大泉洋が駆出しの医者でありながら戯作者に憧れる、“どっちつかず”の主人公を演じ、夫との離縁を願う“駆込み女”たちのために奮闘する、人情エンタテインメント『駆込み女と駆出し男』。このたび、初披露となる特報映像と場面写真が解禁された。本作の舞台は、現代のおよそ2倍の離婚率があったという江戸時代、女性たちが夫との離縁を求め最後の望みを託して駆込む、鎌倉にある幕府公認の縁切寺・東慶寺。医者見習いの主人公・中村信次郎(大泉洋)は江戸を追われ、離婚の聞き取り調査を行う場である“御用宿”に居候の身だ。宿の主・源兵衛とともに、放蕩三昧の亭主に愛想をつかした女・じょご(戸田恵梨香)、惚れぬいた男の元から何故か離れてきたお吟(満島ひかり)といった駆込み女たちの、人生のリセットを手伝うことになる。今回の特報映像では、そんな“駆込み女”の戸田さん、満島さんと、“駆出し男”の大泉さんが登場するのはもちろんのこと、樹木希林、堤真一、山崎努など、日本を代表する名優たちの姿も続々とお披露目。大泉さんが彼女たちを何とか助けようと大奮闘を見せており、コミカルでありながら優しさに満ちた映像となっている。また、初公開となった場面写真には、大泉さん演じる信次郎の凛々しい(?)姿や、医者見習いだけに、顔に火傷を負った戸田さん演じるじょごを手当する姿も。また、満島さん演じるお吟がじょごを大八車に乗せ、大急ぎで駆込み寺へと向かう緊迫した様子も見て取れる。本作は、国民的作家・井上ひさしが、晩年の11年もの歳月をかけ紡いだ小説「東慶寺花だより」を原案に、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』で知られる原田眞人監督が手掛けた初の時代劇という点でも注目を集めている。様々な事情を抱え縁切寺に集まる女たちと、それを取り巻く男たちの姿を温かく描く本作。果たして、信次郎は首尾よく男と女のもつれた愛の糸を解き、“ワケあり”女たちの新しい出発を手助けすることができるのか?そして、信次郎が恋心を抱く“駆込み女”とは?今後の続報にも期待が高まるところだ。『駆込み女と駆出し男』は2015年5月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月19日猫2匹とダメボクサーの日々を綴り、大人が泣ける漫画として大ヒットしている杉作著「猫なんかよんでもこない。」が、ジャニーズ随一の演技派として活躍する風間俊介主演で、2016年に映画化されることが決定。ヒロインを『ストレイヤーズ・クロニクル』への出演も決まった若手実力派の松岡茉優、主人公の兄のダメ漫画家をつるの剛士が務めることが明らかとなった。“犬派”の崖っぷちボクサー・ミツオ(風間俊介)は、兄貴(つるの剛士)が拾ってきた2匹の猫の世話を任されることになり、猫たちと共同生活を始めることに。それをきっかけに夢への挫折、日々のさみしさなど空っぽになった気持ちを、猫たちとの日常で少しずつ埋めていき、次第に自分自身も見つめなおしていく――。本作は、猫とダメ男が織りなす実話を基にした人気漫画を映画化。主人公のボクサー・ミツオ役で5年ぶりに映画で主演を努めるのは、NHK連続テレビ小説「純と愛」で愛役を演じ、すっかり朝の顔となった風間さん。風間さんはTBS系ドラマ「3年B組金八先生」第5シリーズにて、クラスの問題児・兼末健次郎役を好演。いじめ、家庭問題などをセンセーショナルな演技で表現し、日刊スポーツドラマ・グランプリ「新人賞」を受賞。その後も、CX系ドラマ「それでも、生きてゆく」で残虐な犯人役を演じて、ザテレビジョン第70回ドラマアカデミー賞「助演男優賞」と、第66回日本放送映画藝術大賞「優秀助演男優賞」の2冠を達成。現在は、NHK木曜時代劇「ぼんくら」に出演しており、いまや名実ともに日本を代表する実力派俳優となっている。また、ミツオの兄貴でダメ漫画家役を演じるのは、歌手やタレント業もこなしながら、俳優としては現在公開中の映画『トワイライト ささらさや』にも出演している、つるの剛士。風間さんとは初共演で、兄弟役となる。ヒロインの幼稚園の調理員・ウメさん役には、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」に出演し、映画『リトル・フォレスト冬・春』『サムライフ』『ストレイヤーズ・クロニクル』と2015年も出演作が続く、若手女優の松岡茉優。風間さんとは『映画 鈴木先生』、NHKドラマ「銀二貫」で出演を果たしているが、本作では初めて本格的に共演を果たす。監督・脚本は、麻生久美子×大泉洋出演の『グッモーエビアン!』などを手がけた山本透。共同脚本には『永遠の0』の林民夫が名を連ねている。【風間俊介 コメント】「原作を読んだときにすごく温かい話だなと思い、絵が持っている温かさというのを実際に人が演じたときに、人柄の温かさが映像を通して出せたらいいなと思いました。今回猫と共演ということで思い通りにならないっていうのを、どこまで対応するかという現場でしたが、山本監督は柔軟に対応して、でも、ここだけは絶対にこういうものを撮ると、すべてを譲るわけじゃなくて、信念を持っていたので、そこがすごく素敵だなと思いました。タイトル通り『猫なんかよんでもこない。』。この映画は猫が主役です。存分に猫に振り回されている“ミツオ”を楽しみにしててください」【つるの剛士 コメント】「僕も猫を2匹飼っているので同じ状況です。子猫は落ち着きがないからお芝居でどうなるのかと心配しましたが、すんなり行くこともあれば、猫特有のやんちゃな部分が出てしまって、時間がかかったシーンもありました。風間くんとは、実際には年の差が9歳あるのですが、僕には弟がいないので、お芝居とはいえ本物の弟ができた感覚ですごくうれしかったです。原作と脚本のアニキ像は少し違いますが、映画では、一見、クールでドライ、だけど、陰で弟をしっかり見てる。そんな兄貴を演じられたと思います」【松岡茉優 コメント】「台本を読み、風間さんと猫が、一緒に成長していくストーリーだと思いました。もちろん、軸には2匹と1人の成長とか、日常とか考えとか夢とか色々ありますが、ウメさんやいろんな人が入ることによって、“物語”になっていく。つまり、1人のストーリーでなく、作品になっていくところが丁寧に描かれていました。風間さんは共演して、すごい自分をもっている方で芯がありますが、“誰にでもあわせます”という柔らかさもあり、周りを気遣ってもいる。改めて“不思議な魅力のある方”だと思いました。山本監督は、本当に細部にいたるまで、私のお芝居の中の動きをみてくださっていたので、安心して演技をすることができました」山本監督によれば、まさに“よんでもこない”自由奔放な猫たちの“演技”に、風間さんは持ち前の瞬発力ある繊細な演技で乗り切っていたという本作。今後の続報も、期待してしたい。映画『猫なんかよんでもこない。』は2016年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月15日●年間約400本の中でヒット作は僅少新垣結衣が初めて母親役を演じた映画『トワイライト ささらさや』が、11月8日 から公開をスタートした。大泉洋演じる落語家・ユウタロウは突然の事故で他界。残された妻・サヤ(新垣)は、生まれたばかりの息子・ユウスケを跡継ぎにしようとする義父の目から逃れるために、"ささら"の街に移り住む。ユウタロウは頼りないサヤが心配でしょうがないため成仏できず、ついには周囲の人に乗り移って彼女の支えになろうとするが…。原作は、ファンタジーミステリー小説『ささら さや』(幻冬舎)。ところが、主人公の職業がサラリーマンから落語家に変更されていたり、ユウタロウの父親像をより詳細に描いたりと、映画化にはかなりの変更点が加えられている。昨今の邦画界は、漫画や小説を原作とする作品がほとんど。中には原作者の意向とそぐわないために、白紙になったという話も度々耳にする。果たして、本作にはどのような納得と妥協が繰り返され、そしてどれだけのハードルが待ち受けていたのか。メガホンをとった深川栄洋監督と原作者である作家の加納朋子氏を招き、作品を通して感じたことを含め、映画監督と原作者の立場から"実現率1%の世界"の本音を包み隠さず語ってもらった。――まずは、本作がどのような流れで映画化が進んだのかを教えてください。深川栄洋監督(以下深川):原作を読んだプロデューサーから、お話をいただきました。加納さんには、プロデューサーから幻冬舎さんを通じて、映画化のお話をさせていただいたと思います。加納朋子(以下加納):こういう映像化の話はなかなか実現しないんですよね。先輩作家さんからも、こういう話は極端な話「100来て1つ実現するかどうか」と聞いていたので。深川:怖い話ですねぇ(笑)。加納:ええ(笑)。やっぱり、ツバだけつけてそのまま放置というのがとても多い世界。お話自体はすごくうれしかったですけど、あまり期待しない感じでした(笑)。実際、お話しいただいてから結構間があったので、やっぱり無くなったのかなぁと思ってたら映画化が決まったのでとてもうれしかったです。――今までも映画化の話はあったんですか?加納:『ささら さや』の続編の『てるてるあした』が2006年にドラマ化されたんですが、その際に『ささら さや』の話も加えていただいて、それもやっぱりうれしかったですね。別なお話でオファーが来たこともありましたが、映画化が実現したのは初めてです。――「100来て1つ実現するかどうか」ということですが、なぜうまくいかないことの方が多いのでしょうか。いろいろ大人の事情もあると思いますが(笑)。深川:僕も撮影までたどりつけない企画が半分くらいありますが、オリジナルよりも原作がある作品の方が映画化が実現しやすいんですよね。ただ、映画化の話が立ち上がって、9割以上が無くなるのは事実で、僕らの心積もりとしては常識になっています。事業規模が10億円になるとか、製作だけで3億円を使うとか、宣伝費でさらにかかるとか。関わる人が多いので、映画化までたどりつけることはすごく少ないんです。日本では年間300~400本くらいの映画が作られていて、そこからヒットする作品はひとつまみ。そのひとつまみを狙ってみんなでやっているんです。だからこそ、すごくシビアで。例えるなら、「風が吹かないと揚がらない凧」というか。加納:大きな事業ですものね。――オリジナル脚本物だと周囲の説得も大変なわけですね。深川:そうですね。いろいろ根回しをして、映画化が決まるまでにいろいろな方にオファーしたりだとか。そうやっていろんな方面から風を吹かせて凧が揚がるように、揚力をつけていくのが企画の段階です。――今回は、見事に凧が揚がりましたね。深川:揚がりましたね~。途中まで揚がるか揚がらないか心配だったんですけど (笑)。加納:新人作家だと、そんな映画の話をいただくと本当に「やったー!」って舞い上がっちゃうんですよ。でも、年数重ねるうちに現実が見えてきて…(笑)。――映画化するにあたって、条件は提示されましたか。加納:特には出してないです。――映画では主人公の職業がサラリーマンから落語家になったり、父親がより詳細に描かれていたりと原作とかなり違う部分がありますが、ここに関しては特に違和感はありませんでしたか。加納:職に関しては、脚本段階で幻冬舎さんからお話があって、「どうぞどうぞ」という感じでした(笑)。――別物の作品として捉えていらっしゃるということでしょうか。加納:そうですね、映像に関してはまったくの素人ですので、関わっている方のご判断を信じようと思ったのと、あとは最初に原作を読んでくださったプロデューサーさんがすごく気に入ってくださっていたのが、編集さんをとおして伝わりましたので、それはとてもありがたかったです。愛ある方に作っていただくのが、作品としていちばん幸せなので、結果的にいちばん良い形で実現したなと。キャストにしてもそうですし、脚本にしてもこれがベストだったんじゃないかなと思います。●原作者は大幅な設定変更に何を思う?――主人公の職業設定はなぜ落語家に?深川:要因がものすごく複合的で立体的なので、いろいろな話をしないといけないんですが(笑)。原作を読んだ時に、とても映画的だなと思ったんです。亡くなった人が乗り移ったり、現実の世界にはなかなか起きにくいことが描かれいて、夢のある作品だなと感じました。それをどうやって映画にしようかと考えた時に、プロデューサー陣が成功例として考えたのが映画『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)。それはスーパーナチュラルなCGや合成を駆使して2人のすれ違いをうまく描いていました。ただ、今回の『ささら さや』でそれをやってしまっては、とても大味すぎるような気がして。もっと繊細でやわらかくて、優しい温度感。そうして、SFにするのをやめようと決めてからまた苦しみはじめるんですが(笑)。実は僕に企画が来てから5~6年くらいかかっているんです。加納:だから、私もあきらめてたんです(笑)。――えー! そんなに前なんですか。深川:ええ(笑)。僕に来るまでも、2~3年経っているはずで、脚本が完成するまでは4~5年はかかっています。――そこからようやく、配役を考えるわけですか。深川:そうです。CGを使わないという手法から考えると、実際に乗り移った芝居を役者にさせてみたいなと思って。でも、登場キャラクターがみんな個性的ですから、サラリーマンのユウタロウだと乗り移られた役者の演技に振れ幅ができてしまう。そこで思いついたのが喜劇でした。そういう「笑ってもらえる映画」をどういうフォルムにしていこうかと思ったら、お笑い芸人にしていくというのが1つの答えになるんじゃないかなと思って。"二枚目の優しい旦那さん"は外して、"笑わせたいけど笑ってもらえないお笑い芸人"に。そこから落語家になってから、脚本がどんどん転がりはじめました。そこにたどり付くまですごく時間がかかりました。しかも、これを加納さんがどう思うんだろうと。――先ほどのお話だと制作サイドに一任していると。加納:そうですね。小説だと、乗り移っている状態を「馬鹿っサヤ」という言葉で表しているんですけど、それが映像だと弱い。だからこそ、口調とかお芝居に特徴を持たせるのは、なるほどなと思いました。それから、小説では旦那さんの名前はあえて出してないんですよ。幽霊ということで一切出さずにストーリーを作っています。映画は名前も付いていますし、より旦那さん側の気持ちが伝わって、ここもなるほどなと思いました。――映画を観終わった時に、率直にどのように感じましたか。加納:乗り移っているシーンは観客として見どころですよね。でも、子役さんが乗り移られる演技をしてどんな感じになるんだろうと…。失礼ながら、ダイヤ役の(寺田)心くんが一番不安だったんですけど、あっぱれな役者さんでした(笑)。――試写室でも笑いが起こっていました。加納:ええ、本当に(笑)。深川:よかった…。加納:とても印象に残っていて、心くんのお芝居はよかったなと思います。深川:子どもと一緒に映画を作ることが多い方なんですけど、子役を子役として扱っていません。「なんでそんなお芝居したの?」みたいに、今まで聞かれたことがないような言葉を投げかけながら、やっていきます。ある時、心くんの芝居がちょっと違うと感じる時がありました。やっぱり、子どもなので安定しない部分がどうしてもあるんですね。それを安定させるために、「今日の心くんは集中してないからダメだよ」と声をかけて、「どうしてお芝居がこうなったの」「なぜ変化させたの」と彼に問いかけました。子役として扱わなかったことが、結果的に心くんを追い詰めてしまったと思うんですけど、そんな時に新垣さんが「心、へこんでるんでしょ(笑)」って優しく声をかけると、心くんが涙ぐんでて(笑)。僕は子役を忘れて役者として向き合ってしまっていたんですが、新垣さんはそれを察して気遣ってくださって、それはすごいなぁと。ちゃんとした座長さんでした。主演だから出演者のトップにいることは当たり前なんですが、みんなに気を配るという役割も果たしつつ、それぞれの役者の体調も含めてちゃんとフォローして見ることもできる役者さん。久代役の波乃久里子さんも「あの人は大きな女優だ」と何度もおっしゃっていました。役者は役者同士で、監督とは分からない関係性があるんだなとあらためて思いました。――その新垣さんが演じたサヤ。加納さんは原作と比べてどのように感じましたか。加納:映画の方が強い女性です。あんな凛とした強さは、すてきだと思います。私の中で新垣さんは、ひたすら可憐な美少女のイメージだったんですが、今回は強い母親像を見せていただいて、意外な一面を見させていただきました。すごく、よかったと思います。――新垣さんが初めて母親を演じるということも、この映画の話題の1つになっています。監督としては「新垣結衣=母親」の演技はある程度、想定できていたことだったのでしょうか。深川:初めての喜劇ですし、分からないのも面白いという感覚がありました。小説を読んだ時に、サヤさんが弱い女性だったので彼女の成長物語に感じましたが、新垣さんから話を聞いた時に『ささらさや』は読む人によってサヤ像が違うんだと思って。新垣さんは「サヤは本当は弱くないんだと思います。自分で気づかず、コミュニケーションが苦手だからうまく表現できていないだけで、本当の芯では強い女性だと思います」とおっしゃっていたので、今回は新垣さんのサヤ像に乗っかって作ってみようと決めました。自分が小説からの先入観でつくりあげようとしていたものを一度ゼロにして、"現代のサヤ"が考えていることを大事にしてあげようと思ったんです。●監督にとっての原作、原作者にとっての映画とは?――キャラクター像には多少の変化がありながら、共通するシーンやセリフもありました。特に印象的だったのが、電車の中で息子のユウスケが泣いていた時に、乗客の中年男性がサヤに「うるさい!」と怒鳴るシーン。まず、原作で描かれていたあのシーンには、どういう意図があったのでしょうか。加納:子どもを連れた母親って、結構あちこちであんな扱いを受けているんですよ(笑)。ある程度強い人だったら毅然としていられるんですけど、やっぱりメソメソしちゃうお母さんも多いんですね。私自身も似たような経験をしました。電車の中で子どもと一緒に乗っていたら、子どもが喃語(なんご)を話していて周りの方たちが「かわいいね」って言ってくれて少し騒がしくなってたんです。そしたら、傍らの男性から「うるさいんだよ!」といきなり怒鳴りつけられて。そんなにうるさくしていたつもりもなかったので、謝って慌てて別の車両に逃げてしまいました。今ならまだ違うんでしょうけど、その時は弱くてシクシクしちゃって(笑)。サヤは読者にとってイライラする存在でもあると思うんですよ。だけど、作中でエリカさんの「あなたは中に鋭い刀を持った鞘(さや)だ」というセリフがあるんですけど、そんな部分も新垣さんはたぶん表現してくださったんだと思います。――あの作品はいつごろ執筆なさったものなのでしょうか。加納:子どもが生まれたのが1997年で、その1年後に第1話を書いたんですが、子育て中でなかなか1作分になりませんでした。当時、怒鳴られた子も今は高校2年です(笑)。――機内や電車内などでのそのような出来事が時々ニュースになっていますが、十数年経過してもそういう揉め事は変わらないものなんですね。最近では、直接的に怒鳴らない場合でもTwitterなどを使ってネット上に拡散させるケースもあるようです。加納:社会は意外と優しくないんです。ベビーカーを持ってウロウロする描写もありましたけど、私も抱えて駅の階段を昇り降りしている時に、唯一人手助けを申し出てくださったのは、外国人男性でした。手伝ってほしいとかそういうことではないんですが、そういう行為をナチュラルにしてくださる方が外国人だったというのが、振り返ってみると印象に残っています。――監督としてもあのシーンは映画でも入れたかった場面だったのでしょうか。深川:小説が持っている、「母親になってみないと分からない苦労」を伝えるシーンは大事な問題になりそうだったので極力残したいなと思っていて、その1つが電車のシーンでした。僕も子どもができた後に気づくことが多くて、ベビーカーを代わりに持ってあげることなんかは子どもができてからようやくそこに目がいくようになりました。それが自分でも意外で。そういう気づきというのは、男性でも本当はやってあげたいこと。ただ、子どもが10歳くらいになって手が離れて…お話を聞いていて、今はそれができてないんだと思って。やっぱり、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」じゃないですけど、今は視界にすら入らなくなっているかもしれません。加納:確かに見えなくなっちゃうんですよね。本当にそうなんですよ。深川:生活の中で日々追われている物が変わってきてしまうと、見えていた物が見えなくなってしまうので…反省をしないとけませんね。――自分もそうなんだろうなと思います。小説で印象的だったのが、久代さんの「相身互い」という言葉。「同じ境遇にいる者同士が助け合うこと」を意味しているのですが、"ささら"の登場人物たちはそんな相身互いな人ばかりです。一方で、現在の日本社会にはどのような印象を抱いていいらっしゃいますか。加納:そうですね…やっぱりあまり優しくないですよね(笑)。でも、それぞれが自分のことで精いっぱいだからしょうがないことだとも思います。自分が毎日生きていくことでギリギリいっぱいになっちゃうと、目の前でベビーカー持ってウロウロされると、どうしても邪魔だなって思ってしまいますよね。ただ、自分が周囲に行動として表せているかと言われるとなかなか…。じくじたるものがあります…。深川:シングルマザーなどの核家族化が多くなりましたが、原作が出版された時にそれが問題になりはじめた頃だったと思います。そういう面でも『ささらさや』は特別な物語ではないですし、「自分が死んだら奥さんはどうなる?」という誰にでも起こりうることを描いています。急に社会的弱者になっていくわけですから、現代は「死ぬに死ねない社会」だと思います。それを通り越してサヤさんは、自分が抱えていた義理の父との問題まで解決していく。やっぱり、「人と人の結びつきが大事なんじゃないか」というのがこの映画が伝えたいことなんだと感じています。――それでは最後に「映画監督にとっての原作とは?」「原作者にとっての映画とは?」をそれぞれお聞かせください。深川:その時々によって、小説の個性は違うんですが、一貫して言えるのは「情熱の最初の熱い塊」。それが一番大事だと思っていて、それを触って自分も熱くなれるのか、それともなれないのか。僕にとってはとても大事なこと。そして、『ささら さや』の「母親になる」ということは、人類の歴史が誕生してからはじまっていること。自分に子どもができた時も神秘的に思えたことでしたので、その熱さを映画を通して伝えることができればと思いました。映画作りの95%ぐらいは苦労と我慢の連続(笑)。残りの5%で、熱くてよかった…と思えるんです(笑)。そんなことを引き受けることができるのかどうか。それが「情熱の種」であり、「情熱の最初の熱い塊」にかかっているんです。加納:小説を書くことは、すごく孤独な作業なんです。自分で机に向かって、パソコンとにらめっこしてひたすら作り出すもの。撮影現場にお邪魔してまず圧倒されたのが、そこにいた人の多さ。これだけの大勢の方が1つの作品を作り上げるのに関わっているのを目の当たりにして、圧倒されました。監督さんや脚本、キャスト、音楽の力。あらゆるジャンルのプロの方々方が一丸となった創作の現場に「自分も入れてもらえた」というのが、とてもうれしかったです(笑)。日頃孤独なものですからね。非常に貴重な体験をさせていただきました。――原作者は、映画化された時にピラミッドの頂点に立っている人のような印象を抱いていましたが、そうではないんですね。加納:むしろ、農家や漁師さんの仕事のような「原料」となる存在です。どんな料理ができるのか作者にも分からないですが、今回は「こんな料理ができたんだ!」という驚きと感動を味わうことができました。(C)2014「トワイライト ささらさや」製作委員会■プロフィール深川栄洋1976年、千葉県生まれ。2004年にオムニバス映画『自転少年』で商業監督デビュー。05年、初の劇場用長編映画監督作『狼少女』が東京国際映画祭「ある視点部門」に選出される。その後、『60歳のラブレター』(09年)でメジャー監督デビュー。『白夜行』(11年)はベルリン国際映画祭のパノラマ部門で正式出品された。そのほかの作品は、『神様のカルテ1・2』(11年/14年)、『ガール』(12年)、『くじけないで』(13年)など。加納朋子1966年、福岡県生まれ。1992年に『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編及び連作短編編集部門)を受賞。著書に『ささら さや』、『てるてるあした』、『はるひのの、はる』、『少年少女飛行倶楽部』、近著『トオリヌケキンシ』。
2014年11月14日新垣結衣と大泉洋が夫婦役で共演した『トワイライト ささらさや』が週末興行ランキング(11月10日付け)で第1位を飾るヒットを飛ばしている。本作で大泉は、突然の事故で命を落とすも、妻と生まれたばかりの赤ん坊が気がかりで成仏できず、他人の体を借りてふたりの前に現れる夫を演じているが、乗り移られた役柄をほかの俳優はどう演じたのだろうか?その他の写真本作は、ファンタジーとミステリーを融合した加納朋子の小説『ささら さや』を、『神様のカルテ』シリーズの深川栄洋監督が映画化したもの。不思議な町“ささら”を舞台に、売れない落語家だった夫(大泉)を事故で亡くし、生まれたばかりの息子を女手ひとりで育てることになったサヤ(新垣)が、ささら町の人々に支えられながら母親として成長していく姿が描かれる。劇中では夫・ユウタロウが、自分の師匠や、駅員、少年、旅館の女将など、さまざま人の体に乗り移り、サヤと赤ん坊を助けようと奮闘する場面が度々登場するが、乗り移られるシーンは、俳優たちが実際に演じており、乗り移ったことを演出するために大泉の声を編集でかぶせたりはしていない。本シーンの撮影は、まず大泉自身が乗り移られた人たちのシーンを実際にすべて演じ、それをDVDに録画し、乗り移られる俳優たちは、それを見ながら練習したという。現場で深川監督は、大泉にだけ細かく演出をつけ、各キャストにはユウタロウの人物像などを補足説明するだけだったという。老若男女問わず乗り移る相手を演じた大泉は「自分の出ないシーンをあんなに練習したのは初めての経験です(笑)。でも自分が逆に乗り移られるシーンを演じる方だったら同じことをお願いしていると思うので、これは真剣にやろうと思ったのですが、他の人のシーンの所を演じていると出たくなってしまいますよね」と語っており、ささら駅の駅員・佐野を演じた中村蒼は、乗り移られるシーンを演じるため、何度も繰り返し録画されたDVDを観たそうで「世界中で一番大泉さんのことを見ているのは、この僕です」とコメントしている。実際に乗り移られた人と演じた新垣は「それぞれ性別や年齢も違うし、本人とのギャップが観ていて楽しかったです。子供のダイヤ君が乗り移られているシーンのリハーサルでは、大泉さんがダイヤ君目線でしゃがみながら演じているのを見て可笑しかったのですが、そこまで考えて動いてくださる人ってすごいなと思いました」と話している。本作でユウタロウに乗り移られる役を演じた、中村や子役の寺田心くん、富司純子、小松政夫らは、このシーンをどう演じているのか、ぜひ劇場で確かめてほしい。『トワイライト ささらさや』公開中
2014年11月12日●演じる役を「もともと強い人」と判断した理由2001年の当時13歳、ローティーン誌『ニコラ』のオーディションでグランプリを受賞し、芸能界デビューを飾った新垣結衣。2005年に同誌を卒業して以降、ドラマ、映画、CMなどで活躍を続け、主演を務めた映画『恋空』(2007年)で第31回日本アカデミー賞の新人俳優賞ほか数々の映画賞を受賞するなど、女優としてのキャリアを積み上げていった。新垣にとって、転機となる映画『トワイライト ささらさや』が11月8日から公開をスタートした。これまで可憐な女性像を演じることが多かった新垣が、同作で挑むのは初の母親役となるサヤ。大泉洋が演じる夫・ユウタロウは生まれたばかりの息子・ユウスケと妻を残して先立ってしまうが、頼りないサヤを心配するあまり、周囲の人に乗り移ってはサヤの前に現れる。サヤは、ユウスケを跡継ぎにしようとする義父の目から逃れるために、片田舎の"ささら"に移り住み、仮の姿のユウタロウをはじめ、周囲の人々に支えられながら成長していく。この難役に、新垣はどのような思いで挑んだのか。また、彼女にとっての両親とは? メガホンをとった深川栄洋監督や原作者の加納朋子氏のコメントも交え、"女優・新垣結衣"の魅力を探る。新垣本人に話を聞くと、語り口はいつものように穏やかで、終始淡々。苦労を覚悟で臨んだ撮影だったが、「出演した赤ちゃんたちがみんないい子で。よく笑って、泣いてほしいときに泣いて、泣きやんでほしい時に泣きやんでくれる(笑)。前半は思った以上に撮影がスムーズに進んで、みんなで『名演技!』と盛り上がっていました」と楽しげに当時を振り返る。それでも、撮影が進むにつれて赤ちゃんが泣いてしまうことも増えたようで、「私も抱っこしているので、泣いているけどそれに負けないようにセリフを言わなければならないんです」という今までにない経験も。「親戚に赤ちゃんがいて、小さい頃から抱っこしたりしていたので、その経験が生かされたと思います」と何気ない日々が、思わぬ形で実を結んだ。ファンタジー要素が強い世界観だったことから、メガホンをとった深川監督はキャスト一人一人と対話し、キャラクター像の共有を図った。原作のサヤは気弱で頼りないイメージ。新垣はその監督との意見交換の場で、「サヤはもともと強い人」と自身が抱いたイメージをぶつけたという。「映画の中で周りの人々がこれだけ助けてくれるということは、サヤに魅力がないといけない」と読み解き、「母親として徐々に成長しながらも、"ささら"の街に移ることでそういう不幸をぬぐってもらって、もともと強いサヤへ後押しをしてもらっているのでは」と周囲の人々の存在が鍵だと判断した。「監督にとって全然違うサヤだったと思います」と語る新垣だが、原作者の加納氏は「映画の方が強い女性です。あんな凛とした強さは、すてきだと思います」と絶賛し、「私の中で新垣さんは、ひたすら可憐な美少女のイメージだったんですが、今回は強い母親像を見せていただいて、意外な一面を見させていただきました。すごく、よかったと思います」とコメントを寄せている。●望むのは両親と「素直」な関係でいられる状態ユウタロウに乗り移られる役者は、事前に新垣と大泉が演じた映像をもとに、その大泉の演技を再現。新垣は違う役者を相手に同じ演技を求められるわけだが、その撮影手法を「絶対に必要なこと」と受け止め、「違う人間だから、1つの物事を解釈するのにもそれぞれの見方があります。違った物になっちゃったりすると良くないんじゃないかなと私は思っていたので、その方法が1番良いと思っていました」。クライマックスの感動的な場面では2日かけて涙を流すことを求められるハードな撮影だったが、「がんばったなと思いますし、それだけのシーンになっていると思います」と胸を張る一方、「ライティングや空気感も手伝って、あれだけ涙を流していられた」と周囲の支えにも感謝する。深川監督は、新垣のサヤ像を優先したことについて、「自分が小説からの先入観でつくりあげようとしていたものを一度ゼロにして、"現代のサヤ"が考えていることを大事にしてあげようと思ったんです」と説明。また、子役を子役として扱わない演出であることから、ダイヤ役を演じた子役・寺田心を追い詰めてしまったことがあったそうで、「そんな時に新垣さんが『心、へこんでるんでしょ(笑)』って優しく声をかけて、心くんが涙ぐんでて(笑)」というやりとりも。そんな新垣を深川監督は、「立派な座長さんでした。主演だから出演者のトップにいることは当たり前なんですが、みんなに気を配るという役割も果たしつつ、それぞれの役者の体調も含めてちゃんとフォローすることができる役者さん」と賛辞を送る。久代役の波乃久里子も「あの人は大きな女優だ」と現場で何度もうなるなど、その立ち振る舞いは「女優・新垣結衣」の姿を周囲に強く印象付けた。今回の撮影を通じて、「子育ては大変なことが、普段は8割。今回、撮影中に赤ちゃんを抱いてて、身を委ねられると守らなきゃって思うし、たぶんそうやって残りの2割の部分に引き戻されるんだろうな…。それを繰り返してお母さんはやってきたんだろうなと思います」と母親の苦労を想像しながら、恥ずかしそうに「わかんないですけどね(笑)」と付け加える。最近、母の強い勧めで人間ドックを受けたそうで、検査を受けた夜に母から電話があり、「そんなに心配だったんだと思いました」とその愛情を再認識したという。「常に大事に思ってくれてるだろうなというのはわかっているので。あまり言葉で確認することはないですけど、無理にしなくてもいいかなと。自分が言いたい時に素直にいられる状態でいればいいかなと思います」という言葉にも背伸びをしない等身大の新垣がにじみ出ている。ユウタロウは、父が母の死に際に駆けつけなかったことで、その存在を長い間遠ざけていた。家族よりも仕事を選んだその父親の行動について、「本当は駆けつけてほしいですけど…立場によって思いはそれぞれだと思います。ユウちゃんのお父さんも行きたくなかったわけじゃないと思うので…」と理解を示す新垣。その考えに至ったのは、「十代からお仕事をはじめているので、やっぱり悩むこともあって。自分の中でも答えは決まっているけど、後押しをしてほしいから親に話したりして。そんな時に自分が思っていることと違う答えが返ってきたりして、怒ってしまったり、悲しくなっていたりはしていました」という実体験もあるから。「今はその時の返ってきた言葉も理解できるので、いい思い出です。私も人並みの段階を踏んできたんだと思います(笑)」と語るなど、今の新垣は過去の誤解も冷静に見渡すことができている。■プロフィール新垣結衣1988年6月11日生まれ。沖縄県出身。ローティーン誌『ニコラ』のモデルとして活躍した後、女優業をスタート。『恋するマドリ』(2007年)で映画初主演を果たし、続く主演作『恋空』(07年)が大ヒットを記録した。その後、『ワルボロ』(07年)、『フレフレ少女』(08年)、『ハナミズキ』(10年)などに出演。テレビドラマでは、『全開ガール』(11年)で連ドラ初主演を飾り、『空飛ぶ広報室』(13年)、『リーガルハイ』(13年)、『S-最後の警官-』(14年)など話題作への出演が続いている。主演映画『くちびるに歌を』の公開を2015年2月28日に控える。(C)2014「トワイライト ささらさや」製作委員会
2014年11月12日「ぴあ」調査による2014年11月7日、8日のぴあ映画初日満足度ランキングは、新垣結衣と大泉洋が夫婦役で共演した『トワイライト ささらさや』がトップに輝いた。2位に森三中の大島美幸の初主演作『福福荘の福ちゃん』が、3位にパリ・オペラ座の最高位“エトワール”の座を16年間務めたアニエス・ルテステュを追ったドキュメンタリー『至高のエトワール ~パリ・オペラ座に生きて~』が入った。その他の写真1位の『トワイライト…』は、突然の事故で夫を亡くしてしまい、生まれたばかりの息子を育てるヒロインと、さまざまな人の身体を借りて妻を助けようと奮闘する亡き夫の姿を描いたラブストーリー。出口調査では「観たあとすぐに自分の家族に会いたくなるような映画。お父さんの愛情に感動して涙が流れた」(18歳・女性)、「温かい映画。特に車の中で乗り移るシーンはすごく感動的で涙が出た。職場の友人にオススメしたい」(42歳・男性)、「家族愛を感じるストーリーで、感動する場面もあれば、大笑いする場面もあって全体的に楽しめた」(19歳・女性)、「“家族”について考えさせられたし、とても泣ける映画で感動した。新垣結衣も大泉洋も良い演技だった」(25歳・男性)、「親と子の愛情がよく描かれていて、クライマックスは特に感動的だった」(50歳・女性)など、涙を浮かべながらコメントする女性の姿もあり、10代から70代までの観客からの支持を集めた。2位の『福福荘の福ちゃん』は、ぼろアパート“福福荘“に住む女性にオクテな福ちゃん(大島)の恋模様を描いた作品。観客からは「大島さんが男役で出演するというキャスティングが素晴らしい。男女の生々しいところや、昔の恨みなどネガティブな部分をイヤな感じではなくサラリと描いているのもよかった」「大島美幸と荒川良々がすごくよかった。お節介になりかねないが、それでも助け合いは大切だし、温かい心を持つことの重要さを改めて実感した」「大島さんはオッサンにしか見えなかったが、彼(彼女)の笑顔を見ていると、自分までほっこりしてしまうから不思議。ユーモアがあって、おもしろかった」「会場内は笑いっぱなしで、元気をもらえる映画だった」などの声が寄せられた。(本ランキングは、11月7日(金)、8日(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2014年11月10日不思議な町“ささら”で個性的な人々に囲まれながら奮闘するシングルマザーのサヤの前に現れたのは、事故で死んだはずの夫ユウタロウ(大泉洋)だった!?しかもユウタロウがサヤと話せるのは、他人の身体に乗り移った短時間だけ…。加納朋子の小説を基に『神様のカルテ』の深川栄洋がメガホンをとったヒューマンファンタジーで、主人公のサヤに扮した新垣結衣が作品を振り返った。その他の写真「親戚の赤ちゃんをあやしたりしていたので、今回はプライベートを生かせました」と初の母親役にも笑顔を見せる新垣。サヤについては「ささらの町での生活が徐々に彼女を強くしていったように感じる人もいるかもしれませんが、私としては、彼女はもともと強い女性だと思っていました。もちろん成長もしているけれど、もともとあったサヤの強さを、ささらの人たちが後押ししてくれたのかなって」と分析する。サヤのことが心配で成仏できないユウタロウが、他人に乗り移るシーンでは、乗り移られる富司純子や中村蒼らの動きに大泉の声を充てるといった手法は取らず、富司や中村らが完璧に大泉のユウタロウを演じきって笑わせる。これらのシーンはとてもユーモラスだが、後半、このコミカルさが効いてくる。特に新垣自身、「本当に頑張ったと思うし、頑張っただけのシーンになっていると思います」と胸を張る、クライマックスでのサヤと、ユウタロウ自身が現れて対峙する場面には胸を締め付けられるに違いない。「それまでみなさんがユウちゃんを素晴らしく演じてらしたので、私としては富司さんの頬についた米粒を取るといった仕草もなんのためらいもなくできてたんです(笑)。ただ、クライマックスで大泉さんの姿でユウちゃんが登場したときにはやっぱり特別なものがあったし、ずっと涙が溢れっぱなしでした。それにユウちゃんに投げかけたある言葉で、それまで、乗り移られた人たちとサヤが自然に接していたことの理由が腑に落ちたんです。出来上がった作品を観て、改めて気がついてグッと来ました(笑)」。『トワイライト ささらさや』公開中※取材・文・写真:望月ふみ
2014年11月10日女優の新垣結衣が11月8日に東京・新宿バルト9で行われた主演作『トワイライト ささらさや』の初日舞台あいさつに登壇した。本作で母親役に初挑戦した新垣は、劇中で息子を演じた赤ちゃんモデル・森蓮太郎くん(現在11カ月)と約半年ぶりに再会を果たし「大きくなったし、顔も変わりましたね。成長を感じるし、いつまでも見守っていたい」と目を細めた。その他の写真架空の町“ささら”を舞台に、事故死し成仏できない落語家のユウタロウが、周囲の人々の体を借りながら、生まれたばかりの息子を守ると誓う妻・サヤ(新垣)を守ろうと奮闘するというファンタジックな人間ドラマ。加納朋子氏の小説を映画化した。舞台あいさつには新垣をはじめ、亡き夫のユウタロウを演じる大泉洋、中村蒼、福島リラ、寺田心くん(子役)、藤田弓子、小松政夫、石橋凌、富司純子、深川栄洋監督が勢ぞろいし、映画の封切りに感無量の面持ちだった。公開前から「大切な誰かに会いたくなる」と評判の本作。大泉は「今会いたい人」として、愛娘が見る教育番組の“歌のお姉さん”を挙げたが、他のキャスト陣が「やっぱり家族」と口を揃えると、「僕も亡くなった父に会いたい。あっ、父は生きています」と笑いを誘った。また、大泉が話そうとする絶妙なタイミングで、心くんがくしゃみをする一幕も。トークを邪魔された大泉は「また大泉さんつぶしか。それ作戦だろ(笑)」と子ども相手に、苦々しい表情を浮かべた。『トワイライト ささらさや』公開中取材・文・写真:内田 涼
2014年11月10日新垣結衣が初めて母親に挑戦した『トワイライト ささらさや』の初日舞台あいさつが、11月8日に新宿バルト9で開催。新垣結衣、大泉洋、中村蒼、福島リラ、子役の寺田心、藤田弓子、小松政夫、石橋凌、富司純子、深川栄洋監督が登壇した。加納朋子の同名小説を、『神様のカルテ』シリーズの深川栄洋監督が映画化した『トワイライト ささらさや』。新垣結衣は、夫に先立たれ、乳飲み子を抱えるサヤ役。大泉が、いろんな人に憑依して妻と息子を守ろうとする夫・ユウタロウを演じた。本作では、2人の奮闘と、サヤたちを取り巻く周りの人々たちとの交流が温かく描かれる。新垣は、サプライズで息子ユウスケ役の赤ちゃんと再会。赤ちゃんは半ベソをかいたが、新垣は「変わった!大きくなっている!」と、うれしそうに笑顔を見せた。新垣は「人見知りになっているのも成長だなと。いつまでも見守っていきたいです」と、柔和な表情で赤ちゃんを抱っこした。劇中で、亡くなった父親役を演じた大泉も「赤ちゃんが出てきた瞬間、わけもわからないうるっと感が! ちょっと感動してしまいました」と感激していた。舞台あいさつでは、映画にちなみ「今会いたい人」についてクロストーク。新垣は「おじいちゃん、おばあちゃんです。もっと交流したかった」と真面目にコメント。続いて、大泉が答えようとした瞬間、「クション!」とくしゃみをして、会場を笑わせた子役の寺田心。大泉は寺田に「作戦だろ? 絶妙なタイミングで」と、不機嫌な表情を見せ、会場は大爆笑。大泉は「朝、息子がテレビで『おかあさんといっしょ』を見ていて。だから、三谷たくみお姉さんに会いたいです」と言って、笑いを取る。その後、ゲストのほとんどが亡くなった両親や家族に会いたいと答えたため、いたたまれなくなった大泉は「僕も亡くなった父に会いたいです」と言い直した。ところが、すぐに「ごめんなさい。父、生きてます。やばい」と謝罪し、会場は爆笑の渦となった。
2014年11月09日新垣結衣と大泉洋が初共演で夫婦役を演じた映画『トワイライト ささらさや』が11月8日(土)、東京・新宿バルト9で封切られ、新垣さんと大泉さんを始め、共演の中村蒼、福島リラ、富司純子、藤田弓子、石橋凌、小松政夫、子役の寺田心くん、深川栄洋監督が揃って初日舞台挨拶に登壇した。原作は加納朋子の小説「ささら さや」。突然の事故で夫ユウタロウ(大泉さん)を亡くしたサヤ(新垣さん)が、生まれたばかりの息子・ユウスケを女手ひとりで育てようと奮闘する中、成仏しきれないユウタロウがさまざまな人の体を借りて2人を陰ながら支えていく姿を描いたファンタジードラマ。本物語にちなみ、キャスト一同は“今一番会いたい人”について語り合った。大泉さんは、「僕が演じたのは奥様と小さな子どもを残して逝ってしまう切ない役。今日は朝起きたら娘がテレビを見ていたので、一緒に『おかあさんといっしょ』を見てきた」と良き父親の顔をのぞかせながら、「会えるのなら『おかあさんといっしょ』の三谷たくみお姉さんに会いたい。ファンなんです!」と告白し、鼻の下を伸ばしていた。そのほかの登壇者は、「おじいちゃんとおばあちゃんに会いたい。小さい時は離れて暮らしていたので、もっと色々お話したかった」(新垣さん)、「家族。この映画のキャンペーンで地元の福岡に帰ったけど、実家には帰らず東京に戻ってしまったので、家族に会えばよかったかなと後悔した」(中村さん)、「亡くなった母に会いたい。親不孝をしたので、親孝行を倍返ししたい」(富司さん)と、それぞれ家族への思いを吐露。すると大泉さんも「僕も家族!」と慌てて発言を撤回したが、共演陣に「ひどい!」と笑い飛ばされていた。さらに、新垣さんと大泉さんと劇中で親子を演じたユウスケ役の赤ちゃんもサプライズで登場。本作で初の母親役に挑戦した新垣さんは、久々に再会した“愛息子”を抱き「すっかり成長してる。いつまでも見守っていたい気持ち」と頬をゆるめた。最後に新垣さんは、「こうして出演者の皆さんと久々に集まり、現場のやわらかい空気感を改めて実感できて嬉しい。どなたに観ていただいても、何となく何かを感じられる映画だと思う」と客席にメッセージを送った。『トワイライト ささらさや』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トワイライト ささらさや 2014年11月8日より全国にて公開(C) 2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
2014年11月09日新垣結衣と大泉洋が夫婦役で初共演する映画『トワイライト ささらさや』が、11月8日から公開をスタートする。本作には、"神の目線"を表現した特殊な撮影技法が採用されている。本作は、作家・加納朋子の小説『ささら さや』を原作に、『60歳のラブレター』(2009年)などで知られる深川栄洋監督がメガホンを取った作品。大泉演じる落語家・ユウタロウは、不慮の事故が原因で生後間もない息子・ユウスケと新垣演じる妻・サヤを残して他界する。悲しみに暮れるサヤだったが、ユウスケを跡継ぎにしようとする義父の目から逃れるために"ささら"の街に移り住み、そこの人々に支えられながら母親として成長していく。2人のことを心配するあまり成仏できなかったユウタロウは、自分のことが見える人々の体に乗り移ってはサヤの前に現れ、さまざまな手助けをする。そんな不思議なことが起こる街"ささら"を表現する上で、深川監督が「ロケハンの時から決めていた」のが"神の目線"だった。映画の中で、度々ミニチュアのような風景が挿入されるのがそのシーンで、カメラにシフトレンズをつけて実景を撮影するとそのような効果が現れる。発想のもととなったのは、イタリアの写真家オリボ・バルビエリの撮影法。画面の手前と奥がぼやけて人や建物が小さく見え、俯瞰(ふかん)で撮影するとより効果がはっきりする。2~3年前からシフトレンズでの撮影を考えていたという深川監督は、「映像で使う時の効果を考えていた時、"神の目線"なのかなと」と説明。「キャラクター個性の強い群像劇なのでお客さんがどこに感情を持って行ったらいいか迷ってしまう所を、自然の風景や懐かしさを出しながらも、一息つかせて気持ちをリセットさせたかったんです」とその狙いを明かし、「ユウタロウが町を見下ろそうと一度(空に)上がったのかな、どこかに乗り移れる人がいないか探しているのかな、なんて思いながら見てくれたら」と期待を寄せている。(C)2014「トワイライト ささらさや」製作委員会
2014年11月07日「躊躇するタイプです!」。新垣結衣は躊躇なく即答した。それまで、ひとつひとつの質問に対しじっくりと考え、慎重に言葉を探しながら答えを紡いでいた彼女が、その日一番の迷いのなさを見せたのが「新しい挑戦に対し、迷わず飛び込むタイプか?それとも躊躇するか?」という質問だった。これまでにない環境に身を置くのも「苦手です。ご飯屋さんもいつも同じところばかりだし(笑)。それでもやるのは…仕事だから。仕事でしか挑戦したことないんじゃないですかね?」と苦笑交じりながらも自信満々に語る姿に取材部屋が笑いに包まれる。だが、伝わってくるのは不思議と気弱さやネガティブな空気ではなく、仕事への強いプライド、そして自分自身を理解し、腹を括った者の強さだ。映画『トワイライト ささらさや』もまた、新たな挑戦、これまでにない経験に満ちあふれた仕事だった。原作は加納朋子のベストセラー小説。事故で夫を失い、生後間もない息子を抱えたサヤは小さな町“ささら”で暮らし始める。なぜか夫のユウタロウは成仏し損ね、時折サヤの周囲の人々の体に乗り移り、彼女の力となるべく奮闘する。ユウタロウ、おせっかいな町の人々に支えられ、成長していくサヤの姿が綴られる。まず何より、本作での初挑戦といえば、母親・妻を演じたこと。「周囲の同い年で結婚して子どもがいてという人はいくらでもいるし、『まだ早い』とかそういう抵抗は全くなかった」という。一方で冷静に“女優・新垣結衣”を見つめこんな思いも…。「やはり新垣結衣を知ってくださっている方にとっては学生服の方がイメージしやすいと思うので、赤ちゃんを抱いている姿に違和感を持たれてしまったらどうしようという不安はありました。ただ、この物語自体、彼女が母親として成長していくお話なので、撮影が進む中で私も赤ちゃんと接しながら馴染んでいければいいかなとあまり考え過ぎずに現場に入りました」。サヤという母親、妻、そしてひとりの女性を表現する上でカギとなったのが、大泉洋演じる夫・ユウタロウが彼女に言う「お前は人を信じすぎる」という言葉と、肉親を失った彼女が「笑いたかった」という理由で葬儀の後すぐに落語の寄席に足を運んだというエピソード。「一見、弱くて不幸に見えるサヤですが、すごく芯の強い女性なんだと感じました。ユウちゃんが生きている頃、短い期間ですが夫婦として一緒に暮らしている時もユウちゃんは『バカだねぇ、お前は』なんて言うけど、多分、サヤが彼を手のひらで転がしていたんだと思うんです(笑)。それも計算ではなく自然とそうなったんだろうなと。身内が次々と亡くなって、母になったばかりで不安がある中で今度は旦那さんまで死んじゃって…そういう状況が彼女を弱くしていたのかもしれませんが、そもそも強いんですよね、サヤは。ユウちゃんが周りの人に乗り移って、生きていた頃にはできなかった夫婦喧嘩をしたり2人の時間を重ね、“ささら”街の人との出会いや母親としての成長が哀しみや孤独をぬぐい、本当のサヤが出てきたんだなと思います」。「いま、この姿で制服を着ると、ダメだと思うんですよ(笑)。最後に着たのは…22歳ですね(※映画『ハナミズキ』)。思ったより早く“卒業”しちゃったなという気もしますね」と笑うが、「大人の女性を演じる」と一口に言っても、今回のような母親から未婚の女性、キャリアウーマン、主婦など求められる役柄はこれから増える一方である。「役によって自分が若くなったり、歳をとったりというのは楽しいですよ。ニューヨークで働くキャリアウーマン(※映画『ハナミズキ』)で大人っぽく見せたかと思えば、こけしみたいな頭でギャーギャー言う女(※ドラマ「リーガル・ハイ」)に戻ったり(笑)。見せ方もいろいろで、メイクや衣裳でも女性は化けるので、いろんな役をやっていくのは楽しみです」。冒頭で「仕事でしか挑戦したことない」という言葉を紹介したが、「この仕事は常に新しい挑戦しかない」とも。印象的だったのが、10代半ばで沖縄からの上京を決断する際のエピソード。当人は「嫌で仕方なかった」というが、「いろんな人に説得される中で、気持ちが(上京する方に)揺れた瞬間があって、その時に先生に『(東京の高校への)推薦の書類を書いてください』とお願いした」という。出来ないことを「やれる」などと言わないが、やるとなったら責任と覚悟を持って飛び込む。何より、自分を冷静に見つめ、周囲の言葉に耳をすませ、一歩を踏み出す強さを持っている。「仕事は仕事なので、やらなきゃいけないし、時間も迫ってくるし、まあどうにかなるかと(笑)。でも、不安だけではなく楽しみなところをちゃんと見つけられるんですよね。いまだに怖い時は怖いけど、やらなきゃ終わらないし、その後で喜んでくれる人がいると思うと力が出てくるのかな?とも思います」。「すいません…自信持って言い切れないんですが」という言葉を常に最後にくっつけ、苦笑を浮かべつつ語るが、彼女は新たなチャレンジを楽しんでもいる。「ビクビクしながらやって『つらかった』で終わりたくないから。最終的には『大変だったけど楽しかった』という時間の過ごし方、仕事の仕方をしたい」。「いつか母親になりたい」という思いはしっかりと胸の中にある。「子どもに尊敬される母親でいたいし、頼られた時にどっしりと構えていられるようになりたい」とも。理想を胸の奥で温めながら“永遠の挑戦者”はためらい、立ち止まり、そしてまた進む。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:トワイライト ささらさや 2014年11月8日より全国にて公開(C) 2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
2014年11月06日小さな町で起こる“奇跡の瞬間”と愛に満ちあふれた感動の物語『トワイライト ささらさや』。主演の大泉洋さんのインタビューをお届します。──鑑賞直後にインタビューということで、号泣されていたらどうしようかと思っていたんですが……。大泉:ご多分に漏れず、泣いてしまいました。深川さんの映画はだいたい泣いちゃうんですよ。監督が泣きなさいと言っているところで全部泣いてしまいましたよ(笑)。ダイヤくんの本当の気持ちをエリカさんが知るところ、ユウタロウとサヤの今生の別れ、それと最後の回想シーンですよね。回想シーンの10分ぐらいずっと泣いてしまいました。──回想シーンはセリフがありませんが、脚本はどういうふうに書かれていたんですか? 大泉:要するにト書きだけですね。こういうことがあって、という。台本をいろいろ直す段階から私は読ませていただいていて。父親の描き方が難しくて、私もいろいろ意見を出させてもらって、そこがどんどん厚くなっていったんですね。撮影に入ってからも父親のパートは厚くなっていったんじゃないですかね。石橋(凌)さんは大変だったと思います。石橋さんが監督に“今日の降水確率は何%ぐらいですか?”とよく聞いてらっしゃって。つまり、どれぐらい泣かないといけないのかということです(笑)。“70%ぐらいでしょうか”と監督が答えて。石橋さんは現場に来るたびに泣かなくちゃいけないっておっしゃられていてました。でも、やっぱりその父親のパートはこっちも泣けるんですよねぇ。──最初から落語家の設定だったのでしょうか? 大泉:そうです。私がいろんな人に乗り移っていくという話において、大変よくできたからくりだなと思いました。私がその声を演じるならわかりやすいですけど、私が乗り移ったという設定で小松(政夫)さんや富司(純子)さんが演じられるというのは、難しいですよね。そこをわかりやすくするために、落語家の口調にするというのは、よくできたアイディアだなと思いました。乗り移ったことを表現するのに最適な設定だなと。高座の時だけでなく、ふだんもわりと落語家の口調にするということでうまくいったと思います。──乗り移ったシーンの出来上がりはいかがでしたか? 大泉:いやー、素晴らしかったですね。どうしても僕のセリフは早いですからね。落語家さんは立て板に水みたいなイメージもありますし。私はペラペラとしゃべるもんですから、それを小松さんや富司さんのようなお年の方があのセリフ回しをするのは大変だったろうなって思いました。ダイヤくんにいたっては、アッパレの一言ですね。また天才子役が生まれちゃったなと思いました。蒼くんは表情まで似てましたもんね。撮影の時に言われたんですけど、“今、日本で一番大泉さんを見てます”って。毎日毎日僕が演じたDVDを観ていたそうです。イケメンなのによくあんなおもしろい表情ができるなって思いました。驚いた時の表情とか、よく私の特徴を捉えているなと感心してしまいました。──お気に入りのシーンはどこでしょうか? 大泉:新垣(結衣)さん演じるサヤが連れ去られた子供を取り返して、“私はこの子の母親です”とユウタロウの父親に啖呵を切るシーンはグッときましたね。──新垣さんの印象は? 大泉:ものすごく落ち着いた方なんですよね。冷静に役をしっかりと考えて演じられていると思いましたね。赤ちゃん役の子との相性の問題もあるじゃないですか。相手は本当に何ケ月かの赤ちゃんですから。私は撮影の最初と最後に参加して、真ん中がっつりと空いていたんですね。後半参加した時、赤ちゃんの扱いがすごく上手になられているのを見て、撮影が大変だったんだろうな、本当にお母さんのように扱えるようになったんだなと、すごく印象に残りましたね。──すんなり夫婦役になりきることはできましたか? 大泉:そうですね。年はけっこう離れているんですけど、そんなに違和感はなかったですね。何度も言いますけど、すごく落ち着いた方でしたからね。CMなんかで踊っている、常に元気なイメージを持っていたんですけど、初めてお会いした時にすごく落ち着いた大人の女性だなと思ったんですよね。くだらない話をいっぱいしていたんですけど、くだらなすぎて覚えてないんですよね。最後の別れのシーンはまるまる一日かけて撮ったんですけど、新垣さんの素直な涙に助けられました。こんな奥さんと子供を残して死んじゃいかんなと。私にも奥さんと3歳の娘がいますんで、素直に涙が出ましたね。──この作品の良さをアピールするとしたら? 大泉:誰にでも安心して観てもらえる作品かなと思います。日本中の人が好きな物語がそこにあるって感じですよね。鉄板じゃないですか。娯楽として必要なものが全部ある。幽霊ものとくくると怒られるかもしれませんけど、亡くなった人が成仏できずに近くにいるという話は絶対泣けますからね。私もすごくやられてしまいました。コメディとしてもすごく質がいいと思います。──ちなみに、亡くなっている人の役は初めてですか? 大泉:そうですねぇ、初めてですね。死んじゃってるのに出てるというのは(笑)。今後もなるべく亡くなっている人の役をやっていきたいということはないですけど(笑)。昔、ねずみ男という妖怪の役はやったことがあるんですけど、あれがお化けなのかどうか、私にはわかんないです(笑)。幽霊は成仏という結末があるものですからね、泣けますよね。演じていてその切なさを感じていたので、そういうのはクセになるところがあるかもしれないですね。映画『トワイライト ささらさや』は11月8日(土)より公開 公式サイト
2014年11月04日新垣結衣と大泉洋が夫婦役を演じることで話題の映画『トワイライト ささらさや』の夫婦試写会が、11月3日(月・祝)に東京都内で開催され、お笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春の妻でタレントの藤本美貴がトークショーに登壇した。本作は、ベストセラー小説「ささら さや」(加納朋子著/幻冬舎文庫)を『神様のカルテ』シリーズ、『くじけないで』などの感動作で知られる、深川栄作監督がメガホンをとり実写映画化。突然の事故で幽霊となってしまった夫・ユウタロウ(大泉洋)が、妻・サヤ(新垣結衣)と生まれたばかりの息子をさまざまな人の“体を借りて”助ける、というファンタジックでユーモラスな物語が展開する。すでに作品を観たという藤本さんは、「夫婦って色んなカタチがあると思うんですけど、まず一つ(この作品の)夫婦のカタチを観て頂いて、良い部分をマネしたりとか、お互いどういう風に思っているのかとか、考えるきっかけになりました。夫婦として当たり前になってしまう部分もあるんですが、当たり前じゃないんだなって改めて感じました」と感想を語る。藤本さんと庄司さんの家庭は、「すごくアメリカンな感じで、『ありがとう』も『ごめんね』も『大好き』もストレートに言いあう」そうで、藤本さんと時を同じくして、本作を鑑賞した庄司さんからは「観た後にすぐ、旦那さんから『美貴ちゃんに感謝だな』と電話があった」そうだ。2012年の3月に第一子となる息子・虎之助くんを出産したが、子どもを授かったことでの変化を聞かれると、「大人にさせてもらったという気持ちですね。16歳くらいから大人とお仕事しているので、何を言っても通じる環境でした。でも、子どもって言いたいことが分からなかったり、眠いのに眠れなくて泣いたりとか、思い通りにならない部分をもっているので、本来人ってこうだよねということに気づかされました」と語る。すでに2歳となった虎之助くんだが、藤本さんには一つ不安があるよう。「いつも旦那さんは(TVでは)タンクトップで、たまに脱いだりしてるんですが、それを見て脱ぎ癖が…」と苦笑を浮かべ、「脱ぐのが当たり前になってくると、将来大変だなって。『トッタン(※父・庄司さんのこと)と一緒だね』と言うんですが、そこは一緒じゃなくていいよ…って。顔もすごい(庄司さんに)似てて、80%が旦那さんで出来上がってるんじゃないかと思います」と明かすと、客席からは笑いが沸き起こった。そんな温かい家庭・夫婦円満の秘訣を聞かれると、「『ほう・れん・そう』が大事」と語る。「仕事が終わる時間もバラバラなので連絡して、コミュニケーションをよく取るようにしてます。たまにケンカもしますね。爆発しないように、小出しにしておくといいと思います」という言葉に、会場に集まった奥様たちは大きく頷いていた。さらに、結婚生活の中で当たり前であるからこそ忘れがちになってしまう“女性”を保つ方法は?という質問には「もちろん家にいるときは、すっぴんだし(髪も)バサバサだし、スウェットでソファーにいるんですけど(笑)、デートの時は気合いを入れます。意外と夫婦になっちゃうと、家を出る時も一緒になりがちなんですが、たまに“待ち合わせ”をするとドキドキできると思います。あとは可能なら、結婚当時の体型をキープしたいですね。それは奥さんも旦那さんも両方ともに(笑)」と語ると、会場に集まった奥様たちは再び大きく頷いていた。『トワイライト ささらさや』は11月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トワイライト ささらさや 2014年11月8日より全国にて公開(C) 2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
2014年11月03日新垣結衣が初のママ役となり、大泉洋と夫婦役を演じることでも話題の『トワイライト ささらさや』が、まもなく11月8日(土)より全国公開となる。初共演とは思えないほど息の合った2人が、絶妙なやりとりで夫婦役を演じ切り、それぞれ役者としての新境地を切り開いた本作では、夫婦の絆の象徴である “赤ちゃん”を演じた小さな俳優たちも好演を見せているという。本作は、ベストセラー小説「ささらさや」(加納朋子著/幻冬舎文庫)を『神様のカルテ』シリーズ、『くじけないで』などの感動作で知られる、深川栄作監督のもとで実写映画化。突然の事故で幽霊となってしまった夫・ユウタロウ(大泉洋)が、妻・サヤ(新垣結衣)と生まれたばかりの息子をさまざまな人の“体を借りて”助ける、というファンタジックでユーモラスな物語。一般的に、赤ちゃんと動物の撮影はメチャクチャ大変というのが、映画界の常識。ところが、本作の赤ちゃんたちは、泣きやんでほしいタイミングで泣きやみ、笑ってほしいときに最高の笑顔を見せてくれる、という天才俳優たち揃いだったらしい。緊張感あふれるシーンだけは、スタッフ・キャストの雰囲気が伝わるのか、泣き出してしまうこともあったそうだが、“赤ちゃん待ち”でスケジュールが遅れるようなことは一度もなかったという。ただ、そんな“天才赤ちゃん”でも、さすがにみんなの演技に合わせて笑ったり、じっとしているのはなかなか難しいこと。実は赤ちゃんが登場するシーンには、常に“赤ちゃんあやし組”なるスタッフが待機。キャストたちが演技をしているその反対側で、5~6人の大の大人が玩具を持って、赤ちゃんの気を引くという、陰ながらのサポートをして撮影を支えていたのだ。だが、緊迫したシーンの最中でも、その反対側ではスタッフが「うりゃりゃりゃりゃりゃ~」とやるものだから、「それに惑わされないで集中するまでに、すごく大変だなぁなんて感じます」と新垣さん。また、大泉さんも「あれは笑っちゃいます。こちらは演技に集中するのが難しかった…(笑)」と苦笑い。本作が初めての母親となった新垣さんだが、親戚の赤ちゃんに普段から接していたそうので、赤ちゃんを抱くことも手慣れたもの。さらに新垣さんは、4か月くらいの乳児がいる女性の胸の重さに合わせて作られた、特殊な型を付けて演じていたそうで、自身の経験とそうした役作りから、母親としての自然な立ち振る舞いが生まれていったという。「この子は絶対に私が守る!」「2人を残しては逝けない!」という新垣さん、大泉さんがそれぞれ演じる夫婦の愛の物語は、温かな思いやりにあふれた現場で、たくさんのキャストとスタッフの愛を受けながら紡ぎ出されてきたようだ。『トワイライト ささらさや』は11月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トワイライト ささらさや 2014年11月8日より全国にて公開(C) 2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
2014年10月29日映画『トワイライト ささらさや』の完成披露試写会が10月28日(火)に開催されたが、上映前の舞台挨拶に加え、上映後にも主演の新垣結衣、大泉洋、深川栄洋監督が再び壇上に姿を現し、映画を観終えたばかりの観客の喝采を浴びた。新垣さんが初の母親&妻役に挑戦した本作。夫を亡くし、生まれたばかりの赤ん坊と新しい生活を始めたさやと彼女の周囲の人々に乗り移りながら彼女の成長を支える死んだ夫のユウタロウの姿を描く。上映後、壇上にはピアノが用意され、本作で音楽を担当した平井真美子さんの演奏で劇中音楽が会場に響き渡る中、後方より客席の間を通って新垣さん、大泉さん、深川監督が再登場。サプライズ演出となったが、800人の観客は拍手で3人を迎えた。新垣さんが「いかがでしたか?」と客席に問いかけると再び大きな拍手。新垣さんは「(映画を)どう感じてもらうかは、こちらが決めることではないと最近、思うようになりました。みなさんが2時間の中のどこの何を感じるのか?お任せしようと思ってましたが、私の『どうでしたか?』という問いかけに拍手を返していただけました。これ以上のことはないです」と嬉しそうな笑みを浮かべて力強く語った。大泉さんは、“乗り移る”役柄にちなんで、上映前の舞台挨拶で「もしも誰かに乗り移るなら?」と聞かれ「映画会社の社長に乗り移って、僕のギャラを上げたい」と語っていたが、久々に観たという映画本編、観客の温かい反応、そして平井さんの奏でる美しいピアノの音色で汚れた(?)心が洗われたのか「自分を恥じています…(苦笑)」と反省しきり。「ギャラはいりませんとこれから言おうと思います!」とまで語り、会場の笑いを誘っていたが、本心から感動したようで「訳も分からず泣きそうになりました」と目を少し赤くして語っていた。新垣さんは改めて、これから映画を観る人に向けて「私がこの映画を観て一番感じたのは、一生懸命生きるっていいなってこと。一生懸命生きていこうと思ったし、これまで26年生きてきた時間もキラキラしていたんだと気づかされました。みなさんにとってもこの映画が、そうしたきっかけになれば」と呼びかけ、会場は再び熱い拍手に包まれた。『トワイライト ささらさや』は11月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トワイライト ささらさや 2014年11月8日より全国にて公開(C) 2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
2014年10月29日11月8日公開の映画『トワイライト ささらさや』の完成披露試写会が28日、都内で行われ、主演の新垣結衣をはじめ、大泉洋、中村蒼、寺田心(子役)、小松政夫、富司純子、深川栄洋監督が出席した。本作は、加納朋子の小説『ささらさや』を『白夜行』や『神様のカルテ』などを手掛けた深川栄洋監督が映像化した作品で、主演の新垣結衣が初めての母親・妻役にチャレンジした。突然の事故で夫のユウタロウ(大泉洋)を亡くしたサヤ(新垣結衣)と生まれたばかりの息子・ユウスケを、死んだはずのユウタロウが様々な人の身体を借りて助け、ユーモラスな奇跡が巻き起こる。この日は完成披露試写会が行われ、試写会前にキャスト陣と深川栄洋監督による舞台あいさつ。主演の新垣は「ストーリーの中でサヤが母親として成長していくので、私も気負わず作品が進むにつれて成長してければという思いでやりました」とやり切った様子で、劇中で新生児を抱いたことに「赤ちゃんの変化とかを直で感じられたので、母親ってこういう気持ちになるのかと疑似体験はできたと思います」と感想を。また、夫婦役で共演した大泉について「こっちのことを汲み取ってくれる方。共演シーンはそれ程多くはありませんでしたが、夫婦の近い距離感は出せたと思います」と手応えを語れば、大泉は「今回は新垣さんとの夫婦役ということで受けた仕事。そう言った意味ではおいしい役でしたね。って書かないでね!」と報道陣を制すなど、新垣をはじめとする登壇者や観客を笑わせていた。様々なテーマが描かれている本作だが、ユウタロウが妻のサヤや息子以外の登場人物に乗り移ることもキーワードの一つ。それに絡めて「乗り移るとしたら何になりたい?」という質問に、新垣は「私はヒョウモントカゲモドキという爬虫類を飼って6、7年になるんですけど、彼女はずっとガラスケースにいて、私が鑑賞するためにそこにいます。喜怒哀楽もないので、幸せなのか知りたいのでその子になりたいです」と回答していた。映画『トワイライト ささらさや』は、11月8日より全国公開。
2014年10月29日映画『トワイライト ささらさや』の完成披露試写会が10月28日(火)に開催され、主演の新垣結衣をはじめ、大泉洋、中村蒼、小松政夫、富司純子、子役の寺田心くん、そして深川栄洋監督が舞台挨拶に登壇した。加納朋子のベストセラー「ささら さや」の映画化。息子を生んだばかりで夫に先立たれたさやが、風変わりな町の人々に支えられて成長していく姿と、死んだはずの夫のユウタロウが、他人の体に乗り移ってさやと息子を見守るさまを描いた、現実とファンタジーの交錯したドラマが展開する。キャスト陣が姿を見せると客席からは黄色い歓声がわき起こったが、大泉さんは、主演の新垣さんに大きな声援が飛ぶことは理解しつつも、心くんに「かわいい!」との声が集中したことに納得がいかない様子。「私だって子どもの頃はあれくらいかわいかったんですが…」と仏頂面で負け惜しみを口にし、いきなり会場を笑いに包む。挨拶でも心くんが、なんともかわいい声で「はい!よろしくお願いします」と受け応えをし声援を受けるが、大泉さんは「調子に乗るなよ!おれだってそうやれば『かわいい』って言われるんだ」とライバル心を露わにする。新垣さんは本作で母親役、そして妻役に初めて挑戦したが「私を知っている方は学生服姿の新垣結衣の方がイメージしやすいと思うので、そう(=母・妻に)見えるか不安はあったけど、成長していく役なので、気負わずに成長していければと思いました」と語る。大泉さんは、すぐに亡くなってしまうとはいえ新垣さんの夫を演じたことについて「新垣さんと夫婦役ってだけで、この仕事を受けたようなもの」と語るが、新垣さんは「普段からこちらの伝えたいことをくみ取ってくださる方なので、夫婦の近い距離を出せたと思います」と充実の表情を見せた。中村さん、小松さん、富司さん、心くんは、大泉さんが演じる死んだユウタロウが乗り移る役をそれぞれ演じたが、中村さんは、大泉さんの動きや表情を事細かに研究したそう。大泉さんは「僕の顔を見たら、うんざりって顔されました(笑)。僕が乗り移った時から、このイケメンがブサイクに見えるんですよ!」と苦笑交じりに中村さんの演技を称賛する。同様に大泉さんは、自身が乗り移った富司さんの演技についても「あんな下品な富司さんは見たことない(苦笑)!」と絶賛。深川監督も、普段は美しく上品で優雅な富司さんに大泉さんそっくりの芝居をさせることへの葛藤を明かしつつ「普段の富司さんの3倍か4倍汚く見せています!」と語り、笑いを誘っていた。心くんもこどもながらに大人のユウタロウが乗り移った演技を見せているが「乗り移られちゃいました!カッコよく大人みたいにコップを回すのが難しかったです」と語りつつ、セリフを覚えるのは大変だった?という質問に「簡単でしたね」とあっさりと答え、大物ぶりを発揮し、会場は再び笑いに包まれた。『トワイライト ささらさや』は11月8日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:トワイライト ささらさや 2014年11月8日より全国にて公開(C) 2014 映画「トワイライト ささらさや」製作委員
2014年10月28日女優の新垣結衣が28日に都内で行われた主演作『トワイライト ささらさや』の完成披露試写会に出席した。本作で初の母親役に挑んだ新垣は「ちゃんと(母親に)見えるか不安もあったが、母親として成長する物語なので、私も撮影が進むにつれて成長していければと思った」と振り返り、「赤ちゃんの変化を直に感じられ、母の気持ちを疑似体験できた」と笑みを浮かべた。その他の写真試写会には新垣をはじめ、大泉洋、中村蒼、寺田心(子役)、小松政夫、富司純子、深川栄洋監督が出席。加納朋子の小説『ささら さや』を原作にしたファンタジックなヒューマンドラマで、突然の事故で他界した落語家の夫(大泉)が、生まれたばかりの息子を育てる妻サヤ(新垣)を助けようと、周囲の人々の身体を借りて奮闘する。大泉は死んだ後、他人にのり移るという特殊な役どころだけに、「実はあんまり出ていない。でも、新垣さんと夫婦役ができると聞いて、(オファーを)受けてしまった。おいしい役です」と本音をポロリ。「観ていただければわかりますが、『結構、大泉出ているな』と思うはず。それは皆さんの“のり移られた”演技が素晴らしいから」と中村、心君、小松、富司を絶賛していた。『60歳のラブレター』『神様のカルテ』といった人間ドラマに定評がある深川監督は、「ファンタジーと現実の融合を、コメディではなく、かつての日本映画にあった“喜劇”という手法で描いてみたかった」と語り、「寒くなってきたので、ぜひ余韻にひたって、暖かい気持ちで帰ってもらえれば」とアピールした。『トワイライト ささらさや』11月8日(土)全国公開取材・文・写真:内田 涼
2014年10月28日新垣結衣と大泉洋が夫婦役で初共演する映画『トワイライト ささらさや』の公開を記念して、キャストと監督による初日舞台あいさつが11月8日(土)に新宿バルト9、TOHOシネマズ 日本橋で開催される。その他の画像本作は、加納朋子の小説『ささら さや』を原作に、突然の事故で夫(大泉)を亡くしてしまい、生まれたばかりの息子を育てる主人公サヤ(新垣)と、いろいろな人の身体を借りて妻を助けようとする亡き夫の奮闘を描いたヒューマンドラマ。『神様のカルテ』シリーズの深川栄洋監督がメガホンを執り中村蒼、福島リラ、石橋凌、富司純子らが出演する。初日舞台あいさつは、新宿バルト9とTOHOシネマズ 日本橋で行われ、新垣、大泉、中村、福島(新宿バルト9のみ登壇)、石橋、深川監督が登壇する。チケットは、プレリザーブ(先行抽選)が受付中。一般発売は、11月5日(水)午前10時より開始される。『トワイライト ささらさや』初日舞台あいさつ11月8日(土)■会場:新宿バルト99:45の回上映後/12:45の回上映前料金:2000円(税込)■会場:TOHOシネマズ 日本橋12:55の回上映後/舞台あいさつ料金:2100円(税込)/プレミアボックスシート2700円(税込)登壇者(予定):新垣結衣、大泉洋、中村蒼、福島リラ(新宿バルト9のみ)、石橋凌、深川栄洋監督プレリザーブ:受付中~11月4日(火)11:00AMチケット発売:11月5日(水)10:00AMより
2014年10月25日新垣結衣&大泉洋が“夫婦”役を演じることで話題の映画『トワイライト ささらさや』。切ない愛を描く本作だが、このほど『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどに代表される、「感動映画×イラストポスター=大ヒット!」の法則から、大ヒット請負人・村田篤司氏が描いたイラストポスターがお披露目された。突然の事故で夫・ユウタロウ(大泉洋)を失った妻・サヤ(新垣結衣)と、生まれたばかりの息子。この子は絶対に私が守ると決意したものの、身寄りのないサヤが親子2人で生きていくのは苦労の連続。「そんな2人を残して逝けない」とユウタロウはいろんな人の体を借りてサヤを助けることになるのだが…。今回到着したポスターは、『ALWAYS 三丁目の夕日』や『みんなのいえ』のポスターを手掛けた村田氏の懐かしく温かな独特のタッチが印象的なビジュアルに仕上がっている。コンピューターではなく手描きにより制作されたそうで、その期間はなんと2か月を要したのだとか。村田氏は今回のポスター制作について「試写を観せていただき、弱点だらけの登場人物だからこそ織りなす温もりとおかしみを感じました。別々のシーンで演技している登場人物がポスターの中で繋がり、言葉と心を交わすような感じになったらいいなと願いつつ描きました。想いを自分の声で告げることの出来ない主人公、だからこその切なさや強い気持ち。劇場で不思議で温かいささらの世界を感じていただければと思います」とコメントを寄せている。ひょうきん者のイメージのある大泉さんが、いつも以上に渋みのあるステキな表情をしていたりと、よくよく見ていくと新たな発見があるこのポスター。一度じっくりと眺めてみてはいかがだろうか?『トワイライト ささらさや』は11月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月21日『ALWAYS 三丁目の夕日』や『みんなのいえ』のポスターを手掛けたことでも知られるイラストレーター・村田篤司が、新垣結衣が初めて母親役を演じる映画『トワイライト ささらさや』(11月8日公開)のポスターを書き下ろしたことが20日、明らかになった。25日から全国の映画館で順次掲出される予定。本作は、作家・加納朋子の小説『ささら さや』を原作に、『60歳のラブレター』(2009年)や『神様のカルテ』(2011年)などで知られる深川栄洋監督がメガホンをとる作品。大泉洋演じる落語家・ユウタロウは突然の事故で他界してしまい、生まれたばかりの息子・ユウスケと懸命に生きようとする新垣演じる妻・サヤを心配するあまり、周囲の人の体を借りて支えようとする。ポスターの制作期間は2カ月。村田氏は温もりのあるタッチですべて手描きで仕上げた。中心には、息子をしっかりと抱えながら空を見上げるサヤを描き、背後にはそれを見守るようなユウタロウの姿。そして周りには、サヤに好意を抱く佐野(中村蒼)、ママ友のエリカ(福島リラ)といった"ささら"の人々のほか、ユウタロウの父(石橋凌)の姿も。また、息子を掲げる生前のユウタロウも描いている。このポスターを手掛けた村田氏は、本作について「試写を観せていただき、弱点だらけの登場人物だからこそ織りなす温もりとおかしみを感じました」とコメント。「別々のシーンで演技している登場人物がポスターの中で繋がり、言葉と心を交わすような感じになったらいいなと願いつつ描きました」と説明し、「想いを自分の声で告げることの出来ない主人公、だからこその切なさや強い気持ち。劇場で不思議で温かいささらの世界を感じていただければと思います」と呼びかけている。
2014年10月21日2012年公開の『しあわせのパン』に続き、大泉洋が三島有紀子監督とのタッグを組んだ『ぶどうのなみだ』が好評を博している。北海道・空知(そらち)のワイナリーで綴られる本作でヒロインを務めたのはシンガーソングライターの安藤裕子。大泉と安藤が改めて本作について語った。その他の写真かつてはクラシックの世界で指揮者として活躍するも、いまは故郷でワイン作りに勤しむアオ。弟と暮らす彼の元へ、不思議な魅力を放つエリカという女性がやってきて、彼らの生活に新たな風を吹き込んでいくが…。大泉が演じたアオはストイックなまでにワイン作りに打ち込み、笑顔を見せない男。「最初に三島監督に連絡をいただいたときはメールに『今回はとても寡黙でメチャクチャストイックな役です』とあって、内心『また喋らない役か…』と思いました。『しあわせのパン』の時も寡黙な男でしたし…」と苦笑交じりに振り返る。一方の安藤もエリカという女性に対し「役柄で言うと自分からは少し遠い印象を持った」と明かす。「エリカの怒りや感情をガッと表に出す感じが私がこれまで生きてきた道筋にはなかった部分。歌うようになって私も激しい感情は出すようになったところはあるけど、それはあくまで人前に立つ安藤裕子が持つもの。どちらかというと自分の母親にエリカに近いものを感じましたね。感情の起伏が大きく、ケタケタと笑って包み込み、勝手に料理を人にふるまうようなところもうちの母親のようだなと感じながら読んでました」。2度目のタッグとなった三島監督について大泉は「今回で“三島ワールド”と言えるものが確立したと思います」と語る。それは自身が生まれ育った北海道とも深いつながりを持っている。「やはり、北海道をこんな風に、ある種のファンタジーの世界のように描いてくれる人はいないし、普段の僕にない部分を引き出してくれる。いままで会ったどの監督とも違う感覚を持ってらっしゃる方だと思います」と絶大な信頼を寄せる。音楽の世界で生きる安藤だが、エリカという役は決して音楽に特化された役ではない。異質の世界に触れたことで大きく刺激される部分があったよう。「自分になかった強さや女性性――いや、それは自分の根っこに埋まっていたんでしょうが、それを引き出していただけたと思います。エリカとして生きることで、彼女の強さや経験が自分にプラスされた気がしています」人と土地。じっくりと魅力を引き出し、醸造して完成した物語を味わってほしい。『ぶどうのなみだ』公開中※取材・文・写真:黒豆直樹
2014年10月17日中谷美紀を主演に迎え、講談社「ハツキス」にて連載中の人気漫画を実写映画化した『繕い裁つ人』。先日、主題歌をシンガーの平井堅が務めることが発表されたが、このほど本作のメガホンを握る気鋭の女性監督・三島有紀子がその起用への想いを明かしたコメントが到着した。本作の舞台は、頑固でこだわり深い仕立て屋によって“人生で一番自分に似合った服”に出会える、町の仕立て屋・南洋裁店。祖母が始めたこだわりの洋裁店を受け継いだ2代目の店主・市江(中谷美紀)が、古びたミシンで作るオーダーメイド服は大人気。しかし職人スタイルを貫くため量産は出来ず、百貨店の営業マン・藤井(三浦貴大)からのブランド化の依頼も断り続けている。市江はその人だけの服を繕う日々で十分だったのが――。今回、平井さんが歌う主題歌は、今年5月にリリースされたコンセプトカバーアルバム「Ken’s BarIII」に収録された、70年代に発表された財津和夫の超名曲をジャズ・テイストにアレンジした楽曲「切手のないおくりもの」。三島監督自らがこの楽曲に惚れこみ、「主題歌はこの曲しかない!」と熱烈にオファーしての実現となったそうだが、そこに込めた想いを監督自身はこんな言葉で綴っている。「口笛で始まり、包み込むような大人の男性の歌声が聞こえてきて、やがてスキップしたくなる…そんな、映画の最後に流れる音楽をずっと探していました。財津和夫さんの『切手のないおくりもの』は、小さい頃から大好きで歌詞がとても素敵です。“夢のないあなたに、この歌を届けよう愛することの喜びを知る魔法仕掛けのこの歌を”映画の主人公・市江もこんな気持ちで一着一着その人のために仕立てていますし、自分もこんな気持ちで映画をお届けしたいと思っていたとき、平井堅さんの歌うこの曲を見つけました。かすかに聞こえる口笛から始まって、平井堅さんの温かく切なくくるおしいまでに力強い歌声に包まれる。そして大橋トリオさんのアレンジで展開されるjazzy(ジャジー)でブラスバンドな世界は、ラストに向けて確実に心にウキウキ感というHAPPYをくれる。『これだ!』と、ひとり興奮してこの楽曲を抱きしめたくなったのを覚えています。舞台となった神戸はジャズの街ですし、平井さんも関西出身です。すべてがこの映画につながっている、まさに運命の出会いに思えて仕方ありません」。そう三島監督も語るように、歌詞に登場する様々な「あなた」に歌を届ける「私」と、依頼主の心に寄り添う洋服を作り続ける、中谷さん演じる主人公・市江の生き方がぴったりリンクしており、まさにこの作品のためのに生まれた楽曲かのように感じられるはずだ。主題歌に決定したことについて、平井さんは「今回、僕がカバーした『切手のないおくりもの』が、この映画の主題歌に起用して頂けると聞いて、驚きと共にとても嬉しく思っています。大切な気持ちを伝え送るこの歌が、最後に映画をふんわり包み込んでくれる事を願っております。一針一針心を込めて仕立てる誰かの為の一生の一着。歌手として、僕もそんな歌を一曲でも多く作れたら最高に幸せだなと思いました」と、劇中で見せる市江の“まごころ”に共感を寄せている。大泉洋・主演の『ぶどうのなみだ』も大ヒット中の三島監督。独特の空気感と優しさが漂うその世界観は、作品を形作る一つ一つに対するこだわりから生み出されていると言われているが、本作での平井さんの歌声はまさにその重要なピースの一つとなっているようだ。『繕い裁つ人』は2015年1月31日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。<リリース情報>■平井堅/CONCEPT COVER ALBUM「Ken’s BarIII」・価格:3000円+税・発売中★「Ken’s BarIII」が装いも新たにギフト仕様のウィンターパッケージとして冬季限定出荷が決定。(2014年11月末~2015年2月まで)さらに店頭購入者特典として映画『繕い裁つ人』の本アルバム限定ポストカードを対象店舗にてプレゼント!※対象店舗に関しては後日、平井堅の公式サイトにて。※特典は先着となります。無くなり次第終了となりますのでご了承ください。(text:cinemacafe.net)
2014年10月17日俳優の大泉洋が10月11日(土)、都内で行われた主演作『ぶどうのなみだ』の初日舞台挨拶に登壇。この日は台風19号が近づくも快晴で、“雨男”で知られる大泉さんは「マネージャーに『初日に雨が降ってないのは珍しい』と言われた」と安堵の表情だった。東京・渋谷のシネクイントで行われた初日舞台挨拶には、大泉さんに加えて、本格演技に初挑戦したシンガーソングライターの安藤裕子、共演する染谷将太、三島有紀子監督が出席。映画は『しあわせのパン』に続き、三島監督&大泉さんが再タッグを組み、再び北海道を舞台にしたヒューマンドラマで、10月4日(土)の北海道先行上映に続いて、ついに全国封切りを迎えた。夢に挫折し、故郷の北海道・空知に戻ってきた主人公・アオ(大泉さん)は、ひとまわり年の離れた弟のロク(染谷さん)とともに“黒いダイヤ”と呼ばれるピノ・ノワールの醸造に挑むが、なかなか上手くいかない。そんなある日、2人の前に不思議な魅力をもった旅人・エリカ(安藤さん)が現れ、兄弟の穏やかな日常を彩っていく。劇中にはアオとエリカの恋愛模様が描かれており、大泉さんは「初対面でケンカしていた男女が、恋に落ちる…。こういう展開、大好き!僕の好みにがっちりハマった」と上機嫌。一方、安藤さんは「エリカ自身も、アオに似たキズや痛みを持っているので、癒やしてあげたいと思ったのかな」とエリカがアオに惹かれた理由を分析していた。染谷さんは「洋さんに『目が死んでるよ』とか、『やる気あるの?』ってよく言われる」と苦笑い。舞台挨拶の司会者に、役名を“クロ”と間違われると困惑した表情を浮かべ、大泉さんが「クロどころか、今日の衣装は真っ白!」とフォローする場面もあった。そんな息ぴったりのキャスト陣について、三島監督は「美しい北海道の風景や、おいしい料理はもちろん、ここにいるキャストの皆さんを撮っているのが一番の幸せだった」とふり返っていた。『ぶどうのなみだ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ぶどうのなみだ 2014年10月11日より全国にて公開(C) 2014『ぶどうのなみだ』製作委員会
2014年10月11日俳優の大泉洋が11日に東京・渋谷のシネクイントで行われた主演作『ぶどうのなみだ』の初日舞台あいさつに共演する安藤裕子、染谷将太、2012年公開の『しあわせのパン』に続きタッグを組んだ三島有紀子監督とともに登壇。ファンの間で雨男として知られる大泉は「台風19号が近づいているそうですが、私が何とか食い止めております」と“快晴”の主演作封切りに大喜びで、雨男の汚名を返上した。『ぶどうのなみだ』初日舞台挨拶その他の写真北海道・空知地方のワイナリーを舞台に、ワイン作りに情熱を注ぐ不器用な主人公・アオ(大泉)とその弟であるロク(染谷)、ふたりの前に突然現れた赤いワンピースを着た女性エリカ(安藤)が織りなす“再生の物語”がオーガニックな演出で紡がれていく。大泉は「この作品を観て、ぜひ北海道に遊びに来てほしい」と故郷をアピールしていた。本作で演技に初挑戦したミュージシャンの安藤は、「エリカとして生きた時間を通して、心の中にあるトゲが解けた思いがした。映画を観ることで、少し優しくなり、人を愛おしく思ってもらえれば」。劇中ではアオとエリカの恋愛模様にスポットが当てられており、「初対面でケンカしていた男女が恋に落ちるという、僕が大好きな展開!」(大泉)、「エリカは、自分に似た傷や痛みを持っているアオを癒やしてあげたいと思ったのかも」(安藤)と話していた。また、染谷は「いつも洋さんに『目が死んでる』とか、『やる気あるの?』って言われる。生まれつき、こういう顔なんですけど」と思わず苦笑。先週から北海道で先行上映がスタートしており、三島監督は「地元に暮らす70歳の女性から『(登場人物が)一生懸命ひたむきに生きる姿を見て、明日も頑張って生きたいと思った』と言ってくださった」と感激しきりだった。『ぶどうのなみだ』公開中取材・文・写真:内田 涼
2014年10月11日北海道をまるごといただける、食欲の秋にふさわしい“おいしい映画”がいよいよ全国公開されます。三島有紀子監督の前作『しあわせのパン』に続く北海道企画第2弾、大泉洋主演の『ぶどうのなみだ』。家族の反対を押しきって家を出たアオ(大泉洋)が、ある出来事で傷つき故郷に戻り、葡萄を育てながらワインの醸造を続け、弟のロク(染谷将太)と2人での静かな生活を送る中、エリカと名乗る女性(安藤裕子)が現れたことで彼らの世界に彩りが生まれていく…というストーリー。エリカが作る料理は素朴ながらも人々のお腹を満たし、心の距離を縮めます。鮮やかな見た目に、食欲そそる香り、温度を感じさせる湯気など、“おいしい料理”には、言葉を交わさずとも人を受け入れ、そして人を繋げる不思議な力があるのだと感じさせられるシーンが多々登場。また、アオが苦悩しながら作り続けるワインにも、アオが現実を受け止め、変わろうともがきながらも懸命に生きる日々の「味」が染み込まれているかのよう。「料理」や「食材」など、すべてのものには、人が気づかずとも流れこんでしまっている「想い」が込められているのだと感じさせられます。だからこそ、あらためて「食べる=いただく」ことの意味を考えてみよう…そんなことを思わせてくれる作品です。ちなみに、本作に登場する料理の食材は、すべて北海道の生産者の方がこだわって作ったものだそう。「地産地消」という言葉がありますが、北海道を舞台に、地の素材を活かし、北海道を愛するスタッフ、そして北海道を代表する俳優、大泉さんが心を注いだ本作は、北海道を超え日本中においしくて、優しく、温かな思いを運んでくれることでしょう。他県も羨む『ぶどうのなみだ』は、観る人にとって様々な味を堪能することのできる作品です。(Umi)■関連作品:ぶどうのなみだ 2014年10月11日より全国にて公開(C) 2014『ぶどうのなみだ』製作委員会
2014年10月10日「これまでに僕が出会った監督にはない感覚の持ち主」。つい先日、NHKの朝ドラへの出演も発表されるなど、文字通り引く手あまたの大泉洋。気鋭の若手演出家から巨匠まで、多くの監督と作品作りを共にしてきた彼は三島有紀子監督をそう評する。ヒロイン役として音楽の世界から映画の世界へと引き抜かれてきた安藤裕子も、とある舞台挨拶で「見たことのない“イケメンの”大泉洋が見られます!」と強調し笑いを誘っていたが、自身に関してもこの映画に出演したことで「いままでの私にはなかった強さや女性性――それは多分、私の根っこの部分にあったものだけど、それを引き出してもらえた」と語る。出会いが人の新たな魅力を引き出し、それがさらなる化学変化を生み出していく。映画『ぶどうのなみだ』(10月11日公開)は映画の中の物語でも、そして現実の世界でもそれを実現、実証している。舞台となった北海道の大地、三島監督が向けるカメラ、この物語との出会いは大泉洋と安藤裕子に何をもたらしたのか?一度は故郷を飛び出すも、傷ついて北海道・空知(そらち)の地に戻ってきたアオ。それから一心不乱にワイン作りに励むが、なかなか満足のいく味を生み出すことが出来ない。そんな彼と弟のロクが暮らす土地にエリカという名の不思議な魅力を持った女性がやってきて、彼らの静かな日常を侵食していくが…。大泉さんにとっては2012年の同じく北海道を舞台にした『しあわせのパン』に続いての三島監督の作品への主演。前作の静かに妻を見守る夫に続き、今回演じた笑顔を見せることなく、ただワイン作りに熱中するアオという役について「最初に三島監督からいただいたメールに『今回の役はとても寡黙でめちゃくちゃストイックな役です』とあって、内心『また喋らない役か…』と思いました(苦笑)。まあ僕自身、寡黙な男か、ムチャクチャよく喋る男のどちらかの役が多いんですけど…」と笑いつつ、故郷・北海道を舞台にした映画でその魅力を発信することができる喜びを語る。「それはやはり大きいですね。さすがうちの社長(※鈴井亜由美/大泉さんの所属事務所の社長であり本作を企画・プロデュース)だなと(笑)。僕にも彼女にも、どうしようもなく北海道のために何かがしたいっていう気持ちが訳が分からないくらいあるんです(笑)。僕自身、北海道の出身とはいえ、隅々まで知っているわけではなかったので、今回、こんなに美しいぶどう畑と、ワイナリーがあり、北海道のワインがここまでおいしくなっているのか!と驚かされたところもありました」。アオと亡き父、エリカと彼女を置いて去った母。親と子の結びつきの再生もまた、本作で描かれるテーマのひとつ。安藤さんが脚本を読んで、エリカという役柄に対し「うちの母親に似ていると感じた」というのは偶然とはいえ面白い。「私自身とは少し遠いかなというのを感じてて、エリカの感情の起伏の激しさやケタケタと笑って包み込むような大きさ、人に勝手に料理を振る舞うようなところはまさにうちの母親なんですよね(笑)。私も歌うようになって、ガッと感情を出すようになったところはあるけど、それはあくまでも『人前に立つ安藤裕子』が持っているもので、子ども時代や若い頃をふり返っても、感情を人前でさらすようなこととは縁遠かったんです。だから、どちらかというアオとの殻の厚さに自分に近いものを感じましたね。人に何かを振る舞うってなかなかできないんですよ。『本当は嫌なのに無理して食べさせられてるんじゃないかな?』とか考えちゃう(苦笑)。でも、うちの母は平気で振る舞うし、持たせちゃう(笑)。『ああ、うちの母親に似てる』って思いながら脚本を読んでました」。北海道を舞台にした出演作ならほかにもある。陰を持った男ならこれまでいくつも演じてきた。なぜ、大泉さんにとって三島監督は“特別”なのか?「ひとつには、北海道という土地をこんな風にファンタジーのように描いてくれる人はいないということでしょうか。どこか日本の作品ではないような…。今回、特に“三島ワールド”と言えるものが確立したと思う。実際に撮っているときも、すごく象徴的な撮り方というか、演じながら細かい部分で疑問を感じる時もあるんですよ。これ、現実の世界で考えてどうなんだ?と。例えば今回で言うと、アオがワインの樽を畑の真ん中でぶちまけるシーンがあるんですけど、よく考えると、何でわざわざ畑の真ん中に持っていったんだ?と疑問に思うんです。ただ、そういう理屈や辻褄を超えて表現したいものが三島監督にはあるんですよね。だから出来上がりを観て、『なるほど』と思わせてくれるんです。ピカソの絵のように現実にそうやって見えるわけじゃないけど、1枚の絵の中にいろんなものが表現されている。そういう撮り方をしてくれる監督は実はあまりいなくて、不思議な感覚を覚えます」。安藤さんにとっては、本格的に音楽活動を始めてからは初めての演技の仕事。アオが元指揮者であるのに対して、エリカは決して音楽と深い関わりを持つ役柄というわけでもない。純粋に“演技者”という立場で映画の世界に触れたことは安藤さんに大きな刺激や発見をもたらした。「元々、私は映画の世界に憧れがあって、高校の頃に『映画監督になりたい』と言ってた時期もあったんです。憧れを持ちながらも『自分には無理だ』とあきらめた世界でもあり、その道のりの中で自分はものを作るのがとにかく好きなんだと分かって、音楽を作るようになったんです。音楽が好きという以前に、自分がその時にワクワクするようなものを作りたいんですよね。ミュージシャンとしてデビューした後も、女優のお仕事の話をいただくことはあったんですが、自分にとって映画は尊く、憧れも強すぎたし、恥をさらすのを怖いという思いもあって『まずは音楽で何が出来るか』という気持ちもあって…」。そんな安藤さんの心境に変化が訪れたのは3年前。そこからいくつかの偶然を経て、本作への出演へと至った。「地震が起きて、その後、私を育ててくれた祖母が亡くなって、自分に子どもも生まれて、生とか死について考える時間があったんですね。もう少し素直に、自分が生きていく中で何がやりたいのか?と考えることがあり、自分が死ぬまでにやりたいと思っていたことを全部やろう!と思うようになったんです。そんなタイミングでちょうど鈴井さんがエリカ役を探しているときに美容院で、私の出ている雑誌の記事を読んだそうで『この人だ!』と思ってくださったそうです。不慣れなチャレンジの中で、やはり今までの自分にないものを引き出してもらえたと思います。エリカとして生きたことで、彼女が持つ強さや彼女の経験が自分にプラスされた気がしますし、以前よりも怯えが減ってたくましさが増えたように感じています」。最後に、物語とは直接関係のない質問をひとつ。2人は仕事で涙を流したことは?タイトルにちなんで尋ねると、安藤さんは「メチャクチャありますよ」と笑う。「放送事故かってくらいありますよ(笑)。昔は取材で質問されて、答えられずに詰まって泣いてたし、ラジオでコメント録る時も、ゲストで呼ばれた時も泣いてました。人が怖かったですね。いまは、人前に立つ自分を作って、スイッチを入れてるんですよね。昔はそれが器用に出来なくて、対面する人やスタッフがオロオロする中、泣いてました(苦笑)。いまでもステージの上では泣いてます。歌いながら、曲の感情やそれを聞いてくれるお客さんの感情を吸い取ってるんですかね?」。大泉さんもそんな安藤さんの言葉に「僕もファンの思いで泣くことはありますよ」とうなずく。「僕の出演作を観たファンからいただいた感想を読んで、ジワっと来ることは多いです。僕自身は楽しいと思ってやっているんですが、それにこんな風に勇気づけられたりしてくださる方がいるのかと知って、涙が出てくることはあります。仕事で悔しくて泣いたことも…ありますよ、何度か(笑)。悔しさと腹が立ったのとが重なって、気づいたら話しながら泣いてました」。大泉洋ヘアメイク:白石義人(ima.)スタイリスト:九(Yolken)安藤裕子ヘア:HIROKI(W)メイク・スタイリング:安藤裕子本人(text:cinemacafe.net)■関連作品:ぶどうのなみだ 2014年10月11日より全国にて公開(C) 2014『ぶどうのなみだ』製作委員会
2014年10月09日舞台となった北海道では先週末4日から先行公開され、今週11日からはいよいよ全国公開となる大泉洋主演の映画『ぶどうのなみだ』。大泉さんが自分史上「最もカッコいい」と自画自賛(?)している本作から、このほど、三島有紀子監督からアドバイスを受けながら、時に全力疾走も見せるメイキング映像がシネマカフェに到着した。北海道・空知。小さなワイナリーでワインをつくる兄のアオ(大泉洋)と、そのそばで小麦を育てている弟のロク(染谷将太)。アオはかつて家族の反対を押し切って上京、有名指揮者となったが、あることがきっかけで挫折。傷つき苦しみを抱えたまま、ひとまわり年の離れたロクが暮らす故郷へと戻ってきた。いまではアオは、“黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄ピノ・ノワールの醸造に励んでいるが、なかなかワインは思うような味にならない。そんなある日、不思議な魅力を放つ女性・エリカ(安藤裕子)がキャンピングカーに乗って現れ、アオとロク、そして空知の人々の静かな生活に新しい風を吹き込んでいく…。大泉さんは本作で、三島監督による前作『しあわせのパン』以上に寡黙でストイックな役柄を演じており、このたび到着したメイキング映像の中でも、三島監督と熱心に相談し合ったり、葡萄と向き合う真剣な表情を垣間見ることができる。『しあわせのパン』と同様、北海道の大自然の中でオールロケということもあり、「今回も相変わらず、役者のタイミングよりも明かりとか自然が優先ということはよくありました。『大泉さん、いまです!この夕日のなかで苦悩してください!』みたいなことが多々ありました(笑)」と、大泉さんはふり返って語る。「役者としてのやりがいとかそういうことではなくて、もう戸惑うことばかりでしたね。『僕はいったい何をすればいいんですか?』っていう感じ(笑)」。とは言うものの、いざ撮影となれば真剣そのもの。クライマックスに程近い、あるシーンでは「『このなかで全力疾走してください!』と言われたときは、わけも分からず何百メートルの直線を何本か走った」という。「でも、どのシーンも実に美しい画なんですよ」。「物語のつじつまだったり、現実だったらこうだよねということではないんですよね、三島さんが描きたいのは。なんて言うか、印象派の絵画みたいなものなんです、きっと」と大泉さんは言う。「現実的なことを考えて細かく撮っていくのではなく、“ドン”と一枚の絵のなかで何を表現できるのかということなんだと思う。仕上がりを観てさらにそう思いました」と、監督の“画づくり”に信頼と確信を覗かせる大泉さん。映像では、そんな大泉さんの真摯な姿や、葡萄狩りを以前「幼稚園ぐらいのときにやってると思う」と話す染谷さんの素の笑顔や、差し入れをほおばるキュートな安藤さんの姿も収められており、物語同様、温かさの伝わるメイキングとなっている。『ぶどうのなみだ』は北海道にて先行公開中、10月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ぶどうのなみだ 2014年10月11日より全国にて公開(C) 2014『ぶどうのなみだ』製作委員会
2014年10月06日北海道を舞台にした『しあわせのパン』のスタッフが再結集し、大泉洋を主演に、今度は北海道・空知(そらち)地方の“ワイナリー”を舞台にして贈る映画『ぶどうのなみだ』。ついに10月4日(土)より北海道先行、翌11日(土)より全国にて公開となる本作に、三島有紀子監督の次回作『繕い裁つ人』で主演を務める中谷美紀を始め、料理家の栗原はるみ、パン好きなら知らない人はいないブーランジェ(パン職人)の志賀勝栄、雑誌などで活躍するモデルのKIKIといった、各界の著名人から絶賛のコメントが到着した。父親が残した北海道・空知の葡萄の樹が立つ土地で、兄のアオ(大泉洋)はワインをつくり、ひとまわり年の離れた弟のロク(染谷将太)は小麦を育てている。アオは“黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄“ピノ・ノワール”の醸造に励んでいるが、なかなか理想のワインはできない。そんなある日、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が、突然2人の目の前に現れた。エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女(安藤裕子)は、アオとロクの静かな生活に新しい風を吹き込んでいく…。本作の主演を務めるのは、映画・TVに大活躍、出演作が後を絶たない北海道出身の大泉さん。共演に、本作が本格的な演技初挑戦となるシンガーソングライターの安藤さん、そして『寄生獣』など、こちらもまた引く手あまたの若手実力派・染谷さんと注目のキャストが勢ぞろい。前作『しあわせのパン』の同名小説も高く評価された三島監督は、今回もオリジナル脚本を書き下ろし、葡萄と小麦の成長をとらえることにもこだわりながら、オール北海道ロケを敢行した。三島監督の次回作となる同名人気漫画の映画化『繕い裁つ人』で主演を務める中谷さんは、「人生を賭してぶどうを育む男と、根を張ることなく放浪する女の心が近づく頃、この映画に心地よく酔わされていることに気づきました」と、本作の世界観を絶賛。また、ワインにも、食にも造詣の深い著名人たちも本作を存分に堪能した様子だ。●栗原はるみ(料理家)いい仲間がいれば人生は楽しい。さみしい時にこそ、素直になって心を開ければ誰かが必ず力になってくれる。私はあの仲間の一員になりたかった。きっと仲良くなっていたはずだから。● KIKI(モデル/女優)土の味はどんなだったろうか風の香りはどんなだったろうか空の色はどんなだったろうかあの人の笑顔はどんなだったろうか思い出すと同時になみだが零れそうなこころやさしくなる映画でした●志賀勝栄(三宿「シニフィアン シニフィエ」シェフ)ワインや料理を題材にした映像は職業柄記憶にしっかりと残っている。ぶどうのなみだも同じように自分の心にしっかり刻まれている。●岡 昌治(一般社団法人日本ソムリエ協会 会長)アオとロク兄弟の確執と絆、エリカや仲間が加わった愛情こもった人間模様。見終った後には、一服の清涼感を感じました。ぶどうのなみだ。我々ソムリエはそれを「グットドール(黄金のしずく)」と呼んでいます。この作品は、とても素敵なひとしずくでした。●鹿野 淳(「MUSICA」発行人)人間と大地は必然に基づいて生まれ育つが、あまりにも脆く、あまりにも儚く、あまりにもあっけなく死に絶える。だからこそ人間と大地と自然は美しいし、生きる強さを誰もが持っている。そのことを北の果ての大地と最高の名優(=盟友)に教えてもらった、大切な映画です。●関口靖彦(「ダ・ヴィンチ」編集長)大泉洋さん、染谷将太さん、そして安藤裕子さん。アオ、ロク、エリカの痛みと熱さを切々と伝えてくる主役3人の演技が、涙が、微笑みが、目に焼きついて離れない。●大塚美夏(「ナチュリラ」副編集長)大人のファンタジーですが、安藤さんの存在感がピリリとしたスパイスとなって、ほどよいさじ加減のリアリティさがよかったです。秋にぴったりのしっとりビターな物語だと思いました。『ぶどうのなみだ』は10月4日(土)より北海道先行、10月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ぶどうのなみだ 2014年10月11日より全国にて公開(C) 2014『ぶどうのなみだ』製作委員会
2014年10月02日モラハラ夫図鑑
SNS依存夫の裏の顔
体調悪い詐欺夫