2017年7月19日 21:15
女子トイレで聞いた「悲しい現実」|12星座連載小説#121~水瓶座10話~
残り三ヶ月、社内で学べることは今のうちに学んでおこう。……で、時間を見て二人のサイトを構築すっか。
『ねぇ、好美……早速簡単なサイトの製作準備に入って行きたいんだけど』
「ええっ! レナレナ早いよぅ~。どこでスイッチが入っちゃったの!?」
そう言いながらも、好美は嬉しそうだ。
「待っててね、明日レナが仕事から帰ってくる頃までには、お家でまとめておくからね!」
『はは、頼りにしてるよ、相棒!』
「はぁい!」
二人でキャッキャしていると、時間が経つのも早い。もう二時を回っていた。
部屋の明かりを消す―――。
『お休み、好美』
小さく呟く。
行き場のない私を助けてくれて、ありがと。
意識のブレーカーも落ちる―――。
今朝は、大忙しだ。案の定、寝坊してしまった。
ただ、昨日途中退社している手前、遅刻は絶対にできない。
好美は夜型だから起こさないでおく。途中LINEでも入れておいてやろう。メイクもせず、朝ごはんのパンを口にくわえながら、適当に服を選ぶ。
心の中で「行ってきます!」と言い、家を飛び出た。
社内に到着して時計を見ると、遅刻スレスレ始業2分前だった。
急いでトイレに駆け込み、“クイック”メイクをする。