直木賞作家・西加奈子による絵画展、「おまじない」「“i” beyond」展が東京・千代田区のAI KOWADA GALLERYで開催される。本展は西が「文学」と同じく情熱を傾ける「絵画」にスポットを当てた、2度目となる企画展示となる。孫係 “私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。” ボール紙にクレヨン 550x460mm 2018©Kanako NISHI courtesy of AI KOWADA GALLERYこれまでも、小説のテーマを絵画でも制作してきた西。その作品は表紙絵や挿絵となり、ストーリーを理解する鍵となる存在でもあった。クレヨンが油絵の具のように厚く塗り重ねられた段ボールのタブローには、西の華奢な体に宿るエネルギーが放出され、力強さに溢れている。西は小説を通し、自己のアイデンティティに悩み、途方に暮れる人々の背中を“あなたはあなたのままでいい”と押し続けてきているが、そのメッセージは絵画にも投影されている。西が画材としているのは、幼少時から親しんでいるクレヨン、そして通っているスーパーで譲り受けるという段ボール 。正式な美術教育を受けず身近な素材を“画材”とし 、表現するという西独自の制作スタイルは、 ニューヨークなどの街角で、描く素材や場所を選ばず、さまざまな社会問題を訴えてきたストリート・ アーティストの姿にも重ねられる。今回の作品展は前期「おまじない」と、後期「“i” beyond」に分けて行われる。前期「おまじない」では、先月刊行された、10年ぶりとなる短編集『おまじない』(筑摩書房、2018)にも表現される心の“ゆらぎ”や“不安定さ”をも見事に表現。夕焼けのように赤く染まる空をバックに煙を吐く煙突や、こちらを見上げる子犬の何か言いたげに揺らぐ瞳、地を這うカタツムリの滑らかな躰と魅惑的な殻模様。具体的な輪郭を与えられて描かれたそれらは優しい印象を持つ一方、不安定さも感じさせる。本展では、短編集それぞれの物語にあわせて描き下ろされた、具象絵画8点を展示する。後期「“i” beyond」は、小説 『 i(アイ)』(ポプラ社、2017)の刊行とともに本ギャラリーで開催された「インスタレーション “i”」 を、再構成したもの。ギャラリー全体を力強いストロークで描き上げた波や渦で埋め尽くし、西の表現世界に包まれる空間インスタレーションは、小説の登場人物たちの心の機微を追体験させ、たくさんの観客を圧倒。今回、そのインスタレーションを、「“i” beyond」というテーマで、個別のタブローとして再構成している。西が様々な色彩を自在に操りながら、鮮烈な生命観を描いた抽象絵画、13点が展示予定だ。小説を読んでなくても、西加奈子の豊穣な表現世界を体験できる貴重な機会となる。 【イベント情報】西加奈子「おまじない」「“I” beyond」会期:前期(「おまじない」)6月10日〜6月24日/後期(「“i” beyond」) 6月30日〜7月16日会場:AI KOWADA GALLERY住所:東京都千代田区外神田6丁目11-14 3331 Arts Chiyoda 2F時間:14:00〜18:00 ※会期中無休入場無料
2018年05月14日印象派を代表する画家、クロード・モネの魅力に迫る絵画展「モネ それからの100年」を、横浜美術館で開催。クロード・モネ 「睡蓮」1906年吉野石膏株式会社(山形美術館に寄託)ひたすらに風景を見つめ、描き続けたモネの絵画は、今もなお人々を魅了する。モネが最晩年、集大成となる大作『睡蓮』に着手してから約100年、豊かな色彩のハーモニーが観るものを包み込むこの作品は、以降の美術史に与えた影響を顧みる際にしばしば引き合いに出される。しかし、モネの長いキャリアを改めて俯瞰すると、そのあらゆる時期の作品に画家の独自性、先駆性が刻印されていることに気がつく。本展では、モネの初期から晩年までの絵画25点と、後世代の26作家による65点とを一堂に展覧し、両者の時代を超えた結びつきを浮き彫りにする。「印象派の巨匠」という歴史化された肩書きを超え、いなもなお生き続けるモネの芸術の豊かさ、その普遍的な魅力に迫ることができる。本展を通して、それぞれのモネに対する「好き」の理由を見つけてみては?【展示会情報】モネ それからの100年会期:7月14日~9月24日会場:横浜美術館住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1時間:10:00~18:00(9月14日~15日は20:30まで)※入館は閉館の30分前まで料金:一般 1,600円(1,400/1,500円)大学・高校生 1,200円(1,000/1,100円)中学生 600円(400/500円)※小学生以下無料※( )内は前売り/有料20名以上の団体料金(要事前予約、美術館券売所でのみ販売)休館日:木曜日(8月16日は開館)
2018年03月12日本邦初、巨匠ベラスケスの傑作7点が出品黄金期といえる17世紀スペインを代表するのみならず、西洋の美術史上もっとも傑出した画家のひとりであるディエゴ・ベラスケス。マドリードのプラド美術館では、彼が残したおよそ120点のうち、46点を所蔵していますが、国民的画家としての重要性から、まとまった数で貸し出される機会は極めて限られています。本展には重要作ばかり7点が出品され、日本で開催される展覧会では過去最高の作品数です。うち4点をここではご紹介します。バルタサール・カルロス(1629-46)はフェリペ4世の長男として生まれ、広大なスペイン帝国の王位後継者として国中の期待を一身に背負って育てられました。本作は、フェリペ4世がマドリード市外に作らせたブエン・レティーロ宮殿の心臓部「諸王国の間」で、両親である国王夫妻の騎馬像に挟まれて扉口の上を飾っていたものです。5-6歳の王太子は落ち着き払って指揮棒を掲げ、凛々しく馬の両前脚を高く上げて王国の未来の確かさと明るさを強調しています。しかし王太子は王位を継ぐことなく、16歳で早逝しました。背景の風景はマドリード郊外のグアダラマ山脈を描いたもので、それを描き出す流麗でよどみのない色彩、そして写実性は本作にスペイン風景画史における傑出した地位を与えています。ベラスケスの主君であり、稀代の美術コレクターとしてスペイン王室に膨大な絵画コレクションを築いたフェリペ4世(1605-65年)。トーレ・デ・ラ・パラーダの「王のギャラリー」を飾っていたこの肖像では、その場にふさわしく狩猟服を身に付け、猟銃を持ち、猟犬を従えて戸外に立つ姿で表されています。狩猟は単に王族の嗜みであっただけでなく、戦争のための訓練でもあり、その腕前は統治者の軍事的責務と力量を示すものでもありました。ベラスケスの近代性は、ここに華美な装飾や狩りの獲物などを描いていないだけでなく、像主が国王であることを示す一切の道具をも排除し、一人の男を極めて率直に、しかし威厳をもって表している点にあります。これは主にセビーリャで活躍した17世紀スペインを代表する彫刻家モンタニェース(1568-1649年)の肖像です。宮廷風の衣装に身を包んだ彫刻家は肖像を制作中に手を休め、鑑賞者の側に視線を向ける姿で表されています。線描のみで荒描きされた制作中の像は、髭の形などからフェリペ4世であることが明らかです。鑑賞者の側には肖像のモデルがいるはずの場面設定も含め、これを《ラス・メニーナス》に描かれる、ベラスケスの自画像の原型と見なすこともできます。故にこれは単なる彫刻家の肖像ではなく、彫刻が絵画同様に知的創造であり、高貴なる自由学芸の一分野であると称揚しているものと解釈されています。当時の宮廷では障害を持つ矮人や道化たちが「慰みの人々」として仕えていることが常で、ベラスケスは彼らの肖像を数多く制作しました。「バリェーカスの少年」として知られる本作の像主は、本名をフランシスコ・レスカーノと言い、王太子バルタサール・カルロスの遊び相手として宮廷に暮らした矮人でした。ここでベラスケスは堅苦しい王候の肖像画のしきたりから解放され、構図や人物のポーズ、表情などにおいて先例のない新たな試みを行っています。短い脚や大きな頭部といった特徴を大ぶりの筆致で包み隠すことなく表しながら、それでいて像主には国王や貴族と何ら変わらぬ、一人の人間としての尊厳が与えられているのです。展示概要ベラスケスが宮廷画家として活躍した当時のスペインは、他にも多くの芸術家を輩出するとともに、国王らにより未曾有の規模で芸術の擁護と収集が行われ、絵画の黄金時代が築かれました。とりわけ、ベラスケスを宮廷画家としたフェリペ4世は3000点を超える美術作品を集めたメガコレクターでした。本展は、「芸術」「知識」「神話」「宮廷」「風景」「静物」「宗教」の7つの章で構成され、スペインだけではなく、イタリアやフランドル絵画の作例を加えて、61点の油彩画と9点の資料によって、17世紀のマドリード及びスペインの国際的なアートシーンを再現します。開催概要東京展会期:2018年2月24日(土) – 5月27日(日)会場:国立西洋美術館 [東京・上野公園]〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金、土曜日は午後8時)休館日:月曜日(3/26(月)、4/30(月)は開館)主催 国立西洋美術館、プラド美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網、BS日テレ後援 スペイン大使館お問合せ:TEL.03-5777-8600 (ハローダイヤル)兵庫展会期:2018年6月13日(水) – 10月14日(日)会場:兵庫県立美術館 [神戸市]〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1HAT神戸内主催 兵庫県立美術館、プラド美術館、読売新聞社、読売テレビ後援 スペイン大使館お問合せ:TEL.078-262-0901無料観覧券を5組10名様にプレゼント
2018年01月20日絵や工作など、子どもの作品管理に困っていませんか? 親にとって子どもの作品は宝物。なかなか処分できず、ずっと取っておきたくなりますが、出来上がる作品全てを保管するのは不可能ですね。しかも、ただしまって取っておくだけでは、子どもの作品を生かしてあげられません。ちょっとしたひと工夫で子どもの作品のアート度がアップ。さらに、素敵なインテリアにもなる、親も子どもも大満足の、子どもの作品の管理方法をご紹介します。■子どもの作品を飾る専用スペース「おうち美術館」を作ろう作った本人にも忘れ去られてしまい、ホコリまみれの作品が家の片すみに山積み…なんてことになっていませんか?そんな悩みを解決するのにおすすめなのが、子どもの作品を飾る「おうち美術館」。あらかじめ展示スペースを作っておき、子どもと一緒に飾る作品を選んだり、飾る作業をしたりして楽しく飾りましょう。飾り方もちょっとしたひと手間を加えるだけで、子どもの作品の見栄えがぐーんとアップし、アートに大変身します。美術館の展覧会やショップのディスプレイのように、一定期間で変えていくようにすれば、たくさんの作品を生かせます。一度しっかり飾れば意外と子どもも満足して、「次の作品を飾るから」の一言で、本当にお気に入りの作品以外は手放すことに納得してくれそうです。最後、素敵に飾った作品と写真を撮れば、いい記念にもなりますね。■作品サイズに合わせ、「背景」を作りこんでアート度アップ!それでは、子どもの作品をどのように飾ればいいのでしょうか。一番のポイントは、背景を作ること。台紙や厚紙で背景を作り、その前に作品を置くだけで、ぐんと引き立ちます。背景に使う紙は、自立する厚めの紙を選びましょう。何種類かの紙をあらかじめ用意しておいて、子どもと一緒に作品に合った背景を選ぶのも楽しいですね。また、ずっと使い回せる背景を作って作品だけを入れ替えていく、というのも手間が少なくおすすめです。大きな厚紙に、子どもの作品より一回り大きいサイズの色紙をあらかじめ貼っておきます。あとは、その上に作品をピンなど、繰り返し貼ったりはがせるもので固定します。作品を変えたくなったら、背景はそのままで作品だけ入れ替え。色紙が一枚、作品の背景にあるだけで、なんだか作品が引き立つから不思議です。壁に直接貼りたくない場合も、厚めの台紙がクッションとなるのでおすすめです。 ■作品の立体感・存在感が際立つイーゼルは100均でも入手可能もっと手軽に済ませたい時は、100円ショップでも手に入るイーゼルを常備しておけば簡単。その上にのせるだけで、なんだか作品がちょっと立派に見えます。厚みのあまりない作品なら立体的にも飾れます。■飾れないほどの大作は、写真に撮ってハンギング飾るスペースがない、飾るには作品が大きすぎる場合は、写真に撮って保存しましょう。クリップでハンギングすれば、省スペースにたくさんの作品を飾れるだけでなく、製作順に配置すればわが子の上達具合もわかります。■たまった作品は親目線、子ども目線の両方で上限を決めて保管一定期間、大切に飾ることが肝心です。親も子どもも「作品を大切にした、生かした」という気持ちになれるので、作品を処分しやすくなるのかもしれません。それでも、子どもたちは日々作品を作り、家に持って帰ってきます。「1年にファイル1冊分」、「園時代に箱1個分」など保管する量をあらかじめ決めておくと、一定期間ごとに取っておく作品・処分する作品を選びやすくなりますね。時には、親が取っておきたい作品と子どものそれとが違うこともあるでしょう。親子それぞれのベスト10を、お互いに選んでおくのもいいでしょう。子どもたちが小さい頃は、とても手放せないと思いこんでいた作品や思い出の品も、子どもが大きくなるにつれ「なんでこんなに大量にとっておいたんだろう?」という心境になることも。子どもと一緒に、小さい頃の思い出を語りながら一緒に保管するもモノを選ぶのも楽しそうですね。参考図書: 「子どもがどんどん整理整頓したくなるお片づけ帖」 (永岡書店)子どもが散らかしてばかりで部屋が全然片づかない…。そんな悩みをお持ちの方に向けて、子どもが自分から楽しく片づけをしてくれるようなノウハウを写真やイラストを多用してご紹介。子どもが無理なく自然にお片づけができる “しかけ” を多数掲載しています。カール友波(となみ) プロフィール大阪芸術大学デザイン学科インテリア専攻卒業。整理収納アドバイザー1級。整理収納アドバイザー2級認定講師。9歳以下の子どもの保育者向け「整理収納教育士」認定講師。子育てが一段落した後、大手家事代行会社のお片づけ部門を立ち上げ、様々なお客様のニーズに応えながら整理収納サービスに邁進。独立後、埼玉県内、都内、首都圏を中心に整理収納アドバイザー2級認定講座、「親子で学ぶおかたづけ」などのセミナーを開催。日本ではじめて生涯教育としてのお片づけ=「かたいく」を提唱し、普及に努めている。
2017年10月29日ファン・ゴッホと日本をテーマに世界中から選びぬかれた逸品が一堂に会する「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が、2017年8月26日(土)~2018年3月4日(日)の期間、札幌、東京、京都の3都市を巡回して開催されます。オランダのファン・ゴッホ美術館やクレラー=ミュラー美術館をはじめとした世界の名だたる美術館、そして個人のコレクションが集結し、日本美術がファン・ゴッホに与えた影響をさまざまな角度から見ることができます。ファン・ゴッホと日本・本展の構成1853年オランダに生まれたフィンセント・ファン・ゴッホは、1886年にパリに移り、自らの絵画表現を模索しました。そこで彼に大きな影響を与えたのが、日本の浮世絵でした。浮世絵版画を収集し、油彩で模写をして、構図や色彩を学んだのです。さらにファン・ゴッホは、浮世絵をはじめとする美術作品、日本を紹介した文章を咀嚼しながら、独自の日本イメージを醸成していきます。彼にとって日本は創意の源であり、夢に見た理想郷でした。本展の第1部は「ファン・ゴッホのジャポニスム」と題し、ファン・ゴッホが日本からどんな影響を受け、どんなイメージを抱いていたのかを多角的に検証します。そして「日本人のファン・ゴッホ巡礼」と題した第2部では、最初期における日本人のファン・ゴッホ巡礼を、ガシェ家の芳名録に基づいたおよそ80点の資料からたどります。●日本初!ファン・ゴッホ美術館との本格的国際共同プロジェクトファン・ゴッホの展覧会は日本で数多く開催されていますが、本展はオランダのファン・ゴッホ美術館との初の国際共同プロジェクトで、日本展終了後はファン・ゴッホ美術館でも開催されることになっています。「ゴッホと日本」をコンセプトに、本展の企画が立ちあがったのは6年前のこと。その後、2013年から共同企画として、ファン・ゴッホ美術館と日本の監修者・学芸員が作品選定や出品交渉を行ってきました。そうして出品される作品の中には、個人所蔵で普段はまったく見ることができない作品、日本初公開の作品も多く含まれています。ファン・ゴッホを生んだオランダと、ファン・ゴッホに大きな影響を与えた日本。この両国で本展が開催される意義は、とても大きなものになること間違いなしです!●第1部 ファン・ゴッホのジャポニスム●パリー夢のはじまりフィンセント・ファン・ゴッホ《花魁(溪斎英泉による)》1887年、油彩・綿布、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)ファン・ゴッホの生年は、日本では黒船来航の年にあたります。オランダは鎖国中の日本とも交易をおこなっていましたし、ファン・ゴッホの伯父ヤンは日本に滞在した経験もありましたが、オランダ時代のファン・ゴッホと日本との接点をうかがわせるものは、何も見つかっていません。ファン・ゴッホが日本に関心を抱くようになったのは、1886年にパリに移住したのちだと言われています。パリに移ったファン・ゴッホは、画商ビングの店で大量の浮世絵を見て、鮮やかな色彩、作品の質の高さに魅せられます。平坦で鮮やかな色面を使ったファン・ゴッホの画風は、浮世絵の研究を通じて培われていったのでした。1880年代、パリはジャポニスムの最盛期でした。1886年に刊行された『パリ・イリュストレ』誌の日本特集号に使われた英泉の花魁図を、ファン・ゴッホは拡大模写して《花魁》に描きこんでいます。フィンセント・ファン・ゴッホ《カフェ・ル・タンブランのアゴスティーナ・セガトーリ》1887年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)この頃から、ファン・ゴッホは日本と日本人を理想化しはじめていたようです。そして、浮世絵の中の鮮やかな色彩世界を求めて「フランスにおける日本」たる南仏へ旅立つのでした。●アルルー「日本」という名のユートピアフィンセント・ファン・ゴッホ《寝室》1888年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)1888年2月、ファン・ゴッホの南仏暮らしは大雪の中で始まりました。ファン・ゴッホがしたためた手紙には、「まるでもう日本の画家たちが描いた冬景色のようだった」、「この土地が、空気の透明さと明るい色彩効果のために、ぼくには日本のように美しく見える」と記されています。ファン・ゴッホにとって、南仏は「まさに日本そのもの」でした。「ここではもう浮世絵は必要ない。目の前にあるものを描きさえすればいい」と語るほど。夏に向かって日差しが強く明るくなるにつれ、ファン・ゴッホの絵も浮世絵のように鮮やかな色で描かれるようになります。浮世絵風の大胆な構図を取り入れるなどしたほか、ピエール・ロティの『お菊さん』を読み、日本を、そして日本人を理想化していきました。フィンセント・ファン・ゴッホ《アイリスの咲くアルル風景》1888年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)理想化された日本人は、まるで花のように自然の中に生き、深い思想と真の宗教を持ち、他人と兄弟のように生活する貧しく素朴な人々でした。つまりファン・ゴッホは、自分が持っていた芸術的、社会的、宗教的理想を、日本人に投影していったのです。フィンセント・ファン・ゴッホ《タラスコンの乗合馬車》1888年、油彩・カンヴァス、ヘンリー&ローズ・パールマン財団蔵(プリンストン大学美術館長期貸与)©The Henry and Rose Pearlman Collection / Art Resource, NY 札幌、東京の2会場のみ展示そんな理想を実現すべく、ゴーギャンと「黄色い家」ではじめた共同生活は、1888年12月、有名な「耳切り事件」によって破綻します。日本を夢見た、南仏での1年足らずの生活期間は、ファン・ゴッホがもっとも想像力に満ち、もっとも幸福な時期だったのでしょう。●サン・レミ、オーヴェールー遠ざかる日本の夢フィンセント・ファン・ゴッホ《蝶とけし》1889年、油彩・カンヴァス、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)「耳切り事件」のあともたびたび精神病の発作に襲われたファン・ゴッホが日本について語ることは、ほとんどなくなりました。しかし、発作の合間に描きつづけた作品のなかには、浮世絵の影響を感じさせるものもありました。フィンセント・ファン・ゴッホ《渓谷(レ・ペイルレ)》1889年、油彩・カンヴァス、クレラー=ミュラー美術館蔵© Kröller-Müller Museum,Otterlo1890年、サン・レミの療養所を出たファン・ゴッホは、パリで「現実」と直面します。そのひとつは弟テオが家庭を持ったこと、もうひとつは日本のイメージの急激な変化でした。1890年の近代化が進んだ日本は、もはや「楽園」ではなく、現実として見られるようになっていました。多くの人が「日本の夢」から目覚めさせられることになったのです。フィンセント・ファン・ゴッホ《オリーヴ園》1889年、油彩・カンヴァス、クレラー=ミュラー美術館蔵© Kröller-Müller Museum,Otterloフィンセント・ファン・ゴッホ《ポプラ林の中の二人》1890年、油彩・カンヴァス、シンシナティ美術館蔵(メアリー E. ジョンストン遺贈)© Cincinnati Art Museum, Bequest of Mary E. Johnston, 1967.14301890年7月28日、ファン・ゴッホの「日本の夢」に火をつけた画商ビングが大浮世絵展の功績を認められてレジオン・ドヌール勲章を授与されたその日、ファン・ゴッホはオーヴェールの屋根裏部屋で腹に銃弾を抱えたまま、瀕死で床に横たわっていました。そして翌29日、静かにこの世を去ったのでした。●第2部 日本人のファン・ゴッホ巡礼●オーヴェール巡礼の旅ファン・ゴッホはオーヴェールの墓地に、あとを追うように没した弟テオと、隣りあって埋葬されています。ファン・ゴッホの死からまもない頃、その作品や生涯を熱心に紹介したのが、小説家の武者小路実篤、画家の斎藤與里や岸田劉生、美術史家の児島喜久雄といった「白樺派」及びその周辺の文学者や美術家たちでした。その熱狂は徐々に広がり、大正から昭和初期にかけて、少なからぬ日本人がオーヴェールの地におもむきました。生前ほとんど売れなかったファン・ゴッホの作品の多くは、オーヴェールのガシェ医師の元に残され、医師亡きあとは同名の息子が大切に守っていました。当時パリで見ることができるファン・ゴッホ作品はわずかだったため、日本人たちはオーヴェールをファン・ゴッホ巡礼の地と定めることになりました。ガシェ家には、そんな日本人たちの名が記された芳名録が3冊残されました。現在はギメ東洋美術館に収蔵されている芳名録ですが、今回日本ではじめて公開され、近代日本の知識人たちによるオーヴェール巡礼の実相が紹介されることになりました。オーヴェールに詣でた洋画家には、佐伯祐三や前田寛治などがいました。ファン・ゴッホの強烈な色彩表現は、若い日本人画家たちに大きな影響を与えたのです。本展では、佐伯の《オーヴェールの教会》や前田の《ゴッホの墓》など、巡礼から生まれた日本近代絵画の名作のほか、写真や手紙などの豊富な資料も紹介されます。●クレラー=ミュラー・コレクションへの巡礼ファン・ゴッホに傾倒した白樺派は文学者が中心で、作品以上にその悲劇的な生涯への関心が強かったことが、日本でのファン・ゴッホ受容に見られる特質となっています。ガシェ家の芳名録では、歌人斎藤茂吉の署名がその象徴的な存在といえます。精神科医でもあった茂吉は医学研究のために欧州に留学し、西洋美術、とりわけファン・ゴッホへの関心を深めていきました。茂吉は、オーヴェールでファン・ゴッホを歌に詠んでいます。一向に澄みとほりたる/たましひの/ゴオホが寝たる/床を見にけり(斎藤茂吉)オーヴェールに先だって茂吉が訪ねたのは、オランダ・ハーグのクレラー=ミュラー家でした。そのクレラー=ミュラー家の芳名録にも、画家の荻須高徳や佐分眞ら日本人の名前が散見され、オーヴェールと並ぶファン・ゴッホ巡礼地となっていたことがわかります。クレラー=ミュラー家の芳名録や当時の展示風景写真、目録などの貴重な資料も、本展で紹介されます。日本の浮世絵がファン・ゴッホを突き動かし、ファン・ゴッホの作品が日本の近代美術や文学に大きな影響を及ぼしたことを考えると、ファン・ゴッホと日本の縁がいかに深いものかがわかりますね。現代でもとりわけ日本人に愛されるファン・ゴッホの軌跡を、日本との結びつきという切り口で見つめる本展。日本とオランダを巡回することからも、いかに力が入った企画かが伝わってきます!【展覧会詳細】名称:ゴッホ展 巡りゆく日本の夢■札幌展会場:北海道立近代美術館所在地:札幌市中央区北1条17丁目会期:2017年8月26日(土)~10月15日(日)休館日:月曜日(9/18、10/9は開館。翌火曜日休館)■東京展会場:東京都美術館所在地:台東区上野公園8-36会期:2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)休室日:月曜日(1/8は開館)、年末年始(12/31、1/1)■京都展会場:京都国立近代美術館所在地:京都市左京区岡崎円勝寺町26-1会期:2018年1月20日(土)~3月4日(日)休館日:月曜日(2/12は開館。翌火曜日休館)公式サイト:
2017年09月05日裸婦や風景、花や鳥、そして虫。97年の人生をひたすらに生き、そして描いた画家、熊谷 守一(くまがい もりかず)の全貌を紹介する待望の回顧展が、2017年12月1日(金)より開催されることになりました。没後40年、熊谷とはどんな人物だったのか、ご紹介します。熊谷守一について熊谷守一(1880(明治13)年-1977(昭和52)年)は、簡潔な線と鮮やかな色を用いて、花や虫や動物、庭の何気ない一隅を描いた作品で知られる画家です。質素な暮らしぶりや欲のない態度から、画壇では「仙人」とあだ名された熊谷。しかし、一見穏やかな作品の背後には、科学者のような鋭い観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠されています。●没後40年、待望の回顧展今回の展覧会は、熊谷守一の作品200点以上を集めた大回顧展です。高感度カメラで水滴を捉えたかのような《雨滴》、体温まで感じられるような《猫》をはじめとした代表作が、一堂に会します。さらに、作品の制作過程がうかがえるスケッチ、日記なども多数紹介されることになっています。97年間を生き抜いて賢明に描くとは、どういうことなのか。熊谷守一を知る人も知らない人も、この展覧会を通してきっと感じ取れるものがあること間違いなしです。展覧会詳細展覧会名称:没後40年 熊谷守一展(仮称)会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:東京都千代田区北の丸公園3-1
2017年06月24日東京・上野の国立西洋美術館で、2017年6月20日(火)から9月24日(日)まで「アルチンボルト展」が開催されています。アルチンボルトの代表作「四季」の《春》《夏》《秋》《冬》や「四大元素」の《水》《大気》《火》《大地》を含む作品、10数点が日本初上陸。開催前から大きな話題を集めている展覧会の見どころを、asoview!編集部員の取材を元に一挙大公開します!ジュゼッペ・アルチンボルトとは16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、寓意的な肖像画が印象的な画家ジュゼッペ・アルチンボルト。1527年にイタリア・ミラノに画家の息子として生まれ、ウィーンやプラハで生活した後に、ハプスブルク宮廷のアートディレクターになります。宮廷の装飾や衣装のデザインを手掛け、伝統的な宗教画作家としても活躍しました。1560年代頃から描かれはじめた、野菜や果物、魚、花、道具といったモティーフを組み合わせた独特な肖像画が彼の代表的な作風として親しまれ、現在もなお世界中の人々を魅了し続けています。奇想と知、驚異と論理が交差する彼の絵画は、まるで暗号のよう。見ている人を絵解きの世界へと導きます。アルチンボルトの代表作「四季」「四大元素」が全点集結!今回の「アルチンボルト展」の最大の見どころは、やはり彼を代表する表現技法「寄せ絵」で描かれた作品の数々です。世界各地の主要美術館に所蔵された作品がこの度、西洋美術館に大集合します!アルチンボルトについてここまで詳しく紹介する展覧会はもちろん日本初の試み。ぜひ、この機会にユーモアあふれる知略の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。自分の顔がアルチンボルト風肖像画に!「アルチンボルトメーカー」展覧会会場入り口にある「アルチンボルトメーカー」です。カメラの前に立つと、自分の顔がフルーツや野菜によって描かれ「アルチンボルト風肖像画」が完成します!似ているような似ていないような肖像画は、アルチンボルトが描いた作品をベースに、約200種の食べ物が組み合わされ「髪型」「目」「鼻」「口」「顔の輪郭」など様々な角度から分類・抽象化し、なんと人の顔を数百万パターンを描けるのだとか。「アルチンボルトメーカー」は、「アルチンボルトが、私の顔を描いてくれたら…」そんな夢が叶う開催期間中しか体験できない貴重な企画になっています。来場の記念にぜひ体感してみてください!Ⅰ アルチンボルトとミラノアルチンボルトの画家としての生涯は、大きく3つの期に分けられます。第一期(~1562年)はミラノでの修行時代・第二期(1562~87年)はウィーンやプラハに滞在し、ハプスブルク家の3代の皇帝に仕えた宮廷時代・第三期(1587~93年)は、成功をおさめた後にミラノへ帰郷し、後世への伝達に努めた6年間です。アルチンボルト展は、アルチンボルトがどのような経緯で「四季」や「四大元素」などの彼ならではの作品を書くに至ったかを辿ります。展覧会は、第一期に描かれた作品の展示からはじまります。アルチンボルトだけでなく、彼が影響を受けたレオナルド・ダ・ヴィンチなどの作品も多数展示されています。ステンドグラスの図案制作をしていた師であり父のビアージョと共に1540~50年代にかけてミラノで活躍し始めたアルチンボルト。彼の作風には、イタリア・北西部に位置するロンバルディア地方の自然主義(自然のありのままを観察し、「真実」を描く作風のこと)やレオナルド・ダ・ヴィンチ以来の科学的な観察をもとに描く精巧な作風が大きく影響しているのだとか。この時期に描き留められたイメージの数々が組み合わされ、のちに彼の代名詞である「寄せ絵」が誕生したと言われています。アルチンボルトが自ら描いた「自画像」です。油彩の作品が多い彼のイメージとは異なり、ペン一本で描かれるこの作品は画家の技が光ります。死後500年経った今でも注目され続ける画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品も。アルチンボルトの絵画にしばしば見られるグロテスクな表現やイメージは、自然観察を重視するレオナルド・ダ・ヴィンチの作品との関連が指摘されています。アルチンボルトの画家人生初期の作品も必見です。Ⅱ ハプスブルク宮廷アルチンボルトは、1562年にハプスブルク家の宮廷にやってきて以来、ウィーン・プラハにおいてフェルディナント1世・マクシミリアン2世・ルドルフ2世の三代の神聖ローマ帝国に仕えました。皇帝一家の肖像画を数多く手がける一方で、ハプスブルク宮廷の祝祭を取り仕切る演出家や美術品のバイヤーも務めていました。また、当時彼が住み込んでいた宮廷には付属の植物園や動物園があり、それら世界中から集められた数々の生き物が彼にさらなる想像・発想力を与えたと言われています。フェルディナント1世の娘、マルガリーテの肖像画です。絵画の他にも、当時宮廷で使われていた鉢や皿などの展示もあります。豪華な装飾品の数々は、宮廷の華やかな暮らしを物語ります。代表作の「四季」「四大元素」ハプスブルク宮廷の展示に続いて、いよいよ代表作「四季」「四大元素」などの「寄せ絵」の展示が始まります。16世紀中頃のルネサンス期が終わりを迎え、ルネサンスという「究極の芸術」を乗り越えるべく、試行錯誤した後に生まれたのがアルチンボルトの「寄せ絵」という傑作です。トリックアートのような、パズルのような彼の作品は、見る人を夢中にさせます。●「四季」これは、1563年に最初に描かれた連作「四季」の《春》です。アルチンボルトの作品でもっとも有名と言っても過言ではないこの作品は、四季の植物によって肖像画が構成され、若者の《春》から老人の《冬》まで、それぞれの季節が世代に対応するように構成されています。ちなみに、《春》《夏》は女性、《秋》《冬》は男性が描かれていると一説では囁かれています。ラテン語やイタリア語で「春」「夏」は女性名詞、「秋」「冬」は男性名詞と言うことから捩られているそうです。あまりにも最初の連作「四季」が好評だった為、その後数回にわたって「四大元素」など異なるテーマを題材としてた別ヴァージョンの絵が制作されます。●「四大元素」世界を構成する4つの要素《空気》《火》《土》《水》をテーマに構成され、「四季」よりもさらにモティーフが複雑に絡み合う連作「四大元素」。こちらの《水》は、62種の魚や海獣など水に関連する生き物によって描かれているのだとか!「四大元素」は、海の生き物や動物、鳥によって皇帝が描かれており、《水》もよく見るとウニのような生物のトゲによって王冠が表現されていることがわかります。顔はもちろん、身に着けている服や装飾まで動物で描かれています。0アルチンボルトの計算し尽くされた作品たちには、まだまだからくりが仕掛けられています。なんと、「四季」と「四大元素」も組み合わせて楽しめるように構想されているのです。例えば、《水》は冷たく湿っているので《冬》、《火》は燃えるように熱いので《夏》と対になっており、実際に展示も向かい合うように並べられています。Ⅲ 自然描写16世紀に印刷技術の発展と共に確立した「博物図鑑」という絵画ジャンル。ここでは、自然をいかにリアルに描くか、を追及した作家たちの作品が展示されています。1現在のように写真がない当時、生き物の生体を描写した絵画は知識の拡散に大きな役割を果たし、科学も著しく進歩しました。描かれ始めたときは、生物研究者や科学者の間で需要が高まっていましたが、やがて君主や貴族たちからも娯楽の一環として求められるようになります。アルチンボルトの連作も、彼が皇帝に仕えていた時代に宮廷の敷地内にあった動物園、植物園で描いた自然素描が応用されて構成されています。Ⅳ 自然の奇跡2これは、1547年のパリに一人連れてこられたカナリア諸島出身の少年、ペドロ・ゴンザレスの絵です。この少年は、胸や背中、さらには顔までもびっしりと長い毛が生えていました。現代では遺伝性の多毛症として知られていますが、当時は研究もされていなかったため、このあまりにも珍しい少年を好奇な存在として崇めました。アルチンボルトは寄せ絵の画家として「絵画の驚異」を生み出しましたが、多毛のペドロは事前が生み出した「生きる驚異」として受け止められていたことから、「驚異」という親和性のもとアルチンボルト展に展示されることになりました。Ⅴ 寄せ絵3アルチンボルトと同じ時代に、彼と同じような「寄せ絵」の手法を使った絵画がインドやイスラム、さらには江戸時代の日本でも見られるようになりました。ここでは、アルチンボルト以外の作家が描いた「寄せ絵」を見ることができます。Ⅵ 職業絵とカリカチュアの誕生アルチンボルトは、植物や野菜、動物だけでなく、本や樽などそれぞれの職業に関連したモティーフが組み込まれた、職人の肖像画も描いています。4ワイン樽やボトルで構成されていてる「ソムリエ」という職業絵。日本にある唯一のアルチンボルトの作品です。5宮廷に仕えていた学者が描かれたと言われている「司書」という作品です。どこか戯画的に表現された作風が職業絵の特徴で、「司書」では頭に本を乗せた“頭の固い学者”が描かれています。Ⅶ 上下絵から静物画へ上下どちらからも鑑賞できる作品は、以前から沢山ありましたが、アルチンボルトの描く「上下絵」のようにさかさまにするとまったく異なるイメージが現れるものはこれまでにありませんでした。「上下絵」は主に、アルチンボルトが故郷のミラノに戻った後に描かれました。67人にも見え、逆さまにすると食べ物の絵画にも見えるアルチンボルトの「上下絵」。これらの絵を、肉や野菜の静物画として見た場合、これらはイタリアにおける最初の静物画となります。イタリアで最初に独立した静物画を描いたのはカラヴァッジョやアンブロージョ・フィジーノと言われていますが、彼らは共にアルチンボルトと同郷のミラノ出身で、ほぼ確実に彼の作品を知っていたと考えられます。よって、彼の描いた「上下絵」はイタリアの静物画の発展にも画期的な役割を担った作品と言っても過言ではありません。オリジナルグッズもチェック!アルチンボルト展オリジナルの限定グッズも多数あります!お気に入りの作品が描かれたグッズは思わず欲しくなってしまいます。奇想と知、驚異と論理が交差するアルチンボルトワールド「アルチンボルト展」に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。イベント概要名称:アルチンボルト展開催期間:2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)時間:午前9時30分~午後5時30分、毎週金・土曜日:午前9時30分~午後9時(ただし6月23日、24日は午前9時30分~午後8時)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)、7月18日(火)会場:国立西洋美術館 企画展示室所在地:東京都台東区上野公園7−7料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円※中学生以下は無料公式サイト:
2017年06月21日東京・上野にある東京都美術館で、「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催。ゴッホの傑作・ルーラン夫妻の肖像画2点を筆頭に、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、選りすぐりの作品80点が来日します。アートファンは必見ですよ。ボストン美術館とは?ボストン美術館は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館です。地元市民の熱意と、さまざまなコレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年にあたる1876年に開館し、国や州の財政的援助を受けずにコレクションの拡充や施設の拡張を続け、2020年に設立150周年を迎えようとしている現在は、世界有数となる約50万点の作品を所蔵しており、世界有数の規模を誇っています。展覧会の見どころ「ボストン美術館の至宝展」では、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など同館の幅広いコレクションから厳選された珠玉の80点が紹介されます。ボストン美術館のコレクションによる展覧会は、これまでも繰り返し開催されてきましたが、幅広い内容を総合的に楽しめる展覧会は、日本で実に約40年ぶり。さらに今回は、世界有数となる約50万点のコレクションの形成に寄与したコレクターやスポンサーの活動にも光を当てていきます。●ボストン美術館が誇る傑作80点が集結。本展では、ボストン美術館が誇る傑作80点が大集結。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、古今東西の名品が一堂に集う、またとない機会です。●日本初!ファン・ゴッホの傑作、ルーラン夫妻の肖像画を2点同時に展示!注目は、ファン・ゴッホの傑作と名高い「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」 と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。パリを離れ南仏アルルに移り住んだゴッホにとって、ジョゼフ・ルーランはモデルとなってくれる数少ない相手でした。2点同時に展示されるのは日本で初めての試みなので、見逃せませんね。●英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大涅槃図、約170年ぶりの修理を経て初の里帰り!ボストン美術館で約170年ぶりに修理が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作「涅槃図」が、本展で初めての里帰りを果たします。海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は必見です。●世界屈指のコレクションに隠れたコレクターたちの物語をたどる!ボストン美術館は、世界有数の規模と知名度を誇る美術館ですが、世界中の多くの美術館とは異なり、公的な財政的援助を受けていません。ボストン美術館のコレクションは、ボストンとニューイングランド地方の市民の慈善活動によって支えられてきました。今回の展覧会では、美術品だけでなく、コレクションの形成に関わった人々にも焦点が当てられます。いつ、どのように、何が収集家たちを駆り立てたのか、そのストーリーを辿りましょう。各セクションの見どころと注目作品を紹介!●1章 古代エジプト美術三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されます。●ツタンカーメン王頭部《ツタンカーメン王頭部》エジプト、新王国時代、第18王朝、ツタンカーメン王治世時、紀元前1336-1327年Museum purchase with funds donated by Miss Mary S. Ames,11.1533Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonこの名前のない王頭部は、第18王朝の若き王として知られるツタンカーメンと考えられています。王はネメス頭巾をかぶり、額にある縦の溝にはウラエウス(蛇形記章)あったとのではないかと推測されており、頭巾の上には、上下エジプト統一の象徴である二重冠の赤冠の一部が残っています。加えて、アーモンド型の眼、官能的な唇と、その魅力的な顔立ちは、1922年に「王家の谷」で発見された黄金のマスクと酷似していることが指摘されています。●2章 中国美術約9千点からなるボストン美術館の中国美術コレクション。その内容は、絵画、陶磁器、彫像、装飾品など多岐にわたります。今回は、その中から、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品を厳選して紹介します。●九龍図巻(作者:陳容)陳容《九龍図巻》(部分)南宋、1244年(淳祐4年)Francis Gardner Curtis Fund, 17.1697Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston約10mに及ぶ長大な画面に描かれた九匹の龍。沸き立つ雲と荒れ狂う波の中、あるいは悠然と飛翔し、あるいは佇むさまが粗放な筆墨で描き出されています。作者の陳容は南宋末期に活躍した画家で、龍図を得意としたことで知られており、特に、本図は、かつて清朝の乾隆帝も旧蔵した龍図の名品です。●3章 日本美術ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。●風仙図屏風(曾我蕭白)曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4510Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。●三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4642Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston繊細で優麗な描線を特徴とし、様々な姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家・喜多川歌麿。本作は、晩年に手掛けられた作品で、集大成とも言える傑作です。横長の軸にモデルは上半身のみという珍しい構図になっています。●涅槃図(英一蝶)英一蝶《涅槃図》(写真は修理前)江戸時代、1713年(正徳3年)Fenollosa-Weld Collection, 11.4221Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston英一蝶(はなぶさいっちょう)は、江戸に生きる人々の風俗画を得意とした一方で、仏画も多く手がけたことで知られる画家です。同展で公開される「涅槃図」は、一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。画面いっぱいに、涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で描いており、一蝶の力の入りようが伝わる傑作です。本図は、1886年以前にフェノロサが購入して以来、ボストン美術館で収蔵されてきましたが、作品の大きさと経年による劣化ゆえ、同館でも25年以上にわたり公開が実現できませんでした。そのため、本展での公開に際して、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するため、約170年ぶりに本格的な解体修理を実施。初めて里帰りを果たします。●4章 フランス美術所蔵するヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に名高い19世紀フランス絵画のコレクションを紹介。バルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画には、ボストン市民の好みを色濃く反映されています。●睡蓮(クロード・モネ)印象派を代表する画家モネは、1890年代から「積みわら」や「ルーアン大聖堂」、そして代表作でもある「睡蓮」などの連作を開始し、同じ主題を繰り返し描きながら、天候や時間帯によって様々な表情をみせる対象を捉えていきました。本展で展示される「睡蓮」では、水平線はなく、モネの視線は水面に集中しています。それにもかかわらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の木々が、絵画の外に広がる無限の空間が想像させてくれます。なお、こちらの作品は、1909年にパリで開催された48点の「睡蓮」による「睡蓮――水の風景」展で発表されたもので、ただちにボストンのコレクターに購入されました。●卓上の果物と水差し(ポール・セザンヌ )ポール・セザンヌ《卓上の果物と水差し》1890–94年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.524Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonキュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた「近代絵画の父」、ポール・セザンヌ。セザンヌは「静物画のモチーフは果物が良い」として、リンゴを好んで描いたという逸話が残っています。卓上の皿に盛られたリンゴなどの果物はもちろん、水差し、テーブルクロスの柄までもが計算しつくされ、絶妙なバランスを保っています。●腕を組んだバレエの踊り子(エドガー・ドガ )エドガー・ドガ《腕を組んだバレエの踊り子》1872年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.534Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonフランスの印象派画家・ドガは、踊り子を扱った作品を数多く残していることで知られる「踊り子の画家」。踊り子とは、パリオペラ座のバレリーナを指す言葉で、オペラ座の定期会員になると舞台裏に入ることが許されました。裕福な銀行家の息子だったドガは、定期会員となり舞台裏にも出入りしており、目撃した踊り子の自然のしぐさ、表情を丹念に描きました。本作は、目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。何か物思いに耽っているような踊り子の憂いの帯びた表情にも注目してください。●郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年Gift of Robert Treat Paine, 2nd, 35.1982Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた、ジョゼフ・ルーランをモデルにした油彩画は全部で6点です。本作は、最初に描かれたもので、ほぼ全身を描いた唯一の作品して知られています。ファン・ゴッホがソクラテスにたとえた立派なあごひげをもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表現されています。また、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効果的に配されているのも特徴です。●子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュスティーヌ・ルーラン夫人(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年Bequest of John T. Spaulding, 48.548Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston組み合わせた手にゆりかごの紐を持つジョゼフの妻。「子守唄」という副題が付けられることや、「ルーラン夫人の肖像」もしくは「子守するルーラン夫人」とも表記されることがあります。ゴッホの入院により一時中断したこちらの作品。制作の再開を伝えるファン・ゴッホの手紙には、「絵画を制作することは、傷ついた心を慰めるものだ」と綴られています。どことなく母性を感じさせる作品で、「人の慰めとなる芸術」を目指した画家の意が反映されているとも言われています。なお、画家自身によって4点の同じ構図の油彩画が制作されています。●5章 アメリカ絵画ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品によって、アメリカ絵画コレクションの一端を紹介します。●ロベール・ド・セヴリュー(ジョン・シンガー・サージェント)ジョン・シンガー・サージェント《ロベール・ド・セヴリュー》1879年The Hayden Collection - Charles Henry Hayden Fund, 22.372Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけてイギリスで活躍したアメリカ人の画家です。イタリアに生まれフランスで美術教育を受けており、様々な国の絵画の影響を受け、独自の優美な画風を生み出しました。また、伝統的な古典技法によって多数の肖像画を手掛け、「最後の肖像画家」とも言われています。「ロベール・ド・セヴリュー」は、上流階級の子供と小型犬を描いたサージェントの代表作です。その洗練された技巧に圧倒されますよ。●6章 版画19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた充実した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家・ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人を紹介。人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が並びます。●機関車(エドワード・ホッパー)1920年代以降のアメリカン・シーンを描いたホッパーは、油彩画が広く知られていますが、秀でた版画家でもありました。特にアーティストとしての活動の初期に多くの版画を手掛けており、「機関車」も、その時期の作品です。機関車の存在感が際立つ構図、その先に広がるトンネルの闇と周囲との明暗のコントラストに、その後の作品に共通する特徴を見ることができます。●7章 現代美術同時代のアーティストの作品に常に着目してきた美術館において、成長著しい現代美術コレクションからウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などを紹介します。●ジャッキー(アンディ・ウォーホル)ウォーホルは、1960年代にスープの缶詰や著名人の写真を素材にした作品を発表し、その後のポップ・アートの隆盛を牽引したアーティスト。1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作。また、それらを組み合わせ作品として発表しました。そこには事件前の笑顔のジャクリーンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。さらに、期間中は、タイアップイベントやスペシャルコンテンツが登場予定です。詳細は公式サイトにて随時発表となりますので、ぜひチェックしてくださいね。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年06月21日24年ぶりの来日!人生で1度は見ておきたいブリューゲルの傑作およそ人間の技とは思えない超絶技巧の描き込みと、果てしなく壮大な塔の構成。そんなミクロとマクロの想像力がふんだんに駆使されたピーテル・ブリューゲル1世の傑作<バベルの塔>が、24年ぶりに来日しました。東京会場となる上野・東京都美術館では2017年7月2日(日)まで開催中です。本展では<バベルの塔>をはじめ、今回初来日となるネーデルラントが誇る奇想の画家ボスといった、ネーデルラント美術が生み出した作品がずらりと登場。また関西にお住まいの方にも朗報です。2017年7月18日(火)〜10月15日(日)までは大阪の国立国際美術館にて同展が巡回予定です。日本各地を席巻する「バベルの塔」展、ぜひ傑作を肉眼でご覧ください!何時間でも見続けられる、「バベルの塔」壮大な世界昔、人々は同じ言葉を使っていた――旧約聖書の中にある有名な逸話「バベルの塔」。この物語は多くの画家によって描かれてきましたが、一番有名な絵画がピーテル・ブリューゲル1世の<バベルの塔>です。巨大な塔を画面一杯に配置したダイナミックな構図に、およそ1400人にも及ぶ米粒サイズの人間が実に細かく描かれています。その圧倒的な想像力と技法に、おもわず物語の中に吸い込まれてしまいます。他にも東京藝術大学COI拠点とコラボレーションした、最新技術を駆使した<バベルの塔>の巨大複製画や、漫画家・大友克洋氏によるバベルの塔の内部構造を大胆に新解釈した<INSIDE BABEL>など、現代美術と傑作が交差する21世紀にふさわしい「バベルの塔」展。お見逃しなく!幻の奇想画家ボスも堂々来日!なんと現存する油彩画数、わずか約25点のヒエロニムス・ボスの傑作2 点も初来日。ネーデルラントの写実的な描写を駆使しながらも、実在しない空想の奇抜な世界を描き出したボスは、当時のヨーロッパで旋風を巻き起こし、現在でもその人気は衰えることありません。一度目にすれば、謎めいたモチーフがちりばめられている奥深いボスの世界に引き込まれてしまうことうけあいです。そんなボスを模倣した後世の作家の作品もずらりと登場。また<バベルの塔>を描いたピーテル・ブリューゲル1世もボスのモチーフを使って版画作品の下絵を描いています。それぞれの作品に登場する、珍妙で不気味だけれどどこか可愛いモンスターたちも盛りだくさん。気になる子を見つけてみてください。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―催行期間:2017年04月18日 〜 2017年07月02日住所:東京都台東区上野公園8-36電話番号:03-5777-8600
2017年06月20日激動の時代を生きた絵師・河鍋暁斎の作品を一挙に公開する展覧会「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」。本展では展示作品をモチーフにした、会場限定のオリジナルグッズを販売。粋なアイテムをゲットして、美とユーモアにあふれた独特の世界観を展覧会後も楽しみましょう!扇いでも飾っても素敵な扇子展示作品がプリントされた全2種の「扇子(2,500円)」。扇いで使うだけでなく、和モダンなインテリアとしてお部屋に飾るのもおすすめです。マイスマホを暁斎色に染め上げよう「iPhoneケース3種(2,500円)」でスマホも暁斎ワールドに浸っちゃいましょう! 躍動感あふれる作品を持ち歩いてみませんか?展覧会の思い出をスマートに保管チケットの半券を大切に収納できる「チケットファイル(300円)」。チケットだけでなく、縦長の書類の整理にもお役立ちです。粋な枡で暁斎のような呑んべぇに!無類の酒好きとしても知られる暁斎にちなんだ全3種の「枡(1,000円)」。粋な枡を片手に飲めば、お酒もどんどん進んじゃいそうです。取材・文/五十嵐綾子イベント情報イベント名:ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力催行期間:2017年02月23日 〜 2017年04月16日住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1Bunkamura ザ・ミュージアム電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年03月07日ジェニー ファックス(Jennyfax)は、少女絵画家の高橋真琴とのコラボレーションアイテム「MACOTO WITH JENNY」を発表。2017年2月18日(土)より、ヴィレッジヴァンガード(Village Vanguard)一部店舗・ウォール(WALL)全店舗で販売する。ジェニーファックスのデザイナー、シュェ・ジェンファン(Shueh Jen-Fang)は昔から高橋真琴の作品の大ファンであったこともあり、念願叶ってのコラボレーションとなった。アイテムは、高橋真琴のアーカイブ作品からシュェ・ジェンファンが自らイラストをピックアップ。スウェット、バッグ、ペンポーチなど、ポップなアイテムがラインナップした。スウェットは、中央に高橋真琴の少女画が大きくプリントされたデザインで、カラーは白・水色・赤・黒の4色展開。なお、ヴィレッジヴァンガードのみでの販売となる。バッグ、ペンポーチは、赤のビニール素材にそれぞれ少女、猫のイラストがプリントされたレトロなアイテム。注目は、ウォール限定で販売される“WALL スペシャルセット”だ。バッグとペンポーチに加え、シュェ・ジェンファンがセレクトしたノベルティをラッピングした豪華なセットとなっている。なお、ヴィレッジヴァンガードでは、バッグ、ペンポーチは個別で販売される。■高橋真琴(たかはしまこと)1934年、大阪に生まれる。貸本漫画でデビュー後、 雑誌『少女』にカラー連載「あらしをこえて」などを発表する。以後、雑誌の表紙、口絵、挿絵を描くほか、スケッチブックや筆箱 といった文具類などで、数多くの少女画を手がける。1992年から現在まで定期的に新作個展を開催し、精力的に作品を発表している。■シュエ・ジェンファン1979 年、台湾生まれ。台湾の服飾専門高等学校で3年間服飾のテクニック全般を学んだ後、渡仏。パリの「エスモード インターナショナル パリ」にて、ファッションデザインとパターンを学んだ後、ベルギーへ。ベルギー・ブリュッセルにあるアートスクール「ラ・カンプル国立高等視覚芸術学校」でファッション科を専攻。その後、MIKIO SAKABE 立ち上げにともない、2006 年日本へ活動拠点を移し、坂部三樹郎氏と共に、デザインやパターンを手掛ける。【アイテム詳細】MACOTO WITH JENNY発売日:2017年2月18日(土)■スウェット(ヴィレッジヴァンガード限定販売)価格:7,500円(税込)サイズ:M/Lカラー:4色展開■WALL スペシャルセット(ウォール限定販売)価格:12,960円(税込)内容:バッグ、ペンポーチ、ノベルティ■バッグ価格:8,000円(税込)■ペンポーチ価格:1,800円(税込)
2017年02月14日和菓子の老舗とコラボ! 個包装だからお土産にもぴったり◎江戸時代から続く老舗の和菓子店「榮太樓總本鋪」とのコラボ商品「ひとくち羊羹」(800円)。北海道産小豆の風味を活かした食べ切りサイズの羊羹は1つずつ小分けにされているから配りやすく、お土産におすすめ。パッケージはモネの「グラジオラス」とゴッホの「オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて」の2種類です。ヨーロッパ絵画×えびせん!?ヨーロッパ絵画×海老せんべいという意外なマッチングが目を引く「海老せんべい」(800円)は、もちろん日本での展覧会ならでは。マヨネーズ風味の海老せんべいは老若男女問わず人気の一品です。こちらも個包装されていて日持ちがするので、ちょっとしたお土産にも◎。集めて飾りたい 名作モチーフのマグカップルノワールとモネの作品をそれぞれあしらった「マグカップ」(各1890円)は内側が鮮やかなピンクやブルーになっていて、両方揃えたくなる可愛さです。マグを使うたびに憧れの名画を鑑賞したら、センスアップも期待できるかも?! 他にも、ゴッホのマグカップもあるのでじっくり選んでみて。取材・文/藤井ちひろ店舗情報店名:デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~TEL・予約:03-5777-8600(ハローダイヤル)住所:東京都台東区上野公園1-2上野の森美術館アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分営業時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで)2016年10月7日(金)~1月21日(土)
2016年12月30日日本初上陸の作品15点を含んだ選りすぐりの作品たち1885年に創立されたデトロイト美術館はアメリカの公共美術館として初めてゴッホ、マティスの作品を取り入れた美術館で、コレクションは約6万5千点、年間の70万人以上の来訪客を誇る、アメリカを代表する美術館の1つです。今回はその中から選び抜かれた52点が展示されています。また、今回の展覧会の大きな特徴がカメラ撮影OKということ(月曜火曜のみ。フラッシュは禁止、一部SNS投稿禁止作品もあります)。美術展は撮影禁止のことが多いので、この機会に巨匠の名作をカメラに収めちゃいましょう!目玉作品のゴッホの「自画像」は一生に一度は見ておきたい!麦わら帽子をかぶり明るい色彩で描かれたゴッホの自画像は一番人気の作品だけあって撮影可能日と週末は特に混雑するそう。それもそのはず、この「自画像」はなんと100億円の価値があると言われている作品! 並んででも間近で写真をおきたくなります。他にも息子をモデルにしたルノワールの「白い服の道化師」やモネが妻カミーユを描いた「グラジオラス」など、有名作品が目白押しです。ヨーロッパ近代絵画の顔とも言える珠玉の作品を間近で見られて、カメラ撮影までできちゃう今回の展覧会。年末年始も開館しているのでお休み中にぜひ立ち寄って「奇跡のコレクション」に触れてみては?取材・文/藤井ちひろ店舗情報店名:デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~TEL・予約:03-5777-8600(ハローダイヤル)住所:東京都台東区上野公園1-2上野の森美術館アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分営業時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで)2016年10月7日(金)~1月21日(土)
2016年12月29日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)、リトゥン バイ(written by)のデザイナー山縣良和が、初の絵画展「Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata」を12月16日から25日、表参道ROCKETにて開催する。山縣良和は2005年、セントラルセントマーチンズ美術学校を卒業し、ジョンガリアーノのデザインアシスタントを務めたのち帰国。2007年にリトゥンアフターワーズを設立して、2014年にベーシックラインであるリトゥン バイを発表。昨年はファッションコンテスト「LVMHプライズ」に日本人初のノミネートを果たした。絵画展では、山縣良和が学生時代から現在までに描いたデザイン画、ラフ画、イラストレーション作品、ファブリックデザインに用いた原画等を展示・販売。コレクション発表時に使用されたビジュアルの原画も見ることが出来る。【イベント情報】「Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata」 会場:表参道ROCKET住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3F 会期:12月16日~25日時間:11:00~21:00 (12月18日は20:00まで、22日~24日は22:00まで)入場無料会期中無休
2016年12月04日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)やリトゥン バイ(written by)のデザイナー山縣良和による初の絵画展「Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata」が表参道ヒルズにある、表参道ROCKETで開催される。期間は、2016年12月16日(金)から12月25日(日)まで。山縣が、学生時代から現代に至るまでに描いたデザインがやラフ画、イラストレーション作品、ファブリックデザインに用いられた原画等を展示・販売する本展。コレクション発表時などに使用されたビジュアルの原画を実際に見ることができる貴重な機会となる。ファッションやアートが好きな人はもちろん、これからのクリスマスシーズンに向けて、アーティスティックなプレゼントを探している人にもおすすめ。入場も無料となっているので、表参道の美しいイルミネーションを楽しみつつ、日本のデザイナーによるアートの世界にも触れてみてはいかがだろう。【概要】Fashion Illustrations by Yoshikazu Yamagata会期:2016年12月16日(金)〜12月25日(日)時間:11:00〜21:00(12月18日(日)〜20:00、12月22日(水)〜24日(土) 〜22:00)場所:表参道ROCKET住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3FTEL:03-6434-9059※一部展示・販売されない作品有り。
2016年12月03日2017年3月8日(水)~6月5日(月)の期間中、「ミュシャ展」が開催されます。会場は東京都港区の国立新美術館。アール・ヌーヴォーを代表する芸術家、アルフォンス・ミュシャの作品がかつてない規模で展示されます。注目は連作『スラヴ叙事詩』。20作すべてがチェコ国外で一度に公開されるのは世界初です。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。アルフォンス・ミュシャとは?1860年に当時のオーストリア領モラヴィア(現在のチェコ東部)に生まれたアルフォンス・ミュシャは、グラフィックデザイナー、宝飾デザイナー、画家など幅広く活躍した芸術家です。アール・ヌーヴォーに華々しく現れ、1939年に没するまで多くの作品を制作しました。流麗で洗練された女性像を描いたほか、故郷のチェコやスラヴ民族を題材にした作品でも知られます。特に晩年の17年間を制作に費やした『スラヴ叙事詩』は、スラヴ民族のアイデンティティをテーマに、民族の栄光と歴史をめぐる壮大なスペクタクルを全20作にわたって描いた傑作です。●初日は講演会を開催ミュシャの生涯や作品の背景をより深く知るなら「ミュシャ展」初日、3月8日(水)の講演会に参加するのがおすすめです。今回の「チェコ展」の監修も行った美術評論家のヴラスタ・チハーコヴァー氏を迎え、講演会「ミュシャとムハ、アール・ヌーヴォーから《スラヴ叙事詩》への道」がおこなわれます。聴講無料、展覧会の半券で入場可能です。講演会「ミュシャとムハ、アール・ヌーヴォーから《スラヴ叙事詩》への道」講師:ヴラスタ・チハーコヴァー(美術評論家・「ミュシャ展」監修者)開催日時:2017年3月8日(水)14:00~15:30(13:30開場)会場:会場:国立新美術館3階講堂※定員は先着260名。内容や日時は都合により変更となる場合があります。「ミュシャ展」のポイントはここ!3つの見どころをチェック●圧巻!最大6m×8mサイズの超大作連作『スラヴ叙事詩』は「時間と空間を体験するかのような絵画」、「まるで演劇を見ているかのような作品」と称されます。その理由の1つが作品の大きさです。カンヴァスいっぱいに描かれた風景や人物に、鑑賞者は引き込まれずにいられません。大きなものでは6m×8mのサイズにもなります。ときに繊細でときに荒々しいタッチ、アール・ヌーヴォー時代には見られなかった写実的な描写など、1つひとつの表現に目を奪われるでしょう。●チェコ国外では世界初!全20作を一挙公開ミュシャが17年かけて制作した『スラヴ叙事詩』は全部で20作。チェコ国外で20作すべてが一度に公開されるのは、本展が世界ではじめてです。スラヴ民族の祖先を描いた「原故郷のスラヴ民族」を皮切りに作品を順に鑑賞すれば、スラヴ民族の歩みを追体験することができます。『スラヴ叙事詩』は、2012年5月にプラハ国立美術館ヴェレトゥルジュニー宮殿(見本市宮殿)で全作品が公開されるまで、ほとんど人目に触れることがありませんでした。20作が一挙に公開される、貴重な機会は見逃せません。●華麗にして妖艶!アール・ヌーヴォーの逸品も必見縦長の画面に描かれた女性像は、ほぼ等身大。茶色と黄金色を主とした柔らかな色調の衣をまとった、威厳ある姿です。神々しさすらただよう数々の女性像は、華麗にして妖艶。作品を通じて女性美の極致に触れることができます。本展ではミュシャを一躍時代の寵児に押し上げたアール・ヌーヴォーの舞台ポスターや商業ポスター、装飾パネルも公開されます。至宝と称えられたミュシャデザインの「蛇のブレスレットと指輪」も展示。『スラヴ叙事詩』に至るまでのミュシャを、100点あまりの展示でたどりましょう。本展の前売りチケットの販売期間は、2016年11月2日(水)~2017年3月7日(火)です(国立新美術館での販売は3月6日まで)。ミュシャの最高傑作を間近で堪能できるチャンスです。■イベント概要名称:国立新美術館開館10周年チェコ文化事業「ミュシャ展」開催期間:2017年3月8日(水)~6月5日(月)時間:10:00~18:00※毎週金曜日は20:00まで。入場は閉館の30分前まで。休館日:毎週火曜日 ※5月2日(火)は開館。会場:国立新美術館 企画展示室2F所在地:東京都港区六本木7-22-2料金:※中学生以下は無料【前売り券】大人1,400円、大学生1,000円、高校生600円【当日券】大人1,600円、大学生1,200円、高校生800円【チケット取り扱いサイト】展覧会公式チケットサイト:チケットぴあ(Pコード:767-931):ローソンチケット(Lコード:38800):セブンチケット(セブンコード:049-880):イープラス:公式サイト:
2016年11月20日今年で結成20周年を迎えるDELAWAREによる“デジタル絵画”と“デジタル彫刻”が、伊勢丹新宿店3階のデザイナーズイースト・ウエストに展示されている。DELAWAREは、音楽アルバムや展覧会、映像、ビットマップグラフィック、文章、ウェブ、携帯電話、クロスステッチ、ライブショー、TVCM、ファッションなど幅広い分野で活動を行っている。現在のメンバーは、サマタマサト、岡村浩志、奥村建、山口崇司の4人。今回伊勢丹新宿店で展示される作品は、歴史に残る名作に現代のアレンジを加えて制作したデジタル絵画「Four Frames」とデジタル彫刻「Ballerina」。ウエストに展示される「Four Frames」は、モナリザや真珠の耳飾りの少女などの名作が現代版にアレンジされた作品となっている。一方、イーストに展示される「Ballerina」は、動かないブロンズ彫刻にアレンジを加え、動くデジタル彫刻を完成させた。モナリザまた、作品はインターナショナルデザイナーズイースト・ウエストが発信するトレンドカラーをキーカラーに使用するなど、伊勢丹新宿限定のオリジナル仕様にカスタマイズされており、大迫力の90インチモニターで鑑賞することができる。
2016年09月19日親子デュオのファッションブランド・RYOTA MURAKAMIによる企画展「村上千明の絵画展」が、6月10日から19日まで東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYにて開催される。RYOTA MURAKAMIは、リトゥンアフターワーズにてアシスタントを経験した村上亮太と実の母親である村上千明による親子デュオのファッションブランド。デザインの制作に行き詰まった息子・村上良太の誘いにより、親子でのデザイン活動がはじまった。15SSコレクションより、RYOTA MURAKAMIとして活動をスタートしている。同展では、専業主婦でありながらファッションデザイナーとして活動する“おかんアーティスト”村上千明による新作絵画をはじめ、これまでに描かれたデザイン画や、RYOTA MURAKAMIのアーカイブ作品(服)などを展示。また、「オカン(村上千明)と電話」をすることができるスペースも設けられる。村上亮太の師であるリトゥンアフターワーズ代表の山縣良和は、村上千明の絵を初めて見たときの感想について、「村上亮太がまだ学生だった頃、自分らしさとは何かを必死にもがきながら探し求めていたときです。ある日彼は自分のルーツを探るべく、苦し紛れに、母が描いた絵を持ってきました。初めてそれらの絵を見たとき、とても感動したのを覚えています。純粋でユーモアがあり、可愛らしい。見ている私達の心もポジティブになります。そして、その瞬間から続く亮太とオカンの壮大なコラボレーションは、ファッション世界の中で忘れかけられていた優しさを、ひょっとしたら取り戻すきっかけをもたらしてくれるのではないでしょうか」と語っている。【イベント情報】「村上千明の絵画展」会場:TAV GALLERY住所:東京都杉並区阿佐谷北1-31-2会期:6月10日~19日時間:11:00~20:00休廊日:木曜日
2016年06月06日大好きな本はたくさんあるのですが、いつも身近なところに置いて、パッと目に入るようにしておきたい本というと、やはりビジュアルも大事! 内容の素晴らしさはもちろんのこと、センスがものを言うブックデザイン含め、挿画の美しさが加わると、本はたった一冊で何冊分もの魅力を感じさせてくれる宝物になります。枕元といい、リビングルームのサイドテーブルといい、どこかしら常に手元にないと落ち着かない。表紙を目にするだけで気持ちが明るく華やいでくる、優しくも頼もしい親友のような本たち。人生をともに暮らしていく彼らを、3冊ご紹介させてください。「Paradise 花と生き物いっぱいのぬりえブック」がくれるカラフルな癒し塗り絵の本が女性を中心に大人気で、自律神経を整え、不眠にも効果的という事実を、この本と出会うまで知りませんでした。本書はその名の通り、まさにパラダイス! 色彩かなキノコや花々が躍る表紙のゴールドに、まず視線を奪われました。金子みすゞの詩とともに動植物、雪の結晶などが描かれているのですが、あまりに繊細なラインは、ぬりえというよりもはやアート。作者のタカヤママキコさんに、お話を伺いたくなりました。タカヤママキコ/イラストレーター。1983年広島県生まれ。多摩美術大学卒業。書籍、雑誌、ファッション、Web、スマホアプリなど、幅広い分野で活躍。ビームス、アーバンリサーチ、リーバイスなど、企業とのコラボレーションも多数。HPから、彼女のデザインしたTシャツやスマホケースが入手できます。―― 最初は大変かも…と思ったのですが、いざ塗ってみると本当に癒されますね。「ありがとうございます。インスタグラムでタグを付けて、写真をアップしてくださってる方がたくさんいらっしゃるんですけど、時々見てみると、みなさん、想像を絶する上手さで、私には無理だなと(笑)。色鉛筆だけでなく、パステルでふわ~っとぼかしたり、サインペンでクリアに塗ったり、いろんな画材で自由自在。すごく刺激を受けてます」―― 苦労した点、大事にされた点は?「私が育った広島の野山で触れあった自然や動植物を描いているのですが、中には虫とかミジンコも。女子に嫌われがちな虫も、可愛く描いたら好きになってくれるかな…と思って描きました。実家の近くに馬もいたし、道端や林にいるものを描きたかったんです」子供の頃は、山を探検したり、枝で編んだ釣竿で川魚を釣ったり、レンゲ畑で駆けっこしたり、虫を捕まえて観察していた、というタカヤマさん。本書には、彼女の日常を彩った景色やワンダーランドがつまっているからこそ、ホッと安らいで癒されるのですね。「好きな色、好きな塗り方で自由に塗って、植物や生き物たちに命を吹き込んであげてください。そして、あなただけのパラダイスを完成させてください」。彼女自身のふんわりピュアな雰囲気に、可愛いだけでなく、ちょっぴりポイズン(毒)な魅力も混じったオリジナリティあふれるマキコワールド。日々の忙しさや喧噪を忘れて、あなたもParadiseの世界で遊んでみませんか? 「ビロードのうさぎ」のせつなさに胸がキュンキュンある日、小さい男の子のもとに、ピンクサテンの耳が愛らしいビロードでできたおもちゃのうさぎがやってきます。うさぎは、子供部屋のおもちゃの棚で暮らし始めますが、ある時、「長い間に、子供の本当の友達になったおもちゃは“本物”になれる」という魔法のような話を耳にします。うさぎは男の子と、寝る時も庭で遊ぶ時もずっと一緒に過ごすようになり、男の子にとってかけがえのない存在となりますが、だんだん汚れていき…。1881年、ロンドン生まれの作家、マージェリィ・W・ビアンコの名作が、日本を代表する絵本作家の一人、酒井駒子さんの絵と抄訳で甦りました。酒井駒子/絵本作家。1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学卒業。海外でも高い評価を得ている。「きつねのかみさま」(あまんきみこ/文、ポプラ社/刊)で2004年日本絵本賞、「金曜日の砂糖ちゃん」(偕成社/刊)で、2005年ブラチスラバ世界絵本原画展で金牌、「ぼく おかあさんのこと…」(文溪堂/刊)で2006年フランスのPITCHOU賞、オランダの銀の石筆賞など、受賞歴多数。ブロンズ新社HP 年、本書の発売イベントの一環で、憧れの酒井駒子さんのサイン会が、たまたま当時住んでいた六本木の青山ブックセンターであると知り、事前に購入しようと手に取り最後までパラパラと繰っていて、その場から動けなくなってしまったことがありました。童話とはいえ、心を揺さぶる衝撃の大きさと、とっくに大人になっているのにこんなにも動揺してしまう自分に驚き、本書を入手したのはそれからしばらく経ってから。というと何だか恐いみたいですが、そうではなく、どこかノスタルジーと憂いが漂う、絵の具の筆致が感じられる絵の魅力に、完全に惹き込まれてしまったからなのです。今ではお気に入りの毛布みたいに、身近にないと落ち着きません。一生見ていたい大切な絵本です。 「本と店主」の表紙の絵から清冽なイマジネーションが湧きあがる銀座の片隅にある“一冊の本を売る書店”というコンセプトの森岡書店の店主、森岡督行さんは文章の名手でもあり、今まで彼の著した「写真集 誰かに贈りたくなる108冊」(平凡社刊)や「東京旧市街地を歩く」(エクスナレッジ刊)を愛読してきました。新著「本と店主」は、森岡さんが人気のカフェや雑貨店などの店主12人に、彼らの“人生にかかわった本”について聞き出す対談インタビュー集。森岡さんらしい地に足の着いた日常感覚とメタフィジカルな魅力が交錯する内容も素敵ですが、本を描いた表紙の絵に一目惚れ。2015年12月、この絵を描いた画家の平松麻さんの個展が森岡書店で催されたので、お邪魔して、後日お話も伺いました。もともと本が大好きで、本の表紙に作品を使ってもらうことが夢だったとか。ブックデザインを担当したsmbetsmbの新保慶太さん、新保美沙子さんと相談しながら、表紙だけでなく、裏にも続く絵にしたかったので、新たに描き下ろしたそうです。平松麻/画家。1982年東京生まれ。この写真は、写真家・Eric(エリック)が、「麻ちゃんは中性的なところがあるから、半分は光、半分は影に」といって撮影したものだそう。―― 本が並ぶだけの静謐な絵なのにインパクトが強いです。麻さんにとって絵とは?「暮らしの中でいうと、野菜やパンのように生活必需品です。暮らしの中になくてはならない存在。絵の具の物質感、運筆を追う高揚感、作者が過ごした時間の積層、そういったものを近く感じていたいと思っています。種をまいて野菜や果実が育っていく過程と、わたしが経る絵の制作過程も重ねて考えることが多いです。芽が出て水をやったら茎が枝になって、枝分かれして実ができてくる。実が大きくなったら収穫して、展覧会という場所で観てもらう。実がなくなったら、次はまた、種植えから…。そんな制作姿勢が理想です」―― きれいに飾っておくものというより、生活の中で一緒に暮らしてほしい?「はい。だから、本の表紙に使われてすごく嬉しいのは、本はカバンの中に入れて持ち歩かれて、生活の一部になるでしょう? もちろん美しく飾って対峙する絵との時間も濃密だし、この本のように持ち運んだりする絵の在り方も濃密だと思っています。作品を求めてくださった方の中には、出張に絵を持っていってくださる方もいらっしゃって、本当に嬉しかったです」そんな平松さんの絵を起用した森岡さんにも、彼女の絵を選んだ理由を伺ってみました。「麻さんの絵は、キャンバスとか伝統的な画材でなく、フローリングの板とか、より生活に近い素材を用いているため、雑貨とか古物に近い趣があって、それは自分にとってとても魅力があります。自分の周りにもそういうものが多いので、調和しますし。それに、絵というのは普通、経年変化を嫌うものだと思うのですが、彼女の絵はともに時間を経ていくというか、それを楽しめる作品だと思います」お二人の感性がスパークした本書を手元に置いて、イマジネーションの幅を広げてみませんか? 生き生きとした絵がいつも語りかけてくれるので、前向きでいられますよ。・ 「Paradise 花と生き物いっぱいのぬりえブック」 ・ 「ビロードのうさぎ」 ・ 「本と店主」
2016年03月01日故マイケル・ジャクソンによる絵画コレクションが販売されるようだ。ジョセフ・ブラトニー氏が個人的に集めたという100点以上におよぶマイケルの絵画には、ビートルズやダイアナ妃、エイブラハム・リンカーン、チャーリー・チャップリン、バート・シンプソン、ピーター・パン、ミッキー・マウス、スヌーピー、ガーフィールドなどをモデルにした多岐に及ぶ作品が含まれているそうで、マクブラトニー氏はこの絵画による収益を恵まれない子供たちに寄付する意向だそうだ。マクブラトニー氏はニューヨーク・ポスト紙のページ・シックス欄で「これは大きな責任を伴うものです。私はこのコレクションを個人的に集めました」「子供たちを助ける非営利組織を立ち上げたいと思っています」「回復する機会や治療のチャンスを得られない子供や大人たちのためにこの素晴らしい癒やしの作品の数々を利用しない手はないと思います」と語っている。マクブラトニー氏はイーベイでマイケルの記念品の一部を購入したことがきっかけでこれらの絵画を集めるに至ったそうで、あるディーラーによってソニーで働いていた当時に数々のスケッチ画を手に入れたというメキシコ人女性を紹介されたことで、マイケルの絵画を手に入れたそうだ。すべての絵画にはマイケルによる署名が入っており、それが本物であるという鑑定も受けたという。マクブラトニー氏の代理人は「マイケル・ジャクソンがポップの王様であるというほかに才能あるアーテイストであったことは多くの人に知られていません。彼のアート界での指南役はジャクソン・ストロング・アライアンスを監修したブレット・リビングストン・ストロングだったのです」と説明している。またマクブラトニー氏は、この絵画の数々のエキシビションも開きたいと考えているようだ。(C)BANG Media International
2016年01月19日東京都・表参道の根津美術館は、王朝文学から平家物語、曾我物語、西行物語、お伽草子まで、さまざまな物語を描いた絵画作品のコレクション展「物語をえがく -王朝文学からお伽草子まで-」を開催している。会期は12月23日まで(月曜休館、ただし11月23日は開館し、翌24日休館)。開館時間は10:00~17:00。入館料は一般1,000円、学生800円、中学生以下無料。同展は、伊勢や源氏の王朝文学から平家物語、曾我物語、西行物語、そして酒吞童子をはじめとするお伽草子まで、さまざまな物語を描いた多彩な形式の絵画作品を集め、展示するもの。古くから絵に描かれ、楽しまれてきた物語だが、たとえば、最古の歌物語である伊勢物語の存在が文献上に知られるのは、源氏物語のなかに絵巻のかたちで登場するのがはじめてとなる。ほかにも、源氏物語の作中で行われた「絵合」というイベントでは、ほかにもさまざまな物語絵が競いあわされているという。また、源氏物語には、物語を音読させながら絵を眺めるといった鑑賞方法も記されており、やはり物語の楽しみが絵とともにあったことがうかがえる。源氏物語も、成立後まもなく絵に描かれ始めたと考えられているということだ。物語絵は、中世まではもっぱら絵巻や冊子、色紙といった小画面に描かれており、絵巻ではストーリー展開や情景の移り変わりが横長の画面に巧みにあらわされ、色紙でも複数の画面をアルバムに仕立てる画帖が人気を集めていた。やがて、近世になると屏風にも描かれるようになり、物語のダイジェストを大画面に散りばめるタイプがある一方、一場面のみを大きく印象的に描く作例もあったということだ。なお、関連プログラムとして、学芸員がスライドを用いて説明するスライドレクチャー「物語をえがく」(11月25日・12月11日)、「扇面絵意画巻」(12月4日)が開催される。開催時間は各日13:30~約45分間。予約不要、聴講は無料だが入館料が必要となる。また、会期中同館庭園の紅葉が見ごろを迎えるため「南青山で紅葉狩り」キャンペーンが開催される。開催期間は11月25日~11月29日。キャンペーン期間中は茶庭開放が行われ、11月26日15:00~16:00には茶室「一樹庵・披錦斎」に入ることができる(入室のみ、お茶の用意はなし)。
2015年11月25日モデルの押切もえが9月2日(水)、都内美術館で「第100回記念二科展」の絵画部門初入選報告会見を開いた。美術団体「二科会」が毎年秋に開催する公募展で、押切さんは初出展作絵画「咲くヨウニ1」で入選を果たした。これまで歌手の工藤静香、八代亜紀、俳優の石坂浩二、女優の五月みどりらも絵画部門で入選しているが、モデルとしての入選は初。同部門には3,043点の応募があった。押切さんは「予想はまったくなくて、祈るのみだった。入ってよかったというストレートな気持ち。ホッとしました」と小学校以来という絵画コンクール入選に嬉しそう。佐野研二郎氏の“酷似騒動”で東京五輪のエンブレムが仕切り直しのデザイン公募を決定したこともあり、画伯としての参加を促されると「えー?凄く大変そう。何かしら何かに似ちゃうとかあると思うし、ドキドキ」と笑わせながら「私はLINEスタンプで精一杯」と辞退していた。26歳ごろに出演したテレビ番組のチャリティー企画で水彩画を描いた事で、絵画熱のスイッチが入ったそう。入選作「咲くヨウニ1」は今年の4月から書き始めたといい「春の植物の生き生きとしたイメージとエネルギッシュなところを描きたかった。花を描くのが好きで、綺麗に描くとそのままなので濁った色を使ったりした。絵には自分の内側が反映されていて、優しくいたい、華やかでいたいという思いを込めました」と制作の様子を紹介。一度筆を執ると没頭して何時間もキャンバスに向かうそうで「仕事が忙しい時も、絵にぶつけてリフレッシュできる。時間を忘れて没頭する事で、色々なモヤモヤも晴れた」と振り返った。(text:cinemacafe.net)
2015年09月02日東京都・銀座の資生堂ギャラリーは、現代アートの世界において、伝統的な長い歴史をもつ表現形式である絵画の新しい可能性に挑戦している3人の作家の展覧会「絵画を抱きしめて Embracing for Painting」を開催する。会期はPart1が7月31日~8月23日、Part2が8月28日~9月20日(月曜休)。開場時間は11:00~19:00(日曜・祝日は11:00~18:00)。入場無料。同展は、阿部未奈子、佐藤翠、流麻二果の3人の作家による新作を中心に展示するもの。阿部氏は、自然の風景を撮影したイメージをPCの恣意的な操作を経て変容させ、得られたイメージをもとにマスキングテープとローラーを使って、再び風景を描く作家。また、佐藤氏は、沢山のファッションアイテムが色彩豊かにひしめく世界を流れるような絵筆のストロークのもとに描く。流氏は、人と自然を描く対象とし、独特な線と色彩を使い、絵具を塗り重ねてキャンバス上に抽象的なイメージをつくりだしているということだ。展示作品は、Part1・Part2に分かれた期間ごとにすべて入れ替えられる。Part1の「絵画との出会い」は、3人の作家の作品を大画面のタブローとして展示。鑑賞者が作家の提示する絵画世界の中へと深く入り込んでいくような構成となっている。Part2の「絵画に包まれて」は、絵画によるインスタレーションが展示される。ひとつのタブローに収まらない絵画作品どうしが空間の中で呼応し合うことで、イメージと色彩の渦の中に包まれるような絵画体験の創出に挑戦しているという。なお、同展のタイトル「絵画を抱きしめて Embracing for Painting」には、ひしめく美術ジャンルの中で困難な創造性にしなやかに挑戦していく作家たちの姿が重ねあわせてられているということだ。また、関連企画として、作家によるギャラリートークが開催される。開催日時は9月6日14:00~16:00。参加費無料。参加に際しては、資生堂ギャラリーウェブサイトより申込が必要となる。
2015年07月09日東京都・府中市美術館では、江戸時代の動物絵画を紹介する「動物絵画の250年」展を開催している。開催期間は5月6日まで(5月4日を除く月曜は休館)、開場時間は10:00~17:00(入場は16:30まで)。入場料は一般700円、高校生・大学生350円、小学生・中学生150円。同展では、歌川国芳や円山応挙、伊藤若冲ら、江戸時代の画家たちが動物たちを描いた多彩な「動物絵画」を紹介。現在は会期後半となり、中世からの伝統を受け継ぐ作品や、個性的な画家による想像の世界を描いた作品など、83点が展示されている。また、5月2日は「江戸の動物絵画その多彩さを生んだもの」、5月4日は「動物絵画外国と日本」というテーマで、それぞれ同美術館の学芸員による講座も開催される。なお、本展は2007年に同美術館にて開催した「動物絵画の100年 1751-1850」の続編となっている。
2015年04月30日3月31日、株式会社ブリヂストンは、ブリヂストンサイクル株式会社及びブリヂストンスポーツ株式会社と共に、「第12回ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール表彰式」を開催しました。本コンクールは、未来を担う子供達に、絵を描くことを通して自然の大切さについて考えてもらいたいという想いで始まり、今年で12回目の開催を迎えました。今年は「みつけよう おもしろい しぜん」をテーマに全国各地から述べ38,929点の応募がありました。今回表彰されたのは、ブリヂストン大賞5点をはじめとするブリヂストンサイクル賞10点、ブリヂストンスポーツ賞10点、ブリヂストン賞76点の合計101点。表彰式にはブリヂストン大賞5名を受賞したお子さんと、そのご家族が参加しました。ブリヂストン大賞「ハワイエコツアー」に選ばれたのは八木喬基(やぎ・たかき)くん(9歳)。絵画教室へ通い続けている彼は「なぜ虫は、かたちが変わるのか?」という作品で、審査員一同を唸らせました。1歳から習い始めて既にペラペラという英語の実力も、ハワイで発揮されるはずです。「オーストラリアエコツアー」に選ばれたのは、梁田菜摘(やなだ・なつみ)さん(7歳)。愛犬、ココちゃんが捕まえて飼い始めたカエルがモチーフの作品「雨にぬれてたのしそうにしているカエル」で受賞しました。自宅に飾られた多数の自作絵画は愛犬ココちゃんを描いたものが多く、受賞作以外も逸品でした。「北海道エコツアー」に選ばれた開澤快(かいざわ・かい)くん(9歳)が描いたのは、「見上げたら、松」。見上げる視点で松を描く斬新な発想で、4回目の応募にして受賞。小さい頃から車が大好きで「ブリヂストンのみなさんも頑張って下さい」とコメントし会場をわかせていました。伊沢直留(いさわ・なおと)くん(10歳)は「ウシの親子」で「沖縄エコツアー」に選ばれました。名門絵画教室に通い、数多くの受賞歴を持つ作品に対して審査員のみなさんは「ウシの毛並みの表現力がすごい!」と大絶賛。ぜひ近くで観ていただきたい秀作です。「屋久島エコツアー」に選ばれたのは内田百奏(うちだ・ほのか)さん(9歳)の「なにが見えるかな?」。将来、水泳のオリンピック選手を目指し水泳では数々の賞を受賞していますが、絵画では初受賞。「絵画の道へ進みたくなった?」と聞かれ「水泳がいいです」と断言し、会場を笑いの渦に包みました。上記5点を含む101点の入賞作品は、日産自動車株式会社の100%電気自動車「日産リーフ」にデザインされ、4月1日(水)以降、企業博物館「ブリヂストンTODAY」(東京都小平市)に展示される予定です。入賞作は4月以降、各地での展示も予定されています。「子供」と「マイカー」には縁が遠いと独身女性のみなさんは感じるかもしれません。ですが、子供がいないと目にする機会が少ない、子供ならではの自由でのびのびとした作品を観ると、発想力や発見力が刺激されること確実です。さらに101点の絵画がデザインされた「日産リーフ」を見れば、ブリヂストンが提唱する「2050年の環境目標を考える」という、自分達世代だけの地球ではないことも痛感できるはず。見ると自然の中にいるような感覚になれる作品達の鑑賞は、デートでも女友達同士でもネタになるため、ぜひ展示期間中に足を運んでみてはいかがでしょうか。・ブリヂストン 公式サイト
2015年04月07日代官山ヒルサイドテラスで「emotional journey -大宮エリー、初の大絵画展-」が開催されている。期間は2月15日まで。大宮エリーは作家や脚本家、映画監督など様々な分野で活躍するアーティスト。12年に行われた個展「思いを伝えるということ展」では、『立ちはだかるドア』や『心の箱』など、参加者が物語の主人公となる作品8点を発表。以来、「生きているということ展」、「星空からのメッセージ展」など体験型の個展を開催してきた。一方、12年には上野で「お祝いの調べ:直島」のライブドローイングを行い、画家としての活動をスタート。今回の絵画展では、そんな彼女がこれまでに制作してきた絵画の数々が展示された。その中には展覧会にあたって観客の前で描き上げられたものから、深夜の会場で一気に仕上げられたものまで、いくつもの巨大な作品が集められている。絵画展を主催した小山登美夫は、大宮について「大宮エリーさんは展覧会というメディアを使って、観客に空間インスタレーションとともにイメージや言葉を伝えていくという、その場でのリアルな体験を大事にしてきました。彼女の絵は、アウトサイダーアートのようでもあり、与謝蕪村のようでもあり、ジャン・コクトーのようでもあり、まさに縦横無尽に地域や時間を横断し、彼女という個から発した「生の芸術」からは圧倒的な強さと狂気が放たれています」と話している。【イベント情報】emotional journey -大宮エリー、初の大絵画展-会場:代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドフォーラム住所:東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟1階会期:2月3日から15日時間:11:00から21:00(13日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:300円
2015年02月10日株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下ドコモ、代表取締役社長:加藤 薫、本社:東京都千代田区)が、今年も日本最大級の創作絵画コンクール 、「ドコモ未来ミュージアム」を開催。未来をつくる子どもの夢を応援するため2002年から毎年開催している「ドコモ未来ミュージアム」は今年が第12回となる。「僕たち私たちの未来のくらし」をテーマに、子どもたちが想像する未来の世界や希望を自由に描いてもらい、昨年の応募数は121,064作品で、過去最高を記録。これまでの応募総数は60万点を超え、子どもたちの夢とともにコンクールも成長しているのだそう。今回は、文部科学大臣賞の新設や絵画部門の区分変更により、賞の設定を増やしたほか、デジタル部門のオンライン応募が可能となり、より参加しやすくなっている。また、作品を応募してくれた方全員に、「オリジナルドコモダケノート」をプレゼント!ぜひ応募して、我が子の思い描く「未来のくらし」について一緒に語り合ってみては。【第12回「ドコモ未来ミュージアム」概要】・応募資格:3歳~中学生まで・応募期間:2013年6月1日(土)~ 9月13日(金)※締切日消印有効・参加賞:応募者全員にもれなくかわいい「ドコモダケノート」をプレゼント!・受賞作品の中から最優秀作品賞として、1作品に「文部科学大臣賞」が贈られます。・応募詳細は こちら
2013年06月13日ウォルト・ディズニー生誕110周年を記念したスペクタクル巨編『ジョン・カーター』の公開を記念し、映画の舞台である惑星“バルスーム”を描く絵画コンクールが開催された。3月27日(火)、都内で授賞式が行われ、本コンクールの特別審査員を務めたタレントの工藤静香が出席。最優秀賞1名を始め、各賞合計6名の受賞者に賞を授与し、自身が描いたバルスームの絵画もお披露目した。応募者が、原作小説や映画予告編を参考に自由にイメージして、バルスームを描くというコンクール。芸能活動のかたわら、画家として1990年から「二科展」に16回入選し、2010年には特選を受賞した工藤さんは、「特にお子さんの絵は、ビックリするような色使い。頭で考える前に、気持ちから入ることの大切さを教えてもらった。選ぶのは難しかったですけど…」と審査を通して、すっかり刺激を受けた様子。最優秀賞を受賞したのは、大阪から応募した有田幸樹くん(小学3年生/9歳)で、普段から絵を描くのが好きだと言い、今回の受賞に大喜び。工藤さんも、バルスームに住む怪物をイメージした有田くんの作品を「想像力豊かで力強い」と大絶賛した。『スター・ウォーズ』、『アバター』に多大なインスピレーションを与えたとされるエドガー・ライス・バローズの伝説的小説を原作に、ディズニー/ピクサー作品『ファインディング・ニモ』、『ウォーリー』で高い評価を受けたアンドリュー・スタントン監督が初の実写映画化に挑んだ超大作。滅亡の危機に瀕した神秘の惑星・バルスームを舞台に、未知なる力に導かれた地球人の男、ジョン・カーターが突如目覚めた身体能力を武器に、惑星の存亡を賭けた壮絶バトルを繰り広げる。「ロマンスあり、アドベンチャーあり。勇気をもらえるし、ご家族でも恋人同士でも楽しんでもらえるはず」(工藤さん)。自身は劇中にも登場する“火星のプリンセス”をモチーフにした絵画を描き「火星ということで、絵の具に砂を混ぜてみたり。自分なりのイメージを広げた」と出来ばえに満足そうな表情だった。工藤さんの作品は4月13日(金)から、東京・丸の内ピカデリーで展示される。『ジョン・カーター』は4月13日(金)より3D・2Dで全国にて公開。特集:『ジョン・カーター』“胸きゅん”ポイント、徹底検証!■関連作品:ジョン・カーター 2012年4月13日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:『ジョン・カーター』のココに胸きゅん!vol.1肉食&母性本能くすぐるヒーロー『ジョン・カーター』の世界観をひと足先に体験2メートル超えの迫力フィギュアも!キャスト&監督来日!『ジョン・カーター』ジャパン・プレミアレッドカーペットイベントに25組50名様ご招待あなたのベスト“胸きゅん”ディズニー映画に投票!『ジョン・カーター』ジャパン・プレミア試写会に5組10名様ご招待ウォルト・ディズニー110周年記念作品!『ジョン・カーター』試写会に5組10名様ご招待
2012年03月27日ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品『ジョン・カーター』の日本公開を記念した絵画コンクールが28日(木)から開催され、工藤静香が特別審査員を務めることが発表された。その他の写真絵画コンクールは、応募者が映画の舞台である惑星“バルスーム”を、原作小説や映画予告編を参考に自由にイメージして描くというもの。応募は八つ切りサイズ(271×392ミリ)以上の大きさの“手描き”の作品が対象で、28日(木)から3月16日(金)まで受付を行った後に、各賞の選考を実施。最優秀者はフロリダ・ディズニー・ワールドに招待される。応募の詳細は、28日(木)に映画公式サイトに掲載される予定。特別審査員に選ばれた工藤は、歌手活動以外にジュエリーブランドのデザインとプロデュースを務めるほか、画家として二科展に16回入選、2010年には特選に選ばれている。昨年には自作絵画のポストカードの販売収益金を東日本大震災の被災地に全額寄付する活動も行い、アーティストとしても活躍していることから今回の参加が決定したという。『ジョン・カーター』は、『スター・ウォーズ』や『アバター』に多大な影響を与えたと言われるエドガー・ライス・バローズのSF小説『火星のプリンセス』を実写化したもので、滅亡の危機に瀕した惑星“バルスーム”を舞台に、愛する妻と娘を失った地球の男ジョン・カーターの戦いを描くアドベンチャー大作。『ジョン・カーター』4月13日(金) 2D・3D同時公開
2012年02月23日第34回目のコンクール住友生命保険相互会社は、第34回こども絵画コンクールの入賞者を発表した。同コンクールは優秀な作品がフランス国立ルーヴル美術館に展示される、意欲的なものとなっている。応募総数は236,734点にものぼり、全国の支社審査を通過した中から、特に認められた638点が特別賞・金賞・銀賞・銅賞・秀作賞を受賞。さらに特別賞・金賞・銀賞の102点が、明年ルーヴル美術館に展示されることが決定した。はしかワクチン14万回分に同社はこのコンクールにおいて、渡した画用紙1枚につき1円、受け付けた応募作品1点につき10円をユニセフに寄付することを決めており、今回の寄付金額は312万810円となった。これは「はしか」の予防接種ワクチンに換算すると、約14万7千回分に相当するという。今回のコンクールの入賞作品は、まず12月23日~27日まで、池袋サンシャインシティの文化会館2階展示ホールDで展示され、その後明年3月11日~4月11日まで晴れてフランスへと旅立つ予定。
2010年12月02日