2018年8月29日 18:00
口論が裁判沙汰へと発展…衝撃作『判決、ふたつの希望』の裏側を探る
―では、登場人物たちは監督が出会った人たちをモデルにしているのでしょうか?
監督
まず、トニーはいま自分が住んでいるレバノンの家の近くに住む自動車修理工の人がインスピレーションの源になっているよ。彼が右寄りのキリスト教徒だというのは知っていたんだけど、実は僕は子どもの頃に右寄りで武闘派のキリスト教徒ほど最悪な人間はいないとずっと思い込んでいたんだ。でも、実際は彼ほど親切な人はいないというくらいいい人だし、素晴らしい腕の持ち主でもあるんだよね。
トニーというキャラクターは彼から始まったけど、どんどん肉付けしていったから、原形はそんなにとどめていないかな。しかも、彼は自分がモデルになったことをいまでも知らないんだ(笑)。
―ヤーセルのほうはどうですか?
監督
実際に僕が水をかけてしまった人のことはよく知らないし、15分くらいやりとりをしただけだったから、特にモデルにはしてないよ。でも、そのときに彼が黄色い眼鏡をかけていたから、衣装さんにはヤーセル用に黄色い眼鏡を用意してもうようにだけはお願いしたんだ(笑)。
俳優陣の熱演も見逃せない!
―今回は俳優陣も本当に素晴らしかったですが、監督独自の演出方法などがあれば教えてください。