2017年7月19日 21:15
女子トイレで聞いた「悲しい現実」|12星座連載小説#121~水瓶座10話~
Webデザインからシステムエンジニアの真似事くらいならできる!
「うん、私はブログだけしか販売経路がないから限界を感じてたの。本当はメルマガとか流したいし、リストも欲しかったんだよね」
テヘッと可愛く舌を出す。
そっか……私はソフトを作るのはあんまできないけど、好美はコンテンツ作りが天才的に上手いからな……。こりゃあ、もしかしたらもしかするかも!
『さっすが、好美ちゃん!』
ギュウと好美を抱きしめて軽くキスをする。
「だけど、ひとつだけ!」
好美が真面目な顔をする。
「ずっと、私とだけ一緒に仕事して欲しいの」
『え……?』
「いや、あの、ほら別に変な意味とかじゃなくって」
手を小さくブンブン振って焦っている。
「私かレナ、もしかしたら両方に彼氏ができても、結婚しても、仕事だけは私としていて欲しいの。私、別にレナを独り占めしたいわけじゃなくて……レナといつまでも一緒にいたいの……」
少し涙ぐんでいる。
『うん、分かったよ。ずっと一緒に仕事しよ……』
男と女のかりそめの誓いよりも、さらに深く強固な“女同士の絆”がそこにはあった。
―――退職を決心した夜だった。
それからいつものように、二人でお風呂に入って“酒盛り”タイムだ。