親子関係が子どもの学力に及ぼす影響は、私たちが想像しているよりもはるかに大きいらしい――。なんとなくそう感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。家庭内の雰囲気や親子の関係性は、子どもの人格形成だけではなく、学力への影響も少なくないのです。今回は、「親子の絆と学力の関係性」について考えていきます。親子のコミュニケーションと学力の深い関係最近は、親も子どもも仕事や家事、学校や習い事などで忙しく過ごし、また専用のスマートフォンやタブレットを持つようになったことからも、家族間のコミュニケーション不足が問題となっています。たとえば夫婦のやりとりも、LINEで「いまから帰る」「了解」のみ、またはスタンプひとつで完了、ということも少なくないのではないでしょうか。教育社会学者の舞田敏彦氏は、家族における「関係の貧困」こそが、子どもの学力低下につながっていると指摘します。たとえば、「算数の計算問題はできるのに文章題はできない」「(LINEでの細切れの単語の会話に慣れてしまって)長い文章の構築ができない」など、読解力の乏しさや文章力の未熟さが見られるなら、親子のコミュニケーションについて考え直す必要があるようです。国立青少年教育振興機構の調査結果をもとに、舞田氏が独自で割り出したデータによると、「家族とよく話をするグループほど、勉強が得意という子が多い」という結果に。家族と話をする頻度が最も高い群では、52.3%が「勉強が得意」と答えた一方で、会話頻度が最低の群では28.4%と約半数でした。特にほかの教科に比べて、「国語が得意」と答えた比率は、家族関係が良好なほど明らかに高くなったそうです。同様の結果が導き出された調査はほかにも。ベネッセ教育総合研究所のアンケート調査によると、学力の上位層ほど保護者との会話が多く、「1日の出来事を話す」「学校での勉強について話をする」ことがわかりました。逆に、学力の下位層ほど「宿題をやるように(親から)注意される」と答える比率が高くなり、親子の会話というよりも、親から一方的に注意されたり叱られたりする傾向が強まるようです。これらの結果からも、子どもが落ち着いて勉強に取り組める環境は、良好な親子関係のもとでつくられるということがわかるでしょう。家族関係の問題が子どもに及ぼす影響家族といえどもそれぞれ別の人間なので、当然ぶつかり合うことやわかり合えないこともあります。すぐに関係を修復できずに殺伐とした雰囲気が続き、家庭内が不穏な空気に包まれてしまうことで、子どもにはどのような影響を与えてしまうのでしょうか。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所で知的・発達障害研究部部長を務める岡田俊氏は、「普段から夫婦間で本音を出していないと、(子どもの進学など)大事な局面になるとお互いが譲れなくなり、対立してしまうことも。子どもの目の前で夫婦がぶつかり合うと、子どもにストレスを与えてしまう」と指摘します。日頃から夫婦間の意思疎通が不十分であることから、「ちょっとした夫婦げんかでも壊滅的な結果をもたらすかもしれない……」とお互いに思い込み、衝突を避けてやり過ごす夫婦は意外と多いものです。しかし、普段から本音を隠していることでお互いの気持ちがわからなくなり、きちんと向き合わなければならなくなった段階で夫婦のスタンスの相違が露呈してしまい、本当に取り返しのつかないことになるケースも。このような夫婦のほころびを目の当たりにすると、子どもは「自分のせいでお母さんとお父さんの仲が悪くなったのかも」と不安になり、当然勉強も手につかなくなるでしょう。ただし、共働きゆえに家族が一緒に過ごす時間が少ないのは、子どもの学力が低下する直接的な原因にはなりません。ペンシルバニア大学ウォートン・スクールの組織心理学者であるスチュワート D.フリードマン氏の研究では、「親が仕事や子育てに費やす時間の長さは、子どものメンタルヘルスに影響していない」ことや、「必ずしも長い時間を一緒に過ごす必要はなく、本当に大切なのは質の高い時間」であることがわかりました。具体的には、親が仕事に費やす時間が長くても短くても、何よりも家庭を第一に優先すべきだと考えている場合、子どもの感情面の健康状態はより良好であると判明し、また親が仕事に対してポジティブな気持ちで取り組んでいることも、子どもの心の成長にプラスにはたらくことがわかったのです。問題は、一緒に過ごす時間の長さではありません。イライラして感情的になって子どもに八つ当たりをしたり、子どもに過剰な期待をして無理難題を押しつけたりなどのマルトリートメント(不適切な養育)が問題なのです。子どもを対等な存在として尊重できているか、と改めて考えてみましょう。東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏は、「あまりにも強く叱りすぎるなど、不適切な言葉がけを繰り返すことは、子どもの脳に悪影響を与える」と述べています。さらに、小児神経科医の友田明美氏によると、「日常的に “不適切な養育” を受けてきた人の脳を調べると、傷がついて変形していることがわかった」そうです。夫婦のやりとりや子どもへの接し方は、家庭内の問題のためあまり表面化されません。しかし、確実に子どもの心や脳に影響を及ぼしているのです。親自身がストレスをためないことが第一家族間でのいざこざが子どものストレスにならないように、親はどのようなことに注意するべきなのでしょうか。前出の岡田氏は、「親自身がストレスをためないことが大事」だと言います。日々の生活に追われて自分を後回しにしたり、子どものことばかり考えてひとりで悩みを抱えたりすることで、いつの間にか精神的に不安定になっていませんか?「自分のため」に楽しんだり休んだりすることも、家庭内の安定のためには必要です。また、日頃から夫婦間で本音を出し合うように心がけましょう。正直な気持ちを伝えることに慣れてしまえば、何か問題が起こったときにも関係がこじれることなく改善に向かうはずです。家族のコミュニケーションがしっかりとれていて、家庭が安心できる場所だと感じている子どもは、落ち着いて勉強に取り組むことができます。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんによると、「親のほうから一方的に勉強や成績、進路などの話をするのではなく、子どもからも働きかけができる親子関係であることが、子どもの学力向上に有利に働く」のだそう。前出の舞田氏も、「親子のコミュニケーションが少ないと、子どもは自分の世界にこもってしまい、未知のものに触れて何かを読み解くことも減ってしまう」と指摘しています。読解力も文章力も、そして想像力も対人コミュニケーションから得られることが多いので、ぜひ家庭での会話量を増やしていきましょう。***日々のなにげない会話は、家庭の風通しをよくし、親子の絆を深めます。さらには、子どもの学習への意欲にもつながることがわかれば、親子のコミュニケーションがいかに大事なのか理解できるのではないでしょうか。(参考)日経DUAL|親子関係の貧困化は学力に関わる 朝食は簡素でOKベネッセ教育総合研究所|学力が高い子どもは、保護者との会話が多い傾向がある。日経DUAL|夫婦関係や親のメンタル不調が子どものストレス源にDIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|親のキャリアは子どもの成長にどんな影響を与えるかSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|脳が変形するって本当!?子どもの脳を傷つける“親のNG行為”PHPのびのび子育て 2019年10月号,PHP研究所.プレジデントオンライン|5歳児の脳を損傷させた「DV夫婦」ビジネスジャーナル|「子どもの学力は親の学歴&年収で決まる」の“まやかし”…非認知能力と学力に相関関係
2020年08月22日はじめまして。RISU Japanの今木智隆です。このたび、STUDY HACKERこどもまなび☆ラボにて、連載『学びノべーション』を始めることになりました。この連載を通して、「いま本当に必要な教育」をお伝えしていきます。成績を超えた人材育成へ――エリートコースはもう古いまずは自己紹介をさせてください。私は、タブレット型学習サービスを提供するRISU Japan株式会社(以下、RISU)を運営しています。タブレット型学習サービス以外にも対面塾であるRISU塾を運営しており、対面・オンラインの枠にとらわれない、広い意味での「理数系教育」を扱っています。このように書くと、「算数や数学の成績が優秀な子どもを育てること」が目的の会社だと思われがちです。もちろん、学校の成績がよいことは算数の理解が深まっている証ではありますが、私の理念は少し違います。私が目指すのは、「成績より先の人材育成」です。現代では、勉強していい学校に入り、いい会社に入り、いい年収を稼ぐことがかつてほど魅力ではなくなっています。生活必需品の値段が劇的に下がり、欲しいものがそれほど苦労せずに手に入るようになったからです。また、人生における選択肢の幅も広がったため、かつてはたくさんの人が憧れていた「エリートコース」の魅力が相対的に低下してしまったのでしょう。「ただ試験のためだけに算数を勉強する」ということは、もはや現代社会においてあまり意味がなくなっているのです。だからこそ、子どもたちには、目先の問題が解けるだけでなく、問題を解くことを通して、「学ぶことそのものの楽しさ」を知ってほしい。私はそう願っています。「才能あふれる社会」を創り出す教育RISUのスローガンは「才能あふれる社会を創り出す」ですが、このスローガンには私の願いが込められています。それぞれの子どもが学ぶ楽しさを知り、自分を高めていくことで、その子にしかない才能が開花するのです。「才能あふれる社会」についてもう少しだけお話しさせてください。そのビジョンが、この連載ではとても重要になるからです。ここで、少し視野を広げて、「教育」の歴史を考えてみましょう。近代教育が誕生したのは200年前、産業革命と同じ時期です。そこで目指された教育は、工場で大量に均質な商品がつくられるように、学校という工場で大量の生徒をつくり続けるものでした。それは、現在も続く「教室での集団授業」という学びの形に強く現れていますよね。恐ろしいのは、この200年前のモデルがいまもって教育のスタンダードであり続けているということ。これは昨今、教育界を騒がせている新型コロナウイルスによる感染拡大に対する学校の対応からもおわかりいただけるでしょう。今回、日本で初めてオンライン教育の本格的な導入が模索されましたが、その議論がなかなか進まないのは、この集団授業のモデルが現場に強く作用しているからです。考えてみてください。集団授業のモデルは現代において、いまなお有効な方法でしょうか?言うまでもなく、産業革命の時代と現代では、社会の構造も、それを支える産業の構造も大きく変化しました。それにともなって、大人のライフスタイルも、子どものライフスタイルも大きな変化を遂げています。なかでもインターネットの普及による情報化社会の進展は、教育を考えるうえで外せないテーマです。そもそも、オンライン教育の議論も情報社会でなければできないわけですから――。このように変化している現代社会において、200年前の教育を子どもたちに提供し続けることは、正しいとは言えないはずです。多様化した社会に必要なのは、「その子だけの才能」なのだから。子どもひとりひとりの才能をもっと伸ばしてあげられるような教育が必要になってきているのです。「無学年制」という新しい学習のカタチそんな現代社会を生きる子どもたちにマッチした教育法・教材はないものか。そのようにしてつくったのが、RISUタブレットです。2015年にスタートした「RISU算数」は、個別フォロー・無学年制によるタブレット学習サービスです。生徒の学習状況が逐一記録され、それに基づいて子どもへの学習アドバイスがメールで送られます。タブレット学習の利点を活かし、集団学習では不十分な生徒への個別フォローを行なっているわけですね。また、学年の枠を飛び越えてどんどん進む子もいますから、無学年制を採用しました。これによって、意欲ある子どもの先取り学習が可能になっているわけです。子どもひとりひとりに合った学びをそれぞれのペースに合わせて提供しているため、効率的な成績アップだけでなく、学ぶ楽しさまで感じられるのです。つまりRISUの教材は、集団授業を軸とした近代教育に対するアンチテーゼなのです。集団で画一的な教育を行なうのではなく、それぞれの子どもがそれぞれのペースで、それぞれに必要な学力を身につけ、よりよい未来をつかむ。それこそが、RISU Japanが描く「才能あふれる社会」です。私は、子どもたちが自分自身の本来の才能に気づき、それを伸ばしていける教育についてずっと模索してきました。逆に言えば、私の目からは、いまの教育はそうした、子どもの未来にとって重要なことが置き去りになっているように見えるのです。学ぶことの楽しさに気づき、自分自身の才能を伸ばしていける子どもを育てる教育はいま、どこにあるのか。この連載では、そうした問題意識をみなさんと共有していければいいと思っています。「子どもの才能を伸ばす教育」を探しに行こう「算数に特化した無学年制のタブレット教材」という、これまでになかったサービスを提供するなかで、蓄積したデータから、これからの「学び」にイノベーションを起こせるような学習法や教育法にあらためて気がつきました。そして去年、それらのデータや学習法についてをまとめた書籍『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方(文響社)』を出版しました。人生で初めて執筆した本で、構想から出版に至るまで約2年……。執筆が終わったときには「もう本は書かないぞ!」と強く思いました(笑)。書籍では、RISUタブレットから得られた10億件を超えるデータや、海外の研究機関や文部科学省が出している統計をもとに、「算数や勉強について私たちが知らない残念な真実」などについて詳細に説明しています。たとえば、以下のような残念な真実です。9割の子どもが間違える問題はたった「3つ」に分類できる算数でつまずく子どもが、必ずといっていいほど間違えてしまう問題があります。「位」「単位」「図形」です。これらの問題は、恐ろしいことに、ただ「この問題ができない」だけでなく、「その単元そのものを理解できない」につながってしまいます。今後の算数の理解度や成績をも左右する間違いは、早めにクリアしておきたいものです。 宿題をさせると、子どもの学力は下がる!?じつは、いくつかの統計によって「宿題をしても学力は上がらない」という結果が出ています。それどころか、「宿題は学力にマイナスの影響を及ぼす」という衝撃のデータもあるのです。だから、「宿題やりなさーい!」と親が叫ぶ必要はありません。(※子どもが勉強嫌いにならない「宿題のやらせ方」も紹介していますのでご安心を) 本連載では、上記のような「RISU算数」から得られた知見はもちろんのこと、私が世界から集めた多くの事例をできるだけわかりやすく、かつ実用的にお伝えできればと思っています。さあ、真に子どもたちの豊かな才能を伸ばす教育を探す旅に出かけましょう。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2020年08月20日Instagramでフォロワー3千人超えの人気漫画家、田辺ヒカリ(@tanabehikari)さん。今回は、娘さんが頭をぶつけてしまったとき、無垢な言葉に心を打たれたお話です。 なんでも親の言葉を信じすぎる2歳児 子どもって、本当に純粋で、まっすぐに親を信じてるんですね。 ま、ま、眩しすぎるー!!! ちゃんと痛いの、飛んでいきましたね!ママの言葉を信じて、痛いのが飛んでっちゃうかわいらしすぎる娘ちゃん。ずっとずっとこの無垢で純粋な心のままであれ……!!!と願わずにはいられません。 監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター 田辺ヒカリ夫と娘のまめこ、5匹の猫ズと暮らす漫画家。 主にグルメ漫画やエッセイ漫画を描いてます
2020年08月19日大切なわが子のために、できることはすべてしてあげたいーー。そう考えるのは親として当然です。しかし、勉強面や生活面で干渉しすぎてしまうと、子どもの将来に悪影響を及ぼしてしまう恐れも。今回は、「ハイパーペアレンティング」と呼ばれる “過干渉の子育て” をする親たちについて解説していきます。急増中の「ハイパーペアレンティング」な親とは?「ハイパーペアレンティング」という言葉を初めて目にする人も多いのではないでしょうか?簡単に説明すると、「過干渉の子育て」や「子どもをコントロールしようとする親たち」の総称として使われることが多いようです。いわゆる『教育虐待』もハイパーペアレンティングに含まれると言っていいでしょう。近年増加傾向にある「ハイパーペアレンティング」な保護者たち。その原因として、昨今の不安定で混沌とした社会情勢や、SNSなどの過剰な情報によって保護者のあいだで不安が増大していることが挙げられます。東京未来大学こども心理学部准教授で育児工学者の小谷博子先生は、「決して安定した社会が望めないこれからの時代を生き抜くために、さまざまなものを身につけさせてやりたいと早期教育に走る親たちが増えてきている」と指摘します。また、明治大学文学部教授で心理学者の諸富祥彦先生も、「現在の情報化社会のなかで、親は他人の子育てや家庭教育と自分を比べて不安になり、自己否定することが増えている」と述べており、他者との比較によって不安が増大していることを危惧しています。「ハイパーペアレンティング」は、一見すると “教育熱心な親” として悪くないイメージをもたれがちですが、実際には子どもに大きな負担をかけているケースが少なくありません。さらには親自身も大きなプレッシャーを感じており、親子ともに高すぎる理想に押しつぶされてしまうことも……。子どもを疲弊させる「ハイパーペアレンティング」の例「ハイパーペアレンティング」の具体的な例をいくつか挙げていきましょう。■たくさんの習い事をさせるハイパーペアレンティングの典型と言えるのが「習い事をたくさんさせる親」です。いい学校に進学をしていい会社に就職し、よりよい人生を歩ませるために親は最善を尽くそうとしますが、その手段としてやみくもに複数の習い事をさせることは、間違いなくハイパーペアレンティングです。ひとつひとつの習い事は子どもにとって有効であっても、欲張ってすべてをやらせようとすると、子どもは心身ともに疲弊してしまいます。■予定を詰め込んで “退屈” させない習い事をたくさんさせることと同様に、学校以外の予定を親が勝手に決めてスケジュールを詰め込むのも、ハイパーペアレンティングの一例です。子どもには、ぼーっとする “退屈な時間” が必要。国立大学付属小学校の松尾英明教諭は、「成績だけでなく、人格的な面も含めて “すばらしい” と賞される子は、家でダラダラしていることが多い」と指摘しています。脳を効率的に働かせるためにも、ぼーっと過ごす時間は必要不可欠なのです。■子どもの友人関係に口を出す子どもの交友関係を黙って見守ることができず、つい「あの子とはあまり遊ばないほうがいいんじゃない?」などと口を出してしまうのもハイパーペアレンティングと言えるでしょう。さまざまなタイプの人間と関わって、豊かで深い人間関係を築くことよりも、「わが子にいい影響を与えてくれる子」や「付き合うとメリットがある子」を選ぶことを優先するのは、子どもにとって決してよいことではありません。■子どもの失敗を先回りして阻止するハイパーペアレンティングは、言い換えれば「親の過干渉」です。子どもが何か新しいことを始めようとすると、すかさず情報を集めて「でもこれってこういうところが危ないみたいよ」「やってもあまり意味ないんじゃない?」とやる気を削いだり、実際に手を伸ばして転ぶ前に抱き上げたりするのは、過干渉にほかなりません。失敗を経験しないまま大人になると、わが子はどうなってしまうと思いますか?「ハイパーペアレンティング」は、決して子どもを苦しめたり困らせたりしようとしているわけではありません。根底にあるのは「わが子によりよい人生を歩ませたい」「将来苦労させたくない」という親の強い愛情。親であるならば当然そのように考えますよね。しかし、教育評論家の石田勝紀さんは「親の『子どもにこうなってもらいたい』は押しつけである」と断言しています。親と子では、得意なことも苦手なことも、そして価値観も異なります。だからこそ、親は子どもと自分を同一視するのではなく、子ども自身ときちんと向き合い、子どもが大切にしてる価値観を大事にしてあげるべきなのです。ハイパーペアレンティングにならないためにここまで読んで、「もしかしてうちも『ハイパーペアレンティング』予備軍!?」と心配になった親御さんもいるのではないでしょうか。ハイパーペアレンティングにならないために心がけるべきことをまとめたので、ぜひ参考にしてください。濁協医科大学の永井伸一名誉教授は、「頭のよい子ども、自主的に勉強できる子どもに育つかどうかは、中学生までに親がどう関わったか、それによってどのような脳がつくられたかで決まる」と述べています。大事なのは、「遊び」のなかで学習する習慣をつけること。楽しいと感じれば、脳は活性化し、グングン新しいことを学べるのです。逆に面白がれなかったら、何を見ても聞いても知識は深く根付きません。だから、小さい時から塾に入れてしごいたとしても残念ながら本当に頭のいい子は育たないんです。(引用元:現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!)「塾にさえ入れれば勉強ができるようになる」「たくさんの習い事をさせているから大丈夫」と、根拠のない安心感を得るのは危険です。子ども自身が何を学びたいか、何に興味があるのかを見極めて、環境を整えてあげましょう。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは、「親であるならば『こんな人間に育ってほしい』『子どものときに自分が苦手だったことを得意になってほしい』と願うのは当たり前」としたうえで、親としての究極の願いは「子どもに幸せになってほしい」ということが大前提であると説きます。はたして、親であるみなさんが考える「理想の子ども」は、目の前の我が子とはまったく別の人間になっていないでしょうか。自分が思う理想の子ども像に我が子を当てはめようとして、子どもが「自分らしく自分の強みを生かす」ことを邪魔していないでしょうか。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?)そして最後に、何よりも大事なのは「親自身が自分の人生を楽しむべき」だということ。諸富先生は、親自身が幸せになることで、子どもは「人生は楽しいんだ!」ということを親の生き方を通じて知るといいます。完璧な子育てをする完璧な親になどなる必要はありませんし、なれるはずもありません。そんなことを考えるより、もっと自分の願望に素直に従って、親自身が幸せになり、子どもに「僕も幸せになっていいんだ」「わたしも幸せになっていいんだ」と思わせてあげる。それが子育てにおいてもっとも大切なことです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう)また、前出の石田さんも、親が子どもの「ネガティブな部分」にばかり意識が向いてしまうのは、「親自身が自分の人生を楽しむことに意識がフォーカスできていないことが背景にある」と述べています。子どもの成績や生活態度ばかりに目が向いて、小言が多くなったり過度に干渉したりするのは、親が自分の人生に不満を抱えているケースが多いのです。まずは親自身が自分の人生を楽しむことができれば、心に余裕が生まれます。そうすれば、ありのままのわが子を愛することができるようになるのではないでしょうか。***『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者であるジョン・メディナ氏は、「ハイパー・ペアレンティングは、子どもの知能の発達を妨げる恐れがある」と警鐘を鳴らしています。子どもが子どもらしく、健やかに成長するためにも、過干渉にならないように気をつけたいですね。(参考)PHPのびのび子育て 2020年8月特別増刊号,PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しようCHILD RESEARCH NET|スケジュールをつめ込まれた子供:ハイパー・ペアレンティングは避けるべきプレジデントオンライン|なぜ頭のいい子は家でダラダラユルユルか東洋経済オンライン|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?ダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケ
2020年08月17日子どもの教育について考え、仕事、家事をこなしていると、あっという間に時間は過ぎ、「1日が24時間では足りない!」とイライラしてしまうこと、ありますよね。でも残念なことに、親のイライラは子どもに伝わってしまうのです。そんなイライラし続ける毎日を改善し、ちょっとしたマインドチェンジで人生が変えられるとしたら……?今回は、親も子どももハッピーになれる秘策「ピック・スリー」をご紹介します。親のストレスが子どもに与える悪影響大なり小なり、日常生活にストレスはつきもの。親も人間です。イライラして、つい家族にきつく当たってしまうこともありますよね。しかし、“たまに” ならまだしも、それが “いつも” になってしまうようであれば要注意。親のストレスが子どもに与える悪影響は、決して小さくありません。悪影響1:「学力」「コミュニケーション力」が低下する子どもの安全とリスク・コミュニケーション研究班委嘱研究員で立教大学現代心理学部特任教授の尾久裕紀氏によると、母親のメンタルヘルス(心身の健康と安定)の影響は、子どもが胎児のときからあり、親の心の不安定は、子どもに不安や緊張感を与えることがわかっています。特に、母親との情緒的な絆が形成される乳児期は気をつけなければいけません。笑ったり、声をかけ合ったり、お互いが呼応し合う穏やかで幸せな相互作用が、信頼と愛情の形成に大きな役割を果たすのです。そのような重要な時期に、親がストレスなどから心の健康を損ねてしまうと、子どもは不安や緊張感から学力が低下したり、人間関係が悪化したりしてしまいます。悪影響2:「自己肯定感」が低くなる日本メンタルアップ支援機構 代表理事である大野萌子氏は、「子どもを注意するときの言葉や態度に気をつけてほしい」と言っています。たとえば、子ども部屋が散らかっている状況で、イライラしていて「片づけなさいって言ってるでしょ!」と冷たく言い放つときもあれば、機嫌がいいので放置していることもあるときもある――これでは、親の行動に統一性がありません。このような言動は、しつけではなく、子どもをストレスのはけ口にしているだけです。親の感情で叱られてしまうと、子どもは「親の機嫌が悪いのは自分のせいだ」と思い込んでしまい、親の顔色ばかりうかがう子どもになってしまいます。つまり、自己肯定感が低くなってしまうのです。親は、そのことを自覚したうえで、自分の感情を子どもに素直に伝える努力をしましょう。「いま、お母さんは疲れているから答えてあげられないけど……」など、「イライラしているのは、あなたのせいではない」ということを伝えるのが重要なのです。親のストレスが子どもに与える悪影響は、人間形成に大きく関わるものばかり。侮れませんね。なぜストレスがたまるのか?3つの原因共働き家庭では、仕事、子育て、家事に毎日追われ、専業主婦(主夫)であれば、「家事も育児もできるだけ完璧にこなさなきゃ」と、こちらも毎日休みなしでフル回転。それぞれの環境ごとに、日々頑張っている方が多いと思います。しかし、その完璧さがストレスの温床となり、子どものためにならないとしたら!?フロリダ大学やマイアミ大学の研究では、「完璧主義はメリットよりもデメリットのほうが大きい」ことがわかっています。ストレスをためないために、まずはストレスの原因を確認しておくといいようです。ストレスの原因1:理想が高すぎるいまは、さまざまな媒体から子育てや教育に関する情報がいくらでも得られるだけに、理想が高くなりがちです。向上心はすばらしいことですが、得た情報すべてを完璧にこなそうとするのはストレスのもと。「理想を目指す」のではなく、「参考にする」程度に肩の力を抜いて、毎日を過ごしましょう。ストレスの原因2:人と比べすぎるSNSの普及で、いろいろな人たちの生活を垣間見る機会が増えました。育児や教育に関する情報もあり余るほど手に入ります。「あの人に比べて……」「あの子はできるのにうちの子は……」と、ほかと比べてばかりでは、卑屈なストレスを抱えることに。特に子どもの性格や得意分野は十人十色。子どもを型にはめないためにも、過度な比較と情報過多には気をつけましょう。ストレスの原因3:ひとりで頑張りすぎる仕事も教育も頑張る親御さんたちが陥りがちなのが、すべてをひとりで背負い込むこと。頑張れば頑張るほど、「私はこんなにやっているのに」「なぜ協力してくれないの?」と、パートナーへの不満がたまりがちに。その鬱憤は家族に向かいかねません。自分も家族もハッピーになるために、家事分担を話し合ったり、有料サービスを利用したりするなど、うまく甘えられるようになるといいですね。完璧主義がストレスを生むのであれば、「完璧でなくてもいい」ーーそう思えるようになりたいものです。毎日3つ選ぶだけの幸福術「ピック・スリー」では、完璧主義から脱却するにはどうしたらいいのでしょう?そこで、人生が変わる幸福術「ピック・スリー」をご紹介しましょう。Facebookの創業メンバーであり、起業家、ミュージカルプロデューサー、作家など多くの肩書をもつランディ・ザッカーバーグ氏は3児の母でもあります。そんな “超” 忙しい彼女だからこそのアイデア「ピック・スリー」は、「すべてをやろうとするからうまくいかない」と悟ったのがきっかけで生まれました。「ピック・スリー」は、ストレスを減らし、心身ともに充実感を得るための方法なのです。【ピック・スリーのルール】「自分の人生にとって欠かせない大切なカテゴリーを5つ挙げる。毎日そのなかから3つを選び、実践する」1日に5つ選ぶことはできません。必ず3つだけです。選ばなかった2つについては、別の日に選ぶチャンスはあるので、いっさい罪悪感はもたないこと。これが長く続けるための秘訣です。また、3つは毎日気分を変えて自由に選びましょう。WeekdayとWeekendで自分なりのスタイルを決めてもいいですし、季節によって決めてもOK。とにかく「選んだ3つをやる」それだけです。具体例をザッカーバーグ氏の場合でご紹介しましょう。彼女のカテゴリー:「仕事」「睡眠」「家族」「運動」「友人」【9月5日 火曜日】「仕事」「友人」「家族」をピック!朝イチでテレビのモーニングショーに出演。テーマは、新学期におすすめの新しいアプリやガジェットについて。テレビに出られるのはうれしいけど、そのためには明け方起床がマストなので、「睡眠」はどうしても選べない。親友のエリカがスタジオに来てくれて、出番が終わったあと、コーヒーを飲みながら雑談。(ここで「友人」の時間)。それから出社し、山積みの仕事を片づける(ここで2度目の「仕事」)。息子たちが寝る前になんとか帰宅。この秋、小学生になる6歳の息子の準備を手伝い、仕事から帰ってきた夫と、今日あったことを語り合う。→結果:ピック・スリーは「仕事」に偏りすぎ!(引用元:東洋経済オンライン|世界でバズった「毎日3つ選ぶだけ」幸福術 アンバランスになれば仕事もオフも楽になる)こんなふうに “ピック・スリー日記” をつけ、1週間後にカテゴリーを集計してみます。この週のザッカーバーグ氏の結果は、仕事5回、睡眠3回、家族7回、運動3回、友人3回。ここからどんな1週間だったかを振り返り、「睡眠が足りなかったから来週は気をつけよう」など、改善点を挙げていきます。しかし、「〇〇ができなかった……」と自分を責める必要はありません。「家族とたくさん過ごせてよかった」という幸福感や、「今週も自分なりに頑張った!」という充実感を実感することが目的なのですから。3つだけならできそうな気がしますし、目視できるのでカテゴリーのバランスもとりやすくなり、そのときどきで行動の優先順位も決めやすくなります。ザッカーバーグ氏が「ピック・スリーは、完全に私の人生を変えた」とまで言うすばらしい幸福術は、日々のストレスを確実に減らしてくれることでしょう。***「できないこと」を受け入れると、「できること」が増える。最初から「やること」を減らしてしまえば、自分の時間と心の余裕が生まれ、ストレスフリーに。ストレスが少ない親は、子どもを励ましたり、ほめたりする行動が多くなると調査で実証されています。親も子どもも、のびのびハッピーになれる「ピック・スリー」は、まさに家族の幸福術ですね。(参考)東洋経済オンライン|世界でバズった「毎日3つ選ぶだけ」幸福術 アンバランスになれば仕事もオフも楽になる東洋経済オンライン|「子どもに当たり散らす親」がいずれ陥る悲劇 「しつけ」という言葉ですべてを片付けるなTOWN WORKマガジン|完璧主義者の特徴・原因と治し方 頑張りすぎて疲れてしまう人ベネッセ教育情報サイト|あなたは大丈夫?育児ストレスをためやすい人に4つの特徴関西大学|第203回産業セミナー親と子のメンタルヘルスHarvard Business Review|The Pros and Cons of Perfectionism, According to ResearchAmerican Psychological Association|Is perfect good? A meta-analysis of perfectionism in the workplace
2020年08月14日なにかに失敗して、落ち込んでいる子どもの姿を見るのはつらいものです。「こんな思いをさせるくらいなら、失敗しないように導いてあげなければ」と考える親御さんの気持ちもよくわかります。一方で、「これからの人生において、つらいことや苦しいことはたくさんある。いまのうちに失敗を経験させるべき?」と悩むこともあるでしょう。今回は、「失敗したことがない子」にはどのような将来が待っているのか、また失敗することの大切さについて解説していきます。子どもは「失敗する機会」を奪われている!?現代では、「ちょっと壁にぶつかるとすぐに諦める」「打たれ弱い」「失敗を恐れて新しいことに挑戦しない」若者が多い傾向が見られるといいます。その原因として最も大きいのは「幼い頃からの環境」であり、日本の学校特有の教育方針にも問題があるようです。「日本の教育は、子どもたちから失敗の機会を奪っている」と指摘するのは、花まる学習会グループ「西郡学習道場」代表の西郡文啓先生。日本の教育では、失敗を避けて効率的に生きることを子どもたちに教える傾向が強く、社会に出てからもそれを求められるため、子どもたちは自然と「失敗したらいけないんだ」と思い込んでしまうのです。西郡先生は「日本の教育は、自分のやり方ではなく『正しいとされている』やり方を教えられる」と言い、「学校では、成功の方法は教えてもらえるが、失敗したあとの方法は教えてもらえない」と苦言を呈しています。そして、「失敗を奪っているのは教育現場だけではなく、親も知らず知らずのうちに子どもを失敗から遠ざけようとしている」とも話します。子どもから「失敗する機会」を奪い、それが正しいと信じているのが、「ヘリコプターペアレント」と呼ばれる親たちです。ヘリコプターペアレント過保護かつ過干渉な親の総称。わが子が失敗しないように見張り続け、困難に遭遇しようものならすぐさま飛んでいって助ける親を指す。すべての失敗や困難から子どもを遠ざけて、傷つかないように守るヘリコプターペアレント。その過剰な愛情は、子どもの内面的な成長や将来の成功の機会を奪います。「子どものために」失敗から遠ざけた結果、子ども自身の自立を阻んでしまっているのです。失敗しなかった子は「他人の判断に依存する」失敗を避け続けて成長した先に、いったい何が待ち受けているのでしょうか。『メンタルが強い子どもに育てる13の習慣』(講談社+α新書)の著者で、サイコセラピストのエイミー・モーリン氏は、「些細なことまですべて親が決めてしまう “ヘリコプターペアレント” に育てられた子どもは、基本的な意思決定能力すら備わらずに大人になってしまう」と述べています。ヘリコプターペアレントの子どもは、ほかの子どもたちに比べて圧倒的に「決断する機会」が減ります。そのため、ちょっとしたことでも自分では決められず、「ママ、どうしたらいい?」「パパはどう思う?」と、親や他人の判断に強く依存するようになるのです。また、幼少期に失敗を重ねなかったことから、「完璧な自分」しか認められない、自分を好きになれないなどのネガティブな価値観形成が見られるケースも多いそう。実際に、親がヘリコプターペアレントである人はうつ病になりやすく、人生への満足度も低い傾向が見られます。子育ち研究家の長岡真意子さんは、「失敗を恐れる完璧主義の人は、周囲に対しても完璧さを求める傾向が強くなり、相手に対して否定的・批判的になってしまう」と述べています。ゆえに人間関係がうまく築けずに、孤立してしまうのです。さらには、失敗したくないがために挑戦することを避け、自分が確実にできることにしか手を出さなくなることも。これではせっかく成長の機会が訪れても無駄になってしまいます。失敗をしたことがない子や失敗を恐れる子は、一見「おとなしい優等生」のように見えますが、自らの成長の機会を避け続けているため、どんどん周囲との差が開いてしまうのです。失敗は脳にとって最高のエクササイズ!前出の西郡先生は、「これからの時代を生き抜くための力を育てるには、『失敗』が不可欠」と断言しています。そして、「失敗をしたうえでの成功体験をもっている子どもは、わからないことそのものを楽しく感じる。その差が、将来の学力の差になる」とも述べています。できなかったことができたとき、前に失敗したことを克服できたとき、子どもは大きな快感を味わいます。その快感が、学習意欲や、もっと学びたいという向上心にもつながっていくのです。「失敗は脳にとって最高のエクササイズ」と話すのは、性別や年齢別の脳の違いを分析し、独自のマーケティング論を展開している(株)感性リサーチ代表取締役の黒川伊保子さん。黒川さんによると、失敗は脳の “直感力” を高めるそうです。「勘が働き、パッとひらめく脳」は、失敗がつくるものと言っても過言ではありません。また、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)の著者で、進学塾VAMOSの代表である富永雄輔先生は、「親はつい成功体験を重視しがちだが、成功体験と同様に失敗体験も子どもの挑戦力を育てるためには欠かせない」と述べています。富永先生いわく「理想は、成功が51・失敗が49」。49の失敗体験があってこそ、51の成功がより生きるのだと考えましょう。私たち親は、つい「失敗しないように手助けしなきゃ」と考えてしまいますが、「その失敗が子どもの挑戦力につながる」と意識を変えなければならないのかもしれませんね。「あなたなら失敗しても大丈夫!」と励ましてわざと子どもが失敗するように仕向ける親はいませんが、「失敗しそうだな」と察知して事前に止めることを我慢するだけで、子どもにとっては成長のチャンスになることも。前出のエイミー・モーリン氏は、「手を出すことをやめ、『あなたなら失敗に耐えられる』と子どもを励ますことに心を注ぎましょう」とアドバイスしています。大事なのは、子ども自身が「自分で決められる」「失敗しても立ち直れる」という自信を身につけることです。自分で麦茶を入れようとしてこぼしてしまった、ふざけて走っていたら転んでしまった……。そんな子どもの様子を目にすると、とっさに「なにやってるの!」「まったくもう!」「危ないって言ったでしょ!」と強い言葉が出てきがちです。しかし、このような場合に必要以上に叱ってしまうと、子どもは「失敗は恥」だと感じてしまいます。子どもが失敗を恐れなくなるためにも、「次はどうしたらいいかな?」「今度はうまくいくように自分で考えてごらん」と、次のチャレンジにつなげられるような声かけを心がけましょう。また、失敗して落ち込んでいるようなら、親御さん自身の失敗談を話してあげるのも効果的です。失敗からどう立ち直ったのか、失敗しても結果的にはいい方向に物事が進んだ、など子どもの気持ちが前向きになるエピソードを話してあげるといいでしょう。大事なのは成功したかどうかではありません。一生懸命取り組むことや、楽しみながらやり遂げることのすばらしさを、自分の体験を通して学ぶことが、子どもの自信につながるのです。***親御さん自身も、「あのときの失敗があったからこそ、結果的に成功することができた」といった経験はありませんか?失敗を恐れずに、積極的にチャレンジする力を育むことは、お子さんの将来に必ずプラスになるでしょう。(参考)ウーマンエキサイト|なぜ親は子どもが失敗することを恐れるのか?【「ちゃんと失敗する子」の育て方 Vol.2】STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|過保護に育った子どもの恐ろしい将来。我が子の成長を奪う「ヘリコプターペアレント」現代ビジネス|メンタルが強い子の親が、子育て中絶対に「しないこと」があった!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|失敗を恐れる「完璧主義」の子ども、なぜそうなった?4つの予防・改善方法All About|完璧主義の子供は成長に悪影響を及ぼす?子育てでの対処法PHPのびのび子育て 2020年8月特別増刊号, PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“49”の失敗体験が子どもの挑戦力につながる!過干渉にならない会話のコツ『これからの未来を生き抜くできる子の育て方』(2018年), 洋泉社MOOK.
2020年08月11日Instagramでフォロワー3千人超えの漫画家、田辺ヒカリ(@tanabehikari)さん。当時2歳半の娘さんと外出し、叱り続けてしまい自己嫌悪……。 ママが「ごめんね」と謝ったときの娘さんの反応が泣けます……! 「大丈夫だよ」 まめこ(2歳半)とお買い物に行くと、「ガチャガチャするぅ!」「もう帰るぅ!」とハチャメチャにゴネられ続け、さらに今は時節柄、手を舐めたり商品を触ろうとするのも叱ったり。 気が張るし、注意すること多いしで、実質ずーーーっと怒ってます。 買い物中は、血管がぶちギレんじゃないかくらい怒ってますが、毎回店を出たとたんに罪悪感と自己嫌悪……!! 先日も帰り道に「ごめんね、お母さんずっと怒ってたね」と謝ると、「うん。だいじょーぶだよ」とやさしい言葉が返ってきて、思わず涙が出てきました(情緒不安定かw)。 まだまだ赤ちゃんだと思ってたのに、やさしい言葉を返せるくらいに成長した喜びと、 怒ってばかりの罪悪感……。 子どもを叱ってしまうと、叱る親自身も罪悪感や自己嫌悪に陥ってしまいますよね。 この投稿には「わかりますー(涙)!」「“まだ小さいのにあんなに叱って”と言われ、叱るのを堪えれば“しつけもできない”と言われ……生きにくい」「今まさに同じ状況で泣きそうになりました」といった共感の声が多数寄せられていました。 監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター 田辺ヒカリ夫と娘のまめこ、5匹の猫ズと暮らす漫画家。 主にグルメ漫画やエッセイ漫画を描いてます
2020年08月09日長かった休校期間中、「早く学校が再開しないかな」と親が思う一方で、当の子どもは「学校に行くよりも家にいたほうがずっといい」とのびのび過ごしていた……。そんなご家庭も意外と多かったのではないでしょうか。今回は、長期の休み明けに子どもから「学校に行きたくない!」と言われたとき、親はどのように対応したらいいのかを考えていきます。長期休み明け「学校に行きたくない」78.7%数ヶ月にもわたる休校期間を経て、ようやく学校や幼稚園・保育園が全面的に再開しました。ほっとひと安心したのもつかの間、「やっとお友だちに会える!」「給食楽しみ!」と元気よく登校してくれると思っていたのに、子どもはなんだか浮かない顔……。今回の新型コロナウィルス対応のための休校に限らず、GWや夏休みといった通常の長期休み明けにも、「学校に行きたくない」と登校を渋る子どもたちはたくさんいます。朝日新聞デジタルの調査では、「夏休みが終わるとき、『学校に行くのがつらい』『行きたくない』と悩んだことはあるか?」との問いに、78.7%もの子どもが「ある」と答えています。学校や園に行きたくない理由は、子どもによってさまざまです。たとえば、幼稚園・保育園に通う幼い子の場合、「大好きなお母さんと離れたくない」といった理由が考えられるでしょう。公認心理師の佐藤めぐみさんによると、この「分離不安」は、子どもの発達段階において「あって当然」のことであり、時間が解決してくれるとのこと。「園に行きたくない!」ふたつの要因では、分離不安のほかに、どんな「幼稚園(保育園)に行きたくない!」理由があるのでしょう?要因1:もともとの子どもの気質佐藤さんは、「一番の要因として考えられるのは “もともとの気質”」と話します。気質とは「もって生まれたもの」なので、無理に変えようとしても変えられません。にぎやかな場所が好きな子もいれば、静かな場所を好む子もいます。初めての場所や人との出会いにワクワクする子もいれば、その逆もいるでしょう。周囲からの刺激に敏感な子ほど、不安を感じやすく、新しい環境に順応するのに時間がかかります。小さい子どもは、自分の気持ちを明確に言葉にすることができないので、モヤモヤした不安な気持ちを「行きたくない」という一言で表しているのです。要因2:家の居心地がよすぎる「家の居心地がよすぎることも、行き渋りの要因のひとつ」と佐藤さんは述べています。自宅の環境がいいのは、子どもにとってとてもいいことです。問題は、「なんでも親が世話をしてくれて、甘やかしてくれるから “居心地がいい”」ため、外に出たがらなくなってしまうケース。当然ですが、幼稚園や保育園では、自分だけを甘やかしてくれる人はいません。集団活動において、我慢しなければならないこともたくさんあるでしょう。すると子どもは、とことん甘やかしてもらえる家と、我慢ばかりでつらい時間を過ごす園を比べて、登園を嫌がるようになるのです。この場合は、家での過ごし方を見直す必要がありそうですね。小学生は学校生活での心配事やエネルギー不足が原因次に、小学生が「学校に行きたくない」理由について考えていきましょう。公立小学校の教諭を22年間にわたって務めた鈴木邦明先生は、登校渋りの原因として「学校生活での心配事」と「生活のリズムの乱れ」を挙げています。「学校生活における心配事」は、小さなトラブルがきっかけとなっていることが多いそう。友だち関係の悩みはもちろん、学習面での不安も、子どもにとっては大きな負担となっています。そして、連休中に不安が少しずつ大きくなり、「学校に行きたくない」気持ちが強くなってしまうのです。5月の連休明けに学校へ行きたくない子が増える理由として、「新学期の疲れがどっと出る時期だから」と話すのは、『不登校新聞』編集長の石井志昴さん。新しいクラス、新しい先生、新しい友だち……大人からすればたいしたことがない出来事でも、子どもにとっては世界がガラリと変わる大きな出来事です。この時期の登校しぶりは、新学期に無理をしながらでも一生懸命新しい環境に慣れようとした努力の表れでもあるのですね。帝京短期大学教授の宍戸洲美先生は、夏休み明けに学校に行きたがらない子が増える要因として、「エネルギー不足」を指摘しています。夏休みは、ホッとして生活リズムが変わったり、学習への規制が少なくなったりしますから、それを元に戻すにはとても大きなエネルギーが必要になります。夏休み明けに不登校になる子どもたちは、このエネルギーが十分にたまっていないとも言えるのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|夏休み明けに「不登校」が増えるのはなぜ?親が知っておくべき子どものSOSサインと対処法)いくら元気な子どもとはいえ、長い休みを経ていきなり通常カリキュラムの学校生活に戻るためには、大きなエネルギーを使います。できれば、夏休みが終わる数日前から徐々に生活のリズムを戻し、スムーズに登校できるように準備しておくといいでしょう。「学校に行きたくない!」そのとき親はどうすべき?最後に、わが子に「学校(園)に行きたくない」と言われたとき、親はどのような対応すべきか、いくつか紹介していきます。■幼稚園・保育園に通う子どもへの対応佐藤めぐみさんは、登園児に子どもが泣かないようにするには、「アタッチメント」の形成が必要不可欠だと述べています。アタッチメントとは、「子どもが特定の人に示す愛着感情」「特定の人との精神的な絆」を意味し、子育てのすべてを支える土台となります。子どもが甘えたがっていたら、その気持ちをしっかりと受け止める、抱っこしたり、手をつないだり、膝の上に乗せて絵本を読んであげたりと、普段から子どもの甘え行動にきちんと向き合ってあげましょう。アタッチメントによってエネルギーをチャージできた子どもは、幼稚園や保育園で不安を感じることなく過ごせるはずです。法政大学人文科学研究科の渡辺弥生先生は、「ぐずぐずする子は嫌い」などと、愛情のかけひきのようなことをするのは逆効果になると指摘します。子どもはお母さんに嫌われたくないので、一瞬従うかもしれません。しかし、これではかえって行き渋りが長引くことも。この場合、「今日は3時にお迎えに来るからね。家に帰ったらホットケーキを食べようね」などと声をかけるといいでしょう。大事なのは、必ず約束を守ること。子どもは「この先に楽しいことが待っている」と信じて頑張ることができます。■小学校に通う子どもへの対応小学生の場合、学年が上がるにつれて、友人関係のトラブルや学習面での不安も重なり、登校渋りの原因は複雑になっていきます。宍戸先生は、「重要なのは子どもが発する『不登校のサイン』を見逃さないこと」と述べています。子どもの日々の様子をよく観察していると、元気がなくなったり食欲がなかったり、おなかや頭が痛いと言ったり、何かしらの兆候が見られるはず。宍戸先生は「年齢が低ければ低いほど、脳の機能が未分化なので、心にかかったストレスが体の症状として現れやすい」と言います。また、口数が減ってしまうのも不安を抱えているサインです。子どもが漠然とした不安を抱えている場合には、それをどう表現してよいのかわからず口数が減ってしまうそう。このような様子が見られたら、無理して登校させるのではなく、まずはしっかりと話を聞いてあげましょう。前出の石井志昴さんは、次のように述べています。「学校に行きたくないのは、何かつらい思いを抱えているからで、それを受け入れて休ませるのは甘えではありません。親が子供の不安な気持ちを受け入れ、一緒に楽しく過ごすことで、子供も落ち着きを取り戻します。まずは、目の前の子供の状況を考えてあげることが大切です」(引用元:いこーよ|「登校しぶり」の原因&親の正しい対応は?SOSの気づき方も!)「病気でもないのに学校を休ませるなんて」「無理してでも行かせないと、不登校に発展してしまうのでは?」と不安を感じられる親御さんも多いかと思います。しかし、ここで無理をさせるより、「そうか、わかった」「今日はお休みしようか」と子どもの気持ちを受け入れてあげることを優先させましょう。逆に、無理に登校させようとすると、親に対する不信感が芽生えてしまうこともあるので注意が必要です。親としては心配ですが、あまり深刻に考えすぎないことで事態が好転することも。石井さんによると、「子どもが休みたいと言ったときは1日休ませてあげると、次の日から行けるようになることもある」そうです。なぜなら、「自分が苦しいときに『親が守ってくれる』『自分には安心できる場所がある』と実感することで、学校に行きやすくなる」から。子どもの「休みたい」という気持ちをしっかりと受け止め、「今日は充電日」として割りきって見守ってあげることで、子どもは安心感を得られるのです。「友だちってなんだろう?」答えられますか?もしお子さんが、お友だち関係で悩みを抱えていたら、親として何ができるでしょうか。その場しのぎの慰めや励ましは、はたして子どものためになるのでしょうか。いずれ子どもが成長したとき、自分自身で人間関係の問題を解決できるように、いまのうちから「本当の人付き合い」について親子で考えてみませんか?明治大学教授の齋藤孝先生による『友だちってなんだろう?ーひとりになる勇気、人とつながる力』(誠文堂新光社)には、子どもの「人付き合いの悩み」を解決するヒントがたくさん詰まっています。「みんな仲良く」という呪縛にとらわれて無理をしてしまう子、学校のなかにしか自分の居場所がないと思っている子、ひとりでいることが不安でたまらない子ーー。親には言えない悩みを抱えている子も、この本がきっと心の支えになり、人付き合いがぐんと楽になるでしょう。もちろん大人が読んでもOK。人間関係にお悩みの人はぜひお読みください。心がすっと軽くなるはずです。『友だちってなんだろう?ーひとりになる勇気、人とつながる力』齋藤孝 著/誠文堂新光社(2020)***小学校や幼稚園・保育園という場所は、私たちが思っている以上にエネルギッシュで活気に満ちています。どんなに元気な子どもでも、集団生活のなkで気を遣ったり我慢をしたりと、意外とストレスを感じているもの。「行きたくない」にはそれぞれ理由がありますが、大事なのは子どもの気持ちを受け止めて、しっかりと話を聞いてあげることです。(参考)朝日新聞デジタル|夏休み明け、学校に行きたい?STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!All About|学校行きたくない…子どもの5月病「登校しぶり」対策YAHOO!JAPAN ニュース|親も教師もカン違いしてます。休み始めが「限界」なんです【連休明け子どものSOS】STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|夏休み明けに「不登校」が増えるのはなぜ?親が知っておくべき子どものSOSサインと対処法ベネッセ教育情報サイト|久々の学校再開!でも子どもがなんだか元気がない……そんなとき、どんな声をかけてあげるべき?いこーよ|「登校しぶり」の原因&親の正しい対応は?SOSの気づき方も!日経DUAL|不登校・行き渋りには前兆が見逃しはこじれのもと齋藤孝(2020),『友だちってなんだろう?ーひとりになる勇気、人とつながる力』,誠文堂新光社.
2020年08月08日「教育虐待」という言葉を聞くことが増えました。「虐待」とありますが、子どもを叩いたり、蹴ったりするわけではありません。教育的な虐待です。今回は、「教育虐待とは?」「教育虐待に陥りやすい親」などについて考えていきましょう。「もしかして私、教育虐待をしているかも?」と、不安に感じている人に向けた “教育虐待チェックシート” もありますよ。教育虐待とは教育虐待とは、教育を理由に子どもに無理難題を押しつける心理的虐待のこと。教育虐待は、子どもに度を超えた勉強をさせる行為だけではありません。子どもが望んでいないのにもかかわらず、親が習い事を強要することなども教育虐待にあたります。教育虐待という言葉は、もともと、社会福祉法人カリヨン子どもセンター(さまざまな事情から家に帰ることができない少年少女を受け入れるシェルター)のスタッフ間で使われていた言葉で、「あの親は、教育という名のもとに虐待しているよね」といった文脈で使用されていました。「教育熱心な親の常識の範疇を超えた行為」が虐待にあたるということです。また、校則を全廃し、さまざまなメディアで話題となった、東京都世田谷区立桜丘中学校の前校長・西郷孝彦氏は、トークイベント「桜丘中学校ミライへのバトン~選びたくなる、公立学校とは?~」で、教育虐待について以下のように語っています。「教育虐待というのは、“見えない虐待” です。日本においては“教育熱心”という言葉で虐待の実態が見えなくなっているのです」(引用元:西郷孝彦・尾木直樹・吉原毅(2019),『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』, 小学館.)西郷氏は、明らかに行きすぎた教育であるのにもかかわらず、周囲からは「あの家庭は教育熱心だ」と称賛されるような日本の社会にも問題があると主張しています。教育虐待をする親が増え続けている『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』の著者である、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、「程度の違いこそあっても、以前より多くの親が教育虐待をしている」と話しています。“昔の教育熱心な親” には、「東大をはじめとした高偏差値の難関大学に入学させる」という明確なゴールがありました。しかし、いまは先が見えないと言われる時代。英語やプログラミング、コミュニケーション能力など、子どもに必要とされるスキルが多すぎて、「何が正しい教育なのか?」親自身もわからなくなってきているのです。そして、自らの不安を解消するために、子どもにあれこれとやらせてしまう――。では、どのような親の行動が教育虐待にあたるのでしょうか。教育虐待の例をいくつか挙げてみます。子どもをスケジュール漬けにしている子どもの勉強スケジュールを細かく管理する友だちと遊ぶことを許さない夜遅い時間まで勉強(習い事の練習)をさせる志望校や職業など、子どもの将来を勝手に決める成績が悪いなどの理由から子どもに暴力を振るう机や壁を叩く、怒鳴るなどの行為で子どもを威嚇する子どもの自尊心を傷つけるようなことを言う最後に挙げた、「子どもの自尊心を傷つけるようなことを言う」について、もう少し掘り下げてみましょう。教育虐待にあたるのは、以下のような言葉です。「なぜ15点も間違えたんだ!」「努力が足りないから100点をとれないんじゃないか?」「なぜこんな簡単な問題が解けないの!」「〇〇中学に合格しなければ、うちの子ではありません」「最低でも〇〇大学に行きなさい」「一番になれ!」「親の言うことが聞けないならば出ていけ!」文字にするだけでも胸が痛くなる言葉です。ですが、親は子どもが憎くて言っているわけではありません。最初は、「この子のために」「将来幸せになるために」という思いだったはずです。しかし、その「この子のために」という気持ちがエスカレートすることで、「あなたのために言っているのに……なぜ親の言うことが聞けないの!」という教育虐待になってしまうのです。教育虐待をされて育った子どもは……では、教育虐待を受けて育った子どもたちは、どのように成長していくのでしょう。前出の西郷氏は、「父親が勉強に口うるさいケースは、子どもの自己肯定感も成績も低下する傾向がある」と言っています。一緒に過ごす時間が多い母親ではなく、日常的な関わりが薄い父親からの教育虐待は、子どもの自尊心をガクッと低下させるのだそう。教育虐待は、子どもたちの心の成長に大きく関わっているのです。おおたとしまさ氏は、教育虐待を受けた子どもの傾向について以下を挙げています。自分自身で「やりたいこと」を見つけられない大人になって引きこもりになってしまった万引きなどの非行に走ってしまった過食や拒食などの摂食障害になってしまったぽっきりと心が折れて立ち上がれなくなった自分の子どもにも教育虐待をしてしまった「我が子の将来のために最高の教育を!」と頑張ってきたのに、頑張っているうちに子どもの顔が見えなくなり、結果的に教育虐待によって子どもを壊してしまう――とても残念なことです。教育虐待に陥りやすい親の「7つの特徴」どうやら、教育虐待をしてしまう親にはいくつかの特徴があるようです。『教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題』の著者である、青山学院大学教育人間科学部教授・古荘純一氏は、教育虐待に走りやすい親の特徴を7つ挙げています。特徴1:両親ともに高学歴で、社会的地位が高い「成績がよくて当然、できなければ問題児」という考えが強い。また、「もし我が子がいい大学に入れなかったら……」という不安があるため、子どもに高成績を望み続ける。特徴2:自分の学歴に劣等感をもっている親自身が「学歴のせいで苦労してきた」ので、子どもには同じような苦労をさせたくないと強く思っている。子どもに過度な期待をしがち。自身の満たされない思いを子どもに投影している。特徴3:キャリアを捨てて育児に専念しているやりがいのある仕事についていたが、さまざまな理由から仕事を辞めなければいけなくなってしまった親。いままで仕事にかけていたエネルギーが、子どもの教育に向かうことが多い。特徴4:子どもの成績などの責任をすべて押しつけられている「子どもの成績が悪いのは、いつも世話をしている母親が原因だ」などのプレッシャーがある家。親族や父親からの重圧が大きいので、仕方なく、我が子に教育虐待をしてしまう。特徴5:母親は教育熱心だが、父親は教育に無関心父親は教育について無関心だけど、その一方で母親は異常に教育熱心。しかし「なぜ勉強しなければいけないのか」という哲学がないことが多いため、視野が狭く、情報に踊らされてしまう。特徴6:パートナーの教育虐待行為に反論できないパートナーの教育が「明らかに教育虐待」だとわかっていても、直接反論することができない親。パートナーの考え方に洗脳されてしまっている場合もある。特徴7:親自身が「きょうだい間の成績の差」に劣等感をもっている「お兄ちゃんは算数が得意なのに」などと、きょうだいと比較されて育った親。劣等感をもったまま育っているので、つい子どもの教育に厳しくなってしまう。我が子を教育虐待してしまうのは、親自身のコンプレックスが原因です。たとえば、教育虐待をする「東大に落ちて早慶に進学した親」は、はたから見たら高学歴ですが、当人は「東大に落ちた」というコンプレックスをもち続けています。だから、子どもがどんなに頑張って勉強をしていたとしても、「お父さん(お母さん)は、もっと頑張っていた。だから、お前もいま以上に頑張れ!」などと子どもに発破をかけるのです。頑張っているのに「もっと頑張れ」と言われる――子どもにとって、教育虐待は終わりのない虐待と言えるでしょう。教育虐待をチェックする「4つの問い」「もしかしたら、私も教育虐待しているかも?」そう感じた方は、以下のチェック項目にYES・NOで答えてみてください。じっくり考えてから答えを出してくださいね。□子どもは自分とは別の人間だと思えていますか?(YES・NO)□子どもの人生は子どもが選択するものだと認められていますか?(YES・NO)□子どもの人生を自分の人生と重ね合わせていないですか?(YES・NO)□子どものこと以外の自分の人生を持っていますか?(YES・NO)おおたとしまさ氏は、上記の質問の答えについて以下のように分析しています。◆迷いながらも「自分は大丈夫だ」と思えた人→問題なし◆NOに当てはまることがあるかも……と感じた人→これから改善していけばOK◆一切の迷いなく「YES!」と答えた人→教育虐待をしているかもいっさいの迷いなく「YES!」と答えた人は、「自分の教育は絶対に正しいんだ!」と思い込んでいます。それゆえ、子どもの気持ちに目を向けることができなくなってしまうのです。おおたとしまさ氏は、「教育虐待をしている親の多くは無自覚」だと言っています。教育虐待をしていることに親自身が気づいていないというのが、教育虐待のやっかいなところなのです。教育虐待をしないために気をつけることでは、教育虐待をしないために、親はどうすればよいのでしょうか?教育虐待という言葉を世間一般に広めたとされる、元武蔵大学人文学部教授の武田信子氏によると、教育熱心な親は「子どもの幸せ」を望んでいるのに対し、教育虐待をする親は「親としての成功」を望んでいるのだそう。子どもは親の所有物ではありません。子どもの人権は尊重しなければならないのです。「子どものため」と言いながら、実際は「親としての成功のため」になっていないかどうか、日々、自分自身の言動を確認しましょう。専門家の意見を参考に「教育虐待をしないために親が気をつけること」をまとめました。親は子育て以外の趣味や仕事をもつ子どもをまわりと比較しない子どもをひとりの人間として扱う子どもの意志を尊重する子どもの成果と親の評価は別である結果ではなく「過程」をほめる子どもにぼーっとする時間を与えるおおたとしまさ氏は、正しい家庭教育なんてものはないのだから、親はもっと迷うべきだと言っています。答えが出なくても、迷い続けていいのです。教育について、ああでもないこうでもないと迷う親を見て、子どもはこう思うはずです。「お母さん、お父さんは私のことを考えてくれている、こんなに愛してくれている」と。そして、迷いながらも、「この教育に、我が子は強い興味を示して目を輝かせているか」というアンテナを立て続けてください。子どもをしっかり見ていれば、教育虐待にはならないはずですよ。教育虐待について書かれた本最後に、教育虐待について書かれた書籍を紹介します。このなかの1冊だけでも読んでみてください。「親としての成功」ではなく、「子どもの幸せ」を願える親になれるでしょう。◆『ルポ教育虐待』教育虐待の事例を紹介しながら、親子の問題点に切り込んでいます。「毛根を食べるようになった息子」や「社会人になってから、うつ病を発症」など衝撃的な事例も。親自身の言動を見直すきっかけになるかもしれません。◆『受験で子どもを伸ばす親、つぶす親』著者は、精神科医でもあり、受験アドバイザーでもある和田秀樹氏。子どもの成績が悪いとき、学校や塾の勉強についていけないとき、親はどうするべき?目から鱗のアドバイスばかりが詰まっています。◆『教育虐待・教育ネグレクト』豊富な事例とともに、教育虐待を受けた子どもの心理が丁寧に説明されています。「発達障害だと決めつける親」「野球練習ばかりさせる親」など、勉強以外の教育虐待についても書かれています。***教育虐待は子どもの心に深い傷を負わせてしまいます。子どもの人生は子ども自身が決める!もし子どもが「決めた道」で失敗したとしても、自分で立ち上がり、また目標を見つけて頑張ることができるように、親は見守り続けることが大切です。親も子どもと一緒に “迷いながら” 成長していきましょう!そうすれば、教育虐待など絶対にしないはずですよ。(参考)おおたとしまさ(2019),『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.西郷孝彦・尾木直樹・吉原毅(2019),『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』, 小学館.古荘純一・磯崎 祐介(2015),『教育虐待・教育ネグレクト 日本の教育システムと親が抱える問題』, 光文社.STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「教育虐待」のやっかいな実態。今の子どもには“決定的に足りない”時間があるSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|教育虐待をする親とその学歴。その教育、本当に子どものためですか?STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|教育虐待は教育という大義名分のもとで行う人権侵害。でも親の多くは無自覚であるSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人note|教育虐待(Educational Maltreatment)VERYオフィシャルサイト|そのひと言が“教育虐待”!?専門家に聞く“教育熱心”との違いとは?弁護士ドットコムニュース|耳元で「東大に行け」と怒鳴り続け、「医者になれ」と娘を暴行…弁護士が見た「教育虐待」エスカレートする親たち
2020年08月05日夏休みの作文に読書感想文、毎日の日記。小学生の子をもつ親御さんは、こうお困りではありませんか?似たような言葉のオンパレード。もっと表現力豊かに書けないの?原稿用紙のマス目がなかなか埋まらない。書くことが思いつかないのかな?子どもに任せていても、一向に書き終わらない。かといって、どうやって書き方を教えればいいのかもわからない。 「作文力を高めたい!」そう強く願う親御さんとお子さんの強い味方となる “作文バイブル” をご紹介しましょう。子どもの「書く力」、伸ばすも潰すも親次第「もっとちゃんと書きなさいよ」「どうしてそんなふうにしか書けないの?」我が子の作文のことで悩んだことがある親御さんなら、こう言ってしまったことは一度や二度ではないはず。ですがじつは、これは絶対に言ってはいけないNGワードです。伝える力【話す・書く】研究所所長で、以前「STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ」の連載『作文力の伸ばし方講座』で作文力アップ法を教えてくれた山口拓朗さんは、次のように述べています。残念ながら、いくら親がガミガミ叱っても、子どもの作文はうまくなりません。なぜなら、子どもは「自分が書いた作文」を否定されるたびに自信を失っていくからです。親に否定されながら作文がうまくなるケースは極めて稀です。それどころか、ほとんどの子どもが作文嫌いになってしまいます。そう、子どもの作文能力の芽を摘んでしまっているのは、実は、親であるあなたかもしれないのです。(引用元:STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|親の誤った声がけが、子どもの作文力の芽を摘む?――「作文好き&得意」な子どもと「自己肯定感」の関係)山口さんいわく、「ずばり、作文というのは『その子そのもの』」。子どもは作文を通し、自分の気持ちや感性、考えを伝えています。それなのに、文章の書き方が上手でなかったからといって親がケチをつけたら、子どもは自分自身が否定されたように感じ、「自分なんかに上手な作文は書けない」「何を書いたってダメだ」と思うようになってしまうのです。「子どもの作文には、良し悪しはない。あるのは個性だけだ」と山口さん。親がまずすべきことは、「作文=その子そのもの」だと心得ること、そして子どもが書いたどんな文章もまずは受け入れることなのだそう。子どもへの「質問」で、作文力を目覚めさせよう!とはいえ、何を書いても放っておいていいわけではないことは、明らかですよね。いったい親は何をすれば、どんな言葉をかければ、子どもの作文力を高めてあげられるのでしょう?そんな疑問を解消してくれる1冊をご紹介します。『魔法の質問で「コトバの力」を伸ばそう親子で取り組む作文教室』山口拓朗 著/日本能率協会マネジメントセンター (2020/8/1)こちらは、前述の連載『作文力の伸ばし方講座』がもとになって出来上がった本。子どものなかに眠る作文能力を目覚めさせ、飛躍的に伸ばすための具体的なノウハウがたっぷり詰め込まれた、いわば “作文バイブル” です。この本のキーワードは、タイトルにもある「質問」。山口さんは、「子どもの頭のなかには作文を書くための『素材』は十分ある。にもかかわらず作文が書けないのは、その取り出し方を知らないからだ」と言います。「素材」を取り出せれば、作文は断然書きやすくなるとのこと。そこで力を発揮するのが、親から子への「質問」です。質問されれば、自然と答えを考え始めるもの。その過程で自分の気持ちや考えを言葉にすることになり、子どもは「そうか、こう書けばいいんだな」と気づくことができるのです。質問力に自信がない親御さんでも、具体的な質問例が豊富に載っていますので大丈夫。また、便利な作文テンプレート表現力を豊かにする、オノマトペや比喩の使い方魅力的な書き出し、締めくくりのコツ子どもが自然と書きたくなるお題の出し方読書感想文の書き方タイトルのつけ方原稿用紙の使い方推敲のコツ など、実践的な内容がもりだくさん!(※リンク先があるものは、山口さんの連載記事で、一部をご覧になれます)親から子への「10の質問」で、魅力的な読書感想文になる!お手本も多数紹介。子どもが見ても楽しい!子どもの作文にまつわる悩みが一気に解決すること間違いなしの1冊です。書くことがない! を解消する「オハウタ」の魔法本では、質問の仕方以外にも、作文能力を高めるコツがいくつも紹介されています。たとえば、作文はもちろん日記にも使える「オハウタ」というテクニック。「オハウタ」とは、次の4つのことです。驚き発見嬉しさ楽しさ日記に書くことが思いつかないとき、子どもはよくこう言いますよね。「お母さーん、今日の日記、何書けばいいのー?」もしそう言われたときには、こうアドバイスしてあげるといいそう。「今日一日で発見したことをひとつ書いてみよう!」下線のところを「驚いたこと」「嬉しかったこと」「楽しかったこと」に変えれば、バリエーションが出ます。多くの子どもにとって「オハウタ」はワクワクできるものなので、こう誘うだけでがぜんやる気を出しますよ、と山口さん。これでもう、毎日書くネタには困らなくなりますね。山口拓朗さんより親御さんへメッセージ最後に、著者の山口さんよりSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボの読者にメッセージを頂きました。本来、作文を書くことは、子どもにとって、遊び同様にワクワクするものです。観察力や想像力を働かせながら、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことを原稿用紙に表現する。このプロセスで磨かれていく能力もたくさんあります。とはいえ、作文を書くことが苦手な子もいます。「何をどう書いていいか」がわからないのです。そこで、親であるあなたの出番です。インタビューというかたちで、子どもに質問をすることで、子どもの思考はどんどん活性化していきます。質問に答えていくうちに、作文に書けそうなネタが手元にどんどん集まります。すると、不思議なことに、子どもは「書きたい!」という気持ちになるのです。パパやママが質問をしてくれることは(話を聞いてくれることは)、子どもにとって大きな喜びでもあります。親子インタビューには、子どもの作文能力を伸ばすだけでなく、親子の絆を一層強め、関係性をよくする効果もあるのです。あなたの質問力で、子どもを「作文好き」に育ててあげてください。***作文能力を高めることは、子どもの個性を輝かせたり、自己肯定感を育んだりすることでもあります。ぜひ親子で作文に取り組んで、豊かな時間を過ごしてくださいね。
2020年08月04日小学生の宿題といえば「音読」があります。入学したての頃は、音読するわが子の姿に成長を感じたものです。しかし2年生、3年生になっても毎日宿題として出され、内心では「え?まだ音読するの?」と少し疲れてしまっている親御さんもいるのではないでしょうか?じつは音読には、私たちの想像以上に子どもの能力を引き出して伸ばす効果があるのです。そのメリットを知れば、きっと毎日の音読を聞くのが楽しみになりますよ。低学年がとことん「音読」をするのは理由があった!「特に低学年の子どもにとって、音読は大切なもの」と断言するのは、筑波大学付属小学校の青木伸生先生です。もちろん、上手にスラスラと読めるようになることも大事ですが、それ以上に、低学年の子どもが身につけなければならないことが音読によって鍛えられるそう。学校側の狙いとしては、次のポイントが挙げられます。1. 体づくり学校では、音読する際に、しっかり両足を床につけておなかから声を出すように指導しています。そうすることで、体が小さい低学年の子どもの体幹が鍛えられます。2. 声の大きさの調整低学年の子どもは、まだ声の大きさを調整することが上手にできません。聞き手がどの位置にいるかによって、どれくらいの大きさで話すかということはもちろん、はっきりとした発音で聞き取りやすい話し方を意識することで、相手に的確に声を届ける練習になります。3. 日本語のリズムをつかむ低学年の国語の教科書には、リズムよく読める詩が多いのも特徴のひとつ。これらの文章を、テンポよくリズムに乗って声に出して読むことで、日本語の響きを体感できます。保護者のチェック項目にも、「大きな声で」「姿勢を正しく」「『、』や『。』に気をつけて」などが記載されていると思います。毎日ただなんとなくこなしていた「音読」も、じつはしっかりとした目的があったのですね。驚くべき音読の効果音読って意味あるの?と疑問に思いながらも、「宿題として出されているからしょうがない」と受け入れて、毎日聞き流していませんか?じつは音読をすることによって、子どもの脳はたくさんの刺激を受けているのです。音読をきっかけに、子どもの能力がぐんぐん伸びることも期待できますよ。<音読の効果1:文章への理解が深まる>文章を黙読するだけでは理解できないことが多い低学年の子どもにとって、自分の声を聞きながら読む音読は、内容を理解するのにぴったり。青木先生によると、「言葉を目で追いながら耳からも入れることで、理解を深めることができる」そうです。<音読の効果2:脳が活性化されて記憶力がアップする>「脳トレ」で知られる東北加齢医学研究所の川島隆太教授によると、音読によって脳の前頭葉に含まれる「前頭前野」という場所が活性化されるそう。また、音読直後は脳がより働きやすくなり、記憶力が20~30%も増加することもわかっています。<音読の効果3:コミュニケーション能力が鍛えられる>脳の前頭前野はコミュニケーション能力にも関係しています。友だちや先生に話しかけるのが苦手な子は、音読によって前頭前野を活性化させることで、積極的に人とコミュニケーションがとれるようになるでしょう。<音読の効果4:集中力が高まる>また、前頭前野が活発に働いている脳内では、セロトニンという物質が多く分泌されます。セロトニンは精神を落ち着かせ、集中力を高める効果があるため、音読を続けている子は自然と気持ちのコントロールができるようになるのです。<音読の効果5:黙読も速くなる>教育評論家の親野智可等先生は、「音読がすらすらできるようになると、普段の黙読も速くなる」と述べています。音読によって語彙や言い回しを覚えて使いこなせるようになるため、語彙力も向上し、「読む力」がしっかりと身につくのです。もっと音読の効果を上げたい!最後に、音読の効果をさらに上げる方法をいくつか紹介していきます。ぜひ参考にしてください。川島教授は、子どもの音読を聞く際には「手を止める」「すかさずほめる」を徹底して心がけるべきだと述べています。家事をしていたらいったん手を止めて、子どもの音読に付き合いましょう。そして、読み終わったらすかさずほめてあげるのです。川島教授いわく、「これだけで子どもの脳は非常に活性化する」のだそう。この「手を止める」「すかさずほめる」は、脳科学では “即時フィードバック” と呼ばれます。子どもが何かをしたとき、間髪入れずにほめてあげることで、子どもの脳は爆発的に反応して物事に対する意欲が向上するのです。また、ほめるだけでなく、子どもの読み方に対する感想を述べるのもいいでしょう。青木先生は、「音読ができたことをほめながら、『さっきのセリフをとっても大きな声で読んだのはどうして?』『小さな声で読んだのはどうして?』といったふうに問いかけてみる」ことをアドバイスしています。物語は。会話文とそれ以外の地の文で構成されています。なかでも、会話文の読み方によって、子どもがどれだけ登場人物の気持ちを理解しているかがわかるというわけです。もしかしたら子どもは、無意識のうちに声のトーンや読む調子を変えていたのかもしれません。しかし、この「振り返り」によって登場人物の気持ちを考える訓練になり、読む力がぐんと高まるのです。ここでひとつ、気をつけなければならないのは、上手に読めなくても叱らないこと。親野先生は、「叱ることで、その子の自己肯定感をボロボロにしてしまい、伸びる芽を摘み取ってしまうこともある」と注意を促しています。最初はつまずくことも多いかもしれません。しかし、何度も繰り返し音読し、その姿をお母さんやお父さんに見守ってもらいほめてもらうことで、自信につながっていくのです。毎日の音読は、子どもの自己肯定感を高めることにも役立ちそうですね。***慣れてくると「面倒だな」と感じがちな音読ですが、さまざまな能力を伸ばすのに効果的だとわかれば、音読の時間はより有意義なものに変わります。ぜひ親子のコミュニケーションにも役立ててくださいね。(参考)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙いSTUDY HACKER|音読の効果とやり方を丁寧に解説。テキストの選び方・おすすめの本は?【保存版】SankeiBiz|子供の頭をよくする音読&褒めワザ「脳トレ」で知られる川島隆太所長に聞くいこーよ|宿題の定番「音読」はなぜ大事?黙読との効果の違いも紹介!
2020年08月02日多くの親御さんは、子どもの身長を伸ばすために、食事や運動面でサポートしてあげたいと考えているのではないでしょうか。実際に、親御さん自身が身長によってメリット・デメリットを感じることがあったならなおさら、子どもには身長面での苦労をさせたくないと思うはず。今回は、子どもの身長を伸ばすために知っておきたい「成長スパート」について解説していきます。9割の母親が「子どもの身長を伸ばしたい」雪印メグミルク株式会社が、小中学生の子どもをもつ母親500名を対象に実施した「子どもの理想の成長」に関する調査によると、約9割もの母親が「子どもの身長を伸ばしてあげたい」と回答しました。特に男の子に関しては、「父親以上に伸びてほしい」と願う声が85%にものぼり、身長を伸ばすことへの関心の高さがうかがえます。子どもの身長は、ある程度遺伝によって決まります。そのため、あまり背が高くない親は、「子どもの背が伸びないのは私たち親のせい」と、子どもの成長を諦めがちです。しかし、当然ながら、身長は遺伝だけでは決まりません。「同じ両親から生まれたのに、兄弟で体格が全然違う」「お姉ちゃんは165cmまで伸びたのに、私は150cmまでしか伸びなかった」など、身近な例はいくつもあるはず。つまり、身長は遺伝の影響を受けながらも、それ以外の要因も大きく関係しているのです。身長を伸ばすためには、食事・運動・睡眠といった生活習慣が大きく影響することは周知のとおりですが、「子どもの身長がぐんと伸びるタイミング」を把握することで、その効果が何倍にもアップします。■成長スパートとは人間の一生のなかで、身長が急激に伸びる時期は2回あります。1回目は赤ちゃんのとき(第一次性徴)で、生後1年で約1.5倍も伸びます。次に大きな伸びを見せるのが、思春期と呼ばれる第二次性徴。男女ともに急激に身長が伸びるこの時期を「成長スパート」と呼びます。女子は平均11歳で約8cm、男子は13歳で約9cmも伸びる「成長スパート」。みなさんも、「そういえばこの年頃に、身長がいっきに伸びた気がする」と思い出したのではないでしょうか。一般的には、男女ともに18歳頃には身長の伸びが止まると言われており、多くの人は成長スパートを意識せずに大人になります。しかし、この時期を把握して、身長を伸ばすことを意識して過ごせば、本来伸びる身長の限界を超えることも可能になるのです。(画像引用元:順天堂大学|成長スパートってなに?)“予測身長+4cm”も夢じゃない!?まずは、両親の身長から割り出す「予測身長」を計算してみましょう。■男子の予測身長(両親の身長の合計+13)÷2+2■女子の予測身長(両親の身長の合計-13)÷2+2たとえば、お父さんの身長が173cm、お母さんの身長が162cmだとします。娘の身長は何cmまで伸びると予測されるでしょうか。計算式に当てはめると次のとおり。(173+162-13)÷2+2=163娘の予測身長は「163cm」という結果になりました。もちろんこの計算は“予測”なので、結果よりも大幅に伸びたり、逆に大きく下回ったりすることも十分考えられます。結果にとらわれて一喜一憂せずに、予測よりも身長を伸ばすためにできることを合理的に考えるようにしましょう。西別府病院スポーツ医学センター長の松田貴雄先生によると、「予測身長よりも身長を伸ばすには、成長ピークの前に運動や遊びで体を動かすことが大切」だそう。また、順天堂大学スポーツ健康科学部先任准教授の鯉川なつえ先生は、「成長スパートに合わせて栄養、睡眠などをしっかりとれば、“予測身長プラス4cm”を目指せる」と述べています。続いて、具体的にはどのようなことに気をつければいいのか、毎日続けられる工夫や、身長を伸ばすコツについて解説していきます。成長スパート期に意識すべき3つのポイント成長スパート期に、特に意識して取り組みたいのは次の3つです。日頃からしっかりと意識して管理している親御さんも多いかと思いますが、成長スパート期だからこそ効果を発揮する方法もあるので、ぜひ参考にしてください。1. 適度な運動骨は刺激を与えることで強くなり、伸びていきます。鯉川先生によると、身長を伸ばすためには次のような運動が効果的だそうです。●ストレッチや体操(柔軟性を高める)●鉄棒などのぶらさがりの運動●スキップやジャンプ、縄跳びなど(骨に刺激を与える)●水泳(持久能力を高める)たとえば、鬼ごっこやゴム跳びなど、普段からお友だちと一緒に遊んでいる内容でも十分だということがわかりますね。鯉川先生は、「1日に60分程度」を目安にこのような運動をすることを推奨しているので、昼休みや放課後にお友だちと外遊びするようすすめてみましょう。ただし、無理な運動は関節への負担が大きくなるので、楽しみながら適度に運動できるようにサポートしてあげてください。2. エネルギーバランスのとれた十分な食事毎日の食事は、丈夫な体をつくるためにも、身長を伸ばすためにも欠かせません。成長スパート期は特にカルシウムの吸収率が高くなるので、積極的に摂取していきたいですね。管理栄養士の新生暁子先生は、成長スパート期の食事で気をつけるポイントを次のようにまとめています。●骨を強くするカルシウムとマグネシウムの理想的なバランスは2:1●ビタミンDでカルシウムの吸収を助ける●たんぱく質と一緒にビタミンCを●亜鉛で新陳代謝アップたとえば、子どもが大好きな具だくさんのカレーなどがおすすめです。肉や魚介類でたんぱく質や亜鉛を、きのこ類に含まれるビタミンD、ビタミンCやミネラルは野菜類で摂取できます。また、カルシウムやマグネシウムが含まれるナッツ類をおやつにすれば、骨を強くする効果が期待できるでしょう。3.8〜10時間の睡眠「寝る子は育つ」の言葉通り、睡眠と子どもの成長の関係は切っても切れません。眠っているあいだに分泌される「成長ホルモン」によって骨や筋肉は成長していくため、成長スパート期にはたっぷりと良質な睡眠をとらせるよう意識したいところです。鯉川先生によると、成長スパート期に必要な睡眠時間は「1日8〜10時間」とのこと。小学校高学年にもなると、学校の宿題や習い事などで毎日忙しく、就寝時間も遅くなりがちです。さらに、学年が上がるにつれて、睡眠時間を削ってでもゲームやSNSに没頭してしまう子が増えます。睡眠の専門家である文教大学教育学部・成田奈緒子先生は、「小学生なら23時以降、中学生なら午前0時以降に寝ている子どもは、自律神経失調症の症状を訴えるケースが多い」と指摘します。就寝時間が遅くなることで、日中やる気が出ずにぼーっとして過ごしたり、イライラして感情のコントロールができなくなったりするそうです。それにより、身長を伸ばすために必要不可欠な食事や運動がおろそかになることも懸念されるでしょう。質の高い睡眠は、身長を伸ばす成長ホルモンを分泌するという大きな役割がありますが、それ以上に日中の過ごし方にも強い影響を及ぼすということを忘れてはいけません。朝すっきり目覚めて、しっかりごはんを食べて、学校で勉強と運動を一生懸命こなす体力と活力を蓄えるためにも、睡眠の重要性を改めて考える必要があるでしょう。もしいま、「子どもの身長が低くて心配……」「両親ともに背が低いから、きっと子どもも伸びないだろう」とお悩みなら、現在の生活習慣を振り返ることをおすすめします。そして、「食事・運動・睡眠」のバランスが乱れていないか、足りないところはないか見直してみてください。***小さい子どもをおもちのかたは、成長スパート期なんてまだまだ先のことだと思ってしまいますよね。けれど、幼いうちから正しい生活習慣を身につけることによって、身長を伸ばすことはもちろん、脳や心の成長にもプラスに働きます。いずれ迎える成長スパート期にスムーズにサポートできるように、早いうちから習慣化しましょう。(参考)PR TIMES|~小中学生の子どもを持つママに「子どもの理想の成長」を調査~「成長スパート期」、ママたちの関心は「勉強」よりも「体づくり」にアリ!?男の子ママの約9割が、大人になった時に「身長パパ超え」を希望オムロン|vol.154 「成長スパート」を知って、身長を伸ばそう順天堂大学|成長スパートってなに?ベネッセ ウィメンズパーク|第22回 身長はもっと伸ばせる!成長スパートを見逃さないきのこらぼ from HOKUTO|子どもの“成長スパート”を見逃すな!(前編)きのこらぼ from HOKUTO|子どもの“成長スパート”を見逃すな!(後編)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親子で学ぶ おいしい食育学【第2回】成長スパート編STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|なにより睡眠が基本!親の「ブレない」態度が、こどもの脳を育てる
2020年07月25日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師の高杉絵理さんからメッセージです。 「あれもイヤ、これもイヤ」と何かにつけて泣きわめいたり、暴れたりするイヤイヤ期。子どもの成長過程のなかでもママたちを悩ませることの1つがこのイヤイヤ期です。思い通りにならない子どもへの対応に手を焼き、いつまで続くの?!とやり場のないモヤモヤした気持ち、不安を抱えて、気力も体力も消耗してしまうママたちも少なくありません。そんなイヤイヤ期の原因やラクにイヤイヤ期を乗り切る方法をご説明します。 イヤイヤ期はなぜ起きる?「お着替えするのはイヤ」「ごはんを食べるのはイヤ」などさまざまな場面でみられるイヤイヤは、一見わがままのような行動ですが、これは脳の成長過程に原因があると言われています。 脳は未熟なまま生まれてきて、成長に伴い機能も成熟していきます。幼児期にはまだ脳は発達途中で、このような本能的な欲求を抑える抑制機能が十分には育っていません。これが「イヤイヤ期」の原因です。脳の発達が進み、抑制機能が育ってくるとイヤイヤも次第に治まってきます。 ラクにイヤイヤ期を乗り切ろう!では、イヤイヤ期には具体的にどのように対応したらいいのでしょうか。脳の発達を促し、ラクにイヤイヤ期を乗り切るには「ダメ」と叱って無理に我慢させるのではなく、「子どもが自分から我慢するように促すことが大事」のようです。 たとえば、子どもにもわかりやすいルールをつくり、なぜ我慢するのかを納得させる方法は効果的です。そして、我慢ができたら、ママやパパがしっかりと褒めてあげましょう。子どもは褒められることで自信がつき、また頑張ろうという気持ちになります。 もう少し具体的にみていきましょう。 ラクに乗り切るポイント 1.子どものイヤイヤな感情をまずは受け止めてあげましょう子どもがイヤイヤを起こしたら、まずは「わかったよ、嫌なんだね」と一旦子どもの感情を受け止めてあげましょう。それから、子どもの嫌だという感情を具体的に言葉で表してあげ、「わかっているよ」ということを伝えてあげましょう。大泣きしている場合は子どもは冷静に物事を考えられないので、ある程度気がすむまで泣かせながら落ち着くまで様子をみましょう。 2.親が譲る親が少し譲ったり、子どもの気持ちを別のものに向けるのも1つの方法。子どもが要求していることを少し叶えてあげたり、注意を別のほうに向けてあげるのもいいでしょう。 3.叱るのではなくて子どもの自尊心に働きかけるたとえば「ママは〇〇くんにこうしてほしいと思ってるよ」などと子どもの自尊心に働きかけるような声かけをしたり、危険なことや社会のルールに反することはダメな理由をきちんと説明してあげましょう。 4.少しでも頑張りが見えたらその場で褒める少しでも我慢できたら子どもの頑張りに対してその場で褒めて達成感を与えましょう。大泣きしたあとでも「できた自分」というのは子どもにとって自信になります。 5.根気強くつきあうことが大切最初は効き目が感じられなくても、1~4を試していくうちに徐々にその子の特徴やコツがつかめるようになってきます。親が理解を示しながら根気強くつきあっていくと、子ども自身の成長もあいまって、徐々に自分をコントロールする力が身についていくでしょう。 まとめイヤイヤ期は事あるごとにイヤイヤされ、毎日そばにいるママはとてもつらいですよね。しかし、毎日のようにイヤイヤを繰り返すこの時期は脳が発達している証拠です。ママやパパがそう理解してあげて、子どもの脳の成長をうまくサポートできればずいぶん気持ちもラクになります。子どもは昨日よりも今日、今日よりも明日と着実に一歩一歩成長していきます。ママがどっしりと構えていれば子どもは安心して成長していきます。こんな風に寄り添えるのも今の時期だけ。 ママもリフレッシュしながら、子どものイヤイヤも楽しんで、成長をのんびり見守ってあげたいですね。 監修者・著者:助産師 高杉絵理大分県の大学にて看護師・助産師・保健師の資格を取得後、総合周産期母子医療センターにて産科やNICUに勤務。結婚を機に上京してからは、もっと育児が楽しくなるようにママや赤ちゃんにいつも身近に寄りそっていたいとの思いより、地域での助産師活動を開始する。 現在は、世田谷区の行政や病院で働きながら、開業助産師として地域での講座やイベントを開催し子育て支援活動を幅広く行っている。また、ベビーカレンダーにおいても、妊娠・出産・育児を楽しめるように、ママたちが読みやすく分かりやすい記事を心がけ執筆中。
2020年07月21日いつの時代も親は子どもを心配するものですが、少子化が進んでいるいまは、心配性の親が増加していると言われます。子どもを保育園に預けるとき、「ちゃんと園生活を楽しめるかな……」「誰かに迷惑をかけないかな……」と心配する人もいることでしょう。そこで、保育現場で実際に子どもたちの様子を見ているカリスマ保育士・てぃ先生に、心配性のみなさんに向けてメッセージを頂きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹幼いときから集団生活になじめることが重要ではないお父さんやお母さんはとても心配性です。「うちの子は、園になじめていますか?」「集団生活になじめる子とそうではない子では、どこに違いがあるのでしょう?」なんて質問を受けることもあるほどです。でも、あまり心配しないでください。これはあくまで個人的な考え方になりますが、幼いときからうまく集団生活ができることは、そんなに重要ではないと感じるのです。就学前の幼い子どもが、「みんながやるから、僕もこれをやる」というふうに考えすぎることのほうが、私からすれば心配。むしろ、「みんなはこれをやっているけど、僕は違うことをやりたいんだ!」なんて思う子のほうが、将来はすごい人間になるのではないかとも思っています。親御さんとしては、「集団生活ができずに、先生たちや友だちに迷惑をかける子どもにはなってほしくない」という思いがあるのでしょうね。でも、保育士たちは、子どもに対応するプロフェッショナルです。多少自分勝手で集団生活になじめないような子に対しても、うまく対応するすべはいくらでももっていますから、安心してお子さんを預けてほしいと思います。子どもが暴力をふるったときに有効な「代弁」でも、「そうはいっても、さすがに友だちを叩くなどの暴力をふるうのはまずい」と感じる人は多いでしょう。そういうことが起きた場合の対応法をお伝えします。そもそも、子どもが友だちなど他人を叩くといった行動をするのは、自分の気持ちをうまく表現できないからです。幼い子どもは言語能力が未発達なので、頭のなかでイメージしたり考えていたりすることをうまく言葉にできません。そのため、なにか嫌なことがあったときには、言葉ではなく手が出るということになるのです。そこで必要になるのが、子どもが思っていることを大人が言葉にする「代弁」という作業です。子どもが友だちを叩いた理由を推測し、「おもちゃを取られちゃった?」「なにか嫌なことを言われたの?」というふうにどんどん投げかけるのです。そうして、子どもが友だちを叩くという行為に至った本当の理由を見つけ、「あなたの気持ちはちゃんとわかったから大丈夫だよ」と子どもに共感したうえで、「でも叩いたらだめだよ」と伝えてあげなければなりません。そうでないと、その子からすれば、自分の気持ちをなにひとつ受け止めてもらっていないのに、ただただ「お前が悪い」「手を出すな」と一方的に叱られていることになってしまいます。また、子どもの暴力は、保育園の先生や友だちだけではなく、親に向かうこともあります。そんなとき、たいていの親は「叩いたらだめでしょ!」と、子どもを非難する叱り方をするものです。でも、この叱り方では子どもの心にあまり響きません。子どもたちには、自分を否定されるよりも、相手が嫌な思いをしているとわかることのほうが強く響きます。その相手が、本当は大好きなお父さんやお母さんだったらなおさらです。ですから、もし子どもに叩かれたりかみつかれたりした場合には、「ママ、痛かったよ」「パパ、悲しいな」といった言葉をかけてみてください。きっと、子どもなりに反省してくれるはずです。具体的な質問で、子どもの園生活をイメージするこのような、子どもが園になじめているか、子どもが困った行動をしていないかといったことが気になる親は、子どもが家に帰ってきたときに、園でなにをしていたのかを聞きたがるものです。その質問は、たいてい「今日、なにやったの?」というものでしょう。でも、この質問では子どもはうまく答えることができません。なぜかというと、子どもにとっては質問されている内容が広すぎるからです。そのため、どのことを答えていいのかわからず、結果的に「わからない」「知らない」といった答えを返すことになります。そうではなくて、具体的に質問しましょう。そもそも、質問するからには親には聞きたいことがあるはず。それら聞きたいことの要点を絞って細かく聞くのです。「今日はなにをして遊んだの?」ではまだ広いですね。「今日はブロックで遊んだ?」「おままごとした?」というふうに具体的に聞くべきです。子どもが「おままごとしたよ」と答えたら、「おままごとでどんなことをしたの?」ではなく「お料理したの?」というふうに聞くという具合です。要は、子どもが「イエス」「ノー」でぱっと答えられる質問をするのです。そうすれば、親からしても、子どもの園生活の自分には見えない部分も具体的にイメージすることができるようになると思います。こういった心配性の親は、「100点満点の親」を目指しているのかもしれませんね。満点を目指すから、子どもに関するあらゆることが気になってしまうのでしょう。でも、冷静にまわりを見回してみてください。100点満点の親なんてどこにもいませんよね?100点満点の子どももいません。親も子どもも65点や70点で十分ではないですか?そういう考えが心に余裕をもたせてくれるはずです。そして、なにより親であるみなさん自身の幸せをもっと追求してください。親は、子どもの幸せばかりを願うものです。でも、まず親が笑顔でなければ子どもも笑顔になれません。親が自分の幸せを追求することが、結果的に子どもの幸せにもつながるのではないでしょうか。『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』てぃ先生 著/マガジンハウス(2019)■ カリスマ保育士・てぃ先生 インタビュー記事一覧子どものイヤイヤを減らすコツは、こっそり○○すること【てぃ先生インタビューpart1】子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】園生活の様子が心配なら、子どもにこんな質問をしてみよう【てぃ先生インタビューpart4】【プロフィール】てぃ先生(てぃせんせい)1987年2月8日生まれ。関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は50万人を超える。著書『ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)は15万部、Twitter原作の漫画『てぃ先生』(KADOKAWA)は20万部を超えるヒットを記録。他に、『ハンバーガグー!』(ベストセラーズ)、『せんせい!きいて! 園児がくれた魔法のことば』(リクルートホールディングス)などの著書がある。現在は、保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディア等で発信。全国での講演活動は年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活動分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年07月20日息子のイヤイヤ期を経験するまでは「とにかく泣き叫ぶ」「どうしようもない」という印象でした。しかし、実際にはイヤイヤの理由はいつも明確で、うまく対処できれば回避できるように感じました。個人差が大きいとは思いますが、うちのイヤイヤパターンとその対処法をお伝えします。 集中していることを中断させられるとき2歳の息子がおもちゃで遊んでいるときや動画を見ているとき、無理にやめさせようとすると「まだ遊んでるの!!」と本気で怒られます。言うこと聞かないな〜とイライラしていましたが、突然やめさせられるのは自分だって嫌だよなと思うようになりました。 そこで、早いうちから「もうそろそろやめようか〜」「お片づけできる?」と何度も声をかけるようにしました。すると、声かけのあと数分待てば自分のタイミングでスッとやめてくれるようになったのです。私自身に根気強く声かけできる心の余裕、子どものタイミングを待てる時間の余裕があることが重要となるため、セルフコントロールを心がけています。 欲しいものが手に入らないときスーパーでお菓子、ジュースを手当たり次第に欲しがる息子。「ダメだよ」と言うとイヤイヤもヒートアップし、収拾がつかなくなって逃げるようにスーパーを出ることも。 そこで、欲しがるものを1つは買ってあげるようにしています。そうすれば1つ目から否定する必要はなくなり、2つ目を持ってきたときは「どちらか1つだよ。どっちがいい?」と聞くようにすればOK。息子も本当に欲しいものを考えてくれるようになりました。 たまに、気をそらす作戦として「これ持てる? 重いかな〜?」と牛乳パックなどの少し重めのものを渡すことも。「持てるよ! ほら!」と本人も楽しくなって、物欲から気をそらすことができました。 自分が行きたい道に行けないとき保育園から家への帰り道は、ひとりで歩くときの3倍の時間がかかります。家とは真逆の方向を指差して「こっち! こっち行く!」と言うことは日常茶飯事。ある程度の回り道であれば行くのも手ですが、できれば最短ルートで帰りたい。 そんなとき私は、「あっちはブーブーがいっぱいで、ガシャーンてなるよ(危ないよ、という意味)!」「ほら、こっちに行くとバスが見えるよ!」「今日はパパが早く帰ってくるから、早く帰らなきゃ!」とたくさんの言葉を身振り手振りでオーバーに伝えるようにしています。まだ息子が言葉を理解していない時期から続けており、意味は理解できずとも「何かただならぬ理由がありそうだ......」という顔をしてついてきてくれるようになりました。 わが家での対処法をお伝えしましたが、もちろんうまくいく日ばかりではありません。何をしてもだめで、「も〜!!!」とイライラが爆発してしまうことも。それでも、自我形成に重要とされるこのイヤイヤ期の息子の感情を否定することなく、かつ自分も疲れずに楽しく受け流していけたらいいなと思っています。 著者:高橋さちこ2歳男児の母。新卒で営業職に就き、妊娠を機に退職。その後就活・保活に成功し、現在は働きつつ妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年07月18日「うちの子は、友だちと一緒に上手に遊べているのかな?」。友だちとの関わりのなかで社会性を身につけてほしいと願うばかりに、そんな心配をしている人もいるでしょう。カリスマ保育士として各種のメディアでも活躍するてぃ先生にアドバイスをお願いすると、その答えはちょっと意外なものでした。「子どもにとっては、友だちと遊ぶこと以前の『ひとり遊び』がとても大切」なのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹大人と子どもの、「一緒に遊ぶ」に対する認識の違い「子どもに友だちと上手に遊べるようになってほしい」と考える人に前提としてお伝えしたいことがあります。それは、子どもが自分で友だちと遊んでいると思う感覚と、大人が見て子どもが友だちと遊んでいると思う感覚はまったく違うということです。たとえば、積み木のコーナーでふたりの子どもがそれぞれ別々に遊んでいたとします。一緒になにかをつくっているわけでもないし、「僕は赤いおうちをつくろう」「じゃ、僕は青いおうちにしよう」というふうに声をかけ合いながら遊んでいるわけでもない。この状況を大人が見ると、子どもが一緒に遊んでいるとは思いませんよね?でも、その子が家に帰ってきたときに、「今日はなにをして遊んだの?」と聞くと、子どもは「○○君と一緒に積み木で遊んだ」と言います。大人は、なにか直接的な関わりがないと一緒に遊んでいると認識しませんが、子どもはその場にいる別の子の姿を見ながら遊ぶだけでも、一緒に遊んでいると認識するのです。つまり、大人の勝手な基準を子どもに対して押しつけているだけのこと。このことを前提として知っておかないと、「うちの子は友だちと上手に遊べない」という間違ったレッテルを貼ることになってしまいます。それこそ「もっと友だちと遊んだら?」「ちゃんと友だちと遊べてないんじゃないの?」なんてことを子どもに言ってしまえば、「僕は友だちとちゃんと遊べないんだ……」と、子どもをマイナス思考に陥らせてしまうことにもなるのです。「ひとり遊び」を経験してこそ、友だちと遊べるようになるそもそも、子どもにとっては友だちと遊ぶことだけが大切なのではありません。特に3歳くらいまでの子どもには、ひとり遊びがとても重要。幼い子どもは本能的にそのことをわかっていて、夢中になってひとりで遊び込もうとします。そうするなかで、集中力を育んでいるのです。それなのに、「友だちと一緒に遊ぶことが大切だ」と勝手に考える大人が無理やり子どものひとり遊びを中断させてしまえば、子どもは集中力を育むことができなくなるでしょう。そうすると、保育士や親の言うことを聞かずに走り回るような子どもになってしまいかねません。また、子どもの集中力を育むこと以外にも、ひとり遊びが重要な理由があります。ひとり遊びをしっかりすることで、大人が求めるような「友だちと一緒に上手に遊べる」子どもになれるのです。ひとり遊びを徹底的に経験した子どもは、「もっと自分の遊びを広げたい」という発想をもつようになります。そして、自分が遊んでいる場にいる別の子の遊び方に目を向けるようになり、「○○君の遊び方、すごくおもしろそう!」と思う。これが、子どもにとって友だちとの関わりにおける最もいい最初のステップです。友だちの遊び方に魅力を感じた子どもは、まずはそのまねをするでしょう。そこからさらに進んで、「○○君、それどうやってるの?」「一緒にやりたいな」というふうに直接的な関わりをもつようになる。自分ひとりでじっくり遊べるようになることこそが、結果的に友だちと一緒に遊べるようになることにつながるのです。家庭で「順番」や「貸し借り」を経験させるそうして子どもが友だちと遊ぶようになっても、親の心配は尽きません。友だちと一緒に遊ぶようになったらなったで、今度は遊びのなかでのトラブルについて心配します。たとえば、「遊びの順番を守れるのか」「おもちゃの貸し借りがきちんとできるのか」といったことです。でも、子どもが順番の概念を理解できるのは3歳頃、そしてきちんと順番を守ることを実行できるのは4歳頃からです。子どもの年齢によっては、そもそもできないことを親が求めているだけというケースもあるのです。また、別の問題として、順番や貸し借りの経験をいきなり「本番」でさせてしまっているというケースもあります。公園で子どもたちが遊んでいるなかで、遊ぶ順番やおもちゃの貸し借りをめぐってトラブルになったとしましょう。そのときに、いくら順番を守らせたりきちんと貸し借りをさせたりしようとしても、経験がなければそうできるはずもありません。ですから、順番を守ったりおもちゃを貸し借りしたりする経験を家庭で積ませてあげる必要があります。親であるみなさんが「この絵本、パパに貸して」と言って、貸し借りとはどういうものかを子どもに経験させるのです。おもちゃで遊ぶときにも、「ママが最初に取ったから1番、○○君は2番ね」と順番を守ることを経験させましょう。そうすれば、「本番」でもきちんと順番を守り、貸し借りができる子どもになっていくはずです。『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』てぃ先生 著/マガジンハウス(2019)■ カリスマ保育士・てぃ先生 インタビュー記事一覧子どものイヤイヤを減らすコツは、こっそり○○すること【てぃ先生インタビューpart1】子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】園生活の様子が心配なら、子どもにこんな質問をしてみよう【てぃ先生インタビューpart4】(※近日公開)【プロフィール】てぃ先生(てぃせんせい)1987年2月8日生まれ。関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は50万人を超える。著書『ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)は15万部、Twitter原作の漫画『てぃ先生』(KADOKAWA)は20万部を超えるヒットを記録。他に、『ハンバーガグー!』(ベストセラーズ)、『せんせい!きいて! 園児がくれた魔法のことば』(リクルートホールディングス)などの著書がある。現在は、保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディア等で発信。全国での講演活動は年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活動分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年07月17日ハイハイやよちよち歩きで赤ちゃんの行動範囲が広がる時期って、常に目が離せなくて大変ですよね。「何だか静かだな〜」と思ったら、とんでもないイタズラをしでかしてママを困らせることもしばしば。この記事では、そんなイタズラの現場を押さえた証拠写真を集めてみました。「見つかった……!」と言わんばかりのシュールな表情にも注目です♡ おやつ泥棒の子熊を発見!! なんかかばんをがさごそしてると思ったら……? 手に持っているのは大好きなおせんべい。盗みの犯行現場、しっかり押さえられてますよ子熊さん♡ イヤーやめてー! 妖怪ベタベタが出た〜! なんと、500gのワセリンをたっぷり頭からかぶっちゃってます。ワセリンって洗ってもなかなか落ちないんですよねぇ。めちゃくちゃ困るけど、「困ったな〜」って言っていそうな表情がかわいいので許しちゃう! 見計画的犯行!? ぶちまけたら困るやつ♡ 粒子の細かい粉物って、ぶちまけると掃除が大変。そんなことを知ってか知らずか、しっかり「きな粉」の袋をオープンしちゃってます。かわいい笑顔で誤魔化そうとしても、許……しちゃうんだよなぁ♡ マジか! 破壊神が現れた!! 予想外すぎる破壊行為を見せてくれた生後9カ月のヤンチャボーイ。勢い余ってカーテンをビリッ! 力強すぎてびっくり! これはもう、怒る・困るを通し越して笑っちゃいますね。 な、泣きたいのはこっちです…(涙) ちょっと目を離した隙におにぎりを手に取り、モグモグだけでは飽き足らず広範囲に撒き散らしちゃった現場はこちらです! 最後は頭にまでご飯粒を乗っけて「エーーン」と大号泣。きっとママの方が泣きたいはず……でもやっぱりかわいいから許す! 局地的に嵐がきたか!? まるで嵐がきたかのように、床一面に絵本が散乱。もしかして、妖怪本散らかしの仕業かな? 何でも見たい、出したい、散らかしたいお年頃の2歳児は忙しいママさんの強敵ですね。 赤ちゃんがしでかすことって、その瞬間はさすがに困るけど、予想外すぎて笑えちゃうことも多いんですよね。子育ての大変なところではあるけど、イタズラも成長の証しです。みなさんもわが子の盛大なイタズラを写真におさめて、あとから見返して爆笑してみてはいかがでしょうか!
2020年07月15日「うちの子はとにかく『甘えん坊』で……」と、甘えん坊であることはよくないというイメージをもっている人も多いかもしれません。ところが、カリスマ保育士として各種のメディアでも活躍するてぃ先生によれば、甘え行動は子どもの成長にとって非常に重要なものだそう。子どもの甘え行動がもつ意味、甘えん坊の子どもに対する接し方について教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹子どもは親に甘えて「基地」の安全を確かめる子どもの甘え行動は、例えて言うと、「『基地』の安全を確かめる」行動で、お父さんやお母さん、保育園の先生が「基地」にあたります。子どもは、その基地が安全だと確かめたうえでいろいろな冒険をする。やったことがないこと、やったことはあるけどうまくいくかどうかわからないことなどにチャレンジします。もちろん、そうするなかで失敗することもある。やりたいことがうまくいかなかった、保育園で友だちとトラブルになったなど、子どもにはさまざまな失敗があります。そのとき、戻ってこられる安全な基地が必要なのです。そして、基地でお父さんやお母さんに十分に甘えられれば、「やっぱりここは安全だ」と感じられます。そうして、しっかりと充電をしてまた冒険に出かけていくことができるというわけです。でも、その基地で親が十分に甘えさせてくれないとなると、再び冒険に出かけられず、基地から離れられなくなります。子どもからすれば、大事な基地が安全ではないのに、外に出かけているような場合ではありません。そのため、基地の安全を確かめるために、子どもは甘え行動を延々と続けるということになるのです。そこでどうすればいいのかというと、子どもが甘えてきたときには十分に甘えさせればいい。ただそれだけのことです。「大丈夫だよ」「あなたのことが大好きだよ」「いつでも応援しているよ」といった言動を見せてしっかりと甘えさせておけば、子どもの甘え行動はおのずと解決する問題です。もちろん、年齢など関係ありません。「子どもが小学生になっても甘えてきて……」と心配している人もいるかもしれませんが、それは、子どもが必要としている甘えをしっかりとさせていないだけなのです。「子ども発信」かどうかで、「甘やかす」「甘えさせる」を判断子どもは、必要だと感じているから甘えます。そう考えると、親が頭を悩ませる問題のひとつも簡単に解決できます。それは、「甘やかす」と「甘えさせる」の違いがわかりにくいという問題です。言葉の響きから多くの人が感じられることだと思いますが、必要以上に子どもを「甘やかす」ことは、子どもの自立性を育てるうえでもよいことではありません。では、「甘やかす」と「甘えさせる」の違いはどこにあるのでしょうか?それは、「子ども発信」かどうかという点です。子どもが自分から甘えてきたときに、その気持ちに応えてあげる。これは「甘えさせる」になります。一方、子どもが求めてもいないのに甘やかすのは、言葉どおり「甘やかす」になるというわけです。たとえば、小さい子どもが靴を履こうとしているときをイメージしてください。その子は、本当は自分ひとりで靴を履けるにもかかわらず、「お母さん、これ履けないよ、履かせて」と言ってきたならどうですか?本当は自分で靴を履けるのですから、これは明白な甘え行動です。だとしたら、「大事な○○君のためだからね、お母さんが手伝ってあげる」といって靴を履かせてあげればいい。それで、子どもは次の冒険に向けて充電をすることができます。でも、子どもが求めていないのに親が勝手に靴を履かせてあげたり、子どもが「抱っこして」なんて言ってもいないのにかわいいからと抱っこしたりするのは「甘やかす」ことになるので注意が必要です。子どもが甘えてきたときの愛情行動が自己肯定感を高める最後にお伝えしたいのは、「自己肯定感」の話です。自己肯定感は、子どもの健全な発達のために欠かせないものとして頻繁にメディアでも取り上げられるものですから、みなさんも何度となく見聞きしているでしょう。また、「日本人は外国人と比べて自己肯定感が低い」ということを聞いたことがある人も多いはずです。では、なぜ日本人の自己肯定感は低いのでしょうか?その理由は、日本には「大好きだよ」「愛してるよ」といった気持ちを口にしたりハグをしたりする文化がほとんどないからです。子どもに対しても、2~3歳くらいまでならそういった言葉をかけたりハグをしたりするかもしれませんが、小学生や中学生にもなれば、そのような愛情表現をする親はほとんどいないでしょう。でも、子どもの自己肯定感を高めてあげるには、やはり親の愛情表現が大切。特に、子どもが甘えてきたときには、「あなたが大好きだよ」と愛情を表現してあげましょう。恋愛中の女性は、「言葉にしてくれないとわからない!」なんてことを男性によく言いますよね(笑)。子どもに対してもまったく同じことが言えますから、子どもを愛している気持ちをきちんと言葉にしてあげてください。『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』てぃ先生 著/マガジンハウス(2019)■ カリスマ保育士・てぃ先生 インタビュー記事一覧子どものイヤイヤを減らすコツは、こっそり○○すること【てぃ先生インタビューpart1】子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】(※近日公開)園生活の様子が心配なら、子どもにこんな質問をしてみよう【てぃ先生インタビューpart4】(※近日公開)【プロフィール】てぃ先生(てぃせんせい)1987年2月8日生まれ。関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は50万人を超える。著書『ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)は15万部、Twitter原作の漫画『てぃ先生』(KADOKAWA)は20万部を超えるヒットを記録。他に、『ハンバーガグー!』(ベストセラーズ)、『せんせい!きいて! 園児がくれた魔法のことば』(リクルートホールディングス)などの著書がある。現在は、保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディア等で発信。全国での講演活動は年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活動分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年07月15日子育てにおいて、多くの親の頭を悩ませるもののひとつが、子どもの「イヤイヤ期」です。そもそも、イヤイヤ期にはどんな意味があり、その時期の子どもにはどう接するのがいいのでしょうか。カリスマ保育士として各種のメディアでも活躍する、てぃ先生にアドバイスをもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹ただ成長している子どもに、親がついていけないだけ子どもの「イヤイヤ期」は、一般的に1歳半くらいから始まり、終わりの時期はまちまち。ピークは2〜2歳半です。この時期の子どもにはなにが起こっているのでしょうか?それは、自我の芽生えです。それまではお父さんやお母さんに言われたことに素直に従っていたのに、「そうしたくない!」といった感情や思考が自分にあることに気づき、親の言うことになかなか従わなくなります。もちろん、これは子どもの成長にとって重要なプロセスです。ところが、それまでは人形のように言うことに従っていた子どもが突然歯向かってくるため、親の側はびっくりしてしまいます。子どもはただ順調に成長しているだけなのに、その変化に親がついていけず、親が勝手に困ってしまうという状態になるのです。もちろん、必要な成長のプロセスにいる子どもの側には、「よし、親を困らせてやろう」なんて気持ちはまったくありません。でも、この時期の子どもは、「お父さんやお母さんに負けたくない!」という気持ちはもっています。スーパーでお菓子をねだるのも、そのお菓子を本当に欲しいと思っているわけではなく、親にお菓子を買ってもらうことで、「お母さんに勝った!」という気持ちを得たいがための行動である場合もあるわけです。子どもの「嫌」という言葉に込められた気持ちは?では、イヤイヤ期の子どもに対して、親はどう接するべきなのでしょうか。イヤイヤ期の子どもは、感情や思考が自分にあることに気づくと同時に、たくさんの葛藤やストレスも感じています。なぜかというと、言語能力が未発達だからです。1歳半の子どもでも、頭のなかでイメージしたり考えたりしていることはたくさんある。でも、それらを言葉にする力はまだありません。そのために生じる、「自分はこう思っているのに、わかってもらえない」といった葛藤やストレスが、イヤイヤ行動につながるのです。そこで、子どもの気持ちをわかろうとする努力が必要になります。子どもの「嫌」という2文字の言葉には、どんな気持ちが込められているのか?そこをしっかりと考えましょう。着替えを嫌がっているとしたら、「まだ遊んでいたいから着替えたくない」と思っているのかもしれないし、「この服が好きじゃない」とか「お母さんはまだパジャマのままなのに、なぜ僕だけ着替えないといけないのか」と思っているのかもしれません。そうして、「嫌」という言葉に込められた子どもの気持ちを推測したら、「まだ遊んでいたいの?」「この服が好きじゃないの?」と、どんどん言葉にして投げかけましょう。幼い子どもは自分の気持ちを言葉にできないのですから。子どもの気持ちを推測し、投げかけ、「あなたの気持ちがわかったよ」と共感すれば、子どもの葛藤やストレスは軽減し、イヤイヤ行動も減っていくはずです。こっそり手伝って、子どもに達成感を味わわせるまた、「自分でできた!」「自分で決めた!」という気持ちを子どもにもたせることも大切です。子どもが葛藤やストレスを抱えてしまう要因には、自分の気持ちを言葉にできないことのほか、理想の自分と現実の自分とのギャップも挙げられます。自我が芽生えた子どもは、理想の自分像をもっています。着替えをするにも、「自分はうまくできる!」と思っているわけです。でも、実際にやってみると、袖のほうに頭を入れてしまうなどうまくいきません。その事実に葛藤やストレスを感じてしまうことが、イヤイヤ行動につながるのです。そういった葛藤やストレスを感じさせないように、「自分でできた!」という気持ちをもたせることが大切になります。子どもがうまく着替えられないときに、「じゃ、お母さんがやってあげるね」と言ってあからさまに手伝ったとしたらどうでしょう?「自分はうまくできる!」と思っている子どもに「うまくできなかった……」と感じさせてしまいますよね。また、先にお伝えしたように、「お父さんやお母さんに負けたくない!」と思っている子どもに「負けた……」と感じさせてしまうことにもなる。これでは、イヤイヤ行動は収まりません。そうではなく、こっそりと手伝うことを意識しましょう。着替えだったら、子どもが服に顔を突っ込んでもがいているときに、気づかれないように服を引っ張るなどしてうまく着られるようにリードすればいい。そのタイミングで、お父さんやお母さんから「ひとりで着替えられたね!」と言われたら、子どもは強い達成感と満足感を得られ、イヤイヤ行動は減っていくでしょう。また、「自分で決めた!」という気持ちを子どもにもたせるには、子どもにチョイスさせることを推奨します。イヤイヤ期の子どもは、なんでも自分で決めたいという時期にあります。そこで、「この服を着なさい」と親が決めるのではなく、2パターンでもいいので「この服とこの服、どっちがいい?」と選ばせるのです。そうすれば、「これは自分で選んだ服なんだ、自分で決めたんだ」と子どもは感じて、達成感や満足感を得られます。それでも、子どものイヤイヤ行動に対してつい感情的になって叱ってしまうこともあるかもしれません。そんなときは、素直に謝りましょう。大人は難しく考えすぎです。「子どもの行動に対して叱ったのに、それを自分から謝るのは変じゃないか」なんて考えるかもしれませんが、子どもはそんな複雑なことを考えていません。親は子どもに対する自分の行動を反省したなら、素直にシンプルに「さっきはごめんね」と謝ればいいのではないでしょうか。『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』てぃ先生 著/マガジンハウス(2019)■ カリスマ保育士・てぃ先生 インタビュー記事一覧子どものイヤイヤを減らすコツは、こっそり○○すること【てぃ先生インタビューpart1】子どもが甘えん坊すぎて困るなら、親はシンプルにコレをすればいい【てぃ先生インタビューpart2】(※近日公開)「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】(※近日公開)園生活の様子が心配なら、子どもにこんな質問をしてみよう【てぃ先生インタビューpart4】(※近日公開)【プロフィール】てぃ先生(てぃせんせい)1987年2月8日生まれ。関東の保育園に勤める男性保育士。ちょっと笑えて、かわいらしい子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は50万人を超える。著書『ほお…、ここがちきゅうのほいくえんか』(KKベストセラーズ)は15万部、Twitter原作の漫画『てぃ先生』(KADOKAWA)は20万部を超えるヒットを記録。他に、『ハンバーガグー!』(ベストセラーズ)、『せんせい!きいて! 園児がくれた魔法のことば』(リクルートホールディングス)などの著書がある。現在は、保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディア等で発信。全国での講演活動は年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活動分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年07月13日きくまき(@kikumaki00)さんは、現在5歳の女の子のママです。今回のお話は、娘さんが2歳のときになります。 パパが娘さんに交通ルールを教えていると、「進んでもいい」というフレーズを言い間違えてしまいます。しかし、娘さんの言い間違いがあまりにもかわいすぎて、パパとママはデレデレになってしまい……!? 何万回でも聞きたい♡ わが子の言い間違い きくまきさんのマンガは、このほかにもTwitterやアメブロでも更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪監修/助産師REIKO
2020年07月13日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんの叱り方に関するご相談です。 Q.常に穏やかな口調で嗜めないといけないのでしょうか生後11カ月の娘にひっかかれたりのどを突いかれたりなど痛いことをされたとき、汚いものを触ったとき、危ないことをしたとき、「痛い! やめて!」と不機嫌に怒り、「ダメ!」と取り上げたりしてしまっていました。そういった否定的な態度や言葉は良くないのでしょうか。テレビでは0〜3歳児の保育では否定的な保育をしないと言っていました。常に穏やかな口調で嗜めないといけないのでしょうか。 高塚あきこ助産師からの回答叱り方にもさまざまな方法がありますが、お子さんが本当にやってはいけないこと、危ないことをなさったときは、何度も繰り返し伝えるしかありません。ですので、それはやめてほしいということを繰り返しお伝えになってみてくださいね。お子さんは、毎日同じようなことをしているように見えても、次第にいいことと悪いことの区別ができてくるようになると思いますよ。ですので、ダメなこと、危ないことは、一貫した態度で注意なさっても問題ないかと思いますよ。お子さんなりに、次第に理解するようになると、態度や反応も変化してくるのではないかと思います。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 叱るときの注意点! 「短く何度も」が効果的叱るときに注意したいことが、子どもが傷つく言葉(人格を否定する言葉)を使ったり、感情的になったり声を荒げたりすることです。このような叱り方をすると、子どもの心がとても傷ついたり、萎縮してしまいます。そのため、叱るときは冷静になり、目線をしっかりと合わせて、「どうして〇〇してしまったのか」と子どもに理由を聞き、「何がいけなかったのか」などをしっかりと伝えることが大切です。 また、あまり長く叱らないということもポイントです。話が長くなると、子どもの頭の中に内容が入ってこなくなるので、様子を見ながら「もう話を聞いていないな」と思ったら、言うのをやめたほうが良いです。「言葉が子どもに入っているかどうか」ということが大切になるので、それを見極めて伝えましょう。 年齢にもよりますが、大体4~5歳までの子どもだと集中力は2~3分しか続かないため、手短に伝えるようにします。情報量が多すぎると、子どもの頭の中に何も残らなくなってしまいます。子どもの記憶は一度言われて定着するというわけにはいかないので、「その都度短く叱る」ということがママやパパの労力も少なくなるほか、子どもにも伝わりやすい叱り方です。 「叱り方のOK・NG例」◇NGの叱り方)「そんなことする子は嫌い」、「どうしてそんなに悪い子なの」 子ども自身の存在を否定するような叱り方になっているため、このような言い方をすると、子どもは傷ついてしまいます。叱るときは子どもの存在を否定する言葉を言うのではなく、子どもがやってしまったことに対して冷静に指摘することが大切です。 ◇OKの叱り方)「●●したら危ないからダメだよ」、「●●したらママは悲しいな」 子どもの行動について危険ということを知らせたり、ママ自身がどんな気持ちでいるのかを率直に伝えています。どちらも子どもの行動に対して指摘しているところが、NGの叱り方と違う点になります。 イヤイヤ期の叱り方は「その都度手短に!」イヤイヤ期は「手短に言うこと」と、「何回も繰り返す」ことが大切です。イヤイヤ期は長々と叱ってしまうと、ますます子どものイヤイヤが強くなり、火に油を注いでしまうような状態になってしまいます。そのため、子どもが悪いことをしたら理由などは言わずに「それはダメ! 」「それはいけないよ! 」と止めて叱るようにします。その都度止められることで子どもは「これは危ないことなんだ」と学習していくからです。 イヤイヤ期は「何度も伝える」ことが大切な時期なので、根気強く繰り返し伝えます。何度も言っていれば、1年くらいかけて子どもの中に入っていくので、イヤイヤ期の叱り方は長期戦と考え、手短に繰り返し伝えましょう。 言い過ぎたら…関係が修復される魔法の言葉でフォロー! 叱ったあとにフォローを入れることで、子どもも叱られたことを前向きに捉えやすくなります。ママやパパと子どものわだかまりを緩和するためにも叱ったあとは、ハグをする、少し言いすぎた場合は「言いすぎちゃってごめんね」と謝るなどフォローを入れることで、子どもも素直にママやパパが言ったことを受け入れやすくなります。 例えば、ママが子どもに言い過ぎてしまったら、パパが子どものフォローに入るといいでしょう。 パパは「○○ちゃん(くん)も怒られて悲しかったね」など、子どもの気持ちに寄り添いながらも、「ママは○○ちゃん(くん)のことが嫌いで叱ったわけではないよ」と一言伝えます。そうすることで、子どもは「自分のことが嫌いでママは怒っているわけじゃないんだ!」と安心することができ、ママと○○ちゃん(くん)の関係性は修復されます。 あまりくどくどと言ってしまうと子どもは飽きてしまうので、この一言だけでもパパがしっかりと伝えてあげると、子どもの気持ちが安心し、気持ちを切り替えやすくなります。 今回の「子どもの叱り方」についてのポイントは、「①子どもの集中力を考えて手短に叱る」ことと、「②子どものことが嫌いで叱っているのではないと伝える」の2点になります。特に②を伝えるのと伝えないのでは、子どもとの関係性がかなり違ってくるので、ぜひ伝えてみてください。※参考:ニュース(ママネタ)「「叱る」と「怒る」は違う!? 子どもの力を伸ばすじょうずな叱り方とは」【監修者:臨床心理士 塩﨑 尚美日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授(臨床心理士・公認心理師)】
2020年07月13日私は妊娠中に、ネットや本で「子どもを怒ってばかりで嫌になる」「寝顔を見ては謝っている」というような子育て体験談をいくつか見ました。確かにそんな状況はつらいだろうと私も思い、そうならないためにはどうしたらよいのだろうかと考え、叱ることについてあらかじめマイルールを決めることにしたのです。いまだ試行錯誤の毎日ですが、私の叱り方についてお伝えします。 参考書に出合いました初めての妊娠で、ネットや本で子育てに関して情報収集をしているときに出合ったのが『おだやかママの幸せ子育て法』(LICO 著/主婦の友社)です。これはAmeba公式ブロガー・LICOさんの育児ブログを書籍化したもの。家族みんなが笑顔になれるように、著者が実践してきた子育て法や考え方を紹介しています。 私はこの本に共感するところが多く、叱り方についても大いに参考にしました。意識したのは、「叱るポイントを明確にする」と「伝わる叱り方をする」というところです。 叱るポイントを明確にする私と夫が妊娠中から話し合って決めた、叱るポイントは3つです。 1.命にかかわること階段で遊ぼうとしたり、公道でふざけたり。 2.他人に不快な思いをさせることご近所の方にあいさつをしない、病院で動き回るなど。 3.食べ物を粗末に扱うこと食べ物に興味を持つのはよいことだと思いますが、私たちが見て不快に思うくらいおもちゃにしているようであれば、すぐに叱ります。 この3点以外のことは問答無用で叱ることはせず、さらに叱ったあとは引きずらず、その場限りにするようにしています。 伝わる叱り方子どもが生後6カ月ごろから、叱ることを意識するようにしました。叱るときは「そんなことするとあなたが怪我をして痛い思いをするかもしれない、そうなったらお母さんはすごく悲しい」など、どうしてやってはいけないのか、そのことをするとどうなるのかといったことも話すようにしています。 また、2〜3歳のころは、子どもから「ごめんなさい」をうまく言うことができませんでした。そのため「こういうときはごめんなさいだよ」「ごめんなさいできたら仲直りできるよ」と私からごめんなさいを促すことも。そうすると子どももごめんなさいがスッと言えるようでした。 今でも私のおなかがすいているときなど、感情的に怒ってしまうこともあります。けれどマイルールを決めておいたおかげで、感情が抑えることができていると思うことも多々。ムダに怒るストレスは多くはありません。子どもも、私に対して必要以上に萎縮することはないように感じています。 著者:小原水月1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。
2020年07月12日イライラしているときに、子どもが何かをやらかしてしまった……。そんなとき、私はカッとなって、子どもを叩いてしまったことがあります。そのときに思った気持ちとその後の行動、どう子育てをしていくのか考えさせられた経験をお伝えします。 子どもを叩いてしまった…私は子どもを毎日のように叱っています。それは子育てをしているママなら、きっとよくあることだと思います。その日は、3歳の長女が1歳の次女を物で叩いたことが原因でした。幸いなことに、次女はケガをしませんでしたが、いつもよりイライラしていた私はカッとなって長女を叩いてしまったのです。 そのときの子どもが泣いている状況と背中についた赤い手跡に、ただただ申し訳ないという気持ちと、やり過ぎてしまったという罪悪感だけが残りました。 叩いてしまったあとの長女への対応罪悪感に苛まれ後悔しましたが、長女を叩いてしまったことは事実です。私は冷静になってから、泣いている長女の目をしっかりと見て、なぜこんなことをしたのか聞き、妹に物を投げてはいけないと説明をして妹に謝らせました。 そのあと、「痛かったね、ごめんね」と私も手をあげたことを謝りました。そして「〇〇ちゃんも同じように痛かったと思うよ」と言うとその日以降、長女は妹に手を出さなくなりました。 改めて考えた子育てのことその夜、帰宅した夫に、私はその日にあったことを伝えました。「人はどうしても感情や気分で怒ってしまう。けれど、子どもに対しては怒るのではなく、“やったことに対して叱る”ことをしていこう」と夫は私に言いました。 私は夫の言うことに納得し、この日の出来事を反省しました。そして何よりも子どもを叩かないでいいような教育と環境づくりが大切だということに気付かされました。 子どもを叩いてしまったことがある方は、私と同じように罪悪感に苛まれたのではないかと思います。後悔しても叩いてしまった事実は変わりません。でも、その後の行動、これからどうするかが大事だと私は思いました。 イラスト/imasaku監修/助産師REIKO著者:鳥居香咲三姉妹の母。夫の両親と二世帯同居にて、子育て生活を楽しんでいる。現在は自身の経験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年07月09日「子どもが夜なかかな寝ない」「朝起きるのに時間がかかって大変」「どんなに頑張っても正しい生活リズムが身につかない」子どもの睡眠について、多くの親御さんが頭を悩ませているのではないでしょうか。睡眠時間が足りなかったり、睡眠の質が悪かったりすれば、日中の勉強やスポーツのパフォーマンスに影響を及ぼします。だからこそ、できるだけ小さいうちから、きちんとした睡眠の習慣を身につける必要があるのです。今回は、これまでにご紹介してきた「睡眠」にまつわる記事のなかで、とくに人気の高かった6本をまとめました。お子さんの夜の過ごし方や、ぐっすり眠れてすっきり目覚められるヒントをたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。「睡眠」おすすめ記事1■子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」睡眠の専門家である文教大学教育学部教授・成田奈緒子先生は、「子育てにまつわるほとんどの問題の根本にあるのは “睡眠” である」と述べています。食欲がない、便秘がち、ケガや病気が多い、すぐにキレる、勉強に集中できない……。これらの問題も、睡眠の問題を改善できれば解決することもあるそう。そのためにも、「必要な睡眠時間を確保すること」と「睡眠の質を上げること」が大事だと言います。睡眠の質を上げるとは、いわゆるレム睡眠とノンレム睡眠のきちんとした反復リズムを身につけるということ。(中略)8時間の睡眠のうちにレム睡眠とノンレム睡眠の反復を4回繰り返して朝を迎えるようになることが理想です。なぜそれが理想かといえば、そういう睡眠を取れれば、脳がきちんと育っていくからです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」)人間の脳は「体の脳」(0~5歳に育つ)→「おりこうさん脳」(1~18歳に育つ)→「心の脳」(10歳以降に育つ)の順番で育ちます。「体の脳」は「起きる、寝る、食べる」など生きるために最低限必要な機能を指し、「おりこうさん脳」は「言葉、知識、スポーツ」、「心の脳」は「感情のコントロール、思考、判断」を指します。「体の脳」がきちんと育たないと、勉強やスポーツ、そして人とのコミュニケーションもうまくとれなくなってしまうため、5歳くらいまでのあいだに「体の脳」をきちんとつくる必要があるのです。成田先生は、この時期に睡眠のリズムをしっかりと身につけることで、その後の勉強やスポーツ、人間関係などにもよい影響を与えると言います。睡眠のリズムを身につけるには、「朝は光を浴びて、夜は真っ暗にする」といいそう。実際はスマホやタブレット、テレビなどからどんどん光が目に入ってくるので、夜でも完璧に光を排除するのは難しいかもしれません。少しずつでもいいので、子どもが寝る前に、「明るい光が目に入りすぎていないかな?」と気にかけてあげるといいでしょう。「睡眠」おすすめ記事2■寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”現代っ子の4、5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など、なんらかの睡眠問題を抱えているといいます。寝不足は、集中力の低下や学力・記憶力にも悪影響を与えることがわかっており、さらには成長の遅れや食欲不振、将来の肥満の危険因子になることも!この記事では、早寝早起きを実践できるコツを紹介しています。起きる時間をいきなり1時間単位で早めてしまうとお子さまの心身の負担も大きくなるので、15〜30分単位で段階的に早めてあげましょう。早く起きたぶん、その夜は早く眠くなるはず。この好循環から規則的な生活につなげていければベストです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”)早起きを促す取り組みとあわせて、早寝を定着させるためにはどのようなことに気をつければいいのでしょう。食事の時間やお風呂に入る時間は家庭によってさまざまです。いきなり家族の生活リズムを変えることは難しいと思いますが、お子さんのスムーズな早寝のために、次のような方法も試してみるのもいいかもしれません。まず「お風呂を夕食の前にする」こと。ヒトは体温が下がってくると眠くなるため、寝る前にお風呂に入ると眠りにくくなってしまうのです。よって、夕食とお風呂の順番を逆にすることで、寝つきがよくなる効果が期待できます。次に「親も一緒に早寝をする」ことも試してみましょう。子どもが寝ようとしているのに、親がリビングでテレビを楽しんでいれば、「まだ寝たくない」となるのは当然です。家事などの用事を早めに済ませて、思いきって子どもと一緒に早く寝てみませんか?「睡眠」おすすめ記事3■当てはまったら要注意!睡眠不足な子どもが出しているサインとは?睡眠不足は免疫力を低下させ、肥満や高血圧を引き起こすといった健康への悪影響を及ぼします。さらには、記憶の定着ができずに学力を低下させるだけではなく、感情のコントロールが難しくなるなど心への影響も危惧されています。昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子先生は、「夜型の幼児は攻撃性が高く、不注意が多い。夜型の5歳児は三角形がかけない」と話しています。このように、睡眠が不足すると、心にも影響がおよびます。小さな子どもが、コントロールのきかない感情を抱え、心を痛めてしまうのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|当てはまったら要注意!睡眠不足な子どもが出しているサインとは?)この記事では、寝不足な子どもたちが出しているいくつかの “サイン” について解説しています。どれも子どもたちによく見られる行動・様子ですが、もしかしたら睡眠不足が引き起こしている問題かもしれません。ひとつは「自己肯定感が低い、イライラしている」様子。常にイライラしていたり、「どうせ自分なんか」などと投げやりな発言をしたりしていませんか?睡眠不足の子どもは自己肯定感が低いという調査結果もあることから、良質な睡眠がいかに子どもの心を豊かに育むかがわかると思います。また、意外にも「何事にもまじめに、一生懸命取り組む頑張り屋さん」も睡眠不足が影響してる可能性があります。習い事や塾などで忙しい毎日を過ごす子どもは多く、睡眠時間を削ってまですべてをこなそうとするのはとても危険です。お子さんの変化に気づいたら、就寝時間を調整したり、心地よい眠りにつける工夫をしてあげたりしましょう。「睡眠」おすすめ記事4■寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」みなさんご存じのように、睡眠は脳の発達に大きな影響を与えます。それは学力にも直結するため、小さいうちからしっかりとした睡眠習慣を身につけることは、お子さんの将来を左右すると言っても過言ではないでしょう。明治薬科大学准教授の駒田陽子先生は、学力だけではなく、睡眠と心の成長の関係についても指摘しています。(前略)睡眠不足になると記憶力が悪くなるばかりか、楽しいことに関する記憶が減ってしまいます。一方で、嫌な記憶はあまり減っていきません。さらに、就寝が遅いと「自分のことが好き」と答える割合が低くなり、自己肯定感にも影響するという調査報告もあります。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」)幼少期から夜型の生活を送っている子どもは、不登校やうつになる傾向が高いという調査結果もあることから、睡眠不足がいかに子どもの心をむしばんでいるかがわかります。また、この記事では「睡眠と肥満」の深い関係についても詳しく解説しています。子どもが大人へ成長するために欠かせない成長ホルモンは、睡眠の前半に現れる深い眠りのときに集中的に分泌されます。ですから、睡眠が足りずに成長ホルモンの分泌が不十分になると、体の発育に影響を及ぼすのです。さらに成長ホルモンは、脂肪を分解する作用もあるそう。つまり、睡眠不足は肥満を引き起こす可能性もあるのです。このように、子どもの体も心も、そして脳も、毎日の睡眠と深い関わりがあります。だからこそ私たち大人は、もっと真剣に子どもたちの眠りについて考えるべきではないでしょうか。「睡眠」おすすめ記事5■「幼児の睡眠問題」を“たった1週間”で解消する方法「朝、子どもを無理やり起こすと不機嫌になってしまい困っている」こんなお悩みを抱えている親御さんはたくさんいますよね。文教大学教育学部教授の成田奈緒子先生によると、「この悩みを解決するのは意外なほど簡単」とのこと。なんと、1週間もあればどんな子でも朝に不機嫌になることがなくなるそう!とにかく1週間でいいので、親が一生懸命になって子どもを起こしましょう。もちろん、無理やり起こすと子どもは不機嫌になります。そのとき、子どもが絶対にご機嫌になるような大好きなものを与えてあげるのです。(中略)そうすれば、朝の不機嫌は一気に軽減されるはずです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「幼児の睡眠問題」を“たった1週間”で解消する方法)成田先生は、「そもそも、寝る時間が遅い子どもは、その時間まで夢中になるような大好きなものがある」と述べています。テレビ番組やゲーム、タブレットで動画視聴をしている子も多いでしょう。ここで発想を転換し、それらを朝にもってくることで、子どもは朝起きるのが待ち遠しくなります。そして朝目覚めたら、朝日を浴びて1日のはじまりを体に染み込ませることも効果的。あるいは、朝にお風呂に入れるのもいいそうです。成田先生によると、体温を上げれば交感神経が優位になって、脳も体も目覚めるそう。とにかく肝心なのは初日です。この日の子どもは寝不足状態で、日中はぼーっとして過ごすでしょう。ですから、帰宅したら夕食は軽いもので済ませて、さっさと寝かせてしまいます。このパターンを続けることで、理想的な睡眠リズムを身につけることができるはずです。記事では、より詳しく睡眠のメカニズムについて解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。「睡眠」おすすめ記事6■なにより睡眠が基本!親の「ブレない」態度が、子どもの脳を育てる朝に弱く、起きても体の不調を訴える子どもが増えているというデータがあります。大きな原因として就寝時間の遅さが指摘されており、それにより、体の不調だけにとどまらず “心の不調” にも強い影響を及ぼしていることがわかっているそう。つまり、就寝時間が遅い子どもは、イライラすることが多いし、自分なんていないほうがいいと思うし、自分が嫌いだし、やる気が出ないし、家庭は楽しくないと思っているわけです。こんなことを子どもたちが思っているなんて本当にかわいそうだし、大人として絶望的な気持ちになりますよね。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|なにより睡眠が基本!親の「ブレない」態度が、子どもの脳を育てる)睡眠の専門家である成田奈緒子先生は、10歳頃までには正しい睡眠習慣をつけさせるべきと述べています。高学年にもなると親が主導して生活習慣を正すのが難しくなり、また中学年くらいだと多くの子どもがスマートフォンやゲーム機を手にするようになります。これらは子どもから睡眠時間を奪う元凶となるのです。成田先生は、「子どもの睡眠環境を整えるには、親の “ブレない” 態度が大事」と言います。たとえば、「夜8時になったらスマートフォンは使っちゃダメだからね」と口で言うだけではなく、決まった時間になったらネットにつながらないように制限をかけるなど、毅然とした対応を心がけましょう。ゲームをしている子どもに「夜ふかしはダメ!」という一方で、「宿題をやるまで寝かせないからね!」という親御さんは意外と多いもの。このような親の一貫性のない対応こそが、子どもに不信感を抱かせて反発心を招いてしまうのです。お子さんの健康な体と心、そして脳の健やかな成長のためにも、正しい睡眠習慣を徹底させましょう。***子どもの睡眠の問題は、親にとって大きな悩みのタネです。一度乱れた生活習慣が身についてしまうと、それを正すのは容易ではありません。しかし、睡眠が体の成長だけではなく、脳にも心にも強い影響を及ぼしているのなら、きちんとした睡眠のリズムを身につけさせなければならないでしょう。まずはできることから、少しずつ改善していくことで、いずれ正しい睡眠習慣を手に入れることができるはずです。
2020年07月09日わが家の長女はヨコミネ式の保育園を卒園し、その後引っ越しに伴い次女と長男はおむつなし育児を実践する自然派保育園に通っています。私が個人的に感じる双方のメリット・デメリットをお伝えします。 ヨコミネ式保育園のメリット・デメリットヨコミネ式保育園のメリットは、運動も学習も自然と身に付き、その能力が高くなるということ。長女は卒園時に逆立ち歩きや三転倒立、片手側転などができたうえ、小学校低学年で習う漢字が書けたり、九九を暗記していたり、そろばんができたりしていました。しかも、すべて楽しそうにしていました。 みんながライバルでありながらも互いを励まし合い切磋琢磨していくので、落ちこぼれる子がいませんでした。 また、毎日の練習を楽しくみんなで続けられているのは、モチベーションを維持させる先生方の声かけなどがすごくじょうずなのだろうと思います。それらも含め、きちんとヨコミネ式教育の研修を受けている先生方に安心感もありました。 デメリットは、とにかく自由に遊ぶ時間が少なかったことです。園児でありながら勉強や運動、音楽の時間と決められたカリキュラムをこなすことが多く、自由に過ごす時間はほとんどなかったように思います。0~1歳児では遊んだりお散歩したりする時間はありましたが、泥んこになった服を持ち帰ってくるようなことはほとんどありませんでした。 自然派保育園のメリット・デメリット自然派保育園のメリットは、とにかく子どもたちが楽しそうなこと。毎日外遊びをし、お散歩に行き、暖かい日は水遊びをし、生き物を捕まえて飼ってみたり、野菜をとってきて食べたりと、その季節ならではの体験をたくさんして帰ってきます。大まかな予定は立てられているものの、そこで何をするかは園児たちに委ねられているのも大きな特徴。自主的にしたいことを見つけて遊んでいるので、楽しくて仕方ない様子です。 また、給食やおやつの食材・調味料1つにもこだわりが感じられ、「できるだけ地元のもので、安心・安全なものを」という配慮がされています。「園でしっかり食べているから、おうちでママが頑張れない日があっても大丈夫よ」と保育士さんが言ってくれるのも心強いです。 デメリットは、着替えがたくさん必要なことと、洗濯物が毎日大量なこと。さらにおむつなし育児を実践している園なので、衛生面も決していいとは思えません。また、ひらがなや数字をまったく教わりません。 他にはこんなことも!ヨコミネ式のほうは、やはり小学校に入ってからの授業や勉強にすんなり入っていくことができたのは安心でした。子どもも“できる”という自信から「楽しい」「もっとしたい」という気持ちが湧くようで、長女は勉強も運動も積極的に頑張っています。また、「周りの子を応援する」というのも自然に身に付いており、お友だちとも仲良くできています。 自然派のほうは、感性や発想力が磨かれていると感じます。絵本の絵を見てお話をつくったり、花を見て急に歌をつくって歌い出したりと、わからないからこそできる創作力が身に付いているように見えます。 一番いいと感じていることは、どちらの園も特徴や方針がはっきりしているため、働いている保育士さんたちがその方針をしっかり意識し、ポリシーを持って保育をしてくれていると感じる点です。どんな園であれ、保育士さんたちの人柄やプロ意識こそが1番大切なポイントという気がしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての自然派保育園とヨコミネ式保育園にあてはまるとは限りません。必要に応じて通園を希望する園に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:sawawa著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2020年07月08日みなさんは、わが子にどのような人間に育ってほしいと願っていますか?生まれる前は、「とにかく健康で元気な子だったらいい」と漠然と考えていたかもしれません。しかし、成長を追うごとに「勉強ができてスポーツが得意だったらいいな……」「誰からも好かれてお友だちがたくさんできたらいいな……」と、期待が膨らんでいっていませんか?今回は、「親の期待が子どもに与える影響」について考えていきましょう。イライラするのは、子どもに「期待」してるから子育てをしていると、わが子に対して「どうしてこんなこともできないの?」とイライラしたり、口うるさく注意したりすることもありますよね。ですが、みなさんが子どもに「どうして○○できないの?」と感じていることの裏側には、「あなたが子どもに期待していること」が隠されているのです。たとえば、モジモジしておとなしいわが子に対して、「どうして自分からお友だちに遊ぼうって言えないの?」とイライラしがちなのであれば、子どもが「社交的で積極的であること」を期待しています。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラーのマツダミヒロさんによると、「人は、相手にかけた期待が外れたときに、怒りを感じたりイライラしたりする」とのこと。そして「思い通りに動いてくれない子どもに、自分の価値観を押しつけて、自分の望む反応を求めている」とも述べています。私たちは親として、わが子によりよい人生を歩んでほしいと願う一方で、自分が想像する幸せの型に子どもをはめ込もうとしているのかもしれません。教育評論家の石田勝紀先生は、「親が子どもへの理想のイメージをもつこと自体は問題ない」としながらも、「“こうあるべき” 姿を押しつけて、親の価値観や思考の枠からはみ出た子どもを、強制的に戻させようとすることが問題」と述べています。自分が理想とする「こうあるべき姿」をわが子に押しつけていないか、いま一度思い返してみましょう。自分ではそんなつもりがなくても、子どもが本来望んでいることとかけ離れているようなら、少し立ち止まって考え直す必要があるかもしれません。親の期待は「子どもの自己肯定感」を低下させる親が子どもに期待しすぎることで、子ども自身にはどのような影響が及ぶのでしょうか。専門家の意見や、いくつかの事例を挙げていきます。■わかったフリをするようになる親が子どもの「現時点での能力」をちゃんと理解できずに、高いレベルばかり要求した結果、子どもの脳は “ある状態” に陥るのだそう。『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者、ジョン・メディナ氏は、「自分の脳にはまだその準備ができていないのに、親からの期待が高くなるほど子どもは窮地に追い込まれる。すると脳は強制的に『低次思考』のレベルへと思考力を戻す」と述べています。その結果、子どもはその場ではわかったようなフリをするものの、本質的には理解できていないので、何も身につかないというわけです。■妥協するようになるメディナ氏によると、親の過剰な期待は、子どもが本来もつ好奇心までも奪ってしまうとのことです。子どもは好奇心をかき立てられると「これってどうなっているのかな?」と自問し、それにより成長するもの。しかし、親の期待に応えようとする気持ちが強くなると、「どうすれば親を満足させられるだろう」と妥協するようになります。つまり、親の反応ばかりを気にするようになるのです。■自己肯定感が下がる家庭教育の専門家である田宮由美さんは、「親が子どもの可能性を信じることは、親子の信頼関係を深めることにもつながる」としつつも、あまりにも期待が大きすぎることで弊害も生まれると言います。親が常により高いレベルを求めることで、子どもは「いまの努力」を認められずに報われない気持ちになるでしょう。すると、期待に応えられない自分を卑下し、「自分はダメなんだ」と自信をなくして、自己肯定感の低下を招いてしまうのです。■いい子症候群になる「大人の顔色をうかがい、先回りして親の期待に応えようとする自主性のない状態」は、「いい子症候群」になっているサインです。『ほめると子どもはダメになる』の著者で心理学博士の榎本博明先生は、「親の言いなりに動く “いい子症候群” の子は、自立できない心配がある」とし、自分で考えて動くことができないので、判断力や実行力が欠けたまま大人になる恐れもあると述べています。■反動で反抗的になる『女の子の学力の伸ばし方』などの著者で、進学塾VAMOSの代表でもある富永雄輔先生は、「子どもに期待をかけすぎるのは、父親より母親が多い傾向がある」と述べています。特に娘に対して、母親はより大きな期待をかけることがあるそう。彼女たちは幼いが故に、親の期待が自分にとってつらいものになってきてもそれを表現する力がありません。だから、なおさら親はそれを押しつけてしまい、あるとき、親と子どものパワーが逆転したときに、大きな反抗となって返ってきます。(引用元:ダイヤモンドオンライン|娘に「自分の人生のリベンジ」をさせる子育てをしてはいけない)親の期待に押しつぶされてしまうことは、子どもにとっても親にとっても、望まない結果を招いてしまうのです。自分の「親としての評価」を気にしていませんか?いくら「子どもに期待するな」と言われても、愛するわが子に期待してしまうのは当然のことです。しかし先に挙げたように、過剰な期待は子どもの人生に悪影響を及ぼします。どうしたら子どもに過剰な期待をせずに、適度な距離感で見守ってあげられるのでしょうか。前出のジョン・メディナ氏は、「子どもは大人の成功の代用品ではない」と述べています。自分の親としての評価を上げるために、子どもを立派に育てようとしていませんか?まわりの人たちからほめられたいという理由だけで、子どもに無理を強いていませんか?親はつい、自分の子どもをまるで自分の分身のように考えがちですが、どんなに小さくても子どもは自分とは違う人間だということを忘れてはいけません。ですから、自分の人生でやり残したことをやらせようとしたり、自分が経験して失敗したことを頑なにやらせなかったりするのではなく、本人が望めば好きなようにやらせてあげるのがベストです。また、子育ては競争ではありません。「あの子に比べて優秀」「あの子に比べて劣っている」といった評価を自分の子どもに下すことは、わが子の本来の姿を見ていないのと同じです。まずは、親の自分だからこそわかる「わが子のよいところ」をしっかりと認めてあげましょう。現役東大生の西岡壱誠さんによると「東大生の親は子どもに過度な期待をしない」とのこと。しかし、子どもが「自発的に考えて、努力すること」を全力で応援する親が多く、プレッシャーを与えずに子どもの可能性を引き出すことに成功しているケースがよく見られるそうですよ。***わが子に期待してしまうのは、愛情をもって育てている証拠です。大事なのは、子どもの気持ちを無視して親の期待を押しつけたり、親の期待に沿うように子どもを誘導したりしないこと。子どもを信じ、適度な距離感を心がけましょう。(参考)マツダミヒロ(2014),『“質問”に答えるだけでイライラがニコニコに変わる!魔法の子育てしつもんBOOK』,カンゼン.東洋経済オンライン|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」ダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケAll About|子どもの自己肯定感が低いのは親のせい?NG言動5つと高める子育てSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|心理学者が指摘する“いい子症候群”たちの未来ーー自主性のない子どもの特徴5つPHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わるダイヤモンドオンライン|娘に「自分の人生のリベンジ」をさせる子育てをしてはいけない東洋経済オンライン|東大生の親に「お受験ママ」が異様に少ないワケ
2020年07月06日いま、コーディネーショントレーニングが注目されています。トレーニングというと、筋トレのような筋肉を鍛えるトレーニングを想像しがちです。しかし、コーディネーショントレーニングは違います。神経に刺激を与えるトレーニングなのです。「子どもの運動神経をよくしたい!」と考える親御さまは少なくないはず。ぜひ、コーディネーショントレーニングをとり入れてみてください。今回は、「コーディネーション能力をアップさせる方法」をたくさんご紹介します。コーディネーションとはコーディネーションとは、1970年代に旧東ドイツで生まれた、アスリートの運動能力向上のための理論です。コーディネーション(coordination)は、日本語にすると「調整」「一致」といった意味になります。ですから、コーディネーション能力とは、状況に合わせて「体の動き」や「力の加減」を調整する能力と言えるでしょう。私たちの体がスムーズに動くのは、脳と神経が連係しているからです。脳は目や耳から入った情報をすばやく処理して、全身に張り巡らされた神経系(神経回路)に電気信号を送ります。つまり、脳は「どう動くのか」を筋肉に伝えているのです。東京学芸大学教育学部准教授である高橋宏文先生は、著書『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』のなかで、脳が発信する電気信号について以下のように話しています。脳と体、あるいは体の部位と部位の「神経回路」がしっかり連係しているほど、電気信号は速く、正しく伝わります。これによって体がスムーズに、そして自分の思い通りに動かせるようになるのです。(引用元:高橋宏文(2018),『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』, メディア・パル. )「運動神経がいい」とか「運動センスがある」なんて言うことがありますよね?自分の体を自由自在に動かせる「運動センス」の正体は、コーディネーションだったのです。コーディネーション能力がぐんぐん伸びる年齢高橋先生は、「コーディネーション能力は幼児期・児童期に伸ばすべき」と話しています。なぜならば、神経系は子ども時代に急激に成長し、5歳くらいで成人の80%、12歳にはほぼ100%まで発達してしまうから。ということは、私たち大人のコーディネーション能力は12歳あたりからほとんど変化していないのですね……。(画像引用元:国立スポーツ科学センター|女性アスリート指導者のためのハンドブック「発育・発達について」)この神経系が発達を続けている幼児期・児童期に、さまざまな動きを経験すればするほど、神経系は刺激され、運動神経がよくなると言われています。山梨大学教育学部長で身体教育学が専門の中村和彦教授も、著書『運動神経がよくなる「からだ遊び」―小学校入学までに差がつく!』のなかで、「日本のトップアスリートたちの約6割は、幼少期に毎日2時間以上遊んでいた」と話しています。現在のトップアスリートたちは、子どもの頃のさまざまな遊びを通して、自身の神経系を刺激していたのです。12歳くらいまでのあいだにさまざまな動きを経験することが、コーディネーション能力向上のポイントなのですね。コーディネーションの「7つの能力」コーディネーション能力は、「定位能力」「反応能力」「連結能力」「識別(分化)能力」「リズム化能力」「バランス能力」「変換能力」という7つの能力に分けられます。この7つの能力は、それぞれが個別なものではありません。何かの動作や運動をするときは、7つのうちのいくつかの力がお互いに連動して、体を自分の思ったとおりに動かしているのです。それぞれの能力をひとつずつ確認していきましょう。◆定位能力相手や味方、ボールなどと自分の位置関係や距離を感じる力、把握する能力ボール投げであれば、相手が1メートル先にいるのと、5メートル先にいるのとでは、必要な力が変わってきますよね。その判断をする力が定位能力です。(例)縄跳びで回る縄を跳び越す、人とぶつからずに走る◆反応能力合図にすばやく、正確に対応する能力音や人の動きなどの情報をすばやく察知して、正しくスピーディーに動き出す力です。(例)短距離走で合図と同時にスタートがきれる、速いボールに対して体が動く◆連結能力関節や筋肉の動きをつなげ、スムーズに動かす能力いくつかの異なる動作をスムーズにつなげて、流れるような一連の動きにする力でもあります。(例)移動して、ボールを取り、そして投げるまでの動作がスムーズにできる◆識別(分化)能力手や足、用具を意のままに操作する能力力を入れる、すっと力を抜く、徐々に力を入れるなど、必要なときに必要なだけの力を出力する “器用さ” のことです。(例)バットやラケットをコントロールする、ボールを速く投げたりゆっくり投げたりする◆リズム化能力タイミングを計ったり、動きをまねしたり、イメージを表現する能力目で見た動きを、自分の体でできる力です。この能力がないと動きがぎこちなくなってしまいます。(例)パスがタイミングよくできる、縄跳びで一定のリズムで跳べる◆バランス能力必要な体勢を保つ能力体勢が崩れたときに、立て直すことができる力であり、不安定な物の上や空中で体勢を保ち、動ける力です。(例)スノーボードに乗る、空中でボールをキャッチして乱れずに着地する◆変換能力状況に合わせてすばやく動作を切り替える能力急な変化に対して、適切な動きをとれる力です。状況判断、身体操作、定位能力、反応能力などが複合的に関わっています。(例)並走している相手がダッシュをしたら自分も速度を上げられる、バウンドが変わったボールを捕球する次項では、7つの能力すべてをアップさせるコーディネーショントレーニングを紹介します。コーディネーション能力をアップさせる遊びコーディネーション能力は、遊びのなかで伸ばすことができます。高橋先生は、7つのコーディネーション能力すべてをアップさせる遊びとして、「キャッチボール」を挙げています。たとえば、相手やボールとの距離感を測るのですから「定位」が含まれますし、タイミングよくボールを離さなければなりませんから「リズム化」も含まれます。安定したフォームで投げるには「バランス」が必要ですし、ボールやグラブといった用具を使うには「識別」の力も必要。ほかにも「反応」や「連結」の力も鍛えられますし、相手が投げたボールがそれるようなことがあれば、「変換」の力も必要でしょう。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|自らの体を自在に動かす“7つの能力”と「運動センス」を高める意外な方法※太字による強調は編集部が施した)野球ボールだけでなく、ドッジボールやビニールボールなど、いろいろな大きさのボールを使うと効果がアップするそうです。「えー!ただのキャッチボール!?」なんて言わずに、お子さまと一緒にコーディネーショントレーニングをしてみてくださいね。効果抜群!コーディネーショントレーニングメニュー次に、それぞれの力を向上させるコーディネーショントレーニングをご紹介します。以下の注意点に気をつけながら、コーディネーショントレーニングを実践してみてくださいね。親が最初にやってみせるなどして、子どもが動きを正確にイメージできるようにする。同じ動きが続くとマンネリ化するので、「より正確に」「より速く」「より大きく動く」など、常に新しい刺激を脳に与え続ける。メニューをどんどん変える。1回のトレーニング時間は30~40分。1週間に数回で十分。心身がフレッシュなときに行なう。■物や人との位置関係を把握するトレーニング【定位能力】<ボールを見よう>大人が転がしたボールをジャンプして飛び越えるすぐにボールを取って大人に投げ返すもとの場所に戻って仰向けに寝る大人が投げたボールを上半身を起こしてキャッチ※5回ほど繰り返す■合図にすばやく正確に対応するトレーニング【反応能力】<鏡になろう>大人と同じ動きをすばやく正確にまねをする20~30秒間続ける※大人はわかりやすい大きな動きをする■身体をスムーズに動かすトレーニング【連結能力】<ボール運び>仰向けに寝た状態で両手を伸ばしてボールを持つ両手両足を上げて、手のボールを足で挟む両手両足を上げて、足のボールを手で挟む※1~3を3回ほど繰り返す■手足や用具を操作するトレーニング【識別(分化)能力】<紙コップでキャッチ>小さなボールを上に投げる紙コップでボールをキャッチする※紙コップを下にスッと下げてボールの勢いを殺すと◎■動きをまねる、タイミングを計るトレーニング【リズム化能力】<お手玉>左右の手に1つずつお手玉を持つ右手でお手玉を上に投げる左手のお手玉を右手に移し、左手でお手玉をキャッチする■体勢を保つトレーニング【バランス能力】<バランスがとれるかな>両腕を横にまっすぐ伸ばした状態で、片足で立つそのまま目を閉じて30秒バランスをとり続ける■状況に応じて動作を切り替えるトレーニング【変換能力】<ハンドテニス>ふたりで向かい合うなるべくワンバウンドで、手でボールを打ち合うコーディネーショントレーニングは、子どもが「楽しい!」と思うことが一番大切です。うまくできない子どもを見ていると、つい「どうしてできないの」「そうじゃないでしょう」などと言ってしまいがちですが、否定の言葉では子どもの能力は引き出せません。また、子どもの年齢や体力、現在のコーディネーション能力によって、コーディネーショントレーニングは変わります。無理に難しいコーディネーショントレーニングに挑戦させるよりも、いまのお子さまが楽しめるメニューを提案してあげてください。コーディネーショントレーニングにおすすめの本コーディネーショントレーニングの本はたくさんありますが、そのなかでも特におすすめの本を3冊ご紹介します。ぜひ親子一緒にとり組んでみてくださいね。小学校入学前のお子さまにぴったりな本小さなお子さまでも、楽しみながら「バランス」「リズム」「反応」「操作」「認知能力」をアップさせることができます。簡単にできる運動150例、年齢別プログラム30例を紹介。 運動が苦手なお子さまも楽しくトレーニングできる本「子どもたちの運動神経はもっと伸ばすことができる!」と著者の高橋宏文先生は言います。運動センスを磨くためのコーディネーショントレーニングがステップごとに紹介されているので、運動が大好きな子も苦手な子も楽しくトレーニングできるはず。 目で見てわかる!動きが理解しやすい本遊び感覚でできる運動や、ボールを使った運動など、子どもを飽きさせないトレーニングばかりが収録されています。DVDつきなので、コーディネーショントレーニングの動きがしっかりイメージできるでしょう。 特定のスポーツの「コーディネーショントレーニング」また、コーディネーショントレーニングは、バスケットボール、サッカー、テニス、バレーボールなど、どんなスポーツにおいても有効なのだそう。もしお子さまが、何かスポーツを頑張っているのであれば、専門性の高いコーディネーショントレーニングをとり入れてみてもいいかもしれません。■バスケットボールのコーディネーショントレーニングユニークな練習方法がたくさん収録されています。遊び感覚でトレーニングをしているだけで、知らないあいだにグンとバスケット技術がアップするそうですよ! ■サッカーのコーディネーショントレーニングコーディネーショントレーニングを積極的にとり入れることによって、パスやドリブル、ボールコントロールなどの基礎技術が短期間で習得できるようになりますよ。 ■テニスのコーディネーショントレーニング運動神経を高めて脳を活性化させる、新しいテニスのトレーニング本です。ボレー、グランドストローク、レシーブ、サーブ、スマッシュを強くする方法がたくさん詰まっています。 ■バレーボールのコーディネーショントレーニングバレーボールに必要な機能を高めるコーディネーショントレーニングメニューだけでなく、レシーブ、トス、スパイクの基本から、ポジション別、戦術の発展練習まで、“勝つチーム” を目指す練習メニューが満載です。 コーディネーショントレーニングにおすすめのグッズコーディネーショントレーニングが楽しくなるグッズもありますよ。お子さまが喜んでトレーニングしてくれそうなグッズを選んでみてくださいね。■クレージーボールどこにバウンドするのかわからないクレイジーボール。「識別(文化)能力」や「反応能力」が驚くほどアップします。 ■バランス810歳前のお子さまにおすすめの8の字型平均台です。大人も遊べるので、親子で競争してみてはいかがでしょう。 ■バランスストーン「バランス能力」はもちろんのこと、「リズム化能力」アップに効きますよ。室内・屋外どちらでも使用可です。 楽しく遊びながら、コーディネーショントレーニングができるなんてうれしいかぎりですね。コーディネーショントレーニングが体験できる運動教室子ども向けのコーディネーショントレーニングは「キッズコーディネーショントレーニング」と呼ばれることが多いようです。キッズコーディネーショントレーニングをとり入れた運動教室をご紹介します。■キッズスクール「運動塾」コナミスポーツクラブのキッズ向け体操スクールです。なんと4ヶ月のお子さまからレッスンに参加することが可能。お子さまの発育発達に合わせたレッスンメニューに沿ってレッスンが進むので、楽しく運動能力を伸ばすことができそうです。■biima sports3歳〜10歳までの、まだ専門的にスポーツを始める前のお子さまを対象としたスポーツ教室。早稲田大学教授陣と共同開発した“最新のスポーツ科学”に基づいたレッスンで「基礎運動能力」を高めることができます。■リアルフィジカル運動教室プロの「キッズコーディネーショントレーナー」が指導してくれる、ワンランク上の運動教室。コーディネーショントレーニングをとり入れた独自のカリキュラムは、運動が苦手なお子さまだけでなく、運動好きなお子さまの能力をも伸ばします。キッズコーディネーションの資格「もっとキッズコーディネーショントレーニングについて知りたい」という方は、「キッズコーディネーショントレーナー」の資格を取得してみてはいかがでしょう。子どもの発育発達や心理、トレーニング方法についての正しい知識を習得できますよ。<プログラム内容>第1章Coordination Training基礎理論第2章スポーツ医学第3章エクササイズの実践第4章Lessonの進め方第5章Lesson Plan第6章コーチング第7章発達心理学第8章KIDSビジネス第9章日本の教育の現状第10章エクササイズ集詳しくはこちら↓■キッズコーディネーショントレーナー資格(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)***運動センスの正体である、コーディネーション能力。できれば12歳までに磨いてあげたいものですね。子どもの運動神経は、トレーニングをすればするほど、ぐんぐん伸びていきます。「親子で楽しくコーディネーショントレーニング」を今日から始めてみませんか?(参考)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「運動センス」の正体とは?コーディネーション・トレーニングが磨く“内観力”高橋宏文(2018),『子どもの身体能力が育つ魔法のレッスン帖』, メディア・パル.中村和彦(2013),『運動神経がよくなる「からだ遊び」―小学校入学までに差がつく!』, PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|自らの体を自在に動かす“7つの能力”と「運動センス」を高める意外な方法J-STAGE|コーディネーション運動が幼児の運動能力に与える 効果―投球・捕球能力の量的変化と質的変化―国立スポーツ科学センター|女性アスリート指導者のためのハンドブック「発育・発達について」
2020年07月03日現在、6歳と3歳のやんちゃな男の子2人を育てています。長男は1歳のときから保育園に預け、3歳で幼稚園に入りました。長男はお友だちが関わるケガを2回したことがあります。そのときの相手の親の対応や、私の気持ちを含む体験談をご紹介します。 お友だちに噛まれた!集団行動が始まってケガの心配をしていましたが、長男はもともと大人しい性格ということもあり、無茶なことをしてケガをすることはほとんどありませんでした。そんな長男でしたが、1歳で入った保育園でお友だちに手を噛まれてしまう出来事が! 先生のお話では、同い年のお友だちとおもちゃの取り合いをしたときに、相手の子が長男の手を噛んでしまったそうです。保育園の方針で、相手は教えられないとのことでした。 幸いケガ自体は大したことがなく、長男もあまり気にしていなかったので「まぁ、子ども同士だしこういうこともあるなぁ」と思いました。しかし、その数日後、再度同じお友だちに手を噛まれてしまったのです! 噛み癖のあるお友だちどうも噛み癖のあるお友だちがいるようで、正直「また!?」と思いました。「自分の子どもがお友だちにケガをさせられる」ということに慣れておらず、戸惑いも……。それから数日後、園の交流会があり、夫と参加することに。そこで「K君のご両親ですよね?」と話しかけられたのです。 その方たちは長男を噛んだお友だちのご両親でした。基本的には双方の親に伝えないそうですが、「直接謝罪したい」と園に申し入れたそうです。「申し訳ありませんでした」と謝ってくださり、園や家での対応法を説明してくださいました。まさか直接謝罪されるとは思わず驚いてしまいましたが、「ご両親がこれだけきちんとした方たちなら大丈夫だろう」と夫婦で安心。実際にそれ以降、ご両親や先生たちのフォローのおかげか、長男が噛まれることはなく園生活を過ごすことができたのです。 今度はこちらが加害者に!長男が幼稚園に入り、またケガのトラブルが……。今度は長男が鬼ごっこで走っているときに、止まっているお友だちにぶつかってケガをさせてしまったのです。相手の子は大した傷ではないということでしたが、気が気ではありません。先生には「園でのケガは園の責任なので……」ということで相手の親は教えてもらえませんでしたが、長男本人から相手を聞くことができました。 そこで、園でお会いしたときに相手のママに「この前はすみませんでした。大丈夫でしたか?」と謝罪。幸い快く謝罪を受け入れてくださったのでよかったです。 保育園、幼稚園共に「子ども同士のケガは園の責任」というのが基本方針でした。とはいえ、相手から直接、謝罪が聞けてよかったです。同時に、ケガをさせた相手にも謝ることができてよかったと思います。いろいろな状況があるので「ケガをさせたら相手に必ず謝罪すべき!」ではなく、状況に応じて対応していきたいと感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて通園する幼稚園・保育園に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:竹内優実6歳と3歳の男児を育児中。時短と節約が大好きなアラフォー母。簿記2級・MOSマスター・初級シスアド取得。パソコンを活かした育児グッズの作成が得意。夫は激務の為、ほぼ一人育児中。 著者・イラスト制作者:イラストレーター みいの2020年6月に娘が生まれました。普段は企業の広告漫画を主に描いております!インスタでは子育てエッセイ漫画やイラストをアップします。コメントやイイねしてくださるととても嬉しいです!
2020年07月03日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳ごろになると、そばにいるお友だちのおもちゃを取ってしまうことがあります。私が経営している保育所は0~2歳児が対象ですので、毎日そんな子ども同士のやり取りがあります。 お友だちのおもちゃを取ってしまうことは、子どもが成長するなかでよくあることです。でも、よくあることと言っても、一緒に遊んでいるお友だちのおもちゃを取ってしまったときは、やっぱり困ってしまいますよね。そんなとき、親は子どもにどう声かけをしたらいいのでしょうか? お友だちのおもちゃを取ることはダメなこと?まずは、おもちゃを取りあうことも成長の証ととらえましょう。3歳ごろまでは「自分の物」「他人の物」の区別がついていません。この時期に、「貸して」「はいどうぞ」の練習を始めるチャンスです! 声かけで両者の気持ちを受け止めるもし、お友だちのおもちゃを取ってしまい、お友だちが泣いてしまったら、あなたならどのような声かけをしますか? たとえば、取られたほうには「取られて悲しかったね」 取ったほうには「おもちゃで遊びたかったね。〇〇ちゃんも取られて悲しかったと思うよ」と、声かけをしてみましょう。このように、両者の気持ちを受け止めることが大切。これは、幼児期になっても同じです。 取ったらダメ!と言わなくてもいい方法友だちが遊んでいるおもちゃですから、遊び終わってから貸してもらうのが理想。子どもの気持ちを受け止めたら「取ったらダメ」ではなく「こっちのおもちゃで遊ぼうか」と別の遊びを提案して、子どもの視点を変えてみましょう。 親が注意しなければいけないことお友だちとの遊びのなかで親が気を付けることは、お友だちを突き倒す・噛む・たたく・ひっかくなどしないかを見守ることです。 このような子どもの行動は、成長するうえでよくあることですが、せっかくの楽しい遊びが残念な気持ちになりかねません。してはいけないことを未然に防ぎ、子どもに繰り返し伝えていくことが大切です。 とはいえ、親も人間。うまく声かけができなくて反省してしまうこともあります。私も反省の連続です。子どもの成長に合わせ、いろいろと声かけにも変化をつけて、親も育っていきたいですね。 イラスト/sawawa著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年07月01日子どもたちが求められる能力のひとつに「思考力」があります。思考力とは考える力のこと。いま、小学校から高校までの学校教育と、大学入試が大きく変わってきています。そう、教育改革です。これからは、学習したことをしっかり理解するだけでなく、理解した内容を駆使して自分で考え、表現し、判断できるかどうかが求められるようになります。言い換えれば、「思考力」の高さが子どもたちの将来を決める時代がやってきているのです。社会に出てからもずっと必要になる「思考力」を子どもたちに身につけさせるには、学校教育だけでなく家庭教育が必須になってきます。今回は、「思考力」とはどのような能力のことか。そして、子どもの思考力を育むために、親が身につけるべき習慣を3つ紹介します。「思考力」は、学校と家庭との連携で育む先ほど、教育改革の影響で、子どもたちは考える力をより求められ、思考力の高さで将来が決まると書きました。じつは、教育改革の移行期間として、平成30年度から新しい学習指導要領に沿って授業が進んでいます(プログラミング体験など一部を除く)。いま、子どもたちは「思考力」を問われる教育の真っただ中にいるのです。学校での教育内容について、最も重要な基準となる学習指導要領の第1章総則には、「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」として以下のことが書かれています。基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際,児童の発達の段階を考慮して,児童の言語活動など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,児童の学習習慣が確立するよう配慮すること。(引用元:文部科学省|学習指導要領 第1章総則「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」2(1))いままでと同じように、知識や技能はきちんと身につけたうえで、思考力、判断力、表現力を育んで問題を解決することを求められているのです。そして、学習の習慣づけは家庭と連携を図るようにとはっきり記されています。子どもたちは学校で、クラスメートと課題を見つけ、仮説を立て、資料を調べ、時にはインタビューをし、それをまとめて発表するといった、いわゆるアクティブラーニングを行なって思考力を鍛えています。では、家庭ではどうでしょう。子どもが家に帰った途端、「あれをしなさい」「それはだめ」「こうするのよ」「いつまで〇〇しているの」「あなたは△△の道へ進むべき」など、子どもに考えさせる時間を与えず、口や手を出していませんか?もし、「子どもの考える時間を奪ってしまっているのかも」と感じるのであれば、次に紹介する3つの習慣を上手に取り入れてみませんか?思考力を鍛える習慣1:たくさんおしゃべりをさせるお笑いコンビ「パックンマックン」として活躍しながら、相模女子大学と東京工業大学で教鞭をとるパトリック・ハーランさんの専門は「コミュニケーションと国際関係」。パトリックさんは、ご自身のお子さんふたりが通う日本の小学校の授業参観で、お友だちどうしでのおしゃべりが禁止されていることに驚いたのだそう。しゃべる場面が少ないから、しゃべる技術が身につかない。議論が生まれない。討論ができない。問題提起ができない。指摘されても反論ができない。(引用元:朝日新聞DIGITAL|子どもの「思考力」を伸ばすために、親ができること~パトリック・ハーランさん)「しゃべる場面が少ないために、必要なスキルが身につかない」。パトリックさんは、そう指摘します。おしゃべりでの基礎トレーニングがあってこそ、議論や討論といった応用スキルを身につけられるのです。学校でおしゃべりができないなら、家庭でたくさんおしゃべりをさせましょう。パトリックさんは、「大人が当たり前に思っていること」について、子どもに質問することをすすめています。「交番はどうしてあると思う?」など、大人にとっての常識を質問すると、子どもからは予想の斜め上をいく答えが返ってくるのだそう。思考力を鍛えるためには、普段の会話から子どもに考えさせる機会をつくることが大切です。思考力を鍛える習慣2:親は子に “具体的に” 問いかける私たち大人は子どもに対して、すぐに「考えたらわかるでしょう?」「なんでもすぐ聞かずに考えなさい」と言うことがよくありませんか?しかし、この「考える」という言葉がどういうことを意味しているのか、大人もよく理解していないのではないでしょうか。言っている本人が明確にわかっていない言葉を子どもが受け取ったところで、理解できるはずがありません。長年、学習塾を経営して都留文科大学特任教授を務める石田勝紀さんは、「考える」の定義として以下を挙げています。【「考える」とは】「自分の言葉で語れること(What)」「疑問に思うこと(Why)」「手段や方法を思いつくこと(How)」のいずれかのことをしているときに、「考えている」という状態になると考えます。(引用元:東洋経済オンライン|「考える力がない子」を変える3つの問いかけ)そして、この考え方を教えないかぎり、子どもは考えられないし、応用力を身につけることもできないと指摘します。つまり、「考えなさい」と言いたくなったとき、一度、私たちは子どもに対してどのような考え方をしてほしいのか咀嚼し、「これってどういう意味なんだろうね(What)」「なんでそう思ったの?(Why)」「じゃあ、どうすればいいかな(How)」と具体的に問いかけるべきなのです。思考力のトレーニングには、具体的な問いかけが必要になりますよ。思考力を鍛える習慣3:「なぜ・どうして」を考えさせる具体的に問いかけても、子どもからは「わからない」と返ってくることもあるでしょう。それを「なんでわからないの」と責めるのはNG。子どもの「自分はできる」という自己肯定感を低くしてしまいます。大手進学塾で数学の指導経験がある教育クリエーターの秋田洋和さんは、子どもに倫理的思考力を身につけさせるために、「答えをあえて見せ、正解までの途中経過を考えさせる」ことがあるのだそう。よくありがちな「結果だけを見て叱る」ことを100回繰り返すよりも、「なぜ・どうして? を自力で考える習慣づくり」を仕掛けたほうが、子どもは算数・数学好きになるし、急激に成長していく。(引用元:プレジデントオンライン|中国の「子どもの論理的思考力」が高い理由は?)親がやりがちな「結果だけを見て叱る」よりも、「なぜ・どうして」を考えさせるほうが、子どもは成長するのです。たしかに、親に「どうしてわからないの」と叱られたところで、「わからないんだから、その理由なんてもっとわからないよ!」となりますよね。子どもが「どうしてもわからない」と言うときは、答えや親の考えを先に伝えて、どうしたらそこへたどり着くのか考えるように促すとよさそうです。子どもの思考力を高め、「わかった」という経験を積ませることが自信につながり、自己肯定感も高めることにもつながるでしょう。***思考力がついてくると、自分で考えて判断することができて、「自分はこう思う」「自分ならできる」「自分は任されている」と自信がついてきます。この自信は「自己肯定感」につながり、意欲的に学ぶ土台を形成するという相乗効果を生み出してくれますよ。(参考)文部科学省|学習指導要領 第1章総則「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」2(1)ベネッセ 教育情報サイト|子どもの「考える力」と「自己肯定感」を育む[やる気を引き出すコーチング]朝日新聞DIGITAL|子どもの「思考力」を伸ばすために、親ができること~パトリック・ハーランさん東洋経済オンライン|「考える力がない子」を変える3つの問いかけプレジデントオンライン|中国の「子どもの論理的思考力」が高い理由は?
2020年06月30日ムスメちゃんとオコメちゃん
ドイツDE親バカ絵日記
yopipiのプチプラコーデ〜ときどき育児日記〜