野村證券はこのたび、投資一任サービスとして4月6日より「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」の取扱いを開始すると発表した。SMA(セパレートリー・マネージド・アカウント)は、顧客から投資方針や目的などを聞いて投資目標を設定し、投資判断に関する一任を得たうえで、顧客の口座において有価証券に関する運用と管理を行う、投資一任サービス。同社は、投資一任サービスとして、2005年10月より「野村SMA」、2006年10月より「野村ファンドラップ」を取扱っているが、このたび、新たに「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」の取扱いを開始し、サービスの拡充を目指すという。「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」は、現行の野村SMAより最低契約金額を下げたほか(3億円から5,000万円へ)、譲渡益に対する源泉徴収の選択を可能とするなど利便性を向上させたという。一方で、現在のSMAと同様、豊富な商品ラインナップと資産配分パターンの提供が可能であり、顧客の多様な運用ニーズによりきめ細やかに応えるとしている。投資一任サービスは、国内でここ数年急速に契約が伸びているサービスであり、同社の契約残高は1月末現在で1兆円超と、業界トップクラスの契約残高を誇っているという。同社は、この「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」の提供により投資一任サービスの拡充を図り、顧客の資産形成に貢献していきたいとしている。
2015年03月11日こまつ座&世田谷パブリックシアター『藪原検校』が2月23日、東京・世田谷パブリックシアターで開幕した。盲目に生まれつき、盲人の最高位である検校に上り詰めようと悪の限りを尽くす二代目藪原検校という架空の人物の生涯を、井上ひさしが力強い筆致で描いた偽評伝劇。井上戯曲の中でも最高傑作のひとつとして挙げられることも多い傑作だ。主人公・二代目藪原検校は、2012年にも主演し絶賛された、野村萬斎が演じる。舞台『藪原検校』チケット情報時は江戸、東北塩釜。親の因果から盲に生まれた杉の市は、手癖が悪ければ手も早い生まれながらの悪党。師匠の女房を寝取り、挙句の果てにいざこざから人を殺めてしまう。運命の坂を転がり落ちるように師匠、実の母と殺人を重ねていく彼が目指すのは、盲人の最高位である検校の位。様々な悪事の上、江戸の地で藪原検校のもと貸し金の取立てで頭角をあらわし、ついに二代目藪原検校の襲名も目前に迫るが……。“目明き”に対する強いコンプレックスから、揺るぎない地位につくことに執着し、そのためには手段は選ばない。大悪事の数々を躊躇なく重ねる杉の市だが、その行動原理はシンプルだ。萬斎は、そのコンプレックスから生まれるパワーを荒々しくも軽妙に体現していく。欲望を全身から立ち昇らせる萬斎・杉の市は生命力に溢れている。ふだんの彼の端整な顔立ちが想像できないほど下品に顔をゆがませ、エネルギッシュに演じる姿に、目をそらせない。演出を手掛けるのは、井上戯曲に精通した栗山民也。長めの暗転で完全な暗闇を作り盲人たちの世界に誘う幕開けから、俳優たちの声を重ねることで鐘の音や犬の鳴き声、町の賑わいなどの風景を生み出すという聴覚に訴える演出で、杉の市が生きた“音だけの世界”を描いていく手腕が鮮やかだ。非道がすぎてユーモラスに見えてくる杉の市の生き様は愉快だが、笑いののち最後に、社会の中で排除されるマイノリティといった問題を冷ややかに突きつけられ背筋が寒くなる。その問題は、物語の舞台である江戸時代だろうと、作品が初演された1970年代だろうと、現代であろうと変わらず存在する。解決しなければいけない問題に目を背けないことこそが重要なのだという作者のメッセージが聞こえた気がした。初日公演を終えた萬斎は「栗山さんと、栗山さんの演出に馴染みの深いキャストのチームワークにより、作品のひとつひとつの構造が浮かび上がる、より進化した『藪原検校』になりました。初日とは思えない出来栄えになったのではと思いますし、私自身初演を上回る充実感を得ることができました。ぜひ多くのお客様にご覧いただきたいと思います」とコメントを発表。公演は3月20日(金)まで同劇場にて。チケットは発売中。
2015年02月26日野村ホールディングスは18日、アセット・マネジメント部門の野村アセットマネジメント(以下NAM)、野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー(以下NFR&T)、野村プライベート・エクイティ・キャピタル(以下NPEC)の再編を発表した。NAMは、これまでNFR&Tが行ってきた投資信託の運用・管理に係る事務および機関投資家向けの顧問関連事業をNFR&Tから承継し、部門内の営業、運用、管理業務を集約する。ファンドおよび運用会社の分析・評価業務は、NFR&Tが集約して行う。またNAMは、NPECを吸収合併する。これらの再編により、運用オペレーションの効率化と堅牢性の向上を図り、顧客に対する質の高いサービスの提供が可能となるという。再編後のNAMおよびNFR&T両社は、それぞれの専門性を発揮することにより、品質の高い運用商品の提供を行い、投資家の多様なニーズに応えていくとしている。1.スケジュール2月18日:吸収分割契約締結日(NAM、NFR&T)、吸収合併契約締結日(NAM、NPEC)7月1日:NAMによるNFR&T機関投資家顧問事業の吸収分割効力発生日(予定)10月1日:NAMによるNFR&Tリテール運用関連事業の吸収分割効力発生日(予定)12月1日:NAMによるNPECの吸収合併効力発生日(予定)3.連結業績への影響同件が同社の連結業績に与える影響は軽微
2015年02月24日東京・新宿のBギャラリーで野村佐紀子の写真展「flower」が開催されている。期間は3月4日まで。野村佐紀子は91年よりアラーキーこと荒木経惟に師事。93年以降は東京を中心に、ヨーロッパやアジアなどで展覧会を開いてきた。一方で、97年には初の写真集として、男性が備えた繊細さと凶暴さを暴いた「裸ノ時間」を出版。男性のヌードを被写体に数々の作品を発表してきたが、13年の瀬戸内国際芸術祭では、岡山県玉野市に住む48人の老人を撮影。老いた身体と人生の歩みの中に、野村が感じた美しさを写真に収めている。今回の写真展では、野村が長い間撮り溜めてきた花の写真をはじめとする膨大な作品群から抜粋し展示、販売。会場では写真集『flower』(2,750円)の販売も行われ、20日には18時から、写真集を発行している出版社リブロアルテの一花義広と、本書デザイナーの町口景、野村佐紀子の3名によるトークセッションが行われる。【イベント情報】野村佐紀子 写真展「flower」会場:Bギャラリー住所:東京都新宿区新宿3-32-6 ビームスジャパン6階会期:2月13日から3月4日時間:11:00から20:00休館日:なし
2015年02月18日三谷幸喜が脚本を務め、野村萬斎を主演に迎えて贈るスペシャルドラマ「オリエント急行殺人事件」。11日(日)、12日(月・祝)に放送となる本作に先駆け、10日(土)に、“ものまねメイク”で話題のざわちんが主要キャストのメイクを披露するメイキング番組が放送されることが明らかになった。フジテレビ開局55周年特別企画として製作された本作。ミステリーの女王アガサ・クリスティーの世界的名作を基に、三谷幸喜版として描いていく。2夜にわたり放送されるが、第1夜は原作に忠実に、第2夜は“犯人側の視点”から描くというオリジナルの演出が加えられた構成となる。民放ドラマ初主演・フジテレビドラマ初出演となる野村萬斎が日本版名探偵ポアロ・勝呂武尊演じる本作には、松嶋菜々子、二宮和也、杏、玉木宏、沢村一樹、吉瀬美智子、石丸幹二、池松壮亮、黒木華、八木亜希子、青木さやか、藤本隆宏、富司純子高橋克実、笹野高史、小林隆、草笛光子、西田敏行、そして佐藤浩市など、人気・実力共に兼ねそなえた、ドラマ・映画史上かつてない豪華な顔ぶれが勢ぞろいして放送前から話題を集めている。今回放送されるのは、三谷幸喜版オリエント急行殺人事件のメイキング番組。「オリエント急行『ざわちん』事件」(関東ローカル)としてざわちんさんが、主演の名探偵勝呂武尊を演じる野村萬斎、第2夜のキーマンとなる超重要人物・家庭教師、馬場舞子を演じる松嶋菜々子、美貌の外交官夫人である安藤伯爵夫人役を演じる杏のモノマネメイクを本物の衣装を着て披露するとのこと。それぞれのメイクにチャレンジしたざわちんさんは、「萬斎さんは初挑戦、松嶋菜々子さん・杏さんは再挑戦ということだったが、実は再挑戦のふたりが心配だった。というのも前回はかなり苦戦して、いままでのモノマネメイクでもトップレベルの難易度だった。萬斎さんは写真をみた途端、自分に似ている!と思い、すぐに出来上がった。松嶋さんの美しいフェイスラインは、陰影をつけることで似せていった。今回、苦戦したのは杏さんの髪型。複雑に結われた髪型は実は地毛!」と明かした。「三谷幸喜のオリエント急行殺人事件の魅力世紀の話題作を一足お先にお届け!」は1月10日(土)11時15分よりフジテレビにて放送。フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件」は2015年1月11日(日)21時~、1月12日(月)21時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年01月09日“三谷幸喜 × アガサ・クリスティー”という夢のコラボレーションで贈る、フジテレビの新春スペシャルドラマ「オリエント急行殺人事件」。先日、本作の完成披露試写会が行われ、脚本を手がけた三谷さんを始め、主演の野村萬斎、共演の松嶋菜々子、二宮和也(嵐)、杏、玉木宏、沢村一樹、佐藤浩市ら豪華キャストが一堂に会した。フジテレビ開局55周年特別企画として製作された本作。「オリエント急行」の日本でのドラマ化はこれが初めてとなるが、原作と同じ時期の昭和初期ながらも舞台を日本に置き換え、下関を出発する「特別急行東洋」で起こる殺人事件の謎に名探偵・勝呂武尊(すぐろ たける/萬斎さん)が挑む。ドラマは2夜連続で放送されるが、第1夜ではできる限り原作に忠実に物語が展開し、第2夜では犯人の視点から事件が再構築されるという奇抜な構成となっている。出来上がった作品の感想を聞かれた三谷さんは、「僕が中学生のときに“オリエントの急行”を読み、映画を観て、ずっと“この物語の裏にはどんなことがあったんだろうか”と考えてきて、その答えが今回やっと出せたという感じです。(2夜にわたり)6時間かけて描くことができたのは、テレビの持つ強さかなと思います。テレビドラマに関わる人間として、ドラマの可能性がまた広がったのではないでしょうか」と自信をのぞかせた。また、キャスト陣には本作での役作り・見どころについての質問が。殺人事件の捜査に乗り出す主人公の名探偵・勝呂役を演じた野村さんは、「これだけの豪華キャストの方と共演させていただくので、逆にみなさんのキャラが生きるように心がけました」と贅沢な苦労を明かす。乗客であり事件の容疑者となる面々は、そんな野村さんとの共演シーンを見どころにあげる。馬場舞子役の松嶋さんは「名探偵・勝呂の尋問のシーンですね。三谷さんからも細かく指示をいただいて少し緊張していました。間や表情など繊細な部分に気をつけて演じました」。二宮さんも「取り調べのシーンですかね。僕の場合は小林(隆)さんと一緒に、しゃべりすぎる人としゃべらなすぎる人と対になるように意識しました。小林さんと考えながら萬斎さんと戦えたというのは印象的です」と語る。また、安藤伯爵夫人役を演じた杏さんは「第一夜で列車に乗ってきた人たちがなぜ乗車してきたのか? また第二夜は、安藤伯爵(玉木宏)が乗車した理由がポイントです」といい、夫を演じた玉木さんは「僕の役どころは、妻を大切にするすごく真面目男で、それがこの役を演じる上で大事なところだと思います。二夜を見ていただければ、いかに妻のことを大事に思っているかが分かると思います」と明かした。一方、ベテラン俳優陣は三谷組ならではの“笑い”を織り交ぜたトークを展開…。沢村さんが「僕にとって一箇所大事なシーンがありまして、すごい緊張感の中で演じたんですが…このナイフをどうやって…」とおどけると、三谷からすかさず“ネタバレチェック”が!気を取り直し「現場で一番気をつけていたことは、久しぶりに共演した松嶋さんに朝から“下ネタ”を言わないようにすることでした」と語り笑いを誘う。被害者を“好演”した佐藤さんの番になると、三谷さんが「佐藤浩市の“死に顔”はすばらしかったですね。本当に死んでしまったんじゃないかなっていうくらい見事な死に顔でした」と絶賛。佐藤さんは「12時間、ずっと“死に顔”だったんです。だから、僕が映っていないときのセリフを覚えていて、そこで息をするんです。そこまで息が出来ないんです。それを私は勝手に“ブレスポイント”と名付けていて。それがつらかったですね」と撮影秘話を披露した。最後に、これだけの豪華キャスト。その撮影現場はどんな雰囲気だったか?という質問が。多くの出演者が勢揃いする密室状態に近い列車のシーンでは、撮影の合間に“なぞなぞ”を出しあったりしていたそうだが、15分間にも渡る長セリフに挑戦したという野村さんは「朝早くからてっぺん(深夜12時)越えるくらいまで、1日半、(列車の中にいる)皆さんはほぼ聞いているだけ、私しゃべるだけ。僕は、しどろもどろになってしまったらせっかくの皆さんの忍耐がぶちこわしになるので、必死でした」といい、二宮さんは「そのプレッシャーに耐えきれず、(そのすぐあとのセリフを)3度ほど噛んでしまいました。長セリフもすごいですが、一回ではなく、何度も何度もやりきったことに本当に感動しました」と話し、杏さんも「セリフを言い終わると出演者みんなから拍手がおこった」というエピソードを明かして、チームワークの良さを感じさせた。スペシャルドラマ「オリエント急行殺人事件」は、第1夜:1月11日(日)21時~、第2夜:1月12日(月)21時~フジテレビにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年01月07日慌ただしい年末も過ぎ、やっと迎えたお正月。しかし、意外と時間を持て余したり、毎年同じ過ごし方で飽き飽きということも多いのではないでしょうか。そこで今回は、年始から営業を行っている都内の美術館・博物館をご紹介します。○元旦から開館■森美術館・森アーツセンターギャラリー営業開始日は1月1日より。開館時間は11:00~22:00。1月4日まで森美術館にて、さまざまなタイプの「参加型」アートを体験できるリー・ミンウェイとその関係展が開催されます。また、森アーツセンターギャラリーにて、数多くの映画作品を世に送り出しているティム・バートン氏のルーツを知ることができるティム・バートンの世界を開催中。なお、森美術館および森アーツセンターギャラリーは1月4日に営業終了し、その後4月24日まで改修工事を行うため休館になるので、今のうちに行ってみてはいかがでしょうか。○1月2日から開館■日本科学未来館営業開始日は1月2日より。開館時間は10:00~17:00。2月1日まで、テクノロジーの進展による変化をドキュメント取材と近未来ドラマで描くNHK番組の世界観を体感できるNHKスペシャル「NEXT WORLD ~私たちの未来~」テーマ展示が開催されます。同番組はライゾマティクスらのクリエイターが携わり制作されるもので、企画展ではヘッドマウントディスプレイ"オキュラスリフト"の体験(土・日・祝日のみ)も可能となっています。また、1月2日10:20~10:30には館長 毛利衛氏と記念撮影をすることができるイベントが行われるとのこと。■東京都現代美術館営業開始日は1月2日より。開館時間は10:00~17:00。1月2日・3日は同美術館に収蔵されている日本画や建築関係の作品など、これまであまり紹介されることのなかった作品を展示したMOTコレクション展を無料で観ることができます。また、先着50名に美術館オリジナルグッズを、各展覧会の入口にて先着500名にMOTちゃんシールがプレゼントされるとのこと。また、オリジナル映画作りに挑戦できるワークショップ型体験展示ミシェル・ゴンドリーの世界一周や、野村萬斎氏プロデュースの、視覚だけでなく聴覚・触覚など身体全体で感じる作品を展示した東京アートミーティングも同時開催されます。なお、1月5日~1月23日は展示替えのため、全館休館となります。■国立科学博物館営業開始日は1月2日より。開館時間は9:00~17:00。2月22日まで自然界に存在するさまざまな「光」を集めたヒカリ展を開催中。また、1月18日まで大型哺乳類のはくせいおよそ400点からなるヨシモトコレクションについての展示や、1月12日まで宝石や半導体などの機能性材料として発展してきた人工結晶を展示する人工結晶展が開催されます。■三菱一号館美術館営業開始日は1月2日より。開館時間は10:00~18:00。1月12日までボストン美術館 ミレー展を開催中。併設されたカフェは明治時代の建物を忠実に復元したクラシックな造りになっており、ミレー展に連動したメニューも提供されるとのことなので、展覧会の後に立ち寄るのもオススメです。
2015年01月01日大ヒットドラマ「古畑任三郎」などを手がけてきた三谷幸喜が、野村萬斎を主演に迎えて贈るドラマ「オリエント急行殺人事件」。この度、本作の追加キャストに三谷作品には欠かせない名優・佐藤浩市を始め吉瀬美智子、石丸幹二、黒木華が出演することが明らかになった。今年で開局55周年を迎えたフジテレビの特別企画の目玉となる、今回の大型スペシャルドラマ。“ミステリーの女王”アガサ・クリスティーの世界的名作を基に三谷幸喜版として描いていく。2015年新春に2夜にわたり放送されるが、第1夜は原作に忠実に、第2夜は“犯人側の視点”から描くというオリジナルの演出が加えられた構成となる。本作で佐藤浩市が演じるのは、人の心を持たない非道な実業家・藤堂修。金目当ての卑劣な犯罪も厭わず、その金を元手にのし上がった成金だ。佐藤さんと言えば、「新選組!」(NHK大河ドラマ)、フジテレビ開局50周年記念特別企画「わが家の歴史」、『THE有頂天ホテル』、『ザ・マジックアワー』、『ステキな金縛り』、『清須会議』など三谷作品の常連。今回の役柄は、「いままで悪役はいろいろ演じてきましたが、ここまで人に嫌われる役は珍しいと思います」と佐藤さん自身が語るほど“ワル”な役に徹し、いままで見せたことのない一面を覗かせているようだ。そして、第2夜における重要な登場人物となる剛力大佐に石丸幹二、その夫人・剛力曽根子には吉瀬美智子、その剛力家のメイド・三木小百合に黒木華が演じることに。佐藤さん演じる藤堂の犯した犯罪によって剛力家は不幸のどん底に陥れられ、悲劇的な運命を辿る。それが「オリエント急行殺人事件」そもそもの発端であり、それぞれが物語の鍵を握るキャラクターとなる。3人は本作で三谷作品初出演を果たす。「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」、「リーガルハイ・スペシャル」など立て続けに話題作に出演する吉瀬さんは、大佐夫人という役どころで昭和初期のロングドレスに身を包み、吉瀬のトレードマークであるショートカットを封印している。吉瀬さん本人も「いままでに経験したことがない髪形や私の普段のイメージとは違う新鮮な印象の衣装にも挑戦していますので、ぜひ楽しんでごらん下さい」とコメントを寄せる。剛力大佐を演じるのは、舞台のみならず映像の分野でも幅広く存在感を発揮している石丸さん。TBS「半沢直樹」で浅野支店長を演じたことが記憶に新しいが、「今回、三谷さんの台本を拝読し、人間の可笑しみが豊かに浮かび上がってくるセリフに、またゾクゾクしました」とコメント。“ひげ”をたくわえ威風堂々と大佐役に注目したい。そして黒木さんは、控えめながらも芯に秘めた強さをもつ、剛力家のメイドを好演。奇しくも『小さいおうち』でもお手伝いさん役を演じたが「最近比較的、お手伝いさんなどの役が多いので、ほかの役とは一緒にならないように気をつけました。ただ、着物と洋服で違っていたので、特に意識しませんでしたが、見ために助けられたかもしれません」と語った。本作には、主演の野村さんを始め、松嶋菜々子、二宮和也、杏、玉木宏、沢村一樹、池松壮亮、八木亜希子、青木さやか、藤本隆宏、富司純子、高橋克実、笹野高史、小林隆、草笛光子、西田敏行ら総勢20名の豪華キャストが三谷監督の下に集結している。フジテレビ開局55周年特別企画「オリエント急行殺人事件」は2015年1月11日(日)21時~、1月12日(月)21時~フジテレビにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2014年12月08日東京都・清澄白河の東京都現代美術館では、身体表現と現代アートの関係性を探る展覧会「東京アートミーティング(第5回) 新たな系譜学をもとめて -跳躍/痕跡/身体」を開催している。開催期間は2015年1月4日まで(11月24日を除く月曜、11月25日、12月28日~2015年1月1日は休館)、開場時間は10:00~18:00、入場料は一般1,200円、大学生・65歳以上900円、中高生600円。同展は、ダンスや伝統芸能、演劇、スポーツ、武道など、広義の身体表現を含む「身体パフォーマンス」と「現代アート」が出会うことで、新たな可能性を探求する展覧会。狂言師であり、現代演劇やパフォーマンスへの出演や演出なども手がける野村萬斎が総合アドバイザーを務める。絵画、映像、インスタレーション、1950年代以降の能や舞踏などの前衛の系譜をたどる資料展示や、会場内で行われるさまざまなパフォーマンスから構成されており、チェルフィッチュ、チョイ・カファイ、ダムタイプ(新作の展示は11月16日まで)、金氏徹平、エルネスト・ネト、ジャクソン・ポロック、デンツウ ラボ トウキョウ&ライゾマティクスらの作品が並ぶ。例えば、極限まで簡潔化された能の動きや狂言の形式化された感情表現は、90年代以降、言葉を排して、ロボティックでミニマルな形の反復を特徴としたダムタイプの簡潔さと非表現性とに関連づけて紹介されており、チョイ・カファイは「身体は文化的記憶を継承するための装置となりうるか」という視点で、歴代の名ダンサーの動きを電気信号におきかえ、それによって他者(の筋肉)を制御し移植することを試みる。また、60年代の実験的な振り付け家でありアーティストであるノア・エシュコルの作品を発見し、彼女の作品に通底する身体性を映像インスタレーションで見せるシャロン・ロックハート、スポーツ選手の動きを分析的にとらえ、そのパフォーマンス性を新たな視点で見いだすダグラス・ゴードン、アマゾン先住民の世界観をインスタレーション内をめぐることで観客に追体験させるエルネスト・ネトらによる、多様なアプローチで系譜学をたどることができるさらに、中田英寿+ライゾマティクス・真鍋大度によるトークイベント(11月30日)や、チェルフィッチュ・岡田利規の新作「ポストラップ」(12月23日)など多彩な関連イベントも開催されるほか、同館開館20周年記念事業として野村萬斎+ダムタイプ・高谷史郎による「三番叟」(12月3日)と「ボレロ」(12月17日)も開催される。なお、同美術館のブログでは鑑賞の手助けになるようなモデルコースも紹介されている。
2014年11月13日俳優の野村周平が11月9日(日)、東京・渋谷のライヴハウスで行われた主演作『日々ロック』のヒット祈願イベントに出席。もうすぐ21歳を迎える野村さんは、共演者からサプライズで一足早い誕生日祝いをされ「すげえ嬉しい!最高の誕生日です」と感激していた。本作は榎屋克優の同名コミックを原作に、高校卒業後に上京し、伝説のライヴハウスに住み込みで働き、活動を続ける拓郎らバンドメンバーが、デジタル系トップアイドルの宇田川咲に翻弄されながら、才能を開花させる姿を描いた青春ロックムービー。イベントにはギター兼ボーカルの主人公・日々沼拓郎を演じる野村さんを始め、劇中バンド「ザ・ロックンロールブラザーズ」のメンバーを演じる前野朋哉と岡本啓佑(黒猫チェルシー)、共演するアイドル役の二階堂ふみが出席。特製のバースデイケーキが登場すると、前野さん&岡本さんが野村さんの口元に“ア~ン”してあげる場面もあり、和気あいあいとした雰囲気だった。野村さん演じる日々沼は、演奏中に興奮すると“全裸”になってしまうという設定。「しんどいこともたくさんありましたが、裸も苦にはならず、興奮さえ覚えるようになった。最後まで楽しい撮影でした。撮影は3週間ほどで、プライベートでも素に戻る暇もなく、自然と日々沼でいられた」とふり返っていた。この日はライヴハウスでのヒット祈願イベントに始まり、「HMV record shop 渋谷」で野村さんらキャスト陣によるトークイベント、「爆弾ジョニー」「細身のシャイボーイ」「The SALOVERS」ら楽曲提供アーティストによるライヴを開催。さらに本作を上映する渋谷・シネクイントの表明訪問、TOKYO FM渋谷スペイン坂スタジオでのスペシャル番組生放送など、怒涛のプロモーション展開で映画『日々ロック』が渋谷をジャックした。『日々ロック』は11月22日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日々ロック 2014年11月22日より全国にて公開(C) 2014「日々ロック」製作委員会 (C)榎屋克優/集英社
2014年11月10日野村アセットマネジメントはこのたび、ヘッジ・ファンドのインキュベーション事業(資産運用業務における起業支援のこと。ファンド・マネージャーを志す候補者を発掘して資金を提供し、優れた運用実績を残した候補者に対してファンドの立ち上げを支援する)を行うBridge Capital Asset Management(以下BC社)との間で業務提携を進めるべく、アライアンス基本契約書を締結したと発表した。このたびの契約により、同社は30億円を上限としてBC社が運用するインキュベーション・ファンドに投資するとともに、将来BC社への出資を可能とする出資オプションを取得する。BC社との提携を通じて、同社はヘッジ・ファンドのプロダクト・ラインナップを拡充し、商品開発をさらに加速させていく。○BC社の概要商号:Bridge Capital Asset Management株式会社、金融商品取引業者関東財務局長(金商)第159号代表者:代表取締役籔内太嘉司所在地:東京都千代田区九段南2丁目5番1号設立:2004年7月資本金:9990万円
2014年08月08日ドラマ「若者たち2014」などで今年活躍著しい野村周平と、『私の男』を始め、話題作出演が続く二階堂ふみが出演する、映画『日々ロック』。このほど、野村さん演じる、つい全裸になってしまう主人公・日々沼拓郎のヘタレっぷりが確認できる劇中ビジュアルがどこよりも早くシネマカフェに到着した。『SR サイタマノラッパー』シリーズで映画界の話題をさらった新鋭鬼才・入江悠監督が、「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の榎屋克優原作の同名人気ロックコミックを、爆音ロックエンターテイメントとして映画化した本作。これまで映画・アニメ問わず、過去さまざまな “ヘタレ”キャラが生み出されてきたが、本作でイケメン俳優、野村さんが挑んだ主人公・日々沼拓郎は、また別格だ。今回解禁されたのは、大好きなロックを演奏していると自分を解放しすぎて “全裸”になってしまう…というクセ(?)を持つ拓郎のヘタレ満載のビジュアル。ロックスターを目指し、バンド「ザ・ロックンロールブラザーズ」のボーカルとして、ベースの草壁(前野朋哉)、ドラムの依田(岡本啓佑)と共に上京してきた拓郎。ライブハウス・モンスターGOGOで住み込みで働きながら、鬼のように怖い店長(竹中直人)に蹴り飛ばされ、踏まれ、罵倒されながらもパフォーマンスする日々を送っている。だが、全裸でギターを抱え、魂を奮い立たせて歌い続けるものの、肝心のライブは数える程の客しかいないうえ、毎回空回り気味。ある晩、いつものように全裸でライブをしていた拓郎の前に、酔っぱらった女子が乱入!その女子こそ、カリスマ的な人気を誇るトップアイドル・宇田川咲(二階堂ふみ)。そして「ザ・ロックンロールブラザーズ」のステージへ上がった咲は、拓郎の頭に向かって、いきなりビール瓶を振り下ろす!「お前、童貞だろ?生の女抱いてからロックしな!」と吐き捨てた咲は、ギターを奪い、拓郎を蹴り落とす。咲に蹴られた瞬間、彼の急所はライブ機材の角へと直撃!全裸で悶える拓郎…。しかし、そんなダサく、情けない拓郎の姿にも、「お前らダセーけど、けっこー良かったぞ!」と笑顔で去っていく咲。“ロックを愛する気持ちは誰にも負けない”と、体中からあふれんばかりに自分たちの音楽を突き進んでいく「ザ・ロックンロールブラザーズ」の歌は、トップアイドルとして活躍する咲の“ロック魂”に火をつけ、熱い想いを呼び起こさせるのだ。史上最低のロックバカ・拓郎の熱い“ロック”な叫びが、咲を始め、みんなの心を突き動かしていくことになる本作。まずは、野村さん演じるヘタレキャラぶりをこちらから確かめてみて。映画『日々ロック』は11月22日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日々ロック 2014年11月22日より全国にて公開(C) 2014「日々ロック」製作委員会 (C)榎屋克優/集英社
2014年08月08日かわいすぎる!と注目の2世美少女が本格デビュータレントとして活躍する野々村真と俊恵夫妻の長女である香音(かのん)が、本格的に歌手デビューすることが決定した。まだ11歳というあどけなさも残る彼女だが、その愛らしさは、テレビの親子番組などで出演して以来、ネットでも話題となっており、「かわいすぎる」2世美少女として注目されてきている。その愛らしさとは裏腹に、ドラムの英才教育をしっかりと受けてきたロックンロール少女なのだそうで、デビューは2月9日リリースの「花粉デビルをやっつけろ!」における歌手活動からとなっている。また、香音本人が実演モデルを務めた書籍「花粉キラー『元気ボール体操』で脳内リセット」(SDP)も発売される。将来はドラムや歌もできるアンジェリーナ・ジョリー?!デビュー曲のPVは、東京都内にある野々村の自宅で撮影されたそうで、夫妻や弟の侑隼(ゆうと)君も参加しているという。香音は得意のドラムも披露しているそうだ。楽曲は、「マル・マル・モリ・モリ!」の大ヒットを生み出した宮下浩司氏が作詞・作曲を担当し、花粉症対策と結び付けたユニークな作品となっている。今後はダンスや演技にも力を入れていきたいと考えているそうで、本人はアクションが大好きなのだとか。将来女優としてはアンジェリーナ・ジョリーのようになりたいと、憧れを語っている。アイドルルックスで、モデルや女優、歌を含む音楽活動と活躍が期待される場は幅広い。すでに9歳で舞台デビューを果たしており、今後のさらなる活躍がはやくも期待されている。元の記事を読む
2013年02月09日神田川に架けられた東京で初めての石橋と言われる「旧萬世橋」(よろずよはし)の勾欄(橋柱)の一般見学が先頃可能になった。千代田区観光協会サイトまちブログ神田によると、旧萬世橋は、現在の万世橋(まんせいばし)と昌平橋のほぼ中間に、「江戸城筋違御門」の石垣を利用して架けられた東京初の石橋と言われ、これまで神田明神の境内の奥にあり、非公開だった。このたび、神田明神の境内に鎮座する籠祖神社を改め、完成した合祀殿と隣の祖霊社の間に通路が整備された。これにより、一般の見学が難しかった乃木希典書「彰忠碑」、「護国慰霊之碑」、そして東京初の石橋と云われる「旧萬世橋」の勾欄(擬宝朱橋柱)の見学が可能になったとのこと。同サイトによると、「旧萬世橋」の勾欄は祖霊社の奥、行き止まりの狭いスペースの中央に旧神田区民の日露戦争の戦死者を偲ぶ「彰忠碑」が建っており、その碑を囲む形で擬宝朱のついた旧萬世橋の勾欄が配置されているという。なお、「旧萬世橋」は、明治45年に開業する甲武鉄道の万世橋駅建築と鉄道工事のために取り壊されたものだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日構想から映画化まで実に8年の時間を要した、世紀の大逆転の実話を描いた『のぼうの城』。11月初旬に公開され、3日間で総動員数は40万人以上、興業収入5億円超えを記録する大ヒットスタートを切った本作だが、このほどこの大成功を受けて、主演を務めた野村萬斎からシネマカフェだけにコメントが到着!さらに13分間にもおよぶ本作の特別映像と、撮影最終日のオフショットが到着した。一国一城の主でありながら民から“でくのぼう”の意から「のぼう様」という名で慕われた成田長親。戦国の大武将・豊臣秀吉率いる2万の軍勢にたった500人の兵でケンカを売った、彼の奇想天外な戦人生と戦場にめぐる人間模様を描く。中でも映画の舞台である忍城(おしじょう)のある埼玉県では、県内の劇場の動員数が公開週末の全国の劇場ベスト1位、2位、3位を占めるという異例の大盛況!小説も公開に合わせて売り上げが伸び、累計200万部を突破。まさに、日本映画界の“天下統一”を成し遂げんと、その勢いは止まる気配はない。のぼう様と同様に、公開延期など多くの苦難を乗り越え、時代劇モノの枠を超えた異例の大ヒットを遂げた本作に萬斎さんは、「9年ぶりのスクリーン復帰となりましたが、本当に幸せな気持ちでいっぱいです。犬童監督、樋口監督のおかげで、水を得た魚のように自由に演じることもでき、自分自身としても大満足ですね」と喜びのコメント。さらに、この大ヒットを「ブログやtwitterなど、感想コメントを拝見させていただいていますが、“弱きが、強きを挫く”、そして、そこにあるのが“人間の力”というのがこの作品の見どころだと思います。豊臣軍は水攻めのための労働力をお金で集めますが、のぼう様は百姓たちを信用し、みんなが団結することによって水攻めを打ち破る。いまの日本にもきっと繋がる、一番大切なものがストレートに出ている作品です。『人間っていいなぁ』と、観て、信じて、酔える。そこに共感して頂けたのではないかと思います」と分析する。最後に、スピンオフ作品の依頼がもし来たら?という質問には、「ぜひ、やらせて頂きたいですね(笑)!その場合は、前作を超える作品を目指したいです。そして、“のぼう様”もそうですが、渥美清さん演じる“寅さん”のように、破天荒で人情に弱い、人に愛されるキャラクターを演じたいです」と笑顔で答えてくれた。今回届いた特別映像では、まだ本作を鑑賞した人もそうでない人も楽しめる、ダブル監督を務めた犬童一心と樋口真嗣の2人が明かす本作の映画化に至るまでの数々のドラマ、さらに現場でのメイキング映像、萬斎さんのインタビュー映像まで収めた『のぼうの城』の裏側をギュギュっと詰め込んだ濃厚な13分間に仕上がっている。萬斎さん始め、成宮寛貴、山口智充、佐藤浩市ら豪華キャスト陣が迎えたクランクアップしての破顔の表情からも、快作であることが伺える本作だが、まずはこちらの映像でたっぷりとその魅力を味わってもらいたい。『のぼうの城』は全国にて公開中。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年11月21日銀幕の中で笑って、泣いて、転んで、踊ってまたカラリと笑う。狂言師・野村萬斎の面目躍如というべき映画『のぼうの城』がついに公開となった。『陰陽師II』から9年ぶりに主演した本作では史実を基にたった500の兵を率いて2万の豊臣軍の猛攻に耐え抜いたデクノボウの“のぼう様”こと成田長親を演じた。萬斎自ら「よく分からない道化のような男」と分析するこの役を最初にオファーされた時は「何で僕なんだろう?そんなにボケてるように見えるかな?と思ったけど周りに『ピッタリだ』と言われてショックでした(苦笑)」と振り返るが…。その他の画像確かに『陰陽師』シリーズで演じた安倍晴明とはタイプの異なる役柄だが「普段、やらなそうな役だからこそやってみたいと思った」と語る。現場では即興を交えて周囲の反応を楽しんでいたようで「自分が喜劇役者、狂言師でよかったと思いましたね」とも。「とにかく遊ばせていただきました。それはNHKの朝ドラの『あぐり』以来の感覚かな。こちらの提案をことごとく監督が喜んでくれて、台本にないことをやっては『何でこのシーンがそうなるの?』といつも聞かれていました。たいていのシーンで台本通りのものと僕のテイストを入れたものの2パターン撮ったんですが、完成した映画を観たらかなりの部分で僕の方を使っていただいてました」。のぼう様と同様に「地面から5センチほど浮いている」というのが本作の久保田プロデューサーによる野村萬斎評であり今回のオファーの理由だというが、萬斎本人も「確かに昔から浮いているところはあったかも(笑)」と自覚症状アリ。いつのまにか周囲を魅了し巻き込んでいくところも長親そのものと言える。「学生時代、休憩時間はアイドルでしたからね。女の子たちの前で10分劇場みたいなことをしたり、休憩時間の直前に女子トイレの入り口に隠れて女の子が入ってくる時に『ようっ!』と出ていったり…。いや、のぞくわけじゃなく『どうしてキミはそこから出てくるの?』って突っ込んでほしくて(笑)。今なら犯罪ですね(笑)」。2万の兵を前に歌って踊って喝采を浴びるカリスマの原型は10代の頃にすでに形成されていたというわけだ。一見、突飛で破天荒なように見えて「物事を本質的に見る」というところも長親と重なる。今回の映画出演を含め古典芸能の枠にとどまらず次々と新たな挑戦をしてきたが「僕はあくまで狂言師として王道にいるつもりです」と語る。では改めて“狂言師・野村萬斎”が見据える先は?そう尋ねると「『秘すれば花』という世阿弥の言葉もありますが、見慣れて予測がついてしまうのが一番よくない。その意味で狂言の固定観念を崩したいという思いはあります。とはいえ芸の本質まで変えてしまっては意味がなくなってしまう。つねに新鮮さを保っていたいし、現代人が演じて現代人が見るという前提を考えつつ、手法に関しては古典に則ってやっていくことを心がけています」と確信的な笑みを浮かべてうなづいた。『のぼうの城』公開中※取材・文・写真/黒豆直樹
2012年11月09日先週末公開されるや、週末3日間で5億円を突破する好スタートを切った『のぼうの城』。すでに40億も射程圏内と目されている本作だが、その人気は日本の至高・野村萬斎扮する“のぼう様”を始め、成宮寛貴や佐藤浩市らが演じるの魅力的な武将たち。しかし、敵軍となる豊臣秀吉が率いる天下軍にも、上地雄輔や山田孝之など彼らの魅力に負けず劣らずの武将たちがいることを忘れてはいけない。このほど、敵武将たちの魅力と撮影時のメイキングをたっぷりと13分間も収めた特別映像が到着した。一国一城の主でありながら民から“でくのぼう”の意から「のぼう様」という名で慕われた成田長親。戦国の大武将・豊臣秀吉率いる2万の軍勢にたった500人の兵でケンカを売った、彼の奇想天外な戦人生と戦場にめぐる人間模様を描く。今回、紹介する天下軍は歴史に名を残した有名武将揃いのスパースター集団!そんな戦国時代のオールスターチームを率いるのは、織田信長、徳川家康と並び天下統一を成し遂げた男・豊臣秀吉だ。この秀吉に扮した市村正親が、劇中では最強の天下軍を駆使して豪快な作戦で次々と領地を広げていく英傑として描かれている。。そして、本作で萬斎さん演じる“のぼう様”の最大の敵役となるのが、今回の戦の大将・石田三成だ。知将として群を抜く才能をもっていたことから「無双の才覚」と称された現代で言う“出来る男(デキメン)”だ。この役に、“おバカ”キャラとして活躍してきた上地雄輔がまさかの大抜擢を受け、決定当時は賛否両論を呼んだが、今回届いた映像では、しっかりとデキメン・三成になり切っていることが確認できるはずだ。ほかにも、山田孝之が演じる三成の親友で常に冷静沈着な男・大谷吉継。利に転ばず義に生きた名将として武将ファンの間でも高い人気を誇る吉継役に、山田さんも「カッコいい役なので、楽しんでやりたい」と嬉しそうな表情で語っている。さらに、傲慢な武将・長束正家役の平岳大も嫌われ役ながらもいい味を醸し出している。歴女もそうでない方も、ぜひ彼らの魅力をこちらの映像からチェックしてみて!『のぼうの城』は全国にて公開中。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年11月07日和田竜のベストセラーを映画化したスペクタクル時代劇『のぼうの城』の公開記念舞台挨拶が11月3日(土・祝)、東京・日比谷のTOHOシネマズスカラ座で行われ、約7年ぶりの映画主演を果たした野村萬斎を始め、榮倉奈々、成宮寛貴、上地雄輔、山田孝之、平岳大、佐藤浩市、共同でメガホンをとった犬童一心監督と樋口真嗣監督が登壇した。“のぼう様”こと成田長親(萬斎さん)の指揮の下、わずか500の兵で石田三成(上地さん)率いる豊臣方の2万の大軍から、城を守りきった忍城(おしじょう)の史実を映画化した。舞台挨拶ではロックバンド「エレファントカシマシ」が歌う主題歌「ズレてる方がいい」にちなみ、「誰が一番ズレているか?」をテーマに登壇者が喧々諤々。予想通り(?)「ズレていると言えば、上地雄輔。理由はないです」(成宮さん)を筆頭に、上地さんの名前を挙げる声が多く、会場全体も「うんうん」と納得した空気だったが、当の上地さんは本作で知将・三成を演じているだけに不服そうな表情だった。一方、犬童&樋口両監督は「普段自分はシャープだと言うが、そう言っている雰囲気がボーっとしている」(犬童監督)、「存在感含めて、いい意味で浮世離れしている」(樋口監督)という理由で、萬斎さんに一票。萬斎さんは「ズレているとは思っていないが、よく気づいていないとも言われる。だから、きっと私はズレているんでしょうね」と余裕の表情で、“ズレてる”を自覚しているようだ。この日は戦国時代の合戦を描く本作にちなみ、2チームに分かれての玉入れ合戦も行われ、会場は大盛り上がり。佐藤さんは「久しぶりに体を動かした。やっぱり(映像的に)こういう動きがないとね。宣伝さんもいろいろ考えてくれている」と汗をぬぐっていた。『のぼうの城』は全国にて公開中。■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年11月04日和田竜のベストセラー小説を野村萬斎主演で映画化した『のぼうの城』が本日から公開されている。周囲から“でくのぼう”と呼ばれている城代が、驚くべき人望を発揮して家臣たちと戦いに挑む本作。公開前に行われたモニター試写会でも圧倒的多数の観客が“のぼう様”に魅力を感じているようだ。その他の写真『のぼうの城』は、家臣から“のぼう様”と呼ばれる忍城(おしじょう)の城代・成田長親(野村)が、外見からは想像もできない才能と人望によって、天下統一を目指す豊臣秀吉の2万の大軍を相手に、たった500名の兵で圧倒的な戦いを見せる様を描いた作品。野村をはじめ、佐藤浩市、榮倉奈々、山口智充、成宮寛貴、上地雄輔、山田孝之らが出演し、犬童一心と樋口真嗣が監督を務めている。本作には野村演じる長親(なりちか)だけでなく、石田三成、大谷吉継ら様々な武将たちが数多く登場するが、モニター試写会後に実施したアンケートでは、長親に圧倒的な支持が集まったそうだ。「普段はひょうひょうとしているのに、やる時はやるという性格が魅力的だった」「自分自身のことより、家臣、領民を思う気持ちが良く伝わった」「何を考えているのかわからないようで、きちんと考えているので面白い」など、意外なキャラクターと奇策で民を率いる“のぼう様”を評価する声がある一方で「野村萬斎でないとこの作品は魅力的にならない」「小説を読んだときの自分のイメージよりも野村萬斎の方が“のぼう様”らしくて驚いた」などの声も寄せられたという。もちろん本作は痛快な娯楽活劇で、劇中に登場する“のぼう様”には創作が含まれ、観客が思わず惹かれるような人物として描かれている。しかし、自分よりも他人のことを優先して考え、日ごろはノンビリしているが実は頼りになる“のぼう様”は、現代の観客が思わず「こんな人がいてほしい」と思ってしまう人物なのではないだろうか。『のぼうの城』公開中
2012年11月02日「『職業は?』と聞かれたら『野村萬斎』と答えたい」。そう言って浮かべた笑みは“優しい”と言うべきか、“いたずらっぽい”と表現すべきか…何とも形容しがたい。掴みどころがないという意味では、今回演じた“のぼう様”こと成田長親と似たものを感じさせるが「長親は無自覚だけど、僕は確信を持ってやってますよ」と自らが積み重ねてきたものへの矜持を覗かせる。狂言師として伝統芸能を守り受け継いでいくだけにとどまらず、現代劇からギリシャ悲劇、さらには子ども向け番組への出演まで幅広い分野で活躍し、新たな道を切り拓いていく野村萬斎。実に9年ぶりの映画出演作となる『のぼうの城』では、たった500名で2万の大軍に立ち向かう忍城の城代(=指揮官)を魅力的に演じている。冒頭の“職業=野村萬斎”という発言を証明するかのように、萬斎さんが演じているからこその魅力が詰まった本作。どのような思いでカメラの前に立ったのか?映画公開を前に話を聞いた。激しい殺陣による合戦シーンあり、城を丸ごと水に沈める壮大な水攻めシーンありと、これまでの日本映画にないスケールで展開する本作だが、欠かすことのできない魅力の一つが萬斎さん演じる、でくのぼうの“のぼう”こと長親のキャラクターだ。あの時代(=戦国末期)の時代考証にただ忠実に演じるのではなく、時に現代的な受け答えや、あえて芝居がかったリアクションを取り入れることで、長親を何とも親しみやすい人物に仕上げている。萬斎さんは「ある種、“道化”のような立ち位置で予測できない演技を心がけた」と役へのアプローチを明かす。「監督からは『常に白い衣裳を着せたい』というイメージで、ひとりだけ浮いてて、目立ってもいいということですよね。目立つためにはみんなと違わなくてはいけない。テンポ感や空気を変えて、周りは猛者が多くて低く『おうっ!』と唸るような中で、僕だけ『ハイっ!』と甲高い声を上げたり、常に天邪鬼(あまのじゃく)でいることを意識してました。庶民の目線を持ちつつも、人間の本質的な部分を追求したい。人として正直と言うところを含め、狂言で言うところの太郎冠者(たろうかじゃ)に近いと言えるし、道化と言えばピエロやジョーカーですよね。絵札よりも強いのか?それとも単なるババなのか?確かにそういう掴みどころのなさはありますね」。いまでは笑ってふり返るが、撮影に入る前はこの“掴みどころのなさ”に大いに悩まされたという。そこで「惚れた相手に聞くのが一番」とヒロイン・甲斐姫を演じる榮倉奈々に、初対面でいきなり「どうして甲斐姫はのぼうが好きなの?」と聞いたとか。戸惑いつつも榮倉さんから返ってきた答えは、長親が持つ「将器」だった。萬斎さんは改めて、本作で描かれる奇妙なリーダー像についてこんな思いも。「昔、『乱』(’85/黒澤明監督)という映画に出演したとき、根津甚八さんから“ダメージアップ”という造語を教わったんですが、頼りなくて隙がある人物ほどダメージを与えられるといったら変ですが、みんなを安心させられるんですね。専制君主的ないかにもなエリートが上から物を言うのではなく、隙のある人間が実は本質をきちんと見抜いていて、しかもそこに信念がある。それが長親の良いところですね。とっつきやすくて下から持ち上げられるリーダー像があって、そこに才能のある人が寄ってくるというお話。(敵方の大将の)石田三成も含め、リーダーとは何ぞや?というところに興味を持っていただけたら嬉しいです」。9年という時間を置いての映画出演となったが、萬斎さんにとって映画やドラマといった映像作品に出演することの楽しさは?「狂言というのは2~3人で演じるもので、(表現の)省略も多く、見る側の想像力に訴えるところが多いのですが、映画はこれだけの人数が集まってリアルに具体的に作れるところが魅力ですね。僕としては無いものねだりって感じがするわけです(笑)。また、狂言は一つ一つの演技を映像用に残すことはほとんどしません。僕らの芸はその場の一代限りのもので、弟子や息子に芸のDNAを残すことで存在していく。だから、映像として形に残る仕事をしたいという思いはあります」。さらに、狂言以外の場での表現が“狂言師・野村萬斎”に与える新たな発見や影響についてはこう語る。「狂言では僕らは“型”を習い、プログラミングされるがごとく表現技術を習得していくわけで、それはスイッチひとつで心がなくても『泣け』と言われれば泣けるし、『笑え』と言われれば笑えるということ。では、そこに感情が全くなくてもいいのか?と言われればそうじゃない。感情だけではダメだけど、型にもやはり一滴の感情が必要です。であるなら、こういう作品で本当にその気持ちになる――映画では本当にそういう気持ちにならなければ嘘になってしまいますから――それが狂言に入ってくることで、どんなに省略された表現の中にも人間味が増していくのかなと思います。何より僕らもまた、型から入りつつも最終的には型から脱しなくてはいけないわけです。様式や型に囚われない世界に入るためには、リアルな実戦で気持ちを作ったり涙を流すことは、いますぐではないにしろ、活きてくると思ってます」。“改革”ばかりが声高に叫ばれ喝采を受けるのが昨今の風潮だが、萬斎さんが目指すのは単なる伝統の改革ではない。自らの試みを「挑戦的な活動」と認めつつ、常に「伝統を守る」という意識を持ち続ける。「伝統芸能の技をもって『ここまではいける』という確信は常に持っています。そこは確信犯的にやらないと単に狂言師が『新しいことをやります』と言っても、メチャクチャな変なものになってしまうので難しいですよ。伝統という枠の中で、じゃあどうやって発信したらいいのか?発信しなければ単なる古い文化財になってしまいます。古典の本質を掴みつつ『ここを現代的にアレンジしよう』、『ここをアピールしよう』という狙いがないといけないと思います。その点、“のぼう”は無責任に見えるかもしれませんね(笑)。でも、ズレているように見えて、本質はちゃんと見えているんです。自由に、楽しみながらやらせていただきました(笑)」。全てを冷静に計算し、そのくせ計算外の出来事が起こることを誰よりも楽しみに待ち望んでいる道化。日本が誇る稀代のジョーカーの名演に泣いて、笑って、突っ込んで、翻弄されつつ壮大な歴史活劇をお楽しみあれ!(photo/text:Naoki Kurozu)stylist:Nakakawahara Hiroshi(CaNN)Hairmake: Shinji Okuyama (ing)■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年10月31日野村萬斎が7年ぶりの映画主演を果たした歴史スペクタクル『のぼうの城』が10月23日(火)、現在開催中の第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映され、萬斎さんを始め、共演する榮倉奈々、上地雄輔、芦田愛菜、共同メガホンをとった犬童一心監督と樋口真嗣監督が舞台挨拶に立った。和田竜のベストセラーを原作に“のぼう様”こと成田長親(萬斎さん)の指揮の下、わずか500の兵で石田三成(上地さん)率いる豊臣方の2万の大軍から、城を守りきった忍城(おしじょう)の史実を映画化。企画から公開まで約7年の歳月を要した超大作で、萬斎さんは「オファーをいただいたのが30代後半で、撮影をしたのが40代前半。やっと公開されることになり、私も40代後半になった(笑)。長い時間寝かせた分、芳醇な香りが沸き立つ作品になった」と誇らしげに挨拶した。榮倉さんが「東京ドーム20個分の土地に、壮大なオープンセットが建てられビックリ…」と撮影をふり返り始めると、隣に立つ上地さんはなぜか悔しそうな表情。なんと上地さんもまったく同じエピソードを話そうとしていたそうで「それ、言っちゃう?」と、榮倉さんの“コメント泥棒”に思わず苦笑いだ。それでも「ここにいる監督2人が撮影中とても仲良くて、“コッチ”なんじゃないかと思うほどだった」と面白コメントで名誉挽回。会場の爆笑を誘っていた。キャスト陣が和装姿でステージ上を彩る中、一際目を引いたのが愛菜ちゃん。読書家としても知られる愛菜ちゃんは「この映画に出られたおかげで、歴史に興味を持つようになりました」とニッコリ。農民の子を演じ、撮影では濃いファンデーションで土汚れが施され「自分の体(の色)がどんどん濃くなっていくのが楽しかった」と無邪気に語っていた。この日は東京国際映画祭という“国際舞台”にちなんで、劇中でライバル同士を演じた男優陣2人が外国語でのスピーチ対決を実施し、その熱意を和装姿の榮倉さん&愛菜ちゃんが厳しく判定。萬斎さんが得意の英語で、上地さんが覚えたてのフランス語で自己紹介や作品のアピールを行った結果、見事に萬斎さんが勝利を収めた。『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。第25回東京国際映画祭は10月28日(日)までTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて開催中。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:第25回東京国際映画祭 [映画祭] 2012年10月20日から10月28日まで東京にて開催のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年10月23日和田竜の同名ベストセラーを映画化した歴史スペクタクル『のぼうの城』が23日に第25回東京国際映画祭の特別招待作品として、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映された。上映を前に7年ぶりの映画主演を果たした野村萬斎をはじめ、榮倉奈々、上地雄輔、芦田愛菜、共同でメガホンを執った犬童一心監督と樋口真嗣監督が舞台あいさつに登壇。海外からも注目される東京国際映画祭にちなみ、劇中でライバル関係を演じた野村と上地が外国語でのスピーチを披露し、その“熱意”を榮倉と芦田が判定した。その他の写真映画は、家臣から“のぼう様”と呼ばれる忍城(おしじょう)の城代・成田長親(野村)が、外見からは想像もできない才能と人望によって、天下統一を目指す豊臣秀吉の2万の大軍を相手に、たった500名の兵で圧倒的な戦いを見せる様を描く。劇中さながらのスピーチ“合戦”は、先手・上地が覚えたてのフランス語で自己紹介。後手・野村は留学経験を活かし、流ちょうな英語での作品アピールを披露し、見事に勝利を飾った。壮大なスケールの撮影を経て完成した後、劇場公開が約1年間延期されるなど紆余曲折あった本作だが、野村は「長い時間寝かせたほど、芳醇な香りが沸き立つもの。時代劇であると同時に、現代劇のようなイキイキした感覚があり、日本が世界に誇れる作品になった」と国際舞台での公式上映に胸を張る。「迫力満載で、絶対に映画館で見るべき作品」(榮倉)、「世界中のあらゆる国の人に見てほしい」(上地)と共演陣も自信のアピール。芦田は「素晴らしい映画に出ることができて、とてもうれしいです。私もこの映画がきっかけで、歴史に興味を持つようになりました。少し難しいかもしれないけど、私と同じくらいの年齢の子にも見てもらい、歴史に興味を持っていただければ」と大人顔負けのあいさつを披露していた。『のぼうの城』11月2日(金) ロードショー
2012年10月23日累計140万部を突破した大ベストセラー歴史小説を、8年ぶりの映画主演となる野村萬斎を迎えて映画化した一大プロジェクト『のぼうの城』。本作の主人公・成田長親が“のぼう様”と言われる所以が明らかとなる、その重要な決断のシーンを収めた本編映像がどこよりも早くシネマカフェに到着した。一国一城の主でありながら“でくのぼう”の意から「のぼう様」という名で民に慕われた、成田長親。戦国の大武将・豊臣秀吉率いる2万の軍勢にたった500人の兵でケンカを売った、彼の奇想天外な戦人生と戦をめぐる人間模様を描く。今回届いた映像は、まさにその“2万人 VS 500人”の無謀な喧嘩を買う瞬間が収められている。豊臣秀吉の名を受けた石田三成率いる2万の大軍に忍城(おしじょう)を完全包囲され、絶体絶命の状況に追いやられ、いつもの飄々としたキャラに似合わず熟考するのぼう様が発した、敵軍をも仰天させた一言とは?この驚きの決断を受けて、成宮寛貴を始め、佐藤浩市や山口智充ら演じる家臣たちのビックリ顔にも要注目だ。この重要なシーンについて、“のぼう様”を演じた野村さんは一番印象深いシーンだと言い、「何度見ても面白いなと思っています。お互い駆け引きがありつつ、のぼうの突飛な行動に、みんながあっけにとられていたるのが非常によく出ていて、僕も結構演技で遊ばせていただきました」と楽しみながら演じたようだ。勝負師として天才なのか、それとも、ただの“アホ=でくのぼう”なのか、掴めそうで掴めないのぼう様の新たなる魅力をこちらの映像で楽しんでみて。『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年10月10日野村萬斎が7年ぶりの映画主演を果たした歴史スペクタクル『のぼうの城』のジャパンプレミアが20日に東京・六本木ヒルズアリーナで開催され、野村をはじめ、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市ら豪華キャストが本作の“出陣”に雄叫びを上げた。舞台上には滝をイメージした水のカーテン。前方では炎が上がるという本作の世界観を再現するド派手な演出に、キャスト陣は汗だくだった。その他の写真発行部数130万部を突破した和田竜のベストセラーを『ゼロの焦点』の犬童一心監督と『ローレライ』の樋口真嗣監督が共同でメガホンを執り映画化。家臣から“のぼう様”と呼ばれる忍城(おしじょう)の城代・成田長親(野村)が、外見からは想像もできない才能と人望によって、天下統一を目指す豊臣秀吉の2万の大軍を相手に、たった500名の兵で圧倒的な戦いを見せる様を描く。昨年9月に公開される予定だった本作。しかし、東日本大震災を受け、映画のクライマックスである“水攻め”の表現が、時節柄ふさわしくない描写であるとの判断で、公開が延期されていた。念願の公開決定に、野村は「とにかく嬉しい」と喜びを爆発させ「泣いて笑って、ビックリしてズッコケて……。ぜひ映画から活力をもらって、家に帰ってもらえれば」と“のぼう様”顔負けの熱弁でアピールした。一方、佐藤は「なんで監督がふたりだったの?」と今更ながら、素朴な疑問。「面白い作品が作れるという確信があって、樋口を誘った」(犬童監督)、「マネする人が増えると困るから、大きな声では言えないが、監督が2人いるのは大変良かった。演出が“当社比2倍”ですから、ツインターボを搭載しているようなもの」(樋口監督)と経緯を説明し、さらに「面白くって、つい5回も観ちゃった」(犬童監督)と並々ならぬ自信だ。「ロマンスの要素もあるので、女性にも楽しんでもらえる」(榮倉)、「壮大な時代劇であり、同時に人間ドラマ」(成宮)、「家族三代で楽しめる作品」(山田)、「僕の衣装は“そで”が無いので、ぜひ二の腕フェチの皆さんには注目してほしい」(山口)。上地は先月、本作のプレミア上映が行われた第36回モントリオール世界映画祭に参戦し「現地のみなさんのリアクションがとても大きかった」と手応えを感じていた。『のぼうの城』11月2日(金) ロードショー
2012年09月20日映画『のぼうの城』のジャパン・プレミアが9月20日(木)、都内で開催され、主演の野村萬斎を始め、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市、犬童一心監督、樋口真嗣監督が揃って出席した。石田三成率いる豊臣方の2万の大軍を前に、でくのぼうの“のぼう様”こと成田長親の指揮の下、わずか500の兵で城を守りきった忍城の史実を映画化。東日本大震災の発生を受けて公開が延期となっていたが、ついに晴れのお披露目となった。萬斎さんはこの日を迎え「とにかく嬉しい」とニンマリ。(公開が)1年延びたこともあり、やっとみなさんにこの素晴らしい映画を観ていただけます」と感慨深げに語る。でくのぼう扱いされながらも民衆に愛され、飄々と“奇跡”を起こす長親について「どういう思考回路を持った男なのか全く書かれてないし、どう役作りしたものか?“大きな男”とあるけど僕は全然大きくないし、『困ったなぁ』と思った」と苦労を明かした。犬童&樋口両監督は鎧兜を被って登場。日本映画では異例のW監督となるが「現場に出てみると若干、戸惑うところもありましたが、妙にうまい具合に融合していった」と手応えを明かす。自身の演技は「7割ぐらいが馬上」だったが、「思う存分に馬に乗れました。この仕事を30年ほどやって来て、久しぶりに映画会社の小さなスクリーンで(完成した映画を)観て後悔した」とスケール、完成度に自信をのぞかせた。紅一点の榮倉さんは時代劇初挑戦。監督に勧められて参考に黒澤明の時代劇を事前に観たそうだが「壮大過ぎて、逆に緊張しました」と苦笑い。薙刀を華麗に使いこなし、自分よりも大きな山口さんを投げ飛ばすシーンのために武術も学び、さらに乗馬にも励んだそうだが「乗馬は好きで2か月くらい練習したんですが、(完成した映画では)カットされてました」とちょっぴり不満げ。犬童監督は「僕が切りました。編集してみたら映画のためにはない方が良いと思ったので…。でも乗馬のシーンは(ほかにも)ありますよ」と慌てて釈明していた。成宮さんは出演陣の中でも一番重い甲冑を着こんでのシーンが多くて苦労したよう。「3キロくらい痩せました。もっと動けるイメージだったんですが、重くて全然動けなかったです。当分、甲冑は着たくないです…」と苦笑を浮かべた。上地さんと山田さんは、石田三成&大谷吉継のコンビを演じたが「10年くらい前から何度か共演しているのでやりやすかった」と山田さんが言えば、上地さんは「一緒に誕生日を祝ったり、いつも2人だった」と笑顔で明かす。甲冑を着こむときも、上地さんはいつも山田さんに手伝ってもらっていたそうで「いつも『つけて』とお願いして、『いいかげん、覚えなよ』って怒られてました(笑)」と明かすなど仲の良い様子を見せていた。山口さんは佐藤さんと手柄を競うライバル関係にある役どころだったが、自身が佐藤さんに勝てるところは「これっぽっちもありません!尊敬してます」と恐縮しきり。逆に佐藤さんは「一度、プライベートでご家族にもお会いしたんですが、子供たちがぐっさんをいい目で見ていて、父として確実に責務を果たしてるんだな、負けてるなと思いました」と“父親”ぐっさんを称えていた。犬童監督は「自信満々の楽しめる娯楽作品を自分の手で作れて満足しています」と語り、樋口監督も「普通の映画の2倍の演出が入ってます」とW監督の効果をアピール。最後は萬斎さんの掛け声に合わせて、会場全体で「えいか、えいか、おー!」と劇中にも出てくる鬨の声を上げ作品を送り出した。『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年09月20日累計140万部を突破した大ベストセラー歴史小説を、8年ぶりの映画主演となる野村萬斎を迎えて映画化した一大プロジェクト『のぼうの城』。8月28日(現地時間)カナダ・モントリオールにて開催中の第36回モントリオール世界映画祭(ワールド・グレイツ部門)にてワールド・プレミアが行われ、石田三成役を演じた上地雄輔を筆頭に犬童一心監督、樋口真嗣監督の3名が“出陣”した!一国一城の主でありながら民から“でくのぼう”の意から「のぼう様」という名で慕われた成田長親。戦国の大武将・豊臣秀吉率いる2万の軍勢にたった500人の兵でケンカを売った、彼の奇想天外な戦人生と戦をめぐる人間模様を描く。長親役の野村さんを始め、榮倉奈々、成宮寛貴、佐藤浩市、山田孝之、市村正親など錚々たる豪華キャストが競演したことでも注目を集めている本作。この日が世界初の一般向けのお披露目となったが、黒のタキシードに身を包み、映画の中で演じた武将・石田三成を彷彿とさせる堂々たる装いの上地さんと、のぼう様こと成田長親と石田三成の兜を被った犬童監督と樋口監督が劇場に姿を現すと、上映を心待ちにしていた大勢の観客からは大歓声が!登場するや犬童監督が「こんばんは、監督を務めた犬童です」とフランス語で挨拶をし、樋口監督もそれに続き「私たちは双子ではありません。私たちは夫婦でもありません」とユーモアたっぷりに挨拶し会場を沸かせた。「この映画は450年ぐらい前の話です。その時代、日本は戦国時代と呼ばれ、日本中が戦争をしてその中で誰が天下を取るかという戦いをしていました。いつ自分が死んでもおかしくない時代で一生懸命生きた人たちの姿を描こうと思いました」と作品に込めた熱い思いを口にした犬童監督。上地さんも「この映画はたくさんのスタッフ、素晴らしいキャストのみなさんと力を合わせて時間をかけて一生懸命に作った作品です。これをきっかけに日本や世界中に力強さや優しさが広がるように、みなさんもこれを観てもし感動したら、いろんな家族や友達に強さや優しさを伝えてもらえたらなと思ってます」と海を越えての上映に感慨深げな様子だ。残念ながら上映開始時間の遅延のため、予定されていたQ&Aは急遽中止となってしまったが、劇場の外では3人に直接映画の感想を伝えようと列をなす大勢の観客の姿もあったそう。映画化実現まで8年、さらに震災での公開延期など大きな波乱の時期を迎えたものの、その苦労も遂に実を結ぶ結果となった。初の海外映画祭に参加した上地さんは、滞在時間20時間弱という超弾丸スケジュールだったものの、文字通り“不眠不休”で楽しんだよう。公開に向けて遂に本格始動となる本作。『のぼうの城』がこの秋、日本の映画界をさらに盛り上げてくれそうだ。『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年08月30日累計130万部を突破した大ベストセラー歴史小説を8年ぶりの映画主演となる野村萬斎を迎えて映画化した一大プロジェクト『のぼうの城』が11月の公開に先立ち、第36回モントリオール世界映画祭「ワールド・グレイツ」部門へ特別招待された。これを受け、このたびW監督を務めた犬童一心監督と樋口真嗣監督、そして石田三成役を演じた俳優・上地雄輔が現地入りすることが急遽決定した。一国一城の主でありながら民から“でくのぼう”の意から「のぼう様」という名で慕われた成田長親。戦国の大武将・豊臣秀吉率いる2万の軍勢にたった500人の兵でケンカを売った、彼の奇想天外な戦人生と戦をめぐる人間模様を描く。“総大将”のぼう様役の野村さんを始め、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、佐藤浩市、山田孝之、平岳大、市村正親など錚々たる豪華キャストの競演が注目を集めている本作。今回、映画祭への緊急参戦が決まった上地さんは、天下統一目前の豊臣秀吉の命を受け、2万の軍勢を率いて忍城(おしじょう)に“水攻め”を仕掛ける、理知に富む戦国武将・石田三成を熱演、役者として新境地を開いている。上地さんが海外の国際映画祭に参加するのは今回が初めて。TVドラマにバラエティ、映画、歌手活動と多忙な中で参加を決めたため、滞在時間は20時間未満という異例の弾丸スケジュールとなるとのこと。昨年の東日本大震災の発生を受けての公開延期を乗り越えての上映決定に続く映画祭出品決定とあって、上地さんは「やっとみなさんに(しかも海外・モントリオールの地から!)御覧いただけるという思いと、歴史あるモントリオール世界映画祭への出品ということで、犬童・樋口両監督と共に、日本の元気、底力をお届けできたらと思っています」と感動もひとしお。一方、犬童監督と樋口監督の両監督はというと「参加するワールドグレイツ部門の『グレイツ』という、どこか大げさで楽しい響きはこの作品にとっても似合いますね。萬斎さんと三成役として堂々渡り合った上地雄輔さんと共に映画祭を楽しんできたいと思います!」(犬童監督)、「『日本人はみんな同じ顔に見える』と言われがちですが、今回は野村萬斎さんを始めとして各ジャンルで活躍している、いろんな“イイ顔”をまんべんなく集めています。まさしく日本代表選手団です」(樋口監督)と既に本映画祭に攻め入る心の準備は万端のようだ。本作以外にも、同映画祭には堺雅人主演の『その夜の侍』に高倉健主演『あなたへ』、そして『渾身 KON-SHIN』の出品が決定しており、例年以上に日本映画の活躍が期待されるところだが、ほかとは異なる“時代劇映画”というジャンルを確立している本作に対する海外の反応とは?日本公開より一足早く、世界で初のお披露目となる。『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年08月02日日本舞踊とクラシック音楽という異ジャンルの芸術の融合を図る企画「日本舞踊×オーケストラ-伝統の競演-」が、12月7日(金)に東京文化会館で行われる。東京文化会館舞台芸術創造事業「日本舞踊×オーケストラ-伝統の競演-」の公演情報花柳流四世家元・花柳壽輔を演出に迎え、バレエの名作『レ・シルフィード』『ロミオとジュリエット』『ペトルーシュカ』『牧神の午後』『ボレロ』を日本舞踊として創作。新演出・新振付で上演する。京舞井上流五世家元・井上八千代、吾妻流六代目家元・吾妻徳彌などを日本舞踊界を代表する面々が集うほか、狂言和泉流の野村萬斎も参加する。演出を担当する花柳壽輔は、オーケストラと日本舞踊の競演という試みについて「まず最初に浮かんだのは『牧神の午後』でした。ニジンスキーが何故こういう作品をつくったのか元々興味はもっていました。彼のもうひとつの代表作『薔薇の精』が跳躍を要するのに比べ、『牧神の午後』はすり足を多用し、日本舞踊や能、京舞と共通点も感じられます。そこで、井上先生にご協力頂こうと考え、何とか口説きました」と語る。また井上八千代は「最初に『牧神の午後』のお話を頂いたとき、ほんまに私で大丈夫かなと思いました。でも、ドビュッシーの曲を聞き、水や森や風のそよぎを感じながら想像を膨らませていくうちに、楽しんでやってみたいなと。今回は『京舞の技法でニンフを舞ってみてほしい』と仰って頂いたのだと受け止めています。オーケストラの音に包まれて、大自然の中にいるように自由に舞ってみたいです」と抱負を語る。この『牧神の午後』のほか、吾妻徳彌と女性群舞20名による『レ・シルフィード』、『ロミオトジュリエット』はバレエ・ガラでおなじみの「バルコニー・シーン」を歌舞伎風に、人形振り形式による『ペトルーシュカ』、そして野村萬斎と紋付袴姿の男性群舞40名による『ボレロ』と、様々なスタイルの日本舞踊がオーケストラと競演を繰り広げる。音楽・美術も花柳壽輔が選んだ実力派が集結。指揮は「ぜひ若手を」との花柳壽輔の切望で、近年バレエ公演を多数指揮する大井剛史を抜擢。舞台美術は『ロミオとジュリエット』は朝倉摂、『ペトルーシュカ』は画家の金子國義、『牧神の午後』は千住博が担当。舞台美術の重鎮から世界で活躍する画家まで多彩な面々の手による舞台にも注目したい。東京文化会館舞台芸術創造事業「日本舞踊×オーケストラ-伝統の競演-」は、12月7日(金)に東京文化会館にて開催。チケットの一般発売は、7月28日(土)10時より開始となる。
2012年07月27日劇作家・故井上ひさしの喜寿を記念し、その代表的な8作品を年頭から連続上演している「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」。その第4弾『藪原検校』が6月12日に東京・世田谷パブリックシアターで幕を開けた。『藪原検校』チケット情報今作は、盲人として生まれたハンディを悪に徹することで乗り越え、若くして権力の頂点を極めながら破滅する男・杉の市(二代目藪原検校)の一代記。井上戯曲を数多く手がけながら今作は初演出となる栗山民也、これが初の井上作品出演であり、杉の市を演じる野村萬斎の強力かつ新鮮なタッグも注目されていた。約3時間の舞台は戯曲を深く読み込んだ演出家の創意と、それに応える俳優陣のエネルギッシュな演技ではち切れんばかり。語り手役・盲太夫の浅野和之は膨大な台詞を操りつつ劇世界に遊ぶ余力を見せ、秋山菜津子演じる杉の市の運命の女・お市は凄まじいまでの色香と生命力で女の業を体現する。杉の市の父・七兵衛や、学問で検校の座まで上り詰める杉の市のライバル塙保己市など、善悪硬軟を自在に演じる小日向文世からも目が離せない。また、熊谷真実、山内圭哉、たかお鷹、大鷹明良、津田真澄、山崎薫らも複数役を演じながら、盲人が主人公ゆえ“音”にこだわる戯曲を体現すべく鐘の音、犬の遠吠え、物売りの声までをその声と身体で舞台に乗せていく。だが、やはり圧巻なのは萬斎・杉の市だ。欲望のままに殺し、奪い、盲人を差別する世間に復讐するかのように出世の階段を駆け上がる。子供の純粋と残酷を併せ持つ“異形の殺人者”役に、狂言師の強い身体性や独自の発声がピタリとハマり、これまでのパブリック・イメージを刷新する野太く猥雑な役者の姿がそこにあった。劇中、千葉伸彦によるギター演奏ともつれあうように歌い、舞台を疾駆する杉の市は徹底的に悪を成すことで、観客の誰もが同様に身の内に悪を潜ませていることを告発する。その告発は断罪が目的ではなく、自身の悪を飼い慣らし生きざるを得ない人間という生き物の滑稽さを代弁するもの。潔く破滅する杉の市は、市井の人間が世間と折り合いをつけて生きるために捧げられた生贄なのだ。そんな世界の真実を喝破する作家の視線が、観る者に鋭く迫る稀有な舞台が誕生した。公演は7月1日(日)まで同劇場にて上演。その後、7月6日(金)から8日(日)に兵庫県立芸術文化センター、7月14日(土)・15日(日)に新潟市民芸術文化会館にて開催。チケットは一部を除き発売中。なお、「井上ひさし生誕77フェスティバル2012」第5弾の『しみじみ日本・乃木大将』と第6弾の『芭蕉通夜舟』のチケットも現在発売中。取材・文:尾上そら
2012年06月14日累計130万部を突破した大ベストセラー歴史小説を8年の歳月をかけて映画化した一大プロジェクト『のぼうの城』が11月2日(金)より公開となる。このほど豪華キャストたちによる厳しい武将姿が眩しい、本作の予告編が到着した。一国一城の主でありながら民から“でくのぼう”の意から「のぼう様」という名で慕われた成田長親(ながちか)。戦国の大武将・豊臣秀吉率いる2万の軍勢にたった500人の兵でケンカを売った、彼の奇想天外な戦人生を描く。時代劇のジャンルではこれまでシリアスな作風の映画が多かったが、今回届いた映像では「大逆転に驚き、笑え!」という文字が躍るように、原作が持つ独特のユーモアがそのまま映像化されていることがうかがえる。“大逆転”と“笑い”こそが本作のキーワードであるが、野村萬斎演じる“のぼう様”こと主人公・長親のひょうきんなキャラクターはまさにその2つを体現。佐藤浩市始め山口智充、成宮寛貴といった豪華な俳優陣がアドレナリン全開で雄たけびを上げ、戦場で活躍する雄姿が刻みつけられている一方で、“のぼう様”は民の赤子をあやしたり、榮倉奈々演じる甲斐姫に泥を投げつけられたりと、こちらの予告編に収められているのは“笑い”のみ。しかし、時折見せるシタリ顔に“大逆転”の部分が隠されている様子。果たして豊臣秀吉には成し得なかった、長親の奇策とは?『のぼうの城』は11月2日(金)より全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:のぼうの城 2012年11月2日より全国にて公開© 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
2012年06月08日