待機児童の増加と保育士不足が叫ばれる昨今、子どもを産んでから保育士の仕事に興味をもち資格を取得する人も増えています。どのように勉強し、どのような場で資格を生かしているのでしょうか?5人のママにインタビューしてみました。何をきっかけに保育士資格を取ろうと思いましたか?2015年に資格を取得したアルプスさん(47歳)、上の子ども2人は既に成人し、一番下の子どもが現在高校生。常々「子育てがひと段落したら何か資格を取得したい」と思い続け、自分の育児経験を活かしつつ長くできる仕事として、保育士を選びました。保育士資格取得のためがんばって勉強をする友人の姿が刺激になり、自身も資格を取得したのはドリームママさん。バイオリンの講師をしているSeikoさんは、“社会の役に立てるような仕事”をしたい、そして“国家資格”という点にも魅力を感じ昨年受験、見事合格しました。保育士試験についてここで少し“保育士試験”について触れておきます。保育士の人材確保のため平成27年より年に2回、試験が実施されるようになりました。受験料は28年度時点で1万2700円。筆記試験と実技試験があり、筆記試験においてすべての教科で合格点がとれると、実技試験を受けることができます。筆記の合格科目には試験の免除期間が設けられており、3年以内であれば1度合格した科目の受験を免除される仕組み。1度に全科目を合格できなくても、不合格だった科目だけを重点的に勉強し受験すればいいのです。そして同じく平成27年度から対象施設において一定の実務経験がある場合は、合格科目の受験が最長5年間免除されるように。数年かけて焦らず資格取得を考えることができそうです。では、みなさんどのように勉強をしたのでしょうか?勉強は大変だった?費用はいくらくらい?勉強方法や期間は、それぞれの家庭の事情やライフスタイルの違いによってバラバラ。しかしほとんどの人が参考書と過去問を購入し、独学でスタートしていました。1回目の試験は参考書で独学し、2回目に残った苦手な教科はスクールに登録、音声教材を利用したのはSeikoさん(39歳)。費用はトータルで5万円くらい。「短期集中型なので、そのときは大変でしたが、今思えばたいして大変ではなかったのかも…」と振り返ります。4人の子どもの母でもあるブラウンさん(45歳)は、家族や離れて暮らす両親を第一に考えていたので自分のことは後回しに…。思うように勉強がはかどりませんでした。しかし通信教育と、専門学校の短期講座を受講して3年で資格を取得(トータル約8万円)、「私もまだやればできるんだ!」と自信につながりました。1年の独学後、2年目から専門学校に通ったドリームママさん(42歳)は、合計15万円かかったのだとか。しかし少し費用がかかったとしても、学ぶ場として“学校”を選ぶのも良い選択、素敵な自己投資です。それぞれが自分に合うスタイルを見つけて勉強している点が素晴らしいと思いました。補足:通信教育はリーズナブルなところだと4万円台から。模試や学科の添削、DVD・CDの教材、Web配信講座などの内容はもちろん、フォロー体制とサポート期間が異なり、それが値段に反映されているようです。保育資格取得、保育の勉強で得たものは何ですか?バイオリンの講師をしているSeikoさんは、「以前は無意識に、感覚的に子どもに接していましたが、保育を勉強したことで裏付けされる点が多く、安心感が増えました」。「別の視点から自分自身の子育てを見直す機会ができたこと、それがプラスです」と言うのはペコママさん(34歳)。これまで保護者の立場からの視点だったのが、視野が広がり保育園側の立場からも物事を考えられるように。単に知識として学んだだけではなく、日常の小さなところでもその学びが生かされているようです。ある程度子どもが大きくなり、保育士として活動しているアルプスさんとブラウンさん。ファミリーサポートや、有償保育ボランティアのグループで週2~3回活動をしています。2人は「自分の経験を生かして、誰かの役に立てるということが喜びです」と口をそろえます。「子は宝。大変なときは1人で抱え込まず、みんなで支え、ママを助けることが大切」とアルプスさん。子どもを保育するだけではなく、母親の気持ちに寄り添うことも大切にしている様子がうかがえました。「“子どもは社会全体で育み、守っていかねばならない大切な存在”であることが、今までよりも深く実感できるようになりました」。今の世の中で忘れられがちなフレーズを聞かせてくれたのはSeikoさん。この言葉が胸に響きます。保育士としてだけではなく、母親として人としても学びが多そうな保育士資格、ムダにはならない資格のひとつとして注目すべきかもしれません。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2017年03月19日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。嫉妬は人が持つ感情の中でもとびきり複雑でとびきり醜く表れやすいものです。誰だって感じたくないし、当てられたくもない嫉妬ですが、その原因は身近なところにたくさんあって、なかなか避けられません。残念ながら、ママ友の間にも嫉妬はつきもの。ママ友間の嫉妬はどんなところから生まれやすいのか、それをどうすればトラブル化させずにかわすことができるのか、30~50代のママ仲間10人に聞き取りをしてみました。●(1)経済的な背景への嫉妬10人中4人が取り上げたのが、“実家や夫などの経済力に対する嫉妬”の怖さでした。社宅住まいのWさんは、『夫の出世で、ママ友付き合いがガラリと変わってしまった 』と嘆きます。これまでは同僚として一緒にキャンプにいくような家族ぐるみの付き合いをしてきたのが、夫が昇進するや、ママ友だったその妻の言葉遣いが変わり、子ども同士を遊ばせる回数も激減。もうママ友とは言えないような関係になってしまったそうです。Wさんは、『直接、嫉妬をぶつけられるわけではないけど、これも一つの嫉妬の形よね』と悲しげ。また、ご主人が会社を経営しているTさんは、『B級グルメツアーに、何度か誘ってもらえなかった』と打ち明けてくれました。ママ友仲間が計画したB級グルメツアーに、Tさんともう1名の“高収入な夫を持つママ”はメンバーとして声をかけてさえもらえず、後で知り、「え~、行きたかった」と言うと、「だってB級だし」と言われたそうです。微妙ですが、そこにも嫉妬の影がチラチラ。Tさんは、『「私も行きたいから次は誘って」とごり押しして無理矢理にでも仲間に入れてもらっている 』とのこと。嫉妬を消すことはできなくても、こうしてママ友のつながりをキープするのが大切だとTさんは言います。●(2)ママの仕事への嫉妬専業主婦か、パートタイムかフルタイムで働いているかでも、嫉妬は生まれています。ママ友の食事会。専業主婦なら参加が当たり前。パートタイムなら、時には不参加も仕方ない、でもフルタイムの場合は参加できなくて当たり前。その感覚には、気遣いだけでなく嫉妬も含まれているというのはYさん。「Yさんはフルタイムだし、ランチは無理よね」と誘われる前にダメ出しされてしまう というYさん。その横で、「何曜日なら大丈夫なの?」と聞かれているパートタイムで働くママ友は、「フルタイムで働けばもっと稼げるけど、ランチに行けなくなるのもイヤだしね」とこれ見よがし。毎回繰り返されるこんなやり取りを「どう考えても、嫉妬からくる嫌味」とYさんは感じるそうです。『この場合、「フルタイムは大変なのよ」とか「そんなに給料もらえないよ」といった愚痴は逆効果。かわりに、学校行事などで平日休みを取るときに私からランチや家でのお茶に誘う ようにして、関係をつなぐよう努力しているのよ』と教えてくれました。同じく嫉妬の原因に「仕事」を上げたママは3人。そのうち2人は、『自分が働きたくても働けないからこそ、仕事の話題になるとうらやましくなってしまう』と嫉妬を感じる側の気持ちも代弁してくれました。●(3)子どもの学校・学力への嫉妬ママ友間の会話でのトップトピックスは「子ども」。乳幼児なら、「言えた・できた」、入園時ならどこの幼稚園を受けるか、小学校や中学校なら成績や受験についての話題は避けられません。幼児期におしゃべりが上手でも、ひらがなやカタカナを覚えるのが早くても、それが将来どの程度何に影響するかと聞かれると疑問もあります。でも、そのときのママたちの間では重大問題です。『「うちの子はどうしてひらがなを覚えられないんだろう」と焦ってしまった』と話してくれたのはRさん。入園前に通っていたママサークル内での子ども自慢に、疑問より先に焦りを感じたそうです。Sさんもまた、『小学校受験のときも中学校受験のときも、うちの子が受験をしないというだけで、ママ友間だけでなく子どもたちの間もギクシャクしてしまった』と言います。また逆にFさんの場合は、『「公立小学校に行かずに受験する」と話した途端に、ママ友からのメッセージが激減した』と話してくれました。子どもの学校選びはプライベートな問題ですが、それが原因でママ同士も子ども同士も関係が悪化することがあり、『打ち明けるタイミングがとても難しい』(Fさん)とか、『早い時期に打ち明けておかないと言い出せなくなるし、否定的な意見は絶対に口にしたらダメ 』(Sさん)といったアドバイスもありました。●まとめとして嫉妬を全く受けない、全く持たないというのは難しいかもしれません。誰の心にも多少の「羨ましいな」は存在しているものでしょう。でも、それがママ友間の大炎上の原因になったり、ママ同士だけでなく子どもたちの関係にまで影響したりするとしたら問題です。うらやましい気持ちを持つのは当たり前。だからこそ、それを隠しすぎずにサラリと口に出すことで流す、または大人らしくきっちりと胸のどこかに仕舞い込む、大人なママはそのくらいの嫉妬対策を身につけておくべきかもしれませんね。●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)●モデル/ゆみ、SAYA
2017年03月18日こんにちは。育児に仕事に忙しすぎて、ストレスの発散どころがなーい!と最近悶々としております。フリーママライターの横山かおりです。たまにはマッサージとか一人で映画とか行きたいけど……自由になるお金もそんなにないし。いつもお財布と相談しながら生活しているみなさん、お疲れさまです!やっぱり家族が増えるとお金がかかりますよね。皆さんはどんなときにそれを感じますか?そこで今回は、ママたちに“子育てはお金がかかる”と感じた瞬間について聞いてみました。●赤ちゃん編『先輩ママから「母乳だったらお金かからないよ」と言われていたけど、搾乳機や母乳のフリージングパック、母乳パッドなど……地味にお金がかかっています。仕方ないけど全然かからないと思っていたから少しつらい!』(0歳6か月女の子のママ)『何よりオムツ代が結構かかる。もうLサイズでもいいのに、枚数多いほうがいいからMサイズでまだ頑張っています 』(1歳女の子のママ)これはベビーママあるあるですね!オムツの枚数を地味に節約したり、もうパンツタイプでいいのにテープタイプで頑張ったり……。本当に地味な節約方法なのですが、「ちりも積もれば……」ということでオムツを選んでいるママはかなり多いです!●幼児編『私立の幼稚園に行っているのですが、月々の保育料の他に給食費、絵本代、バス代……などと諸費用が多すぎて驚いています。全部まとめたおおよその金額を最初に提示して欲しかった!』(1歳女の子と5歳男の子のママ)『兄妹が増えるとイベント時のプレゼント代でかなりの出費がかかります。クリスマスと誕生日にあげる金額が倍になる ので、家族が増えるって幸せだけど本当にお金がかかるなぁと痛感しています』(0歳、2歳、5歳女の子のママ)子どもが成長するにつれてお金のかかり方も変わってきます。大きくなると欲しいものも増えてくるので、おもちゃ代なども意外とかかるんですよね。幼稚園も私立だと結構な金額がかかります。幼稚園選びでは細かい部分まで先輩ママに聞いたほうが良いですよ。●児童編『中学受験を始めるために塾に通いだしたのですが、本当にお金がかかる!ママもフルタイムで働かなきゃいけないかも ……と焦りを感じています』(小学校4年生女の子のママ)習い事でお金がかかるのは仕方のないことですが、中学受験向けの塾は特にお金がかかります。最初は週1、2だったものが、6年生になるころには週5日塾なんていうのも当たり前の話。習い事をするときは金銭面でも計画的にはじめましょう。----------子どもを育てるって本当にステキで幸せなことなのですが、お金もたくさんかかります。日々少しずつでも貯蓄をして、計画的に生活できると素晴らしいですね。●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)
2017年03月10日臨床心理士とは出典 : 臨床心理士とは、不登校や精神障害などのこころの問題をかかえた人に対する療法や、こころの問題を予防するための研究にもとづいて、人のこころにアプローチする専門家です。臨床心理士はクライエント(=カウンセリングや福祉での相談者)の視点に立って、クライエント一人ひとりの独自性や固有の特徴、問題点を見つけることに重きを置いています。これに加えて、どのような援助の仕方が最適なのかも同時に明らかにしようとします。クライエントの特徴によって、さまざまな臨床心理学技法を用いてクライエントのこころを支えていきます。しかし、臨床心理士はこころの専門家ではありますが医師とは異なります。そのため、薬をつかった治療や障害かどうかの診断をすることはできません。また医師にかかる場合は、健康保険が適用されますが、臨床心理士に相談する場合は基本的には健康保険が適用されません。参考臨床心理士の専門業務|日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士の活躍の場出典 : 臨床心理士は発達障害や精神疾患で苦しんでいる患者さんをはじめ、身体疾患のある患者さんや人間関係に悩んでいる人なども対象にしています。臨床心理士は幅広い人を対象にしているため、その活躍の場も多岐にわたります。医療機関や福祉施設だけでなく、学校や会社の相談室で活躍されている臨床心理士の方もいらっしゃいます。家庭裁判所で調査員として関わったり、鑑別所で子どもの特性を踏まえたうえで処遇の検討をしたりする方もいます。他にも、DVで苦しんでいる方の相談にのったり子育てに悩んでいる保護者の相談にのったりしている方もいらっしゃいます。ただ心理学系の資格は臨床心理士以外にも多く、臨床心理士ではない資格でも活躍されている方も多くいます。そのため実際にどの資格をもっているのかを職業から判断することはできないので注意してください。臨床心理士になるための資格取得の方法は?出典 : 平成27年の時点で臨床心理士の資格を持っている人は全国31,291人で、そのうち医師免許を持っている人は573人です。臨床心理士の資格は国家資格ではなく、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会による民間資格です。出典「臨床心理士」資格取得者の推移|日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士の資格を取得するには、受験資格を満たしたうえで年に1度東京で10~12月にかけて行われる資格審査に合格しなければいけません。受験資格は大きく3つの種類にわけることができます。・日本臨床心理士資格認定協会によって指定された大学院を修了している者(ただし、大学院によっては1年以上の心理臨床経験も必要になる場合があります)・諸外国で上記と同等かそれ以上の教育をうけて、日本で2年以上の心理臨床経験がある者・医師免許取得者で、取得後2年以上の心理臨床経験を有する者試験は一次試験と二次試験があり、臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理的地域援助およびそれらの研究調査等に関する基礎的知識と技能について問われます。一次試験は筆記で100問のマークシート型の試験(150分)と定められた字数内での論述型試験(90分)の2種類を1日で実地します。二次面接は2名の面接委員による口述での面接試験です。一次試験、二次試験ともに合格すると、臨床心理士として名乗ることができるようになります。資格取得後も臨床心理士は、5年毎に資格の再認定を受けることが義務付けられています。参考臨床心理士になるには|日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士による相談の流れ出典 : 臨床心理士による療法は心理アセスメント→治療方法の選択→治療開始というおおまかな流れで行われることが多いです。心理アセスメントとは、生活におけるクライエント独自の行動やふるまいを調べたり、さまざまな検査をしたりして、クライエントの状態を理解して判断することです。たとえば観察法、質問紙法、投影法、作業検査法、面接法などの方法を用いて行われます。心理アセスメントの結果から、臨床心理士はクライエントにとってよりベストな療法を提示し、療法をすすめていきます。臨床心理士による、発達障害に対する心理アセスメント出典 : ここからは発達障害の子どもによく行われる心理アセスメントの紹介をします。発達障害の子どもにはよく以下の3種類のアプローチで心理アセスメントが行われます。臨床心理士が子どものことを身近で見ている保護者にいくつか質問をしたり、話し合ったりすることで手掛かりを見つける方法です。保護者が子育てをしているなかで、感じている問題や子ども自身の今までの生活の様子・病歴・家族関係などさまざまなことを聞かれることがあります。他にも、成育歴を聞かれることもあり、出生状況や出産時の子どもの状態といったことから食事・衣服の着脱・排泄・睡眠などの生活習慣がどれくらい身に付いているのかということを質問されることもあります。知能検査・発達検査・スクリーニング検査は、子どもの問題に応じていくつかの検査を使い分けて行われます。それぞれの検査について説明します。◇知能検査知能検査ではおもにIQ(知能指数)の値を指標とすることが多いです。従来は、精神年齢と生活年齢をもとにもとめる比例IQを用いることが多かったですが、最近では、同年代の平均との隔たりをもとにもとめる偏差IQが中心になってきています。知能検査を行う目的は認知発達の水準を科学的・客観的に評価することで、その人の得意分野、不得意分野を分析することです。知能検査の結果からわかる子どもの得意、不得意分野から療法の方向性を決定するために使われます。代表的な知能検査に以下のようなものがあります。・ウェクスラー式知能検査・田中ビネー知能検査・K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー・DN-CAS 認知評価システム◇発達検査発達検査では日常生活や対人関係などにおける子どもの発達基準を数値で表したDQ(発達指数)を算出します。子どもが成長していくには、発達段階に適したアプローチが必要になります。そのため、発達段階を客観的に知るための手段として発達検査は使われます。ただし、発達指数の値だけで子どもの発達状態を判断をすることはありません。あくまでものさしの一つであり、発達検査から分かる能力のバランスや日常生活の様子などを総合して子どもの発達状態を把握します。代表的な発達検査には以下のようなものがあります。・新版K式発達検査・乳幼児精神発達診断法◇スクリーニング検査発達障害に関するスクリーニング検査は、どの精密検査を行うべきかの判断や潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を検査するために行われます。スクリーニング検査は、たくさんある発達障害のうち、子どもの障害として可能性のあるものを絞り込むためのものです。スクリーニング検査には網羅性が重要視されるため、正確性はそれほど高くはありません。かりに検査で陽性が出たとしても精密検査するかどうかの判断基準になるだけで、発達障害であることが確定するわけではないということに注意が必要です。スクリーニング検査は乳児健康診査、1歳6ヶ月健康診査、3歳児健康診査などの場でも活用されています。代表的なスクリーニング検査には以下のようなものがあります。・STRAW・M-チャート・ADHD-RS・LDI-R・PARS臨床心理士は言葉をかけた時の子どもの反応や、話し方、質問を正しく理解しているのかなどのさまざまな反応をできるだけ詳細に観察して、子どもの特徴やくせを見つけようとします。臨床心理士による、発達障害へのアプローチ出典 : 臨床心理士が心理アセスメントをした結果、発達障害の可能性が高いと判断したときや、すでに医療機関で発達障害と診断されているとき臨床心理士はどのような支援をしてくれるのでしょうか。臨床心理士と一概に言っても、臨床心理士の行う療法にはさまざまな種類があり、それぞれの臨床心理士によって療法が異なる場合もあります。ここでは、発達障害へのアプローチとして代表的なソーシャルスキルトレーニングとペアレントトレーニングを紹介します。ソーシャルスキルとは、抽象度が高く明確な定義が決まっているわけではありませんが、他人とよい関係を築き、社会に適応するために必要な能力だといえます。発達障害の子どものなかには、支援を受けないままではソーシャルスキルを身につけることが難しく、友達と良好な関係をつくることが困難である場合や、集団生活が苦手な場合があります。ソーシャルスキルトレーニングは、スムーズに身につけられなかったソーシャルスキルを獲得するための療法です。ペアレントトレーニングは、「親は子どもの最良の治療者」という考えからうまれた保護者向けのプログラムです。ペアレントトレーニングにはいくつか種類がありますが、基本的には臨床心理士などの専門家のもとで講義・ワークを行うことが中心のプログラムです。臨床心理士のもとで学んだことをホームワークとして継続していきます。保護者はホームワークをしていくなかでうまれた不安や悩みを相談することもできます。ペアレントトレーニングの効果として、保護者の不安解消や子育てに対する自信を得られることや子どもが好ましい行動をとる傾向が強くなることが期待されます。臨床心理士による、不安障害に対する心理アセスメント出典 : 臨床心理士は精神疾患で苦しんでいる人への支援もしています。精神疾患のなかでも、発達障害の二次障害としておこりうる不安障害を例にとって心理アセスメントについて説明します。心理アセスメントは、クライエントに絵を描いてもらったり、はい/いいえで答えられる質問を複数聞いたりしてクライエントのこころの様子や性格などを知るための方法です。臨床心理士は心理アセスメントを通して、クライエント一人ひとりの不安障害の原因となる考え方を明らかにしていきます。心理アセスメントは具体的には投影法、作業検査法や質問紙法などの方法が用いられます。臨床心理士は、不安にかられてしまうような場面を具体的に想定して、そのときの無意識な思考をクライエントから読み取ります。さらに、その思考になった原因となる考え方やその場面でのクライエントの行動などを明らかにしていきます。参考社交不安障害(社交不安症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)臨床心理士による、不安障害へのアプローチ出典 : 臨床心理士による不安障害に対する代表的な療法として、認知行動療法・森田療法・曝露法(エクスポージャー法)があります。認知行動療法では、不安の原因になっている考え方を再構成することで不安をなくしていきます。たとえば、テストであまり点数がとれなくてなにをやってもだめだと不安になっている場合について考えてみましょう。「次回はいい点が取れるかもしれない」と考えたり、「勉強ができなくても歌はうまいから、自分はなにをやってもだめなわけではない」と考えたりすることができるようになると、強く不安にかられることがなくなります。森田療法の特徴は、不安や恐怖を消そうとするのではなく、不安や恐怖を自然な感情として受け入れようとすることです。森田療法には、「自然な感情を自覚して、受容する」などの5つの指針が定められており、それをもとに療法が行われます。曝露法ではあえて不安を感じる場面に身をおくことで、その場面に慣れて少しずつ自信をつけていくものです。いきなり本人にとって強い不安を克服しようとすると、かえって悪化してしまうこともあるので弱い不安から少しずつ克服していくことが大切です。たとえば、人前で話すことが苦手な人であれば、親しい人からはじめて、少しずつ人数を増やしたり見知らぬ人の前で話したりするようにしていきます。臨床心理士にどこで会えるの?出典 : 臨床心理士に発達障害や精神疾患についての相談ができる場所としては、医療施設、学校・園のスクールカウンセラー、福祉施設、大学附属の施設、私設相談室などがあります。◇医療施設精神科医と臨床心理士が連携して治療をしている病院もあります。◇学校・園のスクールカウンセラー学校や園にはスクールカウンセラーのいる相談室がある場合があります。スクールカウンセラーの多くは臨床心理士の資格を持っています。スクールカウンセラーが相談室に常駐せず、毎週決まった時間のみ相談を受け入れているようなケースもありますので、詳しくはお子さんの通われている学校・園にそれぞれお問い合わせください。◇発達障害者支援センター発達障害者支援センターは、発達障害のある人に対して総合的な支援をしている専門機関です。地方自治体によって指名された社会福祉法人、特定非営利活動法人によって運営されており、保険・医療・福祉・教育・労働などの機関と連携することで地域における総合支援ネットワークを築いています。発達障害者支援センターには「発達障害者支援センター運営事業実施要綱」に基づいて障害者支援の専門家が配置されています。しかしセンターによっては、臨床心理士ではなく、言語聴覚士、精神保健福祉士や医師などの専門家が配置されている場合もありますので、相談に行く前に臨床心理士がいるかどうかをご確認ください。◇大学附属の施設多くの大学には、学生向けの相談室を用意してあります。また大学によっては、学生だけでなく一般の方向けの相談室もある場合があります。詳しい利用方法については各大学のホームページで確認できるようになっているのでご確認ください。◇私設心理相談室施設心理相談室は個人もしくは複数人で経営されている相談室です。臨床心理士ではない資格でも同じような相談室を経営している場合もあるので、臨床心理士に相談したい場合は各相談室に確認してください。以下のサイトからお近くの臨床心理士のいる相談室を探すことができます。臨床心理士に出会うには|一般社団法人日本臨床心理士会公認心理師とは出典 : いままでは、心理学系の国家資格はありませんでした。そのため近年、心理学系の国家資格をつくろうとする動きがありました。その結果、公認心理師法という法律が平成27年9月9日に議員立法によって成立して、9月16日に公布されました。公認心理師法は、公認心理師という国家資格を定めるとともに、国民の心の健康を増進させていくことを目的にした法律です。公認心理師法の大部分は公布の日から2年以内に施行されることになっています。厚生労働省によれば、平成29年9月15日までに施行される予定になっています。公認心理師という資格の説明は、以下の通りです。公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供第1回国家試験は平成30年までに実施すると厚生労働省は発表しています。公認心理師が制度化されたことで、臨床心理士や精神科医の仕事内容がかわっていく可能性もあるので今後注意が必要です。参考公認心理師について|厚生労働省まとめ出典 : この記事では、臨床心理士になるための方法から具体的な療法や検査の種類に至るまで説明してきました。臨床心理士について知りたいときや、相談するか迷っているときに参考にしていただければ幸いです。この記事内で取り上げた療法はあくまで一例にすぎないということをしっかり留意して、臨床心理士とよく相談して療法や通う頻度・期間を決めていただけると幸いです。
2017年03月10日安倍政権になって、最初に始めた議論は、大学入試改革、道徳や英語の教科化、そして幼児教育の無償化でした。幼児教育の無償化は、幼児期の義務教育化が期待されていましたが、現在は財源の関係で、年収要件を付けた経済的支援という形になっています。教育というよりは子育て支援の一つと考えた方が正しいでしょう。最近になって、「教育の無償化」として、高校や大学まで、希望する人すべてが進学できるように、義務教育の後も無償化すべきという意見も聞かれるようになりました。ただ、幼児教育を無償化する財源の8000億円ですらなかったのですから、全ての教育を無償化するために必要な5兆円を国が配分するとは思えず、これはあまり期待しない方がよいと思います。そして、子どもに習わせたいお稽古ごとの上位に入る「英語」。これは、3年後に5、6年生で教科化されることになりました。教科になるというのは、成績もつくということです。そなると、「中学受験でも英語が必要?」と不安になりますよね。これは基本的に受け入れる側の中学の判断になりますから、これからは中学受験のための英語を勉強しなくてはならないこともあるかもしれません。ただ、大学受験のための英語がそうであるように、「受験のための英語」を学ぶことは、将来、実践としてはほとんど役に立ちませんから、本当に必要なことなのかどうか、学校側も、また親もしっかりと判断することが必要です。また、今5、6年生が「外国語活動」として行っているものを、3,4年生に前倒しします。つまり早期に始めることで、より「使える英語」にするということを目指しています。道徳の教科化については、いじめ問題への対応として始まったものでした。これも英語と同じタイミングで教科になり、やはり成績もつくようになります。とはいえ、なかなか数値での評価は難しいので、記述式での評価になる予定。今、道徳の授業といえば、年間35時間は教えることになっているものの、運動会などの練習に振り替えられたり、お話を読んで考えるという授業方法から、国語との違いがわからないなど、真剣に取り扱われていない実態があります。教科にすることによって、物事の善悪を考えたり、思いやりの心を育てたりなどいう本来の道徳の教育がきちんと行われるようになることが、期待されています。大学入試は、4年後に大学生になる今の中学2年生が受験をするときから、新しい制度になる予定です。数年間の試行期間を経て、本格的に変わるのは、そのあとになるので、今の段階では、まだまだどうなるのか不透明。でも方向性としては、1回きりの試験から、通年で機会がある、マークシートだけでなく記述問題も出るなど、少しずつ固まりつつあります。講義式の一方通行の授業から、自分たちで課題を見つけ考える「アクティブラーニング」、コンピューターに早くから慣れ親しむためのICT教育など、小学校では3年後、中学校では4年後の本格実施に向け、今、様々な準備が進められています。ちょうど、子供がこの時期に差し掛かるという世代が多いみなさんにとっては、不安もことさら大きいことでしょう。今の教育も、ましてや自分たちが受けてきた教育は、全く参考にならないのではとも思ってしまいますね。親として、こんなにたくさんある変化を、どう受け止めればよいのか。私は、まず親が、自分の子どもが生きていく将来の社会の姿を、一生懸命想像し、考えることだと思っています。科学の進歩は目覚ましく、今、小学生の子どもたちが将来就く仕事の6割は、今ない職業だとも言われています。今の小学生が社会人になるのは、あと10年ちょっとのことです。進歩や変化は早いので、なかなか想像するもの難しいと思いますが、とにかく頑張って、一生懸命考えるのです。そしてその将来の社会で、どんな能力が必要になるのか、それをさかのぼって考えていくことで、今、子供に必要な教育も見えてくるはずです。また一方で、社会がどう変わろうとも、「人」として必要なことは、どの時代も大きく変わるものではありません。例えば、人の気持ちを考えることができる、約束を守るなど人間としての基本は普遍的なものです。親としての責任は、子どもの将来に責任を持つことができるかということに尽きると私は思っています。今、親である自分自身が持っている最大の力を尽くして、一生懸命考え、想像し、責任を持って子供たちを、将来へ導いていきましょう。春は別れと出会いの季節。進級や進学を控える子どもにとっては、一年間の締めくくりです。それを見守る親としても、なかなか感慨深い日々が続きます。新しい環境のスタートである4月の新学期よりも、親にとっては、「3学期の終わり」にこそ、子どもの成長を実感するように思うのです。そして私自身も、今年、小学校を卒業する子どもに、成長への感慨深さと共に、何だか整理できない寂しさも感じています。ランドセル姿を見るのもあと10日。そんな進学や進級を控えた「別れと出会いの季節」に、これからの子どもたちの教育や、生きていく社会はどのようになるのかを、改めて考えてみるのもいい機会です。
2017年03月10日私の娘は、22歳の時にアスペルガー症候群と診断されました。そんな娘が小中学生だった当時は、まだまだ発達障害についての世間の認識が薄かった時代。娘の特性に対する理解や支援を得られず、小学校高学年から続いたいじめの影響で、神経性食欲不振症、不登校、被害妄想、幻聴幻覚、解離などの二次障害が現れていきました。そして、いま現在も入院治療が続いています。今回は、前回記事の小学生時代に続き、娘の中学生時代についてお話します。これは今から、15年ほど前の出来事です。現在では信じられないような出来事に、親子で随分と苦しめられてきました。障害や教育に対する支援・態勢が、現在と比べてどのくらい異なっていたのか、その点も含めて読んで頂けると嬉しいです。入学した中学でもいじめが待ち受けていた出典 : いじめの事態が改善されないまま小学校を卒業した娘でしたが、期待を持って入学した中学でも、再びいじめが待ち受けていました。三校の小学校から生徒が集まる中学だったので、娘の名前はすぐに知れ渡ってしまい、新しい仲間にも打ち解ける事ができないようでした。学校に行く事が苦痛になっているのではないかと感じましたが、頑張って登校している娘を見ると何も言えず、ただ楽しく過ごせるようにと祈る事しか出来ませんでした。加えて同じ頃、重度知的障害のある四年生の次男が、担任が変わり環境が変わった事で落ち着かなくなり、些細な事でも大声を出しパニックを起こすようになりました。私は、娘の事が気になりつつも、目の前の次男の対応に追われていました。2泊3日の学年行事から帰宅後、言葉を話せなくなった娘。出典 : 娘に変化が起きたのは6月下旬でした。新1年生の行事である2泊3日のふれあい合宿を終えて帰宅した時のことです。「お帰り〜!」と、私は声をかけましたが、娘は何も言わずに黙って下を向いたまま。出かける前には、「行きたくない」と口にしていたので、いろいろあったのだろうなと思い、私はそれ以上は何も言いませんでした。夕食の時間になっても、娘は何も話さず、食事も口にせず、下を向いたままでした。私は娘の様子が気になったものの、「合宿で何かあったのだろうか。話したくないなら仕方がない、明日になれば、少しは元気になるだろう…」と考え、事態をあまり重く受け止めていませんでした。ところが事態は、私の想像をはるかに超えたものでした。翌日以降も、何を聞いても、返事をするどころか、顔を上げる事すらせず黙ったまま。言葉を発するのが困難なように見えました。ただ事ではないと感じた私は、担任に相談し、言葉が出ないまま学校に通うのは無理だろうと、夏休みまでの1ヶ月間、学校を欠席させると決めたのでした。娘の言葉は、その後の2ヶ月間も出る事はありませんでした。児童相談所の医師の言葉に、親としての自信を失くしてしまい…出典 : その後学校からは、娘を児童相談所に連れて行くように勧められ、私は娘と次男と出かけて行きました。相談所に行くと、女性職員との簡単なやり取りの後、「精神科の医師に診て貰います」と言われ、その場で待つように指示されました。しばらくして現れた若い医師は、私と娘と次男をチラリと見ていきなり、こう告げました。「お母さんが悪いです!」驚いて、言葉も出ない私に、医師は続けて言いました。「お母さんの育て方が悪いから、子どもがこうなったのですよ!」私は、あまりの言葉にショックを受けました。この時、医師とはまだ一言も言葉を交わしていません。何も話していないのに、なぜ断言するの?なんとひどい言い方。話も何も聞かないで、何が分かると言うの?私はただただ驚き、自分の子育てを全否定されたショックで、やりきれなさと悔しい気持ちでいっぱいでした。医師との面談の後、女性職員が申し訳なさそうに言いました。「こういうケースは、ものすごく多いのですよ。関東から九州に引っ越して来た人は、カルチャーショックで、子どもと母親は耐えられなくて関東に帰ってしまい、父親だけが残って単身赴任になるんです。」私は、この女性職員の言葉に救われたような気がしました。けれども、若い医師の言葉はずっと心に引っかかり、自分の子育ては間違っていたのだろうかと、母親としての自信を失いかけてしまったのでした。神経性食欲不振症(拒食症)と診断されて出典 : その後も娘は、下を向いて顔も上げられない状態が続き、歩くのもおぼつかなく、食事も取れなくなり、164cmで42kgだった体重が30kgを切るまでになりました。私たちは、次男の主治医に娘の診察をお願いしました。児童相談所のあの若い医師とは違い、娘の様子をしっかりと診てくれました。娘に下りた診断は、神経性食欲不振症(拒食症)。体力を回復させる内科治療をしながら臨床心理士のカウンセリングを受ける事に決まり、娘の治療が始まりました。週に一度、1時間の女性心理士のカウンセリングと並行して、次男の言葉の教室でお世話になっている言語聴覚士にもお願いをして、娘の指導をしていただきました。娘の言葉はすぐには出ませんでしたが、言語聴覚士の指導で行われた私と娘が身体を密着させて行う運動療法は、お互いの不安を解消させてくれました。二人で向かい合って座り、手を繋いで引っ張り合いをしたり、その手をお互いの背に回し、ギューッと抱きしめたり、背中合わせでおしくらまんじゅうをしたり…言葉はなくても、お互いの心が一つにならないと出来ない運動でした。何回か通ううちに、娘は、「うん…」と声が出るようになりました。絞り出すような娘の声を聞いた時、私は嬉しくて心から感謝をしました。それからようやく、少しずつ娘の言葉が出てきたのでした。ところがそのうちに、また別の奇妙な出来事が起きるのです。娘は「お母さん大好き」と言って、私の顔をじーっと見つめ、異様な笑みを浮かべ、それから、私の行く先々に着いて回り、トイレの中まで入ってくるようになったのです。いわゆる赤ちゃん返りでした。娘は、私のそばを片時も離れなくなり、「抱っこ!」と言って膝に乗って来ます。私は一晩中、私よりも身体の大きな娘を抱っこして座ったまま状態で過ごすことになり、朝まで眠れない日々が続きました。一瞬たりとも、心が休まる事はありませんでした。4,5日経つと、さすがに娘も辛くなったのでしょう。夜は布団で寝る…と言って、添い寝をするようになりました。日中も夜も、私は娘のそばを離れる事もできない状況でしたが、次第次第に、娘の様子も安定していきました。そして、夏休みも終わろうとする頃、娘はようやく無言状態から脱出したのでした。不思議なもので、娘が安定してくると、あれほど不安定だった次男も落ち着いてきました。2人が不安定になって、私ひとりでは手に負えない状態でしたが、少しずつ事態は進展していったのです。自らカウンセリングをストップさせ、再び学校へ…娘の家での様子はこのように変化していきましたが、その間も週に1度のカウンセリングは続けていました。カウンセリングは1時間ほど、心理士と娘だけで行われました。たわいもない話をしたり箱庭療法をしたりして過ごしながら、私たちには話さない学校での出来事を話していたようでした。何回目かのカウンセリングを受けた後、娘は自分から心理士に「もうこれ以上続けていても意味がないから、自分の気持ちに蓋をして、学校に行きます。」と言って、突然にカウンセリングを終了させました。私は驚きましたが、娘の決断は揺るぎませんでした。そして、10月の終わり頃、娘は休んでいた中学に再び通い始めました。私たちは、もう少しゆっくり休むようにと伝えましたが、娘は私たちを押し切って、学校へと戻って行ったのでした。体調はまだ戻っておらず、調子の良い時だけ登校する形で、通院しながら頑張って登校しました。以前は、男子生徒からの悪口が酷かったのですが、担任教師のお陰で、娘の悪口を言う生徒は減っていきました。若い教師でしたが、何度も家庭訪問をして下さり、娘や私の気持ちを親身になって考え、支えてくださいました。娘は、カウンセリングを終了しても、困った時には心理士に電話をかけていました。カウンセリングという形を取らなくても、いつでも深夜でも相談に応じてくださる心理士の存在は、娘にとって、どんなにか心強かった事でしょう。この心理士と担任教師の二人を味方につけて、娘は学校という孤独な場所に立ち向かって行ったのでした。出典 : 中3になった娘の高校受験対策出典 : 中1の10月から登校を始めた娘は、中2も同じ担任教師のクラスとなり、生活を変える事なく、体調の良い時だけ登校しました。無理のない登校で、だんだんと落ち着きを取り戻し、笑顔も見られるようになりました。けれども、中3では担任も変わり、娘への理解も得られませんでした。自分の考えを押し通す担任に、私は不安を覚えました。高校受験も控えているので、体調の良い時だけ登校する訳にもいかず、悪口を言われても、嫌がらせがあっても娘は我慢して登校を続けたのでした。担任教師が理解してくだされば、なんとか頑張れるものなのに、担任は娘の訴えを否定し続けます。クラスの生徒に悪口を言われて我慢できずに、娘が担任に相談に行くと、まるで娘のほうが告げ口をしているかのように思われて「どうして、いちいち言いに来るんだ。」と突っぱねて、少しも娘の気持ちを理解しようとしないのです。私自身も何度も学校に行き担任に話をしましたが、私の話など聞く耳を持ちません。そこで、小学校の時と同じように主人と2人で学校に出かけ、夫婦揃っての校長面談を取り付けることにしました。ですが、いざ学校に行ってみると、現れたのは校長ではなく学年主任。私たちの話を「はい、はい」と笑顔で頷いて聞くばかりで、全て分かっているかのように応答したのでした。私は、この表面的な応対に人としての温かさの微塵も感じず、失望したのでした。推薦入試で高校合格へ… 卒業への思い。出典 : 担任教師にも学年主任教師にも理解を得られず、修学旅行や体育祭、文化祭など行事があるたびに辛い思いをしながらも、娘はどうにか、残りの学校生活を乗り切っていきました。中3の2学期になって高校見学や説明会が始まると、私は娘と私立の美術科のある高校見学に行きました。私たちだけのために応対してくださった美術科主任教師は、とても穏やかな優しい方でした。私はその誠実なお人柄に惹かれて、初対面であったにも関わらず、心を開いて話が出来たのでした。「毎日一緒にいる担任教師よりも、この初対面の教師のほうがよほど理解してくださるではないか…こんな出会いはそうそうない」私は、この教師になら娘を安心してお任せ出来ると確信し、この高校の美術科の推薦入試を娘に受けさせ、無事に合格通知を頂いたのでした。九州に転居してからずっと、娘はひとりで耐えて来ました。転勤とはいえ、住みたくもない街で暮らし、行きたくもない学校に行かなければならない事は、辛く苦しいものだったに違いありません。苦しんでいる我が子に、してやれることは何なのか。親として出来る限りの事は、してきたつもりです。ですが、果たして、これで良かったのでしょうか。発達障害への認識が、現在のように進んでいたのなら、娘はこんなに苦しまなくても良かったはず。療育や支援を受けて、もっと娘自身を輝かせる事が出来たはずです。医師ですら、発達障害の認識がない時代では、支援も療育も受けられず、当事者だけが苦しみの中にいたのです。現在なら、学校に行かない選択も出来たでしょうし、必要な支援も療育も受けられるでしょう。時代のせいにはしたくありませんが、そんな時代であったのは事実です。卒業式の日、娘は立派に卒業証書を頂きました。晴れ晴れとした娘の顔を見て、私はホッとしていました。本当によく頑張ったね。卒業おめでとう…私は、娘のこれからの道が明るく光り輝くものとなるようにと、願ったのでした。
2017年01月25日愛しいわが子は、元気で無事に生まれてくれさえすればいい。かつてそう思っていたはずなのに、いざ出産してしまうと、あれやこれやと欲深くなってしまうのが親の業というものです。素直で積極的な子になってほしい、友だちをたくさん作ってほしい、恥ずかしいことをしないでほしい、落ちこぼれないでほしい、いい学校に行って、学歴社会を乗り越え、いい会社に入ってほしい、稼げる仕事について、安寧に暮らしてほしい……。そんな親の願いはすべて、子どもの幸せを思ってのこと。しかし、その願いがあまりにも強すぎると、子どもを自分本位に振り回すことになってしまいます。今回はさまざまな世代のママさんたちに、自分の子育てを振り返ってもらい、今考えたら親のエゴだったと思うことを語ってもらいました。●(1)過剰すぎるしつけまずは、子どもに対する接し方について、後悔や反省を語るママたちの声です。『お花やリボンが好きな、静かでおとなしくかわいらしい女の子になってほしかったんです。だから、外を走ったら危ないからダメ、泥んこ遊びは汚れるからダメ、大きな声は恥ずかしいからダメ、泣くのも怒るのもダメ、いつもニコニコしていなさいと強くしつけすぎました。思春期を過ぎたころ、娘がポツリと「私もほかの子みたいに、泥んこになって暗くなるまで遊びたかったんだよ 」と呟いて、目が覚めました』(50代女性/主婦)『テレビはEテレだけで、民放のアニメや戦隊モノは禁止。オモチャは木製のものだけで、光ったり電子音が鳴ったりするものは禁止。ファストフードも禁止。小さい頃は何度も、「僕もほしい、僕も食べたい」と言って泣いていました。そうやって厳しく育てた息子も、いま大学生ですが……よそのお子さんと何ら変わりません(苦笑)。一人暮らしをして、コンビニのお弁当とカップラーメンを食べ、マンガを読んで生きてます。だったら小さいころからもっと自由にさせてあげればよかった 』(50代女性/パート)●(2)自分本位のファッションおしゃれなママたちからは、子どもを着せ替え人形のように扱ってしまったという反省が聞かれました。『アニメキャラがついてる服や靴が大キライで、ひとつも買ってあげなかった ことかな。どうせ小さいあいだしか身に着けられないものなんだから、こだわることなかったなって今は思います』(30代女性/会社員)『小学校に入るまでずっと、息子をオデコ丸出しのパッツン前髪にカットしてました。完全に私の趣味です 。先日、“二分の一成人式”に必要で昔の写真を出してきたのですが、その髪型が全く似合ってないのもあって、何とも言えない気分になりました。当時の自分を叱りたい(笑)』(40代女性/パート)●(3)行き過ぎた教育お受験やお稽古ごとなど、教育面では親のエゴが強く出てしまうようです。『お受験をさせたことです。まだ年少のうちから土日に塾通いをし、机に向かわせてペーパー問題を山のようにやらせていました。いつもよそのお子さんの成績が気になっていて、少しでもわが子が劣っているとイライラして叱ってしまいました。受験直前は、朝起きてすぐ問題集、夕食後にも勉強をさせていました。その結果、念願かなって希望の小学校に入学することはできました。でも当時のことを考えると、あんなに小さな子にムリヤリ知識を詰め込んでよかったのだろうか と疑問がよぎることがあります。見栄やエゴがあったのは否めません』(30代女性/主婦)『ピアノ、ヴァイオリン、バレエ、水泳、書道、学習塾……気づけばほとんど毎日お稽古ごとに通わせていました。当時は子どもの可能性を少しでも広げてあげたくて、子どものために通わせているつもりでした。でも、よく考えたら全部、私がかつて挫折して、中途半端に投げ出したお稽古ばっかり なんですよね。自分の挫折を、娘を使って乗り越えようとしている。そう気づいたときに、これってすごいエゴイスティックだなってショックを受けました』(40代女性/会社員)----------いかがでしたか?筆者には、このインタビューを経て感じたことがひとつあります。それは、子育てにおいて「コレはエゴだろうか?」と悩み苦しむことそのものも、愛情なのかもしれないということです。愛情のないエゴイストには、悩みなどないはず。もしも悩みが生じたら、じっくりと向き合って問いかけ続けてみてはいかがでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/いちご姫(いちごショートくん)
2017年01月12日親の夢を子に託す、将来に役立つことを学ばせたいなど、習い事を始めさせる動機はさまざまですが、せっかくなら子どもにあったものを選んであげたいですよね。しかし、習い事はお金もかかるし、親の時間を割いたり、体力も必要となってくることがあります。また本格志向スクールでは、入学前にさまざまな視点でチェックされることもあるのだとか。驚くことも多い子どもの習い事、ママたちはどのように向き合っているのでしょうか。■プロを目指す?幼稚園に入るのを機に、娘がバレエを始めたUさん(40歳・小学2年生のママ)。友だちと同じ教室に通いたいといわれて説明会に参加したところ、「今の体形ではプロを目指すのは難しい」といわれたのだとか。「その教室はコンクールを目指す子も多い本格的なスクール。太りやすい体質では、上にはいけないかもしれないという話をされて…。単なる習い事としてしか考えてなかったからびっくりしたし、こんなに小さいころから将来の話をされたのはショックでした」それでも、Uさんは娘のやる気を尊重し、情操教育の一環として始めることに。少しでも娘のためになればと、おやつの食べすぎや食事内容に気を使っています。そんなUさんのフォローもあり、「バレエを始めてから、娘の体が引き締まってきた」とのこと。遺伝的なことはわからないけど、体を動かすことは健康にもいいし、楽しそうに通っているうちは将来のことを気にせず、続けさせてあげようと考えているそうです。■将来的な試算も必要「習い事にはとにかくお金がかかって大変!」というのは、息子をサッカースクールに通わせているMさん(31歳・小学3年生のママ)。年会費と月謝はそれぞれ1万円くらい、ほかにもユニフォームやスパイク、練習着などを用意する必要があります。せっかく購入しても、すぐに小さくなってしまうので買い替えによって、出ていく金額もかなり高くなるといいます。「小さいころから始めたほうが有利だと思ってやらせたけど、ここまでお金がかかるとは…。遠征や合宿代もばかになりません」経済的な負担だけでなく、ママたちも送り迎えや応援などに時間や体力が取られて大変なのだとか。そのため、Mさんはほかのママたちと協力して、交代で送り迎えをしているそうです。「中学生になるとレベルの高いコースに移るのですが、そうなると金銭的にも時間的にもさらに負担が増えます。学校の部活ならもっと安くすむらしいので、中学進学前にコーチと相談しようと考えています。才能があるなら伸ばしてあげたいけれど、そうでないなら部活に切り替えてほしいというのが親の本音です」子どもには「スクールは小学校卒業まで」と話しているそうですが、6年生になったときに納得してくれるかどうか、今から悩みの種だとか。■親に才能がないとダメ!?私は、幼少期にピアノに通っていました。母はお世辞にも歌がうまいとはいえないので、子どもにはそうなってほしくないという思いで習わせたそうです。何ヶ所か見学に行ったところ、「親に才能がないと上達しにくい」といわれたこともあったのだとか。それでも私の親はピアノを習わせたかったので、個人で教えている先生を紹介してもらい、私を含めたきょうだいをそこに通わせることに。その教室には音大受験コースもありましたが、先生は「音楽は楽しむものだから気軽にどうぞ」という考え方。おかげで、私も遊びに行く感覚で通えました。母に、当時は何が大変だったかあらためて尋ねてみました。「先生の趣味でやっているような教室だから月謝は安かったけど、ピアノは高価なものだし場所もとる。だからピアノを自宅で練習するための準備が大変だった。それに、定期的に調律が必要だからそのお金もかかるでしょ? そこまでお金をかけたのに、大きくなったら誰もピアノをひかなくなってしまったんだから、もったいなかったわよね」それでも「やらせなければよかったとは思わない」とのこと。どんな習い事であっても、上達する喜びや継続することを学べることは子のためになると考えていたそうです。私は当時、練習が大キライでたいして上達もせず、母の苦労を知ったいまでは本当に申し訳ない…という気持ちになりました。今回、習い事をさせているママたちから話を聞いて思ったのですが、少子化の影響からか、本格的なスクールが増えているような気がします。そして、お金以外の親の負担も、私たちが子どものころよりも大きくなっていると感じます。子どもが「やりたい」と思う気持ちは、もちろん大切です。でもその習い事に対して、どこまで親がフォローできるか、習い事に向き合えるかを考え、親の協力度にあった範囲のスクールから選んであげるということも必要になってくる場合もあります。でも大丈夫! 才能があればどのような環境でも輝けます。そして習い事のもっとも大切なことは、子どもが「楽しそう」これに尽きると思います。
2017年01月07日グローバル化が進む今、インターナショナルスクールへの注目がますます高まっています。インターナショナルスクールに通うメリット、デメリットは何があるのでしょうか。実際に通わせた経験のあるママたちに話を聞きました。■母国語なのに日本語がカタコト!?Oさん(41歳・小学5年生のママ)は子どもが3歳になる年から、インターナショナルプリスクール(保育園)を利用していました。自身が英語で苦労したこともあり、子どもには早いうちに習得させたいと考えたそう。「日本人もいますが、欧米人の先生のほうが多かったです。園での会話は英語のみ。最初は不安でしたがすぐに慣れたようで、びっくりするほどきれいな英語を話せるようになりました。海外旅行へ行くと、簡単な会話なら通訳してくれるほど」小学校は日本の学校へ通わせていますが、今でもきれいな発音をキープしています。しかし、困ったこともあるようで…。「小学3年生になってもカタカナが覚えられなかったんです。自分の名前もアルファベットで書いているし、日本語がおぼつかないんですよ。これはまずいと思って、国語教室に通わせたり、家では読書や文字の練習をしたりして克服しました」もちろん、個人差はあるでしょうが、日本語すら上手に話せない時期に英語漬けの生活を送ると、国語力が身につかないということもあるようです。子どもだけではなく、ママであるOさんも園での生活には四苦八苦したそうです。「園では保護者に対しても英語なんです。とてもゆっくり話してくれるので日常生活に関することはわかるけれど、教育の話などは何を言われているのかまったくわからない…。でも、ほかのママたちは英語がペラペラだったから、とても恥ずかしかったです」ママのスキルも試されるとは! 先生方とコミュニケーションがとれないのは困りものですので、子どもだけでなくママにも合った園かどうか、事前にチェックしたほうがいいかもしれません。■日本の学校には進学できない!?Kさん(49歳・大学生のママ)の長男は幼児期から英語を学び、インターナショナルスクールの小学部へ入学。現在は、日本の大学に進学しています。「大学受験の際のリスニングでは苦労しなかったみたいです。英語力が身につくメリットだけでなく、インターナショナルスクールには外国人やハーフの子たちもいるので、多様性やさまざまな文化の違いも身につけられました」しかしデメリットもあるといいます。とくに日本の中学校への進学問題。「息子が通っていたインターナショナルスクールは、学校教育法で定められたいわゆる『一条校』ではなかったんです。このため公立校では受け入れてもらえないと先輩ママから聞いたときには驚きました」『一条校』とは、学校教育法第一章 第一条で定められた日本の一般的な学校のことで、文部科学省によるカリキュラムに沿って学習します。例えば一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります。インターナショナルスクールの中学部の途中で我が国の中学校へ編入学を希望する場合も同様です。出典: 文部科学省 「小・中学校への就学について」「就学事務Q&A」インターナショナルスクールに通ったとしても、多くの学校では日本での義務教育を終えたことにはなりません。だから「英語が話せるようになる」「自由そう」といったインターナショナルのカッコよさそうなイメージから進学してしまうと、のちのち後悔するシーンも出てくる可能性があります。インターナショナルスクールにはメリットもたくさんありますが、デメリットがあることも理解しておくことが大切です。スクールの種類について事前によく調べ、子どもや夫婦で将来の進路についてよく話しあっておきましょう。とくに、日本の高校、大学に進学したい場合に、本当にインターナショナルスクールが有効であるのかどうかは、親も子どもも慎重に判断する必要があります。子どもの将来の選択肢の幅を広げてあげるつもりでインターナショナルスクールを選んだ結果、逆に将来を狭めてしまう可能性もあります。子どもの将来も考えて、学校は選択してあげたいですね。
2016年12月31日こんにちは。冬休みに入り、子どもたちと毎日の過ごし方について考えることがちらほら……。フリーママライターの横山かおりです。冬休みの公園、保育園児や小さな子どもたちが遊んでいる姿はよく見かけますが、小学生くらいの大きな子どもたちの姿をあまり目にしません。最近の小学生はどんな過ごし方をしているのでしょうか?今回は実際に小学生の子がいるママに話を聞いてみましたのでご紹介します。●都心一等地に住む子どもの場合昨年、パパの仕事の都合で九州から都心の一等地に引っ越してきたSさん一家。小学1年生と4年生の女の子がいます。ママにお話を聞いてみました。『いま通っている小学校は、通っている子の9割が中学受験をするんです。だから3、4年生になるとみんな塾に通いだす。塾に行っている子が当たり前だから、塾に行かないと遊び相手がいないってうちの子が言うんです。うちは2、3年でまた九州に帰るから中学受験はしないけど、「みんな行っているから行きたい!」って言って長女は塾に行くようになりました……。塾や習い事で放課後は予定がうまっている子がたくさん います』もちろん地域にもよる話ですが、都心の一等地に住むSさんの場合はほとんどが中学受験のための塾に通っているとのこと。たしかに最近では公園で遊んでいる子どもたちよりも、夜に塾のリュックを背負って帰宅している子どもたちの姿をよく目にするようになりました。「どこで遊ぶ」「何をして遊ぶ」というよりも、そもそも「遊んでいない」子どもたちが増えているのかもしれません。●大人の目の届く安全な場所で安全な遊びを都心からすこし離れた、千葉県のとある市に暮らすNさん一家。こちらには小学3年生の男の子がいます。Nさん夫婦は共働きのため、子どもは学童に通っています。ママにお話を聞いてみました。『うちの子は学童に入っているのでそこで放課後を過ごすことがほとんどですが、最近では公園や空き地などで不審者が出ることを警戒して、大人の目の届く安全な場所で遊ばせている人が多いようです。小学校では無料でいくつかの教室を夕方まで開放して、プレイルームと称して遊び場にするところもあります。学童のない日は、外で遊ぶよりも自宅やお友達の家でゲームをしている ことが多いですね』子どもが絡んだ痛ましい事件は後を絶ちません。親としてはどうしても「安全な場所で」「安全なことを」と願ってしまうのも仕方ありません。最近では共働き世帯のために放課後をうまく利用した習い事が増えたり、小学校がある時間帯まで遊び場を提供してくれたりするところもあるので、親としては一安心。でも、遊ぶ内容は限られてきそうです。小学生にはからだを思いきり動かして外で遊んで欲しいですが、やはり最近はゲームやテレビなど静かに遊ぶことが多いようですね。外遊びの楽しさも、たまには思い出して欲しいものです。----------時代が変われば遊び方や過ごし方が変わるのは当たり前。一概に「何が良い」とは言えませんが、なるべくストレスをかけずに、子どもらしさを忘れずに、小学生の大切な時期を過ごして欲しいですね。●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年12月30日ゆとり教育を受けたとされる世代は、現在29〜12歳の人たちと言われています。その世代の子どもを持つ親たちは、学校で教えなくなった勉強を家庭や塾で補ったりした人も多いようです。また、いくらゆとり教育といっても逃れられないのが大学受験。多くの壁にぶつかることになったのは、子どもたちのほうかもしれません。Q.ゆとり教育、結果的に良かったと思う?1.良かったと思う 4.3%2.どちらかと言えば良かったと思う 6.6%3.どちらかと言えば良くなかったと思う 33.6%4.良くなかったと思う 41.2%5.わからない・どちらとも言えない 14.3%「良くなかった」と「どちらかと言えば良くなかったと思う」を合計すると74.8%にもなり、多くの人がゆとり教育に否定的な意見のようです。みなさんがどのような理由で、ゆとり教育に反対しているのか聞いてみましょう。■ゆとり教育のしわ寄せは子どもたちへ大人たちが決めた「ゆとり教育」ですが、その教育を受けるのは子どもたち。そして、苦労するのももちろん子どもたちということになります。教育の格差が生まれたり、その格差によって将来、就職ができないなどにつながることもあるかもしれません。「ゆとり世代の人と一緒に働くとイライラする。そんな人いませんか?」(神奈川県 40代女性)「そこそこのレベル以上の高校や大学に進学したい場合、通用しませんから、どこかでゆとりにされた部分を自分で補っていかなくてはなりません。特に大学受験での大きな苦労はまぬがれません。国の政策には疑問ばかりです」(神奈川県 40代女性)「疑問だらけのゆとり教育。いちばん苦労するのはそのゆとり教育を受けた子どもたち」(北海道 40代女性)「塾や習い事など学校以外の活動に力をそそげる家庭と、生活だけで精一杯な家庭により子どもの格差が広がったと思う。ゆとり教育の場合、貧困層の家庭では十分な学習ができない。家庭環境による子どもの格差を生んだ元凶だ思う」(神奈川県 40代女性)■ゆとりも詰め込みもどちらにもデメリットはあるゆとり教育が良くなかったとして、ではそれ以前の詰め込み教育が良かったのかというとそれもまた疑問。両方経験した今、何が子どもたちにとっていいことなのかを改めて考えるときなのかもしれません。「いいこともあればそうでないことも。考え方で変わると思うのでどちらでもありません」(三重県 30代女性)「ゆとりはいいと思うけど、なぜゆとりにするのかをもっと周知するべきじゃないのかと思った。ただの突き放しとしか感じられない」(島根県 30代女性)「『詰め込み』と『ゆとり』、どちらも良い点と悪い点があるとわかったのだから、それを生かせるような選択をしたい。偏らずに選択していくことで、個性を生かして他を認めることを学んでいってほしい」(神奈川県 50代女性)■どんな時代も生き抜けるたくましさを身につけるもちろん学校教育だけが子どもの成長に影響を与えるものではありません。時代の流れが早い現代だからこそ、どんな時代でも、柔軟にたくましく対応できる大人になってほしいというのが、今どきの親の共通した思いなのかもしれません。「長男はゆとり始まり世代。次女はゆとり終わり世代。授業内容は激変したように感じますが、学力低下やコミュニケーション能力低下は学校教育だけの責任ではないと感じています。時代の変化に対応できるたくましい子どもに育ってほしいです」(鹿児島県 40代女性)Q.ゆとり教育、結果的に良かったと思う?アンケート回答数:5148件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年12月09日【ママからのご相談】小学6年生の子どもがいます。中学受験に向けて塾に通わせていますが、家では私が勉強を見ています。勉強を始めた時期がほかの家に比べて遅かったので、勉強時間は長く取るようにしています。しかし、勉強時間が相当長いのに、なかなか成果が出てきません。子どもは一生懸命に取り組んでいますが、このままだと受験に間に合わないし、折れてしまわないか心配です。●A. やみくもに学習するのをやめて、優先順位付けをご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木恵と申します。一生懸命勉強しているのに成果が出ないと、お子さんはやる気を失ってしまう可能性が高くなりますし、質問者さん自身も不安やイライラが募ってしまい、ぶつかり合ってしまう危険性もありますね。ここで多くの方が、「もっと勉強時間を増やせば伸びるはず」と、さらに勉強時間を増やして、さらに疲弊してしまうという落とし穴にはまります。穴から抜け出すには、勉強時間を伸ばす以外の解決策 が必要になりますが、一体どうしたらいいのでしょうか?●やみくもに学んでも効果がない理由『パレートの法則 』をご存じでしょうか。『社会現象は平均的に分散しているのではなく、偏りがあり、主要な20%が全体の80%に影響を及ぼしている』というものです。勉強時間は長いのに成果がなかなか出てこない人は、やみくもに学び「すべての範囲を完璧にしなければ!」と考え、全てを均等に頭に入れようとします。すべての範囲をまんべんなく学ぶこともとても重要ですが、短時間で高得点を得ようと思うなら、重要な2割を重視して勉強する 必要があります。それで8割の得点を得られるのなら、理想的ですよね。特に、合否を判定する試験では、満点を目指す必要は全くありません。完璧を目指すというよりも、できるところを確実に解き、ほかの人ができるところを間違えずに着実にとり、プラスアルファで点数を積み上げていくことが求められるでしょう。このことからも、優先順位付けがいかに重要か、ご理解いただけると思います。●優先順位付けのコツは“過去問”にありまんべんなく学習するのではなく、重要なところだけを優先して学ぶ方が効率的ですが、問題はその方法ではないでしょうか。受験のプロではない親御さんには、どこが重要かそうでないかの判断は難しいでしょうし、そこまでのことは必要ないでしょう。そこで、活用したいのが、受験校の過去問 なのです。過去問には、重要事項が詰まっています。早い時期に過去問に触れておけば、受験校の傾向と対策を知ることができるので、受験校が何を重視しているかがわかるのです。過去問は直前まで取っておいて、実力試しにする方が多いですが、それではもったいないのです。過去問を有効活用することで、優先すべきポイントがわかるようになるのです。----------勉強時間が長いのに、うまく成果が出てこない人は、一度“まんべんなく”主義を捨てて 、過去問から傾向と対策を分析してみてはいかがでしょうか。本当に必要なところをしっかり学び、モノにすることで自信もつくはずです。ぜひ実践してみてください。【参考文献】・『勉強の技術 すべての努力を成果に変える科学的学習の極意』児玉光雄・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年11月27日ママやパパの話す声、いろんな場所で目にする文字。子どもたちは物の名前と文字につながりがあることを知り、新たな発見に驚きながらもどんどん「ことば」を覚えていきます。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、赤ちゃんから未就学児程度まで楽しめる「あいうえお」絵本を選んでみました。あっちゃんあがつく たべものあいうえお原案:みね よう/作:さいとう しのぶ/出版社:リーブル 「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」で始まるこちらの絵本には、おいしそうな食べ物がたくさん出てきます。ページごとにストーリーを感じるので「もしかしたらこの後はこうなるのかな?」なんて想像しながら新たなページをめくるのが楽しい! いちごじゃむを塗られているトーストや、すっぱい梅干を食べたくまの子の表情がなんともいえず愛らしいです。あいうえおべんとう作・絵:山岡 ひかる/出版社:くもん出版 「あいうえおべんとう」(絵本ナビ紹介ページ) あいうえお、の言葉でできあがるお弁当って? なるほど「あ」は、あすぱらがす。「い」はいちご、「う」はうずらたまご、「え」はえびふらい、「お」はおにぎり。この調子で、ら行まで登場する色とりどりのおいしそうなお弁当たち。物語の最後はみんなで「いただきます」! 明日のお弁当づくりのヒントになるのも、ママにはうれしいですね。リングカード・あいうえお 作・絵:とだ こうしろう/出版社:戸田デザイン研究室 「リングカード・あいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 約8×16cmの美しい曲線を描くリングカードは全部で46枚。車に動物、食べ物などシンプルで分かりやすいイラストが大きく描かれているので、小さなお子さんとも絵を使った親子のコミュニケーションが可能です。感性を刺激するカラフルなカードは、赤ちゃんの目にもくっきりと映ります。イラストの裏には物の名前が書いてあります。子どもの頭の中で「絵とことば」が頭の中でつながる瞬間を、間近で目にできるかもしれませんね。 ぐりとぐらのあいうえお 作:中川 李枝子/絵:山脇 百合子/出版社:福音館書店 「ぐりとぐらのあいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 「あさ いもほり うでまくり えんやらやっと おおきなおいも」「なんとまあ にんじん ぬいたら ねっこのひげが のびほうだい」など、リズミカルにことば遊びが楽しめる絵本。ぐりとぐらシリーズは初めてというお子さんも、くまやきつね、いのししやろばなどたくさんの動物が登場するので見応えたっぷり。12×12cmのコンパクトサイズなので持ち歩き用にもおすすめです。くろくまくん あいうえお 作・絵:たかい よしかず/出版社:くもん出版 「くろくまくん あいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) あいうえお、を口にするときってどんな顔になるのかな? 大きくお口をあけたら「あ」、真っ白な歯を見せて「い」。しろくまくんの後に続いて、ぶたくんやねこさん、うさぎさんらほかの動物たちもマネする様子が可愛らしい! 顔マネだけじゃなく、立ち姿などのポーズも真似れば全身運動になるかも? 50音を覚える前の予行練習にもおすすめの一冊です。何気ないようで計算しつくされた「ことば」の数々。子どもたちが楽しく、そして覚えやすいように考えられたひらがな絵本を紹介しました。歌うように読んであげたり、ママも一緒になってマネっこしたり、親子で楽しくことば遊びしてみましょう!データ協力: 絵本ナビ
2016年11月24日こんにちは。ハロウィンが終わったとたんにはじまるクリスマスモード。家の飾りも手抜きになってきているフリーママライターの横山かおりです。最近幼稚園のママたちのあいだで話に出るのが、“引っ越し”。小学校入学前に引っ越しを考えている家庭が多い ようです。そこで今回は子連れで実際に引っ越しをしたママたちに、気をつけるポイント、注意してみるポイントを聞いてみましたのでご紹介します。●(1)医療費や補助金の有無『妊娠中に引っ越しをしたため、あまり知識がなかったのが悪いのですが、都内から近隣の県に引っ越しをしたら医療費が1歳から有料に !都内だったらまだ無料だったのに……。よく考えれば良かったです』(1歳女の子のママ)『区によって幼稚園の補助金が全然違う!入園金も毎月の補助金も違う ので、そこもよく考えておくべき』(3歳と5歳女の子のママ)これはある程度子育てをしていないと分かりにくい問題なのですが、県や区の自治体によって補助金などはかなり変わってきます。細かいことを言えば、予防接種の負担金額なども。手間はかかりますが、金銭的な問題はとても大切なのでよく調べてみましょう。●(2)ママたちの雰囲気『いままで都内の中心部に住んでいたのですが、マイホーム購入のために都外へ。ママたちの雰囲気の違い にいまだになじめずにいます』(2歳男の子と4歳女の子のママ)『夫の転勤で関西から都内へ。ママたちが毎日オシャレでキラキラしていてついていくのが大変です。必死に頑張っています』(5歳男の子のママ)引っ越し前に近隣のママたちの雰囲気を見ておくのも重要!実際に子どもがいるなら、試しに近くの児童館などに行ってみてもいいですし、近くのスーパーなどを見てみてもなんとなく雰囲気はわかります。自分に合いそうなママ友のエリアなのかどうかは、今後生活していく上で大切なポイントです。●(3)近隣幼稚園、小学校の評判『引っ越した先に良い幼稚園がなくて 悩んでいます。園バスもあまり出ていないので通園が大変そう』(2歳女の子のママ)『近くの小学校はほとんどの子が中学受験をするので、迷った末わが家も中学受験をすることに!まぁよかったかなとは思いますが』(小学校2年生と4年生の女の子のママ)子連れで引っ越しをするうえでもっとも大切なのは、子どもの幼稚園や小学校の問題。どこにどんな幼稚園や小学校があるのか、その評判はどうなのかなど事前に調べておく必要があります。小学校まであがると中学への問題も出てくるので、先が長い話かもしれませんが、周辺の学校などはしっかりチェックしておきましょう。----------子連れで引っ越しをするときは考えなくてはいけないポイントがたくさん。大変かもしれませんが、家族みんながより良い生活をするためには引っ越し先の情報をしっかり調べておきましょう!●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/神山みき(れんくん)
2016年11月13日グローバル化が進む昨今、教育にも「国際化」をのぞむ家庭が増えています。語学はもちろん、相手を尊重し、柔軟な考え方ができるコミュニケーション能力の高い子に育てたい。そんな風に考えるママを中心に注目されているのが3歳から19歳までの生徒を対象にした「国際バカロレア」という教育プログラムです。文部科学省も「国際バカロレア」の普及・拡大を推進しています。2018年までに、国内における国際バカロレア認定校を200校までに増加させる取りくみが進められているのだとか。国際バカロレアって、一体どんな教育なのでしょうか?■「国際バカロレア」が提唱する人物像国際バカロレア(IB : International Baccalaureate)は、本部をジュネーブに置く、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムです。国際バカロレア教育のいちばんの目的は「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探求心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」こと。そして、人が持つ違いを「違い」として理解し、自分と異なる考えの人々にも、それぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人を育成することだそうです。具体的には、「IBの学習者像」として、以下の10の人物像が挙げられています。・探求する人・知識のある人・考える人・コミュニケーションができる人・信念をもつ人・心を開く人・思いやりのある人・挑戦する人・バランスのとれた人・振り返りができる人出典:文部科学省/国際バカロレアについて また、年齢に応じたプログラムが組まれています。・プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)3歳~12歳を対象。初等教育。・ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)11歳~16歳を対象。中等教育。・ディプロマ・プログラム(DP)16歳~19歳を対象。大学入試を目的としたもの。・キャリア関連プログラム(CP)16歳~19歳を対象。専門学校への進学や就職を目的としたもの。IB認定校で「ディプロマ・プログラム」を取得すると、世界の大学の受験資格を得られるというメリットもあるのだそうです。日本でも、IBの成績を入試に取り入れる大学が増えているのだとか。■自主的な学習を最重要視する「国際バカロレア」ディプロマ・プログラムには、「コア」といわれる「課題論文(EE)」、「知の理論(TOK)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」の3つの必修要件があり、普通の科目と並行して履修します。TOKは批判的思考などを養うための授業のため、毎回ディスカッションが行われるそうです。先生が一方的に知識をたたきこむのではなく、自分たちで考え、取りくみ、自主的に行動することを重要視しているのです。また、それぞれのカリキュラムは、地域のニーズや文化的状況にも合わせて編成するようになっているようです。認定校の初等部のカリキュラムを見てみると、国語、算数、理科、社会…と、一般の小学校とほぼ同じ教科が並んでいます。しかし、授業は外国人教員と日本人教員がどちらもいる状況で行われ、すべての教科において英語習得の機会となるため、初等部6年間のあいだに英語で自分の考えをディベートできるようになります。インターネットの普及やその技術向上により、海外留学する人は年々減っているそうです。その一方で、世界がぐっと近くなり、国際的な視野が求められているのはいうまでもない事実。国際バカロレア認定校は、玉川学園、東京学芸大学付属国際中等教育学校、東京都立国際高等など、全国に39校あります(2016年11月現在)。正直、入学金や授業料が高額の学校もあります。しかし、留学と比べれば…ですし、安全な日本で国際的な教育が受けられることを考えると、検討してみる価値はありそうです。(参考)・ 文部科学省/国際バカロレアについて
2016年11月04日「小学校受験」の世界…、経験のないママたちにとっては、なかなか知ることができません。「受験用の教室に通わないと合格できないの?」「とても高額な費用がかかるのでは?」、さらには「子どもにとってストレスなのでは?」という憶測を耳にすることもあります。実際に子どもの小学校受験を経験したママは、どんな感想を持っているのでしょうか。現在7歳の長男S君の小学校受験を経験したA子さんに聞きました。小学校受験はお金がかかる?私立幼稚園に通うS君は、幼稚園に入園後、小学校受験のための体操教室と塾に通っていたそうです。塾では工作を習ったり、ペーパーテストの勉強をしたり。教室も塾も、どこの学校の受験に強い(情報を持っている)といった傾向があるそうです。それにしても、お受験準備はお金がかかりそう。そっと、「毎月の出費はどれぐらいだったの?」と聞いてみました。「10万円はかかっていたと思います。夏期講習などの時期は、月20万円の出費もありました」。お受験教室では、こんなことが学べる!小学校受験のためのお教室通いと聞くと、「小さいうちから詰め込みで大変そう」という固定概念を持っている人も多そうですが、A子さんいわく、「息子は、教室が楽しくてたまらないという感じでしたよ。たとえば、『あ』がつくものの絵を描いてくるというような宿題が出るのですが、帰宅後すぐに取りかかるほど大好き。塾では、絵を描く楽しさを教えてもらったようで、今でも絵が得意です。友達に会えるのも楽しんでいましたし、ペーパー上のお勉強も、喜んで取り組んでいました。塾の先生も言っていましたが、子どもの脳は、本来学ぶことが大好き。『わかった!』という体験をすると喜ぶようになっているそうです。教室では、面接対策として、自己表現や発表の練習もあります」。小学校選びは、幼稚園年少からスタート!?さて、本格的な小学校受験の準備は、志望校を絞ることからスタートすると思うのですが、いつ頃から動けばいいのでしょうか。A子さんは、「息子が幼稚園年少から少しずつ説明会に参加しはじめ、年中で一番たくさん参加し、年長では、最終確認でしたね」とのこと。旦那さんをメインに、合計10校以上の説明会に参加したそうです。志望校選びは、子育てを考える好機「子どもが幼稚園の間に、夫婦で教育方針について、きちんと考えておいた方がいいと思います」というA子さん。まずは、小学校から始まる学校選び。家から近い公立校にするのか、または受験して、国立の付属校、あるいは私立校にするのかという選択肢があります。私立校であれば、中学や高校進学のタイミングで外部の学校を受験することを前提とする進学校にするのか、あるいは学内の基準を満たしている限り、内部進学でエスカレーター式に大学まで進める学校にするのかといった選択肢があります。もちろん、私立校は校風がさまざまですので、どの学校の教育方針がしっくりくるのか、学校説明会などで確認する必要があります。私立校を選ぶときは、ついつい無理をしがちになるようです。たとえば、遠方なのに「これぐらいなら通える」と思ってしまったり、子どもの学力や性格に合っていないのに、「ラッキーなら入れるかも」と思ってしまったり。でも、6年間通うのですから、無理をしているとあとで苦しむのは子どもです。A子さんも、「選考試験が自分の子どもに向いているかどうかは、入学してからも、その子の個性を認めてくれて、『いい子だ』と思ってもらえるかどうか。向いている学校に出会えればそれが一番幸せで、子どもの力を伸ばすことにもなると思うのです」。親が入れたい学校と、子どもに合う学校は違うこともあるので、とにかく無理は禁物ですね。受験を目指すママへのメッセージ先輩ママのA子さんから、受験を目指すママへのメッセージをいただきました。「子育て全般に言えることですが、『わが家にとってどうなのか』を見失わないことが一番大切かと思います。受験をすると決めたら、親が余裕をもった準備計画を立てること。ゆとりをもって、穏やかな気持ちで本番を迎えられるように、こつこつと準備を進めていってください。小学校受験は大変だったものの、懐かしく良い思い出になっています。受験準備を通して、家族の絆も深まりますし、子どもの今後の力にもなりますから、前向きに取り組んでくださいね」。小学校受験は、いつから準備して、出費がどれぐらいなのか、もちろん個々の家庭や住んでいる地域などによって事情は異なりますが、少なくとも首都圏では、本当に行きたい学校がある場合は、何らかの準備をすること、それなりの出費があることを覚悟した方がよさそうですね。「親が子どもに寄り添っていれば、子どもにとってプラスの経験になる」というA子さんの話は、とても参考になりました。<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年11月03日不登校の娘が中学へ進学。さて、何から準備すればいい?出典 : アスペルガー症候群の診断が出ている娘は、小2から不登校です。6年生の夏休みが終わり、もうじき卒業を考えなくては…と思った私は、早めに中学校へ見学に行こうと考えました。小学校の先生に「娘が小学生のうちに、中学を一緒に見学したい」と希望したところ、なぜかスクールカウンセラーと面談することになりました。9月になり、娘が通う予定の中学校に、まずは私だけで伺いました。ちなみにそこは私の母校でもあります。スクールカウンセラーの方はとても話しやすい雰囲気で、不登校の経緯、肌の過敏性のために制服は着られないかもしれないこと、本人に通学の意思はないけれど「1日だけ行ってみたい」と言っていること、私もそれで了承していることを話しました。娘が行く気になったときに、すぐ受け入れてもらえるよう、登校した場合の打ち合わせを、今度は保健教諭や生活指導の先生とすることに。カウンセラーの方の話によると、空いた教室を使って別室登校している生徒がいること、その子たちは休み時間を外して登下校しているとのことでした。不登校の子たちの様子やスクールカウンセラー室の様子がわかり、なかなか有意義な訪問となりました。いよいよ中学の校長先生と面談。これまでの経緯を伝えると、思いもよらぬ言葉が…!出典 : その後、卒業式を目前に控えた2月に、私1人で中学校の校長と面談をすることになりました。不登校の経緯、発達診断の結果、学校への要望をまとめた資料を持参して、以下のことを話しました。●小学校3年のときに支援学校に転籍したけども、それが決定的な心の傷になって学校へ完全に行かなくなったこと●勉強は全くしていないこと●心が辛いと身体症状が出ること●本人には通学する意思がなく、私もそれを認めていることすると、校長先生からこんな言葉を投げつけられました。「子どもはどんどん成長するからねぇ、刺激を与えないとこのままではだめだね。お母ちゃん、1人で考えてない?市の教育サポートセンター行ってる?勉強はさせてないの?まったく?そりゃあかんわ~。でもお母さん、学校に通わせる義務はあるんですよ。まぁ、子どもさんが無理なときはしょうがないですけどね。通信制っていいはるけど、そんな簡単に入れませんよ。学校への希望に、勉強や学校の話はしないでくれって書いてますけど、これは無理ですなぁ。小学生じゃないんだから、ちゃんと刺激も与えないといけませんし。甘いことは言ってられませんよ。小学校じゃないんですからね。本当は支援学級に入ってもらった方がいいんやけど。欠席連絡はね、担任と話し合ってください。担任が納得せんと、私らは何も言えませんから。」出典 : そして、最後に感覚過敏があって着られる服に限りがあることを話すと、「それはお母ちゃん、甘やかしすぎやわ。週に1回くらいは靴下と靴履かせてどこか通わせなぁ」こうして、校長先生のあまりにも一方的な言い方に、私はすっかり落ち込んでしまい、それから3日間寝込んでしまいました。その後、すがる思いで普段相談に乗ってもらっている親の会へ、校長先生との話を相談しに行ったのです。私が参加しているのは「登校拒否を克服する親の会」です。参加して4年ほどですが、ここには大阪府の組合に参加している教員、現役の先生なども参加し、親たちを支援してくれているのです。娘のことをよく知る教育相談のA先生に、中学校での話をするととても驚き、「これはひどい。僕も同席してまた一緒に話しに行こう」と言ってくれました。2度目の話し合い。すると、中学校側の態度に変化が出典 : 中学校の始業式の前日に、A先生についてきてもらい、中学校へ話し合いに行きました。前回、校長先生と話したのがよかったらしく、学年主任をはじめ、学年の先生全員が出席する中での話し合いとなりました。小学生のときから私が更新しながら作っている、「不登校の軌跡と娘の特性、学校へのお願い」という資料を回覧してもらいながら、資料の内容を口頭でも説明しました。この資料には時系列で以下の内容を書いています。【生育歴】・家庭環境(幼少期〜現在まで)・人生の大きな節目(離婚やいじめなど)、その時の娘の気持ちなど・娘の学校との関わり(小1~現在まで)【学校に把握しておいて欲しいこと、お願い】・発達障害の診断が出ていること、神経症で通院していること・欠席の連絡はしない(行くことがあれば連絡する)・学校からの連絡は月2回程度にしてほしい・子どもと会ったときには登校刺激をしないように・役員の仕事はできない(親も障害があること、コミュニケーションが苦手で繊細であること)出典 : この資料は、毎回説明するのが大変なので、娘が小学生の頃からずっと私が書き溜めていたものです。子どものことや家庭環境を1から説明し、理解してもらうことは、大変な労力が必要です。先生方は、口をはさむこともなく、時々質問を挟みつつも黙って真剣に私たちの話を聴いてくれました。校長先生と最初に話した時には、「単なる甘えでは?」という否定的な印象がありましたが、この資料と話し合いにより、少しだけ理解が深まっているようでした。学校の方針としては、私の希望通り娘のペースで、娘が会いたいときに担任やスクールカウンセラーなどに会ってみる、登校刺激、勉強刺激はしないということで、小学校と同じようなペースで過ごせそうでひと安心しました。A先生は、私が学校への希望を言い忘れていることを指摘したり、先生方に「お母さんとの間に誰か立つ必要があれば私がやりますし、みんなでこの子のことを考えていきたいと」言ってくれました。A先生のおかげで、落ち着いて話すことができて、本当によかったです。学校との連携は、1人で抱え込まないで。早めの相談でスムーズな入学準備を出典 : 我が家は母子家庭ですが、こうした学校との連携の際は、親の会の情報によると「学校は母親の話を割引いて聞くから、親の会の支援員や夫と一緒に話し合いの場を持つと良い」のだそうです。その理由は、「母親は子を思うあまり、感情的で大げさに話をする傾向がある」と思われているからだそう。また学校にもよると思いますが、話し合いの場では主に付き添いの人(夫や支援員)の方が、話が通りやすいそうです。中学進学については、主治医からもアドバイスをもらいました。「学校の先生は、学校に来てもらうことを前提に考えているので、娘さんの辛さがどこから来ているのか?丁寧に説明しないとわかってもらうのは難しいでしょう。学校から要望があれば、私が学校の先生と直接話します。」と言ってもらい、ホッとました。A先生は、小学校と中学校の引継ぎについても教えてくれました。以下は、私の住んでいる地域の場合の例です。●小学校と中学校の引き継ぎが行われるのは、小学校の卒業式の次の日●中3の担任がそのまま中1の担任になる●この場で、いわゆる問題のある児童などの報告も行われ、それを踏まえてクラスや担任を決める●正式なクラス分けは4月3日頃に決まる●この時期に小学校へ「中学校と話し合いの場を設けたい」と依頼すると学校側もタイミングが良いこれからこうした話し合いに行く親御さんは、覚えておくと役立つこともあるかと思います。最初にしっかり話し合っておくことが、トラブルを防ぎ、親と子の不安軽減にも大きく役立ちます。辛いこともあるかもしれませんが、しっかり準備して臨みたいものですね。
2016年10月28日【ママからのご相談】こんにちは!中学受験を控える小6女子の母です。子どもが幼稚園~低学年くらいまでは特に意識することなく、のほほんと暮らしてましたが、中学受験では保護者を交えた面接もあって、最近は自分自身の語彙力や知性の無さにうんざりしています。結婚前はお勤めも少ししていたのですが、学歴も自信も無いし、面接で娘以上にオドオドしてしまいそうで不安。知性なんて簡単に身につくものではないってわかってますけど、雰囲気だけでも賢そうに、落ち着いて見えるテクニックなんてありませんか(笑)?あまり勉強せずダラダラ生きてきたことが、こんな風に自分や家族の足を引っ張るとは思いもよりませんでした。ちなみに娘は私に似ず(主人似)成績優秀で、筆記試験の方はほぼ合格間違いなしと言われています。あああ~~~(泣)。●A. 気品高く、色気も失わず。これから知性派を目指すならお手本は壇蜜さん!こんにちは!ライターの月極姫です。娘さんの中学受験のサポート、お疲れ様です。学校によっては両親の学歴や面接時の受け答えが合否に関わるなど、なかなか厳しい現状があるようですね。さて、今回は知的な女性に自己変革したいということで、おそらくご相談者様と同年代であろう壇蜜さんをお手本にして考えてみたいと思います。いきなりハードルが高い!と思われるかもしれませんが、壇蜜さんだってもともとは普通に受験勉強に励む女の子だったのです。それがどのようにして、知性派セクシータレントになられたのか気になりませんか?では、ちょっと厳しめになるかもしれませんがビシビシまいります。●知的オーラの素その1:努力・禁欲壇蜜さんの奥深い知性の裏には、ひたむきに努力する姿勢と抑制の効いた生き方があるようです。有名女子大の英文科卒で、教員免許をはじめさまざまな資格を所持する勉強家。著書『エロスのお作法』の中でも、『ほどよく抑制された子ども時代が現在の自分を形作っている』と述べられています。堅実なご両親のもと、真面目に勉強に取り組む学生時代を送られたようですね。かといってご相談者様に、娘さんと同じ受験勉強は今さら必要ありません。しかし、どうかアレルギーを起こさずに聞いてください。“学ぶ努力・実践”なくして知的オーラは出てきません 。まず今からでも、読書をする習慣を身につけてください。興味関心を広く持ち、疑問を抱いたことは何でも調べてみましょう。ちょっとした隙間時間に、スマホをいじったりゲームをしたり漫然とテレビをみるだけではなく、学びたいことや打ち込めるものを探してください。また、過剰な自己顕示欲にも気を付けなければなりません 。日ごろの知的研鑽を「私こんなに頑張っているの!」とお友達にひけらかすのはやめてください。ストイックになりたくてもなれない人は多いもの。そのような自慢話は、誰も聞きたくありません。“他人が見ていない場面で、評価を求めずにどれほど学んでいるか ”。これが知的オーラの度合いを決めるといっても過言ではないのです。●知的オーラの素その2:色気・ギャップ砂糖の甘みが微量の塩で強調されるように、“色気”があってこそ知性が引き立ちます 。壇蜜さんに美貌や美しさが無かったら、世間はその裏に隠された知性に注目すらしなかったでしょう。例えばご相談者様の学生時代、勉強ばかりで恋や遊びとまったく無縁のクラスメイトが1人くらいいませんでしたか?失礼ながら、その子は「成績がいい」というイメージはあっても「知的」というイメージとはまた違ったのではないでしょうか?言葉は選ばなくてはなりませんが、色気カサカサの“ガリ勉”タイプに、多くの人は魅力や知性を感じない ものです 。ガリ勉は試験・受験を突破するスキルに優れていますが、世間慣れした感じがせず、視野が狭そうなイメージを与えてしまいます。人間は決して見た目で価値が決まるものではありませんが、「小ぎれいにしておいた方が皆が良い気分になる」「世間は美しいもの、セクシーなものに対して優しい」という真理をよく知った上で、自分の外面も磨いている人こそが「あ、頭いいな」という印象を与える ものです。「セクシーなのに頭が切れる」「かわいいけど賢い」。このギャップが重要です。まず「キレイ、かわいい」ありきで、その奥の意外性として知性が光っている状態を目指しましょう。●知的オーラの素その3:聞き上手雄弁を通り越して、無駄口が多くなっていませんか?人の話を聞くよりも、主張することに快感を覚えるようになってはいませんか?控えめなコミュニケーションスキルも、知的オーラを醸し出すための武器になります。知的な人は聞き上手 なのです 。壇蜜さんは夜のお仕事で接客業をされていたことがあるので、この点は一般的なママさんたちにとっては縁遠い世界かもしれませんが、人をよい気分にさせる会話術というのは「ただ引き立てるだけ、聞いてあげるだけ」というのとはまた少し違います 。ふと意見を求められたときに言葉につまるというのも困ったもので「頭からっぽ」な印象を与えてしまいます。日ごろから見聞を広げ、自分の確固たる考え方を持ってこそ、人の立場を理解し、落ち着いて傾聴し、自分の考えも的確に述べることができるのです。さらに女性らしさを保つためには、理屈だけで押し通すのではなく、自然な形で自分の感情も交えることも重要 です 。「私はあんまりそれ好きじゃないけど、なんとなくわかるわ」とか「体験したことないけど、そういうの興味あるな」とか、背伸びせずかつ柔軟さを感じさせる姿勢も「賢いな」という印象を与えるものです。●知的オーラの素その4:慎重さ壇蜜さんは意外に浮いた話が少ないことでもよく知られており、「1年間はお付き合いしてみないとわからないことが多いので、スピード婚は考えられない」という発言もしています。こうした控えめさ、慎重さも知性を裏付ける重要な要素 です。いくら美人で有能な女性でも「ハデでキレイで交際の噂が絶えない」となると単なる遊び人扱いとなり、高級感が失われてしまいます。たとえば既婚の方であれば、不倫行為が絶えなかったり、またそうした不倫の話をお友達にペラペラ自慢げに話したりするようではアウトです。男性にも女性にも丁重に扱ってもらえるようになるには、まず自分自身が自分を大切に扱うこと 。嫌な環境に身を置かない、良い意味で妥協しない。人間関係においては柔軟さも大切ですが、相手によって距離感を維持することも忘れてはなりません。誰にでも図々しくグイグイ迫っていったり、自分の心の扉を不用心に開けすぎるのも考えもの。どんな方とお付き合いしてもブレない部分、譲らなくてよい部分というのはありますよね。しっかりと芯を持ち、自分らしさを失わないよう慎重に行動しましょう。----------いかがでしたか?知性は一日にしてならずですが、今からでも遅くはありません。お子さんが大きくなるにつれて“お母さん”としての責務は少しずつ減っていきます。いずれ“空の巣症候群”になってしまわないためにも、自分自身の外見と内面を充実させて知的な毎日を送ってみてはいかがでしょうか?【参考文献】・『エロスのお作法』壇蜜・著●ライター/月極姫(フリーライター)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年10月27日こんにちは、保育士でライターのyossyです。子どもはいつまでもかわいいものですが、ずっと幼いころと同じように親と一緒にいてくれるわけではありませんよね。実は、中学生以降は親と一緒に行動してくれる機会がぐっと減るケースが多いのです。思うように一緒に旅行をしたり、遊びに出かけたり、といったことができなくなることも……。「もっと子どもとの思い出を作っておけばよかった!」と後悔するかもしれません。なぜでしょうか?理由を見ていきましょう。●(1)部活動によっては、とにかく忙しい!中学に入学して子どもがハードな部活動を選ぶと、一緒に過ごせる時間がとても少なくなってしまいます。平日の朝練や放課後の練習に加えて、休日にも練習・遠征が頻繁にあることも。活動日程がギリギリにならないとわからないケースや、試合結果によって変わるケースも珍しくありません。そういう場合は旅行計画を立てるのにも制限が出てくる でしょう。もちろん、学校によっても違いますし、部活動やその年度の部内の雰囲気によっても大きく変わってくることがあります。入部してからでないとはっきりとした内情がわからないケースもありますので、注意したいところです。なお、部活動によっては部員同士で「トラブルを避けるために、賑やかな場所への出入り禁止」など、普段の行動を制限するケースもあるようです。公的な規則でなくても、本人たちは“絶対的な決まり事”としてとらえることも多いもの。そういった制限が存在する可能性があることも知っておきましょう。●(2)高校受験に向けて勉強が忙しくなる日本の高校への進学率は97%。ほとんどの子が高校受験をするため、部活だけではなく、勉強も忙しくなります。文部科学省の平成20年の調査によれば、中学生の通塾に関して「通ったことがあり、今も通っている」と答えた家庭は、下記の通りでした。・1年生……41.2%・2年生……47.3%・3年生……60.7%中学3年生になると6割以上の子が通塾している のですね。地域や学校によっても異なるかと思いますが、小学生に比べて通塾する子が増えるのは確かです。通塾するならば、長期休み期間中も講習やテスト、模試等の予定が入ることが増えるでしょう。そういったことも考慮に入れておきたいものです。●(3)思春期・反抗期が訪れる女子は10歳ごろ、男子は11歳ごろから思春期が訪れると言われています。また、第二反抗期(第一反抗期は2歳ごろの「イヤイヤ期」のこと)が訪れるのも中学生時代である子が多いです。子どもにとっては、身体的にも精神的にも驚くほどの変化があり、大きなストレスを抱える子もいます。場合によっては、親と会話することを嫌がるようになる ケースもあり、一緒に旅行に行けたとしても、純粋に楽しめなくなる場合もあるようです。●(4)友人同士で遊ぶことが増える中学生になると、「親といるより友人と一緒にいたい 」と思うようになる子も増えてきます。家にいても友人とのメール・電話のやり取りに夢中になる子もいるでしょうし、「休日も友人同士で遊びたい」と言うようになる子も出てくるでしょう。反抗期ではなくても、一緒に出掛ける機会が減る可能性はあります。----------小学生であっても、習い事をたくさんしている子や中学受験をする子の場合、「十分忙しい!」と思うかもしれません。しかし、「中学生の忙しさは想像を超えていた」と語るママも多いもの。忙しくても、中学校入学前に可能な限り子どもとの時間を確保しておいたほうがいいかもしれませんね。【参考リンク】・子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告 平成20年8月 | 文部科学省(PDF)()・高等学校教育 | 文部科学省()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年10月22日制服はいらない。娘なりの中学校入学準備出典 : 前回は不登校の娘と迎えた、小学校の卒業エピソードをご紹介しました。(以下、関連記事参照)今回はその合間にあった、中学校入学準備のエピソードからご紹介したいと思います。2学期の終わりの家庭訪問で、娘は担任から「小6の2学期に中学の制服採寸会がある」と聞かされました。「どうする、制服いる?」と私が聞くと、「先生、私の行く中学の名前を教えて」といってパソコンで検索をし始めました。そして、制服の画像を出してきて「これやったらいらんわ」といったのです。そして私に「体操服もいらん。またそのとき考えよう」と言いました。おそらくどんなデザインであろうと制服はいらなかったのでしょう。感覚過敏の彼女は、制服どころか普通の服装もままならない状態。制服は無理だろうと私も思っていました。そして娘は、自分なりに中学校との距離の取り方を既に考えていました。「入学式は行かない」、「中学生の間に1回くらい行ってみたい」と通学する意思がないことははっきりと言っていました。だから「制服はいらない」といったのだと思います。正直、制服姿が見たかった私ですが、彼女にとって制服は重荷になるだけだと思ったので、もし「学校に行きたい」ということがあればその時に購入したらいいと考え、一切買わないことにしたのでした。小学校を留年したいと言う娘。その真意は…出典 : 小6の3月のことです。娘がふと「小学校と中学校はだいぶ違うの?」と聞いてきました。「そうやね、だいぶ違うね。」と答えると、「小学校を卒業するの不安。留年できたらいいのに。」と言ったのです。ああ、中学校という新しい環境に入るのがとても不安なんだなと改めて感じました。最初は本人も、「どうせ通わないんだから、今までと何も変わらない」と言っていたのです。しかしだんだんと不安になってきたらしく、「中学校の先生ってどんな人だろう」など中学校のことをいろいろ聞いてくるようになりました。そして、「私はまだ小学生をクリアしていない」と言ったのです。小学校の勉強ができていない状態で、中学校に進学するのはとても怖かったようで、小学校をクリアしないと、中学校に行ってはダメだと思っているようでした。「中学へは行かない」と言っていても、心は乱れ思い悩んでいたのだな、と気付かされました。入学式当日、親子で感じた中学進学への未練出典 : あらかじめ中学校には「入学式には出席しません。学校に通う意志もありません。」と私から言ってありましたので、入学式はのんびり家で過ごそうと思っていました。でも娘は朝から熱が出て苦しそうにしています。私も頭がガンガン痛くなり、頭では切り替えたつもりでいましたが、やっぱり親子して入学式を心から追いやるのは難しいな、と感じました。結局この日は、2人して1日中寝込んで終わったのでした。不登校児にとって、進学時期はどういう心理になるのか?出典 : 娘と共に小学校卒業、そして中学校の入学を経て、ふと思い出した話があります。これは、中学校の教員から教育相談の相談員になった先生に聞いた話です。小6や中3といった、進学を控えた学年になると、急に勉強を始めてみたり、3日くらい頑張って学校に行ってみる不登校の子が、増えるそうです。「次は中学だ」、「次は高校だ」ということを意識すると、子ども自身も学校に行っていないことを気にしますし、なんとか「自分はやれる」ということを証明したくて、いろいろチャレンジしてみるのですね。子どものなかでは「進学したい」という気持ちもあります。「小学校は行けなかったけど中学こそ」「中学は行けなかったけど高校には行きたい」…こういう気持ちがあるのも、子どもの心の中では本当のことなんです。だけど、「人並みに進学したい」という気持ちの裏には、「でも行きたくない」という本心が隠れていることが多いです。そして、心のエネルギーがついてこないので、何日かは無理に行ってみたものの、やっぱりダメだったと落ち込んでしまうことが多いそうです。親は子どもの表面的な言葉や行動を見て、「やっとやる気になったのね」と期待するので、また行かなくなった我が子を前に、傷口に塩を塗りこむように責め立てることも多いのだとか。娘も、小5の終わりくらいから「学校って楽しそう」「学校へ行ってみようかな」という言動が目立ちました。けれど、放課後ちょっと学校に顔を出しただけでもダメージはひどく、先生の家庭訪問に合わせるように睡眠リズムが乱れ、当日には必ず寝ている状態でした。私はこの話を思い出し、娘の行動や気持ちにこうした変化があっても無理をさせずに済み、良かったと思っています。進学は子どもも不安。小6、中3といった時期は気を付けて出典 : 不登校の子どもは、進学を控えるととても不安定になります。人並みに進学したいという気持ち、でも行きたくないという気持ち、親や周りの期待に応えたい気持ちで揺れ動いています。1番苦しんでいるのは子どもだということを忘れず、進学を区切りに無理に次のステップに押しやるような言動は、やめてあげたいものですね。子どもたちが本当に動きたくなったときは、どれだけ親が止めても動き出します。それまでは親も辛いですが、子どもを「信じて、任せて、待つ」という気持ちを忘れないでいたいものです。
2016年10月21日今回は、ソニーコンピュータサイエンス研究所の研究員として、そして株式会社Xiborg(サイボーグ)の代表として、義足の研究開発をされている遠藤謙さんにお話をお伺いします。ご自身が立ち上げたXiborg社の公式サイトには「すべての人に動く喜びを」と掲げ、「才能がない、障害を抱えている、高齢だからといって、この喜びが奪われる事はあってはならないと考えています。」とあります。社 公式サイト「人間の身体にはまだまだ隠された機能があります。それを引き出すことによって人間の生活スタイルは激変する可能性を秘めています。例えば、損なわれた機能を補うだけでなく拡張することができれば、障がい者、健常者、高齢者の身体機能の境界線がなくなり、身体能力の欠如に対するネガティブな考え方も変えることができるのです。私のゴールは、世の中から身体の障がいをなくすことです。」そう語る遠藤さん。一体どのような幼少期・学齢期を過ごしてきたのでしょうか。そのライフストーリーをお伺いしたいと思います。なぜ「義足」の道を進んだのか?編集部:遠藤さんがおっしゃる「世の中から身体の障がいをなくす」という言葉、とても共感しているんです。そのお話からまずは。遠藤:ありがとうございます。僕は人の身体にまだまだ可能性があると思っているんですよ。目の前の目標としては、義足の開発を通して障害を無くしたいと考えてます。2020年のとオリンピック・パラリンピックでは、障害の定義が「脚があるかないか」と関係なくなってくる。じゃあ、一体何が「障害」なんだろうとか、そういう議論が起こるだろうと。編集部:義足の開発は、その議論を起こすきっかけになりそうですか?遠藤:なると思います。具体的にいうと、今僕たちは陸上競技用の義足を作っているのですが、それはこれまでの義足のように「無い脚を埋める」だけの義足ではありません。脚のない人が、義足によって「より自分の能力を引き出せる」ことを目指して作っている。陸上選手で言えば、「義足の方がより早く走れるようになる可能性を秘めている」ということです。すると健常者のほうが障害者よりいいタイムが出るという、これまでの概念が崩れていくのではと考えています。編集部:すごい。遠藤さんは初めからそういう考え方で研究をされていたのでしょうか?それとも徐々にそういう志が生まれてきたのか。遠藤:もともとはロボットの研究をしていました。ASIMOが2000年に発表されて注目されて、これは面白いと思った。それまでロボットというといかにも機械っぽくてメカメカしかったのに対して、可愛らしい要素が取り入れられたところに興味があって。編集部:ご自身でも開発をされていたのでしょうか。遠藤:はい、最初に開発に関わったのがPINOというロボットでした。松井龍哉さんというデザイナーがデザインしたロボットで、宇多田ヒカルさんの「Can you keep a secret」のPVに出たので見たことがある方も多いかもしれません。編集部:みんなびっくりしましたよね。友達のような、ロボットとの距離感が新鮮だったのを覚えています。でも、そこから義足の研究に切り替えたのは何かきっかけがあったのでしょうか。遠藤:友達がガンになり、お見舞いにいったんです。その時僕の研究の話をしたら「ロボットで歩くんじゃなくて、自分で歩きたい 」と言われて、ハッとしたんですね。編集部:なるほど。遠藤:誰かの役に立つ技術開発をしたい、そう思いました。そこから色々なことがあって、マサチューセッツ工科大学(以後MITと表記)のヒューハー教授のことを知りました。出典 : 遠藤: 彼はもともとはロッククライマーなのですが、事故に遭い両足を失くしたんです。そのとき彼はロッククライミングを諦めるのではなく、自分で義足の設計をしようと勉強し始め、研究の後に教授になった人物です。編集部:またすごい人物ですね。遠藤: 彼に会いに行った時、「MITに来たらいい、受かったら教えて」と言われて、それで受験したら幸運にも合格したんです。ただ、入学後はこれまでの専門とは違う学問を学ぶので、それはもう猛勉強の日々でしたね(笑)。「できなかったらどうしよう」は考えない編集部:語学の壁、学問分野の壁、と困難続きだったと思いますが、辞めたいと思ったことは?遠藤:何回もありますよ。最初のうちは授業に全然ついていけなかったです。解決策は、「寝ないで頑張る」。2〜3年はそんな感じでした。遠藤:でも、1年中力を入れっぱなしというわけではなく、アメリカの場合、授業があるのは8ヵ月だけなので、その8ヶ月はとことん勉強して、残りの4ヵ月、夏休みなどはゆっくり過ごす。そして学期が始まったら、また集中して…、という過ごし方でした。期間を決めて、その間だけは先の事とか考えずに没頭するんです。編集部:でも先の事を考えずに没頭するって、意外と難しいことではありませんか。遠藤:うーん、僕の中に「できなかったらどうしよう」というのがあまり無いのかもしれません。編集部:あーーー、なるほど。だから今に集中できる。遠藤:一番になりたいけど、一番にならないと悔しくて死んでしまうってほど執着したことも、あまり無いんですよ。結果的に二番になってもいいと思っているのかも。知的好奇心が原動力。支えてくれた親の存在は…編集部:ただ、没頭したことを、さらに続けていくのって大変なことだと思うんです。遠藤さんを支えたものは何だったのでしょう。遠藤:知的好奇心。勉強しているのが単純に楽しかったんです。知的興奮を覚える、といいますか、勉強はもちろん大変だけど面白い。もっと知りたい、だから頑張っていられたんだと思います。編集部:とってもシンプルですね。知的好奇心。ちなみに、高校時代にも一度留学をしたいと、ご両親に相談したことがあると伺いましたが…。遠藤:あ、そうなんですよ。高校の同級生に帰国子女がいたことで英語に興味が湧いて。それでアメリカの大学に行きたいと両親に伝えたら、もう大反対でした。編集部:なぜでしょう。遠藤:留学したい理由を聞かれて「英語を身に着けたい、若いほうがいいと思うから」って答えたんです。そしたら「その語学を身につけて、何を勉強したいんだ」と聞き返されて、僕は何も答えられなかった。反対された時に、押し通すほどの理由や熱量が無かったんです。そんな状態で行っても意味がないなと自分でも思い、その時は行きませんでした。でも、大学を卒業してMITに行こうと思った時には明確な目的があった。だから受験をしたし、両親も応援してくれましたね。その時に「学費をどうまかなうか」という話をしたのがとても印象的で、今でもよく覚えています。編集部:そのお話、ぜひ伺いたいです。次回は、遠藤さんのご両親とのかかわりや幼少期の過ごし方についてお伺いします。株式会社 Xiborgソニーコンピュータサイエンス研究所 プロフィール
2016年10月17日秋はさまざまな実りの季節。「学びの秋」「勉強の秋」ともいわれるように、自分をステップアップさせるチャンスです。せっかくなら子どもと一緒に学びを深め、親子で同じ資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。検定試験の中には、園児から小学生くらいの子どもでも挑戦できるものがたくさんあります。親子で一緒に勉強すれば、子どもの興味もぐんと伸ばしてあげられそうですね。■日本漢字能力検定【漢検(R)】年3回試験が実施されている漢検。その名の通り、漢字についての知識を問う検定試験です。ただ読み書きができるだけでなく、文章の中で漢字を正しく使える能力が試されるのもポイント。10級から1級まであり、10級のレベルは小学校1年生修了程度。受験に年齢制限はないので、漢字に興味がある子なら、年長さんくらいでもじゅうぶん挑戦可能です。■児童英検子どもの習い事としても人気の英語。普段英語を習っているなら、児童英検にチャレンジしてみてはいかがでしょう。検定試験を受けることで、英語へのモチベーションもアップしそうです。子ども向けの児童英検はさまざまな団体によって行われていますが、よく知られているのは日本英語検定協会が主催する英検Jr.や、日本児童英語振興協会(JAPEC)によるJAPEC児童英検。英検Jr.はリスニング形式で試験が行われ、JAPEC児童英検には面接官と話すスピーキング試験があります。子どもと一緒に、ママも英語のおさらいをしてみては。■手話技能検定【手話検定(R)】耳の不自由な人たちと会話ができるようになる手話。手話を身につければ、普段の生活の中で耳の不自由な人のお手伝いができるようになるかもしれません。ママやパパも手話を学んで、親子で手話をしてみるのもよいですね。一番やさしい7級は在宅受験が可能なので、気軽に挑戦することができそうです。 ■家庭料理技能検定(R)料理好きな子におすすめなのが、この検定試験です。料理の技術と食についての知識が試されるため、試験を通して栄養や食生活についても学ぶことができます。小学校高学年でも、普段からお手伝いなどで料理をしている子なら挑戦できそうです。検定試験に向けて、親子でキッチンに立つのもいいコミュニケーションになりますよね。■歴史能力検定歴史が好きなら挑戦したいのがこの検定試験。教科書で勉強する範囲にとどまらず、未来への判断力や洞察力を養うため、歴史に対する理解を深めることを目的とした検定です。5級から1級まであり、5級は小学校修了レベルの日本史の問題となっています。歴史ドラマやクイズ番組などで出てくる話題も扱うようなので、勉強も楽しくなりそう。歴史を知ることで、普段ニュースで見聞きする出来事への理解も深まるかもしれません。■親子で効率よく勉強するには親子で試験を受けるなら、まずはママが真剣に勉強しましょう。ママの姿を見て、子どもも「自分も頑張ろう」とやる気がアップするはず。机に向かう場合も子どもと一緒に。肩を並べて勉強することで一層集中力が高まります。受ける試験の種類によっては、パパも巻き込んでしまうのもおすすめです。それぞれのレベルにあった級を選んで、家族で検定にチャレンジしてみても。お互い質問を出しあって、「正解したらおやつをプラス」など、ゲーム感覚で取り組むのもよいですね。興味のある分野で試験を受けることは、子どもにとっても大きな自信になります。子どもの力をしっかり伸ばせるように、上手に働きかけてあげたいですね。
2016年09月30日わが子に中学受験をさせるかさせないか。子どもが小学4年生くらいになると、ふつふつと頭に浮かんでくる思いがあります。「もし、第一志望に入れなかったら?」実際、初めての挫折を味わったわが子にどう接すればいいのかと頭を悩ませる親も少なくありません。でも、 第一志望には不合格だったものの、結果的には中学受験自体を「成功だった」と感じている親もいるようです。なぜママたちは「わが子に中学受験をさせてよかった」と感じたのでしょうか。中学受験をさせたママたちの“第一志望不合格”に関するエピソードをご紹介します。■子どもが相談や悩みごとを打ちあけてくれる機会が増えた「中学受験をきっかけに、成績のことや受験に関する不安などを少しずつ話してくれるように。受験をしたことで親子の会話が増えて、関係が深まったと思います」(40歳 13歳男の子のママ)小学中高学年になると、成長の過程もあり、親と真面目な話をするのが恥ずかしいと思う子も増えてきます。学校や塾の成績の話を通して親子の会話がじょじょに増え、子どもの悩みや不安を知ることができたという親は以外と多いのです。コミュニケーションをとる機会が増えたおかげで、その後の学校生活の不安も、親に打ちあけられるようになったそう。■「1番じゃなくていい」と知って勉強が好きになった「娘は幼いころから成績が良かったため、“つねに1番でないといけない”と自分を追いつめるところがあったようです。中学受験に向けての勉強中はつらそうなときもありましたが、いまは“1番じゃなくていい”という安心感から、前より勉強が好きになったようです。自分の学力に合った私学に通い、いまはバレー部の活動に夢中。学校生活も楽しそうです」(41歳 12歳女の子のママ)勉強が得意な子どもほど、成績やテストの結果に対してプレッシャーを感じることは少なくありません。第一志望に不合格となり、第二志望の学校に通うことになったことで、“必ずしも1番でなくてもいい”ということを学ぶことができたようです。■「現状でがんばる」という気持ちを教えることができた「中学受験は本人が希望していました。でも、第一志望校は残念な結果に…。直後はひどく落ちこんでいましたが、すぐに気持ちを切りかえて受験を続行し、第二志望校は合格しました。受験によって心が強くなったのではと感じています」(43歳 13歳男の子のママ)自ら望み、努力もしたけれど、必ずしも結果が伴うとは限りません。大人になればそのようなことが山ほどありますよね。挫折を経験してもすぐに気持ちを切りかえ、与えられた場所で精一杯がんばるということを、身を持って経験することができたようです。■子どもが「本当に行きたい」と思う学校に入学できた「娘は親の期待に応えようと、圏内で最もレベルの高い学校を第一志望に決めました。しかし、オープンキャンパスで見た楽しそうな雰囲気やかわいい制服などで第二志望の学校にも未練があったようでした。第一志望は不合格でしたが、いまの学校生活にとても満足しているようで親としても満足です。偏差値重視で学校を決めさせていたら、入学後に勉強についていけず、さらに塾通いになっていたかもしれません。本人が生き生きと学生生活を送っていることがなによりのよろこびです」(42歳 13歳女の子のママ)中学受験をする子どものなかには、親の期待に応えようと受験をがんばる子もいます。学校のレベルだけで判断するのではなく、実際に通うわが子が楽しんで学校生活を送れるかを親も見極める必要がありそうです。第一志望に合格することはあくまでも目標です。不合格となったことが、決して人生のまちがいや失敗ではないということを、中学受験を通して感じてもらえたら、その受験は「成功」といえるのかもしれません。もちろん、中学受験を選択するしないに関わらず、習いごとや好きなことに集中できる環境を作ってあげるなど、子どもが成長するきっかけは他にもあるはずです。たくさんある選択肢の中で、子どもの意思を尊重しつつ、サポートしてあげたいものですね。(マムズラボ)
2016年09月21日“私立小中学校に通う子ども”と聞くと、裕福な家庭で育ち、教育熱心な親の元で受験を勝ち抜いた子どもというイメージがありますよね。そんな家庭に対し、授業料の補助として年間最大14万円を支給する制度を作ろうと、文部科学省が検討を始めています。対象となるのは年収590万円未満の世帯ということで収入制限があるようですが、お金のかかることが分かっている私立を自ら選んだ世帯を、わざわざ援助する必要があるのか賛否あるようです。そこで、パピマミ読者のみなさまに「私立小中学校の授業料を国が補助することについてどう思いますか?」 というアンケートを実施しましたので、その結果を見てみたいと思います!●私立小中学校の授業料を国が補助することについてどう思いますか?・1位:公立の給食費無料化、大学生の奨学金など、他の援助が先決……39%(47人)・2位:私立はお金がかかると分かって行かせているから補助する必要はない……29%(35人)・3位:補助金があれば私立も進学先として検討したい……13%(16人)・4位:14万円では足りない……8%(10人)・5位:いじめなどで私立に行くしかない子どもの助けになる……6%(7人)・6位:公立の授業料を無償にしているからそれで十分……3%(4人)・7位:何の効果もない……2%(3人)※有効回答者数:122人/集計期間:2016年8月29日〜2016年8月30日(パピマミ調べ)●他の教育支援が先という意見が多数『援助とは一番ほど遠いところにいる人たちでしょ!他にやらなきゃいけないことがあるんじゃない?』(40代女性/主婦)『うちの娘は奨学金を借りて大学に通っているんだけど、そういった負担を軽減させる方が先決だと思いますよ』(50代男性/自営業)教育に対する支援は必要不可欠ではあるものの、どこにお金を使うのが正しいのかは判断がわかれるところ。とはいえ、私立に通わせる余裕がある家庭を支援するのは後回し と感じる人が多いようで、批判の声が多く聞かれました。公立小中学校の授業料は無償化されていますが、これ以外にも教材費や給食費などお金がかかる項目は多々あり、それらの無償化を望む声も多くあります。また、大学への進学率が高まってきたことから奨学金への支援 も急務と言えるでしょう。早ければ2017年度から実施されるということですが、反発が大きくなることが予想されます。●私立に通わせる家庭にそもそも援助は不要という声も『自分で金のかかるところを選んでるのに支援するって意味がわからない。単なるおこづかいでしょ。きついなら公立に行けばいい』(30代女性/パート)『もし私立に子どもを通わせて「家計が苦しい」って言ってる人がいたら、それはただ考えが甘かったということだと思いますよ』(40代男性/営業)平均で年間160万円ほど用意する必要があるとも言われる私立小中学校。受験するだけでも数万円が必要になるなど、出費は間違いなく多い と言えるでしょう。そんな学校を選んだ時点で、出費については分かっていたことであり、それに対し援助するのは納得がいかないということのようです。公立という選択肢がありながらあえて私立を選択した家庭を援助するのは、確かに違和感がある部分ではあります。●補助金があれば私立も検討するという人は1割『家計的には公立に行ってくれるのがありがたいけど、環境のことを考えると私立がいいと思います。補助金があれば選択肢に入れたいですね』(30代男性/アパレル)『いじめの問題で公立に通えない子もいると聞くし、私立へ行ける可能性を上げるものであれば良いと思います』(20代女性/大学生)教育環境や生徒同士の問題など、私立のメリットが大きいのも事実。できれば私立に通わせたい と思う親は少なくないはずです。また、授業料だけで言うと私立小学校の授業料は年間で平均43万円、私立中学校41万円と、14万円の援助が有効なようにも思えます。しかし、私立ではこの他にも入学金や寄付金などさまざまな名目で出費を強いられるのです。現時点で私立への進学が困難という世帯が、14万円の支援を受けたからといって安定した家計を築けるかは疑問といえるのではないでしょうか。----------いかがでしたか?「何の効果もない」とした人はわずかにとどまりましたが、それでも何かしらの不満を感じる人が圧倒的に多いという結果になりました。国民から集めた税金が使われることを考えると、安易に受け入れられることではないのかもしれません。生徒を集められない私立の入学者数を増やすための制度ではないか という見方もあり、世間の理解を得られているとは言いがたい様子。このままの案で実施されるのが正しいことなのか、疑問が残ると言わざるを得ないでしょう。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜7位)】私立小中学校の授業料を国が補助することについてどう思いますか?()●文/パピマミ編集部
2016年08月31日作業療法士(OT)とは?出典 : 作業療法士(OT)とはOccupational-Therapistの略で、看護師、理学療法士(PT)、言語聴覚士(ST)などとともに活躍するコ・メディカルスタッフの一員です。作業療法士は、理学療法及び作業療法士法が制定された翌年の1966年に、国家資格として認可されました。主に作業を通じた人々の身体機能回復・獲得に加えて、学校や職場、地域活動といった社会参加のサポートや、いきいきと生活していくための精神面のサポートまで行う役割を担っています。作業とは、工芸、手芸、園芸、絵画、おもちゃの操作などの手作業から、食事や入浴などの日常生活にかかわる作業まで、すべての活動のことを指します。作業療法士は様々な機関で活動しているため、人生のあらゆるステージでかかわる可能性があります。特に発達障害に関しても、療育施設で作業療法士の作業療法を受ける人も多く、生活面の機能の発達をうながしてくれる心強いスタッフです。理学療法士及び作業療法士法作業療法士の役割出典 : 作業療法士の役割は、人々の基本動作能力、応用的動作能力、社会適応能力を維持・改善し、仕事、趣味、遊びなど元気な日常生活を送ってもらうための支援をすることです。基本動作能力とは、食事やトイレ、家事など、日常で必要となる活動をする能力のことを言います。また、応用的動作能力とは、より高度な運動や感覚・知覚、認知・精神などの心身機能のことを指します。一方社会適応能力とは、基本動作能力や応用的動作能力などの心身機能と違い、対人関係を構築し、社会性を身につける能力です。主に、地域活動への参加、就労、就学などが挙げられます。これらの能力を維持・改善するために「日常生活活動(ADL: Activities of Daily Living)」の治療や援助を行うことはもちろん、工芸、手芸、園芸、絵画、おもちゃの操作などを通して、人々が社会に適応できるように支援します。作業療法士とよく混同されやすいものに理学療法士というものがあります。両者とも国家資格をもつ専門家ですが、どのような違いがあるのでしょうか?理学療法士は、からだの基本的な機能回復・獲得をサポートします。基本的な機能回復とは、寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基礎となる動作の改善のことを言います。例えば患者が脚を骨折したとき、理学療法士は運動療法や物理療法などを用いて、その部分を曲げたり、伸ばしたりできるよう、身体の基礎的機能の回復をサポートします。一方作業療法士はまず、その人がどのような生活をしたいのかを考え、障害のない日常生活を送るために必要な機能回復・獲得を考えます。その上で、着替える、入浴をする、散歩するなどの作業を通して脚の機能回復を支援します。作業療法士になるには?どんな人が向いているの?出典 : 作業療法士になるためには、毎年1回行われる国家試験を受験し、国家資格を取得する必要があります。試験の合格率は例年約80%であり、2015年実施の試験の合格率は77.5%でした。受験には高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設で3年以上学ぶことが必須です。養成施設として、4年制の大学、3年制の短大、3年制または4年制の専門学校があり、講義と実習を通じて学んでいきます。習得する内容は、解剖学、生理学、運動学、病理学、臨床心理学、リハビリテーション医学など多岐にわたります。作業療法士には主に2つの適性が求められます。1.コミュニケーション能力: 面談を通じて患者の心身の状態や気持ちをしっかりと把握し、最適なプログラムを考えるためにコミュニケーション能力が必要です。特に、相手の話をしっかりと聞き、ちょっとした反応から相手の感情を読み取ることが求められます。2.温厚な人柄: 作業療法を行う上で大切なのは、患者に安心してもらい心を開いてもらうことです。そのためには常に温厚な気持ちで患者に寄り添う姿勢が求められます。作業療法士の支援対象と、支援の対象期間出典 : 作業療法士はこころとからだの機能回復・獲得を担当し、年代を問わず、なんらかの障害や疾病によって生活に困りごとを抱えている人すべてをサポートします。主に4つのタイプに分類されます。・身体に障害がある人: 脳卒中/パーキンソン病/リウマチ/脊髄損傷/その他・こころに障害がある人: 統合失調症/躁うつ病/アルコール依存症/認知症/その他・発達期に障害がある子ども: 脳性麻痺/ADHD/精神発達遅滞/自閉症/知的障害/その他・高齢期に障害がある人: 認知症/脳卒中/骨折/その他急性期から、回復期、生活期まで通してずっとサポートしていきます。また、支援内容はその時期によって異なります。・急性期: 病気やけがの直後から将来の生活を見越したリハビリを開始し、初期段階の支援を行います。基本的なこころとからだの機能改善、新たな機能の低下の予防が目的です。病気やけがの直後は機能訓練や日常の基本的な動作の訓練を行います。サポート内容の例として、自分で食事ができる、自分で移動できる、自分でトイレを使えるようになる練習などが挙げられます。・回復期: より具体的な生活をイメージして機能や能力の改善をしていく支援を行います。急性期を経て病気やけがの状態が安定した後、患者が生活していくために必要な能力などを人それぞれに応じて提案していきます。主に服や靴を着脱する練習、調理や掃除などの家事、買い物など外に出る練習など、日常生活において応用的な動作ができるように支援します。・生活期: 一人一人が生きがいを持ち、豊かに生きるための生活を支援します。住み慣れた場所で、その人がありのままの姿でより良い生活を送るために、散歩など外に出る練習、地域コミュニティへの参加の援助、就労支援、趣味やレジャーを楽しむ支援などを行います。作業療法士のサービスを受けるには出典 : 作業療法を受けられる場所として大きく分けて、医療機関、福祉施設、教育・療育施設、企業・就労現場が挙げられます。病院やリハビリセンターなどの医療機関では、患者の回復状態に応じた作業療法をリハビリテーションチームの一員として行います。そこでは患者が新たな生活の第一歩を踏み出す手助けを担っています。福祉施設とは主に、保健所、福祉関連相談所、老人福祉施設、障害者福祉施設のような施設を指します。老人福祉施設では高齢者が新しい疾患を発症しないように予防したり、地域生活の質の向上をサポートしたりすることで、その人が日々の暮らしを健康に送れるように支援します。作業療法士は、障害のある子どもが通う特別支援学校などの教育・療育施設にも所属します。将来的に障害がある子どもが、地域の中で自立して生活できるように、医療や福祉教育の知識を生かして必要な学びの習得をサポートします。作業療法士はすべての企業ではありませんが、様々な企業や就労現場にも存在し、病気や障害があるが働きたいと思っている人の支援をします。状況に応じて企業の人事担当者や就労支援を担当するジョブコーチ、就労支援施設担当者と協働しながら、障害がある人が職場に適応し、継続して働くことができるように支援を行います。発達障害がある人への作業療法出典 : 発達障害のある人のなかには、協調運動障害のある人も多く、手先が不器用であったり、日常の動作の獲得を苦手とする場合があります。また、他人とコミュニケーションをとることに困難があり、人との距離感をうまくつかめない場合もあります。作業療法士はそのような人困りごとのある人に対しても支援を行います。発達障害における作業療法も子どもの成長ステージごとに分かれています。■乳児期(0~1歳): はいはいや歩くなどの運動発達を遊びを通して促します。保護者に対する子育て支援も行います。子どもがかんしゃくをおこす、抱っこを嫌がる、こだわりが強いなどの育てにくさがある場合。そして、保育所で集団活動ができずすぐに席を立ってしまう、寝つきが悪いなどの問題がある場合があります。そのような問題が起こる理由として、部屋が明るすぎる・暗すぎる、テレビや話し声、エアコンなどの気になる音が耳障りになるなどの、部屋の環境に問題がある場合があります。睡眠の問題に対しては寝具の肌ざわり・重さなどが合わなかったり、睡眠前にしっかり遊べていないため、元気があり余っていたりするときがあります。そこで作業療法士は、面談や調査を通じて問題を見つけ出し、問題に応じて部屋の環境調整や寝具の適合を行います。■幼児期、学童期、思春期(1~19歳): 主に発達障害がある子どもの園や学校でのサポートをします。学生生活で発達障害がある子どもが直面する問題は主に2つあります。席にずっと座ることができない、科目の得意・不得意の差が激しいなどの“授業面での問題”、そして、友達に自分の意見を言いすぎたり、全く言えなかったりするなどの“対人関係での問題”です。なぜこのような問題が起こるのでしょうか?授業面での問題が起こる理由として、姿勢が安定していないため座り続けることが難しいということや、文字を書くのが苦手、計画を立てることが苦手であるという可能性があります。対人関係での問題においては、子ども自身の認知した考えが行動と一致するように活動できない場合が多く、相手の発言を理解したとしても、相手に誤解を与えてしまうよう行動をとってしまうことがあります。すぐに席を立ってしまう場合には、いすに滑り止めシートをはる、机やいすの高さの調整をするなどの環境を整える支援をします。文字を書くのが苦手な場合、なぜ苦手なのか原因を探りながら書きやすい筆記具に変えたり、文字の形を覚えやすくするなどの工夫をします。計画を立てることができず作業をやり続けてしまう問題に対しては、スケジュールや活動の量を口頭ではなく、図や文字などの目に見える方法で掲示し、やるべきことを明確にします。また、考えと行動が一致しないときは、子どものケース別の適切な活動をサポートします。■成人期(20歳~): 主に発達障害がある人が健やかな社会生活を送るための支援を行います。多くの発達障害がある人は、明文化されたルール以外の決まりを理解することを苦手とし、相手の表情から感情を読み取ることを困難とする場合があります。こういった問題から、本人が就職することを難しいと感じたり、就職した場合でもうまくなじめないと感じてしまう場合があります。このような場合、作業療法士は対人交流スキルを向上させるプログラムの開発、メモ・レコーダーを使用した記憶の補強などを通じて、発達障害がある人のスキル改善を支援します。また、職場の人に障害がある人の苦手な部分を理解してもらい対応方法を共有するという、周囲の人のサポートを促すジョブコーチの役割も作業療法士は果たします。出典 : 発達障害における作業療法の流れは主に5つのステップにより構成されています。1.主訴・依頼: 現在の困っていることをもとに、病院や各施設に相談し、必要と判断された場合は作業療法が始まります。2.アセスメント(評価): 対象者・保護者との面談や、活動の中で行っていき、場合によっては検査を行うこともあります。作業療法士はアセスメントで得られた情報を整理し、困りごとが起こる理由を見つけます。評価する主な内容・はしる、あるく、すわる、などの、粗大な日常的な動き・スキップ、自転車、縄とびなどの、応用的な運動・食具、はさみ、鉛筆の利用などの、手先の器用さ・触覚過敏、偏食、感覚の処理能力・知覚 認知能力・育ってきた環境、自尊感情の度合いなどの心理社会的側面・コミュニケーション能力支援プログラムの立案と実施: 困りごとを解決するために必要な方法を考えます。大きく分けて3つの対応方法があります。■本人に対する介入本人に対する理解を深めることで、発達をサポートし、能力の改善・拡大を図ります。■周囲の人に対する工夫周囲の人が本人へよりよい言葉かけができるようになる方法、接し方のコツを教えることで、本人が過ごし易くなるように支援します。■環境調整家具を変えるなどの環境を変化させたり、道具の利用を図ったりすることで、本人が気持ちよく生活できるように支援します。4.再アセスメント: 本人・保護者への面談、活動の中での再調査から支援の結果を確認し、困りごとやつまずきの変化をとらえます。5.プログラムの変更: 再アセスメントの結果、支援プログラムの変更が必要なときは変更し、3に戻ります。もしくは、日常生活を送る上で必要な機能の回復・獲得ができたと評価された場合、状況に応じて作成されたプログラムを継続・終了します。作業療法の体験談出典 : では、実際の作業療法では具体的にどのようなプログラムが行われているのでしょうか?一人ひとりの個性、得意・不得意をみてプログラムを立案していくことが作業療法の特徴です。そのため全ての人に当てはまるものではありませんが、以下に一例として、お子さんやご自身が作業療法を受けた際の体験談をご紹介します。感覚過敏がある、我が子に出された宿題はぎゅっとたっちという遊びでした。ちょっと痛いくらいの力で腕や足を握り、スライドさせていくやり方です。ポイントは、静かに集中しているときを狙ってやり、にぎってるとこに注目させることと、一回3分を限度にやることです。3分以上やると親の方が疲れるからだそうです。逆に疲れないようだと、やり方が甘いんだそうです。うちは、これで、目がいくらか合うようになりました。あと、耳かきを嫌がるのを相談したら、布団です巻きにして、耳回りを圧迫する課題がだされました。楽しくやるのがポイントです。体幹をしっかりさせるために、バランスボールの上をとぶ課題もでました。部屋のすみにバランスボールをもっていき、親の足で固定し、歌に合わせて跳ばす。大きなたいこがおすすめですが、子どもが好きな歌なら何でもいいと思います。我が家ではバランスボールを椅子やソファで固定して、いつでも跳べる状況にしたら、体幹が鍛えられた気がします。このように遊びの中で作業療法を行うことで、子どもの興味を考慮しながら、応用動作ができるよう支援します。また、パパ・ママが作業療法に関わる場合は、お互いのストレスがかからないように楽しく行うことがポイントです。折り紙がキレイに折れるようになりました。力が弱い娘です。OTの先生が真ん中が穴のあいた分度器を100均で買ってきてプレゼントをしてくれました。分度器の丸い所を使ってキレイに折ります。作業療法士としてからだのサポートをするだけではありません。発達障害がある人が社会的に適応し、いきいきと生活していけるように相談できる身近な専門家として“こころのサポート”をすることも重要な仕事のひとつです。上肢に障害がある私は、お料理の便利グッズを紹介してもらったり、工夫の仕方を教えてもらいました。日常生活で困ったことを一緒に考えてくれる仲間という感じで、なんでも相談してました。発達の面では、人との距離感や、言葉の使い方、感覚統合をサポートしてもらいました。協調運動も苦手なので、ふとした行動や遊びから、手の使い方、体幹の使い方を教えてもらいました。作業療法士と他機関の連携出典 : 作業療法士はあらゆる場所で、障害のある人の暮らしやすい生活を取り戻すための支援をしています。そのため培ってきた高い専門性をもとに、様々な専門職と協力して働いています。医療現場では理学療法士や言語聴覚士などのリハビリ専門職、医師、看護師と一緒に働きます。保健・福祉現場では、介護職員、保健士や児童相談所の職員、ケースワーカー、介護福祉士、介護支援専門家などと協働します。そして教育現場では、保育士・教師、心理専門職などと連携しながら仕事を進めていきます。まとめ出典 : 作業療法士とは作業を通じて、障害のある人がその人らしい生活を送ることを支援する専門家です。作業とは、手芸や園芸などの手作業だけではなく、食べたり、トイレに行く、などの日常生活に欠かせない行為のことも指します。発達障害の場合、一人一人特性が違ったり、コミュニケーションが苦手だったりして、困りごとがあっても援助が難しいこともあります。そんなとき、本人の気持ちに寄り添って、その子に合った解決法を見つけてくれるスペシャリストが作業療法士です。子どもの作業療法士の方によって花開く姿を見たことがあります。2歳半。保育園ではヒモにお花のビーズを通す遊びが流行っていたけれど一切やらない。教室の隅で所在無げな視線でボーッとしていました。園の先生は、「全然やりたがらないとんですよねぇ」と。その話を作業療法士さんにすると、「やりたくない訳ではなくてやり方がわからないだけだよね !」と言って丁寧に指の使い方を説明しながら教えてもらうと、なんと出来ました。その瞬間、子どもが療法士さんを見て、出来た!ニコッとした表情をしたんです。いっぱい褒めてもらえました。その後、保育園で明るい表情になり紐通しを始めた姿に園の先生もびっくりして、「私達にも出来ることを教えて下さい」と。作業療法士の方によって園での生活から全てを変えることが出来ました。今でもあの方に出会ってなかったらどうなっていたか、と思います。その後、子どもはDQ70からウィスクで平均値となりました。子どもに、自信をつけてあげる事。親でもなかなか出来ません。むしろ、他人だから喜びがあったと思います。とても感謝しています。また、日頃何気なく生活していても、突然の怪我や病気などで、いつ、どのタイミングで作業療法士を必要とするかはわかりません。社会の作業療法に対する認知・理解が深まり、からだとこころに困りごとのある人が、いつでも適切なサポートを受けられるようになることを願っています。一般社団法人日本作業療法士協会
2016年07月28日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日●連載の目次は こちら から●私立小学校受験を前提に話を進めてきたが、「国立大付属小学校を受験って、どうなんだろう?」と、気になるご家庭もあるだろう。幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにお話を伺った■「受験対応校ではない」ということを念頭に!「国立小学校は、準教科担任制を採用している学校も多く、質の高い先進的な教育を受けることができます。そのため、教育熱心なご家庭に、とても人気がありますね」(浅木さん)ただし、国立小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけのため、受験に対応することよりも先進的な教育の研究が優先されている。「小学校入学時、併設中学、併設高校の高い進学実績を知り、学校のカリキュラムをこなすことで受験に対応できると考えているご家庭もあります。ですが、授業は受験に直結しない試験的なカリキュラムも多くあるということは、まず知っておいていただきたいことです」(浅木さん)■中学進学時に外部進学を検討するならとりわけ、小学校は国立でも、中学進学時に外部進学を検討する場合は、中学受験との両立について覚悟しておいたほうが良いだろう。なぜなら国立小学校の児童は、公立の小学校のカリキュラムよりも、調べ学習やレポートなど、中学受験に直結しないが質・量ともに負担が大きいものをこなしながら、中学受験の勉強をしなければいけないからだ。また、通学に時間がかかる(ことが多い)のも、ひとつ、ネックだと思う。この記事を書いている私は長男の中学受験を体験しているが、中学受験は、ある意味、時間との闘い。塾で出された課題をするには相当な時間がかかり、睡眠時間を削って勉強する子もいる(塾のない日の夕方~就寝までの時間管理は、多くの中学受験ママの関心事だ)。 ■教育実習生の授業が多い「また、教育実習生の授業が多いことに不満を訴える保護者もいますが、そもそも、国立大学付属小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけ。実習生の授業が多いのは、当然です」(浅木さん)■国立大付属小学校に合格していくのは、どんな子?「まずは、くじ引きで受験する権利を手に入れなければいけませんから、運が強い子ですね。そして行動観察やペーパー対策をしっかりした子、つまり私立小学校の受験対策をしていた子が、国立大付属小学校にも合格していっているという印象です。または幼児としての基礎力(6本目リンク貼る)がしっかりある子が、半年間くらい集中的に試験対策をして合格していくパターンが多いですね」(浅木さん)■教育熱心な家庭の子が通っているのが魅力学校のカリキュラムが受験対応ではなく、ハードルも私立小学校並みに高いとはいえ、教育熱心な家庭の子どもが通っているのは事実。意識の高い友達と、勉強や課外活動を通じて切磋琢磨できる環境が整っていることは、国立小学校の魅力と言えるだろう。次回は、いよいよ最終回。「早期英才教育は有効なの?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月26日小学校受験のための「お受験」が幼児の受験すべてではありません。実はお受験が乳児期から始まっているという事実が、最近の専門家分析であるそうです。乳児期からの受験勉強って? いったい何を見るの? というママへ、英才教育への将来展望を踏まえて情報をお伝えします。■乳幼児の脳トレーニングは、有名幼稚園受験にも対応できる?京都大学名誉教授の久保田競さんの著書『赤ちゃんの脳を育む本』でも、赤ちゃんの頃から脳に刺激を与えることは、脳の発達=お受験脳に役立つとされています。乳幼児期に脳のトレーニングをしていくと、お受験体制に入りやすくなるというわけです。また、『赤ちゃんの頭がよくなる育てかた』(主婦と生活社)の著者であり東京大学を卒業した櫻井正孝氏も、まず0歳から3歳時は脳を活発にするトレーニング、知能のトレーニングが大切ということで、ご自身も幼児教育のトレーニング所を開設しています。(参考)東京知育研究所 同書によれば、五感活用の「親子あそび」をすることで、乳幼児の才能がグングン伸び、丈夫に育つという理論が展開されています。このころは知識を養うというトレーニングよりも、五感を活用することに尽力すると、その後の幼児期に形成される脳が受験にも役立つということになります。 ■日常生活の中で、「考える力」の準備を乳幼児に養いたいのは、思考力・推理力・想像力・集中力・発見力です。好奇心をどんどん養って、脳を活発にする、右脳を使うなどのトレーニングで子どもはグングン発達していきます。速読の先生にインタビューをしたときに、「利き手ではないほうで字を書く練習をする、歯磨きをする」「画をさかさまから描く」などで右脳が刺激され、記憶力や集中力がアップすると聞きました。乳幼児の場合ですと、日常生活の中で「毎日同じことをする、くり返す」という刺激を与えるだけでも、神経回路の定着、脳の発達を促すことになります。たとえば赤ちゃんの時の座り方。首が座ってきたら、きれいに座らせたり、立たせたりする運動。はいはいも、正しい姿勢できれいにさせると、骨や筋肉の発達も兼ねて脳をうまく働かせることにつながります。■うまくできたらほめてあげる、スキンシップするいろいろなことができたら、ほめてあげることもトレーニングの一つです。ほめられると赤ちゃんでも脳が反応し、次はもっとうまくやろうとポシティブな気分になるものです。ほめることは赤ちゃんのモチベーションをアップします。また、ママとのスキンシップが多ければ安心感を持ち、落ち着いた子になるといわれています。授乳が親子のスキンシップに良いと産科で言われるのはそのためでしょう。乳幼児のお受験前のトレーニングといっても、数式を解いたり漢字を書いたりするわけではありません。日常の動作をメインに、きちっとした姿勢や動きを身に着けることは、後々のお受験キッズを形成する上でも役立ちます。また、お受験をしない場合でも、元気で頭の回転が良い子を作る基盤に。健やかな子どもの成長のために、乳幼児期から脳に刺激を与えて、適応能力が高い子の発展を目指しましょう。(高城あすか)
2016年07月26日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは言う。「志望校が決まったら、願書作成・面接の準備と並行してお子様の対策を始めましょう。でも、具体的な対策を始める前に、下記をチェックしてみてください」■幼児としての基礎力があるか?チェックする項目は、いわば幼児としての基礎力だ。この基礎力なくして、ペーパーテストや絵画の対策をしても、なかなか合格できない。習慣として定着させるのに時間を要することばかりなので、小学校受験を思い立ったら、まずはチェックしてみて、「わが子の現状」を把握したい。■チェック1 幼児のような言葉づかいはしていないか?「ご家庭で、子どもを赤ちゃん扱いせず『きちんと教育する意思があるか?』という部分がチェックされています」(浅木先生)<チェック項目>□幼児語(ワンワン、にゃんにゃんなど)を使わない□自分のことを名前で表現せず「私、僕」と言える。(例:私は音楽が好きですと言える)□語尾を「です」「ます」と最後まで正しく聴き手に聞こえるように話せる■チェック2 人の話を聞くことができるか?「お話しが聞けるというのは、学習の基本になることです。ですから、とても重要視される項目です」(浅木先生)<チェック項目>□人の話を最後まで聞くことができる□幼稚園・保育園で先生のお話をきちんときくことができる ■チェック3 生活リズムが整っているか?「生活リズムが整っていることが、すべての生活のベースになります。また、最近は、椅子にきちんと座っていられないお子さんが増えているのが、すごく気になっています」(浅木先生)<チェック項目>□早寝早起きをしている□平均的な幼児としての体力がある□よい姿勢をこころがけている□椅子に座ったときに足をブラブラしない(自宅で、常に足が床につく子ども用の椅子に座らせている)■チェック4 基本的な生活動作が身についているか?「ここにあげたものは、就学前に身につけておきたい基本的な生活動作です。」(浅木先生)<チェック項目>□着替えが1人でできる□脱いだものを1人でたためる□靴の着脱ができる(左右正しく履ける)□靴の紐をむすぶことができる□自分の荷物を所定の場所に置くことができる□帰宅後、自分が脱いだ履物をぬぎちらかさずに整えることができる□帰宅後、自分の荷物を所定の場所に置くことができる□帰宅後、手を洗うなどの衛生習慣がついている ■チェック5 集団生活になじむことができるか?「集団の中で遊ぶことができるというのは、学校生活を送る上でとても大切な要素です」(浅木先生)<チェック項目>□集団の中で遊ぶことができる□お友だちと遊んでいるときの言葉遣いが乱暴でない□ケンカを親に報告できる□お友達とおもちゃをめぐってケンカしたときなど、話し合いで解決することができる■チェック6 場をわきまえることができるか?「小学校受験では、お行儀はとても重要視されます。公共の場できちんとしたふるまいができることは大切です」(浅木先生)<チェック項目>□「待ちなさい」と言われたら待つことができる□公共の場を認識し、場をわきまえることができる□公共交通機関を日常的に使用している結果のほどは、いかがだっただろうか? ちなみに私の下の息子は小学校6年生だが、「チェック4 基本的な生活動作」がまだ危うい(涙)。このチェックは、子どもの基礎力を確認するためにも本当に有効だと思った。次回は、「国立大付属小学校を受験するなら知っておきたいこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月25日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいのは志望校をどこにするかということです」と言う。志望校が決まったら、いよいよ本格的な受験対策が始まる。小学校受験の「もっとも大切な対策」とは? ■「学校が求めている子」とは?「小学校受験とは、いわば学校とご家庭のお見合いのようなものです。学校が求めている子とは、端的に言えば『学校の教育方針と一致したご家庭のお子さま』です」(浅木さん)。小学校受験が親の受験といわれる所以(ゆえん)は、家庭の教育方針や雰囲気が、さまざまな考査や面接を通じて試され、合否が決定されるところにある。「ですから、志望校が決まり次第、志望校の教育理念と家庭の教育理念の一致点を明確にし、一致点を意識しながら、お子様の教育をしましょう」(浅木さん)。■家庭の教育方針を明確化させる 浅木さんが主宰する柊会では、毎月、保護者に願書・面接対策となる作文を提出してもらっているそう。入試直前ではなく、入試の数年前から家庭の教育方針を明確化することで、「こんな子どもに育ってほしいけれども、今、わが子はこういうことができていない」「わが家の教育方針では、○○を子どもにしてあげたいけれども、時間的にしてあげる余裕がない。その代わりに、△△をしてあげよう」など、さまざまな思いが出てくる。これがとても効果的な面接対策となるようだ。「志望校を決定し、家庭の教育方針を深く考える作業は、幼児教室に通うより早く始めても良いくらいで、早すぎるということはありません」(浅木さん) ■両親の教育方針のすり合わせも大切願書作成や面接対策のために考え抜いた教育方針で子どもに接することで、入試当日の子どもの言動と、面接での保護者の回答が一致する。家庭の教育方針を明確化する時には必ず、パパとママの意見のすり合わせも必須だ。両親の意見が異なると、子どもは混乱する。特別な時間をとらずとも、仕事の合間にメールでやりとりをするなどして、できるだけお互いの負担にならない工夫をしよう!次回は、「小学校受験をするならチェックしたい6つのこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月24日猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々