先日、主人とお互いの友人関係について話しました。筆者の主人は保育園に通っておらず、あまり地元の友人がおりません。友人は多いほうに見えますが、幼なじみと呼べる地元の仲間はいないようです。かたや筆者には、幼なじみと呼べる友人が大勢います。どちらが良い悪いの話ではありませんが、わたしは「いないよりはいたほうがいい」派。息子にも保育園での友人を大切にしてほしいと思っています。「「保育園はかわいそう?」そんなことないと思えるエピソード集」バックナンバー第1回:保育園は子どもが初めて「年齢のちがうお友だちから学ぶ」場所第2回:保育園で 「たくましい先輩ママに学ぶ」ことがある第3回:保育園は子どもの価値観を広げる場所第4回:「お給食はママの味方です!!」幼なじみは、兄弟のような “同じ時間を生きる” つながり筆者には0歳児からや保育園からのの幼なじみが多くいます。もちろん、すべての友人といまだにしょっちゅう連絡を取り合っているわけではありませんが、SNSでもつながりがあり兄弟のような感覚です。ラッキーなことに、筆者の通っていた保育園のクラスメイトは、ほとんどが同じ公立小学校に進みました。そのため、中学・高校・大学・社会人と年齢を重ねても、ときどき会う機会があります。仲の良いメンバーとは食事に行きますし、同窓会で顔を合わせることもあります。1年前の夏にも、保育園のクラスメイト数人と同窓会で再会。お互いの子どもの写真を見せ合うと、自然と自分たちの思い出話に華が咲きました。たとえ一人っ子であっても、こういった兄弟のように話せる友人がいるのは大切なことだと実感しています。我が子のように叱咤激励してくれる、クラスメイトのパパ自分が親になってわかったことですが、0歳から毎日顔を見ている息子のクラスメイトはみんなかわいい。大げさな表現になりますが、まるで親戚の子のような感覚になります。顔を見る頻度で考えれば親戚の子よりずっと身近かもしれません。わたしも、幼少期はクラスメイトのパパやママにたっぷり叱られて大きくなりました。叱られるだけではなく、苦手な跳び箱が跳べたときや、絵の賞をとったとき…クラスメイトの親が我が子のように褒めてくれました。子どもにとって、そういった「第2の親」が大勢いることは大きな安心になるのです。思春期に助けてくれたクラスメイトのママ高校時代の一時期、筆者は登校拒否をしていました。何があったわけでもないのですが、思春期特有のモヤモヤがあり、どうしても学校に行きたくなかったのです。登校時刻を大幅に過ぎたお昼前に近所のコンビニへ行くと、幼なじみのママがパートをしていました。その幼なじみとは保育園を卒園して以来あまり仲良くなかったにもかかわらず「朝ご飯は食べたの?今日は何して過ごすの?明日も来てね」と声をかけてくれたことが、当時のわたしにとってどれだけ心強かったか。親になって思い返すと、きっとそのクラスメイトのママは、わたしのことを親戚の子のように思っていてくれていたのかなと思います。自分の子にもそんな「第2の親」がいてほしいですし、わたしも息子の保育園友だちが同じようなことをしていたら声をかけたいなと思っています。自我が芽生える前からの付き合いだからこそ歳を重ねれば重ねるほど、友人関係はどうしても同じ趣味、同じ職種の人に限られてしまいます。それに比べて保育園時代の友人は家庭の経済状況もさまざま、趣味や職種も多様。価値観が定まってからできる友人とはまた違う刺激を受けられる存在です。家族以外で、自我も固まっていない自身の子ども時代を知っている友人やクラスメイトの「第2の親」という存在は、それだけで自己肯定に繋がるとも思います。なぜなら、理屈抜きに「幼い時間を共有した人々」だから。そんな幼なじみや頼れる存在が大勢いることはしあわせなことではないでしょうか。我が子にもそういった環境を作ってあげたい、作って欲しいと思っています。「「保育園はかわいそう?」そんなことないと思えるエピソード集」バックナンバー第1回:保育園は子どもが初めて「年齢のちがうお友だちから学ぶ」場所第2回:保育園で 「たくましい先輩ママに学ぶ」ことがある第3回:保育園は子どもの価値観を広げる場所第4回:「お給食はママの味方です!!」ライター:金延さえ
2016年09月01日生涯を共にするパートナーや、自分以上に大切な我が子。最も愛する彼らだからこそ「違う価値観でも全て受け入れたい」と思うもの。とはいえ「相手の気持ちが理解できない…」なんて悩んでいませんか。理解できないあなたは、それが正解。たとえパートナーでも我が子でも、違う価値観を理解したり、受け入れる必要はないのです。自分を押し殺すのが本物の愛情?「相手を理解したい、受け入れたい」と思う気持ちはとてもステキですし、自然な感情でしょう。愛情が強くなるほどそう思いますよね。とはいえパートナーも我が子も結局は他人。性格・価値観・趣味嗜好は違って当たり前ですし、「違う相手を理解できるか、受け入れられるか」というと難しく、ほぼ無理です。それは「受け入れよう」とすると必ず自我が出てくるから。たとえば朝食はパン派のあなたに、ご飯派の夫の場合。夫のために和食を作り続けたとしても、「和食って作るの大変だし、朝から重いんだよね。美容のためにも軽くパンとフルーツで済ませたい」という自分の気持ちはいずれ出てきます。「そんなの本当の愛情じゃない」なんて意見も出てきそうですが、自分の気持ちを押し殺し、相手に従うのが本物の愛情でしょうか。お互いが自分らしく生きるのを見守ることこそ、本物の愛情だと私は感じています。最初は相手を受け入れようとしても、必ず自分の気持ちが出てきて、受け入れられないと悩むことになるのです。「受け入れる」の主役は自分、決定権も自分では、なぜ愛する相手なのに違う価値観を受け入れられないのか。それは「理解しよう、受け入れよう」とする時点で「自分本位」になっているからです。理解や受け入れるという行為は、相手を思っているようで、実際は「自分というフィルター」を通して行われます。あくまで主役は自分、決定権も自分。そこに違う価値観を通せば、どうしても自我がストップをかけます。相手を理解しようとして悩み苦しみ、「やっぱり理解できない!」となるのですね。見守り、信じようほんとうに相手のためを思うなら、「見守り、信じる」しか私たちはできません。見守り、信じる行為は、自分フィルターを通しません。相手のありのままをそのまま尊重することになります。これもまた難しいことではあります。つい口を出したくなっても、自分は何もできないからです。一見「諦め」にもみてとれるでしょう。ただ「諦める」とは仏教用語で、「明らかに見る」という意味。結局はありのままの相手を見守り、信じるのが本物の愛情ではないでしょうか。見守ることは相手のためだけでなく、自分のためにもなります。先ほどの例のように、無理して自分を押し殺す必要もないからです。自分も相手も、その人らしい人生を100%生きるために。「見守る」訓練を今から少しずつ始めてみませんか。ライター:宮野 茉莉子
2016年09月01日僕は、長らくファッション業界を経験し、いまはフリーとして魅力的な商品を開発し、お客様の手に届くような流通を作るプロデューサーとして活動しています。こう聞くと「難しそう」というイメージを持ってしまうかたもいると思いますが、「人と一緒に作っていく」と言えば身近に感じられませんか?人と一緒に作って行く……みなさんいろいろ想いがあるのでなかなか難しい。そのために僕はコーチングを学ぶことにしました。普段は仕事で使っているコーチングですが、学んでみると実は夫婦の仲や生活にもとても役立つものだと実感することが多い。これから数回にわたり、コーチングについてみなさんにお話ししていこうと思います。コーチングとは何か?COACH、コーチの意味をみなさんご存じですか?これは「馬車」のことを指しています。馬車に乗せて乗客を目的地までつれていく。野球やサッカーの「コーチ」も選手一人ひとりが目的に向かうために、つれていく役割を担っていますよね。「コーチング」と聞けば、向かうべき道を指し示す=指導する人というイメージがあります。でも、馬車に乗る人は、馬車に乗ってから目的地を決めるのではないですよね。元々持っている目的地に辿りつくお手伝いをすることが本来の意味です。だから、スポーツのコーチは良き先生でもあり良き相棒、友人でもあるのです。これは仕事でも同じ。実業家や大物政治家にもコーチがついていることがあります。子育てが一段落したとき、女性のあなたは・・・「子育てが落ち着いたんですが、時間をもてあましてしまって…」以前、お子さんを持つ女性からこんな相談を受けました。お子さんが成長し、手が離れるようになれば子育てに関わる時間は減っていき、自分の好きなことに時間を使えるようになります。でも、いままで最優先で考えて時間を使ってきたことがなくなってしまって、どうすればいいのかわからなくなってしまった。こうした経験をお持ちのかたは他にもいらっしゃるんじゃないでしょうか。ではどうすればいいのか。「ほかにやりたいことを見つけてみては?」、そうアドバイスすることは簡単ですがそれができれば悩みません。私なら「出産前はどんなことが好きだったんですか?」と質問してみます。誰でも何かしら好きなことをひとつは持っています。忙しい、優先しなければならない、そうなると段々と自分が好きなこと、やりたいことから離れて、情熱を向けていかないといけません。だから、本来好きだったこと、やりたかったことを知って、元に戻せばいいのではないでしょうか。仕事のためと学んだら大事なものが見えてきた私が師事している博士は、機能脳科学者です。脳とこころの機能的な部分からどう働きかければいいのかを研究してこられている。しかし、鉄則がひとつあります。それは「決して自分のために使わない」。こう刺激すればこう反応する。これを熟知しているかただからこそ、自分に都合の良い反応をもらおうとすることもできます。しかし、それでは自分は嬉しくても周りは嬉しくありません。最初に出したように、私の仕事は人と一緒に何かを作って行く仕事です。たくさんの人が自分の思い通りに動いてくれたらとても気持ちが良いかもしれませんが、本当にそれで良い商品が作れるのか……と考えたものです。良い商品ってなんだろう…そう考えたときに、自分のパートナーや友人が喜んでくれる顔が浮かんできました。「これは良いモノだよ」と私が言えば、喜んで使ってくれるかもしれませんが、本心からそう思って使って貰える商品を作りたい。そう考えれば、パートナーや友人、仕事仲間それぞれの想いを受け入れていかなければなりません。最初に言いましたが、コーチは向かうべき道を指し示す=指導する人ではなく、それぞれが持っている目的にたどり着くお手伝いをする存在。良き先生であり、良き相棒、友人になっていくべき。仕事仲間だけではなく、パートナーの相棒、友人にもなっていく必要があるのです。そして、仲間やパートナーも私のコーチになってもらう。次回からは、テーマを決めて具体的に生活の中で起きたことにどう対応すればいいのかをお話ししていきますね。ライター:伊藤 邦彦
2016年08月31日しょっちゅう教科書、コンパスやものさし、体操服を忘れて借りている…そんなお友だちに覚えはありませんか?こんなふうに「いつも何かを忘れている子」って、どこのクラスにも1人はいますよね!?お恥ずかしい話ですが、筆者はそんな「忘れもの女王」でした。小学校6年間で忘れものをしなかった日はたった1日もありません。これは過言ではなく、毎日提出する○○ドリルは登校してから必死で済ませていました。端から見ればただの不真面目な生徒だったと思いますが、本人はいたって真面目。宿題をさぼりたいだとかは1ミリも考えていないのです。今回はわたしのような究極ウッカリさんが、前向きに子育てをするうえで気をつけていることを書かせていただきます。生活に支障があるほどの「ウッカリ」冒頭に挙げたのが一例ですが、世の中には生活に支障をきたすほどの「ウッカリ」体質人間が存在します。最近では「度を超えたウッカリさん」を「発達障害」と診断するケースが多くなりました。発達障害ということばが流行しだしてから、さまざまなところで率直な意見を耳にするようになりました。「誰でもそう」「甘えだ」「努力が足りない」という否定的な意見もあれば、「脳の欠陥なのだと理解してほしい」「できないことを無理に頑張る必要はない」という肯定的な意見もあります。わたしはハッキリと、どの意見が正しいか言い切れません。人によると思うからです。頑張ってもできないことを「努力不足」だと思うことでモチベーションを上げられる人もいるでしょう。その逆に「できないことは頑張らない」と言い切ったほうが前向きに生きていける人もいます。周りの環境や日々背負う責任、本人の精神力によっても変わると思います。子育ては「提出物」と「期限」がつきもの妊娠が発覚してからというもの、日々は「提出物」と「期限」のオンパレードです。妊娠○週までに受けなければならない検査、出さなければならない書類、決めなければならないこと。学校に持っていくもののように、誰かに借りることはできません。生まれたらすぐに予防摂取が始まります。1ヵ月検診、3ヵ月検診、1歳検診…。何を隠そう、わたしは子どもの3歳児検診を忘れていましたが、普段からウッカリしているわたしを心配した保育園の先生が教えてくれてセーフでした。子どもを産む前は、自分の「ウッカリ」が自分だけの問題でした。仕事に関する「ウッカリ」はポストイットを書いたりアラートを出したり、「ウッカリ」が起きたときに対処できるスケジュールを組んだり…と、これまでのノウハウでなんとか対応できます(とはいえ、それでも「ウッカリ」はありますが…)。ですが子育てはノウハウがありません。仕事で培ってきたノウハウがそのまま流用できるかといえば…そこをスムーズにできるほど器用なら「ウッカリ」にはならないわけで…自信のないことは周りに相談すべしわたしはできる限り、自分が覚えていなければならないことを周りに分散させました。そのためには声を大にして「わたしは究極のウッカリ人間です」と表明する必要がありました。最初は抵抗がありましたが、背に腹は代えられません。もしわたしが「ウッカリだから助けてください」と言うことを、「みずから頑張ることを放棄している」と批判する人がいたら…潔く諦めます。その批判は間違っていません。たしかにわたしは努力を放棄しています。ですが、仕事と育児は違います。仕事に失敗しても命はとられません。でも育児に失敗したら…最悪の場合は我が子の命を奪うことになります。「周りに迷惑をかけない努力」をするならば、「育児に協力してくれる人を大勢集める努力」をするほうが前向きだと思いました。隠さないで味方をつくるとはいえ、何もせずに周りを頼るのは違います。基本的には母親である自分が、誰よりも我が子のことを考え行動すべきです。じゃあどの程度周りに頼るのか…わたしの場合は、日頃から自分の「ウッカリ」を隠さないようにしています。普段の会話で開けっぴろげに「ウッカリエピソード」を伝えます。重く伝えるのではなく、明るく面白く話します。そうした小さなカミングアウトを続けていると、いつの間にか味方が増えていきます。「あのママはきっと忘れているにちがいない」と心配してくれた保育園のママ友から、「明日はお弁当の日だよ」とLINEがくることもあります。「ウッカリ」として進むコツウッカリ人生を生きていると、日々落ち込むことの連続です。努力不足だと反省を重ねることもあれば、失敗をあえて忘れて前進しようとすることもあります。それはそのときどきの状況によって変わりますが、ひとつだけ変わらないコツがあります。それは、自分が「ウッカリ」だと思って行動すること。ペンギンが「自分は鷹だ」と思い込んでいたら、飛び立つ練習ばかりして一生を終えてしまうでしょう。ペンギンは「自分はペンギンだ」と自覚できてこそ、行きたい場所へ一歩進めるのだと思います。もちろん、その道中で「努力が足りない」と反省したり、反対に「できないことは気にしない」と開き直ったり、白黒つけられないこともあるでしょう。ですが、自覚して進もうとする姿勢が大事なのだと思います。ライター:金延さえ
2016年08月31日先日のこと、ママになったばかりの友人から「保育園に預ける勇気が出ない」と相談されました。勇気が出ない!?どういうことかと詳しく聞いてみると…結婚前の彼女は外資系企業で働くバリバリのキャリアウーマン。働くことが生きがいだった彼女ですが、子どもを産むために断腸の思いで第一線を離れました。彼女曰く「産む前は保育園に預けて働こうと思っていた。今も働きたいと強く思うが、生まれたばかりの我が子を見ていると他人に預けることが不安でたまらない」と言うのです。もし彼女と同じように悩まれているママさんがいたら、わたしは「保育園っていいところですよ!!」とお伝えしたい!!ということで、前回に引き続き保育園にお子さんを預けるママさんに向け、その気持ちが軽くなるエピソードをご紹介します。「「保育園はかわいそう?」そんなことないと思えるエピソード集」バックナンバー第1回:保育園は子どもが初めて「年齢のちがうお友だちから学ぶ」場所第2回:保育園で 「たくましい先輩ママに学ぶ」ことがある第3回:保育園は子どもの価値観を広げる場所ときにはサボっても大丈夫「育ち盛りの我が子には栄養バランスのいい食事をさせたい」「なるべく多種多様なメニューを用意したい」そうは言っても、毎日の料理は大変ですよね。子どもの喜ぶメニューは手間のかかるものも多く、家事が苦手なママさん(わたし含め)には毎日の炊事が大きなストレスになっていることと思います。仕事から帰って冷蔵庫を見たら空っぽ…買い物に行く気力もない…。サボっちゃダメよと自分に言い聞かせながらも、「今晩は素麺と副菜でカンベンしてもらおう」なんてこともあり、そんな日はちょっぴり罪悪感があります。そんなときに心の支えになってくれるのがお給食です。栄養士さんが考えてくれる献立はバラエティゆたか。子どもが喜ぶ味や見た目を研究して作ってくれていて、「保育園でしっかり食べているんだから、今日ぐらいはサボっても大丈夫!!」と思えるので心強いことこのうえなし。サボってゆっくりしたぶん、心に余裕を持って子どもと遊べます。お友だちとなら楽しく食べられるうちの子は好き嫌いが激しいので、おうちでの食事はひと苦労。嫌いな食材はかたくなに食べません。なんとか食べてもらおうとみじん切りにしてみたり、ペースト状にして混ぜてみるものの、無駄な努力で終わることも。「食事は楽しく」と思ってはいますが、どうしても叱りながらの夕食になってしまいがちです。そんな好き嫌い大魔王のうちの子ですが、あら不思議!? 保育園のお給食だと嫌いなものが食べられることもあるようです。お友だちとワイワイしながら、ときには競争心を煽られながら食べているようで…「●○ちゃんとヨーイドンしたら食べられたよ」と嬉しそうに報告してくれることもあります。わたしは料理が苦手なので、夕飯の支度が億劫でなりません。苦手なことを頑張っているのに子どもが食べてくれない…報われない努力でイライラしてしまうこともあります。でも食事のときにママがイライラしちゃうと悪循環ですよね!? そうならないように、「保育園があるから大丈夫」と魔法のいいわけを使うようにしています。「「保育園はかわいそう?」そんなことないと思えるエピソード集」バックナンバー第1回:保育園は子どもが初めて「年齢のちがうお友だちから学ぶ」場所第2回:保育園で 「たくましい先輩ママに学ぶ」ことがある第3回:保育園は子どもの価値観を広げる場所ライター:金延さえ
2016年08月30日先日母と電話で話していて、ひとつ気づいたことがありました。母は「身近な人には厳しく、そうでない人には優しいほうが良い」。僕は「身近な人には優しく、そうでない人には厳しくても良い」。まったく逆の考えですが、よくよく話すと実は同じ考えかたをしていることに気づきました。みなさんは身近な人には優しいですか?それとも厳しいですか?そう聞かれても自分のことなんてわからないですよね。僕も自分のことはわからなかったのですが、母がなんとなく「身近な人には厳しく。そうでない人には優しく」と話していて「僕とは違う」と返しました。「僕は身近な人には優しくしたいし、そうでない人には厳しくても構わないって思うけど」「そう? 関係ない人とは当たり障りないほうがいいじゃない。今後付き合わないんだから」「当たり障りあってもいいじゃない、そのあと付き合わないんだから」「身近な人はずっと付き合っていくから厳しく(優しく)、そうじゃない人はどうでもいいから優しいほうがいい(厳しくても構わない)」。真逆のように見えて、対応は違うけど実は考えかたは同じなのかもしれない。不思議だなーと思いながら、そのまま話していてひとつ大きな違いに気づきました。母は身近な人をライバルと捉えている。僕は身近な人を仲間だと捉えている。「これは世代もあるかもしれないね」母は団塊世代で四人姉弟の次女、おかずひとつでも厳しい競争を勝ち抜いて来ていますが、僕は子どもの頃はバブル。一人っ子だったので、誰かと競争した記憶があまりない。ゲームで言えば母は“対戦”モードを好み、僕は”協力”モードを好む。母はお互い衝突しながらも高め合っていくのが楽しい。僕はお互いフォローしながらクリアしていくのが楽しい。相反する性格なので喧嘩もよくしましたが、30代も半ばになってきて「母がそういうタイプだったから良かったのかも」とも思います。もし母が身近な僕をライバルと思ってくれなければ、のんびりしていて悪い人に騙されやすかったかもしれない。結局、「これはどっちが良い悪いはないね」と。実は別の話でも似たようなことがありました。僕はとても子どもが大好きなんですが、「自分は子どもが嫌いです」と話すかたがいたのでいろいろお話しを聞いてみました。結果、考えていたことは一緒。僕は子どもにも個性や考えがあるから対等に接する。嫌いですと仰っていたかたもまったく同じで「対等に接しているからこそ」と話してくれたものです。これも「どっちが良い悪いはないですね」と。実は考えていることは同じだけど捉えかたが違うのかもしれない。そして、意外と長い目で見れば良い結果に向かっているかもしれない。そう思ってもやっぱり、僕は自分と同じ「身近な人に優しい人がいいなぁ」と思ってしまいます。でも、いまの自分や以前ある記事にあったSM論を思い出すと「身近な人に厳しい人もいいなぁ」と思うトコロも。「Sの人は厳しく接する自分を受け入れてもらいたい。Mの人はそんな人を受け入れてあげたい」SがいるからMもいる。補い合えれば、自分とタイプが違う人もいいのかもしれません。経験上、タイプが違えば喧嘩になることも多くなりますが、お互い「身近な人」と考えているからこそ起きる「良い喧嘩」だと思います。ライター:山川 譲
2016年08月29日離婚を経験して、夫婦とはなんだろうと考えてきました。離婚の理由をいろいろ言われたのですが、ぼんやり感じたのは「最近、ありがとうを言っていなかった」。仕事が落ちつかず収入も安定していない時期、理解して支えてくれていたのに「ありがとう」と言っていなかった。当時はぼんやり思っていた程度ですが、最近になってこれが本質的な原因だったのかもしれないと思うように。 メオトークを通して、さまざまな夫婦に取材をしてきました。良い夫婦のかたはみな共通してお互いを尊重している。もちろん気に入らないこともあると思いますが、一歩引いてお互い、家族のことを考えている印象を受けました。これは、会社でも同じなのかなと。「なんか良いな」と感じる会社は、立場が異なる社員、上司がお互いを尊重している。「あの人はどうしようもない(笑)」なんてジョークは言っても、本気で「あいつはダメだ!」なんて出てこない。「嫌だな……」と感じる会社は、お互いがお互いの立場で文句を言い合っている印象が強い…「誰が客に謝ると思っているんだ」「それは自分の仕事ではない」と言っている。「あいつは現場がわかってない」など、上司の悪口が聞こえることも…“夫婦”も雰囲気の良い会社と同じ関係性であるのが良いのかなと。お互い立場も役割も育った環境も違うんだから理解できないのは当たり前。ですが、「妻も大変なんだろう」「旦那も頑張っている」と理解しようとする姿勢を持たないと上手くいくものでも上手くいかないように感じます。理解しようという姿勢を持つことの目標、ゴールは「理解できること」ではありません。「ありがとう」を言うきっかけを見つけることなのかなとも思います。個人的な考えですが、離婚して「ツーカーの仲はいいものではない」と考えるようになりました。例えば「オイ」と言えばお茶を出してもらえる。意思が通じている印象がありますが、「ありがとう」を言うきっかけがなくなる。お茶を出す側はきっと、「オイ」と言われた瞬間にいろいろ考えてお茶を入れてくれるんです。「今日は暑いから冷たいのがいいかな」「最近買ってきたあのお茶は美味しかったな」、そしてお茶を出してくれる。そんな手間をかけたのに「熱いのが良かった」「あんまり美味しくない」なんて文句を言われたら、良い気分はしないですよね。一言「お茶をいれてくれない?」と言う手間をかければ、相手の手間にも気づけるかもしれない。これは女性に対しても思います。「誕生日なのに忘れている」、そう思ったら「私の誕生日だよ」と一言言ってくれれば嬉しい。「本当はこうして欲しい」があったら言って欲しい。実は男性もいろいろ考えているんですが、「こうして欲しい」と言ってもらえないとやっていいのかどうか悩んでしまうんです。言われてないのに「どうせ言っても聞かない」と言われてしまって、自信をなくしてしまうことも。雰囲気が悪いとき、たいてい頭の中では考えているけど、言葉にして伝えていない。身近な相手だからこそ「わかってくれる」と思わず、素直に「こうして欲しい」と伝える。そしてやってくれたら「ありがとう」と言う。そんなきっかけをつくっていくことが「尊重」に繋がっていくようにも取材を通して感じました。「ごめん」は何度も言われると信じられなくなりますが、「ありがとう」は何度言われても嬉しいものです。ライター:山川 譲
2016年08月26日子どもはよく泣きますよね。ちょっとしたゲームで負けては驚くほど泣いて悔しがったり、兄弟喧嘩をしては毎日ギャーギャー泣いたり、小さなことでしくしく泣き続けたり…大人からしてみると「そこまで泣かなくても」と思うもの。「早く泣き止ませたい」「かわいそうだから元気付けよう」と思ってすぐに励ましたり、様々なフォローの言葉をかけますが…実は逆効果。子どもが泣いてもフォローしないほうが良いと気付きました。 励ましやフォローは本当に必要なのか気付いたキッカケは、5歳の長男が飼っていたアゲハ蝶が死んだとき。元々繊細な性格の長男ですが、アゲハが亡くなった翌日は一日中泣き、それから1ヶ月経つものの毎晩寝る前になると思い出しては涙ぐんだり、泣くときもあります。あまり泣くのでかわいそうに思い、周囲も「仕方ないんだよ」「大丈夫大丈夫!」「また新しい虫を飼えばいいよ」など様々な言葉で励ましました。しかし長男の表情を見ていて、次第に「彼が聞きたいのはそんな言葉ではないのではないだろうか?」という疑問が湧いたのです。悲しい感情はとことん味わおう子どもにとって、初めての「身近なものの死」という体験。未知の経験への驚き、死への恐怖や不安感、大好きなものを失った精神的ショック、「また会いたい」という切望など…様々な感情体験をすることでしょう。大人のように、すぐに気分転換なんてできなくて当たり前。むしろ、しなくていいのです。ここで感情を違う方向へ逸らして逃げずに、時間をかけ、じっくりと悲しい感情を味わうこと。そうすることで、深みのある感情が形成されていくのです。思えば私の子ども時代もそうでした。「自分はこんなに悲しくて泣いているのに、大人はもう次のペットの話をしてるなんて信じられない!」と思ったことを思い出しました。子どもの気が済むまで泣かせておこう子どもが泣いたら、気が済むまで、じっくり泣かせておいてあげましょう。子どもにとっては、泣くことも大切な成長過程。何十回と泣き感情を思う存分味わい尽くせば、徐々に大人のように泣く必要がなくなります。親としてできるのは、悲しいときには抱きしめたり、悔しいときには「悔しかったね」と感情を共有して頭を撫でてあげるくらい。それだけで子どもはホッと安心し、マイナスな感情ともきちんと向き合う勇気が出てくるものです。長男にも、泣いているときには「寂しかったね」と言葉をかけ、頭を撫でるようにしました。するとさらにワーッと泣きますが、その後は意外とサッパリして違う話をし始めます。別の悲しい出来事があると「実はこんなことがあったんだけど」と話してくれるように。子どもにとって、「この人の前なら泣ける」と思ってもらえることも、大きな収穫でしょう。ライター:宮野 茉莉子
2016年08月25日「うっかり口に出した言葉で周りが引いてしまった」「敬語を間違えて上司を怒らせてしまった」。こんな経験は、誰にでも一度や二度はあるもの。しかし、大事な場面での失言やコミュニケーションの失敗が、取り返しのつかないことになってしまう場合もあります。エン・ジャパン株式会社が「2016年に身につけたい能力」を調査したところ、20代以下の若者が身につけたいスキルの第1位は「対人能力(55%)」でした。とくに、上司や目上の人とのコミュニケーションは気まずくなる場面が多いので、スキルを身につけてうまく仕事を進めたいですよね。『会話のしくじり 失敗から学ぶ「後悔の会話学」』(梶原しげる著、SBクリエイティブ)では、会話に関する多くの著書を持つ著者が、あらゆる「会話のしくじり」を紹介し、どうしたら「しくじり」を回避できるのかを解説しています。今回は本書のなかから、しくじる人の話し方を4つ取り上げました。■1:話がぶつかるAさん「いま、海外でも日本食ブームですよね。寿司屋ならハワイでは当たり前……」Bさん「寿司ですか! 寿司ならどんなネタが好きですか?」このような会話は完全にぶつかっています。Aさんは日本食ブームについて話したかったのに、Bさんが勝手に「寿司」という単語に反応し、話の展開を無視してしまっているわけです。相手が話している途中に自分の言葉をかぶせてしまう。相手の話をさえぎってしまう、このようなぶつかりが起きると、相手は「この人、全然自分の話を聞いてくれていないな」と感じるもの。このように話がぶつかってしまういちばんの理由は、相手の「話の流れ」に興味を持っていないから。流れを読まずに、相手の話のなかの単語に勝手に反応してしまっているというのです。また、相手の話の展開を勝手に予想してぶつかることもあるでしょう。こんなしくじりを防ぐには、とにかく「ぐっと堪えること」。特に話したがりの人は、途中で口を挟みたくなっても最後までしっかり相手の話を聞きましょう。■2:「ふわふわ言葉」を使う「絆を大切にして、みんなの強い気持ちを持ち続けていれば、必ずや明日への光となります!」このような抽象的な言葉を並べたスピーチを聞いたことはありませんか? 話している人は気持ちがいいので、聞いている人もうっかり盛り上がってしまいますが、あとから思い出そうとしても思い出すことができない場合も。このような「ふわふわ言葉」には、リアリテイもディテールもないからだそうです。スピーチなら聞き流すこともできますが、1対1の会話でこのような言葉を使っていたら、相手に馬鹿にされても仕方ありません。相手の心に響かせるためには、曖昧な言葉は使わず、具体的に話すように心がけましょう。■3:余計なことを言い過ぎる大事な商談など失敗してはいけない場面で、緊張のあまり余計なことをたくさんいってしまう人がいます。このような人は大きな失敗をしなくても、相手にネガティブな印象を与えてしまいます。プレッシャーがかかる場面での会話は、まず自分の体をまっすぐ相手に向けること。それから相手の目を見て「はじめまして。私は◯◯と申します」と挨拶します。これだけで充分。相手に、「あなたの話をしっかり聞きますよ」という態度を示し、あとは聞くことに徹するのです。なにもかも、自分からいう必要はないといいます。緊張した場面では、「相手が求めた情報についてのみ話す」くらいのスタンスでいる方がうまくいくそうです。■4:段取りのことばかり考えている飲み会のとき、いつの間にか二次会のお店を調べて予約してくれているような人はとても重宝されますよね。しかし、このような人は会話でしくじりがち。たとえば彼女と2人で食事をしていても、段取り上手な人は次の行動のことばかり考えてしまい会話を楽しむことができないのです。自分の興味が「目の前にいる人」ではなく「次の店」に移ってしまっていては、うまく会話をすることはできないでしょう。友だちと歩きながら食事をする店を決めるときも、スマホで検索してばかりいたら、なんのために食事をするのかわからなくなってしまいます。会話をしながら店を選べば、相手の好みや人柄がわかることもあるでしょう。せっかく過ごす友人や恋人との時間は、段取りよりも目の前にある出来事を味わいましょう。*「自分もこんなことやっていたかも?」「こういう人いる!」と思うものもあるかもしれません。コミュニケーションはすぐに上達するわけではありませんが、ちょっとしたコツや心構えを知っていれば「しくじり」を減らすことができるでしょう。(文/平野鞠) 【参考】※梶原しげる(2016)『会話のしくじり 失敗から学ぶ「後悔の会話学」』SBクリエイティブ※2016年に20代以下の若者が身につけたい能力は「コミュニケーション」「語学力」『エンバイト』ユーザーアンケート-エン・ジャパン株式会社
2016年08月21日5歳の長男と私は性格が正反対。とても繊細で、石橋を叩いて壊すほど慎重で、甘えん坊で、プライドの高い彼と、大雑把な私。そのため長男の気持ちがわからなくて、度々悩んでいました。しかしあるとき、「全部をわかる必要はない」ということに気付いたのです。子どもは自分の所有物?エピソード1:長男の気持ちがわからない4月に転園してから、なかなか友達のできない長男。一度こんなことがありました。私には「お友達のやっている鬼ごっこに混ざりたい」と言っていたのですが、いざお友達から「一緒にやろう」と誘われると「オレは遊びたくないから!」と断って走り去ってしまうのです。自分の希望とは正反対のことを言う長男の気持ちが、私にはわかりませんでした。夫に相談したところ、「恥ずかしいから断っちゃったんだね。プライド高いし」とのこと。「あの子の気持ちがわからない」と嘆くと、「そんなの当たり前だろ。自分たちが子どもの頃だって、親に自分の気持ちを全部わかってもらいたいなんて望まなかったでしょ?『別にわかってもらわなくてもいい』って思うこともあったよ」と返ってきました。エピソード2:娘の気持ちがわからない同じ頃、母親世代の世間話を耳にしました。娘の起業したいという希望に対し、「何でそんなことしたいのか、何が面白いのか全くわからないのよ。それより安定的に仕事して結婚でもしたほうがいいと思うんだけど」と何度も言うのです。2つのエピソードは「我が子の気持ちがわからない」という点では繋がっています。「子どもの気持ちを全部わかりたい」と思うのは一見美談でしょう。でも我が子とはいえ他人は他人。違う気質、性格、価値観を持ち、好きなものやタイプも違います。「我が子であっても気持ちはわからなくて当たり前」なんですね。それを全て「わかりたい、わかろう、わかるはず」とするのは、どこか「子どもは自分の所有物」と言う考えがあり、「自分の思い通りに子どもをコントロールしたい」という気持ちが根底にあるからなのです。「自分の気持ちがわかること」が1番大事そういえば自分が子どもの頃は、「親にわかってもらえるか」よりも「自分はどう思っているか」が1番大切でした。理解してもらえば最高ですが、たとえ理解されなくても自分の気持ちは大切にしたい。「親の顔色をうかがったり、自分で納得できないことをするなんてもってのほか」と思っていたのです。それが親になればコントロールしようとするのですから…怖いものですね。特に母親は、本能的にこの傾向が強いように思います。ある程度意識して気を付ける必要があるでしょう。親がほんとうにすべきことは何でしょうか?もう少し、子どもを信じること。子どもが傷付いても見守り、子ども自身に体験させ、考えさせること。子どもの考えを尊重すること。子どもが「自分の気持ちがわかる」ことを優先すること。ママが子どもの気持ちを全てわかる必要はありません。パパが、おじいちゃんやおばあちゃんが、叔父や叔母が、先生が、お友達が…など、子ども自身が他の誰かと分かり合うことで他人を信じ、人間関係の輪を広げることができるのです。それも大切な自立の一歩ではないでしょうか。ライター:宮野 茉莉子
2016年08月15日突然ですが、男性の皆さんは女性に花を贈ったことはありますか?記念日などに贈った経験のある人もたくさんいると思いますが、まだまだ日本では少数派な気もします。「花を贈るなんて恥ずかしい」「キザっぽい」「どうせ枯れちゃうし要らないんじゃない?」なんて意見を耳にすることもあります。そんなかたにおすすめしたいのが、ラベルに花のモチーフが入ったワイン。食卓に花モチーフのワインを実は、9割の女性が花を贈られると嬉しいと感じるそうです。コミュニケーションのきっかけにするには素晴らしい方法だと思います。それでも花屋に行くハードルが高いと感じるかた、気恥ずかしくて贈れないというかたは、“花をモチーフにしたラベルのワインを一緒に飲む“というのはいかがでしょう?「こんな可愛いラベルのワイン買ってきたから一緒に飲もうよ」なんてさりげなく食卓の場に添え、おもむろに開けてみましょう。少しだけいつもと違う雰囲気の中、ワイングラスを片手に語らうのもいいですよね。テーブルも華やかになります。花言葉を添えてみるハードルが高いかもしれませんが、花言葉なんかを織り交ぜると想いが伝わりやすくなります。例えば赤い薔薇の花言葉は「あなたを愛しています」「愛情」「情熱」などの意味があり、ストレートに想いを表現できます。他にもラベルのデザインモチーフになっているものとして、・白いアネモネ・・・「希望」「真実」「期待」・クレマチス・・・「精神的な強さ」「美しい心」「高潔」・スミレ・・・「小さな幸せ」「誠実」「謙虚」様々な場面で使えそうですね。クレマチス ただし花によってはマイナスの意味に捉えられてしまう花言葉もあるので、選ぶときは気をつけて下さい。おすすめの花モチーフラベルのワインちなみに個人的なおすすめのワインはこちらのシリーズ。>スプリング・シード・ワインズ18種類の花があるので、時と場合によって使い分けられます。飲み終わったら空ボトルを飾ってみても素敵なインテリアになりそうですね(※上記リンク先の場合、Webでの購入時にラベル指定はできません)。「ワインと一緒に花もプレゼントしてみようかな」なんて思ったら、こんな花を選んでみるのもお勧めです。・白のダリア「感謝」「豊かな愛情」・カンパニュラ「感謝」「誠実」・トルコキキョウ「あなたを思う」「思いやり」・ホワイトレースフラワー「感謝」「細やかな愛情」カンパニュラ これらは日頃の感謝の気持ちを伝える意味でもとても使い易い花。いつもと違うコミュニケーションをとりたい時は是非チェックしてみてください♪ライター:齋藤久平
2016年08月10日子育てをしていると、「大変だね」と声を掛け合うことが珍しくない。「夜泣きが多くて大変ね」「やんちゃな子で大変だね」なんて、よく言い合うものだ。私はその「大変だね」にどこか違和感を感じていた。その違和感がハッキリしたのは、とある友人が十数種類のアレルギーを持つ長男に、「かわいそうだね」「大変だね」と繰り返したときである。いたわりの「大変」か、好奇の目の「大変」か。友人は何度もかわいそうと言いながら、「うちの子は何もないからさ、市販品は何でも食べられて楽だけど、大変だね~」と続けた。そこでやっと違和感の正体に気が付いた。彼女の言う「大変だね」は、「ねぎらいやいたわり」の意味を持ったそれとは違う。一番言いたいのは「うちの子は何もなくて楽」であって、私(長男)に対する「大変だね」はどこか好奇の目を持った、釈然としない「大変だね」なのだ。だからだろう、大変と言われるたびにドンドン自分が「大変でかわいそうな存在」になっているように感じてしまう。彼女と話した後はドッと疲れてしまうのだ。私はほんとうに大変?では私はほんとうに大変なのだろうか?これは他のママとも意見が共通したが、自分にとっての「基準は我が子」。他の子と比べたことがないので、大変も何もわからないのだ。他の子と比べ始めればキリがない。アレルギーだけでない、発達、成長、読み書き計算、スタイルや顔など…比較対象は無数にある。そこで比べては私も大変だし、何より子どもが苦しむ。自身も比べられるのはイヤだったから、産後から母子ともに周りと比べることを止めた。“アレルギーのない子のほうが楽”と予想はできるが、それは私の人生ではない。私の人生はアレルギー持ちの長男がいること。アレルギーのない他の子が良かったなんて思うはずもなく、アレルギー云々に関わらず、彼が私の長男でなければ絶対にイヤなのだ。「大変だね」という言葉の使いかた我が家には次男もいるが、次男は今のところアレルギーがない。その代わり驚く程のヤンチャでケガが絶えず、母としては心臓が足りないと思ってしまうほどだ…。「何が大変か」なんて物の見方ひとつで変わるものであり、子育ては誰しも大変なものだろう。「大変だね」という言葉は難しくて、言われて「そうなんですよ~あんなこともあって大変で…」と話が弾む場合もある。でもそれは目上の人、おばあちゃん世代の人とか、支援センターの人に言われた場合に限るように思う。同じママ同士で「大変だね」という言葉を多用すると、相手の重荷になることがあるかもしれない。使いかたには注意したいものだ。> 十数種類の食物アレルギーと、花粉症と、アトピーと。息子のアレルギーの話ライター:宮野 茉莉子
2016年08月09日2013年に、『100%好かれる1%の習慣』がベストセラーとなりました。12年間にわたりANA客室乗務員(以下CA:キャビンアテンダント)を務め、現在はマナー講師として活躍する著者が、人間関係の法則を説いた著作。きょうご紹介する『1秒で「気がきく人」がうまくいく』(松澤萬紀著、ダイヤモンド社)は、そんな著者による新刊。今回は、「気がきく人」になるために必要な習慣を説いています。著者は本書において、CA時代にも、マナー講師となってからも、出会った経営者、芸能人、同業他社の方々などにはひとつの共通点があることに気がついたと記しています。それぞれの業界で成果を上げている人たちはみな、ほんの一瞬、ほんの「1秒」という短い時間のなかで判断をくだし、「気がきく習慣」をいつも実行しているということ。99%の人がやっていないそれは、やろうと思えば誰でも実行できる、たった「1%の習慣」でもあるのだとか。また、「1秒」意識することではじめられる習慣でもあるので、本書では「気づかい」「機会」「習慣」「言葉」「行動」という5つの観点から、このことについて解説しているのです。■コミュニケーションの「3かけ」が大切!ほんの少しのさりげない「声かけ」が、相手の心を元気にしたり、励ましたり、あたたかくすることがあるもの。実際、CAはいつも、機内のお客様との「スポット・カンバセーション」を心がけているのだとか。スポット・カンバセーションとは、「短い会話」のこと。そして、このことに関連して、著者は過去の自分位影響を与えた人物のエピソードを引き合いに出しています。それは、著者が卒業した中学校の西谷先生という方。西谷先生は、生徒ひとりひとりに寄り添う教育を信条としていて、「3かけ」を実践されていたのだそうです。「1:目をかけ、2:気にかけ、3:声をかけ」というもの。「目をかけ」とは、子どもたちを「見る」こと。とはいえ、ただ目を向けるだけではしての心の機微に気づくことができないので、思いやりを持って「気にかけ」ながら、「目をかけ」ることが大切だという考え方。そしてこれは、子どもに対することだけではなく、あらゆるコミュニケーションにとっても重要だというのです。私たちは誰でも、「自分のことを知ってもらいたい」「自分の存在に気がついてもらいたい」という「承認欲求」を持っているので、いつも声かけをして「あなたのことを気にかけていますよ」という気持ちを示してあげることが大切だということ。■コミュニケーションの「3かん」も大切!ところで著者は、コミュニケーションで大切なのは相手の「味方」になることだと説いています。相手から、「この人だったらわかってくれる。この人だったら信頼できる」と感じてもらうことが重要だということ。でも、どうしたら「味方」になれるのでしょうか?その答えとして著者は、西田先生が実践していたという「3かん」(3つのきょうかん)によるコミュニケーションを紹介しています。コミュニケーションの「3かん」とは、以下のようなもの。(1)「共感」子どもたちの思いに共感する(2)「共汗」子どもたちと一緒に汗を流す(3)「共歓」子どもたちと一緒に喜び楽しむこれら他人への「きょうかん」が、人と人との結びつきを強くするというのです。それぞれについて、詳しくご説明しましょう。■相手に寄り添う気持ちを持つだけでOK!「共感」とは、他人の意見や感情に「そのとおりですね」と寄り添うこと。否定してしまうのではなく、同じ思いを示すことが大切だという考え方です。「共汗」とは、一緒に汗を書く、つまり手伝うこと。「お手伝いできることはありませんか?」のひとことは、「人と人をつなぐ言葉」だと著者は考えているそうです。なぜならそのひとことは、「あなたと一緒に汗をかきますよ」という「信頼」につながるから。そして最後は「共歓」。自分が「うれしい」と思ったとき、相手も自分のことのように「一緒に喜んでくれる」と、もっとうれしい気持ちになるものです。喜びを人と分かち合うと、喜びが2倍になるといっても過言ではないわけです。だから相手が喜んでいたら、一緒に喜んであげることが大切だということ。他人に「きょうかん(共感/共汗/共歓)するとは、いいかえると「相手の立場になる」こと。「3かん」を心がけて人と接すれば、相手の気持ちがわかるようになり、「味方」になることができるというわけです。つまり、特別なことをする必要はないのです。寄り添う気持ちを持って「同じ感情を分かち合う」だけで、相手から「この人だったらわかってくれる」と思われる人になれるのだから。そしてその結果として、多くの人が「味方」になってくれるということです。*決して難しい主張をしているわけではなく、アプローチはシンプルで柔らか。だからこそ、「気がきく人」になるためのメソッドを無理なく理解することができるはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※松澤萬紀(2016)『1秒で「気がきく人」がうまくいく』ダイヤモンド社
2016年08月02日映画監督の大林宣彦親子、美術家の横尾忠則親子など、多くの著名人親子をはじめ、これまでに約6000組もの親子を撮影してきた写真家のブルース・オズボーンさん。2003年に「親子の日」を提唱して以来、毎年7月の第4日曜日に100組の親子写真を撮るフォトセッションを開催しています。今年で14回目となる親子の日を前に、長年ファインダー越しに親子を見つめてきたブルースさん佳子さん夫婦に「親子の日」をはじめたきっかけや「親子の日」に込められた想いを伺いました。 「親になるってどんなこと?」素朴なギモンから始まった親子撮影オズボーンさんは写真を学び、アメリカや日本で写真家として活動。親子の日のきっかけになったのは、1982年に友人からパンクバンドの若者を撮影してほしいと頼まれたこと。撮影したのは、あの有名なパンクロックバンド「アナーキー」の元ボーカル、仲野茂さんでした。「ちょうど第一子が生まれる直前で、2人でよく『親になるってどんなことなのかな?』という話をしていた頃でした。仲野さんを撮影するとき、パンクロッカーのお母さんってどんなかたなんだろうと思って、ダメ元で『親子の写真を撮らせて』ってお願いしたらあっさりOKをもらえたんです」(佳子さん)実は、お母さんは茂さんの一番のファン。撮影してみて、とても仲の良い親子だということがわかりました。この1枚の写真が親子というテーマで写真を撮り続けるきっかけになったそうです。仲野茂さんとお母さん写真撮影が親子の絆を取り戻すきっかけに最初の頃、オズボーンさんは、親子から日本社会を切り取りたいと考えていました。寿司屋のお父さんと同じく寿司屋になった息子さん、真面目な仕事をしていたお父さんの娘さんがポルノ女優になっている。親子関係から親子の歴史、日本の時代が移り変わっていく様を表現したいと考えていたそうです。でも、どの親子もユニーク。切っても切り離せない「親子」という関係自体に関心が向くようになったと言います。2015年にオリンパスギャラリーで開催した親子写真展覧会には、美智子皇后陛下も来場され、「日本人は表情が乏しいと言われているけれど、みんな生き生きとした表情をしていますね」というお言葉をかけられたそうです。「大人になれば親子で一緒に何かするという機会はなかなかありません。カメラの前に立たされると、みんなどうしていいか戸惑います。こちらからポーズを指示せず、自分たちで話合って決めてもらいます。大人が二人、『どうしよう』って表情で照れている様子も、その親子らしさが現れています。何千組もの親子を撮ってきたけれど、それぞれ個性があって毎回発見があるんです」(ブルースさん)オズボーンさんが撮る親子は年齢も職業も様々。活動を始めてから34年、最初は身体の大きな力士のお父さんと小さい子どもだったのに、2回目の撮影ではお父さんと同じぐらい力強い力士になっている。そんな息子と一緒に誇らしげな表情で写真に写っているお父さん。3回目に撮影したときは、息子さんも引退して、お父さんと一緒にちゃんこ鍋屋さんをやっていました。こうした親子関係の変化が1枚1枚の写真から見えてくるのが面白い、とブルースさんは語ります。「親子写真を撮ってもらいたいという人の動機は様々です。離婚が原因で長い間疎遠になっていた親子の距離を縮めたこともありました。決して仲が悪かったわけではないけれど、撮影がきっかけで自然に会話できるようになったという親子もいます」(ブルースさん)「親子でもうまくいかないのは当たり前。修復しようと頑張ってもなかなか距離が縮まらない。でも親子って本当に些細なことでも仲直りできてしまうんです。写真はきっかけに過ぎないけれど、親子のコミュニケーション手段として役に立っているんだなって感じることも多いです」(佳子さん)オズボーン家の親子写真「“父の日”や“母の日”があるなら“親子の日”があってもいいよね」オズボーンさんの親子写真に世間の注目が集まるようになると、オズボーンさんと佳子さん夫妻は「もっとみんなが親子関係を見直す機会をつくりたい」と考え、「親子の日」のアイデアを思いつきます。「5月の第2日曜日は母の日、6月の第3日曜日は父の日。7月の第4日曜日は『親子の日』にしよう!その日に親子撮影会をするという告知を新聞に掲載してもらったら、たくさん応募がきて100組の親子が集まったんです。こんなに反響があるなら来年も100組撮影しようということになって今日まで続いています」(佳子さん)1年目は自分たちだけの力で開催したので大変でした。でも、2年目からはスポンサーがついて、2005年には日本記念日協会さんが「親子の日」を正式に記念日として認定してくれました。「アイデアを思いついて実行に移すまで2年かかりました。でも、ひとつアクションを起こしたことで、私たちが何をやりたいのか、何をやろうとしているのか伝えることができたのが大きな成果でした」(ブルースさん)親子というベーシックな関係を見直すことが世界平和につながっていくロサンゼルスで友人を介して出会ったオズボーンさんと佳子さん。誰よりも多くの親子に出会ってきたお二人は「親子の日」に様々な想いを込めてこのビッグプロジェクトを推進しています。「共働きの親が増え、みんなケイタイばかり見ている。そんな変化に注目してしまうけど、命を次の世代に受け継ぐ、本質的な親と子の関係は時代や環境が違っても変わっていないと感じています。 “家族”じゃなくて”親子”というテーマを選んだのは、 “親子”が家族や社会のベースとなる最も基本的な関係だからです」(ブルースさん)「世の中には幸せな親子関係だけではありません。みんな自分の親から平等に命を授かっています。“親子”は自分の原点、親子の関係を見つめ直すことで、自分の存在に自信をもって誰もが生まれてきてよかったって思える社会になってほしい。親子関係を大切にすれば、大きな問題も解決できるのではないでしょうか」(佳子さん)現在も変わらず仲睦まじい様子のオズボーンさんと佳子さん。夫婦円満の秘訣は「大きな問題になる前に相手に伝えること」だそう。親子は一番近いからこそ素直になれないことや、ぶつかり合うことも多い難しい関係です。親子関係がうまくいっている人もうまくいっていない人も、今年の親子に日は自分の親や子どもと向き合う時間をつくってみてはいかがでしょうか。7月23日に新宿オリンパスプラザ東京で13:00~「第10 回親子大賞授賞式」を開催。平原まこと、綾香親子やウルトラセブン、ゼロ親子もかけつけます。24日は「親子の日スーパーフォトセッション」も開催、たくさんの応募の中から100組の親子の写真をブルースさんが撮影します。親子の日普及推進委員会公式サイトはこちらブルース・オズボーンProfile公式サイトはこちらArt Center College of Designでコマーシャル写真を専攻。1980年の写真展「LA Fantasies」をきっかけに日本での活動を本格的に開始。1982年から「親子写真」の撮影を始め、撮影した親子の数は6000組を数える。2003年に「親子の日」を提唱。毎年、親子の日に約100組の親子写真を撮る取り組みを続けている。ライター:柏木 真由子
2016年08月01日『会話ははじめの4分がすべて――相手とうちとける最短・最速のコミュニケーション術』(箱田忠昭著、フォレスト出版)というタイトルは大胆なようにも思えますが、そこには明確な理由があるようです。なぜなら著者は、「会話ははじめの3分33秒で決まる」と考えているから。つまり、“およそ4分”だということです。そして重要なポイントが、そのわずかな時間の扱い方によって、その後4分以降の相手との関係性が決まってしまうということ。そこでうまくいかなくなると、相手から好印象を持ってもらえず、面接や営業などの場面においては“それっきり”になってしまう確率が高いというのです。しかし、だとすれば気になるのは、「その4分の間になにをすればいいのか」ということであるはず。とはいえ著者によれば、それはさほど難しいことでもなさそうです。なにしろ、大切なのは「雑談」だというのですから。■「雑談」はコミュニケーションの潤滑油雑談とは、コミュニケーションの潤滑油だと著者は主張します。なぜなら雑談をすることによって空気が緩み、互いをよく知ることができるようになり、それが相手に対する好感につながるから。つまり「3分33秒」の内訳は、こうなるわけです。第一印象:3秒あいさつ:30秒雑談・世間話:3分とてもシンプルな考え方ではないでしょうか?いってみれば著者は本書において、こうした考え方を軸にコミュニケーションのあり方を説いているわけです。しかしコミュニケーションについて考えるとき、大きな壁になるものがあります。それは「初対面では、いったいなにを話したらいいのか?」という問題。話し上手な人からすれば当たり前すぎることかもしれませんが、実際のところ、そのことで頭を悩ませている方は少なくないはずです。ある程度ネタを仕込んで行ったとしても、必ずしも現場でそれが使えるとは限りません。かといって「どうせ雑談だから」と、話の構成をないがしろにしていいというわけでもないでしょう。しかし、だからこそコミュニケーションに際して意識しておきたいのは、「3Kの法則」なのだとか。■相手に好かれたいなら「3Kの法則」を3Kとは、「好意」「好感」「好印象」の頭文字をとったもの。そして、まず真っ先にすべきことは、自分が相手に対して「好意」を持つ努力をすることだといいます。もちろん、もともと嫌いだったり苦手だったりする相手に好意を持つことは容易ではありません。でも初対面であれば、いい意味で相手のよさも悪さもわからない状態。だからこそ、それは好意を持つためのチャンスになるわけです。なお、見た目に注目しすぎると、好き嫌いがはっきり分かれてしまうことがあるので注意。そんなときは、「きっと人格的にすばらしい人のはずだ」「彼から学ぶべきことがあるはずだ」というような姿勢になることが大切だといいます。自分のことを好きになってもらおうと努力する前に、まずは自分から先に好意を抱く。それが大切だということです。■人は自分に好意がある人を好きになる!不思議なことに、心に抱いている感情は必ず相手に悟られてしまうもの。たとえば誰かと接した際、「この人、自分に興味がないな」「私のこと、好きじゃないな」と感じた経験は、多かれ少なかれ誰にでもあるはずです。しかも困ったことに、人はネガティブな感情ほど察してしまうものだと著者は指摘しています。たしかに、そのとおりかもしれません。だとすれば、逆から考えた場合、自分が心のなかで「こいつ、イヤなやつだな」とか、あるいは「この人、いい人だな」と思えば、それは必ず相手に伝わるということになります。そして当然ですが、人は自分に対して好意を持っている人に好感を抱くもの。そしてその好印象は、のちのちまで残ることになります。そういう側面があるからこそ、初対面のときは、好印象を残していくことだけを考えるくらいでちょうどいいというわけです。*本書の魅力は、コミュニケーションを「最短・最速」という観点から捉えている点。たとえばそのいい例が、「3Kの法則」だということです。いいかえれば、コミュニケーションは決して難しいものではないということ。本書を読むと、きっとそんなことを実感できるはずです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※箱田忠昭(2016)『会話ははじめの4分がすべて――相手とうちとける最短・最速のコミュニケーション術』フォレスト出版
2016年07月30日来年小学校入学を控えている長男。学校生活では友達、先生、勉強など…様々な悩みが出てくることでしょう。そんな彼に願うのが「何でも親に相談してほしい」ということ。高学年になれば秘密も出てきますが、低学年のうちや本当に困ったときには相談してほしいと願っています。「何でも相談できる親子関係」でいるには、3~5歳の頃の話の聞きかたに気を付けておくこと。ここで信頼が築ければ、その後も相談してくれるでしょう。子どもが親に相談できない聞きかた5つ子どもは「ママ・パパは私の話を聞いてくれる、私の気持ちをわかってくれる」と確信して初めて自分の悩みを相談します。そう思ってもらえるかは「話の聞きかた」によって左右されます。まずは逆に、「ママ・パパには話せない」と思わせてしまう聞きかたを知っておきましょう。次のような話の聞きかたをしていないでしょうか。(1)否定する親は自分の理想を子どもに押し付けてしまいがち。子どもの価値観を無視し「そんなんじゃダメじゃない!」と子どもの話を否定してしまうと、本当に悩んでいることほど相談できなくなります。(2)親が判断を下す子どもの話を最後まできちんと聞いていますか?話途中で「それはよかったね」「それはダメね」なんて決めていないでしょうか。子どもがどう感じるかは、子どもに聞いてみないとわかりません。最後まで話を聞かずに親が判断を下してしまうと、「何ていえば褒められるかな?」と親の顔色をうかがうようになります。(3)アレコレ聞き出す悩みや失敗した話ほど親は気になるもの。アレコレ根掘り葉掘り聞きたくなります。子どもからすればまるで尋問を受けているようで、あまり聞かれるのも苦痛です。(4)アドバイスする良かれと思ってしてしまうアドバイス。アドバイスにはすべきタイミングがあり、話を聞き始めた最初の段階でするのはお勧めできません。「アドバイスが欲しいんじゃなくて話を聞いてもらうだけで良かった」と思うのは、女性にも多いのではないでしょうか。(5)ポジティブを押し付ける子どもが弱音を打ち明けると、「このままでは子どもがダメな子になってしまう」という焦りからポジティブな言葉をかけようとしがち。「何とかなるから頑張って」など、ありきたりな応援もしがちです。しかし落ち込んでいるときほどポジティブな言葉がキツイこともありますよね。子ども自身十分頑張っていますし、これ以上頑張れないから弱音を吐くのです。ポジティブ返しでは「わかってもらえない」と思われます。オウム返しで繰り返し、共感する実は子どもに悩みを話されたりネガティブな発言を聞いても、特別なことを言う必要はありません。子どもの言うことをそのまま繰り返して共感しましょう。「悔しかったねぇ」「嫌な思いをしたねぇ」といえば、「親が自分の気持ちをわかってくれた」と安堵し、子どもはその場でもっと泣いたり弱音を吐くことができるでしょう。ネガティブ感情を出し切れれば、案外子どもは自分でその後のことを決めます。もう1回チャレンジするか、止めるか、方法を変えるか…そこでアイディア出しを親が手伝っても良いでしょう。子どもの悩みを「親が解決してやる」のではなく「ネガティブ感情を吐き出し、勇気が出るサポートをする」と考えましょう。これを意識することで、子どもも親に悩みを話そうと思えるようになります。ライター:宮野 茉莉子
2016年07月28日こんにちは。心理カウンセラーの小高千枝です。前回の【ダンナのトリセツ】では『ダンナ好みの妻になる』ことについてお話いたしました。みなさんの内面と外面の魅力を引き出し、生涯のパートナーとしてご主人と、お互いに心地よい関係を築き上げるために、“ダンナ好みの妻”になる。そして、結果的に妻としてだけではなく、母として女性としても人生を楽しめるようになる。“自分のため”にもなるのです。では、そうやって心身ともに輝いている “妻” をみてご主人はどう感じると思われますか?■妻が変わることで、ダンナに与える影響妻であるみなさんが、女性の感情論で騒がなくなったり、ご主人が誰と連絡を取り合っているのかを気にしなくなったりしたとき。また、気持ちが安定してくると心も安定し、そして、その内面の穏かさが外面に影響を与えて “ダンナ好みの妻” になったとき。ご主人の中で、喜びとともに “小さな不安感” も芽生えます。『うちの奥さん最近、キレイになった』『モテそうで少し心配。。。』そうなると、ご主人はどうされると思われますか?『自分も努力しないと置いていかれそう』『一緒に何かを楽しみたい』プラスマイナスの感情が交差し、様々な葛藤が生じる可能性があります。■男性本能をノンバーバーバルコミュニケーションでくすぐるコミュニケーションにおいて、言葉で伝えることも大切ですが、視覚情報で訴えることの効果もあります。バーバルコミュニケーション ・・・ 言語的コミュニケーションノンバーバルコミュニケーション ・・・ 非言語的コミュニケーションノンバーバルコミュニケーションは言葉以外のメッセージを示し、声、表情、振る舞い、服装、スキンシップなどを意味します。言葉で語らなくても、ご主人の視覚に働きかけ、今までただただ共同生活を送っていただけの関係に、ちょっとした“ソワソワ”感を与えてみては? 【ダンナのトリセツVol.1】でお伝えした男性の支配欲、名誉欲をノンバーバルコミュニケーションでくすぐってみましょう。自尊心が高まり、輝きが増し、いつも笑顔で毎日を楽しんでいる奥さまを見て、ご主人にも何か変化が訪れるかもしれません。 ■やり過ぎのバランスには注意が必要長期戦ではありますが、奥さまが変わることで、ご主人の思考癖や価値観に刺激を与えることは可能です。他人は自分の思いとおりに変えることはできませんが、自分自身が変わることで人の心に影響を与えることはできるのです。ただし、やり過ぎのバランスには注意が必要です。あまり、やきもちを焼かせるようなことをしてしまうと本末転倒なことになります。支配欲の強さから束縛心が強くなってしまったり、寂しい気持ちにご主人がなってしまわないように、バーバルコミュニケーションも勿論取り入れ、言葉として愛のあるメッセージを発しながらもじわりじわりと、ノンバーバルコミュニケーションで歩み寄ってみてくださいね。 ・第1回 ダンナの力量は妻が決める ・第8回 「ダンナ好みの妻になる」が意味すること ・連載『ダンナのトリセツ』
2016年07月25日結婚後のライフスタイルは人によってそれぞれで、正解はありません。だからこそヒントは得たいと思うはず。そこで今回は考えかたの違う夫婦が“結婚生活”を送る上でヒントになる、実話をベースにしたマンガを5つ紹介します!現在の生活と照らし合わせて、ぜひ読んでみてください。1. “新婚あるある満載!”けらえいこ『たたかうお嫁さま』(メディアファクトリー)内容紹介『あたしンち』で有名な漫画家けらえいこさんが自身の結婚直前から新婚時代を描いたエッセイマンガ。プロポーズへの誘導、お互いの両親との挨拶、式場選び、結婚式当日などがリアルに描かれています。こんな人にオススメ!:新婚ホヤホヤのあなた誰でも楽しめる結婚入門マンガ。「ちょうど良い式場がない…」「式に呼ぶ人をに悩む…」といった新婚あるある満載で、男女の考えかたの違いが分かりやすく紹介されています。新婚ホヤホヤでこれから色々な家庭内ルールを決めていこうとしている人にぜひオススメしたいです!結婚1年目の夫婦あるあるを描いた『セキララ結婚生活』や結婚生活7年目を描いた『7年目のセキララ結婚生活』も併せてどうぞ。2. “オタクと結婚するということ”安野モヨコ『監督不行届』(Feelコミックス)内容紹介『働きマン!』などで人気の漫画家安野モヨコさんが、「カントク」さんとのオタク夫婦生活を可愛く描いたエッセイマンガです。夫である「カントク」さんは「新世紀エヴァンゲリオン」の監督である庵野秀明さん!「日本のおたく4天王」とも呼ばれる庵野さんの極まったオタクっぷりに戸惑いながらも、夫の影響でどんどんオタク度が増していく安野さんの変化に注目。こんな人にオススメ!:好きになった相手がオタク寄りだったあなた赤裸々に語られる庵野監督のオタクっぷりやこだわりが面白い!旦那さんがオタク寄りの奥様は共感して笑い転げられること間違いなしの一作です。これを読めば今まで許せなかった相手の趣味も理解できるようになって、円満な結婚生活を送れるかも!?3. “理系男子を理解する”高世えり子『理系クン 夫婦できるかな?』(文藝春秋)内容紹介理系男子に萌える文系女子の高世えり子さんと、典型的な”理系クン”である「N島クン」との新婚生活を描いたマンガ。理系ならではの独特な生活に驚きながらも、少しずつ理解し合い夫婦の絆を深めていくさまが描かれます。こんな人にオススメ!:理系男子と出会ったあなた「新居の家電は徹底的にリサーチ」「料理は科学実験のように細かく」「ツールを使ってしっかり家計を管理」など、結婚後も変わらぬ”理系クン”っぷりを発揮するN島クンに戸惑う文系奥様。「考えかた」の違いをどうやって乗り越えていくのかに注目です。独特の魅力を持つ理系男子に惹かれてしまった文系女子にオススメ!。同シリーズの付き合いはじめを描いた『理系クン』、付き合い、結婚式を挙げるまでを描いた『理系クン結婚できるかな?』、子どもが出来てからを描いた『理系クンイクメンできるかな?』も併せてチェックすると楽しさ倍増です。4. “いざ、国際結婚!”小栗 左多里『ダーリンは外国人』(KADOKAWA/メディアファクトリー)内容紹介人気シリーズ「ダーリンは外国人」の1巻目。漫画家の小栗左多里さんとジャーナリストのトニー・ラズロさん夫婦の結婚生活の「現実」が描かれています。映画を観たときの感情表現やお互いの呼び名、ジョークの感じ方など、国際結婚あるある全21ルポを掲載、夫の出身国別にみる「暮らしのコツ」も収録。こんな人にオススメ!:国際結婚も視野に入れているあなた井上真央さん主演で映画化もされた人気シリーズ。国際結婚したばかりの2人の初々しさを楽しめるだけでなく、日本との文化の違いや英語の単語の意味などを学ぶこともできます。国際結婚も視野に入れているかたや、既に外国人の旦那様との文化の違いに戸惑っているかたはチェックしておいて損はないかも!?ハマったら、続編シリーズや実写映画も観てみるといっそう楽しめますよ!5. “愛する相手がうつになったら…?”細川貂々『ツレがうつになりまして』(幻冬舎)内容紹介突然うつ病になった「ツレ」とそれを支える妻の日々を明るく描き、大ベストセラーとなった純愛コミックエッセイ。「いつものことが出来ない」「起きることができない」など具体的な行動を通じて、うつ病の症状や対処法をわかりやすく理解できます。こんな人にオススメ!:愛するパートナーが最近、元気ない…?と思ったあなたこちらも堺雅人さんと宮崎あおいさん主演で映画化された一作。旦那さんが最近、元気ないかも…?と不安になったときに読むと、うつとは限らなくても何かのヒントが得られるかもしれません。長く続く夫婦での生活を心身ともに健やかに過ごすためにも役に立つこと間違いなし。 今回ご紹介させていただいたマンガはちょっと特殊な旦那様のケースが多いかもしれませんが、「考えかたの違い」について描かれたこれらのマンガは、きっとあなたの助けになるはず。ぜひこちらの“結婚マンガ”を読んで、さらに良い結婚生活を送ってください!ライター:オレンジいわさき
2016年07月22日こんにちは。接客コンサルタントの樋口智香子です。周囲から愛され、信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。社員食堂や飲み会の席のようにガヤガヤしている場でも、誰かの口から出た自分の名前は聞き取ることができ、思わずそちらを向いてしまう、といった経験はないでしょうか。これは「カクテルパーティ効果」と呼ばれ、1953年、心理学者のコリン・チェリーによって提唱されました。「カクテルパーティのように、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも、自分が興味のある人の会話、自分の名前などは、自然と聞き取ることができる。このように、人間は音を処理して必要な情報だけを再構築していると考えられる」というもの。人間の最大の関心ごとは「自分」であり、なかでも名前は、自分を表すもっとも身近な存在です。実際、株式会社マーシュが20~50代の男女480人に、自分の名前の印象について「自分に似合っている/名前負けしている」のどちらに近いか尋ねたところ、「自分に似合っている」に近いと回答した割合が、気に入っている人は9割以上でした。これを、コミュニケーションに生かすことができます。会話中、意識的に相手の名前を呼ぶことで、親近感を持たれやすくなるのです。実際、予約をしたレストランなどで「○○様、お待ちしておりました」と名前を呼ばれると、気分がいいですよね。とはいえ日常会話の場合、とってつけたように名前を連呼するのは不自然です。そこで、どのように呼べばより効果的かをご紹介します。■1:質問をするときに自然に名前を呼ぶ名前を呼ぶのにもっとも自然なのは、質問をするときの冒頭です。「○○さんは、どちらからお越しですか?」「○○さんは、どんなお仕事をなさっているのですか?」「○○さんは、どうお考えですか?」どれも、自然な会話のフレーズですね。名前の呼びかけを意識するなら、まずはここからはじめましょう。■2:相手が呼んでほしいと思う呼び方で呼ぶ人は「自分のことをこう呼んでほしい」という、好きな呼ばれ方がありますよね。関係性にもよりますが、「どのように呼ばれたいか」本人に尋ねてみてはいかがでしょうか。「なんとお呼びすればよろしいでしょうか?」と、ダイレクトに聞いてしまいましょう。一般的に女性は、苗字よりもファーストネームで呼ばれたほうがうれしいものです。相手の年齢にもよりますが、年下の女性であれば「○○ちゃん」と呼ぶのもいいですね。逆に、親しくなっているにもかかわらず、いつまでたっても「苗字+さん」と呼びあうのは、少々味気ないものです。また、周囲の人がニックネームで呼んでいるのを耳にし、「自分もそう呼びたい!」と思った経験はないでしょうか。この場合も、率直にその思いを伝えましょう。「私も、○○とお呼びしてもいいですか?」と尋ねれば、たいがいOKをもらえるはずです。■3:「ありがとう」と一緒に名前を呼ぶ相手になにかしてもらったときに、お礼と一緒に名前を呼ぶのも効果的です。「○○さん、ありがとうございます!」「○○さんには、いつも感謝しています」「ありがとう、○○ちゃん」言葉には固有のエネルギーがあり、とりわけ感謝の言葉「ありがとう」は波動が高く、プラスのエネルギーを持つといわれています。「ありがとう+相手の名前」で、よいエネルギーの相乗効果が期待できそうですね。*ただし、いくら名前を呼ぶのがいいといっても、呼びすぎはNG。以前、私が通っていた美容室でのエピソードです。「接客中、なるべくお客様の名前を呼びましょう」と教育されているのか、アシスタントの若い女性が、とにかく頻繁に名前を呼ぶのです。「樋口さん、シャンプー台へどうぞ」「樋口さん、椅子の背もたれを倒しますね」「樋口さん、お湯加減はいかがでしょうか?」美容室にいる間、何度も何度も名前を呼ばれ、さすがに辟易してしまいました。過ぎたるは及ばざるがごとし。呼びかけが不自然にならないようにしましょう。(文/樋口智香子) 【参考】※樋口智香子のきらりと光るオトナ磨き※社員の接客力を高める、ビジネスマナーDVD講座
2016年07月20日何度言っても怒ってもわかってくれない息子や夫。次第に怒られ慣れしてきて、「はいはい」「また怒ってるよ」なんてあしらい出す彼らに、「これが男女の違い!?これ以上何を言ったらいいの…」なんて悩んでいませんか。夫と2人の息子と生活する筆者も同じように悩んでいましたが、効果的な叱り方を今回3つほど発見しました。(今回ご紹介するのは3歳以上の男の子になります)理屈で納得してもらう男の子は、女の子より理屈っぽいところがあります。たとえば虫を見たら「気持ち悪い」「面白い」と感覚的に話すのが女の子、手にとってアレコレ触ったり…と生態や仕組みが気になるのが男の子でしょう。実際に長男も「テレビ見るのやめて」といくら怒っても聞きませんが、「目が悪くなる」など理屈で説明を重ねると止めます。自分から「目が悪くなるのは嫌だからこれ以上やめよう」というときもあり、理屈の大切さを感じました。ただし、すぐの理解は望めません。体験の少ない子どもの場合、上記の例なら「目が悪くなると具体的にどうなるか」が実感できないからです。繰り返し何度も「なぜ悪いのか」「それをやり続けるとどうなるか」を説明し続けましょう(長いと逆効果なので端的に)。心から「カッコ悪い」と思わせる「健康への悪影響を説明しても男は禁煙しない。『タバコを吸うのはカッコ悪い』と心から思えば禁煙する」という説を以前聞いたことがあります。男性は女性よりプライドの高い生き物。「かっこいいか、カッコ悪いか」が行動を変えるところがあるのですね。たとえば「家の中でテレビばっかり見てるなんてカッコ悪いなぁ…。この前ブロックでピタゴラスイッチを真似して作ったやつすごかったよね!あの時みたいに自分で遊びを創り出すのっかっこいいし、ママも面白いよ」と言ってみましょう。これは子どもより大人向けですが、理屈で説明しても納得しない場合に使ってみましょう。冷たくするアレコレ言葉を変えてもわかってもらえないと、女性としては「これ以上何を言えばいいの!?」と戸惑います。実は「何も言わない」のが正解。これは大人、子どもともに効きます。たとえば最初に「目が悪くなるからテレビはもう止めて」と注意します。それでも聞かなければ放っておきましょう。やがてテレビを見終わり、ご飯の時間になっても反応を薄く、「あっそう」「ふ~ん」程度に対応します。これで相手は「怒らせちゃった!?」と動揺します。アレコレ言われている間は、怒られてると言っても「自分を見てもらっている安心感」があるんですね。でも突き放された途端、不安になる。不安になってはじめて怒らせた理由を考え出すので、そこでもう一度話をしましょう。ライター:宮野 茉莉子
2016年07月18日インターネットが発達した現代において、連絡の手段としてはパソコンやスマートフォンのメールを使用することが一般化しています。しかしそんななか、「お客との関係づくりにおいて、『手書き』によるお礼はがきの重要性が高まってきています」と主張するのは、『1枚のはがきで売上げを伸ばす方法』(竹田陽一著、あさ出版)の著者。従業員100人以下の会社を専門にしているという経営コンサルタントです。■なぜ「お礼はがき」を出すことが重要なのかでも、お礼はがきを出すことが、なぜそれほどまでに重要なのでしょうか? 「お礼はがきを出すことは、決して軽視できる仕事ではありません」と著者が強調する理由は、果たしてどこにあるのでしょうか?そのことについて、著者はこう記しています。「お礼はがきを出し続けることによって、お客から好かれて気に入られ、忘れられない存在となり得るから」そして、それは、継続的に自社の商品や有料サービスの購入者になってくれることを意味するともいいます。そうしたお客が購入のために出してくれたお金が、自社の利益につながっていくということ。つまり本書ではそのような考えに基づき、お礼はがきを出す「仕組み」のつくり方から文例までを幅広く紹介しているわけです。では、お礼はがきの原点ともいえる「1枚のお礼はがきでuriagewonobasu12カ条」を見てみましょう。[第1条]すべての経営はお客からはじまり、すべての利益はお客のお金から生まれる[第2条]商品をどこで買うかの決定権は、お客が100%持っている。一方、売るほうの決定権は0%である。お客は自分の気に入ったところを優先して選ぶ、と心得よ。[第3条]お客は、自分に関心を示し、自分を知るために努力する人を好きになる。[第4条]もっとも価値ある知識は、お客について知ること。お客の仕事内容と生き方にもっと関心を示し、お客の情報を本気で集めよ。[第5条]真の財産はお客の数である。利益発生源のお客台帳をつくり、内容の充実にもっと時間と人手をかけよ。[第6条]訪問による面会やご来店、それにお客の紹介や銀行送金は新たな出会いである。そのつどお礼はがきを出し、出会いに感謝せよ。[第7条]商品をお買い上げいただいたお客を、決して忘れてはならない。と同時に、お客からも忘れられてはいけない。[第8条]お客との人間関係を維持するためには、売込みを抜きにした「まごころはがき」を年4回出し、固定客の増加に取り組め。[第9条]はがきは、形の変わった「営業パーソン」である。競争条件が不利な会社は、日本郵便の職員を嘱託営業社員と考え、もっと積極的に使って営業力を強化せよ。[第10条]お客との音信不通が、売り上げ不振のもっとも大きな原因になる。はがきを「ついでの仕事」と軽く見るな。自分のモノグサや筆不精を自慢するな。[第11条]社員全員がはがきを出しやすくするために、はがきを出すタイミングのルール化」「専用のはがき」「モデル文章」の3点セットを準備せよ。[第12条]1日30分、はがきを書く時間を確保し、お客への「まごころはがき」を1日あたり5通、年間では1,000通出し、お客への感謝を態度で示せ。この実行は、自分の人格を磨くことになる。■お礼はがきはコミュニケーション円滑ツールこの12カ条をご紹介したことには理由があります。これを見れば、ビジネスに対する著者の考え方がはっきりとわかるはずだから。すなわち、お客のことを考えることがビジネスパーソンにとっての重要な義務であり、大切なお客とのコミュニケーションを円滑にするためのツールとして、お礼はがきを利用すべきだということ。まずお礼はがきがあるのではなく、お客がいるからこそお礼はがきを大切にすべきだという考え方なのです。だからこそ、この考えを理解すればお礼はがきの存在価値も理解できるはず。*感謝の心は大切で、ひいてはそれが売り上げにつながっていく。そんなメッセージが、ここには込められているのです。ぜひ本書の内容にも目を通し、お礼はがきを実践的に活用してみてください。・なお、「客」という言葉そのものが「神」を意味しており、「客」1文字だけで尊敬語になるという考え方から、本書において著者は「客」を「お客様」ではなく「お客」と表記しています。今回の原稿も、その点に準じました。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※竹田陽一(2016)『1枚のはがきで売上げを伸ばす方法』あさ出版
2016年07月15日研修の場で使用されることが多い「まったく間違っている法則」が存在します。それは「メラビアンの法則」といわれるもの。ご存知のない方のために、ご説明したいと思います。情報の伝達経路には、視覚(55%)、聴覚(38%)、言語(7%)の3つの要素があり、それぞれの伝わる頻度を数値化したものが「メラビアンの法則」。これらの数字を並べると、55387になるわけです。先日も、あるテレビ番組を見ていたところ、この法則が取り上げられていました。しかも、かなりの実績のある講師が、知ったかぶりで説明をしていたのですから驚きです。メラビアンの法則は、約20年ほど前にコミュニケーションの技術として広まりました。しかし現在では、提唱したメラビアン自身が「間違った伝わり方をしていること、日常では使用できないこと」を明言しています。ところが提唱者の思惑とは相反して、未だにメラビアンの法則は使われ続けているのです。なぜでしょうか。■メラビアンの間違った伝わり方「参考例」イメージしやすいように、実際の使われ方を説明してみます。研修では次のような感じで説明されていることが多いのではないでしょうか?(これはあくまで“間違った解説の方法”ですのでご注意を)~ここから~視覚(ビジュアル)は、相手と会って直接コミュニケーションをとることです。ところが、相手と直接対面しても55%しか伝わりません。だから、より伝わりやすいようにノンバーバル(身振り手振り)が必要となります。プレゼンや商談の際には、相手により伝わるようにノンバーバルを活用しなければいけません。次に聴覚(音声)です。聴覚(音声)では、伝えたいことの38%しか伝わりません。聴覚とは音声ですから、電話がそれにあたります。ところが電話で話していても、伝えたいことが伝わらないことってありませんか?そこで、伝わりやすいように声に抑揚をつけなければいけません。次に言語(文字)です。言語(文字)では、伝えたいことの7%しか伝わりません。メールって伝わりにくいですよね。メールでコミュニケーションエラーを起こした経験のある人はいませんか?さらに、メラビアンの法則をよりわかりやすく伝えるために、エピソードを用意します。ノンバーバル(身振り手振り)の使い方のうまい人として、誰を思い浮かべますか?いい例がApple社の故スティーブ・ジョブズ。彼は、ノンバーバル(身振り手振り)を交えながら、壇上を右へ左へと歩きまわることで知られていました。このような動作を入れることで、より相手に伝わりやすくなるのです。さあ、部下や同僚、お客様とのコミュニケーションをより潤滑にするために、今日からメラビアンの法則を取り入れてください。視覚(ビジュアル)55%、聴覚(音声)38%、言語(文字)7%。各数字を並べて「55387」です。これは「ゴーゴー(55)サバ(38)ンナ(7)。ゴーゴーサバンナ」といいます。はい声を出していいましょう「ゴーゴーサバンナ!」。今日からすぐに実践できるテクニックです。~ここまで~これは笑いごとではありません。無知な研修講師の間で、まことしやかに伝えられている悪魔の法則なのです。■メラビアンの法則はなぜ矛盾しているのか言語(文字)だけで7%しか伝わらないなら、文書はどうなるのでしょうか。7%しか伝わらないなら、文書で残しても93%の人に伝わらないわけですから、文書の必要性がなくなります。また、業務のやり取りやはメールでは成立せず、書籍なども著者の意図している7%しか伝わらないことになります。聴覚(音声)も38%しか伝わらないなら、外出先から上司に業務報告の電話をしても、38%しか伝わらないことになります「報・連・相」が機能しませんから、社内マネジメントに深刻な影響を及ぼします。視覚(ビジュアル)で55%が理解できるのなら、母国語でない吹き替えなしの映画を見て55%も内容が理解できることになります。言葉がわからずに内容の55%が理解できるとは驚きです。なぜ、このようなトンデモ理論がいまだに使われるのでしょうか。これは私の推測ですが、「55%+38%+7%=100%」なので、数値の指標として使いやすいからではないでしょうか。また、社会におけるコミュニケーションの重要性は誰もが理解していますから、コミュニケーションを説明するにあたって便利な指標なのだと思われます。ところが困ったことに、未だに“メラビアンの法則の素晴らしさ”を教えている先生が大勢いらっしゃいます。学生向けの就職セミナーや、ビジネスマナー研修などで形を変えながら受け継がれているようです。■メラビアンが自身のサイト上で注意喚起!メラビアンの実験は「maybe」いう単語をさまざまな声質で録音して聞かせ、どのような印象を受けたかを測定するものです。強い発音では、普通の発音よりも「そうかもしれない」と感じたことが立証されました。研究自体は、「視覚」「聴覚」「言語」で情報が与えられた際の受け止め方を測定するものでした。もし研修やセミナーで、メラビアンの法則を教えている人がいたら、質問をしてみてください。「メラビアンの法則はどのような実験をもとに導き出されたのですか?」と。ほとんどの講師が答えられないはずです。原文を読んだ講師はまず存在しないでしょうから。ご関心のある方は、メラビアン博士のHP(Mehrabian and nonverbal communication)をご覧ください。そこにはある一文が記されています。「these equations are not applicable」(メラビアン法則は使用できません)。講師がなにを話そうと勝手ですが、私は強い違和感をおぼえます。みなさんも、「メラビアンの法則」にはご注意ください。(文/コラムニスト・尾藤克之) 【参考】※Mehrabian and nonverbal communication-Presentation Tips from Olivia Mitchell
2016年07月13日話し方には気をつけているつもりなのに、なかなかうまく伝えることができない。それどころか、誤解されてしまうこともある。お客様に好かれないし、上司からも生意気だと思われてしまう。そもそも話し方には自信がないものだから、人間関係を築くのが苦手。話し方について、たとえばこういった悩みを抱えている方は、決して少なくないはずです。そこでおすすめしたいのが、『〈引きつける〉話し方が身につく本』(倉島麻帆著、明日香出版社)。その道22年のフリーアナウンサー/スピーチコンサルタントとして活躍する著者が、「魅力ある話し方」を身につける術を解説した書籍です。本書の魅力は、「声の出し方」「聴き方」「話し方」、果ては「表情のつくり方」「身体の動かし方」など、話し方についての方法論に徹している点にあります。浮ついたところがないだけに、話すために必要なスキルを効果的に身につけることができるのです。なお著者は、相手の心を動かす話し方をするためには「4つのスキル」が必要不可欠だと説いています。それは、「抑揚(イントネーション)」「強調(プロミネンス)」「間(ポーズ)」「緩急(チェンジオブベース)」。どれも重要な要素なので、ひとつひとつチェックしてみることにしましょう。■1:抑揚(イントネーション)人前に立って話をするとき、自分に注意を向けてほしいからと、大きな声を出す人がいます。しかし、大きな声ならなんでもいいのかというと、決してそうではないと著者はいいます。なぜなら、ずっと大きな声を出していると、聴いている人は自然と耳から入ってくる信号の強さ、つまり話す人の声の大きさにレベルを合わせてしまうから。聴き慣れると、それほど大きな声だと感じなくなるわけです。そこで重要な意味を持つのが「抑揚」。抑揚をつけると、それだけで言葉に表情が生まれるといいます。声の調子が上がることを昇調、下がることを降調、平坦であることを平調というそうですが、抑揚はこれらの組み合わせで使われるもの。この上がり下がりによって、感情や気持ちの変化を表現することができるということです。■2:強調(プロミネンス)私たちは普段の会話においても、特に大切でしっかりと伝えたいところは自然と際立たせて話しているもの。このように、文章の途中で単語やフレーズを際立たせることが「強調(プロミネンス)」。ちなみにプロのアナウンサーなどは、言葉を「立てる」といういい方をすることもあるのだとか。ただし強調するといっても、単に強く発音すればいいというものでもないようです。もちろん、その部分を強く(声を大きく)して発音すると強調になるわけですが、他にもいろいろな方法があるというのです。具体的には、声を高くしたり、その部分だけをゆっくり発音してみたり、強調したい言葉のすぐ前に間(ポーズ)をとったりしても強調することができるといいます。■3:間(ポーズ)著者によれば、早口で悩んでいる人の原因は、緊張しているからなのだそうです。人は誰でも、息の切れ目、文節の切れ目、次の言葉を考える瞬間など、そのときに応じた一定の間(ポーズ・静寂・沈黙)を無意識にとっているもの。そして、この間をうまく使うことによって、早口の人であっても、それほど早口には聞こえない話し方にすることができるのだといいます。緊張すると余裕がなくなり、一瞬でも話に空白ができることを恐れてしまいがち。空白が怖いから間を取れない、間を取らないからますます早口に聞こえてしまう。そんな悪循環に陥ってしまうということ。だからこそ勇気を持って、間を使えるように練習することが大事。■4:緩急(チェンジオブベース)話にメリハリをつけるには、「抑揚」「強調」「間」の他に、速さをコントロールする技術が有効。「緩急自在」という言葉がありますが、ときにスピードを上げてテンポよく、ときにゆっくりとていねいにと、波をつくようにするわけです。しかも大切なのは、スピードだけではないといいます。声の大きさを変えてみたり、高低を変えてみたりすることによって、ぐっと聞き手を引きつけることができるというのです。そして「言葉に気持ちを乗せて伝える」ということを意識すると、より自然で感情が伝わる緩急を生み出すことができるといいます。*これらは基本中の基本ですが、本書には声の出し方や発音のテクニック、リラックスする方法などを学べるCDも付属しているため、耳で聴きながら実践的なテクニックを身につけることが可能。いってみれば、 “話し方”についてさまざまな角度からアプローチした、とても実践的な内容なのです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※倉島麻帆(2016)『〈引きつける〉話し方が身につく本』明日香出版社
2016年06月27日みなさんは、パートナーのどこが好きですか?性格?もしくは顔?男らしさ?女らしさ?その好きな部分が変わってしまっても好きなままでいられるでしょうか。記憶喪失で性格が変わってしまっても、性別が変わってしまっても、相手を受け入れられるでしょうか。そんなことを考えてしまった漫画が2作あります。「オススメ!めおとブックス!」バックナンバー第1回:他人と一緒に暮らすということ『ラララ』第2回:「わかっているよ・察してよ」信頼過信を2つの漫画から考える第3回:グルメ漫画ブーム!何を食べるかよりも「誰とどう」食べるかが大切第4回:「デキチャッタ!!」産むか迷っているアナタの気を楽にするコミックエッセイ『青山月子です!』/湯木のじん(集英社 全3巻)主人公は高校1年生2回目の青山月子。入学早々、交通事故に遭って記憶喪失になってしまいます。両親や友人たちは「青山月子は友達いっぱいで明るくていい子だった」と言いますが、記憶をなくした今の青山月子はどこか抜けていて、明るく振る舞おうとしても空回り。さらに留年ということで同級生からも浮いています。彼女は人気者だった「青山月子」になろうと頑張ります。「青山月子」になれば、両親や友人たちが喜んでくれる。なによりも強いのは、「『青山月子』にならないと、人に好きになってもらえない」という思い。しかしそう思って「青山月子」になろうとすればするほど、「じゃあ、今の自分は誰なのか」と悩みます。そして変わってしまった娘を受け入れらないのが、母親です。なんで何も思い出してくれないの、月子はこんな子じゃなかった――。母親なら、子どもを温かく受け入れてあげればいいのに…と最初は思います。しかし考えていくと、この母親が冷酷な人間だとは思えなくなります。たとえば、「明るくてよく喋る」という性格に惹かれていた夫や妻が、「無口で物静かな人になった」とき、違和感を抱えたままずっといっしょに生活していくことができるでしょうか。人間、年を取れば考えかたや性格が変わり、どうしても友達付き合いをやめてしまったひとや、距離をとる親戚が出てくると思います。しかし、離れられない家族でそれが急に起きたとしたら。そう思うと、青山月子の母親は普通の人間の姿に映るのです。「母親だから」すべてを受け入れろ、というのはあまりに乱暴です。「青山月子です!」試し読みはこちらそしてもうひとつの漫画。男女の入れ替わり、性格の入れ替わり漫画というのはジャンルとして昔からありますが、「性格はそのままで性別が変わってしまう」という異色の物語が『彼女になる日』。『彼女になる日』/小椋アカネ(白泉社)男女の比率を一定に保とうとする世界で、クマノミのように女の数が減ると、男の中から女へと性別が変わるものが出てくる現象が起こります。この現象は「羽化」と呼ばれ、少々気の少年たちに起こるはずが、男の主人公の幼なじみは高校生で「羽化」、女子高生になってしまいます。性格はそのまま、考えかたもそのまま。顔もほぼそのまま。でも、体は男ではなくて女になっている。主人公は女嫌いで、女になってしまった友人との付き合いかたに悩んだり、でも女になった友人をどこかやはり「異性」として見てしまったり…。読み終わったあと、「これは同性愛?BL?でも男女の物語になってる!? 人類愛!?」と混乱した私は、ありえない想像をしてしまいます。「……もし夫が『羽化』して女になったら…?」えー、えー、どうしましょう。受け入れたい!と自信を持って言いたい、けれども。性格はそのままだし受け入れられる気がするけど、でもやっぱ「男だから好き」になった部分もあるだろうし、また女としての性格がまた出てくるかもしれないし…。逆に私が男になっても夫は受け入れてくれるのか…。こんなことを考えられてしまうほど、「羽化」についてしっかり描かれた、現実感のある漫画です。ひとの、どこが好きで、なにを恋しく、愛しいと思うのか。自分の家族や恋愛をする相手への捉えかた、そして自分の性について、いろいろな価値観についても考えさせられた2作です。「オススメ!めおとブックス!」バックナンバー第1回:他人と一緒に暮らすということ『ラララ』第2回:「わかっているよ・察してよ」信頼過信を2つの漫画から考える第3回:グルメ漫画ブーム!何を食べるかよりも「誰とどう」食べるかが大切第4回:「デキチャッタ!!」産むか迷っているアナタの気を楽にするコミックエッセイライター:三谷 アイ
2016年06月23日いきなりですが、Googleの検索窓に「姑」と入れると、「姑 嫌い」というワードが出てきます。Googleの検索窓にことばを入れると出てくるワードは、いま世の中でもっとも検索されているものです。この結果から予想すると、「嫁姑戦争が勃発している家庭が多い」ということに…。なんということでしょう!?愛する夫を産んだ人とはいえ、姑は赤の他人。夫とは分かり合えても、その親となると難しい。いえ、親だからこそ難しいのかもしれません。では、どうすれば姑と良好な関係を築けるのでしょうか? ご家庭によって事情は異なると思いますが、比較的どの嫁姑にもあてはまるであろう「聖域」という観点でまとめてみました。主婦にとって台所は「聖域」である。例えば夫に「まな板を使ったら立てかけておいてね」とお願いしていたとします。夫がまな板を立てかけず、食器乾燥トレーに置いていたらどうでしょう?「どうして言ったとおりの場所に収納してくれないのよ」と腹が立ちませんか?主婦は家のなかのルールを握っています。「何をどこに収納するか」「どのように家事を進めるか」というルールが明確にあることがほとんどです。とくに、主婦にとって台所は特別な場所ではないでしょうか。家のなかのどこよりも「ルール」を重んじたい、デリケートな「聖域」だと言っても過言ではないでしょう。それは姑にとっても同じこと。むしろ、主婦生活の長い姑のほうが「聖域レベル」が高いかもしれないのです。姑にとっての「聖域レベル」を探る。夫の実家に遊びに行ったら、ぜひ「台所の姑的聖域レベル」を見定めてください。姑さんはどのぐらい凝った料理をしますか? どのぐらい家事にこだわりがありますか?息子である夫は、どのぐらい姑さんの家事を手伝っていますか?もしあなたの姑さんが専業主婦で、そのうえ家事にこだわりのあるお人柄なのであれば、「台所の姑的聖域レベル」は高めかもしれません。「台所の姑的聖域レベル」を知るため、ためしに残りもののお片づけをお手伝いしてみましょう。ラップをかけて冷蔵庫に収納するだけでも、姑さんが「ゴールが同じなら経緯は気にしないタイプ」なのか、「手順や結果のカタチにこだわりがあるタイプ」なのかが分かります。「ラップのかけかた」「冷蔵庫のどの段に入れるか」に指示はありましたか?もし細かい指示があったのであれば、台所の「聖域レベル」は最高域である可能性が高いです。誰だって「自分の聖域」を荒らされたら気分がよくないですよね。姑さんの「聖域レベル」が高ければ高いほど、嫁であるあなたは姑さんを立て、姑さんのルールに従ったほうが争いを起こさずに済みます。姑さんが「手伝わなくっていいのよ」と言ってくれるのであれば、勇気を出してお手伝いを放棄することも視野に入れてください。もちろん、感謝の気持ちはしっかり伝えてくださいね。自分にとっての「聖域」を自覚し、伝える。では、自分にとっての「聖域」はどこでしょうか?家のなかのどこを勝手に触られたらイヤな気分になるのか、じっくり思い返してみてください。多くの主婦のかたにとっては台所かもしれませんが、そうじゃない人もいると思います。どこが自分にとっての「聖域」かハッキリしたら、そこが「聖域」であることを姑さんにしっかり伝えましょう。これで自分が嫌な思いをしたり、イライラする状態を防ぐことができます。もし「聖域」だと感じる場所が複数あるときは、優先順位をつけましょう。いきなりすべての聖域をアピールするとイヤな印象になりますから、「もっとも聖域レベルが高い」と思う箇所に絞って伝えるといいと思います。筆者の場合は台所よりも仕事部屋です。お義母さんを含め、誰が台所を好き勝手に使ってもイヤな気持ちにはなりません。ですがたとえ愛する夫であっても、仕事部屋に入られると落ち着かない気分になります。とはいえ、いきなり「ここはわたしの聖域なので立ち入らないでくださいね」というのはよくありません。伝えかたは姑さんのキャラクターに合わせて工夫してください。わたしは「仕事部屋はすごく散らかっていて恥ずかしいので、ドアを開けないでください」と伝えるようにしています。「張り合い」ほど無駄なものはない。もし、姑と自分の「聖域」がおなじで、そのうえ「聖域レベル」も同程度だったら…?賛否両論分かれるところですが、姑さんに譲ったほうがいいと思います。たしかに、自分の聖域が台所だった場合、自分の家の台所を姑ルールで好き勝手にされたら気分が悪いものです。ですが多くの場合、姑の主婦歴は自分よりずっと長いのです。長い時間守り抜いてきた「聖域」なのであれば、尊重してあげたほうが、良い関係は作りやすいでしょう。別居されているのであれば、姑さんが遊びにきている時間だけの辛抱です。もし同居されているのであれば、辛いですが被りやすい台所や水まわりを「聖域」にすることは諦めましょう。そのかわり、夫に頼んで「聖域」になる場所を用意してもらいましょう。例えば自分の鏡台や机があればいいかもしれません。今回は姑との良好な関係を築く方法を、「聖域」という観点にしぼって考えてみました。とはいえ、それぞれの性格や習慣で事情は大きく異なると思います。どの家庭にもあてはまる方法ではないかもしれませんが、これから結婚されるかた、新婚のかたに少しでも参考になればいいなと思います。うちは、わたしの一方通行な想いでなければ、嫁姑関係が非常に良好だと思います。どのぐらい良好かといいますと、お義母さんとサシで2時間以上語り合えるほどです。お義母さんが帰ったあとに、さみしくて涙が出るほどです。「お義母さんのごはんが食べたいよう」と泣いてしまうほどです。決して「お母さんのごはん」が恋しいわけではありませんのであしからず♪ライター:金延さえ
2016年06月22日こんにちは、接客コンサルタントの樋口智香子です。周囲から愛され、信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。誰しも社会に出れば、多かれ少なかれ「苦手な人」に遭遇しますね。エンウィメンズワークのアンケート調査によれば、「いままでの職場に、苦手な人がいましたか?」との問いに、95%の女性が「いた」と答えています。なんと大きな数字でしょう!仕事をする上で、苦手な人に会うことは免れないと腹をくくったほうがよいですね。しかし「苦手」と感じてしまうと、ついついそれを、周囲にこぼしたくなるものです。特に女性は、共感してもらうことに価値を感じる生き物なので、周囲に愚痴や不満をいいがち。それが転じて「悪口」になってしまうことも、往々にしてあるのです。自分の悪口をいわれるのはもちろん不快ですが、困ってしまうのは、人の悪口を聞かされることではないでしょうか。こわいお話ですが、自分の悪口は、自分の耳には届きにくいもの。むしろ、人の悪口を聞かされることのほうが多いはずです。では、こうした悪口に巻きこまれないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。行動面と心理面、両方の切り口から見てみましょう。■1:【行動面】「You think so」のスタンスで受けとめる悪口をいう人は、自分の思いに共感してほしいのです。「あの人の、こんなところが嫌い」「あの人に、こんな嫌なことをされた」という不快感や不満を、聞き役の人にも同じように感じてほしいのですね。とはいえ同調してしまったら、思わぬ人間関係のトラブルに巻き込まれることもあります。そこで、相手の「共感してほしい」という期待にそむかず、かつ、悪口に同調をしない方法としてお勧めなのが「You think so」のスタンスです。直訳どおり、「あなたは、そう思うのですね」と、「不快に思った事実」だけを限定的に受容するのです。「Aさんって、感じ悪くない?先週の残業だって、男性がいるときは、ニコニコなんでもやるくせに、私と二人きりになったら、全然仕事しないの。本当にむかつくのよね」「そうなんだね、そんなことがあったのね。嫌な思いをしちゃったんだね」悪口そのものではなく、「嫌な思いをしてしまった」という事実にだけ、限定的に共感する。これだけでも、悪口をいう人は「受けとめてもらえた」という安心感を得るのです。■2:【心理面】悪口をいいたくなるのはなぜか考えてみる人を嫌いになり、悪口をいいたくなる理由は、主に3つです。(1)「自分のルール」に違反している人にはそれぞれ自分の価値基準(マイ・ルール)があります。たとえば「目上の人に意見してはいけない」という価値基準を持っている人は、後輩が堂々と自分の意見を主張してくることに不快感を抱きます。ただ、その価値基準は千差万別。誰しもが不快に思うわけではないのです。(2)うらやましいいわゆる、「自分も本当はそれがしたいのにできない」「自分の欲しいものを持っている」という嫉妬です。(3)思いだし嫌い「思いだし笑い」という言葉を「嫌い」に置きかえたものです。少々、心理学的なお話になりますが、これを「投影」といいます。人は、過去の嫌だった記憶や苦手だった人への思いを刺激してくるシーンに遭遇すると、無意識レベルで拒否反応を起こしてしまうのです。悪口をいう人は、このどれかに当てはまると考えてください。そうすれば一歩俯瞰した目で判断することができるので、相手の感情に巻きこまれなくなります。俯瞰をして見ると、以下のように、悪口をいう人を違う視点からとらえることができます。(1)自分のルール違反:「ああ、主張するタイプの後輩が苦手な人なんだな」(2)うらやましい:「もしかしたらこの人は、上司に自分の意見をいいたくてもいえないんじゃないかしら」(3)思いだし嫌い:「以前、目下の人に強く主張されることで、嫌な思いをしたことがあるのかもしれない」こう考えれば、悪口をいう人を嫌悪することなく、どこかあたたかく見守れるようになるはずです。以上、悪口をいう人への対処法でした。悪口に巻きこまれそうになったとき、ぜひ試してみてください。(文/樋口智香子) 【参考】※樋口智香子のきらりと光るオトナ磨き※社員の接客力を高める、ビジネスマナーDVD講座
2016年06月21日気軽にコミュニケーションがとれるSNSやLINEなどは便利なツールですが、実生活での会話や人間との関わりに障害をもたらす問題点もあります。リアルな場で上手くコミュニケーションがとれず、会話が成立しないとか、相手に嫌悪感を与えるようなクセが身についてしまう人も多いようです。それは恋愛にも大きな影響を及ぼしており、たとえば結婚相談所の楽天オーネットが調査したデータでは、独身者の66%が「異性とのコミュニケーションが苦手」と答えています。■コミュニケーションが成立しない理由コミュニケーションが苦手と答える人に共通するのは、「話しが上手くない」「話題がない」「盛り上がらない」といった理由が目立ち、そもそも会話に慣れていないことが原因。SNSやLINEとは違い、リアルな場でのコミュニケーションは目の前にいる相手との会話を成立させることが重要になるため、発する言葉一つ一つが印象につながっていきます。話題がないとか話が上手くないという以前の問題に、相手に嫌悪感を与えるようなコミュニケーションを避けることが大前提。ところが、顔を見ずにコミュニケーションがとれるツールに慣れてしまっている現代人は、いざ目の前の相手と直接会話するとなるとネガティブになってしまうわけです。そうした男女が恋愛の場面においてコミュニケーションが苦手と答えるのは必然的で、まずは根本的に自分の“否コミュニケーション体質”を直すことから始めなければなりません。そこで今回は、相手に嫌悪感を与える「話し方のクセ」についてチェックしていきましょう。思い当たる項目が多いほど、相手に嫌悪感を与えている可能性が高くなります。 ■嫌悪感を与える話しかたのクセ<話に集中できない>会話の基本は相手と向き合い話を聞き、そして受け答えすること。けれど実際には、スマホを見ながら話を聞いたり、ほかのことをしながら話を聞いたりする人が増えています。会話に集中できていない証拠で、コミュニケーションが成立しているとは言えません。ちゃんと相手を見ながら話したり聞いたりするのがコミュニケーションの基本ですよね。<ネガティブな言葉に慣れている>「でも」「だけど」「どうせ」などの否定する言葉を意味もなく乱用する人は、コミュニケーションが一方通行になりがちです。話している相手にネガティブな印象を与えてしまい、話題が途切れてしまうきっかけになります。会話の中で否定語が目立つと、押し付けがましい印象も与えてしまいます。<感嘆詞に慣れていない>感嘆詞(感動詞)とは、「すごい」とか「さすがだね」といった反応を示す言葉。共感していることが相手に伝われば、それだけでコミュニケーションは成立します。つまり、リアクションが大切なポイント。会話に対する苦手意識を克服するためには、共感する姿勢を身につける必要があるでしょう。<すぐに話題をすり替える>自己中心的なコミュニケーションの代表が、すぐに話をすり替える人。相手が話を切り出すと「私もなの!ちょっと聞いてよ!あのね…」といった感じで自分の話にもっていきます。会話の7割が自分中心で、話題が変わってもまたすぐに自分の話にもっていくのを繰り返すクセ。言いたいことを話すよりも、聞き上手になるよう努力してみてはいかがでしょうか。コミュニケーションが一方通行になりがちな人は自覚症状がないため、相手に嫌悪感を与えていることに気づいていないのもひとつの特徴。恋愛にかぎらず、職場や友人関係においても影響がでてしまうので早めに気がつきたいものです。一つでも心当たりがあったなら、問題点を見直して改善することをおすすめします。
2016年06月20日父の日のプレゼントにお悩みではありませんか?そんなかたにおすすめしたいのが、ちょっとおしゃれなネクタイ。実は、“女性がネクタイを選ぶこと”は男性にとっても嬉しいことばかりなんです。今回は前編に引き続き、ネクタイ専門店「giraffe」の須永紀裕さんに、女性がネクタイを贈る際の選びかたと、プレゼントをする上で大切なことをお聞きしました。同時に取材したフフルルマガジンさんでのネクタイ選びの体験レポートを紹介しています!女性も男性も納得できるネクタイの選びかたとは?「女性が『良い』と思ったネクタイと贈る相手(男性)が好きそうなネクタイが違ったときは“中間”のデザインを探すんです。結果的に中間のものだと、どっちつかずのものになっちゃうから女性はそんなに納得できない…。でも、相手が好きそうなものは男性が自分でも買えるから、女性が『良い』と思ったデザインが選ばれやすいです。でも、やっぱり気になる、というかたは中間もいっしょに買ったりとか」プレゼントにネクタイ2本!?と思いきや、もしかしたらそこには重要な意味があるのかもしれない、と須永さんは言います。「女性が選んだものを見せて『派手だな』って思われてしまっても、女性の好みと男性の好み、半分ずつのものだと男性も『これいい!』ってなりやすい。その時点で自分の中になかったものを取り入れられているんですよね。普段、自分が選ばないものでも受け入れる余裕ができるんです」中間のデザインは、2人の好みを繋いでくれる、ひとつの突破口なのかもしれません。中間のデザインは普段使いに、女性好みのデザインはちょっと特別なときに、といった使い分けもしてもらえると考えれば、贈るほうとしても安心ですね。また、プレゼントするだけでなく、つけた姿を実際に「認めてあげる」「褒めてあげる」ことも重要。普段と違う自分に対する自信のなさが払拭されて、堂々と外に出られるようです。ストライプにドット柄のネクタイを決め、いかにも“おしゃれ”な須永さんでも、見慣れないファッションに悩むことはあるらしく、そういうときは「人に聞く」そうです。自分が贈ったネクタイをつけてもらって、褒めるのは簡単です。だって、自分が良いと思ったものだから。素敵だな、って思いますよね。「お酒好きのお父さんにはこれ!」と須永さんが見せてくれたのが、黒地にお酒の絵柄がプリントされたデザインのネクタイ。実は裏側に「DO NOT DISTURB(飲み過ぎて眠いからおこさないで!)」というメッセージが潜んでいます。かわいい!大切なのは“相手を想う気持ち”相手がつけてくれるかどうかも重要ですが、結局のところプレゼントする気持ちが大切なんです、と語る須永さん。女性がネクタイを贈る根本には、「相手に素敵な男性でいて欲しい」といった思いが込められているといいます。「女性は男性に対して『この人、こうしたらもっと良くなるのにな』って気持ちがあると思うんです。それこそ自分のパートナーには素敵でいて欲しいですし、自分の選んだものをつけて行って、相手が評価されたら、嬉しいですよね。普段自分が選ぶものと違っていても、恥ずかしがらずに外に出て、もっと素敵になりなさいと。そんな気持ちで渡しているのかな、と思っています」確かに、相手に素敵でいて欲しいから、自分が良いと思ったものを贈りますよね。それに、「似合う?」と聞いてきたり、周りの人に喜んでいる姿を見たら、こっちも嬉しくなっちゃいます。でも、もしつけてもらえなかったら?プレゼントを受け取った相手の反応を見るまでは、やっぱり不安です。そんな女性に対して、「物をあげるだけがプレゼントではない」という心強いお言葉をいただきました。「これ本当にしてもらえるのかなと不安に感じても、『して欲しい』『あげたい』という気持ちは折れないですよね。でも、万が一つけてもらえなかったとしても、そうやって、相手のことを想って悩んでいる時間、それがすでにプレゼントですよね」何より大切なのは自分が、“相手のために何かをしたい”という気持ち。自分がもらう立場だったら、「何時間も悩んで、もしかしたら好みとは違うかもしれないけど、どうしてもあげたいと思ったから、これを選んだんだ。きっと似合うよ」なんて言われたら、それだけで幸せな気分になっちゃいませんか?金メダル型のネクタイピンは、「いつも頑張っているお父さんにありがとうの一等賞を」というコンセプトのもと、メダルをかける行為とネクタイを締めてあげる行為が似ていることから作られました 「それでも悩んだときは、デート感覚でもいいし、いっしょにお店に来てください。いっしょに選びましょう」という須永さん。旦那さんと、お父さんと、たくさんあるネクタイのなかから「これ、似合うんじゃない?」なんて話しながら最高の一品を見つけるのも楽しそうです。実はネクタイはコミュニケーションツールにも最適。男性が、もらったネクタイをつけて周囲の人に褒められることで、「褒められたよ!」と言ってくれたり、それでなくとも、「これ似合うかな?」「素敵だよ」というやりとりだって、日常とは少し違った、楽しいひとときになりますよね。今度の父の日には、「いつもありがとう」の気持ちを込めて、女性が選んだ素敵なネクタイを贈ってみてはいかがでしょうか?giraffe WORK TO SHOP Sendagaya【営業時間】Open : 平日 12:00 – 20:00 / 土曜・日曜・祝日 11:00 – 20:00 / 不定休【所在地】東京都渋谷区神宮前2-34-20 シャーレー原宿 2F【電話】03-6455-5892giraffe 公式サイトフフルルマガジン ネクタイ選び体験レポート:父の日プレゼント!!「妻が選んだネクタイをしめたら、お父さんがかっこよくなった!!」前編はこちら:父の日のプレゼントにいつもと違ったネクタイはいかが?前編ライター:山口聖子
2016年06月16日父の日のプレゼントって、悩みますよね。旦那さんに、お父さんに、お義父さんに、「いつもありがとう」の気持ちを伝えたいけれど、喜んでもらえて、“1回あげたきり”で終わらないものが良い…考えていくと、意外と難しいものです。そんなかたにおすすめしたいのが、ちょっとおしゃれなネクタイ。ネクタイ専門店「giraffe」の須永紀裕さんによれば、“女性がネクタイを選ぶこと”は男性にとっても嬉しいことばかりなのだとか。その心をお話しいただきました。今回はメオトークもお世話になっているフフルルマガジンさんとの共同企画。フフルルマガジンさんの体験レポートとともにお楽しみください。男性と女性の「ネクタイの選びかた」、その違いとは?そもそも、男性と女性ではネクタイの選びかたがまるで違うそうです。giraffeのネクタイの価格は1本1万円程度。安くはないけど、高級ネクタイというほどではありません。この価格がミソなのか、男性はそれなりの用途があって来店されるかたが多いのだとか。「男性の場合、ネクタイは用途があって買うことが多いです。仕事や結婚式で使いたいとか、ファッションとか。特別な機会がないのにネクタイ買おうなんておしゃれな人は少ないかもしれません。値段的にも安いというわけではないので、特別な思いを持って選ばれるかたが多いですね。選ばれるのは実用的なものです」実用的であるがゆえ、無難なデザインを選びがちなのが男性。「職場でこれをしてたら、怒られちゃうかな」というように、ネクタイのデザインを選ぶ基準は少し控えめなのだそうです。しかし、女性の場合は少し事情が違っている様子。「女性はとにかく『わあ、かわいい!』で純粋に自分が良いと思ったものを選ぶかたが多いです。そうなると一度、付ける相手の顔を忘れてしまって、『とにかく自分が良いと思ったこのネクタイを買おう』という気持ちになるみたいで(笑)。そのあとに相手の顔を思い出して、『似合わない』とか、『無理だな』ってなるんですけど、でも、やっぱりつけて欲しいんです。じゃあ、うちの旦那はどういうときにつけるんだっけ?仕事だ。仕事でこれはダメかな〜となったら、今度は別の発想をする。『仕事だとダメかもしれないけど、今度結婚式がある!』といったように、自分が良いと思ったものを買いたい気持ちが強く、それに理由を付加していくんです」父の日におすすめなデザインのひとつ、ドット柄のネクタイ。シンプルなピン・ドットに加え、黒いドットがプリントされていて、さりげなく凝ったデザインになっています女性が「かわいい!」と飛びつくデザインは、用途から選ぶ男性のものに比べて、少し派手めなイメージですよね。いくら自分がかわいい、つけて欲しいと思っても、男性的にはつけにくいこともあるのでは…?と危惧しますが、実はそうでもないらしいです。「女性視点での選びかたは、男性にはない要素なんです。男性も『無難なもの以外、絶対にしたくない!』というわけではない。でも自分で購入するとなるといろいろ考えてしまって、一歩踏み出せないところがあるんですよね。でも、プレゼントにもらうことでつける理由ができたり、『結婚式』などの用途も作ってもらうことにより、つけやすくなるんですよ」男性は「これ“で”いい」を選ぶけれども、女性は「これ“が”いい」を選ぶ。選ぶ視点の違いがあるからこそ、男性にとっては自分にない新しいイメージを取り入れたり、自分では選べなかったデザインのネクタイをつける後押しになったりするようです。「最初はつけている自分に自信がないかもしれません。でも、奥さんが褒めてくれたり、仕事や結婚式につけて行って『素敵なネクタイだね』って言われると、嬉しいですよね。そうすると男性は『こういう道もあるんだ』って自分が選ぶ幅が広がるんです。今までは紺のネクタイしかしていなかったけれど、自分はこういう色もいけるんだ、そういうのを初めて知ることができるんです」女性がネクタイをプレゼントするのは、男性が自分では今までできなかったことにチャレンジするための、きっかけ作りなのかもしれません。そうは言っても、実際に選ぶとなると慎重になってしまいます。自分が「かわいい!」「あげたい!」と思っても、あの人はきっとこっちが好きなんだろうな〜なんて。須永さんにお聞きすると、そんな悩みを抱える女性は多いのだとか。いったいどうやったら解決できるのでしょうか?(後編に続く)ライター:山口聖子
2016年06月15日『誰からも必ず「よかった! 」と言われる話し方39のコツ』(夏川立也著、日本実業出版社)の著者の経歴は、少し変わっています。なにしろ京都大学在学中に桂三枝(現在の六代目・桂文枝)師匠に弟子入りし、卒業後は吉本興業の芸人として活躍したというのですから。そればかりか、長寿番組としておなじみの「新婚さんいらっしゃい! 」で、10年間にわたって前説を務めてきたのだとか。しかも、芸人として経験を積む過程において「場の空気づくり」に着目。結果的には、そのロジックを体系化した「パワー・コミュニケーション」プログラムを開発したというのです。そして現在はコミュニケーションコンサルタントとして、講演・研修活動を10年間以上にわたり続けているのだそうです。注目すべきは、「人前でうまく話すために求められるのは『話す内容』だけではなく、次の3つの要素だ」と主張している点です。■うまく話すために必要な3つの要素・コンテンツ(内容)話す内容を精査し、より聞き手の感情に響く内容(言葉)を準備すること・パフォーマンス(表現)表現能力を高め、より効果的に聞き手に届けること・フィールド(場/空気)パフォーマンスを発揮しやすい、ホームの状態にすべく場の空気をつくることこれら3つのすべてが必要で、どれか1つだけが欠けたとしても、人前でうまく話すことはできないといい切るのです。しかし、そうであるなら、「コンテンツ」を精査して「パフォーマンス」を高めるためのコツを知ったうえでトレーニングをし、「場」を味方につけて話せるようになれば、人前でうまく話せるようになるはず。そこで本書では、「場づくり」「ネタづくり」「パフォーマンス」、それぞれのコツが紹介されているというわけです。■それなりの結果を出せるようになるところで多くの人の前でスピーチをするときなどに、最後まで聴衆を話しに引き込むことができず、そのまま終わってしまったというような経験のある人は決して少なくないはず。しかしこのことについて著者は、「人前でうまく話せるというのは、誰もが感動する奇跡的な一世一代のものすごいスピーチができるということではない」と主張しています。人前でうまく話せるとは、どんな聞き手でも、聞き手がどんな状態でも、それなりの結果を出せるようになること。聞き手のフィーリングが合うとき、よい結果になるのは当たり前の話。つまり、聞き手の間合いや、「なんとなく波長が合わないな」というときでも、それなりに引き込みながら、ペースをつくっていけるかどうかが重要だということ。■こちらのペースに「引き込む」秘訣しかし、そうはいってもそれは簡単なことではないはず。しかしネタづくりにおいては、たとえ自分の調子が悪かったとしても、聞き手をこちらのペースに引き込んでいくための秘訣があるのだそうです。それは、“テンションをマックスにして話すことのできるフレーズ”を“開始3分以内”に組み込んでおくこと。たったそれだけのことで、絶大な効果を生み出せるというのです。■テンションポイントを用意して話す「テンションは心のボリュームである」と著者はいいます。カラオケで絶叫したり、思いっきり声を出したりするなどエネルギーを解き放つことで、余計な力が抜けて気持ちが楽になることがあります。心のボリュームをマックスにするとは、これに近い状態だというのです。だからこそ、不完全燃焼になってしまうことを避けるため、心のボリュームをマックスにできるポイントを意図的に用意しておくべきだということ。そうすれば集中力も増し、雑音(雑念)が消えて緊張の緩和にも役立つそうです。では、具体的にどうすればいいのでしょうか?そのことを説明するため、著者は次の2つのフレーズを比較しています。A「本日はありがとうございます。一生懸命にやらせていただきます」B「本日はありがとうございますっ! いっっっっっっしょう懸命にやらせていただきます!」テンションを最大にするポイントをつくるとは、Bのようなイメージなのだとか。性格的なものも影響するでしょうから、現実的にはなかなか難しそうな気もします。しかしそれでも、できるだけ早い時間、つまり3分以内にテンションをマックスまで持って行き、強調したい言葉に力を込めることは重要。それこそが、著者ならではの考え方なのです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※夏川立也(2016)『誰からも必ず「よかった! 」と言われる話し方39のコツ』日本実業出版社
2016年06月13日