「うちの子は集中力がない」と悩んでいませんか?「集中して宿題をやりなさい!」と言っても、聞いているのか聞いていないのか……。テレビやおもちゃに気をとられて、なかなか食事が終わらない……。そんな悩みを抱えるご家庭も少なくないのではないでしょうか。もし、ちょっとしたことで、子どもの集中力を高められるとしたら、試したいと思いませんか?今回は、子どもの集中力をいますぐ上げる簡単な方法を3つご紹介します。お子さんは「集中タイプ」「拡散タイプ」どっち?集中力について、一般社団法人教育デザインラボ代表理事で教育家の石田勝紀氏は、「人間は『集中タイプ』と『拡散タイプ』の2つに分かれている」とし、以下のように説明しています。集中タイプ集中タイプは切り替えが早く「思考の世界やイメージの世界に没頭すること」ができる。そして「一般的に勉強がよくできるタイプ」が多い。また、短時間で勉強をこなす必要があるため、部活動などで “頑張っている” 子どもにも集中タイプは多い。一部には先天的に集中力をもつ子もいる。 拡散タイプ拡散タイプは、まわりが気になって集中できないため、「学んでも身につきにくい傾向がある」。しかし裏を返せば、このタイプはまわりをよく見ているため、「よく気がつく」「気配りができる」「人の気持ちがよくわかる」という長所もある。集中力がないからと叱りすぎず、見守ってあげることが大切。お子さんはどちらのタイプだと思いますか?もしお子さんが「拡散タイプ」傾向が強かったとしてもご安心を。石田氏によると、「なかなか集中モードに入れず、どうしても気が散ってしまうタイプの人も多い」とのことですし、集中力はつくり出せるようですよ!次にご紹介するのは、集中力を高めることができる簡単な方法です。さっそく、見ていきましょう。集中力を高める方法1:水を飲むなんと、水を飲むと集中力がアップします!イースト・ロンドン大学心理学部とウェストミンスター大学心理学部の研究から、「知的作業に集中する前に約0.5リットルの水を飲んだ人は、飲まなかった人と比べて、14%反応時間が速くなる」ということが証明されたのです。そして子どもの場合は、水を飲むことによって「集中力」だけでなく「記憶力」も向上することがわかりました。逆に、水分不足になると脳の働きが悪くなることもわかっています。コネチカット大学のローレンス・アームストロング氏らが発表した研究では、「体内の水分量がわずか1.5%減少しただけでも、集中力や学習能力、反応速度などの認知能力テストの成績がマイナスになる」との研究結果が出ているのです。脳の80%は水分でできているため、わずかな水分不足でも、脳のパフォーマンスが落ちてしまうとのこと。であれば、お子さんが水分不足を感じる前に、水を飲ませたほうがよさそうです。東北大学加齢医学研究所所長で脳医学者の川島隆太氏も、子どもの集中力を上げるには「のどが渇く前にこまめに水分を補給する習慣」をつけるべきだと話しています。勉強に取り掛かる前、習い事の前など、まずは水分補給を。水を飲むだけで集中力がアップするだなんて、簡単な方法だと思いませんか?集中力を高める方法2:(親が)話しかけない親が子どもに話しかけないだけでも集中力が上がります。たとえば、宿題がまだ終わってないのに、遊びに夢中のわが子……。そんなとき、「先に宿題をやってからにしなさい!」と叱っていませんか?じつは、この声かけはNG。どんなことをやっているにせよ、時間を忘れて集中しているという点に目を向けましょう。集中力は学習のためだけではなく、「夢中になってひとつのことに没頭できる力」だと、帝京短期大学生活科学科元教授の宍戸洲美氏は指摘します。「好きなことだと夢中になれる」ということが、特に幼児期から小学生の子どもにとっては、とても大切なのだそう。脳科学者の西剛志氏も、子どもの集中力の育ちを妨げる「親のNG行為」として、子どもが集中しているときに親がその集中を断ち切ってしまうことを挙げています。ひとり遊びをしている子どもに、「おもしろそうだね」などと話しかけるのもよくありません。西氏は、せっかく子どもが集中しているのに、親が話しかけることで、子どもの「脳の集中」が途切れてしまうと話します。とはいえ、つい口を出したくなってしまう親御さんも少なくないのでは?積み木や木のおもちゃなどの「童具」を使い、長年、子どもの創造教育・知的障害児教育に力を入れている童具館の館長・和久洋三氏は、「集中力を豊かにするためには、子どもの好きなことをたっぷりやらせて」とアドバイス。そこで、次のような親の心得についても語っています。(集中力をつけるためには)やっぱり大人たちが待ってあげることそれを見て見守って、待ってあげるそうすると子どもは(集中力は)しぜんと深化していく(中略)「待つ」ことは「受け入れる」こと子どもを受け入れる受け入れて待ってあげると子どもは安心してやりたいことに没頭できる(引用元:YouTube|【童具館公式】和久洋三のYouTubeチャンネル|【子どもの集中力を育むために】待つ・見守ることの大切さ※動画内のテロップを引用)また、和久氏は親御さんに向けて、「見守ることのおもしろさを感じてほしい!」とも述べています。和久氏によると、「次に何をさせようか」と考えながら見守るのはNGとのこと。そうではなく、「この子は何をしているんだろう?」という目線で見守ってほしいと提案しています。すると、「こういうふうに考えるのか」「こんなこともするのね」といったことが見えてくるそうです。子どもが何かに熱中しているときは、親は口を挟まず、「いまは集中力を養う時間だ」と、温かく見守ってあげましょう。集中力を高める方法3:ぼーっとするぼーっとするだけで、集中力が上がります。噓のような本当の話です。ハーバード・メディカル・スクール精神医学臨床准教授のスリニ・ピレイ氏は、このぼーっとする時間を「非集中」と呼んでいます。「集中」と「非集中」を懐中電灯の2種類のスイッチと考えてほしい。「集中」は目の前の道を照らし出す狭くて細い光。「非集中」は遠くまで届いてあたりを広く照らし出す光。(中略)ふたつをうまく使い分ければ、電池が長持ちするうえ、暗闇でもずっと効率的に道が探せるのだ。(引用元:ダイヤモンド・オンライン|ハーバード×脳科学でついに判明!頭がよくなる「○○スイッチ」とは?)脳を疲れさせる「集中」スイッチをオフにして、ぼーっとしているあいだに、脳はエネルギーチャージ!その時間があるからこそ、また集中力が発揮できるというわけなのです。とはいえ、「非集中」のあいだにも脳は働いているようです。この無意識下で脳が活動している「デフォルト・モード・ネットワーク」を、精神科医の樺沢紫苑氏は「脳のスタンバイ状態」と説明しています。デフォルト・モード・ネットワークが活発に稼働しているときは、経験や記憶を整理・統合したり、状況を分析したりしているとのこと。加えて樺沢氏は、ぼーっとする時間が足りないと、脳の機能が低下すると指摘しています。デフォルトモード・ネットワークが稼働する時間が少ないと、前頭前野の物事を深く考える機能が低下します。結果として、注意力、集中力、思考力、判断力、記憶力、ひらめきなどの想像力などがすべて低下し、脳の老化も進みやすくなります。(引用元:樺沢紫苑(2018),『学びを結果に変えるアウトプット大全』, サンクチュアリ出版.)ぼーっとしているときに、アイデアがふと湧くことがあるのは、このデフォルトモード・ネットワークが働いているおかげだったのですね。脳のエネルギーチャージと集中力・創造力アップを一気に叶える、ぼーっとする時間。お子さんを見ていて「集中力が切れているかな?」と感じるときは、ぼーっとする時間を意識的につくってあげましょう。***「水を飲む」「子どもが集中しているときは話しかけない」「ぼーっとする時間をつくる」――3つとも、すぐにできることばかり。ぜひ今日から試してみてください。1か月後には、お子さんの集中力がびっくりするほどアップしているかもしれませんよ!(参考)樺沢紫苑(2018),『学びを結果に変えるアウトプット大全』, サンクチュアリ出版.東洋経済オンライン|子どもの集中力はこうやって作り出せる! 気が散りやすい子を変える簡単な「仕掛け」WIRED|水を飲むと脳が活性化する:研究結果Frontiers|Subjective thirst moderates changes in speed of responding associated with water consumptionActive Brain CLUB|水分摂取で集中力がアップする!?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳が集中力を発揮するメカニズム。脳がホッとする時間も必要ですSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|集中力がない、聞き分けがない、内気。子どもの性格の「困った」はどうする?YouTube|【子どもの集中力を育むために】待つ・見守ることの大切さダイヤモンド・オンライン|「ぼーっとする時間」が子どもに何より大事な1つの理由ダイヤモンド・オンライン|ハーバード×脳科学でついに判明!頭がよくなる「○○スイッチ」とは?
2023年01月20日保育士の中田馨さんが、子どもの支度や切り替えの際の声かけについてのNGや、おすすめの方法について教えてくれました。外出時の支度や、生活におけるさまざまな場面での切り替え。子どもがなかなか支度をしてくれなくてついつい怒ってしまう……というパパやママも多いのではないでしょうか? お悩みの方はぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。 子どもと生活していると、「この時間がホントに大変!」と思うのが、お出かけの支度や、生活の節目の切り替え時。子どもは、大人の思うようにはなかなか動いてくれません。特に長い休み明けは、余計に大変に思ってしまうかも! そんなときに、普段から使える子どもが動きやすくなる声かけのポイントをお話しします。 「早くして」は言わないように心がけよう!時間がないときに思わず言ってしまう言葉のNo. 1は「早くして」かもしれませんね。早くしなくてもよい場面でも、口癖のように「早くして」と言っているかもしれません。私の経験上、この「早くして」を言って「子どもが素早く準備ができた!」「子どもが機嫌よく出発できた!」ということはありません。 つまり、逆なんですね。大人が「早くして」と言うと、子どもは焦ります。焦るので早くしようとするのですがうまくいきません。うまくいかないのでまた「早くしてって言ってるでしょう!」と大人に言われるんです。どうしてこんなに詳しくわかるのかというと、私も自分の子に言っていたからなんです。 大人は新幹線、子どもは普通電車出かけるときは口癖のように「早くして」と言っていたある日の事。いつものように「早くして」と言うと、「僕なりに、早く準備をしている!!」と逆に息子から言われたんです。その時に「はっ!!」と気づきました。 私たち大人は人生経験が豊富にあります。要領よく準備することもできるんです。例えば、大人が新幹線の速さで準備ができるなら、子どもは普通電車のスピードなんです。息子にそれを言われたときから、私は「早くして」を言わないようにしました。あまりにも日常になっていた「早くして」ですから、言わないようにするには努力が必要でしたが、言わなくなるのが習慣になってきたら、私もイライラが少なくなってきたのです。 皆さんも、「早くして」という言葉を言わないようにしてみてください。では、何と言えばいいのか? それは次にお話しします。 子どもにも都合があることを知る私たち大人は、あまり気づいていないかも知れませんが、実は子どもにも「都合」があるんです。「今は、ブロックで遊んでるねん」「絵本が面白いねん」という、大切な都合がね。その、大切なことをしているときに、「もう出かけるよ。片づけて準備して」と言われたらどうでしょう? 「え? まだ終わってないけど??」と思うはず。大人もTVドラマを見ている途中に「スーパー行きたいんだけど、車出してくれる?」と言われたら「え? 今すぐ? なんで?」と思いますよね。 「早くして!」と言わないでいいようにするためには、出かけたい、片づけてほしいなど、親の目標時間の前から予告があるといいですね。「目標の時間の前」は何分前がいいのかというと、それは子どもの年齢や性格、今遊んでいる物にもよるでしょう。 例えばブロックで遊んでいたら、10分後。絵本を読んでいたらその絵本を読み終えるころ。「絵本を読んだら、出かけるよ」など、予告の声かけをしてみましょう。 「早くして」に代わる言葉はある?とはいえ、早くしてほしいときにのんびりしていると、やっぱり「早くしてよ!!」と思うものです。「早くしてほしいな」と思うときには、別の言葉で言い換えてみましょう。 言い換えの言葉はいくつかあります。「ママ(パパ)が少し手伝ってもいいかな?」「よし! 少しスピードアップしてみよう!」「ママ(パパ)と競争するぞ~よーいドン!(協奏曲を歌う)」「自分で片づけるなんて、さすがだなあ~!」などなど。 その場にあった言葉で、準備や片づけに向けて子どもがやる気になるように励ましたりほめたりしてみましょう。もちろん「早くして」という日もあります。絶対言ってはいけない言葉ではなく、別の言葉に言い換えできないかを声かけ前に考える時間を取れるとよいですね。思わず「早くして」と言ってしまったら、「(早くして)ほしいな~ママからのお願い!」と語尾につけるだけで、子どもに伝わる印象も変わりますね。 子どもと一緒に支度するときや、生活の切り替えの時の声かけは、親主導にしつつも、親主導になりすぎず、子ども目線に立つことも大切ですね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2023年01月16日わが家には3歳の娘がいます。2歳のころ、義実家へ行くと、娘は夫にべったりくっついていました。その様子を見た義父が、「○○ちゃん(娘)はパパが大好きだね~」と言いました。その言葉を聞いて私はなんだかとても悲しくなってしまったのです。なぜなら……。夫の育児は……私の夫は仕事が忙しく、平日に帰宅するのは娘が寝たあと。そのため、平日の家事と育児はすべて私がしています。夫は娘とは週末しか会えないのでとてもかわいがっています。夫は娘がかわいいからと厳しいことは言わず、娘の言いなりです。娘は食事中に椅子に座って食べられるようになってきたのに、「パパの膝で食べる」と夫に甘えたり、食事前に娘が「お菓子食べたい」と言うと与えたりして、ごはんが食べられなくなることがあります。 娘は夫がいると喜びます。そして私も夫がいると家事ができるので助かるけれど、嫌われたくないからと、娘の言いなりになるのはやめてほしいなと感じていました。2歳ごろの娘は、保育園では自分で食べられるのに家では自分で食べなかったり、知らない人が来ると固まってしまったりと、できないことが多くて母親である私自身は娘に厳しくするべきか、やさしくするべきか子育て方針にひとりで思い悩んでいました。 義実家でパパにべったり娘が2歳ごろに家族で夫の実家に帰省したときのことです。娘はたまにしか会えなくて、やさしいパパにべったり。そんな様子を見て、義父が「○○ちゃん(娘)はパパが大好きだね~」と言っていました。 夫も「○○ちゃんはパパが好きだもんね~」とお気楽な様子。普段子育てやしつけはすべて私がおこなっていて、夫は甘やかしているだけなのにと、その言葉を聞いて私はなんだか悲しくなってしまいました。 改心してくれた夫義実家へ行ってから3カ月後、2人目の出産を機に里帰りをした私と娘。私の両親は娘にダメなことはしっかりと教えてくれました。祖父母に厳しく教えられた娘は、突然いろいろなことができるように。食わずぎらいだったのに、新しい食材にどんどん挑戦するようになりました。また、食事中は歩きまわっていたのですが、座って食べられるように。さらに、あいさつもよくできるようになりました。 そんな娘の成長を目の当たりにした夫は、甘やかしてばかりではダメだと気づいたようで、最近ではとてもやさしい口調ですが、「○○のときはこうしようね」や「こういうときに○○したら危ないよ! 」などと少しずつしつけに参加してくれるように。娘自身も複数の大人から同じことを言われると、ダメなことといいことの区別がつきやすいようでした。 義実家に行ったとき、夫にべったりの娘を見て悲しい気持ちになりましたし、義父の何気ないひと言にも私は結構傷ついてしまいました。育児もしつけも私任せなのに、と。ただ、最近は夫も少しずつしつけに参加してくれるようになり、少しホッとしています。今後は甘やかすばかりではなく、娘が成長できるように夫婦で見守っていきたいと感じています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:本田 ひな2児の母。管理栄養士として保育園に10年勤務した経験と、投資歴13年の経験を生かし、栄養やお金について執筆中。
2023年01月13日わが子がお友だちとケンカしている様子を見て、みなさんはどのように対応しますか?ケンカの度合いにもよりますが、おそらくほとんどの人がすぐに止めに入るはず。そして、「大ごとになる前に止めることができてよかった」「放っておいたら取り返しのつかないことになっていた」と、ホッとする人も多いかもしれません。しかし、はたしてそれは正しいのでしょうか。今回は、ケンカがもたらす子どもの成長について考えていきます。子どものケンカは「大きな成長のチャンス」「子どものケンカは厄介なものではなく、むしろ学びの大きな成長のチャンス」と語るのは、保育コミュニケーション協会で代表を務める松原美里氏です。松原氏によると、「おもちゃを取り合ったりケンカをしたり仲直りをしたりすることで、子どもは相手にも気持ちや事情があることを知り、自分の気持ちとの折り合いの付け方や、一緒に共同作業をする楽しさを学ぶ」とのこと。親が先走ってケンカを止めてしまうと、これらの経験の機会が奪われてしまうというわけです。また、幼児教育の専門家である立石美津子氏は、「親同士の人間関係を優先し、『ごめんね』『いいよ』の言葉だけを子どもに強要し、『シャンシャン、めでたしめでたし』としないことが大事」だと指摘します。立石氏によると、「頭ごなしに否定して謝罪や譲歩を強いると、その場では言う通りにしても子どもは納得できず、同じことを繰り返す」のだそうです。さらに、筑波大学附属小学校前副校長の田中博史氏は、「いまの親は子どもにかかわりすぎる傾向にある」と苦言を呈したうえで、次のように述べています。他の子どもやその親とのトラブルを避けようとするあまり、どうしても子どもを「安全圏」に入れてしまう。だから親が見ているまえでは「事件」は起きません。でも、そのまま体だけが成長して親が制御できなくなったときに、親が見ていないところで子どもが誰かと摩擦を起こす「事件」が起きてしまったら……?いじめなど深刻な問題を起こしてしまうということになりかねないのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもを大きく成長させる、人間関係における失敗。親が知るべき「子どもとの距離感」)田中氏が言うように、親が見ている前で幼い子どもどうしがぶつかり合う経験は、ある程度必要なのです。では実際に、子どものケンカについて、大人としてどのような対応を心がけるべきなのでしょうか。次項で詳しく解説していきます。【未就学児のケンカ】解決法を子ども自身に考えさせて未就学児の場合、お友だちと遊ぶときは親が同伴していることが多く、子どもどうしのケンカを親が目にすることは日常茶飯事。そしてケンカのとき、大人はつい、泣いている子をなぐさめ、泣いていない子を責めがちではないでしょうか。しかし専門家によると、その対応はNGなのだとか。教育・子育て心理アドバイザーの雨宮奈月氏いわく、「同じ境遇でも『すぐに泣いてしまう子』『我慢強い子』『その場で泣けない子』がいる」とのこと。また、親がすぐに自分の子を責めると、親子の信頼関係を損ねる恐れもあるのだそう。とっさに叱る前に、まずは子どもの話を聞いて、気持ちに寄り添うことを心がけましょう。そのときに気をつけたいのが、ケンカ自体を怒るのではなく、ケンカの原因や内容に焦点を当てて、解決策を子ども自身に考えさせるようにすることだと雨宮氏は言います。そもそもケンカは、自分の主張と相手の主張が違うことが起因であり、ケンカを通して自分中心の考えから一歩進んで、ルールやマナー、コミュニケーションのとり方を学ぶよいきっかけになるからです。そこで、立石氏が提案する「共感→理由→選択肢」の順序で声かけをしてみませんか。たとえば、お友だちが使っているおもちゃを奪い取ったように見えたとき、「それで遊びたいんだね(共感)。でもいきなり取るとびっくりするから(理由)、口で『かして』ってお願いしてみようか?それとも終わるまで待っていようか?(選択肢)」と、どう行動すればいいのかをいくつか提案して、子ども自身に考えさせるのがよいと立石氏は言います。白梅学園大学子ども学研究科教授の増田修治氏は、「3歳から小学校低学年くらいまでのケンカ体験は重要」と述べており、ケンカにより心や体の痛みを体験しながら力加減を学んでいくことを前提としたうえで、「ケンカにもルールと教育が必要」と断言しています。そのルールとは、「目を突かない」「噛まない」「股間やおなかを狙わない」「爪を立てない」といった大きな怪我につながる攻撃をしないことだけでなく、「容姿など克服できないコンプレックスをあげつらう」といった、相手の心に深い傷を負わせてしまう言動を控えることも含みます。何度も言い聞かせるだけでなく、やられた相手がどう思うか、自分自身に置き換えて考えさせることを心がけましょう。また、一定数いる「攻撃的な子」に対しては、どのような対応が必要なのでしょうか。「お互いに言い分があるのが『けんか』。一方的な攻撃が『暴力』」と増田氏が述べるように、はっきりした理由もなく、「なんとなくムカつく」という自分の感情で一方的に相手を攻撃することはケンカではありません。増田氏によると、「ムカつく」「ウザい」を連発する子どもたちは、親から「〇〇しなさい」と命令されて育った傾向があるのだそう。価値観を受け入れてもらった経験がないため、他者の価値観を受け入れることが難しく、短絡的な言動に現れてしまうのです。暴言や暴力には、「自分の感情をうまく言葉にできない」という問題が隠されていることもあります。大人が「こういう理由で叩いちゃったのかな?」と言語化のサポートをすることで、感情をコントロールできるようになるそうです。一方、臨床心理士の福谷徹氏は、すぐに手が出てしまう子に対して、「外部機関や組織を通して、コミュニケーションのとり方やルール、友だちとの助け合いなどを体感し、改善に向かわせるのがおすすめ」とアドバイスしています。子どもは成長するに従い、親以外の外部からの指導・助言をよく聞くようになります。チームワークが求められる習い事や、地域のイベントに積極的に参加させて、親はその場では余計な口出しをせずに見守るといいでしょう。【小学生のケンカ】子どもの交友関係に口出しをしない!小学生になると、親の目の前でケンカが繰り広げられる機会はぐっと減ります。学校から帰ってきたわが子からケンカの報告を受けると心配してしまいますが、親の声かけ次第で、お子さんの気持ちを前向きにさせることも可能です。一番避けたいのは、子どもの交友関係に口を出すこと。帝京短期大学元教授の宍戸洲美氏は、「自分が嫌だと思ったり間違っていると感じたりしたときに、『いやだ』『そういうことはやめて』と、子ども自身の言葉で相手に伝えられるようになること」が望ましいと述べています。「そんな子と遊ばないで」と相手の子を否定したり、逆に「あなたにも悪いところがあったんじゃない?」とわが子を責めたりするのではなく、対処の仕方を子ども自身に考えさせることを心がけましょう。宍戸氏は、「お父さんならこうやって乗り越えるかな」「お母さんも昔同じような経験をしたよ」と “ヒントを与えてあげる” のもよいとしていますよ。そして心配なのが、「いじめ」に発展しているかもしれない状況です。子育て研究所代表で教育コンサルタントの佐藤理香氏によると、「けんかは対等な立場、いじめはいじめる側が一方的に強い立場」という大きな違いがあるとのこと。ケンカはお互いに傷つくことが多く、いじめはいじめられたほうばかり心身が傷つく、ケンカはどちらかが止めれば終わるのに、いじめはいじめるほうが止めない限り続くと言うのです――。そして佐藤氏は、「子どものいじめが怖いのは、いじめていた子がいつの間にか “いじめられっこ” になること。ちょっとしたきっかけで、周囲の反応や立場が変わり、現実を受け止めきれずに不登校になることも」と指摘します。エスカレートしていくと、本人や親の手には負えないほど深刻な状況に発展することもあるため、子どもの表情や言動を注意深く観察するようにしましょう。以前より笑顔が少なくなった、学校の話をしなくなった、部屋にこもりがちになった、原因不明の体調不良が増えた……など、いつもとは違う様子に気づいたら、学校に相談しましょう。***ケンカは子どもの社会性や協調性、コミュニケーション能力、問題解決能力を鍛えるチャンスだと思って、すぐに止めるのではなく、様子を見守り、話を聞き、解決策を一緒に考えてみてください。きっとお子さんの意外な一面を知ることができたり、成長を感じたりできるはずです。(参考)All About|子どもの喧嘩を仲裁するには?幼児の社会性を育むためにPHPのびのび子育て 2021年6月号, PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもを大きく成長させる、人間関係における失敗。親が知るべき「子どもとの距離感」たまひよ|子どもがお友達とケンカ!怒るべき?怒らないべき?加藤紀子(2020),『子育てベスト100』, ダイヤモンド社.ママテナ|子どものケンカ。その効果的な対処法は?あんふぁんweb|感情をコントロールできない暴力幼児が増えている︎ベネッセ 教育情報サイト|すぐに手が出る息子。どうしたらいい?[うちの子、どう接したらいいの?]STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|気になる我が子の「友だち」問題。親は介入してもいい?嘘つきな友だちへの対処法は?ウーマンエキサイト|小学校前に知っておいて!子どもの「いじめとケンカ」の違い
2023年01月11日2歳差の兄弟を育てています。長男は外で遊ぶのが大好きな子で常に元気いっぱい! 次男は手先が器用で家の中で遊ぶのが得意でした。だから、次男のほうが大人しい性格だと思われることが多かったのですが、そうではありませんでした……。おもちゃの取り合いで喧嘩長男が4歳、次男が2歳のとき、長男は常に顔のどこかしらに傷があったような気がします。幼稚園に送っていくと、長男の顔を見た先生に「どうしたの!?」と言われることもよくありました。それに対して当時年少の長男はひと言、「弟にやられた」。 一緒に遊んでいて使いたいおもちゃが重なってしまったりすると、次男はとにかく手が出るのが早く、勝てないと長男の顔をひっかいてしまうのです。言い聞かせてもまだ2歳なので、なかなかうまくいきませんでした。 わからなくても話してみようといっても次男だけが悪いというわけでもなく、長男のほうも次男を「まだ赤ちゃんだから言ってもわからないだろう」という風に、おもちゃを黙って持って行ってしまったりする様子が見られました。そこで私は長男に、次男はまだわからないかもしれないけれど、「使ってもいい?」「このおもちゃどうしたいの?」などお話ししてみようと提案してみました。 長男はすぐに実践してくれて、弟に対して話しかけながら遊んでくれるように。次男は相変わらず手が出てしまうこともありましたが、徐々に2人で遊ぶのがうまくなっていきました。 それから数年後…思いがけない効果が!それから数年が経ち、兄弟はすっかり仲が良くなり、次男が長男に怪我をさせることもなくなりました。長男とそんな話をしたこともすっかり忘れていたのですが、長男の担任の先生から思いがけない話を聞きました。 クラスでお友だちが発表しているとき、うまく続きが言えない子がいると、長男が「それからどうしたの?」と話しかけるというのです。先生はとても喜んでいて、「どうしたらそんな風に育てられるんですか?」と聞かれ、次男がうまく話せない時期のことを思い出しました。 恐らく本人はもうそのころのことは憶えていないと思うのですが、「聞いてみる」ということが長男のなかで定着しているのだなあと感じてとてもうれしくなりました。兄弟喧嘩は本当に心配でしたが、成長していくうえで必要なステップだったのだと今は思っています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:田丸あかね現在、小学校2年生と幼稚園年長の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2023年01月10日「泣き出した子どもをママが抱っこしたら、とたんに泣き止んだ」という光景を見たことがありませんか?子どもはママの抱っこに安心感を得て、「もう大丈夫だ」と感じるのでしょう。そんな親子間の心のつながりが、子どもの成長に影響を与えることがわかってきました。この心のつながりこそが、今回のコラムテーマである「アタッチメント」です。それでは、「アタッチメントとはなにか」「アタッチメント形成のためにできること」について、詳しくご紹介していきましょう。アタッチメントは「親と子の感情的な絆」そもそも、アタッチメントとはどんなものなのでしょう?発達心理学が専門の森口佑介氏(京都大学大学院准教授)はアタッチメントを「親子の絆」と定義し、アタッチメントの大切さを以下のように説明しています。子どもが赤ちゃんのときには、なにをするにも親の助けが必要です。あるいは、なにか嫌なことがあったときにお母さんが抱っこしてくれるなどすれば安心できる。そういう親子のやり取りのなかで、子どもは親との感情的な絆を深めていきます。そして、このアタッチメントこそ、子どもがよりよい人生を歩んでいける人間になるための「礎」なのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」) ※太字は編集部で施した「親子の絆」について、もっと詳しく!↓↓↓『困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」』また、アタッチメントを「子どもが特定の人に示す愛着感情」「特定の人との精神的な絆」と定義している、公認心理士の佐藤めぐみ氏によると、幼児期にありがちな問題解決にもアタッチメントが効果的なのだそう。なんと、「アタッチメントの育み方次第で、気質的には引っ込み思案で幼稚園や保育所で不安を感じるような子どもであっても、しっかり元気に登園できるようになる」と言うのです。引っ込み思案な気質をもつ子どもが保育園・幼稚園で過ごす場合、そうでない子どもと比べて、より多くのエネルギーが必要になります。たとえばお迎え時、「抱っこして!」とせがんできたり、手をつないできたりと、子どもが普段より甘えてくることがありませんか?そんなときこそアタッチメントの出番だと、佐藤氏は述べています。このように子どもの成長における大切な要素として、近年注目されているアタッチメント。次項では、アタッチメントが形成されている子と、そうでない子の違いについて見てみましょう。「アタッチメント」は子どもの人生を左右する!どうやらアタッチメントは、子どもの人生を左右するようです。ベネッセ教育総合研究所と東京大学発達保育実践政策学センター(Cedep)の共同研究では、「アタッチメントが子どもの成長においてとても重要」「0歳からのアタッチメントが、非認知スキルともいわれる『学びに向かう力』の育成につながっていく」ということが明らかになりました。教育心理学者の遠藤利彦氏(東京大学大学院教授)も、「アタッチメントこそが、子どもの精神的発達におけるキーワードであり、人生にも大きな影響を及ぼすことがわかってきた」と述べています。では、親とのアタッチメントが形成されなかった子どもはどうなってしまうのでしょう?前出の森口氏は、アタッチメントが不十分な子どもについて次のように指摘しています。しかし、親とのあいだのアタッチメント形成が不十分な子どもの場合は、「親やまわりの人は自分を助けてくれることなんてない」「自分なんて親やまわりの人から愛されない存在だ」という認識があるために、自信を持つことができず、ちょっとした困難にも立ち向かうことができません。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」) ※太字は編集部で施したアタッチメントの形成次第で、自分に自信をもつことができなくなってしまうのですね。森口氏の著書『自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学』にも、アタッチメントは「子どもの好奇心やチャレンジ精神の向上にも深く関わっており、人生を左右するほど大事なもの」だと書かれています。また、親によるスマホネグレクトとアタッチメントの関係を問題視しているのは、心理学者の諸富祥彦氏(明治大学文学部教授)です。諸富氏によると、スマホネグレクトとは「スマホ依存症」の親がスマホばかり見ていることで引き起こされるネグレクトのことだそう。家族の大切な対話の場である食事中にも、親はスマホばかり見ているのですから、「お父さん、お母さんは自分のことを大事に思ってくれている」という実感を子どもは得にくくなる。そのため、いわゆる愛着、専門用語ではアタッチメントといいますが、親子間における心の絆の形成が弱くなるのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係)いかがですか?人間形成において、アタッチメントがいかに重要な役割を果たすか、理解できたのではないでしょうか。続けて、アタッチメント形成のポイントについてご紹介します。アタッチメントを育むために親ができること■子どもが望むなら、とことん甘えさせてOK! (佐藤めぐみ氏)佐藤氏は、親が「子どもが甘えたがっているときにその気持ちをしっかり受け止める」と、子どもは翌日も元気に登園するためのエネルギーをチャージできると話します。子どもに「甘え行動」が出たときには、しっかり甘えさせてあげてください。「膝のうえに子どもを乗せて絵本を読む」「一緒にお風呂に入って遊ぶ」など、子どもが望むならとことん甘えさせてあげましょう。アタッチメントこそが「子育てのすべてを支える土台」だと佐藤氏は断言していますよ。「エネルギーチャージ」について、もっと詳しく!↓↓↓『「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!』■「ママ」「パパ」と呼ばれたら返事をしましょう(諸富祥彦氏)諸富氏は、子どもが「ママ」「パパ」と呼んでいるのに親がスマホに夢中で、返事をしなかったり、上の空だったりすると、子どもは常に不安を抱えることになってしまうと指摘します。そして、スマホネグレクトをされ続けて情緒が不安定になった子どもは、感情コントロールが効きにくくなってしまうとのこと。さらに「親から愛されている人間として穏やかに育つということも難しくなる」とも……。ですから、諸富氏が言うように、親子間のアタッチメント形成には、「ママ」と呼べば「なに?」と返してくれるという心のレスポンスが欠かせないのです。もし、「私はスマホに依存しているかもしれない」と思うのであれば、「子どもの前ではスマホを触らない」「トイレの個室など、子どもと離れたときにだけスマホをチェックする」といった対策をしてみてもいいかもしれません。「スマホネグレクト」について、もっと詳しく!↓↓↓『「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係』■「ポジティブな養育行動」でアタッチメントが育まれる(李知苑氏)ベネッセ教育総合研究所の李知苑氏は、アタッチメント形成における大事なこととして、4つの「ポジティブな養育行動」を挙げています。ポジティブな養育行動をすることで、親子間のアタッチメントは形成されていきますよ。ポジティブな養育行動1:子どもの不安を見逃さない子どもの不安や恐怖を見逃さず、気持ちを落ち着かせてあげると、子どもの心は安定します。たとえば、子どもがぐずったら「どうしたの?」と寄り添う。子どもが転んだときは、「痛かったね」と子どもの気持ちに共感してなぐさめるといったことです。ポジティブな養育行動2:子どもに愛情を伝える子どもに親の愛情を伝えましょう!愛情を伝えるには、スキンシップと声かけが一番。抱きしめる、「すごいね」「がんばったね」の声かけ、喜びをシェアすることなどが、ポジティブな養育行動になるそうです。ポジティブな養育行動3:子どもとコミュニケーションをとる遊びのなかで親子コミュニケーションをとることが、アタッチメントにはとても有効なのだそう。読み聞かせをする、子どもと一緒に好きな曲を歌う、ダンスをするなど、日常的にたくさんコミュニケーションをとりましょう。ポジティブな養育行動4:子どもを見守る姿勢を保つ「子どもがしたいことを最後まで見守る姿勢」を保つことです。子どもが好きなことがあれば、取り組める環境を整えてあげて、親は「安心の基地」として、失敗も含めてしっかりと見守ってあげましょう。ポイントはどれもとてもシンプルですが、意識して取り組むことで、よりよいアタッチメントが育まれていくでしょう。***アタッチメントはスキンシップとは違います。前出の遠藤氏も「ところ構わず、だれかれ構わずベタベタくっつくのではない」と語っています。大事なのは、「子どもが安心感に浸れるかどうか」。また、遠藤氏は、「子育てにたった一つの理想型はない」「個性を活かし、自分たちが置かれた状況を見据えながら、それぞれの形を創ってくべき」と付け加えます。 “自分たち親子の形” をつくるために、アタッチメントはとても重要な役割を果たすでしょう。(参考)森口佑介(2019),『自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学』, 講談社.東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(Cedep)・ベネッセ教育綜合研究所協働研究|乳幼児の生活と育ちに関する調査2017~2020ベネッセ教育情報サイト|乳幼児期に重要な「アタッチメント形成」とは?子どもが不安や恐れを感じたときの保護者のかかわり方DIAMOND SIGNAL|子どもの挑戦力を育む発達心理学のキーワード、「アタッチメント」とは何かAllAbout暮らし|3歳までにやってあげたい大切なこと アタッチメントとは?子どもが親とのアタッチメントを育む時期SHINGA FARM|私はいいママ?をはかる親子の「アタッチメント」とは?Benesseたまひよ|自粛生活の親のイライラや不安が子どもに与えた影響は?大切なのはアタッチメント【専門家】Benesseたまひよ|発達心理学で注目される「アタッチメント」を促す「温かく優しい雰囲気」の作り方を専門家に聞くじんぶん堂 powered by 好書好日|子育て・保育における理想とは「「1つの理想型」ではなく「そいれぞれのよいかたち」を模索するSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「登園時、毎朝大泣き」問題は、親がコレをしてあげると解決できる!「アタッチメント」でエネルギーチャージ!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」
2023年01月05日わが家の義母はピアノの先生です。5歳の娘も義母にピアノを習っていて、週1回レッスンに通っています。娘は毎回楽しみながらも娘なりに一生懸命にピアノに向き合っていますが、傍から見た義母の熱の入れようは凄まじいものがあります。そんなとき、娘がピアノのレッスンを嫌がるようになり……。 娘レッスンを嫌がるようになるそれまで楽しく通っていたピアノのレッスン。家での練習も完璧とは言えないものの、娘なりに頑張っていました。しかしあるときから、行くのを渋るように。理由を聞いても娘ははっきり答えてくれません。 それでもなんとか気持ちを持ち上げて行かせつつ、義母にも娘の状態を相談していましたが、決定的な理由は見えませんでした。「もっとお友達と遊びたいのかな?それともレッスンが嫌?」と考えていたある日、レッスンの前に娘が大泣きで「行きたくない!」とはっきり伝えてきたのです。 嫌がった理由は義母これを見て驚いた私は、その日のレッスンをお休みし、娘が理由を話してくれるまで待ちました。するとその日の夜、娘はおずおずと「あのね、娘ちゃん間違えちゃうの。練習するのはいい子で、練習しないのは悪い子なんだって。間違えたら練習してないってことでしょ? だから娘ちゃんは悪い子なの。間違えると『悪い子!』ってすごく怒るからもうピアノやりたくない」と話してくれました。 これを聞いて「義母がそんなことを言っていたなんて!」と驚きました。娘には「ママは娘がいつもお家で練習してるのみてたもん! 絶対に悪い子なんかじゃない!」と強く伝え、私は義母に真相を確かめることにしたのです。 義母の主張に声を上げたのは私ではなく…その後、レッスンのない日に義実家へ行き、義母に娘が言っていたことを伝えました。すると義母は「え、私の何がいけないの?」と、何が悪いのかわかっていないという顔。「他の生徒にもそう教えてるんですか?」と聞くと、「えー、他の生徒にはそこまでしてないわよ。ピアノに関してはサラブレットなんだから厳しくしなきゃ」と当たり前のように言います。娘が嫌がっていることを伝えても「じょうずになるため」と聞いてくれません。 何を言っても聞いてくれない義母に、怒りが込み上げてきたとき、「だから俺もピアノ続かなかったんだよ」と夫が口をはさみました。夫は「いいの? そんなに厳しくしてると、俺みたいにすぐやめちゃうよ? もう嫌になってるみたいだしなー。これはもう時間の問題だ」と言いました。 夫の脅しに義母も考え直し…夫も義母に小さいころピアノを教わっていましたが、厳しすぎる指導に耐えられず、逃げてばかりおり、結局1年でやめてしまったそうです。夫は義母を脅すように「わが家としては娘が楽しく通えないピアノ教室なら、いつでもやめますけどねー」と言いました。 これで焦ったのか義母は「まあそうね、まだ始めたばかりだし、ちょっと厳しすぎたかもしれないかな」と言い、少なくとも「練習するのはいい子、練習しないのは悪い子」という言い方はしないと約束してくれました。 孫のピアノレッスンとなると、どうしても力が入ってしまう義母。「将来はピアニストに」と本気で思っているようです。その思いが暴走しすぎないように、近くにいる私たちがしっかりと見張り役になって、娘を義母の熱すぎる思いから守っていかなければと思っています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 作画/山口がたこ著者:山口花田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
2023年01月04日わが家には2人の子どもがいます。2人目が私のおなかにいるころ、上の娘はイヤイヤ期のピーク。お出かけ中どうしようもなくて途方に暮れていると、ある女性に話しかけられました。今思い出しても心があたたまる、忘れられないエピソードを紹介します。 妊娠中のイヤイヤ期私が2人目の子どもを妊娠しているころ、当時2歳の娘は絵に描いたようなイヤイヤ期でした。服や靴を私が選んでしまったり着せようとしたりすると嫌がり、公園やスーパーでは寝転がり泣き叫び、お風呂も寝るのもイヤイヤで、私は毎日ヘトヘト。 妊娠中で抱っこや遊び相手がいつも通りにできず、娘にいろいろと我慢させてしまう場面が多かったため、余計にイヤイヤがひどくなってしまったのかもしれません。そんなある日の午前、やっとの思いで出かける準備をして、図書館へ出かけました。 図書館へおでかけその図書館は自宅から歩いて行ける距離にあり、敷地内にすべり台など遊具もあるためよく通っていました。娘はすべり台がお気に入りでしたが、その日は前日の雨で水たまりが多く、外で遊ぶことは難しそう。私は娘がそれに気づかないよう「あの絵本あるかなー」などと言いながら図書館内へ。 幼児用スペースで、絵本を読んだりおもちゃで遊んだりして過ごしました。そしてお昼ごはんの時間になり、「そろそろ帰ろうか」と声をかけると、「すべり台行く!」という娘。珍しくイヤと言わず外へ出ることができたので、すべり台さんありがとうと思っていた私は、水たまりがあることをすっかり忘れていました。 水たまりで遊んでいると…娘は外へ出ると、真っ先にすべり台へ向かい、そばにある大きな水たまりを見つけてしまいました。水たまりには落ち葉が浮いていて、それを追いかける娘。私は「おなかすいたな」「帰ってごはん食べよう」などと声をかけましたが、娘は手や足をべちゃべちゃに濡らしながら夢中で遊んでいました。 無理に連れていこうとすればイヤイヤとなるのは目に見えていて、妊娠中なので暴れる娘を抱っこして連れていくのも難しく、私はしかたなく娘を見守ることに。すると図書館へ向かって歩いていた年配の女性がこちらへ近づき、「お母さん、待ってあげてえらいね」と声をかけてくれたのです。 待つだけでえらいんだ「えらいね」と言われ、「そんなことないです、どうしようもないだけです」と答える私。女性は「ううん、えらいえらい」と言いながらニコニコと通り過ぎていきました。しばらくすると飽きたのか、「おうち帰る」と言って家に向かって歩き始めた娘。私は歩きながら、そうか、待っているだけでいいんだ、もうそれだけでえらいんだと思い、泣きそうになりました。 このときまで私は、いつも娘がどうしたらイヤイヤにならないか、早く次のことへ進めるのかばかりを考えていたように思います。スムーズに対処できなかったときは、だめなお母さんだなと自分を責めることも。しかしこの女性の言葉を聞いてから、工夫して対処するのも大事だけど、「子どもの気が済むまで待つ」というだけで十分がんばっているんだと思えるようになりました。 私は、声をかけてくれた女性も、子どもが小さいころに苦労したのかな、と思いました。あるいはそういう人をたくさん見てきたのかもしれません。このことがきっかけで、私は自分を責めることなく、娘のイヤイヤ期を乗り越えることができました。子育てで悩んだときは、このときのことを思い出すようにしています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 作画/山口がたこ監修/助産師 松田玲子著者:斉藤 ひかり7歳女児、4歳男児の母。転勤族。結婚前に音楽業界で働いていた経験を生かし、主に音楽・エンタメ・子育て関連の記事を執筆中。
2023年01月04日私はごはんはみんなで食べるからおいしい、だからこそコミュニケーションを大切にしたいと考えています。そのため、家族でごはんを食べるときには、たくさん話していいんだよと子どもたちに伝えています。しかし、夫は口を開けば子どもたちに注意ばかり。とうとう、夫と喧嘩になってしまいました……。 今までの食卓の様子私と6歳、4歳、2歳、1歳の子どもたち4人でごはんを食べるときは、楽しく会話をしながら食べています。私1人で子どもたちを見ているので、てんやわんやなところはあります。けれど、6歳と4歳の娘2人がおふざけしながら会話をしていて、楽しい雰囲気です。 しかし、夫が早く帰宅した日や休日は、夫も一緒にごはんを食べるので、子どもたちは黙々とごはんを食べます。理由として夫は口を開けば会話ではなく、注意をするからです。例えば「ひじをつかない」「口を閉じて食べる」「お皿をもって食べる」などです。子どもたちは注意されるとむきになってしまうのか、注意された行為をやめられなくなり、そして夫がイライラするという悪循環が起こっていました。 喧嘩に発展食卓は楽しい場所であってほしいので、夫に「なんで注意ばっかりするの? 口を開いたら注意ばっかり。お行儀も大事だけど、楽しんで食べることが大事でしょ」とイラついて言ってしまいました。夫は「何で注意したらだめなの? 〇〇も注意してるじゃん」と反論してきたので、私の考えを話すことに。 私は日中子どもたちとずっと一緒にいるので、会話をたくさんしています。その中で「~したほうがいいよ。」という注意の仕方をしているということを伝え「パパの場合は楽しい会話もなしにただ注意をするだけだから、子どもたちはパパが口を開いたら注意されると思っているのかもよ?」と話しました。 夫の変化夫はなるほどと思った部分があったのか、まず食事のはじめには「今日は幼稚園で何をしたの?」など、子どもたちが話してくれるような話題を夫が提供するようになりました。 これは話し合いをして解決策としてうまれたもう一つの方法がります。それは、夫が気になったことは私に伝えて、私が子どもに伝えるという方法です。これによって子どもたちの夫へのむきになった行動がなくなり、夫のイライラも減りました。 夫が食卓にいて雰囲気がビシッとするのもいいことかもしれませんが、私はそれより子どもたちが楽しんでごはんを食べてほしいと思っています。夫の変化を紹介しましたが、夫と喧嘩をしたことで、お互い意見を言い合うことができ、食卓での子どもたちの笑顔が増えたように思います。喧嘩をすることでお互いまた成長しあえたらいいなと思った出来事でした。著者:松谷 えりなもうすぐ3歳になる息子と、年長・年少・1歳の娘たちの4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
2023年01月02日1歳~1歳半のころ、子どもが食べこぼしやなんでも手づかみ食べをするので、毎回離乳食の際はイライラしていました。そこで、離乳食期間の「手づかみ食べ」に疲れきっていたときに私が実践した、イライラ解消法をお伝えします。 手づかみでなぜ怒られるかわからない個人差はあれど、子どもが離乳食に慣れてくると始まる「手づかみ食べ」。スプーンやフォークを使って、食べる前段階と言われていますが、この時期の子どもにとっては、何が手づかみOKでNGなのかなんてわかりません。それなのに私は、食べこぼしやなんでも手づかみ食べすることにイライラ……。 ある日、「もう手づかみで食べたいなら、ぜーんぶ手づかみにしちゃえ!」と半ば開き直って「手づかみオンリー」のメニューにしてみました。すると、とってもうれしそうにもぐもぐ食べていました。こうしてわが家に「おてての日」ができました。 巻くだけ、乗せるだけ、並べるだけ!手づかみメニューは、基本的におにぎりにコーンを乗せる、鮭を乗せる、刻んだ野菜を乗せるなど、極力簡単に作れる物にしました。おにぎりに具を入れずに乗せたのもそのためです。 飽きたらのり巻きにしてもいいし、おにぎりを食パンにしてもOK。見た目もきれいだし、小さいおにぎりやパンが並ぶことで、普段の食事との違いを感じることもできました。 「これはおてての日のごはんだっけ?」手づかみメニューの日を作ってからは、普段の食事のときに「これは“おてての日”のごはんだっけ? どうすればいいかなぁ~?」と声かけすると、ハッとしたようにスプーンを握る日が増えてきました。 自分から「ぷーひ!(スプーンの日)」と言ってスプーンを握ってくれることもあり、少しずつ「手で食べてもいい」「食器を使って食べる」メニューの区別もついてきたようです。 初めて「おてての日」をおこなったとき、子どもがとてもうれしそうにしていて、私もラクチンで、イライラも減ったのでよかったです。 作画/Michika著者:中浦明子
2022年12月30日保育士の中田馨さんが、じいじ・ばあばのついついやりがちなちょっと困ったことについて教えてくれました。年末年始も近づき帰省する人も多くなる時期になりますよね。久しぶりに会うじいじ・ばあばの実は困ってしまった孫への行動や言動ありませんか? こんにちは!保育士の中田馨です。新型コロナウイルスの影響で、なかなか帰省することがなかったかも知れませんが、今年は帰省する人も昨年より増えるかもしれませんね。そこで今回は、帰省するときに、じいじ、ばあばが孫にやりがちなNGな事例を紹介します。 孫が食べたことのないものを与える「孫のために美味しいものを!」という気持ちで、じいじやばあばが良かれと思って孫にまだ食べさせたことのない食べ物を与えてしまった…!!というエピソードをよく聞きます。一昔前までは、アレルギーを気にすることはほとんどなかったのですが、今はそうではありません。「まだ、この食べ物は、この子には早いから食べさせていない」「アレルギーの心配がある」などの事情がある場合があります。お孫さんが食べるものは、食べさせる前にパパやママに確認してくれると安心できますよね。お孫さんが帰省前に、「普段どんなおやつを食べているの?」「好物は何かな?」など聞いてくれるのも嬉しいものです。また、可能であればパパやママも普段食べている物や、用意してほしいものをあらかじめ知らせておくのもよいでしょう 子育てについて口を出す時代の変化とともに育児は変化しています。例えば、育児にスマホを活用するパパやママも多くいます。「小さい子が見ても大丈夫なものだろうか」と心配になる気持ちはとてもよく分かります。もちろん、スマホばかり見ていると、子どもの成長発達の面で心配なこともあります。しかし、「スマホばっかり見せて」と言ってしまうと、パパやママもきっとよい気分にはならないでしょう。「スマホばかり見せて…」という言葉ではなく、「じいちゃんと絵本読もうか」など、別のあそびに誘ってくれるような言葉がけだとパパやママも嬉しいですよね。お正月の帰省ですので、お正月ならではのあそびのコマまわしやかるた、坊主めくり、福笑い、すごろく、凧あげなど昔あそびをじいじやばあばに教わるチャンスですよ。 発達について口を出す例えばよくあるのが、「もう2歳なのに、まだオムツしているの?」「ちょっと言葉が遅いんじゃない?」といった質問。おばあちゃんとしては何気なく言ったつもりかもしれません。「お父さんは1歳半でトイレに行ってたわよ」「マメに連れて行けば、すぐにおむつは取れるわよ」などのおばあちゃんの育児経験からの助言は、ありがたい反面、パパやママの不安をあおってしまう可能性があります。子どもの成長発達には個人差があります。血がつながっている親子だって同じようには育ちません。今のお孫さんの姿を認めることが何よりも大切です。また、育児の考え方も30年前と今では変化している部分もあります。今、精一杯育児をしているパパやママのことを認めてあげてくださいね。 お互いの感謝が必要普段、お孫さんと関わることが少ない、おじいちゃんおばあちゃんです。しようとしていることは全て「お孫さんのために」と思ってしているはずです。その気持ちを受け止めることができるとよいですね。また、パパやママは当然のことながら、日々の子育てを一生懸命しています。帰省した時に見える「その時だけの姿」だけを評価するのは、やはりよくありませんね。その点を、大人全員が理解して、「ありがとう」の気持ちをお互いが持つことは、とても大切ですね。何より大切なのは、お孫さんが「おじいちゃん、おばあちゃんのお家に行って、とっても楽しかった!また行きたい!」と思う気持ちだと思います。 今回のテーマは「NGなこと」だったので、なんだか耳が痛いお話だったかもしれません。最後に、私自身が子どもの時、おじいちゃんの家に帰省した時のエピソードを一つ。おじいちゃん家の冷蔵庫には、必ずジュースが常備されていました。私の母は、普段ジュースを飲ませてくれなかったのですが、おじいちゃんの家にいる時だけは好きなだけ飲んでもOKでした。今思うと、母の「特別な日なのでOK」の決まりがきっとあったのでしょうね。著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年12月29日今回紹介するのは、「態度教育」を実践する神奈川県相模原市の「虹ヶ丘(にじがおか)幼稚園」です。挨拶や礼、姿勢を正すなど社会生活で基本となる“しつけ”を大切にする指導をおこなっています。また「ヨコミネ式教育法」を導入し、豊かな人間力の育成を目指すカリキュラムも注目。幼稚園生活の全体を通してさまざまな力を育てる虹ヶ丘幼稚園の教育法に迫ります。 虹ヶ丘幼稚園ってどんなところ?●小学校生活にも通じる「生活習慣」「善悪の区別」「立腰」の3つに重点を置いた態度教育●人間力(心の力・学ぶ力・体の力)を育てる「ヨコミネ式教育法」●三点倒立・跳び箱8段もお手の物!それぞれのレベルに合わせた運動カリキュラム●年間で1,000冊の絵本を読了する子どももいる「読書教育」 神奈川県相模原市にある虹ヶ丘幼稚園は、「人間としてどんなときにも生き抜いていける力をつけること」を教育理念に掲げ、「態度教育」や「ヨコミネ式教育」に力を入れています。 姿勢を正すことや自分の頭で考えることは、小学校生活ではもちろん、自立した社会人として生きるための”根っこ”になります。「絶対できる」を合言葉に、子どもひとりひとりに合った環境・課題を与え、可能性を伸ばす教育が特長です。 PICK UP!人生の根っことなる部分を育てる「態度教育」とは? 虹ヶ丘幼稚園では、「生活習慣」「善悪の区別」「立腰(りつよう)」を3本の柱として態度教育がおこなわれています。生活習慣ではしつけの基本となる部分を、善悪の区別では普段の生活の中から良し悪しの判断を、立腰では姿勢を正して過ごすということを学んでいきます。初めはなかなか指示通りにはできませんが、子どもたちは何度も繰り返すうちに自然と身についてくるのだそう。実際に態度教育をおこなっていくことで、子どもたちの気持ちの切り替えがうまくできるようになったり、ひとつの言葉を言うだけで背筋が伸びるようになったりと、目に見える効果も実感できるそうです。卒園児のパパやママからも「小学校に行っても、虹ヶ丘幼稚園で身につけたことがきちんとできている」と喜びの声をいただくこともあるのだとか。 PICK UP!活動を通して豊かな人間力をはぐくむ「ヨコミネ式教育法」 さらに同園では、人間力をはぐくむ「ヨコミネ式教育法(※)」を取り入れており、心の力・学ぶ力・体の力の3要素を伸ばすカリキュラムを実践しています。※ヨコミネ式教育法とは、横峯吉文氏が考案した「子どもの自ら学ぼうとする力」を大切にする教育法ヨコミネ式教育法では体の力が注目されがちですが、同園が特に重視しているのは「心の力」です。園でおこなっている運動や学習は、心の力を身につけるためのひとつの手段。読み・書き・計算・体操・かけっこ・音楽などさまざまなカリキュラムを毎日20分ずつおこない、持続力や集中力を身につけていきます。日々の活動でさまざまなことができるようになった子どもたちは、達成感を味わい「〇〇もやってみたい!」とますますやる気に。この積み重ねが、心の力につながるのです。 また、園児たちはヨコミネ式教育法の教材を使って、数字や文字の勉強もしています。自由遊びの時間には、足し算や引き算をして遊んでいる子もいるそう。普段から遊び感覚で学習に親しめる環境が整っています。 PICK UP!“絶対できる!”を合言葉に運動能力を高めていくカリキュラム 運動神経を司る小脳は、6歳ごろまでに9割完成すると言われています。知性の発達には運動が密接に関係しているとも考えられているため、虹ヶ丘幼稚園では体の力を伸ばすカリキュラムも重視。一人ひとりのレベルに合った課題を与え、「絶対できる」を合言葉に、子どもたちは難しい技にもチャレンジ! ヨコミネ式教育法では、三点倒立や跳び箱8段といったイメージが強いかもしれませんが、実は「かけっこ」が重要視されています。かけっこは、運動能力の基礎。走ることで姿勢が良くなり、脳の働きにもつながるそうです。 こんなところもステキ!1,000冊の絵本を読了する子どもも!「読書カリキュラム」 「本読みは理解力につながる」という考えから、園内の各教室には100冊以上の本を常備。文字が少ない赤ちゃん向けのものから長編の絵本まで、子どもたちが自分自身で読めるように多様な本が用意されています。子どもたちは本が大好きで、人気の本はボロボロになるほど読みこまれているのだそう。3歳児から文字を覚え、読書を続けることで次第に文字量の多い絵本に挑戦するようになっていくそうです。本の内容に感動したり、語彙が増えたりと、情緒面にも良い影響がもたらされます。また、読書記録をとっていることも、子どもたちの読書意欲をかき立てている取り組みのひとつ。なんと、3年で1,000冊もの絵本を読了する子もいるのだとか! 1,000冊を達成すると、理事長から表彰状と特別な竹のしおりが贈られるとあって、それを目標に読書に取り組んでいる子もいるそうです。態度教育やヨコミネ式教育法に基づいたカリキュラムに注力する虹ヶ丘幼稚園。幼稚園で身につけたことが小学校生活でも活かされ、子どもの成長を実感するママやパパも多いそうです。 「心の力」「体の力」「学ぶ力」を養うためのカリキュラムは、それぞれの活動が相互に働きあい、豊かな人間力を高めることに役立っています。子どもの可能性や「学びたい!」という意欲を引き出すことは、自立した社会人として生きるための”根っこ”を培う大切なステップとなるのではないでしょうか。
2022年12月28日3歳の娘と生後3カ月の息子を育てています。まだ娘が1歳のとき、2人でスーパーに買い物に行ったときのこと。そこで出会った知らないおばさんから衝撃的なお叱りを受けました。予想外すぎるその内容に、私はただただ、あぜんとしてしまいました……。 スーパーで出会った知らないおばさんスーパーではいつも娘をカートの椅子に座らせて、おしゃべりしながら買い物をしていました。おしゃべりといっても娘はまだ1歳になりたて。もちろん会話ができるわけではなく、ほとんど私が一方的に娘に話しかけたり、娘が指さすものに対して私がリアクションしたりする感じでした。 その日もいつものように私が娘に話しかけながらスーパーを歩いていると、突然知らないおばさんから声をかけられました。しかも「ちょっとあなた!」と怒っているような声です。内心「え? 何!?」と驚きながら「はい」と返事をしました。 突然のお怒り! その意外過ぎる理由振り向くと声をかけてきたおばさんは見るからにお怒りです。「気づかないうちに何かしちゃったかな?」とドキドキしていると、「ずっと聞いてたけど、何その言葉!」とおばさんは続けます。「えーっと……?」と私が理解できないでいると、おばさんは言葉を続けてきます。 「赤ちゃんはね、大人と同じ言葉で話してもわからないの! 靴は『くっく』! 外は『おんも』! ちゃんと赤ちゃんにわかる言葉で話しかけないと言葉が遅れるわよ!」と言われました。こう言われてすぐには頭が追いつかず、あぜんとしてしまいました。 そして最後、おばさんは捨て台詞のように「それから子どもはちゃんと自分の足で歩かせなさい!」と言って去って行ったのです。 ただただあぜん……確かに私は娘が小さいときから赤ちゃん言葉を使ったことがありません。大人と話すのと同じような言葉で話しかけてきましたが、まさかそのことを注意されるとは思ってもいませんでした。ただ私にとってあまりにも予想外な指摘だったので、叱責に対しての怒りはわかず、ただただあぜんとしてしまいました。 ちなみにこのとき1歳だった娘はハイハイ真っただ中。まだ自分で歩くことはできなかったので、おばさんの背中を見ながら「まだ歩けないんですよ……」と心の中でつぶやきました。 知らない人から一方的な育児アドバイスをもらうことは多々ありましたが、この指摘はかなり印象的でした。これを受けて私が言葉遣いを変えることはありませんでしたが、それでも娘は同年代のなかでもかなりおしゃべりな子に成長しました。「世の中にはいろいろな人がいるなぁ」と思った体験談です。 著者:水田 真理アレルギー持ちな娘の母で元理科の塾講師。子育てはできるだけ家にあるもので、娘と楽しめるように日々創意工夫を実践。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2022年12月27日娘が2歳になるころ、俗に言う「イヤイヤ期」がやってきました。なんでも自分でやりたい時期の娘に対して頭を抱えつつも、健やかな成長にうれしさもありました。そんな中、義母から言われたひと言についてのお話です。(※コロナ禍になる前の体験談です) イヤイヤのレベル買い物などで同じくらいの月齢の子を見かけると、同じくイヤイヤ期なんだろうなぁと感じる場面に何度か遭遇したことがあります。友人から、「大泣きしながら床に這いつくばって、どこだろうと寝転がって動かないよ!」という話を聞くこともありました。 娘の場合は人見知りもあったためか、外出先では比較的イヤの主張は控えめで、周りを見て落ち着けるタイプのようです。イヤイヤの言動が見られたときは、娘が伝えたいことを一度必ず受け止めて、一緒に解決するというコミュニケーションを大切にしながら成長を見守ってきました。 楽しかったバーベキューのあとに…ある日、義両親とバーベキューに出かけました。久しぶりの祖父母に緊張した様子の娘でしたが、遊具が設置された河川敷でおこない、ごはんもそっちのけで遊ぶほど楽しく過ごせました。 しかし楽しい時間も束の間、「イヤ!! 帰りたくない」と予想通りにこの日もイヤイヤの時間が来ました。珍しく這いつくばって動きません。最終的には無理やり連れて帰るしかないと思っていたとき、義母が来ました。「今がちょうどイヤイヤ期で、主張が激しくすみません」と伝えると……。 今と昔の育児の違い「(夫姉弟)はイヤイヤ期なんてなかったけどね〜」とひと言。帰宅後には義両親から「今はそんな風に言うの? 家でもこうなの?」「昔はイヤなんて言わせる前にお尻たたいて外に出してたよ」と、娘の成長や私の育児を比べるような話題に。 それから急に娘に対して厳しい対応に切り替わり、とても気が気でない状況でした。数カ月に1回会える程度の義両親に何がわかるんだと、私は夫に愚痴を言うことしかできませんでした。 イヤイヤ期も娘の喜ばしい成長過程だと思っていたので、義両親の言葉にはショックを受けました。その後、その場だけではない娘を見てもらため、写真共有アプリで文章を添えて娘の成長を頻繁に発信したり、イヤイヤ期の中でもできるようになったことを伝えました。今では、30年前とは時代も育児も変わっていることに、理解を示し接してくれています。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! イラストレーター/ムチコ著者:島野かすみ2歳女の子のママで、元ブライダル業界勤務。現在、第二子を妊娠中。激務の夫に頼らずワンオペ育児をこなし、自身の経験から家事・育児術などを執筆している。
2022年12月21日みなさんは、自分が反抗期だった頃のことを覚えているでしょうか。「あの頃は、親に反抗ばかりしていたな」という人もいるかもしれません。一方で、わが子のこととなると、「こんなに素直だけれど、本当に反抗期なんて来るのかしら……」と思っていませんか?今回は、「思春期と反抗期の違い」や「反抗期がある子とない子の違い」について、詳しく解説していきます。思春期は人生に一度誰にでも訪れる!反抗期は……?まずは、混同されがちな「思春期」と「反抗期」について考えてみましょう。■【思春期】人生に一度 “誰にでも” 必ず訪れる京都市こころの健康増進センターが作成した資料によると、思春期とは「子どもからおとなへと心身ともに大きく成長する時期」とのこと。どうやら、思春期は「心」と「身体」がどちらも急速に変化する時期のようです。同資料では、身体の変化のひとつ「第二次性徴」について以下のように説明されています。思春期におけるからだの成長スピードはとても速く、学童期まで慣れ親しんだ自分像は、あっという間に過去のものになってしまうほどです。新たなからだのイメージを自分のものとして受け入れられるようになるまで、不安や戸惑いを感じる子どもも少なくありません。(引用元:京都市こころの健康増進センター|思春期のこころをはぐくむためのガイド)みなさんにも、第二次性徴はあったはず。そう、思春期は人生に一度、誰にでも必ず訪れるのです。そして同資料では、「親に対してよそよそしくなる」「批判的な態度を示す」といった、思春期のあいだに訪れる心の変化を「一般的に反抗期と呼ぶ」と書かれています。■【反抗期】人生に2回訪れる(※個人差あり)和洋女子大学こども発達学科教授の大神優子氏は、反抗期は2回訪れると述べています。1回めは2歳前後のいわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる「第一次反抗期」。この第一次反抗期は、親に反抗するというよりも、心と体が未発達なのに「何でも自分でやりたい」という気持ちだけが強くなり、「やりたいのにできない」ことが引き金になっているとのこと。そして2回めは、中学生・高校生時期にピークを迎える「第二次反抗期」です。大人の言うことを素直に聞かなくなる、いつもイライラしていて「ウザい」「ダルい」と言ってばかり、親とあまり話さなくなるなど。大神氏によると、このような反抗的な態度は、早い子で小学校中学年くらいから始まり、高校生頃までには落ち着く傾向があるようです。ただし、「第二次反抗期」は、必ずしも全員に訪れるわけではありません。みなさんのまわりにも、「反抗期がなかった」という人がいませんか?次項では、「反抗期がないまま大人になった人」について考えてみます。反抗期がない子どももいる!?精神科医の菊池秀明氏によると、親離れや反抗期は「子どもが社会の中で親に頼らず同世代の仲間とともに自分の力を信じてやっていく、大人になっていくという過程の一部」なのだそう。そのうえで菊池氏は、親に反抗しない・できない子どもについて次のように危惧しています。むしろ、思春期になっても親に甘え続けてしまう。自分では何も決められない。親を恐れて全く反発できない。親や仲間に気を遣い過ぎて何も言えない。親や仲間の言いなりになってしまう。家や学校で良い子を演じてしまう。そのような子どものほうが、不登校や摂食障害などの問題を引き起こしてしまうことがあります。(引用元:公立学校共済組合 関東中央病院|反抗期について)しかし、昨今の親子関係に着目すると、反抗期がないことは一概に悪くないという見方もあるようです。京都女子大学教授で臨床心理学が専門の正木大貴氏は、「反抗期がない子どもが増えている」とし、その理由をふたつ挙げています。ひとつは、上記同様「反抗したくても、親のコントロールや押さえつける力が強い」から。この場合、正木氏が「大人になったときにどこかで爆発してしまう可能性がある」と注意を促すように、社会に出てから人間関係で苦労するケースもあるようです。ふたつめは、「子どもが親に対して反抗する必要がない」から。この場合、子どもに対して理解のある親が増えてきたという時代背景が関係しているようです。正木氏によると、最近では多様な趣味や生き方が広く知れ渡り、「いろんな価値観があっていいよね」と、子どもの意見を尊重する親御さんが増えているとのこと。その結果、「うちの親は比較的自由にやらせてくれる」「何を言っても否定せずに聞いてくれる」と、反抗する理由がなくなるというわけです。アンガーマネジメントの専門家である本田恵子氏もまた、「うちの子、反抗期がないけど大丈夫?」と心配になる親に向けて、「穏やかに育って反抗期がないという子どもも存在します。それは、子どもの欲求を上手に親が受け止めていた場合です」と話します。もちろん子どものわがままをすべて聞き入れて、子どもの言いなりになるという意味ではありません。大事なのは、わが子の話に耳を傾け、共感して受け止めてあげること。教育評論家の親野智可等氏も、思春期の子どもの話に共感することの大切さについて見解を述べています。まず、一番よくないのが「反抗期の子どもを “子ども扱い” する」ことなのだそう。いつまでも小さい子ども扱いして小言ばかり言ったり、正論を押しつけたり、すぐに励ましやアドバイスをしたりするのもNGです。親野氏によると、「まずは共感すること。『そうなの?それは嫌だよね』と共感してあげると話しやすくなり、親への信頼も高まる」のだそう。そして何より、親を信頼し、親の愛情を実感できている子は、自分を大切にするようになると言います。たとえ悪い誘惑があったときも、「大切にしてくれる親に心配かけたくない」という意識がはたらき、ブレーキがかかるようになるのです。子どもはしだいに、親の目が届かない世界に足を踏み入れていきます。だからこそ、親子の信頼関係をしっかり築き上げることで、安心して外の世界に送り出してあげることができるのではないでしょうか。「男の子の反抗期」と「女の子の反抗期」の違い最後に、「男の子の反抗期」と「女の子の反抗期」の違いについて解説していきます。「男の子は言動が荒々しくなる」「女の子はイライラして不機嫌になる」など、反抗期特有の言動は男女によって変わるケースもあるので、ぜひ参考にしてください。■【男の子の反抗期】ありがちな言動と解決法1. 口が悪くなる口を開けば「うっせー」「うぜー」「ムカつく」など、反抗的な言葉ばかり。うんざりしそうになりますが、心理カウンセラーで医学博士の芳川玲子氏によると、「ホルモンが不安定で、感情がコントロールできない」ことも一因なのだそう。「そういう時期なんだ」と割りきって、一歩離れて見守ってあげましょう。2. 部屋にこもりがち前はよくリビングで家族団らんの時間を過ごしていたのに、気づけば自分の部屋にこもってばかり……。心理学者の諸富祥彦氏は、「これまで過干渉気味だったのでは?」と指摘し、思春期に入った男の子は「部屋や自分の殻にこもり、コミュニケーションをしないことで親の干渉を遮断して、『自分』という新しい存在を一生懸命形成しようとしている」のだと言います。親子関係が新しいステージに入ったという自覚をもち、それまでとは違う距離感で関わっていきましょう。3. 出かけるときに行き先を教えてくれない「10歳くらいから、男の子は自分の力を試したい気持ちが強くなります」と芳川氏が言うように、この時期は親の手を離れて友だちどうしで遠出することが増えてきます。行き先や帰る時間を聞いてもはぐらかされたり、うっとうしそうにされたりすると、親として心配になりますよね。認知科学者の松井智子氏は、「まずは起こりうる危険を具体的に話して聞かせましょう。そのうえで、一度親御さん自身もその場所へ足を運び、お子さんと同じ風景を見て共感することも大事です」とアドバイスしています。■【女の子の反抗期】ありがちな言動と解決法1. 自分の容姿を人と比べるようになる産婦人科医の高橋幸子氏によると、反抗期の子どもは「周囲からどのように思われているのだろう」と他人からの評価にとても敏感になるため、容姿や体型などの外見的特徴を必要以上に気にするようです。「特に女の子によく見られますが、それは自我の順調な育ちです」とのことなので、スキンケアや脱毛、おしゃれのことなどは常識の範囲内で親が協力してあげると、子どもの安心感にもつながります。2. 注意するとふてくされるいままでは注意すると「ごめんなさい」と素直に答えてくれたのに、ふてくされたり、にらんできたり、かわいげのない態度をとるようになった……。諸富氏は、「学校や友だち関係で思い通りにならないことがあって、イライラしているのかも。心を許しているからこそ、親に甘えている」とし、過剰に反応せずに「あらあら」と流してOKとのこと。諸富氏によると、思春期の女の子の人間関係は毎日目まぐるしく変化し、感情のアップダウンが激しくなりがちなのだそう。わが子の機嫌に振り回されるのではなく、親として大きく構えておいたほうがよさそうです。3. だらしなくなる以前は元気で活発だったのに、いつの間にか「めんどくさい」「疲れてるからやらない」とダラダラ過ごす時間が増えてきた気がする……。親としては見過ごせませんが、芳川氏によると「第二次性徴が始まると、成長にエネルギーがもっていかれるので、どうしても疲れやすくなる」のだそう。「外では気を張ってちゃんとしているからこそ、家のなかではリラックスしているんだな」と解釈して、あまり口うるさく注意しないようにしましょう。***「反抗期なんてまだ先」と思っていても、気づけば思春期に差しかかり、お子さんの体も心もあっという間に成長してしいきます。嬉しくもあり、ちょっと淋しいお子さまの成長に寄り添えるように、充実した親子関係を築いていきたいですね。(参考)たまひよ|似ているようで違う、イヤイヤ期の反抗と、思春期の反抗京都市こころの健康増進センター|思春期のこころをはぐくむためのガイド公立学校共済組合 関東中央病院|反抗期についてYAHOO!JAPAN ニュース|「反抗期ない」若者増加か 専門家「親の考え方のゴリ押しが減少」SNSで発散する『隠れ反抗期』に注意STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「10歳の反抗期」に親がすべきこと。子どもは親の思いどおりには育たない!東洋経済オンライン|反抗期の子を絶望させる「親たちの最悪な対応」AERA with Kids 特別編集(2020),『自己肯定感を高める本』, 朝日新聞出版.諸富祥彦(2016),『反抗期乗り切りマニュアル』, 主婦の友社.
2022年12月19日わが家は夫が休みの土日のどちらかは、お昼ごはんを済ませてから義実家へ遊びに行くことが多いです。そのたびに義母は息子たちへとお菓子を買っておいてくれます。しかし先日、お昼ごはんを一緒に食べようとお弁当を買って遊びに行ったとき、お菓子のことで義母とギクシャクしてしまい……。 お昼ごはんの前にお菓子を出した義母義実家へ着いてお弁当を食べようとしていたら、義母が台所からある物を持ってきました。「はい、◯◯くん、◯◯くん、ばぁばが買ってきたお菓子よ! いっぱいごはん食べたらお菓子を食べていいからね〜!」とお菓子を持ってきたのです。 たしかに、いつも遊びに行くとすぐに買ってくれたお菓子を持ってくるのですが、この日のように、ごはんの前に息子たちに見せてしまうとは誤算でした。それを見るなり、息子たちは「お菓子食べる!」と言ってお昼ごはんを食べたがりません。 お菓子はごはんのあと!嫌な雰囲気に…私はごはんをたくさん食べないとお菓子はあげないと決めているので、「ごはんの前にお菓子はだめ!」と息子たちに言いました。3歳になる長男はわかってくれましたが、このごろ「我」が強くなってきた次男はお菓子が食べたいとギャーギャー泣き出しました。つられて長男もグズグズな雰囲気に。 義母はそんなふうになるとは思わずお菓子を渡したのでしょうが、私はどうしてごはんの前に見せるんだろう……とイライラしてしまいました。お菓子を買ってくれるのはありがたいのですが、せめてごはんを食べたあとに出してほしかったのです。 お菓子を見せたら全部食べると思った義母義母は申し訳なさそうな顔をして「ごめんねー、お菓子を見せたらごはんをいっぱい食べるかと思ってたんだけど……」と言いました。たしかにその考えはわかりますが、子どもたちはまだ幼いのでお菓子を見たらすぐに食べたがってしまいます。「すみません、お菓子を最初に見せたらごはんを食べたがらないんですよね……」と私も謝りました。 そんなこんなでその日は子どもたちもなんとか機嫌を直し、ごはんを少しだけ食べてからお菓子を食べたのですが、義母にはもう少し配慮してほしかったなと思いました。 その後も義母とは良好な関係が続いていますが、今回のことのようにちょっとだけギクシャクした雰囲気になることがあります。ごはんを食べるまでお菓子は隠していてほしかった私と、お菓子を出せば頑張って食べると思っていた義母。どちらの考えが正解というわけではありませんが、これからもちょっとしたことでも会話を重ねながら良好な関係を続けていきたいと思っています。 著者:森下ミメカ3歳男児と1歳男児の母。長男妊娠を機に専業主婦に。2歳差育児の大変さを痛感中。現在、子育てや暮らしについてのブログや体験談を執筆している。 イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2022年12月18日2歳になる前から3歳半まで激しいイヤイヤ期が続いた息子。「自分でやってみたい! 」「何でも自分で決めたい! 」欲が人一倍強く、意にそぐわないと、室内でも屋外でも地べたにあお向けになって泣きわめいてジタバタしていました。まさか自分の子どもがこんな風になってしまうとは……と心身ともに疲労困憊の毎日でしたが、あることを実践したことでイヤイヤ行動が劇的に減っていきました。 どんな場所でもひっくり返って泣く息子 息子は、公園やおもちゃで遊ぶことが大好き。イヤイヤ期の最中、あたりが暗くなり夕飯の時間になるまで遊んでも、帰りたくないと泣きじゃくり、家の中でおもちゃで遊んでいるときは、お出かけをする時間になっても家から出たくないと泣いて床に転げまわって泣きわめきました。 そうなってしまうと、どう声かけをしても落ち着くことがないので、息子を肩に担いでその場を移動しなければならないという日々が続きました。 かんしゃくの原因は、時間感覚がないから?息子のかんしゃくは「時間」に関係する事柄でよく起きており、まだ2歳なので時間の感覚がないということに気づきました。そこで私は、息子に時計の読み方を教えようと決め、時計の絵本を購入。 やってみたいという欲求が強い息子は、時計の読み方に強い興味を持ち、意欲的に覚え始めました。「何時何分」と正確に読むことは2歳の息子には難しかったので、「長い針が1から2になったら5分進んだ」ということを覚えさせました。 時間の決定権を息子に委ねてから変化が!息子のイヤイヤ行動にさらに有効だったのは、最終決定権を与えることでした。たとえば、公園から家に帰る際、「いま長い針が3なんだけど、長い針が4と5、どっちになったら帰りたい?」と、スマホの時計を見せます。そうすると息子はどちらかを選択することができるので、「自分で決めたい」という欲求も満たすことができました。 帰る時間を自分で決めることができるようになってから、遊んでおきたい遊具で何度も遊んだりと、息子の行動にも変化が見られました。 息子が時間の概念を理解し、時計をある程度読めることができるようになってから、大きなストレスが1つ減り心が軽くなりました。2歳なので当然気分にムラがあり、うまくいかない日もあります。しかし、子どもなりに遊ぶ時間配分があるのかなと考えたら、泣きわめいて床に転がっている息子を見ても、気持ち的にラクに対応できるようになりました。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/ムチコ著者:大井絵衣5歳男児の母。「楽しく子育てがしたい!」がモットー。台所育児を実践中で、息子が1歳のころから毎日夕飯を一緒に作るのが日課。自身の育児経験を中心に、子育て関連の記事を多く執筆中。
2022年12月17日息子が1歳半のときトイトレを始めた私。トイトレを始めて2カ月で一度もおまるにおしっこをしてくれない息子に疲れて、一旦トレーニングをあきらめました。息子が2歳半になり、うんちやおしっこに関心が出てきた今、さっそく再スタート! しかし、今度は成長したからこそ難しくなった出来事が……。そんな奮闘の体験談です。 一度トイトレをあきらめた私は、息子がまだおしっこやうんちが出てもまったく反応がなかった1歳半のとき、「トイトレも習慣だ!」と出なくても毎日定時におまるに乗せました。しかし、息子をおまるに乗せてもまったくしない日が2カ月間続き、私は「まだ時期じゃないんだ」とあきらめたのです。 また、ママ友からも「時期がくれば、勝手におむつがはずれるから大丈夫!」と言われ、息子のペースに合わせようと心に決めました。それから1年、息子が排泄物に興味が出始め、トイトレを再開することにしました。 おまるを怖がる息子私がトイレに行くと必ずついてきて一緒に入り、「カカ(うんち)ピピ(おしっこ)!」と連呼する息子。息子もおまるや子ども用の便座を付けたトイレに座らせるのですが、怖いのか毎回グズりだして大泣き! 大好きなぬいぐるみやトイトレの絵本を使って気を紛らわせても、すぐにトイレから降りたがってしまうのです。そして、おまるやトイレに座らせようとすると走って逃げるように……。私は困り果ててしまいました。 場所を変えてみると……おまるやトイレを怖がる息子に悩んでいた私ですが、ちょうど同じ時期に息子に良い反応があることに気づいたのです。それは、「シャワーのとき、立っておしっこをすること」。 私は「男の子だから、別におしっこはおまるに座る必要ないんだ!」と思い、トイレではなく毎回シャワー室で立っておしっこをさせることにしてみました。すると、息子はまったく怖がることなく、シャワーのお湯を流して声をかけるとおしっこをしてくれるようになったのです! 今のところ、息子はトイレではなくお風呂でしかおしっこをしませんが、おまるやトイレに対する恐怖感がなくなるまではこの方法で試してみようと思っています。私の声かけと自分の意思で排泄ができるようになったことは、息子の大きな成長だと思います。これからも息子のペースで、できることからトイトレをしていきたいです。 イラストレーター/さくら著者:岩見 エリ2人の男児の母。看護師歴12年、フランスで出産し子育て中。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2022年12月12日わが子が通う幼稚園では、つけて行ってもいいヘアアクセサリーの種類や形状など、子どもの身支度についてルールがあります。内履きは無地のものを履くようにとのこと。そんな幼稚園からのお願いについて考えさせられる出来事がありました。 大好きなアナ雪の内履きを購入する幼稚園に通うわが子の内履きがサイズアウトしたため、靴屋へ向かいました。足が大きくなり内履きが履きにくかったためか、幼稚園の中で内履きを履きたがらない様子が見受けられたとのことです。 靴屋で内履きを見ていると、わが子の大好きなアナ雪の絵がプリントされた内履きが、無地のものよりも安く売られているのを発見。内履きは無地を準備してほしいという幼稚園のお願いを思い出したのですが、お迎え時に他の子も履いていたという理由で、アナ雪の内履きを購入しました。 これでよかったのか…とモヤモヤアナ雪の内履きを購入してもらったわが子はとても喜び、内履きを履きたがらない様子もなくなり、アナ雪の内履きを大切にしている様子が伺えました。また、幼稚園の先生から、内履きについて注意を受けるようなことはこともありませんでした。 「わが子は喜んでいるし、内履きも履くようになったし、キャラクターがプリントしてあるくらい大した問題ではないのではないか……」と思いアナ雪の内履きを履かせていましたが、これでよかったのかという疑問がずっと心の中に残っていました。 カチューシャをつけていきたいとごねるある日、幼稚園から帰ってきたわが子が「幼稚園にカチューシャとかつけていきたいの」と私に話しました。幼稚園にはカチューシャをつけていってはいけないことになっていると話したのですが、他の子がつけていたことを理由に納得できない様子。 そこで、カチューシャをつけて幼稚園バスの集合場所で先生に聞いてみることにしようということで話は収まりました。翌日、わが子はカチューシャをつけてバスの集合場所へ。 「いけないよ」と言われ、カチューシャを外す幼稚園のバスが到着し、先生がバスの中から出てきました。私はすかさず「カチューシャはつけていいですか?」と尋ねると、先生は「つけてはいけないんですよ……」とのこと。このやり取りを見たわが子はしぶしぶカチューシャを外し、不満が残った様子で幼稚園バスに乗り込んでいきました。 その後、わが子がカチューシャをつけていきたいと言うようなことはありませんでしたが、周囲のマネをしたがるようなことが何度かありました。 幼稚園のルールやお願いに対し、私がこれくらい大丈夫と勝手に判断してしまったことで、マネをしたがるわが子のように、周囲にも何らかの影響を与えてしまったかもしれないと反省。また、それはわが子にも「ルールを守らなくていい」と言っているような面もあることに気づきました。これからは自分が見本となって、わが子のルールを守る力を育んでいきたいと反省した出来事でした。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/みいの著者:坂本ひろ子1児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2022年12月11日やってほしいことは言ってもやらないのに、やらないでほしいことばかりする子ども。そのたびに怒ってしまって、寝顔を見ては「ごめんね……」と頭を撫でる日々。そんなある日、子どもの怒り方に驚きの変化が見られるようになりました。思ってもいなかった娘の言葉を聞いた瞬間、私は自己嫌悪に陥ってしまいました。 子どもの怒り方が私にそっくり…こだわりが通らなかったときや、やりたいことを中断させたときなど、子どもが怒ると私も怒ってしまう悪循環に悩んでいました。そんなときの子どもの怒り方が、だんだん私にそっくりになってきて自己嫌悪。 「私、こんな風にこの子を怒っているんだ……」と、客観的に見て反省しました。どうにかして怒るのをやめたい。でも、どうしたら私の話を聞いてくれるんだろう? 目を見て、手を握りながらなど、さまざまな方法を試しました。 保育参観で見つけたヒント夢中になっている時間を邪魔されるのは、大人でも嫌なものです。ましてや相手は子ども。保育園ではどうしているのか、保育参観の時間で観察させていただきました。そこで見つけたヒントは「楽しい気持ちのまま切り替える」という方法。 歌や手遊びを利用して、うまく切り替えていることに気が付きました。自宅でピアノは弾けないけれど、歌なら家事をしながらでも歌えます。さっそく、お片付けや手洗いの歌から試してみることにしました。 アホなママでごめんね!?はじめは楽しく取り組んでくれましたが、だんだん効果が弱くなってきました。まずは子どもの興味を私に向けないと話を聞いてもらえません。歌うだけでは効果がないのであれば、動きをつけたらどうだろうか。そう考えた私は、歌って踊ることにしました。 突然、始まったミュージカルに、子どもは興味津々。まるでプリンセスのようにお誘いすると、すんなり聞いてくれました。「これは使える」と味をしめた私。その後も、私が楽しそうにすることで子どもの興味を引き、聞いてほしいことを伝えています。家事の手を止めないといけないというデメリットはありますが、私も子どもも笑う機会が増えたので、家の中の雰囲気が以前より良くなりました。 それまで、なかなか親の思い通りにいかないことを頭ではわかっていても、つい大きな声を出してしまいがちでした。しかし今では、子どもにとっては「遊んでいただけなのに怒られた」と感じてしまうのではないか?と考えられるように。 「親なんだからしっかりしないと」と自分でハードルを上げていた育児。私が楽しそうにしているだけで子どもたちも笑ってくれるので、いい雰囲気のまま気持ちの切り替えができるようになってきました。親子どちらかが心に余裕がないときは難しい日もありますが、歌のおねえさん気分で楽しんでいます。 監修/助産師 REIKOイラストレーター/ちひろ著者:安藤 はるか小2、年中の男の子と1歳の女の子のママ。カラーセラピストとしてお悩み相談のサービスを運用中。
2022年12月03日保育士の中田馨さんが、実は困っている親がやりがちな生活習慣について教えてくれました。保育園でおむつはずれが始まったら気をつけたい具体的なことについてご紹介します。こんにちは、保育士の中田馨です。今回は、保育園児の生活習慣についてお話しします。 生活習慣とは日々の決まっている行動のこと。特に、おむつはずれが始まったときの家でのNG行動をお伝えします。 土日は紙おむつで過ごす私の保育園では、1歳半ごろから「トイレに座ってみようか?」と遊びの延長としてトイレに座る習慣をスタートし始めます。初めは1日1回程度、トイレに座って保育士とお話ししておしまいです。 本格的におむつはずしをするのは2歳前後になってから。それも子どもの成長によって多少前後します。徐々にトイレの間隔が長くなり、トイレに座ったらおしっこが出るようになり、布パンツをはいていても、保育園にいる時間はおもらしをほとんどしなくなります。 そういう子どもも家では紙おむつをはいて、紙おむつの中におしっこをするという生活をしていることが多いと思います。なので、土日をはさむ月曜日はおもらしが多いです。 予測してトイレに連れて行かないママに家での話を聞くと「家では“おしっこ”って言ってくれないんですよ」とのこと。 ここで知っておいてほしいことは、おしっこが出ることと、おしっこが出そうだから親に伝えるという能力は別物ということ。大人が「だいたいこの時間に出るだろう」と予測をつけ、トイレに連れていくのが「おむつはずれ」の基本です。 「おしっこ」と伝えられるようになるのは、かなり飛び越えた能力ということを知っておきましょう。家庭では、おしっこの間隔が安定するまで紙おむつをはいていてもOK。でも1日何度かトイレに誘ってみてくださいね。 おしっこの間隔が安定してきたら土日のうち1日だけでもいいので、パンツにもチャレンジしてみましょう。もし上手にできたら、子どもをたくさん褒めてください。そして、保育士にも報告してくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年12月02日2020年生まれの娘・ほーちゃんを授かってからの日々を描いて、Instagramにて投稿している黄英(きえ)さん。今回は、料理を手伝ってくれるというほーちゃんと黄英さんのほほ笑ましいエピソードをご紹介します。お手伝いとは…!?ある日、カレーを作ろうとすると、娘も作る!と言ってくれて……。 最近、張り切って「おてちだい(お手伝い)しゅるー!」と言ってくれるのですが、毎度他のことに気を取られて、料理が終わったころにこんな感じで拗ねてしまいます!ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤこのときはちょうどおやつのタイミングだったのでアイスで機縁が直りましたが、拗ねると長いので困ったものです。 カレー作りをお手伝いしてくれると言うほーちゃん。しかし、手を洗うことに集中してしまい、気づいたら料理はほとんど終わってしまっていました……!あまりのショックで拗ねてしまったほーちゃんですが、お母さんからすればお手伝いしてくれるという心意気はうれしいですよね。いつか一緒にお料理できる日が待ち遠しいですね。 著者:マンガ家・イラストレーター 黄英2020年生まれの娘がいる母。家族との何気ない日々や、心に留まるような毎日をマンガやイラストにしてInstagramで投稿中。
2022年11月27日娘と公園や児童館で遊んでいると、たまに「嫌だな」「あまり関わりたくないな」と思う親子に出会います。今回は私が嫌な思いをし、自分も気をつけようと思った親の対応について3つお話ししたいと思います。痛い思いをさせたら謝ってほしい娘が1歳半のころ、児童館で同じぐらいの月齢の子とおもちゃの取り合いになりました。この時期にはよくあることなので少しの間見守っていたのですが、娘は髪を引っ張られて泣いてしまったのです。引っ張った子の親もその場面を見ていて「引っ張ったらダメでしょ」と注意していましたが、娘に「ごめんね」とは言いませんでした。 私は自分の子を注意するのも大切だけど、相手に謝ることも大事だと思います。きちんと謝ったほうが相手の不快感を和らげられるし、自分の子にも謝ることの大切さを教えられると思いました。 注意の仕方が違うと思ったある日娘と砂場で遊んでいると、近くで1歳過ぎぐらいの男の子がシャベルで勢いよく砂を掘り、その砂が私たちのほうに少し飛んできていました。かかるというほどではなかったのでそこまで気にしてはいなかったのですが、その男の子のお母さんは「コラ、人にかかっているよ。怒られるからやめなさい!」と言うのです。 私は別に怒っていませんでしたし、その注意の仕方は違うのではないかなと思いました。人に怒られるからではなく、人に迷惑がかかるから気をつけなければいけないと教えてほしかったです。 よその親に任せきりにしないでほしい友人たちと公園でシャボン玉をしていたときのことです。毛糸や割り箸で大きなシャボン玉を作るための道具を作って遊んでいました。そこへ小学1年生ぐらいの子がきて、一緒にやりたいというので「じゃあ順番にやろうね」と声をかけ一緒に遊ぶことに。でもその子はなかなか順番を守らないし、他の子が大きなシャボン玉を作っているそばから割ってしまうのです。 知らない子ですし強く注意もできず、私もイライラ。その子のお母さんは遠くから様子をうかがっていましたが、最後は私たちにあいさつもなく帰って行きました。せめて「遊んでくれてありがとうございました」と言ってほしかったなと思います。 子どもがわがままを言ったり、いけないことをしてしまうのはある程度は仕方がないですが、そのことについて親がどう行動するかで、迷惑をかけてしまった相手からの印象も変わってきます。私の娘も周りに迷惑をかけてしまうことが多々あるかと思うので、何かしてしまったときはきちんと謝ったり対応したりできるようにしたいです。 イラスト/マメ美著者:小川恵子5歳と1歳の姉妹の母。育児サークルの幹部や習い事、執筆活動など、精力的に育児を楽しんでいる。
2022年11月27日保育士の中田馨さんが、子どもに強く当たってしまったときの対応について詳しく教えてくれました。自分自身に余裕がなくて、子どもに大きな声で怒鳴ってしまった……冷たい態度をとってしまった……と落ち込んでしまうママやパパもいることでしょう。ぜひ、参考にしてくださいね。こんにちは! 保育士の中田馨です。子どもに冷たい態度をとってしまったり、大きな声を出して怒ったり、頭をたたいてしまったり……などなど。日々育児をしていく中で、思わず子どもにやってはいけない対応をしてしまった! と後で落ち込んでしまうことってありませんか? きっと、誰でもあるのではないかと思います。保育の専門家でもある私だって、わが子への対応には「ああ、失敗した!」と反省の日々です。そこで今回は、できるだけ避けたい子どもへの対応のお話をします。 どうして思わず、“やってはいけない対応”をしてしまうのか?本当は何度も言いたくないけれど(叱りたくないけれど)、子どもの態度を見ていると思わず“やってはいけない対応”をしてしまいます。どうして“やってはいけない対応”をしてしまうと思いますか? それは、親が子どもに「正しい行動をしてほしい」と思うからこそです。子どものことを思っているからこそなので、「正しい行動をしてほしい」と思うこと自体は決して悪いことではありません。なので、「思わずしてしまう、やってはいけない対応」を変えていければよいですよね。 私の場合、「思わずしてしまうやってはいけない対応」をしてしまいそうになる直前に、大きく息を吸い込みゆっくりと吐きます。つまり、深呼吸ですね。1回で足りない場合は2回、3回と繰り返します。そうすると“頭で考える暇”ができるので、「さて、どう対応しようか?」と考えることができます。また、前回同じようなことが起きた場合は反省した時に、「次は、こう対応してみよう」と改善策を自分なりに考えていれば、深呼吸の後の対応がしやすいものです。 やってはいけない対応をしてしまった! と後で落ち込んだときは、落ち込むだけでなく次につながる改善策も考えてみるとよいですね。では次からは、具体的な例を挙げてみましょう。 子どもに冷たい態度を取ってしまったとき「子どもに冷たい態度を取ってしまった……」。子どもが何度も同じことを「なんで? なんで?」と聞いてきたり、サークル活動や習い事で、みんなの輪の中に入らずママにべったり……なんてときに冷たい態度をしてしまうことがあるかもしれませんね。 例えば、前者の場合、「なんで? なんで?」と聞かれることに疲れたのなら「なんでだと思う?」と聞き返してみてください。まさか聞き返されるとは思っていないので子どももびっくり! そして、子どもなりにその答えを導き出すはずです。また、後者の場合は「みんなの輪の中に入ること」が「正しい行動」と思うことを諦めてみましょう。今、子どもができていることを探すことのほうが、気持ちがラクになります。 例えば、みんながリズム体操をしているときに、ママの膝に座って体を揺らしていたら「この子なりに楽しんでいるんだ!」と感じることができれば心の余裕が生まれ、ママもきっとうれしくなるはずです。 大きな声を出して怒ってしまったとき「大きな声で怒ってしまった……」。大きな声を出すことは、子育てをしていたらあります! 例えば危険なことをした時や、お友だちを傷つけるようなことをした時は、とっさに大きな声を出して止めなければいけません。ここでママが反省してしまうのは、その大きな声を出すときに「感情的になっているかどうか?」ではないかと思います。必要以上に感情的になって大きな声を出したからきっと反省してしまうのですよね? 例えば、「いい加減にしなさい!! あなたは本当に……」と言いかけたなら、最初にお話しした深呼吸を1回入れて、低い低い声を腹の底からゆっくり出して「〇〇ちゃん……」と言ってみてください。(いわゆる“どす”の利いた声です)。これは、かなり冷静に子どもに注意することができますよ。これができると、感情的に「怒る」ではなく、冷静に「叱る」ことができるはずです。一度お試しを! 子どもをたたいてしまったとき「子どもをたたいてしまった……」。子どもがあまりに言うことを聞かないので、思わずたたいてしまった。たたかれた子どもが痛いのはもちろんのことですが、たたいてしまった親の手や心も痛くなってしまいますよね。それこそ本当に“思わず”手が出てしまったのだと思います。 もしも、子どもをたたいてしまったときには、そのままにせず必ずフォローを入れましょう。「ゴメンナサイ! たたいてしまった」と言い、たたいたところをさすったり抱きしめたりして謝ります。後でフォローをすればたたいていいものではないので、たたかずに言葉で子どもに伝える方法を、親としても考えていきましょうね。 また、たたきそうになったら、意識的に子どもとの距離を取ってみましょう。「大きな声を出して怒ってしまったとき」にご紹介した「深呼吸を1回入れて、低い低い声を腹の底からゆっくり出して……」の方法も使えますよ! 子どもにやってはいけない対応をしてしまうことは「誰しもあること」です。完璧な親なんてどこにもいませんよ! だから、やってしまったことを後悔した後は、「じゃあ次のときに、どうすればよいのか?」と前向きに考えていきましょうね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年11月25日ごはんを食べているとき、最初のうちはしっかり食べてくれるのに途中で物を口に入れるとベッと出してしまう娘……。どうにかごはんを残さず食べてもらうべく、さまざまな工夫をして何とかすべて食べてもらえるようになりました。 いきなりごはんを食べなくなった娘は生後6カ月ごろから離乳食を始めましたが、特に嫌がったり、好き嫌いしたりすることはありませんでした。ところが1歳を過ぎてから、ごはんの途中で口に入れた物をベッと出すように……。 最初のうちは、もうおなかいっぱいなのかな?と考えていました。しかしその後、ごはんの量を減らしたり、お気に入りのおかずに変えてみたりしましたが、口から出してしまうことは変わりませんでした。 さまざまなもので食卓を囲んでみたごはん中の楽しみが足りず、遊びたくなっちゃうのかな?と思い、机の向かい側に娘のお気に入りのぬいぐるみを座らせてみました。最初はお気に入りのぬいぐるみが一緒にごはんを食べているのがうれしかったのか、笑顔でごはんを食べてくれていましたが、それも効果はたった数分……。 そこで、私も娘と同じ時間にごはんを食べることに。それまでは、娘はまだひとりでごはんを食べられないし、私も一緒なんて大変だと思い、食事は別にしていました。そこで、私のごはんも娘と同じくらいの少ない量に。私が一緒に同じ物を食べてくれるのがうれしかったのか、かなり効果がありました。 コース料理形式に私と娘が一緒に食卓を囲むようにしてから何日かしたところで、またごはんを出してしまうように……。なんでだろう……?と考えてみると、娘は目の前に大好きなフルーツがあるときにほかの物を口に入れられると、それを出していることに気がつきました。 そのため、今まではワンプレートにごはんをすべてのせて出していましたが、コース料理のように1品ずつ出すようにごはんの食べさせ方を変更。すると効果てきめん! よく食べてくれるようになりました。 娘は、好きな物を先に食べたい派なのか、目の前に好きな物がないコース料理形式はとてもうまくいきました。何度かコース料理形式にしたあと、ワンプレートをもう一度出してみたところ、フルーツはほかのおかずを全部食べないと食べられないと覚えたのか、ワンプレートでもごはんを口から出さずに食べてくれるようになりました。 監修/助産師REIKO作画/はたこ著者:橋本 楓0歳女児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2022年11月25日2歳の娘さんが突然始めた、ママさんのおまたのにおいを嗅ぐ行動。最初は放っておいたそうですが、なかなかやめてくれないその行動をどうにかしようと働きかけてみたそうです。現在2歳の娘を育てています。娘は2歳になったころから、時々私の股のにおいを嗅ぐような仕草をするようになりました。今のうちだけだろうと思っていたのに、何カ月経っても思い出したように股のにおいを嗅ぐので、このままではまずいと思いやめるように働きかけることにしました。 なぜか股のにおいを嗅ぐ娘娘が2歳になったころ、何がきっかけというわけでもないですが、娘がふざけて私の股に顔を近づけてきました。私が軽い気持ちで「きゃーやめてー」と言うと、娘はおもしろがって何度も私の股に顔を近づけてきます。 これをきっかけに、娘はふと思い出すと座っている私の脚の間に顔を入れ、「くんくん」と嗅ぐようになりました。そのうち飽きるだろうと思っていましたが、半年経っても娘はにおいを嗅ぎにくるので、次第に私も「まずいかもしれない」と思い始めました。 これ、外でやったらどうしよう…なかなか飽きない娘の恥ずかしい遊びに、ふと「これを外でやられたらまずいな」と思い始めました。「私以外の誰かに同じようにしていたらもっとまずい」とも考えるように。しかし最初に私がふざけて対応してしまったこともあり、娘は一連の流れを遊びだと思っているようでした。 そのため、反応を変えて「もうやめて」「ダメ!」と強めに言ったり、無視したりしてみました。そうしても、もう次のときには忘れてまた繰り返し、言い方を変えた効果はありませんでした。 真剣に言い聞かせてみた結果娘が2歳10カ月のとき、3歳児にする性教育の記事を参考にして、真剣に話してみようと思い立ちました。そこで娘がまた同じように股に顔を近づけたとき、真剣な顔で話をしてみました。「ここはね、大事な場所だから触ってほしくないんだ」「お母さんも、娘ちゃんもそれぞれ触られたくないところは嫌だって言っていいんだよ」。 1回言っただけでは娘もわからなかったようですが、何度か同じ話をしてみるとようやく「わかった!」と言い、そこからにおいを嗅ごうとはするものの、「嫌だ?」と聞き、私が「嫌だな」と言うとやめるようになりました。 私が最初におもしろい反応をしたこともあって、股のにおいを嗅ぐのが娘にとっては単なる遊びとして定着してしまいました。2歳ではまだまだ良いこと悪いことの境界線があいまいです。そのためやってほしくないことはきちんと真剣に伝えることが大事なのだなと思いました。 監修/助産師REIKO作画/やましたともこ著者:水田 真理アレルギー持ちな娘の母で元理科の塾講師。子育てはできるだけ家にあるもので、娘と楽しめるように日々創意工夫を実践。
2022年11月22日「瞬間湯沸かし器みたいに、急に怒り出す」「すぐに手が出る」「自分の思い通りにならないと泣いて怒る」など、怒りっぽい子どもに困っている親御さんは少なくないかもしれません。しかし一方で、「怒り」をコントロールできる子どももいます。今回は、「怒りっぽい子」と「怒りをコントロールできる子」の違いを考えてみました。わが子を「怒りっぽい子」にしないためにできることも、詳しく説明しています。「怒り」とはどんな感情?子どもが怒りっぽくなる原因は、もともとの性格のせい?それとも、ただのわがまま?まずは、「怒り」の感情について分析してみましょう。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介氏は、「怒りは、身を守るために備わっている感情」で「誰にでもある自然な感情」だと述べています。自分の生命や家族が危険にさらされたり、大切にしている価値観や立場が傷つけられたり、自分の思い通りにならなかったりしたときに、怒りという感情を使って、危険から大切なものを守ろうとするのです。誰にでもある自然な感情ですから、怒ること自体は悪いことではありません。(引用元:サワイ健康促進課|アナタの怒りの傾向と対策は?)「怒り」の感情をもつことは悪くないのです。では、その「怒り」の感情はなぜ湧き上がってくるのでしょう。御池メンタルサポートセンターの臨床心理士・内田千智氏によると、「怒り」は二番めに出てくる感情(第二感情)で、実際には、怒る直前に生じている感情(第一感情)があるのだそう。たとえば、子どもの帰宅が遅かったので、「何時だと思ってるの!どこに行ってたの!」と怒鳴ってしまった……ということはありませんか?内田氏は、このときの「なにかあったのではないかと心配だった」という「悲しい」「困った」「心配した」などが第一感情だと言います。この第一感情を感じたことで、第二感情である「怒り」が発生するのだそう。内田氏によると、「怒り」の第一感情は、寂しさ、悲しさ、恥ずかしさなどのネガティブな感情であることが多く、しかも「ほとんどの場合、それは怒りの裏に隠れて自覚されない」とのこと。そこで、第一感情を見つけることが「怒り」を解消するヒントとなるようです。また、ポジティブ育児研究所代表で公認心理師の佐藤めぐみ氏は、生まれてからの環境がきっかけで怒りやすくなる子もいると述べています。次項では、子どもの「怒り」の原因について考えてみましょう。子どもが怒りっぽくなる3つの原因むやみに怒っているように見える子どもたち。しかし、子どもが怒りっぽくなってしまうのには、どうやら原因があるようです。当てはまるものがあるか、考えてみてくださいね。怒りっぽくなる原因1:感情や意志を抑圧・否定された経験がある家庭教育研究家の田宮由美氏は、「感情や意志を抑圧されてきた子どもはキレやすい」と話します。甘やかされた子どものほうが、わがままで我慢ができないイメージですよね。しかし実際は、我慢を強いられてきた子どものほうが、怒りっぽい傾向にあるのだそう。また田宮氏は、乳幼児期に感情を否定された経験も「怒り」のもとになりうると言います。たとえば、乳幼児期に子どもが泣いているのに、親が「うるさい!」などと拒否した場合、その子どもは「泣くと親に受け入れらない」「寂しくても笑顔でいなければ生きていけない」と真の感情を抑えるようになっていくのだそう。そして気に入らないことがあると激しく怒ったり、些細なことでも攻撃的な態度をとったりするように……。抑え込まれていた感情が、「怒り」というかたちで発散されてしまうのです。怒りっぽくなる原因2:親が怒りっぽいから、子どもも怒りっぽくなるアンガーマネジメントの専門家でもある本田恵子氏(早稲田大学教授)は、親が怒りっぽいと、子どもも怒りっぽくなってしまうと言います。たとえば、「親から怒鳴られている子どもは、人と接するときや人になにかをしてもらいたいときには怒鳴るようになる」といった具合に、子どもは無意識に親の行動をまねるのだそう。本田氏によると、これには鏡の神経細胞と言われる「ミラーニューロン」が関係しているとのこと。ミラーニューロンは行動だけでなく感情も模倣するため、親が怒鳴っているのを見た子どもの脳は、子ども自身が怒鳴っているときと同じ活動をするのです。ですから、「子どもをキレやすい人間にしないためには、親は自分の行動を振り返って見直すしかない」と本田氏が言うように、親自身が言動に気をつけて生活することが大切なのです。怒りっぽくなる原因3:環境の変化でストレスがたまっている入園や入学、進級などの時期も、子どもが怒りっぽくなりやすいそうです。教育心理学者の遠藤利彦氏(東京大学大学院教授)は、環境の変化が子どもたちにストレスをもたらすと述べています。大人であっても、新しい環境に慣れるまでには時間がかかるものではないでしょうか。遠藤氏によると、この時期の子どもたちは、幼稚園や学校などの “社会” に適応しようと頑張っているのだそう。緊張状態のまま一日を過ごしていた子どもは、家に帰ってお母さん(お父さん)の顔を見ると、ホッとするのでしょう。「安心して、自分のフラストレーションのようなものを発散して、心のバランスをとっている」と遠藤氏は分析しています。この場合の「怒り」は社会性を身につけるための必要なステップなのだそう。親は大らかに受け止めてあげたいですね。このように、「怒り」と言っても背景はさまざま。次は、「怒りっぽい子」にさせないための方法をご紹介します。怒りっぽい子にしないために親ができる4つのこと「怒ることは悪いことではない」と安藤氏は言っていますし、大人だって怒ることはありますよね。とはいえ、「ほかの子に比べて怒る回数が多い」「手がつけられないほど怒り狂う」といった、怒りっぽい子になってしまうのは避けたいところです。そこで、わが子を怒りっぽい子にしないために親ができることを考えてみました。親ができること1:子どもの気持ちを言葉にして、さまざまな感情を教える発達心理学が専門の渡辺弥生氏(法政大学教授)は、親が子どもの気持ちを言葉にして「感情」を教えてあげると、子どもの感情リテラシーがつくと言います。渡辺氏によると、感情リテラシーとは以下の意味なのだそう。自分自身のなかに沸き起こっている感情に気づき、それを言葉で表現する力(引用元:リセマム|「今、子どもの“こころ”があぶない」発達心理学 渡辺弥生教授)たとえば、欲しかったおもちゃを買ってもらって、飛び上がって喜んでいるときに「すごく嬉しいんだね!」と言葉を添える。友だちとけんかして泣いているときは、「悲しいね」と声をかける。このように、親が子どもが体感している喜怒哀楽の感情を言葉にしてあげることで、「これが悲しい(嬉しい)って気持ちなのか」と、子どもは自分自身の感情を学んでいくのです。渡辺氏は、感情リテラシーがついてくると、感情コントロールができるようになると話しています。たくさんの感情をお子さんに教えてあげましょう!親ができること2:子どもに多彩な経験をさせて「感情に左右されない脳」を育む「豊かな自然環境で育ったり、スポーツに打ち込んだり、多くの芸術作品に触れる機会に恵まれたりして育つと、怒りをはじめとするさまざまな感情をコントロールしやすくなる」と言うのは、脳科学者の茂木健一郎氏。どうやら、「怒り」の制御には、脳の前頭前野の働きが大きく関わっているようです。前頭前野は、記憶や感情の制御など「高度な精神活動」をつかさどっているため、前頭前野を鍛えることで「怒り」などの感情コントロールをすることができるのだそう。茂木氏は、さまざまな経験を積むことで、豊富なパターン学習が脳に蓄積されると話します。たとえば、「〇〇な態度をとると、人は××という反応をして、自分の感情は△△になる」といった具合に、経験を前頭前野に学習させるわけです。茂木氏によると、実際の経験だけでなく、本や映画からの情報も効果ありだとしています。たくさんの経験を通して、「感情に左右されない脳」をつくっていきたいものですね。親ができること3:アンガーマネジメントで「怒り」と上手に付き合えるように自分自身の「怒り」をコントロールすることを目的とした「アンガーマネジメントトレーニング」で、子どもたちは「怒り」と上手に付き合えるようになると話すのは、前出の安藤氏です。トレーニングといっても、小学校低学年頃までの子どもは言語能力が未発達なので、絵を描くなどの遊びを通じてアンガーマネージメントを行なうのがよいのだそう。たとえば、子どもに「怒っているときの顔」「自分が怒ったときの体」を描いてもらいます。目がつり上がる、頭を赤く塗る、手を青く塗るなど、子どもによってさまざまな表現になるでしょう。すると、子どもは「怒っているときに自分はこうなるのだな」と「怒り」を理解できるのだそう。また安藤氏は、「自分の感情を知ることで、ほかの人の感情が読めるようになるのもアンガーマネジメントの効能」だと言います。「顔が真っ赤だから、〇〇君は怒っている」「△△をすると、〇〇君は怒る」など、相手の怒りが理解できるようになるため、人間関係も円滑になるとのことです。親ができること4:子どもにとって十分な睡眠時間を確保する小児科医の成田奈緒子氏(文教大学教授)は、「最近、小学4、5年生になって、たいした理由もないのに急にキレたり、イライラする子どもが増えている」と指摘します。その原因は、ずばり睡眠不足。不規則な生活で自律神経が乱れ、イライラを引き起こすのだそう。成田氏は、規則正しい生活を送ることで自律神経が整うと話しています。5歳頃の子どもなら11時間、小学生であれば10時間の睡眠を確保してあげましょう。成田氏によると、睡眠不足が解消されると、先生や親に歯向かったり、友だちに暴力をふるったりなどの問題行動が収まることが多いのだとか。とはいえ、いま8時間睡眠の子どもが急に10時間睡眠をとることは、難しいでしょう。そこで成田氏は、まずは1時間、睡眠時間を長くすることをすすめています。わが子を怒りっぽい子にしないために、十分な睡眠時間を確保してあげたいですね。***脳科学者の中野信子氏は、「イヤな気持ちも、人間にとって大切な感情」「怒りは放っておけば自然と消えるもの」と知っておくことも大切だと著書『中野信子のこども脳科学』のなかで述べています。お子さんが、「怒り」という感情とうまく付き合っていけますように――。(参考)中野信子(2021),『中野信子のこども脳科学』, フレーベル館.加藤紀子(2020), 『子育てベスト100』, ダイヤモンド社.プレジデントオンライン|「豊かな経験をして育った子どもほどキレにくい」怒りっぽい人が感情をコントロールできない脳科学的理由御池メンタルサポートセンター|怒りの陰に隠れた本当の気持ちは?NHK|どうする?子どものグズるキレるAllAbout|キレる子供、思い通りにならないとすぐ怒る子の心理と対応法STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもが「キレやすい」人間に育ってしまう、“絶対にNG”な親の振る舞い方STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」日経woman|子どもの怒り「上手に表現する方法」を親が教えて日経woman|親のイライラ大切なのはコントロールすることPHPオンライン衆知|子どもの「感情」を育てようリセマム|「今、子どもの“こころ”があぶない」発達心理学 渡辺弥生教授STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」学研キッズネット|寝る子は育つ!正しい睡眠の習慣を身につけよう(2)/子どもが伸びる家庭の10の習慣【第2回】東京すくすく|コロナ第3波が子どもにストレス「気持ちと向き合う練習」「早起きの生活リズム」でケアしよう
2022年11月22日2020年生まれの娘・ほーちゃんを授かってからの日々を描いて、Instagramにて投稿している黄英(きえ)さん。今回は、食事中に立ってしまう、ほーちゃんに悩んでいた黄英さんのエピソードをご紹介します。食事中に立ってしまう娘とそれを叱る夫。どうにもできない自分にも悩んでいて……。 食事中に座らない娘に悩み… イヤイヤ期も相まって、なかなかこちらの要望を聞いてくれないほーちゃん。 特にひどかったのは食事中の態度です。今は少しマシになりましたが、以前は本当に悩んでいました。ほーちゃん自身というよりも、それにイライラしてしまう夫や私が悪い空気を作ってしまっていたのです。 まだ幼くてじっとごはんが食べられないほーちゃんも、うまく「食事のマナー」を教えてあげられない夫も、怒鳴って叱る夫からほーちゃんをかばって、夫を悪者のようにしてしまう私も、誰も悪くないからこそとても悩んでしまい、毎日ごはんの時間が恐怖でした。 結局、解決のきっかけをくれたのは、ほーちゃん自身でした。 ほーちゃんの成長に気づいていれば、もっと早くにごはんの時間が楽しくなっていたかもしれない。ひとりで食べられるようになったのも、ほんの少し前なのに「もっと褒めてあげるべきだったな」と気がつきました。 今はほとんどのものをお箸で食べるようになりました。麺もごはんも器用につかんで食べています。雷が落ちることが全然なくなったかといえば、そうではないのですが、できていないところばかり見ないように意識して過ごしています。 黄英さんは、食事中に立ってしまう娘・ほーちゃんだけでなく、そのほーちゃんの食事中の態度を見て、怒鳴ってしまう夫さんとの険悪な雰囲気にも悩んでいました。 お子さんの食事中の態度に悩んだ方も多いはず。みなさんがお子さんに、食事に集中してもらうために工夫していることはありますか? 著者:マンガ家・イラストレーター 黄英
2022年11月21日2歳と生後3カ月の男の子を育てている私。2歳の長男はイヤイヤ期真っ盛りで、私が注意しても次男にいたずらして泣かせてしまうことがあります。そんな長男に毎日手を焼いているので、「ダメでしょ!」と注意するのも日常茶飯。そんなあるとき生後3カ月の次男がリビングで転倒していたのです! 私はいつものように長男を叱ったのですが、その後、真実に気づき、叱ったことを激しく後悔したのです……。転倒した次男ある朝、長男の朝食の準備をすませて、キッチンで片付けをしているときのこと。次男のものすごい泣き声が聞こえてきました。すぐにベビーチェアに乗せた次男のいるリビングに駆け寄ると、なんと、次男が床にうつぶせになって転倒していたのです! 私はすぐに次男を抱きかかえ、転倒時に打ったと思われる顔を確認。左眉毛のあたりが少し赤くなっているくらいでホッとしました。私は「また長男がいたずらしたんだ!」と思い、ベビーチェアの横で驚いた顔をして座っている長男に「なんてことするの!」と叱ってしまいました。 よくよく思い返すと…次男が大泣きするなか、私に叱られた恐怖で長男も大泣きしてしまいました。次男をあやす私は、「長男はなんでこんないたずらばかりするんだろう……」とあきれていました。 しかし、ふと、次男を安全にベビーチェアに座らせていなかったことを思い出した私。きちんと座らせていないままキッチンで作業をしてしまい、忘れていたのです。「次男が転倒したのは私のせいだ……」と気づいたのと同時に、「長男は転倒した次男を助けようとして、駆け寄ったのかもしれない」と、このとき思いました。 成長していた長男私は長男を叱ってしまったことを猛反省。大泣きしている長男を抱きしめて、「ごめんね。ママがいけなかったね!」と必死に謝りました。そして私は、普段も「長男はいたずらをする」と私自身が決めつけて叱っているのかもしれない、と思うようになったのです。それから次男に対する長男の行動をよく観察してみることに。 すると、以前は顔にカバーをかけたり、次男の目のなかに自分の指を入れようとしたりしていた長男が、次男の頭をなでたり、おもちゃで一緒に遊んであげたりしていたのです! 私は「長男も成長していることに気づかないといけない」と学びました。 毎日幼い2人の育児に手がいっぱいだった私は、長男も毎日成長し、まだ赤ちゃんの次男を彼なりにかわいがってくれていることに気づいていませんでした。「子どもは日々成長していること」を私自身が忘れてはいけないし、叱る前に子どもの行動を見守り、観察することが大切だと改めて学んだ出来事でした。 監修/助産師REIKO著者:岩見 エリ1男の母。看護師歴12年、現在はフランスで出産し子育て中。
2022年11月20日お友だちとのおもちゃの貸し借りでの子どものトラブル、経験したことがあるという方も多いのでは……!? 今回は保育士の中田馨さんが、お友だちとのおもちゃトラブルを招く、実はNGな声かけについて教えてくれました。こんにちは。保育士の中田馨です。私は0~2歳児が対象の保育園を運営しています。日々、子どもたちと過ごしていてよくあるのが「お友だちとのおもちゃトラブル」です。おもちゃをとられてしまった時や、逆に相手のおもちゃをとってしまった時に「どう声かけをするべきか?」と悩むところだと思います。今回は、低年齢児の子どもたちの「お友だちとのおもちゃトラブル」についてお話しします。 お友だちにおもちゃを取られた場合はどうすればいい?公園や児童館で遊んでいて、同じくらいの年齢のお友だちにおもちゃを取られる場面があると思います。相手の親御さんは見ているのに何も言ってこない。さて、こんなときどうすればいいか? このような場合、まず大切にしたいのがご自身のお子さんの「遊びを保証」することです。きっとその遊びを楽しんでいたと思います。ですので「今、遊んでいるからおもちゃ返して欲しいな」と伝えましょう。そしてお子さんには「お友だちも遊びたいみたいだから、終わったら渡そうね」と伝えます。 お友だちも返そうとはしないかもしれません。そんなときは、相手の親御さんにも協力してもらえるとベストですが「うちの子も使いたいのに、なんで貸してくれないのよ」と思っているかもしれません。そうなると、なかなか難しいですよね。 でも、私は「すぐに貸せることがえらい」とは思いません。子どもがその遊びに満足し「もう、貸せるよ!」という気持ちになるまで周りの大人が待つことも大切だと思います。まずは「この子の遊びが終わるまで、待ってもらえますか?」とお願いしてみましょう。 お友だちのおもちゃを取ったときはどうすればいい?逆に、ご自身のお子さんがお友だちのおもちゃを取ったときはどうしましょう? この場合まずは、返さなければいけませんね。「このおもちゃで遊びたかったの?」と遊びたかったことに共感し、「でも、これはお友だちのだから返そうね」と伝えます。 低年齢児は、自分から返すことがなかなかできませんので「返しなさい」と何度も言うのではなく「ママと一緒に返そうね」と一緒に返すといいでしょう。このとき、お子さんが泣いても返します。そして「あのおもちゃで遊びたかったんだね」と遊びたかった気持ちに共感します。 また、こんな場面は「貸して」と伝えることを学ぶ機会でもあります。「貸してもらえるかママと聞いてみよう!」と一緒に聞いてみましょう。「いいよ」と言われれば「やった!!」ですし、もし「イヤ」と言われても「今、お友だち、楽しく遊んでいるみたい。じゃあ、あっちでママと遊ぼうか!」と気持ちを切り替えることも大切な経験です。 「お友だちと仲良く遊ぶ」ことはとても大切なこと。しかし、実は「お友だちとモノの取り合いやケンカする」ことも大切なんです。「こうしたら友だちは嫌がる」「こうなったら悲しい」「これをされたら嬉しい」なんて喜怒哀楽の感情を沸き立たせる経験は、友だち関係だからこそできること。今、子どもたちは親以外の人間関係を学んでいる時です。むやみに止めるのではなく、安心して友だちと過ごせる場を提供することも、私たち大人の役目なのですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
2022年11月20日たんこんちは ボロボロゆかい
ぽこちゃんです&どんちゃんです
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