔を出します。 「ぽろりんりんごさん」とにっこり笑ったりんごさんが顔を出します。次のページには「くだものさんくだものさんだあれ」と、葉っぱに隠れたまた違う果物たちが出てきます。 「くだものさんくだものさんだあれ」と繰り返しがあること、しかけ絵本になっていること、季節の身近な果物が出てくること。その果物たちの表情が個性豊かなこと。どれも子どもたちにとって楽しめる要素です。何度も読んでいるうちに「くだものさんくだものさんだあれ」のページで少しだけ見える果物を先に「カキ!」と子どもが答え始めることもあるでしょう。「わ!これで分かったの?カキかな~?」なんて言いながら、絵本をめくるのもいいですね。 『おふろにいれて』(ポプラ社) せなけいこさんの絵本です。登場人物は、男の子のりゅうちゃんと動物たち。そして、せなさんの絵本によく出てくる「おばけ」です。このおばけ、実はお風呂が大好きなんです。 「みなさんはおふろがすきですか?りゅうちゃんがおふろにはいっているとーおやおやまどでだれかがのぞいているぞ」と、犬、猫、うさぎと次々と動物たちがお風呂に入ってきます。そして、次にやってきたのが、なんとおばけ! みんなびっくりして逃げ出しますが、おばけは「ぼくはいいこのおばけだよ!」と言ってみんなに呼びかけます。夏は、シャワーだけだったご家庭もあるでしょう。肌寒い秋がやってきて、湯船につかる機会も増えますので、ぜひ親子で読んでほっこりあたたかくなってください。 『ぐりとぐらのえんそく』(福音館書店) なかがわえりこさんとやまわきゆりこさんの「ぐりとぐら」シリーズです。 秋の風を感じていると、なんだか自然豊かなところにお出かけしたくなる気持ちになりませんか? そんなときはこの絵本がおすすめです。「リュックサックをしょってすいとうをさげたのねずみのぐりとぐらは、いくらリュックがおもくてもくたばらないぞくりとくらえんそくのたのしみはりゅっくのなかのおべんとうぐりぐらぐりぐら」と物語が始まります。 「そろそろおひるのベルがなるころだ」と時計を見るとまだ10時。体操したりマラソンしたりしていると、ぐりが毛糸に絡まり転びます。ずっと続く毛糸の先は……と物語が続きます。 ぐりとぐらの絵本の楽しみと言えば、何といってもおいしそうな食べもの。今回も物語の後半に、ぐりとぐら特製のおいしそうなお弁当が出てきます。見ているだけでおなかがグーッと鳴りますね。私も中高生の子どもたち連れて、近くの河原へお弁当持ってピクニックに行きたくなりました。 『14ひきのあきまつり』(童心社) いわむらかずおさんの14ひきのシリーズの絵本です。14ひきのねずみの家族が住んでいる森に秋がやってきました。「あきのもりでかくれんぼ。こんどはさっちゃんがおに。もういいかい。まあだだよ。おかあさんたち、きのみとりにいってるよ」と物語が始まります。 かくれんぼをしているうちに、ろっくんが見当たらなくなりました。家族でろっくんをさがします。すると、森の中ではバッタやかえる、きのこ、どんぐりたちが「わっしょいわっしょい」とおまつりをしています。ろっくんを探している間に出会う不思議な風景。そして、ろっくんはどこにいったのか? 大人の私は、少し緊張しながら読み進める絵本です。14ひきのシリーズは、森の季節の描写がとても美しく、ページをめくるたびにその絵を見て楽しくなります。物語ももちろんですが、目で見て楽しめる絵本ですね。そして、最後には家族14ひきの食事のシーンがあります。 今回は、秋に読むのにおすすめな絵本を4冊紹介しました。秋ならではの絵本を見つけて、お子さんと楽しんでくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年09月15日登場人物■ほにゅ:2018年2月生まれ。泣くのが得意な男の子。薄毛。飽き性。笑顔で母をノックアウトできる。■ねむ:2020年7月生まれ。よく寝る女の子。■つぶみ:ほにゅ&ねむの母。すぐムリって言う。一応一生懸命取り組む。■ぺー:ほにゅ&ねむの父。効率的に動きまくる。優しい。声がでかい。エアーあむあむ編集後記食べ物のイラストが描かれた絵本に集中するねむちゃん(2歳)。ページが進みサンドウィッチが完成していくにつれて「あむあむ!」のボルテージが高まっていく様子がとてもかわいらしいですね。全力で参加しながら、イベントを盛り上げてくれるねむちゃんでした。子どもを対象に絵本を見せながら音読する「おはなしの会」は、地域の図書館や児童館、書店などで開催されています。いつもと読み手が違うことで新鮮な気持ちとなり、子どもが飽きることなく集中して絵本を楽しんでくれるそうですよ。絵本の楽しさに気がつくきっかけになるだけでなく、今回のつぶみさんのように子どもの新たな愛おしい瞬間に出会えるかもしれませんね。ままのて編集部つぶみさんの二人目妊娠のマンガはこちらままのて公式SNSアカウントままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてください!つぶみさんが描く漫画が動画になりました!ままのてで大人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後もつぶみさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他の育児漫画や育児に関するお役立ち情報、生活の知恵がたくさん配信されていますよ。どの動画にも字幕が付いているので、赤ちゃんや子どもが寝ているときでも音声なしで楽しんでいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。過去のエピソード著者情報
2022年08月31日CONTENTS01「生き物」がテーマの図鑑02「植物」がテーマの図鑑03「くらし」がテーマの図鑑04「数・すうじ」がテーマの図鑑05「アート」がテーマの図鑑06「おもしろいテーマ」の図鑑01「生き物」がテーマの図鑑4選ハイセンスな絵柄で動物の視点にクローズアップ『仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界』『仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界』 著:ギヨーム・デュプラ 翻訳:渡辺 滋人(創元社)「動物や昆虫の目に世界はどのようにうつっているのか?」を、イラストで再現した絵本図鑑。生き物の目をめくると、彼らの視点から見た風景が広がる。「猫はひどい近眼」「牛と馬は真正面がよく見えない」などの情報を、言葉だけでなくイラストで教えてくれるから、小さな子どもにもわかりやすい。最新の研究結果に基づく情報と、科学のおもしろさを自然に体感できる!鳥の観察が楽しくなる! フランス発の美しい図鑑『イラスト図鑑 リーブル「鳥」』『イラスト図鑑リーブル「鳥」』文:ナタリー・トルジュマン 絵:ジュディス・ガイフィエ、ジュリアン・ノーウッド 翻訳: 河 清美 監修:盛口満 (化学同人)鳥を楽しく観察するためのヒントを、美しいイラストで図解してくれる一冊。それぞれのすみか、飛び方や、「渡り鳥はどこへ行くの?」「一日の過ごし方は?」といった素朴な疑問に答えてくれる。親子で楽しめるクイズ、鳴き声を覚えるコツなど、実践的な内容も盛り込まれているので、鳥への興味がぐっと深まるはず。理由がわかると興味が湧く! 「進化のふしぎ」入門本『世界一まぎらわしい動物図鑑』『世界一まぎらわしい動物図鑑』監修:今泉忠明(小学館)この夏、映画化も果たした『ざんねんないきもの事典』の著者による新作。姿形や習性はそっくりでも実は別種の動物=「まぎらわしい動物」の見分け方を図解し、なぜそうなったかを解き明かす。タヌキとアライグマ、アザラシとアシカ……見た目はそっくりな彼らだけど、実はしっぽの長さや泳ぎ方、口の形など、違うところがいっぱい。この図鑑を持って動物園に行き、実際に確かめてみて!驚きの情報が満載! 人のからだを探検しよう『からだのふしぎ』『からだのふしぎ』 イラスト:にしもとおさむ(世界文化社)人間の体を旅しながら、それぞれの器官のはたらきを教えてくれる人体図鑑。「クワガタムシを発見した時の脳の様子」など、子どもが興味を持ちやすいように説明してくれる。「心臓が送る血液量は1日、風呂36杯分!」といったトリビアも満載なので、親子で読めば盛り上がること間違いなし!02「植物」がテーマの図鑑2選実物大でリアルを追求! 樹木への関心が深まる『くらべてわかる木の葉っぱ 550種類の葉っぱのちがいが一目瞭然!』『くらべてわかる木の葉っぱ 550種類の葉っぱのちがいが一目瞭然!』著:林 将之(山と溪谷社)身近な葉っぱから樹木の名前を調べることができる樹木図鑑。約550種類が掲載され、身近な樹木が網羅されている。「三角形の葉っぱ」「丸い葉っぱ」など小さな子どもにも分かりやすい言葉で、似ている葉っぱまとめ、その違いを紹介している。実物とほぼ同じサイズなので、公園や野山で見つけた本物の葉っぱと絵合わせをしても楽しい。プリンセス好き必見! 物語仕立てのお花図鑑『ディズニープリンセスとたのしむ ときめき花ずかん』『ディズニープリンセスとたのしむ ときめき花ずかん』 監修:小池 安比古(学研プラス)ディズニープリンセスの物語を読みながら、登場したお花を調べることができる図鑑。花言葉やお花のイラストレッスンのコラムで知識を深め、ディズニープリンセスをイメージしたブーケのイラストにうっとり…!繰り返し遊べるお花やドレスのシール、カバーの裏側にお花カレンダーも付いてキッズも大満足。お花の世界とプリンセス気分にどっぷり浸かってみて。03「くらし」がテーマの図鑑4選分解いらず! 機械の中身を視覚的に理解できる『きかいのしくみ図鑑 (めくって学べる)』『きかいのしくみ図鑑』監修:小峯龍男(学研プラス)家・まち・乗り物など、身近にある機械の構造を楽しく学べる図鑑。イラストのしかけをめくると機械の内部を確認できるから、好奇心旺盛なキッズも大喜び。「トイレの水はどうして流れるの?」「自動販売機の中はどうなっているの?」といった素朴な疑問に答えてくれる。「機械の歴史」や「機械ができるまで」などのコラムもあるので、教養が深まること間違いなし!食べ物が食卓に上がるまでが丸わかり!『はっけんずかん たべもの』『はっけんずかん たべもの』 絵:さこ ももみ 監修:渋川祥子(学研プラス)身近な料理や食材を、しかけと写真で楽しく紹介する「まどあきしかけ」の絵本図鑑。食べ物をつくるお店や畑、農場などの様子が描かれたページと、写真で紹介するページで構成されている。しかけをめくると、パンがふくらんだり、野菜が育つ様子が見られたり…食材が食べられるまでの過程が視覚的に分かるので、食育にぴったり。ボードブックだから破れにくいのも嬉しい!五味太郎氏のイラストで、4つの国の言葉を楽しく理解『なまえのことばとくらしのことば』『なまえのことばとくらしのことば 作:五味太郎(偕成社)言葉をそのはたらきごとに分けて、日本語、英語、ポルトガル語、スペイン語で紹介する、人気絵本作家の五味太郎氏が手がけるシリーズ。方向や方角など「なまえのことば」や、あいさつ・お礼・よびかけことばなど「くらしのことば」を楽しいイラストとともに堪能できる。ちょっぴりユニークな、おだてことばも登場!奥深い言葉の世界を親子で堪能しよう。マーク好きにはたまらない! あらゆる記号を完全網羅『キッズペディア マークの図鑑』『キッズペディアマークの図鑑』編:小学館(小学館)駅の構内案内や道路標識など、身のまわりのマーク・記号を1400個以上掲載した図鑑。まち、道路や駅、家や学校にあるマークと、その意味を教えてくれる。「マークとは何か」という基本知識から、2020東京オリンピック・パラリンピックの全競技のピクトグラムも収録。お出かけの際に持っていけば、いろいろな発見が待っているかも!04「数」がテーマの図鑑2選ルーツや使い分けに着目! 大人も知らない情報が満載『身近なモノをなんでも数えてみたくなる!数え方図鑑』『身近なモノをなんでも数えてみたくなる!数え方図鑑』(日本図書センター)意外と知らない「モノの数え方」のルールを、「生き物・人・食べ物・モノ」ごとに、楽しいイラストを用いて教えてくれる。「3度目と3回目のちがい」など、驚きの知識がたっぷり。使い分けが難しい数え方も、使用例とあわせて覚えることでスムーズに理解できるはず。キッズの正しい日本語学習だけでなく、大人の教養も深めてくれる。数や図形が直感的にわかるから、算数が楽しく!『さわって学べる算数図鑑』『さわって学べる算数図鑑』 監修:朝倉 仁(学研プラス)算数にまつわることを、しかけを通して体感できる図鑑。「算数が得意な子どもは、数や図形を、文字としてではなく、実感できる量や重さで感じている」という考えをもとに、動かす・開ける・組み立てるなどの行動を通して、数や図形がどのようなものなのかを教えてくれる。楽しみながら、算数を好きになってくれるかも!05「アート」がテーマの図鑑2選全米ベストセラー! 絵画のような虫たちに注目『世界一うつくしい昆虫図鑑』『世界一うつくしい昆虫図鑑』 著:クリストファー・マーレー 訳:熊谷玲美(宝島社)息をのむほどに美しい昆虫たちを、一切のデジタル処理等を施さず、自然の色のままに紹介する昆虫図鑑。細部に寄ったり、同分類の昆虫同士を美しく配置したアートのような写真、虫好き・お絵描き好きキッズも目を離せなくなるはず。大人向け書籍でありながら、字が読めなくても十分に楽しめる。お家にいながら、まるで美術館へ訪れた気分にさせてくれる。植物博士の研究を一冊に! 心惹かれる世界観『妖精図鑑』『妖精図鑑』著:エミリー・ホーキンス 絵:ジェシカ・ルー 訳:小林玲子(河出書房新社)妖精の体のしくみからその一生まで、妖精にまつわる情報が詰まった英国発の図鑑。植物博士のエルシー・アーバー氏の研究成果を集約し、空想の生き物と思われがちな妖精の生態に迫る。上質な装丁と美麗なイラストは、見るだけで心を奪われる。なんと「妖精探しのコツ」まで伝授してくれるから、ファンタジー好きのキッズも興味津々。子どもと一緒に夢の世界に入り込んでみては。06「おもしろいテーマ」の図鑑2選奥深いマジックの世界を堪能! ぜひマスターして『マジック大図鑑』『マジック大図鑑』 著:DK社編著(新星出版社)コップに水を入れると氷になる手品など、身近なアイテムを使った20の手品がわかる一冊。手もとがわかるように、手順を大きな写真で解説してくれる。好奇心や観察力はもちろん、みんなの前で披露することで表現力も育まれるかも!?技術だけでなく、手品のタネの説明やマジックの歴史などの豆知識を習得し、クラスの人気者を目指そう!大好きなテーマで、自然と学びの基本が身につく『しらべる・くらべる・おぼえるチカラが身につく! うんこ図鑑』『しらべる・くらべる・おぼえるチカラが身につく!うんこ図鑑』監修:荒俣 宏(日本図書センター)子どもの興味を引き付けて離さない「うんこ」をテーマに、科学する力が自然と身に着く一冊。見た目やにおい、食べて出すまでにかかる時間を比較したり、「トイレとうんこポーズ」のコーナーでは、動物たちの排泄時の姿勢と場所に迫る。さらにリサイクルや医療にまつわるエピソードなど、知られざる「うんこ」の秘密を探る!身近な物事だったり、子どもが好きな内容だったり…ユニークなテーマだから楽しく知識を深められそう! この夏、親子の読書タイムに取り入れてみてくださいね。photography/Chiharu Fukutomi
2022年08月17日実験がテーマの絵本 01絵の具を混ぜて色彩感覚を身につけよう!『いろいろいろのほん』『いろいろいろのほん』 作:エルヴェ・テュレ 訳:谷川俊太郎 (ポプラ社)対象年齢:3歳くらいから「子どもたちとともにワークショップをしたり、数々の遊び絵本を創作しているフランスの作家による楽しい色遊びの絵本。読み進めていくうちに、絵の具を出して試してみたくなるはずです。指や手に絵の具をつけて、親子でやってみよう! 指に青をつけて、それから黄色をなでてみる。するとどうなる? 色と色を混ぜたり流したりしながら、色彩の感覚を身につけていきます。1ページめくるごとに新しい発見が。画用紙、なければ新聞紙だってかまいません。谷川俊太郎さんのテンポのいい訳もぴったり。気分が乗ります」実験がテーマの絵本02親は懐かしい気持ちになる泥遊びのお話『どろだんご』『どろだんご』 文:たなかよしゆき 絵:のさかゆうさく(福音館書店)対象年齢:2歳くらいから「『どろだんご』なんて昔はよくつくったものですが、今の子どもたちはどうでしょうか。きれいなピカピカの泥団子。いったいどうやったらできるのかな? 試してみましょう! 子どもと一緒にどろどろのどーろどろになって、とっておきの楽しい時間を過ごせそう。 わかりやすく描かれたシンプルな絵本です」実験がテーマの絵本03野菜の切れ端がスタンプに!?『やさいでぺったん』『やさいでぺったん』 作:よしだきみまろ(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから「お母さんがカレーライスをつくっていると、ころころと野菜の切れ端が転がってきました。ニンジンにタマネギ。拾おうとしたとき、床に残ったのは切れ端の跡。思いがけない模様を発見した子どもたちは、野菜のスタンプを思いつき、絵の具を塗って、ぺったんぺったんと紙に押していきます。皮や頭の部分の切れ端は、押してみるとこんな形、あんな形が出てきます。その形を組み合わせて、今度は森や顔を描いてみたり。逆に何の野菜を使ったか当てっこしたり。植物の構造も観察できる、愉快な実験絵本です」実験がテーマの絵本04暑い日に読みたいアイスのお話『ばばばあちゃんのアイス•パーティー』『ばばばあちゃんのアイス•パーティー』 作:さとうわきこ 協力:佐々木志乃(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから「お馴染み、ばばばあちゃんシリーズの科学絵本。夏のとある日。この夏いちばんの暑さです、と天気予報が伝えたのを見て、ばばばあちゃんは思いつきます。こんな日はアイスパーティーだ! 子どもたちを集め、好きなものを凍らせてみようと、みんなを誘います。最初はフルーツ、そのうちお菓子、それから……。なんでもかんでもやってみよう、とみんなで案を出しながらトライ。最後にはどんなアイスパーティーになるでしょう。いったん読み聞かせれば、真似して実践したくなる楽しい楽しい作品です」実験がテーマの絵本05すぐにできる実験のアイディアが盛りだくさん!『かこさとし あそびずかん なつのまき』『かこさとし あそびずかん なつのまき』文・絵:かこさとし(小峰書店)対象年齢:幼児から「小さい子が、身近なもので遊びながらいろいろ試してみる。そんなことが簡単にできそうな図鑑。わかりやすい絵とともに、驚きの『実験』も。葉っぱを手に乗せてたたくと、どんな音がでるかな? 葉っぱの種類で音は変わるかな? 野菜の根を捨てないで、もう一度野菜がつくれるかな? セイタカグサを抜いて槍のようにすると、どこまで飛ぶかな? そのほか、夏にふさわしい遊びや工作も満載。夜空や昆虫などの観察の仕方も描かれているので、この一冊があればひとまず大丈夫! 身近には小さな実験素材であふれていることに気づかされます」実験がテーマの絵本06いろいろな道具でシャボン玉をつくろう『杉山きょうだいのしゃぼんだまとあそぼう』『杉山きょうだいのしゃぼんだまとあそぼう』文・構成:杉山弘之 杉山輝行 写真:吉村則人 絵:平野恵理子(福音館書店)対象年齢:4歳くらいから「子どもたちが大好きなシャボン玉遊び。きれいで不思議で儚くて。誰かがやってると、つい立ち止まって見てしまう。きっと、心の中では、やりたいと呟いているはず。そんな好奇心を応援してくれる写真絵本。シャボン玉遊びのコツがしっかり学べます。こんな形、あんな形にするにはどんな道具を使うのかな。実験が始まります。夏の光に輝く大小さまざまなシャボン玉。夢中になること間違いなし。そして、たくさん息をはいて肺を使ったあとは、ぐっすりお昼寝できるでしょう」実験がテーマの絵本07小さな子でも楽しめるやさしい実験『まほうのコップ』『まほうのコップ』 原案:藤田千枝 写真:川島敏生 文:長谷川摂子(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから「タネも仕掛けもありません。コップに水を注ぐだけで、あら不思議! コップの後ろにイチゴやキノコ、急須やフォークを隠してみると、いったいどんな姿に変わるでしょう? そして今度はコップの形を変えてみたら、どうなるでしょう? なんでもないところに、驚きの発見があります。小さい子の実験第一歩は、こんな身近なもので始められます。 忙しいお母さんお父さんでも気軽にサポートできますよ! 」実験がテーマの絵本08いつもと違う塗り絵に挑戦しよう『でこぼこぬりぬりなにがでる?』『でこぼこぬりぬりなにがでる?』作:松田奈那子(アリス館)対象年齢:2歳くらいから「画用紙に色を塗っていたら、突然ボコッ! 下に物があったのに気づかず、その形が浮き出てしまったことはありませんか? だったらわざと置いて、どんな形が出てくるかこすり出して見てみよう。そして当ててみよう。一体何が隠れているのかな? まずは小銭でトライ。次に鍵やクシといった身近な道具で試したあとは、お外へ! 浮かび上がった形を組み合わせて別の形をつくってもおもしろい。 簡単にいろいろと試せて、好奇心をそそる作品です」アンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動してきた。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2022年08月09日2022年7月15日、絵本作家の、あいはらひろゆきさんが亡くなったことが分かりました。61歳でした。かつて、あいはらさんが代表取締役を務めていた株式会社キャラ研によると、あいはらさんは同年6月27日に亡くなったといいます。あいはらさんが文章を担当した絵本シリーズ『くまのがっこう』は子供を中心に愛され、図書館や学校の図書室でも人気を博しました。くまのがっこう 公式ホームページ スクリーンショット子供が生まれたことをきっかけに、『くまのがっこう』シリーズを作ったという、あいはらさん。絵本に登場するくまのこたちに、笑顔をもらった人は多いようで、「思い出の絵本をありがとうございます」という感謝の声が続々と上がりました。今後も、幅広い世代の子供たちに、『くまのがっこう』シリーズは本を読む楽しさを教えてくれることでしょう。あいはらさんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2022年07月15日こんにちは、保育士の中田馨です。8月に入りいよいよ夏本番の季節になってきました。今回は、保育園でも人気の夏だからこそ読んでみたい絵本を紹介します。『はらぺこあおむし』(偕成社) 作エリック=カールさん、訳もりひさしさん。夏の昆虫と言えば「ちょうちょ! 」ということで、この絵本を選びました。きっと多くの方が、この本を一度は読んだことがあるのではないでしょうか? 物語は卵から幼虫・さなぎ・ちょうちょへとあおむしが成長する様子が描かれています。この絵本の魅力は、何といっても色の鮮やかさではないでしょうか。絵本に出てくる、あおむし、太陽、リンゴ、洋梨、スモモ、イチゴ、オレンジなどの食べ物はもちろんのこと、最後に出てくるちょうちょは息を飲むほどの鮮やかさです。 子どもたちが特に好きなのは、果物やチョコレートケーキ、アイスクリームなどの食べ物が出てくる場面。あおむしになったつもりで、一緒につまんでパクリと食べてもいいですね。ちなみに、はらぺこあおむしは歌にもなっています。絵本を歌に合わせながら読むのも楽しいですよ! 『ダンゴムシ みつけたよ』(ポプラ社) 写真・文は皆越ようせいさん。ダンゴムシに興味のある子にはたまらない一冊です。季節が暖かくなってきたら、公園や花壇など様々なところに現れるダンゴムシ。身近な生き物の中でも、子どもの好きな生き物の一つです。 「ぼく、ダンゴムシ。きみのちかくにいるよ。ぼくをさがしてみて」とダンゴムシのメッセージからスタートします。ダンゴムシが好きな場所や食べ物、ダンゴムシのうんち、ダンゴムシの脱皮、ダンゴムシの生死など、あらゆる角度からダンゴムシの写真とともにお話が進んでいきます。ダンゴムシ好きな子どもは、目をキラキラ輝かせながら何度も繰り返しページをめくります。 この本を読むと、大人もダンゴムシへの興味が増すのではないかと思います。(私はダンゴムシが好きになりました! )お子さんと外遊びに行くときに、日陰の湿った場所にある、大きな石をどかしてみてください。きっとダンゴムシがコロコロっと現れますよ。 『こぐまちゃんのどろあそび』(こぐま社) わかやまけんさん作・絵の「こぐまちゃんえほん」シリーズの1冊です。こぐまちゃんがお母さんにスコップを買ってもらったところから物語がスタートします。 穴を掘ったり、どろんこを丸めておだんごを作ったりしているところに、お友だちのしろくまちゃんがやってきます。しろくまちゃんとケンカして、仲直りしながら、豪快にどろんこあそびをします。 どろんこあそびは年中できる遊びですが、特に夏は、水も使いやすいので豪快に遊べます。「泥だらけになっても、水でびちゃびちゃになっても平気! 」と思えるのが夏のどろんこあそびのいいところ。汚れてもOKな服装になって「さあ、今日はこぐまちゃんみたいに、めいっぱいどろんこあそびをするぞ! 」という日を作っても楽しいですよ。 『999ひきのきょうだい』(ひさかたチャイルド) 木村研さん文、村上康成さん絵の大人気「999ひきシリーズ」の1冊目になります。 春にかえるのお母さんが田んぼに999個の卵を産んだところから物語が始まります。998匹のオタマジャクシは産まれて、もう足が生えてきたというのに、一番先に産んだ卵がなかなかオタマジャクシになりません。お母さんが怒ると、ようやく産まれたのは体の大きいオタマジャクシ。そんな999匹の兄弟たちがヘビに襲われても、協力し合いながら生きていく様子が描かれている絵本です。 途中にしかけがあるのですが、その迫力に、私の保育園の子どもたちは目を真ん丸にしています。 春には、田んぼなどにいるたオタマジャクシは、もうカエルになっていると思います。絵本を読んでから、田んぼにカエルを探しにお出かけするのも楽しいですね! 夏にちなんだ絵本を4冊ご紹介しました。今回は、生き物への興味関心や、自然の中での遊びにつながる絵本ばかり。日々の遊びの中に取り入れてみてくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年07月02日わが家では、長女が小さいころから寝る前に絵本を読むことが多く、今も寝る前はみんな布団に集合し、絵本を読むことがあります。■絵本の読み聞かせ、なぜかパパが人気!私自身、絵本が好きなので、本屋さんに寄ったときは、目的の本がなくても、絵本コーナーに立ち寄ってしまいます。長男が「幼稚園で読んだ! おもしろかった!」と言っていた本の同じシリーズや、同じ作者の人が描いた本を探しに行ったり、おもしろそうな絵本を見つけ、衝動買いしてしまうこともよくあります。買った後は、子どもたちのよろこぶ姿を想像し、読むことを楽しみにするのですが…。いざ、絵本を読もうとすると、「パパに読んでもらう! パパがいい!」という子どもたち。そんなっ! 読むのが楽しみで買ったのに!「なんで? ママが読むよ?」と必死にアピールするのですが、「パパの方がおもしろいから」の言葉…。わが家では、なぜかパパの絵本の読み聞かせが大人気、その理由は…。 ■セリフや効果音を付け足して読むことで、大盛り上がりに!書かれていないセリフや、効果音を付け足して読むので、単純な話が、パパの手にかかればテレビを見ているような盛り上がり。毎回、読み方も変わるため、ひとつの絵本で何通りものストーリーになります。お腹を抱えて笑いながら聞く子どもたち。体も動かすの、アトラクションも兼ねます。絵本読みは、パパに勝てません。
2022年06月02日しかけ絵本が大好きな娘さんですが、それ以上に好きな行動が……。そのため世にもおそろしい絵本ができてしまったとか。その絵本とは一体……?うちの娘はキャラクターが動かせたり、音が出たりするしかけ絵本が大好きでした。しかけ絵本があるとしばらくおとなしくなるので、どこへ行くにも1冊はバッグに入れていた時期があります。 世にもおそろしい絵本完成…!? 育児あるあるなのかわかりませんが、しかけ部分の破壊がすごかった時期があって、直しても直しても破かれるので、絵本がたびたび謎の小冊子になっていました。(真っ白の部分が多い) 娘の手先が器用になり、物を壊したらまずいということが理解できるようになると、絵本を破かれることはほぼなくなりました。今振り返ると懐かしいです。 著者:マンガ家・イラストレーター 和田フミ江姉妹の母。趣味はゲームと旅行と美味しいものを食べること。
2022年05月17日トライセラトップスの和田唱が絵本『ばぁばがくれたもの』をリリースすることを発表した。和田は「大切な人を無くした方々の気持ちに、寄り添っていきたい」との想いから、今は亡き愛しい祖父母との思い出から一編の物語を作成。「愛する人の存在がなくなってもちゃんと見守ってくれている、繋がっている、そんな優しい気持に包まれてほしい」と、音楽活動の傍ら和田自身がこの原作を書下ろした。「人はこの世を去っても魂は生き続けるの? 目に見えない世界って存在するの? 幽霊はいる? 神様は?」など、子供のころから和田自身が不思議に思っていた疑問に対する答えがこの本に込められており、「この絵本があなたにとっての、安心の気持ち、優しい気持ちを連れてきてくれたら、こんなに嬉しいことはありません」と巻末にコメントも残している。絵を描いたのは、和田の文化学院美術科の同窓・佐々木一聡。和田からの呼びかけに応じ、今回初めてのタッグ作となった。また今作では、この絵本のテーマに沿って和田自身が書き下ろした新曲「オレンジ色のやすらぎ」を収録したCD付きも発売。出版社の通販サイトでは、発売に先駆けて和田や佐々木のサイン入り絵本の数量限定の予約販売がスタートしており、さらに7月には絵本の原画展も予定されている。<書籍情報>『ばぁばがくれたもの』2022年5月20日(金) 発売『ばぁばがくれたもの』表紙作:和田唱絵:佐々木一聡A4 変形 200×290mm カラー 32ページ絵本単価:1,980円(税込)CD付:3,300円(税込)通販サイト:ツバメ出版流通: OFFICIAL SITE
2022年05月14日友だちづくりがテーマの絵本 #01引っ越し先でどうやって友だちをつくる?『と・も・だ・ち』「住むところが変わると、小さい子がいちばん気がかりなのは友だちづくりですよね。アンディもまた新しいお家に引っ越してきました。自分と同じように泳ぐのが好きな子と仲良くなりたい。そう思って探してみますが、出会う子たちはどうも気が合わなそう。乱暴だったり、利口すぎたり、恥ずかしがり屋だったり。それを知ったお母さんは、とっておきのアドバイスをくれます。子どもと一緒に楽しく読めて、友だちづくりのコツも伝えられるのでおすすめです」『と・も・だ・ち』文・絵:ロブ・ルイス 訳:まつかわ まゆみ (評論社)対象年齢:5・6歳くらいから 友だちづくりがテーマの絵本 #02いつもひとりぼっちのこっこさんが取った行動とは?『こっこさんのともだち』「なかなかみんなの輪の中に入れない子も、もちろんいるでしょう。いつもひとりぼっちでは、きっと寂しいに違いありません。でも、大人があれこれ言ったりするより、そっとこの作品を読んであげてはどうでしょう。保育園でひとりぼっちのこっこさん。気付けば同じようにひとりぼっちの子がいます。もじもじしながら、それでもちょっとずつ近づいて、だんだん嬉しくなって、やがて……。友だちづくりのプロセスがイメージできると、最初の一歩が踏み出せるかもしれませんね」『こっこさんのともだち』文・絵:片山 健 (福音館書店)対象年齢:2歳くらいから 友だちづくりがテーマの絵本 #03苦手だった友だちと仲良しになったお話『あのときすきになったよ』「今では仲良し。でも最初はあんなに苦手だったのに、ということもありますよね。ちょっと辛気臭いまりかちゃんは、おもらしばかりしていて『しっこさん』と呼ばれています。『わたし』も心の中でそう呼んで、あんまり好きにはなれません。さらに些細なことでけんかもして……。しかしひょんなことから好感を持つようになりました。だんだんと近づくうちに、『わたし』は『しっこさん』のやさしさに気付かされます。嫌だな、好きだな、悪かったな、という気持ちの芽生えは、友だちの存在を認め始めていること。素直に受け入れると、仲良しにだってなれるはず。大いに笑えて迫力ある展開の人気作品です」『あのときすきになったよ』作:薫くみこ 絵:飯野和好 (教育画劇)対象年齢:4・5歳くらいから 友だちづくりがテーマの絵本 #04そもそも友だちになるってどんな気持ち?『ともだちになろう』single_credit「友だちになるって、いったいどういう気持ち? それは、一緒に笑ったり泣いたり。ときには怒らせたり、恥ずかしがったり、気にかけたりといろいろです。自然と生まれるさまざまな感情を、黒バックに描かれたカラフルな怪獣たちが、ダイナミックに表現してくれるので分かりやすいです。友だちづくりは戸惑うこともたくさんあるけれども、難しく考えることもないんだよ、ありのままでいいんだよ。そんなふうに子どもたちをサポートしてくれる、元気のいい作品です」『ともだちになろう』文:ミース・ファン・ハウト 絵:ほんま ちひろ (西村書店)対象年齢:4歳くらいから 友だちづくりがテーマの絵本 #05発達面で凸凹がある子どもを描く『こんなおともだちってすごいね! ❷ ひらめきで なぞとき! ADHDのイジー』「初めての小学校。クラスを見渡すと、あれ? なんだかひとりだけ様子が違います。先生の話を聞かずにソワソワ、ぶらんぶらん、ついには机の上に。そんなイジーの頭の中を探るべく、先生は授業を中断し、みんなを誘い出します。ついていってみると……。イジーの行動には、すごい訳があったんです。発達面で凸凹がある子どもたちを描いたシリーズの第2巻。その特徴を肯定的にかつ楽しく描いた作品です。専門家による解説付き。いろんなクラスメイトと仲良くなるきっかけづくりも手伝ってくれるでしょう」『こんなおともだちってすごいね! ❷ ひらめきで なぞとき! ADHDのイジー』文:トレーシー・パッキム・アロウェイ 絵:アナ・サンフェリッポ 監修:田中康雄 訳:富原まさ江 (合同出版)対象年齢:6歳くらいから 友だちづくりがテーマの絵本 #06友だちづくりのお絵描きをしてみたら……『い~れ~て!』「誰だって、友だちと遊びたい。一見ひとりでいるのが好きなように見えても、心のうちでは友だちの存在を夢見ています。だったらみんなのほうに駆け寄って、『いーれーて! 』と言うだけ。でもそのひと言を言うのが難しいんですよね。運動が苦手でお絵描きが好きな『ぼく』は、絵に描いた友だちを通じて、実際のクラスのみんなに近づけるのでしょうか。『ぼく』の気持ちの進展を、ゆっくり、じっくり見つめた作品。引っ込み思案の子もきっと安心して心を寄せることでしょう」『い~れ~て!』文:中川 ひろたか 絵:市居 みか (金の星社)対象年齢:2歳くらいから 友だちづくりがテーマの絵本 #07郵便受け越しで交わされる素敵なコミュニケーション『とん ことり』「入園、入学、転居。春にはさまざまな環境の変化があり、子どもにとっても、心躍る反面、未知の世界に不安な思いを抱く時期ですね。そんな気持ちにぴったりと寄り添ってくれるのが本作品。知らない町に引っ越してきたかなえは、段ボールだらけの新居で戸惑っていました。すると玄関から『とん、ことり』と音が聞こえてきます。見ると郵便受けにプレゼントが。『あたしに? 』。新しい友だちと出会うまでの小さなドキドキを、リアルに描いていて共感しやすい心温まるロングセラーです」『とん ことり』文:筒井頼子 絵:林 明子 (福音館書店)対象年齢:4歳くらいから▼こちらの記事もチェック!【戦争・平和がテーマの絵本 8選】今、親子で考えたいこと< LGBT & 多様性が描かれた絵本8選 >親子で読みたい!<環境問題がテーマの絵本> 親子でSDGsについて考えよう!PROFILEアンヌさんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2022年05月11日笑顔で世界を繋げる新しい絵本出版社、株式会社ラフコネクト(所在地:宮城県大崎市、代表取締役:後藤 大志)は、絵本出版記念イベント「みんなで絵本作家と笑う日」を2022年6月5日(日)に開催します。当社が第一弾として出版する絵本販売と同時に、作家と直接交流できるイベントです。イベントバナーラフコネクトHP ■絵本作家と直接交流!笑顔で人を繋げる新しい時代の出版社の試みラフコネクトは、絵本がうみだす笑い(Laugh)を信じ、すべての人たちを繋ぐ(Connect)新しいいカタチの出版です。そして、子育てに悩む母親・父親、障害児・者、介護従事者、外国人移住者など、いま日本が抱える様々な社会的問題に対峙し、絵本を通じて社会的孤立のない社会の実現を創造していきたいと考えています。今回の出版イベントは、当社が6月5日に販売する第一弾の絵本出版を記念して開催します。絵本の面白さを作家本人が伝える参加型のステージから紙芝居の作り方を教えるワークショップまで、小さなお子さんから大人の方まで楽しんでいただける内容になっています。絵本ラインアップ■みんなで絵本作家と笑う日 ~ラフコネクト第一弾絵本出版記念イベント~【参加予約】 【会場】 食の蔵 醸室(かむろ)内 寺子屋ホール(宮城県大崎市古川七日町3-10)【お問い合わせ】メールアドレス: info@laughcnt.com QRコードからもお申込みできますTEL : 0229-25-7150※Instagram・Facebook・Twitter・YouTube 各SNSでも情報発信中ラフコネクト イベントQRコード<イベント概要>◇日時 :2022年6月5日(日)◇午前の部:絵本と紙芝居ステージ◇時間 :10:30-11:30絵本作家本人による絵本の披露/参加型の楽しい紙芝居ステージ/家族みんなで笑顔になれる時間◇定員 :30名(先着順)/1組3名まで◇対象年齢:0歳~大人も可◇参加費 :無料◇午後の部:紙芝居ワークショップ◇時間 :13:30-15:00キミも未来の絵本作家になれる!?/絵本作家が紙芝居の作り方教えます/創作ワークショップ◇定員 :30名(先着順)/1組3名まで◇対象年齢:5歳~大人も可 ※未就学児は大人の付き添い必要◇参加費 :1,000円【出演絵本作家】◇保科 琢音 ~絵本を書いて紙芝居を創って落語も喋る!ラフコネクト社長!~絵本「よぞらのおくち」「たまちゃん」社長 保科 琢音絵本「よぞらのおくち」絵本「たまちゃん」◇ごみた こずえ ~物理を学んだ絵本作家!目指すは絵本界のニュートン!~絵本「おそらのいろってどんないろ?」「すてきなせかいのはじまり」ごみた こずえ絵本「おそらのいろってどんないろ?」絵本「すてきなせかいのはじまり」◇稲葉 野々 ~人生縦横無尽の新人絵本作家 ラフコネクト絵本作家道場一期生!~絵本「くだものベッド」稲葉 野々絵本「くだものベッド」■ラフコネクト 会社概要ラフコネクト ロゴ私たち、ラフコネクトは地方から絵本業界を変えていく出版社です。地方から全国に絵本を販売し、そして海外にチャレンジしていける企業を目指しています。当社は絵本作家がきちんと収入を得て、生計を立てていけるビジネスモデルを目指しており、絵本作家と共に成長していくベンチャー企業です。絵本作家に営業力を集中し売り込んでいく施策や「絵本作家道場」という育成システムを運営し、熱意ある絵本作家の開拓から絵本の販売を一環して行っていきます。会社名 :株式会社ラフコネクト(Laugh Connect Inc.)所在地 :〒989-6301 宮城県大崎市三本木桑折都松17-57(三本木シェアオフィスSunBrew内)設立年月:2021年5月13日役員 :代表取締役 後藤 大志取締役 社長 保科 琢音取締役 副社長 藤澤 りか事業内容:絵本の出版、オリジナル絵本の受託作成、絵本作家の育成YouTubeラフコネクトちゃんねる 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月10日幼い子供を育てる親にとって、読み聞かせ用の絵本を借りられる図書館は重宝する施設です。2022年5月時点で2歳の息子さんを育てている、楡村(@haha_nirem)さんも図書館を利用。息子さん向けの絵本を予約したのですが、思ってもみなかった1冊が届いてしまいます!図書館で絵本予約したら予想外のサイズだったぜ ガハハ pic.twitter.com/xSFMDuABmw — 楡村 2y♂ (@haha_nirem) May 3, 2022 息子さんが覗き込んでいるのは、ビッグサイズな絵本!楡村さんが借りたのは、五味太郎さん作の大型絵本『みんなうんち』でした。絵本のサイズは高さ49cm、幅45cmで、息子さんの胸元まであります!「生き物は食べるから、うんちをする」と分かるよう、さまざまな生き物のうんちを紹介している本作。楡村さんは息子さんの成長を想い、「トイレに興味を持ってもらいたくて借りた」といいます。絵本のサイズとタイトルに衝撃を受けた人からは、「我が子も、うんちが好きなお年頃なので借りたい」という声が続々と上がりました。また、「大人数に読み聞かせをする時に便利なやつだ!保育士時代にお世話になりました」というコメントも寄せられています。うんちについて学べる絵本が大きいというだけで、大人も楽しくなってしまう1冊。子供とともに楽しみたい人は、読んでみるといいかもしれませんよ![文・構成/grape編集部]
2022年05月05日この記事では赤ちゃんの絵本の読み聞かせについて、医師監修のもとマンガで解説します。スキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。最初は身近なモチーフの絵本から入り、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。絵本の読み聞かせは、赤ちゃんとのコミュニケーションやスキンシップなど大切な役割を果たします。でも、赤ちゃんが低月齢のころは絵本を読んであげても意味がわからないので、効果がないと思っている人もいるかもしれません。そこで今回は読み聞かせを開始する時期やコツについて解説します。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせするのはいつから?個人差はあるものの、赤ちゃんが言葉を覚え出すのは1歳前後とされています。このころから、赤ちゃんは短い単語を使って感情表現をするようになり、1歳半ごろから赤ちゃんは語彙を増やしていき、短い文章を作って話し始めるのが一般的です。そうなると簡単な絵本の内容も理解できるようになります。「言葉を覚えさせる」「お話を楽しんでもらう」という意味では、1歳半を目安にして読み聞かせをするのが効果的です。 しかし、基本的には生まれてすぐからでも読み聞かせには意味があります。赤ちゃんは文字を理解しませんが、耳で音を聞くこと、絵を見ることなどを楽しみます。また、読み聞かせには学習以外の効果も多くあります。たとえば、読み聞かせは赤ちゃんと親のコミュニケーションの場です。親からやさしく語りかけることで赤ちゃんは安らぎを覚えますし、親も赤ちゃんへの愛情を確認できる時間となります。さらに、毎日寝る前に読み聞かせを習慣にすると睡眠の儀式となり、生活リズムも整いやすくなるでしょう。本が身近な存在となって、将来的に読書が好きになるかもしれません。絵本に興味があれば、言葉がわかるようになったころの読み聞かせもより楽しめるでしょう。このようなことから、赤ちゃんが絵本の内容をわからない時期でも、読み聞かせを始めることは有意義といえます。 先ほどお伝えしたとおり0歳児で言葉や物語は追えなくても、音や絵の印象だけなら楽しむことができるので、抑揚をつけたり、「にこにこ」などの擬態語などが含まれた絵本を読み聞かせたりして、一緒に楽しみましょう。親と一緒にいろいろな絵が移り変わる時間を過ごすのは、大切なスキンシップになります。まずは図書館や本屋さんで赤ちゃんに見せてみて反応が良いものを選んでもよいでしょう。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせする効果は?絵本の読み聞かせのメリットとしてはまず、「情緒の安定」が挙げられます。赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても親が読む声をずっと聞いていて、感覚的に気持ちのいい時間を過ごせます。優れた絵本は優れた文章で書かれているため、親の読む声も耳触りがよくなります。安心感のある時間をたくさん持つことで赤ちゃんの情緒は安定していきます。また、成長したときに感情表現が豊かで、他者への共感能力が高くなりやすいでしょう。 次に、「好奇心の芽生え」も重要なポイントです。家族に囲まれた日常ではなく、まったく知らない世界を赤ちゃんは絵本でのぞきます。その結果、赤ちゃんは好奇心が刺激され、キャラクターや世界観などを「もっと知りたい」と思うようになります。こうした感情は、成長したときの学習意欲や向上心へとつながり、芸術的な視点を養ううえでも大切な機会となります。 そして、「親子のきずなの再確認」も読み聞かせでできます。絵本は親から子に物語を読み聞かせることで、テレビではできないコミュニケーションが生まれます。同じ物語でも、親が工夫して読み上げれば、そのたびに赤ちゃんは違う感想をもつはずです。赤ちゃんは絵本の内容こそ覚えていなくても親から愛情を注がれた記憶は残っていくので、良好な親子関係を築く礎ができていきます。 赤ちゃんの絵本の読み聞かせ方のポイント読み聞かせするうえでのポイントは、赤ちゃんに「感想を求めない」ことです。赤ちゃんは絵本を読んでいる間、素直に楽しんでくれているはずです。しかし、感想を聞くのは意見の強要になってしまう恐れがあり、赤ちゃんはストレスを覚えてしまいがちです。場合によっては、絵本そのものへの嫌悪感につながりかねません。 読み聞かせが終わったら、「おもしろかったね」と声をかける程度で十分です。もしも赤ちゃんが気に入ってくれたなら、感想を求めなくても笑顔になったり、繰り返し読んでほしがったりといった反応があるでしょう。 「赤ちゃんと触れ合いながら読む」ことも大切です。読み聞かせはスキンシップの時間でもあるので、ひざに乗せたり、隣に寝たりしておこなうのが理想的です。こうした習慣を続けると、赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても「お母さんやお父さんと触れ合える時間」だと思ってくれるようになります。そして、読み聞かせの時間が好きになり、将来的には本そのものに興味を持ってくれます。また、親子が仲良くなるためにも欠かせない時間になるでしょう。 月齢別のおすすめ絵本低月齢の赤ちゃんなら、「にこにこ」「わんわん」「ぶーぶー」など、言葉が繰り返されて心地よいリズムの感じられる絵本がよいでしょう。まだ視力が十分に発達していないことから、はっきりした色づかいや形が描かれている絵本の方がより楽しめると言われています。 生後10カ月ごろになると、赤ちゃんは絵本を玩具のように捉えて楽しむことができるようになります。しかし、この時点ではまだ物語までは追えません。赤ちゃんにとって身近なものをモチーフにしたシンプルな絵本を読み聞かせるのがぴったりです。 たとえば、野菜や果物などの「食べ物」の絵本は、赤ちゃんが見たことがある絵が多く、親しみをもって見ることができます。また、乗り物の絵本も愛されやすいジャンルです。電車や車を絵本で知った赤ちゃんは、実際に自分が乗る立場になったときに感動を覚えてくれます。知的好奇心を育むうえでも、適した絵本といえるでしょう。 1歳を超えたあたりから、赤ちゃんは簡単な物語にも反応できるようになっていきます。身近なテーマを好むのは変わらないものの、リズム感やユーモアをともなったフレーズが載っている絵本をおもしろがってくれるでしょう。さらに、音が流れる仕様になっていたり、歌が出てきたりする絵本も人気です。これらの絵本はリラックス効果があるだけではなく、音感を養うこともできます。そして、1歳半ごろからは知育絵本を取り入れるのも効果的です。ごはんや着替えといった生活習慣を楽しみながら学べる絵本によってマナーを教えてあげるのもいいですね。 注意点としては、絵本選びが親の自己満足にならないことです。優先するべきは赤ちゃんの好みであり、苦手な本を無理に読まされても赤ちゃんは心から楽しめず、読み聞かせという行為そのものが苦痛に変わっていくかもしれません。赤ちゃんの好きなジャンルを意識して本を選びましょう。 まとめスキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。赤ちゃんが生まれたら、積極的に読み聞かせをおこないましょう。赤ちゃんが読んで共感できる内容は時期によって変わっていきます。最初は絵の印象や音を楽しめるものから始めて、10カ月ごろになったら身近なモチーフの絵本も取り入れつつ、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。 作画/はたこ監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
2022年04月30日絵本・こどもの本の出版社・ひだまり舎(東京都八王子市、代表:中村真純)は、子どもの権利を考えるミニワークショップ、絵本原画展、トークイベントを、2022年4月末から5月にかけて東京上野と赤羽で開催することをお知らせいたします。いずれも、絵本『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』(2021年9月 ひだまり舎刊)をツールに、「子どもの権利」について考えるという企画です。憲法記念日・こどもの日を含むGW、おとなも子どももあらためて「子どもの権利」について考えるきっかけになるイベントです。絵本書影■絵本『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』について子ども基本法が議論され、「子どもの権利」が注目されています。しかし実際には、おとなも子どもも、それについて学ぶ機会がほとんどありません。絵本の制作チームは、教員の約3割が「子どもの権利条約」の内容を「知らない」と回答したセーブ・ザ・チルドレンの調査を知り、衝撃を受けています。絵本『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』は、子どもたちが、気持ちを手がかりに自然に自分の権利について理解することを助けるた絵本です。そうすることで、苦しい立場におかれる子どもたちだけでなく、周りのおとな、ひいては、それを取りまく社会全体の理解が深まることを確信しています。2020年春、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大していくなか、国連・子どもの権利委員会がひとつの声明を出しました。この「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する声明」が、この絵本出版のきっかけとなりました。佛教大学社会福祉学科の長瀬正子准教授は、学校の一斉休校や遊び場の閉鎖などにより、おとなも子どもも混乱を極める中でこの声明に出会い、自分の置かれている状況が頭の中で整理されていくのを感じたといいます。それまでモヤモヤとしていたものが、声明を読むことで、「これは大切なことなのだ。それがなされないことに対して疑問や怒りを覚えていいのだ」と思えたそうです。長瀬さんは、後に様々な記事の中でこう語っています。「この声明を読んで、子どもにとって世界がどのような事態になっているのかを理解した上で、子どもとの日々の暮らしをどう乗り切り、何を注視し、社会へのアクションをどう起こすべきか考える助けとなった」。声明は、11の項目で構成され、コロナ下において奪われやすい子どもの権利とそれを保障していくうえで重要な視点が述べられています。項目の2番目に子どもの遊ぶ権利、休息と文化的・芸術的活動の保障が位置づけられ、権利委員会の姿勢が読み取れます。長瀬さんは、2020年4月8日に出されたこの声明を、平野裕二氏の日本語訳(4月10日発表)を元に、中高生にも理解できる平易な日本語訳にして5月5日のこどもの日に発表、同年9月にはこれを元に自費出版でワークブック絵本『子どもの権利と新型コロナ』を完成させます。このワークブック絵本は口コミで広がり、半年で4版2,900部を完売。その過程で、絵本専門店の店長から編集者を紹介され、ひだまり舎から、より子ども向けに再構成した『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』を出版することとなりました。2021年9月の出版以来、『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』は、徐々に広がりを見せ、半年で重版となりました。ワークブック付録付き「コロナ下で考えた非常時の子どもの権利」という言葉が表紙にかかれています。非常時に子どもが気持ちを押し込めてしまうことの危険性、気持ちを表に出すことの大切さを感じている長瀬さんは、子どもの気持ちを聴くことが「子どもの権利」を考える上で欠かせない、最も大切な視点であるといいます。この絵本は、その視点に重点をおいたワーク型絵本の形をとり、自分の気持ちと向き合う中で、「子どもの権利」についてまなべる仕組みになっています。気持ちに寄り添う絵本のワークページ書き込み式のワークブックが付録としてついており、言葉でうまく表現できない子どもも、塗り絵や絵で自分の気持ちを表現できるようになっています。また、画家のmomoさんのやわらかな絵は、読者の気持ちを解きほぐし、本来子どもがどんなふうに大切にされるのかを示しています。難しく考えられがちな「子どもの権利」について、気持ちに寄りそいながら自然に考えることができます。基本的な子どもの権利に関する学びのページも充実しています。先の声明の「かんたんな日本語訳」とその解説や、おとなのための子どもとのワークのヒント、困ったときの連絡先などの情報も掲載しています。【絵本書誌情報】タイトル: きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?著者 : 長瀬正子・文 momo・絵ISBN : 978-4-909749-10-9発行 : 2021年9月1日発行発売元 : ひだまり舎書誌情報: ■イベント(1) 上野の森親子ブックフェスタ内イベント ミニワーク「かいてみよう!あなたのきもち」コロナ下、そしてウクライナの戦争など、私たちはさまざまな思いを心の中にため込んでいます。このイベントでは、まずその気持ちを自由にかきだしてみよう、というところからスタート。その後、その気持ちが、どのように「権利」とつながっているのか、長瀬正子さんとmomoさんからお話ししていただきます。<日程・開催場所>日程 :2022年5月4日(水・祝) 13:00~13:30開催場所:上野の森親子ブックフェスタ内イベントテント登壇 :長瀬正子・momo■イベント(2) 『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』絵本原画展赤羽の子どもの本「青猫書房」にて、絵本原画展開催中(4/27~5/23)。開催期間中、青猫書房では子どもの権利関連絵本フェアとして、子どもの権利条約関連の本や、直接「権利」をうたったものではないけれども、子どものもつ権利にイメージを広げて考えることのできる絵本などをそろえています。<日程・開催場所>日程:2022年4月27日(水)~5月23日(月)会場:子どもの本「青猫書房」〒115-0045 東京都北区赤羽2丁目28-8 TimberHouse 1F■イベント(3) トークイベント「わたしの気持ちと子どもの権利~語ることからはじめよう~」原画展開催中の青猫書房にて、著者長瀬正子さんとmomoさんによるトークイベントを開催します。絵本のメイキングストーリーや、「気持ちと権利」の関係、子どもの気持ちをきくというのはどういうことか、等々、興味深い話がうかがえます。長瀬さんの主催するWEBサイト「ちいさなとびら」でおすすめする子どもの権利関連絵本の紹介も。<日程・詳細>タイトル:トークイベント「わたしの気持ちと子どもの権利~語ることからはじめよう」日程 :2022年5月4日(水・祝) 16:00~18:00会場 :子どもの本「青猫書房」登壇 :長瀬正子・momo定員 :20名(要予約)参加費 :1,000円参加申し込みはこちらより↓ ■会社概要商号 : ひだまり舎所在地 : 東京都八王子市代表 : 中村真純設立 : 2018年8月事業内容: 絵本・子どもの本の出版・編集・販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月28日CONTENTS■絵本の読み聞かせは言語の発達をサポート!■生後、いつ頃から読み聞かせをしたらいいの?■どうして動画じゃだめなの?■専門家が教える! 絵本の読み聞かせのポイント■赤ちゃんへの絵本、いったいどれを選んだらいいの?教えてくれた人今福理博先生武蔵野大学教育学部幼児教育学科准教授発達科学・発達心理学を専門に、乳幼児期の言葉の発達や社会性ついて研究。発達心理学の観点から制作された絵本「どこかな どこかな?」(エンブックス)が好評。絵本の読み聞かせは言語の発達をサポート!赤ちゃんは生まれてから1年かけて、言葉(母国語)の聞き分けができるようになっていきます。意味がわかる言葉を話すようになるのは1歳前後と言われていますが、生まれたときにはすでにまわりの大人が話す言葉をしっかり聞いています。ですから、この時期はたくさん話かけてあげることが大切。この話しかけるきっかけづくりに絵本はぴったり。読み聞かせをすることで、赤ちゃんは言語をどんどんインプット。ママが赤ちゃんとコミュニケーションを取りながら読み聞かせをするほど、言語の発達レベルが高くなるという研究もあるほど!※ 言語の発達をサポートする以外にも、集中力が高まったり社会性が育まれたりするなど、赤ちゃんにとって好ましい影響をもたらすことがわかっています。※今福理博・五藤沙耶. (2022). 幼児における紙絵本・デジタル絵本経験と言語・社会性発達. 人間学研究論集, 11, 23-32.生後、いつ頃から読み聞かせをしたらいいの?赤ちゃんは6ヵ月ごろに相手の目をコミュニケーションに重要なものとして認識。アイコンタクトを行うなどの社会的なコミュニケーション能力が芽生えるため、読み聞かせの際にママが絵本に視線を向けると、赤ちゃんも絵本に目を向けたり、ママを見たりするようになります。9ヵ月ごろからは、自分・他者・ものとの3つの関係がわかるように。絵本に描かれているものを指でさしたり、指をさしたときに「〇〇だよ」と言ってあげることで、言葉を覚えていきます。赤ちゃんに読み聞かせをしても理解できているの? と思う方もいるかもしれませんが、言語をインプットするという観点から言えば、生後すぐから言葉は聞こえているもの。理解しているしていないに関わらず、読み聞かせは生まれてすぐからはじめてもいいのです。コミュニケーション能力が発達してくる6ヵ月頃からスタートするのでも、もちろん構いません。どうして動画じゃだめなの?赤ちゃんは大人が話していることを見て真似て、言語をどんどん獲得していきます。つまり、赤ちゃんが言語を獲得する過程で大切なのは、まわりとのコミュニケーションなのです。動画を見せるだけでは、コミュニケーションは生まれませんよね。一方的にただ音だけが流れているだけでは、言語の獲得にはつながらないのです。いっぽう読み聞かせは、「これは何かな?」「これはどうかな?」と、赤ちゃんとコミュニケーションをとることができます。1、2歳ごろの言葉が発達していく時期には、動画よりも絵本の読み聞かせの方がおすすめです。専門家が教える!絵本の読み聞かせのポイント「わんわん」「ねんね」などの赤ちゃん向けの言葉を発するときに、対乳児発話(マザリーズ)と呼ばれる、ゆっくりとしたテンポで抑揚をつけて読むことが、赤ちゃんが喜ぶポイントです。絵本を読む際の言葉かけにも、ぜひこの発話を取り入れてみましょう。ほかには、コミュニケーションをとることも大切。赤ちゃんの目をみて、絵を指さしながら読んであげましょう。このときに、親が一方的に情報を与えるのは避けたいところ。例えば、赤ちゃんに「〇〇はどこかな?」と聞いても反応がない場合、すぐに答えを教えてしまいがちですが、赤ちゃん自身が指をさしたり言葉を発するまで、ゆっくり待ってあげることも大切です。読み聞かせのポイントをおさらい1赤ちゃんが好む話し方で読む2テンポはゆっくり、抑揚はたっぷりつける3赤ちゃんと絵本を交互に見ながら読む4絵本を指さしながら読む5赤ちゃんの自主性を大切にする赤ちゃんへの絵本、いったいどれを選んだらいいの?月齢や年齢に合った文章量やページ数のものを選びましょう。1歳前後であれば集中力が長く続かないので、10ページ前後がおすすめ。短い単語や日常生活に馴染みのある絵が描かれているものであれば、「パンはどれかな?」「ワンワンはどこにいるかな?」と、コミュニケーションをとりながら読み聞かせができます。他には、子どもに選んでもらうのも面白いですよ。絵本をいくつか見せて「どれがいいかな?」と聞くと、意外な絵本を指さすことがあります。今福先生のおすすめ絵本6選いないいないばあ松谷みよ子 文・瀬川康男 絵/童心社赤ちゃんは「いないいないばあ」という遊び自体が大好きですよね。赤ちゃんと目が合うように描かれているので、本当にいないいないばあをしている感覚で楽しんでくれます。大人が抑揚をつけやすいのも嬉しいですね。しろくまちゃんのほっとけーきわかやまけん 作/こぐま社卵を割ったり牛乳を入れたり、フライパンで焼いたりして、しろくまちゃんがホットケーキをつくります。つくる手順が可愛く描かれていて、料理に興味を持つ2歳くらいに読んであげると、お料理がしたくなる子も!どこかな どこかな?今福理博 作・やすのなほ 絵/エンブックス赤ちゃんの発達に合わせた106個の名詞が登場し、「ぱん、どこかな?」と絵探しを楽しんでいるうちに、言葉を自然と身につける仕掛けになっています。1日の生活リズムに沿ってストーリーが展開し、生活習慣を身につけるきっかけにも。だるまちゃんとてんぐちゃん加古里子 作・絵/福音館書店こちらは「だるまちゃん」シリーズの1作目ですが、このシリーズはどれもおすすめ。だるまに天狗といった日本ならではのものをモチーフに、おいしそうな食べ物や遊びなど、子どもが喜ぶものが随所にちりばめられています。もこ もこもこ谷川俊太郎 作・元永定正 絵/文研出版色んな擬音が出てくる、0歳からでも楽しめる絵本。赤ちゃんは変化するものを好むため、「にょき」っと生えて大きくなって、「ぱく」っと食べられるというストーリーが、赤ちゃんのツボに入るようですね。きんぎょが にげた五味太郎 作/福音館書店赤ちゃんは絵探しが大好き。この絵本は、ページをめくるたびにキンギョがどこかに隠れていて、指さしをしながら楽しめます。「キンギョはどこかな?」と赤ちゃんとコミュニケーションがとりやすい点も高ポイントです!絵本は、赤ちゃんが言葉をインプットするために最適なアイテムであるとともに、親とのコミュニケーションツールでもあります。絵本を読むことで、赤ちゃんとの豊かなつながりも育んでくれるはずです。
2022年04月19日こんにちは、保育士の中田馨です。子どもとの触れ合い遊びの1つが「絵本」です。私は保育士という職業柄、毎日子どもたちと一緒に絵本に触れ合っています。今回は、数ある絵本のなかで、子どもたちに人気があり、私もおすすめする絵本を6つご紹介します。 絵本を選ぶときに大切にしていること私が1〜2歳児の子どもたちに絵本を選ぶときに大切にしていることは、・年齢にあった話の長さであること・読んだときに子どもの喜ぶ顔が想像できるものこの2つです。そして、子どもと絵本を読むときは絵本を読むことに集中しましょう。子どもに「絵本読んで」とお願いされたら、家事やスマホはいったん横に置きます。保育所では、子どもをひざに座らせてお互いの体温を感じながら、やさしく心を込めて読みます。そして「もう1回」と言われたらもう1回読みます。ふれあいの時間が楽しければ楽しいほど子どものリクエストも増えますが、できる範囲で答えてあげましょう。また、絵本はお勉強をしているわけではありませんので、文字を覚えさせたり、感想を聞く必要はありません。読んだらそれで終了。感想を聞かなくても、子どもは心の中に温かい感情をたっぷりため込んでいます。 では、次から具体的におすすめする絵本を紹介します。 1. リズムで楽しめる絵本まずは、リズムを楽しめる絵本を紹介します。 『だるまさんが』(ブロンズ新社)1ページ目は、赤い愛嬌のあるお顔のだるまさんが「だるまさんが」と揺れながらリズムよくスタート。そんなだるまさんがころぶのは大人なら誰もが予想できますが、その後もだるまさんは予想外なさまざまなことをします。大人も思わず「クスッ」と笑ってしまう楽しい絵本です。親子で体を揺らしながら、だるまさんのまねっこして読んでも楽しいです。 『きんぎょが にげた』(福音館書店)きんぎょが水槽から逃げて、おうちのさまざまなところにかくれんぼするお話。「にげた」と「こんどはどこ」が繰り返される言葉のリズムの楽しさもありますが、毎ページ毎ページきんぎょを探す楽しさもあります。最初にこの絵本を読んだ子は、一生懸命きんぎょを探します。何回も読んでいるうちに、きんぎょの行方はわかるんだけど「パッ!」と見つけることを楽しむ子、周りの絵を見始める子と1回目とは違う楽しみ方を始めます。 2. 親子で食べたくなる絵本続いて、読んでいて思わずおなかが「グー」っとなってしまうような絵本を紹介します。 『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)こぐまちゃんシリーズのなかの1冊。今回は、しろくまちゃんがママと一緒にホットケーキを作ります。材料を混ぜて焼いていくのですが、フライパンで焼くときの描写が何とも言えずおいしそう。できあがったホットケーキはふっくらとして甘い香りがただよってきそうです。最後はお皿を洗っておしまい。読むと大人でもホットケーキが食べたくなります。 『ごはん』(福音館書店)ページをめくると、ずらーっと「ごはん」が並んでいます。こんなにもたくさん「ごはん」があるんだと読むたびにビックリします。一つひとつのごはんを指さしながら「たけのこごはん」「さつまいもごはん」「おせきはん」と、子どもはつまんで食べるまねをします。まさにおなかがグーっとなるおいしい絵本です。 3. 不思議な世界がおもしろい絵本最後は、不思議な世界に入ってしまう絵本です。 『もこ もこもこ』(文研出版)「もこ」と出てきてどんどん大きくなって「ぱちん!」とはじけて。きっと読む子によって感じ方が違うんだろうなと思う絵本です。目をまん丸にしながら真剣に読んでいる子どもの表情を見るのも楽しい絵本です。 『ねないこだれだ』(福音館書店)せなけいこさんの不思議な世界。「こんなじかんにおきているのはだれだ?」から始まり、出てくるのは表紙にもなっているおばけ。何度も読んでいるうちに、おばけが出てくると「きゃあああ!!」と言って大喜びする子どもたち。子どもによっては本当に怖がって嫌がる子もいますので、そんなときはそっと隠している絵本でもあります。 心にポッと温かいものを与えてくれる絵本。親に読んでもらったり、自分でも何度も読み返したりした絵本は、大人になっても心の宝物になりますよね。子どもにとって「絵本」の時間は、絵本の内容が楽しいこともありますが、ママやパパとのスキンシップの時間でもあります。義務に感じる必要はありませんが、余裕があるときには絵本の時間を取り入れてみてください。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、商品によっては現在と異なる場合があります。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年04月17日子どもを育てるとき、親は何度も選択を迫られる機会があります。習い事を始める? やめる? どこに行く? 学校は? その選択はすべて、自分のためではなく“子どもにとってどうだろう?”を軸に悩み、考えて、選択しているはず。楽しく自分たちらしく暮らす鈴木えみさん夫妻に「子育てMyルール」をお聞きしました。これを参考に、親子がフラットでいられる、自分たちらしい子育てが見つかりますように。FEATURE素敵なあの人の子育てVol.1 モデル・鈴木えみさん 2022.4.15子どもを育てるとき、親は何度も選択を迫られる機会があります。習い事を始める? やめる? どこに行く? 学校は? その選択はすべて、自分のためではなく“子どもにとってどうだろう?”を軸に悩み、考えて、選択しているはず。楽しく自分たちらしく暮らす鈴木えみさん夫妻に「子育てMyルール」をお聞きしました。これを参考に、親子がフラットでいられる、自分たちらしい子育てが見つかりますように。PROFILE鈴木えみさんモデル、デザイナー1985年9月13日生まれ。1999年に雑誌『SEVENTEEN』でデビュー後、カリスマ的人気を誇るファッションモデルに。2013年に結婚。一児のママ。2017年より自身のブランド『Lautashi(ラウタシー)』のデザイナーを務める。またジャンルを問わずコラボレーションやプロデュースなどを多く手掛けている。@emisuzuki_official押しつけるのではなく娘の興味に気付くことが大切えみさん:私たちそんなに「これは絶対!」というルールは持っていないから大丈夫かなぁ。むしろフレキシブルでいたいと思っているかも!?旦那さん:そうだね。えみは押しつけるということをしないから。僕も基本的に、娘には自由にいろいろなことをしてもらいたいと思っています。彼女が少しでも興味を持っていることは家族でサポートしてあげられたらいいなと。それには彼女がちょっとでも興味を持つことに、まず親側が気付くことが必要だと思っています。えみさん:そうだね。押しつけないけれど、見逃さないことは大切かもしれません。娘を見ていると、陽キャではあるし、家で歌ったり踊ったりしているのですが、表舞台には興味を持っていない感じがします。自分と似ている部分はあるけれど全く違う部分もあるから、同じだと思い込まずに彼女らしい個性を見るようにしています。休日の過ごし方は、娘はもちろん、親も一緒に楽しめるお出かけへ旦那さん:娘はダンスを習ったり、最近はボイストレーニングを始めたり。表現することが好きみたいです。えみさん:私がボイストレーニングを習い始めたのは15歳の頃。その頃を思い出して懐かしい気分になったりしています。こんなにもたくさんの習い事や情報があふれている中で、「これをやりたい! 」と本人が強く思う気持ちは大切にしたいです。自分自身でやりたいと思うものを学んでもらった方が、絶対に効率いいですし(笑)。旦那さん:休日にも娘の習い事が入っていて、その合間に友人家族と遊んだり家族で出かけたりしています。えみさん:以前はワークショップなども積極的に参加していました。水族館や動物園、公園などへ出かけたり、娘はもちろん親も楽しんでいます。EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY EMI SUZUKI‘s FAMILY STORY運動神経は旦那さんそれ以外は私に似ている部分が多いかもえみさん:当たり前なのですが、娘は私に似ている部分と旦那さんに似ている部分が両方あって、すぐ人に呼びかけるところが特に旦那さんにそっくり。いつでもすぐに私のことを呼ぶんです。ママのことを好きすぎるの(笑)。それと、運動神経のよさは旦那さんに似ているかなぁ。自転車の練習など運動に関することはすべて彼に任せています。旦那さん:僕は小学校の頃から大学までずっと野球ばかりやってきたので、運動に関しては教えてあげられるかなぁと。娘も体を動かすのが好きで、自転車も30分くらいで乗れるようになったばかりです。えみさん:今は一輪車を頑張っているみたい。本当に活発だよね。そういう運動の部分以外は私に似ているところが多いと思います。基本的にクールで、陽キャだけどねちっこくないというか。旦那さん:そうだね。情に厚くて面倒見がいいところも似てる。娘もお友達から何か頼まれたら全力でやっています。習い事は何かを達成するのではなくただ〝好きなことを楽しむ場〟でいいえみさん:これまで絵本を一緒に読んでいましたが、最近自分で本を読むようになって嬉しい。お友達と放課後に図書館に寄ってから帰るというルーティンができたみたいで。友達の存在の大きさを実感しました。旦那さん:それとずっと好きなのは料理だよね。えみさん:シッターさんがとてもお料理が上手な方で、娘は小さい頃からお手伝いをしていて料理が好きになったんです。朝はスクランブルエッグをつくってくれたり。洗い物も好きですね。今も料理教室に通っています。さまざまな国の先生がいて、その国の料理を教えてくれるというところがまたおもしろいんです。旦那さん:習い事で何かを達成して欲しいわけではなくて、娘が楽しんでいる様子を見ると、シンプルにこちらも嬉しい。過剰に期待はしていません。えみさん:私自身も子どもの頃、ピアノ、そろばん、スイミング、クラシックバレエなどたくさん習い事に通っていたけれど、今でも続けているものはなくて……。自分の意思で選んだわけではなかったので、身につかなかったんだと思うんです。彼女自身がやりたくて楽しんでいる、ということを大切にしています。家族全員それぞれが無理なく正直にフラットでいられる今の状態を続けていきたいえみさん:小学生のとき、よく「将来の夢は何ですか?」って聞かれたり書かされたりしますよね。私自身も書いた記憶があって。その時はわからなかったから簡単に書いたけれど、それが自分の想像以上に強く残るものだと思うんです。私は幼い頃に将来なんて決める必要はないと思っています。だって、私は今でも「夢は何ですか?」に答えられないですから。やりたいことがたくさんありすぎて。旦那さん:ちょうどこの間学校の課題でそれがあったよね。娘も困って、「健康に家族仲良く」みたいに真面目なとりとめないことを書いていた気がします。えみさん:子どもって日々、いろんなことをどんどん質問してきますよね。大人はそれが大変だったりもするけれど、“答えられることはすべて本当のことを伝える”と決めています。結構際どいことを聞いてきても、なるべく嘘だけはつかない。誤魔化したり嘘をついた情報を入れたりすると、曲がりくねって彼女の中で違うものに育ってしまう気がしてよくないと思うんです。旦那さん:そうだね、できる限り正直に答えるようにしています。それと、答えをこちらから出さないということ。例えば、数学の宿題を見ているときに、娘が間違っていてもすぐに答えを教えず、もう一度自分で考えてもらったり。えみさん:「どうしてそう思うの?」と、私も旦那さんも娘によく尋ねています。自分で考える力を養ってほしいので。旦那さん:僕もそう思っています。やりたいことは彼女自身が見つけてくるし、僕らもそれを見逃さず拾って、それをみんなでやっていく。それぞれがやりたいことをやっているから、これからもこの形は変わらないだろうなと思っています。えみさん:無理なく正直に、家族全員がフラットな気持ちで寄り添いながら今の感じでいけたらいいなと私も思っています。娘さんのお気に入りの絵本 & 作品お気に入りの本絵本2冊は娘のお気に入り。「読んで」とよく持ってくるし、1ページずつ交代で読み合わせしたりおもしろく読むのが好きみたい。「工作図鑑」は折り紙1枚からのこぎりを使うものまで載っていて、これ1冊で長く遊べそう。「50の危険なこと」は、“正しく怖がろう”ということが書いてあり、何でもダメなわけではなく正しい知識をつけることが安全につながる、ということを教えてくれます。娘の描いた絵家でマーブリングをやってみたとき、マーブル模様を上からなぞりたいと言って黙々とやっていました。ピンクの絵は3、4歳の頃。その他はアフタースクールで描いたものです。小さいときから絵を描くのがとても好きみたい。縫い物家にあったソーイングキットで、初めてぬいぐるみを手づくりしました。急に「やりたい!」とキツネを縫い始め、結果私も手伝って時間はかかったけれど、楽しかったみたい。別の日にフクロウもつくっていました。吹きガラスとあざらし北海道のガラス工房の吹きガラス体験でつくったもの。自分でつくったもので飲むと嬉しいみたいで、牛乳を飲んだりしています。あざらしは<ボンポワン>のアカデミーでつくってきました。空洞だった目を黒くしたいと言うのでマニキュアを垂らして黒にしたら、さらに気に入ったみたいです(笑)。キャミソール¥22,000、中に着たプリーツドレス¥55,000、プリーツスカート¥49,500/以上3点すべてアカネ ウツノミヤ、イヤーカフ22,000/ラウタシー(以上4点すべてブランドニュース)、ネックレス¥103,400/ソワリーphotography/Kyosuke Azumastyling/Yumeno Ogawahair&make-up/Ai Inukitext/Maki KakimotoSHOP LISTブランドニュース03-3797-3673ソワリー06-6377-6711
2022年04月15日世界で起きていることを考えると、改めて戦争の恐ろしさや平和であることのありがたみを感じますよね。なぜ戦争が恐いのか。なぜ平和でならなければならないのか。絵本を通して、今、子どもに伝えてみるのはどうでしょう? モデルで絵本ソムリエのアンヌさんが「戦争・平和」をテーマにした絵本を8冊セレクトしてくれました。小さな子でもわかりやすい内容で、年齢を重ねてから読むとまた感じ方が変わるというおもしろさもあります。ぜひこの機会に親子で読んでみてはいかがでしょうか。戦争・平和がテーマの絵本 #01作者である少年の目線で“平和”について描かれたおはなし『へいわってすてきだね』 「与那国島に住む6歳の少年の詩に長谷川さんが絵を添えて出来上がった作品。子どもの目線から、“平和ってなんだろう”と純粋に考え、素直に答えていきます。のどかな景色、家族、友人、やさしい心。その言葉のひとつひとつが、私たちの心にストレートに届き、当たり前の日々の尊さに改めて気付かされます。平和について考える小学生にはもちろん、愛らしい生き物も登場するので小さい子にもおすすめです。すぐに理解できなくても、何度も繰り返し読んで聞かせていくうちに、あるいは何年かのときを経たときに、本当に大切なことへの理解が深まるはずです」『へいわってすてきだね』文:安里有生 絵:長谷川義史(ブロンズ新社)対象年齢:5歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #02いがみあいを続けた末に待っていたのは……?!『もっと おおきな たいほうを』 「王様は立派な大砲を持っていました。でも戦争がないので打てません。そこへ、川の向こうのキツネたちがサカナを取り始めます。王様は自分の好物を勝手に取られたと憤り、大砲を打ち上げます。するとキツネも負けてはいられません。双方はもっと大きな大砲をと競い合い、いがみあいはエスカレートしていきます。そのうちに突拍子もない展開に。戦争のおろかさを滑稽に描いたおはなし。ホッとする結末には、平和について改めて考えるきっかけになるでしょう」『もっと おおきな たいほうを』文・絵:二見正直(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #03平和と戦争をひと目で比較できる『へいわとせんそう』 「Noritakeさんのシンプルな絵に、谷川俊太郎さんの淡々とした言葉を合わせた作品。『へいわのぼく、せんそうのぼく』、『へいわのうみ、せんそうのうみ』というように、同じテーマを扱い、左ページには平和、右ページには戦争の状態を載せて、比較できるようになっているつくりです。違いは一目瞭然。小さい子にもとてもわかりやすく、そのシンプルさがすばらしい。それでは、敵と味方の違いはなんでしょう? 年齢を重ねればさらに心に強く響くはずです」『へいわとせんそう』文:たにかわ しゅんたろう 絵:Noritake(ブロンズ新社)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #04実話をもとに描かれたストーリー『タケノコごはん』 「日本が戦争をしていたころ、主人公の男の子の学校には、けんかの強いさかいくんがいました。ある日、さかいくんのお父さんが戦場に行くことになり、そのうちに帰らぬ人となりますが、強いさかいくんは泣きません。でも、以前より意地悪になりました。しばらくすると、みんなが大好きな先生も出征することになります。お別れに、みんなでほかほかのタケノコごはんを食べます。みんなの想いは? そしてさかいくんは? 子どもながらに感じる、悲しみや怒りの入り混ざったやるせない想いと、ごはんのあたたかさのコントラストが身につまされます。何度も読むうちに子どもは、戦争の惨さをより深く理解していくことでしょう。映画監督の大島渚さんがご自身の体験から書かれたお話です」『タケノコごはん』文:大島 渚 絵:伊藤秀男(ポプラ社)対象年齢:6歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #05小さな子でも理解できるやさしい絵と文『おひさまとおつきさまのけんか』 「ある日、おひさまとおつきさまはけんかをしてしまいます。おつきさまの遅刻をちょっと叱ったおひさま。それに対しておつきさまは……。そのやりとりが次第にエスカレートし、周囲を巻き込んで、とうとう本当の戦争になってしまう、といった世界で起こっていることの縮尺図のような作品。結局、苦しむのは小さきもの。きっかけはほんとうに小さなことだったのに。馴染みのあるせなせいこさんの絵で、小さな子でもわかりやすいです。平和の大切さや戦争の悲しさを理解する導入本にぴったりの一冊」『おひさまとおつきさまのけんか』絵・文:せなけいこ(ポプラ社)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #06世界で起きていることを想像してみよう『ぼくがラーメンたべてるとき』 「ぼくがラーメンをいつものように食べているとき。その同じときに、おとなりでは? 地球の向こうでは? いったい何が起こっているでしょう。同じように穏やかに昼食をとっているでしょうか。いいえ。ある子は、子守りをし、ある子は働き、ある子は……。自分と同じ子どもでも、さまざまな状況がある。共感から、世界のさまざまな人や状況への想いを育み、想像力を広げ、平和を考えるきっかけとなるような作品。長谷川さんの短い文と元気のいい絵で、重たくなりがちなテーマも親しみやすくなっています」『ぼくがラーメンたべてるとき』作・絵:長谷川義史(教育画劇)対象年齢:4歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #07ウクライナへ想いを馳せて読んでみよう『てぶくろ』 「多くの子どもたちが親しんだ絵本。実はウクライナの昔話です。雪の積もる寒い森で、おじいさんがてぶくろを片方落としてしまいます。それを見つけた一匹のネズミは、中に潜り込みます。そこへカエルがやってきて、一緒に入れてもらい、つぎにウサギ、そのつぎにはキツネ、という具合にどんどん大きな動物たちがやってきて、てぶくろはぎゅうぎゅうになっていきます。いまにも弾けそうなてぶくろに、読み手もハラハラドキドキ。寒い外の空気とぬくぬくのてぶくろの中を想像すると楽しいです。こんなお話に親しんで、遠い国へと思いを馳せ、心を寄り添わせることができるといいですね」『てぶくろ』絵・文:エウゲーニ・M・ラチョフ 訳:うちだ りさこ(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #08けんかのデメリットがわかる『みんな なかよし けんかばし』 「とある村を東西に分ける川には、人々が行き来する橋がかかっています。そこでは大人も子どももいつもけんかばかり。それでもパン屋、鍛冶屋、靴屋、仕立て屋など、村にひとつしかない専門店に行くには、その橋を渡るしかありません。ところがある日、嵐で橋が流されて……。もうけんかをしなくて済むと人々は肩を撫で下ろしますが、ふと気付けばとんでもなく不便なことに。慌てふためいた人々はてんやわんや。愉快なドタバタ劇ですが、同時に争いの馬鹿馬鹿しさも痛感する作品です」『みんな なかよし けんかばし』文:ジョーン・オッペンハイム 絵:アリキ 訳:みき たく(童話館出版)※「童話館ぶっくくらぶ」という絵本の定期便を行っています。対象年齢:5歳くらいから▼こちらの記事もチェック!< LGBT & 多様性が描かれた絵本8選 >親子で読みたい!<環境問題がテーマの絵本> 親子でSDGsについて考えよう!教えてくれた人Anne(アンヌ)さんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。photography/Chiharu Fukutomi、Text/Anne
2022年04月10日戦争・平和がテーマの絵本 #01作者である少年の目線で“平和”について描かれたおはなし『へいわってすてきだね』「与那国島に住む6歳の少年の詩に長谷川さんが絵を添えて出来上がった作品。子どもの目線から、“平和ってなんだろう”と純粋に考え、素直に答えていきます。のどかな景色、家族、友人、やさしい心。その言葉のひとつひとつが、私たちの心にストレートに届き、当たり前の日々の尊さに改めて気付かされます。平和について考える小学生にはもちろん、愛らしい生き物も登場するので小さい子にもおすすめです。すぐに理解できなくても、何度も繰り返し読んで聞かせていくうちに、あるいは何年かのときを経たときに、本当に大切なことへの理解が深まるはずです」『へいわってすてきだね』文:安里有生 絵:長谷川義史(ブロンズ新社)対象年齢:5歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #02いがみあいを続けた末に待っていたのは……?!『もっと おおきなたいほうを』「王様は立派な大砲を持っていました。でも戦争がないので打てません。そこへ、川の向こうのキツネたちがサカナを取り始めます。王様は自分の好物を勝手に取られたと憤り、大砲を打ち上げます。するとキツネも負けてはいられません。双方はもっと大きな大砲をと競い合い、いがみあいはエスカレートしていきます。そのうちに突拍子もない展開に。戦争のおろかさを滑稽に描いたおはなし。ホッとする結末には、平和について改めて考えるきっかけになるでしょう」『もっと おおきなたいほうを』文・絵:二見正直(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #03平和と戦争をひと目で比較できる『へいわとせんそう』「Noritakeさんのシンプルな絵に、谷川俊太郎さんの淡々とした言葉を合わせた作品。『へいわのぼく、せんそうのぼく』、『へいわのうみ、せんそうのうみ』というように、同じテーマを扱い、左ページには平和、右ページには戦争の状態を載せて、比較できるようになっているつくりです。違いは一目瞭然。小さい子にもとてもわかりやすく、そのシンプルさがすばらしい。それでは、敵と味方の違いはなんでしょう? 年齢を重ねればさらに心に強く響くはずです」『へいわとせんそう』文:たにかわ しゅんたろう 絵:Noritake(ブロンズ新社)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #04実話をもとに描かれたストーリー『タケノコごはん』「日本が戦争をしていたころ、主人公の男の子の学校には、けんかの強いさかいくんがいました。ある日、さかいくんのお父さんが戦場に行くことになり、そのうちに帰らぬ人となりますが、強いさかいくんは泣きません。でも、以前より意地悪になりました。しばらくすると、みんなが大好きな先生も出征することになります。お別れに、みんなでほかほかのタケノコごはんを食べます。みんなの想いは? そしてさかいくんは? 子どもながらに感じる、悲しみや怒りの入り混ざったやるせない想いと、ごはんのあたたかさのコントラストが身につまされます。何度も読むうちに子どもは、戦争の惨さをより深く理解していくことでしょう。映画監督の大島渚さんがご自身の体験から書かれたお話です」『タケノコごはん』文:大島 渚 絵:伊藤秀男(ポプラ社)対象年齢:6歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #05小さな子でも理解できるやさしい絵と文『おひさまとおつきさまのけんか』「ある日、おひさまとおつきさまはけんかをしてしまいます。おつきさまの遅刻をちょっと叱ったおひさま。それに対しておつきさまは……。そのやりとりが次第にエスカレートし、周囲を巻き込んで、とうとう本当の戦争になってしまう、といった世界で起こっていることの縮尺図のような作品。結局、苦しむのは小さきもの。きっかけはほんとうに小さなことだったのに。馴染みのあるせなせいこさんの絵で、小さな子でもわかりやすいです。平和の大切さや戦争の悲しさを理解する導入本にぴったりの一冊」『おひさまとおつきさまのけんか』絵・文:せなけいこ(ポプラ社)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #06世界で起きていることを想像してみよう『ぼくがラーメンたべてるとき』「ぼくがラーメンをいつものように食べているとき。その同じときに、おとなりでは? 地球の向こうでは? いったい何が起こっているでしょう。同じように穏やかに昼食をとっているでしょうか。いいえ。ある子は、子守りをし、ある子は働き、ある子は……。自分と同じ子どもでも、さまざまな状況がある。共感から、世界のさまざまな人や状況への想いを育み、想像力を広げ、平和を考えるきっかけとなるような作品。長谷川さんの短い文と元気のいい絵で、重たくなりがちなテーマも親しみやすくなっています」『ぼくがラーメンたべてるとき』絵・文:長谷川数史(教育画劇)対象年齢:4歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #07ウクライナへ想いを馳せて読んでみよう『てぶくろ』「多くの子どもたちが親しんだ絵本。実はウクライナの昔話です。雪の積もる寒い森で、おじいさんがてぶくろを片方落としてしまいます。それを見つけた一匹のネズミは、中に潜り込みます。そこへカエルがやってきて、一緒に入れてもらい、つぎにウサギ、そのつぎにはキツネ、という具合にどんどん大きな動物たちがやってきて、てぶくろはぎゅうぎゅうになっていきます。いまにも弾けそうなてぶくろに、読み手もハラハラドキドキ。寒い外の空気とぬくぬくのてぶくろの中を想像すると楽しいです。こんなお話に親しんで、遠い国へと思いを馳せ、心を寄り添わせることができるといいですね」『てぶくろ』絵・文:エヴゲーニ・Mラチョフ 訳:うちだ りさこ(福音館書店)対象年齢:3歳くらいから戦争・平和がテーマの絵本 #08けんかのデメリットがわかる『みんな なかよし けんかばし』「とある村を東西に分ける川には、人々が行き来する橋がかかっています。そこでは大人も子どももいつもけんかばかり。それでもパン屋、鍛冶屋、靴屋、仕立て屋など、村にひとつしかない専門店に行くには、その橋を渡るしかありません。ところがある日、嵐で橋が流されて……。もうけんかをしなくて済むと人々は肩を撫で下ろしますが、ふと気付けばとんでもなく不便なことに。慌てふためいた人々はてんやわんや。愉快なドタバタ劇ですが、同時に争いの馬鹿馬鹿しさも痛感する作品です」『みんな なかよし けんかばし』文:ジョーン・オッペンハイム 絵:アリキ 訳:みき たく(童話館出版)※「童話館ぶっくくらぶ」という絵本の定期便を行っています。対象年齢:5歳くらいから▼こちらの記事もチェック!< LGBT & 多様性が描かれた絵本8選 >親子で読みたい!<環境問題がテーマの絵本> 親子でSDGsについて考えよう!教えてくれたひとAnne(アンヌ)さんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。息子が6歳になるまでに読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。
2022年04月10日4月に入りましたね。環境の変化がありそわそわしたりもするこの季節。親子のコミュニケーションをいつもよりさらに濃くして乗り越えたいですよね!ということで今回のテーマは「新生活のおともにおすすめの絵本」です。毎日の読み聞かせって日常の中にありながら、子どもたちにとっては本当にワクワクするエンターテインメントの時間だと思うので、どうせ読み聞かせるなら全力で、最大限の楽しさや時には教訓を与えたいなと。そんな私が色んな観点から全力でおすすめしたい絵本をご紹介していきます。遊びにつながる絵本「くだもの」(平山和子・著/福音館書店)は、シンプルな構成ながら、ついつい手を伸ばしてくだものを食べたくなるように描かれています。読み聞かせをしながら、「はいどうぞ」とくだものを渡す真似をしたり、「もぐもぐ」と食べる真似をしたり、ごっこ遊びに繋げられて、低月齢の子でも楽しめる一冊です。「どてっ」(田口麻由・著/エンブックス)は、シナぷしゅの人気コーナーがそのまま絵本になったもの。「どてっ」「ぽてん」とものが倒れていくのに合わせて、身体を揺らしたり、実際に身近なものを倒してみたり、自分の好きなようにコンテンツを展開できるのでおすすめです。逃げて探して、追いかけて「きんぎょが にげた」(五味太郎・著/福音館書店)は不朽の名作。逃げるきんぎょを追いかけて、探して…とページをめくるだけで楽しい一冊です。きんぎょ以外にも様々なモチーフが出てくるので、何度読んでも発見があって楽しめます。「そら にげろ」(長田真作・著/岩崎書店)では、色々な抽象的な生き物が、それぞれ独特な音を立てながら逃げていきます。何から逃げているんだろう?自分だったらどう逃げるだろう?と想像力を掻き立てられます。絵や配色がおしゃれなので、本棚に置いてあっても大人的にも満足な一冊。我が家はこの本を読んだ後、追いかける側と逃げる側に分かれて遊ぶのが定番です。めくって楽しいしかけ絵本コミュニケーションのとりやすいしかけえほん。おすすめは「ぼうしとったら」(tupera tupera・著/学研プラス)。仕掛けが簡単なので、小さな子にも扱いやすいです。登場人物のぼうしをとってみると、中に色々な世界観が隠されています。初めて読むときは、「なんだろうね」と声がけしながら、何度も読んだ後は「次は何だっけ?」とクイズ形式にしながら楽しめます。うちの息子はぼうしを被るのを嫌がるので、そんなときはこの絵本を読んで、ぼうしをワクワクするものだとすりこんでからトライします。大きな愛を伝えたい「どんなに きみがすきだか あててごらん」(Sam McBratney・著/評論社)は、息子がお腹の中にいるときから何度も読み聞かせている作品です。我が家では英語版「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」を読んでいます。親子なのか友人なのか、2匹のウサギがお互いを想う気持ちをくらべる、幸せいっぱいの一冊。実際にこれを読みながら「ママは○○くんのことこーーーーーーんくらい好き!」「でも○○くんはママのこと、もっともーっとすきだよ」と幸せすぎるくらべっこをしています。最後、小さなウサギがねんねして終わるので、寝る前の一冊として読むのもおすすめで、いい夢が見られそうです。個性豊かなともだちに出会えますように「ピカチュウとはじめてのともだち」(まつおりかこ・著/小学館)は昨年末に発売されたばかりの新しい作品です。その名の通り「ポケモン」の絵本なのですが、バトルがあったりするわけではなく、可愛いポケモンたちの心温まるコミュニケーションが描かれた作品なので、まだポケモンデビューをしていない小さな子でも楽しむことができます。ピカチュウが、たくさんの個性的なお友達に出会って、自分らしい居場所を見つけるストーリー。4月から幼稚園に入園した息子には、このピカチュウのようにたくさんの素敵な出会いがあり、そしてその先で「自分らしさ」というものも見つけてもらえたらな、と思っているのでこの一冊がピッタリで毎日何度も読んでいます。イラストも柔らかく優しいタッチで、読んでいる私も癒されています。寄り添ってくれる絵本たち絵本って新しいものも昔からの名作も、本当にたくさんあって奥が深いですよね。親子で本屋さんに行って、これ!という作品に出会えたときは喜びもひとしお。2022年度の新学期が始まって、これからまた楽しいことも、ときには心が折れかけることもあると思いますが、そんなときにもきっと寄り添ってくれる絵本があるはず。頼れるものには全力で頼りながら、新しい年度も駆け抜けていきましょう!!!あわせて読みたい🌈【第6回】シナぷしゅプロデューサーが全力でおすすめしたい絵本!
2022年04月09日特定非営利活動法人まるごみJAPANは、ゴミ拾いで集めた古紙6トンをリサイクルして絵本を制作し、子供たちに届ける『絵本Smile!Smile!プロジェクト』を立上げ、クラウドファンディングサイト「READYFOR」にて4月13日23:00までプロジェクトを実施しております。150万円クリアで保育園・幼稚園。260万円クリアで小学校。400万円クリアで中学校。希望する各学校へ寄贈します。「READYFOR」クラウドファンディングサイト 21年11月28日まるごとゴミ拾い幕張21年11月28日ゴミ拾い。鴨川で収集した雑紙■プロジェクト開始の背景まるごみJAPAN公認の音楽ユニット・WHiTE BEACH 2LUVが歌う環境メッセージソング『金魚』。この楽曲を耳にしたイラストレーター作家 mizuhiro氏が感銘を受け、オリジナルのMVを作ってくださいました。大変素晴らしい作品でMVだけに終わらせるのではなく、絵本にして子供たちへ届けたい、しかも拾った雑紙をリサイクルして作ることに意味があると思いました。絵本『金魚』絵コンテ(1)■『絵本Smile!Smile!プロジェクト』ゴミ拾いで集めた雑紙をリサイクルして環境メッセージの絵本を作り子供たちに送るためのクラウドファンディングにご協力をお願いいたします。まるごみJAPANが昨年開催した『日本まるごとゴミ拾い~100年経っても地球(あなた)となかよし~』にて回収したごみの中から、雑紙6トンを再生紙としてリサイクルし、環境メッセージの絵本を作るプロジェクトです。当法人は、2006年からゴミ拾い活動を行い、2011年の東日本大震災から災害支援をスタート。現在では『ゴミ拾いで繋がり、もしもの時には助け合う活動』として全国に輪を広めています。詳しくはまるごみJAPANホームページ ■リターンについて30,000円:グッズ詰め合わせコースは、南房総のご当地・海女カレー2つ、山梨のクラフトビール3本、金魚のCD、絵本2冊、絵本の巻末にお名前を掲載、等々。30,000円:復興支援グッズコースは東北のワカメ漁師さんが作った三陸ワカメ・乾物の詰め合わせ、金魚のCD、絵本2冊、絵本の巻末にお名前を掲載、等々。50,000円:プレミアムコースは南房総のご当地・海女カレー2つ、山梨のクラフトビール3本、東北のワカメ漁師さんが作った三陸ワカメ・乾物の詰め合わせ、金魚のCD、絵本5冊、絵本の巻末にお名前を掲載、等々。※その他にも10,000円、100,000円、300,000円、1,000,000円等コースがあります。■プロジェクト概要プロジェクト名: 絵本Smile!Smile!プロジェクト期間 : 2022年2月22日(火)午後2:22~4月13日(水)23:00URL : ■会社概要商号 : 特定非営利活動法人まるごみJAPAN代表者 : 代表 向井 耕作所在地 : 〒294-0103 千葉県南房総市白浜町滝口6241-1設立 : 2008年8月事業内容 : 環境保全、災害支援活動URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】特定非営利活動法人まるごみJAPAN お客様相談窓口TEL:0470-30-5021お問い合せフォーム: info@marugomi.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月30日タレントの小倉優子が、2月1日から3月31日まで絵本アプリ・KIKASETE(きかせて)で、オリジナル書き下ろしの絵本『みーちゃんのいちにち』を公開する。同作は、アプリ内の人気企画「著名人によるオジリナル書き下ろし」にて小倉自ら制作したもの。親子で深める「人との繋がり」をテーマに、小倉本人の朗読による読み聞かせオーディオ収録付きの絵本となっている。「私は子どものころ母に絵本を読んでもらう時間が大好きでした」と幼い頃を思い出す小倉。現在は3児のママとなったことで「私が子ども達に絵本を読むようになりました。絵本を読む時間は、子ども達との大切な時間になっています」とあらためて実感し、「オリジナルの絵本が作れるということで、とても嬉しく思い今回参加させていただきました」とプロジェクトに関わった経緯を明かす。絵本の内容を悩んだ結果、描いたのは「日常の1日」。「時間を書くことで、二、三歳のお子さん(我が子)に時間の感覚が分かってもらえたら嬉しいなと時間も書くことにしました」とその背景に触れる。「日常の中に温かい幸せがあるという気持ち」を込めた同作。読者にむけて、「二、三歳のお子さんが読むことをイメージしましたが、大人の方にも読んでいただき、日常の温かさを感じていただけましたら嬉しいです」とメッセージを送っている。
2022年01月28日絵本・日本プロジェクト(会長:高橋 小織・株式会社隆文堂 代表取締役会長)は、昨年に続き「絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』フェア」を企画、全国の書店にフェア開催の提案をしました。2022年1月から春まで、各書店の都合に合わせて実施していただきます。第2回となる今回は、問い合わせが寄せられ、昨年実施した店舗から展開の意向が既に伝えられています。■「絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』フェア」企画の背景絵本・日本プロジェクトは、2010年国民読書年に「絵本を贈り、贈られる生活文化を創造するため」に結成されました。以降、出版業界の各社で働く女性社員をプロジェクトメンバーとして、地域の書店とタイアップし、地域の子どもたちが本とふれあえるイベントを毎年開催してきました。このようなイベントも、2020年からはコロナ禍のため中止を余儀なくされていますが、このような時だからこそ、常に“つながり”を大切にして活動してきたプロジェクトの原点に立ち返り、絵本の知識を豊富に有する全国の「絵本専門士」(*)の協力を得て、昨年に引き続き、書店店頭で展開する絵本フェアを企画しました。■「絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』フェア」について当フェアは、別れと出会いの季節《春》に向けて『逢えない誰かに贈る絵本』をテーマに、全国で活躍する絵本専門士107名が選んだ30作品から書店が自由に選書をしてコーナー展開していただくものです。実施時期は、2022年1月から春まで、各書店の都合に合わせて実施していただきます。クリスマス商戦や年末年始の繁忙期を終え、春の参考書等の商戦がスタートするまでの比較的店頭に余裕のある時期の展開を想定しています。「絵本専門士」によって選ばれた絵本は、子どもたちだけでなく大人を対象にしたものも多く、通常の絵本コーナーとは異なった切り口で新しい発見をしていただけるものとなっています。*「絵本専門士」は国立青少年教育振興機構が実施する養成講座を修了した絵本のエキスパートです。2014年のスタートから現在まで、全国で約420名が活躍しています。■概要企画名 : 「第2回 絵本専門士が選ぶ『逢えない誰かに贈る絵本』」詳細 : 展開期間: 2022年1月~別れと出会いの季節《春》(バレンタイン、卒業・入学ほか)企画対象: 子どもから大人まで(家族へ、友人へ、親友の子どもへ、孫へ、孤独を感じている人へ 他) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年01月17日『あいうえおえほん』をはじめとするロングセラー知育絵本、カード、木のおもちゃなどのデザイン・制作で知られる戸田デザイン研究室が運営する「戸田幸四郎絵本美術館」(静岡県・熱海市)。開館から24年を経て、大規模な展示替えを行い、2021年12月25日から新たな展示内容で皆さまをお待ちしております。51歳でデザイナーから絵本作家に転向し、知育絵本の草分けと評されるとだこうしろう(戸田幸四郎 1931-2011)が残した原画や油絵、そして知育や自然に対する考えなど、作家の思いをより深く伝える館へと生まれ変わりました。戸田幸四郎絵本美術館■とだこうしろう(戸田幸四郎 1931-2011)について1931年、山形県尾花沢市に生まれる。農学校で学び、独学で様々なデザインを習得。東京で店舗デザインやグラフィックなど商業デザイナーとして活躍したのち、1982年、51歳で絵本作家に転向。絵はもちろん、ひらがなまでデザインした『あいうえおえほん』を出版しました。「子どもたちの学びには、まず心を動かすことが大切。」と言う信念のもと、その後も知育絵本の世界に高いデザイン性を取り入れた作品を生み出し、1990年に戸田デザイン研究室を設立。80歳で亡くなるまでに42作を発表し、そのどれもがロングセラーとなっています。デビュー作『あいうえおえほん』は今では累計100万部を超え、2019年度にはグッドデザイン賞を受賞しました。他にも宮沢賢治・太宰治などの文に重厚な絵を描いた名作絵本集や環境をテーマにした創作絵本集など出版。日本の知育絵本の草分けと評されています。■戸田幸四郎絵本美術館の誕生戸田幸四郎絵本美術館は1997年11月、静岡県熱海市上多賀の自然郷内に開館しました。1982年に初の絵本『あいうえおえほん』を出版した数年後から、戸田幸四郎は小さなアトリエを熱海に構え、創作活動の拠点とします。10年近い月日が流れた1995年、幸四郎がアトリエの近所を散歩中に見つけたのが現在の絵本美術館となる場所。著名な料理研究家の別荘があったその場所には他にも食材となるような木がたくさん生い茂っており、自然との共生を大切にしていた幸四郎は強く惹かれます。ちょうどそのころ戸田デザイン研究室では、絵本を読んでいただいている方々に原画も見ていただきたい、という思いから“絵本原画館”的な構想を練りはじめていたこともあり、戸田幸四郎絵本美術館の開館計画が急速に動き出します。建築デザインから内装、カフェのメニュー作成まで戸田幸四郎自身が行い、代表作『あいうえおえほん』や名作絵本など13作品の原画・約200点を常設展示する個人美術館として開館しました。■戸田幸四郎絵本美術館のコンセプト戸田幸四郎絵本美術館がまず来館者の皆さまにお伝えしたいのは「原画の力」。印刷には印刷の味わいや魅力がありますが、原画から見える作者の筆づかい、色彩の美しさは格別です。見慣れたはずの絵本のイラストも、原画をご覧いただくことで新しい感動を味わっていただけます。また戸田幸四郎は開館にあたり【生きとし生けるものの共生(自然との共生)】をテーマとしました。故郷・山形県尾花沢市の雄大な自然から、豊かな感受性や色彩感覚、そして生きとし生けるものの命の尊さを学んだ幸四郎が、生涯にわたり追求したテーマのひとつです。子どもから大人まで来館されるお客さまが、光の温かさや緑の眩しさ、草花の美しさ、風の音や雨の音、虫や鳥たちのさえずりを感じる心を大切にしてほしい。そんな願いを込めて幸四郎自身が建築デザインをはじめ、トータルで館全体をデザイン。緑溢れる庭や駿河湾を臨む絶景が楽しめるカフェテリアなど、自然の美しさを最大限に感じられる設計となっています。■開館から24年、初となる大規模な展示替えを実施。1997年の開館以降、ご家族連れのお客さまから美術・デザイン関連の方まで、隠れ家的美術館として多くの支持を集めてきた当館ですが、近年では戸田幸四郎の作品が知育絵本のジャンルを超え、デザインや哲学の側面から再評価いただく機会もより多くなってきました。そこで戸田幸四郎が残した思いやトータルのデザインはそのままに4つのテーマの展示室を設け、より作家性や思想が伝わる館へと大規模な展示替えを実施。キュレーションを担当したのは【デザインで人生を豊かにする】と言う理念のもと、戸田幸四郎作品をはじめとする絵本などをデザインする戸田デザイン研究室です。ご好評いただいている海を臨むカフェやここでしか買えないアイテムも揃うミュージアム・ショップ、貸し出し絵本のサービスも継続して行っています。初めてお越しくださる方はもちろん、今までご来館くださった方にも、新しい発見や感動をお伝えする美術館へと生まれ変わりました。・展示室1---戸田幸四郎について年代ごとの作品やプライベートのスケッチなど、生涯の制作物の数々を展示します。もっとも影響を受けた実兄の洋画家・戸田吉三郎の作品や敬愛するジョルジュ・ルオーの作品も常時ご覧いただけます。・展示室2---知育絵本の原画ロングセラー知育絵本の原画を展示。代表作『あいうえおえほん』は幸四郎デザインのひらがなの貴重な原画も展示します。時代を超えて愛される作品の魅力をより深くお伝えします。・展示室3---環境・昆虫絵本の原画ライフワークとも言える環境問題を絵本化した作品の原画や、写実的な細密画『昆虫とあそぼう』の原画を展示。戸田幸四郎の自然への思いが感じられます。・展示室4---名作絵本の原画知育絵本とはまったく異なるタッチで描かれた名作絵本5冊の原画をご覧いただけます。宮沢賢治『竜のはなし』や太宰治『走れメロス』などの重厚な油絵の迫力は圧巻です。■戸田幸四郎絵本美術館 基本情報・所在地 :静岡県熱海市上多賀1055-30・TEL :0557-67-1107・開館時間:10:00~16:30(最終入館16:00)・休館日 :新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面の間は毎週火・水・木曜が休館(祝日の時は開館)※2021年12月25日(土)~2022年1月10日(月)まで無休で開館。公式ホームページ: ■戸田デザイン研究室とは【デザインで人生を豊かにする】という理念のもと、戸田幸四郎作品をはじめとする絵本・カード・木工玩具などを中心に、幅広くモノやコトをデザインする小さな会社。数々のロングセラーを生みだし、代表作に『あいうえおえほん』『国旗のえほん』『リングカード・シリーズ』などがある。近年では出版・知育の枠を超えたモノづくりやコラボレーションなども行い、大人も魅了するデザインとクオリティーで幅広い支持を集めている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月24日保育士の中田馨さんが、冬におすすめする絵本を教えてくれました。『まどから おくりもの』、『クリスマスのおばけ』、『おふろでちゃぷちゃぷ』、『14ひきのもちつき』の4冊をご紹介! こんにちは! 保育士の中田馨です。冬の寒さが本格的になってきましたね。寒くてなかなか外に出にくい季節。おうちで過ごすことも多くなるのではないでしょうか? そんなときにこそ、絵本の時間をたっぷりとってみましょう。今回は、私が大好きな冬の定番絵本を紹介します。 『まどから おくりもの』 作/五味太郎もうすぐクリスマス。クリスマスにちなんだしかけ絵本を紹介します。表紙を開けると、ヘリコプターに乗った赤い帽子のおヒゲのおじいさん。「あれはたぶんサンタクロースさん」「きょうはどうやらクリスマスあれはきっとおくりもの」とお話が始まります。 サンタクロースさんは、みんなのおうちにプレゼントを届けます。窓からのぞいて「ここはねずみさんのおうち」「ここはねこさんのおうち」と、それぞれに合ったプレゼントをどんどん置いていくのですが、実は窓から見えているねずみさんもねこさんもしまうまさんもみんなみんな、ねずみさんでもねこさんでもしまうまさんでもないのです! さてさてどうなったのやら……。結末は、是非とも絵本で確認してください。窓から見える動物さんが誰なのか? 親子であてっこをしても楽しいです。 『クリスマスのおばけ』 作/せなけいこ続いてもクリスマスの絵本です。私の大好きなせなけいこさんのおばけが出てくる絵本です。「クリスマスのひはうれしいなー。ようちえんではおゆうぎかいよ。プレゼントだっていただけます」ごちそうだっていただけるクリスマスだけれど、おばけの子どもはどうなんだろう?という女の子の疑問からお話がスタートです。 せなけいこさんのおばけの出てくる絵本は、おばけがなんとも気の毒に感じてしまうことが多いのですが、この絵本はなんだかほっこり幸せな気分になります。おばけが出てくるので子どもたちもドキドキ顔でページを開きます。おばけが窓の外から顔を半分のぞかせているシーンでは、これから始まるお話への期待のまなざしを向けてくれる子がとっても多いんですよ。 『おふろでちゃぷちゃぷ』 文/松谷みよ子絵/いわさきちひろ冬だからこそ読みたい、温かくて気持ちがよくなるテーマの絵本です。「あひるちゃんどこいくのいいとこいいとこ」あひるちゃんがタオル持って、せっけん持ってたどり着いたのが、そうお風呂。 あひるちゃんが湯船に入ってボクをさそうと、ボクは自分でセーター脱いで、ズボン脱いでお風呂に入ります。いわさきちひろさんの優しいタッチの絵と、言葉の繰り返しがとても心地よいです。この絵本を見ると、温かいお風呂に入りたくなります。お風呂に入るときには、ボクが自分でセーター脱いで、ズボン脱いでいるときのセリフをまねてみるのもきっと楽しいでしょう。 『14ひきのもちつき』 作/いわむらかずおおとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10ぴき。ねずみの家族の14ひきシリーズの中の1冊です。このシリーズの見どころは、なんといっても絵の温かさ。特に私が好きなのは食べ物のシーンです。食いしん坊だからそう思うのかもしれませんが、本当に香りが漂ってきそうなくらいおいしそう。物語は朝。今日はもちつきの日です。おじさんは火をおこし、おばあさんは米の水を切り、兄弟たちも手伝いをしています。みんなでもちをついてお正月用に。最後のおもちはお昼ごはんにいただきます。食べ方は、あんころもち、きなこもち、くるみもち。聞いただけでおなかがグルグル鳴りそう! つきたてのおもちは最高においしいですもんね。大家族のほっこりとした心豊かな年末風景を楽しんでみてください。 クリスマスにお正月とイベントの多い冬には、定番絵本がたくさんあります。当日まで楽しみにしているこどもたちと一緒に読むのも、イベントが終わったあとに思い出と一緒に楽しむのもいいですね。温かい部屋の中で冬の絵本を読んで、からだもこころも温めてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年12月21日「環境問題」や「SDGs」といった言葉を耳にする機会が増え、家族でエコな取り組みをはじめたいと考えているママ・パパも多いのでは? その第一歩として、家族みんなで「環境」をテーマにした絵本を読んでみてはいかがでしょう。小さい子どもから大人までストーリーを楽しみながら、今私たちが取るべき行動を感覚的に理解できるはずです。今回はモデルで絵本ソムリエのアンヌさんが「環境問題」をテーマにした絵本を8冊セレクトしてくれました。読み終わったあとは、ぜひ家族で感じたことを語り合ってみてください。環境問題がテーマの絵本 #01地球温暖化の影響で氷が溶けるとどうなる?『ペンギンかぞくのおひっこし』 「地球温暖化の影響で、ペンギンたちの住処である氷のお家が溶けてしまいます。このままでは暮らすことができません。そこで、ペンギンの大家族はお引っ越しをすることに。きれいな海、美しい原っぱ、豊かな森と自分たちが心地よく暮らせる理想の場所を求めます。しかし、どこもかしこも人間によって美しい自然が奪われていたため、住める場所がありません。こうなったらいよいよ、とペンギンたちは思い切った行動に出ます。色とりどりのページと、暗い色合いのページが入り混じった構成によって、希望を描いたりがっかりしたり……。また、愛らしいペンギンたちに子どもの気持ちが近づくはずです。地球温暖化の危機を感覚的にとらえられる作品。美しい絵とやさしい語り口で、小さい子におすすめです」『ペンギンかぞくのおひっこし』絵・文:刀根里衣(小学館)対象年齢:3歳くらいから環境問題がテーマの絵本 #02もったいない意識がエコに繋がる!『もったいないばあさん』 「いまや世界で知られる日本語のひとつ、“もったいない”。これこそ環境問題に向き合う、初めの一歩ならぬひと言でしょう。まだまだ使えそうなもの、節約するべきものなど、もったいないばあさんが、お家の中の「もったいない」を見つけて、注意してくれます。その気さくでユニークな姿がたまらない、大人気シリーズの元祖。基本的な学びがあり、しかもすぐに実践できるので、子どもにとってもハードルは低く、親しみやすさ満点です」『もったいないばあさん』作:真珠まりこ(講談社)対象年齢:3歳くらいから環境問題がテーマの絵本 #03人間が捨てたゴミが動物たちの居場所を奪っている『やまからにげてきた・ごみをぽいぽい』 「横書きのタイトル『やまからにげてきた』の表紙を左側にめくると、動物たちがどんどんどんどん山から逃げていく様子が描かれています。逃げてきた訳は、山の工事が始まり、動物たちの住処にゴミ捨て場ができたからです。ゴミ捨て場ができたのは、ゴミをポイポイと捨てる人間がいるから、と読み進み……、最後に裏表紙の『ゴミをぽいぽい』というタイトルが出てきます。実は、これがまた表紙となり、裏から表へと読み返すことができるのです。ゴミをぽいぽいすると、動物たちが、山から逃げてきた、という具合に。ダイナミックな絵で迫ってくる、ゴミと命の問題。小さな子どもが楽しく学べる、ユニークなリバーシブル絵本です」『やまからにげてきた・ごみをぽいぽい』作:田島征三(童心社)対象年齢:3歳くらいから環境問題がテーマの絵本 #04ナマケモノが暮らす豊かな森を守ろう!『ナマケモノのいる森で』 「ナマケモノが暮らす豊かな森があります。しかし突然、人間の開発によって破壊され、動物や鳥たちは居場所を失ってしまいました。すべてが失われたと思った頃、1人の自然を思う人物が現れます。森の再生を、手の込んだ繊細な仕掛けで描いた絵本。目を近づけて、あらゆる角度から、折り重なる森をのぞいてみると、さまざまな生きものたちの様子が見えて森が生きているように感じます。産業や経済の発展にあくせくせず、ナマケモノが暮らせるような、スローな社会であることが尊重される世界を、子どもたちは肯定的にとらえることができるでしょう。森の中のナマケモノ探しも楽しいので、ぜひ親子でトライしてみてください」『ナマケモノのいる森で』文:ソフィー・ストラディ、しかけ:アヌック・ボワロベール、ルイ・リゴー、訳:松田素子(アノニマ・スタジオ)対象年齢:3歳くらいから※現在品切れのため重版中。2022年2月初旬に販売予定。環境問題がテーマの絵本 #05リサイクルの基本を学べる『ポリぶくろ、1まい、すてた』 「ある女の人が、路上にプラスチックの袋をポイ捨てしてしまいました。ほかの人も同じことをやるうちに、どんどん量が増えていくことに気づきます。そのことに悩んだ彼女は、目についたポリぶくろを集めることに。いったいなにをするのでしょう。彼女の名案とは……!読みながらそのアイディアに、やってみたい、真似してみたいと子どもの意欲が掻き立てられるはずです。プラごみ問題に、ポジティブに向き合う賢いお話で、リサイクルの基本も学べる、アフリカが舞台の素晴らしい絵本」『ポリぶくろ、1まい、すてた』作:ミランダ・ポール、絵:エリザベス・ズーノン、訳:藤田千枝(さ・え・ら書房)対象年齢:6歳くらいから環境問題がテーマの絵本 #06変化する街の様子をお家の視点から描く『ちいさいおうち』 「丘のうえに建つ小さいお家。自然の中で四季の移り変わりを感じ、穏やかに暮らしていました。ところが、時代の変化とともに、あたりの様子が変化します。ビルが立ち並び、騒音にまみれ、小さいお家にはお日さまの光もわずかしか届かなくなり……。まるで表情があるかのような小さいお家に気持ちを寄せ、同じように喜んだりがっかりしながら、“幸せに暮らせる環境とはどんなところだろうか”という思いを小さい子に抱かせてくれます。産業の発展以上に大切なのは自然。何度も立ち返りたい名作です。石井桃子さんの日本語訳もやさしく美しい」『ちいさいおうち』作:バージニア・リー・バートン、訳:いしいももこ(岩波書店)対象年齢:4歳くらいから環境がテーマの絵本 #07巡りゆく水の尊さを考えるきっかけに『しずくのぼうけん』 「ある村の女の人が持っていたバケツから、一滴のしずくがこぼれ落ちます。その可愛いしずくはどこへ行くのでしょう。お日さまに照らされ、空へ登って、それから雨になって地面に戻り、冷やされて氷になって……と冒険は続きます。そのときどきによって変化する水の性質が、小さい子でもわかりやすい物語になっている科学絵本。何よりも、しずくは水。そして水は、身の回りの環境や自然にも通じている大切なものだと学べます。だから水を汚さないようにしようねと、声掛けをしながら読んでみてはどうでしょう」『しずくのぼうけん』作:マリア・テルリコフスカ、絵:ボフダン・ブテンコ、訳:うちだ りさこ(福音書店)対象年齢:4歳くらいから環境がテーマの絵本 #08自給自足の生活こそエコな暮らし『ウエズレーの国』 「大好きなものに囲まれ、好きなことをして過ごすウエズレー。あるとき、ひらめきます。何もかも自分でつくってみたらどうだろう。庭に育った植物に目を向け、実をくり抜いてコップにしたり、絞ってジュースにしたり。茎は糸にして洋服や帽子にしたり。おままごとの延長のようなウエズレーの自給自足の生活に、小さな子どもはきっと憧れてしまうでしょう。工夫をすればなんでも自分でつくれるねと、親子で語り合うのも楽しそうです。こんな世界こそ、SDGsが目指すところではないでしょうか」『ウエズレーの国』作:ポール・フライシュマン、絵:ケビン・ホークス、訳:千葉茂樹(あすなろ書房)対象年齢:7歳くらいから▼こちらの記事もチェック!< LGBT & 多様性が描かれた絵本8選 >親子で読みたい!教えてくれた人Anne(アンヌ)さんモデル・絵本ソムリエ。1971年東京生まれ。14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒。 映画、エッセイ、旅、ワインなどのコラム等の執筆を手がける。出産を期に子供の発育と絵本の読み聞かせに関心を持ち、地域での読み聞かせボランティアとしても活動中。6歳の息子に読んで聞かせた本は793冊1202話。現在所持する絵本は約1000冊。photography/Chiharu Fukutomi、Text/Anne
2021年12月09日